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1956-03-27 第24回国会 参議院 逓信委員会 12号 公式Web版

  1. 昭和三十一年三月二十七日(火曜日)    午後二時十三分開会     ―――――――――――――   委員の異動 三月二十二日委員石坂豊一君辞任につ き、その補欠として木島虎藏君を議長 において指名した。 三月二十一日委員木島虎藏君辞任につ き、その補欠として石坂豊一君を議長 において指名した。 本日委員山田節男君辞任につき、その 補欠として佐多忠隆君を議長において 指名した。     ―――――――――――――  出席者は左の通り。    委員長     松平 勇雄君    理事            島津 忠彦君            宮田 重文君            久保  等君            柏木 庫治君    委員            石坂 豊一君            石原幹市郎君            白波瀬米吉君            新谷寅三郎君            瀧井治三郎君            津島 壽一君            寺尾  豊君            最上 英子君            佐多 忠隆君            永岡 光治君            三木 治朗君            野田 俊作君            八木 幸吉君   衆議院議員           橋本登美三郎君   国務大臣    郵 政 大 臣 村上  勇君    郵政政務次官  上林山榮吉君    郵政省電気通信    監理官     松田 英一君    郵政省電波監理    局長      濱田 成徳君   事務局側    常任委員会専門    員       勝矢 和三君   説明員    日本電信電話公    社総裁     梶井  剛君   参考人    日本放送協会会    長       古垣 鉄郎君    日本放送協会理    事       岡部 重信君     ―――――――――――――   本日の会議に付した案件 ○日本電信電話公社法の一部を改正す  る法律案(衆議院提出)(第二十二  回国会継続) ○放送法第三十七条第二項の規定に基  き、国会の承認を求める件(内閣提  出、衆議院送付)     ―――――――――――――
  2. 松平勇雄

    ○委員長(松平勇雄君) 逓信委員会を開会いたします。  前回以後の委員の異動について御報告いたします。  去る三月二十二日石坂豊一君が委員を辞任され、その補欠として木島虎藏君が選任されたのでありますが、翌二十三日本島虎藏君が委員を辞任され、石坂豊一君が再び委員に復帰されました。     ―――――――――――――
  3. 松平勇雄

    ○委員長(松平勇雄君) それではこれより本日の議事に入ります。  まず日本電信電話公社法の一部を改正する法律案を議題といたします。  なお御質疑のおありの方はこの際御発言を願います。
  4. 八木幸吉

    ○八木幸吉君 この電信電話公社法の一部を改正する法律案、衆議院で五回提案が変っているという話を山田さんなんかたびたびおっしゃるのですが、今事務当局に正式に伺いましたら三回である、こういうことを言われるのですが、最初は発行済株式総数の三分の一をこえてはならないというふうな何か公式に提案があったのか、あるいはそうでなかったのか存じませんが、さような案が出るという、何と申しますか、内輪な話でもあったのですか。その辺のことがわかれば一応この際確かめておきたいと思います。提案者がいらっしゃるようですが、いかがですか。
  5. 橋本登美三郎

    ○衆議院議員(橋本登美三郎君) お答え申し上げます。  小委員会が当時できまして、その小委員会の案を作りまする際に、三分の一もしくは五分の二とか、そういうようないろいろ意見は出ましたけれども、小委員会で正式に政調会に回して御審議願って決定を見たのは、ただいま御提案申し上げておりまする五分の一をこえてはならない、これがまあ提案しました唯一の案であります。
  6. 八木幸吉

    ○八木幸吉君 五分の一というのは唯一の案だというお話ですが、そのお話間違いございませんか。
  7. 橋本登美三郎

    ○衆議院議員(橋本登美三郎君) 小委員会でこの案を作成途中においてはいろいろな意見が出まして、今申しましたような五分の二という案も出ましたし、三分の一とかいういろんな案が出ましたが、政調会と最後に打ち合せをして提案すべき案としてきまりましたのは、ただいまかけておりまする五分の一をこえてはならない、こういう案で提案をいたしました。
  8. 八木幸吉

    ○八木幸吉君 繰り返して伺いますが、その三分の一という案も小委員会に出たということが速記に出ておりますか。
  9. 橋本登美三郎

    ○衆議院議員(橋本登美三郎君) これは特に案として出されたものじゃなくて、懇談会といいましょうか、お互いの意見の交換の際の案でありますから、特に小委員会の案としては出ておりません。
  10. 八木幸吉

    ○八木幸吉君 今の三分の一は速記に出ておりませんですか、出ておりますか。
  11. 橋本登美三郎

    ○衆議院議員(橋本登美三郎君) 今速記を見ておりませんが、たぶんそれは速記には出ておらないと思います。
  12. 津島壽一

    ○津島壽一君 私は梶井総裁にまず質問したいと思います。  この法律案が原案のままで国会を通過して実施されると思います、という場合を仮想しての質問でございます。そういった場合に、本法律案の実施上の措置をどうするかということについて質問をしたいのです。で、この法律案の附則を読みますと、現在大蔵省が保有しておる公社株が現実の問題としては十三万二千株ある、すなわち資本金の五分の一に相当する株式、これが収入未済でありますから、本法の実施とともに公社に返還され、そうして公社の株式となる、こういうことになるわけでございます。一方この法律案の内容を見ますと、三条の二という項には、公社の保有することができ得る株式は、「発行済株式総数の五分の一をこええてはならない。」と書いてあるのです。すなわち本法は最高限度を規定するものであって、公社として五分の一を持たなければならぬという立法ではないのですね。すなわちそれを持つ義務は本法によって公社に課せられたものではない、こう解釈するのでございます。さらにこの本法案についた理由というものを読んでみますと、日本電電公社が国際電電会社の株式を保有できることとする必要がある。すなわち公社が会社株を持つことができる道を開くというものであって、必ずしも一定数量を持たなければならぬとかいうような理由にはなっておらぬわけでございますね。そういったのが現在の法律上の解釈であろうと思うのです。端的に言えば公社としては本法がかりに実施をみた場合においても五分の一を保持する義務もなければ、また一定数量を絶対に保有すべきものであるというような規定ではないように解釈し得るわけでございます。これが法律上の解釈だと思うのですね。第二には、この公社の電信電話拡充五カ年計画の今日までの実況、実際の状況を見ますと、予定計画に比しては資金の調達の方法が十分これにそぐわないために、どうも不足を生じておるために、この計画は予定通りいっておらぬ、また今後もそういうような可能性がある、こういうことが実際の数字において現われておるわけでございます。でありまするから、電電公社としてはこの際は拡充計画の実施上に必要な資金は極力これを調達するという立場にあり、またわれわれもそれを期待するわけでございます。これが現状の私は一つの大きい考慮すべき点だろうと思うのですね。また一つは、昨年本法案が提出されたときは、そうして本委員会に付議されたときにおいては会社株の処分ということはなかなか困難な市場の情勢であったのが、御承知のように昨年暮以来、また本年に入って株式市場の情勢が非常に好転いたしまして、この会社株を公社が保有するようになった場合にこれを有利な条件で処分することが現在の市場において可能であるという事情が起っているわけでございます。こういった三つの点を考えますと、すなわち法律上の解釈と公社の経理上の状況、株式市場の現実の事態、これらの諸点を勘案しますと、ここに私は質問したい点があるわけです。私のこれから申し上げる質問は自由民主党の同僚の諸君また他の委員の方々の多数の方の意向も私はしんしゃくし、まあ代表という言葉は言わないにしても、多数の意思を表現するものとして質問するのでありまするから、どうか梶井総裁は一つ明確な答弁をしていただきたいと思うのです。  その質問の要点は、電電公社は本法の実施とともに公社に返還される会社株のうちでさしあたり相当数を処分して公社の資金充実に充てるというのが適当でないかと思うが、公社としてはこれを実行なさる意思があるのかどうかというのが第一点です。  第二点は、右のような処分を実行する意思があるとして、その程度をどうするかという問題になるわけですが、この点については総裁において実行する意思ありとした場合にどの程度処分したいという御意向があれば一つあわせてお示し願いたいと思うのです。で、もっとも本員としては種々の事情を考慮いたしまして、この際としては大体返還株の半分程度を処分するのが適当でないかという考えを持っております。が、これについてもどういうお考えであるか、これが第二の点でございます。  さて第三の点はこの処分を実行する時期の問題でございます。これは早ければ公社の資金のそれだけの充実ができるというわけでありますし、市場の情勢も将来長きにわたってどうであるかもわからんと思いまするから、なるべくすみやかなのが適当であり、また必要であろうと考えるのでございます。そこでこの実行の時期をすみやかにするという趣旨から本国会の開会中にこれを実行されて、その結果をまた本国会の開会中に本委員会に御報告願うということを希望いたします。またこの希望に総裁は沿い得ることができるかどうかという三点でございます。すなわち処分の意思ありや、また処分するとしてどの程度の株を処分する意向があるか、その実行の時期は本国会開会中においてその結果を御報告願うことを希望するが意向に沿い得るかどうか、この三点について、この問題は本案をどう処理するかということに重大な関係があると思いますので、一つ明確に御答弁をお願いしたいと思うのでございます。
  13. 梶井剛

    ○説明員(梶井剛君) ただいまの御質問に対しましてお答えいたします。第一の本法案が実施せられた場合において、公社として公社の保有しまする株式のうち相当数を処分する意向を持っております。また第二の御質問に対しまして、処分するとするならば、その程度を幾らぐらいにすべきか、大体今の御質問にお述べになられました程度のものを処分する考えであります。また第三の処分の実行の時期につきましても本法案が実施後至急に手続をいたしまして、その結果本会期中に本委員会に報告することにいたしたいと考えております。
  14. 津島壽一

    ○津島壽一君 ただいまの御答弁で私の質問しようと思う点が明瞭になったと了解いたします。  そこで郵政大臣に一つ質問したいと思います。ただいまの梶井総裁の御答弁に関連して郵政大臣に一つ御答弁を求めたいと思うのですが、電電公社が本法の実施とともに、その返還を受けて保有することになる会社株のうちで、ただいま梶井総裁の御答弁のうちにおいては私の質問の中にあった程度の株式、すなわち半分というものを処分するというような御答弁がありましたが、このことについて公社から本法律案の中にある、六十八条の二という規定がございますが、これによって郵政大臣の認可を必要とするということに相なるわけですが、この認可申請が公社から郵政大臣に差し出された場合におきまして、公社の申請にかかる株式数をすみやかに処分して、そうして本国会会期中にその結果を報告することができるように、そういったことに支障がないように認可の手続をとると、こういうことが必要であろうと思うのでありまして、郵政大臣のこの認可手続の問題についての御意向をここで明瞭にお答え願えれば仕合せでございます。
  15. 村上勇

    ○国務大臣(村上勇君) 御質問の点につきましてお答えいたします。  本法が施行されまして実施された暁にはただいま梶井総裁の答弁中にありましたように国際電信電話会社の株式二分の一程度を売却したいというそういう認可申請が出された場合には、私といたしましてはこれに対して認可する意向を持っておるものであります。
  16. 津島壽一

    ○津島壽一君 質問の主要な点は済みましたが、なお一言御意向を承わっておきたいと思います。  本法律案につきましては公社、会社の間でわれわれの審議の経過において相当意見のそごがあったと思います。これは速記録に明らかであります。本来公社、会社はわが国の通信事業の全部を、電信電話については国際、国内非常な重要な仕事を担当しておるわけでございます。郵政大臣は両者を監督し、その円滑なる運営をはかることの重要な責任がある、こう思っております。本法律案のためにいやしくもそういったような両者の間に意思の疎隔というか、そういったものがもし将来に残ることであればまことにこれは憂うべきことであります。その意味においてこの株を持ったことによって従来よりも両者間の関係が疎隔するというようなことがあってはこれは立法の趣旨にも反することであると思うのであります。でありまするから、本法案はそういった部面で何らの悪い影響が起らないのみならず、今後一そう両者間の関係を密接にしてわが国の通信事業の円滑なる運営を促進していくということに郵政大臣としては特別の御配慮をお願いしたい。この点はこれは梶井総裁、また渋沢社長がおれば、ここでよく一つ意見を述べ、またその意向をただしたいと思ったのでありますが、郵政大臣、両者を監督しておる関係もございますのでそういうことについて一つ郵政大臣の所信をお伺いしておきたいと思います。
  17. 村上勇

    ○国務大臣(村上勇君) 御心配の点につきましては私といたしましてはこの両者の総裁、社長及びその首脳部の人たちの御人格と御識見等によって断じて憂慮すべきことはないと信じております。また私といたしましてもそういうこの法案が実施されました暁には、全く密接不可分な関係に両者がなるのでありますから、かえって従来よりも以上に緊密度を増すことと思っております。またそういう点につきましては十分注意して参りまして、断じて両者間にそごを来たすようなことはいたさせないように努力いたします。
  18. 八木幸吉

    ○八木幸吉君 提案者にもう一ぺん伺いますが、先ほどのお話では株を三分の一持たすというふうな話は出たけれども、速記録にあるかどうかわからない、その他の話はいろいろしたけれども小委員会としてきまった案は今ここで提案している案だけだ、こういうふうにお話しになったようですが、さようでございますか。
  19. 橋本登美三郎

    ○衆議院議員(橋本登美三郎君) 小委員会でこれは委員会の決定案という形じゃなくて二、三の案がありまして、それを政調と相談をいたしましたからその間において二、三の案がありましたが、委員会に提案になった案はただいまの案が一つであります。
  20. 八木幸吉

    ○八木幸吉君 大へんお言葉を返すようでありますけれども、私今ここで早急のうちに第二十二国会の衆議院の逓信委員会の速記を拝見いたしたのでありますが、その六月七日の小委員会での速記では、いわゆる議決権を停止するということの書いてない案が小委員会で成案として決定して、そうして委員会に報告するということの決をとられて、決定案として逓信委員会の方にこれがもってこられた。また二十四日にはその案がさらに変って、議決権を有しない、こういう案が出て、それが小委員会案として委員会に報告されております。そうして委員会では梶井総裁等もお出ましになりまして議決権を行使しないということには異存がない、こういう意見の開陳があるのでありまして、今提案者はこの本案についてはただいろいろ案は考えたけれども、成案となったのはこれ一つだというふうな御言明がありましたけれども、少くとも速記録を私が今拝見しました関係では、大へん今の御言明は事実と間違っていると、こう私は見たんですが、何か御記憶に違いがあるのじゃないですか。
  21. 橋本登美三郎

    ○衆議院議員(橋本登美三郎君) ただいまの私の答弁は記憶に間違いがありまして訂正いたします。小委員会で五分の二の案ができまして、それで委員会にかけました際にいろいろの論議がありまして、そこでまたその五分の二という数字は違いありませんが、その中の議決権をとるという案と二回変っております。変っておりましたが、その問題でいろいろ意見を徴したところが、どうも商法の規定から考えても議決権がないということは今後に悪影響を与えていかぬじゃないか、こういうことでその案も小委員会として引っ込め、委員会に一応出したが引っ込めるという形で、三度目が今申したような政調会と打ち合せた上五分の一と、こういうような決定になりまして、最初私記憶がはっきりしておりませんので記憶がはっきりしておりませんと申し上げましたが、その後そう申し上げました点にただいまのように訂正いたします。この点御了承願います。
  22. 柏木庫治

    ○柏木庫治君 梶井総裁にお尋ねいたします。この法案が出まして以来、梶井総裁の質問に対する御答弁を伺って参りますと、一ぺんも不愉快な言葉を聞かずまことに何らとらわれてないすがすがしい御答弁で私は非常に満足をいたしておるのであります。そこで今津島委員の質問に対するお答えもまことに明瞭で全くすがすがしい思いをいたしましたが、これを売却する方法についてはまだどなたも聞いてないようでありますが、先日大蔵省がとりました、これを競争入札と申しますか、競売いたしましたあのやり方は、正々堂々としてまことによかったなあと思うのでありますが、梶井総裁の御処置、最後を、今までの答弁ぶりのように美しいすがすがしい方法としてああいう方法をおとりになるのですか。まだ何かあれよりももっといい方法をお考えになるか、これを売り出す実行方法をこの際承わっておきたいと思うのであります。
  23. 梶井剛

    ○説明員(梶井剛君) 私は証券のことについてあまり知識を持っておりません。ですけれども、ただいま御質問の中にありましたように、先般大蔵省がとられました処置は一番適切だろうと私も思っております。しかしこれらのことにつきましては監督官庁であります郵政省にいろいろと御相談いたしまして、その御指示に従ってやりたいと考えております。
  24. 柏木庫治

    ○柏木庫治君 よくわかりました。  じゃ、郵政大臣にお尋ねいたしますが、私は最初から実際の私の気持は、資金難の、資金が少しでもほしい電電公社でありますから、株を持つよりも資金化した方がほんとうに電電公社のためにもよいと思うので、実際は法案には反対であったのであります。そうしていろいろ説明を聞きましたが、安定株とかいろいろ申しまして、どうしてもぴんときませなんだ。あなたが初めてのときに、何らとらわれず、水の流れるがごとくたんたんと話された中に、答弁された中に、仕事は一つだ。だから二つにむしろ分けるという方が無理のように考えることもあったが、同じ仕事をする会社であるならば、双方株を持ち合うことは好ましいことだと思うというあの一点に、私もこういうことに経験がないものですから、動かされて、なるほど少しは持つ理由もあるなあと、だからまあそれなら二十分の一くらいで十分じゃないかと思うたのでありますが、きょうこういうふうになって参りますと、採決をする段取りに進んで参った。今の総裁の御答弁によりますと、郵政省に相談をし、指示を仰ぐらしいようなことでありますので、どうぞ公明正大に、物を売り買いするときに、やみ買いというものも言葉が戦争後残っておりますので、やみの売り買いではなくて、何人が見てもなるほどだなあという公明正大にやられて、美しい終りを見せていただきたいと思いますので、この点においてどうぞ責任ある取扱い方をお願いいたしたいと思います。
  25. 村上勇

    ○国務大臣(村上勇君) ただいま御心配の点につきましては、私も株式の売買については全くしろうとでありますが、過般来の大蔵省のとった処置は非常にりっぱな措置だと思っておりますので、あのような措置によってこれをやって行きたいと、かように思っております。
  26. 柏木庫治

    ○柏木庫治君 さっき津島委員の質問に総裁からお答えいただいたように、今国会中にその経過報告を承わることができるように……。
  27. 村上勇

    ○国務大臣(村上勇君) 先ほどの梶井総裁の御答弁の中に、今国会中に御報告いたしますというようなことでありましたので、必ず今国会中に売却の認可申請書が出ると思います。その申請書に対しては直ちにこれに了解、許可を与えるつもりでございます。
  28. 永岡光治

    ○永岡光治君 いよいよ電電公社法の一部を改正する法律案が間もなく採決に入る段階になりましたので、私は一つ郵政当局はもちろんのことでありまするけれども、とりわけ電電公社の総裁に一言確かめておきたいことがあるわけです。  それは御承知の通り、本法律案の改正について、もちろん私たちはこれに賛成をいたしたものでありまするが、この法律案の改正に強く反対して参りました、国際電電の労働組合の代表者諸君が長い間これに反対して参ったことは御承知の通りであります。その主たる理由の中の一つには、株式を五分の二、五分の一とかいうものを持つということになりますれば、自然国際電電に対してかなりな何といいましょうか、圧力といいましょうか、制約と申しましょうか、労働管理の問題についてそういうことが起るおそれがあるということで反対してきておったわけですけれども、そこで先般二月二十八日に、わが党の議員であります山田節男委員から特に総裁に、そういうおそれがあるが、そういうことはないかという念を押された際に、総裁は、そういうことはないのだ、今までもそういう干渉はしてないし、今後もそういうつもりはない、こういうことで私たちもそれを了承しておったわけでありますが、実は私もうっかりしておったのでありますが、その後速記録を拝見いたしておりますと、総裁のお答えの最後の方に、組合から非常に容喙するというようなことがあるけれども、「さようなデマや杞憂を国会議員の方が御信用になるとは、私は思いません。現実に三割六分も上っておる。しかもその待遇たるや、日本における諸会社としても最も最高の方に位しておる。それでもなおかつ不満足で、また上げてやる、われわれはそういうような労働貴族というものは、日本にはあってはならぬでしょう。むしろ不謹慎に思っております。」こういう御答弁があった。そこでおそらく故意ではなかろうと思うのでありますが、かりにも給与が高ければそれば労働貴族だというなきめつけ方をするということについては、不穏当な表現ではないかと思いますので、この点についてどうお考えになつておるのか、私は総裁御自身から特に誤解を解くために、本労働貴族等の字句の表現は取り消していただく、それから同時にそういう労働管理を、電電の労働管理について電電公社が株を持ったからといって、それについて制肘を加えるものではないのだ、干渉するものではないのだということを御答弁いただき、さらにまた郵政大臣もそういうことについては十分遺憾のないように厳に監督はするということをお答えいただくならば、おそらく私に、たとえ今日この法律案が通過いたしましても、若干のといいましょうか、おそれは薄らぐものと思いますので、その点一つ明確にしていただきたいと思います。
  29. 梶井剛

    ○説明員(梶井剛君) ただいまの御質問に対して、お答えいたします。今までたびたびこの法案に関連いたしまして、もし公社が株主になった場合において、国際電信電話会社の組合の人々の待遇について干渉したり圧迫したりしゃしたいかという御懸念の御質問がありまして、それに対しまして、私としましては、そういう考えは持っておりません。また、過去におきましても、そういう場合において、かつて私の方から国際電信電話会社の経営者の方々にわれわれの意向を申し上げたことは一回もございませんのであります。従って、今後に対しましても、私は同様に国際電信電話会社とわれわれとはおのおの立場が異なっておるのでありまして、それを排して云々するわけには参らないのでありまするから、私自身の責任におきましては、さようなことをやる考えは持っておりません。ただ、先だっての山田委員の御質問に対しまして答弁をいたしました際に、労働貴族という言葉を申しておりますが、それは現在が労働貴族であるということを申したのではないのであります。速記録を私も読んでみましたのですが、現在においても待遇は日本の各社と比較いたしまして上位に属しておる、しかしそれでもなおかつ不満足で、また上げてくれ、また上げてくれ、そうしてまた経営者がこれに応じまして上げていくということになりますると、労働貴族のような状態になる、そういうようなことをすることは、会社の利益が多いからといって際限なく待遇をよくしていくということは、これは日本の社会情勢からみまして不謹慎なんではないでしょうかという意味で申し上げたのでありまして、現在における国際電信電話会社の組合は労働貴族であるということを申したのではないのであります。でありまするから、今後そういうようなことが、われわれは干渉いたしませんけれども、もしもそういうことが今後とも継続されるとするならば、それは日本の社会状態において不謹慎であるという考えを持っております、ということを申し上げたのにすぎないのであります。
  30. 永岡光治

    ○永岡光治君 郵政大臣の御発言をいただく前に、私は今の総裁の御答弁の中で、やはりそういうことになりますると、現在そうでないが、将来上げるということになれば、それは労働貴族だというやはり印象を受けるわけです。しかし、これは収益が上り、会社の経営が健全になり、設備が改善され、サービスが向上され、なおかつ収益が上るという際においては、その収益の分け前としてそこに働く労働者が賃金の引き上げを要求するということは、これは当然だと思う。今日の国際電電の職員の待遇は最高の方に位しておるということを言われておりまするけれども、果してそれが、見方にもよりまするけれども、十分ということも言えないのでありまして、まだまだ給与の改善というものについて職員がさらに意欲を起してくることは、これは当然であります。ただ、会社はつぶれてもどうなってもよろしい、こういう建前で賃金を要求するということになりますれば、これは総裁のおっしゃるようなことがあるいは起るかもしれませんけれども、私は将来において賃金引き上げが起る際にはそれは労働貴族だと、こういうきめつけ方は、これはやはり妥当ではないのではないか、従ってそういう趣旨の発言というものはこの際誤解を解いていただきたいというのが私の要望なんです。どうでしょうか、将来といえどもやっぱり賃金をどんどん引き上げれば労働貴族だというそういうきめつけ方は穏当ではないと思うのです。やはり収益があって分け前を要求するという段階があれば当然賃金引き上げがあってよろしいというこれが私たちの考えですが、その考えがいけないということになれば、これは問題があると思うのですがね。
  31. 梶井剛

    ○説明員(梶井剛君) もちろんこれは国際通信でありまするから、日本の貿易等に対しても重要な役割をしております。従って、ただいま御質問にあります通りに、国際電信電話会社があらゆる点においてサービスを向上するだけの皆努力をする、して行かれた後になおかつ余裕があって待遇を改善されていくということなら、何ら不思議はないのであります。しかし、貿易関係というものはやはり通信の量によっても左右されますし、また通信量に伴うところの料金の問題によっても影響されます。従って、あらゆるサービスの各角度から見まして改善されると同時に待遇も改善されるということならば、われわれは別に異存があるわけではないのであります。
  32. 永岡光治

    ○永岡光治君 どうですか、端的に労働貴族などという表現がどうも私たちは気に食わないのですが、それをお取り消しになる御意思はございませんか。
  33. 梶井剛

    ○説明員(梶井剛君) 言葉としては適切な言葉でなかったかもしれません。ですから、ただいま申し上げましたような趣旨であるのでありまするから、不適当であればいつでも取り消しいたします。
  34. 永岡光治

    ○永岡光治君 それじゃ郵政大臣の……。
  35. 村上勇

    ○国務大臣(村上勇君) 電電公社が、一割程度の株になると思いますが、その程度の株を持ったために国際電信電話会社の経理の内容、あるいはまた一般の業務にタッチしてこれに対して干渉がましいことをするというようなことは、私は考えられません。それよりも先に、もっと大株主がありますのでその大株主の方が、もしも国際電信電話会社の経営状態が納得いかないならば、相当痛烈な批判をするだろうと思います。従いまして、永岡委員の御心配の点につきましては、私はちっとも心配いたしておりません。また、こうして非常に長い間皆様方の慎重な御審議をわずらわしたこの法案でありますので、私どもといたしましてもこの御努力を深く銘記いたしまして、断じて将来このことによって紛争が起きるなんというようなことのないように十分注意して参りますから、どうぞ御安心願いとうございます。
  36. 永岡光治

    ○永岡光治君 それでは、趣旨はわかりました。従って、労働貴族という言葉がそういうことでない、もしそういうことであればいつでもお取り消しになってもよろしいという趣旨でありますので、そういうことで私は一応了解いたしますが、くれぐれもお願いを申し上げて、お願いというよりはこれは御注意を喚起していただいきたいということは、先ほど郵政大臣から御回答がありましたけれども、円満に運営されるということには一体的になってやっていくということが日本の通信事業のために非常にいいだろう、こういう精神の上から私たちはこの株を持つこともよかろうということで賛成をいたしておるのでありますから、その精神を広く解釈し、あるいは逸脱をして、いやしくも他の独立をしておる国際電電会社の待遇なり、あるいはまた労務管理というものについて差し出がましいような干渉ないしはそれについての制肘を加えるということについては、厳に慎しんでいただくということを特に要望いたしておきまして私の質問を終ります。
  37. 久保等

    ○久保等君 ちょっと今の総裁の御答弁に関連してはっきりしておいた方がいいんじゃないかと私は思うんです。実は私も今永岡委員が質問された労働貴族云々ということについてはこの席上でもお聞きしたのですが、お聞きしたときには私も実は何げなく聞いておったわけなんです。後ほど速記録を拝見いたしましたところが、最初のうち言っておられることは非常に理路整然として理解しやすいのですが、最後の方へ参って実はあまりよく何を言っておられるのかわからない。その中で実は労働貴族という言葉が飛び出しておるわけなんです。従って御答弁としては、私はそういう御答弁をなさる必要のないところでたまたまそういう言葉、か飛び出ておったというような内容でございます。従って今御説明もありましたように、一つの推測の上に立った御判断でそういうことを言われておるのだとするならば、御答弁としてはそういうことは必要なかったのだと私は思うんです。それで今の最後の総裁のお話で必要であればいつでも取り消してもよろしいという程度の御答弁であったんですが、それでもこれは何か少しあと味の悪いような印象を残しますので、やはりこの前の御答弁で速記録に残っておりますことはやっぱり何か誤解を招くような言葉がありますし、しかもこれは御答弁としては、意味のないといってははなはだ失礼ですけれども、あの御答弁全体から見ればあまり必要のない御推測の上に立ったような御答弁であったと思いますので、そういう意味から、不必要な、冗長にわたった御答弁という意味で私はあっさりむしろお取り消しを願った方がはっきりするんじゃないかと存じますので、さらに加えて一つ総裁の方から御答弁をお願いいたしたいと思いますんですがね。
  38. 梶井剛

    ○説明員(梶井剛君) 今の御質問に対してお答えしますが、取り消しましょう。(笑声)
  39. 松平勇雄

    ○委-員長(松平勇雄君) この際委員の異動について御報告いたします先刻山田節男君が委員を辞任され、補欠として佐多忠隆君が委員に選任されました。
  40. 松平勇雄

    ○委員長(松平勇雄君) 他に御発言はございませんか。
  41. 八木幸吉

    ○八木幸吉君 議事の進行について簡単に委員長に伺いたいんですが、この二十二日付に委員長代理の宮田さんから御通知をいただいておりますのに、本案は審議の上いずれも結論を得るようにいたしたい、こういうことが書いてあるわけでございますが、この前の委員会のときでの最後の別れは、山田さんなんかは参議院の立場から本案は二回も継続審議になっておるのだから相当に慎重にやる必要がある、それには当委員会の空気も察知して、超党派的に一つ何とか意見をまとめたい、こういうような御発言がありました。それからまた他の委員からは、これは党議にはかって態度をきめて、一つこの次の委員会には何とか話をきめようじゃないかというふうないろいろな話がございまして、結局次の委員会にはみんなが考えを十分固めてきてそこで次の運営について話をしようではないか、こういう意味で実は別れたと私は思っております。そこで実は私としましてはそういう採決があるなどということは夢にも考えないで実は登院をしたわけでありますが、どうも聞いてみますと採決もありそうだし、現にこの段階になれば採決のあるのは当然のようになるわけでありますが、継続審議そのものにすることさえ反対で即決否決の論者であった八木秀次博士もきょうは御欠席になっておりますし、非常にこの問題について熱心だった山田さんも当日欠席で、今佐多さんにおかわりになったそうでありますが、この前の参員会の御通知では、電話設備費負担臨時措置法の一部を改正する法律案については残余の質疑を行なった上できれば採決したい、こういう採決ということがはっきり出ておるんですが、今回の通知は採決という字がなくて、結論を得るというのが、この間の皆の話を何とかうまくまとめて態度をきめようというのがそのまま出ているように思っておったのですが、採決であれば採決ということをはっきり書いておいていただきませんと、時節柄相当旅行する人もありますし、なぜこういう前と次との通信文に文字が違っているのかという点を簡単に一応御説明を伺っておきたいのと、今後のこともありますので、採決の場合は採決ということをはっきり書いておいていただきませんと、時節柄相当委員の方でも旅行される方もありますし、採決は重要でありますから誤解のないような言葉におあらためを願いたいという希望を付して、その辺の事情を一応承わっておきたいと思います。
  42. 宮田重文

    ○宮田重文君 今八木委員からの御発言で、この委員会の運営について実はしばしば理事会等において御相談をいたしたわけでありますが、そのつど御相談の結果を文書にいたしまして皆さんのお手元に回しております。本法律案については、八木委員がおっしゃるように、前国会以来非常にいろいろ問題点もあって、慎重審議を続けて参られたことは御承知の通りでありますが、本委員会といたしましては、だんだんこの法律案の取扱いについていかようにすべきかというのでそれぞれ御相談をいたして、その結論をできるだけ早く得たい、しかも超党派的にできるだけ意向をまとめて参りたい、こういう御希望が各派からも出ておりましたので、そういう考え方でいったわけでありますが、当時八木委員の御所属からは理事の方は出ておりませんけれども、八木委員に特に理事会に御参加を願っていろいろな御意見の御発表もいただいておったわけであります。従って前々の会議の後の理事会においては、その採決をしたいというような意向が理事会においても正式に言われておりましたので、そういうことにしたいということをはっきり申し上げましたが、その後いろいろ全委員の御審議を願って、御懇談中に御協議をしました際に、結論としては、各会派においてそれぞれ会派から出ておられる委員の方の議をまとめていただいて、そうしてそれをしぼったところで御協議をしていこう、それで最後の採決に対する御努力をすることにいたして参りたい、こういうようなことからでき-るだけ結論を得ることに努力をするのだというような言葉がそこで用いられたので、委員会の御通知にもそういう言葉そのままを表現して御案内を申し上げたので、すでに当時の理事その他の皆様方のお気持ももう近く採決にはいたすのだ、すでに懇談会をいたす際にも大体結論を得ようじゃないかというような態勢にあったわけでおりますが、当時の状況からしまして、いろいろ八木委員等からの御発言もおって実は延ばして参った、こういうような状況になっていると私は考えております。表現の仕方はそういうことでありますが、相変らず採決といk、字を使わなかったことではありますが、最後の結論を得るということは、当然採決をするということと御認識を願っていけるものとわれわれは解釈して、そういう御案内を申し上げた次第でありますから御了承をいただきたいと思います。
  43. 八木幸吉

    ○八木幸吉君 私の会派は理事を出すほどの会派でありません。従って、今宮田理事からのお話では、理事会に出席しているかのごときお話もございましたけれども、たとえば予算委員会等におきましての理事会には、出てくるようにというお話がございましたのでいつもオブザーバの形で私は出席をいたしております。委員長から求められれば発言をいたすこともございます。しかし当委員会の理事会に、お前も来いというお招きを受けたことはございません。この前の委員会は、理事会にわれわれが参加したのではなくて、委員解散会後、全員で一ぺん懇談をしようじゃないか、皆残らんかということで実は残ったわけでおりまして、私はあれは理事会であるとは庸夫は考えておりません。懇談会で議案の取扱いについていろいろな話をした、そこで今宮田さんのおっしゃられたように結論を得るように一つ何とかしよう、一ぺん話をまとめようじゃないかということで採決も、私の何か発言で延ばしたように受け取れましたけれども、これはこの前の設備法案のときに、私が申し上げて三木委員の御発言で採決を延ばしたということはありますけれども、本案について採決をしよう、私がかれこれ言って延ばしたということはございません。これ以上あまり時間をとるのは恐縮でありますが、できればぼんやりしたところがはっきりわかるように、今後採決のときは、場合によれば採決をするかもしれんということをお書き願う方が間違いなくてよいだろうと思いますので、お願いいたしておきます。
  44. 松平勇雄

    ○委員長(松平勇雄君) 委員長の方で今後はさよう取り計らうことにいたします。  他に御発言はありませんか。……別に御発言もなければ、本案の質疑はこれを打ち切って、直ちに討論採決に入ることに御異議ございませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  45. 松平勇雄

    ○委員長(松平勇雄君) 御異議ないと認めます。  それではこれより討論に入ります。御意見のおありの方は賛否を明らかにしてお述べを願います。  なお久保君から修正案があらかじめ委員長の手元まで提出されておりますが、この修正の御意見は討論中にあわせてお述べを願います。
  46. 久保等

    ○久保等君 私はただいま議題になっております日本電信電話公社法の一部を改正する法律案に対しまして、賛意を表明いたすものでおります。なおその趣旨につきましては若干申し上げたいのでありまするが、もちろんこれは私日本社会党を代表いたしましての意見でございます。  本改正法律案の趣旨といたしまするところは、当初この法律案の提出せられました際の説明の一部の中に言われております日本電信電話公社の事業は国際電信電話株式会社のそれときわめて密接な関係に置かれているので、国内及び国際両事業の円滑な運営をはかるため、公社が会社の株式の一部を所有する必要があるといったようなことがその提案趣旨の説明の中に言われておったのでありますが、私もこの電気通信事業というものの本質を考えてみました場合には、この両事業は、かりに経営形態が別個の形になっておりましょうとも、その実態そのものは全く有機的な一体性を持っておるのでありまして、これを人為的に分離ないしは分担をするといったようなことは許されない性格を持っておるものだと思うのであります。従ってまた経営面におきましても、運営面におきましても、これが分離されるといったことは、少くとも本質から言って私は非常に大きな問題があると思っております。さらにまた電気通信事業は、申し上げるまでもなく非常に重要な公共性を持っておるわけでありまして、この事業によってあげられる利益、あるいは利潤といったものは、ひとしくやはり国民のためにこれが供せられるものでなければならないと存じます。従って一部の特定の者たちにこれが帰属するといった形は、この電気通信事業の公共性といった点から許されないものだと思っておるのであります。ところが昭和二十八年の四月以降国際電信電話株式会社というものが発足し今日に及んでおりまするが、しかしやはりその事業の本質といったものは、いかに株式会社に切りかえられましょうともその重要性の点において、あるいはまた不可分性の面において、何ら変るところはないと思うのであります。  今日この法律案の審議に当りまして、長い間慎重に審議を重ねて参り、その間賛否いろいろ御意見があったのでありますが、考えてみまするならば電気通信事業の、国際でありましょうと、あるいはまた国内通信でありましょうと、この事業といったものは競争関係ないしは対立関係にあるといったようなものでは全然ないのでありまして、これが実態はただいまも申し上げたような全く不可分の一体性を備えたものでありまする点を考え合せました場合には、当然両企業体の緊急な連携また円滑な運営といったことは私は当然すぎるほど当然であり、その本体から考えましてそのことは今後の運営におきまして、もまた十分に考えて参らなければならない問題だと思うのであります。  今度の法案審議に当りましていろいろ資料の御提出を願って、今日の国際電信電話株式会社の株の所属するところを一応調査いたしましたところによりますると、御説明にもございましたがすでに売却せられました株式は二十六億余に上っておりまするが、そのうちの二十億程度の株は実は銀行あるいは保険会社といったようなところに所有が属しておるのでおります。すなわち売却せられました株式のうちの約八割程度が金融機関に所属をいたしておるという事情にあるのでありまして、このことは果して公共性の強い電気通信事業のあり方として正しいかどうか、これは私は非常に大きな問題だと思うのであります。  ところで国際、国内の通信のより緊密化と円滑化をはかるという観点から出されました本法律案は私は少くともそれが一歩であるか二歩であるかは存じませんが、その円滑な運営、きわめてスムースな連繋といったような点に寄与するところはあろうと存じますし、むしろ今日いろいろこの問題をめぐっての賛否の分れる議論も問題はそうした公社の方で株の五分の一を持つことがいいか悪いかという問題以上に、私はすでに売却せられました二十六億中の二十億がただいまも申し上げたようなところに所属をいたしておりますといったような問題こそが、国際、国内の電気通信事業の全般の経営運営の問題から非常に重要視されなければならない問題ではないかと私は考えておるわけであります。  そういう点から私どもこの法律の一部改正に対しまして、賛成をいたしまするものでありますが、特に今次のこの法案の審議をめぐって、いろいろ耳にいたしましたこと、あるいは実地にまた私ども見ましたことをいろいろと考え合せました場合に、どうかこの法律案の通過後におけるやはり事業の実体というものは、国民の期待に十分に沿い得る形の円満なかつ円滑な運営ということについてこの際特に政府並びに公社当局、さらには国際電電会社の当局に対しまして、もし私どもの考え方あるいは心配が杞憂でありまするならば、非常に幸いだと存じますが、どうか事業の性格あるいはその使命という面から考え合せまして、格段とこの国際、国内通信の今後のきわめて円満な、そして有機的な経営ないしは運営がなされまするような御努力をお願いをし、ぜひ一つ危惧のないような御措置を特に郵政大臣に対しましてもこの機会に要望いたすわけであります。  以上をもちまして私の日本電信童話公社法の一部を改正する法律案に対しまして賛成の討論といたします。  なお加えて、今委員長からのお諮りもございましたので、私この際きわめて事務的な修正動議でございまするが、動議を提出いたしたいと思うのであります。それはすでにこの法案が昨年出されまして以来本年にわたって、二年にわたって審議をせられました関係から、事情の変化、それからまた昨年法案が出されました当寺は、昭和三十年内に成立するであろうという予定のもとに法案の成文がなされておりました関係から、一部修正の必要が出て参ったと存じますので、修正個所につきまして申し上げて、お諮りを願いたいと存じます。それは日本電信電話公社法の一部を改正する法律案のうち、第六十八条の二となっております中に、「公社は、国際電信電話株式会社の株式を一取得し(日本電信電話公社法の一部を改正する法律(昭和三十年法律第号)」となっておりますが、その「昭和三十年」のところを「昭和三十一年」というふうに修正をいたす点が一点。  第二点は、付則第二項の一番末尾になりますが、ただし書きの「ただし、発行済株式総数の五分の一をこえる部分の株式については、なお従前の例による。」というただし書きの全部を削除する。この二点について、修正削除になりますが、動議を提出いたします。  以上で私の討論並びに動議の内容説明を終ります。
  47. 松平勇雄

    ○委員長(松平勇雄君) 他に御発言はございませんか。
  48. 八木幸吉

    ○八木幸吉君 私は遺憾ながら本案に反対するものであります。本案は第二十二国会から参議院におきましてはすでに二回も継続審議になっておるのでありますから、大へん時間をとりまして恐縮でありますけれども、私の反対の理由をお聞きいただきたいと存ずるのであります。  第一点は、本案が衆議院の逓信委員会で審議されましたときに、先ほど提案者からもお述べになりましたが、衆議院の逓信委員会の小委員会では三回にわたって、案の内容を変更されました。しかも一々逓信委員会にそれが報告になった。またその案に従って梶井総裁初め各方面の方の意見も聴取されるというような成り行きでありますが、しかもそれが変更されておる。なぜ変更されておるかと言えば、私はそこに非常に一貫した首尾、筋が通っておったかどうかという点についても多大の疑いを持ちますし、また当時と今日とではそのときの提案の理由となった前提条件にも相当の変化を生じ、情勢の変化があると思うのであります。昨年の六月の七日に小委員会で決定されました案には発行株数の五分の二を公社に持たせる、こういう案でございました。そうしてその提案の理由は、国際電電の株が会社の内容にふさわしくない低株価を現出しておる実情であり、かえって株式の処分を困難ならしめているとともに、証券市場全体に対しては、好ましくない影響を与えている。つまり額面では売れそうにない、こういうことが提案の理由になっておるのであります。  ところがその次の六月二十四日の提案は、公社は株を持つけれども、議決権を有しない、こういうふうに変更されておりまして、議決権を持たなくてもよいかということをその委員会で梶井総裁にお尋ねになりましたら、議決権を持たなくてもよろしい、こういうお答えがありました。しかもそのときの提案理由には、昭和二十九年三月、第二回の処分をしたが、このときはわずかに二万一千八百七十三株の買い受けがあったのみで、残余の二百八十万株、すなわち総株数の五分の二が全然売れなくて残っておるのだといって、郵政当局は再三にわたって大蔵当局に向って、法律の定めるところによりすみやかに処分するように要請しているが、証券市場の状況によって処分ができなくて今日に至っておる。  以上の実情並びに証券市場の現状から見て、近い将来に十四億二百万円の株式消化は困難と見られ、かつ大蔵省は長期にわたってこの株を多額に所有することは、たるべくすみやかに処分しなければならないという法律の付則の規定から適当でないから、これは提案するのだ、また配当も大蔵省の収入になっておる、こういうことがうたわれておるのであります。  ところが第三回目は、七月の十一日にさらにこれがまた訂正になりまして、議決権を持たない株主というようなことはおかしい、こういう意味でまた議決権を有しないという規定が削除になっておるのでもります。そうしてその理由の中には、株価の安定ということと、処分は困難ということがまたうたわれておるわけであります。つまり一言で申しますると、この案が昨年の二十二国会に提案されたときに、いろいろああやこうやといって、案の内容を変化しておるのみならず、終始一貫提案の前提条件となっておりますのは、株価が額面より低くて売れないから、一つ何とかしょうというのが、これが一貫した方策であります。ところが御承知の通り、本年の一月の十六日に、そのうちて五分て一、約額面にいたしまして、七億円が……株価五百円の株券が六百四円の平均値で売れた、こういうような当時とまるで事情の変化を来たしまして、法案提出の大きな理由がすでに変化消滅をいたしておるのであります。  次に私が本案に反対する第二の理由は、本案は第二十二国会で、本委員令におきましては、私の見るところでは、大半の委員の方が反対の空気でありましたけれども、当時の情勢では、もし参議院がこれを否決をいたしますると、憲法第五十九条の再議決を衆議院においてなされるおそれがあるというので継続審議に持ち込まれたように私は想像をいたします。ところがその後継続審議になりましていろいろとさらに審議を重ねましたけれども、本案を正当化するところの何らの理由を発見することができませんでしたのみならず、電話設備費の臨時措置法によりまして電電公社の各位からいろいろ御説明を聞きますと、電電公社は非常に建設資金にお困りになっておる、地方財政の窮乏を救うために固定資産税の実態を有する納付金の本年度割当七億七千万円でさえも、何とかこれはやめたらどうかというふうな論議があるくらいでありますから、非常に電電公社としては建設がおくれておる、であるから時限立法のこの設備負担法も本年の三月三十一日で日は切れるんだけれども、加入者にはまことにお気の毒で文明国にはないような制度ではあるが、なおかっこの時限立法を五カ年延長するというくらいな変則の手段を講じなければ建設資金に事を欠くというくらいな実情であるのであります。にもかかわらずこのやかましい株を、今売れば八億円にもなるような株を、同定資産税よりも上回るような金高の株を、公社が株主にならなければならぬというような理由は私はさらさら認めることはできないのでおりまして、何のためにこれが問題になって法律が成立するのかまるで実はわからないのであります。  次に私が申し上げたいのは世論の動向でありまして、昨年の夏にこの委員会で各方面の方約十人のおいでを願いまして、いろいろ本案に対する意見を聞いたのでありますが、そのうちで梶井総裁はお立場上法律が通れば自分は異存はございません。しかし法律は最高限度をきめただけであるからそれを必ずしも待たなくても売ることはできるでしょう、自分たちの一番力をいたしたいのは、一日も早く建設を完成いたしたいんだ、こういったような消極的の賛成のお言葉がありました。もう一人学者の方で非常に回りくどい表現でありましたけれども、結局本案に賛成の意味の意見開陳をされた方があります。しかしその他の八人は言論機関を初め公共企業体の合理化審議会の委員長をしておった原氏なども電電公社は建設に邁進すればいいのだ、何の必要あって他会社の株を持つ必要があるかといったような強い反対意見もございました。これをもちましても本案に対する世論の動向がきわめて明瞭にわかると思うのであります。  次に私は申し上げないのは、公社はこの法律案ができましてから、総裁はさようであるように私は思いませんが、その他の方が相当本案の成立に熱心であるかのごとき風が見えます。また国際電電とこの公社とが相当これがために対立的感情があるように見えます。何のために公社が経理内容につきましても会計検査院等から相当の指摘を受けておるのに、いわば私から言えば道草のような公社が会社の株を持つことに狂奔をされて本来の使命に邁進されぬかということをいぶかるものであります。また何のためにかような無意味な株の保有問題を中心として公社と会社がその従業員の間にせっかく今まで仲がよかったのに割り切れない感情を持たねばならぬかということを実は私は遺憾なことであると思うのであります。  次に私が申し上げたいのは、公社が建設資金に非常に困っておるのに、政府が財政投融資さえも何らこの方に考慮を払わない。そうして一方設備負担金の問題の法律案を通すというようなことは、これは民営をやったらいいじゃないかといったような行き方であると思うのでありますが、しからば、なおさらこの会社の株を持つというようなことは、これは社会党の委員の方が賛成される一番大きな原因は一本にして国営の方式に持っていこうというのがその根底であると思うのですが、それと反対のことに賛成される、まるで違った行き方をしておると思うのであります。  最後に安定株主のことがよく言われるのでありますが、安定株主というのは大株主になるのでなくて、小さい株主でなるたけ数が多い方が会社当事者としては安定感を持つのでありまして、大きな株主ができることは、一方においてこれは会社に対する非常な圧迫でおりまして、会社と公社との従業員の仲がおもしろくないというのも、これをきっかけとして感情がよくないというのも、おそらくこの辺にあると思うのであります。これを要するに私は本案のごときは委員の各位が、ただその場の空気に動かされるというようなことでなしに、参議院の良識を発揮してすみやかに否決の方向に向われんことを切に希望するのであります。この際われわれがもしも力を入れなければならぬことがあるとすれば、それはこの株が大蔵省の保有になってから配当二億数千万円が公社にいかないことを、公社にいくような法律の改正をすることが最も必要ではないかと、かように考えるのであります。突然の採決でありますので、はなはだふぞろいかもしれませんが、大要私の反対の論拠を申し上げた次第であります。
  49. 島津忠彦

    ○島津忠彦君 私は自由民主党を代表いたしまして、ただいまの日本電信電話公社法の一部を改正する法律案について賛意を表するものであります。それとともに、先ほど久保君から提案のありました修正案についても賛意を表するものであります。  本案は前々国会の二十二国会に提出されまして、われわれは慎重審議この法案を審議いたして参ったのでありますが、ここにこの内容におきまして、衆議院送付案に私ども賛成することにつきましては私はごうも反対いたすものでありませんが、ただ一応公社が売り残しました株、保有されました株が何がしか御売却になるということにつきまして、これは公社または国際電電の将来の円満なる運営を期するためから申しましても、最も必要なことと存じます。かつまたその残りました株につきましても、できるだけ早い機会に売却なされまするよう切に私は要望いたしまして賛成をいたすものであります。簡単でありまするが賛成意見を申し上げます。
  50. 松平勇雄

    ○委員長(松平勇雄君) 他に御発言はございませんか。  それでは討論は終局したものと認めて御異議ございませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  51. 松平勇雄

    ○委員長(松平勇雄君) 御異議ないと認めます。  それではこれより日本電信電話公社法の一部を改正する法律案について採決に入ります。まず討論中に述べられました久保君提出の修正案を問題に供します。本修正案に賛成の方の挙手を願います。   〔賛成者挙手〕
  52. 松平勇雄

    ○委員長(松平勇雄君) 多数と認めます。よって久保君提出の修正案は可決されました。  次に、ただいま可決されました修正部分を除いた原案全部を問題に供します。  修正部分を除いた原案に賛成の方の挙手を願います。   〔賛成者挙手〕
  53. 松平勇雄

    ○委員長(松平勇雄君) 多数と認めます。よって本案は多数をもって修正すべきものと議決せられました。  なお、本院規則第百四条による本会議における委員長報告の内容、第七十二条により議長に提出する報告書の作成につきましては、これを委員長に御  一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  54. 松平勇雄

    ○委員長(松平勇雄君) 御異議なしと認めます。よってさよう決定いたしました。  それから報告書には多数意見者の署名を附することになっておりますから、本案を可とされた方は順次御署名を願います。   多数意見者署名     野田 俊作  石坂 豊一     津島 壽一  石原幹市郎     佐多 忠隆  白波瀬米吉     柏木 庫治  最上 英子     永岡 光治  新谷寅三郎     瀧井治三郎  久保  等     宮田 重文  島津 忠彦     寺尾  豊     ―――――――――――――
  55. 松平勇雄

    ○委員長(松平勇雄君) 次に、放送法第三十七条第二項の規定に基き、国会の承認を求めるの件を議題といたします。  前回に引き続き本件の質疑を継続いたします。この際、前回津島委員から御質疑のありました放送法の改正要綱に関連する問題について郵政省当局の御答弁を求めます。
  56. 濱田成徳

    ○政府委員(濱田成徳君) 先般津島委員並びに新谷委員から御質問がございました点につきまして御答弁申し上げます。  まず津島委員の御質問でございますが、日本放送協会の予算をなるべく早見につきましては私どもも全くその通りであると考えております。今後御注意の点を体しまして、早期提出に最善の努力をいたすつもりでございます。  次に、なお先般国の予算、三公社の予算と同時に提出できないかとのお話がございましたが、この点につきまして少しく御説明をさせていただきたいと存じます。三公社の予算は政府関係関機予算として国の予算と同一の取扱いを受けるものでありますことは津島先生の御承知の通りでございます。すなわち国会に提出する予算案は政府において案を決定――内容的に相互の調整を同時にかつ一体的に行なって法案を決定するという性質のものであります。しかるにNHKの予算はNHKにおいて自主的に編成いたし、政府にはこれを査定または調整する権限はないものであります。従って国及び三公社の予算案を政府において決定をする場合に、かりにNHKの予算が政府に提出されているといたしましても、政府としましてはその内容に触れ、これに変更を加えることはできないことになっておる次第でございます。  第三に、NHKの予算の一つの重要なる部分を占めるNHKに対する政府の国際放送交付金の予算案は、国の予算案の閣議決定を待って定めるものでございます。従って郵政大臣といたしましては、国際放送費が含まれているNHK予算案に意見を付する場合には、政府の国際放送交付金予算案の決定を待って行わざるを得ない事情にございます。またNHK側といたしましても政府より交付される金額が政府案としていかように定まるかが明らかにならなければ最終的に協会としての全般的予算の計画が立ちかねる次第でございます。   〔委員長退席、理事島津忠彦君着席〕  以上申し上げました事情により、NHK予算案を国の予算案と全く同時に国会に提出するということは困難でございますが、御意見の御趣旨に沿うようできるだけ早期に提出するように努力いたします。  第四、先般お話のありました放送法改正の基本方針という刷りものの中にあります、「協会の収支予算等の提出を受けた郵政大臣は、これを適当と認めたときに国会に提出することとし、」という点に表現が不十分でありましたため、国会に提出する時期を郵政大臣において自由に定め得るものとするように法律を改正するかのようなお感じをもしお持ちになったといたしましたならば、これはまことに恐縮に存ずる次第でございます。これを認めたときという趣旨は、予算内容を適当と判断した場合に国会に提出するという意味でございまして、かりにこのような法律ができ上りましても郵政省といたしましてはこれらの政府、協会間の事務処理を早期に解決いたし、さきに申し上げました通り、御意見のごとくなるべく早期に国会に提出するよう努力する所存でございます。  以上が津島委員に対する御答弁でございます。
  57. 津島壽一

    ○津島壽一君 ちょっとただいまの点、大へん詳細に御答弁願ってまことにありがとうございました。今の中で一点だけ私は申し上げておきたいと思います。  NHKの予算は自主的にきめるのであるから、それが出てきてから政府はまた意見を付するのであるから、政府機関、一般、特別会計等の予算と同時に出すことはできないと、こうおっしゃっています。それが果して技術的にそういうものであるかという点については私は納得いきません。自主的にきめるけれども、法律でもっていつまでに出すというようなことがあれば政府に対して出さなくちゃいかぬ義務があるかと思います。放送法の改正に当ってそういうことを書くかどうかということを実は質問したわけたんです。今までの法律においては、放送法の規定においては何日までに政府に提出すべしという規定がないのですからおくらすということが事実上行われた。しかしそういう規定がなくても、早く出す場合には出し得るのじゃないかという実行上の問題もあると思います。自主的にきめるのであるからいつくるかわからぬから、きたのをよく見て国会に提出するから自然におくれますということは、これは政策がないわけです、その中に。そういう答弁は伺いたくないのです。だから実行問題としてNHKは十一月中に予算を出せばいいんです、各省の概算同様に。しかして閣議決定した国際放送の負担金というものの決定が閣議で出したときにその瞬間各省予算と同様、特別会計その他の政府機関の予算と同様、その部分を書き入れれば同時に出せるのです、技術上。それをなぜやらないかという御質問をしたのです。自主的に出すから仕方がないというような答弁はそれは政策が入らないわけなんですね。そういった意味の答弁は私は納得いかないのです。ことに私が言ったことは、今度の放送法の改正の案文を見ますと、要綱ですが、まだ放送法の改正案ではないのですが、今度は受信者というものとNHKとは何ら合意なくて一方的に契約したものとみなすという規定がある。そうして月に何百円かの受信料を出すというのだから、これは租税化するわけです。租税化したようなものを、いつ予算を出して国会の承認を得るということが制度としてどうかという立法問題も含んでの私の質問だったのです。今の詳細な御答弁はまことにありがたいのですがね。問題のポイントを十分御了解願わなくちゃならぬと思うのであってこの点は放送法改正案が出てきた時分に議論をする問題でありますけれども、今日この三十一年度のNHKの収支予算を審議するに当って非常に窮屈になりましたので、こういった大きな予算を審議することは委員会としてははなはだ迷惑であるという観点から、放送法の改正案を待たないで私はこの点をあげたわけです。技術上できないということが、早く国会に出せないということがあれば、それはその理由をもっと詳しくこれを示してもらいたい。各省の予算は、次の年度の予算は、前年度の八月、九月に用意して、大蔵省は十一月から査定するのです。その時分にNHKの予算が出ておれば郵政大臣はそれによって意見を付して、そうしてちゃんとまとまったものができるわけです。ただ一点閣議できまらない項目すなわち国際放送に対する負担金の問題はこれは一応ブランクにする。しかし放送協会の方からは何億円の予算をいただきたいというのを出してこれをただ削るだけの数字の調整を閣議決定と同時に、閣議とあわせてしてもおくれる理由はないのです。そういう点もいろいろ説明を承わったが私の聞きたい点と食い違いがあるようです。今までのような自然のやり方ではなかなか提出はできませんというような趣旨に伺えたのですが、その点は今ここで最終的な結論はもうおそいので実効はないわけですけれども、またいずれ機会があると思いますからそれははっきりした方がいいと思う。これだけのことを私は意見を述べておきます。
  58. 濱田成徳

    ○政府委員(濱田成徳君) 津島委員の御指摘の点は非常によく了解いたしました。慎重に検討いたしまして提出することにいたします。  次に、新谷委員の御質問に対しましてお答え申し上げます。前回の当委員会における新谷委員の御質問、すなわち「各国との文化協定により、NHKの放送番組、たとえばフイルムの交換を積極的に実施したらどうか、外務省等とも打ち合せの上将来の方針を郵政省から回答されたい」とのことについてお答えいたします。  わが国と諸外国との間にラジオ及びテレビジョンの番組を電波により、あるいはまた録音テープ、映画フイルム等によって相互に交換いたしますことは国際的に相互の理解を高め、親善の度を加え、また文化の交流、文化の向上、さらにひいては国際間の通商貿易の伸張にも寄与することに相なるわけでございまして、政府といたしましてはこの種のことが今後ますます盛んに行われるようになることを希望いたしておるところでございます。現在わが国が諸外国との間に結んでおります文化協定にも多くその趣旨を盛り込んでおりまして、フランス、メキシコ、タイ等との間の協定等みなこのことをうたっている次第でございます。一例といたしましてフランスとの文化協定を申し上げますれば、その第一条において「両締約国は次の諸事項に関し相互にできる限り便宜を与えるものとする。」という条項がございます。この中にABCDEF等の項目がありまして、このG項に「文化的性質を有するラジオ放送の交換」というのがございます。またタイとの文化協定を申し上げますればその第一条において「両締約国は特に次の諸手段により各締結国内において相手国の文化が一層理解されるようにできる限りの便宜を相互に与えるものとする。」という条項があります。すなわちABCDという項目がありましてそのD項に「ラジオその他の類似の手段」と定めている次第でございましす。またユネスコ関係におきましても、ユネスコ憲章第一条におきまして任務といたしまして「目的を実現するため、この機関は、次のことを行う。」という条項がございます。すなわち(a)「大衆通報(マス・コミュニケーション)のあらゆる方法を通じて諸人民が相互に知り且つ理解することを促進する仕事に協力すること並びにこの目的で言語及び表象による思想の自由な交流を促進するために必要な国際協定を勧告すること。」これが(a)。次は(b)――これは略しますが――こういう次第でございます。政府といたしましては今後、ただいま申し上げました既存の諸協定を十分に活用するとともに、将来協定を結ぶ場合にもこの放送番組交換という事項にもよく留意いたしまして御趣旨の線に沿って努力いたしたいと考えております。なお、日本放送協会におきましては従来より諸外国の放送事業体との間に、その国とわが国との間に文化協定のあるなしにかかわらず種々の機会に番組交換を行なってきておりますが、なお今後努めて積極的に努力するとの方針をとっており、政府におきましてもできる限りこれに援助を与へたいと考えておる次第でございます。以上が新谷委員にお答え申し上げました点でございます。何かもし御質問でもありますれば……。  それからもう一つ、この前新谷委員から日本放送協会がテレビジョンについての長期計画案について検討した結果を報告してもらいたいという御要望がございました。これにつきましては郵政省、NHKと相談いたしまして検討いたしました結果をNHK当局から御報告願いたいと思います。
  59. 岡部重信

    ○参考人(岡部重信君) 御報告申し上げます。資料として差し上げましたテレビジョンの計画につきましては、御承知の通り三十三年度まで年次計画としてごらんに入れておるわけでございます。それで私どもとしましてはこのテレビジョンを始めた早々でありますので、この三十三年度までの第一次の目標をできれば早期に建設いたしまして国民の要望に沿いたいという段階でただいまおるわけでございますが、それで先般も申し上げましたように採算年度を創業以来五年目に置きまして、三十二年度において返還を開始できるというように先般も申し上げたことがありますが、その後の返還の状況につきまして、実はこのテレビジョンにつきましては御承知の通りチャンネル・プランがまだきまっておりません。その他いろいろの要素がございまして、NHKの確定の案として申し上げる段階に至っておりませんので、一案としてお聞き願わなければならぬということを一応お許しを得たいと存ずるのでございます。それで次の三年、すなわち三十四年、三十五年、三十六年度にどういう目標かということを若干申し上げますと、この三年間にでき得るならば実用の電界強度と申しますか、いわゆるテレビジョンを見得る範囲とでも申しましょうか、を全国の九〇%に多くしたい、これは法定の電界強度におきましては七二%くらいに相なるかと存じます。それがためにはいわゆる一キロ局程度のものと微電力局のものとを建設を要するわけでございますが、三十六年度におきましての総計は音通の放送局といたしまして約六十局、微電力局として七十二局というものを予定しておるわけでございます。次にそのときにしからば財源としてあげなければならないテレビジョンの受信者の数をどのくらいに見るかということにつきましては、三十六年度末におきましては二百六十万に相なるのではなかろうかという見当をつけております。  なお先般当委員会におきまして番組の時間をもう少しふやさなければならぬじゃないかというようなお話もございましたが、私どもとしてももっともな意見だと思います。それで三十二年度から毎年一時間ずつ放送時間を増していく。ただいま御承知の七時間でございますが、一時間ずつ増していく。そうして最後には十二時間までにしてはどうかという考え方をいたしております。なお地方の重要都市においても若干ずつローカル放送ができるようにいたしたい。かような前提をもちまして長期借入金の返還を考えるわけでございますが、そういたしますと、大体において黒字になりますのが前々申し上げますように三十二年度でございまして、三十六年度に長期借入金というものはただいま申し上げたような考え方からするならば完済されるという状況でございます。繰り返し恐縮でございますが、もちろんこの間にいろいろの慶化が起るかもしれません。そういうのは一応まあ先ほど申し上げた前提条件でわれわれはただいま研究中の案でございまして、まことにその点恐縮でございますが、参考までに申し上げておきます。
  60. 新谷寅三郎

    ○新谷寅三郎君 郵政当局にそれではお願いをしておきますが、濱田局長にお願いしておきますがね。われわれ今テレビジョンにつきましては岡部理事からお話があったようなことで、要するに一言で言えば初めに計画された五カ年計画というものは、いろいろチャンネル・プランの問題とか、あるいは置局計画を多少変更したりするようなことで変動があるだろうが、今日まだ十分その見通しは的確につかないということになるわけです。私が心配しますのは、今二百数十万の聴視者ができるだろうというような御推定でありますけれども、その時期が一体いつになるかによってただいま特別会計のようになっているテレビジョンが果してNHKとして非常に大きな将来の負担にたるのか、あるいは収支償っていくのかということについてそこに問題があると思うのです。従って非常に収支償わないとすればいつまでも今の、ただいまのように、と言うと多少語弊があるかもしれませんが、あまり経費のかからない番組を提供していかなければならない。これも放送時間が短かければある程度はこれでいいとは思いますが、今お話のように十時間、十二時間というような放送のされる場合に、今の程度の内容なり質なり番組で果して国民が満足するかどうか、これは非常に疑問がある。そこで考えなければならぬのは、この特別会計になっているテレビジョンというものの収支が一体いつになったらどうなるか、従ってその料金の問題などをどうするかというようなことをあわせて考えていかなければならぬような段階になりつつあると私は思うのです。それでこの間御質問申し上げたのですから、その辺の事情をお考えになっておそらく、やがてチャンネル・プランができるでしょうし、それに応じての置局計画もできると思いますから可能であればこの会期中にそういったことを頭に置きながらNHKのテレビジョン事業というものを将来どういうふうにして行くのがいいか、それからどういうふうになるだろうかというような見通しを、われわれにわかるように数字を入れて資料として御提出願うようにお願いをして私の質問を終ります。
  61. 島津忠彦

    ○理事(島津忠彦君) それでは日本放送会から岡部理事のほかに会長その他が参考人といたしまして、御出席になっておりまするから、御質疑のおありの方は順次御発言を願います。
  62. 永岡光治

    ○永岡光治君 会長にお尋ねいたしますが、この予算案が衆議院を通過する際に付帯決議がなされておりますが、それを念のために一応読み上げてみますと、  この附帯決議がなされておりますが、協会側これを了とされておりますかどうか、念のためにお尋ねをいたします。
  63. 古垣鉄郎

    ○参考人(古垣鉄郎君) お答え申し上げます。衆議院におきまして三十一年度の日本放送協会の予算等を御承認いただきました際に、ただいまお読み上げになりましたような二つの付帯条件がつきました。いずれも仰せの通り私どもはこれをきん然了とするものでございます。ことに第一の方は政府との関係でございますし、また今日までもそういう希望を持っておったことであります。政府の方と御連絡し、また御協力して実現に努力したいと思っておりますが、第二の方につきましては収支予算の総則の第七条の第二項にも、そういうような増加あるいは節減がありました際は予備金に繰り入れまして「経営委員会の議決を経てその一部を職員に対する特別の給与の支給に充てることができる。」という総則もできておりますので、私どもは現在NHKのような公共の放送事業に当っている職員は、できるだけその待遇をよくして適切な待遇をいたしまして、そうしていい放送をしてそれによって国民に報いる。従って職員の待遇を適切にするということは、すなわち放送をよくする、国民に奉仕するというような考えでおりますので、ただいま仰せのような職員の待遇改善については最善の努力をこの第七条第二項に基いていたしたいという考えでございます。
  64. 永岡光治

    ○永岡光治君 この付帯決議をきん然了とされるという、そういう御答弁でありましたが、ついては、私参議院の本委員会におきましても付帯決議が同様な趣旨のものが用意されておりますので、一応私は若干の質問をいたしましてさらに明確にして参りたいと思うのでありますが、私たちの調査によれば、大体同じ事業と考えられる、しかも年令、学歴、勤続年数、こういう仕事の内容からいっても大体同じ構成にある、たとえば朝日、あるいは毎日というような同じく報道機関の例と比較して参りますと、繰り返して申し上げますが、年令を見ましても、あるいは勤続年数を見ましても、あるいは扶養家族の構成等を見ましても、あるいは学歴別等を見ましても、むしろNHKの方が高い待遇をしてあげなければいけないと、こういう資料の上から私たちは判断するのでありますが、にもかかわらず実際の給与の状況を拝見して参りますとNHKの方がこれらの朝日、毎日、読売等に比較いたしますと、平均いたしまして月額六千五百二十円の開きができる。すなわちNHKが六千五百二十円低いという資料が出ておりますが、こういうことについては一応会長も御承知でございましょうか、これも念のためにお尋ねをいたしておきます。
  65. 古垣鉄郎

    ○参考人(古垣鉄郎君) 詳細については必要の場合は岡部理事から説明いたすことといたしますが、ただいまの御質問われわれもそういうような資料をたくさん集めております。単に新聞関係、報道関係ばかりでなく、その他の産業の給与というようなものについても調べております。また最初に御指摘ありましたNHKの職員構成が報道機関のそれよりもむしろ上回った質のものではないかということも、私どももさように考えております。従いまして正確にどういう差があるかということは、なかなか正確な資料というようなものが入手困難であったりして困難をいたしておりますが、若干の下回っているこの下回りをどうして打開していくかということを日夜苦慮している次第であります。
  66. 永岡光治

    ○永岡光治君 会長も差のあることを認めてそれをできるだけカバーしていくように努力していきたいという御答弁でございますが、そこで私は次の質問を行いたいのでありますが、当然そういうことになりますれば、やはり給与の改訂というものは当然でありましょうが、先般の会長方から御説明いただきました昭和三十一年度の収支予算事業計画等の資金計画ですね、そういうものに関する説明を受けた際に、終りの方でございましたけれども、三十一年度のベース・アップは見送らざるを得ない状態ではございますが、定期昇給分についてこれを予算化することにいたしておりますと、こういう実は御説明がございました。そこでこれは定期昇給をするということが給与改訂になるかどうかという実は問題があるわけです。定期昇給をいたしましても、たとえば大学を卒業いたしましてNHKの方に入社されるということになりますれば、私は従来のやはり俸給表が変っていかなければ給与改訂にならないと考えておるのですが、定期昇給はベース・アップを意味するものかどうか。私は俸給表がいじられない限りは給与改訂にはならぬと、こう考えておるのですが、定期昇給はベース・アップになるかどうかという考えですね。私たちは定期昇給の原資だけ見積ったのではベース・アップにならないのだ、俸給表がいじられない限りはほんとうの改訂にならないという考えを持っておりますが、その点はどういう御見解でございましょう。
  67. 岡部重信

    ○参考人(岡部重信君) 今お尋ねの定期昇給の原資が認められておってもベースの改訂にはならぬじゃないかというような御説のように拝聴いたしましたが、定期昇給についてベース・アップになるかならぬかという問題につきましては一応さておきまして、昇給原資について数字的に申し上げますと、一万九千二百七十円の現在の月給が、四・八の昇給原資をお認め願うならば九百二十五円上る、こういうふうに予算が組んでございますので、従来実は御承知の昇給原資というものを、NHKといたしましては主として職員の新陳代謝と申しますか、新旧職員の差などで埋めておったのでございますが、それがそういうふうにいかなくなったのが現実だと思うのです。それで今度予算におきまして公社などは早くやったようでございますが、今申し上げたような措置をいたしましていささかでも職員の待遇を一改善したい、こういう所存で御審議を願っておるわけでございます。
  68. 永岡光治

    ○永岡光治君 結論だけ簡単でよろしゅうございますから私確かめたいのでございますが、定期昇給の原資を確保したということは俸給表をいじるつもりでございますか。とても私はいじれないという観念を持つものでございますが、やはり俸給表をいじるというのは、その定期的昇給の原資だけじゃだめだと、これが私たちの観念なんですが、これは国家公務員の場合でも同じですが、俸給表をいじれないと考えておりますが、どうでしょう。
  69. 岡部重信

    ○参考人(岡部重信君) 非常に具体的な実際の問題になるわけでございますが、昇給規程は御承知のように幅がありまして、ある基準の上は何割というふうに、従来ですと、いろいろの関係から何と申しますか、きわめて低い幅で上る。しかしこの原資があるならばある程度満足にいくというまでにいくかどうかしれませんが、相当程度改善される、こういう考えです。
  70. 永岡光治

    ○永岡光治君 私の考えについてあまりぴったりお答えいただけないのですが、これは国家公務員の例をとるとよくわかるのです。定期昇給の原資を確保するとしばしば労働大臣は答弁され、それでは俸給表をいじるのかというと、いじらないという。それではほんとうのベース・アップにならないじゃないかというと、それはそうだ、こういう答弁をされておる。それと同じことが言えるのじゃないかと思う。つまり組合と当局の間で協約を結んだ俸給表というものは、定期昇給では改善できないのだ。私は定期昇給の原資というものはそういうものと解釈しておる。つまり勤続年数に応じてたとえば二年たてば五百円とか、千円上る、これは当然なことであって、俸給表をいじらければ給与改訂にならないと、私は思うのですが、どうですか。
  71. 岡部重信

    ○参考人(岡部重信君) 私労働大臣がどういうような御答弁をなされたか詳しくは存じませんですが、先ほど申し上げましたように、昇給の表というものは幅がある。それで俸給表というものはある幅があって、その幅の中で動かすものでございますから、幅が低いか高いかによって待遇改善というものは非常に違う。かように考えます。
  72. 永岡光治

    ○永岡光治君 これはまだあまりはっきりわかっていないようですから、私はさらにこれを追及したいのですけれども、定期昇給というものは、これは俸給表には影響しません。大学を卒業して従来のままならば、たとえば一万円なら一万円で入ったとして、定期昇給の原資は確保されておっても一万二千円の初任給になるということではないと私は思う。そういうことではほんとうの給与改訂にならない。従って私は次の質問をいたしたいと思います。先ほど会長もできるだけ、予算総則等の七条の二項でございますか、そういう問題もありますので、また付帯決議もございましたので、給与改訂には最善の努力をいたします。こういう御答弁でございましたが、そうしますと、この組合のささやかな要求に対して、私の大ざっぱな計算によりましても二億五千万円程度の金が不足しておる。この組合のささやかな要求を入れるにいたしましても、これは私たち非常に不満であります。そこで私お尋ねするのですが、二十九年度、あるいは三十年度において予算総則の七条の二項にきめられた増収分と申しますか、そういう努力によって生まれたものから給与改訂に充てられた金額は大ざっぱな数字でけっこうですが、どの程度になっておりますか、年度別に……。
  73. 岡部重信

    ○参考人(岡部重信君) 二十九年度におきましては一億四千八百万円でございます。それから三十年度につきましてはただいま年度途中でございますので、確定的ではございませんが、大体二億であります。
  74. 永岡光治

    ○永岡光治君 そうすると、ここに二十九年度に比べて三十年度は約六千万円程度の給与改訂の原資が予算総則の七条の二項によって出てきた、こういうような結論になるわけです。従って三十一年度の、本年度の同じような七条の二項による増収分で給与改訂に回わされるというものは、当然私はこのくらいのものは出るだろうと思うのです。これはもちろん給与改訂に充てられると私は解釈したいのですが、それでよろしゅうございますね。もちろん実際に締め切ってみなければ三十一年度どれくらい出るかはわかりませんけれども、実際従来の実績から考えてみれば、大よそその程度のものが生まれるものと考えますが、その点はどうでしょうか。
  75. 岡部重信

    ○参考人(岡部重信君) 永岡さんのおっしゃる通り、締めてみなければ実際わからぬ問題でございまして、二十九年度と三十年度の見込みました差が六千万円であるからして直ちに三十一年度六千万円になるというふうにはどうもちょっと……まだただいま予算の御審議中でもありますし、年度にも入っておりませんので、お答えしにくい次第でございます。
  76. 永岡光治

    ○永岡光治君 それは締めてみなければあるいは八千万になるか一億になるか、それはわかりませんし、私はこまかいことは申しげませんが、最低その程度出てくると考えるのが常識だろうと思うのです。協会の方の計画の内容を拝見いたしましても、さらにどんどん加入者をふやしていくという計画もありますから、私は当然そうだろうと思うのですが、そこでこれは当然この中に入ってくると、これは給与改訂に回わされると思うのですが、そこで私はこの点についてもう一度確かめておきたいと思うのですが、あまりこれをそう下るものとは考えられないと思うのですが、どうでしょうか。見通しで、大体計画はされて、大よそ見当はつくと思うのですが、大きな開きがあるかどうか、私はそれを答弁されたから、それはどうこうということで何もあげ足をとるつもりはごうもございません。常識として……。
  77. 岡部重信

    ○参考人(岡部重信君) 私どもの気持としましては、ただいまのこの原資が御承知の通り受信者の増加と節約でございますので、これには職員の企業努力と申しますか、能率向上というものは当然最大の要素として加わるものでありますので、大いにその何といいますか考え方を活用いたしまして、できるならば三十年度を下回るようなことのないようにしたいと、さような考え方を持っておるのであります。
  78. 永岡光治

    ○永岡光治君 大体まあその三十年度を下らざるようにしたいというお考えでありますが、そこで、こういうまあ予算総則によるこの給与改訂に回し得る原資は、給与改訂の方にできるだけ振り込みたいという会長の御答弁でございましたが、当然これは、この前に一応論議されましたけれども、同じもらう給与でありまするから、やはりできるだけ基準内賃金に入るように御努力願いたいということは当然だと思うのですが、そのことも御努力願えると思うのですけれども、その点はどうでございましょう。
  79. 岡部重信

    ○参考人(岡部重信君) 今のお話は大体において給与体系の構成の問題に関係するだろうと思うのでありますが、十分検討しまして、職員としては今久保さんのおっしゃったような要望が強いのであります。よく検討しまして善処したいと思います。
  80. 永岡光治

    ○永岡光治君 よく検討しまして――検討して善処というその意味ですが、これはやはり従来とも行われたことでもありますので、先ほど申し上げましたが、とにかくその他の報道機関に比べて、学歴、年令、家族構成等から見ましても、六千五百円から開きがある。これは岡部さんの方も御研究でございましょうけれども、まあ朝日のごときは二万七千二百八十円もらっております。毎日は二万六千三百八十四円、それから読売は二万三千七百七円、こういうことで、この三社を平均いたしてみましても二万約六千近い金になる。一方協会の方はどのくらいかと言いますと、わずかに一万九千円そこそこ、従ってこれは六千五百円以上の金が開きができておりますから、私は当然これは給与改訂に、今会長の御答弁いただきましたように、給与改訂にこれは回したいというお考えでありますから、ぜひこの給与改訂全般に含めまして、私が先ほど申し上げましたが、定期昇給の原資というものは、俸給表をいじるそのものの要因になりませんから、どうか一つそういうものも合せていろいろな原資を含めて給与改訂の、安心して働ける基準内賃金を早急に決定してもらいたい、これが私たちの要望なんです。この要望には沿っていただけると思うのですが、私の要望に沿っていただけないでしょうか、どうなんでしょうか。どうか一つ色よい返事をいただきたいと思います。(笑声)お前の要望には沿えないなんという、そういうことでなしに一つ……。
  81. 岡部重信

    ○参考人(岡部重信君) 私ども先ほど来のお答え申し上げておる中において、私どもの意のあるところをおくみ願ったのじゃないかと、かように考えておりますが、はなはだ言葉は不十分かもしれませんが、どうぞわれわれの今までの答弁で御推測願いたいと、そう願えれば非常にけっこうだと思います。
  82. 永岡光治

    ○永岡光治君 推測は、私の趣旨に沿い得ると私解釈するわけです。そう解釈してよろしいですか。
  83. 岡部重信

    ○参考人(岡部重信君) 先ほど来申し上げておりますが、できるだけ善処したいと存じております。
  84. 永岡光治

    ○永岡光治君 できるだけということですが、まあここには郵政当局がおいでになりますから、多少気がねをきれておるのじゃないかと思いますが、これは郵政大臣にも一つ特にお聞きしておきたいと思いますが、これは同じ給与をもらうのですけれども、大体定期的に予算総則の七条の二項というものによる増収というものが毎年あるわけです。それは給与としてもらっているわけですが、どうせ同じ給与でもらうならば、やはりある程度のものは固定化したものがほしいというのは、これはやはり人間の常だと思うのです。従来はなかなかそういうことは会長以下協会の当局の方々はできるだけそういうようにしたいと思うのですが、何となく郵政当局に気がねされていたやにこの委員会では見受けられるわけですが、どうか一つ新しい大臣をいただいて、非常に御理解をいただいております村上郵政大臣でありますから、どうかそういう際には一つ御無理なことをおっしゃらずに、やはり職員が安心して働けるように、定期的に毎年同じものをもらうというならば、そのものが、まあ大部分のものが固定給にしていただくように、一つ御善処をいただきたいと思うのですが、この私の要望の趣旨をぜひ一つ入れていただきたいと思うのですけれども、制肘を加えるお考えでございましょうか。郵政大臣の方でそれはいかぬということになると、これは困るのですけれども、今岡部理事のお話を承わりますと、推測はつくでしょうというこの意味は、大体まあ私の要望に沿っていただけるいうことだと思うのですが、できれば一つ郵政大臣に、善処いたしますということは、これは当然だと思うのですが、どうでございましょう。
  85. 村上勇

    ○国務大臣(村上勇君) お答えいたします。大体その点につきまして私はいつも少し甘過ぎるということを言われて非難されておるのでありますから、NHKなり、あるいは私の関係しているすべての方面に対して私から圧力をかけて、りっぱにサービスもでき、しかも非常な経営の努力によって利益金が出たものに対して、それを今御指摘のようなことをしようという際に、私の方からそれを阻止するというようなことは、今までもしておりませんし、今後もしないつもりでおります。ただ放送その他のこういう事業が全く公共の福祉に沿うということが第一でありますので、その公共の福祉に沿うという点を無視してまでやるということについては、私どもいささか意見を持つものであります。しかしそういうことでない限り、決して圧力を加える等のごときことは断じていたしません。   〔理事島津忠彦君退席、委員長着席〕
  86. 永岡光治

    ○永岡光治君 公共の福祉を阻害しない限りにおいては、これは大臣として阻止する考えは持っていないということでございました。協会御当局も、大臣の意思は十分御理解いただいたと思いますので、同じ給与の中でそれがどう変ろうと、支給の方法がどういうものになろうと、支給されるその額が変らない限りは、これはその公共の福祉を云々されるべき筋合いでは私はないと考えますので、大臣は阻止をされないそうでありますから、ぜひ一つ私の要望を入れていただきたい。会長からもさらに一つ御見解をいただけますれば非常に幸いだと思うのですが。
  87. 古垣鉄郎

    ○参考人(古垣鉄郎君) 蛇足だと思いますがお答え申し上げます。私どもこの給与等の細則について規定いたします場合に、今までも郵政大臣の圧力を受けたことはありませんし、ことに村上郵政大臣の場合に今後ともそういうものを受けるだろうという考えは全然持っておりません。私ども適切な案を持って行く場合には常にお受けいただくだろうと思っております。要は職員の待遇をよくするということ、私ども一番熱心に考えておりますところはそこでございます。そういう趣旨を一番力を入れて考えておりまして、その細則で固定給をどうするとかいうことになりますと、いろいろの技術上の、あるいはその他のたくさんの条件が入って参りますので、私からは申し上げかねますが、待遇を改善するということの中には、先ほどからおっしゃるすべてのものが含まれておるかと思いますので、私は結論において……。
  88. 永岡光治

    ○永岡光治君 私の要望を入れていただく方法で。
  89. 古垣鉄郎

    ○参考人(古垣鉄郎君) 御趣旨に沿えるのではないかと思います。
  90. 永岡光治

    ○永岡光治君 私の要望の趣旨に沿って御努力をいただけるそうでありますので、一応私はこの質問は終りますが、ぜひ一つ給与改訂については長い間の要望でございますし、やはり前に申しました報道機関等に差がないということがやはり職員の能率を上げるゆえんでもありますし、それがまた即サービスの改善にもなると私は考えておりますので、ぜひ今後またいろいろ改訂について御協議なさるでふりましょうが、その際には私の要望を入れていただけるものと、こう理解をいたしまして、私の質問を終りたいと思います。
  91. 久保等

    ○久保等君 私簡単にただいまの給与問題と関連して、少し確かめておきたい意味で御質問をいたしたいのですが、結論的に今永岡委員の質問に対しまして、十分にその期待と要望に沿い得るような措置をとろうというお答えであったと思いますので、私満足をいたすわけなんですが、ただ若干具体的な数字でお聞きいたしておきたいと思いますが、先ほど岡部理事の御答弁の中に、二十九年度は一億四千八百万円でしたか、それから三十年度は約二億円程度のものが給与の方面に回されたという御答弁ですが、これは予算総則の第七条に基く、いわゆる弾力条項に基いてそれだけの金額が給与方面に回されたという御答弁なんですか、その点をちょっと念のために確かめておきたいと思います。
  92. 岡部重信

    ○参考人(岡部重信君) 七条の二項の、御指摘の通り弾力条項に基いてなされた特別の給与の措置でございます。
  93. 久保等

    ○久保等君 従って自余の、ほかの問題は別として、第七条の第二項に基くその措置によってなされる三十一年度で給与に回す金額は、少くとも二十九年度あるいは三十年度に下回らない金額を給与の方に回すようにいたしたいということだと結論的には思うのですが、その通りでしょうか。
  94. 岡部重信

    ○参考人(岡部重信君) 少し言葉は違うかもしれませんが、何と申しますか、いろいろまだ年度も始まっておりませんので、不確定の要素はありますが、待遇改善の考え方につきまして三十一年度は三十年度に下回らぬ程度でやって行きたい、かように申し上げていいと思います。
  95. 久保等

    ○久保等君 わかりました。私ただいま第七条の第二項に限って御質問を申し上げたわけですが、それに対して従来の二十九年度なり三十年度を下回らない金額をぜひ一つ給与方面に回すようにいたしたい、もちろん三十一年度はこれからの問題でありまするから、客観的に非常に大きな予想外の事態の発生によって、問題のいろいろ変化することは十分考えられます。従って明確な御答弁をそういう意味でいただくことは無理だと思いますが、しかし少くとも二十九年度あるいは三十年度と同じような条件のもとにある場合においては、これは私は金額の点において、二十九年度、三十年度よりははるかに上回った金槌のものを給与方面に回すのだということだと思いますし、ぜひ一つその点はそういう方向に御尽力をいただきたいと思います。私この前のこの委員会でもお尋ねをいたして、第六条の問題については明確な御答弁をいただいておりまするから、そのことは再び時間もございませんから繰り返さないことにいたしまして、あらゆる可能な限りの努力をぜひ一つお願いいたしたい、かように考えます。最近御承知のように官公労、あるいは公企体関係に対しましても調停案等によって、一時金といったような形で給与の一助にというようなことで調停案が出され、また政府当局も直接関係する範囲内においてそういう措置がとられるという決定がなされておりますが、これは明らかに昨年以来本年の新春にかけましての日放労の給与問題をめぐっての紛争問題、これらの事態は明らかに時期的に申しまするならば労働以前の問題に属しますし、そういう点では自後の新しい客観情勢といたしましても、一般にそういう事態が出て参っておりまするだけに、私は当然そういった一時金という問題一つを取り上げて考えてみましても、非常に大きな情勢の変化があったと思います。従ってそれに適応する意味でも、あの昨年から本年の新春にかけましての係争当時の放送協会で考えておられた考え方に、プラスごく最近におけるそういう客観情勢を加えたものが、私は最終的な日放労とNHK当局との間における紛争解決の場合のやはり解決策でなければならぬじゃないかというふうに考えるわけであります。しかも本来の給与ベースそのものが、先ほど永岡委員がいろいろデータ等をあげられて御質問がありましたが、そういったような長い間の懸案がずるずるとただ時期的に経過をして参った。その間もちろん弾力条項等の適用によって若干の給与問題が向上はして参っておりまするが、しかしこれはあくまでも全くこそく的な措置であったと思いますし、私は三十一年度の予算の執行の面においては、問題の解決を根本的にはかるというお気持をもって、ぜひ一つ御尽力を当局にお願いいたしたいと思っております。  次に、なお私この際特に御質問をいたしたいのですが、やはり今度の三十一年度の予算で一番特異な問題の一つは、固定資産税の問題だと思うのです。この問題はすでに本委員会で電電公社に対する納付金に関する法律という問題を中心にして私いろいろ自治庁、大蔵省、もちろん郵政大臣にもいろいろお尋ねをいたしておるのですが、この問題はいろいろ論議をすると長時間を要しますので、私あまり長い御質問を申し上げようとは思わないのですが、しかし少くとも公共性の非常に強い放送事業に対しまして、今回固定資産税を課税しようということで政府が国会に法律案を上程いたしております。また聞くところによると、その課税に対しては予備金をもって支出しようという腹だというお話も聞いておるわけなんですが、それらの問題についても私いろいろ異論を持っておるのでありますし、政府の考え方をよく究明して参らなければならないと思うのですが、時間の関係もございますので、特に今回の固定資産税を作ったという問題について、国鉄あるいは電電、専売等に対しましては納付金に関する法律という形で若干の扱い方に差異があるわけでありまするが、なぜ放送協会の場合には固定資産税という、そのものずばりの形で課税をすることになったのか、この点を一つ承っておきたいと思いますし、さらには固定資産税ということになって参りますると、税制の建前からいっても私は非常に大きな不均衡があるのじゃないかという気がいたすわけであります。これは地方税法の問題とも関連するかと思うのですが、一般の商工会議所等の建物に対しては課税対象外にいたしておるのであります。ところが今回放送協会の固定資産に対しては正面から固定資産税を徴収するという措置をとったことは非常に私は悪制度だと思うのでありますが、そういったことについて郵政大臣が少くともそういった問題について本質的に賛成であったとは私考えないのであります。この前の電電公社に対する納付金に関する問題から私そのお気持は十分に推測をいたしております。が、しかし、私は非常に重要な一つの制度がここで確立せられようとしております際に、昭和三十一年度の予算をわれわれが審議する場合に、当然これはぜひ承わっておかなければならぬし、またこういう悪制度はかりに実施せられるという結果に終りましょうとも、できるだけ私は早い機会にやはりもとに戻すということを政府当局でもお考えを願いたい。かように実は考えるわけでありまして、固定資産税を取るのは当然だというようなものの方え方はこれは私はもう非常に公共放送である放送事業に対して、NHKの事業に対しての理解があまりにもなさ過ぎるのじゃないかと考えるのです。この前自治庁の政務次官の御答弁の中には、いろいろ地方所在地において御厄介になっておるという面もあるので、そういった点から考えるならば、税金を納めるということも考えられるのじゃないかというような御答弁があったのですが、そのことは後ほど私の費用で反り消されましたけれども、そういう程度の認識ではこれは非常に本質的な理解の面において私は誤まっておるのじゃないかと考えるのです。当時の事情をよく知っております郵政大臣にそういうような認識があるとはこれは邪推もいたさないのでありますが、大臣から一つその間の経緯と私のただいま御質問申し上げました点について、簡単でけっこうですから一つ御答弁を願いたいと思います。
  96. 村上勇

    ○国務大臣(村上勇君) お答えいたします。御指摘の点につきましては、私といたしましてもこういう公共的な事業から固定資産税とか、あるいはまた納付金とかというものを取るということについては納得がいかなかったのであります。従いまして閣議その他におきましてはこれらに対して一つ留保してもらいたいというようなことを強く要求をいたしましたが、御案内のように地方財政、特に市町村等の財政の困窮状態というものはまことに見るに忍びない。これはやむにやまれない財源捻出の立場からかようなことについても一時賛成をしてもらいたいというようなことでやむなくこれに了解を与えた次第でございます。しかし協会におきましてはまだいまだにこれに対して反対を続けて反対陳情をしておるようであります。  三公社は納付金の形にし、協会はなぜ固定資産税にしたかということにつきましては、私といたしましても三公社同様に納付金の制度にしてほしいということも要求いたしましたが、これに対しましては御承知のようにこの三公社と協会の性質につきましてはいささかその立場を異にしている。三公社の予算につきましては国家予算と不可分なものであるというような立場から三公社は納付金ということになったのであります。  ただいまお話のように、これは私どもとしては時限立法にでもしてもらいたかったのでありますが、閣議の席上では、地方財政の、他に適当な財源を求めることができて、その財政を供給する措置が講ぜられるような段階になった場合にはぜひともまっ先にこの三公社並びに日本放送協会等のような公共的な事業からこの種の税金を徴収するということは取りやめてほしいということを私は強く要望したのでありますが、これに対しては全くまあ不問に付せられておるというような状態であります。まことにこれは好ましいことではありませんけれども、その事情やむを得ずここにかような地方財政の困難を少しでも助けるという意味の措置でありまして、まあやむなく納得したような次第であります。
  97. 久保等

    ○久保等君 いろいろ質問いたしたいこともありまするが、まあその点省略をいたしまして、現在まあそういう政府の結論的な態度によって固定資産税という形で徴収しようということなんですが、そうなりますると、これはまあ事務的な問題になりまするが、事務的にも協会にとっては非常に煩瑣な、しかもまた非常にむずかしい問題が事務処理の面でも出てくると思うのですが、今政府の考えておるような考え方で各地方の公共団体がそれぞれ各地方ごとにそういった税金を納めるということになりますると、おそらく人員の面でも私は事務の増大を来たすということになると思います。まあそういった点についてどういう具体的な数字で示される問題があるのか、放送協会の方から承われれば一つその点状況を御説明願いたいと思います。
  98. 岡部重信

    ○参考人(岡部重信君) 大体私記憶しておるところによりますと、百カ所に――百市町村というのですか、所在するものであります。そのために今御指摘の、もしこの固定資産税がかかるとすれば事務的の手続というものは相当ふえるのじゃないか。何らか簡素な方法といいますか、かりにこの税金がかかりましたときに方法をお願いしたいと、そういうふうな考え方であります。
  99. 久保等

    ○久保等君 人員の面でも私は経営の合理化とか何とかいうことが非常に真剣に放送協会としても考えられておりますし、また日々そういったことに努力をされておると思うのですが、全く泣きつらにハチといいますか税金をとられるところへもってきて人もふやさなければならぬ、あるいはまたいろいろむしろはっきりしないようなところで雑務的な仕事が非常にふえるといったようなことにもなると思うのですが、そういったようなことについて具体的な人員の増員を要するとか何とかいったような問題等が把握できておれば御説明を願いたいと思うのですが、もしそういう点までまだ不明確だということならばそれでもやむを得ないと思うのですが、一応さらにつけ加えて何か御説明ございますれば伺いたいと思います。
  100. 岡部重信

    ○参考人(岡部重信君) 先ほど大臣の御答弁なすったように私どもとしてはまだ反対を続けておるわけでございます。従いましてまだどのくらいの事務量があるかということについて具体的に把握しておる段階でございませんので、従いまして人員がどのくらいかということもまだつかんでおらぬ現況でございます。
  101. 久保等

    ○久保等君 大臣にその点ちょっと事務的な問題でお聞きしたいと思いますが、それはまあ自治庁との間の話し合いになるのだろうと思いますが、かりに法律案が政府提案の通り通ったといたしましても、税金の納付の方法その他についてはこれは十分に話し合って、そして放送協会の無用のそういった煩瑣な手続をとらなければならぬというようなことはとらなくても済む性質のものなのかどうか、これは法律が施行になればどんぴしゃりで結局非常に煩瑣ではあっても、一般のこれは個人の固定資産税を納めるような形で扱われてしまうのかどうか、ここらは政治的な折衝の余地が残されておるのかどうか承わりたいと思います。
  102. 村上勇

    ○国務大臣(村上勇君) お答えいたします。NHKの場合には三公社と違って電線を引っぱってもおらなければレールを敷いているわけでもないのでありますから、その独立した家屋、物件がそれぞれの市町村に、大体町や市にあるからその点に関しては私は比較的簡単にその算出もできると思いますし、またさような繁雑なことは、人員を相当ふやしてこれに当らせなければならないというようなことはわれわれは今考えておりません。
  103. 久保等

    ○久保等君 大臣非常に簡単なようなお話なんですが、しかしそれもこれは程度の問題と思うのです。やはり中央で少くとも地方における放送協会の固定資産というものの所在、価格、そういったものを明確に把握されておるわけです。そこで一括して扱っていかれるということになれば、事務的に私は常識から考えて非常に簡素でいけると思うのです。今お伺いいたしますところによりますと、百カ村にわたるということでありますれば、これはやはり百カ所かあるいはそれ以上の所在個所で個々別々にやるということになれば中央で一カ所でまとめてやるよりはこれははるかに手数はかかるのです。だから地方の実情が中央ではなかなかの把握しがたいのだという特殊な事情でもあれば別ですけれども、これは中央ではそういった一切のことについてつまびらかにしておるという状態ならば、あえて何もそういう個々ばらばらにその所在地で手続をやってもらえばいいじゃないかというものの見方は、これは郵政大臣として若干情勢の判断がにぶいのじゃないか、程度の問題で、そういった莫大な人員を要しなくても、これは比較論から考えても中央で一カ所で集約してやった方が、これは常識から考えて簡素だと思う。で、NHKの御意向を文書で拝見するところによると、ぜひ一本に一括して行えるようにしてもらいたいのだというところに意向があるとすれば、私なおさら郵政大臣としてもそういった方向で御尽力を願うことが好ましいのじゃないかというように考えるのですが、いかがでしょうか。
  104. 村上勇

    ○国務大臣(村上勇君) これはお説の通りであります。大体固定資産の税の対象になる、その財産については全国百カ村ありましてもNHKの本社においてこれを全部把握いたしておりますので、そういう点は私も一括で大体計算ができるようにしてもらいたいと思っております。
  105. 久保等

    ○久保等君 まだありますが、私以上で終ります。
  106. 佐多忠隆

    ○佐多忠隆君 衆議院の逓信委員会で付帯決議がついていてその第一項に「協会における放送の進歩発達に必要な研究を助成するため、放送法第三十四条の規定に基く国の負担による研究を実施する方途を講ずる」ということが要望されておりますが、われわれ一般会計の予算を審議いたしましたときに科学技術の振興費として昨年度八十三億のやつが百十四億に相当大幅に増額をされた。ところがそれの各省別が示してありますが、郵政省、あなたの方の省にはそれがあげていないのですが、しかしこういう要望がある以上これは何とか政府としては措置をしていかなければならない。これをどういうふうに具体的に措置されるおつもりであるかどうか、その点。
  107. 村上勇

    ○国務大臣(村上勇君) この点に関しましてはいささかの要求を大蔵当局にしたのでありましたが、私の力の足りませんために一応切られております。しかし私どもといたしましても郵政省においてこの種の技術研究にはできる限り努力いたしたいと思いまして過般もアメリカヘ――それにカラー・テレビ等の研究にも電波局次長を派遣しておるような始末でありますし、なかなか国家予算が思うようになりませんので、ただいまのところでは協会の苦しい財政の中から相当研究をさしておるような始末でありますが、私といたしましても今後はこの衆議院における付帯決議の趣旨を尊重いたしまして、次の予算の際にはあくまでもこれの研究のできるようなその費用を獲得いたしたい、その獲得のために努力いたしたいと思っております。
  108. 佐多忠隆

    ○佐多忠隆君 世界的に大電力構想、その他非常に技術的な進歩は大きいし、それに比べると日本の技術は非常に立ちおくれておるのじゃないかと思うのです。しかし今も大臣が言われるように月額六十七円の受信料を基礎にしてはなかなかそういう意味での研究は非常にむずかしくなる。そこでここの付帯決議は国家としてもおやりになることはもちろんであるが、それだけでなくして放送協会に対して国の負担による研究を実施する方途を別に講ずべきであるという意向だと思うのです。その点を、これはさらに来年度からという要求ではなくて今年度のこの予算を通す付帯の条件といいますか、決議としてこういう要望がなされておるのでありますから、その点はもう少し特別に具体的に積極的な考究をされてしかるべきだと思います。その辺のお気持、態度……。
  109. 村上勇

    ○国務大臣(村上勇君) すでにただいまお答え申し上げましたように郵政当局におきましてはその財源の許す限りこれらの研究のためには努力いたしております。つい先日もその研究のためにアメリカへ研究にやっておるのでありまするが、なおできる限りの今後も努力を続けますが、遺憾なことには三十一年度予算の中にはどうしてもその私どもの満足すべき予算の獲得ができていないのでありまして、今後これらの点に努力いたしまして御趣旨の通りにして参りたいと、かように思っております。
  110. 松平勇雄

    ○委員長(松平勇雄君) 他に御発言ございませんか。……別に御発言もなければ質疑は尽きたものと認め、直ちに討論採決に入ることに御異議ございませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  111. 松平勇雄

    ○委員長(松平勇雄君) 御異議ないと認めます。  ちょっと速記をとめて下さい。   〔速記中止〕
  112. 松平勇雄

    ○委員長(松平勇雄君) 速記をとって下さい。  それではこれより討論に入ります。御意見のおありの方は賛否を明らかにしてお述べを願います。なお久保委員から付帯決議案が委員長の手元に提出されておりますので討論の際あわせて御意見をお述べ願います。
  113. 久保等

    ○久保等君 ただいま議題となっております放送法第三十七条第二項の規定に基き、国会の承認を求めるの件、すなわち昭和三十一年度の日本放送協会収支予算、事業計画及び資金計画でありますが、これに対しまして私は日本社会党を代表いたしまして賛成の意を表するものでありますが、ただこの際私一、二希望条件を付しておきたいと思うのでありますが、その問題は先ほども若干御質問をいたしましたが、昭和三十一年度の予算において初めてその支出が予想せられまする固定資産税の問題に対してでありますが、本問題は先ほど私質問の中でも申しましたように、NHKの公共放送の事業という立場から考えまして、まことに納得のいきかねる制度でございますし、この公共放送が今日難聴地域の解消問題、あるいはまた技術研究、さらには国際放送等の拡充強化をはからなければならないという状況のもとにおきまして、資金的にも非常に困難な状況に置かれておるのであります。加えて、また放送協会唯一の財源であります聴取料の問題であります。この問題につきましても巷間いろいろと論議の対象になっておりまするだけに、非常に財源の確保については一方ならない困難が今後予想せられる状況にありまするが、そういう矢先に当りまして、しかも恒久的な立法がなされて固定資産税が徴収せられるという状況にありますることをまことに遺憾に存ずるわけでおりまして、ぜひ一つこの制度が創設せられました後におきまして、私は可及的すみやかに政府当局がNHKの放送事業本来の使命というものを十分に認識御理解をいただきまして、こういう制度の撤廃せられますることを期待し、かつ念願をし、政府に対しましてのその善処を強くこの際に要望いたすものであります。  さらに第二の問題といたしまして、NHK従業員の待遇問題についてでありますが、この問題はこれまた本日私若干御質問をいたしましたが、NHK従業員の給与が同種産業に比較いたしまして非常に低位にある。しかもその問題は長年の懸案であり、今日いまだ解決を見ておらないのでありますし、日本放送労働組合が非常に事業の重要性の自覚の上に立ちまして、でき得る限り問題の円満な解決のために非常に一方ならない努力をいたしておりますことも私よく承知をいたしておりますし、また私どもといたしましても、昨年来の懸案でありまするベース・アップ闘争の問題につきましては、その経過と結果に対しまして非常に重大な関心を持ち、またこれが一日も早く円満に解決をすることを心から念願をいたしておるわけであります。従いまして今度の三十一年度予算が執行せられるに当りましては、私はぜひとも一つ質疑応答の経過でも、いろいろと放送協会あるいはまた郵政当局から誠意のある御答弁があったと私は理解をいたしております。従いましてぜひ一つ早急に問題を解決していただきまして、放送事業が国民の要望に沿い得るような状態に全従業員の心からわき上る私は意欲によって事業の円満な今後の発展を期する意味から、特にこの際郵政当局並びにNHK当局に対しまして給与問題について英断をもって一つ早急に解決をお願いいたしたい。特に昭和三十一年度の予算の執行面におきまする放送事業の経営の推移状況等に左右せられるところがあると思いまするが、しかしでき得る限り私は早急に給与問題についての根本的な一つ解決のために最善の御努力を願いたいと思っております。少くともNHKの放送事業につきましては、公共企業体的な経営形態にはなっておりますが、しかし厳格な意味の公社経営ではございませんし、またその主たるねらいとするところは、やはり何といっても事業の企業性という点を私は特に重視し、しかもまた放送事業という特殊な、いわば国民の公器であるという立場から、いたずらな政府の干渉といったようなことを排除するというところに放送協会という特殊な経営形態にした私は根本的なねらいがあると思うのですが、そういう考え方からいたしますならば、給与問題等につきましても特にNHK当局のこの問題処理に当っての自由と申しまするか、自主性と申しまするか、そういう点が最大限に許されてしかるべきだと思うのであります。従ってそういう点について格段の一つ御尽力を心から期待をいたしたいと思うのであります。なお国際放送、あるいは技術研究等の問題につきましては、国際放送の点については昨年のちょうど今ごろでございまするが、昭和三十年度の予算審議の際に、その予算の承認に当って当逓信委員会で付帯決議を付しておりまする問題であり、またさらには技術研究の問題にりきましても、すでに衆議院で三十一年産予算の通過に当って付帯決議がついておりますが、そういう点は申し上げるまでもない問題といたしまして、私はその面につきましても今日特にテレビジョンの異常発達か進行いたしておりますが、そういう面から放送技術の問題についても特別の今の時代的な要請ではないかと存じておりますので、こういう点につきましても格段の関係当事者の異常な一つ御研究、また御努力をこの際特に要望いたしまして、私の賛成討論にかえるものであります。  なおすでにお諮り、御相談を申し上げまして大体御了解をいただいておりまする付帯決議につきまして、私簡単に案文を御披露申し上げまして御賛成を得たいと存じますので、付帯決議の動議をここに加えて提出をいたしたいと思います。  付帯決議の内容を朗読いたします。  特にこの付帯決議の趣旨説明を省略いたしたいと思います。先ほど私の討論の中で申し上げました趣旨からも十分に御理解を願えると存じますので、省略をいたしまして、私の賛成討論並びに付帯決議の動議の提案趣旨の説明を終りたいと存じます。
  114. 松平勇雄

    ○委員長(松平勇雄君) 他に御発言ございませんか。……それでは討論は終局したものと認めて御異議ございませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  115. 松平勇雄

    ○委員長(松平勇雄君) 御異議ないと認めます。  それではこれより本件の採決を行います。放送法第三十七条第二項の規定に基き、国会の承認を求めるの件に承認を与えることに賛成の方の挙手を願います。   〔賛成者挙手〕
  116. 松平勇雄

    ○委員長(松平勇雄君) 全会一致と認めます。よって本件は全会一致をもって承認すべきものと決定いたしました。  次に先刻の討論中に述べられました久保君提出の付帯決議案を議題といたします。久保君提出の付帯決議案を本委員会の決議とすることに賛成の方の挙手を願います。   〔賛成者挙手〕
  117. 松平勇雄

    ○委員長(松平勇雄君) 全会一致と認めます。よって久保君提出の付帯決議案は、全会一致をもって本委員会の決議とすることに決定いたしました。  つきましてはただいまの付帯決議に対し、郵政大臣並びに放送協会会長からその所信を承わりたいと存じます。村上郵政大臣。
  118. 村上勇

    ○国務大臣(村上勇君) 大へん長期にわたりまして慎重な御審議をいただきまして、しかも全会一致をもってこの昭和三十一年度収支予算を御承認をいただきましたことは、まことにありがとうございます。ただいまの当委員会の付帯決議の趣旨には、あくまでもこれを尊重いたしまして、十分この趣旨にのっとって努力をいたしたいと思います。
  119. 古垣鉄郎

    ○参考人(古垣鉄郎君) 非常に重要案件が山積しておられます間に、委員の皆様には日本放送協会の予算等について慎重に、しかもすみやかに御審議をいただきまして、本日御承認をいただきましたことをありがたく御礼申し上げます。なお、付帯決議につきましては、誠心誠意御趣旨を体して、努力して参りたいと存じます。ありがとうございました。
  120. 松平勇雄

    ○委員長(松平勇雄君) それでは本院規則第百四条による本会議における委員長の報告の内容、第七十二条により議長に提出する報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  121. 松平勇雄

    ○委員長(松平勇雄君) 御異議ないと認め、さよう決定いたしました。  それから報告書には多数意見者の署名を附することになっておりますから、本件を承認することに賛成された方は順次御署名を願います。   多数意見者署名     野田 俊作  津島 壽一     三木 治朗  佐多 忠隆     柏木 庫治  永岡 光治     最上 英子  新谷寅三郎     瀧井治三郎  久保  等     宮田 重文  島津 忠彦
  122. 松平勇雄

    ○委員長(松平勇雄君) それでは本日はこれにて散会いたします。    午後五時十五分散会      ―――――・―――――