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1955-01-24 第21回国会 参議院 本会議 7号 公式Web版

  1. 昭和三十年一月二十四日(月曜日)    午前十時三十一分開議      ―――――・――――― ○議事日程 第六号   昭和三十年一月二十四日    午前十時開議  第一 国務大臣の演説に関する件(第三日)  第二 中央選挙管理会委員及び同予備委員の指名  第三 国会法の一部を改正する法律案(衆議院提出)(委員会審査省略要求事件)     ―――――――――――――
  2. 河井彌八

    ○議長(河井彌八君) 諸般の報告は、朗読を省略いたします。      ―――――・―――――
  3. 河井彌八

    ○議長(河井彌八君) これより本日の会議を開きます。  この際、議事の都合により、日程第一及び第二をあとに回したいと存じますが、御異議ございませんか。    〔「異議なし」「異議あり、そんなことだれがきめたんだ」と呼ぶ者あり〕
  4. 河井彌八

    ○議長(河井彌八君) 日程第一及び第二をあとに回すことに賛成の諸君の起立を求めます。    〔賛成者起立〕
  5. 河井彌八

    ○議長(河井彌八君) 過半数と認めます。      ―――――・―――――
  6. 河井彌八

    ○議長(河井彌八君) 日程第三、国会法の一部を改正する法律案(衆議院提出)  本案は衆議院から委員会審査省略の要求書が提出されております。  衆議院要求の通り、委員会審査を省略し、直ちに本案の審議に入ることに御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  7. 河井彌八

    ○議長(河井彌八君) 御異議ないと認めます。よつて本案を議題といたします。  まず提出者の趣旨説明を求めます。衆議院議院運営委員長菅家喜六君。    〔衆議院議員菅家喜六君登壇、拍手〕
  8. 菅家喜六

    ○衆議院議員(菅家喜六君) ただいま議題となりました国会法の一部を改正する法律案について、その提案の理由を御説明申し上げます。  国会法は申し上げるまでもなく、憲法付属の重要法典でありまして、憲法国会法によつて初めてその運用の妙を発揮できるのでありますから、憲法の実施以来、ここに約十カ年の経験を積んだのでありまして、より一そう憲法の精神に沿うた民主的な国会運営をはかるため、その改正が両院の間において待望されておつたことは諸君御承知の通りであります。ことに平和回復後における国会の運営の実情にかんがみ、国権の最高機関として名実ともに国民の信頼と尊敬とを集め、国政の審議の重責を果し、もつて民主政治の健全なる発達を期するため、いわゆる自粛三法の一環として、さきの国会において果し得なかつた国会法の改正案をここに提出するに至つた次第であります。しこうして国会法の改正につきましては、衆議院においては第十三回国会以来、毎国会、議院運営委員会に、国会法等改正に関する起草小委員会を設けて、慎重に調査研究を重ね、その間において、学者、言論界あるいは経済団体等の意見をも聴取いたし、十分にこれらを参考といたしたのであります。また各党におかれましても、それぞれ国会法改正に関する特別委員会を設けられて、調査研究をなされておられたのでありまして、これらの結果に基いて、去る第二十回国会に、国会法の一部を改正する法律案として、議院運営委員会理事の諸君から提出されるに至つたのでありましたが、短期国会でありましたので、衆議院議院運営委員会の審査が終了したままで、参議院の議決を得るまでに至らなかつたことは、まことに遺憾でありました。今回、両院の議院運営委員会理事の諸君の間において、さきの国会における衆議院議院運営委員会の議決案を基礎として、相互に意見の調整をはかつて、本案がようやく衆議院の議決を経て、ここに参議院の御審議をいただく運びに至つた次第であります。  まず本案の内容について、概要を簡単に御説明申し上げますが、この改正の眼目は、国会自粛の立場からする制度の改正、憲法の原則からする規程の明確化、それから実際の運営面から必要と考えられる諸点の是正等でありまして、その他はいずれも字句の整理に属するものであります。  その重要と認められるものは次の通りであります。  改正の第一は、常会召集に関するものであります。これは常会における予算審議の実際に適合せしめるため、昭和二十七年の常会のように、その年の八月中に召集しなければならないような不都合を生ぜしめないために、現行法の第二条のただし書きを削り、第十条の会期の規定に「但し、会期中に議員の任期が満限に達する場合には、その満限の日をもつて、常会会期は終了したものとする」というただし書きをつけることとしたのであります。  第二は、閉会中逮捕された議員の釈放の要求に関するものであります。従来、会期中に内閣から議員の逮捕について許諾を求める手続規定はありましたが、逮捕された議員の釈放に関する手続規定を欠いていたのであります。今回新たにこの規定を設けますとともに、これに関連して、会期前に逮捕された議員があるときは、その氏名を内閣から通知せしめることをあわせて規定いたした次第であります。  第三は、常任委員会の整理統合に関するものであります。常任委員会は従来二十二であつたのでありますが、議案の審議能率の促進をはかり、かつ過去の運営の実績にかんがみて、内閣と人事、厚生と労働、農林と水産、通商産業と経済安定、郵政と電気通信の各委員会をそれぞれ合併し、また図書館運営委員会議院運営委員会に併合して、総数十六の常任委員会に縮減したわけであります。  第四は、従来委員会制限公開主義を採用していたのでありますが、運営の実際にかんがみて、今度は報道の任務に当る者、その他の者で委員長の許可を得た者に限り、傍聴を許すことといたした次第であります。  第五は、予算を伴う法律案を発議する場合には、衆議院においては議員五十人以上、参議院においては議員二十人以上の養成を要するという要件を付加したこと、さらに同一の趣旨により、法律案に対する修正の動議についても、予算の増額を伴うもの及び予算を伴うこととなるもの、あるいは予算に対する修正の動議については、同様の要件を付加することによつて、議員立法に対する自粛の一助といたした次第であります。  第六は、法律等の奏上または内閣への送付に関するものであります。法律等の奏上または内閣への送付については、従来すべて衆議院の議長から奏上または送付するごとになつていたのでありますが、これを改めまして、衆議院の議決が国会の議決となつた場合は衆議院議長においてこれをなし、その他の場合は、最後の議決があつた議院の議長からこれをなすことといたした次第であります。  第七は、両議院関係の調整に関するものであります。議決の際における原案保持主義の建前よりして、各議院が、それぞれその議決の対象または両院協議会を求むべき案件を常に保持する必要から特にそれらの点に関する手続を明記した次第であります。  第八は、両院協議会に関するものであります。両院協議会は各議院の協議委員がおのおの三分の二以上出席しなければ開くことができないのでありますから、もし両院協議会を求められた院の協議委員が出席しなかつたときは開会不能となるおそれがあります。そこで憲法上で認められた両院協議会制度の趣旨に沿うため、適確、明細な改正も考えられたのでありますが、立法機関である両院の良識ある運営がなされることを建前としてその救済を企図したものであります。  第九は、議院の内部警察権に関するものであります。各議院の内部における議長の警察権は、会期中に限りこれを認められておつたのでありますが、現在は閉会中にありましても委員会の審査は常に行われている実情にかんがみまして、閉会中も、なお会期中と同様、内部警察権を議長に認めることが適当であると考えた次第であります。  第十は懲罰動議提出に関するものであります。これは他の議案の発議または修正の動議の場合における賛成者の要件の加重と、その均衡を保たしめるために、かくいたした次第であります。  第十一は自由討議及び両院法規委員会に関するものであります。自由討議は新憲法実施当時は別といたしまして、最近におきましてはあまり活用いたしておりませんのみならず、わが国の国会制度の運営上重要な役割も果しておりません実情に考え、また、両院法規委員会は第十四回国会から一度も開会されない過去の実際の運営にかんがみまして、これらはむしろわが国の議会制度にはそぐわないものとして、この際これを思い切つて廃止することが望ましいという考えのもとに改正をいたした次第であります。  第十二は緊急集会に関するものであります。参議院においては別に参議院の緊急集会に関するものが制定されてありますが、不備の点がありますので、この際これを整備し、本法中に一章を設けて緊急集会を求める手続、緊急集会における議案の発議その他の規定を設けることといたしました。  第十三は訴追委員に関するものであります。従来、弾劾裁判所裁判員については両院から選出され、訴追委員は衆議院からのみ選出されていたのでありますが、参議院の強い御要望がありましたので、各国の例も参酌いたしまして、今回これを改めて、両議院から同数の訴追委員を出すことといたしました。これが本改正案中の最も重要なる一点でございます。  その他細部にわたりますが、特別会常会とあわせて召集することができるといたしましたこと、会期及び会期の延長に関する規定と、役員の兼職制限を明確化したこと、専門員制度の改正、同一議案の両院競合防止及び内閣提出議案の修正または撤回につき、各院において議決後はこれを許さないとしたこと等であります。  なお本案は第二十二回国会の召集の日からこれを施行いたしたいと考える次第であります。本案の施行に伴う関係法律の整備に関するものをその附則に規定いたしました。  これが大体の御説明でございますが、必ずしも本国会法が細部にわたつて両院の全部の全く希望通りというわけにはいきませんけれども、大綱はこれによつて改正されることとなつたのでありまして、細部のことにつきましては、なお適当の機会において、両院において協議してまた改正する機会もあるかと存じます。  以上、本案の内容の概要について御説明をいたした次第であります。何とぞ、諸君全員の御賛同をお願いいたしまして、説明を終る次第であります。(拍手)
  9. 河井彌八

    ○議長(河井彌八君) 別に御発言もなければ、これより本案の採決をいたします。  本案全部を問題に供します。本案に賛成の諸君の起立を求めます。    〔賛成者起立〕
  10. 河井彌八

    ○議長(河井彌八君) 過半数と認めます。よつて本案は可決せられました。    〔「議長、こんな議事の進め方はおかしいでしよう」と呼ぶ者あり〕      ―――――・―――――
  11. 河井彌八

    ○議長(河井彌八君) 日程第一、国務大臣の演説に関する件(第三日)  昨日に引続き、これより順次質疑を許します。松永義雄君。    〔松永義雄君登壇、拍手〕
  12. 松永義雄

    松永義雄君 私は日本社会党第二控室を代表しまして、鳩山内閣の施政方針並びに財政、外交基本政策につき数点の質問をいたしたいと思います。  鳩山内閣は選挙管理内閣として成立したのでありますが、一昨日一応の政策が羅列されたわけであります。予算及び法律の裏づけの義務のない政策であるために、宣伝的総花政策を掲げるというようなことは、国際経済の中にあつて日本経済をいかに立て直すかということを決定すべき重要なる段階に当り、厳に慎しまねばならないことは当然であります。しかるに各大臣が選挙管理内閣の性格を逸脱しまして、勝手な放言をあえてしているのであります。なかんずく経済政策につきましては、拡大均衡の名のもとに、にわかに一大転換を試みるがごとき印象を与えて世間を驚かしたのであまりすが、一昨日の財政演説によれば、財政投融資額を前年度並みにとどめて、地固め経済をとることを言明しておるのであります。このような無責任な放言は、財政のみならず、外交政策等にも現われており、選挙のための単なる宣伝政策としか受け取れないのであります。同時に世界の平和問題、日本の経済の転換期の重要なる段階において、その乱を防止する責任こそあれ、選挙目当ての総花的政策をもつてすべきではないにもかかわらず、鳩山内閣はその使命にもとつて、放言的政策を弄するものがあつたということは、政治道徳の観点から断固批判されなければならないと思うのであります。(拍手)この点に対して総理大臣の御所見をお伺いいたしたいのであります。  この観点に立つて私は以下数点にわたつて政府の所信をただしたいと思うのであります。  自由党内閣は、放漫ずさんなるインフレ政策のために、破局一歩手前において緊縮政策に大転換し、世界に対してその無知無能をさらしたのであります。しかし放漫経済政策の大転換に当つて、その責任をとらず、デフレ政策による中小企業倒産、失業者の続出という問題を残したまま自由党内閣は消え去り、ここに民主党内閣が成立したわけでありますが、一萬田大蔵大臣は財政演説において、三十年度一般会計予算は一兆円のワク内にとどめ、防衛関係費の総額は前年度並みに押えるということを言つているのであります。  由来わが国の財政経済に混乱を来たし、国民生活の不安定を招いているのは、九千万人の膨大な人口と過大な軍事費であるということは、外事新聞に伝えられているのでありますが、まさにその通りでありまして、自衛隊の名のもとに、食うや食わずのその日の生活に困つている日本国民に対して、予算の一四%にも及ぶ千四百億円の軍事費を背負わせて、東洋の安定勢力の基本たらしめんと欲するものあらば、その愚や及ぶべくもないのであります。やせ馬に戦車を引かせているような日本の経済力をもつてしては、いたずらに困憊と混乱を来たすにすぎないのであります。政府は防衛分担金の削減をアメリカに交渉したようであります、が、一兆円予算のワク内で一四%を占める明年度防衛関係費をそのまま堅持するとすれば、分担金の削減分は自衛隊費に回すということであるのかどうか。非生産的費用に、少い予算の一四%を投ずる政策が、いかに国民の生活を圧迫してきたかということは、自由党政府によつてわれわれは経験してきたのでありますが、鳩山内閣もまた自由党政府と同じ道を歩かんとしておるのかどうか。また防衛分担金の削減についてアメリカとの交渉はどうなつているのか。この点について政府の所信をお伺いいたしたいのであります。  一萬田大蔵大臣は、昭和三十年度は地ならしの年であると言つておられます。また地固めの年であるとも言つておられますが、それは一体どういう意味であるのか。企業の整備を強化して、中小企業の没落を促進し、ますます失業者を増大することになるのではないでしようか。吉田内閣の不当なる緊縮政策によつて著しく失業者の数が増大したことは説明するまでもありません。一昨年の一月は顕在失業者は四十六万人、十二月には三十一万人に減つていたが、昨年一月は三十九万人から十月には六十七万人を急カーブを描いてふえているのであります。これにあわてて、吉田内閣は昨年末補正予算を計上して、生活保護費七十億円、失業凡策費三十七億円、道路工事費として州急就労対策の九億円を増額したのでのります。しかし、これは日増しに増大する失業者、生活困窮者にとつては焼石に水であるのであります。失業保険の給付を受ける者の数は、昨年四月から九月までの半年間をとつてみても、これを一昨年に比較すれば三割五分の上昇率を見せているのであります。政府は、これらの現在失業しておる人たちに対する救済策はどのようにするのか、完全雇用をうたつておる政府の対策を大蔵大臣並びに労働大臣からお伺いいたしたいのであります。  これらの失業者群の増大の原因のおもなものは、中小企業の減産と倒産であります。中小企業の不渡手形は旧に日に激増しております。東京手形交換所における不渡手形の枚数は、二十八牛一月を一〇〇とすれば、昨年三月には二七一の比率で、二倍をはるかにこえておるのであります。それは金融引き締めが中小企業にしわ寄せされているからであります。しかるに大蔵大臣は、さらに地固め政策を強調し、あるいは預託金の違法論議等によつて、中小企業倒産に拍車を加えんとしておるのであります。これに対する金融その他の対策はどういうふうにやつていかれるか、その所信をお伺いいたしたいのであります。  西ドイツ産業復興の過程を見ますれば、戦前においても今日においても、中小企業の数には、ほとんど変りがないのであります。このことは、わが国においても同様であり、中小企業産業上に占める位置はきわめて重大であります。たとえば、造船及び紡績等のごときは大企業の組織によるものがあるのでありますが、その他の大部分の企業においては、むしろ中小企業の方を優位とするのであります。しからば、これら中小企業の施設の改善等、その合理化にはいかなる方策をとろうとしておられるのか。さらに、商業面におきましては、常に大企業が中小企業を圧迫しております。しかしながら、販売ということは必ずしも大企業組織たるを必要としないのでありまして、百貨店がいかに中小企業を圧迫しているかということは私の説明を待たないところでありますが、百貨店法の制定による中小商業保護政策について、どういうふうに考えておられるか。通産大臣の御所見を承わりたいのであります。  さらに、政府は、化学、石炭、石油、電源開発等の基幹産業に重点を置くようであります。ことに、一萬田大蔵大臣は、石炭に重点を置き、コスト引き下げに努力すると言われておりますが、これらの基幹産業についていかなる合理化を行わんとしておられるのか。また、石炭、石油、電力等のエネルギー源をどう調整しようとしておられるか。それぞれの具体策について通産大臣よりその御所見をお伺いいたしたいのであります。  本年三月末の国際収支の黒字は、おそらく二億五、六千万ドルに達するというふうに予想され、好転のきざしを見せておるのでありますが、これは主として輸出の増加と輸入の減少によるものであるということは言うまでもありません。しかし、輸入の減少したのは、金融引き締めによるものであるが、最近では輸入原料の食いつぶし傾向が出てきており、輸入需要の増大機運の傾向にあるのである。さらに、輸出の好調は、国内デフレのはけ口としてのダンピング、出血輸出の傾向が強く、少くとも輸出額の二割を占め、それはまた世界的貿易市場の一時的小康と特殊貿易にささえられて伸びてきておるのでありまして、必ずしも楽観を許さないのであります。  このような国際収支の変則的な黒字は、いち早く正常な貿易の伸張に変え、その制度を確立しなければならないのでありますが、このために、政府は輸出産業の振興をはかり、三十年度予算の編成及び財政経済政策には、これを重点的に行なつて、計画的に推進せしむべきが筋道であると思うのであります。しかるに、総花的拡大生産的傾向をとり、その財源としていたずらに借金政策に重点を置くようなことがあれば、金と物とは緊急必要なる方面を逸脱して、国力の能率的運営を誤り、国際収支の不均衡を拡大するおそれがあるのであります。資金及び生産の計画的推進をはからねばならないと思うが、通産大臣の御意見を伺いたいのであります。  次に、西ドイツにおいては、法律によつて労働者の企業に対する協力権を認めているのであります。かくのごとく、一方には労働者の生活改善の道を開き、他方に、個人の創意はもちろん尊重してはおるのでありますが、企業の経営についても団体としての労働者地位を確保して、産業上の能率増進を意図しておるのであります。しかも労働者個人に対しては労働者住宅を完備して、安らかな、いこいの場所を与え、労働の再生産をはかつておるのであります。このように、法的にまた経済的に労働者の生活と地位を確認し、労働者資本家ともに協力し、その生産能率向上のために国家が保護育成政策をとつたところに、今日の西ドイツの繁栄がもたらされたのでありまして、鳩山内閣は極めて労使協調について力説せられておるのでありますが、この点につきまして政府の御意見をお伺いいたしたいのであります。政府は政策として住宅政策の拡大をあけ、十年間に二百八十四万戸の不足している住宅を全面的に解消すると言つているが、真に住宅に困つているのは高い家賃を払うことのできない勤労者に多いのでありまして、労働生産性の向上からいつても、労働者住宅の早期完成をまずはからなければならないのであります。政府は労使協力の方法及び労働者住宅についていかなる計画を持つておるか、お伺いいたしたいのであります。  次に、わが国経済自立の観点から、外交問題について二、三点お尋ねしたいのであります。  わが国経済自立のためには貿易を振興しなければならないことは、諸外国の一致した意見でありますが、従来わが国貿易の逆調に対しては、わが国輸出物価のコスト高をあげるのみであります。今や彼らはポンドの交換性を唱え、マルクの交換性を説き、あるいは世界貿易の自由化を高唱しているのであります。しかしその反面、輸入制限を行い、関税の障壁を高くして、自国の産業保護に汲々としているのみであります。英国が「援助より貿易を」と唱えたのは、援助が過大な要求を伴い、卑屈な感情に流れるのをおそれたからにほかならないのであつて、英国が米国に対して、関税率の低下を要求し、輸入の増大を主張したのはもつともなのであります。わが国の輸出品に対する関税率の取扱いについて政府はアメリカに対していかなる構想をもつて交渉を進めているか。あるいは日本のガット加入について英国は反対しているのでありますが、これに対していかなる内容をもつて話し合いをしているか。お伺いいたしたいのであります。さらに、日本の貿易は一国依存によらないで、多数国との交易を密にしなければならないことは、英国の世論すら認めているのであります。幸いにして、最近、世界を通じて東西貿易の交流の度合いが濃化するに当つて、わが国もこれを増加するの傾向にあることは喜ぶべき現象であります。鳩山内閣は、成立以来、ソ連、中共との国交調整についてしばしば言明したのであります。またソ連、中共もこれにこたえて、日米関係破壊条件とせずして日ソ友好関係を樹立する旨を示しているのであります。われわれはこの新しき情勢に応じて中ソとの国交調整に積極的に措置すべきものと信じますが、それには先ずソ連と日本との間の戦争状態終結が必要であります。よつてとりあえず政府は、これに関する日ソ両国間の共同宣言について交渉するの意図がありますかどうか、お伺いいたしたいのであります。  さらにこの問題について首相と外相との言に食い違いがあつて、同僚議員から御質問があつたのでありますが、一体、政府はいかなる具体策をとろうとするのか。総理大臣にお伺いいたしたいのであります。  世界景気の一般的後退に伴つてこれを打開する有力なる活路として対共産圏貿易を拡大しようとする動きが英仏等の西欧諸国に積極化し、さらに、ソ連平和共存の理論によつて自由諸国との貿易拡大政策によつて、今日の国際情勢は新段階に入り、日ソ貿易もまた昨年より伸張のきざしを見せ一―九月間における輸出は九十七万四千ドル、輸入は百七十五万五千ドルに達しているのであります。しかしこれでもまだ戦前の一割程度であつて、今後発展の可能性は日ソ両国の調整いかんにかかつているのであります。また対中共貿易においても、昨年七月ころより急激に増加の一途をたどり、輸出面の伸張は顕著であり、長期的かつ大量の正常取引の様相を帯びつつある現状であります。こういつた対共産圏の貿易は今後さらに伸びるきざしを見せているのでありますが、このときに当り、いたずらにアメリカの鼻息ばかりをうかがうような外交をもつてしては、その進展をとうてい期待することはできないのであります。中ソ問題は単なるゼスチュアであるとすれば、鳩山内閣もまた吉田内閣と同様に、国際情勢の現状に、マッチし得ない内閣であると言わねばならないのであります。対共産圏貿易伸張の芽を育成するための積極策を外務大臣及び通産大臣の御両所から御答弁を得たいのであります。  またわが国経済及び国民の心理を無視したアメリカの再軍備強要、さらにはSEATO及び最近伝えられているところの日本と朝鮮と台湾とをつなぐ東北アジア防衛機構、NEATOへの誘い入れのごときは、日本の安全に寄与しないばかりでなく、かえつてアジアの安定を害するものとして、われわれはこれを拒否しなければならないと考えております。が、NEATOに対する政府の考えはどうであるかをお伺いいたしたいのであります。  日本外交の重点は、アジア特に東南アジア民族の独立援助及びアジア後進地域の経済開発の推進であると思うのでありますが、アメリカの対外援助もSEATOをもつてしては軍事援助に偏しすぎている。コロンボ計画については、せつかくの平和経済援助の目的を有しておつても、その資金額について多くを望み得ないのであります。わが党は、アメリカのポイント・フォアのごとき一国対一国の援助計画やあるいはコロンボ・プランのごとき、英国を中心とする一グループや一地域の援助方式でなくして、国際連合のもとにおける世界的後進国開発促進計画と、そうしてそのための特別基金制度による方法を選ぶべきが最も妥当であると考えるが、これに対する外務大臣の所見はどうか、御意見を伺いたいのであります。  さらに、この点も同僚議員から御質問があつたのでありますが、来たる四月インドネシアで開かれるところのアジアアフリカ会議に対し、政府の方針を明らかにしていただきたいのであります。  次に、ビキニ水爆実験の被害事件については、政府はアメリカとの間に総額二百万ドルの慰謝料を受け取ることをもつて最終的解決と認めるという措置をとつたのでありますが、われわれは物的な賠償額の多少よりも、事件の本質であるところの公海における水爆実験の適法性はどういうことになるのか、また過失に対する責任の問題等、いわゆる今後の事故再発防止に関する保障のような根本的問題が全く等閑に付せられて、原水爆問題に対するわが国の道徳的発言権を放棄したということに対しては、断じて承服し得ないところであります。さらに衆参両院で議決した原水爆実験の禁止並びに原子力平和利用について、政府は米ソ両国に訴える意思があるのかどうか、また最近原水爆をめぐつて世界的軍縮問題が台頭しておりますが、これに関する政府の御所信を明らかにしてほしいのであります。  次に、農林政策に対してお伺いいたしたいのであります。政府は総合経済六カ年計画を立てるに当りまして、農産物の世界的豊作と輸入の容易性にかんがみまして、ようやく食糧自給経済を離れ、輸出の奨励によつて外貨を獲得し、食糧輸入量の増加に転換する気配を示しておるのであります。しこうして昭和三十五年度において国際収支の均衡をはかり、正常貿易によつて赤字を大体抹消して、国際収支をとんとんにまで持つていこうとするような計画であるようですが、ところがこのうち食糧の輸入量をかえつて増加して、これにかわる外貨は他の方法によつて獲得せんと努めているようであります。しかしながら、従来随時食糧増産計画を立てたり、あるいは五カ年計画、またはその他の修正計画といつて、ひたすら食糧の増産対策を講じて来たのでありまして、それは言うまでもなく輸入量と額とを減らして国際収支の赤字を補てんせんとする考えであつたからと思うのであります。しかるに審議庁案によれば、昭和三十五年度までに一千三百五十万石の増産を期待しながら、なお輸入量の増加百三十万石あるいは百八十万石を予想されているのでありまして、増産対策の本来の考え方にそむいておるのであります。もし今日の輸入量に押えて、その増加を防止するためには、昭和三十年度より事業計画を始めたといたしまして、昭和三十五年度までには一千三百六十二万石の増産を達成しなければならないのであります。それには農地の拡張及び改良事業による増産及び耕種改善による費用一カ年平均国庫支出額五百二十五億円、融資額二百五十三億円を必要とするわけでありますが、果して政府は来年度予算の編成に当つて、この数字を織り込み、総合経済計画の構想の中に含めるのか、その点についてお伺いしたいのであります。また農林大臣は、就任以来米の統制撤廃をしばしば品にしておるのでありますが、この問題は自由党政府にとつても長年の懸案でありましたし、また日本農政が当面する最も重要な問題であると思うのでありますが、この統制撤廃は一般消費者につながる食糧問題であり、さらに農家経営の保護政策が自由経済の中に放擲される重要な問題を含んでいるのでありまして、思いつき政策としてはあまりにも重要な問題でありますが、政府はどのような考えを持つているのか、お伺いいたしたいのであります。さらに、農林省は本年度において小作料契約が改訂せられるに当りまして、小作料引き上げのために田畑の地方の調査を命じて、その調査の結果によつて改訂基準となさんとしておるようであります。ところが、一体そういう値上げをしうとするその理由は、政府は農作物の値上りに対して小作料一反当り六百円ぐらいではあまりに安い、低きに失するとしておるようでありますが、思うに戦争以来の家賃、地代及び小作料の値上げ抑制は、一般物価の値上りを防止し、インフレの拡大を抑制するのが目的で定められて、その使命を今日まで果して来たのであります。それを今、改訂して引き上げるとするならば、米価の値上りはもちろん、農産物の値上りを伴い、家庭生活に対する脅威が予想されるのであります。しこうしてその引き上げの理由の一つとしてあげられておるのは、市町村財政の窮迫を救済するために固定資産税の増大をはからんとする魂胆から出ているというのであります。小作料の引き上げが小作者の農業経営に困難を来たすことは言うまでもありませんが、その引き上げはさらに賃貸価格を左右することになつて、自作農の所有する土地の固定資産税までも増加するような結果になるのは必然なことであるのであります。農村の自治をはかるというものの、交付金を減少して国庫負担金を減額し、いよいよ農村の負担を増大させることになるのでありまして、しこうして最近自作農家の転落するものが非常に増加して来て、農村経済の困難さを物語つておるものがありますが、その転落を防止するために、民主党内閣自画自賛の円資金の、いわゆる担保金融という、その資金の増額をはかるといつておられるのでありますが、そのこと自体は決して悪いことではないと思うのでありますけれども、しかしそれがために小作料を高めて農地価格の引き上げに転用して、そうして固定資産税の負担を増大しながら、貸出金額の増加を行おうというのであれば、勤労農民の負担を増加し、またもや農村を、かつての借金苦に追い込むことになるのであります。政府の施策はかえつて農村の疲弊を増すことになると思うのでありますが、政府の御意見を伺いたいのであります。  六年有余にわたる吉田内閣の政治は、すりかえの政治であつたと言われております。すなわち口頭では、憲法を改めないと言いながら、保安隊自衛隊と、再軍備を事実的に育成し、さらに行政の中央集権化、労働者罷業権の制限等を行なつて、また経済自立の達成を唱えては、MSA体制に逃げ込んで、対米従属を強化し、デフレ下の耐乏を説く一方では、大企業に有利なる条件を整え、常に手品師のごときすりかえ政治を行なつてきたのであります。かくしてこの後に政権を担当した鳩山内閣に与えられた課題は、これらすりかえ政治を是正しながら、新しき施策を国民の前に吐露し、国民の批判を受けるということでなければならないのでありますが、短期間ではありますが、これまで政府のとつてきた態度を見ますれば、いかにして実行するかということが何もうたわれておらない。総花的、羅列的政策を並べたにすきないのであります。これでは吉田内閣のとつたすりかえ政治と何ら異ならないのであります。むしろ鳩山内閣は、吉田内閣の政治の再検討よりも、その延長を目ざしていると言うことができるのであります。すなわち、吉田内閣のとつた再軍備をどうするということが問題であるにもかかわらず、それは憲法の方が間違つているといつたような態度をとつておつて、この点は吉田内閣の延長と言つてもよいのであります。そこには何ら新しいものを見出せない。それは資本主義政党の必然的にたどらねばならない道であろうと思うが、一九五五年は、国の内外を問わず、一大転換の時期であります。新しき政策を必要とするわが国にとつては、もはや資本主義政策をもつてしてはこれを乗り切り、あるいは日本の独立を完成することはできないのであります。外交、経済、労働、農村、中小企業等、すべての問題が、国家の計画的施策をもつてしなければならない段階になつているのであります。この意味において、私は鳩山内閣の誠意ある答弁が、計画経済的立場に立つであろうことを期待いたしまして、私の質問を終る次第であります。(拍手)    〔国務大臣鳩山一郎君登壇、拍手〕
  13. 鳩山一郎

    国務大臣(鳩山一郎君) 松永君のただいまの御質問に対しましてお答えを申し上げます。  第一の質問は、選挙管理内閣たるべき現内閣が、一般政務について施策を天下に示すということは僭越だというようなお話でありました。私どもは選挙管理内閣とは考えておりませんので、(拍手)やはり政府としては、一般政務について、その政策を天下に示すことを義務だと考えておるのでありまして、根本が違いますから、どうぞ御了承を願います。(拍手)  第二の御質問は、中ソとの戦争状態を終結せしむることについてどういうことを考えておるのかというような点だと思つております。中ソとの戦争状態終結未確定の事態を、終結確定の事態にまで持つてこなくてはならぬということは、われわれのつとに考えておるところであります。私はかつて二年有半前に、戦争状態終結未確定の事態を確定の事態にするために、戦争状態は終結したということを単独に宣言するのも一つの方策であろうと思うというようなことを申したこともあります。それは確かにそうだつたと思うのです。そういう宣言をいたしまして、二年有半経過いたしましたならば、戦争状態終結確定の事態はほぼ建設せられたかもしれないと思うのであります。  しかしながら、今特に考えておりますことは、通商貿易をできるだけ増進することに努め、交通を自由にしていくというような方法によつて、あるいは経済視察団の交換とかあるいは商務官の設置とかいうような方法によつて、戦争状態終結確定の事態が築き上げられるだろうと思つておるのであります。これは直ちにやらなくてはならないことと思います。単独の宣言をするということをいつするかということについては、まだ今日は考えておりません。  以上お答えを申し上げます。(拍手)    〔国務大臣一萬田尚登君登壇、拍手〕
  14. 一萬田尚登

    国務大臣(一萬田尚登君) 私の所管に属しますことで、只今の御質問にお答え申し上げます。  防衛費の支出と民生安定の関連であつたように思ひますが、私はたびたび申し上げましたように、この民生安定ということが防衛に関して最も基礎的なものである、民生の安定がなくては防衛ということは考えがたい、こういうふうに考えておるものでありまして、従いまして防衛につきましても、この防衛費をふやしていくということにつきましても、国力に応じてこれを充実していくと、こういうふうに申しておるわけであります。そして今日、これを予算大綱にも示しておきましたが、ああいう程度の民生安定というものは、どうしても私は今日いたすべきである、こういう考え方を持つておるのであります。従いまして、三十年度の防衛費につきましては、前年度のワク内にこれをとどめたい。従いまして自然、防衛分担金についてなるべく一つ御考慮を願いたい、こういう折衝を今後強くお願いしていこう、こういうふうに考えておるわけでございます。  それからもう一つの御質問の、地ならしの、地固めの年というふうに言つておるが、これは一体どういう方針なのか、そしてこの結果が失業者等をふやす結果を生じないか、こういう御質問であつたように存するのでありますが、地固めの年と申し上げましたのは、この通貨の価値を安定させる。そしてそのために従来の財政並びに金融の緊縮政策の基調は変えていかない。同時に将来輸出をいよいよ増大させなければならないが、すでに申し上げましたように、国際的の情勢は、貿易並びに為替の自由化に進んでおりましてその結果は、さらに国際市場における競争を激化する。そこでこれらに備えて、今日ではこの生産コストを下げる。従いまして、特に重要の基礎産業並びに輸出産業等について生産コストを下げる、この施策を強く進めて行かねばならない、こういうのがこの地固めの大体の方針とお考え下さつてけつこうなんであります。そうしてその結果が失業等をふやしはしないかということであります。これも私はこの過程においてどうしてもやむを得ない。そこで三十年度の予算につきましても、今年度においてまあ二十万ないし二十五万の失業者が出るだろう、こういうふうにも考えておりまして、それに対する予算措置も講ずるつもりをいたしておるのでありまして、こういうふうな観点からいたしましても、今回民生安定につきまして相当思い切つた、今日の財政事情から見ますれば相当思い切つた施策をいたしましたのも、こういうことが予定されるからであるのでありまして、何だかあれは解散を前に総花的に並べてあるじやないかという御批判もありますが、決してそうではないのでありまして、おそらく私はどの政党が今日政権をおとりになつても、必ずあの程度の施策をお打ち出しにならなければならぬと思うのであります。従つてあれは何も私は自慢するわけではない。誰でもやる、これはぜひやらなくてはならない、そういう意味において、こういう施策はみながまじめにおとり下さることを切に希望する次第であります。(拍手)    〔国務大臣重光葵君登壇、拍手〕
  15. 重光葵

    国務大臣重光葵君) 御質問に対して外交一般の問題についてお答えいたします。  われわれが今まで国交関係の開かれておらぬ国と平和を回復したい、こういう希望を強く表明しておることは、これによつて今日世界の全局にわたつて激しい共産、民主両陣営の争いがある、この世界の緩和に少しでも寄与したい、こういう希望が終局の目的でありまして、その希望から出ておるものでございます。それでありますから、今総理大臣の御説明の通りに、ソ連との国交も回復したい、こういう見地に立つて施策を進めております。そのために組閣早々その意向を表明いたしまして、わが方からイニシアチブをとつてその意向を表明しておるわけであります。その的確な表明は総理大臣及び外務大臣議会演説となつて表明されておるわけであります。そしてその中にはソ連に対する懸案の問題に対するわが方の態度もはつきりと表明をいたしておるわけでありまして、今日におきましては、その反響をつぶさに検討をしておる状況でございます。  なおソ連との貿易の関係を進めていきたいということも今総理大臣から、るる御説明の通りでありまして、これも日ソの平和関係の回復並びに社会情勢の緩和に資する目的をもつて進めていつて差しつかえないと思うのであります。  次に中共との問題でありますが、これはたびたび御説明申し上げた通りに、日本は国民政府をもつて中国政府として承認をして、そうしてその以外のものを承認をしないという吉田書簡まで、もうすでに発表されておるようなわけで、中共との間において政治的の関係を今ただちにつけるということは困難であります。しかしながら、われわれは今、中国が二つの陣営に分れて、台湾海峡を差しはさんで互いに戦争状態までに今なつておる。この事態は非常に東亜の安定のために遺憾と感ずるものでありまして、この事態が今、国際連合においても問題になつておるわけでありますが、何とかして一刻もすみやかにこういう不安定な例外的の状態が解決されるように希望してやまないのであります。これは東亜の平和を特に念とする日本としては強く希望を表白したいと思うのであります。  さらに中共との貿易問題は漸次貿易額が増加しておることもお話の通りであります。これを貿易通商の問題としてできることから漸次に進んでいきたい、そうして成績をあげたい、(「もつとはつきり」と呼ぶ者あり)こういう方針において進んでおるわけであります。  なお東南アジアの経済問題についてお話がありました。その点については御同感の意を表する点が多々あります。特に東南アジア諸国の受け入れ態勢がうまくいくような経済協力をやらなければならぬと、こういうような点についてはまことにその通りでありまして、その問題については特に国際連合とも協力をしてその方針で進んでいきたいと、こう考えております。  さらに今、世界の貿易が漸次自由貿易の方向に展開をしておる、その通りでございましよう。しかしその傾向にあるのにもかかわらず、まだ関税障壁等の貿易に対する障害が相当ある。これを緩和するように努力をしなければならぬことは当然のことでございます。そうして米国との関係におきましても、御承知の通りに輸入が三倍、つまり片貿易のような状況になつておりますから、その関税障壁を低くするということにつきましては、アメリカ側に常に要望を提出をいたしておるわけでありまして、特にガットの問題について今話をしておる。そのいわゆるガット機構の中においてその機会があるのでありますから、その機会にアメリカとの関税障壁を低めるという、そういう趣旨の交渉をいたしておるわけであります。  なおガットの問題でありますが、ガットの正式加入のための関税交渉は来たる二月下旬からゼネヴァで開始されることになつております。この交渉が順調に進んで五月半ばに完了して、さらにその後ガット加盟国の三分の二以上の同意を得れば、本年下半期には加入が実現し得る順序と相なつております。さような方向に向つて努力を進めておる次第でございます。  次に、水爆、原爆の試験のことについてお話がございました。ビキニ水爆に関する補償問題が解決をいたしました。これについては決してこれが十分であるということを申し上げたのでないことは前にも御説明をいたしました。しかし、この問題が解決をして一つの(「元気がないぞ」と呼ぶ者あり)重要な問題がこれで解決をいたしたわけでありますから、その点は私は米国関係に貢献するところがあると思います。これは米国も、明らかにこういうことのないように最善を尽すというその証言をいたしまして、そうしてこれを解決をしたわけでございます。公海でかような危険な試験をやることが国際法上許されるかどうかという問題については、十分にまだ国際法学者の意見がきまつていないようであります。いないようでありますけれども、これがわが国の利益に重大な影響をもたらすものでありますから、そういうことについては、国際連合における原爆の問題の審議においては、十分わが方の利益を擁護するような方向に措置をとりたいと、こう考えております。(「国際連合の裁定だけでもつて満足していちやだめだ」と呼ぶ者あり)  以上をもつてお答えといたします。    〔議長退席、副議長着席〕    〔国務大臣千葉三郎君登壇、拍手〕
  16. 千葉三郎

    国務大臣(千葉三郎君) ただいま松永さんからの御質問の中で、労働行政に関する部分をお答え申し上げます。  この失業対策で、ありますが、失業対策につきましては、単に社会問題としてこれを考えないで、私どもは経済問題の一環として考えておりまする関係上、(「経済問題じやない」と呼ぶ者あり)経済自立六カ年計画の一環として、将来の完全雇用を目途としてこの失業対策に当つております。そこで昨日経審長官からも申し上げましたように、昭和三十五年におきましては、日本の労働総人口の一%以内に失業者をとどめる、その目途のもとに進んでおります。現在御指摘のように、中小企業、そうしたものに対するしわ寄せがはなはだしくて、そこからくる失業者が相当増加しておることは事実であります。そこでこれらの失業者に対しましては、今年度は特に住宅問題、あるいは失業対策事業としての道路問題、そうしたものを重点的に考えまして、そうして十分なる失業者の吸収をはかりたい、でき得るならば、一日におきまして四万程度の雇用をしたいと考えておるのであります。なお、この住宅問題につきましてのお話もございましたが、住宅は、私どもは高級住宅を考えておるのでございません。これは労働者住宅を中心といたしまして、一般大衆用の住宅であるのであります。従つてこれらに対しましては、厚生年金その他を利用して、この住宅に対しまして十分当りたいと考えております。  また、松永さんから西ドイツにおける例をおあげになりまして、労使協調の必要をお説きになりましたが、これはもう全然同感であります。私は特に就任以来、組合の諸君とお話し合いをしておりまするが、これは単なるお話ではなくて、日本の実情、いわばだれでも御承知の国土狭小、人口過多、そうして資源貧弱というこの三つの基礎事実に立つて、そうして日本をどうしたらよろしいかということを率直に話し合う、そこを話し合つているうちに友愛、お互いの人格を尊重し、そこに民族意識、そこに国家の繁栄という問題も出て参りまするので、そこからくる生産意欲、労働意欲、そうして私どもは西ドイツがあけたような成果をともにあげたい、こう考えておるのであります。その目的から申しまして、今回生産報償制度も目下審議中であります。さらに勤労者に対しましては、表彰制度を考えております。これは将来は勤労勲章というべきものが制定されるのが本旨でありまするけれども、それに間に合いませんので、暫定的に黄綬褒章というような制度で均霑いたしまして、そうしてこれらのまじめに職場に尽した方たちに対しましては、国家が表彰をする、これらのことは生産を増強したいという一念にほかならぬのであります。なお、これらの問題に対しましては、さらに勤労所得の軽減もはかりまして、そうしてその生活の安定をはかつて、そうして生産の増強に当りたい。御趣旨の点については全然同感でありますので、なお検討を申し上げたいと思います。(拍手)    〔国務大臣河野一郎君登壇、拍手〕
  17. 河野一郎

    国務大臣河野一郎君) 第一は、国際収支のバランスをとるために、食糧を増産して食糧の輸入を切り詰めるここが大事であるが、どうかというお尋ねであります。ここで一言お答えを申したいと思うのであります。それは終戦後、国際的に食糧が非常に不足いたしておりましたときには、無条件で食糧の増産をいたさなければならなかつたと思うのであります。しかし、今日国際的に食糧資源が十分になりまして、しかも、なおかつ相当低廉な食糧を入手することができるようになつて参りました今日の情勢におきましては、わが国内における食糧の増産につきましても、特に経済的価値を十分に考えなければならぬだろうと思うのであります。誤解があるといけませんから、もう一度申させていただきます。従来のように、世界的に、国際的に食糧資源に非常に不足いたしておりましたときには、無条件で食糧の増産に邁進しなければならなかつたのでございますけれども、今日食糧が相当に国際的に潤沢になり、なおかつ、その価格が低廉になりつつありまする今日、もしくは低廉にますます度を加えようとする将来のわが国の食糧政策といたしましては、国内において十分に増産に邁進しなければなりませんことはもちろんであります、増産にあらゆる施策を講じなければならんことはもちろんでありまするけれども、その増産施策のうちに、経済的価値ということを十分に織り込んで考えなければならぬだろうと思うのであります。その意味におきまして、私は特に生産費の引き下げに、重点を置きまして、そうして、農業経済のバランスの合うようにし、そこに農家の増産の意欲を高揚して増産に邁進し、協力を願うようにして参りたい。もちろんその間におきまして、土地改良その他の点につきましては、前段申し上げましたように、経済的価値の有無ということに相当のバランスを置いて考えて参りたいと思うのであります。  第二の点についてお答え申し上げます。米の統制撤廃について、思いつきにこういうことを言うてはいかぬと、こういうお話でございましたが、この点は松永さんに特に御了解願いたいと思うのであります。お互いに十数年の長きにわたつて議員生活を勤め、特に農村問題に真剣に取つ組んで参りましたお互いが、ただ思いつきでこういうことを申すか申さぬかということについては、特に御了解を得たいと思うのであります。私も松永さん同様、立場こそ違いますが、二十年の長きにわたつて農村問題を専門に研究して参つたものであります。特にこの際、御了解得たいと思いますことは、現総理と私とは終戦直後、日本自由党を結成いたしましたときに、供出後の米の自由販売という政策をもつて全国の農民に臨んだのは私たちであります。従いまして今回この地位になりまして直ちに米の統制をはずす、はずさぬということを、思いつきで申すことは断じていたしません。十分なる研究と、十分なる良心的信念をもつて申しておることでございまして、これにはいろいろの準備が要ります。これは皆さん御承知の通りであります。この準備を十分整えなければやつてはいけない、事いやしくも食糧のことでありますから、いやしくも一日もゆるがせにすることのできないものでありますとともに、四千万農民の経済の根本に関する問題でありますから、十二分な準備と用意をもつてやらなければならないことは申すまでもありません。さればと申して、この点について今のままでよろしいかどうか、供出制度のごときは私は戦争中もしくは終戦後の絶対食糧の足らないときに、農民をして国家に御奉公せしめる観念からきておるものでありまして、今日のような経済情勢、国内情勢において依然として供出制度をもつて農民に臨むことは不適当であると、こう私は考えるのであります。従いまして今日の供出制度は、根本的に変えなければいけないと申し上げましたことは総理の施政方針にあります通りであります。これについて根本的な施策は目下検討中であります。この統制撤廃について十分検討しております。その暫定的な経過措置として予約買付制度をとつていきたい、こういうことでありますから、これらの点については御了解願いたいと思うのであります。  最後に小作料の問題についていろいろお話がありました。これは御承知の通り小作料は昭和二十五年以来その最高限度を定められたまま据え置かれて、自来米価その他の農産物価も相当に騰貴し、物価水準も上昇して参り、その面では必ずしも実情に合わないところもあるものと考えます。また小作料の引き上げは直ちに固定資産税の増徴を来たすものとは考えられないが、小作料の改訂はこれらの点について十分考慮いたしまして、米価の決定、農産物の価格ともにらみ合せまして、農民負担の増大を来たすことのないように慎重に検討いたす所存でありますから、御了承いただきたいと思うのでございます。  大体お尋ねの点はこの三点と思いますから、お答え申し上げます。(拍手)    〔国務大臣石橋湛山君登壇、拍手〕
  18. 石橋湛山

    国務大臣石橋湛山君) 私に関係するお尋ねの一つは百貨店の問題であつたと存じます。百貨店というものはいろいろ消費者の立場から申しまして、これをただむやみに圧迫することはできないと思いますが、さりとて百貨店がいわゆる不公平な競争をもつて中小企業者等に臨むということは、また好ましからざることでありますから、現在は独禁法によりましてこの不公正取引の取締りをいたしております。たとえば不当の返品の強制でありますとか、あるいはサービスの過当、これはサービスをさすのであります。そのほか取引上の位置を利用してする不当行為というようなものは公取からこれを取締つております。この状況を見まして、この結果を見まして、なお今後の方策を決定いたしたいと思います。さよう御了承願います。  それから中小企業の問題については、これは御説のように、日本の経済において中小企業が重要であるということは申すまでもありません。これをいかにするかということにつきましては、まず中小企業というものは非常に組織が弱いものでありますから、その点を強化していきたい。協同組合中央会というようなものを作りまして、横の連絡を保たせる。それからさしずめ非常に激しい競争、それから競争の結果、価格の非常な低下というようなものにつきましては、安定法を利用しまして、さような過当の競争を起さないように厳にいたしております。それから積極的には相談所、中小企業相談所とか、あるいは企業診断所というようなものを強化いたしまして、中小企業者の経営上の相談に応じ、あるいはその設備の改善等の指導をいたしたい。金融については、中小企業金融公庫の資金を増加する、あるいは信用保険制度を、先般も料率を引き下げましたが、なおこれを強化する、かようなことで金融上の処置を講ずる。それから税及び金利を下げる、中小企業者の税及び金利負担を下げるということは、先般も財政演説のときにも出たところであります。さようなことをいたしまして、中小企業についてはその強化育成をはかつていく、かような考えでおります。  それから輸出のことがあつたようでありますが、経済六カ年計画におきまして、だんだんいわゆる拡大均衡の経済を作り上げていくのでありますが、その第一に手をつけたいと思つておりますのは、輸出関連産業で、輸出は日本としては、国際収支というものは無視できませんから、そこで拡大均衡政策をとるに当つては、その第一に輸出関連産業から手をつけて、その方面から拡大均衡の線を出していく、かように考えておりまして、輸出振興については特段に金融上あるいは行政上の措置を講ずる考えでございます。  大体以上でありましたと思いますから、お答え申し上げます。(拍手)    〔国務大臣竹山祐太郎君登壇、拍手〕
  19. 竹山祐太郎

    国務大臣(竹山祐太郎君) 松永さんの勤労者住宅を重要視しろという御意見には全く同感であります。今回政府は住宅問題を重要視して、そのうちでも勤労者住宅については特に重要視をいたす考えで、政府の財政投融資はもちろんのこと、税制その他の措置を思い切つてやつて、民間資金を集めまして、御期待に沿いたいと今全力をあげて準備を進めている次第であります。(拍手)     ―――――――――――――
  20. 重宗雄三

    ○副議長(重宗雄三君) 鈴木一君。    〔鈴木一君登壇、拍手〕
  21. 鈴木一

    ○鈴木一君 私は無所属クラブを代表いたしまして、二、三具体的な問題につきまして御質問申し上げたいと思います。  まず総理に対してお尋ねいたします。過日の新聞は、総理がダレス長官に対しまして、わが国の反米感情一掃に関する書簡を送つたことを報道しております。私の考えでは、反米感情のよつて起る原因は、アメリカが現在戦争の危機がないにもかかわらず、いまだ多数の軍隊をわが国に駐屯せしめていて、わが国をして軍備を完全に放棄せしめておきながら、自衛とか、防衛とかいうように名を変え、経済援助をおとりといたしまして、しかも明らかに憲法違反とも言うべき軍備を強制していること。また、わが国の政治に対しまして、何かと干渉制約を加えているがごとき印象を強く国民に与えていること。わが近海において、水爆の実験を行い、物心両方面にわたりわが国民生活に甚大な脅威を与えたこと、数え上げればいろいろありますが、以上のような事柄が反米感情のおもなる原因と考えられます。しかしながら、これはアメリカ側のみの責任ではなく、盲目的にこれに追従して来ました吉田外交にも一半の責任があることはもちろんでありますが、要はサンフランシスコの講和条約に無理があつたのではないかと私は思うのであります。総理は反米感情のよつて起る原因は何であり、また反米感情の一掃はいかにすればできるのか、この点御説明願いたい。また、ダレス長官に送つた書簡はいかなるものであるか、できたらお話し願いたい。  次に、憲法改正について承わります。この問題は昨日森崎君よりもお尋ねいたしましたが、重要問題でありますので、重ねてお尋ねいたします。総理は在野時代、保安隊は明らかに違憲であるとし、再軍備のための憲法改正を特に強調され、かつて自由党復帰の際にもこれが一つの条件であつたやに聞いております。しかるに政権を担当されるや、他の問題については大いに抱負を発表されておりますが、われわれが総理に対しまして最も重大な関心を持ちました憲法改正については一向に触れられず、一昨日の施政方針演説の中で、まことに抽象的に述べられております。しかも改正の理由が、要点とも申すべき再軍備には何ら触れられず、国会に学識経験者その他国民各層代表者の参加を求めて、超党派的な憲法調査審議機関を設けて慎重審議するとしております。今日わが国政治の焦点の一つは、再軍備のために憲法を改正するやいなやにあり、保守革新の対立もここから来ていると申しても過言ではありません。このたびの総選挙の意義も実にここにひそんでいると私は確信するものであります。(拍手)超党派的な審議機関などを設けたところで、結果は自明であつて何ら結論は得られないと思うのであります。総理は機会あるたびごとに、明朗政治を国民に約束され、一昨日もこの議場においてわれわれはそれを聞いたのであります。その言やまことによしであります。しかるに総理の在野時代の信念とも申すべき再軍備のための憲法改正を今ここで持ち出すことは、来たるべき総選挙に不利を招くおそれ多分にあるので、しばらく隠しておこうとするのであるならば、その態度は言行不一致、はなはだ不明朗であると思うのであります。この点に関する森崎君の質問に対して総理は、世論が現行憲法の範囲内で、自衛のための戦力ならば保持して差しつかえないという方向に変つたので自分の考えも変えたと答弁されましたが、一部の世論を世論の全部と曲解するもはなはだしいと思うのであります。これはあまりにも御都合主義で無責任ではないでしようか。世界各国の軍備はすべて自衛のための戦力であつて、どこの国が他国を侵略するための戦力、軍隊を持つていると自称しているでありましようか。かくのごとく信念を曲げて、それでもなお例の明鏡止水の心境でありましようか。再軍備のための憲法改正の是非はともかくといたしまして、在野時代からの信念として、総理が改正を正しいとするならば、この際堂々と国民に信ずるところを表明するのが民主政治家の正しい態度であり、かくてこそ政治家としての晩節を全うするものと考えるのでありますが、これに対する総理の所見を承わりたい。  次に、戦争の犠牲者たる抑留者の引揚問題について外相にお尋ねいたします。昨年以来、中国等より抑留者が漸次帰還していることはまことに同慶の至りでありますが、これは決して政府の施策がよろしきを得た結果ではなく、相手国の意思とわが国民外交の成果であると思うのであります。われわれは鳩山総理の対中ソとの国交回復の熱意と、巣鴨に拘禁の体験を有する外相により、中ソ両国に対して抑留同胞の帰還のため、積極的施策を心から期待していたのでありますが、結局これも何に遠慮してか、先方よりの働きかけを待つといつた、はなはだ消極的なものであることを一昨日の外交演説で知つたのであります。外相の言われる通り、終戦後十年、恩讐二つながら消えたはずだし、またそうあるのが人類本来の姿と私は確信するのであります。これは人道上の問題であり、もはやこのままに放置できない問題だと思うのであります。このことに関して何ものにも遠慮は要らないと思います。進行過程にはいろいろと困難もあることは察しますが、今日今からでも積極的対策を講ずる意思なきや、お伺いいたします。  昨年七月、われわれ有志の議員が訪ソの際、イワノフ収容所をたずねまして、日本人抑留者を慰問いたしましたが、山田乙三大将が抑留者を代表いたしまして、皆様よく来て下さいました。われわれがかくなつたことについては半ばあきらめてもおるけれども、しかしながら、自分たちのほんとうの気持についてはあれこれ申し上げなくても、皆様十分おわかりだと思います。どうか今後のことについてはくれぐれもよろしくと、こういつた言葉少ななあいさつでありましたが、われわれの胸を打つたのであります。文字通り一日千秋の思いで本国よりの救援の手が差し伸べられることを待ちわびておるのであります。留守家族の思いもまた同様であります。外相の勇断を求めてやみません。なお、長崎大村市の収容所には、朝鮮人多数が収容されておると聞きますが、施設の不備な同収容所に長期にわたつて収容することは、これまた人道問題とも考えられるし、韓国でもこれを問題としていることを聞いております。差しつかえない限り、先方より言われるまでもなく、寛大な措置をとるべきではないか、この点所管大臣にお尋ねいたします。  中ソ貿易に関して政府が積極的関心を明示されましたことは、まことにけつこうと思いますが、これが促進の具体策といたしまして、まず中国より通商使節団をすみやかに迎える意思なきや、このことに関しましては、すでに衆議院において決議をされております。所管大臣の所見を承わりたい。  次に、地方財政の刷新改善について蔵相と自治庁長官にお尋ねいたします。私から申し上げるまでもなく、現に都道府県のうち八割、市で七割、町村で二割は赤字を出しており、昭和二十八年度決算による赤字は四百六十二億円に上つております。しかも昭和三十年度における地方歳出の増加は、第一に児童、生徒の自然増加によるものが八十億円、これは毎年この調子で増加することでありましよう。第二に、地方債の元利償還費において百二十億円、しかもなお十年くらいの間は毎年この程度で前年度より増加して行くでしよう。第三に、国家警察より都道府県警察への切りかえによるものが六十億円。第四に、地方選挙費において三十億円。第五に、道路費において、道路整備五カ年計画は第二年度目を迎えるわけでありますが、もし法に予定された通り事業が行われるとすると、地方団体の負担額だけで約百億となるわけであります。従つて合計約三百九十億円となるのであります。一方三十年度における地方歳入はどのくらいかと見ると、地方税収入の見込みは、入場税の国税移管、ガソリン譲与税の廃止予定よりいたしまして、約百七十億円の減収が一応推定されるのであります。しかして一方地方交付税交付金は、三十年度において所得、法人、酒の三税が二二%となりますので、約百四十億円程度の増収が考えられますが、これでは二十九年度に比べて地方歳入の減収は免れないわけであります。地方歳入の見通しが大略以上のようなものであるとすれば、現行制度、あるいはこれと大差のないやり方である限り、四百億円近くも増加する歳出に見合う財源まで提供することはとうていできないと思います。このたびの蔵相の財政演説や、さきに発表された予算編成大綱を見ましても、政府の方針は、これまで何度も繰り返されて実行できなかつた機構と人員の整理や経費の節約等、お題目の羅列だけでありまして、数字の伴わない道路税の新設等、何ら納得のいく解決策は示されていないのであります。これまでの赤字をどう処理するのか、人口の自然増加による歳出増をどう解決するのか、いま少し誠意のある説明を承わりたいのであります。  次に、食糧自給体制確立につきまして総理にお伺いいたします。予算編成大綱にもこのことがうたわれておりますが、およそ独立国といたしまして、食糧の自給体制の確立は当然のことであり、また一国の自衛の点からいたしましても、軍備に優先すべき重大問題だと考えるのでありますが、これに対する総理の御見解を承わりたい。  最近、政府は、アメリカのひもつき援助により八郎潟、愛知用水等、大規模の農地開発事業を計画しておりますが、わが国の独立上最も重要な食糧自給体制確立のためであるこれらの事業は、他国のひもつき援助によることなく、日本国民の自力により遂行する意思なきやいなや。もしそうであるならば、国民の大部分は耐乏生活に甘んじて、協力を惜しまないだろうと思うのであります。総理は一昨日、戦争終結以来すでに十年の歳月が経過したにもかかわらず、自主独立の気風が上らないことを慨嘆されましたが、民族自立上最も重大な問題を、みずからの血と汗で解決しようとせず、たよるべからざるをたよりにするところに原因があるだろうと思うのでありますが、これに対する総理の御見解を承わりたい。  最後に、農林大臣にお尋ねいたします。農林金融につきまして、現に農民が当面している問題についてお尋ねいたします。それは、日本銀行が昨年十二月十七日発表し、それ以来実施しております農業手形制度の大幅縮小の方針であります。政府がこの方針を実施した根拠は、農村はまだデフレ政策の影響を少ししか受けていないという、まことに誤つた認識に基いたものであります。昨年農村が、一般に心配されたほど表面上は不況の深刻な影響を受けなかったように見えるのは、金融面においてこの農手制度の運用と、二十八年度の凶作対策による営農資金の相当額の貸し出しがあったためだと思います。それにもかかわらず、農村では金詰りがひどくなり、借金もふえ、農手の償還ができない者が多く現われてきております。このようなときに、不十分ながら、農家経済の有力なささえとなっております農手制度を大幅に削減したのであります。すなわち、従来は共済金最高額の八〇%まで貸し出していたものを、内地三〇%、北海道五〇%まで引き下げることになつたわけであります。引き下げの理由は、農業手形が乱用され、農民が農手になれる傾向を是正し、農手決済資金の日銀よりの貸し出しをやめて、農協の資金で農手を自まかないすると、政府は言っているのでありますが、これはデフレに悩む農村の実態をあまりにも知らないと言うほかありません。これより米作及び麦作農家の受ける影響はまことに深刻であり、現にその余波は、農協の県信連が事業連の行う肥料等の必要資金に制限をし始めたことにも現われているのであります。目前に迫つた農手の需要期において、農民は経営を続けていく上で重大な困難にぶっつかっております。農地担保金融制度の創設等、お題目の羅列よりも、とりあえず農業手形の従来通りの運用に改める意思なきやいなや、お伺いいたします。  なお、農林金融の心臓部とも申すべき農林中央金庫は、その性格まことにあいまいであり、日銀の出店か、農林省の下請機関のような感じがいたします。正しく農民の利益を守るという立場がはなはだぼやけておると思うのであります。従来国会における農林行政の審議の過程におきましても、このことがはなはだ顕著であり、何らかの改善は、議員の意見の一致するところであります。この際、農協法に基く全国信連として、名実ともに農民の金融機関とする意思なきやいなや、農林大臣にお尋ねいたします。  以上で私の質問を終ります。お見受けいたしましたところ、総理の歩行はだいぶ困難のように見るのでありますので、私に対する答弁は自席でおやりになっても、私としては差しつかえありませんが、議長の方でさようお取り計らい願いたいと思います。(拍手)
  22. 重宗雄三

    ○副議長(重宗雄三君) 鳩山内閣総理大臣、自席からの答弁を許します。
  23. 鳩山一郎

    国務大臣(鳩山一郎君) 自席から答弁を許可せられましてまことにありがとう存じます。(拍手)  鈴木君の御質問に対してお答えをい場たします。  第一の、ダレスの書簡につきましてでありますが、ダレスには私は書簡を出しておりません。アリソン大使から来た手紙の中に、ダレスの私に対する言葉が書いてありましたので、アリソンに返事を出すときに、ダレスによろしくという趣旨を書きました。  米国と日本との親善関係をますます緊密にしなくてはならぬということは、私は考えておりますが、そのやり方が、日本が米国に対して主張すべきことを率直に大担に主張すれば、日米の関係はむしろよくなるのだろうと思っておるのであります。(拍手)これを、その米国の言うことをそのままに、国民には何も示さずに、ただ唯々諾々として実行することが、反米思想の一つの原因であろうと思うのであります。そういうことのないようにいたしたいという根本的の考えを持っております。  第九条について私の意見は昔と変つておりません。今日におきましても憲法は改正いたしたく、軍隊は持ちたいのであります。しかしながら、憲法を改正し軍隊を持つということを実行することはなかなかむすかしいのでありまして、(「国民が承知しないだろう」と呼ぶ者あり)国民が承知するような時期をつかまえなければなりません。これはむろんそう長くはないだろうと思います。昨日は衆議院において、自由党が本心に帰ってくればできるというようなことを申しましたが、(「冗談言つちやいかん」と呼ぶ者あり)自由党とわが党とは緊密な提携をもって憲法改正、自衛軍設置について意見がまとまれば、私はむろん現政府でできると思っておるのであります。(「甘いぞ甘いぞ」と呼ぶ者あり)とにかく憲法を改正して軍隊を持ちたいということは、終始一貫して持っているのでありますが、最初におきましては、軍隊は日本では持てない、憲法改正当時の事情からも、マッカーサーは明らかに、軍隊は日本に持たせないのだと、こう言っていたのでありまするが、日本におきましても、最初は現在の自衛隊というものは警察保安隊というものででき上ってきたようなわけであります。しかし今日におきましては、事実上自衛のためならば軍隊を持ってもよろしいということは、議会の空気であります。(「違うぞ」「それはおかしいよ」と呼ぶ者あり)それでありまするから、昔と同じように、憲法を改正し、軍隊を持ちたいのでありますが、共産党の暴力革命くらいは今日の自衛隊でもって十分取締ることができまするから、そう急ではないと思うのであります。世界の第三次大戦も、このごろは幾分か遠のいておるのでありますから、事態に適応するように行動するのが、これが政治のやり方であります。私は決して自分を裏切つているとか偽わつておるということはないのであります。  最後の御質問の食糧自給の根本政策につきましては、私よりは農林大臣の方が適当でありまするから、農林大臣から答弁をしてもらいます。以上をもちまして私の答弁といたします。(拍手)    〔国務大臣重光葵君登壇、拍手〕
  24. 重光葵

    国務大臣重光葵君) 私に対する御質問についてお答えをいたします。  抑留者帰還の問題、戦犯解除の問題につきましては、私といたしましてはあらゆる適切な措置をとりたい所存でございます。むろん直接交渉ということも考えられます。それのみでなく、国際連合における適当な機関がございますから、これを通じても、このことを実現することに努力をいたしたい。こう考えております。(拍手)    〔国務大臣一萬田尚登君登壇、拍手〕
  25. 一萬田尚登

    国務大臣(一萬田尚登君) 私に対する御質問は地方財政についてであったと思いますが、地方財政が今日非常に心配すべき状況にあることは御指摘の通りであります。同時に、地方財政において多くの赤字が出ているのも御指摘の通りであります。問題は、これをいかにするかであります。そこで第一には、現在すでに発生いたしておりまする赤字の処理をしなくてはならない。これには、予算大綱にもうたつてありますように、これについては特別の措置をとる、こういうふうにいたしたいと思います。が、しかし、この赤字を解消してもまた赤字が出れば、これは困るわけであります。それで今後赤字が出ないようにするのにはどうするかという問題がある。これにつきましては、非常にむずかしい問題であると私は思うのでありますが、場合によつては、地方行政機構をどうするかという問題にまで発展をするのではないかと思うのでありまするが、しかし、さしあたつては行政事務の簡素化をはかる。あるいはまた、補助金等によりまして地方財政の負担が増加する。従いまして、こういうような補助金の整理もしなくてはならない。あるいはまた、地方の仕事が多すぎるかもしれない。地方の仕事が多すぎるにかかわらず、これを遂行する財源というものがこれに見合つていないというようなこともあるかもしれない。そこで私は、やはり中央地方を通じて、税制をどうするかということを根本的に検討を加えると、こういうことも申しておるわけであります。かようにいたしまして、今後赤字の発生しないように、今日発生しておる原因をよく突き詰めるつもりにしております。が、しかし、また同時に、今日の問題であるのでありますから、できるだけ一つ、赤字の出ておる地方財政におきましては、できるだけ歳出を少くする、思い切つて節約をする、こういうふうに、そうして中央としても、たとえば地方道路税を創設いたしますが、できるだけ財源も差し上げる。こういうふうにして、根本的な点において解決をはかる。こう考えております (拍手)    〔国務大臣西田隆男君登壇、拍手〕
  26. 西田隆男

    国務大臣(西田隆男君) 鈴木さんにお答えいたします。  大体抽象的には今大蔵大臣がお答えいたしましたが、地方財源がなぜ赤字が出て参るかということは、あなたのおつしやいました以外に、人件費の負担が非常に過重である。それから補助金を出します場合に、補助金の単価の見積りが実情に沿わない。それから災害復旧は、非常に復旧を急ぎますために、仕越し工事が非常に多い。もう一つ非常に大切な点は、各自治体が出してならない金、出さないで済む金を非常によけいに出しておる、こういうのが地方財政赤字の大きなファクターをなしております。従つて、どうしてこの赤字を解消するかと申しますと、二十八年度までの四百六十二億に対しましては、大蔵大臣が今申しましたように、特別な立法をしまして、これを長期にわたつて返済させるという方法を一応考えております。それから、ただ二十八年度の赤字を解消しただけでは、将来の地方財政が健全になつていくかどうかは問題でありますので、道路税等の新設によつて地方財源の確保をはかりたい。なお、今まで地方の自治体の負担を伴う補助金が、失業対策その他に非常に多うございましたが、こういうものは、できるだけ原則として国で負担をしてもらつて、地方の財源を圧迫しないようにしてもらいたい。こういうことも考えております。それから、さつき申しました出さないで済む金、出してならない金、これは私の調査によりますと、二十八年度で何と驚くなかれ二百六十三億という膨大な金額になつております。これは、国が負担すべき金、あるいは都道府県が負担すべき金、あるいは地方自治体がほんとうに使わなくて済む金の集約でございます。こういう大きな金が、地方財政法なり財政法違反の行為を犯しながら、ここ数年間使われておつたのが等閑に付されておつたということは、私は自治庁に行きまして全くびつくりいたしました。この問題の解消のためには、特別国会で地方財政法を改正いたしまして、そういう金を出す場合には、一々自治庁長官の許可を受けなければならないという法的な制限を加えますと同時に、国が負担すべきものは国が負担し、都道府県が負担すべきものは都道府県が負担するという方法によつて、地方財政の健全化を期したいと考えております。(拍手)    〔国務大臣河野一郎君登壇、拍手]
  27. 河野一郎

    国務大臣河野一郎君) お答えをいたします。  食糧の自給体制についての根本的な意見はどうかという点について、まずお答えをいたします。食糧の自給体制を確立いたしますことはもちろん必要であり、十分これに意を注がなければなりませんことは当然でございますが、先ほども申しましたる通り、米麦等につきましては、国際情勢もだんだん変化をいたしておりまするので、諸般の情勢を勘案いたしまして、国内体制についても考えていく必要があると思うのであります。しかし、ここに特に御注意をいただきたいと思いますことは、わが国の食糧問題が、従来の米麦中心から順次粉食に非常に移行いたしまして、その度が急激に増加して参つておりますることは、たとえば一昨年の凶作のあとを受けまして、昨年一年間におきまする外地からの米の輸入量の非常に少くなつたこと等が、そのおもなる証左であると思うのであります。従いまして政府といたしましては、米麦の増産はもちろんのこと、これと相関連いたしまして、水産、畜産等に十分に意を用いて、動物蛋白給源を豊富にいたしまして、どこまでも粉食を十分に奨励して参り、総合的に食糧の自給体制を確立して参るようにいたしたいと考えておる次第でございます。従いまして、将来、畜産、水産の奨励には特に意を注いで参りたいと思う次第であります。  次に、農業手形の貸付限度について申し上げます。農業手形の貸付限度は従来通り共済金の八割であります。この点は御了解願います。第二は、日銀政策委員会が最近決定したのですが、従来の限度でも農手により借入金の実態が三割程度でありますし、一部は制度の運用が不必要に安易に流れるおそれがある場合があるので、八割の限度の範囲内で、ひとまず一応三割として運用して、農民の経営及び生活上必要に応じて八割の限度まで貸付けるようにしたいということであつたのであります。そこで農林省といたしましては、その運用の実態についてなお検討して、農手制度の運用に万遺憾なきを期するようにして参りたいと思う次第でございます。さよう御了承いただきたいと思います。(拍手)    〔国務大臣花村四郎君登壇、拍手〕
  28. 花村四郎

    国務大臣(花村四郎君) 鈴木君の御質問にお答え申し上げます。  長崎県大村収容所等に収容しておる韓国人等の外国人は、わが国に密入国をした者、またはわが国において麻薬の売買その他凶悪な犯罪を犯した者であつて、情状真に悪質な者を出入国管理令によつて本国に強制送還をするために、一時収容をいたしておるのでございます。従つてこれが情状において軽いもの、または家庭の状況等同情に値するものについては、特別に在留を許可し、強制収容を行なつておらないのでございます。昨年七月以来、韓国側が密入国者の引き取りを拒否しておりまするために、現在収容者も多数に上つておるのでございまするが、法務省としては外務省と緊密なる連絡の上に、韓国側とこれら密入国者の引き取りについて、すみやかに円満なる解決をするように最善の努力をいたしておるのでございます。  以上でございます。(「議長、答弁洩れがありますよ」と呼ぶ者あり、拍手)     ―――――――――――――
  29. 重宗雄三

    ○副議長(重宗雄三君) 愛知揆一君。    〔愛知揆一君登壇、拍手〕
  30. 愛知揆一

    ○愛知揆一君 私は自由党を代表いたしまして、政府の施政方針のうち、主として経済政策の問題につきまして質疑をいたしたいと思います。  顧みまするに、私は昨年の一月第十九国会におきまして、当時の政府としての経済政策の大綱を述べたのでありまするが、当時私は国際収支の均衡を回復すること、正常な均斉のある経済を確立するということが最大の急務であることを強調いたしたのであります。しこうして昭和二十九年度の経済政策の基調を、第一にわが国経済の正常化、特にわが国物価を国際水準へさや寄せをするということを通じて、国際収支の回復に置くということの決意を表明いたしまして、この決意に基くところの一連の施策を発表いたしたのであります。  今日その結果を顧みてみまするに、物価は低落いたしました。国際収支におきましては三億ドルに近い実質的な黒字をあげ得るに至つたのであります。このことは一萬田大蔵大臣が一昨日の演説において確認せられておる通りでございまして、私はこれはまさしく自由党吉田内閣の政策の大成果というべきものと存するのでございます。(拍手)この一カ年間においてはもとよりでございまするが、さらにさかのぼれば、第二次吉田内閣組閣以来六年有余にわたりまする日本経済の発展の跡につきましては、国民所得、生産、消費貿易、その他あらゆる部面にわたりまして、目ざましい回復と発展を遂げておりますことは、今さら数字をあげて申すまでもないところであります。それのみならず、この事実は広く国際的な信頼と評価とを高めて参つたのでありまして、このオーソドックスな地固めの工作は、今やようやくその成果をあげつつあるのであります。今こそわれわれは、このわれわれのなし得た地固めの上に一段と努力を新たにいたしまして、一そう積極的に国民生活水準の向上のため、またわが民力充実のために邁進すべきときだと考えるものであります。(拍手)  このときに当りまして、私は最も必要なことは、諸般の政策が相互に有機的な連関を持つことであり、統一性がなければならない。またあくまでも実行が可能である具体性のあるものでなければならないということであります。(「そうだ」と呼ぶ者あり、拍手)しかも、これは国の内外にわたりまして信頼の高い誠実なものでなければならないということであります。(「しかり」「その通り」と呼ぶ者あり)私はこの観点に立ちまして、鳩山内閣の経済政策についていろいろと質疑をいたし、また批判をいたしてみたいと存ずるのであります。  まず第一に私が取り上げたいと思いますのは、貿易、為替の自由化の問題でございます。大蔵大臣の演説は新聞の伝うるところによりますと、数回にわたつてその草案を書き直されたということでありまして、新味を盛つたものだというので一部に迎えられておるようでございます。この演説を拝聴いたしますると、まず世界各国が貿易の自由化に真剣な努力を続けており、このために西欧諸国の通貨交換性の回復は遠い将来の問題ではないというふうにみておられる。従つてわが国もこれに対応して貿易自由化の態勢を推進する必要を力説しておられるのでありまするし、さらにこの貿易、為替の自由化という、この一つの命題、この一つの言葉をもつてこれからの経済政策の中心である、こういうふうにしておられるのであります。なるほど西欧諸国における通貨交換性に対する努力は引き続き顕著なるものがあるようでございまするが、私から言いまするならば、これはすでに定まつた既定の事実であつて、何ら耳新しいことではないのであります。前内閣におきましても、かかる世界の情勢に対処して日本の経済を持つて参りまするためには、先ほども申しましたように、経済の正常化ということのために諸般の政策を凝集してやつて参らなければならないという決意をいたして、いろいろの施策を進めて参りましたことは先ほど申し上げた通りでございます。そこで、私がここに問題として提起し、特に政府の御意見を承わりたいというのは次の数点でございます。  まず、それは第一点といたしまして、そもそも為替、貿易の自由化、こういう命題によつて示されておるところの基本的な考え方の問題、大蔵大臣はこの命題を一つの理想として、為替も貿易も自由にするということが長い将来の目で見て一つの人類の理想である。そういうふうな意味合いにおいての命題として掲げられておるのであるかどうか。それならば私はまた格別だと思うのでありまするが、先ほども申しましたように、この命題はわれわれがこれからやつていく政策の第一の中心課題である。こういうふうに言つておられるのでありまするから、これには相当な具体性が裏打ちされておるものでなければならないはずでございます。(「その通り」と呼ぶ者あり)そこで私が伺いたいのは、現実のこれは問題として、一体今日の日本の国情において貿易や為替をすぐさま自由にするということが、具体的に可能なことであろうか、どうであろうか、このことを伺いたいのでございます。  まず問題を分けまして貿易の問題、日本の貿易の問題は、きわめてむずかしい問題でございます。輸出はともかくといたしまして、輸入についてざつと考えてみまするだけでも、輸入の大半が原料及び食糧というこの日本の国情でございます。もし輸入が自由勝手ということになりまするならば、その肝心の必要な物質が計画的に輸入ができないことになるのではないでしようか。たとえば不急不要品とか、ぜいたく品の輸入が殺到するというような事態も起り得ないとは保しがたいのであります。小さな例ではございまするが、かつて自動承認制という制度が大いに行われましたときですら、そのおそれは非常に強かつた。また今度は逆に、外国の大規模な経営によるところのコストの安い食糧が殺到して来る。この点については後ほど農林大臣にも御意見を伺いたいことがあるのでございまするが、コストの安い食糧が大量に殺到するということになりますると、国内の食糧対策や、あるいは農村対策をいかにするかといふ問題も当然起つて参ります。(「農林大臣いないぞ」と呼ぶ者あり)また、他の面を見てみますると、政府のいろいろの政策の中には、国産奨励といふまことにけつこうなことも大いに取り上げられておるわけでございまするが、この辺のあれやこれやと、いろいろ考えてみました場合に、一体この貿易の自由化というものが具体性をもつて当今考えられる問題であろうかどうか。この点を伺いたいわけであります。  次に、為替の自由化の問題、これもわが国といたしましては、理想といたしましてはともかくでございまするが、具体性を持つた問題としてここ数年内に、たとえば政府の六年計画というものがございまするが、その六年というような限られた時間において、その目的を達し得るものと私は考えられないのでありまするが、いかがにお考えでございましようか。為替の自由化と言えば、私は、きわめてこれを平たく言えば、為替管理も何もない、全部これを撤廃するということを意味するもりだと思うのでありまするが、しかりこいたしまするならば、かつての井上財政の当時の金解禁というようなことも一つ思い起されるわけでございます。あの当時はわが国の経済が全盛の時代であつた。あのわが国の経済が全盛の時代でさえも、金解禁すなわち為替の自由化ということは一年とこれを続けることができなかつたではありませんか。(「その通りだ」と呼ぶ者あり、拍手)為替、通貨の自由ということの前提には、その国の通貨に対する、国内だけではなく、外からの、外国からの信頼ということもまた絶対に必要な基礎であります。外国人のわが国の通貨に対する信頼が完全にゆるがない、このことが保証せられざる限りにおいては、国際間の為替、通貨の自由ということは、とうてい望むべくもないと思うのであります。  私は以上申しましたことを総合いたしまして、大蔵大臣は貿易、為替の自由化ということを、具体的な問題としてどの程度のものと考えておられるかということをお尋ねいたしたいというのが、先ほど来申し上げておる通りでございます。もしそれ、大蔵大臣の財政演説の中にあるようでございまするが、為替、貿易の自由化方策の具体的の政策の例として、たとえばわが国産業の国際競争力を培養、強化することである、正常輸出を伸ばして国際収支の実質的改善をはかることであると言つておられます。そうしてこれがためには産業の合理化、コストの引き下げをはかるほか、商社を育成強化して、輸出入銀行の資金の確保をはかり、輸出免税措置等を拡大する等輸出の振興をはかる、これがその具体策だと言つておらるるのでありまするが、まさしく今あげましたこれらの事例は、冒頭に私が申し上げましたごとく、前内閣におきまして私どもがやつておりましたその通りのことがここに羅列されておるのであります。(拍手)これは文字通り前内閣政策を踏襲するものでございまして、当面具体策の乏しいところの貿易、為替の自由化というような、ユートピアに通ずるものとは言えないのではなかろうかと思います。  さらに続いて、補償リンク制の改廃、特殊貿易の縮小等、いずれもここにあげられておりますることは、前内閣と全く同様の施策なんであります。そうしてこれらは一萬田大蔵大臣もその言葉の中に使つておられまするが、これはいわゆる日本経済の正常化方策と申すべきものだと思うのであります。  もしそれ、さらに進んで財政演説の中にございまするが、為替相場の建て方を簡素化するとか、外貨予算の運用の長期化をはかるとか、こういう方策があげられてございまするが、これはむしろ技術的な細目の手段の問題であると私は思うのでありまして、これが為替、貿易の自由化というような、何か目新しい新鮮味あるものだと自画自賛されるようなことは、率直に申しまして、失礼ではございまするが、しろうとをだます大ぶろしきと言わざるを得ない。(「その通り」と呼ぶ者あり、拍手)別段に大上段から振りかざして、自由化自由化とおつしやるほどの新鮮味のあるものではないというふうに私は断じたいのでありまするが、これはきわめて重大な問題でございまするから、特に何か重大な、大きな理想的な政策を直ちに打ち出されると、さような用意があるのだということでありまするならば、特に鳩山総理大臣から、その点をお伺いいたしたいと存じます。(拍手)  さて、次は私は冒頭に指摘いたしましたごとく、こういう大事な現在の日本の状態においては、少くとも経済政策においても統一性ということが保持されなければならないと思うのであります。いろいろの経済政策がばらばらであるということであつては、これは致命的である。ところが、昨日わが党の津島議員からお尋ねをいたしましたごとく、私どもが非常に心配いたしておりまする点は、ひとり、外交政策について鳩山内閣内において何らか意見の調整ができていないのではないか、こういう危惧を持つておるのでございますが、その危惧のほかに、経済政策に同様にこの閣内には二つの違つた主張が対立しておるのではなかろうかと、この疑いは、むしろ私よりも一般国民大衆がもつと痛切に危惧の念を持つておるところと思うのであります。(拍手)  すなわち、今さら申し上げるまでもございませんが、一萬田大蔵大臣は吉田自由党内閣とともに、経済の正常化について少くとも政策の面においては金融の引き締めや緊縮財政を常に主張し、かつ、これを実行せられ、そうしてこれからも私の考えではその政策を堅持していかれたいという闘志を持つておられると拝察いたします。ところが石橋通商産業大臣におかれましては、平素から積極財政論者でございまして、その御意見には一人のりつぱな財政家として掬すべきものが非常に多いように私も考えるのでありまするが、要するに産業経済政策について独自の見解をお持ちのようでありまするし、しばしばこれは公けの機会にも発表せられておるところでございます。今回のこの国会におきましては、いまだ通産政策の全般について石橋大臣から親しくその抱懐する御意見を具体的に伺う機会に恵まれないのでありまするが、ともかく世間の感覚からいつても、具体的の意見の対立があることは明白であります。(拍手)同一の閣内にあつて水と油のごとき存在をなしておられるとさえ言い得ると思うのであります。(拍手)私はこの大切なときに、経済政策の道は一つでなければならない。統一性がなければならない。この角度から申しましても、鳩山総理大臣はこの対立する見解をいかに調整せられてこられたのであるか。なかなか御苦心が多いと思いまするが、また経済運営の根本方針を今後いかに統一せられようとしておられるのでありまするか。特に鳩山総理大臣から御意見を伺いたいと存じます。(拍手)  こうした意見の対立あるいは政策に統一性と連関性がないということは、具体的に幾多の例をもつて私は示すことができると思います。私はこれからしばらくの間、政府が今回発表せられました総合経済六カ年計画を中心といたしまして、質問を続けたいと存じます。  この経済六カ年計画というものは、鳩山内閣におきまして、長期経済計画について閣議決定をせられました唯一の計画であります。従つて鳩山内閣の経済政策の根幹として取り上げてかまわないと思うのでございまするが、実はまことに失礼なことを申すようでございまするが、この六カ年計画というものの骨子になりましたものは、実は私が経済審議庁に在任いたしておりました当時にできたところの、昭和四十年度には日本の経済がどういう格好になるであろうか、そういう一つの姿を描いてみた。その案というものがわすかの時間、わずかの調整を加えられて、この六カ年計画という堂々たる閣議決定になつて現われてきたのであります。(拍手)私はこの昭和四十年度に対しての経済の見取図というものが、かつて十九国会のときに、当時のある野党議員から御質問があつたときに、あれはわれわれ政府内部で非公式にいろいろと勉強しておるところのものであつてこれには幾多の前提や、あるいは予想される、あるいは予想されないいろいろの要素がたくさんある。従つて政策の基調として、いわんや政策の具体的な目標としてこれを公けのものとして公表するというようなものにするのには、いまだ相当熱心な、かつ深刻な、そうして相当の日月を重ねなければ、これはまともなものには、なかなかなし得ないということを御答弁をいたしましたことは、おそらく速記録にもはつきりしておると思いまするが、それがただいま申しましたように、唯一のいわゆる長期経済計画はこれであると言つてここに出てきたものであることをまず第一に私は指摘しなければならないと思います。従つて私はこの内容について質疑を申し上げますることは、いささか武士の情に欠くるところがあるかもしれません。しかしながら問題は重要でございまするから、ごく簡略に各項目にわたつて私の意見を交えながら質疑をいたしたいと思うのであります。  まず第一に、私は昭和三十年度という年は、いろいろの御説明を伺つてみましても、また私自身の考えからいたしましても、日本の経済全体が特に大きな拡大への契機、きつかけを持つとは考えられない。そうだといたしますれば、この昭和三十年度という年とこの長期計画において示されているところの将来のある年度との間をいかにして橋渡しをしてだんだんと拡大に持つていくのかというところが、まず第一に解明されなければならないわけであります。(拍手)私はそこで第一に伺いたいのは、まず昭和三十年度予算大綱も、数字も何もないのでありますから、これを伺うのは無理だと思いまするが、しかし、ともかくも昭和三十年度について一体日本の経済においては国民所得がどうなるのか、産業活動がどのくらいになるのか、国際収支がどうなる、そのくらいのところはまず三十年度について伺わなければならない。そうして昨日津島議員が指摘せられました通り、今日われわれ国民が欲しておるのは一マイル先のことが知りたいということもありましようが、一マイル先よりも一インチ先のことが今日の問題であります。従つて私は三十二年度がどうか、三十五年度がどうかということもありまするが、三十年度がどうか。そうして三十二年度にはそれらの諸般の指数がどういう格好に現われると見通され、かつ橋渡しがされるか。その当面するところのこの橋渡しの移り変りの現実の事態の見通しが私は伺いたいのでございます。  さて、次は物価の問題でございます。この経済六カ年計画におきましても、物価の問題は十分に織り込まれておらないのであります。従つてこの計画のねらいとしてうたわれておりますことは、インフレによらないで経済発展をしていこうということが述べられてあるけれども、物価についてかくかくになるという見通しの保証がなければ、そのねらいというものが果してできるものかどうかわからないのであります。また物価の見通しについて確たる自信がなけらねば、輸出計画を打ち立てることができないはずだと思うのであります。さらに先ほども指摘いたした通りでございますが、経済の正常化をやり、国際競争に打ち勝ちまするためには、私はもう少し、いな、ますます物価の引き下げが問題であると考えるのでありますが、政府はわが国の物価と国際物価との開きについて、今日ただいまの状況において、いかなる認識を持つておられるか。またさらに、さや寄せをするという必要があるとすれば、具体的にいかなる施策をとられんとするのでありますか。この点をお尋ねいたしたいと思うのであります。  次は予算との関係の問題であります。この点についてはすでに多くの同僚議員から御質疑が活発に行われましたから、詳しくここに繰り返すことは避けたいと思いますが、結論的に申しますと、私はこの六カ年計画というものは、明年度のいわゆる予算大綱との間に何のつながりもないと言つても言い過ぎではない。大蔵大臣がお作りになりましたところの予算大綱は一言にして言えば、経済審議庁長官のお作りになつたところの六カ年計画について一顧も与えてはおられないように思われるのであります。もし私が、以下一例として申し上げるのでありまするが、たとえば財政投融資の関係等から御想像願いまするならば、この六カ年計画に織り込まれている、あるいは見込まれている程度の今後の予算の問題、あるいは今後期待されておるところの経済の発展の問題について、果して関係経済閣僚がほんとうにこれを御勉強になつたならば、とてもこれは勤まらぬといわざるを得ないはずであります。(拍手)前内閣以来、実施いたしておりました経済の地固めの政策に照応いたしまして、日本経済の確固たる自立をはかるということのためには、申すまでもございません、基幹産業の合理化と立て直しということがその中心の課題である。しかしながら、かかる中心の課題、経済の立て直しということは、手ぶらではできないのであります。少くとも計画を作る以上、計画に示された年度中、着実な資金計画がなければならないはすでございます。この六カ年計画におきましては、たとえば昭和三十五年度における推定労働力の人口は四千三百万人と見ておる。その完全雇用を実現するということになつておる。そうして輸入が二十三億九千万ドル、輸出が二十三億四千万ドルという貿易のバランスを達成しようとしておられるようでありますが、このバランスを達成いたしまするためには、各般の係数を試算してみますると、初年度の三十年度におきましては、基幹産業の関係だけでも、少くともどんなに圧縮をしてみましても、千百億円ないし千二百億円の財政投融資の実施ということが前提となるようでございます。通産当局の研究、要請もさような線になつておるようでございます。ところが昨日来指摘されておりまするように、明年度の予算大綱における説明におきましては、財政投融資は二十九年度とほぼ同額、変りないということになつており、津島議員が御指摘になりましたが、余剰農産物の見返り円がこの中に入つておるのかおらないのか。この点も私は伺いたいところではありますが、それはともかくとして、二十九年度に、しからばこういう基幹産業の関係にどれだけの財政投融資がされておるかと言えば、開発銀行に集約されておるもの、あるいは電源開発会社から投融資されております総額は八百二十億円程度なんである。二十九年度程度ということは、この程度なんです。幾ら圧縮いたしましても千百億、千二百億円という計画が、具体的にこれは今日進行している。これだけの財政投融資がなければ、三十年度の計画が立たない。こういうことは現実の事態において、昨年度同様という、八百二十億円との間には、どんなしろうとでも大きな開きがあることは一目瞭然なんであります。(拍手)こういうことであつては、私は各省大臣に一つ一つ例をあげて伺いたいのでありますが、時間がございませんから、この一点に集約いたしまして、こういうことでは、いかに有能なる石橋通産大臣におかれましても、通産行政は責任を持つて行えないんじやなかろうかと、(拍手)ひそかに私は心配でございまするが、どういうふうにお考えになりまするか。お答えをいただきたいと思います。  次には、国際収支の問題。この内閣において考えられておりまするいわゆる長期経済計画というものにおいては、昭和三十二年度も、また昭和三十五年度も、国際収支は均衡するということになつておる。ところが遺憾なことではありまするが、日本の現状におきましては、他国に対して支払わなければならない債務は相当に多いのであります。まず第一に賠償がございます。すでにビルマとの間には、その額もきまりました。その他の国ともどんどんこれはきまる方が望ましいと思います。またガリオアの返済という問題もございます。外債の元利払いもございます。連合国財産補償もございます。平和条約第十六条関係の債務もございます。金融協定債務もある。外資導入の返済の計画もしなければならないし、技術提携によるところのロイアリティの返済も考えなければならない。これらは一体どういうふうに見通して、この国際収支計画に織り込んでおられるのか。私はなかなか甘いことではないと思うのでありまするが、できるならば一つ一つについて明確な数字的根拠をお示しいただきたいと存じます。(拍手)  次に、雇用の問題であります。この計画によつて示されておりまするところの雇用計画へ見ますると、まず第一次産業部門の昭和三十五年度における就業者数は、二十八年度のそれとほとんど同一だと見ておる。そうして第二次、第三次の産業部門の就業者についてのみ約二割程度の増加を見込んでおられるのでありまするが、先ほど来も質疑にありまするように、現在すでに多数の潜在失業者を擁しておりまする第一次産業の就業者数にさして変化が見られないとするならば、この見通し作業というものが、完全雇用の達成を標榜しておりながら、わが国に特有な潜在失業者には、何らの解決を与えていないものと考えられるわけでございます。(拍手)また第二次、第三次産業部門への就業者の増大は、なかなか実現に困難性があると思われまするが、特に第二次産業における合理化の進行によつて、そこで発生するところの失業者が農山漁村へ還流いたしますることが容易に考えられる。ここに農村を圧迫し、ここに農村の次、三男対策というものを、さらに非常に必要にするという問題も起りまするし、失業対策事業というものが画期的に多くを期待されなければならないと思うのであります。  さて私は時間の都合上、先を急ぎたいと思いまするが、ここで一つ指摘したい問題がございます。それは、この長期経済計画というようなものを考えられた政府が意識しておられるかおられないかは別問題といたしまして、経済の統制、あるいは規制ということを、ここにおいて十分の問題として考えなければならないと思うのであります。こういつたような計画が、個人及び企業の創意を、これは生かしつつとは言つておられまするけれども、必要な限度において調整をするというくらいの原則の範囲内で、こういう計画が達成できるかどうかという問題は、きわめて重要な点であります。なかんずく、この計画におきましては、政府としても、資金の確保と、その重点的な配分がいかにしてなされるかが最大の問題であるというふうに考えられておるようであります。しかも、その際政府におかれては、民間の資本の形成ということを非常に多く見ておる。その関係上、こういう民間の資金というものが所期の部門へ流れて行きまするためには、相当強い資金統制が必要になつてくることは必然だと思います。さらにまた進んで資金統制を成果あらしめまするためには、過去の実例においてもしかるがごとく、必然的に物の面の統制にまで及ぶごとが想像されるのであります。いわゆる計画経済、統制経済になるのではないかと思われるのでありまして私は、もしそうなれば、われわれとしてはかかる考え方に絶対に反対しなければならないと思うのであります。(拍手)私はここで鳩山内閣成立のときのあの当時の社会党両派とのいろいろの取引に思いをいたさなければならない。組閣のときの社会党とのつながりということもきわめて簡単にお考えになつて、鳩山内閣としては、ただいま申しましたような筋書きから言うて、おそらく経済政策についても、簡単に、十分な思慮と研究なくして、統制経済への道をとられるのではなかろうか。この点が私として非常に心配であり、われわれとしては断然反対しなければならぬ点であると思います。(拍手)  私はこの最後の点につきましても、特に鳩山総理大臣の御答弁を求めまして、私の質疑を終りたいと思います。(拍手)
  31. 鳩山一郎

    国務大臣(鳩山一郎君) 愛知君の御質問は、大体経済政策についてでございますから、関係大臣でお答えしてもらいます。  最後の社会党との関係から統制経済まで約束しておるのではないかというようなお疑いでありますが、そういうことは絶対にございません。それから党内において、外交問題についても経済政策についても、党議が分れておるということはございませんから、御安心下さい。(拍手)    〔国務大臣一萬田尚登君登壇、拍手〕
  32. 一萬田尚登

    国務大臣(一萬田尚登君) 簡単にお答えを申す考えをいたしておつたのでありまするが、愛知さんが非常にうんちくを傾けられましたので、私も若干これについて御理解を得たいと思いすす。  今日世界の経済の動向が、私が申し上げましたように、貿易並びに為替の自由化に向つて進みつつある、これについて格段の努力を各国が払つておるということについては、おそらく異論がないと思う。もしも、これに異論があるとするならば、私は幾多の例証をここに示すことができると思います。    〔副議長退席、議長着席] そうしてそのことについて、もう前から、そう私は考えておる。そこでこういうふうな、たとえば、輸出振興ということについて、非常に吉田内閣において努力されておる。それは私も昨日申し上げた通りで、その通りである、思う。それについては何も異論を申し上げるのではないのであります。問題はそれだけで片づくかということに上るのであります。要するに卵から鶏になるのでありますが、卵で終つたらこれはいけない。卵のところは同じなんですが、それが鶏にまで発展するかしないかというところに、問題の要点があるのであります。(「まじめに答えなさい」と呼ぶ者あり、その他発言する者多し)そこでそういうふうに、この国際的な為替の自由化への方向に進みつつある場合におきましては、どうしても国内的にもこれに順応するところの政策を必要とするのであります。言いかえれば、長期的な、計画的な、どうしても経済の見通しというものを持つていかなくてはならないのであります。これがただ自由放任に国内的な政策をしておりますと、貿易も為替も自由となれば、ここに指摘されたようないろいろの弊害がやはり生ずるのであります。そういうふうにすべてが自由に、国内的にも自由にいき、国際的にも自由にいく、これは日本の経済として一番よろしい。なぜかといいますると、食糧にしても原料にしても、みな外国から輸入しなければならない。たとえば、紡績のことは、日本の産業では一番強いといいますが、これにしてもやはり綿花は外国から輸入しなければならない。いわゆる原料は輸入いたしまして、そうしてこれを海外に輸出するのであります。どうしてもここに、いいものを安く売つて自由に交流ができるということが必要であることは、申すまでもないのであります。そこに行くまでには、日本の物が安く、生産費を安くして安く売れるものが、品質のいいものができる。このことがどうしても必要であるのであります。こういうことができるような施策を国内にやつて、それを実行するかせぬかということであると思う。おそらく、これは吉田内閣がずつとおやりになつておれば、おそらく同じことをおやりになつただろうと思います。ですから、何もこれは自分たちの専売特許ということではない。そういうような点から、重点をそこに置いて、今まではいろいろ貿易制限しておる。そこにインフレを防ぐ大きな関所があつたが、世界はここをゆるめていくのですから、それに対応していかなければならない、徐々に。先ほどいかにも一挙に自由にするようなお話に感ぜられたのでありますが、そうでない。一歩一歩自由に向けていかなければならない。それには国内的にはそれが自由になし得るように、国内的の経済体制を向けていかなければならない、こういうふうに思う。それが私の財政演説をお読み下さつても、そういうふうな読み方ができると、私はかように考えているのであります。  それから投融資につきまして昨年並みの投融資では少いじやないか、それではやれぬだろう、こういうような御意見であります。しかしながら、私の考えといたしましては、一応投融資については昨年並みの考えをもつて予算編成に臨むつもりをいたしておるのでありまするが、しかし、投融資というものは一般会計から繰り入れる投融資だけ、それだけではないのであります。ことに、私は今日、民間資本の蓄積というものに力を入れるわけであります。そうしますと、ここに民間の資金というものもふえるわけであります。そこに一つの資金的なゆとりができます。また従来、金の要る方の面について力を入れなかつた。たとえば、非常にたくさんの会社が同じようなことをしておつても、これはやむを得ない。商社にしても、たくさんの商社があつても、これをそのままにしておく。そこに金の使い方にむだがある。たとえば、建築というようなものにつきましても、これについてはいろいろと皆さんが言われておつた。吉田内閣当時も言われておつたのです。こういうものは、やはり必要な面に資金をどうしても向ける必要がある。今日の場合においては、やはり不急不要というものの資金は、どうしても押えなくてはならない、こういうような施策も今日やつていく。これはごく一例であります。そういう点に今日の行き方の味わいといいますか、何かが出ているように思います。そういうようにしまして、投融資についても、どうしても日本の重要基礎産業である輸出産業については、これを合理化をして、そうしていいものが安くできる基盤をどうしても作る必要がある。その意味においては、投融資資金は確保していかなくてはならない。それを重点的にやろう。それを重点的にやれば、ほかのものを滅せば従来の資金でもできるのですから、そういう意味において御了承願いたい。    〔国務大臣石橋湛山君登壇、拍手〕
  33. 石橋湛山

    国務大臣石橋湛山君) 愛知君からだいぶいろいろの突つ込んだ御質問がありましたが、その一つの、私と大蔵大臣の意見が違いはしないか。これは私は違うかも知れません。けれども、同じ内閣に意見の違う者がいて悪いことはない。前内閣のような、吉田総理一人でもつて、ワンマンでもつてやるのがいけない。相当意見の違う者がいて相たたかつていくのが、それがかえつていいと、こう考えますから。今のところ、少くも現在においては、大蔵大臣と意見の相違はありません。どうぞ御安心下さい。  そのほかの問題は、愛知君が前の通産大臣として非常に、いかに今の通産行政その他が行き詰まつているかということをよく知っておられるから、いろいろのことを申された。その通りなんであります。だから、責任は前内閣にあるので、どうかそのことも御反省願いたい。しかし、われわれとしては最善の努力をいたしたい。  今の財政投融資の問題も、(「内容を言え」「数字を言え」と呼ぶ者あり、その他発言する者多し)騒がずにお聞きなさいよ。財政投融資の問題も、大蔵大臣が大体答えましたが、そのほか、たとえば過剰農産物の見返り資金とか、そのほかの財源も考えております。それからして一般会計からの財政投融資が、(「六カ年計画は責任持ちますか」と呼ぶ者あり)持ちます。そのかわり、六カ年内閣を持続するという条件のもとに責任が持てる。(拍手、笑声)    〔国務大臣河野一郎君登壇、拍手〕
  34. 河野一郎

    国務大臣河野一郎君) 前のお尋ねのうちで、農林中金の問題をどう考えるかということが、お答えが落ちておりましたから、この際答えさして頂きます。  農林中金の制度につきましては、せつかく政府も研究いたしておりますが、今さしあたつてこれを改革し、もしくは改善するというような結論にはなっておりません。この点を御了承願います。    〔国務大臣高碕達之助君登壇、拍手〕
  35. 高碕達之助

    国務大臣(高碕達之助君) 愛知さんの経済六カ年計画に対する御質問に対してお答え申し上げます。  総合経済六カ年計画は、昭和三十五年度におけるわが国の経済が自立し、完全雇用を達成するために実現せなければならないわが国の経済の機構を示したものであります。政府といたしましては、この機構を実現するためには、いわゆる統制経済というものはとらない方針でございまして、個人及び企業の自由を生かしつつ所用の範囲においては規制を行うという方針のやり方でいきたいと存じます。具体的に申しますというと、資本の蓄積とか輸出の振興、自給度の向上、雇用増大等の面におきまして、必要なる諸施策を一貫して総合的に、かつ重点的に実行いたしたいと存する所存であります。  それから昭和三十年度の予算との関係でございますが、昭和三十年度の予算の規模は、一兆円以内でありますが、同年度が総合経済六カ年計画の初年度に当ります事実にかんがみまして、安定経済の基調のもとに、将来のわが国経済発展のための基盤の確立の契機となるべき諸政策、これを具体的に申しまするというと、まず第一に、資本の蓄積と、それから輸出の振興と、住宅の建設、中小企業の育成、社会保障の強化等に重点を置いて、総合的に、かつ効果的に実施いたしたいと存じます。  それから六カ年計画では、目標年次において国際収支のバランスがゼロになっている。ところが対外債務の支払いが相当多くなっている。これはどうしていくか、こういう御質問でございますが、これはもちろん外債、賠償負担の増加等はこれを見込みまして、目標年次の国際収支を考えております。  それから六カ年計画につきましては、現在の就業者の数は増加する、労働人口をどういう部分に吸収する考えがあるか、こういう御質問でありますが、これにつきましては経済六カ年計画の構想におきましては、昭和三十五年度におきましては、二十八年度に比して労働人口は約四百万増加いたしますが、この人口は鉱工部門に約百八十万人をとります。運輸商工等の面におきましては約二百三十万を吸収する考えでございます。  以上をもちまして私の御答弁といたします。     ―――――――――――――
  36. 河井彌八

    ○議長(河井彌八君) 成瀬幡治君。    〔成瀬幡治君登壇、拍手〕
  37. 成瀬幡治

    ○成瀬幡治君 私は日本社会党を代表いたしまして、選挙宣伝内閣とまで酷評されて発表された諸政策について若干質問を申し上げ、関係大臣から御所見を承わらんとするものであります。  まず、鳩山総理大臣にお尋ねいたします。総理は今までに何度政党所属をお変りになりましたか。鳩山総理の政界遍歴は、最近におきましては自由党を脱党して日本自由党で総選挙を行われ、その後自由党へ復帰し、今回またまた自由党を脱党し、民主党を結成し、その総裁となられたのであります。戦前においては政友会を脱して政友本党へ走り、続いて政友会へ復帰され、その後重ねて政友会を離脱しておられるのであります。政党への離脱並びに復帰をしばしば繰り返しておられるのであります。離脱並びに復帰に当つては、そのつどりつぱな理由があり、自己のためでなく、良心に従つた行動であると弁明されておるのであります。しかし、他方では民主主義者をもってみずからを任じておられます、民主主義者としてのあなたと、政党への離脱と復帰をしばしば繰り返えされたあなたとの間には何か矛盾はないかという点であります。(拍手)民主主義の原則にのっとって今日の政治は政党によって運営されています。政党はその党人間の論議によって決定された公約を掲げています。選挙によって多数の選挙民から信任されたことは、個人の信任もありましょうが、原則的には政党の公約遂行者として信任されたと見るべきであります。もし、政党の離合集散は勝手であり、国会議員の離合集散もまた勝手放題であり、そのつど主義であるというならば、政党政治破壊し、国民の不信を招き、民主主義ルールはめちゃくちゃになるのであります。少くとも国政に参与する国会議員の出所進退は、民主主義の根本原則に従った良識ある態度をとるべきであると存じます。総理大臣は明朗な政治を実現して民主主義の徹底をはかるとか、民主主義ルールは尊重するとか言われておるのでありますが、鳩山総理が今までにしばしば繰り返えされたような政党への離脱と復帰は、民主主義に反し、民主政治に反し、政治を暗くするものであり、はなはだ政界を不明朗なものにすると思いますが、鳩山総理の御所見を承わると共に、今回の自由党よりの脱党理由を御答弁願いたいのでございます。  また、安藤文相にお尋ねするわけですが、安藤文部大臣は、吉田前内閣の閣僚であり、続いて鳩山内閣へ横すべりした、こういう格好でありますが、吉田内閣での指揮権発動当時の閣僚であり、責任の一端を分担する責務があると思いますが、(「その通り」と呼ぶ者あり)安藤文相の御所見を伺います。  次に独立達成について総理並びに外相にお尋ねをいたします。総理は二十二日の施政演説において、今日わが国の最大の課題は、わが国の独立の完成であり、わが国の自主再建の達成を第一目標に設定したことを明らかにされたのであります。このことは、現在の日本は悲しいかな独立国でない、半独立国であり、従属国であるという認識に立脚したものと考えるのであります。そこで総理にお伺いしたい点は、日本の完全独立の姿をどんな状態と想定しておられるのか。日本が完全な独立国家でないと認定された具体的な事象はどの点とどの点であるかを明確に、具体的に御指摘願いたいのでございます。(拍手)  鳩山総理が、吉田買弁内閣と違い、独立の完成を一番やりたいと率直に述べられました点につきましては、内閣としては初めてのことでもあり、われわれも敬意と同感を表するものでございます。この問題こそ、全国民が、各政党が全力をあげて真剣に今日取り組まなければならない最大の課題であることは言を待たないのであります。従って単に抽象的に独立の達成独立の達成と口頭禅を唱えたのみでは問題の解決にはなりません。挙党一致、全国民運動を展開したとしましても、事ほどさように簡単に、しかも短日月に解決する課題とは鳩山総理御自身お考えになっていないと思います。ましてや具体策を何ら示さず、ただの抽象論では、国民の声に迎合した選挙目当てのもので、国民を愚弄するものであります。鳩山総理は、国民に独立の完成の具体策を明確に示す責任があるのであります。私は完全独立基本的内容、条件は、第一に、領土と主権が尊重されること。第二に、外国軍隊がいかなる形にせよ駐屯していないこと。第三に、経済の自立体制の確立などが要件であると思います。  そこで答弁を承わりたい第一点は、重光外相のこの壇上からの言葉を借りて申しますれば、寸時も念頭を去らないで、機会あるごとに、直接間接に関係国の注意を喚起して来たという、いまだ返らない島々とは、具体的に百言うと、歯舞、色丹、千島、樺太を指すのか、どういう島々を指すのか、一つ一つ島名をあげて明確な御答弁を承わりたいのでございます。また沖繩及び小笠原の返還問題については、今後日米協力の実が上り、両国相互間の理解と信頼とが増進するにつれて、おのずから解決の日が近づくことを期待すると述べておられますが、領土と主権の問題は、単に関係国に注意を喚起してみたり、解決の日の近づくことを期待するというようなあいまいな態度、方針で問題が解決するとまじめにお考えになっておいでになるのですか。何ゆえに平和積極外交をやらないのかお伺いいたします。第二点は、今日国内に数百カ所の軍事基地があり、外国軍隊が駐屯しておることは御承知の通りであります。この外国軍隊は、講和、安保の両条約並びに行政協定によって全土基地化の規模によって駐留しておるのであります。この外国の基地並びに軍隊の早期撤退を期するため、講和、安保の両条約並びに行政協定の廃棄または改正を要求するお考えを持っておいでにならないのか。昨日わが党の森崎議員の質問に対して、講和、安保の両条約の改廃はやらないと御答弁されておるのでありますが、講和、安保の両条約、行政協定等の改廃によらないで外国軍隊の撤退、基地の撤退がもしできるというなら、その具体的な方途をあわせて御答弁願いたいのであります。第三点は、経済の自立達成は、特需と特殊婦人の稼ぎによる不健全な収支のバランスを正常貿易に切りかえることであります。貿易の伸張をはかることであります。そのためには中共、ソ連貿易の再開は当然であります。そこでお伺いいたしますが、現在中共に行っている村田使節団が交渉しておる中共からの経済使節団の入国許可並びに貿易協定成立に積極的な努力を傾けられるのかどうか。またソ連との貿易再開については、民間使節団を送る用意をしておいでになるかどうか。なお過般の国会で解除決議までされておりますココム協定の準軍需品以外で、現在日本のみ禁止品目になっておる品目の解除に対する具体策をあわせて御答弁願いたいのであります。  次に、平和確保の問題について関係大臣から御答弁をお願いいたします。総理は先般の施政方針で、世界平和の確保と各国との共存共栄を目標とし、広く国民の支持による自主平和外交を展開する、と述べられ、外相は、現在の国際政局を概観すると、どこにも戦争はなく、幸いにして一応平穏な様相を呈している。しかしこれは力による平和である、というような意味を述べておられるのであります。また総理は、昨年の十二月十九日の名古屋での演説会では、今の世界の状態には第三次世界大戦の危機がひそんでいる。しかして原水爆が完成した今日、戦争が起きれば国民の過半数は死滅してしまうであろう。戦争の危機を避けることに国民は重大な関心を示さなければならない、と述べられ、平和に対する国民の心がまえを強調しておられます。全く同感であり、けっこうなことであります。そこで総理にお尋ねいたしますが、総理が、破壊力はおそろしいものであると力説されている原水爆の使用禁止とか、実験禁止を世界の各国に訴え、特に原水爆の保有国である米ソ両国へ即時実験禁止を要請するお考えはないか、お伺いいたします。日本国民はさきに広島、長崎と原爆の洗礼を受けたのであります。またビキニの水爆実験で久保山氏を初めとして日本国民は死の灰のおそろしさを十分に知らされました。放射能はマグロに、野菜に、雪に、ビキニだ、ソ連だと、国民を恐怖のどん底へ追い込みました。世界で原水爆の直接間接の被害を最大にこうむったのは日本国民であります。日本政府が原水爆の使用禁止、実験中止を各国に訴え、お願いするのは当然であります。本院におきましても、過般、原水爆実験禁止の決議をいたしました。原水爆実験禁止国民の声と存じます。数百万人の署名がなされておることも御承知の通りであります。この国民の戸を世界各国に訴えるとともに、特に米ソ両国に対して要請する意思がありやいなやを総理から御答弁願いたいのであります。(拍手)  第二点は、本年四月インドネシアのハンドンで開催されるアジアアフリカ会議で原水爆禁止決議が議案となり日本も招聘を受けることになると思います。原水爆の使用禁止、実験禁止を世界にアッピールする与えられた機会と存じます。鳩山総理が、世界平和を確保し、自主平和外交の展開を基本方針とし、各地で原水爆のおそろしさを力説されているからには、政府代表を派遣して日本の態度を表明するのは当然と存じますが、念のため政府代表を派遣する意思の有無をお尋ねいたします。  第三点は、ビキニ環礁における水爆実験の場合のごとく、特定国が自国の都合で、平時に勝手に公海に危険区域を設定し、立ち入り禁止を半恒久的にして他国に損害を与えることは国際法上違反ではないか。岡崎前外務大臣は実験には協力すると述べ、公海の半恒久的立ち入り禁止区域の設定を暗に合法的であると解釈する態度、方針をとつて来られたのでありますが、鳩山内閣は合法性ありと解するのかいなか。今後しばしばビキニなどで実験が繰り返されたら大へんと存じますので、明確に関係大臣から御答弁をお願いいたします。なお、この際ビキニの賠償関係についても御所見が承わりたいのであります。外相は、先般、ビキニ補償問題が円満解決したことは反米感情の原因になつた懸案の一つが解決したのであつて、重要な意義を持つとの態度を表明されたのでありますが、ビキニの損害については、賠償なのか見舞金なのか。アメリカは善意に基く見舞金と言い、政府は補償と言うが、いかなる形で解決したのか。今後の日本の外交上慣例ともなると考えられますので、見舞金か補償金かの区別を明確に御答弁を願うと同時に、もう打ち切りで、ビキニ問題は対米関係においては一切問題が解決したと考えておられるのかどうか、お伺いいたします。  次に、財政問題について大蔵大臣並びに大村長官にお尋ねをいたします。  大蔵大臣はその施政演説において、本年の予算は一般会計においては、一般会計のワクを一兆円以内にとどめることにし、その範囲内において重点的に政府の重要施策を推進する方針であり、財政投融資についても、その総ワクは前年度程度にし、財源は租税その他の通常収入によってまかない、新たに公債は発行しないと述べられました。また過ぐる一月十八日には、閣議決定として予算編成大綱を発表しておられるのであります。予算大綱への新聞批評は、一言にしていえば民主党の選挙スローガンだといえる。また、けっこうずくめの作文といった感じであると指摘しているのであります。本気になって、この予算大綱に従って一つ一つ数字を当てはめて参りますと、どうしても一兆円をはみ出す結果となるのではありませんか。吉田前内閣も一兆円予算であり、そのワク内で施策をしたために、住宅中小企業社会保障等へ犠牲がしわ寄せされたのであります。予算大綱では、これらのしわ伸ばしを配慮しておられるようにうかがい知るのでありますが、問題はどこから経費を生み出してくるかという点であります。経費の節減関係は、ただ物件費、施設費等について、前年度来の物価の値下りによる節減のみが期待されているのであります。大蔵大臣にお伺いいたしますが、一体、物価下落による経費の節減は何ほどに予定しておいでになるのか。予算大綱によるところの数字は、一つ一つお伺いするのはいかがかと存じますから、たった一つでいい、数字をたった一つ、この経費節減を何ほどに予定しているのか。およその数字をここで御答弁願いたいのであります。また端的に言って、住宅中小企業対策社会保障、輸出振興、農漁村の振興と食糧増産、文教、防衛、行政などの施策のうち、前年に比較して、数字的に、一方がふえるものがあれば、手品師でない限り、当然一兆円のワク内ですから、他方において減ぜられるものが生ずるのであります。そこで大蔵大臣にお伺いいたします。予算大綱に発表された重要施策を遂行する場合、一兆円を超過しやしないのかどうか。超過しない理由があるとするならば、明確に御説明をいただきたいのであります。次に防衛分担金についてでありますが、これは条約上当然米国との折衝の結果によって決定をみるものでありますが、今までに交渉をして、その経過から削減の見通しがあるというのかどうか、御答弁を願いたいのであります。  第二点は税制の改正の点でありますが、勤労者、中小企業者、農民等の低額所得者を中心にしての直接税の軽減は、わが党が多年絶えず主張してきた点で、全く賛成であります。しかし、減税分を消費税、間接税の増税によって穴埋めするというのは、大衆を擁護するというそぶりを見せつつ、池田元大蔵大臣が税法上の減税をやったのと同じようで、国民の税負担を軽減するものでなくて、実質を伴わないものであるのであります。しかし大蔵大臣は、昨日ここでテーブルをたたいて、これが政治であるというようなことを御答弁なさつているのでありますが、法人税について見ると、銀行などは、他面、租税特別措置法によって、表面税率よりはるかに低い実効税率であります。従って高利貸しでない銀行のビルが街角の目抜きの通りにどんどん建築されている現状であります。金融機関が過大な高層建築物を持つより、事務能率に支障を来たさない程度に自粛し、その資金を生産関係施設に回す方が、資金や資材の少い日本の現状として適切であり、銀行のビルの建築の自粛と、表面税率よりはるかに低い実効税率を納めておる銀行関係等の法人税を改正するほうが、消費税や間接税の増税をはかるよりはるかに私は賢明な政治であるということを申し上げたいのであります。そこで大蔵大臣にお伺いいたしますが、消費税、間接税の増税は大衆生活を圧迫しやしないかどうか。大衆の購買力を抑制し、ひいては中小企業を圧迫する結果とはならないかどうか。また地方税法の改正は考慮していないのかどうか。地方税についても税法の改正についてもあわせて御答弁をお願いいたします。  第三は防衛計画でありますが、防衛関係費は国費のうち約一四%を占めています。経済総合六カ年計画を立てるとき、防衛計画を除外して経済六カ年計画を立てることはできない相談であると存じます。増兵計画はMSA協定第八条によって、米国と協議決定しなければならないことは当然であります。そこで大村長官にお尋ねいたしますが、防衛計画は前内閣より受け継がないのかどうか、前内閣のものに変更を加えたのかどうか、防衛計画が全然なくて発表できないのか、今後防衛計画を立てるのか、国民に発表する意思があるのかないのか、御答弁を得たいのであります。  次に通産大臣並びに経審長官に外貨割当の件について若干御質問を申し上げます。外貨割当は現在設備と輸出実績、外貨獲得実績という二つの基準によっています。その結果として砂糖、綿紡、毛紡等の施設は、関係業者を外貨獲得のための設備拡充に狂奔せしめ、過剰設備をかかえる実情となりました。現在遊休施設は砂糖については外貨割当の約三倍であり、綿毛ともに操短を繰り返している現状であります。かかる遊休施設をかかえた業者は金利に追い回されておるという姿であります。これは業者の自業自得と言えばそれまででありますが、このこと自体がコスト高の原因となり、また他産業金融事情を圧迫したことにもなるのであります。わが党は現在の行政措置では必ず過剰投資を呼び、その結果は国民一般大衆に悪影響をもたらすと、しばしば吉田前内閣に警告を発してきたのでありますが、吉田内閣は単に業者の自粛に待つのみというまことに無責任な行政措置をとつてきたのであります。通産大臣並びに高碕経審長官は、吉田前内閣のような、知恵のないというより無謀に近い施策は私はおとりにならんと思います。どのような対策を持っておいでになるのか、承わりたいのであります。たとえどのような理屈があろうと、結果的には過剰投資を奨励するような現在の外貨割当方法に対しては、何らか計画的な具体策を考えておられると思いますので、御答弁をお願いいたします。  第二点は、外貨割当が行政措置によっております関係上、とかくメーカー、商社等の関係業者からのおもしろからざる政治献金を耳にするのであります。吉田内閣は造船を初めとする汚職、疑獄で国民の憤激を買い、しかも前代未聞の指揮権発動で国民をあぜんとさせ、ついに事件をうやむやにしたことは御承知の通りであります。汚職疑獄はもうまっぴらというのが国民の声です。外貨割当をめぐってまた汚職、疑獄が出れば、国民は政治に、政党にあいそをつかします。その結果を考えると、まことに憂慮にたえないものがあるのであります。この点について大臣の御所見を念のため伺っておきます。  時間がありませんから、最後に総理に、昨日の滝川事件に関する森崎議員の質問に対する首相の御答弁に関連してお尋ねいたします。問題の要点は単なる刑法読本の問題ではなくて、あの軍閥勢力下においてすら大学教授の問題は、文官分限令はありますが、大学自治の擁護のため教授会の決定は尊重されておったのであります。その教授会の決定を無視したというところに問題があるのであります。総理はこれによって民主主義を守ったのだと申されますが、大学の自由と学問の自由をじゅうりんし、佐々木博士ら多数の学者のレジスタンスをしり目にかけて、あえてこの暴力を強行しておいて、それで民主主義を守ると言われるのでありますが、民主主義を守るのでなくて、軍閥暗黒時代の露払いをしたものであつて、これはまさに狂気のさたと申さなければならないのであります。そこで総理にお尋ねいたしますが、教授会の決定を無視し、じゅうりんしておいて学問の自由、大学の自治が守れるとお考えになるかいなか、御答弁を願いたいのであります。  以上でございます。(拍手)
  38. 鳩山一郎

    国務大臣(鳩山一郎君) この席から答弁していいですか。
  39. 河井彌八

    ○議長(河井彌八君) どうぞ。
  40. 鳩山一郎

    国務大臣(鳩山一郎君) 只今の御質疑に対し、答弁をいたします。  第一は、私が政党を出たのもずいぶんになる、これが民主政治との関係がどうかという御質問であります。私は仰せの通りにずいぶん党を出たり入ったりしました。これはやはり民主政治というのは国民各自の人格の尊重が根本であります。国民の個人の自由が民主政治の根底の理想であります。もしもこれが逆に一たん党に入った者がその党を出られないというならば、これは全体主義であつて自由主義ではないのであります。自由に出所進退ができるということが民主政治のいいところだと私は思います。(「信念はどうだ」と呼ぶ者あり)信念は、その通り理想とは違いますが、自分の良心に従って行動をとります。  第二は、独立の完成にどういうことを考えているかということであります。一口に言えば、独立の完成は占領政治の是正、道義心の回復ということに尽きると思います。われわれが政府も国会も国民も、少しも自由を持っていない時代にできたところの占領政策の遺物は、これを是正していかなくてはならない。そうして日本の本当の独立を期さなければならないと思います。次には、それに沿うところの道義心の回復であります。  第三の御質問の原水爆の使用の禁止は全く同感でありまして、戦争に使うのはこれほど悲惨なことはないのでありますから、これはあらゆる機会にアメリカ、ソ連に対し使用の禁止を期さなくてはならないと思います。  最後に、滝川事件についてでありますが、これは昨日御質問に御答弁申し上げたと同じであります。大学の自治をじゅうりんするという意思は毛頭持っておりません。(拍手)    〔国務大臣安藤正純君登壇、拍手〕
  41. 安藤正純

    国務大臣(安藤正純君) ちょっと公用がありまして席を離れておりましたが、よくあとから承わりましたから、その点についてお答えをいたします。  汚職事件の指揮権発動につきましては、私は初めから反対でありました。そのことにつきましては、強く吉田総理にも警告をいたしまして、その反省を促したのであります。なお、汚職事件や指揮権発動につきまして、かつまた、政局の安定につきまして私は吉田総理と意見を異にしまして、強く善処を要望をいたしました。その結果、ついに吉田総理の辞職を要求いたしたのであります。同時に私はかかる内閣にとどまることはできないので、国務大臣を辞職をいたしたのであります。従って私は指揮権発動につきましては、連帯の責任はないと存ずる次第でございます。  なお、つけ加えて一言いたしますが、私は自由党におりますときは、いわゆる側近政治の弊害を除去したい。汚職事件などにつきましては、事を明白にしたい。要するに政治を民主主義ルールに乗せるように、いろいろと微力を尽したのでありますが、すべて私の微力では、いかんともいたしがたかったのであります。従って私が自由党を去ることは、私が終戦後に直ちに鳩山氏とともに自由党を創立したような関係から言いましても、私はまた憲法改正、秘密外交打破というような問題につきまして、鳩山氏の意見と合致をいたしまして、鳩山氏の自由党復帰に努力したような関係から言いましても、自由党を去ることはまことに残念千万なことでありますが、情の上からは従ってまことに忍びがたかったのでありますが、政治生活の上から見て、これは情を越えて理に従うべきであると存じまして、思い切って自由党を離れたのであります。もちろん民主党に入りましたにつきましては、保守主義政党の大合同、保守主義を基盤とする新民主社会の建設を目ざしまして、今後の政党政治のあり方について深く期するところがあったからであります。従って私の政治信念に基いて行動をいたしたのであります。このことが民主主義にもとる等のお考えでもあれば、それは根本的に御了解が違っていると存ずる次第であります。  それだけお答えをいたして答弁といたします。(拍手)    〔国務大臣重光葵君登壇、拍手〕
  42. 重光葵

    国務大臣重光葵君) 御質問の外交方面の点についてお答えいたします。  独立完成のことは、外交方面においてもその趣旨に沿う政策を遂行しなければならぬと思っております。それで昨日でありましたか、御説明申し上げた通りに、今日まで国交を回復しておらない諸国、特にアジア諸国方面との国交の樹立について、せいぜい努力いたさなければならぬと、こう考えているのでございます。ただ、この際今御指摘になりました通りに、一般の国際情勢、社会情勢と申しますか、国際情勢はまだなかなか容易ならぬものがございまして、御指摘の通りに、力の平和というような言葉をもって表わされているくらいに緊張したものでございます。そこでこの独立の完成のことにつきましても、手段を選ばず進むわけには参りません。何となればそれはわが国の国際的の地位を危殆に導くものであるからでございまするその意味におきまして、今御質問に相なりました安保条約、行政協定というようなものは、今が今これを破棄することはできないと、こう考えます。もっとも私ども将来遠い見通しから申しまして、どうしても自国領土における外国の軍隊の駐留等はなくしてもいいような時期の来ることを、むろんこれは希望をいたします。(「希望だけじゃだめだぞ」と呼ぶ者あり)その方向に向って国内政策も進めなければならぬ、また、対外的にもさような方向に向って努力をしなければならぬと、こう思っておりますが、お話は、今そういう安保条約、行政協定を破棄する意向があるかというお話になりますと、それはその時期でないと再び申し上げる次第でございます。  さて、その次の領土問題でございます。小笠原及び沖縄等の問題につきましては、すでに私の外交演説において申し述べた通りでございます。それから色丹、歯舞、この島につきましては、現在はソ連の占領下にあるのでございます。また、歴史的に見ても地理的に見ても、これは北海道の付属のものになっておって、千島列島には入っておらぬのでありますから、サンフランシスコ条約の調印国もその事態を認めておるのであつて、われわれはこれを日本の領土としてあくまで主張しなければならぬ。それでありますから、今ソ連軍が占領しているのでありますけれどもが、われわれの希望するがごとく、平和の回復というような時期がきますときには、この問題も十分にわれわれの日本の利益を回復しなければならぬと、かように考えているのでございます。千島、南樺太の問題は、今申します通りに、サンフランシスコ条約の調印国との間においては、これはすでに解決をしておる問題に相なっております。しかし、サンフランシスコ条約に調印しない国との間には、まだその問題について解決を見ておらないわけであります。(「そんなことはわかっている。それをどうするかということだ」と呼ぶ者あり)  それから次に、村田ミッションが中共に行っておる、こういうことで、これは私も承知をいたしております。貿易のビジネスの方の問題を処理するために行っておることをよく承知をいたしております。私はこれが成功して、中共との取引が少しでも増すことを期待いたしております。それに関連して中共から貿易のための使節が来るようであるがというお話でありますが、そのように私も承知をいたしております。これは貿易のために来るものである限り、これは私は認めようと、こう考えております。  それから中共関係におきまして貿易の品目の問題について触れられたと思います。今日いろいろな機会に、品目については、日本としてはできるだけ広くしたいという考えを持っております。大体、御承知のココムの線までは来ておる現状でございます。しかしこれもまた、もし機会があれば、さらにこの品目の拡張を実現することに努力はいたしたいと考えております。  次に、ビキニの問題でございますか、これはたびたび御説明をいたしました通り、法律的には解決のできない問題でございます。公海においての原爆の実験に対する補償をどうするかということは、国際法上において、今日まではっきりと定説がございません。つまり理屈ではどうしてもこれは意見か違うのでありますから、解決ができません。しかしこれはなるべく早く被害者の状況をも顧みて、早く解決した万がいいというわけで、そしてアメリカ側も今後はかようなことの起らないように、自分らの手でできる限りの努力をするという言質を得て、これは手打ちをしたわけでございます。さようなわけでありますから、この問題に関する限りは、アメリカとの間にはこれですべてを解決したわけでございます。この点につきましては、いろいろな何もございましょう。しかし私の申し上げました通りに、この条件で解決をすることが適当であると考えた次第でございます。  それから、この原爆の利用の問題の大きな問題にお触れに相なりました。全くこの点においては私も重大な、これは世界人類の福祉に関係する問題でありますから、何とかして原爆の問題を平和利用の方向にすべて導きたい、こう考えておるのは、これは当然のことでございます。そして、それは今国際連合等において現実に取り上げられておる問題でございます。もっともこの問題について、軍縮の問題とも関連をいたしまして、なかなか両陣営の意向が合わない、融和しない点もございます。しかし、いずれにしても国際連合でこれが取り上げられたということは大へん大きなことだと思います。そこでその点を利用いたしまして、できるだけこの問題についてわれわれの希望するところを、また世界平和のために、どうしても平和利用という点に限りたいと、こういうことに向ってその実現を期したいと、こう考えておる次第でございます。(「アジアアフリカ会議はどうだ」と呼ぶ者あり)  アジアアフリカ会議の問題。今アジアアフリカ会議の問題が論ぜられております。そしてこれは御承知の通りにコロンボ・グループの諸国の提案によったものであります。私はこのアジア諸国と申しますか、アジア民族またアフリカ民族、これらの諸国家並びに民族が、かようにして国際問題について非常にいろいろ発言をいたしたいと、こういうふうになってきた、この形勢は非常に重要なものだと考えております。そうでありますから、このアジアアフリカ会議の開催についても、私どもは非常に重大な関心を持ってその意義を今確かめつつあるわけであります。私一個といたしましては、これを特に重要視してそれに沿うだけの処置をとりたいと考えております。しかし今日までまだ招請状を受けないのでございます。招請状を受ける前にいろいろわれわれの意見をあまり公表することもどうかと思います。招請状を受けたらば、十分従来の準備を利用いたしまして、慎重に考慮して決定を急ぎたいと考えております。(拍手、「アメリカと相談しなければならぬだろう」と呼ぶ者あり)    〔国務大臣一萬田尚登君登壇、拍手〕
  43. 一萬田尚登

    国務大臣(一萬田尚登君) お尋ねのうち、まず税のことからお答えを申し上げます。  直接税を軽減して間接税を増収すれば、それは減税にならぬじゃないかと、こういうようなお話であったように思います。その点は、この間接税については、別に増徴をして、税率を今すぐ上げて取ろうとは考えてもおりません。あるいはそういうことになるかもわからぬ。今のところは増収、この間接税から収入を殖やしていく。そして私のこれは考えですが、かりに間接税を増徴してこれはふやすことになりましても、これは購買力のある人が物を買って、そして正常な税金を納める。その税金で今日一番困っておる、大衆の中で困っておる方、いわゆる失業なさつておる方、あるいは遺家族をどうするとか、そういうような社会保障的な、特に民生安定のところへその金を持っていこう。いわゆる一番社会においてお困りのところに金を持っていこうと考えておるから、それはがまんをしていただこうと考えておる。従って勤労者の、何かこれはいろいろ意見もありましょう。ありましょうが、今日日本の財政状態からいたしまして、そういう社会でお困りになっておる方に何とかしてあげようと手を差し伸べれば、ある程度そういう点に御議論の余地の残るのも今日やむを得ないだろうと、こう考えております。  それから地方税についてはどうかというお話がありましたが、地方税については、私はこれは事業税について考慮しておりますから、地方税でいわゆる中小企業の、特に中小企業等についての事業税の基礎控除を上げようと、こういうふうに考えております。これは地方税について相当上がることになると思います。  それから分担金についての交渉はどうか、見通しはどうかというお話でございますが、これはまだ今ここで申し上げる段階にありません。私は一応、日本の経済並びに財政等が今日どういうふうにあるかということについて、一応基礎的に申し上げておる程度でありまして、今後の折衝に待たなくてはなりません。  それから非常にいろいろと、政策といいますか、重点的に並べてあるじゃないかと。私はあれを、いろいろとあったのでありますが、三つ四つに実は重点をまとめたつもりをいたしておるのでありますが、そういうふうに新しい支出をすれば、そういうことをすれば、一方減税も要り、一兆円でおさまらぬじゃないかという御心配をいただいたんでありますが、これは私も非常に苦心をしておるところでありまして、非常に私は、そういうふうに皆さん方が御心配して下さることは、今度、本予算を出した場合に非常にいいんじゃなかろうかというふうにも考えております。(笑声)これはぜひとも一つ、同情を持って今後御審議を願わなければならぬのでありますが、しかし、増税になる部分につきましては、しばしば申し上げましたように、一般的な補助金について、あるいはまた物件費について、あるいは施設費について、要するに財政が苦しい場合は、収入もさることでありまするが、何せ、国民の生活の上から考えましても、出す方を私はよっぽど査定を厳格にやるべきだと思うのです。どうもその点が、私は、財政を見直す場合に一番ポイントじゃないか。ずっと長くやってきておる間に、いろいろと私はむだがある。これは経済の中にも非常にむだがあるのだが、財政の中にも私はありそうに思う。そこで思い切ってその点を削減をして、これで今申し上げましたような減税と重点的な手段、これにそうたくさんは。……いろいろと並べてありますが、今度予算に数字を出すと、皆さん方がほんとうにおわかりになると思うのですが、そこまで行かないのですが、色がつきまして、濃いところと薄いところがありますが、どうぞその点御了承願いたいと思います。  これで御答弁といたします。(「答弁じゃないじゃないか」と呼ぶ者あり、拍手)    〔国務大臣大村清一君登壇、拍手〕
  44. 大村清一

    国務大臣(大村清一君) 防衛計画についてでありますが、防衛計画は前内閣から引き継ぎはございませんでした。また現在防衛庁におきましても防衛計画はできておりません。しかし、防衛庁といたしましては、防衛に関する客観情勢、米国の援助と防衛生産の見通し、国力の推移、ことに総合経済六カ年計画との関連等、諸般の条件を検討いたしまして、防衛計画を樹立、決定したいと考えておる次第であります。  それから大蔵大臣にお尋ねになつたのかとも存じまするが、防衛庁といたしましては、現下の国力に応じまして、前年度と同じ程度の自衛力の充実、整備をやる方針でおります。この方針によりまして進みますならば、防衛分担金につきましても相当の減額を求め得られると考えておる次第であります。(拍手)    〔国務大臣石橋湛山君登壇、拍手〕
  45. 石橋湛山

    国務大臣石橋湛山君) お尋ねは、外貨割当及びリンク制が、そのために過剰設備を作つているじゃないかということでありますが、前内閣時代にやつていました外貨割当、リンク制が、ある程度そういう弊害を生んだということは、これは認めぬわけにはいかないだろうと思います。しかし、これは非常にむずかしい、一体外貨を割り当てるとかなんとかということの制度そのものに無理があるのですから。従って、そういう弊害を生むものと思います。ただし、プラント輸出についての砂糖のリンクは設備に関係ございませんから、あれが砂糖会社の設備を大きくしたということはないと思います。今後これは、今検討いたしておりまして、何とかいい考えをしたいと思って、おります。(拍手)    〔国務大臣高碕達之助君登壇、拍手〕
  46. 高碕達之助

    国務大臣(高碕達之助君) 外貨割当につきまして、むだな設備のないようにせよ、こういうことについての御質問であります。むだな設備を除くために、私どもは今度、長期の総合計画が必要であるということを叫ぶのでございます。御承知のごとく、石炭が足らぬといって石炭をたいているところの工場を油の燃料に切りかえるかと思うというと、今度は一年か二年かたたないうちに、また、油が輸入ができない、こういって石炭に切りかえる。こういうふうなことは、何だといえば、長期の経済計画がないためであると存じます。(拍手)そういうことのないように長期計画をいたしまして、なるべく外貨割当につきましても十分注意をして設備をしていきたいと、こう存じます。  以上をもちまして私の答弁といたします。(拍手)    〔成瀬幡治君発言の許可を求む〕
  47. 河井彌八

    ○議長(河井彌八君) 成瀬幡治君。    〔成瀬幡治君登壇、拍手〕
  48. 成瀬幡治

    ○成瀬幡治君 時間が少いですから、簡単にお尋ね申し上げますが、ビキニにおける、ああいう公海上に危険区域を設定することに、官房長官は衆議院の外務委員会において、たしか違反であると、こういうふうに言明されたと思いますが――聞えませんですか――じゃ、もう一度申しますが、ビキニのように公海上に危険区域を設定するということは国際法上違反であるというような意味の見解を、官房長官はたしか外務委員会において答弁されておると記憶しているのでございますが、日本政府の、鳩山内閣の態度はいかがであるかと、こう伺っておるのですから、これに対する御答弁を一つ、お願いいたしておきます。  それからもう一点ですね。鳩山総理あるいは安藤文相の政界遍歴につきましては、個人の自由が尊重されるのだ、こういうことが基本だから、そういうことは何も民主主義に反しないのだ、こうおっしゃるのですが、私は、少くとも総理大臣をやられるような方とか、あるいは大臣になられるようなお方たちが、何かこう、政権欲と言つちや失礼かも知れませんが、そういうものにつられて、あっちへ行ったり、こっちへ来たりするというような、そういう姿は、(「そうだ、そうだ」と呼ぶ者あり)いかに私は弁解を仰せになっても、それは私は日本の政党政治、民主政治の上に悪い影響はないか、こういうことを伺っておるのでありますから、これにも御答弁願いたいと思います。  もう一点、滝川事件の問題について鳩山総理は、教授会の決定を無視した、しかしそれは大学の自治は破壊せない、学問の自由は破壊せないと、こうおっしゃったけれども、あのことを契機として日本の思想、あるいは物事がどういうふうにして動いたかということは、私がここで申し上げなくても、鳩山総理御自身が一番よく知っておいでになると思います。学問の自由、大学の自治は、あのことによって破られて、あとずうっと来たのです。もう一度その点について重ねて御答弁が承わりたいのであります。(拍手)
  49. 鳩山一郎

    国務大臣(鳩山一郎君) 再質問がございましたのは、大体先刻の答弁によって尽きていると思いますから、御了承願います。(「だんだん吉田と同じようになってくるぞ」と呼ぶ者あり)    〔国務大臣重光葵君登壇、拍手〕
  50. 重光葵

    国務大臣重光葵君) お答えします。  今官房長官に尋ねましたところが、官房長官は外務委員会でさような意味のことを申したことはないそうでございます。なお、公海において原爆の試験をやったりすることが、国際法上どうであるかということに関しましては、先ほど申しました通りに、国際法上定説がないと、(「鳩山内閣はどう思うのだ」と呼ぶ者あり)定説がないということであるから、国際法上争うわけにはいきません。しかし、日本としては日本の利害を擁護する権利はあります。日本の利害は十分擁護したいと考えております。
  51. 河井彌八

    ○議長(河井彌八君) これにて暫時休憩いたします。    午後二時三十三分休憩      ―――――・―――――    午後四時四十五分開議
  52. 河井彌八

    ○議長(河井彌八君) 休憩前に引き続き、これより会議を開きます。  国務大臣の演説に対する質疑は、なおございますが、これを次会に譲りたいと存じます。御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  53. 河井彌八

    ○議長(河井彌八君) 御異議ないと認めます。      ―――――・―――――
  54. 河井彌八

    ○議長(河井彌八君) 日程第二、中央選挙管理会委員及び同予備委員の指名。  指名する委員の数は、委員一名、予備委員一名でございます。
  55. 天田勝正

    ○天田勝正君 中央選挙管理会委員および同予備委員の指名は、いずれも議長に一任することの動議を提出いたします。
  56. 寺本廣作

    ○寺本広作君 私は、ただいまの天田君の動議に賛成いたします。
  57. 河井彌八

    ○議長(河井彌八君) 天田君の動議に御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  58. 河井彌八

    ○議長(河井彌八君) 御異議ないと認めます。よって議長は、中央選挙管理会委員に芹澤彪衞君、同予備委員に岡崎三郎君を指名いたします。      ―――――・―――――
  59. 河井彌八

    ○議長(河井彌八君) 昨年十二月二十七日、内閣総理大臣から、畑地農業改良促進対策議会委員加藤武徳君の委員辞任に伴う後任者を指名されたいとの申し出がございました。また昨日、同委員江田三郎君の委員辞任に伴う後任者を指名されたいとの申し出がございました。  つきましては、この際、日程に追加して、畑地農業改良促進対策議会委員の選挙を行いたいと存じますが、御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  60. 河井彌八

    ○議長(河井彌八君) 御異議ないと認めます。
  61. 伊能繁次郎

    伊能繁次郎君 畑地農業改良促進対策議会委員の選挙は、成規の手続を省略いたしまして、議長において指名せられんことの動議を提出いたします。
  62. 大和与一

    ○大和与一君 私は、ただいまの伊能君の動議に賛成いたします。
  63. 河井彌八

    ○議長(河井彌八君) 伊能君の動議に御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  64. 河井彌八

    ○議長(河井彌八君) 御異議ないと認めます。よつて議長は、畑地農業改良促進対策議会委員に重政庸徳君、矢嶋三義君を指名いたします。      ―――――・―――――
  65. 河井彌八

    ○議長(河井彌八君) 昨年十二月二十七日、内閣総理大臣から、北海道開発審議会委員堀末治君の委員辞任に伴う後任者を指名されたいとの申し出がございました。  つきましては、この際、日程に追加して、北海道開発審議会委員の選挙を行いたいと存じますが、御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  66. 河井彌八

    ○議長(河井彌八君) 御異議ないと認めます。
  67. 伊能繁次郎

    伊能繁次郎君 北海道開発審議会委員の選挙は、成規の手続を省略いたしまして、議長において指名せられんことの動議を提出いたします。
  68. 大和与一

    ○大和与一君 私は、ただいまの伊能君の動議に賛成いたします。
  69. 河井彌八

    ○議長(河井彌八君) 伊能君の動議に御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  70. 河井彌八

    ○議長(河井彌八君) 御異議ないと認めます。よつて議長は、北海道開発審議会委員に横川信夫君を指名いたします。      ―――――・―――――
  71. 河井彌八

    ○議長(河井彌八君) 昨年十二月二十八日、内閣総理大臣から、検察官適格審査会委員石原幹市郎君の委員辞任に伴う後任者及び同予備委員を指名されたいとの申し出がございました。  つきましては、この際、日程に追加して、検察官適格審査会委員及び同予備委員の選挙を行いたいと存じますが、御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  72. 河井彌八

    ○議長(河井彌八君) 御異議ないと認めます。
  73. 伊能繁次郎

    伊能繁次郎君 検察官適格審査会委員及び同予備委員の選挙は、成規の手続を省略いたしまして、いずれも議長において指名せられんことの動議を提出いたします。
  74. 大和与一

    ○大和与一君 私は、ただいまの伊能君の動議に賛成いたします。
  75. 河井彌八

    ○議長(河井彌八君) 伊能君の動議に御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  76. 河井彌八

    ○議長(河井彌八君) 御異議ないと認めます。よつて議長は、検察官適格審査会委員に池田宇右衞門君を指名いたします。なお、同君の予備委員として仁田竹一君を指名いたします。      ―――――・―――――
  77. 河井彌八

    ○議長(河井彌八君) 昨日、内閣……。    〔「議長、聞えない」「ろうそくをつけろ」「議事進行」と呼ぶ者あり〕
  78. 河井彌八

    ○議長(河井彌八君) 昨日内閣総理大臣から……。    〔「聞えない」「暫時休憩」と呼ぶ者あり〕
  79. 河井彌八

    ○議長(河井彌八君) 暫時休憩いたします。    午後四時五十一分休憩      ―――――・―――――    午後四時五十六分開議
  80. 河井彌八

    ○議長(河井彌八君) 休憩前に引き続き、これより会議を開きます。  昨日、内閣総理大臣から、鉄道建設審議会委員菊川孝夫君の委員辞任に伴う後任者を指名されたいとの申し出がございました。  つきましては、この際、日程に追加して、鉄道建設審議会委員の選挙を行いたいと存じますが、御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  81. 河井彌八

    ○議長(河井彌八君) 御異議ないと認めます。
  82. 大和与一

    ○大和与一君 鉄道建設審議会委員の選挙は、成規の手続を省略いたしまして、議長において指名せられんことの動議を提出いたします。
  83. 松岡平市

    ○松岡平市君 私は、ただいまの大和君の動議に養成いたします。
  84. 河井彌八

    ○議長(河井彌八君) 大和君の動議に御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  85. 河井彌八

    ○議長(河井彌八君) 御異議ないと認めます。よつて、議長は、鉄道建設審議会委員に内村清次君を指名いたします。      ―――――・―――――
  86. 河井彌八

    ○議長(河井彌八君) 昨日、内閣総理大臣から、国土総合開発審議会委員小笠原二三男君の委員辞任に伴う後任者を指名されたいとの申し出がございました。  つきましては、この際、日程に追加して、国土総合開発審議会委員の選挙を行いたいと存じます。が、御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  87. 河井彌八

    ○議長(河井彌八君) 御異議ないと認めます。
  88. 大和与一

    ○大和与一君 国土総合開発審議会委員の選挙は、成規の手続を省略いたしまして、議長において指名せられんことの動議を提出いたします。
  89. 松岡平市

    ○松岡平市君 私は、ただいまの大和君の動議に賛成いたします。
  90. 河井彌八

    ○議長(河井彌八君) 大和君の動議に御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  91. 河井彌八

    ○議長(河井彌八君) 御異議ないと認めます。よつて議長は、国土総合開発審議会委員に成瀬幡治君を指名いたします。      ―――――・―――――
  92. 河井彌八

    ○議長(河井彌八君) 昨日、内閣総理大臣から、海岸砂地地帯農業振興対策議会委員中川幸平君及び小林孝平君の委員辞任に伴う後任者を指名されたいとの申し出がございました。  つきましては、この際、日程に追加して、海岸砂地地帯農業振興対策議会委員の選挙を行いたいと存じますが、御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  93. 河井彌八

    ○議長(河井彌八君) 御異議ないと認めます。
  94. 大和与一

    ○大和与一君 海岸砂地地帯農業振興対策議会委員の選挙は、成規の手続を省略いたしまして、議長において指名せられんことの動議を提出いたします。
  95. 松岡平市

    ○松岡平市君 私は、ただいまの大和君の動議に賛成いたします。
  96. 河井彌八

    ○議長(河井彌八君) 大和君の動議に御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  97. 河井彌八

    ○議長(河井彌八君) 御異議ないと認めます。よつて議長は、海岸砂地地帯農業振興対策議会委員に宮本邦彦君、三輪貞治君を指名たします。      ―――――・―――――
  98. 河井彌八

    ○議長(河井彌八君) 昨日、内閣総理大臣から、湿田単作地域農業改良促進対策議会委員上原正吉君の委員辞任に伴う後任者を指名されたいとの申し出がございました。  つきましては、この際、日程に追加して、湿田単作地域農業改良促進対策議会委員の選挙を行いたいと存じますが、御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  99. 河井彌八

    ○議長(河井彌八君) 御異議ないと認めます。
  100. 松岡平市

    ○松岡平市君 湿田単作地域農業改良促進対策議会委員の選挙は、成規の手続を省略いたしまして、議長において指名せられんことの動議を提出いたします。
  101. 大和与一

    ○大和与一君 私は、ただいまの松岡君の動議に賛成いたします。
  102. 河井彌八

    ○議長(河井彌八君) 松岡君の動議に御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  103. 河井彌八

    ○議長(河井彌八君) 御異議ないと認めます。よつて議長は、湿田単作地域農業改良促進対策議会委員に佐藤清一郎君を指名いたします。      ―――――・―――――
  104. 河井彌八

    ○議長(河井彌八君) 昨日、内閣総理大臣から、日本ユネスコ国内委員会委員佐多忠隆君の委員辞任に伴う後任者を指名されたいとの申し出がございました。  つきましては、この際、日程に追加して、日本ユネスコ国内委員会委員の選挙を行いたいと存じますが、御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  105. 河井彌八

    ○議長(河井彌八君) 御異議ないと認めます。
  106. 大和与一

    ○大和与一君 日本ユネスコ国内委員会の委員の選挙は、成規の手続を省臨いたしまして、議長において指名せられんことの動議を提出いたします。
  107. 松岡平市

    ○松岡平市君 私は、ただいまの大和君の動議に賛成いたします。
  108. 河井彌八

    ○議長(河井彌八君) 大和君の動議に御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  109. 河井彌八

    ○議長(河井彌八君) 御異議ないと認めます。よつて議長は、日本ユネスコ国内委員会委員に高田なほ子君を指名いたします。      ―――――・―――――
  110. 河井彌八

    ○議長(河井彌八君) 参事に報告させます。    〔参事朗読〕 本日委員長から左の報告書を提出した。  公職選挙法の一部を改正する法律の施行に伴う関係法律の整理等に関する法律案可決報告書  地方公共団体議会議員及び長の選挙期日等の臨時特例に関する法律案可決報告書      ―――――・―――――
  111. 河井彌八

    ○議長(河井彌八君) この際、日程に追加して、公職選挙法の一部を改正する法律の施行に伴う関係法律の整理等に関する法律案  地方公共団体議会議員及び長の選挙期日等の臨時特例に関する法律案(いずれも衆議院提出)  以上、両案を一括して議題とすることに御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  112. 河井彌八

    ○議長(河井彌八君) 御異議ないと認めます。まず委員長の報告を求めます。地方行政委員長中田吉雄君。    〔中田吉雄君登壇、拍手〕
  113. 中田吉雄

    ○中田吉雄君 ただいま議題となりました公職選挙法の一部を改正する法律の施行に伴う関係法律の整理等に関する法律案について、委員会における審査の経過並びに結果を御報告いたします。  本法案は衆議院提出にかかるものでございまして、その提案理由は、公職選挙法の一部を改正する法律の施行に伴い関係法律を整理するとともに、選挙区の選挙期間中の特例を設ける必要があるというのであります。すなわち、先国会において成立し、すでに公布されました公職選挙法の一部改正に伴いまして、公職選挙法の規定を準用または引用いたしておりまする地方自治法、政治資金規正法、漁業法、町村合併促進法等の関係条文の事務的な整理を行うとともに、衆議院議員、参議院地方選出議員及び都道府県の議会議員の選挙において、その選挙の期日公示または告示がなされた日から選挙の期日までの間、すなわち選挙の期間中に市町村等の境界の変更があつても、当該選挙については選挙区に異動を生じないように措置せんとするものであります。  地方行政委員会におきましては、一月二十四日、衆議院公職選挙法改正に関する調査特別委員長久保田鶴松君より提案理由の説明を聞き、提案者側及び政府側との間に若干の質疑応答を重ねた後、討論を省略し、同日採決の結果、全会一致をもつて本法案は衆議院送付案の通り可決すべきものと決定いたしました次第であります。  以上、御報告申し上げます。  次に、ただいま議題となりました地方公共団体議会議員及び長の選挙期日等の臨時特例に関する法律案について、委員会における審査の経過の概要並びに結果を御報告いたします。  本法案は衆議院提出にかかるものでありまして、その提案理由としては、全国大多数の地方公共団体議会議員及び長の任期が、本年四月または五月の満了することになるので、これらの選挙の期日を統一することによつて選挙の執行の円滑をはかり、あわせて選挙執行経費の節減に資する等の必要があげられております。  法案内容の主要な点は、第一点、この法律の施行の日、すなわち一月二十五日から本年五月二十日までの間に、その任期満了が予想されておる都道府県及び五大市の議会議員及び長の選挙は四月二十三日に、市町村の議会議員及び長の選挙は四月三十日に、それぞれ同時に行うこと。第二点は、一月二十五日以降告示期日の前日までの間に地方公共団体議会解散され、もしくは再選挙、補充選挙等の場合において議員、当選人がすべてない場合、あるいは地方公共団体の長が欠け、もしくは退職を申し出た場合においても、それぞれ前述の期日に選挙を行うこと。第三点は、前の点に対する特例除外として、町村合併促進法の規定によつて任期を延長している市町村の議会議員の選挙において、その年期が一月二十五日から五月二十日までの間に満了するものについては、関係町村の協議の趣旨を尊重して、その選挙期日を統一しないこと。第四点は、この法律で定める選挙の期日告示の日から本年五月二十日までの間に町村合併が行われる場合について、その関係町村で行うべき選挙の期日の特例除外を設けたこと。第五点は、都道府県の選挙と五大市の選挙を同時に行うことにしたために、それぞれの議員と長と四つの選挙か同時に行われることになるが、これに加えて、さらに教育委員会の委員の再選挙、または補欠選挙があわせ行われる場合の困難をおもんぱかつて、かような場合には教育委員の選挙を同時に行わないことができる旨の除外例を設けたこと等であります。  地方行政委員会におきましては、一月二十四日、衆議院公職選挙法改正に関する調査特別委員長久保田鶴松君より提案理由の説明を聞いたのち、提案者並びに政府側との間に質疑応答を重ねましたが、その詳細については速記録によつて御了承願いたいと存じます。  討論に入り、自由党の伊能委員及び緑風会の小林委員より、「本法案は選挙の時期が前回昭和二十六年の場合と逆になつており、また格別の理由もないのに、五大市を都道府県と同時にする等、納得しがたい点を含んでおる。ことに第二の点から、選挙の上に少からざる混乱を招くおそれがあるので、これに対しては自治庁当局において、特に善処されるように要望して、不満足ながら本法案に賛成する」旨を述べられました。  かくて採決の結果、本法案は、全会一致をもつて衆議院送付案の通り可決すべきものと決定いたした次第であります。  以上、御報告申し上げます。(拍手)
  114. 河井彌八

    ○議長(河井彌八君) 別に御発言もなければ、これより両案の採決をいたします。両案全部を問題に供します。両案に賛成の諸君の起立を求めます。    〔賛成者起立〕
  115. 河井彌八

    ○議長(河井彌八君) 総員起立と認めます。よつて両案は、全会一致をもつて可決せられました。      ―――――・―――――
  116. 河井彌八

    ○議長(河井彌八君) この際、日程に追加して、議院の運営に関する件の審査を閉会中も継続するの件(議院運営委員長提出)を議題とすることに御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  117. 河井彌八

    ○議長(河井彌八君) 御異議ないと認めます。  本件は、委員長要求の通り、委員会の審査を閉会中も継続することに御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  118. 河井彌八

    ○議長(河井彌八君) 御異議ないと認めます。よつて本件は、委員長要求の通り決しました。(閉会中というのはおかしいじやないか、五月まであるぞ」と呼ぶ者あり)  この際、休憩いたします。    午後五時十三分休憩      ―――――・―――――    午後五時三十三分開議
  119. 河井彌八

    ○議長(河井彌八君) 休憩前に引き続き、これより会議を開きます。  次会は、明日午前十時より開会いたします。議事日程は、決定次第公報をもつて御通知いたします。  本日は、これにて散会いたします。    午後五時三十四分散会      ―――――・――――― ○本日の会議に付した案件  一、日程第三 国会法の一部を改正する法律案  一、日程第一 国務大臣の演説に関する件(第三日)  一、日程第二 中央選挙管理委員及び同予備委員の指名  一、畑地農業改良促進対策議会委員の選挙  一、北海道開発審議会委員及び同予備委員の選挙  一、検察官適格審査会及び同予備委員の選挙  一、鉄道建設審議会委員の選挙  一、国土総合開発審議会委員の選挙  一、海外砂地地帯農業振興対策議会委員の選挙  一、湿田単作地域農業改良促進対策議会委員の選挙  一、日本ユネスコ国内委員会委員の選挙  一、公職選挙法の一部を改正する法律の施行に伴う関係法律の整理等に関する法律案  一、地方公共団体議会議員及び長の選挙期日等の臨時特例に関する法律案  一、議員の運営に関する件の審査を閉会中も継続するの件