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1954-04-10 第19回国会 参議院 外務委員会 19号 公式Web版

  1. 昭和二十九年四月十日(土曜日)    午前十時五十六分開会   ―――――――――――――  出席者は左の通り。    委員長     佐藤 尚武君    理事            團  伊能君            佐多 忠隆君    委員            鹿島守之助君            西郷吉之助君            杉原 荒太君            梶原 茂嘉君            羽生 三七君   政府委員    外務政務次官  小滝  彬君    外務省経済局長    心得      小田部謙一君   事務局側    常任委員会専門    員       神田襄太郎君   ―――――――――――――   本日の会議に付した事件 ○国際砂糖協定の批准について承認を  求めるの件(内閣提出、衆議院送  付)   ―――――――――――――
  2. 佐藤尚武

    ○委員長(佐藤尚武君) 只今より外務委員会を開きます。  議題は国際砂糖協定の批准について承認を求めるの件を議題といたします。質疑のあるかたは順次発言をお願いいたします。
  3. 梶原茂嘉

    ○梶原茂嘉君 私昨日出なかつたのでありますが、若し私の質問で昨日すでに答が出ておりますれば、それで結構なのでありますが、そういう意味で質問したいと思います。  この協定に加盟しておりまする輸出国、それから輸入国、それぞれの自由市場に対する量において占めている割合と申しますか、ウエイトと申しますか、加盟府が全部の輸出国、輸入国が入つておるわけではないわけですか、入つておるものだけで砂糖の動きの中でどれほどのウエイトを占めておるか、お開きしたい。
  4. 小田部謙一

    ○政府委員(小田部謙一君) 砂糖の輸出量は一年間で大体千三百万トンくらいに予想されておりますが、そのうちでこの国際砂糖協定の輸出国の占めております率は、この協定の第何条かに基準輸出量というものが出ておりますが、それによりますと五百三十九万トンとなつております。そのうちでインドネシアとかペルーとかいう国が入る前提になつておりましたために、今年それが減りましたものですから約百万トンくらい基準輸出量が減つております。それでございますから、その千三百万トンから約四百万トンを引きました残りというものが、大体輸出をしている国のその他の国ということになります。それから輸入の国のほうで比較してみますと、実は砂糖理事会が十二月にございましたときに、主要輸入国の自由市場よりの輸入見込量というのを策定いたしましたが、それによりますと、大体今年度の砂糖の輸入量というのは約四百万トン近所を予定しております。それで輸出した額というものに匹敵する大体千三百万トン、数においては輸出輸入では統計の関係で差が出て来ておりますが、それを引いた残りというものがこの砂糖協定から外に出ておるとこういうことになります。大体四百万トンのものが砂糖協定の枠内で動くものであり、それ以外がその他のものである、こういうふうになります。
  5. 梶原茂嘉

    ○梶原茂嘉君 そうしますと、大ざつぱに言つて、大体三分の一見当がこの協定によつて規制といいますか支配を受ける。半分以上が協定外で自由に動く、こういうふうに観念していいわけですね。
  6. 小田部謙一

    ○政府委員(小田部謙一君) そうでございます。
  7. 梶原茂嘉

    ○梶原茂嘉君 この協定の狙いといいますか本当の目的がどこにあるかということでありますが、大体これまで砂糖の需給というものはこちらかといえば供給他のほうが過剰の気味があつたかと思うのであります、戦後の特別の事情は別としまして。従つてこの協定の目的は砂糖の供給の過剰対策といいますか、過剰に対する対策を狙いにしていると、こういうふうにみていいのかどうか。
  8. 佐藤尚武

    ○委員長(佐藤尚武君) この協定の目的、効果等について昨日意見の交換がございました。併し今の梶原委員の御質問は別の方面からそれを聞いておられるように思いますので小田部局長どうぞ。
  9. 梶原茂嘉

    ○梶原茂嘉君 すでに答弁されておりますれば、答弁したということをお答え頂ければそれで結構でございます。
  10. 佐藤尚武

    ○委員長(佐藤尚武君) 簡単に御説明を。
  11. 小田部謙一

    ○政府委員(小田部謙一君) 主として輸出国にとりましては生産過剰対策でございますが、ただ我が国のような輸入国にとりましては、そういうふうな生産国の輸出カルテルができるという中に、輸入国として相当な発言権を持つてそうして輸出カルテルが思うように値段をつり上げたり何かするのを防ごうという意味でございます。
  12. 梶原茂嘉

    ○梶原茂嘉君 それから最低最高の価格の制約がありますけれども、あれは少麦協定あたりと違つて、あれを何といいますか守つて行く義務は協定上はあるのですか、ないのですか。小麦協定は一応あの枠内でやらなくてはいかんように理解しておるのですけれども、砂糖に弱しては一応最低、最高の線を出して、それを守らなくちやならないという義務はないように理解していいのですか。
  13. 小滝彬

    ○政府委員(小滝彬君) 私補足して申します。先ほど小田部局長から申しました五百万トンというのは、ちよつと私語のような形で御注意申上げましたが、自由市場における需給関係を言つておるのでありまして、勿論全体の千三百万トンに比べれば、それは三分の一のように響きますけれども、例えばアメリカ域内において特恵関係などで動く砂糖、及び英連邦間のものというものは、それら特殊のブロック間における約束によつて動かすことができないものでありまするから、普通の自由市場へ出る砂糖としては、その大部分がこの協定によつて今申しましたように入らないものが一、二ございまするけれども、大部分がこの協定の支配下に入るということになるわけであります。  それから値段の点は小麦と違いまして、はつきりこれというようにはきまつておりません。ニユーヨーク市場における最高が四セント三五、最低が三セント二五という線の間で価格が落ち着くようにあらかじめ前の年に需要量を理事会で策定いたしまして、そうして生産をその限度にとどめる、但しストツクとして一定量を持つ規定もございまするけれども、そういうようにして価格をこの最高最低の間に支持し得るようなところへ生産を制限し、そうして輸出品をそれによつて規制するという考え方でこの協定ができておる次第でございます。
  14. 梶原茂嘉

    ○梶原茂嘉君 輸入国として砂糖に関する統制とか或いは砂糖消費税等に関する一つの制約があるようでありますけれども、あの制約はどの程度の効力といいますか、意味合いを持つておるのでしようか。
  15. 小滝彬

    ○政府委員(小滝彬君) これも会議中にいろいろ論じられまして、日本の代表も発言いたしております。そうしてそれによつて相当緩和された書きぶわになつておることは御覧の通りであります。結局道義的な制限しかないのであるということであります。殊に日本のてんさい糖のごときはこれは殆んどネグリジブルなのであつて、こういうものは問題になりません。それから各国の例を見ましても、相当保護的な政策をとつておる国もあるようでありまして、これは飽くまで道徳的な規定であるということも公式の議事録に出ておるのでありましてよほど法律的な拘束力というものは薄いもののように会議中においても論じられて来ておる次第でございます。
  16. 梶原茂嘉

    ○梶原茂嘉君 通貨の窮乏に関する措置が一覧設けられておるのでありますけれども、今後日本の外貨の保有高が相当減少していつたような場合に、あの条項を何らか活用し得る日本としての可能性があるのでしようか、どうでしようか。
  17. 小滝彬

    ○政府委員(小滝彬君) この第十一章の規定でお説のように国際通貨基金と相談してそういうこともできますし、日本のほうは又第七条の一項の二に、これは日本の主張によつて附加えました規定でございまして、この規定も援用することができるということになるわけであります。
  18. 佐多忠隆

    ○佐多忠隆君 一九五三年のロンドンの国際砂糖会議に日本が出た場合には、やはりオブザーバーとして出られたのですか。
  19. 小滝彬

    ○政府委員(小滝彬君) その通りであります。
  20. 佐多忠隆

    ○佐多忠隆君 一九五二年以来オブザーバーを派遣しておるというふうに説明されていますが、今も依然としてオブザーバーで正式なメンバーになる資格はないのかどうか。或いは正式なメンバーになるのにはどういう資格を必要とするのか、その辺の事情はどうなつておりますか。
  21. 小滝彬

    ○政府委員(小滝彬君) 今申しましたことを補足しますと、実はこの協定締結のためには正式の代表として加わつたわけであります。それから昨年の十二月にございました会議にはまだ日本が批准しておりませんから、あの理事会には日本はオブザーバーとして出席しているという関係になつております。
  22. 佐多忠隆

    ○佐多忠隆君 そうして批准後は正式なメンバーになるわけですか。
  23. 小滝彬

    ○政府委員(小滝彬君) 批准後は日本は理事国でも予定せられておりますので、当然正式に参加するわけであります。
  24. 佐多忠隆

    ○佐多忠隆君 その別際砂糖会議に代表を遺派されたときには誰が代表になつて行かれたのか、それからその代表は日本側としてどういう意見を持つて行かれたのか、その意見はどの程度にこの協定の中に実現されておるのか、それらの点について御説明願います。
  25. 小田部謙一

    ○政府委員(小田部謙一君) 代表にはロンドンの大使館の一等書記官中山書記官が出席をいたしました。それから我が方の主張として本省の訓令によつて先ず挿入されましたところは第七条の第一項の第二でございます。これは当時はインドネシア及び台湾政府が果して砂糖協定に入るかどうかわからない。そうして我が方といたしましては砂糖をキユーバから相当入れておりますが、そのほか台湾からも相当入れておりますし、又将来はインドネシアからも入れようと思つている。そうして殊にインドネシアの場合ですと、一九五一年、二年、三年の統計をとつてみますと、日本が将来入れようとするだけの砂糖の量が入らないというわけで、特に日本の主張によりまして第一項の二が入りまして、この一九五一年、二年、三年の年はこれを変更することができることになつております。この条項を実行いたしまして理事会が十二月の末に開かれましたときに、我が国はオブザーバーでございましたが出まして、一応インドネシアからは戦前の統計によりまして一年に十五万トンを買つているということがこれで認められたわけでございます。  それからもう一つ我が国が特に主張しました条項は、第五条におきまして各締約国が砂糖消費の増加促進のために適当と認める措置をとるということでございます。これは最初の文書によりますれば相当法律的な義務を負わせる、条約上の上種の義務を負わせるような形になつておるけれども、我が国といたしましては、課税上の政策とかその他と関連がありまして、これを法律上の義務というよりむしろ道徳上の普通の商品協定にあるような義務の形にしてもらいたいということを主張してもらいまして非常にこれは懇談をされまして、今小瀧政勃次官のお答えになつたように道徳的の義務を負わされたに過ぎなくなつておるのでございます。  それからもう一つ、我がほうが主張いたしましたのは、砂糖の最低、最高価段のところでございます。これは第二十条でございますか、これでは最低三セント二五、最高四セント三五になつております。当時砂糖の理事会がありまして、我が国が代表を送つて討議しておりました頃の砂糖のニユーヨーク相場というものは相当下つておりましたので、我が国といたしましてはこの最低価段を最高にしようということを強く主張したのでございます。ところがこの点に関しましてけ、アメリカのような国をとつてみますと、アメリカは自分は勿論輸入国でございますが、同時に輸出国としての利害関係も持つておる、御存じの通りアメリカは非常に高い値段を維持して買つておるわけでございます。そういうふうな関係もございまして、アメリカなどもこれに対して強く反対し、又英国代表も輸入国ではございますが、同時に英連邦諸国の中には輸出国の豪州、南阿を含んでおる、そういうような関係があつて、強く主張してこの点は通らなかつたわけでございます。  それで我が国といたしましても、大体におきまして砂糖の殖段という点を除きまして非締約国からのものも買うということに関しての了解も取付けましたし、それから又統制とか何とかによる制限も非常に強い制限でなくなつたということでございます。
  26. 佐多忠隆

    ○佐多忠隆君 その砂糖協定に対して日本側から代表を出され、日本側から代表が意見を持つてゆかれたわけですが、それらの点については、この条約の協定の承認を今求められているのですが、その前にそういう代表が出られたとき或いは日本側からどういう意見を述べるというような点を前に国会に御報告になつたことはあるのですか。
  27. 小滝彬

    ○政府委員(小滝彬君) 他のいろいろの条約の場合と同じように国会えへあらかじめ諮るということはいたしておりません。なお先ほど経済局長が申しました点を補足して申しまするならば、あの最低最高価格というのは最初は相当もつとあれよりも高くしようと輸出国のほうはいたしておりましたのを輸入国側の主張もいれて、四セント三五と三セント二五というところにまとまつたのでありまして、日本の主張通りには行かなかつたけれども、会議によつて輸入国側の主張も相当いれられているという点を御了承願いたいと考えます。
  28. 佐多忠隆

    ○佐多忠隆君 この協定に調印される前に国会に全部お諮りにならないのは今までの慣例だろうし、その点についても議論はあり意見もありますが、それは一応別として、少くともこういう会議があり、こういう協定を結ばなければならない事情になつており、それに対しては日本側は大体こういう意見を持つているというような程度のあらましの御報告なり何なりは国会であらかじめおやりになつたですか。
  29. 小滝彬

    ○政府委員(小滝彬君) 他の委員会において砂糖に関係のある通産省とか農林省関係へ質問が出て、その際において御説明申上げたというようなことは或いはあるかも知れませんが、外務省といたしまして説明いたしたことはこれまでなかつたと存じます。
  30. 佐多忠隆

    ○佐多忠隆君 そうしますとたまたま聞かれて、それに関連したこととしてお話になつただけで、この外務委員会に対してこういう会議があり、こういう代表を出し、そこではこういうことが問題になり、こういう意見を出すというようなことを外務省のほうから積極的に御報告なり御提示になつたことは全然ないということですね。
  31. 小滝彬

    ○政府委員(小滝彬君) その通りであります。尤も過日の本委員会において、私ちよつと申上げましたように、少くともこの会謎に参加するということは輸入国の立場を会議においてはつきりさせる上に意義があるのであつて、この点はどなたも御異論ないところだろうと存じます。但しこれに本当に参加するかしないかということについては、最終的な決定というものは極めて最近であつたということを御説明申上げたい、というのは、或いは参加国が少げれば成立しないかもわからないというような条約でありましたので、とにかく一応こうした会議に参加して日本側の立場を知らせておくということは意義がある、但しいよいよ本当に入るか入らないかということにつきましては、例えばアメリカが入らないということになれば、この砂糖協定も曾て私も参加しました一九三七年の条約と同じような運命になるかもわかりませんので、そうした政府としての意思決定は極めて最近であつたという点も一つ御考慮を願いたいと存じます。
  32. 佐多忠隆

    ○佐多忠隆君 従来こういう協定なり条約をお結びになつたときに、大体今のような態度で慣例的にやつて来られているのですが、従つて国会のほうでは非常にしつこく問題を提起し報告を求めなければなかなか中間的な報告なり事情を少くとも知らすということすらおやりになつてないのですが、今のお話しや態度が決定するのが非常に遅かつたのでというようなお話もあるけれども、態度はどうなるにしろ、とにかくこういう会議が開かれて而もそれには代表を出され、そしてそこにはいろいろなことが討議されるならば、やはりあらかじめあらましなり概要を外務委員会にもお話になり、御報告になり、外務委員会からの関心も高め、更にはそこからいろいろな意見も一応述べさせ聞いておくというようなことが協定なり条約を今後結んで行かれる、而もそれを国会にかけてきめるという態度の根本になるのじやないかと思うのですが、そういう点は態度を改められないで、従来通りでただきまつたときに最後にこれを押しつけるということを踏襲されるつもりか。もつとその辺は御考慮になる考えはないかどうか。更に希望的に言えば、或いはむしろ要求として言えば私が先に言つたような態度こそはおとりにならなければならない態度じやないかと思うのですが、その辺はどういうふうにお考えですか。
  33. 小滝彬

    ○政府委員(小滝彬君) 政府としては外交をとりはからつている責任機関として、これまでも重要問題につきましては、御承知のようにMSAの協定でありますとか或いは賠償交渉なども随時御報告申上げております。でありますから重要性に応じてあらかじめ大体の経過を御報告することもこれまでもあつたところでありまして、条約交渉であるから全部でき上つてから憲法の規定によつて承認を求めるというやり方を固執するものではございません。問題によるわけでありますし、又場合によりましては非常に国際的に秘密であつて、国会の会議において内容を全部申上げることかよろしくないような問題もありまするから、問題の性質によるわけでありまして、これまでも重要な賠償とかMSAの交渉について仕御報告しておるようなわけであります。その場合によつて政府として考えなければならないと考えます。
  34. 佐多忠隆

    ○佐多忠隆君 これまで中間報告的に御報告になつたものは、今お挙げになつたように賠償の問題であるとか、或いはMSA協定の問題であるとか、これは国会のほうで非常にやかましく問題に取上げ請求して、口をすぱくたびたびやつて漸くあとになつて何か言いのがれ程度の簡単な事務報告みたいなものをやつておられるのが今までの慣例です。併しそういう問題でもむしろこつちから問題を出し、何遍も請求するまでもなく、そつちから進んでお出しになることが大事だと思うのですが、この砂糖協定みたいなものはついどうもうつかりしていてこつちから余り触れないままに、又外務省のほうでも問題にならなければ丁度いいというようなお気持かなんか知らないけれども、殆んど一片の報告も事前になされておらないというような態度じやないかと思う。だからそういう態度は改めて然るべきたと思うのですが、どうなんですか。
  35. 小滝彬

    ○政府委員(小滝彬君) 質問が出るというとそれに対してしようことなしに答弁するというような場合を御指摘になりましたが、そうでなしに、毎会期の初めには外交演説もありまして、その際に重要問題はいつも御説明申上げておるはずであります。でありまするから先ほど申しましたように、重要な案件については大体の政府の方針なり或いはこれまでの経過ということを御報告申上げることは勿論であります。
  36. 佐多忠隆

    ○佐多忠隆君 非常に重要な問題は外交方針なり何なりで外務大臣の演説その他でおやりになるのですが、こういう問題はそれに比べればなかなか一々全部挙げて報告をするわけに行かんのでしなかつた。こういうお話でしようけれども、それならばそれとして委員会なり何なりで一応今こういう協定が問題になつておるのだとか、こういう事情になつておるとかいうような報告は政府のほうから進んでおやりになつて然るべきじやないか、適当な機会に進んでおやりになつたほうがいいのじやないかと思いますが、どうですか。
  37. 小滝彬

    ○政府委員(小滝彬君) 御趣旨の点はよくわかりますから十分考えてみたいと存じます。
  38. 佐多忠隆

    ○佐多忠隆君 最低、最高価格の問題ですが、今お出しになつた三・二五セント、最高四・三五セントの間に安定価格を求めておられるのですが、何か頂きました資料によりますとニユーヨーク砂糖定期相場ですか、これは五三年のには現実の価格はそれより相当下廻つて来ておるように思うのですが、それらの実際の価格とこれとの関係はどうなりますか。
  39. 小田部謙一

    ○政府委員(小田部謙一君) この協定の最低と最高の値段は、この締約国になりましたからといつて最低と最高の値段で買えという義務は何もないのでございまして、締約国といたしましては市場価格で買うのでございます。ただこの協定によりますと最低価格を非常に下廻つた場合においては、理事会が輸出国の輸出クオーターを削減することによつて値段を少し上げる、それから最高価格を非常に上廻つた場合には輸出クオーターをふやすことによつて値段を下げる、こういう仕組になつておるわけでございます。それで若しニユーヨークの五三年のような砂糖市場の状態が続きますれば、この協定の仕組としますればたしかに値段を高くするということにはなるのでございますが、必ずしもこの最低を下廻るばかりではありませんので、現在のところにおいては大体最低よりちよつと上か最低の線くらいでとどまつておるわけでございます。
  40. 佐多忠隆

    ○佐多忠隆君 そうすると、五三年の会議でこれを御審議になつた頃は、五三年の価格、特に後半期の価格は大体この程度になるだろうということはすでにお見通しの上にこういうあれができたのか、或いはそのときにはもう少し、こんなに下るとは思つておられなかつた、むしろ五二年程度あたりの過去の実績をお考えになつて、それを基礎にしておきめになつたのか、予測は殆んど違つていなかつたのかどうか、その辺はどうなんですか。
  41. 小田部謙一

    ○政府委員(小田部謙一君) 御承知の通り砂糖は相当豊作でございますからして、そう値段が高くなるということは必ずしも予想していなかつたわけでございます。ただこういうふうに輸出カルテルというものができまして輸入国のほうはアメリカと英国というのが非常に大きな投票権を持つておりますが、この国は輸入国であるが同時に輸出に対しても興味を持つておる。従いまして残ります国は日本でございまして、日本は殆んで純輸入国である。純輸入国たる日本が入つておらない国際カルテルというものができますればどういうふうな砂糖の値段のマヌーヴアーが起るかわからない、そういうことで輸入国の利益の代表としまして、又日本の国としてそういう輸出カルテルにやはり出て公正な意見を吐いたほうがいいというつもりで出たわけでございます。
  42. 佐多忠隆

    ○佐多忠隆君 価格の見通しは大体この程度になるということは予測してこの安定価格がきめられたのですか。というのは、五三年の後半期、特に十月あたりから最低価格は非常に下つて来ておるのですが、こういうことは予測されたことなのか、予測に反してこれはこういう事態になつたのかどうか、その辺はどうなんですか。
  43. 小田部謙一

    ○政府委員(小田部謙一君) 去年度におきましてはキユーバの砂糖も相当値下りを示しているわけでございます。それでこの頃になりまして実は英国が、砂糖の統制解除とも関係がありますが、相当多量の百万トン以上の砂糖を実はキユーバから買いまして、それによつてだんだん価格というものが上つて来たわけでございます。これからの今後の見通しとしましては砂糖の値段もそうこの協定ができますれば、殊にキユーバにおきましてもこの協定ができます前から砂糖に関しては或る程度の生産制限というものも考えておりますし、そう値伐はこの協定の最低値段を下廻るというようなことはないと思います。尤も下廻るときにはどうするかという規定はございますから、必ずしも下廻らないとは保証はいたしませんが、そうひどく下廻ることはないのじやないかと思います。
  44. 佐多忠隆

    ○佐多忠隆君 そうすると昨年の十月三・〇八セント、それから十一月三・ ○五セントというような値段が出ておるのですが、これらはむしろ恐慌的な値段で、その後十二月には三・一五になり一月には三・二五になつておる、そこいらで大体落付くだろうというふうなお見通しですか。
  45. 小田部謙一

    ○政府委員(小田部謙一君) 大体そういうふうな見通しでございます。
  46. 佐多忠隆

    ○佐多忠隆君 若しこの価格に現実に相当離れて来るというような場合には、いつでもこれは変えられるのですかどうですか。これを変更しようと思えばどういう手続なり機関を必要とするのか。
  47. 小田部謙一

    ○政府委員(小田部謙一君) 二十一条に規定が、ございまして「理事会は、市場の状況により、砂糖の価格が第二十条に基いて定める最低価格を下ることを防止するため実際の輸出割当を削減させることが適当であると決定するときはいつでも、」輸出クオーターを減らす、それが第一項でございますが、第一項の二には、砂糖の毎日の平均現物相場がいずれかの連続十五日の取引期間において平均して下廻つているときは、その十五日の期間の終了後十日以内に輸出割当の削減を行うこととするというような規定がございまして、十五日間続いているか或いは非常に下ろうというときには、輸出クオーターを減すということによりまして値段を持ち直す、こういうことになつております。
  48. 佐多忠隆

    ○佐多忠隆君 それは輸出割当の耕作によつて値段を保持する規定なんで、そうでなくて、そういうようないろいろのことをおやりになつてもなお且つ下る場合があり得ると思うのですが、そういうふうに現実とこの規定とが開いて来たときに、この規定の安定価格の範囲自体を変えることができるのかどうか、変えようとすればどういう手続でどういう機関を必要とするのか。
  49. 小田部謙一

    ○政府委員(小田部謙一君) この協定には四十三条に「理事会は、この協定の運用を妨げ、又は妨げる虞のある事由が生じていると認めるときは、特別投票により、締約国政府に対しこの協定の改正を勧告することができる。」とございますし、更にこれは第三年度になりますと再びこの協定をレビユーしてみるという、四十二条にこの協定は五年でございますが、この協定の第三年度までに全体についていろいろレビユーしてみて、協定の改正を考慮することがあるという規定がございまして、非常に協定の運用に支障を来したときには改訂の規定がございます。
  50. 佐多忠隆

    ○佐多忠隆君 この第五条の、消費者が一層自由に砂糖を利用し得るように締約国は砂糖に対して不相応な統制や課税を行うことを差控えることに同意していることになつているのですが、日本の現在の砂糖に対する課税は相当矢つぎ早に引上けられたようですか、ああいうのはどれくらいになれば不相応たというふうにお考えになつておるのか、大体の見当はどういうふうにお考えになりますか、これは或いは大蔵省かも知れませんが。
  51. 小田部謙一

    ○政府委員(小田部謙一君) この判定は条文にございます通り、各締約国政府がやるのでございまして、不相応な負担ということが書いてあるのでございまして、而も小瀧政務次官の御説明になりました通り、道義的の意味を持つておるということがありまして、一概にどのくらいまでになつたらこれは不相応であつて、どのくらいになりましたらそうではないという判定はつかないのじやないかと思うのであります。まだリーズナブルな、普通常識で考えましてリーズナブルなときは問題はないのじやないか、こう考えております。
  52. 佐多忠隆

    ○佐多忠隆君 普通相応なといつた場合にはどれくらいのものを考えておられるのですか。
  53. 小滝彬

    ○政府委員(小滝彬君) むずかしい問題ですけれども、現に資料も配付申上げたと思いますが、イタリイなど相当高い税をかけておりまして、日本よりもよほど高くなつております。各国の関税、消費税というものを御覧下されば、イタリイなどに比べまするとまだ日本などはよほど低いという実情でありますので、これは非常に極端なことになれば或いは理事会の問題になるかも知れませんが、この点についても会議中いろいろ議論いたされまして、各国が結局決定するものであつて、言葉は悪いかも知れませんが道義的な一つの条項、商品協定によくあるようなこういう条項を設けたというような経過でございます。
  54. 佐多忠隆

    ○佐多忠隆君 各国の課税の状況はどの資料ですか。
  55. 小滝彬

    ○政府委員(小滝彬君) 実はそれでは或いはその資料は漏れたかも知れませんが、日本では一九五三年の八月三十一日現在の小売価格がキログラム当りで一四・二セントということになつております。ところがイタリイのほうでありまするとこれが十九セント二、ドイツが十四セント八というようになつております。輸入国においてこれだけ価格が違つておるということは関税のほうが高いということを現わしておるものでありまして、イタリイのほうは関税は従価一〇五%、それに消費税がキロ当りでセントで申しますると十六セント七〇、日本のほうは消費税が、種類がありますが、高いほうをとりますと二十八円というようになつておりますので、今申しました特定の国に比べれば日本のほうがまだ安いという状態であります。
  56. 佐多忠隆

    ○佐多忠隆君 最近の状態はどうなつておりますか。
  57. 小滝彬

    ○政府委員(小滝彬君) 今セントに換算して各国のもので比較するとちよつとむずかしいのですが、日本のは今度精製糖八〇%、原糖が二〇%というので関税のほうが上つておりますし、又消費税のほうもその前に比べますと上つておりまするが、併し全体の比率から言えば依然としてイタリイよりも安いはずであります。そのほか割に高い所、これは各国も多少その後変動があるかも知れませんが、一九五三年八月をとりますとフランスも従価一〇〇%、それから消費税が一キログラムに対して三セント三十五で小売価格はキロ当りをセントで申しますと十六セント四という程度になつておりますから、これらに比べれば日本の今の税というものはそう不当に高くないということが言えると思います。
  58. 佐多忠隆

    ○佐多忠隆君 それを正確に今度のあれで砂糖消費税を上げておりますから、それを勘案して主要各国との比較を正確に一つ資料でお出し願います。
  59. 小滝彬

    ○政府委員(小滝彬君) さよう政府側で取計らいます。
  60. 佐多忠隆

    ○佐多忠隆君 それからここで言つておる不相応な統制というのはどういうことを意味しておりますか。
  61. 小滝彬

    ○政府委員(小滝彬君) この第五条にあります不相応な名担というのは必ずしも意味がはつきりいたさないのですが、いわゆる消費を特にその他の理由がないにかかわらず抑えようということで、日本のような外貨訂情が少いためとかそのためにやるということは前に梶原委員かの御指摘になりました条項もありましたし問題にならないわけです。
  62. 佐多忠隆

    ○佐多忠隆君 そうすると、何か合理的な原因があるものならば不相応な負担になるような民間、又は政府の統制であつてもそれはやれるという意味ですか。
  63. 小田部謙一

    ○政府委員(小田部謙一君) そうでございます。殊にこの協定にはソ連なりその他の国も入つておりまして、そういう国は殆んど国家企業としてやつておりますから、そういうような統制は悪いというわけではないので、合理的な理由かあれば当然やれるのであります。
  64. 佐多忠隆

    ○佐多忠隆君 それはこの条文の文字から来るのてすか。それともさつき次官かおつしやつたような、これは一つの道徳的な規定だから、必ずしもこれに制約されここで縛られないという意味でそういう解釈が出て来るのですか、どうなのですか。
  65. 小田部謙一

    ○政府委員(小田部謙一君) これはこの規定が政務次官も御談明しました通り道徳的な規定であり、この点に関しましては我が方としましては中山代表がたびたび委員会で確めまして、これは委員会の記録にもあるわけでございます。
  66. 杉原荒太

    ○杉原荒太君 私は昨日大臣に御質問しましたが、今日はたつた一つだけ極く簡単な点を若干お伺いするのですが、実はこの協定によつて設定される理事会の事務局、これは常設的なものだろうと思うのだが、そこのスタツフの大体の規模と、そういうものをそれではどこに設けられようとするのか、それからその中の相当重要なところに日本側からも代表を送る、或いは送る予定なのか、その辺のところをちよつとお伺いしたい。
  67. 小田部謙一

    ○政府委員(小田部謙一君) 場所はロンドンでございます。それから理事会は一年に一回とかその他の規定はあるかと思いますが、その他に執行委員会が事務局にございます。そうして執行事務局のスタツフは分担金も相当高いので相当のスタツフを考えております。それから日本側としてはまだ今の段階におきましては、誰を送るというような予定はいたしておりません。
  68. 佐藤尚武

    ○委員長(佐藤尚武君) ほかに御質疑はございませんか。……では質疑は尽きたものと認めて御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  69. 佐藤尚武

    ○委員長(佐藤尚武君) 御異議ないものと認めます。これより討論に入ります。御意見のおありのかたはそれぞれ賛否を明らかにしてお述べを願います。
  70. 杉原荒太

    ○杉原荒太君 私はこの協定に賛成の意を表するものてあります。この協定の狙いとしておりまする趣旨はわかるのでありますが、併し果してこの目的か容易に実勢できるであろうかどうかということの予想は、この規定が非常にルーズなためになかなか予想がはつきりつきにくい点もある。従つてこれに対する利害得失をきつぱり断定してしまうということは非常にむずかしいように感ずるのであります。併し政府側では昨日からいろいろ話を聞いておりますと、態度を決定するに当つて、関係国の動向その他をよく慎重に考えた上でと昨日からの審議の経過でわかりました、その点了解するわけです。  但しこの協定は規定の上でも明らかになつておりますように、多くの部門を運用に任している点が非常に多い。従つてその運用の面で、殊に我が国の地位、殊に輸入国としての立場からして、殊に理事国における投票権、幸い日本側は非常に多くの投票権を持つておりまするし、それらなどを手段としてこれの運用については、日本側の広い利益を守る上からして遺憾のないようにしてやつて頂きたいと思う。  更にもう一つは、運用の面の一つにもなるわけですが、この協定に我が国として非常に利害関係を持つインドネシアが入つていない。併しインドネシアに対する関係は、単に砂糖のみの見地からでなく、広い範囲の見地からして非常に重要なこととして見なければならんと思う。従つてこの協定の関係においての運用に当つてもインドネシアの関係については特に重要視して運用されて行くことが重要だと思う。そういう点この運用上の政府側において遺憾のない措置をとられることを希望しましてこれに賛成するものであります。
  71. 佐多忠隆

    ○佐多忠隆君 私もこの協定に賛意を表します。ただ先ほど質問にも申しましたように、こういう協定を作られる場合に必ず事前に少くとも概要の報告その他はいつもおやり願うように方法を改めてもらいたい。これはこの協定に限らず、今後いろいろな協定について問題になることであると思いますのでその点を特に強く希望をしておきます。  更にこの協定は、第一条に謳つてありますように「公正な且つ安定した価格で輸入国に対しては砂糖の供給を」計ることを目的にしておられるので、その点自体は非常に結構なことであると思うのですが、どうしてもこの協定その他を考えると、むしろ輸入国の側よりも輸出国の側の利益のほうがより多く考えられることになりはしないかと、協定に参加している諸国の性格からしてそういうことになりはしないかと思う。従つて非常に大きな輸入国であり、而も苑んど輸入一本の形の我が国から見れば、成るべく砂糖価格は安いことを必要とするので、その点を十分にお考えになつて、そして安定した価格の名の下に、ともすれば価格をつり上げ、或いは現在の高い位置をそのまま保持し続けて行くというようなことのために消費者に対して不相応な負担をかけるような結果にたらないとも限らないと思いますので、その点は十分に輸入国としての而も消費者としての立場を十分に守るようにこの運用がなされることを特に注意してやつて頂きたい。その強い希望を申述べて賛成をいたすものであります。
  72. 佐藤尚武

    ○委員長(佐藤尚武君) ほかに御発言はございませんか。……ほかに御意見もないようでありまするが、討論は終局したものと認めて御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  73. 佐藤尚武

    ○委員長(佐藤尚武君) 討論は終局したものと認めます。  これより採決に入ります。国際砂糖協定の批准について承認を求めるの件。本件について採決をいたします。本件を承認することに賛成のかたの挙手を求めます。    〔賛成者挙手〕
  74. 佐藤尚武

    ○委員長(佐藤尚武君) 全会一致であります。よつて本件は承認すべきものと決定いたしました。  なお本会議における委員長の口頭報告の内容は、本院規則第百四条によつてあらかじめ多数意見者の承認を経なければならないことになつておりますが、これは前例の通り委員長に御一任願います。それから本院規則第七十二条により、委員長が議院に提出する報告書について多数意見者の署名を付することになつておりまするから、本案を可とされたかたは順次御署名を願います。   多数意見者署名     西郷 吉之助 團  伊能     羽生 三七  佐多 忠隆     梶原 茂嘉  鹿島守之助     杉戸 荒太
  75. 佐藤尚武

    ○委員長(佐藤尚武君) それでは外務委員会をこれで散会しまする前に、明後月曜日の議事について御相談を申上げたいと思いまするので、速記をとめて懇談会に入つては如何かと思いますが、御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  76. 佐藤尚武

    ○委員長(佐藤尚武君) それでは速記をとめて下さい。    午前十一時五十八分速記中止    ―――――・―――――    午後零時十五分速記開始
  77. 佐藤尚武

    ○委員長(佐藤尚武君) 速記をつけて下さい。  外務委員会はこれで散会いたします。    午後零時十六分散会