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1957-08-01 第26回国会 参議院 商工委員会 閉4号 公式Web版

  1. 昭和三十二年八月一日(木曜日)    午後一時四十八分開会   ―――――――――――――  出席者は左の通り。    委員長     近藤 信一君    理事            西川彌平治君            阿部 竹松君            相馬 助治君    委員            小幡 治和君            小西 英雄君            海野 三朗君            岡  三郎君            島   清君            加藤 正人君            大竹平八郎君   国務大臣    通商産業大臣  前尾繁三郎君   事務局側    常任委員会専門    員       小田橋貞壽君   説明員    通商産業政務次    官       白浜 仁吉君    通商産業政務次    官       小笠 公韶君    通商産業省通商    局長      松尾泰一郎君    通商産業省企業    局次長     樋詰 誠明君    通商産業省重工   業局重工業課長  山木 重信君   ―――――――――――――   本日の会議に付した案件 ○経済の自立と発展に関する調査の件  (通商産業基本方針に関する件)   ―――――――――――――
  2. 近藤信一

    ○委員長(近藤信一君) これより委員会を開きます。先刻委員長及び理事打合会を開きまして、本日及び明日の委員会運営などにつき協議いたしましたので、御報告かたがた御了承を得たいと存じます。  本日の日程では、総合経済政策並びに通商産業基本政策に関し通産大臣及び企画庁長官に対し質疑を行う予定でありましたが、経済企画庁長官は所用あり、旅行中とのことで出席できない由でありますので、経済企画庁に対する質疑は後日に譲り、通産大臣に対する質疑を中心とすることを申し合せました。従って新通産大臣並びに新通産政務次官のあいさつに次いで、通産大臣から通産基本政策に対する所信を伺い、これを中心に質疑を行う予定にしてあります。なお、これに関連して海野委員からバナナの割当問題、相馬委員から前回の質問に対する継続質問を行いたいからとのことで、これも差しつかえないことにいたしてあります。明日は通産大臣に対する本日の質疑の残部と外務大臣、正力国務大臣、公正取引委員会に対し本委員会の所管事項につき質疑を行う予定にいたし、大臣の都合で午前中の外務大臣その他は午後と予定し、なお、海野委員から五酸化バナジウムの問題、知能反応測定器問題について、それぞれ通産省及び科学技術庁に質問したい旨の申し出を了承しております。以上のように申し合せましたが、さよう取り計らって差しつかえありませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  3. 近藤信一

    ○委員長(近藤信一君) 御異議なければさようにいたします。   ―――――――――――――
  4. 近藤信一

    ○委員長(近藤信一君) 次に、お手元に参考として、新通産政策とタイプして配付しましたが、これは新聞記事でありまして、公式の通産省からの資料ではありませんから、その意味でお取扱いを願います。  それから田子倉、新潟方面に視察に行くことを計画しましたところ、七名の委員が参加されることになり、来たる五日に出発することにいたしてあります。また、三日に横浜港を視察することも一応計画しておりましたが、これは地元の方の都合で延期し、多分来たる十日に実施することになると思います。決定次第御通知申し上げますから、多数御参加をお願いしておきます。   ―――――――――――――
  5. 近藤信一

    ○委員長(近藤信一君) それでは、新通商産業大臣並びに新通商産業政務次官が発言を求められておりますので、これを許すことにいたします。
  6. 前尾繁三郎

    国務大臣(前尾繁三郎君) 今回はからずも通産大臣を仰せつかりました。非常にむずかしい仕事をしなければならないことになりましたにつきまして、簡単に皆様にごあいさつを申し上げたいと思います。  御承知の通り、私は全く通産行政に対してはずぶのしろうとであります。しかも、以前大蔵省なんかに勤めておりました関係上、かえって逆な立場で、おそらく皆様方にいろいろ御迷惑をかけてきたことと思いますし、また、今後もいろいろ御迷惑をかけるのじゃないかと憂慮しておるような次第であります。ただ、私としましては、皆様方の御意見を十分拝聴して、極力御趣旨に沿って、このむずかしい通産行政をやっていきたいということを念願いたしております。つきましては、荷厄介な存在ではありますが、いろいろと皆様にお教えを受けなければなりません。また、いろいろと御協力を願わなければなりません。ただ私は誠心誠意やっていきたいというふうに考えておりますし、それ以外に何の取り柄もないことを自覚いたしておりますので、どうぞそういうようなお気持で、今後末長く御指導をお願いいたしたいと心からお願いをする次第であります。  いろいろ申し上げる機会を次に与えられておるようでありますので、はなはだ簡単ではありますが、お願いだけ申し上げまして、ごあいさつにかえる次第であります。
  7. 白浜仁吉

    ○説明員(白浜仁吉君) ただいま大臣からのごあいさつがありましたが、私こそ御承知の通り全くのしろうとでございまして、しかも役所勤めをするということは、今回が初めてであります。従いまして今後は委員長初め委員の諸先生方の御指導と御鞭撻によりまして勉強をしていきたいと、こういうふうに考えているものであります。幸いに同僚の小笠君が非常に練達でもありますし、大臣は御承知の通りの方でありますので、私はこの驥尾に付して、皆様方の御指導を仰ぎまして勉強していくつもりでありますから、よろしくお願いを申し上げます。
  8. 小笠公韶

    ○説明員(小笠公韶君) 平素はいろいろと御厄介になっておりますが、本日付をもちまして、通産政務次官を拝命いたしました。これからいろいろな問題があるようでございますが、皆様方の御鞭撻と御指導によりまして、この日本経済の発展に、少しでも役立つように努力をして参りたいと思っているのでございますが、通産行政は大臣を中心にいたしまして、われわれは一体となって努力をささげて参りたいと考えております。  どうか一つよろしく御指導、御鞭撻のほどをお願い申し上げましてごあいさつといたします。   ―――――――――――――
  9. 近藤信一

    ○委員長(近藤信一君) 次に、通産大臣から、通商産業政策に関し所見を伺います。
  10. 前尾繁三郎

    国務大臣(前尾繁三郎君) 先ほど申し上げましたように全く経験のない者でありますので、特に大きな抱負とか、そういうようなことを持っているわけではありません。ただいま考えておりますこと、あるいは現在までやってきましたことを一応御説明申し上げまして御批判を仰ぎたいと思います。  御承知のように前内閣の際に、いわゆる国際収支改善総合対策というものが決定をされまして、これはまあ急激に外貨が減少いたしましたので、それに対処しますためにはどうしてもやらなければならぬ措置でありまするので、新内閣におきましても、同様のことを再確認いたしまして進行いたしているような次第であります。これは経済白書にもすでに出ておりますように、今回の緊急措置をとらなければならぬ直接の原因は、何としましても設備投資の過剰という点にありますので、まず第一にそれを抑えるというのが第一段かと思います。従いまして大蔵省なり通産省と協議をいたしました結果、財政投融資の計画につきまして、あるいはまた、一般の民間投資につきましても繰り延べの措置をやるということになりました。  また、そのめどをどこに置くかということについても、詳しい討議をいたしまして、財政、開銀融資を通じまする産業投資につきましては大体において一割程度を繰り延べるということにいたしております。また、民間設備投資につきましても、金融機関資金審議会というところで、それまでの両省の打ち合せしたのを諮りまして、全体としては一五%を繰り延べるということに決定をいたしまして、さらに、その小委員会におきまして業種別に、電力、鉄鋼、合成化学、造船というような個々の部門にわたりまして、その緊急性がどうであるかというようなことで、これはまあ一五%と申しましても一律にやるわけにはもちろん参りません。従って一〇%から一、二%という程度のものを繰り延べることを決定しております。それから石炭などにつきましては、これはもう最近に非常に合理化が遅延しましたような関係もありますので、これはまあ繰り延べをせずに従来通り進行さしていこうというようなことに決定をいたしたのであります。もちろん、残余の資金につきましては、極力確保に努めるということにいたしております。  これはまあ緊急対策の根本でありますが、しかし、何としましても輸出を増大する積極的な面ももちろん振興していかなければなりません。従ってまずわれわれが考えておりますようなことは、輸出金融につきましてはこれを優遇する。すでに輸出金融につきましては、金利も一厘下げるということをやり、また、輸出金融の優先ということで、その資金の確保ということにも努めて参っております。さらに、従来から言われておりますような輸出保険の改善という点、保険料率の引き下げ、あるいは保険事故の範囲の拡大というようなことも考究いたしておりまして、料率の引き下げにつきましては、すでに一部決定をいたしておるような次第であります。そのほかにも税制上の恩典ということが盛んに言われておりまするし、これについても、いろいろ研究いたしまして、一部は先般の経済閣僚懇談会におきまして、その方針も決定をいたしておるような次第であります。その他手続の簡素化、あるいはまた、輸出の延べ払いの問題、あるいはクレジットの問題、それらにつきましても、あらゆる研究もし、今後も実施をいたしまして、政府としましても、あらゆる努力をしておるのだということを知っていただく必要もありますので、極力今後やっていきたいと思っております。また、当初から今回の金融の引き締めに関しましては、ややもすると中小企業にしわ寄せがされるということも予定といいますか、覚悟をいたしておりますので、すでに金融措置において中小企業者に対するしわ寄せを極力排除しようということで、対策のうちにうたわれておりますが、それを具体的にはすでに御承知のように、中小企業金融公庫国民金融公庫の第四・四半期の金を百三十億繰り上げて使う。また、商工中金につきましても、二十億円の資金を預金部資金から出しまして、そうしてそれを繰り上げて使っていくというような措置をとっております。さらにこれだけでは十分でありません。いわゆる中小企業金融を取り扱っております銀行、あるいは相互銀行、信用金庫の方面におきましても、パイプを引かなければなりません。従って先般信用保証協会の保証つきの貸し出しの増加額につきまして、ただいま申し上げましたような金融機関の金融債を、預金部資金で二百億買い上げるということを予定いたしておるのであります。ただいま申し上げました点はまあパイプを引くということにありますが、大体のパイプは引かれておるわけであります。従ってその後の運用いかんにより、また、実情いかんによって、それをさらに充実をいたしまして、場合によりましては、皆さんの御協賛も仰いで万遺憾なきを期していきたい、かように考えておる次第であります。現在すでにいろいろな金融引き締めの影響が現われて参っておりまして、かなり深刻な様相を呈しております業種もあることは、承知いたしております。しかし、何と申しましても、この際緊急対策をやっていかなければならぬ政策でありますので、従っていわゆる世間で言われておりますような手直しということは考えておりません。しかし、具体的には、実情によっていろいろあると思います。従ってこれは成るべく摩擦は少くしていかなければなりません。いわゆる手直しという意味ではなしに、ただいま申し上げました財政投融資、あるいは民間投資の繰り延べにつきましても、各一つ一つの部門にわたりましては、事情に応じて繰り延べの率を変えているのと同様の考え方で、具体的にはいろいろな措置をとっていかなければなりません。まあ、従来行き過ぎの点を是正する、あるいは非常にふくらみました点は、それを整理するというようなことをやってゆくとともに、必要に応じてあらゆる施策をその時期に適してやって行きたい、まあかように考えている次第であります。  しかし、輸出の増進という問題はそう簡単なわけではありません。私はいわゆる緊急対策というような問題でなしに、二年、三年の努力を積み重ねて初めて打開される問題だと私は考えております。しかも、さらにその根本は、政府もあらゆる施策をやらなければなりませんが、何と申しましても、いい商品を安く作る、しかもまた国民が全部、まあ一品でも節約して国外に送り出すという気持になってもらうことが一番肝心だと思っているのであります。いい商品を安く作るというためには、あらゆる産業を極力合理化し、近代化して世界の各国に負けない商品を作るということでなければなりません。また、いわゆる生産性の向上ということも考えていかなければなりません。恒久的な輸出振興対策は、ここにおいて日本の全産業を合理化していくというところにあると考えているのであります。従って輸出の振興の基礎条件としては、いわゆるエネルギーの長期需給の安定、あるいは産業構造の高度化、産業立地条件の整備というようなことにも極力力をいたしていかなければならぬと思っております。また次には、技術の革新という面と、これをあくまで指導していく。ことに、中小企業者に対する指導のごときにおきましても、よほど考えて、技術の面において世界の諸国に劣らないような指導をしていかなければならぬ、かように考えているのであります。  また、現在におきましては、中小企業の育成の問題も、十分に力をいたさなければなりません。ただいままでは、中小企業は金融対策という問題でいろいろと国会もまた政府も努力して参ったのでありますが、次の段階におきましては、やはり組織の問題、制度の問題ということを考えていかなければならぬと、かように考えておりますので、いわゆる妙案というのはないのでありましょうが、何らか一歩前進するということを考えていかなければならぬと、かように考えております。それらの点については、極力皆さんの御協力をお願い申し上げる次第であります。  いろいろ申し上げたいことはありますが、まあごあいさつにかえまして、私の最近に考えておりますことを、簡単にお話ししたような次第であります。
  11. 近藤信一

    ○委員長(近藤信一君) これより質疑に入ります。ただいま政府側の出席は、前尾通産大臣のほか、白濱政務次官、小笠政務次官、齋藤官房長、松尾通商局長、川上中小企業庁長官、小室繊維局長、古川大蔵省銀行局総務課長、樋詰企業局次長、以上の方々が出席しております。質疑のおありの方は、順次御発言をを願います。
  12. 海野三朗

    ○海野三朗君 通産大臣に私お伺いしたいのでありますが、昨今新聞の報ずるところによると、金融引き締めによってばたばた倒れていっておるのですね、御承知だと思うのですが。これに対しては、これは一時的な現象と見ておられるのか、先ほどのお話にはよき品物を安く作るように持っていかなければならないというお話でありますが、つまり悪い品物を高く売っていっておるようなところがばたばた倒れていったのか、繊維業者のこの惨状を見ると、金融引き締めによってばたばた倒れていった場合、こういうやり方は私は非常にまずいのではないかと思うのですが、あなたはいかにお考えになりますか。
  13. 前尾繁三郎

    国務大臣(前尾繁三郎君) 最近に倒産者がふえましたことは事実であります。それにつきましては、私はこれは一時的な現象であると思っております。金融の引き締めが何と申しましても、国際収支が急に悪化をいたしまして、それに対処するのには、早くむしろ手当を、対策をとった方が犠牲が少くてすむ、摩擦が少いというつもりで、かなり御無理ではあると思ってはおりますが、この際緊急対策をやらざるを得ないのであります。しかし、もとよりわれわれは倒産者がふえるようなことを望んでおるわけではないので、個々の具体的な問題につきまして、いろいろその原因をつきとめて、極力倒産者の少いような方向に持っていきたい、特に中小企業者につきましては、ただいま申しましたように極力摩擦がないように、すでに政府で措置をとっております。ただ、いろいろ業種によって、事態が違います。また、倒産者か出ましても、それにいわゆる連鎖反能が起るというようなことは極力避けたいというので、いろいろ具体的には考えておるのであります。しかし、全般の緊急対策そのものを有効に遂行していかなければならぬ、こういう二つの間に立っております。一番具体的にどういうふうに処理していったらいいかということを考えながらやっておる次第であります。
  14. 海野三朗

    ○海野三朗君 神武景気、神武景気といっておりましたが、それは日本内地のほんとうの金が増したのではなくして、国内でのただ一時的な現象であると私は思うのです。あなたからばかりでなしに、私は相当の方面の人からも聞きましたが、これは一時的な現象だと、こう言っておられる、それは私はどうもそうではないのじゃないか、しからば中小企業だけが困っておるかといえば、大企業も困っておることは御承知の通りだと思う。たとえば八幡、富士あたりが昨今運転資金に困って、二十億の金融資金を申し込んでおる。大企業もやがて足元からくずれかかっているのではないか、実際は金がよけいになったのではありませんから……。その企業の上に手を伸ばしていっている。これは現在の内閣の大蔵大臣の見誤りであると私どもは考えておりますが、あなたはどういうふうにお考えになっておりますか。一時的な現象で、なおるとお考えになっておりますか。
  15. 前尾繁三郎

    国務大臣(前尾繁三郎君) 昨年の神武景気と言われます以前、去年の秋ごろまでの状態を考えまして、あるいは昨年の九月までの状態を考えると、非常に私は順調であったと思います。そうして輸出は伸びて参りましたし、また消費物資は価格も横ばいということで、貯蓄も非常にふえ、順調な現象だと思います。それがいわゆる神武景気と言われ出しまして以来、また、昨年は銀行に非常に金があり余ったというような結果から、いわゆる投資熱が非常に強くなって参り、いわゆる過剰投資というような現象を起しました。従ってそれに見合う原材料輸入というものが非常にふえて参ったのであります。これが設備の増加に応じたところでストックが満杯になれば輸入が減る、こういうふうに考えておりましたのが、あまり減らぬというような、減るどころではなしに、だんだんふえていくというような兆候さえ見えました。そこにもってきまして、御承知のように保有外貨という面で、これは今のうちに輸入しておかぬと、輸入が将来できんのじゃないかというような不安から、どんどん今度は逆に輸入がふえて参りました。月々五千万ドルないしは一億ドルというような赤字を出すような事態になって参ったのであります。従ってその原因は、輸出が減ってきたというのではなしに、いわゆるからだは健康であるが、異常な投資熱のために熱が出た、こういうような格好になっておりますから、その原因を除きましたら、まあ順調な経済状態に立ち直る。言いかえれば、投資の面を抑制して、正常な日本の経済の実体に合った投資ということに直りましたら、日本の経済全体が順調になっていくと私は確信いたしております。従ってそういうような事態になり、また国際収支の面におきましても、十月あるいは十一月には黒字に変ると思います。そうしてそこで順調に先の見通しがついて来ましたら、ただいまやっておりますような緊急対策は、必ずしもとる必要はない。もとより神武景気当時には返りません。それ以前に返れば、まずいいのだというように考えております。それはそう長い期間では決してありません。われわれとしましては、一応年内には見通しがつく、かように考えております。まあ、その意味で一時的と、こう申し上げた次第であります。
  16. 海野三朗

    ○海野三朗君 一時的な現象とごらんになっておるけれども、あのぶっ倒れた工場、五十人、六十人という工員を使っているぶっ倒れたやつはどういうふうになったとお考えですか、大阪なんか、もうひどいものです。まあ東京はもちろんのことですが、それは自然に立ち直る、起き上れるというふうに考えておるのですか、どうなんですか。それは見殺しですか、倒れたやつは。
  17. 前尾繁三郎

    国務大臣(前尾繁三郎君) 決して見殺しにするわけでも何でもありません。ただいまのところは全く、とりまして日が浅いのでありまして、緊急対策をとってまだ時日がたちません。まだ整理をしなければならぬ段階のところがたくさんあると思います。従って直ちにこれを、滞貨金融をやってそして救済するということになりましたら、緊急対策は全然とらなかったのと同じばかりではなしに、いたずらにみんなを困らしたというような結果になりますから、緊急対策はあくまでもとっていかなければなりません。しかし、それは長い期間ではありません。次の立て直りなり、安定という時期になり、また先の見通しがつきましたら、もちろんそれぞれの業態に応じて各個の立ち上りということについて十分な施策をとるつもりでおります。
  18. 海野三朗

    ○海野三朗君 何割くらい倒れたやつが、これから起き上れるというふうにお考えになっていますか。その御所見を一つ伺いたい。
  19. 前尾繁三郎

    国務大臣(前尾繁三郎君) これは何割を立て直させるというのでなしに、全部これは救済していかなければならぬ。ただ、ただいまのところ、すぐ滞貨金融をやって倒産を防ぐという考えはありませんが、しかし、これはすべて輸出に振り向けていかなければならぬわけです。輸出に振り向けていきましたら、もう心配することではありませんので、ただいまのところはあまりに繊維関係のごときはストックが多過ぎるので、これは生産の制限、あるいは自粛をしてもらわなければならぬかもわかりません。また、事実やってもらわなければなりません。しかし、それが輸出にはけていきましたら、直ちに今度は新しく仕事をやってもらうわけであります。決して見殺しにするとか何とかいうのでなしに、全部が立ち上ってもらうということでいかなければならぬと思っております。
  20. 大竹平八郎

    ○大竹平八郎君 二、三お尋ねをいたしたいのでありますが、先般本委員会におきまして、これは非公式に懇談会を開催しまして、いろいろ総合政策後の通産当局の所信、ことに貿易政策につきましていろいろお伺いいたしたのでありますが、私ども実際当面いたしまして、今度の問題ほど政府当局の中において、その考え方というものがまちまちになっていることを知らないのでありまして、政府の一部におきましては、非常に悲観をしていると思いますというと、前大臣の水田さんあたりは、非常な確信を持った、いわゆる二十八億ドルを確保、これは輸出でございますが、非常に確信に満ちたお話し、こういうようなことで、それから経済企画庁あたりの作ったものをわれわれが調べてみますというと、かなり大蔵省、あるいは通産当局との間に相当この考え方の開きが出ているのでありますが、こういうことをひっくるめて考えますと、私はこの財政経済政策の今までのものというものは、結局石橋内閣の当時におきまして、要するに政治的な大きな一つの解散を含んだというような財政経済政策であるというように私どもはとってきたのであります。従いまして三月ごろからいろいろ議論が盛んになりまして、特に一部では四月悲観説というものを持ち出されていたのでありますが、不幸にいたしまして四月悲観説というものが当ってしまったわけなんであります。そんなことで、最近の状況というものは大臣も御承知の通り、ほとんどもう半恐慌のような状態でありまして、特に私どもが一番憂慮にたえないことは貿易の面であります。この総合政策の中にも言われておりまする輸出振興という問題につきましては、特に大きな関心を払って、そうして金融面におきましても先ほど大臣のお話しにもあった通り、非常にこれを援護していきたいというようなあれが見えたのであります。ところが、実際貿易商あたりがぶつかってみますと、あまりに外貨の赤字におびえたために、非常に輸出金融には大きな影響を来たしている。従っていわゆる貿手などというものは、もうかりに向うから注文が参っても、簡単に前のようにスムーズにいかないというような状況でありまして、こういう点が非常に対外的な信用というものを実は落している。先ほど大臣のお話しの中に輸出振興については二年、三年の先のことを考えてやらなければならない、これはよくわかるのでありまして、いわゆる積み重ねていくということはよくわかるのであります。それで現在までの日本の貿易というものは大臣のおっしゃるように積み重ねてようやく今日の地位を得たわけなのであります。それが今度の問題を中心にいたしまして非常に信用が失墜したという点は、私どもまことに返す返すも残念にたえないのでありまして、たとえてみまするならば、先般石炭の輸入の問題が起きた。これは御承知の通り公表前に業者というものが手当をするということは、これは今までの商習慣であると同時に、外商の暗躍を防ぐ、こういう意味で相当各商社が手当をした、これは当然なのであります。ところが、今度の問題を中心にしましてそういうことがあったゆえに破棄せざるを得ないことになる。そうなると、これは直ちに大きな日本の貿易商全体に対する信用の失墜という、こういう問題になって現われてきているわけであります。それからいま一つ大きな問題としましては、輸出の大宗でありまする繊維等でございますが、これなども最近の国内の値段の非常な暴落と同時に、先行き、不振のために、せっかく今まで約束をしていたものがどんどん破棄をされてくるというような状態になっています。それからこれは一つの例でありますが、タイにおける有力な商社のごときは、このために日本の品物を買い込んで、ついにこれは破産をしたというような実例さえもあるのであります。  こういうことを考えますというと、この間一萬田大蔵大臣が大阪かなんかで、ラジオテレビで放送していたのでありますが、国内の物価のまず安定が第一だと言われておるのでありますが、私がお尋ねいたしたいことは、こういう一連の輸出に関する緊急対策といたしまして、今大臣のお述べになったような二年、三年の恒久的なものでなく、さしあたって緊急にどうするかという問題と、それに関連いたしまして、国内の物価の安定、ことにこれは繊維、鉄鋼等を中心にした問題だと思うのでありますが、これらについて一つ御所見を詳細に承わることができれば仕合せだと思います。
  21. 前尾繁三郎

    国務大臣(前尾繁三郎君) 閣内でいろいろ意見がまちまちだというお話しであります。しかし、私はそうは考えておりません。ただいま申し上げましたことが全閣僚の統一した考え方だと思っております。また、水田前大臣が輸出は二十八億ドルは大丈夫だと言われましたことにつきましては、私も同様に考えております。今回の強みは別に輸出が減っているわけではありません。六月におきましては季節的な関係で少し減っておりますが、これは全く私は季節的な関係によって起ったものだと考えておりまするし、その後回復いたしておるように承知いたしております。従って決して悲観すべき事態と私は考えておりません。ただ、ここで処置を誤まりましていろいろあとに尾を引きますと、簡単な感冒でありましても、流感でありましても、それが予後をこじらしてしまう、そういうことをおそれている。そういう意味で慎重にやらなければならぬということをみんなこれは考えているのであります。従って総合施策の振興ということを考えますと、まず第一に過剰投資を押えていく、これが第一であります。そのためには金融を引き締めていかなければなりません。しかし、当然の振興の次に考えるべきことは、要らざる摩擦を起さないようにというので、価格の安定ということを考えていかなければなりません。ただいまお話しのように、鉄鋼とかあるいは銅、あるいはまた繊維関係、これらにつきましては、ただいま必要以上に値が下っているということも私、今認めております。しかし、これはただ滞貨金融で救済するというわけにはいかぬ問題で、これは緊急対策の根本に触れる問題であります。まず第一には、やはりもし過剰生産でありましたら、その過剰生産の根本を正していく、そうしてそこに次の段階にどういう手によって安定さしていくかということを考えるべきであります。直ちにこれは手直しとか、あるいは滞貨金融ということになりましたら、また緊急対策そのものを全部御破算にしてしまうということをおそれておるのであります。ただいま申し上げましたように、具体的にその原因をただし、そうして原因の根本的なところに思慮をしながら救済していくという順序をとっていきたい、かように考えております。
  22. 相馬助治

    ○相馬助治君 今の点に関連して基本的な問題で一点伺っておきたいと思うのですが、五月二十七日に当委員会が開かれまして、そのときに経済、外交貿易、諸政策等について議論がありましたときに水田、当時の通商産業大臣はどんどん手持ちドルが減っているけれども、いわゆる赤字がふえているけれども、これは長い目で見れば、すなわち年間を通じて見れば、何ら心配する必要のないものである。拡大均衡という線に沿って、内閣としては自信をもって諸政策を推し進めておるのであって、そういうことについては全く御心配御無用だと、こういうふうなお話があったのです。水田さんは当委員会においてもその答弁の率直をもって非常に好感をもって迎えられていたわけでありまして、私どももその言葉を聞いて、いろいろ議論はあったのですけれども、深くうなずくところがあったわけです。ところが、一週間もたたないうちに、御承知のように担保率の値上げを突如として発表した。それで私どもはその後の委員会におきまして、松尾通産局長をお呼びして速記をはずしていろいろな緊急対策についての考えをお尋ねいたしました。これは通産当局は現実の事態に対応してとらざるを得ない諸政策、また、通産当局の置かれている苦悶、こういうことを局長から率直に伺って、私どもとしてはこれまたいい悪いの議論を別として納得をしたのです。ただ、私どもはここで大臣の御出席に対して深く問題にしなくちゃならぬことは、緊急対策を、緊急処置をそれぞれとっておりますけれども、一体緊急処置というものが前の内閣の政策の誤まりであって、その破綻がかくも急激な緊急処置をとらざるを得なくなったという反省的な立場に立ってこれを取り上げられておるのか、それともまた、さっき申しましたように、このまま推移するならば、問題がいよいよ深刻になるから、この辺で緊急処置を一応とるけれども、基本的な経済政策については前の内閣と変っていないのだという立場に立つのであるかどうか、この点をしかと承わっておかなければならぬと私は思うのです。それで論者に聞きますと、最初から一萬田財政であったならば、かかる破綻は起きないのではないか、こういう見方をする者もあるし、また、この辺で一萬田財政などにかえずに、むしろ池田財政のままで押し太く通した方が、妙な連鎖反応等も起きないで輸出輸入その他についてちょうど水田、当時の大臣が言明したごとく大した心配はなく、年間を通じて帳じりが合ったのではないか、こういう見方をしておる人もあるわけで、大臣がどう言おうとこう言おうと、大竹委員が指摘した通りに、閣内の確たる一致した見解というものを、基本的な点において納得受けるような説明を私どもは開いていないわけなんであります。従いまして現岸内閣、特に前尾通産行政の基本方針というものが、一体これらの問題についてどのような立場をとられるかということについて、一つ念のために私は伺っておきたいと思うのです。御答弁によっては二、三の点を私は追及しなければならないし、また、御答弁によっては、就任早々のことでもございまするので、機会を得てあとで追及することにして、しかと一つ承わっておきたいと思います。
  23. 前尾繁三郎

    国務大臣(前尾繁三郎君) 水田前通産大臣が、心配することはないと言われた点は、私もよくわかります。そして外貨が物に変りましても、それ自体は何にも心配することではないのです。その点は私は水田大臣の言われた意味が、そういう意味だと思います。ただ、ほかの面から遺憾ながら日本の経済は底が浅かった。で思わぬ保有外貨という面で行き詰りができた。その点は直していかなければならぬ。従って私は緊急措置をとらざるを得ないという事情になってきたのでありますから、そういう緊急措置はあくまでそういう意味であります。そうして、手持ちの現在の原材料輸出に振り向けて出ましたら、これは今までの楽観と同じで、私は非常にかえってこれは強みだと思っております。ただ、国が不渡りを出すわけにはいかん。従ってまた、保有外貨の面で補強していかなければなりませんが、あるいは他国から金を借りるというようなことももちろん考えられます。しかしそれにたより過ぎてはいかぬ。でこの際としてはやはり緊急措置をとって、そうして保有外貨の面においても、破綻を見せないようにしていこうというのが、現在のわれわれの立場であります。で、今までの考え方、あるいはまた産業の合理化の考え方、それらについては私は従来と別に変った意味じゃなしに、もっと強くやりたいくらいに思っておりますが、ただ、緊急対策に協力するという意味で、また、隘路産業についてこの際合理化を一時押えなければならぬということも、これはほんとうに国民の皆さん全体がおわかり願ったら、ほかの面を強く抑え、そうして隘路産業は従来の考えのままで合理化をやっていきたい。こういうふうに考えるのでありますが、しかし、国民全体のやっぱり協力を得なければなりません。政府の考えておる重点産業、あるいは政府の事業というものだけ超然としておるという行き方は、この際とるわけには参りません。やっぱり多少の繰り延べをやって、そうして国民全体の協力を得るという方向でいきたいというのが私の現在の考えであります。
  24. 大竹平八郎

    ○大竹平八郎君 具体的の点について一、二お尋ねをいたしたいのでありますが、先ほどお話しの通り、閣議において輸出振興の対策といたしまして税の問題が出られたようであります。まことに私どもけっこうだと思いますが、同時に、これは大臣もたびたび業者その他の方面から陳情にあっておると思うのでありますが、一番今輸出の振興に問題になりますことは、先ほど申し上げました通り、前は市中銀行自体でも割れた貿手が、市中銀行はむろんのこと、日銀でも尋常にはいかないということが、せっかく注文はもらっても、金融に行き詰まるというようなことが、輸入を押えて輸出も結局共食いになっていくというような現状なんでありますが、こういう点からいって今大きく問題になっておりますのが、日銀の別ワク制度の問題なのであります。これは別ワク制度ということは他面におきまして、それが他の、あるいはメーカー金融その他に運用されるというような懸念も政府当局の中には持っておられる方もあると思うのでありますが、この日銀の別ワク制度について、これは輸出振興の私は一番の基本だと思うのでありますが、これについて大臣はどうお考えになりますか。
  25. 前尾繁三郎

    国務大臣(前尾繁三郎君) ただいまおっしゃりましたように、輸出振興につきましては、輸出金融という問題が非常に重要性を持っておることは、承知いたしておりまするし、また、輸出金融の優先ということは、あくまで徹底して考えていかなければならぬ問題だと思っております。そして現在でも、いろいろ調べました結果におきましては、輸出前貸し手形には、ほとんど優先的にやっておるようであります。また、これは日銀に持っていきましたら幸い容易にやっておるようであります。あるいはもう少し甘く見てくれんかというようなお話もありますので、私どもその点は十分各関係方面に話をいたしております。ただいま別ワクでやったらどうか。われわれもそういう考えは持ちまして、日銀当局ともいろいろ相談いたしたのでありますが、ただいまお話しのありましたように、別ワクということになりますと、いろんな、今後なり、あるいはまた他にいろいろ波及するので、別ワクという制度は困るが、別ワクと同じ気持で実際にやっていくと、こういうようなふうに交渉ができております。ただいまのところ、別ワクということにはいたしておりませんが、別ワクと同様な考え方でやっていくというふうに考えております。
  26. 大竹平八郎

    ○大竹平八郎君 それからいま一つ、その今の別ワク制度に関連をいたしまして、従来日本の海外にある商社に現地貸し、すなわち外貨予算をある程度まで持たせて現地貸しができたわけです。これが御承知の通りアメリカとかその他の国で輸出が伸びた大きな原因になったのでありますが、これがほとんど引き揚げられたような格好になっておるのでありますが、この点について大臣はどうお考えになりますか。
  27. 前尾繁三郎

    国務大臣(前尾繁三郎君) 現地貸しを引き揚げてお困りになっておることは、私も実は承知いたしております。もう少し実情を調べまして、ほんとうに具体的にどういうふうにお困りになっておるかということを調べまして、必要とあれば、私今後いろいろ措置をし、いろいろ関係方面とも話し合いたいと思っております。
  28. 大竹平八郎

    ○大竹平八郎君 次に、大臣がお見えですからこの機会にお尋ねしておきたいと思うのでありますが、中共貿易につきましてお尋ねをいたしたいのでありますが、七月の十六日の閣議におきまして、例の問題の二百七十品目のいわゆる禁輸緩和方式というものが決定されたわけでありまして、同時にパリのチンコム会議にこの趣旨が通達をされたわけでありますが、これは非常に業界が長く望んでいたところでありまして、非常にけっこうなことと思うのでありますが、ただ問題は、この禁輸品が解除になりましても、私どもが中共の最近の国内の実情、特に最近李先念財政部長も発表いたしております通り、本年の中共の財政支出は、昨年より四%減ずる。中でも設備投資は二一%大幅に削減をいたしたと、こういうことを公表をいたしておるわけであります。それから同時に御承知の通り、最近百家斉放とか、それから百家争鳴とか申しましても、相当言論というものは押えられていたのでありますが、最近河南省あるいは江西省の一部におきまして、われわれの想像のできないような飢饉の状態などが発表をせられまして、従いまして日本側が求めておりました丙種並びに乙種類のもの等は、そういう意味において非常に日本に輸入するということはむずかしくなった。これが最近の中共の国内における実情なんでありまして、ことに御承知の通り、今の中共の貿易量は、大体対ソ連圏ブロックが八〇%、自由諸国が大体二〇%、そこへもって参りまして、イギリスがアメリカを度外視いたしまして、御承知の通り大幅の禁輸緩和をいたしまして、そうして独往して行ったというような点から考えまして、今後の中共貿易というものは、非常に困難が、実際問題として日本としては重なるわけなんであります。この際一つ政府当局の御方針をお聞かせ願えたらけっこうだと思うのであります。
  29. 前尾繁三郎

    国務大臣(前尾繁三郎君) 中共貿易につきましては、私ども考えておりますことは、外国でやっておることは、日本もやるということであります。日本がハンデキャップをもってやりましても、とうてい太刀打ちができないのでありまするから、できるだけ外国と同様な態度でいきたい、極力また貿易、純粋な経済的な貿易に関しましては努力していきたい、かように考えておりますが、ただ、ただいまお話しの通りに、中共におきましても、中共自身が外貨が不足しておるというような事情もあります。また、輸出輸入の均衡ということを中共自身も考えておりまするから、そう簡単には参りません。また、ただいまお話しのように、ソ連貿易と、民主々義国家群との貿易関係というような面もありますので、従ってわれわれとしては楽観しておるようなことは決してありませんので、ただ、昨年は特認の関係で出ましたのが、七百万ドルあったわけであります。それはすでに見ております。この面がかなり今度ふえるのじゃないかというふうに考えておりまして、中共貿易が昨年は全体としては六千七百万ドル、それが三割ふえればまあ一億だというふうに考えておりますが、この一応の目標に対しましては、極力達成できるように努力をし、また、そこまでは可能じゃないか、将来は一億五千万ドルというような点も考えられておりますが、差し当っては、ただいまお話しの通りの事情にありますので、そういうふうに考えております。
  30. 大竹平八郎

    ○大竹平八郎君 いま一点お尋ねいたしますが、これは政府当局がおやりになるわけでありませんから、まあ知らぬといえばそれまでなんでありますが、例の今民間で問題になっております第四次貿易協定という問題があるのでありますが、これはいろいろな指紋の問題、その他関係以外でありますが、こういう点にわれわれは直面をいたしまして、中共から買う一番大きな金額のものは何かということになれば、石炭と、鉄鉱石と大豆、こういうことになるのでありますが、ところが、私が先ほどちょっと申し上げました通り、石炭自体が今日非常に中共の内部でも不足をしておるというような状態であります。それからまた、鉄鉱石、これは大体海南島を考えておるのでありましょうが、海南島の開発というものはそう進んでおりませんし、大豆の問題でありますが、これも国自体というものが飢饉であえいでおるようなときでございますから、しかも最近の情報によりますというと、かなり凶作のようにも聞いておるのであります。そうして見まするというと、昨年の通関ベースが輸出が六千七百万ドル、それから輸入が八千四百万ドル、かなり前年度に比較をいたしまして、ふえてはおるのでありますが、巷間伝えられる第四次貿易を片道一億ドルということは、実際問題としてかなり遠いのではないかと思うのでありますが、まあ新大臣に数字を私は特にお聞きしたいというわけでもないのでありますが、この点に対していま一つ少し御所感をお伺いしたいと思います。
  31. 前尾繁三郎

    国務大臣(前尾繁三郎君) お話しのように第四次協定という問題がありますが、これは何とかして成立させたい、かように私としては考えております。それにつきましては、御承知のように指紋の問題等があるわけであります。私としましては、外務大臣なり法務大臣にもいろいろお話しいたしまして、これは相手のあることでありますから、すぐそのままで簡単に話し合いがつくとは考えておりません。しかし、両国の良識でお互いに貿易なり経済関係を促進していこうという気持に返って話し合いをしていただきましたならば、私は話がつくんじゃないかと思います。第四次協定は何としても成立させなきゃという気持を私は持っております。この第四次協定が成立するかしないかということも、非常に大きく影響すると思うのであります。ただいまの申し上げました数字は、何とかして第四次協定も話し合いがつくだろうという気持をもって申し上げたようなわけであります。
  32. 相馬助治

    ○相馬助治君 関連して。中共貿易も本年度は昨年度に比べて伸びる予定だと、こういうお話があって、今度は具体的に第四次協定も何とか片づくであろう、成立するであろう、こういうふうなお話ですけれども、これこそ相手のあることで、御承知のように周恩来の演説をきっかけとして一斉攻撃に日本側の攻撃が始まったので、これは多分に政治的な動きであるとは思いまするけれども、なまやさしくないと私は考える。法務大臣の立場からいたしますれば、法治国家として指紋の問題はそう社会党などが言うように簡単に片づくかと、こう力むことも私はこれは一応わからないわけではないわけです、法務大臣なんかの立場からすれば。しかし商売はイデオロギーを越えてなされるべきであるし、もうかるようになさらなくちゃいかぬのであって、そのもうかるようにやることの親玉が通産大臣のわけなんだから、一つ具体的に私は承わっておきたい。というのは、四次協定が可能であるという見方は、どういう情勢の分析で積極的に大臣は何をしようとされておられるかということが一つと、それからもう一つは、具体的に北京に駐在する商社代表も次々に追い出されると、こういう情勢、緊迫した情勢に対して、通産当局としては外務省その他等と連携をとって、何らかの対応策を現におやりになっているのかどうかという問題、それからもう一つは、あるいは答弁の限りでないとおっしゃるかもしれませんし、また御答弁なければ、ないでやむを得ませんが、自由党の問題、前尾通産大臣も党の政策マンとして令名のあった方であり、幹部であって、この自由党が、中共の貿易問題について何か積極的にやろうとする例の池田正之輔君あたりの動きを、ある面ではチェックしているという現実も、われわれは知っているわけです。この自由党が、与党の立場から中共に使いをして、第四次協定をやる地ならしというか、何というか、努力をしたい、こういう動きがあるやに聞いておりますけれども、これは党としてこの問題について、ほんとうに中共貿易促進のために裸になってもやるという決意と、その方策があるのかどうか、これも一つ承われれば幸いだと思うのです。以上御質問します。
  33. 前尾繁三郎

    国務大臣(前尾繁三郎君) 第四次協定はお互いの努力いかんによってはこれはできるというふうに考えておるのであります。それが甘いと言われればそれまでだと思います。しかし、あくまでこれはやらなければならぬ問題であります。もっとも最近の政治問題としては、ただいまお話しのような点はあります。しかし商社が追い出されておるという、そこまでは行っていないように私は聞いておるのでありますが、まあとかく、そういうことでいろいろ宣伝もせられる面もありますが、貿易基本的な基調は、そんなに私は変っておるとは思いません。また自由党としましても、これはあくまでそれに努力していかなければならぬ問題であります。これは自由党だからできぬとか、あるいは現存はできないものだというので放置しておくべき問題ではありません。あらゆる問題を極力解決するという方向で、総力をあげていかなければならぬ問題でありますので、ただいま申し上げたような点を申し上げましたようなわけでありますが、決して私も甘くは考えておりません。また、第四次協定を前提としてということで一億ドルについて申し上げたのでありますが、これはあくまでそれを前提として考えていくべきが当然であります。できぬということを前提にしてものを考えていくわけには参りません。ただ不幸にしてできないことがありましても、いろいろ今までの経過から考えましたら、そう過大な見積りというのではなしに、それに近いものだということは申し上げられるかと思いまして、一億ドルということを申し上げておるのであります。その点を御了承願いたいと思います。
  34. 相馬助治

    ○相馬助治君 協定成立には積極的に努力するということですね。
  35. 岡三郎

    ○岡三郎君 二、三質問をいたしますが、一番先に、国際収支の均衡の問題について、お話しの中で簡単に、本年度中に収支の均衡を実現するというような言葉があったように聞いたわけですが、その点をもう少し明確に一つしてもらいたいと思う。つまり国際収支の均衡という問題が、経済の一番大きな問題になっておるわけで、この点が大体そうなるであろう程度では、非常に迷っておるわけであります。その点でもう少し確信のあるところでこうだという一つの説明を十分願いたいと思います。それは宇田国務相がとんとんと言ったが、とんと当らなかった。前尾大臣はもう少し明確なるあれがあると思うので、その点を少しはっきり国内的に、国民に説明するという立場で、明瞭に一つ御教示を願いたいと思います。
  36. 前尾繁三郎

    国務大臣(前尾繁三郎君) 月別に見まして十月には、わずかでありますが、黒字になると思います。少くとも赤字の出ぬところにいっております。それからまあその後におきまして、年内一ぱいぐらいにおきましたら、大体順調な、こういう規模で今後推移するであろうというような見通しがはっきりついてくるのじゃないかと思います。しかし、これはもちろん年間を通じましたら、もとより赤字でありまして、おそらく四、五億ドルは赤字になる、かように考えております。
  37. 岡三郎

    ○岡三郎君 もう少し、大臣、内容を説明できないでしょうかね。つまり十月に少し黒字になるというのじゃなくて、そこのところが、大体貿易の状態がこうなるという点で、政府の施策が、重点がこういうふうに改善したからこうなるのだというふうに、もう少し具体的に御説明願えないでしょうか。
  38. 前尾繁三郎

    国務大臣(前尾繁三郎君) 大体本月あたりで、信用状はとんとん、二億ドルに減ってとんとんというような格好に出てくると思います。それが実際にはっきりしてきますのは、十月ころになりまするから、十月ごろからは赤字が出ぬような状態にいく、こういうふうに考えておるわけであります。
  39. 岡三郎

    ○岡三郎君 そうするというと、相当輸入の今の削減を続けていくわけですが、それに伴う影響として、在庫輸入原材料、こういったものが、あるものは相当現在までに輸入したから十分あるが、あるものはやはりなくなってくる。そういうふうに、いろいろと原材料によってはバランスというものが違ってくると私は思うのですが、そういう点についての見通しについてはいかがですか。
  40. 前尾繁三郎

    国務大臣(前尾繁三郎君) 原材料の関係からいいますと、ただいまは相当ストックがあると見なければなりません。従ってその面で輸入が押えられると、こういうふうにお考えになるかと思います。しかし私はその根本を考えて、ただいま申しましたような過剰投資というところに原因があるのでありまするから、それ自体を押えていくということになりましたら、その面で十分輸入が自然に――私は輸入を抑えるとか、為替を抑えるとかいうのは末であって、その根本の原因である過剰投資というものを押えていけば、自然に輸入も減っていく。原材料につきましては、ただいまおそらく相当ストックがあると思います。しかしそのストックも、国内消費に使われるストックと、輸出に使われるストックと、こうあります。輸出に使われるストックについては、十分補給していいのじゃないか。それで、国内消費の過剰投資に使われるような分は、ある程度抑えていくというようなことにすれば、今後におきましてもそんなに輸入をふやさなければまかなえぬというものはないのでありまするし、またその根本を抑えていくということを常に考えていけば、私は収支の面においては十分無理のない姿で黒字を出していける、かように考えております。
  41. 岡三郎

    ○岡三郎君 そうすると、今抽象的な話をしているが、あとで具体的にこれは話を伺わなければならぬと思うのですが、在庫輸入原材料、これが、輸入も大体今のところは相当きびしい制限によってなされているわけですが、将来ややもすれば、結局輸入の削減というものが延長されていけば、逆に在庫の原材料の値上りという面も相当思惑的に考えられてくる面もあると思う。そういう面についてはどう考えておられますか。
  42. 前尾繁三郎

    国務大臣(前尾繁三郎君) 私は、先ほど来申し上げておりますようにもとをやっぱり押えなければいかぬ。それで実をいいますと、今までのいき方でもって多少違った方向で行き過ぎたのじゃないかと思いますのは、もとを抑えずに為替の面で、あるいはそれは野放図にしてきている。また、現在もややもすると為替の面だけでいろいろ抑えていくという考えがあります。しかし、それは本末を転倒しているものであって、そのもとを考えて、それが輸出に使われるものでありましたら、あくまでも輸入さしていくべきものだ。国内で消費するものについては、まあ現在私は、消費はそれほど大きくなっておりません、また、御承知のように消費財はそれほど上っておらぬのを見ましても、消費が非常にうわついておるというところまで行っておるとは思いませんが、ただいま申し上げましたように投資の面において行き過ぎておる、それに使われる資材は極力また重点的に考えていく、かように考えております。
  43. 岡三郎

    ○岡三郎君 もう一点、大体今の調子でいくと心配がないようですが、これはもう少しあとで具体的に別の機会に譲るとして、もう一点は日ソ通商協定の問題ですが、日ソの国交回復がなされて相当日月がたっておりますが、日ソ貿易の拡大という点について、これは明確に出されてないわけです。通産省としてこの日ソ貿易についての見解並びに見通しですね、こういった点について一つ方針といいますか、その具体的な見通し、こういったものを一つ説明願いたいと思う。
  44. 前尾繁三郎

    国務大臣(前尾繁三郎君) 日ソ貿易の問題に関しましては、当然国交回復に伴って今後拡大していかなければなりません。ただ、政治的にはいろいろほかの問題もあって困難だと思いまするし、またレートの問題とか、いろいろな問題があるのでありまするが、現在調査団を派遣いたしまして、いろいろ事情を調べて帰って参りますので、それらをいろいろ調査の上立案して具体的に振興をはかりたいと、かように考えております。
  45. 岡三郎

    ○岡三郎君 もう少しその見通し……、調査団が帰って来て、それからやをらやるというのではあまりにものんきに失すると思うのです。特に裏日本の方は、一体政府は何をしているのだ、中共貿易の問題についても指紋問題でごたごたしているが、日ソの国交回復というのはあれはやっぱりなんというのか、やりたくないけれどもやった、そういう点もあるのでしょうが、事ここに至って何を考えておるのかという声が相当あると思う。だから視察団といっても、これは帰って来るでしょうが、それに伴ってというふうな考え方ではなくて、要するにもう少し通産行政として貿易の拡大という点についてこうだというふうな一つ方針というか、具体策というか、そういうものがやはり立案されつつ振興されておるのじゃないかと思うのですが、もっと逆に言えば、じゃ一体今言われたように隘路は何だ、やりにくいのは何という点か、やっぱり先ほど相馬君が言われたように思想の問題でないので、もうける方法というものは実際ないのかどうか。通商を拡大していくという方式が私はやはりあると思うのだが、その隘路は何だ、その隘路はこういうふうに具体的に解消させて、大体何月を目途としてこういう取りきめに入りたいというふうなお答えをいただきたいのですが、どうも中途半端なあいまいな答えでは困るのですが、何とかもう少し前尾通産大臣、はっきりしてもらいたい。
  46. 前尾繁三郎

    国務大臣(前尾繁三郎君) すでに協定はなくても一応はやっておるわけでありますが、協定ということになりますと、いろいろな問題があると思います。従ってただいま直ちに私が何カ月後にはどういう話し合いがつくというところまで申し上げることは、もちろん微力にしてできないのでありますが、極力振興するということだけは申し上げられると思います。
  47. 岡三郎

    ○岡三郎君 それでは私は大臣としての答弁にはならぬと思うのですよ。だれか官房長か何かおるのでしょうけれども、もう少し具体的に言ってもらわんと、どういう点に隘路があるという点については私たちは少々知っておりますが、もう少し具体的に、こういうわけなんだと親切にもう少し御答弁願いたいと思うのですが、大臣が工合が悪かったらどなたでもかまわぬですが……通産省は外務省におまかせきりですか。
  48. 松尾泰一郎

    ○説明員(松尾泰一郎君) 通商局長ですが、ちょっと補足してお答えを申し上げます。日ソの通商協定につきましては、通商増進という点からいきますれば、一日も早くやった方がいいことは御説の通りでありまして、ただ、問題はソ連という国がああいう国柄でございますので、たとえば例をあげますれば、輸入関税にいたしましても、あるいはまた最恵国待遇的な取扱いにいたしましても、はっきりしない点が非常に多いのであります。従いまして、ただ単に通商協定やあるいは条約的なものを作るといいましても、いろいろ研究に研究を重ねなければいかんということで、先般も調査団が出まして、調査団が目下帰ってきておりますので、調査の内容をまとめ検討をしておるわけであります。われわれ事務の方といたしましては、何とか早くやりたいということで、まだ案を実は調整しておるような段階であります。大臣が申されましたように、早くやりたいという熱意においては変りはないのでありますが、普通の国と違いまして、万事がわかりにくい国であります。こちらも準備に間がかかっておるということは、偽わらざる実情であります。できるだけ早くやろうと準備を急いでおります。
  49. 岡三郎

    ○岡三郎君 どうも通商局長がそんなことでは私は困ると思うのだが、万事わかりにくいということより、わかろうとしないのじゃないか、こう言うと失言かもしれぬが、実際問題として決済の問題はいろいろむずかしいというなら、決済の問題はもうちょっとラフにしておいて、方法としてもう少し積極的に政府の方で出れば打開の方法があるのじゃないかということを、地元では言っているわけです。要するにバーターでも何でも今やっておるやつを、もう少し積極的にやろうとすれば、政府として一歩を踏み切ってくれれば現実の問題が展開するのだ、何から何まで話がすっかりわかってやるということになれば、今の状態ではまず一年たっても……鳩山さんやめてからもうずいぶんになるのですが、大体の見通しはせめてどのくらいまでには何とか見当つけたいということが言えなければ、今言ったように収支決済の問題は非常にむずかしいのだが、こういうふうにさらに拡大してやりたいという方式がないのですか、なければないでこれはやむを得ないと思う。
  50. 松尾泰一郎

    ○説明員(松尾泰一郎君) ただいまも申し上げましたように、鋭意準備いたしておるのであります。従って今からこういう案でという手のうちを示すことは差し控えております。われわれといたしましてはかなり準備もできて参りましたので、近く上司の決裁を得て、できるだけ早くやりたい、こういうふうに考えております。その辺の内部のことにつきましては、かなり技術的な問題もありますので、われわれの誠意を買っていただいて、しばらくおまかせ願っておかれる方がよかろうかと思います。
  51. 岡三郎

    ○岡三郎君 ずいぶんばかにした答弁で、片りんだにうかがわせないで、われわれにまかせておけと言ったって、これはまかせておくのもけっこうだが、手のうちがあるようだから、その手のうちをそのうち拝見するのもいいのだが、大体昭和三十二年度中には目鼻をつけたいと、こういうことでしょうね、どういうことなんですか、近いうちに決裁を求めたいというのだから……。
  52. 松尾泰一郎

    ○説明員(松尾泰一郎君) われわれといたしましては、ごく近々のうちにでもというつもりで用意をいたしております。
  53. 岡三郎

    ○岡三郎君 近々というとその原案ができているのですか。
  54. 松尾泰一郎

    ○説明員(松尾泰一郎君) まだ最終的に大臣にお話する段階に至っておりませんが、かなりのところまで進んでおります。
  55. 岡三郎

    ○岡三郎君 かなりのところまで進んでおれば……大体中を見せてくれと言ったって見せないでしょうが、いつごろ完了するのですか。
  56. 松尾泰一郎

    ○説明員(松尾泰一郎君) それは一つおまかせを願いたいと思います。
  57. 岡三郎

    ○岡三郎君 これはちょっとよく考えてみれば、ばかにしたような話で、まあ国交回復して事実上なかなかむつかしい問題があるでしょう、あるでしょうが、とにかく正常なる国交が回復されておるんだと、だからその次に来るのは通商協定の問題、通商協定の問題がむつかしければ、その前にこういうふうにやってゆきたいというふうな具体的な方式というものを出して、そうして待望しておる人々を勇気づけるというか、裏日本の方は総体的に対岸貿易ができないで参っておるというのが実情だと思うんです、そういうふうな面から早く何とかしてもらいたいという声は非常に強い声なんです、非常に強い声です。これに対して政府当局、特に通商産業省はこたえなければいかんと思う。ただそのうちにおいて具体的にこうだというふうにやはり具体的に指導し、そうしてその内容についてもでき得る限り知らしていかなければいかんと思う。なかなか向うはむつかしい相手だからなかなか手のうちは見せぬということで、逆に曲解すれば、まだ何もできていないんじゃないかというふうにとられても私はやむを得ないと思うんですよ。いつごろまでにやるということもおまかせ願いたい、それは一体どういうことなんです、もう少し具体的に言ってもらわなければ困ると思う。
  58. 前尾繁三郎

    国務大臣(前尾繁三郎君) ただいま通商局長が答弁いたしておりますように、まかせるという意味でなしに極力早くやる、それもそんな遠い先ではなしに近々にやるということを申し上げておるので、ちょっとまかせてほしいというのは、私は言葉が少し足りないんじゃないかと思いますが、そういう意味で御了承を願いたいと思います。
  59. 岡三郎

    ○岡三郎君 もうこれ以上言いませんがね、くどくどと言いますがね、非常に待望しているんです、何とか早く、何とか全部が目鼻がつかなくても方法をもっと具体的に指導してもらいたい、そうしてそれによって商売が何とかできるように、一ぺんにこううまくはいかぬでしょうが、ともかくそういうことで待望しておるわけなんです。これに対してまあ松尾さんの方でまかしてもらいたいということで大臣からちょっと補足説明があったので、それはおまかせしましょう、しましょうが、この問題はこれからしょっちゅう質問しますから、近々にやるという言葉を信用しておまかせするわけですから、一つ具体的にその方向が打ち出されるように、外務省だけにおまかせするのではなくて通産省も一つ積極的に打開の方向に出てもらいたい、これを一つ強く要請しておきます。他にもありますが、私ばかり言うても何ですからちょっと控えます。
  60. 阿部竹松

    ○阿部竹松君 通産大臣に二、三お伺いいたします。大臣がおかわりになりましたので、同じ自民党の内閣であっても顔が違うように若干違って政策も打ち出されるというように考えて参ったわけですけれども、しかし、最前からの大臣のお話では、水田前通産大臣の見通しと変りません、国内状態においてもしかり、あるいはまた国際収支においてもしかり。こういうことになりますと、私たちは前国会において百五十日間のうちに百二時間も費やして財政投融資でもあらゆる企業の面でもこういう法律はこう作って、開発銀行からどれだけ出して大蔵省預金部からどれだけ出してと、こういうことで幾多の法律を作ったわけでございまして、そうして法律に伴って予算をきめたにもかかわらず六月十八日の閣議においてもうこれらのルールには反してはおらぬでしょうが、一五%の天引きをやってしまった、銀行の金利を引き上げてしまった、この最たる理由をお伺いしたいんですがね、もちろんこれは国会ルールには反しないでしょう、しかし政治家として、政治を行う者の責任として一体どこに責任があるかということをお伺いいたします。そういうことでなければ、われわれが論議をして国会で決定して、あなたは国民協力を得ればと、こういうお話が最前の答弁の中にあったようですが、国民政府の政策に賛成して行動して、しかしその責任を国民に着せて、そうして論ずるとはとんでもない話であるというように考えるのですが、何のために一五%の財政投融資の削減あるいは銀行の金利の引き上げ、こういうことをやらなければならなかったか、これは池田さんがもう手放しの楽観論で、水田通産大臣もその通りでありまして、あなたにお話をお伺いすると、十月になったら平常に復する、こういうお話ですから、しからば六月十八日の閣議決定というものはもう何ら措置を講じなくてもよかったものを講じて国民をまどわせておるのではないか、こういうことになるので、そのあたり一つ明確に承わりたいと思います。
  61. 前尾繁三郎

    国務大臣(前尾繁三郎君) 実は先ほど来申し上げておりますことは、金利の引き上げをやらなければならぬのは過剰投資にあったことを申し上げておるのであります。しかもその民間の過剰投資が昨年の金融が非常に緩慢でありました当時の考え方が尾を引きまして、あまりにも過剰投資になり過ぎた、これは先ほど来申し上げましたように、財政投融資の面でそんなに大きな、できれば急激に変化を与えずにいきたいと、かように考えておるのでありまするが、やはり政府としましても過剰投資、民間の過剰投資を押えますためには一応遠慮するというのがわれわれの行き方であろうという意味でありまして、従いまして一五%とは一応申しておりますが、その内容につきましては、事の違いますにつきまして、また重点の置き方に従いまして、いろいろと工夫をしてそうしてあまり最初の考えておりましたものと違わぬような姿でいきたいというふうに考えてやっておるのでありまして、その点におきましてはそんなに大きな食い違いがあるわけではないと思います。ただ私は先ほど来から申し上げておりますのは、民間の方々の協力を得たいということでありまして、責任を民間の人になするというような考えで申し上げておるのではありません。あるいはもちろん政府にも相当な責任があったかと思います。その点はむろん改めなければなりません。ただ国会で御承認を願いましたにつきましては、これは相当な理由もあったし、また今後におきましても、もとより取りやめというのではなしに繰り延べでありますし、また最初申し上げておりましたいろいろな計画の実態については、そんなに違わない姿で進行していきたい、ことに重点産業なり隘路産業につきましては、たゆまざる努力ということが必要でありまして、ここでばったりとやめるというようなことになりましたら、今後二年、三年後にその影響が現われてくるのでありますから、そういうようなことのないようにやっていきたい、かように考えておるわけであります。
  62. 阿部竹松

    ○阿部竹松君 繰り延べであるという御答弁ですが、七百九十九億の繰り延べですから、もちろんその中に百五十億の中小企業の分も入りますけれども、とにかく七百九十九億の繰り延べですから、その繰り延べということになれば、一体ただ今年中に今すぐやるということをやめて来年度に回すものか、それとも本年度の下半期に回すのか、それをお伺いしたいと思うわけですが、そこで国会を終ってたった半月たたないうちに七百九十九億もとにかく繰り延べなければならなかったという、こういう見通しについて通産大臣は一体どう考えるかということをお伺いしたいわけです。これはもう非常に国際収支の点についても、国内の経済状態においても赤信号を出したのはわれわれ社会党であって、これは通産大臣に国会の会議録を持ってきて朗読して聞かせてあげれば一番わかるのです。そのときはあなた方は何ともおっしゃらなかった、おっしゃるどころか、どんどん輸入超過になるけれども、金で持っているか品物で持っているか二つのうちの一つであって、品物で持っておるから何でもないと、これは前大蔵大臣が明確に言っておるのであります。それにもかかわらず、一カ月もたたないうちに七百九十九億も繰り延べして、繰り延べであるから何でもないというようなことで、ぬけねけと政策をそのつどそのつど出たところ勝負で変更されるということであれば、これは大問題であります。これはわれわれがいかにここで論議しても、政府行政権によって違法でないから一方的にやられたのでは、何のために論議するのかわからぬ、こういう点を明確に答弁してもらいたい。もちろんこれはお尋ねするのは総理大臣になるかもしれませんけれども、あなたも国務大臣だからどういうふうにしてこれを解決するかということを明確にお伺いしたいということが一つと。  もう一つは、これは単なるうわさにすぎないかもしれませんけれども、今の一五%の繰り延べですが、これが二〇%やるとか、二五%やらなければならぬという話を私も聞いている。こういうことがあるかないか、こういう点についても、明確に一つ御答弁を願いたいと思います。
  63. 前尾繁三郎

    国務大臣(前尾繁三郎君) 財政投融資の関係は、私は何も法律論を振り回すのではありませんが、一方ではまた資金を集めるという関係があります。従って最初の計画、これはあくまで計画でありまして、一歩も動かせないものだとわれわれは法律上考えておりません。しかし道義的に、おっしゃる通り、あくまで国会で申し上げた点は、それに極力合わしていくのが当然の義務だと思います。従いまして、現在におきましても、一五%と申しておりますが、あるいはただいま申し上げましたように、重点産業によっていろいろ違うのでございまして、重要な問題につきましては、極力まあ繰り延べをやらぬようにということでやっておりまして、実際のところ一割繰り延べをやりましても、あるいはもちろん年度を越すかとも思います。年度を越しましても、近い機会には、おそらくそれが四月になるか、五月になるか、それは時期の変更というものでありますので、その点は極力道義的責任に従って努力をしていくという点は御了承願いたいと思うのであります。  それからもう一つは何でしたか。
  64. 阿部竹松

    ○阿部竹松君 一五%の繰り延べをやっているのですがね。その二〇の繰り延べをやるとか、二五%の繰り延べをやるというお話が出ているが、あくまで一五%の線を堅持するか、こういうことです。
  65. 前尾繁三郎

    国務大臣(前尾繁三郎君) その点につきましては、私どもは決してそういうことを考えておりません。二〇%にこれをさらに増す、あるいはさらに二五%にするというようなことは、まあ絶対に考えていないといって申し上げていいくらい考えていないのであります。ただ御承知のように、財政資金におきましてはそうでありましても、民間資金におきましては、銀行に金が、貯蓄が、予定通りにいかぬというような事態が起りますと、あるいは結果としてそういう問題が起るかとも思います。しかしそれは極力そういうことのないように、十分貯蓄の推進もやり、予定の計画はしっかりやっていきたいというふうにいたしたいと思いますので、われわれの方からただいま二〇%にする、二五%にするというような考えは一つも持っておりません。
  66. 阿部竹松

    ○阿部竹松君 そうしますと、あれですね。通産大臣も御承知の通り、あらゆる企業が一五%のとにかく繰り延べによって投資計画を変更しているわけです。従いまして、その大企業の変更が中小企業に相当影響している。ここでけんけんごうごうと論議している中にも、中小企業はもう金詰まりのために、倒産している個所もあるわけであります。かような状態を通産大臣はよく御承知だと思うのでありますが、これに対しての対策ですね、三つか四つあげられているようですが、これだけで中小企業対策というものが万全なりや否や。もし万全でないということであれば、どういうことをお考えになっているかということが、まず第一点と。それから輸入輸出ですね。輸入においては大体二千万ドル、輸出においては、計画より二千万ドル、これは上げ下げで四千万ドルの計画が遂行されないという話を聞いているのですが、さいぜんの通産大臣のお話では、大体予定通りいっておるというようなお話ですが、それは事実ですか、その点を一つお伺いいたします。
  67. 前尾繁三郎

    国務大臣(前尾繁三郎君) 輸出入の関係におきまして、輸出の関係におきましては、これは予定通りいっておる。輸入の面は押えておりますが、輸出におきましては、先ほど来申しております二十八億ドルという線は、実際問題としていっておる。実はさらにもう一億ドルもふやすことをどうするかということをわれわれいろいろと対策を考えておるような状況であります。さらに先ほどのお話のように、中小企業につきましては、パイプはとにかく一応引いたわけであります。また実態を申し上げますと、今大企業からだんだんしわ寄せがいっておりますが、消費の面は、昨年よりは売り上げも多いくらいでありまして、ほんとうの中小企業には、むしろまたしわ寄せが少しずれておるようで、従って中小企業金融公庫なり、あるいは国民金融公庫の貸し出しの申し入れも、まだそんなにありません。従ってただいますぐ、現在回しております資金をふやさなければならぬという状態にはありません。しかし今後どういうふうに推移するかに従って、実情に応じた対策を考え、資金量も増していきたい、こういうふうに考えております。
  68. 阿部竹松

    ○阿部竹松君 その中金なり金融公庫が、貸金の申し入れが少いということは、私の方の聞いておるのと全く反対でありまして、通産大臣の御答弁のようであれば、非常にけっこうだと思います。しかし私の聞いておるのは、通産大臣の御答弁と全く逆なことを承わっておるので、まあ非常に心配しておるわけですが、その通りであれば非常にけっこうなことで、何をか言わんであります。  そこで最後にもう一点お伺いするわけですが、大体今、通産大臣が、輸出でもう一億ふやしたい、努力しておるということで、これも三つか四つの案をこしらえて計画を立てているということも新聞に出ております。しかしながら経済雑誌とか、経済評論家は、全然これは絵に書いたぼたもちであるという極論さえ断定し、下しておることもあるわけで、これについて実際に御答弁の通りにスムーズにいくものかどうかということをまず第一にお伺いしたいのと同時に、もう一つ中小企業の問題ですが、この金融公庫とか、銀行関係の貸金ばかりでなく、大手の企業もストップになったので、大手会社といえども、経理は黒字であるけれども、金繰りがつかぬという実態もあるわけでございまして、この影響は何らないものかどうかということをお伺いしておきたいと思います。
  69. 前尾繁三郎

    国務大臣(前尾繁三郎君) 私どもは決して絵に書いたぼたもちなんかを、評論家と違いますので、絶対にそういう考えでやっているものでありません。ほんとうに地についた考え方で、従って大きなこともいいません。この場限りでありましたらば、二億ドルとも三億ドルともいいたいところでありますが、一億ドルでも多くやっていきたい。まあそこらの目安を今後一億ドルというところに置いて対策を考えていこうということでありますので、御了承願いたいと思います。  また中小企業の問題につきましても、まあただいま大手筋がたしかに困っておるのであります。ただ、ただいま申し上げましたように、全般的に引き締めていかなけばれなりませんので、いろいろ時期的にずれる面、あるいはまた金融引き締めばかりでなしに、過剰生産からくる面、いろいろな原因があると思う。それを具体的にやっていきませんと、ただ金融で、整理をせずにこのままいけということになりましたのでは、緊急対策というものは意味をなしません。従ってその実情々々を、具体的にその原因を探求して、そうして救うべきものは救い、また整理していくものは整理していくということに、具体的にしていかなければならぬ、かように考えております。
  70. 阿部竹松

    ○阿部竹松君 そうすると、今まで御質問したそれぞれの件については、あまり心配ない、こういう結論が出そうですが、手形交換所においては、神武以来の、割引件数もそうであるけれども、不渡り件数も神武以来の件数であるというようなことが明確にわかっておるわけなんですが、この点は何らか手を打つとか何とかないんですか。ただ放任しておいて、自然とその他の政策を遂行する中で解決される、こういう御見解ですか。
  71. 前尾繁三郎

    国務大臣(前尾繁三郎君) ただいま申し上げましたように、不渡りを全然出さなくていくということになりますと、整理されるものは整理されないということになりますので、先ほどお話のありましたように、黒字倒産というようなことは、これはもう極力避けなければなりません。そういうようなものについては、具体的にやっていくということでなければなりませんが、それがどこに原因しておるかということを考えずに、ただ、ただいまの金融引き締めだけで、それをゆるめれば救済するということになりますれば、それは緊急対策の根本趣旨をもう破壊してしまって、国際収支も何もかまわぬと、こういうことになってしまうのでありまして、その面はあくまで推進していきますが、他の面から起っておるものに対しては、他の面の救済策を考えていくということにしていきたいと思うのであります。
  72. 西川彌平治

    ○西川彌平治君 一つだけ伺っておきたいと思いますが、昨年来、重要産業であります製鉄、すなわち鉄鋼ですね、鉄鋼が非常に値上りをいたしましたために、昨年はかなり業者が影響を受け、その鉄材を使ってやりましたいわゆる諸工業が非常な影響を受けておることは御承知の通りでありますが、それが最近の状態は、もうぐんぐんと鉄鋼が値下りをいたしまして、最高と現在では、約半値に近い値段が現われておるのでございます。それでその前年度に利益のあったのは、安い材料を持っておりましたのが、いわゆる材料が値上りをいたしたために、かなりの利益を各工場において得ておるのでありますが、その鉄材が上ったと同時に、やはり工場におけるストック材料を必要といたします高い材料を買いつけておる。この高い材料が、今日いわゆる安い市場価格になっておるのに、高い材料を使って製品を作っておる。そのできた製品が、今のいわゆる鋼材の値段で売りさばかれておりまするので、今度は逆に大きな損失をしておるというような状況が今日の現状でございますが、ずっと以前に、鉄鋼需給調整といいますか、需給安定法といいますか、そういうような法律政府は作ろうというようなことで、かなり考えたことがあるやに私は聞いておるのでありますが、こういうふうに半年、一年の間に倍も違う、しかもそれが国の重要産業の重要物資の一つであるところの鉄鋼においてさような相場の変動があるということは、これはゆゆしき問題でありますが、この鉄鋼の需給の安定法と申しますか、調整法といいますか、そういう法律を出すところの今お考えかありますかないかということをちょっと伺っておきたい。
  73. 前尾繁三郎

    国務大臣(前尾繁三郎君) 鉄鋼につきましては、昨年非常に高値になりました、輸入をして補給しましたところが、こういう事態になった、しかも非常な今度は値下りのひどい状態になってきております。これに対しては何らか考えなきゃならぬということは事実であります。ただ値上りをして、ストックでまあ利益が上る、またそれに応じて今度は値下りして損失があって、そこでとんとんならばこれもやむを得ぬというようなことにもなろうかと思いますが、その辺のもう少し実態を、今いろいろ調査してもらっております。しかし、いずれにいたしましても、私は鉄鋼は、輸出が順調に伸びていくのでありましたら、過剰生産だったとは私も考えておりません。むしろ昨年度は非常に少な過ぎた。ところがいろいろビルディングの計画でも、ずいぶん大きな数字で計画があったように、集計をいたしますとなっているようであります。それでは、この際としては不要不急のものはやめてもらうということになりましたから、それらの需要がなくなった場合に、正常な姿としてどの程度必要であるかということは、別個にまた調査してみなければわかりません。それでなおかつ過剰生産ということでありましたら、何らかの方法によって生産を自粛してもらうということにはしなければならぬと思いますが、ただいまお話の需給安定法というものを直ちに作るかどうかということにつきましては、私お答えをすることができません。いずれにしましても、現在輸出という問題を中心にして今後安定していき、また増産していかなければなりません。その方向で検討した上で、必要があるということになりましたら、私は勇敢にやってみたいと思います。
  74. 西川彌平治

    ○西川彌平治君 いま一つ伺っておきますが、一昨年でございましたか、材料がかなり払底をいたしましたときに、外国からの輸入を計画いたしましたのでございますが、そのときには、ほとんど計画をいたしました三分の一近くしか輸入ができなかったように私は記憶しているのであります。昨年度は、ああいうふうな非常な値上りに対処いたしまして、通産省におきましても、輸出はいたしておりますが、輸出をかなり減らすと同時に、輸入も多少いたしたはずでございます。特にスクラップ等に対しましては、かなり大量な輸入をいたしたと私は承知いたしておりますが、あの計画が――どうも前年度の輸入が船腹の関係か何の関係か知りませんが、非常にうまくいかなかったのだから、思い切って今度は一つよけいに輸入しようというような考え方が、逆にスムーズに輸入ができ過ぎたというような関係になっているのではないかと、私はまあ想像しているのでありますが、そうしてそのスクラップなどの処置に対しましても、この値下りに対しても、かなり困っているようなことをほのかに聞いているのでありますが、そういう事柄について、これはあまりこまかいことで、大臣にはもちろんおわかりにならぬことと思いますが、重工業局長が来ておりましたら、一つお知らせを願いたいと思いますが、来ておりませんか。
  75. 前尾繁三郎

    国務大臣(前尾繁三郎君) ただいま仰せのようなことは事実あったように私聞いております。またそれが事実だろうと思います。
  76. 近藤信一

    ○委員長(近藤信一君) 山本重工業課長、来ておりますか。
  77. 山木重信

    ○説明員(山木重信君) 私からかわって御説明申し上げます。  鋼材の輸入につきましては、昨年度需要供給の関係を計画いたしまして、年間大体百万トン程度足りなくなるというので、輸入を、下半期から緊急輸入をいたしたわけでございます。当時は鋼材の値上りが非常に激しかった関係もございまして、輸入できるものはほとんど無制限に入れるという方針をとったのでございますが、世界的に鋼材が不足をいたしておりました関係上、なかなか思うように入りません。で、外貨割当をいたしました約百万トンの数量に対しまして、実際に入りましたのは大体六十万トン見当でございました。当初の予定から見ますと、それだけ輸入の量はむしろ少かったのでございますが、その間に国内の基本的な政策の変更のために、需要の面で大きな変更があったために、最近になりまして若干荷もたれの状況が出ておるわけでございます。最近スクラップ、鋼材、銑鉄の輸入につきましては、新しい状態に即応いたしまして、できるだけ切れるものは切る、圧縮するという方針で処理をいたしております。
  78. 島清

    ○島清君 大臣にお伺いしたいのは、同僚の議員諸君からいろいろとまあ質問をされた問題に関連をするわけでありまするが、今阿部君が指摘しましたように、議会でいろいろと論議をして、半月もたたないうちに、政府からそういうふうな緊急対策を出さなければならなかったのだということに対して、政治責任をどうするのだという、まあ質問に対して、道義的の責任を、まあ大臣は十分にお認めになったわけでありまするが、私は大臣は、日本の経済は健康である、そして、その健康であるけれども、しかし腸カタルを起しているのだという、まあ一萬田やぶ医者の診断をそのまま言っておられるわけですが、私たちが日本の国策を運営いたしまする場合に、一体そういう腸カタルはだれが起したのだ。まま母が憎いばかりに、腸カタルを起して、そして下痢でもさせようというので、いろいろな腐ったものを食べさせて、腸カタルを起させたのか。それとも、不可抗力で、その腸カタルとしてはどうしても避けられなかったのかということを考えまする場合に、私はこの政策を立案した側の方に、腸カタルを起させた最大な原因があると思っているわけです。その意味においては、私たちは赤信号が、日本の国内においても在庫論争で有名でございましたが、もう論争も済んでおりまするから申し上げませんけれども、今もって大臣は、まあとにかく外貨が物に変っているのだからいいじゃないかというようなお考えのようで、これは論争も終りましたから、私は論議を繰り返したくはございませんけれども、とにかく腸カタルを起したのは、起させたのは、政策を立案いたしまする、私は時の政府であったということには間違いないと思うのです。さらにまた責任を追及いたしまするなら、その次には私は日銀だと思う。オーバー・ローンというものが出ておる、赤信号が出ておるのでありまするから、日銀。さらに民間銀行。さらに企業者である。企業者の諸君は、銀行の方に金を借りにいきゃ銀行は金を貸す、そこで銀行の方はまた自分の手持高がなければ日銀の方に借りにいく、それはもっとまた問い詰めていきますると、貨幣に対する私は信頼感が非常に薄れているところにも原因があると思う。いずれにいたしましても、そういったような、総合的な私は判断を誤まった最も一番の責任は、政府にあると思う。しかし私は予算委員会でもありませんので、政府の責任を今さら追及しようとは思ってはおりませんけれども、しからばこういう事態に対して、一体この外貨を物に変えて、今在庫しておるという連中は、これは一体中小企業であるのか。今阿部君が指摘されたように、不渡り手形を出しておりまするところの中小企業者の諸君であるかというと、中小企業者の諸君じゃない。神武景気を大企業の諸君は謳歌をしておりますが、そうして政府が笛、太鼓をたたいて大いに宣伝をいたしましたときに、それは多分に衆議院解散を予測されて選挙に臨もうという一連の党利的な政策もあったとは思いまするけれども、その当時も私たちは国内的にもまた世界的に見て赤信号が出ております、非常に危険であるということを私たちは指摘をいたしました。そこでこういったような緊急対策のこのしわ寄せが今中小企業に来ておるということを阿部君が指摘された。ところが大臣は、その中小企業の金融対策で自分は必ずしも阿部君と見解を同じうするものではない、こうおっしゃいましたけれども、それは大臣も私は実情を把握されなさすぎると思うのです。と申し上げまするのは、いろいろの中小企業の窓口の方に、金融窓口の方に押し寄せたというようないろいろの事情はあるかもしれませんけれども、今から中小企業を対象といたしまする金融を扱いまする方では需要に応じ切れない状態であります。一つの例を申し上げますると、中小企業庁でこの業態は健全である、もう少し援助してやれば健全に発展し伸びるものであるという認定のもとに融資をあっせんをしても、そういうものにすら融資が思うように回らないというような実情なんです。そこで私はその大臣に非常な期待を持っておりましたけれども、何か知らないけれども一本一つたがが抜けているのじゃないか、こういうような感じを持って一つ御答弁を拝聴したわけでありまして、冒頭のごあいさつにも、まあこれから勉強させてもらうのだということでございましたけれども、私はそういうごあいさつを額面通りそのまま受け取っておりません。多分に非常に遠慮して、謙虚なお気持からそういうごあいさつをされたとは思いまするけれども、しかし中小企業に関する限り、何も神武景気だと謳歌されても中小企業が少しも恩沢に浴しなかったということは、これはもう隠すことのない事実なんです。しかしながらこの緊急対策が中小企業にまたぞろしわ寄せになっておる。これを私は実情に即応した中小企業対策、なかんずく金融対策をやはり強力に推進をしてもらいたい、こう思うのですが、そこで大へん阿部君の御質問に対する御答弁に対して屋上屋をかけるような質問で恐縮でございまするけれども、もう一段と掘り下げてもらった形における中小企業の金融対策をもう一歩強力に推し進められる考え方はないかどうかということをお聞きしたいのです。  それからもう一点は、今ソビエトとの通商条約の問題が岡君から質問がありましたけれども、松尾君はまかしておけ、こういうことでしたが、私も岡君と同行いたしまして、裏日本でソビエトとの貿易を非常に待望される陳情に接したわけなんですよ。もちろんこれはおまかせをしなければならないことなんですけれども、しかし岡君は陳情を受けられてそうして御質問になったということを言っておられた。私もそうなんでございますけれども、岡君の質問に対して一体どこまでをいつごろまでに通産省の作業を終えてそうしてこれを門脇大使なら門脇大使の方に渡すなら渡して門脇大使はこの程度のことをやっているのだというような、内容的な問題じゃなくして時間的な問題をここでおっしゃることが日本のこの通商条約を結ぼうとする場合にどのような一体不利をもたらすか、これは私はわかりませんので、不利をもたらすということであればまかしておけという一言で、これはおまかせする以外にはないのですが、私の良識によりますというと、一体通産省の人がこの程度の作業をこの時間でやって、そうしてそれぞれのまた関係機関の方にもこうしたいと思うのだというようなことを一切おっしゃっても、私はいささかも不利になるようなことはないと、こういうふうに思っておるわけですが、そこではなはだ重複するようで恐縮ですけれども、ここで議員の質問に対する御答弁を不利になるからただまかしておけということだけで、不利になるからまかしておけとおっしゃるのですが、その不利になる点をお示しをいただきたいということ。  さらにもう一つは、中共貿易の問題でございますが、一億ドルくらい輸出のワクを広げたいとおっしゃるのでございますけれども、中共貿易には片道一億の輸出が期待できる、こういうことでありまして、岸内閣も発足当時から経済外交を推し進めて、経済外交を看板にされたわけですけれども、しかしながら中共に関する限りは、相馬君が申されたように、どうもおっしゃることと、実際実行されようとする面とは食い違っておる。露骨な言葉で申し上げますならば、羊頭を掲げて狗肉を売っているのじゃないかという感すら深くするのであります。そこでその原因がどの辺にあるかということを私たち検討してみまする場合に、何だか知らないけれども、ここではちょっと言いにくいことでございますけれども、中共貿易の先鞭をつけたのは社会党である、そこで社会党が中共貿易を非常に推進してきたので、ここらで一つ主導権を自民党の方としてとらなければならぬというような党利的な立場から、中共貿易に対しそういったような言うことと行うことがマッチしない面が出てきているのだ、というふうに、見てきたようなことを言う人もおるわけでありまして、私たちもそういったような情報が流れますというと、何だか知らないけれども実際行なっている面と比較いたしまして、特に真実性があるような気がするのであります。そこで大臣は中共貿易をもっと積極的に進めたいという決意を御披瀝になって、私たちも敬意を表するわけでありますけれども、公的な立場にそうとらわれないで、通産大臣としてそういうものを超越して強力に推進をされるもちろんお覚悟だと思いますけれども、もう一ぺんその決意のほどを承わりたい、こう思うわけです。
  79. 前尾繁三郎

    国務大臣(前尾繁三郎君) 第一点の、今回の緊急措置につきましては、またその緊急措置をとらなければならぬような事態の起りました原因につきましては、いろいろ責任はあると思います。しかし私は大腸カタルというよりも、知恵熱のようなものでありまして、おとなになり切らぬ子供の場合には、とかくからだに不相応な仕事をやる。これは各国におきましてもこういうことはしばしば経験をいたしておるのであります。ただ日本の先般の場合には、少し私はやはり手当がおそかったのではないかという感じを持っております。しかし結局においてやっております事柄自体が悪いのではなしに、自分のからだに合わぬ大きな過剰投資をやったということでありまして、また政府としましても、民間でそれだけの過剰投資をやっておるということは、現在統計その他が非常に不備でありますために、わかりますのは非常におくれてきておったということだと思います。従いまして結局において銀行にもそういう気持があり、また民間の投資家にもそういう気持が起り、また政府も税金が入りますので事業をやろう、こういうような格好になりまして、全体がそういうことになってしまった。従いましてこれは非常に今後の日本経済というものを考えます場合には、非常にいい参考になるかと思うのです。ただお話のように、私は中小企業にしわ寄せが当然起ってくるのでありまするし、中小企業者にとりましては非常に迷惑なことであります。ただ先ほど来申しておりますように、いろいろ現在政府がとって参りました施策について、おそらく金のつけ方が少いのじゃないかというおしかりをこうむると思います。その点は私も中小企業金融公庫なりの幹部の諸君といろいろ事情も聞き、あるいは先般開きました地方の通産局長の話も聞いてみますと、消費の面では昨年よりもふえておるのでありますので、まだそこらにはしわ寄せがそんなにきておらぬ、結局において中小企業の生産者だと思います。生産者の面におきましても第一次の下請業者あたりのところに一番強くただいまきております。最終の下請業者まではまだちょっと現在の段階ではきておらぬ、従ってただいままでとりました政府資金の政府関係機関に流しました金額が少いようにお考えだと思いまするが、ただいまのところは一応それで間に合うのじゃないかという意味で申し上げておるのでありまして、今後事態の推移に従いまして実情に合うように資金量も増していかなければならぬ、こういう意味で、先ほど申し上げておるようなわけなんであります。  それから第二のソビエトとの通商協定につきましては、おまかせを願いたいと通商局長が申し上げたのは、ちょっと言葉が少し適当でなかったと思います。極力、そう遠いことではなしに一日も早く成案を得て交渉に入りたいというのが真意でありまして、それをいたずらに引きずろうとか、あるいはそういうような考えはなしに申し上げておるわけなんです。ただおそらく外務省なりいろんな関係がありますので通商局長としてはそれらの点につきましてはいろいろ政府の関係も考えまして何日というような日にちを切ることはできないのでそういう表現を用いたのだと思います。私もまだ実は事情もよく聞いておりません。いついつというようなことはただいま申し上げるわけに参りません。極力推進して一日も早く交渉に入るということで本日はごかんべんを願いたいと思います。  それから中共貿易の問題につきましては、私は先ほど来申しておりまする通り、これは純粋な経済問題としてお互いに取り扱っていかなければならぬ問題だと思います。従って自民党が主導権をとろうとか、とるためにいろんなことを言っておるのだというようなことは全然私はないと思っておりまするし、またそんなことがあってはならぬと思っております。また社会党の皆さん方にお願いしておきたいのは、そういう考えではなしにやっぱり善隣国でありますのでそういう当然政治問題を離れてお互いの経済の発展には経済的にとにかく提携をしていかなければならぬ国でありましてそういうことを党派を超越してこの問題の解決に当るということを双方協力し合っていくようにくれぐれもお願いを申し上げておく次第です。
  80. 島清

    ○島清君 もう一点だけちょっとお伺いしておきたいと思います。緊急措置の中で石炭対策、これは繰り延べを除外したのだということでございましたが、これはやっぱり言われておりまする通りエネルギーの生産が日本の存在を左右する、こういうふうに言われております。われわれもそうだと信じております。そこで私は石油資源の開発も非常にこれはこの石炭と同様に緊急措置から除外してもよろしいのではないかと、こういうふうに考えておるわけなんでございまするけれども、その石油の――せっかく通産省が十八億の予算要求をいたしまして十五億のものが認められたわけですが、それで石油開発の力にやっぱりこれで一五%ですか、それの繰り延べが行われるということなんですが、この石炭と石油を区別されました理由ですね、ちょっとお聞かせをいただきたいと思うのであります。
  81. 前尾繁三郎

    国務大臣(前尾繁三郎君) 石炭につきましては御承知のようにここ二、三年前でありましたか、非常に不況時代がありまして、そうしてその間に実は遅延をしてしまったのであります。従って現在は逆に取り戻していかなければ予定の計画が進行しない、しかもこれはお互いに全部バランスをとりながら生産規模の方を考えてきておりますから、それがおくれてしまうということになりますと、総合的な面の計画がそごを来たすというような点がありますので、石炭につきましてはまあ特別の処置をいたしておるのでありまするが、石油資源については企業局次長から説明させていただきます。
  82. 樋詰誠明

    ○説明員(樋詰誠明君) 石炭につきましてはただいま大臣から申し上げましたように、むしろ過去においてもっともっと投資すべきだったというのが、いろいろな関係で投資できなかったということで、本年度も五千二百七十万トンということを一応石炭としては計画いたしておりますが、それを達成するということになるにはとても削減の余地なしということで、民間投資ではございますが、むしろより積極的にやっていただきたいということで削減しなかったわけでございます。  石油の方は、これは御承知のように今島先生から御指摘がありましたように、予算として十五億とるということで一応ついたわけでございますが、過般大蔵省の力から一億五千万、ちょうど一割削減ということの一方的な一応内示というようなものを通商局長は受けておるわけであります。しかしもしそういうことになりますと、大体今年度計画いたしておりますいろいろな試掘の関係で四十一本の試掘というものに対して七本程度は断念せざるを得ないということになりはしないか、そういうことであれば今御指摘のような総合的なエネルギー対策というものを確立する上におきましても非常に因るという点で、われわれといたしましては単に石油資源開発のみならず、それ以外の開発銀行の関係につきましても削減をあのままとてものめないということで大蔵省にすぐ意見を申し述べ、そうしてさらに今後も復活ということについては強力に押していくということをやりたいというふうに考えておりますので、一応この前石炭は切らなかった、切らないというのは一応民間投資についてほかの分については重要産業部門では平均一一%程度の投資をなるべく援助していただく、そのかわり残りの分についてはできるだけ緊要度の高いものを確保するということでやったわけでございます。石油につきましてはこの前の資金審議会の範囲外という面で、一億五千万切られておるということで、それは政府間の交渉でできるだけ復活するように通産省では努力していく、こういうふうに考えております。
  83. 海野三朗

    ○海野三朗君 先ほどちょっと口を出したんですが、このバナナの割当について人口割、すなわち外貨資金の適正なる割当実施というものは、バナナの価格の低廉と安定せる価格形式に必要なことと思われるが、政府はどういうふうにしていかれるお考えであるか、過日商工委員会においてこの適正割当についての請願が与野党一致して通過したのであります。それに対して通産当局はどういうふうにそれをお考えであるか、それを承わりたい。
  84. 松尾泰一郎

    ○説明員(松尾泰一郎君) バナナの割当の方法といたしましては人口割を加味すべしという御意見につきましては、かねてから先生方並びに業界の方からも強い要望を受けておるのでありますが、何分このバナナの割当につきましてはいろいろと複雑な経緯もありまして、現在のところは輸入業者、それから加工業者というものに、前者に対しましてはまあ大体七割五分、加工業者につきましては二割五分というふうな基準が前の期から設定されて今日までに来ているというような状況でございます。その大きな割当の方針につきましては、これもいろいろ議論はあろうかと思うのであります。それぞれの業界からはれそれぞれの部門についてふやすようにというふうな強い要望も実は参っておるわけでありますが、なかなか根本的な改正をいたすめども実はございませんので、まあいろいろの経緯もございまして今日までに来ましたこの原則につきましては踏襲をするのがいいのではなかろうか、ただその大ワクの中におきまして不合理の点がありますれば若干修正をして参りたいというふうに考えておるわけでございます。人口割の点につきましても従来のこの加工業者に対します割当の中におきまして若干部分につきましてそういう思想を導入してはどうだろうかということで、実は流通関係の責任官庁であります農林省と話し合いをしているわけであります。まだ最終的の結論を得てはおりませんが、今のところ私の気持といたしましては、農林当局が了解してくれるならば一部そういう考え方を導入してもいいのではないかというふうに考えておるような次第でございます。
  85. 海野三朗

    ○海野三朗君 ただいまの局長のその、一部というのはどれくらいですか。それを一つお伺いしたいことと……。
  86. 松尾泰一郎

    ○説明員(松尾泰一郎君) 今私の方の案といたしましては三分の一程度はどうであろうかというように考えております。
  87. 海野三朗

    ○海野三朗君 四分の一のうちの三分の一でありますか。
  88. 松尾泰一郎

    ○説明員(松尾泰一郎君) その加工業者に対する割当の三分の一ということになりますので、結局四分の一の三分の一というふうになると思います。
  89. 海野三朗

    ○海野三朗君 それでは私もう少しくわしくこれは聞かなければならない。この人口割当にしてくれという意味は、この適正なる割当をせいということなんです。で、その請願が通っておるのに行政府の人たち――あなたが、その議会の与野党一致して通過したその請願の趣旨にあなたは沿わないのですか、どうですか。今までのあり方はね、どうもそこに釈然としない――つまりこの大都市に集中しておる特定業者が割当を独占して、マージンやこの加工賃を加算するからして、地方にいくときにはバナナは高くなっている、それで値段が高くなっておる、そういうことを一般の世論でもあり、業者が考えてなるべくこれを安く地方の人にも食べさしてやろうと、こういうふうに考えて願い出たわけであります。ところがこの前樋詰君の話でありましたか、バナナはぜいたく品だというようなお話もあったけれども、決して――ぜいたく品にでっち上げたのは政府でありまして、政府のやり方がいけないからぜいたく品みたいに高くなっていく。お金を持っておる者でなければ食べられぬということになる。そういうことがあるので、理由を具して請願を出しておるのにこの理由がおわかりにならないのであるかどうか。ただその三分の一という、何ゆえにこちらの請願の趣旨に沿うことができないのでありますか。まず局長のほんとうの率直なる私は信念を聞きたい。
  90. 松尾泰一郎

    ○説明員(松尾泰一郎君) この人口割という問題につきましては議論をいたしますとまあいろいろ議論があるわけであります。まあ御存じのようにバナナをいなかの人々に安く食べてもらうという趣旨はまことにけっこうかと思うのでありますが、この貿易取引というものは必ずしもいなかでやれるものでもないわけでありまして――やれる場合もあろうかと思いますが、一般に為替銀行があり、あるいは船着場である港で多く取引が行われるのはこれは貿易の実情なんであります。従いまして台湾から船が北海道にも、あるいは富山にも島根にも入るという性質のものではなしに、やはりその従来のルートによりまして関門とか阪神とか京浜という所にまあ着くわけなのでありまして、従いましてそこからその輸送をされる場合には何がしかやはり輸送賃がかかりましょうし、ダメッジも出るということになれば、若干こういうものの性質上値段の都会地よりも高くなるということは、これはやむを得ないかとも思うのでありまして、商品の流通といたしましては都会地の、あるいはその都会の周辺の工場でできましたものでもやはり流通面を通しましていなかにやはり流れて売られていくわけなんでありまして、問題はその価格がいなかと都会でどちらに消費力があるかという問題によって決定されるのでありまして、かりにその人口割で長野県あるいはその他の県にやった場合に果してそこに行くか行かぬかという問題、これは確保するすべは実はないわけなんでありますが、まあ請願の趣旨もございますし、加工業者に対する割当については従来批判をすればまあ批判の余地もありまするので、この際この加工業者に対する割当を改正する際に一部そういう考え方を導入する方がまあ適当ではなかろうか、こういうふうに考えたわけでありまして、輸入業者も従来はこの輸入実績に依存をして生業を営んでおるのであります。これにまた大きな変化を与えるということもこれまた考えなければならぬわけでありますけれども、また輸入業者に割り当てましても価格の関係でこれはいなかにやはり流れていくこともあろうかとも思うのであります。流れないという現実はやはりいなかの購買力がないとか、消費の傾向から見まして需要がないとかということなんであります。まあ経済現象として考えるべきではないかと、感情的にこの府県の人口で割り当てたからその通りに物が流れるというこの保証はいかなるものもできないのではないかというふうないろいろ考え方からいたしまして、まあ根本的にはこの人口割で輸入物資を割当てるという例は過去においては実はないわけでありまして、われわれといたしましてはそういう制度は、この際導入することの可否につきまして根本的な議論をいたしますればいろいろ議論はあるのではありまするが、業界の強い要望もあり、請願の趣旨もありまして、この際一部そういう考え方をとらしていただいたならばどうだろうか、そういうふうに考えておるのであります。これまたおそらく加工業者方面からもかなり強い反対もあろうと思うのでありますが、なかなかこの割当というものは、すべての部門に満足していただくような方法は実はないわけでありますので、今度は新しい試みでもありますので、あまり大きい期待をかけていただくことも、これはほかに対する影響もありますのでいかがかというふうな配慮といいましょうか、今申しましたような考え方で進めていく、こういう実情でございます。
  91. 海野三朗

    ○海野三朗君 私は率直に言いますがね、請願を通過せしむるときには勝手にやったのではないのですよ。与野党議員が慎重審議をしてこれを通過せしめた。ところがその線に沿わないで、通産省は通産省としての考えがあるのだというお話でしょう、つまり。私は事非常に重大だと思う。あなたは国会を軽視するのですか。請願が通ったならばその請願をただうのみにしておるようなことではならないのだ。はっきりした責任のある態度でなければならない。これはいなかの方は売れないと思うからとか何とかという、そんなつべこべしたことを聞いておるのじゃないのだ。国会で通ったものはどの線に沿うてこれを実行せんとするものであるか、君たち公務員はどうなんだ。その決意を私は聞きたいと思う。のらくらしたことを聞いておるのじゃないのだ。国会を軽視しておるとしか私らは考えられない。請願をうかつに通したのじゃないのだ。それで、私はそのことについてはきょうまだはっきりしないから、重ねてまた明日もこれについては聞きますが、あなた自身はどうなんだ、一体。国会に出てきたときだけ、委員会だけ事なしに答弁しようというようなお考えではならない。あなたの御信念はどうなんです、一体。請願の通っておる趣旨はどうなんだ。
  92. 松尾泰一郎

    ○説明員(松尾泰一郎君) 請願に対しましては、われわれといたしましては極力尊重をする、こういう考え方であります。しかしながら、割当という問題は、いろいろ影響するところもありますし、また請願の趣旨も全部を人口割にしろというふうにはおっしゃっていないのだと、こういうふうに考えたのであります。ともかくそういう一つ観念を入れたらどうだというふうな御趣旨に拝聴したわけであります。従いまして、これは議論をすればいろいろ意見がありまして、内部にもあるわけでありますが、請願の次第もありますので、できるだけその線に沿おうということで努力をしたわけであります。決して請願の趣旨を無視したとは私は考えていないわけであります。
  93. 海野三朗

    ○海野三朗君 それは三分の一と言われたけれども、それは十二分の一になりますよ、全体から見ますれば。そんなことで請願をごまかして通りますか、それを言うのです。十二分の一ですよ、あなた。計算してみればわかる。三分の一なんてとんでもないことだ。私はそれをあなたに言っている。十二分の一ですよ。それっぱかりで全国四十何県に人口割いたしました、その線に沿いましたなんて言われますか。
  94. 相馬助治

    ○相馬助治君 私もそのことに関連して承わりたいと思うのですが、今海野委員が激怒されたのは、やはり十二分の一という数字に関連してだと思うのです。通商局長が言っておるように、当委員会請願として採択いたしたものは、業者代表の陳情もまたわがままなものではなくて、七五%の輸入業者に対する過去の実績はこれは尊重していい、しかしあとの二五%はさきに通産当局が説明したように、新規にバナナを扱わんとする者に与えたいわけなんだというならば、これは加工業者に与えるというよりは、この新規に扱う者という観念からいえば、これこそ新たにこれをやろうとする青果物を扱う者に与えるべきではないか。ただこれを与えるというても、割当のめどがないから府県別の人口割によるべきではないかという、こういう意味の請願を採択したわけです。これについては、実は与党の自民党のある議員のごときは、府県の青果業者に電報を発して、請願通った安心しろと言ったものですから、地方の八百屋さんは喜んであしたからバナナを扱えると思ったところが、何だ請願が通っただけかというので、いたく国会の権威を失墜したという笑えないような話もあるわけであります。必要とあらば、その自民党の代議士をここで列挙することも知っておりますが、そのことにしばらく触れないことにいたしまして、ここで通商局長に私が承わりたいと思うのは、この十二分の一というのは、これは何としても問題です。で、新しく請願の筋を通して、こうしてこの精神によって人口割をやるのだから、まずこの程度でがまんしろという、これはわかります。そしてその人口劇という精神をとろうとした通産当局の判断には私は一応の敬意を表しますが、ところが、新しくやるこの際に、十二分の一与えておいて逐次これを増すことができるなどという性質のものではない。オール・アカウントでもって、総体はきまっておる。七五%はこれもきまっておる。あとの二五%を一体通産当局の言明の筋通りにすれば、何人に与えるのが正しいのかという、こういう観点になるのであって、本来十二分の一ぐらい与えるのならば、一つも与えない方が筋が通っておる。これは、府県別の割当なんかとんでもない。お前ら八百屋なんかに与えるのはとんでもないといってやらぬか、ないしはやるとするならば、もう少し考えなくてはならない。これを全然やらないというならば、全く請願精神を無視したのであって、私も怒り出すのだが、請願の趣旨を一応入れるというのだから、私はしばらくこのことはおくといたしまして、局長に伺いたいことは、一体この五月二十七日の通商局次長の樋詰君の私の質問に対する答弁によりますと、七五%程度は、過去の実績のある方々に実績に応じて割り当て、二五%は、それは今までバナナは扱っておられないが、新規にこれからバナナを扱うという方に対して割り当てるというのが私どもの方策でございます、そうしてこのことは、過去の実績者だけを優遇しこれを、輸入を認めまして、いわゆる権利の上にあぐらをかかせるということは適当でないという考慮から出ておるのでありますと、こう述べておる。まことに筋が通っておる。私は、こう考えるならば何のために加工業者に輸入の実績の割当なんかを与える必要があるのであるか。聞くところによると、現在加工業者の実績を調べて、これを外貨資金割当の基礎としていると聞いておりまするけれども、全くこれは筋が通らない。いよいよここで従前通りに二五%を全部加工業者にやるというならば、樋詰君のこの説明というものは、一体これこそ国会をばかにしている。私はここで静かに考えるのに、従前加工業者にも実績を与えていたからこれにも幾らか与えなくちゃならない、そこで通産当局も苦慮しているのでございますと言うならば話はわかるが、加工業者に与えた四分の一、すなわち二五%のうちから三分の一をさいて、海野委員の言うところの目くそくらいのものを与えて、そうして人口割当の精神にのっとった外貨割当をいたしたのであるというても、これは、この陳情した業者は今までなかったものを今度幾らかでももらったから、これは商人根性でいいと思うかもしらぬが、通産委員のわれわれはこんな筋の通らないことを聞いても、はいさようですかというわけには参らないので、私は局長にお尋ねしたいのですが、よもや十二分の一というものはコンクリートした数字じゃないと思うんです。海野さんの鋭い御質問に対して、数字を言わなければ海野さんが怒り出すというので、この辺でというか、腰だめで三分の一は出すと、こう言うたのであって、これはコンクリートされた数字じゃないと思うんですが、いかがでございますか。そうしてまた樋詰君のこの前の説明をどういうふうにお考えになりますか、承わりたいと思います。
  95. 松尾泰一郎

    ○説明員(松尾泰一郎君) この輸入割当の根本方針といたしましては、まず第一に、輸入秩序を確保するということ、それからいま一つは、権利の上にあぐらをかくことのないようにということが根本の原則であろうと思うんです。そこで権利の上にあぐらをかかせないという意味におきまして新規業者を考えるということを前の次長である樋詰君が申したのであります。樋詰君にもその当時の事情を聞いたのでありますが、樋詰君は原則を申しましたので、そういう精神でもって、この前の二割五分というものを新規業者である加工業者に実は与えたのである。しかしながら、与える過程におきまして、時間的な余裕もなくて、必ずしも最善を期し得なかった。しかしながら、今日の段階におきましては、ほぼそういうふうな目的が達成されているんではないか、内部の不均衡という問題を是正していくのが当面の目標ではないかということでありまして、ほかの商品でもそうでございますが、新規業者の問題につきましては、いろいろの陳情があるわけでございます。われわれといたしましても、新規業者をある程度考えるということは、もちろん必要でありますが、これまた既存の業者との摩擦ということもありまして、非常に苦慮する問題であります。もともとバナナにつきましては、そういうふうな根本の問題からスタートいたしまして、現実の七割五分、二割五分というふうな点についても問題はあろうかと思うのでありますが、これまたそれぞれの部門におきまして強い増額しろという要求が熾烈なんでございます。従いまして、われわれといたしましては、前の日に、一応いろいろの理由でとられた率を採用して、若干今言われますような点を加味して内部の調整をいたすのが当面の策ではないか。この根本的な議論をいたすということになりますと相当時間もかかることでありますし、またこれは早急に実施をいたさなければならぬ問題でもありまするので、今のところは御不満もあろうかと思うのでありますが、先ほど申し上げましたような一つラインで御了承を願いたい、こう思うわけでございます。ちょうど季節も八月に入りまして、昨年度はいろいろの関係で半年分しか輸入の実施ができなかった状況であります。従いまして、全く台湾側と通商協定を交渉の最中でございまするが、ちょうどシーズンでもございますので、あまりこの根本論に時間を費すよりも、若干の手直しで実は早くやらしていただきたいというのがわれわれの事務当局の実は偽わらざる心境でありまして、これは議論をしかけますと、それぞれの部門からまたいろいろの議論が出まして、ほかの商品に例のありますように収拾のつかぬようなことに実はなるわけであります。その辺のところを一つごしんしゃく願いまして、先ほど申しましたようなところで何とぞ御了承を実は得たいのであります。
  96. 相馬助治

    ○相馬助治君 私の質問に対して十二分の一というものはコンクリートされておるかいないかという御答弁はないので、これは承わるとして、その前に局長の今のお話は肝心のときに局長がやはり公務で海外出張をやられていたので、あるいはおわかりにならないのじゃないかと思うのですが、非常に賢明な松尾局長の言葉とも実は思えないのです。というのは、五月二十七日の委員会におきましては、私並びに隣席にいる大竹委員が、バナナ問題というものは従前歴史的に見ても非常にややこしくてめんどうだから、われわれは基本問題について問題を提起するから何とか早く当局の責任においてきめて発表をせい、こういう意図でもって質問するというよりも問題を投げかけておいたのです。それから私は率直に申しますと、私自身通産省に出向きまして、私はバナナ屋とは何の関係もない、何の関係もないけれども、一般の大衆に安いバナナを食わせるというのであれば私も賛成である。このごろのいなかの子供にバナナを食わしたところが母ちゃんこのキュウリはうまいねと子供が言った、こういう笑えないような事実。昔は夜店買っていたバナナが今では全く一般の者には手が出ないという状態だから、私は何とか安いバナナを食わせるという意味で問題は二つある。一つは割当の問題、一つは調整金の問題。この割当の問題についてはこういう業者から陳情も出ておる、私はその業者の代表を呼んで聞いて、最初の日にはいろいろ勝手なこともこの業者の代表は言っておったけれども、この人も話がわかった人で、そうだ、だからわれわれはこの二五%だけは何としても府県別人口割によって与えてもらうならば非常に満足なんだという話であるから、そうしてそれについてもその資格審査については相当通産省の立場においてワクをつけてもいいと非常に筋の通った御見解であるから、私もこのことは輸入第二課長に懇々と言って、こういうことは委員会においては問題にしたくない、通産当局の責任において一つやってほしい、私どもこういうふうに言うておいた。陳情がぜひ縁の下の力持ちになって何人にもこの陳情がわからなかったということの方がおれとしてはありがたいのだ、こういうことで五月二十七日以降二回も通産当局に足を運んでどうしたら安いバナナを食えるかという陳情というか意見を具申しております。そのときに私どももこの委員会において問題にしたくないということを重ねて申しておいたのでありますが、いまだ大綱も発表されないので、たまりかねて海野委員がここで御質問になったわけで、私もこれは質問したくなかったのでありますけれども、今の十二分の一という数字を聞いてはやはり黙っているわけにはいかないので関連質問を申し上げているのですが、局長しかと聞いてほしい。われわれは五月二十七日以降こういう御忠告を与えているのにもかかわらず、やることをやらないでおいて、基本的な議論をすると、適期をはずすから、まあここらのところでと言うに至っては、これはここのところはおさまれと言うならば、それ相当のことをやって、そうして通産当局に当時発言をした大竹委員なり私なりに意見をあらためて徴されてしかるべきだと私は思ったのです。しかしもうここに至ってはやむを得ないから、私は質問の形でいろいろ申しているのですが、十二分の一というのはコンクリートした数字ではないと思うのですが、その点はいかがでございますか。それともコンクリートして決裁までとってしまった数字ですか。
  97. 松尾泰一郎

    ○説明員(松尾泰一郎君) この問題は今先生が言われましたように、バナナの値段を安くするということだろうと思うのであります。どの業者にどういう割当をするか、そういう利害問題ではなしに、先生方のねらいとされているところは、そういう業界の利害というよりも、私はそのバナナの価格をできるだけ安く安定させるというところに主眼を置かれておると、こう思うわけであります。(相馬助治君「その通り」と述ぶ)その問題は、今言われますような人口割の問題によっては私は解決はできない、こういうように考えております。それはあくまでも輸入量の問題と、それからいわゆる価格調整金の問題だろうと思うのであります。輸入量につきましては、不幸にして昨年は台湾台風等の関係で、ちょうど半年分が最近になりましてやっと輸入が完了した、完了せんとしておるというようなことでありまして、これは値段が非常に高かったことは御存じの通りであります。しかしながら、今ちょうどシーズンでもあるし、台湾側の出荷能力もあるということでありますので、従来のベースに早くわれわれは返したい、まあ平年ベースといいますと年間にしまして六十万貫程度かと思うのであります。今の日台通商交渉におきましては、台湾政府はもっと多く輸入をしろと、こういう要求もいたしておりますが、これは御存じのように、全般的なオープン・アカウントの輸出輸入の帳じりの関係を見なければいけませんので、バナナだけをそうむやみに買うわけにもいきかねるわけであります。まあ一応従来の少くとも平年ベースの六十万貫はわれわれは確保したいと、こういうように考えておるわけであります。なお、そのほかに中共からのバナナも若干入ってくるわけであります。で、それやこれやもありますし、また調整金につきましても、まあ率直に申しまして、われわれは税務署でもないわけでありますので――その会計検査院等の関係もございまするが、われわれとしては合理的な水準でいきたい、すなわち過去の例に比しますれば、かなり低い価格調整金でよかろうということで、今数字をはじいておるような状況であります。その輸入量の増加及び調整金の引き上げによりましてバナナの価格は多少安くなると確信をいたしているのでありまして、今言います人口割を実施することによって値が下るということ、あるいはそういう理屈も立つのかもしれませんが、われわれは内部で幾ら議論しましてもそういう結論が立ちかねるわけであります。従いましてこの人口割の問題は価格の問題と一応切り離しまして、まああらゆる商品について新規業者の問題もあるわけでありますし、先ほど来諸先生方の言われますような意見もあり、請願の次第もあり、まあこれを何とか生かす方法がないだろうかということで議論をしたわけでありまして、率直に内輪の話をいたしますと、若い事務官は全部反対なんであります。そこをまあそうも言うなということでいたしましたのが、今先ほど申しますような点でありまして、なるほどその二割五分の三分の一というのは少いようにお考えになりますが、ほかの商品に例をとってみますと、その程度の新規というのはこれは相当大きな新規の割当に実はなるわけなんであります。そう新規に二割も、三割も割り当てたという例は、ほかの商品にも実はないわけであります。まあ、そういうほかの商品との均衡もとりして、今のいろいろの意見も参考にし、まあこの辺でということで一応出しました今のところの結論であります。これは最善とはもちろん思いませんが、何分われわれの割当事務というのは何がしかの妥協でいかなければこれは進まないわけで、一方が立てば一方で必ず文句が出るということでありますので、繰り返して申し上げるようでありまするが、まあ今回は一つこの辺で御了承を願いたい、こういうふうに考えております。
  98. 相馬助治

    ○相馬助治君 私が御了承するとかしないとかいうことは別として、これは海野委員の質問に関連して私も申しているのであって、私はまあ最終的にここで御回答を得ることができなければ、むしろ余裕を残して善処していただいて解決していただくことがよい。通商局長を最終的には御信頼申し上げたいと思う。ただここで申し上げておきたいことは人口割にしても価格は急に安くならない、こういう立論をすればその通りです。しかし今度逆に言えばバナナの価格を安くするためには総合的にあらゆる施策をそこに加えてこなくちゃならない。その施策の一つとして人口割ということを加味した割当をするということも、バナナを安くする一つの道であるということを私は言い切ることができると思う。人口割になったとたんにバナナが安くなる、私はそう言っちゃいないのです。ただバナナを安くするといういろいろな方策の中にこの人口割ということも考えられないだろうか。しかも片方がよければ片方が文句を言うという場合に、通商当局としてやってほしいことは筋を通すということだと思う。筋を通す、筋を通すということならば先の国会言明、われわれが採択した請願の筋並びに現在のバナナ業界、そういうものを見渡したときに、加工によって利益を占めている加工業者に二五%の割付をしているなんということはどだい筋が通らない話なんです。しかしこれだっても、与えておくのだ、むげに全部取れないというならば、私はそれを了承したい。そこで私はこの段階では割付の問題も私自身はむしろこれ以上追及せずに、これがベターであるとは思うけれども、最善であるとは思わないという局長の言を信じて、これは善処していただかなければならない。同時にこの差益金の問題も、政府と業者が差益金をめぐっていつも常々めぐりを、やって結果的には消費者価格が高くなって、そうして政府をしてこれは純粋なぜいたく品だと言わざるを得ないようなところに追い込んでいるとの現実と、それからバナナの輸入をめぐって政界のスキャンダルというものは今日天下隠れもない事実なんです。そういうふうないろいろの政治的な関連、政治的な現実、バナナ業界というものの実態、これらから考えるというと、この本院も採択いたしました請願の筋を通して、十二分の一というものはコンクリートでもなさそうであるから、コンクリートされた数字でないと私も了解いたしまして、そうして通商局長の手元において鋭意研究をされて、若手のもので反対しておるという話も聞きましたが、私も若干通産省当局の内部において議論が輻湊して、むしろこの問題については松尾局長は本院の請願の筋を通すべく努力したやのことも承わっておるのであるから、その松尾さんがここに出てきて海野さんに怒られて目を回しておるということも、考えてみれば気の毒みたいな話であるけれども、十二分の一をどうしても通すんだといえば、怒る海野さんの理屈の方が当りまえなんであって、ぜひここは一つ善処してほしいと思うのです。私は関連質問だから、さあどうだということはここで言えませんから、私の質問はこれだけにしておいて、海野さんの方に渡します。
  99. 海野三朗

    ○海野三朗君 私は納得できません。明日通産大臣の出席を一つ委員長から取り計らっていただきたい。この問題は小さな問題だけれども、筋を通すということ、国会を軽視しないということ、それが大事なんです。私はそれで突っぱるのです。どうか、あした通産大臣の出席を要求いたしまして、局長も皆御出席願いたい。若手の人たちがつべこべ言っておるということは、国家の筋を通すということを考えていないのだ。そういうことじゃ私はいけないと思いますから……。
  100. 近藤信一

    ○委員長(近藤信一君) それでは本日はこの程度にとどめたいと存じます。  明日の委員会は午前午後にわたる予定になっておりますので、お暑い折ではありますが、御勉強をお願いします。  それでは次回は明二日午前十時より開会することにして、本日はこれにて散会いたします。    午後四時五十二分散会