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1957-02-07 第26回国会 参議院 文教委員会 3号 公式Web版

  1. 昭和三十二年二月七日(木曜日)    午前十時五十五分開会   ―――――――――――――   委員の異動 二月六日委員郡祐一君、笹森順造君及 び大野木秀次郎君辞任につき、その補 欠として田中茂穂君、森田豊壽君及び 佐野廣君を議長において指名した。   ―――――――――――――  出席者は左の通り。    委員長     岡  三郎君    理事            有馬 英二君            野本 品吉君            矢嶋 三義君            常岡 一郎君    委員            川口爲之助君            佐野  廣君            田中 茂穂君            林田 正治君            林屋亀次郎君            安部 清美君            松澤 靖介君            松永 忠二君            湯山  勇君   国務大臣    文 部 大 臣 灘尾 弘吉君   政府委員    文部政務次官  稻葉  修君    文部大臣官房会    計参事官    天城  勲君    文部省管理局長 小林 行雄君   事務局側    常任委員会専門    員       工樂 英司君   ―――――――――――――   本日の会議に付した案件 ○派遣委員の報告 ○教育、文化及び学術に関する調査の  件  (昭和三十二年度文教関係予算に関  する件)   ―――――――――――――
  2. 岡三郎

    ○委員長(岡三郎君) それではただいまから文教委員会を開会いたします。  委員の異動について報告いたします。  昨日、郡祐一君、笹森順造君、大野木秀次郎君が辞任され、田中茂穂君、森田豊壽君、佐野廣君が選任されました。  以上であります。   ―――――――――――――
  3. 岡三郎

    ○委員長(岡三郎君) まず前会、国会閉会中行いました委員派遣の報告を行うことといたします。第一班野本品吉君、第二班常岡一郎君、第三班林田正治君の順序にお願いいたします。それでは第一班野本品吉君から報告をお願いいたします。
  4. 野本品吉

    ○野本品吉君 先般派遣されました第一班の調査の結果につきまして御報告申し上げます。第一班は松澤委員と私並びに調査室から生田調査主事が随行して参りまして、十二月の十四日から十九日までの六日間、島根鳥取の両県教育委員会にて調査項目は、地方教職員の昇給昇格について、新教育委員会の運営の実態、定時制教育、特殊教育、僻地教育の実態並びに文化財保護保存の状況等につき調査、懇談いたしました。また島根県では、現在国立移管の問題の起きております県立島根農科大学、危険校舎として県立出雲高等学校、モデル校舎の出雲市立大津小学校、その他出雲市立今市小、中学校、県立松江ろう学校。文化財として出雲大社、松江城を、鳥取県では県立鳥取盲学校、ろう学校を、文化財としては鳥取砂丘を視察して参りました。以下順を追って御報告申し上げます。  教職員の昇給、昇格については、島根県では昭和二十八年十月以降二回にわたり昇給の延伸措置がとられておりまして、第一回は一律に三カ月の延伸、第二回は昭和三十一年度に〇・三・六の延伸措置、これは昇給期間六カ月の者はそのままで、九ヵ月の者は三カ月、十二カ月の者は六カ月という延伸措置をとられたのであります。本年度におきましては、前の二回の延伸措置に対する復元は行わずそのままとして、四月、七月、十月分については完全実施が行われたというような状況でありました。  また昇格については、昭和二十九年度より停止いたしておりまして、級の最高に至った者についての読みかえ昇格のみ実施しているという現状であります。これら昇給、昇格についての詳細を御説明いたしますと、大へん長い時間をとりますので、本件につきましては、県の教職員組合から、他の教育事項とともに熱心な陳情がございまして、その際に資料が提出されましたので、これらをあわせて文書をもって御報告いたし、速記録に御掲載されるように、委員長においてお取り計らいいただきたいと存じます。  鳥取県におきましては、昭和三十年度に三・三・六の延伸、すなわち昇給期間六カ月及び九カ月の者は三カ月、十二カ月の者は六カ月の昇給期間の延伸を各人一回限り行なっておりますが、その後最初の昇給期間は正規の期間で昇給させ、次の昇給期間については延伸された期間分だけ短縮して発令する方法をもって復元を行なっております。本年度においては、昇給、昇格ともに、十二月分まで完全実施済みでありました。次に、新教育委員会の運営の実態について申し上げます。島根県教育委員会の委員は、前委員の任命はなく、新発足に全員新たになりました。この委員の年令は、最高六十二才、最低四十五才で、平均五十三才となっておりまして、全国平均五十五才に比して二才若くなっております。政党関係者は全然なく、職業は僧侶、医師、弁護士、無職となっておりまして、前歴といたしましては、市町の教育委員、県の人事委員、労働委員等でありまして、皆さん公職の経験者でありました。教育長は前任者が引き続いて任命されております。本県市川村教育委員会は七十五ありまして、の構成は五人制五十五、三人制が二十、また教育長は専任六十二、助役の兼任が十三という状況でありますが、一人制の委員会市町村合併がおもな理由で現在一時的に構成されておりますが、隠岐島の小村の委員会財政的理由により三人制の委員会を継続しようとしているのを除いて、他は近くいずれも五人制の委員会に、また助役の兼務についても新年度までには全部専任者と切りかえられるとのことでありました。これらの市町村教育委員は三百三十三名で、うち十二名が婦人委員で、政党関係に所属いたしております者が十四名ございました。この人々の年令はほぼ半数が五十才から五十九才の年令層で占められておりました。県内の教育委員会の連絡機関といたしましては、県の教育行政方針と施策につきまして趣旨の理解と徹底をはかり、地域教育計画に協力するための教育計画協議会を作っておりましたし、また教員の採用、人事異動等に関し運営の円滑をはかるための連絡協議会、市町村間の連絡機関としての連合会、教育長会を作り、相互に密接な連絡をはかっておりました。  次に鳥取県教育委員会につきまして申し上げますと、委員は島根県と同様に全員新委員となりまして、うち一名が婦人でございまして、その方々の年令は六十九才の一委員を除いて他は四十代で、政党関係者はございませんでした。また委員の方々の職業につきましては、会社社長二、弁護士、農協役員、医師という区分でありました。教官長は前任者が引き続いて任命されておりました。市町村教育委員会につきましては六十五の委員会中五人制が五丁五、三人制が十で、教育長は専任四十一、助役の兼任が二十三という状況で、県としては合併の予想される市町村と再建団体になっている小さな村の場合のみ三人制の委員会を認めて発足したものであるとのことでありました。委員の数は三百五名で、うち婦人委員は十九名という現況でした。  次に定時制教育その他について申し上げますと、定時制の学校の現況は、島根県におきましては独立校、昼間が一校、併設校としては昼間四校(うち二枚募集停止中)夜間三校、分校は昼間十九校で計二十七校、その生徒数は二千九百五十一名でございました。また鳥取県は併設校として昼間中心校十一校、分校十一校、夜間は中心校四校で、計二十五校で、その生徒数は二千二百四十一名でございました。  両県におきましては財政上の理由その他によりましてここ二、三年の間に統廃合を行なっておりますが、鳥取県の場合は昭和二十八年に生徒数二千八百九人でありましたのが、昭和二十九年二千五百二十三人、昭和二十二年二千三百十七人、昭和三十一年二千二百四十一人と逐次減少いたしておりますが、これは施設、設備の不良、教職員の問題その他に基因する生徒数の減少でありまして、これに伴い統廃合も行われておりますが、これがため通学距離の延長で向学心のある勤労青少年の意欲をそぐという悪現象となっております。従いまして経費節減のための統廃合はできるだけ避け、適正規模の統廃合を行うことと、さらに国においても設備費の増額、施設の助成について定時制高等学校の振興のために格段の措置を講ずる必要を感じて参りました。  特殊教育といたしましては、島根旧で松江市、浜田市に県立ろう学校、生徒数はそれぞれ百七十三名と百四十一名で、松江市に県立盲学校、生徒数百五名を設置してありましたが、就学の現況は他県と同様に、父兄の経済的負担が重くなるため低調であるとのことでした。  鳥取県は鳥取市に盲学校、生徒数は六十二名、ろう学校、生徒数は百二十七名がございました。  また肢体不自由児の福祉施設の県立整肢学園を中、小学校の分校に指定して、教員を各一名配当してありましたし、精神薄弱児の福祉施設の県立皆生学園をも中、小学校の分校に指定し、教員一名を配属しているとのことでした。  盲ろう学校視察の際に就学奨励費について義務教育以外は教科書だけであるが、通学費その他を見てほしい、施設の基準を上げてほしい等の陳情がございました。  僻地教育といたしましては、島根県では国の基準で実施いたしておりまして、小学校一級地八校、三級地一校、中学校一級地三校、三級地一校という現況ですが、先般の人事院の指令による隔遠地手当支給官署指定基準に準じ、県としては小学校五十六校、中学校十六校、小学校二校と増加になり、追加予算を要求中とのことでございます。  鳥取県におきましては、従来の僻地基準ではバス交通網の発達により、用の基準に入るところがなく、県としては独自の基準を作って実施いたしておりまして、現在一級地本校一、分校十、二級地本校一、分校十三、三級地分校十三という現状でありましたが、両県とも僻地基準についての再検討、集会室、教員住宅に対する助成の強化等の希望、意見がございました。  危険校舎といたしましては、現地の希望により、島根県立出雲高等学校鳥取県立鳥取高等学校を視察いたしましたが、特に出雲高等学校は明治三十二年の建築で、その耐久度は三千三百四十一点から五千七百八十点までで、よくこのような現状で使用していると驚いて参りました。危険校舎の改築ついては、現有危険校舎の改築をすみやかに完了すると同時に、毎年度危険校舎に陥落するものを改築し得るよう、国の予算を増額すること、改築実施における障害を除去するため、補助率を二分の一に引き上げ、地方負担金充当のための起債を一般単独事業起債より分離し、別ワクにされたいとの陳情を聞いて参りました。  なお両県において町村合併による学校統合につきまして、工事は大半が二、三年の継続により完成する実情であるので、建築補助制度の恒久立法化、十地買収費を補助の対象とすること、校舎、屋体は鉄筋、鉄骨とするような優先措置を講ずること等の希望意見がございました。  次に島根県立農科大学について申し上げます。  同大学は旧県立松江農林専門学校を母体とし、昭和二十六年松江農林高等学校を付属校として発足し、本部を松江市に、付属農場を松江市、大田市、出雲市、付属演習林を松江市、来島村、匹見町に持っておりまして、その職員数は学長、教授二十一、助教授三十五、助手三十九、講師九と兼任講師十八、研究補助員二十四、事務職員一十四、技術関係職員四十、その他十一、計二百十四名であります。学科課程は農学(学生数定員百二十、現在百二十)林学(学生数定員百二十、現存九十七)農林経済学(学生数定員百二十、現在百十五)で、その学生の出身地は沖縄、北海道を初めとして県外者が半数以上を占めておりまして、昭和三十年度は県内三十四、県外五十九、昭和三十一年度は県内三十二、県外五十八となっておりました。  本大学は、地方財政の逼迫と地方大学整備、国立島根大学の農学部として合併することによって、地方総合大学としての教育効果をあげること、半数以上が他県出身学生であること等の理由により、国立移管を強く要望しておりました。  なお同大学には、女子家政短期大学がございまして、学長とし、短期大学制度問題についての中央教育審議会の答申に対して一、恒久的な制度の確立望む。二、大学独自の特色を生かせるように考慮してほしい。特に女子の短期大学においては、その性格から見て男子の大学と画一的に扱われることのないよう希望する。三、高等学校を包含するのは、芸能教育等の特殊な大学についてのみ考慮されることが望ましいとの意見が述べられました。  次に、文化財としては、島根県で国宝出雲大社本殿の防災施設と、重要文化財松江城の解体修理、防災施設の状況、鳥取県では天然記念物の鳥取砂丘を視察いたしました。出雲大社本殿の防災施設については、昭和二十七年より四カ年一千四百三十三万五千円(うち国庫補助六割、九百三十七万八千円)の経費をもって完成されたものでございまして、現在の水源、施設訓練で、防災はほぼ完全なものと見て参りました。なお同所で使用いたしております放水銃型の消火器は実地に使用いたして参りましたが、その取扱いが簡単でありながら、効果の威力からこのような施設が他の国宝、重要文化財の防災用として数多く設けられるようにと感じました。また鳥取砂丘については、幅二キロ長さ十キロの広大な砂丘として唯一の天然記然物でありますが、指定地域が九町歩のみでありますので、指定地以外の砂丘におきまして砂丘開発計画による植林の増殖が進んで参りましたので、砂丘の風致を作っておりました北西の風がさえぎられ、砂丘の特質が失われるに至っております。従って県教育委員会としては、指定地域の拡大を希望いたしておりますが、産業開発三文化財保護保存との調整の問題が起っておりました。  以上で調査報告は終りますが、このたびの視察の出発前日、島根県庁の災害、全焼のニュースが入りまして心配いたして参りましたが、幸い教育庁の庁舎は別棟でありましたので、類焼を免れておりました。しかし庁舎は相当に混雑いたしており、幹部の方々はそのため非常に御繁忙でありましたが、私どもの視察、調査のため、熱心に十分援助をいただき、予定通り目的を達して参りましたことを感謝し、この際つけ加えまして御報告申し上げます。
  5. 岡三郎

    ○委員長(岡三郎君) では次に第二班、常岡委員から御報告を願います。
  6. 常岡一郎

    ○常岡一郎君 第二班の調査報告を重点的に御報告いたしたいと思います。  私どもは岡委員長、関根委員と私、及び調査室から瀧調査員が加わりまして、千葉県、茨城県、福島県の教育状況を昨年十二月十四日から十九日まで、六日間にわたり見て参った次第であります。  調査項目は、新教育委員会制度の状況、教職員の昇給、昇格問題を含む教育財政の状況、高校定時制教育の実情、公立大学、短期大学の実情、大学入試問題、文化財保護状況その他でございましたが、以下各項目についてまとめて御報告いたしたいと存じます。  まず第一に新しい教育委員会制度についてでございますが、昨年十月新教育委員会法施行に伴い教育委員会は再発足いたしましたが現状はどうか、問題点があるかどうかが調査の主眼点でございました。一応県教育委員側の資料と説明をまとめてみますと、大体各県とも次のようになっております。新しい市町村教育委員会の構成は五人委員制がほとんどであること、委員は過半数が更新したこと、政党人はごく少いこと、教育長については前歴者が半数あり、教育経験者ということになれば相当数が専門的教育長であること等、比較的安心できる面があります。しかし問題になる点としては、私どもの視察いたしました県では教育委員の年令構成が従来よりも老令化していること、また事務局構成がきわめて貧弱であること、従って教育長の給与等も非常識と思われるほど低額であるところが多いということ、また重要な点は、財務に関する市町村長からの事務委任あるいは補助執行というような措置があまりとられていないことが指摘されております。  このような現状を考えますと、結論的には新法実施後教育委員会市町村長との関係において地位が低くなり、従って教育予算獲得の問題にしても、地方財政困窮の折柄ではありますが、ますます困難になり、PTAあたりの負担に頼るとか、放任すれば教育の後退を招くとかの心配をしているのであります。もちろん個々の面では町村会と教育委員会側との連絡を強化し、町村長側の責任を喚起するとか、教育委員、教育長、事務職員の相互研修を強化するとかの方法で是正される面もありましょうが、根本的には国家財政と地方財政の関係あるいは教育行政単位の規模等の問題を十分検討して後退を防止し、前進できる態勢を確立するために本委員会も努力することが大切だろうと考えられる次第でございます。  なおこの際県教育委員会側から要望のございました点を二、三報告し、政府に解決方を御研究願いたいと思っておりますことは、指導主事や研修所の職員を半額国庫負担の対象としてもらいたいこと、国庫負担分の不足額清算払いについてはなるべく早く、少くとも五月中にやってほしいこと、そうでないと次年度予算が立てられないそうであります。また義務教育諸学校の新設、廃止については県教育委員会の認可制としてほしいことをあげておりました。  次に教職員の昇給、昇格問題を含めた地方教育財政の問題についてでありますが、まず千葉県の場合を御報告いたしますと、昭和三十年度におきましては昇給、昇格の時期に正規に発令し、一ヵ月間実際上は昇給を延期せしめる、すなわち権利放棄せしめる措置をとっているのであります。これによりまして二万三千人に及ぶ教職員の昇給に要する年間所要額八千六百六十一万円のうち、千二百六十一万円の節減をしております。また昭和三十一年度におきましては、昇給額七百円未満のものは二ヵ月、七百円以上千五百円未満のものは三ヵ月、千五百円以上のものは六ヵ月の延伸の措置を講じ、これによる節減額は三千三百三十万円だといっております。  以上が千葉県の実際でありますが、このような措置をやらなければ切り抜けられないという千葉県の教育財政を分析してみた場合どのようになっているかをちょっと見てみますと、昭和三十一年度の決算額におきまして総教育費が五十二億六千五百八十九万円で、県の総決算額の百二十七億円に対し四〇・四三%となっております。この比率は三十年度、二十九年度の四二・六八%に比較し明らかに落ちております。また総教育費のうち、国庫負担金、使用料及び手数料等の特定財源が四三・三%で、残りの五六・七%は一般財源によりまかなっておるわけでありますが、約三十億円の一般財源に対して、基準財政需要額は二十七億四千万円くらいしか見込まれていない関係上、すでにここで二億五千万円ばかりの不足を来たしておるわけでございます。このように計算をいたしてみますと、その前年も前々年も明らかに開きがあり、今日の地方財政の赤字の原因が教育費の算定基礎の不合理性からもきているということがいえるのではないかと思います。千葉県は今日九億二千万円の赤字を背負い込み、財政再建団体となり、昭和三十一年度から三十八年度にわたる八カ年再建計画を持っておりますが、教員につきましては千六百七十三名の定員減を計画し、さしあたって第一年度たる本年度は二百七十名の整理を行う方針のようでございます。願わくば財政上の考慮のみからしての整理や昇給、昇格の延伸措置が実施されることのないよう、教育的観点に立っての慎重な考慮がなされるように希望して参ったのであります。  次に茨城県におきましての実情を申し上げますと、本県の昇給、昇格は一応実施してきたようでありますが、昇給財源が九四%しかないので不足分六%については学校長の内申、教育長判定により、昇給をはずす操作をしております。その基準は休職者、一ヵ月以上の長期欠勤者、恩給受給者及び勤務成績不良者を対象とする由であります。また教職員定員につきましては明年度小学校で二十五名、中学校で十六名減員をする方針のようであります。  次に福島県においての実情はどうかと申し上げますと、昭和三十年度においては三ヵ月、六ヵ月、九ヵ月の線で延伸を行い、昭和三十一年度においてはすべての教職員に三ヵ月の延伸を実施し、次期の昇給は正規の発令時期に行うこととし、昭和三十二年度以降は昇給財源を予算に見込んで延伸は行わないといっておりますが、本県も何しろ全国有数の赤字県でありまして、現在赤字は二十億円である由でありますから、なかなか大へんであるわけであります。  これらの県を一巡して私どもが感じましたことは、各県ともそれぞれ今日では財政上いろいろと苦労をしておりますが、それぞれがまた自前で健全財政をやっていけるようにするためいろいろと努力しており、明るい見通しも持っておることであります。すなわち千葉県東京湾沿岸の埋め立てを促進し、大工場地帯を建設することを考え、茨城県には目下東海村に原子力研究所が作られつつあり、福島県では小名浜を中心とした工業地帯建設を計画し、只見川等の電源開発にも期待している状況であります。  次に定時制教育の調査結果を御報告いたします。  千葉県における状況は学校数が全部で三十一校でありますが、定時制教育並びに通信教育振興法により設備は充実しつつあるものの、昭和三十年度における現有率は、基準に対してわずかに二五・四%しかないのであります。  本委員会は先の第二十五国会において、夜間の定時制高校の給食実施の必要性を痛感し、委員会提案をいたし、今日法律として施行されておりますが、全面的発足は本年の四月一日からということになっており、それに応する態勢がとられているかどうかにつきまして調べましたところ、夜間授業を行なっている高等学校十八校中、九校がパンとかうどんとかを業者に委託して売らせる等のやり方で給食を行なっており、給食の現有設備基準に対して二二%であります。昭和三十二年度においては給食法による補助を受けて三校を研究指定校とし、とりあえず本格的な給食を行わせる方針を持っております。しかしながらこの給食を全面的に実施するための障害として以下の数点を指摘しております。調理人の人件費の捻出が困難であること、施設、設備が不足しておること、給食時間がないこと、全員実施ということがなかなか困難であること等であります。このうち調理人の人件費は国庫より二分の一を補助できるよう、また施設、設備の補助率を現行三分の一を二分の一とするよう法律改正をしてほしい旨強い要望がありました。  次に茨城県の状況について御報告しておきたい点は、分校が全くなく併置校のみ三十一校あるということ、教員の全日制高校との交流は十分に行なっておること、生徒数は発足当時九千五十人であったものが今日では八千二百人に減じておること等であります。  また福島県におきましては、今日最も大きな問題は、県の財政事情等の理由から分校の整理統合が行われておること、具体的に申し上げれば発足当初五十八校だった分校が三十一年度には三十九校に減少しておることであります。このような整理の理由について、県は第一に生徒数の自然減少をあげておりますが、この生徒数減少の原因は、分校の施設、設備が貧弱で勤労学徒の期待を裏切ったこと、教員組織が不十分であったこと等により平均五五%の中途退学者が出たことをあげております。これが解決の方策としては一、農山村地帯に季節課程を充実していくこと。二、通信教育の振興。三、青年学級の充実。四、授業料その他就学経費の負担軽減。五、施設、設備の充実。六、教員の質の向上等を指摘し、国としては一、施設費の一部国庫補助。二、教職員給与費の四割国庫補助の復活。三、夜間給食実施に伴う栄養士、炊事婦の人件費半額国庫補助。四、中小企業及び個人商店の雇主に対して一定時間の就学義務を負わせること等の実現に努力してほしい旨県教育委員会当局から要請がありました。  次に公立大学、短期大学の状況を御報告申し上げます。私どもは最初千葉県松戸市にある千葉大学工業短期大学部を調査いたしました。本学は印刷科と写真科を置く三年制度の夜間の短大であり、入学定員は各科三十名でありますが、全国的にも珍しい技能養成の学科であるため入学希望者は全国にまたがり、一たん入学を許された者はすべてが昼間働いて夜学ぶという勤労学徒で占められ、退学者は全くなく、卒業時の就職率も百パーセントというまことにりっぱな学校であります。最近は中小企業方面からの申し込みが増大しておるということも注目すべき現象であります。さて本学の教授陣容の面を見てみますと、定員は十名で、うち教授五名、助教授五名、助手二名となり、他に学内、学外からの講師を二十六名有しておりますが、この講師に対する手当は学内教官一時間二百円、学外の講師は三百円という低廉なもので、最近一講師から人事院公平局に対して手当に関しての提訴をした事件があったと聞いており、これは問題であると思いました。また事務長ほか数名の事務職員はいるが、教務職員技術職員は一人もいないそうであります。そのために昼間と夜間と兼務しなければならず、はなはだしいオーバー・ワークになっている点も大きな問題ではないかと思います。そう考えて調べてみますと、なるほどと気がついたことは、私どもは毎年国立学校設置法の一部改正に際して審議をしておりますが、その法律の施行規則第一条の3にこう書いてあります。「3法第三条の三に規定する各国立短期大学に左の職員を置く。学長、教授、助教授、講師、助手事務職員」となっており、施行規則第一条の1の各国立大学に関する規定の中の「教務職員技術職員」が落ちておりまするでありますから、規則上は当りまえということになりますが、そもそも規則国会で審議する法律によって委任された事項を行政府が省令という形で規定したものであって私どもの関知しないところで作られたものであります。  しかし法律の精神を生かしたものでなくてはならないわけであります。そういう観点でもう一度この問題を考えれば、少くとも高度の技術者養成を目的とする工業短期大学等には、技術職員を置くのは当然であります。工業高等学校でも今日たくさんの優秀な腕を持った技術職員が生徒を指導して成績を上げております際に、短大に置かないとはまことに不合理きわまる話であります。かようなことでは、短大の真の育成強化は期待できないと思います。また一般的にいって、あらゆる種類の短大に教官を補佐する教務職員が必要なことは申すまでもないことで、よろしく規則を改正し、定員配当を行うべきであると思うのであります。  最後に千葉の工業短期大学側から木材の工業的応用並びに工芸的素養を持つ技術者の養成を目的とした木材工芸科を設置してほしい旨要望がありましたので御報告しておきますが、三十二年度予算にその設置が含まれておる由であり、幸いに存じます。  次に茨城大学工業短期大学部の状況を申し上げますと、これは昭和三十年度よりスタートした短期大学で、電気と機械の二科があり、学生定員各科四十名であります。この大学の特徴は、現工学部の前身である多賀工業専門学校が地元の日立製作所の寄付によって創設されて以来、密接な関係がありまして、短期大学の学生の七割が昼間は日立の工場で働いている勤労学徒によって占められていることであります。すなわち、地元の大産業と直結して学校の設備や材料についての援助を受けながら、そこに働く青年を教育しているわけであります。  このような運営方式は、福島県立会津短期大学が地方産業の開発を目標としているのと似ていて、やはり短期大学の方向を示しているものと考えて参った次第でございます。  次に福島県立医科大学の状況を申し上げますと、この大学は、入学定員四十名の進学課程を含めた六カ年課程でありますが、年々県は約一億円を投入して運営費に充てており、また一方において五億数千万円の予算をもって付属病院を新築中であります。  問題点としましては、一つのこじんまりとした大学でありながら、今日、大学本部と進学課程、専門課程、付属病院の三つが別々にあり、不便を来たしていること、学位授与の大学院設置が思うように進まないこと、不安定な県財政に頼り切れないため、国立移管を希望していること等であります。この原因は申すまでもなく、県財政の逼迫ということでありますが、これは総じて今日の公立大学の直面している問題点でございます。  わが国における公立大学は、現在三十三大学、五十三学部を数えますが、これらのすべてが地方財政の窮迫の折柄、大学が必要とする最低限の整備すら完遂できない状況であり、大学の重要性と公共性にかんがみ、公立大学に対する助成費を要請しており、また国立移管を要請するものもありますので、文部省としても十分に考慮されたいと存ずるのであります。  最後に福島大学に参り、ここに設置されておる経済短期大学部の状況を聞きましたが、ここで出た問題点は、国立大学の基本的な問題でありました。  その第一は施設の整備の問題でございます。御承知の通り今日の七十二の国立大学は戦前の大学、高専、師範等を抱き合わせて四年制大学としたものでございまして、施設はそのまま転用され今日に至っております。そのために同じ一つの大学でありながら、各学部施設の所在はバラバラでタコの足大学というありがたくない名称さえ流行しております。また老朽施設がずいぶんあります。  私どもが懇談いたしました福島大学本部は、旧師範の傾きかかった寄宿舎を使っており、見るも気の毒なありさまでありました。文部省国立学校施設整備の全体計画を作るために、各大学から詳細な計画書を集められたそうでありまして福島大学でもりっぱな将来計画が立てられておりますが、この計画実現のための予算の配分となると、まことに雀の涙ほどで、これでは百年河清を待つにひとしいというのが、学長初め大学当局者の深い嘆息とともに言われた言葉でありました。私どもはこの際、文部省の整備計画を十分伺わねばならないと思うものでございます。  基本的問題の第二は、大学院を設置しているような一流大学と、その他の地方大学に対する文部省の予算上における著しい差別待遇の問題であります。大学院大学を大切にする余りに、地方大学育成がなおざりにされているのではないか、そういう声が、これは私どものひがみかもしれないが、と前置きされつつ出たのであります。私どもは今日まで、大学の生命ともいうべき教官研究費が内実は講座研究費と教官研究費に区分され、一流大学と地方大学に差等があることを承知してきておりますが、若干の差等は認めるとしても、今日、地方大学の育成ということは、どんなに強く主張しても間違いでないと思うものであります。その理由は、今日大学の入学志願者が一流有名校に殺到し、何とも悲惨な試験地獄が現出しております。高等学校は予備校化し、その風潮は中学校、小学校まで波及し、最近は幼稚園の入学のために親たちが真剣になって子供に試験勉強をさせているありさまであります。ちょうど、ただいまは入学試験期の最高潮であります。親泣かせ、子供泣かせの入学試験期がまたまたやってきたと各新聞は連日受験地獄の様相を報道しております。これでは、戦後の新教育制度の理想は雲散霧消して戦前の詰め込み主義教育への後退に拍車が加わるのみであります。新しい制度は形骸のみ残ることとなり、あれほど国民全体が苦労して育て上げた六一二制教育も台なしになります。  このような困った社会現象の原因は何か。いろいろの社会的要因があげられましょうが、少くともその原因の一つは、国立大学間の著しい差別待遇によって生じた地方大学の弱体化であると思うのであります。しかも、それに輪をかけて一流大学が入学試験科目を勝手に定め、高等学校の正常な教育課程を破壊しようとしております。千葉第二高等学校の校長先生は、この大学の入学試験科目の問題に関連して、一流大学のやり方を非難し、十分思索せねばならない重要な青年期に暗い生活を送らせることは、まことに忍びないということを言っておられました。本委員会としても、入学試験の問題は十分検討していただくとともに、大学のあり方の問題もこれと関連させて論議していただくことを望むものであります。  最後に文化財保護状況について御報告いたします。私どもは各県においてそれぞれ二、三カ所修理完成のもの、工事中のもの等見ました。一般的にいって文化財保護の認識は高まってきております。また各県にはそれぞれ熱心な係の方がおられて、十分仕事をしておられます。ただどこでも聞いたことは、そのような方々から、県における文化財保護予算が少いことに比して、法改正等により年々仕事はふえる一方で、どうにもならぬという悲鳴であります。ある係員は地方財政計画の算定基礎文化財保護費という一項目を出してもらうことを期待しておりました。  なお福島県の若松城跡に作られている競輪場の存廃問題につきましては、県市ともになおやりたい意向のようでありますが、移転を考慮しているようであります。何はともあれ城跡に競輪場があることは私どもも賛成しがたいところであります。   まだいろいろと申し上げたいこともございますが、一応要点のみ申し上げ、これで御報告を終りたいと存じます。
  7. 岡三郎

    ○委員長(岡三郎君) 次に第三班村田委員から御報告願います。
  8. 林田正治

    ○林田正治君 第三班の御報告をいたします。第三班は昨年の十二月十四日より十九日までの六日間、松永委員及び私、吉田調査員の五名が新潟、群馬の両県に出張いたしたのであります。調査の事項はすでに御承知の通り、一、新教育委員会の運営の実態。二、地方教育職員の昇給、昇格の実施状況。三、定時制教育、特殊教育、僻地教育の実態。四、短期大学、公立大学の実態。五、文化財保存保護の状況、この五項目が掲げられましたが、われわれはこの調査のため新潟、群馬両県の教育委員会のほか、新潟長岡、高田、前橋、高崎の各市教育委員会についてそれぞれ実情を調査し、また新潟大学、群馬大学、柏崎短期大学、高崎市立短期大学、前橋市立工業短期大学につきましておのおの実情を聴取いたしましたが、時間的制約や、あるいは積雪によるところの地理的不便等のために調査の対象が勢い教育委員会、教職員の昇給、昇格及び短期大学の三点に主力を注ぐことを余儀なくされましたが、自余の数点につきましては、また必ずしも十分なる成果を上げ得なかったことをはなはだ遺憾に存ずるのであります。以下各項目につきまして順を追って御報告を申し上げたいと存じます。  まず第一は、新教育委員会の運営に関する問題でございまするが、その第一は、委員の構成についてでありますが、県及び市の各委員会ともに共通の現象としてみられましたることは、旧委員の留任しておるところの委員会はきわめて少数であり、大部分の委員会におきましては、ほとんど更新されて新しきメンバーによって構成されておることであります。第二は新委員を職業別にながめますると、弁護士、医師、実業家等が大部分を占めており、いわゆる教育の経験者、教育専門家等がきわめて少数になった事実であります。これらの委員会におきましては、各種の施策が活発に、かつ円滑に運営されておる模様でありました。また一部の町村委員会を除きましては、三人委員のところはなく、ほとんど五人の委員をもって構成しておるという報告でありました。  次は地方教育委員会の内申と県教育委員会人事権の問題であります。御承知の通り、地方教育行政の組織及び運営に関する法律の第三十八条に、「都道府県委員会は、市町村委員会の内申をもって、県費負担教職員の任免その他の進退を行うものとする、」と規定されましたので、その半面からいたして、同法第三十七条には「任命権が都道府県委員会に属する」ことをまた明記してあります。そこで内申と任命権の問題でありまするが、内申は地方委員会に対するところの強制義務であるかどうか。二、地方委員会がもし内申を拒んだ場合はどういうふうに措置さるるか。三、都道府県委員会は地方委員会の内申をまたないでは任命権の発動は不可能であるかどうか等の根本的な疑問が生じましたために、去る都道府県教育委員会委員長会議の席上においても、文部省に対してその点に関するところの質問がなされましたが、いまだ的確なるところの解釈が得られなかったということでありまして、われわれの訪問いたしましたる県教育委員会及び地方教育委員会側におきましては、それの明確なるところの決定をしてもらいたいというところの意見がありました。しかしながら現在の状態では、その受けたところの両県におきましても、県教育委員会と、市町村教育委員会との間におきましては、内申及び任免等の措置が行われる以前に、双方の協議会を持ち、緊密なるところの連絡をとっているのであり、今のところはこれらの法律上の問題を問題とするようなことはなくて、ただ円滑に参っているということを言っておりましたけれども、この問題はぜひとも明確なるところの決定をしなければならない問題ではないかと考えたのであります。  次にそのほかの問題についてこれから申し上げますると、地方自治法の改正に伴い御承知の通り昨年九月以降通勤旅費、学校給食の炊事婦の勤勉手当、各種教育研究会の費用等が打ち切られましたるために、教育上の支障を痛感しているということでありました。  第四には、新潟市教育委員会の実情について申し上げますると、委員の報酬は従前通りでありました。また事務局の機構につきましては学校建築の技手二名が市の職員となったほかは変化がなく、市の理事者との関係は何らの問題がなく、きわめて円満に運営されており、予算の編成と執行につきましても、従来から予算の送付を行なったことがなく、また執行権に関しましては教育委員会の事業を阻害しない程度にいたして、二十万円以内の一部補助執行を認められておりまするが、ただし県内他の市におきましてはこのような措置はとられていない、こういう報告でありました。  次に教職員の昇給、昇格及びこれに関連した問題について報告いたします。  まず新潟県から申し上げますると、新潟県は御承知の通り再建整備団体でありまして、北村知事が鋭意その再建に努力はいたしておりまするが、職員の昇給に関しましては、一人について二回までを限度として延伸措置が講じられております。  昇給につきましては、県職員も、教職員も、その昇給期が一月、四月、七月、十月であって、その間何らの径庭はありませんが、ただ昇格につきましては、県職員が一月、四月であるのに比して、教職員は六月、十二月でありまするために、これによって教職員に多少不利を生ずる結果となり、このことに対するところの教職員組合の側もきわめて不満であるということを申しておられました。教員の定数につきましては、山村僻地の多い新潟県としましては、きわめて窮屈なる状態であり、学級編成も現在小学校六十三名、中学校五十九名という実情でありました。教員構成は五十五才以上の者が二百名以上に上り、三十年度の退職者は、自然退職と勧奨退職を合せまして九百人をこえ、三十一年度は現在までに三百八十六人でありますが、過去三カ年の退職者の平均は八百人でありまして、退職者の見込数が多過ぎるということを、県の教育委員会から抗議いたしておるということも聞きました。一方、県知事は、四十五才停年説を盛んに唱道し、四十五才でやめるならば、目下発展の途上にあるところのガス工業等への転向に責任をもってあっせんするが、五十五才では周旋不可能であるというような発言をいたしておりました。新潟大学教育学部の卒業者を消化し切れない県内事情があり、また一方教員の新陳代謝の見地からして、この説もある意味では好都合であるかもしれませんが、客観的には余りに現状を飛躍した説として、一般におきましてはこの説に同調する者はきわめて少いということを感じました。  なお、新潟県におきましては、三十二年度におきましては、町村合併によるところの学校統合の結果として、中学生の減少等により、百三十名前後の中学校の教諭が、勢い小学校の助教として転勤する予定でありますが、この場合中学校が学科制であるのに対して、小学校は学級制であるために、勢い転勤者の大部分が小学校教師としての資格を欠く関係上、助教としての取り扱われるということに相成り、その結果、助教としての勤続期間は、俸給の面におきましては不利はないけれども、恩給年限としては二分の一とみなされます関係上、これは大きな問題であると考えた次第であります。  群馬県は再建団体ではありませんが、やはり赤字県でありまして、昨年度は約四億、本年度も五億前後の赤字が予想されるということでありましたが、しかし、現在までの昇給は、多少時期的にはおくれましても、全部完了して、一月の昇給も実施の見込みでありまするが、予算措置はまだできていないということであります。群馬県は、元来学校の規模が大きいために、統合の対象として該当するものが、きわめて少いのみならず、逆に分校の独立するものが多く、昨年度中には十一校を数えましたが、分校の独立が単なる届出事項になっておるために、今後はそれの防止措置を講じなければならないということでありました。群馬県は、竹腰知事が三十年の教育経験者であり、また教育委員会の委員長は、かつて緑風会の所属議員であって、文教委員長でありましたところの飯島連次郎氏であります関係上、県下の教育に関しましてはきわめて熱心ではありますが、財政的には必ずしも好条件には恵まれませんために、教員の定員問題は予算折衝の山となる情勢であり、ただいまわれわれの承知いたしておりまするところからするならば、文部省から示されましたところの一学級一名の増加基準は、あるいは実現不可能のように見られるので、教育委員会といたしましては、文部省の方針の貫徹に最善の努力を要望するといっております。  それから市町村の吸収合併の場合に、新しく市となりました地域の教員に対しましては、県費負担の教職員なるがゆえに、その単なる理由のために旧市域と同等の地域給が支給されないことははなはだ不都合なことであり、このために人事の交流の上にも大きな支障を来たしておりますることは、さきの新潟県におきましても、また群馬県におきましても、強く指摘されたところであります。  なおまたこれに関連しまして、町村合併促進法にのっとる町村合併に対しましては、国の補助が講ぜられまするが、吸収合併による場合におきましては何らの国の補助のないということも、これは片手落ちの感が強いということを力説しておりました。  次に短期大学の実態について申し上げまするならば、まず新潟県の柏崎短期大学について申し上げますと、同大学は昭和二十二年に経済、被服の二科を持ったところの専門学校として発足し、二十五年に新学制によるところの短期大学に移行されまして、現在は経済科のみで、学生数は二百七十余名の昼間の短期大学であります。卒業生の大部分は中小企業に就職し、就職率は八五%に達しておるということであります。なお同校からは、同校学長事務取扱いの坂野氏が新潟市までおいで下さいましていろいろ報告がありましたが、その際同氏の短期大学に関するところの意見を、この場合御紹介申し上げたいと思います。  同氏の意見によりますると、全国二百七十に上るところの短期大学のうち、私立の短大の数はそのうちの二百校占めるそうでありますが、この二百校のうちの大部分が、女子の花嫁学校式のものであり、従って短大のあり方についての意見も、これらのものと、学問技術中心のものとの間には、かなりの隔たりがあるということを申し述べております。第二は短期大学を昔の専門学校に戻すということは反対である。第三、短期大学は一般教育を重視しつつも、いま少し専門教育をしやすくしなければならない。四、そのためには大学を五カ年修業に改める前提のもとに、短期大学を三カ年修業に延ばすことが望ましい。現在の二カ年制におきましては、学生らしくスポーツに親しむ時間も、遊ぶいとまもないから、人間としての深さを培うために、絶対的にこのようなことが必要であるという意見であります。  次に新潟大学におきまして、新潟市に夜間の法律、経済短期大学部を設置したいという要望があり、これに関するところの陳情を受けました。その要旨は、新潟市が地方行政の中心であると共に、商業都市として飛躍的発展を期待される折柄、法、経、商中心の短期大学を設け、一般社会人として一定の業に携わりつつ、夜間の勉学によって高い教養と職業上の専門知識を授けることは刻下の急務であるというのであります。文部省に対してもせっかく折衝中であるように申しておりました。  群馬県におきましては、国立の群馬大学に工業短期大学がありますが、夜間のものでありまして、それは御承知の通り桐生市にありますが、紡織科と色染科の二科を持っております。各科の入学定員は三十名でありまするが、就職率はきわめて高く、本年度卒業予定者もすでに売り切れというような好成績であります。  この短期大学はそういうような関係からいたしまして、教授陣におきましても不足がないけれども、欠点とするところは各種の機械類がきわめて古き型のものであって、日進月歩の現在、民間企業の新しいものとあまりの懸隔があることが嘆かわしいということを言っておりました。  なお同校におきましては、さらにその工業短大に機械科を増設すべく目下文部省に認可申請中であるということでありました。                  」  次に、前橋市立の工業短期大学でありまするが、これは建築工業科の夜間のものでありまして、入学定員八十名となっておりまするが、最近非常な経営難に陥り、市といたしましてもこれをもてあましておる状態であるので、あるいは明年度からは廃止の運命に逢着いたしはせぬかという懸念もあったのであります。  それから高崎市にありまするところの市立短期大学でありまするが、これは商業、経済の昼間のものでありまするが、市といたしましては、やはりこの経営に要するところの財政負担で相当の困難を感じておる模様であって、これはむしろ積極的に商科の四年制の大学に発展させて、しかる後に国立群馬大学に移管する方向へ進むべきものとしまして目下この方面に画策中であるということでありました。  以上で私どもの見聞いたしましたるところの短期大学についての大要を申し上げましたが、昨年十二月の十日に中央教育審議会から文部大臣に対してなされましたところの「短期大学制度の改善についての答申」の中に盛られておりまするところの主要点に関しましては、われわれのこの現地に参りましたところの結果によりますと、文部省におきましていまだそのとるべき方針が明らかにいたされておりません関係もありましょうが、短期大学の制度については、この答申に対しての格別なる意見を述べられずして、ただ以上に申し述べましたような個人的の見解を聞いたにすぎないのであります。  次に定時制教育、特殊教育及び僻地教育について簡単に御報告申し上げます。  定時制教育につきましては、新潟県におきましては、昨年度において分校廃止の要求は相当数に達しましたが、ほとんど廃止しなかった。しかし整理要求は今後も続く見込みである。分校は僻地に多く、就学者の人員の多寡のみをもって判定することは酷である。職員に対するところの四割の国庫補助金はぜひともこれが実現をしなければならないということが強い要望でありました。  群馬県におきましては、定時制から全日制に移行したいという希望が強くありましたが、一方教師は助教が多いから、質の上の転換が必要であると、こういうような意見が強くありました。ここにおきましても要するに職員費の四割国庫負担が実現することの必要をわれわれも痛感いたしましたが、なお地方におきましてもこれを非常に痛感いたし、もし将来この四割国庫負担が実現される場合においては、ぜひともそれはひもつきにしてもらいたいというところの希望がありました。  前橋女子高等学校の定時制の授業をわれわれは親しく参観いたしましたが、ここの生徒は全日制の入学試験に合格しなかったものが多く、従って就職を希望せず、二年生からの中退者が目立って多い実情でありました。なお同校の主事から述べられましたるところの意見の主要点をここに紹介いたしておきます。一つは、職員の健康上からいたしまして、全日制職員との交流が絶対に必要であるという点でありました。申すまでもなく定時制担当職員は夜おそく帰宅するために睡眠が意のままにならず、また朝起きるところの時間もおくれがちに相なる関係上胃腸の障害者が多い。従って定時制教育振興の上からいたしましても、全日制の職員との交流をしてもらいたいということの希望であります。二は、学校給食も生徒自体の負担費用の点で完全給食が行われない。設備費や栄養士の人件費等もぜひとも考慮してもらいたいという点であります。三は、夜間授業は特殊事情にあるからして、たとえば顕微鏡等のごときこういう器具類も昼間以上に整えてもらいたいということであります。四は、育英資金の貸与率も全日制と平等に取り扱ってもらいたい、こういうような希望を申し述べられました。  次に特殊教育の面は、新潟市の小金町にありますところの県立ろうあ学校一校を視察いたしましたが、土曜の午後でありました、にもかかわらず、私どものためにわざわざ授業を見せて下さいました。全然耳の聞えないところのあの子供たちにあらゆる方法をもって言葉を教えていくところの先生方の努力のなみなみならないものに対して、われわれは感謝の念で一ぱいでありました。なお寮の生活状況も参観いたしましたが、寮母の方々の四六時中絶え間のないところの指導と監督はこれまた大へんな労力であり、真に献身的な仕事でありまして、思わず頭の下るのを覚えたのであります。ここで校長から希望として述べられましたることを紹介いたしますると、男子の舎監の必要性を強調されたことであり、第二は、高等部に奨学費を与えてほしいということ。第三、寮母は教員でないために恩給資格がないので、これに対して法的の措置を講じてもらいたいということでありました。  次に僻地教育に関しましては冒頭にお断わり申し上げましたる通り、積雪あるいは時間の関係上現地調査のいとまがありませんでしたが、新潟、群馬両県ともに僻地の多いことにおいては全国的に有名なる県でありまして、特に冬季におきましては、積雪のために交通の途絶するところの地域が少くありません。また、長岡市、高田市のごときにおきましても、市の中に僻地を多数持っておるという状態であります。僻地というところの概念が、今まで単にコンパスによるところの距離のみをもって律せられますことは、これは非常なる誤まりであって、積雪などの気象現象や、あるいは山岳とか峡谷などの立体的な要素をも加味して考慮しなければならないということをわれわれは痛感いたしたのであります。僻陬地におきましては、わずか二十五人の児童に一人の教員を配している所もまれではなく、このことが県全体の教員の定数に対するところのシワ寄せの原因ともなっておる関係上、僻地教育の問題は、現行の振興法にさらに十分なる検討を加えられますることが絶対に私は必要であると痛感したのであります。なお、また僻地学校教員の赴任、研修の旅費、または卒業生の就職あっせんの費用等は、もうほとんど支給の道がなく、困却しておるということが現地の声でありました。  以上で一応今回の調査対象に関するところの報告は尽きました次第でありまするが、なお、いま一つ特につけ加えたいことは、長岡市におきまするところの新潟大学教育学部等の、いわゆる長岡分校におけるところの陳情の件を申し上げたいと存じます。新潟大学の教育学部は、新潟本校のほかに、長岡と高田におのおの分校を持っておりまするが、これは旧高田師範、旧長岡女子師範の後身でありまして、それぞれの歴史と伝統を持っておりまして、県下の教員の人事の面からしましても、新潟、高田両派の争いがあり、学閥解消と人事の円滑な交流のためにも、これら三カ所の教員養成機関を一つに統合する必要があるということが陳情されましたが、その具体的な方策としましては、県の中央部に位するところの長岡市に、統合教育学部を設置してもらいたいということでありました。それから、もし右の措置が不可能の場合は、緊急措置として長岡分校に小学校教員養成の四年課程と、中学校家政学科教員養成の四カ年課程を設置してほしい。教授陣容は現在のままで十分であり、これに要するところの土地及び建物等につきましては、長岡市が援助するということでありまして、現在二カ年課程の卒業生が次第に歓迎されなくなっている状況からして見てぜひこれらの四年課程の実現を期したいという意向でありました。文部当局に対しましても、強力に折衝中とのことでありました。またこの問題は、高田市においても大体同様のような趣旨の陳情を受けたのでございまするが、文化財につきましては、先ほど申しましたる通り、積雪の関係上からしまして、その現地を親しく見ることができなかったのを遺憾に存じます。  以上をもちまして、大体第三班の報告を終りたいと存じまするが、なお、報告漏れの点につきましては、松永委員及び私から補足いたしたいと思います。
  9. 岡三郎

    ○委員長(岡三郎君) 以上をもって、閉会中に行いました委員派遣の報告を終了いたしました。なお、報告中にいろいろの問題が提起されております。入学試験の問題あるいは大学のあり方について、地方大学の充実または短期大学等の問題、その他地方財政との関連における昇給、昇格、あるいは停年制の問題等、また特殊教育、僻地教育等の問題、各広範な問題がありましたが、それらの点については、適宜適当の機会にまた一つ御協議をいただくということにいたしまして、ただ野本委員の方から、島根鳥取の調査中に貴重なる資料があるということで、これを会議録につけ加えることだけをお認め願っておきたいと思いますが、よろしゅうございますか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  10. 岡三郎

    ○委員長(岡三郎君) それではそのように取り計らいます。
  11. 矢嶋三義

    ○矢嶋三義君 ただいま委員長が発言された通りの取扱いでいいと思いますが、ただ一言だけ聞かしていただきたいと思います。それは第三班に参加された方どなたでもけっこうと思いますが、実は高崎市立大学を視察されたそうでございますが、二日前ですか、ラジオで、学長と教授が対立し、教授会が開かれない状況下にあるので、学生諸君が、予定されておるところの年末試験は合法的でないというので、全部全学生が試験を拒否しておるというような報道がなされておりました。で、この問題は、先ほど報告がございました短期大学から四年制の商科大学への昇格ということと関連しているやに承わっているわけですが、そういう何か不明朗なもやもやがあるというようなことは、お聞きになるか、あるいは感知されませんでしたかを伺いたいと田います。
  12. 林田正治

    ○林田正治君 別に視察した場合には、そういうようなことは聞かれまけんでした。
  13. 矢嶋三義

    ○矢嶋三義君 それでは文部省の大学学術局の担当官が来ているようですから、要望を申し上げておきたいと思います。私がラジオで聞き、あるいは他の方面から耳にしたところによりますと、この短期大学を四年制の大学に昇格させる、さらには先ほどの林田委員の報告によりますと、これを将来国立の群馬大学へ吸収してもらうことを前提に四年制大学にしようということが進められているというわけですが、相当学内にもやもやがあって紛糾しているようです。その結果として学年末の試験を全学生が拒否したという、まことに嘆かわしい事態まで起っているようで、さらに突っ込んでみると、どうも学問、思想の自由と若干関連があるようにも聞いているわけですが、おそらく大学の担当官としては、うすうす御承知かとは思いますが、きょうは質疑の時間でないから、この次の委員会までに、ぜひ一応調査されて私の質疑にお答えできるようにしておいていただきたいということを要望申し上げます。質問はそれだけですが、私はこの際委員長に一つ今後の委員会の運営について要望申し上げておきたいと思います。  それはただいまの報告に基いて御要望申し上げるわけですが、わが文教委員会はここ数カ年与野党の文教政策についての隔たりが他国の先進国に見られないほど差がはなはだしかった関係上、場合によると党略的なものがもたれてくるとか、あるいは文教委員会の運営自体が政争の渦の中に巻き込まれて、そうして審議、調査が不十分だったと私は反省せざるを得ない過去をもっていると思うのです。きょうこの報告を聞きますと、たとえばこの新しい教育委員会法の運営についていろいろ御報告がございましたが、今後この文教委員会の運営に当ってあの報告に基き、さらに文部省キャッチされているところの資料等をもとにしてしんみり私は調査、協議をして今後の地方教育行政がうまくいくようにしなければならん一本の柱があると思います。委員が非常に更新された。どういうわけで更新されたのか、更新される前とあととはどういうふうに運営が違ってきているのか。さらに、御承知のようにあの法律案が通る場合に九条までしか審議していませんので、逐条審議を十分やっておりません。従ってこの先ほど視察した議員の方から報告がございましたように、内申権はどの程度に取り扱われるべきかというような疑義すらあるわけです。ところが本年度の予算を見ますと、地方教育委員会育成指導という立場でこれはけっこうだと思うのですが、飛躍的に一千万円の予算増加をなされております。そこでいろいろ行政解釈をされると思うのですが、それはおのずから限度があると思うのです。従って報告の結果から見ましても、それに基いての協議、それから調査を相当にこの国会あたりでやる必要があるのです。これは一つの柱になる。それからもう一つ柱は、まあ先ほどから承わっておりますというと、ずいぶん予算に関係した問題があると思うのです。私は数カ年間文教委員をやりましたが、文教委員会における予算の審議というのは非常に不十分だったと思うのです。特に一昨年の国会のときなどは、ほとんど、ほとんどと言っていいほど文教委員会で文教関係の予算がやられなかったと思うのですが、私はこの国会においてはみっちりこの委員会で文教予算をやってもらいたい、こう思います。まあよけいなことを長く言いませんが、神武景気というが、果してそれに即応するような国の責任の立場から予算が組まれているか、あるいは経済の拡大とか、あるいは国際社会に復帰したというこの新段階におけるそれに即応するような予算になっているかというような角度とか、あるいは先ほどからずいぶん昇給、昇格、定員等の問題についてありましたが、これは本会議でも論ぜられましたように、地方財政と地方の教育行政というものは非常に密接不可分の関係になっております。そういう立場から私は、先ほどの報告を聞いて特に痛切に感じたから、今後の本委員会の運営として委員長に要望申し上げるわけですが、文教予算を本委員会においてみっちりやってもらいたい。  それから先ほど申し上げました新しい教育委員会法のその後の運営状況、さらには文部省がやられているところの行政改革というものが果して適正であるかどうかという立場から、みっちりやっていただきたい。  この二つの点を、ただいまの報告を承わって、今後の文教委員会においてこれに即応した運営をしていただきたいということを要望しておきます。
  14. 岡三郎

    ○委員長(岡三郎君) ただいまの矢嶋君の要望につきましても、私が先ほど申し上げた報告内容に含まれている諸問題点につきましても、今後委員長理事打合会を開きまして、十分検討して、適当の機会に御審議をわずらわす点は御審議をいただく、こういうふうにしてひとまずこの点については結論をつけておきた、と思いますから、以上で御了承願いたいと思います。  ちょっと速記をやめて。    〔速記中止〕
  15. 岡三郎

    ○委員長(岡三郎君) それでは速記開始。  それでは先ほど申し上げました通りにただいまから文部大臣より文教予算について概略的な御説明をいただきます。
  16. 灘尾弘吉

    国務大臣(灘尾弘吉君) 文教関係の予算につきまして概略を申し上げたいと思います。  御承知の通りに昨年の暮に内閣が更迭いたしましたので、従いまして予算も大体各省ともすでに大蔵省に提出済みというような状況でございましたので、私といたしましては、大体前代中に編成せられました予算をそのままに踏襲いたしまして、事務の進行をはかりましたような次第でございます。その間私といたしまして特に重点を置いたと申しますか、重要と考えましたような問題につきまして、この際お話を申し上げてみたいと思うのでございます。  文部省の予算につきまして皆様すでに十分御承知のことでございますが、どれ一つとして私は重要でないものはないと考えている次第であります。特に今回の予算につきまして注意をいたしましたのは、一つは科学の水準を高めていくということが、わが国といたしましてきわめて大切なことだと考えておるのであります。諸外国に伍して劣らない程度の科学水準にすみやかに到達しなければならないと考えまするし、同時にまた今日の産業、経済の状況から申しましても、科学技術について素養のある人を社会も要望しているようなわけでございますので、今回の予算につきましては政府全体といたしまして科学技術、あるいは学術の研究というふうなことに力を注いでいるわけでございますが、文部省といたしましては、特にこの大学、研究所等を通じまして、基礎研究でありますとか、あるいは科学技術者の養成に重きを置いたつもりでございます。一々申し上げる繁を避けたいと思うのでありますが、たとえば原子力の講座、こういうふうなものにつきまして各大学にこれを設置いたしまするとか、あるいは物性研究所を創設いたしますとか、あるいは研究用の原子炉の設置についての予算を計上いたしますとか、その他主として理工系の学科等につきまして各大学にそれぞれ新設し、あるいは内容の充実をはかり、また学生の増をはかるというふうなことをいたしましたような次第であります。また講座研究費、教官研究費等につきましても、それぞれ若干の増額をいたしておりまするし、学生経費につきましても増額をいたしまして便宜をはかっておるような次第でございます。なおまた国立大学の在外研究員の数がまことにわずかでございます。だんだんとこれを増していきたいと考えまして、来年度は在外研究員の派遣費についても若干の増額をはかりまして、派遣人数をふやすことにいたしております。同時にまた私学につきましても研究設備、理科助成等につきまして意を用いたつもりでございます。  それから文教施設の整備、充実をはかるということが重要であることは、これは申すまでもございません。国立文教の施設といたしましては科学技術、学術振興の基本方針に沿いまして相当な額を増額したつもりであります。また公立文教施設につきましても決して十分とは申しませんけれども、今回は特にこの学校統合、また不正常授業の解消に重きを置いて予算を組んだつもりでございます。  なおまた国際文化の交流ということも、今後の日本といたしましてはきわめて重要な意味を持つものと考えますので、できるだけその方面のことに経費を組みたいと存じておりましたけれども、十分ではございませんが、先ほど申しましたような在外研究員の派遣をふやすというふうなこともその一助になろうかと思います。同時に東南アジア方面からの留学生日本に入れまして、これを通じまして今後の国際文化の交流をはかって参るという、すでにやっておることでありますが受け入れる員数につきましても増員をいたしまするし、同時にまた受け入れ態勢がきわめて重要であると考えますので、その受け入れ態勢として宿舎の建設でありますとか、その維持、管理に必要な経費等を組みまして計上いたしましたような次第でございます。  次に今日のわが国の社会を健全明朗化する必要があろうかと考えます。同時にまた青少年諸君が清新はつらつな意気を持ってその生活を続けていくということもきわめて大切なことと思います。いろいろ施策もございましょうが、私どもといたしましてはスポーツの振興ということを今後力を入れてやって参りたいと思います。スポーツにつきましても、私は国民の中に今日スポーツ熱は相当あると思いますけれども、見るスポーツでなくて、みんなが楽しんでスポーツをやるというような社会にしなければならぬ、そういうふうな考えのもとに、きわめてわずかな経費ではございますけれども、今後その方面に力を入れていくというつもりで、スポーツの地方組織と申しますか、地方のスポーツ熱が高まって参り、大勢の人がスポーツを楽しむことができるようにという意味をもちまして若干の経費を計上いたしました。同時に国立競技場の施設につきましては約十三億円の経費を投じまして、これが完成を期することにいたしておりますような次第でございます。なおまたスポーツの助成ということも今後考えて参らなければならぬと思いますので、いずれこれは法律案をもって御審議を願いたいと思っておるのでございますが、さしあたって日本体育協会に対しまして若干の補助を行いまして、その充実をはかって参りたいと思っておるのであります。  また初等、中等教育方面におきましては特に目立ったこともございませんけれども、準要保護児童対策とか、あるいは特殊教育、僻地教育とか定時制教育等につきましてそれぞれ若干の経費を増額いたしまして、漸進的ではございますけれどもその充実をはかって参りたいと存じておるような次第でございます。  以上まことに簡単でございますけれども、今回の予算の編成を通じまして特に力を入れて参りました若干の点につきまして申し上げたような次第でございます。詳細につきましては会計担当の参事官から御説明いただくことにいたします。
  17. 岡三郎

    ○委員長(岡三郎君) 次に補足説明を文部大臣官房会計参事官天城君の方より聴取いたします。
  18. 天城勲

    ○政府委員(天城勲君) お手元に配付いたしました昭和三十二年度予算要求額事項別表、これに基きまして御説明いたしたいと存じます。なお別途この内訳資料を配付してございますので、ごらんになりながら御聴取願いたいと思います。  まず最初に義務教育費の国庫負担金でございます。三十二年度は八百四十七億、前年度に比して七十七億五千万の増でございますが、内訳の概要は別紙にございますが、増額の七十七億は明年度から実施を予定されております。給与改訂で約四十五億でございます。これは現在に対しまして六・二%の水準増という形になると考えております。  それから定期昇給財源、これが二十億ございますが、これは大体年間四%の昇給の幅を考えまして、その財源二%を組んでおります。  期末手当の増額七億六千五百万、これは昨年の来場に改正になりました〇・一五の平年度化の経費でございます。教職員の増加分としては、一億五千万円、これはあとで数字を申し上げますが、約千四百名ほどの増員というものを見込んでおります。それから、学歴是正、これは前国会で法律の改正がございましたのに伴います所要財源八千五百万円でございます。僻地手当の増額、これも昨年度年度中におきまして、僻地手当の支給が定額から一定率に変りましたことに伴い日まする増額分。薪炭手当も、法律改正に伴うものでございます。それから、恩給費が五千万円増額いたしております。それから、教材費は、あとで申し上げますが、児童生徒の増減に伴います基礎数の変更から参りました三百万円の減でございます。  なお、基礎数の概略の数字をその下に掲げてございますが、たとえば小学校の生徒におきましては、三十四万八千人増加いたしますが、中学校の生徒におきましては、逆に二十三万九千人の減でございます。それに基きまして学級数を計算し、教員数を計算するというようなやり方をいたしまして、二枚目にわたりますが、教員数は、小学校の増に対して、中学校は減でございますが、プラス・マイナスいたしまして、一千四百六十五名の増という形になっております。  それから、給与単価の面は、これも従来と大体同じ方式でございますが、十月一日の現給に対しまして、先ほど申したような昇給財源二%を見込みまして、同時に今度の給与改訂に伴いまするアップ率六・二%を加味した数字でございます。  大体考え方は以上のような形で、七十七億五千万円の増加を見込みました。  第二番目の教育委員会育成強化、この経費は約七百五十万円ほど増加いたしておりますが、新しい問題といたしまして、一つは、地方教育行政職員の研修でございます。これは行政関係の職員の、長期というほどでございませんが、約六週間ぐらいの講習会を中央でやる。新しい制度になりまして、いろいろな法律その他運営上の問題が出ておりますので、資質の向上をはかるための講習会をいたそうという経費でございます。  二番目の市町村教育委員会指導調査。これは、国が地方委員会に対しまする指導調査、及び府県が市町村の教育委員会に対して行います指導調査に必要な経費等を考えまして、金額的には大したものではございませんが、新しく計上いたしたわけでございます。  それから、広報活動の経費。これは、従来御存じの文部広報を発行しておりましたが、さらに、これに二百万円ほど増加いたしまして、法律の改正あるいは予算の成立等の機会に、いわば速報的な活動をいたしたいと考えて、増加いたしたわけでございます。  それから次は、科学技術教育の振興でございます。  そのうちの第一は、理科教育の振興でございますが、これは、大体金額的には、前年度に比べまして二千万円ほど増加いたしておりまして、年次計画を進めていくという考え方でおります。  産業教育の振興につきましても、基本的には同じでございますが、備考欄に書いてありますように、中の項目が分れております。明年の問題といたしましては、二番目の高等学校施設費補助金、これにつきましては、前年度に比べて約一億ほど増加いたしております。それから、実習船建造費補助金は、従来の大型船の計画が一応一段落いたしましたので、金額的には落ちておりますが、なお中型の建造を、三隻でございますが、計上いたしております。  それから第四番目に中学校研究指定校補助金、これは従来高等学校が主でございましたのに対して、中学校の面にも振り向けて行きたい、こう考えまし玉前集度二千五百万円に対しまして六千万円を計上いたしたわけでございます。  次の科学研究費等の拡充についてでございますが、備考欄にございますように、幾多の項目に分れておりますが、これも大臣のお話のように、特に重点に考えておる問題でありますが、本度年十三億一千四百万円、中身としまして、科学研究費交付金が九億二千七百万円、これも前年度に対して約一億増加いたしております。それから科学試験研究費補助金、研究成果刊行費補助金、輸入機械及び図書購入費補助金、民間学術研究団体補助金、こういうような内容になっております。  在外研究員の派遣、これは従来七千万円という金額で停頓いたしておりましたが、三千万円増加いたしまして、一億という金額になっております。この中身、人数等につきましては、大学側との話が継続中でございますので、最終的な数字は、まだきまっておりません。  それから五番目に国際地球観測年事業でございますが、明年三十二年度は、本観測の年に当っておりますので、それに備えた経費でございます。金額的には一億五千五百万円ほど落ちておりますけれども、これは前年度約五億数千万円が宗谷の改装費でございましたが、この経費が不要になっておりますので、事業費としてはふえている形になっております。内訳は、備考欄にございますように、国内一般観測が二億五千三百万円、ロケット観測が一億二千万円、南極地域観測が四億七千七百万円になっております。  それから次は私立大学研究設備助成、これは、私立大学におきます人文、社会、自然、すべての基礎研究の諸設備の助成でございますが、本年度は八千八百万円、こういう数字になっております。  それから私立大学理科特別助成、これは理工系の教育の充実をはかろうという経費で、前年度から始まった経費でございますが、本年度は同額でございます。次の育英及び学徒援護事業の拡充で、最初の日本育英会事業の拡充でございますが、貸付金につきましては、前年度とほとんど大差ございません。中身におきましては、高等学校の奨学資金が従来七百円、千円と二口ございまして、まだ七百円が残っておりましたので、明年から全部これは千円に直そうと思っております。その経費が約八千八百万円ほどでございます。そのほか、金額的には大きな問題でございませんが、若干大学院のコース等における手直しをいたしておる経費でございます。事務費補助金は、償還金の返還の事業がだんだん拡充されましたので、これに伴う人件費でございます。  生徒援護会補助金は、御存じの援護会が行なっております各種の就職あっせんとか、あるいは学生寮という事業に対しまする事務費でございますが、若干修理費とか、あるいは人件費の増等から増額になっております。  それから次は私学の助成関係の経費でございますが、中身といたしましては、次のページに入りますが、四つの項目がございます。最初の二つは科学技術の振興という面に関連いたしますので、カッコいたしまして二重にいたしております。  三番目は私立学校職員共済組合の補助金でございますが、これも大体実に基く補助でございますので、その点の助成と若干の事務費の助成でございます。  それから振興会の出資金は前年度八億に対しまして八億五千万という形で出資することにいたしました。  それから第六番目に教育の機会均等という項にいたしました。中身としましては主として初等中等教育関係の助成費でございます。  最初は公立養護学校の教育費の国庫負担の実施でございます。前年度公立ができまして明年から実施することになりました。それに伴う経費でございますが、別途資料の義務教育費国庫負担金の給付に続きまして、養護学校教育費国庫負担金の概要をごらんいただきたいと思います。三千三百万となっております。該当される単校は明年底新設ないし転換される学校を大体予想して含めまして本校で十四校、分体で三校、こういう予定をいたしております。これには教材費も含めておりますので、教材費につきましては対象の別によりましてそれぞれ単価を規定いたしたわけでございます。  次は準要保護児童生徒の対策でござ請いまして、中身といたしましては備考欄にございますように、教科書の無償給与のための補助金と、学校給食の補助金と二つに分れております。教科書につきましてはこの付属資料にございますように、約六千万ほど増加いたましたが、それは中学校の生徒を新たに対象にいたしましたことと、対象の比率を一・九%に上げたことでございます。大体三十五万人が対象になろうかと考えております。学校給食対策につきましては、付属資料のその次にございまして、前年度約五千万で出発したのでございますが、これは一層にいたしまして、比率としてはまだ低いのでございますが、一%を対象にいたしております。それと児童、生徒の数は大体七万名増を対象に考えております。  三番目に高等学校の定時制教育の振興関係でございますが、備考欄の一、これは法律に基きます定時制教育の設備費、及び二番目の運営費の補助金でございまして、おおむね前年度より若干伸びておる程度でございます。三番目に給食施設設備の整備、これも前国会で法律ができまして、本年度から実施する形になっておりますが、付属の説明書の一番最後の九番目に、夜間定時制高等学校における学校給食施設及び設備整備費補助金でございますが、一千三百万で整備の予定対象校は二百校、給食施設とそれから設備を含めて計上いたしております。それから四番目に定時制高等学校の施設の整備でございますが、予算書の形では備考としては公立文教に入りますが、新たに五千万円を計上いたしたわけでございます  四番目は学校図書館設備の整備、これは残念ながら前年度より金額が落ちましたけれども、計画年次を若干延ばさざるを得なくなった事情に基きます。  五番目の特殊教育の振興、これは備考欄にございますように一つは盲ろう学校、盲ろう養護学校の児童生徒の就学奨励でございます。特に養護学校の生徒がこの法律の対象になることになりましてその分を加えてあります。二番目に特殊学級の設備整備、これは普通の学校に特殊学級を置いておるわけでございますが、その充実をはかりたいと考えまして、学級の設備費、中身でございますが、これの補助金でございます。大体百学級分を対象にいたしまして、新規に八百万円を計上いたしました。それから三番目の特殊教育施設の整備費補助金、これはカッコしてございますが、公立文教の中に入りますが、やはり法律に基きまして養護学校の建設費を含めております。  六番目の僻地教育の振興でございますが、三十二年度三千二百万でございますが、備考欄にございますように小学校教員の養成あるいは教員住宅の建設、これは従来からずっとあった経費でございます。三番目に僻地教育の充実費といたしまして、これは新たに一千万円追加してございますが、無電灯の下にございます学校に自家発電装置を施設するための補助金でございまして、水力あるいは火力の自家発電装置をつける、大体四十カ所くらいを予定しております。これも事項の関係で公立文教の僻地関係の事項にまとめて計上しております。四番目は集会室等整備費補助金で前年度と大体同じ状態であります。  七番目に教科書センターの運営、これは前年度三千万の経費で郡市単位くらいに教科書研究をいたしますセンターの設置の設備費の補助をいたしました。本年度はその運営費の補助をいたしたいと考えまして、少額でございますが三百万円計上いたしました。二千七百万円減という形になっておりますが、中身は質が違っております。  それから次は学校給食の施設及び設備の補助金でございますが、これは付属資料の八番目に内訳が載っておりますが、整備の学校数は小、中学校合せまして六百校でございます。前年度よりちょっと数字的に落ちておりますが、前年度は集約酪農地帯に牛乳殺菌施設というものを施設するというのをこの中に含めておりましたのですが、それは一年度限りだったものですから、それが落ちまして金額的には減っておりますが、中身は大体前年度と同じ規模で進めて参ります。  次の日本学校給食会補助、これは給与改訂とか、あるいは庁費等の増程度でございます。  次の事項として文教施設の整備でございますが、国立文教施設につきましては前年度二十二億に対しまして本年度は約七億ほどの増になっております。主として伸びましたのは戦災復旧関係で約二億、研究所関係で約二億、それから一般の施設の整備というので一億というようなのがおもな事項でございます。  それから二番目の公立文教施設の整備、これは別の資料の一番最後に一表掲げてございまして、各事項についての前年度比較、それから坪数等を掲げてございますが、大体全体として三百三十九万坪ほどを明年度は実施する予定での補助金でありますが、先ほど大臣の御説明にもありましたように特に重点を置きました点は、この付属の資料の四番目の学校統合特別助成、前年度三億で出発いたしましたが、明年は七億一千四百万。それから六番目の小学校不正常授業の解消、これが前年度三億八千四百万に対して、約六億で、二億の増でございます。この表で若干補正いたしますと、三角の分が引いてございますが、戦災復旧の三角におきましては三億七千六百万という前年度額が今年度はない形になっております。これは大体戦後十年たちまして戦災復旧という形でやるのが資料その他の関係で必ずしも適当でないことと、ある程度この点が完了して参りましたので、事項としては新たに出さないことにいたしまして、なお残っている分につきましては、不正常授業解消、都市がおもでございますので、これらの面で救済していきたい、こう考えたために事項が落ちております。  それから十三番目の災害復旧、これは幸いに前年度の災害が非常に少かったために、本年度に足を出す分が減った、こういうようなことで、実質的にこの三角を引きますと、公立文教は前年度の工事量あるいは金額よりはふえている形になっております。  それから事項別表に戻りまして、八番目の社会教育の助成でございますが、総額といたしまして、前年度一億六千二百万に対しまして、昭和三十二年度三億一千二百万円でございます。最初の(1)は青年学級の充実、これは前年度と同額でございます。それから社会教育の施設の設備の充実、公民館、図書館の中身の充実でございますが、この経費は前年度と同額でございます。それから社会教育特別助成費、これは金額におきまして、前年度と同額、七千万円でございますが、前年度七千万のうち、実は二千万円は芸術院会館の建設という事項で固定されておりましたのでありますが、本年度はそういう事業もございませんので、七千万が社会教育特別助成の事業費としてまるまる使える形になるわけでございます。この特別助成費は中身には社会教育関係の指導者の講習会ですとか、あるいは映画、演劇、音楽の関係の経費、あるいは青少年のスポーツ関係の経費、婦人教育の振興の経費等の項目でございますが、全体といたしまして若干弾力性ある使い方をしたいという形で、予算書の上では、社会教育特別助成費一本七千万という形で計上しております。  次の芸術祭の運営費、これは金額的には百五十万ほど落ちておりますが、これは芸術祭におきます映画コンクールの経費をやめることになりましたので、その分が落ちておるわけであります。その他は従来通りでございます。  次は社会教育施設整備、これは御承知の公民館、図書館博物館の施設費でございます。若干伸ばしまして、一千万を計上いたしました。これも事項といたしましては本来公立文教の中に出てくる経費でございます。  それから六番目に国立西洋美術館の創設、これは旧松方コレクションをフランスから返還してそれの常設美術館にするという経費でございまして、すでに土地が確保されまして、設計もほぼでき上りまして、明年度中にこの建設にかかりたい、このための一億五千万であります。  九番目はスポーツの振興という事項でございまして、最初に地方スポーツ指導、これは新たに二千万を計上いたしました。これは先ほども大臣のお話にもございました通り、地方スポーツの振興ということに主眼を置きまして、事項の中身といたしましては、優秀な指導員を設置したい、これは特に手当を出すとかということはいたしませんが、スポーツ関係の優秀な指導員を設置したい。それからスポーツ関係の指導者の講習会ないしは研修会というようなものを開催したい。それから市町村は大きな団体では部落単位ぐらいにいろいろなスポーツ関係の行事をいたしております。まあ、町ぐるみの運動会程度のものもございますし、いろいろと地方に根を生やしたスポーツをやっているわけでございますが、それを助成指導するというようなことを中身にいたしたい。大体一県当り四十万ぐらいの経費を見込んでおります。  次は国際試合の選手派遣で備考欄に載ってございますようにデビス・カップと、二番目は国際学生週間競技大会、これは学生のオリンピックと言われておりますが、四年に一度回ってきますが、明年ロンドンで開催される大会に学生を派遣するだめの経費でございます。  三番目は国立競技場の設置でございますが、これも先ほどの話にございましたように、明治神宮の競技場を改装いたしまして、新設競技場といたす、そのための建設費十二億七千万円でございます。中身は今の神宮競技場を国で買収いたしまして、それをこわして直す、と同時に中に器具を入れるというような事項に充てております。  次は国民体育大会の補助でございますが、明年度は静岡県で開催される予定になっておりまして、従来通り七百万円の補助を見込んでおります。  次のページに入りまして、先ほどもお話がございました日本体育協会に対しまして補助を出そう。これによりまして日本体育協会の健全な運営を望みたいという考えで一千万円を計上いたしました。  それから事項の十番目は、国際文化の交流関係の経費でございます。備考がたくさんございまして備考欄に書いてございます(1)の琉球派遣研究教員制度の実施、それから琉球教育に対する協力援助、これは二番目の方は学生の援助でございますが、上は教員の研修教育でございます。従来通りやってきた事業でございます。特に東南アジア留学生の問題につきましては(3)(4)(5)がそれに該当いたしまして明年度は留学生の募集を相当広げたいという考えでおりましたけれども、受け入れ態勢の面も非常に重要でありまして、その設備の整わないのに、むやみに呼んでも無理だという考えもございまして、明年は大体四十人留学生を考えております。今年度まで平均三十人ずつ呼んでおりましたが、明年度は四十人、同時にそれらの学生の生活のために宿舎を建てることにいたしまして二千七百万円を計上いたしました。それでその宿舎を維持管理し、学生のめんどうをみるために国際教育協会という団体ができる予定でございまして、これに対します事務補助を考えております。その一連の経費でありまして、主一として東南アジア留学生の教育に当りたいと考えております。  六番目の国際文化事業、これは従来日仏、日伊、日独という、この三つの団体に対して補助金を出しておりました。大体前年度と同じでございますが、日独会館に対しまして若干増加を見込んでおります。七番目の国際会議出席旅費、これは大体定期的に開かれます国際会議、あるいはユネスコの執行委員会等のための必要経費でございます。国際分担金は、わが国の参加しております機関に対する分担金でございまして、たとえば国際教育局とか、あるいは版権保護同盟、計数センター、これらに対する分担金でございます。  ユネスコ活動は持に顕著な新しい事項はございませんが、前からやっておりました外国人のための日本辞典というものがいよいよ完成になりますのでその経費。それからユネスコ主催の国際会議が二つ日本に明年予定されておりますので、その経費でございます。  それから十一番目の文化財保護事業の強化、第一番目の国立劇場の設立準備、これは金額的には前年度と同額で予算の上ではあまり進展を見ておりませんが、大体準備は進んで参りましたけれども、設立の土地がきまらないために具体的な作業がなかなか進まないのでございます。ぜひ土地を決定しておきたいと、こう考えておりますが、大体千七百万円は土地がきまって懸賞募集をして基礎設計をやるというところまで考えた経費でございます。文化財保存事業でございますが、持に備考欄に書いてございます。ように、修理費、それから防災施設等に重点を置いたのでありますが、修理費につきましては、昨年度出発した姫路城の解体修理の経費、あるいは新しく岡山の松山城の解体修理というような国有の建造物の修理費が相当額を占めております。それから防災施設につきましても、国宝建造物あるいは宝物の保存の面から非常に緊急を要する面がありますが、新たに高野山の宝物のための収蔵庫の建築とかいうような新しい事項をも盛っております。それから三番目の法隆寺の文化財管理費補助、これは全然新しい事項でございますが、御存じのように約二十年間ほとんど国費で修理して参りました文化財としての法隆寺の建物あるいは宝物、これの管理を充実したいというために、法隆寺につきまして別途に寺務所のほかに管理機関を設けましてそしてこの管理に当ることになったのであります。それに対しまして文化財保護法によりまして特別なケースとして国から補助を出し、両者で管理に万全を期したいという構想でございます。  十二番目の文化功労者年金、これは毎年の例でございますが、大体十人分を見込んでおります。  それから十三番目の北海道冷害対策の経費でございますが、昨年の冷害につきまして、三十一年度予備費で給食関係で約二千万円すでに決定いたしました。それから教科書の給与につきましても約九百三十万計上いたしたのでありますが、明年の端境期までの、七月分までの分として続いて三千万円計上いたしました。中身は同じように給食と教科書の給与、この二つの事項でございます。  その他の経費で特に申し上げることはございませんが、大体本省関係や所轄機関へあるいは文化財保護委員会におきまする給与改訂に伴う人件費、その他庁費等の経費でございます。  ちょっと申し上げますが、その次の事業費で、本省関係で若干落ちた数字が出ておりますが、大体前年度までやっておりました経費で、オリンピックの派遣費二千万、あるいは学生寮の建設が大体府県側の御希望がある段階まできたものですから、明年度は一応中止しましたので、その三千万という経費が落ちたために減額になっております。  それから国立学校の運営費でございますが、大学、病院研究所を通じまして約三十五億伸びておりますが、これは大ざっぱに申し上げますと、三つを通じまして給与改訂で約二十三億、やはり大学関係で使っております。それから先ほど申しましたように、研究費で、これは教官研究費、及び講座研究費を通じまして一割の増加を見込みました。学生経費も全部に通じまして二割の増加を考えました。あとは病院関係の患者医療費の増とか、あるいは設備費の増が基準的にはおもなものでございます。  なお新規の増加につきましては科学技術の振興というような関係で、原子力の講座、その他の事項がたくさんございますが、これは実はきょう資料を作るつもりでおりましたのが、作った資料がちょっと間違えてしまったので、あらためて次の機会にお持ちしたいと考えております。  最後に文部省所管の合計額でございますが、千四百四十四億、前年度の千三百五億に対しまして百二十九億の増でございます。一般会計の総計が一兆一千三百七十四億でございますので、大体一三%弱くらいに当るかと思っております。  時間の関係で大へん粗雑でございましたけれども、一応説明を終ります。
  19. 岡三郎

    ○委員長(岡三郎君) 以上で補足説明を終りました。先ほど申し上げました通りに、計数その他で質疑があったならば簡単にしていただいて、次回に予算についての御検討をわずらわしたいと、こう考えております。よろしゅうございますね。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  20. 岡三郎

    ○委員長(岡三郎君) それでは質疑のある方……も
  21. 湯山勇

    ○湯山勇君 予算外契約の何かあると聞いておったんですが、何かありませ  んか。
  22. 天城勲

    ○政府委員(天城勲君) 昨年度で国立競技場のための予算外契約をいたした  のでございますけれども、本年度十三億入りましたので、本年度分としてはこの関係はないわけでございます。  その他私ちょっと今記憶しておりませんけれども、大体前から続いております予算外の契約はそのつど予算化しておりますから、今年度新しいものはないのじゃないかと思っております。なお調べまして……。
  23. 湯山勇

    ○湯山勇君 原子炉購入の……。
  24. 天城勲

    ○政府委員(天城勲君) 大へん御無礼でございました。大学における研究用の原子炉の設置ということが一応きまりまして、原子炉の予算外契約二億四千万円をいたしております、そのうち本年度分として一億だけ予算を計上しております。大へん失礼いたしました。
  25. 湯山勇

    ○湯山勇君 そうすると、この原子炉の購入費というものは予算外契約の二億四千万と、予算化されている一億と、こういうことになって、合計三億四千万ということになるわけですか。
  26. 天城勲

    ○政府委員(天城勲君)そうではございませんでして、総額が二億四千万でございまして、そのうち三十二年度で支払うものを一億分だけ予算化したわけでございます。
  27. 湯山勇

    ○湯山勇君 今の大学の、まちまちになりますけれども研究費が一割増、これは額はどれだけになりますか。
  28. 天城勲

    ○政府委員(天城勲君) 一割増加分だけで三億一千七百万でございます。
  29. 湯山勇

    ○湯山勇君 もう一つ、教材費、これは中学校百三十五円、小学校九十円という基準があるわけですけれども、実際はどれくらいになっておりますか、平均……。
  30. 天城勲

    ○政府委員(天城勲君) 法律の趣旨によりますと生徒一人当りその額で出すことになっておりますので、前は定額補助になっております。実際のあり方としましてあとで補正計数が若干つきますので、非常に小さな学校につきましては補正して規模を上げておりますので、御質問の趣旨を私誤解しておるのかもしれませんが、金額は今はおっしゃる通りの金額でございます。
  31. 湯山勇

    ○湯山勇君 ちょっと意見になりますけれどもこれは私今計算したのです。小学校はおそらく平均して六十円くらいじゃないかと思うのです、この計算でいきますと、中学の方が百円そこそこになっているようです、一人頭。そういうふうな計算になるのですが、これは次までにお調べ願いたいと思います。  それからもう一つは科学研究費交付金、これは一億の増になっておるというお話でしたけれども、新聞なんかでは相当問題になっておったようですが、この内訳をもうちょっと詳しく御説明願いたいと思うのです。特に助成研究、奨励研究、そういうものとの関係。
  32. 天城勲

    ○政府委員(天城勲君) 明年度の九億二千七百万でございますが、実はこれに対応いたします前年度の経費は六億七十六百万円でございます。別に化学の研究費というのが約一億五千万前年度ございました。その他に科学研究助成補助金というのが四千八百万ございました。三十二年度はこれらの事項を一応統合いたしまして科学研究交付金という形で一本にまとめたのが予算の技術的な問題でございますが、化学の研究費、それから従来の科学研究交付金、これは大体同じ性質のものでございますが、特に科学研究助成補助金の方でございますが、これが新聞などでいろいろ議論が出ておる問題だろうと思います。これにつきましては大体科学研究交付金の中の学術研究の最高水準をいくもの、特にまた機械その他で相当の多額の金が要るものを中心に考えておりますので、科学研究交付金の本来の性質から言うと、そういう点に重点を置いていくのがいいのじゃないかというのが従来からの考え方でございますけれども、科学研究助成金の方は逆に非常に若い研究者の助成というので中身は全然違っておりました。しかし科学研究交付金の大体の性格からいって重点的に伸ばそうというのが最近の線でございましたのと、特に予算技術的に事項をあまり立てない方がやりいいというのが私たちのあれでございまして、一応科学研究交付金にすべてまとめた形になっております。従ってこの中でできるだけ従来の科学研究助成補助金の面も生かしていきたいと考えておりまして、全然この事項を落して一切顧みないというつもりではないのでございます。
  33. 岡三郎

    ○委員長(岡三郎君) 速記をとめて。    〔速記中止〕
  34. 岡三郎

    ○委員長(岡三郎君) 速記をつけて。
  35. 矢嶋三義

    ○矢嶋三義君 二点数字を聞きますが、昭和三十二年度予算事項別内訳の方ですが、定期昇給のところに二%、二十億八千八百万円と言いましたね、この二%アップする前のベースになる給与は十月一日ですか。
  36. 天城勲

    ○政府委員(天城勲君) 十月一日の現給にかけております。と申しますのは、十月で大体年間の最高に参ります。ほんとうは年度末までの高さを出してそれから年度末における退職、それから新採用との差を見まして、その次に翌年度のものを見る、こういうやり方でございます。足して引いて足すということをやります。結論的には年間四%、財源で二%、こういう形になっております。
  37. 矢嶋三義

    ○矢嶋三義君 それでは各都道府県で昇給時期をずっとずらしてまだやっていないところがありますが、一月、二月になってさかのぼって発令したところがありますね。そういう形で昇給されたのはこの二%上げるときのベースになっていないということになりますか。
  38. 天城勲

    ○政府委員(天城勲君) 予算を作る技術的な時期の問題になるわけであります。一応はそういう基礎で算定をいたしておりますが、実際に昇給財源をどう見るかというと、これは国庫負担金の性格として実績でカバーすることになっております。予算積算の基礎といたしましては十月一日現在の現給の上に載せる、こういう考え方でやっております。
  39. 矢嶋三義

    ○矢嶋三義君 ただいまのはあとで清算するから差しつかえないということですね。  もう一つ、学歴是正給与法の実施というので八千五百万円見ておりますが、これは小、中学校の教職員が前国会で通った法に基いて是正した場合に上げる分の二分の一、こう見ておるわけです。そこでこの法を適用してどういうような俸給金額の引き上げをするかということは、あなたのところと人事院とでまとまったものがあるのかどうか。  それからそれに関連して聞きたいのは、今度の国会に給与法の改正が出るようで、公務員制度調査室で相当のものを出しておりますが、あれはすでに文部省と了解済みなもので、それを基礎として給与改訂の四十四億というものが出されているのか。もう一つ、それと関連して高等学校の先生に適格者が一番多いと思いますが、あの法の改正に基いた給与改訂をやるためのその財源は、文部省と自治庁との話し合いによって地方財政計画に入っておるのかどうか、この三つをお聞きします。
  40. 天城勲

    ○政府委員(天城勲君) 前国会で改正になりました給与法の是正分でございますが、これの内輪の法律で、旧六二号、新六一号、こういう形になっております。そして現在のベースにおけろ所要額を見積って、その半額が八千五百万円であります。これと今度新しく考えられております改訂給与法でございますが、それへの移り方等につきましては、人事院とまだ折衝中でございます。同時に明年度行われる予定の給与改訂につきましても、文部省のみからず各省とも今内閣の公務員制度調査室と協議中の段階でございます。それからこれらの改正に基く地方財政への財源の見方、これらについては今自治庁に申し入れて話を継続いたしております。
  41. 岡三郎

    ○委員長(岡三郎君) それではさらに御質疑があるかと思いまするが、本日は時間も相当経過しておりまするので、これにてやめたいと思います。しかし来週委員派遣、その他で委員会が行われませんので次回は再来週になると思いますが、それまでに文部当局の方もさらに資料を整えて十分なる御回答ができるような御準備をしておいていただきたい、これをお願いいたします。  それでは本日はこれにて散会いたします。    午後一時四十一分散会