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1957-03-05 第26回国会 参議院 地方行政委員会 7号 公式Web版

  1. 昭和三十二年三月五日(火曜日)    午前十時四十二分開会   ―――――――――――――   委員の異動 本日委員佐野廣君辞任につき、その補 欠として森田豊壽君を議長において指 名した。   ―――――――――――――  出席者は左の通り。    委員長     本多 市郎君    理事            大沢 雄一君    委員            伊能繁次郎君            小柳 牧衞君            館  哲二君            安井  謙君            吉江 勝保君            占部 秀男君            久保  等君            鈴木  壽君            成瀬 幡治君            岸  良一君            森 八三一君            白木義一郎君   国務大臣    国 務 大 臣 田中伊三次君   政府委員    自治政務次官  加藤 精三君    自治庁選挙部長 兼子 秀夫君    自治庁税務部長 奧野 誠亮君   事務局側    常任委員会専門    員       福永与一郎君   ―――――――――――――   本日の会議に付した案件 ○国会議員選挙等の執行経費の基準  に関する法律の一部を改正する法律  案(内閣提出) ○地方税法の一部を改正する法律案  (内閣送付、予備審査)   ―――――――――――――
  2. 本多市郎

    ○委員長(本多市郎君) これより委員会を開会いたします。  本日委員の異動がございましたので御報告申し上げます。佐野廣君が委員を辞任されまして、森田豊壽君が補欠選任されました。以上御報告申し上げます。   ―――――――――――――
  3. 本多市郎

    ○委員長(本多市郎君) まず、昨四日本院先議案として当委員会に付託されました国会議員選挙等の執行経費の基準に関する法律の一部を改正する法律案を議題に供します。これより政府の提案理由の説明を聴取いたします。
  4. 田中伊三次

    ○国務大臣(田中伊三次君) 国会議員選挙等の執行経費の基準に関する法律の一部を改正する法律案につきまして、提案の理由及び内容の概要を御説明申し上げます。  国会議員選挙等の執行経費の基準に関する法律は、都道府県及び市町村の選挙管理委員会が管理する国会議員選挙、最高裁判所裁判官の国民審査等の執行について、国が負担すべき経費の基準を定め、もってその適正かつ円滑な執行を確保する目的をもって昭和二十五年に施行されたのでありますが、以来、公務員の給与改訂、物価の変動その他この法律の施行の状況にかんがみまして、六回にわたる改正を行い、常に実情に即する基準の確保に努めて参ったのであります。  しかしながら、一昨年に行われました地方公務員の給与の実態調査によって、地方公務員の給与の実態が明らかとなり、さらには、その後における鉄道旅客運賃の改訂、電信電話料金の改訂、物価の変動等によりまして、現行の基準が実情に即さないものとなりましたので、規定の整備をはかることにいたした次第であります。  改正の内容について申し上げますと、第一点は、地方公務員の給与実態調査の結果に基き、都道府県及び市町村の職員に支給される超過勤務手当の額を改訂いたそうとするものであります。また、基準額に積算されております旅費及び通信費をそれぞれ国家公務員等の旅費に関する法律に定める旅費額及び公衆電気通信法に定める料金額まで引き上げ、さらに人夫賃、嘱託手当の単価を実情に即する金額まで引き上げ、選挙公報用紙の単価を国の予算単価まで引き下げるとともに、都道府県事務費について有権者数による段階の区分を、現行の六段階からさらに九段階までに細分することとし、あわせて基準額を適正にしようとするものであります。  第二点は、投票管理者及び開票管理者並びに投票立会人、開票立会人及び選挙立会人に支給いたします費用弁償額が低額に過ぎますので、この額を引き上げようとするものであります。  第三点は、最近、都道府県行政組織の合理化のため、地方事務所が廃止される傾向にあるのでありますが、これらの都道府県におきましては、支庁及び地方事務所以外の出先機関において選挙事務を取り扱っている実情にかんがみまして、今回新たにこれらの出先機関において選挙事務を行うに必要な経費を交付することとし、その基準額を定めるとともに、これに伴う必要な規定の整備をはかろうとするものであります。また、都道府県のうちには、選挙事務を本庁においてすべて取り扱っている所もありますので、これらの都道府県につきましては、本庁経費を若干額加算することとしようとするものであります。  第四点は、旅費及び通信費について加算の基準となる距離を従来の十二キロメートルから十キロメートルに改めようとするものであります。  以上申し上げました諸点のほか、町村合併の進捗等にともないまして、市区町村数、支庁、地方事務所の数及び投票所、開票所の数に相当の増減がありますので、この際、これらを算定基準としている経費の積算基準を再検討いたしまして、実情に即するように改めることといたしましたのであります。  以上が国会議員選挙等の執行経費の基準に関する法律の一部を改正する法律案の要旨でございます。
  5. 本多市郎

    ○委員長(本多市郎君) 本案についてこれより質疑に入ります。質疑のおありの方は順次御発言願います。
  6. 吉江勝保

    ○吉江勝保君 認定出先機関には、どういうものが大体想定されるのですか。
  7. 兼子秀夫

    ○政府委員(兼子秀夫君) 認定出先機関と申しますのは、地方事務所の廃止に伴いまして、県事務所とか税務事務所、それからあるいは厚生福祉事務所ですね、それからはなはだしいのになると、保健所を一カ所使っているのもあります。選挙事務の全部ではございません、一部でございますが、そういうのが従来の地方事務所にかわって出先機関として選挙のときの管理、執行に当っております。そのような機関を認定いたしまして、それに必要な経費を交付いたしたい、このように考えます。
  8. 吉江勝保

    ○吉江勝保君 その機関で今までそれをやっておる所があるのですか。
  9. 兼子秀夫

    ○政府委員(兼子秀夫君) すでに地方事務所を廃止いたしまして、そのような機関に肩がわりしているところがございます。
  10. 吉江勝保

    ○吉江勝保君 今話がありましたような所はいずれもそれをやっておるのですか。
  11. 兼子秀夫

    ○政府委員(兼子秀夫君) 地方事務所を廃止いたしました結果、やむを得ずそのような機関を使わなければならないという所はそういう所を使っておるわけでございます。現在地方事務所を廃止いたしまして、完全に出先機関を使わずに県だけでやっているのは、徳島県一県だけでございます。
  12. 本多市郎

    ○委員長(本多市郎君) この執行経費の基準に関する法律の一部改正と、こうなっておりますが、今度改正されるのと前のとのほんとうの経費の額の対照表について、概略ちょっと説明を求めます。
  13. 兼子秀夫

    ○政府委員(兼子秀夫君) 御説明いたします。  逐条的に御説明いたしますが、第二条には、先ほど御質問がございました、出先機関選挙事務を扱わさせる必要があるということから、出先機関の認定の規定を入れたのでございます。  第四条は、投票所の経費に関する規定でございますが、これは先ほど大臣から提案理由で御説明いたしましたように、超過勤務手当等、単価の引き上げ等がございまして、必要な改正を行なったものでございますが、こまかく申しますと、投票所の経費の基本額につきましては、全般的に約二五%前後の増額となっておるのでございますが、基準額自体といたしましては、現行の一億九千万円から二億五千万円に、約六千万円の増額と相なっております。この投票所の経費の改正の骨子を御説明いたしますと、先ほど申しましたように、超過勤務手当の単価を改正いたしましたことでございます。  単価を申しますと、超過勤務手当は平日と土曜日、日曜日に分けまして、現行の単価は超過勤務手当は、平日、区が四百十円でございますのを五百五十円に改正をいたします。それから市は三百五十六円を五百三円に改正いたします。町村は二百八十四円を四百四円に改正いたします。土曜日は半分は時間外になりますので、区は七百四十六円から一千三円、それから市は六百四十八円を九百十五円、町村は五百十七円を七百三十四円に改正いたします。それから日曜日は、これはまるまる時間外になりますので……。その超過勤務手当の単価を改訂いたしますことと、次は管理者、立会人の費用弁償を増額いたしましたこと。それから三番目には、嘱託及び人夫賃の単価を改訂いたしましたこと、四は通信費の単価を改訂いたしましたことでございまして、これに伴いまして増額になったのでございます。  なお、この前の法律では基数と申しまして、市区町村の数、投票所の数が前回よりも本年一月一日現在の数字でいきまして、前回は、改正前の基数は四万二千八百八十二カ所の投票所がありましたのが、現在では四万三千百三十七カ所でありまして、合計二百五十五カ所の増となっております。その基数の改正をいたしております。  それから第五条開票所の経費は、これは投票所の経費と同様な関係で、管理者、立会人の費用弁償の増額、超過勤務手当の改訂が主でございますが、その次には人夫賃、嘱託手当、運搬費における人夫賃等の単価を改訂いたしました。四番目に、鉄道運賃と日当の改訂をいたしております。そのほかに開票所の経費は、開票所数が町村合併の結果、現行法では八千六百八十九開票所がありましたのを、一月一日現在では四千七百三十五カ所と相なっておりますので、差し引き三千九百五十四の減となっております。そのような減少をいたします要素がありました結果、超勤その他で経費が増額いたすのでございますが、差し引きいたしまして、約四百万円の減と相なっております。  それから第六条の関係におきましては、選挙会の経費及び選挙分会の経費の規定でございますが、これは投票所の経費と同様に超過勤務手当の単価の改訂と、立会人の費用弁償、人夫賃の単価の改訂、それから旅費額の改訂、鉄道運賃、日当、宿泊料の改訂と同様に、地方事務所数の減少によりまして積算基礎の整理を行なっております。第四は通信費の改定で、電話料金の改定と合せまして、関係市町村数の減少に伴いましてその基数を整理いたしております。  改正の要点は以上の通りでありますが、地方事務所数及び市町村数の減少に伴いまして、経費の総額は約四百七十万円減少いたす結果と相なっております。  それから第七条は、選挙公報の発行の経費でございますが、これは衆議院議員選挙及び参議院地方選出議員選挙にかかるものといたしましては、超過勤務手当の単価引き上げ、人夫賃の引き上げでございますが、本経費におきます人夫賃の単価は、選挙公報配付という労務の性質上、他の経費の人夫賃より若干高く算定いたしております。それから第三点は、用紙一連当りの単価が、現行法では一千八百円になっておりますが、これが紙の値段のその後の動きから見ておりますと、少し高過ぎますので、千六百円の予算単価まで引き下げようとするものでございます。第四点は通信費の改訂でありまして、電報料金の引き上げに伴うものであります。第五点は旅費の引き上げで、現行国家公務員旅費法の鉄道運賃と日当の額まで改訂するものでございます。それで、選挙公報の経費におきましては、二十二万一千円の増となっております。  それから第九条でございますが、ガリ版の印刷の十六ページ「(演説施設公営費)」でございますが、これは投票所の経費と同様に、人夫賃と超過勤務手当の単価をそれぞれ引き上げるものでありまして、この改正に伴ない四百八十万円の増加となっております。  第十条、十七ページ、立会演説会の経費でございますが、第九条と同様に人夫賃と超過勤務手当の単価をそれぞれ引き上げまして、この改正に伴ないまして、これは選挙法の前回の改正でございましたか、運動期間が短縮になりまして、立会演説会の回数の問題でございますが、現実の実績が三十回未満となっておりますので、これを三十回といたしまして百八十万円の減額となっております。これは予算でございますから、実際やりました分は出すわけでございます。ただ、予算の立て方は、回数のそういう実績に基いて予算を組む、それで、やりましたものは実績で払うわけでございます。  それから第十三条は事務費でございますが、十九ページでございます。これは事務費は都道府県、市区及び町村の三段階に区分され、今回の改正におきましては積算単価の改訂と規定の改正を行なっております。積算単価につきましては超過勤務手当、人夫賃、旅費及び通信費の基礎単価を、さきに述べました統一単価によって改訂したものでございます。規定の改正につきましては、都道府県事務費のうち、有権者数段階の区分、府県の規模の問題でありますが、現在六段階になっておりますものを、合理化するために九段階に分けましたことと、支庁、地方事務所及びこれにかわる認定出先機関のない都道府県につきまして基準額の百分の二十の額を加算するように改訂いたしたのでございます。この百分の二十の加算を適用いたします府県は、先ほど申しましたように現在のところは徳島県一県だけでございます。また第二条に述べました認定出先機関につきましては、その基準額を十六万六千五十八円ときめたのであります。地方事務所は三十万円でございますが、約半額に近いものときめたのでございます。この結果、事務費の総額は、都道府県では総額三億一千万円が三億七百万円になり、市区につきましては一億八百万円が一億九千九百万円、町村につきましては二億五千九百万円が二億百万円になりまして、従いまして、全体におきましては約二千八百万円の増額と相なっております。  次は第十四条でございますが、ガリ版のページで行きますと、二十八ページでございますが、選挙長等の費用弁償額に関する規定でございます。費用弁償の改正は、市区町村の実績を見ますと、すでに規準額を大幅に上回るものがありまして、かねてから懸案でありましたが、今回人件費関係の単価改訂に伴って引き上げられることといたしたのでございます。投票管理者、開票管理者の費用弁償額を現行三百円から三百四十円に引き上げまして、投票立会人、開票立会人並びに選挙立会人の費用弁償額の単価を現行二百二十円から二百八十円に引き上げたのでございます。実態調査等の結果は、必ずしもこの程度の引き上げで十分とは考えられないのでございますが、予算の総額等の関係でプール計算によって経理いたしたいと、このように考えております。  それから第十七条の再選挙の経費でございますが、ガリ版の三十ページでございますが、本条第二項の改正の要点の第一は、選挙立会人の費用弁償額及び人夫賃の改正でありまして、第二は超過勤務手当の単価の改訂であります。第三は鉄道運賃及び日当宿泊料の改訂とあわせて地方事務所数の減少に伴い積算の基数を整理して旅費額を改正し、第四は電話料金の改訂にあわせて旅費と同様その基数を整理いたしたものでございます。  改正の要点は以上でございまして、以上通算いたしますと従来の基準法によりますと十二億八千五百九十五万六千円でございましたのが十三億四千六百三十六万七千円と相なりまして、差し引き六千四十一万一千円の増額と相なる見込みでございます。
  14. 本多市郎

    ○委員長(本多市郎君) 質疑のある方は御発言願います。  それでは御発言がないようでありますから、本案に対する質疑はさらに次回に続行することとして、本日はこの程度にいたします。
  15. 成瀬幡治

    成瀬幡治君 この次にやる場合に、ちょっと資料をお願いしたいのですが、ただいま私の聞き間違いかも知れませんが、立会演説の回数が何か実績に基いて三十回分だから、前に組んだよりも落すと、こうおっしゃるのですか。
  16. 兼子秀夫

    ○政府委員(兼子秀夫君) この法律は御承知のごとく選挙の執行経費の予算に関します法律でございまして、選挙がありますときに、参議院選挙は前もってわかっておるわけでございまするが、衆議院の方は解散等がございますので、突然選挙がある、そういうときに一々予算を要求しておりますと、現実の選挙事務が進行していってしまう、それでは困るということで法律ができておるのです。そういたしますと、大体の数をあらかじめ基準できめておきまして、それで予算を組もう、あと実際金のかかりましたものはその実績に従って国が都道府県に交付する、こういう建前になっております。ですから候補者数が何人出る、これは公営の問題でございますが、それで大体実績を見て二倍半なら二倍半、あるいは三倍なら三倍ということで予算が組んであるわけでございます。執行経費の方につきましても立会演説会はこれは三十回未満で現在二十九回ぐらいになっております。大体三十回と見ておきますれば、ほかの経費全般としては、候補者の数の方を、われわれ安全率を見ましていつもよけいと申しますか、予算を要求いたしておりますので、選挙費全般といたしましては彼此流用がきくわけであります。現実の執行には一向差しつかえない、従来の経験からいきまして。選挙いたしますと形式的にはいつも一億近いものが予算としては余るという形になっておりますから、実績によってこの回数を見ましても、現実の仕事の面では経費の方は差しつかえない、このように考えております。
  17. 成瀬幡治

    成瀬幡治君 私の資料要求は衆参ともにですが、最も近いのでいいと思いますが、立会演説会がどのくらいずつ各所において行われておるかというのに対する資料要求が一つ。それからもう一つは、選挙公報に若干、たとえば山口なんかでトラブルが起きておる、ああいうものに対して何かあなたの方で御調査になって、これはどうもこういうふうにせなくちゃならぬという何か意見めいたものがあると思うのです。そんなのを次回までに資料としてお出し願いたいと思います。
  18. 本多市郎

    ○委員長(本多市郎君) それでは本案に対する質疑はさらに次回に続行するということとして、本日は本案についてはこの程度にいたします。   ―――――――――――――
  19. 本多市郎

    ○委員長(本多市郎君) 次に地方税法の一部を改正する法律案を議題に供します。  本案の提案理由の説明はすでに聴取しておりますが、この際、政府委員より詳細説明を聴取いたします。
  20. 奧野誠亮

    ○政府委員(奧野誠亮君) 地方税法の一部を改正する法律案要綱にかなり詳しく書いてありますので、これに従いまして補足説明をさせていただきたいと思います。  第一は住民税に関する事項でございます。今回所得税が大幅に減税されますので、減税後の所得税額を課税標準として課します三十三年度以降の住民税におきましては、所得割の税率を据え置きますと、住民税におきましても自動的に大幅な減税が行われるということになるわけであります。しかし、地方財政の状況は積極的に減税をすることを許しませんので、どうやってこの補てんをするかということが臨時税制調査会や地方制度調査会におきましてもいろいろ議論になったわけであります。しかし地方税の中で住民税の所得割が基本的な性格を持っている税でありますので、そのウエートを著しく少くするということは、地方自治運営の円滑を期する上においても好ましくございませんので、やはり税率調整によって補てんをする道を選ぶべきだということになっておったわけであります。その場合でもどの程度まで税率調整によって補てんをするか、これが非常に議論のあったところでありまして、臨時税制調査会におきましては、年所得五百万円ないし一千万円ぐらいから下のところはみんな税率を調整しても従前の制度による負担をこえることがないようにしなければならない、こういうような考え方が一般的にとられておったわけであります。そこで大体減収を計算しますのに、かりに二七・五%に調整をした場合にはどの程度の減収になるだろうかというふうなことが答申の中に出ておるわけであります。要するに二七・八%までは税率調整やむを得ないだろう、従いましてその考え方に即して今回平年度で二八%に調整をしたい、二八%に調整します結果は、平年度におきまして住民税においても百十六億円減税をする結果になるわけでありまして、年所得千三百万円以下の人であれば住民税も減税される、こういうことになるのであります。ただ、所得税の減税の仕方が、今三十二年度は初年度でありまして、三十三年度以降の住民税の減税の程度の四分の三ぐらいを減税する、こういう仕組みになっておるわけであります。従いまして三十二年の所得税額を基礎とします三十三年の住民税所得割、所得税の減税は、平年度減税の四分の三程度でありますから、率を調整します場合にも若干低目にしてよろしい、そういうところから三十三年の住民税の所得割の税率は道府県市町村を合せまして二六%にとどめるということにいたしたわけであります。税率を二六%、二八%に調整をするのでありますが、調整をしましても、なおかつ住民税自体においても減税になっているんだということは、お手元に地方税及び地方譲与税収入見込説明の改正関係とした印刷物をお配りしておるわけでありまして、その中に詳細にお書きいたしております。四十数ページのものでありますが、一例を給与所得者で夫婦及び子三人という標準的なところで見ていきますと、二十五ページから二十六ページのところにそれが出ておりますが、たとえば年所得五十万円のところで見ていきますと、住民税の現行が一万一千十七円になっております。改正案では初年度が八千八十二円、平年度は七千二百四円、こういうように下ってくるわけでありまして、所得五十万円のところでありますと、初年度で軽減額が二千九百三十五円、平年度が三千八百十三円と、それぞれ軽減になるわけであります。各所得段階ごとに、また家族構成の種類ごとにこまかく計数をそれぞれ出しておりますので、御了承願っておきたいと思います。  二ページの二行目へ参りまして「この場合において道府県民税所得割の額及び市町村民税所得割の額に当該所得割の課税標準となる所得税額を加えた額が課税総所得金額の百分の八十に相当する額をこえることとなるときは、道府県民税所得割の額と市町村民税所得割の額が、当該課税総所得金額の百分の八十の額に相当する額から所得税額を控除した額に相当する額となるようにそれぞれの額をあん分減額するものとすること。」ということを加えようとしております。要するに所得税と道府県民税と市町村税、この三者の合計額が課税総所得金額の八割をこえるようなことになる場合には八割にとめて置く。二割だけは国民のふところにそのまま残して置く。こういう性質の改正であります。このような改正をする必要が生じて参りましたのは、所得税の累進税率の限界、現行じゃ六五%でありますが、改正案では七〇%に引き上げられております。また住民税の所得割が現行は道府県、市町村合せまして二一%でありますが、これを二八%に引き上げられようとしております。そうしますと、限界の税率を調べますと、現在は所得税の最高が六五%であります。これに現在の住民税の所得割の二一%を乗じますと、一三・六五%になります。言いかえれば課税総所得金額の一三・六五%になるわけであります。この一三・六五%と限界税率の六五%を加えますと、七八・六五%になります。言いかえれば、最高のところで七八・六五%どまりであります。八割弱どまりであります。これが改正案によりますと、所得税の限界税率が七〇%に引き上げられます。これに今度調整される住民税の所得割の二八%の率を乗じますと、一九・六%と、いうことになります。この課税総所得金額に対しまする一九・六%と、所得税の限界税率の七〇%を加えますと八九・六%になるわけであります。高額所得者でございますると、九割まで税金で持っていってしまう、こういうことになるわけであります。住民税の性格から考えましても、八〇をこえて課税をしていくということは適当とも思われませんので、現在の最高の七八・六五%をめどにおきまして、八〇%で押える、八〇%をこえる部分は両住民税を按分減額する、こういう制度を設けようとしておるわけであります。  (2)は「市町村民税所得割を課税総所得金額又は課税総所得金額から所得税額を控除した金額を課税標準として課する場合における税率は、次表上欄に定める金額の区分及び当該区分ごとの金額に応じて順次適用されるべき同表下欄に定める率に準じて、当該市町村の条例で定めるものとすること。」とあり、第二課税方式、第三課税方式は、それぞれの市町村の実態に応じ、所得段階の区分の仕方をし、それにまた見合った税率のきめ方ができるというところに大きな特色があると思うのであります。この特色を抹殺することは、私たちとしても適当でないと考えているわけであります。しかしながら、現状があまりにも不均衡がはなはだしいわけでありますから、準則を法律的にきめておきたい。こういう程度の考え方でありまして、従いましてこの要綱をごらんいただきますと、次に掲げるような区分や率に準じて市町村の条例できめるのだということを書いておるわけであります。これを標準としろ、あるいはこの通りやれ、こういうきつい言い方をしておるわけではありませんで、これに準じておやりなさい、またこれに準じてやるということになって、法律の上で明文化されますと、今までのように第一方式の市町村の負担と比べて、同じ所得でありながら三倍、四倍の税率をきめていくと、おそらく市町村議会としてもとうていそういう案は承認できないと思うのでありまして、そういうところから、間接的にこういうような制度のもので調整していきたい。とういう考え方を持っておるわけであります。この通りやらなければならないと考えておるわけでもございませんし、またこの課税標準の段階ごとに制限税率を定める例もないわけであります。大体のっとるべき基準だけを法律に書いていきたい、しかしこう書くことが間接的にはこれに近いところへ改正されていくだろう、その結果現在のような極端の不均衡は緩和されていくのではなかろうか、こういう期待を持っておるものであります。第二課税方式、第三課税方式のものでは、どちらかといいますと、少額所得者の多い地帯でございます。そういう意味においては下の段階でもう少し課税標準をこまかく刻んだ方がよいのではないかと、こういう考え方もあるわけでありますが、刻んだ場合にどういう率を用いるかということについてもいろいろ問題がございます。一応所得税において刻まれております所得段階、それに右にならえして実は刻んだわけであります。第三課税方式においてそういうことはありませんので、率の方から逆算をいたしまして課税標準の段階を刻んだという方が適当だろうというふうに思います。しかしこういう率をきめる結果、だんだんこれに近寄ってくるだろう、その結果は、現在こういう方式による大幅な増収を得ておる団体の増収が減ってくるのではなかろうか、その額が四十九億円くらいになるのじゃないだろうかというふうに見込んでおるわけであります。地方交付税を計算します場合は、第一方式で全部計算しております。その結果、第二方式で増収を得ておる団体は、一種の含みの財源を持っておるわけであります。その含みの財源を取り上げてしまうということになってしまうということになっていくわけでありますので、激変緩和の措置は講じていきたい、要するにこういう団体で、収入が減退していくような団体には、経過的に特別交付税を交付するような措置をとりたいというふうに考えております。  (3)は、「前項の課税標準の全額の段階区分及び率は、昭和三十二年度及び昭和三十三年度においては、それぞれ次表のとおりとすること。」この率をごらんいただきますとわかりますように、三十二年度よりも三十三年度の方が率が下っております。平年度の方がさらに率が下っております。そのことによりまして、第一方式の場合には率が二一%から二六%、二六%から二八%と率が上ってくるのに、実質的には減税になっておるのだという趣旨をおわかりいただけるだろうと思うのであります。これもそれぞれ所得税法によります所得の段階区分、これに右にならえして第二方式の方は刻んでおるわけであります。  それから六ページに参りまして、「(4)前二項によって所得割を課する場合においては、現行のとおり、当該市町村の税率によって算定した所得割の額が、課税標準額の、それぞれ第二課税方式にあっては百分の七・五、第三課税方式にあっては百分の十五の額に相当する額をこえることとなるときは、それぞれこれに相当する額とすること。」現在でも第二方式の場合には七・五%を最高の負担にする、それ以下であれば市町村は幅広く自由に課税をしてよいのだ、こうきめられておるわけであります。言いかえれば、市町村に七・五%分だけ留保されておる、こういう形になっておるわけでありまして、府県分の二・五%と合せまして一〇%だけは市町村に取っておく、こういう考え方になっておったわけであります、それはやはりそのまま踏襲して参りたいと思っております。第三課税方式の場合には課税標準額の一五%の額の範囲内で適宜にきめていくということでございます。「(5)総所得金額から基礎控除のみを控除した金額又は当該金額から所得税額を控除した金額を課税標準として市町村民税所得割を課する場合においては、市町村の条例の定めるところによって扶養親族の数に応ずる税額控除を行うものとすること。」先ほどもちょっと申し上げましたように、第二課税方式や第三課税方式は、市町村住民の所得状況等の実態に即した課税ができるのだというところに妙味があるわけでございます。国としては、政策的に資本の蓄積を助長する、そういう意味においては、株式配当の所得がある場合には、二〇%ないし三〇%の税額控除を施行しまして、市町村で隣近所住民税の負担と見合って、そういう考慮から、片方の資産所得者の負担がかかるのだということがあっても、なかなか納得できないわけでありまして、そういう場合にはそれによらないで、あった通りの所得で住民税の負担をきめていくのだ、こういう措置をとらせようとするわけでありまして、社会保険の控除にしてもしかりであります。あるいはまた、扶養親族控除の問題にしましても、地域によりまして、あるいは住民の生業によりまして、金額には、もし最低生活を保障するという考え方がとられているとしますならば、金額に差違あってもしかるべきだと思うのでありますが、国税では、その差を設けることは実際問題として不可能だと思うのであります。住民税なら、そういうことができるのじゃないかと思います。こういうことが第二課税方式でも、第二課税方式の中でただし書方式をまた許されているわけであります。ただし書方式によります場合には、総所得金額から基礎控除だけをしたものをもって課税総所得金額にいたすわけでありますので、結果的には、扶養親族の多い家庭が生活費がかさむのに、税負担の面においては軽減されない、こういううらみがあるわけであります。今回不均衡緩和をはかろうとする際でありますので、扶養親族の数に応ずる税額控除だけは法定をしたい、こういう考え方をただし書方式の場合にはとろうとしているわけであります。しかしながら、税額控除の額そのものは、やはり市町村の実態に応じて市町村がきめたらいいんじゃないだろうか、こういう考え方を持っておるわけであります。  「(6)給与支払報告書が提出期限までに提出されなかったことその他特別の事情がある場合においては、市町村長は五月三十一日後においても特別徴収税額を通知することができるものとし、その通知のあった場合においては、特別徴収義務者はその通知のあった日の属する月の翌月から翌年の三月まで毎月当該特別徴収税額の月割額を徴収して市町村に納入しなければならないものとすること」。会社などの給与支払者に、源泉で住民税を徴収してもらいます場合には、五月三十一日までに特別徴収税額を通知しなければならないことになっております。しかしながら、給与支払報告書等がおくれますと、自然通知がおくれるということになるわけでありまして、現在の法律の書き方を見ていきますと、もし五月三十一日をおくれてしまうと、源泉徴収ができなくなるのじゃないだろうかというふうに読まれるおそれもありますので、そういう特殊な事情があった場合には、五月三十一日後においても特別徴収税額の通知ができる。そのかわり、その場合には、通知の日の翌月からやはり月割りで徴収してもらうのだ。一ぺんに、通知がおくれたからということで、たくさん徴収されたのじゃ納税義務者が困るわけでありますので、やはり月割りで徴収をするのだ、こういうことにいたしておきたいと考えているのであります。  第二が事業税に関する事項であります。その(1)が、「中小企業法人の事業税負担を軽減するため、所得を課税標準とする事業を行う一般法人についてその標準税率を次のように引き下げること。」、所得のうち、年五十万円以下の金額が百分の八、所得のうち年五十万円をこえ、年百万円以下の金額が百分の十、要するに、年百万円以下の部分につきましては、全部現行よりも二%ずつ引き下げるということになっておるわけであります。所得のうち年百万円をこえる金額及び清算所得の金額は現行制度のままであります。年所得が百万円をこえるような法人といいますと、利益法人のうちでは二割ぐらいしかございません。八割は年所得が百万円以下でございます。従いまして、実質的には、全部の法人が二%税率が軽減されるという結果になるというふうに考えております。  その(2)は「個人工業者の事業税負担の軽減を図り、あわせて業種間の事業税負担の不均衡を是正するため、第一種事業を行う者の課税所得のうち年五十万円(基礎控除前の所得年六十二万円)以下の金額については、その標準税率を百分の六に引き下げる」ということであります。やはり年所得六十二万円をこえるような事業者というものは非常に少いのでありまして、全事業税の納税義務者のうちの三%に足りない、こう考えておるわけであります。やはり九七%をこえる人たちが二%ずつ税率が引き下げられたと同じ効果を持つ改正になるわけであります。同時にまた、戦前商工業者に対しましては営業税が課されておりました。営業税の標準的な税率は、都市計画税割を合せまして七・四%程度であったわけであります。当時は、基礎控除制度がございません。現在は、基礎控除をいたしまして、六十二万円以下が六%であります。それをこえる部分が八%でありますので、両者を比較いたしますと、三百三十万円ぐらいの年所得以下の人でありますと、戦前よりもみんな負担が下っております。三百三十万円前後から上が若干負担が上る、ごくわずかでありますが、そういう改正の結果になるわけであります。商工業者に対しまする事業税負担――戦前でありますと営業税負担でありますが、これを比較いたしますと、今度の改正によりまして、戦前よりも全体的にかなり軽減されてくるのだということを御了承願いたいのであります。  その(3)は、「バス事業との間における負担の均衡を図るため、地方鉄道事業及び軌道事業の課税標準を所得に改める」ことであります。地方鉄道事業を行なっておりまするものは、百四十六社ございますが、この改正によりまして、非常に収益状況のいい会社は、むしろ負担がふえることになるわけであります。そういう会社は十九社しかございません。従いまして、大部分の会社にとりましては、これが減税措置になって参るわけであります。もともとこの改正は、バス事業との間におきまする負担の均衡をはかろうとする趣旨に出ておるものでありますが、結果的にはそういうことになるわけであります。  (4)が「公衆浴場業を第三種事業とする」ということであります。公衆浴場業が第三種事業であったこともございます。現在は第一種事業になっておるわけであります。当時第三種事業で肩を並べておったものは、クリーニング業とか理容業というふうなものがございます。それが現在は第三種事業になっておるものでありますから、公衆浴場業につきましても、昔あったように、第三種事業に移せという議論が絶えなかったわけであります。今回税率につきましても改正を加える機会に、公衆浴場業が料金について公的に規制を受けておるということも考え合せて、第三種事業に移したわけであります。  第三は、娯楽施設利用税に関する事項であります。(1)は「スケート場を法定の課税対象施設の範囲から除く」ことであります。スケートがスポーツという見地から律せられなければならないということから、逐次学生の利用する部分は課税をしないとかいうふうに外してきたわけでありますが、今回全面的に、法定の課税対象からは削除するようにしたいというふうに考えたわけであります。  その(2)は、「ゴルフ場の利用に対する課税については、条例の定めるところにより、ゴルフ場の利用の日ごとに定額により課税することができるものとし、その標準税率を一人一日につき二百円と法定する」ということであります。現在は、ゴルフ場の利用に対しましては、利用料金の五〇%を標準税率と定めております。ところが、ゴルフ場の経営の仕方というものは非常に区々なものでありますから、利用料金の範囲というものを的確に把握しがたいわけであります。ゴルフ場を利用しようとする場合には、まず入会金を出さなければならない、あるいは株式を持たなければならない、あるいは年会費の定めがある、あるいはまた、会員と非会員との間に料金の差を設けておる、あるいはグリーンフィーとかメインラナンスフィーとか、あるいは強制寄付金のような格好のものもありましたり、非常に区々でありまして、グリーンフィーだけをとらえて課税していきますと非常に少額になりますし、入会の金額を課税対象に入れていきますと、べらぼうに高額なものになっていくだろうと思います。現在の実績を利用者の員数で除していきますと、ゴルフ場の総平均では九十八円ということになっております。私たちとしては、ゴルフ場の利用一人一日九十八円という金額は少な過ぎると思うのであります。その九十八円も、ゴルフ場そのものによって非常に区々になっているわけでありまして、もっと低いところもあれば、もっと高いところもある。そのことは、ゴルフ場の経営のあり方から起る不均衡なのでありまして、そういう点を考えますと、むしろ定額課税を行なった方がよろしいのではないかということから、今回こういう規定を設けようとしたわけであります。少くとも利用料金の中に入れてよろしいのだというふうにはっきり考えられますものをとって、五〇%の税率をかけていきますと、百九十九円くらいになるわけでありますので、二百円という標準税率を法定しよう、こう考えたわけであります。  第四が遊興飲食税に関する事項であります。  その(1)は、「旅館における一人一泊の料金が八百円以下である宿泊及びこれに伴う飲食に対しては、遊興飲食税を課することができないものとすること。なお、基礎控除額は、現行の五百円を据え置くものとすること。」新らしく、旅館につきましても免税点の制度を置こうとしているわけでありまして、このような免税点の制度を置いて、ほんとうに少額な料金で泊っておる、そういう人たちは課税からはずしていきたい。むしろ課税範囲を狭め、た、その狭めた範囲においては、的確な捕捉課税ができるように持っていきたい、こういう配慮に基いているものであります。旅館の中で、標準料金が八百円以下のところを拾いますと、全旅館数の八二・三%に当っておったと思います。大部分の旅館は課税からはずしてしまう、もちろん、それ以上の標準料金をきめておるところでも、八百円以下で泊る人もあるでありましょうし、八百円の標準料金のそれより高いところで泊ることもありましょうが、大体において、そういう考え方から、八百円をこえるところでは、そのかわり一律に一〇%の課税を行なって、すっきりした徴税ができるように持っていきたい、こういう考え方をいたしておるわけであります。  その(2)は、「飲食店、喫茶店その他これらに類する場所及び旅館における一人一回の料金が三百円以下である飲食及びその他の利用行為に対しては、遊興飲食税を課することができない」ようにしようとするものであります。今まで申しましたように、普通飲食店においては、今は一人一回二百円でございますが、それを一人一回三百円までの部分については課税をしないということにしたい、まあ五%くらいなら負担してもらってもよろしいじゃないかということが、八百円以下や三百円以下についても言えるかもしれませんが、そういうものは一切課税からはずしてしまう、そのかわりに、それ以上は一〇%の税率を使って、実際税を負担する人にもわかりやすいし、税金を徴収する人もやりやすいというような方向に持っていきたいというように考えておるわけでありますが、現在、旅館につきましては、免税点の制度がございません。普通飲食の場合には、一人一回二百円までの料金は課税しないのでありますが、旅館でありますと、休憩をいたしましても、あるいは食事いたしましても、二百円以下でも課税をするという形になっておりますのを、この際普通飲食の場合と同じように、三百円までであれば課税しないという免税点の制度を旅館についても加えようと、こう考えておるわけであります。  その(3)は、「あらかじめ提供品目ごとに料金を支払う飲食については、一品の価格が百五十円以下のものに対しては遊興飲食税を課することができないものとし、標準税率は、百分の十とする」ということであります。普通飲食に対して免税点を五割引き上げます。そうして税率を一律に一〇%にします。それとはずを合わせて、一品百円というものを五割引き上げまして、百五十円にし、税率を一〇%にいたそうとするものであります。  その(4)は、「飲食店、喫茶店その他これらに類する場所における飲食及びその他の利用行為で一人一回の料金が三百円をこえ五百円以下のものであっても、三百円をこえるものについては、公給領収証を交付するものとすること」ということであります。要するに、税を負担するような部分は、全部公給領収証制度の適用範囲にしよう。そのかわり、零細なものは課税からはずしてしまおうという改正のねらいになっておるわけであります。  その(5)は、「課税客体ごとの標準税率の区分を次により単一化すること」、現在四段階に分れております。それを一五%ないし三〇%のところは一五%に一本化する、また、五%ないし一〇%のところは一〇%に一本化する、こういう考え方をとっているわけであります。こういうように、税率の単一化をねらいましたのは、これは、役人が徴収していくんじゃございませんで、業者に徴収してもらう税であります。役人が徴収するのですと、ある程度複雑でも差しつかえないと思うのでありますが、業者にやってもらおうとしますと、できるだけ簡素なやり方をしなければ、やりにくいわけであります。さらに、業者にやってもらうということもからみ合せまして、実際に税金を負担する人がよく納得する、わかりやすい仕方に持っていかなければならないのであります。そうすれば、この店は一〇%一本、ここの店ならば一五%一本だ、こういうふうにする必要があろうと思うのであります。現在でありますと、旅館において泊る、千円以下であれば五百円を引いて五%、千円をこえると五百円を引いて一〇%、晩飯に芸者を接待させると、飲食は一五%、芸者の花代は三〇%だ、こういうふうになっておりますから、非常に複雑な姿になっておりまして、実際に税金を負担する利用者にもよくわからない、こういうような形だと思うのでありまして、それを、税金を徴収する側にもやりやすいし、税金を負担する者にもわかりやすい、こういう姿に持っていって、税金が確実に課税されていくように持っていきたい、これが一つの考え方であります。もう一つは、税率にあまり差を設けておきますと、最低のところと最高のところが開きが大きくなり過ぎて参ります。それでは、それぞれの税率を適用する業態というものが非常にはっきり区分できるかといいますと、区分できないのであります。たとえば、料理店といいましても、新橋赤坂の料亭から場末の小料理店まであるわけであります。また、普通飲食店といいましても、うどん、そばを売っている店、あるいは東京会館や帝国ホテルのようなところもあるわけであります。婦人のサービスを伴うか伴わないかということを考えましても、それだけでまた非常な差があるわけであります。従いまして、料理店系統の一番下のところと、普通飲食店系統の一番上の系統を見た場合、むしろ普通飲食店の上の方が税率が高くてもいいじゃないかと思われるところもあるわけであります。そうしますと、今までのような税率の差というものは、むしろ開き過ぎておるじゃないか、小料理店ならば、三百円、四百円でも一五%で課税される。れっきとした普通飲食店であっても五百円まで五%だ、五%と一五%の開きはいかにも大き過ぎると思うのであります。だからこそ、今日まで料理店と旅館との間の不均衡がいわれておるのであります。利用行為が料理店の方から旅館の方へ移っていく、料理店ならば一五%、旅館ならば五百円まで五%であり、五百円をこえても一〇%、そうしますと、どうしても税率の幅も小さくする必要があるのでありまして、現に業界などでも、単に消費金額だけで税率区分を設けてくれ、こういう向きもあるわけであります。そういうことを考えまして、一番下と上とを比べまして、まん中の一五%、一〇%の二本建の税率にする、そういうことによって負担の均衡をはかりたい、負担の均衡がはかられますれば、強力に税務行政を進めて行きたい、そうして税収を確保するように持って行きたい。  もう一つ付け加えまして、大へん説明が長くなって恐縮でありますが、いろいろ新聞でも議論されておりますので、申し上げたいのでありますが、芸者その他これに類するものの花代が現在三〇%になっておりますのを一五%に引き下げるということになっております。何か非常にぜいたくなものの税率を軽減するのではないか、こういう誤解を与えているようでありますけれども、私たちは、税務行政を適正化するために、こういう措置をとりたい、この適正化によって、差しあたりは減収となっても、将来においては増収を確保していけるのだと、こういうまあ考え方を持っているのであります。戦前芸者の数は八方でございましたが、逐年減って参りまして、現在では二万五千人であります。それでは、その関係の人数が減ったのかといいますと、減ったのではございませんで、私たちは、何倍にもふえていると思うのであります。要するに、業態がいろいろと変って参っているわけでございます。そのことは、世の中の風習が変ってきたこともございましょうし、また、遊興飲食税が多少そういうことに拍車をかけている面もあるかと思うのであります。だから現在は、芸者と名乗っていれば、三割課税が行われる。そこで、芸者から籍を抜きまして、料理店に遊芸仲居として住み込んでおります。また、芸者から籍を抜いて、第二検番を作っています。まあ芸者の家政婦みたいな格好の者がだんだんできているわけでございます。そういうところのサービス料というものが課税からはずれていく、こういう問題が起ってきます。また、キャバレー業態というものが非常に発展して参りまして、たくさんな女給がそこにいるわけであります。相当なサービス料が客からは徴収されているわけであります。この間において、非常に負担の不均衡を来たしているわけであります。それでは、女給とかあるいは料理店の遊芸仲居とか、そういうもののサービス料を三割課税すればいいのじゃないか、こういう考え方もできょうかと思うのでありますが、女給のサービスや遊芸仲居のサービス料は、芸者の花代のような料金の徴収の仕方がなされていないわけでありまして、税の面から、一時間何円式の徴収の仕方をしろと強制すること自体が、できない相談ではなかろうか、こう思っているわけであります。そうなって参りますと、現在では、ごく一部になってしまった存在についてだけ三割課税を強行していこうとすること自体が意味をなさないのではないだろうか、こう思うのでありまして、税制面からそういうものを抑圧するという考え方もまた、とっていいかとって悪いかもまた非常に問題かと思います。それなら、全体を通じて公平な課税をする。わざわざ脱税的な第二検番を作ってみたり、ことさらに籍を抜いて、遊芸仲居になったりしないでも済むような制度にして、その代り完全把握をやっていきたい、業態の実態に即した課税をやり、収入をあげていきたい。これが、私たちが今回遊興飲食税につきまして、このように税率を単一化して、税金の徴収事務を徹底的に簡素化する、こういう考え方を持ったゆえんでありますので、この改正の考え方を御了承願いたいと思うのであります。  第五は、固定資産税に関する事項であります。その(1)は、「外航船舶に対する固定資産税の課税標準を価格の六分の一に相当する額に引き下げることとし、これに伴い、外航船舶以外の船舶(もっぱら遊覧の用に供する船舶その他のものを除く。)に対する固定資産税の課税標準を価格の三分の二に相当する額に引き下げる」ということであります。外航船舶につきましては、船舶に対する固定資産税の制度というものが、世界各国一様ではございませんので、船舶に対しまして固定資産税を課していない国におきまする船舶の負担と比べた場合には、わが国の船舶の負担が重過ぎる、こういうことになるわけであります。そういう事情も考慮して、外航船舶の固定資産税を引き下げるわけであります。しかし、港湾所在の市町村としては、財政収入に欠陥を生じますので、別途設けられます特別トン税を港湾所在の市町村に譲与することによって、その穴埋めを行いたいというふうに考えているのでございます。外航船舶の負担を下げまする結果、これとの均衡上、内国船舶につきましても、負担軽減の問題が起って参りますので、三分の一程度を引き下げることにいたしたい、かように考えておるわけであります。  その(2)は、「大規模償却資産に対する市町村の課税限度額を次のように改めるものとすること」でありまして、ワクの中に書いてあります人口段階ごとの金額は、いずれもこの制度を設けましたときに、経過的に所在市町村の課税額を引き上げておこうということできめておった金額でありまして、この経過措置を恒久的な措置に改正いたしたいという考えであります。  その(3)も同じことであります。「大規模償却資産に対する市町村の課税額を保障するため定められる前年度の基準財政需要額に対する割合は、百分の百三十に引き上げ」ようとするものであります。所在の市町村としましては、非常に恩典に相なろうかというふうに考えておるわけであります。二百内外の市町村に対しまして、八億近くの財源が(2)と(3)によって増額されるということになるわけでございます。  (4)は、「新たに建設された工場及び発電所の用に供する償却資産で大規模償却資産に該当することとなるものに対する所在市町村の課税限度額については、当該市町村の基準財政収入見込額が当該市町村の前年度の基準財政需要額の、それぞれ当該償却資産に対して固定資産税が課されることとなる最初の年度及び第二年度にあっては百分の百八十、第三年度及び第四年度にあっては百分の百六十、第五年度にあっては百分の百四十の額に達するまでに増額するものとすること。この場合において、一の納税義務者が当該大規模の償却資産とそれ以外の償却資産とを所有するときは、両者を区分し、当該大規模償却資産についてのみ適用するものとすること。」、工場ができました当座は、あるいはこれに下水道の施設でありますとか、あるいは道路施設でありますとか、市町村としても財政需要額がかさむわけでありますので、大規模の償却資産が設置をされました当座五年間だけは、所在市町村の課税限度額をこの程度引き上げておきたいというふうに考えるわけであります。  その(5)は、「自治庁長官又は道府県知事の評価に係る固定資産で、納税義務者の申告遅延等のため、当該固定資産の価格等の通知が遅延する場合においては、市町村は、前年度の固定資産税の課税標準額を仮に課税標準として算定した額の二分の一の範囲内で当該年度分の固定資産税を仮に徴収することができるものとし、自治庁長官又は道府県知事から価格等の通知が行われた場合においては、その通知が行われた日以後に到来する納期において税額の調整を行うことができるものとすること。」発電施設でありますとか、あるいは鉄軌道施設でありますとか、あるいは船舶でありますとかというようなものにつきましては、自治庁長官または道府県知事が一括して、価格を関係の市町村に配分いたしておるわけであります。ところが、鉄軌道でありますとか、あるいは発電施設でありますとかは、納税義務者が自治庁長官あるいは道府県知事なりに申告しなければなりません。その申告がおくれている関係から価格の決定がおくれ、関係市町村への配分がおくれてしまう。そうしますと、四月に固定資産税の第一期の納期が始まるわけでありますけれども、それまでに通知がいかない市町村としては財源が入ってこない、こういうことで、困ってしまいますので、そういう場合には、前年度の固定資産税の課税標準額をかりに課税標準として徴収しておくことができるのだ、こういう仮徴収制度を新たに設けようとしているわけであります。もとよりこの場合におきましても、徴収額は二分の一を限度にしておるわけでありますが、納税義務者としては、実態が変っているということであります場合には、異議の申し立てができるのだという措置もあわせて立法いたしております。  第六、電気ガス税に関する事項としては、「(1)水銀鉱、石綿及び可燃性天然ガスの掘採又はマグネシウム地金、焼成りん肥及び焼成りん肥にりん酸液を作用させた肥料の製造のために使用する電気に対しては、電気ガス税を課さないものとすること。」、肥料などのように、その後の製造がだんだんと発展してきて、新しい製法に基く従来非課税になっている製品と同じようなものができてきた、あるいはまた、今までは外国から輸入しておったけれども、日本でも新規の産業が興ってきた、やはり基礎資材の関係から、使用する電気料金が相当の部分を占めているというようなものについては、従来のものとの均衡上、非課税品目の中に加えたいということで、この追加をいたそうとしているわけであります。  その(2)は、「漁業協同組合漁業協同組合連合会、水産加工業協同組合及び水産加工業協同組合連合会並びにこれらの法人以外の法人又は個人でその所有する製氷設備に係る製氷能力の合計が政令で定める基準に満たないものが設置する製氷工場において製造する氷をもっぱら漁船その他政令で定める場所における水産物の保存に供している場合には、当該工場において直接氷の製造に使用する電気に対しては、電気ガス税を課さないものとすること。」  「(3)漁業協同組合等が前項の工場に併置する冷蔵倉庫でもっぱら水産物の冷蔵又は凍結の用に供するものにおいて、直接水産物の冷蔵又は凍結に使用する電気に対しては、電気ガス税を課さないものとすること。」ということであります。製氷いたしますのに電気を多量に使うという点においては現に非課税になっているものと同じ性質を氷が持っているわけであります。しかしながら、製氷が一般の消費財としての部分も相当多いわけでありますので、消費財についてまで電気ガス税の非課税の範囲を広げていくことは適当ではない。そこで、漁民用の氷について非課税範囲を新たに設けたい。その面については、氷も一つの生産財と考えられるのじゃないだろうか、こういうような考え方に立脚しているのであります。しかしながら、大規模なものになってきますと、その企業は、漁民用の氷ばかり作っているわけじゃございませんで、一般の家庭冷蔵庫用をやるとか、アイス・キャンデーの用に使われている。必ず漁民の氷だけが値下げされるというような保証もないわけでありますので、漁業協同組合等の製氷に限って非課税の措置を定めるということにいたしたわけであります。協同組合関係以外のものにつきましては、小規模の企業者の行なっております、もっぱら漁民のための氷を作っている場合だけを免税にしようとしている趣旨であります。  第七は、木材引取税に関する事項でありまして、「価格を課税標準として課する場合における標準税率を百分の四、制限税率を百分の五に引き下げること。」であります。木材引取税の課税が市町村間において区々になっているということで、いろいろ非難を受けておるわけであります。そういう事情もございまして、むしろ税率を下げて、課税の適正化をはかりたい。しかし、税率を引き下げますについても、山村の有力な財源になっているわけでありますので、やはり収入ということも考慮しなければなりませんので、百分の五を百分の四程度に、言いかえれば、二割程度の引き下げにとめておきたいというふうに考えているわけであります。  第八は、入湯税に関する事項でありまして、「入湯税を環境衛生施設その他観光施設の整備に要する費用に充てるための目的税とすること。」であります。総額で入湯税は三億円ぐらいのものでございます。しかし、鉱泉浴場所在の市町村にとりましては、有力な財源でございます。鉱泉浴場所在の市町村としては、世の中が安定して参りますと、やはり環境衛生施設その他観光施設を整備していかなければならないのでありますが、地方交付税の計算に当りまして、基準財政需要額をそれだけ割増ししていくといいましても、なかなかその計算が困難であります。そこで、こういう市町村の特殊な財源であります入湯税は目的税に切りかえて、地方交付税の財源からはずしてしまう。基準財政需要額にも加えない。そのかわり、この財源を基礎にして、環境衛生施設観光施設を整備してもらおう、こういう考え方をとったわけでございます。  第九は、軽油引取税に関する事項であります。  その(1)は、「特約業者又は元売業者が軽油を使用して軽油以外の自動車の内燃機関の用に供することができると認められる炭化水素油を製造する場合における軽油の使用については、軽油引取税とみなす課税ができるものとすること。」現在は、特約店で軽油と他の油とをまぜまして、まぜてでき上ったものが法定の軽油の規格からはずれたものでありますと、その軽油にも課税しないことにしているわけであります。その結果、脱税的な行為がありましたり、あるいはことさらに規格をはずす努力をして、自動車用にそういう油を使っているという傾向もありますので、軽油と他の油を合せる場合でも、自動車に使うような場合でありますれば、使った軽油については、やはり軽油引取税を課していくというように改めようとしているわけであります。  「税率を一キロリットルにつき九千円に引き上げる」、揮発油課税の率が五割程度引き上げられることになっておりますので、それにはずを合せているわけであります。  「その他各税目を通じて規定の整備を要する事項」、これはいずれも事務的な問題でありますので、簡単に申し上げたいと思います。  第一に、総則に関する事項でございまして、「過納又は誤納に係る地方団体の徴収金を還付する場合における還付加算金の日数の計算の終期は、還付のため支出を決定した日であることを明確にすること」、これは、国税徴収法の取扱いに合せて、字句の整理をはかったわけであります。  第二は、住民税に関する事項でありまして、その一は、「道府県民税及び市町村民税の所得割額の端数計算については、それぞれの税額について十円未満の端数金額を切り捨てるものとし、また市町村民税の所得割額を課税標準として道府県民税の所得割額を算定する場合においては、市町村民税の所得割額をそのまま用いるものとすること」、端数計算につきまして、道府県や市町村の考え方に従ってこのように改めようとしているわけであります。  その二は、「法人法人税法第二十六条の四の規定によって欠損金の繰戻による法人税額の還付を受けた場合においては、還付された法人税額を五年間を限って法人税割の課税標準となる法人税額から控除するもの」としようとするのでありまして、現在は、会社が欠損を出す、法人税の繰り戻しを受ける、そういう繰り戻しを受けた部分の欠損金は、住民税の場合は、住民税を繰り戻さないかわりに、これを繰り越して、かりに所得を計算するわけであります。かりに計算した所得から、また法人税額をかりに算定をしまして、法人税割を計算する方式をとっているわけであります。ところが、法人税額につきまして、二段階税率をとられることになって参りましたので、損金を繰越して法人税額を計算するということになって参りますと、非常に複雑なことになりますので、それには、繰り戻しを受けた法人税額を将来の法人税割の課税標準から落していく換算のやり方をしていきたい、こういうふうに考えておるわけであります。  その三は、「法人税割の分割基準については、事業税における場合と取扱を同じくするため、従業者の定義を明確にし、法人解散し、又は合併した場合の清算所得に係る法人税割の分割基準である従業者の数は、解散の日又は被合併法人の合併の日の属する事業年度に属する各月の末日現在における数値をそれぞれ合計したもの」としようとするのでありまして、現在は、法人税額の課税標準の算定期間中の各月末現在の従業者数の合計数としているわけでありますが、両税の取扱いを合せようと考えているわけであります。  第三は事業税に関する事項であります。  その一は、「地方税法施行地において事務所又は事業所を設けないで事業を行う外国法人であっても、事務所又は事業所に準ずるもので政令で定める場所がある場合においては、事業税を課する旨を明確にすること」であります。外国法人で、損害保険事業を行なっている、日本には事業所はない、事務所はない、しかし今、代理店をやっている、そういう場合には、そういう外国法人につきましても課税をしたいという考え方であります。  その二は、「鉱物の掘採事業と精錬事業とを一貫して行う者の事業税の課税標準となる所得の算定については、所得の区分計算ができる場合はその方法について道府県知事の承認を受け、区分計算を行うことができるものとすること。また、この区分計算の方法によることとした者が、その方法を変更する場合においても、承認を要するものとすること」であります。現在は、全部法定の方式によって按分をいたしております。しかし、分けられるところまで強制的に按分することは適当でございませんので、分けられるものは分けて計算した方がよかろう、そのかわり、その区分計算の方法について、あらかじめ承認を受けておかなければならないし、変更する場合においても承認を要する、一貫して同じやり方をやらせようとしているわけであります。  その三は、「事業税が課税される場合で法人税が課税されない場合においては、道府県知事の調査による更正又は決定をすることができる旨を明確にすること」であります。  第四は、不動産取得税に関する問題でございまして、「住宅を新築した等により土地の取得等に対する既納の不動産取得税を還付することとなる場合の還付加算金の日数計算の始期は、納税者が還付の申請をした日から起算して十日を経過した日とすること」としようとするのであります。日数計算始期についての明確な規定が抜けておりますので、はっきりこのように規定を設けたいと考えておるのであります。  第五は、遊興飲食税に関する事項であります。  その(イ)は、「遊興飲食税の特別徴収義務者が、客から料金を徴収せず、又は通常の料金に比較して著しく低い料金を徴収して、遊興、飲食、宿泊等をさせた場合においては、その特別徴収義務者に対し、その行為者が当該場所における当該行為について通常支払うべき料金を支払ったものとみなして算定した遊興飲食税を課することができるものとすること。」であります。法人経営の旅館において、配当しませんかわりに、優待券を送っているところがあります。その無料の優待券で泊った場合には、料金がございませんから、遊興飲食税が課せられません。そういう場合には、通常の料金の定めに従ったものを課税標準にして、遊興飲食税を課税できるようにしたい、こういう考えであります。  その(ロ)は、「遊興飲食税の特別徴収義務者が料金及び遊興飲食税の全部又は一部を受け取ることができなかったことにより、道府県が既に納入されている遊興飲食税に相当する額を還付する場合において当該特別徴収義務者に未納の税金があるときは、これに充当することができるものとすること。」でありまして、単なる整備でございます。  第六は、固定資産税に関する事項でありまして、「固定資産税額が条例で定める額に満たない少額のものについては、一の納期においてその全額を徴収することができるものとすること。」その全額を徴収できるものとしようとするのであります。地方町村民税につきましても、均等割の場合には徴収ができることを規定しておりますので、税務行政の簡素化という趣旨で、こういう規定を置いておきたいということでございます。  七は軽油引取税で、「軽油の引取が行われた後販売契約の解除によって、その引取に係る軽油を返還した場合において軽油引取税を還付することとなるときの還付加算金の日数計算の始期は、特別徴収義務者が還付の申請をした日から起算して十日を経過した日とすること。」これも規定のないところをはっきりさせておきたいと考えているのであります。  第八は、都市計画税に関する事項でありまして、「都市計画税を固定資産税とあわせて収納する場合においては、それぞれの税額について十円未満(現行両税を合算して十円未満)の端数金額を切り捨てるものとすること。」でございます。これは、道府県民税と市町村民税の場合と同じ考え方でございます。  第九、「法人税の改正に準じ、次のように改正を行うこと。」でございまして、道府県民税及び市町村民税について、「法人税が課されることとなる法人でない社団又は財団で代表者又は管理人の定のあるもの(以下「人格なき社団等」という。)については、法人税割を課税するものとすること。」収益事業を行います人格なき社団等に対しましては、法人税が課せられることになりますので、法人税割も課税することにしたいということであります。  (ロ)の事業税の(i)は、「輸出産業組合を法第七十二条の二十二第四項の特別法人に追加するとともに、」これは、新しくこういう組合ができることになったからでございます。「漁業生産組合及び生産森林組合で当該組合の事業に従事する組合員に対し、給料、賃金、賞与等の給与を支給するものは、」これは、普通法人と実体が変らないということになるわけでありますから、特別法人から除外しまして、普通法人として課税しようとするわけであります。「従ってまた、法第七十二条の十八第三項の課税標準の特例を受ける法人の範囲から除外するものとすること。」除外しようとしているわけでございます。課税標準の特例を受ける法人といいますのは、一般の協同組合でありまして、一定の積立金額が得られるまでは、配当として組合の外部に支払ったものだけを課税標準にして課税をしていくという範囲でございます。  (ii)「人格のない社団等に対しては、法人として収益事業から生ずる所得に対し事業税を課税するものとすること。」であります。  第十、その他としまして、「娯楽施設利用税、遊興飲食税又は軽油引取税について保全のための担保又は徴収猶予に係る担保を徴した場合においては、当該担保に係る抵当権の取得等についての登録税を免除するものとすること。」として、この法律の付則で登録税法を改正することにいたしております。  以上でございます。
  21. 本多市郎

    ○委員長(本多市郎君) 質疑は午後に譲って、午前中の会議は、これにて暫時休憩いたします。    午後零時十四分休憩    ―――――・―――――    午後二時二十五分開会
  22. 本多市郎

    ○委員長(本多市郎君) 委員会を開会いたします。  午前中に引き続き地方税法の一部を改正する法律案を議題に供します。これより質疑に入ります。御質疑のおありの方は順次御発言願います。
  23. 森八三一

    ○森八三一君 午前中に予算委員会で、奥野さんの説明を十分聞いておらなかったのですが、あるいは御説明があったかと思いますが、第六の電気ガス税に関する事項という見出しの中で、電気ガス税を非課税にするという特定なものを取り上げられておられますが、特にこの第二項の水産関係が取り上げられておるということは非常にけっこうだと思いますけれども、特に水産関係だけをピックアップして非課税に考えられたわけ、その考え方の根拠はどこにあるのか、そこを御説明願いたいと思います。
  24. 奧野誠亮

    ○政府委員(奧野誠亮君) 現在電気ガス税を非課税といたしておりまするものは基礎資材に限りまして、しかも基礎資材の中で電気の料金がその生産原価の中でかなりのウエートを占めておるというものに限っておるわけであります。従来から製氷の原価の中に占める電気料金もかなり大きいので、これも非課税の範囲に入れるようにという議論があったわけであります。しかしながら氷が一般家庭向け等の消費面に向けられているということから、あえ  て非課税品目の中に加えて参らなかったわけであります。しかしながら漁業に充てられております氷になって参りますと、消費財というよりもむしろ生産財という見地で考えるべきじゃないかというようなところから、生産財に限定できますようなものだけに製氷の範囲を限りまして、電気ガス税の非課税品目の中に氷のものも入れるということに今度改正しようとしたのであります。
  25. 森八三一

    ○森八三一君 そういう観念で運んで参りますと、今後日本の農業形態がかなり変っていくと思います。そういうことに関連して鶏卵とか肉、乳等の畜産物が相当にまあ増産されていく方向に向うと思いますが、そういう場合鶏卵の冷蔵とか、豚肉の冷蔵というようなこともここに言われる、今御説明の基礎生産という範疇に当然入れて考えなければ均衡を失するというようにも思われますが、そういう点について御研究があったのかなかったのか、研究されたけれども、それは入れるべきでないという結論であればその理由を一つ御説明していただきたい。
  26. 奧野誠亮

    ○政府委員(奧野誠亮君) 製氷に使われます電気については、電気ガス税を課さないとすることにいたしましても、いわゆる用途免税の考え方を用いるか、すなわちできた氷の中で漁業に使われたのか、どこに使われたか、使われた範囲で電気ガス税を課さないということにするか、あるいは現実に氷を作っている主体について電気ガス税を課さないようにするかという考え方と二つあると思います。しかし氷には色もついていないので用途免税の考え方を入れるわけにはいかないのじゃないかというようなことから、主体を限りまして、電気ガス税を課さないという方法を選ぶことにしたわけであります。その場合でも大企業の製氷会社におきましては、漁船に使われる氷ばかりを作っているわけじゃない。そうしますと、漁船に使われる氷の部分についてだけ電気ガス税を課さないことにしましても、その氷だけ低廉に供給されるという保証も得られないわけでありますから、主体を限り、しかもその主体がもっぱら漁船用の氷を作っているという場合だけ、一部あるいは他の用途に向けられるものがありましても、そこで使われる電気につきましては電気ガス税を課さない、こういうようにいたしたわけであります。御指摘になりましたような問題もあるわけでありますが、いろいろな物資を扱う冷蔵倉庫のことでありますので、ある物を入れておったときだけは電気ガス税を課さないというようなことは、実際問題として適正に運営していくことができないと考えるのであります。そういう意味におきまして、同時にまた漁民と氷との関係というものが非常に密接なものでもありますので、零細漁民の負担を将来においてもできる限り軽減していきたいという意図で、このような規定を置くことにいたしたのであります。
  27. 森八三一

    ○森八三一君 そういう考えで一応整理されたとすれば、主体といたしましても、あるいは畜産の零細生産者が組合されておる協同組合なり、そういうものが直接に鶏卵の貯蔵をするとか、あるいは枝肉の貯蔵をするという場合における、直接の製造さるべきときの氷を非課税の対象にするとかいうことが当然これは考えられなきゃならぬはずだと思うのですが、そういうことを御研究になったのかならぬのか、もう一ぺんお尋ねをいたします。
  28. 奧野誠亮

    ○政府委員(奧野誠亮君) ただいま限定して新たに加えようとしております製氷工場は、主として海岸地区の製氷工場において対象になっているものと考えております。御指摘のようなものになって参りますと、むしろ全国的に設置が可能でありましょうし、またそれが他の種類のものも冷蔵することも可能だと思うのであります。海岸漁船相手に氷を供給しているということになりますと、むしろ他の用途に向けるということが実際問題として余地がないのじゃないか。従いまして全面的に非課税といたしましても支障がないわけでございます。しかしそれ以外の冷蔵倉庫になって参りますと、いろんな種類を時々扱うことになりましょうし、その関係が冷蔵倉庫相互間においていろいろ不均衡をもたらすことになるのじゃないかというふうに考えておるのであります。すっきりした形において不均衡を起さずに入れようということになりますと、特に漁民と氷との関係が深いわけでありまするし、そういうのは漁業の基地において設けられていることでもございますので、限定が可能だろう、不均衡を起さないだろうというふうに考えて参ったわけであります。
  29. 森八三一

    ○森八三一君 まだその説明では基本的に了解しかねるのですが、その氷が他に転用されるというようなことで、つかむのに非常に明確を欠くということだから、ここに明確化し得る面だけを考えたという御説明でありますが、零細畜産家が組織して、そのものが直接に生産した基礎資材である鶏卵なり枝肉なりを、貯蔵する場合というだけに限定すれば、ここに非課税の対象にしようとする場合よりはもっとはっきりしてくる、対象が明確であるし、その主体も明確であるしということで、基礎的な感覚からいけば、そういうものは当然取り上げなければならぬと私は考えるのですが、そういうことが明確になれば取り上げるべきであるとお考えになるかどうか、その点をもう一ぺんお伺いいたします。
  30. 奧野誠亮

    ○政府委員(奧野誠亮君) 漁業と氷とは非常に密接な関係があるものでありますから、漁業の盛んに行われておる所におきましては、当然氷の提供がなければならないと思うのであります。そういう関係が、今御指摘になりました問題につきましては、それほど顕著じゃないのじゃないか、こういうふうに考えるわけであります。従いましてまた漁業協同組合が製氷工場を持っておりまするほどに、畜産業協同組合等が製氷工場を持っておるとは私たちは考えていないわけであります。従いまして、また一般の製氷工場なり冷蔵倉庫なりが、他の商品と同じように鶏卵なりあるいは枝肉なりを扱っていく、またそこで扱わしておるのが現在は一般的じゃなかろうと、こう考えております。漁民と氷とまでの密接な関係が鶏卵や枝肉に起って参りまして、協同組合漁業協同組合の持っておりまする製氷工場のようなものを全体的に設けていくという事態がもしあり得るとしますれば、同じような考え方を持っていっていいのじゃないかと思います。
  31. 森八三一

    ○森八三一君 大体御理解になったようでありますから、その問題はその程度にいたしますが、その次に、遊興飲食税の改正はかなり整理されまして、すっきりいたしましたから、今後の徴税にはかなり裨益すると思うのですが、ここでこういうようにすっきり考えられたとは申しましても、なおかなりこれは問題点が残っておると思うのです。そこでお考えになった当局として、さらにこういうことに整理いたしたといたしましても、非常に皮肉な質問でありますが、どういう点で抜けていく面が考えられるか。そういう点もおそらく予測されておると思うのですが、これは皮肉な質問ですけれども、たとえていうと(1)の「旅館における一人一泊の料金が八百円以下である宿泊及びこれに伴う飲食に対しては、遊興飲食税を課することができない」としてありますが、その旅館の宿泊料と飲食との関係が、これはきっちりくっついておるものですか。ホテル式で部屋代は部屋代、飲食料は別という場合、日本旅館もそういうことを考えれば、これは問題ないと思うのです。そういう場合も想定されておると思うのですが、そういう場合にはどういうふうに措置されるお考えなのか。
  32. 奧野誠亮

    ○政府委員(奧野誠亮君) 今お話がございましたように、従来からも遊興飲食税につきまして、一人一回の料金あるいはまた一人一泊の料金ということで税率区分をいたしておったわけであります。同時にまた一人一泊の料金あるいは一人一回の料金で免税点を定めておるわけであります。そうしますと、全体の消費金額を一人で行なっても二人にして、二人で行なっても三人にするということで免税点以下だと、こういうような扱いをすることがあり得ると思います。またこういうことを考えまして、消費金額の段階によって税率区分を設けることは避けたわけであります。免税点を引き上げるかわりに税率の単一化を行なったわけでありますし、免税点制度を設けておりますから、免税点以下に落すことはまだなお残っておるわけであります。しかしそれにしましても従来よりはその点は非常に是正されたと、かように私たちは考えておるわけであります。もう一つ、飲食だけであってもそれを宿泊の伴なったように仮想することによって、普通なら三百円以下の免税を八百円以下の免税の中に持っていきはせんだろうか、こういうおそれもあり得るわけであります。従ってまた普通飲食の場合の三百円の免税点と、一人一泊の場合の八百円の免税とがどうつり合いが保たれておるか、これは大切なことだと思うのでありまして、私たちは朝、夕二食付き一泊の料金が八百円までであれば課税にならない。この八百円の料金が朝食代と夕食代とそれから素泊り、この三つが一般的にどう区分されておるかという問題がございます。朝食が一割五分、夕食が三割五分、素泊りが五割、これが普通の考え方であろうと思うのであります。そうしますと、夕食代は三割五分でありますから、八百円に三割五分をかけますと二百八十円ということになります。その二百八十円というのと、普通飲食の場合の一人一回の料金三百円まで課税しない、大体はずが合っているのじゃないか。従いましてことさら宿泊に取り入れませんでも、三百円前後から課税にならないという扱いをしておりますので、無理な運営は避けられはせぬだろうか、こういうふうに考えております。しかしながら、御指摘になりましたことは、やってやれないことはございませんが、問題は、現実に租税を負担する消費者にこの税のあり方をよくのみ込んでもらわなければならない。そういう意味で、税率の単一化を行なっておりますので、そういう方面の関心あるいは協力を期待していけるのじゃないかと、こういうふうに考えているわけであります。
  33. 森八三一

    ○森八三一君 その次に、(5)の(イ)の「その他これに類する者」となっておりますが、これは一体どういう範囲をお考えになっているか。
  34. 奧野誠亮

    ○政府委員(奧野誠亮君) (5)の(イ)の問題でありますか、「その他これに類する者の花代」というのは、芸者という名をつけておりませんけれども、芸者の場合と同じように花代として料金を受け取っているような酌婦、湯女、仲居の類を指しているわけであります。
  35. 森八三一

    ○森八三一君 そうすると、正式にそういう料金がきまってサービスをする場合だけであって、同様の行為はしておりましても、特定の料率がきまっていないチップのような形で支給されるという形であれば、これは課税の対象にはならないということになるのかどうか。
  36. 奧野誠亮

    ○政府委員(奧野誠亮君) かりにキャバレーの女給でありますとか、料理店の湯女、仲居とかがこの(イ)の中に入らないといたしましても、(ロ)の中におきましてその他の遊興ということになっておりますので、チップ等が課税の対象の中に入ってくるだろうというように考えているわけであります。また、芸者その他これに類する者をどの範囲にとるかということは非常にむずかしいものでありまして、単に客に接待をするということから考えていきますと、湯女、仲居でありましょうと、キャバレーの女給でありましょうと、同じように(イ)の中に入ってくるわけであります。ただ(イ)の中の課税標準は花代の料金ということにしておりますから、従ってキャバレーの女給等につきましては花代式な料金の定めをいたしておりませんで、消費金額全体の二〇%でありますとか、あるいは指名料でありますとかいうような格好をとっておりますので、(イ)の中に入れられないのではないかというふうに思っております。言いかえれば業態が年々変ってきておるわけであります。遊興関係の業者の商売の仕方というものは非常に変ってきているわけであります。にもかかわらず芸者だけを昔のままにとってきたところに問題があるのじゃなかろうかというふうに思うわけであります。今御指摘になりましたようなことも考慮しまして、全体を的確に課税標準を把握して公平な課税をやっていく。そういうことを考えますと、芸者とキャバレーの女給や料理店の湯女、仲居と区分する理屈は立たない。そこで一本化にいたしたいというふうに考えておるわけであります。
  37. 本多市郎

    ○委員長(本多市郎君) 他に御質問はありませんか。
  38. 伊能繁次郎

    伊能繁次郎君 私はいずれ大臣に詳細をお伺いしたいと思うのですが、地方財政関係の基礎となる地方税については、何といっても奥野税務部長が責任の地位におられますので、基本的な問題を大臣にお尋ねすると同時に、伺っておきたいのですが、前回の国会において、今回地方税法の改正で御提案なさった軽油引取税については、衆参両院とも付帯決議がついておる。私は、他の付帯決議については、たとえば百貨店法であるとかその他の法律等については、付帯決議の趣旨は、政府が、率直に申し上げると、必要以上に尊重し守っておる。ところが、今回地方税法の改正に際して、軽油引取税については衆参両院の付帯決議があるにもかかわらず、その点が尊重されておらない。しかも、前国会においては、六千円という金額については、これはわが自由民主党内においても非常な議論があって、公職選挙法の一部改正法律案、いわゆる小選挙区法案なるものが出なければ、当然六千円なんというような高額な、これは各党超党派的にああいう数字が国会において決定される予定ではなかった。こういう過去の話は別といたしましても、そういう状況にあった軽油引取税について、今回三千円というような莫大な引き上げをされる。しかも、今同僚の森先生のお尋ねの遊興飲食税というようなものにまで減税措置あるいは税制の合理化措置をとろうというときに、主として中小企業がよけいに使う軽油に関する税あるいはそれに関連した揮発油税だとか、地方道路税というようなものについて莫大な引き上げがなされるというような根処、並びにその付帯決議を一体どうお考えになっておるかという点について、とくとお尋ねをいたしたいと思うのであります。
  39. 奧野誠亮

    ○政府委員(奧野誠亮君) 前国会の付帯決議はよく了承しておりますし、伊能さんの御見解もよく承わっておるわけであります。ただ、当時問題になりましたのは、一つは税率の点であったと思います。もう一つは消費量の見込みの問題であったと思います。消費量の見込みの問題につきましては、当時私たちは、軽油の消費量年間百万キロリットル、こういう推定をいたしておりました。これがもっとあるのじゃないか。従って、予定の税収入をあげるのならば、税率を引き下げられるじゃないか、こういう議論がございました。ところが、その後の推移を見ておりますと、通産省では、三十一年の軽油の消費見込量を、その後九十一万キロリットルと改訂いたしております。従いまして、消費の見込量につきましては、当時自治庁の考えておりましたのはそう狂ってはいなかったということになろうかと思います。次に、税率の問題でございますが、正直のことを申し上げますと、特別な政策の変化がなければ軽油引取税の税率はそのまま据え置くべきであったというように思います。ただ、その後自動車の台数が猛烈にふえて参りまして、道路の損傷が強く指摘されるようになり、新内閣といたされましては、道路整備を急速に行うというような関係から、その財源を受益者に求める、こういう関係で揮発油税の増額が取り上げられて参ったわけであります。もともと軽油引取税の税率を見ます場合に、おおむね揮発油税の税率の半分程度ということで出発しておることでもございますし、もし、揮発油課税の負担が引き上げられるということになりますと、揮発油を使っておる自動車と、軽油を使っておる自動車とは負担の不均衡を生じてくるわけでございますので、揮発油課税の引き上げの程度に応じて、軽油引取税の税率を引き上げざるを得ない、こういうふうな考え方をとっておるわけであります。もとより軽油引取税の全額は道路の費用に充てられるものでありますので、道路整備の問題と軽油引取税の税率の引き上げとはうらはらをなす問題であるというように思うのであります。前国会のいきさつを思い起しますと、いささか私たちとしましても、軽油引取税の税率引き上げの問題につきましては、心苦しい感じを持つのであります。しかしながら、今申し上げましたように、一つは消費量が予想と違っていなかったということ、もう一つは、自動車の発展が非常に急速であるということ、従ってまた道路の整備というものをやはり同様に非常に急速に行なっていかなければならないということ、そういうことから揮発油課税の充実ということが政策として取り上げられて参ってきていること、それにあわせまして軽油引取税につきましても税率を調整しなければならないという事情を御了承願いたいと思うのであります。
  40. 伊能繁次郎

    伊能繁次郎君 今御説明の点は私了解できない点はないんでありますが、根本の、政府がある法律については必要以上と申してもいいくらい付帯決議を尊重する。ところが他の法律、しかもその法律は国民に重大なる負担をかけるような法律については、その趣旨を尊重しないという点が、十分な御説明がないんで、その点をもう一度伺いたい。
  41. 奧野誠亮

    ○政府委員(奧野誠亮君) 私からお答えするのが適当であるかどうか問題がございますが、今も申し上げましたように、自動車の発達というものは、これは国民が予想外のことではなかろうかというふうに思うのでございます。それに伴いまして道路の損傷もかなり激しいようでありまして、そういうところに着眼して新内閣としては道路整備ということを一つの大きな政策として取り上げて参ってきているわけであります。道路整備というものを大きな政策に取り上げて参りますと、自然それに関連する財源の充実ということになり、受益者負担の問題ともからみ合せまして揮発油ないし軽油に財源を求めざるを得ないんじゃないだろうかというふうに思うのでございます。前国会の決議もよく了承してるわけでありますが、そういう推移もぜひ御了解いただきたいものだと思うのでございます。
  42. 伊能繁次郎

    伊能繁次郎君 どうもちょっと理解しがたいのでありますが、道路の整備についてはこれは歴代の政府、歴代内閣において基本的な方針として、すでに鳩山内閣、石橋内閣は短命でありましたが石橋内閣においても基本方針が取り上げられ、さらにそれが岸内閣において道路整備は十カ年計画にまで推進されておる、このことは既定の方針であります。しかも部長が軽油の使用量については大体予定の量であったというようなこまかいお話になりますと、私もそれに対してさらにお尋ねをしなければならぬと思うのでありますが、当初この七百条からの法律を改正する際に、もちろん量の問題も出ましたが、私どもがかような五十条に余る法律というものは、ある特殊な人に非常な負担をかける、しかもこの法律構成は非常に率直に申し上げて、この点奥野税務部長も認められましたが、不手ぎわの意味ではありませんが、非常に繁雑をきわめ、しかも処罰だけを対象としたような特殊な法律である、かような法律形態というものは訂正すべきものではないかというようなことが前国会においてもしばしば言われたのでありますが、今回においては地方税法の改正について何らそういう措置がとられておらない。私はこの点については、農林水産関係との関連もございまするが、税が取りにくいと、この法律構成では税が非常に取りにくいということは、当初政府においても一応御理解があったはずで、その結果としてわれわれがほのかに聞いておりますところによれば、いろいろと脱税措置が行われる、きわめて不当な脱税措置が行われる。従って政府においては第七百条のこの内容の、私どもには理解できない、ずいぶん質問をいたした点があるんでありますが、七百条の二の末項、「軽油引取税が課される引取が行われる前に軽油に炭化水素油以外のものを混和した場合においては、その混和により生じたものを前項第一号の軽油とみなす。」というような条項であるとか、あるいは七百条の二の第一項第一号には明確に「軽油摂氏十五度において〇・八〇一七をこえ、〇・八七六二に達するまでの比重を有する炭化水素油をいい、政令で定める規格の炭化水素油を含まないものとする。」と、こういうようなややこしい問題まで法律に規定して、しかもいろいろな脱税措置が行われる。その脱税措置が行われるというものについては、政府は脱税措置の行われないような方途を講じないで、いろいろと業者が油を使う際の合理化、軽油以外のものを使う、それによって作業がいろいろ繁雑にはなっても経営の合理化をはかるという等のことで、いろいろのものを使う場合でも、それでもなんでも軽油だというような方面ばかり、悪代官式の方向にばかりいってしまって、税を的確に取るという方向の努力が少しも払われておらない、そのために脱税が現に行われる、かような格好になっておることを私は非常に遺憾に思う。それが同時に数量の問題にも重大な関係がある。たとえば日本国有鉄道のごときは自分の使っておる軽油を平等に使用個所に応じて支払いたい、かように考えておっても、横浜で荷揚げされる、横浜の用品庫に全部入るということになると、神奈川県だけしか納められないというような問題まで起しておる。一方において地方税であるならば地方の負担に応じた、あるいは地方の道路損傷の割合に応じた税の取り方でなければならないものを、山梨県のごときは東京で大部分の軽油が買われてしまうために、山梨県では道路がこわれて、今あなたがおっしゃった道路がこわされるのに山梨県では税金が取れない。こういうような問題を少しも御改正をしようとしない。私は必ずしも地方税が不適当で国税が正しいとも思いません。国税によって譲与税にされるのがいいかどうか、それは非常に繁雑であるといういろいろお話を伺いましたが、こういう点について徴税の的確ということに対する努力が払われないで、ただ量が足らないから増税さえすればいい、この態度は何としても私には理解できない。しかも当初の税務部長のお話では揮発油税の半分くらいが妥当であるという、これは常識的なお話で私もいろいろ調べておりまするが、この問題については、なかなか揮発油税と軽油税とのバランスというものがどの程度であるかということについて非常に困難でありますが、政府当局においてもやはりこれに関する権威ある御調査ができておらない、そうしてただばく然として六千円程度、しかもその六千円というのは前国会においては四千円程度が妥当であったということで、当委員会においては修正措置がとられようとしたのが、各般の情勢から修正措置がとれなかったためにあの付帯決議がついた。こういう沿革から申しますと、本来ならば引き下げらるべきものであった、それが揮発油税とのバランスにおいて値上げをするんだということだけでは私どもは納得できぬ。そうでなくして軽油税の本来のあり方と同時に、その揮発油税に対する理論的にも実際面にも納得のいく比率というようなものが明確にされないと、この値上げについても私どもとして十分な理解ができないんじゃないかと思うのですが、先ほど来の御説明ではどうも納得がいかぬ、何も納得のいく説明がないのでありますが、その点どうでしょうか。
  43. 奧野誠亮

    ○政府委員(奧野誠亮君) お話の第一点は徴税をできる限り簡素にしていくという問題でございます。前国会におきましてもずいぶん議論がございましたし、またいずれの方法を選ぶかということについては、立案の過程におきましてもずいぶん検討を加えた問題でございます。伊能さんも百も御承知のことでございまするが、特約店の段階で課税をするよりも製造の段階で全面課税をする方が、税務行政が簡素になることは当然でございます。ただそういう方法をとった場合には、零細な漁民の使っております漁船、ポンポン汽船に使っております軽油も課税になる。しかもこれが漁民の生業の費用でありました場合には、かなり大きな部分を占めている、そういうようなことから、その部分は課税を除外せざるを得ない。課税を除外せざるを得ないとなれば、製造の段階で全面課税をすることが困難だということで、あっちへ行ったりこっちへ行ったり、究極的には今のような方式になったわけでございますが、その際に、漁民等がポンポン汽船などに使います軽油に課税しないようにする、ついては、府県の方で免税証を発行する、そのことが免税証の売買等のおそれを引き起しはしないだろうかという疑念がございました。その後この免税証の交付状況等を見て参りますと、どうやら現在では割合に円滑に参っているのではないだろうか、こういうふうに私たち見ておるわけであります。免税証の売買等の違反事件というものは、現在のところ起っておりませんし、割合に厳正にこの運営がなされているというふうに私たち承知しているわけであります。  その次に問題にされておりますことは、税金を徴収したところと、軽油を現実に自動車に使って道路を荒されているところとが食い違っているじゃないか、こういう問題でございます。御指摘のように、日本国有鉄道では、全国数カ所でまとめて軽油を購入する、そうしてそれぞれの国鉄バスの経営場へ送っておったわけであります。そこで御指摘のような食い違いがあったわけであります。その後、日本国有鉄道といろいろ話し合いをいたしました結果、日本国有鉄道の方では、現実に国鉄バスを経営している府県の特約店で軽油を購入する、こういうことに切りかえていただいたわけでありまして、実質的には従来と扱い方は同じなのでありますが、どこの特約店からその軽油が売り出されたかという、帳簿上の操作になる面が多いのでありますけれども、それぞれの国鉄バスの経営されております地域の特約店から日本国有鉄道の軽油が購入されたことにして、その府県に軽油引取税が納入される、こういう仕組みになっておりますので、この点はある程度合理化されたと私ども思っているわけであります。同時に、数県にまたがってバス事業をやっております場合でも、県としましては、できる限り自分の県内の業者から軽油を買ってもらいたい、こういう働きかけを関係のバス事業者等にもいたしたようでありまして、漸次その結びつきがよくなってきているというふうに思うのでありまして、こういうように業者と府県との結びつきがそういう面において起っていますことは、道路行政の批判の問題その他を通じまして、むしろ好ましいことじゃないかというふうに存じておるわけであります。  その次に、軽油引取税の税率をどういう角度からきめたか、こういう問題でございます。これも前国会でいろいろ議論がございまして、私たちは私たちの考えておりまする軽油を使っております自動車の経費調べというものを国会に提出したわけでございます。その場合に、軽油を使っている自動車と揮発油を使っておる自動車との間には、経費面でどれだけの差があるか、この差が軽油引取税を設けることによってどの程度に縮まるか、こういう数字も御提出申し上げたつもりでございます。ただ軽油自動車は、最近において発展してきたものでもございますし、また輸出産業でもあるというふうな議論もございますので、もとより揮発油を使う自動車とコストが同じまでに税率を上げて行ってよろしいのだ、こうは思っていないわけでございます。そういうところをにらみ合せまして考えた結果が、まあ半分程度がいいところではなかろうか、また世界各国で行なっておりまする軽油課税の状況をみて参りましても、若干そこに差を設けているというようなところから、軽油課税は揮発油課税の半分程度、こういうことに定めたわけでございます。従いまして、また引上げの場合につきましても、同じような考え方をとって、バランスを維持して行くべきであろうというふうに存じているのでございます。
  44. 伊能繁次郎

    伊能繁次郎君 あまり議論になりますから、議論になる面は差し控えたいと思うのですが、衆参両院、国会の少くとも前国会における意図は、六千円はあまりに高きに失するという点については、これは各同僚議員の一致した意見であったわけであります。従いまして、それは衆議院においても修正されようとし、参議院においても修正されようとしたのでありますが、特殊な事情、全く特殊な事情から、衆参における当委員会が重要法案、ことに非常に紛糾を来たし、変な、国会として好ましくない事態まで惹起しかねない状況にあったために、正しい議論と言いますか、正しい事実を曲げて政府提案のような形になったということを私どもは忘れることができない。従ってこの角度から考えますると、今回の軽油引取税について、今、税務部長の仰せになられたような、形式的ないわゆる半額論、それに基く、増税についても半額増税というような点については、私どもはどうも御説明その他からも了解しかねる、と同時に当初の御説明で、自動車が急速にふえたという御説明がありましたが、これは例年の自動車の増加量から見て、必ずしも急速にふえているわけではない。例年の自動車の増加率というものは、一応油の需給量というものと対照をして、事実の上では大体計数的にも、年々ある一定割合をもって増加している。従ってこれがガソリン税増税の特段の理由になろうとは私どもは考えておらぬ。と同時に、またしばしばこれらの問題について私どもはいろいろ聞くのでありますが、政府当局では、いつもさような事実はないというお話でありまするが、私ども本法案改正に際しては、地方道路税といわず、また揮発油税といわず、軽油引取税といわず、これらのものがほんとうに道路の建設、改良、補修に使われなければならない。ところが、法律が道路に関する費用というようなばく然とした内容になっている。従って国税においては、あるいは道路公団であるとか、あるいは特別失業対策であるとか、あるいは一般失業対策であるとかいうような、揮発油税本来の仕事でない面に使われる。また地方道路税においても、あるいは軽油引取税は昨年初めて創設されたのでありまするから、その実績については、私どもまだ地方の県会等の事情を十分に調査いたしておりませんのでわかりませんが、少くとも地方道路税については、しばしば警察の方面に使われてみたり、あるいは他の方面に使われたという事実が歴然としてある。こういうようなことでは、多くの国民が減税の恩典に浴している、遊興飲食税のごときは、われわれから考えてみてもあまり納得のいかぬような面までも、形式的公平化のために減税がなされている。これにはいろいろ御苦労もあろうかと思います。そういう時代におい工、国民の足である交通関係のこの非常に重い増税、つまり自動車税であるとか、地方においては最近は自動車取得税までかけようというような、あるいは自動車走行キロ税なんというような、すべての道路が有料道路になるというような、とほうもない税金をかけようとする。自動車が百キロ走るとその税金をとられる。全部有料道路になる。そういうような、とほうもない税金まで地方において地方税としてとられようというような片手落ちな、自動車にだけへんぱな増税をしようとしているときに、その税金が他の用途に使われるというようなことがあっては、非常に遺憾でもあり、また国民に対しても申しわけないと考えますので、いずれこの問題を本審査の際には、各方面からこれに対する御審議があろうと思いますので、これらの点について一つ私から希望を申し上げておきたいのですが、周到な資料を、いずれ内容については私後刻これこれの資料を提出願いたいということは申し上げるつもりでございますが、政府といたしましても、地方道路税並びに軽油引取税については、各般の見地から、政府が正しいとお信じになる周到なる資料の御準備を御用意願いたいということを、きょうはそれだけを御注文申し上げておきます。
  45. 本多市郎

    ○委員長(本多市郎君) 他に御質疑ございませんか。
  46. 吉江勝保

    ○吉江勝保君 遊興飲食税の中で、今度は非常に簡明になったということをよく言われるのでありますが、その中で大体減税とか、あるいは据え置きという程度のものはよいのですが、整理するというために引き上げになっているものがあるのです。ことにそのものの中には、大衆の飲食というようなものが引き合いになっているようですが、この減税をするというときに、こういうものを、ただそれだけの理由で税をあるいは倍にするというようなやり方に対しては、ただ形を整えるというだけで、こういうようなことをされるのは、国民として納得がいきかねるのではないか、こういうように思うのですが、ことに税を今度高くされたものだけについて、もう一度御説明を願いたいと思います。
  47. 奧野誠亮

    ○政府委員(奧野誠亮君) 今度の遊興飲食税の改正につきましては、説明にもうたっておりますように、租税負担の合理化をはかるとともに、税金徴収事務の簡素化を徹底いたしたいということであります。別に遊興飲食税を減税しようというふうな考え方をもって、この改正案を立案したものでないことを御了承願っておきたいと思うのであります。現在の遊興飲食税につきまして、私たちがいかにも不適当だと思っております問題の一つは、課税客体相互間において、きわめて租税負担の不均衡がある。従ってまた税務行政強力に推し進めて行きます場合にも、その結果の不均衡が営業の好不況にも強く作用して参りまして、非常に苦しい立場に置かれるということでありまして、これを是正したいということが一つのねらいになっておるわけであります。その事情は、たとえて申しますと、料理屋と旅館との間の不均衡の問題であります。料理店というものは、大体婦女の接待を伴うような場所を予想しておるわけであります。ところが料理店で飲食行為をいたしますと、一五%の税率が適用されます。旅館でありますと、五%ないし一〇%の税率が適用されるのであります。その結果、料理店における会食行為がどんどん旅館に移っているわけであります。このことが、料理店におきましては、まともに一五%の税率で税金を徴収されておったのでは店がつぶれてしまう。そういうようなことで、かなり抵抗もあるわけでありまして、そうしますと、現在の旅館であれば五%、一〇%だ、料理店であれば一五%だというような税率のきざみ方が不穏当ではないかという、こういう考え方を一つ持つわけであります。同じような不均衡がやはり料理店と普通飲食店の間においてもあるわけであります。料理店と一口に申しましても、非常な高級なところから、場末の小さな小料理店もあるわけでございまして、普通飲食店も同じように貧弱なところから非常に豪奢なものもあるわけであります。ところが普通飲食店であれば、五百円までは五%、五百円をこえても一〇%、料理店になると、一律一五%、こういうことになって参りまして、この間にも非常な不均衡があるわけであります。そうしますと、一応法律の上では婦女の接待を伴う店だ、片方は婦女の接待を伴わない店だと、書くことは書けるのでありますけれども、個々の店で判断して行く場合には、全くどちらともつかないような場合がたくさん出てくるわけであります。そうしますと、税率にやはり大きな幅を持たせて行くことは、非常な不均衡をもたらすことになるのではなかろうか、こう思われるのであります。また、こういう事情があるものですから、業界から、単に消費金額で税率を設けたらどうかという意見も出てきておるのであります。そして国民感情から申しますと、同じ金額を使う場合も、片方は婦女の接待を伴うような店における消費金額で、従ってサービス料みたいなものが相当の部分を占めておりましょう。しかしながら、普通飲食店におきましては、全く生理的な欲求を満たすだけで、別に婦女のサービス料なんというものはほとんどない。そうしますと、やはりそこに、同じ金額であっても税率の差等を若干おいた方がいいのではないかということが国民感情としてもあるわけであります。このように考えられますので、消費金額だけで税率区分をするのは徹底できない。そうかといって、今のように五%、一〇%の普通飲食の関係と、それから料理店の一五%、三〇%という税率区分、これは差が激し過ぎるんじゃないか。そうしますと、やはり一番下のところと一番上のところははずしまして、一〇%、一五%という二段階税率が課税客体の差による税率として適当な方法であり、穏当な考え方じゃないか、こういう考え方を一つ持ったわけであります。そうしますと、今まで五%のところもみんな一〇%になるじゃないかということになります。そこでまあ五%なら負担してもらえるが、いかにもきついじゃないかと思われるようなところは、思い切って課税からはずしてしまう、そのかわり、残ったところは多少がまんをしてもらって一〇%一本の税率を適用していただきたい。またそうすることによって非常に多くのものが遊興飲食税の対象からはずせる、むしろはずした方がいいのではないか、残ったところは的確に払ってもらう、全体について言えば、残ったところは全部公平に税金を徴収してもらえるような努力をすれば、対象を少くすれば、税務行政上も監視が行き届くということになろうかと思うのでありまして、公平な課税が行われるようになるのじゃないかというように考えたわけであります。遊興飲食税の行政というものを公平に強力に推し進めて行こうとしますと、やはり対象をはずした方がよろしいのじゃないか、こういうようにも思うわけでありまして、このことが免税点を引き上げる、あるいは新たに免税点を設けるようにして参ったゆえんでございます。従って、まあ三%とか、五%の税率なら負担してもらってもいいのじゃないかと、こういうきらいのあるところは課税の対象からはずしてしまったわけであります。三%、五%の税率をもってあえて負担を求めようという考え方を持ちませんで、それは思い切ってはずす、そのかわり残ったものは一本、一〇%の税率だ、こういうふうな考え方でございます。それが一つの考え方の基本をなしている問題でございます。  それからもう一つは、遊興飲食税というものは、これは税務職員が現実に消費者から税金をもらうのじゃございませんで、業者に出してもらう税金であります。業者が税金徴収の事務に当るのだということになりますと、できる限り簡単なやり方でやれるようにしておかないといけないのじゃないか、こう思うわけであります。同時にまた、業者に税金を徴収してもらうわけでありますから、税金を負担する消費者がよく内容を理解してくれる、これが必要なことだと思うのであります。言いかえれば、消費者の監視ということになりましょうか、これは業者の人がごまかしているということがすぐわかる、あるいはまた業者の人が税金を計算している、それがその通りだと、的確だということがすぐ消費者にわかる、こういうような姿でなければ、私たちこの税金の運営はうまく行かないと思うのであります。これがまた間接税の一つの特徴でもあろうかと思うのでありまして、間接税につきましては、あまり複雑な税率をかりに用いましたところで、なかなか運営は困難だと思うのであります。そういうことから考えますと、普通飲食店であれば一〇%税金がかかるのだ、料理店であれば一五%の税金がかかるのだ、これは税金を徴収する方も徴収しやすいわけでありますし、計算しやすいわけでありますし、消費者もまた非常にわかりやすいことでございます。こういうように消費者の理解も得やすい、税金を徴収する業者も徴収しやすい、こういう姿に持って行きたい、これが第二の改正に当りまして考えました大きな眼目で、その結果が、零細なところは思い切ってはずすかわりに、残ったところは一〇%一本の税率にして行くということでございます。御指摘のように、若干税率の高くなるところの生じますのは、私たちとしても非常に心苦しいわけでありますけれども、これが今回の改正の一番の眼目であります。増税することが眼目ではないのでございまして、税率を単一化する。この単一化を通じて遊興飲食税の税務行政を適正なものにして行って、さしあたりは減収が生ずるだろうけれども、将来にわたっては、むしろ増収を上げて行くことができるだろう、こういうふうに私たちとしては考えるわけであります。
  48. 吉江勝保

    ○吉江勝保君 増税をするという気持ではないので、徴税者にも事務の繁雑を避けさしてやるとか、そういうような考え方からされたとすれば、まあ徴税者の側の業者においても大体納得するのではないかと、こう思うのですが、一体現在そういう業者は、この案に対して何らか意思を表示しておりまするか、喜んでおりますか。
  49. 奧野誠亮

    ○政府委員(奧野誠亮君) 業者の方の料金がどの段階できまっているかということによりまして、利不利が非常にあるだろうと思っております。全体としましては、普通飲食店につきましても、旅館につきましても、今度の免税点の引き上げ、税率の一本化によりまして減収になるわけでありますから、総体的には私たちは納得してもらえると、こう思っておるわけであります。しかし個々の業者の方々でありますとか、たとえて申し上げますと、旅館では、一人一泊の料金が八百円から千円の段階のものが大部分だ、こういうところは八百円までは免税になるという恩典を受けませんで、逆に税率引き上げの部分だけが適用されてくる、こういうことになるものですから非常に苦痛だろうと思います。そういう意味におきましては、そういう業者の方々はむしろ改正を反対されるかもしれません。しかしながら、私たちは、基本的には業者の方に負担してもらうのではなくて、消費者に負担してもらうのだ、だから八百円から千円の人たちに十円なり二十円なりの負担の増加を求めることが、とうてい許せない負担の増加なのか、その辺なら、全体をすっきりしたものにするためにはやむを得ないと考えてもらわなければならないところなのか、こういうところで判断すべきものではなかろうか、こういうふうに思っております。普通飲食の場合につきましても、やはり業者によりまして利不利、非常にまちまちだと思うのであります。またそういう意味で反対される方々の御意見を聞いて参りますと、出血納税ということをよくおっしゃるのであります。私たちは業者の方に納めてもらうのじゃなくて、お客さんに納めてもらうのだ、お客さんから業者の方々が取りやすいようにする、もらってもらいやすいようにする、そういうことを考えてくると、わかりやすい税率をきめて行くということが一つの前進じゃないでしょうか、こういうことを申し上げておるわけであります。業界全体としては、それぞれ業界のお考えがあろうかと思いますが、それぞれ営業をやっておる方々の実際の料金が、どの段階で定まっているかということによって非常に違っておりますので、全体としては減収になりますので、一つの恩典になってきている、こういうように私たちは考えておるわけでございます。
  50. 本多市郎

    ○委員長(本多市郎君) 他に御質問ございませんか。……それじゃ残余の質問は次回に譲ることにいたしまして、次回は公報で御通知申し上げます。  本日はこれにて散会いたします。    午後三時二十四分散会