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1955-09-23 第22回国会 参議院 地方行政委員会 閉4号 公式Web版

  1. 昭和三十年九月二十三日(金曜日)    午前十時二十四分開会     ―――――――――――――  出席者は左の通り。    委員長    小笠原二三男君    理事            伊能 芳雄君            小林 武治君            森下 政一君    委員            伊能繁次郎君            西郷吉之助君            高橋進太郎君            岸  良一君            島村 軍次君            秋山 長造君            森崎  隆君            小柳 牧衞君            中川 幸平君   説明員    自治庁財政部長 後藤  博君    大蔵省理財局長 河野 通一君     ―――――――――――――   本日の会議に付した案件 ○地方行政の改革に関する調査の件  (地方財政に関する件) ○派遣委員の報告     ―――――――――――――
  2. 小笠原二三男

    ○委員長(小笠原二三男君) ただいまより委員会を開会いたします。  昨日秋山君より申し出のありました件につきまして、自治庁から永田政務次官、後藤財政部長、大蔵省から河野理財局長が参っております。
  3. 秋山長造

    ○秋山長造君 何分くらい……。
  4. 小笠原二三男

    ○委員長(小笠原二三男君) ちょっと速記をとめて。   〔速記中止〕
  5. 小笠原二三男

    ○委員長(小笠原二三男君) 速記を始めて。
  6. 秋山長造

    ○秋山長造君 じゃ、もうごく簡単に要点だけお尋ねしますから、一つ詳しく御答弁を願いたいと思います。  自治庁の方へお尋ねしたいのですが、この財政再建促進特別措置法の不成立に伴って、あの法案に予定されたおった再建債百十億円のその後の取扱いということについて二、三点お尋ねしてみたい。自治庁が八月の十五日に次長通達で各府県知事へ出された書類によりますと、大体百十億円、その中には再建債の五十億円とそれから退職手当充当債の六十億円というものが含まれておるわけです。百十億円は一応手つかずで保留するということになったようでありますが、しかしその後の実情を調べてみますと、保留したのでなしに、やはり短期融資の形で財政調整資金としてどんどん貸し出されておるように聞いておるのですが、その点の実情を……。
  7. 後藤博

    ○説明員(後藤博君) お答えいたします。再建特別措置法の不成立に伴いまして、再建債に予定いたしておりました政府資金の百十億の使い方につきまして、一応大蔵省にお話をいたしました結果、百十億分は他の起債、他の投融資に流用せずに一応保留をしていただくということにしたわけであります。保留いたしまして、その百十億の資金をできるだけ多く財調資金のワクの中に含めて、財調資金として地方団体が借り入れることができまするようにお願いいたしたい、こういうふうに考えまして、その話し合いをいたしました結果を右の閣議了解事項としてきめまして、地方に流しておるわけであります。
  8. 秋山長造

    ○秋山長造君 その自治庁が地方に流された方針というのは何ですか、やはりこの六十億、五十億というワクはあくまで立てて、そうして六十億の方はこれは行政整理にあくまで限定をして融資をする、こういう方針でやっておるのですか。
  9. 後藤博

    ○説明員(後藤博君) 私どもとしては、別に残しております百十億全体を財調資金に使うようにお願いしたいという希望を持っているのであります。
  10. 秋山長造

    ○秋山長造君 だから自治庁の方はあくまで百十億というワクでものを考えておられるのであって、その中でこの六十億があくまで行政整理に使うという扱いはしておられない。百十億という総ワクで財政調整資金にできるだけ融資をしていく、こういう建前じゃないですか。
  11. 後藤博

    ○説明員(後藤博君) 財調資金というのはこれだけではなくて別にもあるわけであります。従来から四半期ごとにきめたワクがあるわけであります。それとこれと足したものを財調資金として資金を貸し出しを願いたい、こういう意味であります。百十億を別個に考えておるわけではなくて、それをやはり含めたものを財調資金として地方に貸し出してもらいたい、こういうふうにお願いをしておるわけであります。
  12. 秋山長造

    ○秋山長造君 そうすると、この財調資金に入れる百十億というものについては、特にその中どれだけを行政整理に充てる、退職資金に充てるというようなことは別途何も考えておられないのですか、その点は。
  13. 後藤博

    ○説明員(後藤博君) これはまあ地方団体側の資金需要の出し方にもよると思います。退職金に充てるという意味で出してくることもあるかもしれません。しかしそうでなくて一般の財調資金として貸し出しを願いたい、こう言ってくる団体もあるのであります。どちらも性質は財調資金でありまするから、これは別に区分しないで私どもはお願いしたいと考えております。
  14. 秋山長造

    ○秋山長造君 この場合にやっぱりわれわれとしてはこの再建整備法案は、少くともこの間の国会では成立しなかったんだし、従って一応現状では御破算の形になっておる。にもかかわらず、やはりそういう行政措置をもってどんどん実質上退職手当充当債として出されていく。で、地方もまたその方針を受けてどんどん首切りをやっていくということが今現実に行われておると思うのですが、そういうこの事態に対しては、自治庁の方としては、これは大いにあの法律の趣旨に沿うもんだから喜ばしいというふうにお考えになっておるようですが、その点はどうですか。
  15. 後藤博

    ○説明員(後藤博君) 自主的に財政再建計画を立てまして、これを誠実に実行いたしております団体の新しい財政需要というものは、やはり私どもが考えていくべきではないか、こういう建前から、その百十億の資金をできるだけ使わしてもらいたい、こういうふうな趣旨でやっておるのであります。再建促進特別措置法が通らなくても、やはりそういう財政需要が地方団体に起った場合には、やはり財調資金のワクの中に含めていただきたいという希望は前から持っておったのであります。事実昨年あたりからもやはりそういう例がありましたので、それは退職金とか何とかということでなくて、従来の財調資金の考え方のもとにお貸しを願っておるのであります。従って従来の考え方を踏襲して参っておるのであります。
  16. 秋山長造

    ○秋山長造君 この財政再建計画を忠実に樹立し、実行しようとしておる団体ということになるのですが、その財政再建計画という中には、当然首切りということも含めて考えておられるわけですか。
  17. 後藤博

    ○説明員(後藤博君) もちろん人員整理を含めた場合もあると思っております。
  18. 秋山長造

    ○秋山長造君 今の実情はこの財政再建計画ということよりも、もうもっぱら人員整理、人員整理即財政再建計画と言ってもいいくらい人員整理がもう先行して、しかもこのためには六十億のとにかくワクがあるんだからということで、もうこの点だけはどんどん先ばしって行っているという実情じゃないかと思うのですが。
  19. 後藤博

    ○説明員(後藤博君) 私どもが再建計画を見まする場合に、問題を人員整理だけで片づけるような方式はまあ反対をいたしております。全体のまあ人件費及び物件費を下げまして、また投資的な経費もやはり下げていくという、全体的な総合的な計画でなければいけないということを私どもは申しておりますし、そういう意味の再建計画を私どもは求めておるわけであります。人員整理だけをやるというような計画は、いつかここで問題になりましたが、そういうやり方ではなくて、やはり全体の総合的な計画の一環として人員整理をやるというものでなければいけない、こういうふうな方針でおります。
  20. 秋山長造

    ○秋山長造君 理財局長にその点お尋ねしたいのですが、理財局長が九月  一日でしたか、地方の財務局長あてに、この財政調整融資実施細目という通牒を出しておられる。これを拝見いたしますと、この保留したロクは、行政整理、つまり首切りを行う団体に対してのみ融資するというような、非常にきびしい条件をつけておられるわけだと思うのですが、その点どういうようにお考えになっておりますか。
  21. 河野通一

    ○説明員(河野通一君) この問題に対する全体の考え方は、今後藤さんから説明のあったような考え方に立っております。しかし私どもといたしましては、一応百十億の短期調整資金のうちで、まあいわば内ワク的に考えておりますところは、退職資金等のために必要な資金として融通をいたすものとして、一応ワク的に考えておりますのが五、六十億程度、しかしこれは確実にそれをこえてはいかぬということでもありませんし、それ以下であってもいかぬということではございませんが、一応のワクとして大体その程度のものは頭に置いて、われわれとしては資金運用部の融資計画というものを一応立てておることは事実であります。しかしながらこの再建整備に要する資金といたしまして、必ずと申しますか、唯一の方法としての退職資金というようなことを考えておるわけではございませんので、かりにいろいろな再建整備を行われる場合において、人員を整理しなければならぬといったような場合が起りまして、そのために退職金の支払いに一時金に窮するといったような場合があるならば、その資金を出すことが、その実施団体の財政の建て直しのために寄与するということでありますならば、その資金を私どもとしては融資いたしたい、お手伝いをいたしたい、こういう意味で、いわばきわめて消極的な立場で私ども考えております。一応のワクといったようなものはございますけれども、はっきりとした、その金額をこえてはいかぬとか、それ以下ではいかぬとかいったような意味のワクではございません。
  22. 秋山長造

    ○秋山長造君 今の局長のお話しを聞くと、五十億だとか、六十億だとか、ほんとうに漠然としたゆるい見当らしいですけれども、この通達を見ると、やはり項目別にかっちり五十億のワクだとか六十億のワクだとかいって、はっきりこれは書いてあるですがね。これははっきり書いてあるんだけれども、この意味は、今おっしゃるような漠然とした意味ですか。
  23. 河野通一

    ○説明員(河野通一君) この点は先ほど申し上げました通り、私どもはかっちり六十億だとか五十億だとかいうことは実は申しておらぬのであります。大体の私どもが資金運用部の資金を運用いたして参りますためのこれの目安というものはどうしても必要になるわけでございます。資金計画を立てます上に、大体どの程度の資金がそういうものに向けられるかといったような点で、一応の何と申しますか、目安といったような意味において今申し上げましたような金額を考えておるわけであります。
  24. 秋山長造

    ○秋山長造君 それからもう一つ、さっきの御答弁で、これはほんの行政整理をやった場合の退職手当の資金が間に合わない場合のごく当座の融資だというお話しなんですけれども、しかし退職資金なんかというものはその性質から言っても、そう当座の間に合せというようなわけにいかぬので、これはどうしても退職資金に充当した起債というものは、これはどうしても長期債になるんじゃないですか。
  25. 河野通一

    ○説明員(河野通一君) これは今秋山さん御指摘の通り、これを三カ月や六カ月で退職金に充てた資金が返済になるということは、これはあり得ないことであります。しかし私どもは先般政府として御提案申し上げました地方財政の再建整備のためのいろいろな措置、これはぜひ一つ、細目は別といたしまして、大綱としてはああいう方法で今後もできるだけ法的な措置をお願いしたいという考えに立っておるわけであります。細目はまあ別であります。そういたしました場合において、今応急的に講じておりまする措置が、何らかの形で長期化されるということが当然になければならぬ。またこれを当然に私どもは前提として現在の資金計画を立っておるわけであります。しかし現在のところでは、再建整備に対する法的措置がまだペンディングな点があるわけですから、この法的措置ができました上で、これらの問題についての長期的な措置ということを考えて参りたい、かような意味でとりあえずと申し上げているわけであります。これは金の性質からいって、当然二年なり三年なり長期を要するということば私どもは当然頭に置いて考えているわけであります。
  26. 秋山長造

    ○秋山長造君 そうすると、再建整備促進法というものはまあ成立はしていないんですから、成立していないにもかかわらず、これはもう当然成立するものと、従って今やっていることは全部成立の暁にはうまくそれにはまっていくものという前提でやっておられるわけですか、これがもし成立しなかった場合はどうされるんですか。
  27. 河野通一

    ○説明員(河野通一君) 詳しい点は後藤さんから御答弁があると思いますが、私どもはかりに再建整備の法的措置が成立しなかった際には、それに相当するだけの長期的な措置を考えざるを得ないと思います。この問題に関する限りは、このこと自体は再建整備法が通ると通らぬとにかかわらず、やはり地方財政の再建のために、立て直しのためにプラスになるということを前提として考えなければならぬと思いますから、法律が通る、通らぬにかかわらずこの点については長期的な計画をしていかなければならぬと思います。しかし今のところでは大体政府といたしましては、法的措置も講じられるということを願っているわけでありますから、その講じられるか、講じられないかということは、最終的にきまった後においてこれらの措置を考えてもおそくない。しかし資金計画については、これらのものが長期化されても、資金計画の上に狂いを生じないような措置だけは前もって講じてある、こういうわけであります。
  28. 秋山長造

    ○秋山長造君 そうすると何ですか、こういうように了解したらいいんですか。本来を言えばこれは結局法律が成立していないのに、その法律案の内容をどんどん行政措置でやっておられるわけですから、本来から言えば法律が正式にきまって後にやるべきことだけれども、しかしこの際は地方財政が非常に困っているので、そうばかりも言えないので、まあ実質的に行政措置をもってある程度当面の切り抜け策を講ぜざるを得ない。だから当然それはこの法的措置によってどう言いますか、合理化されると言うか、合法化されると言うか、そういうことを期待している、こういうことなんですか。
  29. 後藤博

    ○説明員(後藤博君) 私どもといたしましては、地方団体が再建促進法が通るものとして本年度に入っていろいろな準備をしておったのであります。やはりその努力を継続させるためにはどうしてもこの法律が通らなかった場合でも、その財政需要というものは発生するのでありますから、その発生した財政需要に対してやはり何らかの措置をとるということが必要である。従ってそれを別ワクにして残しておいてもらいたいというのはそういう意味であります。それからさらにその別ワクにしたものを資金として財政資金の中に含めてもらいたいというふうに考えましてお願いたしたのであります。これが本年度通らなかった場合は、やはり先ほどもお話のありましたように、これはその資金が長期的な性質のもの、全部が長期的な性質のものであるとは考えておりませんが、大部分が長期的な性質のものでありますから、やはりこれは長期的なものとしてなし得る措置を年度の終りに考えていかなければならぬというふうに考えておるのであります。それまでは一応財政資金的な需要がありますから、その需要を満たしていくというのが私どものとるべき態度ではないかと考えましてお願いしているわけであります。
  30. 秋山長造

    ○秋山長造君 もう一点お伺いしますが、本来地方財政法の精神から言えば、これは退職手当なんかに充当すべきものではないかと思う。ところがあの再建促進法という特別な立法によってその原則の例外が認められるわけですね。ところがそれがまた成立していない、だからないのも同然。だから今の状態では地方財政法の規定をあくまでも尊重してやっていかなければならぬということになっているんですが、そうなると今の六十億の、まあ漠然としているにしても、六十億のワク内で退職資金に充当していくということになりますと、やはりこれは地方財政法の地方債の制限というあの条文に抵触してくるのではないかと思う。その点はどうですか。
  31. 後藤博

    ○説明員(後藤博君) 年度をまたいだ借入金になりますと、おっしゃいますようにやはり起債ということになりまして、それは財政法にふれて参りますが、今借りております状態は、一時借り入れでありまして、これにつきましては何らの制限がございません。従って当然に地方団体は政府並びに金融機関から一時借入金を借り得るのであります。従って今の借り入れの状態ならその状態でやっていっていいわけであります。従って地方財政法にふれることは何もない。これは年度をまたぐと起債の問題として地方財政法にふれて参るのであります。従って貸し方にも問題があるのでありますが、大体三カ月以内ということになっておりますから、これは今の状態では私は別に違法ではないと考えております。
  32. 伊能芳雄

    ○伊能芳雄君 今の河野理財局長の御答弁では、再建整備法案が通らない場合には、長期的な何らかの措置を講じなければならぬと思っておるということを、言われましたが、もしこの再建整備法が通らないという見込みがついたときには、何か単行法でも出す、地方財政法に関する特別の単行法でも出そうというお考えなんですね。
  33. 河野通一

    ○説明員(河野通一君) 今後藤君が御答弁申し上げましたように、何らかの法的な措置が長期化すれば要ると思います。しかし現在、お話がありました通り単に調整資金として融通いたしておる、こういうわけでありますから、現在のところは今法的措置を直ちに要しないと思います。これが長期化するためには、何らかの法的措置が要ると思います。
  34. 秋山長造

    ○秋山長造君 今の説明で一応形式的なつじつまが合うと思うのだろうが、大体退職資金に充当されているのが、その性質からいってもこれは長期債なんで、これをただ今の瞬間だけを区切って、今のところは短期債だということでは、どうも財政法の精神には必ずしも沿うものではないと思う。実質的な長期債、そうじゃないですか。
  35. 後藤博

    ○説明員(後藤博君) 退職金の何が本質的に全部起債であるとは考えておりません。と申しますのは、退職金を要するまでの問題が一つあります。年度当初に退職金を要する団体におきましては、予算をちゃんと組んでおりました場合には、それでもってある程度カバーできるのであります。従って不足分だけを長期債に直すということも考えられます。また不足分をカバーして退職金は全然起債をとらない場合もあり得るのであります。従ってそれは退職者の量と言いますか、大きさにもよってくると思います。ある程度の大量になって参りますと、長期債的なものでなければ、どうしてもまかない得ないということになりますが、しかし数がそう大きくなければ、従来長期債的な起債なしにやっているのでありますから、必ずしも全額退職金が長期的な起債になるものとは考えておりません。
  36. 秋山長造

    ○秋山長造君 たとえば地方団体が自治庁のそういう方針に基いて今大体補正予算を組んでいるわけでありますが、補正予算の中に正規の歳入として退職資金に充当される何千万円というものを入れて、そうして予算を組んでいる面がある、これは今の地方財政法に違反するものでないと思うのですか。
  37. 後藤博

    ○説明員(後藤博君) 地方財政法にすぐ違反するものではないと私は思う。名称は地方債に財源を求めておるということから、地方債は許可するかしないかということは法的な制限があるわけであります。従ってその法的な制限が解除されるまでの間名称は地方債という予算項目で載っておるかもしれませんが、それ自体ですぐその予算措置が違法であるというふうには、私どもは考えておりません。
  38. 小笠原二三男

    ○委員長(小笠原二三男君) ちょっと速記をとめて。   〔速記中止〕
  39. 小笠原二三男

    ○委員長(小笠原二三男君) 速記をつけて。  それでは本日の秋山君の質疑に関連しますことはこの程度に本日いたしまして、大蔵当局から後日資料の提出を願います。
  40. 小笠原二三男

    ○委員長(小笠原二三男君) 次にまず先般行いました委員派遣のうち大阪、京都班につきまして御報告を願います。     ―――――――――――――
  41. 伊能繁次郎

    ○伊能繁次郎君 去る九月の十四日から十八日まで、私と赤松常子議員並びに福永専門員、田中法制局主事等で大阪府市、大阪府警察部、並びに京都府市、京都府警察部の各所を視察いたしまして、その結果について詳細はいずれ報告書をもって御報告いたしまするが、概略御報告申上げますと、大阪府について特に顕著であった事実は、警察部の市から府への移管によりまして約三十六億円が新たな大阪府の負担となり、これによって大阪府としては従来富裕府県であったということが一変する情勢にあるというような、資料の内容その他によっていろいろと要望がありましたが、私どもが提出された資料によって判断いたしましたところでは、なお大阪府の財政事情は相当に健全であるやにうかがわれまして、その詳細な資料はいずれ報告書によって御報告をいたしたいと存ずる次第でございます。  また大阪市については三十数億の従来の警察費の負担が一挙に府へ移りましたので、その内容等については相当今後余裕を生ずるのではないかという話もいたしましたが、過去数年間毎年二、三億ずつの計数上の赤字は示しておりまするが、全体としてみましたときに、大阪市も相当財政的にはある程度余裕があるやに拝見いたしました。従って両府市ともにいずれも給与等についてはかなりいい状態でありまして、ことに大阪府につきましては財政上きわめて豊かでありまするので、全体の予算の給与費の占むる割合は他の府県、ことに京都その他に比べてはきわめて健全でありまして、全体の人件費は五〇%以下であるという点について、非常にその健全性が認められておりました。  大阪府の警察について、今回の府市警察の一体化によって、きわめて顕著な事績が上った例として、大阪府警察本部長の説明によりますると、先般の北浜の銀行襲撃の際に府市一体の機動的な総合指揮運営ができたために、きわめて敏速な手配ができて、あのように銀行襲撃の犯人を捕えることもできたということも言い得るのではないかというような説明がございました。ただ大阪府警察につきましては、人員その他非常に自治庁査定の基準定員以下で運用をいたしておるという堅実さを示しておりましたが、今回の府市合併によりまして、約七百名以上の過剰定員を持つことに相なる。これが本年度並びに来年度一ぱいで御承知のように消化をしなければならぬ。この点は最近の警察官の退職実績がきわめて悪い。これは京都府も全く同様でありまして、京都府のごときは月にわずかに数名しか退職者がない。しかも警官その他においても年数の古い、高年令者が逐次少なくなってきておるので、大阪府においても七百数十名、京都府において約三百数十名の府市合併による過剰定員を本年度来年度で消化することはほとんど不可能だ、これは数字を見ますと、私ども納得が参りまするので、今後府県の警察定員をどうするかという問題、並びに来年度一ぱいで整理をしなければならぬという原則等についてどうするかという問題は、いずれ当委員会において警察庁長官等の説明を徴して研究しなければならぬ問題ではないか。かように見て参りました。  また京都府は御承知のようにきわめて財政の乏しい県でありまして、ことに入場税の国税移管、並びに年来京都府は遊興飲食税の基準財政需要額が自治庁査定に基く財政予定収入額よりもはるかに下回っておりまして、二十七、八、九年三カ年で十億円あまりの遊興飲食税の予定徴税額以下であるというような点が一そう京都府の財政を窮乏に陥れておる原因でもあるということで、最近府知事は数回にわたる人員整理のあと、現在では基準定員の九四%を以て運営しており、定員以下で運用せざるを得ないという実情にあるというようなことも述べておられまして、京都府についてはその上警察を移管することによって約六億数千万円の負担過剰になるので、これはぜひ政府として今後処置せられたいという希望もございました。  京都市については特段に御報告をいたすべきほどのこともありません。  次に町村合併の問題でありまするが、大阪府並びに京都府の町村合併は、両府県ともいずれもきわめて順調な推移を見ておりまして、ことに京都府のごときはもう大部分町村合併がすんだと言ってもいい状況で、ただ北並びに中部、南部の二、三の土地において、全くこれは特殊なその町、村の個々の事情によって町村合併ができないというような状況にあるわけでありまして、そして各両府の市町村の実情を見ますと、京都府については市町村の赤字がきわめて顕著でありますが、これは、昭和二十七年の、あの南山城の大風水害の災害の結果で、その災害復旧その他これに対する政府の救済措置その他が十分でないので、非常に大きな赤字を出しておるというような状況でありまして、大阪市についても御承知のように大阪府管下の市町村についてもかなり赤字が顕著でありましたが、最近大阪府が中心になりまして、市町村の財政再建特別措置要綱を公布して、府が中心となって管下市町村の財政再建に乗り出しました結果、現状においては八カ年でほとんど赤字が解消し得る見通しが立つ。各単年度においてはそれぞれ大体本年度は一ぱい一ぱいになったか、すでに黒字になったところもある。で、一番赤字の激しいところは堺市と茨木市で、これについては特殊な事情もあるようでありまして、それらの詳細はいずれ報告書をもって御報告いたしたいと思いまするが、大体両府を通じまして、一はきわめて富裕県であり、一はかなり貧弱県でありまするが、警察部の両府の運営は非常に円滑に行っておりまするし、また例の問題になりました寄付金等の問題でも、両府ともに最近きわめて顕著な自粛の実を示して、もう本年度一ぱい一切しない。できれば暮まで待っていただきたかったが、九月から差しとめられたので、目下府に対して予算措置を要求しておるということで、京都府で木津警察署の再建について地元が、これは自分たちの年来の希望であるから、たって寄付をさしてもらいたいということで、全く自発的な木津警察署の建設に対する寄付金が四百三十万円ありました。これはそういう事情でありますから、どうぞ御了承をいただきたいというような積極的な説明がありまして、本委員会における寄付禁止の実績は、少くとも両府においてはきわめて順調な方針の遵法を見ておるというような状況でありまして、細かい数字上の説明その他については、いずれ、目下報告書を作成中でありまするから、報告書によって御報告をいたしたいと思います。  大体以上概略だけ御報告申し上げます。
  42. 小笠原二三男

    ○委員長(小笠原二三男君) ただいまの御報告に対して御質疑のおありの方は御発言願います。――別に御発言もなければ、この程度にいたします。  なお、ただいまの御報告にありました詳細の報告書は、これを本日の会議録に掲載いたすこととして御異議ございませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  43. 小笠原二三男

    ○委員長(小笠原二三男君) 御異議ないと認めて、さよう取り計らいます。  では次回の委員会の予定日は、一応十月十二日から五日間ということで御準備願いたいと存じます。本日はこれにて散会いたします。    午前十一時十三分散会      ―――――・―――――