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1956-03-06 第24回国会 参議院 地方行政委員会 8号 公式Web版

  1. 昭和三十一年三月六日(火曜日)    午前十一時二十一分開会   ―――――――――――――   委員の異動 三月一日委員大倉精一君辞任につき、 その補欠として中田吉雄君を議長にお いて指名した。 三月三日委員中田吉雄君辞任につき、 その補欠として小笠原二三男君を議長 において指名した。   ―――――――――――――  出席者は左の通り。    委員長     松岡 平市君    理事            伊能 芳雄君            森下 政一君            小林 武治君    委員            笹森 順造君            佐野  廣君            田中 啓一君            堀  末治君            加瀬  完君            若木 勝藏君            岸  良一君            鈴木  一君   委員外議員            湯山  勇君   政府委員    自治政務次官  早川  崇君    自治庁行政部長 小林與三次君   事務局側    常任委員会専門    員       福永與一郎君   ―――――――――――――   本日の会議に付した案件 ○地方公務員法等の一部を改正する法  律案(内閣提出)   ―――――――――――――
  2. 松岡平市

    ○委員長(松岡平市君) これより委員会を開きます。  まず委員の異動について御報告申し上げます。三月一日付、大倉精一君が辞任せられまして、新たに中田吉雄君が委員に任命せられました。三月三日付、委員中田吉雄君は辞任せられまして、新たに小笠原二三男君が委員に任命せられました。
  3. 松岡平市

    ○委員長(松岡平市君) 本日は、まず地方公務員法等の一部を改正する法律案を議題に供します。本案につきまして、議員湯山勇君から委員外議員として質疑を行いたい旨の申し出がございました。この際、湯山君の発言を許可することに御異議ございませんか。
  4. 若木勝藏

    ○若木勝藏君 ちょっと。委員外議員の発言というのは、委員の質問が全部終了したということを意味しておらないわけでございますね。
  5. 松岡平市

    ○委員長(松岡平市君) そういうことではございません。御異議ないと認めて、さよう取り計らいます。
  6. 湯山勇

    ○委員外議員(湯山勇君) 前回、連合審査会におきましていろいろお尋ね申し上げたのでございますけれども、時間その他の関係がありまして、なおお尋ね申し上げなければならないと思われる点が数点ございますので、この際、お許しをいただきましてお尋ね申し上げたいと思います。  その第一点は、職員組合と、この停年制との関係についてでございます。先般もお尋ねいたしたのでございますけれども、職員組合というのは、教職員の場合は各市町村ごとに結成されております。そこで、条例によって停年制がしかれた場合には、それらの職員組合は個々に知事に交渉しなければならない場合ができてくる。すなわち、一般市町村職員の停年制は市町村の条例をもってきめられますから、たとえば、AならAという市におきましては、六十才停年というのを採用したといたします。その場合において、県の条例によって五十五才という停年がしかれた場合には、同じAという市において、市の公務員と市の教職員との間には、同じ市の地方公務員でありながら差異が生じてくる。そういう場合があり得ると思います。そういう場合には、その市町村の職員と教職員の停年が一致する場合は別といたしまして、そうでない場合は、それらの市町村の職員である教職員は、その点に関しては一々知事と折衝しなければならない、こういう事態になると思うのですが、そういう事態をお認めになるかどうか。あるいは、そういう事態が起ることははなはだ不合理だというようにお考えになるか。これは法の建前というのではなくて、実際問題として、この点に対する御見解をお伺い申し上げたいと思います。
  7. 早川崇

    政府委員(早川崇君) ただいまの御質問にお答えいたします。市町村単位の職員組合ではございますが、連合体といたしまして、県当局とすべての折衝がなされております。また給与におきましても、市町村の吏員と教員の違いというものは、そういうところから出てきておりますので、停年制の実施に関しましても、府県で一律に停年制というものを県の条例で定めるということを私の方では期待しているわけであります。
  8. 湯山勇

    ○委員外議員(湯山勇君) ただいまの次官の御答弁によりますと、それでは、たとえばある市は、市の職員の停年制は六十才で、教育公務員の場合は同じ市の教員でありながら、五十五才とか五十才とか、そういう差ができてくることを当然だとお考えになっておられるのかどうか。
  9. 早川崇

    政府委員(早川崇君) 理論的には、ただいま申されましたように、教職員でも市とか町村ということで差別が出てくるという可能性はありますが、いろいろ給与その他重要な問題は全部県において統一的に交渉し連合体として実施しておりますので、停年制に関しましても、県一本で行く姿が望ましい。またおそらく県もそういうふうに実施するのではないか。ただ、町村においで、Aという所とBという所で停年制をしく場合に、若干年令に差ができるという問題に関しましては、実施上の問題でございますので、われわれといたしましては県一本という姿で条例で定めるということになるであろうと思っております。なお、部長からもお答えいたします。
  10. 小林與三次

    政府委員(小林與三次君) 今政務次官からお答えがありました通り、教員の身分は結局市町村にありますが、それで、市町村単位で停年制を作った方がいいのか、教員というのは、むしろ全県下非常な特殊な身分、それから給与権が県にあり、県の給与条例その他県で定めているから、県一本で作った方がいいのか、こういう問題は問題の分れ目でございまして、結局事教員につきましては府県で一緒にやった方がよかろうということになりまして、県の条例で作るという建前になったわけでございます。それでありますから、現実に個々の市町村におきまして停年制を作る場合もあるし、作らぬ場合もあるし、作ったとしても年令をどうするかという問題がまたあり得ますので、県の条例と実質上の中身に食い違いが理屈の上じゃ当然あり得るところであります。しかしながら、事教員につきましては、むしろ府県一本という建前を貫くべき問題であるという前提に立っておりますから、そういう場合がかりにありましても、これはむろんやむを得ない。それぞれの市町村の条例に自主的に停年制の採用をまかしておる以上は、これはやむを得ないと言わざるを得ないと思います。
  11. 湯山勇

    ○委員外議員(湯山勇君) ただいまの御答弁によりまして、今御質問申し上げた点にいろいろ問題があるというととはお認めになられたと思います。そこで重ねてその点に関連してお尋ね申し上げたいのは、同じ県内と申しましても、県で僻地給を支給しておる所もありますし、いろいろ県内の職員給与は単純に一本になっていないことは御承知の通りでございます。そこで、県が条例をもって停年制を定める場合に、その条例は、たとえばA市においては何才、何郡の何村においては何才というように、現在地域給をきめておるような格好で県内の停年制に区別をつけ条例をきめることができるかどうか、その点についてはどういうふうに解釈しておられるか、承わりたいと思います。
  12. 小林與三次

    政府委員(小林與三次君) これは、教員につきましては、わざわざ県一本でやるという意味は、そもそも停年制を採用するとすれば、全県下教員一様に考えて作るべし、こういう前提に立っておるわけでございまして、各町村ごとに、あの町村に行けばいくつになるというような扱いをすべきものじゃないと思っております。給与の問題は、これはもうそれぞれの勤務地の実情に応じて給与の実態に必要があって差等を設け得るということは十分これは考え得るし、現在でも勤務地手当の制度があるわけであります。この問題と停年の問題とは私は全然切り離して考えるべき問題だと考えております。
  13. 湯山勇

    ○委員外議員(湯山勇君) そこで、今給与については県内におきましても、それぞれの地域の特殊性を認めなくちゃならないということの御表明があったし、またそれは当然だということであったわけですが、そうだとすれば、当然停年の問題にいたしましても、必ずしも給与と不可分の関係にあるとは考えられません。まあことにその地域によりましては教員の確保が非常にむずかしいと、あるいはその学校へ赴任することを非常にいやがっておるというような要素があるために、特に僻地手当であるとか、特殊勤務手当とか、いろいろ名目はありますけれども、その内容とするところは、一つはそういうところで勤務する人の精神的な慰労と、いま一つはそういうところで生活する人の物質的な何といいますか、補給と、そういう意味を含めての給与がきめられておりますので、今もしそういうところにいても、どこにいても一律に停年制をしくということになれば、僻地等におきましては教職員の確保が非常に困難になってくるという事実もできてくると思いますので、そういう点につきましては、停年制を定めるときに、この地域は例外であるというようなこと、そういう必要も生じてくるのではないかと思います。もし、県がそのような判断をして地域的な、つまり県内一本ではなくて、二本建、三本建のそういう停年制を定めた場合には、それについては自治庁としてはどういうような態度をおとりになるか、それを承わりたいと思います。
  14. 松岡平市

    ○委員長(松岡平市君) ちょっと速記をとめて。   〔速記中止〕
  15. 松岡平市

    ○委員長(松岡平市君) 速記をつけて。
  16. 小林與三次

    政府委員(小林與三次君) 重ねてのお尋ねでございますが、私はこれは停年制の問題はわざわざ県一本で教員についてやるという前提をとっておりますことは、この問題をとる以上は県が一本にやるべきでありまして、それは教員という身分とか、職というものの性質からきまして、またあるいは教員の人事交流の面から考えましても当然そうすべきもんだと思うのであります。ただ、個々のそれに対する給与の問題は、僻地とか市街地とかいろいろ実情が違いますので、実情に応じて給与はそれぞれの処遇をするということは当然に考えていい問題で、現在考えられております。そこで、問題は、そうすれば、僻地においては職員の確保ができぬじゃないかという問題だろうと思いますが、そこは職員人事、運用、交流の問題でございまして、僻地におきましてもやはり新陳代謝の必要が当然にあるわけでありまして、場合によってはそういうことこそ若い有為な人が行って、大いに働いてもらわなくちゃいかぬ面も当然にあるわけでございまして、条例の趣旨、精神からいって、そういうものは地域的に区別をつけるものではないと、こういうふうに考えております。
  17. 湯山勇

    ○委員外議員(湯山勇君) 重ねて今の点についてお尋ねいたしますが、もし県がそういう条例をきめた場合にどうなるか。実際問題としてそういう条例を作る場合にそれはどういうことになるかということが一点。  それからただいまの御答弁の中に僻地においても新陳代謝が必要だというお話がありましたが、これは僻地の実態を御存じない御意見だと思います。私は先般、山形、秋田、こういうところを調査に参ったのですけれども、その土地の父兄の意見は、とにかく僻地へは若い先生がおざなりにやってくると、そして、これは一ぺんこういうところで勤めなければ便利なところへは出してもらえないというので、せいぜい二年か三年すれば、もうみんなかわっていく。腰かけのような状態になっている。しかし、まあいろいろ特殊の地域においてはそとでもう何十年も居ついて、親も子もそういう先生に教えてもらっているというので、ほんとうに僻地に腰を据えてやってくれている先生もまれにはある。僻地教育というようなものは、やはりもっと落ちついてやってもらわなければ、ほんとうのことはわからないので、今、部長がおっしゃるように、どんどん、どんどんかわられたのでは困ると、実際にはそういう意見が大部分でもあるし、今申しましたような要望を持っているわけです。そういう点で私はお尋ねしておるので、きめた場合に一体どういう措置をおとりになるか、その点をお伺いしたいと思います。
  18. 小林與三次

    政府委員(小林與三次君) これはそもそも条例を作ったならば、それについて自治庁がどう言えるかと、こういう問題で、条例の趣旨から申しまして、私はそう地域的にとやこうすべき問題じゃないと考えておりますが、かりに条例を作ってしまったら、自治庁は文句を言えるか、いわばこういうことになろうかと思います。それで、条例は自治団体が自主的に作りまして、かりに違法の条例を作っても、自治庁として当然にまあ監督権がありませんから、それぞれの事実上の助言なり、勧告なりをでき得るだけでありまして、直ちにこの条例が無効だとか、違法だとかいうようなことは、われわれとしては言いにくい事態になっております。ただ、今お話のような、ほんとうに僻地で人がもう得がたい、この人をはずしては得がたいというような事態が現実にあれば、これは私は今までもお話しましたこともあると思いますが、いわゆる余人をもってかえがたい人として、ほかに人が得がたいということになれば、条例の運用上、そういう場合は十分救済でき得ると思うのであります。ただ、ある地域全部限って、これは何才だ、これは何才だということは必ずしも適当じゃないと思いますが、それは個々の人を基礎にしてどうしても運用がつかぬという場合ならば、十分に運用できる可能性があろうと思っております。
  19. 湯山勇

    ○委員外議員(湯山勇君) 今のは運用がつく、つかないという御答弁ですが、それならばそれでいいんですけれども、運用がつく、つかないじゃなくて、そうすることが望ましいというケースを私は申し上げたつもりです。これはおわかりいただいたと思いますから、今度はその裏側の、逆の場合をお尋ねいたしたいのです。それは、今申しましたように、市町村と県一本の条例できめられる教職員の停年の年令が違った場合には、おそらく、各市町村の教職員団体は、そのことに関して、知事に交渉を始めなければならないと思います。そうすると、知事としては、その交渉に応じなければならない。これも法によってきめられておりますから、交渉に応じると思います。これが全県下たくさんの市町村から、かわるがわるそういう交渉がなされた場合には、これは知事としても音を上げるのではないかということが考えられますが、そういう点についての御検討をなさっておられるかどうか伺いたいと思います。
  20. 小林與三次

    政府委員(小林與三次君) 今のお尋ねでございますが、これは県と、個々の市町村の職員とが交渉する場合は、県単位の連合組織を通じて交渉をする建前になっております。これは現在、教育公務員特例法で、そういう連合組織をわさわざ作ることを認めてありますのは、現在市町村は、教員は一応市町村の身分であるが、給与その他の条例等は県で作ることになっておりますから、そういう場合には職員の一種の交渉組織というものを認めなくちゃいかぬというので、連合組織を作ってあるわけであります。それでありますから、当然これは連合組織の名において交渉さるべきものでございまして、あとは連合組織と、個々のそれぞれの市町村の職員団体との内部の調整の問題、こういうふうに考えております。
  21. 湯山勇

    ○委員外議員(湯山勇君) その点がちょっと違うので、県の連合体として交渉することができることはできますけれども、今申し上げましたように、県の連合体一本で全部の地域についての交渉でなくて、Aの市、Bの町、Cの村というようにそれぞれ内容が違ってきております。今のようなきめ方をした場合には、本法の通りやったという場合には、これは県一本で取り上げる性質のものでもなく、当然個々の職員団体がこの条例の制定者との間に交渉しなければ、この問題の解決はできない。そこで当然基本的な、その法の、してもよいというのじゃなくて、当然それぞれの市町村の職員団体交渉に当るということでなければ、これはなかなか解決いたしません。そうすると私が先ほど申し上げたようなケースが出てくると思うんですが、そういう考えは間違いでしょうか。
  22. 小林與三次

    政府委員(小林與三次君) これは職員団体というものの性質から申しまして、私はそういうものこそ県と交渉するなら県の連合組織でやるべきでありまして、連合組織でそれぞれの職員の地域的な立場を考えて、職員団体としての意見をまとめて、一体として交渉するのが当然のあり方だと思うのであります。それは給与の問題にしましても、勤務地手当などは地域によりそれぞれ違うのでありますから、地元のそれぞれの職員がばらばらにやっては、こういう交渉の性質からいって適当じゃないのでありまして、職員全体の立場から、それぞれ地域的に必要があれば交渉をするのがよし、今の停年制の問題でも、かりにそういう場合があれば、そういう形で交渉するのがこれは当然でもありますし、現在の法律の建前もそうなっておると思います。
  23. 湯山勇

    ○委員外議員(湯山勇君) それでは違うので、現在だって、僻地給なり地域給なりの陳情、請願がどういう形でなされているかは、これは部長もよく御存じのはずです。地域給だって県一本でやっているかというと、決してそうではありません。それぞれの町、村、市が全部国会へ向けて陳情、請願しておりましょう。この事実はこれは目をつぶるわけにはいかないと思います。そこで国においてさえもそういう事実があるわけですから、今おっしゃったように、単にそういうことができるとかいうようなことじゃなくて、自分の身に振りかかっておるそういう問題は、当然自分で取り上げてやることになると思います。各府県の僻地給の問題等においても、部長もそういうのは現在県一本で取り上げてやっておるとおっしゃいますけれども、取り上げるまでの段階におきましては、全部それぞれの地元がやっております。そうなってくれば、今部長がおっしゃったこととは大へん違った要素がそこに出て参っておるので、当然それぞれの市町村の職員団体が行動しなければならないということになってくると思うのですが、そういうことはお認めになれないでしょうか。
  24. 小林與三次

    政府委員(小林與三次君) 私が申しましたのは、それぞれの職員が個別的に陳情したり、請願したりするのは、これはもちろん自由でございますから、たとえば勤務地手当の問題で各市町村がばらばらにやっておることをよく承知いたしております。  それからかりに県の条例で定めたり、あるいはその条例の執行上いろんな問題があった場合に、かりにばらばらに陳情したり、請願したりすることも、もちろんこれは自主性の問題で一向に差しつかえないと存じております。ただ申し上げましたのは、地方公務員法なり、教育公務員特例法なりで認められておる職員団体として、法律上の交渉をやる単位というものはどういうものであるべきか、こういうことになれば、これは県単位の問題ならば県の連合組織でやるべきものとして考えております。またそうするのが職員団体交渉というものの性質上当然じゃないだろうか、こういうふうに申し上げたのでございます。
  25. 松岡平市

    ○委員長(松岡平市君) 湯山君の質疑を続けられる前に一言御注意申し上げますが、大体委員外議員の御発言としては午前中で終っていただきたいと考えておりますので、その心組みで要点を御質疑をお願いしたいと思います。
  26. 湯山勇

    ○委員外議員(湯山勇君) 今も部長もおっしゃいましたように、それぞれの市町村が交渉するという場合も当然考えられると、ただ部長がおっしゃったのは、事実をそう言ったのでなくて、法の建前だけを言ったのだということとして、それで私は了承することにいたしますが、ただそういう事実問題が起れば、そのために知事は非常に時間をとられ、そのためのエネルギーを消費しなければならない、この条例をきめることが、非常にそういう意味合いからの混乱を大きくしておるということも、十分御考慮願わなければならないと思います。この点については御答弁は要りません。  次にお尋ねいたしたいのは、この前に待命につきましていろいろ御説明がありました。私はどうもいろいろな場合を考えてみたのですけれども、教職員が待命になるというケースは、今の段階では考えられないのですけれども、具体的にどういう場合か、一つ部長の方から御説明を願いたいと思います。
  27. 小林與三次

    政府委員(小林與三次君) 教職員につきましては、今湯山委員がおっしゃいました通り、私は通常の場合、少くとも現在を基礎にして考えますれば、あまり考えられぬと思います。と申しますのは、この臨時待命の制度は、定数の減とか、予算の減、あるいは職制の改廃で現実に定員を減らす場合を前提にいたしておるわけでございまして、小、中学校はむしろ教員の増という問題が現実の問題でございますから、そういう府県ではこれは問題にならない、何かの必要が生じて減員でもせんならぬ場合にだけこの問題が起り得る、こういうわけでございます。
  28. 湯山勇

    ○委員外議員(湯山勇君) ただいまの部長の御答弁にもありましたように、現在そういうものは具体的なものとしては考えられない、しかし市町村、県庁職員等の場合は、あるいは具体的なものが考えられると思います。で、こういうきわめて動揺を招くような、しかし将来もまたこういうことが適用されるかどうかわからないというようなものを、特にこの際ここへ入れなければならないという理由は、どこにあるのでしょうか。
  29. 小林與三次

    政府委員(小林與三次君) これは臨時待命の問題は、市町村公務員一般、府県公務員一般を考えておるのでございまして、警察官も入れば教員も入る、一般職員も入るというわけでございまして、それぞれの職員につきまして、今申しましたように職制なり定数の改廃をやらなくちゃならぬ場合に、どういう形でこの整理をやるかというと、この規定がかりになければ、現行法によりまして当然すぱっと、いわば退職を命じ得ることになっておるのでありますが、それでは本人のためにも適当でもないし、法の運用上も適切を欠くからというので、事柄を円滑に運ぶためにこの道を開いたわけであります。でありますから今おっしゃいましたのは、教員だけはあれからはずしたらどうだ、警察官だけはあれからはずしたらどうだろうかというお気持だろうと思いますが、これは個々の団体の現実の必要の問題でございまして、一般的にはそれにつきましてはそういうことは普通ありませんけれども、しかし個々の団体によっては、現に定数を縮減しようとしておる団体もこれは絶無でもないわけでありますし、また今後考えられぬわけでもありませんので、制度としては一般的の制度として確立しておく必要がある、あとはそれぞれの定数なり、予算の組み方の問題として考えていくべきものだと存じております。
  30. 湯山勇

    ○委員外議員(湯山勇君) ただいまの御説明と前回の御答弁とをあわせて判断できることは、これはどちらかといえば、停年制に伴う保護措置だ、こういう見方であって、これがなければすぱっと切られるのを、こういうふうにしておけば幾らかは緩和できるのではないか、そういう措置だから、現在直ちに教職員に適用する具体的な例がないにしても、置いておくだけは置いておいた方が、将来何かのときに役に立つのではないかというような御趣旨だと思います。そうだとすれば現在適用される具体的な事実を持っていないものにあえてこういうものを作って、しかもこれは特に付則におきましては、県の条例で定めるというように特に取り出してある、こういうことは全くこれは空文のようなものであって、こういうことをしたところにも地方公務員と教職員とを一律に扱うということの矛盾があると思います。これはしかしもう御答弁を要しないと思いますから、その点の御確認だけ願っておきたいと思います。  それからその次にお尋ねいたしたいことは、これは特に政務次官の方に御答弁願いたいのですが、先ほど部長の御答弁の中にも停年制を県一本にしたということは、教員の特殊な身分、あるいは職務の特殊性を認めて県一本にしたのだという御答弁がありました。それからただいまの臨時待命制度の御説明の中にも、教員の場合は現在適用される具体的なものはないという御答弁もありました。それから先日の私がいろいろお尋ねした中にも、いろいろ教職員の特別な扱い方、特別な身分に関する御答弁が多々あったわけでございます。そういうことから考えてみますと、この第二十八条の第八項、「職員の職の特殊性並びに」云々とある。この特殊性というのはいろいろな点から考えまして、教職員というのは大体この特殊性を持った職だという判定ができるのではないかと思いますが、次官はどうお考えになられますでしょうか。
  31. 早川崇

    政府委員(早川崇君) ただいまの御質問に対してお答えをいたします。この中の停年制を定めるに当って職の特殊性という意味は、停年制というものをしかないという職種があるという意味ではございません。というわけは、教員も停年制をしき得るという範疇に入るわけでございます。ただ職員の中にはいろいろ特殊な職種もございますし、また先ほど部長との御問答の中にどうしてもこの人はというような場合は、運用の面で自治体が考えることも何ら差しつかえないと思います。従ってこの特殊性という意味は、そういう意味の特殊性でございまして、教育が停年制のらち外に入るべきものだという特殊性ではございませんので、その点を誤解のないようにしていただきたいと、かように思うわけでございます。
  32. 湯山勇

    ○委員外議員(湯山勇君) そういうふうに私はお尋ねしておるのではなくて、この第八項の意味は、この特殊性その他を考慮してこの制度を実施するに至っては適当に考慮をしなければならないというその考慮の対象になるのかならないのか、こういうことをお尋ねしておるわけですから、停年制なら停年制をしく場合においても、なおこの点についてはいろいろ考慮しなければならないというそういう対象に該当するのかしないのか、するとお考えになっておるかどうか、こういうことのお尋ねでございます。
  33. 早川崇

    政府委員(早川崇君) 私の見解からするならば、教育者と一般の一般職とはおのずからそこに職種が違います。また教育者の中で盲ろうあ学校職員と一般の教育君との差がやはりございまして、そういう意味で一律に全部一つの停年制のしかも年令で縛れという意味ではございません。そういう意味の特殊性を尊重する、とこういうことだと私は考えます。
  34. 湯山勇

    ○委員外議員(湯山勇君) そこでこれは長官がお見えになってお尋ねしようと思っておったのですが、次官もたまたま今盲ろうというようなことをおっしゃいました。この前文部大臣がこの特殊性についての見解を述べました。その特殊性の対象と、いつの間にか自治庁長官の答弁と若干の食い違いができております。文部大臣は校長、教職員それから特殊学校というようなことを項目としてはあげております。それはちょうど昨日、前回の委員会の会議録が参りましたので、よく調べてみますと、ちゃんと文部大臣は、校長と教員それから盲ろうというように列挙しております。自治庁長官は文部大臣の見解の通りだという御答弁になっておりましたが、その後の御答弁では盲ろうばかりのような意味にとれるような御答弁をしております。今、次官がおっしゃったのは、前回文部大臣が言われた通りの意味での範囲をお考えになっておるのかどうか、その点を一つ今度は次官のお考えをお伺いしたいと思います。
  35. 早川崇

    政府委員(早川崇君) それは盲ろうあ学校の教員と一般の教員というだけに限るという意味ではむろんないのであります。ただ私は先ほど湯山議員のお話の中で、僻地の人は停年をもっと上げなければならぬということは、実は私は承服できなかったのです。若い教員が僻地の場合意ら僻地手当というものをもらわなければ行けないと、これはわかりますが、停年で、老人でなければ僻地へ行かないというそういう教員は、私は教育者として決して尊敬できないので、むしろ老人が僻地へ行くような、そういう地域的な停年制の差をつけるということなんですが、私はプリンシプルから申しまして賛成できませんが、そうではなくして、その個人々々の人が、どうしても僻地の人でその先生でなければというような一般の生徒と教育者としての強い希望があるならば、これは運用上考えてしかるべきでございますけれども、僻地には、片っ方の教育者は六十か六十五にするという考え方は教育上も悪影響を与えるので賛成いたしません。しかし地方自治体の長がこの停年をきめるに当りまして、校長一般職員の停年の差を分けるとか、あるいは盲ろうあ学校とかそういう特殊な教育者と一般の教育者との年令の差を分けるとか、これは私は地方の知事なり、あるいは県会がいわゆる自主的な判断をして、そこに私は自治の妙味があろうかと思いますので、われわれとしてはそういう意味の特殊性を考慮するということはけっこうだと、かように考えておるわけでございます。ただここで、教員は停年外の特殊な地位だから停年をきめろ範囲外だということはもちろんないのですね、そういう点はそういう意味ではないということをはっきり御了承をいただきたいと思うわけであります。
  36. 湯山勇

    ○委員外議員(湯山勇君) 次官は何か、私の言い方が悪いかもしれませんけれども、誤解をしておられるようですから、一言釈明をしたいと思います。私が申したのは、僻地には年寄りでなければ行かないとか、僻地は年寄りを希望しておるとかいうことを申し上げたのではなくして、次官があとから指摘された点を言っておったわけです。今日の段階では僻地には若い人は腰かけのようにしか考えない、もっと落ちついてやってもらいたい。  それからもう一つは、僻地にはずっと長い間腰を据えて、親、子と続いて教えておるような人もある。こういう人を一律に停年で切ってしまうということはいかがかと思うということを申し上げたのであって、僻地へは年寄りの先生が来てくれというようなことを申し上げてないわけですから、その点は一つ誤解のないように願いたいと思います。  それから今次官がおっしゃった中で、文部大臣の答弁をそのまま申し上げますと、こう言っておるのです。「校長、教員については他の一般職員と区別して停年制を考慮し得るという趣旨でございます。それからして、この本文にも考慮することができると書いてあるのです。むろん言葉の感覚には幾らか相違はありましょうけれども、校長、教員、それからまた学校のうちにはいろいろな職があるのですね。実業学校もありまするし、めくら、おしの方の学校もありまするし、そういう人については特殊の考慮をなし得るということは以前聞きましたし、この法律もありまするので、そう私は気にとめておらぬのでございます」こういうふうに御答弁になって、自治庁長官も文部大臣の見解の通りだ、こう答弁しておるのですから、次官もこの通りだというのか、それとも今の御答弁では少し違うようにも思いまするから、明確に一つ御見解を伺いたいと思うわけです。
  37. 早川崇

    政府委員(早川崇君) 大臣の御答弁とむろん差異はございません。この点は誤解のないように。
  38. 湯山勇

    ○委員外議員(湯山勇君) 次官の御見解も、文部大臣、自治庁長官の御見解と同じであるということを承わりましたので、それで安心をいたしました。  それから次に、これはこれとの関連においてお尋ねしたいのですけれども、今三十一年度の児童生徒数の増に対して、自治庁の方でも七千幾らかの教職員の増を見込んでおられるいうことを承わっておりますが、一体小学校で何名、中学校で何名、そういうデータがおありでしたら示し願いたいと思います。今お持ちでないでしょうか。
  39. 小林與三次

    政府委員(小林與三次君) 今ちょっと持ち合せておりませんので、あとから。
  40. 湯山勇

    ○委員外議員(湯山勇君) それではその点はお尋ねする資料としていただきたいのですけれども、おありにならないようですから、別な点についてお尋ねいたしたいと思います。  それはこれに「職の特殊性」ということがありますが、これは個人について言われることか、その職について言われることか。たとえば県庁なら県庁に勤めている医官とか、あるいは学校の養護訓導なら養護訓導とか、校長とか、そういう職について言われることなのか、あるいはこの人とこの人はこうしなくちゃならない、同じ職員であっても、この人については特別に考慮しなければならないという意味なのか。「職の特殊性」ということの内容が明確でないので、この点についてはどういうふうにお考えになっておられるか。先ほどの次官の御答弁では、職というよりも、僻地の先生なんかで、特に長年やっている人についてはその個人について、というふうにもとれたわけです。そういう場合に果してこの法律に示したような「職の特殊性」ということになるのか、ならないのか。この点にも疑問がありますので、その点についてはどういう御見解ですか、お伺いいたしたいと思います。
  41. 早川崇

    政府委員(早川崇君) この法律の意味の「職の特殊性」というのは、むろん個人の優劣という意味ではございません。たとえば盲ろうあ学校の先生とか、あるいはこれはどういう特殊性になるか、これは自治序の判断ですが、校長とか、たとえば一般職公務員の場合には小使いさんとか、まあいろいろそういう職業の特殊な事情で停年を早くする、たとえば国家においては自衛隊が非常に若く停年でやめなければならぬというような相違が出ておる意味の特殊性でございまして、個人的な一般の住民が、これでなければというようなものは、これは自治体の運営上そういうことも考慮する。法律に例外はないということはないのでありまするから、そこは私は自治の運営の妙味だと思っております。従ってこの法律における特殊性という意味は、前者の意味でございますから誤解のないようにお願いいたします。
  42. 湯山勇

    ○委員外議員(湯山勇君) それでは後者の場合は、法の運用によって当然考えられなければならない点だと次官は御判断になっておられるわけでしょうか、重ねてお伺いいたします。
  43. 早川崇

    政府委員(早川崇君) むろん運用も条例なり法律なりというものをはずれてはございませんので、たとえば余人をもってかえがたい人というようなケースが条例でもし挿入された場合には、そういうものも停年が、たとえば一般には六十なり五十五なり五十ときめておる場合にも考慮し得る余地を条例で開くということはわれわれは反対ではありません。そういうことは各自治体において条例を作る場合にあり得ることであろうかと思っております。
  44. 湯山勇

    ○委員外議員(湯山勇君) 次官は消極的に反対ではないということでしたが、そういう道は当然開かれなくてはならないとはお考えにならないでしょうか。
  45. 松岡平市

    ○委員長(松岡平市君) ちょっと私から申し上げますが、その問題については、当委員会において小林委員から強くそういうものがなければならぬという要望が出ておりますので、質問者並びに答弁者の両方ともその委員会の経過を御存じないと思いますが、委員外でございますので、その点は両者に御注意申し上げておきます。
  46. 早川崇

    政府委員(早川崇君) 私はむろん大臣もその御意見だと思っておりますが、今度の停年制は別に首切りという意味でもございませんので、全体的に教育なり行政が能率的に、しかもよき教育、よき行政ができるという停年制という大目的でございますので、そういう余人をもってかえがたい人がある場合には例外を設けるという規定を条例でもって挿入するという場合はむろん自治庁はこれに反対する意向はございません。
  47. 湯山勇

    ○委員外議員(湯山勇君) 最後にお尋ねいたしたいのは、ただいまの「職の特殊性」の認定でございます。御承知の通り教職員の任免権者は教育委員会になっております。そこで今私がお尋ねし、委員長からああいう御発言がありましたような点を含めて「職の特殊性」あるいは運用面においてなされるただいまのような考慮、そういうことは教職員の場合は任免権者である教育委員会がするのか、条例制定者である知事がするのか、この点は非常に問題になる点だと思いますので、次官の御見解を伺いたいと思います。
  48. 早川崇

    政府委員(早川崇君) もちろんその職種の認定は任免権者である教育委員会が考慮すべき問題でございますが、それを参考にして市町村の議会において条例を制定する、こういう二段がまえになろうかと思います。
  49. 湯山勇

    ○委員外議員(湯山勇君) 私は教職員の場合をお尋ねしておるわけですから……。そういたしますと実際にこういう職の特殊性その他の認定は、これは権限としては任免権者である教育委員会にあると思います。そこで知事側の方の判断と、委員会の判断が食い違った場合には、当然教育委員会の判断が優先すると思いますが、その点についてはどうお考えになられますか。
  50. 小林與三次

    政府委員(小林與三次君) これはまず第一は条例のきめ方が根本であろうと思います。それで、条例にそういう特殊な扱いを考えるような場合には、当然に条例にその趣旨を明らかにすることにまずなろうと思います。そういう場合は、当然に条例は教員については県の教育委員会に十分話し合いをつけて御制定になることと存じております。  それから今度なお条例の運用上の問題になってくるわけでございますが、運用上の問題になってくれば、この条例施行の、教員につきましては責任者はこれはもちろん教育委員会ですから、教育委員会の判断が究極の判断になる。その運用について問題があれば、人事委員会の組織もありますから、そちらで調整するということはあると思います。
  51. 湯山勇

    ○委員外議員(湯山勇君) 今の部長の御答弁は非常にあいまいだと思うのですが、しかしそれを今追及する余裕がありませんから、今の御答弁をそのまま認めるとしても、もうこの法律をきめるときからそういった混乱と申しますか、問題点が予想されます。ことに今日全国の都道府県教育委員会で、教員の停年制に賛成しておる教育委員会は一つもありません。これは私は断言できます。先般の都道府県教育委員会の集まりのところでも、教員に停年制をしいてもらっては困るということを申しております。そこでそういうことから考えますと、今部長は簡単に話し合いでできるだろう、それで問題が起れば人事委員会もあることだからというお話ですけれども、当初からこの混乱は予想されるところでございまして、任免権者の権限、それから条例の提案者の権限、そういったものの混乱がこのことについて非常に大きな将来問題になるということは十分御理解願いたいと思います。そして私は長官がお見えになりませんから、それと、時間も委員長からお許しいただいた午前中が終りましたので、ぜひ委員長初め委員の皆さん方にお願い申し上げたいと思いますが、それは、質問の過程において明らかになりましたように、教職員に対して停年制をしいたことは、日本始まって以来今回が――もしこれが実施されれば初めてでございます。前例のないやり方であるということが一点。第二点は、国家公務員義務教育職員、これを比べますと、年令構成が明らかに国家公務員の方が高い。にもかかわらずその国家公務員を除外して、地方公務員だけにこのことをやらなければならないという理由はどうしても見当りません。これが第二点。次には地域の制定にいたしましても、あるいは先ほどお尋ね申し上げました待命の問題にいたしましても、非常に教職員は特殊なケースにある。そういう特殊性を認めて県一本でやるということも御答弁になっておられるし、それからまた待命制等につきましては、現在適用するケースはないのだけれども、将来に備えて一応作っておくのだというようは点、これらの点は非常に特殊性に立った御答弁であったと思います。そういう点を考え、さらにまた教育という職が持つ職能の特殊性を考えましたときに、この教職員に停年制を実施するということはきわめて重要な、あるいは重大な問題だと思いますので、私はこれはぜひ、教職員をこの中に含めてこういう措置をすることに対しまして、どうか皆さん方の御良識によって適切なこれが是正の措置をお取り下さいますようにお願い申し上げまして、質問を終ることにいたします。
  52. 小林武治

    小林武治君 なお二、三点お尋ねしておきたいのでありますが、先ほどからお話があるように、停年制というものを施行することはなかなか重要な問題であると思いますが、これを実施する場合に、条例等において多少の猶予期間を置く、あるいは置けというふうなことについては何かお考えがありますか。
  53. 小林與三次

    政府委員(小林與三次君) これは私は当然に考えるべきことだと存じております。法律が出たとたんに条例をすぽっとやって直ちにやれば、今まで停年制を予想せずに今その年令にある人がいるわけでございますから、その条例の制定につきましては、当然に現在いる者につきましてはある程度時間的のゆとりがあるように考えさせるべきものだと思っております。
  54. 小林武治

    小林武治君 その考えさせるべきだということはどういう手段をおとりになりますか。
  55. 小林與三次

    政府委員(小林與三次君) これは今までもいろいろお話もありましたが、どうせ条例を作れば条例の準則というか、ひな型のような型も自治庁で考えなければなるまいかと存じております。具体的の数字をどう入れるというようなことはもちろん団体にまかせますが、一応の考え方を示しまして、そうして今申しました施行期限につきましてもそういう点を考慮するようなことを考えあわせて措置いたしたいと考えております。
  56. 小林武治

    小林武治君 今の猶予期間について何か具体的なお考えがありますか。
  57. 小林與三次

    政府委員(小林與三次君) 実は今のところすぐ何ヵ月とか半年とかいうことも考えておりませんが、これはなお検討いたしたいと思います。それからもう一つ、猶予期間とともに考えなくちゃならぬのは、やはり退職金の問題もありまして、最初すぽっとくる場合と、あらかじめ皆準備の心組みがあってその年令に達する場合と違いますので、最初の場合には退職金の扱いにつきましても特別の措置を考えるべきものだと存じております。そういう点もまだ具体的には考えておりませんが、そういう方向でわれわれといたしましても慎重を期したいと存じております。
  58. 小林武治

    小林武治君 今のようなことは事前にこの委員会にお諮りになる、あるいはお示しになることはありますか。
  59. 小林與三次

    政府委員(小林與三次君) もしわれわれの方で成案ができますればあらかじめ御連絡申し上げたいと思います。
  60. 小林武治

    小林武治君 先ほど特殊な職種については年令について多少のしんしゃくが必要である、これは法律に書いてありますが、この特別な職種というものにつきましてはいろいろありましょうが、私どもが一番気にかかるのは、たとえば官庁の小使、あるいは監視員あるいは東京都における清掃の人夫と申しますか、清掃夫と申しますか、あるいは道路工手と申しますか、こういうふうな方々は当然一般吏員よりか相当高年令であっても差しつかえないのじゃないか、こういうふうに思いますが、今の特殊の職種というものにつきまして、大体の種類を自治庁としてお示しになるというようなことはありますか。
  61. 小林與三次

    政府委員(小林與三次君) それは今申されましたやはり守衛とか小便というようなものは、当然に自治体の人事の実際の運用から考えましても考慮しなければならぬ問題だろうと思いまして、大体その通牒を出すような場合には、特殊な職としてはこういうふうなものが考えられるというような意味のひな型としてもまつ先に例示に上げるべき問題だろうと思つております。そういう点ももう少し検討いたしまして、例示できる範囲のものは例示いたしたいと存じております。
  62. 小林武治

    小林武治君 なお、現在の過渡的な現象として、長い間兵役にとられた、あるいは外地勤務をしておった、こういうことのために恩給年限が非常に足りない、こういうものがここ当分の間相当数出てきておるかと思うのでありますが、そういうものについては何らかのしんしゃくを加える必要がある、こういうふうにお思いになりますかどうですか。
  63. 小林與三次

    政府委員(小林與三次君) これは相当な問題でありまして、結局途中から公務員になった者、全般の問題をどうするかという問題になろうと思うのであります。それでそういう前歴をどの程度考えるか、こういう問題は制度としては非常にむずかしい点が実は私はありはしないか。結局個人々々の問題になりますので、そういうことを制度の扱いとして特例を設けるということは非常にむずかしいのじゃないか。これはむしろ人事の運用で何かお考え願う必要があれば考えらるべきものじゃないかと存じておりますが、これはなお研究いたしたいと思います。
  64. 小林武治

    小林武治君 今の問題は個人的の理由というよりも、現在の過渡期においては相当最大公約数的に多数の者がこれに関係してくる。こういうふうに思いまするので、ある程度何らかの措置が必要じゃないか。これは個人々々の運用でやれる問題以上に、もっとたくさんの関係者がありはせんかとこういうふうに思いますが、どうですか。
  65. 小林與三次

    政府委員(小林與三次君) 団体によってはやはり相当まとまって入っておられるところもあるのじゃないかと思います。それでありますから、ただこの条例の上でどう特例を設けるかということになりますと、少しむずかしい問題が私はあるのじゃないかと存じております。結局、たとえば恩給年限に達しておらん者を除外するとかしないとか、こういう問題になるのでありますが、恩給年限で押えるということと、途中から転職その他してきた人につきまして同じような事態の問題が実はある。一番お気の毒なのはいわば引揚者だと思う、端的に申しまして。引揚者を一体どうするか、こういう問題だろうと存じられるのであります。でこれを一体自治体の立場からいえば、結局職という立場から言えば、引揚者であろうがなかろうがあまり影響はありませんし、こういうものが多かろうが少なかろうがそれも影響はない。その他勤務年限その他の職務を考えても、あまりほかのものと違わないのでありまして、その点は制度の運用で考慮することは少しむずかしいところがあるのではないか。あとは個々の個人的な事情で実際の人事の運用のときにお考えいただくのが一番いいのではないだろうかと存じております。この点はもう少し実情に即して問題が処理できるように、われわれの方でも検討いたしたいと思っております。
  66. 小林武治

    小林武治君 今の点は相当大きな問題であるから検討していただきたい、こういうふうに思います。なおこの規定では待命ということがありますが、停年制の実施についてある程度余裕をおくということと同時に、場合によっては停年者をしばらく待命のような格好にしておくということ。こういうようなことは考えられませんか、その点一つ。
  67. 小林與三次

    政府委員(小林與三次君) これも考え方としては十分考えられるところだと思いますが、実施時期と待命とのにらみ合せと申しますか、制度そのものは元来関係のないものでありますが、今の過渡期の実施上の場合に、取りあえず待命を命じてある程度給与を払って、定職の道を探させるということも一つの考え方として十分考えられるところだと思います。そういう点もあわせて検討いたしたいと思います。
  68. 小林武治

    小林武治君 今のような点は、通牒ですか、指示ですか、そういう場合に十分一つ自治庁としても親切に考えてやる、こういうことを特に注文しておきます。一応これで終ります。
  69. 松岡平市

    ○委員長(松岡平市君) 午後一時半から委員会を再開いたします。大体委員長の考えといたしましては、三時には本日の委員会は終りたいと考えております。つきましては質疑応答もだいぶ進んで参りましたし、だんだん重要な問題も出て参りましたので、午後はできるだけ大臣の御出席……万一閣議その他でおいで願えなければ、政務次官にぜひ御出席願うように政府に要請いたしておきます。  暫時休憩いたします。    午後零時二十五分休憩    ――――・――――    午後二時七分開会
  70. 松岡平市

    ○委員長(松岡平市君) 委員会を再開いたします。  午前に引き続き地方公務員法等の一部を改正する法律案を議題に供します。御質疑のおありの方は御発言を願います。
  71. 森下政一

    ○森下政一君 たしか先週の火曜日に初めてこの法律案を本委員会が取り上げたと思うのですが、それから地方行政委員会のみならず、文教委員会からも申し出があって連合審査会も一回持った。さらに今日に及んでいるわけなんです。その間いろいろ質疑応答が重ねられて参りたのでありますが、どうもそれらを整理してみまして、まだどうもはっきりせぬと思いまする点を一、二指摘いたしまして、得心のいくように一つ御所見を述べてもらいたいと、こう思うわけであります。提案理由の説明に大臣が述べておられまする点、大体この法律案の一番肝要な点は、質疑がそこに集中しておる停年制並びに待命制度を実施しようという点だと思うのです。この説明だけをすなおに聞きますると、結局これは合理的な職員の新陳代謝をはかろうというところに重点があるように考えられるのであります。もっともその後の質疑応答の結果、大臣はこれは、二律的に考えてもらってよろしい、ひとり新陳代謝だけではない、他に財政上の理由もある、だから双方からかね合いでこういうことが考えられておると、こう考えてもらってよろしいという訂正をされましたから、私はやはり双方にまたがっておるのだと思うけれども、まず一応新陳代謝という点に重点を置いて説明がなされておる。そこでどうも納得がいかぬのは、質疑にもあったのですが、国家公務員については別段そういう制度を今実施しようとしないのに、地方公務員については学校職員を含めてこういう制度を新たにしこう。しかも御説明を聞いておると、そういう道を開こうというだけのことであって、各府県において必要があると認めるならば、適当に条例を定めてその道を開くことができるという、その道を開いておこうという意味だというふうなことで、必ずしも直ちにそういうことが全国的に行われることを期待しておるわけでもなさそうなように思う。私はそうでないと思うのです。やっぱりこういう道を開こうということにお気づきになっているということについては、説明の中にもあるように、戦後においては各地方公共団体において合理的な職員の新陳代謝が渋滞する傾向にあるということを指摘しておいでになるのだから、客観的に眺めてみて国家公務員の場合に比較して地方の公務員の場合においては客観的に新陳代謝が渋滞する傾向があるのだと、こういう事実があるのだと、だから道を開いて、おそらく道を開いたならば各地方公共団体は皆府県条例によってそういう道を制定するだろうということを期待しておる。だからこういう客観的な事実があるのだということがなければ私はうそだと思うのです。それを端的に納得のいくように説明していただく方が、かえって私ども承わってなるほどと釈然とするところがあるのじゃないかと思うのですが、どうもそこのところが明確でない。一応こういうふうな道を開くようにしておけば、必要があると思えばおのずからそういう条例も制定するだろうというようなことだが、そうじゃないと私は思うのです。もっと期待しておられるところがあると思う。というのは、客観的にこういう渋滞している事実があるからこれを除きたいのだ、そうしてその結果おそらく各府県とも一斉に条例を設けるのじゃないかと思うのです。それを期待しておるというような自治庁としての御見解があるのじゃないかと思うのですが、それを端的におっしゃっていただきたいと思うのですが、いかがですか。
  72. 小林與三次

    政府委員(小林與三次君) この停年制の問題は、これは御承知でしょうが各地方団体が非常に強く実は要望して参っておるのでございます。それで団体によって各市町村につきましてまでも、私どもの方に詳細な資料がありませんが、団体によりまして年令構成が違っておりまして、市の手元にあるやつをちょっと見ましても、ある市のごときなどはかりに五十五才をとっても一五・六%以上に上っているところさえ実はあるのであります。特に一般の市町村側にはそういう例が多うございまして、それで市町村長でも何としても年令の人的権成を刷新したいという強い意図があるわけでございます。それから府県庁を見ますというと、これは県によって皆違いますが、やっぱりこの五十五才なり六十才なりという年令の人は相当数を占めておる所もございまして、何とかしてその流通の道を開きたい。おまけに昔は市町村はそういう条例がありましたが、最近はございませんが、そういう年令構成が上の方に片寄っておるという傾向があると、こういうことでございまして、われわれといたしましてもその市町村の要望に私はこたえ得る道を開くということが必要だと、こういうふうにかねて考えておったのでございます。  それで今われわれ自治庁自身として画一的にすぽっとやるという必要を国家的に特別に認めるくらいなら、むしろ一斉にやってしまった方がいいということで、運営上いろいろな疑義が生じたり問題が生じたりすることさえも一掃し得る筋合いでありますが、そこは団体の実情によっては必ずしもそこまでやる必要はないというところもございますので、その道だけは開きたい。一般論としては私はそれぞれの団体職員構成からいったら、そう言えるのじゃないかと思います。  もう一つは、大臣も財政上の面もおっしゃいましたが、これも事実でございまして、これは現在五十五才以上の者の受ける給与と、それから新規採用者との給与を比較してみますと、数倍、三倍くらいに実は上っておるのでございまして、そういう意味でだんだん給与の問題というものが、大きな一つの財政上の負担になってきておるということも間違いない事実であります。そういう面から言いまして、ある程度の職員数は当然これは確保しなければ行政が動かん。特に教員の事例を考えればきわめて明僚だと思います。それでありますから、所要の人数を確保しながら、ある程度財政上の負担というものの重加していく圧迫を緩和する道を開くということは、われわれ財政全般を考える立場から言いましても、当然に考えられる問題なのでございます。そういう意味におきましてこういうものをしけば、ある相当数の団体はこれによって団体自体の職員の構成なりあるいは財政運用の合理化なりというものをはかることははかるだろうと、積極的にはかることをこちらは期待はいたしておりませんけれども、そうせざるを得ない事態に立ち至っておるところもこれはある、そういうふうに考えておるわけでございます。これがまあ率直なところわれわれの気持でございます。
  73. 森下政一

    ○森下政一君 私はこういうふうにどうも思えるのです。もしこの人事が停年制を実施していないために渋滞する傾きがある、それならば国家公務員の場合においても、同様のことが言えるのじゃないかと私は思うのです。そう年令構成の上において非常な懸隔があるとか何とかいうことは考えていない。で国家と地方と公公務員とも同じような制度の道を開くというふうなことは考えていいことじゃないかと思うが、それを地方公務員の場合に、全くこれまで試みられたことのない学校職員をも含めてこういう道を開こうということを考えつかれるについては、人事渋滞ということもあるかもしらん、あるかもしらんが、これは過般来お互いが手分けをして各地方庁を視察に参って、先年来の赤字に悩んでおる様子を視察してみて、全くそれは驚くほどいろいろ機構改革を断行するとか、あるいは希望退職者をつのるとかいうふうなことで人事の刷新も考えておる。よう今日のような失業状態がそう非常に明るくなったというときでないのに、各地方庁では非常な努力を払って県内の各事業家その他に渡りをつけて、そうして淘汰する、退職していく職員のために次の仕事のめんどうまで見てやっておる。これは私はよくそれでうまく浸透していって、落ちつくことができましたねといって驚いたような例がありましたが、そういう努力をしておる。  ところがそれでは私は財政的に参るのだと思うのです。そういう退職の仕方を勧奨しておるようなことでは、非常に参るのじゃないかというふうなことは考えられる。そこで雇用者側から言えば、こういう道が開けるということは大へん簡単に事が運ぶわけである。のみならず財政的にも非常に救済される。いわんや先年来の地方財政も赤字の財政ですから、赤字解消のためにもこれは非常にいい方策だというところに、地方公務員に限ってこういう道を開こうとなさる大きな理由があるのじゃないか。客観的な情勢というのはそれなんだというふうに私には思えるのですが、大臣の説明ではそのことに何にも触れていない、だんだん質疑を重ねておる間にそれも理由だと考えているというような話があった。早川政務次官がこの間何でも放送討論会でこの問題で討論なさったことを聞きましたが、私は拝聴しなかったのでよく知りませんが、世間が伝えるところによると、停年制を実施することによって約四十億くらい地方財政が助かるのだ、それがねらいだということを言い切っておられるといううわさを聞きますが、おっしゃったとすれば私はそれはほんとうだと思うのですね。そういうことがほんとうのねらいじゃないかと、こうお聞きしたいのです。またそうならそうなんだとおっしゃっていただくことの方がはっきりすると思うのですがね、いかがですか。
  74. 早川崇

    政府委員(早川崇君) お答えいたします。これは確かに今森下委員の言われましたように、地方財政が赤字で非常に困って、しかも公務員の数が終戦後昭和八年に比べて二倍以上になるという事態が起らなかったならば、あるいは停年制という問題も世論の支持を受けた形で、問題になるということは私はなかったと思います。従って直接の動機といたしましては、確かにお説の通り私も地方財政の赤字処理という問題事態が動機だと思います。しかし停年制という制度それ自身は、これはあくまでも首切りのための制度ではなくって、大臣なりあるいは行政部長事務当局が再三申しておりまするように、行政の老齢化を防ぐと、特に行政職一般職のようなものは、先般ある課長に聞きますと、県庁でも五十五から六十近い人が、係長その他がいろいろ仕事をしておる場合に、すぐ新しい法律に応じるのには非常にうまくいかぬというようはことを申しておりましたのも本質的には私はそういうことだと思います。しかしこういう問題が話題に上って参りましたのは、とりもなおさず地方財政の赤字でございまして、特に終戦後非常に老齢の方が町村合併その他でたくさんある。ところが市町村長は新しい人を採用するにもなかなかうまくいかない。むしろ停年制という個々のケースでなくて、一般的基準を示していただければ合理的な人員配置、新規採用にも、人員配置ということができるという切実な御要望が各地からございました。そういうことが動機になっておりますが、停年制それ自身はやはりこれは事務の能率化、老齢化防止という点にあることは間違いないことだと思います。従って私の考えといたしましてはどちらが重しという問題ではないのでございます。
  75. 森下政一

    ○森下政一君 それはあなたおっしゃる通りに、非常に巧妙に答弁されておると思いますが、停年制それ自体は何にも財政上の理由で実施されるものじゃない。それ自体はどこまでも人事の刷新と新陳代謝と、それはそうも言えるでしょう。言えるだろうが、国家公務員にその時期にあらずとされているものを、同じ経済状態のもとにあるわが国の地方公務員にだけこういう道を開こうというのは、やっぱりその客観情勢、地方財政の赤字という問題が大きく取り上げられておると、私はこう思うんです。そう思うんだとおっしゃったって、それはけしからんといってわれわれが責めるわけでも何でもないのですから、納得のいくように一つ説明していただきたいと思います。大臣の説明では一言も財政には触れないでおいて、審議の過程において、それも理由の一つだと考えてよろしいと言うのは水くさいじゃないですか。二度にわたって地方制度調査会がそういう答申をしたと言われるが、その答申とてもやっぱり地方財政の赤字ということが前提になっての私は停年制の実施の答申が行われておると、こう考えているのです。明らかに二十八年の地方制度調査会の場合においては、行政部会と財政部会に分けて調査会は審議をしましたが、財政部会はもう当面処理すべき問題として、地方財政の赤字が取り上げられておった。それと対応して行政部会で停年制というものが取り上げられたと私は記憶しておりまするが、だから地方制度調査会の答申でもやっぱり前提は、あるいは客観情勢は地方財政の赤字であったんだということを考えてみると、それはやっぱり大きなねらいだと、こう思うのです。それにつけて私は一つ皆さんにフランクにこうなんだと答えてもらいたい。これを実施すると、自治庁としてはほぼ大体どの程度に、こういう制度が設けられてその結果どれくらいの職員が淘汰されて、高給者はいなくなって、まあ一時いろいろ退職金その他の都合もあるだろうけれども、将来においてはこれだけ赤字が解消されてくることになるのだという、やはりお見通しを持っておられると思う。それをやはりこの委員会ではざっくばらんにそういうこともおっしゃっていただいて、われわれが得心のいくように説明してもらうことの方が、審議を促進するゆえんじゃないですか、いかがでしょう。
  76. 小林與三次

    政府委員(小林與三次君) 今お話のようにその財政上の理由のあることも間違いないことだと思いますが、実はまあ停年制施行によってどれだけの人間が引っかかり、それによってどれだけの財政需要にゆとりができるかという問題になりますと、これはもう、うそ偽わりを申すわけではございません。正直のところそういう数字は出しておりません。と申しますのは、今まで何べんも言っておりますけれども、年令構成表は資料としてお配りいたしましたし、それの平均給料の資料もお配りしたわけでございますが、それをかけ合せて新規採用者の全部も仮りに一せいにやるとすれば、それから新規採用の普通の新制大学卒業かなんかの者を適当に差し引けば、計算が出てくる理屈でありますが、しかしながらわれわれはやはり仮りにこういたしましても、全府県、全市町村が一せいにやるものとは考ええておらぬのであります。それぞれの団体では、その必要のない所もあり、団体の年令構成も違いますし、それから今おっしゃいました通り、あるいは財政上の事由も違うという面もありましょうし、それからその後の人のとり方の必要の面の違いもありましょうし、そういう事情を考えてやるに違いないのでございまして、全部やるわけでもありませんので、それでわれわれといたしましてもそういう数学は今まで出しておらぬのであります。それからまた財政計画の問題を考えましても、財政計画最小限度の職員の数の減というものは、これは見込んではおりますけれども、その数字を、御承知の通り停年制で該当する一定の線の、六十をとったって、六十幾つをとったって、その数字の開きが非常に大きいのであります。あれともわれわれはつながりも少しもつけておらぬのでありまして、これはあくまでそれぞれの団体の自主的なる人員構成と、その人事の運用並びに財政運用を考えて、自主的な判断で適当にやってもらってしかるべしという考え方でおるのであります。ただこの五十五才以上の者が仮りに一応やめて新規採用をとるとすれば、一人について給与は一人分ならどれくらい違うかという数字は、これは技術的には出していることは出してはおります。出してはおりますが、全体にどうなるかという問題は、これは正直に言ったら押えようもありませんので出しておりません。採用した団体におきましては、きわめてその点につきましてゆとりが出るだろうということだけは、十分想像がつくところでございます。
  77. 森下政一

    ○森下政一君 どうもそうおっしゃられると、何にも計画を持っていないのだ、ただ道を開くだけなんだということになってしまうわけなんですが、だけれどもわざわざこういう法律を改めて、こういう道を開くようにしようとおっしゃるのには、私はやはり一つの見通しをもって、それによって地方財政の赤字の際ですから、この道を開くことによって、こうもすればこのくらいの赤字の解消はできるのじゃないかという見通しをお立てになったり、そういう計画をお持ちになっても、自治庁としては行き過ぎても何でもないと思う。そうあってしかるべきだと思うのです。  それから早川政務次官が、これはこれによって審議が進みますが、四十億助かるということを放送討論会で言われたのは、やはりおっしゃったのじゃないですか。それはどうなんです。
  78. 早川崇

    政府委員(早川崇君) 私はどういうことを申し上げたのです。たとえばですね。六十才以上を停年といたします。大体もしそれでやめるということを仮定すれば三万人、もう少し数字に端数はございますが三万人、五十五才になりましたならば七万人、こういう数字が出ておるわけですね。そこでもし三万人の停年を文字通りやったとした場合に、同じだけの大学卒業生を採用したと仮定いたしますると、たとえば三万人の平均給料は、老令者が多いために特に高いのです。平均いたしますと二万五千円にもなるのでございます。大学卒業生は御承知のように一万円ということになりますので、そこに二・五分の一の給料で採用できる。同じだけの、同じ雇用力で、その場合に退職金、それから月額三分の一の恩給を支給するとしても、もしそういうことが可能であれば、かなり財政は豊かになるのでははいか。さらに現在市町村の場合にはむしろ市町村は過剰人員をかかえておるのであり、この機会にそれだけの採用、三万人そのまま新規に大学生を採用することはやらないと私は考える。おそらく半分の補充人員で足りる。半分の補充となれば二・五分の一掛ける二分の一だけの給料を支給すればいいことになるのでございます。そのほかに給料だけではいかぬので、大体人件費は給料掛ける五割の旅費、物件費が加わりますので、それだけ少くなった場合には旅費、物件費も同時に節約になるのではないか。そう考えた場合に、退職金の支給というそういうものを考慮に入れても、大体概数四十億程度節約になるということを私は申し上げたのです。それは一つの仮定の上でございまして、従って今後自治体がどういう停年制の実施をするか。五十五でやるか六十でやるか、また三万人、七万人をそのまま同じ数だけ新規の採用をするか。しかし各市町村におきまして、あまりにも府県によりまして過剰人員であるというときには、もっと少く採用するということも予想されますので、そういったことは自治体の一つの今後の行き方にかかりますから、はっきりしたことは申し上げられません。もしという仮定で、そうすればそうだと、しかし全般的に言えることは、おそらく市町村なり府県なりがですね、この停年制をしくことが法律化されますと、むしろ財政を簡素化する方向に動くと抽象的には言えるのではないか。さればこそまあこういう問題は持ち上ってくると私は考えておるのでありまして、仮定の上に立ちまして計算すればそういう節約の方法も可能になるのではないかと、こう申し上げたのであります。
  79. 森下政一

    ○森下政一君 私は非常に自治庁として一貫されてこのことをやられるところに魅力があると思うのです。万難を排して地方財政の赤字を解消しなければならぬ、もう昨年来言い続けてきたことは抜本塞源的な大改革を断行して今後赤字のない地方財政ということにしたいというのが、これはもう大臣以下事務当局あげての念願だから、私はこの制度を今ここに実施しようとするについては、今一つの仮定に立ってお話がありましたけれども、そこに一つの大きな私は魅力があると思うのです。理屈から言えば、こういう道を開くといたしましても、それぞれ地方団体の事情いかんによって五十五才をもって停年とするものもあるだろうし、六十才をもって停年とするものもあるかもしらぬ。あるいは事情によって五十才のものもあるかもしらぬ。理屈はそうです。理堀はそうでありますけれども、大体この間の文教委員会との連合審査の際にも、太田長官がまあそれはいろいろな場合が考えられるでしょうけれども、常識的には五十五というところで線を引くのがまず普通じゃないかと思います、ということをおっしゃった。同席せられた清瀬文部大臣も同様な見解を表明された。ところがこれは誤まっている場合ができるかもわからぬ、各府県がめいめいに条例を作るのですから、画一的に五十五ということもできぬかもしれぬ。同時に自治庁として、五十五にすべしということを指示するわけにもいきますまい。まあいろいろの場合があるだろうけれども、だけれども一応五十五というのが常識的に考えられるとおっしゃるぐらいだから、もし五十五ということで各府県とも一様に停年制をしくという場合があるとすれば、こういう財政上の負担は減になるのだと思う、将来。これは一応の推計をされてもいいことだと思うのだ。またそういうふうに思うということを委員会にざっくばらんにおっしゃっていただいても、委員会はけしからんととがめるというようなこともないのです。自治庁がそういう見解を持つということは、私は一つの考え方だと、こう思うのです。そういうものではないでしょうか。やはり私がここまでくだけて言うても、やはり新陳代謝で、それはめいめいのやることだからどうなるかわからぬ。それで突っ張るということは、少し水くさいと思うがどうですか。
  80. 小林與三次

    政府委員(小林與三次君) それはそういう計算をやろうと思えば可能だと思います。それで政府次官も今数字をおあげになっておるのでありますから、自治庁といたしましてもそういう数字を作ることは一向に労をいといません、いといませんが、われわれとして、かりにそういう数字を作るとすれば同時に五十五才で全国府県市町村を一律にやるという前提にこれはきまってしまうのでありまして、これは自治庁として、とるべき態度ではなかろうと思うのであります。それからまた事実全市町村が必ずしもやるとは、われわれは想像ができません。府県だって全部必ずしもやらぬのじゃないかと思っております。と申しますのは、やはり府県によっては年令構成が相当違っております。それから停年制をいざしくとなると、いろいろ常識的に申しまして摩擦もあれば、反対もあり得るのでありまして、そう楽にしけるものではないのでありますから、やはりそれぞれの団体で事情よんどころないというようなところが私は中心になって、話が進められるだろうと思うのでございます。そういうのが実情でございますので、われわれの方でみだりに全部仮想した数字を出したりなんかすれば、自治庁は当然何十億を浮かせるつもりで事を運ぶのかということになって、かえって問題に誤解を招きます、事態を混乱に陥らせるだけの話だと私は考えておるのでございます。そういう意味でこっちといたしましも、そういう架空の数字を出して、架空としてみんな御了解願えればいいですが、かえって世間に誤解を招く場合が多いというのがわれわれの気持でございますので、今のところは、そういう正確な数字を全然出してはおらぬのでございます。だからそれは同時にそういう試算をしてみたらどうかということになれば、試算だけならもちろん労をいといません。
  81. 森下政一

    ○森下政一君 試算することがかえっていろいろの摩擦を起したり、不安の念を醸成して事がスムースにいくものをスムースにいかなさしめるような結果になることを心配するというまあ趣旨だと思うのですが、もしそうであるならば、たってやりなさいとは言わない。ただここで私はもう一つ停年制をしくということと不可分に考えはければならぬ問題というのは、一体五十五なら五十五、六十なら六十という新たに停年制がしかれて、その年令に達して、まあわずかな例外を除いては、職の特殊性とか、人の特殊性とかいうことによって救われる人以外は、一応退職するということになって参りますと、それらの人が退職後の一体生活というものはどうなるのだ。退職金のきめ方というものは一体どういうことになるのかと、これは、どうしても私は相ともに考えていかなければならぬ問題じゃないかと思うのですが、今日までの質疑応答を承わっておりまして、この点についての質疑も少かったようだし、また自治庁側の御見解を承わるということもなかったように思うのですね。そこに私はこの被用者側からすると非常は不安というか、憂慮というか、浮き足立ったような状態にあるのじゃないかということをおそれるのですね。もうおっしゃる通り、停年制というものは職員の新陳代謝を活発にして、そうして行政能力を大いに向上していく、これは悪いことじゃないのです。大いにやっていいことだと私は思うのです。やっていいことだけれども、同時に考えなければならぬのは、どうしてもそれらの人の、つまり退職後における生活というものは一体どうなるのか。これについて、現段階において、わが国ではどの程度のことが大体考慮されておるのかというようなことについても、自治庁としては相当資料をもって把握しておられるところがあるに違いないと思うのです。そういうことを一つ納得のいくように説明していただくことは、この法案審議の上にも非常に助けになると思うのです。いかがでしょう。
  82. 小林與三次

    政府委員(小林與三次君) これはごもっともでございまして、まあわれわれといたしましても、たとえばかりに停年制が施行になって、その人が、勤続年数によって違いますが、かりにそれまで三十年たっておるとか二十五年たっておるとして、何級の者がやめればどのくらい恩給年額をもらえ、退職手当をもらえるかというようなことは、われわれの方でも一応試算はいたしております。そういう意味の中心のお尋ねだろうと思うのでありますが、一例を申しますというと、まあ三十年勤続で十級八号、これはまあ退職時の給料が二万五千円、ちょっと高いかもしれませんが、そういうものをとりますというと、一般職員では恩給年額が十二万六千円、小学校の教員では十四万六千円、中学校では十三万六千円。で、退職手当は七十八万七千五百円。これは十級八号を押えた場合です。それからもうもょっと下の級を押えて九級七号でございますが、こういう人を三十年とすれば、一般職は十万円ちょっと、小、中学校は大体十一万円ちょっと、退職手当は六十三万円。もっと上の方の十一級六号、三万円の級を考えますというと、一般職は十五万一千円、小学校十七万五千円、中学校十六万三千円、退職手当九十四万五千円、これは一応の数字でございます。  問題は、一体これだけの給与であとやめて生活が維持できるかと、こういう問題にこれはなるだろうと思うのでございますが、まあここらの問題になってきますというと、現在の退職年金の額が適当であるかどうか、国の恩給が適当でのあるかどうか、あるいはまた社会保障制度全般として十分であるかどうかと、こういう基本の問題として考えなくちゃいかぬ問題でございまして、われわれもこれだけの給与で従前通りの生活が当然維持できるというふうにはもちろん考えられないと思うのでございます。でありますから、そういう意味の個人の立場もこれは重々考えぬといけませんし、それとまた同時に団体自体の行政の運営なり財政の運営の立場というものもまたこれは考えざるを得ないわけでございまして、そこらの立場を両方考えまして、やはり新しく出てくる卒業生諸君も、どうしたってやはり採用してやらざるを得ない。そうなればそこはほどほどのところでやはり子供の代に席を譲っていただくということもまあ考えざるを得ない。そういう立場が結局停年制の採用ということで、停年制を採用すれば、おのずからまあ今度今までたまっておったところへすぽっとしくということになれは、今まで予想もつかなかったという事態もありますが、初めからそういう制度として確立しておいて、それになれていけば、それぞれ自分の生活の設計も立てて問題も適当に考える、こういうことにもそれはなるわけでありまして、あらゆる面において合理的なさばきというものがつくんじゃないか、ただ今までなかったところに一時にしくということになりますというと、そこに過渡期の問題としていろいろな問題が重複して起り得ると、これは私は事実だろうと思います。その点はまあ運用上いろいろな面で考慮していかなくちゃならない問題じゃないかと存ずるのでございます。それからまた事実かりに停年制を今までしかなくても、先ほど仰せになりました通り、それぞれの団体ではまあいろいろな苦労をして、機構改革をやったり、定員のつまり勧奨退職とかその他の姿でやはりある程度のことはやらざるを得ぬ、やりつつあるわけでありまして、そういう問題につきましてもこういうものはむしろ制度を作って、ルールを確立しておいた方が、お互いにその間の運転がスムーズにいくゆえんではないか、そういうふうに存じておるわけでございます。
  83. 森下政一

    ○森下政一君 行政部長、なんですか、さっきちょっと読み上げられたような資料は、われわれいただいておりますか。
  84. 小林與三次

    政府委員(小林與三次君) 差し上げております。
  85. 森下政一

    ○森下政一君 きょう小林委員が午前中の委員会の最後に御質疑をなさって、さらに注意を喚起しておられたので、実はポイントをつかんでおられると思いますが、今日の地方一般職員の構成ですが、確かに戦後の実情は、行政部長もおっしゃったが、引揚者とか何とかいうものや、あるいは軍隊に長く行っておって帰ってきたとか、いろいろ一律でなく、特殊な事情にある人が中途にして地方庁に奉職するようになった人が非常に多いのじゃないか。そこで今例をあげられたのは、たとえば三十年奉職しておる者が、ある年令、五十五なら五十五になってやめるという場合に、こういう待遇を得られることには該当せぬ人が非常に多いのじゃないかということが考えられる。だからその点は今度こういう道を開くにしても、特殊な考慮を払わなければ一概には言えぬのじゃないか、またそこに被用者側からいうと、非常に大きな不安が今日醸成されつつあるんじゃないかということが考えられる。そういう点については、なんでしょうか、これとても、しかしながら何分地方財政赤字の際だから非常に多くを望むということは木によって魚を求むるたぐいで、十分なことというわけにはみないくまい、おのずからそこに程度があるものだと思いますけれども、何らか特殊な考慮を払わなければならぬのじゃないかということを痛切に感ずるわけですね。そういう点に対する政府の見解というか、そういうことを公けにされる、あるいは行き届いた配慮をなされるということがわからぬことには、被用者側の立場というものは非常に動揺を禁じ得ないじゃないかと思うのですが、いかがでしょうか。
  86. 小林與三次

    政府委員(小林與三次君) これは私もしごくもっともな事柄だろうと思うのでございます。それで、そういう非常に気の毒な、だれが見ても気の毒だという人は必ず私は相当あると考えます。だからその範囲を一体どう考えるか。引揚者があったり、軍人があったり、あるいは戦災者があったり、あるいは中央で働いていた人が地方へ戻ってきた人もありましょうし、これは千差万別な事情がいろいろあるわけでありまして、そのうちのある者は、終戦後十年でございますから、おそらくは恩給年限に達しておらぬ人もあり得ると思うのでございます。そこでそういうものを制度としてどう考えるかということになりますというと、これはただ制度の理屈ばかりわれわれは主として申し上げているものですから、かりに停年制をしけば、そういう、途中で退職になった者は除くというようなことは、これはわれわれ制度としては正直に申して考えることはなかなか困難じゃないか。それから特に引揚者とか、戦災者ということになりますと、言って見れば御本人の立場は別として、それをたまたま採用した自治体が全部が全部めんどうを、どういう場合があっても見なければならぬかということも、また自治体の立場にしてみればなかなかつらい問題もあり得るだろうと思うのであります。むしろ責任を持つとすれば、そういう場合は国が別途考えるべきじゃないかという理屈もあり得るのであります。これは実際のそれぞれ人を採用しておる団体におきましては、それぞれ個人的な事情というものは重々わかっていると私は思うのでありまして、それぞれの団体の運営上非常に無理がある場合には、私はそれは先ほど申しました通り、あるいは個人的には余人をもってかえがたいというこしになれば、多少の考慮というものも可能でありましょうし、それから場合によってはどうしてもということになりますと、それを何かつまり恩給制度をかえたあるいは臨時雇用の形とか何とかということもこれは十分考え得る道でもありましょうし、個個の点は、もう私はそういうだれが見てもというような場合には、それぞれ私は適当な考慮というものが払われるものじゃないかと実は思っておるのでございます。ただこの問題はこれはわれわれといたしましても制度を施行し、その施行についての注意をかりに地方に流すということになれば、その点につきましてなお十分に研究いたしまして、そして問題があらゆる面においてそう無理のないように、円滑に事が済むように一つできるだけ研究いたしまして問題を考えたいと存じておるのでございます。ただ、今すぐにどうこうというところの結論を持ち合せておりませんが、これはまあ委員会の皆さん方の気持も十分に考えて、何かうまい知恵があれば研究もいたしたいと存じておるのでございます。
  87. 森下政一

    ○森下政一君 早川政務次官の御所見をお伺いしたいのですが、この地方財政の赤字問題につきましては、第三次鳩山内閣以前から大いに政府も悩んできた問題なんです。御存じのようにその原因を究明して、国が悪いのだ、地方が悪いのだという水掛論がずいぶん行われておったことは御承知の通りなんであります。これは私単独の見解であって、これをおっかぶせるということはいささか恐縮なんですけれども、理論的にこういうことが考えられはせぬかと私は思うのです。自治庁当局にただしてみましても、地方団体が地方団体だけの力でまかなうことのできる仕事の、経費が、今日の地方財政の中でどれくらいを占めておるかということを自治庁当局にただしてみると、まず二割五分だ、こういう回答を得るわけなんです。二割ないし二割五分、まあ二割五分見当だと私は思うのです。そうするとあとの七割五分まではやはりこれは国の方から仕事を押しつけられておるというようなものが多い。そこで仕事を押しつけて、これに十分財源を伴わして仕事をさしておるのだといいけれども、そうでないので、仕事はもらうが、この財源はもらうことは少い。持ち出しになる分が多いというところに悩みがある。これも少くない赤字の原因をなしておる。たとえば今日の補助行政のごときがそれだということは私は言えると思うが、地方財政は、地方当局の放漫財政の運営の結果、今日の赤字ができたのじゃないかという議論もある。けれども地方団体一存の裁量でまかなうものが大体二割五分だということになれば、四分の一程度のものだというなら、何といってもその分量というものは少いと思うのですね。地方団体の運営が放漫なために赤字になった分というものは私はどうしても少い、理論上そう言えるのじゃないかと、こう思うのです。そうすると、国の方が私はやり方をかえてもらうことがなければならぬという感じが抜けないのです。そこで先年来しばしば言われた抜本的な改革を断行するということについては、また今度出てきておりますたとえば地方税改正とかあるいは交付税法納付金交付金というような制度、そういったものについて、ちっとも本委員会は手をつけておりますせんから、だんだん政府の所信をただすことができると思いますけれども、そういうあらゆる手を打って、地方財政の赤字解消のために、これから赤字をなくすためにこういう手当をしたと、そういうことをことごとくやられて、最後に私は手をつけられるのがこの停年制であるべきでなかったかということを思うのです。停年制はこれはどこまでも新陳代謝のためにやるので、財政上の意味じゃないと言われる、確かに理屈はその通りですけれども、確かに赤字解消に一つの大きな役割を果すであろうことは私は何人もこれは期待していいと思うし、差しつかえないことだと思うのだけれども、今のような経済情勢のもとにおいて、一番弱い立場にあるところの雇われる者の寿命を縮めるような策を一番最初にとるべきじゃなかったと私は思うのですね。とるべき策であるとしても、最後に残しておいていいのじゃないかということを思うのですが、いかがですか。
  88. 早川崇

    政府委員(早川崇君) 森下委員のまことにヒェーマニズムに富んだ御所見でありますが、地方財政の赤字対策としては確かにこれは最後のものであるべきであろうという御意見、私は確かに一つの御意見だと思います。ただわれわれといたしましては、前後の関係ではなくて、総合的に物事を実は処理しようと、こう考えておりまして、地方財政の赤字の原因の大きいものを拾ってみますると、第一にはどうしても人員機構の戦後急激な膨張、あるいは委員会制度その他が非常にふえたということ、これが何としても第一の原因である。第二の原因は、ただいま御指摘のように国からの仕事もずいぶん多いのでありますが、二割五分という数字は私は存じませんが、もし公共事業というものの補助金をも国の事業とすれば、そのぐらいになりますが、公共事業はむしろ市町村長から希望する傾向が非常に多かった。従ってこの問題についてはむしろ国の仕事を押しつけられたというよりも、地方自治体自身の自主財源が少な過ぎる、一般の予算の三六%だ、それに交付税を加えましても五二%というのが昭和三十年度の実績でございますから、その面から地方財政の赤字が出ておるので、それを直したいというのが第二であります。第三は、例の公債問題でありまして、国は非公債、地方は公債という公債政策の誤謬が原因であります。そのほかいろいろ原因はございまするが、そういった三つ四つの大きい赤字原因の大きい一つは、機構あるいは人員その他の膨張ということはこれは事実でございますので、その対策の一環として、われわれはこの自治法の一部改正というものを考えたわけでございまして、地方公務員法の改正による、特に停年制という問題は、むろん地方財政赤字解消の一環であることにはこれは疑いをいれないのでありまするが、そういった面でもやはり停年制というものの効果を若干われわれは考慮に入れて御提案いたしておるわけであります。  そこでこういう提案をなしたのでありますれども、仰せのように、先ほど部長も答えましたように、本来は停年制というものは人員整理という意味じゃありませんので、できる限りそれによって被害をこうむる方にはあたたかい方法を考える、こういう基本線も実は持っておるのであります。たとえばけさほど小林委員が提案されましたように、待命制というものを活用して、停年になった人もたとえば一年間は、あるいは二年でもいいですが、半年でもいいですが、本俸だけをやっておく、しかし勤務に及ばずというような措置も一つの方法でありまして、一年、二年本俸だけもらってただ遊んでいるという人は少いのですね。その間に知事なり市町村長あるいは友人、縁故が一つの仕事を探す。ただ遊んで一年も本俸をもらっているというような人は私は非常に少いと思うのです。従ってそういうことで、職が見つかったときにやめてもらうというようは方法あたり、私は自治庁から強制する意思はありませんけれども、これは一つの私は方法だと思います。また退職手当に対しては勧奨退職のようなむしろ有利な方法でやれ、これはわれわれ自治庁としては通知していいと思うのであります。さらにそのほか、運営上、午前も御議論がありましたように、特殊な人には条例においていろいろ例外を設けるというようなこともいいのであります。ただこの停年制の狙いは、そういう個々の例外を認めるが、一つの一般的な基準を設ける。それによって年令構成を合理化するとともに、あわせて財政もこれを機会に財政改革をはかるという次第でございますので、現在の森下委員のお説はまことにわれわれとしては傾聴に値いしますが、さればといって、これを今直ちにそういういろいろな方策を講じたあとに出し直すという意思は実は持っておりません。やはり地方財政行政の総合的立て直しの一環として同時に一つ提案をいたしたい、こういう趣旨でございます。
  89. 森下政一

    ○森下政一君 おっしゃるように、あるいは小林委員の示唆いたしましたように、待命制を活用して、本人が路頭に迷うことのないように次の仕事を十分見つけるぐらいの期間まで勤務に及ばずして給与をする、これは非常に温情にあふれたやり方に違いない。だけれども一方財政事情というものはなかなかそういうことを許さぬのだと私は思うのです。同時にまた、勧奨退職のような、今現に各地方公共団体が努力しているようなやり方による新陳代謝というものは、やめてもらうときの給与というものは倍額にも達するというような事情もあって、財政的にはなかなか容易でないというところに、私は地方六団体といわれている各団体がこぞって停年制に賛成している大きな理由がそこにあると思う。おそらくそうだと思うのです。これはあなた方も十分地方の事情を把握しておいでになると思うのですが、びっくりするほど各地方庁は努力しているというのが実情だと思うのです。しかしもうそれじゃ持ちこたえられない。何んとかこういうふうな制度をしいてもらうことによって、そういうことが簡素化されるということが願わしいというところに、六団体側の主として賛成する大きな理由があると私は思うのです。  午前中委員長が大体期待しておられた三時ごろに終りたいという三時がきましたので、一応私の質疑はきょうはこれでやめておくことにいたします。
  90. 松岡平市

    ○委員長(松岡平市君) 本日はこの程度で散会いたします。    午後三時五分散会    ――――・――――