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1957-03-07 第26回国会 参議院 文教委員会 9号 公式Web版

  1. 昭和三十二年三月七日(木曜日)    午前十時五十九分開会   ―――――――――――――   委員の異動 三月六日委員佐野廣君辞任につき、そ の補欠として小滝彬君を議長において 指名した。 本日委員松澤靖介君辞任につき、その 補欠として木下友敬君を議長において 指名した。   ―――――――――――――  出席者は左の通り。    委員長     岡  三郎君    理事            有馬 英二君            野本 品吉君            矢嶋 三義君    委員            田中 茂穂君            林田 正治君            吉田 萬次君            安部 清美君            高田なほ子君            松永 忠二君            湯山  勇君            加賀山之雄君   国務大臣    文 部 大 臣 灘尾 弘吉君   政府委員    文部大臣官房会    計参事官    天城  勲君    文部省初等中等    教育局長    内藤譽三郎君    文部省大学学術    局長      緒方 信一君    文部省管理局長 小林 行雄君    厚生省公衆衛生    局長      山口 正義君    厚生省公衆衛生   局環境衛生部長  楠本 正康君    建設省計画局長 町田  稔君   事務局側    常任委員会専門    員       工楽 英司君   説明員    建設住宅局建    築指導課長   小宮 賢一君    会計検査院事務    総局第二局長  保岡  豊君   ―――――――――――――   本日の会議に付した案件 ○教育文化及び学術に関する調査の  件(教育環境の浄化に関する件) ○理科教育振興法の一部を改正する法  律案(内閣提出)   ―――――――――――――
  2. 岡三郎

    ○委員長(岡三郎君) これより文教委員会を開会いたします。まず、委員の異動について報告いたします。昨日佐野廣君が、また本日松澤靖介君がそれぞれ委員を辞任され、その補欠として小滝彬君及び木下友敬君が選任されました。以上であります。   ―――――――――――――
  3. 岡三郎

    ○委員長(岡三郎君) 次に昨日の委員長及び理事打ち合せの結果について報告いたします。  本日の日程は鳩森小学校を中心として教育環境の浄化について政府に質疑を行い、ついで二回にわたる委員派遣報告について二回目の検討を行うこととしました。午後は理科教育振興法の一部を改正する法律案及び私立大学の研究設備に対する国の補助に関する法律案について質疑を行うことといたしました。次回委員会は都合により来週月曜日十一日に開会し、本院先議の二法律案について質疑を継続することといたしました。  以上報告の通り取り運ぶことに御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  4. 岡三郎

    ○委員長(岡三郎君) 御異議ないと認めます。  教育環境浄化に関する件を議題といたします。質疑のある方は順次御発言を願います。  なお、ここで申し添えますが、ただいまのところ政府委員は建設省より計画局長町田稔君、厚生省公衆衛生局長はまだ見えておりませんね、やがて公衆衛生局長山口正義君が見えることになっております。そのほか文部省より管理局長小林行雄君が見えております。従いまして現在出席しておる政府委員に対してまず質疑を行なっていただきたいと思います。
  5. 高田なほ子

    ○高田なほ子君 お尋ねをいたします。最近四月一日から売春法の一部が発効するような状態になりますが、こういう状態の中でそれに対応するような旅館業者、あるいはアパートそういうものが非常な勢いでここ一、二年来ふえてきているようでありますが、建設一般の問題に対して旅館業の健全に発展するということのためにはこれは何ら異議がないわけですけれども、特異なこういう状態に対して何か一つの方針といったようなものを持っておられるのか。というのは、東京それから大阪というような非常な繁華都市、そういう都市にこういう傾向が多い。特に東京都あたりでは今の吉原にある特飲街の近郊とか、あるいは今問題になっているこの鳩森附近という特異な地区に非常な進出が見られている。これは言うところの潜在売春を合法化するための施設であるということは今多くの世論の的になっているところだと思いますが、国全体としてこのような傾向に対してどういうような一体方針をとっていられるものか、一応お尋ねをしてみたいと思います。
  6. 町田稔

    政府委員(町田稔君) お答え申し上げます。ただいまお話のございました旅館等であまり望ましくないものに対して、建設省の所管行政の範囲内においてどういうような措置を講ずるつもりかというお尋ねでございますが、建設省といたしましては、都市計画法の施行といたしておるのでございますが、御承知のように、都市計画におきましては旅館その他各種の施設につきましてこれの新築等を禁止するために地域、地区制を活用する権限を有しております。たとえばただいま問題になっております旅館、ホテル等につきましてこれの建築を規制する地域、地区といたしましては、住居専用地区、あるいは文教地区、あるいは工業地域、または工業専用地区等の指定が考えられるのでございまして、こういう地区の、あるいは地域の指定をいたしますというと、旅館、ホテル等が建築を規制されるということになるわけです。そこでお話のございましたようないかがわしい行為の行われるような旅館等を一定地域において禁止いたしますために、これらの地区制を活用いたして従来参ったわけでございますが、今後も一そうこの地域、地区制を活用して参りたいと思っております。ただ、これらの地域、地区を指定いたしますにつきましては、よほどその地域なり地区の状況を調査いたしまして指定をいたしませぬと、たとえば文教地区を指定いたしました際に、いかがわしい旅館の新築が規制はされますが、それとともに正当な旅館も一応同時に制限を受けるということになりますので、そういう点につきまして実は地域、地区の指定にはかなり地元の反対等も従来ございました。それでそういう点も十分考慮いたしまして、ことにこれらの地域、地区を指定いたしますのには市町村長の必ず申し出に基いてやることになっております。この申し出がございました際には、今後特に今お話のありましたような趣旨を考慮いたしまして処理いたして参りたい、こういうふうに考えております。
  7. 高田なほ子

    ○高田なほ子君 地区制の活用についてはこれは当然そうなければならないと思うのですが、文教地区のような場合でも、最近は静かなところにそういったようないかがわしい旅館を建てた方がお客様が入りいいというようなことで、現に国立の文教地区は、文教地区であるにもかかわらずあの中に旅館が進出するために非常にその住民の方々が困っておったわけですが、幸いにあそこは文教地区設定協議会という組織ができておりましたために、その組織でこういうものを排除していくと  いうのが現状です。でありますから、この地区制を活用しておっても、業者の商魂のたくましさには今手をあげて  いるというのが現状じゃないかと思うのですね、従いましてこの地区制を活用しているといいながら、地区制の再検討というものが今必要になって来ているのではないか、住宅専用地区でも、あるいはまた言うところの文教地区にしても、そういう地区制がしかれておってもなかなか防ぎ切れないのでありますから、そういう地区制のしかれておらないというところにあってはなおさらの次第ではないかと思うのであります。この際地区制について、たとえば住居専用地域、こういったようなものについて再検討する必要はないか、そうしてまた市町村長に環境浄化のために専用地区にするための調査とか、状況とかいうものにつきまして特段の私は親切な指導というものが今望まれていいのではないか、こういうふうに考えますが、いかがでしょうか。
  8. 町田稔

    政府委員(町田稔君) 地域、地区を指定いたしましても、これの効果を上げますためには、禁止せられております種類の建築等をさせないように取締りを厳重にしていかなければならないと思うのでございまして、ただいまお話しのございましたように単に地域、地区制を指定したからということだけで安心するわけには参らないと思うのでございます。この指定の目的が十分達成されますように取締りを十分厳重にして参る必要があると存ずるのでございます。  それからまた、そのために地域、地区制について、その制限の内容等をもう少し強化する必要があるのではないかというお尋ねでございますが、この点につきましては今後十分検討いたしたいと思うわけでありますが、現在の地域、地区制におきましても、禁止します種類はかなり網羅的になっておりまして、それらの種類を特に今後新たに追加していくという必要はないのではないかというように考えておるのでございます。ただ、これらの制度があるにもかかわりませず、地方の大都市、中都市等におきましては、必ずしもこれらの地域、地区制を活用いたしておらないのが実情でございまして、そのために将来再び現在起っておりますような状況が地方の都市にも起るというようなことがあってはなりませぬので、一つこの際これを機会に都市計画関係の係官を集めまして、十分この点につきましても将来のことを考えまして、地域、地区制を活用いたしますように処理いたして参りたい、こう考えております。
  9. 高田なほ子

    ○高田なほ子君 大へん積極的な御意見を拝聴いたしまして、申請のない地区に対しても適当な指導方法をとられ、この活用の万全を期するという、大へん積極的な御主張に対して敬意を表するとともに、これが実地を私は強く期待したいと思います。  もう一点、お尋ねをしたいことは、文教地区の設定は条例できめられるようになっておりますが、実情は文教地区ということになると非常に広範囲なものになるわけですね。大学が二つとか、三つとか、高等学校とか、小学校とか、中学校とか、そういうふうに学校の種類が網羅しているような広範な地区は文教地区に設定し得るようになっておりますが、小学校が二つとか、あるいは三つというような場合にはなかなか文教地区設定ということが現状としてむずかしいのではないかと思いますが、文教地区の範囲をもう少しせばめて、現状に即しながら教育環境を守っていこうとする、そういう考え方は今、企画の方にはございませんでしょうか。
  10. 町田稔

    政府委員(町田稔君) ただいまの高田先生のお話の通りでございまして、文教地区は従来の運用といたしましては大学を中心として運用をいたして参りました。それで御承知のように、東京におきましては十一の地区の指定がございます。それで小学校等を中心として文教地区を設定いたしますというと、大体三百メートル程度の範囲で文教地区を指定いたしましても、東京全都が文教地区になってしまうのではないかというように推定されるのでありますが、これはいかにもどうも実情に沿わないのではないかというように考えます。そこで文教地区のいろいろの規制の内容は条例で定められることになっておりますが、この条例の場合によりましては、内容をいろいろ検討して、小学校を中心としても文教地区の指定をすることが実情に沿うように検討するというのも一つかと思いますし、それからそれがなかなか実は困難である場合には、むしろ同じような効果を上げる住居専用地区の制度を活用していく。やはり文教地区は単に環境の浄化ということばかりでなくて、そこを中心としていわば一種の教育のセンターにしていくというような従来の運用の方法をそのまま持ち続けて、むしろ今回のような事態を起らせないようにするためには、住居専用地区でいくということも実情に沿うのではないかというように考えております。この点は今後至急に一つ検討いたしたい、こう考えております。
  11. 高田なほ子

    ○高田なほ子君 なるほど小学校の数が非常に多いわけですから、せいぜい三百メートル範囲ぐらいのところに線を切っても、東京都全体が文教地区になってしまうわけですが、私どもはそれでもいいのではないかと思うけれども、これではあまり現実ばなれをしますから、特例を設けて、非常に危険だと思われるような地区にのみこういうことが、小学校を中心とする小さな文教地区――名前はどうでもいいのですが、そういうようなものが考慮されてもいいのではないか、これが一つです。  もう一つは、住居専用地区に施設として指定しても、既存の建物については何ら制約が今のところないように私考えられる。たとえば旅館業法の中にもありますけれども、風紀を乱すおそれのあるような者を泊めても、これは罰則にもならないし、また罰則規定もないようですが、そういうような旅館が現にあるのですが、住宅専用地区に指定しても、そういうものに対しては何ら打つ手がないとなれば、せっかく住宅専用地区を指定してもその目的を達することができないのではないかという心配を非常に多く持っているわけなのですが、専用地区設定と同時に既存の風紀を乱すおそれのあるような、このようなものに対してはどういう具体的な手を打っていったならば所期の目的を貫徹することができるか、こういうことなのです。二つの問題です。
  12. 町田稔

    政府委員(町田稔君) お答え申し上げます。文教地区の指定、あるいは運用につきまして従来の方針を少し広め、むしろ特に環境を悪化するような状態の顕著なところについては、小学校を中心としてもそういう地区の指定ができるように考えたらどうかというお話でございました。この点はそういうことも考え得ると思うのでございまして、十分検討をいたしたいと思っております。  それから住居専用地区、あるいは文教地区にいたしましても、指定をいたしました後の新築はとめられるが、既存のものについてはどういう処置ができるかという第二のお尋ねでございますが、建築基準法の第十一条には用途地域や地区を指定いたしました場合に、既存の建築物がその用途地域や地区の目的に合致しないという場合には、一定の条件をもってこれを除却できるという道は開いてございます。ただ、その条件が非常にむずかしいのでございまして、市町村の議会の同意を得て損害を補償して、除却する必要がございます。そこで事実市町村の財政上の問題等もござまして、実行が困難な場合が多いのではございますが、法律的にはそういう道を開いてございます。
  13. 高田なほ子

    ○高田なほ子君 基準法の第十一条の行使については一つの道であろうかと思うのですが、具体的に予算が必要になってくるわけですが、現在、冒頭に申し上げたような、どんどん業者の商魂で美しい環境が破壊されていくという実情に至った場合には、当然こういう問題が具体的に出てくると思いますが、建設当局としては、こういう場合に備える予算というのは、本年度どのくらい取っておりますか、また、鳩森の小学校の場合は本年度中に解決するということであったのですが、本年度中ということになると、すでに予算の中にこういうものは組まれておらなければそれはできないように思いますけれども、予算の方面からその二点についてお尋ねをします。
  14. 町田稔

    政府委員(町田稔君) この除却についての市町村が補償する場合、国の補助は従来全然計上いたしておりません。国からの補助はございません。ただ、実際問題といたしまして、従来こういう除却命令を出したことはないのでございます。それで今回の場合、東京におきまして、もし十一条を発動するといたしますならば、東京都の単独の予算でこれを実行するということになると思います。
  15. 高田なほ子

    ○高田なほ子君 この際十一条の条文はどういうふうにこれを解釈するのか、一応伺っておきたいと思うのです。なぜなら、この除却命令が出た例が今までないようなお話でありましたが、十一条の条文には、「条例の規定に適合しなくなり、且つ、公益上著しく支障があると認められるに至った場合においては、」云々とあります。この場合に、公益上著しく支障があると認められるということになると、都市計画の一部が改正されて、道路がここに敷けるようになった、そういうような場合に、これは困るから立ちのけというようなことが主になっているのではないか、風紀上の問題は顧慮されていないのじゃないかというように解釈せられますが、鳩森の場合は、この十一条が具体的に適用されるものなのでしょうか、その点をお伺いします。
  16. 町田稔

    政府委員(町田稔君) この公益上著しく支障があると認められるに至った場合とございますが、これは用途地域を指定いたしまして、その指定をした目的に反する建物が従来から建っておった、しばらくの間はその建物の存置を認められておったが、だんだんそれが周囲に住居等が建ってきて、いかにもその建物が事情の変更等によりまして、用途地域の指定いたしました目的に沿わない度合いがひどくなってきた、そういう場合には公益上著しく支障があると認めまして除却を命ずる、こういうように解釈いたしております。
  17. 高田なほ子

    ○高田なほ子君 わかりました。
  18. 岡三郎

    ○委員長(岡三郎君) なおこの際ちょっと申し上げますが、厚生省公衆衛生局長山口正義君が出席しておりますので、質問の方は合せてお願いします。
  19. 高田なほ子

    ○高田なほ子君 もう一点、嶋森小学校の参考人を呼んであぜんとした事実なんですが、非常に建築違反が多いということ、十六軒も、今建てつつあるものの中にも建築違反があるということで大へん驚きました。建設省は基本方針として今の住宅難あるいは住宅地、土地が非常に高いために一応建蔽率というものを設けているわけなんですが、そういう建蔽率というものは、具体的に非常にもう通用しなくなっておるのじゃないかというおそれを私持つわけなんです。ただどんな地域を選定しても建蔽率が無視されて、それが公々然とまかり通って、違反であろうが何であろうが、どんどんどんどん突貫工事で建てちまおう、こういうような状態に対しては、私は建設当局の方針が違ってきておるのじゃないかという見方をしておるのですが、この点はどうなんでしょうか。  また、そういう違反のものに対してはどういう指導がされておるものでしょうか。二点お伺いします。
  20. 町田稔

    政府委員(町田稔君) ただいま御質問の点は建設省の住宅局の主管になっておりますので、住宅局から建築指導課長が参っておりますので御答弁申し上げたいと思います。
  21. 小宮賢一

    ○説明員(小宮賢一君) ただいま建蔽率の違反が相当多いのではないかというお話でございますが、私ども違反というものは少数の例がございますと非常に目立つものでございまして、そのために相当違反が多いというようなことが言われているんではないかと思いますが、私ども承知しております範囲では、違反は確かにあるのでございますけれども、さほど、ほとんど守られていないということはないように存じております。  建設省といたしましては、とにかくこういう違反があることば非常に地域の本来の目的から見て適当ではございませんので、こういう違反は十分に監督を厳重にいたしまして取り締るように従来から指導しておるわけでございます。
  22. 高田なほ子

    ○高田なほ子君 大へんあなたは認識不足のように私は思うのですがね。専門の建築屋だって建弊率なんて今ごろやかましく言っているところはありませんよと、こうなんです。私に対してもそう言うのですよ。ですから建設省は、こういうのはお目こぼしでやっているのじゃないかと思って私は聞いているのです。取締りをやるというのは、具体的に取締りをやるつもりなんですか。それの指導方法はどういうふうに今指導されておるのですか。もう一点これをお答え願いたい。
  23. 小宮賢一

    ○説明員(小宮賢一君) 建築基準法を施行しておりますのは、東京都におきましては東京都知事の所管でございまして、東京都知事がその監督をやっておるわけでございます。私ども建設省といたしましては、常時東京都知事の実施しておりますことを報告を求めまして、これによって適正に行われるように指導してやっているわけでございます。
  24. 安部清美

    ○安部清美君 私は文部省小林局長建設省、厚生省の係の方に二つお伺いしたいのです。一つは、教育環境の浄化の問題は、われわれ長く教育界におりました者としては、これは教育の一つの大きな基本的な問題でありまして、学校教育の内容充実のために環境をどういうふうに浄化していくかということは、これはもう基本的な大きな問題だと思うのでありますが、東京都においては昭和二十五年に、東京都の問題を中心にして文部省から通牒を出され、全国に達しが回っている。今回またさらに通牒を出されたようでありますが、この通牒を出されて以来今日までの、いわゆる昭和二十五年から今日までの環境浄化についての文部省態度といいますか、具体的の措置といいますか、どういう環境浄化をする上に隘路があったと、いわゆる障害点があったとお思いになっておるのか、その障害点を除去するためにどういうふうな方途を講ぜられたか、この点を私はお伺いしたい。同時に今回問題になっております鳩森小学校の問題は、いわゆる風俗営業を中心にした環境の問題でありますが、その他教育環境には各種のケースがあると思うんであります。環境の浄化をしなければならないケースがあると思うのです。こういう点について、文部省ではどういうふうなケースをお考えになっておられるのか。またそういう実態を御承知であれば承わりたいと思うのであります。これが一つであります。  もう一つは、先般来種々参考人の御意見を承わって、私どもは非常に考えさせられた点が多いのでありますが、文教地区、あるいは住宅地区に指定するということはまことにけっこうなことであって、そういう措置を講ずることによって、環境が浄化せられるとこれは思われるのでありますが、全国についてこれを考える場合には、やはり種々の障害点があると思うんでありますが、そういう指定をしなくて、現行法で、いわゆる建築関係あるいは厚生省関係……この前保健所長の御意見をいろいろ承わりましたが、行政措置が今回の問題のようなことの起らないようにするお考えはないかどうか、そういう措置をお考えになったことがあるかどうか、こういう点についてお伺いしたいと思うのであります。
  25. 小林行雄

    政府委員(小林行雄君) お尋ねの中にございましたように、学校教育を行なって参ります上で、教育の環境ということが、仰せの通りきわめて基本的な根本的な問題だと思っております。お尋ねの第一点は、前の昭和二十五年の事件以来今日まで、文部省としてはどういう具体的な措置をとってきたかということでございますが、御承知のように、二十五年の池上のときには、ちょうど建築基準法の制定の時期でございまして、いろいろ議論があったのでございますが、この池上の事件にかんがみまして、建築基準法の中に文教地区の設定という制度を取り上げていただいたわけでございまして、その後幸いに、まあ、進駐軍関係の風紀問題というようなことはございましたけれども、それを除いては、それほど大きな事例は、今日までは実はなかったように考えております。ただ、文部省といたしましても、その点については多少手ぬかりがございまして、今日またこうした事態を繰り返すということはきわめて遺憾なことだと思っております。今後はできるだけ教育委員会、府県教育委員会と緊密な連絡をとりまして、単に通牒を出す、注意を喚起するという程度では、なかなかこうした問題は解決しない、常時不断の注意を喚起する必要があるように思いますので、そういった点につきましても、文部省としては、今後できるだけ努力をいたして参りたいと思っております。  第二点の鳩森については、これは風俗営業的な問題であるのでありまして、それ以外にどういうものがあるかということでございますが、文部省といたしまして考えておりますのは、環境の問題として、騒音の問題が実はあるように思います。騒音関係につきましては、従来主として基地航空機による騒音関係の問題が大きかったわけでありますが、それ以外に、あるいはだんだんに学校の周辺に工場ができるというような事態になってくる場所もあるように思われます。また交通がひんぱんになって参りまして、自動車の騒音でかなり学校の授業が阻害されるというような事態もあるように考えております。
  26. 岡三郎

    ○委員長(岡三郎君) ここでちょっと政府の方に、私の方からまとめて伺いますが、公聴会といいますか、参考人を呼んだ点についでは、結局四月一日からの売春防止法が施行された後においての事態というものも考え合せて、これは非常に大きな問題である、これは鳩森小学校のみではなくして、全国的な問題である、何とかしなければいかん、こういう観点から、われわれは文教委員会で論議してきたわけなんです。それで岸総理の言っていた、青少年に奮起を要望したって、赤線地帯に奮起を要望したってしょうがないと思う。結局奮起を要望するには、環境をやはりある程度整備して、青少年にはつらつたる雰囲気を作らなければいかんし、文部当局の方も、道徳教育を推進するのだと、年がら年じゅう言っておられる、こういう根本的な社会道徳の基本になるような問題が起ってきた際は、さらに積極的にやるべきだという考え方をわれわれは持ってきたわけです。それですから何も政府当局のみじゃなくして、現場の教師、われわれ文教当局にある者、すべて一体になって、急速に押し迫ってくるところの、この公娼が私娼化して、日本全国にそういうふうな性道徳の危機というものがくるような一つの状況を、われわれはその危険を感じているわけなんです。そういう点で、私は二、三点、ちょっとお聞きしたいのです。計画局長にお伺いしたいのですが……。
  27. 安部清美

    ○安部清美君 委員長、質問の途中なんです。
  28. 岡三郎

    ○委員長(岡三郎君) 途中ですか。返事がまだですか。
  29. 町田稔

    政府委員(町田稔君) 先刻御質問のございました地区を指定せずに建築を取り締ることができないかというお話でございましたが、この点につきましては、地区を指定いたしません場合には、建築を取り締る観点は、構造上の観点からだけ取り締っておりますが、地区の指定のないところにおきまして、どういう業種建築物はおもしろくないからという取締りは、現在のところできないことになっております。
  30. 山口正義

    政府委員(山口正義君) 今回問題になっておりますような不健全な営業を行います旅館が出まして、その付近の地区、住民の生活環境に、いろいろ悪い影響を及ぼして問題になっておりますことは、まことに遺憾なことだと思うのでございますが、現在の旅館業法が、御承知のように公衆衛生立法でございまして、その設置場所について、公衆衛生上の見地からいろいろ規制をする、あるいはその内部の構造につきまして、衛生上の見地からいろいろ規制をするということをいたしているわけでございますが、今回のような問題が起っておりますので、現在の旅館業法を何とかしてそういう線までも規制できるような形で改正すべきではないかというような御意見が強いのでございまして、私どもの方でも、そういう点を考えながら改正の案をいろいろ検討しているわけでございますが、さしあたって、その当面の問題といたしまして、行政指導で、現在問題になっている申請しているような旅館について、強力な行政指導を加えまして、これは都の方と打ち合せておりますが、行政指導いたしまして、その申請を取り下げさせるように指導していきたい、そういうふうに考えております。
  31. 安部清美

    ○安部清美君 文部省の今の御答弁について、私は通牒でいろいろ各教育委員会にそういう教育環境の浄化についてもう少ししっかりやれといったようなことで、通牒のしつぱなしでは私はこの問題はなかなか解決がつかないのじゃないか。ことにこういう具体的な問題が出る場合には私はなかなか容易なことではないんじゃないかと思うのでありますが、ことに今御答弁にはっきりなかったようでありますが、きのうの参考人のいろいろのお話を聞いてみてもかなりの障害点がある。そういう障害点をいろいろ克服して環境を浄化するためには、私はただ通牒だけでは徹底をはかることができないじゃないかと思うのであります。そういう関係から環境浄化の、教育環境の浄化の何か立法措置を講じなければ、こういう問題は解決がつかないというふうに文部省はお考えになるかどうか、この点を私はお伺いをしたいと思います。
  32. 小林行雄

    政府委員(小林行雄君) 仰せの通り今回鳩森の事件を契機といたしまして再び通牒を出したわけでございますが、私どもといたしましてももちろんこの通牒だけで事が済んだというふうに考えておるわけではございません。私どもも現地の状況を見ましたあと関係の各省を歩きまして、それぞれ関係の各省の権限の範囲内で現在さしあたりできるものについては何とかお考えをいただきたいという申し出と申しますか、お願いをいたしまして、また私どもの方と東京都と集まりまして、具体的にこの鳩森の問題をどうするかという、まあ協議会と申しますか、研究会をいたしたわけでございまして、こうした研究についても今後ある程度結論の出るまでは続けて参りたいと思っております。文部省として環境浄化のための立法措置をやる考えはないかという御質問でございますが、先ほど来のお尋ねの中にもございますが、問題が非常に広範にわたっておりまして、文部省だけの立法措置で果して事が片づくかどうかということについても疑念がございます。しかし私どもといたしましても関係の各省とよく話し合いをいたしまして、それらの法律の改正ということでもし事が済まないような場合には、たとえば学校教育法の一部改正というようなことを将来検討しなければならぬのじゃないかというふうに考えております。
  33. 岡三郎

    ○委員長(岡三郎君) ちょっと私から整理する意味でお尋ねいたしますが、計画局長さんのもうさっきの言で小学校を中心とした文教地区を考えなければならないのではないかというふうな程度の問題ではなくて、これは積極的に、こういうふうに特に悪質といいますか、重要なる影響を与えている場合においては、そういうふうな、考え得るということでは私は解決つかぬと思う。その点と、それから都知事ですね、この場合また全国では市町村長ですか、都知事が申し出た場合には早急にこれを取り上げて調べると、この問題について解決する意思があるのかどうか、この二点を明確にしてもらいたい点と、それから衛生局長さんの方では、旅館業法の改正というものが、参考人から強く言われておるわけです。旅館業法の改正によっても相当これは是正できる。だから今強力なる行政措置というものは一体何か。  それから旅館業法の改正を積極的にすぐやる意思があるかどうか、その点ですね。  それから文部省の方としては手抜かりがあったというふうなことを言っておりますが、もっと積極的にさらに手を打つことを考えておらないのかどうか、いろいろな問題があるけれも、これを急速に進めて、都の方では三月末にこの結論を出すといっているのだから、そういった点について関係各省と連絡をとって、もっと積極的に進行するような方法を考えているかどうか、以上の点について整理する意味で一つお答えを願いたいと思う。
  34. 町田稔

    政府委員(町田稔君) 文教地区につきましては、御承知のようにその規制の内容は全部条例できめることになっております。それで条例の内容が非常に広範囲に各種の建築物を規制する内容になっております場合には、小学校を中心としてかなり広く文教地区を指定してしまいますと他に支障が起ることもございますので、小学校を中心として指定をする場合につきましては、かなりいろいろの条件をつけて、たとえば今回の場合のように、非常に弊害が現に起っているというような所につきまして、この地区の指定をするというように考えていかなければならないのじゃないかと思っております。そういう意味におきまして多少今後研究を要する点もございますので、先刻小学校を中心としての指定についてはなお考えたい、こう申し上げたのでありまして、十分今後一つその点検討いたしたいと思います。  なお、具体的に東京都から鳩森の地区についての文教地区指定の申し出がございました際には、これは建設省といたしまして当委員会の御趣旨に沿って善処いたしたいと、こう考えております。
  35. 岡三郎

    ○委員長(岡三郎君) そうすると期間的に言うと、東京都の建築局長の言では三月一ぱいに結論を出すと言っておりますが、それに即応して検討を続けられて、最も近い期間において結論を出すようにしてもらいたいと思うのですが、その点はいかがですか。
  36. 町田稔

    政府委員(町田稔君) 御趣旨に沿って善処いたしたいと思います。
  37. 山口正義

    政府委員(山口正義君) 第一点の旅館業法の改正の問題でございますが、これは現在の旅館業法は先ほども申し上げましたように公衆衛生の立場からの立法になっております。この旅館業法に風紀上の観点からの規制を何らかの形で加えるべきではないかという御意見は長い間の御意見でございまして、先ほど委員長もおっしゃいましたように、ことしの四月から売春防止法が施行になるわけでございますが、先般の売春対策審議会の答申の中にも、この売春防止法施行に伴って旅館業法の改正を行うべきであるという、必要な改正を行うべきであるという御答申が出ておりますので、私どもの方におきましては改正すべき条文はいろいろあると思うのでございますが、それらを盛り込んで、それに加えて今回のような周囲に対する影響というような点も考えに入れまして旅館業法の改正を今準備中でございまして、案ができましたならば本国会に御審議をお願いしたい、そういうふうに考えているわけでございます。  それから強力な行政措置とはどういうことを意味するかというお尋ねでございますが、これは当面の問題といたしまして、いずれ旅館業法国会で改正、御可決になりますればその施行に伴なって行政指導をやっていかなければならないのでございまするが、当面の問題といたしまして、東京都の現在の鳩森小学校付近の旅館営業につきましては、これら申請、現在申請しておりますもの、あるいはこれから申請しようという考えを持っておりますものに対する指導、それから現に営業しておりますものに対する指導、その二つに分れると思うのでございますが、厚生省から都知事に対して通牒を出しまして、その内容といたしましては――行政指導の内容はいろいろと考えられると思うのでございますが、自発的に許可の申請を取り下げるように積極的に働きかけるというようなこと、それから現に保健所ごとに設置されております営業関係の協議機関その他の関係行政機関、あるいは地区周囲の代表機関などを加え極力その組織を活用していってもらいたいというようなこと、その他数々考えているのでございますが、そういう点を東京都と打ち合せをしまして、東京都知事に対して指示をし、こういう指示を東京都に出したということを全国的に通牒を流しまして、もしも万一法の改正が行われます前にいろいろな事態が起る場合にそれを未然に防止したい、そういうふうな考えでございまして、そういう事態が起らないことは希望しておりますけれども、とりあえずの措置としてそういう通牒を出したい、そういうふうに考えておるわけでございます。
  38. 岡三郎

    ○委員長(岡三郎君) もう一問。旅館業法の改正はいつごろ出しますか、大体の見通しは。
  39. 山口正義

    政府委員(山口正義君) 現在厚生省内で大体案を検討して大体の素案ができ上っております。これから関係各省と相談してから最後の成案になると思いますので、今月の半ば過ぎには国会に提出できるような運びにもっていきたい、そういうふうに考えております。
  40. 岡三郎

    ○委員長(岡三郎君) それで可決されるまでに強力な手を打っていただくということについて発言があってまあ安心したわけですが、これはぜひとも、鳩森を中心として十件程度出ておるということでありますので、その点は心配ないと思うんですが、特段に御留意願ってそのほかの面についてもありましたならばお願いしたいと思んです。  文部省は先ほど法律的にいって学校教育法云々という改正の問題を言われたんですが、それに関連して道徳教育基礎をつちかうという建前で、積極的にこれからいろいろと手を打たれることと思うのですが、もう一段強力な文教の責にある方として積極的な御発言を願ったらどうかと思うのですが、小林さんどうですか。
  41. 小林行雄

    政府委員(小林行雄君) 積極的にさらに手を打てというお尋ねでございますが、教育環境の維持ということは教育上根本の問題でございますので、この問題について文部省が手をこまねいて傍観するというようなことを考えてはおりません。単に通牒を府県の教育委員会あてに出したということだけでなしに、国会の御意見に従って、また学童の父兄の強い要望に従って具体的な解決の方法を関係の各省と十分連絡をとりまして考えて参りたいと思っております。学校環境の問題でございますので、文部省が中心になってそういった方法を推進して参りたい、こういうふうに考えております。
  42. 岡三郎

    ○委員長(岡三郎君) 私は小林さんにお尋ねしたいのは、これは大臣にお尋ねするのが至当だと思うんですが、結局法的の規制の仕方を積極的に各省でやってもらうとともに、これはやっぱり積極的道徳教育の高揚という面で、鳩森のようなああいうPTAが環境浄化協議会というものを作ったんですが、結局手おくれにならぬように積極的なPTAなり、あるいはこれの周辺の諸官庁ですね、そういったものが手を組んでこういう浄化運動を民衆の中から、社会教育の面を通じてということも言われたのですが、民衆の中から積極的にその子弟の環境を守っていくのだという、そういうふうな指導というものに強く手が打たれるということは、法規を作るということ以上に私は効果があるのではないかと考えるのです。だからそういう点の指導というものを積極的にやってもらいたいのだが、そういう点はどうですか。
  43. 小林行雄

    政府委員(小林行雄君) 制度の法的な規制という面のほかに、事の根本に関する問題として、まあ具体的な例で申しますれば、都民の徳義心とか、あるいは広く言えば国民全体の徳義心の問題という問題でございます。これについてはやはり文部省としても何らかの方策を考えていかなければならぬと思っております。またそれと同時に先ほど厚生省政府委員の御発言にもございましたように、たとえば保健所で許可する場合の諮問機関というようなものにそういった学校の代表なり、あるいはPTAの意見が反映するような方法も一つの方法ではないかと思っております。いずれにいたしましても国民全体に関連する、国民の性道徳に関連する非常に大きな問題でございますので、文部省といたしましても単に法的な規制のみならず、道義心の養成ということについても十分に配慮をいたして参りたいと思っております。
  44. 岡三郎

    ○委員長(岡三郎君) ほかに質問ございますか。
  45. 松永忠二

    ○松永忠二君 文部省にお尋ねするわけでありますが、今いろいろ御発言があったわけでありますが、環境浄化について特にその世論を起すというような意味から考えてみても、直ちにとにかく文教地区設定の運動というようなものを起す必要があるというように私どもは考えるわけであります。通牒を見ても学校環境の維持保全について万全を期せられるというようなことの抽象的な内容であるわけでありますけれども、今直ちに文部省がこの問題について直接的に効果を上げる問題として文教地区指定の運動等を全国的に起していくというような考えはないのかどうか。もちろん今建設省の方からお話があったように、文教地区の内容というようなものについては検討を要するとしても、各地方の条例で設定することであるので、こういう面については十分各地で実情に即して実施をするとしても、とにかく文教地区設定の運動を起すということが環境浄化の具体的な、一般的な運動を起すゆえんになるとわれわれは考えるので、直ちにそういう運動を起しまして、この問題を幾らかでも解決をしていくというようなことについてはどういうようにお考えになっているのか。  なおもう一点。全国で一体条例を設定をして、文教地区の設定の条例を作っている県がどのくらいあるものか。私の考えておるところでは非常に少ないように考えておるわけでありますけれども、そういう点から考えてみて、そういう地区設定の条例すらもできてない現状から考えてみると、直ちにこの問題等については手をつけていただきたいというように考えるわけでありますけれども、この点についてどういうふうにお考えになっておるかお聞したいわけです。
  46. 小林行雄

    政府委員(小林行雄君) 文教地区指定の運動を全国的に起したらというようなお尋ねと思いましたが、もちろんこうした学校環境の維持について文教地区の指定ということがきわめて大きな具体的な方策の一つだと思うのです。ただ従来から現在までにおきましては具体的にこの条例のできておるところは、私どもの調べでは東京都と山形県だけのように聞いております。しかしそれ以外の府県について果して問題がないかどうかということになりますと、そう簡単には考えられないと思いますので、実は先般全国の教育長が集まりましたときにも私の方から出向きまして、この最近の千駄ヶ谷地区の状況について話をし、環境の維持について、文教地区の設定ということについて皆さん十分考えてもらいたいという話をいたしたような次第でございます。教育委員会では、この文教地区の設定ということが建築関係の法規に載っております。具体的にまだそれを十分知っていないという方もあったというような実情でございましたので、今後はこのような環境地区の維持というような、文教地区の設定というようなことについても十分研究してもらうように指導をいたして参りたいと思います。
  47. 野本品吉

    野本品吉君 簡単なことですが、一、二点お伺いいたします。  この建築基準法で見ますと、建築してはならないといういろいろな制限規定が数多くあるわけです。ところがその制限規定のあとにみなただし書きがついてあって、「特定行政庁が住居の安寧を害するおそれがないと認め、又は公益上やむを得ないと認めて許可した場合においては、この限りでない。」これに類するただし書きが全部ついておるのですね。これは実情からいいますとどういうことになっておりますか。
  48. 町田稔

    政府委員(町田稔君) ただいま御質問のございましたただし書きの点でございますが、建築基準法にはただし書きのついておりますのは用途地域制限の場合についておるのでありまして、用途地域に指定いたしますとかなり多数の種類の建築物が一挙に制限を原則的には受けるわけでございますが、たとえば文教地区等におきましては、一せいに旅館を制限いたしましても、そこに住んでいる学生等の下宿等はこれは必要な場合もございます。そういうもの、これは一例でございますけれども、ただし書きで救わないと実情に沿わないという場合も考えられるものでございますので、ただし書がそういう場合に置いてあるわけでございまして、それに従って適正な運用をいたしておるという状況であります。
  49. 野本品吉

    野本品吉君 私がこのただし書きに対する行政庁の認識判断、運用というものが今日のような事態を起してくる一つの素因になっておるのではないかということを想像するわけです。従って現在起っておりますいろいろな問題につきましては、このただし書きの趣旨というものに対して、教育的な考慮が払われておらないという、あるいはそれが足りないという点から今のような事態が起ってくるのではないかと思うので、この点について国としては地方のこれらの事柄を扱う行政庁に対して十分な指導を必要とするのではないかと思いますが、どうでしょうか。
  50. 町田稔

    政府委員(町田稔君) 確かにただし書きの運用を誤まりますというと、せっかく指定いたしましても効果を発揮しないわけでございますが、今回の場合の例について考えてみますと、おそらく住居専用地区なり文教地区に指定をされておったならば、こういうことは起らなかったと思います。それでいかにただし書きがありましても、地区の指定がありましたならば、そのただし書きによって骨抜きになって、今のような事態になるというようなことは考えられなかったと思うのでございまして、ただし書きの運用につきましては、今後とも十分行政指導をして参りたいと思いますが、そのために、ただし書きがあって骨抜きになるというようなおそれはまずないと考えております。
  51. 野本品吉

    野本品吉君 そこでさらにもう一点お聞きしたいのですが、私は、現在起って、ここで問題になっておりますこういう好ましからざる事態に対して国が直接、法的な規制をすると、それも一つの考え方であるかしりませんけれども、私はどちらかと申しますと、すべての問題に対してできるだけ地方自治団体の行政に対して自主性と独立性とを与えたいというのが年来の考え方なんです。従って文部省にしましても、厚生省にしましても、建設省にしましてもやはり法律の上では完全に取締りができる形になっておりますけれども、やはりそういう点についての強いと申しますか、手の届いた行政指導の面において今後遺憾のないようにしていくべきであると、こう考えるわけなんです。いかがでございます。
  52. 町田稔

    政府委員(町田稔君) お説の通りでございまして、行政指導の適正を今後もさらに一そう考慮いたして参りたいと、こういうふうに考えております。
  53. 高田なほ子

    ○高田なほ子君 それにちょっと関連して……。今、行政指導の面が出ておるわけですが、この専用地区に指定になった場合に既存の業者はなかなか今まで通りに営業がはかどっていかないということで、また別の所へ新築するためにどんどんどんどん今売りに出しておるような傾向も見えるようです。そこでその売りに出しておる旅館を今度は別なものがまたそういう業態を営みたいという野心のもとに買いつけるような手が伸びておるようです。これは先般の参考人のお口からも出たのですが、売買契約というものに対して、これは私的なものでありますから、これを抑制する力はないと思いますが、こういうおそれのある売買契約というものに対して相当強硬な行政措置ですね、認可制というんですか、どうですか、よくわかりませんけれども、そういう危険なりおそれのある売買契約を当分の間保留して、研究していくというようなことについてはどういうふうに考えておられますか。
  54. 町田稔

    政府委員(町田稔君) ただいまお話のございましたように、売買につきましては建築基準法の関係ではこれを制限することができません。建築基準法では建てる際だけの許可認可になっておりまして、その点については基準法による取締りをすることは今のところ不可能でございます。それから基準法で将来そういう規定を設けるべきかどうかという点でございますけれども、これは基準法が目的といたしておりますのは、建築についての各種のまあ保安的な観点からの構造上の取締りとか、あるいは都市計画上の各用途地域なり地区なりの目的を達成する見地からの制限をきめた法律でございますので、この法律の中に譲渡に関しましての規定を設けるということはちょっと不可能じゃないかというふうに考えております。
  55. 高田なほ子

    ○高田なほ子君 そこでちょっと突き当っちゃったんですが、今のこの問題は非常に鳩森の問題として重要な問題ですね。そこでこの建築基準法の四十八条の第三項の中に厚生大臣は、必要があると認める場合においては、用途地域の指定について、建設大臣に対して意見を述べることができるという一項があるのですが、今厚生省の意見を承わっておると、審議会の答申に基いて旅館業法の改正が行われるということになれば、これは厚生大臣の所管になるわけですが、この改正の中には、今大まかにお話を聞くと、そういう風紀地区というものも作らない。風紀地区というものの害毒を認めて、そうして旅館業法を改正していくというような御意見でありますから、そういう法の精神に基くと、厚生大臣はそういう売春業者に転売するおそれのあるということを認めた場合には、これを阻止するような方法を建設大臣に対しても意見を述べて共同でこれを阻止するという方法はとれないものかどうか。どういうふうにしたらこれはいいものか。
  56. 岡三郎

    ○委員長(岡三郎君) 今の高田さんの質問は、建物の売買営業とを一緒にしているわけで、答えは出てこぬという様子に承わっておりますが、要するにこういう問題じゃないかと思います。旅館を売買する場合に旅館の権利売買するということは法的にいってもできないと思う。やっぱり建物ではないかと思うのですが、その点と、そういった場合においては、新しく買い取ったものに対してあいまい的なそういう旅館営業というものに対して、旅館業法の一部を改正して、そういったものに対しては認可しないということになれば、まあ魔手は伸びないというように考えるんですが、そういった点、衛生局長どうですか。
  57. 山口正義

    政府委員(山口正義君) ただいまの高田先生のお尋ねの売買契約を建築基準法の第四十八条に基いて厚生大臣として何か措置がとれないかというお尋ねの点は、この建築基準法に基いてその措置をとるということはなかなかむずかしいのではないかというふうに考えるわけでございますが、ただ、ただいま委員長のおっしゃいましたように、売買をいたしますのは建物でございまして、旅館営業権利売買はできないわけでございますから、建物を買いました場合に新しくまた買った者が申請をしてくるわけでございますから、その申請をして参ります場合に旅館業法の改正の際にそういう点を盛り込みたいと私ども原案では考えておりますが、それが可決されればそういうものでやれますし、それまでの措置といたしましては、先ほど申し上げましたように行政指導でそういうものを申請をさせないように、もし出ておりますれば取り下げる、もしこれから申請しようとしますものには申請しないように強力指導していきたい、そういうふうに考えております。
  58. 矢嶋三義

    ○矢嶋三義君 私、速記をとめて聞きたいんですが。
  59. 岡三郎

    ○委員長(岡三郎君) ちょっと速記を停止。    午後零時十五分速記中止    ―――――・―――――    午後零時五十一分速記開始
  60. 岡三郎

    ○委員長(岡三郎君) 速記をつけて。  厚生省の方としては御答弁によって旅館業法の一部改正を三月半ばごろに提出して、この中において従来取り上げられなかった風紀上の面まで積極的に取り上げて、何とかこの問題についての対処をしていこうという意思もわかりましたし、さらに建設省の方としては、この地区が住民一体となって文教地区の指定を要望しておるし、これが全国的な一つのモデル・ケースとして実際にそれによって効果が上るかどうかという大きな問題になっておるわけで、こういう面について積極的な御指導を願いたい。  それから文部省としては、この問題は売春防止法施行後における全国的な問題であるし、先ほど楠本環境衛生部長さんが言われたように、申請している業者がどういう実態であるか不明であるというようなおそろしい現状というものを考えて、地区の住民に特に学校周辺の教育環境を守るために、そういうような注意を喚起して、積極的に社会教育というものを振興し、あるいは地区防衛組織といいますか、そういう悪い環境から守るような指導をするというふうな面に力を入れて、今後単に通牒だけではなくて、積極的にやっていただきたい。そういう御答弁があったので、それを具体化していただきたいということを申し添えておきたいと思います。  速記をとめて。    〔速記中止〕
  61. 岡三郎

    ○委員長(岡三郎君) それでは速記をつけて。  以上で暫時休憩をいたします。    午後零時五十四分休憩    ―――――・―――――    午後二時二十分開会
  62. 岡三郎

    ○委員長(岡三郎君) 午前に引き続き委員会を再開いたします。  まず、委員派遣報告に関する件を議題といたします。  本件については申し合せの通り懇談会に移りまするので、御了承願いたいと思います。  速記をとめて。    午後二時二十一分懇談会に移る    ―――――・―――――    午後三時十九分懇談会を終る
  63. 岡三郎

    ○委員長(岡三郎君) それでは速記を起して。  以上で懇談会を終りまして、次に、理科教育振興法の一部を改正する法律案を議題といたします。質疑のある方は順次御発言願います。
  64. 矢嶋三義

    ○矢嶋三義君 まず、文部大臣の提案理由の説明の中に四行目に「初等教育及び中等教育における理科教育を一段と充実させ」云々とあるが、ここは高等学校教育というものは中等教育に含ましてあるのですか、それとも特に落してのは何かお考えがあってのことですか、それを承わりたいと思います。
  65. 内藤譽三郎

    政府委員(内藤譽三郎君) 中等教育といいますのは中学校、高等学校含めて中等教育と申します。
  66. 矢嶋三義

    ○矢嶋三義君 その点了承しました。  そこで文部大臣に伺いますが、理科教育の振興をはかるために、その補助対象を公立から私立まで拡大したというのは、これは多年の要望であり、非常にその点けっこうだと思うのですが、岸内閣で石橋内閣の完全雇用政策を引き継いでやられているわけですが、宇田企画庁長官が衆議院で答弁されたところを調べてみますと、完全雇用政策の実現のために日本の科学技術の飛躍的発展をはかるというのが一つのねらいだと、従って大学とか高等学校におけるその方面の拡大もはかるし、特にその技術者科学教育者の養成にも力を入れ、また各級機関に十分の教師を配当して、そしてその方面における教育の振興をはかり、ひいては日本の科学技術の水準の向上、産業の発展、完全雇用の実現、こういうものを期したいというように述べられているのですが、そういう経済企画庁の方の方針と文教予算とは果してマッチしているのかという点、私は若干疑問なきを得ないのですが、大臣のこれに対する御所見を伺いたいと思います。
  67. 灘尾弘吉

    国務大臣灘尾弘吉君) 経済企画庁長官の発言の内容はよく承知いたしませんが、政府の方針といたしまして完全雇用に向って努力するということにおいては、これはもうはっきりいたしておるわけでございます。その趣旨におきまして企画庁長官も抱負を述べられたと思うのであります。私どもといたしましてもこの線に沿って努力すべきことと考えております。  今度の予算におきまして、果してそれがマッチしておるかどうかというお尋ねでございますが、少くともその趣意につきましてはその線に沿うておるものと考えますけれども、率直に申し上げまして現実の予算というものにおきましては、必ずしも企画庁長官の仰せられた通りのものにはなっておらないのじゃないか、かように私どもおそれておるわけでございます。この問題はしかし重要なことでございますので、われわれといたしましては次の機会におきましてはできるだけその線を実現するように極力努力いたしたいと今日から考えておるような次第でございます。
  68. 矢嶋三義

    ○矢嶋三義君 この法が成立した後における補助の配分の業務は公立、私立同じところでやるわけですか。
  69. 内藤譽三郎

    政府委員(内藤譽三郎君) 基本的な方針につきましては、初等中等教育局でいたしますが、実際の具体的な配分につきましては、私学関係を一般的に行政しております管理局の振興課の方で扱うことになっております。
  70. 矢嶋三義

    ○矢嶋三義君 その際にこの公立と私立の予算の内訳等をやられるのですか。それともそういうことなく、全く同じように取り扱っていかれるつもりですか。その点はどうなっていますか、
  71. 内藤譽三郎

    政府委員(内藤譽三郎君) 予算の上で私立学校につきましては今年度は一千万規定しておりますので、一千万の範囲で三十二年度の配分を行うわけでございます。将来もちろんこれでは不足でございますので、私学関係の予算の充実に努めたいと思っております。
  72. 矢嶋三義

    ○矢嶋三義君 念のため伺いますが、三十二年度の理科教育振興の要求予算三億八千四百十五万のうちの一千万、こういうのですか。
  73. 内藤譽三郎

    政府委員(内藤譽三郎君) さようでございます。
  74. 矢嶋三義

    ○矢嶋三義君 としますとね、科学技術教育の振興というのは、今度予算編成に当っては大きな一つの方針として打ち出されたわけですが、内容は理科教育の振興は本年度に比べて二千二百五十四万七千円ふえていると、私立学校に補助を拡大したのが一千万円となると、公立学校理科教育の振興費のふえた割合というのはきわめて少いわけですね。そこでまあこの数字はともかくとして、承わるところによると、中学校等の理科教育実験費というのは子供一人について一年間にまんじゅう一つですね、まんじゅう一つ分しかないそうです。あればいい方だそうですね。理科教育の振興が叫ばれながら現場においては最小限の実験も行われていない、また施設、設備は若干あった場合におきましても、絶対必要な助手というのがいないというわけですね。で、理科の教師は生徒指導もあるし、生活指導もあるし、実験の準備、跡始末まで手が回らなくて、施設、設備がある程度あってもこの助手等の充足が行われていないために実際やれない。こういう状況ということを承わっているわけですが、科学技術の振興ということを大きくうたった内容としては私、予算編成に苦労はされましょうが、もう一段の予算額の飛躍を切に望むとともに、この必要欠くべからざる助手の充実ですね、それからこの助手にりっぱな力のある人を確保できるような手を打たなければ私は理科教育の振興というのはあり得ないと思う。ことしの大学の志願者の様子を見ますと、もう学芸学部は激減しているのですね。経済界はちょっと活況を呈してくると理科あるいは産業教育方面に携わっている教師並びに助手というのは引っこ抜かれて行ってしまうわけですね。そうすると非常に教育に支障を来たしてくるわけで、盛んに神武以来の景気で、日本の産業基盤は拡大されつつあると、こう言われているわけですが、そういう事態が起ってからでは必要な要員というものが確保されないので、今から私は手を打たなければならぬと思っているわけですが、どういう見通しと対策を持たれているか、承わっておきたい。
  75. 内藤譽三郎

    政府委員(内藤譽三郎君) 理科教育につきましては、科学教育研究室というものを全国に約四十個所ほど設けておりまして、これによって理科の先生の再教育をいたしておるわけでございます。  それから次に、ただいまちょっとお話がありましたうちで二千三百万円とふえているが私学が二千万円ふえているというわけじゃございませんで、私立学校は前年度も一千万円でございました。本年度の二千三百万円というものは公立の分がふえているわけであります。  それからなお今後の問題として理科教育と産業教育の面についてお話がございましたが、産業教育の面と、理科教育の面はある程度関連はありますけれども、一応理科教育理科教員の養成というふうに、私どもはこれが再教育に今後の重点を置いてやっていきたい。産業教育につきましては、別途に産業教育振興法の関係もございますので、その方で職員の養成及び待遇等について目下いろいろと努力をしているわけであります。
  76. 矢嶋三義

    ○矢嶋三義君 助手の点については。
  77. 内藤譽三郎

    政府委員(内藤譽三郎君) 助手につきましては、お尋ねのように、ことに産業教育工業学校等において、助手の待遇について問題が起っていることは存じておりますので、これが待遇改善について人事院その他とも折衝しておるところであります。
  78. 矢嶋三義

    ○矢嶋三義君 その助手の待遇改善について人事院と折衝中ということは、どういう方向で努力されているのですか。
  79. 内藤譽三郎

    政府委員(内藤譽三郎君) 産業教育振興法によりまして、産業教育に従事する職員の待遇については特別の措置が講じられなければならないという規定がございますので、その線に沿いまして、助手を含めて産業教育に従事している職員について何らか特別の勤務手当、そういうようなものについて相談をしておるところであります。
  80. 矢嶋三義

    ○矢嶋三義君 助手は相当大切な仕事をしておりながらこういう人が公務員としての身分は持たないわけですね。従って恩給もつかないし、退職金等についても非常に不利な取扱いを受けているのですが、そういう人を、教育業務に携わる公務員としての身分を確保することによってりっぱな助手教育の場に確保して、これを通じて理科教育の振興をはかるというようなお考え方はございませんか。
  81. 内藤譽三郎

    政府委員(内藤譽三郎君) 助手ももちろん教育公務員の中にあるわけでございまして、ただ教諭、助教諭というものとは違うということでありまして、教育公務員としての範疇に入るわけであります。ただお話のように、いわゆる本官に相当するものではないので、恩給につきましては適用はないのですけれども、当然に共済組合の長期給付等によって、それと同様な措置が講ぜられることになっております。
  82. 矢嶋三義

    ○矢嶋三義君 小、中、高校にいる助手というのはほとんど用員扱いになっているわけでしょうね。
  83. 内藤譽三郎

    政府委員(内藤譽三郎君) 小、中学校ではあまり助手は使っていないと思います。ただ高等学校、ことに産業教育高等学校ではある程度助手がいるわけでございます。特に工業あるいは農業等におきましては、相当の数の助手が必要であります。
  84. 矢嶋三義

    ○矢嶋三義君 そういう人は用員扱いになっているでしょう。
  85. 内藤譽三郎

    政府委員(内藤譽三郎君) 大体用員扱いになっております。そこでただいま申しましたように、共済組合の給付を受けるわけであります。
  86. 矢嶋三義

    ○矢嶋三義君 それを今後なんですね、恩給等がもらえるような身分の保障をしようという方向で努力しておられるわけですね。
  87. 内藤譽三郎

    政府委員(内藤譽三郎君) 工業学校の助手は必ずしも用員でないと思います。ですからそれにはやはり定員のワクがございますので、できるだけ助手も定員のワクの中に入れて、そうして教育公務員特例法として保障するようにいたしたいと思います。
  88. 矢嶋三義

    ○矢嶋三義君 他の委員が質疑されたあと、この法案に関連して科学技術の振興に関する予算関係について質疑いたしたいと思っていますが、一応ここでの質問を終ります。
  89. 岡三郎

    ○委員長(岡三郎君) ほかに御質疑ございますか。
  90. 湯山勇

    ○湯山勇君 数点お尋ねしたいのですが、それはこの法律をなぜ本年度出したか。これは昨年度も実質的には私立学校に対して理科教育の補助がいたされておったわけです。今年度これをお出しになったからといって、別は私立学校に対する予算が格段にふえたというわけのものでもありません。そうすれば、この法律を出す意味が私にはよくわからないので、これをまずお伺いしたいと思います。
  91. 内藤譽三郎

    政府委員(内藤譽三郎君) 昨年初めて私立学校に一千万の補助がついたわけでございます。そのときに、今後どういうふうにやるかということを十分検討しておりまして、政府部内でも、意見の調整をいたしまして、本年度新たにこの法案を出しましたのは、今後私立学校における科学教育の格段の発展充実をはかりますため法的根拠を与えたい、こういう念願でございます。
  92. 湯山勇

    ○湯山勇君 そのお答えでは一向に納得できないのです。それじゃあどうして去年お出しにならなかったのでしょうか。逆にお尋ねすれば……。
  93. 内藤譽三郎

    政府委員(内藤譽三郎君) これはまあいろいろ政府部内で意見を調整をしておりまして、大体この法律案を出すことについては特に大蔵当局にもいろいろ御議論もありますし、今後の見通しを立てなければなりませぬので、大体この法案によって、今後公立学校並みの設備充実に要する経費の見通しをつけなければなりませぬので、そういう点で、いろいろと前年度折衝しておったわけですが、本度度ようやく見通しもつきましたのでこの国会に提案したような次第でございます。
  94. 湯山勇

    ○湯山勇君 見通しもついたというのは、どういう見通しでしょうか。昨年とちっとも変らないような見通しなのか。昨年というのが本年度と同じなら、別段法律によってやる必要もないと思うのですが。
  95. 内藤譽三郎

    政府委員(内藤譽三郎君) 実はこの法案を実施いたしますと、公立並みの七〇%を充実するには、約十七億ほどまだ金がかかるわけなんです。ですから、これを法案基礎をもちまして、今後何年間かの間に八億五千万、半分でございますが、それだけの負担を件う法律でございますので、大蔵当局も相当慎重であったわけで、ようやく関係の間で話し合いがつきましたので、この法案を提出し、今後公立学校並みに格段の充実をはかって参りたい、こういう趣旨でございます。
  96. 湯山勇

    ○湯山勇君 そうすると、八億五千万は、大体何ヵ年間でお出しになる予定ですか、というのは、一千万円ずつ出していけば、八十五年かかるわけです、法律を出す以上は、そんなに八十五年先のことはお考えにならないと思いますが、こういう法律をお出しになるというのには、ある程度見通しがなくちゃならない。で、どういうお見通しなんですか。大蔵省とのお話し合いはどうなっているかをお伺いしたい。
  97. 内藤譽三郎

    政府委員(内藤譽三郎君) お尋ねの点が一番問題になったわけで、そこでごたごたしておりました。この法案を出す以上は、公立並みの整備計画によって私立学校を充実したい。ですから、今のところ文部省の当初予算でも同様に、当初予算、公立の場合でも十三年計画を立てておりましたので、来年度に、三十三年以降の問題になりますが、これをどの程度の計画で充足するかは、今後公立とのバランスを考えまして、検討いたしたいと思います。
  98. 湯山勇

    ○湯山勇君 それでは大体十三年間には目標を達成することができるというお見通しを持っておられると解釈してよろしゅうございますか。
  99. 内藤譽三郎

    政府委員(内藤譽三郎君) できるだけそれよりも早い期間に充足するようにいたしたい。たまたま昨年度の要求が十三分の一だというわけでありまして、これからの要求につきましては、よく検討いたしまして、なるべく早い機会に科学の振興ができるように、年次計画をとどめるようにいたしたいと考えております。
  100. 灘尾弘吉

    国務大臣灘尾弘吉君) 政府委員の答弁に、私からちょっと補足いたしたいと思います。お話の通りに今年度の予算の内容から申しますれば、日暮れて道遠しの感を持たれるわけであります。私決してこれで十分と考えておりません。のみならず、最初に矢嶋さんから御質問もございましたように、科学技術の振興ということは、日本としては急務であろうと考えております。ひとり初等中等教育だけではございませんが、全般を通じまして、科学技術教育の振興は非常に急がなければならぬと私は考えておるわけであります。私とし、致しては次の通常国会の際に、極力その間努力いたしまして、科学技術教育の振興については、もっと大幅な伸展をみるようにいたしたいと考えておりますので、今の初等中等教育における科学技術教育の振興が、今までの法律のみでやると十三年かかるというようなお話がございましたが、さようなことではどうにもなりませぬので、公立にいたしましても、私立にいたしましても、もっと早い期間にある程度目的が達せられるように努力してみたいと考えております。
  101. 湯山勇

    ○湯山勇君 大臣の御答弁をいただいて、そういうふうになるように私も大いに期待をいたしております。お願いいたしたいと思います。今度は事務的なことですけれども、昨年出すためには、当然私立学校法によって省令がなければならないのです。それは私立学校法の第五十九条でございますか、「国文は地方公共団体は、教育の振興上必要があると認める場合には、私立学校教育の助成のため、文部省令又は当該地方公共団体の条例で定める手続に従って援助を申請した学校法人に対し、補助金を支出し、」云々となっておりますから、昨年の一千万の補助については省令がなければならぬ、条例ということはありませんから、これはどういうような手続で昨年お出しになったか伺いたいと思います。
  102. 内藤譽三郎

    政府委員(内藤譽三郎君) これは私立学校の法規定を適用受けませんので、理科教育振興法の規定に基いて行なっておるわけであります。
  103. 湯山勇

    ○湯山勇君 この出された法律に、国が学校法人に補助する場合には、私立学校法の五十九条第二項から第六項までの規定の適用がある、こういうふうに書いてありますが、そうすると、やはりこれは私立学校法と無関係というわけにはいかないと思います。昨年は理振法の適用がない段階ですから、そうすると、唯一の適用といえば私立学校法しかないと思うのですが、これはどうですか。
  104. 内藤譽三郎

    政府委員(内藤譽三郎君) もちろんお話の点は施行規則によっておるわけです。ただ法体系としては理科教育振興法の法体系であります。
  105. 湯山勇

    ○湯山勇君 つまり私がお尋ねをしているのは、今年からはおっしゃるような方法でもいいかと思うのですが、昨年出すときには省令が何かなければ出せないように思う、御提案中のこの法律がなかったのですから……。そうすると、出せる法律といえば、私立学校法しかないわけです。そうすると私立学校法の五十九条といえばそのための省令がなければならない。そういうものがちゃんとおできになっておるのかどうか。
  106. 内藤譽三郎

    政府委員(内藤譽三郎君) 一これは私立学校法施行規則でやっているわけであります。去年は……。
  107. 湯山勇

    ○湯山勇君 その施行規則というものは、五十九条に規定した省令というものに該当しますか、手続き等規定してあるわけですが。
  108. 内藤譽三郎

    政府委員(内藤譽三郎君) さようでございます。
  109. 湯山勇

    ○湯山勇君 それじゃ、大へんむずかしいことをお聞きするのは、あとでお聞きするのに関係があるからですけれども、そうすると、それによって、出すことができるのであれば、今後理振法ができれば、それと別個の省令をお作りになるわけですか、出す手続等については……。
  110. 内藤譽三郎

    政府委員(内藤譽三郎君) 従前の施行規則で手続等はやっていきたいと思います。
  111. 湯山勇

    ○湯山勇君 なお、私ももう少し調べてみたいと思いますから……その規則等も拝見しまして、そこで理科教育振興法の理科教育審議会との関係は、私立学校の場合はどうなんですか。先ほど矢嶋委員の御質問に対する答弁の中では、公立学校の場合は初中局の方でおやりになる、それから私立学校の場合は管理局の方で実質的にはやるようになるだろうというお話ですが、そうすると理科教育審議会というのは、もっと大きい立場から、理科教育の分野をみていく審議会だと思いますので、これとの関係か、少しおかしいことになるのじゃないかという疑問が起るわけですが、これはどういうことになるのでしょうか。
  112. 内藤譽三郎

    政府委員(内藤譽三郎君) 理科教育審議会では、一般的なことをきめるわけでございまして、もちろん方針等についての一般的原則は公私立変らないわけでございます。ただ具体的に配分の事務は、公立学校については初等中等教育局、私学の分につきましては管理局の方で配分の事務を行う、こういうわけでございます。
  113. 湯山勇

    ○湯山勇君 そうすると、私立学校の方への配分の基礎になる事項とか、そういうことについては理科教育審議会が、やはり大臣の諮問に応ずる、こういう形になりますか。
  114. 内藤譽三郎

    政府委員(内藤譽三郎君) さようでございます。
  115. 岡三郎

    ○委員長(岡三郎君) なお、ここでちょっと申し上げますが、会計検査院事務総局第二局長の保岡君が見えております。念のために申し上げます。
  116. 湯山勇

    ○湯山勇君 せっかくおいでいただいている会計検査院にお尋ねいたしますが、こういうふうにして私立学校に出された補助に対する会計検査院の検査は、どういうふうに従来なされているのでしょうか。
  117. 保岡豊

    ○説明員(保岡豊君) 今の御審議になっております私立学校の小学校、中学校、高等学校に対する私立学校の補助の今までの検査については、書面検査でやっているだけでありまして、実地に現場に行きましての実地検査はいたしておりません。それは手が回らなかったわけでございます。
  118. 湯山勇

    ○湯山勇君 そうすると、書面だけで、この補助金の使用の適正化がはかれるという御判断には立っていないので、手が回らないから、やむを得ずそういう方法をとっている、こういうふうに解釈してよろしゅうございましょうか。
  119. 保岡豊

    ○説明員(保岡豊君) 一応書面におきまして申請書もついております。指令書もついております。そういうふうに会計検査院計算証明規則でなっております。それによって検査しておりますから、それの支出の請求書、領収書も決議書もついております。それによりまして一応の検査を了したものと思っておりますが、それに対して疑問のある点は、現地に行かなくてはなりませぬが、今までどうしても現地に行かなくては検査が完了しないと思いましたものはなかったわけであります。
  120. 湯山勇

    ○湯山勇君 ちょっと御答弁がおかしいと思うのはですね。人手があれば実際現地についてやりたい、そしてまたやるべきだというお考えであるけれども、人手がないためにやれないのだというように先ほどの御答弁はあったわけですけれども、あとの方の御答弁はそうじゃなくて、実際は今やっておるので十分だという御答弁では矛盾しておるのだと思うのですけれども。
  121. 保岡豊

    ○説明員(保岡豊君) 一応の検査はそれで了しております。しかしながらその指令書によって確認するという必要が検査の徹底から申せば必要かと思います。しかしそういうことは時間の関係、人手の関係でできませんので、一応の計算証明規則で成立されております書面によりまして、検査を了することになっております。それで重要なもの、私どもの補助によりまして金額の大きいようなものは実地検査をしているようなわけでございます。それで人手がだんだん回り、手が回るようになりますれば、だんだん小さいところまでいく、こういう関係でございます。
  122. 湯山勇

    ○湯山勇君 この私立学校に対するまあこの件を含めて、一般的な補助は私は公立学校に対するものよりも、なおいろいろなこれに対するまあ罰則といいますか、罰則という言葉は悪いかもしれませぬけれども、これを取り上げる規定とか、そういったものは厳重になっております。そこでこの会計検査院としては、よりそういう点については注意されなくてはならないのが常態ではないかと思うのですけれども、実際問題がそういうふうになっておるということだとすれば、これは非常に問題がいろいろなところで出てくるのじゃないかという感じがするのですけれども、これについての会計検査院の御見解を伺いたいと思います。さらにもう少し詳しく申し上げますと、この予算が助成の目的に照らして不適当である場合、そういう場合には、文部省が予算の変更を命ずることもできるような規定があります。そうすると、そういうのを検査されて、検査院がこれは不当だと認めになった場合には、その学校を不当としてやられるのか、あるいは予算を変更させた文部省をおやりになるのか、こういう点も問題としてあると思いますし、それから、もし会計検査院の方でお調べになって、これが法令に基くことに使われてないということであれば、文部省がされるのだと思いますけれども、役員の解職をさせる、こういう厳重な規定まであるわけです。そういたしますと、相当自由であるべき私立学校の内容に立ち入ってずいぶん厳重な検査をしなければならないというようなことが考えられますので、この辺についてどうお考えになっているのかを伺いたいのでお聞きしているわけです。
  123. 保岡豊

    ○説明員(保岡豊君) ただいまの法律、または補助金の適正化法によりまして、あらゆる補助金についてはいまおっしゃいましたようなことがございます。指令書通りに使っているか、使っていないかというようなこと、また変更しているのじゃないかというようなこと、これも非常にあらゆる場合に補助がございますので、それでかなり金額の大きいところによりま立ては、どうしても書面だけではやっていけませんので、実地検査に行っているわけであります。今ここで御審議になっておりますものは、比較的金額が小さいのでございます。それですから、先ほども申しましたように、できることなら徹底すれば徹底するのだけれども、実地検査の方は行かずに書面検査でやっている。参考までに申し上げますけれども、大学設備補助金につきましては、今まで実地に行ってやっております。そこでその文部省の方を批難するのか、相手方の私立学校を批難するのかとおっしゃいます件につきましては、一応相手方を検査するためには、会計検査院法の二十三条で指定をしてやることになっておりますが、文部省の検査の延長として今までは実地に行く場合はやっておりますので、今そのところで、今まで批難事項が出ませんでしたけれども、批難事項が出た場合は文部省の批難に相なると思います。
  124. 湯山勇

    ○湯山勇君 大体わかりました。
  125. 岡三郎

    ○委員長(岡三郎君) ちょっと速記をとめて。    〔速記中止〕
  126. 岡三郎

    ○委員長(岡三郎君) 速記を始めて。  本件に対する質疑はまだ相当あるものと考えまするが、文部大臣に所用がございまするので、本日はこの程度とし、次回は十一日に審議をいたします。  本日はこれにて散会いたします。    午後三時五十七分散会