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1955-07-05 第22回国会 参議院 地方行政委員会 15号 公式Web版

  1. 昭和三十年七月五日(火曜日)    午前十時三十六分開会   ―――――――――――――  出席者は左の通り。    委員長    小笠原二三男君    理事            伊能 芳雄君            石村 幸作君            小林 武治君    委員            伊能繁次郎君            西郷吉之助君            安井  謙君            岸  良一君            館  哲二君            秋山 長造君            中田 吉雄君            森下 政一君            小柳 牧衞君    衆議院議員   加賀田 進君   国務大臣    国 務 大 臣 川島正次郎君   政府委員    警察庁長官官房    長       柴田 達夫君    自治政務次官  永田 亮一君    自治庁財政部長 後藤  博君    自治庁税務部長 奥野 誠亮君   事務局側    常任委員会専門    員       福永与一郎君    常任委員会専門    員       伊藤  清君   説明員    警察庁長官   石井 栄三君   ―――――――――――――   本日の会議に付した案件 ○地方行政の改革に関する調査の件  (警察行政に関する件) ○地方公営企業法の一部を改正する法  律案(内閣提出、衆議院送付) ○地方税法の一部を改正する法律案  (内閣送付、予備審査) ○地方交付税法の一部を改正する法律  案(内閣送付、予備審査) ○地方交付税法の一部を改正する法律  案(衆議院送付、予備審査)   ―――――――――――――
  2. 小笠原二三男

    ○委員長(小笠原二三男君) 委員会を開会いたします。  まず地方行政の改革に関する調査中、警察行政に関する件を議題に供します。
  3. 秋山長造

    ○秋山長造君 この間私ちょっと休んだのですけれども、何か警察の方から資料が出ましたかどうですか。
  4. 小笠原二三男

    ○委員長(小笠原二三男君) 何も出ません。
  5. 秋山長造

    ○秋山長造君 そうですか。実はこの間予算委員会の分科会のときに、警察庁の警備課長に資料の配付方についてお願いしておいたのですが、予算委員会の方で出なかったから、おそらくこちらへ出ているのじゃないかと思っていたのですけれども、実はこの警察に対する寄付の問題については、昨年の警察法の審議のときに、やはりこの委員会で相当問題になったんですが、そのときに政府の方の説明では、そういうものも警察制度が改正になれば全然必要がなくなる、むしろ警察制度の改正によって九十億程度の節約になるくらいだから、警察寄付なんかというような問題は当然消えてなくなってしまうだろうという御答弁があったんです。ところがその後地方の実情についていろいろ見聞きするところによると、依然として警察番付が各自治体にとって相当な負担になっているということがはっきりしてきたんですけれども、せんだってこの委員会で地方財政の問題について、何人かの参考人を呼んでいろいろ地方団体の財政問題について調査をいたしましたときにも、各代表異口同音にやはり警察寄付が各団体にとってかなりな負担になっているという御発言があったんです。で、そのときわれわれに提供された資料によりましても、またこの委員会として専門調査室を通じて調査した資料、あるいは全国市長会だとか、あるいは町村会等の事務局から出た資料等を見ましても、やはり警察に対する寄付というのは相当な額に上っているという事実がはっきりしてきたわけです。この点について警察庁の方では、一体こういうものはもう警察庁の関知しないところであるという方針で見過ごしておいでなるのか、あるいはそれとも警察庁の方でも全国的に行われているいろいろな形のこの警察寄付という問題の実態はやはり詳しくおつかみになっておるのか、この点をまずお尋ねいたします。
  6. 小笠原二三男

    ○委員長(小笠原二三男君) ちょっと速記をとめて。   〔速記中止〕
  7. 小笠原二三男

    ○委員長(小笠原二三男君) 速記を起して。
  8. 石井栄三

    ○説明員(石井栄三君) お答えをいたします。ただいま秋山委員のお尋ねの警察寄付の問題でございますが、これは私どもかねがねきわめて重大な問題としまして関心を持ち、これの扱いにつきましては慎重を期して参ったつもりであります。警察が特に積極的に寄付を求めたり、あるいは個人から経常的に寄付を仰ぐというようなことは往々にして弊害を伴い、警察の公正を疑われるといったようなおそれがありますので、こういったような寄付は厳に抑制するように戒めて参ったのでありまして、今後ともその方針に変りはないのであります。先ほど、昨年の制度改正の際に、制度の改正された暁においては、こうした寄付の問題は全面的に解消するような答弁を当時したようにお話しがございましたけれども、私の記憶するところでは、そこまではっきりお答えはしてはいなかったのではないかと思っておるのでありますが、警察の寄付の問題につきましては、これはその形式態様いろいろございまして、先ほど申しました通り、個人からの寄付もあります、あるいは団体からの寄付、またその寄付も施設あるいは装備品等に対する臨時的な寄付、一時的な寄付、さらにまた後援団体によりまして警察の運営の経常的な費用に対する寄付、こういったものもあります。またそれが個人の寄付である場合と、市町村による寄付の場合というふうにいろいろの形式態様があるのであります。先ほど申しました通り、いずれの態様のものにしましても、警察が積極的に寄付を求める、あるいは個人から経常的に寄付を求める、こういうことはこれは疑惑を招くこと多大であり、警察としてはそういう行き方は厳に戒むべきものである、かように考えておるのでありますが、一面地元の市町村から警察に対するきわめて深い御理解、御協力というお気持から自発的に寄付をして下さる、こういう形のものは、これは警察の運営そのものには必ずしも直ちに弊害があるというふうには見受けられないのでありまして、ただ問題は、当該市町村の財政状態は御承知の通り昨今きわめて赤字で難渋をしておられる、そういった点から考えまして、財政上の問題としてはまさしく大きな関心を持たなければならぬ問題であろうかと思うのでありますが、警察運営そのものに支障があるという性質のものではなかろう、かように思うのであります。  それはともかくといたしまして、警察の運営のために要する費用の本来のあり方は、御承知の通り今月一日をもちまして完全に都道府県警察の体制が整備いたしたのでありますから、今後の都道府県警察費は、国費ないしは都道府県費をもって全部がまかなわれるのが理想であろうかと思うのであります。私どもといたしましては、そういう方向に向って警察の必要経費が十分に計上されまして、いわゆる寄付等によってややともすれば疑惑を招き、あるいは非難の的になるようなことの絶無を期して参りたいと思うのであります。しかしながら、何と申しましても現在の都道府県の財政状態は、必ずしも健全な黒字の所ばかりとは申し上げられないのであります。むしろ赤字の所が非常に多いという現状からいたしまして、なかなか都道府県警察に要する経費を十分に都道府県費によってまかなっていただくということは、事実上困難な面が多分にあるように思うのであります。現に富裕府県におきましては、二、三の例でありますが、たとえば神奈川県等におきましては、市町村に従来依存をしておると申しますか、治安協力会の費用等を負担していただいておりましたのを三十年度から全面的に廃止をいたしまして、それに見合うべき金を県費において計上いたしまして、市町村にいわゆる警察寄付に相当するような負担をかけるということを全面的に廃止をいたしているような事例もあるのでございまして、今後各都道府県の財政状態の健全化に伴いまして、警察の必要な経費が本来のあるべき姿、いわゆる都道府県費によってまかなわれるという形になって参りますならば、市町村にそうした負担をおかけするということなくして参るのではないか、そういう方向にできるだけすみやかに進むことをわれわれは念願し、また都道府県の関係者の方にもそういう努力と配慮をお願いしたい、かように思っている次第でございます。一応お答えいたします。
  9. 小笠原二三男

    ○委員長(小笠原二三男君) ちょっと委員長からお尋ねいたしますが、今の説明を聞いていると、寄付をもらわなければならない理由を説明せられたというふうに聞えるのですが、そういうことはどこの責任なんですか。
  10. 石井栄三

    ○説明員(石井栄三君) 警察の予算が十分でない面があったために、従来市町村等にそういった協力をお願いしておったというのが過去の事実ではなかろうかと思うのであります。先ほど申しました通り、そういうことは理想の姿ではないのでありますので、本来の警察の運営のために必要とする費用は国費ないしは都道府県費をもって必要最小限度のものを確保いたしまして、市町村にそういった財政負担をかけることのないように今後はして参りたい、こういうふうに私ども考えている次第でございます。
  11. 小笠原二三男

    ○委員長(小笠原二三男君) もう一度お尋ねしますが、国と都道府県が警察費をまかなうべきである、それが理想であると言うのですが、それは理想でなくて現実にそうでなければならないのではないのですか。警察は寄付を強要しないということを再三申しておるのですが、黙っておるところにどんどん金を持っていっているわけなんですか、またよく不足額というものを市町村がちゃんとわかっていて、割当てて寄付をしているのだと、あなたの今の答弁通りならそう思われるのですが、もう一度その点はっきりしていただきたい。
  12. 石井栄三

    ○説明員(石井栄三君) 警察が費用の不足分を市町村に強制的に割当をする、こういうことはあってはならないのであります。また現実にそういうことはないと思うのでありまして、地元の市町村と話し合いの上で御協力をいただいておるのが今日までの実情ではなかったかと、かように了解しております。
  13. 小笠原二三男

    ○委員長(小笠原二三男君) それで、ざっくばらんな話ですが、市町村と話し合いをすることは、やっぱり例によってやっているわけなんですね。
  14. 石井栄三

    ○説明員(石井栄三君) 先ほど私申し上げました通り、長い今までの習慣と申しますか、そういうことは現実にあると思います。それは好ましいことではありませんので、将来逐次そうしたことをなくして参りたいと思うのであります。一気になくするということが可能であるならば、それが一番望ましいのでありますが、それに見合うだけの財政的な裏づけがなければ、警察としてもやはり運営上困るという面もありましょうし、と申しまして、都道府県の財政状態も直ちに警察が主張するだけの予算を十分に計上してくれることが必ずしも簡単にできないというようないろいろな制約から、ここしばらくはそうしたことはなるべくなくしようと努力する、実際配慮しつつもなおかつ若干の暫定期間と申しますか、そういったものもやむを得ざる必要悪と申しますか、そういう意味においてしばらく続くのではないかと思うのですが、私どもといたしましては、できるだけそうしたことを早く解消することを念願いたしております。そのためには、前提問題としまして都道府県の財政状態が健全化す、そうして警察費の適正なる計上ができるということを期待しております。
  15. 秋山長造

    ○秋山長造君 必要悪というお話があったのですけれども、いつでしたか、この国会になって、五月の初めころのこの委員会だったと思うのですが、この本年度の警察予算について一度調査をやったことがある。そのときに、この委員会でたしか緑風会の小林委員の御質問だったと思うのですがね、本年度の予算で警察の運営が十分にやれるかどうかというような御質問だったのですが、それに対して斎藤前長官は、十二分だとは言えないけれども、まあ今年度この程度の予算ならば、警察運営は十分に何とかやれると思うというような御答弁があったのです。これはその言葉の通りだったかどうか、ちょっと速記録を見なければわかりませんけれども、意味はそういう御答弁があった。だから、その御答弁の裏にはこの特別な、予算以外の特別なこの寄付なんかをもらわなくてもまあ何とかやれるだろうという見通しのように、われわれは当時受け取っておったのですけれども、ただいまの長官のお話だと、やはりこれは相当実際には寄付によって穴埋めをしている面がこれは相当あるのじゃないかという気がするのです。それで、それにしても強制寄付を要求したり、あるいは強制割当なんかやっていないというお話なんだけれども、さっき委員長からも反間があったように、これは全然警察の方で要求しないものを、この側の方で気をきかせて包みを持っていくということは、まあこれは常識上あり得ない、まあ直接にか間接にか、いずれにしても何らかのサゼスチョンがあって、まあ形だけは自発的な寄付としての形にして持っていってるのが実情だろうと思うのです。現にたとえば警察署を新築するとか、あるいは改築するとか、さらにもっとひどい場合は駐在所ですね、派出所と申しますか、こういうものの改築だとか新築だとかという場合は、これはもうほとんど全額といってもいいくらい地元寄付に仰いでおられる場合が多いのではないかと思うのですが、そういう場合にどういうやり方をしておるかというと、やはり防犯協会とか治安協力会とか、そういうようなものが地域単位で作られておって、そして警察の方から寄付を割当てるという形でなくして、そういう協会が警察の旨を受けて、そうしてその地域内の住民に対して何百円ずつとかいうこの寄付金を割当てる、そしてまあ大体そういう場合に土地の有力者とか、そういう人が内輪で話をきめてしまって、そうして大多数の住民はつんぼさじきで、あとからそういうことがきまったということを知らされて、そしてまっこうから反対するとにらまれる、だから反対もしない、まあぶすぶす言いながら、しようがない、五十円か百円か割当てられただけ納めるというようなことが実情ではないかと思うのです。だからこれはもう強制寄付と、直接の強制器付とは言えないにしても間接的には一種の強制寄付の場合が多いと思うのですね。まあそういう実態を警察庁の方でももっとやはりよく調査されて、つかんでおかれる必要があるのではないかと思うのですがね。
  16. 石井栄三

    ○説明員(石井栄三君) ただいま秋山委員のお尋ねの第一点の、昭和三十年度は予算が必ずしも十分とは言えないが、どうにか必要最小限度はこれで間に合うというふうに前長官がお答えをしたという点でございますが、これは警察費のうち国費についてのお話でございまして、御承知のように都道府県警察に要する費用の大部分を占めるものは、むしろ都道府県費で負担する費用の方でございまして、国費は比率から言いましてもきわめて少い、この国費に関する部分は、本年度の予算で十分とは言えないが、大体それでやっていけるという意味で前長官はお答えになったものと私は解釈をいたしておるのであります。  なお寄付の対象は、これをしさいに観察いたしてみますると、今申します国費で負担すべき問題のものではなくして、純府県費でまかなうべきものについての寄付が大部分を占めているのでありまして、そういうところから先ほど来たびたび申し上げます通り、府県の費用をもって警察に要する費用を潤沢に計上するということによって、市町村その他に御迷惑をかけることを解決をすることになるのでありまして、先ほど来申し上げておりますような方向にわれわれとしましては今後できるだけ努力をいたしまして、一刻も早く理想の姿に持ってゆきたいと、かように考えておるのであります。  ただいま御指摘になりました派出所、駐在所、警察署といったような庁舎の新築あるいは増改築といったような場合に、多大の地元寄付を仰せつけておるではないかということでありますが、事実今日までの過去の事例におきましては、遺憾ながらそういう実情にあることを率直に認めます。しかしこれもいろいろしさいに検討いたしてみますと、たとえば警察署なら警察署は、国の方で一応の基準を作りまして、この程度であれば必要最小限度であるという意味で、国警当時におきましても警察署の一カ所の建築のためには必要最小限度の経費としてこれだけと組んであるのであります。えてして地方におきましては、せっかく作るからにはりっぱなものを作りたい、将来長く置くものであるからりっぱなものを作りたいということから地元の自発的な御協力によりまして、いわゆる寄付という形で何がしかと申しますか、相当まとまった金額の御協力がある、そのために地元の切なるそういう要望をむげに拒否するわけにも参らないということから、警察としましては国費の本来の予算にプラスしまして、そうした経費を庁舎の新築に充てると、こういった例が割合に多いのであります。そういったことが果していいかどうかということは、これまた議論の余地のあるところでございますが、過去の事例に徴しますと、そういう点もあるのであります。要するに寄付を強要するということはこれは厳に戒むべきことであり、先ほど秋山委員のお話にもありましたように、明らかに強制でなくても、権力を持った警察がネコなで声でものやわらかにものを言いましても、それで間接的に強制の威力を持つものであるということもわれわれ承知しております。それだけに厳にこれを戒心しなければならないと思うのでありまして、今後こうした寄付ということにつきましては、従来以上に細心の注意を払いまして、弊害の面の生じないように一刻も早くこうした問題の解決に当りたいと、かように考えております。熱意を持っておりますことをお認めいただきまして、今後の努力をお誓いたしますので、よろしく御了解を得たいと思います。
  17. 秋山長造

    ○秋山長造君 長官はちょっと虫がよすぎると思うのです。実際地方の警察署なんかを作る場合に、これは警察の方で計画される規模では満足しないので、地元が同じものを作るならりっぱなものを作ろうということで、警察の予算の上にさらに寄付金を集めて規模を大きくするというような場合はこれはほとんどないのじゃないかと思うのですが、警察規模の問題について、これはむしろ自治庁の方でどの程度行われておるかという実態は把握されているのじゃないかと思うのですが、財政部長その点どうですか。
  18. 後藤博

    ○政府委員(後藤博君) 私の方では警察寄付がどのくらいあるかという調べは実はやっておらぬのでありまして、市町村全体として国その他の協力機関にどの程度寄付金が出ておるかという調べは二十八年度決算でやってみました。その結果は市町村でたしか百三十億くらいの寄付金が協力団体に対して出ておると、こういう数字を私ども持っております。これももちろん個々に当った数字ではなくして、ある程度推計を加えた数字でありますので間違っておるかもしれませんが、その中に警察の寄付があるわけでありまして、二十八年度当時は私どもの推定では大体まあ十億と二十億の間の数字ではなかったかと、こういうふうに思っておりますが、この数字を見ますと、二十九年度はだいぶ下っておりますし、事実私どもが見ましても、 二十七、八年ごろから見ますると、一町村当りの寄付金は下っております。これは市町村の間でもやはり問題がございまして、もちろん協力機関として応分の寄付はしなければならないけれども、額が従来多過ぎるから下げてもらいたいということを個々に折衝いたしておりまして、これは特に市、地方によりましては市の団体が強力に申し入れをして下げてもらっておる事実を私どもたくさん知っております。従って二十九年度は国警と自治警とが一緒になりまして、新しい組織になりましたので下げておりまして、三十年度はさらに下っていくのではないかと、かように私どもは考えております。
  19. 中田吉雄

    ○中田吉雄君 さっき石井長官は、たとえば警察の庁舎を建てるときに地元の方から、この機会にりっぱなものにと、それは警察の関係者がそういう意思になるのです。私も検察庁の庁舎、裁判所の庁舎、警察の庁舎のことに関係してよく知っておるのです。まずそれは土地を買い上げたりする費用の単価が実情に合わないということがありました。私がやったのは、 これはもう絶対合わないのです。買上げ単価が合わぬからその差額を地元で寄付してくれ、それからそういう庁舎を新築する際に警察署の職員の官舎といいますが、署長の公舎をこれにかこつけて建てようというようなことで、私も数十万の寄付のその徴収を担当したことがあって、むしろ私は実際の査定の単価が実情に沿わないような点が庁舎に関して言えばある。これはいいと思うのですが、その機会にかねて懸案だった職員の、署長の官舎を建てちまおうというようなことでたくさんの寄付がやられる場合が多いのです。そういう点では石井長官の話は何か少し実情に私沿わないと思う。  それからこの際お伺いしておきますが、ただいまいただいた資料の活動費と運営費、運営費についてはこれは経常的なものですか、その点いかがですか。
  20. 石井栄三

    ○説明員(石井栄三君) ただいま中田委員のお尋ねの第一点の予算の計上の単価が一般的に安過ぎる、そのために勢い予算が正規の予算では不足であるということから、警察側が進んで地元の寄付をいただくような働きかけをする、こういうことでございますが、そういった点確かに私どもも気がついておるところでありまして、単価の問題につきましては今後十分検討をいたしまして、必要最小限度正規の予算で満たし得るように今後は努力をして参りたいと思います。そういうことによって寄付の問題の解消をはかっていきたい、かように考えます。  それから第二点のお尋ねの運営費というふうにここに書いておりますのは、警察職員の福利厚生と会議費。
  21. 中田吉雄

    ○中田吉雄君 署長の交際費と違うのですか。
  22. 石井栄三

    ○説明員(石井栄三君) 会議費とこういったものが含まれて、総合的なかりに名称としてここにしるしたわけであります。
  23. 中田吉雄

    ○中田吉雄君 後藤財政部長にお尋ねしますが、今年も交付税法の単位費用等の改正も出ておるし、今年の財政計画では大体もうただいま長官の言われたような趣旨からすれば、寄付はないものと見て、それほどの財政計画を組んでおるかどうか。それからこれは少しさかのぼるのですが、自治体警察というときには単位費用を非常に少くしてたしか二十万程度だった、一人当り。そして自治体が財政的に持ちこたえないようにして交付税の単位費用をたしか一人二十一万円ぐらいにした。それを今度府県警察になったら三十数万に上げて、単位費用を非常に優遇した、こういうような点は自治庁としても財政的な圧迫を加えて、単位費用の面でまあ自治体で持つことができんような側面的な援助をするために組んだとは言わぬが、まあそういう節がないでもないですが、相当単位費用も上げてあるのですが、三十数万円に上げてあるのですから今年はどうですか。大体寄付なしで長官もただいまのような発言だし、非常な誠意を披瀝されておるが、大体財政計画とにらんで、ないと見ていいですか。
  24. 後藤博

    ○政府委員(後藤博君) 警察費の単位費用の問題は、これは単位費用のやり方でやっておるのでありまして、市町村警察の時代には人口を基準にして、人口一人当り何ぼとしてこういう単位費用の作り方をしておった。それから五大市もやはり昨年まではそうしておった。今年からは警察官一人当りと直しております。従って単位費用の積算の仕方が違っておったことが一番大きなことです。
  25. 中田吉雄

    ○中田吉雄君 それは大体人口を警察職長に換算すると二十万程度ですよ。私換算してみたのです。人口一人で幾らということをそれをちょうど警察職員とそれと換算すると二十万ぐらいです。そうなっているのです。
  26. 後藤博

    ○政府委員(後藤博君) 大体単位費用の考え方が違っておりましたのと、それから国家警察と地方警察と自治体警察と合せましたものの総額を基礎にして、今度はつまり単位費用がふえざるを得ない。つまり国家警察のうちで従来は職員は全部国の職員であった関係上からいたしまして、職員の費用は国で払っておるわけです。ところが都道府県警察になりましたために、その職員の大部分のものが自治体で払う、都道府県で払うということになりましたために、単価は上ってきたのであります。それが一番大きな内容的な理由であります。
  27. 中田吉雄

    ○中田吉雄君 その点それは前には御指摘のように、警察が統括する区域内の人口を一人幾らというふうになっておりました。しかしそのときにおる職員に割ってみると、それは大体二十万円前後です。それが今度は去年からですか、こういうふうに一人にすると三十万以上にして、なかなかこの方面に対しては相当思い切った単位費用を計上して、自治庁も共同で自治体に圧迫を加えるような傾向がこの辺にも出ていると思うのです。それはともかくとして、こういうふうに見てあれば、大体寄付なしでやれるとこういうことなのですか。
  28. 後藤博

    ○政府委員(後藤博君) ここへ出ております資料で見ましても、五億程度のものが直接財政援助の費用でありまして、この程度のものでありますれば、私は現在の私どもの計画しておりまするもので大体やっていけるのじゃないか、かように思っております。
  29. 小笠原二三男

    ○委員長(小笠原二三男君) いかがですか、今の案で。私のお尋ねは四億四千万程度のものなのだから間に合うのだという見通しですが、当事者としてあなたもそれが間に合うというのであれば、問に合うということで言われてもうこの問題は解決するわけですから、間に合わないなら間に合わないという理由をお聞かせ願いたい。
  30. 石井栄三

    ○説明員(石井栄三君) お手元に、私どもの方でこの三月末現在で調べました警察後援団体調べ、これによりますと、警察に対する財政援助の金額四億四千八百余万円ということになっております。これだけの金額に見合うものが都道府県の費用で警察費に正規に組みかえられるならば、寄付の問題は全面的に解消するというわけになるわけですが、私どもといたしましては、そういうふうな財政措置のできることを期待はいたしておりましたが、実際にはそういう自治庁の方において全面的にお受け入れいただくようには至っておらないように思うのであります。富裕府県におきましては先ほど申しました通り、すでに三十年度から市町村で財政負担をするような、いわゆる治安協力会といったものを廃止しまして、全面的に県費でその費用をまかなっておる事情もあるのでありますが、逐次そういったような余裕のある県におきまして改良していただきますならば、本年度中においても相当程度解決できるのではなかろうかとかように思っております。
  31. 中田吉雄

    ○中田吉雄君 では寄付はやむを得ないということですか。
  32. 小林武治

    ○小林武治君 今の問題に関連して、警察庁からこういうふうな協力団体は解散をできるだけしたらどうかと、こういうふうな通牒を出す意向はありまんか。
  33. 石井栄三

    ○説明員(石井栄三君) 警察に対する後援協力団体がいろいろあるわけでございますが、御承知のように交通安全協会、あるいは防犯協会といったような警察に対する財政援助を主たる目的事業とするものでなくして、本来の事業と申しますか、目的を持っておるものは、これは依然としてあって然るべきものと思うのでありますが、純然たると言いますか、あるいは主たる目的が警察に対する財政援助である、いわゆる治安協力会といった名称、あるいは後援会といったような名称でほとんどその会の目的が警察に対する財政援助を目的としておる、こういったものは全面的に廃止をして参りたいと思うのでありますが、ただ先ほど来、たびたび申し上げます通り、警察におきましても長い習慣で、そうしたものにある程度依存をして警察運営をやっているということからしまして、本来のあるべき姿、都道府県費によりそういう警察費が計上を全然されないと、それだけ穴があいてしまう、今直ちに穴があくということになりますと、警察運営上若干支障を来たすという面もあろうかと思います。しかしながらできるだけそうしたものは一刻も早く解消すべきものでありますので、私どもといたしましては、警察費の現状は本来の姿になるべく早くもって行くようにいたしまして、逐次もっぱら財政援助を目的とするような後援団体というようなものは解消して参りたいと思っておりますので、そういった旨を都道府県の方にも伝達をいたしたいと思います。
  34. 小林武治

    ○小林武治君 今のような連絡をされたなら、その書面を一つこちらに出してもらいたい。それから財政部長は大体やれる、こういうお話しでありまするが、大体警察費も交付税の算定基礎で相当配付されておる、どうですか、今国からやる費用のほかに純粋な都道府県の地方費の負担になるというふうなのがどのくらいあるか、これを一つ伺いたい。
  35. 後藤博

    ○政府委員(後藤博君) 私ども交付税の算定をいたしますときは、その基準財政需要額で大体九五%くらいのものを見ておるわけであります。従って五%分は初めから落しております。これは八〇%の税収入を見ましたそのつり合い上やはり九五%くらいを財政需要で見ております。従って五%分くらい足りない、われわれの計算で申しましても足りないのであります。その分を出せるか出せないか、それはその県の自由財源の量によってきまる、こういう考え方をいたしております、持ち出し額がどのくらいあるかということは、私ども決算の内容がわかっておりませんので、今のところはっきりいたしておりません。少しづつ持ち出しをいたしておる県が非常に多いのではないか、こういうふうに私どもは考えております。
  36. 小林武治

    ○小林武治君 昭和二十九年度はあとで四十億補給したとこういうことで、府県の計上の警察費予算とあなたの方でもって財源措置をしたものとの比較はもう大体できておると思うのですがね。それで大方国費でもって措置したと、こういうふうにお考えになっておりますか。
  37. 後藤博

    ○政府委員(後藤博君) 四十億の補てんをいたしましたときは、たしか四十億よりもちろん多い数字が予算には載っております。しかし予算でありまして、これは執行の途中で落しておる県も相当ございますし、警察費の補てんがあるというので、予算に相当大きく組んでおった県もございましたようでありまするから、予算額自体との比較はちょっとできないのじゃないかと思っております。従って決算を比較しなければなりませんが、決算がまだ出そろっておりませんので、その辺のところがどの程度の差額になるかということは、まだ私ども承知いたしかねております。
  38. 小林武治

    ○小林武治君 今のお話によっても、政府の意図としては大方財源措置は国でやっておる、そういうふうに言われております。従って地方費でのほんとうの持ち出しというものはそう多くはないと思うのであります。従いまして、私はその警察の協力費というものはなくなるのがほんとうであろう。ことに警察関係はよく御承知のように、これが一番いわゆるボスの温床になるといいますか、警察の機能を正当に発揮できないという原因になっておると思うのでありまするからして、私はこの点については警察庁はもっと気をつけて、そしてこういう財政援助を目的とする協力団体というものはすみやかに解散せしむるべきだ、こういうふうに思っておりまするから、先ほどのお話はすみやかに一つ出してもらいたい。そうしてその結果等も報告を受けたい、こういうふうに思っておりますからよろしく願います。
  39. 石村幸作

    ○石村幸作君 後藤財政部長にちょっとお伺いしますが、地方財政法の第四条の三に、これが規制に関する条文があるのです。これを改正するときに、私はこの条文では空文に終るおそれがあるから、どうせこれを改正してこういう気持を取り入れるなら、もっと強化したらどうかということの意見を言ったことがある。果せるかな、これはもうほんの空文なんです。つまり割り当てて強制的に徴収しちゃならない、こういうような意味なんだが、さっき秋山君の質問だったか、これは強制的ということは、事実は強制的なんだけれども、格好は強制的にはならないのだ、ところがこれはみんな半強制的なんだが、これについてこの現行法ではこれは空文だと、だからこれを何とか改正をしてもっと当てはまるような文句にして、そうして市町村財政、こういうようなものを救済してやろう、こういう気持はありませんか。
  40. 後藤博

    ○政府委員(後藤博君) おっしゃいます通り、地方財政法の四条の三では寄付を割り当てる方の側の規定でありまして、割当をしてはいけない、で、出してはいけないという規定はないのであります。従って任意得付の格好で出しておるわけであります。従ってその間裏側から、支出してはいけないという規定を設けるべきじゃないか、こういう御意見が衆議院でたびたびあったわけでありますが、再建整備の法律の中に、今度は、当分の間、国に対しては支出してはならないという規定を入れたいと思って、現在法案の中に入れております。ただその場合に、「国に対し」というこの文句は「国」でありますが、国及び国の機関であります。国の機関に直接のそういう寄付をしてはならないとしか法律では書けないのであります。そうなりますと、後援団体、協力団体というものを一体何と見るかという問題があります。先ほどお話しになりました直接財政援助を目的としたところのものは、これは私は国の団体に近いものだから、国に近いものであるからこれは私は禁止すべきものであるというふうに考えております。警察庁もやはり同じような考えでありますが、ただ交通安全協会のような団体がもしもあるとしますれば、これは防犯協会とか何とかいう名前で出ました場合には、やはりこれはちょっと一種の協力団体でありますから、やはり他の協力団体と同じ立場において物を考えていくべきじゃないか、かように考えたのであります。従って再建整備の法律の中には赤字のあります団体につきましては、そういう機関に、そういう協力団体に出すところの寄付金の額を総額を押えよう、こういう考え方を現在いたしております。これは府県市町村のそれぞれの団体の財政規模によって一つのパーセントをきめまして、百分の一とかぐらいから百分の五くらいまでの間で、それぞれの地方団体の財政規模によって相当寄付金の総額を抑えていく、当分の間そういう格好にして抑えていこう、こういうように現在考えております。
  41. 石村幸作

    ○石村幸作君 そこで第四条の三は、国に対してということなんですが、県の場合も、今度市町村は県に対してと、こういうことになるのですね。
  42. 後藤博

    ○政府委員(後藤博君) 県と市町村との間はこの法律には直接触れないわけでございます。
  43. 伊能芳雄

    ○伊能芳雄君 ありますよ、条文の中に。
  44. 石村幸作

    ○石村幸作君 「地方公共団体は他の地方公共団体又は住民」としてあるから、それで県に市町村はということになるわけでしょう。
  45. 後藤博

    ○政府委員(後藤博君) これにはそうでありますが、私どもの再建整備の法律の中には県と市町村との間の規制はいたしておりません。
  46. 石村幸作

    ○石村幸作君 再建整備法の立案にはそうでしょうが、一般的のですね、この問題を解決するのにはやはりこの第四条の三をもう少し事実にぴったり当てはまるような条文に直したらどうだろうと思うのですがね、それでなければ今の問題も解決しないと思うのです。
  47. 後藤博

    ○政府委員(後藤博君) これは私ども地方団体の内部の問題につきましては、問題になりますのは、再建整備をやります団体、つまり赤字の多い団体と市町村との間の問題であります。これは再建計画自体の問題でもありまするし、それから個々の毎年の予算の問題でもございますので、それは私どもの指導によってできるだけ市町村に負担を負わせないようにしていけばいいのでありますから、これは事実上ある程度できるということを考えまして、法律の中には国だけの問題を法律で改正しております。
  48. 石村幸作

    ○石村幸作君 そこで、警察庁長官は今のところこれは何とかやめなければならないけれども、今の段階では急速にはやめられない、ある時期が来たらやめるようにしましょうと言うし、そうすると、自治庁の方はおそらくそういうことはなるべくやってもらいたくない。これは法律的のやり取りじゃない、だから法的にそういうふうなことが規制されるような措置は講じられないかと言っておる。再建整備の問題とは切り離して根本的の問題なんですが、つまり取る方、国でも県でも取る方はこれは法律的じゃないのです。だから、文句が出ればなるべくやめましょう、こう言うのです。しかし事実やめない、だからそういう場合に、取られる方はどこまでもいやなんだ、そういう場合に、自治庁は取られる方の地方公共団体または住民個人のそれをどういうふうにして救済してやろうかというような、規制をしてやろうかというような考えはないか、こういうのです。もっと四条の三を実情に即するような条文に直して、そういう措置をする気持があるかないかということを聞いているのです。
  49. 後藤博

    ○政府委員(後藤博君) 地方団体が寄付を絶対にできないということは、私どもは自治法の建前からして絶対の禁止規定は置けないのじゃないか、また置くことは行き過ぎじゃないか、かように考えているのであります。で、上からの割当はいけないけれども、下から任意に寄付をする場合もあり得るので、それも正当の場合もあり得るのでありますから、県と市町村の間だけは一応この法律的な規定を置かないで、国との間だけに禁止の規定を置こう、こういう考え方をとっているわけです。ただ、赤字のあります団体につきましては、寄付金の額が多額になりますと赤字が多くなって参りますので、その限度をきめる法律を作ろう、こういう考え方で再建整備の法律の中に「当分の間」ということでそれを入れているわけであります。
  50. 石村幸作

    ○石村幸作君 今の後藤財政部長の言うことはよくわかるけれども、あなたの言うことは赤字団体の救済、再建促進、その方にばかり考え方がいっているから話がそこへいってしまうのだが、今の問題ははっきり具体的な問題なんですよ。そういう場合を土台にして話しているのだけれども。
  51. 後藤博

    ○政府委員(後藤博君) 先ほど申しましたように、地方団体につきましては、自治法の二百三十一条に「公益上必要がある場合においては、寄附又は補助をすることができる。」こういう規定がございます。従って、建前としては公益上必要があれば寄付ができるという建前になっている。従ってこれを寄付する側の地方団体を禁止するということは自治法の建前からいっても行き過ぎじゃないかと私どもは考えているのであります。従って当分の間だけ特殊な団体についてのみ寄付を制限していく、こういう考え方をとっております。ただ今申しましたように国だけについては、国に出す必要はないのじゃないか、こういうことで法律をはっきり出そう、こういうことであります。警察につきましても、先ほど申しましたように警察の協力団体でありますところの交通安全協会、そういうものが寄付といいますか、会費といいますか、そういうものを払うことそれ自体までも押えてはいけぬのでじゃないかと私どもは考えております。ただ純然たる財政援助のものはちょっとこれは行き過ぎじゃないか、従ってそういうものは抑えるべきじゃないか、かように考えております。
  52. 伊能芳雄

    ○伊能芳雄君 西田前長官は本会議ではっきり堂々と、一般的にそういう自治団体の寄付金を禁止するということを明言したことがあるのです。そのことはお聞きになっていますか。
  53. 後藤博

    ○政府委員(後藤博君) 聞いております。
  54. 伊能芳雄

    ○伊能芳雄君 これはほんとうは川島長官と西田大臣と二人に聞きたいのですがね。その問題は一体ほおかむりでやめてしまったのか、あるいはやるつもりなんだけれども法案が整わないのか、どうなんです、今の段階は。
  55. 後藤博

    ○政府委員(後藤博君) 絶対に禁止するということを前の大臣がおっしゃったのでありますが、しかしこれは現在の地方自治法の建前を考え、また現在の実情を考えて参りますと、絶対に禁止をいたしましても、やはりいろいろの形でもって出ていくのでありまして、その法律が守られるかどうかということが問題なのであります。従って守られる限度の法律を作るのが実情に最も合っているのじゃないか、かように考えまして寄付の制限の方式を考えたのであります。
  56. 伊能芳雄

    ○伊能芳雄君 そうすると、今の段階では西田長官のあの大みえはもうあなた方事務当局のいろいろの意見によって変更されている、こういうふうに考えていいのですか。
  57. 後藤博

    ○政府委員(後藤博君) 事務当局ではなくて、現在の自治庁はあのときのああいうふうな考え方でなくて、寄付を絶対禁止するのでなくて、ある程度制限をしていくという方向に変っております。
  58. 伊能芳雄

    ○伊能芳雄君 今石村委員が地方財政法第四条の三を引用しましたが、この引用が問題になるので、強制的にやっちゃいかぬという言葉があるから、出先機関というものは、いや住民が非常に自発的にこれだけのことをぜひやりたいというので持ってきていますと言うにきまっている。強制的なんていうのは一度もおそらく表面に出たことはない。強制的にやれば法律にひっかかるし、本人がひっかかるばかりでなく、少くも上級官庁というものは必ず抑えてしまう。だからこんな条文は実際あってもなくてもいいので、ほんとうに押えるならば強制的にというでなくして、受けてはいけないという条文にすべきだと思うのですが、どうですか。後藤財政部長の個人的な意見でもかまいませんが。
  59. 後藤博

    ○政府委員(後藤博君) 実はこの条文だけでも読めるという人もあるのでありまして、出してはいけないというわけには、しかし私どもはこの条文ではちょっと読めないというふうに考えておりまして、従って法律をどうしても要する、こういうふうに考えたわけであります。
  60. 伊能芳雄

    ○伊能芳雄君 あなたはどこまでも出す方ばかり押えようとするが、受ける方を押えればいいのではないか。国の出先機関がやってはいけない、寄付を受けてはいかぬ、県の場合もほかの団体から寄付を受けてはいかぬ、この条文は強制的にを除けば生きてしまう。大体出す方を押えるのがおかしいので、むしろ受ける力を押えるなら抑えるべきだ。受ける方を押えるのが国の責任なんだ、むしろ。この点どうですか。今あなたの言うような意味において、これで出す方を抑える条文にも読めるというのは私は無理だと思う。そんな読み方はできない、この条文は。強制的に割当を受けてはいけない、強制的にをとってしまえば、この条文というものは国の出先き機関は寄付を受けてはいかぬ、県は――県に限らず地方団体は他の地方団体に強制的にでなくてもやってはいかぬということになる。そうするとむしろ出す方を押えないで、受ける方を押えるのが順序じゃないかと思う。どうですか。
  61. 後藤博

    ○政府委員(後藤博君) おっしゃいます通り、「割り当てて強制的に徴収する」という文句を変えれば受ける方の制限はできると思います。しかしその場合にもやはり勝手に出したあれだからいいじゃないかという議論がありまするので、やはり出す方の側を押えることによってこの規定が十分に活用されるのじゃないか、こういうふうに考えております。
  62. 小笠原二三男

    ○委員長(小笠原二三男君) 速記をとめて。   〔速記中止〕
  63. 小笠原二三男

    ○委員長(小笠原二三男君) 速記を起して。
  64. 伊能芳雄

    ○伊能芳雄君 こういうことをきめられたら、警察はすぐ困りますか、どうですか。つまりこの第四条の三というのは地方団体は他の地方団体に、県が市町村にということになるのですか、住民ということになるのですか、寄付を受けてはいけない、これは後藤部長は徹底しないと言うけれども、これほど徹底することはない。国の機関やあるいは地方団体なんだから、これほど徹底することはない。受ける方に対して受けてはいけない、もし違反したら法律の違反ですから、おそらく公務員として非常な違反を、法律違反を犯したことなんだから、法律にも問われるし、同時に監督上からも当然追及される。非常に徹底するのです。しかしこれをやったら困る点がありますか。
  65. 石井栄三

    ○説明員(石井栄三君) 先ほど他の委員さんの御質問の際にお答えしたと同じことを繰り返すようになりますが、簡潔に申し上げますが、要するに警察の運営に必要な経費が、本来のあるべき都道府県の費用によって予算が十分に計上されるならば、警察としましては何も市町村に財政上の御迷惑をかけるところは毛頭ないのであります。都道府県の警察予算に都道府県費をもって必要最小限度のものが確保されるという裏づけがあって、初めて市町村に財政負担をかけるようないわゆる寄付の問題というものは解消すると思うのであります。それが今直ちにできるならば、寄付の出し入れば全面ストップということになっても支障がないということになりますが、現実の問題としまして、都道府県の財政状態には直ちにそこまで期待することは困難な実情にありますので、先ほど申します通り、逐次可能な都道府県から理想的な方向に持っていっていただくように努力をお願いしたい、そういうふうに私ども考えております。
  66. 小笠原二三男

    ○委員長(小笠原二三男君) 私からも念のためにお尋ねしますが、警察費が都道府県理事者並びに議会において適正なものが承認されない、そのために下の市町村に不足分を移していかざるを得ない、こういうような都道府県がどこかにあるのですか。警察行政が遂行されるに足る最低限の金までも出さないという都道府県があるのですか。あるとなれば私は大問題だと思う。もしも寄付は強制割当しないのですから、寄付をしないという市町村が出てくれば、そこの都道府県の警察行政にはもう欠陥が出てくるということになるのですか。寄付がなければないで最低の警察行政は行えるものですか。その点明らかにしてもらいたい。
  67. 石井栄三

    ○説明員(石井栄三君) 多年の慣習で、そうした寄付に依存して末端の警察において運営されておる面があり、それが本来のあるべき都道府県の警察費として還元されると申しますか、計上されておらない面が若干残っておるわけであります。そうしたものを、全面的にあるべき姿に持っていくのには若干時間を要する、こういうふうに考えているのであります。今直ちにそれが一気に可能であるかと申しますと、都道府県の財政状態もありましょうから、なかなかそれまでめんどう見ていただくということが事実上困難である、こういう現状にあります。
  68. 小笠原二三男

    ○委員長(小笠原二三男君) そうしますと、石井君がおっしゃるように、都道府県に要求はするが、けられる、それで下へ下っていくということではなくて、初めからそれは要求しているものではなくて、市町村において慣行として各警察署においてやっておるものなのだ、それで都道府県に警察行政費として要求するものとは別個のものなのだ、慣行上というものですから、そういうふうに聞えるのですが、そういうものなら、そういうものこそ断ち切ってしまったらどうですか。おかしいと思うのですね。堂々と要求すべきものなら初めから要求し、それが都道府県にけられるならば、県民に訴えるなりあるいは政府、国会に適正な措置を求める方法をとるべきじゃないでしょうか。
  69. 石井栄三

    ○説明員(石井栄三君) もとより必要な経費は要求はいたしておるのであります。いたしておりますが、都道府県の財政状況等もありまして、それが全面的に受け入れられないというところから、その不足分を一応従来の、悪いことでありますが、慣例に依存をしておるという面が残存しておるわけであります。これが先ほど来たびたび申し上げます通り、決していいことではありませんので、今後逐次理想の方法に切りかえたい、さように考えております。
  70. 小笠原二三男

    ○委員長(小笠原二三男君) そうしますと、都道府県の理事者あるいは都道府県議会が適切な予算要求をうけるということから寄付の問題が起っておるということですか。もしもけるとなれば、警察行政一般を見合いにして予算を決定するものでしょうから、私はそうは思われない。最低限のものであろうとも警察行政費は保障されていると思うのです。それなら警察部内としてはもっと使いたいけれども、がまんして寄付はもらわんでやっていけるという最低の保障はあるのじゃないですか。任意の寄付に求めて不安定な警察行政を予算上やっているなんということは、私は不適切だと思うのですが、どうなんです。
  71. 石井栄三

    ○説明員(石井栄三君) 実際問題といたしまして、府県の警察本部長の方におきましては、必要な予算を知事の方に要求をいたします。知事の方ではむろん必要最小限度のものを考えて下さる配慮のもとに予算を編成されるのでありますが、先ほども申し上げました通り県財政の都合等もあって、この程度でがまんしてもらいたいということで、その結論が出ているものと思うのであります。しからば本部長が理想として要求した額に満たないからといって、その不足分を他に求めることなく、その認められた正規の予算でがまんして警察行政をやったらいいんじゃないかということをおっしゃることも、私はごもっともと思うのであります。私どもも他に弊害を生ずるような寄付まで求めて、それによってそうした不足分をカバーするということは必ずしも適切ではないと思います。しかし先ほどから申します通り、多年の惰性と申しますか、慣習でそういったことがいまだに残存いたしておりますので、これは好ましいことではないので、逐次是正をして参りたいとこういうふうに申し上げておりますので、御了承を願いたいと思います。
  72. 小笠原二三男

    ○委員長(小笠原二三男君) いや、惰性の粛正というのですから、これは従来の長官ではできなかったことですから、これは新長官の手腕に期待するということですな。
  73. 石村幸作

    ○石村幸作君 石井長官にちょっとお尋ねしますが、さっきのお言葉のうちに、ある県はもうすでに全面的に廃止していると、これは事実ですね。神奈川県なんか全部やめましたね。そこで神奈川県のほかにもあるかどうか。やめた場合に警察の運営の費用に欠陥を生じたかどうか。そしてその場合に県に向って追加の予算を要求したか。また事実それが予算を計上したかどうか。それをちょっと御説明を……。
  74. 石井栄三

    ○説明員(石井栄三君) 石村委員さんの先ほど御指摘の通り一つの例としまして、神奈川県が三十年度からそういうふうに全部従来警察署単位の警察後援会ないしは協力会といったようなものが市町村に負担をかけておりましたのを全面的に廃止いたしまして、それに必要とする最小限度の費用を県費に計上いたしまして、全面解消いたしましたが、これは何分にも本年度初めてそういうふうに切りかえられたものでございます。まだ時日も短く、従ってその実施を十分にわれわれの検討するだけの資料を持ち合わせておりませんので、今直ちに御指摘のようなことについてお答えをする材料を持ち合せておりません。今後十分神奈川県の実情を見きわめまして、適当な機会にはまた御報告を申し上げたいと思います。
  75. 石村幸作

    ○石村幸作君 ですから、さっき小林委員が具体的な質問というよりも要求をした。それに対してお答えになったんだが、あの通りやはり英断的に全廃を指令すれば、これはいくところにいくのですよ。足りなければどうしたって府県に要求するし、府県会もこれをほっておけないし、要するに警察庁で全国一齊にこれを廃止するという英断の手段をとるかとらないか、一にかかってこれは長官の決意によることと思います。私はこれで終ります。
  76. 石井栄三

    ○説明員(石井栄三君) 都道府県の財政措置と関連を持つものでありますので、これは一気に今私がいかにそういう理想を私自身考えておりまして、実現をしたいと思いましても、一気に今直ちに実行に移すということは不可能であろうと思います。ことに年度半ばでもございますので、そういったことはなかなか簡単には参らないと思いますが、今後できるだけすみやかにその方向に、理想の方向にもっていくということを努力をするということを御了解いただきたいと思います。
  77. 中田吉雄

    ○中田吉雄君 石井長官に申しますが、地方議会で、都道府県警察になってから議員の警察関係の常任委員の希望者というものは非常に多いのです。そうしてまた私は警察が正当な要求を出されたのを削るというようなことは、選挙をやったりいろいろな関係のものとして、私はかなり警察財政は膨張すると思うのです。これは自治体警察のときに、やはり権力を持つ警察と議員との関係というものはなかなか微妙なものがあって、そういう点では警察が堂々と治安維持の最小限度の経費として要求されたものを議会が削って寄付に仰がねばならぬというようなことはないと思う。これはもうどうしてもすねにきずがあるとは言いませんが、どうしても警察の予算は膨張の一途をたどる傾向を私の経験からしてもよく知っておるのです。そういうような点から、新長官として地方行政委員会に出て寄付を切れと言われたというようなことで寄付を切って、地方の警察で財政運用がよくなって、どうも今度の長官は――というようなことはないと思う。やはり切っちゃって、そうして必要な経費は国なり都道府県の長なり、議会なりにやはり要求をやる絶好のチャンスである。それから私は活動費や運営費は、私はその実態についてかなりその収支の一々の伝票をくって調査したこともあってよく知っているのですが、進駐軍接待費というようなことでもう数十万の一括の伝票になって、これは非常に問題があったりして、なかなかその辺はかなり英断をふるう私は余地があると思うのです。やはりこの機会に、決して地方議会というものは警察予算に対して無理解じゃないと思う。やはり財政多難という面は、これは農林だろうが民生であろうが、どこだって共通な問題で、よそへそれだからと言って切られたから寄付に仰ぐというようなことは、権力のない下部のあれではできないのです。だから私は多年の懸案を移して百尺竿頭一歩を進められることを強く希望する。そうしてまた地方議会が私の体験から言って警察予算に大なたをふるうものでは絶対にないのです、その点も……。
  78. 石井栄三

    ○説明員(石井栄三君) 中田委員より御鞭撻をいただきまして、まことに心強く感じた次第でございます。地方議会におきまして警察に非常に御理解をいただいておるので、必要な経費は十分に獲得できるということでございます。意を強うする次第でございますが、警察はえてしてこわもてするために、半ば強力を用いて警察予算を獲得したというようなことがあっては、これまた弊害の面も生ずるかと思うのであります。県議会の方々はきわめて御理解があるとは申しましても、まずその前提となる予算案提出の前の予算の編成については、県知事初め県財務当局のものが県の警察部長等と折衝して原案がきめられるわけであります。その際には県としましてはひとり警察費のみならず、すべての経費について総合的に判断をした結果、知事が裁定を下されるものと思います。他の方面に必要欠くべからざる緊急に要する予算等の関係があって、警察の必要な理由はわかるけれども、今日ただいまはこの程度でがまんをしてもらいたいというようなこともあろうかと思います。そのために警察側としては理想が達成されないということもあるいはあるかと思うのでありますが、県議会の方々の御理解によりまして、そういった警察が当然必要とする面が不足しているというような場合に、御鞭撻によりまして、県予算に計上されるということであるならば、われわれとしましてはこれ以上ありがたいことはないわけであります。先ほど申しました通り、警察がこわもてするが故に半ば強力を用いて無理に予算を獲得するといったような傾向を生ずることは、やはり厳に戒めなければならぬと思うのでありまして、どこまでも警察の当然に適正に必要とする予算を関係各方面の方々の御理解を得て正式に予算化する、こういうことでありたいと思うのであります。各都道府県はそれぞれ財政状態が違いますので、富裕府県におきましては比較的容易に警察の希望する予算が計上されましょうが、他の府県におきましてはなかなか理想通りに参らないという点がなおあるのではないか、かように勘考いたしております。
  79. 小笠原二三男

    ○委員長(小笠原二三男君) 後藤政府委員にお尋ねいたしますが、この警察費については、財政需要は各府県別警察庁と協議して了解点に達しておるのですか。毎年度そうしますと都道府県で実際予算を組んだ額と財政需要との開きがあれば、これは何らか行政指導その他で都道府県に要請もできるでしょうが、どこまで金が出ればそれが適正なものやらわからぬというようなことではこれは水掛論で、いつまでたってもこの種の問題は断ち切ることができない。
  80. 後藤博

    ○政府委員(後藤博君) 財政計画を作ります場合には、もちろん警察の財政需要につきましては相談をいたしまして財政需要額をきめております。それからそのきまりました財政基準に基きまして今度交付税を分けます場合には、先ほど申し上げましたように教育とか警察とかいうような義務的な経費、につきましては、交付税の基準財政需要額を高く見ておりまして、九五%くらいを財政需要に乗せる、こういうふうな考え方でもって単位費用を算出いたしております。従って九五%以上を出せるか出せないかということは、これはその県の自由財源のあり方によって自由にきめてしまう、こういうように考えておるのであります。それは各県の毎年度の予算を見ますると、やはり義務的な経費を重く見ながら中心の予算を組んでおりますので、できるだけこの財源を持ち出しております。従って警察の方で要求をされるものよりはもちろん低いかとも思いまするけれども、われわれの計算したもの以上に出しておるのが実情だろうと、こういうふうに思っております。
  81. 森下政一

    ○森下政一君 石井長官に伺いますが、先刻来各委員とあなたとの質疑応答を承わっておりますと、委員諸君の心配されることは強制ではないというけれども、警察費の関係でいろいろ寄付がつのられておるということは弊害が多いのじゃなかろうか、なるべくそういうことをやめてもらいたいということが委員諸君の希望だと思う。ところであなたがお答えになるのを聞いておりますと、富裕府県では警察の理想とする要請が充たされておっても、そうでない府県においてはどうも理想を達成するだけの財政的な配慮が事実上不可能だというので加えてもらえないとか、そういう場合が長年の慣習で寄付をつのることもやむを得ないのだというふうに聞こえるんです。一体警察の理想とする要請なんというものは、これは私はどこまで行ってもこれは理想が達成できちゃって、それから先その理想が進展することはないんだというようなことはないと思うのです。これは警察といえどもだんだん年月か経るに従うて理想とされるところの目安すが変ってくるに違いない、そういうことはあり得ることと私は思いますので、その理想的な要請というものがあるところでぴたっとストップするものではないと思う。そういうことは際限のないことだと思うので、だから国の財政需要なり、あるいは地方の財政需要なりを勘案して、一体国民全体が非常に税負担その他で苦しんでおるところなのでありますから、その上に寄付その他のことが要請されるということは好ましいことじゃないというのが委員諸君の気持だろうと思うのです。これをとめるということは、先刻来石村さんその他からお話がありましたが、あなたの決意次第だと思うのです。あなたが各府県の警察本部長に、一般の寄付をつのってはならぬとおっしゃれば、それで事は済むのだと思う。ただ各府県の知事なりあるいは財務当局者と警察本部長とが予算の編成のときに大いに戦われるということは必要があるだろうと思うけれども、委員諸君の心配されるようなことをなくすることのためには、あなたが長年の慣習だとか、あるいは警察の理想を達成すべきだというようなことをお考えにならんで、今国民が直面している非常に負担が重いという状態から、これ以上に寄付その他で迷惑をかけまいという御決心さえつけば、あなたがそういうことはしてはならぬということを一本指令されたら、もうそれでしまいではないかと私は思うのです、解決つくのではないかと思うのです。同時にまたいかに貧困な府県といえども、それぞれの府県内の治安その他に関係がある警察行政の運営という問題なのですから、そういうものに非常に事を欠くような状態に置く道理がないと思う。先刻中田委員よりも、そんな心配は断然ないというお話がありましたが、その通りだろうと思うのです。権力を持っておられる警察であるがゆえに、なおさら私はそういうことは謙虚な態度をもって皆さんが心配されることのないように、あなたが新長官になられて、物事を変えていくのに一番いいときなのだから、一本通達を出されたら解決すると思うのです。警察理想が達成できぬと言うが、理想なんというものはストップするものではないのです。毎年毎年理想はだんだん高くなってくる、そうでなかったらまた困ると私は思うが、そうではないですか。
  82. 石井栄三

    ○説明員(石井栄三君) 御趣旨は十分拝聴いたしまして、よくわかっておるのでございますが、先ほど来たびたび申します通り、従来の多年の慣習で何がしかの市町村の協力をいただいておる、それにかわる財源を全然見てやらないで、いま直ちに全部ストップということになると、もし他の個人の寄付等をこっそり求めるといったようなものが出てくるというような、他の弊害を生ずるおそれもあろうかと思うのでありまして、そういう点を心配しますがゆえに、現在の市町村からの各署単位の寄付を全面的にストップさせるからには、正常な府県費で何がしかのそれにかわる財源措置をして、そして全面を管理してやると、こういうのが実情に即したものである、かように考えております。
  83. 森下政一

    ○森下政一君 石井長官、私はあなたのお話を聞いておって、もしいまのような心境であなたがおられる限り、警察のために地方民から寄付を要請されるということはストップするときはないと思うのです。正常なる府県費をもって警察の要請する費用がまかなわれると言うが、いつそういうことになるのですか。これでもう理想全部を達成できるのだというときは来んだろうと私は思うのです。いつまでたっても理想的なところまで行っていないということは言えるのです。理想ということは人間の欲望と一緒で、だんだん高くなってきて際限のないものだ。だから私はやはりあなたの決断をもってそういうことはまかりならぬということを言われるのが一番いいことだ、またそう言われれば、各府県知事も財務当局も、警察の要請をなるべく正常な費用をもって満たそうという決心をされるに違いないと思うから、その決意をうながす意味においてもあなたの決心が先決問題です。あなたがいまのような考え方でおられる限りは、私はこの問題が解決するときはないだろうと思いますから、願わくは委員諸君が心配されるような地方民の寄付ですね、寄付に悩むというような姿が解消するように、あなたが新長官になられたこの機会に、各府県の警察本部の本部長に対して、寄付をつのるようなことはまかりならんという通達を出してもらうようなことを切望して質問を終ります。
  84. 小笠原二三男

    ○委員長(小笠原二三男君) ちょっと速記をとめて。   〔速記中止〕
  85. 小笠原二三男

    ○委員長(小笠原二三男君) 速記を起して。  それではいろいろの質疑もございましたが、次回に大麻公安委員長をお呼びしまして、再度本問題を調査し、当委員会としては、警察庁に対し強く本問題に対して善処方を期待するということにいたしまして、本日はこの程度にしたいと存じますが、御異議ございませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  86. 小笠原二三男

    ○委員長(小笠原二三男君) ではさよう決定いたします。   ―――――――――――――
  87. 小笠原二三男

    ○委員長(小笠原二三男君) では次に地方公営企業法の一部を改正する法律案を議題に供します。  先般の委員会に引き続き質疑を行います。質疑のおありの方は御発言を願います。川島長官はしばらくして出席せられます。
  88. 森下政一

    ○森下政一君 後藤さん一つ教えてもらいたいのですがね。三十二条の五項ですが、「毎事業年度生じた資本剰余金は、その源泉別に当該内容を示す名称を附した科目に積み立てなければならない。」これは具体的にはどういうことなんでありますか。財源別に名称を付するというのはどういうことですか。
  89. 後藤博

    ○政府委員(後藤博君) これはたしか源泉別でなかったかと思います。源泉別ですね。資本剰余金はこれは私はよくわからないのでありますが、今までの考え方は、剰余金というものの考え方が今までの法律では、株式会社の剰余金という考え方をとっておったのであります。従ってこの点は会計学者にいろいろ私ども教えを請いました結果、この点の条文を変えたわけであります。毎年生じました資本剰余金は、その源泉別に当該内容を示す名称を付した科目に積み立てなければならない。剰余金を源泉別に内容を示す名称をつけてはっきりして積み立てる、こういう規定であります。これは株式会社の方なんかでもやはりこういうふうな剰余金の積み立てをこまかくわけることになっておりますけれども、公営企業でもやはり同じような方式でもって源泉別にはっきりわけて積み立てる、こういうふうにした方がよろしいだろうというのでこういうふうに直したのです。
  90. 森下政一

    ○森下政一君 そうすると、具体的にどういう名称がつくのですか、それが私にはわからない。事柄はわかるのですが、ここに書いてあることはわかるのですが、源泉別に剰余金を積み立てをする、そのことはわかるが、それは具体的にはどういうことですか。すなわち名称についてどういうことが想像されるのですか。それがわからぬ、私には。
  91. 後藤博

    ○政府委員(後藤博君) これは私内容がわかりませんので、あとからお答えいたします。
  92. 森下政一

    ○森下政一君 それからもう一つ聞きたいのは、第四十条の二ですね。内閣総理大臣がいろんな勧告だとか助言ができるようになっておるわけですね。ところが似たようなことが地方自治法にも規定があります。各地方公共団体の組織だとか運営だとかに関して助言、勧告ができる。その地方自治法の規定で大体この公営企業に対する助言勧告なんかも間に合うのではないですか。わざわざこういうようなものを公営企業に別に設けなければならぬのはどういうわけですか。
  93. 後藤博

    ○政府委員(後藤博君) 自治法の規定で今まで間に合っておったのであります。しかし法律を別にしておりますし、考え方が自治法とは違えておりますので、これを明確にしようというのでここに入れた。むしろ第二項の方が問題でありまして、従来は自治報告令でやっておりましたものを、 ここではっきり法律上の様式にならった報告にしょう、こういうことであります。全然できないということではありません。
  94. 森下政一

    ○森下政一君 今あなたのおっしゃった四十条の二の第二項ですね。これとてもいろんな報告というのは、必要がある場合においてそれを徴するということですね。必要がなければ別に何でもないわけですね。そうすると、まあこの前赤松さんの質問に対しても、従来公営企業体に対してもいろんな助言、勧告をしなければならぬというケースはほんとうはなかったと言われるが、ほんとうはそうだと思うのだね、今後においても。内閣総理大臣からいろいろな助言だの勧告だの受けるようなことでは、これは公営企業というのはなっちゃいないと思うので、これはわざわざこんなことを公営企業法の中に入れなくても、地方自治法に今載っておるものだけでたくさんだと思うのですがね。
  95. 後藤博

    ○政府委員(後藤博君) 必ずしもわれわれはこれを振り回すつもりはないのでありますが、公営企業の中にはやはり管理者が無計画に発注をしたり何かするような場合がないことはないのであります。そのために穴をあけておる業態があります。大都市においてもあるのであります。従ってそういうところにはある程度の助言、勧告をする必要があると、私はかように考えております。
  96. 森下政一

    ○森下政一君 従来は助言、勧告なんかするような事態は起らなかったという御答弁があったが、この法律ができたら今度はさっそく一つ何ですか、資料を要求して求めてきて、無計画に発注しておるじゃないかというような勧告をして、大いに戒しめようという下心があるのですか。
  97. 後藤博

    ○政府委員(後藤博君) この法律ができたからということではなくて、ちゃんと助言、勧告をします場合に、法律的な根拠をはっきりしょうというのがこの条文の趣旨であります。今までは口でもちろん申しておりますが、はっきりした根拠を問われると、自治法にあるのだと、そういうことになると、自治法の特別法のようなものでありますから、この法律にはっきり出す方が根拠規定としてはいいじゃないか、こういう意味でここに載せたのであります。
  98. 秋山長造

    ○秋山長造君 今の点は何ですか財政部長、まあ従来もやっておられたと言うのですが、従来助言、勧告をやった場合に、相手の方から、お前何の根拠があってそんな要らぬことをやったのだと言って逆にやられたことがあるのですか。そんなことはおそらくないだろうと思うが。
  99. 後藤博

    ○政府委員(後藤博君) もちろん今まででも助言、勧告はしておりますが、法律的根拠がないから云々というようなことは現在はありません。
  100. 秋山長造

    ○秋山長造君 今までの実情がそうならば、むしろここで特に新しくこういう条文を入れるよりも、今までのままで運営の面でやっていった方がいいのじゃないかと思うのですが、どうも最近は、今度の地方自治法の改正にしても、あるいは再建整備法なんかにしても、地方関係の法律にはやたらに中央政府の助言だとか勧告だとか監査だとかというような、とにかく中央の地方に対する発言権を強化して、そうしてそれを法律の上にはっきり現わしていこうという傾向が全般的に強いように思うのですが、しかしやはりこういう傾向は、地方自治を育てるという建前から言ってあまり好ましい傾向じゃないと思いますが、それに対して自治庁長官はどのようにお考えになりますか。
  101. 川島正次郎

    ○国務大臣(川島正次郎君) 政府委員から申し上げます。
  102. 後藤博

    ○政府委員(後藤博君) 四十条の二の一項と二項とあわせて読んでいただきたいと思いますが、今までは先ほど申しましたように、自治報告令によって自治法を基礎にして報告を求めて、そうしてそれを基礎にいたしまして助言、勧告をやっておったのでありますが、しかし先ほど申しましたように、公営企業法が別にありますし、公営企業というものは一般の財政運営とは変った運営の仕方をし、一種の独立した企業的な考え方をしておりますので、それに対して条文の規定の整備をはかろうという考え方からいたしましてこういう規定を置いてあります。全然なくてもいいじゃないかというお話も、なくても現在までやってきたのでありますが、ちゃんとした根拠のあるところの報告を求めて、それを基礎にしてやはり助言、勧告をするという方針をとった方がよりフェアじゃないか、こういうふうに考えたのであります。
  103. 秋山長造

    ○秋山長造君 それは自治庁の方の考え方の筋は一応わかるのですけれどもね、しかし地方団体の内輪ではたとえば監査委員という制度もあるし、それからまた議会という制度もあって、まあそれぞれチェック・アンド・バランスでやっているのですから、だからその上に特に総理大臣がこういうふうな特殊なはっきりとした法律上の権限を持たなくても、十分この企業の経営自体の安定性というものは、これは確保されていくのじゃないかと思うのです。それを何か政府の方でとにかくそういうことにまで一々監督権を握っておらなければというのは、地方にやらしておいたら、えてしてでたらめに流れがちだというようなやはり思想の一つの現われじゃないかと思うのです。これは今度の地方自治法の改正案を見ても、やはりこういうこれに類するような項目が入っているし、まあ再建整備法なんかその尤たるものです。事ごとにそうやって何かかにかという機会をとらえては中央政府の地方に対する監督権というか、発言権を強めていくというような傾向に期せずしてなっていると思う。これはやはり中央集権につながるものでもあるし、地方自治を育てていくという方向とは私は相いれない方向じゃないかと思うのです。こういう傾向について自治庁長官としてどういうふうにお考えになるのか。その点一つお伺いしたい。
  104. 川島正次郎

    ○国務大臣(川島正次郎君) 地方自治体に対する政府の監督権というものはきわめて薄弱でありまして、全く助言、勧告の範囲内を出ないのであります。私はこれが自治法の精神だと、かように解釈はいたしておるのでありますが、今回提案しまして御審議願う地方財政再建促進特別措置法案の中には多少この点が強化されていることは事実でございます。赤字に悩んでおりまする地方財政を再建するにつきましては、中央地方とが一体になりまして、資金的の措置もまたその他いろいろな施策も施さなければならぬのでありまして、あの法案に盛られている程度のことはぜひ必要ではないかと、こう考えます。しかしながらお話のように今後地方自治体に対して非常に監督権を強化して中央集権的になるというようなことは、これは絶対に避くべきことだと深く確信をいたしておるのでありまして、もう最小限度のことしかやらぬつもりで、この点は特に私は注意して自治法の改正なりまた再建促進法なりを作りますときに、留意をいたしたわけであります。お説のことはその通りであります。いたずらに権力を振り回すような改正は絶対にいたさぬつもりであります。
  105. 秋山長造

    ○秋山長造君 長官はそうおっしゃるのですけれども、しかしこれはまあ現在でも法律上にはうたってないかも知れぬけれども、中央政府の地方に対する発言権というものは、これは弱いどころじゃない、非常に強いので、むしろ財政面なんかから言えば、これは実質的には地方自治というものはもうすでに財政面から骨抜きになっていると言っていいくらいだと思うのです。これは地方の自治財源がどれだけのパーセンテージを占めているかということをお考えになってもすぐわかることなんです。これはほとんどの財源というものは中央に仰がねばならぬという形であるのですから、こういう特別な条文にうたわなくても、これはやはり地方は中央からの与えられた正当な助言なり勧告なりというものに対してはきわめて忠実に従うものだろうと思うのです。また実情がそうなっていると思うのです。それを特にこうやって、こと新しく条文にうたって、動きのとれないような法律上のはっきりした権限を中央が握らなければならないという理由は私は薄弱だと思うのです。にもかかわらず自治法改正にしてもこの改正にしても、それから再建整備法にしても、そういう強い権限があちこちにはっきりうたわれているというところに、やはり実質的に地方自治が骨抜きになっている上に、さらに形式的にも地方自治を骨抜きにしていこうというようなことに事実上なってくると思うのです。そういうようにお考えになりませんか。
  106. 川島正次郎

    ○国務大臣(川島正次郎君) 地方政治のむずかしい点は財政の面から考えましても、また行政の面から考えましても、現在六千数百の自治体があるのですが、これが皆個々のやり方をやっておりまして、赤字の原因も多種多様であると同時に、行政のやり力も非常に複雑でもありますし、また不適当に行われている点もあるのであります。助言、勧告を一様に各公共団体にやろうというのではありませんで、特に行政面なり財政の運営なりが適正でないという特殊の地方団体だけに助言、勧告をしよう、こういうのでありまして、全体に向って特に中央の監督権を強化するという考えですべての改正案を作っているのではないのであります。はなはだしい府県に限って特に助言、勧告をしようという程度でありますからして、お説のような弊害は私は起らないのではないか、こういうふうに考えておるのであります。
  107. 中田吉雄

    ○中田吉雄君 助言の点を百歩譲っても、自治庁にそういう――大変恐縮だがスタッフの問題ですね、なるほど自治庁には大学を出られた俊秀の地方税制、行政、財政のエキスパートがおりますけれども、こういう企業をマネージメントする、そういう助言、勧告するスタッフがすでに私は問題だと思う。それは起債の割当や税の問題、交付税の割当、そういう面のやはり権威者はおりますけれども、やはり将来地方自治の行くべき方向として公営企業というものは相当まだ拡大発展すべきものだと思うのです。またそういうことをしても、なかなか私はスタッフの問題がすでに問題だと思う。これまでの自治庁のいわゆる税、財、行政のようなマンネリズムと言っては恐縮ですけれども、そういう旧套から一歩脱して、やはり新しく地方住民の要望にこたえるためには、そうしたバスにしても水道にしても、その他ガスにしても電気にしても、あるいは公営企業の問題その他にしても、もっと変った住民の要望にこたえるようにしなければならぬ。第一この助言をやるにしても、この裏づけになるスタッフにおいて、経営について適切な助言をし、収益を上げながらなお住民の福祉にこたえるというような、これはもうこれまでのしきたりでなかなかできないと思いますが、その点はどうなんですか。
  108. 後藤博

    ○政府委員(後藤博君) われわれ公営企業の関係につきましては、もちろん力が足りないことはよく存じております。この法律の改正に当りましてもいろいろの会計学者の意見、それから実際企業をやっておりますところの実務家の意見を十分聞きました上でもちろん改正をいたしておるのであります。でき得ればわれわれも企業会計の指導ができますような職員を置きたいと思っておりますけれども、なかなか適任者がいないので、現在のところでは企業会計は現実にやっておりますところの人を嘱託か何かで指導をいたしておるのであります。またここにあります助言、勧告をいたします場合というのは特殊な場合でありまして、もちろんひどいという場合にしかやらぬのでありますから、そういう場合にはわれわれは十分専門家の意見を聞きました上でやりたいと考えております。こういう条文がありますから、簡単に助言、勧告をぽんぽんやるという考え方は毛頭持っておりません。
  109. 中田吉雄

    ○中田吉雄君 その助言の問題は別にしても、私はそういうスタッフを何としても整えてもらわぬと、行、財、税制の部面ではエキスパートがおられるが、一つの経済性を十分発揮しながら、なお住民の要望にこたえるようにそういうベトリーブのほうは、やはりこれまでの旧套から一歩脱してそういう面をますますやっていかなければならぬ。その面のスタッフを将来整えてもらう必要があるし、さらに長官にお伺いしたいのは、やはりもっと公営企業と私企業との調和といいますか、最近非常に町村合併にからんで区域が拡大して、たとえば合併の条件の中にバス事業をやるとか、水道をつけるとか、いろいろなことをして、そういう困難な何十年来の個々の町村を合併したりして、非常にそういう要望が強いのです。ところが私企業を圧迫しないようにということがあったりしてなかなかですが、私はやはり水道、電気、ガスとか、軌道にしても、バスにしても、もっと相当取り入れて地方公共団体としてやっていくべきだと思いますが、私企業との関連はどういうふうにお考えですか、承わりたいと思います。
  110. 川島正次郎

    ○国務大臣(川島正次郎君) かりに自治庁が助言、勧告するにつきましても、特に民間企業に経験ある有識者を自治庁に置いたらどうだという御意見は、まことにごもっともな御意見でありまして、今おる自治庁の事務当局はいずれもたんのうな人のみでありますが、なおそういう足りないところをどうして補充するかということについては考究の余地があるかと考えておりますが、公営企業と私企業の関係でありますけれども、これは非常にむずかしい問題でありまして、あまりに公営事業を奨励すると私企業の圧迫になりまして、すぐにこれは何とも結論が出しにくいのでありますが、一応公営事業は大体許可事業のみでありまして、競争のない仕事だけにおもに許されておるのであります。その点では私企業を圧迫しないように考慮しつつ許可がなされておるわけであります。今のお話は議論としてはわかるのでありますが、私企業を圧迫してもかまわず公益事業をやれという結論を出すことにつきましては、もう少し考究いたしませんと何ともお答えできない。しかしながら地方の財政、収入を豊かにするために必要な公益事業を決してとめるわけではないのであります。それらに対しても必要な起債は許す方針でおりますけれども、根本の考え方としまして、私企業は圧迫してもかまわぬからして公営事業は許せということにつきましては、もう少し考究しませんと、ここで結論的のお答えを申し上げることができないわけでございます。
  111. 中田吉雄

    ○中田吉雄君 民主党の立場とされてはその点もあるでしょうが、それなら町村合併、あるいはたくさんの市ができておりますが、大合併をかなりやって、全然バス事業は不採算路線としてその中に入っていない、ところが市役所、役場まで何里もあって、これはどうしても私企業ではやれないし、循環バスでもつけてくれるなら合併するというような条件を付して、それが合併計画の中にも載ったりしておるのですが、それは全く競争にはならぬのですが、さて申請してみると、とても運輸省は手も足も出ないのですが、そういうのはどうするのですか。
  112. 川島正次郎

    ○国務大臣(川島正次郎君) そういう場合もあるかと思うのですが、ややともしますと、そういう場合は私企業の方じゃ採算が合わない路線が残されておりまして、それを公営事業で引き受けてかえって地方財政の赤字を増すような結果になる場合も起るのじゃないかと思われるのであります。個々の例について私は調べておりませんから、何とも結論は申し上げかねますけれども、町村合併等の一つの条件としてバス事業をやる、しかもそれば私企業とは競争にならぬという場合でありまして、しかもそれが公共団体の負担が増さないのだ、収益になるのだというような場合におきましては、運輸省と相談いたしまして、この許可に努力をすることはこれは決して私は惜しまないつもりでおります。
  113. 中田吉雄

    ○中田吉雄君 その際に、長官は私企業と競争にならず、不採算路線として放置されておってもなおかつ採算の合う場合、というようなことを言われておりますが、やはり公営事業はこの改正案を見ても非常に経済性ということを貫かれた方針のようですが、そこはやはりサービス機関として、またそういうところは最初は不採算路線であってもだんだんと潜在需要が顕在化してくる場合もあるのですし、その辺のにらみ合いというものは非常にめんどうだと思うのですが、特にそういうふうな採算性、独立採算ということは公営企業には適用されんが、博物館とか動物園とか清掃、下水というようなものまで採算性を入れられて、非常に今料金が高くなったり利子が上ったりなかなかあるのですが、やはりそこは地方公共団体の全体の経営として若干独立採算できぬでも、福祉にこたえる方が多ければやるということが私は大切じゃないかと思いますが、その辺はどうなんですか。この改正案はあまりにも公営企業の採算性というか、経済性というか、を厳しく貫かれすぎておるのじゃないか、再建整備法と一対の関係でやられておるのじゃないか、その関係はどうですか。
  114. 川島正次郎

    ○国務大臣(川島正次郎君) お話のように、場合によりましては採算を無視しても事業を遂行しなければならない場合もあると思うのでありますけれども、バス事業のようなものは民間でやって、しかも採算が合わないからして放置しておるようなその路線を地方団体でこれを許可を受けてやるということは、いたずらに地方財政の負担を重くするだけでありまして、そういう点については、十分考える余地があると思いまして、先ほど来御答弁申し上げましたのでありまして、中田さんの御意見は一応承わりましたが、すぐそれに賛成するというわけには私どもの方としてはちょっと断言いたしがたいのであります。
  115. 後藤博

    ○政府委員(後藤博君) ちょっと今の大臣の御答弁に補足いたしますが、私どもの考え方は、経済性はもちろん強調いたしておりますが、それは一定の規模の公営事業につきまして経済性を強調しておるのでございまして、何もかもその経済性を強調しておるのではない。従って、考え方といたしましては一定の規模、この公営企業法の二条にありますような規模を持ったところのものにつきましては、経済性を特に強調して、私企業に劣らないものにしていきたい、かように考えております。で、まあこの中にこれをずっと広げまして、あらゆるものを入れていくという考え方もないことはございません。しかし、そこまでまだこの適用範囲を広げるのは少し時期が早いのじゃないか。従って、私どもの今度の改正では適用企業の範囲を広げない考え方でおるのであります。で、おっしゃいます図書館とか、その他等につきましても、やはり公営企業の適用を受けるようにしたらどうかという意見もございます。特に下水、病院等についてはございますが、しかしまだそこまではいかんのじゃないか。従ってそれは一般会計、特別会計を作っておりましても、やはり一般の予算と同じような考え方で、公営企業以外の考え方でやるべきではないか、そういう考え方で進んでおるのであります。従って公営企業の中で大まかに申しまして二つのグループを考えておるのでありまして、いくいくはもちろん公営企業も考えておりますけれども、現在においては、一定の規模以上のものを中心に考えていくという考え方を持っておるのでございます。
  116. 中田吉雄

    ○中田吉雄君 この公営企業法の第二条のワク内のものについて、二項の方ですね、二項の方にもかなり指導方針としては、下水道にしても動物園にしても、ああいうものに対してまでかなり採算制ということを強く主張されているような、下からのわれわれの情報では受けておるのですが、それはどうですか。
  117. 後藤博

    ○政府委員(後藤博君) それはものによりまして、たとえば病院でありますれば、病院等につきましては、やはり上がる収入というものを考えて規模を考えていくというふうにして、公益企業的な考え方をいたしておりますが、しかし、今の下水とか病院とかいろいろございますが、そういうものについても、相当の規模になっておるものにつきましては、私どもとしては申しておりますけれども、小さい都市の下水事業なんかにすぐ採算を中心にして考えろと申しましても、なかなかそれはできるものではございませんので、やはり一般会計の問題として考えておるわけでございます。
  118. 中田吉雄

    ○中田吉雄君 われわれの最近のいろいろ連絡によりますと、やはり下水とか、ああいうものにも強く言われて、それがまあ首切りとか整理とか、いろんなことにはね返っておるようですが、どうなんですかその辺。
  119. 後藤博

    ○政府委員(後藤博君) 私どもはそういうふうには指導していないつもりなのでありますが、一般会計の問題として、一般会計全体の中で、たとえば整理をやるにいたしましても考えて、その割り振りなんかはもちろんこまかくは申しておりません。従って、公営企業的なものであるからというので、そちらの人員をもう少し整理したらどうかというようなことは、私どもとしては全然しておりません。
  120. 中田吉雄

    ○中田吉雄君 やはり赤字になっても住民のサービスの面があれば、事業によっては、その辺十分に何もかも営利会社のように採算性ばかりとっておられると、公共団体としての住民に対する要望にこたえられないと思うのですが、その辺よく指導の場合にも心得ていただきたいのですが、さらに第二条の適用を受ける点ですが、ちっとも伸びていないのですがね、起債なんかが。そういうことをもっとやはり町村合併、新しく市が五百近くできたりする際にはもう少しやはり自治庁が、そういう面の自治庁のマンネリズムを打破していくためにも、私はもっと直接住民の経済に関係したようなこういうものを伸ばしていく以外にないと思うのですが、その関係はどうですか。  それから公営企業でやってる電気の売電についての関係、売電の際の単価なんかが、むしろ営利会社が自分で発電するよりか公営企業としてやらせて安い単価で買った方がはるかに採算がいいというようなことで、赤字にはなっていないが、もっと一般会計に繰り入れるのに売電の――通産省等の指導関係でうまくいっていない面があるのじゃないかと思うのですが、その辺どうですか。
  121. 後藤博

    ○政府委員(後藤博君) お答え申し上げます。第一点の公営企業の起債はあまり伸びていないじゃないかという御質問でありますが、これは私どもはできるだけ公営企業は伸ばしていくつもりでありまして、昨年から申しましても、昨年当初は公営企業の起債の総額は二百四十四億でありましたが、最後には二百六十八億に、つまり二十四億だけ年度の途中でふやしております。それから本年は二百七十四億で、さらに昨年よりもふやしているのであります。逐次ふやして参りたいと思っております。公営企業をやりたいという希望は、各地に町村合併等に基きましてふえておりますので、できるだけまあこのワクをふやしていくような方向に私ども持っていきたい、かように考えております。  それから第二の点の充電の問題でありますが、これは売電は認可の事項でありますので、私どもは原価計算を基礎にいたしまして、売電価格の不当に安いものにつきましては、もちろんいろいろそうでなくするように骨を折っているつもりであります。しかし何よりも個々の地域団体と電気会社との間の交渉でございまして、そしてその間にいろいろ複雑な問題がありますようでありまして、必ずしもわれわれが思ったようには参っておりませんけれども、十分に協力いたしまして、不利にならないようにいたしたいと考えておるのであります。
  122. 中田吉雄

    ○中田吉雄君 その電気事業との関係において、もう少し売電の契約をする際のいろんなことをちょっと知らせていただきたいのですが。
  123. 後藤博

    ○政府委員(後藤博君) 電気オンリーの場合よりも、むしろ公営事業との関連で行う電気事業についての御質問じゃないかと思うのですが、その場合にまあ妥当投資額の問題がございまして、いろいろ公共事業のしわを電気に持っていくと、こういう問題があるのであります。これをできるだけ公共要業の方に持っていきまして、電気算業としての負担の割合を少くするというのがわれわれの考え方であります。この点で公共事業の方とか、大蔵省とか、関係各省の間にわれわれと必ずしも意見が一致しない点がございます。これはこまかい計算があるのでありまして、そのアロケーションをもう少し有利にいたしたいということを考えまして、いろいろ関係官庁にお願いをいたしておりますが、これはまあむずかしい問題でありまして、なかなか思うようには参っておりません。公共事業のしわが電気にくる、従って電気のコストが高くなる、こういうことになって実は困っているのであります。
  124. 中田吉雄

    ○中田吉雄君 私はこれはどことは言いませんが、相当大きな出力の発電ですが、それを会社との売電の単価を少し手心を加えていろんなことも起きているし、むしろそういうことをこそ私は指導して、やはり売電の単価を専門の会社にたたかれないように、そういうことに強力な助言や、てこ入れをしてもらいたいと思うのですがね、一体今最近のはどのくらいの売電の単価になっておりますか。
  125. 後藤博

    ○政府委員(後藤博君) 各地によって売電の価格が違うのでありますが、大まかに申しますと、東の方では大体キロワット三十円台でありますが、西の方になりますと今二十円台であります。
  126. 中田吉雄

    ○中田吉雄君 どこかの県で売電の単価を安くして出張旅費を稼いだりしている、外国行の。いろいろな県金庫の指定、そういうこともあるのですから、これはよほど一般の単価より低いと思ったようなところではやはり相当みていただきたいと思います。その点はまあ特に私の得た報告でもあるので、やはりそういうところは気をつけてもらいたいと思っています。  それからこの二十一条の三の料金の徴収事務ですね、これは実際バスでは共通切符の問題もあってこういうことが便利な場合もあると思うのですが、共通切符でやっているところがバス事業でありますか。
  127. 後藤博

    ○政府委員(後藤博君) 共通切符は現在やっておりますところはございません。そういうことがありますので、こういう規定を入れまして、連絡切符、連絡定期等がございますようにいたしたいと考えております。
  128. 中田吉雄

    ○中田吉雄君 それで共通切符をやって、そして乗る人の便をはかる際の同種の事業の経営は、会社相互の徴収をやることは何ですか、政令に定める者に委任するというようなことで、これはどういう――金融機関等ですか。
  129. 後藤博

    ○政府委員(後藤博君) 現在考えておりますものは、国鉄と交通公社を考えております。
  130. 中田吉雄

    ○中田吉雄君 交通公社にどういう形ですか、それは軌道ですか。
  131. 後藤博

    ○政府委員(後藤博君) 交通公社で国鉄の切符やなんかを売っておりますから、そこへいけば連絡切符、連絡定期が買えるようにしたいということであります。
  132. 中田吉雄

    ○中田吉雄君 それでは水道の料金なんかも金融機閥にというようなことはないのですが、それはどうなんです。
  133. 後藤博

    ○政府委員(後藤博君) そこまで考えておりません。
  134. 中田吉雄

    ○中田吉雄君 ない。これがやはり個個の労働組合では結局こういうことで首切りをおそれる、徴収をやらされて、それだけ彼らにとっては合理化の一つとして、そこまでは思い過ぎかもしれませんが、その限度がだんだん拡大してくる。それでは水道なんかは全然ないわけですな、金融機関にやったりすることは。全然当分の間ないとみていいわけですな、今後。
  135. 後藤博

    ○政府委員(後藤博君) これは自治法の二百四十三条で一般的に禁止されております。従ってその禁止をこの規定で一部解除をするわけであります。従ってその場合の制限を、「同種の事業を経営する会社その他政令で定める者」というふうに制限をいたしておりまして、この制限を広くする考え方は現在ありません。現在のところでは交通事業だけにこの規定を適用する、こういうふうに考えております。
  136. 小笠原二三男

    ○委員長(小笠原二三男君) 委員長からもお尋ねしておきますが、この会社は、同秘の団体その他政令で定める者というのは、同種の団体のうち、 その他政令で定める者というのだから、同和の団体でなくても何でも政令で定める者と拡張すれば、可能性としてはやり得ることでしょう。
  137. 後藤博

    ○政府委員(後藤博君) しかし例示的に同和の卒業を経営する会社というのを表に出しておりますから、そう無制限に広く政令できめることはできないと思います。
  138. 小笠原二三男

    ○委員長(小笠原二三男君) そうすると同種の会社類似のもの程度まではいくのであって、全然無関係のものまではいかぬと、そういうことでございますか。
  139. 後藤博

    ○政府委員(後藤博君) 私どもはそういうふうに考えております。
  140. 秋山長造

    ○秋山長造君 今の内容は連絡切符ということなんですがね、連絡切符以外にも何か予想されているのですか、あるいは今されていなくても今後予想をされるような何かことがあるのですか、その点はどうです。
  141. 後藤博

    ○政府委員(後藤博君) 現在のところは交通事業だけを考えておりまして、ほかのものは予想しておりません。
  142. 秋山長造

    ○秋山長造君 これに該当するのは今おっしゃった連絡切符だけですか、だけですね。それ以外は何もない。
  143. 後藤博

    ○政府委員(後藤博君) 連絡定期もあります。現在考えておりますのは、連絡切符、連絡定期を考えておるのであります。
  144. 秋山長造

    ○秋山長造君 現在はそうだけれども、この条文だけの解釈からいえば、将来また事情が変れば、それ以外に何か新しいものもやろうと思えばやれるという余地はあるわけなんですが、そういう余地のないように、だんだん広がっていくようなことの心配のないような、もう少しはっきりしたこの条文の表わし方というものはないんですか。
  145. 後藤博

    ○政府委員(後藤博君) 先ほども申しましたように、自治法の二百四十三条で禁止しておるのでありますが、禁止を解除するのでありますから、もちろんその最小限にとどめるのが趣旨であります。従ってこれを拡大いたして参りますれば、やはりその自治法の規定自体の問題にもなって参りますので、私どもはそう拡張する意思は現在持っておりません。
  146. 中田吉雄

    ○中田吉雄君 この共通切符なんかをやる際に、公営企業の方とそれの相手の私企業と、一体どちらが利益を受けるんですか。
  147. 後藤博

    ○政府委員(後藤博君) それは契約の仕方ではないかと私ども思っておりますが、どちらも相互に利益があるんですから、その利益の分量を考えて契約して、その手数料と申しますか、そういうものをきめていくのが、そういうことが現在私企業とそれから国鉄なんかにはちゃんとした一つのルールが私どもあると思っております。従って同じようなルールを適用していくことになる、かように考えております。
  148. 中田吉雄

    ○中田吉雄君 これは実は運輸省の自動車局なんかで若干関係があるんですが、これまで既存の私企業があって自動車が走っておる、それに公営企業の自動車が走っておる際に、回数なんかを同じ回数にせいという要求をやるんです。ところがその際に運輸省では元の既存勢力を維持するために、共通切符でやればもういいじゃないかということで、私企業の立場を擁護して、同じ対々の回数で重複路線なんかを走ることを防ぐために、こういう共通切符、プール計算の問題をいつでもやって公営企業を抑える、あるいは同種の私企業同志の相互の競争のときでも、必ず一つの路線を走っておる際に一つの会社は十回走っておる、一つは三回だというときに、これを対々にせいという際にそんなことをせんでもいいじゃないか、共通切符をやれば乗客の便もいいし、プール計算してということで、そういうことに私は非常に使われるおそれが多分にあると思う。これは運輸省の自動車局の指導方針ですよ、岡本業務部長の指導方針。共通切符で新しく台頭するものは絶対押えてしまって、既存会社第一という主義が非常に貫かれておる。共通切符をやればいいんだから回数なんか対々にせんでもいいですよ、こういうことで私は非常に押えられるおそれがありやせんかと思う。その点はどうです。
  149. 後藤博

    ○政府委員(後藤博君) 私どもは共通切符まではここで考えてないのでありまして、連絡切符、連絡定則の程度のことしか考えておりません。
  150. 中田吉雄

    ○中田吉雄君 連絡切符といえば共通切符と同じでしょう。
  151. 後藤博

    ○政府委員(後藤博君) それは並行路線の共通でしょう、今はそうでたくてつなぎのやつですよ、つなぎのやつだけですよ、これは。そういう意味の連絡です。
  152. 小笠原二三男

    ○委員長(小笠原二三男君) 委員長からもお尋ねしますが、先ほど来の質疑で自治庁に公営企業の経済の採算性等十分検討する職員が少いんだかないんだか、そうだということで、それでなお二十一条でこういうことは採算上いいことだと考えて連絡切符等の問題でこうきめたんだというのですが、これは自治庁内で自発的にそういう立ち入ったことまで検討の上きめたことなんですか。どこからか要請されたことなんですか。また地方公営企業体でどこかで要請したというならば、どこが要請しているか、明らかにしていただきたい。
  153. 後藤博

    ○政府委員(後藤博君) この二十一条は、公営交通事業の経営者、管理者から私どものところへ希望があったのであります。現在の規定ではできない、自治法の方に縛られてできない、こういうことをやることによって住民の便利が得られるじゃないかということで、前からあったんでありますが、今度法律の改正がありまするので、それの中に加えて出したわけであります。前からこういう御希望はございます。
  154. 小笠原二三男

    ○委員長(小笠原二三男君) そうすると、今の中田君のおっしゃるようなそういう弊害や悪質な運用というものは、当核公営企業団体としても考えていないし、あり得ないことだ、こういうことですか。
  155. 後藤博

    ○政府委員(後藤博君) この規定に関する限りは、おっしゃいますような弊害は私は出てこない、かように考えております。
  156. 小笠原二三男

    ○委員長(小笠原二三男君) では最後に私形式的なことですが、お尋ねします。この第四十条の点ですが、現行法の雑則によりますと、四十条はこの業務の部内の問題を規定しておるのですね。ところが、内閣総理大臣と地方公営企業体との外部の関係を規定する条文が同じ四十条の中で「二」として入るのはどういうことか。新しく四十一条を起してこれは別問題として扱うべきではないかと思われますが、いかがですか。何ら関連性がないことですから、これは。
  157. 後藤博

    ○政府委員(後藤博君) 四十条は業務の状況の公表の規定で、内部の問題であります。四十一条は国と地方公営企業を経営する地方団体との関係であります。その間にこの「四十条の二」を入れたのであります。
  158. 小笠原二三男

    ○委員長(小笠原二三男君) 間にじゃない、四十条でしょう。同じ条の中に全然関係のないものを「一」、「二」で入れるよりは、この改正は四十一条として以下繰り延べるのが正しいのじゃないですか。
  159. 後藤博

    ○政府委員(後藤博君) お答えいたします。枝番をつけるか、ずっと順番につけていくかという問題でありますが、これはいろいろと法制局と相談いたしましたところ、枝番で話がきまったわけであります。私どもといたしましては、この四十条のこれを四十一条にして、そうして今あります四十一条を四十二条にしてもどちらでもいいのでありますが、これは法律の技術的の問題でありますので、法制局の方にまかしたわけなんであります。
  160. 小笠原二三男

    ○委員長(小笠原二三男君) そうすると、下っ端の方に内閣総理大臣の関係がごちゃごちゃ入っていても体裁はかまわないのだ、こういうことなのですね。それじゃもう一点伺いますが、四十条の二の二項の助言、勧告のために報告を求める必要があるので、二の二項の方が大半なのだ、こういう御答弁でしたが、従来一般の地方公共団体に対して国がさまざまな報告を求める、自治法に基いて求めるというのを拒否してくる公共団体がありましたか。
  161. 後藤博

    ○政府委員(後藤博君) 拒否してくる団体はございません。今までやっておりますのは、自治法に基いて報告を求めております。この報告は財務に関する報告だけでありまして、経営に関する報告が抜けております。従ってここではっきり経営に関する事項についての報告を求めることにいたしたのであります。
  162. 小笠原二三男

    ○委員長(小笠原二三男君) 私の考え方から言えば、ここにもはっきりした規定がない、あそこにもないというので、個々にこういう国と地方公共団体の関係を規定する、その規定を入れることはかえって国の権限の縮小でもあり、また一般地方公共団体からいえば、国との間に規制せられるということになるのじゃないか。一般的に抽象的な包括的な問題にしておく方が国としてもかえって柔軟性があるのじゃないかとさえ思われるのですが、何でもかんでもこういうものを各地方との関係の法律には今後みんな入れていくわけですか。
  163. 後藤博

    ○政府委員(後藤博君) 私どもはそうは思っていないのでありますが、二項の方にもやはり一つ問題があるのでありまして、経営の内容に関する問題はこれは運輸省の仕事じゃないか、こういう説が一つあるのであります。しかしわれわれは公営企業全体を指導していかなければならない。従ってそれにはやはり財務の報告だけでは困るのでありまして、経営に関する報告も必要である、そうなりますと、自治法に触れて来る、従いまして、ちゃんとした報告の規定を置かなければならない、こういうことから助言勧告に必要なる限度の報告を求め、経営に関する報告、もちろん運輸省に出しますようなこまかいものである必要はないのでありますから、その限度の報告を政令で定めて求めよう、こういう趣旨でありまして、この規定はどの法律にも入れていきたい、こういうふうには考えておりません。
  164. 小笠原二三男

    ○委員長(小笠原二三男君) 「政令で定める」というのは報告事項、報告の内容を定めることでしょう。そうしてそれは水道、交通、電気事業、ガス事業それぞれ全部企業の性格も違うのですから、その手続も形式も違ったものを出すのだと思うのですが、そういうものを自治庁の力でちゃんと作るわけですか。
  165. 後藤博

    ○政府委員(後藤博君) 政令で定める様式でありまして、それぞれの企業の報告を求める簡単な様式を政令でちゃんと書いて、そうしてその報告を求める、こういうふうに考えておるわけです。
  166. 小笠原二三男

    ○委員長(小笠原二三男君) どうしても私まだ納得いかぬのですが、かえってこういうものがない方がですね、自由な報告を求めることができるのじゃないですか。できないのですか。
  167. 後藤博

    ○政府委員(後藤博君) やはりこのちゃんとした法律的な根拠がなければなりません。私ども報告を求める、この場合にも自由に求めるというわけには参らぬと思う。できるだけ法律上の根拠をはっきりして、その様式をはっきりして報告を求めることが自治団体との間においては必要じゃないか、かような何でもかんでも求めたらいいじゃないかという御議論もあるかと思いますけれども、そういうことになりますと、何でもできるのじゃないか、こういうことになりますので、その点はある程度規制をする法律的な根拠を必要とし、さらに政令に基いて一定の様式にする、こうした方がどちらもいいじゃないか、こういうふうに考えております。
  168. 小笠原二三男

    ○委員長(小笠原二三男君) ちょっと速記をとめて。   〔速記中止〕
  169. 小笠原二三男

    ○委員長(小笠原二三男君) 速記を起して。  他に御質疑ございませんか。――御発言がたければ質疑は終局したものと認めて、これより討論に入りたいと存じますが、御異議ございませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  170. 小笠原二三男

    ○委員長(小笠原二三男君) 御異議ないと認め、これより討論に入ります。御意見のおありの方は賛否を明らかにしてお述べを願います。
  171. 中田吉雄

    ○中田吉雄君 ただいま議題となりました地方公営企業法の一部を改正する法律案に対して、日本社会党第四控室を代表しまして賛成の意見を申し上げたいと思うわけであります。  地方自治体が地方住民の負託にこたえますためには、今後公営企業の持つ比重はますます拡大し発展しなくてはならぬと思うわけでございます。最近各種の公営企業に対する計画、起債の要求等を見ても、この間の消息が明らかだと思うわけであります。本改正法案が国家財政との関連もありましょうが、そういう要請にこたえていない点は、われわれとしましてはいささか遺憾に存ずるところであります。さらにまた、本改正法案全体を貫く流れというものが公営企業の採算性、経済性というようなことを強張するあまり、公営企業と私企業との差がつかないというような点にも問題があり、さらに地方財政の赤字にこりて再建促進特別措置法案等と一体で未然にそれを防ごうというような着意もあるのでしょうが、そういうことが今後発展すべき地方公営企業の将来に対して障害になりはしないかというような点を危惧するものであります。しかし地方公営企業法の一部を改正する法律案としましては、われわれとしてはそういう点を十分考慮していただくとともに、この第二十条の第一項の三の、地方公営企業の料金徴収の事務等をさきに後藤財政部長が申しました限度を固く守られること、そうして公営企業が不当な不利益を受けないような措置を強く要望しておくものであります。さらに四十条の二の助言等につきましても、公営企業の正しい発展のために、不当に地方自治に対する干渉とならないことを強く要請いたしまして、本法案に賛成するものであります。
  172. 森下政一

    ○森下政一君 私は社会党第二控室を代表して本案に賛成します。  なお、ただいま中田委員が討論の中で述べられました、第二十条の料金徴収事務を他に委任することができるという改正、これについて現在考えておられる交通事業の連絡切符、それ以外に今後において拡大することがないということを条件とし、さらに第四十条の二につきましては、中田君の言われた通りの同様趣旨のことを条件として賛成する意見を述べます。
  173. 小笠原二三男

    ○委員長(小笠原二三男君) 他に御発言もなければ、討論は終局したものと認めて御異議ございませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  174. 小笠原二三男

    ○委員長(小笠原二三男君) 御異議ないと認めて、直ちに採決に入ります。  地方公営企業法の一部を改正する法律案を問題に供します。本案を原案通り可決することに賛成の諸君の挙手を願います。   〔賛成者挙手〕
  175. 小笠原二三男

    ○委員長(小笠原二三男君) 全会一致と認めます。よって本案は全会一致をもって原案通り可決すべきものと決定いたしました。  なお前例によりまして、本会議における委員長の口頭報告の内容、報告書の作成等につきましては、便宜委員長に御一任願うことにして御異議ございませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  176. 小笠原二三男

    ○委員長(小笠原二三男君) 御異議ないと認めて、さよう決定いたします。  それから、報告書に多数意見者の署名を付することになっておりますから、本案を可とされた方は順次御署名を願います。
  177. 小笠原二三男

    ○委員長(小笠原二三男君) 速記をとめて。   〔速記中止〕
  178. 小笠原二三男

    ○委員長(小笠原二三男君) 速記を起して。次に、  地方交付税法の一部を改正する法律案(衆議院提出)  地方交付税法の一部を改正する法律案(内閣提出)  地方税法の一部を改正する法律案(内閣提出)  以上三案はいずれも予備審査の案件でございますが、これらにつきまして、この際提案理由の説明を聴取いたしたいと存じますが、御異議ございませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  179. 小笠原二三男

    ○委員長(小笠原二三男君) 御異議ないと認めます。  まず地方交付税法の一部を改正する法律案(衆議院提出)について提案者より説明を聴取いたします。衆議院議員加賀田進君。
  180. 加賀田進

    ○衆議院議員(加賀田進君) ただいま議題となりました加賀田進外十名提出にかかる地方交付税法の一部を改正する法律案につきまして、その提案の趣旨を簡単に御説明申し上げます。  地方財政の窮乏は年とともに深刻化し、その赤字は、昭和二十九年度末五百六十億に達する見込みでありまするが、さらに、政府の昭和三十年度の予算及び地方財政計画は、地方財政の実態とはなはだしく遊離し、このまま推移すれば、地方自治体が節約のため自主的努力を尽しても、本年度末にはさらに大幅の赤字増加は必至であります。それのみならず、すでに一部の地方に見られるごとく、給与の支払いすら停滞して、地方行政の機能は麻痺し、国の施策にも重大な影響を及ぼす憂いがあるのであります。本案は、かかる事態に対応すべく地方交付税法第六条の三の趣旨に照らしまして、交付税の率を五%引上げることによりまして、交付税の総額を三百十五億円増額し、地方財政不足額の一部を補てんしようとするものであります。  何とぞ慎重御審議の上、御賛同下さるよう希望いたします。   〔委員長退席、理事石村幸作君着席〕
  181. 石村幸作

    ○理事(石村幸作君) 次に、地方交付税法の一部を改正する法律案(内閣提出の分)及び地方税法の一部を改正する法律案、以上二案を便宜一括して政府より説明を聴取いたします。川島自治庁長官から。
  182. 川島正次郎

    ○国務大臣(川島正次郎君) ただいま提案いたしました地方交付税法の一部を改正する法律案につきまして、その提案の理由及び内容の概略を御説明申し上げます。  御承知の通り地方交付税制度は、本年第二年度目に入るわけでありますが、昨年実施されました都道府県警察の平年度化、昭和三十年度予算における国庫補助負担率の改訂等に伴って当然に道府県分警察費その他の経費にかかる単位費用について所要の改訂を加える必要が生じて参りますのと、警察職員の定員の減少に伴う退職手当、奄美群島復帰善後処理費の廃止に伴う奄美群島に対する特別交付税の交付要因の増加等、普通交付税の機械的算定方法によっては的確に捕捉し得ない特殊財政需要の増加が予想されることに加え、昨年度における交付税制度運営の結果にかんがみ、各地方団体について算定した基準財政需要額が基準財政収入額をこえる額の合算額が普通交付税の総額をこえる場合に交付税の総額の二%を限度として特別交付税の交付額を減額して普通交付税に加える現行制度を維持することは、技術的に交付税の算定を困難にすることとなりますので、この際むしろこの制度を廃止して、特別交付税の総額は、交付税の総額の八%に相当する額として、その所要額を確保する措置をとることが必要であると考えるのであります。このほか、基準財政需要額及び基準財政収入額の算定方法になお若干の改正を加え、その合理化を推進する必要がありますのと、さらに、地方財源の現況にかんがみ、昭和三十年度に限り、三十億円を日本専売公社より交付税及び譲与税配付金特別会計へ納付し、これを地方交付税の総額に加え、地方交付税と同様の方法により、たばこ専売特別地方配付金とし、各地方団体へ配付することといたしましたことに伴い、地方交付税法の規定に所要の改正を加える必要が生じて参ったのであります。これが、この法律案を提案する理由であります。  次に、改正の内容につきまして、その概略を御説明申し上げます。第一は、基準財政需要額の算定方法に関する事項であります。その一は、単位費用の改訂であります。昨年末行われました都道府県警察に要する経費の是正に伴い、平年度における道府県分警察費の単位費用を増額する必要があるほか、単位費用積算の基礎において、職員の配置を想定しているものについては、共済組合負担率の改訂により、国庫補助負担金を伴うものについては、昭和三十年度の国庫予算案による補助負担率の改訂により算定の基礎に変動が生じて参りますので、これらの諸点について算定がえを行い、単位豊川に改訂を加えたのであります。その二は、経費の種類及び測定単位につき、特別都市計画法の廃止に伴い、道府県分、市町村分とも経費の種類から「戦災復興費」を削除し、これに伴い市町村分については、「都市計画費」の測定単位に「土地区画整理事業の施行地区の面積」を新設することとしたほか、従来、道府県分については水産行政費、市町村分については産業経済費に算入されていた漁港に関する経費を港湾費において算定することとするため、港湾費にかかる測定単位の数値には漁港の数値をも含むものとし、その合理化をはかったことであります。その三は、態容補正係数の算定に用いる種地の区分を十種地から二十種地に増加させることとし、種地を異にする市町村相互間における基準財政需要額の変動を緩和することといたしたことであります。  第二は、基準財政収入額に関する事項であります。基準財政収入額の算定は逐次合理化されておりますが、これをさらに推進するとともに、地方税制度の改正にも照応し、固定資産税等数種の税目における基準税額の算定の基礎を改正するほか、道府県民税中法人税割、法人に対する事業税及び市町村民税中法人税割の基準税額の算定について、当分の間前年度における算定過少または算定過大と認められる額をその翌年度において精算することといたしたのであります。  第三は、交付税の種類ごとの総額に関する事項であります。現行制度におきましては、各地方団体について算定した基準財政需要額が基準財政収入額をこえる額の合算額が地方交付税の総額の九二%である普通交付税の総額をこえるときは、総額の二%を限度として、当該こえる額は、特別交付税の総額から減額してこれに充てることとされておるのでありますが、この制度は、昨年度における実施の結果からみても、また、本年度以降においては、都道府県警察の平年度化、奄美郡島復帰善後処理費の廃止等に伴い特別交付税において措置すべき経費が増加してくること等を考慮しても、交付税の算定を技術的に著しく困難にし、特別交付税そのものに十分な機能を発揮せしめるためには、交付税の総額の八%程度の額は、これを確保する必要があると考えられますので、今回、この制度を廃止し、特別交付税の総額は交付税の総額の八%に相当する額に一定することといたしたのであります。  第四は、たばこ専売特別地方配付金に関する事項であります。地方財政の現況にかんがみ、地方財源の充実を図るため、明年度からたばこ消費税の税率を引き上げる案につきましては、別途地方税法の一部を改正する法律案を提出いたし御審議をわずらわしているのでありますが、本年度におきましては、暫定的に、これにかえて、たばこ専売益金のうち三十億円を交付税の総額に加え、交付税法で定める方法により、たばこ専売特別地方配付金として各地方団体に配付することとしているのであります。このため、この法律案の附則において、昭和三十年度に限り、日本専売公社より交付税及び譲与税配付金特別会計へ納付されることとなった三十億円については、これをたばこ専売特別地方配付金として配付する旨を定めるとともに、本年度分の普通交付税の総額は、この三十億円を加えた総額すなわち千四百十八億余円の九二%の額とし、特別交付税の総額は千四百十八億余日の八%の額からたばこ専売特別地方配付金に相当する三十億円を控除した額とすることとし、たばこ専売特別地方配付金は、特別交付税の交付の例により配付することとしているのであります。これにより、本年度分の普通交付税の総額は千四百十八億余円の九二%、特別交付税の総額は千四百十八億余円の八%から三十億円を控除した額となり、別途、たばこ専売特別地方配付金が特別交付税の交付方法と全く同一の方法により配付されることとなるわけでありまして、その配分の実質は、交付税の総額が三十億円増加した場合と全く一致することとなるわけであります。  以上がこの法律案の内容の概略でございます。何とぞ慎重御審議の上、すみやかに可決せられんことを希望するものであります。  次に、ただいま議題に供されました地方税法の一部を改正する法律案につきまして、その提案の理由及び内容の概略を御説明いたします。  昨年第十九回国会におきまして、地方制度調査会並びに税制調査会の答申の趣旨に沿って地方税制の大改革を行い、これによりまして、地方税制は一応の安定を得たものと認められますので、現政府といたしましても、現行地方税制についてさらに大幅な修正を加えることは考えていないのであります。従やまして、今回は、その後の国民負担の脱状、改正法実施の状況等より勘案したところによりまして、若干の改正を行うにとどめているのであります。  今回の改正の骨子となる考え方は、第一には租税負担の均衡化をはかることであります。負担の均衡化につきましては税制上常に留意すべきことでありまして、個人事業税の基礎控除額を引き上げることといたしましたほか、自動車税におきまして揮発油を燃料とする自動車と軽油を燃料とする自動車との間の税率の均衡化をはかるなどのことをいたしているのであります。  第二は税務行政の簡素合理化を期することであります。昨年の改正によりまして、事業税その他の税目につきまして相当徹底した措置がはかられたのでありましたが、なお改正法実施後の経過にかんがみまして、今回さらに若干の改正を行うことによって、従来ややもすれば税務行政が複雑なるがゆえに、住民の納税意欲をそこなうような傾向のありました点を是正いたしたいと考えたのであります。固定資産税の対象となる土地家屋について、その評価をおおむね三年ごとに行うものとするほか、不動産取得税について免税点を新たに設置し、償却資産に対する固定資産税の免税点を引き上げるなどの措置をいたしているのであります。  第三は、国税の減税による地方税の減収を可及的に避けることであります。地方財政はきわめて窮迫した状態に置かれていますので、国税額を課税標準とする道府県民税や市町村民税については、減税後の国税額を課税標準とするものから、税率を調整することといたしているのであります。  右のような考え方の下に、今回改正を行なっているのでありますが、次にその具体的な内容について御説明申し上げます。改正事項の第一は総則に関する事項であります。その一は、最近非常に進捗しております市町村合併に伴う措置についてでありますが、合併に伴い合併関係市町村の課税権が、どのように承継されるかについて原則的な規定を設け、合併の時を境として新市町村は旧市町村の課税権を承継するものとし、これによって町村合併に際して生ずる課税上の紛議を避けようといたすものであります。  その二は、地方税の納付又は納入の委託の制度を設けたことであります。納税者又は特別徴収義務老が地方税等の納付又は納入を委託するために先日付小切手等地方団体の長が定める有価証券を提供した場合には、徴税吏員はその委託を受け、有価証券が現金化される時に納税者または特別徴収義務者にかわって納付又は納入の手続を行うことができるよう規定して、納税の便宜、合理化をはかったのであります。  その三は、延滞金、延滞加算金及び還付加算金の額を計算する場合の率についてでありますが、これらのものは利子的な性格をも持つものであり、かつ、現在の一般金利水準から見ました場合に、現行の日歩四銭の率はいささか高きに失するきらいがあると考えられますので、国税における改正と歩調を合せてこれを日歩三銭に改めることとしたものであります。  その四は、過納又は誤納の税金を納税者に還付する場合においては、その過納又は誤納の原因が納税者の責任であるときには、現在その還付金について還付加算金を付けないことといたしているのでありますが、これをあらためまして、その原因がどのようなものでありましても、地方団体に納付又は納入された税金を還付する場合には常に還付加算金をつけることとし、国税の場合とその取扱いを一にいたしたのであります。  その五は罰則についてでありますが、この点に関しましては、昨年第十九国会における論議にもかんがみ、検査拒否、虚偽申告等の秩序犯に対する罰則の合理化をはかったことであります。  改正事項の第二は道府県民税の税率の改正に関する事項であります。法人税割につきましては、法人税の税率を従来の百分の四十二から百分の三十五ないし百分の四十に軽減する等の減税措置が行われますので、法人税割の額を従来通り据え働くために法人税の税率の引き下げに相当する率だけ税率の引き上げを行い、所得割につきましても、所得税の減税措置が行われますので、同趣旨により税率の引き上げを行うことといたしたのであります。  改正事項の第二は、道府県民税中、法人税割の税率の改正に関する事項頃であります。先般提案されました法人税法の一部を改正する法律案におきましては、法人税の税率は、従来の百分の四十二から百分の四十に軽減するものとされておりますので、法人税割の額を従前通り据え置くために法人税の税率の引き下げに相当する率だけ税率の引き上げを行うことといたしたのであります。  改正事項の第三は事業税に関するものであります。その一は法人の事業税についてであります。まず、損害保険事業の課税標準を収入金額に改めたことであります。損害保険事業にふりましては、その事業の性質上、所得の相当部分を資産の運用による利益に求めているのでありますが、他面、法人税にあっては配当所得を益金に算入しないこととしていますので、法人税の課税標準たる所持を課税標準とする事業税の課税は、損害保険事業については必ずしも適正を得ていないのでもあります。そこで所得と収入金額の二方式を定める法人事業税の課税標準について、損害保険事業に対しましては、生命保険事業に準じ、収入金額方式をとることといたしたのであります。  次に、現在各種協同組合等についてその法定準備金の額が出資総額の四分の一の額に達しないものは、配当金額のみを事業税の課税標準としているのでありますが、このような各種協同組合等の範囲を法人税の取扱いに準じて、積立金の額が出資総額の四分の一の額に達しないものと改めました。  また、昨年の改正において、年所得五十万円以下の部分については百分の十の軽減税率が適用されている点について、その後の実施の状況をみますと、大法人、特に分割法人の場合には納税手続が繁雑であるとの意見もありますので、今回「三以上の道府県において事務所又は事業所を設けて事業を行っている資本金五百万円以上の法人」については軽減税率を適用しないものとして、納税手続の簡素化をはかりましたほか、申告書についての法人の代表者等の自署押印の制度は、本店所在地の道府県に対する分のみにとどめることとして申告手続の簡素化をはかっているのであります。  その二は個人の事業税についてであります。昨年税率を従来の三分の二程度に引き下げるとともに、基礎控除額を七万円とし、大幅の負担軽減の措置が行われたのでありますが、今回さらに中小個人事業者の税負担を軽減するため、基礎控除額の引き上げを行うことといたしたのであります。しかしながら、これによる収入の減少は相当額に上り、現在の窮迫せる地方財政にとっては莫大な負担となりますので、とりあえず昭和三十年度十万円、昭和三十一年度以降十二万円としたのであります。なお、これによる減税額は昭和三十年度三十二億円、昭和三十一年度五十億円、平年度六十億に上るのであります。  改正事項の第四は、不動産取得税に関するものであります。税務行政の簡素合理化をはかる見地から、新たに免税点制度を設けることといたしましたほか、最近におけるビル建築の実情から、その主体構造部の取得者と、造作その他の付帯設備の取得者が異なる場合がありますので、このような場合には、主体構造部の取得者をその家屋の取得者と推定して不動産取得税を課することができるものとし、もって課税上の取扱いを明確にいたそうとするのであります。  改正事項の第五は自動車税に関するものであります。軽油を燃料とする自動車は、揮発油税を負担しないことと、道路の損傷度が高いことから、その税率を揮発油を燃料とする自動車の五割増に定められているのであります。しかるところ、地方道路税の創設に伴い、揮発油に対する租税負担が増額され、軽油自動車と揮発油自動車との間における租税負担の不均衡がさらに拡大されることになりますので、軽油自動車の税率を揮発油自動車のそれの、昭和三十年度においては七割五分増、昭和三十一年度以降においては十割増といたしたいのであります。その結果、トラックのうち、営業用のものについては、現行二万一千円が昭和三十年度二万四千五百円、昭和三十一年以降二万八千円となるのであります。  改正事項の第六は市町村民税に関するものであります。その一は、税率の調整をはかることであります。すなわち個人の市町村民税の所得割のうち、所得税額を課税標準とするいわゆる第一方式による場合について、昭和三十一年度から従来の課税限度額に関する規定を改め、新たに税率の定めを設けようといたすのであります。今般所得税法の一部を改正する法律案にあります通り、本年より所得税の軽減がはかられるのでありますが、これに伴い、所得税額を課税標準とする個人所得割の負担を従来程度に据え置くとともに、その税率を明らかにし、現行の課税限度額の規定を除くことによって高額所得者と低額所得者との間の負担の均衡をはかろうとしているのであります。また、法人税割については、道府県民税において御説明申し上げましたのと同趣旨により、税率の改訂を行うものであります。その二は、法人の均等割は、法人税割とあわせて申告納付の方法によって徴収するものとしたことであります。その三は、給与所得者に対する市町村民税の特別徴収の方法について合理化をはかったことであります。従来は、市町村がその条例で特別の定めを設けた場合に限って、給与所得者の給与所得にかかる所縁割及び均等割のみを、特別徴収の方法によって徴収することができるものとされていたのでありますが、徴税の合理化と納税の円滑化をはかるため、特別徴収の方法を不適当とするような場合を除いては、原則として特別徴収の方法によって徴収するものとするとともに、市町村がその条例をもって定めれば、納税者からの反対の申し立てがない限り、給与所得者の給与所得以外の所得にかかる所得割についても特別徴収の方法によって徴収することができるものとしたのであります。  改正事項の第七は固定資産税に関するものであります。その一は、固定資産のうち、土地及び家屋の評価は、おおむね三年度ごとに行うものとし、原則としてその間はその価格を据え置くものとしたことであります。固定資産の評価は、従来毎年一月一日における時価によって行うものとされていたのでありますが、物価もほぼ安定した最近の経済事情のもとにおいては、土地及び家屋について毎年あらためて繰り返し評価することは、納税者に対し、不必要にその租税負担について不安定な感じを与えるのみならず、徴税上も多大の手数を要する結果となってしまうおそれがあるのであります。このような事情のもとにおいては、土地及び家屋については、法定の基準年度において評価した価格を、原則として三年度間据え置くものとすることによつて、税務行政の簡素化と合理化を期することが妥当であると考えられるのであります。従いまして、今回の改正においては昭和三十一年度、昭和三十三年度及び昭和三十三年度以降順次三年度ずつ経過することの年度を基準年度とし、この基準年度の土地及び家屋の価格を第二年度又は第三年度においても据え置くものとするとともに、地目の変換、市町村の廃置分合等特別の事情のあるもの及び第二年度または第三年度において新たに固定資産税を課することとなるものについては、基準年度の価格に比準ずる価格によって評価するものとしたのでありまして、これによって固定資産税の課税は著しく安定し、かつ、合理化されることとなったものと考えられるのであります。その二は償却資産に対する固定資産税の免税点を昭和三十一年度から現行の五万円を十万円に引き上げ、課税事務の合理化をはかることであります。その三は大規模の償却資産に対して市町村が課することのできる課税限度額について、所在市町村の収入の激変を緩和するため、一定の年度間に限り、所要の措置を講ずることとしたことであります。現行の規定においては、大規模の償却資産の所在する市町村は、その前年度の基準財政収入額が基準財政需要額の一、二倍に達しないものについては、基準財政需要額の一、二倍の額に達することとなるまでその課税限度額を引き上げて課税することができるものとされているのであり、特に昭和三十年度におきましては、基準財政需要額の一、三倍の額まで保障することにより所在市町村の収入の激変を緩和するよう考慮されているのでありますが、なお、その額が、昭和二十九年度の基準財政収入額の九割の額に達しない場合においては、その程度まで課税限度額を引き上げてその収入額を保障するものとし、以後三十一年度、三十二年度についてもこの割合を順次逓減しながら同様の趣旨の措置をとることとしたのであります。また、このような激変緩和の措置を講ずることとなったのに伴い、町村合併促進法の規定によって合併した市町村についても、その合併によって課税限度額が従来より引き下げられないよう必要な措置を講ずることとしたのであります。  改正事項の第八は自転車荷車税に関するものであります。その一は原動機付自転車の標準税率を調整したことであります。本年四月一日から道路運送車両法の一部が改正され、従来軽自動車として自動車税を課されていたもののうち一部が原動機付自転車となることとなりましたが、これらのものについて従来の標準税率五百円をそのまま適用することは他のものとの間に負担の均衡を失することとなりますので、その税率区分の調整をはかったのであります。その二は、徴収の方法について証紙徴収の方法によることができるものとしたことであります。すなわち、自転車または荷車の所有者は、市町村の条例の定めるところによってその自転車又は荷車に一定の標識をつけるものとした場合においては、その標識を交付する際、証紙徴収の方法によることができるものとしたのであります。  改正事項の第九は、たばこ消費税に関するものでありまして、その税率を昭和三十一年度分から引き上げたことであります。すなわち、道府県については現行の百十五分の五を百分の八とし、市町村については現行の百十五分の十を百分の九としたのでありますが、この増率による増収は、道府県分八十七億円、市町村分八億円の見込みであります。  以上、今回の地方税法の一部を改正する法律案につき内容の概略を御説明申し上げたのでありますが、これらのほか、規定の整備をはかる意味合いから若干の条文の整理改正をいたしているのであります。これらの改正によりまして、本年度におきましては、改正前に比し二十九億円を減ずることとなるのでありますが、若干の自然増収に属するものもありますので、前年度に比し、五十億円を増し、地方税収入額は三千六百十一億円となる見込みであります。  何とぞ慎重御審議の上、すみやかに本法案の成立をみますようお願いする次第であります。
  183. 小笠原二三男

    ○委員長(小笠原二三男君) ただいま三案に対する説明を聴取いたしましたが、詳細な説明、質疑等は次の機会に譲ることとして、本日はこの程度にいたして御異議ございませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  184. 小笠原二三男

    ○委員長(小笠原二三男君) 御異議ないと認めます。  これにて散会いたします。    午後一時五十六分散会    ――――・――――