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1956-04-03 第24回国会 参議院 内閣委員会 22号 公式Web版

  1. 昭和三十一年四月三日(火曜日)    午前十一時一分開会     ―――――――――――――   委員の異動 三月三十一日委員佐野廣君及び伊能芳 雄君辞任につき、その補欠として長島 銀藏君及び植竹春彦君を議長において 指名した。 本日委員植竹春彦君辞任につき、その 補欠として西川甚五郎君を議長におい て指名した。     ―――――――――――――  出席者は左の通り。    委員長     小柳 牧衞君    理事            野本 品吉君            千葉  信君            島村 軍次君    委員            井上 知治君            遠藤 柳作君            木村篤太郎君            苫米地義三君            中山 壽彦君            西川甚五郎君            木下 源吾君            田畑 金光君            松浦 清一君            豊田 雅孝君            堀  眞琴君   国務大臣    労 働 大 臣 倉石 忠雄君   政府委員    内閣総理大臣官    房公務員制度調    査室長     大山  正君    行政管理庁管理    部長      岡部 史郎君    労働大臣官房総    務課長     村上 茂利君    労働省労働基準    局長      富樫 總一君   事務局側    常任委員会専門    員       杉田正三郎君     ―――――――――――――   本日の会議に付した案件 ○参考人の出席要求に関する件 ○労働省設置法等の一部を改正する法  律案(内閣提出、衆議院送付)     ―――――――――――――
  2. 小柳牧衞

    ○委員長(小柳牧衞君) ただいまから開会いたします。  委員変更について御通知申し上げます。三月三十一日佐野廣君が辞任せられまして、その補欠に長島銀藏君が、伊能芳雄君が辞任せられましてその補欠に植竹春彦君がそれぞれ委員に選任されました。
  3. 小柳牧衞

    ○委員長(小柳牧衞君) お諮りいたしますが、臨時教育制度審議会設置法案の審査のため、参考人の出席を求めて、便宜明日の文教委員会との連合審査会において意見を聴取することにしてはいかがかと存じますが、御異議ございませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  4. 小柳牧衞

    ○委員長(小柳牧衞君) 御異議ないと認めます。参考人の人選及びその他の手続きにつきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  5. 小柳牧衞

    ○委員長(小柳牧衞君) 御異議ないと認め、さよう決定いたしました。
  6. 島村軍次

    ○島村軍次君 参考人の御予定は……。
  7. 小柳牧衞

    ○委員長(小柳牧衞君) 参考人の内定者は、中央教育審議会委員の早稲田大学総長大浜信泉君、それから同じく中央教育審議会委員の東京大学総長矢内原忠雄君、それからお茶の水女子大学学長蝋山政道君の三人にお願いすることにいたします。     ―――――――――――――
  8. 小柳牧衞

    ○委員長(小柳牧衞君) 次は、労働省設置法等の一部を改正する法律案を議題といたします。本案に対する質疑のおありの方は御質疑をお願いいたします。
  9. 千葉信

    ○千葉信君 審議の都合上、どうせ労働省設置法で労働大臣にきてもらわなければなりませんし、それから案件として公報に出ております公務員制度の調査の案件、今、問題になっております一時命の問題等について、労働大臣質問したいと思っておりますので、至急委員会出席方取り計らってもらいたいと思います。
  10. 島村軍次

    ○島村軍次君 大臣の御出席の前に、労働省の人がお出でになりますから、事務当局に二、三伺ってみたいと思います。
  11. 小柳牧衞

    ○委員長(小柳牧衞君) 大臣は今採決のある委員会に出席しておるのだそうで、少し遅れるという……。
  12. 島村軍次

    ○島村軍次君 まず、今回の改正は部の設置が主要のもののようでありますが、この設置の理由については、法案並びに参考資料等でおおよそ了解せられると思うのでありますが、実際の官庁の内部の仕事は、行政の簡素化の意味から、特別の場合を除いてむしろ部は整理する段階ではないかと思うのであります、事務の増加の点はよくわかりますが。そこで今回政府の方針として課の整理までおやりになっておる場合に、特にこの労働省において部の設置をする理由と、それから行政管理庁はこれに対して……行政管理庁は出席になっておりますか。
  13. 千葉信

    ○千葉信君 委員長関連。今鳥村君から質問のありました国家行政組織法の関係について、これは労働省だけでは答弁を聞いたって何にもならないと思うのであって、行政管理庁当局にぜひ出席願いたい。
  14. 島村軍次

    ○島村軍次君 まず、ただいまの問題について労働省の御意見を拝聴いたしたいと思います。
  15. 富樫總一

    ○政府委員(富樫總一君) 仰せの通り一般的には局内部というものは例外的な措置でございまするが、この労災補償部に関しましては、提案理由等で毛申し上げてございまするように、全体として労災保険の全体の規模が、金額にいたしまして年間約二百億前後の金の出し入れをし、かつその間に普通の保険と違いまして、あるいは業務上の障害の認定とか、あるいはメリット制だとか、あるいは病院の、約二十いくつにわたる病院の新設、運営とか、きわめて複雑多岐な仕事をやっておるのでございます。現在正式の課員が六十数人でございまするが、そのほかに集計員事務補助員等を入れますれば、現在の人員だけをもちましても、約百三十人の人員を擁しております。一人の課長が内外にわたるいろいろな複雑な仕事を処理する上におきましても、あまりにも繁忙をきわめ、かつ従いましてその間におきまして、企画調査、分析あるいは研究といったような智能的な仕事に関しましてやや渋滞を来たす、来たしておるような感が現実にございまするので、この際、技術的事務的の観点からこれを部にいたしまして、そこに二課、一つの課を二つの課に分けて、そこに部長を置きたい、こういうことでございます。
  16. 島村軍次

    ○島村軍次君 そうしますると、課の設置は一つ増設と、こういうことになりますか。
  17. 富樫總一

    ○政府委員(富樫總一君) さようでございます。
  18. 島村軍次

    ○島村軍次君 そこで予算なり、それから定員等の関係をみますると、そのまま増員もせずして、実際に部長だけを一人置くということのようでありますが、さように了解してよろしいかどうか。  それから私は官庁事務の特にそれらの問題の責任、ただいま御説明になったような責任は、それこそこれは局長でおやりになる筋合いであろうと思うんです。また局長が全部の責任を持つようになっているのであって、現に局長のもとに裸があって、そうして課長と局長との間で十分の仕事が遂行され得ると、私は見るのでありますが、ただいまの理由によりますと、人員も非常に膨大であるから部を置くというだけの理由では、あるいはまた事務も相当複雑であるからというだけでは、そうして局長はこの事務に関しては部長をお置きになって、課としては中間にもう一つ、いわゆる中二階ができる形になりますが、その点に対する事務の執行上、局長の御意見はいかがですか。
  19. 富樫總一

    ○政府委員(富樫總一君) 一般的には中二階という制度は好ましくないのでございまするが、ただいま申し上げましたように、労災保険に関する限りにおきましては、事務の内容が複雑多岐であると同時に、一方におきましては、局長はもちろん労災保険につきましても全面的な責任を賞らわけでございまするが、基準局におきましては御承知のように別に労働基準法の施行を中心とするきわめて間口の広い仕事を掌握しているわけでございます。この労災保険の技術的な扱いにつきましては、率直に申しましてなかなか内面的に手の及ばざるところがございます。一方におきまして労災保険そのものはそれ自体混然一体として専門的でございまするので、部長は部長なりに労災保険を総合的に掌握し、そうして局長は基準法の施行と関連いたしまして、安全、衛生等との関連におきまして、業務上の負傷、疾病の連帯責任というような関連におきまして全体的な掌握をする、こういうことでこの労災保険に関する限りにおきましては、この中二階につきましてはそういう弊害はなかろうかと存じます。
  20. 千葉信

    ○千葉信君 関連して。どうもただいまの答弁を聞いていると、いろいろな疑問も生ずるし、納得できない点がたくさん出てくると思うんです。まあおっしゃる通り労災保険の関係の仕事が非常に複雑多岐で、そうしてしかも仕事の膨大であるということも、これはわれわれも異議がない。しかしそういう理由があるからといって、国家行政組織法できめられている内容に対して抵触するような部を設置していいという理屈にはならないと思うんです。これは今の答弁を聞いておりますと、私は、局長は国家行政組織法を知らないのじゃないかと思うのです。あなたもあるいは知っているかもしれませんが、各省庁に対して、特に府もしくは省に対して部を設けるということは、行政組織法では認めていない。その当時この法案が第五国会に提出されました当時は、なるほどこれには軽く、府もしくは省に対して部を設けるという原案――それが国会の審議における過税で、そういろ局であるとか部であるとか課という格好で、非常にその指揮命令系統が複雑な様相を帯びるということは好ましくない、そこでその府であるとか、省を設ける場合には官房と局と課に限る、それから外局の庁を設ける場合には、官房、部、課ということにきめる、これだけでは現業関係の場合には必ずしも適切ではない点もあるという理由から、現業官庁に対しては特例を設けるという措置が二十一条でとられた。それからその当時、すでに部の設置されておる所、これをにわかに廃止するわけにはいかないという理由に基いて、付則の第二項で、別表によってこれを認めるという方針をとった。で、その法律案審議の最初のとまには、一年以内にそういう部は解消するという方針だった、はっきりしておる。ところが政府の方の都合によって、その部の廃止は非常にいろんな事情が伴うという理由で、その一年が延長され、それからまたさらに最近までに、今度のを加えて六つ、そういう暫定措置を利用して部をふやすというやり方をとってきた、あなた方の場合にはその第六回目なんです。しかもその付則によっても、こういうやり方をすることについては、これは当分の間という付則なんです。そうすると、あなた方の場合には、こういう法律を知っていて、あえてその仕事がむずかしいとか、複雑であるとか、膨大であるとか、重要である、そういう理由を並べて、この法律に抵触するようなやり方をあなた方はとってきている、あなた方のそういう理由は理由として認めるわけにはいかぬと思うのです。どうですか。
  21. 富樫總一

    ○政府委員(富樫總一君) 原則的には仰せごもっともでございます。私どももそういういきさつは十分承知しておるのでございます。先ほど申しましたような理由で、特に例外的に部を設置したいと考えておるのでありますが、できるだけ早くそのいろいろな複雑な問題をルーティン・ワーク化いたしまして、あるいは病院の新設、運営等も一段落いたしますれば、可及的すみやかに正常な課の形態に引き戻したいという考えをもちまして、特に部の設置をお認め願いたいというふうに考えておるのでございます。
  22. 千葉信

    ○千葉信君 そんなもみ手で答弁されても、国会としてはこういう法律がある以上、そう簡単に認めるわけにはいかぬと思うのです。しかしこれはあなたをこれ以上追及してみても、行政管理庁の関係がありますから、そちらの方の出席したときに、またあらためてやることにして、今関連質問ですから、島村君に譲ります。
  23. 島村軍次

    ○島村軍次君 大臣にこの点で伺いたいのでありますが、大臣給与担当もおやりになっております。ことに内閣の方針として事務の簡素化を計画されて部課の整理をしようということで、すでに二割以上の整理をやられた。そういう場合に新たに労働省は行政組織法の範囲において暫定規定を適用して、ここに部を設置しようということに対しては、ただいま千葉委員の御意見の通りわれわれは率直に申し上げれば中二階を作って屋上屋を架すというきらいが確かにないではないと思うのであります。いわんや人の問題になりますというと、実際の仕事は課長でおやりになっておったわけでありまして、必要があれば課をふやすとかいうようなことはある程度まで考えると思うのでありますが、特に二課を置くために部を置いて、そしてその上にまた局長をもってすると、一体外部に対しては、官庁の組織としては局長がその事務を掌理して、これが責任者であるという建前をとっておる場合に、どうも参議院の従来の内閣委員会の審議から見るというと、その趣旨に反するのじゃないかというふうに考えられますが、その点に対する労働大臣の所見を伺いたいと思います。
  24. 倉石忠雄

    国務大臣(倉石忠雄君) ごもっともでございまして、われわれもこのたび行政機構改革を政府として考えておりますようなときでありますから、なるべく新しい部を設けないことは心しておるわけでありますが、御承知のように、労災補償課の仕事は、労災保険料の徴収とか補償費の給付とか、その他地方の各地に散在いたしております労災病院の建設及びその運営、それからまた前国会で御決定願いました例のけい肺法によるもの、なかなか非常に広範でありまして、とうていこれ一課でまかなっていくことは非常に困難であります。そこで私どもといたしましては、他の方でなるべく節減すべき行政機構の節約はいたしまして、そしてこういう非常に事務員の増大いたしておりますものを増強して、そうして不幸なる労災患者の取扱いに遺憾なきを期したい。こういうことで今度の労災部の新設を提案いたしたわけであります。
  25. 島村軍次

    ○島村軍次君 行政組織法の上では、今千葉さんのお話になったように部を置くというのは庁の場合が原則です。そしてしかも二十一条で「現業の行政機関については」というのが例外規定になっておる。その建前からいきますと、私は労災保険というものはこの規定にぴったり合わぬのじゃないか。しかも地方の仕事はいわゆる労働基準局が各地の出先官庁として作られておって、そして現実にはそこでやっておるのであって、今度作られようとする部の中には一課をふやして管理課と補償課とに、こう二つにわけるだけで、そういうようなことは、これは一体管理課を置くためにその上にもら一つ部を置くというようなことで、どうしてもこれは今お話になったような一般論をもってしては納得ができないと、こう思うのであります。従ってこの問題に関してはもう一ぺん行政組織法を十分御協議になる必要があるのではないか。また行政管理庁の方の御意見を一つ……。まだ見えませんか。その点を少しはっきりお打合せの上で御答弁を願わぬと、一般論だけではどうも納得できないと思うのです。この点はいかがでしょうか。
  26. 千葉信

    ○千葉信君 関連して。今の大臣の答弁を開いていると、国家行政組織法に抵触してもかまわぬという理屈は出てこないのです。何ぼ今度新設される労災補償の仕事そのものが重要なものであろうと、大臣の言われるように複雑なものであろうと広範なものであろうと、そんな理由では国家行政組織法で禁ぜられておるものを設けていいという理由にはならないと思う。そんなことを認めることになったら大へんだと思うのです。そこでこれは大臣も答弁に困るのだろうが、一体こういう部課を設置するとか、局を設けるなどというような場合には、やはり行政管理庁の方とも一応の連絡がなければならぬと思うのですが、こういう国家行政組織法に違反するような事実が行われようとしている場合に、行政管理庁の方ではどうあなたの方に連絡されたか。国家行政組織法をそれでは変えましょうと言わなければならぬ、七条を。いいですか。もしくは七条はそのままにしておいて二十一条とか、あるいは付則の方で何とかこの問題について解決のめどを見出すような改正を行うとか、あるいはまたいや国家行政組織法の方は行政管理庁としては変更する意思がないということで、あなたの方はやむを得ずこれは国会に対してもみ手で国会を拝み倒し、何とかこの法律を通過させようとお考えになったのか。それとも強引に国会でもってこの仕事が重要だとか、この仕事が大事だとか、非常に複雑な内容を持っているとか、そういう答弁をもってすれば、国会が納得するだろうとお考えになったのか、一体いずれであるか、これを一つ大臣から答弁を承わりたいと思います。
  27. 倉石忠雄

    国務大臣(倉石忠雄君) 行政管理庁とは十分連絡はいたしました。そこでくどいようでありますが、千葉さんもすでに御存じのように、労災保険の仕事は非常に重要でもありますし、複雑なものでありますから、そういう点については行管と十分な連絡をとって、そうして機構改革をし、簡素化をはかっておるときであるにもかかわらず、こういうものは、やはりやむを得ないということで御相談の上で御提案いたしたわけであります。
  28. 千葉信

    ○千葉信君 事実は私は大臣の言われておる通りだと思う。今せっかく行政機構を変えて簡素化する、国民の税負担をできるだけ軽減する、まあそういう方向で政府が今いろいろな問題を取り上げられておるということはわかっております。そういう方針で言うと、この問題については、これは少し逆行している印象を与えるけれども、しかしこれはこういうふうにして設けなければならないのだという必要は私は認める。しかしそんな必要があるとしても、私は現行法規に抵触するような、そういうやり方をしてはいかぬということは、われわれははっきりしている、この点は。大臣だって、そういう必要があるから、重要だから国家行政組織法に違反してもいいのだという意見は、まさか大臣も答弁されまいと思う、どうですか。
  29. 倉石忠雄

    国務大臣(倉石忠雄君) 行管にやってもらいましょうか。
  30. 千葉信

    ○千葉信君 行管が説明したって同じことですよ。法律のはっきりした明文があるのだから。
  31. 倉石忠雄

    国務大臣(倉石忠雄君) 当方と、その点について事務的に法律的に折衝いたしました、行政管理庁との問の話し合いもございますが、私どもでももちろん違法であると思ってやっているわけじゃありません。やはり例外としてぜひこういうようなものは、気の毒な罹災者の人々も非常に事務の輻湊しておることを承知いたしておりますし、政府部内でも非常に困難な仕事であるということで理解していただいたものですから、そこで行管とも話し合いの上で提案をいたしたと、こういうことを一つ御了解願いたいと思います。
  32. 千葉信

    ○千葉信君 大臣の今の答弁をかりに了承するとして、それじゃ解決の方法があるかないかということになりますと、行政管理庁の方と話し合って、この問題についてどうしてもこの際は労災補償部を設けなければならぬという、その必要のためにこれを設けることにすれば、これは行政管理庁としても当然国家行政組織法の一部を改正しなければならぬということになると思うのです。
  33. 富樫總一

    ○政府委員(富樫總一君) その点は……。
  34. 千葉信

    ○千葉信君 わかっていますよ。その考えがそもそもよくないのだ。この法律の付則で国の行政組織の根本をきめている国家行政組織法をいじってもいいという考え方そのものが問題なんだ。そんなことをやったら、内閣法とか国家行政組織法なんか要らぬということになる。片っ端から単行法の改正の際に付則で変えていけばいいのだ、そんなむちゃなやり方をやっていいんだなんという考えを持っているとしたら、これは重大問題です。ますます問題が大きくなる。しかし大臣もお苦しそうだし、衆議院の方に用事があるそうだから行っていらっしゃい。行政管理庁の方と並べてやりますから。
  35. 小柳牧衞

    ○委員長(小柳牧衞君) 今管理庁から見えますから、その上で一つ……。事務的なことを進めていただきましょうか。
  36. 島村軍次

    ○島村軍次君 はなはだうがった話になりますが、長く勤務されておって、そうしてことに労働行政について功労のある人もあろうと思うのです。そういう人の一時の救済策というような意味で、局長が特に温情的に考えるために、特に行政組織法の二十一条の例外規定をまあまあというふうで、先の話じゃないが、温情でやられるというようなそしりを免れぬと思うのですが、励長いかがでしょうか。
  37. 富樫總一

    ○政府委員(富樫總一君) その点につきましては、労災保険は戦後にできた新しい制度でございまして、何と申しますか、古い功労者――そういう意味でのことはございません。さらに打ち明けて申しますれば、労災保険の事務のこういう必要性につきましては、現在関係の労使、中立、三者構成の労災保険審議会がございまするが、この審議会におきましても、現実の問題、姿を見まして、この労災保険行政の整備強化ということが必要であるという建議なども出ておるような次第で、これに関する限りそういうことは全然ございません。
  38. 島村軍次

    ○島村軍次君 先ほど大臣なり局長の御説明によりますると、労災保険について取扱量の非常に多い、そうして病院の経営も各地である、企画立案等については非常に忙がしいのだというようなお話でありますが、まあ第一に私はそういう事務こそ、やはり出先官庁でやる仕事であって、あんまり本省内で部の統制を――これは管理の意味で十分な御注意は必要でありましょうが、これはやはり基準局へお任せになる今の理由は、どうも出先官庁の仕事が非常に輻湊しておるということに対しては私は納得し得るのでありますが、その理由だけをもって部を置くということはどうもぴったりこぬように思うのが第一点。  それからもう一つは、たびたび申し上げるようでありますが、実際問題としては、局長があってその下に部があるわけで、局長も練達堪能の局長であらせられるから、新しい部長の人に全部おまかせになるということは、局の局長の責任としてできまい。そういう場合においてこの部長という人はこれはいわゆる中二階で浮いてしまうというのが、これが従来の官庁の扱いで、各省にまだ従前の遺物として部がだいぶ残っておる、この部長というものは、われわれの見るところでは、どうも仕事が浮いて、実際の仕事は課長と局長でやるのだ、仕事がふえれば、これはやはり課をお分けになることもある程度やむを得ない、どうしても事務の執行上、部長がおられるからといって、その日に決裁することが延びるというようなことでは、これば事務の簡素化にならぬし、かえって人民のために国民のために仕事するということにも反するような考えがしてならない。その点に対してもう少し納得のいくような御説明を願います。
  39. 富樫總一

    ○政府委員(富樫總一君) 単純な事務量の観点から申しますならば、お話の通り地方の方の充実こそ先決であって、むしろ中央は簡素化すべきでございまするが、労災保険につきましては、先ほど申しましたような業務上の障害の認定、障害等級の決定、それから病院の新営、そういうようなことにつきまして、もうしょっちゅう地方から本省に問合せがある、本省におきましては、この病理学的あるいは法律的な観点からいちいち研究いたしまして、各地方ごとに取扱いの異にしないようにするその業務が非常に多いのでございます。さらに先ほど大臣からも申しましたように病院の新営――新設、運営の仕事は、これは本省が最初の周は直轄的に扱う必要があるというようなことで、やむを得ず本省の方の機構を整備する必要に迫られたわけでありまして、で、一方におきまして、これが中二階として浮くおそれがあるのではないかというようなお話でございまするが、確かに一般的にはそのように私どもも考えるのでございまするが、この労災保険の業務はいわば一つの保険会社と申しますか、それを国がみずからやっておりまして、全体としてこれ自体が渾然一体となって技術的に運営されるわけでございまして、一方におきまして局長は、その他の基準法施行を中心とする本来の基準行政の仕事も相当間口が広うございまするので、この部長は、もちろん部長と局長とのコンビは十分注意する必要はございまするけれども、通常の場合のごとく中二階として浮くとかというようなことはないと考えますし、またさように運営したいと考えておるわけでございます。
  40. 島村軍次

    ○島村軍次君 そこで先ほどちょっと御答弁がありましたが、これは臨時的な部として考えるべきであるか、あるいはさらにそういう重要なものであれば、全く労働行政のうちの労災保険は保険行政であるから、独立的な意味が含んでおるということになれば、将来はこれは恒久的に考えるか。さらにまた進んで局にでも昇格するというような考えがあるのか。これはどうであるか。
  41. 富樫總一

    ○政府委員(富樫總一君) 違い将来のことは別といたしまして、現在の考え方といたしましてはできるだけ病院の新設関係が一段落しまして、それから各種の、先ほど申し上げました取扱いが、いわゆる裁判で申しますれば最高裁の判例が整備されるというようになりまして、仕事が事務的に処理されるようになりますれば、またできるだけ早めにそういたしまして、この中二階をやめて通常の姿に返したい。法律上も、国家行政組織法上ももちろん「当分の間」、こういうことになっておりまするので、その趣旨に沿いたいと考えておるわけであります。
  42. 島村軍次

    ○島村軍次君 これは行政組織法の上では、おそらくこれはまあ管理庁の方のことかも存じませんが、「現業の行政機関に関する特例」、こういうところの法律以外にないと思うのです。これ以外ないと思うのですが、法律上どれによってやったということですか。
  43. 富樫總一

    ○政府委員(富樫總一君) 国家行政組織法の二十四条に「当分の間、第七条第一項の規定にかかわらず、別に法律に定めるところにより、別表第二上欄に掲げる府又は省の官房又は局に限り、同表下欄に掲げる部を置くことができる」、これで労働省におきましても昨年職業安定局に失業対策部を設けた例があるわけでございます。
  44. 千葉信

    ○千葉信君 まだわからんのかね。それは労働省で前の年何を設けたか知らん。今の内閣委員会はそういうものは認めるという態度をとっていない。どこでそういうものを認めるか知らんけれども、あなたは二十四条を引用されたけれども、この二十四条というのはさっき申し上げたように、最初はこういう省庁に対して部を設けるということが政府の原案に入っていたんです、本則に。それが国会の意思決定としてそういうものはいかん。指揮命令系統の混乱を来たすものだからこういう省庁の場合には、特にその府とか省の場合には局と官房とそれから課を設けることにすべきだ。そこで本則の方から除いて、部というものはやめろという方針に基いて、しかしすでにその当時、第五国会の当時でしたけれども、そういう部が存在するのだから、その部に対しては一年間だけは認めよう、その一年間だけ認めるというのがこの第二十四条の趣旨であり、それからそれに基いて別表第二が規制された根拠なんです。ところがその一年間だけというのがいろんな事情から当分の聞これは認めてほしいというので、その当時すでにあった部に対しては国会は今まで黙認の形をとってきた。しかし黙認の形はとってきているけれども、これから新らしく設置をされるというやり方に対しては、これは法の命ずるところによっていかんというのが国会の立場なんです。ですからあなたが今二十四条を引用されて、ここに設けることができる条文がございますという答弁は、これは少し言い過ぎになるかもしれないけれども、国家行政組織法そのものを知らんことになる。
  45. 富樫總一

    ○政府委員(富樫總一君) この二十四条の趣旨ばその当時の事情を聞きまして今先生の仰せの通りを存じます。その後実情に沿うてやむを得ざる場合には、特に自後におきましても例外的に設けることは違法でない、現に昨年失業対策部もできたというようなことで、行政管理庁とも十分打ち合せて御了解をいただいておるわけでございます。
  46. 千葉信

    ○千葉信君 まああなたの立場でこれ以上こっちの方で追及するのもどうも少し酷なようだから、今の答弁によると、行政管理庁の方でも一応の了解を与えたということだから、これは行政管理庁に対して責任を追及しなければならぬ。労働省の方に対しては大体これくらいでやめておきます。
  47. 島村軍次

    ○島村軍次君 それに関連して、ただいま御説明になったような、実際どういう仕事をやっているということの内容が、抽象的でなくて、何か資料でもあればお示しを願いたいと思うのですがね。
  48. 富樫總一

    ○政府委員(富樫總一君) お配りするような準備もできておりませんので、至急に作りましてお配りするようにいたしたいと思います。
  49. 千葉信

    ○千葉信君 その資料を出してもらうとき、具体的には、これは鳥村委員の方からは一般的な資料ということだろうと思うのですが、この労災補償部の事務の内容、その量等を審査する上に必要だと思うので、適用の労働者の増加の状態、それから最近における労災病院等の保険施設等の拡充強化の状態、この二つ。それから今回の法律の提案に当っては、定員はそのままということにして、これは結果から言えば労働強化という格好になろうと思うのですが、あなたの方でもおそらくそういう状態に対しては、適正な定員配置はどうあるべきかということについていろいろお考えになられた。そのお考えになられた結果に基いて、私は今回の定員法による改正からは漏れておりますから、それについては、あなた方の方でどういう折衝を行政機関内で行われたか。その簡単な経過と、あなた方の計画された定員増加の員数、そういうものを三つ、至急にお出し願いたい。
  50. 島村軍次

    ○島村軍次君 それに関連して、労災保険の適用の人員を、今、千葉さんのお話のうちに入っていると思いますが、どれだけの人に労災保険をやっておるかということも資料として出していただきたい。
  51. 田畑金光

    ○田畑金光君 資料の点は、今要望されたように、幾つか出していただいて、それを拝見してまた御質問いたしますが、先般労働省の方として出された、労働保険審査官及び労働保険審査会法案というのが、もうすでに衆議院を通って、こちらに回ってきておりますが、これとの関連でお尋ねしたいと思います。  それは、ただいまの労災補償部の所管する労災保険関係のこの労災保険、府県にある審査会の廃止をして、これを中央に統一しようという考え方でありますが、この点いろいろ議論が分れると、こう考えるわけであります。労災保険審査会が、府県の労働基準局から廃止されて、府県には労働保険審査官が置かれる、こういうことになってくるわけです。そうしますと、従来府県の段階において処理してきたものも、勢い中央に問題を持ってくる、こういうことになってくるわけであります。今回の労災補償部の設置されたゆえんの大きな一つの目標は、非常に事務が広範複雑にわたっておるので、事務処理の合理的な促進をはかろう、こういう点にあると見受けたわけであります。ところが先はど申し上げました、あの労働保険審査官及び労働保険審査会法案を実施するといたしますと、労災保険との事務処理の点において、かえって渋滞を来たすのではなかろうかと、こう見受けるのですが、この点当局はどういうお考えであるか、承わりたいと思います。
  52. 富樫總一

    ○政府委員(富樫總一君) 労災保険の審査会の関係でございますが、これは現在、一年間に約三千件ぐらいの件数の労災補償に関する関係者からの異議の申し立てが出ておるのでございます。この三千件のうち、約二千八百件ぐらいば、各地方基準局におりまする労災保険の審査官の手によりまして、当事者の得心を得て処理されております。残りの二百件が地方の審査会の手によって処理されておるのでございます。ところが、この二百件に関する審査会の処理が、県によりまして扱いがまちまちになる場合が相当に多いので、これを統一するといたしましても、行政的にはこれを統一する方策が現在ないのであります。もし統一しようとすれば、これを裁判にかけて処理しなければならない、こういうことで非常に不便を感じておったのでございます。そこで、厚生省の社会保険あるいは失業保険もそうでございますが、その例にならいまして、中央に審査会を設ける、ただそのために非常に労使の関係者の意見が無視される、非民主的な扱いになってはいけないということを考慮いたしまして、現在二千八百件審査官が独自に処理しておる審査官の段階におきまして、労使の代表参与を付置いたしまして、そこで労使の意見を十分浸透させ、かつ、中央におきましても審査会に労使の代表参与を設けて、その意見を聞いて処理する、こういうことでございます。それはそれでございまして、その部の設置とは、事務的にも技術的にも、直接の関連は別段ないのでございます。
  53. 田畑金光

    ○田畑金光君 局長の御説明によりますると、一年間に労災保険の異議、不服申し立てが三千件に上って、そのうち二千八百件は府県の審査官がこれを処理して、残余の二百件について基準局の審査会にかけられたが、その処理の内零等が不統一を来たしておる、こういう御説明であります。この不統一を来たす点が私はいささか解せないのでありまするが、当然これは具体的にいうと、業務上の認定とか、業務外に認定するとか、こういう準司法的な機能の問題だと考えるわけであります。これは一つの解釈例と申しますか、行政解釈というか、こういう労働省として、基準局として一定の解釈基準あるいは認定の基準というものを示されるならば、その間において当然処理の統一調整というものがはかれると、こう考えるわけであります。こういうような点について、特に従来府県の労働基準局で、三者構成という、労働行政におけるいい面の性格を抜いて、単に役人の審査官が万事処理をしていく、こういうことになってきますると、労災保険の取り扱う事案の性格からいっても、片手落ちになる、こういう危険が出てくるんではなかろうかと、こう考えるわけであります。お話によると、現在の審議されておる労災補償部との関係は、事務的にも技術的にも、直接の関係はないとおっしゃるが、直接の関係はなくても、これは間接的な関係を持っておるので、こういうような点について局長の先ほどの御説明というものは納得がいかぬのですが、行政解釈の統一等によって救済できないかどうか、もう一度見解を承わります。
  54. 富樫總一

    ○政府委員(富樫總一君) 従来とも、この審査官の段階におきましては、ある程度行政解釈、あるいは向うでわからない場合には、疑義ある場合には、本省に問い合せてくるのであります。この段階におきましては別段不統一を来たすことはなかったのであります。その府県の審査会の段階におきますと、これは行政官庁とは独自の、独立してその見解を決定するわけであります。その審査会が自主的に基準局で大体きめた基準等に従っていただければ、そうどうということはないのでありますが、独自の見解で事案を決定するために、ちょくちょく府県によって扱いの異なった決定が行われる。問題は先ほどお話がございましたように、事案は法律解釈適用の問題で、準司法的な事案が最終的には裁判で決定されることで、これを三者構成の委員会で決定することはいかがかと考えたのであります。しかし仰せのように、労使の意見は十分に浸透させることが必要であるということで、従来三千件のうち二千八百件は審査官独自で決定しておったのに対して、今回審査官の段階に労使双方の代表参与を参加させる、こういうことで事案の本旨とそれから労使の意見を浸透させるということの調和をはかったのでございます。
  55. 千葉信

    ○千葉信君 今の田畑君の質問されたこの内容からいいましても、私は突き詰めていけばこれは労働省の反動化だということがいえると思う、極端にいえば。今の質疑でも明らかになったように、今までは第一審において保険審査官が当り、この場合にはあなたが言われるようないろいろなまちまちな考え方、結論が出たりしております。それに対して第二審においては、労働者災害補償保険審査会、これも設けられて各都道府県において基準局ごとに第二審を扱ってきた。いずれも労使、公益の三者構成という形で、私はこれは少くともだれが考えても、この形態は民主的な形態であるということはいえると思うのです。ところが今度の改正案によりますと、今までのその三者構成であった第二審を廃して、今度はこれを中央に設ける審査会として、その審査会の委員というのは、これは内閣総理大臣が任命する。内閣総理大臣の任命そのものが私は不当だといわないけれども、今までのいろいろな経緯から見ても、大体において三者構成等の場合で審議をされる形態よりも、どうしても一方的になるということは、これは否定できないと思うのです。またあなた方の答弁からいいましても、地方における審査会の結論が労働基準局なんかの中央における見解とは必ずしも合致をすることがないものである。そのためにはやはりこういうふうに中央に集める必要があるとあなた方は考える。しかし一体そういうふうな労働基準局の考え方と、地方における審査会の結論なるものが食い違った場合に、どっちの考え方が正しいのか。あなた方は労働行政を担当しておる官僚として、これはおれの考え方は正しいという考え方をあなた方はとるでしょう。しかし地方における三者構成の審査会で決定され六事項に対しては、審査会自体はそれに対してやっぱり自信を持っておる。おのおのの自信がある。そういう場合に一体民主的な結論を期待するためには、やはり一方的な労働省なら労働省の見解というよりも、私はそういう三者構成による合理的な、ある程度徹底して審議をしたその結論ということの方が、かえって結果としては民生的な形態の中で生れてきた結論である。かえってその方が望ましいのではないか。それを今度はあなた方は、第一審は大体今まで通り、第二審になっては、これは労働基準局の方で考える方針に合致させるために、あなた方は今度総理大臣の任命による委員会制度、審査会制度、これを中央にやる。これは何と強弁してみても、これは労働省の反動化だと思う、はっきり言わせれば。他の官庁も、これは私は大体そういう方向に、今の傾向はそういう反動的な傾向が各省に出てきている。しかし各省の場合といっても、労働省の仕事の内容というものは、他の官庁、他の行政機関の仕事とはずいぶん内容が違う。他の行政事務とはずいぶんその仕事の目的も違っているのです。そういう労働省がこんな反動的な傾向を是なりとして出してくるところに私は問題がある。一体こういうふうな格好で、あなたの答弁から出てくるように、総理大臣の任命する委員に基く審査会の結論が、従来のように三者構成による審査会の結論と同じように民主的な結論が常に出るであろうということが期待できますか。あなた方が、そうではなくて期待できないことがはっきりわかっていながら、とにかく一本の格好で、労働費基準局の考えているような方向に合致する、まちまちにならない結論がいつでも出ることを期待しながら、こういう格好に切りかえたのじゃないですか、どうですか。
  56. 富樫總一

    ○政府委員(富樫總一君) 今回の審査官、審査会関係の立案の趣旨は、仰せのような、審査会の意見が役所の見解と異なるから、これがけしからぬというようなことで立案したのでは毛頭ございませんので、各府県にありまする審査会相互間の決定が、同質の問題について食い違う決定がなされる。そこでその取扱いに難渋しておったのであります。これは元来は法律解釈適用問題で、裁判所が決定する事案なのでございまするので、できるだけ――しかし、と言って、そういうものを一々裁判に回しても関係者が手間とひまばかりかかって困りますので、行政的に統一のある処理をしたい、こういうだけのことであります。しかし同時に一方には、仰せのように労働者たるもの民主主義をも後退させたのではいかぬではないかというような仰せも、もっともでございまするので、従来三千件のうち二千八百件を審査官独自でやっておった、その段階に、今回はさらに新たに労使の代表参与を事案の審議に参画させる、こういうふうにしたわけでございます。
  57. 田畑金光

    ○田畑金光君 お話を承わりますと、ちょうど基準局の今度とられた労働保険審査会という構想は、労組法、労調法における争議調整の段階において、たとえば不当労働行為等の取扱い、こういう準司法的な判定を公益委員の判定に移した、こういう労働関係法の改正と軌を一にしたような形になっておると、こう見ます、はっきり申しますと。そういう段階に、そういう構成に移したように見受けるのでありまするが、そうであると解釈してよろしいかどうか。さらにかりにそうだといたしましても、今、千葉委員が指摘されたように、労働行政のあり方から言うと、これは後退である、民主的な労働行政のあり方からすると、大きな退歩である、私たちはそう見るわけであります。そこで先ほどの御説明の中で、従来の労働基準局にあった三者構成の審査会で処理していた二百件を、解釈の不統一、結論の不統一等が出てきたので、中央の審査会に移す、こういうのが御趣旨と考えますが、地方において二千八百件を審査官が処理してきたというお話でありまするが、一体何十名の審査官が年間二千八百件を処理してきたのか、それに対する予算ばどうなっておるのか、費用はどの程度になっておるのか、それからこの二百件を今後中央の審査会に移すというのでありまするが、審査会の委員は三名と聞いております。この三名の選出方法等についでは、労働大臣の推薦ですか、国会の承認を経る、こういうことになっておるようでありまするが、それに伴う予算、経費について一つ御説明を願、いたいと思います。
  58. 富樫總一

    ○政府委員(富樫總一君) 予算の方は関係の政府委員から申し上げまするが、今回の措置は、結果的には仰せのように、労働組合関係の不当労働行為に間する処理とほぼ同じ格好になっておるのでありますが、むしろ私どもの見習った制度としては、厚生省の社会保険それから失業保険の扱いの方をむしろ見習ったのであります。ただそういっては何でございまするが、厚生省の方は地方の段階におきましては審査官限りでやっておりまするが、私の方ではさらに先ほど申しました労使の代表参与を参画させるというところで、できるだけ民主主義の線を自主的に保持したい、こういう考えでございます。  それから地方の羅衣官は現在五十五名配置をしてございます。予算岡係は村上政府委員から御説明いたします。
  59. 村上茂利

    ○政府委員(村上茂利君) 予算関係について申し上げますと、労働保険審査会につきましては三百九十六万円を三十一年度予算として計上いたしております。審査官の段階につきましては、ほぼ三十年度と同様の予算を三十一年度も計上いたしております。
  60. 田畑金光

    ○田畑金光君 幾らですか。金は。
  61. 村上茂利

    ○政府委員(村上茂利君) 労働保険審査会につきましては三百九十六万円で、それから審査官の段階ですが、これは労働者災害補償保険と失業保険、これは別建になっておるのでございますが、労働者災害補償保険審査官の関係につきましては、三十一年度は約二百四十万円でございますが、三十年度は二百二十三万円、若干三十一年度は増額いたしております。それから失業保険審査官、これは三十年度、三十一年度ともほぼ同様の百八十三万円でございます。
  62. 田畑金光

    ○田畑金光君 今の政府委員の御説明によります通りに、労災保険審査官の五十五人に伴う一般的な経費が二百四十万、これに対して中央の労働保険審査会の費用は、もちろんこの中には、今お話のように失業保険の審査事項も入りますけれども、とにかく三名の審査官を中心として三百九十六万の予算の配分がなされている。これは仕事の超過する量からみても、人員の配置からみましても、非常に中央に重きをおき過ぎるだろう、あるいは過度に中央に重点をおきて過ぎている、こう判断せざるを得ないわけであります。ことに中央の労働保険審査会に伴う三百九十六万の予算の内容というものは、人件費がほとんど大半を占めておる、こういう予算になっておるわけで、あります。従いまして先ほど質問の中にもありましたが、労働保険審査会等の選出される委員というものはどういう人を構想に描いておるのか、これは労働大臣から承わらなければなりませんが、単に労働省関係の古い役人がここにすわる、こういうようなことであっては、いよいよ民主的な労働行政というものを官僚化せしめる危険性があるわけであります。最近の労働行政の移り、あるいは発展をみますると、従来の民主性、自主性というようなものが失われて、非常に官僚的な独善的なものに質的な変化を遂げつつある、こういうことから申しますると、今町の労働保険審査会法というものは、繰り返して申し上けまするが、大きな労働行政の退歩、こう言わざるを得なくなるわけであります。そういうような労働行政の退歩の一環として、そのあずかる機関として今回の労災補償部というものが設置されたものであると私たちは考えるわけでありますが、この辺の事情について局長はどう考えておられるか、承わりたいと思います。
  63. 富樫總一

    ○政府委員(富樫總一君) 繰り返して申し上げるわけでございまするが、保険審査会の関係は先ほども申し上げましたように、退歩であるとか何とかいうことよりも、事柄の、事案の性質が準司法的な事案である、そうしてまちまちにならないようにということで設け、そうしてその間におきまして、従来圧倒的大部分が審査官だけで処理されたものに、今回新たに労使代表参与を設けるということを配慮いたしたので、事案の性質上、かつ民主主義の実質的な趣旨を保持するということに苦心を払ったのでございますが、一方この労災補償部の設置は、これとは直接の関係はございません。もちろん労災補償行政の合理的な、的確な運営ということにおいては関係ございますが、直接の関係はないのでございまして、先ほども申し上げましたように、この労災補償部の設置を含めまして、労災補償行政機構の整備強化は、労使、中立三者権成の労災審議会の自発的な建議に基くのであります。この建議は、労使、中立それぞれの代表者が、労働省はもちろん、行政管理庁、大蔵省等にも直接に建議書をもって出されたというように、積極的にこちらの方はそういう関係の方々の御指示を得ておるような次第でございます。
  64. 田畑金光

    ○田畑金光君 私は先ほど申し上げましたように、どうですか、局長は、この予算の面から見ましても、重点があまりにも中央におかれ過ぎて、地方審査官等が積極的に動けるような予算がほとんど措置されていない、こういうように見受けるわけであります。ことにこれは単に労災保険所管問題のみでなく、労働基準監督署の今日の機能というものをみましても、末端の労働基準行政を遂行するにはあまりにも人員の点においても予算の面においても貧弱過ぎると、こう考えておりまするが、こういうような点について労働省としてはどのように考えられ、また今後どのように善処されようとする御方針なのか承わりたいと思います。
  65. 富樫總一

    ○政府委員(富樫總一君) 労災保険の異議の申し立てにかかる事案の処理が中央に重点がかかり過ぎるということでございまするが、現在におきましても、先ほど申しましたように、三千件のうち二千八百件が地方で処理され、残る二百件が審査会の手にかかっているに過ぎないのでありますが、この二百件も、今後は審査会の段階に労使の代表参与が参画いたしまするので、一段としぼられまして、中央にくるのはもっと少くなるということで、全体のバランスとして中央に重点がかかり過ぎるというようなことはなかろうかと考えております。  なお、一般的な基準行政につきまして、仰せのように予算、人員等の不足は、もちろんわれわれの立場から言いますれば、多々ますます弁ずるような関係でございまするが、一般的な財政その他の関係で、まあ私どもの立場では与えられたワク内において能率を上げてやらざるを得ないのでありますが、それでもまあ新年度におきましては、基準局全体の旅費が一割近く、あるいは基準局関係の維持管理費等が約二割近く増額を認められております。私どもとしては、できるだけ監督体制の整備、改善によりまして、できるだけ事態の改善をはかっていきたいというふうに考えておるわけでございます。
  66. 田畑金光

    ○田畑金光君 労災病院等の保険施設の設置、整備の問題が先ほど来いろいろ質疑されておりましたが、本年度の労災病院の建設の計画あるいは今後の年度計画、見通し、そういうような点について一つ御説明願いたいと思います。
  67. 富樫總一

    ○政府委員(富樫總一君) 労災病院につきましては、現在七病院が本年度で完成しております。それから診療を開始はしておりまするが、まだ完備しておらずに充実中の、増設中のものが八つでございます。それからまだ開院に至らず建築中のものが六つでございます。それから新年度、三十一年度に新築に着手する計画の病院が三つでございます。
  68. 田畑金光

    ○田畑金光君 いや、たとえば昭和三十一年度に新しく着工する病院地域、場所等どこであるか、それも一つ一緒に御説明願いたいと思うわけです。
  69. 富樫總一

    ○政府委員(富樫總一君) これは先般の、昨年の国会で通過いたしましたけい肺法の施行に伴いまして、けい肺患者の発見率が緻密になるかと存じます。主としてけい肺病等を中心とした労災病院を建てたい。その候補地は、現在北海道の釧路、それから岩手の今のところ花巻、それから福岡の二瀬、穂波のこの三個所を考えておるわけでございます。
  70. 田畑金光

    ○田畑金光君 この改正法律によりますと、施行期日が昭和三十一年八月までの間において、それぞれの規定につき政令に定めた日から、こうなっておりまするが、これはどういう関係でそれぞれの規定によって施行日を異にしておるわけですか。
  71. 富樫總一

    ○政府委員(富樫總一君) 今度の法律での一つは労働衛生研究所でございまするが、これは目下なお建築が完成しておりません。現在の予定では衛生研究所を開設するのにこの建築の状態と見合いまして、八月一日から建築の関係でスタートせざるを得ない。それから労災補償部につきましては、事務の過渡的な問題の切りかえの準備もございまするので、大体現在の予定では七月一日から発足したい、こういう考えでございます。
  72. 千葉信

    ○千葉信君 行政管理庁当局、これは少し責任をもって答弁してもらわなければならぬ問題だと思うのですがね。この間も科学技術庁の設置法案をめぐって部局の設置が問題になった。また、きょう審議している労働省設置法の一部改正法律案の中で、同じ問題が出てきておる、労災補償部……。しかも一体この部の設置について行政管理庁当局と連絡をしたかと聞いたところが、連絡をした。その連絡したということは、行政管理庁当局が了解を与えたという連絡なんです。一体そういうばかげたやり方をしていいと行政管理庁は考えてやられたのか、ここで一つ性根を据えて答弁してもらいたい。
  73. 岡部史郎

    ○政府委員(岡部史郎君) お答えにつきまして、はっきり責任を持ってお答えいたします。この労働省の労働基準局に労災補償部を設けることにつきましては、労働省から協議がございまして、私の方でこれははっきり承認いたしまして国会で御審議を仰ぐことにした次第であります。で、その考え方といたしましては、現在の国家行政組織法第二十四条におきましては各府省の官房及び内局には「当分の間」部を置くということになりまして、現在各省の局の中に置かれている部は「当分の間」の性質のものであるということを明示しております。と申しますことは、その法律精神といたしましては、各府省の局または官房の中にさらに部を設けることは好ましくないという立法精神であることも十分に承知しております。しかしまたこれは一面におきまして、申し訳ないことでございますが、現実の行政の動きと申しますものは日々発展して参りまするので、この規定の精神をとかく超えまして、あるいはこの規定の精神から逸脱して、しかも行政の需要に応じなければならないという事態が生ずる現実を認めなきゃならぬような状態でございます。そのために私どもまことに苦心いたしておりますが、最近におきましても、最近と申しましても昨年でございますが、申し訳ございませんが、東ア関係におきます賠償関係を処理いたしますために、外務省のアジア局に賠償部を設けることを御審議いただきまして御承認をいただいたわけでございます。それから昨年はまた労働省の職業安定局に失業対策の重要性にかんがみまして、これはどうしても職業安定局の中に失業対策部を設けて強力にこれが実施に当らなければならぬという強い要請がございますので、これにつきましても労働省から法案を提出いたしまして御審議いただいた次第でございます。このたびも労災補償行政事務の近年における激増にかんがみまして、これが日課をもろてしてはやり切れないということは、今の労災病院の激増の状態を見ましても御了承いただけることでありまして、この実態につきましては御了承いただけると思うのでございます。  しからばそれを一体組織法のどこに求めるかということにつきましては、これはまことに申し訳ないことでございますが、現在のところはこの二十四条の規定に基きまして、労働基準局の中に、法律の表現からは「当分の間」として設けざるを得ないという形でございますが、行政組織を管理いたします行政管理庁当局といたしましては、この点につきましては先般の科学技術庁の局の場合と申し、まことに行政管理の立場から不十分な点がございますので、これらの点につきましては極く最近の機会におきまして組織法につきまして、これらについて基準となるような規定の改正を近く御審議いただきたいと、こう存じておる次第でございます。これははっきり申し上げまして御了承いただきたいと思います。
  74. 千葉信

    ○千葉信君 三回ぐらい申し訳ないという言葉を使っておりますが、そんなに申し訳のないやり方を政府みずからやっちゃいかぬと思うんだ。まあ僕の方でも今度のこの災害補償部の設置については問題の重要性もわからないわけじゃないし、この程度の機構が必要だということは私ども考えております。しかしそれだからと言って、現在の国家行政組織法を乱してもいいということにはならないと思うのです。岡部さんも言われる通り、私も、行政そのものは生成発展し、絶えず流動しつつあるものであることは認める。しかし同時に法律が生きている。立法の精神が生きている。岡部さんの今の答弁から行きますと、そういう事実の前に立っては、ある程度法律に抵触してもよろしいという暴論が出てくる。それはいかんと思うのです。やっぱりあなたのおっしゃる通り、行政そのものが生成発展し、複雑多岐で、しかも絶えず流動しつつあることは認めるけれども、同時にまた法律も生きているし、立法の精神も生きている。両方とも生きている。それを合致させるという努力が私は必要だと思うし、またそれが理の当然だと思う。しかし今いみじくも行政管理庁当局の方から、たとえば防衛庁の内部部局の問題、科学技術庁の内部部局の問題、それから前の失業対策部の問題を含んでいる今回の災害補償部の設置について、これを適法ならしめるような法律改正の措置をとるつもりだという答弁ですから、私はその限りでは一応は了解いたしますが、しかし国会としては、そういう国家行政組織法の改正が行われたときでなければ、この法律は国会としては適法なものとは認められない。そうなると理屈では……。その点は岡部さんに聞くのは無理かもしれぬけれども、政府当局としてはその点についてどう対処されるつもりか。
  75. 岡部史郎

    ○政府委員(岡部史郎君) お答え申し上げます。ただいまの千葉さんの御意見一々ごもっともでございまして、決してそれについてお言葉を返えすつもりはございません。ただまことに御説にございます通り、行政組織法で一応の基準を設けておきましても、その行政の実際の要求からそれについての特例というものが、これも同じ法律で認めるならば、特例として、あるいは例外として認める場合があってもよろしかろうと思うのでございます。しかしこれば組織法が認める一応の原則に対するまれなる例外であるという意味においてお認めいただく、従来もそういう方針で国会でもお認めいただいたのだろうと思うのであります。それが今、千葉さんの御指摘のように、しばしばかような例外が出て参りますと、せっかくの組織法の基準が何だ、組織法の定める原則が認められない、これが死んでしまうではないかという御意見がございます。そこでそのような例外が、今の行政の実情に応じまして若干出て参ります場合におきましては、それを今度は組織法の原則の中におきまして、原則とまではゆかないけれども、一つの窓をあけるという措置が必要ではなかろうか。その時期、そのことにつきましては、私ども全く同感でございますが、その窓のあけ方の時期につきまして、今までちゅうちょ逡巡し、慎重熟慮していたということでございますので、今やその時期に達していると思いますので、この窓をあけることは別問題でございますけれども、この労働省の労災補償部に関します限りは、現在の需要に応ずる例外的な措置で、しかも一応組織法二十四条に基く例外的なもので、例外ではあるけれども、決して違法ではないということで、一つこれだけは御了承いただきたいと、こう存じます。
  76. 千葉信

    ○千葉信君 いや、もう大体わかったから……。黙って聞いていると、頭が悪いものだから、明快な岡部管理庁管理部長の答弁にごまかされそうなおそれがある……。大体これだけ申し上げます。
  77. 堀眞琴

    ○堀眞琴君 労災補償部の設置の問題について千葉委員その他から質問が出たので、大体まあ問題はないようでありますが、私ただ一点だけお尋ねしたいんです。これはあなたにお尋ねしたい。国家行政組織法の二十四条によって「当分の間」これを認められる、こういうことになっている。「当分の間」というのは、行政組織の体系として、行政組織法上に基けば、部というのは、とにかく府、省の内局には設けないという原則を貴くためにあげられた言葉だと思うのです。先ほど例に引かれたたとえば賠償部ですね、これは決して恒久的な組織ではない、もちろん賠償関係というものは五年や十年で済まないかもしれないが、とにかく国家の行政の建前からいって、恒久的な機関ということはできないと思うのです。それから失業対策部ですね、これは政府の考え方では、将来は完全雇用を目ざしているのだ。従って失業対策部というのは、これは「当分の間」だけこれを設けるのだという暫定的な意味をそこに含んでいると思うのです。ところが労災補償部の場合ば、そういう「当分の間」という暫定的の意義をその中に含んでいないと思うのです。それからまた防衛庁の場合は、これは政府の考え方では、将来省にしようという基本的な考え方があると思うのです。ですからそこは無理にも押して局にしようということで臨んできていると思う。その間のいろいろ考え方は違うと思うのです。しかし「当分の間」という条文の言葉は、決して恒久的な機関として設けるのじゃないという意味であり、従って労災補償のような重要な意義を持つ機関は、これを恒久的な部局にするということが、最も行政組織法の精神からいって正しいのじゃないかと思うのですが、その点に関してちょっと一点だけ質問したい。
  78. 岡部史郎

    ○政府委員(岡部史郎君) ただいま堀さんのお尋ね、全くごもっともでございます。先ほどの千葉さんのお尋ねにも関連いたしますが、ここ一、二年にできました賠償部あるいは失業対策部というものは、仰せの通り、臨時的な性質を持っておるものです。そういう点から申しますと、さきの組織法の中で、組織の原則である局の中に部を設けないということについて踏み切る決心がつかなかったわけでありますが、今度の労災補償部と申しますのは一応かなり恒久的な性格のもので、この労災補償行政というものが発展していくに従いまして、だんだん大きくなるという考え方でございますから、ある程度恒久的なアイデアのものではなかろうかと考えられるわけでございます。そういう意味におきまして、ここに至りますならば、これについては単に「当分の間」ということで逃げることは卑怯だと思います。そこで組織法に今度新たに窓口を広げなければならんのじゃなかろうか、こう感ずる次第でございます。全くお説同感でございます。
  79. 千葉信

    ○千葉信君 倉石公務員制度担当大臣にお尋ねをいたします。  非常に心配された労働争議も、大体現在の状態ではだんだん終りに近づいてきている。せっかく労働大臣が武者ぶるいもはなばなしく、大段平を振り上げて弾圧しようとしたその弾圧も、あまり極端な格好で、大きな紛争を起し、その紛争の解決の手段としてそのなたがあまり振われないうちに問題が逐次解決しそうになっておることは、これは大いにわれわれも日本の労働者の非常に大きな成長であるという立場から慶賀すべき状態であると私は考えております。  だがしかし、今回の労働争議の中でも最も最初から私どもが心配した関係の諸君は、まだ解決を見るどころか、取り残されて、そうして相も変らず従来の例の通りにすこぶる不利益な、みじめな格好に追い込まれるような現在の情勢でございます。そこで、私は労働大臣としてはもちろんのこと、公務員制度を担当している労働大臣に、国家公務員の関係、特にその一般職の職員の関係、それからそれと直接相関連して影響を持つところの地方公務員の処遇の問題、それから地方教職員の処遇の問題に関連して、以下逐次労働大臣にお尋ねを申し上げますが、一番最初に私は労働大臣に確認したいものがある。一つ大山君、そばで今読み上げるから筆記をして、大臣の手元の方へ差し出すようにしてもらいたい。  昭和二十九年の十二月十七日に、正式に人事院総裁淺井清氏から、当時の給与を担当していた国務大臣三好英之あてに次のような文書が付せられておる。「本院は十二月六日付をもって、本年十二月に支給すべき一般職の職員の年末手当については、一般職の職員が団体交渉権を認められていないことにかんがみ、公共企業体等職員と均衡を失せざるよう措置されたい旨申し入れました。その後各公共企業体等職員についてば団体交渉の結果、その年末手当支給率は相当程度増加することに途次決定をみっつあります。本来公共企業体職員と一般職職員との年末手当については、前者は一・〇月分後者は一・二五月分を基本として予算に計上されており、かつ、第十八国会において政府は両君の比率は、右予算上の比率で均衡がとれていると言明しております。従って団体交渉によって公共企業体職員について、右予算上の一・〇月分より増加する場合には、両者問の均衡がとれるよう万全の策を講ぜられるようここにあらためて要望します。」、ここに明らかにされていますように、本来予算に組まれている、それから給与法によって規定されている期末手当の額は、勤勉手当等も含んで、一般職の職員の場合には、公共企業体、もしくはまたそれぞれの団体交渉によって給与を決定している現業職の職員等の場合に比べて、年間を通じて〇・二五ヵ月分多く支給するという建前が、初めて両者周の均衡を得ているものであるということの一つの証拠として、私はこれを読み上げたんですが、倉石担当大臣はこれを確認されますか。
  80. 倉石忠雄

    国務大臣(倉石忠雄君) ただいま御指摘の昭和二十九年十二月十七日の淺井人事院総裁の三好国務大臣に対する書簡は、ここに控えがございまして、そこで今お尋ねの前者は一ヵ月分、後者は一・二五ヵ月分、こういうことについてどうかというお話でありますが、これは御承知のように後者の一・二五ヵ月分というのはこの通りでありまして、これは御承知のような業績手当を含めてこれだけ多い、こういうことであると私どもは理解しております。
  81. 千葉信

    ○千葉信君 とんでもない話だ。業績手当をもらっている方の公共企業体、もしくは現業職の職員の場合には、多いんじゃなくて少いのです。そんな、大臣、勘違いしちゃ困る。〇・二五ヵ月分国家公務員の方が多いのです。これが多いという人事院の通牒です。多いという状態で初めて均衡を得ているのだという通牒ですよ、大臣、それは勘違いしちゃだめですね。もう一回答弁。
  82. 倉石忠雄

    国務大臣(倉石忠雄君) この前者、後者というのを私が読み違いました。御存じのように、その逆でありますが、そこで後者の方は、業績手当というものを予算総則によって、業績によって出すことができる、あるいは総則内で、節約した分などについてこれを業績手当として支給することができる、こういうふうになっているわけであります。
  83. 千葉信

    ○千葉信君 大臣そんな答弁すると、よけいこんがらがっちゃって、あなたもわからなくなるし、僕もわからなくなります。聞いたことに対して答弁してもらわないと。あなたの今言われた業績手当の問題はあとの方に出てくる、私の質問で。ですから、ここではこういう人事院の通牒が明らかにしている両者の間に〇・二五ヵ月分の較差があって、開きがあって、それで初めて均衡を得ているものだということを、大臣はこの通牒によって確認されますかということです。それをお尋ねするのです。これはむしろ確認までもないこういう明らかな公文書があるのですから、大臣まさか確認しないとは言わぬだろうと思うのですが、私は順序としてそれをどうしてもここで明らかにする必要がある。
  84. 倉石忠雄

    国務大臣(倉石忠雄君) これをお出しになった当時の人事院総裁は、そういう考え方でお出しになったものと思います。
  85. 千葉信

    ○千葉信君 そばにいて何か耳打ちしている人が間違っていると思う。私の聞いているのは、これが今日もなお厳然として生きている事実なんですよ。〇・二五ヵ月分違うということによって、初めて今日もなおその事実は厳存しているのですよ。たとえば具体的にいえば、年間に支給される期末手当等の場合には、一般職の職員の場合には御承知の通りに二・二五ヵ月分、それから公社現業等の場合には二カ月分、これが現在の給与法に基く支給、それから予算に基く支給金額、今でもそうです。ですからこの通牒は、この当時人事院総裁が考えていたことじゃなくて、この当時もその通りであったが、今日現在でもこの事実は厳然たる事実だ。それを倉石さんはお認めになるかどうかということです。
  86. 倉石忠雄

    国務大臣(倉石忠雄君) それは今日もそういうふうになっていると思います。
  87. 千葉信

    ○千葉信君 なっていると思いますのじゃちょっと頼りない。なっているのだから、大臣もはっきりそのつもりになって、このあとの質疑に応じてもらいたい。  そこで、ここにまた一つ、昭和三十一年の三月十三日の日に、人事院総裁からあなたに対して公文書が発せられておる。公文書です。これを私文書だとか、何か紙くず同様な格好で、盛んに国民の目を瞞着しようとして放言している人がいるようであります。名前を言うのはやめますけれども、そういう人がいるけれども、これは明らかに公文書です。そうして現在の大きな政治問題の解決の端緒となる重要な文書です。これは倉石さんは十三日の日に、あなたは何と答介しようと受け取っておられる。一体倉石さんは、この勧告ではないけれども、事態の推移の中では勧告に匹敵するほど重要性を持ち、比重を持つところのこの公文書に対して、あなたは担当大臣として検討を加えられたか。それからその検討を加えられた結論に基いて今日まで――きょうは四月三日ですが、今日まで一体この問題の処理に対してどういう方策を具体的におとりになってこられたか、その点を承わりたい。
  88. 倉石忠雄

    国務大臣(倉石忠雄君) 日は明確に記憶いたしておりませんが、郵政職員に対する調停案が提示されたころ、淺井さんが私のところにお見えになりまして、口頭で今度の調停案がどういうふうになるか、その一時金という形によっては、一般公務員と不均衡を生ずるかもしれない、そこでそういうふうになった場合には、何か御考慮を願ってしかるべきではないかと思う、こういうお話でありましたから、私は今度の調停案、どれかの調停案第二項に金額が書いてありましたが、あれが全部出そろわないから、ここでいろいろなことを言うことは遠慮するが、大体三公社一班業の出たところによると、これは業績手当である、従って一般公務員に対して不均衡にはならないと思う、こういうことを申しましたところが、ならなければそれでいいのですが、念のため後日書面で、きょう申し上げたことを覆いて送ります、こういうので書面が参りました。それが今あなたのおっしゃった書面だろうと思いますが、私どもとしては、五班業の今の第二項に書いてある金額というものは、例年やっておる業績手当である、こういう考え方でありますから、一般公務員には別段適用する必要を認めない、こういうふうに解釈いたしております。
  89. 千葉信

    ○千葉信君 それについてはどういう処置をとりましたか。
  90. 倉石忠雄

    国務大臣(倉石忠雄君) ですから一般公務員について一時金とか、そういうことはやらない、こういうことであります。
  91. 千葉信

    ○千葉信君 あなたは閣議でそういうように問題を説明されて、あなたの意見を述べられたのですか。
  92. 倉石忠雄

    国務大臣(倉石忠雄君) 閣議のことについては遠慮いたします。
  93. 千葉信

    ○千葉信君 閣議の内容は聞かなくてもけっこうです。
  94. 小柳牧衞

    ○委員長(小柳牧衞君) なるべく議題との関連において簡潔に……。
  95. 千葉信

    ○千葉信君 簡潔ですよ、委員長、こんな簡潔な質問はないですよ。  そこで今回の調停に基いて支給されたそれぞれの一時金が、これが一体業績手当に該当するのであるかどうかは、またあとから御質問申し上げます。しかし、その以前大臣にはっきりと御認識を深めてもらいたいことは、この人事院から出ました文書の第五ページ、その五ページの最終項目に、今まで支給された、つまり今回の業績手当に該当するかしないかは別として、一時金の支給されたその以前の今までの実績、それによりますと、昨年の人事院の勧告の実施に伴って、一般職の職員には二・二五ヵ月分の年末手当が既成事実として支給された当時に、この一般職の職員と均衡を得て支給するとすれば、二カ月分の支給で均衡を得るはずの郵政の職員に対しては二・四一ヵ月分支給された。それに若干のプラスがついている。それから林野の職員の場合には二・三八ヵ月分、それにプラスがついている。これは一々の五現業の場合にもありますけれども、公社の場合等によりますと、国鉄は二・四ヵ月分、それから電電公社は二・三五ヵ月分、それにプラス・アルファーがついている。そうなると郵政の場合には、一般職の職員に比べて〇・四一ヵ月分多く支給されている。同様にその国鉄の場合には〇・四ヵ月分プラス・アルファーで支給されている。この明らかに数字に出たほかに、プラス・アルファーがあるのですよ。そうして今度の調停案でもって解決した。プラス・エックスというのは、これは五千円のところもあれば二千五百円のところもあります。しかしいずれにしてもこういう有利な条件で一方は処遇されている。一方は明らかに不均衡、不利益な状態で二・二五ヵ月分しか支給されていないのです。この不当な事実に対して倉石さんは、一体今度出た一時金はあれは業績手当だからといって、私は済ましていいような問題ではないと思うのですが、どうでしょうか。
  96. 倉石忠雄

    国務大臣(倉石忠雄君) 御指摘のように五現業につきましては前年より若干多いところがあります。これはしかし、それぞれの団体交渉をやる前に、五現業の当事者がその企業の内容について検討して、この程度ならば業績手当を出してもよい、こういう考えのもとにやったのでありましょうし、今、三公社の方のお話もありましたが、三公社のうちの専売などは、前回よりも業績が上っておらぬということで、低くなっておるところもあるようであります。私どもといたしましては、今回のいわゆる調停案第二項というものは、いわゆる業績手当である。その業績手当を支出した三公社は別として、五現業とこの非現業との関係については、これは従来も非現業には業績手当を支出しておるのでありますから、その面においては不均衡は生じない、こういう考え方であります。
  97. 千葉信

    ○千葉信君 倉石さん、今回の一時金が業績手当であるという解釈は、私はこれは否定しないのですよ。そういう解釈も成り立ち得る。私の見解では、あれは必ずしも全額業績手当とは考えていない。幾らでもそれは証拠があります。たとえば、業績手当は一体年間幾ら出せるかという一定のワクがあるのです。あなたも法律御存じでしょう。公共企業体なんかは弾力条項が設けられておる。そうして業績手当はどの程度の範囲内で支給することができるかということははっきりワクがあるでしょう。だからそのワクの中にはめていって計算をすれば、これは業績手当だということでその中に突っ込むことができないような部分があるのです。これは何ぼあなたが業績手当だ業績手当だと言ってみたところで、そのワクにはまらない分については、これは業績手当という名前をくっつけるわけにはいかない。しかしそれはそれでいいです。それはそれでいいがですね、しかしそういう今回の業績手当を除いてですよ、従来大きな不均衡がさっき申し上げたように生じてきているのです。多いところは〇・四一ヵ月分も国家公務員より多い、そこへまた今度五千円、そういう状態なんです。ですからこの点は業績手当だという解釈をしようとすまいと、ここに極端な不均衡が生じているということははっきり認めなければならぬ。  そこでだ、私は他の大臣ならこんなこと聞かない。あなたは少くとも公務員制度を担当し、給与の問題についてば適正な額を支給しなければならないと同時に、給与の問題についてのもう一つの原則は公平を失してはいかぬということ。給与の問題で金額を適正なものにするということと、もう一つは公平でなければならぬということは、これは大きな原則である。またそれをやらなかったら能率は下る。しかもあなたはそういう関係の給与も含めて公務員制度を担当している大臣です。その大臣が、たとえ今回の一時金は業績手当だという解釈に立っても、今までの不均衡に対してあなたは目をつぶるという方法はない。あなたは、ここらでこの問題について何らの措置をとらなければならない立場があなたの立場である。どうですか。
  98. 倉石忠雄

    国務大臣(倉石忠雄君) 今申し上げましたような政府の考え方でありますので、一般公務員についで特段な措置を、給与について特段の措置を講ずる意思はありません。
  99. 千葉信

    ○千葉信君 政府の方針はわかっているのです。政府の方針はあなたの言われる通り、そんなことを陰でごそごそきめているようです。だからあなたは閣議のことは触れないというから、僕は触れないけれども、そんなことをごそごそ一方できめていることは知っているけれども、あなたはほかの大臣と一新になって、それは全くそうだということを言ったとしたら、これは大へんですよ。あなたの立場は、そういうものを適正なものに直さなければならないのがあなたの担当じゃありませんか。従ってこういう事実がはっきり明るみに出ている以上、あなたはこの問題に対して卑怯な態度をとっちゃいかぬのです。何らかの、私はここで金額は言わない。それはどういう形態かということは聞かない。しかし何らかの措置をあなたが、この不均衡な、明らかな不利益をこうむっている職員に対して、あなたが担当しているのだから、あなたのやりよう一つで行政の能率が向上もし、行政の能率が下りもする。実際その職員連中は激しい憤りをもってあなたの行動を見ているのです。そんな政治というものはないでしょう。ほかの大臣じゃない、あなたはそれを担当している大臣だから、それに対しで何らかの措置をとるという態度でなくっちゃいけない。あなたは何らかの解決の方法についてこの際考えられる必要があると思うが、あなたのお考えを私はこの際明らかにしたいと思うのです。  さっきからの答弁じゃいかぬのです。方法は幾らでもあります、方法は。やろうと思えば大臣のとれる方法は幾らでもあるのです。ことに幸いなことには、年度を越しました。従来あなたも在野時代に、こういう問題の処理についてはいろいろ便法が講ぜられたことは、あなたも御承知だと思います。御存じでしょう、倉石さん。今までこういう問題の処理についていろんな便法が講ぜられたことは、あなたはくさるほど知っているし、またくさるほど知っているから、あなたは気負った格好で、おれは労働行政を担当してみせるという、公務員制度をおれは担当してやるという態度に出られたのだ。その今までのそういう事例から考え、それから今日――四月三日になっている今日の段階で、私は倉石担当大臣がこの不合理を見つめ、この不利益に対してはこのままではいかぬという、これはこういう客観的な事実に対しては、意見のいかんを問わず、こういう不均衡、不利益、不当な扱いは、それは放置できない問題ですから、政治を担当している者としてはなおさらです。その今までのいろいろな事例を考え、今までのいろいろな硬法を考え、実績を考えて、大臣としてはやはりあなたは適正な措置を講ずる必要があるお立場にあると思う。いかがですか。
  100. 倉石忠雄

    国務大臣(倉石忠雄君) 公務員のために非常に熱心に心配していただくあなたのお気持もよくわかりますし、私どもも十分検討はいたしておりましたが、今回は一般公務員については何らの措置をとることができてないのであります。
  101. 千葉信

    ○千葉信君 きょう四月の三日です。年度を越しました。一応今あなたが答弁されたように政府としてはきめたのです。しかしあなたは、そういう政府の決定した方針について、これでもういいのだという格好の態度をとることがいかぬと私は言うのだ。それがあなたの立場なのだ。だからあなたはくさるほど従来のいろいろな事例を知っておるから、やろうと思えばできる方法があるということをちゃんと知っているのだから、あなたは少しにやにや笑っている顔をしているけれども、その笑い顔は知っている証拠だ。だからあなたはこの際やはり何らかの……今すぐやれということは言わない。きょうすぐやれということは言わない。しかしあなたはそういう努力はするということぐらいはあなたの立場で言えるし、またそういう努力をする立場にあなたはいるのだから、その点はあなたはここで私を喜ばせるような答弁ができると思う。やりなさい。
  102. 倉石忠雄

    国務大臣(倉石忠雄君) 遺憾ながら喜んでいただくわけにいきません。
  103. 千葉信

    ○千葉信君 それじゃあなたの立場は、自分の仕事をほったらかしていることになるのですよ。あなたは問題をもう一度取りしげてみるということについて、あなたはどうお考えですか。
  104. 倉石忠雄

    国務大臣(倉石忠雄君) あなたのお話があるまでもなく、私どもの方は十分そういうことを検討いたしまして、今回は一般公務員給与についての特段の措置を講じない、こういうことにきめたわけでありますから。
  105. 千葉信

    ○千葉信君 あなたは、そういうふうにきめた当時は、あなたはこういう事実を知らなかったのだ。前の給与を担当している大臣も知らなかったのだ。去年の十二月ですよ。ここで僕にきあつけられて、あわてた。当時僕はあまりこの問題をつっつき回すと、ひょっとするともらうことになりそうな人たちにだめだという格好で引っ込められてはたまらぬから、僕ば善意をもってなるべくいい政治が行われる必要があるというので、私はそのときには途中でつっつくのをやめた。あなたは知らぬと言う。こういう不均衡があるということを知らない。で、あなたの知っていることは、今度の一時金はこれは業績手当だといって言いくるめることしかあなたは考えていない。しかし、こういうふうに人事院の方から公文書が出て、こういう不均衡があって、その内容についても詳細にその数字までわかった以上、あなたはそれを是正するという態度をとることがあなたにとっては当然必要なのだ。また、それを知らぬ顔をしてごまかすような政治が行われてはいかぬのだ。あなたはこういう事実が明るみに出た以上、やはりたとえ、いかなる反動内閣であろうとも、こういう問題については適正な措置を講じなければ、あなた方が幾ら一生懸命働けといって慫慂されても、勧告をされても、能率が下るような事態が起るかもしれない。しかしあなた方はそれに対して勧告を厳重にして、督励して、しりをひっぱたいたってそれだけでは問題は解決しない。あなたの方に非があるのだから、あなたたちが間違ったやり方をしているのだから、不公平なやり方をしているのだから、それではあなたは少くとも良心的な政治をやっておるということは言えないじゃありませんか。それでもなおかつあなたは強情に突っぱっておる。そんなことは知らぬ、もうその問題はきまったことだから知らぬと強情を張っておられるが、それではあなたは公務員制度を担当され、労働行政を担当される大臣資格はないのだ。資格ありとお考えになるならこの問題は解決しません。解決のために努力すると言いなさい。
  106. 倉石忠雄

    国務大臣(倉石忠雄君) 先ほどお答えいたしました通りでありまして、今回は措置をいたしません。
  107. 千葉信

    ○千葉信君 その措置をしない理由は何ですか。……措置をしないという理由は何ですか。
  108. 倉石忠雄

    国務大臣(倉石忠雄君) 先ほど申し上げましたように公労協関係の調停案とは不均衡になっておらないと、こういう見解であります。
  109. 千葉信

    ○千葉信君 不均衡になっておるじゃありませんか。しかも人事院総裁からこういう文書が公文書で出されておる。あなたは不均衡になっておるという事実までもごまかすのですか、目をおおうのですか。そんな政治ってありますか。
  110. 倉石忠雄

    国務大臣(倉石忠雄君) あなたも御存じのように五現業については一般公務員と違って、給与総則にもありますから、それから節約などによって業績手当を出すことができるということになっておるのですから、それが出たことによって公務員の取扱いが不均衡になっているとは、私どもは解釈いたさないのであります。
  111. 千葉信

    ○千葉信君 その点はさっきはっきりさしたじゃありませんか。あなたの言うようなそういう給与総則、弾力条項と呼ばれるあの条項によって出る支給額にはワクがあるのです。いいですか。そのワクから出た分についてはあなた方は、これもそのワク内の金額だ、ワク内の支給だと言おうとしておる。客観的な事実としては、それはワク外のものが同時に支給されておるという事実だ。あなたのような見解は成り立たぬ。私はそれをこの際一応了とすると言っておるのです。それは業績手当として認めましょう。しかしそれは認めるけれども、この人事院の文書がはっきりしているように、今までの実績の中でも〇・四一ヵ月分プラス・アルファーという格好の不均衡がついているようですが、こういう事実があるところに、さらにちょっぴりワク外にはみ出ている、あなたの言うような業績手当を認めましょう。認めるけれども、そのワク外に出ておるものを今回支給されているところがあるのに、これで一体いいということをあなたは言えるか。あなたはそんな答弁をごまかさないで、はっきり言いなさいよ。大臣、答弁。
  112. 倉石忠雄

    国務大臣(倉石忠雄君) 先ほど申し上げました通りでありまして、特別な措置はいたしません。
  113. 千葉信

    ○千葉信君 私はこういう答弁では了承できないので、大臣も相当頭の方へ血が上られたようですから、冷却して、また休憩後この問題に関して質問を申し上げます。
  114. 田畑金光

    ○田畑金光君 大臣に関連して二、三お尋ねいたしますが……。
  115. 小柳牧衞

    ○委員長(小柳牧衞君) 田畑さん、議題になるべく関連して……。
  116. 田畑金光

    ○田畑金光君 議題に関連しているから質問しているのです。先ほど千葉委員からも質問が詳細にありましたが、三月十三日の人事院総裁から倉石労働大臣あて出された文書は、ある重要政府閣僚の中には、私文書であり、また法律的な根拠もない、こういう見方をとっておる人もあるわけであります。この点に関しまして、先般浅井総裁に本委員会におきまして質問し、お尋ねいたしたところ、従来ともこういう文書の形式で期末手当の処理等を再々進めて参ってきた。この文書は伝えられるような私文書として考えらるべきものではなく、どこまでも厳正な公文書としてわれわれは考え、また公文書として今日まで処理されてきているのだと、こういう御答弁があったわけであります。この点に関しまして、倉石国務大臣のお考え方を承わりたいと思います。
  117. 倉石忠雄

    国務大臣(倉石忠雄君) これは単に私の名前で、淺井さんが個人の名前でお出しになったのならば私文書かもしれませんが、人事院総裁給与担当国務大臣倉石忠雄殿となっているのですから、私は公文書だと思います。
  118. 田畑金光

    ○田畑金光君 公文書といたしますならば、当然この文書の中にも盛られておる内容等については、権威ある人事院総裁の意思の表示として、給与担当国務大臣としての倉石さんも尊重される当然の措置であると、私は考えまするが、この点についてはどうでしょうか。
  119. 倉石忠雄

    国務大臣(倉石忠雄君) それはその通りでありまして、いずれの方の文書でも、それは尊重すべきものでありましょう。ただ、口頭でお話ししましたときに、私は淺井さんにその趣旨を申し上げて、そうですかということでお帰りになった。念のため書面を上げましょうと、こういうことでありますが、この書面にもありまする通りに、もし不均衡になるならばということでありまして、私どもは御注意をちょうだいいたしましたが、不均衡にならないという先ほど千葉さんに対するお答えの通りの解釈でありますから、これは承わっておくだけであります。
  120. 田畑金光

    ○田畑金光君 不均衡になっておるかどうかという問題は、判断にかかると考えるわけであります。要するに不均衡になっておるかどうかの基準は、だれが決定し、どの尺度に基いて政府は処理すべきかということになってきょうかと考えます。倉石労政についてはかれこれ批判はこの際はいたしませんが、今日まで政府当局といたしましては、公務員国民の奉仕者である、公僕である。従って公務員たる者ばその本分に基いて行動をしてもらわなきゃならぬ、こういうことを再々警告ないし指示されて参ったわけであります。で、これは公務員の立場というものについて政府なりの態度であり、指導方針でありまするから、われわれは一応その限りにおいてはそれを認めます。ただ倉石さんの考え方の半面においては、公務員が法の立場を守るならば、当然また政府としても法の要請する点は善処するという意思表示を、暗黙の意思表示をなされておると、われわれは判断して参ったわけであります。労働大臣御承知のように、人事院の生まれたゆえん、あるいは人事院の果す使命というものは、国家公務員の処遇について公正を期し、法の建前を確保することが私は一番大事な点だろうと、こう考えているわけであります。でありまするから、私たちは今日まで、政府の今回の労働争議に対しとり来たった態度、方針、ことに倉石さんが労働大臣として、あるいは給与担当の国務大臣としてしばしば発せられました警告とか、あるいは指示とか意思発表というものは、当然国家公務員法の建前を尊重されるその立場においてなされたものと見ていたわけであります。ところが今のお話によりますると、人事院総裁から送られてきたこの文書に対し、一般職の公務員との給与の不均衡については三公社五現業との間にはないんだという判断を下されておるということは、いささか政府の独断にすぎやせんかと、こう考えておるわけであります。人事院当局は、団交権を持たない一般公務員と団交権を持つその他の公務員との問に不均衡を生ずる場合は、当然その不均衡の是正措置をはかるべきである、そういう態度をとっておるわけでありまするが、倉石さんの立場からいたしますると、人事院の判断と申しますか、人事院の意向というものを当然尊重さるべきだと私は考えまするが、この点どうでしょう。
  121. 倉石忠雄

    国務大臣(倉石忠雄君) 前にも申し上げましたように、人事院の総裁のお考えが、不均衡を生ずるようなことになるならば、ことにその一時金という調停案に出ましたそのものの性質によって不均衡になるならば考えてやってもらいたい、こういうことでございますから、私どもの方でも慎重に検討いたしまして、そこでこの調停案第二項にある数字というものは、五現業に対する業績手当という性質の支出である、こういうことでありますから、業績手当は従来も出ておることでありまして、従って従来と変ったことをいたすわけではないと、五現業の方で……、従って不均衡にはならない、そこで一般公務員については特に今度の給与の措置を講ずる必要を認めない、こういうことであります。
  122. 田畑金光

    ○田畑金光君 具体的に申し上げますと、人事院の方で資料をこう出しておられるのです。その資料によりますると、三公社五現業と一般公務員との問に手当の支給について相当の額、率の不均衡が出ているわけであります。倉石さんといたしましては、今回の一時金が従来の給与総則、予算のワク内の処理によって運用されたものであるから、性格等からいっても何ら変りがない。まあそれはそれでいいかもしれませんが、とにかく一般公務員と三公社五現業との間には、人事院の資料によって明確に不均衡が出てきているわけであります。だから私は、政府は政府の立場においてものを処理し判断せられるのもけっこうであるが、しかし国家公務員法という法によって人事院制度ができておる。人事院制度によって勧告あるいはこれに準ずる措置がとられるときは、当然法の建前から、政府はこれを尊重すべきである。こういう私は政治的な道義があろうと考えておるわけであります。また従来も時の内閣により、あるいは時の給与担当国務大臣の努力によって善処されて参っておるわけであります。私は今回のこの一連の争議の経過を振り返って見ましても、大方の問題はすでに解決されて、残った重要な問題は、国家公務員地方公務員の問題に残されてきた。その大事な国家公務員の問題について人事院が権威ある資料を出し、権威ある総裁の意見が政府に出されておるとするならば、当然政府はこれを尊重され、倉石さんは政府の中にあって法の建前を貫くために努力をなさるべきである、こう私は考えるわけでありますが、もう一段と倉石さんの奮起を促したいのです。この点についてどうでしょうか。
  123. 倉石忠雄

    国務大臣(倉石忠雄君) これが、五現業に対する調停案が、特に業績手当のほかに何か一時金というか、何というか、別なものが出ておるというふうなことになれば、それは不均衡になるではないだろうかというものの言い方のようであります。この人事院総裁のお言葉は、私どもとしてもそういうような特殊な取扱いが行われるということになれば、調停案というものは、これは影響するところが非常に多いと、こう思っておりましたが、第二項は、御承知のように、あなたも今お認めになりましたように、業績手当であるということでありますから、これは業績が上った場合には若干ふえる、これはもうけっこうなことでありましょう。下ったところは前年度よりも下る、こういう業績手当が出されるということは、これは今までずっとやっておることでありますから、そこで従来とちっとも変ったことではないと、ただ私が勝手に解釈をするのではありませんので、そういうことでありますから、政府としては一般に対しては特別なる措置を講ずる必要を認めない、こういうことであります。
  124. 田畑金光

    ○田畑金光君 倉石さんのその御見解――すなわち不均衡が生じていない、その見解について、それは人事院当局もそのような解釈をとっておるのですか。
  125. 倉石忠雄

    国務大臣(倉石忠雄君) 淺井さんが私のところへこの文書をお出しになる四日か五日前においでになりましたときに、私はそういうふうに申し上げました。私どもの解釈では、今度の、さっき申し上げましたように、主公社、郵政、一現業しか出ておらないときでありましたから、それを拝見しますというと、第二項の金額は業績手当だと思う。従って従来と変ったことをやったわけではないから、これは別段ほかに波及しないと私は思いますと申し上げましたところが、そうですが、それならけっこうですが、念のために文書を差し上げます、こういうことでした。
  126. 田畑金光

    ○田畑金光君 それは、この点は先般の内閣委員会でも人事院総裁の出席を願って、その間の事情を承わったわけであります。お話のように口頭申し入れをなさったときは、ようやく郵政関係の調停案が出たころのようであります。その後十三日、文書で倉石さんに正式に出された、こういうことになっているわけであります、時の順序は、経過は。さらにこの文書を出された時分、まだ三公社五現業の、その調停案に基く一時金のすべての内容が十分出ていない時期であったわけであります。で、人事院総裁といたしましては、当然今後出てくる三公社五現業の調停案、それに基く団体交渉、これによって一時金等の支給がなされて、これが公務員関係と比較して不均衡を生じた場合には、当然政府においても善処してもらわなければならぬし、私もまた責任を持って善処するように措置するであろう、こういうような答弁もなされているわけであります。そこで今回内閣委員会に人事院の方からこの資料が出されたわけでありますが、この資料を見ますると、明確に不均衡が出てきているわけであります。にもかかわらず、倉石さんのように、政府の判断で今までと同じだ、一時金は単なる業績手当、賞与で、従来と何ら変る点はない。こういうことになって参りますると、倉石さんは人事院の権限と申しますか、使命というものを完全にこれは抹殺された、こう言っても過言ではないと考えるわけであります。先ほど人事院総裁とお話し合いをなさったときの言葉はこうであった、こういう御説明でありましたが、そう簡単には総裁は答弁いたしておりません。説明いたしておりません。当然政府は尊重するもの、またしてもらわなければならぬもの、こういう強い決意をこの委員会で表明されたわけであります。でありますから、この際、一つ私は倉石さんも法の精神を尊重する、人事院制度は尊重する、法の建前を貫いてもらいたいと思うわけであります。これは今後人事院制度というものが行政機構改革によって変るかもしれませんが、少くとも人事院制度があり、国家公務員法のもとにおける現在の人事院が、当然の使命として政府当局に申し入れをいたしたとするならば、私は倉石さんも一つこれを尊重するだけの雅量を打ってもらいたい。倉石労政、あるいは今日まで政府のとって参りました、今回の一連の争議において、私たちに言わすならば、あまりにも力の面が強過ぎた。しかしこの力の面を、あなた方がほんとうにそうでないとするならば、当然法の建前等を尊重されるのがしかるべきだと、こう考えますので、倉石さんに一つ特に善処方を要望申し上げたいと思いますが、どうでしょうか、この点。
  127. 倉石忠雄

    国務大臣(倉石忠雄君) 法の建前を尊重することは、もうこれはもちろんでありますが、私どもはこの今度の五現業の調停案について今までと変ったことが行われたんだというふうには思わないのであります。従ってそれが土台になって一般公務員に対する特別なる措置を講ずる必要はない、こういうことであります。
  128. 田畑金光

    ○田畑金光君 重ねてお伺いいたしますが、人事院総裁の方で、今の倉石さんの判断と変った考え方であり、また変った態度によってさらに意思表示がなされた。具体的に申しますと、要するに団交権を持つ公務員と団交権を持たない一般公務員との間に不均衡を生じた、こういうような判断がはっきりと出て参った場合には、倉石さんはこれを尊重なさいますか。
  129. 倉石忠雄

    国務大臣(倉石忠雄君) 御承知のように公労法ができますときに、公労法を五現業に適用することになりましたときの議会の論戦を見ましてもよく出ておるのでありますが、特用なる企業体というところに重点を置きまして、そうしてこの企業体の業績が上った場合には、一般公務員と違って、給与総額の中、あるいはまた節約せられたるものを流用するなどのことによってそして業績手当を支給することができると、こういうふうにいたしたわけでありまして、その五現業、すなわち企業体の方の今申し上げましたような給与の特段の取扱いをするということは、すでに法できまっておるわけでありますから、私どもとしては、政府のとりました態度は少しも違法なことではありませんし、そこで今人事院のお話がございましたが、私は人事院も同じ解釈だと思いますけれども、人事院のことにつきましては、とやこう私から差し出がましいことを申し上げることを遠慮いたしたいと思います。
  130. 千葉信

    ○千葉信君 今の倉石担当大臣の答弁、かなりこじつけばかりやっていて、これじゃ問題は明らかになりませんから、一つ淺井総裁と同席の委員会でこの問題をもう少し掘り下げる必要があると思いますが、今ちょうど大臣が官房長宮室で官公労と会見する時間の予定になっていると思うので、この際、罪一等を減じて、一たん釈放して、また機会をあらためて、淺井総裁と同席で一つ質疑したい。
  131. 野本品吉

    ○野本品吉君 今の千葉さんの御意見、一応わかるのですが、事は主として、今の話は今度の給与関係の問題です。そこで今回の議題に上っております法案の措置を先決といたしまして、人事院の総裁労働大臣と並べての話し合いは別途切り離してお願いしたい。
  132. 千葉信

    ○千葉信君 そんなことをごたごた言うとまた時間が長くなるんです。公報には、案件として法律案の審査と同時にこの問題もやはり一応認められているのですから、そういうことを言うとまたごたごた始まるから、そこはすらっとこの際は担当大臣を帰してやって、また機会を見て、午後からでも淺井総裁と同席で、だいぶ政府の方も一方的なうまいことばかり言って懐柔しようとしているのですから、その点究明する必要がありますから……。
  133. 小柳牧衞

    ○委員長(小柳牧衞君) どうでしょう。時間もだいぶたっていますから、ここで休憩を……(「異議なし」と呼ぶ者あり)その間に、また今の問題等をお話しすることにいたしまして、暫時休憩いたします。    午後一時四十三分休憩   〔休憩後開会に至らなかった。〕