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1954-05-30 第19回国会 参議院 水産委員会 32号 公式Web版

  1. 昭和二十九年五月三十日(日曜日)    午前十時十四分開会   ―――――――――――――  出席者は左の通り。    委員長     森崎  隆君    理事            秋山俊一郎君            千田  正君    委員            青山 正一君            野田 俊作君            森 八三一君            菊田 七平君   政府委員    水産庁長官   清井  正君   事務局側    常任委員会専門    員       岡  尊信君    常任委員会専門    員       林  達磨君   ―――――――――――――   本日の会議に付した事件昭和二十九年五月の北海道東南海域  暴風雨による漁業災害の復旧資金の  融通に関する特別措置法案(内閣提  出、衆議院送付)   ―――――――――――――
  2. 森崎隆

    ○委員長(森崎隆君) それでは只今から委員会を開会いたします。  本日の議題の第一は、昭和二十九年五月の北海道東南海域暴風雨による漁業災害の復旧資金の融通に関する特別措置法案を議題に供します。先ず政府委員より提案理由の説明を承わります。
  3. 清井正

    ○政府委員(清井正君) 只今議題となりました昭和二十九年五月の北海道東南海域暴風雨による漁業災害の復旧資金の融通に関する特別措置法案につきまして、その提案理由及び要旨を説明いたします。  去る五月九日夜半から十日にかけ突発的に発生いたしました大暴風雨雪によりまして、北海道の全地域及び附近海域において多数の人的損失を生じ、漁業及び農業における物的施設にも多大の損害を生じたのであります。  漁業におきましては、その被害が最つた北海道東南の沖合海域においてさけ、ますその他の漁業に出漁中の漁船のうち多数のものが沈没し、或いは行方不明となり、漁網も多くの流失、損壊を見るに至りましたことは誠に遺憾に存ずる次第であります。これら重大な被害の状況に鑑みまして、この暴風雨によつて著しい損失を受けた漁業者及び水産業協同組合に対し、この際低利の復旧資金を融通する措置が緊急となつた次第であります。  次にこの法律案の要旨を申上げますれば、この法案の内容は、被害を受けた漁業者及び水産業協同組合に対しまして、農林中央金庫その他の金融機関が行う漁船及び漁網の復旧資金の融資について、市町村及び都道府県が利子補給及び損失補償を行うこと並びにこれらの経費について国が補助を行うことであります。  具体的には、利子補給につきましては、地方公共団体が五分の利子補給を行い、そのうち二分五厘を国が補助する建前であり、損失補償につきましては、漁船分は地方公共団体が六割の損失補償をすることを前提として、その六割のうち三割を国が補助する建前であり、漁網分は、地方公共団体が五割の損失補償をすることを前提として、その五割のうち二割五分を国がそれぞれ補助することとなつております。  又この法律の対象となる復旧資金は、貸付を受ける者一人につき、一千万円以内で、償還期限が一年以上五年以内、利率が年六分五厘以内のもので本年十二月三十一日までに貸付ける資金であります。  なお、政府が都道府県に対し補助する対象となる復旧資金の総額は、八億五千万円の限度となつております。  以上本法案の提案理由並びに要旨を説明いたしましたが、何とぞ慎重御審議の上速かに御可決あらんことをお願いいたします。
  4. 森崎隆

    ○委員長(森崎隆君) それでは本法律案の質疑に入ります。御質問のある方は逐次御発言を願います。 森八三一君 別に農林水産業施設災害復旧事業費国庫補助の暫定措置に関する法律の一部を改正する法律案というのが提案になつておりまして、これは主として凍霜害の関係の対策を講ずる趣旨になつておるかと思いますが、衆議院におきまして委員会審議の模様を見ますると、相当高率の補助をして復旧を行うというようなことが計画され、具体化しつつあるように考えるのでありますが、それとこの利子補給の、今御説明のございました北海道東南海域だけの暴風雨被害に対する対策との関連は一体どういうふうになつているのか、その点をお伺いいたします。
  5. 清井正

    ○政府委員(清井正君) これは御承知の通り根室の近所に羅臼という所がありまして、そこで魚田開発と申しまして御承知の通り農業の開拓と同じように、未開拓地に初めは樺太等の、或いは千島等の帰還漁民を目的といたしたのでありますが、そのうちの一部は東北の漁民等も入りまして農地の開拓と同じように漁家をそこへ移しまして事業を行なつております魚田開発事業があるのであります。それに対して国から二分の一補助金を支出いたしまして、漁業等の住宅或いは実習場或いは倉庫、事業場等の補助をいたすということを只今やつておるのであります。ところが今度の災害によりまして羅臼地区全体で六十戸のうち四十四戸、四百四十坪に相当する分が全壊いたしまして、今のところ他の友人或いは親戚のところに仮住いをいたしておるというような状況であるのであります。至急これが復旧に要する措置をとらなければならんということで、過般来これに対して相当の補助をいたしたいということで、政府部内においてもいろいろ相談をいたしまして、その議が只今進捗をいたしておるような関係でありまして、それに対応するこの法案が提出或いは御決定になつたのだろうというふうに私ども考えておる次第であります。
  6. 森八三一

    ○森八三一君 只今私の質問いたしました災害復旧事業費国庫補助の暫定措置に関する法律の一部を改正する法律の提案されておりまする説明等を伺つておりますると、農業用の施設につきましては溜池であるとか、農道、或いは水の取入口更に農舎、畜舎、農民の住宅等の被害に対しても九〇%の助成をしてその復旧を考えようというようなふうに、これは両院の院議が決定したわけではありませんけれども、衆議院。ときにおける対策と同じようなことを考えて行きたいということで進んでおる、その場合に異常な災害と考えられまする今回の北海道東南海域の暴風雨による災害に対しては助成の途はなくて、融資だけで行こうという考え方のようにこれは伺うのですが、それと均衡のとれないような気もするのですが、水産庁長官はどうお考えになりますのか、その考え方と、同じこれは農林省内部の問題ですからどういう御連絡であつたのか、その辺のいきさつをお伺いいたしたいと思います。
  7. 清井正

    ○政府委員(清井正君) 只今御質問になりました点は、これは開拓地と申しますか、水産関係で申しますと魚田開発でありまして、一般の既存漁村における漁村農家とは異なつたいわゆる開拓に相当する部面でありましたので、この点につきましては金額も極く僅かなものであります。一部の地方に限りましてあるようなことでありましたので、これは別途農業関係と睨み合せて高率の補助率で行くというような考え丈て追んでいるのてあります。私どもで只今御提案申上げました一般的な漁村の被害につきましては、これは御承知のように北海道におきましては二十七年の初めに十勝沖の問題があり、続いて二十七年の暮にオホーツク海に同様な災害がありましたけれども、いずれも利子補給、或いは損失補償を行なつて来ておるのであります。率においては異なつておりまして、その以前ありましたほうがやや高率であつたのであります。ところが昨年において西日本等、或いはその後全日本において各地に被害を起しました被害の立法措置につきましてもやはり同様に漁業者が同種類の損失を受けたのでありますが、これ又漁船、漁網等につきまして利子補給、損失補償の措置を講じて来ておるのであります。今回も同じような程度でありまして、多数のかたの御不幸があり、或いは非常に被害の程度が強かつたということにつきましては今回は非常に大きい損害であつたと思うのでありますが、過去の立法の事例は、その他の損害の状況を考えますと、実は多少只今高率になつておりますが、漁船、漁網の損害につきまして利子補給、損失補償等の制度によつて十分均衡がとれる、こういうふうに私は考えております。
  8. 森八三一

    ○森八三一君 もう一つお伺いいたしますが、今の御説明大体了承はいたしましたが、昭和二十七年度以前における災害に対処した場合における融資等の条件は今回ここに提案されておるものと同じような条件であつたのか、今回のは昨年の例に鑑みてこういう条件に直されたのか、二十七年度以前のものと対比して今度の条件変更があるのかどうか、その点をお伺いいたします。
  9. 清井正

    ○政府委員(清井正君) 御質問のお話は二十七年度以前というお話でございましたが、私ちよつと先ほど申上げました点を御説明申上げて了承を得たいと思うのでありますが、二十七年の十勝沖の震災がありましたときには、やはり損失補償、利子補給でございましたが、そのときは国だけが三割の損失補償と、国だけが四分の利子補給であつたのであります。その二十七年の暮にありましたオホーツク海の暴風及びカムチヤツカ沖地震による損失におきましては、国が五割、地元が三割の損失補償、合計八割、利子補給のほうは五分ということであつたのであります。ところが昨年の水害及び風水害のときにおきましては御承知の通り損失補償は国、地元がそれぞれ二割ずつ四割、それから利子補給率は国も地元も二分五厘ずつ合計五分になりましてだんだんと下つて来るような状況であつたのであります。今回につきましても、この問題につきましては非常な事態に対処すべく折衝をいたしたのでありますが、結局利子補給率につきましては昨年の事例と同様に国と地元が二分五厘ずつで五分ということは同様でございますが、損失補償のほうは昨年の例が国も地元も共に二割というのは少し引上げまして、漁船については国と地元が三割ずつ、それから漁網については国と地元が二割五分ずつ、即ち全体で五割と六割になつておりますので、去年の場合の全体で四割よりもそれぞれ損失補償の率は引上げており、利子補給のほうは去年と同額で過去から比べれば少しずつ下つておる、こういうような状況であります。
  10. 森崎隆

    ○委員長(森崎隆君) 森委員の今の御質疑については相当重要な基本的な問題だと思います。今農林大臣に念のために出席を要求しておりますがまだ返事が参りません。来られるようでございましたらその折に御質問頂きたいと思います。
  11. 秋山俊一郎

    ○秋山俊一郎君 復旧資金と称するものが「利率が年六分五厘以内のものであること」という規定がありますが、これはどういうところから出る金でございますか。農林中金、或いは一般金融機関では、農林中金とか一般金融機関は六分五厘という金利はないと思いますが、これは特に復旧資金として六分五厘という規定が何かあるわけですか、それとも都道府県又は市町村等において利子補給をした結果六分五厘ということになるか、その点御説明願います。
  12. 清井正

    ○政府委員(清井正君) これはお話の通り実際問題として金融機関としては、農林中央金庫その他政令で指定する機関ということでございまして、漁信連、或いはその他の機関政令で指定いたすことになると思うのでありますが、実際問題として過去の実例を徴しましても、殆んど金融はこれは農林中金一本でいたしておるような実情であるのであります。  そこで率でございますが、これは昨年にも同様な例がありまして、昨年の災害立法の前例にならつておるのでありますが、六分五厘というのは、結局あと本人が最終的に本人の負担において借受ける利率が六分五厘ということになりますので、金融機関の立場から見ますと、六分五厘に対して五分の利子補給がございますので、結局金融機関の立場から見ますれば年一割一分五厘ということになる。そうしますと、大体農林中金のこの程度の貸付の条件が年一割一分五厘という程度になつていますので、大体それが基準になつておるのであります。詰まるところ本人が六分五厘を負担する、それに国と地元で五分負担するので、結局一割一分五厘となるということになろうか、こういうふうに考えておるのであります。
  13. 森崎隆

    ○委員長(森崎隆君) ほかに御質疑ございませんか。  ちよつと速記をとめて下さい。    〔速記中止〕
  14. 森崎隆

    ○委員長(森崎隆君) 速記を始めて下さい。
  15. 秋山俊一郎

    ○秋山俊一郎君 第四条に「前条第一項の規定により政府が都道府県に対し補助する場合における当該補助に係る同項各号の復旧資金及び転貸資金の総額は、八億五千万円を限度とする。」、こういうことがあるのです。この八億五千万円というものは補助する額の限度であるんですが、この八億五千万円という貸出資金というものは政府が何か世話をするのでございますか、どういうことなんです。
  16. 清井正

    ○政府委員(清井正君) この点は私ども大蔵省と時々相談をいたして参りましたときの一つの根本問題でございますが、この点は責任を持つて政府において措置をとるということでございます。実際問題といたしましては農林中央金庫からの貸付が大部分を占めるのでありまして、農林中央金庫の資金繰りの問題が実際問題になるわけであります。中央金庫の資金繰りも今年の八月頃には相当のピークになるようでありまして、相当の裏打ちを政府当局がいたさなければ円滑な融資はできんという実情にあると思います。そこで私どもは農林奥金庫ともいろいろ相談をいたし、或いは大蔵当局と相談をいたしておるのでありますが、具体的にこうするという措置まではまだはつきりいたしておりませんが、政府といたしましてはこの点は責任を持つて融資をいたすように措置いたすということをはつきりいたしておるのであります。私どもはこの措置について十分信頼をいたしておる次第であります。なお道庁と私どもにおきましてもいろいろ具体的の問題について今相談をいたしておりまして、中金の資金繰りを私どものほうからも援助できる方法があればやりたいというふうに考えて時々事務に相談いたしておりますから、万万枠はきまつたけれども融資する金がないということはないと私は確信をいたしておる次第であります。
  17. 秋山俊一郎

    ○秋山俊一郎君 これはただ責任を持つというだけで、どの金をどうするといつたような具体的なことはまだきまつておりませんか。
  18. 清井正

    ○政府委員(清井正君) 何か事務的にはいろいろ研究いたしておることは事実であります。で私もその点は当の責任者ではありませんからはつきり実は申上げられませんが、この点を一番心配いたしまして折衝いたしたのであります。これは確かに大蔵部内においても事務的に相談いたしておりますし、適当な措置をとるということをはつきり申しておりますから、万々このことは間違いないと存じております。
  19. 森崎隆

    ○委員長(森崎隆君) ほかに御発言がございませんようですから、質疑はこれで終つたものと認めたいと思いますが、御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  20. 森崎隆

    ○委員長(森崎隆君) 御異議ないと認めます。  それではこれより討論に入ります。御意見のおありの方は順次賛否を明らかにしてお述べを願いたいと思います。
  21. 森八三一

    ○森八三一君 私は只今議題になつておりまする昭和二十九年五月の北海道東南海域暴風雨による漁業災害の復旧資金の融通に関する特別措置法案の原案に賛成いたすものでありますが、特にこの法律の実施に関連いたしまして以下二、三の点を希望いたしまして当局にその善処を要望いたしたいと思います。  その一つは、先刻質疑でも申上げましたように、こういうような災害が起きますることは非常に遺憾なことでありまするが、日本の置かれておりまする地理的な環境から考えまして今後も遺憾ながら発生することと考えなければならんと思うのであります。そういうような場合にその都度都度刹那的な考えに立つて事を処理して行きまするというと、前後の関係に非常なアンバランスを生ずるようなことにもなり、それが却つているく問題の紛糾の種を残すというようなことにもなる危険がないとは言えませんしいたしまするので、水産長官からも話がありましたように、災害に対する根本的な復旧の対策を立てまして不動の態勢で今後も対処し得るような基本的なお考えを一つ至急とりまとめて樹立をされたいということが第一点であります。  第二点は、こういうような災害はひとり水産関係だけではなくて、暴風雨は勿論農業方面にも同時に災害をもたらすことでありますので、対策が農業関係と水産関係との間にこれ又均衡を失するということでありましては遺憾なことでございますので、対策業態別に不均衡を生じないように十分取扱上の配慮を願いたいことであります。  更に第三点として、秋山委員からもお話がございましたが、八億五千万円の融資は大蔵当局が責任を持つて善処するということでありました。その善処に満幅の信頼を寄せるものではありまするが、これがお話のごとく農林中央金庫からとなりますると、昨年の異常災害を受けまして二百数億の融資を農中が受持つておるという関係からいたしまして、農中本来の業務を推進して参りますると、恐らく本年の六月末或いは七月末は資金枯渇のピークのときに達するのではないか、そうなりますと自然この法律によつて融資される額というものが手許の資金繰りからいたしまして困難に逢着する危険がある、そのことは延いて貸付条件の査定だとかいろいろなことに難くせをつけちまつて実際は貸出が非常に遅滞をするという結果になる危険があるというように考えられますので、原資の手当についてはそういうようなことに陥りませんように最善の方途を考えて頂きたいということを希望いたしまして賛成いたす次第であります。
  22. 森崎隆

    ○委員長(森崎隆君) 他に御発言もございませんようですから、それではこれで討論は終局したものと認めたいと思いますが、御異議はありませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  23. 森崎隆

    ○委員長(森崎隆君) 御異議ないと認めます。  それではこれより採決に入ります。  昭和二十九年五月の北海道東南海域暴風雨による漁業災害の復旧資金の融通に関する特別措置法案を原案通り可決することに賛成の方の御挙手を願います。    〔賛成者挙手〕
  24. 森崎隆

    ○委員長(森崎隆君) 有難うございました。全会一致でございます。よつて本案は原案通り可決すべきものと決定いたしました。  なお本会議における委員長の口頭報告の内容等事後の手続は慣例によりまして委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  25. 森崎隆

    ○委員長(森崎隆君) 御異議ないと認めます。  次に本案を可とされた方は例により順次御署名を願います。   多数意見者署名    秋山俊一郎  千田  正    青山 正一  野田俊作    菊田 七平    森 八三一
  26. 森崎隆

    ○委員長(森崎隆君) ちよつと速記をとめて下さい。    〔速記中止〕
  27. 森崎隆

    ○委員長(森崎隆君) ちよつと速記を始めてさい。  それでは委員会は暫時休憩をいたします。    午前十時五十一分休憩    〔休憩後開会に至らなかつた。〕