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1955-01-22 第21回国会 参議院 経済安定委員会 3号 公式Web版

  1. 昭和三十年一月二十二日(土曜日)    午前十時四十六分開会   ―――――――――――――  出席者は左の通り。    委員長     小林 政夫君    理事            笹森 順造君    委員            奥 むめお君            海野 三朗君            八木 秀次君            鮎川 義介君   事務局側    常任委員会専門    員       桑野  仁君    常任委員会専門    員       内田源兵衛君   説明員    経済審議庁次長 石原 武夫君   ―――――――――――――   本日の会議に付した事件日本経済の安定と自立に関する調査  の件  (総合経済六ケ年計画に関する件)   ―――――――――――――
  2. 小林政夫

    ○委員長(小林政夫君) それでは本日の委員会を開会いたします。  総合経済六カ年計画を策定されたようでありますので、その構想を、きょう大臣はいろんな関係で支障がありまして、石原次長から聴取することにいたしたいと思います。
  3. 石原武夫

    ○説明員(石原武夫君) それでは私からただいま委員長からお話がございました、今度内閣で一応の策定を了しました総合経済六カ年計画という構想なり、これを作りましたやり方なり、そういう点について一応御説明申します。なお、不十分でございましたら後ほど御質問によって、できるだけ担当の課長も来ておりますので、詳しく御説明申し上げたいと思います。  この計画を作るに至りましたのは、今の新内閣ができまして、長期の経済的な見通しを立てまして、それを目標にしていろいろな経済施策を総合的に一貫してやって行くべきだというお考えで、経済審議庁に至急にそうした長期の見通しと申しますか、計画を作るようにという御指示がございましたので、昨年暮に新内閣ができましてから実は作り上げたものであります。これはあとで御説明申しますが、資料にも書いてございますが、まだ中間的な構想の範囲でございまして、まだこれだけの六カ年の計画につきましては、相当検討する余地がございますので、備考にも書いてございますが、今後もなお検討して、その結果多少数字等も直るかと思いますが、一応のところがまとまりましたので、本日その点を御説明させていただきたいと思います。  かように経済的な長期計画は、御承知のように五カ年計画でございますとか、経済自立計画とかといって数度作ったものがございます。それで、従来そうした計画を作っておりましたときには、五カ年計画にいたしましても、その後に作りましたものにつきましても、その作ります際に、現在から将来の見通しを作りまして、大体現在から五年後なら五年後にかようなところまで日本の経済は発展するであろうという見通しを作って計画としておったわけであります。従って一番計画を作りますポイントになっておりましたのは、貿易の関係でございまして、ことに輸出がどの程度今後今の状態から言って先に伸びていくだろうか、従って輸入はどの程度輸入が可能であろうか、従ってそれをべースにしまして、日本の産業がどれくらい伸びるだろうかというふうな見通し的な作業で、従ってやり方といたしましては、その第一年から考えまして、貿易が順次五カ年間にどの程度に伸びる。従って生産もそれに応じて、初年度から二年、三年、というふうに積み重なっていって、五年の最終目標には、どのくらい伸びるだろうか。さらにその五年後の経済は大体ここまで到達が一応できると現在から見通されるというようなことで計画を作っておったわけでございます。今回作りましたのは、従来の方法と方法がちょっと違うわけでございます。これは後ほど資料を持って参りますが、昨年経済審議庁で昭和四十年度の経済規模と申しますか、そういうものを一つの作業として作ったことがございますが、それと大体同じような方法でございまするが、そのやり方につきましては、アメリカでそうした、やはりちょうど年度は今度の六カ年計画と同じ年度になっているわけでございますが、一九六〇年のアメリカの経済の構想を描いたものがございます。さようなやり方についての方法論等も参酌いたしまして、今度の計画を作ったわけでございますが、今度の計画のやり方につきましては、この文章にも書いてございまするが、一つは経済自立といいまするか、正常貿易によって国際収支をまかなうということ、それからもう一つは、今後相当増大して参ります人ロ、ことに労働人口をその際最終年度において雇用するというために、いかなる経済規模が実現できれば、さような目的が達し得るかということから、その構想を描くというふうなやり方にいたしたわけでございます。これはやり方といたしましては、日本の総人口が今後どの程度ふえていき、総人口のうち就業の年令に達する人口がどういうふうにふえるというようなことは、これは厚生省人口問題研究所で将来を推定し、ずっと長い将来にわたってやっておられるのがございますので、それに基きまして、六カ年後における日本の総人口、並びにその中に占める生産年令人口と申しまするが、満十四才以上の年令に達している人口の数というものの推定が出ております。それを基礎にいたしまして、その就業人口のうち、どの程度のものが労働力として、労働人口として就業しなければならぬかという数字が出てくるわけです。この出し方はもちろん満十四才以上に達しました、いわゆる就業年令に達した人口におきましても、御承知のように家事担当者と申しますか、女子の相当の部分だとか、あるいは学生、生徒として就業の戦線に出てこないものがございまするし、また非常に老齢者でそうした就業に従事しない者がおりまするし、また中には不具、廃疾者というようなのがございますので、就業人ロの中のどの程度のものが労働人ロになるかということは、これは過去の統計によって推定する以外に方法はないのであります。はっきりしたそのうちの何%がということは必ずしも言い得ないわけであります。それはそのときのいろいろ社会状况だとか、あるいは国民所得の水準の高さだとか、いろいろな点によって違いますので、各国でも違うと思いまするし、また日本におきましても過去、将来を通じて同じ比率ということにはならんと思いまするが、これを最近の趨勢にかんがみまして一応の就業人口中、労働力人口になるものを推定いたしまして、労働力人ロというものを推算したわけでございます。その労働力人口が就業いたしまして、ある程度の所得を得るために、どの程度の経済規模になったときにこれが可能かということを、まずこの計画は作ったわけでございます。その労働力人ロが就職するためには現在全産業につきまして平均の一週一時間当りの労働時間、それからその所得とが統計上わかっておりますので、それに今後労働時間がどう変化するか。それから一時間当りの賃金と申しますか、所得がどの程度伸びるか。それに生産性の伸びをどう考えるかということに重点を置きまして、そうして一人当りの一年間の労働時間、一時間当りの所得の金額、それと先ほど申しました労働人口をかけましたものが国民総生産になるわけです。その国民総生産がでぎれば、一応労働人口が今前提といたしました所得を得て就業できるという計算になりますので、かような計算方法で一応国民総生産を想定をいたしたわけであります。数字はある程度この資料に出てございますので、その説明の際具体的な内容について申し上げたいと思います。方法論としては、まず国民総生産を出しまして、その国民総生産が投資なり、消費なりにいかにして支えられるか、需要の構造と申しますか、それだけの国民総生産がどの部門で消費に向い、どの部門でどういうふうに投資に向けられるかということで、この国民総生産がいかなる形において維持されるかということにおいてはじき出して、それから各鉱工業生産なり、農業生産なり、何なりがどの程度の伸びになるかというのを出してきて計画を作ったわけであります。  今のような計画を作ります際の方法諭で参りますと、国民所得と申しますか、国民総生産が非常に高い水準になりますれば、非常に雇用の問題の解決は簡単でございますし、その姿が国民総生産が多いほど、その後の雇用問題等の解決は楽になるわけでございますが、その際に大きな経済規模になりました際に問題になりますのは、やはり貿易の問題でございます。日本の輸入力がその経済規模にマッチするためにそこまでの、それに相応する輸出が可能であるかどうかという問題でございますが、前段に申し上げましたが、国民総生産を出す過程におきまして、生産性の向上なり、あるいは生活水準の向上なりを大幅に見るか、どの程度に見るかということによっていろいろな形が出てくる、経済規模の大きさが出てくるわけでございますが、それがはねかえって参りまして、日本の輸入力従って輸出の伸びに影響して参りますので、その輸出が非常に大きな数字で初めてバランスをするということでございますと、とうてい現実問題として実行が可能でないということになりますので、その辺もにらみ合いまして、この程度であれば貿易規模として現在から想定してもさほど無理はないであろうというところをめどにおきまして、国民総生産をきめ、今度の計画を作ったのでございます。あとで詳しく申し上げますが、輸出は三十二年度で約十九億、三十五年度で二十三億ドルの輸出を一応想定いたしておるのであります。これで大体三十五年度におきましては、特に国際収支のバランスが一応合うというような想定をいたしておりますが、これはいろいろ御議論もあるかとは思いますが、本年はいろいろな条件がございますが、二十九年度といたしましては、十六億ドルは超す程度の輸出実績になるかと思っておりますが、今後輸出面におきまして、相当努力をいたしますれば、三十二年度に十九億ドルあるいは六カ年後における二十三億ドルということは、非常に膨大で全く実現性ないという数字ではないのでございます。われわれは努力すれば一応そこに到達することも可能ではないか、また、そうした目標としては少くともその数字は妥当性があるのではないかということで、この計画全体の規模がその辺をめどにおいてできておるわけでございます。これはまた輸出入規模の非常に大きな問題がございますが、これはわれわれが今までいろいろ御批判を承わつたところでは、輸出入規模が小さすぎる、輸出入はもっと伸びるのではないか、伸びるという予想を立ててよいのではないかといろ御意見もございますが、一応われわれとしてはその辺のところを一応のめどにして、この計画ができておるわけでございます。一応今の作り方といたしましては、さような方法でこの計画を作ったわけでございますが、以下資料につきまして順次御説明申し上げたいと思います。  この資料で順序に従って御説明を申し上げますが、初めに書いてありますことは、これはわが国の経済の自立を達成して、年々増大して参ります労働人ロに十分な雇用の機会を与えるということが、もちろん経済の施策として最大の課題であるわけです。これを到達します際に安定経済の基盤のもとに、従って通貨価値の維持をはかりつつこの問題を解決しようということで、そのために長期的な総合的な計画を樹立して、ただその際に、この案といたしましては一応の考え方といたしましては、個人とか企業の自由はできるだけこれを尊重するという体制で、必要最小限度と申しますか、必要な範囲内におきましては、あるいは規制もやむを得ないということを基調にいたしまして、そして経済自立の体制を進めて行くんだという基本的な考え方からいたしまして、三十年度を初年度とする六カ年計画ということを作ったわけでございます。従来は大体五カ年計画ということであったわけでございまするが、今回五カ年を六カ年といたしましたのは、先ほど申しましたこの計画の出発点を人口問題あるいは雇用問題ということに置いておりますので、この生産年令人口とか、そうした年令別の将来の統計がはっきり出ておりますのは、五年おきに現在出ておりますので、さような関係で三十四年ということでありますと、その数字が正確に今出ておりませんので、三十五年にいたしますると、そぅした基礎資料がまとまっておりますので、そういうことで一応六年ということにいたしたわけであります。  あと計画の大綱に書いでございますように、本計画は三十二年度、これは六カ年計画のちょうど前段に当るわけであります。三十五年度この二つの年度を一応区切りをおきまして、その際に経済目立を達成するためにどの程度の規模に達すべきかという構想を描いたわけでございまして、最終年度においては特需によらずに正常貿易による国際収支のバランスを推持しつつ雇用問題を解決するというところに目標をおいておるわけであります。そしてこれは単に計画と申しまするか、そうした目標でございますので、その目標に到達するためにいかなる経済施策、いかなる財政的措置とか、そうした政策をとればいいかということを研究いたしまして、この計画期間中、そうした総合的な施策をとって参るべきだという考え方に立っておるわけでございます。  それでその次に表がございますが、これの説明をごく簡単にあとのほうに説明として書いてございまするが、一応この表でまず御説明を申しますると、先ほど申しましたようにこの作業の第一は人ロ問題でございますので、第一に総人ロにつきまして二十八年度が八千七百万、これを一〇〇の比率にいたしますると、三十二年度で約百万になりまして四・五%の増加、三十五年で九千三百万、七・七%の六カ年間に人ロ増加があるという推定でございます。それでこのうち労働人ロを出しますのでございまするが、ここにその就業人ロというのが実は間に表として省略をされておりますが、そのうちに、実はこの人ロの中に年令別の推計が出ておりますので、それに従いましてまず就業人ロというのを推定したわけでございます。ただちょっとここで一言その点について申し上げておきたいと思いまするが、現在の二十八年の人ロの構成を見ますると、これは五才刻みでございますとピラミッド型になっている。零才から四才まで一番人口が多い。あと五才までに少しずつ減っている。完全なピラミッド型になっているわけですが、これが三十五年になりますと一番人ロの多いところは十才から十四才のところが多くなります。その次が十五才から十九才と申しますか、その次の五年間が多くなっております。その次に今度は五才から九才、さらに零才かち四才は五才ー六才よりも減っている。従って初めの五才刻みに申しますと、三つ目が一番多くなって、少しこう形が中側がふくらんだような形になっておりますので、従って生産年令人口というものは、総人ロのふえる比率よりも多くふえるという形になっております。従って応用問題を考えます際に非常に困難な状況になるわけでございます。今の生産年令人ロは総人ロの二十八年度で申しますと、全体の六七・二%が満十四才以上の年令の人ロでございます。これが三十二年度に参りますと六七・二%が六九・八%、三十五年度になりますと七一・七%というふうにふえて参りますので、今申しましたのは、総人口の生産年令人口でございますが、生産年令人ロというのは、今の総人ロの増加比率よりもふえていくという形になります。その生産年令人ロに対しまして、先ほど申しましたような、その中の労働に従事すべき人数を出す比率がございます。それを労働力率と称しておりますが、それをかけてこの数字を出したのでございますが、この数字を出しますにつきましては、三十二年度は六六%、三十五年度は六五%という数字をかけましてこの労働人口を出して参ったわけでございます。六六ないし六五という数字は非常に合理的と申しますか、積み重ね的の根拠があるわけではございませんが、この労働力率をもとの統計で見ますと、昭和二十五年度が六五・三、二十六年が六五・〇、二十七年が六六・七、二十八年が六七・六とふえてきている状況でございます。それにつきまして今回六六を三十二年度にとりましたのは、この案によりましても、一つは、第一には相当老齢者もふえるという点もございますし、それから学校の生徒が今までよりも比率的にふえていくというような点、それから生活水準が上って参りますれば、やはり就業者数が多少でも減るという傾向は一般的な傾向かと思いますので、一応六六、六五という数字をとりまして労働力人ロをここに書いたわけでございます。それで二十八年度に三千九百五十四万八千人、三十二年度には四千百八十九万七千人になり、三十五年度には四千三百七十一万九千人になるというような教字になっているわけでございます。  これの次に、この労働力人口は原則として就業しなければならんわけでありまするが、資本主義の国におきましては、多少の完全失業者というのが、これは摩擦的にも多少出てくるのが当然と申しますが、必然的にそうなりますので、その次に完全失業者というのが一行おきましてございますが、その労働力人口から完全失業者という数字を引きまして、その一段上の就業者数というのを出したわけでございます。完全失業者数というのは、御承知のように、昨年の二十九年十月には六十七万ございますが、これを一応三十二年度で五十五万三千、三十五年度で四十三万五千という数字を想定したわけでございますが、これは労働力人口の三十二年度においては一・三%、三十五年度では一%という想定をいたしまして完全失業者数を出して、それを労働力人口から引きまして就業者数というものを出したわけでございます、これの資本主義の経済においてどの程度の摩擦的な失業者というのが当然出てくるものかという点につきましてはいろいろ議論もあるようでございますが、一般的には約三%くらいのものは当然認められるというのが普通の説のように存じまするが、日本では御承知のように、相当潜在失業者というものの数もございますので、これをむしろ低く抑えまして一%程度ということに見て就業者数を出したわけでございます。次に、この就業者数につきまして、これが就業した際に一時間当り、あるいは六時間、一年間といたしまして計算をいたしまして、この次の国民総生産を出して来たわけでございますが、あとは非常にこまかくなりますので御質問がございますれば、さらに御説明いたしたいと思います。  現在の全産業の週平均労働時間は四十七時間でございますが、これを年にいたしますと三千四百時間ということになっておりまするが、これを三十二年度におきましては二千四百五時間、三十五年度におきましても二千四百五時間、同じ数字でございますが、これだけを就業時間とみまして、それにさらに一人当りの生産額をかけまして、これは現在二十八年度では七十五円でございますが、それに三十二年度は四・七%、三十五年度には一割二分、一一二%という伸びを考えまして、それに今申しました就業者数と一人当りの一年間の就業時間と今申しました生産額をかけ合わせまして、ここに出ております国民総生産を出してきたわけであります。これが二十八年度で七兆一千五百億余でありましたのが、三十二年度七兆八千百億、三十五年度には八兆八千億という国民生産になりまして、これがこの程度になれば、先ほど申した就業者数は一応就業できるというふうなことに相なるわけでございます。  それで次にこの国民総生産がいかなる投資と消費によって支えられているかという点を出してきているわけでございます。それがここに書いてありますように、一つは民間の資本形成により、一つは政府の、主として財政でございますが、政府購入という用語を従来使っておりますが、中央地方における政府の需要、それから海外の関係は将来いろいろ出入りはあると思いますが、この計画では見ておりませんので問題はございませんが、いま一つは個人消費支出、これは主として民間の資本形成と中央、地方を合わせました政府の需要と、それから個人消費支出、こういう三つにこの国民総生産の分配をされているわけでこございますが、それを大体三十八年につきましては国民所得の実績の統計から比率等も出ておりますので、主としてそれを前提にいたしましてかような配分を作ったわけでございます。このうちでごらん願うとわかりますように、民間資本形成は三十二年度で約三%しか伸びていないということになっておりますが、これは二十八年度を基準にとりましたもので、二十八年は御承知のように非常に在庫があります、四千億を超すような在庫が二十八年一カ年でできておりますので、これは異常であろうと考えまして、正常な在庫に返ましたので、従って投資自体はそう減っていないのでありますが、在庫の増が減っておりますので、三十二年あたりにおきましては伸びが少いように感じます。  そのほか個人消費支出につきましては、現在の国民総生産に占める比率を、多少伸びるという前提で個人消費支出を考えております。それで個人消費支出といたしましては、三十二年度で約九・八%、三十五年度では二割三分伸びる、ただし人ロが増加いたしますので一人当りの消費水準はその最後の欄に書いてありますように三十二年度で約五%、三十五年度で一五%ぐらい伸びるというふうに考えております。  それから政府関係の需要につきましては、大体現在国民総生産に占めているおほぼ同じ割合ということで書いてございます。これがどうなりますかは中央地方の財政規模、あるいは税の関係というようなことで多少今後動くと思いますが、一応あまりこまかいあれはできませんが、大体国民総生産に占める割合と同じぐらいというような前提からこれを考えて来たわけでございます。  つぎに以上からいたしまして国民総生産から資本減耗と間接税とを引きまして国民所得を出してきたわけであります。国民所得で申しますると、二十八年度は五兆九千六百億、それが三十二年度には六兆五千六百億、三十五年度は七兆三千九百億というような数字が増加して参る予定でございます。  これらの前提から申しまして、鉱工業生産、あるいは農林水産業生産がこの範囲内でどの程度の規模になるかということを推定いたしたわけでございますが、鉱工業生産につきましては三十二年で一割二分、三十五年で三割二分ぐらいの伸びを考えておるわけでございます。農林水産業生産につきましては三十二年度で五%、三十五年度で一割ぐらいの伸びということに相なります。  以上のような関係から申しましてそれが国際収支にどうなるかということでございますが、それが次の欄に出ておりますように三十二年度で申しますと受取で二十三億、そのうち輸出が十八億八千万、貿易といたしまして問題になります特需は三十二年度におきまして二億五千万入っておりますが、その程度を考えております。一般貿易外を加えまして四億五千万、それに十八億八千万を加えまして二十三億三千万ということに考えております。下の欄の支払いのほうは、大体バランスソスは約八千万ばかりマイナスでございますが、このうち輸入の二十億五千万と申しますのは、これは各物資別に全部こまかく輸入の数量をあたることはなかなか簡単にできませんので、それは輸入性向と称しております。大体国民総生産に対してどの程度の輸入金額があったか、その割合を輸入性向と申しておりますが、それをもちまして達観をして実は出したのでございます。さらにこまかく申しますと、多少まだ検討の余地はあるかと思いますが、その輸入性向と申しますのは、日本がどの程度国民総生産で海外に依存をしておるかということでございますが、これは過去の例を見て参りますと、従来戦前は輸入性向が相当高かったのでございます。昭和五、六、七年というところは大体一五%ぐらいのところでございます。それから昭和十一年ごろになりますと、十年で二〇%、十一年は二一%、十二年も二〇%というふうに、この辺は国民総生産のうら二〇%ぐらいのものを輸人しておりまして相当高かた。昭和五年乃至六年におきましては一五%、それから十年から二、三年ぐらいは二〇%というような輸入性向を示しておたわけでありますが、終戦直後は御承知のような二・三%とかいう極端な、問題にならんような数字でございます。最近では、二十五年はまだ非常に少くて八・八%、二十六年になりますと一三・八%、二十七年が一二・三%、二十八年が一三%というような輸入性向を示しております。この計画では相当国内の食糧増産その他国内自給をいたしたいという考えで、その点を一〇・六%ないし一一%ぐらいに見ましてこの輸入の数字をはじいてきたわけでございます。それで三十五年においては一応特需はこの計画の数字としてはゼロにいたしまして大体バランスが合うというような形になっております。  さらにその表の次についてあと簡単に読みながら御説明いたします。で簡単に前表「目標年次における主要経済指標」について、基凖年次と対比しつつ、その発展ないし絋大の椎移を説明すると、次の通りである。初めは総人ロでございますが、総人口は基準年次昭和二十八年度に比しまして、三十二年度までに四・五%、三十五年度までに七・七%増加する。労働人口は同じく昭和二十八年度に比して三十二年度までに五・九%、三十五年度までに一割五厘増加し、その増加率は総人口の増加率よりも大である。就業者数は二十八年度に比して三十二年度は五・七%、三十五年度は一〇・七%増加した。従ってこれを実員に直しますと、三十二年度は二百二十三万人、それから三十五年度は四百万余ということになるわけであります。その増加率は、いずれの時期においても総人口増加率よりも大である。  四番目として、失業者は二十九年度六十七万に比べると、三十二年度においては年度平均で五十五万三千人、三十五年度におきましては年度平均で四十三万五千人となり、これを二十九年十月に比しますればそれぞれ一七・五%となり、三五・一%の減となる。しかし、この失業者数を労働力人ロに比すれば、その比率は、三十二年度は一・三%、三十五年度は一%にあたるわけであります。  次に、国民総生産でありますが、民間の資本形成については、基準年次である昭和二十八年度においては、異常な在庫増加がみられました点を調整して、目標年次の額を算定したのでございますが、それによりまして三十二年度においては二・九%、三十五年度においては一六・二%の増加となり、特に後期三ヵ年間においては、相当伸びるということになっております。  次の政府購入は、基準年次に比しまして、三十二年度においては一二・ニ%、三十五年度においては二六・六%と増大するものと考えておるものでありますが、これが国民総生産中に占める割合は、ほぽ二十八年度の横ぱいということになっております。  個人消費支出の伸びは、二十八年度に比して三十二年度は九・八%、三十五年度は二三・八%と見まして、特に計画期間の後期において比較的増大するものと見ました。  四番目は、従って人ロの増加を勘案いたしました一人当り消費水準は、二十八年度に比して三十二年度は一〇五・一%、三十五年度は一一四・九%となり、三十三年度以降は年率三%程度の消費水準の上昇が見込まれますが、三十二年度までは年率一・二五%程度の上昇となっております。  よってこれを総合いたしました国民総生産は、二十八年度に比して三十二年度は一〇九・一%、三十五年度は一二三・一%と増大をいたします。ちなみに戦前における年平均の伸びは、昭和五―十五年で三・七%でございます。  次に、国民所得につきましては、これも基準年次は五兆九千六百四十九億に対して三十二年度では六兆五千六百十五億と約一〇%、三十五年度においては七兆三千九百四十四億と、二四%の増加になっております。この増加率は年率にして前期三カ年間は約二・四%、後期三カ年間は約四・一%でございます。これらも戦前の年平均率の伸びを見ますると、ここに書いてございますように、昭和五年―十五年でニ・九%ということでございます。  次に、鉱工業生産水準でございますが、鉱工業の生産水準は昭和九―十一年平均を基準にしまして、三十二年度及び三十五年度において、それぞれ率といたしましては一八一・二、二一三・八ということになりまして、これを比率で申しますと、先ほど申しましたように、それぞれ一二・三%、三二・五%の上昇でございまして年平均として四・二%となります。しかし、二十八年度から三十年度まではほぼ横ばいで推移すると思われますので、三十一年度以降につきますると、大体毎年前半期におきましては五%、後半期においては五・五ないし六%くらいの生産水凖の伸びという見込みでございます。なお、これは戦前における年平均の伸びにつきしまては、昭和三―十七年で八%程度でございます。  次の農林水産業の生産水準でございますが、農林水産業の生産水凖は二十七年度を一〇〇といたしております。これは御承知のように二十八年度は非常な凶作でございましたので、これはあまり基準になりませんと思いまして、この点だけは二十七年をとりまして一応こういう指数を出しておりますが、これによりますと三十二年度においては一〇五・三%、三十五年度においては一一〇・一%、年率一・四%の上昇になります。これは戦前におきましては一・八%の上昇であったわけであります。  次に、国際収支でございますが、輸出は二十八年度が十二億四千五百万ドル、二十九年度の推定が十六億一千九百万ドル、最近の推定は今ようやく部内で大体約十六億二千万ドルくらいの輸出になるだろうと想定いたしておりますが、三十二年度においては十八億八千万ドル、三十五年度においては二十三億四千万ドル、二十九年度に比較いたしまして約七億二千百万ドル増加するものと予定しております。増加分の輸出先地域につきましては、ドル、ポンド、オープン・アカウントの全地域に伸びるということになりますが、特にドル、ポンド地域への増加に重点を置かなければならないだろうというふうに考えております。これらの面の内容につきましては、まだ目下検討中でございまして、具体的にどうなるか、具体的な数字はございませんが、いつかこの席でもあるいは申しましたかもしれませんが、現在の通貨地域別から申しますると、非常に正常貿易だけで申しますると、ドルは非常に入超になっておりまして、その他本年度で見ましても、ポンド、オープン・アカンウト地域に対しては相当出超ということになりますので、今後やはり貿易が相当伸びて参ります上におきましては、ある程度通貨別に考えて、現在よりもうすこしバランスが、相互間の均衡がとれるということが、どうしても輸出の伸びる必要の前提の条件に相なるのではないか。もっとも通貨の交換性が完全に回復すれば、さような心配は全くなくなるわけでございますが、これは全地域にわたって、通貨の交換性がとれるということもちょっと想定できませんので、そういたしますると、ある程度のやはり地域間の貿易の収支のバランスということも念頭に置かなきゃならぬだろうということで、やはり今後のそうした通貨地域に、ある程度のバランスが現在よりも改善される、従って、ポンド、オープン・アカウント地域からはなお輸入をし、そしてそういう所にも輸出を伸ばすというような形にならざるを得ないかと思いまするが、その辺は今検討いたしておる状況であります。  それから特需収入につきましては、二十八年度においては七億六千百万ドルに及んだのでございまするが、これが漸減いたしまして、三十二年度においては二億五千万ドルまで減少し、三十五年度におきましては一応ゼロと予定をいたしております。本年度は六億を少し切るくらいのところ、五億九千数百万ドルというところに相なろうかと、今現在では推定をいたしております。  輸入は、二十九年度の十八億三千七百万ドルが、三十二年度は二十億五千万ドル、三十五年度は二十三億九千万ドルに増加するものと考えております。その輸入先につきましては、これは先ほどちょっとここで申しましたが、この点でございますが、ドル地域からポンド、オーブン・アカウント地域への転換を考えなきゃならぬというふうに想定をいたしております。  以上が大体計画の大要の御説明でございまするが、ただこれを、こうした計画をこのまま放置しておきましても、ひとりでにこういうことに相なろうということではないと考えまするので、これを目標にいたしまして、それぞれ必要な施策を講じて参らなきゃならぬというふうに考えまして、それの前提と申しまするか、こういうふうな点について重点を置かなきゃならぬだろうということを以下に書いたわけでありまして、これは当然今後とるべき政策とも関連いたしまして、なお今後十分関係各省とも相談をいたしまして、検討しなければならぬのでございまするが、どく抽象的に、少くともこういう点には、この計画を達成するためには重点を置いて、今後の政策を考えなきゃならぬだろうということをここに書いたわけでございます。これはもしあれでございますならば、朗読をいたしましてもけっこうでございまするが、第一は、資本の蓄積の関係、それから第二は、輸出振興の総合対策を立てなきゃならぬ。三番目は、産業合理化の徹底的な合理化を進めなきゃならぬ。四番目は、労働能率の増進と雇用の増大の対策。それから五番目には、食糧その他国内の自給度の向上対対策を推進しなきゃならぬ。第六番目には、国土の保全及び開発について施策を講じなきゃならぬ。第七番目は、国民生活の安定対策。かような点について相当今後十分検討し、この目的達成のために必要な政策を強力に一貫してとらなきゃならぬということを、まあ念のため書いたものでございます。  なお、これは当初にも申しましたように、まだ現在は一応の姿を描いた程度でございまして、さらにこれにつきまして、計画自身といたしましても、さらに検討を、今後関係各省と加えて参る予定にいたしておりますし、それからこれに伴うべき経済政策というような点も、主として今後十分検討して参らなきゃならぬ、従って経済政策を考えます際に、その政策の面からこれだけの数字が、あるいはなかなか達成困難だというような結論が出て来るかもしれませんとも思いますが、その辺はよく今後研究をいたしまして、必要があればこの計画自身についてもさらに改訂をし、できるだけ完全なものにいたしたいというふうな考え方で目下作業を続けつつある段階でありまして、これは一種の中間的な構想というような程度のものでございます。以上ごく概略御説明いたしましたが、あと御質問によりましてお答えをさしていただきたいと思います。
  4. 小林政夫

    ○委員長(小林政夫君) 御質疑ありませんか。  今まで言われておる点は、三十年度予算はこの六カ年計画の初年度としておそらくきょうの施政方針でも言われるだろうと思います。あす大臣に僕は本会議で聞こうと思っていますが、予備知識として、……この計画とどう一体つながっているのですか。今の説明だと、個々の内容については具体的には未確定ですね、それが予算の具体的な数字とどうつながっておるのか、少くとも、大綱で言われておるような点については言葉としては合っておる点もありますけれども……。
  5. 石原武夫

    ○説明員(石原武夫君) この計画は、今申しましたように、こうした計数につきましても、三十二年度、三十五年度を一応目標にしてそのときの経済規模というものを想定しておるわけでありまして、従って、まだ少くとも現在におきましては三十、三十一、三十二というように年度別には作っておりませんので、これは今後作るか作らないかという問題がございますが、少くとも現状においては三十一年度に、これは初年度の計画、これに書いております。一表でございましたが、ああしたものは現在できていないわけであります。従いまして、われわれとしましては大蔵当局にもこれはもちろん御相談をして昨年来作ったわけでありますが、三十年度予算を組まれる際に、一応三十二年度の数字しかないことになっていますが、三十二年なり三十五年に大体こうした経緕規模を、一応構想を考えているので、従って三十年度予算についてもそれらの点を考慮して予算を一つ考えいただきたい。また、予算大綱等を作られる際にも、こうした面を考えて一つ作るようにということを申し上げておりますし、大蔵当局もその点は了承をしておられます。それから、現在は御承知のようにまだ予算的な数字が入っておるものは何もできておりませんので、具体的には三十年度予算の編成をされる際に、まあ具体的な問題になるかと思いますが、ただ、御承知のように三十年度については、大体財政規模等も本年度とほとんど大差ないというラインで予定されておりますので、これらで出て参りますいろいろな問題がございますが、それが非常に大きく三十年度予算に現実に入るということは、なかなか困難であろうと思いますがただ重点の置き方、その他その全体の予算規模の中において、でぎるだけこうした将来の方向を考えて、一つ予算の具体的な数字をこの際組んでいただきたい。こういうことで、今質問の点は、現在はっきり言うと、三十年度の予算とどういうふうに具体的に結びついておるかということでございますと、ちょっとまだ申し上げるような段階でございませんが、考え方としては予算大綱にもある程度そう大きな食い違いはないと思いますし、具体的な数字もできるだけこれの考え方はくんでもらえるというふうに考えております。
  6. 小林政夫

    ○委員長(小林政夫君) 先ほど来の御説明だと、生産指数の伸びなんかも、どの部門でどう伸びるという総合指数伸びだけを書いて行っておるので、具体的な産業別の指数などというものはまだ見ていない、作業もしていない、こういうことですね。
  7. 石原武夫

    ○説明員(石原武夫君) 実は経審内部では、この数字を一応一八一と出しているんでございますが、これを出します際には、一応の草案と申しますか、主要な産業についての伸びということを一応出す前には考えてはもちろんみたわけです。ただ、その数字が計画として大体それでよろしいかというと、まだ十分検討が済んでおりませんので、それはそれぞれたとえば石炭にいたしましても、鉄にいたしましても、その他主要な産業につきましても、関係各省でもまだ具体的にそれぞれの将来の数字というものは固めていらっしゃいませんので、これは今後各省にもう少し専門的に検討していただきませんと、相当問題があると思います。で、これは今後いたすんで、ただ、この計算をいたします際に経審内部としては一応ラフにはじいてみたものはございますが、ちゃんとしたものはもちろんまだできませんし、これはむしろ関係各省で十分御検討を願って、その上で最終的なものにしなければならぬと思います。従って一八一という数字も、具体的に各産業別に当った際には、多少変動するかもしれないというふうに考えております。
  8. 小林政夫

    ○委員長(小林政夫君) 従って輸入規模なんかも今言われたように、輸入性向というんで実質的に算出してあるが、鮎川先生もおられるが、石油資源開発をどうやるべきか、その結果年度にはどれだけ国内の自給度が高まって輸入を減らされるとか、あるいは合成繊維によってどれだけ云々と、こういう産業別の生産向上とにらみ合わせて、いわゆる自給度の高まったことによって、輸入性向を修正しているというような面はあるんですか、ないんですか。
  9. 石原武夫

    ○説明員(石原武夫君) それはお話のように全般的に各主要輸入物資につきまして全部検討したわけでございませんが、輸入性向は多少従来よりも少し低めに見ておりますが、その際に今申しましたような国内自給度、あるいは合成繊維、そうした国内自給度、食糧も入りますが、そういうものにつきましては、われわれの手元では一応ラフな計算はしてみてはございます。ただ、これは先ほど申しましたように、さらに検討しなければなりませんが、ごくラフには一応検討してはございます。
  10. 鮎川義介

    ○鮎川義介君 さっきからの御説明を聞きますと、なんだか作ったようなもので、筋が、一つの大きな目標があってそれに向って進むというのでなしに、従来のやつを数字的にこしらえて、そろして六カ年の末にはこう合うような工合にこしらえたようにも見えるんですが、そうではないんですか。何かこう一つ輸入なら輸入をこういうふうに重点を置くとか、道路計画のこと、あるいは海外投資に十分金を使おうとかいう重点的の筋のようなものがないように、全面的に従来のやつをずっとこう、前の傾向をただ幾らか修正ですか、なんですか、あとでこしらえるというような、先にものがあってでなしに、これからこう合わしていくような感じがするんですがね、そういうふうになっておるんでしょうね。
  11. 石原武夫

    ○説明員(石原武夫君) ちょっと冒頭にもお話ししてありましたように、従来やっておりましたのは、現実から出発して、大体こういうふうに毎年伸びてゆくだろう、五年後にこうなるということで積み重ねていって、従ってここまで達するんだということを考えておったわけですね。従ってできた形が結果的に出てくるだけだと、その際にどういう結果が出てくるかは、積み重ねた五年目に大体こういうふうになるという計画になっておったわけです。今度は五年後に大体こういう規模に到達したい。そうすれば増加する労働人ロも吸収できるだろう。それから国際収支も一応バランスするだろうという姿を描いて、それが今度はいかなる政策をとれば、現実にそこまで達し得るかというふうなやり方にしたわけであります。従ってこの構想は一つの目標で、むしろわれわれの感じでは、これを目標にして、いかなる経済政策をとれば、これに近いところまでいけるかという政策のほうにむしろこの計画の意義があるので、ほっといても、これによって必ず達するというわけではないので、こういう規模に達するためにはいかなる部面に重点を置き、いかなるところを伸ばし、従っていかなる経済政策をとれば、大体この目標に到達が一応可能であろうかというふうな考え方で作っているわけであります。従ってまだこまかい点は今後検討をして作らなければならぬわけですが、国内自給度の向上とか、そうした面には相当力を入れてゆかなければならぬというような結論にもなり、われわれの手元といたしましては、先ほど御質問のございましたように、輸入性向を将来多少ずつでも減らしてゆくということのために、食糧の増産なり、合成繊維の増産なり、国内資源石油その他の資源の開発をやって、そうして輸入量をこの程度に減らしてゆく、そうしてバランスが合うのだというような一応のラフな検討はしておりますが、従ってそれが早く具体的に検討された結果この数字に必ずぴったり合うというわけには保証ができていないわけでありますが、できるだけこの目標に到達するように、いかようにすれば、到達可能かという点が一番問題であろうと思いまして、それを振りかえってみまして、この数字にどうしても到達できぬということであれば、この数字自身をまたその間で調整して、そうして実現可能なような計画目標を作り、それの実現ができるように施策を講じてゆきたい、こういう考え方なのでございます。
  12. 小林政夫

    ○委員長(小林政夫君) それからこれで見ると、「個人及び企業の創意はこれを生かしつつも、必要な限度において規制を行う」というやり方が一番問題になってくるわけで、まあ明日大臣にも聞きますがね。一体一番の問題は金融ですよ。金融を一体どうやってこの計画に乗るようにやってゆくか……
  13. 石原武夫

    ○説明員(石原武夫君) その点はまだこまかく……、これは大蔵省その他関係各省の間でまだ具体的にきまったということで御答弁はできかねる次第でありますが、この案でも相当やはり産業の合理化なり、国内自給度の向上なりのために資本蓄積をし、そうした投資をしてゆかなければならぬという考え方でいるわけであります。この前提の一番初めにも、資本蓄積のことが第一に今後のとるべき施策として書いてあるわけでありまして、どうしてもさようなことをしなければ、この目標到達は困難であろうと思いますので、そういう点を重点を置いて、従って財政投資等は一応われわれの手元の案では、相当将来のこの六カ年にわたってやはり継続してやってゆかなければならぬ、相当重点を置いて考えなければいかぬという考え方に立っております。従って出した財政投融資というものは、もちろん政府資金でございますので、これはもちろん限度がございますので、いわゆる民間の資金につきましてもこの計画にマッチするような方向に方向づけてゆくことが必要であろうと思いますので、政府としても資金の流れを規制するということにつきましては、一応これは予算大綱にもはいっていたかとも思われまするが、そういう考え方につきましては、関係者でも異存はございませんので、今ただ具体的にそれをどういう方法でやるかは今後の研究問題だと思いますが、そういう点はぜひやらなければいかぬと思いますので、政府資金のみならず、いわゆる民間資本蓄積、個人及び企業の蓄積自身をはかる方法をとると同時に、さらに金融機関等に集まりました資金等につきましても、重点的に金融がされるような方法は、ぜひとりたい。ただいかなる方法で具体的に今後やるかということにつきましては、なお今後十分に検討したいと考えております。
  14. 奥むめお

    ○奥むめお君 そのいかなる方法でやるかということは、どういう……、いつころから……、もうやっていなさるのですか、作業は……。予想される内容はどうなんですか、規模は……。
  15. 小林政夫

    ○委員長(小林政夫君) それは目下やっているのか、あるいはこれからやろというのですか。今度の選挙が済んで内閣ができてからやるのか、今はこの程度で足踏みをしておるというのかという意味ですね。
  16. 石原武夫

    ○説明員(石原武夫君) これは最終的にはもちろん選挙でも済まないとあれかもしれませんが、事務的には一応この案ができましたので、たとえば今お話、御指摘がございました資本蓄積なり、今後の産業合理化なり、あるいは自給度向上につきましても、中には割合に何カ年計画といって、たとえば合成繊維の増産計画もありますが、そういう計画が政府部内でまだ立っていないのでございます。そうした点は事務的にもまだ進めていないと申しますか、大体国内自給度の問題につきましてはこういう構想によりまして各物資別にそういうような計画ができているのもございますし、できていないのもございます。さらにその所要資金がどのくらいのものが各部門に要るかということは、これから事務的にこれは関係各省の間でやってもらっております。それでこれをさらにコンクリートにする作業は引き続いてやっておるわけでございます。そうしてそれらの全部出そろいました際に、これ自身を変更する必要があるかどうかという問題もございますし、それから今お話のございました資金の規制につきましても、何らかそうした方策をとる必要があるということは考えておりますが、具体的に今後どうするかということは今後の問題でございますので、この構想をさらに具体化する必要の範囲につきましては、事務的に関係各省と共同で目下この計画ができてから引き続いてやっており、今後やるつもりでございますが、その結果、ある程度これを修正するか、あるいは政策としても固めなけれぱならんということにもなりますが、それを完成するのはいつかというお尋ねでございますれば、これは事務的にも、能力その他から申しましても、そうお短期間にはできませんので、どうしても選挙中にぱ全部できるということには参らぬと思いますが、でき、るだけそういうものを固めまして、あるいは選挙後の内閣ができました際に、早い機会にある程度政府部内の固ったものとしてはできるだけ早く上げたい。なお、これは上のほうのお考えによりますが、われわれといたしましては、今の高碕長官としましては、ある程度政府内部の意見を少し具体的に検討して、ある程度まとまった案ができれば、できるだけ広くこれを民間にもいろいろご意見を伺いまして、さらに修正すべき点は修正したらどうかというように考えておられます。そういうことで、選挙がありましても、その間このままほっておくというつもりはございません。
  17. 小林政夫

    ○委員長(小林政夫君) 今の資金の規制方法とも関係してくるでしょうけれども、先ほど財政投融資で相当考えなければならぬということだったのですが、この蓄積資本の中で、逆に言えば、投下資本の中の財政投融資と民間の投融資と、その比重を今後どう持ってゆくのか、今まで程度の比重でゆくのか、一方では減税をやって相当民間資本の蓄積をはかる。そこの財政投融資は絶対額においては現在程度でゆくのか、あるいはそれを多少ふやすにしても、蓄積割合からいってどっちへ比重がかかってゆくかということですね。
  18. 石原武夫

    ○説明員(石原武夫君) その点はまだ大きな政策として今後の問題になるのでありますが、この案を作ります経審の考え方といたしましては、根本的にはやはり民間蓄積によって、民間の力によって伸びてゆくというのが方向としては正しいと思いますが、この計画期間中と申しますか、こうした計画を進めてゆく際には、やはり相当民間資本だけにたよるということでは、なかなか具体的には実行がむずかしいので、むしろ民間の資金の伸びよりも割合でございますね。民間の資金の伸びてゆくよりも財政投融資といいますか、政府資金による伸びの方を、伸びとしては多く考えるという考え方を一応しております。今お尋ねがございました減税等との問題につきましては、これは将来の六カ年で長い政策になりますので、ちょっとわれわれの方ではまだその税をどういうふうに持っていくかというようなことがはっきりいたしておりませんので、その辺は現在まだ織り込んでございませんが、従って現在のこの計画としては民間による伸びよりも、むしろやはり財政投融資の伸びの方が、伸びとしては大きくなるというような考え方をとっております。
  19. 鮎川義介

    ○鮎川義介君 私ちょっとしろうとのような言い方ですが、五カ年計画とか六カ年計画とかいうようなものは、要するに計画経済ですね。統制経済ではない、統制の部分もあるかもしれないが、計画経済ですね。計画経済ということになると、一つの大さな目標があって、それに向っては何でも驀進して行くという一つの取りきめがあるのでしょう、一番初めに……。そうするというと、それとインフレだとかデフレだとかいうような問題と相いれないところがある。デフレをどうしても堅持しなければいけないという一つの思想企業的ということはこれは別の問題になる、反対の場合が多いですね。五カ年なら五カ年、六カ年なら六カ年にこういうことを完成しなければならぬということになると、インフレとかデフレとかいう問題をけ飛ばしていく問題じゃないかと思うのですね。それでデフレを堅持するというよろなことは、そういう計画経済をやるということは、私は相いれない問題だと思うのですね。それを今後こういうものを立てられる場合に、従来のように、デフレはなるべく堅特するのだが、収支は必ず合わせるのだ、それは非常に長い期間をねらうのが計画経済である。毎年のやつを引合うとか引合わぬとか、あるいは金が足らぬとか余るとかいうことは問題にならぬと思いますね。ところがどうも政府のほうじゃ、それが毎年の予算が非常に気になるわけですから、それでもって計画経済というものを非常に歪曲されると思うのですね。そういうことはあなた方の方で研究される間にそういう疑問に逢着されることはないかと思うのですね。
  20. 石原武夫

    ○説明員(石原武夫君) 今のお尋ね、私があるいは十分御趣旨をのみ込んでいないかもしれませんが、もちろんこの計画をいたしますのにインフレをやってやったんでは、これはとうていやっていけぬので、もちろんインフレにならぬという前提で考えておるわけでございます。従いまして、この計画でも初めの三カ年の伸びは非常に押えてございます。それで将来の方に伸ばすということにしておりますが、それは一つは輸出がある程度順調に伸びましても、御承知のように、初めは特需が減って参りますので、輸入量が思うようにふえない。一ぺん特需が相当減ってしまいますと、あと輸出が伸びたものは輸入量の増強ということになってくるという関係でございまして、三十八年度の実績を見ましても、われわれはいろいろ議論がございますが、われわれ見るところでは、物価は多少上っておりますが、生産等でも年度平均で見ると、生産財の卸物価というものはほとんどわずかしか上っていないというようなことで、一番問題は外貨収支があんな大きな赤字になってしまったということで、今後やる場合は外貨収支というものは非常に問題だろうと思います。そろした面から申しまして、あまり早く拡大の経済にもって参りますると、しわは必ず外貨収支に出てくるということで、われわれとしてはこれはインフレにはしない範囲内ででやるのだということで、従って初めの三カ年間は割合伸びは低いという形になっております。われわれとしては、インフレになっては、こうしたした計画が達成するということは全く考えておりませんので、インフレにならぬ範囲内でどれだけ到達できるかというようなことで、一応この計画としては考えたつもりでございます。それからなおこの計画経済と申しますか、そうした点につきましては、これは当初に書いてありますように、企業なり個人の事業をできるだけ尊重するということで考えておりますので、この計画を何でもかんでも達成をするのだということには相ならぬだろうと思います。むしろこうした姿が望ましいので、それにいかなる政策をとれば、最も近い姿が可能であろうかということを重点に置いて考えまして、結果的にこの計画にぴったり合わすということは、必ずしもそうはならぬと思いますし、それほど重点をおく必要はないので、むしろこうした目標を作るという程度に考えております。それに必要な政策をむしろそこから見出していくということに重点を置いて考えております。結果的に最後の形に無理やりに到達する手段を何でも講ずるという考えではなくて、むしろ一つの目標というような考え方で、現在はいるわけであります。
  21. 鮎川義介

    ○鮎川義介君 今の初めの三年ぐらい押えてからに、だんだんあとは都合よくいくという、これはもう大体何でもそうやるのですがね。民間の企業でも金を借りるときに償還を、今これだけだから初めはもうからんけれども、だんだんもうかるようになって、おしまいには返せるということでやるのですが、そうなったことは一ぺんもないのです。初めのこれはやると広がるのだというところに、どうもおかしい点があるのです。そういつでも押えているということになって、たとえば石油の五カ年計画にいたしましても、初めはわれわれ第一年度と言ってやりますけれども、それがうやむやで一年たって、また初年度と言って、何ぼでも行くのです、はっきりしないものですから……。これだけやるならやるというおしまいがないものですから、今言うように、全体にうまくいくようにと言ってやる間に、だんだん伸びて、いつでも押えたような話になって、いつになったら伸びるかということが始終あるのですが、これもまたそういうような感じがせぬでもないが……。
  22. 石原武夫

    ○説明員(石原武夫君) ただいま鮎川先生の御指摘の点は、いろいろお話の通りの点が多々あると思いますが、われわれといたしましては、この案についていろいろ御批評があるかと思いますし、また直さなけれぱならぬ点は十分あると思いますが、ただいまお話のように、予算等で常に今お話しのような点が従来繰り返されておったわけですが、われわれの希望といたしましては、もう少し合理的な案というものを作って、これが必ずしもいいというわけではないのですが、そうして今お話のようなことがないように持っていきたいというのが、むしろねらいなんでして、この案自身が将来伸びていくというのがおかしいということであれば、これは十分検討しなければならぬと思いますが、われわれといたしましては、輸出入等考えますと、先ほど申しましたように特需というものを考えまして、さしあたり伸びるということは非常に困難でありますが、特需は輸出がある程度初めが伸びて参りますと、これに応じて特需が減って参りますが、一応特需が減った暁は、割合輸出がその後逆に伸びることができれば、輸入量の増強につれてふえてくるという計算になりますので、これも見方が甘いという批判があるかもしれません。その点は十分検計いたしたいと思いますが、そうした合理的な姿が描ければ、それに応じて作った計画というものは、初めの姿が非常に間違ってさえいなければ、割合にその計画が順調にいくのじゃないか。ただいまの御指摘のような点を、われわれの希望といたしましては、少し長期の見通しを作りまして、将来そごがないように、できるだけ持っていきたいというのが趣旨でございます。
  23. 小林政夫

    ○委員長(小林政夫君) それじゃ、今の鮎川先生とあなたの御答弁と総合してだめを押すと、今まで石油資源開発五カ年計画、あるいは合成繊維五カ年計画、外航船舶建造五カ年計画、電源開発五カ年計画、こういろ個々の計画がありましたね。それはこの計画に合せて一ぺん再検討して、もしそういう個々の産業別に五カ年計画等という名前を使うとすれば、この計画に沿うた計画に直して、その計画の中において政府責任を持つ、たとえば財政投融資であるとか、その他の処置はもう絶対約束を履行する、こういう心がまえではおられるわけですか。
  24. 石原武夫

    ○説明員(石原武夫君) 今お話のように、今度のこの財政投融資、一応予定しておりますが、この数字自身はさらに検討し、大蔵省の意見等も十分聞いてみなければならぬと思います。予定しているような、今経審が考えているような将来の財政投融資はちょっと無理だということになれば、これは下げざるを得ない。下げた範囲内で、今お話のような電源、合成繊維石油資源にしましても、そういうものをどの程度その将来の規模において考えられるかということで、従って従来の計画をあるいは修正をするということになる。で、われわれの感じでは、ものによりましては従来立っております五カ年計画というようなことでも、これは相当二、三年たっておるものもあるのでありますが、やはり当初の計画期間から申しますれば長くなると思いますが、この計画期間中にやるということになれば、従来の計画期間からすれば延びるということになると思いますが、そういうことで大体資金のめどが、総ワクがきまればその範囲内で押えるように計画自身を修正し、その修正した計画はできるだけ実現性があるようにもっていきたいというような考え方でおります。
  25. 鮎川義介

    ○鮎川義介君 私は一つ希望があります。それは、私はこのたび帝石に関係して開発五カ年計画というものを作ってそれを実際どういうように実行すべきかということでいろいろ考えてみましたが、ああいうその案ですね、目的は一つありますけれども、それを本当に遂行するかどうかという政府の根源はないのですね。探してみたけれども一向ない。あれだけの旗印をしておれば、もうすこししっかりしたことが根本にあるかと思うと、さっぱりない。意想外でした。そういうことを考えてみて、ああいうものは出しても、さっぱり閣議も通っておらん。閣議を通らんようなものでは、幾らやっても、すぐまあものにならん。いつでもそれはけ飛ばされることになる。通っておっても相当け飛ばされるのですが、閣議を通らんようなものは相場にならんわけです。それで、私はそこに一つのああいう計画経済というものには一つの信念が要ると思うのです。その信念がないんじゃないかと思うのは、一体日本石油を、それまでにして日本資源をやらなければならないかということについてのしっかりした意見がないですね。そろばんから言えぱ外抽を入れたほうがよほど安い。コストが安い。ただ外貨の問題だけが問題になるように思われる節があるのでありますが、しかし私はそれじゃいかんと思うのです。本当にやるなら、いやしくも国内資源があるならば、それが少量であっても、比較的に問題にならんほど少量であっても、それはやるんだ、国内資源の開発というものは、石油に限らずほかのものでもあるものはやっていくんだと、引き合わなくともやるのが、引き合わなければやらんのか、引合う、引き合わんとかいう定義すらしっかりしない点があるから、本当にやっていくのかどうかということがわかっておらんですね。だから、それはいやしくも資源があれば、その資源をどうしても調べておいていくというのならば、やり方は違うと思うのです。毎年予算が余ったらやるという話じゃいかぬので、これは、そういうようなこの中に何はどうしてもやらなけれぱならぬからという一つ大事なものが、筋があると思うのです。その筋をやってみたけれども、都合が悪いから、少しずつその年々に修正するというのでは、計画経済には私はならぬと思うのです。どうも政府の今までのやつはそういうようになっておる。こう思われるのですが、これをお立てになってもそれに類したようなことがたくさんあるのじゃないか。内閣が変ったたんびにいろいろその行き方が違って、計画もほとんど計画にならぬということになる。それで私は、この帝石の石油の問題でもも本来しっかりしてやっていただかんと、終始変えては計画にならないのです。毎年変わるようで、掛都合主義で、こういうことで、主義は御都合主義なんだということでいっておるように思うのですが、一生懸命やろうと思っても、すぐはずれてしまうと拍子抜けがする。そういうことでは、こういうような計画を立てられても、あとでこれを都合をつけるように言えるんだということが、非常に私はまずいと思うのです。これはどうしてもやるんだということから出てやらぬと、少々引き合わんでも、たとえば、ときには外貨が足らんようになっても、それを突破するようにしなければこれは計画にならぬ、こういうようにはうまくいかぬと思うのですね。信念が足らぬ。この中には信念がありゃしない。
  26. 石原武夫

    ○説明員(石原武夫君) 今いろいろおしかりを受けましたが、今お話がありました石油につきましては、五カ年計画というものは通産省にあるのでありますが、今お話のように閣議でもきまっていないということで、ちっとも政府部内でもはっきりしてないという点はお話の通りだと私も思いますが、今までは合成繊維であるとか、電力とか造船でありますとか、それぞれ五カ年計画という計画を作って来ておった。このうち必ずしもみんなうまくいっているわけではありませんが、電力なんか比較的五カ年計画に近い数字で現実に動いていると思う。造船はその計画の数字自身はお話のように財政的にときどき動いて、本年度なんか相当下回っているというような状况もございますが、これもある程度の計画造船をやっているわけです。そういうふうに今までのところは、計画によりまして割合にはぼ計画に近いところまで進んでいるかと思う。それから半分と申しますか、半分くらいまでしかいっていないとかいろいろさまざまでございますが、私のほうの希望といたしましては、これはまだそうしたこの計画の中に具体的にどの業種について何年計画、どこまで延ばすという案はまだもちろん最終的にできておりませんが、これは今後作るつもりでありますが、これは関係各省の協力を得なければできませんが、今までは先の見通しもなく、いろいろ計画をそれぞれのほうで作っておりましたので、現実にぶつかると、なかなかそうはいかぬということになっておって、むしろ今度は少し長い目で見て、このくらいは将来といえども実行可能だというようなめどを作って、そうしてきめたらば、一つそれでできるだけその通りに実行するようにしていきたいというのが趣旨でございまして、今御指摘のような点が、今回は少くとも従来に比しては格段に改善されるようにもっていこうというのがねらいであります。ただ、具体的な業種につきまして、どの程度の計画を織り込むかは、今後の研究問題でありますが、とにかくきまりますれば、またその範囲が、現在予定されるところでは、一応合理的な範囲内であるということにいたしたいと思いますので、それはできるだけ今後はそごのないようにしたいというのがわれわれの希望で、今お話がございましたが、われわれとしましてはその計画をきめれば、全力を尽してそれを実行しようといろ考えでございます。その数字だけ作って、あとはほっておくというつもりでは、これはやっているわけではございませんので、でぎるだけ今お話のありましたような趣旨に、今後各省とも協力をいたしまして実行ができるように進めたいというふうに考えております。
  27. 海野三朗

    ○海野三朗君 私お伺いしたいのは、この五年とか六年などと立てなさっても、私は当てにならんのですね。時々刻々日本国の変っていく状態でありましょうから、私ほせいぜいまず三年間くらいのお見通しをお立てなさったらいいのじゃないか、五カ年といってもこれは絶対だめです。いわゆるこれは私拝見いたしまして、まことにりっぱなことが書いてありますが、ほんとうにこれは悪口を言えば、ペーパー・プランであるというくらいにしか考えられないので、どうしてもこれはもっと短期間に、三年なら三年くらいのところの御計画をお立てなさったらいいのじゃないかということを思いますので、その点に対しての御意見と、それからもう一つは、こういうことを私お伺いしたいのでありますが、いわゆる経済の安定、経済の安定という立場から労働人ロがどうだとかこうだとかいうのですが、今日の日本工業のありさまをずっとながめると、ものによってはずいぶんぼろいもうけをしている者もあるし、ものによるというと、出血受注をやっている者もあるし、また、まあこれは実例をあげて申してもいいのですが、そういうふうな者があるのに対して、つまりあなた方の立場からは、一体どういうふうにお考えになっているのか。電力料金の値上げなんぞは世をあげてみな反対しておったのにもかかわらず、電力料金を抜き打ち的に上げた。そういうことでやっていげば、必然労賃の問題にも響くのであって、労働者の問題にも響く、そういうふうな総合的な見地に立って、お考えを願わなければならないのであります。一方においてはべらぼうなもうけをしていて、このもうけをかくすに困っている会社もある、それからまた非常に必要なところに金を使わなければならぬのに、それを出ししぶっている。先ほどの鮎川委員から言われたごとく、石油の開発のごとき、これは一刻も早く国家が莫大なる資金を投じてやらなければならない事業にもかかわらず、鼻くそくらいしか金を出していないということは、これは経済安定の根本がどうも納得がいかないのでありますが、そういう点に対してのお答えは、あなたに対して申し上げるのは妥当ではないかもしれませんが、私非常に片びっこな、いわゆる信念がないように考えられるのであります。この点に対してまたあなた方の御所見も承わっておきたいと、こう思うのです。
  28. 石原武夫

    ○説明員(石原武夫君) ただいまお尋ねの第一点の、六年はあまり長くて、将来のことはいろいろ経済情勢が変動するので、もっと短かい方が適当ではないかというのはごもっともでございます。われわれも一応六年の先のことを今から計画しましても、その通りになるかならぬかということは、確かに非常に不安定で、そうした見通しがなかなかむずかしいのでございますが、ただ先ほど申しましたように、一応日本の経済が売全自立すると申しますか、雇用問題も考えてやるということになりますると、三年間でちょっとそういう目標を考えるということは、短期間になかなか困難だという点がございます。  それからもう一つは、いろいろ国内需給にいたしましても、食糧増産にいたしましても、ものによりましてはあまり短期では、どうも計画として不十分で、やはりそうしたものについては、もう少し長い期間で一応の計画を考えた方が合理的ではないかという点もございますが、ただいま御指摘のような点はまことにごもっともで、われわれもそういう点は相当痛感をいたしておりますので、今回は一応三十二年度と三十五年度と両方を描いてみたわけでございます。従ってこの現実の見通しから申しますれば、やはりあまり先のことはどう動くかわかりませんので、むしろ三十二年度というのを中間におきまして、今御指摘のようにこの計画の目標を達成するいろいろ施策を講ずるにいたしましても、一応三十二年度の目標というのを置いたわけでございます。食糧の増産でございますとか、その他の問題につきましては、やはり三十二年度を考えるにいたしましても、もう少し長い目で見ておいて、三十二年度を考えていったほうがより合理的なものができはしないかということで、三十二年度と三十五年度ということをここに考えて、今お話のような点も考慮いたしまして、両方満足すると申しますか、少し欲ばった考えでございますが、両方を考えてみたわけでございます。従って今後の施策は、ものによりましてはやはり長期に考えなければならぬものもありますが、そうでないものにつきましては、三十二年度くらいのところを頭において具体的に考えることに相なるかと思います。さようなことで六カ年ということで、前期、後期ということで計画を考えてみたわけでございます。  二番目にお話ございました、現在このデフレ下においても、非常に利益のある産業もございますし、また非常に苦しい、倒産するような事業もあるわけでございますが、この点はお話の通り現実はさようだと思いますが、今の資本主義の体制でやっていくということであれば、ある程度のところは、さようなでこぼこができるということは、これは免れない、かような点を全部払拭してしまうということになりますれば、相当思いきった国家管理的なことをやるか、何か別個の全く違った経済組織を考えなければ、なかなかそういうようなことは解決しにくいと思います。このへんは現在の体制では、税とか、そうした面でやるよりしようがないと思いますが、またある一面では、日本の経済的に考えて有利な産業が伸びていくということもまた一理あるところであると思いますので、その点についてはすべて均一にするような政策はちょっと今われわれは考えておりませんが、ただお話のように中小企業でありますとか、あるいはそうした非常にしわが寄ると申しますか、悪影響の強い部分がありますから、そういう点についてはこれは特別の配慮をする必要があろうと思いますが、ある一定以上の利益はいかぬということは、税制の運用以外にはちょっと考えられないのじゃないかというふうに考えております。お話のありました電気料金等につきましては、これは本来ならば非常に根本的な問題でございます。これは電力に限りませんで、国内の自給度を高める際においても物によりましてはかような面がございます。たとえば食糧増産にいたしましても、新しい土地を開墾するというような場合におきましては、わりにコスト高になりますし、森林等につきましても大体そうした傾向があるのではないか、そうした資源を開発していくときに、ある面ではどうしてもコスト高はやむを得ないというものもあるので、それを一体どうするかということは、一つの大きな根本的な問題であろうかと思います。電源等につきましても、新しく開発をいたしますれば、どうしてもこれは割高になることは必至であろうと思いますので、その辺の問題はそれはある程度の割高はやむを得ぬという考え方でいくか、その辺はそうした各産業なり、国民生活の基本になるものについては、何か特別の措置を講じて、上げないような措置を、財政負担でも何でもやって行くかという根本方針の問題に触れる問題であろうと思います。その辺は今後の政策をして研究しなければならぬ問題だとは考えておりますが、今ちょっとはっきりこれは上げて行くのだとか、あるいは上げないような政策をとって行くかということ、どっちにするか、ちょっと私は申し上げるあれがございませんが、根本的な問題として、電力に限らず、そうした面についてはどういう政策でいくか慎重に検討しなければならない問題であろうと思います。  それから今の財政の投資なり、何なりのやり方について、石油等の例をあげて、必要欠くべからざるものについてなかなかそうした施策がとられていないという御批判は、これは御意見として十分承わっておきます。われわれとしては何にどういうテンポでやっていくことが合理的かということが非常に判断がむずかしい点ではございますが、この計画を作ります際には、十分関係各省とも相談いたしまして、どういう点に重点をおき、優先をどういう順位でやるか、それは十分検討して参らなければならない。どうしても国際的に見れば割合に不利でありましても、やはりそう無制限輸出が伸びるということは現実問題としてなかなか困難でございますので、多少国際的に見て割高であろうとも、国内にある資源の開発ということについては、どうしても力を入れて行かなければ経済自立ということは日本としてはむずかしいと思います。その辺は十分そうした観点で計画を作るつもりでございますが、全体的にはいろいろバランスの問題が非常にむずかしいと思いますが、十分今後は検討して参りたい、こう考えます。
  29. 海野三朗

    ○海野三朗君 私が三ヵ年ぐらいをお立てなさったらどうかということは、バック・ボーンを変えろというのではないのです。バック・ボーンははっきりした信念をお持ちになっていただいて、そうしてまず三ヵ年ぐらいの計画をお立てなさったらいいだろうということを申し上げたので、そのバック・ボーンを私ははっきりしていただきたい。そうしてまず三ヵ年ぐらいの計画をお立てになっていただきたい、こういう意見で申し上げたのです。  それから油の問題もそうですが、セメントの問題などもそうですが、石油の問題は、たとえば原油関税免除の問題、これは輸入関税を一割かけるべきものであるということはちゃんと法律においてきまっている。きまっているにもかかわらず、二十六年、二十七年、二十八年、二十九年に関税免除している。これは大蔵委員会できめたからしようがないと言われれば、それまででありますけれども、二十九年度の分を見ますと、六百九十億の輸入をやった。その一割だというと六十九億になるのです。それくらいの金をなぜ関税免除するか。この関税をかければ、黙って六十九億浮くのであって、二十六年度から勘定いたしますと約百七十億ほどの金になる。それほどの金があるならば、何ゆえにこれを石油の方にまで金を向けないのか。そうして国内的には油を安く入れるということで関税免除していく、こういうふうな大きな問題はあなた方としてはどういうふうにお考えになっておるのでありますか。あなたの御所を見承わりたい。
  30. 石原武夫

    ○説明員(石原武夫君) ただいまのお話は、どうも私どもの方ではっきりお答えをいたしかねますが、今ご指摘のように、確かに定率の税としては一割ということがきまっておるにかかわらず、三、四年ばかり免税をしておるわけでございます。これについてはいろいろ御議論があるところのようでございます。関税委員会等でも始終御議論があるし、国会などでも御議論があるかと存じますが、私の意見はどうかと言われても、ちょっと経済審議庁としてどうだというお返事はちょっといたしかねますが、ただ、これはいろいろ影響いたしますので、相当の部分が漁業等に使われている点もございますし、あるいはまたそういう点だけは非常に関税をかけた価格ではいかにも工合が悪いと、そういろ面だけは免税をし、そうでない面は一つ税を取ったらいいじゃないかというよろな御議論もあるようで、これはただ大蔵省等で技術的になかなかむずかしいというお話もありまして、ちょっとはっきり結諭的な意見は、私としては申し上げかねますが、元来関税定率法できまっておりますので、そうした面に何らかの調整ができれば、ある程度関税をかけるということもしかるべきじゃないかと思いますが、やはり漁業者とか、そうした面については、当然漁獲の、あるいはそうした漁民に負担がかかるか、あるいはそうしたものの生産物が上るかいずれかになりますので、その辺は十分検討をしなければならぬと思いますし、やはり国内資源との関係から申しますれば、やはり国内資源を開発するという必要もありますので、そうすればその際にある程度の税をかけて、国内資源育成するということも必要でありますので、方向としてはある程度の関税ということは考えてもしかるべきじゃないかと、私個人は考えておりますが、そこら辺のいろいろの影響の点については、何らかの調整措置を講ずる必要が出るのじゃないかと考えております。
  31. 海野三朗

    ○海野三朗君 ただいまお話を承わったのでありますが、かけないならかけないで、法律から改めたらいいのであって、法律で一割をかけるということがきまっておるのである。それを特にこの一年だけ、この一年だけというその理由は、漁民に安い漁油を提供するためにという、こういう逃げ口を使われるけれども、魚の収穫に対しての消費油というものは、幾ばくにも当っていないので、だからそれでありますから、それがよし一割高くなったにしたところで、漁民の方はあまり大した影響はないのです。その現実の姿をはっきり直視してみると、漁民に安く油をやるということは理由がないことです。全く漁獲した金高からみたら、消費油というものは、ごくわずかなんです。それを漁民に安くするとか、農民に安くするという理由でもって法律にきめてあるにもかかわらず、それをことし一年だけ、ことし一年だけといってきておるあの態度、あれは私は納得がいかない。そうしてそれほどに必要な油であるならば、なぜ国内の資源を開発することに、その法律に定められたところの税金を取って、そうしてそれの方に向けないのかということを思うのです。あなた方つまり経済審議庁としてはどういうふうにお考えになっておるか、どこにこれに対する信念をお持ちになっておるのか、信念があるのかないのか。その点を私ははっきり承わりたいと思うのであります。
  32. 石原武夫

    ○説明員(石原武夫君) ただいま申しましたように、まあ確かに実際の漁獲のコストに占める割合というのは、そう大きくないと思います。しかし、これはまあほかの問題、料金等につきましても、それ一つだけをとりますと、そう大きなパーセンテイジを占めないものも相当あるようであります。先ほどお話がありました電力料金等につきましても、コストだけから言いますと、一%以下というのが産業でも非常に多いというよろな現状でございますが、ただ、今のように一般的に物価を下げたいというような、国際価絡にさや寄せをしたいというような考え方でございますので、できるだけそうしたものに、影響が多少であっても、あまりはね返るようなものについては、なるべく避けたいという考え方もございますので、今お話の点はごもっともの点もあると思いますが、なお、これはいろいろ政府部内でも関係省があって、それぞれ研究をしておられますので、ちょっと私が今即座に経審としてはこうすべきだというところを、まだちょっと申し上げる自信がございませんので、なお今後研究をさしていただきたいと思います。
  33. 鮎川義介

    ○鮎川義介君 もう一言。私は石油に関係しておりますからして、石油のことを言いますと、それだけ身びいきを言っておるようにお聞きになっては困りますが、議員として日本全体のことから申しますると、こういう計画経済のようなものがある場合には、石油は五カ年計画、何は何というふうに、石油だけでなしに、あれと同じようなことが何本かなくてはならねと思うのです。今まであるからそれをやるというのでなしに、今度はあらためてその計画経済をやるというふうな、それだけの日本の全体の経済の中でそういう流儀のものが幾つかあると、必ずしも石油だけではない。そうすると何本かある。たとえば水力電気にしてもいろいろなものがある。そのうちに何カ年計画というものは筋が一つずつ立つわけですね。石油は前から言うておるから、それをやらなければならぬというようなことでなしに、この際ちょうどいいからして、そういう流儀を一つやったらいいじゃないかというのなら、この中に何と何と何は必ずこういうふうにやると、そういうものがあってしかるべきだと思うのです。どうもあまりそういうものがないように思う。で、新しく今度はそういう際に一つおこしらえになって、そうしてそれをやるならやるとしたら、全面的にそういうものだけは必ず万障繰り合せてやるというところを立てていただくと、石油もそのワクの中でやるということになるんですから、必ずしも石油だけがそれをやってもらわなけれぱならぬということはないと思うのです。同じようなことがたくさんありゃしないか。そのうちで軽重がありますからして、緩急があるからして、それは何本だけはこの中に筋を入れておく、あとは御都合主義だというようなことでやっていただくと、大へん物事がよくいくんじゃないかと思うんでございますけれども、どうも今までは前に言っておるからしてそれはやる、石油だけは大事だと……。そうではない、何も石油だけが大事じゃない、いろいろなものがあるんですからして、それを全面的にその中から何本か抜き取りをして、そうしてこの中に盛っていただくと大へん私は見場がよくなると思う。信頼性が出てくると思うんですね。
  34. 石原武夫

    ○説明員(石原武夫君) ただいまのお話の点はごもっともでございまして、われわれのきょう申し上げましたのは、これは政府としてもまだ中間的な段階のものを申し上げたんです。今御指摘のように、たとえばこれにつきましては、これが完成をしますというか、最終的に政府内部でできます際には、食糧増産計画、それから石油とか、あるいは合成繊維とか、その他主要なものについては、そうしたものをこの程度の期間にこの程度まで増産をするんだということははっきりさしたいつもりでございます。で、これはきょう中間報告で、非常に抽象的で、今のようなあれもございますが、これを最終的に固めます際には主要なものにつきましては、ただいまお話のようにまとめたいというふうに考えております。
  35. 八木秀次

    八木秀次君 いろいろお話が出まして、同じことが繰り返されたように思いますが、同じことを私また、ただ言葉をかえて申し上げます。経済審議庁がこの計画をお立てになるには、国際収支、雇用問題、このワクをつけて、そうして大体の筋をお引きになって、まことにこの作業を御苦労であったと思い、深く敬意を表します。ただ国民の立場から長期の計画を立ててくれという希望はよく述べられておる。その希望は言いかえますと、政府は創意、独創性を発揮して、具体的な作業については、各産業に関する計画を立てろという意味であって、この計画のようなワクだけでは満足しない。そのことが先ほどから委員長の御発言にも、鮎川委員の御発言にも触れておったのです。私同じことを違った言い方で申し上げたい。この計画を達成するために七項目をあげておいでになる。この七つの項目の中には、政府といたしましては政府予算財政投融資を多額に必要とするようなものもあれば、大して必要としないものもあるわけです。基幹産業を合理化する、ずいぶんと資金を要します。あるいは自給度を高める、あるいは海運を増強する、非常に資金を要する問題がある。そこで先ほど来委員長はこの資金問題ということにお触れになるのは当然なんであります。われわれとして見ておりまして、経済審議庁が案を持っておらんとか、通商産業省がどうかというのではありません。政府が大きい意味における計画を持たなければならぬ。創意を発表していない、こういうことに対して遺憾の感じを抱いておるわけなのであります。石油についてはどうだとか、電力はどうだとか、個々のことではないので、ところが次長のお話では重大な問題、根本的な問題はこれから研究する。国民はそうじゃない、重大な問題、根本的な問題をしっかり、はっきり示せ、それに従って数カ年間やっていけということの要求なのでありますから、そこで先ほど来のような意見が何度も繰り返されるわけなのです。ところが実際問題としてこれは非常にむずかしい。内閣の創意にある。で一官庁の問題じゃないのです。そこで経済審議庁というものはこの政府の計画的な大きい筋を立てて、それを実行させるような力ある役所であってもらいたいといった気持で国民は見ておるのであります。しかし、実際はそうではない。各省がそれぞれにやっておる。そうして政府予算をきめるにしても、財政投融資の問題、それは各省がせり合いをしているので、それではいけないのじゃないか、総花的になっていけない。たとえばこの七つの項目もこれをさてどれも希望することであるが、総花でなしに、もっと重点というものをはっきりして、これは動かさんというようなことをするのが経済計画であろうという心持ちになっておるわけです。それできょうの御報告を承わって皆さんから何か物足りない、遺憾の意を表る御発言があったと私は思うのです。これは政府の問題、政党のことを申して済みませんが、たとえば私が政党政府組織すれば、そういうふうにいきたい。これをたとえば前に御発表になりました経済白書に出ておるように、合成繊維もやるんだ、何をやる、電力開発をやるんだ、そうしてそれが政府の方針でなくて、ところが何々五カ年計画と言っても、通産省だけのブランである。そこでそれが政府が信念を持たぬというふうに先ほどから申されておる。私は政治の一番大事なことはときの政府がみずから創意、独創性を発摘するということである、それが足りないのですから、私が今経審当局にかれこれと先ほどからのようなことを申し上げる気はなかったのでありますが、さっきからのお話を承わっておって、問題はそこにあるのだ。そこにあるがこれは今この席でもって承わろうと言って見たところで、しようがない、そう感じておる、所感を申し上げておきます。
  36. 奥むめお

    ○奥むめお君 私はもし強いて言えば、八木先生がおっしゃったことは、私もどこの省でやるのかと聞きたかったのだけれども、八木先生がちょうどおっしゃって下さったので、もう一つこの政府の計画と資金関係が、計画が立てばできるのじゃなくて、そこには労働者もあるし、購買者もあるし、生産農民もあるし、いろいろな人があるわけです。この人が動かなければだめなので、たとえば二十八年度などは金はずいぶんあったけれども、あらぬ方に流れてしまってこういうことになった。一萬田さんが選挙対策をやるにしても、冨士山の八合目まで来たので、ミルク一ぱい飲んで一つ元気をつけて、あとはたんたんとしていると、私どもはそう思っていない、これからだと思っている。だけどミルクを飲ませることは必要だと思う。ミルクの調合はもう始まっているのか、中味はどうするつもりかということを聞きたいのだけれどもそういう問題はどうですか。
  37. 石原武夫

    ○説明員(石原武夫君) ただいまのお尋ねは、一萬田蔵相が言われたミルクを飲ませるというのは具体的にどうだというお尋ねですと、どういう御趣旨で御発言になっておるのか、私は存じませんので、その点はちょっとお答えをいたしかねますが、この計画といたしましては、やはりこうしたものをこれは計画経済ではございませんので、こういう目標を置いて、それにできるだけ政府として、施策をその到達するための目標としてやるということでございますが、お話のようにこうしたものを政府がそう決心をしましても、実際に実効があがるためには、国民協力を得なけれぱできないことは、もとより当然でございます。われわれは全くその点は痛感しておりますので、もし今後その案ができまして、取り上げてやっていかれるということになった際には、広く国民に呼びかけて国民の各層の御意見も伺って直すべき点は直して、多数の国民の支持を得てやるということでなければとうてい困難というふうに、われわれもその点は考えております。  なお、国民生活につきましてはこの案でも消費水凖はやはり相当先の計画でございますので、ある程度延びてゆくということでなければ、これもまた実行は不可能であると思いますので、この消費支出については、先ほど来御説明申し上げましたが、非常に早くこうした計画を達成するためには、消費水凖を押えても、一つ投資なりなんなりやったらどうかという御意見もございます。しかしわれわれこの計画を作りました際にも、いろいろ申しましたが、やはり今お話のように国民協力を得なければ、とうてい実行ば不可能で、消費水準をそう長期にわたって据え置くということは、言うべくしてできないことであって、ある程度の消費水準はむしろ延ばしてゆくということでなければ、なかなか実行不可能でございますので、この現在の程度のままで適当かどうかということは、御議論があろうと思います。その点はやはりこうした目標を置いてやる場合でも、国民消費水準はある程度考慮してゆくということを、前提に考えなければならないというふうに感じております。
  38. 海野三朗

    ○海野三朗君 もう一点私お伺いしたいのですが、この石炭は専門の立場から考えましても、もう油に負けておる。現状においては、日本炭鉱はもう危殆に瀕している。結局油に負けておる。カロリーの点から申しましても、いろいろな点からみましても、それを今中小炭鉱がつぶれてゆくということで騒いでおるのは、今に始まったことではないが、そういうことに対しての経済審議庁としてどういうふうにお考えになっておるか。石炭鉱業について石炭の時代はもう去りつつあるのではないか、油でもって、ほとんど油に置きかえられておる。このような次第で、それをなるべく石炭を使わせようそして油を制限しようということをやっておるけれども、経済の点から考えても、油にとてもかなわない。その点についてはどういうふうに、今後国内の炭鉱をどうしてゆくか、どういうふうにお考えになっておりますか、その点をちょっと……。
  39. 石原武夫

    ○説明員(石原武夫君) これは一応ある意味におきまして、私の私見になるかと思いますが、はなはだそういう意味で恐縮ですが、そういうことでお聞き取りを願いたいのですが、御承知のように数年前から相当油を使うことは、政府が一時は慫慂したというあれもありますし、お話のように経済的に見て、少くとも日本石炭と比べますれば、非常に経済性が高いということで、非常に油の消費がふえてきておるわけであります。ことにこれは工業方面にも非常に急速にふえてきておるわけでございますが、現状におきましては、確かに経済的にカロリーその他の点から見まして経済性が高いことは、これは否定できない事実で、石炭の方が割高であることは問題がないのですが、ただわれわれといたしましては、一つは日本の国内の炭価を合理化なり、何なりによって、どうしてももう少し下げなければ、全体の日本産業競争力というものはできないのでございまして、できるだけ下げる必要はございますが、やはり国内にあるこれだけの資源を油に置きかえるというようなことでは、雇用の問題から考えましても、その他国内資源有効に使うという面からいっても、これをどんどん油に切りかえるということは適当ではないのじゃないか、これは現在では必ずしもそうではございませんが、あるいは先行きは食糧につきましても、輸入食糧のほうが安いという時代が近くくるかもしれないと思いますが、その際でもやはり国内でできる食糧というのは非常に不経済なことは、もちろん問題になりませんが、ある程度のコスト高であっても、やはり国内で食糧を作って行くということも必要ではないかと思います。ことに日本の経済自立というためには、やはり外貨収支バランスを合せて行くということがどうしても必要でありますので、そういう面からいたしますと、油にいたしましてもそれを無制限に許すような状況には、とうていいかないのじゃないか。やはり国内資源はできるだけ多少の割高であっても、これはそれを使っていくということでないと、日本の経済というものは立ち行かなくなりますので、石炭は現在非常に不況でもございますし、需要も減っておりますが、この計画では現状に比べますれば、さらに石灰の需要はふやすようにすべきだという考え方でございます。ただ最近は相当炭価も下っておりますが、これはコスト割れとかいろいろな問題がございますので、やはりコストを下げて炭価を下げるということは、できるだけやらなければならぬと思います。その際におきましても、なお油が経済的になお有利であっても、それは油にどんどん切りかえるという政策はとるべきでない、こういうように考えております。
  40. 海野三朗

    ○海野三朗君 今、油にどんどん切りかえて行くという政策をとるべきじゃないと言われたって、実際には石炭を使ったより油のほうが有利なんですよ。もうかるのですよ。私はそれを言うのです。そこであの石炭というものをつまり化学工業のほうに向けなけれぱいけないのじゃないか、副産物を取るという方向に向けて、燃料石炭を使うという政策をなるべく変えて行くようにしていかなければならないのじゃないか。たとえばビニールを作るとか、あるいは石炭から染料を取るとか、そういう面の化学面の方に力を入れていけば、ここに石灰の生きる道があるのです。ですから私はそれを申しているので、燃料として使うことになりますれば、油には太刀打ちは絶対にできません。今石炭の値段が安くなったら、炭価が下ったらなんて言ってもだめです。とうてい油にはかないません。油のほうは一キロで一万カロリーも持っているのですから、ところが石炭の方は、石炭だけそのまま燃やしたところで、五千から六千カロリーでありますから、燃料に使うということは非常に不得策である。だからして政府としてもこの石炭をつまり化学工業の方面に使うような方向へ切りかえていく。そういう方向に計画を立てていかなければならぬのじゃないかということを私思うのであります。その点を私は申しているのでありまして、それから油に切りかえるということは、燃料としては油に切りかえることはいけないとか何とか言ったところで、どうしても経済的に引き合いません、カロリーのほうから申しまして……。そこで油にまねられないところの特性を生かしていくのが、石炭をして生命あらしめる道であるから、それは化学工業、そういう方面に力をお入れなさらなければいけないのじゃないか、こういうふうに私は思うのでございますが、その点に対してはいかがでございましょうか。
  41. 石原武夫

    ○説明員(石原武夫君) ただいまの点はもちろん石炭の需要先と申しますか、単なる燃料だけでなく、化学工業その他新しい産業方面に伸ばして行けという御意見はごもっともであります。その点は同感でございますが、ただ日本化学工業の製品がそういう石炭系のものが高いのは、やはり炭価が高いのと、これはなかなか化学工業に使いましても、やはり化学製品が高くなるという問題がありまして、やはり炭価がある程度下らなければ、化学工業で使っても、国際的にその製品が太刀打ちできないという問題があろうと思います。あるいは化学工業の分野におきましても、天然ガス、油と競合する点ももちろんございます。従って今のようなことで化学工業で使うとか、低品位炭をガス化して使うとか、新規と申しますか、そういう新しい用途を考えるということは、当然必要なことであわせ考えなけれぱならぬと思いますが、それだけでとにかく五千万トン近い石炭をそうした方面に使うということは、量的にも早急に望み得ないと思いますので、やはり相当部分は燃料に使われるということは、どうしても避けがたいことだろうと思いますので、新しくそうした今お示しのような点、あるいはその他の点について今後努力していく点ほもとよりでありますが、やはりある程度は国内で燃料としても使ってゆくということも必要じゃないかというふうに考えます。
  42. 小林政夫

    ○委員長(小林政夫君) それでは本日はこれをもって散会いたします。    午後零時四十七分散会