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1956-03-06 第24回国会 参議院 大蔵委員会 6号 公式Web版

  1. 昭和三十一年三月六日(火曜日)    午前十時四十九分開会     ―――――――――――――   委員の異動 本日委員苫米地義三君辞任につき、そ の補欠として大野木秀次郎君を議長に おいて指名した。     ―――――――――――――  出席者は左の通り。    委員長     岡崎 真一君    理事            大矢半次郎君            山本 米治君            岡  三郎君            土田國太郎君    委員            青柳 秀夫君            菊田 七平君            白井  勇君            苫米地義三君            西川甚五郎君            藤野 繁雄君            成瀬 幡治君            小林 政夫君            前田 久吉君   政府委員    大蔵政務次官  山手 滿男君    大蔵省主税局長 渡邊喜久造君   事務局側    常任委員会専門    員       木村常次郎君     ―――――――――――――   本日の会議に付した案件 ○金融制度調査会設置法案(内閣送  付、予備審査) ○厚生保険特別会計法の一部を改正す  る法律案(内閣送付、予備審査) ○船員保険特別会計法の一部を改正す  る法律案(内閣送付、予備審査) ○所得税法の一部を改正する法律案  (内閣送付、予備審査) ○租税特別措置法等の一部を改正する  法律案(内閣送付、予備審査)     ―――――――――――――
  2. 岡崎真一

    ○委員長(岡崎真一君) これより委員会を開きます。  本日は、金融制度調査会設置法案(予備審査)  厚生保険特別会計法の一部を改正する法律案(予備審査)  船員保険特別会計法の一部を改正する法律案(予備審査)  以上三案を一括議題として、政府より提案理由の説明を聴取いたします。
  3. 山手滿男

    政府委員(山手滿男君) ただいま議題となりました金融制度調査会設置法案ほか二法律案につきましてその提案の理由を御説明申し上げます。  最初に金融制度調査会設置法案につきまして、提案の理由を御説明申し上げます。  御承知の通り、昨年来の金融情勢は、資金の需給状況が緩和し、貸出金利の低下を見、市中銀行の日本銀行依存の状態も改まるなど、正常化の進展を見た一面、種々新しい問題も現われて参りました。政府といたしましては、これまでも金融制度の改善について検討を続けて参ったのでありますが、この際、金融制度の改善のために、ひろく各方面の権威者の御意見を承りたいと考えまして、ここに、大蔵省の附属機関として、金融制度調査会を設置することとし、この法律案を提出することといたしたのであります。  以下、簡単に、この法律案の内容を申し上げます。  第一に、調査会の任務といたしましては、ただいま申しました通り、調査会は大蔵大臣の諮問に応じて、金融制度の改善に関する重要事項を調査審議するとともに、これに関して、必要と認める事項を大蔵大臣に建議することになっております。  第二に、調査会の組織につきましては、委員には、金融又は産業に関して深い知識と経験を有するかた及び学識経験ある方々を予定し、その人数を二十人以内といたしております。この他、特別の事項を調査審議するために必要があると思われますときは、当該特別事項に関して深い知識と経験を有する方を臨時委員とすることができることとなっております。さらに調査の万全を期するために、調査会が必要と認める場合には、関係行政機関の職員の出席を求めて意見をきくことができる規定をも設けております。  次に、厚生保険特別会計法の一部を改正する法律案の提案の理由を御説明申し上げます。  政府管掌健康保険は、医療保険の中核をなすものでありますが、近年収支の均衡を失しその運営の基盤をおびやかされている状況でありますので、その運営を正常化し、その健全な発達を図るため、一部負担金の範囲の拡張、標準報酬の改訂等根本的対策を講ずるとともに、国庫においても、予算の範囲内において、当該事業の執行に要する費用の一部を補助することとし、別途健康保険法の一部を改正する法律案について御審議を願うことになっておりますが、右の措置に伴いまして厚生保険特別会計の健康勘定の歳入に一般会計からの受入金という事項を加えようとするものであります。  次に、第二十二国会における厚生保険特別会計法の一部改正により昭和三十年度以降七カ年度間、毎年度、一般会計から十億円を限度として、厚生保険特別会計健康勘定へ繰り入れることとなったのでありますが、その三十一年度以降分は、借入金の償還財源として繰り入れられるものでありまして、その借入金の返済を昭和三十二年度以降に繰り延べることとしたことに伴いまして、一般会計からの繰入金も昭和三十二年度以降に繰り延べることにいたしたいと存じまして、その規定の改正をはかっているのであります。  次に、健康保険事業、日雇労働者健康保険事業及び厚生年金保険事業の業務取扱に関し必要な経費に充てるため、健康勘定、日雇健康勘定及び年金勘定の各積立金のうち、業務勘定から組み入れた金額を限度として予算の定める金額を業務勘定へ繰り入れることができることとするため所要の規定を設けようとするものであります。  最後に船員保険特別会計法の一部を改正する法律案の提案の理由を御説明申し上げます。  船員保険事業のうち療養給付等の部門におきましては、政府管掌健康保険と同様近年その収支の均衡を失する状況にありますので、その運営を正常化し、その健全な発達をはかるため、医療費の一部負担制の採用、保険料率の引上げ等根本的対策を講ずるとともに、国庫においても、船員法の規定による災害補償に相当する保険給付を除く療養給付等の部門について補助する措置を講ずることとし、別途船員保険法の一部を改正する法律案について御審議を願うことになっておりますが、右の措置に伴いまして船員保険特別会計法の一般会計からの受入金の精算規定等について所要の改正を行おうとするものであります。  なお、第二十二国会における船員保険特別会計法の一部改正により昭和三十年度以降六カ年度間、毎年度、一般会計から二千五百万円を限度として船員保険特別会計へ繰り入れることとなったのでありますが、健康保険の例に準じ、昭和三十一年度以降分は、昭和三十二年度以降に繰り延べることにいたしたいと存じまして、その規定の改正をはかっているのであります。  以上、金融制度調査会設置法案外二法律案につきまして提案理由を御説明を申し上げました。  何とぞ御審議の上、すみやかに御賛成下さいますようにお願いを申し上げます。
  4. 岡崎真一

    ○委員長(岡崎真一君) 以上三業の質疑は次回に譲ります。
  5. 岡崎真一

    ○委員長(岡崎真一君) 次に、所得税の一部を改正する法律案(予備審査)  租税特別措置法等の一部を改正する法律案(予備審査)  以上二案を一括議題として質疑を行います。
  6. 藤野繁雄

    ○藤野繁雄君 昭和三十年度の水稲所得の問題についてお尋ねしたいと思うのであります。これは一応お話を承ったのでありますが、国税庁からは水稲所得の標準を、石当り標準から反当り標準に変えたために、所得税が増加するようなことがあってはならないというような閣議決定通知を出しておられるようであるのであります。しかしながら、このことは作況と価格による所得の増減に触れるものではない、こういうふうになっているのでありますが、昭和三十年度においては、しからばどういうふうな作況で、どういうふうな価格であったために、どのくらいの既定の予算額に増加の見込みであるか、それを伺いたいと思うのであります。
  7. 渡邊喜久造

    政府委員(渡邊喜久造君) 今御質問の際、お話もありましたように、三十年度分の所得税から、従来の割当供出の制度がなくなりましたので、石当り標準によって所得を推定してゆく、こういうことが実質的にできなくなったわけでありまして、昔やっておりましたいわゆる反当り標準というものによって所得額を評価してゆく、こういうことになったわけでございますが、この行当り標準から反当り標準に変りましたことにつきましては、もっぱらそういった技術的な理由によるものでございます。これによって、たとえば作柄なり値段なりが同じであるのに、なおかつ所得がふえるといったようなことのないようにということは、閣議決定できめた通りでございますし、また関係の農業団体とかあるいは町村の役場の人とか、そういったいろいろな人たちの意見をよく聞いて、公正な課税ができるように国税庁としてもっぱらその努力をしております。ただ御承知のように、昨年は非常に豊作でございまして、七千九百万石でしたか、当初予定しておりました数字は平年作でありますが、それに対しまして相当の大きな作になっているわけであります。これが一つでございます。それから昨年は米価が一面において上ったということが一つです。同時に予約供出と結びつけまして、平均供出分につきましては、千四百円収入金額から控除する、こういう制度をやりました。平年作の場合でございますと、大体それによりまして六十九億でしたか、約七十億近くの税収になる、こういう見積りでおりまして、その点当委員会でもお話申し上げたと思っております。三十年が非常に豊作になった、こういったようなことからいたしまして、現在われわれの方で、国税庁のいろいろな資料を集めまして調査いたしましたところによりますと、大体四十億程度の増収になるのじゃないか、従いまして七十億が約百中億、現在のところはそういったような見積りをしております。
  8. 藤野繁雄

    ○藤野繁雄君 国税庁から出している農業所得課税の状況比較表というようなものによって見ますると、二十九年度の農業課税は八十三億四千六百万円というようなふうになっているのでありますが、ただいまの平年作が七十億というのと、この八十三億との差はどういうふうな原因によって出たのであるか、それをお尋ねいたします。
  9. 渡邊喜久造

    政府委員(渡邊喜久造君) 八十三億の数字は二十九年の数字だと思いますが、その後、御承知のように昨年減税がございまして、基礎控除が上ったとか、概算控除の制度ができたとか、いろいろなことがございましたので、そういった点がやはり加味されまして、本年度、三十年度は予算におきましては千四百円の予約に対する供出の特別なまあ収入加算をしない分、そういった点まで加味いたしまして大体七十億、こういうような見積りをしておるわけでございます。差額は減税関係というふうにお考えになって間違いないと思います。
  10. 藤野繁雄

    ○藤野繁雄君 そうしますと、二十九年度の決算においては八十三億の予定であったのが七十億になるのでありますか、あるいは七十億より減るのであるかどうか、その点お尋ねしたいと思います。
  11. 渡邊喜久造

    政府委員(渡邊喜久造君) 二十九年度の課税八十三億、これは一応動かない数字です。私が先ほど申し上げましたのは三十年度の予算が七十億、平年作であったら大体見積って正確にいえば六十九億だと思いました。これは平年作の場合、それでまあ二十九年度は平年作よりちょっと悪かった程度のものだったと思いますが、従ってその間に十何億の差が出るわけでありますが、それは先ほど言いましたように基礎控除が上ったとか税率の関係でありますとか、あるいは概算控除の制度ができたとか、そういったような問題が、その点政府の方から見れば減収、納税者から見れば負担軽減、そういった結果になっていると思います。
  12. 藤野繁雄

    ○藤野繁雄君 それでは二十九年と三十年と比較するというと、減税の結果七十億くらいに三十年度の予算はできているのである、しかし増収その他によって四十億くらいの増税になる見込みだ、こういうふうなことであるのでありますが、目下各税務署においては所得の査定を進行中であるのであります。また農業所得はいろいろ今度の改革のために手続きがおくれているというような関係から、三月末日まで延ばすというようなことになっているようであるのでありますが、下から上ってきた各農家が申告したところの税金というようなものが今のところは四十億をこす見込みがないというような……、ある地方ごとにテストして、その結果がそのくらいの金額になるというようなお見込みであるのでありますか。ただ上の方から大体こういうような見当であるというような数字が四十億であるのか、この点お尋ねしたいと思うのであります。
  13. 渡邊喜久造

    政府委員(渡邊喜久造君) まだ現在におきまして、各税務署、国税局におきまして標準率をきめ、それによっていろいろ申告について納税者の方と話し合いもしておりますし、まだ推計がなかなかできにくい状態にございます。同時に地域によって非常に今度の関係は違うわけでございます。水田の平生豊作であった地帯、あるいは山間の豊凶の差が非常に大きく響くような地帯、いろいろ違いますので、まだ下から積み上げられた計算といたしまして四十億という見込みを出したわけではございません。一応従来われわれがやっております各種の資料に基きまして、予算を積算する場合のやり方、それを最近の資料によって取りまとめて一応出した数字でございますが、大体国税庁に集まって参っておりますきまりました標準率を見て参りまして、その分からやって参りましても、大体その数字がそう大きく違うとは思っておりません。従いましてまあ下から集計した数字というものは、時間的に見まして、当分まだもう少し時間がかかるわけでございますが、大体その数字がそう大きく違う、狂うというふうには考えておりません。
  14. 藤野繁雄

    ○藤野繁雄君 私の地方の実例から申し上げてみますというと、国税庁長官の通達、閣議決定というようなものが最末端の税務署まで徹底して、大体において非常に良好な結果に進んでおる。それは農業団体その他とよく連絡をとってやっておられる結果、非常によくいっているということは私喜びにたえないのでありますが、ある地方によっては特に増税されるような地方があるように見受けるのでありますから、この点は地元の農業団体と税務署がよく連絡をとって、ただいま主税局長がお話になったような趣旨を徹底していくように、一そう御督励をお願いしたいと思うのであります。こういうような希望を述べておきます。  次に、農業所得の専従者控除の問題であるのでありますが、青色申告をしないといたしましても、農家の家族の専従者というようなものについて、当然農業をやっていくのについては、その労働力というものは農業の生産に加わっていくのである、それによって農業の生産が上ってくるのであるというようなことであるのでありますから、これは青色申告をやらなくても家族の専従者、こういうものは当然所得税から控除すべきものであると考えるのでありますが、この点について当然控除すべきものであるから、青色申告の必要はない、こういうふうに考えるべきと思うのでありますが、この点いかがでございますか。
  15. 渡邊喜久造

    政府委員(渡邊喜久造君) 農業の専従者控除の問題、これは私はいろいろ議論があるところだというふうに思っております。従来の税制の経過を考えてみますと、当初におきましては一応これはひとり農業だけではございません。営業の場合もそうでございますが、事業主というもの、農家であればその事業主、お父さんであるところもありましょうし、おじいさんであるところもありましょうが、それが事業主の全部の所得になる。そして扶養控除の場合におきましても、十八才未満あるいは六十才以上ですか、そうした老人、幼年者だけ扶養控除を認めておる、こういう制度にしまして、成年の普通の働ける人、これに対しては全然扶養控除も認めていなかった、こういったような時期がございました。シャウプ勧告によりましてその制度が変りまして、現在におきましては一応その世帯によって扶養されている者は、これは全部扶養控除も認めているのであります。こういう制度に変り、同時にまた青色申告につきましての特殊な例に限りまして、専従者控除という制度が設けられているわけでございます。考え方としまして、一体どう考えていくか、青色申告につきましては御承知のように、記帳も正確にやり、所得も正確に申告される、それと結びつけまして、専従者控除という制度ができている、少なくとも現在はそう考えているわけでございます。農業につきましてはたしかに青色申告もしにくい事情もあります。同時に現在の白色における農業所得というものが、青色申告の場合に比べまして、考えられるほどすみからすみまで全部が正確に所得が申告されているということも、全部が全部そうなっていると、多分に言いかねるのじゃないか、あれやこれや考えて参りました場合、一体白色申告の場合に専従者控除というものをどう考えていくべきか、これはそう簡単に一がいに結論を出すべきものじゃないというふうにわれわれは考えております。将来の問題としましてさらに検討を続けていきたい。白色申告と青色申告とをどういうふうな扱いにしていくか、あるいはそうした専従者控除というものは青色だけに特有に考えていくべきか、あるいは白色に考える場合と同じように考えていいか、青色の場合と同じように考えていいか、あるいはそれは性格が違うのだから金額はやはり差をつけるべきであるのか、いろいろな議論があるわけでございまして、少くとも現在におきましては、一応青色というものは、所得がまともに出ているがゆえにというところにおける専従者控除の制度でございます。これを白色に及ぼす、それも一つの議論だとは思いますが、将来の問題としてわれわれはいろいろな角度から慎重に考えていかなければならん問題であろうというふうに考えております。
  16. 藤野繁雄

    ○藤野繁雄君 次に、国有財産の補修費に対する所得税の問題でありますが今年の一月に佐世保と呉との国有財産の貸付の実際の状況を見て参ったのでありますが、それによって見ますというと、国有財産を借用している、借用しておるが、工場にするためには補修をしなくちゃできない、その補修をしたところのものが数億に上っておる、しかしこれは国有財産に対して補修したのであるから所有権は認めない、財産権はない、数億の金を投じてでも、その金を担保として金を借りようとしても、金を借りることができない。そういうふうなことであれば、一方投じたところの金というものは損失に繰り入れて、その限度の利益を落さなくちゃできない、しかるにそういうふうな損失にも落すことができない、こういうふうに現在なっているような気がするのであります。それでありますから、お尋ねしたいのは、国有財産でもある一定の補修をやって、その金額が相当大きいところの金額であったらば、何とか財産権を認めるような方法を講ずることはできないのであるか、また財産権を認めることができないというふうなものだったらば、その金額は損失に落してゆくべきものじゃないか、こういうふうに考えるのでありまして、これに対する御見解をお尋ねしたいと思うのであります。
  17. 渡邊喜久造

    政府委員(渡邊喜久造君) 国有財産に相当多額の金をかけまして補修した場合に、そこに財産権を認めるべきかどうかという問題、これはちょっと私、直接自分で担当している問題でありませんので、後刻関係の局から、局長なりなんなりから御答弁さしてもらいます。あとの方の問題、これは税の問題ですから私からお答えします。  問題は財産権が認められる場合と、認められない場合は、これはもう非常に問題が異なるわけでございます。認められれば、これは当然一つの資産でございますから、結局将来にわたりまして、一体どれだけの年月をかけて償却していいか――原価償却、これにまあゆくわけでごいまして、その場合にどの程度の耐用年数を認めてゆくか、こういう問題が残されるわけでございます。これは実態に即して、すぐにどの辺をどう適用していいか、これは一つ、具体的に内容を伺った上でないと申し上げられませんが、そういった問題であるべきであると思います。  それから財産権が全然認められない――一応そういう現在の考え――これはおそらく管財局としましては、現在は大体そう考えざるを得ないという答弁であろうと思いますが、そうした場合に、一体会社経理あるいは税務計算上どう考えてゆくか。結局考えられますところは、一体その賃貸契約が何年の契約であって、そうしてそれが将来どういうふうになってゆくかという問題を、やはり税務計算上も頭に入れなければならないと思います。聞きますところによりますと、どうも契約は一年ごとに更新しているようであります。しかし一応形式的に一年ごとに更新しているようでありますが、やはりどうも内実は、更新されることをお互いは予定していると思います。貸している方も予定している。借りている方も予定している。一年でもってすぐ契約がなくなってしまうというような――かりにも億と名のつく金を投下して、そうして結局大体一年でそれはおしまいで、一年で元をとってしまうのだということは、これは会社自身も考えていないのじゃないだろうか、そういったような点を考えて参りますと、結局大体形式の一年の契約というのは、契約としまして何年くらい一応契約が続いてゆくだろうかといったようなことを考えながら、ある程度どういう償却を認めてゆくかといったような考え方の方が、むしろ実態に即しているのじゃなかろうか、こういうふうに考えておりますが、事柄は結局具体的な問題にぶつかってみまして、最も適性妥当と認められる結論を出すべきものだというふうに考えております。先般お話もございましたので、その辺とくと調査いたしまして、適性な結論を出したい、われわれの方でもそのように今努力をしております。
  18. 成瀬幡治

    成瀬幡治君 先ほど藤野委員の質問にからむわけですが、専従者控除の問題ですね、それからこの提案理由の説明などによりますと、臨時税制調査会を設けて検討しておる、こういう話ですが、結局三十二年度から実施することになれば、もうすでにある程度の結論あるいは大まかな線というものが出ておらなければならぬだろうと思うのであります。そういうようなことについて、あるいは基礎控除をどういうふうに持っていこう、これでは八万円に上げるわけでありますけれども、将来はこれをどういうふうに持っていこうとかいうようなことについて、もう少し基本的な問題について構想を一つお聞かせ願いたいのであります。
  19. 渡邊喜久造

    政府委員(渡邊喜久造君) 臨時税制調査会は昨年の八月から始まりまして、当初は税全体についての一般的な論議を実はやっていただきました。いわばフリー・トーキングな形で自由なる意見の交換をやっていただきました。そしてやってみますと、問題が非常に広範であり複雑でありますので、ちょっと三十一年に間に合うように税制の全面的な改正についての答申を出すのは、これは時間的に無理じゃないか、こういうふうな見通しが出たものでございますから、とりあえず三十一年に措置すべき事項いかんということで、それだけをさらに問題をしぼりまして、そして中間答申をしていただいたわけでございます。その中間答申の結論を参考にいたしまして、これをできるだけ尊重する意味で参考にいたしまして、御提案申し上げているのが現在の法律案でございます。それで一応中間答申のあと、本年に入りまして一回、それから本日は午後もう一回やります。フリー・トーキングをもう一回続けた上で、今度は分科に入りまして、直接税の分科、間接税の分科、地方税の分科、この分科において問題を検討し、同時にある程度の分科の結論を一応出したところでまた総会をやって、さらに総会で、これは六月ごろだと思っておりますが、もう少し問題の方向をきめた上で、もう一ぺん分科でもって細目的な決定をして、そして九月ごろ起草委員会に入っていただく、こういったような考え方でおりますので、全体をどういうふうに持っていくかといった細目的なことにつきましては、実はそれぞれの委員の方がそれぞれの意見はお持ちでございますが、調査会としてこれをどういう方向に持っていくということにつきましては、もう少しお互いが意見を交換しながら問題を練っていくという時間がいるのじゃないかというふうに思っています。  租税体系の全体としましては、やはり今までの論議を聞いておりますと、税負担全体が重いんじゃないかという論議、それから直接税が重い、従って直接税を何とかして軽減していくべきじゃないか、こういう論議が一つあります。その場合におきまして大きく分れる線としましては、一般売上税とか、そういうような大きな歳入をあげ得る税をこの際とり上げるべきかべからざるか、これがかなり議論の大きな分れ目になっていると思います。これはまだ調査会としては可否両論ございまして、いずれとも結論は出しておりません。同時にそれをやるとやらないで、将来の租税体系をどうするか、これが非常に大きく変っていくと思います。  もう一つの線は、現在行われております経済政策的な目的に基く各種の特別措置、これをどういうふうに整理していくか、この整理する程度の問題、これがやはり大きく変っていくと思います。  そういったような取引高税もこの際としてはどうも税としておもしろくないからやらない、特別措置も現状においてまだ相当続けていく必要があるということにもしなければ、結局、直接税の負担軽減をなし得る財源といえば、毎年の自然増収のある部分を税負担軽減に充てる、これ以外にないわけでございますから、落ちつく先は、こまかい細目的な問題は、これは別でございますが、大きく考えて行けば、落ちつく先は従来のような減税を続けて行く、それを大体直接税を中心の減税で続けて行く、こういうことになると思いますし、特別措置が相当整理できる、あるいは整理した方がいいという結論が出れば、これはまた直接税の片方でもってそうしたところに財源を得ますから、一般的な直接税の負担軽減という方向にそこには財源があるわけでございます。あるいは取引高税をこの際やった方がいいのではないかという結論が出れば、これもまたすぐに大きく体系的に変って来る面が出るわけでございます。  現在のところにおきましては、そうした大きな問題につきまして、まずある程度の考え方を一応出して、それを具体的にさらに検討して行く、これは抽象論ではだめでございますので、結局やるとしましても、一体どんな格好のものをやるか、あるいは経済の平常化が進んで来たから、特別措置も大体やめていいのじゃないかというような議論もあるのでありますが、それではどの措置はどういうふうにやって行くか、これも結局それぞれの個々の措置について、具体的に存置した場合の影響と存置しなかった、やめた場合の影響、これを個々に検討して行くということでないと、単純な抽象論では結論が出ないわけでございますので、本日の会議で大体一応のフリー・トーキングを終りまして、あと分科会に入って検討してみようというのは、そういった問題を、今度は具体的に取り上げて行く、そうしてそれぞれの影響あるいは効果、そうしたものを考えながら、一応ある程度の意見を個々のものについて考えてみました上で、これを六月ごろみんな持ち寄ってみようじゃないか、そうして大体どういう方向に問題を持って行くべきかという点を考えて行ってみたい、そういった段階にございまするので、たとえば個々の専従者控除の問題を今どうするか、こうするかといったような点についてはまだもう少し時間が先になるのじゃないか、これは分科の問題として一応やはり検討さるべき問題じゃないか、まずそこで一応の検討をとげた上で、全体としての構想をどう持って行くかという点に考えて行くべきじゃないか、かように考えておりますので、税制調査会の答申の最終の結論というものが、それがどういうふうな姿となって現われるかということにつきましては、もう少し時間をかしていただく必要があろうと考えております。
  20. 成瀬幡治

    成瀬幡治君 税制調査会の答申案が、この間と申しますが、一度出されておるわけですね。その大体の方向と、先ほどあなたが非常に抽象的にお話しになって、まだこれから分科会を開き、あるいは総体的のものを練ってやるのだからと、こういうようなお話でございましたが、あの出された方向ですね、そういうものはやはり満場一致で来ておったものですから、あの柱というものは、そういうものはくずされない見通しなんですか、それともそうしたものはもう一度御破算にしてしまって、そうして根本的に大体やり直して行く、こういうことなんですか。
  21. 渡邊喜久造

    政府委員(渡邊喜久造君) 全体として前に中間答申に出ている思想が根本的にひっくり返されるかどうか、私は一応はひっくり返らないと思っております。ただあの中間答申をごらんになってすでに御承知だと思いますが、取引高税の問題は論議されている。しかしこれをやるべきか、やるべからざるかは非常に大きな問題だから、調査会としては、慎重に検討してみなければならぬ問題として、これは取り上げていることは取り上げておりますが、それをやる方向か、やらざる方向か、これは全然調査会としてはまだきめておりません。これが一つ。それから第二の、あるいはお話の点で私が多少推測を入れての問題ですが、特別措置に対する答申、これにつきましては、調査会の報告は経済の正常化に伴って、これは漸次整備されていくべきものである。従って少くとも新らしい特別措置はやるべきじゃない、こういったような一つの方向が出ているわけでございます。この点につきましては、これはその後の調査会におきまして、そういったような方向をひっくり返すというようなことはまだ出ておりませんが、どうもあそこの答申の内容からみましても、経済の征常化というのは、一体現在どういうふうにどう進んでいるのか、同時に特別措置等をどうひっくるめて考えていくべきか。これはもう一ぺんあの答申を書き直すというような意味の気持ではないと思いますが、もう一ぺん調査会としては具体的に今度は個々の特別措置を検討してゆく上については、現在の日本の経済の情勢というものをどう判断していくべきか、これはこれでもってもう一ぺんよく話し合ってみようじゃないか、実は本日の調査会で主としてその問題をもう一ぺん話し合ってみよう、これは前回の調査会のときにそういうお話が一ぺん出まして、そうしてきょうの調査会でさらにいろいろやってみようじゃないか、経団連とか、そういう方面からも、一応経団連なら経団連で考えている現在の日本の経済情勢の姿、こういうものを一ぺん出してもらってみようじゃないか、こういうようなことで話が進んでおります。従いまして中間答申で出た思想がそのままもうすぐひっくり返されるかどうか、これは私は何ともまだわかりませんし、そうひっくり返すというほどの問題とは思っておりませんが、しかし単純に経済の正常化が進んでいるから、特別措置はどんどん廃止していこうというほど単純な問題でもあるまい、こういったような考え方で具体的に個々の措置をみてみようじゃないか、こういうふうな気持じゃないか。私は一応幹事として列席しておりまして、調査会がどう考えているか、大体そんな考え方でいいのじゃないかというような推測をしております。
  22. 成瀬幡治

    成瀬幡治君 面接税が非常に重いという点ですね。これは私は調査会の大体一致した考え方だと思っている。これがしかし給与所得の場合でいいますと、所得税を源泉徴収してやるのをまけてもらうわけにはいきません。そこでこれが地方税に参りまして、市町村民税を納める場合に、勤労者たちが一つの団体等を作りまして、そうして関係市町村に対しまして、これを若干割り引くというようなわけではないのですけれども、納税組合などを作ってやった場合には、一定の手数料を支払うことになっている。それと関連して、たとえば新聞等に大きく出ました水戸等を初め、そういうようなふうに、若干形式は――全然割り引きじゃないと私は思うのです。たとえば勤労者の厚生施設であるとか、そういうようなものに予算を割いているから、何ら批判する点はなくて、これが悪いという結論は全然出ないと思います。しかしそこに流れておる考え方は、非常に給与者の税が重い、だからという一つの現われだと思う。これを納めておる給与者ばかりではなくて、私はすべての人が認めておる。あるいは農村の人たち、あるいは青色申告をやるような人たちは、米価の問題で非常に低く押えられているから税が低くなる、だから納める必要はないというのは一つの考え方であって、妥当であると思います。それと比較して若干給与所得者が高いという考え方が私はあると思う。そこでそういう中で八万円に引き上げられたわけですが、しかしこれは三十二年度になれば当然引き上げられるからいいんだというような考え方かもしれませんが、ぜひ一つあなたから、臨時税制調査会にお出になっているわけですから、私はそういう全体的な空気をつかんで、ぜひ税のバランスですね、特に基礎控除などということは、理論的な考え方を、大体それだけ最低生活を保障する額は引いてやるのだという考え方がほんとうだろうと思います。ですからそういうことで、税制調査会でがんばっていただきたい、こういうことをお願いして、注文いたしまして、これは質問じゃありませんが、お願いいたします。
  23. 岡三郎

    ○岡三郎君 この提案理由の説明の中で、二ページに「最近の所得税負担の状況にかえりみますと、給与所得者の負担が他の所得者の負担にくらべて特に重いと認められますので」こう書いてありまするので、これに対して「特に重い」ということについての計数的ないわゆる資料を出してもらいたいというふうにお願いをしてあったわけです。これは計数的な資料は今すぐ出せないというふうなことで御返事があったわけですが、やはり「特に重い」という判断に立った点については、一応計数がなくてはならぬと思う。当然またあると思う。これについてやはり御説明願うなり、あるいは資料を出してもらいたい、こう考えるわけです。
  24. 渡邊喜久造

    政府委員(渡邊喜久造君) 給与所得者に対する負担が重いのじゃないか。これは今成瀬委員からもちょっとお話しがございましたが、われわれもよく聞かされるところであり、また事実そういうことがあるのじゃないか。結局税法の一応形式的な面から考えて参りますと、給与所得者については必要経費の控除はありませんが、一割五分の給与所得控除がある。それから事業所得者の方にはさらに事業税があり、農民の場合は生産手段である田畑などに固定資産税がかかってくる、まあこういったような問題がございまして、税制の上では特に給与所得者が重いという結論はすぐには私はなかなか出にくいのではないか。ただ問題はむしろ執行の問題とからみ合っているのではないかというふうに考えております。もちろん執行の方を適正にすることによりまして問題は片づくわけでございまして、執行が悪い、適正でないということを前提に税制を考えるべきじゃないか、これは一つの議論であります。シャウプ勧告においてシャウプ使節団が主張しておりまするのは、まさにその線でございます。従いましてわれわれもやはりそうしたものも一つの考え方であるというので、過表数年間その線に沿って執行の改善にもっぱら努力を注ぐべきであり、税制の方はそれを前提にして考えるべきじゃないか、執行の不十分さを前提にして考えるべきじゃないかというところで問題を考えて参ったわけでございますが、しかしなかなかこの執行が適正になるという問題につきましては、これは現在でも努力し、今後も努力して参らなければなりませんが、そう一年二年ですぐそれがよくなるといったほどのなまやさしい問題ではないわけでございます。従いましてそうした現実の事実を見ますときに、結局市町村民税などでいろいろな事実が現われている。これもわれわれずいぶん調べてみましたが、なかなか数字的にはっきりこれはこうだといったような数字は出て参りませんが、しかし一応世間一般がだれもがそういうふうに感じているといったような声はわれわれもあるように思います。税制調査会におきましても、そういった点を考慮しまして、現実の事実として、とにかく給与所得者の負担は重いのだから控除を引き上げるといったことでも考えて軽減すべきだ。二割という率を出しましたにつきましては、過去におきまして日本の税制における給与所得控除、これは戦前も大体そうでしたが、二割控除というのをやってきている。昭和二十二年でございますか、分類所得税になりまして、多少それがはっきりしない姿になりましたが、しかし今度はまた総合所得税に返った二十二年の改正、その場合において今度は二割五分の控除率に上ったことはございます。しかしこれは特に執行が当時の経済の混乱で乱れていた時代でもございますし、いわば多分に執行が工合が悪くて、それ以前も二割というのが普通なされていた姿でございます。シャウプ勧告は先ほど言ったような線で、むしろ給与所得控除というものは特別にそう考える必要はないのだ、せいぜい必要経費以上に考える必要はないのじゃないか、勧告自身としては一割の控除率を勧告している。それが今まで税法としましては一割五分ということになったわけでございまして、しかし今申したようないろいろな事情を考えてみますと、どうも少くとも二割くらいに控除率を上げるのが適正じゃないかというふうな考え方が出ましたので、今回の提案になっているわけであります。執行の問題と結びついておりますだけに、数字的にこういうふうな計数になって、それでちょうどバランスがとれるのだといったような点を、数字的に出すことは遺憾ながら非常にむずかしいということを御了承願いたいと思います。
  25. 岡三郎

    ○岡三郎君 だいぶ勘で二割にしたということになるのですが、そういう説明なら渡邊さんに私は言いたいことがあるのです。臨時税制調査会に、やはり取られている方の代表というと莫然としますが、労働組合関係なんかでも、しきりになぜ臨時税制調査会に入れないのだというふうなことを言っておるわけです。組合関係では、直接取られておるのでひどいということをある数字からはじいておる人たちも相当おるわけです。だからそういう意見を直接聞く必要があると私は思う。この臨時税制調査会に今さら入れるといっても、時間的に間に合わないとお答えになるかもしれませんが、そういったお考えございませんか。
  26. 渡邊喜久造

    政府委員(渡邊喜久造君) 現在臨時税制調査会でもって委員にお願いしています方で、いわば労働関係という莫然とした名前と私は考えていただきたいと思いますが、関係の方としましては、金正委員とそれから岩井委員と二人にお願いしております。われわれとしましては、もちろんそれで十分だとあるいは言いかねるかと思いますが、各方面のあらゆる階層の意見も聞いてみたい、同時に学識経験者の中正な意見も聞いてみたい、こういう考え方で委員の選定をしているわけでございます。同時にその委員の議論だけではまだ不十分であるという意味において、各方面の方々から委員がいわばヒヤリングをやる、これはもう私当然やっていただきたいものだというふうに考えておりまして、実は私としましては会長に、今度分科に入った機会において、ぜひ関係の方々の意見を聞く機会を持ったらどうだろうか、その意味におきまして、国会の開会中ではございますが、分科はどんどん進めていっていただいた方がいいのじゃないか、主としては、こういう関係の方々の意見を聞くという段階をまずこの時期においてはおやりになったらどうですか、実はそういう進言をしているわけであります。岡委員のおっしゃいました各方面の広く意見を謙虚な気持で聞いてみるということは、調査会としてもその方向でやっているというふうに私は考えております。
  27. 岡三郎

    ○岡三郎君 この控除率の問題は執行の問題と相関関係があるというお答えですが、私もその通りだと思うのですが、実際今まで昭和二十五、六年ごろにも源泉徴収されるものと、そうでないものとの開きというものは相当なものだった、それでその後裁判官等に会ってみても、裏表のない生活をしている者は実際にたえられないというふうな声をずいぶん聞いたことがある。それでちょうど私がイギリスから帰ってきた当時に、イギリスあたりの実際の状態というものは、非常に公正にできておる、何と言っても日本のやり方というものは、弱い者いじめが多過ぎるという声を非常に聞いたのです。それでこの執行の問題等に関しても、勤労者だけを源泉徴収するということはどういうことなんですか。結局一銭一厘間違いなく持っていっておるのに、ほかの方はなかなか弾力性があって、ラフである。だから食えるだけの賃金という言葉からいえば、食えない賃金を払って置いて、それから税金を取っているということは、けしからぬというふうな、公式的な発言もやはり私は出てくると思うのです。そういう点で執行の問題について、今力を入れておると言っておりますが、実際には飲食税その他についても公給領収証云々というふうな問題で――これは地方税ですが、いろいろとまた含みが出て来た。要するに勤労者の所得に関してのみ源泉徴収するというわけはどこにあるか。
  28. 渡邊喜久造

    政府委員(渡邊喜久造君) 源泉徴収の方法によるべきか、申告納付の方法によるべきかということにつきましては、これはいろいろ議論のあるところでありますが、結局現在の執行の段階、執行の状態からみて参りますと、やはり源泉徴収の可能な限りにおきましては、源泉徴収をした方が適正な課税ができるということは考えられるわけでございますが、しかし源泉徴収をやりたくても技術的に全然できない――たとえば農家なら農家の所得に対する所得税を源泉徴収でやる。これはちょっとわれわれの知恵がないせいかもしれませんが、われわれの知恵じゃどうも適当な方法が見つからない、こういうやつはどうしても申告納付の方法によらざるを得ない、こういったわけでありまして、一応源泉徴収の場合、申告納付の場合、それはいろいろ執行の現状を見まして問題が残っておりますが、同時に目指すところは、やはり全体の所得を適正に把握し、適正に申告していただくというところにもっていくべきだ。従いましてやはり適正な申告にもっていくために源泉徴収はあった方がいい、同時にそれがやり得るものはやはりこの方法でやっていくべきじゃないか。こういったような考え方で、現在やり得るものについてはできるだけこの方法で進んで行こう、こういった考え方でものを考えておるわけでございます。
  29. 岡三郎

    ○岡三郎君 その考え方は同感で、それでいいのですが、しかし、実際は今までで考えてみれば、これから十五を二十にするということである程度緩和されると思うが、今までの分を払い戻してもらいたい、大体今まで余計に取り過ぎておりますよ。だから向う一カ年ぐらい暴論かもしれないが、勤労者については免税にするくらいなことは当然だと思う。会社なんかは損害したときには払い戻しておるでしょう。ところが個人なんかにおいては、いろいろな出費があっても、それは微々たる控除しかなされておらぬ。だから結局、根本問題は、徴収方法――執行方法というものがやはり月給取りについては酷に失してきておるのじゃないか。今、臨時税制調査会の答申を待たずしてやるということにきておるわけですね。これは非常に一面からいえば、いいと言るかもしれませんが、あまりに今まで取り過ぎておるから、三十二年度を待たずしてやるというところに、私はやはり一面には来ているのじゃないか、こう思うわけです。われわれは絶えず主張して来たことは、もう一五%を二〇%にするなんていうことは、よほど前にやってもらわなきゃならなかった、徴収方法が変らない以上はですよ。それでもう明年度ごろからは、特別措置的なものはできるだけやめて、そうして二五%程度にして、給料の値上げをしないというのですから、そうするよりほかに各官庁の汚職収賄なんていうものをやめる方法はないということを言ってきたわけです。われわれとしては。実際表裏のない官公吏、こういうた方々が、現在の月給で子供を教育させ、一般のつき合いをして、そうしてとにかく九尺二間でも一戸をかまえて、官吏としての体面を保つなんていうことができるわけがない、これは。公務員官舎でも、課長さんなんか以上はずっと入っているけれども、月給の安い者ほどそういう給与を受けていない。実際にそういうことになれば、今まででもどのくらい――インフレの時期から最近なんかにおいても、源泉徴収だから、もうあきらめて取られているわけですね。しかし他の面においては非常にラフ――先ず手かげんが相当ものを言う、手かげんがものを言い過ぎるから、決算の報告書なんかに見てみるというと、税務官吏のインチキが相当出てきている。そういうふうな面から見て、一事が万事とは私は言わぬが、逆に言うと、ちょっとこれはおそかったのじゃないか。本来ならば順当にいっているならば、臨時税制調査会の報告を待って所得税を考えていくということがノーマルないき方だが、それにしても、もうとにかく月給取りの税金の問題は、つまって来ているというところで、一歩先にやろうということは、まことに善政であると言えるかもしれないけれども、少しおそかったのじゃないかと、こう思うのですが、その点はどうですか、渡邊さん。
  30. 渡邊喜久造

    政府委員(渡邊喜久造君) おそかった、早かった、これはいろいろ見方があると思っております。税制調査会におきましては、先ほどもお答えいたしましたように、最終答申を出すについては、まだ相当の検討を必要とするが、しかしとにかくこの分だけは三十一年からやっていいのじゃないか。中間答申が出まして、従いまして、われわれもその中間答申の趣旨を尊重しまして、一応御提案申し上げているわけでございまして、全体としていろんな意見はございますが、とにかく確かに数字的に――どれだけ給与所得が重いのだ、負担が不均衡だ、これは、はなはだ数字的には出にくい問題でございますが、しかし各方面の御意見を伺いましても、やはり今お話のように、どうも給与所得の負担は実質的に重い。従って控除率を引き上げる、こういったようなこともぜひ考えろと、こういったような御意見も多分にございます。調査会で中間答申もございますし、われわれとしては現在御提案申し上げているような控除の引き上げを考えたわけでございます。
  31. 岡三郎

    ○岡三郎君 私はだからもう一歩前進して、かりに給与の低い人たちということを想定してもけっこうですが、給与の低い人、こういった人たちは、相当今回のこれで、まあ減免措置がとられるということになっておりますが、やはりこれは微々たるものだ。それで実際生活して――渡邊さんも生活しておられるが、結局下僚ですね、下で働いている人たち、こういった人たちの様子を見れば――まあ大蔵省あたりは優秀なる官吏諸君なのであるから、アルバイトなり副収入があるかもしれませんけれども、そうでない方々なんかは、もうとにかく何をよこすにしても税金でとっていってしまうというところで、私は今の段階としては二五%にせいという主張をもっているのですが、数字的に組合その他の方においていろいろ意見を聞かれるということだから一応いいとしても、もう少し数字的に納得さしてもらう方法はないかと思う、現実の問題として。それがなかったならば、私はやはり給与所得者だけ源泉徴収するということは不公平だという論はどうしても曲げられない。結局、私の言わんとするところは、将来のデータというものは出にくいというけれども、データというものは、ある程度あるのではないのですか、これはどうなんですか。
  32. 渡邊喜久造

    政府委員(渡邊喜久造君) 私の方に自信のあるデータがあれば、別に御提出申し上げることに何らちゅうちょするものではございません。いろいろな推定的なことはやってみておりますが、なかなかそれぞれ非常に憶測がたくさん入っておることしかできないわけでございまして、そういったような上に数字的な根拠を示して云々ということにつきましては、遺憾ながらわれわれとしてまだ自信のある数字を持っておりません。かし先ほど申したように、まあ給与所得が非常に負担が重いのじゃないか。源泉徴収をやっているということもまた頭に入りますし、さらに過去におきまして、給与所得控除が二割であったということが、日本の税制のあり方として見ますれば、むしろ通常の姿であったといったようなことも言い得ないでもございませんので、この際としてやはり二割に引き上げることが適当である、こう考えたわけでございます。
  33. 岡三郎

    ○岡三郎君 私はそこについてはずいぶん異論があるのです。政府の言い方はいろいろでありますが、過去の率が二割であった、しかし給与――実質的な所得は戦争で負けたから仕方がないと私は言えぬと思う。給与の実際の所得は、物価に比べて、ものすごく低くなっていることは渡邊さん御存じでしょう。そうなるというと、実質的所得がぐんと落ちてきているということから考えてみて、やはり戦前と比較して、戦前の数字が二割だったから今も二割ということでは私はいかぬと思います。だから、そういったような給与の実質的な所得、実質的な収入というものを考えていった場合には、もう少しこれを考えてやらなければならぬし、源泉徴収しておるのだから、手間もひまもこの面についてはあまりかかっておらぬ。ほかのいわゆる税金を取り上げる方式を考えてみて、比べてみて、何かの形で――この今言ったように源泉徴収をやめるわけにいかぬとするならば、何らかの方式でやはりこの給与所得者を見てやるという方式が私はできなくてはいかぬと思うのです。とにかく源泉徴収方式を固定して、他の税金を取り立てる執行部面を強化していくといっても、その均衡というものがきちっとできるなんということは私は考えられない、今の状態から言えば。そうなればやはり従前のいわゆる戦前の収入と現在の実収入とはえらい違いがあるということから考えたら、二〇%というものを固定化することは私は反対だと思う、その点どうですか。
  34. 渡邊喜久造

    政府委員(渡邊喜久造君) まあ戦争に負けまして、日本経済が非常に窮乏といいますか、貧弱になった。その場合において、結局確かに給与はおっしゃるように戦前に比べますと実質的に落ちておる。しかしこの面におきましては必ずしも給与所得者だけの所得が戦前の水準から落ちておるということはちょっと言いにくいのではないか。国民所得全体が実質的に非常に貧弱になってきている。一人当りの国民所得というものは非常に小さくなっているわけでございます。従いまして、問題は、そういった場合における給与所得者と限らず、各種の所得者についての基礎控除、扶養控除をどう考えていくか、これが一つあると思うのです。しかし現在のような状態で、この程度の財政規模であり、同時に公債も出さない、そして税でもって、税を中心として経常収入でこの財政をまかなっていく、こういうことになりますれば、現在の間接税の体系、直接税の体系である限りにおきましては、やはり基礎控除を上げ、扶養控除を上げるについては、そういう一ぺんに思い切った上げ方はできない。やはり徐々にではありますが、とにかく六万円を七万円にし、七万円を八万円にするという、非常に段階的には徐々ではありますが、一応そうした粘り強いしんぼうをしながら、だんだん戦前の姿に戻していく。これは一面においては国民所得が戦前の水準にだんだん帰っていく、そういうものと見合いながら、やはり税のそうした負担の関係におきましても徐々にこれを帰していく、こういう方法以外にないと思います。問題は今の控除の問題、これはそうした絶対的に一人当りの給与が低い高いという問題よりも、むしろ給与所得と他の事業所得、あるいは営業の所得や、農業の所得、そうしたものとの負担のバランス関係、こういう問題でございまして、これは戦前においても同じような問題があったわけでございまして、当時において大体給与所得者の控除は二割、こういった考え方できていたものですから、これは今、岡委員がおっしゃいます。人当りの実質的賃金云々といった問題とは、またちょっと別の角度から考えていい問題じゃないかと、かように考えております。
  35. 岡三郎

    ○岡三郎君 まとめとして数字がないというのだから、これはこれ以上追及するわけにはいかぬとして、他の所得者の負担に比べて特に重いと認められると提案に書いてある。だからそれを、数字がなくてもいいから、かくかくの理由によってこういうふうになったという一つ論文を出してもらいたいものだ。それがないというと、政府の言っていることに対して証拠にならんよ。今後の戦いにならぬ。だから一つそれを、これに対する補足説明をされたが、補足説明では不十分だから、もう少し政府として責任あるところの一つ御回答を、後刻で結構でございますから、一つ出してもらいたいと思います。
  36. 渡邊喜久造

    政府委員(渡邊喜久造君) 私がここで御答弁申し上げていることは速記録にも全部載っておりますし、私としましては責任を持った御答弁を申し上げているつもりでございまするので、論文を出すとすれば一つのやり方でございますが、結局今御答弁申し上げたことを要約した程度になりますので、その程度で御了承願いたいと思います。
  37. 岡三郎

    ○岡三郎君 私は御回答を聞いても、失礼だが、どうしても目の子でやっているというふうにしかとれぬのです。その程度のものではなくて、もっとこれは深刻な問題だと私は考えているわけです。だから、やはり一五%を二〇%にしなくてはならなかったという根拠をやはり大蔵当局が出してもらいたいということを、私は……。これはこれを基礎にしてやはり二五%の主張を私たちはしなければならぬと思っている。ところが一五を二〇にすることについて、目の子予算的な御回答では満足がいかない。だからもう少し、不確定な数字でも、かくかくの状況によって他の所得者の負担に比べて、給与所得者は特に重いということを、ぜひともこれは出してもらいたいと思う。
  38. 山本米治

    ○山本米治君 関連して。私は少し前にこの委員会で木村禧八郎君が、国民所得から考えて、国民所得のうちで、給与、賃金所得というようなものと、事業所得といいますかね、そういうものとの、去年の秋ぐらいの話だからおそらく六兆三千億を基調にしたと思うのだが、そのうちで、その二つの給与所得の大きさは大体同じであるにかかわらず、賃金所得に対するる税金は二千億以上になる。ところが一方、事業所得といいますか、給与所得以外の所得に対する課税は、七百億前後だというようなことをいって、所得の大きさが同じであるにかかわらず税金の方は、給与、賃金所得者が三倍払っている、非常に不当じゃないかといって数字をあげたように覚えているのですが、そういう種類の数字は大蔵省は研究しておられないのですか。つまり国民所得のうちの賃金、給与所得あるいはそれ以外の事業所得といいますか、それと一方の税金、他方の税金、その比較はどうですか。そういう数字はないのですか。
  39. 渡邊喜久造

    政府委員(渡邊喜久造君) 今おっしゃるような、国民所得を一応……、これは経済審議庁でやっているのですが、給与所得の分は幾ら、農業所得の方は幾ら、それからその他の営業所得は幾ら、この数字を片方に出して……これは直接税だけでございます。間接税についてはちょっと無理ですが、直接税について大体給与所得が負担しておる、特に増減について負担しているもの、これは幾ら、このパーセンテージを出すことは、これはできます。しかし要するに個々の税制において二割控除がいいか悪いかといったような問題になりますと、これは大体給与所得者の何千億という数字が出ましても、それがどの程度の人数でもってこれを受けていく。さらに所得の階層がたとえば小さい方と大きい方とどういうふうになっているか。こういったような問題が全部解明されて参りませんと、たとえば単純に、その国民所得の全体の大きさと、それから税金、これを割ってみて、そうしてパーセンテージが大きい、少い、それだけでわれわれが結論出すのは無理じゃないか。税制の問題になれば、やはりそれがどの程度の人数のもので、同時にさらに一人当りの人数だけでなくて、その階層自身がどういう程度のものになっているのだ、こういったような問題まで入って参りませんと、ここでもって給与控除を二割にするか一割五分にするのがいいか、こういったようなところまでは、なかなか問題がつまっていかない。従ってお話のように、非常に抽象論でして、国民所得の調査が、これがどこまで正確であるか、これまで言い出したら、これはもう身もふたもありませんが、しかしあれが一応正しいものとしてみまして、割ったパーセンテージを出してみる、これはできます。しかし今度はたとえば給与所得の場合においては、扶養家族の人数と、これも給与所得の場合と農業所得の場合とは相当人数が違いますし、家族構成が違います。そういうような問題が全部集まりまして、結論として、給与所得者の負担する税は幾ら幾ら、農業所得者の負担する税は幾ら幾ら、こういうことが出て参ります。  従って、今、山本委員のお話しになったような数字、これは出ます。しかしそれでもって、今の二割五分の控除がいいのだという根拠にすぐに持っていくには、よほどのそこに途中のプロセスが要る。そういう意味において、二割を、一割五分はいけなくて二割がいい、あるいは二割五分ではいけなくて二割がいい、こういう点について、今ここでもってちょっと資料を出すということは、私の方では出しかねる、こう申し上げているわけであります。
  40. 岡三郎

    ○岡三郎君 私は国会議員の場合も、七万八千円もらっておりますが、税金をうんととられている。実際問題としていわゆる滞在費という名の給与によって息をついておるのが実態だと思うわけです。広く考えてみれば、これも不公平ですよ。逆にいえば、厳密に私は考えてみたことがあるけれども、各官庁においては一体税金のつかない給与がどういうふうな形で支給されておるか、まかない費めいたものが。だからそういうものがない下級の人たちは非常に生活実態というものがもうぎりぎりへ行っておる。汚職を、少いからするということではないと思います。思いますが、それと関係は面接はないとしても、少くともまじめに官公庁に勤めておる方々は、私はやはり生活ができない。それで政府の方は給与も上げないということになって、昇給、昇格自体でも思うように全部がやれないということになってくれば、やはり税金の取り立て方というものを公正にやっているのだという裏づけの資料を大蔵省あたりで出してくれない限りは、これはやはり税金に対する不信といいますか、そういったものがやはり払拭できないと私は思っているわけです。そういうふうに私が幾ら言っても、なかなか資料ができぬと、まあ渡邊さんは突っぱねておるわけですが、実際問題として不均衡ですよ、全般のやり方が。交際費の今度の増収方針にしたって基本的な線は少しも変えていない。ただ二分の一を今度は全額にするというだけで、基本的な線は変っていないわけなんです。実際問題として。ですから、法人個人とは違うと言いますけれども、やはり一五%、二〇%、二五%、こういったような数字については、やはりよほどの裏づけというものがあって、こうするというふうな御努力をいただかないと、どうも二〇%にしたのも私はずいぶん手おくれで、結局しかしまあ現状から見て、二〇%に一刻も早くする必要があるが、金がかかるので、七月からする。七月からするというのも不満で仕方がない。しかしまあまあ一五%、二〇%にしたからいいじゃないか、こう言われてしまうと、それは、やらないよりは、これはよほどいいということになるのですが、しかしこういう措置をとるにしては、とにかくおそかったと私は思っているくらいなんですから、だから、そういうふうにもう少し総合的に考えてみても、やはり給与所得者の負担が重い。特に重いと書いてあるのだから、私はここに特に重いというところを、一つ私はやはり大蔵省はこういうのを百尺等頭一歩を進めたのだから、これがこうなったら、今度は二五%にする。二五%はいけない。二〇%がこれが戦前の数字でいいというのだったら、私はアプレゲールになって、そんな戦前の数字なんていうのは敗戦後においては適用できないと私は言いたい。それを総合的にすべての数字が違ってくるから、そんなところまで今のような数字でくぎづけされることは反対なんです。だから、こういうふうな気持はわかるでしょう、渡邊さん。わかりませんかな。わからなければ、これは話にならぬ。だから、おくればせながら二割にしたのだからいいじゃないかという点はよくわかります。わかりますが、それだけの親切があるならば、かくかくによって二割にしたというふうな一つの正式なる根拠を提出してもらわぬと、われわれは闘えぬですよ、ほんとうを言うと。浅学非才だから。だから、幸いにしてこういうふうに提案されておるわけですから、その裏づけ資料をもう少し親切に国民代表の前に御提出を願いたいと、これをお願いしておるわけなんです。
  41. 渡邊喜久造

    政府委員(渡邊喜久造君) われわれが今度二割を御提案申し上げたのは、一応臨時税制調査会の中間報告で、とにかく給与所得者の負担は重いのだ、控除率の引き上げ等によって軽減しなければならぬ、こういったような意見もありますし、同時に、世間のいろいろな各種の御批判もそういう方向に向いておりますので、従って今回二割御提案申し上げたわけであります。で、二割について数字的にはっきり裏づけができるということは、われわれもできれば非常にいいと、あらゆる面で見たのですが、なかなかそれがうまく根拠が出ない。しかしとにかく一応この際としては上げる。ただ申し上げておきますが、二割ということで一応この際上げたら、もうこれでこの問題はおしまいになったのだというふうには、われわれは思っておりません。という意味は、二割五分に将来するんだということをお約束する意味では決してございませんが、一応とにかく税制調査会で最終答申をする、その段階においては、一応この際二割にしておくが、これでもって大体もういいのかあるいはどうかという点はさらにもう一ぺん検討を進めていく。そうしてその結論としてこれでいいんだということになれば、二割でおしまいにします。さらにもっと考えるべきだということになれば、またさらに考えていこう。いわば今度の二割の線は、そうしたはっきりした根拠も、これは将来もなかなかどうつかみ得るか私も自信はございません。正直言いまして。しかし、もっとはっきりしたところで最終の結末をつけたい、この際としてはとにかく二割に上げておく、こういうつもりで御提案申し上げたわけであります。
  42. 岡三郎

    ○岡三郎君 これはどうも出さぬというならしようがない。しようがないけれども、それならば、将来の検討もなかなかむずかしいということはよくわかった。むずかしいけれども、何かの機会にやるようになるかもしれないし、やらぬかもしれない。しかもその元はわからぬ。これでは、やはりたよりない。そういうことをあなたは、しろうとだからだと、おなかでは思っておるかもしれませんが、私はそれならばもうちょっとお願いしておきます。結局、主税局長が一番よく知っておるわけですから、所得税に対する減免のやり方はとにかくおそい。盲腸でいえば、化膿して、もういよいよいかぬとなってドクターの診断が出る前に、中間的な診断で、これで一応かりに善処しておるという程度の問題で、これから先にいろいろと検討される場合に、給与所得というのは国の中でうんとでかい部分を占めておるから、なかなかこれをいろいろと操作しにくいことはわかりますけれども、これでは不満です。だから今後ともやる場合においては、この所得税に対してはやはり率先してこの問題について解明をするということが私はなくちゃならぬと思う。それは今勤労者はおとなしくて……最近はたまりかねて賃上げ運動をやっておりますが賃上げ運動はいかぬというふうに政府は言っております。しかし今のような根拠で税金の問題を説明した場合は、私はやはり納得しないと思うのですよ。だから三十二年度から総合的に税制改正をするというならば、そのときに一つある程度の根拠を得られるように、今から時間的な余裕を与えておきますから、その節は一つ、かくのごとき根拠に立って、不十分であるが、このようにしたというふうにせられることを今から期待して、この問題を一応おきます。
  43. 山本米治

    ○山本米治君 資料要求ですが、さっき国民所得と例の税収の問題ですね。これは一五%、二〇%にするのが妥当かどうかということの裏づけにはすぐにはならぬかもしれないけれども、参考として一つ要求しておきます。今たとえば給与所得者は所得税だけかもしれない。一方、農業所得についても固定資産税があるし、営業者については営業税がある。こういうものもちょっと備考くらいにつけてですね。
  44. 渡邊喜久造

    政府委員(渡邊喜久造君) 国民所得の数字、これはまあ要するに給与とか農業とかいろいろ分れておりますから、その場合の数字と、所得税の方にやはり同じような分類があります。この数字及びその比率は、これは出し得ると思います。ただ固定資産税とかいうことになりますと、まあ住宅の分もございますし、それから営業用の分もございますし、田畑の分もある。それを一々区別しまして、そして負担の比較ということになりますと、モデルケースをとってやることは、これはできますが、総合的に全体として、たとえば固定資産税が、給与所得者がどれだけ負担しており、農業者がどれだけ負担しておる。これは田畑のことは、これは農業者だけですから問題ありませんが、たとえば宅地の固定資産税あるいは家屋の固定資産税、それがどういう所得の種類の人がどれだけ負担しているか、これはちょっと出かねる。従いましてわれわれの方で御要求に応じて一応御提出できます書類は、所得の各分類による割合と、それから所得税、法人税ですね、それの各種所得についての割合、こういうものは御提出できます。
  45. 山本米治

    ○山本米治君 できる範囲内で結構です。今のは備考にちょっと書いていただけば結構です。
  46. 岡三郎

    ○岡三郎君 今さっき要望を言っておいたから、それにどう答えるか聞かなきゃならぬ……。
  47. 渡邊喜久造

    政府委員(渡邊喜久造君) 御希望だったので御質問でないと思って……。
  48. 岡三郎

    ○岡三郎君 希望を、向うの立場を尊重して言ってるんだからね。
  49. 渡邊喜久造

    政府委員(渡邊喜久造君) ではお答えいたします。明年までの間に岡委員の御希望にできるだけ沿うようにあらゆる勉強をしたい、かように考えております。
  50. 成瀬幡治

    成瀬幡治君 この租税及び印紙収入予算の説明というのですね、五ページ、Aのところの五行目に昭和三十年度に対して四・三%増になっております。それで私が聞きたいのは、こういうことが聞きたいのですが、人事院は民間給与に対して官公労の給与水準が低いと、こういうことを勧告しております。そして今度政府はベースアップはやらない、ただし定期昇給等をやるんだ、それは三・九%の予算計上がしてあるというのです。地方自治関係の地方公務員は、私は三・九%上らぬと思っておる。ということは地方財政が非常に詰っているから。しかしここで四・三%増になるんだから、民間給与はそうすると何パーセント増になるかということを予定しておるか、ですから民間給与の水準、ベースアップはどれだけ予定しておるか、これは定期昇給昇格でなくて、ベースアップも予定しておるのじゃないかと思う。その場合に、これは余分になりますが、結局ベースがどのくらいに、民間給与水準は上って、官公労とベースはどのくらい違ってくるかという、その二点です。
  51. 渡邊喜久造

    政府委員(渡邊喜久造君) われわれの方で一応この積算の基礎にしました数字を申し上げますと、民間給与四・五%、それから官公吏は四%、一応この数字を元にしまして、そして一応民間給与と官公吏のウエイトを出しまして、それは民間が大体ウエイトが六八・七、官公吏給与が三一・三、このウエイトを出しまして、そのウエイトの総合を四・三%というふうに見ております。で、ベースをどう見ているかと言われますと、ちょっと実はお答えがしにくいのですが、と申しますのは、御承知のように所得税の課税になる人とならん人といろいろございます。ベースという問題になりますれば、課税になる人もならん人も合せたいところでもって一応給与ベースというやつは議論になると思います。われわれの方で積算しております場合におきましては、そこに書いてありますように、一応納税者だけを対象にいたしまして、そしてその分について大体給与がどれくらい上るか、こういうところから積算を始めておりますので、結局まあどういうことになりますか、過去の実績に対しまして、三十年の実績に対して、民間、官公吏を全部アグリゲイトしまして四・三ということになりますので、あるいはベースといったらどう申し上げていいのか、ちょっと直ぐこの積算の問題とは結び付いておらないだけに、ちょっとお答えしにくいんじゃないかというふうに思っております。
  52. 成瀬幡治

    成瀬幡治君 そうすると、三十年度はどういうふうになっておるのですか。
  53. 渡邊喜久造

    政府委員(渡邊喜久造君) 三十年の場合におきましては、われわれの方で積算の基礎にとりました数字は、二十九年に対しまして民間が四・九、官公吏の関係は六・八、総合で五・六、こういう数字をもっております。三十年の二十九年に対する賃金の上りですね。
  54. 成瀬幡治

    成瀬幡治君 これは渡邊さんとベースや賃金の問題で、議論というのは、そういうつもりではないのですが、民間水準は三十年度は四・九%で、官公吏は六・八%上ったというが、六八%というのはいわゆる定期昇給を見ておるわけですね。で、今度は実際あなたは四%とおっしゃるけれども、予算はたしか三・九%しか組んでいない、国家公務員に対して。しかし地方公務員でいうと、地方財政が非常につまっておる、それから若干余裕があって上り得るところもあると私は思う。そういうようなものに関して四%を見込まれたいというのは、私は少し、あなたの方がどういうふうにしてお認めになるのか、ちょっとわかりかねるのですが、問題ではないかと思います。  それからもう一つは、三十年度は定期昇給で六・八%認めたのにこちらが三・九%に落ちておる。そうすると、完全に定期昇給昇格をやるのだ、しかしベースアップは、やらないという政府の答弁と、まあ今の政府が今度の総評を中心とした賃金要求に対して言っていることと、若干こういうところで数字的なズレがあるのですが、まあそういうことをあなたは、先ほど申し上げましたように議論するわけではありませんが、六・八%昭和三十年度のときには認めておいて、今度は四%認められた、その理由と、それから昭和三十一年度に四%は非常に困難ではないかと私は思っておりますが、それに対して四%と見込まれたその理由ですね、この二点を承わりたいと思います。
  55. 渡邊喜久造

    政府委員(渡邊喜久造君) 定期昇給の問題が主でございますが、そのほかに臨時のものが多少入っておる、〇・二五というようなものがございますので、それでわれわれの方で積算いたしますと、非常に細かく議論していきますと多少の誤差はあるかもしれませんが、そういったものも考えまして、一応先ほど申し上げました程度の給与が上るということを考えていいのじゃないかということで、今申し上げた数字にしてあるわけなんです。臨時のものが、今度〇・二五予算にはっきり組んだとかいろいろな問題がございますね、そういうような問題も頭に入れまして、そうして今申したような給与の上昇といいますか、伸びといいますか、そういうものを考えているわけです。
  56. 成瀬幡治

    成瀬幡治君 私は三十年度のときの官公吏の定期昇給昇格を六・八%と見込んでおられるのだと思う。そうして今度四%になっている。なるほど臨時のものは私は三十年度より三十一年度の方が法律改正等によってふえている。しかしこれは、なお、あなたがそういうことをおっしゃるように落ちているから、なぜこういうふうに少くなってきているのか。政府は完全に定期昇給昇格をやると言っておりますね。六・八を上回らなければならないと思う。
  57. 渡邊喜久造

    政府委員(渡邊喜久造君) 〇・二五が実質的に官公吏に支給されましたのは三十年度でございます。三十一年度はそれを予算化した、多少そこにまあ、いろいろな居残り手当とかいろいろなもので考えて参りますと、全然違わないのじゃないかと思いますが、むしろ実質的に官公吏の給与がふえたというのは予算の面では三十一年度でございますが、実質的には三十年度に〇・二五がふえたと、こういうふうにむしろ考えるべきじゃないか、そういう考え方で三十年度はプラスが多くなっていると、こういうふうに考えていいのじゃないかと思います。
  58. 成瀬幡治

    成瀬幡治君 まあそれは渡邊さん、将来の問題だから、ごまかすとかなんとか、私はあなたとやりたくないのだ。これはベースの問題になって参りますし、賃金の問題になるから、主税局長とは私はやりたくない。しかし実際あなたが何とおっしゃっても、実質的に三十一年度にそういう臨時的なものが落ちることは絶対にない。あなたは、ふえたとか、ふえないとかおっしゃるが、〇・二五は三十一年度に支給される、予算計上で。私は六・八%というものと四%というものの差は余りに、……〇・二五じゃない。だから、なぜそうなってくるかということを詳しく説明してもらいたい。
  59. 渡邊喜久造

    政府委員(渡邊喜久造君) われわれも〇・二五は三十一年度予算化されておる。これが減るとは思っていない。むしろ申し上げたいのは、三十年度のは二十九年に比べて三十年がどれだけふえたか、それから三十年に比べて三十一年がどれだけふえるかと、こういう問題なんですから、〇・二五が実質的にふえたのは、これは三十年に〇・二五がなくなってしまえば、その昇給率がもっと減るわけでして、〇・二五は本年も相変らず続くということになってくるので、〇・二五に関してはこれは増加はないのです。結局要するに昇給という問題が中心になってきますから、三十一年度の方が率は少くて妥当じゃないか、かように考えております。
  60. 成瀬幡治

    成瀬幡治君 それならパーセントじゃなくて、一つあなたの方の基礎資料にある人数と、それから支払いの給与総額と申しますか、実質給与金額の合計を、ちょっと三十年度と三十一年度と、それを民間と官公吏とに分けて聞かしてもらいたい、これは資料でいいですよ、私は今どうということはないから、資料で出していただいていいですよ。
  61. 渡邊喜久造

    政府委員(渡邊喜久造君) 現在元にしております数字が二十九年でございますから、二十九年の分を官公吏と民間に分けると、これは私は可能だと思っております。それで結局あれは積算の根拠でございます。ただ数字は、一言ちょっとお断わりしておきますが、納税者の分についてだけでございまして、それで非課税でもう失格しておるものについてはこの数字は入っておりませんから、普通まあよく世間で論議されますいわゆる賃金ベースというものとは、相当違った姿のものであるということだけを御了承願いたいと思います。
  62. 成瀬幡治

    成瀬幡治君 いやいや、違うのですよ、それは失格見込み人員とか何とかいうものは、そのあとの方に出ておりますから、それは入っておるというふうに見ておりますよ。これは資料が出たらやることにして、資料だけ出してもらいましょう。いいですね、資料を出してもらえますね。
  63. 小林政夫

    ○小林政夫君 どうも最初の何が資料要求みたいになるのですけれども、前から非公式に言っておるけれども、どうも実現しないから、速記をつけて言いますが、この申告所得税の納税人員と、それから源泉所得税関係の人員とがダブっているのですね、この見込み書と一部ダブっている人数をなるべく正確に知らしてもらいたいのです。ということは、国民の扶養家族を、非納税者をも含めて、国民八千九百万の中で、納税階級というものはどのくらいのパーセンテージになっているか、今ここでそのダブったことをそのままにして計算すると、三六・九%が納税階層ということになるのですが、そういう数字を正確にするためにもう少し分析をしてもらいたい、これが一つ。  それから毎年出ておるのですが、今度は出ていないのですが、所得税について、所得階層別の税収見込み額、所得階層別の源泉と申告に分けて、それから法人税の場合において、ここにその法人資本金の区分による所得金額は出ておりますが、まあ前ならば四二%程度だとすぐ税額がわかるのですけれども、今度五十万円以下三五%というふうになっているから、この表にもう一欄加えて税額をあげてもらいたい。これは二十九年度ですね、私の要求したいのは三十一年度の見込みをやってもらいたい。
  64. 渡邊喜久造

    政府委員(渡邊喜久造君) 一番最初御要求になりました実質的な人数という問題ですが、給与と申告の関係は、これは数字がある程度推定が入ってきましても出ると思います。ただ源泉と申しましてもいろいろございまして、たとえば配当の問題あるいは預貯金の問題、こういう源泉の人数というのは、御承知のようにこれはちょっとわかりかねます。従いましてその点だけ一応お呑み込み願えば、できるだけ正確に近い数字を出したいと、かように考えております。  それから第二の御要求の源泉と申告に対しての階級別の税額、これは御提出できると思っております。  それから第三の問題は、資本別のほかに所得別の数字が出ませんと、御要求の数字ができないわけでございます。で、この二つをかみ合わした統計が実はちょっと手元にございませんので、どうなりますか、ある程度こまかい数字になりますが、どの程度のものができますか、かなり困難だろうと思っておりますが……。
  65. 小林政夫

    ○小林政夫君 ここに払い込み資本金別の、階層別と言ってもいいでしょう、払い込み資本金の階層別の件数と所得金額が、資料として出しておるわけです。これは二十九年度については、所得の把握が、こういう計数がここにあげられる以上は、それに対する法人税額というものは計算されてしかるべきだと思います。
  66. 渡邊喜久造

    政府委員(渡邊喜久造君) 現在国税庁で集めております統計が、資本階層別所得までしか実はとっておりません。従いまして、今度は、その中で、たとえば五十万円以下と言いましても、三十万円のものもあれば、四十万円のものもあるといったような問題もからみ合って参りますので、ある程度推定で一応の数字を求めることは別といたしまして、正確な統計としては、現在ある資料ですと、全国的にもう一ペん取り直せば別でございますが、ちょっと取りにくいのでございます。何か一応の推定でも入れてやれば、あるいはできるかもしれませんが、正確な統計としては、ちょっとできかねるじゃないか、かように考えております。
  67. 小林政夫

    ○小林政夫君 それは、いろいろ実際に資料を取らなければ集計できないでしょうけれどもね、これを調べてもらいたいと思います。資料としては、そういう資料をはっきり毎年々々出しておいてもらえば、われわれも、この税収見込額についておよその見当がつくわけですが、今、ここに出された資料の中で、年所得五十万以下に三五%の軽減税率を適用した場合の法人税減収見込額平年度二十三億円、こうなっておるのですが、この前の国会で、だいぶ、だめを押して、十八億、これはもう絶対間違いないというので、あなたが確約された数字は十八億、それが二十三億になったのはどういうわけですか。
  68. 渡邊喜久造

    政府委員(渡邊喜久造君) どうも私、頭が悪いのか、この前十八億と申し上げたのは、どういう数字をどう申し上げたのか、ちょっと今記憶しておりませんが……。
  69. 小林政夫

    ○小林政夫君 資料が出ておるのですよ。
  70. 渡邊喜久造

    政府委員(渡邊喜久造君) 二十三億という数字は、これは三十一年度の予算をもとにして出した平年度の数字でございます。十八億という数字は、前国会でもし申し上げたとすれば、それはおそらく、三十一年度の予算はできていないのですから、まあその当時の数字だと思いますが、もう少し、前回の答弁なり、資料なりを照らし合せた上でお答えいたします。
  71. 小林政夫

    ○小林政夫君 あなたにかわって僕が答弁するとすれば、これは、前回は三十年度の法人所得を考慮に入れて、平年度に直した場合に十八億であった。ところが、今五十万円以上の所得をあげておる法人がいかに所得がふえても、三五%という下積みのところは変りはない。ところが所得が五十万以下の法人がかなりふえてくるということなら、この前は十八億でありましたが、今度は二十三億になります。と言うのは、そういう五十万までの所得の法人が三十年度と比べて三十一年度はふえるという見込みであるからこういうふうになるのだ、と言うならわかるのです。
  72. 渡邊喜久造

    政府委員(渡邊喜久造君) 十八億という数字を私はっきり記憶しておりませんので、まあ先ほど御答弁したようなことを申し上げたのですが。おそらく十八億は、その数字の当時の計数からすれば三十年度のことを申し上げたものと思います。法人数がふえれば、法人数がふえただけやはりその数字は多くなっていく、これは当然のことだと思います。
  73. 小林政夫

    ○小林政夫君 それは、法人数がふえるのみならず、今まで欠損法人だった中小法人五十万円までのものが景気が少し上向きになってきて所得がふえる。
  74. 渡邊喜久造

    政府雲量(渡邊喜久造君) それはおっしゃる通りでございます。
  75. 小林政夫

    ○小林政夫君 それから、大体通牒でやれる範囲と法律でやらなければならぬ範囲はどういうふうに主税当局は考えられておるのか。「夜間の勤務者に支給する夜食に対する所得税の取扱いについて」という通牒が昭和三十年十一月二十四日付で出ている。社会党方面から議員立法で、当該給与を非課税にしろ、こういう意味の法案が提案されたときに、主税当局は、絶対困る、こういうことを言っておったにもかかわらず、いつの間に話し合いがついたのか、こういう通牒が出て、一食七十円、一カ月合計七百円というものについては、現物給与並みに扱って非課税にする、こういう通牒になっておる。この事柄のよしあしを言っておるのではありません。税法で、法律で解決しなければならぬことと、執行部の取扱いによってやれる範囲というのは、一体どのように考えておられるのか。
  76. 渡邊喜久造

    政府委員(渡邊喜久造君) われわれの解しておりますところによりますれば、法律解釈としてでき得る範囲、これは一応通達でやって差しつかえないじゃないか。それから解釈の範囲を出る、明かに法律と矛盾するというようなものは、もちろん通牒でやるべきことじゃない、かように考えております。
  77. 小林政夫

    ○小林政夫君 そうすると、この通達によってどれだけ国は減収になるか。
  78. 渡邊喜久造

    政府委員(渡邊喜久造君) 今数字を手元に持っておりませんので、後日お答えいたしたいと思います。
  79. 小林政夫

    ○小林政夫君 法難解釈でやれるといっても、実質的には現物給与とこれは解釈をしているといっても、相当こじつけですよ。とにかく七十円、これを通算して一カ月七百円というものは免税所得にするのだ、こういうことなんで、そういうことが、一般論としては先ほど説明された通りでしょうけれども、国家として相当減収を伴うことを、一片の通牒でもってお取り計らいになるということは、われわれとして相当問題だと思う。そういうことが安易に国会の眼をかすめてできるということはおかしいと思う。しかも、あなた方は、立法論としても、かなり前に議員立法で提案されたときには、理論的にも相当抵抗しておられる。そうして、いつの間にか、こっそりとこういうことが行われるということは、はなはだ国会審議というものについての考え方、国会に臨む態度というようなものについてもおかしいと思う。先ほど来、いろいろと聞いていると、一体、税制調査会と国会の審議というものについてどっちを重点に置くのかということを聞いてみたくなるような答弁ぶりでもある。
  80. 渡邊喜久造

    政府委員(渡邊喜久造君) われわれは、国会は国権の最高機関であるという意味において、国会を尊重することにおいては何ら人後に落ちないと思っております。ただ、政府が原案を作るについて、税制調査会を設けて意見を聞いて、できるだけいい原案を政府としては提案するためにあらゆる努力をすべきじゃないか、こういう意味で申し上げているわけでございまして、税制調査会をせっかくお願いしたものですから、各方面の意見を聞いて、そこでいい結論が出れば、これは当然採用して国会に提出する。しかし、もちろんこれは政府の原案でございますから、国会の御審議を待って、そのきまるところに従うべきものである。これは、われわれは別に重点の置き方にそう誤った考え方をしておるものだというふうには考えておりません。
  81. 小林政夫

    ○小林政夫君 まあどれだけの減収になるのか、一ぺん資料を出してもらって、それからこの問題はもう少しやります。一応きょうはこの程度にしておきます。  それから租税特別措置法を撤廃するということについては、しばしばこの委員会においても問題にしてあって、給与所得者の課税が重いというのが相当の輿論であると同様に、租税特別措置法撤廃ということは相当の輿論ですね。一々、先ほどのお話だと、各措置について適否をきめる程度という行き方なら、これはなかなか撤廃できない、それぞれ意味があって出ておることなんですから……。大体鳩山内閣は、税の公平と及び税法の簡素化ということを、第二次鳩山内閣の早々に、三大方針としてあげておる。その税法の簡素化と公平化という観点からいって、租税特別措置法ぐらいそのスローガンに反しておるものはない。これは撤廃するということを前提として……、撤廃するんだが、この中で、企業経理原則等から考えても、このようなものは本法に取り入れてもいいとか、こういう態度でやらなければ、残すことを前提としてこれをなるべく減らしていこうというような考えでは、これは減らないと思う。その基本的な態度ですね。抽象的にただやれやれということではなかなか話が進まぬからという、先ほどのあなたの答弁を聞いていると、そういうような、これにとらわれた審議のやり方をやっておったら、こういうようなものは思い切って撤廃はできないと思う。撤廃するという前提に立って逆に考えていくということでなければいかん。その点どうですか。
  82. 渡邊喜久造

    政府委員(渡邊喜久造君) それは小林委員のおっしゃった態度も一つの考え方だと思っております。同時に現在の租税特別措置法は、それぞれやはり一つの政策を持ち、意味を裏腹に持っているのですから、それを全然無視して、ただやめるという結論をすぐに出していいかどうか。これもやはり検討すべき問題だと、かように考えております。
  83. 小林政夫

    ○小林政夫君 これはまあ、私はやめるということを前提として考えていくべきだという意見で、あなたのそういう意味においては意見が違うかもしれませんが、そういう前提、そういう原則を、改廃のもとに考えていかなければ廃止することはできない、こう思うんです。で、私の廃止したいという強い意見を持っておるということは、もう大蔵当局では十分承知のことでありますから、しかしこれを残しておくならば、残しておく、当分ある間は、なるべく当該軽減の恩典に浴するものについては、企業の大中小にかかわらず恩典に浴されるということでなくちゃならぬ、こう思う。だから私は組税特別措置法を存置するものではないということはもう御承知の通りなんですが、これからの質疑を展開する前提として、その租税特別措置法は廃止をしたいんだが、まあおいておくとすればこういうことを考えなきゃならぬという意味で発言をします。  この鉄道車両関係のメーカーが完成車両を作るに当って、かなりの部分は部品メーカーが作っておる。その個々の受注については、いろいろ車両メーカーとの間に仕事のパーセンテージの違いは五二%あるいは五八%とか、三二%しか部品メーカーではやらないとかいうが、その部品メーカーに輸出免税措置の適用はできないのかどうか、その点はどうですか。
  84. 渡邊喜久造

    政府委員(渡邊喜久造君) 現在の税法で考えておりますところによりますれば、結局陶磁器関係とか、ああした特殊な規定のあるものは別として、部品メーカーについて、部品メーカーが車両の製造業者に部品を提供する、その車両の製造業者がこれを輸出する、あるいは輸出業者に販売すると、こういったような段階にあります場合におきましては、車両の製造業者に輸出による免税措置を講ずる、こういう建前になっております。部品メーカーについては、遺憾ながら免税はできない、というのは御承知の通りです。
  85. 小林政夫

    ○小林政夫君 第七条の六の第一項の第六号は適用できないものかどうか。
  86. 渡邊喜久造

    政府委員(渡邊喜久造君) 第六号は輸出業者の委託を受けて行う当該輸出業者の輸出のための物品の加工又は当該加工の対象となった第四号に規定する物品の当該輸出業者への販売、こういうことになっております。さらにその輸出業者というものの定義として、他から購入した物品の販売を主たる業とする者で常時物品の輸出を行うもの、こういうことになっておりまして、車両メーカーは輸出業者に入るとはわれわれ解しておりません。従いまして、この六号の規定でそう解釈することは、これはちょっと無理じゃないかと考えます。
  87. 小林政夫

    ○小林政夫君 ガットとかあるいは対英輸出貿易協定等の関係で、輸出所得免税措置の拡大は、あまり国際的にも不当輸出奨励策として問題になるので、今後寛大にしたくない、こういう気持がおありですか。
  88. 渡邊喜久造

    政府委員(渡邊喜久造君) そういう気持はございます。
  89. 小林政夫

    ○小林政夫君 そういう気持を前提として考えてみて、この当該フェーバーを輸出関係者に与えることによって、フェーバーを受ける関係者は拡がっても、れの車両なら車両、あるいは繊維品なら繊維品の海外へ出る製品に与えるフェーバーが変りがない。従って国の方から言えば、税の減収にもならない、こういうものは、国際的に不当な、輸出に対するフェーバーを与えているという、今後フェーバーを与えることを拡大したということにはならぬと思いますが、それはどうですか。
  90. 渡邊喜久造

    政府委員(渡邊喜久造君) そのもの自体において、すぐにフェーバーが拡大したという結論を出すことは、それは必要ないと思っております。ただ多少御質問の点と範囲が拡がるかも知れませんが、一応この制度ができました折に、輸出の業者、あるいは最終製品の製造業者というものだけに限定すべきか、あるいは部品提供者、あるいは下請業者、あるいはさらに原料の供給者、こういったところまで順々に及ぼすべきかということにつきましては、ずいぶん議論のあったところでございまして、結局そうした点から、事務の手数その他を考えまして、あまり末端までいくことは、とてもこれは事務的にできない。従って、まあ輸出業者あるいは最終製品の製造業者を中心にこのフェーバーはやる以外にない。こういう結論が出まして、現在のような措置になっている。こういうわけであります。
  91. 小林政夫

    ○小林政夫君 あなた方の従来の主張は、最終業者にフェーバーを考えさえすれば、工賃あるいは購入代金等において、相当二次メーカー、三次メーカーまでフェーバーが流れるだろう、こういう考え方がこの立法の根拠になっているわけであります。しかし現実の取引実態というものはそうはいっていない。むしろ最終メーカーが非常に強くて、いろいろ工賃が値切られたり、こういう事例が非常に多い。フェーバーというものはてんで知らせもずにやっていくというような事例が多いので、まあ一部政府からも提案されるでしょうが、下請業についての保護立法が考えられておるような状態で、最終メーカーにフェーバーを与えておけば、そのフェーバーは当然関連産業に流れるという実態でないということを認識してもらわなければいかぬと思う。ただ徴税上非常に煩瑣であり、手数がかかるからというようなこともあるでしょうけれども、いやしくもこういう措置を置く以上は、関係者をして、ひとしからざるを憂えせしめないようにという配慮もとらなければならない。めんどうくさいならば、初めから基本原則にかえって、こういうことをやめればいい。置いておく以上は、その関係業者が公平にその恩典に浴されるようなことを考えていかなければならぬ。
  92. 渡邊喜久造

    政府委員(渡邊喜久造君) それは御質問ですか。
  93. 小林政夫

    ○小林政夫君 意見です。
  94. 渡邊喜久造

    政府委員(渡邊喜久造君) 一応われわれの方といたしましても、できるだけ公平に考えていくべきだと、これは考えます。同時に、徴税のあまりに手数がかかるということは、結局、徴税費がたくさんかかるということにもなるわけでございまして、おのずからそこに一応のリミットがあっていいもんじゃないかというふうに考えております。
  95. 小林政夫

    ○小林政夫君 企業力、企業としての力の違い、そうして、さらにその企業の力の強いものにフェーバーを与えて、そのフェーバーが主として中小企業者に対して流れることを期待しておってもそうはいかない。実際の、現実の何は、こういうものを置く以上は、納税意欲の問題からいっても、同じ車両関係なら車両関係、あるいは繊維関係なら繊維関係の大企業ならば受けられるけれども、あるいは中小企業、あるいは下請なら受けられぬということのない配慮が必要だ。どうしてもあなた方がやめぬということなら、われわれ感づいたところの範囲においては立法で打開していかなければならぬと思う。けれども、考え方としては、よく前から言っておるから、のみ込んではおられるでしょうけれども、なお一そうよく腹に含んでおいてもらいたい。それがめんどうくさいというなら、やめてしまったらいい。それが徴税費もかかるし、やりにくいということなら、初めから全体をやらなければいい。
  96. 渡邊喜久造

    政府委員(渡邊喜久造君) 初めからやらなければいいという御意見、これはいろいろ議論のあるところだとわれわれも思っております。国会修正で入った規定でもございますし、われわれといたしましては、しかし、それにしてもできるだけ公平に、しかも公平にもおのずから限度があるわけでございまして、といいますのは、先ほどいいましたように、やかましくいっていけば下請業者だけにとどまらなくて、さらに原料供給者にもいかなければならぬわけだし、材料供給者までいかなければならぬ。どこまで追っていくかという問題がおのずから出てくるわけでございまして、そうしますと、とても現在の税務署の人員なり、いろんな関係からみても、とてもこれはやり切れないと、そういったところから、業者のかね合いにおいて現在の制度ができた。それで将来、先ほどもお話のありましたガットとの関係もありますし、いろいろな各国との貿易関係の問題もありますので、この規定は、将来の問題といたしましては、この年限がきたら大体やめざるを得ないのではないかと、かように考えております。従いまして、この規定は、あまり現状において、いろいろ批判はありますが、手をつけることはあまり希望しておらぬと、こういう気持でございます。
  97. 小林政夫

    ○小林政夫君 交際費課税の改正を今度やるわけですが、今までの基準はそのままにするのですか。たとえば資本金五百万円以下のものについてはそう問題にしない、こういうその関連した基準ですね、基準は従来通りですか、執行中の。
  98. 渡邊喜久造

    政府委員(渡邊喜久造君) 交際費課税は、これは一つの時限立法でございまして、来年の三月までで切れるわけでございまして、従って将来これをどう扱っていくかという問題については、明年の改正で考えて行きたい、そういったような事情にありますので、今年の改正におきましては、単純に、従来二分の一しか損金算入を認めないという制度を、全額損金算入を認めないという程度の改正にとどめました。その他の基準は、現在のところこれを改正するという気持はございません。
  99. 小林政夫

    ○小林政夫君 私はその点も、現実の徴税当局の扱いが一時に比べればかなりよくなってはおる。改善されてはおるのですけれども、特に中小企業との接触の面において、こういう、これはまあ、あの臨時措置を設定するときにもかなり問題になったことですけれども、五百万円というのは少し小さ過ぎる、もう少し五百万円の基準を上げるべきである、こういうことを意見として強く言っておいて、この件については、このくらいにしておきます。
  100. 岡三郎

    ○岡三郎君 今のに関連してちょっと聞きたい。  これが所得税の減免と関連しておるのですが、七月を四月に実施すると、いわゆる費用は正確にいってどのくらいですか、月計算でできておらぬのかな。
  101. 渡邊喜久造

    政府委員(渡邊喜久造君) できております。四月から実施するということになりますと、五十六億減収がふえます。
  102. 岡三郎

    ○岡三郎君 そうすると、今小林委員から質問があった交際費の基準等、これを六割なり五割にするということになると、どの程度費用が出てくるかどうか、その点ちょっと聞きたいのですがね、六割にするとどのくらい出るわけですか。
  103. 渡邊喜久造

    政府委員(渡邊喜久造君) その計算は今持っておりませんので、次回までに計算をしてきます。
  104. 岡三郎

    ○岡三郎君 今回のこの基準をすぐ変更しろといってもできないかもわからぬと思っておりますが、一応、明年三月で切れるということになったならば、もう少し抜本的に考えてもらわぬと不公平だと思うのですよ。それで、この額も、公給領収書等の問題がからまっておりまして、これを廃止するかどうかということによって、ずいぶんまた変ってくると思う、内容が。そういうふうな点で、三月で切れるというふうな段階で、今年あたりは、やはり、もう少し基本的に交際費等をある程度認めないと、この中から相当程度の税金を取るというふうにして四月から実施するというわけにいかぬですか。
  105. 渡邊喜久造

    政府委員(渡邊喜久造君) 現在としまして、この率を七割としてありますのを、六割、五割に下げるということは、ちょっと私は困難じゃないかと思っております。御承知のように、交際費という名前で一応呼んでおりますが、内容はかなりいろいろ広範なものが入っておりまして、結局まあお得意先などを相手に飲み食いしたり、あるいは自動車で送り迎えしたり、あるいは贈答する、こういったものが全部これに入っておるわけでございまして、同時に社員相手の分も、たとえば工員の慰労会とか、こういったものは、それは別でございますが、会議などで、あとの慰労があったというような場合も、全部これに入っているわけでございまして、もちろん、その中にはずいぶん節約できるものもございますが、同時に販路拡張とかいろいろな意味において、相当必要不可欠と、少くとも業者の方から見れば考えられるようなものも入っているわけでございます。そういったことを考えて参りますときにおきまして、二十八年なら二十八年を基準にして、大体何割くらいまでは節約が可能であり、同時に節約すべきか。まあこういった問題があるのでございますが、そうこの際、急に、七割を六割、五割というふうに下げていくにつきましては、まだそれを裏づけるいろんな調査も十分できておりませんので、われわれの方としましては、この点は一応従来通りただ従来半額だけ損金不算入にしていたのを全額にしよう、こういう改正をしているわけであります。
  106. 岡三郎

    ○岡三郎君 そこでちょっと、これで終りますが、私まあ基本的にその額を、六割、五割にしなければ、やはり税の均衡がとれぬというふうに考える。そういうふうな点で、この問題に対して一つ、六割の場合の五割の場合ですね、数字的に一体どうなるのかという点の資料を出してもらいたいと思う。
  107. 渡邊喜久造

    政府委員(渡邊喜久造君) 現在の制度は御承知のように、二十八年の七割、それは二十八年当時すでに相当交際費を節約していた会社もないとは言えません。取引基準というものを一つ作りまして、取引額の何パーセントをこれのいずれか多い方ということでやっております。ですから、岡さんのお気持をそんたくして、まあ数字を計算すれば、取引基準の方も現在の率よりもある程度下げていく。片方が六割になるに応じては取引基準の方もそれに対応をしたところへ下げていく、こういったようなところでやらないと、まあ均衡がとれぬと思います。従いまして、そういう前提に立って、六割、五割にしたらどの程度の歳入の違いであるか。こには出せますから、そういうような意味で一応計算しておきます。
  108. 岡三郎

    ○岡三郎君 それでけっこうです。
  109. 小林政夫

    ○小林政夫君 もう一点、これは主税当局の問題というよりは国税庁の問題なんですが、まあ時間もないし、国税庁を呼んで聞くよりもあなたの方から伝えてもらいたいと思うのですが、最近、安易に納税地の変更が行われている。いろんな企業について、特に法人の場合、今までは東京が納税地である。ところが今度は広島へ持って行く。こういうことが、納税地変更が行われておるのですね。その納税地を変更する方針はどういうところにおいておられるか。
  110. 渡邊喜久造

    政府委員(渡邊喜久造君) 私の知っている限りにおいてお答えいたします。納税地は御承知のように、法人であれば本店所在地、個人であれば住所地というのが原則になっておる。従いまして、納税者の方の側で納税地を変更する、これが可能であります。で、本店を今まで広島であったのを東京へ移して行く。これによって黙っていれば納税地の変更であります。住所地が広島であったのを東京に移す。おそらく小林委員の御質問になっておるのは、その分ではなくて、本店が東京にあるのに納税地を広島へ指定する。これは別途税務当局の方で納税地の指定ができる。これは法律で一応まあそういう権能が与えられている、この分についての御質問だと思います。
  111. 小林政夫

    ○小林政夫君 そうです。
  112. 渡邊喜久造

    政府委員(渡邊喜久造君) 考え方の基本といたしましては、とかく第一段としましては、納税者の意思を尊重しまして、納税者が東京に本店があると言えば一応東京を納税地、広島に本社があると言えば広島が納税地、こういうように第一段にはそれを一応とっておりますが、取引の大体実態ですね、工場の大部分の取引が全部広島にある、ところが一応形だけの本社が東京にある、こういう場合がときにあります。そういう場合におきましては、本社の方を調べましても、なかなか納税者の実態はわからぬ。結局広島まで行ってそこで取引の実態、主たるものをやっておる、そこを調査をしなければ、まあその会社の所得の実態は調査できぬ、こういう場合は、ままあります。こういう場合におきましては、一応形式的には東京に本社がありますが、しかし実際の商売は広島を中心になされている、こういう場合には広島を納税地にしていただく、こういう方針でやっております。
  113. 小林政夫

    ○小林政夫君 納税地指定の権限というのは、今まさにあなたが言われたようなケースの場合にそういうことを許しておる意味だと思います。ところがかなり乱用をされておると思います。というのは、所轄税務署は、自分のところでやりたい、自分のところで持っておきたい、こういうのに、ある事業所を管轄しておる税務署の方で、自分らの納税成績を上げるという意味において、ぜひこれはこっちでやらしてくれと、こういうような各税務署間の奪い合いをしておる。それを今度国税庁裁定をする、こういうケースも起っておるのであります。しかも十年間というようなものが大過なくて、まあ納税が企業の本店所在地において行われておって、その間、脱税とか、あるいは実態がわからぬとかいうことでなくて、所轄税務署とはすこぶる円滑に納税をしておったのにもかかわらず、ほかの事業所の所管の税務署から横槍が入って、ぜひおれの方でやりたいというようなことで、それを国税庁の方で裁定をする、こういうことで、その納税地が変更になって、今異議を申し立てておる段階ですが、これは一つのそういう事例でなくて、税務当局として、十年間も円滑に納めておって、これは事業には盛衰があるのです。東京を本店にしておったけれども、一方の事業所の方がうんと成績が上り出して、所得はそっちの方にうんと上る、今まで七、三であったのが逆に三、七になったということもあり得るでしょう。けれども、その本店なら本店、税を納める側の担当の、担当者というものは東京にいる。  特に中小企業者の場合においては、安易にこの納税担当者を、お前、一つ東京が納税地であったけれども、今度広島になったから転勤してくれというふうにもいかぬような人事的要素があるわけです。こういう点を十分考えて、徴税当局の都合だけで一方的に変更を認めるというようなことでは、これはゆゆしい問題だと思います。この点については、何か特に一方の方では、今まで納税地は東京であったが、広島の方に相当実態があって、おっしゃるように東京は名目的な幽霊所在地であって、企業の全部の実態は広島であるというなら、これは変えるのもやむを得ぬが、相当仕事の割合も東京でやっておる、それで従来十年間円滑にやっておるというようなものを変えるというのもどうかと思う。それだけの話としたら、僕の言うのはもっともだと思うでしょう。
  114. 渡邊喜久造

    政府委員(渡邊喜久造君) 抽象論になりますと、私の言う納税地が変更になった場合は、当然の場合もありましょうし、それから小林委員の言われるのもいささか納税地変更等がある、しかしこれは具体的な問題に当って、やはり個々に考えてみるべき問題だと思います。
  115. 小林政夫

    ○小林政夫君 個々に考えるべきものだけれども、方針として、ただ税務署が所轄税務署の管轄争いみたいなことになって、そうして検討してみたら、やはり異議を申し立てた税務署の方の所管の事業分野の方が多い、多いから、それじゃそっちへやってやろうかというような裁定では困るのです。少くとも十年とか、あるいは五年とか、何年か、会社の全体の事業分量としては、三割ぐらいしかのところであっても、それが納税地として円滑にいっておったら、これは安易に変えるべきではないということを、原則論を言っておるわけです。
  116. 渡邊喜久造

    政府委員(渡邊喜久造君) 納税者の都合は全然無視して税務官庁の都合だけで変える、これは私は行き過ぎだと思います。なお、この問題については、再調査の請求、それから審査の請求、これもみんなできる余地があると思いますので、税務当局としましても、当然納税者の都合は納税者の都合として、十分聞いた上で判断すべきものと、かように考えております。
  117. 小林政夫

    ○小林政夫君 再調査のもちろん申請もしているし、異議の申し立てもしているケースですけれども、僕も具体的につかんでいるケースはあるのだが、その審査裁定をする裁定当局の気持として、今のような納税者の実態、都合というものを十分尊重しなければいかん。少くとも十年間というような実績があれば、何もこれは変えるべき筋合のものではない。その間、非常な徴税当局から考えてえらく納税に支障があったとか、脱税をやったとかいうようなケースが起っておったなら別だけれども、善良なる納税者として納めているという限りにおいて、安易にそういうことを持ち上げること自体がおかしいことなんです。その点はよく国税庁当局と話してもらって、納税地変更の問題については慎重にやってもらいたい。そういうことをやられれば、必ず事業をやっている者から言えば正常な業務を阻害されるのです。この点については相当慎重に扱ってもらわなければいかんと思う。厳重に申し入れをして、私の質問を終ります。
  118. 岡崎真一

    ○委員長(岡崎真一君) 他に御質疑がなければ、両案の質疑は一応この程度にとどめまして、次にちょっと委員の変更がございますので御報告いたします。  本日付をもって、委員の苫米地義三君が辞任をせられまして、その補欠とされまして大野木秀次郎君が委員に選任されました。ちょっと速記をとめて。   〔速記中止〕
  119. 岡崎真一

    ○委員長(岡崎真一君) 速記を始めて下さい。  それでは本日はこれで散会いたします。    午後一時二十三分散会