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1956-03-29 第24回国会 参議院 文教委員会 13号 公式Web版

  1. 昭和三十一年三月二十九日(木曜日)    午前十一時十二分開会   ―――――――――――――   委員の異動 本日委員木村守江君及び堀木鎌三君辞 任につき、その補欠として最上英子君 及び鶴見祐輔君を議長において指名し た。   ―――――――――――――  出席者は左の通り。    委員長     飯島連次郎君    理事            有馬 英二君            吉田 萬次君            湯山  勇君    委員            川口爲之助君            剱木 亨弘君            鶴見 祐輔君            中川 幸平君            三木與吉郎君            最上 英子君            秋山 長造君            安部キミ子君            荒木正三郎君            矢嶋 三義君            高橋 道男君            竹下 豐次君   国務大臣    文 部 大 臣 清瀬 一郎君   政府委員    自治庁行政部長 小林與三次君    文部政務次官  竹尾  弌君    文部省初等中等    教育局長    緒方 信一君    文部省管理局長 小林 行雄君   事務局側    常任委員会専門    員       工楽 英司君   説明員    大蔵省主計局主    計官      大村 筆雄君    大蔵省主計局主    計官      塩崎  潤君    食糧庁総務部主    計課長     森本  修君   ―――――――――――――   本日の会議に付した案件 ○学校給食法の一部を改正する法律案  (内閣提出、衆議院送付) ○就学困難な児童のための教科用図書  の給与に対する国の補助に関する法  律案(内閣提出、衆議院送付) ○義務教育費国庫負担法の一部を改正  する法律案(内閣提出、衆議院送  付)   ―――――――――――――
  2. 飯島連次郎

    ○委員長(飯島連次郎君) これより文教委員会を開きます。  委員の異動について御報告申し上げます。三月二十九日木村守江君、堀木鎌三君が辞任され、その補欠として最上英子君、鶴見祐輔君が選任されました。   ―――――――――――――
  3. 飯島連次郎

    ○委員長(飯島連次郎君) 学校給食法の一部を改正する法律案を議題といたします。質疑のある方は、順次御発言を願います。
  4. 湯山勇

    ○湯山勇君 今回就学困難な児童に対する給食が実施されるということになったことは、大へんけっこうなことだと思うのですが、予算で見ますと、総人員三万六千名、非常に少い数だと思うのですが、これだけの人数をお選びになった根拠はどこにあるか、お伺いいたしたいと思います。
  5. 小林行雄

    ○政府委員(小林行雄君) これは前回の委員会でも御説明申し上げましたが、当初の文部省の要求といたしましては、かなりの額を要求いたしておりました。三億四千万の予算要求をいたしたのでございますが、財政の都合から現在予算として成立した五千万円だけが認められたわけでございまして、従ってこの三万六千という数字はこの五千万円から割出した一応の数字でございます。目途としては、これで必ずしも満足しているわけではございませんので、できますれば将来さらにこの予算額を増額していきたい。増額するように努力をして参りたいというふうに考えております。
  6. 湯山勇

    ○湯山勇君 従来学校給食については、原麦の半額は国が負担するということになっておりますから、余剰農産物の受け入れに伴うグラントがあってもなくても、国の負担は給食人員が増加していけば、当然増加することだと思います。ところが昨年は余剰農産物の受け入れによって一千五百万ドル、これは邦貨に換算して大体四十四億になると思います。その四十四億の贈与があったにもかかわらず、わずか五千万そこそこしかこの方へ回らなかったというのは、一体どういう理由によるのか、その点についての御説明を願いたいと思います。
  7. 小林行雄

    ○政府委員(小林行雄君) この千五百万ドルに相当する贈与物資でございますけれども、これは御承知のように、CCCの建値によって計算されておる千五百万ドルでございます。従ってたとえば現在のCCCの建値で計算すれば、約五十四億円になるわけでございますけれども、実際日本で、たとえば小麦について、あるいはミルクについて輸入しておる価格で計算しますと約二十四億円相当程度のものになるわけでございます。たとえばミルクで申しますと、アメリカのCCC建値で申しますと十八セントということでございますけれども、現在アメリカから輸入しておりますのは特別価格で二セントで輸入しておるというようなことでございますのでそういった点から換算いたしますと大体二十四億相当程度ということでございます。で、ただいまお尋ねでございました小麦の原麦については原麦の半額相当額を国が援助する、食管の関係で援助するということになっておりますが、この来年度の給食費の計算におきましても、この点は変えておりません。ただ、御承知のように来年度の給食計画では小麦については十八万五千トンを使用する。そのうち十万トンが余剰農産物の関係で入ってぐるのでありまして、通常分としては、購入する分は、八万五千トンでございます。その八万五千トンについて二分の一も援助するというふうにしておりますので、結局贈与による負担軽減分は、それほど多くはならぬという計算になるわけでございます。  なお、余剰農産物の恩恵によって得られた金額は、たとえば学校給食の施設設備の補助金の増額、あるいは準要保護児童生徒の施設、それから日本学校給食会の事務費の増、あるいは学校給食の普及に伴って新たに給食を実施する学校が出てくるわけでございますが、そういったものに関連して。生活保護法関係の給食費の増というようなものに一応充当しておるわけでございます。
  8. 湯山勇

    ○湯山勇君 そこで重ねてお尋ねいたしたいのは、今の御説明の中にも余剰農産物によって贈与されたものが生活保護、つまり厚生省の方へも回っているという御答弁でございましたが、その方に回っている金額が今の二十四億の中でどれくらいございますか。
  9. 小林行雄

    ○政府委員(小林行雄君) 明年の予算額としては、この方で約四千八百万から五千万近くの金が見込まれておるわけでございます。
  10. 湯山勇

    ○湯山勇君 これは余剰農産物の贈与があってもなくても、当然国が持たなければならない金だと思うのですが、その点についてどういうお考えでしょうか。
  11. 小林行雄

    ○政府委員(小林行雄君) これは財政当局からお答えするのがほんとうかと思いますが、学校給食関係の経費に使うということでございまして、従って生活保護の方の関係に回すことも絶対にいけないということにもならぬと思います。ただ、果してそれは給食の普及に伴って当然起るものであるから、余剰農産物に必然の関係があるということにも必ずしもならぬと思います。でありますから、そういった観点からすれば、純然たる国費へ組むということも考えられると思うのです。
  12. 湯山勇

    ○湯山勇君 大蔵省を呼んでいただくようにお願いしておったのですが……。
  13. 飯島連次郎

    ○委員長(飯島連次郎君) 大蔵省見えております。
  14. 湯山勇

    ○湯山勇君 どなたがお見えになっておりますか。
  15. 飯島連次郎

    ○委員長(飯島連次郎君) 主計局主計官、塩崎君。
  16. 湯山勇

    ○湯山勇君 主計官にお尋ねしたいと思います。今、局長から御答弁がありましたように、余剰農産物の贈与分を生活保護費の中へ繰り込んだということについては、問題があると思うのですが、これは主計局の方ではどういう観点からこういう措置をおとりになったか、御説明願いたいと思います。
  17. 塩崎潤

    ○説明員(塩崎潤君) ただいまの御質問でございますが、余剰農産物の関係、私の直接の所管ではございませんけれども、大蔵省といたしましては農林関係の方で担当いたしておりますのでございますが、私どもの見方といたしましては、この部分がまあ給食費の方に回りますれば、別に支障はなかろうと、かように考えておる次第でございます。
  18. 湯山勇

    ○湯山勇君 これは直接担当はどなたが担当しておられのですか、こういう操作については大蔵省では。
  19. 塩崎潤

    ○説明員(塩崎潤君) 農林係の方が大体担当いたしておると思います。
  20. 湯山勇

    ○湯山勇君 そうですか。それではこれは係の主計官がお見えになっていらっしゃらないようですから、農林省の食糧庁から、どなたかお願いしておったのですか、お見えになっておれば、その方から承わりたいと思います。
  21. 森本修

    ○説明員(森本修君) ちょっと恐縮でございますが、私も直接の関係ではございませんので、生活保護費の関係につきましては、お答えができないのでございます。
  22. 矢嶋三義

    ○矢嶋三義君 議事進行について。委員部は何ですか、湯山委員の質問内容というものはわかっているのに、政府に対してはどういう政府委員、あるいは説明員の出席要求をされたのですか。大蔵省も農林省もいずれも質問者の趣旨に沿わない政府委員、あるいは説明員が出席していることはまことに遺憾だと思いますが、委員長を通じてお答えを願いたいと思います。
  23. 飯島連次郎

    ○委員長(飯島連次郎君) 委員部では、余剰農産物関係という申し出に対して、それぞれ手配をしたそうであります。なお、それでは大蔵省の出席の方、それから農林省の森本主計課長に申し上げますが、ただいま御質問の趣旨がおわかりのはずですから、関係の係官なり部局長にすぐ政府委員室を通じて連絡をしていただいて、出席方を要求いたします。すぐ手配をして下さい。委員部もこれに協力して、すみやかに出席を求めます。
  24. 矢嶋三義

    ○矢嶋三義君 速記をとめて下さい。
  25. 飯島連次郎

    ○委員長(飯島連次郎君) 速記をとめて。   〔速記中止〕
  26. 飯島連次郎

    ○委員長(飯島連次郎君) 速記を始めて。
  27. 湯山勇

    ○湯山勇君 局長にお尋ねしますが、この輸送費は小麦、ミルク、両方何億円くらい見込んでございますか。
  28. 小林行雄

    ○政府委員(小林行雄君) 今ちょっと資料を持っていないのですが、すぐ調べて正確なところをお答えしたいと思います。
  29. 湯山勇

    ○湯山勇君 それではお調べいただいておる間に、大臣にお尋ねいたしたいと思います。今政府側の説明がどういう説明になるかは存じませんけれども、局長の説明によりますと、生活保護費に入れた五千万、これは必ずしもこの中から出さなくてもいい性質のものだと思います。それから輸送費が何億円になっているか存じませんけれども、この輸送費も政府が責任をもってこちらへ受け入れるべきものでございますから、贈与分というものは学童に対してなされた贈与でありますから、その中から輸送費を持たせるということも、必ずしもそういう方法をとらなくてもいいと思います。必ずしもとったのが悪いとは申しませんが、必ずしもそうしなくてもいい性質の金額だと思います。そうすれば・その関係からだけでも私はまだほかにも出る場所があると思いますが、今御答弁になった二つの中からでも、数億円というものがなお学童の給食のために回される性格の金だと思いますので、で、わずか三万六千人ぐらいの給食では、法律は非常にいい法律ですけれども、この効果を上げることは、ほとんど不可能に近いと思います。そこで、閣議その他大蔵省との折衝等においてそういう問題を刻明に説明して、この予算の増額方について努力されたかどうか。その点大臣にお尋ねいたしたいと思います。
  30. 清瀬一郎

    ○国務大臣(清瀬一郎君) 私としてはそれほど立ち入ってこまかな説明はいたしておりませんが、しかしながら、今日の教育の現状からして、給食の経費をふやすことには、全体として大蔵大臣に折衝し、極力要求した次第でございますが、あるいは予算折衝の際には大臣折衝のほかに事務当局の折衝がありまするから、その際には事務当局より説明してくれたかと思います。
  31. 湯山勇

    ○湯山勇君 事務当局に今の点について重ねてお尋ねいたします。
  32. 小林行雄

    ○政府委員(小林行雄君) 従来この購入分につきましても、これはこの輸送費を含めたもので実は父兄負担額といいますか、学校給食費の額を計算いたしております。輸送費を給食費で負担するというような一応従来のしきたりでございます。従って今度の贈与につきましては、これは積出港と申しますか、本船甲板渡しまで無償でございまして、それ以後の諸掛りはすべて日本側で負担することになっておりますので、それも従来のいきさつから、その例にならってこの給食費の方で見る建前にいたしているわけでありまして、ただいまお尋ねのございましたように、これを特別に財源を得まして、輸送費その他を全額国で負担するということも、理論的には考えられるわけでございますが、従来のいきさつとそれから国の現状からして、現在のような方式にいたしたわけであります。
  33. 湯山勇

    ○湯山勇君 それで私がただいま申し上げましたような折衝はなさらなかったと、こういうことでございますか。
  34. 小林行雄

    ○政府委員(小林行雄君) 特に全額この贈与分については、輸送費その他を国の別財源でやるというような折衝はいたしておりません。
  35. 湯山勇

    ○湯山勇君 それから今の生活保護費の方も同様でしょうか。
  36. 小林行雄

    ○政府委員(小林行雄君) 生活保護費の方につきましては、これは大蔵当局の方でおやりになったことでございまして、文部省としてこういうものが妥当であるとか妥当でないとかということの意見を聞かれたことも、実はないわけでございます。
  37. 湯山勇

    ○湯山勇君 三万六千名というのは、どれくらいな割合になりますか。
  38. 小林行雄

    ○政府委員(小林行雄君) 現在の、これは昨年十月の実施の人員が五百七十万でございますので、その五百七十万と三万六千を比較いたしますと、約〇・六三%でございます。
  39. 湯山勇

    ○湯山勇君 〇・六三%というと、大体百五十人に一人くらいな割合になりますから、三学級に一人、まあ大ざっぱに言って三学級に一人を選んで給食するということは、私は実際問題としては不可能に近いのじゃないかという感じを持ちます。そこで熱意があれば、今申しましたように、生活保護費、これは学童を対象になされるものじゃなくて、父兄に対してなされるものですから、性格はがらっと違うのです。これを取り上げれば、それで三学級に一人が、一学級半に一人になります。それから輸送費が幾らになるか存じませんけれども、輸送費をこの贈与分から持たなくちゃならないということもないし・こういう形の贈与は今回初めてですから、そうだとすれば、これは新たな形で、従来どうあろうとも折衝できると思います。そうすれば、この中から、せめて輸送費の中から五千万なり一億なり節約すれば、少くとも一学級当り一人くらいはできると思うのです。そういう努力がなかったことは、私は非常に遺憾だと思うのですが、大臣いかがでしょうか、そういうふうに大臣はお感じになりませんか。
  40. 清瀬一郎

    ○国務大臣(清瀬一郎君) 給食のことはいいことでありまするから、将来これを拡大いたしたいと思っております。湯山さんの今お説のようなことをわれわれいたさなかったのは、今局長よりも申す通りでございます。将来なお研究いたして最善の努力をいたします。
  41. 湯山勇

    ○湯山勇君 大臣の御答弁で、まあこの点については了承いたしたいと思いますが、これは一つぜひ今後の交渉に当りましては、私は大蔵省が見えましたら、なおこの点聞きたいと思いますが、一つ十分御努力願いたいと思います。  それから今度中学校の方へ拡大になったにもかかわらず、中学に対してはこれがなされていないというのは、何か予算措置以外に理由があったんでしょうか。
  42. 小林行雄

    ○政府委員(小林行雄君) 本年度から中学校に、この学校給食を希望校には開設することを認めるわけでございますが、そうして補助をするわけでございますが、この準要保護児童につきましては、実は文部省としては当然中学校にも実施をしたいということで、財政当局とその予算について折衝いたしたのでございますが、現状御承知のように、五千万円だけが認められた額でございますので、一応小学校だけに限定してことしは発足をする。将来多少でも余裕のできたときに、中学校の方にもこの準要保護児童の制度を合わせて実施するようにいたしたい、できるだけ早く実施するように努力をいたしたいと思っております。
  43. 湯山勇

    ○湯山勇君 大蔵省がお見えになるまで、私ちょっとこれで質問を留保いたしますから。
  44. 秋山長造

    ○秋山長造君 それでは大蔵省が見えるまで、ちょっと数字的なことをお伺いしておきたいと思います。さっきお話しのありました当初三億四千万円を要求されたということですが、これは何人分として要求なされたのですか。
  45. 小林行雄

    ○政府委員(小林行雄君) これは実は文部省の方で、各府県の教育委員会を通じて、二十九年度中であったと思いますが、一応各市町村から給食費について援助を受けておる児童の数その他を調べたことがございます。そのときの数字は大体二十四万程度であったと思いますが、しかし、この調査の実情を申し上げますと、これは各府県、各市町村非常にアンバランスでございます。別に一つの基準を全国的に持ってやっておるわけではございませんので、相当、程度の高いものまで援助しておる府県もございまするし、あるいは府県によっては、非常に厳格なところで押えておる、あるいは全然実施していないようなところもございますので、その辺のところをある程度調整する必要があるのじゃなかろうかと思いましたが、その当時の現状は二十四万という数字で予算の要求をいたしたわけであります。
  46. 秋山長造

    ○秋山長造君 そういたしますと、二十四万という数字は、保護を与えるべき児童の数ということよりも、現に市町村で保護を与えておる児童の実数の集計、それが二十四万、こういうことですか。
  47. 小林行雄

    ○政府委員(小林行雄君) 市町村ばかりでなく、あるいはたとえばPTA等で給食費を多少なり援助しておるよう血ものを含めての数字でございます。
  48. 秋山長造

    ○秋山長造君 文部省は大体まあこのいろいろな意味での、要保護児童じゃない、準要保護児童ですね、準要保護児童を大体何人ぐらいと考えておられるのですか。今の予算要求は二十四万で出されたようですけれども、これには含められていないが、実際には保護を必要とする児童というものがプラス幾らかあるわけだろうと思うのですが、大体どのくらいの見当でございますか。
  49. 小林行雄

    ○政府委員(小林行雄君) これは確実な理論的な根拠があるというわけではございませんが、大体の推測といたしましては、生活保護法の児童数程度は、準要保護児童があるのではなかろうかというような推定をいたしております。生活保護法の関係で見ますと、大体給食人員の約三%程度が、この生活保護法の給食費の対象になっておりますので、その程度のものはやはり準要保護児童として見るのが穏当じゃなかろうか、こんなふうに考えております。
  50. 秋山長造

    ○秋山長造君 生活保護法の適用を受けて給食費の補助をもらっておる児童数というのは幾らですか。
  51. 小林行雄

    ○政府委員(小林行雄君) これは昨年の六月の調査では、小学校は二十一万ということになっております。
  52. 秋山長造

    ○秋山長造君 ここへいただいておる資料を見ますと、生活保護費の関係の給食費補助額というのは、前年度三億五千七百万円から、ことしは四億六百万円にふえておる。これは何ですか、要保護児童がそれだけ激増したということですか、単価がふえたということですか。
  53. 小林行雄

    ○政府委員(小林行雄君) この生活保護法関係の給食費の関係でございますが、これは文部省としては、この給食を普及したいということで、新たに開始するものを援助しておるわけでございます。給食費の方は御承知のように、教科書等と違いまして、学校給食をやっておる学校に入っておる子供だけに給食費というものが出ておるわけでございます。そういった学校がだんだんふえて参りますと、その生活保護の給食扶助の対象の児童数もふえてきます。その関係で給食の普及に伴う経費でございます。
  54. 秋山長造

    ○秋山長造君 そういたしますと、この生活保護法によって教育扶助を受けている児童数と、それから給食費の扶助を受けている児童数というのは、だいぶ隔たっておりますか。この生活保護法による教育扶助を受けておる児童数がどれだけあるか。それからその中で給食費の扶助を受けている児童数はどれだけか、ちょっと教えていただきたい。
  55. 小林行雄

    ○政府委員(小林行雄君) 大体においては、生活保護法の適用を受けておるものは教育扶助を受けておるものがほとんどでございますが、その中に生活保護法の適用を受けておっても教育扶助は受けていないというものが多少ございます。約〇・五%程度の開きがあるようでございます。
  56. 秋山長造

    ○秋山長造君 その〇・五%ということでなしに、大体でよろしい、数字を教えていただきたい。
  57. 小林行雄

    ○政府委員(小林行雄君) 厚生省でないとちょっと私どもわからないわけでございます、生活保護法の関係でございますので……。ただ、最近におきまして文部省でもこの準要保護児童の給食関係を開始するので特に調査をした結果、その開きが大体百分率にしまして〇・五%程度、そういう調査になっております。しかし、これはランダムのサンプル調査でございますので、まあ大体の傾向を見た数字でございます。
  58. 秋山長造

    ○秋山長造君 こういう生活保護法による教育扶助を受けている児童数というようなものは、これは厚生省でなければはっきりしないというお話しなんですけれども、このくらいのことは少くとも文部省の方でいろいろ教育行政をやられる上にぜひ必要な数字だと思うのですが、これぐらいの統計資料というものは文部省でお集めになっていないのですか。今、即席でちょっと手元に資料がないということならわかるのですけれども、文部省ではわからぬということなら、ちょっと受け取れがたいのですが……。
  59. 小林行雄

    ○政府委員(小林行雄君) お答えいたします。生活保護法による生活保護を受け、しかも教育扶助を受けておる児童数は大体四十万でございます。
  60. 秋山長造

    ○秋山長造君 そうすると、教育扶助は受けないが生活保護を受けておるというのは、四十万よりだいぶ多い、こういうことになるのですね、そうでしょう。
  61. 小林行雄

    ○政府委員(小林行雄君) それは生活保護法の関係で申しますと、御承知のように生活扶助が一番基準的なものでございます。教育扶助の方はそれより多少余裕がある家庭はもちろん受けないわけでございます。また子供のない家庭というものはもちろん当然受けないわけでございます。従って、生活扶助を受けておる家庭というものが一番多いわけでございます。
  62. 秋山長造

    ○秋山長造君 私これは文部大臣にちょっとお伺いしたいのですが、まあ教育関係の扶助も、大体管轄としては生活保護法の関係で、厚生省がやっているのですね。ところが、どうもただいまの局長の御答弁を聞いておりましても、生活保護法というのは、やっぱり教育扶助というようなことはいわばつけたりで、大体その親の生活そのものを扶助していくという建前になっております。ところが教育扶助ということになると、これはもう根本では同じだけれども、どうもやっぱり生活保護法オンリーでは、どうもちょっとそのワクからはみ出すような感じがするのですが、むしろ教育扶助の関係は厚生省の所管からはずして、何か別な教育関係の単独立法か何かお作りになって、そうしてやはり文部省の方で、この教育扶助というものはまた独自な立場に立って一つ徹底してやられるようにした方が、やっぱり義務教育無償というこの憲法の建前からいってもふさわしいじゃないかというように私は思うのですが、文部大臣、どういうようにお考えでしょうか。
  63. 清瀬一郎

    ○国務大臣(清瀬一郎君) よく研究してみましょう。また考えれば、子供を学校へやれぬのは、これが貧困家庭ですから、だからしてもっと生活扶助の範囲を広げて全部無償でやってくれることも一つ。それからあなたのおっしゃるようなことも一つ厚生省当局ともよく相談してみます。
  64. 秋山長造

    ○秋山長造君 まあ相談していただくのはけっこうなんですけれども、私の申し上げることはどうですか、研究される価値があるようなお考えですか。それとも一応通り一ぺんの御相談をしてみるということなんですか。どうですか。
  65. 清瀬一郎

    ○国務大臣(清瀬一郎君) ごもっともなことだと思います。ある程度まで厚生省で生活保護をやって、それでも学校へはやれぬという者に、文部省から準をつけて、準要保護児童と二通りにすることが、わずらわしいことは御説の通り、こちらへ引き取ってやるか、向うでやってくれるかという工夫は加えていいものだと私は思います。
  66. 秋山長造

    ○秋山長造君 その点は一つお願いしておきます。さっきの問題にかえりますが、この法律改正によって五千万円補助金が出されるわけですが、これは一体何割補助というような補助率はきまっておるのですか。
  67. 小林行雄

    ○政府委員(小林行雄君) 補助率は政令できめることになっておりますが、二分の一補助のつもりでおります。
  68. 秋山長造

    ○秋山長造君 予算の上では三万六千人ということになって、そうして二分の一補助ということになるのだけれども、しかし二十何万という準要保護児童がおる中で三万六千人だけ救って、あとは放っておくという、この線は引きがたいと思う、実際問題としてはね。だからどうしてもこれは三万六千人分を二十四万の準要保護児童へまんべんなく配るということになるのじゃないか。
  69. 小林行雄

    ○政府委員(小林行雄君) この三万六千人という数字は、これは御承知のように現在の給食費二千七百十一円でありますが、これは完全給食を従来五日実施すると仮定いたしまして、その金額が二千七百十一円でありますが、これで一応この五千万円を割っていった数字でございます。ところが実際の状況から申しますと、完全給食を必ずしもやっていない。五日やらないで四日やっておる、あるいは三日やっておるものが実はあるわけでございます。そういうところがこの金額が二千七百十一円よりは下回って参りますので、この人数としては三万六千人を上回っておる。あるいは四万近くになってくるのじゃないか、多少伸びてくるのじゃないかという想像ができるわけであります。ただ、二十万の援助を要する者がおるといたしましても、これはすべてのこの二十万人に均霑させるということは、非常に微小な援助にしかなりませんので、そういう行き方は文部省としてはとりたくないと思っております。
  70. 秋山長造

    ○秋山長造君 そうするとやったりやらなかったりというところができてくると思うのですがね。それはどういう基準に基いてあんばいされるわけですか。
  71. 小林行雄

    ○政府委員(小林行雄君) これはその児童の住んでおります所の民生委員等の応援を得て、貧困度の認定をしてもらう。まあなかなか線を引きにくいと思いますけれども、その貧困度の順位によって、それに該当する者としからざる者とを分けてもらう。また、児童の属する世帯について生活保護関係の福祉事務所の応援も得て、そういったものを判定してもらおうというふうに考えております。
  72. 秋山長造

    ○秋山長造君 それはしかし何ですね。四月一日から施行するわけですが、二十四万人の中からまあ三万六千人ないし四万人程度の該当者をこれから選び出すということは、事務的にはずいぶんこれは煩瑣な手続を要するのじゃないかと思うのですがね。これはもうすでに大体見当はつけられているわけなんですか。これからおやりになるのですか。
  73. 小林行雄

    ○政府委員(小林行雄君) まだ法律が成立しておりませんので、事務もこれから実はやるわけでございます。ただ、実際の現状から申しますと、相当各府県の市町村で、現在市町村の就学奨励の関係から、市町村ではこの給食費の援助をしている児童等もありまして、相当準備しておりますので、この法律が施行になり、政令が出ますればそれほど……、まあ新たに実施する場合は別でございますけれども、そういった所では、かなり手ぎわよくできるのではなかろうかというふうに想像いたしております。
  74. 秋山長造

    ○秋山長造君 もう一点お伺いしますが、文部省の方では、大体要保護児童なり準要保護児童というものは、ふえていると見ておられるのですか。あるいは現状横ばいと見ておられるのですか。減っていると見ておられるのですか。その辺はどうですか。
  75. 小林行雄

    ○政府委員(小林行雄君) たとえば給食につきましては、これは給食費が、給食費にも非常に実は関係ございます。最近の現在の実施しておりますところの給食費の単価では、ほとんど変動がない。多少府県によってふえているところもございまするけれども、ほとんど横ばいの状況じゃないかと思っております。
  76. 秋山長造

    ○秋山長造君 そういう調査は、この児童、生徒の、どういいますか、学費負担能力といいますかね、あるいは広く父兄の生活能力といいますか、そういうものの動きについての調査は、文部省でおやりになっているのですか。
  77. 小林行雄

    ○政府委員(小林行雄君) 児童、生徒の所要の学費の額がどの程度であるかということについては、文部省でも調査をいたしておりますが、負担能力といったような点については、主として厚生省の方で御調査になっておるわけでございます。生活保護法の関係で御調査になっておるわけでありまして、これはまあ非常に技術的にむずかしい調査方法が必要であるわけでございまして、文部省では負担能力については現在調査しておりません。
  78. 秋山長造

    ○秋山長造君 われわれの承知する限りでは、生活保護を要する人数も非常にふえておる。ふえているというよりも、実際には非常に多いのだけれども、ただ予算の関係で、その中の保護を受ける割合というものが、予算面でふやされておるだけであって、実際にはもっと膨大な数があると思うのですけれども、まあ一応予算面だけからの話しですがね。生活保護を要する人数というものは非常にふえつつある。それからまた反面、失業者ないし半失業者ですね、ニコヨンその他の月雇い労務に従事しているような半失業者、こういう人の数も、景気が多少上回ってきたといわれながら、反面において、ふえつつあることは、これは労働省の統計によって明らかだ。あれこれ総合して考えますと、当然その失業者、半失業者あるいは生活要保護者、そういうものの上に乗っかっている児童生徒の数もまたこれはふえてきつつあるのじゃないかということに当然なるのですがね。にもかかわらず、文部省の方では、要保護あるいは準要保護児童生徒数は当分横ばいだという見通しだとおっしゃるのですが、そこらの関係はどうねっておるのですか。
  79. 小林行雄

    ○政府委員(小林行雄君) 学校給食関係で申しますと、大体先ほど申しましたように、準要保護児童の数は二十万程度、すなわち生活保護法の適用を受けておる者と同数程度おると予想を実はしておるわけでございまして、三%程度の者がおるであろうと考えておるわけでございます。従って現在の予算では、これはもちろんその額を満たし得ないことは当然でございますが、ただ、この数字が三%という数字、あるいは二十万という数がどんどんふえていくかどうかという問題、負担能力の点は文部省としては、現在先ほどもお答え申しましたように、調査しておりません。もちろんただいまお尋ねの中にございましたように、失業者の増加あるいは潜在失業者の報加というようなことから考えれば、それに伴ってこの要保護者の方もある程度増加することも想像されるわけでございます。
  80. 秋山長造

    ○秋山長造君 この点は私はやはり文部行政をやっていかれる上でも、非常に、重要な問題だと思うのですが、もちろんこれは文部省関係のワクから相当はみ出す面もありますけれども、しかし、やはりこの問題が円満な教育行政をやっていかれる基本だと思う。で、こういう生徒の、ただ学校内における生徒のあり方ということだけでなしに、やはり生徒の生活状態といいますか、生活環境といいますか、そういう面の調査、統計というようなものを、もう少し文部省自身において徹底的におやりになることがいいのじゃないか、必要じゃないかというように考えるのですが、これは局長にもお願いしたいのですが、同時に文部大臣においても、こういろ面にもう少し力を入れておやりになることが必要なんじゃないかということを申し上げたいのですけれども、いかがですか。
  81. 飯島連次郎

    ○委員長(飯島連次郎君) 関連して私も一つ、質問というよりは要望いたします。それはたしか十二月七日の委員会と記憶しておりますが、文部大臣が、文教予算についての御説明をされたときに、給食費と教科書の無償給与等をめぐる文政方針の御説明のときに、準要保護児童の数は四%で実数七十三万という説明をなさった。それからただいま小林管理局長に伺いますと、三%で実数が小学校二十一万とおっしゃった。何かしらん、それはどういう根拠の違いか知りませんけれども、先ほどの小林局長の数字に関する説明をお聞きしておると、まことに根拠が薄弱で、非常にあいまいであるという感じを深くいたしますが、これは、所管は厚生省にせよ、文部行政を遂行なさるについて、特に義務教育の児童に関する給食、もしくは教科書等をめぐる負担能力というのはきわめてこれは大きな問題だと思うので、こういうことに関して、いたずらに厚生省の所管であるということでは私は済まされないと思います。ですから、すみやかにこの調査をなすって、当委員会にもっと根拠のある、よりどころのある数字を提出されて、今後の委員会の運営にむだがないようにしていただきたい。これは大臣に特にこの点を要望いたします。
  82. 清瀬一郎

    ○国務大臣(清瀬一郎君) 了承いたしました。
  83. 秋山長造

    ○秋山長造君 私のさっきの質問に答えていただきたい。
  84. 小林行雄

    ○政府委員(小林行雄君) 文部省でも、将来できますれば厚生省とよく連絡いたしまして、また労働省等とも連絡いたしまして、できるだけそういった負担能力方面についての、あるいは児童の学校外での生活能力といった面についても調べるように努力をしたいと思います。
  85. 秋山長造

    ○秋山長造君 重ねて要望しますが、文部省の方では、従来、児童の生活環境等の調査というと、ややもすれば映画館なんかに入ったとか入らぬとか、たばこを吸ったとか吸わぬとか、物を取ったとかとらぬとか、そういう面からの指導、校外補導というような面からばかり取り上げて、そういう方面の調査なり統計なりというものは、ちょいちょい新聞なんかへも載ったりするように、かなりやって力を入れておられるようだけれども、問題は、そういうものは表面の現象であって、やはり重要なのは、この経済的な児島里の生活環境の調査ということだと思うのです。それがやはり一番基本だし、それからまた、第一線で日々何十人かの子供を受け持って教育の実務に携わっておる一線の教員にとっても、一番大きな悩みの種はこの問題なんです。ほかの問題ではないですよ。教え方がどうとかこうとかいう教授法なんかの問題よりも、やはり受け持っている子供たちの経済的な生活環境という問題が一番悩みの種だと思う。これを解決しなければ、幾らほかの面へ少々金を注ぎ込んでも、なかなか僕は義務教育というものは、ほんとうにすこやかに育たぬと思うのです。にもかかわらず、そういう面の真剣ねほんとうに信頼のおける調査、統計というようなことが、問題がむずかしくてじみな問題だけに、案外おろそかにされておると思う。これは文部省でも、地方の教育委員会等でもそうだと思う。その点は、一つ今後清瀬文政の中心課題として、ぜひとも誠意をもってやっていただきたいと思います。文部大臣の御所見をお伺いします。
  86. 清瀬一郎

    ○国務大臣(清瀬一郎君) 了承いたしました。お説の通りいたしたいと思います。
  87. 安部キミ子

    ○安部キミ子君 私はこの法案の根本的な問題に立ち返って御質問してみたいと思います。それは、数日前にラジオを聞いておりましたところが、学校給食のことで、父兄や先生や子供の声を聞きました。そのときに、一年から六年まで今まで給食をやっておられた中で、パンの大きさが同じであった。ところが、今度改めて一年の子供にはパンを小さくして、六年の子供には大きなパンを与えるようになったということがまあ議題の中心だったわけです。今までこの給食法案ができて何年かになりますのに、まだこういうふうな根本的な基準というふうなもの、カロリーというふうなものを一体文部省は等閑にされておったのでございましょうか。
  88. 小林行雄

    ○政府委員(小林行雄君) ただいまは給食のパンについてのお尋ねでございますが、パンのみならず、ミルクにつきましても、あるいはその他の副食物等の資材につきましても、実施の基準を定めて、それに基いて文部省では指導をいたしております。ただいまお尋ねのございましたパンの大きさの問題でございますが、これは現在の基準では大体百グラムを一個のパンにするということで指導いたしておりますが、小学校の六年間のうちにも、一年生と六年生、あるいはそのまん中、それぞれ体位も違いますので、この間に低学年、中学年、高学年、三段階でそれぞれ差等をつけるということが適当であろうというので、実際は指導をいたしておったわけであります。従来からそういう指導をいたしておったわけであります。小学校の一年生と六年生と同じパンの大きさでなければならぬというふうには考えておりません。
  89. 安部キミ子

    ○安部キミ子君 そうしますと、一年生の完全給食の場合ですね。これは六年にもずっと及ぼして考えたときに、カロリーは昼の給食何ぼと考えておるか。六年生までのものをお聞きしたい。
  90. 小林行雄

    ○政府委員(小林行雄君) カロリーとしては、大体低学年は五百六十カロリー、それから中学年が六百カロリー、高学年が六百四十五カロリー、こういった区分と差等を文部省としては認めて実施を指導いたしております。
  91. 安部キミ子

    ○安部キミ子君 そうしますと、その金ですね。単価といいましょうか、平均した完全給食のお金は何ぼに見積っていらっしゃいますか。
  92. 小林行雄

    ○政府委員(小林行雄君) パンにつきましては、七円二十二銭でございます。ただし、このうち父兄が負担する金額は五円十銭でございます。
  93. 安部キミ子

    ○安部キミ子君 たしかあなただと思いますが、過ぐる日の衆議院の文教委員会で、完全給食の場合、中学校は二円三十銭月にかかる。小学校は二円十銭、ミルクの場合は小学校は四十七円、中学校が六十円、こういうふうに発表になったかにここの記録に載っておりますが、それで間違いありませんか。
  94. 小林行雄

    ○政府委員(小林行雄君) そういうふうに私がお尋ねを受けてお答え申した実は記憶ございません。現在の父兄負担で申しますと、パンはただいま申しましたように、五円十銭、ミルクが一円十銭、それから副食費の方は、各市町村でいろいろな事情で違っております。しかし、大体八円五十銭程度が適当じゃなかろうかというふうに考えておるわけでございます。従って、一食の父兄負担は大体十四円七十銭程度じゃなかろうか、こういうことでございます。
  95. 安部キミ子

    ○安部キミ子君 先ほどのカロリーの一年生から六年生の数字……。
  96. 小林行雄

    ○政府委員(小林行雄君) カロリーは、先ほどお答え申し上げましたように、平均が六百カロリーでございます。そして低学年の方では多少少くなっておりまして、五百六十カロリー、高学年の方は六百四十五カロリーということでございます。
  97. 安部キミ子

    ○安部キミ子君 そうしますと、副食のカロリーと全部入れたカロリーですね。このカロリーで青少年の、いわゆる小学校一年から六年の栄養が足りるということを、あなたは自信を持ってこういうふうになさったのでしょうか。どういう根拠に基いて、こういうふうになさったのですか。
  98. 小林行雄

    ○政府委員(小林行雄君) 文部省では、御承知のように、保健体育審議会という審議会がございます。その中で、ことに学校給食の分科審議会というものがございまして、栄養学の関係の方ばかりでなく、お医者さんとか、その他の学識経験者、あるいは学校の先生等も入って、慎重な検討をいたしました結果、そういった平均所要栄養量の食品構成、カロリー所要量というようなものについて答申を得て、その答申に基いて現在これを実施しているわけでございます。
  99. 安部キミ子

    ○安部キミ子君 私がラジオで聞きましたところでは、父兄の声は小学校の六年生あたりは給食をして帰っても、足りないと言うて帰ってくる、おなかがすいたすいたと言うて帰ってくる、こういうことを言っているわけなんですね。そういうことになれば、私はこの平均六百カロリーがあなたが考えていられるように、しやくし定木できちっとその子の体質に合って与えられているとは考えられませんが、その点どうですか。
  100. 小林行雄

    ○政府委員(小林行雄君) このカロリーの問題と、満腹感と申しますか、その関係は必ずしも従来のようなふうにはいかないと思います。従来たとえば米食を常食としております場合の満腹感、それのカロリーの計算と、こういったパン食、あるいはミルク給食、こういった形態の満腹感とは必ずしも伴わないと思いますが、しかし、文部省としては一応現在示しておりますところの小麦粉百グラム、あるいはミルク二十二グラムといった、こういった学校給食の実施状況で得られるところの六百カロリーというもので、一応児童の給食としてはいいのではなかろうかと考えております。もちろん、個々の児童によりましてそれぞれ発育の状況等違いますので、すべての子供にそれで満腹感を与えておるというふうには考えておりませんが、大体平均的な数値としてはこれで妥当しているのじゃなかろうか、ただし将来中学校にこれを拡張して参ります場合には、これでは足りない。さらにそれ以上の、たとえば小麦粉は百三十ないし百四十グラム、ミルクは二十五ないし二十七グラムといったように増量をしなければならんと思っておりますが、現状、小学校の分については、大体これで妥当しているのじゃなかろうかと思っております。
  101. 安部キミ子

    ○安部キミ子君 今あはたのお話を聞いていますと、まあ大体それならよかろうかと私も少々納得いったようでありますけれども、そのようなことが現場には理想的に反映してないわけです。それはラジオの声を聞きましても、一年生のパンも、六年生のパンも同じに作られて配給されておった、それから小学校の担当の先生のお話を聞いておると、一年生の給食のあとはパンやお菜がたくさん残っている、そのあとの始末にもったいないと思うこともしばしばある、こういうふうに言っておられる。で、文部省が理想的な案を作られても、実際の現場ではそれがそのまま反映してないというところに……、私は給食のこの問題だけでなくて、いろいろな形にもあることがあるのじゃないか。だからといって、文部省が何もかにも地方の教育にくちばしを入れてもらうちゃ私は困ると思うのですけれども、このラジオの放送を通して聞いたときには、このように決して理想的な給食の形が行われていないのじゃないか。その点文部省はどのような指導をしておられるか。そして給食をなさるいわゆる栄養士といいますか、そういうふうな人たちの、いわゆる子供の命を預かるのですから、責任をもってその栄養に携わる人たちの人員がどこの小学校、中学校、給食をしておるところの現場にちゃんと配置されているかどうか、その点責任が持てるという答弁が、あなたはできるかということをお尋ねします。
  102. 小林行雄

    ○政府委員(小林行雄君) お尋ねの中にございましたように、学校給食は一面食習慣の養成ということもございますが、同時に栄養改善という面を多分に持っておるわけでございますので、この栄養改善と申しますか、学校給食についての実施基準の徹底的な実施ということについては、文部省も従来心がけておったところでございまして、たとえば栄養改善の講習会を各ブロックごとに毎年実施をいたしております。また、学校の先生についても、学校給食の実施についての研修等も実施をいたしておるわけでございますが、将来もこの点については、ただいまお尋ねのございましたようなことも考えまして、一そう徹底してやるように努力をいたしたいと思います。  それから栄養士の点でございまするが、最近はだんだん栄養士を設置する学校もふえておりますが、しかし市町村の財政等の関係から、もちろんまだすべての学校に置かれているわけではございません。しかし、個々の学校に漏れなく配置するより以前に、たとえば市の教育委員会等にできるだけ置いてもらって、その市の教育委員会におる栄養士の方に、管内の学校給食の指導をできるだけしてもらうようにということをやっております。それからなかなか個々の学校にまで完全に栄養士を置く状態になりませんので、担当の学校の先生に栄養関係の知識をまんべんなく持ってもらうことが必要じゃないかというふうに考えまして、栄養改善の講習会をできるだけ先生対象のものをやっておるわけでございます。
  103. 安部キミ子

    ○安部キミ子君 そこで今あなたが理想な線にもっていきたいということを発表なさいましたけれども、実際見ますと、地方の財政が非常に逼迫しておりますので、栄養士を文部省では定員としてかかえてはいない。それが地方のいわゆる給食をする人たちも、父兄あるいはPTAの人たちが交替してやっておるとか、あるいは雑婦を臨時に雇っているというふうなことも、お金がなくて十分なことができないという声があるわけなんです。そういうことになりますと、あなたが理想的な線に持っていっていろいろ研究もしたいし、研修会もしたいと言われましても、定員が足りないというところに、私は根本的な問題があるんじゃないか。この問題を解決しないで地方の市町村なり自治の担当にまかしておったのでは、私はなかなかそれが実現できんのじゃないかと思いますが、その点はどうでしょうか。
  104. 小林行雄

    ○政府委員(小林行雄君) 給食関係の職員給与の問題でございますが、これはもちろん理想的な形といたしましては、各学校にそういった職員が漏れなく適当の数配置されることは望ましいわけでございますが、しかし、これは御承知のように学校給食法では各市町村の経費負担というふうにはっきりなっておりますので、現状として市町村の財政の困難さから、なかなかそれが実現できないわけでございます。で、これを国の方で援助するというのも一つの考えでございますけれども、これはたとえば学校の先生あるいは養護教員といったようなものと違いまして、現在では学校給食は御承知のように任意給食でございます。義務給食になっておりませんので、それを今直ちに国庫負担の対象にするということは、なかなか困難だと思われます。文部省としてもこの点については、財政の許す範囲内で、できるだけそういった栄養関係の人を各市町村の経費で置いてもらうように指導して参りたいと思います。
  105. 安部キミ子

    ○安部キミ子君 私大臣にお尋ねしますが、今局長がおっしゃいましたように、給食関係の職員が地方の市町村の負担になっておるというところに、給食の普及の隘路があると思うのです。と同時に、いろいろ中毒の問題だとか、いろいろな衛生的な破綻をきたす意味において、PTAのお母さんたちが入れかわり立ちかわり、そういう給食に携わるというような、これが現状なんです。結核菌を持っている人もそういうふうなことを詳しく調査しなくて、とにかく人が足らぬから交代でやっているというようなことが現状なんですよ、実際言うと。東京あたりは割にいろんな形で目が届くから、そういうこともないのですけれども、地方ではままにしてそういうことが多い。そういうことになりますと、私はこの給食という問題も、根本的に地方の定員を文部省で十分確保していかれなければ普及しないのじゃないか、こういうふうに考える。また、それが責任が重大問題であると思うわけなんです。その点で、来年度から、まあこの法案で今度五千万円ほど予算が多く取られましたけれども、このことはけっこうなんですけれども、もっと定員を、職員を国が負担をして、そして、給食の職員に充てるというふうなお考えはありませんか。
  106. 清瀬一郎

    ○国務大臣(清瀬一郎君) どうでしょうか。今、地方の学校教員自身でも国が半分しか持てない。やはり、給食の要員は原則として学校設置者たる地方で負担して下さるようにし、その資格とか、待遇とかいうことは、さらに研究することがいいんじゃありますまいか。昨日も直接給食に関係しておる要員の方から要望がございました。あなた、いらっしゃいませんでしたが、社会党の方、一緒にお立ち会いでしたが、これらの人の立場を改善することは考慮しようということを私も約束しております。今へ安部さんのおっしゃることも考慮いたしまして、十分に研究いたします。
  107. 安部キミ子

    ○安部キミ子君 最後に大臣にお尋ねいたしますが、考慮するとおっしゃいますが、どういうふうに考慮なさるおつもりなんでしょうか。
  108. 清瀬一郎

    ○国務大臣(清瀬一郎君) 実情を調査して、適切なる考慮を何するということでございます。この給食のことは、ほかの方面にもいろいろ問題もございます。御承知の通り、配給の経路等にも疑いがあり、本年に入ってから刑事問題なども起しております。いろいろ給食のことについては研究しておりますが、今、あなたのおっしゃって下さること、また、ほかの方面についてもいろいろと意見が出ておりまするから、一ぺんよく総合的に研究いたしたいと思っております。
  109. 安部キミ子

    ○安部キミ子君 これは最後に要望でございますけれども、昨日も内閣委員会との連合審査の過程でも、総理大臣は世論を非常にうとんじておられ、聞いておられない。知っておられない。新聞もラジオも見も聞きもしないでいる形なんです。私は政治で一番大事な、いわゆる民主主義の政治というものは、とにかく国民が何を求めているかという、国民の心の中に入った政治をしなければならないと思うのです。そういう意味で、まあ今、清瀬文部大臣を、今、あなたの立場は、非常に世論がごうごうとして、あなたの考えについて非難があがっておりますが、ただいまの発言のように、いろんな陳情にもすなおに耳を頃け、また、私どもがたとえ野党側であっても、ほんとうに国民のためを思い、あるいは子供のためを思うということであれば、善は一つしかないと思うのです。その善という、いいことに対しては、やはり、文部大臣もすなおにその世論を聞いて、そのまま国民にこたえるような文教政策を立てられたい。そういう意味で、ただいまの発言は、私は大へんうれしい発言であるし、また、これからはそういうふうな心がまえで、あらゆる面でやってもらいたいということを要望いたしておきます。
  110. 最上英子

    ○最上英子君 関連して大臣にお答えをいただきたいと思います。学校給食の実施につきまして、これから夏にかけますと、とかく集団中毒の問題が起ると思うのでございますが、これは容易なものではないと思います。これにつきまして、防止に万全を期していただきたいと思います。この発生の原因は、給食の管理につきまして、学校の中には専門家、つまり、栄養士がおらないことにもよるように聞いております。また、学校の給食の真の効果を上げることは、給食の内容によることだと存じますが、それには栄養士のその適切な献立によって学校給食の実をあげるべきだと思います。今まで栄養士を置くということは、何らの法的な根拠もなく、また現在学校給食に働いている栄養士の方々は、作業員、小使さん並みに身分が取り扱われております。こういうような現状では、学校給食にいかに熱意を持った優秀な栄養士を得たいとしても得ることができないというような現在の状態でございますが、便宜的に兼務しているというのでは、教育の実も、また給食の実も上がらず、このままでは、学校給食の本来の目的を上げることができない、かように心配するものでございます。この際、学校給食と、栄養士の身分につきまして、今お話を伺いましたので大体わかりましたけれども、将来これをどういうふうにしていらっしゃるおつもりであるか、また、栄養士の方々の身分をどういうふうに将来なさるおつもりであるか、これについてお答えをいただきたいと思います。
  111. 清瀬一郎

    ○国務大臣(清瀬一郎君) ただいま安部さんからのお話しのうちにも含んでおりまするが、栄養士、または栄養士にあらずして学校給食を、現実にまた料理に関係しておる職員については、最上さん御承知の通り、学校教育法二十八条にも明確な規定がございませんのであります。何しろ給食のことは、新たにわが国でこの通り採用されたことで、まだまだ制度も、規則も、慣行も不備でございまするから、過日も東京都内で集団中毒などが起り、私非常に心配いたしまして、これは何か一つよく考えなければならんということで、真実今考慮をめぐらしています。文部省のやり方としては、適当な人に相談をしまして、あるいは非公式の諮問会とか、研究会とか開きまして、適当な結論に到達いたしたい、かように思っておるのでございます。
  112. 荒木正三郎

    ○荒木正三郎君 ちょっと委員長にお尋ねいたしますが、私も若干質問したい事項がありますが、続行せられますか、あるいは時間の関係であとにお回しになられますか、もし続行せられるようでしたら伺いたい。
  113. 飯島連次郎

    ○委員長(飯島連次郎君) ちょっと速記とめて下さい。   〔速記中止〕
  114. 飯島連次郎

    ○委員長(飯島連次郎君) 速記を始めて。
  115. 荒木正三郎

    ○荒木正三郎君 文部大臣並びに政務次官に二、三の問題についてお尋ねしたいと思うのですが、一つの問題は、この学校給食についての父兄負担の問題であります。私のところに渡されている資料によりますと、現在学校給食を受けておる小学校の児童の数が約六百万ということになっております。学校給食が実施されてから、相当な速度で普及して参ったと私も考えておるのですが、最近の事情を見ますと大体頭打ちになっているのじゃないかというふうな感じを私は持っているのです。六百万と申しますと、小学校児童の約半数ということになるわけであります。今後この学校給食をさらに普及していくということは、これは相当むずかしい問題になっているのじゃないか。その一番の大きな理由は、私の考えでは、やはり経済的負担が相当重いということにあるのじゃないかというふうに考えておるのですが、文部大臣としてはどの程度まで普及をしたいと、現状程度で満足しておられるのか、あるいはさらに七〇%とか八〇%程度まで学校給食を普及したい、あるいは全員にまで持っていきたいというふうにお考えになっているのか、その点を伺っておきたいと思います。
  116. 清瀬一郎

    ○国務大臣(清瀬一郎君) これは私は大へん国民のためにも、また個人のためにもいいことですからして、漸次拡充いたしまして、できれば一つ義務教育全員にいきたい、こういう理想を持っております。
  117. 荒木正三郎

    ○荒木正三郎君 非常にけっこうなお考えを持っておられるようですが、私が先ほど申しましたように現状では頭打ちというのが真相じゃないかと思うのです。で、私もこの間ある学校へ行きましたら、今まで学校給食をやっておったが、相当給食費が高いので、PTAの会合でやめようということになって中止したというふうな事例の学校に参りました。やはり今後そういう御理想を実現していくというためには、現状の政策では私は困難であるように思うのです。そこにやはりさらに普及をしていこうということになれば、国家が何らかのめんどうを今後さらに見ていく、そういうことが伴わないと、うまくいかないのじゃないかと思うのですが、こういう父兄負担の問題と考えあわせて、今後国庫負担の面において何らか考えていこうというふうなお考えがあるのかどうか、聞きたいと思います。
  118. 清瀬一郎

    ○国務大臣(清瀬一郎君) わが国の財政の力にも限度はございまするが、しかしながら、幸いにして終戦以後逐次国民の力も回復いたしております。政府の財政も、地方の財政も、これより逐次好転するでありましょうから、無理をしちゃいけませんが、今よりも来年はこの種の経費はたくさん要求したいと思っております。またその次はさらにふやす、こういう方法でいきたいと思っております。
  119. 竹尾弌

    ○政府委員(竹尾弌君) 給食の問題につきましては、いろいろの方面におきまして非常にむずかしい問題がございまして、これは荒木委員とくと御承知のことでございましょう。そこで私どももできますれば、今大臣のおっしゃられましたように、義務教育全体に給食を普及したいとは思っておりますけれども、各地の食糧事情がまあずいぶん違っておりまして、ある地域におきましては給食を望まないというような地域もまあ相当ございます。そういう関係もございまするし、また、栄養士の問題がさっき安部先生の方から出ておりましたが、これも御承知のように国庫負担というようなわけには現状においては参りませんので、PTAの負担に主としてかかって参りまして、これがやはりPTAの負担ですから、ほかの先生方と同じような給与を受けておらんで、非常に安い給与で働いておるというような現状もございまして、なかなか立ち入れば入るほど、困難な問題にぶっつかっておる現状だと思っております。そこで大体米食を主とするというような考え方に対する批判が現在起っておるので、これは食生活の改善という根本的な問題を検討しながらやっていかなければ、理想的な給食はできない、こういうふうに考えておりまするので、この食生活の改善という根本問題を研究し、これが解決の方向に向いながら、できるだけ給食の問題を解決して参りたい、こういうふうな考えを持っておるのでございます。
  120. 荒木正三郎

    ○荒木正三郎君 この学校給食をさらに普及するということは、経済的な負担の問題だけではないと思います。今も政務次官がおっしゃったように、非常にいろいろな問題と関係を持っておると思いますが、それにはお話しのようにいろいろな問題を検討して、そうしてしっかりした施策を立ててもらいたい。これは参議院の文教委員会では昨年来から強く政府に要望してきたところですから、ぜひやっていただきたいと私は思うのです。ただ、経済的な問題で、現在はこの資料によりますと、一食大体十六円七十九銭かかっておる、そのうち国庫負担が一円二銭丁という関係になっておりますが、やはり父兄の経済的負担を軽減させるという点は非常に重要な問題であります。国庫の財政の問題もありますから、急激にこれを増加するということは困難であると思いますが、先ほど文部大臣がお話しになったように、この面については十分一つ御考慮を願いたいとかように思います。  それからもう一つは、先ほど同僚の委員から質問がございましたが、生活保護法によって学校給食費がまかなわれておる児童があるわけです。それを文部省の提案によりますと、準生活保護児童、これに対して学校給食費の若干を見よう、こういうことになっておるわけですが、先ほど指摘されましたように、この問題は一元化するということが重要な必要な問題じゃないかというふうに考えるわけであります。この生活保護法による扶助の対象として、就学奨励費というのが何億か組まれておるわけです、これが厚生省関係で支出されておるわけです。これについては学校給食費だけでなしに、学習用品等についてもめんどうが見られておるわけでございます。で、こういうものを就学奨励費として、そうして今度考えられておる準要保護児童そういうものの救済と一本の形でいくように今後していったら非常にいいのじゃないかと私は考えておりますが、こういう点政務次官どういうお考えを持っておられますか。
  121. 竹尾弌

    ○政府委員(竹尾弌君) お説の点につきましては、いろいろ考えさせられる点もございまして、私どももそういう点についてまあいろいろ考えてはわりますけれども、要保護児童と準要保護児童については、多少そこに線がそういうふうに引かれている関係もございまして、実際問題としてこれを一緒に扱うというようなことになると、いろいろ具体的には問題が起ってくるかもしれないと思っておりますが、十分お説を体しましてできるだけ研究をしてみたいと思っておりますし、また、そういうものについては私自身としてはいろいろ考えてもおりますので、できるだけそういう線に沿うように努力をいたしたいと思っております。
  122. 荒木正三郎

    ○荒木正三郎君 この問題は一昨年でございましたか、北九州の炭鉱地帯、鉱山が廃止になって非常にたくさんな生活困窮者を出した。それにつれて多数の学童が学校へ行かない問題が起りました。そのときに就学奨励費として相当な金が出されたと思うのですが、こういう金はいわゆる生活保護法によって支出されるので、就学奨励費として出された令でも、就学のために使われないというふうな実情が相当あったようであります。そういう意味で、この就学奨励に関係する予算は、私は文部省て一括した方が効果が上る、また就学奨励の目的を実施するのに都合がいいと、そういうふうに考えているわけなんです。そういう点について将来十分検討してもらわなければならぬと思うのですが、そういう点もう少し具体的におっしゃっていただきたいと思います。
  123. 竹尾弌

    ○政府委員(竹尾弌君) そのお話も私存じ上げておりますが、そういう場合が起ればこそ、実はあのひも付き予算の義務教育国庫負担法を私どもが皆さんの御協力を得て作ったわけでございて、できるだけその意味でやはり就学関係のものはひも付きにしたい、こういう考えを私どもは持っております。で、今のお話しのような点も十分意に体しまして実は考えておるのでございまして、できるだけ将来そういう線に沿うて努力をいたしたいと思っております。
  124. 荒木正三郎

    ○荒木正三郎君 これに直接関連はしておらないのですが、これは局長の方にお尋ねいたしますが、現在の未就学児童の数ですね、それから長期欠席児童の数、これはどういう工合になっているかです。それはこの質問のあとで一つお知らせを願います。  それからもう一つは、学校給食に伴ういろいろな問題が、問題というと何んですが、学校用給食物資の横流しとか、あるいは贈収賄とか、そういう問題がまあちょいちょい起っているわけなんです。ちょいというよりも相当起っていると私は思うのですが、二年ほど前でございましたか、文部省の中にもこういう問題があって取調べを受けた問題があるわけです。また最近は地方の教育委員会関係で物資の横流しがある。これは今度の学校給食法では、監査の結果文部大臣に報告するというふうになって、監査を相当厳重にやっていこうということになっておりますが、文部大臣はその監査の報告を受けられておると思うのですがね、受けられてどういうふうな所見をお持ちになっておるか、伺いたいと思うのです炉ね。
  125. 清瀬一郎

    ○国務大臣(清瀬一郎君) あれは、横流し事件のことは一部刑事事件になっておりまするものは、捜査中のために十分に聞き取ることはできません。基礎になりましたものは、検察当局の起訴状の写において了承いたしております。そのほかに、刑事問題とならざるもので、事故品といって処分しておるものがあります。あるいはそのうちに不正でもないかと思って調査をさしておりますが、数字のことは……。
  126. 荒木正三郎

    ○荒木正三郎君 いや、私の質問しておるなにをちょっとはずれておる。私はそういうことを一女質問していないのです。そういう問題が起っておるということ、日本給食会ができて、その経理内容については監査せられておるが、文部大臣に報告されておると思うので、あれは報告することになっていると思うのです、あの法律には。
  127. 小林行雄

    ○政府委員(小林行雄君) 現在は御承知のように、日本学校給食会に対しましては、文部省が立ち入り検査をしたりすることができるわけでありますが、日本学校給食会が各府県の給食会に売り渡したものについては、法規上物資の監査というものはなし得ないことになっております。従って現在までは各府県の手に渡ったもの、あるいは学校にいったものについて監査をするということをやっておりません。しかし、この余剰農産物の贈与というふうなこともございますので、こういった面から必要に応じて指導的な意味で、将来必要な場合には監査をすることがどうしても起ってくるんじゃなかろうかと思って、本年度の予算にはそれに要する経費も実はちょうだいしておりますので、将来、三十一年度からは物資の監査もある程度行いたいと思っております。
  128. 荒木正三郎

    ○荒木正三郎君 文部大臣はよく国の責任というお言葉をお使いになるわけです。こういう問題こそ、もう少し責任をお持ちになって、監査する権限が私は法規によって規定されておると思うのです。今、局長のお話しでは、非常にあいまいなようですが、あの学校給食会法には学校給食会を本部に置く、それから各地方にも置くと、同じような名称を使う団体を置いてはならないという厳重な規定があって、全く文部大臣の監督下にあるわけです。その団体がいろいろ問題を起しておる。刑事問題まで引き起しておるという場合に、文部大臣が起らない前に監査する必要が私はあると思うのです。しかし起ってしまったあとですが、それでもこれは文部省では相当な責任をもってそういうことがないようにやっていかなければならないと私は思うのですがね。全く関与しておられないのですか、文部大臣。
  129. 清瀬一郎

    ○国務大臣(清瀬一郎君) この給食物資の売り渡しの相手方は、文部大臣で誉めろという法律ができまして、過日それをきめることにいたしました。その全体のことは大体地方では教育委員会でやっておるのでありまするが、教育委員会に対しては監督しておらなければならぬという規則があるのです。そこで今の状態では、進んで人を派して監査するということはできないじゃないか、そこで今回の法律に第二十八条でそれができるような規則を今度こさえていただくということになっておりますが……
  130. 荒木正三郎

    ○荒木正三郎君 いや、私のお尋ねしておるのは、日本学校給食会というものが設立されたのです。これは法律によって設立されたのです。それによって文部大臣の責任というものは非常に明確になっておるわけです。権限も明確になっておるわけです。その範囲で十分私はやれると思うのです。やれませんか。実情を調査していろいろ……
  131. 清瀬一郎

    ○国務大臣(清瀬一郎君) 今あなたのおっしゃるのは、地方でやっておることでしょう。給食会じゃなくして、給食会から売り渡した相手の地方に問題が起っておりますから、そのことをおっしゃるのではございませんか。
  132. 荒木正三郎

    ○荒木正三郎君 それもやれるはずですね。
  133. 清瀬一郎

    ○国務大臣(清瀬一郎君) それが今の法規ではどうでしょうか、教育委員会へこちらが出ていって監査するといったようなことは。それで今後はそれをやってみたいとかように考えておるのであります。
  134. 荒木正三郎

    ○荒木正三郎君 地方の学校給食は、教育委員会が直接やっておるというふうなことはあるかもしれませんが、私どもあまり聞きませんがね。大阪あたりでは、やはり学校給食協会というのができて、それでやっておりますが、そういう形が多いのじゃないですか。
  135. 清瀬一郎

    ○国務大臣(清瀬一郎君) 教育委員会傘下の法人を作らせまして……。
  136. 荒木正三郎

    ○荒木正三郎君 法人でしょう。教育委員会ではないでしょう。
  137. 清瀬一郎

    ○国務大臣(清瀬一郎君) ええ、それに対して売り渡すということがきまって、大かた全国それができております。まだ地方でできないものもございます。それまでの間というものは、大体地方教育委員会炉任意の団体のようなものを作って、そして県の教育委員会でそれを支配しておった状態でございます。
  138. 荒木正三郎

    ○荒木正三郎君 ですから文部大臣、教育委員会が直接自己の責任において給食をやっておる物資の購入、あっせん、売り渡し、そういうことを私はやっておらないと思う。だから当然こういうふうに刑事問題まで惹起するようなことにならないように、もっと責任をもってやってもらいたいと私は思うのです。そういう意味で学校給食会については文部省は監査せられますか。
  139. 清瀬一郎

    ○国務大臣(清瀬一郎君) これからやっていこうと思っております。
  140. 荒木正三郎

    ○荒木正三郎君 監査の結査は本委員会に報告してもらいたい。  それからもう一つは、これは前に出たかもしれませんが、定時制高校に対して学校給食を実施してもらいたいということは、これは本委員会の付帯決議にもなっているわけです。これは政務次官何とか考慮するということはできませんか。
  141. 竹尾弌

    ○政府委員(竹尾弌君) この問題につきましては、たびたび御意見も出ておりますし、定時制の高等学校の本質にもかんがみまして、これをやることは非常にけっこうなことだと考えております。ただ、現在の中学校にまで延ばすというこの予算につきましては、御承知のように非常に小さい予算でございますから、これは問題は財政面にふえて参りますが、できるだけそういう方向に進めたいという強い考えはもちろん持っておりますので、近き将来実現できるように微力を尽したいと考えております。
  142. 荒木正三郎

    ○荒木正三郎君 私の質問はこれで終りますが、先ほどの数字を一つ。
  143. 緒方信一

    ○政府委員(緒方信一君) 長欠児童それから未就学の児童生徒の数でございますが、まず未就学の方を申しますと、概数ですが、小学校で二万七千、中学校で五千、長期欠席の方はこれは一年に五十日以上欠席した、断続または継続、これはよくわかりませんけれども、五十日以上欠席した児童生徒の数は、小学校十二万、中学校十五万、かようになっております。
  144. 荒木正三郎

    ○荒木正三郎君 それはいつの調査ですか。
  145. 緒方信一

    ○政府委員(緒方信一君) 二十九年度です。
  146. 荒木正三郎

    ○荒木正三郎君 こういう未就学とかあるいは長期欠席という理由は、やはり経済的な理由によるものかどうか。そういう理由について調査されておりますか。
  147. 緒方信一

    ○政府委員(緒方信一君) 必ずしも経済的な理由のみじゃございません。これもございますけれども、特に長期欠席の方になりますと、からだの弱い、病気ということも相当ございますし、そのほかいろいろな家庭の事情等もございます。本人の勉強ぎらいとか、そういうふうなこともございます。そのうちに経済的な事情もございます。パーセンテージもこれは調べが出ております。
  148. 荒木正三郎

    ○荒木正三郎君 これは私は非常に数字が少いように思うのですが、いわゆる身体不自由児童だけ考えても、就学できない子が相当な数字に私上っておると思うのですが、十二万とか十五万という数は非常に少いように思うのですが、そういうものも入ってこういう数字ですか。
  149. 緒方信一

    ○政府委員(緒方信一君) これは正規の就学猶予等を願い出ておるものは、別にいたしております。
  150. 荒木正三郎

    ○荒木正三郎君 いろいろなお尋ねをいたしましたが、学校給食の問題については、なおいろいろ考慮しなければならん問題が相当多いように私は思います。こういう問題についても、今後いろいろ普及のために御努力願いたいという希望を付して質問を一応終ります。
  151. 飯島連次郎

    ○委員長(飯島連次郎君) 私からきわめて小さな質問、要望を申しますから、文部大臣も一つお答え、お考えを願いたいのでありますが、それは私の親しい友人が、文教委員長であるというゆえをもって私に申し入れがございました。それはちまたの一つの事実としてお聞き取りをいただきまして、これに対してどういうふうにお心づかいしていただいたら、こういう事柄が是正できるかを一つお答え、お考えをいただきたいと思います。それは中学に籍を置く児童の親でありますが、その家庭では、毎週日曜日にはきまって家族一同がパン食をするという長い食習慣を持っておったのでありますが、学校でパンを給食するようになってから漸次パン食をきらうに至って、もう現在ではついに家庭におけるパン食もこれは忌避するというふうになってしまった。なぜ学校のパンをきらうかというと、パンの質が非常に粗悪であって、そうしてせっかく家庭でなじんでおったパン食についての愛着というものが自然とさまたげられて、もう家庭においてもパンはいやだという習慣の形成をなしたと、こういう事実なんです。一体こういう粗悪なパンを学校の中に持ち込ませないためには、文教委員長はどういうふうに処置をなされるかという私に向っての質問でありましたから、これは率直にこの質問は文部大臣に返上いたしますから、ぜひ一つこれは、必ずしも私のところへこの問題を持ち込んだ一つの事実だけではないと思いますので、どうかこまかな心づかいをいただきまして、こういうことがあっちにもこっちにも起らないように、ただ価格で制限されているために、そこの土地では二軒のパン屋に言いつけてパンを納めさしておるそうでありますが、どうも何というのか、善意の競争が行われないようでありまして、生徒がきらうようなパンをだんだん食前に供するということになってしまったらしい。ですからただいまの御質疑で、私にも明確にいたしませんが、学校給食会はたしかそこにはできておらないと思います。ですから教育委員会が扱うのか。もちろん教育委員会が監督の任にはございましょうが、そういう問題を予防し、あるいはすでに起っておるのを是正するためには、当該校長先生に話したらいいのか、給食を直接担当していらっしゃるその先生に忠告をしたらいいのか、そこらのところがどうも私にははっきりわかりませんので、全国のその責を負っていらっしゃる文部大臣なり、管理局長なり、これは他にもこういう御経験がおありだと思いますから、これは単なるちまたの一つのエピソードとしてお聞き流しになさることなしに善意のお心づかいをいただきたい、こう思うのです。
  152. 清瀬一郎

    ○国務大臣(清瀬一郎君) それと類似のことを参議院の予算委員会で中山委員から御発言がありました。その話はパンの中に白土を入れて製造する、それを学校に納めておるということを発見したということで、これは場所は大阪です。ゆゆしきことだと思い、そういうことのないように一つ十分にやってみたい。ことに、今ここで荒木さんのお話とも通ずることで、この給食の問題は、文部省自身はもう少し力を用いて積極的に管理、指導するということが必要であろうかと考えます。何しろ人命に関し、たとえば集団中毒のような場合、子供の発達にも関係することでありまするから、全般的にほんとうに十分再調査をいたしまして、さようなことがないようにいたしたいと思います。
  153. 安部キミ子

    ○安部キミ子君 ちょっとそれに関連する質問ですが、局長にお尋ねしますが、一食の価格が十六円七十九銭というと、まあいかに思っても安いと思うのですよ。そればミルクが安いとか、パン粉が安いとかいう計算になっておりますけれども、これでは先ほどの、私は、六百カロリー云々とあなたが非常に理想的な線で強調していたように思えるのですが、何と申しましても今日十六円七十九銭、これで、そうでしょう皆さん、皆さん自身昼の食事のことを考えてごらんになれば私はわかると思う、だから六百カロリー必ず十六円七十九銭というには値しないのじゃないか、これは非常に問題がありますよ。そういうことが、パン屋さんも悪いパンを作って出さにゃならぬということになりますし、問題は私はここだと思うのですが、どうですか局長さん。
  154. 小林行雄

    ○政府委員(小林行雄君) この給食費の問題は、これは品質の問題とも非常に関連いたしますが、もちろん一部にもっと学校給食の内容を豊富にして、値段が高くともいいから、内容のりっぱな給食を実施するように指導すべきだという御意見もございます。しかしまた、先ほどどなたかの御質問にもありましたように、給食費がかさむことは、これはやはり学校給食を普及する上から非常に困ることになるので、できるだけこれを安くしなければならないという御意見も実はあるわけでありまして、従って、その両方の御意見の宙で適当な値段をきめるということは非常にむずかしいわけでございます。ただ、先ほどのお尋ねにございましたパンの内容と申しますか、品質の向上につきましては、これはできるだけ文部省としても従来から農林省等とも連絡をとりまして、努力はいたしておるわけでございまして、たとえば、パンの抜き打ち検査をやるとか、あるいは批評会をやるとかというような面で、できるだけ品質の向上をはかっていくように努力をしておるわけでございますが、しかし、農林省としては、ことにパンの品質の向上ということを、これは学校給食のパンだけではございませんけれども、まあここ数年のうちにできるだけやりたいというので、いろいろ予算も計上されておるようでございます。また、パンの技術者もできるだけ養成したいというような計画を立てておられるわけでございます。文部省としても、そういった面でできるだけ学校給食のパンの内容がよくなるようにしたいと思います。  また、最後に安部先生のお尋ねでございますが、文部省としては・学校給食費、ここに先ほど資料としてお示しをいたしましたこの十六円七十九銭、これは一応文部省の計算では値段は押えてはおりまするけれども、これで先ほど申した六百カロリーの熱量のものをとり得るものというように考えております。
  155. 安部キミ子

    ○安部キミ子君 それじゃもう一つ言いますが、大へん矛盾しているでしょう。と申しますのは、今文部大臣も、それから次官もおっしゃいましたように、この給食を普及したいという御意向ですね、私はこれは実に大切だと思うのです。それでその反面給食費が高いからといって、今度は逆の方向に、せっかく給食をやっておったのも、払えなくてやめるという父兄も相当出てきているわけなんです。この間のラジオでもそれは困ると、今までは亭主が、おやじが就職していたけれども、今度失業したから、子供に給食費が払えなくなったというふうなこと。それはいろいろな生活保護法とかいう法律もありまして適用を受ける手段もありましょうけれども、何しろそういうふうなことが突発に起きたりなんかして、その期間だけでも非常に困るという現状なんです。それで私は一番その根本の問題は国庫負担があまりにも少な過ぎると思うのです。ほんとうに児童が健康を保持し、それで食生活の改善に向って貢献していこう。それから教育的意義にも沿っていきたいというのならば、この給食というものは、もう少し国庫がたくさん金を出してすることがふさわしいことであり、先ほど私が申し上げましたように、給食に当る作業員の待遇につきましても、もう少し国庫が力を入れなきゃほんとうの文部大臣が普及したいという御意思には私は沿えないのじゃないかと思う。それでまた要望になりますけれども、ただいま文教委員長の御要望にありましたように、中には粗悪なパン屋も出てくるということで、とにかく悪いものを出すというのは、結局もうからぬからそういうことになるのですよ。十円ならば十円のパンをこしらえて、それにふさわしい二割か三割かのもうけができりゃ、ある程度そういうこともないでしょうけれども、あまりに利潤が少い。やはり人間の欲ですからね、二円もうけるところを三円もうけたいということで、中には悪いパンを出すということになるでございましょうが、その辺はただその道徳心とか、あるいは指導、監督ということだけでは解決はできないとは思いますけれども、やはり問題は私はもう少し国が補助をたくさんお出しになることが、この問題を解決する一番根本的な問題じゃないかと思いますので、この点をくどいようでございますけれども、文部大臣初め皆様、携わっておられる方に強く要望しておきます。
  156. 湯山勇

    ○湯山勇君 時間もおそくなりましたから、私は焦点をしぼりまして、給食費に回せる金がまだたくさんあるのじゃないかという点をお尋ねいたしたいと思います。さっきの関係ですけ木ども、生活保護費の中の給食費をグラントの中から見なければならないという理由はないと思うのですが、これは、大村主計官、どういう理由でおやりになったのですか。
  157. 大村筆雄

    ○説明員(大村筆雄君) お答え申し上げます。生活保護費を特にグラントの中から見たというわけじゃございませんので、一応学校給食費関係の予算の中に、学校給食に関連して特に三十一年度予算に計上した金がどのくらいかということを参考のために出してみますと、今回給食対象人員の増大に伴いまして、生活保護児童の教育費が増大して参っておりますので、そのうち給食費補助の増大分を掲げてみたわけでございます。これは一つは何か学校給食をやります場合に問題になりますのは、常に要保護児童の問題が問題になっておりますので、この点三十一年度予算は相当重点を置いたわけでございます。
  158. 湯山勇

    ○湯山勇君 先ほども五千万円だけはグラントの中から生活保護費の方へ入っておるという御答弁がありましたが、それは間違いでしょうか。
  159. 大村筆雄

    ○説明員(大村筆雄君) お答え申し上げます。先ほど実は私聞いておりませんので失礼いたしましたが、学校給食関係予算と申します中には、厚生省所管に計上しております生活保護費の給食費関係の給食人員の増加に伴って増加計上した金額が入っております。その金額は四千八百万円でございます。
  160. 湯山勇

    ○湯山勇君 それから次にこの食管会計の給食費が人数がふえたにもかかわらず、来年度は前年度に比較いたしまして約二億減じております。この理由はどういう理由によるのでしょうか、これとグラントとは関係があるかどうか。
  161. 大村筆雄

    ○説明員(大村筆雄君) お答え申し上げます。これは従来学校給食に回しておりました原麦は、全部通常輸入の分でございますが、三十一年度はこれにグラントのものが約十万トン入っている関係でございます。
  162. 湯山勇

    ○湯山勇君 グラントが入ったから減額になるという理由は成り立たないと思うんですが、それはなぜかと言いますと、学校給食費の内訳を見ましても、国庫負担分がちゃんと出ております。しかし、グラントについては、国が全然負担しないというのならそれは話は別ですけれども、そうでなくて一律負担している以上は、グラントがあろうがなかろうが、国が負担すべきものは負担しなければならない、食管会計が二億減らしたということは、これはグラントに便乗して減らしたということ以外には考えられないのですが、そう解釈してよろしゅうございますか。
  163. 大村筆雄

    ○説明員(大村筆雄君) お答え申し上げます。これは御質問のようにグラントに便乗して特にこうしたものを減らしたという意味ではございませんので、少くとも私ども予算編成をして参ります場合に、三十一年度は特にこれは学校給食の問題につきましては重点を置いてやったつもりでありまして、実は予算の計上額は財政のワクの関係もございまして、なかなかふやすわけに参らないのでございますが、その中ではできるだけ学校給食は重点的に充実するように配慮して参ったつもりでありまして、そのためにはグラントを十万トン入れることによりまして、原麦の国庫負担というものはこれは若干減って参っております。また父兄の経済負担が多いのじゃないかという点につきましても、グラントを入れることによって父兄負担もある程度軽減して参る、そのほか学校給食の普及して参ります場合に必要な学校給食の設備の充実も考えるし、あるいは従来常に問題になっております先ほど申しました要保護児童の問題につきましても、準要保護児童に対し文部省予算に新規に計上するとか、あるいは厚生省予算を給食人員の拡大に応じてふやしてもらうとかいう配慮をいたして参っている次第でございます。
  164. 湯山勇

    ○湯山勇君 次に、グラントの運賃ですけれども、この運賃は給食費のつまり贈与分の中から運賃を持たなければならないという理論的な根拠がございますか。今お聞きしてみますと、大体グラントのこの運賃で五億、六億、約六億以上の運賃が出ているようですが、これは国が贈与を受けるわけですから、先ほど生活保護費のときには生計官は別にその金を回したというのじゃないというような意味の答弁もありましたけれども、そういう観点からいけば、グラントの中から運賃を持たなくちゃならないということはないと思うんですがこれはいかがでしょう。
  165. 大村筆雄

    ○説明員(大村筆雄君) お答え申し上げます。御質問の意味はグラントのものはこれは無償で割り当たものであるから、従って米国から日本に到着する運賃は当然これは国庫負担でやるべきじゃないかという御質問かと思いますが、これは必ずしもそうしなければいかぬという点はないのでございまして、それはもちろん財政が許しましたら、それは運賃を国庫で負担いたしまして、できるだけ安い小麦を供給しますのがよろしいかと存じますけれども、非常に財政が困難の折柄でございますので、運賃を含めて全体をプールして国庫の負担を算定しました結果、全体としてみると前年度より負担が減っている、こういうふうに配慮している次第でございます。
  166. 湯山勇

    ○湯山勇君 そこで贈与分が邦貨に直して約二十四億という御報告があったのですが、二十四億の中で純粋に子供の口に入るのはその中の何億になりますか。これは主計官でなくてもどなたからでもけっこうです。
  167. 大村筆雄

    ○説明員(大村筆雄君) お答え申し上げます。御質問の意味は、二十四億邦貨で換算するならあるものであるが、それが全部児童の口に入るかどうか、一部ほかに回るのではないかという御質問かと存じますが、これは全部児童に供給されるわけでございます。
  168. 湯山勇

    ○湯山勇君 私のお尋ねしたのは、今のような意味じゃなくて、たとえば運賃で引かれるのがあるし、その他で引かれるのがありますから、そうすると純粋に子供の口に入るのはそれよりもはるかに下回って参る、たとえば二十四億ありましても、生活保護の方に五千万行っておるとか、あるいは運賃諸掛りが六億ばかりかかっておるのがあるとか、そのほかいろいろあると思います。そこで時間がありませんから、私結論だけ申し上げたいと思うのですけれども、結局本年度の予算を見ますと、食管会計で約二億減額になっておりまして、その分に相当するかどうかは存じませんけれども、実際に給食関係の予算でふえているのは給食設備の一億と、それからただいま審議しておる法律の五千万、この一億五千万が純粋にふえただけでございます。で食管会計では約二億落してこちらで一億五千万ふやして、結局国全体のワクから言えばどっかへ五千万消えておる。これが本年度の予算面だけから見た実態でございます。それからさらに今申しましたように、生活保護費の方にも回っておる分がありますし、さらに運賃等のことを考えてみますると、グラントによって受け入れた二十四億なら二十四億、つまり一億五千万というものは正しく純粋な意味の給食費には回っていないというか、あまり回っていないというか全部一〇〇%回っていない、こういう懸念があります。なお、私はこれは大蔵省なり文部省なりの御努力いかんによっては、額ははっきりは申し上げられませんけれども、当初文部省が御要求になった三億数千万円くらいの金額は、容易に出し得る余力を持っているにもかかわらず、それが今年度の予算において操作されていないということは非常に遺憾なことだと思いまして、そうしてそういう事態が、せっかくいい意図のもとにやろうとしている今回のこの準要保護児童に対する給食の実施を相当困難な状態に追い込んでおる、このことも各委員の指摘の通りだと思います。そこで、ただいまこれを直ちに是正せよということはあるいは困難かと思いますけれども、今申し上げましたような点を御考慮願えれば、私は来年度予算においては、本年度当初文部省が御要求になったよりも、はるかに大きい額の実現が期待できるのではないかと思いますが、文部大臣はいかがお考えでございましょうか。
  169. 清瀬一郎

    ○国務大臣(清瀬一郎君) 来年度においては本年よりもたくさんの予算を要求するつもりでございます。今あなたの御指摘の諸項目については、さらによく研究いたします。
  170. 湯山勇

    ○湯山勇君 これにつきましては一つ大村さん、来年度しっかりがんばっていただくように一つお願いいたします。  それからこれは私はきょう質問したいと思いましたけれども、時間の関係もあって省略いたしますが、先ほど安部委員、最上委員から御指摘がありました給食のミルクの問題、これにつきましてはいろいろな指摘事項もありますけれども、今問題になっておりますとともたくさんありまして、一例をあげてみますと、十円牛乳が十円牛乳の線を破ることになりそうだ、これにはやはり脱脂粉乳が大きく関係しております。それから昨日の朝日新聞の中に大きく出ておじます。これは夏の牛乳不足の対策といって夏の牛乳が不足する、それから脱脂粉乳も取り締りがきびしくなって不足しておる、まあそういう言葉ではありませんけれども、とにかく牛乳の生産も不足してきたし、脱脂粉乳も出回りが悪い。そこで農林省では恒久対策を酪農審議会に提出する、その時期は来月の九日である、問題はその審議会に出す緊急対策の内容ですけれどもこう書いてございます。「緊急対策としては学校給食用の脱脂粉乳を一時業界に振向ける、四月末に到着する飼料用輸入脱脂粉乳五百トンを飲用に回すなどを考えているが、それと別に、四百トン程度輸入することになるそうだ。」こういうことがあげられております。これは私は非常に重大な問題でおそらく文部大臣としてもこういうことには賛意を表せられないと思いますし、現在聞いてみますと、学校給食用脱脂粉乳さえもなかなか十分でない、こういう状態で今農林省の方でこういう対策を立てておろ。こういう問題とからんで、私はこのこと自体も非常に問題だけ池ども、従来学童給食用の脱脂粉乳が事故品として市場に流れるのもあるし、そうでないのもありますし、あるいはそれらと別個に、かなり大きいルートから市場へ流れているものがあるということを確信をもって申し上げられると思います。で、そういう面から非常に学校給食もあおりを受けて、今度はいろいろな問題等も私は端的に言えばそういうもののあおりだと思います。責任を持っておられる文部大臣としては、単に小さな立場だけでなくて、政府全体の施策の立場から、これらの問題を今のグラントの問題にしても、今の脱脂粉乳の問題にしても、十分一つ力を入れてお取り上げを願いたい。なお、この脱脂粉乳の問題につきましては、別な機会に私もいろいろとお尋ねしたいと思いますから、その点に対する質問は留保さしていただいて、ただいま申し上げました点について、特にこういうことを農林省でやろうとしているという問題について、文部大臣の御所見を伺いたいと思います。
  171. 清瀬一郎

    ○国務大臣(清瀬一郎君) 農林省よりさような申し出はまだ少しも受けておりませんが、あなたの御主張の御説明の趣意は、十分了として善処したいと思います。
  172. 飯島連次郎

    ○委員長(飯島連次郎君) それでは午前中の議事はこの程度にして休憩いたします。    午後一時二十五分休憩    ――――・――――    午後三時二十二分開会
  173. 飯島連次郎

    ○委員長(飯島連次郎君) 午前中に引き続き、委員会を開会いたします。議題は学校給食法の一部を改正する法律案であります。質疑のある方は、順次御発言を願います。
  174. 矢嶋三義

    ○矢嶋三義君 質疑が終るに当って、私は一問だけ、明確にするために、念のため承わっておきたいと思います。それはこの法律が成立した暁においては、盲ろう学校の小中学部、並びに養護学校の児童生徒は、盲学校、ろう学校及び養護学校への就学奨励に関する法律によって、給食費は全額父兄の負担でなくてまかなわれる。この法律によって小学校の困窮家庭の児童の一部が、国庫と地方公共団体の折半の形で……、これはよく聞いて下さいよ、全額無償ということになるということと、学校法人でない私法人が設置する盲学校、ろう学校、養護学校並びに法人でない私人の設置する盲学校、ろう学校、養護学校の方は同じ扱いになるのかどうか、そこのところを念のために承わっておきます。
  175. 小林行雄

    ○政府委員(小林行雄君) ただいまのお尋ねの盲学校、ろう学校及び養護学校関係の給食費のことでございますが、盲学校、ろう学校及び養護学校の児童生徒の就学については、就学奨励法がございます。そちらの方の関係で給食費の方を見ておりますので、そちらの方の法律に従って給食費が支給されるということになるだろうと思っております。従って小学部、中学部の児童生徒に対する給食費は、従来通り就学奨励法によって、見られるというふうに理解いたしております。それから私法人設立の盲ろう学校、及び私人設立の盲ろう学校につきましても、これはこの法律の方で、就学奨励法の方で見られることになると思います。
  176. 矢嶋三義

    ○矢嶋三義君 もう一回念のため承わっておきます。先ほど申し上げましたように、この法律を適用される困窮家庭の児童その人と、それから盲学校、ろう学校、及び養護学校の就学奨励法の適用を受ける公立、――国立ももちろん、さらに私法人、並びに私人が設置する盲学校、ろう学校、養護学校の中学部とか、小学部の、すなわち生徒児童は、父兄の負担というものはゼロになる。かように今までの質疑から私は結論が出てくると思いましたが、間違いありませんね。
  177. 小林行雄

    ○政府委員(小林行雄君) 現在の盲ろう学校、養護学校への就学奨励法は、国立、公立、私立を問うておりませんので、そちらの方で差別なしに一応学校給食費を見ることになっておりますが、盲学校、ろう学校は、小学部はもちろん、中学部の方も義務就学でございますので、これは完全に見れるわけでございますが、養護学校については義務制になっておりませんので、養護学校に関する限りは、学校給食費は見れないのであります。
  178. 矢嶋三義

    ○矢嶋三義君 そこで大臣に質問があります。学校教育法そのものが養護学校の義務教育をうたっているわけです。ところが実際その他の法律において、養護学校は小中の義務と同じような扱い方をしていないわけです。これは私は心身不自由な児童に対する義務教育という立場から、対象人数は少いでしょうが、事は重大だと考えます。で、基本になる学校教育法そのものに、養護教育は義務制をうたわれているわけなんですから、ことにこの本法案審議に当って、いろいろ各委員から意見が述べられ、また決議された事柄、それに対する答弁から言って、養護学校の生徒、児童は同じ扱いになるようにしなければ、私はいろいろの法律をつき合わしてみるときにおかしいと思うのです。大臣はどういうふうにお考えになられますか。予算的にもわずかなものだと思いますが、これは私重大だと思いますので……。
  179. 清瀬一郎

    ○国務大臣(清瀬一郎君) 法律はできましたが、地方財政その他のことで施行が延期になっておりますが、なるべく早い時期に施行されるように念願しております。
  180. 矢嶋三義

    ○矢嶋三義君 それで私伺いたい点は、今給食の問題が起っているのですから、あとのことは言いません。幾つかの法律があるのですが、これを縦、横からながめて、当然私は養護学校の児童に対しては、他の盲ろう学校並びに本法の対象としている小学校の一部児童と同じように、公費によって負担されるべきものと、かように考えます。これをやることはそうむずかしいことじゃないと思います。至急にやっていただきたいと思うのですが、やる御用意ございますか。
  181. 緒方信一

    ○政府委員(緒方信一君) 御指摘のように、養護学校はまだいわゆる義務制になっていないわけでありまして、そのためにいろいろと支障の起っておる点がございます。今御指摘の点は、盲ろう学校、養護学校の就学奨励の法律がございますけれども、養護学校が義務制になってない関係で、養護学校の児童にはこれが及んでない、こういう関係がございますので、この点については、先ほど大臣のお答えがございましたように、研究いたしたいと存ずる次第でございます。ただ、義務制ということは、一つは学校の設置義務を地方の公共団体に課するということと、それと同時に、保護者に対しましてはその学校に就学させるいわゆる就学義務を負わせる。この二つのことが相待って義務制が実施されるわけでございますけれども、現在前段の学校施設も十分じゃございません。これは最近、昨年三十年度から予算を取りまして、養護学校も逐次整備しつつあるわけでございますけれども、まだ受け入れ態勢というものが十分にできてないという点が一つございます。これは一つ大いに私ども文部省としましても努力をして、施設の整備を進めたいと思います。それからもう一つは、かりに施設が整備いたしました場合に、養護学校の対象となる児童、生徒は心身の不自由な子供たちなんであります。この子供たちを義務的にその学校に就学させるということの問題が一つあると思います。家庭によっては、むしろ就学の猶予の手続によって自分の家でそういうかわいそうな子供は教育していきたいというところもあるかもしれません。そういう人たちを全部義務制として、そういう学校に就学させるということがどうであろうかという問題も一つあろうかと存じます。しかし、まあとにかくそういう問題は別といたしましても、今御指摘のように、盲ろう就学奨励法の適用の問題、それからまた養護学校の教員の給与負担の問題等もございますので、それらの具体的な問題につきまして逐次一つ研究をしまして、なるべく解決をしたいというふうに努力したいと思っております。
  182. 矢嶋三義

    ○矢嶋三義君 私一問と言ったけれども、ここで下るわけにいきません。局長のあなたの事務当局の見解は了解いたします。りっぱな御答弁です。しかし、それだけで下るわけにいかない。そこで大臣に重ねて伺いますが、法の体系からおかしいのですよ。まず第一番に憲法の第二十六条ですよ。時間がかかるから読みませんが、憲法の第二十六条の関係、それから教育基本法の第三条の二項、それから学校教育法の第六条、それからこれらを受けて立った盲学校、ろう学校及び養護学校の就学奨励に関する法律、そうずっと流れておる。これから見ますと、給食に関する法体系を整える場合に、養護学校の児童を落しているということは、これは一つの文教政策になるのですが、おかしい一語に尽きると思うのです。心身ともに不自由な児童なればこそ重大なのであって、しかもその法的根拠というのは、今私が申し上げました憲法、それから教育基本法、それから学校教育法、それからさらに就学奨励の法律、これから当然そういうふうに私は取り扱われなくちゃならんと思うのですが、私は見落されておるのじゃないか、対象が少いだけにあまり大きな世論も起らないので、やや看過されているのじゃないかとさえ思うわけですが、予算的にもわずかなものだし、ぜひこれはやらなけりゃ法の体系からいって納得できないと思うのですが、いかがですか。
  183. 清瀬一郎

    ○国務大臣(清瀬一郎君) それで就学奨励の法律の一十二条二項でしたかに学校給食はあるんです。給食するということがあるんです。
  184. 矢嶋三義

    ○矢嶋三義君 二十二条なんというのはないですよ。五条までしかない。
  185. 清瀬一郎

    ○国務大臣(清瀬一郎君) 一項二号に学校給食と書いてありますです。それで、そのことは局長の言った通りですが、学校教育法の九十三条でこの施行期日は政令で定めるということで、養護学校というものを義務制にしてやっておりませんから、その学校ができておらないのですね。しかしながら、現実に養護学校ができておりますれば、これはまあ小さい村なれば五人か六人ということで、とても町村の今力が合わんじゃないかと思います。でけておるのは大阪と、東京はむろんのことですが、数校しかでけておらんですね。でけておる養護学校に給食するということはむろんやぶさかではございませんから、十分調べまして、そつがないようにいたしたいと思います。
  186. 矢嶋三義

    ○矢嶋三義君 大臣の答弁、了といたします。そこで最後になると思うのですが、管理局長に伺いますがね。あなたの冒頭の私の質問に対する答弁、すなわち私法人並びに私人が設立する盲学校、ろう学校及び養護学校について同様の取扱い云々というのは、若干答弁を修正されにゃならんということになりやしませんか。
  187. 小林行雄

    ○政府委員(小林行雄君) 盲ろう学校への就学奨励法は、国公私立を問うておりませんので、私立すなわち私法人設立あるいは私人設立の盲ろう学校等についても同様に取り扱われることになります。
  188. 矢嶋三義

    ○矢嶋三義君 文部大臣の答弁と管理局長の答弁ですっきりしました。そういうように早急に解決せられるように努力してもらいたい。  それからさっきの答弁で一つ落ちておることは、就学奨励法、それから本法によってかくかくの対象に給食費が補助される。生徒、児童の立場に立ったならば、その対象とされる生徒、児童は自己の負担はゼロで本法並びに就学奨励法は給食関係の法律として施行されるであろう、かように了承して間違いがないかということに対しての答弁がないから、念のために伺っておきます。
  189. 小林行雄

    ○政府委員(小林行雄君) ただいまの盲ろう関係についての給食費の支給は、この盲ろう関係の就学奨励法に基いて支給されるわけでございます。したがって、国公私立の間に差別なく学校給食が行われておる向きについては学校給食費を支給する、かように考えております。
  190. 矢嶋三義

    ○矢嶋三義君 私の伺っている点をはずさないではっきりお答え願いたい。あなた方のこの法律の提案は、二分の一国庫負担、あとの二分の一は設置者の負担にしょう、こういう趣旨で提案された。従って児童にとっては負担はゼロになるわけですね。それから盲ろう学校の小中学校、これはこちらの奨励法があるから、これははずしたと、こういうことになるのですね。そうすればこの盲ろう学校の小中学校の生徒の父兄の負担はゼロということにならなければおがしいと思うのです。だから実際それを運用する場合に、そうならない場合は工合が悪いから、そこで私は念のために伺うのです。奨励法とこの法律の適用の対象になる生徒児童の給食費の負担は国立であろうと、公立であろうと、私立の場合はちょっと違ってくるかもしれませんが、父兄の負担はゼロだというふうに了承してよろしいですねと、こういうことを伺っておるのです。
  191. 小林行雄

    ○委員(小林行雄君) 学校給食法の方の場合はこれは設置者が半分、それから国が半分ということで父兄の負担がゼロになるわけでございます。それと同様に盲ろう関係の方で就学奨励法に基いて実施する場合も、父兄の負担・保護者の負担はないことになっております。
  192. 湯山勇

    ○湯山勇君 簡単に大臣に一つだけお尋ねいたしたいと思います。午前中の質疑におきまして、大臣は全学校に給食を実施するような方向に進みたいという御発言がございました。これは大へんけっこうなことだと存じます。それを実施するためには、給食のための栄養士を置くというような問題も出ましたが、今日各県の状態を見ますと、生徒の健康管理に当っている養護教員が一般教員が不足のために、だんだん整理されまして減っていく傾向にございます。大臣がおっしゃいましたように給食を拡大していくという点からいえば、栄養士ももちろんですけれども、養護教員の確保についても大臣としてはさらに御尽力いただかなければならないのではないかと思うのでございますが、大臣の御所見を伺いたいと思います。
  193. 清瀬一郎

    ○国務大臣(清瀬一郎君) その方針で進みたいと思います。
  194. 飯島連次郎

    ○委員長(飯島連次郎君) 他に御発言もないようでありますから、質疑は尽きたものと認めて御異議ございませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  195. 飯島連次郎

    ○委員長(飯島連次郎君) 御異議ないと認めます。  これより討論に入ります。御意見のある方は、賛否を明らかにしてお述べを願います。
  196. 湯山勇

    ○湯山勇君 私は日本社会党を代表いたしまして本案に賛成をいたします。なお、この法案及び本年度の予算案を見てみますと、いろいろ不十分な点がございますので、それらの点についての政府の善処を願いたいと思います。  一つは、今回出されておる予算におきましてはわずか五千万円、三万六千人分にしかすぎません。これは全児童のわずか〇・七%、そういう数でございまして、現在該当者数に対しまして非常に低い率にしかなっておりません。こういう状態では、せっかくこの法律ができても、実際に就学困難な児童であって給食費を払うことに困る子供の救済ができない、こういうことになりますので、三十二年度以降におきましては、実質的にこの法律が効力を発揮するように予算措置を十分にする必要があると存じます。  次には、今回中学校にまで拡大して学校給食が行われるにもかかわらず、準要保護の中学校の生徒に対しての本法の適用のないことは、非常に遺憾なことだと存じます。この中学の生徒につきましても、困窮家庭の準要保護児童につきましては、小学校と同様に残りなく適用できるように措置が講ぜられるべきだと思いますので、これらに対する法律的な措置並びに予算措置は、すみやかに講ずべきだと思います。  さらに、定時制高校につきましても、すでに数回本院の付帯決議もあったことでございますし、また衆議院からも付帯決議が参っております。これについて今回政府として触れられなかったことは、非常に遺憾でございますけれども、この点につきましては近く私は本院におきましては議員提案として措置されることを期待しております。  以上のような点及び今回の予算その他を見まして、学校給食に回されなければならない経費が、他の面とまでは申しませんけれども、必ずしも学校給食でない面に回っているものがあるやに見受けられます。これらにつきましては、政府において十分御検討になって、それらの経費が正しく給食に回るように、さらに今後の措置を強く要請いたしたいと思います。  以上でございます。
  197. 有馬英二

    ○有馬英二君 私は自由民主党を代表いたしまして本案に賛成いたします。  賛成の理由は、政府が、提案理由にも言われましたように、今回の措置で従来小学校において行われておったところの給食を、漸次政府は強化拡大していくという方針をとっておられるがゆえにであります。給食の意義は、実に今日では一般に広く認められておりまして、単に食改善というばかりでなく、生徒児童の体質の改善に非常に役立っていることは周知の事実でありまして、私は一日も早く政府が漸次そのために要するところの予算を十分取られて、ただいま社会党からも声明がありましたように、これを拡大強化していくということに全力を注がれるということを、私どもも強く要望する者であります。  なお、今回は準要保護児童にもこれを及ぼしていくということにおいて非常に意義の大きいものがあると私は思っております。どうかこういういい習慣を漸次一般に広く及ぼしていくように、今後とも政府は十分の措置をとられるよう要望いたしまして賛成をいたします。
  198. 飯島連次郎

    ○委員長(飯島連次郎君) 他に御意見もないようでありますから、討論は終局したものと認めて御異議ございませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  199. 飯島連次郎

    ○委員長(飯島連次郎君) 御異議ないと認めます。  これより採決に入ります。学校給食法の一部を改正する法律案を問題に供します。本案を原案通り可決することに賛成の方の挙手を願います。  〔賛成者挙手〕
  200. 飯島連次郎

    ○委員長(飯島連次郎君) 全会一致でございます。よって本案は全会一致をもって原案通り可決すべきものと決定いたしました。  なお、本院規則第百四条による本会議における口頭報告の内容、第七十二条により議長に提出すべき報告書の作成、その他自後の手続につきましては、慣例により、これを委員長に御一任願いたいと存じますが御異議ございませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  201. 飯島連次郎

    ○委員長(飯島連次郎君) 御異議ないと認めます。よってさよう決定いたします。  次に、報告書には多数意見者の署名を付することになっておりますから、本案を可とされる方は、順次御署名を願います。   多数意見者署名    湯山  勇  安部キミ子    秋山 長造  三木與吉郎    鶴見 祐輔  剱木 亨弘    最上 英子  有馬 英二    中川 幸平  川口爲之助    吉田 萬次  高橋 道男    竹下 豊次  矢嶋 三義
  202. 飯島連次郎

    ○委員長(飯島連次郎君) この際お諮りいたします。ただいま可決されました学校給食法の一部を改正する法律案に対し、討論中明らかになった委員諸君の意見をとりまとめ、次のような付帯決議を行なってはどうかと存じます。    「学校給食法の一部を改正する法律案」に対する附帯決議   従来、学校給食の実施上、大きな障害となっていた準要保護児童の給食費の問題は、今般の法改正の措置により、解決の端緒を得ることとなるが、これがために要する経費は、昭和三十一年度予算において、僅かに五千万円計上されているに過ぎない。   このような予算では、給食費を払い得ない家庭の児童の一部を救済できるのみであって、誠に遺憾というべきである。   よって政府は、昭和三十二年度以降において、給食費を払い得ない家庭の小学校児童は勿論、中学校生徒のすべてを救済し得るよう、法律的予算的措置を講ずるよう特段の努力をなすべきである。  ただいま朗読の通り、本法律案に附帯決議を行うことに御異議ございませんか。
  203. 矢嶋三義

    ○矢嶋三義君 けっこうだと思いますが、念のために提案者である委員長にお伺いしておきたいと思います。  先ほど討論者の発言の中にも夜間定時制高等学校の生徒への給食実施ということが力説されておりましたが、本決議案の案文の中に、その活字を入れられなかった理由を、念のために伺っておきたいと思います。
  204. 飯島連次郎

    ○委員長(飯島連次郎君) お答えいたします。理事の打合会におきまして、定時制高校の生徒に対する給食の問題は、別に立法の措置を講じてそれに措置するということに大体の打合せがなされておりますので、この決議にはあげないことにしたわけです。
  205. 矢嶋三義

    ○矢嶋三義君 了解しました。
  206. 飯島連次郎

    ○委員長(飯島連次郎君) ただいまの決議案に御異議ございませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  207. 飯島連次郎

    ○委員長(飯島連次郎君) それでは御異議ないと認めます。
  208. 清瀬一郎

    ○国務大臣(清瀬一郎君) 政府といたしましては、ただいま委員長発議、全員賛成の付帯決議の趣旨は、十分に尊重いたします。   ―――――――――――――
  209. 飯島連次郎

    ○委員長(飯島連次郎君) 次に、就学困難な児童のための教科用図書の給与に対する国の補助に関する法律案を議題といたします。質疑のある方は、順次御発言を願います。
  210. 矢嶋三義

    ○矢嶋三義君 まず文部大臣に伺います。ただいま可決されました学校給食法の一部を改正する法律案と、ただいま議題になりましたところの法律案と、両法律案の提案の根本趣旨というものは、同じ立場に立っておられるのではないかと推察いたしますが、いかがでございますか。
  211. 清瀬一郎

    ○国務大臣(清瀬一郎君) いずれも、教育の機会均等の精神を貫くために考えたことでございます。
  212. 矢嶋三義

    ○矢嶋三義君 それでは教育基本法の何条に基いたものと解されておりますか。
  213. 清瀬一郎

    ○国務大臣(清瀬一郎君) 教育基本法に当てはめて言いますと、主として第三条第二項でございます。
  214. 矢嶋三義

    ○矢嶋三義君 この際、承わりたいのでありますが、文部大臣は教育基本法第三条二項をいかように解釈されておりますか。もう少し詳しく御質問申し上げますならば、この条項の立法精神を生かすためには、具体的にどの程度の、どういう内容の文教政策をやらなければ、その責めを果し得ないというふうに把握しておられるか、御所見を承わっておきたいと思います。
  215. 清瀬一郎

    ○国務大臣(清瀬一郎君) このことと、それから義務教育についての憲法の規定並びに教育基本法とはかみ合ったことでございます。わけても、義務教育においては家庭貧困、その他の理由で完全な義務教育を得られることのできない子をなくしたいと思います。義務教育以上の教育にあっては、本人の才能がひいでておるのに、しかも経済上の理由で進学できない者には、別にあるいは貸与、給与等でこれを補助しなければならぬ。そういうふうなことを含んでおることと私は了解しております。二つとも何を言うても、わが国は敗戦から立ち上った時代でありますから、直ちに理想境にはいきませんけれども、それに向って進みたいと、日夜念願いたしておる次第でございます。
  216. 矢嶋三義

    ○矢嶋三義君 あまり時間が長くなると困りますので、深くは伺いませんが、大臣はこの条項に基いてこの法案を提案したと言われるのですが、今わが国の実情というものは、大臣として非常に不満足な状態であると把握されておるか、または、ある程度この条項に適応しておるのだというように把握されておられるか、さらにもう一つは、いずれ教育基本法を検討されるというのですが、この条項を清瀬文部大臣個人としては改訂される御予定でありますか、それともこの条項はこのままでよろしいという考えを持たれておるか伺います。
  217. 清瀬一郎

    ○国務大臣(清瀬一郎君) この条項について改正を考えろということはございません。  それからお尋ねの前段にありました今日の現状に対しては、過渡期であるので、わが国の社会上または国の財政上遺憾ではありますけれども、ここまでの時期にようやく到達したのであって、なお完成に努力しなければならぬと考えております。
  218. 矢嶋三義

    ○矢嶋三義君 先ほど養護学校の問題については、給食法のときに伺いましたが、重ねてここで伺っておきますが、先ほど私が関係法律の条項を提示いたしました。それに基いてこの法案の場合にも問題になってくるわけですが、心身の不十分な児童の数はきわめて少いのでありますが、にもかかわらず非常に重大でございます。養護学校の義務制というものが実施されるように研究し、努力されるということをあらためて私はここで確認しておきたいと思いますが、御所見いかがですか。
  219. 清瀬一郎

    ○国務大臣(清瀬一郎君) 私もある関係で養護学校のことには格別注意を払っております。なるべくすみやかなる機会にさようにいたしたいと思います。
  220. 矢嶋三義

    ○矢嶋三義君 次に伺いますが、先ほど私は給食法案が成立した後の対象児童生徒並びにこの父兄の負担という立場から最終的に伺いましたが、この法案が成立した暁においては、二分の一国庫負担が全額国庫負担と変るだけで、あとはさっきの給食法案審議の際に最終段階において私が伺ったのと同様だ、かように私は考えているのですが、相違ございませんね。
  221. 清瀬一郎

    ○国務大臣(清瀬一郎君) これは先刻政府委員より答えた通りでございます。法律第二条をずっと読んでみまするというと、これらの学校への就学のため必要な経費のうち、左に掲げるものについては、全部または一部を負担しなければならぬ、一部という文字が入っておりまするけれども、しかしながらそのうちの学校給食ということについては、今課長の述べました通り全部の負担にいたすということは間違いございません。
  222. 矢嶋三義

    ○矢嶋三義君 大臣ちょっと取り違えている。局長から答弁。
  223. 緒方信一

    ○政府委員(緒方信一君) この教科書の関係につきましては、就学奨励法におきましては、これは本人の負担は全然ゼロになっております。それからこの今度の新しい法律は市町村が、この給与の主体、資金の主体になっております。その市町村が給与いたしました場合には、国が全額の補助をする、こういうことでございます。本人はゼロです。
  224. 矢嶋三義

    ○矢嶋三義君 だからさっき伺ったように、給食の場合には二分の一国庫負担というわけです。教科書の場合は全額国庫負担となっている。それで適用生徒児童にとっては負担がゼロであることは同じなんであります。さように把握したが、あなたの答弁と私の意見は一致しているということは間違いないですね。
  225. 緒方信一

    ○政府委員(緒方信一君) ただいまの御質問の通りでございまして、本人の負担はございません。
  226. 矢嶋三義

    ○矢嶋三義君 次に伺いますが、この教科書代を義務教育学生生徒児童に無償にするというのは、世界の良識のように私は調査しているわけですが、世界各国で義務教育生徒児童に教科書を無償にしている国の名前をあげていただきたい。
  227. 緒方信一

    ○政府委員(緒方信一君) 全然無償にいたしておりますところは、デンマーク、カナダ、中華民国等でございますそのほか貸与制をとっておる、学校に備えつけて子供に貸しておるところは、これは英、米、仏等がそれでございます。それから有償のところはソ連、中共、イタリア、まだほかにもございますけれども、主要な国について申し上げますとこういう区分けになります。
  228. 矢嶋三義

    ○矢嶋三義君 私は全部言っていただかなくていいけれども、無償の国はあなた述べたのは非常に少いと思うのですが、もう少したくさん持っていらっしゃるでしょう、資料を。フィリピンだって、デンマークだってみんな無償でしょう、それからスイスだって。これは義務教育の生徒、児童の教科書無償というのは常識になっているのですよ。
  229. 緒方信一

    ○政府委員(緒方信一君) さらに付け加えて申し上げますと、貸与制はアメリカで申しますと全部ではございませんが、大半の州が貸与制をとっている。イギリス、フランスそれからドイツ連邦共和国の一部の邦、それからスエーデン、ベルギー、オランダ、オーストラリアの一部、こういうところが貸与制でございます。それから全然無償で支給をしているというのはデンマーク、カナダの大半の州、オーストラリヤの一部の州、中華民国、こういうことでございます。それから無償じゃなくて有償でおのおの買うというところは、アメリカ合衆国の一部の州、フランスの一部の市町村、ドイツ連邦の一部の邦は有償、イタリア、ソビエト、ベルギー、スイスの一部の州、カナダの一部の州、中共、オーストラリヤの一部の州、タイ国、こういうところは有償でございます。
  230. 矢嶋三義

    ○矢嶋三義君 まあそれらの問題については、いずれ教科書法案を審議する場合に、いろいろとただす機会があると思いますから、これ以上追及しませんが、私が知っておる範囲内でもだいぶ落ちていますので、教科書法案を審議するときまでに正確な資料をまとめておいていただきたいと思うのです。  そこで大臣に伺いますが、日本は文化国家を志向しておるわけです。世界の最近の方向というものは、義務教育の生徒、児童に対して、教科書をただにするというのは、一つの大きな方向として確立されているんです。その方向に、今の日本の国家経済は苦しいから、すぐにはできないかもしれませんが、その方向に日本の文教政策を、現在するところの鳩山内閣の文教政策を半歩でも、一歩でもその方向に進めていくべく努力をするという、この方向を堅持されるという点については清瀬文部大臣、そういう立場をとられているものと私は推察しているわけですが、念のために伺っておきます。
  231. 清瀬一郎

    ○国務大臣(清瀬一郎君) 今回の、たとえ、全部じゃございませんが、まず準要保護児童に無償給与するといったようなことは、その方向に向って一歩を進めておることと思います。
  232. 矢嶋三義

    ○矢嶋三義君 伺いますが、昭和二十六年に時の文部大臣は天野先生でした。そのときにこの教科書は憲法第二十六条に沿ってただにいたしたい、一度にできぬからというので、ともかくことしの一年生だけただにしようというので、そうして年次計画で六年後には小学校の生徒は全部無償になるようにと、こういう遠大なお考えのもとに、天野文部大臣は当時法律を出された。ところが一年たってその方針をやめられて、一年に入った子供だけにお祝いの気持で、お祝いとして新たに入った一年生だけに教科書無償にしようというふうに方針を変えられたわけです。そこは大きな退歩であったわけですね。そうして御承知のようにそれが二年でした、行われたのは。そして第三年目から打ち切られた。その打切ちったのは松村文部大臣の当時です。(「大達さんです」と呼ぶ者あり)そのときは、ああ大達さんです。それから松村文部大臣のときにも引き続いて打ち切った。忘れもしません、一年前です。予算審議をするときに、今は自由民主党の名において合同されておりますが、時の自由党の政調副会長であった松野頼三君は、松村文部大臣を予算委員会、文部委員会へ引っぱり出して、全国の児童にあやまれ、教科書を無償にすると言って、予算を打ち切ったじゃないか、全国の生徒児童にあやまれ、しからざれば自由党は絶対納得できないと言ってたんかを切ったものです。当時これは新聞の活字にも、それから放送の電波にも乗ったわけなんです。そして自由党と民主党が一緒になって、自由民主党の鳩山内閣の名において、責任においてこれが出てきたわけですね。そこで私は今までの天野さん以来の方針というのは転換されて、困窮者の一部に対してという立場に立たれて、そこからだんだん推進していこうという方針に変られたわけですね。そうなれば筋から考えて義務教育無償という立場から、困窮者だけとなれば一応形を整えるためには、少くとも義務教育の対象生徒児童である小、中学校といかなければおかしいと思うんですな。筋が通らぬと思いますよ。どうしてその点閣議で押し切れなかったのか、その経緯並びに文相の御所見を承わりたいと思います。
  233. 清瀬一郎

    ○国務大臣(清瀬一郎君) 古い昭和二十六年、七年の沿革は存じませんけれども、あなたの御指摘の法律は、国民としての自覚を深めることに資するとともに、前途を祝うために新入学生にやろうということで、これも一つの考えであります。将来は全部無償にするとは書いてございませんが、前途を祝うために無償に与えておるんです。これも相当経費が要ることでございます。それで敗戦後のわが国の状態としては、やはり困った人から先へやる方がいいと思って、今回はこれを転換いたしまして、必要なものから先に漸次やっていこうと、こういうことにいたしたのでございます。それももう少し大きな範囲にいこう、中学にもいこうという考えは持っておったのでございまするけれども、わが国の財政状態、わけても地方財政の状態は……、地方及び国の財政の状態は皆さん御承知の通りでございまするから、一旦大蔵省で打ち切りまでやられたのでありまするが、苦心惨たん、ここまで来てようやくこの方針の第一歩を進めることになったのでございますが、将来なお一そうの努力をいたしたいと思います。
  234. 矢嶋三義

    ○矢嶋三義君 他の委員の質問もあると思いますので、もう一点だけ伺ってあとほどまた伺いたいと思いますが、それはこの法律が成立した後における運用ですね、この設置者が教書科を困窮児童に供与する予算を組む、それをやらなかった場合には、国からの補助はいかない建前になっていますね。そうでしょう、そうですね。
  235. 緒方信一

    ○政府委員(緒方信一君) この法律は、市町村が給与をする、それに対して国が補助をする、全額補助でございますが、補助をする、こういう建前でございますから、今お話しの通りになると思います。
  236. 矢嶋三義

    ○矢嶋三義君 だから、市町村には負担はないわけになるから、あなたのきめられる政令に合致するように選択さえすれば、そしてあなたのところでその政令に該当しているかどうかということを確認する作業だけすれば完全に支給できると、こういうことになりますね。
  237. 緒方信一

    ○政府委員(緒方信一君) これは御承知のように、学校教育法二十五条で、市町村は経済上の事情から、就学困難な児童に対して就学奨励のための措置を講じなければねらぬという規定がございます。この規定がありますので、このたびの法律もこれを基礎にいたしまして、市町村でそういう子供に対して教科書を給与すると、こういう場合に国がそれに対して補助するということでございます。しかし、実際上の運用といたしましては、国の予算を政令のきめます基準によりまして予算を配分いたしまして、いずれこれも政令できめますけれども、市町村でその政令の基準に該当するものに対して支給すると、こういうことになるわけでございます。
  238. 矢嶋三義

    ○矢嶋三義君 もう一点念のために伺いますがね、義務教育費半額国庫負担法は実支出の二分の一負担になっているわけですね。この場合は実支出の補助負担と、こういうことになっているわけですね。そこで、ある町村長は非常に独得の考えを持たれておって、しかもその町村あたりでは相当に財政的にも町村民の国民経済力というのが弱いというような場合に、ある学校の生徒児童に約半数ぐらい、相当な生徒に教科書を供与したというような場合には、あなたのところはそれを受け入れて補助をされるでしょうね。
  239. 緒方信一

    ○政府委員(緒方信一君) これは予算の範囲においての補助でございますから、予算の範囲において補助をいたします。この配分は、先ほど申しましたように、この予算を基礎としまして、これは政令できめるわけでございますけれども、きめました基準に従って予算を配分する。大体今の考え方といたしましては、各市町村における児童数、それからなお児童数だけでは十分ではございませんから、そのうちにおきまする教育扶助を受けておる児童数、こういうような率を勘案いたしまして予算の配分をいたす、その範囲内におきまして国庫が補助をすると、こういうことでございます。
  240. 矢嶋三義

    ○矢嶋三義君 あなたのお考えはわかります。念のために確認しておきますが、今あなたの考えておられる方法というのは、生徒、児童の数と生活保護法の教育扶助の適用を受けておる生徒児童の数を調べて、それらを要素として、初めに国家で承認された予算を各四十六都道府県に分配して、そのワク内において各都道府県で措置させると、こういう配分方式をとろうと、こういうふうにお考えになっておるわけでしょう。そういう趣旨によって政令をきめられるわけですね。
  241. 緒方信一

    ○政府委員(緒方信一君) これは法律をごらんになると、第二条に、国は、市町村がかくかくのものに対して教科用図書またはその購入費を給与する場合には、予算の範囲内においてこれに要する経費を補助する、第三条に参りまして、この補助の基準については政令できめると、こういうふうな規定がございまして、国の予算の範囲におきまして補助をする、その基準は政令できめると、こういうことになっております。
  242. 高橋道男

    ○高橋道男君 この法律案は「就学困難な」という表現がありますから、当然貧しい暮しをしておる家の子供というように解釈できると思うのでありますが、別の法律、たとえば遺族の扶助とか、あるいは恩給とか、こういうものは貧富の別によって差異のある給与がなされておるかどうか、私詳しく存じませんので、その点お示しを願いたいと思います。あるいはこれは所管が違うから御存じがないかもしれませんが、いかがでしょうか。
  243. 緒方信一

    ○政府委員(緒方信一君) 私もよく存じませんけれども、恩給等につきましては貧富の差はないと存じます。
  244. 高橋道男

    ○高橋道男君 この恩給なり遺族の扶助というようなものは、相当程度の社会経験を経た結果、その人の業績等によって給与されるものだと思うのであります。ところが子供の場合、これから成長して、ようやくこれから一応のレベルにおいて就学しようとする場合に、子供自体として私は貧富の差はないものだとこう思うのです。親の場合にはそういう社会業績によって差がついておるけれども、子供の場合にはない。ところが今の場合ですね、恩給などは貧富の差なく給与されるのに、これから新しく同じレベルにおいて出発しようとする子供に対しては、そういう区別のある待遇、給与をしなければならぬというところに、私は非常な矛盾を感ずるのですが、その点大臣どうお考えでございましょうか。
  245. 清瀬一郎

    ○国務大臣(清瀬一郎君) ごもっともですが、子供は自分で収入を得る力がありませんから、子供自身を見れば、みな生活の能力がないものであります。従ってこれを保護し、扶養する人の能力を見て進むのほかはないと存じます。
  246. 高橋道男

    ○高橋道男君 大臣の御所見はよくわかりますけれども、しかるがゆえに国の立場からは、そういう区別をしてはいかぬのじゃないか国の立場から……。しかも、憲法においては義務教育無償という国の大きな定めをしておるところから出発をいたしまするならば、なおさらのこと、国に責任があるというように思うのですけれども、いかがなものでございましょう。
  247. 清瀬一郎

    ○国務大臣(清瀬一郎君) 教育の機会を得せしめることは、国の責任でございます。そこで国は各人平等に機会を得るように仕向けなきゃなりません、しかしながら、世の中の実際としては、子供はみな親が扶養しておるのでありまするから、親の資産に応じてこれに援助、保護をするということで、教育の機会の均等をはかり、また、国の責任を満たすということが実際的であろうと思っております。
  248. 高橋道男

    ○高橋道男君 今ここで伺いますると、恩給も高額者に対しては若干押えてあるようなことを伺うのでございますが、そういうことができるなら、私は教育の機会均等ということは、実際においてはこういう措置によって教育の機会均等が得られるとは思うのですけ木ども、理念的な問題として、なお機会均等を精神的にも徹底させるというような上から考えますと、その高額所得のある恩給受給者とか、あるいは遺族の扶助料をもらっておる人、むろんこれだけの法律において、今廃止されようとしておるこの法律が再びよみがえって実施されるならば、これはもちろんそういう措置がとられるならば、けっこうでありますけれども、そういう予算措置が不十分な場合に、そういう高額の恩給受給者、あるいは遺族の扶助料をもらっておる人とかいうような方を、むしろみな押えて、これを子供の方の教育の機会均等の方に回すというようなことも考えていいのじゃなかろうかと私は思うのでありますけれども、いかがでございますか。
  249. 清瀬一郎

    ○国務大臣(清瀬一郎君) たとえ将来をになうにしても、貧富の差をつけずして日本全国非常に大きな入学者がありまするが、それに一様にやるという場合は、あなたの御心配のように高額所得を持っておる人にも行きわたるというふうなことになりまするから、それよりもまず火急な足りない方へ回すという方がよかろうと思って、今回の案に乗りかえたのでございます。お考えの根本の精神は私どもと同様でないかと、かように考えております。
  250. 高橋道男

    ○高橋道男君 そこで今附則において廃止されようとする法律、これはその入学児童にお祝いのために給与するというのが精神でありますけれども、さらにこれを押し進めて、純粋に義務教育無償という点から出発する全児童に対する教科書給与ということを、大臣としては将来復活を行いたいというような御意思はございましょうか。
  251. 清瀬一郎

    ○国務大臣(清瀬一郎君) 当分はやはり貧困というと言葉が悪いですが、必要な家庭に給与するということにいくことと思います。そのうちに、わが国の財政状態が非常に改善し、国際収支も、国内生産も十分になり、財政の余裕ができましたら、一番初めに努むべきことは、文化国家としては教育でございます。そのときになればもっとりっぱな教科書を全部配布できる機会も将来は望みなきにあらずであります。それまでの過渡時代として一部の者に、全部はできぬけれども、貧困者は済んでしまったと、その時分に一部やろうというふうなことなれば、またお祝いの考えもそのときは復活するだろうと思いまするが、まだそれには相当の年月を必要とすると思います。
  252. 高橋道男

    ○高橋道男君 事務的な問題で一、二お伺いいたしたいと思います。それは、この対象とするところは、国公私立を問わず全部、全義務教育諸学校の児童を対象にするというように考えてよろしゅうございますか。
  253. 緒方信一

    ○政府委員(緒方信一君) 小学校だけでございますが、国公私立を問いません。
  254. 高橋道男

    ○高橋道男君 この第二条を見ますると、町村の同一区域内にある学校というふうに読めるのですけれども、これば公立学校の場合はそういうことはないと思いますが、一つの町村に住んでおって、ほかの市町村にある国立学校あるいは私立学校に通学する該当者があると思うのですけれども、そういう場合にはやはり居住しておる町村がこの義務を負うわけでございますね。
  255. 緒方信一

    ○政府委員(緒方信一君) さようでございます。これは居住町村を中心にしてやります。
  256. 安部キミ子

    ○安部キミ子君 私は先ほど矢嶋委員の質問に関連して緒方局長に第二条の第二号の「生活保護法第六条第二項に規定する要保護者に準ずる程度に困窮している者で政令で定めるもの」とこう書いてある。そこで文部省の考え方とすれば国の予算の範囲内でという言葉をしばしば使われておられるのです。で、今年度のこの法案に対する予算を見ますと一億三千万円、この一億三千万円というものはどういう基準でこれをきめられたのか。
  257. 緒方信一

    ○政府委員(緒方信一君) 今御指摘の第二条第二号でありますが、この給与の対象になりますものは、第一号の方は生活保護法の規定による要保護者でありますけれども、教育扶助を受けておる者を除いたものというものが第一号でございます。第二号の方は「要保護者に準ずる程度に困窮している者」これは政令できめるわけでございますけれども、市町村で給与いたします場合に、いかようにしてこれをきめていくかという基準を政令できめたいと存じております。これは大体生活保護法にきめておりますきめ方、これに準ずる方法で、「準ずる程度に困窮している者」ということをきめて、実際的な方法としましては、市町村の教育委員会が民生委員や福祉事務所の長等に意見を求めてそこできめるというふうな線でやっていきたいと思っております。そこで、そういうふうな者を対象といたしますけれども、今年度の予算は、これは予算の範囲内で補助いたしますが、文部省としましては、もう少し多額の予算を要求したのでございますが、予算折衝の過程で、彼此いろいろと予算の事情もございますので、一億三千万円というものがきまったわけでございます。これで計算いたしますと、全小学校の児童数の一・七%に当ります。これは要保護者に準ずる程度に困窮している者が幾らいるかということは、なかなか押えにくいものであります。文部省としまして初め予算を要求しましたときには、実は四%という数を出したわけであります。これはどうしてそういう数を出したかと申しますと、現在各市町村や県などは、一部の所では任意にこういう施策をやっておるわけです。そういう所の状況を見てみまして、これはまちまちでございますけれども、多い所は四%くらい出しておる。その辺を押えまして、一応予算の積算としてはいたしました。しかし、これは実際どこまでやったらいいかという問題は、非常にむずかしい問題でございまして、一応一億三千万円の予算を取りまして来年度実施し、その成績にも応じてさらに研究したい、かように存じております。
  258. 安部キミ子

    ○安部キミ子君 そうしますと、今度実際に新年度になりまして、こういう政令が出て、そうして各町村からこれだけの適用者があるということになりまして、集計してみたときに、一億三千万円で足りないというときには、どうなさいますか。
  259. 緒方信一

    ○政府委員(緒方信一君) これは予算の範囲内において補助をするわけでございますから、来年度は一億三千万円の範囲で補助をいたします。
  260. 安部キミ子

    ○安部キミ子君 そうしますと、この一億三千万円のワク内で操作するということになりますと、今年度きめられました一億三千万円というもののきめ方に、非常に問題が私は出てくると思います。この見出しだけを見まして、就学困難な児童のための教科用図書の給与に対する国の補助に関する法律案というこの見出しだけを見ますと、相当な人が恩恵に浴されるという気持でおられるだろうと思う。私どもも最初はそう思っておったのです。ところが、実際を見て、こういう基準があって、そうしてそのまたこまかい基準は政令できめるんだということになりますと、その看板に何かだまされるというような気持に私自身はなっている。それはほかの方は知りません。私は思うのです。それで来年度も、まあこれは今日の経済情勢が来年度もっとよくなって、そうしてそういう該当者が少くなればよろしいのですけれども、来年もっと多くなって、そうしてだんだんこういう恩恵に浴したいという児童がふえたときに、やはり国はいつも言われる、国の予算がこれだけであるとか、あるいは地方の財政が貧困だからということで、まあこの辺でいいじゃないかということであてがい扶持という格好で組まれるということになりますと、私はこれは困った法律だというふうに考えますのです。そうしてこれが受ける方の人の中に、あの人は恩恵に浴して私にはそういうなにがないということにもなりまして、それはやはり実績を通してそうしてあとで今日義務教育の国庫負担をやっておられる基準、積算によってきめられるという法律の方が私は合理的じゃないかと思いますが、その点どうでしょうか。
  261. 緒方信一

    ○政府委員(緒方信一君) これは今度の予算の額は一億三千万円でございまして、これは丁七%でございますが、これは決して不当に低い率だとは私ども考えておりません。現在生活保護法によって教育扶助を受けている児童の率が三・二%幾らでございます。三%ちょっとであります。その半分以上でございまして、相当の程度には私は押え得ると存じております。しかし、お話のように、これは三十一年度実施してみまして、さらにその実績を見ました上で次の年度にはその状況が見通しがつけば、さらに予算の拡大はいたしたいと思います。
  262. 安部キミ子

    ○安部キミ子君 私、ただいまの答弁で、ぜひそのような実績によって予算を組んでもらうように、少しぐらい余裕のあるような予算を組んでもらっておいた方が、せっかくのあなた方の御趣旨、就学困難な児童のために役に立ちたいという特に文部大臣の美しい気持を生かす意味で、私はぜひそうやってもらいたいと思います。この点文部大臣、御努力いただけますでしょうか。
  263. 清瀬一郎

    ○国務大臣(清瀬一郎君) いたします。
  264. 安部キミ子

    ○安部キミ子君 了承いたしました。
  265. 秋山長造

    ○秋山長造君 ちょっと二、三点お伺いします。附則の二によりますと、新たに入学する児童に対する教科用図書の給与に関する法律、これは今度の法律の施行と同時に廃止されることになっておる。まあ現在は補助金等の臨時特例に関する法律によって一時寝かされたような格好になっておる。しかし私は、かりに今は寝かされていても、この法律はやはりこの法律として相当重要な、相当じゃない、非常に重要な意味を持った法律だと思うのです。先ほど高橋さんと文部大臣との間に質疑応答があったのを聞いておりまして、私はやはりあの高橋さんの御発言には非常に重大な意味を含んでおるという感じを受けたのですが、義務教育に関する限りは、何といってもやはり憲法二十六条のあの義務教育無償という考え方が本筋だと思うのです。その義務教育無償という本筋に乗った不十分ながら法律だと思うのです。この今寝かされておる教科用図書の給与に関する法律は、いろいろな予算の関係その他で一度にやれないものだから、とりあえず新しく入学する児童だけということに限られております。だから、文部大臣がおっしゃるように入学祝いというようなことは、まあ説明としてそういうことが言われておるのであって、その本質はやはり義務教育無償という憲法二十六条の大目的に一歩近づこうとする法律だと思う。ところが、今度の法律は、これも無意味じゃありません、ないよりはいい、ある方がいいにきまっていますけれども、しかしただ、義務教育無償という考え方とは多少やっぱり角度が違うと思うのです。これはやっぱり税務署的な考え方で、要するに応能原則で、能力のある者から税金を取る、ない者から取らん、という立場だと思う。憲法二十六条は、そういう税務署的な考え方に立っておるのではなくして、経済能力のあるなしにかかわらず義務教育無償、こういう立場に立っているわけですから、いささかよって立つ立場といいますか、根本思想が違うと思うので、だからこの法案の文面を見ますと今まで、今寝かされておる法律、既存の法律にとってかわるものとして今度の法律が出されたという形になっているんですけれども、これはちょっと角度も違うし、考え方も違うので、やはりこれは廃止なさらずに、やっぱり既存の法律は既存の法律として、これはもう本筋に一歩踏み出しておる法律だから、これはこれでできるだけ改善されて、そうしてあの義務教育無償の方向へ一歩でも二歩でも近づいていく努力をされ、しかもそれが完全に実施されるまでに若干日にちがかかるわけですから、その若干かかる日にちの間の暫定救済措置として、補助的な法律として今度の法律を施行されるということなら、これは筋が通るし、私納得ができるのですけれども、その点は文部大臣はどういうふうにお考えになりますか。
  266. 清瀬一郎

    ○国務大臣(清瀬一郎君) 少し理屈を言うようで恐縮ですけれども、義務教育無償という考えは、むしろ国家の方に与える義務があるというふうな意味合いのものですからね。この日本でお祝いということは義務がないのに贈与するということなんですね。このごろ親類の子供が入学するのにお祝いにカバンを買うてやろう、それと同じことが用いてあるので、この二十七年の法律は子供の前途を祝うためにお祝いしてあげるといったような思想は、必ずしも義務教育無償の理想とぴったりしておるんじゃないんです。こういうふうなことですね。国費で、まあ公立の学校ではありまするけれども、無償で人にお祝いするといったような法律を残しておいて、そういうことがまた行われるという希望を抱かせるよりは、まず貧困な人、要る人から国は義務として差し上げていく、今はこういう時代だからしてたった一・七%だが、またそれが来年は二%、再来年は三%、こういうことで義務として歩んでいくという方が健全な歩みであろうと思いまして、いっそ、何べんもこれを停止しておるのですね、こんなことをしないでばっさりやめた方がよかろう、こういうふうな私は物の考え方をしたのでございます。
  267. 秋山長造

    ○秋山長造君 それは、文部大臣のおっしゃることは一応わかりますけれども、それならば私もさっき申し上げましたように、既存のこの法律というものも義務教育無償ということをそのままうたったものじゃない、しかし確かにそれに一歩踏み出したものであるということを申し上げたんですが、だからもし文部大臣のおっしゃるように、国の義務として義務教育無償ということを考えるべきだということならば、なおさら既存の法律を全然廃止して少し角度の変ったこういう法律を出されるよりも、既存の法律を改善されて、お祝いをして贈るという言葉をとればいいので、国が義務として、新入学児童に対しては義務として教科書を無償で給与するという法律にすればいいわけです。それからさらに年を追うてそれを二年に適用し三年に適用して、そうして六カ年計画で六年生にまで適用するようにすれば、ちょうど防衛六ヵ年計画と同じように完成年度にはこの義務教育の方も完成するわけです。大した費用も要るわけではないと思う。やっぱり文部大臣の今おっしゃるような国の義務としてということならば、今度の法律にしてもですよ、当然これは一歩一歩であるにしろ、年を追ってこれはもう全員へ無償配給ということにならなければうそなんです。ところがこの法律の趣旨は、全員に対して、負担能力のいかんにかかわらず、全児童に対して教科書を無償給与するということをねらった法律じゃないんです。これは予算にもまた限度があるが、同時にこの法律の趣旨にも全員に教科書を無償配付するという趣旨じゃないんですからね。これは予算はあっても負担能力のある児童には給与しないという一定のワクというものはこの法律ではっきりはまっているんです。その点はどうですか。
  268. 清瀬一郎

    ○国務大臣(清瀬一郎君) この法律を訂正して生かしておいたらどうだということでございますけれども、この法律の第一条にこの法律の目的を掲げて、そこで前途を祝うためにお祝いをするという法律ですから、これをのけてしもうたら法律が違うことになるんです。それゆえにやはり今の実際としては非常に必要な人から逐次あげていこう、こういう方針に変えましたがゆえに、今回はこれをやめて、こちらのほうへ移ったということですから、どうぞ御了解を願いたいと思うのでございます。
  269. 秋山長造

    ○秋山長造君 重ねてお伺いしますが、この今文部大臣のおっしゃることは、これはもうそれで一応の理屈は立っているんです。立っているんですけれども、私はもっと根本の問題をお尋ねしているので、今の法律ではなるほど第一条に目的としてそういうことがうたってあるけれども、先ほど矢嶋委員が質問されましたように、この法律ができたそもそもの由来を考えると、やはり義務教育の無償に一歩でも近づこうということから出発して、それが途中で予算その他の関係で現行法のように少し道草を食ったんです。だから現行法を廃して新しい法律を作るにしても、義務教育無償という根本的な立場に立っての法律であるならば、今度のような貧困児童にだけ救済措置として与えるという行き方でなしに、やはりすべての児童に対して平等に与えるという、一度にやれないにしても、たとえ一部であるにしても、平等にすべての児童に対して無償配付するという一つの筋金がやはり入った法律でないと、ちょっと義務教育無償という立場とは違うと思うんです。今度の法律は、少くとも義務教育無償という根本的な思想よりは少し角度を変えて生活保護法的立場であり、同時に税法で言う応能原則というか、何というか、とにかく能力のある者は自分の能力でやる、能力のない者だけは国が給与してやろう、こういう形ですからね。義務教育無償という考え方とは根本が少し違うと思う。私の言うことはわかっていただけると思うんですけれどもね。
  270. 清瀬一郎

    ○国務大臣(清瀬一郎君) あなたのおっしゃることはよくわかりました。それからもう一つ法律をこえてたびたびこれは執行を停止しているんですね、それがいかにもどうも法律としてはどうかと思う点もありまして、一旦これの廃止を願ったのであります。あなたのおっしゃる意味はよくわかりました。
  271. 秋山長造

    ○秋山長造君 しからばやはり本筋の問題としては、文部大臣は一日もすみやかに義務教育無償の根本原則に立脚して、やはり教科書は全員に無償配付すべきものだ、こういうお考えをお持ちですか。
  272. 清瀬一郎

    ○国務大臣(清瀬一郎君) 少くともこれまでは私言えると思います。わが国が義務教育の児童、生徒に無償で教科書が渡せるようになることを希望いたします。
  273. 秋山長造

    ○秋山長造君 だからやはり純教育的に考えた場合には、就学困難な児童にだけ無償で渡すということよりも、少くとも全員無償配付するということの方が一そう必要である、重大である、そういうようにお考えになりませんか。
  274. 清瀬一郎

    ○国務大臣(清瀬一郎君) その方が望ましいと、かように思っております。
  275. 秋山長造

    ○秋山長造君 将来、遠からざる将来において、いろいろな財政的ね見地なりいろいろなことが伴うことはわかるのですけれども、しかしそれにしてもそういういろいろ意障害を何とか克服して、そうしてこの法律からさらに竿頭一歩声進めて全児童に対する無償配付という方向にお進みになるお考えはございませんか。
  276. 清瀬一郎

    ○国務大臣(清瀬一郎君) それを希望はいたします。
  277. 秋山長造

    ○秋山長造君 これでやめますが、希望される、希望するとおっしゃると、これはまあ人が、自分はやらずに人がやってくれるのを待っているような格好にはるわけですけれども、文部大臣自身の責任としてその方向へ一歩でも二歩でもお進みになる御決意はありませんか。
  278. 清瀬一郎

    ○国務大臣(清瀬一郎君) 先刻も高橋さんのお問いに答えたように、それを希望し、今回の法律もその方に一歩は進めたつもりでございます。何しろ日本の国力のことですから、今責任ある大臣としてきっとおれが全部無償にしてしまおうなんということばちょっと言えないのです。だいぶ日本の力もふえてきたことを私は喜んでおりまするけれども、まだ戦後十年ですから、逐次国の力が伸びて教科書も無償にし、給食も皆に与えられるというようなふうの理想郷に達成するということは、これはほんとうに心から望んでおるのであります。
  279. 秋山長造

    ○秋山長造君 もう一度お伺いしますが、そうすると文部大臣のお考えでは、私は多少文部大臣と見解が違うのですけれども、文部大臣のお考えとしては今度の法律案は義務教育無償の目標に向って何歩か踏み出したことになる。従って将来はそれをさらに一歩二歩前進さして行って、その目標に完全に到達するというそういう意味を持った法律だというようにお考えになっているのですか。
  280. 清瀬一郎

    ○国務大臣(清瀬一郎君) さようでございます。
  281. 湯山勇

    ○湯山勇君 今の問題に国連して大臣にお尋ねいたしたいと思います。大臣は将来は義務教育無償の方向にいきたい、それから高橋委員の御質問に対しましても、そのうちに財政状況がよくなればお祝いも復活したい、こういう御答弁がございました。しかしそれは相当の年月がかかるということでございましたが、大臣としては何年くらいたてばできると、こうお考えでございますか。
  282. 清瀬一郎

    ○国務大臣(清瀬一郎君) それはむずかしいお問いでございます。早ければ早いほどいいのでございます。国の施策は均斉を得て、教育もほかの文化施設も何もかも均斉を得てやらなければなりませんから、日本の国の財産ではかのことをとめてしもうて、これだけということなら比較的に早くはいきますけれども、日本の財政が均斉を得てその理想郷に達するというのには相当の時間はかかると思います。これを数で何年ということを言えとおっしゃいましても、私は答える力はございません。
  283. 湯山勇

    ○湯山勇君 私は大臣は答える力を持っていなければならないし、また答えなければならないと思います。その理由を申し上げます。大臣は元民主党の政務調査会長として経済六カ年計画の樹立に中心になっておやりになりました。それから現在の政府も経済五ヵ年計画というのをちゃんとお立てになっております。この経済五カ年計画を見ますと、五カ年先には完全雇用が実現する。国民所得はこれだけになる。貿易はここまで伸張するというように非常にはっきり五年先までの見通しが立っております。従って大臣が今お答えになるとすれば、少なくとも経済五ヵ年計画が達成されたときには義務教育無償の線に踏み出すと、これくらいな答弁は私は政務調査会長、あるいは国務大臣でなくても、民主党の先生方ならどなたでもおっしゃれるところです。そういう観点から大臣にお聞きしておるわけですから、一つもう少し国務大臣であり、前政調会長らしい御答弁を願いたいと思います。
  284. 清瀬一郎

    ○国務大臣(清瀬一郎君) 湯山さんも御承知でありましょうが、あの経済五カ年計画は教育のことについては比較的考慮が薄いのでございます。現に大学の卒業生なども、今日の学生でこれが就職が解消できるかということを調べてみまするというと、これも考慮されておらないのでございます。純経済的の方面でありまして、文化的のことをこれに牽連せしめて答えることはできません。
  285. 湯山勇

    ○湯山勇君 経済五カ年計画というのは、この問題で論議するつもりはないのでございますけれども、とにかく国の財政状態、それから失業状態、国民所得、それから国際貿易の収支、こういうことが中心になっております。従って今大学の卒業生に対する対策は立っていないにしても、五年先に完全雇用が実現するということをはっきり政府で御答弁になっておるわけですから、そうすると文部大臣といたされましても、それはどんなにおそくても五ヵ年計画ができれば、当然無償の方にいくべきだ、こういう御答弁はおできになると思いますがいかがでしょうか。
  286. 清瀬一郎

    ○国務大臣(清瀬一郎君) 先刻答えをもう一つ逸しましたが、あの経済五カ年計画は全体主義国家の経済計画のように強制実行はできないわけです。将来の状況によって幾多変更いたします。あの五カ年計画が立っておりましても、あの通りにきっとできるという受け合いはできないのです。あれを見て教科書無償が何年に達成するなんということを今言うことは非常に危険なことでございまして、これも私の力には及びません。
  287. 湯山勇

    ○湯山勇君 今の大臣の御答弁と経審長官、今何といわれますか、企画庁長官の御答弁とは非常に食い違っております。私はこの際企画庁長官を呼んでいただいて、今の点大臣との食い違いをただしたいのですけれども、そこまではきょうは申しません。企画庁長官は大臣の今言われたような御答弁をしておりませんから、一つよく大臣お聞きいただいて、私が申し上げているのは、大臣は先ほどから秋山委員の質問に対しても、ただ希望しているという意味の御答弁であったので、もう少し私はそれについては大臣の強い意思表示がほしいということから今のような質問をしたわけでございます。大臣も御指摘になったように、経済五ヵ年計画には教育の問題についてあまり触れておりません。けれども触れていなければいないだけに、特に文部大臣としてはそういう問題をその五ヵ年計画の中でどうしていくということは、あれがきまるときに、大臣自身の腹の中にできていなければならない。それをお持ちになってその方向に進むことが文部大臣のお役目だと思います。昨日の連合審査でお尋ねしたときにも、ああいう計画の線に沿って大学のいろいろね検討もしていこうということも大臣おっしゃっておるわけですから、この問題はそんなにばく然とした問題ではなくて、やはりもう少しはっきりした見通しと、それから大臣としてのそれに対する確信ということを私は要求しておりませんけれども、ぜひこうすべきだとか、したいとかいう強い意思をお持ち願いたいと思いますが、いかがでしょうか。
  288. 清瀬一郎

    ○国務大臣(清瀬一郎君) あなたの激励によって一そう強い希望を述べるならば、先刻高橋さんなり荒木さんなりに答えたときの、希望いたすという言葉を熱望すると訂正いたしてもよろしゅうございます。私はほんとうにそういう時代の一日も早く来ることを心から念願いたしておるのでございます。
  289. 湯山勇

    ○湯山勇君 なお大臣、そういう大臣の熱望を実現するために努力すると、全力をあげて努力するというように解釈してよろしゅうございますか。
  290. 清瀬一郎

    ○国務大臣(清瀬一郎君) よろしゅうございます。
  291. 湯山勇

    ○湯山勇君 ありがとうございました。次に、お尋ねいたしたいのは、この法律につきましては、先ほど秋山委員の質問にもありましたように、結局これは社会保障が十分行われていない、そのためにできたのであって、私は国民の立場からいっても、議員の立場からいっても、こういう法律が出るということは、非常に恥かしいことだし、さびしいことだと思いますが、大臣はそうお考えになりませんですか。
  292. 清瀬一郎

    ○国務大臣(清瀬一郎君) わが国が戦争に負けないで、そうしてまた、国民が福祉社会国家の念願を十分に持って、あれ以来十年進んでおりましたら、こんなものは要らなかったかもわからないと思うのです。根本に、わが国は戦争に負け、家も焼かれ、家財もなくし、非常に困った家庭がたくさんおることと、他方、わが国の財政は不如意であって、厚生省は非常に勉強はしておりまするが、社会福祉施設が、不十分なることは、あなたがおっしゃる通りであります。そういうことから、学校へ行くけれども給食費が払えない人や、一番大切な教科書が買えない人が出ておるのであります。でありまするから、根本はわが国の社会施設の不十分から生まれておることは認めなければならぬと思います。
  293. 湯山勇

    ○湯山勇君 そこで重ねてお尋ねいたしますが、この法律によって出される一億三千万のお金も、それから生活保護費として厚生省から出ておるお金も、ひとしくこれ国の金でございます。そこでこういう形で、二つに分けて出すのが国の政策としていいか、こういうことにしないで、やはり社会保障の拡充のために厚生省の方へ回して、そして教育扶助の面を拡大していくということの方がいいか、これは大臣もそれぞれお考えがあると思いますが、いかがなものでしょうか。
  294. 清瀬一郎

    ○国務大臣(清瀬一郎君) 本日午前中に秋山君から同様なお問いが出ましたし、厚生省の方へ一本にすることも一つの考えであります。またしかし、教育のことは文部の側で見るということも一つの考えであります。こういうことはよく考えてみようと、けさから申し上げておるところでございます。
  295. 湯山勇

    ○湯山勇君 それで性質からいえば、大臣、これは大臣はどちらへ移すのがいいかということでございますけれども、この性格からいえば、当然社会保障的な性格のものであって、生活保護の要素を多分に持っておると思います。従ってこちらでどんなにがんばりましても、たとえば今回政令でいろいろな基準をおきめになっても、生活保護の基準がそこまで拡大してくれば拡大してもらいたいという声も非常に多いのでありますから、それがそこまで拡大していけば、この法律はだんだん意味を失っていく、検討するとしないとにかかわらず、効果を失っていくということもあり得るというふうに私は思いますがいかがでしょうか。
  296. 清瀬一郎

    ○国務大臣(清瀬一郎君) それはよほどつまびらかに考えなければならないことと思います。社会保障という広い範囲で、あるいは病気のことも健康保険のことも何もかも一緒にやる場合には、やはり教育ということが幾らか焦点がぼけてくることもあり得る。ことに学校の給食のごときは腹をふくらすという意味ではなく、食物をとる間においてやはり教育効果をあげようということが多分にございます。それゆえに国の仕事を簡単に一本にするだけが能じゃございませんので、これは教育の方面から見て給食もこちらの方でやり、あるいはまた、教科書の給与も社会保障一本でなく、文部省、教育委員会等の方で実地について見るということも一つのいき方でございます。あるときに農林大臣はあの給食などの麦のことですね。いっそ君の方で一本でやってくれんかと、向うの方で言われたこともあります。これは一つよく考えます。一利の存するところも一害の伴うところでもありますから、二つにすることはわずらわしいようではございまするけれども、また学校には学校の要求もございまするから、よく研究し、また湯山さんの御意見も拝聴したいと思っております。
  297. 湯山勇

    ○湯山勇君 で、これはこういうことになると思います。今この法律の建前は、一応就学困難な児童ということになっておりまするけれども、先ほど来御指摘がありましたように、結局これは親にやることになるわけです。で教育の立場から言えば親にやるというんじゃなくて、直接子供にやることが私は望ましいと思います。そこでさっきお話しのお祝いということもありましたけれども、これはお祝いというのは、ただつけたりの言葉であってそういう形において子供に直接国から支給しておったという考えが正しいと思います。従ってこの裏づけをする憲法も、今のような形でいけば憲法第二十五条に該当するし、前の法律では第二十六条に大きい繋りを持ってくると思います。そういう関係もありまして、私はやはり現在眠らされておる法律は、大臣は何回もと言っておりますが、まだ二回しか眠っておりませんが、これを寝かしておいて、ほかの補助金の法律もたくさんあるわけです。それはまだやはり毎年眠り直しております。今度も眠り直すように法律が出まして、ちゃんとまたあらためて眠り直しております。そういう関係ですから、無理に、ここで大臣が先ほど来の御意見を聞きますと、将来は復活したい、それから復活のためには全力を尽すという御意見もあったわけですから、今無理に切らなくてもいいと私は思いますが、大臣のお考えを承わりたいと思います。
  298. 清瀬一郎

    ○国務大臣(清瀬一郎君) 将来国力が増進し、ほんとうに貧困な人じゃなくっても、逐次教科書の配付ができるようになりましたらですね、その時分には一部の人だけにお祝いというわけに参りませんから、その時はまた考えて別の方法で進むべきであろうかと思うのです。一方の方で子供に貧困家庭だからというて無償、片一方の方にお祝いというわけに参りませんので、今年はひとつどうか社会政策的な意味もまぜて機会均等で進むことをお許し下すって、他の時期に状況が変りましたらまたさらに法律を作るということに、どうかひとつ御賛成を願いたいのであります。
  299. 湯山勇

    ○湯山勇君 私は今度こういう国の状態の中で、こういうような措置をされることに反対ではありません。大賛成です。が、今のように将来復活されるのであれば、今回切らなくてもいいのじゃないか。この点についての大臣の御答弁は納得できませんけれども、それはそれとして最後にお伺いしたいのは、大臣は先ほど、これはたとえですから言葉にこだわりはしませんんけれども、今年は一・七%、来年は二%というようなことを、これはその言葉を何とも申し上げはしませんですが、そういうふうなことをおっしゃいました。しかし、実際は大臣この眠らされた法律が振り返られたとすれば少くとも五億二、三千万円は出なきゃならない性質のものなのです。そう考えますと今年の一億三千万円、来年倍になってかりに三・四%になったとして、まだまだこれは不十分です。不十分くらいでなくて、これはむしろ私どもの立場からいえば詰問したいくらいの気持なんです。なぜかと申しますと、この復活については大津文部大臣、安藤文部大臣、それから松村文部大臣、それぞれ委員会の公式発言においてとにかくこれは生かします、復活しますということを申しておられます。従ってその五億薫千万くらいが今回復活しておれば、また私どもの大臣に対するお尋ねも違ってくるかと思ったのですけれども、今回のでは非常にこれは軽少であって、実際運営にも困ると思います。もちろんここまでくるために、大臣なり局長なりが努力されたことは、私よく聞いて存じておりますけれども、しかし、ここまできた以上は、また前の法律を削る以上は、それに匹敵するだけのものをここにお取り願わなければ、私はどうも御苦労でございました、ありがとうございましたとは言いかねるのですが、大玉どうでしょう、来年は少くとも文部省の方で計算しておる該当児童に対しては全部支給できるようにしなきゃならないと思うのですが、その御決意がございますか。
  300. 清瀬一郎

    ○国務大臣(清瀬一郎君) ちょっと先ほど私はどう言うたか言葉は忘れましたが、来年は二%、再来年は三%ともし言ったとすれば、段階的という意味でございます。今年自身も大蔵省へ要求したのは二%ではないのです。四%要求しておるのです。しかし、ともかくもこういうことがいいという観念を大蔵大臣に説得し、閣僚諸君も貧困者に対して無償よかろうというような方針だけは骨を折って入れさしたのであります。あなた御激励賜わる通りに、来年はうんと腕によりをかけて、たくさんのパーセントをとりたいとかように思っております。
  301. 有馬英二

    ○有馬英二君 委員長議事進行、大体どうも質疑は終ったように見受けますがいかがでしょうか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  302. 飯島連次郎

    ○委員長(飯島連次郎君) 他に御発言もないようでありますから、質疑は尽きたものと認めて御異議ございませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  303. 飯島連次郎

    ○委員長(飯島連次郎君) 御異議ないと認めます。  これより討論に入ります。御意見のある方は賛否を明らかにしてお述べを願います。
  304. 吉田萬次

    ○吉田萬次君 私は自由民主党を代表いたしまして本案に賛成するものであります。しかしそれに対する希望を述べたいと思います。  それは昭和二十七年法律第三十二号において、新たに入学する児童に対する教科用図書の給与に関する法律が出ております。これにつきまして昭和二十七年と二十八年の二回は、これに対する費用が出ております。いわゆる年間五億三千万円というものが出ております。しかるに、それが大達文相のときにこれが貧困な児童にというふうに変って、そして金が貧困児童の方へ持っていかれるようになったと記憶いたします。従って私はこの年間五億三千万円というものが、そのまま貧困児童に与えられるというようなことを希望しておるのでありまするが、しかしながら、財政の都合がありまするか、非常にこれが減額せられまして、しかも本年度においては当初四億五千万円御要求になったというのが一億三千万円に削られておる。いわゆる三分の一以下に削られておるということをすこぶる遺憾に思うのであります。従ってこれに対して来年度においては、あるいはその以後においては増額せられたいという希望を付しまして、本案に賛成いたします。
  305. 矢嶋三義

    ○矢嶋三義君 私は社会党を代表いたしまして本法案に賛成の意を表します。  まず第一番に申し上げたいことは、憲法第二十六条の義務教育の無償・教育基本法第三条の教育の機会均等、この立法の精神のもとに過去へ昭和二十六年以来行われましたところの教教書給与に関する文教政策が、常に変転として定まるところを知らないのはまことに遺憾に存じます。詳細には申し上げませんが、同席しておるかつての文部事務次官の劔木君が一番、御承知と思いますが、まず私は転々と変るこういう文教政策に遺憾の意を表すると同時に、確固たる方策を立てて実現に移していただきたい。  それから先ほど各委員の質疑の段階において明確になりましたように、義務教育無償と教育の機会均等実現のワン・ステップという立場から、この法案が内閣提出の形で出されたものと思うそういう意味において私は賛成の意を表する次第でございます。しかし、現在のわが国の窮状下において応急的の措置としてとられたにいたしましても、提案理由に大臣みずから述べられておりますように、中学校まで拡大されなかったことを非常に遺憾に存じます。そこで結論として、大臣が本席において言明せられたように、立法の根拠になる憲法第二十六条、教育基本法第三条の精神が生きるように、今後格段の努力をする責任が文部大臣にあることを警告を発すると同時に、努力されることを強く要望して、社会党の賛成討論にいたします。
  306. 高橋道男

    ○高橋道男君 私も本法案に賛成をいたします。  今回の措置によってこの生活保護法による教育扶助の制度にプラスして就学上なおさら困難な児童のため便益、恩恵が与えられることは、まことに幸いだと思うのであります。しかしながら、先ほど吉田委員もおっしゃいましたように、さきに新たに入学する児童に対する教科用図書の給与に関する法律がございまして、これが二年間停止されておって、その法律の前にももう一つ法律があって、それは憲法の義務教育無償という大原則から出発しておったと思うのでありますが、そういう法律が廃止されることはまことに残念でありますけれども、それはほんの出発点であって、そしてそれが対象とするところは、新たに入学する児童の教科書全部でなしに、算数、国語の二種類に限られておったのでありますが、今回それを廃止しますけれども、別な見地から、就学困難な小学校児童のすべてと申してよろしゅうございますか、とにかく就学困難な児童を救うために、全児童に対する措置を新しくされたということは、繰り返して申す通り、幸いなことだと思うのであります。しかし、私は先ほど質疑の段階で申し上げましたように、どうも親の貧富の差を子供にまで押しつける、親の因果が子供に報うというような行き方は、事実としては、これは現在はやむを得ないといたしましても、教育理念の立場からいたしますと、どうも感心できないと思うのであります。スタートを同じくして教育のために出発する子供でございますからへかえってそういう子供に対しては、将来それもなるべく早く、一様の立場で教育の機会等の恩恵が与えられるように、政府においても特段の御努力をされんことを要望いたしまして、賛成いたしたいのであります。
  307. 飯島連次郎

    ○委員長(飯島連次郎君) ほかに御意見もないようでありますから、討論は終局したものと認めて御異議ございませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  308. 飯島連次郎

    ○委員長(飯島連次郎君) 御異議ないと認めます。  これより採決に入ります。就学困難な児童のための教科用図書の給与に対する国の補助に関する法律案を問題に供します。本案を原案通り可決することに賛成の方は挙手を願います。   〔賛成者挙手〕
  309. 飯島連次郎

    ○委員長(飯島連次郎君) 全会一致でございます。よって本案は全会一致をもって原案通り可決すべきものと決定いたしました。  なお、本院規則第百四条による本会議における口頭報告の内容、第七十二条により議長に提出すべき報告書の作成へその他自後の手続につきましては、慣例によりこれを委員長に御一任願いたいと存じますが御異議ございませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  310. 飯島連次郎

    ○委員長(飯島連次郎君) 御異議ないと認めます。よってさよう決定いたします。  次に、報告書には多数意見書の署名を付することになっておりますから、本案を可とされた方は順次御署名を願います。   多数意見者署名    湯山  勇  安部キミ子    秋山 長造  三木與吉郎    荒木正三郎  剱木 亨弘    最上 英子  有馬 英二    中川 幸平  川口爲之助    吉田 萬次  高橋 道男    竹下 豊次  矢嶋 三義
  311. 飯島連次郎

    ○委員長(飯島連次郎君) 速記をとめて。   〔速記中止〕
  312. 飯島連次郎

    ○委員長(飯島連次郎君) 速記を起して。  この際、お諮りをいたします。ただいま可決されました就学困難な児童のための教科用図書の給与に対する国の補助に関する法律案に対する討論中明らかになった委員諸君の御意見を取りまとめ、次のような付帯決議を行いたいと存じます。   「就学困難な児童のための教科用図書の給に対する国の補助に与関する法律案」に対する附帯決議(案)   家庭の困窮による就学困難な児童のための教科用図書の給与に対して国が補助を行うことは、教育基本法の精神にかんがみ、極めて適切な措置であるが、昭和三十一年度におけるこれが経費は、僅かに小学校児童総数の約一・七%に対する補助金に相当する額に過ぎない。   然るに現在、家庭の困窮による就学困難な準要保護児童及び生徒の数は、小学校及び中学校の児童生徒総数のそれぞれ約四%を占めている。   政府は今後、これらの小学校の児童に対してのみならず、就学困難な中学校の生徒の全員をも救済し得るよう、法律的並びに予算的措置を講ずべきは勿論のこと、更に今回廃止となるべき「新たに入学する児童に対する教科用図書の給与に関する法律」の精神に則り、将来適当な措置を講ずるよう努力すべきである。  ただいま朗読の通り本法律案に付帯決議を行うことに御異議ございませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  313. 秋山長造

    ○秋山長造君 ちょっと待って下さい。ちょっと提案者にお尋ねしたいのですが、最後の「将来適当な措置を講ずる」というこの内容ですね。これは大体どういうことを考えておられるのですか、ちょっとお伺いいたします。
  314. 飯島連次郎

    ○委員長(飯島連次郎君) それはただいま大臣がお答えになった通りであります。
  315. 秋山長造

    ○秋山長造君 大臣がお答えになったと選、ちょっと席をはずしていたので……。
  316. 飯島連次郎

    ○委員長(飯島連次郎君) それは義務教育の教科図書無償給与ということについては、大臣はこれが実現を熱望し、かつ最善の努力をするということであります。  それでは御異議ないと認めます。
  317. 清瀬一郎

    ○国務大臣(清瀬一郎君) 今可決なさいました決議案の趣旨は、十分尊重し、その実現に努力いたします。   ―――――――――――――
  318. 飯島連次郎

    ○委員長(飯島連次郎君) 次に、義務教育費国庫負担法の一部を改正する法律案を議題といたします。質疑のある方は、順次御発言を願います。
  319. 矢嶋三義

    ○矢嶋三義君 時間が延びておりますので、ごく簡単に伺いたいと思います。一足飛びにして具体的に伺いますが、それは義務教育学校教職員の恩給の問題ですが、従ってこれに関連する私にとってやや不明確な期間の点について伺いたいのです。具体的に申し上げますからお答え願います。戦前内地の学校に勤務しておった先生で外地に行かれて、さらに引き揚げておいでになった先生は、今度の地方自治法の一部を改正する法律案で継続することになると思うのでございますが、いかがですか。
  320. 小林與三次

    ○政府委員(小林與三次君) ただいまお尋ねの恩給法の適用のある期間全部と、それから地方公務員の期間は完全に通算することになっております。
  321. 矢嶋三義

    ○矢嶋三義君 それでは官吏待遇であった教職員が外地、たとえば大東亜省派遣の教員という形で満洲国とか、あるいは大連、そういうところへ勤務された教員の年限は、かって内地におった期間も全部通算されるように政令をこしらえるつもりであると解釈するわけですが、どうですか。
  322. 小林與三次

    ○政府委員(小林與三次君) この考え方は、同様恩給法が適用ないし準用されておる職にある限りは、内地であろうが外地であろうが、その期間と地方公務員としての期間は全部通算する、こういう趣旨でございます。
  323. 矢嶋三義

    ○矢嶋三義君 さらに具体的に伺います。今までは昭和二十四年の一月に教育公務員特例法が出まして、あれで継続しない問題が起っておったのですが、ところが今度の地方自治法の一部を改正する法律案からいうと、二十四云々という問題は全部解消されて、継続するようになっているが、いかがですか。
  324. 小林與三次

    ○政府委員(小林與三次君) その通りでございます。この自治法ができる前におきましても地方公務員、教員の身分法があった間は全部通算されます。
  325. 矢嶋三義

    ○矢嶋三義君 今度こういう措置をとられるわけですが、あなたの方から出したこれと関連して考えた場合、国の現在の公務員と都道府県の地方公務員との交流、これが全部通算になる。それから都道府県の地方公務員と他のお互いの都道府県関係の公務員にも通算になる。ところが、ただ市町村立の高等学校に限って、この法案に義務制は出ていますが、市町村立の高等学校教職員に限って、国とも、都道府県とも継続しないようになっていると思うのですが、これはいかがですか。
  326. 小林與三次

    ○政府委員(小林與三次君) 今お尋ねの通りでございまして、今度の通算の範囲は、国の公務員と都道府県の公務員相互の間、並びに市町村、今身分は市町村の公務員でございますが、義務教育学校の義務教育職員だけは給与その他の面において特別な扱いをやっておりますから、そういうものだけの間においても相互に全部通算しようということになっておりまして、それ以外の市町村の職員には及んでおりません。ただ今の市町村立の高等学校につきましては、通算の規定が法律上当然働かぬことになっております。この問題につきましてちょっと申し上げますが、これは市町村の公務員全般の通算問題をどうするか、こうういう問題とあわせて考えるべきものと存ぜられるのでありまして、これにつきましては、なおいろいろ問題がございます。市町村の間における給与の額の相違とか、財源の状況の相違とか、その他いろいるな問題がありまして、市町村一般の間の通算を法律上当然に義務づけるということは、なお検討の余地があってその時期でもあるまいというふうに思います。しかしながら、市町村相互の間におきましても相当人事の異動がないわけでもないのでございます。でありますから、大体国家公務員と、府県公務員との間における通算の措置に準じて、なるべく自主的にそれぞれの間で通算措置を講ずべきものであるならば講じるように考え、趣旨だけを明らかにいたしまして、そこは自主的な運営に次の段階におきましてはまかせたい、こういうので、立法をいたしたのでございます。
  327. 矢嶋三義

    ○矢嶋三義君 この法律案は教職員の中の義務教育職員に限ったわけですが、恩給問題に対しての一つの解決をしようとしているところにこの立法精神があるわけで、それでこの点を伺っているわけですが、あなたに伺いたい点は、あなたの方で出した法律の方では政令にまかしておる。それでたとえば、今具体的に問題になった市町村立高等学校の教職員の場合、継続するかしないかというのは、あなたが出されている地方自治法の中からいえば政令で扱えるものだ、かように考えますが、どういうような政令で扱うつもりか。  文部大臣に伺いたい点は、一般の質問はこれで終るわけですが、今度鳩山内閣で国会に出した法案を調べてみますと、市町村立の高等学校の先生だけが勤続年数が続かないということになっている。あとは全部続くことになっている。これは教職員の人事交流とか、あるいは老後の生活を保障するという立場から、こうすることはおかしと思うのですが、また教育振興という立場からもこれは問題だと思うのでが、文部省として閣内で御努力なすっていただきたいと思うのですが、いかがですか。
  328. 清瀬一郎

    ○国務大臣(清瀬一郎君) 今御指摘のあったことは、私つまびらかにいたしておりませんが、さような不合理がありますれば、十分調べて善処いたしたいと思います。
  329. 矢嶋三義

    ○矢嶋三義君 政令の方ですか。
  330. 小林與三次

    ○政府委員(小林與三次君) この政令で多少規定をすることにいたしておりますのは、これは御承知の通り恩給法は国の官吏だけにかかるものでございまして、雇用員にはかかっておりません。なお府県市町村におきましても、それとの通算関係になっている以上は、そのバランスの合った公務員を基礎にいたさなければならないわけでございまして、そういうような技術上の関係を明らかにするために、政令で調整しようということにいたしておるのでございます。基本的な問題は全部問題なく通算されて、技術的なつなぎをやる、こういうふうに御了承をお願いいたします。
  331. 矢嶋三義

    ○矢嶋三義君 二、三点伺いますが、この法案の対象ですが、これは学校教育法の六条から考えると、第二条のところに養護学校というのを入れるべきだと思うのですが、どうして入れなかったのですか。二条の一行目のところに。
  332. 緒方信一

    ○政府委員(緒方信一君) 第二条の第三号の話であろうと存じますが、義務教育諸学校について、義務教育諸学校の教職員の恩給についての負担は、半額国庫負担ということをしようというわけでありまして、養護学校は入っておりません。義務教育の学校になっておりませんので。
  333. 矢嶋三義

    ○矢嶋三義君 至るととろに問題が起ってくるわけですが、文部大臣にお尋ねいたしますが、市町村立学校職員給与負担法の一条に養護学校というのを取りあえず入れるべきじゃないですか。
  334. 清瀬一郎

    ○国務大臣(清瀬一郎君) さっき申しました九十三条の規則で養護学校のことは政令で施行しておりませんから、現在ただいまの瞬間においては、義務教育諸学校に養護学校を入れるわけには参りません。
  335. 矢嶋三義

    ○矢嶋三義君 それではこれはこれ以上申し上げません。  逆に今度は角度を変えて、市町村立学校職員給与負担法の二条の精神から言うと、ここに定時制高等学校というものを入れるべきじゃないですか。
  336. 緒方信一

    ○政府委員(緒方信一君) 義務教育の学校の先生の恩給の一部を負担していくという趣旨でございまして、定時制の教員の給料は都道府県が負担しておりますけれども、これはこれに入れてございません。これは国庫負担でございまして、これは問題ございません。
  337. 矢嶋三義

    ○矢嶋三義君 これで私は終りますが、あとは後日またお聞きしますが、文部大臣に要望しておきたいと思う点は、さっきの二法案等と同じようなことが言えるのですが、学校教育法、市町村立学校職員給与負担法、それから就学奨励法とかそれらで非常にすっきりしていないな。法がすっきりしておりません。これは結局予算が足らぬというところから、あるところで妥協する結果そうなると思いますが、一日も早く筋が通ったように、体系を整えるように研究していただきたいということを要望して、あとの質問は保留します。
  338. 荒木正三郎

    ○荒木正三郎君 先ほどの矢嶋委員の質問に対する答弁ですね、どうもはっきり私ども了解できにくいのですが、市町村立高等学校教員の恩給の通算の問題ですね、これは非常に片手落ちで、気の毒だと思うのですが、それは政令でやるということですか、どうですか、はっきりしてもらいたい。
  339. 小林與三次

    ○政府委員(小林與三次君) 法律上当然通算すべきものといたしましたもののうちには、市町村立の高等学校の職員は入っておりません。市町村立の高等学校の職員につきましては、市町村の他の一般公務員の場合と同様に自主的に通算する措置を講ずるように努めなければならない、趣旨をこの法律で明らかにいたしまして、自主的な運営にまかせることになっております。
  340. 荒木正三郎

    ○荒木正三郎君 それはやはり文部大臣にお尋ねしたいのですが、この市町村立高等学校の教職員ですね、これは非常に不利な私は待遇を受けると思うのですが、こういう意味で地方自治法の一部を改正する法律案に対して文部大臣はどういうふうな処置をせられたか。やっぱり文部大臣としてはこの項目については実施上所管の問題だと思うのですが、何とかそれを解決するように御努力願えないでしょうか。
  341. 清瀬一郎

    ○国務大臣(清瀬一郎君) 今仰せらるるような不公平がありますれば、何らかの方法を研究したいと思っております。
  342. 荒木正三郎

    ○荒木正三郎君 もう現に地方自治法一部改正の法案は国会に出ておるわけです。ですからこのままでいきますと、やはりその人たちは救われないという結果が出るわけですがね、国会の審議を通じてこういう点が改善されるように努力してもらう、今の文部大臣の答弁はそういうふうにとってよろしいですか。
  343. 清瀬一郎

    ○国務大臣(清瀬一郎君) よろしいです。
  344. 荒木正三郎

    ○荒木正三郎君 重ねて自治庁の方へお伺いしますが、今お聞きのように、文部大臣としても市町村立の高等学校の教職員については、非常に不利益な立場にある、何とか同じように取扱うように努力したい、こういうお話しなんですが、そういう点についてすでに法案は出ているわけなんですね、これどういうふうにしてやりますかね。
  345. 小林與三次

    ○政府委員(小林與三次君) ちょっとその点につきまして、私の方の考えを申し述べさせていただきたいと思います。市町村立の高等学校と義務教育職員との間は今お話しの通り扱いは別にいたしております。それでこの通算の問題はどうするかというのは、これは前からいろいろ議論があるのでございますが、一つには、やっぱり府県市町村と国との関係をどう考えるかという、自治体をどう考えるかという基本の問題にも触れてくる問題でございまして、われわれといたしましては、府県の職員と国の公務員との間におきましては事実上人事の交流もありますし、またそれはある程度円滑にすることが地方行政並びに国の行政をうまく動かすゆえんでもあるというので、ぜひ少くともその関係においては通算の関係を実現したいということを、かねてから念願しておったわけでございまして、それでそいつをこの際解決をいたしたい、それともう一つ義務教育職員につきましては、これはそもそも給与の負担そのものから特別な扱いを現にされておるわけでございまして、そして事実上市町村に身分がありますものの県間の異動も相当多い、こういう国の特別の扱いの措置がやってある職員につきましては、これはやっぱりこの際あわせて措置すべきじゃないか、こういうことでそのものを取り上げてやることにいたしたのでございます。そこで問題はさらに進んで、そんなら高等学校の職員までもっと手を広げるべきじゃないか、まあ教育関係ということを見れば、そういう問題に発展するのは、私は当然だと思うのでございますが、その間にある程度異動のある事実もこれはその通りでございます。しかしながら、ここまで発展しますというと、これはむしろやっぱりそのほかにも、たとえば保健所の職員とか、社会福祉事務所の職員とか、その他技術関係の職員などの間におきましては、市町村間にも異動が相当やっぱり多くございまして、これはみんな結局その市町村全体の職員の恩給の通算というものをどう考えるか、そういう問題の一環としてやっぱり考える必要があるのじゃないか、そういうことになりますというと、市町村の間においてはまあ給与のレベルも必ずしも一致しておりませんし、それから財政力というものも必ずしも一致しておりませんし、そういういろんな問題がありまして、恩給通算ということになれば、大体そういう関係が均衡がとれて、互いにあいこという関係になって、初めてうまくいくのでございまして、そこまで今直ちに市町村全体にまで法律上当然に通算を義務づける、あるいは国の公務員との通算を保障するということは、なおこれは問題がいろいろある。そこで当然に通算するのはまず前段の問題に取りあえずとどめて発足をして、しかしながら実際の運用で自治団体がそれぞれお互いに通算しようじゃないかということになれば、これは一向にかまいませんし、その間で給与の調整とか、その他の問題も考えることも一向にかまいませんし、むしろそういう方向はなるべくわれわれとしてもはっきりさせたい、そういう気持がございまして、当然に義務づけはせんけれども、そういう趣旨に従ってなるべく全般的にその方向へ進むようなことを立法の精神として、明らかにすることが必要じゃないかという意味で、そういう規定を今度入れることにいたしたのでございます。それでありますから、なおまあ不十分だということは私は仰せの通りだろうと思いますが、これはもう少しそういう実態を明らかにいたしまして、将来の研究問題として研究させていただきたい、こういうのがわれわれの考えでございますのでその点一つ御了承を願いたいと思います。
  346. 荒木正三郎

    ○荒木正三郎君 今度の恩給の問題について通算する措置をとられたことは、私は非常にけっこうなことだと考えている。ただ、高等学校の例をとった場合に、府県立の高等学校であれば、他府県の高等学校に勤めておっても恩給は通算されるわけです。あるいは外地におっても、恩給法の適用を受ける場合には通算される、あるいは国家公務員との関係においても通算されるわけです。ところが府県立の高等学校とそれから市町村立の高等学校だけは通算されない、こういうことになっておるわけです。だから今日市町村立高等学校の方では非常に困っているわけです。だからこれはやっぱり教職員という立場からこの際解決をはかってもらいたいと私は思うんです。他の面との矛盾というのは私はあまりないと思うんですがね。そういう点で非常に不利益な措置を受けているわけなんです。ですからもうすでに法律案を提出された政府に、何とか考えますと、こういうことを私は求めても今むずかしいと思うんですよ。ですが、これは文部大臣の方でよく私は御考慮を願いたいと思うんですがね。
  347. 矢嶋三義

    ○矢嶋三義君 委員長それに関連して。それで小林さん、具体的にこういう方法を私は考えられると思う。市町村の公務員と都道府県の公務員の関係は、一般論としてはあなたの言われた通りだと思う。だから法律の明文にあなた書けなかったんだと思う。その立場は私わかります。ところが学校の場合はさっきから繰り返して言っているように、地方に行くと県庁の所在地に市がある、そこは市立の高等学校一つしかない、そうしてこの一つの学校におる先生だけが、小中学校とも、県立高等学校ともどことも勤務年限が続かないわけです。だから非常に教育上困るわけで、ここは文部大臣の発言力のあるべきところなんですが、そこで、努めなければならないといって、政令というものがあるわけですからね、実際に運用指導の場合は、あなたのところでそういう腹でおられれば、私は法の改正は次期にしても、あの法律が通った場合にやる道があると思う。そういうふうになってしかるべきだという、あなたにそういう気持があるかないかによってきまるわけで、その意味で私はおいで願ったわけです。
  348. 小林與三次

    ○政府委員(小林與三次君) 今お尋ねの御意見はしごくごもっともで、実はこの問題はこの法律立案の前から意見は重々各方面から聞いておりまして、皆さんの御意見ももちろん十分知っておりまして、そこをどう調節しようかといろいろ考えまして、実は前国会に出しましたときには、この前段だけで、当然通算の規定だけで部内の話はまとめたのです。しかし、やっぱり特に高等学校の職員の問題を考えれば、もっとやはり一歩を踏み出さぬといかぬのじゃないかという気持もありまして……。しかしながら、当然にすぽっと市町村の職員を法定づけるということは、それは少し無理であったろう。しからば高等学校だけを取り出すということはできるかと言えば、多少やっぱり程度の差はありましても、保健所の職員とか、社会福祉主事とか、その他やっぱり相当異動のあるものも実はあるわけです。あるとすれば、やっぱり制度としては一本で考えなければ、これは同じ市町村の職員でありますから、そう別にするわけにもいかぬのじゃないか。しかし、事実上の運用でそういう方策を考えることはきわめて適切で、われわれとしてもそういうところに持っていきたい。で、今矢嶋委員のおっしゃいましたような、そういう点にできるだけ道を開いて運用上いけるようなことを明らかにしたい。こういうので、特に今の第何項ですか、規定を入れまして、そういう方向に近づけたい。われわれといたしましても運用上できるだけそういう方向になるように指導はいたしたいと、そういうふうに考えております。
  349. 荒木正三郎

    ○荒木正三郎君 どうですか、文部大臣に一つもう一度……。
  350. 清瀬一郎

    ○国務大臣(清瀬一郎君) 今の小林行政部長はその方向に指導したいとおっしゃっておるのでありますが、私は恩給法については非常に不得でありますが、よく研究いたしまして、あなた方の御意見の達成するように努力いたしたいと思います。
  351. 荒木正三郎

    ○荒木正三郎君 けっこうです。
  352. 湯山勇

    ○湯山勇君 今通算の問題が出ましたついでに局長にお尋ねいたしたいのでありますが、それは同じ義務教育でありながら公立から国立に移った場合は通算が可能であるけれども、国立から公立に移った場合は通算ができなしということから……、(「そういういうことはない」と呼ぶ者あり)ありませんか。これはこの間山形大学に行きましたら、山形大学の教育学部長から非常に強い要望を受けたのですが、そういうことはございませんか。
  353. 小林與三次

    ○政府委員(小林與三次君) 府県と国との間ならば全部通算できます、どっちからであろうと……
  354. 湯山勇

    ○湯山勇君 市町村ですよ。
  355. 小林與三次

    ○政府委員(小林與三次君) 市町村は今いろいろと議論になっております市町村立の義務教育職員は当然そうできるであろうと、これは当然であります。(「進行」と呼ぶ者あり)
  356. 湯山勇

    ○湯山勇君 それは間違いありませんか。
  357. 小林與三次

    ○政府委員(小林與三次君) はあ。
  358. 湯山勇

    ○湯山勇君 これはこの間陳情を受けたものですから……。  それから、なおこれにつきましては、もう少し審議しなければならない点があると思います。そこで、まあこのための予算ですが、それはどれだけ見ておられますか。
  359. 緒方信一

    ○政府委員(緒方信一君) この法律でございますね。五千万円と見ております。
  360. 湯山勇

    ○湯山勇君 五千万ではとうてい足りないのじゃないかと思いますが、それはある程度腰だめでそういうことにしておられるわけですか。
  361. 緒方信一

    ○政府委員(緒方信一君) この法律で三十一年の七月以降退職する者については恩給を国が二分の一負担すると、こういうことでございまして、大体退職は年度末でありまして、四月以降に、その年度にやめるという人は少いわけでございまして、三十一年度にその負担をします額というのは割合少いのじゃないか、まあ総額にして一億、その半分の五千万を見ておけば一応まかないがつくのじゃないか。しかしこれは義務教育費国庫負担法の原則に従いますので、多少出したり足りなかったりした場合においては、その後年度においてこれを補正、精算いたします。この原則には変りはございません。
  362. 湯山勇

    ○湯山勇君 今ので文部省の立場は了解できましたが、実際はこの間地方公務員法の一部改正によりまして、停年制を実施された場合には、恩給年限に達しない者は年度末退職を延期しまして、それを途中でやめさせるとか、いろいろな措置が講ぜられる、そういうための法律ができたわけでございます。そうすると従来の慣例のように年度末だけに退職者が固まるというのと本年度以降とは、若干情勢も違いますと思いますから、で、これについては今のように、この五千万円で足りなくなった場合にその支給がおくれるようなことのないように、十分一つ文部省においても努力されたい。  それから自治庁の方へ、この五千万をここからこっちに移したために、財政計画においてどういう措置をおとりになったか、やはり五千万落しただけでしょうか。
  363. 小林與三次

    ○政府委員(小林與三次君) それは国の負担金に見合って一応計上してございます。
  364. 湯山勇

    ○湯山勇君 それじゃ昨年の財政計画と本年度のとを比較すると、その分に対するものは地方財政計画は五千万減になっておる、そういうことですか。
  365. 小林與三次

    ○政府委員(小林與三次君) 財政計画はまあ全体の総ワクでございますから、それは恩給費として必要な恩給費を組みまして、こっちは収入の方で五千万円財源として見ると、こういう形になっておるわけでございます。これによって特別に今度の負担法によって個人に渡る恩給費がふえるわけじゃございません。通算の問題は別ですけれども、今のこの法律だけでは単に恩給費を二分の一国庫負担にしようという法律でございますから、それでそれに見合う国の金を予算に新たに財政計画上歳入を見積っておる、こういうことでございます。
  366. 湯山勇

    ○湯山勇君 そうすると、ただいまの点なお念を押してお聞きしたいと思いますのは、国の方で五千万見ることになったために地方負担は五千万減っただけと、こういうことになりますか。
  367. 小林與三次

    ○政府委員(小林與三次君) これに見合う計画ではその通りでございます。ただ、恩給費は全体としては従来の財政計画も……、ちょっとただいま数字を覚えておりませんが、必ずしも十分でなかったので、恩給費の実態に合うように財政計画上数字は計上してございます。
  368. 湯山勇

    ○湯山勇君 私が非常にしつこく聞いたのは、実支給の恩給額と、それから財政計画で見られる恩給額との間に非常に差があって、そのため各府県とも非常に困っている、こういう実情を汲んで今回こういう措置がなされたというので、われわれも非常に賛意を表しているわけです。ところが従来と同じような計算だと、やはり半額負担の面において、地方には同じような問題がやはり残ってくる。そこで今の点をお聞きしておるので、で、地方財政計画もこれで五千万減したと、これでどうなるのだということになれば、実際は大した地方財政の助けにならないのじゃないか、こう思うのでお尋ねしたわけですが、その点いかがでしょう。
  369. 小林與三次

    ○政府委員(小林與三次君) その点は御心配要りません。恩給費の方が従来財政計画上十分でなかったのは事実でございます。それはまあ給与費も今度必要な額を調整するようになったのと同様に、恩給費につきましても、必要な額を財政計画上見てございますから、その数字はちょっと今資料を持っておりませんが、その点は御安心願いたいと思います。
  370. 湯山勇

    ○湯山勇君 それじゃ従来よりも実情に合うように今年度は地方財政計画においては恩給費は見ておると、こう解釈してよろしゅうございますね。
  371. 小林與三次

    ○政府委員(小林與三次君) その通りでございます。
  372. 湯山勇

    ○湯山勇君 ではこれで終ります。
  373. 飯島連次郎

    ○委員長(飯島連次郎君) 速記をやめて。   〔速記中止〕
  374. 飯島連次郎

    ○委員長(飯島連次郎君) それじゃ速記つけて。  他に御発言もないようでありますから、質疑は尽きたものと認めて御異議ございませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  375. 飯島連次郎

    ○委員長(飯島連次郎君) 御異議ないと認めます。  これより討論に入ります。御意見のある方は賛否を明らかにしてお述べを願います。……別に御発言もなければ、討論は終局したものと認めて御異議ございませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  376. 飯島連次郎

    ○委員長(飯島連次郎君) 御異議ないと認めます。  これより採決に入ります。義務教育費国庫負担法の一部を改正する法律案を問題に供します。本案を原案通り可決することに賛成の方の挙手を願います。   〔賛成者挙手〕
  377. 飯島連次郎

    ○委員長(飯島連次郎君) 全会一致でございます。よって本案は全会一致をもって原案通り可決すべきもの&決定いたしました。  なお、本院規則第百四条による本会議における口頭報告の内容、第七十二条により議長に提出すべき報告書の作成、その他自後の手続につきましては、慣例により、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  378. 飯島連次郎

    ○委員長(飯島連次郎君) 御異議ないと認めます。よってさよう決定いたしました。  次に、報告書には多数意見者の署名を付することになっておりますから、本案を可とされた方は、順次御署名を願います。   多数意見者署名    湯山  勇  安部キミ子    秋山 長造  三木與吉郎    荒木正三郎  剱木 亨弘    有馬 英二  中川 幸平    川口爲之助  吉田 萬次    高橋 道男  竹下 豊次    矢嶋 三義
  379. 飯島連次郎

    ○委員長(飯島連次郎君) 本日はこれにて散会いたします。    午後六時二分散会    ――――・――――