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1957-03-06 第26回国会 参議院 本会議 11号 公式Web版

  1. 昭和三十二年三月六日(水曜日)    午後一時三十八分開議     ━━━━━━━━━━━━━  議事日程第十号   昭和三十二年三月六日    午前十時開議  第一 国有鉄道運賃法の一部を改正する法律案(趣旨説明)     ━━━━━━━━━━━━━
  2. 松野鶴平

    議長(松野鶴平君) 諸般の報告は、朗読を省略いたします。      ―――――・―――――
  3. 松野鶴平

    議長(松野鶴平君) これより本日の会議を開きます。  この際、お諮りいたします。白川一雄君から、病気のため十日間、請暇の申し出がございました。  これを許可することに御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  4. 松野鶴平

    議長(松野鶴平君) 御異議ないと認めます。よって、許可することに決しました。      ―――――・―――――
  5. 松野鶴平

    議長(松野鶴平君) この際、お諮りいたします。去る一月十四日、レムニッツアー硫球民政長官から、沖縄視察のため、国会議員五名の招請がありましたので、衆議院議長と協議の上、本院から議員二名を派遣することとし、本月十一日から十三日まで、鶴見祐輔君、吉田法晴君を派遣いたしたいと存じます。御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  6. 松野鶴平

    議長(松野鶴平君) 御異議ないと認めます。      ―――――・―――――
  7. 松野鶴平

    議長(松野鶴平君) この際、日程に追加して、国会法第三十九条但書の規定による議決に関する件(売春対策審議会委員)を議題とすることに御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  8. 松野鶴平

    議長(松野鶴平君) 御異議ないと認めます。  内閣から、衆議院議員世耕弘一君、本院議員佐野廣君を売春対策審議会委員に任命することについて、本院の議決を求めて参りました。  両君が同委員につくことに賛成の諸君の起立を求めます。    〔賛成者起立〕
  9. 松野鶴平

    議長(松野鶴平君) 総員起立と認めます。よって本件は、全会一致をもって、両君が売春対策審議会委員につくことができると議決されました。      ―――――・―――――
  10. 松野鶴平

    議長(松野鶴平君) 日程第一、国有鉄道運賃法の一部を改正する法律案(趣旨説明)  本案について、国会法第五十六条の二の規定により、提出者からその趣旨説明を求めます。宮澤運輸大臣。    〔国務大臣宮澤胤勇君登壇、拍手〕
  11. 宮澤胤勇

    ○国務大臣(宮澤胤勇君) ただひま議題となりました国有鉄道運賃法の一部を改正する法律案について、その趣旨を御説明いたします。  日本国有鉄道の財政の再建につきましては、国会におきまして、しばしば御論議をいただいたところでありますし、また政府におきましても、臨時日本国有鉄道経営調査会を設置して、広く民間有識者の意見を聴取いたしましたが、国鉄の現状は、累積した老朽施設、車両の取りかえを急速に行なって、輸送の安全を期さなければなりませんし、また一方、最近の国内経済の活況を反映いたしまして急速に増加いたしました輸送需要に対応するため、輸送力の増強も行わなければならず、さらに電化その他鉄道近代化をはかって、サービスの向上、経営の合理化を促進すべき段階に来ておるわけでありまして、これがための資金の調達をいかに行うべきかが国鉄財政の大きな問題であり、ひいては国鉄再建のかぎともなっておるわけであります。  これらに要しまする資金総額は、向う五カ年間でおおむね六千億円程度の巨額に達しますが、このうち約四三%に当るものは、従来の固定資産の維持に充当されるものでありまして、残りの約五七%が経済拡大に伴います輸送力増強、その他電化工事等、鉄道近代化に充当されるものであります。この後者に属します資金の調達は、極力外部資金に依存すべきものでありますが、輸送力増強のための資金といいまして愚、必ずしも採算にのるものばかりではなく、他方外部資金の調達にもおのずから限度がありますので、これらを勘案いたし、さらには過去の償却不足を特別償却するという意味をも含めまして、減価償却費のほかに、ある程度自己資金によります資金の調達を考えることにいたしたわけであります。  以上のような次第で、老朽資産の取りかえを可能ならしめる減価償却費の計上と、採算のとれない輸送力増強施設のための経費に充当すべき自己資金の捻出のために、やむなく運賃の値上げを決意したわけであります。  運賃値上げ率の決定に当りましては、国民生活並びに物価への影響を十分に考慮いたしまして、国鉄の申請案を慎重に検討されました運輸審議会の答申を尊重いたし、さらに、収入においていま一そうの努力を要請するとともに、所要経費につきましては、世論にこたえ、徹底的な経営合理化による節減をもとといたしまして、最小限度の一割三分にとどめることにいたしたわけであります。  なお、この一割三分のうち、約三分は、国有資産等所在市町村交付金及び納付金に関する法律に基き、国鉄が納付金として各市町村に納付するものでありまして、実質的に国鉄の収入増になりますものは約一割増ということになります。  次に、運賃改訂の内容についてでありますが、まず旅客と貨物の関係におきましては、従来の運賃改訂の経緯及び今後の投資計画の内容等をも検討して、旅客、貨物ともにおおむね同一率の増収が得られるようにいたしました。  旅客運賃の改訂内容について申し上げますと、普通旅客運賃の賃率は、おおむね一割三分程度の値上げでありまするが、寝台料金、特別二等車料金及び特別二等船室料金は、今回はこれを据え置くことといたしました。定期旅客運賃につきましては、現在その割引率が戦前に比べまして相当高率になっておりますので、最高割引率につきまして、若干の修正をいたすことにいたしたのでありまするが、学生定期につきましては、現在の学生の生活環境を考慮いたしまして、現行の割引率をそのままに据え置くことといたしましたのであります。  次に、貨物運賃についてでありますが、貨物賃率の遠距離逓減率につきまして、海陸の輸送調整等、政策上及び鉄道の輸送原価の点等を考慮いたしまして、修正を加えることにいたしました。しかし、その結果として、遠距離貨物で値上げ率が大きくなり、国民生活に急激な影響を与えるおそれのあるものについては、個々具体的に検討して、割引その他の特別の措置をとることにいたしたのであります。青函航路及び関門トンネルの貨物営業キロ程をそれぞれ短縮しましたほか、重量減トン制度の改正、着駅変更など、荷主の指図に応ずる場合の運賃計算法の改正、その他諸制度の改正をいたすことになっておりますが、これら運送制度の合理化については、多年荷主側から強い要請歩あったものでありまして、ほとんどいずれも利用者に利益となるものであります。  以上が今回改訂のおもな点でありますが、今日、国見各位に幾分でも負担の増加を願うことば心苦しいところでありますが、この運賃改訂によって得られます増収額は、これをあげて輸送力の増強に資することにいたしまして、国鉄の輸送力を飛躍的に増大して、いわゆる輸送の隘路を打開することが国家の産業経済活動、国民生活により大きな貢献をするものであることを考えまして、運賃改訂も必要やむを得ない措置であると考えた次第であります。  最後に、本法案実施は、来たる四月一日からと予定しております。  以上が国有鉄道運賃法の一部を改正する法律案の趣旨でございます。(拍手)
  12. 松野鶴平

    議長(松野鶴平君) ただいまの趣旨説明に対し、質疑の通告がございます。順次発言を許します。大倉精一君。    〔大倉精一君登壇、拍手〕
  13. 大倉精一

    ○大倉精一君 私は、日本社会党を代表いたしまして、ただいま提出されました国鉄運賃法の一部改正に関する法律案に対しまして、岸総理大臣並びに関係各大臣に若干質問を申し上げたいと存じます。  まず第一にお伺いしたいことは、国鉄の綱紀の問題であります。申すまでもなく国鉄は、国民の国鉄であります。私が申し上げたいことは、国民のものであるべき国鉄の現状が、果して国民から信頼されておる状態にあるかどうかという点であります。遺憾ながら現状におきましては、国民大衆は、相次いで不祥事を引き起しておる国鉄に対しまして深い疑惑を抱いておるのでありますが、今において、なおかつ不祥事が絶えない事実は、まことに遺憾とするところであります。かつて鉄道会館の不明朗なる実態が明るみに出て、国民の大きな憤激をかったのでありまするが、その後、この問題の処理がどうなっておるか、国民はいまだに深い疑惑を持っておるのであります。特に高級責任幹部が、その処置について、単に左遷をしたと言っておりまするが、事実上権限を拡大されてますます栄えておる事実もあると聞いております。また、その後においても、国鉄の公邸の不明朗なる問題が国民疑惑を招いたのでありますが、この問題に関しましても、国鉄自体の反省の事実をいまだ国民は知らされておりません。かくのごとき重大なる疑惑は、国民は決して忘れておりません。運賃値上げと聞けば、反射的に、汚職はどうなったとはね返ってくるのは、けだしやむを得ないことであると存じます。しかるに、またしても鉄道用地問題が飛び出して参りました。この問題は、単に係長クラスのことであると片づけることのできない重要な要素があると私は思うのであります。第一に、係長クラスがかかる不正を行うような温床を見のがしておった、こういうところに問題があるのではないかと思います。特にこの問題は、早くから暴力団的な存在が介入いたしまして、目に余るものがあったことは、関係者周知の通りでありまして、これを国鉄幹部が見のがしておった、こういうことは非常な問題であります。さらに国民が重大なる関心を持っておることは、こういうようなことが全国各地にあって、同様に悩んでおる人がたくさんあるのではないか、こういうことも国民は心配しております。ただ新聞に出るか出ないだけでありまして、国民の悩みと汚職の温床たる問題の本質については、何ら変りはないのであります。あるいはまた最近におきまして、百貨店法の付帯決議に示された国会の意思に反し、しかも地元民衆の猛烈なる反対とあえて戦いながら、強引に工事を進めつつあるところの池袋の民衆駅デパートの問題のごときも、法の精神を冒涜するものとして、これまた深い疑惑に包まれつつあるのであります。総裁は、かねてより国鉄の民主化と綱紀粛正を公約されておるのでありまするが、事実はかくのごとくであり、公約の霊験は一向に現われないばかりか、国民は、こんな状態では、国鉄という巨大な中身の中には一体何があるか、運賃値上げなど、うっかり近づけないと警戒するのも無理からぬことでありましょう。国鉄は、まずもって綱紀の粛正の事実を国民の前に示すことこそ、運賃値上げ以前の最大重要事であり、国民の国鉄として至上の責任であると信ずるものであります。(拍手)総理大臣の所信並びに運輸大臣の所信をお伺いする次第であります。  次にお伺いすることは、運賃政策に対する政府の所信であります。わが国の経済の飛躍的増大によるところの輸送の増強と国鉄施設の老朽化の事実は、私としても認めることにやぶさかではありません。従って輸送力を飛躍的に増強しなければならんということも、これまた当然の帰結として同意するものであります。ただ、私の申し上げたいことは、施設の老朽化の累積と輸送の決定的隘路の原因は、一体何であるか、だれがどうしたからこうなったんだということを明らかにしておかなければならぬと思うのであります。今までの運賃政策は、いわゆる物価を押えるために運賃を押えるという、こういう政策のための運賃でありましたことは事実であります。すなわち運賃は、物価決定の重要なる要件という認識の上に立って、国策の要請に応じ、政府の責任において決定されてきたものであります。一方におきまして、国鉄施設の荒廃と老朽化の累積とは、将来の輸送需要の増大の見通しと相待ちまして、歴然たる現実として存在しておったことも、これまた明らかな事実であります。さらに、国鉄は、独立採算制を基礎とするところの公社経営でありまして、政策運賃をもってしては、みずから膨大なる施設の改修、拡大に手が出ないということは、これまた自明の程であります。従ってここに明らかなことは、政府がその責任において運賃を決定しました以上、すでに累進しつつある輸送の動脈硬化症に対しましても、これまた並行して政治的措置をしなければならなかった重大な責任があったものと存じます。御承知のように国鉄は他の公社と違いまして、その予算総則におきまして、黒字のときは国家へ納める、赤字のときは国家でめんどうを見るという、そういう建前をとっております。しかるに政府は、全く拱手傍観いたしまして、その責任をあげて国鉄の独算制に転嫁して顧みなかった、こういうところに重大な問題があるのではないかと存じます。すなわち今日政府の企画するところの運賃値上げは、この事実を伏せて、もっぱら政府の無責任なる運賃政策によって必然的に累積された今日の輸送の隘路を、いわゆる神武景気と一千億減税の煙幕の中で、一挙に国民大衆の犠牲に転嫁せんとするものと言っても過言ではないのであります。(拍手)政府は、今からでもおそくない、輸送力の増強は、国民の負担によらず積極的に政府でめんどうを見るよう考え直す考えがないか、総理大臣並びに運輸大臣、大蔵大臣の所見をお伺いいたします。(拍手)  さらに、関連してお伺いしたいことは、運賃値上げと物価並びに生活に及ぼす影響についてであります。前に述べた通りに、政府は過去数年間にわたり物価安定のための政策運賃をとって参りましたが、今日果して政策運賃を転換をして、一気にいわゆる原価主義の運賃をとることを可能とする物価事情にあるかどうかということであります。卸売物価は、上昇の一途をたどっております。小売物価につきましても、三十一年度は横ばい状態でありましたが、三十一年の十一月から上向き始めております。政府の三十二年度予算はインフレの要素を懸念されておるのでありまするが、この際における国鉄運賃の値上げは、物価上昇の傾向に拍車をかけて、国民生活に重大なる不安をもたらすものであることは必定であると思うのであります。特に一千億減税に関係のない国民の六〇%に及ぶ人々は、負担のみをしょう結果になりまして、その生活は極度に圧迫され、生活の断層はますます増大すると思うのであります、この間の所見を大蔵大臣にお伺いをいたしたいのであります。あるいは物価を構成する運賃の部分は微小であるという当局者の意見を私はたびたび耳にいたします。果してしからば、物価中に占めるところの運賃の有形無形の影響を的確につかみ得る確固たる算定基礎をお持ちになっておるかどうか。この問題の具体的論議は、いずれ委員会におきましてやるといたしまして、一歩を譲りまして、政府もまた当局者の意見のようであるとするならば、輸送施設の老朽化を犠牲にいたしまして政策運賃をとった根拠というものは、一体どこにあったのか。言うまでもなく、運賃は物価決定の重要なる要素としての認識の上に立っていたはずであります。この問題に対する大蔵大臣、運輸大臣の御見解をお伺いする次第であります。  次にお伺いしたいのは、運賃の不合理性についてであります。今回の運賃改正は、いつの場合でもそうでありまするように、国民大衆の負担の増大によって大資本家奉仕の穴埋めをさせられておるということが言えます。いずれ、この点につきましては、委員会において具体的に立証して論述せんとするものでありますが、まずもって、一三%値上げというのでありまするが、これは賃率の一三%ではなくて、収入の一三%でありまするから、例証はこの際省くとしましても、実質的には、さらに不均衡が増大し、大幅な値上げとなるのであります。貨物運賃について見れば、従来原価割れのものが三六%、採算すれすれのものが三〇%、黒字というものがわずかに三〇%、こういう矛盾をそのままにしておいて、機械的に一三%値上げしているところに問題があると思うのであります。由来、わが国の貨物運賃は、きわめて複雑でありまして、独占物資に対しましては、各種の受益の特別措置があります。この穴埋めを大衆がカバーする、こういう仕組みになっておるのであります。また、全体としての貨物収入の赤字や、高級乗客の赤字は、すべてこれ三等族が一手にしょい込んでおるのであります。収入面において九一%、乗車人員において九九%を占めるところの三等族は、まさに国鉄のドル箱であるというところの栄誉をになっておるのであります。政府は、運賃値上げ以前に、まずもってこのような国民生活に重大なる関係のある運賃制度を再検討すること、特に貨物運賃の等級につきましては、この際再検討し、大資本への過剰奉仕を訂正する必要があると思うが、運輸大臣の御所見を伺いたいと思うのであります。  次に、国鉄輸送力の増強と政府の施策について所信をお伺いしたいのであります。すなわち国鉄輸送力の増強は、現下必至の要請であることにおいては異存がないのでありますが、まずもって、現存する幾多の矛盾、不合理を是正するとともに、国民生活と物価の現状にかんがみまして、この際、大衆の負担によることなく、政府みずから積極的に有効なる措置を講ずべきであると信ずるものであります。本年度予算におきましては、国鉄に対する融資は二十五億ふえておりまするが、同じく二十五億円だけ公募債が減っております。このことは、国鉄の輸送強化によりまして最も利益を受けるはずの金融界が協力をサボリまして、その肩がわりを大衆の零細預金がしょっておるという結果に相なっておるのであります。しかるに、黒字の電源開発関係に対しましては、政府融資が三百四十六億、出資が百億、合計四百四十六億の巨大なめんどうを見ております。さらに、開発銀行のワクも二百五十億あてがわれております。そのほかに、鉄鋼、石炭海運にも同様巨大な財政融資が行われておるのであります。この際政府は、一国の動脈をなすところの重要なる国鉄輸送に対しても、また現下の物価並びに国民生活の実態を考慮して、産業隘路打開のために積極的に財政融資を行い、民間資金を誘導し、もって新線建設等国家的要請に基く大規模な施設の強化拡充については、当然国家においてめんどうを見るという、こういうお考えがないかどうか、総理大臣、大蔵大臣並びに運輸大臣の御所見を伺いたいのであります。  さらに、この際、公社切りかえ当時の借入金として五百八十億円がございますが、これをこの際、電電公社、専売公社と同様に、国鉄の内部資金に繰り入れるお考えはないか。また、税体系としても多分に問題を含むところの国鉄の固定資産税七十五億、これに対しまして、地方財源措置を別途に講ずることを前提としまして、この際、再検討するお考えはないか、あわせて大蔵大臣の御所見を伺っておきたいと存じます。  次にお伺いすることは、増強五カ年計画遂行に、果してそごを来たすことがなきやということであります。すなわち年間一千億の資金を投入して飛躍的増強を実現する計画に伴い、当然必要になってくる職員の増加が、全然見込まれておりません。当局は八千三百三十三人の定員増を要求いたしましたが、国鉄経営の直接責任を持たないところの、いわばしろうとの大蔵省が、この前も増員要求を削っても、けっこうやっておるじゃないか、こういうばかげた理由でもって全然認めておりません。所要人員五十一万人といわれておるにもかかわらず、八千三百三十三人のこの当局案すら大蔵省は受け入れておりません。果してこれで計画は完遂できるかどうかを心配をするものであります。国鉄の労働者は最小限、これによって八千三百三十三人分よけいに無理な仕事をしなければならんという結果に相なるのであります。次に不思議なことは、国鉄職員の給与改訂については全然予算化されていないということであります。公務員の給与が改訂されれば当然考慮されなければならないところの国鉄職員の給与は、一体どうするつもりか。八千人分よけいに働かして給与は上げてやらん。家族パスは取り上げる。これでは、いかに精励恪勤なる国鉄職員といえども、一言なかるべからずと存ずるのであります。増強計画を実行し遂行する者は、国鉄の職員である、こういうことに思いをいたしてもらわなければならんと思うのであります。大蔵省の無責任なこともさることながら、こんな圧力におけもなく屈服して引き下った運輸省運輸省だと思う。年間一千億の建設改良計画は当面の宣伝にすぎないのか、人員をどうするのか、給与はどうするのか、圧縮されたところの経費でやっていけるのか、これを大蔵大臣、運輸大臣に具体的に説明を願いたいと思うのであります。  最後に、重大化しつつあるところのわが国の輸送の総合的調整についてお伺いしておきたいと思います。今日わが国輸送の現状は、重大なる産業の隘路となっていると同時に、輸送秩序もまた極度に錯乱しておるのであります。まず国鉄は、公共性と営利性との関係をどういう工合に考えておるか。今度の計画によれば、航空輸送と対抗して競争するために、三カ年計画でもって二十四億二千九百万円を投じて特別急行を全部軽合金の客車に切りかえ、冷房装置、暖房装置を完備すると言っております。国鉄のドル箱をしょっておるところの大衆には何の縁もない豪華版でありまするが、これまた大衆の負担によって飛行機と競争することになるのであります。また、小口貨物の一部について実質的に運賃を引き下げて、トラックと競争せんとするがごとき、そういうにおいが、うかがわれます。また、私鉄バスとの競争関係は、すでに周知の通りであります。かくのごときことは、政府施策の欠如によって国鉄独算制のやむを得ない自己防衛であろうかとは存じまするが、国鉄の輸送逼迫の現状におきまして、地域的な事情にもせよ、一考を要する問題であると存ずるのであります。また、道路運送の面におきましても、通運の面におきましても、港湾の面におきましても、無資格業者は横行ばっこし、運賃ダンピングはやる、不当競争はやる、法はあってもなきにひとしく、政府は、またなすところを知らず、まさに無政府状態と言っても過言ではないのであります。今やわが国輸送は、特に自動車の飛躍的増加によりまし七、人員、貨物の輸送分野は画期的な変化を示しておるのであります。すなわちトラックの輸送量は五億三千万トンで、国鉄輸送量の三倍、パスは年間三十五億人で、国鉄に匹敵し、ハイヤー、タクシーは国民一人当り、年間平均八回も乗り回すことになっております。かくのごとき現状におけるわが国交通政策は、鉄道軌道、自動車、船舶、航空、この各機関の持つ特殊性に応じまして、そのおのおのの分野をあんばいし、かつ、それぞれの分野の秩序を確立するという建前によって、総合的な輸送調整と計画的、科学的な総合建設を推進することが刻下の急務であると信ずるものであります。  今日の輸送の隘路は、国家的交通政策の欠如に基いたものでありますから、国家的政策によってのみよく打開し得べきものでありまして、大衆の負担を増大し、大衆の生活を圧迫するがごとき運賃値上げのごとき手段によっては、断じて根本的解決が期し得られないと信ずるものであります。  この点に関しまして、運輸大臣建設大臣のそれぞれの御所見を承わって、私の質問を終りたいと存じます。(拍手)    〔国務大臣岸信介君登壇、拍手〕
  14. 岸信介

    ○国務大臣(岸信介君) お答えをいたします。いろいろな点についての御質問でございましたので、詳細は関係閣僚から御答弁申し上げることにいたしますが、私はその主要なる数点についてお答えをいたします。  第一は、国鉄の綱紀問題でございます。私は、国鉄に関係して各種の綱紀問題が起っていることを非常に遺憾と考えております。もちろん御説のごとく、この国鉄は国民のものであり、国民が信頼を置くものというふうに運営もしくは経営されなければならないことは言うを待たないものでありまして、従いまして、この綱紀問題につきましては、私は、十分これを検討して、その禍根を除くように努めて参りたいと思います。  第二は、運賃と一般物価並びに国家財政資金の投入等の問題でございますが、御承知の通り国鉄は、発足以来、相当国家財政資金が投入されて参っております。同時に、この運賃の現状を見まするというと、戦前に比較しまして、運賃の上昇率は、一般物価の上昇率と比較して相当著しく低い程度にございます。しかも今日の国鉄の現状を見まするというと、その輸送を飛躍的に増強しなければならぬということは、だれもが考えておることでございまして、従って各種の事情を勘案いたしまして、最低のやむを得ざる一割三分程度の運賃を引き上げるという結論を出したわけでございまして、この程度であるならば、各種の合理化政策その他とにらみ合せて、私は、大きく物価に影響を来たすようなことはないと、かように考えております。(拍手)    〔国務大臣宮澤胤勇君登壇、拍手〕
  15. 宮澤胤勇

    ○国務大臣(宮澤胤勇君) お答えいたします。  国鉄の綱紀の問題につきましては、ただいま総理大臣からもお答えがありましたが、ただ綱紀を粛正するというだけでなく、具体的な方法をこの際、一つ強く考えなければならないと思って居ります。ただいま賃貸しをしておりますものの又貸しその他のいろいろな不正につきましては、賃貸料が安い、従ってこれが転貸し、またはその他いろいろな問題が起りつつあります。安い原因は、他の国有財産と同様、いつでもこれは取り返せるという約束になっておるから安く貸しておるのであります。しかし、実際問題といたしましては、一度貸したものを取り返すということはなかなか困難であります。これらにつきましては、新たに一つ調査をいたしまして、そうしてその賃率について考え直さなければならない、かように考えております。なお、すでに貸しておりますものの非常に不当なものは、これを個々に取り返すとか、改善をするとかのために、新たにただいま国鉄に命じまして、調査会を設けて、早急に処断をしていきたい、かように考えておる次第でございます。  次に、国鉄の老朽施設の改善並びに輸送の増強は、政府の資金でやれ、賃上げはやめろ、これは、一応従来かような考えのもとに、大体国鉄運賃というものは経済的な面を離れて、これは安くしてきたわけでありますがそれにもやはり度合いのある問題でありまして、どうしても今日の日本経済全体の現状から見まして、この数年間も、やはり大体そのような考えのもとに政府資金でなるべくやりたい、賃上げは抑制していきたいというのがこの数年間の実際の行き方であったのでありますが、しかしながら、昨年風来の日本経済の現状は、非常に拡大されていきまして、この輸送に対して国鉄がその使命を全うするには、どうしても今のままではいけない、ここ五カ年間六千億という計画を立てまして、そうして大体において五カ年目には、三割強の輸送力の増強をはかっていく、その資金といたしましては、外部資金並びに政府資金にたよりますほか、合理化によって自分の資金も出す、しかし、やむを得ない点だけを今回の運賃値上げによることといたしました点は、国鉄が独立した企業体である点からも考え合せてやむを得ざるに出でた点を御了承願いたいと思うのであります。  次に、賃上げが物価に及ぼす影響というものでありますが、(「賃上げとは何だ」と呼ぶ者あり)運賃の値上げです、運賃の値上げが物価に及ぼす影響でありますが、これはもとより、全然影響がありませんというわけには参りません。しかしながら、今日の輸送力の足りないために、各地に滞貨をしております。ことに北海道魚類、東北の果実から近県の野菜類、薪炭その他生活に必要な品物が生産地においては安く、消費地においては非常に輸送難のために高い、こういう現状から見れば、一部ではありますけれども、運賃の値上げは物価に対して安くなるという方面も多々あるわけであります。(笑声)これらの点もやはり考慮のうちに入れらるべきものであると思うのであります。大体におきまして、家庭生活に対しましては御承知の通り、交通費その他通信費まで入れまして一・八%とかいっておりますから、その一割三分の値上げがあるわけでありますが、しかしながら、それによって今日の国鉄の非常な、ことに都会におけるラッシュ・アワーの混乱というようなことが防ぎ得ますれば、やはり金だけの問題ではなく、生活の向上に対して相当寄与するのではないか、かように考えておるわけであります。  次に、賃上げが、つまり運賃の値上げが大衆の負担にだけなる、これは政府の資金をやらなければならない、ごもっともでありまするが、しかしこれは、政府の資金は、私が申し上げるまでもなく税金で、国民全体の負担でありますので、やはり独立企業体の上から言って、利用者も、その他の租税を負担する方とともに、幾分ずつ負担していただくということは、やっぱり合理的なことではないか。これをもし政府の負担だけにして、そうして借入金だけによっていくというならば、将来日本財政の上に非常な私は、困難な問題が生じてくるんではないか。やはりその時の国民、その時の利用者において幾分ずつ負担をしていくということが合理的ではないかと考えておるわけでございます。  次に、五カ年計画について、職員その他の問題でお尋ねがありましたが、今日の国鉄の職員は、今お話の通り、四十四万七千余人でありまして、三十二年度においては、少くとも現在の職員をもって大体まかない得るように考えておる次第でございます。  それから、国鉄職員の給与の引き上げの問題は、この問題につきましては、この五カ年計画の予算におきましても、従来通りの昇給の資源は全部見込んでおる次第でございます。  次に、新線その他を政府資金でやれ、新線その他を政府資金でやれということは、まことにごもっともなところでありますが、新線も、でき上ってしまえば、やはり赤字であっても、国鉄の一貫した輸送形態をなすわけでありまして、赤字であるから、赤字のところはやめて、黒字のところだけやっておるというのでは、私は、国鉄の使命を完遂するということにはならないと思うのです。黒字のところも、やはり赤字の場所があるから、黒字が生ずるわけで、従って、新線その他は、やはりこれは、今日の日本の財政事情、国鉄の経済等から見まして、一時借入金でやっていくということもやむを得ない措置と、かように考えておるわけであります。次に、貨物の等級その他が大資本家だけにサービスするようなことになっておるということは、これは、お話でありまするけれども、実際の実情は、まあ大倉さんなど、よく実情を御存じですけれども、実際はそのようになっておりません。全体、ことに遠距離逓減その他の問題を見ますと、大衆の利便ということに向って相当な犠牲を払っておることは、御理解下されておることと思うのであります。(拍手)    〔国務大臣池田勇人君登壇、拍手〕
  16. 池田勇人

    ○国務大臣(池田勇人君) お答え申し上げます。  国鉄の老朽施設近代化の問題でございまするが、御承知の通り、昨年よりも千六十億円ほど一般歳出をふやしました。特に、そのうち三百八十五億円の取替費を組みまして、老朽化を近代化にいたしておるのでございます。  第二の、国鉄に対して国家があまりめんどうをみないのじゃないか、固定資産税も取る、こういうようなお話でございましたが、実は、国鉄の資産は、大体二兆億円といわれておるのであります。これは、普通の会社で申しますると、配当しなくともいい資本でございます。そこにもっていって、借入金がただいまのところ二千億円ございます。このうち、政府並びに特別会計の資金運用部から千五百数十億円を出しておるのであります。一般民間から五百八、九十億円借り入れております。こういう関係から、ただいまのところは、独立採算制の原則にのっとりまして、そうして施設の拡充強化、そう努めていくのが本来でございまするが、御承知の通り、非常に貨物が停滞いたしておりますので、急速にやる場合におきましては、借入金をふやすと同時に、運賃の値上げをいたしまして、利用者が負担していくことが公社の本来の姿であると私は考えておるのでございます。従いまして、固定資産税につきましては、地方財政のこともございますので、多年懸案でございましたが、一昨年来固定資産税も納めていただくことにいたしているのであります。  次に、鉄道運賃の値上げが物価に及ぼす影響ということを御心配のようでございますが、昔のように、公定価格制度によっております場合には、運賃の値上げが、それだけ公定価格に影響いたします。しかし、今のように、公定価格制度をとらずに、自由主義経済におきましては、運賃の値上げは、合理化その他によりまして吸収されるのであります。(「おかしいぞ」と呼ぶ者あり)おかしいとおっしゃいますが、昭和二十六年の十一月に、旅客並びに貨物運賃を二十六年十一月に、運賃を三割引き上げました。その三割引き上げた結果を見ますると、消費者物価には一切影響いたしておりません。また、次の二十八年の二月に、運賃を一割上げました。しかし、その場合におきましても、消費者物価に影響ないということは、統計が示しているのであります。私は、この点からかんがみまして、今回の一割三分程度の引き上げは、合理化その他に吸収されて、あまり影響ないと考えております。  家庭経費に及ぼす問題につきましては、運輸大臣がお答えの通りであります。  次に、輸送が非常に増大している、人員をふやす必要があるのじゃないかという御質問でございまするが、これは、設備の近代化あるいは配置転換等によりまして、まかない得ると確信を持っております。鉄道の電化とか、あるいはディーゼル化とか、あるいは信号自動化とか、いろいろな設備の近代化によりまして、人員の節約ができ、そうして余ったところを配置転換すれば、やっていけると考えております。(拍手)    〔国務大臣南條徳男君登壇、拍手〕
  17. 南條徳男

    ○国務大臣(南條徳男君) ただいまの御質問の、全体の輸送力の調整に基く道路行政の方向はどうだという御質問でありますが、いろいろ御質疑のあったように、わが国の経済の飛躍的な発展によりまして、輸送力が非常に増大しなければならぬ事情は、御承知の通りだと思うのであります。特に最近は、貨物の停頓が多くなり、これに対処するためには、どうしても船舶あるいは鉄道のみならず、特にこの道路行政の飛躍的な構想によりまして、この隘路を打開しなければならぬ事態に遭遇していると考えるのであります。この意味において、建設省におきましては、これらを運輸省ともよく調整いたしまして、経済企画庁が企画いたしておりまする将来の十カ年計画の輸送量、これらの増強等の基盤に立ちまして、このたび、今まで二十九年度におきまして五カ年計画を計画しておりましたが、最近におきましては、一そう、もっともっと飛躍的にこの道路の拡大をしなければならんということから、十カ年計画を立てまして、少くともわが国におきまする一級国道、約九千二百キロぐらいでございますが、これを完全に舗装いたしまして、ここに飛躍的な輸送力の増強をいたしたいと思いまして、このたび三十二年度の予算にこの計画を盛っておる次第でございます。これによりましても、御承知の通り、今まで計画されました国土開発の縦貫道路の点も、このたび御審議を願いまして、名古屋神戸間に高速度自動車道路建設することにいたしておるようなのも、その一環の事柄でございますが、こういうようなことによりまして、全輸送力の総合的計画を立てまして、わが国の輸送力の隘路を打開することに努めたいと考えておるような次第であります。(拍手)     ―――――――――――――
  18. 松野鶴平

    議長(松野鶴平君) 岩間正男。    〔岩間正男君登壇、拍手〕
  19. 岩間正男

    ○岩間正男君 私は、日本共産党を代表して二、三の重要な点について質問したいと思います。  国鉄の運賃値上げ、つまりただいまの宮津運輸相の賃上げに当りましては、従来の政府は赤字補填ということを口実としてきたのであります。それが今度は輸送力の増強ということに、いつのまにか看板を塗りかえまして、輸送力の隘路打開のために運賃値上げが必要であることを盛んに宣伝しているのであります。本法案の提案理由でも、輸送力の増強施設のための計画に充当すべき自己資金の捻出のための運賃値上げであるということをうたっております。つまり運賃収入から昭和三十二年度七百五十三億円の収益をあげ、これをもって輸送力増強五カ年計画の第一歩を踏み出そうとしているのであります。  それならば、もともと現在のような輸送力の隘路を来たした真の原因は何でありましょうか。政府はその原因を産業の発展による輸送量の増加であるということに求めているのでありますが、真の原因は、もっともっと深いところにあると言わなければならないと思うのであります。そもそも政府は、戦前から軍事輸送と独占物資の輸送を本位とし、国民経済の正常な発展と国民の利益のために、線路や車両を増強して、国鉄の輸送力を高める政策をとってこなかったのであります。さらに、戦争中から戦後十二年間全くこれを酷使し、荒廃にまかせてきたのであります。今、戦後における国鉄経営の実態を見るに、政府は財政投融資を主として、独占資本の復活と強化に役立たせる方向に注ぎ込み、経済の正常な発展と国民生活の真の利益になる方向に、国鉄の輸送力を増強するためには決して使ってこなかったのであります。すなわち資金の大半は、輸送速度の増強や燃料コストの引き下げのための電化などに使われ、輸送力の基本的増強のために、より必要な線路や車両の増強のためには余り使わなかったのであります。その上、軍事基地相互間の輸送や、選挙目当ての新線建設などで輸送力の合理的増強は著しく阻害され、いわばタコがタコの足を食うようなことをやってきたのであります。これを数字的に見ますならば、貨物輸送量は、昭和十一年を一〇〇とすれば、昭和三十年は一六四、それに対しまして貨車の数は一四五ということになっている。旅客輸送に至っては、同じく昭和十一年の一〇○に対しまして、昭和三十年度は実に三六七というふうに激増しているのに対しまして、客車の数はわずかに一二五、三分の一にすぎないのであります。  このような中で国鉄が今日まで多少でも輸送量増加の要請にこたえることができてきたのは、全く国鉄労働者の労働強化と低賃金、さらに中小企業者や三等旅客に対する運賃引き上げによって、これをまかなってきたのであります。このような犠牲の上に立って、国鉄は独占資本の利益のために数数の奉仕を続けてきた。たとえばくず鉄、重油、セメント、石炭、コークスなどの独占資本物資や高級貨物の運賃を非常に割安としています。そのために、貨物の運賃は、一般に輸送原価を一三%も割っている現状であります。ところが旅客運賃は、反対に輸送原価より四%も黒字を出しているのが実情であります。しかも昭和三十年度の数字によりますと、大口荷主に対します年間九百二十六億円、これは年間の国鉄収入の約三五%に相当するのでありますが、この大口荷主に対する運賃後払い制度を行なったり、また二十億円に達する大口荷主への営業割引の特典を与えたりしているのであります。それだけではない、さらに石炭や肥料等が全国にまたがって交錯輸送をされたり、また製鉄業者の要求によりまして常磐から京浜向けの石炭がピストン輸送されたりしているのであります。以上が輸送力不足の真の原因であります。  そこで、私はお聞きしたい。まず第一に、岸総理大臣は、以上のような独占資本本位の輸送政策をやめて、国民経済の平和的発展と国民生活のために役立つ輸送力の増強をはかる意思がないのかどうか。独占資本本位の輸送政策をやめれば、運賃値上げなどの必要は全然なくなるのであります。この際、国民多数の世論に従って、運賃値上げを取りやめる意思があるかどうか、この点をはっきりお聞きしたいと思うのであります。  次に、真に正しい輸送政策を確立するためには、海運鉄道、自動車、航空等を含む総合的交通輸送政策並びにその基礎となる総合エネルギー対策が必要であります。ただいまの大倉議員の質問に対する各大臣の答弁によりましても、このような政府の具体策というものは、何ら示されていない。私は、従いましてこの点に対しまして、重ねて岸総理大臣並びに宮澤運輸大臣並びに宇田経済企画庁長官に、はっきりとした具体策を示されることをこの壇上から私は要望するものであります。また池田大蔵大臣には、このような計画に伴うところの資金計画は、これは膨大なものになると思うのでありますが、この点を明らかにされたいと思うのであります。  最後に、私は特に質問を申し上げますが、このたびの運賃値上げによる五カ年建設計画では、三十二年度に一千六十九億円、三十三年度に一千三百億円の工事費が必要でありまして、これには三十二年度に千三百名、三十三年度に六千三百名の工事要員の増加が絶対に必要になっているのであります。しかるに政府は、一名の増員も予定していないのであります。しかも要員を節約するために、工事施行に当りまして、外注制度をとろうとしているのであります。会計検査院のしばしばの指摘にも明らかなように、土木工事は、単に完成時における検査のみでは、その安全が保障されないのであります。しかるに、政府は安全保障を無視して、あえて外注制をとろうとしているその理由は何であるか。さらに、政府は無謀にも、みずからの責任による監督を放棄して、その一切を請負業者にまかせっきりにしようとしているのであります。そこに、ともすれば汚職発生の原因がある。これは昨日の決算委員会におきましても、このような問題が大きく問題になりました。このように、工事施行は無責任な外注と国鉄労働者の労働強化によって計画を強行しようとしているのであります。それだからこそ、……
  20. 松野鶴平

    議長(松野鶴平君) 時間が参りました。
  21. 岩間正男

    ○岩間正男君(続) 現に国鉄労働者は、この建設計画をきわめて危険なものとして、全面的に反対しているのであります。このような国鉄労働者の反対を押し切って、この計画の完全な遂行ができるとお考えであるかどうか。また、これに対する具体的な工事遂行計画が樹立されているのかどうか。あえてこの点を私は宮澤運輸大臣にお伺いしまして、私の質問を終る次第であります。(拍手)    〔国務大臣岸信介君登壇、拍手〕
  22. 岸信介

    ○国務大臣(岸信介君) お答えをいたします。  今回の鉄道運賃の引き上げは、先ほど来、その趣旨につきましても申し上げましたが、要するに、最近の経済の拡大に伴う輸送の隘路を打開するために、輸送力を強化する必要に迫られている、この必要に応じて最小限度の引き上げをするということでございます。今、岩間君は、日本の輸送の隘路は、独占資本に対する輸送によってきておって、これに対する方策を改める意思があるかどうかという御質問でございましたが、私はさようには考えておらないのであります。と申しますのは、例示としておあげになりました石炭だとか、あるいは鉄だとか、鉄鋼だとかいうものは、なるほど企業として大きな企業が経営をいたしておりますけれども、これは国民経済の上、また国民生活の上に、きわめて重大な影響を持っておるものでありまして、その輸送を相当重視するということは、私は国民生活あるいは国民経済の上から、当然考えなければならぬことであると思うのであります。もちろん、鉄道そのものが国民全体の福利のために、また利益のために運営され、健全な経営をされなければならぬことは言うを待ちませんから、そういう点において改善を要すべき点は、よく検討して改善すべきものであると、かように考えております。(拍手)    〔国務大臣宮澤胤勇君登壇、拍手〕
  23. 宮澤胤勇

    ○国務大臣(宮澤胤勇君) お答えをいたします。  国鉄の輸送並びに運賃の問題が、独占物資についてだけ特別なサービスをしておるというような御意見でありますけれども、事実さようなことはありません。いずれも物価並びに国民生活の現状に適切な方法によってこれをきめておりまして、決してさようなことはございません。  また、海運その他自動車等による総合的な輸送計画ありや、この点に関しましては、陸上輸送の根幹が国鉄であり、ことにその国鉄の運賃が他の輸送の運賃に比較いたしまして非常に安いために、国鉄に貨物が集中してきておる、かような現状からいたしまして、この総合的の計画については、どうしても急速に考えなければならん。たとえば海運にしましても、一つ定期航路を開いて、何とかこれに対して立ち行く方法を考えるとか、あるいはただいま建設大臣の答弁にありましたごとく、道路の改修による自動車輸送とか、その他いろいろな点について総合的に考えなければいけない段階にきておりますので、この機会において、一そうその点を進めて考えたいと考えております。  次に、国鉄職員を増員しないで、このまま済むかというお話でありますが、この点は、先ほど大蔵大臣からもお答え申し上げましたように、やはり国鉄の電化とか近代化、その他設備の改善によりまして、できるだけは人を節約して、配置転換によってやって行きたい。しかしながら、事実上できないことになりますれば、これはもうやむを得ないことになりますから、そういうことまで無理をしようというような考えは持っておらないのであります。なお、工事その他につきましては、十分にただいまの五カ年計画が、物資の点から、もしくは工事量の点から消化できると、かように考えてやっております。なお、五カ年計画に対して、国鉄職員が反対しておる、こういうことは、国鉄職員の中からも、運賃値上げによらないで、政府の資金でやってくれたらいいじゃないかという意見はあります。しかしながら、国鉄五カ年計画の輸送力増強、ことに近代化、安全化等に対することで国鉄の内部に反対などは絶対にありません。  お答え申し上げます。(拍手)    〔国務大臣池田勇人君登壇、拍手〕
  24. 池田勇人

    ○国務大臣(池田勇人君) 御質問の、総合的運輸計画ができた場合において、資金面をどうするかということでございます。輸送が、経済、産業の動脈であることにかんがみまして、輸送計画ができましたならば、財政あるいは民間資金を動員いたしまして、その計画遂行に努力するつもりでございます。(拍手)    〔国務大臣宇田耕一君登壇、拍手〕
  25. 宇田耕一

    ○国務大臣(宇田耕一君) エネルギーの需給につきましては、経済自立五カ年計画を持っておりますが、最近のわが国経済の非常の発展によりまして、その需給調節がうまく参りませんので、昨年末に計画の一部分改訂を行なったわけであります。そうして緊急処置として、この年末来の渇水等に対するためもありまして、重油あるいは一般炭の緊急輸入等もあわせて考慮いたしまして、緊急なエネルギー対策は、過不足ないように努めております。長期エネルギー対策といたしましては、五カ年計画の三十五年度におきましては、大体において石炭に換算して一億四千三百万トンばかりのエネルギーを必要とする想定のもとに、いろいろの案を立てております。その中で、国内資源の開発がやはり一番重要な点でありまして、石炭ないし石油の増産、また水力電気の開発等は、徹底的にこれが計画の遂行をはかりたいと、こう考えております。水力発電は三百六十万キロワット、火力は四百八十万キロワット、合計八百四十万キロワットの三十五年度末の送電の、新たにすべきものを計画いたしておりまして、それに対する資金計画は、大蔵省と連絡をして遺憾なきを期しております。なおそのほかに、それによってもエネルギーが不足する場合がありますから、重油を中心とする油の輸入対策、あるいは石炭輸入対策を考えるとともに、国内ウラン鉱の開発等に思いをいたしまして、原子力発電等による新しいエネルギー源の確保も計画いたしておるようなわけであります。(拍手)
  26. 松野鶴平

    議長(松野鶴平君) これにて質疑の通告者の発言は、全部終了いたしました。質疑は、終了したものと認めます。  本日の議事日程は、これにて終了いたしました。  次会の議事日程は、決定次第公報をもって御通知いたします。  本日は、これにて散会いたします。    午後二時五十一分散会      ―――――・――――― ○本日の会議に付した案件  一、請暇の件  一、議員派遣の件  一、国会法第三十九条但書の規定による議決に関する件(売春対策審議会委員)  一、日程第一 国有鉄道運賃法の一部を改正する法律案(趣旨説明)