運営者 Bitlet 姉妹サービス
使い方 FAQ このサイトについて | login

1955-06-30 第22回国会 参議院 外務委員会 15号 公式Web版

  1. 昭和三十年六月三十日(木曜日)    午前十時五十六分開会     ―――――――――――――  出席者は左の通り。    委員長     石黒 忠篤君    理事            鹿島守之助君            小滝  彬君            羽生 三七君            苫米地義三君    委員            草葉 隆圓君            梶原 茂嘉君            後藤 文夫君            佐藤 尚武君            曾祢  益君            野村吉三郎君   政府委員    外務政務次官  園田  直君    外務省参事官  矢口 麓藏君    外務省条約局長 下田 武三君   事務局側    常任委員会専門    員       渡邊 信雄君   説明員    大蔵省主税局税    関部業務課長  崎谷 武男君    運輸省観光部業    務課長     福永 正美君     ―――――――――――――   本日の会議に付した案件 ○日本海外移住振興株式会社法案(内   閣送付、予備審査) ○観光旅行のための通関上の便宜供与  に関する条約の批准について承認を  求めるの件(内閣提出、衆議院送  付) ○観光旅行のための通関上の便宜供与  に関する条約に追加された観光旅行  宣伝用の資料輸入に関する議定書の  批准について承認を求めるの件(内  閣提出、衆議院送付) ○航空業務に関する日本国とカナダと  の間の協定の締結について承認を求  めるの件(内閣提出、衆議院送付) ○商品見本及び広告料の輸入を容易に  するための国際条約への加入につい  て承認を求めるの件(内閣提出、衆  議院送付) ○船舶の滅失又は沈没の場合における  失業補償に関する条約(第八号)の  批准について承認を求めるの件(内  閣提出、衆議院送付) ○海員の雇入契約に関する条約(第二  十二号)の批准について承認を求あ  るの件(内閣提出、衆議院送付) ○海上で使用することができる児童の  最低年令を定める条約(千九百三  十六年の改正条約)(第五十八号)  の批准について承認を求めるの  件(内閣提出、衆議院送付) ○船員の健康検査に関する条約(第七  十三号)の批准について承認を求め  るの件(内閣提出、衆議院送付)     ―――――――――――――
  2. 石黒忠篤

    ○委員長(石黒忠篤君) それではこれより委員会を、開きます。  政務次官の本会議出席の都合がございますので、便宜、日本海外移住振興株式会社法案についての提案理由の説明を先にしたいと思います。
  3. 園田直

    ○政府委員(園田直君) 日本海外移住振興株式会社法案の提案理由及び内容を説明いたします。  まず提案理由を説明いたします。  戦後中南米諸国に対する移住者の送出は、昭和二十七年度末より開始され、政府が送出しましたいわゆる計画移民の数は昭和二十七年度五十四名、二十八年度一千四百九十八名、二十九年度三千七百四十一名と、年とともに増加しており、昭和三十年度は約五千五百名を送り出す予定であります。このように海外移住事業が進展して参りました直接の原因は、戦後、中南米諸国の対日感情が好転し、単にブラジルのみならず、アルゼンチン、パラグワイ、ボリビヤ等もわが移民を歓迎するに至ったためでありますが、政府が昭和二十七年移住者送出開始とともに、渡航費の貸付を行ったこともあずかって力があったことと考えます。  しかしながら、わが移住者受け入れに対する国際情勢の好転に即応して、大量移民送出を可能ならしめるためには、戦後の中南米諸国の工業化の傾向に呼応し、最近独伊等が中南米移民政策の重点を、資本と技術を持つ企業移民の育成強化に向けている趨勢にもかんがみ、移住者の行う事業及び移住君を受け入れる事業の助成拡大にまで乗り出すことが必要となってきたのであります。  政府は、かねてより米国の民間三銀行との間に、移民借款の交渉を進めて参ったのでありますが、託し合いは有利に展開し、三行は借款を供与する意向を表明して参りました。よって予算の許す範囲内でなし得る財政出資をもととし、これに民間資本を加え、海外移住振興業務を行う機関を設立し、これに目下交渉中の移民借款を受け入れ、もって移住促進のため移住者が現地渡航後の事業資金に事欠かぬよう、移住者及びその団体の行う事業に資金を貸し付けるほか、必要あるときは、移住者を受け入れる現地事業に投融資し、さらにまた場合によっては移民を受け入れる現地事業を経営できるようにして、移住者受け入れの現地側の基盤を積極的に拡大し、培養する必要があります。かかる見地から、移住振興業務を行う機関の形態としては、各界各方面の御意見を十分に承わった上、移住振興の国家的事業への奉仕を確保するため、政府の監督の下に資金を効率的に使用できる組織とすることを適当と認め、これがため、この組織を特別法に基く株式会社とする方針の下に、ここに会社設立の根拠法として日本海外移住振興株式会社法案を作成した次第であります。以上が、本法律案提案の理由であります。  次に本法律案の内容を説明いたします。  まづ第一に日本海外移住振興株式会社を設立する目的とその業務の範囲であります。  先ほど提案理由の説明で申し上げました通り、この会社は、海外移住振興のため次の業務を行う株式会社でありますが、その業務とは、 1 渡航費の貸付 2 移住者及びその団体が現地で行う事業に資金を貸し付けること。 3 必要のあるときは、移住者を受け入れる現地の事業に投融資し、または会社みずからもかかる事業を経営すること。 4 なお、渡航費貸付の事務は外務大臣の指定する団体に委託できること。 等になっております。  第二に、資本関係の規定であります。  政府の出資額は予算の範囲内となっており、三十年度においては政府は一億円出資することを規定しています。  第三に、役員に関しては、取締役四名以内、監査役二名以内とする規定になっております。  第四に、社債発行額の限度は、資本及び準備金総額または純財産額いずれか少い額の五倍以内と規定しています。  第五に、政府は会社の外債償還を確保するため、会社振出の外貨手形をその満期前一日までに、政府が相手方外国銀行から買い取る皆の契約をなすことができ、また、会社の利息債務を政府が保証する規定となっています。  第六、監督関係の規定を申し上げますと、外務大臣が会社を監督することとなっておりますが、社債募集、定款の作成変更、毎営業年度の事業計画、一年以上の資金借入、重要財産の処分等については、外務大臣は大蔵大臣と協議して認可をすることになっております。  最後に本会社は、一般的に本法律案に規定する場合のほかは、もとより株式会社として商法その他の民事法の適用を受けるわけでありますが、会社の業務の公共性にかんがみ、会社に対する政府の監督は業務にまで及び、また役員その他の職員の不正行為に対しては重く罰する規定となっております。  以上をもちまして本法律案の提案理由及び内容の概要の説明を終ります。  何とぞ慎重御審議の上、すみやかに御採択あらんことをお願いいたします。
  4. 石黒忠篤

    ○委員長(石黒忠篤君) 本法案に対しまする質疑は、他のやりかけの案件を終えました後にいたしたいと思います。     ―――――――――――――
  5. 石黒忠篤

    ○委員長(石黒忠篤君) 次に、観光旅行のための通関上の便宜供与に関する条約の批准について承認を求めるの件及び観光旅行のための通関上の便宜供与に関する条約に追加された観光旅行宣伝用の資料の輸入に関する議定書の批准について承認を求めるの件、この二件に対しまして質疑中であったわけであります。なお、この二件につきましては、大蔵省税関事務当局の出席も要求してありますので、御質疑を願いたいと思います。
  6. 小滝彬

    ○小滝彬君 この前の委員会で、これは運輸省が主管だから、税関関係は必要がないのだ、こういう政府委員の説明がありましたけれども、これには税関の手続に関することもありますので、当然大蔵省も十分な注意をもってこれが実施に最善を尽してもらわなければならん。その意味で、私は同時に税関側に注意を喚起いたしたかったのであります。一体、占領下におきましては、アメリカの占領軍当局が監督しておった関係もありまして、私は通関などについてあまり問題がなかったように記憶いたしております。その後、やり方を見ますと、だんだん日本の税関の取扱いぶりは、インドとかパキスタンとか、新興国が一つの権利を振り回すという態度に似たものが出て来ていやしないか。またアメリカにおいては御承知のように相当厳重な取扱いをしておりますが、これはヨーロッパとアメリカの違ったところであって、また特に観光というようなことはそれほどの重要性を持たないというような点からも来るのじゃないか。しかし日本の場合には、占領下においてアメリカの教育と申しますか、指導のもとにあったため、そういう考え方がうつっていやしないかと思うので、この点について税関部の方に一、二お尋ねしたいと思います。  税関の職員については、いろいろ教育指導の方法をとっておられると思いますが、今それは一体どうなっているか、これが第一点。それから大蔵省でもどこの省でもそうでありますが、海外出張というような場合には、税関部長というような人が出て行かれるけれども、現実に取扱いをする人が、ほんとうにヨーロッパあたりではどうやっているかを見るほうがいいにもかかわらず、そういう方面の人が世界各地での実情を知っていないのじゃないかと思うのですが、こういう点については、海外との連絡というような、あるいは海外へ出て実地の見学をするというような点は、どういうふうな取扱いをしておられるか、まずその二つの点をお伺いしたいと思います。
  7. 崎谷武男

    ○説明員(崎谷武男君) 小滝委員の御質問の第一点は、税関の職員をどういうふうに教育しているかという問題であります。税関は、先ほど小滝委員のお話にもありましたように、なるほど戦後再興したわけでございますが、お話のようにパキスタンその他の新しく独立した国と違いまして、税関行政八十年の伝統を持っております。観光旅客も戦前からもあったわけでございまして、その点については戦前からの税関行政のよい伝統というものを一応持っております。ただし、もちろん戦後のことでございまして、若い職員がたいへん多く入ったのであります。いろいろな点で非常識な点もございますし、行き過ぎもございますし、その点は私どもとして常に警戒しております。若い職員の研修教育ということにつきましては、特に税関研修所というものを設けまして税関にもそれぞれ研修所の支部のようなものがあり、それから中央でも研修所がございます。毎年中央でも普通科、高等科というように分けまして、かなりな教育をしております。中央におきましても、語学教育その他関税法規等の研究はもちろんでございますが、エチケット教育まで実は、やっております。かなり教育には重点をおいておるものと確信しております。  それから第二の問題でございますが、実は一昨年でしたか、ただいま羽田が日本の窓口の一番大きなものでございますが、現在羽田は税関支所でございますが、これの次長をやっております者、それから東京税関におります職員、若い職員でございます。この二人を、実際の税関職員がどういうふうにやっておるか十分見せるためにヨーロッパに出張させまして、その二人が帰って来てから、これは非常に効果があった。ほかの税関職員にもいろいろな話をいたしまして、現実に出したのは二人だけでございますが、非常に効果があったと私ども承知しております。
  8. 小滝彬

    ○小滝彬君 八十年の伝統があるというような御答弁でありましたけれども、私は税関の伝統は必ずしも立派なものであったとばかりは言えないじゃないかと思うのです。もちろん日本の現状におきましても、台湾、中共方面から来るもの、あるいは朝鮮から来るもので、相当警戒を要するものがあって、税関当局では非常に困っておられるだろうということもわからないわけじゃございません。がしかし、観光客であるとか、あるいは国際会議に来る人であるとか、あるいは相当の地位のある人などにつきましては、なるべく悪い感じを与えないように、その辺はあらかじめいろいろな報告もとり得るだろうと思うのです。香港あたりから来る人々の情報収集というようなものについては、相当税関当局も努力しておられることだろうと思うのですが、一体そういう差別的なことができないというお考えであるかどうか。  また、もう一つは、そういうような事前の報告というようなものは、どの程度収集し得るか、そういう点。もう  一つは、今、外国語を教えておると言っておられましたが、あれは、税関におるのはほとんど全部外国語がわかるのですか。そうした点をもう一度お示しを願いたいと思います。
  9. 崎谷武男

    ○説明員(崎谷武男君) 税関は、旅客による密輸というものをもちろん警戒しておりますが、旅客がどこから来るかということは相当重要視しております。どこから来るかということによって、また、どういう飛行機で来るか、飛行機で来ても、最近はいろいろなものを持って参りますが、飛行機で来るか、船で来るか、その他どこから来るか、どうい経路で来るかということによりまして、かなり差別的に考えておりまして、必ずしも一様に扱っておるというわけではございません。  それから、まあ税関官吏が、非常識でも、若い点もございまして、新聞に出ておる有名な人をときどき気がつかなかったりするような、実は間の抜けたこともあって、これは申しわけないと思いますが、このごろは事前に、外務省その他から、重要な人は、インフォーメーションもございますし、その点はできるだけ間違いのないようにいたしております。  なお税関の語学の問題でございますが、これは毎年向上いたしておりますが、まだ現在においては、全般的には、レベルは、仕事の要求を十分満たすところまでは行っておりませんが、中にはかなり優秀なものもおるということで、その優秀な連中を中心にして、まあ何とか円滑にやっておるものと私ども今考えております。
  10. 小滝彬

    ○小滝彬君 私だけ長々質問する気持はございませんが、要するに、優秀なものを表彰してやると、従来どうも、税関はもちろん警察的なものでありますけれども、非常に自分の権限というようなものを認識し過ぎておるというような感があるので、ことに、こういうような条約でも批准されるということになれば、それとマッチした態度でやってもらわなけりゃいけないと思うわけであります。まあ戦前から日本の税関なり日本の警察というものは、外国人をふるえ上らせた、特にヨーロッパあたりから来た者にはそういう感じを与えておりますので、もちろん要警戒人物が来たときの措置は必要でありましょうが、単なる観光客とか、あるいは国際会議に来るとかいう者に対しては、十分に上の方でも注意してもらい、特に優秀な者は海外へでも派遣されるというような措置をぜひとってもらいたいと思います。これは、今課長の方がお見えになっただけだそうでありますから、長々申しませんが、そうした点は当然税関部長あたりと協議になって、私が今申し上げましたことは、私だけの意向ではないと思いますので、そうした点を十分御留意願いたいと思います。実は過日の委員会においても、大蔵省が来ていなければ私は質問をよそうかとも思ったんでありますが、私のみならず左派の皆さんからも、それは、ぜひ、そういう点を注意を喚起してもらいたいという申し出がありましたので、わざわざ出てもらったわけでありまするから、そうした点をぜひ実行してもらい、この条約を私どもは承認したい気持でありまするが、これが十分な効果をあげるように、運輸省とも十分なる連絡をとられて、大蔵省側で間違いのない措置をとってもらいたい。これだけを申し上げまして、私は税関関係の方に対する質問を打ち切ります。
  11. 石黒忠篤

    ○委員長(石黒忠篤君) ちょっと小滝委員に申し上げます。今日は運輸省からも、特に福永業務課長が見えております。
  12. 小滝彬

    ○小滝彬君 そこで今から運輸省に質問しようと思うんですが、この観光事業のために相当海外でも費用を使っておられる、海外に事務所のようなものを設けておられるやに了承しておりまするが、どういう海外に対して日本の宣伝措置をとっておるか、また直接この観光部と申しますか、運輸省のそれでなくても、ほかに対してはどういう手を打っておられるか、宣伝の実際上の施策について説明してもらいたいと思います。
  13. 福永正美

    ○説明員(福永正美君) ただいま御質問になりました日本の対外観光宣伝につきましては、現在は国際観光協会と申します財団法人に補助金を一部出しまして、それによりまして宣伝をいたしておりますが、その国際観光協会は、現在ニューヨークとサンフランシスコの二カ所にそれぞれ定員二人の職員を置きました観光宣伝事務所を持っております。その費用は観光協会全体といたしまして約一億たらずの金でございますが、それを主として海外の観光宣伝に使っておりまして、この数字は、戦前におきましては、在外事務所が世界各国で約七カ所、それ以外に宣伝事務所まで至らないところの宣伝嘱託員、コレスポンデントというものを各地に十三カ所持っておったのですが、これに比べまして、現在におきましては、ただいま申し上げました北米大陸二カ所だけでございます。これは現在日本に参りますところの旅客の数が大体年間昭和二十九年度におきまして約九万名足らずでございますが、その半分以上が主として北米大陸から参ります関係で、現在は予算の関係から北米大陸だけに宣伝事務所を持っているわけでございます。
  14. 小滝彬

    ○小滝彬君 運輸省の古手の役人を、交通公社であるとか、あるいは観光協会に使うというような傾向があるという批判を受けているんですが、この国際観光協会というものはどういう人が中心になっておられますか、どの程度国家の補助を受けているか、全額が国家の金であるか、そういう点も、もう少し詳しく説明していただかないと納得ができません。
  15. 福永正美

    ○説明員(福永正美君) 大体その観光協会のメンバーでございますが、会長はもとの東京銀行の頭取でございました浜口さんでございまして、副会長は、もとの全日本観光連盟副会長の平山さんという方でございます。それから理事は全部で二十名くらいの定員でございますが、そのうち専務理事的なものは約三名でございまして、そのうちの一人の方が交通公社から出ている人でございまして、もう一人の方は東京都から出ている方でございまして、もう一人の方は全日本観光連盟から出ている方でございます。それ以外の理事は、この国際観光協会を設立した場合の主とした出資者の中から選んだわけでございますが、この国際観光協会と申しますのは財団法人でございまして、その設立者は、東京都、全日本観光連盟、日本交通公社及び日本国有鉄道でございまして、この田老が合同いたしまして、合計百万円の寄付行為をいたしまして、それに基きまして、この協会の趣旨に賛同されました方々からの拠出金と補助金と合計いたしました金額約一億ちょっとでございますが、それくらいの金で運営しているわけでございまして、その一億円のうちで、補助金は、三十年度につきましては、現在国会で審議中でございますが、大体五千二百万円前後でございます。
  16. 小滝彬

    ○小滝彬君 その一億というのは資本金ですか。年々の経費ということでございますか。
  17. 福永正美

    ○説明員(福永正美君) そうでございます。寄付行為の金は百万円でございます。
  18. 小滝彬

    ○小滝彬君 それは年々百万円……、
  19. 福永正美

    ○説明員(福永正美君) 百万円寄付行為をいたしまして、財団法人を作って、それに対しまして年々約一億円くらいの収入で仕事をするわけでございます。
  20. 小滝彬

    ○小滝彬君 今の顔ぶれを見ましても、浜口さんは、おもてにいるけれども、そうした運輸省の関係の人が多い。これは経験があるから差しつかえないと言われるでしょうが、そうした団体を作って、しかもただ二つしか事務所がない。そうして海外へ出て一体どういう宣伝活動をしているかというと、国際観光協会がこれだけのことをやっているという話しかないのですが、そんな無理をしないで、もろと在外公館というものを、一体外務省に単なるいわゆる貿易なり政治の外交ばかりをやっておるはずではない。もっとそういうものを利用して、費用を少くして効果を上げるという措置もなければならないと思うのです。どうしても自分の畑の者を出して、これでもって直接やらなければならぬというような考え方が依然として残っている。戦前はコルレス関係が七カ所あった。そういうことも私は知らないわけじゃないですが、もう少し実態に即した積極的なそういう方法を、今おっしゃるような直接の機関でなしにできはしないかと思うのですが、そういうところについての見解はいかがですか。
  21. 福永正美

    ○説明員(福永正美君) 今小滝委員から御指摘がございましたように、私の説明が足りなかったわけでございますが、この国際観光協会は、海外事務所は現在ニューヨークとサンフランシスコに二カ所ございますけれども、それだけで宣伝活動をしておるわけじゃございませんので、実は国際観光協会が作りましたところの宣伝印刷物なりポスター、写真、スライド、それから映画等につきましても、主要な各地の在外公館にそれぞれ配付いたしまして、そちらの方で同時にそういう観光宣伝をやっていただいておるわけでございます。
  22. 小滝彬

    ○小滝彬君 これは今から聞こうと思うのですが、一年の観光収入はどれだけあるかということも聞こうと思うのですが、これは輸出の商品のアイテムに比べてみても相当なものだ。しかりとすれば、断然外務省あたりもこれに全力をあげて協力すべきものであって、それだからこそ在外公館もあり、今度も大公使館などの昇格も認めてやったのだから、そういうことに十分な協力をしなければならん。これはもちろん外務省にも要求しなければならんことでありまするが、その御本尊である運輸省がそういう気持ちでやってもらわなければいけない。そういう点は、まあ課長さんにあれを申しましても――長々申しましてもいかかと思いますので、園田外務政務次官にお伺いしますが、この観光事業を単なる運輸省の専管の仕事だというような考えでなしに、外務省の方からも積極的に運輸省へ働きかけて、ただ単なる国際観光協会などにまかせないで努力するという御意向があるかどうか。その辺の心がまえをお伺いしておきます。
  23. 園田直

    ○政府委員(園田直君) 御意見の通りの意向を持っております。外務省としましては、他の在外公館等が仰せのごとくいろいろな資料を持っておりまして、主としてそういう方面を担当いたしておりますので、われわれといたしましてもできるだけその方面の予算その他の折衝もいたしまして、いろいろな宣伝のための仕事あるいは外客誘致のための仕事、こういう方面も、もちろん進んでやりたいと思っております。
  24. 小滝彬

    ○小滝彬君 これはもちろんやっていただかなければならないことでありまするが、しかし在外公館の二、三の人を見まするというと、日本から行った議員団などに対する態度が非常に不遜であるというようなことも言われており、ときどき私も同僚議員からそういう御注意を、かつて外務省におった関係で受けるのでありまするが、外へ対してよくやるということは宣伝文書を配るだけじゃない。本当にそこにいる公館長なりその館員がその重要性を認めておるならば、日本人が来てめんどうでも、ほかの仕事があっても、それに対して懇切なる取扱いをするのが当然である。実はここで名前をあげるのは、はばかりまするが、そういう態度では対外的にも本当にこうした宣伝もできないと思いますので、こうした点は先ほども下田君に個人的にお話申し上げておきましたが、十分注意していただきたいと思いままするので、政務次官の方でもどうぞ一つそういう点をただ文書を配るばかりでなしに、懇切な態度というものが非常に観光上重要でありまするから、御注意を願いたいと存じます。
  25. 園田直

    ○政府委員(園田直君) その点は特に政務次官としての責任でございますので、私もそのように感じておりまして、具体的に渡航課には、議員の方々で海外へ出られる方は全部直ちに政務次官の方へ報告するように命じておりまするし、これに基いて在外公館にもそれぞれ予定に応じて手配なり電報を打って、そういうことのないようにしたいと考えております。
  26. 小滝彬

    ○小滝彬君 運輸省にお伺いしますが、一体どれだけの国家的貢献をしているかということは、前にあるいは簡雑な説明があったかもしれませんが、年々負担もふえているようですね、そういった点を御説明願います。
  27. 福永正美

    ○説明員(福永正美君) 国際観光協会の仕事につきましては、昭和二十九年の統計を申し上げますと、入って参りました外客の数が約八万七千名でございます。これは一時上陸客も含めたものでございますが、そういう方々の落した外貨の総額は、これは一応推定でございますけれども――確実な資料に基いての推定でございますが、約三千八百万ドルでございます。昭和三十年度――本年におきましては、われわれの予想といたしましては、入ってくる外客の数が約十万人をこえる予想でございますし、その収入は四千五百万ドルをこえる見込みでございまして、現在はこの観光事業の振興五カ年計画というものを各省と協同して作っておりますけれども、それの昭和三十五年の目標は、外客の数が十九万九千人、落す外貨が九千二百万ドルという数字を作っておるのであります。
  28. 小滝彬

    ○小滝彬君 将来の見通しですか。
  29. 福永正美

    ○説明員(福永正美君) それは将来の五カ年計画の目標でございます。これは経済審議庁が主になって作りましたところの昭和三十五年の経済計画の中の外貨収入の中で、費易外収入が約三億二千万ドルという数字を立てておりますけれども、そのうちで、主としてこれを埋めるものは、観光と海運の収入、それから航空関係の運賃でございますが、そのうちで海運が約一億七千五百万ドルくらい、観光が九千二百万ドルくらいの推定をしているわけでございます。
  30. 小滝彬

    ○小滝彬君 計画は意気壮とすべきですが、今申しましたようないろいろな点をよくしてもらわなければ、だめで、単なる紙の上に書いたものにすぎないということになりますので、この点は各省がよく協力をしてやってもらわなければならぬと思います。  ところで、一体、昨年から洞爺丸事件があり、最近は紫雲丸事件というものを発生させた。これは人命というものを日本ではあまり重んじないけれども、外国人から見ればこれは非常に重大な事件でございますが、これは相当大きく海外でも取り扱われていると思います。しかりとすれば、観光関係でそうした海外の情報も集めておられると思いますが、それはいかなる影響を、与えたか。運輸省ではこれをよくするという御努力はしておられるようでありますが、こういう事件が頻発するにおいては、観光事業を幾ら叫んでも――海外に一億使っても二億使っても、その効果は半減あるいは四分の一減ずるだろうと思います。そこで一体こうした事件がどういうような影響を海外に与えておるか、そうした皆さんの調査の結果を御説明願いたいと思います。
  31. 福永正美

    ○説明員(福永正美君) 国鉄関係の連絡船の事故につきましては、むろん海外に非常な反響がございましたけれども、その後の海外の統計から見ますと、これが与えた影響というものは必ずしも大きいとは申し上げられないと思います。と申しますのは、このために特に減ったということはない――統計上はないわけでございまして、従いまして、このために外客が減ったということは言えないかと思うのでございますけれども、もう一つは、ただいまの紫雲丸なりあるいは洞爺丸の事件は、瀬戸内海の中国と四国を結ぶ路線と、北海道と東北地方を結ぶ路線でございますが、大体今までの観光客のルートから申しますと、そういうルートを使いますのは、大体、海外におりました日本人の二世なり三世なりの方なんでございまして、一般の外客は、そこまで滞在日数の御関係でお回りにならないのが大部分でございますので、そういう点からも、反響は大きかったわけでございますけれども、必ずしも日本が人命を軽視しているというために、外客の来訪を阻害したということはないように思っております。
  32. 小滝彬

    ○小滝彬君 しかし、観光というものは、たとえばニースとかその他においては、ずいぶん長く滞在しているが、日本はただ通り一ぺんの旅行をさせるので、結局、収入が十分でない。しかりとすれば、日本のどこにでも行ける、夏になれば北海道に行けるという気持を起させるようにあなた方は努力しなければならない。ところが、こういう問題が起ると、ただ、ありふれた瀬戸内海の海岸から東京にやってきて日光に行って帰るということで、あなた方は満足をしてはいけない。それは、なるほどこれまでの統計では大きな影響は出ていないけれども、こういうところは運輸省の重大責任であるから、観光業の方面から見ても大いに引き締めてもらいたいというととは、私はあなた方の立場から主張しなければならない。これは影響ないという安易な考え方でなしに、もっと運輸省の観光部ですか、そういうところで引っ張っていくという格好でやってもらいたい。そこで、先ほど二十九年度に八万七千人ということでありますが、これは一体、商売で来ている者を除いているか、それから国際会議で来た者は観光客の中に入れていっているのか。一体その内訳はどういうふうに見ておりますか。朝鮮人や台湾人の来たものもこの中に入っているかどうか。その辺も説明してもらいたい。
  33. 福永正美

    ○説明員(福永正美君) 八万六千人の数字は、日本に入りますときに、民間の方のステータスの関係で観光ということになっているものだけでなく、商用なりあるいは国際会議で来られた方も入っておりますので、この数字は、軍の要員以外の方は、それ以外に三年以内の滞在客は全部入っていもわけでございます。
  34. 小滝彬

    ○小滝彬君 それなら観光客ではなしに、日本に入国した数字ですね。しかりとすれば、その中には、うんともうけている者も皆入っている。それでは心細い限りですね。
  35. 福永正美

    ○説明員(福永正美君) これは国連なりあるいは国際観光機関同盟の方で作りました観光客の定義がそういうことになっておりますので、それによっているわけでございます。
  36. 小滝彬

    ○小滝彬君 これは、あなたではわからないかもしれない。むしろ入国管理局の方が詳しいかもしれないが、この中で本当に国際会議なんかに来た者も加えて、観光的なものはどのくらいの数と大体見ておられますか。
  37. 福永正美

    ○説明員(福永正美君) いわゆる純粋の、たとえば観光船を使って来る場合とか、あるいは世界一周の飛行便で参りますものとか、そういうものだけが観光客というふうに私どもは考えておらないのでありまして、たとえば国際会議の関係で来られた方も、会議の終了後に必ず一週間なり四、五日の国内旅行をされる方が大部分でございますので、また国際的にもそういうことになっておりますので、私どもといたしましては、そういうものも観光客として考えているわけでございます。
  38. 小滝彬

    ○小滝彬君 だから、僕はそういう定義はわからないが、もう少し表現をかえて言えば、商業目的とかいうようなもののために来る以外、すなわち、商業目的で来れば、それは日本でもうけようし、やみをする奴もいるかもしれないが、そういう純粋な今いう観光客プラス国際会議のような、そのグループまで含めるという私の発言です。そういう純商業的な目的の方とか、あるいは観光で来てここで住む、こういう者ではなくて、三年でなくても、二年でも、あれは更新すれば何年でもおられますから、そういうような者は除いて、大体おわかりかということです。
  39. 福永正美

    ○説明員(福永正美君) 二十九年の統計で申し上げますと、滞在客というものと一時上陸客と分けてございますが、それは八万七千人の半々になっております。一時上陸客は七十二時間以内の上陸を許されておるわけでありまして、これは大体観光のためということだけではございませんけれども、日本に一時上陸することは、おそらく観光だけということになりますので、その数字が当ると思いますが、たしか三万九千、それから滞在客の中で、入国のときに観光としてそういうステータスを持った方が大体一万八千五百人でございます。従って、残りました約三万人の方が簡用その他のステータスで入って参ります。
  40. 小滝彬

    ○小滝彬君 過般参りましたブラジルからの重工業関係の使節団は非常に日本の鉄道その他国鉄関係のサービスがいいということを日本タイムスで書いておりましたが、これはおそらく南米でも喧伝してくれるということになると思うのですが、あれなどは、言葉は悪いかもしれないが、運輸省の方で活用することが非常にいいと思うのですが、何かああいう来た人の中の相当な地位にある人で、いろいろ記者会見をしたり声明書を出したりしたものがあるだろうと思う。そういうものは何かに利用されておりますか。ただそれだけになって礼状を出すというような方法をとっておられるのか。そういうものをあらゆる場合に活用するという面はどういう方策をとっておりますか。
  41. 福永正美

    ○説明員(福永正美君) その声明書を利用するということはまだいたしておりませんが、あの重工業団の中に、ブラジルのクルゼーロという週刊雑誌の特派員の方もあの視察団の中に入っておりましたが、その方と特に接触いたしまして、日本国内で写真をとる便宜とかその他の関係で、いろいろ便宜をおはかりしたほかに、私どもの方でいろいろ持っております資料なり、いろいろな天然色写真を出したりしましたが、帰りましたらクルゼーロに日本の特集号を出すそうでありまして、それで、いろいろな表紙の写真なり、あるいは、その中に入れる記事について、われわれの方でいろいろ提供したような次第であります。
  42. 小滝彬

    ○小滝彬君 一体、外国の観光協会というのは、もちろん相当大きなものがあるわけであります。トーマスクックとかいろいろあるのですが、また国家的な機関もある。ドイツなんか非常に盛んにやっております。ああいうものとの提携関係はどういうふうになっておりますか。何かやっているか。そうしたものの努力はどういう程度まで行われているか。
  43. 福永正美

    ○説明員(福永正美君) その国際観光の関係の機関で分けの色彩をもっておりますのは、たとえばイタリアのエニットとか、あるいはイギリスの旅行協会とか、これにつきましては、政府と同じようにコマーシャル・べースでない観光の宣伝をする機関でございますが、そういうことにつきましては、そういうものが世界的に同盟を作りまして、現在、先ほど申し上げました国際観光機関同盟というものを作っておりまして、私どもの方でも、それに日本も参加いたしておりますが、そういう関係で、共同宣伝なり、あるいは共同して入国の手続の簡易化なり、あるいは、通関管理の緩和、あるいは国内における観光行政の樹立ということにつきまして共同でやっております。それ以外に、トーマス・クックとかアメリカン・エクスプレスという個々の旅行業者につきましては、直接私どもの方ではタッチいたしておりませんが、日本の代表的な観光業者は、そういうものと密接な関係をもち、相互に協定を結びまして、お客さんを送ったり送られたりするような関係を協定いたしております。
  44. 小滝彬

    ○小滝彬君 今いろいろトラベルのためのエージェントができておりますが、交通会社の方は全然他の者と同じ資格でやっておりますか。何か特典をもっておりますか。
  45. 福永正美

    ○説明員(福永正美君) これについては、旅行あっ旋業法という法律がございまして、これが旅行あっせん業者を取り締っている法律でございますけれども、その関係におきましては、一般旅行あっせん業と邦人旅行あっせん業と二つございまして、一般というのは日本人と外国人と両方の旅行あっせん業をすることができるというのでございますが、そういう一般旅行あっせん業者の中で、現在十九社ほど登録してございますけれども、その中で交通公社も一つの登録業者といたしまして、そのほかの旅行あっせん業者と、その法律の面におきましては同等であります。
  46. 小滝彬

    ○小滝彬君 実際上も同等ですか。
  47. 福永正美

    ○説明員(福永正美君) 同等であります。
  48. 小滝彬

    ○小滝彬君 最後にホテルのことを伺いたいのでありますが、運輸省では、かつては国際観光ホテル審議会というものがありまして、私ども委員に出ておりましたが、大体は、あの当時の基準によって、ホテル施設を改善するというときに、あの法律による特権を与えるような措置を現在でもとっておられますか。
  49. 福永正美

    ○説明員(福永正美君) ホテル、旅館関係につきましては、国際観光ホテル整備法という法律がございまして、この法律で、一定の外客接遇上必要な基準を持っておりますところの資格者につきましては、これ登録いたしまして、登録したホテル、旅館につきましては、地方税でありますところの固定資産税を減免してもらうことができ、あるいは、そこに泊りますところの外客は遊興飲食税を免税するとか、あるいは耐用年数の関係で、普通のホテル、旅館よりも有利な取扱いをするようになっております。
  50. 小滝彬

    ○小滝彬君 ところで、現実の問題としては、たとえば大阪へ行ってもホテルが余っている。私は国際水準に達したホテルがたくさんできるということは、もちろん私の議論としては賛成なんです。一時は非常に需要があり、ホテルが少いので奨励した。そうして業者も、それがもうかると思ってやったのかもしれないが、やったところが、最近お客が少くて、相当有力なホテルに行っても非常に閑散たるものです。しかりとすれば、こういうホテルをだんだん認めていっても、現実にコマーシャル・ベースで立っていかないということになれば、これはまた苦しむ時代がきやせんかということをおそれるわけです。一定限度の国際的な水準を持ったホテルがふえて、なるべく外国人と日本人の差別なしに生活できるような環境を作るということはいいことだけれども、実は東京でも多少そういう傾向がある。いわんや地方へ行くとそういう傾向が顕著なんです。米軍からもだんだんオフ・リミッツされ、一方、ホテルが立っていかないということになると、かつてのホテル審議会でやったような、ああいう特典を与える登録ホテルを作るのもいいが、このまま放っておいていいか。観光なんというものは、道路もよくしなければならぬ、ホテルもよくしなければならぬ、すべて国政が一緒になって進んでいかなければ、急に発進するものではないのですが、このホテルという特定の問題をとらえてみても非常に問題が多いと思う。これに対して一体、あなたに質問するのは無理かと思うが、責任者が来ておられないから質問申し上げますけれども、どういう考え方を持っておられるかお伺いします。
  51. 福永正美

    ○説明員(福永正美君) ただいま御指摘のございましたホテルが非常に閑散であるということでございますけれども、確かにそうでございますが、これは一年間をならしてみますと、主としてやはり春のシーズンと秋のシーズンには、むしろホテルの収容力が足らないくらいでございまして、たとえば、この間の東京の国際商業会議所の会議がありましたり、あるいはエカフェの総会がありましたり、あるいは貿易博覧会があったりした関係で、そのときには逆にホテルが足らなくて困ったわけでありますけれども、またそういう時期が過ぎますと、夏とか冬になりますと、非常にまた外人の数が減りまして、ホテルの経営が困難になって参りますので、このお客さんの波を平均化するということがまず一つの要件かと思いますので、その方法といたしまして、できるだけ私の方といたしましては、国際会議なり、あるいは日本で貿易博覧会とか、そういう外客が一度に参りますようなものを開きます場合には、できるだけこれをオフ・シーズンに開くように延ばしてもらうとか、そういうふうにしてもらうことがまず一点でございまして、その次は、オフ・シーズンの際には普通のシーズンのときよりもレートを下げて、その場合、外客だけでなくて日本人の客も十分宣伝してとるような方策を講ずることによって、ある程度はそういう問題を解決できるのではないかと思っております。
  52. 小滝彬

    ○小滝彬君 そのオフ・シーズンについて、日本人をもっと泊らせるような特別なレートを作るということはどうしても必要だろうと思う。これは行政指導も相当必要な問題だと思うので、これは、いざとなったときには急にホテルなんていうものはできないから、なるべく国家の補助というような考え方でなしに、そういう指導によって必要な場合に十分使えるように、日本人が十分泊れるように趣味などを考え、同じ客に差別待遇を与えるということになったらこれは国際的な大問題になると思うから、そういう点を十二分に考慮して、ホテルの育成と申しますか、これをうまく温存していくということを考えてもらわなければならぬと思うのです。  それで、この協定は運輸省の管轄かもしれないが、下田条約局長にお伺いしますが、今度の条約を承認しますと、何ら新らしい法律的措置はやらぬのかどうか、その点をお伺いしたい。
  53. 下田武三

    ○政府委員(下田武三君) この協定の御承認を願いまして批准いたしましても、すでに国内法は現行法で全部必要なことはまかなわれておりますので、何ら立法措置を必要といたさないわけでございます。
  54. 小滝彬

    ○小滝彬君 ついでに下田局長に、これは外務省の関係があるからお伺いしたいのですが、ヴィザの更新ということについて、われわれが実際面を見ると非常に矛盾がある。というのは、一度六カ月滞在で来ると、そのあと一回ないし二回更新ができるのですが、結局は二回以上は更新できないから、お前、香港の方まで出て来い、そうしたら許してやる、こういうことになる。これは単に法律が改正されておらないためにこうなってくるのであってねもし条件を十分に備えている者であったら、旅費を使ってわざわざ香港やマニラまで出掛けて行ってアプライしたら許すというのでは、まことに拙劣なやり方であって、そういう不便なものがあれば、当然議会へ出して承認を受けようとせられるならば、常識のある議会の方でそれを反対するはずがないわけです。こういう問題で、ずいぶん二世の女の子なんか、親がいるけれども最初入るときには観光で来たけれども、滞在したいというような場合もあるし、アメリカの退職将校などで、半年くらい、いようと思ったけれども、なかなか気持もいいし、恩給はこの通りきているし、日本にいて七百ドルあれば十分生きていけるから外務省の方へ話してくれとか、入国管理局の方へ話してくれと言っても、なかなか法規の建前があって許されない、しょうがないから一度帰ろうというようなことになる。帰るとすれば、また考えを変えることもある。そういうふうに、日本にほんとうに喜んで滞在するような人で害のない人、そして条件を備えておるにもかかわらず、一度外へ出てヴィザの最初の書き入れを変えてもらわなければだめだというのは、ぜひ変えてもらいたいと思うのですが、いかがですか。
  55. 下田武三

    ○政府委員(下田武三君) 仰せの通りの必要があると私は思うのでございまして、外務省といたしましては、最近、数次往復査証、一つのヴィザで何回も入れる制度をだんだん拡張いたしたいと考えておるのでございまして、本年になりましてからも、ドイツとカナダとの間に数次往復査証をお互いに与え合おうじゃないかという取りきめをいたしまして、これはまあ、香港などとは、いろいろ入管当局の意見もございますので困難かと思いますが、ドイツだとかカナダの、そういう制度を認めても心配のない国とは、だんだん数次往復査証の制度を拡張いたしていった方が、わが方にとりましても、先方にとりましても便利ではないかというように考えております。
  56. 小滝彬

    ○小滝彬君 いや、マルチプル・リエトリーの問題は私もよく知っているので、査証された方がいいと思いますが、私が言うのはそういうのではない。一度日本へ来て六カ月の滞在というものを更新してもらうときに、条件が備わっているにもかかわらず、一度か二度が限度で、もう一度日本に滞在しようと思っても、一度出てきて海外の在外公館ヘアプライせんといかんというのは遺憾であって、これに対する答弁は下田局長の主管事項でもないから求めませんが、園田外務政務次官にお願いしておきたいのは、こういう技術的な面でもあるが、不便な点が少くないので、よく法務省の方とも連絡されて、法律的解釈は外務省のたしか渡航課が主管しておりますから、そうした点の不便がないように、私は外国人をただやたらに入れようというのではなくて、実際ヴィザ延長の申し入れに対して、海外へ一度出てもう一度アプライしなければならぬということは、改正の一つの問題点であるということを記憶してもらいたい。今、下田君が答弁されたのは別個の問題であって、私の質問とは別です。その点を鋭意御努力願いたい。
  57. 園田直

    ○政府委員(園田直君) よく了承いたしました。そういう問題はしばしば現実に感じている問題でございまして、入国管理局の主管する仕事でございまするが、よく連絡をとりましてそういう不便を解消したいと考えております。
  58. 小滝彬

    ○小滝彬君 私は言葉を返すのではないのですが、入国管理局の主管というけれども、法律的解釈というのは外務省の渡航課でやっておりますので、外務省は十分発言権がございます。私は、こまかいことを申すようでありますが、どうぞそういう点を十分に考えてもらいたいと思います。  それからもう一つ最後に、これは、やはり運輸省の方に聞いた方がいいと思うのですが、自動車を向うから持って来る場合に、日本はたしか自動車条約に入っていないのですね。インターナショナル・ドライビング・ライセンスというものは使えないのじゃないか。ドライビング・ライセンスを持っておれば、日本に持って来ても、いろいろ込み入った手続をすれば使えるかもしれませんが、日本ではああいう昔風な役人気質があるので、これは自動車を持って来ても非常に不便だと思うのですが、その点はいかがですか。
  59. 福永正美

    ○説明員(福永正美君) たしか現行制度におきましては、外国人で自動車の免許証を持っている方は、日本に参りました場合に、あらためて試験をすることなしに、単にアプライすれば、自分の国の免許証を出せば、新しく日本での免許証にに書き換えてやることになっております。
  60. 小滝彬

    ○小滝彬君 そのままではなしに、書きかえてやるのですね。
  61. 福永正美

    ○説明員(福永正美君) そうでございます。
  62. 小滝彬

    ○小滝彬君 それは金を取るのですか。
  63. 福永正美

    ○説明員(福永正美君) その点、ちょっとよく知りませんですが……。
  64. 石黒忠篤

    ○委員長(石黒忠篤君) この二件に関しまして他に御質問ございませんか。
  65. 曾禰益

    ○曾祢益君 ただいま小滝委員から、私たちの聞きたいような非常に有益な御質問があったと思いますが、私も観光事業について二、三伺いたいと思うのです。一つは日本の外人用ホテルが国際的に見て非常に高過ぎる、非常に悪い、この点は私が計数を持って来なくても、少くとも西ヨーロッパの一流ホテルとは比べものにならない、二流ホテル以下の貧弱な設備であるにもかかわらず、その値段の高いことは驚くべきものです。都内のある新しいホテルは、一万円の部屋なんかを作って威張っておりますが、これはもう驚くべきことなんです。これは占領中のアメリカの軍人の金持相手に火事泥根性でやってきているとしか思えない。そういう点について、これはもちろん、日本のホテル施設が焼けたとか、いわゆる資本投下に非常な制約があって、なかなかコスト高という点もあるでしょうけれども、そういう点でも政府の施策に逐次やっておられると思うのですが、しかしこれにもまさって、戦前、外人観光客は、少くとも日本の税関と、日本の憲兵と、それから日本の外事警察、これさえなければ、日本人の気持と日本のホテルのサービスそのものには、まあ感心していたと思うのですね。ところが、最近はサービスのトレインされたパーソナルがいない。そこで高いし、設備は安手であるし、その上にサービスがなってないというようなことで、これで観光事業がやっていけるなら、これは実際、日本の天然によほど感謝しなければならない。しかし、そんなものであったならば、国際的観光事業として成り立つはずがない。そういう見地から、こういう観光奨励あるいは観光事業に関するいろいろな団体もできているようですが、一体、サービスをよくするための訓練とか、あるいはいいサービスには奨励するとかいう、そういう点はどういうふうに今やっておられるのか、今後どういうふうにやられるおつもりか、この点をまずお伺いいたします。
  66. 福永正美

    ○説明員(福永正美君) 国内のたとえばホテル従業員あるいは旅館の従業員の接遇関係のサービスの向上につきましては、先ほど申しました国際観光協会の中の内国部というところで、これは、つい最近までは全日本観光連盟がやっておったのですが、そこでサービス講習会、あるいはテキストなんかを出して講習会というものを開きまして、随時、ホテルなり旅館の従業員のサービス向上の講習会をやっております。
  67. 曾禰益

    ○曾祢益君 その程度ですか。そういうものは、いいものは奨励してやるとか……。ただ日本人は、ぺこぺこ頭を下げればいいと思っている。そうしてすぐに、昔はそういうことがなかったのだけれども、チップがほしいというような態度ですね。まあ率直に言って、これは日本人の旅行者としての意見だけれども、たとえば列車のボーイなんというものは、そういう典型的なものです。ただ頭をぺこぺこ下げることがサービスだというふうに誤解しているのだが、相当の威厳を持ち、しかも本当に親切に、あまりぺこぺこするのではなくて、本当にいいサービスをするということについて、そういう訓練というものは実際に行なっているかどうか。ただ形式的に英語の片言を教えるといったようなことでは、これはだめだと思う。それから、訓練をやった結果、いいものは奨励するというところまでやらなければだめだと思うが、そういう点はどうですか。
  68. 福永正美

    ○説明員(福永正美君) ただいまの講習会なり研修会につきましては、単に語学の習得のみならず、接遇の本旨に沿った精神的な訓練も、もちろんしておるわけでございますので、ただいま御指摘のございましたように、単に卑属な根性をもって客を迎えるということではなくて、本当に心から親切な心をもって迎えるというようなことで教育をしておるわけでございます。それから、そういうものの報奨につきましては、全日本観光連盟の方でも報奨することもございますし、またホテル協会の方でも、みずからそういう優秀な従業員につきましては報奨制度をとっておるわけでございます。
  69. 曾禰益

    ○曾祢益君 もう一つ、これは小滝委員も触れられたことなんですが、観光連盟の構成を伺っても、大体が、これは国鉄いわば運輸業者なんですが、運輸業者、旅館業者だけが集まっていたって、そういう業者のやり方がだめなんだ、悪いのだ、国際的にこういうところを直していくというような、そういう人はほとんど入ってない。おそらく運輸省のあなた方くらいしかいない。そういう構成では、私は結局、業者がただ欲を出して、いらっしゃい、いらっしゃいとやるだけで、国際的な水準から見て、こういうところを直していくという点がないと思う。だから、そういう点について、これは運輸省の上の人にお話するのがほんとうだろうけれども、もっと考えを改めて、そういう業者まかせでなくて、それに強いことを言って改善さしていくというような見識ある人を入れていくということをしなければ、私は悪く言えば、運輸省と交通公社の人だけで、いわゆる一種の国鉄大家族主義のあれみたいなものでは、実際だめだと思うのです。そういう点を根本的に改めていくという考えが今ないのかどうか、またそれに関連して園田外務次官はどういうふうに考えられるか、それだけ伺って私は質問を打ち切りたいと思います。
  70. 園田直

    ○政府委員(園田直君) 仰せの通りでございまするので、そういう点を十分考慮いたしまして、外務省としてもそういう方面をもっと具体的に研究していきたいと思っております。
  71. 福永正美

    ○説明員(福永正美君) ただいま曽弥委員から御指摘のございました国際観光境界の構成メンバーの問題でございますけれども、御指摘があったように交通公社の人だけではなくて、実はこれは一番大きな議決機関は、評議委員会と申しまして、その評議委員は全国の主要なる観光都道府県、市まで入っておりますし、それ以外にキャリアーはもちろんでございますが、観光関係のみやげ協会とか、ホテル協会とか、あるいは新聞社、あるいは映画社、それからデパート、こういうものの代表も入っておりますし、そういう意味で、交通関係の一部の者だけがこの協会を構成しているわけではないと考えておるわけでございます。そういう点で、観光関係のあらゆるものの力が結集されたように思っておるわけであります。
  72. 石黒忠篤

    ○委員長(石黒忠篤君) 他に御質疑の方はございませんが――御発言もないようですが、質疑は尽きたものと認めて御異議ございませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  73. 石黒忠篤

    ○委員長(石黒忠篤君) 御異議ないと認めます。  それではこれより、まずこの二件についての討論に入りますから、御意見のおありの方は賛否を明らかにして御発言を願います。別に御意見もないようでございますが、討論は終結したものと認めて御異議ございませんか。   (「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  74. 石黒忠篤

    ○委員長(石黒忠篤君) 御異議ないと認めます。  それではこれより採決に入ります。観光旅行のための通関上の便宜供与に関する条約の批准について承認を求めるの件、観光旅行のための通関上の便宜供与に関する条約に追加された観光旅行宣伝用の資料の輸入に関する議定書の批准について承認を求めるの件、以上二件を問題といたします。本件を承認することに賛成の方の御挙手を願います。   〔賛成者挙手〕
  75. 石黒忠篤

    ○委員長(石黒忠篤君) 総員挙手でございますから、全会一致本件は承認すべきものと決定いたしました。  なお本会議における委員長の口頭報告の内容及び議長に提出すべき報告書の作成、その他の自後の手続につきましては、慣例によりこれを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  76. 石黒忠篤

    ○委員長(石黒忠篤君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。  それから報告書には多数意見者の署名を付することになっておりますので、本件を承認されました方は順次御職名を願います。    多数意見者署名     鹿島守之助  小滝  彬     羽生 三七  苫米地義三     草葉 隆円  梶原 茂嘉     後藤 文夫  佐藤 尚武     曽祢  益  野村吉三郎     ―――――――――――――
  77. 石黒忠篤

    ○委員長(石黒忠篤君) 次に航空業務に関する日本国とカナダとの間の協定の締結について承認を求めるの件を問題といたします。  これに関しましては質疑はすでに終了しておりまするから、これより討論に入ります。御意見のおありの方は賛否を明らかにしてお述べを願います。別に御意見もないようでございますが、討論は終局したものと認めて御異議ございませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  78. 石黒忠篤

    ○委員長(石黒忠篤君) 御異議ないものと認めます。  それではこれより採決に入ります。本件を承認することに賛成の方の御挙手を願います。   〔賛成者挙手〕
  79. 石黒忠篤

    ○委員長(石黒忠篤君) 総員挙手、全会一致でございます。よって本件は全会一致をもって承認すべきものと決定いたしました。  なお本会議における委員長の口頭報告の内容及び議長に提出すべき報告書の作成その他自後の手続につきましては、慣例によりこれを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  80. 石黒忠篤

    ○委員長(石黒忠篤君) 御異議ないと認め、さように決定いたします。  それから報告書には多数意見者の署名を付することになっておりますので、本件を承認された方は順次に御署を願います。    多数意見者署名     鹿島守之助  小滝  彬     羽生 三七  苫米地義三     草葉 隆円  梶原 茂嘉     後藤 文夫  佐藤 尚武     曽祢  益  野村吉三郎
  81. 石黒忠篤

    ○委員長(石黒忠篤君) 次に商品見本及び広告資料の輸入を容易にするための国際条約への加入について承認を求めるの件を問題といたします。これに関しましても質疑はすでに終了しております。これより対論に入ります。御意見のおありの方は賛否を明らかにしてお述べを願います。別に御意見もないようでございますが、討論は終局したものと認めて御異議がございませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  82. 石黒忠篤

    ○委員長(石黒忠篤君) 御異議ないと認めます。  それではこれより採決に入ります。本件を承認することに賛成の方の挙手を願います。   〔賛成者挙手〕
  83. 石黒忠篤

    ○委員長(石黒忠篤君) 全員一致でございます。よって本件は全会一致をもって承認すべきものと決定いたしました。  本会議における委員長の口頭報告の内容及び議長に提出すべき報告書の作成その地自後の手続につきましては、慣例によりこれを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  84. 石黒忠篤

    ○委員長(石黒忠篤君) 御異議ないと認め、さように決定いたします。  それから報告書には多数意見の署名を付することになっおりますので、本件を承認された方は順次御署名を願います。    多数意見者署名     鹿島守之助  小滝  彬     羽生 三七  苫米地義三     草葉 隆円  梶原 茂嘉     後藤 文夫  佐藤 尚武     曽祢  益  野村吉三郎     ―――――――――――――
  85. 石黒忠篤

    ○委員長(石黒忠篤君) 次に船舶の滅失又は沈没の場合における失業の補償に関する条約(第八号)の批准について承諾を求めるの件、  海員雇入契約に関する条約(第二十二号)の批准について承認を求めるの件、  海上で使用することができる児童の最低年令を定める条約(千九百三十六年の改正条約)(第五十八号)の批准について承認を求めるの件、  船員の健康検査に関する条約(第七十三号)の批准について承認を求めるの件、  以上四件を議題といたします。  この四件についても質疑は終了しておりまするから、これより討論に入ります。意見のおありの方は賛否を明らかにしてお述べを願います。別に御意見もないようでございますが、討論は終結したものと認めて御異議ございませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  86. 石黒忠篤

    ○委員長(石黒忠篤君) 御異議ないと認めます。  それではこれより採決に入ります。  本件を承認することに賛成の方の御挙手を願います。   〔賛成者挙手〕
  87. 石黒忠篤

    ○委員長(石黒忠篤君) 全会一致でございます。よって本件は全会一致をもって承認すべきものと決定いたしました。  本会議における委員長の口頭報告の内容及び議長に提出すべき報告書の作成その他自後の手続につきましては、慣例によりこれを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  88. 石黒忠篤

    ○委員長(石黒忠篤君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。  それから報告書には多数意見者の署名を付することになっておりますので、本件を承認された方に順次御署名を願います。    多数意見者署名     鹿島守之助  小滝  彬     羽生 三七  苫米地義三     草葉 隆円  梶原 茂嘉     後藤 文夫  佐藤 尚武     曽祢  益  野村吉三郎
  89. 石黒忠篤

    ○委員長(石黒忠篤君) それでは本日の外務委員会はこれをもって、散会いたします。    午後零時十七分散会      ―――――・―――――