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1954-04-20 第19回国会 参議院 建設委員会 28号 公式Web版

  1. 昭和二十九年四月二十日(火曜日)    午前十時五十一分開会   ―――――――――――――  出席者は左の通り。    委員長     深川タマヱ君    理事            石井  桂君            石川 榮一君            三浦 辰雄君    委員            石坂 豊一君            小沢久太郎君            島津 忠彦君            赤木 正雄君            飯島連次郎君           小笠原二三男君            近藤 信一君            田中  一君            木村禧八郎君   政府委員    建設政務次官  南  好雄君    建設大臣官房長 石破 二朗君    建設省計画局長 渋江 操一君   事務局側    常任委員会専門    員       菊池 璋三君    常任委員会専門    員       武井  篤君   法制局側    参     事    (第二部長)  岸田  実君   説明員    建設省計画局都   市計画課長補佐  河野 正三君   ―――――――――――――   本日の会議に付した事件建設機械抵当法案(内閣送付) ○公共工事の前払金保証事業に関する法  律の一部を改正する法律案内閣送  付) ○土地区画整理法案(内閣送付) ○土地区画整理法施行法案内閣送付)   ―――――――――――――
  2. 深川タマヱ

    ○委員長(深川タマヱ君) 只今より建設委員会を開会いたします。  建設機械抵当法案につきまして提案理由の説明を政府から伺うことにいたします。
  3. 南好雄

    政府委員(南好雄君) 只今提案になりました建設機械抵当法案の提案理由並びにその大要について御説明申上げます。  近時電源開発事業の樹立を初め、治山治水対策事業、道路整備、農地開拓、災害復旧事業その他各種国土総合開発事業等の推進によりまして、建設工事の量はとみに増加すると共に、工事の規模も非常に拡大いたして参つているのでありますが、これら諸工事を機械化してその工期を短縮し、工費を節減してその能率的施行を図りますことは、我が国経済再建のため緊急不可欠のことと考える次第でございます。而してこれらの工事に要する建設機械につきましては、一部の大規模な設備的な機械は、その多くは発注者において購入して建設業者に貸与いたすのを例としておりますが、その他の大部分は建設業者がみずから購入するを通例とし、これに要する資金は莫大な額に上つております。然るに我が国の建設業者の自己資本は未だ貧弱でありまして、到底建設機械の購入資金を賄うことは困難で、大部分を金融機関からの借入金に待なければならない現状であります。従来におきましては、建設業者はかかる建設機械購入に要する資金を主として銀行より借入れの短期運転資金によつて辛うじて調達して来たのでありますが、これは事業の経営に大きな負担となつており、新規建設機械の購入等は抑制されざるを得ない状態になつて参つておるのでございます。従いまして、工事の機械化を促進いたしますためには、どうしても長期資金を確保いたさねばならないのでありますが、そのためには企業設備等を担保化する途を開き、建設業者に新たに担保能力を増加せしめることが必要であります。  現行法制によりましては、建設業者は、その事業の特殊性から、各種の財団抵当法によつて抵当権を設定することはできないところであり、又、不動産等を担保化する途は開かれていても、それによつて厖大な建設機械の購入資金を調達することは到底不可能であります。従つて、かかる建設機械について動産抵当制度を確立して、従来適当な担保物を有しなかつた建設業者に建設機械を担保化する途を開き、金融機関からの長期融資を容易ならしめ、これにより建設工事の機械化を促進し、欧米各国に比べて著しく立ち遅れている我が国建設業の合理化をも推進しようとすることが、この建設機械抵当法案提案の理由であります。  以下本法案の大要を御説明申上げます。  第一に、本法案におきましては、農業動産信用法における農業動産自動車抵当法における自動車及び航空機抵当法における航空機の例に従つて、建設機械につきまして個々に抵当権を設定することのできる動産抵当制度を採ることといたしたのであります。  この建設機械は建設工事の用に供せられる機械類でありますが、これが範囲は相当規模以上のものに限定することとし、政令で明確に規定することといたしました。  第二には、公示の方法といたしまして登記制度をとることにいたしたのであります。建設機械抵当制度の堅実な運営を図りますためには、建設業法に規定する建設業者で、建設大臣又は都道府県知事が記号の打刻を行なつた建設機械についてだけ所有権保存の登記をなすことができ、この保存登記がなされたものについてのみ抵当権が設定できることといたしたのであります。  第三に、抵当権の内容、対抗要件抵当権の効力の及ぶ範囲、不可分性、物上代位、物上保証人の求償権、抵当権の順位、被担保債権の範囲、代価弁済、第三取得者の費用償還請求権共同抵当の代価の配当、一般財産からの弁済時効による消滅、取得時効による消滅、抵当権の処分等につきまして所要の規定をいたしたのでありますが、いずれも民法の規定に準じて規定いたしてあります。又、先取特権との順位につきましては、動産先取特権の第一順位と同順位とし、他の動産抵当法におきますと同様に滌除は認めないこととし、既登記の建設機械につきましては質権の設定を禁止いたしました。  第四に、強制執行、競売等につきましては、登記制度を採りました関係上、不動産についてと同様、地方裁判所が執行裁判所として管轄することといたしまして、その手続等必要な事項は最高裁判所がこれを定めることといたしました。  第五に、この法律の実効を確保いたしますために所要の罰則を付しました。  第六に、この法律の実施によりまして、自動車抵当法、道路運送車両法につきまして若干の調整を加える必要がございますので、それらの各法律の改正及び経過規定を本法案の附則において行いますると共に、登録税法、担保付社債信託法国税徴収法建設省設置法等につきましても所要の改正を行なつております。  以上が建設機械抵当法案の大要でありますが、何とぞ慎重御審議の上速かに御可決あらんことをお願い申上げる次第でございます。   ―――――――――――――
  4. 深川タマヱ

    ○委員長(深川タマヱ君) 次に公共工事の前払金保証事業に関する法律の一部を改正する法律案につきまして、政府より提案理由の説明を伺うことにいたします。
  5. 南好雄

    ○政府委員(南好雄君) 公共工事の前払金保証事業に関する法律の一部を改正する法律案の提案の理由並びにその概要について御説明申上げたいと存じます。  本法律案は只今御説明申上げました建設機械抵当法案と同様、我が国建設工事の機械化を促進することをその目的といたすものであります。即ち、公共工事の前払金の保証事業に関する法律により設立せられております保証事業会社をして、従来の業務のほか、新たに政府、地方公共団体が建設機械の製造代金の前払いをいたします際におけるその保証をなし得ることとすると共に、建設業者が建設機械購入のための資金の融通を受ける際に、その債務の保証をなし得る途を開き、以て建設業の機械化促進に寄与せしめんとするものでありまして、これが本法律案提案の理由でございます。  以下本改正案の主要な点につきまして御説明申上げます。  先ず第一に、現行法による土木建築の工事に関する前払金保証に加うるに、これらの建設機械の製造に関する前払金を前払金保証の対象といたし、建設機械の製造を容易ならしめ、以て公共工事の適正な施工に万全を期することにいたしたのでございます。  第二に、建設機械抵当法案による建設機械の抵当制度のみでは金融機関に関する担保として十分でない場合も考えられますので、これらの金融機関による長期融資をより確実ならしめるため、建設業者の建設機械購入のための長期借入金につきましても、現行法において保証事業会社が兼業として営むことを認められている運転資金に関する債務の保証事業と同様に、債務の保証を行い得るようにいたしたのでございます。  第三に、保証事業会社の兼業として行いまする金融保証事業は、今後重要性を加えて参りまするので、前払金保証約款におきますると同様、その約款につきましても建設大臣の承認を受けることを必要といたしたのでございます。  以上、公共工事の前払金の保証事業に関する法律の一部を改正する法律案の提案理由並びに主要な事項について御説明申上げたのでございまするが、何卒慎重御審議の上、速やかに御可決あらんことをお頼い申上げる次第でございます。   ―――――――――――――
  6. 深川タマヱ

    ○委員長(深川タマヱ君) 次には土地区画整理法案並びに同施行法案の逐条審議を継続いたします。
  7. 小笠原二三男

    ○小笠原二三男君 その審議に入る前に、私、政府にこの両法案の提案に関連して質問したいことがあります。
  8. 深川タマヱ

    ○委員長(深川タマヱ君) 皆さん、提案理由の説明に対して御質問があるそうでございますから、その御質問を今なさつて頂くことにいたしましようか。  速記をやめて下さい。    〔速記中止〕
  9. 深川タマヱ

    ○委員長(深川タマヱ君) 速記を起して下さい。
  10. 小笠原二三男

    ○小笠原二三男君 では発言のお許しを得たのでお尋ねしますが、この両法案はいつ本院に予備審査として御提案になつた法案でございますか。私は政府側に尋ねるのです。
  11. 石破二朗

    ○政府委員(石破二朗君) 私のほうは閣議に提案いたしまして、あとは内閣のほうで扱つております。そこの日取りをはつきり覚えておりませんから、御入用とありますれば調べてお答えいたします。
  12. 小笠原二三男

    ○小笠原二三男君 提案なさつて、実際上、趣旨説明或いは本案の通過を速やかに願うという政府側で、本院に予備審査に出した日付も即答できないようでは、これは余り大して重要視していない法案と認定したいのですが、如何ですか。
  13. 石破二朗

    ○政府委員(石破二朗君) 小笠原委員のお話ですが、私のほうは、閣議が通りましたら、一日も早く国会に提案してくれということで、内閣のほうで一切手続をいたしておりますので、日付は覚えておりませんが、たしかうろ覚えでございますけれども、九日の閣議を通つておりまして、今月の十三日に国会に提案になつております。恐らく予備審査の請求は十三日に当院にいたしたことと考えまするけれども、細かい点をどういう言葉で表現したら……、間違つておるかも知れませんが、そういうように記憶しております。
  14. 小笠原二三男

    ○小笠原二三男君 それで、今の政府の腰がふらふらしてこういう状態になつておる中に、速やかに本法案を審議して可決してくれといいますが、可決するときも、この内閣は生き残つておる、責任を持つてこの法律の実施に当るという御決意を持つて御提案になつておるのでありますか。
  15. 南好雄

    ○政府委員(南好雄君) 小笠原委員の御質問にお答え申上げます。政府といたしましては、只今御質問になりましたように、現下の建設業務の実態から考えまして、両法案を通して頂くことが建設事業発達のためにも是非必要と考えておりまするので、御審議をお願いしておるのでございます。それ以外の状況判断その他のことにつきましては、これは皆さんの御判断に任せることにいたしまして、政府といたしましては、業界の発達のため、発展のために、両法案が一日も速やかに国会において御審議の上、御可決あらんことをただお願い申上げるばかりでございます。
  16. 小笠原二三男

    ○小笠原二三男君 国会の判断で適宜に措置してもらいたい、而も速やかに審議を終了してもらいたいということであれば、私は、今の政府の汚職に絡んだ、こういう状況においては、政府の最高責任者に出てもらつて、そうしてしつかりした御決意を聞かなければ、ただ安易な気持で本案を審議することはできないと考える。で、この内閣の帰趨について政府の所信を今日においては明らかにしてもらわなければ、委員会において私たちは職責は尽せない。政府提出の法案についてはそういう見解を持つているのですが、積極的に緒方副総理なり政府責任者の出席を見て、それらの処置について、御見解の表明を期待することができますかどうかお尋ねします。
  17. 南好雄

    ○政府委員(南好雄君) お答え申上げます。本案の審議につきましては、建設大臣がみずから出席してその答えに当つたほうが万全であるとは考えております。併し御承知の通り今建設大臣が病気で休んでおります。本案そのものの御審議につきましては、私なり担当局長もおりますので、一つ御審議をお願いいたしまして、いずれそのうち又機会をみまして、大臣なり或いは適当な政府の意見を発表できるかたに出席して頂きまして、お答えして頂く予定ではございますが、まだこの法案につきましてはその段階でないようにも思われます。一つさよう御了承願います。
  18. 小笠原二三男

    ○小笠原二三男君 私たち立法府にある者としては、政府の、いわゆる内閣の運命如何が法案の審議に大きく影響することは当然だと考えます。少くとも政府の提出する法案について、その政府が責任を以て法案の実施なり運用なりについてやつて頂かなければならん諸点があろうと思う。そうしますと、内閣が少くとも安定し或いは持続するというような決意の表明がない限り、本案を審査したところで、途中でつぶれてしまうようなものであれば、これは徒労に帰するものである。私たち委員の立場としてはそれぞれ審議についての考えが違つて来るわけです。従つて私はこの際、昨日今日の政情から見て、政府の所信というものが明らかにされて、委員会の法案の審議というものが行われるということにありたいと願つておる一人なんです。という意味から、私といたしましては、政務次官乃至関係当局においては言明しかねる諸点があると思う。法案の内容についてはそれぞれ関係のかたからお尋ねすることができるとしても、現段階における政府のこの政局を担当する決意、所感というものを明らかに伺わなければ、審議をスムーズに進めるということは、いささか我々としては考えなければならん点があると思う。これは私の意見でございますが、よつて私としては、各種の法案の審議に入る前に、政府責任者の出席を求めて、政局担当に関する政府の所信を質して、その上で法案の審議をして頂くように運行して頂きたい。従つて私としては政府責任者の出席を委員長において求めてもらいたいと考える次第であります。
  19. 深川タマヱ

    ○委員長(深川タマヱ君) 只今の小笠原委員のお言葉に対しまして、他の委員の方々の御意見を伺うことにいたしたいと存じます。
  20. 田中一

    ○田中一君 今の小笠原君の発言でいいと思うのです。そこで、今、小笠原君の、審議は委員会でするけれども、先ずその前に、現在のこの不安定な政局、殊に新聞紙上にいろいろ報道されている実態について、当然説明する義務があるのではなかろうかと思うのです。その小笠原君の要求に対してはその通りお取上げ願いたいと思います。
  21. 三浦辰雄

    ○三浦辰雄君 小笠原委員、又、田中委員の考え方、これも御尤もだとは存じますが、私はいずれその問題は、この審議というものの過程において当然この委員会としても求めなければならん問題であることは私も同感ですが、この委員会としては、まだ審査を付託された法案があることであり、現に区画整理法のごときは逐条に入つて、まだその過程にあるわけでありまするから、それらのものを審議している間に、適当な機会にそういうことは是非我々も又希望する。そこで前回休憩中でありましたが、私は委員長にまでお願いを申上げておきましたが、今後の議事の進行についてお打合せを願いたい。いわゆる各派懇談でお願いをしたい。このことを併せて提案します。
  22. 赤木正雄

    ○赤木正雄君 私も大体三浦委員と同じ意見でありますが、私の希望は、先ず懇談にお願いして、各委員にいろいろとお考えがありましようから、よくその懇談をお聞きしたいと思いますが……。
  23. 石川榮一

    石川榮一君 遅刻して参りましたから、情勢がよくわかりませんが、小笠原委員、並びに田中委員の、政局の見通し、政局担当に関する政府の決意如何というようなことは、事、非常に重大でありまして、敢えてこれは本委員会ばかりでなく、両院ともその点を皆不安に考えられて、この究明をすることであろうと思います。そこで本委員会だけでこの問題を取上げるということも一つの方法ではありまするが、これらはいずれ別に議運等で御相談を願つて、大所高所からそういう点を政府の所見を質すということにいたして頂いて、この委員会は、先ほど三浦先生も仰せられた通り、今、土地区画整理法案のごときも逐条審議に入つておる中段でありますので、これらを審議するについて、できるのならば議運等で論議をされた上で、その点を明らかにして頂くということにお願いしたらどうかと思うのですが、如何でしようか。
  24. 小笠原二三男

    ○小笠原二三男君 私は政府責任者の出席を要求しているのです。
  25. 深川タマヱ

    ○委員長(深川タマヱ君) それに対しまして、他の委員さんの御意見も今伺つているわけですね。
  26. 小笠原二三男

    ○小笠原二三男君 出席させて下さい。少くとも担当大臣に代るべき人を出席させて下さい。
  27. 深川タマヱ

    ○委員長(深川タマヱ君) ちよつと速記を止めて下さいましてやるということは如何でしようか。
  28. 小笠原二三男

    ○小笠原二三男君 出席させて下さい。
  29. 深川タマヱ

    ○委員長(深川タマヱ君) ちよつと速記をお止め下さい。    午前十一時二十六分速記中止    ―――――・―――――    午前十一時四十二分速記開始
  30. 深川タマヱ

    ○委員長(深川タマヱ君) それでは速記を起して下さい。  土地区画整理法案並びに同施行法案の逐条審議を継続いたします。  本日は百五ページの第三節からになつております。百五ページから百十二ページまででございます。
  31. 田中一

    ○田中一君 前回の委員会では百二ページの九十五条までが済んでいるはずなんです。九十六条から残つているはずなんですが。
  32. 深川タマヱ

    ○委員長(深川タマヱ君) まだそれでは残つているかたがおありの様子でありますから、田中委員のおつしやいます通り百二ページの九十六条からにいたします。二節の終りまで。
  33. 田中一

    ○田中一君 前回の委員会法制局に一応質疑をしておつた点につきまして、法制局の御答弁を伺いたいと思います。
  34. 岸田実

    法制局参事(岸田実君) 先回田中先生から私に御質問がありました点の要点は、未登記の借地権の存否乃至は帰属について紛争のある土地が現在非常に多い、こういう場合の借地権の取扱はこの法律上どういうふうにするかという点が第一点、仮りにこういう紛争中の借地権につきましては、権利の存否乃至は帰属が明らかでないという理由で申告を受付けない、或いは権利者としての行使を認めないということにすると、後にそれが正式裁判等によりまして正しい借地権者であつたということが確定いたしました場合に、その者から遡つて整理組合その他の施行者の種々の決議等について異議を申述べて来るというようなことがありはしないか。そういうことがあると、この事業の迅速な運営にいろいろ阻害を来たすのじやないかという御質問の点であつたと思います。この二点につきましてお答え申上げます。  先ずこの法律では、土地の所有者乃至は借地権者というものは、土地区画整理施行に関係のある権利者として、或いは組合の場合ですと組合員としていろいろの権利を行使するということになつておりますので、その権利者の範囲を確定しなければならんということになるわけでございますが、未登記の借地権等につきましては、第三者である施行者はこれを実質的に確認することはできないわけであります。従いまして、この法律といたしましては、権利者の申告を待つて、その申告を受けた後において借地権者として扱うという建前をとつておるのでありまして、従いまして御質問の紛争中の借地権につきましても、同様にそれらの権利者であると主張する者から申告がありました場合には、それがこの法律所定の適法な、例えば権利を証する書面或いは書類等を添付してあるかどうかということを見極めまして、そしてその要件を備えておれば受理する、備えておらなければ受理しないということになるのではないかと思います。勿論、この告申の受理と申しますのはいわゆる形式的な審査でございまして、その権利が実際にあるかないかというようなことを裁判所のように実質的に調べて、それを最終的に確定するという性質のものではございませんから、一応の形式的な審査でその受理、不受理をきめることになるのではないかと思うのでございます。  それから第二点の、そういうふうにいたしまして紛争中の借地権につきましてはつきりしないからと言つて受理しない場合に、後にそれが正しい借地権者であつたということがきまつた場合でも、遡つて自分が関係しなかつた各種の権利等について異議を申述べるということは、この法律では禁じてあるわけでございます。それは、この法律の例えば二十五条、八十五条等にありますように、この申告のない者は借地権がないものとして扱うという規定を設けておりまして従つて、正しい借地権者でありましても、申告がない以上は借地権者として扱われないという建前をとつておりますので、遡つて異議を申述べるということはできないことになるわけでございます。従いまして、裁判等で確定いたしました場合には、そのときに改めて申告をいたしまして、それ以後、組合なら組合員としての権利を行使するということになるわけであります。こういう点におきましては、いわゆるその借地権者である個人にとつては一つの権利制限になるわけでございますが、この土地区画整理事業というような公共の福祉のために必要な事業につきまして而も多数の権利者が関係して事を運ばなければならないという性質のものにつきましては、個々の権利者についてこのような若干の権限の制約ということは、公共の福祉に基く制約として受忍しなければならないものである。又そういう取扱を受けたということ自体が、自己の権利を、例えば登記するなり、その他権利存在を明確ならしめるということを、御本人がやつておらなかつたということのために起つたことでもありますから、この程度の制約は受忍しなければならないものではないか、かように考えるわけでございまして、この法律のみならず、例えば私法関係の規定でも、破産法とか会社更生法等によりましても、やはり権利者の申告を待つて報告を待つて権利者として扱う。若し申告がなければ財産整理、負債整理の中に入れてもらえないというような取扱いをやつておるわけでございます。こういう集団的な複雑な権利関係がからんで参るような場合におきましては、個々の債権につきまして若干の制約は免れ得ない、そういたさなければこういう種類の事業というものを迅速に円滑に実施することはできないというふうに考えられるのでございまして、御質問の遡つて異議を申述べるということはできない。できないことは、権利制限にはなるかも知れませんけれども、これは公共の福祉上の避け難い制限で、受忍しなければならない制約であつて、この法律の原案はその意味において適当ではないかと考えるわけであります。
  35. 田中一

    ○田中一君 よくわかりました。これにつきまして政府のほうに伺いますが、大体、戦災復興都市として区画整理を今後行おうとする地点が、おおむね権利義務の問題が輻湊して、あらゆる点において困難な状態になつておるために、区画整理が遅れておるという現状だと考えられるのです。そこで、その場合、今法制局のほうから説明があつたように、区画整理事業を行うために新らしい係争が生れる可能性が多分にあるのです。例えば高円寺なら高円寺の駅前のあの区画整理をやろうという場合に、非常に錯綜した権利関係が競合しておる。仮に、最初は土地を不法占拠してバラツクを建築した。そのバラツクが不法占拠の事実を知らない善意な第三者の手に売却されたという場合には、少くとも今日そののち七年、八年たつておりますならば、その建物の建つておる敷地そのものが地上権というものがおのずから確立されておるものと考えられるのです。無論、建物の保存登記をいたしましても、出す場合には、その出す範囲の敷地というものは、無論、地上権というものは確立されておるものと思うのです。そうした場合の事件というものは、仮に借地権者と土地所有者によつて組合を結成される場合、大部分のものがそのように係争中であつた場合に、どういう工合にこの法律の施行を考えられるか。地上権者が又貸し、又貸し又貸しと、三人から四人あつた場合、これは附則百何条かでその又貸しの権利も借地権として認める。併しながらそれは五人又貸しすれば五人が一本になつて一票の権利の行使があるのだ。こういうふうに規定しております。そうしたものが数多い組合員の半分以上そういう者があつて、権利者が明確でない場合には、どういう方法を以つて仕事を遂行しようとするか。計画部長に伺いたいと思います。
  36. 渋江操一

    ○政府委員(渋江操一君) 事業着手の一つの手続条件としましては、組合員の資格といたしまして、それぞれ所有権者、借地権者であることを条件としておるわけでありますが、今御質問の中にございました借地権なら借地権についてその存否、或いは帰属について紛争があるということでございますれば、この法律といたしましては、さような紛争中の借地権の存否について、これを裁判と同様の意味で、新らしい権利の確定を定めて行くというような、こういう法律的効果は予定はいたしておりません。従つて紛争中の借地権という取扱いをいたすほか方法はないのでありまして、さような権利者、これが組合員の中に相当多いというお話でありますが、これはいわゆる組合員たる資格そのものがすでにないというふうに、この法律の上では取扱うよりほか方法はない。そういう意味合いにおきまして、確定し得る権利者を一応対象といたしまして、そうしてその組合員の同意の上に仕事を始めて行く、こういうことであります。御質問の趣意がその点ちよつと私も要点がつかみがねますけれども、地区内の組合員と考えられる借地権者、これは法律上の規定の要件を備えておる、確定しておる借地権者と、私どもは考えておりますが、それと紛争中の権利の取扱いということは別問題として一応考えて、この事業は法律的な取扱いとしては行うべきではないかというふうに考えております。
  37. 田中一

    ○田中一君 係争中の借地権に対して、この法律では権利を認めないという建前をとつておるということは、ちよつとおかしいと思うのですがね、借地権があるということを申告すればその権利が認められることになつておるのです、この法律の二十五条では……。そうですね。ところが係争中であつて二人とも申告をする、甲はおれが借地権者だと言い、乙も本当はおれが借地権者であつたという場合、係争が起きるわけです。併しこれは権利があるのであつて、権利の行使が中断されただけであつて、権利がある。さような結果確定されたものがどつちかの権利者というものになる。併しながらその場合に、組合としては、両方から来たところの権利、同一の権利を二人が申告した場合、これをどう扱うのですか。権利があるはずなんですがね、この法律では……。
  38. 渋江操一

    政府委員(渋江操一君) 今御質問の点は二重権利の申告があつたという場合のことでございますが、これにつきましては、両方共どちらが正当の権利者であるという最終的な確定は、これは裁判等で確定される結果になるわけでございますが、一応申告の条件をこの法律の要求するところに従つて備えておるということであれば、施行者としてはこれを受理するほかに方法がございません。権利者としての取扱いをする。ただその場合に、同一部分に対する借地権者が二重にあるということは、換地計画その他の操作の上においては極めて複雑な事態を将来生じますので、これらについては百三十条に一応規定をしてございますが、二人以上の借地権者のあつた場合の取扱いといたしまして、二人以上の借地権者に対して結局一票の議決権、選挙権を与える、こういう取扱いをすることによつて問題を解決し、最終的にその権利の帰属が確定したときに、換地計画の途中でその事態がはつきりいたしますれば、その結果に基きまして、係争になつた場合には改めて行われ、これによつて最終的な換地処分の確定をすることができる。こう考えておるわけであります。
  39. 田中一

    ○田中一君 百三十条の規定というものは、何人あつてもかまわない。併しそれが五人あれば、五人が合同して一票の権利を持つているのだということ、これはわかります。わかりますが、これは又貸しの場合ですね、又貸し又貸しの場合なんです。併しながらそのものが二人のものじやない。一人のものだという主張をする者が二人あつた場合はどう扱うのか。今の局長の説明は係争じやないのですよ。その部分が重なつて借地権があるということなんです。これはあり得るのです。そうじやなくて、一つのものを自分一人のものだという主張が二人乃至三人から出た場合はどういたしますかというのです。
  40. 渋江操一

    政府委員(渋江操一君) 只今お話のような場合におきましては、結局同一の宅地について、同一の権利の内容を持つている申告が、条件をそれぞれ備えて申告されたという場合でございまして、これは施行者としましては、これに対してはもう一つの確認方法をもつと突込んで求めるということも考えられます。即ち地主に対しまして、この中のいずれが……同じ条件を備えておるのですけれども、それに対しての更に地主の意見その他を徴することも、これは可能であると思いますけれども、そういう場合においても、なお且つ三者同様に地主が契約と申しますか、それについて捺印をしているというようなことでありますれば、これはやはり先ほど申上げましたように、同一部分に二人以上の借地権者があるとして、百三十条の規定を発動するよりほかに方法がない、こういうふうに考えております。
  41. 田中一

    ○田中一君 例えば、新宿の駅前に和田組マーケツトがありますが、これは事実最初は不法占拠であつたのです。ところが地主が腰を折りまして、お前に売つてもいいということになりまして売つた場合、或いは一応貸すことを、土地を占有することを承認した場合、地主は、あなたの言うように地主に相談しますと、地主は和田組にこれを貸しているのだ、こう言います。和田組はその地上物件であるところの建物をこま切れのように売つてしまつた。そうすると、和田組から売つてもらつて、三坪なら三坪のバラツクを持つている人は登記もして、これは証明されます。はつきりと地上権と借地権が……。このぐらい立派な証拠書類はないのです。建物を自分が持つている、家も持つていると届け出ている限り、自分の建物を持つている部分は借地権は確立しているのです。この借地権に対してどうかということを地主に言つたところが、おれはそんなものに貸しておる覚えがない。こういうケースが相当あるのじやないかと思うのです、盛り場には……。そうすると、地主は和田組に貸している。本人には貸していない。片方には、はつきりと証拠書類があるわけですね。建物の地上物件を登記している……。これにはおのずから借地借家の権利が認められているわけです。こういう場合はどうなりますか。あなたの言うように地主に相談しても、地主が異なつた答弁をしている場合ですね。
  42. 渋江操一

    ○政府委員(渋江操一君) この土地区画整理法の法律の原則といたしましては、権利の帰属関係について裁判所と同様の効果を持つて、同様な効果と申しますか、裁判的な機関としての働きをこの土地区画整理の施行者がするわけには参らんということだけは、はつきりしていると思います。従つて一つの手続の上において、裁判の結果に影響を来たさないという条件の下に取扱いをきめて行くよりほかに方法がないのじやないか。つまり裁判の結果として権利の帰属が確定した場合に、それぞれの主張されている、申告されている権利者が権利を持つたということに対する利益を喪失するという機会のないような方法において、この処理をして行くよりほかに方法がない。こういうように私どもは考えているわけです。そういう意味で、只今お話がございましたようなケースの場合については、いずれも一般的に民法なり借地法のそれぞれ対抗要件を備えているということでありますれば、それぞれの土地区画整理法の上における権利者の取扱いにおいては、対抗できる権利者としての取扱いをして行くよりほかに方法がないと考えております。
  43. 田中一

    ○田中一君 そうすると、二人或いは三人が同一物件の同一条件を備えて権利を主張した場合、権利を立証する証拠書類をつけて申告をした場合、みんな認めるというのですか。
  44. 渋江操一

    ○政府委員(渋江操一君) それは認めざるを得ないと思います。只今私が御説明したような意味におきまして、而してそのいずれの権利が正当な権利で、他の権利が主張すべき理由がないかということの確定は、これは裁判所にやつてもらう。こういう考え方にいたしております。
  45. 田中一

    ○田中一君 そうしますと、換地処分というものがなかなか困難になるのじやないかと思うのです。或いは一応の換地決定をしても、権利の帰属が明らかになつた場合には、減る場合もあるし殖える場合もあるということになると思うのです。で、二人のうちどちらかの権利が正しいのだという考えでおやりになるのか。そうすると権利の主張者が二名あつた場合には、この部分に対する換地はここだと言つた場合には困るという場合もある。その場所じや困るという場合もある。従つてその計画そのものが樹立しないということになるのじやないですか。
  46. 渋江操一

    ○政府委員(渋江操一君) 非常に細かい問題になるわけでございますが、換地計画の上で、今お話のように、同一の権利を持つている者が、同一宅地について、申告の上で、或いは対抗条件の上で、差別ない形で一応出されたと仮定をいたします、今お話のように。併しその権利者に対しての取扱いは、これは先ほど申上げましたように百二十条の取扱い、例えば一票一つの議決権、一つの選挙権という取扱いになります。ところがその議決権なりを行使する上におきまして、二人の意思が合致しない、合致しないという意味だろうと思います。合致しないということは、結局それだけの意思表示をすることができない、議決権を行使すべくして行使することができないという事態に結局立ち至るわけであります。これは権利を持ちながら権利の行使をしなかつた権利者と同様の取扱いをいたすよりほかに方法がない。つまり反対の意思表示があつたというふうに取扱われるわけには行かないし、同意があつたとして取扱うわけにも行きません。意思表示がなかつたものとして取扱うよりほかに方法がないと考えております。
  47. 深川タマヱ

    ○委員長(深川タマヱ君) ちよつと速記をとめて。    午後零時九分速記中止    ―――――・―――――    午後零時三十六分速記開始
  48. 深川タマヱ

    ○委員長(深川タマヱ君) 速記を起して。暫時休憩いたします。一時半から再開いたします。    午後零時三十七分休憩    ―――――・―――――    午後二時二十二分開会
  49. 深川タマヱ

    ○委員長(深川タマヱ君) 只今より建設委員会を再開いたします。  百五ページの三節から御質疑願います。
  50. 田中一

    ○田中一君 今朝私の質疑の継続中だつたのですよ。九十五までで、私が質疑の継続中にさつき休憩になつたわけなんですがね。それからやつて頂きたいのですが。
  51. 深川タマヱ

    ○委員長(深川タマヱ君) 九十五条のところでございますか。
  52. 田中一

    ○田中一君 九十六条の前にまだ質疑が残つているのですよ。
  53. 深川タマヱ

    ○委員長(深川タマヱ君) では田中委員そこをなさつて下さい。
  54. 田中一

    ○田中一君 九十五条の特別の考慮を払つて換地をきめるという一項から六項までの間ですね。そこで上水、下水という問題は原則としてはどういう工合に考えたらいいのですか、上水と下水の問題ですね。
  55. 渋江操一

    政府委員(渋江操一君) 上下水道につきましては、この第一項の政令で定めるものの用に供している宅地という中へ上下水道の関係を織込む考えでございます。
  56. 田中一

    ○田中一君 区画整理の一番大きな問題は結局上下水道の問題だと思うのですよ。ほかの問題は側溝でも何でも当然入れなければならん。この上下水道に対する特別の考慮を払うということですね、これはどういう意味なんです。若し水道があると、水道は全部一遍掘り返して新らしく敷設をするという考え方なのか。これは設計の問題になるでしようけれども、それとも、あるものはあつて、ただ蛇口程度の、蛇口というか地中から立上りの部分だけを自由にやつて行くということであるのか。例えば上水の水道の問題ですね、上水道の問題……。下水の問題にしましても幹線になる下水道というものは、恐らくその道路に、相当な道路に地下埋没して新らしく作ると思うのです。併しそうでない小さい側溝や下水がありますね、そういうものはそのままにして工事を進めて行くのか。その点は明確に出ていないと、やはり事業をする者の意思自由にされる虞れがあるのではないかと思うのです。例えばその結果、自分の家の宅地によその家の水道管が廻つて自分の家を通過して向うに行つている場合がある。下水も、自分の宅地を横切つて、隣りの家の例えば傾斜地なら高い家から水が流れて来る、こういうことはあると思うのですよ。そういう点はやはり設計上明確にするのか、それとも法律上明記しないでもいいのかという点ですね。
  57. 渋江操一

    政府委員(渋江操一君) この上下水道につきましては、これはお話のように、施設の中で、土地区画整理の上で考えられる施設、これは分けて考えなければならんと思います。浄水池、貯水池という上下水道施設、それから送水管、排水管といつたものの施設、それから今お話にございましたように、この宅地内を通る給水管等の施設というふうに、いろいろこれは施設の種類によつて違うと思います。違うと思いますが、特別の考慮を払うということは、各施設についてそれぞれ問題が出ると思うのでございます。で、各施設に共通する一つの設計基準と申しますか、特別の考慮を払うべき基準というものは、私はこれは区画整理の常識上から考えましても、一本にして考えるということはむずかしいであろう、で、お話のように、送水管或いは排水管につきましては、これは道路上につくるという原則に当然立つべきだと思います。それから給水管につきましては、今お話のような他人の宅地内をできるだけ避けてこのメーンパイプから直結する方式をできるだけとる、自己の宅地内にしないということが、これが区画整理の結果としてもあつて欲しいと、こういうことが言えると思います。それらにつきましては、法律で明記するといいますか、一つの設計上の通則といいますか、基準というものとして考えて行けば、それでいいのじやないかというふうに思うので、あらゆる地形、土質の関係を考慮して一つの準則を立てて行きましても、それは結局原則だけでありまして、例外というものも必ずあり得るというふうなことになりまして、これは法律的に規定して取扱うべきものだとは考えない。むしろそういう設計上の一つの基準といいますか、そういう形で考えて行くべきものであるというふうに思つております。
  58. 田中一

    ○田中一君 私はそこに大きな問題があるだろうと思うのです。それは渋江局長にも御覧に入れたように、浜松の第六工区の区画整理というものは、予算の関係上、現在ある道路を成るべく尊重しよう、現在ある下水道を尊重しよう、従つて区画整理というものは、下水、道路、これらを主としてやつている。政府がこれに許可しようとしている。私はむしろ法律的にそんなものはしないほうがいいと思う。現存する下水管なり、排水管なり、排水溝なり、道路なりが、これで本当の意味の目的を達するには……。区画整理をしなければならないというものをきめられて、事業を行うのに、既存の下水なり、成るべく下水沿いに道路を持つて行こうとか、既存の道路のほか予算の関係上できないので、成るべく元の道路をそのまま使つて行こうかというような考え方で現にやつている。これに対してやはり政府もそういうところに最後的な許可をしていない、技術上の許可をしていないのですけれども、現にそういう形が行われている。無論この予算上の関係から、その場合には止むを得んのじやないかというような発言も政府の一部から出ているのです。従つて技術的なものをはつきりと例を挙げてここに法律に表わせとは言いません。言いませんが、少くとも常識的に、かかるものだということくらいは、ここで明示をしないと、下水のために彎曲された区画整理になるということになり勝ちだと思うのです。
  59. 渋江操一

    政府委員(渋江操一君) 今、浜松の例を引かれましていろいろお話になつたのでありますが、その関係は、つまり現在の浜松区画整理事業における下水なりの施設の原形尊重主義というものが、区画整理方式の本来の目的を非常にゆがめるような結果になるという意味でお話が出たのだろうと思います。ここに九十五条に「特別の考慮を払い」というのは、必ずしもその原形尊重主義という意味を言つたわけではございません。それならば、そうようにはつきり原地換地をするのであるということを明確にすべきものと思いますが、さような意味でなくて、たとえて申しますれば火葬場にしましても、墓地の問題にしましても、これは戦災復興事業で、墓地においては、都心部に墓地のある場合においては郊外移転の方法をとつて、郊外に換地して、むしろ墓園的な施設を作つたほうがいいという換地方法もとつております。そういう意味も含めまして、「特別の考慮を払い」ということを言つておるのでありまして、一般宅地の換地方式を必ずしもこの際はとらないのであるということ、この九十五条の「特別の考慮を払い」という意味はそういう意味で申しておるだけでありまして、今、浜松の例を引かれたようなことからいたしまして、上下水道については原形尊重主義の区画整理をやるということを「特別の考慮を払い」という意味だというふうに結論付けて頂くことは、必ずしも立案者の本意ではないのであります。
  60. 田中一

    ○田中一君 今の説明でわかります。わかりますが、九十五条の四項に「電気工作物、ガス工作物その他の公益事業の用に供する施設政令で定めるものの用に供している宅地」となつているのですが、一応宅地となつておりますが、やはり上下水道の地下埋没物はやつぱり公共用の施設に違いないと思うのです。下水なんていうものは……。そういうものが、電気、ガスだけをここに載せられて、大下水とか、あなたのおつしやつたような排水とか、主たる幹線であるところの飲料水水道水道の埋没物というものがやはり考慮されて換地をきめなければならんと思うのです。考慮を拡つて換地をきめるのですから、そういう点も法律に織込んだほうがいいのじやないかという気持がしておりますが。
  61. 渋江操一

    政府委員(渋江操一君) その点は、電気工作物、ガス工作物その他と同じ意味で、上下水道施設というものを法文の上に載せておくか載せておかないかという一つの……私は田中委員が仰せになつたような上下水道を電気工作物その他と区別して取扱いを軽視するというような考え方で、規定の条項の文言のうちに出すことを避けておるという意味ではございません。現在の都市計画法の上でも例示的に出しております公共施設、ここに言う公共施設と同様な意味の施設を掲げておりまして、その中に上下水道のほうは政令等に委任しております。そういつた関係もございまして、それから先ほど申上げましたように、上下水道施設の中には特別の考慮を払うべき一つの準則というものは施設の内容によつていろいろ違うのである、こういう点も含めまして、一応政令に譲るというような形を取つたのでありまして、電気工作物、ガス工作物とか、そういつたようなものの公共的性格の上から区別すべきだという考え方では勿論ございません。ここに宅地という表現を使つておりますが、電気工作物用の宅地、それから下水用の宅地、上水道用の宅地という表現は、これは何か矛盾しておるようでありますけれども、ここにいう宅地の意味は、公有地とか国有地でないという意味の宅地という表現を行なつておるだけでありまして、その点は、宅地という表現が、この法案の中で最初の定義のときに申上げたような取扱いになつておることから来ておるわけでありまして、その点、御了解を願いたいと思います。
  62. 田中一

    ○田中一君 組合の場合には割合にお互いさまの考えでやるのですが、地方公共団体施行の場合、それから行政施行の分というものは、下水の管理者は公共団体が管理しております。水道もおおむね民営水道はないと思います。そうすると、やはり予算上の制約を受けて、すべて官が主体となつて工事を進められておる現状がたくさんあるのです。又今後ますます多いと思うのです。そうなると、その地方公共団体或いは行政施行の分が、よほど強い縛り方をしないと、本当の意味の区画整理の本旨から離れて彎曲したものになり勝ちだというのです。予算上の問題を監督官庁政府に向つて言つても、政府は必ず金がないのだからその点止むを得んじやなかいということを言うのです。若し強いて言うならば、あなたのおつしやるようなことを了承するとするならば、ガスでも、主なものは道路沿いを通つておる。下水も通つておる。やはり特別の考慮を払わなければならないということを規定して、特別の考慮という意味は、結局今言うその該当するところの工区の住民が納得する形にならなければならないと思う。予算上の面から制約されると、大体において特別の考慮を払つて現状維持ということになりがちだと思う。それとも技術的に換地というものがきまるなら別ですけれども、浜松の例をとつてはいかんかも知れないけれども、二十メートル道路に対して斜あの通路が入つておる。こういうことは単なる技術上の問題ではない。あれは地下埋没物を動しにくいから、経費がかかるから、このくらいで我慢しろというので、細い六メートルぐらいの道が斜めに道路に出たり入つたりしているのです。こういうものを政府が認めるというなら区画整理の意味はないのです。そういう点から、もう少しはつきりと技術的根拠というものを、設計に当つて認可許可する政府自身の心構えをはつきり私は伺つて、記録に残しておかないと、組合施行は割合いいのですが、地方公共団体施行、それから行政施行というものは、常にそうした予算的の面から強権で以て押し付ける虞れがあると私は考えるのです。
  63. 渋江操一

    政府委員(渋江操一君) 今の浜松の例を引合いにお出しになつて、下水道の取扱い、上水道の取扱い、それを原形中心に行く、そのことから区画整理の本来の目的を離れた意味の区画整理を行うという結果になる。そういう事態を打開するためには、法文上これを明確に規定するか或いは他の方法においてそういう原形主義を排除し得るような基準、方法を確立しておくのでなければ安心ならん、こういうお尋ねだろうと思います。これは結局、事業計画なり換地計画の一つの基準を立てて行くという際の配慮、それは具体的な設計の上の配慮になつて来るわけだと思いますが、少くとも予算面から来る制約からいたしまして、そういう結果になるということは、換地本来の目的予算的な制約のために妨げられるという点は、できるだけ避けなければ私はいけないと思います。
  64. 田中一

    ○田中一君 できるだけじやない。絶対だ。
  65. 渋江操一

    政府委員(渋江操一君) 殊に今のそれが市町村施行の際における市町村公共団体施設であるとか、それが現存しているが故に、そのために民地側の換地上の一つの構成なり基準を害して行われるということは、これは私は避けなければいけない、こういうふうに考えております。従つて換地計画はあくまでこの法律の命ずるところに従つて、従前の宅地の諸条件、これは換地上の基準に明らかに出しております。そういう諸条件に基いて行われるということを前提とし、その前提に基いた、公共施設と否とを問わず、それに対する予算的配慮を払つて、その実効の挙るような方向に努力をするのが本来の法律に忠実なるゆえんじやないかというふうに考えております。
  66. 田中一

    ○田中一君 若しそのような設計を以て許可をした場合には、政府としては、予算上の制約を受けて原形主義で区画整理をする場合には、どういう態度をとりますか。
  67. 渋江操一

    政府委員(渋江操一君) 田中委員の頭の中には浜松の問題がかなりこびりついておられるようでありますから、この委員会の審議のあれとしては全国的な視野で問題を一応考えて頂くということにいたしましてれそういう場合における取扱いといたしましては、これは原形で区画整理をしても、本来の換地計画の目的を妨げない場合もあり得るのです。それは、そのほうが公共団体の負担も軽くし、国もそれに対する負担を軽減することができ、これが最も理想的な形であるだろうと私は思うのです。併しながら、そのことが都市計画上の本来の目的からいうと、どうもまずいという場合を、今、浜松の例をお引合いに出されたわけでありまして、その意味合いの上でどういう決定をするかということについては、これは私は地元住民の全体の意思というものは或る程度参酌しなければいかんと思うのです。成るほど、国の一つの方針といいますか、設計基準としては、これはやはり理想案を掲げます。飽くまで理想案を掲げますが、併し区画整理事業のごとく、それぞれの宅地の権利者がある場合において、その権利の犠牲を、これは公共のためとはいいながら、成る程度犠牲を伴う結果になるのです。そういうところに住民全体の意思というものを或る程度参酌しなければならないということは、これは行政上の具体的な処理方法の上においてはどうしても考慮を払わなければならない。そういう極めて抽象的なあれになりますけれども、そういう考慮を払いながら結論を出して行くというのが、私は先ず浜松の例の場合にそれが具体的にアツピールするかどうかわかりません。わかりませんが、そういう配慮の上で全国的の区画整理設計なり事業計画に対して対処して行くより方法がないというふうに考えております。
  68. 田中一

    ○田中一君 この保留地の問題ですが、大体現在行なつておるところの区画整理事業に関しては、どういう基準でどのくらいのものを相手に保留地をきめるのか、あとにきめるのか。ちよつとこの間も伺つたんですが、全体の面からいつてこのくらいを保留地にしようとやつているのか。駒を並べてみて保留地になつたのか。保留地の決定というのは、どういう意思できめられるものなんですか。第一項には「施行の費用に充てるため、」こう書いてありますね。それから次には持分、その他の過小宅地その他のものに充てるためということになるのでしよう。  それからこれを決定するのには、最初からこの仕事は二億円かかる、保留地をここで仮に千坪なら千坪、二千坪なら二千坪というものをとつて、それから事業の執行計画をするのか。どういう点から保留地というものをきめてかかるのですか。
  69. 渋江操一

    政府委員(渋江操一君) 九十六条の第一項の個人施行の場合でありますとか、組合施行の場合については、これはここに言つておりますように、それぞれの権利者の同意の上で保留地という問題をきめるわけでありますから、これはあらかじめきめられる結果になると思います。事後においてきめる場合も、これは勿論、規約定款の変更に従つて組合員のそれぞれ同意のもとに保留地のとり方をきめて行くということは、これはかなり弾力を持たしてできる結果になると思います。  第二項の問題は、公共団体或いは行政庁が施行する場合であります。勿論これについては保留地をきめるについては権利者の意思を無視するというわけではございません。土地区画整理審議会同意を得なければできないわけでありますから、その意味で権利者の意思を参酌しつつきめて行くわけでありますが、これは今の御質問の趣意から申しますれば、最初にきめておくわけであります。最初にきめるにいたしましても、大体どういう方法できめるかということが一つの問題点であろうと思うのでありますが、この土地区画整理事業施行後の宅地の価格と施行前の宅地の価格との差額の範囲内で事業の施行費用に充てる、その範囲内にとどめてこの保留地というものを考えて行くということを出しておりますので、従つて今、田中委員のお話にありましたような場合を想定いたしますれば、或る程度の土地区画整理の事業費というものは、これは当然算定される。その結果としてそれの施行に要する費用も、金銭の負担の上において考えられる費用の範囲というものもおのずから考えられると思います。そういう金銭出費を伴う額の範囲内においての保留地の面積というものを或る程度想定いたしまして、これを事業計画の中へ盛込んで行く、こういう考え方を換地計画の中へ盛込んで行く、こういう考え方になるわけであります。時期的な関係から言えば、最初にその保留地の問題をきめてかかる、こういうふうに考えております。
  70. 田中一

    ○田中一君 例えば九十三条の三項にあるように、地上権永小作権、賃借権云々とありますね、まあ大体においてあらゆる権利は一応認めようという建前が主眼かと思うのです。例えば営業権ならば、それが何条かにありましたように、それと余り変らない場所を与えるということになつておると思うのですけれども、そこで組合施行、個人施行の場合には、話はずつと進みます。公共団体施行、それから行政庁施行の場合、一つの原案というものは大体押切ろうとする形のものです。事業執行者は必ず自分の輩下というか、仲間を作つて、その部分におけるところの或る特定の市会議員なり町村会議員なりを含めて、それに自分のふところ勘定と合せながら、その原案をどこまでも押し切ろうというような形がおおむね今までの区画整理にはあつたのです。そのために円満な事業計画ができなかつたのです。これはなぜかと申しますと、政府自身が設計上の権限を持つていながら、予算というものによらないと、やはり自分のほうのふところから出す補助金が、もつとくれと言われても出す途がないから、まあまあその辺でということで妥協の形があるのです。この保留地の問題にしましても、過大な保留地を見積るということも考えられるのですよ。それから現在やつているように、二割五分乃至三割程度までの減歩率というものが現在行われておるものの姿たと思うのですが、どのぐらいのものを保留地と考え、現在のこの区域の広さとか、或いは道路とか、或いは公用地とか、敷地とかいうようなものをも勘案して、この法律に対してやはりどのぐらいのものに減歩率がなり、且つ保留地というものは何%に或いは何十彩に当るものを考えておられるかということを一つ説明して頂きたいのです。
  71. 渋江操一

    ○政府委員(渋江操一君) この保留地と区画整理全体面積との、現在行われている実例として何割ぐらいが保留地に取られるという御質問の点てございますが、これはまあ全然保留地を取らないでやつておる場合もございます。この区画整理のほうの問題点は、保留地をどの程度取るかということよりも、結局そのくらい取ることによつて減歩の率が高くなるかどうかということが、むしろ区画整理計画施行者なりこの設計を立てて行く上において最も心配している点でありまして、そういう点から申しますと、この保留地というものを減歩率を高くしてまで取るということは、実際問題としてよほど慎重に考えて行かなきやならないということを申上げられると思うのですが、具体的な現在行われている施行中のあれにつきまして、大体保留地が全体施行面積のどのくらいの割合になつているか、これはなお調査いたしました上でお答え申上げたいと思いますが、現在のところはその具体的な実例の集計を持ち合せておりませんので、なお調べましてお答えいたしたいと思います。
  72. 田中一

    ○田中一君 その御答弁は次の委員会でいいですが、まあこれは運営の問題であります。人の問題になるのでありますが、大体において市町村施行、行政庁施行、補助施行の分ですね、これは原案を押し通そうというのが非常に濃厚なんですね。一面これは予算の制約、それからこの保留地の問題にしましても、大抵ボスがその保留地は次の段階には自分のものにしようという意図の下に考えられておるものが割合にあるのですよ。それで、何といいますか、又浜松の例を取つて申訳ありませんが、今市役所が……あすこは出来上つている。あの土地は昔から荒蕪地です。山です。あの土地を買うのですよ。そしてあすこに区画整理して市庁舎が建つことになつている。併しその換地がないものだから、例えば田町の繁華街に換地を与える。それの渡りをつけるのはそれは市会議員ですよ。わざわざ市会で以て、市庁舎を建てる場所に土地を買い求めて置いて、換地を請求して、それでその人間はどうするかというと、その人間はわきの所に行つて、今までの三十坪なり三十五坪で角店がわきに引込むというようなことが往々行われるのです。私は法律を審議するに当つて、罰則とか意見を別に付けるとかいう問題のほかに、できるならはその保留地の問題も明確にして、何とかこういうものを例外裁定を設けるというようなことにしたほうがいいのではないかと思いますけれども、これは修正するわけじやないのですが、私はそこまでの親切さがあつて、そうしたボスの暗躍を防くような形の立法が必要じやないかと思うのてす。それは運営だから止むを得ないじやないか、運営でいいじやないかと言えばそれまでですが、市長なんかの権限は何にもありません。市会の議長がみんな牛耳つてやつているのです。こういう点を、本当の善良なる市民の利益を図るというならば、そうした形のものを考えてほしい。先だつても伺うところによると、市会議員が、或いは市会の議長が区画整理委員を兼ねることも自由だというような御答弁もあつたので、なお更それる痛感するのです。事前にいろいろな計画というものを知つておつて、そして保留地なんという甘い蜜を吸えるようなものを残して置いて、事前にそうした工作をするという傾向が多分にある。こう考えるわけですね。
  73. 渋江操一

    政府委員(渋江操一君) まあ保留地の限界、或いは限界をかなり厳重な意味で確立するために一つの比率を立てる。或いは保留地の過大な取り方を防止するために、或いは保留地に便乗して特定の者の利益を確保するような結果になることを防ぐために、いろいろな御心配になつた点を御質問ございました。施行面積との比率できめるということよりも、私どもは、ここに掲げましたように、宅地価格の値上りの比率を越えてはいけないということを語うことは、これはまあいわゆる権利者の補償の一つの基準からいたしましても当然であろうと思うわけでありまして、それを具体的に、宅地の価格の施行前後の差額によつてきめて行く、こういう考え方が最も合理的だというふうに考えたわけであります。併しその場合においても、施行面積は価格のとり方如何によつては非常な開きができるのではないかという御懸念もあるかと思うのです。その価格の評価方法、そのことについては、これは前回、前々回にも申上げましたように、できるだけ客観的な評価方法に持ち込みたいというふうに考えております。制度的にはそういう客観的な評価方法を基準にして、而も評価された価格の施行前後の差額によつて、保留地の全体面積をそれ以上に出てはいけないという限度を抑えてしまう、まあこういう考え方で進んでおるわけでございますが、これを仮に比率に直しましても、問題は同じような原則にやはり立たざるを得ないのではないかというふうに思つておるわけであります。それから保留地の取るべき位置或いはそういつたような評価方法に対して、保留地の取り方が過大になつた場合の取扱い方、そういつたような場合の個々の換地計画の内容に亘つての審査、これについては、やはり一つには、区画整理審議会の良識ある活動に待たなければいけないと考えますと同時に、この設計認可に当ります建設省のこの新らしい区画整理法の運用の上でキイポイントはどこにあるか。今の保留地の濫用というような問題も、やはり一つのキイポイントとして、この運用の上で十分注意を払わなければいけない、こういうふうに考えて、あらゆる配慮を払いながら運営することによつて、今お話の点を完全に防止することに努めなければならんわけでありますが、従来そういう点がややもすればおろそかになつておる点がなきにしもあらずと思いますから、そういう点についての今後の注意を更に一段と深めて参りたい、かように考えておるわけであります。
  74. 田中一

    ○田中一君 九十六条の二項の立体化部分ですね、これは空間は地価の評価の仕方でなく、建築物の評価ということになるのですか。たとえば地価は二万円のところを、構築物の二階なら二階、三階なら三階ということにしますと、これは三階の部分に対する評価額がこれは相当大きな問題ですよ。一坪五、六万円するのです。或いは十階になつたらもつと高くなるかも知れませんよ。そういう場合に、その差額だけのもので……これはこの保留地の内容ですよ。宅地の評価額でしよう。けれども空間の宅地というものは建築物なんですよ。これは宅地の評価としてどういうふうに考えるのですか。恐らく二万円の土地の上に建築物を作る場合には、これは五万円以上のものになるのですよ。三階のものを作る場合にはこれはどういうことになるのですか。
  75. 渋江操一

    政府委員(渋江操一君) 建築物の建つております敷地、並びにその上における建築物の全体の評価、これを含めて立体換地の際の施行後の宅地の価額というふうにきめて参りたいと思つております。    〔委員長退席、理事三浦辰雄君委員長席に着く〕
  76. 田中一

    ○田中一君 そうしますと、過小宅地の者或いは借地権を持つている者というものが、やはり権利が、二階なら二階、三階ならば三階を宅地として与えることがこの法律ではできるようになつていますね。そうすると建物が組合施行の場合なら無論組合のものでなくちやならんと思います。それから行政施行の場合でも、市町村施行の場合でも、その事業単位のものでなければならないと思います。個人の場合には、それは認められたものならいいですが、そこで一階は一万円で借りられるだけの土地が、三階の場合におけるその空間の場合には、高い負担率になるのじやないかと思うのですが、その点どうです負担率は……。
  77. 渋江操一

    政府委員(渋江操一君) 高い負担率という意味をもうちよつと伺いたいのですが。
  78. 田中一

    ○田中一君 こういうことです。借地権を坪一万円で権利を買つた、そうして地代は仮に五円払つた。五円というのは少いかも知れないが、まあ五円ですね、そうすると、空間における三階の建築物の上に換地を与えられた、そうすると大体どのくらいに見ますか。その権利は幾らに評価されるへきものとお考えになるか。平面の場合には一万円でいい。三階の鉄筋コンクリートの場合はおおむね高いものですから、建築物という何がかかつているから、そうすると、価格で来れば、当然一階ならば二十坪の換地がもらえるところを換地になつてから五坪になつたというようなことがあり得ると思うのです。それから、さもなければ、三十坪欲しければその分担金を出さなければならんということになると思うのですよ。そうしてなお地代よりも高い家賃を払わなければならん。そうしなければ建築物に対する償還ができないのですよ。こういう点はどう考えられておるのです。
  79. 渋江操一

    政府委員(渋江操一君) この九十六条の一つ一つの問題を片付けさせて頂きたいと思うのですが、この九十六条の全体的な趣意としましては、今申上げましたように、建築物全体の評価額を加えたものを以て施行後の宅地の価額という算定をする方法になつておるわけです。従つてこの立体換地の場合においては、今言つたような高層建築物を建てることによつて施行後のいわゆる宅地価額というものは、施行前に比べて普通の平面的な操作の場合よりも非常に殖えるという勘定にはなつて来るはずです。従つて、それをもう一つ言い換えますと、これは保留地を取り得る部分がかなり殖えて来ると、こういうことになつて来ると思うのであります。そういう保留地を取り得ることは、畢竟これは又換言いたしまして、区画整理事業の施行の費用、即ちその一部には立体換地の目的である建築物建築費用というものが当然織込まれておるわけでありますが、そういうものの保留地を財源として持つて来ることの幅というものが広くなつて来ると、こういう関係になつて来るわけでありまして、そういう意味で、この評価方法は、当然上の、上物の評価を全部含めて考えて行くべきだというふうに考えておるわけであります。そこで今お話がありました負担率の関係でありますが、いわゆる換地の方法といたしましては、過小宅地の場合におきましても、できるだけ従前の宅地と環境等におきましてこの従前の権利補償し得るような形において立体的な換地をするという建前になつておるわけでありますが……、そこで今お話の中にございました地代等を含めたものとして、或いは建築物権利を割当てられた結果として、換地の当事者に対して余計の負担がかかるんじやないかというお話の点でございますが、私どもの考え方といたしましては、従前の土地にある借地権者に立体換地の上で与えるべきものは建物の所有権という形になつて参ると思つておるのであります。従つて、そういう地代を取立てるということを前提にした、借地権の代りに建物の所有権という形に立体換地の結果としてはなるのでありまして、そういう点についての建物の所有権を収得した結果が、直ちに負担率が高くなるとか安くなるとか、そういう考え方にいきなり結論的にはなるものじやないというふうに思つておりますが。
  80. 田中一

    ○田中一君 そうするとおかしいのですが、空間というものを宅地の一部とみなすことになつておりますね。空間をですよ。それが所有権者だろうが、借地権者だろうが同じですよ。所有権者だけにその空間に宅地を与えるということじやないのです。借地権者にも空間を与えることになるわけですね。そうすると、その建築物というものは、誰がその維持管理をし、その建設費というものはどこから生み出すという……。
  81. 渋江操一

    ○政府委員(渋江操一君) 田中委員の御質問の点では、その建築物はこの換地を、空間を一応与えられた。つまり従前の土地の所有者に空間というものが与えられて……。
  82. 田中一

    ○田中一君 土地ばかりではないのですよ。借地権者……。
  83. 渋江操一

    ○政府委員(渋江操一君) 所有権者にしましても、借地権者にしましても、従来の土地の上に持つていた所有権者、借地権者の与えられるものは、一定の土地の空間である。空間を利用した建物の負担というものが、当然空間を与えられても、この建物を建てる費用そのものの負担というものは、そういう所有者なり従前の権利者の負担にかかつて来るのじやないかというようなお話のようでありますが、その点は法文のほうにもはつきりいたしておりますし、決して所有者の負担にかかつて来るものではない。これは強いて申しますれば、施行者の負担、施行者が区画整理事業全体の費用の中でそれを出して行かなければならないという関係になつておるのであります。
  84. 田中一

    ○田中一君 建築する相手がめつかりましたが、今度それに借地権を或いは所有権を換地された場合に、そこに換地を与えられた場合、その空間に、若し、平たく言えば建築物の三階に自分の換地を与えられた場合に、この場合は無償ではないはずなんです。併しながら負担者の利益があるから、その利益率というものを出すのか。或いは三階に上るのは不便だから一階のほうがおれはいいというにもかかわらず三階に持つて行かれた。おれは不便だからこれに対して補償しろということになるのか。殊に三階の建築物に対しては相当の費用が出て来るのです。これは家賃を取るでしよう。ただでないでしよう。それはどういうことになるのですか。ただ地上だけを整理するのではなくして、空間に建築をしなければその宅地というものは現実にはやれないのですね。その場合に借家権者が与えられたところの換地の空間というものが即ち建築物の一室です。鉄筋コンクリート建物の一室です。この一室の価値というものが、地上におけるところのものとどのくらい食違いがあるのか。それが利益があるとして負担金を出すのか。不利益があると言つて……同じ一つの線から、地上の一坪と三階の一坪と今度は不利益があるからと言つて補償料を出すのか。これをどういうふうに解釈するのか。
  85. 三浦辰雄

    ○理事(三浦辰雄君) 田中委員に相談しますが、大分詳細のようですが、河野説明員がそこにいて渋江さんと打合せてやつておられるようで、説明員のほうが手近かでいいならば説明員に説明させますが、どうですか。
  86. 田中一

    ○田中一君 結構です。
  87. 渋江操一

    ○政府委員(渋江操一君) 細かい質問でありましたら河野説明員のほうへ譲ります。
  88. 田中一

    ○田中一君 細かい質問と言うけれども、大眼目なんですよ。空間に一つの法文を出して実体というものを掴んで説明してくれないと我々困るのでずよ。
  89. 三浦辰雄

    ○理事(三浦辰雄君) これは、私、思うのに観念的なことです。結局、何と申しますか、換地に関し、そうして保留地に関して、非常に観念的に、或る場合においては、結局、金に換えなければならないほどの借地権なり土地の所有権の場合もあろうし、そうでない場合に今の建物としての部分をとる場合もあろうし、だからこれはもう少し具体的に適当に話合つて、それから正式に適当な機会に速記に載せるようにしたらどうかと思いますが。
  90. 田中一

    ○田中一君 それは私、委員長のアドバイスにお答えしますが、この問題は一番大事なことでございまして、新らしいケースを今出しておるのです。それて、これは平面的なものならば、元の十円は十円で済む。併し貨幣価値のなにで十円が二十円になるかも知れないけれども、そこに建築費というものが入るということを……。
  91. 渋江操一

    政府委員(渋江操一君) 応今の問題について答弁さして頂きます。そこで、この平地の中の一例を申上げて見ますと、具体的に申しますと、平地の二十坪の建物を持つておる借地権者とお考えになつて、平地の二十坪の上に建つておる家屋を持つておる借地権者、これに三階のビルの一室九坪程度の部屋を与えたと仮定いたしました場合に、これはその場合における計算の方法としては、二十坪に対する土地の借地権の価格、それと家屋の補償費というものを合算したものと、三階の九坪の評価額と、大体見合つて行くということであれば、これはもう問題がないわけであります。私どもの一応試算しておる範囲内では、二十坪の宅地の借地権者であつて家屋を持つておる者に対して、今言つたように、換地の上で二十坪に相当すべきもの、借地権に相当すべきもの、並びにその家屋というものを補償費として与えることに代うるに、今の三階の九坪程度の一室を与えることによつて、大体見合つて行く、こういう大体の試算を立てておるわけであります。
  92. 田中一

    ○田中一君 その場合には、その建築費用も入るわけですね。
  93. 渋江操一

    政府委員(渋江操君) その通りであります。
  94. 田中一

    ○田中君 それでは私は非常に立体換地を行なつた人のほうが不利益ではなかろうかと思うのです。あなたは価格だけでものをきめるというならば、何も無論この価格に押されて……見合つておるならばいいのですが、この前にあつた条件としては価格ばかりじやないですよ。ここに、水利利用状態、環境等に照応せしめなければならないという原則があります。これは格段の相違ですよ。天と地ですよ。御承知のように、天と地の相違があるということは、これは環境に照応するなんということじやないですよ。これは俗に言うと、天と地の違いですよ。そうして仮に二十坪の地上における建築物を、住宅ならば住宅を持つておつた者が、今度は天井に行つて、仮に九坪になつてしまつて、何も建築費というものを、鉄筋コンクリート建築費というものを求めなくてもいい、或いは空間というものが、これはどこまでもこの法律ですと耐火建築でなければならないときめております。併しながら耐火建築でなくてもいい土地もあるはずです。これは別の法律できめておりますが、私はこの問題は総括質問で伺おうと思つたのですが、鉄筋コンクリートでなくちやならないというきめ方はどこから出て来るか。それは防火建築帯並びに防火指定地ならば……曾つての甲種防火地に対しては当然そうなんです。ところがそうでないものに対しても、鉄筋でなければならないときめておきながら、私はそんな高い建築費の、坪七万も八万もするような家は要りません。木造の二階で結構でございます。だから二万八千円か三万円程度のもので結構です。その分を下さいという要求も出るわけです。そうして天と地の環境の違いがありながら、少くとも価格だけでものを規制するということは、これはもう環境に照応したものではなくて、金に制約されたものに尽きるのです。この点がもう少し……私はこれは賛成なんですよ。賛成だから納得するような形を打出さないと害があると思うのです。
  95. 渋江操一

    政府委員(渋江操一君) その今の環境云々の問題からいたしまして、この高層建物のビルの室と、平地の家屋の住居条件とは非常に違つて、高層ビルの二階以上の居住条件なるものは却つてそれは環境上から言えば居住者にとつては不利である、まあこういうお話のようでございました。その点は私はまあ、ビルの、何と申しますか、建築設備その他の居住条件に相当すべきものの内容を、更にもう一段掘り下げて、いろいろ考えてみなければ、いいとも悪いとも私は言えんと思いますけれども、仮に悪いことだ、仮にこの当事者にとつて、仮定した場合において、当事者がその判断の上で、これは立体換地で、いわゆる建築物を以て換地をもらうよりも、金銭清算にして欲しいという申出でがあるならば、これは先ほど立体換地の規定の際に申上げたと思いますけれども、当事者はその途を選ぶことも可能なのであります。即ち金銭清算のほうに、むしろ求めて行くということも可能なのでございます。まあそういう意味で、土地の立体化に対しては、やや当事者の建前をかなり認める立場をとつた関係上、一面においては食い足りないという問題が出ておりますが、併し今、田中委員の仰せられましたように、これが一つの問題点であるということになりますれば、そういつたような当事者の申出でによつて、金銭清算の方向に移すということも考えられるわけだと思うのであります。
  96. 田中一

    ○田中一君 それはいけませんよ。若し、簡単に言うと、土地の評価が二万円のものに対しては、三階に二万円の換地を与えるということならば、つうつうなんですね。ところが環境がそれに照応しないというだけの問題になつて来るのです。地価が一万円の土地でも、建築物は七万円なり八万円なりするのですよ、一坪の所が。これは当り前です。これは地価が七万円の場合、その三階が七万円のときには、これは計算上、別でありますが、ところが二十坪ならそこに二十坪持つて行つて、あとマイナスかプラスかのアルフアがつく。それがどちらかにつくわけなんですよ。環境の照応という点からいつて……。従つて地価二千円の土地でも、まあないでしようけれども、仮に五百円の土地でも、空間の土地というものは、この法律に見ますと七万円以上するのです。必ず七万円以上するのです。これが地価二十万円の所でも、その場合なら一応建築費というものは標準価格です。これが七万円ですよ。そういう点から見ると、空間に換地を与えられた者に対する負担率が必ず大きくなるということは、私は言えるのじやないかと思うのですよ。若しもそれを追いやつて、今度その場合には、金銭補償で以て満足せよということであつてはならないのです。それじや新らしく土地を空間に求めなければならんというとき、その親切さというものが却つて逆な結果になる。追いやることになる。お前、出て行けということになる。この点を相当お考えにならないと、例えばこの事業を育成するためこ、事業を完全に遂行するために、市なら市が、その土地の価格と同じ価格でこれをきめる。地価二万円なら二万円分として見てやるということになるなら別ですが、何も求めて、一万円の評価をしたところの土地に、換地に当るものが八万円、十万円の、そんな換地をもらう必要はない、希望しません。希望する者があれば結構ですよ、私は恐らく希望しません。そうして二万円の評価だから、二万円の金銭補償をするから出て行けということでは、完全な円満な区画整理はできない。もう少し研究しないと……私は原則的には賛成なんです。そういうような形で行きたい。住宅金融公庫、あれがこの精神を呑みこんでやつたら、もつと立派なものができる。資金があるのですから。百七十億の金があつて、あれにやるともつといいものができるのです。計画局長の考え方は、一歩前進したということに対しては敬意を表しますが、そのようなことでは行こうとしても行けません。こういう点についてもう少し御研究にならないと、私のほうで、我が会派のほうから、衆議院からこつちへ来ますと時間がかかりますから、衆議院におきまして修正させるつもりです。もう二つばかり修正させるように連絡しております。この法律を一日も早く通すため……参議院の我々のほう修正しても、ごたごたして、与党的な人が多いから、私の修正はいつも否決されるのです。衆議院に持つて行つて修正するように、もう二点だけ渡しております。この問題もここまで追究されて、どうも明確な答弁が出ないと……計画局長も私と一緒に場なつて、一つ御相談願つてそして衆議院のほうで修正して、こつちへ持つて来て、こつちでやるという形に持つて行こうということを考えているのですが、その点一つ、若しそういう資料があるなら、私の申上げた質問に対して納得するだけの説明をしてほしいのです。今できなければ次回までに研究願つて答弁してほしいのです。
  97. 渋江操一

    政府委員(渋江操一君) 田中委員の仰せになりました要点が、ちよつと私は明確に把握しかねておりますので、或いは一応これに対する私の意見は次の機会に申上げることにさして頂いたほうがいいかと思います。要するに問題は、立体換地を行うべき場合に、従前の宅地に関する評価方法というものを、どういうふうな取扱い方にするかということが根本のようであります。即ち建築物を与えらるべき場合の敷地の評価というものは、平地の宅地の評価の場合と、高層建物の敷地となるべき宅地の評価とは、おのずからそこに宅地の利用の上において違う。従つてそれが評価の上に、宅地価格の上に、私は現われて来るというふうに考えられますが、これは立体換地を促進する上において、従前の宅地所有者の、宅地の価格の評価の上において、いわゆるそういう立体換地を予定せられる、新らしい換地の上に高い建物が建つた場合の敷地というものの評価の場合と、相ひとしいような形で換地をして行くかどうかということが、一つの問題点ではないかというふうにも思います。そういう評価方法をとることによつて、いわゆる清算の上で、立体換地を与えられる従前の権利者が、受益者負担というものを徴収されることなしに、立体換地がスムースに行われて行く、こういう方法も一つの研究すべき問題だとは思いますけれども、実はその問題につきましては、なお一応相談いたしまして、その上で意見を申述べさして頂きたい、かように考えております。
  98. 三浦辰雄

    理事(三浦辰雄君) それでは委員長からちよつと整理しますが、整理というか、私も関連して聞きたい。この環境に照応して行くという換地を一面においてお持ちになつておつて、一面においては過小宅地の整理という、高層化という問題との関連において、やはり照応するという頭があるものですから、更に問題は複雑化しておると思うのです。その辺も併せて次の回答の際に願いたいと思います。
  99. 石井桂

    ○石井桂君 今の立体換地についてですけれども、従前の換地の方法は、平面的な価値を比較して、従前の価値に対して今度の価値が上つたところは敷地を狭くしてもいいというようなことで、地球のそれこそ中心から無限大の天上までの値を考えておると思います。ところが立体換地になりますと、その家のところで局限されてしまつて、将来どのくらい伸びるかということは考えていないと思うのですよ、立体換地の場合は……。従前は、平面的にお考えになつても、将来このくらい伸びるだろうという換地の比較ができたろうと思うのです。ところが今度は、旧敷地は利用の方法によれば相当に広幅に利用ができる。ところが新しい換地のビルの一室ということだと、横にも縦にもちつとも伸びない。こういうことになるところが重大な違いなんですね。だから、それをお考えになつてのつまり御研究だと、納得が行くと思うのです。だから私もこの法案が問題になつたとき、抽象的にはそういう意味を含めて御質問したつもりなんですが、あらゆる場合を想定して換地をお考えになるというような抽象的な御答弁だつたので、一応了承いたしましたがね。今、田中委員の質問の過程でも、ますますそのことの御研究を必要とすることが痛感されております。ですから、等しくこの問題はやはり真面目にお考え、御研究下さることを希望いたします。
  100. 田中一

    ○田中一君 前回だつたか、前々回だつたかの委員会でも、空間の権利の侵害ですね。自分の保留地の場合はその事業執行者が一応預かつておるのだからいいのですけれども、個人のものでもできるという御答弁がこの前あつたのです。一応区画整理事業というものは、その事業の執行者に白紙委任状を預けたというような格好になつているのです、一時はね……。併しながら、当然これは終了後においては、現物があろうと、一応事業執行者のものではないのです。保留地に対しては、おのずからそこにそれを処分するまでの間の白紙委任状を持つておりますから、その面に対しての立体換地を考えるならば、これは又一応肯けます。併し先般の答弁の中には、他人のものでもできるのだというような議論があつたのです。そこで僕は、その他人のものというのは、同意が得られるならばという仮定の下ですね。或いはこの保留地のみに対する空間宅地というものならばわかりますが、全体に対して空間宅地というものをぽんと打ち出すことは、これは仮にきめられたところの誰かのいわゆる所有権に対する侵害ということになると思うのです。特定なるこれに対する空間宅地ということを法律に謳うならば、これはいいです。併しながら、そうでない、誰のものでもない、併し誰かのものであるというものであるにかかわらず、事業執行者のものでは少くともないのです。併し白紙の委任状を預かつておるから、一応その面では考えられますけれども、誰かのものであるところの空間宅地というものに対して、これをやるの、やらないのということに対しては、精神的にも、手続の順序の上から言つても、これは私権の侵害ということになるのではないかろうかという疑問を質問したところが、あなたは、まあ自分の役所へ帰つて研究してお答えするということになつておるのですが、この点はお調べになりましたか。私は法律家でないものだから、常識論でやつておるのですから、場合によつたら法制局でも一遍来てもらいたいのだが、第二部長にちよつと来てもらつて質問したいと思う。
  101. 三浦辰雄

    理事(三浦辰雄君) そうすると、どうでしよう、お諮りいたしますが、今参議院法制局の第二部長さんにここへ来てもらうように連絡いたしましたが、その間、第三節の仮換地の指定、これに入りたら如何かと思います。
  102. 田中一

    ○田中一君 結構です。
  103. 三浦辰雄

    理事(三浦辰雄君) それでは第三節仮換地の指定、この第三節全部を議題に供します。田中委員に申上げますが、又、皆さんに申上げますが、今、法制局部長は不在だそうです。それで来次第、来てもらうことにいたしまして、今申上げたように第三節全部についての質疑をお願い申上げます。  私の考えを申上げます。この仮換地の指定はなかなか面倒でむずかしいようです。そこで議事の進行を速かにするというか、無駄のないようにするために、むしろ要点を説明されたほうが、質問するにいたしましても要点がわかると思うのですが、皆さん如何ですか。    「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  104. 渋江操一

    ○政府委員(渋江操一君) それでは仮換地の指定の概略につきまして申上げたいと思います。  換地は、前節につきまして御審議願いましたように、一つの換地計画を固めまして、それを換地処分に移すということで区画整理の最終目的が達せられるわけでございますが、併しこの換地処分なるものは、施工地区内の甲乙丙丁と各地区に分れたそれぞれの土地につきまして、換地を一挙に同時に行うということは、これは到底不可能でありまして、そういう意味からいたしまして、本来の換地処分に移行する準備段階といたしまして、換地の予定地、或いはこの法案におきましては仮換地という制度を設けまして、そこに一応旧土地所有者の権利、所有権乃至借地権を移すという方法をとりまして、その方法といたしましては、甲の土地所有者を乙の仮換地に指定する。そして甲の土地のあいたところへ持つて来て丙の土地所有者を次に移す。こういつたように順次換地予定地を設けることによつて最終的に全体の換地処分に結末を付ける。こういう方法を手法として考えました。これは何も今回の法律が新しく考え出したわけではありません。従前の土地区画整理事業におきましても、例えば都市計画法の十三条に基きまして換地予定地制度を設けておりますが、これも同じ趣意であります。そういう方法において仮換地制度を新しく今回の土地区画整理法案にも盛り込んだわけであります。そこで今の趣意を達成するための手続きを第三節には掲げたわけであります。  先ず第一に九十八条でございますが、九十八条に仮換地の指定をする条件を第一項に掲げたのであります。即ち換地処分を行う以前におきまして仮換地を指定することができる。これは先ほど申上げましたように、仮換地指定制度が換地処分を最終的に行う一つの準備的措置であるという意味であります。前におきまして、目的といたしましてここに二つそれを掲げたのでございます。その一つに土地の区画形質の変更、それから公共施設の新設、変更に係る工事のため必要がある場合、即ち土地区画整理事業の方法といたしまして、土地の区画を整理いたしますとか、或いは盛土等によりまして宅地の整理を行いますとか、そういつた工事も必要がある場合もございます。それから公共施設に関する工事を行う必要がある場合もございます。こういつたような場合におきまする必要があります場合と、それから「又は」以下の分は第二段の条件でありますが、「換地計画に基き換地処分を行うため必要がある場合」、即ち換地計画本来の目的に即応いたしまして換地処分を行う必要があると認めた場合、こういう二段の条件を考えております。こういう場合におきましては仮換地の指定を施行者はすることができるということを規定いたしたわけであります。  それから第二項におきましては、換地計画において取上げております事項或いは「換地計画の決定の基準、」これらはやはり仮換地の指定の際にも当然に考慮して行われるということを規定しておるわけであります。この際の「換地計画の決定の基準」と申しますのは、前に換地計画の際に御説明申上げましたような八十九条「換地」の一つの原則といたしまして、換地の基準といたしましては、「従前の宅地の位置、地積、土質、水利、利用状況、環境等」に即応して、従来の宅地と新しい宅地との換地方法を定めなければならないというのでありますが、かような換地の原則、或いは九十一条に規定いたしております過小宅地の際の換地方法の一つの特例、更に九十三条の立体換地方式、或いは九十五条の特別な施設に対する換地の方式の特例、こういうような換地計画の際に考慮せらるべきそれぞれの基準を、この仮換地指定の際においても同様にこれにならいましてやはり仮換地の指定をしなければいけないということを規定しておるわけであります。その趣意は先ほど申しましたように、仮換地の指定と申しましても、これは換地処分に最終的に移行する一つの手法でございますので、そういつた点からいたしまして、仮換地の指定の効果は最終的には換地処分の効果に繋がるわけでありまして、そういう点からいたしまして、換地計画全体に対して定められた基準というものは、併せて仮換地の指定の際にも取入れなければならないということにいたしておるわけであります。  それから「仮換地の指定の効果」でありますが、仮換地の指定の効果といたしましては、先ず九十九条の第一項に掲げてございますように、換地指定の効力の発生の日、これはそれぞれ仮換地の指定の際に、新しい換地の土地使用者、それから旧来の土地の使用者に対しまするそれぞれの通知によつて、この効力発生の日をきめるわけでありますが、そういう指定の効力の発生の目というものから最終的な換地処分の効力確定に至る目の間までは、従前の土地の使用収益権者は、同じ使用収益権の内容を持つた権利を新しい仮換地の上に行使することができる、こういうことを先ず効果の第一に規定いたしてあります。それと同時に、従来の宅地における使用収益権というものは行使することができない。これは当然であろうと思います。使用収益権の働きというものが、従前の土地から新しい仮換地を指定された土地に移る、こういう指定の効果が出て来るということを第一項に規定いたしておるわけであります。  第二項はその特例でありまして、施行者において、特に仮換地にいきなり使用収益権を働かせようと思つても、実際上障害物件が存します場合等におきましては、これを除去して後に使用収益させるということにする必要がありますので、それに対しましては施行者が開始できる日を別に定めまして通知をし、その使用収益の効力発生の日をきめるということにいたしておるのであります。  それから第三項におきましては、これは今申しました仮換地に使用収益権を持つております者は、その指定の日乃至は効力発生の日から当然仮換地の上に使用収益権というものはそこで停止をする、これは当然のことでありますが、それを明確に謳つてあるわけであります。これが仮換地指定の効果の一駒に相当するわけであります。従前の土地の使用収益権というものは仮換地の上に移り、従来の使用収益権というものは従来の土地の上にはもう働かない。それから新換地の上の前からの権利者というものは使用収益権を行使することはできない。こういう一駒の仮換地の指定の効果というものを順次繰返すことによつて、仮換地の指定が最終的には換地処分の全体に及ぶ。こういうことを規定いたしておるわけであります。  第百条でございますが、百条は仮換地方式に移行することができない権利者の取扱いをきめておるわけであります。即ち換地計画において換地を定めない宅地の所有者につきましては、これは新しい換地の指定が当然ございません。従つて換地の指定も当然その結果としては出て来ないことになりますので、それらに対する宅地所有者に対する措置といたしましては、従来の土地の使用収益権は、これは施行者が一定の期日を定めまして、その期日から使用収益を停止させるということによつて権利者の権利行使を一応ストツプするということを規定をいたしておるのであります。勿論、使用収益をストップして、従前の土地に行使しておつたと同様の権利内容のものを使用収益すべき新しい換地を与えられないのでございますから、これらにつきましては当然これに対しまして相当の期間を置いて通知をするという措置をきめておるわけでございます。  第二項は、さような施行者の権限に基きまして停止措置を講じた場合の効果であります。これは当然その効果といたしまして、今の施行者の通知を受けた以後におきましては、その期日以後使用収益を行うことができないということを法律の上で明定いたしまして、権利の行使を停止する。こういうことをこの施行者の権限行便の効果として明記いたしておるわけであります。  それから第百一条、これは仮換地の指定等に伴う補償措置でございます。通常、仮換地の指定は、順次只今申上げましたような方法によつて行われます結果といたしまして、新しい仮換地の使用、仮換地の目的地の使用収益の開始のできるのを待つて指定を行う。それから、これによつて従来の土地の使用収益権を停止させるというのが通常の原則であります。併しこの切替が今申上げましたような時間的なズレが生じない形で行われる場合もございますし、その間に時間的ズレを生ずることが起る場合が想定されるわけでありまして、その時間的にもズレが生ずる場合に対しましての補償を先ず解決しなければいけないということを百一条の第一項に規定いたしておるわけであります。先ほど申上げましたように、九十九条の第二項と申しますのは、障害物等が仮換地にあつた場合に、それを除去した上で初めて指定の効果として使用収益権を働かすというふうなことによりまして、従前の宅地についての使用収益権は一応施行者から指定の結果としましてストツプされたにかかわらず、新換地に対する使用収益権の行使は障害物が除去されるまでの間というものは行使することがで)」ない、かようなことに相成つた場合におきましては、その損失を受けた者に対しての補償をしなければならない、こういうことを規定いたしておるのであります。  それから第二項は、九十九条の第三項、即ち仮換地の使用収益ができなくなつたという結果といたしまして、これは当然仮換地に対しての指定を受けた結果といたしまして、権利行使ができなくなる、これに対しては当然その損失を補償しなければいけない。尤もこれは、仮換地の所有者或いは使用収益権者が、通例の場合においては、先ほど申上げたようにストツプされる、又それに対応いたしまして新しい換地指定があるという結果になるのが予想されるわけでありますが、そういう通常の予想される例をとらずして、相当の期間、権利行使ができなくなつたということに対しての損失補償の規定でございます。それを第二項は規定いたしておるのでございます。  それから第三項は、新しい換地を与えられない権利者に対する使用収益を停止するという方法を百条に規定いたしてございますが、その施行者の使用収益の停止通知、この結果として使用収益権を働かせることができなくなつた、こういう場合に対する権利者に対する補償措置であります。  四項、五項は、これらの補償金額の裁定方式、或いは補償金の供託方法によつて債権者の保護の措置をとるという前々の規定をそれぞれ準用する規定でございます。  それから百二条は仮清算金の徴収交付の規定でございます。先ほど申上げましたように、九十八条による仮換地の指定をした場合、或いは百条によりまして施行者が使用収益権を停止をされた場合につきましては、本来、換地処分が全部完了した後において清算金をそれぞれ交付いたします。九十四条と申しますのは、本来の清算金の算出方法を規定いたしておるわけでありますが、この本来の清算金の算出方法の例にならいまして、最終的な清算金の交付の段階に至る事前におきまして仮清算金を交付することができるということを規定したわけでありまして、これは仮換地指定制度をできるだけ早く片付けて、本換地の結果としての最終段階の時期を待つことなく、権利の確定、それによる清算金の処分というものをそれぞれ中間段階においても考慮できるということを規定いたしたわけであります。  これらの仮換地の指定制度、それから只今各条につきまして申上げた制度は、大体従来の換地予定制度を特別都市計画法において現在の土地区画整理事業の上に実行いたしております。これをそれぞれこの新しい法文の体裁の上に現わしまして、実際と法律のほうの手続とを併せたような配慮を払つたつもりでございます。
  105. 三浦辰雄

    ○理事(三浦辰雄君) 只今詳細な説明がありましたが、第三節、これについて御質問のあるかたは御質問を願います。
  106. 田中一

    ○田中一君 この第九十八条、仮換地はどこまでも仮換地なんですね。決定換地じやないのですね。
  107. 渋江操一

    ○政府委員(渋江操一君) その通りであります。
  108. 田中一

    ○田中一君 それから百一条の第一項、これはどんな場合を想定されますか。具体的に……。
  109. 渋江操一

    政府委員(渋江操一君) これは別段特別な例というふうにも考えておりません。障害物があつた土地等に関しては、先ず施行者としては障害物を一応取払うということを区画整理事業の方法としてはどうしてもやらなければならん。それまでの間にも仮換地の指定は一応行なつて、それが例えば堅牢建物が全部除去されるまで仮換地の指定というものを全体的にストツプするというわけに参りません場合があると思います。さような場合におきましては、一応施行地区内の仮換地の指定は順次行いまして、その堅牢建物の現在あるところの宅地に所有権なり借地権を与えられる権利者、これに対してはそれまで一時権利行使をストツプしておく、効力発生の目を一応除去する期限まで待てということにいたしておく結果といたしまして、そういうものに対する営業補償でありますとか、そういつたようなことを当然考えなければいけない、こういう考えでございます。
  110. 田中一

    ○田中一君 仮換地へ自分の物件を移転する場合の費用並びに仮換地から本換地に移転する場合の費用は誰が持つのですか。
  111. 渋江操一

    政府委員(渋江操一君) それはいずれも施行者の負担になつております。
  112. 田中一

    ○田中一君 一応その仮換地を指定する場合、少くとも全体の駒を動かす仮換地計画が立たなければ指定ができないわけですね。そうすると、自分は与えられた仮換地に行こうと思つても、向うは動かないから、障害を受けた場合、これは当然補償の対象になりますか。
  113. 渋江操一

    政府委員(渋江操一君) その通りでございます。
  114. 田中一

    ○田中一君 そうすると、将棋の駒を並べるようなもので、一つが動かぬと全部が動かぬことになる虞れが多分にあります。その場合に、一つが動かぬからといつて、全部に対してすべての営業権その他のものを一応法文上停止するわけです。併しながら事実上には商売なら商売をやつておる。それを利用して利益を受けておるという場合に、何で認定して補償金を払うのですか。例えば仮換地の指定があつた、一カ所動かん場合ですね。その場合に、行かれないことは行かれないわけです。だけれども自分のところは現在の換地で商売しておる、日を限られて行けということになつて、行かれない。併しこつちで以て土地による収益があるのですね。その場合には補償はしてくれないのですか。
  115. 渋江操一

    政府委員(渋江操一君) 従来の、商売なら商売をやるようなことはできる、併し指定された換地のほうの商売はまだできるところまで行かない、こういうことでありますれば、ここに予定いたしておりますのは、旧来の土地について商売はもうできなくなる。で、新らしい換地として指定された土地における商売がまだできるところまで行かない。こういうものを補償しようというのでありまして、今お話になりましたように、従来の土地でまだ商売をやつて行ける。換地の駒を動かすまでに、まだそこまで必要が生じていないということであれば、使用換地の時期をそこまできめなくても、指定の期日をむしろ先へズラすという方法も可能なのであつて、それによつて補償をできるだけ払わない方向に考えて行くのが本当じやないかと思うのです。
  116. 田中一

    ○田中一君 そうすると、さつき言つた鉄筋の家なんという場合には、もとの所にはおられない。そこにはおられないという場合には、わきへ行つて商売をする場合のことですね。
  117. 渋江操一

    政府委員(渋江操一君) その通りであります。
  118. 田中一

    ○田中一君 それから仮清算金の問題ですが、これはやはりどこまでも仮の清算金ですね。そしてどのぐらいまでのものを払うのですか。余分に払うのですか、少く払うのですか。
  119. 渋江操一

    政府委員(渋江操一君) 一応説明員から……。
  120. 河野正三

    ○説明員(河野正三君) それは大体多い場合もあり少い場合もあります。
  121. 田中一

    ○田中一君 その清算の基準は、全体を、全部睨み合してのものになつて初めて清算されるのですか。それとも一応その部分に対する清算という基準がきまつてあつてやるのですか。
  122. 河野正三

    ○説明員(河野正三君) これは第六節の清算のところに、この仮清算金を徴収、交付した場合においては、その確定した場合において、その差額についてのみ徴収し或いは交付するという、最後の正しいほうの清算の規定があります。従いましてこの段階におきましては、全体として宅地価格がはつきりと結論を出していないという段階でありますので、成るべく実際固まる形に近い方向に努力はいたしますけれども、各施行者としては多かつたり或いは少かつたりする場合があると思います。
  123. 田中一

    ○田中一君 仮換地をもらつた、それが本換地になる場合もありますね。
  124. 河野正三

    ○説明員(河野正三君) 仮換地は、一つの性格といたしましては、最終的な換地に行き着くまでの一時的な利用地という性格と、それから換地の予定地であるという性格と、二つの性格を持つております。従いまして最もうまい手法によりますと、仮換地がそのまま換地になつてしまう、そういうふうに考えております。
  125. 田中一

    ○田中一君 三節は質疑がありません。
  126. 三浦辰雄

    理事(三浦辰雄君) それではお諮りしますが、第三節を終了して第四節の換地処分に入りたいと存じます。質問のあるかたはどうぞ。
  127. 田中一

    ○田中一君 定足数が欠けているから、この辺で今日は散会したら如何ですか。
  128. 三浦辰雄

    理事(三浦辰雄君) ちよつと速記をとめて。    〔速記中止〕
  129. 三浦辰雄

    理事(三浦辰雄君) 速記を起して。  それでは第四節換地処分、第四節全部を議題に供します。どうぞ質問のあるかたは質問をお願いいたします。
  130. 田中一

    ○田中一君 これは特別都市計画法とどこが違つておりますか。
  131. 渋江操一

    政府委員(渋江操一君) 都市計画法と殆んど違つておりません。ただこの中で、或いは換地処分の結果として施行者がこの義務を負います区画整理登記手続でございますとか、或いは町とか字とかの区域の変更或いは名称の変更といつたようなこと、それから申し落しましたが公共施設の用に供する土地の帰属、これは従来も、この点はやや今申上げました私の言葉で足りませんでしたが、従来の特別都市計画法等においての換地の上では、これは法律の上では明確に謳つておりませんでしたのでありますが、今回この法律の改正におきましては、この換地計画において新しく公共施設の用に供する土地ときめられた場合におきましては、それぞれの公共施設の所在する市町村の管理に帰属するということを、これは百六条に明確に規定をいたしました。この点は従来の特別都市計画法の中に明確な規定がございませんでしたので、さような点が従来の特別都市計画法とやや違つておる点であります。大体におきましてこの第四節の換地処分は換地処分の効果としての手続、これを明確に謳つたつもりでございます。
  132. 田中一

    ○田中一君 それじや前段は私はわかつていますからいいですが、百五条の公共施設の用に供する土地の帰属、これは主として道路その他何ですか。
  133. 渋江操一

    政府委員(渋江操一君) ここにいう公共施設は、道路とか公園広場河川等でありまして、最初の総則のところの第二条の五項で謳つてある公共施設の用に供する土地、こういう意味でございます。
  134. 田中一

    ○田中一君 従来はこの部分はどういうようになつて処理されておりましたか。
  135. 河野正三

    ○説明員(河野正三君) 従前は、お手許にお配りしてございます土地区画整理法案新旧対照表の該当条文の下に書いてございますように、耕地整理法の第十一条で、耕地整理を施行するため国有に属する道路云々の一部を廃止したことにより不用に帰した場合には、無償でこれを施行地の所有者に交付するという規定がございます。なお都市計画法の第十五条の三にも、土地区画整理施行によつて道路広場運河公園その他の公共の用に供すべきものとなつた土地は、政令の定めるところによつて国又は公共団体の所有地にこれを編入するということになつておつたわけでございます。それを受けまして、都市計画法施行令の第二十条の三、二十条の四にそれぞれの規定がございます。大体大きな変動をこの法案において加えたわけではないのでありますが、今御説明申上げた点で明らかなように、それではその土地がいつ誰の帰属になるか。誰のほうは規定がありましたが、いつという規定において欠けるところがあつたのであります。
  136. 田中一

    ○田中一君 百七条の四項、不動産登記法の特例を定めることができるという規定はどういう意味ですか。特例を定めようとしていることだろうと思うのですが、どういうことですか。
  137. 河野正三

    ○説明員(河野正三君) これは現在は耕地整理登記令、明治四十二年に制定されました耕地整理法に基く勅令準用してやつております。これの必要な理由は、換地処分をやりますと、一定の時期に瞬間的に所有権がぱつと整理されますので、各所有権者の申告によつて初めて登記するといつた一般制約によりがたい。施行者が代位して申告して、その代位申告に基いて登記官吏が一時に整理をするという形をきめる必要がある点に主眼点があるわけであります。
  138. 田中一

    ○田中一君 その場合の登記料は、事業執行者がしなければならないのですか。
  139. 河野正三

    ○説明員(河野正三君) 現在登記税法の中に規定がございまして、登録税はその際の登記に関しましては免除されております。なおこの法案施行法案におきましてやはり字句の修正だけをいたしまして、登録税法が今後に亘り効力を持つ形にいたしてあります。
  140. 田中一

    ○田中一君 この保留地の処分について特別都市計画法と違いはないのですか。
  141. 河野正三

    ○説明員(河野正三君) 第百八条は、保留地それから立体換地の際の建築物の処分保留に関する特例を定めたものであります。その必要とする点は、地方自治或いは代人施行の場合には国の財政法律によりまして、一般競争入札をやらなければ処分できないとかいろいろな関係がございます。併しながらすでに御説明申上げましたように、保留地につきましては、一定の目的を以て一定の者に売るという場合もございますし、建築物のごときは換地の代りに与えるものでございますから、初めからどの行政区画は誰だというふうに確定しておるものでございまして、入札制度は非常に不都合だということになります。そういうことからこの規定を置いたのでございますが、現在はどうなつておるかという御質問でございますが、現在はこの間に規定を欠いております。それで非常にはつきりした形をとつておりませんものですから、法文上に明確にする必要があるということで設けたわけでございます。
  142. 三浦辰雄

    理事(三浦辰雄君) それでは第四節についての御質問はほかにございませんか……なければ第四節の換地処分、この節は質疑を終了したものと認めます。  それでは午前中から問題になりました、本日の委員会副総理の出席を当委員会として求めていたのでございましたが、この時刻までその出席を得ませんでした。誠に残念でありますがこのことは引続いて次回になるべく早い機会にその実現を図りたい、なお九十六条保留地に関連して空間宅地或いは宅地の立体化、これについての答弁を次回にお願いいたします。  本日の委員会はこれにて散会いたします。    午後四時二十一分散会