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1955-07-21 第22回国会 参議院 商工委員会 29号 公式Web版

  1. 昭和三十年七月二十一日(木曜日)    午前十時十六分開会     ―――――――――――――  出席者は左の通り。    委員長     吉野 信次君    理事            古池 信三君            高橋  衛君            三輪 貞治君    委員            上原 正吉君            小野 義夫君            加藤 正人君            上林 忠次君            河野 謙三君            海野 三朗君            栗山 良夫君            藤田  進君            上條 愛一君            小松 正雄君            白川 一雄君            苫米地義三君            石川 清一君   政府委員    通商産業政務次    官       島村 一郎君    通商産業大臣官    房長      岩武 照彦君    通商産業省通商    局次長     大堀  弘君   事務局側    常任委員会専門    員       山本友太郎君    常任委員会専門    員       林  誠一君    常任委員会専門    員       小山橋貞寿君    常任委員会専門    員       桑野  仁君    常任委員会専門    員       内田源兵衛君   参考人    第一物産株式会    社常務取締役  水上 達三君    羽賀貿易株式会    社社長     大沢 三郎君    日本機械輸出組    合専務理事   本郷 寿次君    日本貿易会常任    理事      野崎 一郎君    陶磁器輸出振興    総合対策委員会    委員長     水野 保一君    富士製鉄株式会    社社長     永野 重雄君    農業機械海外技    術振興協会常務    理事      上条 盛雄君    日本鉄道車輌輸    出組合専務理事 宮田 忠雄君    日本自転車工業    会常務理事   佐藤 信彦君    日本ミシン工業    会専務理事   川島 清祐君     ―――――――――――――   本日の会議に付した案件 ○連合審査会開会の件 ○輸出入取引法の一部を改正する法律  案(内閣提出、衆議院送付)     ―――――――――――――
  2. 吉野信次

    ○委員長(吉野信次君) これより開会いたします。  ちょっとお諮りいたしたいことがあるのですが、衆議院から回ってきております砂利採取法案につきまして、建設委員会の方から連合審査の申し入れがございますから、これに応じたいと思うのですけれども、御異議ございませんでしょうか。
  3. 白川一雄

    ○白川一雄君 その法案は衆議院の方では質疑を省略して直ちに採決に入ったのでございますね。
  4. 吉野信次

    ○委員長(吉野信次君) 衆議院の方はそうらしいですね。ですからこちらの方としては審議もしなければなりませぬし、それから建設委員会からの申し入れもございますから、とにかくとりあえず連合審査というものをやった方がいいと思うのですが、そこをちょっとお諮りしたいと思いますが……。  速記をとめて。   〔速記中止〕
  5. 吉野信次

    ○委員長(吉野信次君) 速記を始めて。  それでは御異議はございませんでしたらさように決定いたします。  なお、連合審査会の日取りなどは委員長に御一任を願いたいと思いますが、よろしゅうございますか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  6. 吉野信次

    ○委員長(吉野信次君) それでは、さように決定いたします。     ―――――――――――――
  7. 吉野信次

    ○委員長(吉野信次君) 本日は輸出入取引法の一部を改正する法律案について参考人の方々からいろいろ御意見を伺いたいと思います。  今日は、どうも暑いところ、お忙しいところまことにありがとうございました。かねて事務の方から申し上げてありますのですが、輸出入取引法、この法案に対して皆さんの御意見を伺いたい。どなたからでもよろしゅうございますから、時間を制限してはなはだ申しわけありませんけれども、皆さんから十分ないし十五分くらいの程度で大略のお話を一通りお願いいたしまして、その上でまた各委員からいろいろ質問があるだろうと思いますから質問にお答えをお願いいたしたいと思いますからよろしくお願いいたします。どちらからでもよろしいのですけれども、水上さんの方から。
  8. 水上達三

    ○参考人(水上達三君) 私御指名にあずかりました水上でございます。参考人がたくさんおりますから重複するところも相当あると思いますが、ただいま委員長のお話でございますから簡単に大略私の意見なり希望を申し上げたいと思います。  大体この法律は昭和二十七年に制定されまして、翌年第一回の改正をし、また今度の国会で第二次の改正法案が出ております。衆議院の方においては一部修正されて可決しているように承知しているわけであります。この法律そのものは輸出入取引における秩序を樹立しようとするものでありまして、無制限の自由取引からくる過当競争といいますか、過度の競争を規制して対外取引、特に日本が今注目しておりますところの輸出貿易におきまする国益と申しまするか、国の利益の維持増進を期するものであるものと承知しているわけでございます。ドイツやその他の外国におきましても、この貿易カルテルというものはもちろんいろいろな制約はありますが認めておるわけでございまして、わが国におきましても独禁法の適用除外として適当な法制であるということは疑いないところだと考えております。  ところが、現行法では、実際にやってみますというと、制定の当時といろいろ国際情勢の変化、それから国内情勢の変転というふうなことから、非常に不徹底といいますか不便不利益の点が相当多いわけであります。それが今度の改正法律案の提出された理由であると思うのでありますが、もちろん私はこの趣旨には賛成であります。しかしながら対外取引上の秩序維持を目的とするものである以上は、輸出業者の協定を第一義とすべきであるということは、これは私は問題ないものだと思うのです。ということは、本来この改正の理由も、また私どもの常に貿易業者として考えている点も、輸出入、この貿易におきまして国の利益をはかる、それが国内問題に、つまり国内の一般の国民の利益を阻害するようなことにならないようにという点が一つの大きな眼目であるわけでありまして、従ってこの対外取引上の秩序維持を目的とするものであるという関係からいきましても、輸出業者の協定を第一義とすべきである、こういうふうに考えております。従ってむやみに国内取引に及ぶメーカーの協定を優先するとか、ないしは並行させるということはこれは避けねばならない、あくまでもこれは第二義的に考えていくべきものである、こういうふうに考えております。従いまして衆議院の商工委員会の修正は、本法の運営上には慎重に取り扱わねばならないと考えるわけであります。もっとも独禁法の精神は尊重するという付帯決議があるようでありますが、さように考えるわけであります。  それから組合の乱立を防止したい。こういう法律ができたからといっていたずらに組合の数ばかりふえてその実効が上らないようなことはあくまでも避けるべきである、こういうふうに考えております。  それからこれはよく言われますが、いわゆる官僚統制への移行を注意しなければならないというふうな点であります。  それからこの法律がよく中小企業を圧迫して大企業を擁護するものであるというふうなことを言われますが、これはその立場により、またお考え方により、人によってだいぶお考え方が違う点があると思いますが、私はこれはむしろ杞憂であると思うのです。というのは、これは具体的の例をあげますというと種々雑多な例があるのでありますが、まあ一口に言いまして現在のまま放置しておきますというと、日本の今置かれている特殊の立場からして過度の競争がどうしても起る、その結果は非常に不利益な条件で物を売ってしまう場合が非常に多い。輸入する場合にもそれに近い実例はないではありませんが、輸入の方は売手の方が割合にしっかりしている、日本のようにそういうことをしないところが多いものですから、輸入の場合よりも輸出の場合に非常に日本の国利を損することが多いというふうに考えております。たとえば果物のカン詰のようなものにいたしましても、買うところは大体きまてっおりまして、その値段も買手の方にはちょっと一つの基準といいますか、相場というものはあるわけであります。ところがそれに対して売手は非常に秩序なく売り込むものですから、非常に安い値段になるという結果になる、従って国としましても非常に損をし、そのカン詰業者であるとか、その生産に携わる者、労働者はもちろんのこと、すべてのそれに関連する人たちが非常な不利益をこうむるという実例はこの果物のみならず、いろいろなものにたくさんあるわけであります。従いまして国の得る利益がやがてそれに関連する中小企業の人たちはもちろん、大企業にもすべて均霑するわけでありまして、これは中小企業のみが被害者になる、大企業が利益を受けるということは言えないと思います。  それからもう一つ、私は非常に大事な点で、できればこの法律と並行的に考えていただきたいと思っている点は、直接法律に関係はないのでありますが、いつも輸入組合にしろ、輸出組合にしろ組合を結成する場合に問題になる点は、この組合組合員の問題です。つまり結果としてはアウトサイダーという形で現われてくる問題が一番多いのでありますが、従来たとえばここに百人の組合員があるとします、二人なら二人、三人なら三人のアウトサイダーがある、そうすると、この二人なら二人、三人なら三人なりのアウトサイダーのために全体の利益が侵害され、ひいては国の損害となるというようなことが非常に多い、そこでもちろんアウトサイダーの規制も行われるようにはなっておりますが、さらに一歩を進めまして、組合員の資格といいますか、つまりその仕事をやろうとする人はすべて組合員になれるし、またならなければいけないようなことにする、そのためには大体海外に対して貿易を営もうとする者は、そういう登録ができるようにして行ったらどうかという点であります。これは国内におきましてもいろいろな物品の販売業その他につきまして相当いろいろな規制があるのでありますが、いやしくも外国に対して商売をするのに何かのそこにそれを規制するといいますか、規則がないというのはちょっとこれはいろいろな観点から見ましてまずいのじゃないか、そうしておきますというと、貿易の管理の面から見ましても、また通商政策上の問題にしましても、またこの取引自体の運営に関しましても、非常に有望な材料が得られるのじゃないか、こう考えるのであります。従いまして私の希望といたしましては、この輸出入取引法の改正案を審議せられるに当りまして、できますればいわゆる貿易業法といいますか、そういう登録制につきましての、登録制を実施するということを考慮するという付帯決議を付しておいていただきまするならば、非常に将来資するところが多いだろうと、こう考えておる次第であります。  以上、簡単に私の考えております問題点だけ申し上げたのでありますが、また後ほど御質問などございましたらば伺うことにいたしまして、ひとまずこれで終ります。
  9. 吉野信次

    ○委員長(吉野信次君) 大沢さん。
  10. 大沢三郎

    ○参考人(大沢三郎君) では申し上げます。先に申し上げておきますが、私が今申し上げますことは、私が属しております全日本中小企業協議会の意見と、それからその協議会が参加しております、本法案の今国会の通過を待っていただいて、そうして慎重に審議をしていただきたいという協議会が各団体で作られておりますが、その意見や討論を含めて申し上げるということを御了解願いたいと思います。  で、その討論と意見の要約をいたしますと、第一点は、この法案私的独占禁止法を骨抜きにしてしまって、無制限なこのカルテルの結成というものを許すように修正されましたことは、非常に大きく中小企業者に不安と危惧とを呼び起しておるということを申し上げなければなりません。で、特にこの不当競争、ダンピング等の弊害に苦しんで組合結成の必要を認めておる多くの人にも、このような露骨な独占の強化については、非常に何といいますか、戦時中のような危険を感じております。特に昭和十二年に制定されました輸出入品等臨時措置に関する法律、これらいろいろな経緯を経ながら結局官僚統制のもとにあって、次第に全面的な統制への法規に変り、ついには戦時的な統制の基本法になった、このようなことが起りはしないかというような点が非常に心配されておるのでございます。  第一は、この法律が日本が占領状態にあったとか、あるいははっきりと独立したような状態にない間にでき上った条約や国際的な取りきめを前提としていて、日本の経済の自立と逆行するような危険がないか、その反面において日中貿易においては統制を強化して輸出入組合というものを作って、独占資本の利益を擁護して、中小企業というものの利益が非常にそこなわれるのじゃないか、その結果貿易全体が縮小して、そうして法案の目的とするところと反するような結果にならないかというのが第二点です。  第三点は、もしこの法案成立するようなことがありますというと、日本の経済全体が非常に苦しくなって、かえってダンピングの危険というようなものは、すなわちダンピングの基礎である国内経済の不況というものはかえって深まらないか。この結果ダンピングがかえっていろいろな形で行われるようになって、諸外国、特にイギリスなどとの関係が悪くなって、せっかく貿易をやって平和というものを、国際緊張をやわらげようというようなことを考えておることと逆にならないか。  第四点は、このような非常に広く国民の生活と結びつき、経営の運命とも関係しております法案でありますから、よく国民の各層、各界の意見をお聞き下さって、よく納得がいくような点まで討議をしていただかないと、大きな社会不安が起るのではないか、そこで国会においてもよく慎重審議をして下さって、会期の少いこの国会において急遽本法案の通過をはかるようなことのないように、特に要請したい、大体このように意見がまとまっております。独占の強化のもたらす結果についていろいろ考えてみ、討議をしておりますが、先ほど水上さんから御意見がありましたが独占の強化される結果、中小企業並びに独占からはずされておる大資本において起る現象は、生産面においては原料高と製品安というものが全面的になる危険がある、そうして自主的にせっかく組合を結成して得られた利益さえも、そういう独占的なものによって壟断される結果にならないか。その結果は今よりも一そう経営は苦しくなる。このような危険がある。輸出入の窓口を抑えられて、国内の生産の協定というものができることになっておりますが、そういうものに縛られた結果は、一貫して国内の経済というものはカルテル化して、そういう中で独占経営以外のものは非常に苦しくなる危険がある。この点では私的独占禁止法が改廃されようとしておるというようなことが非常に強く問題になっておりますので、これはこの一片の危惧ではなくて現実の問題ではないか、このように考えられております。前にも申しましたように、もし独禁法というようなこの占領中にできた法規だからかえなければならないということで前門の虎を追い払ってみても、それと同じような性質であるこの不平等な、外国との条約によって、取りきめなどによって制約がされておるこの法案が通過成立いたしますというと、後門の狼を招き入れた結果にならないか。特にこの問題について申しますというと、これは法文について申し上げますと、外国の条約並びにそれに準ずる取りきめに反したような協定はできないという点でありますが、中日貿易におきましてはココムの制限という国際的取りきめに準ずるものがありまして、このために多くの問題を起しておるわけですが、この法案によってこのココムの制限に取引が縛られてしまやしないか。従って貿易の量というものが拡大しない結果になるという、こういう点では明らかに国民の利益を害することになるのじゃないか、こう考えられます。  第三は、官僚統制の危険はどこにあるかという点でありますが、これは先ほど申し上げましたように、戦時的な統制というものが今でき上ってきておる。この法律を通してだんだん官僚統制的な色彩が強くなるのじゃないか。で、この点では特に具体的に申し上げたいのです。と申しますのは、これはつい先ほどまでは私たちの間では一つの危ぐ危険というように受け取られておりましたけれども、非常に現実の問題として現われてきております。と申しますのは、中国の貿易を統制するために輸出入組合を中国に向って作るということがこの中にはっきりうたわれております。その中で考えてみるのですね。中国貿易には明らかに不均衡の点がいろいろ存在しております。これは皆さん御承知だと思いますけれども、米と、大豆という重要食糧品と、塩という原料品を輸入して、それに見合うところの甲類物資がココムの制限にかかって輸出ができないために、このような不均衡が生じているわけです。しかしこの不均衡というものは国民の常識として、この法文にありますように関係業者または一般消費者の利益をいちじるしく害するようなことにならないと、このように認識されております。従って本法案が中国に対して輸出入組合を結成するということは非常におかしいではないか、そういう論理的な基礎はないじゃないかというふうに考えられます。この不均衡であるということと、不利益であるということとは必ずしもこの場合は一致しない。特にこの米、大豆、塩の関係から言いますと、国民に喜ばれていて、かえってこの不均衡は日本国民経済にとって有利な点もあるというようなことを考えますというと、この不均衡が不利益であるということをどこから結論されたのか。しかもこの不均衡の原因として先ほど申し上げたように、ココムの制限というところにあるわけですから、非常にその了解がしにくい、こういう点であります。一体だれがこの不均衡で不利益だということを断定して、中国に対して輸出入組合が必要かということをここに書かれたのかということをはっきりさしていただきたい。その上に町では中国向けの輸出入組合に対してもうすでにわれわれに相談なくあるプランができておるといううわさがあります。このうわさには私は根拠があると考えます。そのうわさの第一点は甲類物資の輸入が片道決済としてもよい、従って乙、丙類だけは三千万ドル程度のワクの中でバーターさせる、こういう考え方があります。第二は組合の専務理事に通産省の某次長がすでに就任を用意されておるというような点がうわさされておる点は非常にわれわれとして困るといいますか、非常に弱っておるわけです。この第一点は中国貿易の場合には不均衡即不利益でないということを私は是認しておられるということだと、こう考えます。またこのことは道理にかなっておると、こう思うのです。甲類物資の片道決済ということは必ずしも日本にとって不利益ではないのですけれども、協定貿易の立場からいえば、甲類物資についても明らかにこれに見合う物資を出すことが正しい、このように考えますけれども、一応これでも日本国民にとっては不利益ではないということは言えると、こう考えます。それから町で特に問題になっておる、われわれの間で問題になって、非常に物議をかもしておることは、このようなおみやげといいますか、このような中日貿易に関するワクというようなみやげをもって、そうして通産省の官僚の人人が組合に入ってくるというようなことがもし起ったとすれば、これこそが官僚統制の第一歩ではないか、このように非常に心配するわけです。で、先ず自分で不均衡すなわち不利益だという、こういう断定を作り出して、そしてそれとは違うようなみやげ案のようなものを作って、そして自分たちの就職の場をそこに見つけるというようなプロセスこそが官僚統制の最も巧妙な道行きではないかと、こういう工合に言われておるわけであります。で、これは党派は申しませんが、ある代議士の方にわれわれの仲間の者が輸出入組合の話をしましたところが、そんなに重要な法案なのか、おれはそれは何か官僚の人々が老後を養う場所に使えて、そういうところが多いのはいいというようなことで、それじゃいいだろうという程度に考えておったが、それは大へんだというようなことを現に言われておるような例もあるわけであります。こういうことは、官僚統制を憂えておりましたけれども、非常にはっきりとこういう形で、うわさを種として非常に申しわけないわけですが、こういうことが現われてきておる。このことは非常に今まで行われた官僚統制の一例と、いろいろな例と似ておると、このように考えます。こういうような官僚統制がアウトサイダーの規制にも加えられ、先ほど水上さんが希望されましたけれども、若し貿易業法というものができて、登録制になった場合に、どうして正しい登録制が行われ、その監査が行われるかという点について非常にいろいろな問題が出てくる、こういうように考えておるのです。  それから第四は、その結果、では貿易が拡大するかといいますと、全般として申しますと、たとい一時的に輸出がふるうようなことがありましても、独占価格の形式によって、国内の不況が非常にはなはだしくなり、社会不安を醸成し、ひいては日本経済を危うくするような結果となるのではないか。従って国家百年の計に立っての貿易拡大とは、こういうことは縁が薄いのではないか。特に中国について申しますと、ココム制限のワクの中にいつまでも貿易というものが縛られていて、そして決して拡大することがない。このようなことになりますというと、これは先日石橋通産大臣が言明されましたけれども、ココムの制限をソ連並みにまで緩和するということと著しく矛盾すると、このように言われております。具体的に申しますと、政府は貿易促進の公約をされておりますが、いろいろな点ではその反対のことが起ってきておるのではないかと、さようにみな考えております。そのことは促進運動というものを骨抜きにしようとしておるのじゃないか。すなわちどういうことかといいますと、取引は輸出入組合にやらせて、促進運動は村田さんの主宰される国際貿易促進協会がやればいいと、こういうふうに出てこられておるようであります。そうしますと、促進運動というものは取引から引き離されて、簡単な思想運動になって、これは死滅してしまうわけです。こういうようなことは非常に重大なことであって、今日まで業界が自分の力で盛り上げてきた促進運動というものをどうしてここでこのような形で死滅させられなければならないか、こういう促進運動というものを生かしながらやっていただけないであろうか、こう考えております。特に中国貿易における不均衡の問題は先ほど申し上げましたけれども、調整の事項はほとんど言うに足りません。この点は衆議院の公聴会におきまして種々論議されましたけれども、中国貿易において調整の必要ある事項というものは具体的にありません。ある調整事項については、促進運動の中で、促進諸団体協力によって、この調整は現に行われておって、不都合がないのです。この点は拡大していく貿易の中で、大資本と中小企業との利益の調整さえも行われているというのが実情であります。従ってこういう状態を官なり国会なりは進めていくような法案なり、処置なりをとっていただけないだろうが、このように要望するわけであります。輸出入組合の方針や人事というものが非常に、みんなの陰に隠れたところで行われて、一面国際貿易促進協会の人事をこのようにしろというような干渉まで行われているという事実を聞いております。このことは非常に大へんだ。この点については御質問があればあとでお答えいたします。組合の結成が促進運動を骨抜きにするために利用されているというような事実があるとすれば、これはこの法案の趣旨と相反するものだ、このように考えます。この点は重大な警告を皆さんにしておく必要があるのではないかと、このように考えます。  具体的な例を最後に一つ申し上げます。それは最近通産省が予算を取って下さいまして、五万トンの中国大豆が輸入されるようになりまして、中国から七十数社にオファーが参りました。ところが通産省の御見解によって、これを五千トン以上の実績のある者にしぼられまして、そうして若干数については出入りがありますけれども、そのようにして大豆の取引から、オファーをもらった中小商社が現に締め出されようとした。ところが中国から来ておるオファーというものは現に生きているということが明らかになりましたので、現在国内で資格のある実績者と無資格でオファーを持っている者との調整というものが必要になって、これを貿易団体の手において行なっております。こういうようなことが起っておることを見ますというと、官僚統制というものの弊害というものと、それから促進団体なり民間なりがやらなければならないということが明らかになってくるのではないか。で、このように見てきますと、特にこの大豆問題で問題になったことは、常に大豆取引は、たとえば通産省と私たちがお話をして、油をしぼるには大体四十四から、せいぜい安ければ四十ポンドというようなところで交渉しておりますと、四十六ポンド半でぽんと買ってしまうような大商社が現われた。そういう大商社の人々が特に組合結成について熱心であるということは一体どういうことなんだ。このような点が公正な人々の間に深い疑惑を呼んでいるわけです。このことは独占という意図とこの輸出入組合というものとが結びついておるのではないかというようなことを疑わせる非常に大きな問題になっております。特に国民生活の必需品としてのとうふ、みそ、しょうゆというようなものの原料である中国大豆をただ単に取引の対象と考えたり、それから実情を無視した価格の政策でもって操作しようとするようなことは、国民の利益と相反する統制の色彩が濃いと、このように考えております。  最後に各階層の意見を申し上げますが、日本中小企業団体連盟をも含めて、日本の中小企業は本法案に対して非常に強い反対と慎重審議の意向を明確にしております。それから国際貿易促進協会に集まっております多くの資本、それから労働組合までも含めておりますが、この人々の間でも、この独占を無制限に許すという問題や、輸出入組合を中国に特に認めなければならないという点などについては多くの論議がかもされております。従ってこの協会としましても、本国会に慎重審議をお願いしたい。そうして社会不安の起らないようによく討議をされた結果、修正すべき点は修正し、法案成立さしていただきたいと、このように望んでおります。  以上非常に簡単でありまして、雑駁でありますけれども、私の公述を終ります。御質問があれば承わらしていただきたい。
  11. 吉野信次

    ○委員長(吉野信次君) その次をお願いします。
  12. 本郷寿次

    ○参考人(本郷寿次君) 私は機械輸出組合専務理事でございます、従いまして機械輸出組合の立場から一言申し上げておきたいと思います。  今回の輸出入取引法の改正の主眼は従来よりも非常にいろいろな制約をゆるやかにされまして、単に貿易秩序確立ということよりも、輸出の増進ということをおねらいになっておるようでありますが、ただいま輸出組合が私どものお送りいただきました表を見ましても三十四、五ございます。輸出組合を作りますにはこれは申すまでもなく、輸出業者といたしましてただいまの非常に輸出の困難な情勢のもとにどうして輸出を増進させようかという意欲のもとに結合しておることは申すまでもないのでございますが、政府もその意味で最初の輸出入取引法以来輸出組合という制度をお設けになったのであります。果して輸出組合の母法である輸出入取引法というものの輸出組合に与えております力というものが政府もしくはわれわれの期待しておるようなものであり得るかどうか。私どもといたしましては、従前から事輸出に関しましては独禁法の排除を全面的にすべきではないか。海外の情勢を見ましても、国内の国民生活の点からは独禁法というものをそれぞれ運用しておりますけれども、海外に出ます場合は言葉が悪いのでございますが、一種の戦争でございまして、独禁法というものは全面的に排除すべきである。  それと、もう一つは今申し上げましたように、どうしても海外に輸出の増進をしまするには秩序のある組織力が必要だと、それには、私は輸出組合ということばかりを申し上げますが、輸出組合というものについて組合組織法をしっかり作っていただきたい。言いかえてみますれば、単独の法律を作っていただきたい。と申しますことは、輸出入取引法は許される範囲におきましての独禁法の排除ということが当初の出発でございます。昨年の改正で多少ゆるめられ、また今回の改正でさらに一歩ゆるめられましたが、何かまだ事前輸出を中心にしてのそういう意味の意思の徹底を欠いておるのじゃないか。さらに輸出入取引法が独禁法の排除を直接の目的としておりまして、輸出組合のような組織のある輸出業者の活動のための組織法を目的としておらぬということは明瞭でございまして、従いましてここで第三回目の改正をしていただくのでございますが、もう現在の輸出入取引法で許される、輸出組合に与えられる権能というものは限界にきておるんじゃないか。しかもその限界は決して満足すべきものでない。そういたしますと、どうしてもここに別個の輸出組合、もっと眼界を広くみますれば貿易組合かも存じませんが、そういうものの団体法を特別に作って強力にしていただかなければいかに政府の意図、あるいは議会の御意図が輸出の増進をはかろうとされまして法律を改正されましてももう輸出組合にこの法制のもとで与えられる限界というものはしれ切ったものじゃないか。今回の改正の大きな目的でございます協定につきましても、法文を読んでいただきますとわかりますように、まずうたっておりますのが五条で、何も組織のない輸出業者の協定からうたっておるわけでございます。それで法的な組織を持つ輸出組合はむしろ個々の業者のやれる協定をもやることができるというような感を与えるごとき法律の書き方にも私はなっておるんじゃないかと思うのであります。これは逆でありまして、むしろ不公正な輸出取引の防止、輸出秩序の確立、そうして輸出の増進をするにはまず組織ある団体を作らして、それに強い力を与えて輸出の増進をはかるというふうに考えを改めていただかなければならぬのじゃないか。大へん失礼な引例でありますが、私のお送りいただきました法律案の逐条説明を拝見いたしますと、第二十八条の御説明を読んでみますと、はなはだ私どもはふに落ちないような感がするのであります。と申しますことは、ただいま申し上げましたように、この担当のそれぞれの方におきましては私の申し上げたような意味で、輸出組合もしくはそういう組織ある団体というものを中心として動かそうというところにまだまだ十分の御認識が足りないのじゃないか、そういうような意味で申しますと、私は今回の改正が輸出の増進を目的とされたという大目的は非常に喜ぶのでございますが、非常に不満を感ぜざるを得ない。しかしながらただいまの段階に至りましては、これは今後の希望として申し上げておることでございまして、今回の改正で従来よりも一段とわれわれの要望しておりますところに飛躍いたしましたことは、これは今申し上げました不満足ながら満足しなければならない点でございまして、従いましていたずらに新しい法制の樹立を今直ちにお願いいたしますよりは、私といたしましてはそういうことをはっきり申し上げておきまして、今後多少の御修正等はありましても本法はぜひこの際成立さしていただきたい、こういう希望を持っておるのでございます。  それで長くなりますが、内容について一、二申し上げてみたいと思うのでございますが、第五条と第十一条、第十一条は輸出組合に準用されておりますが、輸出に関する協定につきまして十日前に届出をするという規定になっております。しかしあの条文を読みますと、少しわれわれには意味が不明な点があるのでございまして、実施の前、十日という意味ならわかるのでございますが、締結の前十日というような文章になっておると思います。それでいわゆる組織のない輸出業者の方々がお集まりになっていろいろおきめになることは、これは割合に簡単にお集まりにもなれましょうし、自由でございますが、私どものような法律でいろいろなこまかい手続をきめております団体になりますと、総会を一ぺん開くというには非常に繁雑な手続を経なければなりません。この点についてあとでほかの問題からもちょっと触れたいと思いますが、締結というのは総会で決議するという意味ではないかと思うのでありまして、そういたしますと、総会で決議しない、前に出すというような意味にもなってくるので、この辺はあるいは施行規則等で十分はっきりさしていただけると思うのでありますが、ああいう点少し組織なき輸出業者と組織のある輸出業者との間にやはり頭を区別してお考えをいただきたい。  さらに勝手なことを申し上げさしていただきますれば、輸出組合のごとき常時監督庁と連絡しております団体が輸出の協定などをいたします場合には、突如として役所の方にも連絡なしにいたすなんということは想像できませんし、またそのように野放しにされておるようなことでは私どもは困る。そういたしますれば輸出組合のごときは十分事前に役所との連絡調整ができるのでありますから、一般の輸出業者の場合は別といたしましても、十日前というようなことは、今申し上げましたようにいささか組織のあるものとないものとを混同された結果出てくるようなお考えじゃないか。  次に輸出業者の国内協定の問題で第五条の二と第十一条でございますが、これなども同じようなことが考えられる。従来は輸出業者の国内取引の件は団体協約をいたします場合に非常にむずかしい条件がございまして、輸出組合のみはできておりましたが、今回は組織のない輸出業者にも同様にできる。ことに衆議院修正の結果を見ますと、条件も非常に緩和されておる。それから二十日以前認可を申請することになっておりますが、この二十日以前の申請による認可というのは二十日以前の申請による届出と何ら実質は異なるところがないと思うのであります。そうなりました場合に、これもたびたび申し上げますが、組織力のある者とない者とすべてを同じように取り扱って運営されていかれまして、ここに混乱が起ることがないものだろうかどうか。こういう点におきまして、やはり法律の運営に当られましては、抽象論よりは実際の問題に相当お考えを願いませぬと、角をためて牛が死ぬというような問題が起ってくるのではないか。それから先ほど水上さんのお話にもございましたが、生産業着の協定、これにつきましても、衆議院の御修正によりますと、きわめて簡単にできるようになっておりますが、私の方の輸出組合は、多少他の組合と事情が違うのかもしれませんが、機械の輸出は、他の雑費、繊維などと違いまして、製造業者の直接、あるいは製造業者が実際は行うので、輸出業者には代行をさせるというような事例が多いのでございます。従いまして、広い意味の輸出業者と見られますところのメーカーが私どもにはたくさん入っております。これは、メーカーとしてではなく、もちろん輸出業者としての資格で入るわけでございますが、御承知の通り、組合といたしましては、生産業者の協定、これを何も一般的に悪いと申すわけではございませんが、そういう関係から考えますと、なお慎重な手続をとって、これの他に及ぼす影響がどうであるかということを十分お調べになってできるような方法にしておかれませぬと、予想外の混乱が生ずるのではないか。  ただいま大沢さんのお話にございました輸出入組合の関係でございますが、この点になりますと、機種別でただいまの組合はできておりませんので――私ども実は輸出入組合のことはよくわかりませんが、これも実際行なうに当りましては、よほど慎重にお考え願わないと、機種別組合と地域別の輸出組合との間に混乱が起って、それに入っております両者が、右せんか、左せんかというような問題が起ってくるのではないか。それからもう一つ申し上げておきたいと思いますのは、アウトサイダーの規制の問題でございます。これは、私ども先ほど申し上げましたが、二十八条の説明によりますと、輸出組合施設が第一であって、協定等の仕事は第二義というようなお書き方がございました。これははなはだ不満でございます。われわれの組合のごとく、機械と申すものは全部集まっておる。三十二の部会に分れまして、大きいものは船舶鉄道車輛も輸出組合として私どもの方に入っておる。小さいものでは時計の末まで入るというような組合になりますと、業者がなぜこれに入るかといえば、むしろ第一には協定ということをいたしたいというのが主目的でございまして、施設組合としての色彩はきわめて薄いものと考えております。そういう組合といたしますと、もう協定をいたそうと思いました場合に起ります問題は、常にアウトサイダーをどうするかという問題でございまして、今回アウトサイダー規制については百歩前進されまして、大へんわれわれは心強く思っておりますが、ただ、二十八条の第六項と申しますのは、輸出承認事務を輸出組合に委嘱するという規定でございますが、その場合に、その機種の人員の二分の一以上ということに規定されておりますが、これはもちろんアウトサイダーを規制いたします場合に、その母体が相当のウエートを持たなければならないことは当然でございます。しかし、先ほど水上さんのお話にもございましたように、ただいまはまだ輸出業者の登録というようなことは行われておらぬ。輸出業者の数が非常に不明確かつ変動がある場合にこういう条件に縛られましても、これは絵に書いた餅にすぎない。現在私の方の組合のごときはとうてい今わかっております数から言いましても、支配的でございません。繊維のごときは、輸出組合が支配的な数を持っているかと思いましたが、数だけから調べますと、私どもの方はその数からいうときわめて少いわけであります。というのは、輸出業者の資格の定義の問題でございますが、そこで私は、必ずしも支配力は頭数のみではない、輸出総数といっても、これはもちろん二分の一がいいか、三分の一がいいか、いろいろございましょうが、頭数ばかりでなしに、輸出数量をたくさん占めておる者が協定をいたしました場合に、必要ありと認めたならば承認事務委任する、こう考えませぬと、いたずらに小さな、一年一回か二回あるかどうかわからぬものの頭数と実際に力のある者の数量というものと少くともコンビネートすべきだ、少しわれわれの勝手な希望を申し上げますれば、数量のみでやっていただきたいと申し上ぐべきでございましょうが、これは輸出組合の事情にもよることと思います。しかしながら、少くとも輸出数量という点を考えなければちょっと目的が誤まっておるのではないか。  最後にもう一つだけ申し上げておきたいのは、これはだんだん御改正になると伺っておりますが、ただいまの輸出組合中小企業等協同組合法の法文を準用されております。ところが、中小企業等協同組合法組合は地域組合であり、中小企業の団体でございまして、非常に手続が煩瑣でもあり、まだ現在おもに全国一円を地域とした輸出組合の実情にそぐわないものがございます。これらは冒頭に申し上げました、ぜひ単独法をお作りになって、輸出の増進のために輸出組合というものを育成するのに適当な方法をおとり願いたい、そういうことにからんで一例として申し上げても、ただいまのようなやり方では、中小企業等協同組合法の煩瑣なる準用によりまして、先ほど申し上げました総会を一回開くのにも速急にはいかぬというような問題で悩んでおる次第であります。はなはだ雑駁でございますが、以上でございます。
  13. 吉野信次

    ○委員長(吉野信次君) 次に野崎さん。
  14. 野崎一郎

    ○参考人(野崎一郎君) 私野崎一郎でございます。今回の改正は、創設を入れて合計四回になりますわけでありまして、わが国のような戦後の弱体化した貿易業をもって今日の激化しつつある貿易戦に対抗しておりますような現状であるとしますと、占領軍の申し子である独禁法を厳重に施行されたのでは、あまりに重荷であって、不可能を強いるようなものであります。しかも現在の日本といたしましては、この貿易業に全面的に依存しなければならぬようなところに日本の悲劇があったのではないかと存じます。これが改正は、独禁法が眠っていただきます数を増すにつれて、今日の改正に至ったのでありまして、今日の改正でまだ十分とは言えませんけれども、この辺でまず一つの峠に達したような観があります。ここまで持ってきて下すった、尽力されました通産御当局、また現在の貿易が超激甚競争をやりまして、不公正であり、日本貿易業の信用の失墜する事実を正視して同調して下すった公取当局に対して感謝するものであります。  現在の日本の脆弱なる経済力であって、しかも増大しつつあります生産力をもってしましては、勢い生産業者といわず、また貿易業者といわず、競争の激甚化するのは自然の順序でございまして、これが限界を越えますれば、日本貿易業界に対する不安の念と信用の失墜するを考えますれば、今回の改正はまことにやむを得ざる適切なる措置といたしまして歓迎するものでありまして、世上ややともすれば、今回の改正をもって官僚統制強化のおそれがあると非難しますけれども、これは当らないと存じます。  まず、改正案に一通りの私見を述べますれば、第四条中に、戒告にかえまして仕向地への輸出の停止の処分の規定を設けられましたごときは、害毒の即時停止という精神を表わされまして、まことにけっこうと存じます。再三お話しがございました第五条はまことに重要なる条項でありまして、これによって輸出組合の部会決議に一々総会、総代会を開催するの煩が避けられまして、この問題もある程度まで解決ができてけっこうなんでありますけれども、輸出組合決議と不一致するようなことを来たさないようにお願いいたしたい。従ってこのためにはその輸出組合理事会を通ずるようにして、行政措置をもって組合決議を第一義として組合に重点を置き、かつ組合の規範を脱せぬように措置していただきたいものと存じます。また部会にあらざる輸出組合員の輸出業者の第五条の一の協定も、前に申しました通り部会の場合と同じような意味におきまして、同様の措置を希望する次第であります。その他、第五条の三のごとき、たとえば生産業者が勝手に膨大なる生産計画を立てまして、その製品を販売実績を作らんためとか、あるいは大量販売によってコストのすれすれまで廉売して、その目的を達成するためにアウトサイダーを使って市場を荒されましては、貿易業者がいかに協定しましょうとも市場の安定はできないものであります。その他のやはり第五条の三の例といたしまして、現在の多くの生産者組合は共販会社とか、あるいは共販組織を作っておりますけれども、これは生産品のプール機関でありまして、現在の輸出の状況を全然考えませんで、市場の消化以上の量を貿易業者に負担させているのを使命としておりまして、これがひいては輸出市場にオーバー・ストックとなり、市価の暴落となり、その結果は日本生産品の信用を失墜し、ひいてはダンピング法案設置の叫びとなっている例が非常に多いのであります。従って輸出入取引法の改正を悪用しまして、第五条の三の生産業岩間の協定から始まって第五条の三の生産業者と輸出業者との間の協定となり、第五条の一の輸出業者間の協定となるようなことがないとは言えません。これでは全く輸出の秩序は混乱に陥らざるを得ない次第でありまして、現在でもその例が多くて、目下の不当競争の原因がそれに基因するのが非常に多い次第であります。  今回の輸出入取引法が独禁法を離れまして改正されましたのは、輸出入すなわち海外市場に限定したということより考えましても、輸出入業者、あるいは輸出組合、あるいは輸入組合、輸出入組合協定を届出にいたしまして、生産業者関係の第五条の二、あるいは第五条の三、先ほどの組合関係といたしましては、第十一条の二項と三項、ともに第五条の、あるいは第十一条の一項を基本といたしまして、初めて認可主義にいたしました理由が、前に申し上げました混乱の例の是正にあったというわけがわかると思う次第であります。しかるに原案が衆議院において修正されたのは、この点、この法の精神を十分御理解されなかった点にあるのではないかと残念に思っている次第であります。しかし、もうすでに衆議院修正が通った以上は、これを善処しなければならぬ方法としまして第五条の三の実施に矛盾のないような方法といたしまして、生産業者からそれぞれこれに基く協定届出が通産当局に参りましたならば、通産当局及び生産業者からともに直ちに関連輸出組合に連絡していただきますこと、従って当該輸出組合も事情陳情の機会を得て、両者協力して初めて完成の域に達するものと存ずる次第であります。  輸出入取引法と水産業法と不一致矛盾するようなことがありましても、事輸出に関する限りにおきましては、輸出入取引法を基本といたしまして行政措置にて善処されんことを切望するのであります。  貿易商社は戦後いろいろの理由、原因によりまして微力になっておりますところより、とかく生産業者に依存するようなものが多い関係上より力関係で本末転倒いたしまして、貿易秩序が乱れているような現状であります。これは貿易業者の中に不心得の者があるということを、決して否定はいたしません。ですけれども不当競争の全部の責任が輸出業者にあるというように思われておったのでありますけれども、生産業者からくる原因に対して、むしろ看過されておって、しかもその原因が大きいということを十分御承知おきをいただきたいと思いましてここに申し上げる次第であります。  要は、根本は、海外取引は、輸出入業者、すなわちこの中に生産業者もむろん兼業で入っていらっしゃることは申すまでもありませんけれども、輸出入業者の手によることを基本としての精神とされたい次第であります。輸出組合も、価格数量その他の協定によりまして、ときによりましては、輸出組合の窓口一本で統制をいたしまして、実を申しますと、内部では個々の営業をさせておりまして、輸出組合の窓口一本で市場の安定を維持をしておりまして、まことに円滑にいっておりますが、それでどうにもならないのはアウトサイダーの規制でありました。ところが今回の改正によりまして、第二十八条以下の設定によりまして、全く踏み切っていただいたことはけっこうなことと存じます。しかし貿易の実情はなかなか複雑怪奇でありまして、先方の国、国の名前を申し上げませんが、先方の国が日本から輸入する、その場合に、一本に向うのその国で統制しておりまして、しかもその国から日本へ来ております商人、いわゆる外商です。外商を使用しまして、そればかりに信用状を出しているような国家がありよすが、これに対してはどうしても輸出組合が一本になって対抗しませぬければ、全然その国への日本の輸出業の生殺与奪の権を握られてしまう場合がありまして、個々の商権を擁護するというのが商社の使命でありますけれども、それさえ外商にとられて牛耳られるならば、組合に一本にまとめて日本の商権を擁護しようというような悲壮の念とならざるを得ない例さえ現われてきているのであります。  今回、台湾政府から、台湾政府の物資局の念証差し入れ問題が起っております。これは御質問がございますれば、また御承知でおられましょうけれども、原文は申し上げませんが、あれほど不当の差入証を要求されて、抵抗する方法がないというのが現状であります。われわれが協定してこれを拒むということがございましても、外商が、そういうその国の外商が活動いたしておりますし、それからアウトサイダーを考え、またメーカーと直接結びつくということを考えますと、これで完全だという抵抗方法はない、言いかえれば、勢い完全な対抗方法は、地域別輸出入組合をもって台湾政府に対抗するより方法がないというみじめな現状にあるのであります。逆のひっくり返えしが、先ほどありました中共の輸出入組合になるわけであります。  それから輸出入組合の設置の精神は、要するところ、その国とのバランスを合せるにあるというのでありますけれども、第二十二条の第二項の五号にもあります通り、個々の協定も、数量によっては、その取扱い数量の比率によってはできることになりますので、同一の品種別輸出組合の第五条の一あるいは第十一条による協定価格と矛盾せぬように、組合届出取締りに対して、通産大臣におかれて特に御注意をお願いいたしたいと思う次第であります。  輸出入組合は地域別に乱立させることは、かえって輸出入取引の秩序を乱すことになりますから、中共その他オープン・アカウントのバランスを合せにくいインドネシアですとか、朝鮮とか、トルコというところにとどめるべきものでありまして、あるいは念証問題をやかましくいう場合の台湾も考えねばなりませんけれども、その他の地域には絶対に増加しないようにお願いいたしたいと思う次第であります。  本法の強化によりまして中小企業者が不当に圧迫されるやとの批評が先ほどもお話しにございましたが、もともとこの法律は、中小企業協同組合と同じ精神で作られたものであり、権利は平等であり、この点に関しましては、第九条のうちに輸出組合員の議決権及び選挙権は平等であるということが規定されておりまして、輸出入組合におきましても、第二十七条において準用しておる次第でありますから、この点から見ましても平等であるということは明らかであります。しかも第三十四条の公正取引委員会関係でもって相当の取締りを受けておりまして、特に同条第七項から第十項までの独禁法の精神は生きておることは明らかなのでありますゆえに、本法も独禁法を逸脱することはできないゆえに、この点は御懸念がないものと存じます。第四十一条以下の罰則規定が設置されましたにつきましても、貿易業者の話が再三ございまして、貿易業者の登録によります、いわゆる貿易業法の設定の必要さが痛感されるものであります。以上が私の意見であります。
  15. 吉野信次

    ○委員長(吉野信次君) 水野さんお願いいたします。
  16. 水野保一

    ○参考人(水野保一君) 本日、中小と申しますか、弱小にひとしい陶磁器業界の声を聞いていただくことになりまして、業界といたしまして非常にありがたく感謝いたす次第であります。お手元に差し出しておきましたのに対しまして朗読をさしていただきたいと思います。それは、輸出入取引法改正に対する陶磁器生産者の意見書というのがございます。それに続きまして説明書というのがございまして、意見を申し上げまして、説明を申し上げたいと思います。  一、意匠の協定についてであります。   輸出組合または輸出業者に対し、意匠の協定を認めることは、場合により生産業者の利益を不当に害する結果となるおそれがある。すなわち、輸出業者はいわば、バイヤーの代理者であり、従って輸出業者に意匠権を委任することは、バイヤーに意匠の権利を左右されることになり、これによって、生産者は、不当なる競争ないし安売を強いられることは、過去の経験よりして、明らかに予想されるところである。   よって、意匠の協定は、生産者を主体として適用されるよう、法的措置を考慮されたい。  その説明を申し上げます。陶磁器及び雑貨類というものはほとんど同一でありまして、これはいずれも注文生産によるものであります。輸出業者は、バイヤーのエージェントとして、その代理をするにすぎないのであります。またサプライヤーと称せられる輸出業者も、見込買いのごとき、自己の損益による買収輸出は行なっていません。単にバイヤーの注文を取り次ぐだけでありまして、それに対する手数料を得るのが業務でございまして、その取引価格は、FOB、CIF等いろいろございますが、それは、バイヤーの好みによるものでありまして、いずれの場合でも、実体は、単なるり取次ぎにすぎないのであります。またCIF、FOBと申しましても、結局は同じ価格に相なるのです。戦前は、バイヤーと輸出業者は、一対一で取引をしておりました。そこにおのずから秩序が整っておりましたが、戦後は、一人のバイヤーに対しまして輸出業者つまりエージェントあるいはサプライヤーというものにお互に競争をさせ、値段の安く、サービスのよき方に注文を流すために輸出業者は、バイヤーの意のままに行わねばならない立場におかれております。つまり戦後はバイヤー一人に対して輸出業者が数社ということに相なっております。一方、輸出品につきましてのクレームが生じた場合には、生産者が一切負担するのが商習慣に相なっております。その上生産者は、工場操業の関係上、注文干渉の場合は、安値でもこれを引き受けなければならぬ。工員に対しまして、責任を果さなければならない。これが、中小業者の輸出品の生産及び取引の実態でございます。このような実情のもとにおいて、生産者が、自己の立場を守る一つの方法は、その生産する意匠の権利を確立することが大事なのです。しかるに、もし、この意匠権が、輸出業者に与へられるといたしますれば、バイヤーにそり権利を渡したも同然となりましてその結果、バイヤーは、各メーカーをあさり回り、品質、価格の低下と不当競争を激化いたしまして、メーカーのこうむる損害はもちろん、国家といたしましては非常な不利なる立場と相なり、もちろん輸出の振興を阻害することは明かであります。陶磁器業界は、過去六年前より、生産者団体におきまして、組合登録を自主的に行なっております。法規の力を持たずして、組合登録をいたしております。別紙にございます陶磁器意匠登録に関する記録表というのがございまして、それを一つごらん願いたいと思います。すなわち、別紙のうち(A)は食器類に対する登録制度であります。これは生産者のみで運営しておりまして、この部門が輸出総額に対して占める割合は七四・三%に相当しております。又(B)に属するものにはノベリテイ類でありましては二五・七%を占めておるのでございます。これは生産者に若干の輸出業者が参加して運営しております。しかして、この(A)(B)の登録制度の運用に当りましては、輸出取締法第七条の二によります強制検査というのを実施しております。強制検査制度に基きまして検査機関において取締りの万全を期し多大の成果をおさめております。このような実情にかんがみまして、意匠の協定は生産者を主体として実施していただきますようにお願いいたしたいと思います。  第二の点でございます。これは輸出業者と生産業者の協定についてという項目でありまするが、現在のごとき、いわゆる、バイヤーズ・マーケットの時代においては、買手たる輸出業者が、売手たる生産業者に対し、常に、優位な立場にあり、発言力が強いのが通例である。ことに、陶磁器を初め、他の雑貨類のごとき、中小工業地盤とする産業においては、この傾向が著しい。しかるに、今回の改正案によれば、輸出業者は、輸出組合という法的団体により、生産業者と協定を締結し得ることになっておるにかかわらず、生産業者は、個々の立場において、これに当らねばならないことは、普通でさえ弱い生産者を一そう不利な立場に置くものと解せざるを得ない。よって、協定は生産者団体と締結されるよう考慮願いたい。  それの説明書を申し上げます。改正案を見まするに、輸出業者側は、輸出組合のごとき団体でもって生産者側と協定ができることになっておりますが、生産者は特別の団体による交渉は認められていない。これは、さなきだに弱い立場にある生産者を一層不利にするものと思われます。陶磁器業界は、昨年、素地業者、完成業者、輸出業者の各団体間で、輸出振興総合対策を樹立し、三者相協調して着々効果を上げて居ります際、今回のごとき輸出側に偏した法案が決定されるといたしますれば、せっかく円満に進んで居る生産、輸出両団体の協調にひびを入れる結果ともなるのではないかと危ぐされておるのでございます。よって、此の際、協定に当っては、既存の生産者団体たる協同組合等を協定対象となし得るようにしてもらいたいと思います。  第三の協定の発議につきまして、取引に関する協定は、輸出業者、生産業者及び販売業者のいずれからも、自由に発議でき得るように御配属を願いたい。(註)といたしまして、最返、民自両党より提案された修正案によりますれば、ある程度、この趣旨が達せられるものと思考されますが、右修正案の採用が望ましいのであります。  それに対する説明を申し上げます。改正法案によりますれば、生産者が協定を締結せんとする場合、まず輸出側においてその必要があり、との認定がなければならないことになって居るようですが、これでは協定の発議権は、輸出側にのみあるというわけで、全く片手落ちというほかはないのであります。よって、発議は、いずれの側からでも対等になし得るよう措置せられたい。という趣旨であります。  第四のアウトサイダーの規制につきまして、アウトサイダーの規制に関する命令は、輸出業者に対してのみ適用せられることになっておりまするが、これを、生産業者または販売業者にも適用し得るよう改正していただきたい。  その説明を申し上げます。取引法第二十八条によるアウトサイダーの規制命令に関する規定は、輸出業者のみを拘束することになっておるが、これでは不十分であり、当然これに関連する生産業者または販売業者にまで及ぼさなければならないと思います。輸出組合と生産者組合協定締結ができれば、生産者側のアウトサイダーは自動的に取締りができることに相なり、輸出阻害を除去することができると思います。  要するに陶磁器初め雑貨類の輸出振興は、輸出と生産が一体となりともに協力することによって期待し得られるものであって、輸出のみの立場に偏することは、結局全体をよくする道ではないと考えます。ここで思い出しますことは、昭和五年ごろ陶磁器生産者は、安売競争を続け、自滅にひとしい状態となりましたが、当時現商工委員長であられる吉野信次先生が商工省におられまして、工業組合、輸出組合をお許し下さいまして、窮状を救っていただき、現在では、年間四千三百万ドルの輸出を見る輸出産業の花形に相なりました。幸い、この先見の明ある吉野先生が現参議院商工委員長として今日陶磁器の事情を御聞き取り下さいますことは、まことに因縁が深いと申さねばなりません。つきましては、前に述べましたごとく、陶磁器生産者の立場を十分おくみ取り下さいまして、特別の御高配を賜わりますよう、お願いいたす次第でございます。以上でございます。
  17. 吉野信次

    ○委員長(吉野信次君) いろいろありがとうございました。これはよけいなことですが、水野さん、この二の輸出業者と生産業者の協定というやつは、あとで役所に聞いてごらんなさい。そのやはり生産者団体と締結ができると思うのです、現行法でも。ただその生産者団体が、法的団体でないと、独占法の除外があるかどうかという問題があるでしょうけれども、それは中小企業協同組合なり、あるいは協同組合を作ればできるわけですから、この点はいわゆる杞憂じゃないかと思いますから、申し上げておきます。
  18. 水野保一

    ○参考人(水野保一君) そうですか。それはありがたいことです。
  19. 吉野信次

    ○委員長(吉野信次君) それから三の協定の発議は、今度の衆議院修正で、あなたの御意見通りになったようですから、この点は念のために、よけいなことですが、念のために申し上げます。
  20. 水野保一

    ○参考人(水野保一君) ありがとうございました。
  21. 吉野信次

    ○委員長(吉野信次君) それであと皆さんに一つ御質問があれば……。
  22. 河野謙三

    ○河野謙三君 非常に五人の参考人の方から貴重な意見を伺ったのですがね。その中にわれわれが現在までこの法案の説明に当って、政府当局から聞いておったことと非常に食い違いがあることも多々あるのです。でありますから、われわれがこの参考人の方にいろいろ御質疑を申し上げる前提に、まず今の御意見の中で、通産当局が、これは全く誤解であるとか、たとえば委員長から御指摘のような誤解であるとか、さもなければ全く意見の対立しているもの、これについて通産当局から一ぺん説明を聞くことがかえっていいのじゃないかと思いますが、その点お諮り願いたいと思います。
  23. 吉野信次

    ○委員長(吉野信次君) ごもっともです。どうです。政府委員の方で今のお話、ことに私がまあ個人として聞いていたのでは、大沢さんの御意見のごときは、実に私の予想しなかった点であった。そういう中小業者というものが、非常にこの法案というもののために困るといったような……。それについて一つ総括的に、われわれの参考のために、意見を述べてもらいたいのです。
  24. 大堀弘

    ○政府委員(大堀弘君) 特に先ほどの大沢氏の御意見につきまして、かなり根本的に食い違いのある点もありますので、私が伺いました事項のうちで、問題点だけについて申し上げておきたいと思いますが、一番の点は、この中小企業は、今度の輸出入取引法の改正が中小企業の圧迫にならないかという点であったかと考えますが、私どもは現在の貿易の現状から見まして、輸出の不当過当競争によって安値売りをする、そのためにそう安く売らないで、皆さんが十分利益を得て輸出をされればいいものを、過当競争によって利益を吐き出してまで競争する、これは今回の取引法の改正によりまして、業界の協定によって価格の安定をはかり、相手方のまたダンピング関税とか、あるいは輸入制限といった措置を未然に防止していこう、あるいはこちらで協定しました安定した価格で商売をしていく、業界も相当な利潤を得ていくというのが今回の法律の眼目であり、私どもといたしましては、むしろこれは全体といたしまして、日本の中小企業の利益のためになると考えておるわけでございまして、ことにこの法律の建前も、輸出組合の議決権は一人一票になっておりまして、実は戦前の組合法におきましては、出資口数なり、輸出実績なりで議決権をウエートをつけるという方法があったのでございますが、現在の法律の体系は、議決権は一票でございまして、むしろ中小企業に非常に有利な態勢になっておるのでありまして、私どもはこの点は何か誤解に基くのじゃないか、むしろ私どもは放置しておきますれば、非常に不当競争が行われ、不当競争の結果、かりにそのまま放置しますならば、大企業の方が有利な立場になるというのが一般的な考え方でございしまして、むしろ協定によって中小企業も安定して商売ができるという方向に立って参るというのが、この法律のほんとうのねらいでございまして、その点では私どもは見解を異にいたしておるわけでございます。  第二の問題といたしましては、輸出入組合の問題でございますが、これはどなたかほかの方も御発言がございましたが、私ども現在考えておりますのは、中共でありますとか、インドネシアでありますとか、特殊の輸出入の操作をいたしませぬと、貿易の拡大均衡がはかれないという措置に対しまして輸出入組合を設置するという考えでございまして、現在商品別の組合が三十四ありまして、これとの競合は業界の負担をいたずらに増加するという意味におきましても私どももこれを拡大しいくという考えは、不必要に拡大する考えはございません、むしろ現在のところは極力限定した地域に対して必要なところでやって参る、かような考え方をいたしておるわけでございます。この輸出入組合につきましても中共の問題がこれによって縮小均衡になるというような御心配もしておられるかと思いますが、私どもはもちろんその輸出入組合によりまして、中共の貿易も、インドネシア貿易も拡大均衡にもって参りたいということが根本のねらいでございます。中共につきましては先ほど御指摘のように昨年までの実績を見ますると、まさに輸入超過になっておりまして、五千万ドルの輸入に対して輸出は三千万ドル程度というのが現状でございます。私どもはココムの問題につきましては先般来大臣から御答弁がありましたように、私どもといたしましては、これを最大限度に広げて参りたいということで努力はいたしております。しかしながら現状におきましては、制限のもとにおいてもやはり現在出し得る最大限度に出すという努力を怠ってはならぬという考えになっておりまして、その意味におきまして現在先方から物を買います場合には必ず日本の物を買えというのが現在のバーター方式でございます。現在は個別バーターで、個々の輸入いたした業者が輸出するという制度になっております。これはなお貿易の実態から見ますと、非常に限定した制度でございますので、貿易の拡大のためには必ずしも合理的な制度とは思っておりません。現状やむを得ず個別バーター制度を中共に対してはとっておるわけでございますが、これはあくまでもわれわれといたしましては輸出を伸ばしていきたい、出し得る限度において最大限度物を出すようにしたいというのがねらいであります。従いまして輸出入組合ができるだけ全体の業界が一体となって輸出と輸入とを総合的にバランスをとっていくということができますれば、現在よりもさらに拡大均衡が得られるんじゃないか。現在よりは……。個別バーターですと、なかなか商社の間の利害関係があって拡大は望めないのでありますけれども、輸出入組合日本の全体の業界が入りまして、中共の問題は輸出入組合で取引される場合に輸出の専門家は輸出の専門の方で働いてもらう、輸入の専門方は輸入の専門の方で働いてもらう。これを組合で調整しながら、現在ありますような逆トーマスという問題も組合で調整いたしまして運営して参りますればさらに強力な折衝もできます。日本側に有利なかつ拡大の方向へ持っていくことができる、かように考えまして、しかも公的なこれは団体でございます、私的団体でございますと、独禁法の適用を受けまして、いろいろ窮屈なものであります。これは公的団体でございますから独禁法を排除してこれによって協定をして自由組合としての取引ができるわけでございますので、そういう意味におきまして私どもはこれはさらに中共貿易の改善のために輸出入組合を結成することが現下必要なことである、かように考えておるわけでございます。本件につきまして、先ほど官僚統制というお話もございましたが、業界の一部の人が何か動いておるお話も伺いましたが、私どもは輸出入組合はやはり中共に対する貿易の全体をやるのでございますから、一部の方でなく、全体の中共貿易をやはり全体の業界の方が集まって話し合いをして、この法律は組織法でございますから、この法律にのっとって適当な組合をお作りになるということが望ましいわけであります。私どもはそういう方向にいくものと期待いたしておるわけでございます。官僚統制の問題につきましては、むしろ現在は貿易管理体制でございまして、国営賛助から現在管理貿易になっておる。将来はむしろだんだんとこれをはずして参って、業界の自主的統制によってやっていくというのが私どもの根本的考え方でございます。従いまして業界の協定によって運営して参る、現在輸出を役所で統制して縛っておる、一々承認にかかっておる、こういうのを緩和して参りたい、その意味におきまして私どもは官僚統制でないむしろ業界の自主的統制を尊重して参りたいという根本の考え方に立っておるわけでございます。何か役人が組合の役員になるとかならぬとかいううわさというお話でございましたが、私どももこれ以上申し上げませんが、そういう事実はございません。私どもは業界で最適の方がおられるならば業界の事務を担当するのが適当であると思うが、もっとも適任者がいなければだれでもけっこうであると考えております。  なお若干こまかい点で誤解といいますか、法律が非常にややこしいものでございますから、御心配の向きがあったと思いますが、協定の締結について総会の決議協定の発効との関係でございますが、これは組合の総会におきまして協定を締結されまして、それで政府にお届けになって十日したら発効する、こういう趣旨でございますから、これは法律の書き方が、発効したときに締結があったものとみなすという趣旨でございますから、御趣旨の点御心配はないかと思います。なお吉野委員長の方から先ほどお話がございましたが、生産業者と輸出業者の協定の問題につきましても、これは実行の問題でございまして、今度の修正によりますとなおその点はやりやすくなっておるかと考えます。運用上期待に沿えるのじゃないかと考えております。一応気のつきました点だけ。
  25. 加藤正人

    ○加藤正人君 大沢さんにちょっと伺いますが、今の説明で、あれで満足されましたですか、さっき官僚天下りとか何とかいう点について、特に質問があれば答えるというお話があった、この際私は質問したいと思いますが、そういう実例があるなら示していただきたい。ああいう御答弁でありましたが、どうですか、それを聞かして下さい。
  26. 大沢三郎

    ○参考人(大沢三郎君) お答えいたします。この輸出入組合の問題がとにかく今非常に中国関係の輸出入組合を作るという点に問題が出ておりまして、一般の輸出組合、輸入組合を作るということについては、先ほど申し上げましたように、この独禁法が解除されて独占が強化される中で独占価格が形成されて、原料高の製品安になってかえって輸出がうまくいかなくなるのじゃないかということを憂えるのであって、その点は皆さんのお考えと非常に接近していると思う。ただ輸出入組合の問題については非常に違っておる。どういう点が違っておるかということはさっき申し上げましたが、私ども貿易促進をやっておる立場から申しますと、どうも輸出入組合というものをこういう法律で作り上げられて、その法律が出てきますときはもうすでに論議を尽さないで……、これは衆議院の商工委員会で非常に強く感じたのですが、論議を尽さないでどんどん議事が進められてしまって法案が上げられてしまう。だから輸出入組合というものについてはあるプランがちゃんと作られていて、そうしてそのプランによってどんどん進められていくのであって、弱小のいわゆる一人一票に当るものの意見はこの際聞かれないでどんどん大きな車が進んでいってしまうというような印象なり、感じなり受けておるわけです。そういう印象の中で特にこの輸出入組合の問題が出ておるのですが、この輸出入組合は、簡単に申しますと中日貿易関係ではほとんど必要がないというふうに考えておりますのに、どうして作るのだろうかということで問題になっております。その中で先ほど申しましたうわさというのは、これはかなり前からいろいろ言われておるわけです。特にこういう組合なんかできますときに、通産省のお役人の方々が天下りされるとか、それからそのためにこういうものを作るとかいうようなことが業界では常に問題になるので、今度の場合もそういうことが現にあるのだ、そういうようなことが用意されているのだというようなことが非常にこれは実際相当大きなうわさになっているわけです。で、そういうことがどうして出てくるかといいますと、先ほど申し上げましたように、自分たちの意見を取り上げないでどんどんどんどん議事が進行してしまって、そうして輸出入組合の取り上げ方も広く中日貿易に携わっておる者に相談があるのでなくて、どうも一部の、たとえば日本貿易会の一部の人たちに御相談があってそこに十五、六社の人たちが集められて、そうしてそこで定款までもどんどん作られていく、そうして人事に関してもどうもそこで交渉が行われておるようだ、そういうような点でどうも一人一票主義に最初から矛盾をしたような空気がある。ですからその点であらかじめ用意されたものを自分たちに押しつけられるのじゃないか、こういうような点でそういううわさが出て来たものと思うのですよ。で、うわさの根拠については、たとえばどの場所でだれだとどなたがお会いになったとか、そこでどんな話が出たというような問題もまことしやかに伝えられておるわけですよ。そのことはこういう問題の私は審議の仕方なり、もっていき方なりが非常にまずいと、それでこの一人一票主義に適合していないところから起ってくるのだ、こういうふりに考えておるわけです。その意味ではうわさというものを私はそのまま信用するわけではないですけれども、もし事実を、そういううわさの事実について申せといえば申し上げますけれども、側人的なものにわたるからなるべく避けたいと思うわけです。私が根拠があると申しましたのはそういう審議の仕方、一人一票主義と申されましたが、一人一票主義が最初から否定されておるような、そういう持っていき方にこのうわさの根拠があるのだ、従って輸出入組合については最初から何か暗影があるというような工合に言うわけです。で、お答えになったかならないかわかりませんが、そのような点ではっきりこういううわさが出る根拠があるというふうに私は申し上げるわけです。
  27. 加藤正人

    ○加藤正人君 承わりますと、その点を法律に盛り込んで審議する前に、すでにもり一定の計画ができておってそれを推進していくのだ、いくように思われると、しかしこの法律は官庁が作るものでなくて国会が作るものとするならば、これは国会もじゃあ官庁となれ合いで一緒に審議を進めたということにとれますが、それでその通りでありますか、それは官庁がそういう意思等を持っておっても、衆議院の商工委員という、国会がそれに何も同調してきめたものと私は思わぬのですけれども、あなたのおっしゃるところを見ると、たとえば通産省が意図するところを、衆議院の商工委員会の委員が同調してこういう法律をでっち上げたというふうにとれるのですが、そうとって差しつかえないですか。
  28. 大沢三郎

    ○参考人(大沢三郎君) お答えいたします。この輸出入組合に関する限りは、商工委員のどなたということはないのですけれども、たとえば中日貿易の促進議員連盟の民主党代議士諸君の中にですよ、そういうあるいは仕事に参画しておられる方があるといううわさがもっぱらであります。
  29. 加藤正人

    ○加藤正人君 官庁側、これでいいのですか、そういうもやもやした空気があるということは、はっきりしておいた方がいいのじゃないですか。
  30. 大堀弘

    ○政府委員(大堀弘君) うわさというお話でございますから、私はあえてその点は私どもはそういうふうには伺っておりませんですが、現在業男で話し合いが行われておるということは聞いております。現在ありますのは、中共関係につきましての団体といたしましては、御承知の国際貿易促進協会といいますか、それと中日貿易会、二つの団体がございます。中日貿易会の方が歴史が古いわけでございまして、おもだった商社はこれに入っておられるというように聞いておるが、この方の団体と国際貿易促進協会の方は、先般の協定交渉の際に設立されたものでありますが、業男の分野は若干違っておると思います。この両団体もこの設立についてはいろいろ御相談になっておられるように私は伺っております。一部の方がどうとか、あるいは国会議員の一部の方が関係しておられるということは私は存じておりません。そういうことはないと思っております。
  31. 加藤正人

    ○加藤正人君 私もそう信じたいと思います。この法律は中共貿易ということも将来大きなわれわれとして期待する貿易促進の一つの要素であることには間違いない。現在この法律が要ることは今までに輸出ドライヴによって日本の経済は立っていかなくちゃならぬにもかかわらず、廉売競争というようなことでダンピングのそしりを受けておる。ましてガットに日本が加入しなくてはならぬという重要な段階において、それが非常なじゃまになっておる。そういうふうな日本が実質的にもっと高く売れるものを安く売って、外貨を取得する上において損をしておる。のみならずそのことが同時に非常に非難を受けておるというようなことは、一日も早く払拭したいという大きなねらいであって、むしろ今日の少額な中共貿易は将来に期待するもので現在の場合においては、そう大して取り上げる問題じゃないと私は思う。そういう点からいって、そういう一部の小さい問題で、もやもやしているようなことが、それが確実でないといううわさであれば、そんなうわさのためにこの大きなねらいのこの法案が停頓するようなことははなはだ不愉快だと私は思う。
  32. 吉野信次

    ○委員長(吉野信次君) ちょっと申し上げますが、まあ今の御意見はあとにしまして、なるべく参考人に対する質問の方を先にお願いしたいと思います。
  33. 藤田進

    ○藤田進君 それは参考人の御意見に対して一々反撥しなくてもいいと思うんですが、ただ過去の実例を申し上げれば、経済安定委員会において取り上げ、今度は一緒になっておるわけです、この商工委員会に。電源開発法案にしたって、いろいろなうわさがあったが、結果的に見れば国会議員であったものがそこにすわり込んでいろいろな関係があった実例があるわけなんです。やっぱり、だからこれは結果を見なければわかりませんが、確かに私も通産省の某氏がここに行くのだそうだとか言われておるんで、これは結果を見ればわかりましょうから、この点はいいとして、私は参考人にお伺いいたしたいんですが、この提案の理由その他からおしていろいろ政府の御説明を聞きましたが、まず大沢さんにお伺いいたしたいんですが、日中貿易について政府の言い分を総合すると、中国においては独占態勢でもって事を運んでおるからこれが発展しないんだという説明があるわけです。これらの面と、今大堀政府委員の方の説明によると拡大均衡のためにむしろ輸出入組合が必要である。あなたの公述によるとむしろ縮小均衡に堕するということで、大きなここに開きがあるわけです。この点について政府側からあらためての機会にお聞きしたいと思うわけですが、あなたの公述の中でまだ私には十分納得のいかない不足の部分もあるように思いますから、この点についてあわせてお答えいただきたいと思う。
  34. 大沢三郎

    ○参考人(大沢三郎君) お答えいたします。この参議院の方からいただきました法律案の逐条説明の中にありますことでありますが、第一に相手市場においてその取引が独占態勢によって制限的に行われている場合、たとえば中共地域と、こうあります。で、今あなたの御質問がありましたけれども、制限態勢下に、制限的に貿易が行われておるかどうかという場合、それは見方によりますけれども、実際に仕事をしておる者の側から見ますというと、中国が特にこの貿易を制限して、そうしてそれが特に中国の、何か独占態勢によってそのことが行われておるというようなことは事実と反すると思います。それからそのために特に不均衡が生じておるというような事実はこれはありません。先ほども通産省の力から御説明がありましたけれども、不均衡が生じておる理由は明らかにココムの制限のために甲類物資が出ないということです。しかし許された範囲内においてもなお品物が出せるのではないかということが通産省の御主張ですけれども、それは売手と買手のことでありますし、特に中日間には貿易協定がありまして、この協定は、第三次協定では政府がこれに協力支持するという鳩山さんの書簡も出たほどでありますけれども、この協定によって大体甲類物資、乙類物資、丙類物資がきめられておって、甲類物資を交換するという原則があるわけです。従って今通産省の方から言われたように制限の解除されたものを買えばいいじゃないか、そういうものを売ればいいじゃないかということですけれども、協定精神並びに売手買手の関係からそういうものが売れないで逆に残が残っているというのが事実です。それを是正するために従って不均衡の是正はココムの制限を解除する必要があるのであって、そうでたければ協定なんというものは全部踏みにじって売りたいものと、買いたいものとが、中国から買っていい物を取って、こっちから悪い物を押しつけたっていいじゃないかということに、申せばそのようになるわけでありますけれども、協定を前提にし、そうして互恵平等の貿易というような工合にこの銘打った中国貿易においては、そのようなことはできない。従って不均衡の是正は主としてココムの制限解除によって行う以外にない。このようなことが業界の常識であります。それ以外のことがあったら承わりたいと思いますけれども、そうであります。それから従ってそのような不均衡によって関係業者が非常な利益を受けたという事実はないし、一般の消費者がそのことによって不利益をこうむったという事実があれば伺いたいと、こう考えます。そうしてなぜ、では拡大均衡にならないで縮小均衡になるかという点でありますけれども、拡大均衡に向うという点を通産省はどのような点からお考えになっているかと申しますと、これは一本の輸出入組合にまとまることによって、その輸出入組合が総合バーターを組んでいく、そうして通産省が従来行なっておった一品々々のバーターの許可を輸出入組合委任して、輸出入組合が自主的に総合バーターを行なっていくというところに主とした論点があり、論拠があると私は考えておりますけれども、その点が輸出入組合というものが何によって縛られているかと申しますと、その点は先日今井通商政策課長にもお伺いしたわけですけれども、この外国との条約もしくは国際的な取りきめというものによって協定が縛られるということになりますと、ココムの協定をどのように扱うかという点が一番重点になります。ココムの取扱いをこれを国際的な取りきめとするか、それとも国際的な取りきめとしないで無視するか、すなわちココムの制限にひっかかっているものが甲数の物資には第三次協定にもはっきり出ておりますが、第三次協定に、甲類の物資を協定の中に加えてこういう品物を取り扱うことを組合の目的とすることができるかどうか、こういう点が非常に重要だと思います、もしココムの制限を排除して、ココムの制限を顧慮することなく、そういう協定ができるということであるならば拡大均衡ができるという点が第一に考えられます。しかしもしその点が許されないとするならば、明らかにこれは縮小均衡に向う危険がある、そう考えます。  それから第二の点は、この今まで貿易がもし中日関係において拡大した事実はココムの禁輸が解消されたときにおいて大幅に発展されております。これをもし今のままの状態におきますと、一方において大資本と中小資本との対立が起るとともに、利益調整のために勢力を費して、肝心の貿易を拡大していくという努力、すなわちココムの制限に対していろいろな働きかけをして、日本の経済を自立の方向にもっていくという努力がむしろ国内の利益のバランス、利益の争奪に向うことによってむしろ国内に不安を醸成するのではないか、これが第二点。  第三点は、中国と貿易をしております一番大きな物資を申しますれば、米塩、大豆、次に起るものは石炭であり、それから鉄鉱石、こういうものが起ると思いますけれども、こういう原料、食糧の大きな部分は、これはアメリカの商品と対抗関係に立つ、これにソ連の石油その他の物を加えますと、日本という非常に狭い市場において、アメリカの商品と、こういう共産圏の商品とが争う結果になる。その結果大豆に例をとって申しますと、大豆を主とした商社が、アメリカ大豆を取り扱っておる商社を主として十四にしぼる、これは水上さんも見えておりますが、私ども十四のグループに関係があるわけですが、客観的に申しまして商社が系列化して参りますので、この十四のグループにしぼられた場合にはほとんど米ドル大豆を扱っている商社のイニシアチブの元にこの中国大豆が取り扱われるようなことになる。これがグローバル方式に移行した場合にはアメリカ大豆、中国大豆を両手に取ってどちらでも操作できるということになって、そうしてその間にきわめて自動的に市場の調節をしていわゆる中国貿易をやりたいという者が全部集まってその力でもって拡大していきながらアメリカとの物の関係をも調節するというようなそういう自動調節の非常に重大な機能が失われるのではないか、そういう点が第三点。  このように見て参りますと、通産省が考えられておりますような輸出入組合のその機能を果せるかどうか非常に疑問である、こう考えます。特にこのわれわれが懸念いたしておりますことは、現在の鳩山内閣が公約されました中日貿易の促進という点においては鳩山内閣ができて以後ココムの制限が解除された事例は一つもありません。ほとんどないのです。これは非常に不思議なことですけれども、最近で行われたのは吉田内閣時代だった。このようなことを考えて参りますと、肝心のココムの制限というものの解除は行われておらないし、そこに輸出入組合というような統制的な色彩のものが現われてきて、そうしてこれで拡大均衡だと言われてもうなずけません。こういうのが業界といいますか、促進運動をやりながら商売をやっている者の見解であります。  最後に、中日貿易の第三次協定が大豆、米、塩その他の問題でつかえております。これは主としてペーメント方式の問題でありまして、詳しくは申しませんが、このペーメント方式の打開について、日本の政府のとっておられる態度というものは非常に第三次協定精神に反するものではないか、従って第三次協定を前提にしてこの貿易を拡大していくという立場においてはそういう政府の意向並びにお考えに基いて輸出入組合が作られるとするならば、どうもこの輸出入組合については信用できないというような点をも含めて縮小均衡に向うというようなことを危ぐしているわけです。以上です。
  35. 海野三朗

    ○海野三朗君 私は野崎さんにお伺いしたいのでありますが、先ほどお話の中に貿易秩序々々ということをおっしゃったが、あの秩序というものはどういうことなんですか、その秩序をお伺いしたい。
  36. 野崎一郎

    ○参考人(野崎一郎君) 貿易が先ほど申しました通りダンピングが起るということは何にあるかということは、たとえば例を申し上げますと、アメリカに現在マグロのカン詰が四十万箱もたまった。何に原因があるかというと、やはり生産者、いわゆる共販会社がむやみに品物を向うに売った。先ほどちょっと申し上げましたが、いわゆる生産会社とか、あるいは生産組織のようなものが全部いわゆるプール機関になっておりまして、生産者のプール機関でありますから、この貿易商に対しては幾ら々々背負ったらどうだというふうに責任数量を持たせられますから、貿易商社は向うに盛んに持って行きます。持って行ってそれが持ち切れない。従って勢いそれに負っかぶせてどんどん出した結果オーバー・ストックになり、勢いそれだから値を下げなければならぬ。またあと生産する以上どんどんおっつけるということで、結局それが価格を下げなければ解決がつかなくなる。ところが向うの業者に言わせますと、一体アメリカにおいてマグロが売れるようになったのはどこに力があったのか、パッカーカン詰会社が、向うの連中が今まで宣伝工作をやって、それでこれだけ多く売れるようになったにもかかわらず日本から入るのは一割五分しか入ってこないではないか、それがお互いに競争をして値を下げる、値を下げることによってわれわれのせっかく販売したのをくずす、だからそういうことになってくる以上は、ダンピングにダンピング税をかけたらいいのではないか、こう出てくる。これは向うの理屈にもごもっともな点がある。ほんとうのことを言いますと、販売をするには日本の商社が向うへ参りまして、それで自分の地盤のすみのすみまでいわゆるディストリビュートする、ディストリビュートすることによってほんとうに売れていくというのがほんとうの筋道です。ところが戦後におきましていろいろの数多くの商社がそういうことをおやりにならないで、値さえ安くして売ればいいというので値をむやみにくずす、それがために向うの業者の利益も害するということになるのです。これを称していわゆる秩序を乱すということなのであります。そういうことになりますれば、いよいよダンピング税をかけられることになり、勢い向うとしましては、日本の商品は品物はいいのだけれども、値が安くなったり、あるいはフラクチエートがひどすぎる、それがためにどうも扱うのがいやになる、せっかくもうかるものを、扱うのがいやだと言って、日本の商品は売れるものを、非常に売れるものも売れなくなる。これは今のこの程度ならいいのですけれども、向うの商売まで荒すというような結果になるのですから、勢いダンピング税を課さなければならないということになってくる。それは何にあるかと言いますと、あまりに生産業者のいわゆる独占状態が今まで強かったと、こういうことなんです。これをいわゆる秩序を乱さないようにしていただく、これが輸出入取引法の精神ではないかと思うのであります。
  37. 海野三朗

    ○海野三朗君 悪い品物をダンピングで売り出すということは、それは決していいことではありませんけれども、少しでも値を安くして売り出さなければならないこの日本の現状についてはいかようにお考えになっていらっしゃるのでありますか。
  38. 野崎一郎

    ○参考人(野崎一郎君) お答えいたします。それはアメリカにおける市場というものは、幾ら数が多く行きましても、やはり市場には限度がある、その限度以上のものを多くおっつけるということはできないのです。それにはやはり……また共販会社の批判になりますけれども、やはり共販会社というのは販売が目的ですから、販売は向うの市場の情勢に応じてこちらの生産をかげんする、あるいはそれがいけなかったら他の市場に回す、あるいはそれができなかったら国内に回す。まあ現在国内におきましても、たとえばカン詰の例を続けて申し上げますが、実際において今のなま魚にしても高過ぎます。むしろ現在のカン詰は生産の工合いかんによってはもっと安く出せると思われます。たとえば実例を申し上げますと、カン詰の空カンの値段が現在マグロにおいて三割五分が空カンの値段なんです。あるいはミカンのごときは六割が空カンの値段です。カンを売っているようなものですから、このカンが安くなればもっと原価が安くなるのではないか、安くなれば国内に回す、もっと安いものを国内の消費へ回すことになりますれば国民の蛋白資源も多くなる、こういうことも起ってくる。ですから何でもかんでも向うにおっつけてしまうということになれば今のような問題が起るのでございますから、アメリカ市場をよく見てきてこのぐらいならはけるかどうかということを見ましてそれに応じて出す。言いかえれば販売の数量を宣伝によって増すということはいいですが、生産に応じて売るということはこれは無理です。現在の状況は生産に応じて売る、無理に売らせる。一升しか入らないのに二升も三升もおっつけるから問題が起る。ですから、その点はほんとうの共販会社がかげんをして、限度だからこれ以上はよそへ回すというようなことがあって初めて秩序が保てるというわけです。つまり限度があるのですからそれを乱さぬようにすることがいわゆる輸出の秩序であります。
  39. 海野三朗

    ○海野三朗君 ただいまのお話、そういたしますと結論といたしましては、この輸出入取引法の一部を改正する法案については賛成の御意思でございますか。
  40. 野崎一郎

    ○参考人(野崎一郎君) さようでございます。
  41. 海野三朗

    ○海野三朗君 しからば私は一つお伺いいたしますが、たとえば鉄鉱資源の問題にいたしましても、大きな製鉄会社がどんどん輸入をしている。これはもっとも直接向うとやっておるのでありましようが、この鉱石の輸入につきましてはあまり痛痒を感じていないでしょう。その上に輸出入会社を作ってまたそれを統制しようということになると、屋上屋を架することになるので、大豆にしても、あるいは塩にしてもみな今日まで一向差しつかえなくやってきておるように私は見ておるのであります。製鉄原料にいたしましても塩にいたしましても、あるいはペニシリンにしても、硫安にしても、とにかく輸出入のバランスということを言うて、ただいまも政府当局の答弁によると一つも納得がいかない御説明なんです。ですから今日は政府当局に質問することをやめて、もっぱら参考人の方の隠し立てのない御意見を伺いたいと思うのでありますが、中共に対しましても実際、均衡をはかる、はかる、はかると言いますけれども、拡大均衡をはかると言いますけれども、均衡にならないのです。この輸出入の調整をとらなかっなたならば、これはもうそれが均衡になる、拡大均衡になると言われても、これはどうしても私どもはすべての状況から見まして納得がいかないのであります。まあ、こういう点についてこの輸出入会社というものは、また屋上屋を架せられることになると私どもは考えるのでありますが、この点に対しては野崎さんはどういうふうな御見解をお持ちになっておりますか。果して中共の貿易が拡大均衡になるとお考えでありますか、縮小になるとお考えでありますか、この一点について。  それからココムの利限について先ほど大沢さんからお話がございましたが、鳩山内閣になってからココムのワクを一つも広げていないというお話、これはごもっともです、実際です、そういう点についていかようにお考えになっておりますか、御高見を一つ御披露をお願いします。
  42. 野崎一郎

    ○参考人(野崎一郎君) お答えいたします。どうも大沢さんと衝突することになることになるかもしれませんが、先ほど大沢さんからお話がございました通り、今までココムにいたしましても、個々のバーターであったのが、輸出入組合……会社ではございません、輸出入組合によりまして、そのバランスを合せる、総体で行きと帰りを組合で合せる、こういうことでございます。そうすれば、小さい範囲でやっておりましたことが大きな範囲でやることになりますれば、もっと大きなことができるのではないか、これが一つ。  それからココムの線を無視して進めるということは、これはちょっとむちゃではないか、現在の状況としてこれはむちゃではないか。ですからやはりココムの線は少くともソビエトの線までに緩和していただくというように保証していただくことはこれは政府の御尽力の結果いかんにあると思います。ですからこれを直すということが一番の要点であって、それでむしろ今の縮小均衡となるということについては、これはやはりココムの線をもっとゆるめるということと、それから同時に中共に対する貿易協定に対して、やはりこれも向うさんの要求通りあまりきびしいことを言わないで、できるだけ買ってもらうように努力してもらうということ、これも大事な点じゃないかと思う。ですから今の点を無理に……向うさんの御意向ばかりを元にして、それでこちらの方に無理をしいるということは、現在の状況では無理じゃないか。  それからなお吉田さんの時分はココムをゆるめて、それから今の場合にはゆるめないということは、これは実はよくわからないのですけれども、しかしながらこういうことはあると思う。吉田さんの時分には随分大きなきびしい範囲であった。これがかなりゆるめられまして、あとに残ったのはかなり怪しい線まで行っておることは事実です。一番困るのは中共とアメリカとの関係が、その後台湾関係をめぐってどうもおもしろくないということが、やはりココムをおろしにくい原因の一つじゃないかと思うのです。ですからこれはやはり、国際情勢に非常によるところが大きいと思います。今までは大きな範囲であるからゆるめられる範囲は割合にあるわけです。けれどもせんじ詰めてしまいました暁の締めくくりは、これは国際情勢の好伝以外に道はないのじゃないかと思うのです。ですからこれは機に応じ時に応じて絶えずココムの線をゆるめてもらいソビエトの線までやってもらうということは、中共の見方をアメリカがどのくらいの程度において見るか、これが非常に大事な線じゃないかと思います。
  43. 海野三朗

    ○海野三朗君 ミシンの輸出につきましては、二十九年度の実績の九〇%を通産省は今年度は許すつもりだと、こういうことを言っておる。まずこれが均衡縮小貿易の一端の現われですね。二十九年度において輸出した量の九〇%を許可する考えである。これを私がまず当局にこれからただそうとしておるのでありますが、これはその一端の現われなのであります。このための輸出入取引法のこの法案は、明らかに調整、調整と言いますけれども、結局失業者をよけいに出し、そうしてココムのワク内においてやらなければいけない。これは決して輸出は拡大いたしません。こちらでやりたいというものを中共では要らないと言うのです。それより向うでほしいという建設資材をなぜやらないかということで、この間雷使節団団長も議長室において松岡君に痛烈に詰め寄っていたのであります。どうしてもこれは、誤まってこの法案が通過することになりますれば、明らかに日本貿易は縮小することになるのです。私どもはそういうように考えているのですが、野崎さんはこれによって拡大均衡が得られると考えていらっしゃいますか。
  44. 野崎一郎

    ○参考人(野崎一郎君) 私はそう思っております。今のは、何が九〇%でございますか。
  45. 海野三朗

    ○海野三朗君 ミシンです。いや、よくわかりました。それでは野崎さんの御意見はよく拝聴いたしましたから、野崎さんに対する質問は……私は次に譲ります。
  46. 栗山良夫

    ○栗山良夫君 野崎さんと大沢さんにちょっとお尋ねしたい。輸出入組合の問題について、大体日本貿易会としては、通産省から立案に当って相談を受けられましたか。  それから大沢さんは日中貿易をおやりになっていると申しますが、中日貿易会に加盟になっておると思いますが、加盟になっておいでにならなければ別でありますが、加盟になっておるというと、中日貿易会の方は通産当局から立案について御相談を受けられたかどうか、その点をちょっと。
  47. 大沢三郎

    ○参考人(大沢三郎君) 私のところは中日貿易会には加盟しております。最初からの会員であります。この会が正式に輸出入組合についての御相談を受けたことはありません。それから日中貿易会として正式に輸出入組合についての態度を決定したこともありません。国際貿易促進協会といたしましては、これに加盟しておりますが、第二回総会で非常に強く中小企業並びにそこに働く労働組合の人たちを中心にして反対の意向が表明されたことに地方産業もこれに含めて反対の意向があった。ところが総会の中には多くの大資本の方々も見えますので、ただ簡単に総会の決議として反対の決議をとるのはまずいから、対策委員会を設けて大資本の方々の意向もよく伺い、そしてこれに対する態度をきめようということで、前後五回にわたって対策委員会を開いたわけです。その対策委員会の結果は、今私がここに持って参りましたように、大資本の方々にとってもこれは必ずしも有利ではない、特に中小企業についてはこれは非常に問題がある。特に日中貿易関係において輸出入組合を作るという根拠はほとんどない。このような結論に達しておるわけです。ですけれども、国際貿易促進協会がこの日本貿易会との関係において、この輸出入組合法の討議に参加した事実は、田島、山本両副会長が、日本貿易会を中心とするこの十五社の打合会に出席しておる事実はあります。しかしこれは明確に議事録にとどめておりますけれども、国際貿易促進協会を代表して参加したものではない。それから賛成を表明した事実はないということ、それからこれに条件をつけて、その条件官僚統制にならないということ、縮小均衡に向わないということ、それからほんとうにこれが中小企業の圧迫にならないということ、この三条件をつけて、そうして個人的に意見を述べられたことは、田鳥さんも山本さんもありますけれども、正式な話し合いはない。しかしこれはその点を明らかにしましたあとで、この国際貿易促進協会としての態度は、できるだけ早い機会に総会を開いた上決定するというような議がかなり強く起っておるということを御報告をいたします。
  48. 野崎一郎

    ○参考人(野崎一郎君) お答えいたします。私は国際貿易促進協会、あるいは中日貿易会という方面の交渉に当っておりません。専務の谷林君が主として個人的に当っております。この輸出入組合の問題はだいぶ前から話がありまして、それでまた中共からミッションの来る前からわれわれ貿易会の中でいろいろな問題が起りまして、中共との商売をしますにつきましては、これは貿易業者の半面の苦しみをお聞きおきいただくと一応御参考になると思います。中共との商売をいたしますには二つの難関があります。それはアメリカにおきますところの敵産管理令というのがありまして、これがもしも中共との商売をするについては外貨を封鎖するという例がありますので、それで対アメリカとの商売をしております個個の商社は非常にこれに対しまして神経過敏に働かなければならないという悩みがあると思います。それからもう一つは台湾貿易、台湾貿易において相当のまとまった商売をやっております。この商売が先ほどもちょっと申し上げましたが、原文を持って参りましたが、中共との商売をする者に対して非常にきびしく出て参っております。ですからこの二つの点をうまくやはりかげんしながら貿易業者というものは相手方が赤だろうが白だろうが、少くともいわゆるココムに許される範囲の戦略物資でない限りは商売はしていいわけであります。ですからこれをやりますにつきましては表立ってどうしてもできない。しかしできる場合についてはやはり組合か何かを作って、組合を通さなければならない。かといって個々の商売をまるっきり組合に取られても困るというようなところからいろいろ検討しました結果、最後に、これは輸出入組合であろうが、あるいは輸出組合であろうが、少くとも組合でやるよりほかないということの結論に達しまして、それでたまたまこのバランスが合わないことのために輸出入組合の結成を、通産省の案にありましたものですから、それに応じてそれを一つしようじゃないかということで、輸出入組合設置の案になりましたのですが、われわれの貿易会の会員内においてまだこの設置のところまで至っておりません。これは先ほど来いろいろお話がありますけれども、谷林個人貿易会を代表しまして国際貿易促進協会及び中日貿易会との間の折衝をしておるという程度でありまして、これがこの間において先ほど申しました通りの中小企業圧迫という点を非常に御心配でありますけれども、これは中小企業には何も関係はございませんで、加入、脱退自由でありますし、同時に不当なる圧迫は独禁法において許されないものでありますので、その御心配はないというもとにやっております。
  49. 栗山良夫

    ○栗山良夫君 いや、大体話の筋はわかってきましたが、と申しますのは、ただいま中共貿易のために輸出入組合を作ろうという御説明が同時にありまして、これはおそらく中心的なものであろうと思います。その場合に中共貿易がただいま片貿易になっておって、輸出超過になっておる、こういうことでありますが、これのバランスをとるのに政治的な問題というものを解決しなければいけない、これは今野崎さんがおっしゃった通りであります。そういう情勢があるのに、政治的な情勢がそういう工合でありますから、従ってそれを解決しなければ貿易は促進しないということははっきりしておるわけでありますが、これを裏から見ますというと、輸出入組合を作ったところで大してバランスをとるために役に立たないと、こういうことになると思います。そういう情勢にあり、野崎さん自身も、法律ができたところで、輸出入組合を直ちに作るというところの用意が今のところない……。
  50. 野崎一郎

    ○参考人(野崎一郎君) やっておるのでありまするが、谷林君がいろいろ国際貿易促進協会、あるいは中日貿易会と交渉中のようであります。
  51. 栗山良夫

    ○栗山良夫君 わかりました。そういうわけであると、ところがその実務をやっておる中日貿易会なり国際貿易促進協会ですか、そこの中の相当な部分に強い反対があるということが表明されております。で、非常に窓口の狭い、しかも貿易の量からいいますと今日のところではあまり大きくないこの中共貿易について、もっと実際実務をやっておられる方々の完全な納得と申しますか、理解の上にこういうものは作られていくべきではないかと思うのでありますが、なぜ通産当局はそこまで固執をしておられるか、実際の実務者となぜもっと突っ込んで話し合いをされないか、この点が非常に私は今疑問に思っておるので、通産当局にもお尋ねをいたしたいと思います。実は商社間の中でも、今日のような中共貿易の規模では輸出入組合を作ったところで一体何をするのだ、こういう若干の疑問があるようでありますが、実際に民間会社としてはどういう工合にこれをお考えになっておるか、この点も各参考人の方々の御自由な御意見を伺えれば幸いと思いますが、問題は、この輸出入取引法の中心になっておるのは、この輸出入組合の問題が独占禁止法の緩和の問題とあわせて、世論を喚起しておる問題だと思います。独占禁止法の緩和の問題については、もう各一流紙があげて論説をもって、衆議院修正の行き過ぎを攻撃をしておることをごらんになってもわかる通りであります。これはあとで質問いたしますが、まずその点についてお尋ねをいたします。
  52. 大堀弘

    ○政府委員(大堀弘君) この輸出入組合の制度は今度の法律でこういうものができるという制度を作るわけでございます。私どもは先ほど申し上げましたように、中共貿易につきましてはやはりこの際法的な独禁法の規定も排除した、この法的な輸出入組合組織によって業界がまとまっていかれることは適当である、かように考えておりますが、あくまでも法律ができましたら、これは組織法でございまして、この法律にのっとって業界がいろいろと話し合いをされて、やはり業界全体としてはこれに持っていく方がいいということで初めて組合ができるわけであります。そういう意味におきまして、今日のところ別に私どもの方から積極的にこれを作れとか何とかいう干渉的なことは何もいたしておりません。ただ問題は、現在の状態ではいろいろ私的団体はございますけれども、業界でまとまるにはそれぞれいろいろの立場で御意見がございます。おそらく今日御発言の皆さんの中にもそれぞれいろいろの立場で御意見があると思います。しかし業界としてまとまってやられる方が私どもとしてはいいと思いますので、そういうことでまとまれば、業界の方で輸出入組合が結成されると、こういうことになるだろうと思います。
  53. 栗山良夫

    ○栗山良夫君 通産省の言われることは非常に通産省自体の責任を事務的に、しかも第三者に投げかけるような格好でおっしゃっておりますが、少くともこういう輸出入組合というものが必要であるというので起案された以上は、もう少し強い御主張があってしかるべきだと思います。今のお話を聞きますというと、一応組織法として作っておいてやる、それでやりたければやったらよかろうというようなお話でありますが、少くともこの貿易のような実務に関する問題については、業者から強い要望があったときにそれが法制化されていくのが大体今までの建前だと私は思います。ほとんど通産関係の経済関係の法律というものは、業者から強い要望があって、それからだんだんと積み上げられて法制化されてきている。そういうわけでありますから、業界から中共貿易を拡大するためにどうしても輸出入組合が必要である、こういう要望があって、それにこたえて通産省が起案をされていれば、今度のような問題は私は起きていないと思います。今通産省が努力せられることは、野崎さんが今指摘されたように、中共貿易の阻害という言葉が悪ければ伸びないと申してもよろしいのでありますが、中共貿易が発展していない最大原因である政治的背景を排除するという、緩和せられるという努力をせられることが、通産省の一番大きな仕事である。その仕事は全然されないで、ただ組織法で輸出入組合を作っておけば何とか役に立つだろう、業者はよかったらお使いなさいというのでは、ほんとうに貿易振興のための通産政策とは私は思えない。この問題については、私は全体の方から御意見を承わっておきたいと思います。
  54. 野崎一郎

    ○参考人(野崎一郎君) ちょっとお答え方々申し上げたいと思いますがよろしゅうございますか。今の中共に対して輸出入組合を作るとか作らないとかいう問題がだいぶ論争になっておりますが、かと申しまして、この輸出入組合を作るということが必要ないのだということとはだいぶ違うと思うのであります。たとえばインドネシアが今約一億五千万ドルからの貸し越しになっておりまして、それでこれをどうしても、インドネシアというのは御承知のように非常にいい市場でありまして、われわれとしては多く売らなければならぬ市場であります。ですが、売れば貸しになる、貸しになるから勢い輸出権とか何とかいうものをもちまして、これに対して向うから買いながら売るというようなことにせざるを得なくなる。こういうようなところに対してはどうしても輸出入組合でも作って、向うから買うものと、それから同時にこっちから売るものをにらみながらやるということにつきましては、輸出入組合みたいなものができなければどうしてもだめなんであります。ですからその意味におきまして、中共の問題をもって輸出入組合の設置に対するかなえの軽重を問われるということはちょっと困ると思うのであります。ですから輸出入組合が必要であるということはこれは事実だろうと思うのであります。ですからその点も一つ御考慮下さいまして、それで一つこの法案だけは通していただきたいと思うのであります。
  55. 栗山良夫

    ○栗山良夫君 そうしますと中共貿易については、今さしあたって大して必要ではないということでございますか。
  56. 野崎一郎

    ○参考人(野崎一郎君) いや、それは必要であるのですが、いろいろ皆さんの御意見があるものですから。ですから私は必要だとみているのですが、しかし大沢さんのような意見がありますから、僕はあえてこれを問いませんけれども、しかし少くとも輸出入組合が必要であるということは事実だと思うのです。それを一言申し上げたわけです。
  57. 栗山良夫

    ○栗山良夫君 通産省はそれではこの輸出入組合を中共地区に向って結成するとかしないとかいう問題については、今一歩引き下って、広く各業界の意見というものを聞かれて、そうして摩擦のないように完全に業者の納得、理解をつけるような方法を講じたあとで善処される用意があるか、あるいは一部の相当強い反対があっても、それを押して強行していかれるのか、その辺の行政指導のお考えはいかがでしょうか。
  58. 大堀弘

    ○政府委員(大堀弘君) 私どもは輸出入組合制度は先ほど野崎さんからお話がありましたように、中共地区だけでなくその他の地域もございますので、輸出入組合制度というものはこの際どうしても必要である、かように考えております。  中共の問題につきましては、非常にいろいろの御意見がございますから私どもとしましては具体的に組合結成の際にはもちろん通産省としましては各方面の御意見を十分承わりまして処置して参りたいと、こう考えております。
  59. 海野三朗

    ○海野三朗君 今のに関連して、輸出入組合を何もそんなものを作らぬだって……。それは通産省じゃそういうことを監督しておるのじゃないですか。民間の輸出入組合を作って、そうして輸出入調整をはかるということもそこにやはりその政府の力が入らなければならないのじゃないか、通産省はどういう態度をとっておられるのですか、われ関せずえんとしておられますか、それをお伺いしたい。
  60. 大堀弘

    ○政府委員(大堀弘君) 通産省としてはもちろんこの中共貿易の拡大のためにいろいろと努力して参っております。私どもももちろんその責任があると思っております。輸出入組合が結成されまして業界で自主的に輸出入全体を調整して参る方が現在よりさらに効果が大きいのじゃないかと、かように私ども考えております。
  61. 栗山良夫

    ○栗山良夫君 それから陶磁器の水野さんに一つお尋ね申し上げたいと思います。ただいまいただいた資料の中で御説明をいただかなかったのですが、陶磁器の対米輸出政策とバンブーチヤイナについてという御意見が出ておりますが、これは日本の対米輸出について非常に重要な使命を果されておる陶磁器業界の切実な御意見だと思いますが、ごく要約してお話をお願いいたしたいと思います。
  62. 水野保一

    ○参考人(水野保一君) お許しを得まして、ただバンブーチャイナといいましてもおわかりにならない方が多いと思いますから御説明をいたします。このバンブーチャィナと申しますのは、竹の模様の安物の食器である、かように一つ御認識を願いたいと思います。つきましては陶磁器におきましてはお手元に差し上げてありますこの三ページにわたりますこれによって説明をさせていただきたいと思うのです。この陶磁器なるものは、陶磁器に対しましてはアメリカ生命線とも言うべき重要市場でありまして、従いましてこれを確保いたしますためには業界はアメリカ市場対策についてはこまかい注意を払っておるのでございます。すなわち日本の作りましたごく安いもの、低価格品がアメリカ市場に流れ込むといたしますれば、アメリカ陶磁器を作っております製造業者を刺激いたしまして輸入防遏措置というものをとられるということはこれは必至であるのであります。日本の陶業者及び米国の輸入業者、日本の陶業者と申しますと生産業者あるいは輸出業者これを全部さしておるのであります。米国の輸入業者と申しますのは、古くから日本陶磁器を買っていただいておりますバイヤー、これが対策といたしまして、たとえ目前の現在の不利不便というものは忍びましても日米両国の恒久的友好関係というものを維持したいというために、大局的な見地に立ちましてデイナー・ウェアーのチェック・プライスというものを組合で行なっておるのでありまして、元来日本の輸出業者並びに米国の輸入業者の方は、その商売の性格から御判断下さいましておわかりになるごとく高級品であろうとも、また下級品であろうともその取扱い金額が多くなれば多くなるほど利潤を得られるわけでありまして、従ってことさらに高級品のみを保護しようという意思は持っていないのであります。日米の陶磁器貿易につきましては長年にわたりまする経験によりまして前述のごとき輸出自重策が絶対必要であるということを痛感いたしまして、率先これを実施しておるのでありまして、右は、そのことは、戦前戦後を通じまして業界の一貫いたしました基本方針と相なっておるのでございます。  第二に、米国におきます輸入防遏の運動の実相というものを申し上げたいと思います。米国におきましては年中行事といたしまして公聴会におきまして日本陶磁器の輸入阻止運動が展開されております。この輸入阻止運動というものは米国政府の発議で起るのではありませんが、常に米国の製陶業者の熾烈なる運動に原因するのでありまして、米国の製陶業者がもう年来にわたりましていかに日本陶磁器をかたきにしておりますかよくわかるのであります。しかもこの運動は米国政府といえどもこれを抑止するということができないのでありまして、そういう点をよく御注意願いたいと思います。過去の公聴会におきましても日本陶磁器が今日までようやく事なきを得たと申しますのは、実に業界がかねてから堅持しておりまする輸出自重論のおかげでありまして、また一方日本陶磁器産業者及び輸出業者並びに米国の輸入業者の三団体によりまして公聴会のたびごとに多額の経費を支出いたしまして、アメリカにおける有力なる弁護士に依頼いたしまして、輸入防遏の対抗方策を講じてきておるのであります。最近でもありまするが、なかなかアメリカの輸入業者も非常に心配いたしまして、これは普通の手段では行かないから、日本から輸出する陶磁器を、輸出する千分の一というものをインボイスにチャージしてくれないか、この金によってそこの対抗策の運動資金にしなければならない。これが今アメリカに出しておりますのが一年間二千二百万ドルであります。千分の一で申しますと、約八百万円というものをアメリカの買うバイヤーが負担して、この対抗策に金を使おうと、かようなふうに申しておるのが現状であります。従いましてアメリカといたしましては、今回ガット加入ができますると、アメリカ陶磁器の関税が引き下げられるということに相なっておりますのは、アメリカの製陶業者は、最後の切札といたしまして輸入数量の制限というものをやかましく今唱えかけておるのであります。この例は新聞紙上で見ますと繊維製品にすでに現われておるという状態でございます。従いまして、今の安物のバンブーチャイナの処置といたしましては、米国の国内の生産状態を見ますと、下級品など安物の陶磁器は大量生産されておる。従って米国国内品をもって安物が十分に需要を満たし得る現状の状態でございます。昨今問題となりましたこのバンブーチャイナ、笹模様のディナー・セットのごとき低価格、これは現在のチエック・プライスの半分以下になっております。下級品を米国に輸出いたしますれば、米国の生産業者、製陶業者との摩擦を引き起し、その恨みを買うということは、これはもちろんでございます。必ずや輸入制限等の最悪に追い込まれるということが濃厚である。これを未然に防止するためには、いわゆるチェック・プライス制によって、その抑止をするのが当然の処置と言わなければならぬと考えております。もともとバンブーチャイナの輸入業者である米国の一商社は、過去におきまして陶磁器の輸入は経験はありません、日本陶磁器を一つも買ってくれないお客さんであります。従って陶磁器全体の将来、または一般の迷惑ということを考慮することがありません。ただ自己の目前の利益のみに走っておる方でありまして、わが国国家貿易の大局より見まして、かようなことは停止してもらわなければならぬと考えるのであります。また日本政府におかせられましては、昨年の末でございますか、この安物のバンブーチャイナの問題が発生いたしましたときに、過渡的処置とせられましてやむを得ず若干の輸出を認められました。本年の四月十五日以後は全面的にこれが輸出を停止するむね、業界並びに関係業者に指示されまして、米国の輸入業者に対してもこのバンブーチャイナを買わない、一般輸入業者に対してもそういうことを言明しておられます。従いまして本件は一応解決を見ておる次第でございます。ここにこのバンブーチャイナにつきまして政府の方とせられましては、一応業界の方が渡米して、この実態を国務省に陳情して来たらどうかというお話がありまして、今その準備を着々進めておるのです。と申しますのは、アメリカの法律で行きますと、通商航海条約というのがございまして、アメリカに対してチェック・プライスを作るということは不合理である、世界中どこでも一本の価格にしなければならぬものだ、しかるにアメリカに対してチェック・プライスを行なっておるということは、アメリカの法律を遵守しようとするものである、かような見解をとっておられるのであります。われわれ当事者といたしましては、アメリカだけでは問題が起るだろう、またアメリカ付近からアメリカに流入するというおそれもあるというので、アメリカのほかカナダ、メキシコ、パナマという方面はアメリカと同時にこのチェック・プライスは行なっておるのでございます。しかるにバンブーチャイナを買うお客さんは、アメリカの御承知の上院議員のマッカーシーという方と、特別の懇意な間柄ということを聞いております。従ってマッカーシーが国務省に向って、航海通商条約に違反した行為はいけないのじゃないかということを強く要望しておられまして、その反映がこちらの大使館の方へも伝って来ましてこちらに出張しておりますウェイルズという参事官の方もアメリカの法律をたてにとって強く支持しておられるようであります、従いましてこれにつきましてはわが国政府といたしましても、われわれ業界といたしましても、これは一応向うに行って国務省に話し、または向うの製陶業者とも卓をまじえて話し合って御了解を得る方法にした方がいいのじゃないかという考え方から、渡米するというような順序にまで進めたのでございます。しかしこの半分以下の安いものは現状といたしましては、日本の商品とせられましても、こういうものを出しては、後日に安物を出せば必ず問題が起るだろうという御見解のもとに、現在はストックになっておる。いきさつはかような次第であります。
  63. 河野謙三

    ○河野謙三君 この法案は、要するに対外的に非常に立場の弱い貿易業者、その背後の生産業者の立場を強化してやろうということですね、これは私よくわかるのですが、ところがこの貿易業者もしくは生産業者を取り巻く国内の中小企業者から見れば、現在でも小企業者から見れば貿易業者なり生産業者は強いのですよ、だからこっちの立場を対外的に強くして、この強い立場によって相手の障壁をぶちこわそうということでしょう、相手の障壁をぶちこわすことは困難であるからこれが返り玉になって、再び従来のように国内の中小企業の方にこの返り玉が来て、中小企業がより一そう苦しむのじゃないかという懸念を私が持つのですが一こういう点につきましては、特に大沢さんは中小企業の立場については御理解のようですから、こういう懸念があるかどうか。私はこの委員会でもかねて申し上げた一つの事例がある。現在輸出入貿易の陰に各港湾運送業者、倉庫業者、沖仲士、これらがどのくらい犠牲になっておるか、運輸省で認可した、政府が認可した公定認可料をです、三割も四割も頭をはねられて、この港湾で働く弱い立場の労働者が非常にいじめられている、これは事実なんだ、しかもその上に立ってこうしたですよ、輸出業者なり輸入業者なり、または生産業者の立場を強化する、対外的にはあるいは意味があると思う、そのはね返りが再び中小企業に来るおそれがあるかないかということについて、私は疑問を持っておる。私は必ず来ると思う。ただそういう措置によるはね返りは当然、必ずや並行してとらなければならぬというのが私の理論でございますので、これに関して貿易業界なり、また大沢さんの御意見をお聞きいたします。
  64. 野崎一郎

    ○参考人(野崎一郎君) お答えいたします。先ほど港湾業者が犠牲になっておるというお話はございますが、これにつきまして一言私は申し上げたいと思います。ことに横浜の問題が大きな問題になっておる。横浜が輸出品に対しては四十八時間内に輸出貨物を持ってこなければならぬという税関法になっておる。ところが横浜の輸出貨物の上屋は全部輸入の貨物で一ぱいになっておるわけです。ですから波止場にすぐ間に合うように持っていきまして……。
  65. 河野謙三

    ○河野謙三君 御発言中ですが、そういう具体的の事項を伺いたいのは、私も伺いたいのですが、時間もありませんから、私が申し上げた結論の中小企業の方にはね返りがよけいくるかこないか。
  66. 野崎一郎

    ○参考人(野崎一郎君) それはないと思います。現に今お話の港湾業者がむしろ不当な利益をとっておったのが、是正するということでありまして、この辺は非常に私は工合が悪いと思います。それですから、一応それに対する御説明をしたいと思ったからお話申し上げたのです。決して中小企業にははね返りはないと思います。
  67. 大沢三郎

    ○参考人(大沢三郎君) それは先ほどからいろいろ出ておるのですが、私は実際に中小企業がはね返りがあると言って憂えていることを申し上げているのであって、決して抽象的ではないと思います。特に中国貿易の問題でも御発言がありましたけれども、中国貿易を今までやっていたものがそういう心配があると言っておるのに、やってもみられなかった人たちがなぜないということが言えるかという点です。僕は強く言いたいのです。特にこの輸出入組合に非常に関心を持ち、こういうふうにやっておられる方々が先ほどもちょっと御発言がありましたけれども、今までやっておられないでこういう組合の陰に隠れて、今までやったものの成果の上にこはを独占しようというような意図を疑われておるわけなんです。でそれは確かにアメリカの圧迫があるからいろいろな仕事をするのに輸出入組合を利用されるのもいいでしょうけれども、しかしその結果が中小企業にまたははね返ってきてしわを寄せられるということは非常に困るし、社会不安を激成する。ことにこれは国際貿易促進協会の中でも、かなり大きな資本の人たちもこの法案が通って、もし生産者のカルテルができればわれわれもつぶされてしまう、そして大資本が利益を得た結果、やがて自分たちのところに利益が回ってくるまで待っておれない、その前にわれわれはつぶれてしまうということをはっきり言っているわけです。そのことが社会不安を激成する原因になるので、慎重に審議してもらいたいということが業者の間からまじめに出ているということは否定できないと私はこう考える。明らかにはね返りはあると考えております。
  68. 河野謙三

    ○河野謙三君 通産省はそれに対して何か備えがありますか、そういう前提をもってこの法案について何か備えていますか。
  69. 大堀弘

    ○政府委員(大堀弘君) 御指摘のように、この問題が中心企業にはね返って参るということについては、私どせ慎重に考えていかなければならないと思いますので、法の態勢といたしましては、中小企業安定法が大体これと同じ線で改正されておりまして、国内の協定につきましても、大企業の協定はもちろんこれは輸出のためにやるのですから、大企業と言わず中小企業と言わず必要なものに対しては全体の統制ができるようになっております。中小企業だけの立場を考えれば、あるいはその中の中小企業の方だけは安定法によって協定をし、それとまた大企業と協定をするということも運用できるわけです。またこの協定によりまして、この法律によりましても中小企業の方だけがまとまってまず協定をするということも可能であります。それらの点は運用の点で十分考慮して参りたいと思います。
  70. 河野謙三

    ○河野謙三君 この問題は後日私あらためて通産当局に質問します。
  71. 古池信三

    ○古池信三君 大沢さんにちょっとお尋ねしたいのですが、今のお言葉の中で輸出入組合を作りますと、今までその方を一生懸命やっておった人たちがオミットされて、今までやった経験のなかった人たちが集まってその貿易を壟断するのではないかという、そのような心配のように私ちょっと伺ったのですけれども、これは今までの実績、経験のなかった人たちがそういう輸出入組合を作れない立場になっているのではないでしょか、いかがでしょう。
  72. 大沢三郎

    ○参考人(大沢三郎君) それは輸出入組合を作れないということにはなっておりません。ただ資格というものは明確にあります。資格あるものの二分の一、過去三カ年間の実績が三分の二以上の人々があることが必要であって、そこに過去の実績のない者は入れないという規定は何もないということです。従って今仰せのようなことはない。これから過去に実績のなかった人やこれからやる人が入ってくることを妨げないわけであります。
  73. 古池信三

    ○古池信三君 今お話のように、私、組合を作るためには過去の実績、総額の三分の二以上を必要とするということになっておれば、やはり三分の二以上の実績のある人が集まってやるのですからそういう心配はないと思うのですが、いかがでしょうか。
  74. 大沢三郎

    ○参考人(大沢三郎君) それは、私が申し上げましたのは、今までやってきた、たとえば三分の二の実績のある者が集まってやります。ところがはっきり申しますと、三分の二の実績を持った商社の中に三井と三菱関係のとにかく第一物産は入っておりません。三菱商事は入っておりません。われわれはたとえば、永和とか一通とかダミーとかいうそれぞれ商社を使ってやっているわけです。ところが輸出入組合ができれば、この方々が入ってくることができる、入ってきた場合は、一社か三社お入りになるけれども、その影響力は、御承知のように、それは三井、三菱の影響力であって、一つや二つの問題ではなくて、もっと大きな影響がそこにあるというような点をも含めて、決してこれは簡単な問題ではないというふうに考えているわけです。で、もう一つは、そういう問題もありますけれども、それじゃ入ってこられることを排斥するかというと、そうではなくて、一緒にやっていただきたい、ただそれが今言ったように、ワクの中に押えちゃって、これでやれということじゃなくて、みんな一緒になって拡大する方向で、それを処理していただいたらどうか。それが、これにおいてはそうじゃなくて、ワクの中で多くの人たちが分け前を取り合うというような格好になる危険があるので、そういうことを防ぎたい、こういうことを言っているわけです。ですから、今までやってきたものがとびに油あげをさらわれてしまうようなことだけを私は申し上げたのではなくて、今までおやりになっていない方々が、輸出入組合が必要だというように特に御主張されているように感じられるのであって、特に中国貿易について一生懸命にやってきた人たちが、輸出入組合について持っている危ぐは、今私が申し上げたような点がはっきりとあります。
  75. 古池信三

    ○古池信三君 今お話がございましたけれども、これが組合を作らないで、無制限に自由に競争をするということは、これは現在の日本としては、やっぱり不適当だと思うのですね。そこでまあ、今まで気をつけなかった人たちが入ってきて、中小の貿易業者を圧迫するのじゃないかという心配は、これはあなた方のように、たとえば、中共に対して今まで非常に実績を持っていた中小の方々が、大挙してその輸出入組合に入っていって、そしてむしろ大きな業者と協定をするなり何なりして、それで全体の利益を守っていく、そういうふうな態度に出られていったらどんなものか。ことに先ほどの説明によると、その場合の組合員としての議決権はどの業者もみな平等であるということになれば、必ずしもその大きな資本の業者に圧迫されるというような心配は、組合の中の議決の面においてはないと思うのですね。そういうようなことは考えられないのですか。
  76. 大沢三郎

    ○参考人(大沢三郎君) あとの方からお答えして参りますが、大体これは衆議院の商工委員会にも出たのですが、中小企業のあり方は、大体組合を作っても、その総会で大きなことを言えるのはほんの一人か二人であって、ほとんどその輸出入組合ということになりますと、大体それがきまってしまうわけです。それが実情です。そこでできるだけそういうものに、そういう形にはなっていきたくない。ですから今ちょっと中国貿易会という機関貿易促進協会という機関で、今までやってきたこの自分たちの実績と、非常に未熟なものですけれども、未熟なやり方でも調整してそれを伸ばしていけないか、そういう願いを持っているわけです。それにぽっかりと輸出入組合ができてそれに変ってしまう、あとのものはみんな要らない、極端にいえば思想団体になってしまって、取引については一切そちらでやれということになるところに非常な不安があるわけです。私たちが組合に入ってやるという問題になりますのは、私のところは今言われたように、大豆の問題でも組合に入れる実績を持っておりますから、そういうことは個人として問題はないが、一般的に御報告を申し上げましたそういうことが非常に強くあるわけです。ですから一人一党と言っても、なかなかそう簡単に自分たちの思うような組合ということになると、ちょっと言いにくいのじゃないか、特に官僚理事者でも送られて、そしていくと、今の豆のような例になっちゃしないか。オファーをもらって届出をしようと思っても、五千トンというワクがかけられて取引ができないというのが五十社もできたわけです。そういうところから大きな不安が醸成される、こういうことです。
  77. 古池信三

    ○古池信三君 そこで私はいろいろな団体があることもいいかもしれませんけれども、せっかくこういう構想でできているものならば、できるならばこういうものに建設的に協力をして、そうして今まで実績のある方はもちろん、実績がなくても入られるということであれば、そういう人もどしどし中小企業から入ってきて、その輸出入組合の運営をそういう人たちがむしろリードしていくというふうに迎えたらどうか、かりに今お話しになつた役員について、いろいろその人選の問題についても御意見があれば、そういう場合に中小貿易業者の方が多数おられれば、それぞれ一票を持っておられるのですから、自分たちの適当と思われる人をその役員に推薦し支持していかれればいいじゃないか、必ずしも大きい業者が来たからそれに圧迫される、そういう理由はちっともないので、どんどん主張をお伸ばしになったらどうかという感じを私は受けておるのですが、その辺は非常にむずかしいのですか。
  78. 大沢三郎

    ○参考人(大沢三郎君) その辺が中小企業のあり方として非常にまあ弱いものですから、そういう点が非常に心配なんです。一人一票の問題でいろんな問題がありますけれども、そういうものはほんとうに運営されるという条件は、どうも今の自分たちがやっていることを育てていけばあるけれども、何か急にこういうもので作られてしまって、どうもその上に、独占が一方ではどんどんこれと関連して強化されていく、材料も高くなる、製品は輸出関係で締められていて、そこに安くとられるというような、まあ生産者の協定の問題になりますけれども、そういうような危険を感じておりますので、できる限りはこういうものじゃなくて、今までの促進運動という形でもう少しゃれないか、今まだ時期が早いのじゃないか、簡単にいえばもっと拡大して、取引もノルマルになって、そうしてたとえばアメリカがやっていたり、イギリスがやっているような取引になったときには、それは考えられるかしらぬけれども、今はちょっとそういう時期じゃないんじゃないか、こういう意見が圧倒的な意見なんです。
  79. 古池信三

    ○古池信三君 先ほど来いろいろ参考人からの御意見も伺いましたから、これは賛否両論あるのは当然のことでありますから、時間もだいぶ過ぎましたから、この辺で午前中の質疑は打ち切っていただいていかがでしょうか。
  80. 吉野信次

    ○委員長(吉野信次君) なお、午後はちょうど皆さんの御心配になっておる中小企業の方の代表者の方も見えるわけでありますから、それではよろしければ休憩いたしたいと思います。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  81. 吉野信次

    ○委員長(吉野信次君) 大へんどうも暑いところ、長時間皆さんありがとうございました。厚くお礼を申し上げます。  それではこれで暫時休憩をいたします。    午後一時十三分休憩      ―――――・―――――    午後二時十三分開会
  82. 吉野信次

    ○委員長(吉野信次君) それでは午前に引き続き委員会を開会いたします。  皆さん大へんお暑いところをお忙しいところをおいで願いまして非常にありがとうございました。  先般御了解を得ました通り、輸出入取引法の一部を改正する法律案につきまして皆様方の御意見をお願いしたいと思います。すわった順序で永野さんから話していただきまして、一通り十分か十五分くらいでお話を願って、それからあと皆さんお済みになってからまた各委員から質問もあると思いますから、大へんお待たせいたしまして申しわけございませんでした。午前中長くかかったものですからはなはだお待たせいたしまして失礼いたしました。  それでは永野さんからお願いします。
  83. 永野重雄

    ○参考人(永野重雄君) 日本の現在置かれております環境から見てどうしてもこの島、領土でできない物資を獲得いたしますためには輸出を振興するほかあてがない。これは今さら申し上げるまでもないと思いますが、ただそれに対して日常のわれわれの仕事をやっております経験を通しまして若干の不便がある、そういう輸出の伸張に対して多少とも支障がある現在の法律を是正されるという企てに対して、われわれはこれに対して関心を持っておるわけであります。われわれ当面の事業をやっておる者に意見を申し上げる機会を与えていただいたことに感謝する次第であります。  輸出の問題でありますが、現在あります独禁法では、これはわれわれの法律知識のない者が申し上げることですから当らぬかもしれませんが、国内の大衆と申しますか、国民の一部に対して不当な圧迫を与えるから同業者が提携してはいかぬ、その利益を守ることが独禁法の問題の一番大きな精神だと思いますけれども、国際取引については、そういうケースはほとんどないのじゃないだろうか。外国の消費者が影響を受けることはあるかもしれませんけれども、日本のどういう方面に被害を与えるだろうかということはわれわれただ想像するだけでは見当がつかないのであります。だれも損するために申し合せして安い値段で売るというわけではなくて、想定されるのは不当な高値を申し合せをするのではないだろうか、利益になるような共同歩調をとるのではないかということが想像されるのでありますが、従ってそうなれば相談をし合う者、あるいはそれ以外の人であっても不利になることがちょっとわれわれとしては想定される。かりに協定に入らない人であっても一定水準以上の話し合いをするとなればその下をくぐって、露骨な言葉を使えばくぐって激烈な競争をするよりやりいいわけですから、どのくらいこの負担があるかと、こう考えるのであります。そこでこの輸出貿易に対しましては、今のような観点からでしょうか、世界各国の独禁法という法律のある国でやっても非常にゆるやかな措置、もしくは除外的な措置をとっておるのでありまして、日本としては現在の独禁法にゆだねられるのではなくて、そういう措置をできるだけ大幅にやっていただきたい。極端に言えば、今言ったような見地から、輸出入の問題に関する限りは独禁法を全面的に除外していただきたいというような気持を持つのであります。さっきも触れたつもりでありますけれども、同じ法を作られるにしてもその国の環境に従って違うのであるから、非常な大きな領土、資源を持っておる国で比較的少い人で国の産業経済を営んでおる場合には、ともすれば協定等が過度にしやすい関係上他に及ぼす影響があるケースが多いかもしれませんけれども、日本のようにこの小さな島に八千数百万人うごめいておる、極端な安値競争のチャンスはあり得ても提携して国民に被害を与えるような機会はかえってあり得ないというようなことがわれわれの根本の考えをなすものでありますから、こんなようなことを申し上げておるわけです。それと現実の問題といたしまして、初め政府の一応の原案が出て、それに対して修正案が出たと承わっておりますが、この修正案に対しての意見だろうと思うのでありますが、組合を作って共同の話い合いをする場合に、メーカーの立場と商社の立場とで扱いが若干違っておるように伺います。商社は組合の共同の話し合いをするのに届出でいい、メーカー、生産業者は認可が要るというように伺っておりますが、どういうわけでこの間にこういうへんぱな処置が行われておるかを疑問に思うものであります。われわれのささやかな経験を通じての事業の立場から考えましても、今日の輸出の話し合いをします場合に品質にしろ、製造納入の時期にしろ、量にしろ、製造業者が無関係で話し合い、応答ができるわけのものではないのでありまして、実態は製造業者が話し合いをして初めて先ほど言ったような意味の実効のある申し合せができるわけでありまして、そもそも輸出業者にゆだねられる範囲ももちろん絶無とは言えないと思います。業種品種等によってはあると思いますから、これがいかぬというのではもちろんございませんが、少くとも生産業者と輸出業者は同じ扱いにしていただきたいと思います。また生産業者の認可とはなっておるけれども、認可を申請して二十日ですか、たてば自動的に認可をしたことになる、あるいは同一の効果になる。まあそういう扱いのように伺っておりますが、しかし申し合せの内容にもよりますけれども、この法の期待しておられる申し合せの内容がどこまで大幅なものか、あるいは各論的な一つ一つの申し合せを指しておられるのか、はっきりわかりませんけれども、まあわれわれの立場として、後者をとった場合が特に気になりますが、今国際競争は、物によって相当激甚なものもあり競争が全然ないものはおそらくないといっていい次第であります。従いまして、競争相手のある商品についての輸出の場合に、相当長期間ほっぽり出しておけば他に取られてしまう。俗に言う商機を失するわけであります。また往々にしてありがちなことでありますけれども、いつの日か認可なら認可をはっきりしなければならぬという形になっておれば、まあ無意識にといいますか、潜在意識的に督促を受けたような気持になるでありましょうが、二十日たてば自動的に認可をしたと同じになるということになればつい気楽になって放任されがちなことが起きはしないだろうか。従って、認可が二十日間たっておりるとすれば、今言ったような商機を失するおそれがあるのではないかということも考えられるわけでありまして、従って、届出で済むものならば、生産業者、メーカーの場合にも同じような扱いにぜひしていただきたいと考える次第であります。また先ほど全体の考え方として申し上げましたように、独禁法全体的の考え方から申し上げますと、個々のケースでも、最後には独禁法で締めくくりができて、あとから整理ができるようなことになっておる。言いかえると、輸出入の取引についても独禁法が発動できるような形になっておるようでありますけれども、これが実際の商取引に対してブレーキをかけるような結果を及ぼすことは先ほど申し上げたような意味からもできるだけ控えたいという気がいたしますので、従いまして、輸出入貿易に関する限りは、独禁法は全面的に排除していただいた方が輸出増進の上からも、これがまた日本の今置かれている国策として輸出伸張に必要な措置ではないか。こう考えますので申し上げる次第であります。  またちょっと御参考までに……。過去のわれわれの仕事を通じましても、ヨーロッパ諸国と競合する輸出市場が割合あるのでありますが、各国はほとんど値段というものが動いておりません。価格のカーブをとってみますと、ほぼ直線に近いカーブをとっておりますけれども、日本はてんやわんやでやっております関係上、まあでこぼこといいますか、今までの何ではむしろ急激に下降一点張りで下ってきておる。また場合によりますと、お互いが輸出をあせるの余り、世界中のどこよりも安い値段で日本だけで何位か出て競合してばかな値段を出して、そのために日本国益を損しておるという具体的の例を幾つか見るのでありますから、ただいま申し上げたような気持を一そう深くする次第であります。
  84. 吉野信次

    ○委員長(吉野信次君) 次に上条さん。
  85. 上条盛雄

    ○参考人(上条盛雄君) 本日は農機具関係の方から今度の法律改正に対する意見を述べる機会を与えられて大へんありがたいと思いますが、私の方は企業自体が非常に特殊性がございますからして、一般的な立場というよりも、農機具自体の立場からこの法律改正がどういうふうな影響をするものであるかということを申述べておくみ取りを願いたいと思います。  農機具につきましては、皆さん御承知でございますけれども、農家の使うものでありまして、われわれの毎日食前に上る食物も幾つかの農機具の過程を経てくるわけですが、何分特殊な企業でありまして、単に農機具と申しましても、実はそれを分析いたしますと、非常に各種類の機種がありまして、全くそれはもう別企業のような形になっておるわけでございます。しかも、一つ一つの農機具の需要時期というものは非常に限定されておりまして、一つの農業に必要な農機具を一セットそろえるにも約六十種の農機具が要るというような企業でございます。またその製造メーカーの立場を見ましても、たとえばアメリカのインター・ナショナルというようなああいう農機具メーカーにおいては、一企業において一切の農機具を製造しておるわけでございますけれども、日本の農機具工業は、大部分がせいぜい三種ぐらいの機種、大体一機種あるいは二機種の製造でございまして、一企業によってすべての農機具の生産ができるという企業体は一つもありません。従って、単にその企業が、あるいは三百人なり四百人の企業だからといって、ほかの機種の企業とは何ら衝突しないというふうな特殊な企業体でございます。それだけに、この農機具工業は確かに一般の企業からおくれているわけでございます。一つの農機具が一年中使えるわけでありません。ほんのわずかの期間しか使えませんので、そういう企業の経営自体も非常に特殊的な経営をしなければやっていけないような状態でございます。ところが、最近におきまして、東南アジアに対する農機具の問題が非常に大きな課題になってきたわけでございます。と申しますのは、東南アジアの諸国が独立いたしまして、各独立国ともにその八割は農家であるという農業国でございますので、まず農村復興ということが非常に大きな課題とされておるわけで、これに対して、いろいろ国際機関だとか、あるいは特定の国々が援助を向けられておるわけでございまするが、そうした機運の中で、米を中心として狭い耕地を対象として発達した日本の農機具に対して非常に大きな関心が持たれてきておるということは御承知の通りでございます。すでにこの日本の農機具についてかなりの引き合いも最近できてきておるわけでございます。それに対して、私たちの業界といたしましては、すでに昨年まで五回にわたって輸出展覧会を東京でして、輸出業者の方々とか、あるいは外国商社の方々に農機具の実情を知っていただく機会を作っておるわけでございます。また海外におきましても、ラングーン、あるいはパキスタン、あるいはタイ等で実演会をやっておるわけでございます。ところが農機具には一番困難なことはサービスの問題でございまして、相手が農家でございますので、使うためには使う指導をしなくちゃいけないし、また導入してからは、その使用期間がわずかでありますので、そのわずかの使用期間に適期を逸しないようにこれを効率的にやるためには非常にたくさんのサービス機関がいるということと、あるいはその複雑な事情の中で使われるものですからあとのサービスということも非常に必要になってくるわけでございます。そういうものを今東南アジアの方面で要望されるからといって、出して果して十分にその日本の農機具を使いこなせるかどうかということは、実は私たちは疑問に思っておるわけでございます。しかもその実態が今までの英国その他の植民地時代にはある特殊な方々が農家の農産物をとって加工する、あるいは精米機とかそういう設備だとかそういうものが主でございましたけれども、御承知の通り現在は農民自体の生活向上ということに向けられておるものですから、そこへ持って行く農機具も六十何種かの非常に多くの農機具を持っていかなければ向うの農家に喜ばれない。またそうするためには非常に多くの企業体が一緒にならなければこれが輸出ができない、こういう状態でございまして、この問題については政府の御援助を得て東南アジア全域にサービスセンターを設けて今後そういう問題の解決に当ろうとしておるわけでございまするが、ここで私たちがこの数年間一番苦い経験をいたしたことは、その貿易引な合いがありましたときに、輸出商社の方々がメーカーの方々へ見積りを出すというようなことでございます。これはまあ当然なことでございますけれども、その中で農機具といっても各地帯によって全部向き向きがございまして、必ずしもどの農機具もどの地帯にも向くというものはほとんどございません。やはり地帯地帯に向くものでなければなりませんが、それをただ価格の上で、たとえばもみすり機とか、あるいは脱穀機というような名前のもとで見積って、そのうちで一番安いものを取引するというようなことをされるために、輸出するためには全体がオールスティールでなくちゃいけないとかいうような過去のいろいろな経験で得た一つの研究問題などは度外視して、安いものを取引されるというような非常に苦い経験を持っておるわけであります。その一例をあげますと、一昨年インドから相当のもみすり機の引き合いがございましたときにも、それがどう考えても採算の合わない価格でもってそれを出したメーカーがあったわけであります。そのメーカーは実は企業をそれでやめられる方でして、海外へそうした最後整理のような形で出したということ、ところがその後はインドにおきましてはほとんどそれが標準格価になりまして、あとはどうしても引き合いが、値段の話し合いがつかない。もう一つはつい最近でございますけれども、ポイント・フォアの資金でフィリピンで約九千万円くらいの農機具の買付があったのでございますけれども、これなども非常な不当な競争と、見にくいいろいろのトラブルのためにその大部分が英国の農機具の引き合いにいって、わずかに七百万円しかこちらにこなかった。しかもその七百万円が非常に安い価格で引き合いをしてしまった、こういう状態でございます。私たちはこういう状態が今後とも続いたならば、せっかく東南アジアの方の農家が日本農機具を導入して農業経営を改良しようということで、それにできるだけ協力しようということに加えて農機具の輸出振興をはかろうとしましても、こういうことが次々と起ると、おそらくメーカー自体としても輸出に対する熱意は全く欠けてしまう。しかも、つい一昨日の話ですけれども、ブラジルの方へ今私どもの方は非常にたくさん農機具が出ておりますけれども、非常に多くの農機具が出るので、ある新しいメーカーが法外に安い価格で向うへ見積りを出したために、向うの輸入業者その他が非常に混乱しているというニューズを得たわけでございます。こういう農機具のごときこれから市場を開拓していこう、しかもできるだけ現地に沿うものをこれから研究もしていこう、それから現地に日本農機具を扱うサービス員を養成していこう、農民にも使い方を教えよう、こういう段取りをしているときに、そういう価格で採算の合わないような取引が次々と出ますと、これは日本農機具の輸出振興に一番大きな影響が出ることは明らかでございます。そういうときにわれわれとしてとるべき手段としては、メーカー同士で価格を協定して、とにかく向うのサービスとかいろいろのものを含めて協定した価格でこれ以上低いものはやらないという手段をとるよりほかないということを寄り寄り協議をするのでございますけれど、それは皆独禁法に触れるということでその実行が行われなかったのであります。そういうさなかに今度の法律の改正が出ましたので、私の方の業界としてはどうしてもこれがわれわれのほんとうに今後の貿易振興の基盤になるというような考えで、この法律改正に対して歓迎をしたわけでございます。  ところが先ほども永野さんがおっしゃいましたように、ことにわれわれの農機具につきましては、各地区地区なり、あるいは農産物なり、あるいはその農慣習なりによって導入とか輸出する農機具も違いますし、いろいろありまして、その取引の基本的なものは常にわれわれメーカーが現地とよく話し合った上で、あとのお取引の点だけを商社にお願いするという形がほとんど大部分であるべきだと思うわけでございますが、そうした場合に、現在のこの法律が輸出業者の方々の面については非常に簡易な手続であるにもかかわらず、メーカー側の関係については認可というような制度をやっているのはどういうわけだろうか。むしろわれわれの業界につきましては、商社の方が協定をなさる場合においてもむしろわれわれに相談の上できめなければ値段はきまらぬはずだ、またそういうことになってこそ今度の法律改正の趣旨が徹底されるのだ、こういうふうに私たちは考えるわけでございます。そこで私たちの業界として願いたいことは、その法律を商社並みにしていただきたいことと、あわせて農機具ということばかりでなくして、生産業者だけの輸出組合と申しますか、つまり取引はさせないところの農機具の輸出をしようとする君たちの一つの団体を結成させて、そこで共同研究なり、あるいは価格なり、あるいは数量なり、そうしたものを検討させてはどうだろうか、こういうことを私たちはお願したいわけでございます。というのは、農機具はもちろん国内の農業で農機具を使用しない農業って何もありませんから、これが輸出が急に出ましても、またあるものによっては今度は国内の需給関係に支障を来たすということもなきにしもあらずでございます。これは現に、かって満州へ農機具を出したころには非常にこの弊害が起きまして、ついには内外地需給調整法という法律によってこれを調整したわけでございますが、この農機具も現在の情勢で見ますとそういう現象も起きるのではないかという見通しもあるわけでございます。そこでそういう問題を調整するメーカー側の一つの機関というものをこの輸出入の法律の中において設けるというようなことが必要ではないだろうか。またこれは私の方の業界ばかりでなくて、他の業界においても多少そういうものが必要でないかと、こういうことを現在お願いしておるわけでございます。つまり業種別の生産者だけの輸出機関、こういうことを望んでおるわけでございます。ついにこれは輸出入組合のことに言及するのでございまするが、この輸出入組合につきましても、これは農機具の特殊性というものから考えますと、たとえば中共に例をとりましても、中共側が農機具のようなものを一本で入れるという事態が実際は実情に沿いません。ということは、農機具のごときは、消費面というものがはっきりわからなければ、これはどうしても輸出は伸びていかない、これはもう自然というものは非常な不公平なものでございますからして、ありとあらゆる状態において作る品種も違いますし、土質も違うというようなことがございまして、その入った農機具はどういう所へいったかということが、常に実態がわかって次の輸出が伸びる、あるいは改良が施されるということになるわけでございます。しかしまあこれは向うさまのことですから、これを云々しても仕方がありませんが、それに対してこちらも一本になるというお考えについてはよく了解できますけれども、この農機具のような非常な複雑なもの、たとえば脱穀機にしても、人力もあるし、動力もある、あるいはもみすり機にしましても、米の品種によってほとんど全部がまんごくの網目が違う、日本においても二十何種類という網目を各米の品種に応じて供給しておるというようなことのものを、この輸出するときに一本でやるということ、そういうことが果してできるかどうかということでございます。ことにこの輸出が一本になった場合に、私たちの非常に危険に考えることは、つまり一銘柄に集中していく、一銘柄に集中していくというようなことは、やはりその農機具の発達、あるいは現地の実情に沿う範囲が狭くなる、それだけに市場をまあ狭くするというようなことで、決してこの農機具を広く供給するということにもならないというので、私の方としましては、この一本々々ということは、実情これはよく了解できまけれども、それは輸出入の調整機関というようなことにして、実情はやはり先ほど申しました業種別の機関を作りまして、そうしてそこですべての自主的な仕事はやる、そうすれば中小企業というようなものの面も広範囲に解決できますし、またこの農機具のような複雑なものの取引というものも、あまり問題なくやれる、従ってこれは輸出事務はやりませんか、そういう機関を、今度は中共側なら中共側の方としましても、輸出したものは、たとえば農業関係の機関にそれを受け入れさすとかいうことになるでしょうから、そういう機関と十分に結びつけることをして、それがどういうことになったか、使ってみて実情どうかというような問題は、そういう機関同士が連絡して逐次解決するというような、そういう運用面と申しますか、そういう面をぜひしていただかなければ現在のままではわれわれ業界としては、かえって輸出は非常にうまくいかぬのじゃないかという、要するに一つの疑問を持っておるわけでございます。以上一つ申し述べて御了解をいただきたいと思います。
  86. 吉野信次

    ○委員長(吉野信次君) それでは次に宮田君にお願いいたします。
  87. 宮田忠雄

    ○参考人(宮田忠雄君) 私、鉄道車両関係でございますが、ごく簡単に申し上げたいと思います。  鉄道車両は、御案内のごとく、戦争前までは、支那、満州、朝鮮、台湾、樺太に全部供給しておりましたが、戦争後におきましてそれらの市場を失いまして、現在では供給力の大体半分が余裕があるという状態になっておりまして、従いまして輸出という面につきましては、戦後の問題として非常に関心を持っておるのでございます。戦後現在までに三百三十億ばかり輸出をいたしておりまして、本年は、暦年で一月から六月までの間に約六十億ばかりの契約ができております。輸出をスムーズに伸ばすということにつきましては非常な関心を持っておりまして、先般インドの入札の場合も、輸出組合一本でやるということで実行いたしましたような次第でございます。この改正案を拝見いたしますというと、非常にその点が簡略になり、また幅も広められたように拝見いたしまして、非常にけっこうなことと思っておるのでございます。鉄道車両といたしましては、主としてこの改正案の五条の場合が多うございまして、すなわち、鉄道車両の組合員は商社とメーカーとおりますが、メーカーも、メーカーであると同時に、輸出業者に相なっておりまして、従いまして共同の歩調でやるという話し合いが、非常にほかの場合と違いまして、容易のように思うのでございます。アウトサイダーの問題につきましても、今度の改正案につきましては、不十分とは申しながら、輸出組合を通じてその承認の申請をするというような御配慮も見えておりまして、これもだんだんとこういう道が開けていくということを非常に喜んでおるわけでございます。今の輸出入組合の問題につきましては、これは運用の問題として、寸分業種別の組合との調整をおはかり願うことが必要じゃないかと思うのでございまして、この点は特にお願いいたしたいと思います。ことにこの日本の業者だけが非常に不必要な競争をするという問題と関連して考えますのは賠償の問題でございまして、鉄道車両の仕向地としての大部分が東南アジアでございまして、東南アジアを見渡すと、ほとんど賠償の問題が起きている所ばかりでございまして、インドを除きましてはそういう地域でございます。まあ南米方面に対しましても輸出は伸びておりますが、そういう賠償の問題につきましても、これはもう国内の業者だけに限られておる問題でありますだけに、これを安売りして無用な競争をするということは、賠償金額をふやすということにもなり、国民の血税をそれだけむだにするということにも相なりますので、賠償につきましても輸出に準じて、ぜひ御配慮願うことが必要ではないかと、かように考えるのであります。  それから改正案を離れますが、根本の取引機構自体の立法精神の問題に相なりますかと思いますが、この法律が制定のときは、内外の情勢に影響されまして、規定が著しく消極的、制限的になっておるということは痛感いたしております。むしろこの際貿易の振興を主とするという建前を表に出していただくことが必要ではないかと思うのであります。それからこの取引法におきまして、輸出組合は営利を目的にしないということに相なっておりますけれども、規定自体から見まするというと、中小企業協同組合法を準用いたしておりまして、従いましてこれに類する任意団体という程度にとどまっておりまして、公的な色彩が非常に乏しい。できれば戦前の貿易組合法下における輸出組合のような性格を考えていただくことが心要でないかと思うのであります。まあ一例でございますが、この組合の加入脱退は今自由でございます。これと行く行くは一定地域、一定組合の資格を有する者は強制加入するというような制度に持っていっていただくことが必要ではないか、さらにアウトサイダーの規制につきましても、旧貿易組合法の十八条のような規定も考慮していただく必要があるんではないかと思うのであります。それから、それに関連いたしますが、輸出組合が積極的に活動するという場合に、常時相当額の基金を持っておる必要があるのでございます。しかしながらこれが年度末には剰余金として三五%の税金を課税されるという実情でございます。これは留保金その他名称はいろいろございましょうが、こういうものに対して免税の措置をぜひとっていただくようなことも御考慮願う必要があるんじゃなかろうかと思います。法人税その他の課税につきましても、同様にお取扱いの措置をお願いしたいと思うのであります。それからさらに進みますというと、外国為替及び外国貿易管理法に基く輸出承認の事務というような事柄は、だんだんと輸出組合に移行していただくということが必要ではないか、これは実際やって参りましてそういうことを感ずるのでございます。ごく簡単でございますが、以上であります。
  88. 吉野信次

    ○委員長(吉野信次君) 次に川島さん。
  89. 川島清祐

    ○参考人(川島清祐君) 私日本ミシンの川島でございます。本日この機会を得させていただきましたことに対しまして、光栄に存じ、感謝いたします。私はミシンの輸出組合の専務理事を兼任いたしておりますので、大体戦後のミシンが他の産業と同じように、いろいろの悩みを経まして、それに対していろいろ施策をして参りました状態の概略を申し上げてお答えとしたいと思っております。  ミシンは、戦前昭和十五年の生産十五万台が最高でございまして、そのときは輸出が一万台というような姿であったのでありますが、戦後急速に伸びまして、二十九年度は生産が約百六十万台、そのうち輸出が百二十五万台、これは約百億でありまして、三千万ドルぐらいの外貨獲得でございます。しかも大体九九%まで原材料が国内でできますので、外貨取得率が非常にまあ九九%近いという点に特徴がございますが、半面、その生産機構から申しますと、いわゆる中小企業がほとんど主体をなしておりまして、いわゆるミシンの中の大メーカーと申しましても、ごく一、二社を除きましたら、普通の産業形態から申しますと中の部に入るというような機構でございます。それでその輸出の大体おもなる地域は北米合衆国であります。約五〇%ないし七〇%というものが北米合衆国に渡っております。もちろん内容は家庭用ミシンでありまして、工業用は家庭用ミシンほど急速な進歩はございませんが、それにしましても、工業用も戦後ずっと伸びて参ったわけであります。ところが初め北米合衆国を中心に御説明いたしますと、大体頭が二十三、四年くらいまでは二十二ドル五十セント、北米は、こちらが頭を出しますと、向うでこれに対してモーターとテーブルをつけまして、順次卸商に売っておるわけでございますけれども、二十二ドル五十セントというのが二十四、五年ぐらいまでの姿でございました。ところが非常に国内で生産がふえますし、そういう点から漸次価格が落ちまして、これが実に昭和二十五年くらいからは十四、五ドル、いいミシンでも二十ドルぐらいのものがございますが、大半は十四、五ドルまで落ちてきたというのが実情でありまして、そのために二十六年にいわゆるチェック・プライスというものが引かれましてこれはヘッドに関しましては十七ドルという姿できたわけでございます。そして一応工業界を中心にこれが守られてきたのでございますが、しかし何と申しましても、やはりリベートというのは数十種類の方法があるそうでございまして、十分でなかった。それが二十七年にいわゆるミシン輸出組合というものが設立されまして、これでお互いの間で監視し合うということで参ったのでありますが、それではまだとても十分でない。やはり生産そのものに、いわゆる過剰生産制、アッセンブル・システムが成り立つという産業自体に一番根本問題があるのでございまするので、やはり数量をチェックしないとこれはとてもだめだということになりまして、二十八年の十二月一日から価格のチェックと同時に、輸出組合が中心になりまして、各メーカーの数量の調整をしたわけであります。これは公取の方の関係もございますので、北米合衆国だけの数量調整というのはおととしの十二月一日から始めたわけでありますが、もちろんそれまでにこの件で約数十回という会合を委員会なり理事会、総会を開きまして、やっときまったわけであります。その後去年その内容のさらに是正というような問題でずっと参ったんでありますが、北米合衆国だけに数量調整しておりますと、やはりほかの地域でどんどんまた下って出ていくということ、それからアウトサイダーという問題がどうしてもこれは断ち切れないという問題、この二つが非常に悩みの中心になって参りまして、ここに何とかしてこれはやはり全世界に割り当てないと、北米だけ締めても、ほかの地域と北米との価格が逆の関係になるという非常な矛盾が出て参りまして、現在の輸出組合の輸出取引法では、どうしてもアウトサイダー規制と同様にこの難点が観消できないので、ちょうど中小企業安定法という法律がございまして、これにのっとってその悩みを解消しようということになったのが現在調整組合の設立の一番の原因でございます。しかしこれももちろんミシンのような機械設備というものがある所と、アッセンブル方式でも十分できるというような特殊産業ミシンばかりではないと思いますが、こういう特殊産業の場合には、ことに国内を中心とした中小企業安定法、いろいろな点からまだ十分でないのでございますが、ほかに方法がないので、現在こういうような中小企業安定法による調整組合というものの設立で、この長い間の悩みを解消しようとして努力しておりまして、これは近々発足する状態になっております。これを要しますと、非常にわが国情に合った産業だけに、かつてはユダヤ系のいわゆるバイヤーにほんろうされ、さらに今度はお互いのメーカー同士の間の競争によって下っていくというような状態を痛感しておりますだけに、このたびの改正に関しましては、心から感謝と共感を呼ぶものでございますが、できれば一そう生産業者の立場の強化、これは各産業によって違うと思いますが、少くともミシンに関しましては、それが強化されて初めてサプライヤーと同じような立場になって対等に話しができる。現在ではほとんど中小企業中心でございまして、リードを取られてしまう、取られて悪いとかいいという関係は別としまして、そういう状態でございますので、ぜひさらにメーカー間の協定その他の点の強化をお願い申し上げます。それと同時に、できれば先ほどもお話があったようでございますが、輸出組合はサプライヤーの組合、これは対してたとえば工業組合法のようないわゆる輸出問題を論議できるメーカーの団体というようなものができれば一番理想的なような、私の業界だけの話でございますが、そういう感じがしておるのでございます。
  90. 吉野信次

    ○委員長(吉野信次君) 次に佐藤さん。
  91. 佐藤信彦

    ○参考人(佐藤信彦君) 私自転車工業会というものに属しております。自転車というものもミシン同様に非常に輸出依存度の高い業種でございまして、御承知と存じますが、戦前には全生産の約五〇%が輸出であり、あとが国内用であったのであります。当時おもな輸出市場は、今日の中共地区が輸出の半分を占めていた、他はインドを初め東南アジア地区であったのであります。戦後は不幸にいたしましてこの一番の市場が思うように物が出せません。現在一番大きな市場であるところのインドネシアというものがやはり外貨事情等から調整措置がとられておりまして、これも輸出にワクがはめられておるというふうなことで、どうしても輸出と国内と相待たなければ立っていけない産業であるにもかかわらず、思うように輸出が伸びない。幸いにいたしまして、近年中南米地区、特にブラジル、それからアフリカ、近東地区という方面にだんだん新しい窓口が開けて参りまして、各業者ともその方面に非常な注目を払っているわけでありますが、輸出業者も同様にいたしまして、相協力をして新市場の開拓に努力をしておるのでありますが、これは私自転車でありますから自転車の例をとって申し上げるのでありますが、一般中小企業の場合にも多分共通な問題ではなかろうか、と存じますのは、輸出業者側と製造業者側との、俗な言葉で申しますれば力の関係と申しますか、どうしても輸出業者にイニシアチブをとられかちである。メーカーは個々ばらばらでありましては、これも言葉が悪うございますが、買いたたきに合うということが非常に多うございまして、現にブラジルのごときは、これはブラジル国の外貨の事情かと存じますが、イギリスあるいはドイツからは物が入れにくい、日本だけに門戸があいておるというように通信を受けております。従ってブラジルには比較的いい値段で通るのでありますが、これはほうっておけば必ず台湾で苦い経験をしたがごとくに、お互いの安売り競争、いわゆる業者も商売でありますから人が売るより自分が売りたいというのは当然でありまして、また競争もある程度正当な競争は許さなければならぬのでありますが、今どこどこが幾ら幾らで押えておるから自分はそれよりもやや安くオファーをしよう、そこで向うから注文をとると注文書をメーカーに見せまして、どうだこれについてこないかというようなことで次々と足元を見られて安値に応じていく、そういうことを繰り返して参りますというと、今度は輸入する方の側からもしばしば苦情がくるのでありますが、甲の商社が輸入をした、すぐ引き続いて乙の商社が同じものをまた安い値段で入れる、そうすると甲の商社は、乙の商社が入れた値段まで在庫を下げなければさばけない、損失をこうむる、さらに弊害が出るということで、これは日本品は危なくて買えないということで国際信用を失うというようなことになるから、自転車業界は輸出業界も製造業界もよくよく心を引き締めてくれないというと、ついには日本品は出なくなってしまうぞというふうな忠告を非常に受けておるのであります。そういうふうなことでありまして、非常に輸出というものには深い関心を持っておりますので、いろいろと要望をしたり、陳情をしたりしておりましたところが、今般輸出入法の改正案というものを拝見いたしまして、概して非常に進歩的であると存じます。われわれの主張しますところもある程度ここに生かされているように存じますが、どうもこれはわれわれのひがみかも存じませんが、輸出業者の方にどうも重点があるように考えられて仕方がない。特に第五条あたりを拝見しますというと、先ほども御発言がありましたように、輸出業者の方が価格の協定を届出だけで十日間で有効になるが、メーカー側の方は認可を要するんだ。先ごろ衆議院の方で修正案がつきましたそうで、それによるとメーカー側の認可といいますけれども、二十日間の期限つきだということでだいぶ進歩したようには存じますが、やはり認可と申しますれば資料を添えたり、いろいろのことで手間取るのが普通でありまして、もう一つわれわれの方が希望いたしますことは大企業とか基幹産業とかいうふうなものはしばらく立場が違いますので、別といたしまして、自転車をも含む中小企業のメーカーの場合はやはり十日間ぐらいの期限付の届出でもよろしいということに特別な扱いが願えないものであろうか。あるいはもう一つの考え方は、輸出業者が価格協定をして届出をするが、それに先立ってメーカー側――それも願えることならば事業協同組合のようなものがさらに願わしいのでありますが、メーカー側の団体と事前に協定、話し合い、同意があったということを条件にして届出をするというふうなことにお願いできないだろうか。どういうふうに法文を入れていただきたい、あるいはどういう付帯条件にしていただきたいとかいうふうなことを、私ども技術的なことはよくわかりませんが、その意のあるところをおくみ取りいただきまして、これから先に今までなめたような苦い経験と信用失墜のないように、このままほうっておきますれば安売り競争の結果は必ず品質の低下ということに及んで行くのが当然でありまして、いわゆる安かろう、悪かろうになっては申しわけないということで、何とか必要最低の価格で踏みとどまることを法的に擁護していただけないものだろうかというのがわれわれのお願いいたしたい筋でございます。
  92. 吉野信次

    ○委員長(吉野信次君) 御質問がございましたら……。
  93. 白川一雄

    ○白川一雄君 上条さんにちょっとお尋ねしたいんですが、輸出業者の輸出組合と別途に、メーカーの輸出を目的とした輸出組合を作るというのが御希望なのか、あるいはメーカーが団体加入をして輸出組合の中のメンバーに加わるということの御希望なのか、その点をちょっと御意見を承わりたい。
  94. 上条盛雄

    ○参考人(上条盛雄君) お答えいたします。私の申し上げましたのは輸出商社の組合とは全然別にむしろ対等の立場で別に輸出をする生産メーカーの団体を作るということを望んでおるわけでございます。で、あるいは生産者のものだったらばすでに生産者の団体でいいじゃないかといいますけれども、これは各運用しておる方はよくおわかりと思いますけれども、単に生産業者の団体ということになりますと、それは国内生産を目当てのものも全部包含されるわけですが、そのうちでとにかく輸出をする者によっての団体ということになりますと、海外の市場に対して専門的に調査もする、それから海外の市場を開拓するために新しい技術的な改良もするというような、そういうものがむしろ前哨に立つべきもの、それがあってこそ初めて輸出が振興される、こういうように私は考えるのでありまして、この団体の問題を申し上げたわけです。
  95. 白川一雄

    ○白川一雄君 よくわかるのですが、われわれもごく零細な中小の工業をやった経験から、とかく実力の上で輸入業者、貿易業者に負けるために、一対一の立場に名目上置かれても、実際の動きにおいては輸出業者の力に圧倒されるという体験を持っておるのであります。大きなメーカーですと、大きな商社と対立できる実力を持っておられるからいいですが、ただその点ちょっと懸念をいたしますのは、やはり輸出業者は世界の市場を開拓するという上におきましては、餅屋は餅屋というところがあると思うので、中小のメーカーが、やはり商社の持っておる芸能をそちらの力に利用するということの方が、中小工業の方のプラスになるのじゃないかということも考えられるとすると、団体加入をして、そうして輸出組合の中で団体としての実力を発揮した方が、より効果的ではないかというように思いますのと、もう一つは、商社というのはなかなか巧みな芸を持っておるもので、そういうように対立的になりますと、メーカーの方の団結の足並みをいろいろな手でつぶしやしないかという心配もあるんじゃないかという点等を考えて、私ども団体加入がいいか、あるいは別途の輸出組合がいいかということにつきましては、非常にいろいろ考えさせられる点が多いので、御意見のほどを今承わったような次第でございます。
  96. 海野三朗

    ○海野三朗君 川島さんにお伺いいたしますがミシンの輸出についてでありますが、二十九年度の輸出量の九%を三十年度は通産省が見込んでおるというような話を聞きましたが、そうなんでありますか、その辺いかがなものでございましょうか。
  97. 川島清祐

    ○参考人(川島清祐君) 例の会議がございますね、輸出会議というのがございましてミシンには軽機械、輸出会議の中にミシン部会というのがございます。これは来年度の目標をここでやはり作りまして、私も委員でございますから、通産省の方も当然委員になっておられまして、御一緒に作りましたけれども、そういう九〇%を見込むというようなことはございません。やはりたしかあれは大体来年度ですね、その地域によって増減がございますが、大体本年度と同じかもう少しふえるくらいの数字で出ております。
  98. 海野三朗

    ○海野三朗君 そういたしますと、今の九〇%というのはデマでございますか。私はミシン業者の方からその話を一週間ほど前に伺ったのでありますが、通産省は二十九年度の輸出量の九〇%しか本年度は見込んでいないというようなお話を私は聞いたのでありますが、どういうわけで、その九〇%に減らして通産省が見込んでおるのかということが、ちょっとわからないものですから……。
  99. 川島清祐

    ○参考人(川島清祐君) 私もこの点今初めてお伺いしたわけでございますけれども、通産省とされては、これは私の感じですが、もしそういうことがございますれば、ミシンは今申し上げました通り、本来の輸出数量よりも輸出価格、もちろん品質も含めて、そういう点がミシンに残された一番現在の問題点でございますので、そういう点を加味しますとただ輸出数量ばかりよりも、ある程度価格と品質というものを含めて、しかも相手国のあることですから勘案して、多少しぼられたかもしれませんが、ただ私どもの方では、現均九〇%というふうに通産省の方でされたということはまだ伺っておりません。あるいは私が存じておらないのかもしれません。
  100. 海野三朗

    ○海野三朗君 次に永野参考人にお伺いいたしますが、この製鉄原料のことでありますが、わが国の有力製鉄会社、おもに三社で、この製鉄原料の種類に応じて各社がそれぞれ取扱い商社を指定してやっておられるわけでありますが、今度の法案が通過するとしないとではどういうような速いがここに出てくるでありましょうか、それをお伺いいたします。
  101. 永野重雄

    ○参考人(永野重雄君) 今度の法案ができてある一種の相談が扱いやすくなった、しやすくなれば価格の点について有利であると同時に、まあ今まで疑心暗鬼でお互いに探り合うようなことが早く解決がつくというような便利があると思います。  なお、ただいまたまたまさっき輸出の問題を中心にして話がございましたけれども、この一種の話し合いというものが、原料の関係に特にあと大きな関連を持つということがあるのを申し落しましたのでなんでありますが、たとえばわれわれが鉄鉱石を買う場合に東洋に近い、われわれの使う場所に近い領域というものは、かえってヨーロッパの競争国から遠いわけであります。従って近くになればなるほど本来ならば出費も安いし、競争価格から言っても有利に買い得る話があるわけなんです。そこでみんなが、各社が共同に話し合いをして日本に近いところは安く買える、遠方は運賃もかかる、だからコストに応じて買うということにしまして、それを総平均すれば一番安いものが買えるということでありますから、これを各社がてんやわんやで買えば近いものはいわゆるFOBでは同じでも運賃の差だけ安いにもかかわらずそのFOBに運賃を加えたCIF、日本で安く買えばいいということでむだな買付をするかもしれない、これはお互いに不利なんであります。けれどもそれを皆が話し合いをしてやるのであれば、近いものは近い有利性をこちらでとれる、遠くにあるものはコストがどうしても高くなるのでこれはやむを得ない、要る以上はそれは相応して買っていくと全体として安く買えるということがしやすくなるわけであります。個々でやれば自分の会社だけの事業、自分の会社だけの利益からみればFOBが、遠いものと同じであっても近くのものを買うということで競り合う。結局近いという利益は供給者にとられてしまう。そういう点からも共同に話し合うことが自由になり、買うことが楽にできるようになればその点に利益もあるものと思います。その点つけ加えます。
  102. 海野三朗

    ○海野三朗君 外国の方はどういうふうになっておりますか。イギリス、ドイツフランスアメリカあたりでもやはりこの窓口は一つにしてやっておるのでありましようか。その辺はどういうものでありましようか。
  103. 永野重雄

    ○参考人(永野重雄君) 御承知のように、ヨーロッパには六カ国で、西ドイツフランスイタリア、ルクセンブルグ、ベルギーオランダ、この六カ国でシューマンプラン諸国と俗に言っておりますけれども、この間では相当密接な連係でやっておると思われる節がございます。それからイギリスは御承知のようにビスコーと申しますが、これが一元買い取り、一元販売を現在までやっておりますから、たとえばわれわれ、イギリスの幾つかの工場、これも御参考になるでしょうけれども、イギリスといたしましては非常に輸出に重点を置いている国でありまして将来の国際市場を失わないためには現在足りない物資は自分が半製品で買って補ってでもなおかつ自分の販路に対しては犠牲を払ってでも販路をとっていくということをやっておりますが、そういう操作が、ビスコーがあるためにやりいいわけであります。こんな関係で今のような点については、われわれが今意図しているようなことを、より効果的にやっておると思われる節がございます。アメリカについてはよく存じませんが、アメリカはおそらくそこまで、はいっていないかと思います。
  104. 海野三朗

    ○海野三朗君 もう一つお伺いをいたしますが、私も製鉄会社に元おった者でありますが、昨今のこの市場の値段が高いとか、いろいろ聞くのでありますが、日本のこの生産費、そういうものが外国の鉄製品に比べましてどういう状態でありましようか、もし値段が高いとすればそのおもなる原因はどこにあるのでありましようか、その辺ちょっとお伺いいたしたいと思います。
  105. 永野重雄

    ○参考人(永野重雄君) 御承知のような点につきましては、われわれ長い間いろいろと考えた、また場合によっては御相談も申し上げた問題でありますが、最近では国際的に見まして鉄の市場におきまする日本の競争相手とでも申しましようか、ヨーロッパの諸国が、自国の商品がより多いために、そこで日本としましてはアルゼンチンとか、ブラジルとか、パキスタンとか、インド等の市場に対して比較的に輸出が以前よりもやりよくなっております。従いまして現在相当、年に二百万トン見当のものが輸出できる、以上必ずしもそういう諸国と比べて高いとは言えないかもしれませんが、第三国で買ってくれるわけでありますから、高いとは必ずしも言えないかと思いますけれども、しかし長い間製鉄事業として苦しみましたのは、銑鉄のコストの、ことに銑鉄、銅塊、鋼材と御承知のように作って参りますけれども、銑鉄のコストの半数以上というものは石炭がコストであります。この石炭の価格がヨーロッパ並びにアメリカ等と比較いたしますと倍以上になろうかと思います。アメリカで向うのわれわれの同業者が一トン七ドル見当で石炭を買っておりますのが、その工場地帯から海岸までの運賃、それからこっちに持って参ります船運賃をかけますと、安いときでも十七ドルくらい、現在では新しく買おうとしますと二十五ドルくらいの価格になります。内地の石炭の価格は、現在はそれより安うございますが、それにしましても向うの製鉄同業者が使っているような七ドル、言いかえれば二千数百円のものではとても買えないのでありまして、そういう関係で相当コストが高い理由になっております。なお鉄鋼の原価の大きな構成因子である鉄鉱石につきましては、これは世界の大きな製鉄国であるアメリカ並びにドイツと比べてそう不利な環境にあるとは思いません。たとえばアメリカは国内の生産割合は相当大きいのでありますけれども、主として製鉄工場の石炭に主体を置いておりますので、そこまで持って参ります距離が、たとえばアメリカでございますと、メサビ地方、北の方から千マイル以上も運んで製鉄会社に持って参る状態でございますし、それから国内炭がだんだん品位が下り、量も減って参りましたので、最近はカナダのラプラドール、ベネゼーラ、ブラジルチリ、場合によりましてはスエーデン等から持って参りますから、必ずしも日本と比べて向うがいいとは申せません。またドイツなどは、ドイツも大きな製鉄国であると同時に、ライバルでありますけれども、ドイツも大体量的に見まして約半数くらいのものをスペインなり、スエーデンから輸入いたしております。その輸入いたしますものの品位が、どうせ輸入するわけでありますから、運賃の割合は品位のいいものほど有利になりますので、そこで輸入するものは鉄分が五〇数%ないし六〇%くらいのものを輸入する。国内でできますものは御承知のように三〇%そこそこの低品位鉱であります。従って純鉄分の含有量を見ますと七割それ以上のものを輸入する格好になっております。そんな関係でこれも必ずしも日本が不利とは言えないと思います。そこで一番大きな影響はやはり石炭問題と考えます。ただ最近は石炭の問題をいろいろ御研究のようでありまして、われわれも決して高いとは申しません。と申しますのは、石炭は御承知のようにわれわれが使いますようなコークスに使ういわゆる原料炭と、一般炭とございますけれども、原料炭の方は比較的生産業者が少い、一種の特殊炭であります。一般炭は最近でも御検討があるように伺いますけれども、数百炭鉱ある、そこで非常な競争が激しい、金のために投げ売りもあろうかということの関係等からしまして、コストの差以上の差が高品位炭と申しますか、原料炭にかぶさる、言いかえれば差が大きいということでございますので、その影響が結局製鉄のコストにも影響を来たしているようなものでございまして、これはただわれわれ一般的に金の場合の言えるのであります。いろいろ事情を聞いてみますと、石炭の値段は特に大きなコストの構成因子である人件費、その人件費に及ぼすいろいろの影響、あるいは占領期間中にとりあえず応急措置として掘るために人が足りない、人を連れて来ても家が足りない、そこでとりあえず家を作る、そのためには炭鉱住宅資金が要る、それにはまた金利がかぶさる、そのほか戦争中は相当乱掘をいたしました。その当時はどんどん掘って、補修といいますか、修理あるいは縦坑を掘るとかいうような経常的なことに並行して打つべき手を打たないで、とりあえず目先の掘るだけのことをやってきた結果が今日坑内に入って、ことに長距離歩かなければならないということで、その影響等によってコストの上っている点等がございますので、われわれの申しますのはいわばアイドルで買わされるというわけでは決してございませんが、ただ諸外国から買っている値段から比べるとまだ相当上っている、原料炭とはいえ、なおかつ比較的高い石炭を使っているというのが現在の立場でございます。でありますから先般来非常な不利な環境に置かれております。従って今後輸出をどんどんやっていこうとするためには、今一時的にヨーロッパのいんしんから来る輸出がしやすいというので安閑としておれませんので、そういう点について相当研究する必要が今後もあるかと考えております。とりあえず現状はさようなことであります。
  106. 海野三朗

    ○海野三朗君 現在の日本の炭価がどの程度まで下りましたならばほかと競争できるというようなお見通しでございますか。これが一つと、またココムのワクがはずされた場合を考えますと、鉄鋼の生産に対してはどれくらいな影響があるというお見通しでありますか、その点をちょっとお伺いいたします。
  107. 永野重雄

    ○参考人(永野重雄君) ドイツ、ルクセンブルグ、ベルギー、ヨーロッパ諸国と比べまして日本との差が約三割見当ありはせんかと思います。アメリカの方はただいま申しましたような向うは七ドルくらいのものは日本には倍以上の見当になりますので非常な大きな差があります。ただこれはほかの点で日本の方が安いものもあります、条件もございますので、そのままの格差をしてくれということは申し上げかねますけれども、実情はそういう実情になっております。比較的生産の条件が似ているドイツから見れば日本の方が不利な状況下にあります。ただドイツの場合ですと、製鉄工場が、いわゆるルール地方の石炭の上に製鉄工場がある、従って石炭業者は運賃の負担がほとんどないというような事情がありますから、石炭の側から見たら差としてはそんな差はないが、買う立場の製鉄業者から見ると運賃の負担その他についてハンディキャップを持っている。
  108. 海野三朗

    ○海野三朗君 それからもう一つのココムのワクがありますから、鉄製品はほとんど中共には輸出されていないのでございましょう。それがもしここにこのワクがとられたという場合には、撤去されたという場合には相当の需要量がございましょうか、どれくらいあるというお見込みですか。
  109. 永野重雄

    ○参考人(永野重雄君) この見当はわれわれほとんどつきませんです。ただ戦前は日本の全体の輸出量の本土だけで二割見当ということを聞いておりますので、ただそういうばくたる推量からいえば見当は立たんことはないと思いますけれども、現在の国際環境下におきまして中共に参りますものは鉄材は主としてソビエトの関係のものではないかと想像いたしますけれども、どの程度のところをやっておるかということは、われわれは把握できませんので、ちょっと見当がつきかねる次第であります。ただしかし、さはさりながら鉄道のレールにしましても、民間に使う鉄板その他のものにしましても、一応あれだけの人口のある国でありますから、需要があるということは否定できませんが、相当のものがあるということは推定できます。はっきりとしたことは申し上げかねますが。
  110. 海野三朗

    ○海野三朗君 ただいま石炭が高いからということはよくわかりましたが、技術的にはいかがなものでございますか。製鉄の技術の立場から見まして、日本はやはり世界の一流水準まで技術的には達しておるのでありましょうか、いかがなものでございましょうか。
  111. 永野重雄

    ○参考人(永野重雄君) 技術的に見ますと、これは終戦後一時はほんの四、五十万トンまで生産量は激減いたしたわけでありますけれども、その後種々の破壊された設備を復旧いたすと同時に、相当多額の資金を出していただきまして、あるいは市中金融、もしくは国家資金等を出していただきまして、総額で約千億円以上、千百億余の資金を投下いたしまして、各社を通じまして合理化に専念いたしました。そんな関係で全部とはまだ申し上げかねますけれども、相当の工場ではだいぶいい設備を作って参りました。実は私自身一昨年ヨーロッパ、アメリカ等を回ったのでありますが、ヨーロッパの諸国に対してはそうひどいひけはとらないであろう、アメリカはああいう特殊な事情の国でありますから、非常に膨大な設備を持っておりますから、設備の大きさという点ではまだまだはるかにかないませんけれども、まだ日本も全部とは申し上げかねますけれども、相当の会社は、ばくたる言葉でございますが、決してひけをとらない、ことにヨーロッパの諸国に対しては、技術的に、また設備的に、そう大きなひけはとらない、それは満点だという意味では毛頭ございませんので、この設備をもう少し改良いたしますれば、もっと御期待に沿うような輸出伸張ができるかと思いますが、しかし製鉄事業が世界的に劣等であるという行き過ぎた想像もいたした時代もありましたけれども、今日はそういうことはございません。
  112. 藤田進

    ○藤田進君 ちょっと関連して。幸いいい機会でありますから、永野参考人にお聞きしたいのですが、設備とか、そういうことはわかりましたが、製品の質でございますね、これが昨年の閉会中旅行をして、全国の製鉄所の設備、その他いろいろお聞かせいただいたのですが、工場に行って見ますと、決して外国の製品に負けないということをるる説明されたわけです。ところが、一方土木現場に行って聞いてみると、たとえばシャベルのつめですね、これをとってみればとうてい外国製品にかなわない、日本製品はかた過ぎれば折れてしまいますし、やわらか過ぎれば曲ってしまう、これはとうてい輸入製品に待たなければならない。果していずれがどうか、私自身でもわかりませんが、これはどういうふうにお考えになりますか、質的な面の水準……。
  113. 永野重雄

    ○参考人(永野重雄君) 実はその点の問題につきましてですが、一がいに製鉄事業と申しましても、私どものやっております、鉱石、銑鉄、薄板、厚板と、一貫した作業をやっておりますのです。製鉄の事業の中には特殊鋼というのがありますが、シャベルの先の場合は特殊鋼に当るのであります。私どもの方の仕事は、特殊鋼に関する仕事はございませんので、特殊鋼の現在の日本技術と、国際的水準との比較は、はっきり申し上げかねるのであります。ただ私どもの聞きます範囲内におきましては、特殊鋼も最近は技術が相当に進んで、また外国のいい技術を相当量導入してよくなったという抽象的な、ばくたることは聞いておりますけれども、はっきりした比較については、ちょっと申し上げかねる立場にあります。
  114. 藤田進

    ○藤田進君 別の質問になるわけですが、同じ永野参考人にお伺いしたいのですが、先の公述の中に、輸出入に対しては全面的に独禁法の解除をすべきだという御主張があったように思うのであります。これは全面的にということになると、これは制限はないということになるわけで、勢い輸出入だけでなく、国内の取引にも直接影響を持ちますということで、独占に対する弊害というものも、当然出てくるわけですが、それがどの辺までを限界とされるか、経済法規の中におけるその種の独禁関係ですね、あるいは公取の委員会まで包含されるかもしれませんが、それらの限界をどういうふうにお考えなのか。全面的にこの際時期を見て、これを解除してしまう、あるいは法律を廃止するというそんなところまでお考えの意味なのか、限定的なものであるか、お伺いいたします。
  115. 永野重雄

    ○参考人(永野重雄君) さっき私の申し上げましたのは……、今回は輸出入取引法についての御質問でございましたので輸出入貿易については全面的にはずしてもらった方がいいのじゃないかと、こう申し上げたわけであります。と申します理由は、独禁法の、先にも申し上げたのでありますが、本来の意図される点につきましては大きな企業家あるいは幾多の業者が共同謀議をして、大衆の利益に損害を与えるということをなくするという主義だとしますれば、輸出につきましてはだれも提携をして、好んで損をする、安く売るという者はないのでありまして、国際的に日本に最も有利に商売をする、そうなればそれだけの入金が外から日本に向けて、よく売っただけのものは多額に入るわけでありまして、これは国全体の利益ではなかろうか。またほかの商売を同業でされる、メンバー以外の人がかりに輸出しようとしましても、その間に激甚な競争をして相当単価が下っている。アウトサイダーにとっても有利ではないか、だれも損する人はないから、そういう意図からくると輸出においては、除外的措置をとってもらっても差しつかえない、こういう意味で申し上げたのであります。
  116. 藤田進

    ○藤田進君 現在もそうですが、将来にわたって輸出入貿易に多くを依存しなければならない日本の状態から、かりに輸出入取引、貿易関係のみに限定して独禁法の解除をいたしたといたしますと、直接国内の取引に影響をもたらして、やはりそこには不公正な独占の弊害というものは当然出てくると思うのですが、そういう点はどういうふうにお考えですか。
  117. 永野重雄

    ○参考人(永野重雄君) 輸出の条件はあり得ますから、国内の価格につきましては、同業者についてはむしろ不利な条件はちっともない。一方消費者に対しましてはそれだけ輸出が有利にとれる、言いかえるとその事業そのものが安定をすればまた合理的な価格も、かえって損をして輸出しているよりも合理的な価格で出すということになるから、消費者にとっても不利益を与えないのではないかという感じがいたすのです。
  118. 藤田進

    ○藤田進君 日本のは御承知の通り中小企業、中小商社が非常に多いので、この法案をめぐってもそういった面から御意見は必ずしも一致していない、賛否があるわけであります。やはり国内の経済に及ぼす影響は、ことに中小企業の面、そういう独占化せられたものから脱落していかざるを得ない、この人たちの立場というものが、非常に重大な政治問題になろうかと思うわけです。それにはやはり影響をもたらすとお考えかどうか。
  119. 永野重雄

    ○参考人(永野重雄君) おっしゃるような製鉄事業も相当数がございますから、小さいのもございます、ただそういう方面でも今日ではできるだけ輸出をしようと意図しております。また輸出については相当な優遇措置の輸出もございます。従って輸出の場合に大きな企業がお互いにせり合って激甚な競争をしておれば、例は当らぬかもしれませんけれども、鯨といるかが争っていればそのとばっちりでたいやひらめがひどい目にあろうということがあるかもしれません。そこで相当な有利な条件で海外に輸出をしている価格が安定しておりますれば、その比較的小さい規模の中小業者も輸出がかえってやりいい。その間の猛烈な競争があれば、俗に言うとばっちりを受けるかもしれませんけれども、そういう影響もまたないということになりますから、不利な条件に立つであろうということは、ちょっと私たちは想像がつきかねるのであります。
  120. 藤田進

    ○藤田進君 意味は別としまして、次に上条さんにお伺いしたいのですが、先ほの公述の中でるる細かい御説明をいただきましたが、今度のこの改正案の中にあります輸出入組合の問題ですね、これは先ほど白川委員の方からあらためて質問もあったわけでありますが、この法案に直接な問題に対してあまり明確な態度というか、そういうものがどうも聞き取りにくかって、これはまあ全体を通じては、この法案に対しては是とされるようにも思ったわけですけれども、特に輸出入組合の問題については、あなたの農機具関係で言えば、同種の組合ということには影響されていたと思うのですが、しからば現行改正案、この案のごときものではどうお考えか、この補足説明をいただきたいと思います。
  121. 上条盛雄

    ○参考人(上条盛雄君) お答えいたします。私たちの農機具のような業態につきましては、非常に……、かりに中国を対象といたしましても、非常に地帯地帯、あるいは作る作物、あるいは経営規模によって農機具の種類その他すべてが違うわけなんです。そういう複雑なものをかりに輸入する場合に、かりに中共側の立場を考えますと、そういうときに一つの農機具を一本で輸入しようとすること自体が、それがためにわれわれ農機具メーカーとしては使用者なり、使用地というものとの関係が不明確なために、非常に農機具の利用、効果なり、適、不適というものが明確にならぬことは非常に輸出を阻害するものである。けれどもそれは向うでやることであるから、これに対して云々というわけにいかない。それに対して向うが一本だからこらも一本でやるという、また国としての輸出入を調整するという趣旨のもとにやるということについて、私はもちろん当然やることがけっこうだと思います。けれども、農機具のような場合におきましては、それをかりに輸出を窓口を一本にしてしまいますと、第一そういう現地との事情というものが非常に不明確になるということと、往々にして一銘柄か集中してくる、取引が集中してくる。そうすると、それは実情に沿わないもの、実情に沿うところもありまするけれども、農機具というものは一つのものであらゆる面がいいというわけにいきませんから、そうすると改良進歩という……、たとえば中国向けの農機具の改良研究というものが非常に大きく阻害されてしまう。そういうことと、もう一つは注文が集中するために、そこに国内の農機具工業自体にも非常に能力のないところに非常に多くのものが来たり、いろいろの不都合のことも出てくるし、またそれは国内の需要というものにも影響するところが多いから、そういう今回窓口を一本にした機関はそういうものを全部、実務的なことはおそらくやることは不適当だ、だからそれは一応収支の調整をする、輸出入の調整をするということの事務を重点にして、実務はむしろ業種別にその輸出団体を作らせて、生産者の団体を作らせて、そこでもってその実務を――実務といいますけれども、それは貿易事務、実務のことでありませんけれども、たとえば数量とか、型とか、あるいは銘柄とか、企画とか、そういうような問題については全部その生産者の輸出団体を作らせて、そこにやらせる。そうして貿易事務と輸出入の調整をその一本化のところでやるということにならなければ、私たちの方としては適当でない、こういう意味でございます。
  122. 藤田進

    ○藤田進君 そうしますと、それは法律の面で今の案に加えてそういう分科的なものを御主張なさるわけですか。
  123. 上条盛雄

    ○参考人(上条盛雄君) ええそうです。それをつけ加えていただきたいと、こういうわけです。
  124. 藤田進

    ○藤田進君 あなたのお考えでは農機具はわかりましたが、そのほかにはどういう業種についてそういうものが必要か、その点は他の業種についてはお考えはないわけでしょうか。
  125. 上条盛雄

    ○参考人(上条盛雄君) 私の方もそうですけれどもほかの方も、たとえばこれは中小企業の立場を含めた一つの問題でございまするけれども、やはりほかの業種も、種類とかいろいろ必ずしも単一のものでないということも考えられますし、また単一なものであっても生産自体は企業が相当差別があると思います。だからそういう立場を調整していくということのためには、やはりほかの業種もその方がいいのではないか、こういうふうに想像されるわけであります。
  126. 三輪貞治

    ○三輪貞治君 そうしますとあれですか。今の御意見では、今おっしゃったような要望がいれられない限り輸出入組合というものは、少くとも農機具にとっては今の状態ではない方がいいということなんですか。輸出入組合一本で、向うの一本の機関とこちらの方の一本の機関とでやることは、農機具の特殊性から困る。もし調整的な機関をもってここで実務を業種別にやらせるというなら別だけれども、そうでない限りは一本一本の取引は困る、こういう御意見と拝聴していいですか。
  127. 上条盛雄

    ○参考人(上条盛雄君) それはそのことは明確に申せんけれども、向うが一本になってこちらも一本になるということは、決済が……今はたとえば中国との場合は決済が非常に複雑ですけれども、そういう場合にわれわれ貿易その他にまだふなれな業界がやはり決済に非常に困難する面がありますから、その決済の面については非常に有利ではないかという解釈をしております。ただこのままでいった場合に、将来がそうした非常に農機具の企業に沿わない一つの形がだんだん出てくるじゃないか、こういうわけなんです。ですからこれを全面的に不賛成ということも、ただ決済の両からいえば私の方はこれは一本は非常にけっこうだろう、ただしそういうことになると今言ったような欠陥があるので非常に不明確なのです。
  128. 海野三朗

    ○海野三朗君 今のに関連いたしまして、輸出の場合も輸入の場合もやはり値段をたたかれるという場合があるから相談する必要があるという永野参考人のお話はよくわかりましたが、この輸出入組合でもってある品物は出す、ある品物は制限を加えるというような制限を意味した輸出入組合はどうかと思うのでありますが、そういうことでなしに、むしろメーカーの人たちがある一つのブロックを作って、そこに輸出の場合、輸入の場合の値段をよく話し合うということが私必要だと思うのですが、全体から見て輸出入のでこぼこを調整、つまり中共に対しての片貿易を直そうというような点に重きを置かれますというと、かえってこの法案によって中共の貿易が萎縮するようになるのではないか、こう懸念をするものでありまするが、そういう点について参考人の方、どなたでもよろしゅうございますからどうぞ御意見を拝聴いたしたいのであります。業者の人たちが互いに相談してやるということ、これはぜひ必要なことであって、そうでないと一方でたたかれるということもありまた品質が悪くなるというおそれもありまするから、これはまあ話し合いをして、そうしてたとえば鉄鋼部門では鉄鋼部門で一つの窓口にする、ミシンはミシンで一つの窓口にするということが必要であると思うのでありますが、これは全体から見まして鉄鋼の方は出すな、それからミシンの方は出せとか、あるいは自転車の方は少しよろしいとかいうふうな、そういうふうな干渉をするための輸出入取引法の改正をやられてはわれわれは納得がいかないのでありまするが、そういう点に対しての御所見はいかがなものでございましょうか。一つ永野参考人に御指示を願います。
  129. 永野重雄

    ○参考人(永野重雄君) 現在、今の輸出の問題につきましてはココムが出し得るものと出し得ないものの決定をしておるようである。言いかえてみますと、現在の日本の取引につきましては大きな国際的な流れの一環としての範囲があるだろうと思うのであります。従いまして出し得る場合には国全体の考え方としても出し得るし、従ってそういう場合にはココムにも出し得るということになるわけでありますから、そういう環境を前提にして考えますと、各個にせり合ってお互いに先を争って日本が不利な商売をするよりも一元的な商売をして出す方が有利じゃないかと考えております。
  130. 栗山良夫

    ○栗山良夫君 永野さんに一言お尋ねいたしますが、先ほどの質疑の中で私拝聴しておりますると、貿易に関しては独占禁止法を全面的に解除された方がよろしい、その理由とされましては日本人であり、日本産業を思うがゆえに、かりに独禁法を緩和してカルテル等こさえても日本のプラスになるために輸出をやるであろう、決して安売りはしないであろう、こういう前提のもとに非常に善意であなたは御発言になっておると思います。しかしまた逆なことも考えられると思います。非常に国内で製品が過剰になって滞貨に悩んで、その滞貨を一掃するためには外国に向って安売り輸出をして一掃しようじゃないか、こういう動きがないとはいえないと思います。私はその場合に独禁法があって、そういう生産カルテル、あるいは貿易カルテルができなければ個々の業者が小規模においてやられるかもしれません、しかし日本の一つの系列化された産業が一斉にカルテルが行われるということになると、これはゆゆしいことだと思います。私は生存競争の中における産業経営ですからあなたのおっしゃった反対の面も否定できないと思うのでありますが、その点はいかがですか。
  131. 永野重雄

    ○参考人(永野重雄君) 一歩譲りまして国内で生産過剰の場合の処置をする場合を考えましても、過剰だから外に出さなければならぬ要求がみんな強いときに、放任して同じ余ったものを出す場合にでもてんやわんやで、こちらで不当にたたき売りをして安く売るより……そういう環境であっても有利な方が国益に合致するのじゃないかという気持がいたします。
  132. 栗山良夫

    ○栗山良夫君 そのことは国際的な信用の問題だと思います。個々の企業がそれぞれ個々の企業の自由意思で若干の誤まりを侵したという場合に海外から受ける批判等……一つの日本の製鉄なら製鉄、あるいは綿紡なら綿紡という代表的な産業、あるいはセメントならセメントという産業がカルテルをこさえてそういうことを行なったということになると、かつて戦争前にあったと同じような激しい非難を海外から受けるおそれがある、そういうことを私は心配する。それが独占禁止法の一つの精神であると思います。だから独禁法を緩和したいという非常に強い要望が日本産業経済の中にあることは私ども承知しております。しかしその強い要望と日本産業経済を国際的な信用を維持するために守る限界というものが私はなければいかぬと思います。こういうふうに私どもは考えます。いかがでしょう。
  133. 永野重雄

    ○参考人(永野重雄君) 私はむしろ今のような環境にある場合に、放任して自由に出せば今言ったように先を争って安く出して、輸出競争をやって売り出してその結果海外に及ぼす影響ということはもっと海外市価に影響を与えますので、そこで向うの批判というものは、絶対値が、向うの業者に対して不当な影響を与える程度がどっちが大きいかということだろうと思います。売り得る最小限度……同じ世界でかりに日本だけが出さなけはば、日本国内だけで下げっこした場合に例をとれば、日本よりすぐ上の価格の国と話し合いをすれば、一例としてこれが百円で売れる場合でもどうしても日本側が輸出する場合に高くちゃ売れない、九十九円なら売れるという場合に、九十円なり八十円なり七十円なりで売っていけば相手方の国においては九十九円より八十円の方がよりひどい影響を受けますから、むしろ日本産業に対する影響はその方が大きいのじゃないか、こういうように考える。だから輸出貿易に関する限りは、今の両者の話し合いをすることが国益にも合致する、個々の企業の利益にも合致するのじゃないかというような気がします。
  134. 高橋衛

    ○高橋衛君 ちょっと永野さんにお伺いしたいのでありますが、昨年来ですか、相当鉄鋼輸出について出血輸出ということが言われておったのでありますが、私ども実績を全然知らないのでありますが、その出血という意味も、たとえば操業度を維持するために相当コストの切り下げができる、その場合の定義が非常にむずかしいと思いますけれども、われわれしろうとのわかりやすい言葉でどの程度の出血輸出が行われておるか。
  135. 永野重雄

    ○参考人(永野重雄君) 去年は銑鉄でも鋼材でもいわゆる俗にいう出血輸出を非常にやりました。ただし出血輸出の定義がおっしゃるようにむずかしいのでして、申すまでもなく製品の原価の中には、工場で作ります直接の原価と、金利なりあるいは諸経費その他を合せましてコストになるわけでありますけれども、ところが国内の需要は一定程度以上はふえない、そうした場合に外に出さなければ生産量を落す、落した場合に金利も同じ、総がかり費も同じだということになると、トータルのコストを考えれば損になるけれども、やめるより得だという範囲があるだろうと思います。かりに金利なり総がかり費というものが一トン四万円の中で四千円かかるといたしました場合に、四千円のうちかりに千円だけを織り込んだ値段で売りました場合に、三千円は損だということが言える。そこで出血という言葉がございますけれども、やめれば千円しか取れないということになりますから、企業の利益はやめるのに比較してどっちが利益になるかということになると思う。トータルは損でも出した方が得だということになりますから、その場合は出血という言葉が当るかどうか疑問でありますけれども、世間で出血という言葉を使っておりますから……そういう場合がございます。しかしわれわれ企業経営をいたします者から言いますと、やめるよりもまだ有利だということでやったことはございます。
  136. 高橋衛

    ○高橋衛君 今の点もう少し数字的に……。
  137. 永野重雄

    ○参考人(永野重雄君) たとえば、鋼材一トン四万円と仮定いたします。工場のコストがかりに三万五千円だ、それで金利その他の総がかり費が四千円だ、利益がかりに千円だ、これで四万円になる、こういう場合を仮定いたします。その場合に利益がそれさえ出ないともちろんまず最初の千円はなくなりますから四万円のものがすでに引かれて三万九千円になる。総がかり費の四千円のうち千円負担するわけですから、三万六千円で出す、コストは、工場コストを三万五千円に、利益、総がかりを加えて五千円でトータル四万円で売れれば普通の商売になる場合に、それを三万六千円で売るのですからコストから見ると損だ、総がかり費を含んだコストから見ると損だけれども、三万五千を割ればやらぬ方が得な場合があります。しかし三万六千で売れる場合はやめてしまうよりいい、千円だけは……。
  138. 高橋衛

    ○高橋衛君 ただいまの例としてのお話はよくわかるのですが、実績で、つまり工場原価プラスどの程度、それから総原価からいいますと何割程度の出血か、その実績は……。
  139. 永野重雄

    ○参考人(永野重雄君) 裏から言いますと、生産をしておってもやめてもいずれにしてもかかる経費のうち幾らかでもコストよりプラスできれば出した方がいいという考えで参りました。輸出の場合は従って工場離れの総がかり費、言いかえると総コスト三万五千を例にとりますと、三万五千の場合に三万四千でやる場合はやめた方がいい、言いかえるならば国の富を失って出した格好になりますけれども、三万五千よりも五百円でも千円でも上に売れればコストの上から見るとよいということになりますが、国に実害を与えないで、また個々の企業からいいましてもやめるよりそれだけ得だ、その範囲内で去年はやりました。いわゆる本来の総コストから見れば出血だけれども、やらないよりましだという計算にわれわれは考えた次第であります。
  140. 高橋衛

    ○高橋衛君 私はこの質問を申し上げます趣旨はたとえば造船というものは相当大きな輸出になるのでございます。その原料が相当大きく鉄鋼によっている、従って国内向けの鋼材が国内につまり出血でない価格で供給する、外国に対して同じ造船業に安い出血価格で輸出された場合に双方の産業を国家的な立場から考えますと、相当考えなければならない問題だと思いますが、ただその点の比較はどの辺にどういうふうにわれわれは見たならばいいのですか。
  141. 永野重雄

    ○参考人(永野重雄君) その点はわれわれ少くとも同じ条件でやるのが妥当だと思います。ただ輸出の場合は呼び値は同じであっても国の輸出入銀行を通じて前金があるからとか、それから外国の輸出の場合ですと工場所在地ですぐ出しますから、工場所在地から造船会社その他に持って行くときに運賃の差がつきまして、金利とか運賃とかの差がございますから、同じ手取りであった場合に内地の造船所に持って行くより輸出の方が同じ価格ならば有利な場合があるわけです、運賃と金利のその範囲内におきましては。そこで同じ手取りであるならば、われわれは差等をつけないのが原則でいいと思いますが、またこれは余分なことかもしれませんが、内地の造船を多少ともお手使いをすれば結局これは回り回って御承知のように製鉄業はいわば運輸業と言われるぐらいに鉱石、石炭、鋼鉄を運びますので、その場合に協力してもらえるという期待が持てますけれども、外国船ではそんなことは考えられないので、手取りが同じ場合には国内の造船業に協力することが大きな目からはもちろんのこと、企業の上からいってもこれはいいのじゃないかと考えております。
  142. 高橋衛

    ○高橋衛君 私がお尋ねしておりますのは、出血輸出をなさった場合に実績としてただいま御説明のように運賃なり金利等の面を比較してやはり造船業者に供給される価格と輸出の場合に向うについたときの手取りの価格というものと比較して大体公正に同じ条件で出せたというお考えになっておりますか。
  143. 永野重雄

    ○参考人(永野重雄君) これは外国の輸出の船に対してと、日本の国内の造船に対してでございますか。
  144. 高橋衛

    ○高橋衛君 そうです。
  145. 永野重雄

    ○参考人(永野重雄君) ただ、こういうことがあります。外国の船の方が、結果論から見ると外国の造船用の方が安かったということがございます。契約の時期が非常な市況の悪い時期に契約して、先物注文をした関係で、その後二、三カ月たったときに一方はある程度回復してきた価格と比べますと、その輸出船が安いという結果になったことがございます。同時期ではそんな考えはいたしておりません。
  146. 高橋衛

    ○高橋衛君 ただいまのことに関連しまして、もしもこの法案が通って輸出についての組合が完全にでき上って、アウトサイダーが押えられて一本にしてやって行けるという状態になった場合に、その点は完全にそういう事態が起らないように措置できるというふうに考えますか。
  147. 永野重雄

    ○参考人(永野重雄君) かえって一緒になった方がやりやすいような感じがいたします。
  148. 上林忠次

    ○上林忠次君 今の鉄鋼の輸出の問題ですが、出血に違いない、去年は国内価格より高いものを出したのですから出血に違いない、国内産業の振興をはかる意味から考えるならば、製造数がふえたためにコストが安くなった、安くなった分を輸出しておる、国内価格は同じだ、高い値段で国内に売っておる、製造数量が増加したためにコストが引き下げられた部分だけこれが輸出になっている。これは明らかに出血輸出です。先ほど鉄鋼の将来というお話もありましたが、あのような、まあドイツに比べても、アメリカに比べてもそう鉄鋼はひけをとらぬ、国際市場にまかり出て大丈夫だというようなことがありましたけれども、やはりかような問題が何年も続くのじゃないか、石炭がいかに安くなりましてもまだドイツより三割高い、あるいはアメリカに比べると倍もするというような工合で、まあ輸出のために特殊な価格を作って日本産業が伸びていこうというような気持で、そういうようなことが期待されていると思いますが、かようなことは日本の基礎産業を強化する意味にはならぬじゃないか、安い分だけ向うに分取りされて、高い分は日本産業に犠牲をかぶせているというようなことになるので、ほんとうの輸出ができるような状況になっているのじゃないじゃないかと考えるのでありますが、これは鉄以外の硫安でもそうじゃないか、二百万トン作っているやつを二百五十万トンにする、五十万トンを、これは拡大生産したためにコストが安くなる。安くなったから安くなった分だけを外へ出しちまう、こういうようなことで輸出ができるというようなことを考えては、その半面日本産業が弱体化してくる、もっともう一歩進んで、これを平均化した価格で日本も、外地へ出す材料もみんな同じ値段というところへいかなきゃほんとうの日本の国際市場での競争力ができたと言えないのじゃないか、そういう点からみてどうなんですか。鉄におきましてはこの三、三年にわれわれは大手をふって出せるのかという点はどうなんですか。
  149. 永野重雄

    ○参考人(永野重雄君) むしろわれわれの、さっきの出血輸出の場合は高く売ろうにも、相手があるわけですから、買ってくれないから、やめるよりもいいというので、いわば泣く泣くでもやっているわけでありまするが、しかしそれだけに量をふやせば、これは製鉄業のような熱を使う仕事は設備がフル稼働に近いほど熱単位が下りますから、国内に売るものがそれだけコストが下る。言いかえますと内地の需要者に、輸出した利益というものが均霑していくという考え方になっております。先ほどちょっとお話もあった船の問題は多少違うと思います。船は国際的にどこにでも動きますから外国へ出すのと国内の造船に出すと、その外国の有利な船というものがやはり日本の船と競合関係に立ちまして、味方をいじめる結果になるおそれがございますので、さっきのようなこともあると考えております。しかし向うで固定する設備につきましては、すぐその設備がまともに日本産業そのものとまっ正面に、その場所においてぶつかるわけにはなってませんから考え方が多少違うかと思います。船に対してはそういくべきだと考えておりますけれども、その他の向うの消費財とかその他のものにつきましては、それはやめるよりも量をふやした方が国内消費に対してもコスト低下上、多少考え方は、差がついてもやった方がいいという考え方に立っておるわけです。
  150. 上林忠次

    ○上林忠次君 ところが基礎産業ですから製鉄なんていうのはあらゆる産業の基礎になるものでありますから、そういうような外国に出すやつは増産してコストの引き下げによって出すのでなしに、内地の生産のもとになる鉄に対しても同じ値段で安くしていく、増産しながら安くしていくというところまでいかないとほんとうのわれわれの国の再建のための事業としてはふまじめじゃないかという気がするのです。
  151. 永野重雄

    ○参考人(永野重雄君) それは当然そういう努力をせんならぬと思って、努力はいたします。現に鉄でもわれわれの理想は、国内に安いものを供給してわれわれの事業が成り立たなければ、やはり事業は成り立つことをわれわれとしては先決に考えなきゃなりませぬから、成り立つものならば内地に幾らか安くしまして、需要着に対して、国際的にはできるだけ収入を多く得る、高く売るということが必要だと思っております。現にこの鉄鋼でも特殊な丸棒とかその他の鋼材ビレットの例なんでありますが、この二、三カ月前にはそういう特異な現象がございまして、内地の値段が安くて輸出の方が相当高いという日が相当続いておりました。われわれとしてはできるだけそれが一帯望ましいと考えております。
  152. 上林忠次

    ○上林忠次君 この組合結成の問題、これははなはだ自分の仕事にふまじめなんですが、今日初めて私出たのですが、果して組合で、中小企業者がこれで救われるのかどうか、先ほどから問題が出ておりますが、また組合に入るのが一社一票だ、従来の輸出貿易の実績、あるいは金額的な実績をもとにせずに一律対等でいくのだということを先ほどから聞いておりますが、かようなことで実際この組合の運営ができるのか。もしこの実績、従来の実績を加味して貿易の調整をしていくというならば、やはり大きな業者に握られてしまう。特に実績を持たぬような業者も入っていると思いますが、せっかく組合を作っても組合効果をなさぬではないかと思うのでありますが、こういうような組合の運用はどういう工合にするのか。ただ人の集まりで、懇親会のような意味になるのではないかと考えますが、どういう工合に皆さんお考えになっておりますか。この貿易組合にしましても、あるいはメーカーの組合にしましても、あまり効果のないような組合になるのではないかということをおそれるのです。どういう工合にお考えになりますか。不適当かしりませんけれども……。
  153. 永野重雄

    ○参考人(永野重雄君) 鉄の例ですと、ただ懇親会ではなくて、今言ったような輸出に有利な商売のできるような相談の場所、機関ということになると思います。
  154. 吉野信次

    ○委員長(吉野信次君) 政府の方に申し上げますが、先ほど上条さんのお話で、輸出入組合法で上条さんが心配されたようなものが現行法のままでは除けないものかどうか、あるいは漸を追うてそうしなければいかぬものか、その点がちょっとわかりにくいようですが、何とか御意見があったら。
  155. 大堀弘

    ○政府委員(大堀弘君) 先ほどの点は、農機具のような非常に品種の多いものについて一本でやる場合に支障がないかという御心配であったかと思いますが、輸出入組合でかりに中国向けの輸出入組合におきましては、やはり輸出につきましても輸入につきましても相当品種の数が多いわけでございますが、実際の運用といたしましては、総合的な輸入の調整、輸出の見返りに何を出すのだといったようなこと、先方とも全体的な取引は輸出入組合でやるとか、実際問題としましてはやはり米なり塩なり輸入についてもそれぞれの品目についての商社がございますから、その方々がそれぞれ部会を結成して、たとえば輸出につきましても、農機具とか医薬品でありますとか、あるいは化学薬品、人絹糸とかにつきましてそれぞれ専門の一つの部会というものが結成されまして、部会の中で協定をそれぞれいたしまして、その業種としての特色のある取引を先方と話し合いをする。たとえばその場合といえども、部会の中では一人でやるのが適当でないという場合には、もちろんそれに応じた品種ごとのまた代表の人が取引をするというような協定が、この制度によりましても部会の中でまた協定することができるわけであります。そういった運用にいくのが適当ではないでしょうかと私どもは考えておりますが、これは今後の問題でございますから、そういった方法で御心配のような点は現実に今相当解決されるのではないかと、かように考えている次第であります。
  156. 宮田忠雄

    ○参考人(宮田忠雄君) 今の御説明の場合に、輸出入組合で部会を作ってやる場合におきまして、その品目別の輸出組合がある場合には、なるべく品目別の輸出組合を活用していただくということが業界としては非常にスムーズにいくのじゃないか、非常に屋上屋になるようなことに相なるおそれがございますので申し上げておきます。
  157. 上条盛雄

    ○参考人(上条盛雄君) ただいま御説明を願いましたのですが、ただわれわれ自分の立場ばかりを申し上げますけれども、農機具のごときは、消費地とメーカーとが絶えず、中の中間はかりにあっても、直結した形でなければ、絶対に現地に沿った農機具の輸出はできませんし、また先ほど申しましたサービスその他の問題、あるいは現地に対する改良研究の問題というものも解決されませんので、単に現在の機構で、輸出組合員の中で業種別の部会を結集して、そうしてその運用をするということでは、まあ農機具のようなものに第一に不利に起きてくるということは、今度の輸出入組合でも不利に起きてくるということは、輸出、輸入の調整ということが非常に大きな眼目であるとすれば、なるべくめんどうの要らないものをよけい出そうというようなことになって、農機具のようなものは特に省かれがちになって、つい輸出は伸びないというようなことが想像されますので、どうしても運用の中でも農機具の生産業者の輸出は、メーカーの団体なりと常に密接な関係をもって、そこが実際ほとんど実務的な仕事をする、しかしそれがまた、中共でいえば、中共の消費面、あるいは消費面を代表した農業関係なり団体なりとの常に実務的な直結をしていくというような、そういう仕組みがとれるような運営が果してできるかどうか。
  158. 吉野信次

    ○委員長(吉野信次君) 何か今のお話、答弁がありますか。
  159. 大堀弘

    ○政府委員(大堀弘君) これは具体的には非常にいろいろ議論が出ると思いますが、私は御趣旨のような運用は現在の方法によりましてもできると考えているのであります。これはまあ運用の問題になりますので、やはり組合が結成されました上で、そういった御趣旨のようなことができるように実施して参らなければならぬ、かように考えております。
  160. 三輪貞治

    ○三輪貞治君 今のは、運用の面でできるかということを言っておられるわけですね。それはもっとこまかく言われればこういうことだと思うのです。たとえばプラウならプラウというものが中国にいくかどうかしりませんが、しかしプラウを一つ例にとって見ると、プラウというものは画一的なものじゃないのですね。北支のどこの土地にはどのくらいの土の反転をさせるために客土を持たなければならぬということは、これは一々違っているわけです。それを一つの一本の輸出入組合というものでやって、向うの生産者の団体とも何とも連絡のない形で、ただ向うの輸出入の貿易機関とこっちの一本の輸出入組合とで、そういうこまかいところの運営までできるかということを心配しておられるわけで、運用の面でやるという一言では御満足ができないから御質問になっているんだろうと、こういうふうに考えるわけですがね。これはほかの、たとえば精米の機械にしてもすべてそういうことだろうと思うのです。農機具の場合は……。
  161. 大堀弘

    ○政府委員(大堀弘君) これはむしろ問題は、先方の機関の問題になるかと思うのであります。具体的には、やはり現在はまあなかなか具体的な協定その他について、十分調査も行き届いておりませんし、そういった状況がございますが、今後だんだん人の往復も行われて参りますれば、やはり具体的なケースについては現実に即して、機関を一本ではございますけれども、それぞれのものに応じた取引が行われ得る。この一本ということは、必ずしも建前の問題でございますけれども、現実の取引としましては、やはり各商品それぞれの事情に応じた取引が行われていくということになるわけであります。かように考えております。
  162. 古池信三

    ○古池信三君 先ほどの上条さんの御質問ですね、特に農機具のようなものについてはまことにごもっともだと私承わっておったのですが、これはたとえば中国なら中国向けの一つの大きな輸出入組合というものを作るのだから、これはあくまで何といいますか、総合的にごく大きな計画をそこでやっていく、調整をはかっていくことであって、個々具体的な農機具の一々についての問題まで、輸出入組合で調整をとっていくということは、これほ私は非常にむずかしいだろうと思う。たとえば決済の問題であるとか、その他大きな問題の調整をはかっていくのであって、実際は今政府委員から部会というようなお話がありましたが、部会になるのか、今皆さん現在やっていらっしゃる団体が指導権を握って活動していかれるのか、それは今後の運用の面になると思いますが、そういうようなことは定款によっておのずからきまってくるのではなかろうか、こんなふうに私は考えたわけであります。それではまあ不十分だという御意見でありますか。
  163. 上条盛雄

    ○参考人(上条盛雄君) それでこれを運用するときに、私たちのお願いしたいことは、たとえば私たちのメーカー団体、たとえば窓口一本でなかったならば、われわれはどういうことをしても向うの生産者と連携をとって、どういうものがいいか、文章なり、あるいは実物なりとって、だんだん向うと常に要望を加えてやる。しかし改良の必要があるなら改良の点をやって相談し合っていくということでやるわけなんです。今度一本になった場合、われわれ心配なのは、どういう方法でわれわれの生産者と現地の生産者、あるいは生産者を代表した産業組合なり、なんなりいいのですけれども、あるいは合作社でもいいのですが、そういう面と絶えず連携をとりながら、つまり取引以外の問題を、なるべくそういうことで、常に連携をとらして解決するような仕組みのもとにおいて一本化をやっていく。最初からもうお考えに置いてやっていただかなければ困るということであります。
  164. 古池信三

    ○古池信三君 ちょうど私が考えておったようなことをお話しございましたが、実際問題としてはその具体的におやりになっておる方々が、向うと相談をなさり、あるいは引き合い等があればそれをお売りするというようなことでやって、この輸出入組合というものの目的は十分達し得られるのではないか、私はそんなふうにちょっと感じたのですが、政府の方はどうお考えになっていますか。
  165. 大堀弘

    ○政府委員(大堀弘君) 先ほど少し言葉が足りなかったかと思いますが、輸出入組合はやはり全体の問題、輸出入の計画なり決済の問題等につきまして、全体として調整して参るわけであります。個々の取引は結局先ほど申し上げましたように、部会の運用によって、それぞれの商品の特質に応じた取引方法をとり、特に個々の契約その他はやはり部会の中の個々の商社が、その部会の協定に従ってそれぞれ契約をするということで適当に運用されるのではないか、かように考えております。
  166. 藤田進

    ○藤田進君 ちょっと私ども今まで聞いておったのとだいぶ変ってきたような気がしてならないが、そうしますと、自主的に従来作られている既存の各種団体が、これが直接仕向地との取引を行なっていく。数量なり、あるいは金頭なり、そういったことは、それが行なっていくということであれば、今説明のように、そうすれば今までとさして異なることはない。従ってそうすれば輸出入組合なんというものは必要がなくなるので、決済のことについてやるのだとおっしゃるが、それは輸出入組合がやらなくても、当然なし得る。そういう今のような説明であるならば、また輸出入組合の性格なり、内容が大きく変ってくるわけでありますから、しかしそういう御答弁であれば、これは間違いないわけでありますから、私ども研究したい。
  167. 吉野信次

    ○委員長(吉野信次君) いいですか。それで、政府委員の方は……。
  168. 上林忠次

    ○上林忠次君 関連して……。メーカーが、これまで直接作って輸出しているという品目があるわけであります。貿易商を通さずに、自分らが貿易を行なっている。かような品目については、これは従来通りメーカーのマージンと貿易のマージン両方がこれまでの利益だったんですから、何も新しいこれまでかつてタッチしたこともなかったような貿易商にタッチさせなくても……特殊な輸出のようなものはこれは貿易の方も頭を突っ込ます。突っ込むかもしれないが、これは決済のため……。利益は主としてメーカーの団体にやる、メーカーの組合にやるということにすべきではないかと思います。そういうような例外が相当できるのではないかと思いますが、この点に対してはどういうようにお考えになっておりますか。
  169. 大堀弘

    ○政府委員(大堀弘君) ただいまの御質問の点につきましては、メーカーでありましても直接輸出しておりますものについては、この輸出入取引法によりまして、輸出業者ということになりますから、直接その方が輸出業者の立場でやることになります。  それから先ほどの問題につきましては、現在は個別バーター方式ということでありまして、側々の商社が、たとえば米を入れた商社が人絹なり何なりを輸出する、こういうような運用になっておりまして、これがある場合には非常に無理な形の取引になるわけでございます。米については非常な専門家でありますが、輸出のあるものについてはなかなか専門家がいないということになるわけでございます。輸出入組合ができましたときには、米はやはり米の人がやっていく。その場合の見返りの品物につきましては、その専門の方が担当してやっていく。総合しましてやはり均衡を見ながらやっていくということがねらいでございまして、私ども前から申し上げている趣旨と同じに申し上げておるのでございます。
  170. 吉野信次

    ○委員長(吉野信次君) ちょっと参考人の方、だいぶ長いのでございますが、もし……。
  171. 藤田進

    ○藤田進君 参考人の理解に誤解があるといけないと思いまして。  要するに直接の取引を要すると、これは決済方法がバーターである場合が今出たのですが、その場合も問題だし、その場合においてもかつ直接の取引をしなければならぬということだったんですね。上条さんの方はそういう品物の特質からも必要とする。しかし、これは農機具だけではないと私は思いますけれども、しかしそれができるのだと、従来のその団体で向うとの取引ができて、輸出入組合なるものはその決済方法とかといったような大きなところをやるのだと、こういう説明でありますから、私は今までとは違っていたと、今度はあとの今の説明でいきますと、今要求せられているようなことは事実上できなくなる。できますとおっしゃるがそれはできなくなる。あなた言われるように、バーターの場合に農機具を出すけれども、向うからは大豆を取るとか、その大豆の問題はほかの人が大豆専門の業者にやらせると、こういったような説明になりますと、やはりそれはできないことだと感ぜざるを得ない。
  172. 大堀弘

    ○政府委員(大堀弘君) これは私どもは全体としましてはやはり貿易のバランスを見ながらやっていかなければならぬのでありまして、従いましてその全体のバランスの問題が、輸出入のバランスの問題はやはり輸出入組合全体として調整していかなければならない。しかし個々の問題については、個個の商社が今までのように必ずしも輸出を担当しなくても、輸出の専門の方が輸入の見返りのものを出していくと、より合理的な運用ができる。これが組合のねらいでございますので、私はまあそれで御趣旨に沿うように運用ができると思っております。
  173. 藤田進

    ○藤田進君 今の点はあとは速記録もできると思いますから、答弁にどういう点があるかということを十分指摘して、私は政府の方の質問は続けたいと思いますから、その点はそれで打ち切っておきたいと思います。
  174. 栗山良夫

    ○栗山良夫君 私は大へん時間がおそくなりましたが、参考人のおいでになるうちに一点だけ重要な点を申し上げて、それぞれ御意見を伺いたいと思います。  私はこの取引法の中で一番ただいま問題になっております点は、輸出入組合の点、しかも、その輸出入組合の対象に今あげられておるのは、中共地区との貿易の問題が一番高く取り上げられておるわけであります。ところが、きょうの午前中からの参考の御発言、特に日本貿易会の専務理事等の御発言を聞きましても、中共貿易というものが非常に国際的な、あるいは国内的な政治問題として扱われておりまして、純貿易業務の上を越えておる非常に困難な問題があるということがはっきりされたので、今日の状況においてもそうでありますが、終戦後今日まので経過をたどってみますというと、非常に困難な中共貿易の少くとも第三次の協定まで作り上げてこられましたところの実績を作り上げた努力というものは、日本における特に中共貿易に熱心であった中小商工業の方々の献身的な努力の成果が、私はここまで築き上げてきておったと思います。大貿易商社なり、あるいは大メーカーの方々が献身的な努力をなさったという実績はあまりないように私どもは伺っておるのであります。特に過日、中共の使節団が日本へ来られましたときでも、皆様方が御承知の通りに、相当有力なメーカーの方々は、その工場等の参観すら拒絶をせられた幾多の実例があるわけであります。そういうわけでありまするから、将来日本の立場から考えて、中共貿易を促進しなければならないという一つの使命を持っておるとするならば、今まで非常に長い間苦労に苦労を重ねて中共貿易の窓口を開いてこられた今までの商社なりメーカーなりに、やはり将来の発展の窓口と申しますか、これを与えるような行政指導であり、法規の制定がなければならぬ、私はそういうように考える。しかるに、ただいまの出されておる法案を見まするというと、輸出入組合の起案をせられました動機がどこにあるかということは存じませんが、とにかく日中貿易日本貿易会等においても賛成であるということをおっしゃっておりまするが、もし輸出入組合というものを通じて、ほんとうに中共貿易を促進しようと思うならば、国際的な困難な政治問題を解決してでも、あくまでも中共貿易を進めていくのだ、ココムの制限というものはできるだけ緩和して、将来は撤廃まで持っていくのだという、そういう強い意思というものが、あるいは気魄というものがなければ、とうていそういう輸出入組合を作りましても、拡大均衡にはいかない。縮小均衡になってしまう。こういう工合に私どもは懸念をするわけです。従って通産当局の今までの御説明では、私どもはただいま申し上げました点について、残念ながら理解ができない。通産当局が輸出入組合というものを考えられた動機ですね、これは何でお考えになったのか、特定のどういう業者からの陳情等があって、そしてお考えになったのか。あるいはまた、そういう陳情というものは全然なくて、通産行政の中でこういうものを置いた方がよかろうという、そういう構想でやっておいでになるのか、あるいは現実は中共貿易を、常に困難な過去の道をたどりながら今日まで切り開いてきた中共貿易をやった人々の意見によって、こういうものを取り上げられたのか、この点も一つ、参考人もおいでになるところでありますから、明確におっしゃっていただきたい、こう思います。
  175. 大堀弘

    ○政府委員(大堀弘君) 私どもとしましては、これはやはり中共貿易を従来やってこられた方の相当多数の方が、やはり輸出入組合でやった方がよろしいという御意見のように私どもは考えておるわけであります。その他各方面の御意見を承わって参っておりますが、これはそこまで参りますまでには、いま一つの公団的な一本の機関がよろしいじゃないかというような御意見もございます。しかしながら非常にバラエティも多い近接した地域でありますから、やはり業界が参加した輸出入組合の方が、今日の段階におきましては最も適当ではないかという声が、相当多数の声であると私どもは承知しております。私ども通産省の立場といたしましても、先方がああいった特殊の貿易のところでございますし、また、こちらの業界がまとまって参りますためにも、現在あります私的な団体でございますと、協定その他につきましても、いろいろ独禁法の制限等がございまして、運用上支障があるのであります。従いまして、やはり公的な輸出入組合の体制でもって業界がまとまっていくことが、最も適切な運用ができる。また、これによって私どもは、昨年来の逆トーマス残等の運用につきましても、輸出入組合一本でやります方が、貿易拡大の意味において、より適切な結果が得られるのじゃないか、かように考えておるわけであります。
  176. 栗山良夫

    ○栗山良夫君 その問題は、私が先ほど申し上げました一番中心の点に触れて御返事がいただけなかったのでありますが、輸出入組合を置こうという基本目標は、中共貿易を拡大しよう、拡大均衡をはかろうということのように私ども受け取ったのであります。そうするならば、少くとも輸出入組合を作りまして、その組合員であられる方々が、今あなたは、中共貿易を今までやった人の中にも賛成があるとおっしゃいましたが、私の記憶しておるところでは、やはりその中でも大手の商社なり貿易商社の方々であろうと思います。これはもし間違っておったら否定していただきたいと思いますが、そういう人であろうと思います。あるいは非常に困難な道を開いてここまでやってきた途中において大手の方々が、悪い言葉でいえば、便乗された点もなきにしもあらず。しかし、これから拡大していこうと思えば、政治的な一つの大きなレジスタンスがあることもわかっておるわけでありますから、これを乗り越えてやっていくくらいの気魄と熱意がなければ、これは拡大均衡にはならないわけであります。ココムの制限緩和の一つを取り上げてもそうであります。台湾貿易一つを取り上げてもそうであります。今まで相当大きな犠牲を払ってやってこられたわけでありますから、これは明白なる事実といって差しつかえないと思います。従って中共使節団が日本に来ても、その工場を見せることすら拒絶するような、そういう方々、あるいはそれと同調しておられるような商社の方々が指導権を握られるような輸出入組合では、私は決して拡大均衡にはならないと思う。そういう便乗主義的な考え方でいかれるようでは、私は決して拡大均衡にはならぬと思います。そこのお考えを私は伺っておるわけであります。
  177. 大堀弘

    ○政府委員(大堀弘君) 私どもは組合の運用全般につきましても、これは大手商社だけに有利な制度ではなく、やはり中小業者につきましても、組合に参加して、先ほど来御意見がございましたが、全体としてやはり協定して参ることが、むしろ全体のための利益になると考えまするので、今後の運用もさような方向に運用されていくものと、かように考えております。
  178. 栗山良夫

    ○栗山良夫君 私は一番大事な質問に対して全然答えておられないのですけれども、中共貿易を拡大均衡に狩っていくためには、今中共貿易をやろうとしておるような構想、あるいは輸出入組合を作って、その中へ入ってやろうとするような、そういう構想では、拡大均衡はできないのじゃないか。先ほど詳しく私は私の考えを述べて御質問いたしました。そこで通産省として、私の考えが間違っておれば間違っておると、はっきりおっしゃっていただきたい。また私の考え方がその通りであるならば、その通りだとおっしゃっていただきたい。そこのところを明白にしておっしゃっていただきたい。私はここで二へん繰り返し質問しておる。
  179. 古池信三

    ○古池信三君 今の栗山委員の御質問はごもっともな御質問だと思うのであります。しかしこれは政治的な困難を大いに政府として打開して今後中国との間の輸出入を拡大均衡をしていこうという、そういう腹と気魄が政府にあるかどうか、こういう質問だと思うのです。この質問に対しては、私はむしろ大臣からの気魄と腹を直接われわれとしては聞くべきであって、その方が適切であろうと思うのです。それできょうはこの程度でどうでございましょうか。
  180. 栗山良夫

    ○栗山良夫君 私は古池委員が政府を代表して、私に答弁をされたような格好になっていますが、(笑声)それはまあ御自由ですけれども、そういうことでなくて、通商局次長はもし古池君の言われるような考えでおれば、それははっきり申し述べていただいて、私は大臣の御出席を求めます。しかし少くとも今までの御答弁を聞いておるというと、そういう私の答弁について、これは政策問題である、政治問題であるからして、私の答弁の限りでないということは一言もおっしゃっておられない。それに私の質問に対してはきわめてまじめに、私の質問に対して、ピントははずれておるけれどもとにかくまじめに答弁下さっておる。それで私は繰り返し質問を続けておるわけであります。
  181. 大堀弘

    ○政府委員(大堀弘君) 私もちょっとわかりが悪いものでございますから、よくのみこめないのでございますが、ココムの禁輸解除の問題につきましては、これは昨年来政府といたしましても、禁輸解除につきましては相当努力を継続して参っております。はなはだ成果不十分ではございますけれども、今日でも相当努力をいたしておるわけであります。その点によりまして、中共との貿易の拡大については今後もさらにやる考えでございます。現状の組合の問題につきましては、これはその全体のワクの中におきまして、現在でき得るものを最大限度にやって参るということについては、組合の運用によりますることは、きわめて適切な結果を得られるのではないか、かように考えております。
  182. 栗山良夫

    ○栗山良夫君 これは永野さんにちょっとお聞き願いたいんですが、この間鉄鋼関係の関係者が中共とソ連へ視察に行きましたことは御存じだと思います。あれの帰朝報告を大同製鋼の秋田技師から伺いまして、これを聞きまして非常に重要な報告であり、またわれわれ日本産業界に少しでも関係のある者としては、傾聴に値する話だと思って聞いたのであります。それは、今ココムの制限を撤廃して、せめて亜鉛鉄板でも大量に出すべきだ、こういう意見が国内にあります。これはあなたの御専門だからよく御承知だと思いますが、ところが秋田君の御報告によりますというと、鞍山製鉄所のごときは設備の規模といい、中に稼働しておるところの諸機械設備といい、戦争前に日本人がやっておった設備というものは全然跡形もなく更新されており、ソ連が今チェコ、ドイツ、スウィッツル等の精密機械までも並べて、はるかに八幡製鉄所もしのぐような大設備になっている、従って今亜鉛鉄板を中共に買ってくれなどと言っても、もう貿易の対象品にならないというところにまできておるのではないか、また近くそういうようになるところへきているのじゃないか、そういう話を聞きまして私は非常に感銘を深くしたのですが、と同時に、われわれの将来に対する覚悟といいますか、そういうものを新たに私はしたわけです。従って中共から使節団が来たのに、工場を見てもらっちゃ困るというような、そういう格好の産業界のあり方では、とてもココムの制限の緩和どころじゃありませんよ。大体貿易品の品目の選定すらできない、私はそう考えるのです。従って通産省に対しても、今のような中共に対する貿易観なり、貿易に対する行政指導というようなもので、ただ法難で輸出組合を一つ設けたところでできないんじゃないか。そのことを私は通商局にもただしておるのです。それからおいでになった参考人の方々に、大へん失礼な言い分ですけれども、お聞きを願って、もし御意見があれば伺いたいと、こういうことを申し上げたのです。
  183. 海野三朗

    ○海野三朗君 本日参考人の方々からお伺いいたしましたので、非常に私どもの知識を広めてもらいました。たとえば鉄鉱石、それから鉄を輸出するに対しても、相談なしにやってはたたかれる、これはごもっともな話で、それはどうしてもメーカーがやはり一つのグループを作ってやる必要があるというふうに感じましたが、通産当局の説明では、時々そのでこぼこを調整するというお話でおって、中共の片貿易を是正する、そうして拡大均衡に持っていくというお話でありましたが、それと全然反対な結果になるのです。それで業者の人々がそれぞれにその輸出組合でもって一つのグループを作る。それならば意味がはっきりわかるのですが、この輸出組合法によって輸出の調整をはかるというふうにお考えになっておることは、輸出の拡大均衡にはならないので、輸出の縮小になると私は考えるのであります、これが第一点。  それから先週、先々週でありまするか、ココムの製品に対してワクを広げるように努力しておるということを今おっしゃったけれども、いかなる努力をなさったか、その具体的なことを早くデータにしてお出し下さいということを私は言ったけれども、さらに骨を折った形跡が私は認められないのであります。で、のんべんだらりとして通産省当局はおられるようにしか思われないので、もしもココムのワクを広げることに努力したと言はれるならば何月何日どういうことに対して要請した、それに対してはどういうふうに返事がきた、それを一々はっきりと私の前にお示しを願わなければココムのワクを広げるためになんて言われるけれども、それは私納得いかないのであります。その資料の御提出をお考えになっておりましたか、通産当局にそれを私お伺いしたい。その三点です。
  184. 大堀弘

    ○政府委員(大堀弘君) 輸出組合の問題につきまして、これは縮小均衡になるという、先ほど御意見がございますが、私どもとしては現在の制度よりもこの新しい輸出の措置法によりまして運営いたすというようなことにより貿易の拡大になる、かように考えておる次第でございます。これは個々の業者が、個別のバーターによりまして制限された動きをいたしますよりも全体として調整をいたして参りました方が、先ほど申しましたように、輸出はそれぞれの専門の人がやっていく方が、これは全体といたしましては拡大の方向に持っていける、かように考えておるわけであります。  ココムの問題につきましては、これは常時出先と連絡をいたしておりまして、現在までにも本年一月以来特認の解除を受けましたものが八件、三百万ドル近いものがあるのであります。これにつきましては事柄の性質上、一つ発表のほどは差し控えさせていただきたい。私どもは相当の成果を上げつつあると思っております。
  185. 海野三朗

    ○海野三朗君 あとは私質問は通産当局になりますから、本日はこれで、ここに質問を保留いたします。
  186. 吉野信次

    ○委員長(吉野信次君) どうでしょう。皆さんに、ちょっと参考人の方もだいぶ長くあれしていただいて……。  参考人の方々には、大へん長いことお暑いところを大へん有益なお話を伺いまして、ありがとうございました。あらためてお礼を申し上げます。  ちょっと速記をとめて。   〔速記中止〕
  187. 吉野信次

    ○委員長(吉野信次君) じゃ、速記を始めて。  本日はこれにて散会いたします。    午後四時五十九分散会      ―――――・―――――