運営者 Bitlet 姉妹サービス
使い方 FAQ このサイトについて | login

1957-03-05 第26回国会 参議院 商工委員会 8号 公式Web版

  1. 昭和三十二年三月五日(火曜日)    午前十時三十二分開会   ―――――――――――――  出席者は左の通り。    委員長     松澤 兼人君    理事            西川彌平治君            阿具根 登君            近藤 信一君    委員            青柳 秀夫君            大谷 贇雄君            白井  勇君            高橋  衛君            阿部 竹松君            島   清君            相馬 助治君            藤田  進君            加藤 正人君            豊田 雅孝君            大竹平八郎君   国務大臣    通商産業大臣  水田三喜男君   政府委員    通商産業政務次    官       長谷川四郎君    通商産業大臣官    房長      松尾 金藏君    通商産業省通商    局長      松尾泰一郎君    通商産業省石炭    局長      讃岐 喜八君    通商産業省公益    事業局長    岩武 照彦君    中小企業庁長官 川上 為治君   専務局側    常任委員会専門    員       小田橋貞寿君   説明員    通商産業省通商    局次長     樋詰 誠明君   参考人    警視庁防犯部長 近藤  貞君    日本瓦斯協会会    長東京瓦斯株式    会社社長    本田 弘敏君    東京瓦斯株式会    社常務取締役  中沢 克巳君    昭和重機株式会    社社長     吉井 誠吉君   ―――――――――――――   本日の会議に付した案件 ○経済の自立と発展に関する調査の件  (ガス事業における危険防止に関す  る件)  (石炭の需給に関する件)  (貿易事情に関する件) ○輸出保険法の一部を改正する法律案  (内閣提出) ○特別鉱害復旧臨時措置法の一部を改  正する法律案(内閣送付、予備審  査) ○臨時石炭鉱害復旧法の一部を改正す  る法律案(内閣送付、予備審査) ○商工組合中央金庫法の一部を改正す  る法律案(内閣送付、予備審査) ○信用保証協会法の一部を改正する法  律案(内閣送付、予備審査)   ―――――――――――――
  2. 松澤兼人

    ○委員長(松澤兼人君) これより委員会を開きます。  本日の日程は、公報でお知らせいたしました通りでありますが、午前中はガス事業における危険防止に関する件を調査し、午後の日程で、貿易事情の調査並びに法案の審議を行う予定であります。  閉会に先立って委員長理事打合会を行う予定でございましたけれども、都合によりこれを後刻に延ばしまして、直ちに議題に入りたいと存じます。  ガス事業における危険防止という問題は、御承知のように最近ひんぴんとしてガス中毒死の問題が起っておりますので、その原因を調査し、対策を考究するという目的であります。原因につきましては、ガス使用者の不注意も、もちろんあることと存じますが、そのほかにガスの成分に有毒なものが多くなってきているのではないか。また、ガス器具が事件を起しやすい状態にあるのではないかというような問題が考えられますので、前回の委員会で参考人として瓦斯会社、瓦斯協会、ガス器具関係者並びに警視庁より御出席をわずらわすように御要求がありました。本日の参考人といたしまして、日本瓦斯協会会長、東京瓦斯株式会社社長本田弘敏君、昭和重機株式会社社長吉井誠吉君、警視庁防犯部長近藤貞君の三君が見えております。なお、随行者といたしまして、安西東京瓦斯副社長、中沢東京瓦斯常務取締役、弘報室長中根君などが見えております。参考人の方々には、まことに御多忙のところ、本委員会のためにわざわざ御出席をいただきまして、まことにありがとうございました。委員長より厚くお礼を申し上げます。政府側からはタウン・ガス並びにプロパン・ガスの関係官が見えております。公益専業局長岩武照彦君、ガス課長渡辺五六君、資源技術研究所第一部長照井秋生君、無機化学課長藤田正次君であります。  議事の運び方でありますが、直ちにこの問題に関する質疑に入ることに御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  3. 松澤兼人

    ○委員長(松澤兼人君) 御異議がなければ、これより質疑に入ります。
  4. 豊田雅孝

    ○豊田雅孝君 ガス中毒が最近特に相次いで起っておるということにつきましては、ただいま委員長も述べられた通りでありますが、去る二月二十五日、毎日新聞の夕刊によりますと、警視庁の衛生係に入った報告だけを見ましても、本年初めからのガス中毒者が百名、そのうち二十七名が死亡しておるという記事が出ておるのであります。前々からこのガス中毒については、私は注意をしておったのでありまするけれども、この記事を見て、これは放置しがたいというふうに痛感をいたしたのであります。二カ月足らずの間に、百名からの中毒患者が、警視庁管内だけでも出ておるということは、ゆゆしいことだと考えるのであります。しかも、これは睡眠中の事件だけではないのでありまして、ガスぶろに入っておる間に中毒する、しかも、そのガスぶろに入っておったのは一人でなく二人入っておったが、それが同時に中毒死を起しておるので、要するに意識のある間に、しかも二人までそろって中毒死をやっておるというところに、非常に問題があるんじゃないかと思うのであります。かようなことは、戦前にはあまり類例のなかったことではないかと考えるのであります。で、使用者の不注意ということもさることではありまするけれども、何か最近のガス中毒の頻発につきまして、重大な原因が見逃されておるのではないかということを考えさせられたので、そこで、まず第一には、警視庁の方へお尋ねしたいのでありますが、先ほど私が申したのは、毎日新聞の記事による数字であります。また、資料もいただいておるようでありますが、正確に警視庁の方で、本年の初めから最近までの間に、被害件数としてどの程度の届出があるのか、それからまた、ガス中毒の人数、さらに特に伺いたいのは、警視庁それぞれ係の力で現場に立ち会われて、その中毒死の起った実情、実況等につきまして、できるだけ詳細に伺いたい。それに基いて、あと質問を続けていきたいと思います。
  5. 近藤貞

    ○参考人(近藤貞君) ガス中毒の状況につきまして、昭和二十七年から三十一年度までの事故死の統計表が、お手元に差し上げてあると思います。この方の統計は、全部私の方の鑑識課において、いわゆる変死として扱った死亡者のみであります。その他の統計については、お手元にないのでございますが、ただいま御質問の、本年度におけるガス中流等の発生状況について申し上げます。あらかじめお断わりしておきたいことは、このガス中毒というのは、死亡から軽症まで非常に段階がございまして、ちょっと目まいがする程度のもので終るものもあれば、重いものになれば、死亡に至るものもあるのであります。軽い方については、私の方でもわからないのであります。ちょっと涼しい風に当てたくらいでなおってしまうものもあれば、近所のお医者にちょっと来てもらって、それで済んだというものもございます。そういう工合で、私の力でわかるのは、比較的重いものということになるわけでございまして、従ってただいま申し上げるものよりももっと軽いもので、私どもにわからないものも相当数あるのではないかということが、あらかじめ想像されるわけでありますが、以下申し上げるのは、消防庁の救急車が出動するとか、あるいは各管下の各警察署において届出があるとか、あるいはこちらから進んで何かの機会に知ることができたとかいう事実に基いて集めたものなので、その点を御了承願いたいと思います。  本年一月一日から二月末日までの表が出ておるのでありますが、中毒者の総数はこの二カ月間に百五名になっておりまして、そのうち死亡が二十六名、重症が二十七名、中等症といいますか、重症までに至らないと考えられる者が四十三名、それから軽症というのが九名でございます。重症、中症、軽症という区別は、きわめて常識的なものでございまして、はっきりと、いつ、どの程度になれば重症であるとか、あるいは軽症であるとかいったことは申し上げにくいのでありますけれども、軽症というのは、全然医者にかからなかったとか、あるいはお医者さんがちょっと往診しただけで、それで片づいてしまったというふうに、ほとんど医療を受けることのない程度の者を軽症といいます。それから中等程度というのは、医師が数回往復したとか、あるいはちょっと入院したが、すぐまた退院したとかいうふうな程度の者、また、重症はそれ以上の者でございまして、相当期間にわたって入院して、そうして快癒した、こういうふうな者を、一応重症と称しておるわけであります。  中毒の程度は以上でございますが、これを原因別に見ますというと、自殺の目的のために行われたのが十一件でございます。それから過失に基くものが五十八件であります。それからその他が三十六件となっておりますが、三十六件というものは、自分には過失はないのであるけれども、他の原因によって中毒死を起したというふうなもの、たとえば浅草の旅館でお客さんが就寝する際に、ガスをつけたまま寝たのだが、そのうちに女中が元せんを締めてしまった、元せんを締めたものですから、客室のガスは自然に消えたのであります。消えたのでありますが、手元せんはまだ開いておる、で、翌朝になって女中が元せんを開いた。そうすると手元せんから自然にガスが噴出するということで、お客としては、これはきわめて不幸なことですが、中毒死に至るというふうな、自分の過失は全然ないとは言えないにしても、自分の過失よりも他の原因によって死亡するというふうな事例が相当ある。要するに、自殺が十一件、自分の純然たる過失に基くものが五十八件、その他が三十六件というふうな実情になっております。これは昨年度の一月、二月の状況に比較して見ますというと、非常に増加しておるのでありまして、昨年度はこの二カ月の間に中毒者は五十四名です。本年百五名ということになると、大体倍の状況になっております。原因についても大体同じようで、昨年度、この両月において自殺が八件、本年は十一件、それから去年の過失は三十六件で、ことしは五十八件というふうに、まあ倍近い一つの数字が出ておるわけであります。  こういうふうで、非常にふえておることはふえておるのですが、さて、私の方でいろいろと見たところの原因というものを見ますというと、これはガスを使用したまま寝てしまった、その結果中毒をしたというのが圧倒的に多いのでありまして、これが約五〇%を占めております。ガスをつけたまま寝てしまったということの内容につきましては、ガスの圧力の関係で不完全燃焼になって、ガスが少しずつ漏れておるのを知らずに寝てしまったというふうなもの、あるいは寝ておる最中に寝返りを打つ等のことから、ゴム管に触れて金具から離れたのに気がつかないで当人は眠っておって、その結果中毒死になった、あるいはめいていのために、ゴム管に触れてゴム管が金具から離れたというふうな事例、このようにいろいろの事例がありますが、最近ビニール管を使う、これは安いのだそうでございますが、ビニール管を使うために金具から離れやすいということが、よくいわれておるのであります。接着部分が簡単に離れるということが、中毒を起す大きな原因になっておるようであります。それから不完全燃焼、あるいは不十分な開閉によると認められるもの。風や圧力の強い、弱いによってバーナーの一部がガスのままで噴出しているのを気がつかなかった。これは入浴中の災害死に二、三事例が見られるのであります。あるいはまた、不完全な締め方であったために、火は消えておるけれども、ガスが少しずつ漏れておるというふうな事例もあります。また、手入れが悪いために、ガスの穴が非常に小さくなってしまって燃焼が悪い。燃焼が悪いがガスが少しずつは漏れておる、こういうふうな事例が少くないようであります。これらのものは要するに使用者がこの使用に不なれであるとか、器具の手入れが悪いとかいうことに原因しているように考えられるのであります。特にガスストーブにたばこの吸いがらなどを捨てるというふうなことも、とかくこの燃焼を妨げて、ガスそのものが噴出するような原因を作っておるような場合も多いようであります。ゴム管が古くなって亀裂を生ずる、あるいは破損をするようなものをそのまま使用して、それがためにその場所からガスが漏れて中毒に至るというふうな事例もあるようであります。ガス中毒による死亡者の状況を見ますというと、年令的に見まして、幼少の者はほとんどないのであります。八才と五才という事例が各一件ずつございますけれども、これは年長者の者に多い。つまり、母親その他と一緒に死亡しておるという事例でございまして、年少者そのものが、ガスのためにみずからその中毒死に至るといったようなことは、少いようであります。年令別に見ますというと、二十才未満の者が十二%となっております。二十才以上三十才未満が四六%、三十才以上四十才未満が一七%、四十才以上五十才未満が七%というふうになっておりまして、二十才台が一番多い。次に三十台それから五十台というふうになっております。これはこの二十才台の者がガスに対する知識が比較的少くて、取扱いに不なれである、また、注意力が年長者ほど多くないというふうなことに原因しているのではないかというふうに考えられるのであります。男女別については、特にいろいろな統計的に見て別に申し上げるようなことはございません。職業的には、無職の者が多いのでありますが、これは家事に従事する婦人などが、その大部分を占めておる関係、従って職業的には無職という数字で現われてくるわけであろうと思います。結局このガスの操作というか、ガスの性能、知識というものに比較的暗い者が、ガスの中毒に陥るような結果が現われておるのであります。ただ、外人が七名おりますが、これらはほとんど暖房の関係上、終夜ガスをつけておるといったような関係から、自然に中毒に至る場合が多いということのためというふうに考えておるわけであります。  私どもの方の事故防止対策としては、いろいろそのたびごとに言っておるでありますけれども、結局はガスを使用する際に、細心な注意を払う、元せん、支せんを確実に締める。あるいはガス器具の取り扱いについてゴム管、ビニール管の老朽したものを取りかえておく。はずれやすい部面に特に注意を払う。ガスの臭気に特に注意をする。最近被害者、その他からもしばしば言われるのでありますが、ガスのにおいというものが非常に薄くなってきた。背は非常にガスというものは強いにおいがしたのであるけれども、最近のガスはどういう関係かあまりにおわない。そのために、つい漏出しておるのを知らないでおるといったような場合が少くないというような、需要者側からこういう声を聞くのであります。こういう点は私どもしろうとのことで、判然としたことはわからないのでありますが、一応そういう民間の声があるのであります。あるいはまた、ガス漏洩の防止装置を備えるといったようなことも、これは確かに必要なことではないかと思います。また、最近では小鳥を飼うのが一番いいのだというふうなことを言われておる実情であります。最近はガス中毒が多いところから、自然にこういうところまで民間の人たちが知恵を働かしてきたのではないかと考えられる次第であります。  以上申し上げましたが、何分このガス中毒というものについても、発生以前のことについては、私ども何らタッチする権限を持たないものでありますから、調査といいましても、きわめて疎漏なものでありまして、御納得のいく点まで至らないかとも思いますけれども、以上申し上げます。
  6. 豊田雅孝

    ○豊田雅孝君 ただいまの御説明で、過失によらないものが三十六人という数字をあげられたようでありますが、過失によらざる中毒者の原因というものは、どういうものであるかという点について、特に詳細なお話が伺えれば、けっこうだと思います。
  7. 近藤貞

    ○参考人(近藤貞君) この点につきましては、ただいまもちょっと一つの事例を申し上げましたが、結局自分の部屋へ元せんから支せんが来ておる。その締め忘れとか、あるいはけ飛ばして、ゴム管を抜いてしまったとかというものは、明らかに自分の過失というふうに考えられますのでありますけれども、そうでない場合、自分は全然そういうことに気がつかないのだが、他の者が入ってきて、その元せん、支せんからゴム管をはずしてしまったとか、あるいは器具が全然不完全であったのを知らないでおったために、ガスが漏出しておったとか、こういうふうに自分が直接ガス漏出の原因を作ったのではなく、他の原因によってガス漏出の状態が作られた。こういうふうに認められたものを、一応その他というふうな原因にしたわけでありまして、過失とその他の間については、ある場合においては、どちらにとってもよろしいというふうなものがあるのではないかと考えられる次第であります。
  8. 豊田雅孝

    ○豊田雅孝君 ただいまの警視庁からの御報告によりますというと、臭気の点が前々よりも非常に少くなっておる。それがために自覚がしにくい。それらの結果、中毒事件が多くなる。ことに中毒事件が多いために、小鳥まで飼わねばならぬというような事態にまでなっておるというような御報告であります。聞くところによりますと、最近のガスには一酸化炭素が非常にふえてきておる。これはコール・ガスのみならず、水性ガスを添加しておることから来ておるのだということでありますが、どの程度水性ガスを添加したために、一酸化炭素が戦前等に比べてふえておるか、また水性ガスをどうして添加せざるを得ないようなことになってきておるか、その他ガス会社側から、この中毒事件に関しまして、ただいま感じておられるところ、さらに、原因をどういうふうに見ておられるか、ことに過失によらざる場合の原因を、どういうふうに見ておられるか、そうしてまた、これに対する対策というようなもの等につきまして、東京瓦斯会社の木田社長に御見解を伺いたいと思います。
  9. 本田弘敏

    ○参考人(本田弘敏君) ただいま御指名を受けました本田であります。私は東京瓦斯株式会社の社長で、日本瓦斯協会の会長を兼ねている者であります。  最近におきましてガス中毒事故が頻発いたしまして、大へん世間をお騒がせ申し上げまして、皆様方に御迷惑をおかけしておりますことを深く恐縮いたしておる次第であります。  本日は皆様方の御要請によりまして、中毒事故の実情並びにその対策につきまして申し上げる機会をお与え下さったことを、ガス事業者を代表いたしまして厚くお礼を申し上げます。  私どもガス事業者にとりましては、毎日ガスを御使用になっておる大半な需要家側の人命を失い、人命をそこなうというようなことがございますことは、これはまことに耐えがたいところでございまして、常日ごろからガスの漏洩につきましては、慎重な対策を講じて参ったのであります。  たとえば東京瓦斯におきましては、ガス漏洩につきましては、早くから特に漏洩事故受付票というものを備えつけておりまして、昼夜を問わず、直ちに修理ができますように、常に待機の態勢をしいております。また、従業員に対しましては、ガスの漏洩処置に関しますパンフレットによりまして、特別の教育を行いましたり、中毒事故防止に極力努力して参ったのであります。また、需要家の皆様へは、ガス御使用上の注意事項を流すことに絶えず心がけておりまして、ラジオ、テレビジョンによりますとか、当社が毎月一回発行しておりますガス・ニュースという印刷物、これはただいま八万部印刷しておりまして、需要家の御家庭へ直接郵送させていただいておりますが、それらによりまして、その他ガス料金の計算書や領収書の裏刷りをいたしまして、注意事項を特にごらんを願うようにお配りして参ったのであります。特に、新規の需要家の御家庭につきましては、サービスカードと称します詳細なガス御使用上の注意事項を掲載しておりますものを配布いたしておりまして、万遺憾なきを期しておったのでございます。それにもかかわらず今回のように中毒事故が、頻発いたしまして、多数の犠牲者を出しましたということは、私どもにとりまして返す返すも残念至極に存ずる次第でございまして、全く泣いても泣き切れないというのが、偽わらざる私どもの現在の心境でございます。  次に、中毒事故発生状況でありますが、昨昭和三十一年中に起りました件数は、全国で七十件となっておりまして、その内訳は過失によるものが五十七件、地震その他によるもの十三件でございます。それによる中毒人員は死亡が四十四人、中流九十九人となっております。そのうち東京瓦斯におきましては中毒件数が過失によるものが二十四件、地震その他によるものが三件、合計二十七件でございます。中毒人員は死亡三十六人、中毒二十六八となっております。また、大阪瓦斯におきましては、中毒件数は過失によるものが二十七件、その他によるものが八件、合計三十五件でございまして、中毒人員は死亡が十三人、中毒は六十人を数えております。本年一月におきましては、全国で中毒件数が二十一件でございまして、その内訳といたしまして、過失によるものが二十件、その他によるものが一件となっております。それによる中毒人員は死亡が十八人、中毒が二十人でございます。このうち東京ガスにおきましては、中毒件数は過失によるものが九件でございまして、中毒人員は死亡十人、中毒九人となっております。大阪ガスにおきましては、中毒件数は過失によるものが九件、その他によるもの一件、合計十件でございます。中毒人員は死亡六人、中毒十一人となっております。二月に起きました中毒事故は、ただいまのところ、東京ガスのみ判明いたしておりますが、件数は過失によるもの十八件でございまして、中毒人員は死亡十三人、中毒十六人となっておるのであります。  以上のような事情でございますので、東京ガスといたしましては、一そう強力な対策の必要な認めまして、直ちに次の事柄を実施に移したのでございます。  第一に、各営業所のサービスカーを総動員いたしまして、連日需要家の皆様へガス御使用上の注意を喚起いたしておりますが、その他、営業所、派出所の店頭に注意の掲示を行っております。  第二に、ラジオ、テレビは申すに及ばず、新聞、雑誌、映画常設館のスライド、電光ニュース等、あらゆる宣伝媒体を利用いたしまして、ガス御使用に際して、注意していただくよう、需要家の皆さんに訴えているのであります。  第三に、特にアパートに対しましては、ガスぶろの換気につきまして注意ビラを配布いたしております。  しかしながら、以上のような方法ばかりで、なおその結果は十分とは申せませんので、さらに最後の手段といたししまして、当社の全従業員を動員いたしまして、去る一月の二十八日から二月十四日までの間に、全部の需要家の御家庭を戸別に訪問をいたしまして、ガス御使用上の注意ビラをお配りするとともに、御使用上の状況を承わって、中毒事故の絶無を期したわけであります。すなわち、このような事態に対処いたしまして、私どもといたしましては、最も骨の折れる方法ではありますが、従業員を総動員し、できるだけ、短期間のうちに、従業員の手をもって一軒々々需要家を訪問して、直接御注意を申し上げるという手段をとることにいたしたのであります。ほかにも方法がないとは考えませんが、この際大事なお客様の命を守るために、これ以上手ぬるい方法を選ぶべきではないと信じたからであります。今その総動員の結果を申し述べさせていただきますと、出動延べ人員が一万一千三十九人、巡回件数が百十四万百九件に及びました。お申し出になりましたガスの受付件数が、三万二千五百四十六件に達したのでありますが、ただいまでは、全部この受付事項は処理済みでございます。私自身もこの総動員の期間中、毎朝八時半までに各営業所を巡回しまして、従業員を督励いたしましたが、その際のあいさつの中に私は、この総動員によって多少でも中毒の事故が減るならば、それはこの中毒によって起きた気の毒な犠牲者の死をむだにしないで済む、その死がむだでない、ひいては災いを転じて福となすこともできるのではないかということを強調いたしまして、従業員の奮起を促したわけであります。私自身も、去る三月の三日の日曜日に四谷営業所のまわりを五十軒ほど巡回いたしました。たまたま当日は雪が降って寒い日であり、休みであったせいか、一軒々々の需要家から、ほんとうに心から感謝の言葉を述べていただきました。一般的に見まして、需要家の考え方も非常に慎重になっておられるようでありまして、ずいぶん需要家にも感謝され、また、各方面から感謝の電話なり、あるいは手紙なりをいただいておるような状況でありまして、会社と需要家との関係というものが、この総動員によって非常に密接につながれたということを、私は非常に喜んでおるわけであります。これは全く事故の防止と同時に、私どもの予期しない以上の副産物的な、私は大きな収穫だったということを考えております。  次に、事故増加のおもな原因として考えられますことは、従前はガスはほとんど炊事用としてのみ使われました。日常生活とのつながりが深く、御使用に習熟されてきていたのでありますが、最近ストーブあるいはふろ用に非常に普及されて参りましたので、お台所からお座敷なり、あるいはおふろ場なりに進出した結果、炊事用の器具に対するような軽い気持で、悪くいえば不注意な態度で、このような器具に接しておられるということが、事故の大きな原因ではないかと思います。具体的に申しますと、お部屋のガスの元せんを締め忘れたり、ゴム管を深く、かたく差し込まなかったり、増設工事をなさらないで無理に長いゴム管を引っ張ってお使いになったりしておられること、あるいはアパートの建築がふえるに従いまして、換気孔の設備のございません狭いお部屋で、心やすくストーブを御使用になったりしておることが、大きな原因ではないかと考えます。  さらに、ガス中の一酸化炭素の含有量の問題でありますが、東京ガスにおきましては、戦前におきましては六%から九%でございましたが、ただいまでは九%から一八%と、約二倍になっております。この原因といたしましては、戦前は大部分が石炭ガスに依存しておりましたが、最近におきましては、冬季における御使用量が夏季の約二倍にもなっております関係上、コークス炉によります石炭ガスだけでは、十分操作がし切れなくなったというような関係から、自由に調節のできます油ガス装置を併用いたしまして、冬季の最需要期に対処しておるわけでありますが、油ガスというのは、一万カロリーもあるハイカロリーでありますために、発生炉ガス、これは一千百五十カロリーぐらいのものでありますが、そのガスを多く混合いたします関係上、一酸化炭米の含有量が増加をしておるのであります。この趨勢はアメリカを除いて、世界各国のガス事業界の共通な状況であるようでございます。今かりに油ガスをやめまして、本来の石炭ガスのみによって製造供給をいたします場合には、年間約三百万トンからの原料炭を必要といたします。現在は百五十万トンで間に合っておるものが、その使用量が約倍になるわけでありまして、原料炭の絶対量の面からいっても、これは不可能なことと存じます。  今後の対策といたしましては、東京ガスといたしましては、現在行なっております対策を、引き続き強化して反復実施いたし、ガス中毒の絶無をはかりたい所存でございます。  第一に、需要家の皆さんのお宅の戸別訪問を強化いたしまして、より一そうガス施設、ガス器具の点検を行い、安全な使用法を指導するように努力いたすつもりでございます。  第二に、ガスの新設や増設の場合に際しまして、印刷物をお手渡しいたしますとともに、当社従業員が口頭で徹底的に御説明申し上げるようにいたします。  第三に、ガス器具の改善研究に、一そうの工夫をこらしたいと存じております。  第四に、ガスの使用方法その他につきまして、通産省並びに東京都の御協力のもとに、それから小学校を利用して子供さんの頭にガスに対する知識を普及し、使用上の注意を、あまねく広めたいというふうにも考えております。  さらに、当社といたしましては、次の事柄が御当局においてお考えできないかというように考えておりますが、それはガス器具、また、器具の接続管につきまして、ガス事業者の試験をパスした検定品以外は、使用者が勝手に使用できないようにと、それから次に事業者からの注意、いろいろ危険なやり方を注意しましても、なかなか聞いていただけませんで、その場合は特にガス事業法により規制していただいて、事業者の注意を聞いてもらうように取り締りをしていただくということが、私は必要があるというふうに考えます。現在全国のガス事業者は約二百七十万、東京ガスだけを見ましても、百十四万戸という膨大な数に達しておりますので、この全需要家の皆さんにガスに対する知識を十分深めていただいて、危険のないように注意して御使用を願いまして、中毒事故の絶無をはかりたいということは、これはなかなか容易ならぬ困難な問題だと思います。しかしながら、私どもガス事業者といたしましては、あらゆる努力を傾注いたしまして、この目的達成に全力を尽す覚悟でございますので、委員各位には、この上とも何かと御指導御鞭撻下さるようお願い申し上げます。  なお、お手元に資料を差し上げてございますので、御参考までにごらん下されば大へん幸いだと思います。  なお先ほど、においの問題についてお話がございました。これは私どもとしましては、別に戦前よりも、においはそう薄くなったとは考えておりません。
  10. 豊田雅孝

    ○豊田雅孝君 今臭気の点について日本ガス協会なり、あるいはガス会社としては、臭気は減っておるというふうには考えておらぬというお話しでありましたが、現実に臭気は戦前等に比べると減ってきておると、各方面で言われておるのでありますが、これは一酸化炭素がふえてきた、要するに戦前等に比べて一酸化炭素の含有率が倍加しておるという点と、臭気の減ってきておるということが、成分的に関連があるのではないのでしょうか。その点を伺いたいと思っております。要するに、石炭ガスだけでいった場合には一酸化炭素が少ないと、しかしこれに水性ガスを量的にふやすために添加したりすることから、一酸化炭素がふえるが、また、それだけに逆に臭気の方は減ってくるということが当然出てくるのではないでしょうか。
  11. 本田弘敏

    ○参考人(本田弘敏君) 技術上の問題でありますから、私の随員の中沢常務に御答弁お許し願いたいと思いますが、よろしゅうございますか。
  12. 松澤兼人

    ○委員長(松澤兼人君) いかがでしょう、正式の参考人は先ほど読み上げました三人でございますけれども、技術的な問題について説明を聞くことは差しつかえございませんか。よろしゅうございますか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  13. 松澤兼人

    ○委員長(松澤兼人君) じゃ中沢常務取締役。
  14. 中沢克巳

    ○参考人(中沢克巳君) ただいまの二つの問題につきまして申し上げたいと思いますが、最初の一酸化炭素の増加している問題につきましては、先ほど社長からお話し申し上げましたように、各国の趨勢が、生産方式におきましては、原料炭特に粘結炭のショウトから一般炭あるいは低品位炭でガス化するという方式に移行しつつありますので、従いましてこういう石炭を前提としてガス化しますときには、勢いガスは低熱量となり、また、一酸化炭素が必然的に多くなってくるわけでございます。私の方の生産方式におきましても、先ほどお話がありましたように、ピークの解決策として、ピーク時には石炭ガスのほかにオイルガスを併用しておりますので、これを規定の三千六百カロリーに調整いたすためには、発生炉ガスを使っております。そんな関係で先ほどお話がありましたように、戦前の約二倍近い一酸化炭素があるのでありますが、しかし、これは英国あるいはドイツあたりのガスと比較いたします場合に、英国の例から申しますと、多いときには一酸化炭素が三五%くらいになっておりますし、またドイツにしましても、少いときでも一二%、多いときには二十数パーセント以上になっておりますので、東京ガスが現在ピーク時に供給いたしておりますガスよりも、一酸化炭素の量はむしろ英国、ドイツの方が多いような状況でございます。  それから、においの問題でございますが、これは各国とも、においをつけておる国はございません。大体石炭ガスあるいはオイルガスそのものは、においを持っております。これで十分感知できると思っておりますが、各国とも今申し上げましたようにやっておりません。私の方といたしましては医学的にいろいろ、締め切った部屋あるいはその他で実験したデータもございますが、まあ男と女で多少の感知する時間に相違がございますが、それにしましても、現状のガスで一分二十秒とか、あるいは一分三十秒程度で十分感知しておるのでありまして、たまたま風呂場等ではスチームで希釈されておりますと、においの感知も多少おくれて参りまして、これが約一分くらい普通の場合よりも感知の時間がおくれておるようでございます。これは実験上の問題でありますが、しかし、問題になりますのは、大体眠っておるときは臭覚が麻痺しておりますので、戦前のガスにおきましても、中毒事故というものが、全然なかったわけではないのでございまして、この点から申しますと、注意さえしていただければ、十分感知できる、においになっております。このにおいをつけるものには、特別な付臭剤もありますが、実際に付臭しておる例は、外国にもございません。われわれの方では現在これを一部に使ってはおりますが、これは日常供給しておりますガスには使うのではありませんので、たまたま新しい導管を布設いたします場合に、御承知のようにまず第一に圧力のテストをやるのでありますが、圧力テストの結果、埋設をした鉄管の漏洩個所の発見が困難であります場合に、そういう強力な付臭剤を入れまして現在でもやっております。しかし、古い鉄管は鉄さびがございますので、この付臭剤は鉄さびに吸収されまして普通の量を入れましたのでは、なかなか感知しにくい結果も出ております。こういうものは日々入れますことになりますと、これまた大へんな費用になりますので、大体一立米当り五円くらいかかるのではないかと思いますが、実際外国でもやっておりませんし、われわれのガスも、においがないわけではないのでございますので、現状におきましてはこの程度のにおいならば、注意していただけば一向差しつかえないのではないかと考えております。
  15. 豊田雅孝

    ○豊田雅孝君 ガス会社当局の方では、危険だということに対するPRについては、非常に努力をしておるわけのようであります。また、従ってそれにも経費は相当かかっておるだろうと思うのでありますが、むしろこの一酸化炭素を緩和するというようなことであるとか、あるいはそれができないならば、臭気をつけるというような、原因の排除、それ自体の方に努力せられてしかるべきじゃないかという感じがするのでありますが、これについて、ガス協会なりあるいは東京ガス会社としての御見解はどうでありますか。
  16. 本田弘敏

    ○参考人(本田弘敏君) これはなかなか大きな問題でございまして、ただいまも御説明申し上げましたように、現在の状態では、油ガスを使わないで石炭ガスだけによるということになりますと、原料炭自体の面からもちょっと不可能に近いということでございまして、さらに原料炭がかりに手に入るとしましても、この経費の問題、これは相当また高くつくことになってくると思いますが、一応は計算はしてあります。結局、においをつけるということも、今中沢常務から申し上げましたが、私ども戦後非常に道路が爆弾のため破壊され、漏洩が非常に多かった時代に、危険度が多いというわけで、一部に付臭剤を使いましたが、相当やはり経費が高くつきまして、とても使い切れないのであります。これはにおいの面からいいましても、一酸化炭素の多いという面からいいましても、これを使うことによって、結局製造原価が今よりもはるかに高くなり、さらにだにガス料金の問題というようなことになるということを、われわれはおそれております。これはそれよりも、でき得べくんば、一部の人々の不注意なために、全般的にガス料金を上げなければならぬというようなことがあっては、私は困ると思いますから、そういう製造コストはできるだけ安くして、ガス料金問題に、なるたけ波及しないように努めますと同時に、一方今の中毒事故の絶無を期するように、われわれとして最善の努力をはかるという、これが現在としてわれわれのとるべき道じゃないか、そういうふうに私は信じております。
  17. 豊田雅孝

    ○豊田雅孝君 一酸化炭素が初めから今の程度あるので、使用者の力で非常に危険だというふうに、初めからなれてきておると、これほどのことはなかったと思うのでありますが、戦前に比べて一酸化炭素の含有率が二倍にもなってきている。要するに急に危険度が増してきておるという点から、いろいろ問題も出てくるだろうと思うのでありまして、そういう点で生産コストの関係もありましょうが、少くとも臭気を添加することについての研究、これもなるべく経費の少い行き方によって、この臭気を付加していくというようなことぐらいは、御研究になっていいのじゃないかというふうに思うのであります。またこれは、研究よりも、ほんとうにやろうと思えば、経費のかからぬ行き方も、急速に実行もできるんじゃないかというふうにも思うのでありますが、その点はいかがでしょうか。
  18. 本田弘敏

    ○参考人(本田弘敏君) 先ほどお答え申し上げましたのは、現状についてでございまして、ただいまの御示唆のように、今後われわれが一酸化炭素を減らす面、あるいはにおいをつける面、これはもちろんわれわれ業者として十分研究し、経費が安くできることなら、何とかそういう中毒事故の少くなるような方法を、もちろんわれわれは選ぶつもりでございます。
  19. 豊田雅孝

    ○豊田雅孝君 次には、ガス用器具のことについて質問をしたいと思うのでありますが、これはガス協会なり、あるいは器具関係で昭和重機株式会社の吉井社長が見えておるようでありますから、両方なり、あるいはいずれかから、お答え願ってけっこうだと思います。  聞くところによりますと、ガスぶろのバーナーが、どうも不完全なものが多いんじゃないか。要するに不完全燃焼をするようになっておると言っては、語弊があるかもしれませんが、完全に燃えない場合が相当ある。また、消えやすいというようなことを聞くのでありますが、このガスぶろバーナーについて、改善する必要のありやなしやというような点。  それからもう一つは、ビニールのパイプが危険だということは、先ほど警視庁の防犯部長からもお話があったのでありますが、ビニールの管ははずれやすい。これは言うまでもないことでありまして、こういうものを放置しておいていいのかどうか。それからまた、ゴム管にしましても、ただ今さすだけになっておるようでありますが、そうなると、老朽化するというと、はずれやすくて危険だ、漏れるというようなことが出てくるのでありますが、これについては、むしろパイプにネジでもつけて、そうしてはめ込み式にいくような行き方に、ガス用器具の規格を制定していくような必要があるんじゃないかというような点等も考えられるのであります。要するに、この最近の中毒事故を見ますと、あるいはネコがいたずらして。パイプをいじったのじゃないか、それの結果中毒死が出たんじゃないかというようなことすら、新聞紙上に出るのでありまして、ネコだネズミだというようなことが原因になるというようなことを放置しておくということは、これは非常に問題じゃないかと思うのであります。こういう点から、ガス用器具の不完全なものを完全化すると、その必要であることは言うを待たぬと思うのでありますが、いかにしたら最も適当な措置だということになるか、そういう点について伺いたいと思います。
  20. 本田弘敏

    ○参考人(本田弘敏君) 私の方からお答え申し上げます。  先ほど一般的の説明に申し上げました通り、今御指摘になりましたこのガス器具による不完全燃焼ということは、ままありがちなんです。これはもう会社へ納品しますものは厳重なテストをしまして、その上で東京ガス株式会社というようなマークをつけて売っております。この分については、私は万々間違いないと思います。ただ業者が納めます場合、約三割程度ぐらいは不合格になるのです。それで、その不合格になったものを、さらに直して持ってくる良心的な業者もありますが、中にはそのままこれを一般市中に流すというようなものもなきにしもあらずでございまして、私どもがたまたま方々へ出かけまして、商売柄どうも不燃焼のなにがある、くさい。マークを見ますと、これが会社のマークのない場合が相当多いのであります。これはまあストーブの場合、ふろの場合、ふろは大体ふろ商が扱っておりますから、ガスは少いのですが、ストーブの場合はことにそれが多いと思います。それから接続管の場合につきまして、たまたま御指摘がありましたが、ゴム管につきましても、やはり会社は厳重なテストをしましたものを、ちゃんとゴム印かなんか押しまして、いついっかのものだという、それを売っております。ところがお客さんとしますと、ゴム管を買うために、わざわざ派出所なり営業所なりに足をお運びになるということが、ちょっとめんどうくさいといいますが、そういうことで、結局近所の荒物屋や何かから、ゴム管をお買いになる場合が多いのです。これは値段も、会社の品物が一メートル五十円でございますが、荒物屋あたりで売っているのは八十円から九十円で、値段も高いのでございますが、あえて高いのをお買いになる。これは新品の場合はそうでありますが、それが何年かそのままお使いになっておりますと、これはやはり亀裂を生じたり、自然とそのままにしておいても、においが漏れるというようなこともままあることでございます。  それからビニール管でございますが、これは伸縮性がございませんで、伸びたら伸びっぱなしで縮まない。これは私が先ほどお話しました総動員に参加しまして、あるアパートを回りまして、ちょうど若夫婦の部屋でございましたが、ガス屋さん見てくれというから見ました。ビニール管を使っておりました。それが踏んだか、長く使ったのか、へこんでいるのです。それで危険この上もない。私がこれは危険ですから、取りかえて下さいと言いましたところが、私は三日に参りましたが、二月十日でなくちゃ給料がもらえないから、だめだというようなことで、それじゃ私の回ったところで、事故が起ったのでは大へんですから、私立てかえまして、これは螺旋管が二米二百五十円、ゴム管が一米五十円、合計三百円でございますが、これも一巡しましてお届けしましたが、そういう危険なビニール管をそのままお使いになっている向きが相当ございまして、これは総動員の結果、お取りかえ願ったものが相当に上っております。少くとも現在においては、ビニール管というものはガスの使用には適当でないということははっきりしております。ただ、体裁が赤いゴム管よりはよろしいものですから、お座敷のストーブなんかに、まだまだ相当ビニール管が残っておるのじゃないかと考えております。これはまあ今後の私どもの巡回によって、そういうものを早くなくしたい。根本的な問題は、そういう悪い器具を使わないような、先ほど申し上げました取り締りの規則でございます。それからまた、こっちの言うことを聞かないで、長いゴム管を使って、場合によっては下から二階までゴム管を引っぱってお使いになっておるというような、危険この上もないものもありますが、これは増設をおすすめするということは金がかかるので、なかなか承知していただけません。そうした場合に、長くして使う場合の制約というものをわれわれの口からではなくて、何か一つの法文化して取り締るというようなものが、ぜひほしいと私ども思っております。これは私ども会社としての立場か内申し上げるわけでございます。
  21. 近藤信一

    ○近藤信一君 ただいま豊田委員の御質問がありましたが、器具の問題、先ほど社長が従業員を戸別訪問させて、そうして非常に指導等に当って感謝されておると、こういう御意見を話されましたが、現実の問題は、だいぶん違っておる問題もあるのじゃないかというのは、今もお話しになった通り、犬が、け飛ばした、猫が、け飛ばした、ネズミがどうこうしたということで、器具が簡単に口がはずれてしまう。そうして寝ている間に死んでしまうということが、新聞等にもしばしば報道されている。戸別訪問されて指導に当られるということがあれば、そういう点などを十分に指導すべきじゃないか、こう思いますし、問題は簡単にあくような機械、これは元せんですね。この前新聞に出ておったやつを見ますと、元せんのところに穴があって、ネズミが出入りして、それをネズミが、け飛ばして、簡単にあいてしまう。こういうのは器具の問題じゃなくて、器具の先についておるネジの問題だと思う。そういう問題なんかも、もっと改善する余地が十分にあるのじゃないかとわれわれは考える。そういう点について会社側として戸別訪問されて指導に当るというような、御熱心に指導されておるそうでございますが、そういう点をもっと気をつけてやられた方がいいのじゃないか、私はそう思うのでございます。  それからもう一つは、よく一般の家庭に行きますると、供給の管が、とにかくお勝手場は塩気を扱うものですから、鉄管がさびてぼろぼろになっておるところがよくある。それから供給管が軒下を回っておるわけなんですが、そういうところもさびてだいぶんぼろぼろになっておるところがあるわけでございます、そういうものについて、ガス会社は一向考慮しないわけです。それから地下に埋っておる供給管について、何年たって取りかえてくれるのか見当もつかん。掘出して見ると、ぼろぼろになっているのがだいぶんある。こういった点、ガス会社は供給管の耐用年数はどのくらいに考えておられるか、またそれを何年くらいにガス会社は自主的にこれを取りかえるということをやっておられるかどうか、一向に取りかえるというのを私は見たことがない。そういう点、まことにガス会社がりっぱな方針で、先に御意見が述べられたような、そういう点なんかにも私どもは欠陥があるのじゃないかと、こういうふうに考えるわけなんですが、そういう点を一つ明らかにしていただきたいと思います。
  22. 本田弘敏

    ○参考人(本田弘敏君) 御注意ごもっともでございます。総動員に際しましては、短期間の間に、できるだけ早く一巡したいというなんでございましたので、ビラを持って参りまして、そうして御使用上何か不十分なところ、何かいけないところございませんか、一応お伺いしまして、それでお客さんのお言葉によりまして、実際の実情を拝見したわけです。先ほど私がビニール管を見たのも、向うで見てくれとおっしゃるから見たわけでございまして、全部そのとき上って、すべての器具の実情を点検したわけではありません。先方さんの申し出によりまして点検した場合でありまして、むしろ、だからおっしゃらないところに、あなたのおっしゃったような、無関心な方は実際何でもないと思っていられるところに、禍根がそこにひそんでいたことと私は思います。これはだから一巡いたしました上、今度回りますときは、件数を早く一巡しなくてもいいというような建前から、念入りに各現場を点検いたしまして、そういうことをしたいと思います。総動員の場合は、もう早く一巡して悪いところを早くなにしたい。こういう中毒を防ぐためにわれわれ回っているのでございますから、どうか悪いところがあったら、おっしゃって下さいというようなことをお客さんに申し上げて、それで向うから、じゃこれを見て下さい。これをどうというような、それを一々われわれは回ったわけで、点検し、また自分たちにできないところは伝票を発行し、あとで行って修理してもらった。お客さんが黙っていらっしゃるところは実際は現場を拝見していないのでございます。そういうところ、むしろそういう無関心なところに今申し上げますような禍根がひそんでいたわけなんで、そういうことに気がつきましたので、今後回りますときは、実際数は少くても、その場で修理のできるような工員をできるだけ回して、回った以上はあとは何も悪いところが起らないというようなやり方でいきたいと思います。
  23. 近藤信一

    ○近藤信一君 今ビラを回して注意を喚起するというようなことを言われておるのですが、ビラをもらったからって、そのビラを一々詳細に読んでおるというような家庭の主婦は非常に少いと思うのです。そうして宣伝のためにガスぶろが便利だから、ガスぶろを引けとか、ガスを何とかやれやれという宣伝は、私どもよく新聞の織り込みや何か、ビラをよく見るわけなんです。それでふろでも、ガスぶろにすれば、燃料がどうとかこうとかで安いから、ガスぶろは便利だという宣伝はよく聞くのです。実際に今ガス風呂の先ほどお話しも出ましたが、家の例をとって見ましても、ガス風呂のかまについている煙突、これは非常に短いものでね。そしてこれが今外の方にガスのかまが出ておるならいいが、ほとんどの家庭は、部屋の中でガスぶろをたくようになっておるのですね。そうすると、あの煙突から排気ガスというのが、くさい黒いやつがもうもうと出て、非常に部屋の中にガスが充満するようなことがあるのです。私ども、ときどきそういうことがある。そこで私は煙突をもっと延ばして、外へ出さなければだめだぞと家で言っておりますが、煙突がちょっとついただけでガスをお使いなさいということで、そのままでやっておると、ガスが部屋の中に充満してくるという例がしばしばあると思います。あなたの方でも集金は丁寧にやられるわけなんで、集金をやられるついでに、ガスの器具の故障だとか何とかいうようなことをやられたら、僕はよほど合理的にいくのじゃないかと、こういうように思うのであります。  それから先ほど申しました器具の問題で、ガス会社はもっと完全な器具を使う。また悪いのはすぐ取りかえるようにお話しをする、こういうふうに――これは集金こそ、それこそ戸別訪問でやられるのですから、これは間違いなくいくのじゃないかと思うのですが、集金はただ集金だけの役目で、金をもらいにきましたと言って、もう帰ってしまう。そういうことでは、指導にも何にもなりませんから、そういう点、もっと合理的にやる方法はないかと考えるのですが、その点いかがですか。
  24. 本田弘敏

    ○参考人(本田弘敏君) 一々ごもっともな御注意をいただきまして……。指導員についての御批判について私申し上げます。これは先ほどから繰り返し申し上げますように、短期間に回りましたので、一々現場を点検しなかった。全部ことごとくしたわけではございません。ただ、これに対しまして私ほんとうにお客さんがいかに喜んでいられるかという実例を二つばかり申し上げます。私は、東の営業所へ参りましたときに、営業所長が、先ほどお客さんから電話があった、どういう電話かというと、今まで自分はガス会社というのは、独占事業で大へん横暴だと思っていたが、きょうは総動員で中毒防止に回ってきた人は、実に親切丁寧に中毒防止のことを教えてくれた、私はこれでガス会社に対する認識を改めた、きょう回ってきた人を探して表彰してくれとそういう電話があったというようなこと。それから直接私に向島辺のある主婦から手紙をいただきました。これは、中毒防止のフイッティングのところの図面を書いてありますが、それでまあこういうようにしたらどうかというこまごまとした注意事項、これはほんとうにいかに関心を持っていただいたかというようなこと。これはもう総動員の私は付帯的な効果じゃないかと……これは総動員に対するお話でございます。  それから今のおふろに対するお話でございますが、これは完全燃焼をいたしますれば、短かい煙突で十分なのでございます。それがくさいとかそれから目にしみるというようなことは、不完全燃焼をしている結果でございまして、完全燃焼さえすれば短かい煙突でけっこうでございます。ただ、今御指摘がありましたように、アパートあたりですと、ふろ場も狭くなりますから、あるいは排気がこもりますと、炭酸ガスがふえて、あまりこれは健康上もよくないと思います。だからそういう意味からいいまして、できるだけ煙突を延ばして外へ出すようなふうに改めたいと思います。そうすれば、かりに火が消えても、生ガスが出ましても、その煙突を通じて外へ出ますから、中毒死というような事故は防ぎ得るのじゃないか。まあ要するに、いろんな点で私ども現在の器具が不完全とは決して思っておりませんが、より以上にいい器具をこしらえ、また事故を防ぐというような線にはもちろん努力していきたいと思います。  それから集金の点でございます。これはまあ検針、集金に限らず、月一回は必ずお客さんのところへ回るのでございます。だからそのときに、検針票にガスの使用上の注意事項、ほとんど最近は中毒防止に対する注意のことを刷ってありますが、仰せの通りこれは毎月一回は回るものでございますから、それを非常に合理的に活用いたしまして、会社の業務のやり方、あるいはその中毒防止を全般的に一つこれをうまく運営していきたいと思います。その御注意に対して、十分注意いたしております。
  25. 松澤兼人

    ○委員長(松澤兼人君) 近藤委員から、ガスの導管ですか、外の供給管ですね、ずいぶん腐食しておるものもあると思うが、それをどういうふうにお取りかえ……。
  26. 本田弘敏

    ○参考人(本田弘敏君) これは会社にちゃんと巡回カードというのがございまして、その管が入った年月がわかるようになっております。それによりまして、その管、場所によりまして必ず腐食の程度……下町の水気の多いところ、あるいは海岸の塩分の多いところなんかは、腐食する程度が早うございますし、大体何年間たてば、これを取りかえるという一定の基準か会社としてございまして、それによってやっております。これはお気づきにならないかと思いますが、飛び飛びにやっておりますから、新しく引いたときから何年たったらというような基準に基いてやっておりますから、お気づきになっていないかもしれませんけれども、方方でこれは飛び飛びにその期限が来れば、必ずやっております。それでなくちゃ第一会社自体としても、危険その上ないことでございまして、この上とも……。
  27. 松澤兼人

    ○委員長(松澤兼人君) 吉井参考人から器具の方の点で……。
  28. 相馬助治

    ○相馬助治君 ただいまの、豊田、近藤両委員の質問に関連して二つ私は伺っておきたいと思うのです。一酸化炭素を少くすることがいろいろな形から、いろいろな状況から現在不可能だとすれば、予防という点で金さえかければ、こういうふうな器具が発明されているとか、あるいは金さえかければ部屋の中に自動火災報知器のようなしかけで、たとえばガスが致死量近くなってくれば、にわかに音響を発するというようなしかけみたいな機械等が町の発明家とか、あるいは会社においてできているというような状況があるかどうか、これをまず私は一点伺いたいのです。そういう発明はあるのだけれども、費用の点その他でもって、そういうことはただ理想論で実際にはできないのだと、こういうようなふうな状況にでもなっているとすれば、一つ実情をお聞かせ願いたいと思います。というのは、先ほどの実例に出た浅草の問題のように、豊田委員が指摘したように、元せんを締めてしまった、ところが部屋の方のお客さんは知らないでいた、元せんをあけた、そういう場合ににわかに、初めてガスが出たときに大音響を発するというようなしかけでも、かりにあるとすればおやと気づく、そういうことは可能なんだけれども、費用の点でできない、こういうようなのかどうか、その辺の実情を私は本田社長から聞きたい。  ついでにもう一点聞きたいことは、先ほどゴム管を長くすることを禁止するような規則でもあれば云々とちらっとおっしゃったが、本田社長並びに近藤さんは、ガスの問題に関連して、何か国会あたりで立法措置でも期待するというような意味でも持っているのかどうか。立法措置を、ガスのそういうふうな問題に対して、また、そういう立法措置なんかやられたら、ガス会社としてはとても料金にはね返って大へんになるというふうにお考えになるのかどうか。その辺もざっくばらんに意見を聞かしていただきたいと思います。
  29. 本田弘敏

    ○参考人(本田弘敏君) 別にガス料金はそのためにはね返るとは私は考えません。立法措置をとられましても、つまりなんでございましょう、悪いガス器具を使わない。つまりガス協会ならガス協会、あるいはガス会社ならガス会社の検定済のものでなくては、使っちゃいけないというようなそういう立法措置をとられても、決してそれが直接ガス料金にはね返るというようなことは考えられませんね。
  30. 相馬助治

    ○相馬助治君 もっと進んで、ガス会社に対しても制限事項が出てくると思うのですね。ガス会社はこういうことをしなければならない。これだけの工事をこうしなければならない。それから腐朽個所を巡視して正確に見つけないときには、公益事業としてガス会社の社長は譴責されるというようなことが出てくるかもしれませんね立法措置としては。そういうふうなものは、今そういう立法措置をやられちゃ大へんだとおっしゃられるのか、それともこんなに人が死んでいるのだから、むしろこの際、通産省あたりに考えてもらって、立法措置くらいは必要だというふうにお考えかどうかということを私はお伺いしている。
  31. 本田弘敏

    ○参考人(本田弘敏君) 立法措置と申しましても、共存共栄の精神に基いた程度の立法措置であってほしいと思います。私は、現在の、こう多くあっては何かの立法措置が必要じゃないかというふうにまで考えております。われわれもできるだけのことをやって、しかもこういうふうに続くということは、私はほんとうに朝晩の新聞を見、ラジを聞き、実際身を切られるようにつろうございます。きのうの朝もラジオで、顔を洗っているときにやっておりました。どうしてほんとうにわかってくれないのかと、つくづく情なくなります。
  32. 松澤兼人

    ○委員長(松澤兼人君) 発明の問題……。
  33. 本田弘敏

    ○参考人(本田弘敏君) これは中沢君に一つ説明させていただきたいと思います。
  34. 松澤兼人

    ○委員長(松澤兼人君) それでは中澤技術担当重役にお答えいただきます。
  35. 中沢克巳

    ○参考人(中沢克巳君) ただいま安全装置のお話がございましたが、御返答申し上げますが、安全装置に関しましては、会社でもアメリカのベローとか、ハイメタル等、の手持ちがあるのでございますが、この装置をつけることを期待して用意しておるのでございますけれども、これは非常に値段がかさみますので、お使いいただけないのが現状でございます。  それからさっき近藤さんからも、コックがネズミであいたというようなお話がございましたけれども、これは私が申し上げないでも、皆さん御承知かと思いますけれども、会社のコックは、ちゃんととめ金具がついておりますので、これを持ち上げませんと、コックはあかないようになっておりますので、新聞にちょっと出ておりましたけれども、われわれの方では考えられない問題だと思っておったのでございます。  それから、これは安全装置ではありませんが、ゴム管なんかもさっきお話が出ましたが、東京瓦斯の販売になっておりますのは、市販のゴム管と比べまして非常にまぜ物が少いわけであります。一見ごらんになってもすぐおわかりと思いますが、つやからして違いまして膨張力とか、ひずみというものが、市販のものの何倍かになっておりまして、非常に肉も厚うございますし、膨張力、ひずみ、伸張力は試験の結果は違っておりますので、われわれの方のものをお使いいただければ、安心ではないかと思っております。  また、皆さんにお渡ししてございますけれども、ゴム管をクリップでとめるような金具をいたしております。ゴム管をはめたあとにさらにそれをつけていただければ、実際はずれないのでありまして、もっともそれがなくても二センチはめていただけばゴムの山ができまして、今度ははずすときに刃物で切りませんと、はずれないようになっておりますけれども、結局深く、しっかりということを会社ではしょっちゅう申し上げておりますが、はめ方が悪いということが、結局事故の一番の原因ではなかろうかと思います。  それからもう一つ、さっき法規のお話が出ましたが、これはわれわれの方で料金不払いの場合には、法規上そこで停ガス、ガスをとめるということは業者としてできるわけでございますけれども、先ほどから皆さんいろいろお話しのようにビニール管をつけているとか、あるいは下の部屋から二階までガス管でつないであったというときには、御注意申し上げますけれども、これは危険だからというので、ガスをとめる権限はないわけであります。英国は、これは申し上げまするまでもないわけでありますが、御承知のように国家がガス給付をやっておるわけでございますが、向うではコーションタッグをつけておりまして、ガスの器具がつぶれておったとか、何とかという場合には、札を張って、札がぶら下っておる間は使えないようになっております。そうしてそれを修理しまして、お使い下さいといってコーションタッグをはずしてお使いいただくというようなことをやっております。まあ法規上いろいろ問題点があろうかと思いますけれども、何らか人命擁護の点からすれば、この措置が業者側からすれば、よろしいのではないかと思います。さっき社長が申し上げましたのも、その意味でございます。
  36. 松澤兼人

    ○委員長(松澤兼人君) それでは次に、吉井参考人にお願いいたします。
  37. 吉井誠吉

    ○参考人(吉井誠吉君) 私は昭和重機の吉井でございます。  ただいま御質問いただきましたことにつきましては、東京瓦斯会社の本田社長から、すでに御説明が済んだと思いますが、バーナーにつきましてのこと、並びにそれに付帯する器具につきまして、器具を生産しております立場から、現況を一応御報告申し上げたいと思います。  全国でガスバーナーを中心としました器具を製造しております業者は大体六十軒、そのうち東京が三十五軒でございます。昨年三十一年度は、約百五十万台のバーナーを付帯した器具が、全国で発売されております。  そのうちで特におふろのバーナーの事故が大へん多うございましたが、これはメーカーとしましては、むやみにこのバーナーを作っているわけではございませんで、長年の技術経験を積まれました各東京、大阪、名古屋の瓦斯会社の技術部が基本設計をされまして、最も安全と思われる指導と設計図に基きまして、バーナーは製作されるものでございます。ですから、バーナーのアイデアにつきましては、不安はきわめて薄いのではないかと思います。ただ、製造過程におきまして、各メーカーはガス会社、東京では東京瓦斯、大阪では大阪瓦斯の規格検査がきわめてむずかしい過程を経てやられますもので、これを自分の方で作ったものを、ガス会社に持って行って、はねられるということは、コスト高になりますので、大体お持ちしたものは、ほとんど合格するように各ガス会社検査規格と同等の設備を各自の会社が持ちまして、自家試験を綿密にいたします。そうしてその社内検査、自分の社内検査を経たものをガス会社にお持ちし、このガス会社ではまた、綿密な検査をされますので、それがはねられますことは、各メーカーの技術によりましても違いますが、大体二割から三割という実情でございます。それでございますから、この各メーカー、メーカーの社内検査を完了し、なお二段にガス会社の検査を経たものは、ほほ完全なものと私たちは確信いたしております。それで、その検査の内容はと申しますと、第一段階は漏洩これを最重要に考えて、順序の第一段階としております。その次は、長く持つか持たないかという問題、それから体裁というまず三つに分けております。  それでバーナーはそういうわけで、われわれの手から、ガス会社を通しまして、御販売したものは、まず間違いないと思いますが、たまたま百貨店、または最近各小さなふろ屋さん、金物屋さん、こういう方々が、ガス器具の用需要が非常にあるというために、こぞって扱いたがることを、各メーカーに申し込んで参っております。これはやはり各メーカーが自分のところの生産力が、ガス会社の御注文以上にありますので、余剰に作った品物をガス会社の検査なしに、自社検査のみで直接扱い店へ販売するという場合には、どうしてもただいま申し上げたガス会社ではれられる二割または三割という検査をしないで出します物で、そういう不良品が町に流れる実情はいなめないのであります。でありますから、ただこの場合に、最近はいろいろの仕事の関係上、ガス器具というのは割合に簡単にできるのではないかというので、われわれ業者が知らない小さなもぐりの方が鋳物をちょっと吹いて作る。そうして税金を、物品税をのがれて、方々に販売して歩くということは、プロパン、そのほかの特別なガスの方ができて参りました関係上、その方面に進出し、それがまた都市ガスの方に流れておりますので、不良品がわれわれの気がつかない範囲に広まっているのだと思っております。で、今のおふろのバーナーはやはりガス会社の御設計でやっておりますもので、まず完全燃焼しないものは、ふろバーナーには少いのじゃないかと思っております。これは消えるという問題は別問題になりますので、作っておりますバーナーとしましては、まず完全燃焼と信じております。
  38. 豊田雅孝

    ○豊田雅孝君 それでは、この程度に参考人の方の方は、私としてはいたしておきまして、その結果に基いて公益事業局の方へお尋ねをしたいと思いますが、この現行のガス事業法は、爆発あるいは保安というようなことに非常に重点を置いて中毒予防というような点については、非常に欠けておるのじゃないかということが、きょう参考人のいろいろな御意見等を承わっても、それを痛感するのでありますが、この際この法令の根本的な改正が必要なんじゃないか、で、具体的に言いますと、まず第一には、今のガス用器具の検定制度であるとか、あるいはそれの取締りであるとか、あるいは元せんから先の配線についての取締りであるとかいうようなことについて、一つの立法措置が要るのじゃないか。それから第二の点は、一酸化炭素が中毒死に非常に関係があるのでありますが、その一酸化炭素が、このガス事業法の二十九条によるというと、ガスの成分のうちの検査義務の規定があるのでありますが、その二十九条に基いて、ガス事業法施行令によると、ただいまのところは硫黄、硫化水素、アンモニア、この三つだけについて測定義務を課しておる。ところが、この一番危険な一酸化炭素については、測定義務を課しておらぬ、こういう点もやはり非常に重大な問題ではないか、こういう点について法令の改正が必要なのじゃなかろうか。それからさらに臭気を添加するということが、採算上どうだこうだという議論も、先ほど出ておったのでありますが、先ほど来参考人の話を聞いておりますというと、コストの問題だとか、あるいはPR、使用者側に対する一種啓蒙的なことにのみというと、語弊があるかもしれぬけれども、それに重点を置いておるということ、危険の根本を探究してこれに対する措置を考えるという点については、非常に欠けておるのじゃないか、ガス用器具についての取締りなり、あるいは配線の取締りなどについては、非常にガス会社としても痛感しておられるようだけれども、それならば、なお政府の方にもそれを要望するとか、また政府の方もそういう点については日ごろから研究もせられ、適切なる措置を急速に講じてしかるべきじゃないかというふうに思うのであります。これほど世間を騒がしておる問題でありまするから、だからガス会社当局にも私は非常に本末顛倒のきらいがあると思うのでありますが、同時に公益事業局としても、とにかくガス事業というものは独占事業であって、公益事業であるのだから、採算だとか、サービスだとかいう以外に、根本的に原因の排除ということを考える必要があると思いまして、そういう点について、公益事業局の見解を率直に一つ伺いたい。
  39. 岩武照彦

    ○政府委員(岩武照彦君) ただいま豊田委員から御指摘がありましたが、実はこのガス中毒の問題は、何分多数の使用者の、そのときどきの態度が関係して重要な要素を占めておりますので、なかなか行政面から、これはというきめ手が実はないのを残念に思っております。御指摘ありましたように、使用者側の態度、極端に申しますれば、通常人に期待し得る注意以上の部分を、行政面でどの程度補うのかということが、まあ一つの山になるのだろうと思います。そこでずっと使用者側の問題を抜きまして考えてみますと、大体御指摘になりましたような二つの問題が考えられるわけであります。一つは、供給するガスの性質の問題、これには一酸化炭素の含有量あるいは消臭という問題がある、その次には、使用しておりまする器具の性能、規格といった問題があるわけであります。それから最後には、その器具を使用するときの静的な、スタティックな条件があるかと思っております。ガスの性質上の問題は、先ほど来いろいろ御検討があったようでありますが、測定義務を課しておらないのは、これは実は一酸化炭素は、本来ならば燃焼を助ける、ガスとしてはむしろ何といいますか、ある程度要る要素でもありまするので、これを測定いたしましても、何。パーセント以下に抑えるということは、これは現在のガス事業の、何といいますか、規模、あり方からいいまして、むしろ自己撞着にもなるかと思っております。法令の方が今御指摘がありましたから、ごらんになればわかりますように、何パーセントという数量をこしていないかどうか、検査することになっております。単純に何パーセントあるかという程度の検査とは違うようであります。この点はかりに指定いたしましても、おそらくそれをこえるからガスの供給を制限、停止云々ということには持っていけぬのじゃないかと思っております。  それから着臭の問題、これはどの程度効果があるかという問題に実はなるかと思っております。先ほど来お話がありましたようですが、最近の事故が就寝中がほとんど大部分、ふろ場における事故等におきましては、あるいはある程度効果もあるかと思いまするが、反面炊事具等におきまする臭気等の問題が、どういうふうに需要家の便宜に関係するかという問題がございます。これはもう少し検討させていただきたいと思います。  それから御指摘ありました器具関係であります。これは実は現在の一番盲点になっております。従来の事情はよく存じませんが、とにかく現在器具関係は、ガス会社あるいは製造家が自己検査する等以外は実は抜けております。強制的に手を打っていない。これは私たちも少し立入って検討いたしたいと思っております。やり方でありますが、これはもう少し検討しませんと、何とも申し上げられませんが、御参考になるかと思いまするが、電気の方は、むしろ危いという建前から、比較的厳重な検査をやっております。御承知のように電気用品の取締規則がありまして、電気試験所あるいは電気協会で最初に作っております人の能力、あるいは設備等を見まして製造免許というのを行います。その次に、具体的な用品の規格、性能等につきまして形式承認という制度をもってやっておりました。ただ電気につきましても、実はまだ抜けておりまして、販売面が放置されております。今度の電気事業法の改正の面におきましてもその点をどう扱うかという点が、今検討中の段階であります。いずれにいたしましても、ガスの方はその点が放置されておりまして、これは何か有効な措置をとりたいと思っております。ただ、急速に間に合わないかと存じます。その点は御了承願いたいと思います。  それから最後に、そういうふうな器具等を具体的に使用する場合の状況についての規制であります。これもまあ一つの例をあげますると、今申し上げましたような検定なり検査なり等を行いまして、不合格な品物は使っちゃいかぬという規則をかりに作りましても、それが実行できるかどうか、これは非常にむずかしい問題であります。先ほど申し上げましたような多数消費者の関係のものでございますので、ただ規則の作りっぱなしになる危険性もございます。これも御参考で恐縮でございますが、あるいは電気の方で一部考えておりますが、そういうふうな器具を、つまり不合格品の器具あるいは特に長いゴム管というような不正常使用といいますか、そういうふうなものを使っていることがわかった場合には、ガスの供給者ががスを供給しなくてもいいと断ることができるというふうな措置ができるかどうか、ガスの供給規定でそういうふうなことをうたって、これを実行し得るかどうかというところが、やや実効的なところだと思います。これは電機でも、一部そういう考えで考えておるところがございます。ただ、これには相手の使用者の方の承諾がありませんと、むやみに人のうちに入るわけにはいきませんので、つまり家宅侵入の問題がございますので、その辺の問題さえ片づきますれば、あるいは実行……ことにガスの方はいろいろ利用家を個々につかんでおりますので……(「進行、進行」と呼ぶ者あり)大体これで終りますが、そういうふうなことで検討中でございます。
  40. 豊田雅孝

    ○豊田雅孝君 今の測定義務の問題でありますが、これは現在の法令それ自身に追加するというようなことだと、今の説明でうかがえるのですが、そうでなく別途にやられたら、私はいいのじゃないかと思います。要するに測定義務だけ、一酸化炭素についての測定義務を課していく、一定限度以上になった場合に、製造、供給を禁止するということじゃない行き方でいけばいいのじゃないかと思うのですが、その点で一つ研究してもらいたいと思います。その点についての御意見と、それからもう一つは、今のガス用器具の問題については、これは取締り法規を作るということをぜひともこれは研究してもらいたいと思っております。ことにビニール管というものは危険だとはっきり言われておるのだから、これについての製造、販売についての特殊の取締りをするということぐらいは、少くともやる必要があるのじゃないか。あるいはさしあたりのところ、検定制度をやる行政指導を即時にやるということについても研究してもらいたいと思います。その点についての意見を伺いたいと思います。
  41. 岩武照彦

    ○政府委員(岩武照彦君) あとの方の検定の問題は、正式の検定となりますと、これはいろいろ制度上、予算上の問題がございますが、何かもう少し適切な即効的な方法がないかというふうな点から、検討したいと思っております。それから法令の改正の問題は、御指摘の要点でありますれば、現在の法令の改正問題が起りますが、実はそれだけで効果も上らないかと思っておりますので、もう少し何か方法を考えたいと思っております。
  42. 阿具根登

    ○阿具根登君 参考人の方の御意見をお聞きしておっても、あるいは今度は事業局長のお話を聞いておっても、一つもこれはということはないんであります。たとえば参考人の方の御意見を聞いておりますと、英国において、あるいはドイツにおいて一酸化炭素はまだ多いんだ、日本は一八%になって戦前の倍であるけれども、まだ少いんだ、こういうような意見をお聞きいたしますと、外国の家庭と日本の家庭とは比較にならないんであります。寝ておるうちにほとんど死んでおるということを考える場合には、私はそういう考えではいけないと思うのであります。そうしてまた、局長のお話を聞いてみても、一番大事な一酸化炭素の問題については、何にも手が打てない、こういうお話をしておられる。先ほど豊田委員からも言われたので、言う必要もありませんが、管のことを言えば家宅侵入になるとか何とか……、そういうことじゃなくて、もっと真剣に一つ取っ組んでもらいたい。ビニールということを言われたんですけれども、それだけビニールが危険だと業者が言っておれば、それを許可しておる当局は、これに対してはどうするんだというような考えがあってしかるべきだと思う。これだけ長い時間を費して皆さんの御意見を聞いておっても、結局使用者が悪いんだと、使用者が注意さえしてくれればこういうことばないんだという結論にしかならないと思うんです。器具に対してもその通り。あるいはいわゆるガスの内容に対しても一酸化炭素があっても仕方がないんだ、こういうことになってくると、結局使用者が注意せよ、こういう結論にしかならないと思う。われわれはそうではなくて、もっと大衆を相手の大衆が朝に晩に接しておるものであるから、何とか方法はないかというようなことで、われわれはこういうお尋ねをしておるものだと思うのであります。だから当局の力でもどういう点をどうするんだと、たとえばビニールの問題ならビニールだけの問題でもいいが、ビニールのガス管を使っちゃいけないとか、こういうガス管を売ってはいけないということができるのかどうか。そういうことをしてでも、事人命の問題であるから、もう少し積極的に取っ組んでもらいたい。たとえば石炭以外でガスを作る場合に一八%になるならば、日本の家屋の状態から見て、これは危険度大き過ぎる、だからこれができないようにするにはどうすればいいのか、また、会社の事業面から見てみれば、このガスを作る場合に一酸化炭素を技術的に抜くことができるのか、できないのかという点を掘り下げて私はお聞きしたいと思うんです。そういう点について、局長の方からも一つ確信のあるお考えと、また、業者の方からも、先ほど豊田委員もおっしゃいましたけれども、ただ営業面とかいうのではなくて、もっと根本的な問題で、これはこうやりたいと思うんだけれども、やれないんだと、いわゆる一酸化炭素の問題について、御意見があればお伺いをしたい、簡単でけっこうであります。
  43. 岩武照彦

    ○政府委員(岩武照彦君) お尋ねでございますが、一酸化炭素の量を減らして併給する方法は、技術的にはないんじゃないかと思っております。
  44. 阿具根登

    ○阿具根登君 できない……。
  45. 岩武照彦

    ○政府委員(岩武照彦君) ええ、私の了解しておる範囲では、あるいはあるかもしれませんが、私はそう思っております。  それから器具の販売禁止の問題でございますが、これはガス専用の器具は、あるいは製造使用等はある程度やれると思います。ただガス専用でない、ことに一番問題を起しますのは管でございます、これは水道管、その他の管と大体同じようなものでありまして、これも使用禁止といいましても、まず実効はありませんし、販売禁止はできないかと思っております。むしろこれは先ほど申し上げましたように、使っておるのが抜けたときに注意を促してガスの使用をお断わりするということにした方が、一番徹底するかと思います。
  46. 阿具根登

    ○阿具根登君 参考人の方にあとでお願いしますが、結局そういうことになれば、まあ法律でも作ればそういうことになるかもしれませんけれども、では百貨店に行っても、ガス管としてビニールの管を売っているわけです。まあ大衆として百貨店で売っているものを一番信用するのですね。あなた今行ってみなさい。ビニールの管を売っているのです、ガス管として。これは危険性があるのだということになれば、ガス管の方だって、何かやはり先にゴムをつけるとかいろんな工夫があるべきだと思うのです。そういう工合にビニールの符をガスに使う目的のために販売することができないとか、あるいは危険があるからできないとかいうようなことは、できるのじゃないかと思うのですが、そういうこともできないのですか。
  47. 岩武照彦

    ○政府委員(岩武照彦君) 法令としてできないとは申しませんが、実効が現われんのじゃないかと思っております。逆に申しますと、水道の管として買ってきて、ガスに使うということもあろうかと思います。法令をやります場合には、もう少し使っている力を押えるのがほんとうだと思います。これは私見もございますが、もう少し検討させていただきます。
  48. 阿具根登

    ○阿具根登君 当局がそういう考えだから、私はこういう事故はおさまらないと思うのです。打つだけの手を打って、そして使用者には厳重な通告をするようにしなければ、大衆相手で朝に晩に接しているものなんです。それを実効が上らない、こう言うことば私はおかしいと思うのです。当局はそれではただ手をこまぬいて、業者の方がPRされるのを待っている。そういうことでは、私はここでこういうことをやる必要もないのだと思う。終戦後ガスを使うことが多くなったことも、それは来集でしょう。しかし、それだけの死人が出てきた。倍近くの死人が出てきておる。終戦後から見ても……。そういうことも事実そうなんですね。そうするならばですよ、何かこれは手を打たなければいけないということは、当然考えるべきじゃないでしょうか。それがここで今まで論議されたことが何もならないのだ。ただ、ビニール管一つにしても、それは売れないのだということになれば、何もできないということなんだ。ただ使用者側に注意して下さいという以外には何もないということなんです。そうじゃないですか。もう少し熱意をもって考えるならば、そのくらいのことはできると私は思うのですが、そうでなかったら、ここの結論というものは何も出てきません。ただPRだけだ、使用者に注意して下さいというだけにしか、この結論にはならんじゃありませんか。業者の方はこれはできないのだとおっしゃっておられる。あなたの方じゃ、法律を作っても、それは結果として何にもならないということになれば、これはもうただ使用者が注意する以外に何もないのだ、こういう結論にしかならないと思うのですが、どうですか。
  49. 岩武照彦

    ○政府委員(岩武照彦君) 今私も、この問題が発生いたしましてからいろいろ研究もし、調査もしてみましたが、残念ながら、これで片づくというきめ手というものはないのでございます。はなはだ残念でございますが、そういう状況でありますので、行政面として、あの手この手、側面から周囲を固めて、少しでも事故を少くするようにしたい、こういうことだけでございます。
  50. 豊田雅孝

    ○豊田雅孝君 今公益事業局長はそういうふうに言われるが、先ほどから阿具根委員も言われるごとく、ガス用器具の取締りということは、これはやってやれぬことはないので、ことにそれをやった場合に、これは水道用具だということで売られておるものを、買ってきて使うというけれども、それを使えばこれは過失になるので、だからガス用として売るものについての取締りをやるということは、これは当然すべきことであり、また、ガス会社の方からもそれは必要だというふうに言われておるのだから、ガス用として使うものの、その器具の取締りくらいなことはやられて当然でしょう、公益事業だから……。どうですか。
  51. 岩武照彦

    ○政府委員(岩武照彦君) その点も検討したいと思っておりますが、ただ、売っている方は、これは公益事業でございませんので、実は困っておるわけでございます。
  52. 島清

    ○島清君 ちょっと関連して。今阿具根委員が質問されたように、何もきめ手がないから何もやらないのだと言うて、手をこまぬいて見ておるというだけじゃ、能がないと思うのですがね。やはりそういうものを積み重ねていくことによって、つまりはそれが防止できるのだと思うんですがね、公益事業局長の話を聞いていると、一人で非常に苦心をされたように思うんですが、一体こういうふうに人心が動揺するほどの、世間が騒いでおる問題について、まず一応この防止策を考えてみよう、具体策を考えてみようというて、あるいは業者と話し合いをしたとか、何か一つそれに対する防止策としてのモーションか何かやられたことはあるのですか。
  53. 岩武照彦

    ○政府委員(岩武照彦君) 何もしないでおったわけじゃございませんで、いろいろもちろん専門の人の意見も聞き、やっておりますが、今までのところ、行政面として打つ手は比較的限られておる。しかし、それでもそれをほうっておるわけじゃございませんで、先ほど申し上げましたような方面から、穴を逐次つぶしていきたい、こう申し上げておるのでございます。
  54. 島清

    ○島清君 業者の諸君とできるだけの防止策を講ずるというて、どういうような懇談会を開き、どういう具体的な話をされて、これなら実行できるじゃないか、これはむずかしいといったような具体的な結論が出るまでに、それに対する防止策について懇談か何かしたことがあるんですか。
  55. 岩武照彦

    ○政府委員(岩武照彦君) 私自身も一、二回責任者の方と話しております。それから主任の係官の方も、事あるごとに業界と対策を練っておるのであります。ところが、遺憾ながら先ほど申し上げましたように、ガス会社側のいろんな、使用者の注意喚起、あるいはそのことについて相談という形でいろいろやっておられますが、行政面の方からこれということを今まで注意を喚起するようにやっておりませんけれども、先ほど来申し上げましたように、器具の面、あるいは使用関係の状態の面につきましては、近く態度をきめたいと思っております。
  56. 松澤兼人

    ○委員長(松澤兼人君) これだけガス中毒死あるいは事故というものがあったら、時を移さず公益事業局として各ガス会社にこれこれの点注意あってしかるべきじゃないかというような、指示とか通牒とかというものをお出しになる権限があるんじゃないですか。それをおやりになる必要があるんじゃないですか。
  57. 岩武照彦

    ○政府委員(岩武照彦君) その点申し忘れましたが、一月の終りに、ガス会社に対しまして、中毒事故の防止につきましては、一応の示達を行なっております。が、これだけではそれは私たちの部面では不十分だと思いますので、先ほどお話し申し上げましたような面で、逐一穴をつぶしていきたい、こういうふうに考えております。
  58. 大竹平八郎

    ○大竹平八郎君 時間がありませんから、ごく簡単に一点お尋ね申し上げますが、まず参考人の警視庁の防犯部長、それから公益事業局長にお尋ねしたいのですが、ここに両方から資料が出ておるのであります。警視庁の方の調査によりますと死亡者が三十一年六十八、それから公益事業局の力としては四十四とこう出ておるのですが、これは何かこの調査対象が違うのでしょうか。まず参考人の近藤さんから一つ。
  59. 近藤貞

    ○参考人(近藤貞君) 最初にもちょっとお話し申し上げましたように、ガスによる中毒の問題については届出の義務もあるわけではありませんし、お医者さんから警察に届け出ろという義務も課しておらないわけであります。従いまして、警視庁がそのことを知るのは、消防関係――救急車が出るというような関係で、消防との連絡上から、こういう事故があったことを知るわけであります。それからもう一つは、警察みずからが知ったという場合、その二つの面から知っておるわけでありまして、ガス会社の方からも、別に通知があるわけではないのであります。従って、この統計面に現われたのは、死亡の点については、いわゆる変死として検視をいたします関係上、これは正確な数字であります。死亡に至らないものについては、必ずしもこれだけにとどまるものであるというふうには申し上げられないわけでございますが、二十七年から三十一年までの死亡件数が出ておりますが、この数字については間違いないわけであります。
  60. 岩武照彦

    ○政府委員(岩武照彦君) 私の方でお配りしております三月五日付の資料の死亡の中には、自殺を一含んでおりません。それからもう一つの方の資料は、会社単位に出ておりますので、御承知のように、東京瓦斯は横浜、横須賀方面も供給地になっております。あの方面は比較的事故も少いようでありますが、その間若干の数字の違いがあるかと存じます。
  61. 大竹平八郎

    ○大竹平八郎君 自殺は別に百五十二人と警視庁は統計を出しているのです。今の私の質問は過失についてだけなのでありますが、尊い人命が一人違っても大へんなことであるにかかわらず、こういうふうな世間を騒がしている大きな事件を、同じ役所が、いかに警視庁の立場、通産省の立場といっても、二十四人もその統計に大きな違いがあるなんということは、何か連絡も密ではないし、何か弛緩しておるようにも考えるのでありますが、これはなお一つ、通産省から警視庁と十分連絡をとって、詳細な資料を出していただきたいと思います。  それから、続いて参考人の本田さんにお尋ねをいたしたいのでありますが、東京瓦斯は言うまでもなく公益事業で、それから一面においては独占事業でもありますが、ごく簡単でよろしいのですが東京瓦斯株式会社の昨年の下半期の利益は大体どのくらいでありますか。
  62. 本田弘敏

    ○参考人(本田弘敏君) それではお答え申し上げます。九億五千九百八十四万五千七百五十六円でございます。下期の純利益でございます。
  63. 大竹平八郎

    ○大竹平八郎君 先ほど来伺っておりますと、サービスの問題について、社長みずから率先して各所を回って努力をせられたと、これは大いに多とするのでありますが、まあ何か世間が騒がしくなって、急にこういうようなことになったので、社長が率先し行かれたというようにも、また私どもは逆な意味においてとれるのですが、大体独占事業というものは、ガス会社に限らず、電話でも電気でもそうなのでありますが、大体においてもうサービスの悪いところなんです。たとえば、さっき器具の問題がございましたが、器具の規格品というものは、ガス会社の営業所といいますか、出張所といいますか、そういうところで主として売っておられる。しかしながら、一般の民衆というものは、電気会社へ行くとか、あるいはガス会社へ行くなんというのは、区役所へでも行くような感じを持つわけです。それからまた、場所の点からいいましても、そうそのサービス・ステーションがあるわけではないのだ。私どもは港区に住んでおるのでありますが、ガス会社に行くということになると、電車の停留所で七つか八つ先に行かなければならない。まあ女中がおったり手があったりするところはいいのでありますが、そうでないようなところの人は、どうしても自然に間に合せのものを近所の金具屋から買ってつけるというようなことが多いわけでなんです。まあ、会社がこうやって莫大な利益を上げておるのでありますが、いま少しくサービス・ステーションというようなものを増設する一体考えはないかどうか、まずこれを一つ伺いたい。
  64. 本田弘敏

    ○参考人(本田弘敏君) 御注意ごもっともでございまして、私どももできるだけ数多くのサービス・ステーションを持ちましてお客様方の御便宜をはかりたいということは、もう御指摘の通りでございます。ただ、現在としまして、なかなか適当な場所に適当な地所――ある程度の場所が必要でもあるし、それを得るということも、なかなか現在では容易なことではございません。まあ、最近、自由丘あたり一つ物色して何とかしたいというように考慮中のところもありますし、これは抜かりなくやっておりますけれども、いろいろな関係からいって、なかなか早急に実現できませんし、まあ横浜でも目抜きの場所をというようなことで探して、一つ見当をつけているところもございます。これは私どもの事業が、古い時代には、いわゆる今御指摘があったように独占事業というようなことで、受けて立つというようなことで、まあお客さんが来ていたんだからというようなことで、現在の営業所の立地条件が非常に悪いのです。お客さんのお足を運ばれるのに不便な場所にあるところが大部分でありまして、その点は時代とともに変って、昔はこれでよかったものが、今ではそこで間に合わないと、そのために大へんな御迷惑をかけていると思います。さりとて、目抜きの場所の足場のいいところに適当な場所を探して得るということは、なかなか容易なことではないのであります。まあ、今御指摘になったように、できるだけ便利なところに数多くのサービス・ステーションを持ちたいと、それに努力しつつあることは事実なんで、まあいつの日に、その御期待通りの場所に数も相当でき上るかということは、これはまあ将来のことでございますが、その目的に向って努力しつつあることは、一つ御了承願いたいと思います。
  65. 大竹平八郎

    ○大竹平八郎君 いま一点お尋ねいたしますが、先ほどからいろいろネズミの問題なんか出たのですが、ネズミが出て、いわゆる元せんあたりに大きな故障が出てきたなどという大きな被害については、大体気がつくわけなんです。においも非常に強烈でありますから、気がつくのでありますが、結局大きな丘よりも小穴に実際被害があるわけなんです。こういうことについて、まあわれわれの家庭の経験から言うならば、どうもガスがくさいというので、実はしばしば、麻布の出張所ですか、営業所ですか、電話をする場合があるわけなんです。そうして、やってきて点検はしていただくが、どうも故障はございませんというようなことが大体多いのです。しかし、われわれは、実はタべもそうなんですが、現実に寝床のそばにありますあれがくさくてたまらない、そんなことがたびたびあるものですから、電話をするというと、技術員がやってくれば、大体そういうふうな返答で、どこも悪くないとこういうわけなんです。これは私はそういう意味で、大穴はしろうとでもわかる。そういうかすかに漏れているというやつは、これは技術員でなければわからない。そういうような技術員がやってきても、なおかつわからぬということは、何かこう技術者の養成というようなものに大きな欠陥があるのではないか、こういうように考えるのであります。せっかく膨大な利益を上げているのですが、こういう一般の下級技術員の養成こういうようなものについては、会社はどういうふうな方法をとっておられますか。
  66. 本田弘敏

    ○参考人(本田弘敏君) これはごもっともな御注意でございます。ただ、くさいままになんして、直りませんということは、それは事実でございますか。昨晩ですね。
  67. 大竹平八郎

    ○大竹平八郎君 タべの話じゃなくて、今まで何回も……。
  68. 本田弘敏

    ○参考人(本田弘敏君) これはゆゆしい問題でございますから、これは十分取り調べて何いたしますが、先ほどから申しますように、ガスの漏洩ということは、ほんとうに会社にとりまして一番ゆゆしい問題でございますから、受付の伝票もちゃんと伝票の端の方に赤インキで何して、しるしを染めまして、これは普通の何とは取り扱いを別にしております。これは先ほども申しましたように、夜の夜中でもガスが漏れているという電話があったら、必ずお伺いするという建前になっております。ただ、それがせっかくお伺いしましても完全に直らなかった、これは仕事が大きくてどうも手に負えない。そうすると表のガスをとめて漏洩を防ぐということもあるのでありますけれども、簡単な場合に直らないということは、私ちょっとふに落ちかねる事実でございます。もし、それがそういうことであれば、御指摘の通りガス技術者の技術の問題を取り上げなければならない問題だと思うのです。会社に入りまして、工員は、工員の教習所がございまして、これは大体二カ月なり三カ月なり、営業所なら営業所のそれに適応した技術の講習をやるようになっておりまして、従来はこれは相当ひんぱんにやっておりましたけれども、戦後は従前ほどのようにはいっておりませんが、結局お客さんはお伺いする工員が今のお話のような工員であるとすれば、これはほんとうにゆゆしい問題で、私はそうは信じませんが、一応よく調べまして、御注意に沿うように、よく教育をいたしまして、皆さん方に御迷惑をかけないように、御期待に沿うように一つやっていきたいと思います。
  69. 西川彌平治

    ○西川彌平治君 時間がだいぶん過ぎておりますので、私は一件だけを伺っておきたいと思います。ちょっと今までの質問者と全然方面を変えた私は質問をいたしたいと思うのですが、東京都の中心地帯を考えてみましてもそうであります。付近を考えてみましてもそうでございますし、一般都市の周辺が、非常に異常な発達を最近はして参っておりますので、ガスの供給区域がだんだんと拡大をされていっておる。それにもかかわらず、いわゆるガス・ホールダーというものの拡充とか、いわゆるガスを供給する場所の拡充が十分にいっておらんのではないかというような感じを私は持っておるのでございます。これは東京瓦斯の場合においてどうだか私は知りませんが、地方のガス会社に参りますと、どんどんどんどん申し込みに対しては器具を取りつけてやっておるのです、しかし、元は元できまっておる。その方面に供給をするには、どうしてもこのパイプに対して今までよりも圧力をよけいにかけておかなければ、そのところまでガスが供給できないというような問題がかなり地方にはあるのであります。従ってそのガス・ホールダーの付近に供給を受けておるものは、かなりガスの出がいいのでございます。それがずっと末端に、最近つけたような新聞地方面に行きますと、ガスの出がそれでもあまりよくない、それでガスの出が悪いからという苦情がかなり出ておる。一方においてはガスのどうも出がよ過ぎて困るというような苦情も出ておる。こういうようなことが現実の問題としてあるのでございますが、まあ、東京瓦斯におきましても、そういう意味においてこの輸送管の圧力を増したために、そういう末端の方と、それからガスのホールダーのあるところとの圧力の差があるということからして、まあ部屋の中に入りましてからの事故が起きるというようなことがないものであろうかどうか、一つ伺っておきたいと思います。
  70. 本田弘敏

    ○参考人(本田弘敏君) 御承知のことと思いますが、単に東京瓦斯だけでなく、全国のガス事業者が昭和二十八年からいわゆる五カ年計画というのに入っております。これは戦後の復興を一応終えまして、結局ガスの需要が激増して参りましたので、従来の製造設備あるいは供給設備では、間に合わなくなったというようなことで、日本全体で五百七十八億の設備資金、東京瓦斯ては二百億くらいでございまして、ところが実際やってみますと、なかなか間に合いませんで、私の方は御承知の通り、東京湾の隅田川沖を十万六千坪ばかり埋め立てまして、新工事をやりまして、昨年の十一月二十八日から千トンのコークス炉が稼働しておりますが、石炭千トンのガス発生装置ができております。ことし中に、激増する需要にたえるために、予定を繰り上げまして、ことし中に一千トンのコークス炉を作る。それからホールダーを隅田川沖に二基、それから問題になりました世田谷の廻沢に二基、それから来年は練馬の方にもこしらえます。それから、それと同時に隅田川に今までにない高圧、ハイ・プレッシャーのガスの輸送管を、東京都の外周一体にめぐらしまして、今お話しにありましたように、ガス・ホールダーのあるところと末端とはそう圧力の差のないように、これは十分な計画を立てて、ただいまやっております。ただ、まだ五カ年計画の何が、ことしは最終年でありますが、完全に終っておりませんので、部分的にはあるいは御指摘のあったように、ホールダーのところと末端と圧力が違うところがあるかと思います。それで、これは立川との連絡工事も昨年済みましたし、それから大宮、浦和とも、こちらからの連絡工事も済みましたし、できるだけ本社で仕事のむだがないようにするように、そういう施設をしておるのでございますが、今のガスの漏洩でございますが、漏洩という問題につきましては、夜中でございますと、夜中は皆さんがガスをお使いになりませんから、ある程度圧力を下げますけれども、普通の場合よもり圧力が高い。結局漏洩の個所がありますれば、私はガスがよけい出るということはあり得ると思います。そのために事故が多少でもふえるというおそれは、あるいはなきしもあらずじゃないか、そのために圧力をある程度コントロールはしておりますが、一応御指摘のあったことに対して、そういうおそれなきにしもあらずといったようなことは考えられるのです。
  71. 西川彌平治

    ○西川彌平治君 今までの事故件数においてそういうものがはっきりと現われたことはございませんか。
  72. 本田弘敏

    ○参考人(本田弘敏君) それははっきりいたしたものはございません。ただ、とにかく夜の圧力が今申し上げましたように、ある程度昼の圧力よりも……使用量が減ることによりまして、ある程度コントロールしておりますから、目に見えて何かあるとは私は思いません。
  73. 西川彌平治

    ○西川彌平治君 地方のガス会社へ行きますと、圧力がかなり上っておるのです。戦前よりもかなり上っておるのですな。ああいうふうな、今まで水銀柱で幾らというのが、おそらくかなりの程度上っておるのですが、どうも僕はそういうところに事故の原因がないとは言えないと私は考えておるのですかね。
  74. 本田弘敏

    ○参考人(本田弘敏君) これは必要以上に、いかに地方のガス会社でも上げているとは私は考えられないのでございます。むしろ圧力が低いと、ガスの火が消えやすくて事故のもとになるというふうに、逆なふうに私は考えます。必要以上の圧力を出しているということはちょっと考えられませんです。
  75. 西川彌平治

    ○西川彌平治君 私はしろうとですから、そう言われれば、それ以上申し上げるあれはございませんですが、しかしいなかに行きますと、いなかの末端の水銀柱を計って見て、こちらに来てみると、まるでうんと違うのです。ちょうど倍違っております。現実に私は調べておるのですから。ですからそれくらいの違いがあれば、どうも事故が起きるんじゃないか、こんなふうに考えております。まあ、これで私やめておきます。
  76. 近藤信一

    ○近藤信一君 時間が大へんおそいから一点だけ伺いますが、文化生活をする上においては、ガスは非常にこれから重要な役割を果すと思うのです。ここで公益事業局からいただいた資料によりますると、ガス管のはずれ、亀裂、これに対する件数が一番多く三十二件、それからガスぶろの不完全燃焼、これが八件、それからストーブ不完全燃焼が三件、それから本支供給管破損等が十一件とこうあるのです。これらは本人の不注意ということでないと私は思うのです。まあ、あなたの方で、それは、ガス管のはずれや亀裂は本人の不注意だとこう言われればそれまでかもしれませんが、たとえば先ほどからしばしば言われております、寝てるうちにネコや犬やネズミがけ飛ばしてガス管がはずれてしまって、そうして冷めたくなってしまって、尊い人命を失う。こういうような事故が相当あるわけなんです。そういたしますると、これは自殺なんかはこれは別問題といたしまして、また、このほかにはガスの漏洩の問題で死ぬ場合もある。こういうふうに尊い人命が失われるわけなんですが、これに対してガス会社として何か補償というようなことを今までやっておりますか。
  77. 本田弘敏

    ○参考人(本田弘敏君) 補償と申しますと……。
  78. 近藤信一

    ○近藤信一君 死亡者や中毒者に対するですね。
  79. 本田弘敏

    ○参考人(本田弘敏君) お見舞を申し上げております。別に御本人の過失の場合には、補償金とか何とかそういうことはいたしておりません。
  80. 近藤信一

    ○近藤信一君 本人の自殺などは別といたしまして、ガスが漏れて、たとえば管か腐って漏れた、それからガス管のはずれなんかも、本人の過失といえば過失かもしれませんが、寝ているうちにネコや犬やネズミがけ飛ばしてはずれてしまって、そうして人命を失うわけなんですが、これに対して単なるお見舞程度でガス会社の方は過ごしておられるということになると、これは私は大へんだと思うのです。この点どう考えておられますか。
  81. 本田弘敏

    ○参考人(本田弘敏君) これは明らかに会社側の工事の疎漏とか、過失だとかいうようなことがはっきりしております場合は、従来とてもお話し合いの上で、弔慰金とかあるいはお見舞金を贈っております。ただ、今お話しになりましたネズミが何したとか、犬がじゃれて何したとか、はずれたとかいう場合、これは実際判定がほんとうに御本人の過失か会社側にあるいは過失があるかというような何がはっきりいたしません場合は、これは会社としてお見舞程度のことでありまして、これは一々判定が実に私は困難じゃないかと思います。それは警察側、あるいは何かのお取調べの結果に待つよりほかないので、会社側としてはこれははっきり会社側の過失という場合を除くほかは、やっぱり警察側の御判定か何かに待つよりほかないので、会社側の過失ということがはっきりしましたならば、今お話しのような適当な方法をとっております。
  82. 近藤信一

    ○近藤信一君 会社側の責任という場合にも、やっぱりお見舞程度で……。
  83. 本田弘敏

    ○参考人(本田弘敏君) いえ、これ……。
  84. 近藤信一

    ○近藤信一君 何か基準というものがありますか。
  85. 本田弘敏

    ○参考人(本田弘敏君) いやこれは基準というより、やはり相手方とのお話し合いの上でございます。
  86. 近藤信一

    ○近藤信一君 事故ということで、その相手側と話し合って解決するということになって、その責任というものは警視庁はどう考えておられるのですか。会社側に明らかに責任があるという場合。本人と会社側との話し合いということで終るのか。これは過失致死罪というようなことか何とか、そういうようなことで、会社側に対する制裁というものがあるのですか。
  87. 近藤貞

    ○参考人(近藤貞君) 今までの中毒事故の問題につきまして、原因については警察の知っておる限りにおいて、いろいろと調査いたすのでありますけれども、明らかに会社側の責任においてこの中毒事故が起ったのであるという、そういう明確な証拠というものがない実情でございます。従って会社側を過失傷害、あるいは過失致死ということによって事件を立てたという事例は私はまだ聞いおりません。個々の事故の起った場合にこれは会社側の責任であると、あるいは本人の過失であるからというふうな、そういうふうな両方の間に立って、その中間で両者のあっせんをするというふうなことも、あまりこのガス中毒の場合には、事実問題として起きていないのが実情でございます。交通事故などは、その場合ごとにその問題が出てくるのでありますけれども、ガス中毒の場合においては今までの扱いとしてはそういうふうな処置を、警察としても、あまり積極的にとっておらないのが、実情でございます。
  88. 近藤信一

    ○近藤信一君 今まで会社で、使用者の方で事故が起きて、これは明らかに会社の方の責任だというので、会社側が使用者から損害賠償か何か訴えられた事例はありますか。
  89. 本田弘敏

    ○参考人(本田弘敏君) 警察までですか……そこまで話を起されたことはあったと思います。裁判沙汰になったことは、私記憶しておりません。まあ、それまでに行かないうちに、お話し合いがついていると思います。
  90. 近藤信一

    ○近藤信一君 今までで、そういう話し合いで、まあ最高幾らくらい出された事実がありますか。
  91. 本田弘敏

    ○参考人(本田弘敏君) ちょっとはっきりした記憶がございませんが、まあ、要するに会社は大きいからというわけで、私は、まあ弔慰の気持ももちろんでありますが、相当御満足のいく程度の弔慰金は出していることと思います。決してそういう場合にも、それはもちろんこちらに落度があれば、弱味は多分にこちらにありますし、相手が会社側であるということになれば、それはもちろん簡単ないいかげんなことでは御遺族の方も決して御満足になりません。われわれ自身としても、会社側としましても、できるだけのことはして差し上げたいというような気持を持っておりますので、それでちゃんとお話し合いができると私は思います。
  92. 近藤信一

    ○近藤信一君 それで、人命事故でそういうような、会社側が本人の御満足のいくような見舞金を今まで出しておられるという。尊い人命を失うということに対して、警察はそれに対してノー・タッチで今までずっと来ているのですか。
  93. 近藤貞

    ○参考人(近藤貞君) ノー・タッチというわけでもございませんけれども、何分事故の発生というものが、発生以後相当の時間がたって警察が知るという関係上、その原因について調査が非常に困難でございますから、従いましてこれが明確に会社の責任であるというふうに断定する資料に乏しかった。それで結局今まで会社側を事故の責任者として、たとえば、まあ過失傷害致死というふうな問題で扱った事例があったかどうか、過去においてのあれはよくわかりませんが、現在私としては、それを知っておらないわけであります。そういうことで決してこの事故の原因をおろそかにして、そうして警察がノータッチという線で、今まで進んで来たというわけではない。御了願います。
  94. 白井勇

    ○白井勇君 ちょっと私東京ガスさんに伺って見たいと思いますが、先ほど来社長さんのお話しを聞いておりますと、非常にサービスに注意されまして、感謝状をもらっておるようでありますが、私が感じております会社のサービスということは、まるっきり今日お話しのような感じじゃないのですがね。一体会社は引けないところは別といたしまして、新しく敷設をやります場合に、たとえば十何件くらい集まりますれば、そこに引いてやるというような、新たに引ける条件のかないました地帯があるわけですね。それに対しては三十二年度なり、三十三年度はどのくらい充足してやるというお見通しで、計画かつ専業をやっておりますのか。それからまた、社長さんから話があった増設の場合、これもいろいろ希望がある、増設の希望を出しました場合に、大体何日間くらいで具体的に敷設をするという事業計画で、人員をそろえ工事計画をやっておられますか。
  95. 本田弘敏

    ○参考人(本田弘敏君) 最初のあれは、何件まとまったらやれるかということですか。
  96. 白井勇

    ○白井勇君 そういう条件にかないました地帯があるわけです。つまりできないところは別といたしまして、やろうと思えばやれる、それを需要としますれば、その需要に対して何ぼの満し得る事業計画を持って、工事計画を持っておるのですか。
  97. 本田弘敏

    ○参考人(本田弘敏君) これは五カ年計画が完成するのは……。
  98. 白井勇

    ○白井勇君 私はそんな先のことを聞いているのではない。
  99. 本田弘敏

    ○参考人(本田弘敏君) それは関連しております。それはガスの製造設備、供給設備が整いませんと、御希望がありましても、なかなかそこへガスが供給できない。結局お申込みがあって、工事が未済の件数が、一時はふえる一方でございました。昨年の上期までは月八千件の純増加をねらっておりまして、それをやっておりましたが、それでは間に合わん。ことに下期に豊洲に新工場がスタートしますから、それを見越して、下期七月くらいからは一万一千件以上の純増加をやっております。そのために現在では三万五千くらい申し込んで工事のできないところがあると思います。その工事未済がありますが、かりに一万一千件ぐらい、月々純増加をやれば、三カ月足らずで、今申し込まれたお客さんは、おそくとも三カ月くらいたてば、ガスは引けるというような状態でございます。ただ、今お話しのように、表に管がある場合と、それから離れていて、メイン・パイプを延ばさなくちゃならない場合と、これはちょっと事情が異なりまして、何件かまとまりまして、会社も公益事業であると同時に、営利事業でありますから、十何件まかとまって、それでお使いになるガスの量を算定しまして、それによって上る利益と工事費をにらみ合せまして、これが採算とれます場合には、表のパイプの費用というものはほとんどいただかないで引くのでありますが、そうしまして、引かれます場合には、やはり区役所、警察あたりの届けとか、許可とかありますので、かなり表に管のある場合に引かれるのと、時間的にひまが要ります。これは御了承願いたいと思いますが、今の御質問はあなた御自身のタッチされたことなんですか。
  100. 白井勇

    ○白井勇君 私の経験に基いてガス会社というものは、どういうものか全然わからないものですから、それで御方針を聞いているわけです。ですから御説明くだくだ要らないのですが、要するに三十一年度が済んだわけですが、三十一年度の実績から見ますれば、要求されても引けないところは別といたしまして、要求があるわけですね。引こうと思えば引けるという要求に対しまして、あなたの方は工事能力が会社としてはどの程度まで充足する計画のもとに、実際事業をやっていらっしゃるものかということを聞いております。  それからもう一つは、増設をやりたいという希望がありますね。今あります個人の家でちょっと二階に引きたい。そういう場合に申し込んでから何月間でそれは引けるという計画を持って、末端にいろいろな人員なりその他の配置をやっておられるか、こういうことを聞きたいのです。
  101. 本田弘敏

    ○参考人(本田弘敏君) この三十一年末が百十三万件くらいの需要件数、それから月々純増加一万二千件くらいを目標として、昭和三十二年末には百三十万件、それだけにふやしたいというような予定をもってやっております。  それから今申し上げました通り、増設の場合は表に管があるのでございますから、これはもうお申し込みになってから、一週間なり、十日間たてば十分仕事ができると思います。
  102. 白井勇

    ○白井勇君 非常に社長さんは雲の上にいらっしゃいまして、それは先ほどのように、中毒の問題で感謝状をいただいたということがあるかもしれませんけれども、社長さんには、末端の都民大衆のいろいろな不便をしておりまする事情というものは、おそらく会社の下の方から入っていないものと思う。私は身をもって体験したから申し上げているんです。それは実にひどいです。まず手続が繁雑であるということはやむを得ないとしましても、敷設の問題、これは今もお話しがありましたように、まず出張所に行って一応書類をもらって、それを区役所に行ってまた書類に埋め合せをして、そうしてまた出張所に行って判をもらって、区役所に行ってまた再確認の判をもらって、警察へ行って掘ってもいいという許可をもらって、初めて工事にかかるということもあります。それから設計等を見ましても、とにかくそういう交渉というものは、主婦じゃやっていけない。結局戸主が職場を休んで、そういう交渉に当らなければいけない。私は敷設のことに例をとって申し上げたのですが、しかも、今度設計があなたの方の当然の間違いによって、余分の工事をやっておるにかかわらず、それをまた消費者の家にかける、こういうこともやっておる。主婦は全然わかりませんから、それっきりになってしまう。それからまた、増設のことを頼みましても、なかなか今お話しのように一週間や十日で上るというようなことは考えられない。そういうところもあるかもわかりませんけれども、大体そうでないところが多い。申し込みをしまして、再三督励をしまして、まあ見にくる。その見にくる人というのが、また非常にお若い方か何か知りませんけれども、とても……、私は役人をやった経験がありますけれども。役人以上の傍若無人であります。やっとでき上って金を納めて来てもらう。そういうことでありまして、とても主婦やそういう弱い者では、これはガスを引いたり、増設してもらうということは、ほとんどできない。そういう面につきまして、私は会社としまして一体ああいう末端の工事をやる、あるいは国民に接触しまする人に対しまする指導監督面の体系というものは、どういう格好になっておるのか非常に不思議に思うのですが、その指導監督の面は一体どういう格好でやっておるわけですか。
  103. 本田弘敏

    ○参考人(本田弘敏君) お答え申し上げます。私が下情にうといというようなお話がございました。私はもともと営業所に大正十年に入りまして、営業所育ちの人間でございます。今でも営業所を自分で回っております。それから営業所長会議にも、ときたま列席していろいろ話を伺っております。そのことに対して今の下情に通じないというお話し、私は失礼ですけれども当らないと思います。ただ、今、あなたのおっしゃいますことは、私にとりましても実に意外な、何か極端な悪いところにばかり、あなたはぶつかっていらっしゃるというような感じがいたすのでございます。まあとにかく、私どもとしましては、先ほど申し上げましたように、終戦後のあの混乱時期は別としまして、一応落ちつきまして以来は、ほんとうにできるだけのサービスをして、お客さんの御満足を得るように、これは、私は一昨年でしたか、年頭の辞に、みんな集めて話し、また営業所を回って話したことは、私どもが戦争中あるいは終戦後、物の少いときに、いかにも商人からただででもくれてやるかのごとき、たばこ一つ買うのにも、いやな思いをいたしました。その当時、ガスがなかなか引けなかった時代ですから、こっちが自然お高くとまって、横柄な態度に出るおそれがありはしないか、私はそれを切に心配しましたから、営業所を回って、あの当時のことを君ら忘れるな、もし引けないで、五カ年計画が済むまで少し工事がおくれるにしても、その事情をよくお客さんが納得なさるまで、丁寧親切に説明してくれということを私はこんこんと言って回っております。私の話はちゃんとうちの雑誌の記録にも残っておりますが、そういう気持でやっておりますから、大部分の連中がその精神を体してやっていてくれると私は信じております。ただ、五カ年計画ができ上りますまでは、好むと好まざるとにかかわらず、仕事の時期がおくれますので、そのため御不便をかけるということは、これはもう方々にあったことと思います。その際に、お客さんとすれば、幾ら丁寧親切にしてもらっても、引けないということは、厳然たる事実でございますから、それに対しての御不満は、当然これはおありだと思う。それが何かに波及し、御不満を買うような結果になったんじゃないかというふうな考えがいたしております。
  104. 白井勇

    ○白井勇君 会社としまして、やはり一つの何といいますか、ああいうものに対する内部の指導監督といいますか、そういう一つの組織といいますか、そういうものがなければならぬ筋合のものじゃないかと思いますが……。
  105. 本田弘敏

    ○参考人(本田弘敏君) それはちゃんと営業所は営業所長がおりますし、その下に各係長、あるいは派出所があります。これはちゃんとそういう順序を踏んでの教育はしておりますし、また、その間にとにかく本社の方へ、その方の指導をするために、ときどき係長だけの集まりを何回かやる、あるいはその下の係員の会をやるとか、あるいは教育ニュースというのを毎月発行しておりますが、みんなのそういう方面の指導になるようなことを、これはあとで御参考にお届けいたしますが、そういうことは私どもとしては、できるだけのこといたしております。まだまだこれで十分とは思いません。そういう御不満、また御批評が出るということについては、やっぱり一部に確かに不十分な、不届きな点があると思います。これは今後十分に一そう注意いたしまして、でき得べくんば、百十四万軒のお客さんが、みな東京ガスのサービスはいいというように喜んでいただく日の来るように、私は努力いたしたいと思います。
  106. 松澤兼人

    ○委員長(松澤兼人君) それでは速記を止めて。    〔速記中止〕
  107. 松澤兼人

    ○委員長(松澤兼人君) 速記を始めて。  本件に関しましては、まだ質疑が残っておりますし、特に政府側に対する質疑があるように思いますが、だいぶ時間も経過しておりますので、一応この程度で打ち切りたいと存じます。  本日の委員会におきましては、ガス専業における危険防止という問題について、種々論議をされたのでありますが、その間におきまして、一応明らかになりました問題は、立法推量の必要性ある問題として、販売ガス器具の検定及び取締り制度の確定、ガスの成分に関する問題として、一酸化炭素の含有量を検定すること、着臭の問題及び直接需要家のガス使用方法の規制並びに事故防止に関する制度の確立、以上のような問題でありますが、これらの問題については、早急に措置のできるものは措置をとるべきでありますが、中毒事件の根本的解決策は、使用者の注意ももちろん必要でありますが、ガス事業者の積極的な努力を期待するとともに、強力な法制的措置や行政指導の必要も痛感されるのであります。当委員会としましては、これらの問題を考慮して、ガス事業における危険防止について今後適当なる措置をとりたいと存じます。  参考人の方々は、御多忙のところ長時間にわたり委員の質疑にお答えいただきましてありがとうございました。委員一同にかわりまして、厚くお礼を申し上げます。本件は人命に関することでありますので、事業側におかれましても、今後とも十分に御努力下さいますようにお願いいたしたいと存じます。  それでは午後二時に再開することとし、その前に一時五十分ごろに、委員長理事打合会を開くことといたしまして、暫時休憩いたします。    午後一時十八分休憩    ―――――・―――――    午後二時二十二分開会
  108. 松澤兼人

    ○委員長(松澤兼人君) 午前に引き続き、商工委員会を再開いたします。  水田通産大臣が見えておりますので、大臣に対する質疑を行います。
  109. 阿具根登

    ○阿具根登君 大臣に対して御質問申し上げますが、きょうの十時から、石炭の労使を呼ばれて、事情を聴取するということよりも、政府の考え方を述べて、労使間に要請されたようでございますが、すでに、今次の問題につきましては、昨年末以来通産省当局でも相当準備をされておったと思いますし、新聞等では、百万トンに達する外国炭、重油等の申し入れをしておられるということが、盛んに書き立てられておったのでございますが、その後それはどういうように進捗しておるのか、まず、その点を第一にお伺いしたいと思います。
  110. 水田三喜男

    ○国務大臣(水田三喜男君) もっぱら輸入炭に対する質問でございますか、これは御承知のように最初十万トンの手配をし、その次に緊急輸入分として三十万トンの外炭の追加をやりまして、この際、極力外炭を入れて、需給関係の逼迫を緩和しようという方針でやって参りましたが、今のところでは、私どもの手配した外炭が相当量確保されるというのは、大体四月末ぐらいだという予定になっております。
  111. 阿具根登

    ○阿具根登君 二十八年の石炭の争議の場合も、非常に石炭は不足いたしまして、そのときは六十三日のストライキにまでなりましたが、そのときにも、外炭を輸入するようにしておられましたが、これは石炭が余るようになってからたくさん入ってきた。今度はすでに年末から炭鉱がストライキをやるであろう。今度の交渉では、石炭が足らなくなるであろう。しかも二十八年の時と違って、すでに貯炭量が百五十万トン切っておる。こういう時であるから、非常に石炭が逼迫しておる。そういうことで目標を今度の炭労のストに置いて、輸入炭を申し込まれた、かように思っておりますが、そうでございますか。
  112. 水田三喜男

    ○国務大臣(水田三喜男君) 最初の見通しでは、若干の外国炭を輸入すれば、何とか需給は緩和できるという見通しでございましたが、急に昨年の暮以来の異常渇水にぶつかりまして、これによって百万トンぐらいの見込みが違ったということになりましたので、緊急に外炭の輸入を急ぐという措置をとったわけでございますが、この異常渇水というものがなければ大体今の貯炭に比べて、少くとも百万トンは緩和されますので、ある程度、これはうまくいったと思っておりますが、ああいう事情で、需給の見込みが違ってしまったというために、急いで輸入措置をとったということでございます。
  113. 阿具根登

    ○阿具根登君 これは昨年末の鉱工業生産の活況による石炭需要の著増ということが言われていますが、それも事実でございますが、政府のエネルギー対策において、すでに昨年までは、本年四千八百万トン生産すればいいのだというようなことを、政府は打ち立てておられた。そのために、石炭業者も非常な手控えもやってきたでありましょうし、施設等につきましても、その考え方で進んでおったところが、五千三百万トンも今期に入ってから要るということを言われてきたわけでございますが、石炭は御承知のように非常に原始的な採掘方法で地下でやっておるのでございますので、そんなに急に数百万トンの石炭が掘れるということができないことは、わかっておるのでございまして、この異常渇水がなかったにしたところで、私は今石炭が百万トン余裕があるのだというようなことはあり得ないと思っておるのであります。そうなりますと、今日の労使双方に対する要請では、民生の安定に重大な影響を及ぼすおそれがあるから、労使双方に対しては、大局的見地に立って、最悪の事態を回避されるよう要請された、こういうことになっておるわけでございます。二十八年の緊急調整が出たあの場合にも、いわゆる民生の安定、社会福祉ということで、緊急調整も出されましたし、スト規制法案も、そのあとに出されたわけでありますが、今度の問題はまだストライキにも至っておらない。それに対して政府の方からは大局的立場に立って解決をせよ、こういうことを言っておられる。ところが、御承知のように労使の考え方というものは、非常に大幅に違っておる。そうすれば、必然的にこれは私は政府が考えている以外の方に行くのではないか、かように思っておりますが、そういう場合に政府としての考え方は、どういうようにお考えになっておるか。
  114. 水田三喜男

    ○国務大臣(水田三喜男君) 今の日本の石炭事情から見まして、これがもし長期のストライキというようなものに発展したら、日本の産業界における打撃は、非常に大きいですし、民生の安定に重大な影響を持つから、ストライキという手段によらないで、石炭の出炭を減らさない形で、この労使双方が誠意をもって今の争議のいろいろな条件、問題を解決しないか、ぜひそうしてもらいたいということを、きょう要望したわけでございまして、私どもとしては、労使双方が話し合いでこの解決を今望んでおります。これが望めなくなったという事態が起りますれば、また、それに即応した考えをしたいと思っております。
  115. 阿具根登

    ○阿具根登君 そうすると、労使双方が石炭の生産をとめなくてこの解決がはかれないという場合に立ち至っては、政府は別な考えを持っておる、こういうことになると思うのですが、そうなれば、石炭に従事しておる人は、御承知のように不況の場合には、石炭合理化法案を出されて炭鉱はつぶされ、従業員は首を切られていっておる。好況の場合には、石炭が足りないから、ストライキもやることできない。そうすれば、労働者に対する、労働者の気持の今の要求に対してはどういうお考えを持っておられるか。労働者に対しては何ら恩恵のことは考えられずに、不況の場合には、石炭の山をつぶされて失業者を出していかれる。もちろん、賃上げもできない。好況の場合には、公共の福祉による、あるいは民生の安定によるということで、ストライキもしてくれるな、こういうことになってくると思うのですが、そうするならば、民間産業である炭鉱労働者に対しては、これはストライキ権の剥奪にもひとしいものだ、かように思うのですが、その点いかがですか。
  116. 水田三喜男

    ○国務大臣(水田三喜男君) 結局、この問題は労使双方が譲るべきものを譲るという形でいけば、妥協の道がないことはないだろうと思います。で、現在御承知のように、石炭界は好況である。不況のときには、この不況対策として合理化法案みたようなものを私ども準備して、業界の安定をはかる。そうしてそれによって生ずるいろいろな救済方法も考えるという措置をとったのでありますが、今は幸いにこういう時期で、好況に直面しておるときでございますから、そうなれば、事業者側もある程度のことは、考えるということになろうと思いますので、話し合いの余地は、まだこの争議において十分あると私どもは思って、これを勧告する、こういうことをしておるわけであります。
  117. 阿具根登

    ○阿具根登君 そうすると、現在のところはまだ話し合いの余地がある、もちろんそうでございます。まだ、ストライキもやっておらないし、時間外拒否が一昨日ですか、から始まっただけであって、時間外の拒否等は、これは当然のことでございます。ストライキにも入っておりませんから、もちろんそうでございます、かりにストライキに入ったというような場合に、政府は介入する意思があるかどうか。
  118. 水田三喜男

    ○国務大臣(水田三喜男君) 政府は介入する意思がない。だから当事者で片つけてくれんかということをきょう申しまして、労使代表も、なるだけ政府は介入してくれないで、しばらくわれわれの話し合いにまかせてくれというのが、両方の代表のあいさつで、みんな帰っていただいた、こういうことでございます。
  119. 阿具根登

    ○阿具根登君 現在業者の手持ち炭が約百四十万トン、大口消費工場の貯炭が約二百七十六万トンですか、これだけあるのでございますが、どのくらいまでこれが減ってくれば、民生の安定に悪い影響を及ぼすということになりますか。
  120. 水田三喜男

    ○国務大臣(水田三喜男君) 通産省としましては、各通産局を動員して、管轄区内の工場の調査をいたしまして、どれくらい維持できるかというようなことを調査しましたところ、非常に事態が悪うございまして、全工場のうちで、もう貯炭五日分しかないというようなところが一八%、それから十日分しか貯炭の用意がないというところが四〇%あるという状態になっておりますので、電力とか、鉄鋼業というのは、比較的貯炭を持っておりますが、一般産業、ことに中小企業、それから都会におきましては風呂屋とか病院というようなところは、現在すでに今の持ち高では、非常に危険だという状態に、現在大体なっておるというような状況と、私どもは見ております。
  121. 阿具根登

    ○阿具根登君 そうすると、その責任は那辺にあるんです。現在も足らないようになっておる。そうして炭鉱がストライキをやったならば、民生安定に不安を与えるということを言っておられるが、現在ストライキもやっておらないし、それでもってすでに病院等は、病院で大事な消毒にも事欠くというようなことになっておるという責任は、どこにあるとお思いになりますか。
  122. 水田三喜男

    ○国務大臣(水田三喜男君) その責任の問題ですが、結局、正常貯炭等を見ますと、業者の貯炭が二百四十万トンから二百五十万トンあるのが正常貯炭と、今までされております。これがすでに百万トン近く減っておる。工場貯炭を見ますと、三百二十万トンから三百五十万トン前後が正常貯炭といわれておりますが、これもさっき御指摘の数字のように、二百七十万トン前後ということですから、相当正常貯炭よりも低いところにあるんだ。この原因は、さっき申しましたように、異常な渇水ということから起ったのですが、そうでなくても、これだけの貯炭が正常貯炭をずっと割っておるという状態は、結局日本の産業拡大が、予想外に急激であったと、これは見込み違いの責任が政府にあるということでしたら、これは政府の責任だと思いますが、去年の今ごろ計画した一年の見通しを見ましても、たとえば鉄鋼の使用量が一年に四割以上ふえる、需要がふえるというようなことは、実際にほとんどだれも見通さなかった。政府側ばかりでなくて、民間の産業のみんな専門家を集めて、そうして、ことしの需要はどのくらいかということを積み上げた数字でさえも、大きく狂ってしまったという状態でございますので、それに関連して石炭からそのほかのエネルギー源全体の問題でも、異常な拡大の急激さというものによって、全体的にやはり見込み違いがあったということは、これは確かでございまして、その見込み違いに対応する、その場その場の措置が十分とれなかったということでございましたら、これは政府の責任ではないかと考えております。
  123. 阿具根登

    ○阿具根登君 政府の責任を私は追及しておる。そのことばかりでなくて、経済は生きものであって、これは見込み違いはあると思うのです。ところが、そのしわ寄せを炭鉱の労働者だけに持ってきておられる。なぜ、かかるがゆえに憲法で認められた労働者の権限を発動することができないのか、これは労働者の責任ではないはずです。責任はだれにあるかというならば、ただいま言われたように、見込み違いであった政府の責任であろうかと思うのです。それでなかったなら、三十年度にああいう計画を立てる必要はなかったのです。あのころからああいう合理化法案等を出さずに、ほんとうに石炭を掘られておるならば、今ごろは数百万トンの石炭が余っておるはずです。それを掘らさないようにした、私はその責任を問うておるわけじゃない。そういうことをしておいて、そうして今度は異常渇水があった、あるいは異常なる経済の上昇であるということによって、ストライキはやってくれるな、これは私は一方的に労働者に責任を転嫁する形の以外にない。たとえばストライキをやってくれるなと言うならば、やらないように納得のできる政策を持っておるべきである。政府は何も政策は持っておらない。極端に言えば政府は政策が間違っておったから、見通しが甘かったからこうなってきたんだ。ところが、実際は国民が非常に不安定になっておるから、だからストライキをやってくれるな。そう言うならば、炭鉱の労働者が働かないで、足りなくなったならば、それは一部の責任はあるかもしれないけれども、そうじゃないということははっきりわかっておるならば、ストライキをやるな、要求は前々からわかっておる。そうするならばやらないでいいだけ、納得できるだけの政策を打ち出して、そうしてこうしてやるからストライキはやるな、こういう何ものかがなからねば、ただ一方的にストライキはやるなということだけでは、私は大臣が考えておられるようにはならないと思うのですがその点どうですか。
  124. 水田三喜男

    ○国務大臣(水田三喜男君) ストライキは、これは労働者の固有の権利ですし、これは最後の手段であることは認めますが、今、日本の経済情勢がこういうときなんだから、この争議をやめろと言っているわけでなくて、争議の中心になっている労働諸条件について、労使が至急折り合いをつけろということをいっているのですから、これがある程度争議者側の満足できるような折り合いがつけば、必ずしもストライキをやる必要はなかろうと思いますし、私どもはそれを希望するという勧告を、今日したわけであって、まだ政府として争議側が主張しているように、弾圧を加えているわけでもない。そういう主張を引っ込めろという干渉をしているわけではございません。
  125. 阿具根登

    ○阿具根登君 労働大臣でないから、労働情勢を私は大臣に聞くわけにはいかないのですが。現在の炭鉱の労働者、炭鉱の労働は大臣御存じと思うのですけれども、これは日本の労働事情の中で一番劣悪な仕事をしておるのだと思う。一日中太陽の顔を見ずに、そうしてこの前御説明になったように、一年に六百名から八百名の人が死んでいっている。こういう悲惨な職業は、その他にはなかったはずです。ほかにはないはずです。にもかかわらず、これは月収わずかに平均が二万一千円そこそこです。坑内の人ですよ。坑外じゃないのですよ。そういう劣悪な条件の中で働いておって、そうして政府が今は非常に石炭が足らないから、ストライキをやらずに話し合ってくれ、こう言われるならば、それでは一番石炭の余っているときに、ストライキをやれということになるのではないですか。一番石炭が余っているときにストライキをやって何になる。業者が喜ぶだけです。そうすれば、そういう劣悪な条件にありながら、世間の非難を受けるためにいつも甘んじて坑内で労働しなければならない。私は毎年々々これが続いていくということは、やはり政府の施策が悪いからだと思う。毎年毎年いつ見ても、石炭はこれをやっておる。石炭が他の一般産業よりも、西ドイツ、あるいはイギリスみたいに、非常に優位にある。そうするならば、私は国民の非難も受けるべきだろうと思う。ところが、一般産業の下にあるならば、これを、石炭の労働者が生産をとめたから、社会不安を起すのだというような考えでなくて、実は、政府自体が考えなければできないことがありはしないのか。たとえば貯炭が多くなった場合にはどうするのだ、足りなかって場合にはどうするのだ、また、こういうことを言われるならば、それは経営者の諸君は今、労働者の言う通りにしたならば、トン当り三百円に値上げをしなければならない、こう言っておるようです。そういう点をどういうふうにお考えになっておるか。これにちっとも触れずに、お前たち二人で話しなさい、しかし、ストライキは困りますよ。こういう無謀な要請は私はないと思う。それだけの要請をするなら、要請をするだけの政府の考え方があってしかるべきだと思う。政府は何も考えはなくして、何も政策はなくて、ストライキはやめなさい、話し合いなさい、労使双方は、きょうも言っておるように、私たちは話し合っていきますから、政府で干渉しないで下さい、介入しないで下さい。そういうことを言っておるのです。そうするならば、政府がこれだけのことをやろうとするならば、これは国民に与える影響というものは、また、炭鉱がストライキをやって、そうして電気はとまるかもしれない、あるいは汽車はとまるかもしれないというような不安を、逆にこれは起させるようなものになってくると、そのはね返りはまた世論がどうである、こうであると言って労働者に転嫁されてくると私は思うのですが、そういう点はどういうふうにお考えになっておりますか。
  126. 水田三喜男

    ○国務大臣(水田三喜男君) おそらく政府がそういう勧告をしておる以上、直接の担当大臣である労働大臣も、なるべくそういう事態を起さないために今後どうするかというような、いろいろなやり方は私はあると思っております。
  127. 阿具根登

    ○阿具根登君 労働大臣の方に逃げられましたが、労働大臣からいえば、通産大臣に文句があったはずです。労働大臣からいえば、石炭がこんなに窮屈になってくるというのは、これは労働事情でやったわけではないのだから、通産行政の責任ではないか、私はこういうことを言ってくると思うのです。通産大臣は労働問題に干渉しないということであるならば、これは労働問題でありますから、きょうの要請は無意味であろうかと思う。労働大臣が労働問題に対して言われたので、労働大臣が知っておるのだと、こうおっしゃるならば、通産大国は労働事情にも何にも知らないけれども、ストライキはやるなと言われたのと同じです、この文章は。通産大臣は労働大臣とも十分話し合って一緒に御出席になって、そうしてこういう勧告をされたと思うのです。そういう勧告をされるならば、何か勧告の裏には、具体策を持っておるか、あるいは考え方があってやられなければ、ただ最悪の事態を回避するように要請する、これでは私はあまり親切ではないのじゃないかと思うのです。率直にお尋ねいたしまして、これまた、労働大臣に逃げられるかもしれませんが、今のままの政府の政策で、今のままの炭鉱の経営管のやり方で、これが通産大臣が考えておられるように最悪の事態がないと、おさめられると、かように思っておられるかどうか、お尋ねいたします。
  128. 水田三喜男

    ○国務大臣(水田三喜男君) 労働大臣との若干の話し合いもございます。でこれに善処する方法を、政府として所管大臣に考えてもらうということになっておりますが、きょう私が一緒に勧告に加わったのは、労使双方に日本経済のただいまの現状を説明する、これが全山のストというようなところに発展されると大きい問題を、民生上の問題を起すので、それをやめてもらいたいという勧告を、産業行政の担当者として私は行なったのでありまして、この事後にどう処置していくかということで、いろいろ話し合いもございますが、これは労働大臣の担当ということになって、今後も話し合いはいたしますが、もっぱら主になってこれに善処する大臣が、労働大臣でございますので、私から今後こうするああするということは、ちょっとお話しすることは、遠慮したいと思います。
  129. 阿具根登

    ○阿具根登君 そうすると不幸にして、大臣が要請されたような事態にならずに悪い事態になって、そうして石炭が足らなくなった、そうした場合に大臣としてはいわゆるこの前とられたような緊急調整を考えられておるか、あるいはその他の考え方を持っておられるか、お尋ねいたします。
  130. 水田三喜男

    ○国務大臣(水田三喜男君) なるたけ、当事者間で話し合え、政府はこれに介入しないということを今日申してございますので、今後起った事態にどういう方向をとるかということも、今ここで言うことは、不適当だろうと思います。私は不介入で、これをどうしても解決してもらおうという方向で努力するつもりでおります。
  131. 阿具根登

    ○阿具根登君 労使双方とも、常識はより以上に持っておりますし、まあ、大臣が今御心配して、こんなことを出しておられるようなことはないと思うのです、私も。また、それをどの辺まで大臣が考えておられるか、私の考えと開きがあるかもしれませんけれども、労働大臣が主になってやっておるけれども、これは労使の問題でございまして、石炭の問題は通産大臣の主管でございます。労働大臣がこれに率先して介入するとは思われない。おそらく通産大臣に御相談があると思っておりますが、私はその最悪の事態が来ないように念じておりますが、かりにあった場合にも、労使の常識に待って、良心に待って政府は介入しないんだということに解してよろしゅうございますか、お尋ねいたします。
  132. 水田三喜男

    ○国務大臣(水田三喜男君) ただいまのところは、そう考えております。
  133. 阿具根登

    ○阿具根登君 ただいまのところ……、そうすると、どのくらいたったなら、今度は考え方が変ってくるのすでか。どのくらい石炭が足らなくなって、どういうことになったならば、考え方が変ってくるのか、その点を明らかにして下さい。
  134. 水田三喜男

    ○国務大臣(水田三喜男君) 今は、私どもも極力誠意をもって、この話し合いの解決をさせたいという意向でおるつもりでございますから、最悪の事態を予想した先のことについてこうする、ああするということは、今のところ、考えたくないと思っております。
  135. 阿具根登

    ○阿具根登君 この問題は今労使双方が交渉をやっておる。今日要請になったように、労使双方とも、これは自主的に解決をいたしますから、だから政府は介入していただきませんようにということを、労使双方とも言っておりますから、民間産業の本問題については、政府は介入しないんだということを、どうして言えないんですか。
  136. 水田三喜男

    ○国務大臣(水田三喜男君) 介入しないんだということを、今日も申しておりますが、それはこの問題が最後まで解決しなくって、全山ストが一カ月も続くとか、二カ月も続くというときどうするかという方向の御質問でございますので今のところは、そういうことを予想したくない、極力誠意をもってこの解決に政府も努力する、そうして介入したくないということしか、現在のところは、私として言えないと思います。
  137. 阿具根登

    ○阿具根登君 きょうの衆議院の労働委員会で労働大臣は、私も現場におりませんでしたけれども、はっきりと民間の産業に対しては介入しないということを言われたと答弁されたということをお聞きしたんですが、その労働関係の担当責任者でもない通産大臣が、先のことは言われぬということをおっしゃるのは、ちょうどこの前の二十八年のときみたいに、また、世論の云々ということで仕事をされるんじゃないかと、これが初めてなら、こういうくどい質問はしません。しかしこういうのを出されて、二十八年も、ちょうどそのごとくこういうのが出たんです。そうしてそのあとでは、今度は緊急調整になって、おまけにスト規制法まで出たわけですよ、だから私は心配してこういうことを尋ねておるのです。そのときでも、こういうのが、要望書が出たときには、そういう御答弁でした。これはその衝の大臣となれば、はっきりした言明を避けられるのが、政治的な答弁かもしれませんけれども、そういうことがすでに一回あってきておりますから、だから、こういうことをくどく尋ねておるのですが、衆議院では、労働大臣は政府は介入いたしません。そのかわり自主的に解決してくれ、こういうことを言っておられるのです。大臣はそれでもまだ、ほかに考えがおありになるのですか。
  138. 水田三喜男

    ○国務大臣(水田三喜男君) さっきから申し上げましたように、介入しないという方針のもとに、勧告をしたのでございますから、今のところは介入しないということを申し上げますが、ただ、さっきの御質問は、実際問題として、この産業が危殆に瀕したときまでも黙っておるかというような問題でございましたので、これはまだ、私どもはそういう事態を予想しておりませんので、ただいまのところは、そういう不介入という方針で臨んでおるということに間違いございません。
  139. 阿具根登

    ○阿具根登君 もう最後にあと要望になりますが、大臣は極端から極端を考えておられるのです。私は何も産業が麻痺してしまって、そして破壊に瀕するまで黙っておれと、こういうことを言っておるわけではないのですよ。二十八年のときも、こういうものを出されたときには、もう非常に石炭が少くなった、石炭は実際はその当時でも百二十万トンくらいあったのですよ。ところが宣伝がそういう宣伝じゃなかったのです。もう汽車はとまりますと言っておいてとまらなかった。汽車はとまるのだという宣伝をだあっと投げてしまって、今度だってこういうものを流すと、国民の皆さんは非常に不安を感じる、不安を感じるのを、政府が作っておるのではないかというくらいに感じさせておいて、そうしていかにもなくなってしまうんだ、もう破壊するんだというようなことを、大臣みずからがこれは言われるように、私が質問しておるのと、大臣がとられたのは、私の言い回しが悪いのかもしれませんけれども、非常に悲壮な考えをお受け取りになっておる。それをそのまま大臣の口から出ていけば、国民の受ける感じというものは、もっと悲壮な感じになってきて、そしてその責任は全部労働者が悪いのだ、炭鉱がストライキをやるんだということになってくるのです。  そこで大臣に御要望申し上げたいと思いますのは、大臣は経済閣僚であって、石炭には直接の責任者でございますが、私が最初から言っておるように、今のままの労使の姿でおいて、そして、ストライキがなくて、大臣が考えておられるような話し合いの場が続いていくかどうかということを考える場合に、もう政府も石炭政策というものを真剣に考えなければできない時期に来てはおらないかと思うのです。いかに合理化されても、オートメーションというものは坑内ではできません。そうなってきますと、四〇%以上の人件費が要っておるわけです。業者に言わしてもその通り、ところが、炭鉱の労働者は年々八百名近い人が死んでいっておるにもかかわらず、給料は一般産業よりもうんと安い、極端に言えば、官公庁で事務をとっておる人より安いのですよ。そうなってくれば、これは年々歳々続くものなんです。それを毎年々々ストライキになろうとすたば、ストライキをやってくれるな、こういうことを毎年々々繰り返している。また、そのあげくには、法律を作っていくというような愚をいつまでも繰り返すのだ、もっと政府として、抜本的な石炭対策をなぜ立てられないのか、各国の事情はどうであるか、各国の石炭の坑内の状態、置かれておる日本の坑内の状態というものは、大臣御承知だと思うのですけれども、日本の方がぐんと悪いのです。それに持ってきて、何ら抜本的な対策を立てずに、今年は四千八百万トン、来年は五千三百トン、こういうような号令だけはかけられる。そうして今度は、こういう問題が毎年々々起ってくる。これではあまり芸がなさ過ぎる、能がなさ過ぎる。通産大臣が学生時代には、相当左翼的なことも言っておられたので、通産大臣は、私らの言うのは、もっと右に見えるのじゃないかと思うのですよ。実際私どもは石炭に長い間従事して参りましたから、現実論だから、あるいはもっと右に見えるかもわかりませんけれども、その大臣が何ら対策を考えずに、こういう要望書一本でおさまるというようなことをお考えになっておれば、毎年々々こういうことを繰り返さなければできない、こういうことになりますから、通産当局としては石炭に対する抜本的な考え方を、需要の面からいっても、生産の面からいっても、労働者の面からいっても、対策が立てられるはずであるから、その点を十分研究して一つ御発表願いたい、お教え願いたい、かように思います。以上は要望にして、質問はこれで打ち切ります。
  140. 相馬助治

    ○相馬助治君 私はこの貿易事情に関する件について輸入輸出の実態論、具体的なことは後に松尾通商局長にお尋ねしたいと思います。ここで基本的な問題を三点大臣にお尋ねして、御答弁をわずらわしたいと思います。  第一点は、日中貿易についての基本的な問題です。さきの本委員会における石橋前通産大臣の発言によりますと、日中貿易については大きな関心を内閣は払っておるがゆえに、ココム禁輸を緩和する方向に、国際的には努力をしたい。また、国内的には、ココム禁輸に連関する特認制度をできるだけ幅を広げて、輸出に有利のように解釈をして、これが振興をはかりたい、かような発言がございましたが、水田大臣はこの路線について、どのようにお考えであるか、変更ありとすれば、それについての御見解を承わりたいと思います。
  141. 水田三喜男

    ○国務大臣(水田三喜男君) 前大臣が申されましたというその方針を変更する考えはございません。その線に沿って、今後も努力したいと思っております。
  142. 相馬助治

    ○相馬助治君 日中貿易の将来を考えれば、今大臣が確認されたような方向で行くことが、国民的な私は要望だと考えております。そこで、ただ問題なのは、この日中貿易日中貿易とはやし立てられておりますが、この実態を調べてみますると、現在輸入超過である日本の将来の貿易を考えた場合に、東南アジアから中共方面に対しては、当然市場として輸出超過の形ができることが好ましいし、そうでなければならないと思いまするのに、現在は残念ながら輸入超過である。こう考えて参りますと、現在の日中貿易協定という、民間団体によってなされている協定自身に、私は問題があるのではないか、かように思います。この点、大臣はどういうふうにお考えになるか、その具体的なものとして甲、乙、丙というような等級に分れておりまするが、これの緩和等がなされないならば、スムースな貿易は行われ得ない。大臣も御承知のように乙、丙については非常に大きなトーマス残がある。甲においてはしかりでない、こういうような状況を見ます場合に、この現在の協定について、大臣はどのような御見解をお持ちであるか、この際承わっておきたい。
  143. 水田三喜男

    ○国務大臣(水田三喜男君) お説の通りであると考えます。従って、今の協定によってできている個別バーター方式というようなものを変えて、総合バーター方式というようなものに協定し直せば、これらの事態がはっきり改善されていきますので、この次の協定においては、そういう点の改善をはかりたいと思っております。
  144. 相馬助治

    ○相馬助治君 御見解には、もう全く同感です。そういう自信を持って一つ進んでいただきたいのですが、ただ、問題は水田大臣がそのようにお考えになっていても、そのような基本的な考え方がスムースにいかないような状態に置かれていると思うのです。国際的な問題、他国の問題はしばらくおくとしても、国内的に見ましても、日本の外務官僚というのは、特に他の官僚に比べて、なわ張り根性が強いというのは、これはもう定説です。私も四年ほど前に、一回り世界を視察させていただいて、特に外務官僚のものの考え方が、通商行政に支障を来たしているという事実を見てきております。そういうふうな考え方から、日中貿易については、特に外務大臣等とも、一つ十分に具体的な問題についてまで話されて善処せられたいと思うのです。国際的な大きな問題として、現在の岸内閣が向米一辺倒であるとか、どうであるとかいうような批判がなされている向きもありますが、私はそういうことを痛感して議論をしているのじゃない。そういうことじゃなしに、そういう問題は別として、差しあたり国内で大臣の御努力によって、岸内閣自身の努力によって解決し得る問題がある。ココム禁輸というものは厳然として存在しておるけれども、そのワク内においても、もうちょっと日中貿易がうまくやり得る道がある。通商大臣の御見解と御意図には全く同感ですから、それら隘路打開のために、一段の一つ善処方をお願いしたいのですが、御見解いかがでしょうか。
  145. 水田三喜男

    ○国務大臣(水田三喜男君) 御希望のように善処するつもりでおりますが、国内でできることは、これは問題でございませんが、今国際問題というものを離れても、この日中貿易の協定についてのむずかしさは、今日本側よりも、むしろ中共側に問題がございますので、従ってこちらの思い通りになるかどうかは、なかなかわかりませんが、しかし、今後の事態を改善するためにも、先般予算委員会でお答えいたしました、やはり民間の通商代表というものが交換されるという事態にならんと、実際の貿易の改善というものはできないだろうと思いますので、それを中心としたいろいろな障害というようなものを、できるだけこちらも取り除くことに努力すると同時に、問題は中共側に相当日本の要望をいれてもらうという仕事をどうやるかにかかっていると思いますので、その点は十分考えてやりたいと思っております。
  146. 相馬助治

    ○相馬助治君 通産大臣の御答弁全く了解しました。それで、ぜひその方向で努力していただきたいと思います。
  147. 大竹平八郎

    ○大竹平八郎君 これは本日徴収決済になる問題でございますので、緊急に実はこれは質問を申し上げたいと思うのでありますが、御承知の上期バナナの輸入の差益金の問題なんでありますが、昨年は産地の台湾は夏物、秋物、冬と、ほとんど全滅に近いような状態を呈したわけであります。そんな関係からして、ようやくこの四月になって春物がぼちぼち入荷をする、従って決済の面から申しまするなら、大体六月の下旬あたりに決済をしてもらうというのが、妥当なんであります。こんなような関係からいたしまして、十二月の五日にいわゆる決済の延期申請をいたしたわけでございますが、そのときは、御承知の年末を控えておりまするので、非常に金利負担、あるいは金利の軽減等の問題もございまするので、再延長は申請を絶対しないというような誓約書まで入れまして、政府へ提出いたしたわけでございますが、そうしていよいよ本日徴収決済の日が来たわけなんでありますが、まずこれにつきまして、通産当局といたしましては、いかに処置せられておりまするか、それをお尋ねしたいと思います。
  148. 松尾泰一郎

    ○政府委員(松尾泰一郎君) ちょっとかわりましてお答え申し上げます。御存じのように、台湾の台風のために、昨年秋割当いたしましたバナナの輸入が、なかなか思うように入って参っていないことは、御指摘の通りであります。そこで、一応十二月五日の差益徴収期日をとりあえず三月の五日まで延長いたしたのでありますが、それでもなお今日までに入りましたのが、正確な数字は今ちょっと覚えておりませんが、やはり一割内外しか、これまで入っていないわけであります。そこで、そのままにしておきますと、結局差益金を徴収しなければならぬというようなことになりまするので、先般来政令を改正をいたしまして、そういう台湾の台風によって輸入ができなかったことによるものにつきましては、差益金の徴収を免除するという意味の政令を出したわけであります。実は私、今はっきり覚えていないんですが、多分公布になったであろうと、実は記憶しておりますが、ちょっといつ公布になったか、覚えておりません。ともかく徴収については、免除し得る道を開いたのであります。
  149. 大竹平八郎

    ○大竹平八郎君 大体御承知の通り、納める金額は、八億円内外だと思うのでありますが、御承知の資金のちょうど財政的に引揚期でもありますし、それから最近日銀の非常な融質引き締めというようなところに際会をしておるのでありまして、これが全額本日実行するということは、非常に至難なことだと思うのでありますが、今局長の御説明を聞きますというと、大体ある程度の免除という問題はお話があったのでありますが、そうしまするというと、どういうことになるのですか。その内容についてはまだお聞きしていないのでありますが、これは再延長と大体同じように考えていいのかあるいは輸入権というものを放棄するということを前提にして、この免除という問題が初めて実行し得られるのかどうか、その点をお聞きしたい。
  150. 樋詰誠明

    ○説明員(樋詰誠明君) ただいまの御質問のバナナの件でございますが、十二月の五日に一応切れますものが、そのときほとんど入っておらなかったということで、まあ三月の五日まで一応延期したわけでございます。その後、いろいろ関係業者から実情等の説明がございましたが、実は十二月に延長いたします際に、自分らの方としては、今回だけ延長してもらえれば、あとは再延長ということは、もう一切要求しないというお話しでございました。また、その後現にそれを入れておりますあるいはバナナの輸入組合の方、あるいは全芭連の方という委員の御意見を伺いましたが、その際にも、今回さらに町延長ということは、これはしてもらえれば越したことはないけれども、自分らの方として、しいてまた、再延長するということまでお願いするつもりはないというお話しだったわけでございます。ただかりに、もう今後バナナというようなものはむしろ扱いたくないというようなことで、この際今後も入れる意思がないというようなお方がおられるというのであれば、それらの方々から、品物は全然入らないのに、差益だけ徴収するということは、これはやらずぶったくりといったような感が強うございますので、とりあえずそういうふうにお入れになりたくないということで、輸入権を放棄なさるという方は、これは放棄なされば、差益として今までいただいておりました担保をお返ししましょうということで、政令を出したわけでございますので、今後数カ月おくれるけれども、バナナがまた出回ってくれば入れたいということで、輸入権の放棄をなさらぬという方には、お約束通り三月五日付で今まで入れていただきました担保は、このまま国庫の方に帰属するという手続になっております。
  151. 大竹平八郎

    ○大竹平八郎君 結局これは、まあお前たちは既存の商売を捨てる意思があれば免除してやる、こういう一つのお役所のお情けのように思われるのでありますが、実情はどうなっております。
  152. 樋詰誠明

    ○説明員(樋詰誠明君) 大体二月の二十日ころまでに三十万かごの割当をいたしましたもののうち、一万四千かごは到着いたしております。そして大体あと四、五、六、おそくとも七月くらいまでには、全部これは入るということになっております。
  153. 大竹平八郎

    ○大竹平八郎君 いま一点伺いますが、今私の質問は、この政令の趣旨にのっとって、それじゃ輸入権放棄をしようというもの、それからどうしても通産当局としては本日中に徴収決済するのだというので、それに応じたものと、この区別はどんな工合になっておりますか。
  154. 樋詰誠明

    ○説明員(樋詰誠明君) 実ははなはだ申しわけございませんが、まだ、どの程度これで担保を返してくれということで希望があったかということは、報告を受けておりませんので、できるだけ早く調べまして、お返事したいと思っております。
  155. 大竹平八郎

    ○大竹平八郎君 御承知の通り期日がきょうなんでありますが、そうすると、差益金の納入をしない業者に対しましては、通産当局としては一応全部放棄したものとして、今後御処置をせられるのかどうか。その点をお伺いしたいのですが、もう時間は、本日のいつまでが時間か知らんけれども、納めないものについては、輸入権を放棄したものという見解をもって御処置をせられるのかどうか、これを伺います。
  156. 樋詰誠明

    ○説明員(樋詰誠明君) お説の通りに考えております。むしろ、特別に返してくれというお話のない方は、これは差益を納めて今後もバナナの輸入を続けたいということで、法令の規定通りに、本日付をもちまして、国庫に帰属させるという手続をとらざるを得ないと思っております。
  157. 大竹平八郎

    ○大竹平八郎君 あなたの手元に参りました報告の一番新しいものを聞きたいのでありますが、その徴収の状況、これについて何か報告を受け取っておりますか。
  158. 樋詰誠明

    ○説明員(樋詰誠明君) まだ全然報告を受け取っておりません。
  159. 松澤兼人

    ○委員長(松澤兼人君) 速記をとめて。    〔速記主止〕
  160. 松澤兼人

    ○委員長(松澤兼人君) 速記を始めて。
  161. 相馬助治

    ○相馬助治君 先ほど水田大臣に対して、日中貿易の基本的な考え方をお尋ねしたのですが、その路線に沿って、具体的なことを少しく通商局長からお聞かせを願いたいと思います。  まず、今年の三月末まで区切って、大体日中貿易はどのくらいの輸入超過のお見込みですか。
  162. 松尾泰一郎

    ○政府委員(松尾泰一郎君) 実は、昨年、五十六年の一月から十二月までについて申し上げますと、ちょうど輸出が六千七百三十四万ドル、同じく五十六年の輸入でございますが、輸入が八千三厩八十六万ドル、こういうことになっております。八千三百八十六万ドルの輸入は、これは税関統計による輸入でございまするので、これをいわゆる決済別で見ますると、このうち七千二十七万ドルが中共から直接輸入をいたしまして、千三百五十七万九千ドル、これが香港経由で実は入って参っております。従いまして、税関統計で見ますると、輸入超過という格好になるわけでありますが、香港を除きました中共との直接の輸出入のバランスから見ますると、ほとんど均衡をしてみる、こういうことでございます。従いまして、大きな輸入超過は、現在のところ、まだ示していないという現実でございます。
  163. 相馬助治

    ○相馬助治君 直接のものを見ますと、大した輸入超過じゃないというお話ですが、輸入超過であるということは間違いないと思います。これは局長のお考えでは、現在の協定自身に問題があるというふうに、一つお考えでしょうか。  もう一つは、もちろんココム禁輸に関連しての大きな問題があるわけですけれども、私が今尋ねておるのは、民間団体によってなされておる協定自体に問題があるという点をお考えでしょうか。それともそういうものはないというふうにお考えでしょうか。
  164. 松尾泰一郎

    ○政府委員(松尾泰一郎君) 今の、民間協定でございますが、いろいろの不備な点があるというふうに考えております。
  165. 相馬助治

    ○相馬助治君 これは一日も早く日中国交を正式に回復して、その後でなければ、解決がつかない問題でもありますから、ここであれこれ議論をいたしません。  次に、特認の問題ですが、ただいまも水田大臣が申されたように、国際的にはココム金融の緩和を促進していく、それから国内的には特認の制度も、できるだけ利用して輸出をはかりたい、こういうふうに聞いて、私もそれに同感をしたのですが、中共向けの商品を大別しますと、許可が不必要なもののココム金融に該当しないもの、それからどんなに申請しても許されないもの、それから申請すれば許されるもの、すなわち特認の制度によって許されるもの、こういうふうに三つに大別できます。明確に区別があるはずでございますが、これが輸出業者にとっては、きわめて不明確なものであると、かように聞いておりますが、通産当局がこれを明確化することができない事情におありでございますか。それともまた、これらについての事実がこうである、ないしはこうであるというような点がございましたら、局長から一つ説明をしていただきたい。
  166. 松尾泰一郎

    ○政府委員(松尾泰一郎君) この輸出品目を大別しまして三つに分れるのではないかという御意見でございますが、いわゆる輸出貿易管理令の別表には、許可を要する品目だけは掲げておるわけでございます。許可を要しない品目は、これははっきりしております。従いまして許可を要する品目と要しない品目との区別は、これははっきりしているわけです。従って先生御指摘の三分類のうちの一つははっきりしている。ただ、許可を要する物資のうち、いわゆる申請をしても許可にならないものと、ある程度許可になるものとの区別が不明確ではないかという問題が、その次に残るわけであります。この点につきましては、いわゆる特認物資の範囲いかんということで区別ができるわけでございますが、この品目の公表につきましては、国際的ないろいろの関係から、この区別を公表することはできないことに、実はなっておりまするわけであります。実際問題といたしましては、われわれの方の担当の課の窓口で、具体的な御照会がありますれば、十分御相談に応じておるのが現状でありまして、若干いなかの方々で、こちらにお見えになりにくい方々には、不便があろうかと思いまするが、できるだけ窓口では、親切に詳細にお教えをいたします、御説明申し上げるようにやっておる次第であります。
  167. 相馬助治

    ○相馬助治君 ケース・バイ・ケースで、窓口の取扱いは親切丁寧にやっているという局長の今の言明は、私もある程度了解しております。しかし、私が聞いているのは、どうしても輸出を盛んにするためには、こういうものは特認されるのだという品目を明示して、より輸出を盛んにする方途はないかという観点に立って御質問をしたのですが、それは国際的な関係から制限があるという、今の御説明でございますが、制限があるにしても、この問題については、将来関係各国と十分通産当局が連絡をとられて、より積極的に品目を明示するように指導を賜わりたい、特に不許可品目でも、問題となる重要部分を除けば、許可されるというようなデリケートな問題もあるやに聞いておりますから、そういうことについて、今後どのようにおやりになるか、一応御見解だけ承わっておきたい。
  168. 松尾泰一郎

    ○政府委員(松尾泰一郎君) ただいまの問題は、非常にお答えのしにくい問題でございますが、われわれとしましても、できるだけそういう許可制でないようにしたいということでございまするが、何分にも戦略物資の範囲というものが、非常に複雑でございまするので、はっきりした線の引きにくい問題がいろいろあるわけであります。また、ある条件下においてはいいが、というような、条件付きでいい悪いという場合がいろいろある。品目だけで一がいにいいとか悪いとか言いにくいようなことになっておるわけであります。先生の御指摘のような、できるだけ公表し得るものはするように努力すべきと思いますが、現状におきまして、早急にそういう事態にはならないのじゃないか。そこで、われわれといたしましては、できるだけ御照会をいただいて、具体的照会をやっていただく方には、わかっていただくように努めておるわけであります。業界で熱心にやっていただければ、大体わかっていただけるのではないかと私は思います。
  169. 相馬助治

    ○相馬助治君 わかっているのじゃないかということが案外わからないで、業者が手探りで日中貿易の特認輸出の仕事をやっておるので、以上のことをお尋ねしたわけですが、今の方向に向って、ぜひ御努力願いたい。なお、私が一点この問題で触れておきたいことは、この特認の申請をすると、あるケースでは、非常に早く許可がある、あるケースではなかなか許可が来ない。そうすると、業者は、顔つきのいい者が行って、下から運動したから、あれは早く来たんだというようなうわさをしておる。私もそんなことでもあったら大へんだ、通産当局をたださなくちゃならないと思って、真剣に調査をしてみると、実は、あるものはパリまで行って許可を受けてこなければならない、あるものは国内で許可ができる。こういう事情だそうで、それが業者にわかっていないものだから、そこで疑心暗鬼が出て、通産当局自身があらぬ嫌疑をかけられるような事例がないでもないのです。これは局長も私の言っている点にうなずく点があると思う。これは、ココム禁輸については、非常なデリケートな国際間における問題があろうと思いますが、できるだけ業者に自信をもって貿易をやらせるように、明瞭にして、しかも簡潔なる御指導のできる方向に、今後持っていっていただきたい、こういう願いを持っているわけです。  その次に、問題が中共貿易とちょっと離れるのですが、一つ聞いておきたいのは、インドネシアとの貿易について輸出権を設定している。これは私の勉強不足かどうかしりませんが、全く了解に苦んでおります。なぜ、輸出を制限するために、輸出権というものを設定しておかなければならないか。たとえば、輸出を奨励するために、特別外貨制度というようなものをおくというならよくわかるが、輸出を制限するための輸出権を設定しておいて、しかも、最近伝えられるところによると、その率をより過酷なものにする、こういうふうにうわさされております。私は、巷間うわさされているところを聞くというと、インドネシア貿易協議会とか、いわば半民半官みたいな通産省の古手官僚、言葉はまことに妥当でありませんが、ほかの表現の言葉を知らないので、古手官僚の職場になっているとかいう、こういう協議会の意思によって、この輸出権の設定並びに率が左右されるのだ、かようなことを伝えられておりますが、輸出をいよいよ進めなくちゃならないというわが国において、なぜ、このような必要があるのか、現状はどうなっているのか、将来どのような見通しであるか、これらについて承わりたい。
  170. 松尾泰一郎

    ○政府委員(松尾泰一郎君) インドネシアとの貿易につきましては、いろいろな問題があるのではございますが、先生も御存じの通りに、インドネシアに対しましては、いわゆる焦げつき債権といわれるものが現在一億七千万ドルほどあるわけであります。要するに、輸出をいたしましても、金を払ってくれないわけであります、そこで、一昨年のたしか半ばころから、何とかして輸入の範囲内程度に輸出の調整をしたいということで、今の輸出入調整制度が実施をされたのでございまして、それを簡単に申し上げてみますると、インドネシアから輸入をした者に同額の輸出権を認めまして、その輸出権の範囲内に輸出をとどめるということにした。すなわち、輸入の範囲に輸出をとどめることによって、焦げつき債権の累増を防止しようという趣旨なんであります。もちろん、輸入物資の中には、砂糖のごときものがございますので、こういうものにつきましては、輸出調整をする側においては、その砂糖の輸入の程度を輸出できるようには計算をいたしまするが、いわゆる輸出権というものではなしに、そういうものは除いてはおりますが、要するに、輸入した者に輸出権を与えるということになりました関係上、いわゆる輸入を証するカードにプレミアムがつくわけであります。従いまして、輸出をする者が、そのプレミアムを払いまして、そのカードを買うということになります。その結果といたしまして、結局輸入をすれば、何がしかのプレミアムは売れるということで、輸入促進の効果があります。輸出をする側は、それを買わなければならぬという若干の負担になるわけでありますが、何分過去におきましては、一億数千万ドルも輸出をしておった地域でありまするので、向うにおきまする輸入品需要というものは非常に強い。従いまして、若干のプレミアムがついても輸出は可能であるということで、現在のところ、原則といたしまして、プレミアムを五%ぐらいに調節をしているわけであります。と申しますのは、ある場合には五%で、ある場合には一割だということになりますと、輸出をする採算におきまして、非常にむつかしいことになりますので、ある程度プレミアムの額を均一にしようという趣旨から、先ほどお言葉にありましたインドネシア輸出入協議会というものを作って、そこにみなが輸出権をいわゆる寄託をするわけであります。その寄託をしました場合に、輸入業者から寄託をするわけでありますが、一応一〇%のプレミアムつきで引き受けるわけであります。それを輸出をしたい業者に売るという業務をインドネシア輸出入協議会というものはやっておるのであります。この協議会に役所の古手ということでしたが、今はだれも行っておりません。その点は誤解はないようにしていただきたいと思いますが、要するに関係業者がプレミアムの高下によりまして、非常に商売がしにくいからというので、それを調整しよういう趣旨で、こういう協議会を作り、輸入業者から輸出権の寄託を受けて、輸出業者に輸入をさせておるというのが現状であります。ただ、実際問題として、その一割のプレミアムが高過ぎるのではないか、その結果香港を通すインドネシア向けの輸出がふえているのではないかというような問題も、実は起って参っております。  他方最近におきまするインドネシア側の輸入制限の強化からいいまして、本協会としましては寄託を受けました輸出権が、やや累増しているような格好になっておるわけでございます。従いましてその輸出権の発生自体も、若干制限をしたい。今まるまる輸出権の発生ということになっておりますが、その発生率を若干減らすということは、それだけ減らしただけは、何と申しますか、ただの輸出権をこの協議会にもらうわけであります。そういうことによりまして、今度輸出の場合のプレミアムをある程度引き下げていきたい、輸出入の競争力を伸ばしていきたいということで、研究をしておる段階でございます。
  171. 相馬助治

    ○相馬助治君 御説明で一応わかりましたが、インドネシアについては、焦げつき債権があるから、特殊な状況として輸出権を設定しなければならなかったという状況は、これはわかりました。私の調査によっても、そのほかにデリケートな賠償関係もあるので、こういう特異なことをやっているのだということも、質問はしておりますが私自身も承知しておるのです。私が質問している趣旨は、一体焦げつき債権のために、あるいは賠償問題のために輸出をわが国みずからが制限しなければならないという、こういう制度をとるというところに、問題かあろうと思うのです。実は、これは通産当局について御質問して、その非を鳴らす趣旨のものではなくて、全く別個な政治問題なのですけれども、この種の制度を設けなければならないというところに、日本の現在の悲劇があろうと思いますが、この問題については、いろいろうわさもされていまするから、一つ実態をよく調査されて、大きな政治問題として輸出振興の方向に一つ努力をされていっていただきたい。特に率を急激に下げるというようなごときことは、かなり問題であろうと思いますので善処方をお願いしておきたいと思います。  最後に、もう一点ですが、それは私は特別外貨制度についてお尋ねしてみたいと思います。この特別外貨制度というのは、常にIMF等で問題になっておるようですけれども、世界どの国でもやっておる制度であって、特に日本では、中小企業者の輸出業者優遇のために、この制度が果す役割というのは、非常に多かったと思うのです。ところが、最近IMFの関係から日本国内において業者が業者の団体を作り、それに調整金徴収等の方法によって、業者割当の方向に進んでいるやに承わっておりまするけれども、これはある物質についてはかなり問題であると思う。通産当局としては、この特別外貨制度というもの、すなわちこの妙味ある制度をどのように考え、将来どのようにされるお気持か、この際基本的な問題として承わっておきたいと思います。
  172. 松尾泰一郎

    ○政府委員(松尾泰一郎君) 特別外貨制度は御存じのように、外貨割当手続の簡易化のためということで、この制度ができたのでありまするが、同時に、輸出業者、特に輸出専門の中小業者等に対しまして、いわゆる特別外貨ということであります関係上、プレミアムが発生する。これがいわゆる輸出のドライブの効果もあるというふうなことで、実は表面は外貨割当手続の簡素化ということでスタートしたのでございますが、その副次的な結果として、輸出ドライブの効果も出て参った。そこで、そういう関係業者からは、やはり存続の意向が依然として強いのでありますが、一方今、先生からも御指摘がありましたように、IMFからは、かねてこれを全廃するようにというふうな申し入れもありまして、できるだけその趣旨に沿うというような方針をとって、今日まで来ております。従いまして先般も従来発生率五%でありましたのを三%に下げた、また、有効期間も三カ月に短縮するということで、まあ方法としては全廃の方向に進んでおるわけであります。また、先ほども申しましたように輸出業者から見ますると、プレミアムの高いということが望ましいのでありまするが、他方輸入する側から見ますると、これは低い方がよいと、こういうことも言えるわけであります。そこで、先ほど申しましたIMFとの関係なり、あるいは割当制度としての本案の問題等から考えまして今後どうするか、実は慎重に研究をいたしております。まだ、今日のところは、廃止をするまでのところには……そういう方針の決定にまで至っておりません。繰り返して申し上げますように、いろいろの利害が錯綜いたしておりますので、十分に研究した上で、方針をきめたい、こういうふうに考えておる次第であります。
  173. 相馬助治

    ○相馬助治君 私はこれの廃止することを期待して質問しておるのじゃなくて、むしろこの段階では、この妙味をもっと生かしたらどうだという立場でお尋ねしておるわけです。これはやはり日本の貿易という観点から考えれば、輸出振興策ということが一番大きいのでございますから、輸入業者の立場から見れば、特外のプレミアムの問題は困ったことではありますけれども、一つこの特外制度については十分研究をして、そうしてその妙味ありとするならば、それが発揮できるように、輸出振興策にもなり得るように、将来御処置賜わりたいと思うのです。  それに連関して一つお尋ねしたいことは、やはりある種の物資が逐次、一つは業者割当、一つは、商社割当に移行していくということが伝えられておりまするが、商社割当ということが強化されて参りますというと、これは勢い過去の実績によって、実績オンリーで割りつけるほかない。そういうことになれば、どうも私どもの言葉で、おはこの言葉のようになりますが、大企業優先、優遇、こういうようなことになって、はなはだ思わしくないと思うのですが、品物によっては商社割当に移行するということもやむを得ない、また当然であろうと思いまするが、ある種物資については、その割付の基準が困難であるとするならば、むしろ特外制度という制度を生かして、それで物資量を制限していくということも妙味あることだと思うのですが、これに対する具体的なことでなくてけっこうですから、基本的な考え方はどうでございますか。
  174. 松尾泰一郎

    ○政府委員(松尾泰一郎君) 先ほども申し上げましたように、現在の特別外貨割当はその割当手続の簡素化という趣旨をもちまして、非常にその割当が困難なようなものについて、実はやっておるわけであります。従いましてその余の点につきましては、先ほど少し言葉が不十分であったかと思いますが、来年からはやめよというような意見もあるのでありますが、先生も言われましたように、輸出業者からはその存続を非常に希望されておりまするので、まあ研究しておるような次第でございます。確かにいろいろ特別外貨割当制度の妙味を発揮できるような措置もあろうかと思います。  なお、御指摘になりました、この商社割当かあるいは業者割当かの問題でありますが、輸入の根本の原則は、やはりともかく業者割当にしろ、商社割当にしろ、輸入の予算を十分につけて、どっちへころんでも、そういうその割当を受けたものが不当にもうけをするということのないようにするというのが、実は根本の原則ではないかと思うのであります。従いまして商社の割当問題につきましても、これは貿易の自然の姿からいいますと、これは若干私個人の意見になるかもしれませんが、やはり商業活動をやる貿易商社に割当をするのが本則ではないかと思いますが、実際問題として、なかなかそこまでも行き得ないような実情にございますので、各物資によって事情は違いまするが、この外貨予算の量がふえるにつれまして、商社割当をやっても、別段商社は不当利得を受けるのではないというような場合には、商社割当をやっても別段いけないというわけのものでもないのじゃないか。要するに根本の問題は、この輸入予算の量をふやして、あまり割当自身が問題にならないように、要するに現在は若干不足しておりますものについて、その業者割当にするとか、あるいは商社割合にするとか、利益にからんだ主張が非常に強いわけであります。従いまして、要はできるだけそういう必要な物資については予算をふやすということで参れば、おのずからこういう問題は解決するのではないかと思っております。
  175. 相馬助治

    ○相馬助治君 あと一点だけお尋ねします。これはきわめて具体的な問題ですから、都合では次長からの御答弁でもけっこうです。この特外制度の中で、ブラジルの羊毛が今までは無制限受付、業者の言葉でいえば、青天井とか、そういう制度であったそうですが、これを通産省は突然中止されたそうですが、それはどういう理由なんでしょうか。尋ねる理由は、これが誤まりであれば幸いだと思いますが、大手筋が羊毛をどっさと輸入して、そこで輸入受付停止をして、この大手筋が羊毛の値上りを見てもうけるために、通産当局の意思を離れて、ある政治ブローカーが動いて、こういうことをしたんだという不幸なニュースが流れておりまするが、私はさようなことはあるまいと思うのですが、事実はどういうことになっておりますか。この点を一つ明瞭にお聞かせ願いたいと思うのです。質問はそれだけです。
  176. 松尾泰一郎

    ○政府委員(松尾泰一郎君) お尋ねのブラジル羊毛の問題でございますが、御存じのように、ブラジルの羊毛はいわゆるマル特制度によって、輸入を無制限にしておったわけです。三十一年度のブラジルから日本へ輸出をする能力として、一応五万俵程度ではなかろうかということであったのでありますが、日本側が非常に買い進んだというようなことで、現地の価格も非常に上ったわけであります。そこで十二月の二十日過ぎにブラジル政府が輸出の禁止をしたのでございます。そこで確実に輸入ができないにもかかわらず、この輸入の受付を無制限に行うことにしておりますと、いたずらに思惑を助長することにもなりますし、また、特別外貨を有効に活用するというような見地から見ましても、いろいろ問題もありまするので、この際もう輸入の見込みがないならば、思惑の申請はとりあえず封じておいた方がいいと、こういう判断に立ちまして、一月の十八日に受付を停止したというふうな実情でございます。
  177. 相馬助治

    ○相馬助治君 向うの禁止が解ければ、また元へ戻すのですか。
  178. 松尾泰一郎

    ○政府委員(松尾泰一郎君) さように考えております。
  179. 松澤兼人

    ○委員長(松澤兼人君) ちょっと速記をとめて。    〔速記中止〕
  180. 松澤兼人

    ○委員長(松澤兼人君) では、速記を始めて下さい。
  181. 近藤信一

    ○近藤信一君 午前中もいろいろと局長に他の同僚委員から御質問がございましたが、今一番問題になっておるガスの事故というものは、おおむね器具の問題から発生しておるわけであります。ガス会社では慎重な検査をして、そういう器具を販売しておると、こう言っておられますが、ガス会社だけの器具であるのであればこれは安全かもしれませんけれども、その他の製品というものが相当市場にはんらんしておること、そういう点からいくと、そういう手っとり早いそこらの店で買う場合もあるわけです。それから最後に先ほどガス会社の人も言っておりましたが、器具の元せんの現在の物は安全弁がついておって完全だと言われるんですが、これはおおむね、私のはこの間二、三年前につけたわけですが、他の人は一年ぐらい前、こういう人もあるわけなんだが、もうそういう近い時期につけたガス器具でも安全弁がない。ネジ、バルブという物がついている、こういう物に対してガス会社は、ここへ出て来られた連中は、これはみなついておりますと言っておられるが、実際はついておらない。そういうものに対しても、これはやはり責任上、安全というものを必要とするとわれわれは考える。そういう点からいきましても、器具に対する規制というものが、このガス事業の関係法令を見ましても、ほとんど出ていない。こういう点から非常に器具の問題から事故が発生しているから、こういう点に対しては、やはり人命を扱っている以上は、これをこの生命を尊重するという意味からいっても、機械器具に対する何らかの処置を、公益事業局としても考えざるを得ないのじゃないかと私は思うのです。そういう点で一つ御所見をお伺いしたいと思うのです。
  182. 岩武照彦

    ○政府委員(岩武照彦君) ただいま近藤委員から御指摘がありましたように、器具の問題が一つの穴になっておるということは、御指摘の通りであります。この法令的な措置、あるいは行政的な指導、いずれによりますか、いろいろ検討してみますが、早急に結論を得まして実施したいと考えております。なお、その節、あるいは法令等につきましては、国会の方の御審議をお願いすることになるかもしれませんが、その点はよろしく一つお願いいたします。   ―――――――――――――
  183. 松澤兼人

    ○委員長(松澤兼人君) 次に、その後本委員会に付託されました法案は五件あります。すなわち、輸出保険法の一部を改正する法律案、特別鉱害復旧臨時措置法の一部を改正する法律案、臨時石炭鉱害復旧法の一部を改正する法律案、商工組合中央金庫法の一部を改正する法律案、信用保証協会法の一部を改正する法律案であります。この件につきまして、この際提案理由の説明を聴取いたしたいと思います。長谷川政務次官。
  184. 長谷川四郎

    ○政府委員(長谷川四郎君) 輸出保険法の一部を改正する法律案につきまして、提案の理由を御説明いたします。  世界各国の貿易競争が激しくなるに従い、輸出市場の拡大並びに重要な輸入原材料の確保のためには、海外投資が必要であることは申すまでもありません。政府はこの趨勢にかんがみ、海外投資を促進するため、昨年輸出保険法の一部を改正いたしまして、海外投資保険制度を新設いたしたのでありますが、最近におきまして、中南米、東南アジア等に対して盛んになりつつある海外投資の実情並びにこれら投資者の要望を検討いたしました結果、海外投資に伴う危険を担保する範囲を拡大し、更に、てん補率、保険料率に所要の改善を加えるとともに、あわせて投資者が海外において上げた利益を、本邦に送金できないことによる損失をカバーする保険、すなわち、海外投資利益保険を新設することが必要であると認められましたので、この方針に従って現行の輸出保険法に所要の改正を加えることとし、本改正法律案を提案したのであります。  次に、改正法律案の概要を御説明いたします。  改正点の第一は、海外投資保険の改正であります。まず、現在の海外投資保険の名称を、海外投資元本保険と改めたのでありますが、これはさきにも御説明いたしました通り、このたび海外投資利益保険を創設いたしますので、これと区別いたしますため、このように改めるわけであります。  次に、担保危険の範囲の改善及び拡大につきまして御説明いたしますと、  一、現行法におきましては、被投資法人が戦争、革命、内乱のような非常事態によって解散いたしました場合、投資者が株式を処分するか、または被投資法人の清算が結了いたしたときに初めて保険金を支払うようになっておりますが、これでは保険者、被保険者ともどもに不利益をこうむることになりますので、被投資法人が解散したときに保険金の支払ができるように改正いたしました。  二、現行法におきましては、戦争、革命または内乱によって被投資法人が解散するか、事業休止した場合に、その損失に対して保険金を支払うことになっておりますが、今回の改正におきましては、戦争、革命、内乱のほか、暴動または騒乱のように、これに準ずる事態をも加えるとともに、さらに設備や鉱業権、漁業権のように、事業遂行上重要な権利を侵害された場合を加えることといたしました。  次に、保険金の算定の方法につきまして、被保険者の有利となるよう若干の改正、たとえて申しますと、収用補償金をもらった後、この補償金を凍結されるような場合、これを損失金に算入する等の改正を加えております。  また、てん補率は、現行において六〇%であるところを、七五%に改めることといたしました。なお、保険料率は、政令で定められておりますが、現行の一年につき一・五%を一・二五%に引き下げる予定であります。  改正点の第二は、海外投資利益保険の創設であります。この保険は、一、為替取引の制限又は禁止、二、為替取引の途絶、三、配当金の管理、四、配当金の送金保証の不履行、五、配当金の没収というような事由によりまして、投資者が株式等の配当金を一定期間本邦に送金することができなかったことにより受ける損失をてん補する保険制度であります。この保険におきまして、てん補率は七五%、保険料率は一・二五%と定めております。  以上が今回の改正の概要であります。何とぞ慎重御審議の上、可決されんことをお願い申し上げます。  次に、特別鉱害復旧臨時措置法の一部を改正する法律案につきまして御説明申し上げます。  特別鉱害復旧臨時措置法は、太平洋戦争中の強行出炭による特別鉱害を急速かつ計画的に復旧することによって、民生の安定、国土の有効利用をはかり、あわせて石炭鉱業の健全な発達を期せんとするものでありまして、昭和二十五年に法律の施行以来、着々その成果を上げて参った次第であります。すなわち、昭和三十一年度末までに百億円に上る復旧工事が完了することとなり、これをもちまして、河川、道路、鉄道、水道、学校等公共施設関係の復旧工事は、すべて終了するわけであります。  しかしながら、復旧促進のため尽してきたあらゆる努力にもかかわらず、はなはだ遺憾なことではありますが、農地および家屋の一部につきましては、その復旧工事の一部について、法律の有効期限であります本年の五月十一日において未完了のものが残る見通しであります。これは、家屋につきましては、その復旧費が炭鉱からの納付金のみによって賄われるとともに、その納付期日が法律の有効期限以後にならざるを得ないという理由によるものであり、農地関係につきましては、主として現地の工事能力から来る制約に基いているものであります。農地の復旧には、大量の土が必要となりますが、河川の浚渫による土量を計画通りに使用できなかったり、あるいは土取場が次第に遠隔となり、工事能力の低下を来した等の事情によって、いかにしても法律の有効期限以後に残らざるを得ないことになったわけであります。  ここに提案いたしました改正案は、以上に御説明申し上げた状況にかんがみ、残工事の適正な施行を確保するため、法律の有効期限を昭和三十三年三月末日まで延長することを内容とするものであります。  何とぞ慎重に御審議の上、すみやかに御可決あらんことをお願い申し上げます。  次に、臨時石炭鉱害復旧法の一部を改正する法律案の提案の理由を御説明申し上げます。  臨時石炭鉱害復旧法は、鉱害復旧事業団を中心として鉱害を計画的に復旧することにより、国土の有効利用及び民生の安定をはかり、あわせて石炭鉱業及び亜炭鉱業の健全な発達を期せんとするものでありまして、昭和二十七年に法律の施行以来、着々その成果を上げてきたところであります。すなわち、昭和三十一年度末までに、農地関係十三億、河川、道路、水道等の公共施設関係十四億、合計二十七億に上る復旧工事が完了することとなり、特別鉱害の復旧と相待ちまして、鉱害地の状況は、大幅に改善されつつある次第であります。  本改正案は、家屋を本法により復旧することができるようにして、その復旧を促進し、民生の安定をはかるとともに、農地及び公共施設関係の復旧工事とあわせて、総合復旧の実を上げんとするものでありまして、次に、各改正事項につき、その概略を御説明申し上げますと、  改正の第一点は、家屋等、すなわち、住宅、店舗、倉庫等の建物及びこれらの建物の用に供される土地等を復旧基本計画の対象に加え、その復旧工事費のうち、地盤の復旧費及びこれに起因する家屋等の補修費の半額に相当する額の補助金を国及び都道府県から交付することといたしたことであります。このため、国庫からの補助金として七千万円を三十二年度予算に計上し、差しあたり約一千戸の家屋復旧を計画しておりますが、民生の安定及び鉱害の総合的な復旧に資することきわめて大なるものがあると、確信いたしておる次第でございます。  改正の第二点は、家屋等の復旧に際しまして、その復旧に際しまして、その復旧費のうち、賠償義務者たる炭鉱が負担すべき部分を負担する資力を有せず、またはその所在がわからない場合には、国、都道府県および鉱害復旧事業団の三者が、当該炭鉱が負担すべき部分を負担して復旧することといたしたことであります。  改正の第三点は、家屋等を復旧することができるように改めることに伴いまして、家屋等の復旧工事に関する協議及び裁定に関する規定を削除したことであります。  すなわち、現行法におきましては、家屋等が復旧工事の対象から除外されておりまするために、その復旧促進の一助と致しまして、家屋等の復旧につき、通商産業局長が当事者間の協議のあっせんを行い、または裁定をすることができる制度を設けておりますが、家屋等を復旧することができるように改めることにかんがみまして、本制度を廃止することとし、今後は、このような問題につきましては家屋のみならず、農地その他の関係をも含めまして、広く、鉱業法による和解の仲介制度を活用してゆく所存であります。  以上はなはだ簡単でありますが、改正案につきまして概略御説明申し上げた次第であります。本改正案は、現地における被害者の方々をはじめ、関係者各位の熱心な御協力によりまして、初めて国会に提案できる運びに至ったわけでありまして、この法案が制定されることになった次第でございます。法律の円滑な実施に努め、鉱害復旧の促進に一そう努力する所存であります。  何とぞ慎重に御審議の上、すみやかに御可決あらんことをお願い申し上げます。  次は、商工組合中央金庫法の一部を改正する法律案の提案の理由およびその概要を御説明申し上げます。  まず提案の理由について御説明申し上げます。商工組合中央金庫は、中小企業等協同組合の系統金融機関でありますが、最近の情勢にかんがみますとき、同金庫の果す役割はいよいよ重要となってきておりますので、この際、商工組合中央金庫法の一部を改正して、その機能の強化、充実をはかり、もって中小企業の組織化の推進、その一そうの振興に資することといたしたいと考える次第であります。これが本法律案を提案する理由であります。  次に、本法律案の概要を御説明申し上げます。  第一は、政府の商工組合中央金庫に対する出資金を増加することであります。商工組合中央金庫は、戦前、政府、民間それぞれ同額の出資をもって発足したのでありますが、その後数々の経緯を経て、現在では政府出資十二億四千二百十万円、組合出資十五億九千七百九十万円、合計二十八億九千七百九十万円、合計二十八億四千万円の資本金となっているのであります。  御承知のとおり、商工組合中央金庫の貸出金利は、最近における数次の引き下げにもかかわらずなお割高であり、一そうの引下げをはかることが、当面重要な問題の一つとなっております。そのためには、もとより同金庫自身の経営の合理化、並びに所属組合の協力に期待することが大きいのでありますが、政府といたしましても、極力これを援助するため、昭和三十二年度において十五億円を出資し、その貸出金利の引き下げに資せしめようとするものであります。  第二は、内国為替業務に関する制限を撤廃することであります。現在、商工組合中央金庫が行うことのできる内国為替業務の範囲は、所属組合またはその構成員のために行うものだけに制限されておりますが、同金庫が他の金融機関と為替取引契約を締結した場合、その金融機関としては、個々の為替取引が所属組合またはその構成員のためにするものであるかどうかを確認することが困難であるため、事実上かような為替取引契約を締結することができない実情となっておりますので、この制限を除くことによって、このような実務上の支障を解消し、もって為替業務の円滑化をはかろうとするものであります。  第三は、商工組合中央金庫が金融機関の貸付業務を代理したときは、員外者のためにも債務の保証をすることができることとすることであります。これは同金庫が中小企業金融公庫の貸付業務を代理した場合、必要に応じ員外者にも貸付を行うことができる道をひらいたものでありまして、商工組合中央金庫の機能を十分活用しようとする趣旨によるものであります。  第四は、商工組合中央金庫がその余裕金を運用できる範囲を拡張することであります。同金庫の余裕金の運用の範囲につきましては、国債等の証券の買入れ、銀行への預金または郵便貯金、銀行その他の金融機関に対する短期貸付のほか、中小企業等協同組合に対する短期貸付に限られておりますが、新たに中小企業等協同組合またはその構成員の事業の発達をはかるため必要な施設を行う法人に対し短期貸付をすることができることといたしまして、余裕金の効率的な運用をはかろうとするものであります。  以上が本法律案の概要であります。何とぞ慎重御審議の上、可決下さらんことをお願い申し上げます。  信用保証協会法の一部を改正する法律案につきまして御説明を申し上げます。  信用保証協会は、中小企業の信用力を補完する機関でありまして、昭和十二年東京において公益法人として設立されて以来、おおむね都道府県を区域として相次いで設立され、現在全国でその数は五十二となっておりますが、昭和二十八年における信用保証協会法の施行以来、同法による特殊法人として、債務保証を通じて中小企業に対する金融円滑化のために重大な役割を果して参ったのであります。すなわち創立以来の債務保証承諾額の累計は、昭和三十一年十二月末現在において、約三千五百億円に上っているのでありますが、その経営の基礎は、おおむね地方公共団体の財政援助に依存して参ったのであります。  しかるに中小企業物に零細企業に対する金融を疎通せしめ、もってその経営基盤の強化をはかるため、同協会の保証機能をますます拡充強化しなければならないのでありますが、同協会に対する資金的援助を、今後なお地方公共団体のみに委ねて参りますことは、最近の地方財政の実状から見ますと困難と思われますので、ここに同協会に対して低利資金の融通による国の財政援助を行う必要を生じたのであります。  このため、政府といたしましては、昭和三十二年度におきまして、中小企業信用保険特別会計を通じて十億円を同協会に融資することにより、信用補完機能の拡充強化に資するとともに、これが健全な発展を期待することとした次第でありまして、これが本法律案を提案する理由であります。  次に本法律案の概要を御説明申し上げます。  第一は、政府は、信用保証協会に対して、保証能力の拡充のために必要な資金を融通できることとすることであります。  第二は、この貸付金の利率を年三分五厘以内とすることであります。  第三は、この貸付を行うに当りまして、主務大臣は、この融資制度の目的を達成するために必要があるときは、条件を付するものとすることであります。  第四は、融資業務は、通商産業大臣が大蔵大臣と協議して実行することであります。  何とぞ慎重御審議の上、御可決あらんことをお願い申し上げる次第でございます。  以上でございます。
  185. 松澤兼人

    ○委員長(松澤兼人君) 速記をとめて。    〔速記中止〕
  186. 松澤兼人

    ○委員長(松澤兼人君) 速記を始めて。  ただいま説明を聞きました五法案に対する質疑は、後日に譲ることといたしまして、本日はこれにて散会いたします。    午後四時二十三分散会