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1954-03-01 第19回国会 参議院 決算委員会 10号 公式Web版

  1. 昭和二十九年三月一日(月曜日)    午後一時二十五分開会   ―――――――――――――  出席者は左の通り。    委員長     小林 亦治君    理事            植竹 春彦君            島村 軍次君            岡  三郎君            菊田 七平君            平林 太一君    委員            青柳 秀夫君            雨森 常夫君            小沢久太郎君            谷口弥三郎君            飯島連次郎君            奥 むめお君            豊田 雅孝君            永岡 光治君            東   隆君            山田 節男君   政府委員    運輸大臣官房会    計課長     辻  章男君    運輸省海運局長 岡田 修一君    運輸省船舶局長 甘利 昂一君    運輸省港湾局長 黒田 靜夫君    海上保安庁次長 島居辰次郎君   事務局側    常任委員会専門    員       森 莊三郎君    常任委員会専門    員       波江野 繁君   説明員    会計検査院事務    総局検査第三局    長       小峰 保榮君   ―――――――――――――   本日の会議に付した事件 ○昭和二十六年度一般会計歳入歳出決  算(内閣提出) ○昭和二十六年度特別会計歳入歳出決  算(内閣提出) ○昭和二十六年度政府関係機関決算報  告書(内閣提出)   ―――――――――――――
  2. 小林亦治

    ○委員長(小林亦治君) 只今より第十回決算委員会を開会いたします。  それでは本日の議題に入ります。昭和二十六年度決算三件、運輸省の部の八百三十八号を問題に供します。先ず専門員のほうより説明をして頂きます。
  3. 森莊三郎

    ○専門員(森莊三郎君) 運輸省関係の問題につきましては会計検査院からの検査報告の二百三十三ページの所に一般的な説明がありまして、そこには大きく分けますれば三つの問題が記されてあります。先ず最初に海上保安庁の燈台その他の工事について出来高の不足があつたりして甚だ面白くないということが書いてありまするが、それはこの次に議題になるであろうと思われまする八百三十九号乃至八百四十一号のそれであります。その次に公共事業費の支弁に属する港湾工事など、即ち運輸省の直営事業でありまするが、その中に超過勤務手当を工事費から出したり、小切手を振出してそれを現金で受取つて、その現金で債権者に支払うといつたような不当経理があつたので、検査院から注意を与えておいたという報告があります。そのあとに国庫補助に関することが記されておりまするが、それは相当長く二、三ページに亘つて書いてありまするが、これは小委員会のほうで審議されることになつております。  それで只今議題になりました八百三十八号でありまするが、この問題は二十七年の一月から二月頃へかけまして、衆議院の行政監察委員会で大変問題にされたことでありまして、それの中の一部分がここに挙つておるような次第であります。先ず検査院の指摘を見ますると、第四港湾建設局が起重機船をば直営工事に使用するために福岡の財務局から借りて来た。ところがそれは建設局自身で使うために借りるのであつて、よそへ転貸しすることはできない約束になつておるのに、これを山九産業運輸株式会社というのに転貸しをした、これが貸付条件違反であるということが先ず最切に記されてありまして、次に第四港湾建設局は山九産業運輸株式会社から受取つた貸付料を本当ならそつくりそのまま歳入に入れるべきはずであるのに、そのうちの一部分をこの船の運転材料費、修理費、超過勤務手当などにすぐさま支払つてしまつた、その残額をばこの船の修理費等の引当金という名目で現金で手許に持つておる。この点が標題の「起重機船の貸付料を予算によらないで経理したもの」という、これが本件の主眼になつているのであります。  次にそれに付加えましてこの船は建設局から更に桝谷組海事工業所に貸付けましたが、これは関門港湾内部で使うというはずであるのにその区域を離れて山口県の宇部の港までその船を修繕のため持つて行つた、そしてその帰り道で、当時はまだ戦時中にアメリカのほうから投げ込みました水雷がそこらにたくさんありましたので、掃海された区域だけは航行してもよいが、ここは危いから航行してならないという地域がありますのに、その中へ入り込んで水雷に触れて沈没をした、従つてそれは借主である桝谷組の過失であつて船を引揚げさせるか、或いは損害賠償をとるかなんとかしなければならないのに、その善後処理は検査報告提出のその当時にはまだ見通しがついていない、こういう批難であります。  それからなお建設局で手許に保管をしておつた現金並びに最初山九産業株式会社へ貸付けましたが、そのうちの一部分が未納になつておつた。引続いて桝谷組がその船を借りましたがその貸付料は未納であつた。それらを検査院の注意によつて一年余りもうつちやりになつておりましたが漸くのことで納付された。納付されたのはよろしいが、一年余りもうつちやりになつておつたのは適当でないという意味がおのずからそこに含まれていることと思われます。これに対して当局の説明は政府側の説明にも出ておりまするが、又最近に別刷にしましたガリ版刷のものが運輸省から提出されております。併しこの運輸省提出のものはその当時の事情を書くよりもむしろ極く最近どういうふうになつておるかという最近の事情を主として記されたことでありまするからそのつもりでどうか御覧を願いたいと思います。  先ず当局の説明を聞きますると、第四港湾建設局が山九産業株式会社に船を転貸したには違いありませんけれども、これは当時朝鮮事変のために連合国軍から門司のほうにあります第八軍のほうから非常にやかましく言われたので、余儀なく現にその船を若松の港で使つておつたのでありますが、今日中にすぐ出せというようなやかましいことを言われたものでありますから、仕方がないので乗組員もそのままで以て門司の港まで引つぱつて行つた。そしてその貸付をするについてどういう手続をとつてよいか。軍のほうに交渉しても全然その要領を得ないので、仕方がなしにこの山九という会社が当時連合軍のいろいろ作業を一手に請負うておつたという関係があるので、とりあえずその山九に貸したという。一時使用という形式をとつたので事実は止むを得なかつたことであり、而もそういうふうの事情であるので、乗組員も乗せたまま油その他の燃料などもことごとく政府のものをそのままで貸すようなことになつたので、これは当時の事情としては誠に止むを得ないことであつたという説明であります。但し先ほど申しました衆議院の行政監察委員会では当時の事情は誠に止むを得なかつたことと認めるが、併し九州の財務局から借りてある船ならばあとからでもせめて連絡ぐらいはとつておくべきであるのに、全然何ら財務局との間に連絡がとつていないのはこれは不都合であると言われております。  それから先ず最初に九月十八日から十月七日まで、これは連合国軍からの強要が恐らく三週間ぐらいで済むだろうというつもりであつたのであります。ところがその後なお長引きそうになるものでありますからこれではいかんというので、それでこの山九というのが連合国軍の作業を一手に引受けておりましたけれども、その下請をやつておる会社が桝谷組というのでありまするので、桝谷組のほうへそれを今度は裸用船、つまり燃料その他のものも向う持ち、乗組員も向う持ちというような形で貸すことにしたのでありますから、十月八日以後は別段問題は起りませんが、差当りの処置としてとりました九月十八日から十月七日までのこの三週間分、それは先方の借主のほうから貸付料を払つて来ましたが、それを乗組員の超過勤務手当に払つたり、運転材料に直接支払つたりした。これはそうすればよいのだと当時は思つておつたが、よく言われてみれば収支混淆になつて、歳入は一旦歳入として受取り支払は支払として立てなければならないが、それを収支混淆いたしたことは誠に申しわけがないということを言つておられます。  それから船が沈みました点でありますが、桝谷組はのちにその船がもはや連合国の用事を済ませまして要らなくたつたものでありまするから、それを修繕をするために軍の許可を得まして山口県の宇部の港に送つた。なぜ宇部に送つたかといいますと、そこには桝谷組が従来からいろいろな修繕をしたりする工場を持つておつたものですから、自分の手で修繕をするつもりでそこへ送つたのであります。ところが帰り道に沈没をしたというようなことになつたのでありまして、これをやかましく申しますると、関門の港の中だけで船を使つてもよいが、その区域を離れることは貸付条件に違反しておりますけれども、違反には違いありませんが、自分の手で自分の持つている工場で修繕しようというので、また軍に許可を受けてやつたことでありまするから、どうか特に事情御了承を願いたいという点があるようであります。  さて、とにかくその掃海区域の外即ちそこへは危いから船は入つてはならないという所へ過つて船を入れてしまつたものでありまするから、過失は飽くまでも借主の桝谷組にあります。それで政府のほうでは桝谷組の費用でこれを引揚げさせるようにやかましく交渉をいたしました。そうしていよいよそれの引揚作業に従事するために十分な準備をしまして船もやりいろいろな作業をやりかけたのでありまするが、たまたまそこへルース台風が襲うて来まして、すべて船も何かその辺がすつかり駄目になつてしまつて、もはや桝谷組の手では到底これを引揚げる方法がないということになりまして、とうとう引揚作業を一時中止してしまつたのであります。勿論この船には海上保険はついておりましたけれども、水雷のために沈んだのでありまするから海上保険は無効で保険金をとることもできません。仕方がないので損害賠償の請求ということになつたのでありまするが、その辺の事情につきましては、先ほど申しましたように運輸省のほうから出ておりまするこのガリ版に非常に詳細な説明がございまするが、とにかく和解ができましてこういうような方法で今後何年間に亘つて毎月何ほどかずつを納めるということに話はついておるわけなのであります。  なおその後検査院に指摘されておりまするように、山九株式会社及び桝谷組などに貸付けた貸付料がなぜ一年余りもうつちやりになつておつて、支払が遅れておるかというその事情につきまして、最後に一言説明がありまするが、この作業は連合軍のためにする荷役なのでありますから、特別調達庁がその金の支払その他を扱つておるわけであります。ところが特別調達庁と山九との間の工事契約が、これ又もつと早くからその実際の仕事をやつておるのでありまするけれども、朝鮮事変という突発事件のために大急ぎで契約もせずに仕事を先にさせられたというようなわけでありまするので、漸くその年の十二月の十五日に締結をされたというようなわけであつて、その荷役の代金などを山九が受取つたのは十二月の末、桝谷組が受取つたのは翌年の六月中旬に支払を受けた。そんなふうに遅れておつたものであるから、建設局のほうからこれを請求するについても、政府自身の支払が遅れておりながらこちらから又早く請求するわけにも行かないから、自然請求が遅れたということが一つと、それから船が沈没をしてえらい損害を相手方が受けておるので、自然そんなことなどが重なり重なつて大変遅れましたが、併し二十六年度の末までには漸く全額を納付するようになりましたと、こういうふうの事件なのでございます。
  4. 小林亦治

    ○委員長(小林亦治君) 本会議の振鈴が鳴りましたので十五分間だけ休憩します。    午後一時四十六分休憩    ―――――・―――――    午後二時十五分開会
  5. 菊田七平

    ○理事(菊田七平君) 休憩前に引続き会議を開きます。  では検査院のほうから先ほどの説明をお願いします。
  6. 小峰保榮

    ○説明員(小峰保榮君) 二十六年度の運輸省の検査報告掲載事項は、先ほど専門員からお話がございました通り、起重機船の問題並びに燈台の災害復旧工事の問題、それから府県に交付いたします補助の問題、この三つに分れるわけであります。補助の問題につきましては小委員会で御審議中でありますのでこの席では説明を省略させて頂きます。  先ず起重機船の問題、八百三十八号でございますが、これは先ほど専門員から非常に詳細に経過の御説明がありましたので、私からは特に申上げることもないかと思いますが、大体三段にこの問題は分けて考えて頂くのがいいのじやないかと思うのであります。  先ず第一番は、財務局から第四港湾建設局が、これが自分で直営工事に使うということで五十トン起重機船を借りておりましたものを、借入の条件に反しまして、アメリカ側の要請があつたとは言え財務局に無断で転貸してしまつた。これが第一点であります。  第二点は、転貸いたしまして借料を取つていたのであります。これも甚だ妙なことでありまして、本来財務局で処理すべきものを運輸省で借料を業者から取つていた。而もその借料を国に納めればまだしものこと、納めないで役所で勝手にこれを使つておつたという点であります。  それから又取るべき借料もまともには取つていなかつた。この借料の経理の問題が第二点であります。  第三点は転貸いたしましたこの桝谷組というのが、勝手に門司港の港域から外へ引張つて行きまして、これは自分の工場の根拠地へ引張つて行つたわけであります。そのときに掃海区域に出まして触雷沈没させてしまつた。そうしてその処理が検査報告を書きました当時もまだはかどつていないでそのままになつていたというのが第三点であります。  第一点第二点につきましては先ほど専門員から細かいお話がございました。第三点につきましてもお話があつたのでありますが、ちよつと私から補足さして頂きたいのは、和解が成立したというお話がございました。和解条項によりまして二十八年の八月から二十九年の一月までは毎月三万円づつ、それから二十九年の二月から三十三年の九月までは毎月六万円づつ、こういうふうにして損害の総額三百六十一万四千円というのを賠償する、こういうことで和解が成立したのであります。ところがこの和解条項通りに金を納めましたのはたつた二回総額六万円。こういうことで二十八年の十月以降は入つていないようであります。この点はちよつと、どうかと思うのでありまして、それから和解条項によりますと一月でも納めなければ期間の利益と申しますか、それを失う、一遍に取られても止むを得ない、こういう条項があつたように聞いております。今和解の履行という点でちよつとどうかと思う点が実はございますので御参考に御報告します。
  7. 菊田七平

    ○理事(菊田七平君) 次に当局の説明を求めます。
  8. 黒田靜夫

    ○政府委員(黒田靜夫君) 五号起重機船の問題につきましては各方面にいろいろ御迷惑をおかけしまして誠に申訳けないと思つております。  先ほど専門員のかたなり会計検査院のかたからお話がありましたように、この第五号起重機船は、昭和二十四年に財務局から運輸省の出先機関でありますところの第四港湾建設局が一時使用を受けまして、港湾工事に使用しておつたのでございます。朝鮮動乱が起きる前から昭和二十五年の夏頃は、同海湾におきまして沈船の引揚に従事しておつたのでございます。動乱が起きますと同時に占領軍のほうからいろいろ動乱関係の荷役があるので起重機がほしい、お前のところで使つておる起重機を出してもらえないだろうかという要請が数回口頭であつたのであります。数回の要請に対しまして出先機関といたしましては、工事実施中でございますのでこれが提供は困難なる状態にあることを縷々説明いたしたのでございますが、占領政策に協力しないのかという最後の非常に強い要望によりまして止むを得ずこれを提供をいたしたのでございます。提供をいたしますときに、直接軍に提供をしたのでございますからいろいろ書類上の要求があつて然るべきなんですが、それを提供しました直後において再三交渉したのでございますけれども、先方はそこまでの事態ではないからというのでなかなか書類を出さなかつたのであります。それで止むを得ず軍の荷役を請負つておりまする山九運輸に、この五号起重機般を使用をせしめてその使用料をとつておつたのでございますが、その途中におきまして実際に起重機を使用いたしまするのは山九運輸プロパーではなくて、山九運輸の下請でございますところの桝谷組が使用しておつたのでございますから、どうもいろいろの経理の面で非常に不都合が生じて来るので裸貸付にして使用料をとることにいたしたのでございます。その間におきまする経理上の問題が出先機関におきまして怠慢な点、或いは手続を怠つたような点があつたのでございますが、これは誠にそういつたような緊迫した事情のもとであつたかも知れませんが、事後に早急に整理すべきものを怠つておつたのでございまして、誠に申しわけないと思つておりますが、この使用料等につきましてはその後必要なものは全部国庫に納めさせておるような実情でございます。経理の不当な点等につきましては、先ほど来御説明の通りでございまして、この点は十分今後とも気をつけて参りたいと思つております。  最後に和議が成立いたしました後に、桝谷組が賠償すべき金が三百六十万円あるのでございますが、昨年の二十八年の八月以降にこれを分納することになつておるのでございますが、八月、九月に六万を納めただけで以後納入をいたしておらないのでございまして、毎月二回乃至三回督促をいたしておるのでございますが、納める、納めるといいながら桝谷組におきましてはなかなかこの実行をやらないのでございまして、出先機関といたしましても福岡法務局と連絡を取りまして、先方に一つ差押をやつてもらいたいというようなことも口頭を以ていろいろ連絡をいたしまして、法務局のほうともう数回に亘りまして書面並びに口頭で協議いたしておるのでございますが、法務局の見解としては差押をするのは最後にしたいという、今差押をしてもそれほどの金が一時に入るかどうか、非常に国として考えます場合には、督促しながら取つて行つたほうがいいのではないかというような見解もございまして、目下納入を督促しておるような現状でございまして、噂によりますと最近桝谷組がいろいろな事業をやります関係で三月にはこれまでの未納の額を納めるということを言つて来ておるやに聞いておりますので、今後ともこの賠償金の納入に対しましては誠心誠意これが督促をして完納せしめるように監督して行きたいと存じているのでございます。
  9. 菊田七平

    ○理事(菊田七平君) 質疑をお願いいたします。御質疑はありませんか。
  10. 平林太一

    ○平林太一君 関連してお尋ねしたいと思うが、運輸省港湾局長黒田君、会計課長辻君、海上保安庁島居君、三君が御出席になつておりますので、ここで今運輸省は今回のこの船舶に関連する運輸省の行為、行動、それから海上保安庁、これ又すでに小型の戦艦と申しますか、そういうようなものをお造りになられたことに対して全国の耳目の焦点になつている、こういうことです。これに対しましていずれも今日はこの三君が御列席になつておりますので、運輸省はそういう焦点の対象となつている。殊に会計経理の最高責任者である壷井何がしなる者が起訴されている。そういうことに対して四君はどういう今日感じを持つておられるか、運輸省、又海上保安庁の最高の人がいられることだからそれに対して今日は重ねてお尋ねをすることは差控えます。併し運輸省のいわゆる審議に入りました今日のこの過程において、まずその頭のおきどころがどこにあるかということにおいて、今後この会計検査院から指摘しておりますことに対しまして我々のほうにも用意があるわけなんです。であるから三君から順次今日のこの疑獄において運輸省がこの焦点になつている。すでに運輸大臣は衆議院の委員会においてはしばしばかなり具体的のことを追求されている。本人は白でありますと当院の本会議において言つておる。このくらいでありますからこれに対してどういう感じを持つておられるか、順次黒田君、辻君、島居君から承つておきたいと思います。御答弁を願いたいと思います。
  11. 菊田七平

    ○理事(菊田七平君) 速記をちよつととめて下さい。    〔速記中止〕
  12. 菊田七平

    ○理事(菊田七平君) 速記を付けて下さい。
  13. 平林太一

    ○平林太一君 只今私の運輸省の四君に対しましての質疑に対しましては、後刻御返事を承わることにいたすことに私のほうでいたしたいと思います。さよう御了承願います。
  14. 菊田七平

    ○理事(菊田七平君) それでは議題としまして八百三十九から八百四十一を御審議頂きたいと思います。先ず専門員に説明をさせます。    〔理事菊田七平君退席、委員長着席〕
  15. 森莊三郎

    ○専門員(森莊三郎君) 八百三十九号から八百四十一号までは海上保安庁の関係のことでありまして、燈台の災害復旧工事の施行に当り処置当を得ないものということで指摘されているのでありまして、検査報告の二百三十八頁の所にその摘要と題しましてどういうようなことが不都合であつたかということが記されております。それに対して当局の説明書を見ますると、百五十五頁の所にそれぞれ詳細に事情を述べておられます。その説明書によりますればいずれもこれらは皆予算の経理を誤つたことでありまして、甚だ不適当なことをやつたのは誠に申訳がありません。但し事柄の内容はこういうふうな事柄であつて余儀なくやつたことでありますから、どうぞその点を御了承を願いたいという意味で詳細の事情が記されておりまするが、先ず最初の八百三十九号は燈台の崖の所にコンクリートの壁を付けるわけであつたが、その場所が非常に不便な所であるので運搬費などが非常に予定以上にかかつた。仕方がなしにコンクリートの分量を少し減らしたというような事情になつたということが記してあります。  その次の八百四十号は厳島の附近の燈台の柱のことでありますが、これはもと厳島の町がその費用を負担して修繕すべきはずであつて、昭和二十年の災害のときに倒れたままになつておつた。それを二十四年になつて国営の事業に移されたのでありまするが、町の財政が困難で到底町の費用ではそれを修繕することができない。併しそれを国営でやることも甚だ不都合であるのでいろいろと研究をしおつたのであるが、何分にもここは本州と厳島との真中の船の通り道に当つて、航行の安全のためにその船舶関係者からやかましく頼まれるので仕方がなしに国費でこんなことをやりましたというような当時の余儀ない事情がそこに記されてございます。  次の八百四十一号はこれ又修繕をせずに打つちやつておくわけにも行かないので、余儀なくやつたことでありまするが、いずれにいたしましても予算の経理を誤つておることは間違いないので申訳がないというような事情のように聞いております。
  16. 小林亦治

    ○委員長(小林亦治君) それでは検査院の御説明を願います。
  17. 小峰保榮

    ○説明員(小峰保榮君) 八百三十九から八百四十一までの燈台の災害復旧三件につきまして御説明いたします。  先ず八百三十九でありますが、これはこの下に書いてございますように、工事を請負にいたしましたところ、九十七万五千円の請負額のうち十五万円相当額が出来高不足になつておるという案件であります。内容はコンクリート擁壁が設計よりも小さかつた、こういう案件であります。この十五万円は請負人に天引されたわけでありますが、結局初めに請負人から返させよう、こういうことで会計検査の結果指摘されましてそういうことにお進みになつたわけでありますが、その後請負人から取返すことができませんでそのままになつてしまつたという案件であります。  それから八百四十から八百四十一は、災害復旧費でやつてはいけないものを、災害復旧費の予算というものはどこでも割合に豊富なのでありますが、災害復旧費でやつてはいけない工事を災害復旧費でやつてしまつたという案件であります。  先ず八百四十でありすが、これは今専門員からお話がありましたように、厳島の町から国が引継ぎまして、引継ぎましたきにはもうすでに燈台の本体はなくなつていたのでありますが、それを引継ぎましてこれを復旧する必要はあつたとは思うのでありますが、二十四年八月に壊れてしまつた、だから災害復旧でやるのだ、こういつて工事をおやりになつたわけであります。実際は二十年頃にもう崩壊してしまつていた、こういう事案であります。この種のものはほかに予算がございますので、航路標識整備費、そういうものでお出しになるのがこれはもう当然でありまして、こういうものまでいい加減な書類を作つて災害復旧費でやつたというのが甚だ面白くないのであります。  八百四十一もそれに似た問題であります。これは関門海峡のところの工事でありますが、二十四年度に災害を受けまして、災害復旧をしたのでありますが、それが光度が弱い、こういうことで二十五年にその光度を殖やすような工事をされたわけであります。これは当然に改良的な工事でありまして、今申しました航路標識整備費でやるべきでありますが、二十五年の九月に災害を受けもしないのに受けたということで書類を作りまして災害復旧費から出している、こういう案件であります。
  18. 小林亦治

    ○委員長(小林亦治君) 当局の説明を求めます。
  19. 島居辰次郎

    ○政府委員(島居辰次郎君) 八百三十九につきまして先ず申上げますが、これは安乗埼の燈台災害復旧工事の請負金九千七万五千円のうち十五万円相当額の工事出来高が不足であるという御指摘を受けておるのであります。  今会計検査院のおつしやられました通りでありますが、その燈台工事は昭和二十五年の九月ジエーン台風によつて崩壊しました崖をコンクリート擁壁で復旧するのでありますが、工事現場は三重県の一番端の安乗村の僻村にありますために、工事施行に当りまして労務者の雇用とか材料等の運搬につきまして、初めに計画いたしました金額では工事施行に関して非常に困難になりまして、止むを得ずコンクリート擁壁の容量を少し減じまして、労務費並びに運搬費に充当いたしましたわけであります。これは種々の事情があつたとは申せ、当初の地形調査その他調査が不十分でありましたようなわけで、誠に遺憾でございまして、今後こういうことのないように十分注意いたしたいと思つております。  次に八百四十号でございますが、この燈柱は厳島町が広島湾港に明治三十二年五月に設置しました重要な燈台でありますが、昭和二十年の九月の風水害に大半崩壊したのは今御指摘された通りであります。利用者の強い要望にもかかわらず、当時の経済事情では到底復旧することが不可能な事情にありましたが、重要航路に位置しておりますこの航路標識施設も、戦後我が国の復興施設の重要な一環でありますので、航路標識の設置管理に関する件という、昭和二十四年二月三日の次官会議の決定を見るに至りましたので、当時の状況の下では、燈柱を移管の対象とするには問題もありましたが、その位置が重要な航路でありますので、復旧が急がれまして、事情止むを得ずジユデイス台風による災害として建設したわけでありまして、これ又誠に遺憾なことでありまして、かかることのないように今後注意いたしたいと思つております。  次に八百四十一号でございますが、これも昭和二十五年九月十三日のキジヤ台風によつて四散いたしました木片や瓦片のために、ネオン管が多数損傷を受けまして、一時燈台の業務の運営にも支障を来たしましたが、昭和二十四年度の工事施行の際に残つておりました残余、それを応急修理に使用して、辛うじて業務をやつておつたのであります。又変圧器は、屋内の開放式のものが使つてありましたので、台風で雨水とか何かが浸入いたしまして、約その半分が機能を失いまして、又漏電の虞れもありましたので、屋外用の、少し大型になりまして、値段も高くなりますが、密閉式のものに取替えましてやつたようなわけであります。この工事は災害旧費でなく、先ほど指摘されましたように改良改修工事として、一般公共事業費から支弁すべきものであり、これ又非常に遺憾なことでありまして、誠に申訳けないと思つて、今後かかることのないように十分注意いたしたいと思つております。
  20. 小林亦治

    ○委員長(小林亦治君) 御質疑のかたは御発言願います。
  21. 山田節男

    ○山田節男君 只今御指摘の八百三十九号から四十一号は、要するに災害復旧工事に名をかりて不当な処置をしていることを指摘されているわけですが、二十七年度の会計検査の報告を見まして、千五百二十号で、運輸省の工事の中で、必要のない工事を施行している。これは青森港の第三号燈浮標の災害復旧工事という問題については同じようなことが会計検査院から指摘されておるわけであります。こういつたように、今次長が非常にこんなことは繰返しません。こう言つておられるが、二十六年度において三件、二十七年度においても、これに類似したような、又見方によればもつと狭い一端も、青森港の第三号燈の浮標を完成しておきながら、今度災害復旧費が多くの金が来たというので、今度それを取替工事をやつたということで、会計検査院から指摘批難されているんですが、一体、又繰返しませんと言つておきながら、翌年度において更に金目から言つても相当のものがこういうように行われるということは、結局やはり本省のほうの監督よろしきを得ないのじやないか。二十六年度において指摘された類似の項は、責任者が厳重に監督すれば起り得ないはずですけれども、二十七年度の決算の検査によると、これに類似したようなものが又指摘されているわけです。一体、今のようなことが、次長が言われるが、繰返えされるというところに何か本省のほうで監督するところに欠陥があるのじやないか。これは財源的に金がなくて人が揃えられないのか、或いは職場が非常に多いから徹底しないのか、何か私は原因があるのじやないかと思うのですが、こういうことについての一つ見解をお聞きしておきたいと思うのです。
  22. 島居辰次郎

    ○政府委員(島居辰次郎君) 御指摘のように、誠に申訳けないと思うのでありますが、実は海上保安庁ができました当時、こういうようなのが、何と申しますか、素人と言うと妙な話になりますが、いろいろ膨脹して行くところに、人員も少くて非常に経理に齟齬を来したようなわけであります。爾後だんだんと改良して行つているつもりでございまして、なお本庁にはそれ以後がつちりした監察官制度というものを設けましてやつております。そこで実はだんだんに我々としてはよくなつて来ているつもりでございますが、この二十六年度の決算報告にも指摘されていることがありますが、前よりもよくなつているという見出しを会計検査院から頂いているようなわけでありまして、併しよくなりかたがまだまだ少いようにも思われますので、できるだけこの監察官制度も十分発揮しまして、今後誤りのないようにしたいと思うわけであります。
  23. 山田節男

    ○山田節男君 今おつしやる監察官ですが、これほど、国鉄のような尨大な事業を監督される運輸省として、こういつたような監査。従来のこういう監察部面において、一体予算と人員をどのくらい使つておられるのか。監察専従の公務員は何名くらい配置しているのか。大体どのくらいの予算をこの監察のために使つておられるのか。若しそこがおわかりになれば極く概略でもいいからお示し願いたいと思います。
  24. 辻章男

    ○政府委員(辻章男君) 只今の御質問にお答え申上げますが、運輸省といたしましては、海上保安庁に、只今次長から申上げました監察官制度以外につきましては、特に内部監査の制度はございません。海上保安庁の監察制度につきましては、海上保安庁のほうからお答え申上げたいと思います。
  25. 島居辰次郎

    ○政府委員(島居辰次郎君) 海上保安庁のほうにございまする監察官は十一名でございまして、旅費が年間約二百万くらいであります。
  26. 山田節男

    ○山田節男君 海上保安庁は、これも一昨年来、いろいろスキヤンダルのような事件がしばしば起きて、そういつた面からも当然自主的に監察制度というものを厳重にやつているはずなんですね。僅か十一名の監察専従公務員をして過誤なき監察が十分にできるかどうか。この点を一つお聞きしたいと思います。
  27. 島居辰次郎

    ○政府委員(島居辰次郎君) もつと実は殖やして、各地方へも置いてやつて行きたいと思うのでありますが、人件費につきましては、なかなかむずかしうございまして、予算も実は取りにくいような実情にございますので、我々としましてはできる範囲において、できるだけの能率を上げて行くより仕方がないのじやないかと思つているわけでございます。
  28. 山田節男

    ○山田節男君 これは単なる海上保安庁だけの問題でなく、運輸省自体としての事業は成るほど今日は縮小されておりますが、例えば船舶関係、海運関係、これはもういずれも非常に大きな舞台であつて、これに対する運輸省は責任官庁として十分監察しなくちやならんわけなんです。然るに今日のような造船関係においては汚職、それについての今の利子補給の問題にしても国会に取上げられておる、又検察の手を煩わしておる、こういう事態から見ても、運輸省自体がこれほど広汎な行政を司りながら、而も莫大な国費を使うということについて海上保安庁以外には監察制度が確立されていないということは、どうも私は常識で以て判断できないのですけれども、何か各局長或いは地方局長か何かにこういつたような権限を委嘱し、或いは大臣としてこういう方面のこういうような監察をしろというような国の制度は従来全然なかつたのですか、その点をお聞きしたい。
  29. 辻章男

    ○政府委員(辻章男君) 今の監察の制度のお話でございますが、従前から運輸省といたしましてやつたことはございません。今監察制度をやるべきじやないかという御意見がございましたので、多少私の私見になるかもわかりませんが、意見を述べさして頂きたいと思います。大体私ども、特に私が会計課長といたしまして、直接運輸省予算の支出等の事務を取扱つておるわけでございまして、年々会計検査院の厳重な検査をお受けしておる次第でございますが、私どもの感じといたしましては、成るほど監察的な制度がないよりはありましたほうが、それだけ何と申しますか、不都合なことの予防或いはそれの発見には役立つかと思うのでございますが、御承知のように、ここ数年来、年々人員が削限されて参りまして、若し現在の人員で以ちましてそういうところに人間を割きますならば、それだけ一般の行政から人間を割いて行かなければならない、そうなりますと、片や監察というものがありましても、先ず本来の行政事務がそれだけ粗雑になつて来るというふうな結果になる虞れがあるのじやないか、私どもといたしましては、先ず監察行政或いは会計事務の結果がいいか悪いかという点につきましては、検査院等の検査なり御批判を待つことにいたしまして、私どもといたしましては、そういう不都合な事態が起らないようにできるだけその予防に全力を注ぐ、例えば組織といたしましても、いわゆるチエツク・アンド・バランスと申しますか、多少不心得な者がありましても、そこの一人の不心得な者だけでは悪いことができないような制度にいたしまして、必ず或る所と協議をしなければ決定に行かないというふうな方法を講じまして、そういう不都合な事態の予防に万全を期するという方向に進んでおる次第でございます。なお、附言いたしますが、先ほど来、海上保安庁の特に燈台関係の工事につきましていろいろ不都合な点があつて誠に申訳ないのでございますが、この燈台関係のこういう事態も、私どもが内部から見ておりますと、あの当時いわゆるチエツク・アンド・バランスの制度の運用が円滑でなかつたのでございまして、何と申しますか、いわゆる金の支出をいたします経理担当方面と、それから実際の工事を監督して行きまする工事現場との連絡にやや円滑を欠く嫌いがあつたと言わざるを得ないのでありまして、あの事件が起りましてから、海上保安庁とされましては、直ちにそういう制度の改善を図られて、なお、それに附加して、監察制度というふうなものもできたわけでございますが、そういうふうなことによりまして、いわゆる不当な事態の予防に努めている次第でございます。
  30. 山田節男

    ○山田節男君 二十六年度の決算において、会計検査院の報告によると、約五十件の不当処置がここに挙げられておるわけです。それで会計検査院として限られた人員で以て、限られた期間に、運輸省の管轄の現場を悉く、これは一〇〇%検査し得たものでないと私は思います。それでもなお且つ五十件に近いものがここに挙げられるということは、今の会計課長の説明の事情は、これはわかるにしても、事実ここに約五十件というものが指摘されておるということについては、これはやはり運輸省として重大な責任がある。それには今おつしやるようないろいろな事情があることはわかります。わかりますが、これは二十七年度においても皆無かと言えば、皆無でないのであつて、やはり相当の事項がここに挙つておるわけであります。殊に今日の運輸省として、運輸省自体は、これはもう昔に比べれば、現業官庁としての範囲は非常に縮小されましたが、その代りむしろこれは監督行政の部面において強化するのが運輸省の組織としてむしろこれは重大な職能じやないかと思います。そういう意味から見ると、今会計課長がおつしやつたのでは、今日の運輸省としては少いでしよう。足りない点があるんじやないか。勿論これは予算が足りない。予算が足りないからしようがないと言われますけれども、これはむしろ当局者がこの点に若し本当に本気になるならば、これは予算を作る上において相当大臣としても見逃すことができないんじやないか。そういう意味でこれはそういう当面の責任者たちが、もう少し大臣、次官等にこの点を強くおつしやれば、必ずしも今日のような貧弱な陣容でやるということには私はならなかつたんじやないかと思います。殊にこれは監察行政になるかも知れませんけれども、今日の運用とすれば、国家的な国費をいろいろな形で使用する現業を監督しておられるんですから、だから会計検査院の検査を待つまでもなく、当事者の監督者としてこれはもう十分過ぎるということは言い得ないかも知れませんが、とにかくこれに対して相当なこれは意を用いられなければならんということは当然です。特にこれは欧米各国のこういつたような官庁の殆んど主な職能がそれに向けられておるというのが、今日のいわゆる国家行政機関の形として当然そういうふうな姿になると信じております。これは日本の単に運輸省だけではなくして、すべての官庁を見まして非常に無視されておる。又そういう仕事は如何にも人が嫌うような、又余り出世の途でないように認識されておるというところに日本の行政官庁に非常に欠点があると思います。で、運輸省としましては、こういう非常に大きな現業官庁を監督し、又みずからもこれを行わなくちやならんということですから、今二十八年度は知りません。余ほど改善されておるだろうと思いますが、併しこのことについてはもう注意し過ぎるということはないんですから、一つ人員においても十分とは行かないまでも、今日よりは強化するという方向にやはり持つて行つて頂かないと、こういつたような実態が更に繰返されるんじやないかという憂えを私は持つわけであります。これは私は希望になりますけれども、これは運輸省だけのことでなく、日本の官庁くらい、こういう方面に大福帳式な観念を以て監督行政をやつておるということは、これはまだ日本の行政そのものが確立されていないというふうに、酷評かも知れませんけれども、そういうふうに言わざるを得ない。運輸省として独自のそういう案を持つくらいに一つ研究して頂いて他の官庁にモデルを示すように御努力を願いたい。希望を申上げておきます。
  31. 小林亦治

    ○委員長(小林亦治君) 会計検査院のほうから御説明があつたかも知れませんが、この八百三十九の場合事情止むを得ず他に流用したという場合は、原則として手直しをやらせるのか、或いはこういつた場合はそれは止むを得ないんだというので勘弁する場合が多いのか、具体的にいろいろな場合がそれぞれあるでしようが、原則としてどういうものでしようか。ほかに流用したという場合に、勘弁する場合が多いのか、或いは手直し或いは償還させるとか、どういう方法を原則としておとりになつているかお伺いしたいと思います。
  32. 小峰保榮

    ○説明員(小峰保榮君) これもその一つでありますが、国が直轄でやる工事、補助工事ではなくて、国が直接に請負に出したり、或いは直営でやる工事は相当各省とも多いのであります。建設省もたくさんございます。農林省、運輸省も相当にあるわけであります。本件の場合に他に流用したという事案ではございません。これは九十七万五千円で請負に出しましたところが、出来高検査をして見ますと九十七万円相当のものができておらんので、十五万円足りなかつた、こういう事案であります。いわゆる出来高不足と言つておりますが、これは各省を通じて相当多いのでありまして、こういう場合に大体私どもとしては、もうこれは設計通りにできておりませんから、完全に不完全な工事であります。設計通りに手直しをする、手直しを請負人の負担においてさせるという方向に原則として進むのであります。工事によりましては、こういうことをしておきますと又すぐにこわれてしまう、たいした大災害でない場合でもこわれてしまう。こういう例が多いのでありまして補助工事なんかはこの種のものが相当多いのでありますが、こういうものは原則としてがつちりしたものに作り直させる。設計通りに作ればしつかりしたものができるのであります。本件の場合も初めはその方向で行つたのでありますが、本件の場合は手直しというものが非常にむずかしいので、この手直しはコンクリートの工事になりますと、又こわして作り直すというようなことも相当多いのでありまして、実際問題としてやりにくい。補強もむずかしいというのが多いのでありますが、本件の場合も請負人から十五万円返させるというような方向にお進みになつたのであります。手直しできないものにつきましては、請負人から返させるというような方法をとるのでありまして、請負人としてはまあ不当に利益しているのでありますから返させるという方向に行つたのでありますが、どういう関係かむずかしくなつたようであります。本件については、そのままこういうことになつているのでありまして、支出担当官なり、支出官の責任ということになるのでありますが、これはその後に恩赦の関係も出まして、まあ責任を追及しないというようなことになりまして、本件については実はそのままになつている、こういうものは比較的少ないのでありまして、なんとか手直しをさせるなり、返させるという方向でおさまるのが一般の例であります。
  33. 小林亦治

    ○委員長(小林亦治君) 岡田海運局長が見えましたが、平林委員から何か御発言があつたようですが、もう一遍御発言願いたいと思います。
  34. 平林太一

    ○平林太一君 今海運局長の岡田君が御出席でありますので、先刻この決算の審議に関連して、運輸省政府委員に対する御答弁を求めておきましたが、これはあとにいたしまして、今岡田君が御出席になられたという委員長からの御注意がありましたので、第一に岡田君にお伺いをいたしたいと思います。これは当然同君の御出席に相成つたにつきましては、定めし御用意があつて御出席に相成つたことと、これは察することができます。私のほうから申すまでもなく、岡田君から自発的に今回の同君の所管に属する融資特別措置法に基く外航船舶に対する国の補助金及び金利補給の問題、そういうことを中心にして、現在大臣官房の官房長である壷井君がすでに起訴せられておる。いわゆる官紀の弛緩、紊乱というか、その極に達したくらいな事態が発生したのでありまして、当委員会の性格といたしましては、今発生をいたしておりまするあのような事件、官房長があのような事態に立ち至つたということに対しては、当面の問題に対して詳細な説明を求めることは、当然我々のほうからいたしまするというと、これは表てに現われない、つまり潜在せるものが運輸省の内部にもうもうとしてたちこめているのではないか、だからこの際岡田君としては、真は真として、いわゆる残る疑惑を納得の行くような、この際詳細なる御説明が極めて必要だと思います。これに対しましては、前言にも申上げるように、定めし御用意があつて来られたことと思いますから、私順次究明をして行きたいと思いますが、とりあえずそういう感覚の上に立ちまして、極めて穏やかなことで、これはよろしいのでありますから、詳細なる経緯、経過についての御答弁を、この際、答弁というよりも、みずから開陳して、そしてこの事態の明白を期せられたい、かように考えますので、そういうお考えの下に一つ御説明を承わりたいと思います。
  35. 植竹春彦

    ○植竹春彦君 ちよつと議事進行に関して……。速記をとめて下さい。
  36. 小林亦治

    ○委員長(小林亦治君) 速記をとめて    〔速記中止〕
  37. 小林亦治

    ○委員長(小林亦治君) 速記をつけて。
  38. 岡田修一

    ○政府委員(岡田修一君) 只今のお尋ねと申しますか、御要求は、運輸省でやつている計画造船の今までのやり方、並びに利子補給及び損失補償法の成立の経緯及び最近のいろいろな問題の発生の内容、こういうことをお尋ねかと存ずるのでございますが、かようでございますか。只今申上げましたような事柄を申述べればいいのでございましようか。
  39. 小林亦治

    ○委員長(小林亦治君) つまり私が承知しておるところは、平林委員の御質問は、今回の造船融資については個々具体的にたくさんの質問があるが、先ず海運局長として当面今問題になつておるのだから、自発的に現在の状態を明らかにして説明を願いたい、こういう御要求のように聞いていますので、あなたもこだわらずに、現在の状態だけで結構ですから、これを述べて頂けば平林委員も御満足だろうと思う。なお、その御説明によつては平林委員或いは他の委員から具体的に質問があるでしよう。これは又別の問題なんです。
  40. 岡田修一

    ○政府委員(岡田修一君) 只今起つておりまする問題を御説明申上げまする前に、簡単に計画造船の今までのいきさつ、それから利子補給、それからなぜああいうものが成立したかということを簡単に述べさせて頂きたいと思います。  戦争が終りまして、御承知の通り日本海運は殆んど潰滅状態になつてしまつたのであります。これに対してGHQとしては当初外航船の建造を許しませんで、主として国内船、国内航路に使うものを目的とした船の建造を許したのであります。これが昭和二十三年度であります。その間にこれを一次から四次までの四回の計画に分けております。それからその当時は船舶公団というものがございまして、船舶公団と船主の間で共有の関係で船を造つたのでございます。それが二十四年度になりまして、外航船の建造を見返資金を以て融資して作るということをGHQのほうでも認めることになりました。これがいわゆる五次船。二十四年度から今年度までいわゆる、五次、六次、七次、八次、九次というふうに、今日まで計画を進めて来ております。それで大体百九十八隻、トン数にいたしますと百五十四万総トン余りのものを計画して建造し、又建造中でございます。  その建造の方法といたしましては、五次、六次、七次、これは大体見返資金を五割、あとの五割は市中銀行から貸付ける。八次になりまして見返資金を貨物船については四割、油槽船についてはたしか三割というふうにいたしたかと思いますが、残余は市中銀行から調達する。二十八年度になりまして海運事業が非常に悪くなりまして、又海運会社の経理状況も非常に悪くなつて参りましたので、財政資金を七割というふうにいたして、更に市中融資の一分につきましては三分八厘の利子補給をする。大体市中から融資を受けましたものの利率が七分五厘になるようにその差額の三分八厘を利子補給する、これに対しまして、毎回とも船会社の申込みが建造予定よりも非常に多いのであります。従いましてその非常に多い申込みの中から、如何にして適格船主を選ぶかということにつきまして、毎回私どもも心を砕きまして、その当時における最善と考える方法をとつて参りました。  即ち五次におきましては、関係の幹部、私ども、それから海運業者、こういうものだけでなしに、船舶運営会の理事長或いは船舶公団の総裁、復金の理事或いは当時経済安定本部がありましたが、それの交通局長という人たちも委員になつて頂きまして、約十五、六人の委員で、各船会社の実情によつて記名で採決をする。それで一定の点数以上のものは無条件に建造を認める、それ以外のものは抽選できめる、こういうことで運輸省独断で船主を選考するという方法を避けて、他から批判の余地のないような方法をとるというので、そういう方法をとつたわけであります。勿論これに対しましてもいい面と悪い面とありまして、相当改善する余地があつたかと存ずるのでありますが、一応そういう方法をとつたわけであります。  それから六次船になりまして、これは二回に分けて造つております。その六次船の最初のほうは、これは銀行のほうで船主を選んだというふうに考えて頂いていいと思いますが、私どもの建造予定が二十二、三万トンでございましたが、それに対しまして銀行が融資の約束をした船会社は、そのうちの十五、六万トンに相当するものでございます。従いまして市中銀行が融資の約束をした船会社は全部適格船主として認める、いわゆる銀行船を造るというので私どもも非難されたような次第でございますが、市中銀行が船主を選んだという恰好に相成ります。  その次は運輸省で選ぶわけですが、第五次の折にやりました新造船主適格審査委員会、こういうものはGHQの指令で、そういう委員会の活用を禁止されたわけです。従いまして運輸省自体でやらざるを得ない。そこで私どものとりました方法は、いわゆる聴聞会制度でございます。一般の人に聞いている前で、申込船会社の責任者を呼びまして、そうして船会社の申込の事情、それから船会社の内情、こういうものを詳細に聞くわけです。その聴聞の聴に当りますものも、私ども直接船会社に関係しているものではそこに偏見が入る。従つて船会社にあまり関係のない運輸省の官吏が当るというので、当時の官房長或いは官房の課長、船舶局の課長、こういうものをして聴聞に当らしめた。そうしてその聴聞の結果を、運輸大臣の前で、政務次官、事務次官それから私ども関係の局長、課長も出席いたしまして、その前で会議してきめるという方法をとりました。これが六次の後期と、七次の前期におきましても同様の方法をとつております。  ところが七次の後期になりまして、只今申しました聴聞会の方式にもいろいろ考える余地がある。且つ又公衆の面前で船会社の役員にいろいろ事情を聞くということが、船会社のほうからもいろいろの異議が出た。そこでとりました方法が造船合理化審議会、これは関係各省の次官、それに銀行筋、それから造船業者、海運業者、中立的な有識経験者、こういうものを以て構成されておりますが、この造船合理化審議会で、如何にして船主を選ぶべきかこいうその選考基準をきめてもらいまして、その選考基準によつて運輸省が選ぶという方法をとつたわけであります。運輸省が選ぶ方法は、同様大臣の前で関係の局長、課長以上皆出席しまして、そこで十分討議してきめるという方法をとつております。  それから二十七年度、いわゆる八次船におきましては、単に造船合理化審議会で基準をきめてもらうだけではなしに、造船合理化審議会の決定として、船主選考委員会という運輸省以外の者を選考委員に選んでそこできめてもらうということを私どもは提案した次第であります。ところがそういう委員会で決定するということにつきましてはいろいろの議論がありました。いわゆる海運、造船に明るい人は船主並びに造船所の紐付きで、紐付きでない人は海運、造船に全然暗い、むしろ運輸省自体で選ぶべきである、こういう意見さえ出たのでございますが、私どもとしては是非民間の委員で御決定を願うか、さもなくば諮問委員会で結構だからそういうものをおいて、その前できめるような措置をとるように願いたい、こういうことを造船合理化審議会に強く提案いたしまして、そこでそういう方法がとられたのであります。従いまして我々のほうでは造船合理化審議会で基準決定をして頂くと同時に、その基準の適用については、只今申しましたような民間の人たちを諮問委員として、その諮問委員の前で各船会社を評価して決定する、こういう方法をとつております。そのときの委員は、経団連の会長の石川一郎さん、銀行協会の会長佐藤喜一郎さん、第一銀行頭取の酒井さん、或いは村田省蔵さんも委員になつておつたと思います。それから元の復金理事長の工藤昭四郎さん、それから造船工業会の会長、船主協会の会長も入つております。船に経験があり、或いはつながりは持つているけれども、色のついていないという人を諮問委員に選んでおります。それから二十八年度になりまして、これは開発銀行から財政資金は融資するということになりました。従いまして私どもは開発銀行の、銀行としての自主性を尊重しなければならん。従つて只今申上げましたような諮問委員会はそこに活用できなくなつた。そこで私どもと開発銀行のやり方は、これは二十八年度の船も二回に分けて作りましたが、最初のほうは、私どものほうで海運、造船政策の面から見て非常に大きな枠、例えば十二隻の船を作るのに対しまして、私どものほうはたしか二十五社以上を推薦したと思いますが、海運、造船政策の面から見て非常に大きな枠で船主を選んでこれを開銀に推薦する、開銀はそれを開銀の銀行的感覚からして、資産、信用力を重点において決定するという方法をとりました。  それから九次の後期でございます。これにつきましては当初のやり方では、海運政策、造船政策の面がややぼけておる、もう少し海運政策、造船政策の面を後期においては強く打出す必要があるというので、今度は運輸省では海運政策、造船政策の面から船主を選ぶ、開銀は融資の観点から船主を選ぶ、それを持寄つて相共に協議して決定するという方法を講じて来たのでございます。  で、只今申しましたように私どもとしては如何なる方法をとろうとも、誰かが責任をとつてこれをきめなければならん、併し責任をとつてきめる場合に、これを一定の物差で測つてきちんときめられるものならいざ知らず、そうでない限り必ずそこに疑惑の目を以て見られるということを私どもは十分承知し、恐れて来ておるわけですが、従いまして私どもとしては、私どもの考える限りの最善の方法をとつて来た、かように私どもは考えております。  それから利子補給の点でございますが、利子補給、損失補償という制度は、戦前においても日本で設けておつた制度で、利子補給はたしか昭和五年頃からやつております。で、昭和十四年にこれは法律といたしまして、利子補給並びに損失補償法というので、ずつと終戦のときまでやつて来て、法律としては終戦後も残つておりましたが、実際は終戦と同時にその制度は停止された。ところがこの日本の海運界は、朝鮮事変において多少のブームを受けましたが、そのブームのときには持船というものは非常に少なかつた。従つてそれによる恩恵というものは非常に少い。然るにそのブームも一年或いは一年半余りで急激に悪くなつた。例えば北米の小麦運賃にしましても、一時は十五ドルから十六ドルしたものが七ドル以下に下つた。タンカー運賃にしても日本の運賃が十六ドルか十七ドルしましたものが、これ又七ドル以下に下つたというふうな急落振りでございます。こういう状況下において日本としてなお船舶を復興して行かなければならんというふうにいたしました場合に、これに対して市中融資というものを如何にしてつけるかという点が一つの問題、もう一つは日本海運として対外的な競争をいたしまする場合に、そういうふうな市況下において非常に高い、これは一総トンについて金利だけ比較いたしますと、約ニドル余り日本船のほうが高いということになるが、こういう高い金利を以て外国船との競争は到底できない。従つて金利だけでも外国船に近い金利のところまで持つて行こうじやないか。で、外国の船は、これは終戦当時英米にしましても、その他の海運にいたしましても、終戦当時相当の船を持つておる。で、その終戦当時相当の船を持つておりますと、終戦当時の海運のブームというものは相当なものだつた。そのときにうんと儲けておる。それが暫らくして不況が来ましたが再び朝鮮事変のブームによつてうんと儲けた。而もそれに対しまして、英国あたりは、そういう利益が挙りました場合には、一年間に四五%という償却を認めておる。或いは戦争中に失いました船に対して二億六千万ポンドの補償をするというふうな助成をしておる。又アメリカにおきましては、御承知のように自国と外国との労金の差額を航路補助という形で出しておる、或いは船舶の建造補助という形で出しておる。更に又軍需品の輸送或いは対外援助物資につきましては、一般の市価に対して倍になるぐらいの運賃を払つて助成をしておるわけです。それに対しまして日本の海運は、先ほど申しましたように、終戦当時の、外航船を作り始めました当時の外航船が僅か十二万総トン、これを如何にして外国並みにすると言いますか、再建するかということにつきましては、戦時補償として得ました二十五億の、当時の二十五億の金は、今日におきましては約五千億、その金を打切られてしまつておるんです。全部これを借入金で賄わなければならん。そこで先ほど申しましたように財政資金、これは七分五厘でございます、当初、それから市中金利、これは大体一割一分、こういう高金利の金で全部賄わなければならん。そこに外国船と日本船の間に金利だけでも一総トン当りニドル近くの差がある、そういう状況でございます。  この競争力を強化するため、もう一つはこれ又触れましたように、今後の新造に対して、不況にもかかわらず市中からの融資を確保するというために、どうしてもこの利子補給制度というものは必要である。そこで私ども当初提案いたしましたのが昭和二十八年の法律第一号として成立いたしました外航船舶建造融資利子補給法でございます。その目的は、大体市中融資一割一分、或いは一般の市中はもう少し安いんですが、これが大体七分五厘になるように、その差の三分八厘余を補給する、こういうこと。当時の私どもが土台といたしましたその市況、これは大体昭和二十七年の上期の市況です。この市況を土台として考えたのでございます。併しその二十七年の下期におきましてその市況というものはもつと悪化した。そうして一般的な見通しは、これは到底回復する見込なし、そういう状況でございました。併し一応そういう見通しの下に大蔵省と折衝をし、そうして成立したのがこの利子補給法でございます。当時損失補償法を運輸省は提案をしたのであります。併し大蔵省としては海運については損失保償法というのを考える、但し若しこれを海運に許すならばほかの産業も同様のことを要請するであろうということでもう少し考慮しようじやないかということで、一国会延ばした。そこで次に私どもとしてはその次の国会にそれを提案すべく大蔵省と話を付けておつたのですが、それが国会の都合でそのときには提案にならずに、昨年の夏の臨時国会に般舶建造融資利子補給法の改正案といたしまして損失補償制度を付加えて出したわけですが、その改正案に対しまして三党修正で、開発銀行の金利が三分五厘、それから市中融資がこれが五分になるように六分の利子補給をする、こういう修正案が出されまして、この三党で御修正になつた御趣意も、私が只今申上げましたように、日本海運の対外競争力を強化するという面において、少くとも金利だけでも外国海運並みのところへ持つて行くという趣旨からそういう御改正があつたことと、かように了承いたす次第でございます。  で、今度は最近の問題でございますが、お説の通り壷井官房長がとつつかまつております。起訴になつております。その詳しい内容は私ども知りません。併し壷井官房長の私どもの計画造船における役割は、何と言いますか、大臣の一般的な補佐役として大臣の前で会議をする場合に出ております。併し計画造船についての資料の調製或いは構想の建て方、そういうものは私ども海運局の者と船舶局の者で協議いたしまして、そうしてそれを大臣、次官の前で相談をしてきめておるものでございます。壷井君がこれにどの程度に関与したか私は存じません。  その他の問題、例えば船会社のリベートの問題、これは私ども財政資金を使つて船を作り始めました当時から、いやしくも戦前において一部噂があつた。戦前におきましては、これは自分の金で、或いは自分が銀行から資金を調達して来て船を作つておつたわけです。全部じやございませんが、一部の個人会社的な色彩の強いところにおきましてはリベートと称するものが行われておつたようでございますが、これが商慣習であつたかどうかは私は存じませんが、一部にそういうものがあつたと私は聞いております。従いまして、いやしくも財政資金を以て船を作るようになつてからは、そういうリベートのようなものが絶対にあつてはならんということで、更に忠告して参つたのでありますが、従いまして私ども今日までそういうリベートのごときものがあつたとは信じてなかつたのでございます。これは検察当局の手によつて明らかになりましようが、私どもは今日の事態が起るまてそういう事実が行われておるとは考えておりませんでした。以上でございます。
  41. 平林太一

    ○平林太一君 次に船舶局長甘利君から只今岡田君のお話になりましたことに対して補足した詳細な御説明を一つ願いたい。
  42. 甘利昂一

    ○政府委員(甘利昂一君) 船主の選考或いはいろいろな新造船の計画については、先ほど海運局長が長々と述べましたので、私からは重複して御説明は申上げません。ただ船主選考の場合に船舶局がどういうふうな役割をしておるかというようなことを簡単に申上げたいと思います。  私の局は本来がこういう船主選考とか或いはそういうふうな仕事をするのではなくして、大体が技術者の集りでありますので、船の安全のための検査、これは国際法に基いて安全法という法律を制定し、それにそのほかのいろいろな省令或いは政令を以ていろいろな細かい技術規定をしておりますので、これらに基く検査、それから船のトン数、我々測度と申しておりますが、これを測定することをやつておりす。これもやはり国際法に基づきまして、いろいろ国際的の測り方がきわめてありますので、その詳細を又各国の国情に応じたような法律に直しまして、これをもとにしていろいろ船のトン数を測つております。いろいろな船に対する公租公課、或いはその他の港の碇泊料或いはその他の料金が大体このトン数をもとにしていろいろ考えられますので、トン数の測定については特に厳密なる企画と、その道の専門家を用いまして厳重なるトン数の測定をやつておるわけであります。これらが主体の仕事でありまして、いろいろそのほかに一般に造船業の監督指導、特に技術の面における監督指導という面を掌つております。従つてこういう面におきまして計画造船において、我々として、主として造船所のいろいろな技術的の資料その他をもとにして援助をしておるわけであります。  特に御承知のように、日本の造船所の大きなものが大体中小都市にありますので、その造船所の船の注文があるかないかということは、単にその造船所とかその工員の生活に非常に脅威を及ぼすのみならず、その都市の社会問題にも非常な大きな影響があるわけで、造船所の選定については、やはり選考委員会で皆さんのご意見を聞いてみますと、相当やはりそういう面も考慮しなければならんというふうなことがよく言われております。併し従来の合理化審議会において諮問に答えられた答申案を見ますと、大体本来この金は船主に貸す金であるから、造船所の救済事業その他社会事業として出す金ではない。従つて船主を主体にしておりますが、ただ造船所のほうも、今申上げたように、いろいろ社会問題もありますが、或いは日本の造船技術温存或いは向上という面も考えられますので、従的に考えられるというふうなことが主として従来の答申案には載つております。ただ昨年やりました第九次の後期におきましては、答申の中の文句として、船主事情を主とし、造船所事情を従とするという文句を省かれておりまして、ただ造船所のいろいろな事情を併せて考慮するというふうな文句で書かれております。従つて表面の文句はともかく、実際問題としては従来の経緯から申しましても、或いは先ほど私が申上げましたように、船主に貸す金でありますから、造船所の事情が主として考慮されることはありませんが、ただ船主事情でいろいろな面から考慮した場合に、なかなか優劣がつきにくいというふうな場合があります。その場合には、一体この船主の選んだ相手の造船所のいろいろな技術の水準はどうであるか、或いはその設備能力はどうであるか、特に造船設備は我々過剰とは思つておりませんが、相当余力があるというふうに考えておりますので、特にその船を作るために二重投資の設備をするようなことは避けたいという見地から設備の状況、或いはそこの工員のアイドルの状況その他いろいろなそういう面を数字的に作りまして、それをこういう事情になつておるというふうにその際に話しまして、場合によつてそれを一緒に考慮して総合的にきめるというふうな方法をとつて参つております。  又一方我々としましては、一番船を作ります場合に問題になります船価の問題であります。これは今の現行法の下では、我々が船価の査定をしたり、承認或いは許可する、そういうことはやりませんので、できるだけ内地のいろいろな資料或いは外国の資料等を取りまして、又一方いろいろな技衆委員会で、大体この頃どういう船が一総トン当りどのくらいの工数がかかるか、或いは一馬力のエンジンを作るのにどのくらいの工数がかかるかというような、技術的な資料を持つておりますので、それらをもとにいたしまして、我我は一応目標船価、ねしろこれは造む工業会あたりで見積を推定価はいつも非常に低い線であります。従つて我々としては国際競争場において日本の船がちよつと外国船と太刀打ちするためには、少くともこのくらいの船価であるべきだというふうな一種の目標推定船価を立てまして、こそれを公表いたしております。従つて実際船主と造船所の間において行われる契約船価はこれとは違つておりますが、ただこういうふうな目標船価を出しておりますので、自然これに大体近いような数字が従来とられております。特に九次の後期におきましては、市中銀行に対しても相当の利子補給をするということになりましたので、又併せてその利子補給法の一部に、船の仕様、設計等について勧告をすることができるという条文が入つておりますので、九次の後期においては相当我々からも、こういう設備は要らないのじやないか、或いはこういうものはこういうふうにできるのじやないかというふうな勧告をいたしまして、特に船価を低くしております。従つて九次の後期については、当初我々が推定しました船価がたしか一総トン当り十三万二千円か三千円だと思いますが、実際最後にできた船価は、契約した船価は大体平均しまして十二万一千円、非常に低くなつております。ただ今申上げましたように、我々は船価の承認或いは許可制をとつておりません。又造船所のいろいろな経理監査その他をする権限もありませんので、できるだけの資料でこういう推定船価を作つております。  従つてまあ今度のようないろいろ問題が起りまして、運輸省の船価の査定が甘いのが原因じやないかというふうなことを言われますが、我々としては決して船価は甘くない、又一方この船価で我々は外国に相当輸出をしておるのでありますから、国際船価から見ても決してこの船価が甘いとは思つておりません。ですからリベートの問題は船価の高いとか低いというより、むしろ業者の道義心の問題じやないかと思つております。先ほど海運局長が話しましたように、そういう噂をよく聞きますから、我々としても絶えず業界に対して口頭ではありますが、そういうことのないようにということをたびたび注意はいたしております。以上私の説明であります。
  43. 平林太一

    ○平林太一君 今海運局長、船舶局長の両君から事務的な御説明がありましたので、その点私も了承いたします。併しながら、今お話になりましたような御説明であれば、今回のようなこの事件はこれは発生しないことが常識であり、当然であるわけなんです。ところがこれをこのような事態が発生したということは、今やはり御説明に相成りましたこととは、実際に行われておるところの運輸省における行政行為というもの、例えば船舶の計画造船による最終的な決定、それから利子補給の問題に対しても同様でありまして、更に二十八年度においては開銀との関係、こういうものが、そこに今御説明になりましたものが歪曲された、外部から歪曲されたか、或いは今御説明の当事者である運輸省内においてこれを歪曲したか、これはいずれかによつてこういう問題が出て来たことであります。でありますから極めて本件はその真相を十分に首尾両端をよく徹底して究明しなければならない事態でありますので、それにつきましても両君の御出席を求めることは当然でありまするが、当該の運輸大臣石井君の出席を求めて、私はその機会において今の御説明に対することを一応参考として質疑をいたしたいと思いますので、本日は私といたしましてはこの程度にいたしておきます。
  44. 小林亦治

    ○委員長(小林亦治君) ではお諮りいたしますが、只今平林委員が御留保になつた点と二十六年度決算、運輸省の部の批難事項については、補助金関係のものを除いて質疑はこれで一応終了したものと認めて御異議ございませんか。
  45. 永岡光治

    ○永岡光治君 ちよつと待つて下さいどういうことですか、よくわかりませんが、今の平林さんが船舶局長及び海運局長からいろいろ説明を聞いたのでありますが、その説明の中で大分私たちが聞いてみたいことがあるわけでありますが、その問題は今日はやらないのですか。
  46. 小林亦治

    ○委員長(小林亦治君) ですから本日の留保になつた問題は本件の問題なんです。これを残しまして、先ほど審議が終つておりますので、補助金に関する分を除いて二十六年度の運輸省の分はこれで一応質疑を終つたことになりますので、先ずその点を明確にしておいて、次回に平林君のお求めになる運輸大臣をお招きして、この問題について質疑を展開したいと思いますので、今そのようにお諮りしたんです。よろしうございますか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  47. 小林亦治

    ○委員長(小林亦治君) では御異議ないものと認めます。  本日はこれで散会いたします。    午後三時四十八分散会