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1954-07-30 第19回国会 参議院 水産委員会 閉5号 公式Web版

  1. 昭和二十九年七月三十日(金曜日)    午前十時四十四分開会   ―――――――――――――   委員の異動 七月二十二日委員石村幸作君辞任につ き、その補欠として平井太郎君を議長 において指名した。 七月二十四日委員松澤兼人君辞任につ き、その補欠として片岡文重君を議長 において指名した。 七月二十九日委員武藤常介君辞任につ き、その補欠として苫米地義三君を議 長において指名した。 七月三十日委員平井太郎君辞任につ き、その補欠として田中啓一君を議長 において指名した。   ―――――――――――――  出席者は左の通り。    委員長     小林 孝平君    理事            秋山俊一郎君            千田  正君    委員            青山 正一君            田中 啓一君            楠見 義男君            島村 軍次君   国務大臣    外 務 大 臣 岡崎 勝男君    国 務 大 臣 安藤 正純君   事務局側    常任委員会専門    員       岡  尊信君   説明員    水産庁長官   清井  正君   ―――――――――――――   本日の会議に付した事件 ○水産政策に関する調査の件  (漁船だ捕事件に関する件)  (ビキニ被爆事件に関する件)   ―――――――――――――
  2. 小林孝平

    ○委員長(小林孝平君) 只今より水産委員会を開会いたします。  ビキニ水域における水爆実験に関します補償の件を議題に供します。  本日は外務大臣、農林大臣、大蔵大臣、安藤国務大臣、水産庁長官の出席を求めておりますが、只今御出席の政府のかたは水産庁長官でございます。外務大臣、安藤国務大臣は閣議終了後、十一時頃出席の予定でございます。
  3. 千田正

    ○千田正君 只今委員長からビキニ水爆実験に対する被害補償の問題に関する御提案がありましたが、先回の委員会において種々論議した結果、本日閣議があれば内閣首脳者の意向をまとめて、当委員会において改めて政府側からその報告を聴取することになつておると思います。それで各主管大臣が見えられる、間、水産庁長官が見えておられまするので、ビキニ問題は主管大臣の来られたときに議事を進められることにいたしまして、その間水産問題のいろいろな問題が惹起しておるようでありますので、この点を議題に供してお尋ねしたいと思いますが、各委員にお諮りを願いたいと思います。
  4. 小林孝平

    ○委員長(小林孝平君) 只今千田委員から御希望がございましたが、さよう取計らつてよろしゆうございますか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  5. 小林孝平

    ○委員長(小林孝平君) それではさよう決定いたします。
  6. 千田正

    ○千田正君 清井長官にお尋ねしたいのですが、過般の新聞紙上に伝えられるところによりますというと、又中共或いはその他の拿捕の問題について、政府は誠に勇ましいことを言つておる。今度は軍艦なりそういうものを派遣して、拿捕される場合においては飽くまでも正当防衛の立場でこれに対抗するというようなことを新聞に発表しておりますが、その真相は、新聞のことでありますから、我々はどこまで信をおいていいかわからんけれども、とにかくその後においても拿捕問題が相当深刻に業者の間においては考えられておりまするので、この点について、清井長官から経過の御報告を頂けるならばして頂きたいと思うのであります。
  7. 清井正

    ○説明員(清井正君) 只今お尋ねの問題でございますが、実は政府のいわゆる東海、黄海方面は、韓国における李承晩問題と、それから中共による拿捕の問題等が引続き続いておりまして、その後特段の進展は見ていないのであります。韓国の問題につきましては、昨年の末において若干希望が持てるような情報もあつたのでありますが、その後そのままになつておりまして現在に至つておりまして、何ら進展を見ていないのであります。お話の中共の拿捕の問題につきましても、ときどき相当の人数が帰還いたして参りますこともあるのでありますが、やはり拿捕ということが引続き行われ、先般行われた拿捕のごときも、情報を聞いて見ますというと、相当計画的と言つては何でありますが、相当の隻数が出て参つて、東のほうから西のほうにだんだん追詰めるような恰好で拿捕をしておるというようなことであつて、あらかじめ相当隻数を出すことを、そういう計画でやつているんじやなかろうかというようなことが業者からの情報として出ておるのであります。正確なことは聞いておりませんが、そういうようなことだと思うのであります。現在まで未帰還になつております中共方面の船は百三十五隻になつておりまして、未帰還の人員は三百三十二人、これは七月二十七日現在であります。そういうような状況でありまして、未だに隻数にして百三十五隻、人数にいたしまして三百三十二人というかたが未帰還になつておるような状況であります。拿捕された場所につきましても、主として上海の、或いは東方といいますか、南方方面が相当多いようであります。それも中共では、中共の中だけで底曳の禁止線を引いているのでありまして、その中でつかまつているのも一部ありますが、大部分はその外でつかまつておりまして、とにかく、まぎれもなく公海上で拿捕されておる状況であります。そういうようなことでありまして、私どもといたしましても何とかこの状態を改善いたしたいというふうに考えておりますが、御承知の通り、我々のできる限界点がございますので、実は残念ながら積極的な手は何ら打たれていないのであります。私ども残念に思つておりますが、いたし方ない状況だと思つております。ただこれについて、いわゆる海上保安庁の巡視船の武装の問題があるのでありましたが、これは一部の巡視船に武装がされたということを、或いはされつつあるということを聞いておるのであります。これは大分前からの予定の計画でありますが、これを中共なりその他の拿捕の場合にどういうふうな考え方で対処するかという問題でありまして、この点は実はいろいろ部内でも相談があるのであります。主としてこれは海上保安庁の問題であります。海上保安庁並びに外務省が主催いたしまして関係の係官が集まつて二、三回相談を実はいたしておるのであります。併しこの問題は私の只今まで知つております限りにおいては結論は出ておりません。と申しますのは、無論武装というものも、恐らくは自衛上止むを得ない、いわゆる正当防衛のときに使うというようなことがあるのかどうか、その点は私はつきり責任を持つて申上げる立場でございませんが、要するに武装をいたしまして武器を使うという問題、これは水産の立場から申しますというと、一方にやはり不法に拿捕されるのを黙つて見ていることがあるか、是非何とかしなくてはという率直な声もあるのであります。又一方他方には、別の角度から考えて見ますと、一旦そういうことをやつて或いは事故があつた場合に、更にこれを将来どうするか、そこにどういう措置ができるかということも考えなければならないという考え方も片一方の考え方としてあるわけでございます。その他武装の問題、或いは武器の発動の問題、これはいろいろな観点から考えて慎重な措置をとらなければならんということは承知しておるのでありますが、さてこれをどういうふうに具体的にするか、こういうことにつきましては只今申上げた通り、非常にむずかしい問題でありまして、まだ事務的にも話は固まつていない、こういうふうに聞いておるのであります。
  8. 千田正

    ○千田正君 米国側から拿捕されているという船はありませんか。
  9. 清井正

    ○説明員(清井正君) 太平洋の元の日本の委任統治でありますとか、或いは小笠原方面にときどきいわゆる拿捕を受けておるのはあるのであります。この間も一隻拿捕を受けましたが、これは先方側の説明によると領海を侵犯したということで拿捕を受けておるのであります。従来までの例は、一応は事情が判明いたしますと大概帰つて参つております。恐らく今回たしか一隻は留置をまだ受けているかと思いますが、それも外務省を通じて交渉をいたしております。これも事情さえ判明すれば帰つて来るのではないかと思つておりますけれども、アメリカ側としてもたびたびこういうことが起つては困るから、よく関係業者に領海を侵犯しないように連絡をしようということの我々も連絡を受けております。私どもも従来いろいろに連絡をいたしております。まあ止むを得ない事故でそういうことが起つたことかと思います。事情さえ判明すれば今のところでは割合に早く帰還をいたしておるのが通例であります。
  10. 千田正

    ○千田正君 これは果して当るかどうかわからんのですが、長官の御説明の中に、領海侵犯という言葉を使つておられるようですけれども、曾つての日本の委任統治、その主権がいずれにあるかという問題は、これは相当国際上の問題でございます。領海侵犯という言葉が当るかどうか。むしろこれは日米間におけるところの申合せの、或る一定の、一つの区域を指して領海とみなすかどうか。この点なんですが、その点に対する長官のお考えはどうなんですか。
  11. 清井正

    ○説明員(清井正君) これは法律的に言つて果して領海と言えるかどうか疑問ですが、これは私も実は専門でないのではつきりお答えはいたしかねるのであります。現在のアメリカ側が、如何なる法的な関係で実際上やつておるかということについて、これは法律上の解釈から来ると思うのでありますが、従つて領海という言葉を使つていいかどうか、ちよつとはつきり申上げられないのでありますが、現実にはアメリカ軍は、その三カイリ以内に入つたということでそういう実際上の拿捕を受けておる、こういう実情であります。
  12. 千田正

    ○千田正君 あそこは一体アメリカの領土であるということが、どういう現在日本との繋がりのもとにあるのか、その根本のあいつがどうなんですか。
  13. 清井正

    ○説明員(清井正君) これはまあ今日委任統治の関係は私も領土ではないのでないかと思つております。従つてこれは国連との信託統治の関係で、統治をする国連から委任を受けておると申しますか、委託と申しますか、法律用語ははつきりわかりませんが、とにかくそういう形において統治をしておる、こういう形になるのではないかと思います。従つて領土ではないと思いますが、やはり国連の信託を受けて統治する関係上その領海三カイリを自分の主権の及ぶ範囲と考えているのではないかと思います。これは私責任を以てお答えはできませんが、こういう考え方だろうと思います。
  14. 千田正

    ○千田正君 これは前からだんだん事実がそうなるというと惰性的になつて、それがアメリカの領土であるかのごとく考える結論が出て来るので、この点はやはり沖繩であるとか、小笠原であるとか、曾つてのマ―シャル、カロリンの委任統治問題が、国連における委任の問題であるとか、それから主権が実際日本にあつても或る一定期間において米国において必要上これを使用しているという、日本国とアメリカ合衆国との間に結ばれた両国間の一つの取極めという問題があるのですが、その辺のところをしつかりしておらんというと将来必ずこれは国際上の問題になつて来ると思うのです。この点をやはり明らかに水産庁としてはしておられて、漁をする人たちに対しても十分なる警告なり、又了解なりさせる必要があると思うのでありまして、この点我々も甚だ不勉強で、十分その点がはつきりしてないのでありまして、次の機会でよろしいのですが、一体アメリカと日本との取極めがどういうふうになつているのか、殊に曾つてのマ―シャル、カロリンと、いわゆる南洋諸島と言われるものは一体どういうふうな日米間の取極めになつているのか、その点をはつきり一つお示しを願いたい。それは行政官庁であるあなたがたが必要であるばかりでなく、少くとも水産問題にタッチしている我々委員としまして十分そういう問題を研究の上、今後起るであろうという不幸な事態に対しては、飽くまでこれを避けなければならぬという観点から、論点の明快なるお答えを頂いておきたいと思いまして、この次の機会でもよろしうございますから、その点を一つ外務当局の間で十分御研究下さつて、御発表願いたいと思います。
  15. 秋山俊一郎

    ○秋山俊一郎君 長官にお尋ねいたします。これははつきりお答えは恐らくできないかと思うのですけれども、数年に亘つて中共が日本の漁船を拿捕している。台湾の中国政府も時には拿捕したようなこともあるのですが、一体この中共が日本の漁船を拿捕するという目的はどういう目的であるか、この拿捕を逃れる、或いは防止するためには向うの意図がよくわからないことには何とも手の打ちようがないと思うのですが、どういう考え方であるか、この東海、黄海というものは中国の海である、中共の勢力範囲の海であるからそこに入つておる日本漁船は片端から領海侵犯といいますか、或いは不法な侵入であるというような意味で拿捕しているのであるか、或いは又一説によれば、つかまつて帰つた者の取調べの状況から言うと、スパイ行為をしたからつかまえたというようなことを言うておるようでもありますし、抑留された漁夫が一年或いはそれ以上に亘つて、あそこに抑留されておる間に受ける教育というものは、共産党の教育を受けておる。そして帰されるといつたようなことから考えて、共産党の宣伝普及のためにそういうことをしておるのか、或いは又、その漁船が欲しいというためにやつおるのか、いろいろ考えられるのでありますが、政府はどういうようにそれを見ておられますか。勿論的確なものというわけには行きますまいが、政府は中共が日本漁船を拿捕する、これの眼目といいますか、目的というものは、どういう目的でああいうことをやつておるかということのほぼ想像なり、或いは政府が考えられる点、その点を伺いたいと思います。
  16. 清井正

    ○説明員(清井正君) 今秋山委員からのお話でございますが、実は私どもも残念ながらはつきりした目的をつかみ得ないのでございます。無論これは韓国のごとく、李承晩ラインというものを宣言いたしておるわけじやございませんで、向うも先ほども申上げました通り今後短かい範囲でいわゆる向うの底曳を禁止したということをやつておりますが、併し実際拿捕されるのは、それよりももつと東の黄海上で拿捕されるのが多いのでありまして、それが如何なる目的で拿捕されておるかということにつきましては、私ども一部帰還をした人たちのニユ―スも断片的には聞き得ておるのでありますが、なかなか実ははつきりしておらないのであります。聞くところによりますというと、こちらの拿捕した船をそのまま漁船に使つておるのもあるし、或いはその日本の漁船が拿捕されたとき、向うから来た船が、こつちのつかまつた船か来ておるというようなことで、逆にそういう目的に使われておるというようなこともあるということであつて、或いは場所によつて多少南と北とで事情が違うじやないかというようなことも推測されることもあるようでありますが、併しいずれにしてもどういう目的で拿捕が行われるか、国際法上或いはこれを中共の領海であるから、領海侵犯であるから、つかまえるということは明言しておりません。さりとてこれが如何なる形で、如何なる理由でこれがああいう事件が発生するかということの真意の捕促は、ちよつと私どもも困つておるのであります。御承知の通り中共方面のなかなか事情を詳細に伺う機会がないので、たまたまの情報を断片的に聞き得る程度で、それから推測し得る以外にないので、なかなか情報というものは極く断片的なものでありまして、これで全体を捕促することはできない状態であります。ざつくばらんに申上げまして、どういうところに目的があるかということは、私どもにわかつていないということが結論的に言えるのじやないかと、こう思つております。
  17. 秋山俊一郎

    ○秋山俊一郎君 この問題は、私今更申すまでもなく、日本としては非常に重大な問題であつて、あの東海、黄海における日本の漁船が挙げておる利益というものは厖大なものである。日本の食糧の面から考えましても、又水産貿易の面から言いましても、勿論この東海、黄海における漁獲物が非常に輸出の対象になることは少いのでありますが、これが国内の需要に充てられて、そうして東或いは南方において取れるところの各種の漁獲物が外国に輸出されて大きな外貨獲得の役割を果しておる。そこで、若しあの漁場が今日のごとく絶えず拿捕に脅かされて、而も拿捕されるたびに漁業者は非常に経済上或いは精神上苦しみをなめておるのでありますが、これが続いて行くというと、結局あの漁場は放棄せざるを得ない。出ればつかまえられる。そうなれば経済力も何も伴わなくなつて来て放棄しなければならないということになつて、李承晩ラインと共にあの東海、黄海における日本の宝庫を喪失しなければならないということで、非常に我々は憂えるものであります。そこで何とかして、この拿捕というものを阻止しなければならないが、それについては、拿捕する相手の国が一体どういう目的で拿捕しているかということがわからんようでは、これは始末がつかん。わからんということは国交も回復していないのでありますが、わかるような努力をしていないのじやないか。もう少しまあ我々から言うと、これはちよつとおかしいかも知れませんが、中共との間にもう少し意見の交換をするというようなチヤンスが必要じやないか。私は先日或る中国並びに東南アジア、或いはインドネシア方面の経済事情を専門に調査をされている有力なかたのお話を聞いて、そのときに一体どういう中共は目的で、日本の漁船を片端から拿捕するのだろう、どう考えて見ても、或いは李承晩ラインのごとく、東海はおれの海だということはどう考えましても主張できない、これをそうすると、どういう目的でやつているのか、日本の経済或いは政府に圧力をかけるという意味があるのかということを聞いて見ますと、今私が先ほど申しましたいろいろの理由も、それぞれ多少含んでいるだろうが、結局は船が欲しいのじやないかと思うと、こういう話である。若し船が欲しいということであれば、外国に注文して造らしたらいいじやないか、日本の船を片端から取らなくても、注文したらいいじやないか。と言つて見ると、仮に日本とは国交が回復していないから、日本に注文しても、日本はこれは輸出はしないだろう、それから欧米のほうに注文しても、これを廻航するところの技術船員がおらん、或いは又廻航して来る途中で、台湾海峡で国府の軍艦に拿捕されたり、撃沈されるという憂いもあるからやらんのだろう。こういうまあ話がありました。これは勿論公の話でもありませんし、そういう研究家の話でありますが、そこで私は日本に注文して来れば、当然造つてやつたらいいじやないか、日本はこれはあそこは輸出品目の制限がありまして、戦略物資は輸出しちやならん、或る一定の物資だけは現在でも輸出し、輸入しているわけでありますが、漁船を戦略物資と見ることもないのであります。若し注文すれば、当然造つてやつたらいいじやないか。日本の造船界というものは非常に今苦しい立場に立つているから、たとえ八十トン、九十トンの漁船であつても喜んで私は造る、又急ぐならば現在ある船を譲つてやつてもいい、そういうことを、政府がその政策を転換することも急務じやないかという話である。若し政府がこれをずつととめているということになれば、只やることになるじやないか、それよりも金を取つてやつたほうがもつと得じやないか、こういう話をしたのでありますが、我々としては、向うの真意をもう少し何とか把握するように、努力をしなければならんじやないか、いや船を欲しいのじやないのだ、日本を圧迫するのだということならば、これはもうその方向に向つて我々は対処しなければならんが、船が欲しいということであれば、李承晩ラインのごとく遮二無二そこへ行つちやいかんというのじやなしに、若し船が足りない……、話を聞いて見ますと、中共の地域内において、気のきいた造船所がないそうです。殆んど造船ということができないのだということならば、我我は喜んで売つてやつたらいいじやないかと思いますがね。そういうふうな努力を、これは水産庁がやるべきものじやないかも知れませんが、政府当局として、私はそういうことにもう少し努力をし、水産庁としては、特に担当の官署といたしまして、何故にああもしつこく日本の漁船を拿捕して行くかということの根本の目的を突きとめることが必要じやないか。それがなくして、これに対処する方法は私は見出せんと思う。それに対して水産庁として何か従来、まあ曾つて日本の民間の漁業者代表を送つたこともあるようですが、一向ものにならなかつた。ただ中共の礼讃に終つたようなことでは、これはいかんのであつて、そういつたような計画なり、意図は何かお持ちでありますかどうか、長官の御意見を伺いたい。
  18. 清井正

    ○説明員(清井正君) 只今いろいろ詳しくお話を承わつたのでありますが、只今お話のようなことも、一部私も極く簡単でありますが聞いたこともあるのであります。でありますが、私どもといたしましては、今までにはそれに対してまあ別に手を打つておりません、ただ御承知のような状況でありまして、これをただ放つて置くということによつて起る関係の漁業者の被害、これはもとより非常な甚大なものでありますし、何とかしてあの方面を安全な操業場にしなければならんということは御尤もなことであります。我々といたしましても、水産庁の立場から申上げれば、そのことの解決のためにできるだけの努力をしなければならんことはお話の通りであります。ただ私どもといたしましては、いろんな制約のために具体的に向うの真意を捕捉する今まで手も打たれずに来て参つているのでありますが、私どもといたしましては、今後いろいろな機会を捉えて、何とかして同方面の操業の安全になるために打つべき手、これは恐らく中共方面の真意をもつと捕捉し、その真意によつて、それに対してとるべき措置をやるということだろうと思うのでありますけれども、さてそういうことについて、無論我々といたしましても努力いたさなくちやなりませんし、又今後いたしたいと思います。併しながらさて、今具体的にどういう手を打つか、お話を承わりましても、ちよつと簡単にすぐこういう手があるということも申上げかねるのでありますが、我々といたしましては、只今の御質問の御趣旨も十分わかるのであります。我々も又現在の日本の政府の立場も、できることをできるだけ最大限度やりたいと、こう考えております。十分考慮して参りたいと思います。
  19. 秋山俊一郎

    ○秋山俊一郎君 まあ水産庁のお立場は私どもはよくわかつております、又現政府が今までとつて来ておる態度についてもわかつているのでありますが、決して満足してわかつているわけじやないので、ただそういうことがわかつてるというだけであつて、若しこれをこのままに訳もわからずに拿捕に任せておくということでありますならば、先ほど申しましたように、あの宝庫を失わなくちやならん。そこで日本の外交政策なり、或いはその他の理由によつて何らかのそこに手が打てないとするならば、この拿捕の責任は政府が相当持たなきやならない、しばしば言われることでありますが、現在先ほどお話によりますと、漁船で百三十五隻の漁船が拿捕された。この漁船を金に見積つて見ると、幾らになりましようか、仮に一艘三千万円といたしますというと、約四十億円でありますか、まあ大ざつばに見まして四十億円くらいの船が拿捕されていることになる。そうすると、この上まあますますその拿捕の危険は加わつて行くわけでありますが、これらの漁船の代船を建造するということになりますと、今日の一般経済事情から見ましても、特にこの水産の漁業経済から見ましても、これだけのものを片端から賄つて行くということは容易じやありません。放つて置けば結局船がないから引つ込んでしまう。今まで八百艘出ておつたものが七百艘になり、六百艘になり、僅かになつて遂にはあの漁場は日本の勢力圏内でなくなつてしまうということになると、とんでもないことになる。私のほうとしては、このめどがつくまでは如何に拿捕されようとも、やはり漁船を出してあの漁場を確保する、確保はできますまいが、とにかく従来の漁場として維持する努力を払わなくちやならん。それがために政府としては相当この代船建造に対する融資をやつて行くのが責任じやないか。かように考えますが、もはや来年度の予算も編成の時期に近付いており、やつておられることと思いますが、これらの点について水産庁はどういう手を打つておられるか。全く訳がわからずに、わからないからというので拿捕に任せ、それらの代船の建造についても漁業者の各自の力によつてやれと、こう放り出してしまうと、先ほど私の申上げましたような非常な憂うべき状態が来ると思うのです。今まではどうにかこうにかやつて来ましたが、もう相当みんな参つている。この上にやられたら追出される以外にないのでありまして、漁業者といたしましてもこの声は相当強まつているはずでありますが、少くとも二十億円くらいの代船建造融資を政府は考えなくちやならんのじやないか。私どもは強くそういうことを主張したいのでありますが、水産庁としてはそういう面について来年度予算にどう考慮を払つているか、この点お伺いしたい。
  20. 清井正

    ○説明員(清井正君) 只今の御質問の点でありますが、確かにこれは根本の漁業者といたしまして極めて重大な問題であると同時に、私どもにとりましても非常に重要な問題であります。そこで代船建造についての差当つての融資の問題でありますが、これらは本年度におきましても開銀融資その他について所要の融資を確保いたしたいと思つておつたのでございますが、残念ながら只今の状況ではこれは単に拿捕船のみならず、漁業方面の開銀融資というものは恐らくこれは見込のない状態にまで実はなつて来ておるのであります。私どももなお努力を続けておりまするけれども、殆んどこれは絶望に近い状態になつて来ております。これは全体の開銀の融資が減つて来ておるのと、その他その後のいろいろ回収金の不足というようなこともあるようでありまして、なかなかこれは思うように行かないような状況であります。併しこれはまあ李承晩ラインの拿捕船についても問題はあるのでありますが、主としてこれはこの方面の漁船の代船はむしろ公庫よりも開銀方面の融資に頼るところが大きいのであります。私どもといたしましてもとにかくこれの根本的な措置が打たれないまでも何とかして関係の漁業者の負担をできるだけ少くするいうことの我々のできる措置はできるだけやらなきやならんのであります。そこで只今のこの拿捕船の代船融資、而もこれを低利で融資できるような措置をとるということは是非必要な措置だと思います。明年度の開銀融資等につきましてはまだ私ども案が固まつておらないのであります。私どもといたしましてはこの根本的な立場からできるだけ関係者のいわゆる負担を少からしめるという意味において今後適当なる政府機関からの代船融資ということにつきましては今後最善の努力を払つて参らなきやならんと、こういうふうに考えております。
  21. 秋山俊一郎

    ○秋山俊一郎君 最近の西日本或いは九州方面における漁業者の会合等の状況を新聞その他によつて伝え聞きましても、もうすでに非常に漁業者の経済状態は逼迫して参つておりまして、このままで行けば潰れてしまうよりほかない、従つてあの漁場は放棄せざるを得ないような状況になる趨勢にまで来ておるようであります。これは水産庁においてもこの事情は十分におわかりのことと思いますが、従来どうも水産に対する一般輿論にしましても、又政府にしましてもとかく水産に対しては何と申しますか、考慮を払う度合も薄いということを我々は常に歎いておるものでありますが、もはや今日ただ歎いてばかりおるわけに行かないので水産庁、水産庁というよりも農林省全体といたしましても一つこの際は思い切つて勇気を鼓してこの問題の解決に当つて頂きたい。これはもう非常に大きな問題になると思いますので、まあそう言つちや悪いのですが、長官も職を賭してやるというくらいの決意を持つてこれを一つ処理して頂いて、日本の水産というものを死から救つて頂きたい。こういうふうに私は考えるわけであります。近くもう予算の編成期にもなりますので、どうか一つ水産庁も従来と違つて今度は一つ獅子奮迅の勢いで予算獲得といいますか、この処置の対策を立てて頂きたい。こういうことを強く要望いたします。
  22. 楠見義男

    ○楠見義男君 今の秋山さんの話なんですがね、それに関連して向うがなぜつかまえるかという本当の真意は、或いは船が欲しいとか何とかいうふうに、真意がわからんにしても、形式的な理由、これは向うに聞けばわかるのじやないですかね、お前のほうはなぜ般を捕えたか、船が拿捕されたことはこれはまあ明らかなんです。それはこちらでわかるわけでしよう。だから何何丸という船はお前のほうに捕えられた、これはなぜ捕えたかどうかということは聞けばこの真意はわからなくても形式的な理由はわかる。そうするとての形式的な理由に対するこちらの対策というものが講ぜられると思うけれども、何もわからないとなると全く取られ放しということになつて、代船を造つても又取られるということになつてしまうのだけれども、それは何もわからないのですか、形式的な理由も……。
  23. 清井正

    ○説明員(清井正君) 御尤もなお尋ねでございますし、又秋山委員もおつしやいましたのですが、実はそれを私どもも形式的でもいいから知りたいと思つているのでありますが、わからないのであります。というのは、正式に国交を回復していないのでありますから明らかにならないのであります。従つて私どもは拿捕せられて帰つて来た船員のかた、そういうかたの話を聞き、どういう理由で一体捕えられたのかということを聞きたいと思つていろいろ聞いたことがあります。又議員のかたが行かれたのですが、そういうかたの話も聞いたのですが、いずれにしても拿捕の目的というものが形式的な理由もつかめなかつたのであります。それが只今の秋山委員からのお話でもまあ船が欲しいというお話もありますし、そういう話は私も聞いたことはございます。まあいろいろ事情は聞いたのでありますけれども、いずれも形式であるにせよ拿捕の理由ということもつかみにくいということは私どもとしても甚だ申訳ないのでありますが、そういうことであります。ざつくばらんの話でありますが、それでは李承晩ラインのように何か沿岸国が線を引いてこの線に入つたら捕えるとかいうように、いわゆる李承晩ラインという線を引いているかというと、そうではないのであります。中共は自分の国の底曳船のための禁止線を作つているのであります。これは日本でもやつているのでありますが、まあそれと同様のようであります。各国は自分の国の漁船のためのものでありまするからそれはあるのであります。併し日本の漁船はその外でつかまつている場合が大部分であります。そういうようなことでありまして、実は私どもといたしましてはそういうような国交の関係、或いはその真意、或いは形式上の理由等も的確なものをつかみ得ないので、実は現在のところは状況をただ見ている。こういうようなことであつて、甚だ残念に思いますが、そういう消極的なことしかやれないのであります。それで只今おつしやつたように融資の問題もあるのであります。今後のことについては私としてはできるだけのことをして行きたいと思いますが、只今の御質問に対しては的確なお答えをいたしかねるのであります。
  24. 楠見義男

    ○楠見義男君 その状態だと代船建造を幾らやつても持つて行かれるだけです。これは水産庁の所管でないと思うのですけれども、中共と日本側との国交を回復しておらなくても、何か第三国を通じて抗議を申込ませるとか、そういう形式的な理由でも聞かせる、そういうようなことはあなたの所管でないと思うけれども、あなたのほうから例えば外務省を通じてやらせるとか、そういうこともやつていないのですか。
  25. 清井正

    ○説明員(清井正君) 実は私ども外務省と密接な関係のある問題でありますので、事務的にはいろいろ実は考えて見たこともあるのであります。これはずつと前からの問題でございますので、これは関係業者が被害を受けておりまして、非常に大問題であります。何とかしなければならないと思つて、ああいう方法はどうだ、こういう方法はどうだ、事務的に外務省と打合せをいたしているのでありますけれども、未だ的確なそれに関する方途を得ていない状況であります。
  26. 小林孝平

    ○委員長(小林孝平君) 速記をとめて下さい。    〔速記中止〕
  27. 小林孝平

    ○委員長(小林孝平君) 速記を始めて下さい。  只今外務大臣が見えられましたので先般の補償の問題についてアメリカとの交渉のその後の経過につきまして外務大臣から御発言を願います。それで本件につきましてその後新聞紙或いはラジオ等で以て具体的にアメリカから話が日本側にあつたということが伝えられてありますので、この際これらの点について御説明願いたいと思います。
  28. 岡崎勝男

    ○国務大臣(岡崎勝男君) その後の交渉というのはこの前の委員会からは行なつておりません。というのは、まだ日本側の内部の決定ができておりませんからしてそのままになつております。何か八十万ドルという非公式の申入れがあつたというのが新聞に出ましたが、あれは間違いでありましたのであれはたしか夕刊に出たと思いますが、その日の夕刊を見まして、すぐその記事の出ておる新聞社には間違いであるということを申しまして取消しを求めました。取消は出ておらないようでありますが、外務省関係の記者諸君は成るほど岡崎はそういうことは言つたことはなかつたというように言つておるそうであります。その経緯は或る記者から外電によると八十万ドル払うというようなのがあるがどうかという質問がありまして、そういうこともあるかも知れない、併しまだ政府側としては何ら具体的な話合いはいたしておらないということを言いましたが、そういうことはあるかも知れんと言つたので、それが記事になつたというのが真相であります。
  29. 千田正

    ○千田正君 今外務大臣からその後余り進捗しておらないようなお話でありまして、実はがつかりしたのですが、こういうことは我々としては是非聞きたいと思いますのは、一生懸命やつて頂いておることはよくわかつているのですが、大体外務大臣のほうとしては外国との折衝を十分やつてもらう、その目安がつかなければ国内対策ができないというようなふうにしよつちゆうまあ安藤国務大臣からはここでおつしやられておるのであつて、私は外務大臣にもう外国との折衝はうんとやつて頂く、併しそのめどが十分つかない。つかないならば何とか国内対策を急がなければならない。こう思うのでありますが、そのめどのつくという大体時期というようなものは、まあ長い間の権威者でありますからよくおわかりと思うのですが、そういう見当は全然つかないのでありますか、どうなんですか。
  30. 岡崎勝男

    ○国務大臣(岡崎勝男君) これは数額によるだろうと思います。若しアメリカ側が適当だと思う数額が日本側もそういうことになれば、これは問題ないわけでございますが、その間に意見の相違がある場合にはこれはよく話合わなければならないわけであります。これは又普通のことであります。そこで私のほうから言いますと、実はどの程度で折合うべきであるかという最終の決定がまだできておらないわけであります。それがきまれば、これでは長くかかるとか、これなら早く行けるとか、そういうことが言えるわけであります。従つて今まで言つておりますのは、補償の必要があることを強調したり、その内容について説明をしたりしておりまして、まだこの数額が……というところへ行つておらないのであります。というのは、日本政府内部におきましても国際慣行その他から見て適当であるというところがどこであるか、併しそそれを仮に一定の限度を定めた場合に、それだけで済むのであるか、それとも国内的にも補償ではないが、融資等の措置が要るものであるかどうか、要るとすればどの程度要るのであるかというような点でまだ結論に至つていないわけであります。併しそれは怠けておるわけではなくて、安藤国務大臣、保利農林大臣等はずつとその点について研究もし、又大蔵省と非公式にはいろいろ当つておるようであります。ただ結論がまだ出ておらない。こういうことだと思うのであります。
  31. 千田正

    ○千田正君 その誠意はわかるし、今の大臣のお答えで大体日本側としての政府の肚がきまらない以上は、時期のめども見当つきかねる、外務大臣にこれ以上私自身はいろいろお尋ねして見ても、国内的の操作の面も考えなければならないということになるのですが、この間楠見委員からのお尋ねの際も、外交交渉中であつても、国内に対する何らかの手を打つということに対しては、外交上そう支障はない、むしろ或る場合にはこうして苦しい漁民を救うのが国内政策の建前として当然であるというようにお答えであつたように私は了解しておるのでありますが、荏苒長引かれると、実際漁に携わつておる人たちは非常に困つておるのですね。何回も我々は操返して言うようですが外交折衝はそれでやつて頂く、国内対策に対して、外交折衝がそうすぐには片がつかないのだから、国内対策に対して一応の最低限度でもいいから、何か方途を講じてやつたらどうかという問題が起きて来ると思うのですが、そういう観点に立つての閣議なり、或いはビキニ水爆の被害に対する閣僚間の意見のまとまりという問題に対して、勿論外務大臣あたりが中心にならなければならんと思いますが、そういう点の国内対策のめどに対する点については大臣としてはどういう考えを持つておられますか。
  32. 岡崎勝男

    ○国務大臣(岡崎勝男君) これは私のほうの管掌事項じやありませんけれども、私の出身県である神奈川県にも、選挙区は違いますが、三崎等がありまして、事情はよく聞いて承知しておるつもりであります。先般から安藤国務大臣なども非常にいろいろ心配されておりまして、関係閣僚間にも話合いは続けております。大体私は遠からざるうちに非常に不満足な程度であろうかも知れませんけれども、何らかの措置が更に講ぜられ得るんじやないかというふうに期待は持つておりますけれども、これは直接私から言うべき筋合ではありませんので、差控えますけれども、ただ外交交渉担任と申しましても、やはり国民の利害ということを考えるのはこれは当り前でありますから、いろいろ業者の困窮状況等についてはできるだけ同情の日を以て見たい。又これは私どもも少くとも日米間の親善関係という点からも必要であろうと思つて及ばずながらできるだけその点をいろいろ努力したい、こう考えておる次第であります。
  33. 秋山俊一郎

    ○秋山俊一郎君 いろいろお話を承わつておりますと、結局先だつてからのお話のように金額の問題に帰するようでありますが、いろいろお話の模様から察すると、大体アメリカから金額のおよその見当は出ているんじやないかというふうに私のほうでは想像されるのですが、そこで、それじや困るからというので、日本政府のほうにおいて一体幾らにまけるかというような、まあまけると言つちやおかしいけれども、どの辺まで折合うかというその折合いの点を今研究しているんじやないかというふうに想像されるのでありますが、過般来のお話では、何をどれだけということをアメリカからは言つておらない、併しまあ直接の被害に対しては当然やはり補償をするが、その他の被害はどうもむずかしそうだというようなことでありまして、直接とか間接とかいうもののけじめも非常にむずかしいわけで、日本政府が一体どの点をとつたらいいか、どの点が比較的損害の補填がやさしいのであるかというようなことの研究をされておるんじやないかと思うのですが、その点どうでございますか。これはまあ外務大臣は直接内部の問題にはタツチしておられないかも知れませんが、お話の間にはアメリカからも何か出ているのだろうから、日本もそれに対して何か考えておるのじやないかと思うのですが、如何ですか。
  34. 岡崎勝男

    ○国務大臣(岡崎勝男君) これは率直に申しますと、直接損害を払うということは、これは国際法の慣行から言いましても、アメリカの従来の話振りから申しましても、これは容易に了解されるところです。従つて、直接損害と称すべきものはどの程度であるかということは、これは直接損害を如何に見るかということによつて相当動きますけれども、動くにしても、一定の限度があるわけでありまして、五億も十億も動くわけじやないんで、その間に多少の動揺はありますが、一億とか一億五千万違うとか、或いは二億違うとかいう程度のことはあるかも知れませんが、大体直接損害と認められるものがどの程度あるかということは、最小このくらい、最大このくらいという想像はつくわけであります。そこで、仮に最大と見た場合に、これでいいものであろうかどうであろうかという点は、アメリカ側から何ほどということがなくても、幅は出て来ますから、それで想像がつくわけであります。これに対して、日本政府として、これで行けるものであるか、行けるものというのは、要するに業者が立ち行くものであるかどうかという点を考慮しますから、そこで直接損害はこれはきまつたものとして、直接損害以外のものを要求すべきであるかどうか、又要求したらそれが通るものであるかどうか、仮に通るとして、どのくらい長くかかるものであるか、こういう点は我々折衝しておる者が判断して、間違つておる場合もありましようが、判断して考えるわけであります。要するに、その幅が非常にありまするが、一定の幅の範囲内で、最小なら困るとか、最大ならいいのかどうか、或いは中間でもいいのかどうかというような点について、これに国内の措置がやはり或る程度必要だろうというのが農林大臣の意見のようでありまして、両方相待つて、国内の措置というのは主として補償じやありませんからやるわけでない、或る程度たてばこれはだんだん又返済されるべきような融資の形その他になるでありましようが、そういうものが仮にできて、両方見合つて業者の立ち行くようになるかどうかというような点についていろいろ研究を具体的にしておられるのだろうと思います。最終的の決定もそう遅くないうちにできるじやないかと、これは外側から見ておるのですから、聞違うかも知れませんが、考えておるのですが、今のところ、つまりそういう前提の下に如何に処すべきかということを先ず国内的に考える、国内的と言つては語弊がありますが、政府として考えて、これで行けとか、或いはこれだけで行けとかいうようなことが関係閣僚の中できまりますと、具体的な数額に入つて行く、こういうことになろうかと思います。
  35. 秋山俊一郎

    ○秋山俊一郎君 第五福龍丸の問題が起つた当時において、アメリカは直ちに日本に対して済まなかつたというような意味の発表はしなかつたようでありますが、併し暫らくたつてから、そういう意味の発表があつたようでありますが、何としてもこれはアメリカが水爆実験をやつたことに原因しておることはもの間違いないわけであります。それに対して、アメリカが日本の漁業者に対してどうも迷惑をかけて済まなかつたという感じの程度ですね。それによつて今言つたような間接換害は払えないとかいうようなむずかしいことになるじやないかと思うのですが、今日の日本の経済の現状から言つても、アメリカとしてはよく承知をしておるはずなので、私は外交の折衝によつてそういつたようなしちむずかしいことでなしに、何か方法がありはしないか、それは日本政府が提示している金額をまるまる舌んでくれといつたつて舌まないかも知れませんけれども、それに近いような数字に達するような交渉を是非やつて頂きたい。我々としては、そういうアメリカとの折衝は長引いてもかまわんが、その長引いておる間に業者が参らないように、国内措置を先に講じてもらつて、そうして交渉はゆつくり話を進めてやつてもらつてよろしいと、こう考えておる。併し交渉は長引くし、国内措置も講じられないということになると、業者は参つてしまいますから、その点を一番我々としては要望しておるわけでありますが、先だつてからのお話にもございますように、アメリカから来るものはそのまま補償の形で以て交付するが、若し国内措置を講じたりなんかするような場合には、これは融資の形をとらざるを得ないようなお話があるのですけれども、どうもこれは天災とは違うと思う。水害のごとき責任者のないものと違つて、責任者がある、その責任者に対しては日本も協力しているのだということであるならば、やはり政府が、アメリカが或る程度のことしかしなければ、その足りない分は大部分を日本政府が代つてやるのが本当じやないか、かように考えますが、大臣はどういうようにお考えになりますか。
  36. 岡崎勝男

    ○国務大臣(岡崎勝男君) 私としましては、これは国内の問題でなかなかむずかしい判断が要ると思いますが、やはりこの損害、いろいろ裁判所の先例その他もありましようけれども、直接損害を受けたというものは補償をいたすべきであろうと思うが、間接的なものについては、やりくりというのはどうかというふうに実は考えられる節もあるのでございますが、併しまあそれは国内的な問題で日本独自できめる問題でありますから、勿論私がどうこう言うわけではありませんが、ただこの問題が起りましてから、今まで或る国の不注意なり、或いは過失なり等によりまして起つた損害に対して、その国が国として如何なる補償の責に応ずるかという点については、国際法の書類にも国の責任についてという条項があつて、これはどの国際法にも書いてあります。又世界各国にこういうものは実例があります。そうして国際司法裁判所の判決例等もあるのでありまして、こういうものはかなり詳しく外務省として調査をいたしております。そうして結論と申しますと、結局一、二の例外はある。極く一、二の例外はあるが、国際慣例としては、直接損害を支払うべしというのが先ず確立したる慣行であり、又国際司法裁判所の判決例もさようになつておるということだけは申上げられると思うのであります。例えば、例としますと、公海の中で外国の軍艦が或る国の船をつかまえた。そうしてそれが敵国に供給すべき石炭を持つておつたという疑いがあつてその石炭を没収した。併し公海の中で長い間つかまえられて審査をし、そうして追帰されてしまつたので、輸送もできない、つまりその船は輸送船でありますから、いろいろなものを積んでいるのですが、輸送もできなければ、逆に戻されたためにいろいろな損害を受けた。長い間公海の中にとどめおかれたために破損もして、結局その船を非常な安い値で売つてしまうより仕方がなかつたというようなことで国際司法裁判所に訴えた判決例などは著しい例であります。結局いろいろな損害はあるが、これは予想せらるべきものであつて、法律的に認められないという国際司法裁判所の判決で、結局石炭代だけをつかまえた軍艦の所属している国が支払うべしというような、これは著しい例でありますが、そういうような判決もありまして、この直接、間接というのは実際定めがたいものであることは事実であります。境目のところに行きますと、国際慣例から言いますと、直接損害ということに大体限られておるような始末でありますので、問題はその直接損害というものに何が含まれるかということがまあ主たる外交交渉の対象になろうかと、こう私は思つておるのであります。
  37. 千田正

    ○千田正君 もう一つ、これは今の秋山委員の御質問に関連するのですが、今の外務大臣のお答えで大体の見当はついたのですが、間接の面がなかなか容易じやない、こういうような場合にそれはもう外務大臣もお考えになつて或いはやつておられると思いますけれども、輸出の面でですね、例えば冷凍魚類、冷凍まぐろとか、かつお、或いは罐詰類とか、日本の水産物の引取方をもつと大幅にまあアメリカに考えてもらつて、それが日本の外貨獲得の面にもなりますが、その一面間接の損害の填補という意味で、そうした通商上の外交折衝も或る程度考えられておると思いますが、そういう点はお考えになつておられるのですか。
  38. 岡崎勝男

    ○国務大臣(岡崎勝男君) 今お話の点は、私も非常にこれはできればいいことであつて、これはすぐに業者の損失補償ということにはなりますまいけれども、貿易なら一年で済むものではない、何年も続くものですから、だんだん改善されて来ると思いますから、こういう点は今までも、これはむしろアメリカの消費者が恐れをなさんで、まぐろ等を買つてくれるように、アメリカ側で放射能等の影響は肉には来ないのだということを十分に宣伝してくれ、そうしてむしろ今までの売上高が減らないようにというような意味で交渉はいたしておりますが、お話のように、その点もつと積極的に殖えるようにやることはこれは一つ今後できるだけ努力して行きたいと思います。これは非常に結構なことであると思います。
  39. 秋山俊一郎

    ○秋山俊一郎君 日本とアメリカとの今日の間柄というものは非常に近いもので親戚みたいなふうになつておると思うのですが、これは全然よその国との関係とは同一の比ではないのでありまして、アメリカも日本に対しての好意は当然持つておるでありましようし、日本も又全然他の国とのような感じは持つておらない非常に近い間柄で話は進めておられると思います。従つて、裃を着た話じやないだろうと私どもは想像しております。そこで、今国際法上のいろいろな慣例等の実績もございましようが、事実この問題は恐らく世界始まつて初めてできた事案でありますので、これに対してアメリカとしては特別の考慮を払うことも考え方によつてはアメリカとの話でできることじやないか、こういうふうに思いますので、そういう法律の解釈に抵触しない程度において何らかの好意的考慮を払つてもらうような交渉も私はできるじやないかと思いますが、外務省としてはそういうことは工合悪いものですか。
  40. 岡崎勝男

    ○国務大臣(岡崎勝男君) 決して工合が悪くもありませんけれども、一方において、日本の国会もなかなかやかましいのでありますが、アメリカの国会もそう何もないというわけにも行きませんので、すでにアメリカの政府も国会に対しては随分気兼ねもいたしておれば配慮も加えておるようであります。殊にアメリカの下院等におきましては、政府与党と野党との差が非常に少のうございまして、なかなか国会の運営がむずかしいようであります。又他方おつしやる通り、アメリカと日本との関係は非常に緊密ではありまするけれども、やはり親しき仲にも礼儀ありといいますか、筋道の立つことであるべきであろうと思います。勿論これが例えば商売上で元利を十分支払つて金を借りるというようなことなら何も問題はないようなわけでありますが、こういう特殊な問題になりますと、それは新らしい例でありますから、いろいろ従来の通り杓子定規に行くとは考えておりませんけれども、やはり或る程度国際慣例、これが又直れば別でありますけれども、国際慣例というようなものはやはり国際間の関係においては支配され勝ちなんでありまして、お話の点よくわかりますけれども、また親しい間でありますから、いろいろ腹蔵なく話もし、数字も遠慮なく出しておりますけれども、実際上はなかなか間接という問題はむずかしかろうと私は考えております。
  41. 楠見義男

    ○楠見義男君 その問題については、私は政府が非常に誠意を以て御尽力せられている点については毫末も疑うものではないのです。ないのですが、何分にも事件発生以来四カ月余も経ている。これは相当政府のほうもおくたびれのようかもわかりませんが、業界自体はすつかりくたびれちやつている問題だと思います。と同時に、従つて今日この段階に至つては、先ほどももう近いうちに何らかの解決の途がつくようなお話もありましたが、要するに一刻も早く我々委員会としてもけりをつけて頂きたいというのが最後のお願いなんです。そこで実は先般来いろいろお話を承わつておつて、これは外務大臣のお話じやなしに、国内的なほかの管理方面のかたがたのお話を承わつておつて、対米補償要求額というものと、それから対内施策というものと、その額を同じように考えられているのじやないか、そういう錯覚を持つていられるのじやないかと実は考えておつたのですが、それは今のお話で、そうじやなしに、対米補償要求額というものと対内施策というものをプラスして、そうして全体として漁業者に対する対策としてお考えになつているという点がよくわかつたのですが、そうなればなるほど余計に、先般来申上げて又お願いをしているように、対米折衝全体と、それから対内施策というものは、分離といいますか並行して一刻も早く措置を講じて頂きたいというのが我々の希望であるわけなんです。そこでそういう観点からすれば、今秋山さん或いは千田さんという外務大臣との間における質疑応答で大体の見当も私どもつくわけですが、というのは、国際間における損害賠償要求については大体の常識というものが或いは国際慣行上考えられる、こういうことであるならば、なお更一日も早く踏切つて頂きたい、こう思うのです。これは要求額について、今まで政府に対してどういう程度の要求をしておられるかということをお聞きしても、これは折衝中であるからと秘密にされておつてお述べにならなかつた。これは一面我々としても、折衝上においてそういうことが却つて折衝をする上において不利な場合もあつたかと思つて了承しておつたのです。併しだんだんこうなつて来ますと、むしろ外国電報によつて大体の見当がわかるようなことになる虞れもあるし、そうなれば余計我々としても実は不愉快と言えば不愉快な気持になつて行くわけです。こういう要求をして、併しこれだけしか補償ができない、それじや軟弱外交ではないかというようなそしりを受けるということも御心配になつていたところもあつたのじやないかと思いますが、今日この段階になると、そろそろそういうことも明らかにして頂いていいのじやないか。例えば先般も外務大臣の談話として述べられて、本日も冒頭においてこのお間違いであつたととの御訂正があつたのですが、その際における新聞にも、正式の要求額ではないが、日本側としては参考資料として、この程度の損害額というものを出している、その金額が大体二十億を超えている、こういう記事も出ておつた。この点は業界から十九億幾らという損害が出ておつて、これは勿論福龍丸のものを除いての陳情の中の十九億二千万円ですか、そういう金額になつておつて、政府のお考えになつておる損害額というものはこの程度か、或いは著しく違うかということをお尋ねしたときに、大体その程度だということをお述べ頂いたことがあるのです。それと平仄が合うわけで、そうなつて来ますと、そういうところから察しても、大体政府の賠償額として予定し、要求されているもの、それから要求額ではないが、参考のために資料として向う側として出しておられる数字というものも、大体見当がつくわけなんであります。こういうことも、先ほど来申しますように、長くなりますから簡単に申上げますが、向うからだんだんとわかつて来るようでは、誠に私どもとしてもまずいのじやないかと思いますから、もうこの段階では成るべく明らかにして頂きたいということと、窮極は日も早くけりをつけて頂きたい。大体慣行上における常識という問題は我々も諒とすると同時に、それについてはその足りない分の要求、国内における損害額に対する対策は、これは対内施策としてお考え頂ければいいもので、飽くまで対米折衝と対内施策というものは分離して、或いは並行してお考え頂けないものか、こういうことを私は強くお願いしたいのであります。そこでこれは安藤さんにお尋ねをするわけなんですが、この二十三日の閣議のあとで皆さん関係の閣僚がお集まりになつていろいろ御相談になり、それぞれ記者にお会いになつて、お話をしておられるのですが、二つの結論は大体同じだと思うのですが、外務大臣のほうはまだ結論には達しておらない、こういうことをお述べになり、それから安藤さんのほうは、結論を急ぐことは、却つて業者に満足せられない結果になることがある、だからむしろこれはゆつくりしたほうがいいのだというようなことを、記者会見においてお述べになつておられる。結論が出ないという点においては、外務大臣のお話とそれから安藤さんのお話は同じでありますけれども、安藤さんのおつしやる結論を急ぐことは、却つて業者に満足せられない結果になるということは飽くまで対米折衝というものと対内施策というものを不即不離にお考えになつているような印象を深くしたのであります。これはどういう意味なのか、先ほど来申上げているような私どもの考え方ではやつていけないのか、この点について安藤さんからお答え頂きたいと思うのであります。
  42. 安藤正純

    ○国務大臣(安藤正純君) 結局外務大臣から言われたことと同じことなんです。ただ対米折衝の話は相当進んだ過程にあるのですが、まだ結論には到達しておらない。それでつまりそこが折衝で、向うが考えることとこちらの要求する、又要望することとの間に、これを接近せしめようとするにはやはり時日が多少かかる、急いでやれば結局そこまでのことが行かない。これからやつても果してこちらの要望通りに行くか行かないかということは非常な努力を要するが、これは最後まで最善の努力を尽してこちらの要望に応えさしたいという考えを持つてやつていると、こういうわけなんです。国内措置の問題はこれはお話のように並行して今考慮中であります。併しこれもまだ結論に達してはおりませんが、あなたがたの要望のごとくですね、随分時日も長くかかりますし、それからそれぞれ当業者の打撃、御迷惑も十分察しておりますから、成るたけ早く解決をしたいと思いまして、ここ数日来関係閣僚の間で懇談を重ねておるような次第であります。
  43. 楠見義男

    ○楠見義男君 二十三日の閣議の終了後に安藤さんが記者会見をせられてのお話の中に「ビキニ被災問題は重大なので報告だけでなく、この問題についての首相の意見も聞いた」、それからその後で今申上げた「この問題を早急にきめることは却つて業者にも満足されない結果になることがあるので結論は急がず、更に来週初めに農相、外相とも又相談する。」と、こう言つておられるのですが、ついでのことで甚だ恐縮なのでありますけれども、総理の御意見はこの問題についてはどういうお考えなんですか。
  44. 安藤正純

    ○国務大臣(安藤正純君) 総理に対しましては外務大臣からも報告しておられることでありますが、私としましても総理に一応報告し、且つ又総理に対して大いに骨を折つてもらいたいということを要望したのです。総理も勿論今度のことに対して非常に同情し、又当業者の苦痛も十分察しておりまして、無論努力をしよう、こういう意見なんであります。
  45. 楠見義男

    ○楠見義男君 安藤さんがお見えになる前に外務大臣からいろいろ関係閣僚の間でこの問題について御苦心なすつておられる状況、概要をお伺いしたのです。その際のお話の中に大体関係閣僚のかたがたの間において、特に農林大臣等において国内の施策というものと、それから向うから来るもの、賠償として来るもの、こういうものを併せて対内施策として考えておるようなお話を承わつたのです。従つてそういうことを政府としては早く立案をしたいということで御努力になつておる状況をお伺いしたのです。そうしますと、大体政府としてはこの程度のもの、こういう種類のものというふうなことを先ず頭に置いてお考えになつておるんじやないかと思う。そこで先ほど引例いたしましたように、これは若し間違つておれば外務大臣からでも御訂正頂きたいと思うのですが、さつき引例しましたように「日本側は必ずしも『補償要求額』としてではないが損害資料として三月以降損害があり次第にアメリカ側に資料を提出しており、その総額は二十億円を超えている。」とこういう記事がこれは朝日新聞に出ておる。この記事から先申しましたように我々想像しますと、いわゆる間接被害というものは向うに要求しておられないんじやないかと思う。そうするとですね、向う側でいわゆる八十万ドルだとか何とかと言つておるいわゆる狭義の直接損害額と、なおこちら側としてはもう少し欲しいというので要求しておられる額との開きというものは、これはよく政府側で言つておられるいわゆる準直接被害額とそれから直接被害額というものとの合計額と、この八十万ドルとの差額はそう大した差額ではないんじやないかと思う。ところがこれが同時に先ほど来外務大臣のおつしやる国際法上における従来の慣行、或いは常識というものから見て、我々が想像しますと大した開きはないと、そうなればむしろ問題の重点は事件発生以来もう四カ月もたつて、すつかり音を上げかかつておる業者に対する国内施策というものに重点がそろそろ行つて頂かなければならない時期に到来しておるんじやないかと思う。だからそういう意味で申せば、これは安藤さんはまあ一生懸命に少しでも余計に向うから取るということについての御心配をし、お考えになつておられるように、又先般来おつしやるように、現在の財政事情というものもいろいろお考えになつて御苦心しておられると思うのですが、そのほうの決定がまだ全く未定の状態にあるんですから、一日も早く重点を対内施策としてお取上げになり、そうして向うからもらうものはそれに穴埋めをして行くという考え方に転じて頂きたい、こういうふうに思うのてすかが、依然として急ぐと、却つて業者に満足せられない結果になるということを、この前新聞にお述べになつたが、それと同じお気持なんでしようか。若しそれが同じお気持ならば、これは一つ業界の切なる希望をお酌みとりになつて、考え方を変えて頂きたい、こういうふうに思うのですが、如何でしようか。
  46. 安藤正純

    ○国務大臣(安藤正純君) ちよつとね、承わりますがね、不満足でもあなたのおつしやるのは……。
  47. 楠見義男

    ○楠見義男君 私はあなたのおつしやつたことを言うのです。
  48. 安藤正純

    ○国務大臣(安藤正純君) いやそうだが、そこにあなたの最後の要求ですがね、結局それを切詰めて言うと、不満足であつても早くけりをつけたほうがいいと、もう今長引いて困り切つておるから、そのほうがいいじやないかと、そうしてあとはまあ国内対策のほうでやつたらどうかと、こういうようなお考えなのですか。
  49. 楠見義男

    ○楠見義男君 私の考え方は対米折衝と対内施策というものを切離して行けという考え方なんですよ。ですから政府がですね、二十億なら二十億の損害があると、こう言う。この調べは政府で参考資料でお出しになつておるんだから、間違いはないようですね、その場合政府が二十億なら二十億とお考えになつておるもの、そのうちの何億を、融資だとかいろいろなものを合せてお考えになつて、仮に十五億なら十五億と政府は一つお考えにならなければならない、こういうことが頭にあつて然るべきじやないかと思う。そうすると十五億に対する或いは十六億になりますか、仮に十五億というものをお考えになれば十五億というものを頭に置いて対策をお考えになつたらいいじやないか、そうしたら対米折衝はこれは早く片付くものなら早く片付けばいいし、片付かないなら並行してやつて頂けばいい、そうしたらこちらから仮に四億なら四億の金が入つて来れば、これを消して行けばいい、そうしないとこちらが主でこちらが従のような考え方だと、こちらがきまるまでということになれば、業界は音を上げてしまう、もうとことんまで来ているんだから、こちらを主にするように頭を切替えて頂けないか、こういうことなんです。満足、不満足ということですが、満足するところに来れば一番いいですが、これは外務大臣もさつきから言つておられるように、やはり常識的な点はあるのじやないかと思う。それをいわゆる間接損害まで賠償せよということは、これは今申上げた点から言えば非常識かも知れません、国際常識上は。併しこの点は政府も要求しておられない、ただ参考資料としてお出しになつているだけで、これを賠償せよとはお出しになつておらない。そうすると実際向うに出しておる数字と、いわゆる八十万ドルの間にはそう大した五億も十億も差がある問題じやないと思う。そういう点からいろいろ考えて見ますと、国内施策というものに、重点を仮にお置きになつても非常に大きな損を来たすというようなことはないじやないかと、こういうような考え方です。
  50. 安藤正純

    ○国務大臣(安藤正純君) それを私が何ですよ、国内施策と対米折衝のほうと連関性を持たせて、それがたあに片方引張つておるのだというようなことはないですよ。そういうことはありませんが、ただ先ほど言う通りに早くきめると、向うの言うような通りになつてしまう、ざつくばらんに言えば。少しでもそこに努力をしたい。あらゆる手段を用いて努力はして見なければならん、こういう考えなんですよ。それからね。
  51. 楠見義男

    ○楠見義男君 その点はよくわかる。
  52. 小林孝平

    ○委員長(小林孝平君) ちよつと楠見さん、外務大臣時間の都合がありますから、ちよつと外務大臣に対する質問を終りまして又続けて頂きたいと思います。
  53. 千田正

    ○千田正君 外務大臣に極めてこれは重大ですが、重大な問題として考えているのですが、その一点は、こうした問題が今後も恐らく、アメリカ側は実験を中止するということは言つておらないのであつて、むしろ将来ともあの地域でやるということを声明しておるようでありまするが、外務大臣もたびただ本会議、或いは委員会等においておつしやつておる通りに、日本側もこれを協力する、自由国家群の一つとしてこれに協力するのは当然だということでお答えになつておるようでありますが、そうしますというと、こういう問題は将来に発生することは、これは当然予想されるのでありまして、これを如何にして不幸な事態を生ぜずに協力する方法があるか。これは外務大臣は私が言うまでもなく十分お考えであると思いますが、この点についての折衝はどうされておられるのか。例えば原子爆弾の実験を前以て秘密に、勿論秘密でありましようが、十分日本政府が、国民が危険にさらされないような方途を講ずるようなことをアメリカ側との間に打合せが、できるのかどうか、こういう面の将来起るであろうと、今日起つておるような事態が将来も起るであろうということは当然想像されるのでありまして、この点についてはどういう、将来についてお約束なり、或いは打合せなりができておるのか、或いはここに発表されないとしても、そういう、未然に防ぐ方途をお考えになつて折衝されるという腹をきめておられるかどうか、この点一点伺つておきたい。  さつき私が間接損害におけるところの一つの方法として、外国やアメリカ向きの輸出水産物の点でありますが、御承知の通り長い間関税障壁によつて相当日本の水産物の輸出が、或る程度阻まれておる。この際この問題を一つ取上げて、この障壁を或る程度除去するような問題も一つこの際外交折衝のうちに織込んで、将来の日本の貿易発展のために御考慮になつておられるかどうか、この二点を伺つておきたいと思います。
  54. 岡崎勝男

    ○国務大臣(岡崎勝男君) 実は今後の実験についての具体的な話はやつておりません。ただこの前の実験以後今後の問題については、日本政府としては協力はするつもりであるけれども、人命等に被害の加わるようなことは、これは絶対避けなければならない。又協力をする代りには水産業者等の損害についてはこれはもう十分考慮してもらわなければならん、然らずんば協力ということはなかなかできないという趣旨の原則的な話はいたしております。具体的の話は、実は少しのんきかも知れませんけれども少くとも今年中はない模様でありますから、俊鶻丸の正確な科学調査その他ほかの方面の調査をできるだけ早く急ぎまして、又アメリカの原子力委員会のほうの調査もあるわけでございますから、これらを集めまして、前にも申しましたが、空気に対してはどのくらいの放射能があるか、水に対してはどうか、或いはプランクトンに対してはどう、魚に対してはどう、魚のえらはどう、肉はどう、いろいろなことがあると思いますが、こういう科学的の調査を正確に得まして、それでこの危険防止には、これはどうしても危険区域を設定してそこへ入らないように日米両方で協力しなければならんと思います。その結果その場所では漁ができないのみならず、迂回しなければならん場合もありましようし、又その辺にいた魚が外へ出て来てこれが放射能を受けるというようなこともありましようから、こういう点の被害防止といいますか、むしろ損害補償という点を、まあ仮にこれが間接、直接の問題は又出て来ようかと思いますが、少くとも事前に水産業者の損害のないような措置が仮にできるといたしますれば、そうして人命等には被害がないということになりますれば、これは私は協力して然るべきものであろうという考えでこの調査等を急ぎまして、この具体的な問題についてこの一、二カ月のうちに話合いを始めて見たい、こう考えているのでございます。  それから先ほどお話の輸出水産物の問題でありますが、これは先ほども白状しました通り、積極的な面よりも、むしろ値下りを防止したり、今までの輸出量を確保したりするほうに我々は今まで努力して来たのでありますが、お考えのように、これを機会に更に飛躍的にやるということについては、できるかどうかわかりませんけれども、これは全くお考えの筋がこれは正しい方向だと思いますからしてこれを契機としましてできるだけこの方面に努力してやつて行きたいと思います。
  55. 小林孝平

    ○委員長(小林孝平君) ちよつと外務大臣に簡単にお尋ねいたしますが、先ほどの御説明のうち一、二不明のところがございますのでお尋ねいたしますが、最初の八十万ドルの件でございますが、外務大臣はあれを取消したとおつしやつた際に、そういうこともあつたかも知れないという発言をされたと思います。それは多少肯定されている御発言なんですか、どういう意味なんでございましようか。
  56. 岡崎勝男

    ○国務大臣(岡崎勝男君) それは私がちよつと言葉が足りなかつたかも知れませんが、外電にそういうことがあつたという質問だつたのであります。それで私外電を見ておりませんでしたので、そこで外電にはそういうことがあつたかも知れないけれども、これは何ら具体的に日本とアメリカの間に話がないという話をしたので、実は外電を見ておりませんでしたから、外電にそういうことがあつたかも知れないということを言つたわけです。
  57. 小林孝平

    ○委員長(小林孝平君) もう一点、ちよつと今楠見さんからもお話がありましたんですけれども、従来政府は大体損害高は二十億円だと、そういうふうに考える。そうして今までの御説明では、そういう数字を直接、間接被害をアメリカに交渉している、こういうように大体私たちも了承しておつたのでございますが、先ほどの外務大臣のお話では、この直接損害について相当に幅がある、その最高と最低があるからその中のどこを取るかということについてはまだ大いに研究しなければならん。併し間接損害についてはこれは国際法上、或いは今までの慣習上要求すべきかどうかという点は大いに研究しなければならんという御発言で、外務大臣のお話では、正式に向うに間接損害については要求してまだおられないように伺つたのでございますが、その点如何でございますか。
  58. 岡崎勝男

    ○国務大臣(岡崎勝男君) これはこの前の当委員会においても申上げたと思いまするが、我々のほうでは直接損害だとか、間接損害とかということを言わずに、損害額を提出しておるのであります。併しまあその中に、おのずから直接であろうと思われる分もあり、間接であろうと思われる分もありまするけれども、これは先ほど秋山さんのお話でしたか、日米間のこういう関係であるからして、そう、これが直接損害であり、これは法律上当然であり、これはどうとかということを言わずに、とにかく被害額としてはこれこれなんだ。これについてアメリカとしてはできるだけの考慮をしてくれというふうに、これは交渉の順序としては、当然そういうふうにやるべきだと思います。でありますから、日本側としては、特にその中の区別をせずに出しているわけであります。先方の態度は直接被害というものは何であるかということは別としまして、直接被害は必ず払う、こういうことであります。又支払つたものを日本の計算の基礎によつて日本政府がこれを配分するか、その他適当な方法で配分するかは、これは配分の方法は日本政府に当然一任する。いわゆるいろいろな内容がありますが、これは計数の基礎であるということでありまして、必ずしもその通りにものが動くということでもないけれども、交渉にゆとりは持つているわけであります。そこで対米交渉の内容から申しますれば、要するに直接損害をどこまで見る、どこまでをその中に入れるかということにもなろうかと思います。それは例えば船を迂回するという問題がありますし。これが直接被害であるか間接被害であるかということについても、多少の問題はなきにしもあらずなんです。というのは、ちよつと申しましても、今までは南のほうに行くために真直ぐ日本から行つている。そうするとここへこう行つてこのところからずつと廻つてこちらに行く。こういうのが普通の計算になりますが、ここにもう危険区域があるということがはつきりいたしておりますれば、日本を出るときから斜めにここのところをこういうふうに行けば、真直ぐぶつかつてこう行くよりは時間も短いし、距離も短いということはあり得るわけなんです。計算の基礎としてはここからこういうふうに行くようになつております。従つてそういうことは日本の出発の場所によつてはすつと行ける場合もあるかも知れんというようなこともありますけれども、従つてそういうものは一体直接であるか間接であるかという議論もありましようけれども、むしろこの中にどれだけの直接というものが入るべきものかということが問題になろうかと思つております。
  59. 楠見義男

    ○楠見義男君 先ほどの続きなんですが、安藤さんのおつしやることもよくわかるのですが、私の申上げているのは、さつきのお話にあつた点を引例してもう一度言いますと、問題を早急にきめることは、却つて業者にも満足を得られない結果になる虞れがあるので、結論を急がなければならない。こういうことを言つておられる意味は、さつきおつしやつたように、もうここら辺で手を打つたら損というとあれですが、金額は少くとも手を打てばいつでも打てるが、それでは正当に要求すべき金額が得られないからがんばつているんだと、こういう意味だと思うのです。従つてそういう意味で何も、不当におれのところは折れて結論をつけてもらいたい、こういう考えは私ども毛頭ないのです。これは先ほど申上げたように、対米折衝と対内施策を並行してやつて頂きたいという私の考え方からしても、何も急いで結論をつけて頂かなくても結構だと思う。これは要求すべきものは堂々と要求して頂いていいと思う。ただここから出て来る懸念は、その対米折衝が済まなければ対内施策に移らないという施策であつてはいけない。だから一方要求すべきものは要求すると同時に、どうせ向うから来るものと、それから日本政府が考えるものと合せて一本にして業者に対するいろいろの対策の内容になるでしようから、金額になるでしようから、その観点からすれば、従来のように先ず向うをやつて、その入り工合に応じてこちらのプラス・アルフアを加えてそして対内対策の額にするという考えでなしに、もうこうなつた以上は、全体の大体の頭額を想定して対内施策というものに重点をおいて、足りない分は向うから、これからなお御折衝を頂いて入つて来るものを埋め合せて行く、入れて行けばいい。こういう意味なんです。
  60. 安藤正純

    ○国務大臣(安藤正純君) あなたの話はよくわかりましたが、今までは多少そういうふうに考慮も加えていたのです。併しながら大変時間も延びますし、業者も当面困つているだろうと思いますので、最近におきましては、対米賠償できまつてから国内措置に移るという段取りではなく、対米折衝は折衝、国内措置は国内措置、こういう方を針とつて関係閣僚、まあ主として外務大臣、農林大臣に連絡する、更に大蔵大臣も加えて、或る場合には熟議をしているというようなわけであります。
  61. 楠見義男

    ○楠見義男君 その点は大変くどいのですが、もう音を上げかかつちやつてあとは音も出なくなる時期が遅れますと来るので、それはもうあなたは対策本部長みたいなもので、実際の仕事は農林大臣、大蔵大臣、特に私は農林大臣だと思うのです、その点を特に維進して頂きたい。そうしませんと、私ども曾つてしよつちゆう委員会をやつておりましても、事態は一向本来の救済を待つ業者から見ればちつとも進行しないのですね。この委員会で取上げてからも一カ月近くなりますが、こういうことでは、もうそろそろきりをつけて頂かなければいけない時期じやないかと痛感するものです。その点は是非お願いいたしたいと思います。
  62. 安藤正純

    ○国務大臣(安藤正純君) もうちよつと今の御質問に対して申上げておきますが、方針は今言うようにしているんであります。そこで対米折衝のほうは最後まで最善の努力を尽してやりたいと思います。併しながら外務大臣も言つたように、アメリカのほうでは、直接損害は、まあ直接損害、間接損害というわけでなく、さつき言つたように、全部引つくるめてどうといつたような考えですし、これは議会にかけないで向うの対外活動本部ですか、のほうで支弁するらしいのであります。それでありますから、どれだけになるかということを、今申上げられませんけれども、併し内容は向うのその考え方ですね、それは外務大臣からずつと言つていますが、やはり直接損害の程度で行くのだと思います。それから併しその直接損害というところの定義の上でやるにしても、成るべく幅広くしたい。どうしても幅広くしたい、こういうふうに努力しておるのであります。併しこれもやはり時期があり、だんだん考えないといけませんから、まあその辺を、内容と時期とを見計らつて関係閣僚相談して進行する考えです。それから国内措置のほうは、これは融資の方法で行くのでありまして、この点につきまして大蔵大臣ともここ二、三日間ずつと折衝をしています。併しこの間も申上げましたように、財政がもう逼迫して、殆んど切結めになつておるので、財政当局のほうからいうとなかなか実は難色があるのです。併しそれはそうばかりは言つておかれない、何とかこれはやらなくちやいけないということを頻りに熱意を傾倒参してやつております。農林大臣も私と無論同意見でやつておるわけです。で、それにつきましては、今まで内払いをしましたが、なお福龍丸及びその他三十二隻というものに対する金額の内払いは済んでいるのですから、それを残しますとあと百余隻です。これに対する損害のつまり漁獲物廃棄処分の損害の内払いですね、それを早く処置したいと思つております。それから更に進んで、まぐろ漁業者に対する融資の措置ですが、御承知のように神奈川県と静岡県の漁業者に対しましては、一億五千万円の融資をすでにしたのでありまして、そのときもそれはなかなか困難な事情でありましたが、まあ措置をとつたんでありまして、で、今度はそのすでに終りました神奈川、静岡両県以外の漁業者に対する分としての融資を今考えておるわけであります。成るべく早くこれを決定してそれぞれ処置をしたいと思つて進行中であります。
  63. 秋山俊一郎

    ○秋山俊一郎君 細かい問題ですが、水産庁長官にちよつとお伺いいたします。只今お話の一億五千万というものの融資を出されましたその消化の状態はどんなことになつておりますか、概略を……。
  64. 清井正

    ○説明員(清井正君) これは総額が一億五千万円ということで始まつたのでありまして、それも当初は必ずしも静岡、神奈川だけでということではなかつたのであります。まあ生産者全部ということで始まつたのでありますが、そこで一億五千万円というあれがあつたのであります。併しこれはなるべく切詰めようということでありましたが、結局只今の進行状況は、たしか静岡は五千万円の範囲内、それから神奈川が八千三百万円の範囲内ということで、両県で一億三千三百万円の範囲内、そうしてこれは県庁を通じて貸付けする。その中には無論一部の産地の流通業者も入つておるのでありますが、そういうことで実はあつたのであります。ところが、業者間といいますか、生産者と流通業者との間の金額の配分の問題で、いろいろ非常に問題がありまして、同時に又御承知の通り三崎、焼津等は他県の生産者も相当水防げしておるのであります。そういうような他県の問題をどう扱うかという問題がいろいろありますので、いろいろその後の配分について問題があつたのでありますが、本日聞いたところによりますと、たしか静岡は最近きまつたという話であります。で、神奈川のほうはまだ私出て来るまでには聞いておりませんが、この間の話では二、三日中にきまる自信を持つておるということでございましたので、恐らくきまつているのじやないかと思います。これは正確なニユ―スではありません。静岡のほうはきまつた、こういうように聞いております。
  65. 秋山俊一郎

    ○秋山俊一郎君 関連しまして……。一億五千万円をお出しになつたということでありますが、先だつてからの質疑の中に、日本政府が大体意図しておるものは二十億程度のものであるということは殆んど輪郭がわかつておる。ところで補償額として出たものは二千百万円でしたか、何か内払いをして、そうしてあと一億五千万円の融資をするということになりますと、これは成るほど内輪に見積つての話でありましようが、合計いたしましても二億円に足りない。そこで焦眉の急務と言つてやいやい我々言つておるのに、日本政府が処置しておる金は二億に足りない、併しアメリカに要求しておる金は二十億ということになると、余りにもそこに差があり過ぎて、アメリカとしても日本のその数字に対する大きな疑いを持つような感じがしやしないか、私は日本政府が二十億というものに対して、本当にこれだけのものが損害を受けておる、これだけの損害を受けておるとするならば、少くともそれの七割とか八割というものは国内処置をやるべきであつて、そこを渋つていたんでは外交交渉もうまいこと行かないんじやないかと思いますが、安藤大臣は如何に考えられますか。
  66. 安藤正純

    ○国務大臣(安藤正純君) それは先ほどからも話が出ておる通りに、日本から出したのは二十数億に書上げてあります。これはすべての、直接と言い間接と言い、すべてのことを書上げて提出してあるんです。併し外務大臣も言いましたように、それではその直接とか間接とか、こつちが分けてそのうちどれだけ要求するというやり方ではなくて、向うへ提出をして、成るべく多くそれを要求したわけなんです。けれども、向うの考えとしてはそれはよく見ているんです。又調べているんですが、直接損害は賠償すると、間接損害は賠償はできないという、こういう態度で来ておるんです、アメリカ側は。で、そのことはずつとこの間からも、今日の話でもおわかりと思うわけでありますから、で、それは向うの態度なんですから、日本の政府が出したものが吹つかけて来ているとか、信用ができないとかいうような感じは与えないと思うんですね。こつちはそう出しておるのに向うの方針態度が、その中から、直接損害は払う、こういう態度でいるんですから、そういう妙な印象は与えないと思います。
  67. 秋山俊一郎

    ○秋山俊一郎君 もう一つ……。そうしますと、もう日本政府としてはアメリカで出して来ておるものを肯定して、そのあとを考えるということであれば別問題ですけれども、成るべく日本政府の要求に近いものを獲得しようとして今後外交折衝を続けられるという場合においては、やつぱり私は、今私のお尋ねするような疑念が向うにも出て来やしないか、大きなことを言つておるけれども、実際日本政府がやつたのは二億にも足りない程度のものじやないか、ではそんなに大きな被害でもないじやないかというふうな感じを受けますと、若し直接損害以外のものは一切見ない、それは止むを得んと日本でも見ておれば別問題、併しそれは直接損害と間接損害との区別というものは甚だデリケ―トなものでありまして、はつきりそこに線を引くということもむずかしいものでありますから、日本政府はこれだけのものは一つ是非見てもらいたい。直接損害、間接損害というものをはつきり書分けていないとすればなお更そこの点に弾力性があるわけであります。従つて私としては実際上日本の漁業者が困つておるのであるから、いま少しく日本政府が財政上の問題もありましようけれども、僅か二億に足りない金を出すということではなしに、もつと少し大きく出して今日の急場を救いつつ外交折衝に資するようにされたほうがいいのじやないかと、かように私は考えるわけです。
  68. 安藤正純

    ○国務大臣(安藤正純君) お話の趣意と同じふうに考えまして、最近そういう方針をとりつつあつて、今進行中なんです、国内措置に対しては。
  69. 秋山俊一郎

    ○秋山俊一郎君 それを非常に早くやつて頂きたいというわけなんです。
  70. 楠見義男

    ○楠見義男君 先ほど対内施策としていろいろ最近お考えになつていることの一環としての融資のお話を承わつたのですが、融資の問題は、これは安藤さんもすでに御承知のように、先般静岡、神奈川に対してきまつた枠もなかなか実際にはその枠通りに行かない。従つて今後勿論静岡、神奈川が、それで十分だとは私ども考えないのですが、尤も私どもも実際の実情をよく存じませんから、あの程度で十分ならいいのですが、今度の融資の問題で静岡神奈川以外の県に融資をするというようなお話でしたが、なお静岡、神奈川の分もよく実情を御検討頂いて不公平のないように一つお願いしたいのです。これはまあお願いなんですが。  もう一つの点は、これはお尋ねなんですが、よく今度の問題は、先ほどもお話があつたように、風水害その他天災地変に対しては政府は今まで融資は勿論或いは補助金とか、災害補償のようなことをやつておられる。今度はもつと補償なり、補助なりをすべき事変じやなかろうか。ところが、それに対して融資だけというようなお話、或いはほかのこともお考えになつているかもわかりませんが、この点は先般も申上げたように、例えば昨年の風水害にしても、或いはその他の災害にしても補助金或いは補償、融資そのほかに税の減免措置とか、いろいろな措置が講ぜられているわけなんですね、水産についても今年の魚価の低落によつて仕込み資金もないというような、そういうようなところですから、従つてその税の納税期が来ても非常に困つておる、その点は天災地変と同様にやつぱり考えてもらいたいという要求があつたことは御承知の通り。これは又私ども考えて極めて常識的に見て当然のことだ思う。そこでいろいろの措置をお考えになる場合に単に融資ということだけではなしに、考えられる又政府としての親心が示される限りのことを是非お願いしたいと思うのですが、今お考えになつている対策というのは、廃棄処分の補償の問題、これは向うからどうせ来るか、来なければこちらから補償するのでしようが、それ以外のものに融資だけなんでしようか。それともそれ以外のこともお考え頂いておるのですか。
  71. 安藤正純

    ○国務大臣(安藤正純君) 税の減免のような問題、そういつたようなことも相談はし合つておるんです。併しながら今落ちついたところは融資で一つ行こう、それが一番早いことでもあり、適切な措置ではなかろうかということで進行しておるわけです。
  72. 楠見義男

    ○楠見義男君 この点は考えられる政府の親心は是非示して頂きたい。私はこれはお年寄りをおだてるわけでもなんでもないんですが、二十三日の新聞を見て、この前その直前にこの委員会でいろいろお願いしたことが早速安藤さんは閣議で報告せられ、又総理にも報告せられ、その意見も徴せられ、又努力を要請せられ、関係大臣をお集めになつて御協議になつたり、対策本部長といいますか、その立場としてはまあよくやつて頂いておるとその当時の新聞を見て感謝をしておるわけなんです。是非折角この大役をお引受け頂いておるのでありますから、まあ一番手つ取早い融資も結構でありますが、再再申上げましたように、政府として示し得られる最大の親心を示して頂きたい。特にこれは最後に、これ以上お願いいたしませんが、一刻も早くこの問題を解決するように対内施策について大臣検討して頂きたい。これだけを重ねてお願いしておきます。
  73. 安藤正純

    ○国務大臣(安藤正純君) よくわかりました。
  74. 千田正

    ○千田正君 秋山委員、或いは楠見委員からもすでに安藤国務大臣に対して委員会の言いたいことは十分尽して述べられてお答えを頂いておるんですけれども、さつき私と外務大臣の質疑応答中、間接損害と見られる点においてはなかなか容易じやないだろう思うのです。それで輸出水産物に対する増額輸出という問題が将来外交線上に当然浮かんで来ると思いますし、さつき岡崎外務大臣も述べて、それを正当付けようとされておるようであります。この問題は私は特に安藤国務大臣とそれから水産庁長官に今から考えておいて頂きたいということは、この今後における外交折衝における輸出増加というものは、いわゆるビキニの水爆の被害の犠牲において新たに獲得されるところの外貨であるということを念頭に置かれまして、国内対策の調整には是非これは特に水産に携わつておる人たちの面に潤うような調整をやつて頂きたいということを今から一つお考えおきを願いたいということを注文申上げておきます。
  75. 小林孝平

    ○委員長(小林孝平君) 本日はこれにて散会いたします。    午後零時五十八分散会