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1954-04-13 第19回国会 参議院 法務委員会 18号 公式Web版

  1. 昭和二十九年四月十三日(火曜日)    午前十時二十六分開会   ―――――――――――――  出席者は左の通り。    委員長     郡  祐一君    理事            上原 正吉君            宮城タマヨ君            亀田 得治君    委員            青木 一男君            楠見 義男君            中山 福藏君            三橋八次郎君            一松 定吉君   政府委員    法務大臣官房調    査課長     位野木益雄君    法務省民事局長 村上 朝一君   事務局側    常任委員会専門    員       西村 高兄君    常任委員会専門    員       堀  眞道君   説明員    最高裁判所長官    代理者    (事務総局総務    局総務課長)  磯崎 良譽君    最高裁判所長官    代理者    (事務総局人事    局長)     鈴木 忠一君    最高裁判所長官    代理者    (事務総局民事    局長)     關根 小郷君    最高裁判所長官    代理者    (事務総局刑事    局長)     江里口清雄君   ―――――――――――――   本日の会議に付した事件裁判所法の一部を改正する法律案  (内閣送付) ○民事訴訟法等の一部を改正する法律  案(内閣送付) ○裁判所職員定員法等の一部を改正す  る法律案(内閣提出、衆議院送付)   ―――――――――――――
  2. 郡祐一

    ○委員長(郡祐一君) 只今から委員会を始めます。  裁判所法の一部を改正する法律案、民事訴訟法等の一部を改正する法律案、両案につきまして前回に引続き質疑をお願いいたします。御質疑のおありの方から順次御発言をお願いいたします。
  3. 楠見義男

    ○楠見義男君 それじや一つお伺いしたいのですが、民訴の改正のほうのことについてお伺いしますが、上告理由についての審査を原裁判所でやるという問題ですね。この問題について先般来いろいろの意見が出ておるのですが、その原裁判所において審査することは如何かという、その政府提出の原案に対する反対論的な意見としていろいろ述べられている事柄について、一応尤もだと思われる節もないではないこ思うのですが、そこで三つほどの要件の中で、一号、二号はこれは純然たる手続関係の問題で大した問題はないこしても、三号の問題ですね。これは原裁判所がやらずに、最高裁で、例えば調査部なら調査部とかというようなところでやるということで、実際問題として、まあ非常に困ることがおありになるでしようか。その点を一つお伺いしたいのですが……。
  4. 村上朝一

    ○政府委員(村上朝一君) 三百九十九条第一項の第三号につきまして前回もいろいろ御意見があつたようであります。要するに原裁判をやつた裁判官が同じ事件について審査をするということは公正を期し得られないのではないかというような趣旨の御質問だつたと思います。裁判官裁判をいたします際に、あらかじめ予断を抱いて事件に臨むということはこれは避けなければならんのであります。その意味におきまして原審の裁判に関与した裁判官が、その後上級審の裁判官に変りましたときに、上訴事件として同じ事件が廻つて来ることがあるのですが、そういうときにはその事件からは除斥されることになつております。これはすでに一応原審の裁判官として判断を下した問題について、重ねて同じ裁判官が判断を下すということが、只今申上げました予断を持つて事件を裁くということになるからであります。ところがこの第三号の、殊に後段が問題になつておりますけれども、「判決ニ影響ヲ及ボサザルコト明ナル法令ノ違背ヲ理由トスルモノナルトキ」というのでありまして、原裁判の当否をここで判断するわけじやない。即ち原判決で当該裁判官の示した事実の認定なり、或いは法律上の判断、法令の解釈適用が間違つていたかどうかということについて判断をするのでなくて、仮に上告人の言うような、理由としているような法令の違背があつたとすれば、判決の主文が変つて来たであろうかと、つまり法令違背があると仮定して、それと判決との間に因果関係があるだろうかという点を見るわけです。でありますから、同じ問題について予断を持つて臨むという心配は全然ないわけであります。全く新らしい問題についての判断、こういう新らしい問題について判断いたしますときには、事件そのものか事実的に同一でありましても、前審関与の場合のように、裁判官除斥されるということはないのでありまして先般参考人として菊井教授が例に挙げられました再審の場合、或いは請求異議の訴の場合であるとか、これらはいずれも新らしい問題についての判断、この場合同じ裁判官が扱うことによる不当な結果が出るのじやないかという心配は私どもとしては不要だと考えておるのであります。上告審で、それではこれをやめてしまうとどれだけ負担が多くなるかという点でありますが、この第一号、第二号につきましては現在もこれは最高裁判所が不適法として却下しておるのでありますが、一号、二号に該当する理由だけで、これで却下された事件の割合が大体全体の三〇%内外あるのであります。で三号の理由で裁判されております却下なり、棄却の裁判をされております率は今までの統計からは出ないのでありますが、相当多数のものがこれに該当するのではないかと、かように考えるわけであります。例えば法令の違背を主張しておりましても、判決の結果に全然影響のないような法令違背を主張する事件というものは相当数あるようであります。で、そういう事件上告裁判所へ参りまして、この上告裁判所裁判官としても、その種の事件を却下の裁判をすることはそれほど手数のかかることではない。けれども裁判官であります以上、調査官に任せてしまつて、調査官の調査の結果をそのまま信頼してはんこを押すということはできもいたしませんし、又現にいたしておりませんので、調査官が一応下調べいたしますけれども、果して不適法なものであるかどうかということは、みずからやはり記録を操つてお調べになるわけであります。そういう事件に要する上告裁判所裁判官の手数を成るべく省きまして、本当に重要な事件について、精力を集中して頂くということが望ましいと考えるような次第でございます。
  5. 楠見義男

    ○楠見義男君 大体御説明の御趣旨はよくわかりましたが、要するに問題は原審においては、あらゆる証拠を集めて、それから当事者の意向もよく聞き、とにかくできる限りの努力を払つて、そして最も公正な判断を下すものと理解しなければならんと思うのです。従つてその判決に影響を及ぼすことの明らかな法令の違背というこの問題になりましても、それは原審においてはそういうことはあらゆる観点から、今申上げたように審査をして決定をしたその原審裁判所が、この三号後段の問題に該当するかどうか審査するということになれば、これはもう明らかにやはり予断を以て律する、こういうことの懸念は、これは私はないとは言えないと思うのですね。従つて上告の理由としてはこれは判決に影響を及ぼす虞れある法令の違背だと言つて来たのに対して、それは原審においては今申上げたようにあらゆる観点から審査してそういうことはない、従つてその結果公正な判決が出たのだ、生れたのだと、こうでなければ裁判官としては職務に忠実ではないと思うのですね。従つてやは今の除斥なり、そういつた問題と同じ関係が起るんじやないか、こういう懸念の生ずるのはこれは尤もな節があるんじやないかと思うのです。その点もう一度お伺いしたいことと、それからもう一つは、現在の特例法において法令の解釈に関する重要な主張云々という事項がありますね、この点に関係して、これは法令の解釈に関する重要な主張でないという判定を受けて却下といいますか、された%はどのくらいだか、それをお知らせ頂きたいと思います。
  6. 村上朝一

    ○政府委員(村上朝一君) 私説明が足りなかつたので、或いは繰返しになりますかもわかりませんが、この三百九十九条第三号の理由によつて原審が却下する場合、予断を以て臨む慮れが、懸念があるのではないかという点でありますが、もとより裁判官裁判をする際に、法例解釈適用について確信を持つてやるわけであります。自分の解釈が間違つていたかどうかという点については、間違つていないという確信を持つているわけであります。ところがこの三百九十九条第三号の後段で問題になりますのは、前にやつた裁判の中で示したところの法令の解釈適用が間違つていたかどうかということには全然触れないのであります。つまり上告人の言つているような法令違背が仮にあるとする。つまり裁判官は甲であるという解釈をとつた。併し上告人は乙という解釈をとつた。甲であるか乙であるかを原審の裁判官が再び審査するのでなくて、仮に乙であると仮定をしたならば、判決の結果が変つて来るであろうが、自分の法令解釈が正しいと前提すれば、この判決主文が正しいが、その解釈が間違つていたとすれば主文も変つて来たであろうという点を考えるわけです。でありますから、その意味におきまして前の判断に引きずられるという虞れは全然ないのでありまして、強いて想像いたしますと、自分が確信を持つてやつた裁判に対して、それを不服として上訴をするということに対して感情的に何か処理される虞れがないかということを想像すれば、そういうことも想像し得るのでありますが、裁判官が感情を持て法令の解釈を曲げる、或いは事件の取扱いを変えるということはおよそ考えられないことでありまして、現在訴訟法におきましても相当広い裁量裁判官裁量権が認められている場合はたくさんあるのでありますが、いろいろ法令の解釈が間違つていた、或いは事件の処理が遅いという非難はありますけれども、感情を持つて左右したという事例は一つもない。又そういうことがあるといたしますと、今の訴訟法の建前そのものが維持できないことになるのであります。で三百九十九条の第三号後段の運用上、前に原裁判をした裁判官がこれを処理することによつて公正を欠く虞れが私どもとしては全くないものと考えております。  それから現在の民事上告特例法の下におきましては、重要なる主張を含まないものということで上告が棄却されております。パーセンテイジは、約五一・八%、これは昭和二十八年の数字でありますが、約五一・八%になつております。
  7. 楠見義男

    ○楠見義男君 それは、二十八年ですか。
  8. 村上朝一

    ○政府委員(村上朝一君) ええ、二十八年です。
  9. 青木一男

    青木一男君 関連してちよつと……。裁判所が自分のした判決であるから感情的にというようなことは、それは私はないと思うのですが、只今の御説明の、法令違背が判決の結果に影響を与えるかどうかということは、やはり一つの法律問題として、そこに必ずしも客観性はないのじやないか。それ自体が問題になる一つのポイントじやないか。こういう場合には、多少やはり私は楠見さんの言われたような懸念はないということは言えないのじやないかと私は思いますが、如何でしよう。
  10. 村上朝一

    ○政府委員(村上朝一君) 法令違背と判決の結果との間には因果関係があるかどうかという問題は、これはまさに御指摘の通り法律問題でありまして、裁判官によつて判断が異なることもあり得るわけであります。上告事件を原審で審査するのでありますから、因果関係の可能性があるかないかという限留に近いものは、そのまま上告審へ送る。因果関係がないことが明白な場合にだけ原審で却下するという建前になつているわけであります。明白な場合と申しますとどういう場合かと申しますと、例えば判決原告請求を棄却しております場合に、被告が幾つかの抗弁を重畳的に重ねて出し、或いは予備的に主張する場合がある。例えば売買代金の請求に対して、その売買契約が無効である、或いは解除された、仮に解除されないとしても、或る時期に従来の取引をすべて帳消ししたというような債務の免除があつた、或いは売買代金債務が残つておるとしても、自分のほうも反対債権を持つておるのだからして、反対債権を以て相殺するというような、いろいろな抗弁を出すわけであります。それにつきまして原裁判所が、最初の一つだけについて判断をして、それで請求を棄却するということもあるわけでありますが、反面におきまして上級審等において、他の問題が争点になる場合を予想しまして、その重畳的、或いは予備的に主張されましたすべての抗弁について、それぞれ判断をする場合がある。で、どの理由によつても原告請求は棄却を免れないという場合には、最後の例えば相殺抗弁だけにつきまして、これは反対債権は成立していないのだという上告論旨で争つて来たというような場合、これはたとえその反対債権による相殺抗弁を認めた原審の判断に、法令の解釈適用上の誤まりがあるといたしましても、結果においては判決は動かないのであります。判決を仮に上告審が破棄いたしまして、原審で再び審理するといたしましても、原告請求は棄却を免れないという場合、これは判決の法令の違背、判決の主文との間に因果関係がないことは明白な場合の一つであろう。  そのほか訓示規定であることが明らかなこと、例えば現行法ですと判決の言渡がありまして、原文を裁判所の書記官に交付いたしますと、書記官はそれから二週間以内に当事者に判決を送達しなければならないということになつております。何かの理由で送達が非常に遅れて、一カ月かかつたという場合に、これも一つの訴訟手続上の法令違背でありますけれども、それを理由にして原判決を攻撃する上告が仮にあつたといたしますと、原判決を破棄いたしましても、やはり判決は変りようがない。つまり判決の送達が遅れたということは、判決の主文に影響を及ぼさないことの明らかな法令違背なんであります。そういう種類の客観性のある法令違背、この明らかなという言葉はそう御説明申上げてもいいかとも思いますが、との裁判官が見ても因果関係がないことが明らかであるという場合にだけ適用される、かように解釈しておるわけであります。
  11. 青木一男

    青木一男君 今の御説明の引例の場合はよくわかるのですが、ただ明らかな場合ということが、必ず間違いなく判断されるかどうかという一応の懸念は、依然として残る。今の例の場合はよくわかつて問題ない。まあその懸念が絶無じやないと、こういうふうに考えます。
  12. 楠見義男

    ○楠見義男君 よろしうございます。いや私はこれ以上は同じことです。
  13. 郡祐一

    ○委員長(郡祐一君) 前回委員会で御要求のありました最高裁判所の規則側定諮問委員会に関する規則、並びに新しく規則で考えております調書の方式、裁判所の方式等に関する資料を、最高裁判所側から提出しておられまするから、これについて關根最高裁民事局長から説明を求めます。
  14. 關根小郷

    ○説明員(關根小郷君) 先般の当委員会におきまして、最高裁判所の規則を作りますに至ります運営の問題について御質問がありました。それからなお今度の法律案が、若し通過するといたしますれば、どういう内容のルールのことを考えているかというお問いがございましたので、一応この資料を差上げた次第でありますが、先ずルールを作ります際におきまして、最高裁判所があらかじめこの各界の権威を集めまして、そこで御意見を伺うというために、最高裁判所の規則制定諮問委員会を開くわけでありますが、その根拠は、お手許に差上げてございます最高裁判所規則制定諮問委員会規則に基くものでございます。でこれは簡単に申上げますと、第二条で種類がございま正すが、民事、刑事、一般と三つございまして、それぞれ作りまする規則の内容におきまして、当該委員会の諮問に基いて規則を作るということになつております。  それからその他は大体普通の委員会と同じでございまするが、この顔振れでございます。でこれはこの規則の第四条を御覧頂きますと、「委員及び臨時委員は、裁判官検察官、弁護士、衆議院議員、参議院議員最高裁判所事務総長裁判所事務官、法務事務官又は学識経験者」という、これらの方々からお選びするわけでありますが、先般も私申上げましたように、国会側の委員の方々にお出まし頂くことにつきましては、国会法と抵触するということで、実際上お願いできない状態になつておりますが、結局法曹と学識経験者ということになろうかと思います。で現在最高裁判所の民事の関係の規則を作ります際に諮問いたします委員会の名籍は、やはりお手許に差上げてございます通りでございます。  それからなお今度の法律案が若し通過いたしますると、ルールのほうでどのようなことを考えているのか。これは実はまた正式の会議を経ておりませんし、我々事務当局の一つの試みの案に過ぎませんので、この点はあらかじめ御了承願いたいと思います。で今度の法律からルールに譲つて頂くという問題の点は、調書と判決の両方の方式ということでございますが、実はこの方式の問題につきましては、先般も申上げましたように、約今から六十年前の明治の三十四年から、ずつと引続き同様のものを使つておりまして、これを改善するためには、どうしても法律を改正して頂かなくちやならんということが従来いろいろ検討いたしました結果出て参りまして、それでそういたしまして、今度はその調書なり、判決の方式なりの細かい点につきまして、国会の御審議を仰ぐということは、如何にもお忙しい中却つて如何かと存じますし、それから現在憲法七十七条がございます以上は、憲法七十七条の期待しております、まあ一番中心点と申しますか、その点が調書或いは判決の方式じやないかと思います。それでここで御審議頂くには余りに実際的であり、細かい問題かと思いますが、現在法律にございますのをルールに任せるということの改正でございますので、一応の構想だけを申上げたいと思います。  で、今申上げました六十年以上古くから使われております裁判所の調書というものは、御覧になつた方がおありかと思いますが、非常に厚いものでございまして、而もそれは昔から言われております大福帳式でございます。これを大福帳式だというのは、あらゆる書類を年月日順にただ綴つているだけでございますので、そこに見出しはございまするけれども、非常に多い。その中を見るのに不便極まるわけでございますし、一々家へ持つて帰りますのに非常に大きな嵩になる。でそれを今度はできるだけ合理化いたしまして、内容ごとの、内容如何によつて編綴するという、いわゆる事項式な調書を作りたいという考え方でございます。それでこれはここにも書いてございますが、二年前から、事務当局で、在京の裁判官、書記官、それから判事さん方お集り頂いて、いろいろ研究したのでありますが、なかなか現在の民事訴訟法は細か過ぎて、それと抵触する関係が出て参ります。それで大きく申上げますと、今申上げましたように、大福帳式を事項別に改めるということになりますのでございます。お手許に若しまあ一番改善すればこうもあろうかというものを作りまして、そのバインダー式のもので綴じたものをお手許に差上げてございますが、これが即ち事項別の記録の見本でございます。でこれはバインダー式でございますので、差入れが自由になつておりますし、中を内容によつて区別いたしまして、主張関係、これは当事者の申します弁論が主でございますが、その次に証拠関係、これは御承知の通り、書証、書面による証拠、それから人証、証人による証拠等を含めるものでございます。それからそのほかに記録といたしまして雑書類、これはいろいろ訴訟が継続いたしますると、訴状の送達はいつなされたか、それから期日の、呼出しがいつなされたかというような書類が残りますので、それを併せて雑書類といたしましたのであります。で、これは細かく申上げますといろいろございますが、非常に大まかな点は大体以上な次第でありまして、これは非常にまあ合理化したものかどうか、検討を仰ぐ次第でありますけれども、こういうふうにいたしますると、或いは主張関係書類、或いは証拠関係書類によりまして形式的に記載する要件、例えば裁判官の名前とか、当事者の名前とか弁護士さんの名前とかは、或る場合にはこれを記載しなくてもいい。例えば事件の番号だけを書いておけばいいというようなことが出て参ります。これなどは細かいルールにおきまして規定すべきことかと存じます次第であります。  それからなお裁判書の方式の問題でありますが、これは現在の裁判所裁判はどちらかと申しますと、暫くほうが主になつておりまして、考え方によりますれば、書くことによつて頭に整理されて、いい判決ができたのだということも考えられないわけではございませんが、それが行き過ぎますると、むしろ如何に判決書を作り上げるか、まあ極端な言葉で申上げれば芸術的な判決というようなことを言われておりますが、そういつた方向に行き過ぎまして、そのために判決の言い渡しが遅れてしまう。で、これはやはり事案によつては判決の合理化、判決書の合理化ということも考えられるのじやないかということが従来から論ぜられたわけでございます。元来この判決はスピーキング・ロー、法律を話すことだと言われておりますが、今ではこれを書くこと、ライテイング。ローとまで言われている次第でありまして、何とかごの判決の内容自体を、言渡の際に内容のいいものを言い渡すといつた方向に向けたいという考え方でございます。  それで若し今度の法律案が通過いたしますると、それではルールの案はどんなことか、これも最後的の決定のものではございません。一応の試みの案に過ぎませんが、この事案によりましては裁判書に当事者が出ております準備書面を引用するということも考えられるのではないか。これは現在刑事訴訟法の関係では規則でこういうことになつております。  それからもう一つは、この事案によりましては例えて申上げますと、原告訴え出しましても被告のほうで全然それに乗つて来ずに欠席してしまう。欠席いたしますると、原告請求が大体において勝つわけでありますが、そういうときにおきましても克明に裁判書を作りまして言い渡すという現在の法律になつておりまするが、それなどはむしろもう即決の裁判ができるようにして、むしろその裁判の内容を調書に載せて行く。判決に代る調書というものを、判決書に代る調書ということを考えて行つたらどうか。これも刑事訴訟のほうではすでに刑事訴訟規則におきまして認められておりまして、現在それに対する非難は聞かないのでございます。で、この欠席判決の割合がどのくらいあるかと言いますと、地方裁判所に例をとりますると、大体百件のうち四十件は欠席、相手方が欠席して裁判がなされるという数字が出ておりますので、せめてそういつた欠席判決などにつきましては調書判決ということを考えていいじやないか。  それからもう一つは、先般こちらの委員会におきまして最高裁判所の小林裁判官が参考人としてお述べになりましたのですが、どうも裁判書の体裁が一定していない。そのために非常に読みにくいものがある。例えば原告請求原因としてと始まつて、と述べたりというのが何ページもありまして、どこで区切るのかわからんというようなことを申されておりましたですが、これはあに最高裁判所裁判官の不便のみならず、当事者の方にとりましても、判決書をもらいまして何が何だかわからない。勝つた、負けたということだけしかわからんというような感じを受けるものがなきにしもあらず。こういう点はやはり形式を、いわゆるフオームをきめまして、それに当てはめて行くようにして行つたらどうかということが考えられるかと思います。これは現在英米等におきましてはいわゆるフオーマル・ジヤージメントという、形式の判決を直訳すればそうなりますが、判決書の不動文字で書きました様式がきまつておりまして、それに書き入れるようになつております。これなどは事案によりましてでありますが、そういつた方策をとり得れば、非常に当事者のほうにもわかりやすいことが考えられる。裁判所としても非常に能率を上げることができるのではないかということが顧慮されるわけでございます。  それからなおもう一点、すでに刑事訴訟法におきましては刑事訴訟法から譲られました刑事訴訟規則におきまして、判決以外の裁判、これは決定とか命令とかいう種類の裁判でございますが、これなどにつきましては裁判官が一々筆をとつて自分で書名する代りに記名捺却でいい。判を捺すだけでいいということになつておりまして、この点はいずれ実際を御覧頂くとおわかりかと思いますが、最高裁判所裁判官にいたしましても、決定に署名される事件が非常に多いのであります。毎日役所においでになりまして署名の練習をするような工合に実に数が多い。これなどは記名ということにして頂きますとどんなに能率が図られるかわからない。これはやはり刑事ですでにそうなつておりますので、民事でもそうして頂きたいということが我方の熱望するところでございます。  非常に簡単でございますが、お手許に差上げました資料に基きまして御説明いたした次第でございます。
  15. 郡祐一

    ○委員長(郡祐一君) それでは引続き御質疑のある方は……。
  16. 亀田得治

    ○亀田得治君 只今の規則の御説明に関連して少しお伺いしたいのでありますが、規則の制定が相当広汎に行われておるようでありますが、先だつては時間がありませんでしたので極めて簡単に一、二点だけお聞きしたような結果で終りましたが、この際少し聞いてみたいと思うのです。先ず一つの問題はですね、規則というのは先だつての説明では勿論法律が規則よりも優先するのだ、こういうふうに言われておるんですが、規則できめる事柄ですれ、これは無法の七十七条に四つばかり項目が書いてあるわけですが、単に裁判所の或いは訴訟法上の内部の事柄ということじやなしに、一般の国民の権利義務なんかに影響して来るような事柄ですね、そういう事柄は一体取扱いできるのかできないか。この憲法の四つの項目の書き方では少しはつきりしないような点があるのですが、そういう点はどういうふうにお考えになつているのでしようか。
  17. 關根小郷

    ○説明員(關根小郷君) 只今亀田委員からのお問いの点は、憲法七十七条の解釈問題になろうかと思います。それで憲法七十七条は今お述べになりましたようにいろいろございますが、その中で訴訟に関する手続を例にとつて申上げますと、訴訟に関する手続は、これは現在の民事訴訟法の中にも、当事者の権利に直接非常に重大な影響を及ぼすものを含んでおります。そういつた当事者の、言葉を換えて申上げますと、実体上の権利に関係のある訴訟手続上の問題、例えばどういう問題について上訴ができるかというような問題になりますると、これは非常に当事者に関係がある、当事者に重大な権利関係のあるものについては、これはルールでは原則としてできないという考えをとらざるを得ないかと思います。これにつきましてもいろいろ議論がございまするけれども、現在最高裁判所側でこのルールを制定いたします際におきましては、今までの経過におきましては大体そういつた方向で進んでおる次第でございます。
  18. 亀田得治

    ○亀田得治君 重要なものはできない。併し境目は、非常にこれはむずかしい問題ですが、余り重要でないと思われるものは憲法の七十七条によつて制定できるんだと、こういうお考えですか。或いは重要でないものをきめるにしても、一応民事訴訟法なら民事訴訟法で原則をきめて、それの委任に基いてきめると、そういう恰好になるのですか。直接きめるというのですか。一々やはり委任が要るというお考えですか。
  19. 關根小郷

    ○説明員(關根小郷君) 今の亀田委員のお問いにつきましては、これは憲法七十七条がはつきり最高裁判所にこういう権限を与えておりまする関係から、訴訟手続でこの七十七条の範疇に入るものは直接ルールを制定する権能があるという考え方でいたしております。例えて申上げますと、例えば刑事訴訟法に例をとりますると、調書の方式、判決の方式等につきましては、その点の詳細について規則に譲るという法律はございません。併しその法律からはずされている分については、当然憲法七十七条に基いてできるという考え方をとつておる次第であります。  それからなおルールに任せられております点で、特別法でかなりございます。例えば自動車とか航空機などにつきましては、これは特別に価格の高い点から、御承知のように動産でありながら不動産扱いにして抵当権の設定ができるということになつておりますが、これなどにつきましても、実際の施行の手続等については、非常に当事者に利需関係のある点がございます。こういう問題になりますると、法律で規則に譲るという形をとつております。でありますので、事が当事者の権利義務に非常に重大な関係のあるものについては法律で譲つて頂くという形をとる。それに基いてルールを作つておる次第であります。併し法律で本来憲法七十七条に該当する分野については法律のほうで特に委任するという形をとつておらない。これは今までの立法形式もそういうふうになつておる次第であります。
  20. 亀田得治

    ○亀田得治君 重要なものは法律に持つて行く、こういうふうにおつしやるわけですが、憲法七十七条に書いてある四つの事柄については、重要であろうが軽微であろうが規則でやれる、一応形式的にはこういうふうに解釈できるんですがね。で、この四つの項目のものであつても、権利義務関係で重要なものは法律に持つて行かなきやならない。私それは妥当だと思うのですがね、そういう取扱が……。併しそれはどういう根拠でそういうふうな扱いをされておるのかという点をお聞きしたい。
  21. 關根小郷

    ○説明員(關根小郷君) 私の或いは申上げ方が悪かつたと思いますが、実体権に関係のあるような事柄は憲法七十七条の、訴訟に関する手続しに入らないということは、理窟を申せばそうなろうかと思います。そういたしまして、憲法七十七条の範疇外の問題については特に法律の委任を要するという考えで法律を作つていられるのであり、それを前提として又規則を作るということになろうと思います。
  22. 亀田得治

    ○亀田得治君 そうすると、同じく訴訟に関すること、或いは弁護士に関すること、そういつたようなことであつても実体権に関係のあるものはこの中に入らない、こういうお答えでありますから、従つて実体関係を除いた以外の手続的なもの、これは軽微であろうが承要であろうが、全部直接七十七条で規定できるのである、こういう解釈ですか。
  23. 關根小郷

    ○説明員(關根小郷君) 今亀田委員のおつしやいますように、突き詰めますと或いはそうなろうかと思います。併し実体権に関係のない訴訟手続、ブロパーの問題にいたしましても、その中に又軽重がある、これはお話の通りであります。そのうちの重いものについてはやはり理窟を抜きにいたしましてやはり法律で作つて頂いたほうがいいのじやないかね、それはやはり国民全部を代表しておられる議員さんがお作り頂くほうが妥当なものがあろうかと思います。でありますからして、突き詰めますれば実体権に関係のない訴訟手続は全部ルールでできるのだということは言い切れるかと思いますが、実際問題としてはそこにやはり調節を図るべき問題があろうと思います。で、現在刑事訴訟法におきましてもそういつた方法になつておるのではないかと思います。でありますから、理窟通りに行けば、今お話のように、いやしくも実体権に関係のない訴訟手続の問題はルールでやろうとすればできるのだという説が妥当かと思います。
  24. 亀田得治

    ○亀田得治君 そうすると憲法七十七条で最高裁の規則に任されておる権限の事項、このことについて若し法律が取上げて規定するというふうなことがあつた場合に、これは私法律と規則の間のお正いの分野を紊すものではないかと思うのですが、そういう法律は……。これはたとえ規則でありましようとも、無法から直接委託されておる権限なんですね。私はその意味で普通法律から委任された命令事項とかそういうものよりも相当違うと思うのです。従つてそういう事項について法律が関与して来る場合には、その法律は憲法上の権限を何か侵すようにも思うのですが、私今回こういう問題にぶつかつて初めていろいろな疑問を持ち始めたもの、ですからお聞きするのですが、法律であれば規則よりも上なんだと、先だつてあなたのほうでおつしやつたのですが、一概にはそうは言えないのじやないか。こういう点はどういうふうにお考えですか。
  25. 關根小郷

    ○説明員(關根小郷君) 今亀田委員の御疑問は非常に御尤もな点でありますが、鍵は今お話のような憲法七十七条の分野に関する限り、国会立法権を持つていてもこれは侵すべからざるものなんだ、憲法七十七条というのは非常に強いものであつて、その範囲のものは法律を以ても侵入できない分野だ、そういう考え方もあり得ると思います。併し何と申しましても立法司法行政と、こう三つに分けまして、その立法権の主流は何と言つても国会が持つておられる。それを司法自治の権能から七十七条という例外的の立法権最高裁判所は持つておる。そういたしますと、主流の立法権を持つておられる国会が、この憲法七十七条の分野にまで入つて来れないということはないじやないか。でありますから、法律で以て憲法七十七条の分野を全部おきめになることは、これは否定できないのではないか。ただそれが非常に妥当を欠くということはあり得るかも知らんけれども、やはり法律のほうがルールよりも優先するんだというのが只今の通説じやないかと思います。併し、これにつきましても、今時田委員のおつしやるように、憲法七十七条は、直接憲法できめたものであるから、この範囲はほかの機関が作る立法で侵すべからざるものだという説もあり得るかと思いますが、実際はそういうふうにいたしておりません。若しそういう見解をとりますると、現在民事訴訟法は非常に細かく規定しておりますが、この憲法七十七条の分野にあるべき問題まで法律が規定している。その法律が無効になつてしまうという解釈にならざるを得ない。そういう論議は、最高裁判所が出発当時ございましたけれども、やはり国会立法権を尊重して、そうして国会立法権でタツチせられない分野で憲法七十七条の範囲のものは最高裁が規則で制定できるという考え方で来ておる次第でございます。非常にいろいろ議論があるところでございまするけれども、実際のルールと法律の制定の現在までの経緯は、只今申上げたような解釈の下でやつておると申上げていいかと思います。
  26. 亀田得治

    ○亀田得治君 実際問題として、正しい意味で憲法七十七条で任された規則制定権の範囲、それと実体関係の事項として法律が取扱うべき分野、この分野が非常に一見明瞭であれば、問題が起らないのだと思うのです。抽象的にこう二つに分けて話しておりますけれども、実際問題にふつかりますと、非常にどちらの分野がはつきりしないのが多いだろうと思うのです、それで、念のために法律がたくさん取扱つておるのだろうと思うのです。併し私は、そういう意味で、取扱いは妥当とは言えるでしようか、理論的には少しおかしいような感じがするのですが、その境目が引きにくいから、ただそういうふうにしているだけなんで、本当に実体関係のものは、例えばここに課題が十あつて、このうち六つは実体関係、四つは手続関係、こういうふうな判断がぴたつとつけば、これは両方の立法をすればいいわけですね。憲法は、むらろ、何でしよう、そういう立場で作られたものだろうと思うのです。だから私は、その点が非常に基本的なんじやないか。そこでお尋ねしたいのですが、そういう実体関係の規定だ、或いはそうじやないんだというような区別、これは一体、それはまあ個々の場合につきまして判断したんだとおつしやつてしまえばそれまでなんですが、それにしても全体に通ずるやはり基本的な立場というものがなければならない。そういう両者の区別の大体の考え方、こういうものを一つはつきりしてもらいたいと思うのです。それがはつきりしませんから、先ほどのような便宜的な方法が行われ、その便宜的な方法というものを今度は理論つけなければ仕方がなくなるのですね、あとで……。その理論づけるために、先ほどのようなああいう説も出て来るのですか、ちよつと私その点納得行かないのです。そこで基本的な両者の区別の標準、これをどういうふうに考えておられるか、お考えを承わりたいと思います。
  27. 村上朝一

    ○政府委員(村上朝一君) 訴訟法の中にも、純然たる訴訟手続規定と、実体規定を兼ねたものとあるのでありまして、実体上の権利又は法律関係の発生、変更、消滅等に面接関係のある規定、例えば裁判所和解でありますとか、請求の放棄、認諾でありますとか、そういう規定は、訴訟手続に関する規定であると同時に、実体規定の実質な持つております。判決の実体関係に及ぼす効力と申しますか、そういうものについても同様であります。こういう実体上の権利、又は法律関係に直接関連する規定は、もともとこれは法律できめられておることなんで、それを法律と違つた内容の訴訟手続が最高裁判所の規則でできるということは、実体法の面では、規則を以て法律を変更したということになつて来るわけであります。そういう事項については、最高裁判所の規則を以ては規定し得ないのではないかと、かように解釈いたします。
  28. 亀田得治

    ○亀田得治君 私のお尋ねしたのは、そういうことじやないのです。もう少し基本的に規則制定権と、それから規則制定権の及ばないという実体関係、これの区別の標準、これをどういうふうに大体とつておられるか。今御説明になつたのは、その両者にまたがる場合、それは当然法律だと、こうおつしやるのですが、これは当り前なんです。両者にまたがるとかまたがらんとか、おのおの両者がはつきり区別されておるというその基準ですね。これは一つ次回でもよろしいのですが、私どもこれは十分考えてみたいと思つておる事柄なんでして、少し考えをまとめてもらいたいと思います。それはどうですか。次回に何か、そういう点の考え方をまとめて頂けますか。丁度、公共の福祉とは一体何か、その説明を求めるような恰好のような質問かも知れませんが、併し非常に重要な問題だと思うのです。
  29. 村上朝一

    ○政府委員(村上朝一君) 次回に詳細にお答えいたしたいと思います。
  30. 亀田得治

    ○亀田得治君 それから、こういう点は如何でしようか。純然たる憲法七十七条に属する事柄、これを法律がきめておつたというような場合に、はつきりとした事柄ですよ。それを法律がきめておるという場合に、最高裁が規則で以てそれを変更できるかどうか。俺のほうは、明確な憲法上の権限だから変えていいんだ、こういうことを意識的にやる場合もあるだろうし、意識をしないで、何かそういう無意識のうちにそういう抵触するものがきまつていて、それがいろいろ検討してみると七十七条の範囲内のことだ、こういうことが明確になつた場合には、規則が優先しますか。
  31. 關根小郷

    ○説明員(關根小郷君) 今の亀田委員のお問いの問題は実際問題としてはないかと思いますが、場論的に考えますと、今お話のようなことはあり得るかも知れない。これは法律とルールとの効力の優劣の問題でございまして、私は先ほど申上げしたように、立法権主体国会であるんだから、その法律を作られる立法権でおさめになつた事柄については、如何に憲法の七十七条の範疇内におきましても、最高裁判所の手出しできない分野だという考えをとりますると、最高裁判所ルールで法律事項を変えることができないという考えになろうかと思います。現実の問題といたしましては今度御審議頂いておりまする調書の方式の問題なんかは、まさに憲法七十七条の真正面に当ることなんです。それをあえて最高裁判所が七年間近く立法で譲つて頂くのを待つていたにかかわらずなかなかそれが出て来ない。而も隠忍自重して改正して頂くのを待つているわけなんです。これはやはり法律が優先するという考え方でお待ちしているわけなんです。でありますから理論としてはお話のように憲法七十七条を極端に強くお考えになる考え方をとりますると、勝手にできるということが出て来るかと思いますけれども、併し立法権主体である、主流である国会でおきめになつたことを、最高裁判所ルールで如何に憲法七十七条の範疇内であろうと、それを侵すことができるということは如何かという説のほうが多いんじやないかと、今の通説はそうじやないかと思います。  それからなお、一言申上げたいのは、民事訴訟法憲法七十七条ができます前に制定されたままでございまして、従つて無法七十七条ができましたあと改めて民事訴訟法をお作り頂くとすれば、非常に詳細過ぎる規定が多い。それを逐次ルールのほうにお任かせ頂かなければ、照法七十七条は民事手続に関する限りは死んでいるも同然なんです。その点一つ特にお考え頂きたいと思うんですが……。
  32. 亀田得治

    ○亀田得治君 そうすると大分はつきりしましたが、この際何ですか、刑事訴訟規則に類似するような民事訴訟規則といいますか、そういつたようなまとまつたものをお作りになる予定でしようか、
  33. 關根小郷

    ○説明員(關根小郷君) 若しこのたびの法律案を通過さして頂くという、まあ通過の暁のことを考えますると、今度の法律でルールに任かせて頂いた分だけについてルールを作るということになろうかと思います。それで刑事訴訟法式に全面的に改正をいたしますれば、やはり刑事訴訟規則のように全面的のルールができるかと思いますが、現在やはり法律を尊重しておりまする建前でございますから、法律の面から落された分だけをルールにしたい、今のところではそういうふうに考えておる次第であります。
  34. 亀田得治

    ○亀田得治君 そうすると現在民事訴訟法の補充になるような規則ですね。七十七条に基き規則、こういうものは殆んど出てないわけですか、今の、御説明ですと、ないようなあれですか
  35. 關根小郷

    ○説明員(關根小郷君) 民事訴訟法の改正が憲法施行後二、三ございましたけれども、その本来ルール事項でやつている事項について法律のほうで譲るということがございませんので全くないと申していいかと思います。ただ細かい点について簡易裁判所事件について上告する場合の問題についてたつた一つございますが、これなどは特に法律の委任に基いてやりましたのでありまして、本来の主流の憲法七十七条に基くルールは皆無と申していいかと思います。非常に我々遺憾に存じている次第なんです。刑事訴訟法はすでに全面改正をやつて頂いたにかかわらず、民事訴訟法はいろいろの事情もごさいましたのでしようけれども、もう憲法施行後眠つているのですね。憲法七十七条は民訴に関する限りは……。でありますので、それを成るべく活かして頂きたいと思う次第なんであります。
  36. 亀田得治

    ○亀田得治君 そういうふうに眠つていて非常に遺憾だということであれば、上訴権なんかの問題とこれは違いますから、こういう問題に手をつけられた際にもう少し広汎なですね、法律から省くべきものを再検討されて、そうして民訴規則を作るなら作る、そういうふうにやるべきじやないかと思うのですが、どうなんですか。
  37. 村上朝一

    ○政府委員(村上朝一君) 憲法が改正になりましてから、民事訴訟法につきましても全般的に検討いたしまして、規則に譲るべきところは規則に譲るという方法でやるべきだと私ども考えているのであります。民事訴訟法の全般的な改正につきましては、法制審議会民事訴訟部会に諮問されまして、民事訴訟部会においていろいろ案を考えているわけでありますが、その中で一番やはり問題になりましたのが上告制度であります。結局この上告制度の問題につきまして最終的な結論が得られないために、民事訴訟法の全般的な改正ということは、ほかの面につきましてもいろいろ検討し残された問題もございますし、今立ちに全般的改正の御審議を願うという段階には至つていないのでございます。なお強制執行権などもこれは非常に古い規定でありまして、実際上の弊害、或いは不備な点、いろいろ非難があるのであります。この点につきましても全般的に検討をしたい、かように考えてい次第であります。で民事訴訟に関する最高裁判所の規則は、民事訴訟法の全般的改正が行われました際に、まとまつた民事訴訟規則というものが同時に出るものと考えております。
  38. 亀田得治

    ○亀田得治君 そうすすといずれそういう検討を待つて、民事訴訟の関係においても規則というものを少しまとめたものを考える、こういう方向のようですが、私もそれでいいと思うのですが、そういたしますると、次にお答え願うような問題がやはり非常に大切になつて来ると思います。そういう意味でこれは事前にお聞きしておきたいわけですが、と言いますのは、刑事訴訟の場合には、憲法上手続上のことについても非常に厳重な制約が加えられておりますがね、民事訴訟の場合には全然そういう制約がない。法律の厳重な手続……、人を逮捕したりいろいろするのですから、そういう何か条文がたくさんある。こつちにはないわけですね。従つて民訴規則というようなものの今回の改正というものが一つの出発点になるというのであれば、一体どこまで我々はそれを考えるか、規則の含む内等はどこまでなのか、こういう点を一つなお更この際明らかにして欲しい。これは次回に御答弁願うことですから、結構なんですが、一つ重ねてこれを要望いたしておきます。
  39. 郡祐一

    ○委員長(郡祐一君) 他に民事訴訟法の一部改正と、裁判所法の一部改正につきまして総論的な御質疑がございましたら、どうぞ続きを願います。ちよつと速記やめて。    〔速記中止〕
  40. 郡祐一

    ○委員長(郡祐一君) それでは速記を始めて。  裁判所職員定員法等の一部を改正する法律案を議題に供します。一応検察審査会事務官配置定員縮減基準案というものを法務省から提出いたしておりまするから、それについての説明を求めます。
  41. 江里口清雄

    ○説明員(江里口清雄君) 検察審査会事務官配置定員の縮減の基準について御説明申上げます。これは事務官五百七十名のうち三十名を縮減するという案でございまして、その基準は事件数の少いところで五名以上の事務官の配置のあるところで、事件数が検察審査会が設置されましてから現在まで、昭和二十八年の末までに二十件未満の事件のあるところから一名ずつ減員をして行く。それからなお一名ずつ減員いたしまして予定数の三十名に満たない場合におきましては、なお事件数の少いところから又一名ずつ削つて行く。それから東京、大阪、名古屋には検察審査会が第一検察審査会及び第二検察審査会、二つずつ置れておりますので、これを併合いたしまして、そのうちから事務官を減員して行くということの基準で合計三十名を減らすということにいたしたのであります。具体的に如何なる検察審査会から減らすかという点につきましては、お手許に配付いたしてあります表の通り三十名を減員する、こういうことにいたしておるのでございます。
  42. 郡祐一

    ○委員長(郡祐一君) 御質疑がございましたらどうぞ。
  43. 亀田得治

    ○亀田得治君 この前頂きました審査事件庁名別調査表という資料があります。これについてちよつとお伺いいたしたいのですが、それの一番終りのほうに合計が出ております。これによりますと丁度半年、昨年の下半期六ヵ月間の間に審査会で取扱つた事件起訴相当となつたのが七十二件、こうなつていますね。ちよつと見て下さい……。これは何かこの前のやつは取消されたのですか。今日のやつよりもこの前のほうが詳しいのですがね。取消されたわけでもないでしよう。今日のやつは追加された形ですから。……これは半年間の統計ですが、この起訴相当七十二件という数字ですね。受理された合計に対してこの数字を通じてあなたのほうではどういうふうな見解を持たれますか。結局これだけのものが検察官としては不当起訴をしなかつた。こういうわけですか、この数字についてですね。
  44. 江里口清雄

    ○説明員(江里口清雄君) 千三百九十六件のうち、七十二件が起訴相当という意見が出ております。で、起訴相当の意見を検察審査会でいたしましても、従来の統計によりますと、検察庁のほうで更に起訴いたしますのは二三%くらいになつております。で、検察官起訴をいたす場合におきまして、その事件が犯罪になるかどうか、更に起訴されましたのちにおきまして、十分公訴を維持するに足るだけの証拠があるかどうか。更に証拠がございました場合におきましても、犯人の性格、年令、或いは境遇、犯罪の軽重、情状、或いは犯罪後の状況等を照し合せて見まして、起訴を相当と思料する場合においては起訴する。起訴を相当としない場合におきましては起訴をしないという、いわゆる不起訴処分をする権限を持つておりまして、従いまして検察審査会のほうで起訴を相当だと思料いたしましても、起訴をしない権限を持つているわけでございます。従来の統計によりますと、先ほども申上げました通り、二三%くらいしか起訴の手続をとつておらないのでございます。検察審査会で起訴相当の意見を出しますのは、いずれにいたしましても素人の検察審査会が出すわけでございますので、起訴相当な意見を出したものが、全部起訴されないということ、これは尤もな、又止むを得ないように考えておるのであります。
  45. 亀田得治

    ○亀田得治君 起訴相当だというふうに審査会が出したものに対して二三%しか検察官起訴しない。これはどうも比率が低過ぎるのじやないかと思うのです。一旦検察官のところで検討された事件について、更に関係者が審査会に持込んで来た事件なんですね。審査会が結論を出して起訴相当というためには、勿論法律的な諸問題も考えておやりになつていると思うのです。で、検察審査会事務官も法律の專門家でしよう。特にそういう検察関係の経験のある事務官なんですから、私そう法律的なものを無視してこの七十二件というものが出されておるものとは考えないのですよ。これは一々具体的に事案に当つて見たわけじやないのですが、そう感ずるのです。だからそれに対して僅か三分の一程度しか検事がそれを採用しない。こういうことはこの制度全体の運用といいますか、将来性というものについて、少し不適当なんじやないかと実は感じておるのですがね。それでお尋ねしますが、これは法務省におかれましてもそういう感じを持たれるのじやないかと思うのですが、若し持たれたとすれば、当然起訴しなかつた事件を調べるべきですね。何かそういうふうな点で動いたことがあるのかどうか。少しお聞きしたいと思うのです。
  46. 江里口清雄

    ○説明員(江里口清雄君) それではちよつとこのお手許に差上げました資料から離れて申上げるかと思いますが、検察審査会が始まりまして、昭和二十四年から二十八年までに検察審査会のほうで起訴相当と、こういう意見を出しましたのが五百三十四件あるのでございます。そしてそれに対する検事の処分でございますが、検事正起訴の手続をとつたものが百二十四件、二三%。それから検事正が、従来の不起訴処分をそのまま維持したものが二百五十一件、大体五一%でございます。それからいずれともまだ決定しておらないものが百三十九件、二七%。こういうことになつておりまして、全体の二三%。起訴不起訴の割合を見ますと、起訴が六六%、不起訴が三三%、三分の一と、こういうことになつておりまして、起訴処分をすることが非常に少いという御疑問もあるかとも思うのであります。この検事正起訴の処分をとりました百二十四件について、更にそれが裁判所でどういう判決がなされているかという点を調査いたしたものは、そのうち有罪判決のあつたものが七十六件でございます。それから無罪判決があつたものが二十件、それから免訴、これは物価統制令違反、それから選挙でございますが、免訴のあつたものが三件、現在裁判所に係属中のものは三十五件ということに相成つておりまして、判決のあつた九十九件について見て参りますと、七十六件、即ち七六%強が有罪、それから二十件、二〇%強が無罪、それから、三件、三%強が免訴、こういうことになつておりまして、無罪の率が二〇%ということに相成つているのでございます。で、一般の刑事事件につきましては、無罪の率が一%から一・五%ということで、無罪の率が非常に少いのでございますが、検察審査会の起訴相当の意見の勧告を入れて起訴いたしたものについては、三〇%も無罪が出ているというようなことに相成つておりまして、従つて検事正起訴の手続をとるのが一分の一ということは、それが起訴された後の裁判の結果から判断いたしますと、決して少な過ぎるということは言えないのじやないか、で仮に無罪の率が高いことは、事件が非常にむずかしい、証拠収集がむずかしいというようなことから来るのじやないかと、かように考えておるのでございます。
  47. 亀田得治

    ○亀田得治君 一般の事件に比較して無罪になつた率が非常に多い、これはもう格段の違いがあるわけですね。今お話になつたように……。併し簡単にこれは比較できないと思うのですね。一般の事件というのは例えば窃盗とか詐欺とか、ともかく一見明瞭なそういうやつが大部分ですからね。有無といつたようなことを争つておるような事件そのものというのは初めから少いのですから、だからその率をすぐここへ持つて来て直ちに比較するのは少し割引きしなければいかんと思う。そこでこういう審査会にかかつて来る事件は、成るほどいろいろ複雑なんですよ。有罪、無罪といつたような点も微妙な点が相当あろうと思うのです。そういう関係から無罪が相当たくさん出ているわけですね、裁判にかかつた後においても……。併しそれは恐らく私は証拠の関係からそういうふうになつて来るんだと思うのです。利害関係の対立しておるような事件ですから、そういうことはありがちですが、併し審査会がともかく起訴相当ということを出す場合には、証拠と同時にいろいろな事情を、これをやはり考えておるはずなんです。私も一、二点聞いたことから言つても、やはりこれは事情といいますか、情状からいつて、こういうのは起訴しなければいけないというような、そこに一つ正義感、たとえ幾らか証拠の点で不備な点があるかも知れないが、何もしないでこれを放つてしまう、これはどうもいけない、こういうふうな考え方が強く出て来ておると思う。これはそういう意味のやつですから、従つて結果として無罪が出て来ることも幾らか了解ができるのですが、一応やはり一種の陪審のような恰好でいろいろな人の意見を徴して起訴相当と、こう出して来たやつですからね。僅か三三%しか意見を取り上げてやらない、こういうのはどうもいかんと思うのですね。勿論相手を直ちに拘束してそうして裁判を始めるとか、そんなことは勿論必要ないでしよう。そうじやなしに、一般の人が見て而も検察事務官も参加して法律的な点も相当検討され、主としてやはり情状ですね、そういう点から見てたとえ無罪になることがあるかも知れんが、やはり裁判官の一判断を仰ぐべきだ、こういうふうな決定をしたものはもつと尊重してやりませんと、こういう制度はだんだん廃れて行くと思うのです、いい制度なんですが……。そういうことを非常に私心配するのですが、先ほどの御説明ではまだ少し納得行かないのです。その点どういうふうにお考えになりますか。
  48. 位野木益雄

    ○政府委員(位野木益雄君) 今のお尋ねは、主として起訴の関係のようでございますが、法務省のほうからお答えいたしたいと思いますが、今のお尋ねを根本的に考えますと、結局この制度の組み立て如何ということまで遡るかと思いますが、御承知のようにすでに一旦不起訴処分になつたやつについての再審査ということになつておりますので、やはり相当事件としては困難なものであるということが言えると思うのであります。でありますから二三%というところから見ると低いようでありますが、そういう事情を考えますと必ずしもそうじやない。殊に今さつき江里口局長から申しましたように無罪が相当多いということになりますと、それほど、起訴率が特に低いということも必ずしも言い切れないというように点えるのであります。検事の処分については、御承知のように検察庁の内部において相当厳重な自律作用というものが行われておりまして、個々の検察官の恣意によつて不起訴になるというようなことは余り考えられないわけであります。相当客観性を持つているということから考えましても、その程度の率でまだここまで断定することは早計じやなかろうかというふうに考えておるわけでありますが、併しながらもう一つ証拠の問題というふうなことも、被害者の方或いは関係者の方でもう少し民主的に証拠を積極的に提供して頂く、こういう方向でもつとそういう方面が改善される余地がある。或いは又個々の事件について、その運用についてこういう不都合があるということでありますれば、これはどしどし教えて頂きまして立法的或いは行政的に改善の措置をとるということを考えたいのであります。
  49. 亀田得治

    ○亀田得治君 起訴しなかつた事件は、僅か全体を調べたところでは大した件数にならないわけです。これは法務当局でその事件を御検討になりましたか。
  50. 位野木益雄

    ○政府委員(位野木益雄君) その点まだ丁度私担当でございませんので、具体的に聞いておりませんが、一々これは相当厳重に検事正再審査いたすわけであります。それは恐らく本省まで参りますですかどうですか、相当内部的には厳重な審査をいたすということになつておると思います。
  51. 亀田得治

    ○亀田得治君 本省では余り御検討にどうもなつておらんような印象を私受けるのです。それは非常に悪いと思うのですよ。本当にこういうのは一つを正しく処理することによつて制度全体が生きたり死んだりするのですからね。一つの事件といえども非常に重要な意味を持つだろうと思うのです。だからそういう意味でもう少しこれは検討してもらいたいと思うのです。報告書は必ず、報告書は来ているのです。ただ件数とかそんなものの報告の程度なんですか。その点どうなんです。
  52. 位野木益雄

    ○政府委員(位野木益雄君) この点すぐ調査いたしまして、こういうふうになつておるということをお答え申上げます。
  53. 亀田得治

    ○亀田得治君 それをもう少し具体的に納得の行くような御説明を一つお願いしておきます。いろいろな噂さも聞きますので……。
  54. 江里口清雄

    ○説明員(江里口清雄君) 検察審査会で審査の結果。起訴相当と意見も出して検事正のほうに通告したものにつきましては、全部起訴すべきである、こういう意見もあるのでございます。私たちも折角民意を反映させるこの制度でございますから、全部起訴して裁判所の判断を受くべきであるというふうにも考えたこともあるのでございますが、先ほど申上げました通り不健訴の処置をとるものもしないで、その結果がなお無罪判決が出ると、無罪の率が非常に多いという点から考えまして、やはり全部起訴と、起訴すべきであるという制度は如何なものかと、かような考えておるのでございますが、それよりも折角この制度をより活撥にするというためには、この検察審査会委員の制度、審査会の審査員の素質を上げて行こうということが最もこの制度を拡充させるゆえんじやないかと、かような考えておるのでございます。
  55. 亀田得治

    ○亀田得治君 まあそれはわかるのです、そういう抽象的な説明は……。ただ余りにも無視された件数が多いものですからこれに対する、そう一件々々の説明は勿論して頂く希望でも別にないのです。ただもう少し内容がこここうこういう事情だということを一つ整理して御説明願いたいと思います。そんな一見問題にならんようなものを審査会が持出して来るはずがない。たくさんの事件の中から僅か七十三件だけをよつておるのですからね、これはよほどやはり審査会としても慎重に運んでおるのである。それを更に無視されたのではこれは相当法務当局としてそこの内容を検討されたものを私は御説明願いたいと思う。これはまあこの法案とは別個でもいいのですけれどもね、まあ関連しておるから何ですが、法案通過後でもこれは結構なんです。適当な機会に一つ御説明いたいと思います。一応これで終ります。
  56. 中山福藏

    ○中山福藏君 今まあこの検察審査会で起訴すべしという勧告を行なつた七十何件でしたかね、六件、これは私は上出来だと思うのです、これだけ起訴されたということは結局これは一応は検察当局で不起訴にきまつておつたものを、或いは起訴猶予にきまつておつたものの中からやはりこれだけのものが起訴されたということは、これは或る意味においてその検事のとつた処分に対する検察審査会の何と申しますか反撃的な、その不当を鳴らした勧告なんです。それだけの中で七十六件起訴されて二十件何ですか無罪になつたとおつしやいましたね、その起訴されたうち……。二十件無罪になつたとしても非常な私有意義なものと思うのです。普通検事が起訴されて、そしてまあ割合から言うと僅かにその一%しか普通だつたら出ないと、これに比較しても如何に……。検察審査会の勧告処分というものが粗漏なものであるかという考えをお持ちになるのは、これは当り前なんです。有権者が、素人が勧告するわけですから、本来から言えば私はこれは無罪になろうがなるまいが、原則として全部起訴されるのが当然だと私は考える。それでこそ私は審査会の精神というものは生きて来ると、こう見ておるのです。実はこれはまあどういうわけでこれは無罪になつたか一一その事案、事件について検討して見なければわからんのですけれども、大体検事正起訴不起訴をきめられるのは、一応は前以て、個々の事件について起訴不起訴という大体資料は与えられておるのです。大体これは次席検事がおやりになるのでしようけれども、最後はやはり検事正の指揮を仰いで不起訴処分に移されたものだと思うのです。それについてやはり検察審査会が勧告を行なつておるわけでありますから、そういうことについて感情的に一遍我々が突戻したものをあの素人のやつらがとんでもないことをして勧告をして我々のほうで起訴するのは気持が悪いというような感情は持たないでしよう、表面は……。私はそういう気分を持ちましたから気持が悪くて、どうも審査会の勧告によつて起訴するのは余り気に食わんということを言う人はこれはないでしよう。ないけれども底に潜在する、そういう意識があるのではないかということもこれは感じられるのです。ですからそれはそのまあほごになつたといいますかね、俗な言葉で言いますると、勧告が不起訴処分に付されたという記録はですね、それはどこに保存してあるんでしようか。それは審査会に保存してあるんでしようか、こちらの審査会の事務所に保存してあるんでしようかね、この当時のですね、それはどうなつておるのでしようか。
  57. 江里口清雄

    ○説明員(江里口清雄君) 検察審査会で審査をいたしまして起訴すべきである、或いは起訴すべきものでないと、こういう議決をした、その記録は検察審査会に保存してあるのでございます。
  58. 中山福藏

    ○中山福藏君 その……。
  59. 江里口清雄

    ○説明員(江里口清雄君) それからなお、その議決を得て、検察庁のほうで取調べをして起訴なり不起訴なりを決定をした記録、不起訴決定をした記録は検察庁にあります。それから起訴した資料は裁判所のほうに……。
  60. 中山福藏

    ○中山福藏君 そうするとその不起訴になつたものは現地の検察審査会が保管しておるわけですか。これはどうなんです。書類ですね。
  61. 江里口清雄

    ○説明員(江里口清雄君) 不起訴の記録は検察庁に保存してあるのでございます。
  62. 中山福藏

    ○中山福藏君 いや、その起訴すべしと勧告された、その裁定ですね、不起訴処分に付した書類ですね、そのことです、私のお尋ねしておるのは……。
  63. 江里口清雄

    ○説明員(江里口清雄君) ちよつとお尋ねいたしますけれども、検察審査会のほうで審理をした記録でなく……。
  64. 中山福藏

    ○中山福藏君 いや、記録で、それを勧告書を最後につけて検事局のほうに廻すんでしよう。
  65. 江里口清雄

    ○説明員(江里口清雄君) 検察庁のほうに廻すのは議決書だけです。
  66. 中山福藏

    ○中山福藏君 はあ。そうするとその議決書だけで、議決書に基いて一応検察当局は又お調べになるのでしよう。
  67. 江里口清雄

    ○説明員(江里口清雄君) さようでございます。
  68. 中山福藏

    ○中山福藏君 それで起訴不起訴をおきめになるのでしよう。
  69. 江里口清雄

    ○説明員(江里口清雄君) さようでございます。
  70. 中山福藏

    ○中山福藏君 そうすると議決書だけ……。
  71. 江里口清雄

    ○説明員(江里口清雄君) もともとの記録は検察庁にあるのです。審査会の記録は検察審査会のほうにあるのです。不起訴の記録のほうは検察庁のほうにあるのです。
  72. 中山福藏

    ○中山福藏君 わかりました。  そこでもう一つついでに、これは私は次回にこの微細の点についてはお尋ねしたいと思いますが、ちよつと前以てお尋ねしておくのですがね。これは予算編成の関係とそれから人事権とですね。最高裁のほうでこの検察審査会に関していろいろやつておられるという話を聞きましたが、一体これは何ですか、裁判所にも帰属せず、法務省にも帰属せず、宙ぶらりんで独立したものだということを伺つておるのですがね、一体この審査会の制度というものはどういうようなことに将来あなた方は持つて行つたほうがいいというお考え方ですか、それをちよつとお伺いしておきます。
  73. 江里口清雄

    ○説明員(江里口清雄君) 検察審査会は一つの行政機関でございまして、純然たる司法裁判事務とは別個のものでございます。併し裁判所裁判事務と密接な関係がございますので、裁判所のほうに附けられておりまして、予算それから人事を裁判所のほうで握つておりまして、検察審査会事務官は裁判所事務官の中から任命すると、かようになつて、この運用、育成、発展等につきましてはその最高裁判所のほうで担当したしておるのでありまして、でこれは折角民意を反映させるために、検察関係において民意を反映させるためにでき上つた民主的ないい制度でございますので、私たちといたしましてはますますこの指導、発展に力を尽して行きたい、かように考えておるのであります。今のままでこの発展に尽して行きたい、かように考えております。
  74. 中山福藏

    ○中山福藏君 人事と予算面だけ最高裁が干与する。運営の面ということになると担当者は誰ですか、担当当局というのは誰によつて行われておるのですか。
  75. 江里口清雄

    ○説明員(江里口清雄君) この検察審査会が独立いたして検察審査会の事務をとつておるのでございまして、検察審査会の事務自体につきましては指導も差図も何もできないことになつております。
  76. 中山福藏

    ○中山福藏君 何もできないというのはどういうわけですか。
  77. 江里口清雄

    ○説明員(江里口清雄君) 検察審査会の審査自体につきましては、独立して検察審査会が行うということになつております。
  78. 郡祐一

    ○委員長(郡祐一君) 速記をとめて。    午後零時二十一分速記中止    午後零時四十四分速記開始
  79. 郡祐一

    ○委員長(郡祐一君) 速記を始めて下さい。裁判所職員定員法等の一部を改正する法律案につきましては、質疑を終了したものと認めて御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  80. 郡祐一

    ○委員長(郡祐一君) 御異議ないと認めます。  次回は十五日午後一時から開会いたします。本日はこれを以て散会いたします。    午後零時四十六分散会