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1954-03-02 第19回国会 参議院 決算委員会決算審査に関する小委員会 4号 公式Web版

  1. 昭和二十九年三月二日(火曜日)    午前十時三十六分開会   ―――――――――――――   委員の異動 三月一日委員長谷山行毅君辞任した。   ―――――――――――――  出席者は左の通り。    委員長     谷口弥三郎君    委員            松平 勇雄君            飯島連次郎君            奥 むめお君            岡  三郎君            東   隆君            山田 節男君            菊田 七平君            平林 太一君   政府委員    農林省農地局長 平川  守君    運輸大臣官房会    計課長     辻  章男君   事務局側    常任委員会専門    員       森 荘三郎君    常任委員会専門    員       波江野 繁君   説明員    林野庁指導部林    道課長     藤本 和平君    水産庁生産部漁    港課長     林  真治君    会計検査院事務    総局検査第三局    長       小峰 保栄君   ―――――――――――――   本日の会議に付した事件 ○昭和二十六年度一般会計歳入歳出決  算(内閣提出) ○昭和二十六年度特別会計歳入歳出決  算(内閣提出) ○昭和二十六年度政府関係機関決算報  告書(内閣提出)  (補助金関係批難事項に関する件)   ―――――――――――――
  2. 谷口弥三郎

    ○委員長(谷口弥三郎君) それでは只今から第六回決算審査に関する小委員会を開会いたします。  本日は前回に引続きまして国庫負担法による補助金及び農林水産業施設災害復旧事業費国庫補則の暫定措置に関する法律に基く補助金につきまして、不当事実の発生原因及びその防止対策につきまして、先ず農林省関係の補助金問題につき、二十六年度検査報告の五百二十三号から七百七十一号及び八百七号から八百二十九号を一括して議題に供したいと存じます。  先ず専門員の調査に基きまして問題の所在点の説明をお願いいたします。
  3. 森荘三郎

    ○専門員(森荘三郎君) 農林省関係の問題は、只今小委員長からお述べになりましたように、いろいろな法律に関係を持つておりまするが、一番中心になりまするのは、農林水産業の施設災害復旧事業費国庫補助の暫定措置に関する法律、これが最も主なものでありまして、主として農林省本省の農地局あたりに関係の深いものでありまして、なお、そのほか林野庁とか水産庁とかいうところにもおのずから関係が及んで来るわけでございますが、この二十六年度に出ておりまする多数の批難事項、これは検査報告の百六十頁と百六十一頁との間に挾み込まれてありまする一覧表で御覧の通りの結果が現われております。そうして、その内容を聞いてみますると、もうどれもこれも皆同じことで、特に一件々々、これはどういうわけで、こうなつたかということを聞いてみるまでの必要はないのではあるまいかと思われるのでございます。結局は皆同じことのように思われるのであります。それで今日まで相当の回数を重ねまして専門員室で農林当局の御出張を願い、又検査院の関係方面からも御出張を願いまして、一緒になつて研究をいたしました結果をガリ版刷にいたしまして、そこへお配りいたしておりまするようなわけでございます。「補助金に関する不当事項に就て各論(二)」と書いてございます。  各論の一と申しまするのはすでに二、三回に亙りまして建設省及び運輸省について主として国庫負担法と称せられるものを中心にして研究をいたしたものが各論の一なのでございます。  只今ここに各論の(二)と申しまするのは農林省を中心とする補助金に関する、通例これを略して補助法と申しておりまするが、この補助法を中心として書いたものなのでございます。それで先ず最初にこの補助金に関する事務処理、どんな事務の手続をとられるかということを第一頁の(a)といたしまして一から九まで書いておきました。次に第二頁の(b)と書きましたところに不当事実発生原因を大別いたしますると二種類になる、その一つは工事の査定そのほかまだ仕事を始める前の事前の審査が不十分なことに原因するもの、次にはすでに事業を始めました上でその監督の不十分、その他工事の施行上の欠陥によるもの、こういう二種類に大別されるかと思われるのであります。そこで三頁の(c)というところに不当事実の発生原因及びその防止対策といたしまして、先ほど申しました通り多数のものが集つて話合いましたその問題の所在点というべきところのものを掲げまして御参考に供したいと思つたのであります。  それに先立ちましてこのガリ版刷の第一頁の一番初めのところにちよつと注意を引いておきましたが、一番初めのところであります。  「農林水産業関係については、補助工事の受益者は、具体的に個々の農民等である場合が多い」ということ、それは逆に申しますると、建設省や運輸省などでやります大きい工事は国民全体が、国民全体では余り大き過ぎるかも知れませんが、とにかくその地方の人々全部がその受益者とも言うべきわけでありますが、農業の場合には、個々の田畑が荒されたとかというようなわけで、一人々々の農民が直ちにその受益者になるという場合が多いということが一つの特色と見られるのであります。それから又事業主体には組合などのごとき小規模の団体が多い、例えば二十六年度の検査報告の百七十頁あたりからその前後のところを御覧下さいまして、上から四段目に書いてあります事業主体がどんなものかというところを御覧下さいますればわかりますが、非常に小規模な団体が多くて、一部の経費負担でさえも困難なものが多いということが農業方面の一つの特色なのであります。それを先ず最初に申上げておきたいと思います。  それから次に農林省におきましては、検査院からの注意もあり、又自発的にいろいろ考えるところがありまして、刷新要綱というものを作つてすでに実行に移しつつあるということでありまするが、その刷新要綱というものをどの程度に農林省ではすでに実行に移されておるか、或いは実行したいとは思つておるが、まだ何かの理由で手が着いていないというようなことでもありますか、あとで又当局から御説明のときにその点をはつきりと述べて頂きたいと思います。  なお、それからこの前に建設省なり運輸省なりについて申しましたように、昨年のことでありまするが、会計検査院からこういう補助事業につきまして、いろいろな欠点があるので、適当にそれを改めなければならないという注意書が検査院長及び事務総長から当局のほうへ出ております。その検査院の御意見も又あとで承わりたいと思いまするし、それに対する当局の回答とでも申しましようか、農林省関係ではまだこれに対する回答は出ていないそうでありまするが、大体併し心構えだけはもうすでにできておるというふうに聞いておりまするので、それらについてもあとで御説明を願えれば幸いと存じます。  それでは元へ戻りまして、不当事実の発生原因及び防止対策というものにつきまして、先ず最初に計画概要書を提出する、その計画概要書の内容につきまして、補助金を受けたいと思うところの府県、市町村若しくは小さい組合などは計画概要書を作りまして、それを都道府県を経て主務省へ進達をするという順序になつておりまするが、この際主務省と申しまするのは、実際は全国に数カ所設けられてありまする農地局、その農地局長のところへ進達をするということになつておりまするが、その際、都道府県ではただそり書類を受取つてまとめて送るだけで、いわばトンネルのような仕事をするだけで、内容について実質的に審査をしないのかどうなのか、その辺のところが必ずしも実際の事情が明瞭でなく、又府県によりましても、その係官の心持次第で多少審査をしておるところもあるようでありまするし、又全然通り抜けというところもあるようでありまするが、その点についてもう少し……、先ず最初に府県で以て一応内容を調べて、嘘のような、或いは事実からえらくかけ離れたような計画申請書が出て来ないように調べたならば、不当事項が余ほど減少することには役立つではないかと思われる点がありまするので、それが問題の一つの点だろうと思います。殊に先ほども申しました通り農林関係のほうでは事業主体が町村とか組合その他の小さい団体である場合が多いのでありまするから、その辺で以て作ります計画書というようなものは、大抵は県の農地事務局などが、県内各地にありまするが、その係官の者に頼んで捕えてもらうというのが恐らく実情だろうと思われます。そうすれば、丁度それらの書類を県で以てもう一度調べるというようなことでもしたらば、どんなものだろうかと思われる点が多少あるのであります。  次に主務省において工事費を査定する場合に、実地調査をよくやるかどうかという問題でありまする。この場合にも主務省と言いまするのは、実は全国数カ所にある農地事務局のことであります。その農地事務局が直接に現地を見まして、その上でこれを許す許さないを決定するという場所がございます。それにつきましては、先ほども申しました刷新要項というものに一定の方針を定めておられるようであります。直接主務省から行けない所には、府県の職員を派遣して実地調査せしめるという計画のようでありまするが、さてこれが経費、人員の不足のため、考えはいいにもせよ、実際において入手が足りないというようなことがありはしないかどうか、本当によく行われておるかどうか、なお、これにつきまして府県の職員に調査せしめるということを言つておられまするが、この法律施行令の第三条、この法律につきましては必要な部分を別紙に抜書きいたしまして御参考に供してありまするが、施行令の第三条で見ますると主務省自身において審査をするというふうになつておりまするが、府県の職員を利用するということは方法としてはいいことと思われまするが、然らば施行令などを改正してかかるというような必要もありはしないか、法律をそのままにしておいて、実地の運用を、法律違反の運用をするということも余り褒めた話ではないと思われるのであります。  次に工事の指導監督という問題に入りますが、事業主体、特に先ほどから申しましたように、事業主体には町村、組合、その他の小さい団体である場合が多いのでありまするが、そのような事業主体がその工事を請負にでも出しますと、請負師がやつておりまする工事を十分に指導、監督するだけの能力があるかどうかということ自体が問題になります。若しそれが思うように行かないというのであれば、何とか方法を改めるよりほかはないのじやないか。或いはこれを府県に委託をして、府県の手でやつてもらうとかいうようなことも一つの方法ではないか。  なお、多くの不当事実としまして、検査院から指摘されておりまするものの中には、設計変更の手続を取りさえすれば何も問題はないのに、それをせずにおるものでありまするから、当初の設計書と、でき上つたものと非常に違う。これは不当だ、というようなものがあるように見受けられまする。こういう場合に、設計変更の手続を厳重に取らせることは必要でありまするし、それがためには法律の中にも厳格な規定があるのであります。それを実際に守らせるためには、特にどんなふうに注意すべきか。又知事は、法律の第六条によりますれば、市町村の工事については、その工事の指導、監督をするということになつておりまするが、知事は果してこれを十分に行なつているかどうか。なおそれを十分に行なつていないとするならば、これを十分に行わしめるためには、何ほどの経費、人員を更に必要とするであろうかという問題も起つて来るようであります。人手が足りないままで監督をしろといつても、実はできないことは初めからわかつておる次第なのではないかと思われます。  なお指導監督につきましては、府県知事がこれを行いまする以外に主務省自体が行う指導、監督というものがあるわけでありまするが、これ又各地にありまする農地事務局はそれを十分に行なつているかどうか、これも多少の問題ではないかと思われるのであります。  さて、次にいよいよその工事が終りますれば、事業主体はこの工事を引取つて、その代金を支払うというところへ入りまするが、ここに十分こうしたところの工事に対する事業主体の検収という問題が起ります。これが果して厳正に行われているかどうか、ここでしつかりと工事を調べて目論見書と、それから実際の工事とよく照し合せて見るというようなことをやりまして、その上で初めて金を払うというふうにでも厳密に行われますれば、でき損いの工事がそのまま打つちやり放しになつているということはないわけでありまするが、どうもこれが不十分ではないか。殊に先ほど来申しまするような小さい町村や組合などの場合に、検査能力さえもあるかどうか、技術者でなければわからないのですが、小さい組合などにそんなに相当もののわかつた技術者がいるかどうかということが問題になります。  次に竣工検査、補助金の精算、この最後の段階に入るわけでありまするが、先ず事業主体が市町村でありまする場合には、工事ができ上つた、そうすれば出来高調書というものを市町村から府県のほうへ提出しまして、そうして補助金精算の要求がなされるわけでありまするが、ここに府県に提出して、と申しましたその言葉は、これを法律的に申しますると、支出負担行為担当官のところへ提出するということになるわけでありまするが、実際その人を指しますれば、各府県の農地部長でありまするが、その農地部長がよく竣工検査を行つた上で、精算をしているかどうか、実地を見に行つて一々検査をし、必要な場合には破壊検査までも行う程度に竣工検査を厳重にやりまして、その上で初めて清算ができるはずでありまするが、検査もろくにしないならば、精算はできないはずじやないかという問題があるわけであります。多くの場合に各府県の農地部長即ち支出負担行為担当官なる者は、通例書類を見て判こを捺しているだけというような、自分自身の責任を十分に尽しているかどうかということについての疑いがあるようにも思われるのであります。  ちよつとここで話の途中でありまするが、私の申し方が不十分でありましたので、誤解を避けるために一言付加えまするが、今申しておりまするのは、竣工検査という問題で、事業主体のほうから、でき上りましたからという出来高調書を出して、そうしてお金を貰つて来るというところを言うのでありますが、もう一つ前に申しました検収ということ、それは事業主体、即ち町村とか、組合とか或いは府県とか、事業主体そのものが、請負にでも出しましたその仕事がうまく行つておるかどうかということを調べる、事業主体と請負師との関係、こういうふうに御了解を願いたいのでございます。  それから今の同じ問題でありまするが、事業主体が府県であるというような場合には、支出負担行為担当官と言われるところのその農地部長、農地部長と言いますれば、府県の職員であり、支出負担行為担当官と申しますれば、国のほうから国家事務を委任されておる国家の官吏という立場に立つわけでありまするが、その人が事業主体たる府県のために検収をする。それと同時に自分自身が担当官という資格で府県から届出たところのものを自分自身が国の役人の資格で以て竣工検査を行うという、理窟を申せばそういうふうになるわけでありまするが、この場合に一体同じ一人の人が二つの資格を兼ねておる。担当官としての資格を十分に理解をしているのかどうか、これは前にも申上げましたが、その辺の関係が非常に不明瞭、法律自体が不明瞭であり、従つて又その局に当つておりまする人が必ずしもはつきりとはその意味を理解していない。ただもうあり来りのまま書類を整理しているに過ぎないというように思われるふしがあるのであります。なぜかと申しますると、これは前回ほかの省について問題が提供されました通り、この補助に関する法律、それから別に会計関係の法律がいろいろありまするが、この二つのものの間に連絡なく立法されておるというふうに言われておりまするので、この補助法だけ見ておりますると、これで筋がよく通つたように見えますけれども、会計関係の法規へ照して見ますると、どうもあちらこちらに連絡が欠けておるというふうに見えるようなのであります。特にこのことは会計検査院の方面において厳しく言つておられる点でありますが、若しそうだとするならば、法律の改正を適当に行わなければならないのではないか。不都合だ不都合だと言つてばかりおりましても、根本の法律をそのままにしておいたのでは百年河清を待つがごとしというようなことになるのではないかと思われるのであります。  なお、刷新要綱を見ますると、例えば府県自身が行う事業及び仕事が大きくて事業費が三百万円以上もかかるというような町村あたりの工事については、主務省自体で実地の検査を行う。それ以外のものについては、府県をして行わしめるというふうに書いてありまするが、実際果してどの程度までこれが行われているか。なお又主務省から、即ち農地事務局から国の官吏が行つて検査を行われるとしますれば、そうすると、府県の農地部長が支出負担行為担当官として国の役人の資格を備えておるわけでありまするが、その人が浮上つてしまいはしないか、その人の立場はどうなるかという問題もありましようし、それから特に今日主題となつております農林水産業補助法につきましては、仕事の内容を見ますると、建設省あたりが主体となつておりまする公共土木施設災害復旧に関する国庫負担法とまあ殆んど同じもので、補助の率が少し違うかどうかという程度の差しかない、つまり、仕事の実態を言えば同じようなものでありまするのに、建設省のほうの仕事では成功認定という規定がありまして、すでに事業は終つてしまつた、その補助金などの精算も実際にはもう終つてしまつておる。ところがその後数年を過ぎてから成功認定と称するものを本省で行う。而もそれが相当早く行われればよいのですが、極端な場合には五年も六年もうつちやりつ放しになつていて、今日なお数年前のものがまだ何にもされていないといつたようなわけのわからん、従つてこれがために責任の所在が不明瞭になる。誰が一体責任を負うのか、そういうような規定があつてそれがどうも公共土木施設の災害復旧法の上の一つの欠点じやないか。つまりこういう仕事をやりまする人は、技術関係の人がやつておりまするが、技術関係の人から見ますると、技術第一主義とでも言いましようか、仕事をとにかく早くやらなきやあならない。会計経理のあと始末のごときはこれはもうそのうち暇があつたらやつておけばよいというところの、技術第一主義という方面へ走ることからして、こんなふうなものが今日残つておるのじやないかという疑いがあるのでありまするが、幸いにも只今問題となつておりまする農林水産業補助法には成功認定という制度がなくて、もう仕事が終るなりすぐさま検査をして直ちに補助金の精算に移るというふうになつておりまするが、どうも私どもの眼に映るところでは、この農林省のやりかたのほうがよいように思われます。然るに建設省あたりの人に聞きますると、いやそれではいかん、飽くまでも成功認定という方法がなくてはいかんと言われまするが、若し成功認定が必要だとするならば、農林方面ではこれをなぜおやりにならないかという反対に疑問が出て来るわけなのでありまするが、これはこの二つの法律、簡単に申しますれば、建設省関係と、農林省関係とのこれらの法律をよく統一のとれた最もよいものに作り上げるのが最後の画龍点購とでもいうべき重要な点じやないかと思われるのでございます。そのことを特に注意を引きたいと思つております。  なお、最初に申しました通り本日は農林省各方面全部から御出席になつております。その中の或るものはやはり国庫負担法の関係の方面も若干あるようであります。それらも御質問下さいまする場合には、お答えをする局に当るところの当局が在席されておそように見受けております。  それからそのあとに書きましたものは比較的簡単なものでありまするが、請負業者を選定するについて、その地方のいわゆる顔役というようなものがあつたり、政治的の圧迫があつたりして、随分困ることがありはしないかどうかというような問題。それから農林関係では事業主体が小さい団体であるという場合が多いので、どうしても自分自身の負担を免れて国からの補助金、場合によればそれに府県からの補助金が加わりまするが、それらに依頼してしまつて自分自身はちつとも負担をしない、従つて十分な工事が行われないというような点がありまするが、それらの問題。なお、補助の率についていろいろ又議論が出ようかと思いまするが、余り補助が厚過ぎて、もう殆んど全部を国の補助金でやつてしまうというようになつてもいけますまいが、又余り補助率が低過ぎれば貧弱なる町村の財政では復旧工事ができかねるというような点もあろうかと思われます。  それから直接補助がよいか間接補助がよいか。現在のところでは国から直接に町村なり組合に対して補助をするという方法をとつておられまするが、それでは府県が真中におりながら各町村や小さい団体に監督の権限を十分に及ぼし得ないという欠点がありまするので、その点に注意をいたしますると、国は府県に補助をする、府県は自分の責任で更に市町村補助をする、こういうふうにしたほうがよいのじやないかという一つの問題が残るのでありまするが、聞くところによれば、農林省では間接補助という形に改めたほうがよさそうだというような意見のように聞いておりまするが、果してその場合の利害得失はどんなものか。  なお、災害復旧工事の途中で、まだ仕事が全部終らないうちに重ねて災害にかかつた場合、でき上つた部分だけについての打切精算が行われるわけでありまするが、この場合に工事の進み方、それらを正確に記録でもとつておきませんと、前のものはどこまでどれだけの金を使つたのかわけがわからないというようなことが往々あるらしいのでありまするが、その打切精算を正確に行わしめるのには、殊に小さい町村や組合などの場合、帳簿の整理その他の問題についてよほど厳重にやらなければならない点があるのではないか。  それから二重査定という問題がありまするが、同じ一つの災害復旧でありながら、一方建設省のほうへも願いを出す、又同時に農林省のほうべも願いを出す、どちらか早く許されたほうからお金をもらおうという、そこまでは止むを得ないことと思われるのでありまするが、一つの工事で、見方によりますれば、例えば道路という目でもつて見れば道路でもある。海岸堤防だと思つて見れば堤防でもあるというような場合に、どちらべも補助の申請をする理由は十分あるのでありまするが、一方で許されたならば、すぐさま他方は申請者から言えば取消をするとか、又係の役所から見ますれば、お互いに連絡を密にして双方からお金をやるといつたようなことを避けるようにしなければなりません。極端な場合を考えますると、又実例もあつたそうではありまするが、同じ農林省なら農林省の中で、それぞれ部局が違つて、二つの異なる部局の間に二重の許可が出まして二重の補助金が出た、もらつたほうではそれを黙つておつて、ほかにいろいろなやりたい仕事があるものですから、別に悪いことをした、着服したという意味では勿論ありませんが、ほかにやらなければならない仕事のほうにその金を廻しておつたというふうな例もありまするので、役所役所の間、或いは同じ役所の中の部局の間の連絡を密にするということが心要だろうと思います。御承知のように、とかくこの役所、中央政府などは局が違う、課が違うとなりますると、いわゆるセクシヨナリズムで殆んどその間の連絡がついていない。これらの点は実業界などにおきまして、非常に会社全体を一つの有機体のごとくにうまく運用しているのとは事情が違いまするので、こういうところをよほど今後注意しなければならないだろうと思われるのであります。  それから最後に制裁の問題でありまするが、従来は工事の費用に水増しをしてたくさん金をもらつた、それが万一にも見つかれば、見つかつただけの金を返せばそれでよい、それ以上返す必要はない、見つからなければ意外な儲けものだというようなこ乏になりまするので、要するに正直ものが馬鹿を見るというような結果にもなる。又悪いことをしても何らの制裁がないということになつておるのでありまするが、本当にこういう弊害を除こうとするのには、やはり遺憾ながら信賞必罰という方法をとらなければならないであろう。その場合の制裁方法としましては、現在のようなあんな生温い、見つかつただけのものをただ返しさえすればよいという、そんな方法でなしに、例えば百万円の補助金をごまかしておいたとすれば、それの二倍なり三倍なりの返還金を命ずるというようなことにでも、まあこれはほんのちよつとした譬えでありまするけれども、そういうふうにでもすれば、本当に頭を叩かれた、悪いことをしたものが頭を叩かれるということになるわけでありまするので、そのへんをもう少し考えてみる必要があるんじやないか。  これらの点が今日まで当局の若いかたなり検査院のかたなりにも御援助を願いまして研究をいたしました問題の主要な点なのでございます。
  4. 谷口弥三郎

    ○委員長(谷口弥三郎君) 次に会計検査院から一つこれに対しまして……。
  5. 小峰保栄

    ○説明員(小峰保栄君) 只今専門員から詳細に御紹介がありました、公共事業関係の補助工事の件、そのうち農林省の分でございますが、この種の工事は、先般来建設、運輸両省についての御審査がありましたが、農林省関係が特に問題も多いのであります。検査局にも非常にたくさん、建設省の数倍に亙るものが挙つている、こういう事態にあるわけであります。二十六年度で、私ども実は前二十五年度につきまして、建設省の全国的な検査ということを初めて実施したわけであります。これは原形超過と原形復旧というような問題が新らしい法律によりまして出て参りまして、それを契機として、建設省について初めて四十六の都道府県を一年間に全部歩くということをやつてみたわけであります。全部歩くと申しましても、先般来申しましたように、工事の数で言いますと一〇%か一二%しか見られなかつたわけでありますが、それで私ども思いがけなく、今まで噂などでは聞いておりましたが、具体的にはなかなか掴めなかつたような問題が続々と出て参りました。二十六年度の検査につきましては、農林省建設省と同じ局の中で検査をするということになりまして、二十六年度の補助につきまして、実は初めて農林省に対しましても全国的な検査を実施したわけであります。やりましたのは、四十六都道府県一応歩きましたが、何分にも四万三千も工事がございます。それが工事箇所数で申しますと、約六%弱でございます。金額で申します。と一三%余り、非常に僅かしかできなかつたのでありますが、併しながら大体補助工事は先ほど森先生もおつしやつたように、まあ人間の考えることでございまして、そう悪いことと言いましても、そう何十種類もあるわけではないのでありまして、何百という悪いものの数が見つかりましたが、分類して見ると八種類か九種類になつてしまう。こういうことで、割合に事実を見るのは、まあ簡単では、ございませんが、比較的数の割合には容易に判断できるようなところも得たわけであります。  それで二十六年度には検査報告にもございますが大体分けまして、架空の工事とか便乗工事とか、先ほど特にお話がありました二重査定、疎漏工事、出来高の不足、設計の過大というようなものが、建設省と同じようなものが出て来たわけであります。ところがこれは建設省では発見しないで農林省で発見したわけでありますが、事業主体か正当九自己負掛をしていないというケースであります。これは噂には随分聞いておりました。補助金の範囲内で工事をやつてしまう。そこで本来御承知の通りに、法律上なり予算の上で全額国庫補助というものはあまりございません、原則として……。例外はございますが、三割五分は地元で負担をしてもらわなければいかんわけであります。国が補助するのは六割五分、こういうことに農地関係はなつておりますので、三割五分の負担をしないで、六割五分の範囲内の工事に仕上げてしまう。工事費を値切る、こういうことの具体的な事実が続々と二十七年の後半にわかつて来たわけであります。請負人も三割五分承値切られますと、とてもまともな仕事はしてくれません。値切つた手前十分な監督もできない。こういうことで非常に粗雑な工事が全国に多いということがわかつて来たわけであります。これも噂には随分聞いておりますし、ときには補助金の範囲内で仕上げてしまうのは腕のいい技術者だとさえ言われておるような人でありますが、ともかくもそういうようなことに具体的に細かくわかつて来たのであります。又二十八年の検査、二十七年度の分の検査でありますが、これにつきましては、全国につきまして、今の果して正当な自己負担をしてやつたかどうかという点まで掘下げまして、農林省関係については全部やつたわけであります。そうしますと、驚ろくべき結果が出て来たわけであります。二十七年度の検査報告を御覧願いますとわかりますが、これは会計検査院で非常に固くいろいろ整理をいたしまして、ちよつとでも疑問のあるものは皆な不問にしてしまいまして、本当に間違いのないというものを検査報告に上げるのでありますが、十万円以上のもので千七百五十七件、こういう大きな数がわかつたわけであります。その中で自己負担をしていない、中には自己負担をしないどころか、国庫補助を余らしてしまつたというような悪い事態もございますが、ともかくも自己負担をまともにしていないというものが千五百十五件、千七百五十七件のうち千五百十五件というものがまともな自己負担をしていない、こういうことが実はわかつたのであります。これは非常に私ども驚ろいたのであります。二十七年度の検査報告はそういうようなことで整理をしたわけであります。二十六年度は私どもとしては第一年度で、事実の確認ということも必ずしも十分ではなかつたかと思いますが、これから二十七年度の検査報告に挙げました検査の結果によつてわかりました事実を中心にしてお話を申上げたいと思います。  二十八年の検査でもやはり五・八%、工事数でいいますと五・八%、それから金額で申上げますと一三・四%、こういう僅かのものしか検査できなかつたのでありますが、一応四十六の都道府県を全部お邪魔した、こういうことにはなつておるわけであります。それで大体先ほど申上げましたと同じような分類をいたしますと、二十七年の検査、二十六年度の検査が同じような分類、架空の工事、それから便乗工事、二重査定、疎漏の工事、それから設計通りの出来高ができていない。設計が非常に過大だ、こういうようなものが相当数上つておるわけであります。それから今の特徴といたしましては、事業主体が正当な自己負担をしていない、今度は農林省では、一体その結果、まともな負担をしないためにどういう結果を来たしたか、又その原因がどこにあつたか、こういうようなことも少し突込んで見たわけであります。そういたしますと、まともな自己負担をしていないために、工事が非常に疎漏だつた。もう壊れてしまつたものもある。壊れかかつているものもある。工事ができ上つた翌年に我々が検査に行くわけでありますが、もう壊れてしまつた、或いは壊れかかつているものが全国に四十二件、こういう数が出て来たわけであります。出来高が設計通りのものになつていない、これは手抜がある。これは千百件、こういう大きな数が出て来たわけであります。それから設計がまずかつた、そのために請負人を値切つてみたが、大体まともな工事ができてない、こういうような設計過大、こういうものが三百二十数件、こういうような分類が一応できたわけであります。  それで先ほど専門員からもちよつとそれに似た御発言がありましたが、私どもといたしましても、こういう事態をただ見付けて歩き廻わつていることを何年繰返しましても、これはもう百年河清を待つという言葉がございますが、その通りでありまして、何とかこれを早く直して頂きたい。で、丁度そういうことを考えまして、原因は一体どういうところにあるだろうか、これに対してどうしたらいいだろうかというようなことを考えておりましたときに、丁度昨年の夏の大水害がありまして、それでこのまま放つておきますと、又従来の轍を踏んで、非常に悪いものがあとでぶつかるのじやないだろうか、こういうことで実は急いで原因、対策、こういうものをまとめまして、当局に紹介なり或いは会計検査院等の規定による正式の改善意見、こういうことで昨年の夏にお出ししたわけであります。私どもとしましては昨年の水害というのは全国的に亙りまして非常に大きな金を、国の負担が殖えたわけでありますが、これを何とか今までのような悪い結果にならないように、こういうようなつもりで紹介をお出しするなり、或いは今の改善意見の表示ということをやつたわけであります。その結論的なことはこの二十七年度の検査報告の百六十六頁にございます。  先ずここに対策として書いてございますが、先ず第一に支出負担行為制度の整備、これは先般来もこの席上でも専門員から詳細に御紹介があつたところであります。それから査定がまずい、その査定がまずいために架空の工事だとか、或いは二重の査定だとか、便乗工事だとか、こういうものがみんな交つて入つてしまうわけであります。その主たる原因が机上査定で、これを成るべく少くするというところに帰するわけであります。で、更に高率補助の活用と事業主体負担分を適当なときに融資をする、こういうことも対策として考えられる。それから便乗が如何にも多いのであります。あとでちよつとその後の検査の状況を申上げますが、便乗がいかさま多い。こういうようなものも査定を厳重にすれば減るということを考えたわけであります。それから先ほど車門員からもお話がありました通り、農林省関係が建設省関係あたりに比べて特に悪いのは、事業主休が小さいということが一つの大きな原因のように見受けられるのであります。建設省や運輸省の工事は一番小さい事業主体が町村でありますが、ところが農林省は町村というのは大きいほうでありまして、農業協同組合であるとか、土地改良区、或いは個人の共同施工、こういうようなものが相当に多いのでありまして、検査報告の批難を御覧願いますと、この種の小さい事業主体が担当したものに特に問題が多いということが言えるのであります。それから実施設計がどうも甚だ適正なものができておらん。査定のときにはこれは非常に急ぎますもので、ざつとした設計ということになり勝ちなのでありますが、実施のときには現地に即したという点で細かい設計をしてもらわんと困るのでありますが、実施設計をやつておることになつておりますが、実際は机上査定のときの設計をそのまま実施設計に表紙だけ変えてしまう、こういうような例もあるのであります。そのためにいろいろな不当な結果を生んでいる、こういうところも実施設計を完全にやつてもらう。それから不誠実な事業主体、及び請負人、こういうものに対して何らかの制裁方法を考えるべきじやないだろうか、補助取消し、或いは請負人の指名停止、すでにこの請負人の指名停止などは県によつては相当きつくやつているところもございます。それから査定と並んで一番大きいものは、工事監督機構の充実、これが一番大きな原因のように思われるのであります。結局府県なり国の監督機構というものを充実して頂かなければいかんのじやないだろうか、これは事業主体がまともな工事を自発的におやりになるような時代が来ますと、監督機構なんというものは、これは相当現在のように貧弱なものでもいいわけでありますが、今のところやはり監督を強化して行かない限り、どうも駄目じやないか。こういうことで、大体大きいところはそういう事項があります。それだけよくやつて頂きますと、今の不当工事というものは大部分が消えてしまうのじやないか、こういうふうに私どもとしては考えておるわけであります。  先ず第一が査定でありますが、これは甚だどうも農林省のかたのおいでの前で言いにくいことでありますが、私ども農林、建設、運輸、こういうものを同じ目で、同じ方針で検査いたしますが、そういたしますと、実は農林が一等悪いのであります。査定なども、建設も今まで子の席上で随分いろいろ御質問がありましたし、御批難もありましたが、それにも増して農林省は悪い。これは率直に申上げますと、そう言わざるを得ないのであります。あとで御紹介いたしますが、二重査定などで随分ひどいのでありますが、同じ農地局内で査定していながら、例えば耕地整理と災害復旧がダブつている、こういうような例もございます。それから査定のやり方につきましても、机上査定というものが旧態依然としておる。建設省はこの前にもお話がございましたが、一昨年までは二割見当しか実施査定をやつておりません。昨年は大災害地につきましては、緊急査定の部分は殆んど全部現地査定をやつておる。そうして全国平均でもこの前御紹介がありましたように、六割五分の現地査定をやつておられるのであります。私どもも現在査定の欠陥を早く直して頂くという意味で、去年の災害のひどかつた所を相当馬力をかけて現在やつておるのでありますが、今建設省が現地査定を非常に強化されて、これは我々がやかましく申上げたことも一つの原因だと思いますが、ともかく建設省は大部分の工事は、昨年のものについては現地査定をやつておる、これがはつきりもう現われております。ところが農林省は依然として従来のごとく二割以下のような状態であります。これがやはり私どもがあとから見て廻りますと、その結果が建設省と格段の相違がもうすでに出ております。これは二十八年度の検査もいずれこの席上にも出るかと思いますが、一体どうして建設省で六割五分なり何なりができるものが未だに農林省では二割内外であろうかという点も私どももよくわからないのであります。建設省は非常に努力をされたという点は事実でありますが、ともかくもそれが便乗工事の防止とか設計過大の防止というような点に、私どもは若干の県を歩きましたところでは、はつきり出ております。農林省も是非一つ、どういう点に欠陥があるのか、これは研究を要すると思いますが、もう少し机上査定というものを一つ積極的に減らして頂きたい。これがはつきりと今の便乗工事というような点にすぐに現われて参ります。建設省の検査結果と農林省の検査結果を、若し御質問がありますれば、最近の調を御紹介してもよろしいのでございますが、農林省の最近の検査は驚ろくべき――これは最もひどい例でありますが、或る県に対しまして百二十億の災害復旧費の査定をしておる。私どもが参りまして、従来一三%か、そこらしか見られなかつたのが、四十七億というものを検査して見たのであります。そうしますと、もう十六億ぐらい減らしておる。そういうようなことが具体的に出ております。これは十六億というのは当局が御納得になつた数字であります。四十七、八億のうち十五億も十六億も減らすというようなことが、これはもう工事の出来高は、まだ工事ができておらんやつでありますから、結局査定が悪かつたという点を繰返さざるを得ないのでありまして、こういうような驚ろくべき結果が最近の検査ではわかつておりますが、これらのところは少し査定の強化ということを考えて頂きたい。それから建設省は前にも御紹介がありましたが、中央で河川局の防災課というのが僅か四十七、八人くらいの人でありますが、これで全国のをやつております。農林省は出先の農地事務局、全国に六つございますが、そこの災害復旧課というところで査定をやつております。全体の人数を集めますと、恐らく建設省よりも遥かに多いのであります。こういうやり方でいながら、どうも査定の結果を見ますと、誠にいやなことを申上げて恐縮でありますが、そういう結果になつておる。これは一つ是非何とかお考え願わんといかんのじやないだろうか、こういうふうに考えております。  それから査定の結果による不当工事なり不当経費というものは、非常に多いのでありますが、査定のやり方としてこれも建設省ではこういうことけ余り見受けませんが、非常に厖大な査定をお付けになるという例が会度ありますが、今までも相当顕著なものがあります。これは検査報告に書いてございます。二十七年度の百六十七頁でありますが、ここに山口県の佐波郡の出雲村、これは二十四年災だつたと思いますが、七億八千万円を一つの村につけております。これはちよつと御覧になると何でもないようでございましようが、これは人口五、六千の小さい村であります。それから村税の一年間の収入が五、六百万円、大体日本の農村というのはそういうのが多いのでありますが、村の一年間の税収が五、六百万円よりも以下のところに七億の査定をつけておる。成るほど災害も大きかつたのです。これは事実かも知れませんが、それを私ども検査しましたところによりますと、相当水増しがあつたのであります。同じ佐波郡の八坂村、五億三千五百万円、こういうものを一体村が受けましても、とても消化できるわけはないのであります。これは七億というか、五億だというような査定をつけますと、今までの自己負担というものが、少くともこれは高率補助にはなりますが、数千万円というものを自分で負担しなければいかんのであります。結局不正工事ということに、相当負担をしませんとそういうことになりますが、こういうものをつけてつけつばなしでありますが、今までもこれはやはり災害が大きかつた場合には、一村で四億、五億という例が必ずしもないわけじやないのであります。昨年の災害なんかでもやはり一村で二億、三億というのが相当ございますが、こういう場合には、自己負担分についてもやはり当局が何とか一つ御斡旋願いたい。これは農林中金から融資するとか、いろんな方法があるのでありまして、建設省関係なんかで非常に成績のいい県もあるのでありますが、そういうところは大体資金運用部資金を早く斡旋を受けて、とにかく工事をやつているというところが多いのでありますが、こういう大きな査定の結果、言い換えると、非常な災害を受けた場合には、とても自分のところでは何千万円というような負担を出すことはできないのでありまして、こういう場合には一つ査定のしつぱなしをしないで、自己負担分の資金の斡旋ということまでお考え願つたらどうだろうか、そうすると、いい工事ができるのでありまして、但しそれを適当なときに、適時に現金が届くように御配慮願わなければいかん、こういうわけであります。山口県の例でありますが、八千万円ほどの自己負担をそれをぐずぐずしておりましたために、地元では値切つてしまつて国庫補助金だけで工事をやつてしまつておる。そこで工事を請負いに出してしまつてあとで、八千万円が届いた、とても使いようもないというので、検査に参りましたときに、この八千万円を預金にしてしまつておつたという例もございます。これはすぐに還してもらつたわけでありますが、これら資金の斡旋ということも是非お願いしたい。同時に適時にやつて頂かなければいかん。こういうわけで、ここに特に適時という字を書いたわけであります。こういうふうに一億以上、二億というものは幾らもある。今山口の例を挙げましたが、大阪にもございました、愛知県の幡豆郡の福地村、三和村、これなんかも大きいわけであります。これなんか非常に大きい二重査定であります。これはあとで御説明申上げますが、同じ農地局内で耕地整理と災害復旧の二重査定をやつて両方で同じような補助金をつけてしまつておる。その結果かも知れませんが、一村で二億近い査定がついておるというようなことでありまして、こういう点は誠にどうも私ども検査いたしまして驚いたわけでありますが、こういう点は一つ十分お考え願つた上で査定してもらわなければいろいろな問題が出て参ります。それから昨年の大水害のときにおきましても、地方によりましてはこの二重査定というものが非常に多いのであります。一本の河をそつくり農林省建設省で査定をつけてしまつておる。それが四千万円以上の二重査定というようなものが、今まで例になかつたものが、今度は幾つか見付つておりますが、こういう点も各省間の連絡、殊に今申上げました愛知県の福地村、三和村は同じ農林省内の同じ農地局の二重査定であります。こういう点の連絡も十分お考え願わなければいけないと思います。  それから大体農林省は今年は非常に数が多いので、農地局関係と水産庁の漁港関係、それに林野庁林道この三つに分けて検査報告に載せてあります。  先ず第一に農地局関係であります。百六十七頁からずつとございます。これは先ほど申上げました架空工事、便乗工事が一通り農地局関係で出ております。そのうちの代表的な事例五件ほどここに文章で書いたわけであります。非常に件数が多いものですから、表にいたしまして、あとにたくさんつけておりますが、なんぼめくつても農地局が出て来るというようなふうに数が多いのであります。そのうちから代表的な、先ほど私申上げました架空とか或いは二種査定とか、便乗とか、こういうものにつきまして一つ一つ代表的なケースを百六十九頁以上に書いたわけであります。  先ず(1)として秋田県の例でありますが、これは架空工事二十九万円ほど、小さいのでありますが、それ以外に設計が過大であつた、或いは出来高不足であつたとかいろんなものが混淆している例でありますが、これなんかは相当に大きいケースであります。最初に二十九万円の架空工事は災害を受けておらないのに、災害を受けたものとして補助金を取つてしまつた。それから水路の断面の設計を非常に小さいものを作つておつた。結局のところ工事費は国庫補助金以下でやつてしまつて、地元は四百二十万円負担することになつていたが、それもまるきり負担しないばかりでなくて三百三十二万円補助金を余らしてしまつた、こういうようなケースであります。誠にどうもこういうものが相当にあるというのはどうかと思わざるを得ないわけであります。  それからその次の(2)が愛知県の例であります。これは高潮災害復旧地盤沈下対策、区画整理、この三つをやつておるわけであります。そういたしますと、さつき申上げましたように、区画整理災害復旧がダブつている。これは割合別々の設計をいたしますとダブるのでありますが、例えば区画整理で道路を作るときに泥をほかから持つて来る。その掘つて持つて来るのが丁度災害復旧で溜つた泥、こういうことになりますが、そうしますと、そこできれいにダブつてしまうのであります。水路に泥が入つてその泥を使つて堤防の蒿上げをするとか、或いは区画整理をするというようなときに、災害復旧のほうでは泥をほかへ捨てるというような設計をしておるわけであります。ところが耕地整理なり高潮対策では何キロも先から泥を持つて来る、こういうような設計によつて別々な課へ出すわけであります。そうしますと、両方の間の連絡がございませんから、両方ともオーケーということになつてしまつて、災害復旧の捨てる泥をそのまま耕地整理なり高潮対策の地盤の蒿上げに使つた。これなんか二重査定の手のこんだほうであります。同じ農林省の同じ農地局であるが、課が違うところでやるので、こういうことになるわけであります。こういうところを連絡をつければ、二重査定というようなものは少くなるわけであります。これなんかもこのために地元としては大きな工事でありますのに、自己負担をまともにしておらんわけであります。  それから(3)、これは京都の例でありますが、これは設計過大の例であります。災害で河から押上げました泥をそのまま耕土として使つておるというのがありまして、設計ではこの泥は一応捨ててしまつて、新しい耕土を持つて来るという設計にしておつたために、その村ではやはり相当の金を余しております。千四百万円の国庫補助金の交付を受けて、そのうち百六十九万円というものは余してしまう、補助金以外で仕事をしてしまつた。こういう例もあります。  (4)は大阪の溜池の粗漏工事でありますが、大阪、和歌山辺は非常に溜池が多いのでありますが、あの溜池は非常に私どもが見ておると危いのであります。あの溜池が決壊して大災害を起しましたが、ああいうものがちよいちよい起きるのではないかという、ぞんざいな工事をやつているのが多いのであります。九十七万二千円で溜池の堤とうを復旧したのでありますが、行つてみますと、九十七万円の設計がたつた十七万五千円しか使つてない。これなんか非常にひどいのでありまして、九十七万円かかるというので補助金をもらつた。ところが補助金が六十三万円であります。実際には十七万五千円しか使つてない。ちよつくと直しただけです。これはどうかと思いまして、非常に危い、又あとやられる虞れがありはしないか。これは災害を受けていないのです。災害を受けたと称してやつたのであります。私どもは十七万円、いかにもひどいからといつて、いろいろ手を尽して調べたのでありますが、どうもこれ以上殖えなかつたのであります。  それから(5)は、溜池が、一部が壊れたわけでありますが、それを直すといつて補助をもらつたのでありますが、実際は壊れていなかつた。そして堤とうを蒿上げしまして貯水量を殖やした。もう一つ別に満足だつた溜池を潰してしまいまして、そこに中学校を建てた。中学校の敷地にしてしまつた。結局災害を受けないのに災害を受けたとして、二つ分に相当する溜池を作り直したわけであります。一つのほうは埋めてしまつて、中学校を建てた、こういうケースであります。いろいろな便乗の中には随分ひどいのがあります。学校プール農林省補助をもらつて温水溜池だと称して作つたというような例もあります。これは或る県、二つほどの県で見まして、私どもどうも学校プール農林省補助で作られては、これはかないませんので、全国に波及しては大変だということで、いろいろお願いして、これは波及を防いでおる、こういうような実情であります。農地関係はそのぐらいにしておきます。これはいろいろなケースがありますが、今のようなものが代表的なものであります。  次に簡単に漁港施設を申上げます。二百五十七頁に漁港がございます。これは三件ほど顕著な、代表的なケースを挙げておきましたが、漁港を検査して歩きまして、私ども特に感じたのは、漁港は実査が非常に多いのであります。これは本省の事務局に任しませんで、水産庁が直接おやりになつている実地査定が非常に多いのでありますが、どうも私ども検査して参りますと、結果が面白くない。査定のやり方が非常にぞんざいという印象を検査に行く者が皆受けておるようであります。従いまして漁港につきましては、運輸省あたりに比べますと、遥かに多数のものが批難される、そして而もその中に相当質の悪いのがあります。こういうことが全体として検査の結果受ける印象であります。  それから二百六十七頁に林道を中心とした山林施設を挙げております。これにも二つほど代表的なケースを抜きまして書いてありますが、林道の検査をしておりますとき、殊に感じるのは、便乗工事が非常に多い。と申しますのは、林道は御承知のように市町村道と違いまして、公共的な色彩が薄いのであります。私道に近いものであります。山林の所有者なり、組合なりが伐つた木を出すための道でありまして、公共的な色彩は薄い。そこで改良的な補助はないのであります。災害復旧だけは補助がある、率は低いのでありますが。そういたしますと、ちよつとした災害を受けるのを待つているんじやないか。災害を受けますと、それつというわけで、一緒に改良部分を突つ込んでしまつて査定を受ける。これも林野庁関係の査定は非常に実地査定が少いのでありまして、例えば従来、今までの林道は、大体荷馬車を標準に作つたものが多いのであります。これは昭和の初めにできたのが多いのでありますが、現在はトラックが入らない。こういうようなものが林道には多い。それでちよつとした災害がありますと、崖崩れしたり何かすると、全部道幅を拡げてしまう、こういうようなケースが割合多いのであります。私どもとしては、トラックが入らなければ困るということは確かであります。何とか補助をこれにつけるわけには行くまいか、丁度私道に国庫補助がないのと同じでありますから、補助の範囲を拡げるわけには行くまいか、何とか長期資金の斡旋ということをお考えになつたらどうか、林道というものは一般の公道と違いまして、収益を生むものでありますから、長期資金を借りて年々収益によつて返して行く。ことは比較的容易なわけであります。長期資金の斡旋ということを考えたらどうかということを当局に申しておるわけであります。  大変長くなりましたが、大体大雑把でございますが、一応検査の結果というものを報告したわけであります。御質問がありましたらお答えいたします。
  6. 谷口弥三郎

    ○委員長(谷口弥三郎君) それでは引続いて当局のほうから、先ず平川農地局長から……。
  7. 平川守

    ○政府委員(平川守君) 誠にどうも、農地局関係が補助金の不当な使い方の代表のようなことになつておりまして恐縮でございます。  いろいろ専門員のかたからも御説明がございましたように、農地関係の災害の件数というものが非常に細かく、数多くありまして、毎年四、五万件は少くともあるわけであります。これに対しまして査定をいたしますところの係官というものは、各農地事務局合計いたしまして約四十名でございます。従いまして到底これが数万件の災害の実地査定をするということは、現在の状態ではできないのであります。災害復旧はいずれも急を要する関係にございまして、時間をかけてゆつくりやるというわけにも参りませんし、従いまして我々といたしましては、先ず二百万円以上ぐらいの大きなものについて実地査定をする。細かいものにつきましては、或る程度机上でいろいろな資料によりまして査定をするということに行わざるを得ないような実情にあるわけであります。併しこれが決していいとは思つておるわけではございませんので、実はどうしたらばいいかということで非常に苦心をいたしておるのであります。そういう点に関係いたしまして、県の力をもつと活用したらどうか。先ほどもお話がございましたような、県に対する間接補助のような形をとつて、県自体が査定をするということにしたらばどうかということを只今考えております。これは終戦後、国が直接に事業主体に対して補助するという制度になつておりますが、県が自分で厳格に査定をするという気持になつてくれまするならば、これは県の職員を動員することによつて、余ほどその点がうまく行くのじやないかと思います。現在の状態でありますと、災害が起りますと、地元のほうでも、これは人情としてできるだけ多くの補助金を取りたいと考える。県のほうでもできるだけ国からの大きな補助金を取りたいと考えるのが実情でございます。これに対して県自体が或る程度の負担をし、県自体も厳正な査定をするという体制をとり、それに対して国が補助するというような形をとりますることが、県自体をして或る程度厳格な査定を行わしめるように、向わしめる一つの方法ではないか、かように考えているのであります。  いろいろの種類の不正のうちで、架空の工事を申請しておるというようなものは、これはもう全く論外でございまして、これに対しては査定を厳重にするということ以外に方法はないと思いますが、これはまあ勿論論外の不正で、こういうものに対してはすべて返還を命じておるのであります。なお例えば昭和二十六年度のいろいろ不当の事項、事案が約一億九百万円ほどございまして、これのうち法律の改正等によりまして承認せらるるものもありまして、全体として八千五百万円ほどの不当な事案があつたわけであります。これに対しましては、すべてその不当の事柄によりまして、例えば架空工事というようなものでありますと、勿論還付を命ずる。それから出来高が不足であるというようなものに対しましては、手直し工事を命ずるというような措置によりまして、少くとも不当のものに対しましては、そういう措置をとつておるのでありますけれども、併しそういう措置をとる事前に何とかしてこういうことをなくしなければならん。それにはやはり査定を厳重にするということは、もうこれは言うまでもないことなんでございますけれども、先ほども申しましたような、非常に多数の案件が、災害のことでありますので一時に起つて参る。而もこれを急速に処理しなければならん。それに対して非常に多くの陣容を擁しておることはできないので、私どもといたしましては、先ほど申しましたような四十人の人間だけでやつておるわけではありませんで、平常そのほかの職務に従つておりますような技術者災害の際には最大限動員いたします。場合によりましては、災害のなかつた県から災害のあつた県に人を応援させるとか、災害のなかつた地方の事務局職員災害のあつた九州方面の査定に応援させるとかいうようなことまでもいたしておりますけれども、何分にも件数と人間との開きがそういう状態でございますので、これを全部実査ということは今の制度ではとてもでき切れない状態であります。  それから災害復旧に名を借りて改良工事を行なつておる。これもやはり査定の問題であると思います。これにつきましては、一つには補助率の関係、それから予算の関係からいたしまして、改良工事方面の予算というものは、補助率も低く、又予算も少いために、なかなか自分の番に当らない。かねて改良工事をやりたいと思つて長年申請をいたしておりますけれども、なかなかその事業が採択にならない。災害でありますと、非常に大きな政治力によつて大きな金が一遍に付く、その中からとることは比較的やさしいといつたようなことから、この便乗が行われがちであります。而も補助率が災害の場合には非常に高いということが、こういうことを行わしめる原動力であろうかと思つております。これを防ぐのに如何にしたらいいかということにつきましても、非常に苦心をいたしておりまして、余りに災害補助金が高率であるということがいけないのじやないか、こういうようなことも一方考えられておる。殊に大蔵省方面ではそういうことを考えております。併し、さればと申しまして、先ほどのお話もありましたように、非常に大きな災害に対して低率の補助金では、村として自己分担では到底賄えない。そこで一方の弊害でありますところの、補助金の範囲内でできるだけ自分の負担を少くして賄つてしまう。これが村長としては腕のよい村長であるといつたようなことが、長年地方では言われておるというような実情もあるわけでございます。どうもこの辺が非常にむずかしいのでありまして、私どもなかなかこの名案がないのであります。要するにこれについて差当り我々のやれることは、査定を厳格にして、災害復旧は原則として原形復旧、又は止むを得ざる場合においてこれに代るべきものに限るという、今とつております原則をそのまま各地区について適用して行くということ以外にないのでございます。  それから二重査定の問題は、これは非常に御批難を受けましたけれども、実は件数といたしましては、地元のほうの側からいたしますと、農林省でも建設省でもやり得るというような場合に、どちらか早くやつてくれるほう、又補助率の高いほうに食いつこうと、こういう考えがあります。又先ほど申しましたように、改良工事のほうがなかなかとつてくれないというような関係で、たまたま災害に当てはまるような場合には、その災害のほうで申請するというようなことがございますわけでありまして、最後まで両方の査定を受けて、両方の補助金をとるというケースは、これはまあ極めて少いのでございますけれども、併し同時にこれは又極めて不当なケースでございます。これに対しては、やはり査定の際、又補助金交付の際に厳重に監督いたすということ以外に方法はないかと思います。  それから施行が疎漏のもの、或いは出来高が不足しておるもの、こういうものにつきましては、これは工事の監督のほう、或いは進行検査の問題として、厳重に監督をいたすということ以外に方法はないと存じます。これが実際の根本的な原因といたしましては、先ほどお話のありましたような、要するに村の負担力と補助金との関係ということが一つの大きな原因であろうかと思います。併し、補助金の範囲内で仕事をして補助金を余しておるなんというのは、全くこれは言語道断の話でありまして、こういうものに対しては、早速返還或いは手直しを命じておりますけれども、これも工事の監督ということで、実際上監督をいたすということ以外に方法はないかと思います。  それから非常に設計が過大であるという件数もありましたようでありますが、これはまあ査定の際に正しい設計をいたすのが当然でありまして、やはりこれも査定能力というものが充実いたしませんと、やはり中にそういう机上査定等の場合におきまして発見しにくいものが出て来るということになろうかと思います。  それから非常に負担力がない、一カ村で何億という大きな工事費の復旧費がついた場合、これに対しては、災害補助金に対応する自己負担分に対しましては、現在でも農林漁業金融公庫の融資をつけることになつております。自己負担分の八割まで融資をつけることにいたしております。なお、それが十分行きませんような場合には、農林中金等からも斡旋をして金を貸すことになつております。まあ金を貸すのが必ずしも適時に行かない、或いは補助金がなかなか適時に行かないという面は、これは事務の運用のまずい点でありまして、これについてはしつかり事務を運用するようにやつて参るということが唯一の方法であろうかと思います。制度といたしましては、農林漁業金融公庫の長期資金も貸せることになつておるわけであります。ただ査定そのものは、どうも法律の規定に基いて東形復旧を前提として査定をいたしますと、たまたま一ヵ村に五億も六億もの被害があるという場合には、その査定は現在の制度ではいたさざるを得ないわけであります。まあ大体そういうようなことでありまして、要するに査定を厳格にする、そのためには現在の職員では非常に不足でありまするけれども、これをできる限り県の力を利用するという形に持つて参る、そのために間接補助というような形にいたしまして、県が自分で査定をし、自分で補助をする、その事業に対して国が又補助をするというようなことにいたしますれば、余ほど県自体の力を活用することができるではないか。それを又中央が監督をするという制度のほうが、直接に僅かの人数を持つております中央が、各地方に対して補助をするということもいいじやないか、この点は制度の問題といたしまして只今研究をいたしております。  それから工事の監督或いは竣工検査というような面につきましては、これも同様でございまして、やはり現在のそういう県に対する間接補助というような形にしますれば、当然県が責任を以てやるということになります。それによつてそれを更に中央が厳正に検査をするというような方法でやつて参つたらどうかということを只今考えておるわけであります。最近県のほうの空気といたしましては、二十六年度の検査から検査院のほうが非常に力を入れて綿密にこの関係を検査されました。そのために各県に非常に大きな不当事項が出て参りました。各県に対しては非常に大きな衝撃を与えました。私どもこの機会に一つそういう弊を一掃したいものであるというので、先ほどもちよつとお話のありまたしような刷新要項といつたものを作りまして、各県に対する査定職員の指導でありますとか、或いはいろいろな運用についての基準を与えますことによつて引締めて参りたい、かように考えております。各県のほうでも、実を申しますと、長年こういうやり方、ルーズな形においてやつて参つたのですが、今度は会計検査院も非常にやかましく注意をされたということで、非常に件数が多いものでありまするので、一挙に翌年から全部きれいになるというわけには行かないかも知れませんが、併し恐らく今後は余ほど県のほうも引締つて参つておりますから、かような不当なことが激減するのではなかろうかというように考えております。かような方法によりまして一つかようなことのないように極力努めて参りたいと考えております。
  8. 谷口弥三郎

    ○委員長(谷口弥三郎君) それでは続いて林野庁藤本林道課長から伺います。
  9. 藤本和平

    ○説明員(藤本和平君) 林野庁におきましても御指摘の通り非常にいろいろな問題がございまして、特に査定について、林野庁林道について現地査定が非常に少いというようなお話がございました。実は林野庁におきましては、林道課が開設されましたのは昭和二十七年からでございまして、二十六年当時におきましては、計画課の一係として僅か九名ばかりの人間林道のことをやつておつたというふうな関係もございまして、非常に林野庁自体の体制も整つておらなかつたことは事実でございます。最近におきましては林道課ができましたので、特に災害の専門の係を設けまして、やつておるわけでございまするが、それでも災害の係と申しまするのは僅か五、六名程度でやつております。甚だ人員的には貧弱な構成を持つておるというふうなことで、誠に陣容の点から言いまして不備なことは遺憾なことでございます。  更にもう少し現地の実情から申上げますると、林道災害というものは帯非常に僻遠の地に起つているということで、現地に参りましても、査定に非常な時間を要する。一人の人間が一日に自動車を乗り廻しまして、駆けずり廻りまして、漸くニカ所か三カ所しか廻れない。ところが昨年におきます災害の実態からみますると、一万何千ヵ所も災害が起つているというようなことで、林野庁の現在の陣容、能力からいたしまして、これを全面的に現地査定に切換えるということが不可能なことは勿論でございますが、それにそういうような状況でございまするので、できるだけ府県の陣容を動員いたしまして、詳細な現地の資料を収集いたしまして、そうして机上査定を全面的に、現在は殆んど設計書、それから写真判定というようなことによりまして、約八割近いものを机上査定に頼らざることを得ない現状でございます。その点につきましては、極力現地査定の増加を図るべく努力はして参りたいと存じまするが、以上のようなことでこれが上りましても、二割、或いは三割ということが限界ではないかというふうに考えられておりますので、先ほど申上げましたように、できるだけ県の人員を使いまして、査定の円滑化を図つて参りたいと考えております。  それから特に指摘されました林道工事関係では、これの拡張、或いは勾配の改良といつたようなものが非常に多いというふうなお話でございまして誠にその通りでございます。つきましては極力融資に切換えて行くという方法をとつておりますが、一面におきましては、戦前におきまする林道というものが牛車、馬車に頼つておつた、最近においてはトラックに全面的に切換えて来ておるという情勢でもございますので、大蔵省並びに会計検査院の方面とも御了解を願いまして、幅員ニメートル以下、牛馬車が通行する、或いは人の背によつて木炭、薪等を運搬しておつた細い林道につきましては、これは開設費を以ちまして、これを自動車道路に直すというような措置を最近においてはとつて参りましたので、この点も将来におきましては、やや緩和されて来るのではないかと考えております。  それから施工主体の問題で非常に零細であるという御指摘は誠にその通りでございます。私どものほうとしましては、できるだけ県営工事に切換えて参りたいという趣旨を以ちまして、一昨年から指導して参つております。県営と市町村宮、森林組合営の関係をずつと御説明申上げますると、大体におきまして現在までのところは県営において僅か工事費にいたしまして一〇%かそこらでございます。それから市町村営工事が三割程度、その他のものが森林組合営工事というふうな関係にございまするので、特に便乗工事その他出来高不足工事がこの森林組合営と市町村営とに集中されて来ておるというふうな現状からいたしまして、極力県営工事に切換えるような指導方針をとつて参つております。  それから二重査定の問題も林道においては非常に起りやすい問題でございます。特に市町村道と林道との関連が非常に入組んでおる。林道で開設いたしましたものを市町村におきましては平衡交付金の算定資料その他に有利にするというふうな関係もございまするが、或いは林道開設後におきまして、直ちに市町村のやはり重要な交通施設としての役割を果して参つておるというふうな関係もございまして、林道補助をいたしまして開設しましたものが、市町村道の台帳に殆んどすぐ載つてしまうというふうな現状でございます。そうして一度又災害が参りますると、又林道台帳に載せまして林道補助金を要求するというふうなことが非常に多いように聞いておるのでございます。この点につきましては極力林道台帳の整備、市町村台帳の整備という、この事務的な整備によりまして、この判別を明らかにして参りたいということで、只今指導して参つております。  なお、特に府県の技術職員に依存しなければならんということでございまするので、府県には大体林道の関係の係が千三百名おりまして、一応人員的には整つて来ておるかのごとく考えられまするけれども、その質的内容におきまして非常に技術的能力におきまして低下しております。これにつきましては極力県独自の講習会等を開催いたしまして、技術能力の水準を上げて参りたい。それからなお林道協会等もございまするので、林道協会の技術講習会もかねて全国で開催して参るような指導方針を只今とつております。  なお、農地におきまして刷新要項というふうなものが発行されて出ておるのでございまするが、林道におきましても同じような趣旨におきまして昨年七月に林野庁長官の名を以ちまして民有林林道補助事業の厳正な実施についてというふうな通牒を出しまして、只今御指摘にありましたような不当工事の減少につきまして昨今まで努力して参つておるような次第でございます。
  10. 谷口弥三郎

    ○委員長(谷口弥三郎君) それでは水産庁の林漁港課長。
  11. 林真治

    ○説明員(林真治君) 私のほうで所管をいたしております漁港災害復旧につきまして、総括的と申しますか、大体のことば農地局長の話でありましたので、重複することを避けまして、ただ異つておりまする点だけを御説明申上げたいと思います。  漁港災害復旧につきましては、農林省といたしましては、やや型が変つておると申しますか、大ざつぱなところで申上げまして、年によつて変化はございますが、一割乃至二割までの間が大体暫定法によりまする災害復旧であります。その他の七割程度のものは公共土木の災害復旧法律によりまして実施される災害であります。即ちいわゆる協同組合の事業主体となつておりまする一割乃至二割のものが暫定法によるわけであります。その他は市町村及び都道府県ということに相成るわけであります。  先ず不正の防止をいたしまする問題の第一点でありまする査定の問題でありますが、先ほど検査院からもお話がございましたわけであります。実は従前大体三割乃至四割程度しか実際の査定はできなかつたのであります。これはまあ御他聞に漏れませんように、人員の問題によるわけでありますが、私の漁港課というもので所管をしておるわけでありますが、大体総人数から申しまして三十人足らずであります。災害の係というものは極めて少数であります。漁港課ですべての問題を、管理に至るまでの問題をやつておるわけであります。従つてその僅かな災害の係を以て査定をやるということは到底できませんので、査定に当りましては、他の事務に携わつておりまする者を全部、殆んど全部これを集中いたしまして、災害の査定のほうに廻わすというようなことでやつておりまして、ようやく今までやつて来たわけであります。最近に至りましては、検査院からもいろいろ御注意を受けまして、とにかく問題の第一点は現地査定にあるということで、まあ言葉が大きいかも知れませんが、いかなる犠牲を払いましても、査定は現地でなるべくやるという方針で、二十八年におきましては、相当な率まで現地査定を実はやつたわけであります。まあ現地査定をやつても成績が悪いというお話もございましたが、ともかく現地査定というものがいわゆる不正或いは不当等の問題をなくいたしまする一番の手つとり早い方法だと考えますので、ともかくも査定というものをなるべくやるという方針ではやつて来ておるわけであります。如何せん、極めて僅かな人員の配置しかありません。これは機会ある毎にこの人員の充実ということについては努力はいたしておりますが、いろいろな問題に絡みましてなかなか実現を見ないで現在に至つておる次第でございます。まあ併しその持ちまする人間の全能力を発揮いたしまして、第一の問題でありまする査定ということに今後も当つて行きたい。  ただここで先ほどから問題の出ました直接補助か間接補助かという問題になるわけであります。これにつきましては、私のほうでもいろいろ研究をいたしました結果、大体農林省の出ました線に沿つて、殊に私のほうとしては、先ほど申上げましたような中央の所管官庁でありまする水産庁の一部において人員が極めて少いという現状もありますので、できるならば間接補助のほうがいいのじやないかという結論に大体達しておるわけであります。  それから工事の途中におきまする監督等の問題でありますが、これも府県の職員の問題にかかつて来るのではないかと考えます。私のほうの漁港災害復旧につきまして府県における所管はいろいろ実はあるわけであります。府県の機構によりまして水産部というものができておりまする所は、水産部のうちに漁港課なり或いは施設課なりというものが、専門にできましてやつておる所もあるわけであります。多くは土木部におきまする河港課乃至は港湾課でやつておるわけであります。河港課、港湾課、まあ港湾課の例をとりましても、そこで運輸省所管の災害復旧もおやりになり、一般の事業もおやりになる、私のほうの災害復旧もやるし、一般の改良事業もやる、その価県の港湾なり漁港なりの管理に関する面もやるというような実情であります。漁港災害でありますとか乃至は修築改良事業を含めまして専門に担当しておるという職員は比較的これも少い実情にあります。これはまあ府県のいろいろな事情によると思いますが、ただ私どもとしては、従前から成るべく充実して頂くように府県には奨励はいたしておりますが、いろいろなやはり問題、定員の問題、財源の問題等がありまして実現を見ない。多くは兼務というような形でやつておるわけであります。まあ督励はいたしております。やつておりますが、これもやはりそういう関係がありますので、査定については、全部先ほどお話がございましたように本庁においてやつておりますが、工事の監督については、府県の人員の関係もありまして、なかなか督励はいたしましても、思うように行かないというのが現状でございます。併し、これもまあ何とか工事執行の途中におきまする監督、指導監督という問題を厳にいたしませんと、御指摘を受けました件数から見ましても、出来高不足という問題が件数といたしましては極めて多いわけであります。こういう問題を解消いたしまするには、やはり成るべく都道府県の監督陣容を強化して頂きたいということを、今後も一つ慫慂いたしまして努力をいたしたいと考えておるわけであります。  御指摘を受けました中で、まあ只今申上げましたように、出来高不足、それから、それにつきまして事業主体の負担不足、こういう問題が一番件数といたしましては多いわけであります。改良的なものが入つて来ておる。要するに改良工事、便乗工事と申しますか、そういう問題は普段からまあ非常にやかましくは申しておるわけでありますが、余りたくさんはそういう問題は起つていないように考えております。出来高不足の問題、これは先ほど申上げましたまあ監督を厳にいたしますということよりほかに差当りこれをなくいたしまする最善の方法はないのじやないかと思います。事業主体の負担不足の問題でありますが、これはまあ先ほど農地局長からもお話がありましたように、地方の実情と申しますか、趨勢と申しますか、これを根本的に是正いたさなければならないというふうに考えるわけであります。従いまして、これらの不当の、或いは不正の事実がありましたものについては、それぞれ還付を命じますとか、或いは手直し工事を命じますとか、或いはまだ継続いたしておりまするもので、その事件のありました翌年に事業が継続されるような場合には補助金の停止をいたします。そういつたそれぞれ措置を講じて是正に努めたいと考えておる次第であります。大体におきまして二十六年度についてはその処置をほぼ完了いたしました。二十七年度のものにつきましては只今それぞれそういう手続をとつておる次第であります。  以上簡単でございますが、一応御説明申上げました。
  12. 谷口弥三郎

    ○委員長(谷口弥三郎君) それでは委員の皆様がたの御質問は次回にして頂くことにしまして、本日はこれで……。
  13. 奥むめお

    ○奥むめお君 ちよつと資料を要求したいと思います。これはまあわかることかどうか知らないのですが、会計検査院の小峰さんに伺いますが、地方に行きますと、何とか協会という補助金を目当てに、まあ補助金目当てと言つたら言葉に語弊がありますけれども、いろいろな協会が、例えば道路協会とか、何とか協会、これが地方に補助金が来ると、一割その経費にはねられる。それがまあ飲み代になるのか、幹部の何になるのか、これは私よく聞くのでございますが、こういうことはまあ公然の秘密になつているのだろうと思いますけれども、そういうことは会計検査院の検査の結果で現われたことがないかどうか。或いは又リベートの問題が今非常にやかましくなつております。これなども補助金を取れば必ず一割か二割はどこやらに出るということは常識になつておりますね。こういうようなものは検査のときに現われないものかどうか。地方に行きますと、そういう方面に金がかかるから、補助金をもらつても、実際の役に立たない。協会に出さなければならん。協会に持つて行つて、あの協会というのは何するのだろうという話で、それを取るということをどこでも言つておりますのですが、検査のとき、こういうものが現われたことがないかどうかということをお伺いしたい。一体何とか協会というものはいい協会もあるだろうが、確かに一割とか二割とかをきめて取つているのがあるのです。こういうものは出て来ないものかどうか。又補助金というものは一体各省に亙りましてどのくらいの種類があるのか。こういう問題で何か資料があれば欲しいと思いますが。
  14. 小峰保栄

    ○説明員(小峰保栄君) いろいろな協会があるというお話の点であります。この点は確かに協会は相当数ございます。一番大きい、と申しますか、全国的にございますのは農地関係の農地協会というような都府県毎にございます。これなどはたしか五%ぐらいを取つていると思いますが、これは設計監督を、設計書というようなものは、先ほども申上げましたように農業協同組合とか、そういうようなところは技術的な陣容を持つていないから、自分で設計ができないというようなところが多いのです。それで大体県の人が中心になつて農地協会を動かしておりますが、設計を代つてやつてやる、いろいろな書類を作るとか、こういうことに大分働いているようであります。その設計のための経費ということで若干の、恐らく五%以上のところはなかつたと思いますが、そういうものを取つているということは聞いております。それからほかにも、中にはトンネル的なものが必ずしもないとは言えないと思いますが、いろいろ調べて見ますと、相当程度地元でやらなければならないということを、応援しているということが多いのであります。噂が立つということは多いと思いますが、必ずしもトンネルではない。私どもとしては、こういうことで非常に五%以上の金が流れるということになりますと、相当問題でありまして、できるだけ金は減らして行くということを絶えず機会ある毎に御注意したり文書で出したこともございますが、併し或る程度はやはり地元では申請書とか設計なんかは相当むずかしいのであります。こういうものをやる能力がない場合には、或る程度はこれを使つてやつてもらうということも仕方がないのじやないか。噂に出るほどの悪いことはございません。ひどいのは、中には県が頭をはねているというのがございます。県が設計監督費と称して、これは昨年の検査で二つ三つありまして、照会を出して相当厳重にこれは減らすことを私どもとしては奨励いたしているのであります。それから又中には県で出して、国庫補助金に足して地元に流すという制度になつているのもあります。林野関係にはそういうのがあります。又こういうものを県が財政不如意ということで出さないで、一応恰好の上ではプラスして出すが、直ぐに取返すということを行なつている県もあります。そういうものを見付け次第、厳重に注意いたしております。それからトンネル的な機関の、請負人に請負わしまして、信用組合にもちよつと例がありますが、実際は工事能力もないのに工事能力があるというようなことにして、それを請負い、それを直ぐ下請に出して、又一割とか二割とか頭をはねているというのが結果的に出ておりますが……。
  15. 奥むめお

    ○奥むめお君 この次又補助金をとつてもらうためにその幾らかを取るのだということを田舎ではよく言つておりますが、余り素人臭い御質問ですが。
  16. 小峰保栄

    ○説明員(小峰保栄君) ただ私たちは政治家へのリベートというものはちよつと掴んでおりませんが、補助金というものは、一割、二割はねられるということはできないのであります。これは金券でずつと末端まで流れて行きますから、補助金が直ぐ減つてしまうということはないのでありますが、ただそれに見合いのものを村なり町なりの一般の事務費から、別のほうから吸揚げるということは、これはやろうと思えばできるわけであります。こういうところにいろいろな噂が立つわけでありますが、こちらのほうは、私どもの検査の対象になつておりませんので、ちよつとわかりかねるわけであります。
  17. 谷口弥三郎

    ○委員長(谷口弥三郎君) 奥委員、それでよろしうございますね。
  18. 飯島連次郎

    ○飯島連次郎君 私も資料を二、三要求したいと思います。さつき平川局長から説明があつた刷新要項です、それを先ず一つと、それからその次には間接補助に関する法律を具体的に立案中ということですが、要綱くらいはできていると思いますから、できておつたらその要綱、それからなお林道課長から林道とか土工関係の説明を伺いましたが、どうも今日説明を伺つたところでは、恐らく昭和二十八年度の決算報告を拝見するまでに激減をするというふうには、今の説明ではどうしても受取れないので、もう少し積極的な意図を以てやつて頂くために、我々委員のもう少しこの問題を審議するについて必要な誠意のある積極的な資料が若干あるのじやないかと思いますから、そういうものがあつたらこの次の委員会までに、直前でなしに、我々がそういうものをちやんとこなして準備して出て来れるように、早目に専門員室のほうに、一つ小委員長が請求されて我々委員に早く配付して頂きたい。
  19. 岡三郎

    ○岡三郎君 随分聞いているというと、人が大分少くてできないということがポイントなんです。それで一体どういう事務的構成になつているのか、そのあらましの局課、今御説明になつたそれの中で、例えば農地局なら農地局の下に、どれだけの課があつて、大体どういう仕事をして、それに大体どのくらいの配当をしている、今人員整理が行われようとしているけれども、実際においてどのくらい本年要求しなければ完成できないとか。私はそういうものが出されなければ補助金関係なんかは任せられないと思う。そういう点で農地局、林野庁、それから水産庁こういつた系統の中で業務と人員構成と、大体どのくらいの推定人員があつたら、これらの仕事は完成できるというふうな点を資料として出してもらいたい。
  20. 山田節男

    ○山田節男君 次回の小委員会で、予算委員会で忙しいと思いますが保利農林大臣を短時間でもいいですから呼んでもらいたい。
  21. 飯島連次郎

    ○飯島連次郎君 岡委員の要求した資料に附け加えて、結局やはり府県依存ということに重点がなつておるようですから、各府県別の同様の災害復旧なり、そういつた補助事業を遂行するに該当する人員、これも一つ一覧表にして出して頂きたい。
  22. 谷口弥三郎

    ○委員長(谷口弥三郎君) それでは只今の資料は、次回は明後日の午後でございますから、急いで御提出を願いたいと思います。  本日はこれを以て散会いたします。    午後零時四十四分散会