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1954-02-04 第19回国会 参議院 地方行政委員会 2号 公式Web版

  1. 昭和二十九年二月四日(木曜日)    午前十一時十四分開会   ―――――――――――――  出席者は左の通り。    委員長     内村 清次君    理事            石村 幸作君            堀  末治君    委員            伊能 芳雄君            高橋進太郎君            小林 武治君            島村 軍次君            秋山 長造君            若木 勝藏君            松澤 兼人君            加瀬  完君   政府委員    国家地方警察本    部長官     斎藤  昇君    宮内庁次長   瓜生 順良君    自治庁次長   鈴木 俊一君   事務局側    常任委員会専門    員       福永与一郎君    常任委員会専門    員       伊藤  清君   参考人    警 視 総 監 田中 栄一君    丸ノ内警察署長 石田  昇君    日本労働組合総   評議会総務部長  大場 近信君    東京交通労働組    合副委員長   萩原 信治君    日本国有鉄道副    総裁      天坊 裕彦君    国鉄労働組合情    報宣伝部長   木村美智男君   ―――――――――――――   本日の会議に付した事件 ○本委員会の運営に関する件 ○地方行政の改革に関する調査の件  (昭和二十九年度地方財政計画に関  する件)  (警備警察に関する件)   ―――――――――――――
  2. 内村清次

    ○委員長(内村清次君) それでは只今から地方行政委員会を開会いたします。報告いたします。  実は二月の二日に委員長理事会を開会いたしまして、休会明けの国会に委員会に付議されまする法律案件につきまして、委員会の運営について御相談を申上げたわけでございますが、大体予定案件はお手許にありまする自治庁関係が十件でございまして、そのうちに只今衆議院の選挙特別委員会のほうに付議されておりまする公職選挙法の一部を改正する法律、これが今法案としては一件かかつておるようでございます。そこでまだ法案の提出の見通しが明確でございません。ただ、警察制度改正要綱はこれはお手許に配つてありますが、これに関連いたしました法案の提出が十日頃の見込みだということ、それから昭和二十九年度予算に関連する地方行財政上の諸問題、地方財政計画、地方制度並びに地方税制の改正、これらの点につきましては、まだ自治庁関係の関係者に問合せました結果におきましても、当時今日ぐらいまでの間に大体資料がまとまるということでございました。それから委員会でも問題になつておりました選挙の常時啓発に関する立法措置、この法案につきましては実は立法の手続も大体完了いたしておりましたが、理事会におきましては、成るべくこれは議員立法として、予算を含んだ議員立法であるから政府のほうで当然これは認めておる問題である、と申しますのは、常時啓発の費用といたしましても、二十九年度の予算のうちに平衡交付金の中にも含まれておりますような関係もありまして、当然政府としてはこれを認めておるような関係もあるから、政府案として提出させたほうがいいであろうというようなことに相談がなりました。そこであとには警備警察の問題でございますが、これは丁度休会中に起りました二重橋事件、それからその後一月の三十日に起りました国鉄の馘首問題に関連いたしました総評の陳情に対する警察官との衝突事件、この二つの問題が今表面に出ておりますからして、この問題を取扱つて行こうということになりまして、結論といたしましては昭和二十九年度予算に関連する地方行財政上の諸問題を今日自治庁関係から説明を聞こうということが第一点であります。  それからまあ午後に警備警察の問題を取上げて行こうということに理事会では話をきめまして、今日の委員会になつたような次第であります。  そこで議題に入ります前にお諮り申上げますが、この理事会の決定によりまして、本日午後一時から警備警察に関する件について参考人の出席を求めることといたしたいと存じますが御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  3. 内村清次

    ○委員長(内村清次君) 御異議ないと認めます。  そこで参考人といたしましては、二重橋事件については田中警視総監、それから一月三十日の国鉄事件については田中警視総監、丸の内警察署長石田昇君、日本労働組合総評議会総務部長大場近信君、東京交通労働組合副委員長の萩原信治君、日本国有鉄道副総裁天坊裕彦君、国鉄労働組合情報宣伝部長木村美智男君、以上を出席を求めたいと存じますが、御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  4. 伊能芳雄

    ○伊能芳雄君 この二重橋のほうの書き方が、国警長官と宮内庁次長はこれは参考人じやないのですか。
  5. 内村清次

    ○委員長(内村清次君) 大体政府委員ですから……。
  6. 伊能芳雄

    ○伊能芳雄君 そうすると国鉄のほうの関係者はここに六人ですね。
  7. 内村清次

    ○委員長(内村清次君) そうでございます。
  8. 伊能芳雄

    ○伊能芳雄君 六人全部参考人なんですね。いういろいろな何ですが内容はよくわかりませんが、総評がやつたんですか、国鉄の労組がやつたのですか。
  9. 内村清次

    ○委員長(内村清次君) その点を今日の参考人から明確にしたいと……。
  10. 伊能芳雄

    ○伊能芳雄君 そういう意味ですか。
  11. 内村清次

    ○委員長(内村清次君) そういう点でございます。
  12. 伊能芳雄

    ○伊能芳雄君 まあ理事会できまつたことですから……。
  13. 内村清次

    ○委員長(内村清次君) ではさよう決定をいたします。   ―――――――――――――
  14. 内村清次

    ○委員長(内村清次君) それから議題に入りますが、昭和二十九年度の地方財政計画について、自治庁次長の鈴木政府委員から説明を求めます。
  15. 鈴木俊一

    ○政府委員(鈴木俊一君) 昭和二十九年度の地方財政計画でございますが、これは大体きまつてはおるのでありますけれども、三点ばかりまだ最終的にきまりませんので、資料を提出して御説明を申上げる段階に至つていないのであります。  その一つは、地方税の問題でございますが、地方税制が、政府として最終方針が本日の次官会議、あすの閣議できまる予定でございますが、そういたしますればきまるのでありますけれども、まだその点が最終的にきまつておりませんので、府県分、市町村分の振り分けがきまらない。従つて税種のほうの問題が議了いたさないのであります。  なお、第二点の問題といたしましては、揮発油譲与税につきまして、まだ若干政府部内におきまして、話合いのつかない点があります。この点からも道路関係の財政問題等について、若干最終的な決定を得ない点があります。  なお、人員整理の問題につきまして、これも近く最終の方針を確立することになつておりますけれども、まだ政府といたしまして、地方公務員の人員整理の細目の点の決定をみておりませんので、その点からも若干財政計画のほうが確定いたさないという点があります。これらの点がきまり次第至急に提出をいたしまして、御審議を仰ぎたいというふうに考えております。
  16. 若木勝藏

    ○若木勝藏君 議事の進行について……。今の次長の御説明を聞きますというと、三点明瞭にならないために、財政計画の最後的なものを持つておらないので、これがきまつてから資料を整えて提出するというのでありまするから、今日はこの財政計画について、これからこれ以上にどうも政府の答弁はなかろうと思います。午前中はこの辺で一つ休憩したらどうですか。
  17. 内村清次

    ○委員長(内村清次君) ちよつと速記をとめて。    〔速記中止〕
  18. 内村清次

    ○委員長(内村清次君) 速記を始めて。只今若木君から動議が出まして、政府のほうでも、まだ行財政の計画が完了しておらないというような答弁でございますからして、午前中はこれで休憩をして、午後の一時から警備警察の問題を取上げるということにしたいと存じますが、それでよろしうございますか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  19. 内村清次

    ○委員長(内村清次君) そのように決定をいたしまして、休憩をいたします。    午前十一時二十九分休憩    ―――――・―――――    午後一時三十一分開会
  20. 内村清次

    ○委員長(内村清次君) 休憩前に引続き、これより地方行政委員会を再開いたします。  只今から警備警察の問題を議題に供します。即ち、この際、一、一月二日のいわゆる二重橋事件、二、一月三十日国鉄本庁前における総評の陳情団と警察隊との衝突事件の二つを取上げて、これらの事件に現われました警備警察のあり方という観点から問題を究明したいと考えます。  先ず、二重橋事件から始めます。本件につきましては、先に国警本部と警視庁よりそれぞれ報告書が提出せられましたので、取りあえずお手許までお配りしておきました。本日は関係政府委員及び参考人として、国警長官斎藤昇君、警視総監田中榮一君、営内庁次長瓜生順良君の諸君が出席せられております。参考人のお方々はお忙しい中を御出席頂きまして、この事件に対しまする参考意見を拝聴いたしますことにつきましては、委員一同に代りまして委員長より厚くお礼を申上げる次第でございます。これから委員長指名の順序によつてそれぞれ事件の経過と、これに対する責任の所在というような点を主としてお述べ願いたいと存じます。時間の関係もございますので、大体十五分乃至二十分程度で御意見を述べて頂きたいのでございます。  それでは国警長官の斎藤昇君からお願いいたします。
  21. 斎藤昇

    ○政府委員(斎藤昇君) 本年一月二日、二重橋におきましてあの惨事を惹き起しましたことは、警備関係の臨機の措置を誤まりました点も多々あると存ずるのであります。誠に申訳のない次第だと衷心からお詫びを申上げておる次第でございます。  当日国民一般参賀は午前九時から三時までの間に二重橋から参入いたしまして、宮内庁の庁舎前を通り、坂下門から退出を一般の方々にして頂くという計画でありました。状況によりまして内桜田門及び大手門からも退出をするという予定であつたのであります。その間に天皇、皇后両陛下が宮内庁の庁舎の正面バルコニーに出御になりまして、そこで一般国民の御挨拶を受けられるという予定になつておつたのであります。  これに関しまして一般の警備のやり方といたしましては、宮内庁、警視庁と連絡をいたしました上、大体従前通りの方針を以て整理、警戒に当ることにいたしたのでございます。当日皇宮警察といたしましては、この警備に当りました皇宮警察官は二百二十一名でございました。例年よりも数多く出てこの整理、警戒に当つたのでございます。  当日午前九時正門を開きますると同時に、参賀者があの二重橋の下のほうの橋を石橋と申しまして、上のほうを鉄橋と申しまするが、あの石橋の入口より約二百メートル前方から、大体八列の列を作りまして順調に参入を始めたのでございまするが、十一時頃から参賀者が急激に増加をいたして参りまして、この列が自然に乱れまして、非常に大勢の一隊の群衆となつて石橋を渡つて参入をするという状況に相成つたのであります。そこで十一時頃から石橋の通過の整理をいたしまするために、参入者を断続的に入門をさせる措置をとつていたのでございまするが、午後一時五十分頃には、参入を急ぐ群衆で石橋の外の広場か極度に混乱を呈して参つたのであります。  十一時半頃から丸の内署と連絡をいたしまして、この広場の群衆の整理の強化の連絡をいたしておつたのでありますが、十分な措置がなされないままにだんだんと群衆が殖えまして、一時五十分頃には、参入を急ぐためもあつたであろうと思うのでありますが、極度に石橋の入口の所で混乱を来たして参つたのであります。そこで丸の内署員に皇宮の警察官も一緒になつて協力をいたして整理に当つたのでありまするが、止むなくロープを張つて入門をするという措置をとつたのであります。ところがロープに面しました参賀の方々が、後方からの圧力によりまして前のほうに押されて参りまして、そのロープが弓なりのようになり、そのロープにかかつておる人たちがロープによつて胸を締めつけられるというような状況になつて、非常に苦しむ者が出て参りましたので、整理に当つておりました配置員はこれを見かねまして、二、三の者が手を添えてロープの下を潜らせて救出をいたしたりいたしたのでありますが、最前列におりました参賀者の中で、自分でロープを持上げて潜り抜ける者が出て参つたのであります。三、四十名が先方へそうして走り出したのであります。そこでそのためにロープの位置が上りまして、あとの人たちの最前列の者の首のほうにそのロープがかかつて首を締められるというような状況に相成つたのであります。そこで止むなくそのロープを下に下げようとしたのでありますが、なかなか下がりませんので、整理員は仕方なしにそのロープを上のほうに上げたのであります。その際に七、八十名の者が押出されましたが、前方におられました女子の一、二名が輝いて倒れられましたために、後続の者が次々とその上においかぶさりまして、将棋倒しになりまして惨事を惹き起す結果と相成つたのであります。この惨事が午後の二時二十分頃であると推定をいたしておるのでございます。  事故の発生と共に、皇宮警察におきましては直ちに救急車の派遣方を要請をいたしまして、皇宮警察本部の警備課長を現場に派遣をいたしまして、警視庁側と協力の上、更に参入する者の阻止の方法を講じますと同時に、負傷者の救出、人工呼吸等の応急手当をいたしました。病院への収容、その他全力を挙げて事態の収拾に当つたのでございます。当日の死傷者は全部合計をいたしまして九十九名であります。そのうち十七名の方が死亡をせられたのであります。死亡をせられた方々の御遺族は勿論、重軽傷を負われました方々に対しましても、誠に申訳のない次第だと考えておるのであります。犠牲者に対しましては、翌三日に犬養国務大臣、警視庁及び皇宮警察からそれぞれ弔慰並びにお見舞をいたしたような次第であります。現在まだ入院しておられまする方は四名ございます。自宅で療養中の力は三十名でございます。他は全快をせられたのであります。  かようなわけでございまして、この新年の一般参賀は、二十三年以来、貞明皇后の御崩御のために行われなかつた年を除きまして、すでに五回以前に行われておつたのでございます。我々整理に当る者といたしましては、従前何らの事故がなかつたために馴れておつたという関係もあつたでありましようが、何といたしましても如何に当日は予想外の人出であつたと申しましても、臨機応変な整理の措置十分でなかつたために起つたのでございまして、この責任は重々痛感をいたしておる次第でございます。皇宮警察本部長は事件の責任を感じまして辞表を提出いたしました。審議の結果辞表を聞き届けた次第でございます。他の者に対しましては、只今検察庁で刑事責任の有無について御調査中でありまするが、その結果を待ちまして適当な措置を図りますと共に、今後かような事態の再び繰返されるようなことが絶対にないように、このたびの事柄を十分検討をいたしまして、将来万全の処置を講じまして、せめてものお詫びにいたしたいと、かように考えておる次第でございます。
  22. 内村清次

    ○委員長(内村清次君) それでは次に警視総監の田中榮一君。
  23. 田中栄一

    ○参考人(田中栄一君) お手許に印刷物が差上げてございまするが、これに従いまして御説明を申上げたいと思います。  今回一月の二日、参賀に際しまして、二重橋の石橋上におきまして不測の事故が発生いたしました。十七名の死亡者を出し、又八十二名の負傷者を出しましたことにつきましては、誠に警備上の手落ちもございましたので、この点深く責任を痛感すると共に、死亡者の方々並びにその御遺族及び負傷者の方々に対しましては誠に申訳なく、お詫びを申上げておる次第でございます。  今川の事故につきまして、これは一月二日午後二時十分頃から約二十分くらいの間に発生したものと推定いたされます。事故の起きた場所は二重橋の石橋上でございます。当日の警戒配置と参賀者の状況について申上げますと、昨年十二月二十二日付で、書面によりまして皇宮警察本部から所轄丸の内警察署のほうに警備方の連絡がございましたので、これに基きまして丸ノ内警察署といたしましては、従来の例に準じまして警備計画を立てまして、警部を中隊長とする三十六名の警戒部隊を編成し、又第一予備隊一個中隊を警視庁中庭において待機せしめまして、そうして一応参賀者の交通整理並びに指導に当つたのでございます。皇宮警察本部と警視庁との関係は、従来非常に密接な関係がございまして、或いはこうした多数の方々が参賀するとき以外にも、或いは陛下がおでましになるようなとき、その他外国の大公使が正式に参内するときにも、常に警戒警備につきましては密接な連絡をとつてやつておつたのでございまして、この点につきましては余り両者の側におきましても警戒警備の事務に馴れ過ぎたというような感がございまして、かような点が今回の一つの事故が起きた原因ではないかとも考えております。  参賀者は午前九時頃すでに二千名ぐらいに上つておりまして、午前九時の開門と同時に続々と入門せられまして、午前十一時三十分頃までは大体八列ぐらいになつておりまして、秩序正しく参賀をしておつたのでございます。で、警視庁のこの部隊を配置しました理由は、従来もそうでございまするが、成るべく参賀者でございまするので、余り警察官が直接こうした参賀者に対して指導的な立場で整理をするということは成るべく避けて、参賀者みずからが自主的に秩序正しく参賀をして頂くということに重点を置きまして、警察官としましては成るべく参賀者が多数秩序正しく参費ができるように、それから又参賀者が他の交通機関によつて危険にさらされることのないように、交通整理、交通指導に重点を置きまして警察官を配置いたしておるのでございます。  午前十一時三十分を過ぎる頃から非常に参賀者が増して参りまして、現場の皇宮警察官の御連絡によりまして、これは午前十一時四十分頃かと記憶しておりますが、記帳所附近に非常に群衆が溢れているから参賀者の整理をして欲しいという要請がございましたので、石橋の駒寄附近に六名を配置させまして一応この地帯にありました木柵によつて整理をして、参入者が多数一時にどつと入るのを防ぐようにしておつたのであります。  次に、更に現場の皇宮警察官から丸の内署員に対しまして丁度十一時五十五分過ぎと覚しき頃鉄橋が腐朽しておりまして、両側の板なんかが相当腐朽しておるので、あすこで一応しぼつておりますので相当温雅をしておる。だから祝田の線で後続者を一時遮断してくれないかと再度のお申出があつたので、祝田町警備出張所、この祝田町警備出張所と申しますのは、二重橋のはじのほうにだらだらという玉砂利の広場がございますが、その左側の角のところに小さな交番が立つておりますが、それを祝田町警備出張所と我々は称しておるのであります。この祝田町警備出張所から坂下門、その右側のほうの芝生にかけて一応取りあえず警察官の持つておりました小さな組縄をお互にゆわえ付けまして、警察官が持ち合つて、そして一般参賀者を一時阻止する方法をとつたのでありますが、これはやがてとてもそんなものでは阻止ができませんので、これは途中でやめたのであります。丁度お昼頃になりますと、石橋手前の広場は参賀者が停滞いたしまして相当混雑いたしておりまして、八列によつて参入しておつた人々も、とても八列に並んでおりましても、いつ入れるかわからん。それから又八列以外に警備出張所の右側の芝生を最初は越えて来なかつたのでございますが、芝生をななめに多数の者が一時に殺到して参りまして、その頃には八列の整列もだんだんこわれて参りまして、橋のたもとに充満するというような状態になつて参つたのであります。午後零時三十分頃になりまして、容易に参入のできない参賀者の中で婦人、子供等でもう帰りたいという者も相当できて参りまして、帰る者と進む者と、この両者がお互いに殺到いたしまして、そこで前からの皇宮警察官のお申出もありますので、丸の内署員二個分隊を以ちましてこの広場にななめにロープによつて途中で遮断せざるを得ないことになりまして、そして帰る人は成るべく警察官がお手伝いしてこれを群衆の中から引つぱり出して、そしてお濠端の鉄柵に沿つて細い道をつつきりまして退出路を設けまして、そこから婦人、子供をどしどし引つぱり出して退出させるような措置を講じておつたのであります。  午後一時十五分頃になりまして、二重橋前広場はますます混雑を増して参りましたので、丸の内署員更に二十六名の当市員を召集いたしまして、祝田町警備出張所から坂下の方向の線に今度は本当の縄でロープを作りまして遮断をいたしました。そうしますと遮断が二つになるわけであります。橋のたもとの手前のところで一個所と、それから同時に下のほうの広場の入口のところで一個所、二個所の遮断線を設けまして、丁度そのとき午後一時三十分頃でございましたか、折よく警視庁の第六予備隊員四十数名が団体参賀で制服で参りましたので、これに現場の中隊長から直ちに応援してくれということを申出でまして、この第六予備隊員四十数名が直ちに応援をいたしまして、まあ全体といたしましては百六名ほどの警察官、そのほかに皇宮警察官もおりましたが、これらの者が現場の整理に当り、又先ほど申しました婦女子の救護並びに参賀者の整理警戒に当つておつたのでございます。  午後一時五十分頃警戒員の不足を認めました丸の内署では、第一予備隊の出動を要請いたしまして、更に石橋上が参賀者で一ぱいとなり、広場よりは続々と押し寄せますので、午後一時五十分過頃、石橋際駒寄附近に警察官自体で体で以て阻止線を張つておつたのでありますが、警察官だけの体でのスクラムを組んで阻止しておつたのでありますが、とてもこれでは駄目なので、止むなくロープを以て参入者の阻止を図り、漸く石橋上は或る程度は空間ができたのであります。先ほど斎藤国警長官からもお話がございましたごとくに、この石橋の橋の所でロープによる阻止を図つておつたのでありますが、後方から非常に強い圧力で押されますので、中央がふくらんでややもすれば突破されるような状況となりまして、警戒員も懸命にこれが阻止を図つておつたのでありますが、遂にはこの石橋上のおおむね三分の一程度ぐらいの所までそのロープがはみ出して来るような状態で、ございました。  午後二時十分過ぎ頃石橋上の阻止線前方の参賀者は参入し、まばらになつて参りましたので、鉄橋上から皇宮警察官の合図によりまして、綱を上げて入れろという合図がありましたので、参賀者の頭上高くロープを上げまして、遮断線を解除いたしたのであります。最前部のものはどつと進行しましたが、その際石橋のおおむね中間より少し手前の橋上で、一人の老婆が倒れ、これに折重つて次々と倒れまして救助を求めたのでありますが、それから続々とあとからあとからと押されまして、二重、三重になつて押し倒されたような状況でございました。現場の警戒員は、直ちにこの倒れたものの救助に専心しまして、当時第六予備隊員、丸の内署員、皇宮警察官それから丁度折よく保安隊員約二十名の方々がそこにおられましたので、この方々の応援も得ましてあとから来るものを全部がスクラムを組んでそうして必死となつてこれを抑えまして、石橋上に来るのを全部防ぎまして、そうして倒れたものをそれぞれ正門附近の欄干際に運びまして、人工呼吸を施したり、その他応急の措置をとつて救急車の到着を待つておつたのであります。これより先応援要請を求められました第一予備隊に二時十三分祝田町警備出張所に到着いたしまして、直ちに後方の遮断に当つたのであります。午後二時五十分頃、丁度この事故に対する最初の救急車が祝田橋方面から現場に急行して参りまして、祝田警察官、保安隊員の御協力を得まして、これをそれぞれ救急車に乗せまして病院に搬送いたした次第でございます。  午後三時に正門が閉鎖され、参賀者の参入は締切られたのでありますが、なお石橋前広場では多数の群衆が押し合つて、混乱を続けている状態でありましたので、警戒員がこれを逐次整理いたしまして、午後三時三十分頃には大体において整理が済み混乱がなくなつたのであります。そうして午後四時十分頃警戒を解除いたしたのであります。  死傷者に対する措置といたしましては、消防庁に連絡いたしまして収容病院を調査した上で、直ちに警備課長、警衛課長その他丸の内署員を派遣いたしまして弔問、慰問をいたしました。翌旦更に各収容先の病院を訪れまして、死亡者に対してはお花と弔慰金を呈上しましたし、又負傷者に対しては、見舞いといたしましてそれぞれのものをお贈りしまして遺憾の意を表したのであります。更に政府といたされましても、又宮内庁皇宮警察等関係当局とお打合せいたしました上、爾後の措置に遺憾のないように努めておる次第でございます。  かような事故の起りましたことは、誠に冒頭に申上げましたごとくに、警備上に欠陥もあつたと考えまして、この点は誠に我々も責任を痛感し、申訳なく考えておる次第でございます。  なお負傷者その他につきましては、現場を持つております警視庁としましては最善の努力をいたしまして、現在負傷者の状況等についていろいろ調査をいたして、それぞれ手を打つておるような次第でございます。今後こうした事故が再び起らんように、我々といたしましては最善の努力をいたしまして、これにお応えせねばならないと考えておる次第でございます。  以上で私の報告を終ります。
  24. 内村清次

    ○委員長(内村清次君) それでは次に宮内庁次長の瓜生順良君。
  25. 瓜生順良

    ○政府委員(瓜生順良君) 去る一月二日、一般国民参賀の当日に皇居正門前におきまして、雑踏のために新年の参賀に皇居に参入されようとされた方々の中に多数の死傷者が出るに至りましたことは、参賀の行事を取り扱う立場におりまする宮内庁といたしましても衷心より遺憾の意を表する次第でありまして、犠牲者の方々に対しましては心から敬弔の意を表する次第であります。  この新年の一般国民の参賀の行事は、昭和二十三年以来毎年、貞明皇后の御喪中のときの昭和二十七年を除きまして、その他は毎年行われる例になつておりました。今年もその例によりまして、この行事を計画をして参りました。おおむねそのやり方は前年の例によりましたのでありまするが、違いまする点は、その記帳所を昨年よりは数を減らしたのであります。その代りに名刺受を、今までなかつたものを出しまして、雑踏を防ごうというようなことを考えたわけであります。昨年ですと、この記帳所というのはテーブルを三十ぐらい五列にずつと並べまして一々鉄道の改札口を出られるように、そこを通らないと中のほうへお入りが願えないといつたような恰好になつておりまして、却つて雑踏するというので、今年は道路の左側のほうへずつと並べまして、机の数も減らしたわけです。その代りに名刺受を出す。これはこの記帳は陛下にお会いして御挨拶なされる方は必要はないという解釈もありまして、大部分の方は陛下のお出ましを待つて挨拶をしてお帰りになる、この希望の方だけ記帳されればいいというような考えで雑踏を防ごうというような趣旨でありまして、そういうふうに変えたのであります。この点は昨年よりは違う点であります。  両陛下の宮内庁の正面のバルコニーのお出ましを、これは参賀者の集合の状況によりまして、当初の四回の予定のところを七回お願いをいたしたのであります。昨年は四回の予定を一回お殖やしを願つて、五回お出ましを願いました。今年は七回お出ましを願つて昨年よりは多く出て頂いた次第でございます。  当日の入門者は、皇宮警察本部の調査によりますると、三十八万名余りでございまして、事故の起きましたことにつきましては、先ほど国警長官から申されておるような次第であります。事故の起きました現場におきまして宮内庁といたしましてはそこに設置してありました救護所の救護班員五名を中心に全能力を挙げて応急手当等に従事いたしたのであります。この救護の活動は必ずしも十分の手がなかつたので不十分であろうというようなことを御批判として受けておりますが、私らもそう思います。というのは、今ずつとやつておりまして、今までの例によりますと、眩暈がして気持が悪い、ちよつと転んでかすり傷を負われたという方が五、六名おりました。それに備えるために今の救護班を備えておりまして、まさかああいうような不祥事が起きようとは予想もしていなかつたために、救護班の関係は十分でなかつたと思いまするが、それはそういう事情にあつたのでありまして、将来は内部の衛生職員のみならず、場合によつては外部からも応援をお願いしたり、あらかじめ十分考えておく必要があるのではないかというようなことも反省いたしておる次第であります。  この悲惨事が起きまして宮内庁といたしましても、これは宮内庁の所管する行事に関連して起きたことであり、又皇居に新年の御挨拶に参入されようとした方々が御門前でこうした事故にあわれたことに対しましては、心から御同情もし遺憾に存じまして、取りあえずその事故の起きましたその日の夕方から次長の私、それから長官官房の総務課長が各病院を廻りまして死亡者の方を弔い、又負傷者の方のお見舞をし、その後は各病院にはそれぞれ事務官を派遣しまして、警視庁の方とも連絡をして、お世話その他に当らして参つた次第であります。天皇、皇后両陛下からは、死亡者に対しましてはお菓子並びに盛花を、又負傷者に対しましては果物をそれぞれお見舞があつた次第でございました。  なおこの弔慰の方法といたしまして、その後宮内庁として長官名で香典を一万円、ほか死亡者の遺族の状況によりまして、死亡者の生計上の地位及び年齢の別により、宮内庁の名義で金額は七万円乃至三万円を差上げまして弔慰の意を更に表し、又負傷をされた方々に対しましては、御本人の負担になると思われる医療費を賄うことができるように見舞金を贈ることにいたしておるのでありまして、一部支払つております。なお、今後も今病院等と交渉をして調査をしてお支払いをすることにいたしておる次第であります。これはお見舞のおしるしということで出すことになつております。なお、この負傷の結果、身体障害の程度の特に著しい方に対しましては、更に障害見舞金を贈るということも考えておるわけでありまして、負傷者の方で現在入院をなおしておられる方は四名でございまするが、その四名の中で特に我々がお気の毒に思いまするのは、十才になる山田けい子さんは目がまだ見えないのでありまして、最初は全然見込みがないのじやないかと言われておりましたが、最近は赤、青という色だけがかんだん見えるようになられたのでありますが、更に治療の上或いは普通に直ることも可能であるが、なかなかむずかしいという方もおられまして、その方はうまく直れば非常に幸いで、それを我々は心から祈つておりまするが、若しもうまく行きませんと、眼が不自由になつて、一生そうしたことがつきまとうことになつて来ます。その他のかたの負傷はあとまでずつと残るというような大きな傷害はなかつた点をせめてもの幸いと思つているわけであります。  なお今後の新年参賀の方法につきましては、関係の当局とも打合せいたしまして、再びかかる事故の起きることのないように十分一つ研究をして最善の方策を講じなければいかんと思つておるのでありまして、まあ例えばこの行事の関係のうちの両陛下のお出ましの場所、これは宮内庁正面のバルコニーにお出ましを願つたけれども、その前が必ずしも広くありませんし、もつと広い場所ということも考えておりまするが、この鉄橋からこのバルコニー前に至る間に、旧宮殿の焼跡がありまして広くなつておりますが、そこを使えないかということも検討いたしております。これはバルコニー前も広いのでありますが、併しいろいろ難点はあるので、相当入れますが、その次そこを済んで退出をされようとする所に坂があるのであります。この坂は多数のかたがどつと来られますと、今度はその坂で事故が起きるのではないかというような点があるのであります。この点をいろいろ研究して何とか坂で事故が起きないように、その他その広場の難点を解決する良策があればそこを使えないものであろうかということを検討いたしておるわけであります。  それから開門の時間でありまするが、九時から午後の三時までという時間も何とかもう少し前後に延ばせないかということむ検討いたしております。  それから先ほどの警察のほうの御報告の中にもありましたが、この鉄橋の一部が腐蝕をしているという部分が確かにあるのであります。これはあの鉄橋はもう明治の十九年に設計されて二十一年にできたという古いものでありますが、その後もときどき修理はされておりますが、最近では昭和十八年でありますが、その後の修理はないのでありまして、この下は鉄板になつておりまして、真中が砂利道、両側は板を張つてあります。その両側に手摺がある。で、その板の張つてある部分の一部が腐蝕をしております。これは下が鉄板ですから下に落ちる心配はございませんですが、併しながら腐蝕をしている部分は何とかしなければいけないという問題がある。又手摺のほうが一部腐蝕をしている。これも横にぐつと行つた場合に壊れる虞れもあるというのでこれも早く直さなければいけない。これについては本年度の予算を三百六十万円を実は頂いておるわけであります。これは昨年の夏それを頂きまして、関係者に研究をさせ、すでに先日一月の中旬に請負も済みまして、今工事の準備にかかつております。三月三十一日でできるわけであります。この鉄橋が直接の原因ではなかつたにしても、そうしたところにもやはり難点があつた、この点を取るように、早く解決をしようと思つております。  なおこのたくさんのかたがおいでになりまする中には、皇居の中が見たいというようなお気持から来られるかたも相当あるのではないかと拝察するわけでありまして、そうした点も考え、平素において一般のかたにも或る程度皇居の参観をして頂くことを認めたらどうか。現在は或る資格を持つておられるかたと遺族のかたというふうに制限がありまして、一般のかたはこの参観という途がないのでございますが、一般のかたにも参観の途を考えたらどうか、これにつきましてはこれはもう数の上でやはり制限をせねばいかないと思いますが、その他手続等についてどういうふうにやるということもこれも今度事故が起きましたことにつきまして将来更に再びこのような事故の起きないように一段と万全の計画を立てたいと思いまして、今宮内庁内部で、又警察側にも連絡の上でそうした一般参観の途も何か考えようということで対策いたしておる次第であります。  いずれにいたしましてもこの新年参賀の行事に関連しました場所にああした悲惨な事故が起きましたことに対しましては宮内庁といたしましても殊に遺憾に存じておる次第でございますので将来についての対策については一層注意をいたしまして万全を期するように努力いたしたいと思います。
  26. 内村清次

    ○委員長(内村清次君) 以上を以ちまして政府委員及び参考人の公述が終りましたが、各委員のかたがたの質疑がありますならばどうぞ……。
  27. 若木勝藏

    ○若木勝藏君 今回の二重橋におけるところの不祥事について政府側又参考人のかたから非常に警備上の責任について遺憾の意を表されているのでありますが、私も全くその通りに考えるのでありまするが、まあ十分あの事件によつて国警のほうでも又警視庁のほうでも反省されておりますので私は細かな点についてとやかく御質問を申上げることはございませんが、ただ一点国警長官並びに警視総監に伺いたい点があるのであります。これはまあ釈迦に説法のような恰好になりますけれども、結局現在の警察の任務といいますか、或いは活動といいますか、そういう点については結局国民の生命並びに身体、助産の保護に任ずると、更に治安の維持に対して考えて行くということになつておるのでございますが、先ほど来の御説明のうちに手落があつたと、そういうことは十分認めるし、又遺憾であると、こういうふうに言われておるのでございますが、常識的に考えて手落があつたというふうなことはこれは万全の策を、計画を立ててやつたけれども、そこに一部の手落があつたと、こういうふうなことに私はなるのではなかろうかと、ところが今回の事件につきまして、又今の御説明を聞きまして万全の策を立てたけれども幾分の手落のためにああいうところの遺憾な事実が起つたというようなふうには私はとれないのでございます。もつと奥底にあるところのいわゆる単なる一部分の手落ということではなしに、これに対しては無計画、或いは更に言葉を強めて言つたならば従来の事例に慣れて全然これに対してどういうふうにするかということの計画を怠つておつた、こういうふうに私は考えられるのでございます。御承知の通り今の警察法というものの精神は、結局民主的な警察のあり方として最も重要なことは、これは民衆と共に警察が民衆の生活を守る、そうして民衆の希望を、或いは期待に副うてこれを達成してやると、こういうところに私はあるのじやないかと思う。そういう点から申しますれば、この問題は全く民衆の生命、財産を守るという点から考え、そうして民衆の希望を容れるという点から考えまして、ああいう広場において多数の、いわゆる民衆が参賀に皇居内に入りたいというところの希望に副うてこれを実現させようとしたならば、これは従来何らの事故も起らんかつたからして先ず大体この程度でいいだろうと、こういうふうなことにはなり得ないと思う。そこに今回の不祥事の大きな私は問題があると思う。いわゆる警察の本部においても、或いは警視庁の本部においても、そういう警察のあり方ということに対する考え方が、ただ単に警察は民衆を取締るものであるというような、いわゆる上からの、一つの外部からの民衆に対する取締ということのみに、従来の警察のごとく考えて、本当に民衆のうちからその心に副うてこれを保護、期待を達成させるというところの精神が欠如しておるのではないか、従つてそういうふうな幹部の気持が一般の現場に当るところの者に通つて行くがためにこういうふうの不祥事が起つておるのではないか、こう考えるのであります。あれだけの三十何万というところの民衆が、而も細いところの橋の上を通つて行くということになつたら、これに対してどういうふうな事件が発生して来るかということは、本気になつてこの点を民衆のために考えるならば、私は幾多の方法が、そこに不祥事を起させないところの方法が考えられるのじやなかつたか、これが全然考えられずして、いよいよ緊迫して来たときに一本のロープによつてこれを抑えようというようなことは、これは全く児戯に類するのじやないか、こういうふうに考えられるのであります。私たちの見るところでは、現在のこの警察の行き方はこういう一つの民衆と共に進む、民衆の期待に副うというようなことに対してはおろそかであつて、一たび労働組合あたりの或いはデモであるというふうなことになれば、今度は必要以上な一つの警備の形を以て参る。振るべからざるところの警棒を振つて負傷者など出す、反対の現象がここに起きて来ているように考えられる。ここに私は御両所に対しましても警察の本義というものを全く誤りつつあるものではないかということをお伺いしたいのであります。もつと別な形において警察の運営というものは行われて来るへきものではないか、こういうふうに思うのでございますが、甚だ手落があつた、遺憾であつたというふうなお気持はよくわかりまするけれども、その根本に立返つてそういう方面からの考え方をもつと私は持ちまして、本当に民衆の警察である、民主的な警察であるというところの実績をここに示してもらいたいと、そういうふうに考えるのでございまするが、これに対するところの御両所の御所見を私は伺いたいのでございます。
  28. 斎藤昇

    ○政府委員(斎藤昇君) 只今の御意見誠に御尤もでございまして、我々といたしましても警察の責務の一審大事な点は国民の生命、身体、財産の保護であると考えておるのでございます。秩序の維持ということも、要は生命、身体、財産の保護というところから帰結をいたしておると考えておるのであります。我々日常におきましても、警察の責務のあり方というものはさように考えて教養をいたしておるのでございます。例えばこれは何といいますか、精神論と言いますよりは、むしろ形の上に現われた、而もつまらないようなことではございまするが、今日警察官にはすべて救急法或いは水難救護の方法というものを教えまして、そうしてその検定をとらしておるのであります。或いは人工呼吸、或いはちよつとした怪我の手当というようなものを全部心得させまして、そうしてその検定を全部受けさしておるというふうに指導をいたしておるのでございます。これはただ単なる形の上というよりは、やはり只今仰せになりましたような精神をそういつた形の上から自然に体得をするということを最も大きく考えて教養の必須科目としてやらしておるのでございます。併しながらまだ十分その点が徹底していない点もあろうと思います。今後もますます御鞭撻によりまして、只今のような精神が十分浸透いたしまするようにやつて参りたいと、かように考えておる次第でございます。
  29. 田中栄一

    ○参考人(田中栄一君) 今国警長官からお話がございましたが、私どもも大体さような気持で一般警察官を指導いたしております。殊に警視庁のごときは都民生活と密接な関係がございまして、現在警察官の殆んど大部分というものは、或いはパトロールとして、或いは又交通警察官として、或いは又刑事として、或いは又派出所勤務といたしまして、大体殆んどその大部分をこの都民生活との密接な関係におきまして、警察法第一条に言うところの国民の生命、身体、財産の保護ということに当つておるわけでございます。又我々としましても、指導精神として飽くまでこの民衆本位でやれということでやつておるのであります。実は今お話の出ました一月二日の警備のことにつきましても、私から冒頭に申上げましたごとくに従来の例にならいまして、参賀者であるが故に余り取締的な態度に出ることは避けたほうがよかろう、余り大きな声なんか出すなというようなことで、事態を若干甘く判断をしたというところに警備上の遺憾の点があつたと私は考えておるのであります。従いましてこの二日のことにつきまして、警備上どこが悪かつたかといいましても、いろいろ悪い点があると思うのでありますが、これは弁解がましくなりますので、この点につきましては弁明いたしませんが、今後主としてこういうことにつきましても我々は単に事態を軽く見ず、いま少し先の先を考えて民衆の保護に当るように最善の努力をいたしたいと考えております。只今のお説に対しましては、私は全然同感でございます。
  30. 加瀬完

    ○加瀬完君 初め数点伺いたいのでありますが、この警備に当りまして、国警並びに警視庁のほうでは何回ぐらい警備の打合せが持たれたのでありましようか。  第二点は鉄橋の一部が腐蝕しておるというふうなことが言われたのでありますが、鉄橋の一部が腐蝕されておることは事前にわかつておるのでありまして、ここが危険であつたからということは今更理由にならないと思う。この腐蝕危険ということに対してどういう手を打たれておつたのか。  第三点は、警視庁のほうの報告、説明を伺いますと、鉄橋上の阻止線で皇宮警察官の合図があつたと思われたので、ロープを外して参賀者の頭上に上げたところが、こういう混乱が起つたというようなことでありますが、こういう混乱というのは当然常識でも判断できることだと思う。これが国警のほうの報告のようにロープをくぐらせて救出しようと思つたところが、そこに三、四十名が前方へ走り出して、そのためにロープの位置が上つて最前列の者が首を吊つたり、或いは転んだりということになりましては、当然こういうことは予想されることでありますのに、当然予想されるようなこういう方法を警察官であるところの警備員というのが何らの準備もなくロープを上げたり、或いはロープを張つたりしたというのは一体どういうことなのか、こういう点であります。  その次はこの警備の配置図を見ますると、皇居のうちのほうには実に警備配置を完全にしてあるのでありますが、国警の説明の中にも参賀者が著しく増加をして列が乱れ、無秩序に石橋を渡ろうとする状況となつた、そういうことになりますと石橋の外の広場の整理というものが、相当これは考えられていなければならないはずでありますが、この図では石橋の外側の広場の警備配置というのは一向見られないのであります。これに、整理、警備についてどういう配置をしておつたのか、こういう点を先ず伺います。
  31. 斎藤昇

    ○政府委員(斎藤昇君) 事前の打合せは、以前に丸の内署、それから皇宮警察、宮内庁等が一緒になりまして十分打合せを、前には二回ほどいたしておりますが、その後今まで打合せ通りにやろう、この今までの方法を変更をいたさない場合には、その後はもうただ文君の連絡というのだけで済ましておつたのでありまして、今岡も文書の連絡だけでありました。従前通り行うからという連絡でありまして、今回は時に具体的に集まつて協議をしたことはございません。  それからロープを張つたということは確かにああいう場合に危険な方法であつたと思うのであります。先ほど警視総監からも御説明を申上げましたように、ロープでも張らなければどつと参入するのを抑えることができない状態になつてしまつて止むを得ずそういうことをやつたと考えておるのであります。これは適切な方法であつたとは考えられません。  それから石橋外の警備等につきましては他のかたから説明いたします。
  32. 田中栄一

    ○参考人(田中栄一君) 警備上の打合せは今お話があつた通りでございます。  それから鉄橋上の合図によつてロープを外したらああいうことが予想できるじやないか、それをロープなんかでやつたから悪かつたという御説明のようでありますが、私もああいう場合にロープを使うことは非常に危険であつたと今でも考えております。ただ警戒警察官としまして、ロープでも張らなくてはどうしても阻止ができなかつたというためにロープを張つたのでありまして、それから更に惨事を引き起した最後の状況は、ロープを張つておりましたところが、ロープが橋の上の四分の一ぐらいのところまでずつとふくらんで参りまして、相当ロープの前方の者は胸なんかを圧迫されておりますので、女、子供で非常に痛いからというような者がありますので、或いはそういう者は警察官がロープを持つて中をくぐらせて、そうして他の脱出路から帰すというような方法をとつておつたのでありまして、中には又ロープをくぐつて先へ馳け出して行くというような者もあつたやに聞いておりまするが、主として女、子供を成るべくロープの線から脱出さして退出路から退出させたいという意味でロープの線から出しておつたのであります。そうして二時十分頃鉄橋上の皇宮警察官のほうからもう通してよろしいというような合図がありましたので、そうしてその合図はもう参賀者の人々もみんな知つておりますので、合図があると同時にもうロープをおのおのが全部持上げて、端におつた警察官が、首にかかつてはいけないというので、そのロープを高く上げまして首に行かないようにいたしまして、そうして参賀者がそのロープの下を出たのでありまして、この点は皇宮警察部の報告と食い違つた点はなかろうと考えております。  それから広場の警備でございまするが、駒寄から外のほうは警視庁が負担しておるのでございます。最初に私が説明いたしましたごとくに、十一時半頃現場皇宮警察官の連絡によりまして広場の下のほうに細い線でロープを引いたのでありますが、それがどうもうまく行きませんので、更に二個分隊で丁度橋のたもとのところへ、これは祝田町の警備出張所に置いてありますが、相当太いロープで以て、これをずつと張つたのでありまするが、だんだんロープが短いために端のほうが空きますのでここから全部入るというような状況になりましたので、そのロープを長目にこちらのほうに張つたのでありますが、これがだんだん圧迫されて、先ほど申しました橋のところにずつとふくらんだというのはこのロープでございます。それから十一時過ぎに更にもう一回下のほうにこのロープを張りまして、この二線で抑えたのでありまするが、右側の芝生を横切つて更に相当なだれ込んで参りましたので、整理線も全部崩れてしまつた、こういうような状況でございます。将来はやはりロープなんかでなくして、人垣で以てこれを阻止することが一番適当であろうと、かように考えております。
  33. 加瀬完

    ○加瀬完君 今国警長官から伺いますと、従前通りということであつたと、従前通りということは新らしくこのたびの警備については何ら打合せもなかつたということに私は解釈をしたいと思います。と言いますのは今も警視総監のほうから広場の警備は警視庁のほうで今御説明のようにやつたというけれども、それは混乱をしてしまつてから始まつた仕事なんで、一番先に広場の整理というものをだんだんやつて少人数を中に入れるということになればこういう混乱は起らないということも逆に考えられる。併しそういう手は一つも打つておられない。なお一番不可解に感ずるのは、事件が起つてしまつてから鉄橋がどうであつたの、何がどうであつたのというけれども、そういうことは事前にわかつておる。而も本年度人数がだんだん増強されてたくさんになつて来ておるということも刻々わかつておる。そういうふうな、去年の状況とは参賀の状況が非常に悪条件になつておるにもかかわらずそういうことが予想もされないで、事前に打合せもしなければ、その当時になつて臨機の処置もとられなかつたということは甚だ私には理解が行かないのでありますが、又ロープをどうこうということを私は言つておるのではなくて、多数の者を整理誘導するときに一旦ロープなどで特にとめておつたものを外せば前の者が転んだりなんかすることは当然のことです。そういうことを警察官が知らずにやつたということにそもそも私は一体そういう事件が起つて、どういう事態が生ずるかという意識があつたかなかつたかということを伺いたいのであります。で甚だ非礼な言葉でありますが、高貴なかたのお出ましになるということになりますとあなたがたは何回も練習をいたしまして、それが従前通りのお出ましであろうとも、何回も練習をして万遺漏なきを期しておる。何十万の国民がこういうふうなことになるかも知れないということが当然予想されたにもかかわらず、何らの打合せもしておらない、一体国民の人権というものはどれだけあなたがたの頭の中で尊重されておるのかいうことを私は疑いたい。瓜生宮内庁の次長さんは、いろいろ、見舞金がどうでこうでと言つたけれども、そういう問題ではなくて、こういつたようなことによつて人命を損傷してしまうということ自体について、一体どこに自分たちの手落があつたかということをもつと反省してもらわなければ、この問題の解決というものは問題を外れると思うのです。そういう点一つ当局の、国民の人権というものをどれだけあなたがたは尊重して、このような事件も若しや起つてはなるまいという考慮をお払いになつたかということを重ねて伺いたい。
  34. 斎藤昇

    ○政府委員(斎藤昇君) 確かに只今御指摘になられました通りでありまして、ああいう工合に混雑になつて来たということがわかつて以来の措置というものは、誠に遺憾に堪えないと存じておるのであります。で過去の例はすべて大体打合せ通り広場から六列、或いは八列の縦隊でずつと流れて参入をしていたのであります。で、そのように整理せられた上で六列或いは八列でずつと参入されるということでありますならば、私は三十万のかたがたでありましてもずつと流れて行けたと思うのでありますが、急に参賀の客が殖えまして、そのためにそういつた列を作つて秩序正しく入るというやり方ができなくなりましたために、ああいうことに相成つたのであります。従いましてさような意味から、従前とは異なつた混雑の様相を呈して参りましてから以降の措置は、内外とも非常に手落であつた、かように思つております。只今の御指摘の点は誠に仰せの通りと思い、お詫びを申上げておる次第でございます。
  35. 田中栄一

    ○参考人(田中栄一君) 昨年の参賀者は殆んど今年と大体同じ数か、或いはちよつと少なかつたか覚えておりませんが、これは絶えず水の流れのように僅かばかりでありましたが、八列のものがこう動いておつたので、参賀者のほうも気分的に動いておりましたために、いずれは入れるだろうというような気持で非常に和やかな気持でおつたのですが、今度は途中で食い止められたというようなことで、早く入らなければ時間が来てしまうというようなことで、相当現場で警察官なんかにも相当強い言葉でいろいろ言つておつたかたもあつたそうでありまするが、警視庁側としましてはやはり従前と同じような参賀の方式であろうという考えで、昨年と同様なことをやつておつたのでありまして、途中からああいう状況になつたものでありますから急いで増員をしたり、予備隊を直ちに急行させたりいたしたわけであります。我々のほうでも、いま少しそういう点が事前につかめておりましたならば、又何とか方法も考えたと思うのでありますが、従来のような方式に、ということでやつておつたものですから、ああいう結果になりまして、この点は我々のほうも連絡不十分な点が確かにある、この点は誠に申訳ないと存じておる次第であります。
  36. 瓜生順良

    ○政府委員(瓜生順良君) 宮内庁といたしまして、この尊い生命を失われ、又身体に負傷を受けられたかたに対しましてお見舞をして、それで済んだというような気持は絶対に持つていない次第でありまして、この新年参賀の機会にああしたことで、折角来られたかたが、尊い生命を失つたとか、或いは身体に負傷を負われたことに対しまして、心から遺憾の意を表し、又申訳なく存じております。その微意の現われとしてお見舞をいたしたわけでありまして、今後再びそういうようなことのないように、尊い生命、身体に対してああしたことのないようにしなければならない、行事のやり方から関連して、そういうことが起きてもいけないというようなことで、将来のことを大いにこの際反省をし、改善をしたいと思つているわけでありますが、そうした気持をお答えしておきます。
  37. 石村幸作

    ○石村幸作君 ちよつと参考にお聞きしたいのですが、皇宮警察は国警に所属しているのですが、この日常ああいう特殊な皇居内の勤務上、この指揮命令とか、これは国警のほうから出るのかも知れませんが、とにかく宮内庁との関係はどういうふうな関係になつておりますか。先ほどからの次長の話だと、皇宮警察に関する措置、皇宮警察の行動、その他宮内庁の責任のように言つておられますが、その関係がふだんどうなつておりますか、ちよつと参考に聞かして頂きたい。
  38. 斎藤昇

    ○政府委員(斎藤昇君) 皇宮警察は御承知のように終戦前は、昔の宮内省の警察部であつたのであります。従つて宮中大臣が所管をしておられたのであります。ところが終戦後これを警視庁に附属をさせまして、それから新らしい警察法になりまして、これを国家公安委員会に所属をさせるということに相成りました。従いまして今日でも皇宮警察の監督責任者は私ということに相成つておるのでございます。併しながらもともと皇居内の警備取締が主でありまするから、日常宮内庁の長官、次長、その他のかたがたと密接な連絡をとりながら遺憾なきを期しておる、こういう状況でございます。
  39. 石村幸作

    ○石村幸作君 今の大体わかるのですけれども、皇居の中における勤務が、宮内庁と密接な連絡をとつてというのですが、そうすると宮中庁と直接の指揮監督、そういうふうな関係はないのですね。
  40. 斎藤昇

    ○政府委員(斎藤昇君) 宮内庁との指揮監督関係は全然ございません。
  41. 石村幸作

    ○石村幸作君 わかりました。
  42. 松澤兼人

    ○松澤兼人君 結局今お話を聞いておりますと、現実の認識といいますか、或いは起るべき事態の認識が欠けているということと、或いは状況に対処する皇居の中と外の警備の連絡が不十分ということに尽きるのじやないかと、こう思うのです。結局皇居の中とか、皇居の外ということは、地理的にどこかで一線を画しておるということになると思うのですが、それは二重橋の外ですか。
  43. 斎藤昇

    ○政府委員(斎藤昇君) それは二重橋の外、あの石橋の入口が境でございます。
  44. 松澤兼人

    ○松澤兼人君 ああ、そうですが。先ほども質問があつたわけですけれども、従来と非常に違つた情勢があつた、それに対する十分な将来起るべき事態の認識ということは誰が一体なさるのですか。末端の門の所におる皇宮警察官とか、何とか、そういう人が認識されるわけなんですか。
  45. 斎藤昇

    ○政府委員(斎藤昇君) 皇宮警察側も、それから警視庁側もそこには警備の何と申しますか、責任者がいるわけであります。現実にそれを目撃いたしておりますからして、それらが自分らの力で負えないという場合には、本部に応援を願い出る、或いはこういう情勢であるという報告をいたすことに相成つているのであります。  皇宮警察側はその現場においての連絡は勿論でありますが、丸の内署に対しても、電話で、事態かくかくになつている、従つて緊急措置を講じてもらいたいということは遠慮なく申出ておつたのであります。
  46. 内村清次

    ○委員長(内村清次君) ほかにありませんか。
  47. 伊能芳雄

    ○伊能芳雄君 我々がこういうところでこういうことを扱うということは、畢竟過去のことに対する責任を問うとか何とかという性格のものではないと思うのであります。どこまでもこういう事件を起したということについては、その関係者にあとから反省してもらつて、どこのどういう点が悪かつたのでこういう事件が起つたか、従つて今後はこういうような取締警戒に当つてはどういうふうに行なつて行つたらこういう事故を避けられるか、こういうことについて国警の立場、警視庁の立場、そうして又宮内庁の立場からしてお伺いしたいと思います。
  48. 斎藤昇

    ○政府委員(斎藤昇君) 先ほども加瀬委員から御意見がありましたように、皇居の中の状況というものはもう一定している、この条件の下に参賀を受けられたということでありますが、我々といたしましてはそれをもとにして整理に遺憾なきを期さなければならないのであります。私どもの考えといたしましては、先ず何と申しましても、この外から中に入つて参ります場合に、非常に多数になりました際には、やはり八列側面縦隊で整列をして入るという、この打合せがずつと実際上守られるというような、整理の万全を期しておつたら、かような事件が起らなくて済み得る、又そういう方法はなし得ると、かように考えております。
  49. 田中栄一

    ○参考人(田中栄一君) この質問は、単にこの問題のほかにも、又一般的な御質問のようにも拝聴いたしますので、警視庁といたしましては先ほど御質問にありましたように、民衆保護という立場を十分に考えまして、多少の摩擦は……、成るべくこれは避けなければならんと思うのですが、大衆の保護をするためには、若干警察力をどしどし行使することも万止むを得ないという考えで、例えば花火であるとか、或いは作目も大分豆撒きなんかで随分雑沓しておりましたから、この際にも相当警察官を出しまして、相当強く統制をいたして、又本問題につきましては更に一つ私どものほうでも具体的にいろいろ研究いたしております。この次からはこうしたことが絶対に起きないように、一つ最善の措置を講じたい、こう考えております。まあ要は一般の国民の生命、身体、財産を保護する、いわゆる民衆警察の建前を堅持いたしまして、できる限り一つこうしたことが絶対に起らんように、一つ措置を講ずる考えでございます。御了承願います。
  50. 瓜生順良

    ○政府委員(瓜生順良君) 今までのお尋ねの点は、先ほどの説明の際にも申上げたのですが、要は宮内庁として行事を取運ぶ立場におります者として、警備のほうからもいろいろ難点をできるだけ少くするように、円滑に行くように、行事の面を一層検討してやつて行くということを今後十分考えて行きたい、こういう気持でおります。
  51. 伊能芳雄

    ○伊能芳雄君 一言総監に私の私見を申上げて、今後のこういう問題の御参考に供したいと思います。この縄を群衆取締に使うということは、制止で聞く程度のときは繩でいいと思いますが、こういうふうに実力で押して来たとき、実力で排除するときは、縄というものは群衆としては、足にからまつたり、首にからまつたりして非常に危険が多い。その点に、そういう実力行使をしなければならん段階に至つたときに繩を使つたことは、今後考究の余地があると思います。  それから第二点は、これだけの群衆が六列乃至八列と言いますが、警備課でこしらえた書類を見ますというと、うしろに救出するのに非常に困難をして救出をしているところから見て、六列や八列ではなかつた。もうこの前の広場というものは非常な圧力がかかつている。こういう場合にはとても周囲の警察官が制止をしたというようなことじやきかないのですから、この群衆の圧力をどうしても弱めるためには、縦か、横に警察官を入れて、実力で抑える、二列縦隊の人をぶち込んで楔を打込むとか、縦に割つてしまうということが非常に必要であつたと思うので託すが、そういう措置がどうもとられた様子がないと思う。この点今後の御参考のために申上げておきます。
  52. 田中栄一

    ○参考人(田中栄一君) 確かにロープはああいう大衆の指導には悪いと思つております。これは申すまでもなくロープは使わせん方針であります。それからやはりこのスクラムか、人垣で抑えることが一番無難であると思いますから、これを私どもも常々考えております。御了承願います。
  53. 内村清次

    ○委員長(内村清次君) 只今までの関係者の説明、各委員との質疑応答等によりまして、事情は一応明らかになつたように思われます。そこでこれまでの事件の検討の経過を総合して見まするに、今回の不幸な事態を惹起しました主なる原因は、先ず警視庁、皇宮警察と、これを所管する国家警察本部、及び宮内庁が関係当局者問の事前の連絡の不十分、当日三十七万人余に及ぶところの多数の参賢者に対し、これに相応する設備と、適当な整理誘導をなす等の上に欠くるところがあり、殊に悲惨事発生の防止について、臨機応変の措置が十分でなかつた点にあるように思われるのであります。もとより当日の参賀者の側として群衆の間に、その行動において相互互助の節度を欠くやに思われるものが若干あつたように認められるのでありまするが、何と申しましても事件の直接最大の責任は、関係当局の側にあると結論せぜるを得ないことは、誠に遺憾であります。どうか関係当局は、なかんずく警察当局においては、今回の不幸な経験に鑑みて深くその責任を反省すると共に、この種の事態に対処する警備警察のあり方についても、十分の再検討を加え、今後絶対にこのような事件の再発を防止するために、万全の方策を講ぜられるよう、ここに委員長から厳重に警告をいたしておく次第でございます。  それでは有難うございました。   ―――――――――――――
  54. 内村清次

    ○委員長(内村清次君) 次に一月十八日の総評、日本労働組合総評議会と警官との衝突事件を議題といたします。  それでは一月十八日以来、総評、日本労働組合総評議会の名において行われました国鉄首切反対の抗議集団陳情が激発いたしまして、一月三十日警察隊と衝突し、遂に負傷者を生ずるという不幸な事態を招来しました事件を問題に供します。本日は先ほど委員会でお認め頂きました参考人として、お手許にお配りしました別紙記載の通りのかたがたが出席されております。即ち警視総監田中榮一君、丸の内警察署長石田昇君、日本労働組合総評議会総務部長大場近信君、東京交通労働組合副委員長萩原信治君、日本国有鉄道副総裁天坊裕彦君、国鉄労働組合情報宣伝部長木村美智男君の諸君でございます。参考人のかたがたには御多用中特に御出席を頂きましたことに対しまして、ここに委員会を代表いたしまして委員長から謝意を表する次第でございます。  只今から委員長指名の順序に従いまして、各参考人から公述を願うことにいたしますが、先ず警察と総評側の各参考人は、事件の経過と責任の所在というようなことに重点を置いて御説明を願います。次に国鉄当局側の天坊副総裁は、警察の今回の事件に対する警備態勢について、国鉄当局と警察との間の関係、即ち警備のやり方について国鉄、警察両当局間で、どの程度の連絡があつたかなかつたかというような点を主としてお述べを願います。最後に国鉄労組の木村宣伝部長には、今回の総評のいわゆる集団陳情の運動に対して、国鉄労組としてはどのような立場であつたか、即ち総評の動きは、国鉄労組側の要請によるものか、それとも総評の自発的行動なのか等の点を主としてお述べを願いたいのであります。時間の関係もございますからして、大体十五分間程度で要約してお述べをお願いしたいのであります。それでは先ず参考人の警視総監田中榮一君から……。
  55. 田中栄一

    ○参考人(田中栄一君) 総評におきましては、御手許の書面にありますように、国鉄労組支援中央動員計画を策定いたしまして、第一波を一月十八日から同月二十三日まで、第二波を一月二十九日及び同三十日と、八日間に亘りまして傘下労組員を動員いたしまして、国鉄労組員首切反対の集団抗議陳情を行うとの指令を発したのであります。これに対しまして警視庁におきましては、事前に国鉄本庁側と警備に関する打合せを行いまして、その結果国鉄本庁側の要請によりまして、庁内守衛室の一部を拝借しまして、警視庁予備隊一個中隊をそこに置く、又外部の警戒のために東京駅の構内を拝借しまして、そこに二個中隊、約百二十名を派遣、待機せしめて、万が一不法事態の発生した場合においては、直ちに警戒に当るという打合せをいたしましたのであります。以下その発生いたしましたその状況について申上げたいと思います。  先ず一月十八日から二十二日までは、連日おおむね午後一時頃、国鉄本庁前に約四百乃至五百名くらいが集合いたしまして、気勢を上げて抗議デモを行なつたのであります。でその都度都条例……これは公安条例と言つておりまするが、都条例違反、又道路交通取締法違反等について、しばしば所轄署長から警告を発しまして、その違反行為をやめさせていたのでありまするが、特に一月二十日には、午後零時三十分頃から国鉄本庁正門前に全日通、全統計、全農林、全専売、全日連、全海運、炭労、全電通、国鉄上野支部、同本庁支部等の組合旗を持つた労組員が集合いたしまして、午後一時五十分頃に至つて、これら労組員約二百名は、国鉄本庁正面玄関から強引に庁内に押入らんとして、守衛は内部から扉を閉鎖しようとしましたが、労組員が旗竿、梶棒等を突き入れ、これを妨害いたしまして、そのため一部労組員を庁内に入れたまま、辛うじて扉を閉鎖したのであります。このとき庁舎内に入らんとして揉み合つていました国鉄労組員の奥津英夫君は、扉の外側において、後方より労組員によつて打下された旗竿、又は梶棒による負傷と認められる頭部打撲裂傷等、全治二週間の傷害を負う事故の発生を見たのであります。この集団抗議陳情は、十八日から二十二日まで、毎日国鉄本庁より三菱鉱業本社に押しかけ、新丸ビル内を労働歌を高唱しながら気勢を上げ、デモる等の不法行為を行なつていたのでありまするが、特に二十日午後三時頃、新丸ビル内五階の三菱鉱業本社事務所に、同社の労組員の配転に抗議するため、集団的圧力をかけまして、午後三時三十分頃から会社事務所のガラスを破り、或いは会社側の者を吊し上げ、午後三時五十分頃には、総評の森谷某という人が、三菱鉱業本社の富田文書課長に暴行を加える等の不法行為を行なつたので、同人を暴行現行犯容疑者として検挙いたしたのでございます。  更に一月二十三日、総評は戦術を変えまして、午前七時四十分頃から集合いたしまして、午前八時十分頃警戒中の守衛と押問答の上でなだれ込まんとして、阻止されるや、午前八時十二分頃から約二百名の労組員は、国鉄本庁正門前においてスクラムを組み、労働歌を高唱し、「中に入れるな」と言つて気勢を上げ……「中に入れるな」と申しますのは、国鉄本庁に勤務する勤務員の登庁を妨害するために、「中に入れるな」と言つて気勢を上げまして、出勤登庁者の入門を阻止いたしましたので、丸の内署長は登庁阻止、交通妨害、示威行為を行わんよう警告を発したのであります。ところが午前八時四十七分頃、西門から侵入した労組員と、正面玄関から登庁者と同時に入りました労組員約三百名は、三階国鉄総裁室附近に集合いたしまして、午前八時五十五分頃から庁舎内を労働歌を高唱しつつデモり、国鉄の退去要求及び丸の内署長の警告にも応じませず、事務毒のガラスを破損し、廊下に牛乳ビンを投げ付け、或いは各部屋の標示板を叩き落す等、暴行を働いたので、遂に丸の内署長は実力行使の警告を発し、午前九時五十五分漸く退去せしめました。  次に、一月二十九日午前八時、国鉄本庁に集合した抗議団は、合法的陳情の域を越え、午前八時十分頃からスクラムを組み、国鉄本庁職員の出勤を阻止し、又代表二名は国鉄本庁西門を乗り越えて、抗議団の全員入場を要求いたしましたので、丸の内署長は警告を続け、又国鉄本庁においても出勤者の妨害を行わないよう警告をいたしたのでありますが、更に反省の色なく、遂に実力による制止排除を行なつて、午前九時三十分頃から十時二十分頃の間にピケ隊を排除したので、出勤者も漸く登庁することができました。このため抗議団、陳情団の登庁者と同時になだれ込む戦術は失敗に終りまして、抗議団は漸く午前十一時三十五分頃解散したのであります。  次に、一月三十日午前八時には国鉄本庁正面玄関前に約七十名が集合いたしまして、昨日は締め出されたから、今日は早く中に入つてやろうと言つて、午前八時四分頃から労組員約百名くらいが中に入るため、国鉄本庁正面玄関でわつしよわつしよと守衛等と揉み合いを始めたのでありますが、内部よりようよう抑えて、一時正面玄関を閉鎖いたしたのであります。午前八時五分頃、この状況を認めた丸の内署長は、指揮下の放送車によりまして、都条例の違反、道路交通取締法違反となり、又不法に侵入すれば建造物侵入罪になる虞れがあるから、是非解散をしろということを何回となく警告を発しましたが、労組員は増加する一方でありまして、ますますその行為も激しさを加えて、何ら警告に応ずる気配がなかつたのであります。  このため、丸の内署長は待機中の第四予備隊を出動せしめると共に、午前八時十五分までに解散しなければ実力行使を行う旨警告を発したが、労組員は約三百名に増加いたしまして、依然として労働歌を合唱して、警告に応ずる色もなく、それを無視して正面から歩道一ぱいに拡がりまして、気勢を挙げ、不法行為を継続しておつたのであります。ここにおいて丸の内警察署長は止むなく、午前八時十五分頃第四予備隊に対し、実力を以てこれを解散せしめるため、交通公社方向に向つてこれを排除し、交通秩序を維持するよう命令を下したのであります。  この命令を受けた第四予備隊は、第一線に第一中隊を後方十メートルくらいに、第二線として第二中隊を配置いたしまして、労組員に解散警告を伝えつつ、正面玄関附近から約四十メートルくらいのところまで押して行つたのでありまするが、労組員は解散警告に応ずる色もなく、却つて第四予備隊第十一中隊を押し返して来たので、午前八時十八分頃第二線の第二中隊を第一線に増強いたしまして、排除に当つたところ、労組員は所持の旗竿で予備隊員を殴り付け、反抗の様子を示して来たのであります。その上労組員により、最前部にいた警察官は労組員の群の中に引込まれようとしたので、近くの警察官はこれが奪還と、警察官を殴り付けていた労組員を公務執行妨害現行犯として検挙しようとしたため、激しい操み合いが始められまして、近くにいた副隊長は斜め後方を向いた途端に組み付かれ、首を羽交締にされ、引倒されそうになるという状況であつたのでありまするが、この組み付いた労組員は先に警察官を殴り付けた者でありましたので、これを検挙したのであります。  この操み合いの際、検挙者を含めて労組員二名が負傷したのでありまするが、共に東京駅の診療所で仮手当の上、救急車により中央区銀座七丁目四番地菊地病院に入院措置をとり、検挙された者は一旦釈放の措置をとつたのでございます。丁度この揉み合いで、労組員の旗竿等による殴打、暴行により、第四予備隊員は十三名の負傷者を出すに至りました。  午前八時三十分頃労組員は国鉄本庁東門より歩道上に集まり、警官が整理に当りましたが、自主的に交通妨害にならんようにするからとの労組側よりの申入れもあつて、警察官は現場より引揚げ、待機せしめたのでありますが、その後におきましても約四百名が東町から正門にかけて六列となり、スクラムを組み、労働歌を合唱しておりましたが、午前十一時十五分頃代表者の結果報告を聞き、万歳を三唱して、午前十一時二十四分頃解散したような次第であります。  これにつきまして、私のほうで入手したのでありまするが、日本労働組合総評議会議長藤田氏の名前によつて、関係各組合委員長宛に、国鉄不当馘首反対抗議デモについてと言いまして、その末文に、「一月二十五日総評第十回幹事会はこの闘争を支援する為左記要領により国鉄当局に対する抗議デモを実施することとなりました。つきましては、去る二十三日の嵐の如き抗議デモに勝るとも劣らぬ大衆動員を行い度く」、かような文句で指令をされているのでありますが、これによりましても、国鉄労組の今回の首切り反対抗議陳情というものが、如何に多数の者を動員してデモをかけるという最初の意図からこれを実施しておつたものと、我々は見ておるのであります。その動員計画は三千三百名ということになつておるのであります。  以上で私の報告を終ります。
  56. 内村清次

    ○委員長(内村清次君) それでは次に丸の内警察署長の石田昇君。
  57. 石田昇

    ○参考人(石田昇君) 只今大体大要は総監から話された通りであります。  この十八日から一貫した警戒でありまして、十八日から二十三日までに集まつて来た人数は、少いときは二百人ぐらいのときもあります。大体四五百人ぐらい、多いときは四五百人ぐらいで、いつもデモのとき等には慣れておりまして、相当まあ乱暴でありまするが、普段は多く動員した場合には金だけもらうと帰るような人もおるわけであります。途中で実力行使というような警告を出しますというと、急いで帰つてくれる人も相当おるわけであります。ところがこういう二百人か四五百人ぐらいしか集まらんということになると、殆んどその道のもう専門家でありまして、これはもうほうぼう至るところへ出て行つておるわけであります。私ども警察官のほうでは、署長はその署だけをやる。或いは予備隊にしても交互に出て行くのでありまして、極く少いのでありますが、どうも労組側のほうは全国を股にかけて行つておるような人でありましてこれはちよいちよい私も出たところでは同じような顔触れの人によく会うわけであります。非常に殺気立つておりまして、あたかも革命前夜のような様相でありまして、警察官を見るというと、ぶつ殺す、貴様はギロチンだ、こういうようなふうに罵詈雑言を浴びせられるのであります。税金泥棒め、こういうようなふうに。そこで実際畏怖の念を生ずる。先ほど総監から話がありました二十日でありまするが、二十日、私もたしか二時頃だと思いましたが、ちよつと用件がありまして署へ帰りまして、私一人で、伝令も付けずに自動車で正面玄関につけたわけであります。そのときに今の労組員が旗竿で私が中へ入ろうとするのをとめるわけです。ドアが半開きになつておりまして、これに入ろうとするのを後から、これはあとでわかつたので、そのときには私はわかりませんでしたが、竹竿で後から中の人を突こうとする、中には守衛と公安官とそれから警察官が若干おるわけであります。そこでそのとき見ておりますというと、怪我人が丁度出て来た。血を見たので、そのとき私のほうの配置員は制服が七百人しかおりませんが、そこには幹部か伝令だけでありまして、予備隊は秘匿して東京駅に待機させてあつた。それが予備隊の連絡に行つておる留守で、私一人でおつたわけであります。そうするとすぐ私をその青年行動隊を中心として取り捲きまして、殴つてもよろしいのか、警棒で殴つてもよろしいのか、それはもう警棒で殴つちや申訳ない、怪我をさせたじやないか、それはよく調べますと、こう言つたところが、私の胸を突き飛ばす。石やら撮映のフラッシュなどを投げ付けるので、私は非常にこわくなつたので、これはおとなしくしていたんじや大変だ、それで非常に元気を出しまして、一人だと思つて何をやるか、こういうようなことで大声を出したのであります。そうすると、いやお前は拳銃を持つているじやないか、こういうような話であります。そこで私はここを叩きましてこの拳銃には弾は一発も入れていないのだ、正規の服装だから拳銃は持つているけれども、あなたたちを射つ弾はないのだ、弾丸は一発も入れていやしない、こういうことを申しましたところが、今度は、お前は犬だ、犬は帰れ、こういうわけであります。そのとき私どもは、これはやはり落着かないと、こわがつて逃げたりすると非常な目に会うと思いましたから、私が犬ならばあんたたちは猫か鼠だ、こういうように言つたのであります。税金泥棒め、税金をもらつているから忠実に仕事をしているんだというような話をしたのであります。それから今の二十三日の国鉄に入つた日ですが、上に上つたときも、鉄道のスピーカーですね、鉄道のスピーカーのコードをぶつ切つてしまつた。更に竹竿で以てスピーカーのやつをぶつこわしてしまう、こういうことであります。  それからこの二十日の日には、やはり新丸ビルの三菱鉱業に押しかけたのであります。そのときにも大分デモりましたけれども、どうも大衆とのトラブルを成るべく避けたいと思つて、横でちよつと見ておりましたのですが、やや遅れて上つて行つた。上つてみるというと、すでにもう百数十名が事務所に乱入したわけです。事務所に乱入しまして中に入つておる。そこで、これはどうも仕様がない、出さなくちやいかん、こういうことで予備隊を入れるようにしたのでありますが、そのときもよく調べてみますというと、炭労の森谷組織部長が中に入つて、これは先ほども言つた富田文書課長とそこの二人、三人をひつぱたいておる。三人をひつぱたきまして、これはあとで森谷さんの話では、ひつぱたいたんじやない、それは入ろうとした、ところが事務所に入られちや困るから手で瀕のところを払い除けただけで、別に殴つたわけじやない、こういう話であります。そこで私どもは、その場ですぐ検挙いたしますと相当混乱があると思つたので、森谷さんにちよつと来てもらいたい、森谷さんは、ちよつと待て、逃げも隠れもしないからちよつと待て、森谷さんも覚悟をきめていたと見えて静かに来てくれたのであります。静かに来てくれて、私たちのほうへ入つて来た。エレベーターの前で、ここで下りてもらいたい、令状によつて逮捕いたしますということを言つた。森谷さんは、革命だ、初めはお前はギロチンだ、これははつきり森谷さんが言つておる。ギロチンだ、おれは近く行動を起す、近く行動を起す、お前たちはこういう余計なことをしなくてもいいようにしてやるから一つ待て、こういうようなことを言われましたので、まあ私も警察官がいる手前、余りこわがつても仕方がない、勇気を振いまして、殺されても仕方がない、殺されるかもわからん、こういうことを申した。常にそういうことを私どもは申されておるのであります。  二十九日も中に入ろうとして押しかけて来て、どうしても入れない。そうして非常にたくさん、丁度出勤時でありまして中から国鉄の入品が閉鎖されておるものですから、通勤しようとする者が道にも溢れて、デモ隊と両方でどうしても中に入れない。そこでこれの解散を警告いたしましてやりましたが、そのときに、二十九日は正門と西側の横の門と両方に分れた。西門のほうにも非常に来ましたので、どうぞこわさないでもらいたい、ぶつこわせば検挙いたしますよということを十分に警告してある。ところがなかなかわつしよわつしよというので押して、結局そのまま一時、中の栓が折れまして、一尺余り相手に押されましたので、中から守衛と保安官と警察が手伝つて、中から押し返しまして、漸くデモを中止さした。二十九日の実力行使は非常にうまく行きまして、大分初め人数も少かつたのでありまして、のほうで二個中隊持つて行つたのでありまするが、押したのは一個中隊であります。あと一個中隊は、西側の門を放つたらかしにするわけに行かないので、西側に一個小隊置く、それから正門のほうは一個中隊で、一個小隊は車道へ出て来られると困ると思いまして、車道側に一個小隊を配置してやつたわけであります。そこで押し返されて、どうしても開けることができない。なかなか向うに解散をさすということはとてもできないのでありましてそこでそのまま正門の前を開いて暫らく押し合つてこう刈時しておる。そのうちに時間がたつに従つてぼつぼつ通路を開けてくれたのであります。  三十日は前日のに懲りまして、正面からやはり二個中隊を押してみたほうがよかろう、もう一つは、時間が余り遅くなると、そういうふうに通路が通れないものでありまするから、デモ隊も余り殖えないうちに、それから出勤者等も余り溜まらないうちに、八時頃門を閉鎖したので、すぐ行動を起して、八時十五分頃実力行使が始まつた。八時十五分からやりまして、初めは正門の前でこつちへ向いまして左から、西側ですね。西側へ二個中隊を持つて来させまして、伝令に呼んで来させまして、副隊長を私のほうへ呼びました。副隊長に大したことはないと思う。人数もそれほどじやない。その頃三百名、或いは三百名切れていたかも知れません。実力行使を始めた。当初はそこでこれを静かに向うへ、東側へ押してもらいたい、東側に押して後にしなければ通路が非常に妨害になるから、これは押すほうは東側へ押してもらいたい。そうして警棒を振り上げたり、それから向うが倒れるように押したりしないように、徐々に静かに押して行く、ゆとりを以て押して行くようにと、こういうことを副隊長に注意した。そこで副隊長が現場で各部隊に注意する、中隊長が更に注意をする。そうしまして、更に一個中隊を正面から入れたわけです。初めは非常にすべりがよかつたが、途中で押し返されるようになりまして、これも十六ミリでちやんとよくとつてあります。押し返されましたが、それで二個中隊で、初めはすべり出しがよくて、地下道の向うへ、地下道寄りか東側へやや押して行つたら、二十五メートルか三十メートルであると思います。大分押したあたりから旗竿で殴りかかつて来る。ここでちよつとした乱闘が起りまして、私のほうでは予備隊員が十三名ばかり、大体全治一週間前後から短いのは四日ぐらいであります。十三名負傷をした。警棒を持たずに、手で受けた人は小指をやられるというようなことで、十三名、それから拳銃をさげるバンドの一部とか或いは被服とかいうような物件の損傷が二十七、八件ありました。そのときにまあ怪我人が二人出まして、私は初めは一人しか知りませんでした。一人を二、三人で連れて来たので、怪我しておるがどうしたと聞きましたところが、これは猛烈に抵抗したので逮捕しました、それじやよろしい、これを持つて行きたまえ、併し怪我をしておるのであるから一つ十分に手当をしてそして傷の状態等睨み合して仕事をするように、無理をしないように一つそこへ連れて行け、私は丁度そのときは自動車が来ておりませんでしたので、普通の自動車、パート・カーですね、広報活動をする宣伝車であります。それに入れてかまわんから送れ、ほかのパート・カーがあるから間に合うから、とにかく怪我人が大事であるからそれに入れて送れということで、その中のこれが宮生君でありました。宮生君を、東京の駅の中に診療所がありまして、そこで簡単に手当をいたしまして、そうして菊地病院に移すということになつたわけでありまして、もう一人は……やはり怪我人は一人で、これはやはり歩いて来て、手当をして、一緒にパート・カーに乗つかつて菊地病院へ行く、こういうようなまあ状態であります。  大体の概略は以上であります。
  58. 内村清次

    ○委員長(内村清次君) 次に、日本労働組合評議会の総務部長大場近信君。
  59. 大場近信

    ○参考人(大場近信君) 国鉄首切りに対します陳情に対しましての総評の立場を只今から参考に申上げます。  先ほど石田参考人が言われましたように、全国股にかけて歩くというようなことがありました……。実は又あの当時の実力行使の際に暴徒を鎮圧する、こういう考え方で実力行使に入つておるわけであります。そういう点を考えますと、労働組合運動というものを御理解のない立場から今回の問題が起きたんではないか、こういう工合に考えられます。  委員の皆様に総評というものが一体どういうものであるかということに少しく触れまして、当時の模様を詳細語りたいと思います。  御承知のように終戦後国会におきまして労働組合法が制定されまして、それによりまして、私たち働く者がそれぞれ産業別等に労働組合を結成いたしまして、総評は一九五三年の七月の十二日に民主的な労働者、労働組合、これらの結集をいたしまして、経済的政治的、社会的の向上を図るために結集されたわけであります。その綱領にもございますように、「労働組合は、労働者がみずからの経済的、社会的共通の利益を維持増進するために自主的に組織する。」、こういう工合に調つてありまして、おのずから総評のすべての行動というものにつきましては、大会或いは評議員会、幹事会、常任幹事会、こういう機関によつて、大衆討議をいたした上に行動を決しております。又総評の規約の中にもございますが、評議員会或いは幹事会において決定いたしましても、各傘下組合がこれを承認して行動に移すわけでございまして、決して総評そのものが大きな力で或いは大衆行動を起すというようなことはないのであります。日常総評の運営につきましては常任幹事がこれに当つておりますが、常任幹事の選出につきましても各組合の雄鷹によつてその組合の所属員が上つて来ておるわけであります。そういうまあ運営の仕方でありますし、只今総評に加盟しておる組合は三十五の全国単産がございます。簡単に申上げますと日本教員組合、国鉄労働組合、全逓信従業員組合、全国自治団体労働組合、全国電気通信労働組合、全駐留労働組合、全農林省労働組合、日本都市交通労働組合連合会、全専売労働組合、日本財務職員労働組合連合会、全印刷局労働組合、大蔵省職員組合、全電波従業員組合、全国水道労働組合連合会、全建設省労働組合、全商工労働組合、全日本国立医療労働組合、全国労働省労働組合連合会、全国司法部職員労働組合、厚生省職員組合、日本炭鉱労働組合、日本電気産業労働組合、日本私鉄労働組合総連合、全日本金属鉱山労働組合連合会、全国金属労働組合、合成化単産業労働組合連合会、化学産業労働組合同盟、日本放送労働組合、全日通労働組合、全日本港湾労働組合、全日本自動車産業労働組合、日本鉄鋼産業労働組合連合会、全日本海運労働組合連合会、全国自動車運輸労働組合連合会、国際電信電話労働組合、そのほかに総評に対しまして友誼組合と申しますか、協力をしておる組合がございます。これらは幹事会或いは評議員会にオブザーバーとして出席し、大衆討議に参加しておる組合であります。それは全日本造船労働組合、全国セメント労働組合連合会、全国石油産業労働組合協議会、全国紙パルプ産業労働組合連合会、全国ガス労働組合協議会、全国印刷出版労働組合総連合会、日本新聞労働組合連合会、全国旅客自動車労働組合連合会、日立製作所労働組合総連合、昭和電工労働組合連合会、全日本電機器労働組合連合会、三菱造船労働組合、全国銀行従組連合会、全日本損保労働組合、全日本生命保険労働組合連合会、全国生命保険外務労働組合連合会、全日本百貨店労働組合連合会、全日本倉庫労働組合同盟、全日本電線工業労働組合、以上の組合がこの総評の中にいろいろな形で入つておるわけでございますので、暴徒と言われました暴徒の集りの中には官庁の組合が殆んどこれに入つておるわけでございまして、委員の皆様がたの手となり足となつて、国の中枢に携わつて仕事をしておる人たちも総評の中に入つておるということを十分一つ御認識の上に以上の経過を聞いて頂きたいと思うのであります。  総評の一月十三日の幹事会におきまして、国鉄労働組合のほうから年末闘争に対しましての処分問題について当局にどういう動きがあるかということが説明がございました。その際に私たち幹事会の一同といたしましては、公労法についての疑義の点、これらも十分参酌いたしまして、それから又仲裁裁定に関して、これに国会でおきめになつたことでございますから、国鉄労組としても止むを得ない、自分もその当時の事情を聞きましたが、やはりこれは仲裁裁定を完全に実施していないことは事実である。それらを総合いたしまして、一方的に労働者のみを、而も大挙十八名も馘首を、その当時は十八名でなくて三十幾名か四十名ぐらいになるであろうというような話が当時国鉄のほうから出ておつた。そういうところから、これは放つてはおけない、どうしても労働者の立場として、処分をしてもらわないように陳情しようではないか、こういうことで実は十八日から二十三日まで陳情を計画をいたしました、決定いたしました。この際は無制限にしておきますると、相当の人数を各組合が出して来ることは当然であります。従いまして統制を考える立場から、それぞれの組合に対してこれくらいの人間で最高限度はとめておいてもらいたいというぐらいに、動員に関しましては一応の目安をつけて指令をいたしました。  それから十八日から二十二日に至るまでは、十三時本庁に集合をして、一人一人総裁宛に面会を申入れて、そうしてよく労働者の立場及び……、この労働者と申しましても、国鉄を利用している者が殆んどでございますので、殆んど国鉄の当局者のような場合、大抵は通勤の場合自動車でお通いになりまするが、普通我々労働者はやはり都電なり国鉄の省線を利用いたしまして通勤をいたすわけでございまするから、利用者の立場と両面からこの陳情を行なつたわけであります。ところがどうも合点が行かないことは、門戸を閉ざして私たちの入庁を阻止する。正常な立場で私たちの陳情を聞いてくれない。こういうことが二十二日までの毎日の現状でありました。  一方どういうのかわかりませんが、先ほど石田署長が言つたように、暴徒というような、或いは全国を股にかけて旅稼ぎして行くというような考え方をお持ちでありましようから、勿論ああいう取締が出たかも知れませんが、連日私たちの陳情に対して、警官の護衛が付いていたということは、これは事実なんであります。どうしても、午後から行きましても総裁が会つてくれない、やはりこれは登庁時に待つていて、登庁したらすぐ会えるような手配をしてもらうのがいいのじやないか、こういうことで、二十三日には朝の八時に本庁の前に集合してもらうように再度傘下の組合の方々にお願いを申上げたわけであります。そうして二十三日には、どういうはずみですか、とにかく入口の警備を解放してくれたのかどうか知りませんが、私たちは中に入りまして、三階の総裁室の廊下のところでとにかく会わしてもらいたいという交渉をいたしましたが、その当時は、文書課長名で以て庁内に入つて集会をやられては困る、或いは直ちに退庁してもらいたいという、とにかく煽情的な貼紙を貼り、或いは宣伝をスピーカーを通してやるというような、逆にそそり煽るような態度に出て参つたのであります。どうしても当局の責任者の方が事情を伝えてくれない。とにかくその前に約四十分ぐらいその廊下のところで皆待機しておつたわけであります。業を煮やしまして七階の職員局長のところまで押しかけたわけでございまするが、この際に狭い廊下でありまするし、大勢の人間が通りましたから、或いは黒板にぶつかつたり、或いは名札がすべつて落ちたような事態が紀きたかも知れませんが、別に三十日に起きたような傷害事件というものは紀きていないわけであります。七階に参りまして、職員局に対しまして代表者を寄越して交渉させ、一同は外へ出て代表者の模様を聞いたというのが二十三日の状態なんであります。  それから二十三日は御承知のように国鉄の首切りが発表になりましたから、特にまあそういう事態が起きたということもあつたわけでありますし、それから十九日頃だと思いましたが、総評の藤田議長を初め各傘下の単産の委員長が天坊副総裁と会いまして、国鉄の幹部に対する首切りの処分の問題については十分考えて撤回するようにしてもらいたい、撤回というよりも処分しないようにしてもらいたい、若し何かありましたら改めて我々にもその問題についてよく話をしてもらいたいというので、天坊副総裁に藤田議長が会いました際も話をしております。併しそういう話もなく、二十二日にとにかく処分が行なわれるというので、二十三耳には組合の皆がああいう行動に出たということは事実だと思います。  それから二十九日でございますが、これは先ほど随分石田署長はやかましいことと言われておりましたが、二十九日の西門における押合いというものは、これは殆んどが国鉄の職員ですから、当然庁舎に入る権限があるわけでありまして、これが阻止されたというところに、やはり国鉄職員としての不満があつたろうと思うのであります。それから一般民間単産の人がたは、やはり整然として本庁の建物に沿つて歩道に、通行人の邪魔にならないように、交通巡査の整理に従つて行動していたことは事実であります。それで二十九日には代表者が中畑労働課長に会いまして、まあ抗議をしたわけです。というよりもむしろ処分を撤回してもらいたい、その趣旨としては、今回の処分によつて国鉄労働組合が処分反対の闘争をされる、そういう際にはやはり通常の形で作業が行われないことは当然で、職場内に不明朗なことが起きたらば、やはり国鉄の企業というものはうまく進まないのじやないか。そういう場合、我々組合という立場よりも、国鉄を利用する立場として非常に不安なものがある。従つて問題を円満に解決してもらうようにしてもらいたいという工合に代表者の方が陳情をしたわけであります。その際に中畑労働課長からは、公労法の解釈については、これは最後は裁判所で行うでありましようが、公労法についての疑義は私たちも持つておる。非常に私たちとしても不満なものを持つておる。併しまあ今回の処分の問題については、やはり公労法に従つてやつたので、了解してもらいたいということを再三言われておりましたが、私たちはその際に、どうしても最高責任者である総裁に会つてもらえないうちはとにかく陳情を続けます。総裁に会つて、我々に納得の行くような措置を総裁みずからが話をしてくれ、そうして今後国鉄利用者も安心して乗れる、利用できるというようなものにしてもらいたいということを確約をして二十九日は引揚げました。そうしてその経過を報告して、皆整然と引揚げておるわけであります。これは決して署長が言うように、全国を股に歩いたその股旅者というのではなく、とにかく組織的に大衆討議の上にいつも行動をしている民主的な労働者でありますから、必ず統制といろものにはお互いに服しているわけであります。ですから面会を要請して、面会してくれて、そうして事情を話すれば、すぐその事情を了解、或いは了解でなくても、今日の交渉はこうであつたという話を聞けば、それできれいに、石田署長の指導、指示がなくても、自主的に解散をしていることは事実であります。  それから三十日の状況でございますが、これは午前七時半頃からぼつぼつ組合員が集まつて参りました。入時頃には、署長は三百人と言われておりましたが、これは各単産の責任者が、参集して来た方々の人数を把握しておりますので、私たちの調べによりますと、七十四名ほどしかいなかつたわけであります。そのときにも国鉄の職員の方が二十名すでにおつたわけでありまして、この職員の方々は、自分達の組合の幹部を首切られたということはどうしても納得が行かない。従つて職員の立場からも総裁に面会をして処分撤回の陳情をしたいということで、先頭に立つて、やはり正面玄関で守衛を相手に入れてくれということを言つておつたわけであります。その他の労働組合の方々は東口のほうに寄りまして、壁に沿つ三列或いは四列ぐらいの重なりで壁についてじつとしていたことは事実であります。併し八時頃は、やはり署長が言つたことは事実です。都条例違反の疑いがあるからとにかく解散して頂きたい。或いは業務妨害になるから入口を開けてくれという工合に放送されましたので、とにかく入口は通れるくらいは開けてもらおうということで開けたことは事実でありますが、併しこれはもう登庁をしてくる方々もあそこに塞がりますので、とにかくどちらがどちらか見分けがつかなかつただろうと私のほうは推察するのですが、私のほうは登庁を阻止するわけではありませんので、当然時間が参りましたときにあそこを開けたことは事実であります。併し八時十五分頃になつてからは、石田署長は先願に立つて、今日はどうしても我慢ができない、やつてしまえ、やれやれという陣頭の指揮でまあ押し寄せて参つたわけであります。これは私もその場の責任者としておりましたので、そう急に押してもこれは二重橋の二の舞をやるから、とにかく警棒はやめてくれ、我々もその指示に従つて引下がるところまでは引下がるのだからと、こういうふうに警官と話したけれども、署長の命令だからというので、ぐんぐん押しつけて、後向きになる暇もないくらいに押されたわけであります。あれだけの、七十人も固まつておりますから、二、三分ほど、とにかく地下鉄の地下道の入口からずつと東寄りのほうに押されて来る間が三分か四分の間ですから、何ほど激しかつたものか、御想像が付くであろうと思うのであります。  とにかく当時の状況を私は二、三、これは余りにひどいのではないかということを思いましたことは、怪我をした宮生君でありますが、宮生君は総評の旗を持つておりました関係上、国鉄の職員の入口で揉み合つている中に、彼は総評の旗を持つて一人混つていたことは事実であります。この宮生君を私服の刑事の方が背中のほうから、おい、今日はこれをやれやれという工合に指示をしておりましたから、これはまあ実力行使に入る前であります。従いましてあの押される間際に宮生君から旗を取る。それからカメラをかけておりますから、彼はカメラを持つて、その実情をいろいろ撮すために行つておりましたのでカメラをかけていて、カメラも総評の事務局のカメラでありますから、個人のカメラでなく、やはり相当高価なものですから、彼としてはそれを持つていて警官に打ちかかつて行くような行動はとれないことは事実であります。併しその旗を取り或いはカメラを取るというような警官の挑発行為があつた。従いまして彼としては、自分の私物でありませんので、当然旗を取返しに行こう、カメラを取返しに行こうとしたときに袋叩きに会つて、ともかく後をつかまえて、梶棒で後を乱打したわけなんで、後頭部に長さ三センチくらい、幅が一ミリ七分とかいう骨膜に達する裂傷を与えられたのであります。これは当時その側におつた傍証人がたくさん証人としておりますので、委員会で同志のそれらの問題を聞きたいということでありましたら、参考人を出してよろしいと思うのであります。とにかくそういうことであります。  それからあと池田君の点につきましては、これは後ほど刷の参考人から詳しく申上げたいと思いますが、とにかく私、総合的に三十日の状況を察しますと、とにかく暴徒を鎮圧するのだという考え方の下に当られた。根本的な問題はここにあろうと思うのであります。労働運動を理解されない、そうして組織労働者の規律ということを非常に理解されない、戦前非合法であつた労働組合運動を弾圧して来たその姿、その考えのまま、現在もこういう労働運動を弾圧しようという気持の上から三十日の事件が起きたということを結論として言えると思うのであります。  総体的な三十旧の概略は以上であります。
  60. 内村清次

    ○委員長(内村清次君) 東京交通労働組合の副委員長萩原信治君。
  61. 萩原信治

    ○参考人(萩原信治君) 一月三十日の不詳事件で以て人事不省に陥り負傷をいたしました池田喜太郎の所属している組合の責任者としてお話をしたいと思います。  その前に私自身が東京交通労働組合の責任者といたしまして、終戦後どうしたような指導方針を一万二千人の組合員にとつて来たかということをお話したいと思います。東京交通労働組合、いわゆる都電、都バスの組合、これは古い方は御承知のようにずつと過去三十年の歴史を持つておりますが、戦争以前、その頃におきましては市電といつて相当激しいストライキその他サボ、こうしたような戦術を以てずつと非合法時代における労働組合として相当名を売つていたということは、私自身も認識しております。その東京交通労働組合が一転して、合法性を獲得した終戦後の労働運動の中で如何に我々の権利、福利厚生を組合の立場から護つて行くか、こうしたようなことを考えた場合に、非合法辞代の歴史的な事実から考えまして、何と言つても合法性を獲得したのだから、この枠内において円満に物事を処理せねばいけない。こうしたようなものが、終戦後東京交通労働組合が再建いたしましてからの一貫した理念であります。そのことは、あえて抽象的なことではなくて、終戦後におきまして都電、都バスがストライキをやつた、がたがたしたというようなことはあり得ないことでありまして、又そういつたようなことは何回かの団体交渉によつてそれぞれ年末手当の問題であつても、その他組合員に関する問題は解決して来ているのであります。  そうしたようなことから、終戦後におきましては非常にそうした信念の下に、統制ある先ず組合であるということが先決問題でありまして、従つて全組合員の指導訓練に当りましても、統制ということを非常に重視いたしまして、統制のないところにはよき解決はあり得ない。仮に自分が与えられた法律の枠内においてすべてのものを解決するためには、やはり一万二千が一つの一糸乱れない統制が必要である。いわば進むも退くも幹部の一言一動によつてすべてが統御されなければならない。そうしたようなところに合法性を獲得した労働組合の大きな飛躍があり、労働組合としての使命が達成できるのである。こうしたような考えを以て指導して参りましたが故に、先ほども言いまするように、終戦後においては何らトラブルは対交通局との岡においても表面的に現われるものがない。その代り必要な団体交渉等を合法的に行なつてすべてを解決して行く、こういつたような経過を辿つて来ているわけであります。  まあこうしたような東京交通労働組合の立場から行きまして、今回一月三十日の池田組合員が怪我をした、人事不省に陥るほど重大な怪我をしたということを、我々責任者の立場から聞いたときに愕然としたのです。池田は何をやつたのか、池田喜太郎その者は二十一才でありまして、先般少年車掌から運転手になつたばつかしでありまして、結婚もしたし、それで又この種の陳情に、さつき石田署長が言つているように渡り者である、専門家である。池田喜太郎自身は恐らく初めてでしよう。たまたま自分が公休であつたので、それで我々勤労者の立場から見れば、三たび四たび仲裁裁定というものが蹂躙されて、そうしてその結果十八名の国鉄職員が首になつたということについては、我々勤労者としては、これに対して不法であるという考え方を持つことは当然でありまして、そうしたような観点から、たまたま公休の池田君が初めて陳情に行つたわけであります。そのような性質も温厚であるし、そうしてまだ若い、結婚したての池田君がなぜ経我をしたのか、あいつはじや警官でも殴つたのかというふうにも思いました。そうは考えられない。まあそうしたような東交の指導訓練の中から池田個人の性質を見ても、決してそんなような、人事不省に陥るような怪我をあえて受けるような、又警察側が育つているように抵抗したからやつたのだといつたようなことが仮にあつたとすれば、私自身としてはみずから指導理念の至らないところである。そうしたことが事実あつたとするならば、勿論私自身は頭を下げてもいいと思うくらいに考えて今日でもおるわけです。そうしてそのようなデモに、陳情に一回行つたくらいなような池田君を以て指して、そうして渡り者である、何回も顔を見ている、何回も顔を見ていると言うのは、東京都内においていわゆる陳情であるとかデモがある場合には、我々幹部としては責任上、一般組合員を如何に円満に収拾するか、統制付けて行くかというようなことから、我々自身は何回か顔を見ることはあるかも知れませんけれども、初めて行つた池田君が負傷して、池田君が渡り者であるとか専用家であるとか言うことは誠に穏当を得た、丸の内署長としての言とはとても考えられない。そうしたような私は東交理念上の観点から、池田君の負傷に対しまして、一月三十日には私若干時間が遅れまして、八時四十分頃現地に到着いたしましたが、すでに負傷事件というものは終つたわけです。併しそのときは私も用事がありましたので、私の代行として本部員を現地へ早くやつておりました。そうして先ほど大場氏からも言われましたように、その本部員の報告によつても、当時陳情に行つた人間は、八時五分頃から八時十五分頃におきましては七十名か八十名であるということは、すべての我々、我が組合で参加した本部員も立証しております。そうして警官隊が百六、七十名いた、こういうような中で以て事件が起きた。この事件が起きた現場というものは、我々のほうの太部員も全部タッチしているわけじやないからわからんわけです。そこで大場氏が説明したように、そうした事件があつたので、何か東交の組合員らしいというので、我々のほうの本部員が掛合つて行つた。そうしたらどこへ行つてしまつたかわからない。それについてはいずれにせよ、本人の怪我の程度であるとか、取扱いはどうなつているかということを私のほうの本部員が聞かなければならないというので、署長さんに会いたいというので、警備している鉄兜に聞いた。ところが署長は奥のほうへ入つていて、もたもた何か若干、いるとかいないとか言つておつたそうです。そのときにたまたま石田署長さんが庁内から出て来られた。庁内というのは、運輸省の中にあるいわゆる警官隊の控室といいますか、恐らくこの中から運輸省の正面玄関へ出て来た。これはよかつたというので、私のほうの本部員が、東交の本部の者であることを言い、そうして池田組合員が負傷したというが、どこへ行つたか、どんな処置をしているかということを署長さんにお伺いしたわけです。署長さんは、当時非常に興奮した表情で以て、大声で以て次のごとく答えたということを本部員は私のほうへ書いて出して来ております。今そんなことを言つても仕方がない。そんなことはあとでわかる。負傷者があつたことは確認する。怪我人が出て死んでもかまわん。自分が責任をとると、体を震わせ、興奮の余り殆んどわめくような口調で応待した。それで我々本部員は、そう署長さんが興奮したのでは困りますよ、却つてほかの一般警官のほうが冷静ではありませんか、まあ、注意したところ、署長さんは再び、いや一人や二人死んでもかまわんと放言した。かようなことを聞いて我々のほうの本部員も非常に怒つたけれども、まあ冒頭にも言いましたように、そうした興奮状態の人を相手にしてもしようがない。よし、それを聞いておけばあとで話を付けるからというので、我々の本部員は引上げたということを、私が八時四十分に現地へ着いたときに、私の代行をしておる本部員から聞いたわけです。そのことははつきり諸角書記の署名で以て私のほうへ出ております。従つて私が先ほど申上げましたように、池田がどうしてあんな奴がやられたかというような疑念については、成るほど、かような態度で指揮官がいるのでは、これはごたごたが起きるのは、あえて池田がわるいのじやないというふうな観念を私自身も持つたわけです。まあ率直に言いまするならば、私も暫つて兵隊時代がありました。中隊長が突込め突込めと言えば、兵隊というものは何と言つても突込まなくちやならない。突込まなければあとでお叱りを受けるから、もうそれなら、そこにあるもの何でもかまわないからぶつた切れというのが兵隊の心理である。又警察官その者は、そうしたような兵隊と同じような、鉄兜いかめしく武装しておれば、そうした心理になることは当然です。そうしたような、いわゆる兵隊と同じような立場の人間を指揮する指揮官として、本部員が折衝した内零を聞くと、誠に遺憾であつたと私自身言わざるを得ないわけです。  それから総評の内村君と石原君と村上君、私と四人で以てそれまでには大体陳情に行つた人たちに菊地病院に行つておる、銀座七丁目の菊地病院に救急車で行つているというようなことを聞きましたので、そこで本部員を集めてどうすべきか、まあ菊地病院はどういうところか知らんが、局には交通局病院というのがあるから、これは非常に施設も完備しているから、健保の会員であるから、これのほうへ移してやつたほうが親切ではないのか、新妻が聞いてびつくりして、新妻のほうがどうかなつても困るし、一応施設がいいと我々が信じている交通局病院のほうへ移したらどうかというようなことをよりより協議いたしました。併し本部員の一人が、そうは言つても恐らく菊地病院で何らか署長の命令によつて拘束状態になつているとすれば、このまま行つて青山へ仮に医者の診断結果を持つて移すようなことが身体上可能であつたとしても、拘束されている状態では恐らく駄目ではないか、従つてその状態を先ず署長さんに聞こうじやないかというので、先ほども、僕以外の三人のかたと運輸省の中の警官の控室、ここで以て署長さんと御画会したわけです。で、そのときに目的は今言つたように、何とか交通局病院に移すための拘束状態はどうかということが目的で行きましたが、それと同時に若干石田署長さんに今日の状態に対しての抗議もしたわけです。で、国鉄当局にあなたのほうから、署長さんの立場からこうした状態が早く解消できるように、中へ陳情に入れてもらえるように話してもらえないかというようなことを、一緒に行つた村上君なんかも申上げました。併し署長さんは当局の要請によつて単に我々は警備しているだけであるというようなことを申しておつたわけであります。警備の任務は穏便に事を運ぶのが任務と思うがというようなことを我々も質問したわけです。署長さんの曰く、かような、まる暴動のような状態では、実力行使以外で外にはないと思つたので、前以てパート・カーで以て住宅不法侵入罪、都条例違反、交通取締法違反になるということを放送した、そして、今日は二十名ぐらい検挙する予定だつたが、彼我の勢力の関係上、我が方の兵力が不足でできなかつたことは遺憾であるというようなことを申した。そこで私は仮に都条例違反であるとか、交通取締法違反であるとか、その日のことを一々あの当時の現状で以て七、八十人の人間が運輸省のあの舗道に若干いたとして、一々それを法律を適用して云々と威嚇的なことを言う前に、何とかこの状態を円満に処理するために、署長さんとしてそうしたことをパート・カーで放送すると同時に責任者はいないか、責任者に来てもらいたいというようなことをなぜ言つてくれないのか。言えば責任者が必ずいるんだから、行つてあなたとお話して、どうして円満にやるかというようなことも、又陳情の意思も達することができるかということの御相談ができるのであつて、そうしたようなことを少しもしないで、ただ条令違反だ、交通取締法違反だとか威嚇的なことを七、八十人の人間に言つて、それを実力行使をするためのこれだけの親切の措置をとつたんだということの材料にするということ、より以上もつと親切な立場から考えるならば、責任者に来て下さいというようなことをあれだけの放送の設備があるんだから育つてくれてもいいではないかというようなことを言いましたが、その点については部下の一人が、いや責任者を探したんだけれども、ちつとも顔がわからなかつたというようなことを言つておりました。これはむしろ顔がわからないということも私はよくわかる、大勢いるんだから……。その場合にパート・カーの放送という、いわゆる文明の利器があるんだから、なぜこれを利用してもらえなかつたかということをまあ遺憾だというようなことを、私自身もそう言つておつたわけです。それから又さような状態で実力行使のためには負傷者が出てもいいのかというようなことについても私は質問いたしました。それは勿論私も現実的なものとして考えた場合に、こちらにもいろんな人がいます。先ほど石田署長さんも言われたように、税金泥棒だとか何とか言われることもある。それは確に我々幹部以外の一般の中には、すぐ端的にそうした言葉を発することがあり得ると思います。又警察官自身にしても、田中警視総監は、その日に我々あとで八名の国会議員さんと田中警視総監のところに行きましたけれども、警視総監は誠に政治家なんだが、非常に我々が行つても、鄭重に、これはよく調査をいたしまして、公平な措置をとります、遺憾でした、というようなことを言つているんだが、併し田中警視総監に会うべくですよ、八名の国会議員とそれからその他に川端、実川という都会議員もおりました。警視庁に入るのに国会議員ですら制止されてしまつた。なぜかというとそのあとに私達が約十六名ばかり行つた。国会議員八名と、都会議員二名、そのうちの都会議員一名は中にいたんだから実際は一名です。それに我々十六人が行つた。それですら国会議員がこのバッジを見せていても、待つてくれ、待つてくれと抑えられちやつて、いわゆる上のほうはそうであつても、下のほうはやはり何といいますか、権力を笠に着るというようなことであつて、末梢的な立場から警察官自身にもそうしたようなことがあり得る。従つて我々自身の組合員の中にも、幹部以外の人間でたまたまそうしたようなことを言つたとしても、それを一々指揮官が取上げて、税金泥棒と言われたから云々とか何とかいうことはとんでもない間違いだと私自身は思つております。私今も言う通り、我々の方にも若い者であつてすぐそうした簡単なことを言う奴もおるし、いわゆる警察官の方にも指揮官の意思と違つて、下のほうには舗道の所で以て人を整理する場合にも、これだけ明いておるにもかかわらず、明けろ明けろといたずらな刺戟を、いわゆる交通整理という名によつてやるということもあり得る、従つてそうした一々末梢的なことを取上げて云々というわけには、私自身は行かないと思います。まあそうしたようなことであつて、実力行使で以て負傷者が出るという問題については、お互いにあり得る問題であつて、従つていわゆる組合の責任者として又警察官の指揮者として、如何に円満に処理し、そうして如何にまあ組合の立場から見れば、陳情なら陳情の趣旨を達するか、円満に……。この事自体が我々幹部として又警察側から見れば指揮者としての大きな役目だと思う。そうしたよな役目を考えた場合に、この負傷者が出てもいいかという我々の質問に対しては、負傷の原因は旗竿で叩かれたか乃至は、鉄かぶとが当つたかそれから警棒が触れたか、この三つのうちの一つだと思うが、調査して、当局に落度があれば法に照して合つたような処置をとる、私は嘘は吐かない、絶対私は嘘は言わない人間だということを、男らしく石田署長さんもおつしやつていた。そうして仮に、先ほども言いましたように、こうしたような場合に、自分の方にもあなたがたの方にも若干の、若気の至りというか、そうしたような暴言を弄する者もある。あるけれども、当時石田署長としてはなかなか自分の指揮監督が末端にまで行かないということは、今言つたような意味で非常に残念であるけれども、併しこうしたような状態で暴徒を鎮圧するということは、今言つたようになかなかむずかしい。そこで私は何らかもつと強力な立法措置を講じて、かかる場合には、強力な処置がとれるようなことを立法的に考えてもらいたいと思つているんだというようなことを強くそう言つておるということは、結局もつともつと怪我人を出さないような、穏便な処置ということは、当然警備をする警察の任務であるかも知れないけれども、かような状態では怪我人が出ても仕方がない。強力な暴徒鎮圧の処置をとつてもらいたいということをまあはつきり言つておるわけでありまして、そうしたような石田署長の言動から考えましても、大場氏が言われましたように、一月三十日のこの不祥事件が、決して決して彼我の勢力から言つても、片や鉄かぶとをかぶつた百六、七十名と、片や七、八十名の武装もなんにもしてない人間、又起きた現場が運輸省の正面入口から、約九十メートル離れた交通公社側のところで以て血が流れているし、ここで以てやられた。こうしたような事情から見ても、私自身は、武装した鉄かぶと一人が武装しない都民の何人に当るかということは、科学的にはわからないけれども、これはいろいろ分析してみれば、わかるとは思いますけれども、そういつたような観点から、又石田署長との折衝の態度からいつてみても、非常に指揮官のいわゆる指揮のしかた次第によつて一般警官も鬼にも蛇にもなつちやつた、こういつたようなことに大きな原因があつたということを、私は言えると思うわけなんです。こういつたようなことで、今回の事件につきましては、石田署長がもつともつとこうしたような問題をうまく部下を掌握して、そして円満に処理するようにして頂いたならば、こうしたような事件は起きなかつた。又二重橋事件まではこうしたようなことは余りなかつた。二軍橋事件があつて署長が代つた途端に、こういつた事件が起きたということに対しても、私は非常に遺憾であるし、結論的には、こうしたような石田署長の責任をあくまで追及して、そして帝都の中心の丸の内の警備を任すということは、非常に不当であるというふうに、私は考えておるわけです。終ります。
  62. 内村清次

    ○委員長(内村清次君) それでは次に日本国有鉄道の副総裁天坊裕彦君。
  63. 天坊裕彦

    ○参考人(天坊裕彦君) 先ほどから委員長の御注意もございましたので、私からはこの総評の運動の関係で、警察の御協力を得ました警戒に重点を置きまして、事実を御説明申上げます。  先ほどもお話がございましたように、私ども情報を得まして、一月十八日から二十三日まで、又二十九日、三十日、この問総評傘下の組合員諸君が、千八百人乃至三千五百人、毎日押しかけて来られて、鉄道本庁の中庭に集合されると、こういう情報でございましたので、私どもとしましては、いろいろ検討いたしまして、こういう部外者の集団行動によつて、鉄道の庁内の秩序が乱され、業務が妨害されることは非常に困る。従つて入つて来られることを拒否することにきめまして、勿論総評からは、中庭の使用なり、集団陳情については、なんらの申し出も受けておらなかつたのでありますが、先ず第一に、念のために国鉄労働組合の責任者に対しましても、今度こういう企があるそうでありますが、而もそれには鉄道の組合の諸君も含んで、本庁の中庭へ入つて来られるという話を聞いているが、これは許可しない方針であるから諒知されたいと、こういう通告をいたしますと共に、更に私どもの守衛或いは公安官、こういうものにそれぞれ警戒秩序維持にあたらせますと共に、万一の場合を考え、警察のほうにも協力かたをお願い申上げて随時連絡申上げたのであります。そこで一月十八日から二十三日並びに二十九日、三十日の両日に、警察のほうへ、九の内の署長さんのほうへ、私どもの庁内秩序取締をやつておる総裁室文書課長の名を以ちまして、外部団体等多数が当庁の施設区域においていろいろ紛争を起す行動が認められ、業務上支障があり且つ混乱の虞れがありますので、警察官の派遣方をお願いいたします、こういう御連絡を申しまして、万一の場合に備えて頂いたのであります。その中で特に先ほどからもお話がございました一番問題が激しくなりました二十三日並びに二十九日、三十日、この両日におきましては、更に二十三日は先ほどのお話の通り多数のかたが庁内に入つて来られたのであります。而も先ほどのお話にもございましたように、一階から七階までいろいろと旗をかつぎ、歌をうたつて、片方で事務をやつております横の廊下を通つて廻られて、仕事の妨害になつて参りましたので、この妨害を排除して、この庁内の秩序を守るように適切な御処置をお願いしますということ或いは又二十九日、三十日の正門の出入が不可能になつた場合に、当庁に出勤する者の邪魔にならないような措置をお願いいたしますということをお願いいたしたわけであります。それが事実でございまして、なお私どもといたしまして、この庁内の秩序を維持するため或いは業務の正常な運営を確保するために、こうした場合に、その筋のかたに御協力をお願いするのは当然の措置と、私どもは考えておるわけであります。当日のいろいろな出来事につきましては、報告は受けておりますが、私は実はその場に居合せておりませんし、大体似たようなことでありますので、省略さして頂きます。
  64. 内村清次

    ○委員長(内村清次君) 次は引続いて国鉄労働組合情報宣伝部長木村美智男君。
  65. 木村美智男

    ○参考人(木村美智男君) 私は国鉄組合本部の情報宣伝部長の木村と申します。  冒頭に本委員会が最近頻々として起つておるこの民衆警察という名にふさわしくない警官の不当な弾圧事件に対して、真剣にこの問題を糾明するためにお取上げ下さいました点を私たち心から厚くお礼を申上げたいと存じます。  当日、私はこの問題があつたその時間のときには、この現場には居合しておりませんので、この点は先ほどの総評の参考人の二名のかたから申述べられた通りであります。委員長が言われました点について、国鉄労働組合の立場を申上げたいと思うのでありますが、この問題の少くとも解決は或る程度やはり根本的な原因を糾明することなくしては解決ができないのではないか、こういうふうに考えられますので、一体あの本庁の前に総評傘下の組合員の皆さんが多数集つた、なぜああいうふうに集つたのか、又東交の池田君がああいう不当な殴打によつて瀕死の重傷を負つた、こういうような原因となつた、この集つて来たということは一体どういうところにあるのか、この点は是非先生がた皆さんに十分御承知を願いたいと思います。  私たちは去る先月の二十二日の日に、国鉄当局から、柴谷委員長以下十八名が、年末のあの紛争の責任者ということで、公労法の違反である、こういつた名目のもとに、解雇通告を受けたのでありますが、この点は果してこれが正当な公労法違反であり、正当な処分であるかどうか。この点は十分御承知おきを願いたいと思う。私たちはあえてこの点は不当な処分である、こういうふうに考えておりますし、現実の問題として、私たちはどうしても納得のできないところであります。と申しますのは、これは今年度の予算を見ましても、十分わかるのでありますが、今の少くともこの政治のあり方というか、やり方というか、とにかくMSAを受け入れて再軍備政策をやつて行く、こういうような過程の中では、残念ながら私たち労働者としては、自分たちが生きるために、何としても憲法に保障されたところの団体行動権によつて、この生活の苦しさというものを打開して行く、こういうことは、これは当然我々に与えられた権利であると思いますし、今日いろいろ労働者を初め、大多数の国民が民生安定費が削られて、生活保護費が減つてしまうとか、或いは自由労働者が働く時間が少くされるように予算が削られるとか、各種の社会保障費が減らされてしまう、こういうような状況の中で、而も一方では、酒も上るのじやないか、たばこもそのうち上げられる、運賃は何とかまあああいう形になつたが、郵便料金はそのうち上げられるらしい、電気料も上るのだ、こういうようなことであつて、而も一方では厖大な二千数百億かの軍事費を組んで、そうして大きな産業なり資本家たちをふとらせる、こういう政策をやつて行つて、おのずから自分たちが食えなくなつて行けば、これは何とかして生活を守るためには、労働者が当然保障された団体行動権で、そうしてこの生活難を打開して行こう、こういう行動は許されていいと思うのです。ましてや昨年の暮の場合には、私たちは曾つてこのストライキ権というものを持つておつた。ところがマッカーサーの一片の書簡によつて、これは国鉄というものは基幹産業であり、これは国家の動脈であるから、こういうような組合は少くともストライキというようなことではなくて、問題を平和的に解決するために、ストライキ権を持つていると同じような権威のある仲裁制度というものができたのだから、お前たちはこれで平和的に紛争を解決して行くのだ、こういうことを言われて、折角その与えられた公労法というものができてから、実際にはもう過去三回に亘り、今回四度に亘つてこの仲裁裁定の公労法の規定についても、これはあいまいなところもありますけれども、いつも政府や当局側の都合のいいように解釈をされて踏みにじられて来たというのが、今日までの現実の経過であり、従つて私たちはそういうことでは公労法を制定をした趣旨に副わんのではないか、だからそういうことでは本当にこの労使の正常な紛争の解決の道というものは閉されてしまうのだからということで、昨年末、私たちは合法的は立場に立つて休暇闘争という形で、政府や国鉄当局に対して反省を促した、こういうことがその事実なのであります。ところがこれに対して一方仲裁裁定を実施をさす、公労法を忠実に守ろうとしてやつた組合の責任者が、この裁定を踏みにじる、法律を破つておるところの政府なり国鉄当局側によつて首を切られる、こういうことではこれはどうしても納得ができない。これは明らかに不当ではないか、こういうことになりまして、これは国鉄労働組合としても、これから私たちはこういうふうなことで、日本の民主主義も守れないし、これは憲法に保障されている団体行動権というようなものも、これは無視されるのだから、この点はどうしても私たちはこの首切りというものは撤回をして貰わなければならん、こういうふうに考えておりますし、そのためにこれから全組織を挙げて、私たちはこの撤回をかち取るつもりでおります。  今回この本庁前に集まられたということについては、先ほど委員長の御質問にありましたが、私たちは別に総評に対して要請をしたわけでもないし、頼んだわけでもありません。これは当然労働者としての立場から、今日、先ほど申上げたような形が全労働者なり、あらゆる働く人々に蔽いかぶさつて来ている以上は、又国鉄当局がやつたと同じような、そういう態度を、今日資本家なり経営者一般が、みんなそういう立場で首を切ろう、或いは給料は上げないように抑え付けよう、こうやつて来る以上は、これは単に国鉄の柴谷委員長以下十八名の首切りの問題だ、こういうように考えて、あれは向う岸の火事だ、こういうふうに見物しているわけにはいかん。これはやはり俺たち同じ労働者全体の問題だ、こういうふうに考えて、期せずしてあそこに総評の参加各組合の皆さんが、この国鉄の不当処分は是非撤回をしてもらいたい、こういうことで総裁に面会を求めて集つて来られたわけであります。この点については、私たちはむしろ国鉄労働組合の立場からは、その友愛と信義というか、こういうことに対しては心から敬意をむしろ現わしたい、こういうふうに考えているわけであります。そういう立場でまあ私たちいるわけですが、国鉄当局も従来は余り警官の出動というふうなことについてはお願いをしたことはないのですが、今回先ほど天坊参考人が言われておりますように、その実際集つた人間を見ても三千万も集つたなんというためしはないので、こういう情報くらいで今日ああいうような警官の出動を要請されたというようなことについては、私たち極めて遺憾だとも思いますし、それだけに又今回の首切りの問題については、当局側としても自信を持合わせておらなかつたのではないか。或いは集つて来られたかたに納得をするような御説明ができる自信がなかつたんではないか。こういうように考えられたわけですが、この問題はいずれ国鉄当局と国鉄労働組合との間の団体交渉の中で、いろいろお話合をし、反省もして頂かなければならんと考えておりますが、このいわゆる官憲の不当介入というか、こういう言葉で表現するのが適当だと思うんですけれども、先ほど石田丸の内署長さんがいろいろ言われておりますが、あの言葉の裏から受ける印象から考えましても、労働者なんというのは人間じやない、何かその辺の犬ころのように考えておつて、とにかく殴るか、蹴るか、ちよつと力を加えれば数が足らんと見たら引込むのじやないかというくらいの気持でやつて来る、こういうことであつたんでは、これはもう池田君単に一人なり、宮生君が頭を割られて怪我をするということについてこれから頻々として、同じ日本国民である者が同じ日本国民同士によつて頭を割られ、傷をおわされるという事態は、これからどんどん起つて来るのじやないか、こういうことが本来あるべき民衆警察としての警察のありかたであるかどうか。この点については十分私たちとしては特に本委員会からの御注視をお願いをしたいと思う。先ほど傍聴いたしておりまして、あの二重橋事件のときなんかは僅か百名足らずで三十万の人を何とかしようと考えているような人であつても、一度問題が労働組合の問題になりますと、私たちが二百名しかおらんのに、三箇中隊も動員して来て、そうしてやつて行くというような、ちよつと頭のおきどころ、目のつけどころが違つているのではないか。私たちはもう少しその辺のことについて、特に警視総監もおられることですから、この辺のことも十分一つお考えになつて頂いて、これから再び私たちとしては、この首切りについて納得がどうしてもできませんから、私たちはこれからこれをどうしても撤回してもらわなければならんと考えておる。而もその行動は当然の団体行動権という上に立つて、勿論責任ある者を立てて、統制ある行動をとつて行く考えですけれども、不当な圧迫なり弾圧を再び繰返して、怪我人を、瀕死の重傷を負わせる、こういうような不祥事態を今後再び惹起させないように、特に本委員会の十分な監視と言つては語弊がありますが、御注視をお願いいたしまして、私、国鉄労働組合の立場から申上げた次第であります。
  66. 内村清次

    ○委員長(内村清次君) 大場君から、先ほど補足説明をしたいという申出でありますが、極く簡単に切りつめて一つ。
  67. 大場近信

    ○参考人(大場近信君) 先ほどの意見の中に、警官の暴圧に対してのみ自供を申上げたのですが、私たちは実は本旨は、国鉄の総裁から、じかに私たちが会つて頂いて、そうして私たちの意のあるところも汲んで頂いて、円満に事態の処理をしてもらいたいというのが真意であります。従いまして、若し国鉄総裁に誠意があれば、私たちを労働組合と単に睨まないで、利用者の代表が来たのだという考え方から、若しあの人たちを庁舎のいわゆる中庭にでも誘導して頂いて、そうして代表者を何名か選んで会見をする、こういう処置をとるべきが私は至当ではないか、こういう工合に考えまして、実は三十日の日に中畑課長と会いました際に、このことも十分に申入れしました。その結果、本日回答が参りまして、総裁が我々代表と会うという次第でありますので、一応私たちのほうとしては、今のところ陳情ということを中止をしておるわけであります。以上がそういう関係であります。
  68. 内村清次

    ○委員長(内村清次君) 以上、各関係者からそれぞれ御説明がございましたが、今後、委員各位との質疑応答によつて、だんだん問題の内容が明らかになることであると存じますが、この際委員長から一、二点だけ実はお尋ねしてみたいのです。  総評の大場君のほうでございますが、総評争対発第六十四号、これは昭和二十九年の一月二十六日に発行されておる文書のようでございます。これで、国鉄不当馘首反対抗議デモについてということで、傘下各単産に対しまして動員の割当てがなされておるようです。問題は、一月の二十九日、それから一月の三十日の両日ということになつておるようでございますが、勿論この動員計画をされたときにおいては、大体の主目的というのは、やはり馘首反対という立場から、先ほどの口述では、国鉄の総裁に会いたい、そうしてその事情の納得行くような点を明らかにして、そうして反対の抗議をやろうというのが目的と私たちは考えるわけですが、やはり各単産に動員計画がなされて、各単産の責任において、この日にちに、又時刻に集合するという場合のときに、不祥事件が三十日の日に起きていますが、その間やはり十八日から二十三日までなされておる、こういうような経緯によつて、警官がこれに大体来ておるというようなことで、そこで三十日の日あたりの動員に対して、恐らくこれは総評自体においてはどういうような統制あるところの陳情をやるかというようなことは、先ず以てこれを計画されたときに各単産の責任者にも言うてあるかどうか。どういうふうな方法でやるか、その点が明確になされておるかどうか、或いは又、これが三十日の日には単産では動員をして参りますが、やはり集合したところの各単産の組合の人たちは、これはそういうような計画が徹底をしておるかどうかという点が第二点、第三点は、又警官が今度来ておるからして、今回一つ警官の不当な点があつたときには、対抗的に一つ衝突でもしてというようなことをもくろみせられたかどうか。こういう点を一つあとで御説明を願いたい。  それから一月の十八日以来、二十三日までの状態におきまして、集団陳情が行われて二十九日までには先ず平穏に済んだ、これは天坊副総裁にちよつとお尋ねしたいのですが、三十日に限つて不幸なこういう不祥事件が起つた。で、これは国鉄当局側においても、先ほどの陳述によりましてこういう計画自体は察知したからして関係の方面には勿論連絡もとつておるというようなことははつきり言つておられますが、問題の焦点は、やはり陳情である以上は、数名の代表者を労組側のほうに出してもらつて、そうして当局として静かな陳情を聞くというような態度にどうして出られなかつたのかという点、これが確実に行われたとしたならば、事態というものは又別な方面に展開しはしないかとも思われますが、この点を一つ明らかにして頂きたい。  それから今後国鉄の馘首問題に対しましては、これは労組方面におきましても、不当馘首だという声も起つておる。又総評関係にもやはりそういうようなことを一連的に考えられておられるようですが、やはりこういうような労働運動というものが将来にもついて来やしないかとも私たちは考えてあります。これに対しまして、国鉄の当局としては、労働運動に対するところの基本的な考え方はどう持つておられるか。この二点につきまして一つ御説明を伺いたい。  それから丸の内の署長のかたですが、この点は、警察側において陳情団に対して再三警告をやつた。事前警告をやつておられる。ところがそれが数回に及んでおるけれども、警告が実行せられなかつた。だからして直ちに実力行動に移るというような…、その間にまだ何とか慎重なとるべき処置はなかつたかどうか。この間の余裕はなかつたかどうか。これはもう二十九日もそうであつたろうし、特に三十日の状態もそうであつたろうが、こういつた不祥事件が起るというようなことに立ち至らない前に、署員に対してどういうような心がまえで臨ませておられるか。この点を明確にしてもらいたい。  最後に、総合的な観点からいたしまして、やはりこの労働運動は法にも認められておりますし、決してこれで打切られるということではないのです。この点につきましては、警視総監のほうで、今回の負傷者が出たということに対しまして、最高責任者としてはどういうふうにお考えになつておるか、この点を一つ率直に責任者の立場から説明して頂きたい。これを一つ委員長として先ず総括的に御質問を申上げます。
  69. 高橋進太郎

    ○高橋進太郎君 委員長の御質問の中で、私は天坊副総裁に対して、この仲裁裁定なり何なりが、或いはそれに対する労働運動は不当と思われるけれども、一体どういうふうに国鉄は考えているかというような御質問は、私は当委員会として委員長の名で質問せられるということについては、私は承服できないと思います。というのは、当委員会が仲裁裁定なり何なりについて、我々はどうとかこううとかということじやなくて、要するに今回の刑事問題についてその措置自体の実情を明らかにして、そうして我々は警備の立場からこの地方行政委員会としては関心を持ち、究明しようとしているのであつて、仲裁裁定を前提にした労働運動の可否について我々は今後論議しようと、こういうことじやないと思うのですが、その点は私は委員長が委員長の職権を持つてこの委員会を代表して質問せられることには私は承服できない。
  70. 内村清次

    ○委員長(内村清次君) ちよつと答弁しますが、高橋君はまだよく私の言つたことを分解して御了解できないのです。私が申しましたのは、やはり国鉄労組というものは、その機会によつて今回の不当馘首というものに対しては反対するという立場をとつておる、総評も一連の労働対策としてやはり反対するという立場をとつておる。だからしてやはりこういうような運動形態というものが起つて来ることが予想されるが、これに対して天坊さんはどういうふうにこの労働運動に対して基本的なお考えでございますかと、こう聞いておる、そういう話ですから。
  71. 高橋進太郎

    ○高橋進太郎君 そういう意味なら私も了承できるのですが、その言葉がちよつと……。
  72. 大場近信

    ○参考人(大場近信君) 第一の、総評の陳情の態度でございますが、総評といたしまして幹事会を開きました際に、陳情の形として論議いたしましたことは、一人々々が面会を要請いたしましてそうして責任者にお会いする、こういう態度をきめたわけであります。従いましてあそこに参りました際に、守衛のほうに、陳情に来たのだから、こういうことを申入れしているわけなんですが、なかなか受付けないものですから、遂に入口に溜まるという状態が起きて来たわけでありまして、決して十八日から二十二日までの間については、出勤を阻止する立場で出たわけではありません。午後から行つておるのでありますから、決してそういう目的ではなかつた。一人々々が陳情をする、こういう形であります。  それから参加者の方々にはそれぞれ各組合でやはり責任者が出て来ておられる、指導者の方が出て来ておられますので、その人たちが五人或いは十人の中のグループの責任者をきめておりますから、その責任者の方々が、参集した組合の側の陳情者に陳情の趣旨を徹底さして行動いたしている。  それから第三点の、警官に対抗する、私たちは暴徒でもありませんし、何も警察を敵として考えているものでもありません。従いまして決して警官が私たちに暴行を加えるというような考え方は毛頭持つておりません。従つて警官に対する対抗措置なんというものは全然考えておりません。従いまして私たちが持つて参りましたのは、やはり各参加組合としましては、自分の組合も来ているという意思の表示のために組合旗をそれぞれ持つて来ている程度でありまして、あとは棒切れ一つ、プラカード一つ持つていない実情でありますので、決して私たちは、警官が若し出て来たら我々は対抗しようという考えもなかつた。それから当時の写真なんかもございますが、警官が実力行使をして来た際に、とにかく待つてくれ、後向きになるまで待つてくれと言つたが押して来た。その押して来た中にも、やはり後向きになつて後退している実情がありますので、これらに対抗する意思は全然なかつたという点でございます。
  73. 天坊裕彦

    ○参考人(天坊裕彦君) お答えいたします。  初めの三十日の特に問題が起つた日に、何らかの問題を起さないで、早く総裁なりが面会をして問題を避けることができなかつたか。こういう御質問でありますが、大体先ほど私が言い洩らしましたが、十八日からずつと連日この運動がありました日には、必ず何らかの恰好で代表の方とそれぞれ当局側の者とがずつとお目にかかつて参つたのであります。現に私も二十日でございましたか、二度ばかりお会いしてお話も承わつているのであります。ただ二十九日、三十日は、もう八時前と申しますか、七時半頃からこういう集合が始まつておりまして、まだ役所の人が八時半の定刻に出勤している者はまあそういう問題があるために警備をしておつた連中が多いという状態でございまして、庁舎の前で相当な数が集まられて問答をやつているときには庁舎の中にいる者は、当局者で面会するというような者がいなかつた。ただ私聞いておりますことは、総裁に会わせろという話に対して、今はまだ来ていないという問答で、そうかというような話があつたというえふうに聞いております。その点で若し総裁と会われるならば、適当な時間を限つて話ができなかつたことはないと思いますが、そういう話の余裕がない八時半前の話であります。甚だ遺憾であります。  それから将来の問題でありますが、私先ほどもお話がございましたが、部外の総評そのほかの友誼団体という他の労働組合の方々が国鉄の問題についていろいろ御心配下さつて、我々のほうにいろいろ御意見をお述べになるということは、誠に私どもとして御意見は十分承わらなければならんと、こういうふうには考えておりますが、総評その他も先ほどから承わつておりますように、それぞれ統制のある団体なのでありますが、併したくさんな人間でおいでにならなくても、何らか代表の方をお選び下さつて、集団の圧力でなくて私どもと十分な話合いをして頂くような方法はないものか、又国鉄の労働組合の諸君がこの処分につきまして反対の意向を持ちましていろいろ反対闘争を計画されておりますが、これらにつきましても現在の法律の範囲内で法定闘争と、それぞれ筋に乗つた線での余地があると思うのでありまして、ああした恰好でいろいろ特に部外の方々が私どもの所へたくさんで押しかけて来られるということになりますと、どうしても私どもとしては全体の秩序のために警察側の御協力を仰がなければならんことはどうも止むを得ないと思うのであります。何か合法的なやり方は私はあると思うのでありまして、そうした方法をとつて頂きたいと思つております。
  74. 石田昇

    ○参考人(石田昇君) 三十日にまあ早くやつた、時間的に警告するのは十五分くらいで実力行使をした、それについてほかに方法はなかつたかというお尋ねでありまするが、私どものほうで早く実力行使をしたのは二十九日の結果に顧みて長くかかると出勤時であるから何百人もの人間が路上に集つて交通ができなくなるということが第一。第二には労組側がだんだんに殖えて来る、そこで早いほうがよろしい、こういう考え方であります。そのときには二百人くらいでありまして、それが逐次殖えて参つたわけでありますが、二百人くらいであるから二個中隊あれば大体昨日と同じようにドラブルが起らんだろう、こういうことで押したのでありまして、あとの結果でそれが途中で旗竿で殴りかかつて来てからのちにこういう事件になつたのでありまして、あとから考えれば或いは私の判断が誤つていたかもわかりませんが、最初実力行使に出たのはその二点が主な理由であります。
  75. 田中栄一

    ○参考人(田中栄一君) 私から基本的な点を申上げますと、従来警視庁におきましてもう過去何年となく私は労働争議を経験いたしております。その際の警視庁側の基本的な方針といたしましては、もとより警察が労働争議に絶対に干渉してはいかん、又労働運動は法にきめられたる適正なる労働運動であるからにはこれに対して警察は絶対に干渉抑制あるべからずという基本的方針を堅持して今日まで参つております。又今後もそうなくてはならんと思います。ただ我々といたしましてこの労働運動とか労働争議をやる場合におきまして、ややもいたしますれば実際に運動をやつておられる方々の中に、或いは群衆心理に駆られ、或いはその時のその場の空気でややもすれば不法越規の行為に出る場合が往々にしてあるのであります。この場合におきまして、その結果第三者である、或いは一般の通行者であるとか、その他一般の第三者に非常な迷惑をかける場合もあるし、又健全なるべき労働運動の中に、又適法なるべき労働争議の中に不法越規があるということは、これは公共の秩序を維持すべき警察といたしましてこれを黙認するというわけには行かないのであります。かような観点からいたしまして、若し労働争議なり、労働運動中に不法越規の行為があつた場合におきましては、警察といたしましては成るべく直接行動に出ずに一応事前にこれを警告するなり、或いは注意を促してこれをやめさせる、さようなできるだけ穏便な措置を講じて、その上でどうしてもやめないというときにはこれに適当なる措置を講ずるという方針で従来やつて参つたのであります。今回も相当今まで陳述いたしましたごとくに十八日から二十二日まで、それから二十九、三十日と連日に亘る相当看過しえない公安条例違反の事実がここに起つておるようにも考えられるのであります。これに対して警察側といたしましてもできる限り隠忍自重いたしまして、平和的方法によつてこれを解決したいという考えでやつておつたのでありますが、到底やれなかつた、そして止むを得ず実力行使に移つたのであります。この結果二名の労働者のかたが負傷せられて、又警察官側にも相当な負傷者を出したのでありまして、私といたしましてはこの二名の負傷された労働者のかたには衷心からお気の海に思い、又御同情申上げます。併しながらこの負傷したその原因というものが、直接間接にこの違法状態の中に発生された労働者と警察官の乱闘の中に行われた、その結果によつて負傷されたのでありまして、この点につきましては勿論私現場におりませんのでよくわかりませんが、ややともすればこういう場合におきましては実際問題としてどつちが先に手を出したかということは実は水掛論でありまして、非常に事実の認定が困難な場合があるのであります。従いまして私はこうした負傷者に対しては真にお気の毒に思いますが、負傷せられたかたも十分に一つ反省を願いたい。同時に又現場における警察官も共にこれは反省しなければならん問題である。こうした問題が起りましたので我々といたしましては将来労働争議全般における警察官の措置に対しても十分反省をしてもらわなくちやならん。又今後この争議におきまして、国鉄側におかれましても、又外郭団体におかれましても、今後この争議の継続をされると思うのでありますが、この点につきましては一つ十分に御反省を願つて将来適法なる労働運動、労働争議が行われるということを私としては真に希望いたしている次第でございます。
  76. 内村清次

    ○委員長(内村清次君) 田中さんにお伺いいたしますが、違法の限界内に起つたこの負傷者事件だから、先ず違法の問題が前提になつているようにおつしやつておりますが、それは確信があるのでございますか。ただ丸の内署長の先ほどのお話とはちよつと違つているようでございますが……。
  77. 田中栄一

    参考人(田中栄一君) お答え申します。あのときの状態は、私の考えといたしましては公安条例による違法行為に該当する虞れがありますので、それで解散中止を何回も警告していたのでございます。その警告に対してなんら反省の余地もなくなおそのまま継続しているわけでございます。従つてやむを得ずこれは公安条例の違法の状態がありますので、一応これを解散をさせたわけでございます。そのあとに闘争があつたと考えます。  併し私はこの負傷されたかたが果して殴つたか、或いは警察官が殴つたのか、負傷された人が実際殴つたのか、これはあとでよほど一つ研究しませんと非常にむずかしい問題だと思うのであります。いつもこうした問題が起るたびに、お前のほうが先に手を出したのだ、いやお前のほうが先だというのでいつも水掛論になるのであります。私の経験からしますと、毎回これが問題になつております。従つて私は事実を確認することは結構でありますが、むしろそれよりは将来こうした問題が再び起らんようにお互いに十分反省せねばならんということを申上げたのであります。
  78. 内村清次

    ○委員長(内村清次君) それからあなたのほうで警官のほうにも相当負傷者が出た、こうおつしやつておりますね。この事実もあるのですか。  それからまあそのどちらが殴つたか、どちらが叩いたか、これを究明しなくちやわからん。併し現実に怪我した人、負傷した人はこれは明らかに出ているわけですね。それであなたのほうでそれが殴られた結果負傷者ができたと言えば、これは恐らく労働者のかたも殴つたというようなことが前提に含まれているだろうと思いますけれども、この負傷者が明らかに二名出ているという問題に対しての総監としての御感想はどうかということも、私は第一の腰間の中には含まれておつたと思いますが……。
  79. 田中栄一

    ○参考人(田中栄一君) 二名の負傷者が出たその概要につきましては、私から先ほどちよつと概要だけを申上げたと思います。で、これは最初警察官がその群衆の中に引張り込まれた、それからが事が始つたわけなのであります。従つて又警察側といたしては或る一人の警察官が現在負傷されたかたに旗竿で殴られておつた、又それを警察官が救おうとして行つた、乱闘はそこから始つているわけでございます。併し実際問題としてこれは労働者側から言えば警察官が先に殴つた、こういつも言われるわけでございます。この辺が現実に非常にむずかしい問題でありまして、私はここでその事実問題を、ここでどつちが先に殴つたかということを認定されるということは委員会としては非常にむずかしい問題ではないかと思いますが、私のほうといたしましては警察官が先に引張り込まれてそれを旗竿で殴られた、そこから始まつておると思うのであります。
  80. 加瀬完

    ○加瀬完君 参考人に甚だ失礼でありますが、警視総監は只今御説明なさいましたこと、先ほど文書によりまして御報告なさいましたことで御訂正なさることはございませんか。
  81. 田中栄一

    ○参考人(田中栄一君) 一応承わりました上で……。
  82. 加瀬完

    ○加瀬完君 それならば申上げますが、先ほどの御説明、或いは只今の御答弁を承わつておりましても、どうも警察の本来の目的であります秩序維持が、善導というよりはむしろ鎮圧という点に重きがおかれているように思われるのであります。この前に問題になりました二重橋事件と今度の問題を対比してみましても鎮圧ということには非常に熱心であるけれども、善導ということには甚だ不熱心だというふうに見受けられがちであります。たとえ犯罪者であつても暴行されていいということも、人権が蹂躪されていいということもあり得ない。そういう前提で次の点を承わります。  御報告を承わりますと労組員は増加する一方で解散する気配は更になく、約二百五十名くらいに増加して正面玄関から歩道上に一杯となつたので、一般の歩行者はもとより登庁する職員の通行は不可能となつたので実力行使に出たと言いますけれども、先ほど廻つて参りました写真を見ますと笑顔を中にはしながら警察官の命令で退去しているように見受けられるのでありまして、あの写真だけではどうもこういうふうな認定は我々には下せない。  もう一つ。その後総評幹部と丸の内署長との話合いに際し、労組側は自主的に一般交通の妨害にならないようにするからとの申入れにより、一応第四予備隊を現場より引揚げた。この話合いがあとで持たれるくらいであるならばなぜこの話合いが先きに持たれないか。そうすればこの話合いは十二分になし得る条件はこの前においてもあつたということが言い得るのじやないか。  第三の条件としては特にこの点を警視総監に考えて頂きたいのでありますが、あなたの御説明によりますと労組員の旗竿等による殴打、暴行により十三名の負傷者、四日から一週間と、こういう説明があるのでありますが、今度は逆に殴られた労組員のほうに対しましては、あとで申上げますが、揉み合いの際負傷したものと認められるというので、その原因というものを甚だ究明を怠つている。  なおその警察のほうは武装をしておりまして人数も大勢であります。労働組合のほうは無手で而も小人数です。怪我をしたのは無手で小人数のほうが多い。それは擦過傷や何かというものは出て来ませんけれども、重傷者が二名出ている。従つて擦過傷も相当あつたと認めなければならない。こうなつて来ると武装をしておつて、大勢の者が武装をしない小人数の者に怪我人を多く出させたという、こういう現状を見ますと、どうもあなたの今の御説明は腑に落ちない。一体一般のデモ隊であろうが何であろうが、こういう人々に対して危害を与えまい、人権を護らなければならないという考慮は、例えばこういうふうな実力行使の中にもどれだけ考慮されているかということを甚だ疑う。それは次の点で更に説明を求めたい。旗竿で警察官の頭を鉄帽上より殴打しており、旗を棄てて組みついた状況より推し、操み合いの際負傷したものではないかと認められる。旗竿で鉄帽の上を殴つたり、或いは旗竿を棄てて組みついたという状況はあなたがたが見ておるならば、而も大勢の人数がおるならば、なぜこの者を殴りつけたり大怪我をさせたりしない前に鎮圧することができなかつたか、保護検束という形でもとれなかつたか。この際負傷したものと認める。それから時間はたつておる。その後出しました調査をしてこの原因がどういう操み合いによつてできたものか、或いは又警察官が果して正当防衛の条件というものだけでやつたか、過剰防衛になつていることがありはしないか。例えば傷が後頭部にあつた、さつきの写真で見ると。抵抗力を失つて而も殴られたというような目撃者の話も聞いている。抵抗力を失つている者を殴つてうしろから殴りつけて、これは警察官といえども、あなたがたは暴徒という言葉を使いましたが、仮りに暴徒という言葉を許したところで、仮りに犯罪者であつたとしたところで、許し得ないところの法にきめられている枠を超えている、こういう点について何ら御反省がない。  その次は、池田喜太郎は労組員の旗竿等による公務執行妨害に対し、警察官も警棒を以てこれを制止、排除する等、極めて混乱していた状況の中で負傷したものと認められる。自分のほうの負傷者に対しては旗竿等で殴打されたとか棒で殴られたとか言つておつて、怪我をさせた相手方に対しては極めて混乱した状況の中で負傷したものと認められるということで、そうであるならばその後負傷した原因の調査はどう行われているか、この点について現場の署長並びに警視総監にお答え願いたい。
  83. 田中栄一

    ○参考人(田中栄一君) 私その写真を見ておりませんからちよつとお答えしにくいのですが、私のほうの現場における写真を拝見しますと、もちろん国鉄本庁の前は相当広い通りでありますからあの通りを交遊杜絶するというようなことではないと思います。ただやはり通勤者が通つている歩道上を全部塞ぐようになりますと、これはやはり或る程度交通を妨害するということになるのじやないかと私は思います。それからいろいろ御質問がありましたが、怪我した原因でありますが、やはり多数の警察官も見ておりますから、負傷された宮生さんという方が相当指導的にアクチヴに働いておられたということは現場における警察官も確認いたしております。それから又旗竿で警察官等も叩かれておつたという状況も確認いたしております。ただ叩かれている警察官がそのまま叩かれずに、やはり警察官としても或る程度これに対して当然叩かれる以上はこれを防禦する方途も又これ警察官として当然の防衛手段であろうと考えております。或いはそうした乱闘の中に負傷されたのであるか、或いはその旗竿が当つて負傷されたのであるか、その辺のことは我々としては十分確認はしていないのであります。  それからこの池田君の問題にしましても同様に或いは警察官の警棒で叩かれたのか、或いは又ほかの方法で負傷されたのか、その辺のことは我々としても十分確認はしていないのであります。又我々の側におきましても、この二人の負傷者を出したことについて現場の警察官について十分調べてみたのでありますが、十分確認もできないのであります。
  84. 加瀬完

    ○加瀬完君 確認ができないそうでございますが、それは確認しなくてよろしいのでございますか。と申しますのは、若しこの傷が警察官によつて棍棒でうしろを明らかに殴られたということであつたとすれば、それをもこういう混乱の際であるから警察官としても殴られたならば殴り返すのは防禦上当然であろうというふうに総監はお考えになりますか。
  85. 田中栄一

    ○参考人(田中栄一君) 警察官が殴られたから当然殴らなくちやいかんということを私申上げておりません。ただ仮にそういう棒で殴られんとしたときには、これを当然防ぐだけのことは警察官としてもやつて行かなければならんと思います。
  86. 加瀬完

    ○加瀬完君 防禦しているだけで相手方が二週間もの裂傷を負うということはあり得ない。そこで少くも警察にはそれぞれの鑑識専門家もおるわけでありますから、なぜ宮生なり池田なりの傷というものが警棒によつてできたものか、或いは警察官の過剰防衛によつてできたものかということを総監や或いは署長は再調査をいたさないのか。そうでなければ、同じような事態が又繰返されるときに、警察官は如何なる過剰防衛をしても、結局良民はどういうふうな、仮に死傷を受けようとも、こうした場合には文句が言えないということになつては、これは甚だ我々は法治国家の国民としては公安条例を犯した以上に、我々自身の基本的人権というものが犯されることになつて甚だ不安なのです。先ほどから私はこの問題は一つの労働法における大きな問題でもありますが、そういう問題には触れることを避けたいと思うのでありますが、むしろ単なる暴動とか暴徒とかいう問題ではなくて、非常に政治性を含んで解釈しなければならないような問題でありまするので、こういうような問題に対してはもつと警察官そのものの行動というものをも将来に照しまして警察当局は十分の御考慮を頂かなければならない問題ではないか、そういう点で伺つておるのです。  重ねて言いますけれども、宮生なり池田なりの傷というものが、若し鑑識をいたしまして明らかに棍棒によつて負わされた傷である、而もそれは後方から、抵抗をしたものではない、無抵抗な形において与えられた傷であるということになりましたときには、警視総監はどういう御処置をおとりになりますか。
  87. 田中栄一

    ○参考人(田中栄一君) 勿論警察官の活動につきましてはおのずから範囲があると思うのであります。過剰行為、行き過ぎ行為があつては絶対にならんのでありまして、この点につきましては十分に注意せねばならんと思います。ただ今の御両人の負傷が果して確実に警察官が意識的に積極的にやつたものであるかどうか、仮に後顧部にありましても、乱闘中にはそうしたことも間々あり得ることであります。これは従来の私どものいろいろな現実の例にとりましても、警察官が後頭部に怪我をした場合もありますし、或いは側面を怪我した場合もありますし、これはいろいろの場合がありまして、単に後顧部にあつたから直ちに警察官が後からなぐりつけたというように判断をすることはやや早計ではないかと考えております。警察官といたしましても、まさか逃げる者を後から追うというような、そういう過剰行為はやつていないと私は信じております。
  88. 加瀬完

    ○加瀬完君 そういうふうな御判断を下すことが私は早計だと思う。やつていないといつたところで、現実に警察官とこの陳情とこの二組しかおらないのですから、天災地変によつて傷を受けたということはあり得ない。従つて受けた傷はこれは警察官から受けた傷か、或いは相互お互いの間で乱闘の中に起つた傷かということでそれ以外にあり得ない。あなた方の説明のように、乱闘の中にひとりでに自然に起つた傷であろうというふうなことであるならば、日本の警察なんというものはいつまでたつてもすべて警察の傾向に反する者を暴徒として排するこの態度というものは改らないと思うのであります。警視総監は名警視総監ということを私は承わつておつて、そのために都内の警察が非常に民主的になつて来たということも私は十分承わつて敬意を表しておるのであります。そういうふうにいろいろな面において明るい兆を作つております総監が、この問題だけについて意識的でないとか積極的でないとか、あなたはそれでは意識的でなければ、積極的でなければ死傷者が出ても警察は責任がないとおつしやるのですか。
  89. 田中栄一

    ○参考人(田中栄一君) 最初に私が申しましたごとくに、こうした労働争議に事故の起りましたことは真に遺憾に堪えません。これは警察側といたしましても遺憾の意を表します。ただこの直接、負傷したことが警察官の作為によつてやつたのであるか、或いはその作為でも故意でやつたか過失でやつたか、この点が実ははつきりしないのでありまして、或いはとにかく乱闘、乱群の間にこうした負傷というものが警察官側にも起つておる状況でありますので、この点は十分一つ御了解を願いたいと思うのでございます。
  90. 加瀬完

    ○加瀬完君 警察官が作為でやつたか、或いは過失でやつたかと、こういうことはよくわからないと言いますけれども、こういうもう負傷者が出ているんだから、或いはこれが警察官の過失であつても、その過失が過剰行為的な過失であつては大変だという考慮の下に、この傷というものやこの負傷者というものについて、相当調査が警察自身において進められておらなければ片手落だと思う。そういう調査がなされておらないので、私は御訂正するところはないかと一番初め承わつたんです。そういう点どうです。
  91. 田中栄一

    ○参考人(田中栄一君) この点につきましては、先ほども申上げましたごとくに、私といたしましてはすでに予備隊その他に相当強い訓辞を流しております。これは飽くまで予備隊というものは冷静なる態度を持して、軍隊ではない、相手を殺傷するのが目的ではないんだ、飽くまで現場においてこれを措止することが目的である、平和的に解決するのが目的である。かような観点からいたしまして、予備隊には私自身いろいろ細かい注意を与えまして絶えず注意はいたしておるのであります。ただ現場において、ときにこうしたいろいろな事件が起ることは、真に私自身といたしましても遺憾に堪えない次第でございます。
  92. 加瀬完

    ○加瀬完君 長さ四センチ、幅一・五センチ脳震蕩、もう一つは長さ三センチ、幅一・五センチ脳震蕩、全治二週間という傷がただ偶然に起り得るものではないし、仮にこれが傷害罪として訴えられたときは、あなた方が当然調査しなければならない問題だと思う。で、私はそういう法律的なことを言つておるわけではないんですけれども、少くもこの傷が如何なる原因によつて起つたかということを十二分に御調査して頂けるものかどうか。頂けたとするならば、その傷害を与えた責任者に対して総監は責任をとらせる御意思があるかどうか、結論的にそれだけ承わります。
  93. 田中栄一

    ○参考人(田中栄一君) 勿論こうした不祥事が再び起ることは絶対にあつてはならんことでありますので、私といたしましては十分に更に調査もいたしまするし、又こうしたことが再び起らんように最善の措置をとりたいと考えております。
  94. 若木勝藏

    ○若木勝藏君 今のに関連いたしまして警視総監に二、三伺いたいと思うのでございます。  総監の先ほどの御説明によりますと、警察の方針としては労働運動に対して、これに余り積極的に関与することがないという一つの原則の下に立つておる。併し何かその場合に不法なことが起るかを予期したような場合においては、これを黙認することができない。こういうふうな御説明があつたわけであります。そういたしますると、今度総監として二個中隊の予備隊を出動させておるところのものは、これはどういう判断に基いて出動させたのであるか。或いは国鉄側からの要請があつた、これはどういう要請があつたかということについても私伺いたいのでありますが、そういうふうな要請などから、どういう判断を下してこういう出動を命じたのであるか、この点を先ず伺いたい。
  95. 田中栄一

    参考人(田中栄一君) 勿論今回のデモにつきましては、国鉄本庁と大体のお打合せをいたしまして、動員計画に対する我々の情勢判断の下に一個中隊を庁舎の中に待機させ、二個中隊約百二十名を東京駅構内に待機させたのであります。これにつきましては、私のほうでも、どの程度の数を動員するのが妥当であるかということについていろいろ研究したのでありまするが、国鉄の抗議デモについての動員計画によりますると、毎日三千三百名というようなことに相成つておるのであります。併しまあ三千三百名仮に動員しなくとも相当な動員は避けられぬものと考えまして、一つには、東京駅は御承知のように、非常に出勤時その他におきまして、ラツシユアワー等におきましては、丸の内界隈というものは非常な雑踏をいたすことは御承知の通りでありますので、かようなときにいろいろ交通整理の関係もありまするし、又いろいろの点から二個中隊を東京駅の構内にこれを待機させたのであります。
  96. 若木勝藏

    若木勝藏君 そうするというと、大体今非常に暴動が起りそうであるからこれを鎮圧するために出したのではないというふうなことになりますか。むしろこれに対して備えるためであると、こういうふうなことになりますか。
  97. 田中栄一

    参考人(田中栄一君) いつも予備隊を出しますときには、何も暴動とか騒擾とか、そういうものを予定するよりも、成るべくそうしたことが起らんように、未然にこれを防止する。起らんとするときに未然に防止する。或いは交通整理であるとか、そういうような観点から予備隊を出すのであります。
  98. 若木勝藏

    ○若木勝藏君 そういたしますと、ここに「国鉄陳情暴圧事件経過、」こういうふうなものが出ておりまするが、この資料に基いて考えてみまするというと、いわゆる現場担当の丸の内の石田署長さんが労組代表に言明したことで、こう書いてある。「今日は暴徒共二十名は少くとも検挙するつもりでいた。吾方の『兵力』が足りなかつたため二名に終つたことは遺憾至極である。」(笑声)こう言明している。「狂気じみた暴言をはいたことをもつても立証できる」と、こうあるのでありますが、そうすると、あなたの立場を丸の内署長さんが逆にとつておるのではないかと思う。暴徒どもを鎮圧するためにこの警察を動かしておると、こういうふうに私はとれるのでありますが、この点については総監はどういうふうにお考えになつておりますか。
  99. 田中栄一

    ○参考人(田中栄一君) 石田君の一言一句をいろいろおとりになつておるようでありまするが、これはその現場における労組員のがたもいろんなことを言つておりますし、まあそれはその場の空気で以ていろいろなことが言えると思うのでありますが、それを唯一の根拠にとつていろいろ御質問でありますと、私としましても非常に答えにくいのでありますけれども、やはり署長としては、当然これはそういうことを未然に防止する、成るべくそういう事件が起らんように、成るべく平和裡にこれを収めたいというのが、これは責任者の本当のみんなの気持であります。起れば止むを得ずこれは措置をせざるを得ないのでありまするが、勿論、現場の責任者としては、これが起らずに平和的に解決する、解散されることを念願いたしておるのであります。それはその場の空気でそういうようなことを或いは言つたかも知れませんけれども、それを唯一の根拠にしていろいろ御質問頂くことは、私としても非常に答えにくいと思いますから……。
  100. 若木勝藏

    ○若木勝藏君 唯一の根拠にするというふうなことは、資料としてこういうふうなものが出ておつて、そこで、このことを言明しておるということに基いて私は質問しておるのでありますので、そこで署長さんにもこれは関係して来るので、署長さんはどういう気持でこの場合あなたの部下を出動させたか。これを伺いたいと思います。
  101. 石田昇

    ○参考人(石田昇君) 話はかなり違うのでありまして、先ほど大場氏、萩原さんが述べた話でも、私と直接した部面が、多少それに似たようなことがあるのであります。あるが、本部員がこういう報告をした。例えば怪我をさせて、一人や二人は死んでもよろしい、怪我をするのは当り前のことじやないかというようなことを、幾ら私が乱暴にしても警察署長がそんなことを言おうはずは常識的に考えてもないはずなんです。それから今の問題でも、これは会つておるわけです、萩原さんにちやんと会いまして、東交、総評、国鉄というようなものの代表が四人見えられまして、そうして別に中へ入りまして部屋をあけまして、そこで実に平穏裡に、非常に友好裡に、話が非常にスムースに進んだわけでありまして、それは話の途中で私は私の立場から話す、それから向う側、組合側は組合側の立場から話すということは、一応あつた。あつたが、一応その話というものは、立場が違つていても、話しておるうちにまつすぐに話は落ち着くものでありまして、そこで今の暴徒云々という話ですね。これはこういうことなんです。これは暴徒という言葉を使つたか使わんか私も実は覚えておりませんが、私は多少もの言いが悪い点が事実あるのでありまして、この点、今後十分反省して行きたいと思うのでありますが、ただ、ひよつとすると、暴徒みたようなものという言葉を使つたかも知れませんが、つまり実力行使前後のデモの行動というものは非常に暴力的なものである。言葉にしても、実力行使に対する反抗にしても、これはデモというものは常に近頃のデモは大きな棒を持つて来ておりまして、来る途中で警察官のあたりに来るというと、棒をちよいと横倒しにして皆で握つて、最初の三列ぐらいは精鋭なもので、これを持つて来てわつしよいわつしよいと言つて渦巻き行進をしたり、蛇行進をしたりするときはこれを突つ込んで来るわけです。そうして怪我をさせる。足で「すね」を蹴る。これはすべてのデモ……あとで報告書を書いてもよろしいですが、日にちを調べまして……。予備隊員が一つのデモがあると必ず負傷しておる。各隊からちやんと負傷者の報告が来ておりまするから、あとで出しますが、非常につまり乱暴なものである。私はそういう事態が暴徒だと言つておるのではなくて、騒擾イコール暴徒とかいう断言はするはずがないのでありまして、暴徒みたいなものであると言つたか、実に暴力であると言つたか、私としてはよく覚えませんが、若しそういう言葉を使つたならばそれは甚だ失礼でありますが、これは十分に副罪いたします。今後そういうようなことを形容する言葉を探したいと思います。(笑声)それから今日は、十人、二十人ということは、私は十人と言つたと覚えております。或いは二十人と言つたかも知れませんが、縛れなかつたのは遺憾であるというのではなくして、あなた方が非常に抗議を申込まれる。そうして私どものほうでも怪我をした二人以外には逮捕者がいないのだ。そこで、あれだけの抵抗をしたのでありますから、これを十人くらい検挙しておいたならば、はつきりいたしまして、あなたたちのほうも文句を言えなかつたに違いない、抗議は言えなかつたに違いない、こういうことを申述べたに過ぎないのでありまして、決して二十人云々という言葉……それからついでに申しておきますが、今の特別法という問題は、非常に私どものほうは、労組の、今言う、抵抗というものは普通のところとは非常に違う。非常に強いものである。又非常に訓練せられたものである。だから、外で考えておるように、警察官一人が三人くらい相手にできるというようなものではない、実際は。実際は一対一である。どうかすると警察官二人で向うが一くらいでなければなかなか今のような態度ではやれないのであります。ですから、現場が衝突しますというと、命令もなかなか徹底しにくいものである。そこで非常に骨が折れるので、それから逮捕することも非常に困難であります。この人間が具体的にやつたというような証拠はなかなか挙げにくい。そこで、こういうような場合に、これは何と言うか、法律上の言葉は知りませんが、連座規定とか、或いは挙証責任を負わすとか、多数集団して意識的に警察官に傷を負わすために抵抗する者があつたならば、これは治安を確立するためには、こういうものに対する特別の立法がなければ、現在の立法の範囲内では、これは何と言われてもなかなかこれを円満に怪我の一つもさせないようにすることはむずかしいんだ、そうして怪我をしてもよろしいかと言えば、ちやんと謝まつている。それは相手がどうしようが、本当は一人も怪我をさせずに、警察官が自分が傷ついてでもよろしいから、相手に怪我をさせないようにすべきであるが、なかなかそれはむずかしいんだ、ああいう強い抵抗をせられるとうまく行かない。そこで、その点については申訳ない、遺憾であるということは、はつきり言つているのでありまして、それから警察官に対する訓練をしているということは、これは区隊長にちやんと話してある。区隊長が三回も現場において注意があつて、大体予備隊は警棒を上に振上げてはいかん、上へ棒を上げてもいかんということは始終言つているのでありまして、万止むを得ないときであつても、肩とか或いは手とかいうことにしろ、それは頭を殴つてはいかん。(笑声)頭は大事であるから頭を殴つてはいかんということを言つているのでありまして、この場合も、今の怪我の問題でありまするが、旗で襲いかかつた、ちやんと折れております。写真にも出ておりますし、十六ミリにも出ておりまして、旗が折れておりまして、一本の旗を押収してありまして、その旗はこのくらいの旗でありまして、そうして警棒で受けた、これを警棒で旗を殴つたと言つてちやんと割目があつて、その棒は押収してあるのでありまして、警察官が意識的に相手の頭を殴つてはいかんので、片方を追いかけて殴るというようなことは絶対にないのでありまして、棒を払いのけようとしたそのときに、その棒が警棒とすれば警棒が当つた。(笑声)それから或いは隊員に後からむしやぶりついて来る、その瞬間に棒が当つたというようなことはあるかもわからんのでありまして、その真相は私ども調べております。現在のところ意識的に、故意に、相手が攻撃的であつたから、その攻撃の反撃として相手の頭を殴つたということは、これはあろうはずもない。今のところ精密に調べておりますが、今のところ絶対にありません。
  102. 若木勝藏

    ○若木勝藏君 更にそれでは丸の内の署長さんに伺いたいと思うのでありますが、それは今あなたの御答弁でいろいろ御弁解もあつたようでありまするが、相当意気込んでおられたようなことはわかるようですな。(笑声)そこで、あなたは現場においてどういうふうな一つの指揮をとられたか。その詳細についてこれを伺いたいと思う。  それからもう一つは、この当時の陳情団というふうなものについて、一体どのように考えて、どういう指揮をとられたか。先ほどの大場さんのお話では、とにかく一人々々が総裁に会うために陳情をしているのだ、こういうふうなお話があつたようでありまするけれども、そういうことから考えまして、これだけのあれを動かして、そういう意気込みで以てやられるということになれば、そういう組合の意思を間違つて解釈してやつているのじやないかという点が考えられますので、あなたは実際においてどういう現場の指揮をとられたのか。どういう計画の下に実際指揮をされたのか。それでどういうふうな号令をかけておられたか。それを伺いたい。
  103. 石田昇

    ○参考人(石田昇君) 意気込んでいると言いますが、これは警備の現場というものは、非常に、例えば私ども実力行使をしようとしても、盛んに幹部が抑えて妨害をしに来る、交渉するとかなんとか言つて非常に妨害をせられるのでありまして、そこで又実力行使の前に、相手に対してやはり私どもがやるときには、いつも実力行使をするということをはつきり強い線で高い声で叫んでいるのでありまして、これはどうも警備の現状として、おとなしく話すときもありますし、それから、どうもこれから実力行使をいたしますから、まあ一つ後向きになつて頂きたいと申しましても、なかなかそれを聞いてくれるくらいなら何も実力行使は要らないのでありまして、全然応じない。幹部もいい加減なことを言つて右したり左したりして、なかなかこちらの焦点をぼかして解散をしてくれない。そこで、そういう不祥事になることがあつても、止むに止まれず、警察として仕方なく異常の状態をなくするというので実力行使をしているのでありまして、この場合もとにかく先ほど話しているように、ちやんと区隊長にはよく命令してあるのであります。それから徐々に追い出すということにしてあります。それから労働組合そのものも、違法組合であるというふうに考えるということは、全然これは誰もあろうはずがないのでありまして、私どものほうでは、要するに個々の陳情で一人ずつ入つて来ることは一向差支ないわけでありまして、これを又二十人、三十人入るのは、私どものほうでは三十人以上別に入つてはいかんというわけではない。国鉄の管理人が入れるものを、全然入つてはいけないんだということは申しません。これは静かによく言つておる。何千人入れようが、中庭に入れようが、建物の中に入れようが、これは私どもは決して干渉しないのでありまして、国鉄自体の管理人の考え方でありまして、今のはわざわざ動員して来てある。その前にちやんと計画を立てて、幾ら集まれということでちやんと動員をかけて、而も嵐のごときあれを以て(笑声)やれというので動員をかけて来て、自然にそこは人が通りかかつて、面白いことがあつたから立ち止つたという状態じやないのでありまして、旗は無慮三十数本、(笑声)こんな大きな旗棒、警官を殴り易いような棒を持つてやつて来ているのでありまして、交通が杜絶する、交通ができなくなる。そうしてワツシヨワツシヨとやり、建物の中に侵入せんとするということは、これは違法な、交通上もこれは警察官の当然の任務としてこれを解散させなければいかん。それから公安条例から申しましても、旗を三十本も持つて来てそれだけの人数が集まつて、而もワツシヨワツシヨということをやるということでありまして、この状態が、違法状態であることがはつきりしているから解散を命じたのでありまして、違法、状態でないのに解散を命ずるというようなことは、これは警察署長として当然やらんわけであります。
  104. 若木勝藏

    ○若木勝藏君 更に私は伺いたいと思うのでありますが、その際に、問題はまあ結局これは公務執行妨害であると認めないかということが非常に重要な問題になつて来るし、もう一つは、その際に実力行使をする範囲或いは規模というふうなものも一つ又考えられるのでありますが、あなたはあの際において、いわゆる部下に、実力行使の規模というふうなものは、どういう範囲内で行われるということを徹底さしておられたか、或いは又それに対するあなたの御計画はどうであるか。その点を先ず伺いたい。次に公務執行妨害と認めた点はどういう点であつたか。こういう点について伺いたい。
  105. 石田昇

    ○参考人(石田昇君) それは東側まで静かに押出せ、こういうあれであります。(笑声)
  106. 若木勝藏

    ○若木勝藏君 何だか私の質問が悪かつたか、或いはあなたが余り興奮して質問の点についてはつきりしなかつたのか、私の聞いているのは、実力行使というふうな場合には、どういうふうな規模で行われるか、そうして、その規模をどういうふうに徹底さしてあるか、これが一点。次に公務執行妨害と認めたこの二人の者について、どういう点を認めたのであるか、その点を伺いたい。
  107. 石田昇

    ○参考人(石田昇君) 実力行使は、今言つたように二個中隊を用いて、向う側がひつくり返らん程度に、(笑声)それから警棒を振上げずに、静かに押して行け、こういうことを申しております。今も言う通り、東側まで押してくれ、東側まで押すということは、やはり実力行使をするときには相対立しますので、その場所だと却つて逆に一時的には交通が閉塞するわけです。そういうわけで、一時向うまで押して行つてくれ、東側まで押して行つてくれ、こういうことを言つたのであります。公務執行妨害については、そのときに抵抗をした、棒を持つて殴りかかつて来た、こういうことであります。宮生のほうはそうでありまして、池田のほうはまだはつきりしておりませんが、何か池田は宮生を逮捕するときに後ろからそれを抵抗、妨害しようとしたというような話が出ておりますが、まだこれは調査中でありまして、宮生のほうは、はつきり国鉄の中からも、それから警察官からも、非常に多数の者がこれを認めておるのであります。
  108. 若木勝藏

    ○若木勝藏君 実力行使の規模につきまして武器というふうなものは絶対これは使わせない、こういうふうなことは、はつきりしていますね、警棒をこれは絶対に使わないという……。
  109. 石田昇

    ○参考人(石田昇君) 実力行使のときは、普通向うが抵抗しなければ、これは警棒を無暗に使うべきものじやありませんし、警棒を使わんようにということは、先ほども言つているように、しよつちゆう予備隊が出動するときにちやんと注意しますし、それから隊長の来るたびにそれはしよつちゆう言つているのです。ただ警棒を使うなというのは、警棒を使わなければ防禦ができないような状態のときにも使うなというのではなくて、絶対に禁止するというのではないのでありまして、必要な場合には警棒を使わなければならん、そのために警棒を持つているわけでありまして、だから普通向うでそういう状態が起らんのに警棒を使う、警棒で頭を殴つちやいかんということをよく聞かしてあります。こういう意味であります。
  110. 若木勝藏

    ○若木勝藏君 そこで、これは警視総監にも伺いたいのでありまするが、先ほどこういう場合には、よく労働組合のほうから殴つたとか、或いは警察のほうから殴つたとかいう問題は、いつでも判断の掴めない水掛論に終るのだ、こういうようなお話があつたのでありまするが、当日の場合におきましては、この資料を見まするというと、これは資料でもわかるし、もう一つ大場さんかのお話でも知つたのでありますが、とにかく総評の一人々々が陳情をしに来たのだ、ところがたまたま宮生君は総評の旗を持つて、そして国鉄の組合の交渉をしておる、その中に入つておつたためにここに問題が生じて来た、こういうふうに私は解釈したのでありまするが、その際において旗を持つているというふうなことは、これは丸の内の署長さんもどういうふうにお考えになるのか。これは一人々々の陳情でなしに、何か一つのデモである、こういうふうにお考えになつておられるのか。そういう点が非常に私は署長さんのお考えを解しかねる。というのは、資料の中にもありますが、今日はあいつをやれといつた、あいつというのが、旗を持つていた宮生君であるように思うのであります。それが遂に、これは現場を私は見ておりませんからわかりませんけれども、むしろ狙われてその中に引きずられているというような点もこの資料で見られるのでありますが、その辺は一体実際のところはどういうふうになつておるのか、伺いたいと思うのであります。
  111. 田中栄一

    ○参考人(田中栄一君) 先ほど労働組合のかたのほうからお話がありましたし、一人々々総裁に面会に行くと言われているが、これは結構だと私は思います。総裁に一人々々行こうが団体で行こうが、これは結構だと思うのでありますが、恐らく私は、当時あすこに来られたかたは穏便に総裁に会うという考えが勿論あるかも知れませんが、むしろデモをかけるという気持が相当強くあつたのじやないかと思う。それにはこの総評の指令の中にも、嵐のごときデモをかけろというようなことが識われております。「二十三日の嵐のごとき抗議デモに優るとも劣らぬ大衆動員を行いたく」ということをはつきり認われておるのであります。従つて総評の幹部自体として、穏便に総裁に一人一人会いに行け、会えとかいうのではなくて、むしろデモをかけることのほうに重点を置かれ、この指令に基いて単産の組合員が動いているのでありますから、むしろそごは現場におられた組合員の個々の考え方としては、むしろデモであるというような気持が強く働いていたのじやないかと私は思うのであります。  それから、この宮生君が私服がどうとかいう話でありますが、恐らく相当活溌にその現場においていろいろと活動せられておつたのじやないかと私は思うのであります。これはやはり多数の警察官でありますから、誰もがみんな誰が活溌にやつているかということは、これはすぐわかることでありまして、多数の者が見ているのでありますから非常にわかるのであります。要するにこの場合指導すると言いますか、そういう立場にあるように考えられたのじやないか、これが指導的であるという意味で言つたのじやないかと思います。
  112. 若木勝藏

    ○若木勝藏君 その点はなかなか私は大事な点だと思うのであります。とにかくこれは公務執行妨害をやつているんだということの判断については、特にこういうふうな労働運動の場合においては私は慎重に考えなければならんと考えております。然るに今日はあれをやれというような意識の働いている場合には、むしろその人間が前から狙われておつたというようなときには、これはその人間をしてそういうふうな一つの活動をなさせるように誘導というふうなことも行われ得るのであります。いわゆる別な言葉で言えば挑発するというような場合が出て来る。この点は非常に私は大事な点だと思うのでありますが、そういうふうなことについて実際になかつたかどうか。本当に本人は責任を負つて総評の一人として陳情するという立場にあつたものですが、今日はあれをやれというようなことによつて、そういう誘導に引つかかつたというような場合であるとすれば、これは私はこれを公務の執行妨害として検束するなり、逮捕するということは、非常に重大なことだと思うのであります。その点をお伺いしたい。
  113. 田中栄一

    参考人(田中栄一君) あれをやれと言つたのは、ちよつと私は言つたことが果して本当であるかどうか、それも聞いておりませんが、仮にそう言つたと仮定した場合におきまして、やはりその当時解散しろ、こう公安条例違反の状態であるから解散をしろと何度となく署長から警告を発し、注意を促し、それに拘わらず指導的な働きをされることについては、これは公安条例にもこうしたことを指導したものは処罰されるという規定がはつきり明記されているわけであります。従つて、或いはその宮生君の行動が指導的な分子であり、或いは相当に活溌な活動をしておつたというように一般の警察官が見られたのではないか。客観的に見て非常に指導的な役割を演じておつたようにほかの警察官が認めたというような状態ではなかつたかと私は想像いたします。
  114. 伊能芳雄

    ○伊能芳雄君 さつき総監がこの抗議デモをやれと言つた指令を言われましたが、この指令の内容のことは公安条例では届出事項になつておりませんか。その点をお伺いいたします。
  115. 田中栄一

    ○参考人(田中栄一君) デモをやるときには、これは当然公安条例によつて届出許可を受けねばならんということになつております。
  116. 伊能芳雄

    ○伊能芳雄君 この指令は届出たものかどうか。大場さんにお伺いいたします。
  117. 大場近信

    ○参考人(大場近信君) お答え申上げますが、先ほど申上げましたように、組合用語として大衆で行動する場合デモと称しておりますが、本質は総裁に陳情でありますので、当然我々としては、国鉄当局としては私たちを中に誘導してそうして丁寧に扱うもの、こういう工合に考えておつたわけであります。従つて入口で阻止されて歩道にあふれるというような考えは一つも持つていなかつた。皆、庁舎の中に入れるとか、国鉄敷地の中に案内するとか、そうしてやつてくれるものであろうと私たちは思つておつたのであります。
  118. 伊能芳雄

    ○伊能芳雄君 三千三百名をここに予定して動員するつもりだつたのでしようが、単産からそれだけ予定して実際あなた方はこれを出すときにどのくらい動員は事実利くと思つたのですか。
  119. 大場近信

    ○参考人(大場近信君) これはそのときの場合によりますが、当然今回の問題に対して相当出てくれというと出ると思いました。余りに多数で、とにかく国鉄の庁舎なんかに入れ切れない。或いは中庭にも収容し切れないというようなことがあつてはいけないというので、凡そ中庭に三分の一ぐらいの要領で若し国鉄が案内してくれるなら入り得る。このくらいの考え方で三千何百と出したわけでありますが、実際にはやはり相当下部でこれは徹底しないと出て来ません。出しましたのが二日か三日前ですから、傘下組合の中で相当数下部まで下せなかつた事情があると思います。従いまして解散間際には平均五、六百名しか出て来なかつた、こういうわけであります。
  120. 伊能芳雄

    ○伊能芳雄君 これだけの人が、今の大場さんの御説明ではどのくらい出るか、実際相当出ると思つたということだけですか。このくらいの数字、或いはこれは半分出るとしても、このくらいの人が特定の時間に特定の場所に集まるような指令をするということは、公安条例で当然届出を要するものであり、届出に基いて許可を受くべきものであろう。従つてこれを動員したこと自体がすでに公安条例に違反しているのじやないかと思うのですが、如何ですか。
  121. 田中栄一

    ○参考人(田中栄一君) 今回のこの集団陳情につきましては、我々は成るべく労働運動とかそうしたものを適法にやらしたいという考えから、事前に総評に対して、若し多数動員される場合においては適法なる手続によつてやつてほしいということを何度か連絡をいたしておりまするが、総評側とされましては、これは陳情である、デモでないということで何としても手続を肯んじないのであります。
  122. 伊能芳雄

    ○伊能芳雄君 まあ陳情であるというのは行動を言つたのでしようが、明らかに指令には嵐のごとき抗議デモをやれということを言つておるのですね。その点からみて、さつきこのこと自体が違法であるとか違法でないとかいうことを、委員長と総監との間に応答がありましたが、どうも抗議デモをやる。もう国鉄の正門と言えばもう道に接したところで道路である。一般に公開しておる道路である。そこへたくさんの人を抗議デモに集めるということ自体がすでに届出すべきことをしないで行なつたということなんで、それ自体がすでに違法じやないだろうか。私はそういう考えさえも今のお話を聞いて窺えるのですが、如何でしようか。
  123. 田中栄一

    ○参考人(田中栄一君) まあ警察側としましてはその実際の三千三百名と指令に書かれてありますが、私どもの従来の経験によりますと、動員二万名と言いましても、実際はその四分の一、時には十分の一ぐらいしか集まらんときもありますので、我々としましては、なるべく常識的な取締りを実施したいという考えからしまして、一応総評には、手続をしなさい、それが一番安全であるということを申上げているのでありますが、陳情であるから手続はしない。実際集まつた状況を見て、我々としましては、このような状態になれば、これはやはり公安条例によるデモ、殊に赤旗を三十数本も立てて、そうして労働歌を街頭において高唱するということになると、これはもうはつきり公安条例の示威運動にも該当いたしますので、警察署長としましては、できるだけ納得でこれを解決しようという気持から、数回に亘りまして、解散をしてもらいたい、又もつと通路を開けてもらいたい、交通妨害にもなるから通路を開けてほしいということを相当繰返し繰返し警告を発したわけであります。今日は総評のかたもおいでになりますから申上げますが、従来警視庁におきましては、我々は総評というものを信頼いたしております。従つてメーデーのときにおきましても、いつも総評の幹部と折衝いたしまして、大体において我々の条項は或る程度これが守られ、それから又我々の希望するような線に副つていつもやつております。従来国会に対するデモにおきましても、常に総評の幹部と折衝をとりまして、官公労組におきましてもいつも話合いの上で極めて適法な集団陳情をやつているのであります。今回のこの陳情に関する限りは、私はいま少し現場にもつと強い責任者がおつて、そうしてこれをうまく統制したならば、こういうことが起らないで済んでおつたのじやないか。要するに総評におかれては毎日々々新らしいものを取り出してその場においての陳情になりますから、然るべき大きな責任者がそこにいない、従つて現場における統制がとれない、かような状況がこうした不祥事件を起したのじやないか。これは私の想像でありますが、少くともかくのごとき場合におきましては、相当多数の者に命令の徹底するような然るべき責任者が必ずおつて、それが常に警察の責任者と交渉して、そうして措置をお互いに講ずるということになれば、こうしたことは私はなかつたのじやないかと、かように考えているのでありまして、これは従来のもつともつと大きなデモにおきましても、あまりこうしたことも起らずに済んでおつたのであります。僅か四百名か三百名くらいのデモでこうした警察官との衝突が起つたということについては、私は総評側におきましても十分一つ御反省を願いたい。こう思うのであります。
  124. 伊能芳雄

    ○伊能芳雄君 大場さんに伺いますが、この指令の中に「実力闘争の方針を決定する予定である。」この実力闘争というのはどういう意味であるか。どんなことを予定しているのですか。
  125. 大場近信

    ○参考人(大場近信君) 実力闘争ということについてはいろいろあろうと思います。只今計画しているのは、各職場大会において国鉄の、我々としては不当馘首といつておりますが、これに対する撤回の署名運動や、これも組合運動としての一つのあれでありますが、これは実際に行動に移して各職場でやつている。そういうことが組合としてのできる範囲内でありまして、もちろん総評といたしまして国鉄と直接な雇用関係がありませんから、これは国鉄の中に入りまして国鉄のストライキをやるとか何とかいうことは、これは当然やれといつたつてできつこありません。総評でやれる実力ということは、輿論に訴える、或いはビラ自伝をやる、こういうことが実力でありまして、それ以外の国鉄に直接に常業に与える実力というものは何もありません。
  126. 萩原信治

    ○参考人(萩原信治君) 先ほど警視総監が総評に対する大衆指導云々を要望されたのですけれども、これは先ほど私も言いましたように、さつき石田署長も、まあ私ら四人といわゆる負傷者云々の問題で話合つたところ、誠に平和裡であつたということを言つておられる。この際に実際問題としていわゆる暴徒云々の言葉が出たのであります。この場合にそうした石田署長の平和裡に終つたという中で以て、暴徒云々という言葉を取つつかまえて、我々が暴徒とはなんだということになれば、決して石田署長が言われたように平和裡に折衝会見が終らなかつたということは当然理解できると思います。従つて私もむしろ総評に望むのでなくて、指揮をされる石田署長さんがいわゆる公安条例違反だとか何だとか威嚇的なことを言つて、これから実力行使に入るのだという前に、あのパート・カーもあるのだから、幹部の方に来て下さい、幹部の方来いとか何とか言つてくれれば、恐らく石田署長が平和裡に四者会談が終つたということは、すでにそのときに実現できる。むしろこれは私らのほうから切に警察官のほうに要望するのであるし、又田中警視総監もいつも指令は出すけれども、その指令の四分の一乃至は十分の一だと……、大きく一つの指導的な気持で以てこれを黙許しておるという考え方から行くならば、出先の指揮官みずからがその田中警視総監の意を体して、幹部さん来てくれというようなことを言えば、平和裡にこの問題も石田署長が言われたように処理できたのではないかと私は考える。  それからずつと先に聞いておりましたけれども、暴徒云々のことについて、石田署長の片言隻句をとらえて言われても困りますというふうに田中警視総監が言われたのだけれども、私らも一つの組合の責任者として、私ら自身はかりそめにもそうしたことは言わない。少くとも今回の不祥事件の場合に、田中警視総監さんは遥か遠くにいるのであつて、いわばあの現地から見れば雲上人なのであつて、その現地においてお互いの責任を持つ立場、指揮官としての立場は、組合的に見れば我我であつて、それから警察側から見れば石田署長さんであり、そうした場合に石田署長さんが暴徒云々と言つたことが、田中警視総監が言われるごとく署長のいわゆる片言半句をということにはならないのであつて、少くとも責任者である指揮者としてそうしたような言辞を弄するような信念を持つおるから、いわゆるやれやれというようなことが現実に起るということが言えるのであつて、私自身は二十九日、三十日と賛任者と行つてみたけれども、決して責任者来てくれということを一度も聞いたことはない。むしろ私のほうから申入れをして、責任者、いわゆる警察の責任者と我々の責任者と話合つたことが一回あつたということだけでありまして、従つて石田署長が暴徒的な信念を持つて我々に相対し、そしてやれやれという言辞は、あのときに陳情に行つた人は恐らくみんな周知の事実であつて、こうしたような指揮官のあり方がこうしたような原因を生んだということを、私は署長の責任として強く痛感しておることなのであります。
  127. 伊能芳雄

    ○伊能芳雄君 もう一回大場さんにお伺いしますが、この実力闘争の中に、この嵐のごとき抗議デモはこの一環なのですか、どうですか。
  128. 大場近信

    ○参考人(大場近信君) これも一つの、陳情も実力行使であります。先ほども申上げましたように、これは組合用語と申しますか、非常に普通一般の方々がお聞きになると、何か華やかに聞えるような問題を提起するわけでありますが、まあそういうところに、何といいますか、組合員を引き付けるといいますか、そういうようなことはしばしば行われます。勿論、先ほども御答弁申上げましたが、幹事会で決定した線は、とにかく陳情を多数出す。それは我々利用者の立場と同じ労働者の立場から、この心情を少しでも多く国鉄総裁に聞いてもらいたい、こういう気持の現われでありまして、決して先ほど繊々申上げましたように、国鉄の常業を妨害するとか何とかいうような考え方は一つもなかつたわけです。
  129. 伊能芳雄

    ○伊能芳雄君 さつきから聞いていますと、陳情々々と言われますが、公安条例はあなた方はややもすれば条例だからというので無視しがちじやないかと思うんですが、明らかにこの今私の聞いておりますのに、実力行使の一環として陳情デモ、抗議デモを行なつておる。旗は大きな旗竿を持つてどんどんやつて来るというようなことは、これは陳情という名にかりるだけで、実際これは私見を以てすれば、公安条例における示威運動、届出を要する示威運動と私は思うのですが、そこにそういうようなことを行なつておれば、当然警察側からそうしたような、違法だから解散しろというような問題が起るということは、あなた方幹部として予見しなかつたかどうか。この指令を出すときにそういうことを予見しなかつたかどうか伺いたい。
  130. 大場近信

    ○参考人(大場近信君) お答え申上げます。私たちは当然国鉄当局のほうで、私たちを庁舎の中に入れるか、或いは一定の場所に案内して、そうして私たちの意のあるところを聞いてくれる、こういう工合に考えておつたということは事実であります。それから先ほど警視総監がおつしやつておりましたが、私たち常時行う場合は、これは必ず警視庁と密接な連絡をとつて、不祥事の起きないようなことをやつておることは事実であります。これはもう将来といえども、その方針には変りありません。総評の方針としては変りありません。今回のは、ただ先ほども申上げましたように、飽くまでも国鉄総裁に対する陳情でありますから、私たちは決して都条例の違反になるような行為をやろうとは、思つたんではありません。陳情に行つた者がかたまつて、仮に五百も六百も一遍に行つたのではありませんから、五人、六人、或いは十人と行つた者が入口で阻止されるので自然的に溜つたわけであります。これは阻止されなければ当然溜りませんし、又組合旗を持つて行つたことは、私の組合も出て来ました、何々組合もこういう考えを持つています、こういう組合も陳情に来ました、こういう意思の現われで持つて行つたことでありまして、決して私たちは都条例の違反を犯してやるという考えは一つも持つておりません。私たちもやはり大衆行動をする場合には責任を持たなければなりませんから、若しそのことが都条例違反であるならば、検束されても止むを得ないと思います。ただ検束するからといつて、怪我さしたり瀕死の重傷を負わせるということに対しては、私たちは飽くまでも納得が行かない。私は検束することは一向かまいません。あの行つた人間五百人を一遍に検束されても、これは権力で、いわゆる治安法でおやりになるんですからこれは止むを得ないと思う。だけれども梶棒で、而も無抵抗の者を十人もかかつて、寄つてたかつて殴りつけ、蹴りつけ、あれは署長みずから陣頭指揮で、旗を取れ、蹴つ飛ばせという号令を掛けながら押しまくつたこの事態、而も私は旗を取れと宮生君が持つていた旗を取らして、而もその旗を、そこへ傍聴に来ておりますが、この方が旗を又持つて帰つた。持つて帰つて私のところへ……旗は私が持つているから大場さんいいからと言つてほかの方が持つた。そうしたところが、ここの写真にもありますが、この若い警官が、あの旗を取つて被いちやえというんで、旗を取つて破こうとしたんですが、なかなか破けない。破けないので今度は旗竿をこうして折つて踏みにじつたわけです。それが今署長が証拠に取つたと言うんですが、その折つた半片を持つて行つたかも知れない。ところがその踏みにじつたその行為に対して、私は余りにも非常識で、而も高等学校を出ておられる方々が警官になつておられて、非常に常識のある方々だと思います。而もその常識のある方々が、何も組合旗を破いてみたり、踏みにじつてみたりしたところで、これは都条例違反に何も関係がある問題ではないと思います。従いまして、私は、あなた方何をするのか、これが上司の命令かと言つて、ちよつと来てくれと、こう言つたところが、三人ここにいた。この写真を見ると、非常に和やかな顔をして警官はこの現場を見ておりますが、ところがほかの来た者は非常にゴリラみたような顔をしている。この男がいきなり私のこれをひつぱたいて、私は全治五日間の打撲傷を負つた。こういうめちやくちやなことをやる必要はないと思う。私たちは、それが罪であるならば立派に負います。だからこれを検束することに対して抗議をしておるのではありません。
  131. 伊能芳雄

    ○伊能芳雄君 先ほど来陳情ということを言われますが、陳情と一応解しておきますが、一人々々総裁に面会して、あの首切りは不当であるから取消せというようなことを一人々々が言つておるようなことか実際行えるものであると思つたかどうか、伺いたい。
  132. 大場近信

    ○参考人(大場近信君) 私たちは、国鉄に誠意があるならばそれは行える、当然国鉄としてあれだけの問題を起して十八名の者を首切つたんですから、当然その責任において、同じ労働者仲間、国民の利用者、国鉄を利用する者の立場にもなつて、これは当然一人々々に会つてやつてくれる責任はある、我我もそれは可能であるというふうに考えたことは間違いありません。
  133. 伊能芳雄

    ○伊能芳雄君 そうすると、まあこれは三千人にしても、そのうち何人来るかわからないにしても、それが一々陳情して来るということは、あなた方は今ここではそう言われるけれども、実際問題としてそれはできないことは明らかなんです。従つて先ほどあなた方は国鉄の業務に対して妨害するつもりはないと言つていますが、これを実際行なつたならば、総裁は一々会つていたならば、その面会で一日潰される。従つて若しそうだつたならば、業務妨害をあえてしておるのだと、こういうふうに言われても仕方がない。あなた方が会えと言われれば面会強要になり、又幾ら言つても退去しないということになれば、不法に退去しないというようなことで、ここに又犯罪を生ずるというようなこともあり得る。こういうことは恐らく、少くともあなた方は随分いろいろこうしたことを扱つておられると思いますから、面会強要の問題、或いは不法不退去の問題、こういうような問題が起る、或いは非常な業務妨害で起るということに当然行くべきものであり、そういうことを予見しなかつたということは、これは少し私は良識を疑わざるを得ない。
  134. 大場近信

    ○参考人(大場近信君) 重ねて申上げますが、私たちは組織している労働者なんです。労働運動の一環として陳情を行なつているという点を一つ御理解を願つて頂きたいのです。飽くまで私たちは組織労働者として、労働法に定められた労働組合の基本権を守るためにやつておるということを委員の皆さま方の御理解の上に一つ判断をして頂かなければ、これは私たちは、それまでもお前たちは駄目だ、そんなものも駄目だ、飽くまでお前たちは都条例違反だというならばそれは止むを得ない。私たちはここで拘束をされ、検束をされることがあつても、そのことに対して私たちは抗議をしておるのではないと言つておるのです。この点一つ十分御理解願つて頂きたい、かように思います。
  135. 加瀬完

    ○加瀬完君 伊能さんの、さつき公安条例違反じやないかという問題は重要な問題でありますから、その点について質問いたします。労働争議、或いはこのたびのような一種のデモ行為と言われるような問題の取扱におきまして、これを単なる公安条例の集会禁止でありますとか、或いは交通法違反といつたような形式だけで判断をされることには非常に危険があると私は考えるのであります。もつと政治的な配慮というものが考えられなければ根本の解決が付かない。例えば今度のような問題も政府の不健全財政のしわ寄せが国鉄従業員に被さつて来たというように、我々は同情を持つてこの問題を見てやらなければならないのじやないか。こういうような配慮がないということであるならば、少くも警察当局に対しまして国民は大衆の警察という信頼感は持てない。警察に対して親しみ、融和の感情というものを持てないと思う。これについて、担当の署長でありました石田さんに承わりたいのでありまするが、伊能さんのおつしやるように公安条例違反であるという常識一点張りで今後こういう同種の問題の取締に当られるか、それとも十二分に警察官が、さつき言つた労働運動には不当な干渉をしないという立場で、政治的な配慮の下に、真の意味の、警察国家ということではなくて、国民の警察という立場で、国民の一部がどういう態度であろうとも、これをも併せて自分たちとの融和を図つて行くというような融和の精神に立つて警察行政を行われるか、この点をお答え頂きたいと思います。
  136. 石田昇

    ○参考人(石田昇君) 無論それは国民のためにある警察でありまして、決して法規の末梢に拘泥して、そうして形式的な画一的な取締をするということは全然考えていないのでありまして、今までもそういうことをしたことはありませんし、今後とも誓つてそういうようなことはいたしません。ただ理解して頂きたいことは、今度の場合に数々の違法行為が行われておる。これは突然として三十日に起つたのではなくて、十八日より二十三日、二十九日、三十日と行われておりまして、その間に中に乱入して器物を損壊する、マイクを壊す、それから隣りまでデモツて行つて隣りへ乱入して人をひつぱたく、こういうことをやつておるのでありまして、労組側だけの利益というものを擁護して、その他の人の出勤がとめられようか、そうして蹴飛ばされようが、建物が破壊せられようが、不法に侵入せられようが、殴られようが、そのほうはどうでもよろしいということは、私ども警察官の常識としてはどうしても納得できない。中庸をとつてやはり仕事をして行く、国民全般の利益が尊重されなければならない、こういう信念で仕事をしておるのであります。
  137. 加瀬完

    ○加瀬完君 そういうことは勿論でございますが、そういうふうにあなたがおつしやるならば、更におかしいのは、そういうふうに一般の良民が労働組合という名の下に暴力を加えられておるということをそれを見逃したということにもなるので、そういうことのないように今度のような一体措置をするのか、それともそうではなくて政治的折衝というような形でやられるのか、どちらのほうを主にしてやられるかということを承わつておるのです。
  138. 石田昇

    ○参考人(石田昇君) 代表者と相談というのは、総監の言われる通りでありまして、私どもも代表者と相談したいのでありますが、実際はなかなか行われていない。例えば警視庁で今まで数々公安条例で届出たときにはちやんと条件を付してありますが、幹部を呼びまして責任者に文書まで交付してあるわけであります。ところが今までの合法のデモでも、許可を受けたデモでも、そのデモの中でその条件が遵守されるということは殆んど稀である。絶無ではないけれども稀である。あとでこれは書類を調べて報告書を提出してもよろしうございます。  それから第二には、今の陳情式のデモですね。つまり許可は要らんという考え方のデモでありまして、これも国会に三千、五千の動員をかける。提燈を持つて参りまして、そうして、むしろまで押立ててやつて来て、そうしてあれを順々にちやんと幹部が指導してやつておるのが実情でございまして、この幹部を話合うと申しましても、なかなかそこらのところが非常にむずかしうございまして、本当に、真に幹部が協力してくれておるならば、これは何もトラブルは起らんわけあります。大場さんもあれですが、具体的に例はあるのですが、当時二十九日の日は大場さんを私が中に入れて来たのです。それは右側を閉鎖しておるときであります、例の右側に。一方、左側に私のほうが一個中隊で押しておる。そうすると向うのほうから、西側ですね、西側におつた労組を押しつぶしていたのが、朝から騒いでいた人が入つて来る。その先頭に立つて来られたのが幹部であるところの大場さんであります。それで大場さんは、阻止されて中へ入れないで停つているときに入つて来た。それで入つちやいかん、こう言つたところが、俺はパスを持つている、俺を通さないとは何だと言つて入つて来る。そのあとへつまり組合が附いて来ておるのであります。いつも乱入して来るときは、組合の人が、俺は中へ入れるんだということを示して、そのあとに乱入して来る。代表者が入るのにくつついて乱入する。幹部もときにより乱入や違法状態を起す。真先に立つて、合法的な仮面を被つてやつているということを一線の我々から見ると、非常にむずかしい。今の労働組合至上主義のような、労働組合ならどういう方法でも許されている、私はそう思う。現場に行つて見ると、労働組合の要求は如何なることも許される。そういう考え方でやられたのでは、今後我々が如何に骨を折つても、私どもも十分反省して事故が起らんようにしなければならんと如何に骨を折つても、ドラブルを起さずにこれをやることは極めて至難である。こういうふうに考えます。
  139. 松澤兼人

    ○松澤兼人君 今署長さんがおつしやつたことはなかなか重要な問題で、合法デモでも殆んど規則が守られたことはない。絶無とは言わないけれども、殆んど守られたことはない。これはさつき警視総監が言われた総評の人がよくやつてくれるということと大分食い違いがあるのですが、これは委員長として警視総監はどういう考えでおられるか。まあ片方は丸の内署長、片方は警視総監ですから、それは警視総監の言葉を聞いたらいいと思うのです。併し現場の署長が殆んど合法デモでも約束を守られたことは、絶無とは言わないけれども、殆んどないと言つている。この発言はこれは誠に重大だと思うのです。これは一つ委員長から総監に確めてもらいたいと思います。
  140. 内村清次

    ○委員長(内村清次君) この点は誠に私も重大だと思つておりますが、それで届出をした場合に条件をつけることは従来慣例でやつているようですが、それが守られておらないというようなことは、これは大きな問題です。こういうようなことは報告書を出すと現場の署長は言つておられますが、勿論報告書は出して下さい。この点はどういうふうに守られないところの事実があるかどうか。これを一つ公平な見地から委員会としては審議いたしますから、出してもらいます。大分先ほど松澤君の言われたように食い違いがあります。平穏に済んだやつも平穏でないと、そういう紛争の要素というものが多分に現われているというようなことが頭の中に滲み込んでおりますれば、第一線の今後のそういうふうな届出に対するところの警戒と申しますか、秩序を維持すると申しますか、そういう最初の頭の観念が総監のお気持と大分違つておる。その点に対しまして総監として……。
  141. 田中栄一

    ○参考人(田中栄一君) お答えします。我々がいろいろ労働運動をやる場合におきましては、やはり或る程度相手を信頼している、相手の良心を信頼して、それでやることが一番妥当であろうと考えます。従つて私は従来も総評のやることにつきましては、勿論間違つたことをやるときには、それぞれ適当な措置を講じまするが、いろいろなデモをやつたり、示威行進をやる場合がたくさんあります。そういう場合におきましては、すべて私のほうの警備課長、若しくは大きな問題のときには部長、係長等が幹部と立会いの上で具体的に、例えばデモのコースをきめたり、それから或いは時刻をきめたり、そういうことは具体的に細かい点につきまして、幹部を招致いたしまして連絡をいたしております。ただ実際の場合におきまして、例えば時間が、行進が二時に出発するときに二時半になつたり、或いは解散が五時に解散すべしというのが五時半に解散した場合があるのであります。これらの場合につきましては、我々としては多数の人が集まりますから、それが二十分、三十分繰上つたり下つたりすることはひとりこれは労働運動のみならずほかの場合にもこれはあり得る。我々としましては、常識的にこうしたものにつきましては、成るべく看過いたしております。従つて形式的に見ますれば、これははつきりした条件の違反でございます。それから中には例えば国会デモの場合におきましても、旗を中に持込んではいかんと言つても中に持込もうとする、それをこの議会の守衛さん等が協力いたしましてこれを漸く収める。中には小さな旗を各自持ちまして、あとからつかまつてそれを出すという場合もあります。それからジグザグ行進をしてはならんということが条件にあります。ところが、ときに成る場所におきましてジグザグ行進をする場合もございます。このときは厳重に警告いたしまして、或いはその日、或いはその翌日に総評の幹部を招致いたしまして、それぞれ責任者として始末書をとつたり、或いは場合によつては警視庁から警告を発して、再びそういうことがないようにということをそれぞれ条件違反の著しいものにつきましては行政措置をとつております。但し我々が常識的に考え得るこの程度のものは止むを得ない、その事情から止むを得ないというので、ときにはこれを不問に附したり、口頭によつて将来を戒めるとか、その程度にとどめておるわけであります。従いまして、丸の内署長の申上げましたごとく、ことごとく条件違反だということは、これは実際問題としてその場、その件その件によつてこれは判断いたしませんと、まあ常識的に考えて時間が十分、十五分遅れる場合、これは形式的には条件違反だと思うが、我々はそれに対して常識的にこれを放任して円満にやらせるという方針でやつております。大きな条件違反につきましては、これをそのまま看過するわけに行きませんから、これは総評幹部を招致してそれは警告を発したり、或いは責任者を呼んで始末書を書かしたり、それぞれ適当なる行政措置をとつております。
  142. 加瀬完

    ○加瀬完君 私は丸の内署長の職務に対して忠実な点を疑うわけではありませんが、少し物事の考え方が感情が片寄つておるのじやないかと、批判がましく失礼でありますが、思われるのであります。デモというようなものに非常な反感というものを持つておつて、その反感の感情が非常に募つて今度のような行為も、警察官の冷静を失う程度にまで感清に走つておつたんではないかというふうに感ぜられますので、そうではなくして、私は労働組合一辺倒の立場で申しておるのではありませんが、労働組合にも反省しなければならない半面もあれば、今度は反対にデモをかけておるほうからすれば、やはり警察官に対して警察側が非常に労働組合に対して弾圧一辺倒のやり方だというような、やはり同じような反対的な考えを持ち得るわけであります。そういう感情の融和を図つて行かなければならない。もう一度こういう問題が起らないとも限らない。丸の内署は特にデモの数も多いところでありますから、もつと署長さんが大きな気持になられまして、労働組合の立場、或いはデモに集まつた人々の一人々々の感情、或いは雰囲気から起つて来るところのいろいろの考え方の興奮といつたようなものを十二分に考慮に入れて、こういつたような問題の同情的な理解といつたようなお立場をとつて頂きたいと希望を申上げます。
  143. 石田昇

    ○参考人(石田昇君) その通りでありまして、今後その通り注意してやりたいと思います。
  144. 堀末治

    ○堀末治君 私どもはこの地方行政委員として、今問題になつておる警察制度の改革などもある。そんなことでとかくこの警察が民主警察を離れているというような噂を聞くことは非常に遺憾に思つておる。従つて、できれば一日も早く昔警察国家などと言われたような汚名を雪いで、立派な民主警察ができ上ることをば切に希望しておるものであります。併し又一而労組のお方のお話を黙つて聞いておりますと、俺のほうが正しいのだが、警察のほうはひどいねというように私はちよつと聞える。先ほど大場さんも萩原さんもおつしやいましたが、飽くまでも合法的にやりたい、遵法精神の下にこの労組の発達を念願している、こういうことで、これは私どもとしても大変賛成であります。私自身もすでに約千名ほどの労組を持つておりまして、常にその労組の健全な発達を希望しておる一人であります。ただ併し、今の民主警察といたしましても、漸く出発して五、六年ぐらいしかたたない。又労働組合にしてもせいぜい七、八年にしかならない。非常にどちらもまだまだ発達の途上で未熟な点がたくさんあります。従つて、もう少しこれが立派に育ち上るためには今のような摩擦がたびたびあるのも止むを得ないと思うのであります。  又それについて今度とられた国鉄の幹部諸君の労組に対する態度にも私やはり疑惑を持つている。もう少し早くに、先ほど天坊さんのお話によれば、近いうちに長崎総裁が会つて話をする、こういうことでしたから、それならばもう少し早くあなたがたに会うてやつて頂いたならば、あなたたちの希望も満足して、こんな不祥事件が起らないようになると思うのであります。いずれにいたしましても、この民主警察といい、労働運動といい、又経営者の側といつても、漸くここまで来たばかりでありまして、非常に発達の途上でいろいろ行き過ぎがあり、間違いのあることも否めないと思うのであります。どうかさようなことで、警察は警察で飽くまでも立派な民主警察として、本当に人民に愛される警察に育つて頂くことを希望いたします。  なお又、国鉄のような大きい労組を抱えて、殊に公共企業体で万一のことがあれば、本当に全国民を麻痺せしめるというような大きい事態も発生しかねないのでありますから、そういうこともよく国鉄当局としてはお考え下すつて、どうか徒らに労組の間にいろいろな摩擦を起し、それによつて一面将来労組の諸君の生活を脅し、同時に又それによつて全国民に非常な迷惑をかけるというようなことのないような、心構えとでも申しますか、是非そういうようにして頂きたいと思います。なお又、組合の皆さんも折角先ほど立派に合法的であり、遵法精神に則つて自分らの労組の発達を念願しておる、こういうことでございますから、どうかその大筋だけは外さないで、今日お集まりの皆さん帰つて是非どうか一つこの戦さに敗けた、敗惨にひしがれておる祖国の再建に一つ御尽力願いたいと思います。(笑声)どうか、さようなことで、私ども言いましたけれども、間もなく警察制度の改革も出ますが、これは私、今労働委員ではございませんから、あなたのほうの問題は又委員でも代つてやれば、最初は労働委員もいたした経験もありますので、どうかさようなことで……。余り長く言い合つておると、つい脱線して言わなくてもいいようなところまで発展するような形勢もございますので、今日はこの辺で、一つよくお聞かせを願いましたので、それを参考にして私どももいろいろ立法措置については十分の考慮を払いたいと思いますから、今日はこの辺でやめて頂きたいと思います。
  145. 内村清次

    ○委員長(内村清次君) 参考人に対しまして御質疑はございませんか……。  それでは参考人のかたがた今日は又遅くまでいろいろ皆様がたの立場を公述頂きまして、有難うございました。委員長からお礼を申上げます。  なお委員のかたがたにお諮りいたしますが、この問題はどういうふうに今後取扱つて行きますか、その点に対する御意見を……。
  146. 若木勝藏

    ○若木勝藏君 今日の質問、今日は参考人の意見を伺つたのでありますが、これは今日で終るということはないと思います。改めてこれは委員会としていろいろ検討する必要があると思います。そういうふうに取計らつてもらいたいと思います。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  147. 内村清次

    ○委員長(内村清次君) 只今の若木君のように取扱つてよろしゆうございますか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  148. 内村清次

    ○委員長(内村清次君) それではそのようにお取扱いいたしまして、今日はこれにて散会いたします。    午後六時四十五分散会