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1956-03-27 第24回国会 参議院 農林水産委員会 23号 公式Web版

  1. 昭和三十一年三月二十七日(火曜日)    午後二時十五分開会   ―――――――――――――  出席者は左の通り。    委員長     棚橋 小虎君    理事            青山 正一君            重政 庸徳君            戸叶  武君            三浦 辰雄君    委員            秋山俊一郎君           池田宇右衞門君            佐藤清一郎君            横川 信夫君            東   隆君            河合 義一君            清澤 俊英君            三橋八次郎君            森 八三一君            千田  正君    委員外議員   森崎  隆君    衆議院議員   足立 篤郎君   政府委員    農林政務次官  大石 武一君    農林省農林経済    局長      安田善一郎君    林野長官   石谷 憲男君    通商産業省通商    局次長     樋詰 誠明君    水産庁次長   岡井 正男君   事務局側    常任委員会専門    員       安楽城敏男君   ―――――――――――――   本日の会議に付した案件 ○森林開発公団法案(内閣送付、予備  審査) ○有益鳥獣の保護増殖及び狩猟の適正  化等に関する特別措置法案衆議院  送付、予備審査) ○飼料需給安定法の一部を改正する法  律案(内閣送付、予備審査) ○農林水産政策に関する調査の件  (韓国ノリに関する件) ○農業協同組合整備特別措置法案(内  閣送付、予備審査)   ―――――――――――――
  2. 棚橋小虎

    ○委員長(棚橋小虎君) ただいまから農林水産委員会を開きます。  森林開発公団法案を議題にいたします。  本法律案は、去る三月二十三日内閣から閣法第百四十五号をもって予備審査のため送付、同日当委員会に予備付託となったものであります。まず、提案理由の説明を聞くことにいたします。
  3. 大石武一

    政府委員(大石武一君) ただいま上程せられました森林開発公団法案の提案理由を御説明申し上げます。  わが国の林野面積は、国土のおよそ七割を占め、森林の立木蓄積は六十億石をこえるのでありますが、すでに開発利用されております森林は面積で約六割、蓄積におきまして四割、約二十四億石にとどまっておりまして、年間二億石をこえる木材の需要はほとんどこの既開発林からその毎年の生長量をこえて供給せられているのであります。従ってこのまま推移しますれば、森林資源が枯渇するに至るおそれがあるにもかかわらず、他方木材の需要は、国民経済の発展に伴い年々増加の一途をたどっておりまして、この現状を打開して森林資源保護をはかるためには、造林事業の推進にあわせて林道網を整備することによって、奥地未開発林を積極的かつ集中的に開発して参る必要があると存ずるのであります。かかる観点から全国の森林を概観いたしまするに、残されている未開発林地の中で、熊野川水系の流域及び剣山周辺地域は、森林資源がきわめて豊富であり、針葉樹用材の割合が高く、跡地造林に対しても適当な条件を備えているにもかかわらず、その開発が著しくおくれている現状でありますので、特にこれらの地域を対象としてその森林の急速かつ計画的な開発を行うことといたしたものでありまして、この事業に必要な資金といたしましては、余剰農産物見返り資金を借り入れることとし、事業を合理的かつ効率的に行うために、森林開発公団を設立することといたした次第であります。以上が森林開発公団法案を提出いたしましたゆえんであります。以下法案の内容につきまして、その概略を御説明申し上げます。  まず、公団の行う業務といたしましては、林道の開設、改良及び災害復旧事業、並びにできました林道の管理を行うこと、それらの林道の利用地域において委託による造林事業を行うことがおもなるものでございます。なお林道事業の費用については、おおむね現行の公共事業の例に準じ、国は公団に補助金を交付し、また受益者及び県は公団に負担金を納入することにいたしたのであります。  次に、公団の組織につきましては、愛知用水公団その他の公団の例にならい、理事長及び監事は農林大臣が任免し、その他の役員については理事長が農林大臣の認可を受けて任免することとし、業務につきましては、その適正な運営を確保するために、林道基本計画は農林大臣が定め、その実施計画、林道の管理規程その他重要な業務の実施の方法につきましては、公団は、農林大臣の認可を受けて定めなければならないことといたしたのであります。さらに公団の財務及び会計につきましても、予算、業務計画及び資金計画については農林大臣が認可することといたし、借入金、余裕金の運用につきましても一定の制限を付する等、その経理の公正を期した次第であります。  以上が同法案の内容のおもな点でありますが、何とぞ慎重御審議の上すみやかに御可決あらんことをお願いする次第であります。
  4. 棚橋小虎

    ○委員長(棚橋小虎君) 本法律案の審査は、日をあらためて行うことにいたします。
  5. 棚橋小虎

    ○委員長(棚橋小虎君) 有益鳥獣の保護増殖及び狩猟の適正化等に関する特別措置法案を議題にいたします。  本法律案は、衆議院議員足立篤郎君外三名提出にかかるもので、去る三月二十三日衆議院より予備審査のため送付、同日当委員会に予備付託となったものであります。まず、提案理由の説明を聞くことにいたします。
  6. 足立篤郎

    衆議院議員(足立篤郎君) ただいま議題と相なりました、有益鳥獣の保護増殖及び狩猟の適正化等に関する特別措置法案につきまして、提案の理由を御説明申し上げます。  狩猟に関する基本制度を定めております狩猟法は、大正七年に制定をみました後、今日まで数回にわたって改正せられておりますが。最近では昭和二十五年に大幅な改正が行われ、鳥獣の漸減傾向に対処しまして、狩猟鳥獣の捕獲に関する農林大臣または都道府県知事の一般的な禁止または制限の権能、キジ、ヤマドリ等、本邦独自の鳥類につき、その捕獲数の制限と販売禁止等の法的強制をはかることにより、鳥獣の捕獲を適正なものとするように努めるとともに、他方では、鳥獣保護区の設定と保護区内における営巣、給水、給餌等の保護施設の設置等、鳥獣の保護育成のための施設を講じ得まするように措置いたしましたことは、各位のすでに十分に御承知のところでございます。  しかるに現状を観察いたしますに、これらの措置にかかわらず鳥獣減少の趨勢は一向に衰えないのみならず、このままに推移いたしますならば、鳥獣資源の枯渇は結局おそるべき事態にまで立ち至るであろうことが憂えられるのでありまして、この際鳥獣保護行政の上におきまして、新生面を開くことが必要であると痛感いたすものでございます。しかして、このように鳥獣が激減しました原因を探究いたしますに、近年の天候異変、農薬による被害または過去における森林の過伐乱伐や、都市の膨脹に基く棲息条件の変化等、人為の及ばない事情、または経済、文化の発達に伴って真にやむを得ない事情によるところもあるのではありますが、一面、中央、地方における総合的かつ計画的な保護増殖計画の樹立とこれに対する予算措置等、積極的な実行面にも欠くる点がありましたことを否定できないと思いますし、他面、鳥獣ないしは狩猟についての教育、普及宣伝、啓蒙等の指導面の努力の不足があり、あるいは法令上の不備または取締りの不徹底に乗じて乱獲が行われておりますこともまた事実であると存ずるのであります。  よってわれわれといたしましては、自然界における鳥獣の減少が、国民生活の内容を貧しくいたしますと同時に、農林水産資源に与える影響も少くない点に思いをいたし、この悪化した事態をすみやかに改善いたしますために、国、地方公共団体及び鳥獣の関係のある諸団体が、独自にあるいは相互に協力して有益鳥獣の保護増殖と狩猟の適正化、狩猟道義の高揚等を推進すべく、これがために必要な措置及び制度を整備いたさんとして、ここにこの法律案を提出したのであります。以下要約してその内容を御説明申し上げたいと存ずるのであります。  まず、農林大臣及び都道府県知事は、それぞれ鳥獣保護審議会の意見を聞いて、有益鳥獣の保護増殖、狩猟の適正化、愛鳥思想の普及発達、有害鳥獣の駆除等を内容とする鳥獣保護計画を定め、国及び地方公共団体は、その実現に努めますとともに、これらの計画の実施に必要とする経費について規定いたしております。このこととも関連いたしまして、鳥獣及び狩猟に関する重要事項を調査審議するために、農林省に中央鳥獣保護審議会を、都道府県都道府県鳥獣保護審議会を設けることにいたしました。  次に、狩猟の適正化をはかりますために、現行狩猟法に対して.この際若干の特例的な規定を設けることにいたしておりますが、そのおもなるものを申し上げまするならば、次のごとくであります。  その一つは、初めて狩猟免許及び狩猟登録を受ける者に対しまして、教育的意味をもつ狩猟試験を課することとした点であります。  その二は、農林大臣は、都道府県知事に対して、狩猟免許または狩猟登録の数の制限を勧告し、都道府県知事は、勧告の範囲内で免許または登録の制限を行うことができることとした点であります。  その三は、猟友会をして国または地方公共団体の行う猟政に協力させ、その専門的知識の活用をはかりますために、猟区の管理経営の委任、法令の普及、その違反防止への協力、狩猟免許の下付等の事務の委任等ができる道を開いた点であります。  最後に、猟友会員の自主的組織によりまして、有益鳥獣の保護増殖と狩猟の適正化に努めさせますとともに、会員の品位の保持、指導連絡をはかり、もって狩猟行政の円滑な実施に資せしめる目的をもって、全国猟友会及び都道府県猟友会の設置、及びその定款、業務等について規定することにいたしたのであります。なお猟友会以外の団体に対しても愛鳥思想の普及等の事業を委嘱し、助成することが出来ることといたしております。  以上がこの法律案を提出した理由及び内容の概略であります。  この際、委員長のお許しを得まして、この法案議員提案としてここに提出されるに至りました経緯の概要を追加説明として申し上げさせていただきたいと存じます。  実は、昨年春より全国猟友団体より熱心な請願がございまして、狩猟者団体法を制定し、猟友会を法制化するとともに、現在都道府県の収入となっております狩猟税四億円余りがございますが、これを目的税として、有益鳥獣の保護政策を積極的に講ずべきであるとの意見があったのでございます。当時は保守合同以前でございまして、当時与党でございました民主党におきましては、政務調査会において立法の方針を決定いたしたのでありますが、自由党におきまして党議決定をみないまま保守合同になったのであります。かようないきさつにかんがみまして、合同実現後あらためて調査研究をいたしたのでありますが、狩猟者団体の組織法にあわせて有益鳥獣の保護増殖をはかるという原案につきましては、主客転倒のきらいがありますので、衆議院法制局、農林水産専門調査室、林野庁当局等に調査研究を依頼し、三カ月余にわたって検討を重ねました結果、本来の目的であります有益鳥獣の保護増殖を主題といたしまして、その目的を達する手段、方法の一つとしてこの際狩猟者団体を法制化し、これを規制して猟友会の責任義務をも明らかにし、乱獲、密猟の防止等に徹底を期したいという方針にいたしたのでございます。  なお、立案当初農薬に関する鳥獣の被害を考慮いたしまして、農薬使用についての若干の規制を考慮いたしたのでありますが、関係者の反対意見もございましたので、農薬に関する条文をすべて削除しまして、森林病害駆除の場合、現在政令で定められている注意事項を順守せしむることによって、害虫の天敵であるところの有益鳥獣の不測の損害を防止したいという方針でございます。  なおまた、日本鳥類保護連盟等より愛鳥思想の普及事業等につきまして、その委託を受け、必要な助成を受けることができるようにすべきであるとの意見もございましたので、この部分を修正いたしまして、本案にございます通りその「猟友会その他の団体」という字句を追加いたしたような次第でございます。日本鳥類保護連盟等のいわゆる鳥獣愛護団体から、本法案の内容につきまして、猟友会の規定をのみいたしているのは不当であるとの意見もございますが、提案者といたしましては、有益鳥獣激減の理由でありますところの農薬あるいは気象条件等の真にやむを得ざる面は別といたしまして、人為による乱獲または狩猟法の規定を無視する密猟を防止し、あわせて積極的に有益鳥獣の保護増殖をはかるためには、狩猟者団体を規制し、狩猟者をして相互に道義的責任を持たせてその目的を達する以外に実効ある措置はないと信じているのでありますが、従来の実績に徴しますように、単に官憲による取締りのみでは全く実効の上らないことは幾多の事例によって実証されていると存じます。本法案狩猟者団体の組織法を加えましたことは、主として以上の理由によるものでございまして、猟友会は若干の権限を得る半面、大きな責任義務を課せられる結果になるのでありまして、将来必要によっては鳥獣保護団体等をも正式に本法案に加えることは決してやぶさかではありません。  思いまするに、終戦後十年間、いろいろの事情がございますが、ともあれわが国に生息する鳥獣がおよそ三分の一に激減したと言われておりますことは、まことにゆゆしき問題でございまして、人類の歴史とともに共存共栄して参りました有益鳥獣が、異常な減少の趨勢をみますることはさびしき限りでございますが、この際有益鳥獣の保護政策を国家的施策として大きく取り上げ、まずその一歩を進めますように、ぜひとも本法案が成立いたしますように、委員各位の御理解を賜わりまして、慎重御審議の上、すみやかに御可決賜わりますよう、お願いいたす次第でございます。
  7. 棚橋小虎

    ○委員長(棚橋小虎君) 本法律案の審査は、日をあらためて行うことにいたします。   ―――――――――――――
  8. 棚橋小虎

    ○委員長(棚橋小虎君) この際、飼料需給安定法の一部を改正する法律案についてお諮りいたします。  本法律案につきましては、去る三月一日予備審査を終ったのでありますが、本付託になった場合は、明後二十九日の委員会において残余の質疑を終り、直ちに討論採決を行なって差しつかえございませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  9. 棚橋小虎

    ○委員長(棚橋小虎君) 御異議ないものと認め、さように取扱いますから、御了承願います。   ―――――――――――――
  10. 棚橋小虎

    ○委員長(棚橋小虎君) 韓国ノリに関する件を議題にいたします。この件につきましては、去る三月二十日の委員会に、先だって陳情をお聞き取り願ったのでありますが、この件について各委員から発言が求められておりますので、この際御発言を願うことにいたします。  なお森崎委員から委員外発言を求められておりますが、これを許可することに御異議ございませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  11. 棚橋小虎

    ○委員長(棚橋小虎君) 御異議ないものと認めます。この件について政府から水産庁長官水産庁次長及び通商局次長の御出席を得ております。ただいまから順次御発言を願います。
  12. 森八三一

    ○森八三一君 ただいま議題になりました韓国ノリの輸入につきましては、たしか昭和二十九年に本件が問題になりまして、その当時本院の水産委員会におきましては、国内の沿岸における零細ノリ漁民を保護するという立場、並びに国内の資源を開発するというような観点からしまして、原則としては韓国ノリの輸入は禁止すべきである、しかしながら、諸般の事情を勘案いたしまして、やむを得ざる事由、たとえて申しますれば、国内生産量と需要量との関係において不足をいたしますような場合等におきましては、その最小限度を定めて輸入をすることもやむを得ない、しかしながら、その場合といえどもあくまで生産者の納得する方法によって輸入さるべきである、というような趣旨の決議を行なったのでございます。この決議に基きまして、通産当局におきましても、水産庁の当局におきましても、自来善処を願ってきておることは存じておるのでありますが、三十年に至りまして、さらに本件が問題になりまして、当委員会におきましても前後三、四回の審議を重ねまして.昭和三十年における輸入数量は一億枚以内において実施さるべきである、当然その一億枚の輸入につきましても、生産者団体の納得のできる方法によってそのことが推進されなければならぬということの決定をいたしまして、当局にその取扱いを求めて参ったのでありますが、その後における経過は一体どうなっておりますのか。通産当局及び水産庁当局から、第二十臨時国会において論議されましたその論議の結論というものは十分御承知になっているはずでありますので、その論議の結論に基いてそれぞれの手続が推進されておるものと存じますが、経過は一体どうなっているのか、その点をまず最初にお伺いいたしたいと思います。
  13. 樋詰誠明

    政府委員(樋詰誠明君) 三十年度におきましては、御承知のように二十九年度にすでに現物が到着いたしまして、価格の関係で割当量は到着量の一部で一応一ぱいになったということのために、通関できずに税関でとどめておかれたというものが約三千七百万枚あったわけでありますが、これは三十年度に入りまして割当をいたしましたあとで、三十年度の割当に基きまして、それだけの通関を認めております。で残りの約六千三百万枚でございますが、このうち十月の末に韓国を船出いたしまして、十一月上旬に日本に到着したものが大体三千二百万枚あるわけでございます。でわれわれといたしましては、生産期には通関輸入しないという方針で進んできておりましたために、かねてから早く韓国のノリは生産期にかからないように入れるべきであるということで指導してきたのでありますが、御承知のように八月十八日に韓国の対日経済断交というようなことがあったりいたしまして、夏の間一番輸入に適する時期に入れることができなかったわけでございます。その後十月になりましてそれが解除されたわけでございますが、われわれといたしましては、十一月からは一応生産期として輸入させないから、とにかく早く入れろ、入れるなら早く持ってこいということで、再三韓国側にも、あるいは商社にもその点を注意してきたわけでございますが、ついに十一月にならなければ入らないということがはっきりいたしましたために、十一月に入ってから通関を求めてくるというものは、これは翌年の生産期が終る――大体三月の末で終るというふうに一応了承しておりますが、いずれにいたしましても、生産期が終るまでは通関させないからということで、税関の方に通関差しとめを依頼したわけでございます。その際、韓国側からすでに船積みして、生産期とはいいながら、一週間や十日のことで絶対にその品物を通関させないというようなことは、はなはだ国際的に見ても不信義である、これは十一月になって入ったものであっても当然十月に船積みしている、しかもその船積みがおくれたということは、いろの理由で業者そのものの貴めに百パーセント帰すべきものではないというような点から、それの通関をぜひ認めろというような要求が非常に強く韓国側からあったわけでございます。しかしそれに対しまして、われわれの方では生産期にとにかく韓国ノリが入ってきて市販されるということでは非常に困る、こう考えましたために、かりに通関する――通関しなければ一応韓国に対して支払いができないわけでございますが、韓国の商社がどうしてもこの積み出したものに対する支払いを受けたいということであるならば、来年の春になって生産期が終ったというときに初めて市販をさせるという条件を双方に入れまして、そうしてその倉荷証券を銀行に寄託する、原物を流さないといったような措置をとるというのであれば、これは一応国内の生産業者に迷惑を及ぼさないと思われるから、その程度までは国としても一応国と国との関係であるいは妥協すべきではないか、こう思うけれども、どうだというようなことの交渉があったわけでございますが、いつ解除されるかわからないというノリの値段をあらかじめきめるということはできないという先方からの申し出があったわけでございます。そこでわれわれといたしましては、その決済が今できないというのであれば、これはもう絶対通関させるという方法がないので、それならばもうやむを得ないから、いよいよ国内に入れてもいいという時期まで待っていただくほかないということで待っていただきました。で、これにつきましては、韓国の参事官あるいは総領事の方々もみえまして、非常に国際的に不信義であるというようなことで、日本側はだいぶ攻撃も受けたのでありますが、われわれといたしましては、一応対外的には通関したければ、通関だけは認めて、市販を認めないということであれば、国内の業者にはそう御迷惑をかけないのではないかということで交渉した結果、ついにそれがだめになって、今日に至るまでそのまま税関にとめられておるというような状況になっておるのです。
  14. 森八三一

    ○森八三一君 ただいまの通商当局の御説明によりますると、かねがね通商当局が当委員会において言明せられておりまする通り、内地におけるノリの生産期中は韓国ノリの輸入は通関手続を行わないという趣旨が、今日も堅持されておるというように御説明になったようでありますが、その通りで間違いないということに了解してよろしいかどうかという点が一つ。  それからもう一つは、そういうような通関がないといたしますれば、直ちに問題が起きるわけではございませんが、韓国ノリの輸入を取り扱いまする場合の形式として、かねがね生産者の納得のできる方法ということに基きまして、通商当局の御指導によって関係業者の協議会が成立をいたしております。この成立をいたしております通産当局の御指導に基く組織は法的な根拠を持っているものではございません。そこでその組織をいかに活用していくかということがこの委員会のしばしばの論議であったのであります。当時の次長大堀氏は、法的な根拠は持っておりませんが、通産当局といたしましては、その組織に取扱者が全員参加するということを、行政指導をもって実現するようにいたしますということをはっきり明言されておったのでありますが、そのことは一体どうなっておるかということを次に御説明をいただきたい。二点をまずお伺いいたします。
  15. 樋詰誠明

    政府委員(樋詰誠明君) まず第一点でございますが、われわれの方では生産期中に輸入しないというのは先ほども申し上げましたが、生産期中に輸入して、それを市販に供して国内の生産業者の販売価格等に影響を及ぼすということはしないという趣旨に、通産省としてはこう了解しておったわけでございます。その点でその趣旨は今日もなお堅持いたしております。  それから第二点の協議会につきましては、これはわれわれの方といたしまして、できるだけこの協議会に全員参加して、そうして生産業者、国内の問屋、インポーターという三者がこのノリの輸入並びに国内の配給というようなことについて、最もトラブルのないようにやっていくようにということで、今日までも再三その関係者には伝えて来たわけでございますが、実際問題といたしまして、とてもその生産期中のノリの輸入ということは見込みないといったようなことから、今日までにこれに参加したというものは非常に数が少いということになっております点は、これは事実でございまして、この点はわれわれの行政指導はなはだ不十分であったと申しわけなく感じております。ただ最近になりまして、相当有力な二十五社が新規加入をいたしましたし、さらに韓国ノリが、生産期が明けて輸入見通しがつくということになりますれば、加入したいと言っておるものも数社ございますので、大体これらのものを合せますと、全体の取扱いの八〇%以上のものが組合参加するということを正式に意思表示し、あるいは参加しておるわけでございますから、われわれといたしましては、できるだけ早く全員参加という――今まで再々政府として参加するようにということを要請してきたにもかかわらず、参加しないというのであれば、これは生産者あるいは問屋と協力して、インポーターと協調してやっていくというこの資格において不十分であると認めざるを得ないので、今後割当が、どの程度の輸入ということが今後行われるかというようなことはもちろんまだきまっておりませんが、かりに今後輸入し、外貨の割当を行うといったような場合には、この入らないという人間にはもうやらないからということを、これははっきり全員に伝えてございます。
  16. 森八三一

    ○森八三一君 前段の方の御説明の、生産期中に輸入することは生産者に悪影響を与えるので、そういうような悪影響を与えることのないようにするという趣旨については、今日も堅持しておるという御説明は、きわめてデリケートな説明だと思うのですが、もっと率直に、先刻御説明のございましたように、韓国側から決済がつかないような形における通関というものは意味がないということを言って来られた、このことはごもっともだと思うのであります。そういう趣旨からいきますれば、生産期中に通関手続をするということは何ら意味をもたないということになるわけでありますが、そう理解されるとすれば、生産期中に通関の手続は行わないということにならなければならないと思いまするが、そういうようにとり進められているかどうか、生産期中には通関手続をしなかったということに理解していいかどうかという点をお伺いいたします。
  17. 樋詰誠明

    政府委員(樋詰誠明君) 先ほど申し上げましたように、生産期中には輸入しないということで措置していくというときに、輸入しなかったという本当の趣旨というものは、現物を国内に流すというようなことによって、国内の生産業者に損害を与えるというようなことのないようにという趣旨に通産省としては理解したわけでありまして、従いまして、先ほどの韓国からの申し出がありました際に、生産業者に迷惑を及ぼすような市販をしないということであれば、一応信用状に基いて送金してそうして通関させる、そうしてその通関したものは倉庫に入れて、その倉庫証券を銀行に寄託させる、こういったような措置をとる限り、これは政府として認めてもしかるべきじゃないかということを先方にも申した次第でございます。これに関連いたしまして、そういう値ぎめとかといったような問題がないというものにつきまして、たとえば債権の回収ということのために、特にこのノリは幾らだということについて、あらかじめインポーターとシッパーとの間にネゴシェションをいたしまして、そうしてその値段をきめた上で通関させるというような手続の必要のないもの、とにかく現物を引き取って下さいということで向うが送った物については、これは市販しないという条件のもとで通関を認めた件があります。
  18. 森八三一

    ○森八三一君 その通関を認められた内容を御説明願います。
  19. 樋詰誠明

    政府委員(樋詰誠明君) この件は昭和二十七年の十月に東和商事という会社が小麦粉と鉱石その他のバーター契約を結んだわけでありますが、このバーター契約の許可に基きまして、小麦粉三百八十トン、六万四千六百ドルというものを輸出したわけでございます。ところがこの輸出に対しまする見返りで鉱石その他を買うということでおったわけでございますが、この鉱石が買えないということで、この見返り品の内容を変更いたしまして、この会社は自分が受けたノリの外貨割当資金、これを放棄いたしまして、無為替輸入をするということをいたしたわけでございます。こうやりまして、昭和二十九年の末までに大体六万四千六百ドルといううち三万六千百ドルは回収したわけでございますが、残額二万八千五百ドルのうち一万三千七百八十四ドル二十五セントというものにつきまして、これは白子商店というものと薩摩木材、この二社がノリの輸入の外貨割当を受けておったわけでございますが、その二社のもらいました外貨割当、その権利を放棄する、結局白子あるいは薩摩木材という会社は自分が受けた外貨割当に基いて自分で向うのシッパーと新しく契約してノリを引くかわりに、自分の受けた割当の範囲内において東和商事が無為替輸入で債権を回収しようとしておるそのものをかわりに輸入する。従いまして、これは正式の外貨割当をその分だけ放棄するということで一万三千七百八十四ドル二十五セントというものを無為替輸入によって輸入したいという申請を許可したわけでございます。
  20. 森八三一

    ○森八三一君 その東和商事に無為替で輸入を許可し、通関されたものは、前段御説明のような措置が講じられておらなければならぬと思いますが、その措置は具体的にどう進められておるのか、その形式上の措置を私は聞いておるのではなしに、あくまでも国内の生産者に悪影響を及ぼさないという精神がどこまで確保されておるかという点についての、通産省当局はいかなる処置をとられたかということを具体的に御説明願いたいと思います。
  21. 樋詰誠明

    政府委員(樋詰誠明君) この無為替輸入は四日にわかれて行われたのでございまして、まず、昨年十二月十六日に神戸税関に百八十箱、小倉税関に七十七箱、これが到着いたしました。これにつきましては、この入れたノリというものが乾燥不十分で、そのままでは生産期があけるまで貯蔵して、いつ解除になるかわからないので、貯蔵中に変質するといったようなおそれがあるといったようなことから、一応通関した上であらためて火入れ加工をいたしまして、その火入れ加工したものをこれを瀬川倉庫株式会社という瀬川倉庫に倉入れしたというので、この倉荷証券を銀行に寄託し、この寄託書が役所に届けられておりますので、この分につきましては、通関されましたノリは約束通り倉庫の中に入って、そうして市販されていない、そういうふうに了解いたしておるわけでございます。それからなお、途中で非常に悪質の、腐ったようなノリが来たということで、そのノリは朝鮮の方に送り返したといったようなことがございまして、あらためて、ことしの二月二十七日及び二十八日の両日にわたりまして、小倉の税関に百七十三箱、それから本月九日に小倉の税関に八十一箱というものが到着いたしております。そうしてこれは先ほど申上げましたように火入れ加工の要があるということで、目下一枚々々はがして乾燥さしておる。そこで貯蔵に耐えるという格好になった上で明日までに、必ず倉庫に入れたという寄託証明書を銀行経由通産省に提出する、そういうことになっておりますので、われわれの方といたしましては、約束通り市販ということはないものと、そういうふうに一応了解いたしております。
  22. 森八三一

    ○森八三一君 無為替で通関の手続だけをして取扱ったという数量につきましては、市販されないという条件として倉荷証券を銀行に寄託し、銀行がその寄託されたことを実証する書面を通産省に提出しておるという御説明でありますが、その現物については倉入れ管理されておるということを確認をされたかどうか。そういうようなことはもちろん倉荷証券の性質が性質でありますので、その証券を本来の姿のものとして信用しておるという程度で済まされておるのかどうかという点については、どういうような具体的な調査が行われたかを御説明いただきたいと思うのです。
  23. 樋詰誠明

    政府委員(樋詰誠明君) この倉荷証券に明示されているものと果してその倉庫に入ったものとが、間違いなく完全に同一のものであるかどうかということの具体的な調査については、今までのところは一応この倉荷証券を預けたということを信用いたしまして、具体的に果して現物がその通りのものが入っているかどうかということについては、今までのところは特に調査したということはございません。
  24. 森八三一

    ○森八三一君 そうしますると、そういうような形式的な審査によって通関が行われたという結果として、もし不幸にしてそのものが市販されておるという事実が存在する場合に、通産当局はいかなる処置をおとりになるのか、それが一つ。  それから第二点はインポーターが需給協議会に八〇%ぐらいは参加するであろう、無参加のものが二〇%あるという場合、その二〇%のものについて今後いかなる処置をおとりになるのか。あくまで法的な根拠を持ちませんために、未加入で推移するという場合には、大堀次長の議会における説明の趣旨は、割当の取り消し等のことを言外に意味された答弁がございましたので、われわれはそのことを信用し、了承したのでございますが、そういうような手続まで行われる決意があるかどうか、その点をお伺いしたいと思います。
  25. 樋詰誠明

    政府委員(樋詰誠明君) 事実問題といたしまして、われわれの方では市販しないということを信じてやったわけでございますが、これについて市販をしたというもし事実がありましたならば、これは政府を欺き、また生産者にも実害を及ぼした、こういうことになりますので、その点につきましては至急具体的に調査を、地元の通産局等を通じまして行いました上で、もし不幸にしてそういう事実がありました場合には、われわれとしても重大決意と申しますか適当な措置をとるように慎重にかつ至急検討したい、そう考えております。  それからもう一点の協議会未加入者というものにつきましては、これは協議会に加入しないという人間はもう今後割当をしないぞということを、一応協会の方からも、各まだ入っていない人間に加入を勧める際にわれわれの方の役所の一応の決意として、こういうふうに不協力な方には今後の割当ということは非常にむずかしくなりますというふうに申し上げてございますので、この点につきましても協議会を作った趣旨にのっとりまして、最も適当な措置をとりたい。そういうふうに考えております。
  26. 青山正一

    ○青山正一君 水産庁次長にお伺いしたのですが、ただいま通産局の次長からいろいろ御説明があったわけですが、その通関を認めた際に通産省からこの水産庁の方へ、つまり国内生産者の元締めであるところの水産庁へ相談があったかどうか。この点をお伺いしたいと思います。
  27. 岡井正男

    政府委員(岡井正男君) ございません。
  28. 青山正一

    ○青山正一君 これは水産庁次長にお伺いしたいのですが、これは相談すべきものであるかどうか、その点をお伺いしたいのです。
  29. 岡井正男

    政府委員(岡井正男君) 先ほど来通産省の次長から御答弁がありましたが、究極において生産者の御要望にこたえるような精神をもって通産省は善処されているということでございますので、一応過去のことでございまするので、この際、それを深く私の方が事務当局同士としてとかくは言いたくないのでございますが、将来一そう緊密な連絡を保ちまして、たとえ結果におきまして、さしたる間違いがないといたしましても、事前に御連絡を願うように十分私の方は連絡をとりたいと思っております。
  30. 青山正一

    ○青山正一君 昭和三十年、昨年の十一月二日に通産省は、つまり農林省とかあるいは大蔵省あるいはその他の関係者と御相談になって、本日以降輸入通関の打ち切り、こういうものを決定した覚えはないのですか、どうなのですか、その点をお聞きしたい。
  31. 樋詰誠明

    政府委員(樋詰誠明君) 一応通関を差しとめるように税関に依頼いたしました。しかしその際、当然市販されるといったような格好で通関されるものはないという前提のもとにそういうふうな依頼をしたわけでございます。
  32. 青山正一

    ○青山正一君 えらい苦しい答弁ですが、そういう答弁はいかぬと思います。それではお聞きいたしたいと思いますが、通商局長は同日に、輸入許可ある貿易商社に対して、国内ノリ生産期の終了まで通関は認めぬ方針であるという通牒を出したか出さぬか、その点をお聞きしたい。
  33. 樋詰誠明

    政府委員(樋詰誠明君) それにつきましては、一応大蔵省あてに国産ノリとの競合を避けるために、早期輸入の促進に努力して来たけれども、韓国側の輸出禁止措置、輸出事務の渋滞等により通関未了の分が相当残っておるので、そのILの有効期限は十一月三十日までとなっているけれども、すでに生産期に入ったから、関係各省と協議した結果、本日以降生産期の終了するまで通関停止をしていただきたいという結論に達したので、税関にその旨をお伝え願いたいということを主税局長に依頼すると同時に、これを添えまして、大蔵省主税局長あてにこの通り通知をいたしたので、各インポーターも了承されたいということを通知いたしました。
  34. 青山正一

    ○青山正一君 ただいま私の質問したこの二、三点で、いかに通産省が不徳義であり、いろいろ約束を破ったかということがはっきり言えるわけなんです。その約束を破ったために国内の生産者が少くとも三億から五億の損害をこうむっておる。その補償を一体だれがやるか、その点お答えできますかどうか。
  35. 樋詰誠明

    政府委員(樋詰誠明君) 私の方といたしましては、先ほどから再三申し上げましたように、一応通関いたしましても、現物の市販というものがなければ、それは実害は生じないという了解のもとにこういう措置をいたしましたので、その点から、もしわれわれが期待した通り国内の市販という事実が行なわれていないのであれば、実際問題として国内の生産業者に御迷惑をかけたということはないのではないかと、そういうふうに考えておるわけであります。
  36. 青山正一

    ○青山正一君 もし実害があったら通産省は補償の道を考えていただけますか、どうですか、その点をお伺いしたい。
  37. 樋詰誠明

    政府委員(樋詰誠明君) その点につきましては、補償ということになりますと、いろいろ予算関係その他むずかしい問題もございますので、私ここで一存でお答えするというわけにも参りませんが、感じといたしましては、過去においてそういう不義徳のために損害をおかけしたという場合の補償を政府がやるということは、実際問題として非常にむずかしいのじゃないか、そういうふうに考えます。
  38. 千田正

    千田正君 今までの議論を聞いているというと、農林省及び通産省が当時の韓国ノリの輸入を禁止したことにさかのぼって、私は委員会の当時の委員としてあなた方にもう一ぺんはっきりしたことをお聞きしたいと思うのであります。幸いに水産庁次長もおられるし、通産省の次長もおられますからもう一ぺん聞きたい。ということは、当時の委員会においては、われわれはあなた方と――あの当時はあなた方は次長でなかったかもしらぬが、農林当局及び通産当局と当委員会において論争した点は、韓国と日本との間はただいまのところは通商も外交も一切できないのだ、いいですか、会談ができないのだという点が一つと、しかも李承晩ラインの不当な一方的なああした暴挙によって、日本水産業というものは、ことにあそこを中心とした水産業というものは壊滅に瀕している。こうした日本水産業に対して打撃を与えられているのにもかかわらず、一方においては、通産関係が韓国に対してのバランスの点からいって、どうしてもノリその他の鮮魚等を入れなければ国の財政上バランスが困るという点であったのであります。われわれとしましては、そうした問題を一方的に水産関係にのみしわよせされて、一方において漁業も何もできない。しかもこの韓国ノリの輸入というのは、国内におけるところの生産ノリ業者に対して非常な影響を与えるのだ。こういういわゆる韓国と日本との間の現況にかんがみて、この際輸入は絶対われわれは不賛成である。これが水産委員会の一致した意見として、当時の水産庁及び通産省の局長を呼び、われわれは進言もし論争もしたのでありますが、その結論としましては、通産省の立場も一応考えてやると同時に、国内のノリ生産業者のためにも考えて協議会を作って善処する。これが当時のやはり委員会においてなされたところの結論であります。  ところがただいまの論争を聞いているというと、実際においては輸入を許可している。しかも東和商事という会社は一体どこの会社か。韓国人を首脳とした会社じゃないか。そういうのに許可をして、他の数十社の日本の業者にはどういうわけで許可しなかったか。われわれはその点をはっきりしてもらいたい。どういうわけで一商社に許可するならば、ほかの業者にも許可しないのか。市販を許さないという態度であなた方が輸入を許可するならば、ほかの商社に許可しても変りはないではないか。それは当り前です。日本の業者としては外貨割当をもらって、そうして入れたいということをみな希望をもっているのだから。それをなぜ一社だけ許可するのですか。  もう一つは、市販がなされていないと言うけれども、われわれの情報では市販はなされています。それはあなた方の監督不行届であるのか、あるいは業界に対してあなた方が暗に支持しておるかどうか知らぬけれども、私はここで速記をつけてその市販された人間を指名してもいいけれども。それじゃあなた方を責めるだけで何ものもない、だからあなた方は慎重に調査して下さい。大阪方面に輸入されておるものがちゃんと市販されておる。もしあなた方が税関から入ったものをそこに出しておらないとすれば、これは密輸入です。あえて密輸入さえも監督できないということは私はあり得ないと思う。この点に対して、この二点、何がゆえに一体一商社だけにしか輸入が許可できなかったか。それからなぜ現在こうやって市販されておるものに対してあなた方は黙っておるのか、私は不思議でたまらんのです。この二点をお伺いしたい。と同時に、水産庁次長と共同で発表していただきたいのは、李承晩ラインを取り除かなければならないというのが、われわれ農林水産委員会のわれわれ同僚の一致した意見であると思います。にもかかわらず、今日に至っても会談は進んでおらない。竹島の問題もそうだ李承晩ラインの問題も一歩も進んでおらない。しかも抑留、拿捕されておるところの悲しい運命に陥っておる漁民が数百名おるということをあなた方が考えたならば、こういうことはやれるはずがないと思うが、その点どうですか。その当時の委員会の速記録を取り寄せてもいいですが、あなた方首脳者の答弁は、そういうことは絶対やらないと、こういうことであったから、あらためて認識をもってこの問題の処置に当ってもらいたい。水産次長と通産次長に今の李承晩ラインと関連した日本の通商というものに対する御所見、それから現在市販されておる問題と、それから何がゆえに一商社だけにしか許可しなかったかという、この三つの点についてお答え願いたいと思います。
  39. 秋山俊一郎

    ○秋山俊一郎君 ただいまの質問に関連して私も一点伺いたいのは、先ほどの説明によりますと、通関はしても市販をしなければ実害はないであろうというようなことで通関を認めたということでありますが、通関を認められたその品物が、市販をされないでおるという事実は、どこの倉庫に何がし入って、そうしてどういう保管がされておるか、果して市販がされないということをはっきり通産省は確かめることができるという見込みの上で通関をしたのであるかどうか、今千田委員の質問にもございましたように、明らかにこれが大阪方面で市販されておるという話であります。そうするというと、それはその通関をしたものであるか、あるいはそうでなくして他のあるいは密輸品であるか、こういう点も非常な問題だと思うのです。そこで通関することそのこと自体が局長名をもって大蔵省に輸入停止をさせてくれ、すなわち通関させてくれるなというようなことを言っておいて、すぐこれらのものに通関してくれということは、われわれは不可解に考えられる。今お話のありました通り韓国から日本の不信をなじったということでありますが、不信をなじるという点は日本にもたくさんあります。韓国から不信をなじられる理由は私はちっともないと思う。そういうことは通産省においても十分御承知のはずだ、それをあえて手のひらを返すごとく通関を認めたということは、はなはだ私ども納得がいかない点がある。それもあわせて一つ御答弁願いたいと思います。
  40. 樋詰誠明

    政府委員(樋詰誠明君) 先ほど申し上げましたこととまた重複するかとも思いますが、われわれといたしましては、東和商事にだけこれを認めた、あるいは認める方針でこういうことをやったというのではございませんで、韓国側の申し出があった場合にも、とにかくまあ今先生のお話で、韓国の方が日本に対して不信をやっておるというお説、これはごもっともでございまして、われわれといたしましても、そういう国であるから、ここで向うが適法に積み出したというものの通関停止という非常に乱暴なことまで、そういう国であるからやり得たということでございます。この点につきましては、われわれの方といたしまして、韓国側が苦情を言い、あるいは外務省あたりからも少しひどいのじゃないかといったような話があった際にも、むしろ韓国に対しては日本側の方からこのほかにもいろいろ言い分があるのだから、このくらいのことは当然じゃないかということで、この通関停止ということをやったのでございますが、その際にもある程度の、できるだけ友誼的に進めていくということであるならば、通関だけは認めて、そうして倉庫に入れる、市販しないというのならば、そんなに通関さしてくれというのであれば、通関はさしてもよろしいということを先方に答えたというわけでございまして、これが値ぎめができないといったようなことから、実際上その分については通関がなかったわけでございます。  それから東和商事の件につきましては、これは先ほど申し上げましたように、無為替輸入としてとにかく物を回収するというその際に、あらためて一々この価格について現物を見てからきめるといったような必要はないということで、倉荷証券を寄託するという措置をとってもこれはやれるということでこうやったわけでございまして、この同一条件でありましたならば、ほかにも当然それと同じ措置をとるという方針をとっておるわけでございます。そこで最近このほかにも同じようなことで無為替輸入ということでやりたい、そのためにはほかに適当な外貨の割当を受けた方から外貨の割当を譲っていただいたら、それで一つ無為替輸入をやりたいということを、いろいろ言ってきておられる方もございまして、われわれの方としてはもちろんそれはけっこうだけれども、しかし市販はできません、もし市販はしないというのであれば、通関そのものを、あらためて、生産期が明けるまではだめですということを申し上げました結果、またここで通関さした上で、あらためて倉庫に寝かしておくといったようなことをやるよりも、それじゃもうすぐ四月にもなるのだし、生産期でなくなってから、そういうことで割当を受けたもう一人の方から割当を譲っていただいて、そうして自分の無為替を回収するということにしたいからというふうに言っておられる方もございまして、われわれの方といたしましては、これと同一割当を受けた方から譲渡してもらったというのであれば、これは割当を受けてやったと同じことでありますし、これは今まで一般方針として認めておるわけでございます。  それから市販の事実があるじゃないかというお話につきましては、私の方といたしましては、今までないというつもりでそれを信用してきたわけでございますが、だんだんのお話もございますので、先ほども申し上げましたように、至急大阪、広島の通産局に通知いたしまして、この事実をはっきり確めさしたいと、こういうふうに考えております。  それから倉庫に入れればそれで大丈夫かというようなお話でございましたが、そのときの私どもの考えといたしましては、かりに通関できないで保税地帯にあるというようなものにつきましても、それはいずれ生産期が終ればこれは入ってくるのだということは、これは一応市況には織り込み済みのことではないか、その際その保税地帯にある品物の所有者は、これは所有権が転々としてAからBというものに所有者がかりに変ったところで、その所有者が変ったということで、そのノリの市況というものが動くのではない、あくまでも現物が出たかどうかということで動くのである、そういうふうに考えておりましたために、これは倉庫に入れれば確実かということにつきましては、一応通産省としては倉庫に入れておけば大丈夫じゃないかという判断をいたしたわけでございます。
  41. 森崎隆

    ○委員外議員(森崎隆君) 御質問申し上げようと思った点は各委員からいろいろお話がありましたので、これはとどめておきます。  通商産業次長にちょっとお尋ねいたしますが、この通関という問題と倉荷証券の寄託という問題と、これは私さっきからずっと聞いておりまして、非常に一つの要領のいい方法のように思わる、私から見ますと。あるいはまたあなたの方はそうじゃないと思いましょうけれども。と申しますのは、特に年末からことしにかけて相当さっき入ったような報告がありましたが、このあたりの価格が従来よりもだいぶ安い、半値程度、二十五セント程度のお話、これは言いかえますと、商社といたしましては非常に何とかして入れたいという気持、これは相当何かあなたの方にも陳情や何かの形でずいぶん来たのだろうと思います。それから韓国側の要請もこれはあったのだろうと思いまするが、これはさっき秋山委員から申されましたように、これは向うの自業自得の建前でありまして、われわれといたしましては関知しない。結果的には韓国の業者、政府の言い分をある程度聞たい結果、日本の生産業者に非常に迷惑を及ぼすことは現実の問題です。外国の商社の利益をはかるため国内の生産業者を犠牲にするということ、これは日本国内の感情としては許されないことだと私は考えます。  それから当時のいきさつ等につきまして、東和商事を中心にしましたお話もあなたから聞きましたが、これらの点もやはり省自体が積極的にやるべき問題じゃない。これは当然東和商事その他から強い陳情があったと思います。それにあなたの方が動かされた、そういうふうないろいろの材料を総合的に見ますと、一方では本院の決議等で生産期には通関できないという一つの縛りがある。その縛りの中で、倉荷証券さえとれば通関さしてもいいだろうというような一つの抜け道が一つ作られるという疑いも私は持つのです。決してあなた方を信用しないで申すわけじゃないのでありますけれども、ただ問題は、日本の商社というものの従来からの業績から考えましても、これはわれよりもあなた方自身の方が痛切に知って実感していらっしゃるはずです。証券だけ握って通関さした場合に、その結果がどうなるかということは、やはりよほどしっかり監督をしないと、こういう事態が発生するということは自然発生的な問題じゃなくて、計画的な問題である。そうしますと、あなた方にはその意図がなくても、結果的にはこういうような事態を起すことを黙認したという一つの当然責任はあると私は思う。これをあなた方考えていらっしゃるかどうか、この点をお伺いしたいこと。  もう一つはさっき、もしこれは生産業者に迷惑をかけた場合には適当な措置をとるという、この措置というのはどういう措置をとるのか、補償せよと青山委員から言われましたが、補償は私の限度ではない、その補償の問題については局長、あるいは石橋大臣等と十分相談をして、この問題についてやるかやらないか、やるとすればどの程度やるかということを後に御答弁いたしますというのなら話はわかります。私一存では、できませんというのは、全面的に否定するということにはわれわれとしては受けとれない、この二点についてまずお伺いいたしたいと思います。
  42. 樋詰誠明

    政府委員(樋詰誠明君) 第一の点、これはいろいろお話を伺っておりますと、これほどいろいろのあとから紛議を起すといった問題を非常にわれわれの方で軽く考えて、そして倉荷証券さえ預っておれば御迷惑をおかけしないのじゃないかという判断のもとにいたしたので、その後の監督ということを万全を期していないという点は、確かにわれわれの手落ちだったと、そう認めざるを得ないと思います。われわれといたしましては、先ほどから申し上げておりますように、あくまでもそのものがそのまま倉に入るということで御迷惑をおかけしないのだというという確信のもとにこうやったのでございますが、事実結果におきまして、そういうことがあったということになりましたならば、これはまことに申しわけない、こう存じております。  それからもう一つ、かりにそういうことがあって実害が起った場合に補償するかしないかという問題につきまして、私この場限りではお答え申し上げられないということ、これは今先生のお話の中にありましたように、よく実情を確めました上で、大臣初め上司ともよくお打ち合せした上でできるだけ善処したい、そういう趣旨で申し上げたのでございますので、御了承いただきたいと、こう思っております。
  43. 森崎隆

    ○委員外議員(森崎隆君) こういう事態が発生いたしますに伴いまして、今の補償の問題は補償の問題として一応本委員会で各委員からいろいろお話があろうと思いますが、最小限度の問題としまして、あと現在在庫中のものについて何かはっきりした方針が立てられてしかるべきだ、少くともそのことは私たちとしましては期待しておったもので、これに対しては何ら言及されていないのですが、これはどうするのですか。
  44. 樋詰誠明

    政府委員(樋詰誠明君) これは至急地元の通産局に連絡いたしまして、実態を調査させる、それから現在保管中のものについては、もうもちろん絶対にこれは倉出しということはないと、こういうふうに存ずるのでありますが、その点も万遺漏のないようにあわせて通産局に監督さしたいと思っております。
  45. 森崎隆

    ○委員外議員(森崎隆君) 最後に、特に要望いたしておきまするが、輸入された、通関したということだけで内地の生産業者の生産物は相当のやはり影響を受けるわけです。あなた方も商取引関係の上じゃ、もう十分御存じだと思う。このように倉荷証券制度のような形で事実上は出し得る道がこれによって開かれたということは、非常に日本の生産業者をたたきつけたということは現実の問題であります。ですからこれは初めからその衝に当るあなた方としてはわかりきった問題です。それを今になって、確信をもってやっておったのだが、こういうことになったから取り調べて何とかいたしますということでは、私はおざなりの答弁だと思う。少くとも現在まで在庫中のものはあと幾らございまするか、三千万枚か四千万枚かございますノリにつきましては、厳に一つ倉から出さないように、はっきりと責任をもってやってもらいたい。それからさっきも森委員からお話がありましたように、こういうようになりますのも、やはり需給調整協議会というのがせっかくございまして、この協議会は、私水産委員に在任当時にでき上った組織でございまして、これが通産省、農林省等におきまして、うまくこれをリードし育成していただければ、今日のような弱体なものにならなかったはずなんです。それを作れといって作らしておいて、あまりこれに手を入れない。手を入れるというのは言葉が悪いのですけれども、これを育成しない。これは私は非常に悪いことだと思う。ところが一方においてはこれを利用しております。生産期間中にはいろいろとインポーターにつきましては金利等において迷惑をかげながら、それ相当のことをしろということになって、いろいろな費用を若干やはり生産業者の方からは援助しておるわけです。これはやはりあなた方の助言に基いてなされたものとわれわれは考えるわけです。こういうふうにして需給調整協議会そのものの育成強化につきましては、誠実な気持をもって当られないということが非常に遺憾だと思います。これは一つ特に森委員の発言がありましたから、これ以上申し上げませんけれども、今後もう少しインポーターにもっと奮闘させていただきまして、これも強化していただきたい。お互いの間で、最後には農林省やあなたの方等で示唆がなくても、両者の話し合いでうまくいけるようなところまでもっていってもらえるのじゃないかと思いますので、特に強く要望しておきます。
  46. 棚橋小虎

    ○委員長(棚橋小虎君) ちょっと速記をとめて。   〔速記中止〕
  47. 棚橋小虎

    ○委員長(棚橋小虎君) 速記をつけて。
  48. 戸叶武

    ○戸叶武君 この問題は、通産省の方は軽く取り扱ったなんという答弁をしておるが、私は相当計画的な事件だとみなしているわけです。しかもあなたはこの東和商事の実体というものを、ただ皆が紳士的に遠慮しておるのだけれども、実体をあなたたちはどういうふうに見ておるのです。だれが社長なんです。だれが政治的バックをしているのです。だれが働きかけたわけです。単に韓国側だけではないでしょう。この弱い、今までの三十万からの業者いじめにこういうことをやって、監督官庁としての通産省の役割は一体できるのですか。特に倉荷証券さえあずかっておけば御迷惑はかけないではないかなんて、しろうとの言うことです。少くとも今までそういうことを幾多経験のあるところの監督官庁が、そういうふうなことを言っていたのでは、とにかく何を言っているのか、寝ぼけるなということを私は当然言われると思います。こういう形で時間が取られていくのでは、われわれかなわない。しかもこの責任の問題は、だれを追及するのじゃない、あなたたち自身の責任の問題だ、一番大きいのは。単に東和商事だけの問題ではないでしょう。このことはもちろん通産大臣なり何なり、政治的責任者を出してとにかく皆究明しようというので懇談に入ろうとしているわけだが、その軽く取り扱ったなんという次長の答弁に対しては、私は非常に不満だ。こういうふうに波及する問題を軽く取り扱ったなんということは許せないと思う。それから事実今までにおいて、事件が起きてから値段がどんどんたたかれておる。震源地と思われるところの熊本県なり、あるいは山口県の弱い業者というものは、その死活権を脅かされておる。そういう事態が生まれていながら、いまだ十分調査ができないというような、とぼけたことを言っていたのでは、役所というものに対して不信の念が非常に出てくる。皆がまんして死活線をさまよいながらこういう陳情をやっているのだから、やはり陳情――皆からの質問をしようというときは、そういうあいまいもこたる答弁を聞こうと思っているのではない。もっと今までにだって調査ができないわけではないどれだけ調査が行き届いているか。今まで値段がたたかれてきたって、どれだけ値段がたたかれてきたということがわからなくなるようなことでは、役所としての機能が喪失している。その点もう少し明快に責任を持って答弁してもらいたい。
  49. 樋詰誠明

    政府委員(樋詰誠明君) 先ほども申し上げましたように、私の方といたしましては、一応生産期が終れば、残りのノリが入ってくるのだということは、これは市況の中に織り込み済みである、そういうふうに一応了解したわけであります。従いまして、それが保税中のものであろうが、あるいは関税線は突破いたしまして内国貨物になったというものでありましても、生産期を終ったならば相当数量のものが市場に出るであろうということの予測というものは、あらかじめ関係業界においては十分御承知になっておったのではないか。そこでその際にそのノリの所有者といったような者が転々するといったようなことは、直接的に価格には響かないのであります。これは先ほども申し上げましたが、かりに保税中というもの、その保税中のものでも、場合によってはシッパーが向うの都合その他で変るということもあり得るのじゃないかと思いますが、そのシッパーが変ったから値段がどうなるということもない、こういうふうに考えておりましたために、国内に入りましたものも、現物が市場に出ないというのであれば、一応市況に影響ということは、すでに織り込まれた部分以外はあり得ないのじゃないか、こういうふうな認識のもとにやったわけであります。ただそれがわれわれの方の非常な認識不足でございまして、それだけで非常に市況を圧迫したといったようなことでありますならば、これはわれわれの不明のいたすところで、はなはだ申しわけないと存じておりますので、今後はこういう問題一切さらによく水産庁とも御相談いたしまして、そうして万全を期するように一つしていきたい、こういうふうに考えております。
  50. 戸叶武

    ○戸叶武君 不明のいたすところであるという道義的責任だけじゃない、現実において倒産に頻した人たちは業界に一ぱいあるのです。これは役所のこういうやり方によって直接の被害を現実において受けたのだ、現実の問題なんだ、そういうことに対して、それは私の不明のいたすところだというので、役所がいつでもほおかむりして相済むような問題と違うので、実害がある。しかも現実において数学的に現われてきて、こまかいことが必要ならば、その値段の変動なり何なりをわれわれの方から調べ上げて差し上げてもよろしいが、そういう実害が及んで、そうして死活線を彷徨してきているのです。そういうものに対して、だれが一体それでは責任を負うて、その人たちの迷惑をカバーしてくれるか、そういうことは当然起きてくる。私はただ単に不明のいたすところだなんというそんな答弁では、これは済まない問題になってきていると思う。だからこれはあなたを相手にしていたのではしようがないから、結局委員長が言うように、どういうふうにするか、これは話し合わなくちゃならないのだろうが、そんな気の抜けたビールのような答弁をされていたのでは実際話にならない。(「同感々々」 呼ぶ者あり)
  51. 森八三一

    ○森八三一君 これは最初に一応経過の説明を聞いたのですが、非常に私は通産当局の御答弁を遺憾に思うのです。これは今非常に窮せられたからそういうつけたりをつけて、この場の言い逃がれをされておるとしか理解できないのです。ということは、生産期中は通関手続をやらない、そのときの御説明はそんな説明ではなかった、もちろん迷惑をかけなければいい、そんなつけたりな説明はちっともなかった、やらぬということなんです。あとでやってしまって、それはきょうお考えになった説明なんだ。そういう答弁をわれわれは求めているんじゃないのです。やらぬということはやらぬことなんだ、そのときはそういう御説明はなかったのです。  それから第二の点は、こういうような商品は、われわれよりも通産当局の方が十分承知しているはずなんです。コンニャクの粉にしても、現物が入るんじゃない、こういうものは外貨の割当があったというだけで市価に非常な影響を来たすということは、これは少くとも通産当局は知っていらっしゃるはずなんです。それを通関してもそれが市場へ出なければ何ら実害がないなんて、そんな寝ぼけたことをお考えになっておる当局じゃなかろうと思うのです。百も承知しておって、今やってしまって、間違いがあった。それについて何とか説明を合せなければならぬから、そういう御答弁をされているのであって、もう少しまじめに答弁していただきたい。われわれは済んだことを今直すといっても、いろいろ問題は複雑になりますが、済んだことの始末は始末として考えますけれども、そういう言い逃がれの答弁を要求しているのじゃない、もっとまじめに答弁をしてもらいたいのです。初め生産期中はやらぬということをあなた方実害がなければやってもいいと理解しておったということでやったから、今そういう御説明に変ったのでしょう。通関をしてもそれが実害は及ぼさぬなんということは、こういう商品にあり得ることじゃないのです。外貨の割当をしたということだけで、すでに市況に影響を来たす程度の商品なんだから、それくらいのことは通商当局は十分御承知のはずなんです。それをあえておやりになったということに問題があるのです。そういう点一体どう考えられますか。
  52. 樋詰誠明

    政府委員(樋詰誠明君) これにつきましては、先ほどから再々申し上げている通りでございまして、あとからつけたといったような理屈ではございません。割当自体はすでに上半期になされたわけでございますので、この割当に基いて当然入って来るということ、これは天下衆知の事実である。ただその入って来るということは、一応割当をしましたので当然入ることになったのでございますので、たまたま生産期になったので、現物を流さないということをしようということで、とにかく現物が国内に流れるおそれのないようにという措置を講じたということでございまして、この割当自体は、外貨の割当をすれば市況に影響すると、こういうお話しでございましたが、すでに割当てられた外貨に基いてそれを譲り受けて、とにかく通関だけしたということでございまして、この点につきましては、一応中でいろいろ相談した結果、実害がないのじゃないかということから許可したというわけでございます。そういうのは、それは事実でございます。
  53. 森八三一

    ○森八三一君 あなたのおっしゃるのはおかしいじゃないですか。十一月二日付で、国内のノリの生産期の終了までは通関を認めぬというのです。通関を認めたじゃありませんか。これはどうなんですか。通関を認めぬとわれわれにもそういう約束をなさった。そのときに今御説明になっておるような内容はちっとも説明しておらぬ。通関はしないと言うのです。通関したじゃありませんか。これはどう責任をおとりになりますか。
  54. 樋詰誠明

    政府委員(樋詰誠明君) これも先ほどから申し上げましたように、関税線を突破したあとで、国内の倉庫に納められて、現物が市販されるといったようなケースはないのじゃないかということから、一般的に通関をとめるということで税関の方にお願いしたのでございます。そこでそのあとで、通関しないのと経済的に同様な効果のあるものであるというふうに認定した場合には(「詭弁ですよ」と呼ぶ者あり)これは一応通産省の方として通関だけは認めてもいいのじゃないかと、そういうふうに考えたわけなんであります。
  55. 森八三一

    ○森八三一君 その説明がおかしいじゃないですか。そういう通関しないと、認めないということをわれわれに約束なさった。そのときにそういう説明があったとすれば、それは話しはわかるのだ。通関しないということは通関しないことなんだ。通関したじゃありませんか。そのときにそういう内容の説明はなさっていらっしゃらぬでしょう。しましたか、そういう説明を。これはもう明らかに通産当局の不信行為であると思う。議会に対する説明と行動とが全く相反しておるということしか出てこない。それをどうお考えになりますか。
  56. 樋詰誠明

    政府委員(樋詰誠明君) この前の国会でいろいろこの問題が論議されましたときには、私の前任者でございましたので、正確にはわかりませんが、大体輸入いたしませんということにつきましては、国内に市販をするといったような経済的効果を及ぼさないということのために、一般的な言葉で輸入いたしませんというふうに申し上げたのだと、そういうふうに考えております。
  57. 千田正

    千田正君 関連して……。今、森君のお尋ねに対しての次長のお答えは、あなたはまあ新しい次長さんだから、わからないと言えばそれっきりの話ですが、いやしくも参議院の水産委員会の決議に対して、それを尊重して、生産者の保護育成を十分考えて、かりに輸入するというようなことがあったならば、方式をはっきり立てて、水産庁と相談して、それからでなければやらぬということをわれわれの前で明言しておいて、そうして輸入するとは何ごとですか。国会の審議をあなた方は侮辱しているというよりほかはないんですよ。だれが責任をとるんですか。責任の帰趨をはっきりして下さい。
  58. 樋詰誠明

    政府委員(樋詰誠明君) 国会の方でいろいろ御決議になりましたというその御決議に対しては、これはわれわれの方でも十分に尊重して、今までもやって参ったつもりでおりますし、今後もますます尊重してやって行きたいとこう考えております。で、この点につきましては、先ほどから再々申し上げているのでございますが、この前のときに輸入しないというお話、それについては最前も申し上げましたように、国内に市販するといったようなことを前提として輸入するということはしないと、こういうことで、その国内の市販ということができないという保障があるならば、一応国会の御決議というものに相反しないんじゃないかと、こういうふうに一応判断したわけでございます。
  59. 千田正

    千田正君 それは牽強付会のお説であって、あなたが今言うことは、後任者の立場ということで、当時われわれに明言したこととは違います。速記録をとって、はっきりと二十九年五月にわれわれ参議院の委員会において、通産当局が明言したことは、それは話が違う。そういう輸入しなければならないということがあるならば、最小限度にとどめて、しかも国内の生産業者を守る、そうして十分に農林省とあなた方の方と相談してやるということだった。ところが聞くというと、水産庁の方にも何らの話がなかった。勝手にやっている。問題は新ノリさえも今大阪で販売されている、朝鮮からきているのが。そういうことは相知らぬということをあなた方が言えますか。だれが責任とるんですか。だれが補償するんですか。それは少くとも国会で決議をされて、それに対しては尊重しますと、行政官庁同士がお互いに相談して、生産者に迷惑のかからないような方式をとってやりますと言っておいて、実際においてはこういう事柄が出てきている。私はその点においてはあなたのお話しになったのは、今の次長さんだからいいとしますけれども、前の次長さんなら許しません。通産当局はもう少し責任ある答弁をして下さい。われわれはしからば農林水産委員会としてあくまで通産省に対して責任を私は追及しますよ。
  60. 青山正一

    ○青山正一君 議事進行について……。一つこの通産省通商局の次長が、一昨年の四月に衆議院がどういう決議をしたか、あるいは参議院が一昨年の五月にどういう決議をしたか、その点を一つよく勉強しなすって、他日、日をあらためて、たとえば二十九日でもよろしゅうございますし、あるいは三十日でもよろしゅうございます。水産庁とよく相談してこの善後策を一体どうするか、あるいは今後一体どういうふうな角度でこの問題を進めて行くかということを、よく検討なさることにして、ほかに議案も二、三残っておりまするからして、これを二十九日なり、三十日の委員会でよく話合うということにしまして、一つ議事進行をお願いいたしたいと思います。
  61. 棚橋小虎

    ○委員長(棚橋小虎君) ちょっと速記をとめて。   〔速記中止〕
  62. 棚橋小虎

    ○委員長(棚橋小虎君) 速記をつけて。  本件については本日はこの程度にいしまして、なお本件について政府におかれましては、国内産業育成のため、また零細漁民擁護のために、本日の委員会及び懇談会の経過にかんがみ、遺憾なく措置されるよう強く要望いたします。   ―――――――――――――
  63. 棚橋小虎

    ○委員長(棚橋小虎君) 農業協同組合整備特別措置法案(内閣提出、予備審査)を議題にいたします。  本法律案につきましては、去る二月二十一日提案理由の説明を聞いたのでありますが、本日はまず農業協同組合及びこれが再建整備の現況その他参考事項、並びに法律案の内容及びこれが予算的措置等について補足的に説明を聞き、続いて質疑に入ることといたします。
  64. 安田善一郎

    政府委員(安田善一郎君) 農業協同組合整備特別措置法案につきまして、御提案の理由は先般申し上げた通りでございますが、委員長の御指命によりまして、補足的な説明を簡単に申し上げたいと思います。  わが国の農業を振興いたしますためには、特に農業者の自主的な共同組織によりまして、所定の法律が戦後もできておりますが、農業協同組合法にのっとりましてできておりまする農業協同組合、その前身を歴史的にたずねますというと、明治初年に信用組合ができまして以降、また特に明治三十二年以降産業組合法が制定されまして以来、主として農業面にその実情に即したために発展をして参りました農業協同組合の整備強化をはかりますことは、一大重要事項であると思っておるのでございます。それらのことにつきましては、今さら申し上げるまでもないところでありますが、終戦後は各種の経済事由、その他の経済態勢の変更もございまして、それらの影響を農業協同組合が受けて参りましたことも周知の事実でございます。  そこで政府昭和二十六年度から農業協同組合を中心にいたしておりますが、農林漁業組合再建整備法によりまして、その再建整備に着手をいたしました。この措置は本年三月末をもって終了することに同法はなっておりますが、二十九年度末までに単位農協が五十三億、連合会が百八億円に及びまする法律に基く増資が達成されまして、ほぼ所期の目的を達しつつあると考えておるのであります。また農業協同組合連合会の累積をしました赤字を克服いたしまするために昭和二十八年度には農林漁業組合連合会の整備促進法を国会の御審議を得まして制定をしまして整備を要する県の経済連合会、普通に言いまする県経連の大部分の指定を得まして、これは制定後十年間の期限でございますが、目下鋭意その整備に努めておる次第でございます。  しかしながら農業協同組合の中心は、何と申しましても市町村にありますいわる総合農協で信用事業から経済事業、指導事業等も含めまして、一部には教育等の事業も含めまして、特に経済事業及び信用事業を行っております総合事業のものが中核体でございます。その実態を見まするに、最近におきましては、各種の事情から相当部分は遺憾ながら経営が不振でございまして、本来法の所期をいたしておりまする目的を十分に果しておらない実情でございます。これらの農協につきまして、今般五年間を目途としまして、できるだけすみやがに、みずからの自主的な整備の強化を組合がこの共同体の精神と努力を基礎にいたしまして、その上に政府が援助をいたしまして、整備強化をはかるよう、この法案を提案を申し上げた次第でございます。  これらの不振、または経営不振と申しておりますが、そういう農協につきまして、不振の原因を農林省の調査、あるいは農協中央会の調査等によりまして判断をいたしてみまするというと、役職員の不整備あるいは適当な者でないことによることも相当ありますが、もちろん経営規模の小さすぎるようなこと、あるいはその自然的な土地条件、作物その他の条件、経済的条件というようなものがあまり恵まれたところでないところなどに、原因するものも相当ございます。また過去から累積されました多額の欠損金を持っておりまするその負担のために、最近の短期間の、たとえば一年間の事業としましては相当健全であっても、過去の欠損金による負担にたえきれなくて、不振になっているものがあると存ぜられるのであります。各種の理由がございまするが、経営不振の農協のおもなる事由と申しますれば、特に取り上げて三つをあげれば、以上のものに類型を分けられるかと考えているわけでございます。  これが対策としましては農業協同組合はあくまで自主的な組合員の相互扶助、共存共栄の精神にのっとりまして共同活動をいたしましてあるいは共同販売あるいは共同購入、そういう組合員の利用度を、貯金あるいは金融を受けるということをも含めまして、事業を組合を利用するというそういう共同活動に基きながら、また各種の組合がございますので、二十九年からは農協でありながら農協自身を、友だちの農協を自己鑑査する、整備促進をする、立て直しをやる、うまくできていないところは診断もしたり診察もしたりすると、こういうような事業を主とした事業としてできておりまする都道府県及び全国の農協中央会の設立もみておりますので、その事業を自主的な協力によりますとともに、不振のはなはだしいものにつきましては都道府県の助成によりまして、国がこれを援助いたしまして、役職員の強化を必要とする農協に対しましては、駐在指導員によりまする指導を行いまして、これに対して国も補助をいたすという方法をとりたいと思っているのが本案の一つでございます。  第二点としましては、多額の欠損金の負担を有する農協に対しまして、同じ農業協同組合の重要なる一環でございます信用農業協同組合連合会から融資をしていただきまして、その赤字に見合う貸付金を融通をしてもらう、そうしてその融資金の利子免除させて、その負担を軽からしめて、単位農協の活動促進をはかりたいと思っているのでございますが、これに対しまして、信連に一部の利子補給を政府が援助したいと思っているわけでございます。  第三点といたしましては、本来組合は現行法によりますると、十五人以上をもって組織をし得ることになっておりまするが、私どもから今日みまするというと、総合農協は旧町村単位に一組合ぐらいに整備されておりますが、特殊組合も各地域にありまして、中には少数でございますが、町村の区域に連合会があるほどのものもありましたり、数に至りましては、町村段階三万五千もあるのでございます。総合農協は比較的健全でございまするが、一万三千その中にございます。特にそのうちの規模の過小な農協に対しましては、合併の奨励をはかることが先決問題ではないかと考えておる次第でございまするが、もともと自主的に設立もし、事業もし、その経営の健全化もはかるべき農協でございまするから、本法案によりまして合併の勧告もできる措置をとるようにいたしつつ、合併をいたします場合に対しましては、国は都道府県を通じまして必要な助成措置を行うようにいたしたいと思っておるのでございます。目下の農業情勢、経済情勢からいたしまするというと、本法に盛りました最小限度の措置でございまするが、これらによりまして、さらに自主的な努力を払っていただきまして、農協が整備強化されますことは急務であろうかと存じておる次第でございます。  この観点からいたしまして、農協の整備計画を立てていただくわけでございますが、この整備計画は、計画に関しましては昭和三十三年三月三十一日までに立ててもらいまして、この計画に基いて五カ年間の措置がとられるようにしたいと思っておるわけでございます。三十一年度の予算におきましては、衆参両院で御審議いただきましたところによる通りでございまするが、この関係といたしましては、一億一千三百万月余の予算農林省予算において計上いたしておりまして、そのうち駐在指導員による指導費の補助といたしまして一千八十万円、信連に対しまする利子補給といたしましては七千五百万円、合併奨励金といたしましては二千五百万円、なお都道府県にこの農業協同組合振興整備に関しまする学識経験ある人の委員会ないし協議会、こういうものを置いて、よく計画を練っていただいたりなどいたしまするので、その運営に要しまする費用といたしまして二百三十一万九千円を、内訳以上四つといたしまして合計一億一千三百万円以上でございまするが、計上いたしております。これらの助成は大蔵省とも打ち合せまして、少くとも五カ年間はこの法律の施行の運営に必要な経費として、継続して予算も計上し合おうというふうに協議を整えておる次第でございます。  簡単に補足説明を申し上げますと以上でございまするが、なお必要に応じまして、御質疑に応じましてお答えを申し上げたいと思います。
  65. 棚橋小虎

    ○委員長(棚橋小虎君) 以上、説明を聞いたのでありますが、続いて質疑に入ります。御質疑の向きは順次質疑を願います。
  66. 森八三一

    ○森八三一君 この計画につきましては非常にけっこうだと思っておりますけれども、ただ、ここに至りますまでのこの経費のことについて一点まずお伺いしたい。それは、調整勘定の残余金が五億一千五百万円残っておる。それは参議院では、あの残金は納付したその次の予算に当然織り込んで予算化すべきであると、その予算化される目的としては、こういう方向でなければならぬということが決定されておりまして、そこで二十九年度の最後に六億数千万の調整勘定の残余金が納付せられた。当然三十年度の当初予算にそれが予算化さるべきであるというようにわれわれは確信をもっておったのでありますが、一億一千万円でしたか、教育事業と蚕糸関係に出されて、残りが五億一千五百万円であった。そこで法律を修正いたしました趣旨とは非常にそぐわないので、これは一体どういうふうになるのかということをだんだん究明いたしました結果、河野農林大臣は国会の趣旨に沿ってその金額を次の機会には予算化するということを明確に御答弁になっておったのであります。どうもそれが予算から考えますると、この農業協同組合の整備特別措置というものにすりかえられてしまったように見受けるのですが、そういうような内容のものであるかどうか。この整備について異存があるというのではなくして、このことをお考えになった予算のよりどころとして、そういう振りかえ的な内容のものであるのかどうか、全然無関係のものであるかどうかということをお伺いしたいと思います。
  67. 安田善一郎

    政府委員(安田善一郎君) 農業協同組合は、最近の現勢にかんがみまして、特に急速に整備強化を要すると思いまするが、それを判断いたしまする材料、あるいは調査、考え方ということにつきましては、本案に盛りましたような農業協同組合整備特別措置法を設けて、はっきりとその措置をとっていくのが継続的でもあるし、内容も明確でよろしいと考えたことが一つでありますが、森委員の御質問に関しまする、これに要する費用の点につきましては、お述べになりましたように、二十九年度末に六億一千万円余を国庫に納入しまして、昨年度はそれから一億二千万円教育その他の費用に普通の補助予算として計上いたしましたけれども、かりにこれを差し引きますと、五億何ぼとなりますが、お話の法律は、農協連合会の整備促進法に基く国会修正の規定だと思いますが、同法に基きましては、それに相当する額は、必ず整備促進に役立つように使うという法律で、尊重すべき法によらなければならぬ措置だと考えております。あわせまして、農相答弁があったことについて、私ちょっと記憶が薄れておりますが、こういう農業協同組合整備特別措置法による、明確な、継続して急速にやって参るという措置が必要な際には、それらのこともあるから、当然予算を計上すべきである。両方を考えておるわけであります。
  68. 森八三一

    ○森八三一君 今その五億数千万円残っておるというのが、この今回の整備特別措置法を計画された財源として引き当てになっておるのかおらんのかということなんですが、もし引き当てになっておるとすれば、次の予算の編成期には、国会の議決の趣旨によって善処するということがすりかえられたように受け取れるのですが、そういう因果関係はあるのかないのかということでございます。
  69. 安田善一郎

    政府委員(安田善一郎君) 予算措置だけについては、因果関係がないとは申しません。あるといった方がいいと思います。しかし、この農業協同組合整備特別措置法は、法をもっても行うべきことであって、農協の整備状況、またこの法に盛る状況のいかんによりましては、なおかつ、これは対象組合が今後どのくらいになるか、たとえて申しますと、一年度でも――本年度は施行の第一年度でございますが、来年は第二年にもなるわけでございます。施行の第一年には、とかく施行日等の関係もありまして、若干の実際施行する時期的ズレ等もございますが、これ全体が五億で済むとは必ずしも思っておりません。そういう意味におきまして法案をぜひ御審議していただきまして御可決下さいましたら、これは必要な経費を計上すべきである。しかしこの法案では最低はどうかといえば、五億は当然その関連もあるから出すべきだ、こういうような気持でおるわけでございます。
  70. 森八三一

    ○森八三一君 まあ趣旨はよくわかりますが、これまでの委員会の質疑との関連で、特別振興計画を立てることには何ら異存はございません。けっこうだと思いますが、こういうような案ができてきた財源として調整勘定の残余金が考えられておるということになりますると、これは再建整備促進法ですかをわれわれが審議したときとは金の使い方に非常に変ったものが出てきておるということになるので、そこに一つまあ問題が考えられる。因果関係が全然ないということになると、大臣が三十一年度予算には五億一千五百万円残っている分は計上します、こういうお話になったこととまた食い違ってくるということになるのです。今までの調整勘定の審議をめぐって法律修正をした本院の意思と、その後における委員会の質疑の結果の大臣の言明というものとを総合して考えますると、これが関係があるようでもなし、ないようでもあるしということになりますが、予算の面から見るというと五億という金が、五カ年間利子を計算して積算いたしますと、ちょうどこの第一年度の事業が五カ年間で五億数千万円ということでぴったり金額が合ってしまうから、あれが引き当てになっているようにも見える、その辺は大蔵当局との財源をお考えになる場合に話があったのか、なかったのかという点だけ明確にしていただきたいということでございます。
  71. 安田善一郎

    政府委員(安田善一郎君) 私が理解いたしますところは、おそらく次年度以降において予算をもって計上いたしましょうと答えたと思いますが、その限りにおいては沿うておると思います。率直に私自身も農協課長などとともに、またその最後において予算折衝した経過は、大蔵省の意見などはこの額よりうんと少いものでございました。たまたまこの整備促進措置を単協についてやるのが再建整備促進、単協整備と、こういうふうにきました段階においては、特に最近の農業経済の情勢から見ても必要である。農協自身の状況からも必要であるという別個の調査からしまして判断しましたので、関連がある点があれば何となく出さなくてはならぬということで、一億一千万円ということに限っていなかったという経過がございます。  なお、かつまた引き当てで整備に使うべき予算を次の年に全部計上するということも必ずしも私は明確に受け継いでおりませんでしたので、最低限度これは必ず計画的に取るべきもの、使うべきもの、しかしこの法律は別個必要でもあり、本年度具体化し得るには一億一千三百万円くらいが必要であろう、これの進行度合いによっては何億になるかもしれない、そういうような意味で御判断を願いたいと存ずる次第でございます。
  72. 戸叶武

    ○戸叶武君 今の農協の不振を打開するのにはこういう措置が大切であるが、とにかく農協の不振の原因を経営規模の過小なり、あるいは役職員の執行体制の不良なり、あるいは繰越欠損金の過大なりというふうに指摘してきておりますが、その中で何といっても一番なっておらないのは、役職員の執行体制の不良だと思うのです。これをどうやって根本的にたたき直すかということから始まらなければ、これは商売人にかないませんよ。これは昔町村役場というのは名誉職という名前で村の地主の遊び場になっていて、そうして非常に事務能率を上げなかったが、こんなことじゃだめだというので立ち直ってきて、今の市町村というのは幾らかよくなってきたんだが、今の農協というものの実体は、単位農協についてはそういう傾向が非常にある。責任体制ができていない。それからもう一つは能力を持っていない。商売人とはかないません。それから今のような農協の状態では信用がない。単位農協では金が集まらないのです。それからもう一つは河野さんが言ったように、やはり信連事業の問題は一つの大きな問題だと思う。これは河野君の考え方とわれわれの考え方とは少し違うけれども、一応河野君が利子を入れようとしたのはこれは正しいのであって、今のような形では、もとはとにかく、信用事業というものは、村によっては信用のある郵便局に納めておった。このごろは郵便局よりももっと利子がいいというので、銀行が村々にまで入って、預金を集めている。こんな形ですから、農協の不信用とぐうたらな体制では立ち直っていかない。政治家は農協とひもつきで、あたりさわりのあることを言ってはいけないので、ボスが選挙運動に応援してくれるから、甘ったるいことを言っておるけれども、農民は非常に迷惑だ。この今の段階において、農協を切りかえるということについてはいろいろな補助体制を作ることは必要だけれども、補助金だけもらったり、しりぬぐいだけやってもらうということを願っていたり、言葉だけの自主的にという眼目が失わる。自主的体制を今から作っていく。てこ入れも必要でありますが、大体都道府県の農協中央会の駐在指導員が行ったって、ほんとうの立て直しができない。そこへ駐在して、駐在費ぐらいでいろいろ調べて、ごちそうになって飯を食ったりするくらいで、帳簿を調べても一番眼目になる人の立て直しができない。農協の基本的な立て直しはできないので、私は今の農協の体制というものはもっと政府が力を入れ、またほんとうに農協自体からも自主的な立て直し運動ができないと、食いつぶし団体になっていく。河野君が荒っぽい表現でやってきたのは、私はやり方はえげつないけれども、おもしろいと思う。この河野君の鼻っ柱の強いところで少しやれるところまでやって、間違ったところをこちらで直してやれという私はある意味ではそういう憤りすら持っておった。これは過去において今の農協の不信用というものは想像以上のもので、国会に来ると、いろいろ団体や、お医者さんにおせじを言ったり、薬剤師におせじを言ったり、農協におせじを言ったり、何でも団体の力を借りたものにおせじを言っておった。そこに不謹慎な一つの傾向が現われてきておるが、私はほんとうにこの問題が出てきたら、今の農協をどう立て直していくかということを真剣に農林省だけでなくて国会でも考えなければならぬ。ほんとうに憂うべき状態です。国家の金をやたらに使うだけでもってその成果が上げられないというのだと、ほんとうに農民はとほうにくれてくる。これから農業恐慌というものは必至なんです。こういうぐうたらな体制で農協を守り抜くということはできない。それでそういう問題に対して私は何か農協の中央会の駐在指導員という形だけにまかせておいたのでは、これはこれだけの事業の立て直しはできぬと思うが、農林省はもう少し筋金の入った農協の立て直しをやる腹案は持っていないのですか。それでなければ私は農協はやたら金の浪費だけに終ってしまうのじゃないかと思いますが……。
  73. 安田善一郎

    政府委員(安田善一郎君) 農協の中にもりっぱな組合がありまするので、戸叶委員のおっしゃる通り、全部というわけにも賛成いたしかねますけれども、弱体組合につきましては、客観条件と農協の活動力、その役職員の執行体制というようなものと、農協中央会の心がまえ、実際活動などにつきましては全く同感でございます。そういう考えに立ちまして、そのうちの一部を法案に出しましたのでございまして、全体の、今慎重な、また急速に、態度をとって総合施策を講ずべきものと思っておりますが、少くとも目下農林経済局において研究をいたして、また一部実行に移しておりますことは、これは国、都道府県市町村というようなものから農協を監督し、監査をし、検査をし、指導をするということをやはりしっかりやることが一つであると思います。これはただし農業協同組合の本旨にかんがみまして、むやみと自由に、自主的に、任意加入脱退のもとにできております組合干渉がましく、不当に干渉がましくやってはいけませんので、法に基いてできる限りこれをやるという態度で行きたいと思っておるのでありますが、目下この農業協同組合また都道府県に国の補助職員を置いておりまする検査官等につきまして十分じゃないのを遺憾といたしますが、本年度予算におきましても補助職員をもう少し人を少くして、給与なども上げて行こうという際にいろいろな話がありましたが、こういう協同組合の検査事務を行うものは削ってはいけない、最小限度にすべきで、もっと優先させるべきだという主張で、予算も編成していただきました。なおこれについて訓練と、その懇切丁寧さ、必要な厳正さとをもちまして、その仕事の向上と活動力の増強とをはかろうと思っておるわけでございますが、他方第二としましては、農業協同組合はあくまで自主的にもその仕事をやるべきである。しかしあまり積極的にならぬ場合は、農林省その他ともよく話し合いをいたしまして、自主的な活動及び精神が高揚いたしますように、またこれに、実際活動に現われますようによく話し合うのが行政の妙だと思っておるわけでございますが、その第一としましては、前年度に引き続きまして、中央会に対しましては、これも補助金整理等についていろいろ問題がありましたが、昨年通りの教育予算を六千万円続いて計上することにいたしまして、それで鯉渕学園でありますとか、農業協同組合学校でありますとか、また各県の農業協同組合の学校ないしは学校的なもの、これに農協も信連も経済連も、特に中央会の指導職員教育をするようにいたしまして、東京にも必要なものは特別教育を受けるようにしてくれるように措置をいたしておるのでございます。鯉渕学園と農業協同組合学校の卒業生は相当訓練をされたものとして、約二千名すでに養成をいたしつつあります。しかしそれらが出ましても、特に農協中央会が他の系統組織を持っておるそれぞれの事業の農協と十分に結びつかなければ、また活動力を発揮しなければ、責任体制を確立しなければ十分でございませんので、むやみと総合事業を推進するとか、農協はますます現状のままでこの数を増すとかいうことでなしに、質を固めて、一定の実現すべき目標を立てて、そうして指導事業でも計画を立てるべきであり、また経済事業につきましては系統上位団体等もありまするし、信用事業も同様に上位にありますから、たとえば人間のからだで申しますれば、血液に当りまする重要なる信用事業について再建整備を行いまして、ついで、最初は単協もやりましたが、二十八年から経済連合会の再建整備をはかりまして、その中において執務体制の改善でありまするとか、その他の組合利用の形、全利用運動でありまするとか、契約でありまするとかというものを促進することを政府計画の内容といたしまして、あわせまして、全国にも再建整備審議会を置き、今回もまた県に同種の振興の委員会のようなものを置きたいと思っているわけでございますが、それらの両々相待ちまして、ぜひ自主性を根本にしまして、政府が必要な援助を、むしろ最小限度に近いところで行う、こういうふうに進みたいと思っているのであります。他方農業金融につきましても、これはもっとも重要な機構でございまするから、例を単協にとりますというと、貯金は平均しまして農家から二十万円以上くらいの、例外はございますが、貯金は農協に集まらない。また農協に集まった農家の貯金も農業に貸し出しするのは三割まで行っているとよほどいいところである、こういうことなどにも着目をいたしまして、まず農林中金から金利の引き下げを行なって、合理化を行なって、信連もこれになろうた合理化を行うとともに、労協と力をたずさえまして、農林漁業への生産資金を、まあ家庭資金もございますが、貯金をうんと還元を増加する、事業量を増し、農林漁業の力を増すというように、力を増すということについて元来が努力をいたしまして、全体会議のみならず、個々の各県の県信連と、中金と、私ども入りまして、勉強中でございまして、農中はすでに二分四厘でありましたのを二分二厘に下げるなど、また余裕金の運用等については、特段の配意をするなどについて努力中でありまして、それら一体になりまして、いろいろの努力をして行きたいと思っているわけであります。特にこの法律案は第一条にもございますように整備計画をみなで努力して、かつ自分で努力をしまして、そうして農協が自主的に整備を行い、農業協同組合に対して国及び都道府県が助成を行うと、こういう条件もついて、その発展を期待している次第でございます。
  74. 戸叶武

    ○戸叶武君 この農協の自主的整備ということが一番眼目ですが、再建整備の協議会なり、何なりを持つ場合においても、今までほとんど農協のマンネリズムに陥っているんです。それから私は農協全体がいけないというのじゃないんですけれども、そこの下から盛り上って行く自主的な意欲というものは、農協の中にほとんど見当らなくなって、それは大体理事者が協同組合精神を失っている。戦後大体ボスがなっている。職員はくさってしまって、戦後の熱意のある職員というものは、どんどん農協から離脱してしまった。結局ぐうたらに過ごせる連中がたまり傷みたいに残っているという状態が随所にあるわけです。これは私は一体だれが監督し、だれがこれを批判して行くのか。農協のボス組織はお互いにいろいろ割拠してしまって、そういうふうな形で購買連にしても、あるいは販売連にしても不振な状態で、ただ一つだけ農協で安全地帯にいるのは、政府から割合にバック・アップされている信連だけです。これは銀行のまねごともやっている。農協との結びつきもなくなっている。そういった形で、日本農業協同組合運動というものは、その精神をまさに失っている。しかも中央会などに持ち出されている連中の顔ぶれを見てごらんなさい。元の帝国農会なり、あるいは農業会のボスが復活しているのであって、新しい農業運動を促進するだけの新鮮な人材というものが一つも出てこない。これは私は農協の自主的なということだけにまかせておけない。この農協に対する農民の批判が湧き起ってくるという形を何とかしていかなければ、今の形だけの農協の再建整備なんというものは私は考えられない。もっと生産農民全体に自分たちの農協だ、この農協をどう立て直していかなければならないかという教育活動なり資料を提供するのでなくて、その農協のボスに皆がなでられる教育を農協がやっているから、観光バスに乗って歩いてばかりいるようでは、いつまでたってもだめだ。既成政党の政治家の選挙運動と同じようなことばかりになってしまう。この機会に私はもっと農協出身の人も国会にずいぶんいるのだし、政府の方でもいろいろの資料を持っている人がほんとうに農協に目をさましてもらう、自主的な意欲が券き起ってくるような一つの建設的な意見を出されるのでなければ、あとになってしりぬぐいをしているのでは何にもならなくなってしまうのではないか。そういうことに対して農協の実態調査は上すべりの調査だけにしかなっていないが、農林省としては何か具体的にいろいろな案を出したくらいだから、農協をどうしなければならないかということのもっと腹案があるのではないか、再建整備に対して……。
  75. 安田善一郎

    政府委員(安田善一郎君) 再建整備については検査、監査の実施上の成果と農協のセンサスを行いまして、その中に農協不振の原因、理由別をもって経済状況その他を調べましたものを判断いたしたのでございますが、なお全体としましては、ただいま御意見をお述べになりました通りの気持でおりまして、農協は農地改革がありました以降のわが国の農業経済の状況、食糖管理制度から最近の制度に移っております食糧制度の影響、あるいは肥料の購買状況等からかんがみまして、自主性を失って、みずから魂を持ち、みずからの農業をもって組合員が相互扶助、共存共栄をはかるという気魄が、昔の商人と対抗しながら、また独占資本と対抗しながら自然に自分の力で発展をして行きました産業組合建設時代とは、また農業恐慌におきまして役割を果したときとは気がまえが、経済条件が違うところもあると思うのでございます。それで政府がいたずらに干渉することはいけませんけれども、法の命ずるところに従いました経理監査指導はうんとやる、そうして指導は、農協中央会を通じて全農協に向って呼びかけるわけでございますが、自分でも案を立ててもらって特に私は国会でも御審議がありました際の意見を十分に尊重しまして、国会が終りましたとき専心これに当る場合は特に農協に向って数個の事項も諮問しまして、自分で考えていただきまして、それが実行できるかどうか、こういうこともわれわれの意見を十分に申し上げまして、そうしてやってみたいと思っておりますが、あの農業団体の問題などに関しまして有力なお方がよくお見えになりましたから、その点なども特に指摘しましたならば、いち早く全国農業協同組合中央会等におきましては、相当の項目につきまして、みずからの建設及び実行をより一そうしっかりしなければならない、しかも実現性のある年次計画を立てていかなければならない、農民も組合員としてうんと把握するなど、農業者の啓蒙もさることながら自分らも反省しなければならないことについて相当の意見を戦わせて素案を持ちつつあられるような状況でございますので、私はだんだんと喜んでおるわけでございますが、一そうこれを短期間に完成されるようにできるだけの力を尽したいと思っておる次第でございます。
  76. 東隆

    ○東隆君 この際お聞きしたいのですが、前の農林漁業組合再建整備法の場合に漁業関係が入っておったわけであります。それから連合会の場合も入っておりますが、今回の場合は漁業協同組合関係はオミットされておるわけです。そこでこの不振農協の現状その他において説明を付されておる内容はこれはかえって漁業協同組合の方がおそらくひどいのではないか、そうしてかえってそっちの方に力を注がなければならぬと思いますが、今回の案に載っていない理由、一緒にやらなかった理由がどういうところにあるか。それから私はこの法案が出るに際して、漁業協同組合関係のものが、いつも水産関係は農林関係の方で計画をしたやつに便乗をしてそうしてくるけれども、今回はもう便乗はさせないぞと、こういうことを言っておるので困っている、こういう話も聞かされたわけです。これは私ども一つのセクト主義の現われではないかと思いますが、ここは農林水産委員会というような形で、まとまっておりますし、委員の中には漁業方面に非常に熱心な人もおるわけでありまして、この法案を私は漁業関係も入れてやって支障がないじゃないか、こう思うわけでありますが、あるいは水産庁の方で別途に関係した注文を用意されたかもしれませんし、その経過はわかりませんが、それらの事情について質問いたしたいわけであります。
  77. 三浦辰雄

    ○三浦辰雄君 関連して、今東委員から漁業関係がこれからオミットされているという話の関連でありますが、私も同様に前回の整備促進の際には結局あとから載ったということになって、ひとしく整備を要するような形において取り扱われ、現にともかく努力をして近くあの成果も上がろうとしておる段階なのであって、それさえもまだできないであわてているという組合もずいぶん多いことは御承知の通りで、ただ規模なり、今までの事業範囲というものが、農協のごとくしっかりしたものではない、それだけにやはり一面において整備の必要であることは御承知の通りです。これに関連してもただいま同様に事情をあわせて御説明願います。
  78. 安田善一郎

    政府委員(安田善一郎君) 東委員と三浦委員との漁業協同組合、森林組合に対しまする態度につきましては、全く農林省としましても同様でございますが、特に今回農協に限った法律を出しましたのは結論からさきに申し上げますと、農協に対してとる措置が完了いたしましたならば、これはすみやかに完了いたしたいと思っておるわけでありますが、それらの組合も同列に法律改正をして追加をしたいと思いながら一応の案を立てたのでございますが、ただ農協の特に事業から見まするというと、昨年は米が相当豊作でございましたが、まれに見る豊作でございましたが、その制度からいたしまするというと、従来国の管理制度があって、その下でいわば集荷機関のような形で、戸叶委員が御指摘になりましたような点では、力もない反面、楽でもあった、それで済んだというような条件が変りまして、米の事前売渡申込制度と普通言っておりまする集荷制度になりましたことや、金融状況などの影響、また海外農産物との関係からいたしましても、この方はこの方として適切な措置をとらなければいけませんが、農業経済事情からより急速な整備強化の措置を国が援助してでもやる必要がある。よその方でももちろん自主的には必要であり、今後もできるだけすみやかに同様にしなければなりませぬが、遺憾ながら、その事業状況や実態把握や検査指導の状況でありまするとか、特にそれぞれにありまする県、道等の信連の状況でありますとか、単位組合から都道府県の県連関係のところにおいて、もう少ししっかりした振り分けをして、自主的にどれだけやっていただくのがよろしいか、政府はかたくもやり、かつ強力にもやるという意味で、どのくらい援助するがいいかについて、簡単に言いますと、一年とか二年とか、私は来年度は改正して森林組合漁業協同組合も入れていくのがほんとうの筋合いだと思っておりますが、そういうのにも一年は勉強させていただきたい、こう思って、準備が整わなかったせいであります。同趣旨について衆議院でお答えも申しましたところ、本日委員会で法案を御可決願いました際にも、従来ともにやってきた同士であるから、将来はできるだけすみやかに漁業協同組合、森林組合にも、経営の刷新を促進したり、林業者、漁業者の地位の安定向上、国民経済の発展に寄与せしめるために今後の機会において措置を講ずべきであるという付帯決議をいただきました。これについて、これを全面的に尊重いたしまして急速にそれも準備するようにいたしたい、こういうことを申し上げて参りましたけれども、御両先生の御意見に対しても同様のことをお答え申し上げたいと思うわけでございます。
  79. 千田正

    千田正君 その今局長の言われた将来というのは何年先になるのか、一年先なのか、二年先なのか、あるいはもっと先になるのか、あまり長くなるんなら、私はこれに反対の方へ賛成しなければならないと思うんだが、その点はどうですか。
  80. 安田善一郎

    政府委員(安田善一郎君) これは、私に対して最終的な意見を言えとおっしゃいますのは、ちょっと、私はへぼ役人でありますので、どうかと思いますが、農林省の担当局である経済局としましては、来年は改正をしたいという希望を持っておるわけであります。その場合には、森林組合漁業協同組合などにつきまして、農業と実態が違うところもございますので、先ほど東委員や三浦委員に申し上げました通りに、これは当然のことだとして申し上げませんでしたが、これに対しまする措置にしても、別措置をなお加えなければだめな部分もあるのではないだろうか、漁業など特にそうだろうと思いますが、森林はまた長期のことでもありますので、そういうことをよく考えて、林野水産庁とよく打ち合せませぬといけないと思っておるわけであります。なお、農協といえどもこれだけの措置では十分でないと思っておるのはほんとうでございます。予算の際にも、不振農協にはとかく信連でも立ち直るべきための融資をしにくい、零細農なんかには融資をしたがらないと同様に、単協に対しても同様なことが解決されなければならない。それが森林組合漁業協同組合にも同様なことがある。言いかえますと、信用保証なり債務保証制度も要るというので、大蔵省と非常に強力な折衝をいたしました。今年は財政事情その他ワクがだんだんなくなってしまったので、来年度ぜひ考えるからという、実は局長同士ではそういう約束をいたしておりますので、その際のことなどを考えますと、特に森林組合、なかんずく漁業協同組合はそういうことも必要と思いまして、今回ははずしたのでございます。
  81. 千田正

    千田正君 今局長からるる述べられた根本的な思想においては、農業であろうが、漁業であろうが、林業だろうが、変らないと思うのです。特に、漁業などの面においては、ことさらに零細漁民というものは多いのでありまして、しかも、自然というものを相手にする仕事、ことに生命財産をかける点においては農業よりもはるかに危険性があるだけに協同組合の精神を発揮しなければならぬと思うのであります。これは十分研究されまして、来年にはもうやるという決意を示していただくことに要望いたします。
  82. 清澤俊英

    ○清澤俊英君 いろいろお考えがあるでしょうがね、さっき戸叶君がいろいろ指摘せられましたように、非常に今の協同組合には昔のような意気込みがない。これは局長も言うておられる。結局、それは農業会時代の旧慣のようなものがありまして、その時分の悪いものだけが残っているじゃないか。これは軍事統制のうちにゆうゆうとして農業会なるものは特殊的な存在としてこれは乗り出していた。農業会へ行けば物資がある。砂糖もあるし米もあるし、何でもある、その中に非常にゆうゆうとして、資金もまた豊富だった。だから品物を買って持っていさえすれば現金があがる。こういうようなことで、非常に安易の中で育ったボスがまだ残っておると思う。そういうものを一掃するために、民主的な組織体系で、これはどうしてもいかなければならぬと僕らは考えている。一応困難があるけれども、訓練の積まないものがすぐ持っていっても無理があろうと思う。ところが、去年再建整備法ができて、中央会ができたり農業会議所というようなものができて、大体農民の直接の批判というものが届かぬ、指導部に届かぬ、こういう問題ができてきている。これが非常に私は発達を阻害するじゃないか、これからだんだんまた逆戻りしていくんじゃないか、こういう感じが常にしておりますが、その点をいま一度元に直して、それを育成していく何かの方法をもっと考えなければならないと思う。今聞きますと、だんだんそういう線を逆戻りして、そうして政府か何かめんどうみてやればうまくいくんじゃないか、こういうような線が強く出ているように見えますが、そうそう日本中目が届きますか。局長と同じような考え方で、同じ能力であり、同じ気持の者がそれだけそろうであろうかどうか。私は実例をあげていろいろ申し上げたいこともありますが、それは申し上げませんが、それよりむしろ、いろいろ定評のある刑事事件などを起した幹部等がおります場合も、一応、大体はそういう責任の地位にある者が、あるいは共済組合にしろ、信連の農業協同組合にしろ、いずれの地位にかかわらず、それが少くとも刑事事件になったという場合には、一応責任を負わしてやめさせるというくらいのことは、私は考えられていいと思う。そんなのを法律上処分しなければ神かけて恥なしで、何ともいかん。これは昔から言っていることですが、ほんとうの詐欺師は決してかからないというのです。これは委員長も法律家なんだからよくおわかりだろうと思うのです。ほんとうの詐欺師というものはかからぬ。法律は手続なんだから、手続さえうまくやっていけば抜けるのだと、詐欺でひっかかるやつはばかばかりだと、不用意な人間ばかりなんだ、極悪な人間はひっかからない。そうしますと、それは神かけて恥なしということで、農業協同組合農村のボスとして存在することになったら私は大へんだと思う。そういうものを徹底的にたたいて、そして農民に清新な農業指導の精神を教えていく。それを選挙で出した者にぐんぐんやらせ、そうして、同時に旧来から残った悪い職員官僚、私は職員官僚という言葉を常に使っているんだが、こういう者も厳重に監視をして、始終やめろとか何とかいうことを、権力的なことをしなくても、何かあるときに指摘だけはしていいと思う。その指摘を中心にして農民が自分の判断でこれを選挙等を通じて処分していく。世論を通じて処分していくというような方向をたどらなかったら、完全な、さっき戸叶さんが言われたような理想とせられるような農協の精神というものはできないのじゃないか。農協の精神というものはそこまで持っていかなかったらできやしないと、私はそう思っておるが、そういう見解に対して局長はどう思うのか。この問題では一ぺん農林大臣と私は徹底的に話し合ってみようと思っておる。
  83. 安田善一郎

    政府委員(安田善一郎君) 私自身も清澤委員の意見とは差を持っておりません。ただ公務としまして、河野農相が私にもときたま指示なり示唆を与えられるのも戸叶委員が一部御発言なさいましたこととそう違わないのでありまして、そういう趣旨でしっかり自主性を持って、かつ自主性の中に自分が脱皮をする力をつけて、自己批判をする、こういうところをもっと増さなければならぬ、こういうことを申しておられますが、特に私就任日が浅いのでありますが、不正事件を起しましたり、いわんや刑事事件になりました場合でありますとか、経営が著しくずさんで悪くて、再建整備にかかりました場合の整備計画上に一大要件となっております役職員の執務体制の刷新強化という具体案を持ってこなければ、政府は助成しないことになっておりますが、どこどこでだれをどうしていただきたいということも、あまり端的に申し上げるとどうかと思いますので、時に応じ、組合に応じ、精神論でやりましたり、審議会でやりましたり、また具体的にある地方でそういうことが起りましたときには、私としましては法の許す限り、国の官吏、公務員として法の執行の任に当る範囲におきましては、かなり強く最近やっておるつもりでございます。またたとえば、現在農業委員会があり、全国農業会議所がある場合でも、その全国農業会議所などは農協が会員でありますが、農業委員会における村の中におきましても、市町村長を助けて他団体を整備する、あるいは批判する、農村建設事業にしましても、不振農協を解消することが、あるいは普通の組合がもっとよくなることが、あるいは、この組合はだめだから解散せよ、ないしは合併すべきである、こういうような意見の具体化が、農村建設計画の中に入るべきである、そういうふうに単なる共同施設のつかみ金を補助するようなことが、村の建設ではないということを強調しまして、その中にその要綱を入れるべく、大体省内をまとめているわけであります。中には中央会から派遣された指導者が短期駐在とか、軽い気持で、それこそ先ほどのお話とは意味が違いますが、単に指導者を送ったというだけぐらいではだめなので、そういう例も耳にしたことがございますが、本案などは長期駐在などをしまして、そこの兼職の参事になりまして、立て直してもらうことでその駐在指導員の補助費として盛っておるわけでございますが、それらのことによりまして、いろいろな角度の面から、ぜひ全面的努力を払っていきたいと思います。私は少くとも昨年十二月以降においては、ある程度施策を直接にいたす立場になりましたので、いろいろ団体問題で、ほかの問題としてこられる場合も、農協の方には遠慮なくこれを申し上げまして、一身の不評判ぐらいあまり気にせずに、今なおそのことにつきましては戸叶委員、清澤委員のおっしゃることは、ときには例をあげても、人を名ざしても、非常に強くやっているつもりでございます。
  84. 清澤俊英

    ○清澤俊英君 そういう面もありますがね、現にこういう実例もあるのです。ある特殊協同組合組合長をやって手数料をごまかして、妾を持ってそれでやめさせられた、あいつそれでおえたなと、こう思っておりましたら、最近それがちゃんと、その組合の副委員長になっている。副委員長というような制度は、農業協同組合で今まで聞いたことがない。副委員長になっている。これじゃよくなりっこなんてないです。そういうようなものは、ちゃんとわかることなんだろうと思いますがね。中央までそれがずっとほおかぶりになっているところに堕落があると思うのだ。中央までそういうものが通じていないというところにあれがあるのだと思う。しかしてみれば、そういうものをかりに農林省へ一農民が、金釘流に投書をした場合、農林省が徹底的に調査をして、直ちにその真相を、処分しないでいいですから、調査の結果はこうであったとはっきり出して、それを組合全体に批判力を与えるというような方法が、私は一番いいのではないかと思う。処分は要りませんと思います。組合員自身にそういうものを処分する能力を教えていくということが大切なのじゃないか、私はこういう意見なんです。そうするにはどうしても農協自身の組織並びに指導陣組織も、農民等と縁の切れた組織体系ではいかぬ、こういう考えを持つ、こういうことなんです。その点はどうなんです。
  85. 安田善一郎

    政府委員(安田善一郎君) 私がちっとも反対することはございませんで、全くその通りの精神でやりたいと思いますが、特に組合員が役員を選ぶときは、組合員自身の自覚によってやることが本来の目的でありますから、そういうこともできるようにするとともに農民組合でありますとか、先ほど申しました農業委員会でありますとか、他団体もそうでありますし、また農協の中にも青年協議会とか、婦人部の系統組織とかというものを自主的に作って、そうして県連の会長とか市町村組合長が全国大会を開いた結論とは違った結論を現に持ってきておるのであります。多少具体的の場合になりまして、私が参りましてから示唆したことが強く響いたこともあったかとも思いますが、実は衆議院の農水委員会では干渉が過ぎるのではないかというおしかりを先々日いただいたくらいでありまして、しかし、その措置も干渉的ではなかったという御認定はいただきましたけれども、今後も引き続きましてよく注意しましてやっていきたいと思います。
  86. 棚橋小虎

    ○委員長(棚橋小虎君) ちょっと速記をとめて。   〔速記中止〕
  87. 棚橋小虎

    ○委員長(棚橋小虎君) 速記をつけて。  本法律案の予備審査をこの程度をもって終り、後日本付託になった場合、明後二十九日委員会において差しつかえなければ残余の質疑を終って直ちに討論、採決を行なって差しつかえありませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  88. 棚橋小虎

    ○委員長(棚橋小虎君) そのように取り計らいますから御了承願います。  なお、修正及び付帯決議等御予定の方は、準備の都合もありますから、あらかじめ調査室まで御連絡をお願いいたします。  残余は後日に回し、本日はこれをもって散会いたします。    午後五時十二分散会    ――――・――――