運営者 Bitlet 姉妹サービス
使い方 FAQ このサイトについて | login

1953-12-04 第18回国会 参議院 厚生委員会国民生活改善に関する小委員会 2号 公式Web版

  1. 昭和二十八年十二月四日(金曜日)    午前十時二十九分開会   ―――――――――――――  出席者は左の通り。    委員長     中山 壽彦君    副委員長    山下 義信君    委員            高野 一夫君            廣瀬 久忠君            林   了君            藤原 道子君            有馬 英二君   事務局側    常任委員会専門    員       草間 弘司君   説明員    厚生省公衆衛生    局栄養課長   大磯 敏雄君    農林事務官    (食糧庁業務第    一部需給課勤    務)      石田  繁君   参考人    栄養食糧協会理    事       丹沢 秀昭君    藤沢薬品工業株   式会社研究部長  植田 高三君   ―――――――――――――   本日の会議に付した事件 ○強化米に関する件   ―――――――――――――
  2. 中山壽彦

    ○委員長(中山壽彦君) これより開会いたします。  本日は強化米に関する参考意見聴取をするため、参考人として栄養食糧協会理事丹沢秀昭君及び藤沢薬品工業株式会社研究部長植田高三君の御出席を願つております。  参考人のかたがたには、時節がら御繁多の際御出席を下さいましたことを厚く御礼を申上げます。栄養食糧協会の丹沢さんからはビタライス製造の立場から、又藤沢薬品工業の植田さんからはプレミツクス製造の立場から、それぞれ先に書面を以てお願いいたしておきました事項について御意見を拝聴いたしたいと存じます。  なおお二人の参考人の意見発表がすみ次第各委員からの質疑をお願いいたしたいと存じます。それでは最初丹沢さんからお話をお願いいたします。
  3. 丹沢秀昭

    参考人(丹沢秀昭君) 只今より栄養食糧協会が現在まで取上げて参りました強化米の一種でございますビタライスという名前を付けておりますものについて御説明をいたします。御質問の各項目と若干順序が狂うと思いますが、その点は悪しからず御了承をお願いいたします。  先ず第一番に製造法でございますが、製造法は、これは非常に簡単なものでございまして、その詳細は京都大学食糧科学研究所報告一九五〇年の第一報から一九五二年の第六報まで続いておりまして、それに詳細が載つております。これはどういう方法かと申しますと、米を、玄米或いは白米を水洗いたしまして、それを一%の醋酸ビタミン溶液に浸漬をいたします。その後その浸漬したものに蒸気をかけます。即ち蒸熱いたしましてそれを乾燥するわけでございます。それで製品になるのでございますが、これはどういう原理かと申しますと、これはインドビルマ地方で行われております酸パー・ボイリング法という方法の応用でございます。  この酸パー・ボイリング法と申しますのは、これは普通の搗精をしないお米の胚芽のほうに入つておりますところのビタミン、これを胚乳のほうに移行させる方法でございます。御承知の通り白米というものはなぜビタミンがなくなるかというと、胚芽をとつてしまうためにそうなるのでございまして、酸パー・ボイリング法というものは胚芽のビタミンを胚乳のほうに移すために行う操作でございます。これは古くから慣習的にインドビルマ地方で行われているもので、ございまして、この原理を応用されまして一九四五年に京都大学栄養科学教室の近藤教授が新らしい一つの強化法というものを生み出されたものでございます。この酸パー・ボイリング法というのは古くから行われておりますが、この米は一種の異常臭がございまして、又異常着色をするというので、これは遺憾ながら我が国には適さないというのが定説になつております。で、この方法を応用いたしました強化米ビタライスの製造は、前に申上げました順序で行われますが、これは如何に簡単なものかということについて申上げますと、大体実験的にも又工業的にもビタミンの任意の濃度を胚芽にしみ込ませることができるからでございます。  その工程について少しくお話いたしますと、一%の醋酸溶液に任意のビタミンを入れます。そして米をその中に浸漬をした場合に、大体その濃度と並行的にビタミンが胚乳の中に浸透、移行して参ります。この関係は殆んど直線的な関係を示しまして、任意の量が入るということでございます。  それから、もう一つは温度との関係でございますが、これはそういつたように、一%の醋酸ビタミン溶液のビタミンが、温度によつて左右されるかと申しますと、大体零度から五十度の間の実験におきましては全然影響がございません。従いまして我が国におきましては、大体室温においてこの作業が可能であるという結論でございます。浸漬の時間、この時間は大体二十四時間で平衡状態に入つて参ります。従つて二十四時間までは非常に迅速に進行をいたしますので、この時間というものも非常に短縮されて来るわけでございます。大体最もビタライス法の重要なる作業の工程はこの浸漬でございまして、その後にステイーミング、蒸熱を行うという作用は、その中に入りましたビタミンが実際に炊飯をいたします際、米をとぎます。その際にビタミンが水によつて流れ出ることを防ぐために蒸熱ということをやりまして、お米の表面をアルフアー化いたしまして、それをすぐに乾燥する、そして固化いたしましてビタミンの流出を防ぐというわけでございます。大体の工程と申しますのは非常に簡単でございまして、以上の通りでございます。  大体現在やつております方法と申しますと、大体浸漬時間が六時間から七時間、ステイーミングの作用がこれが約六分、乾燥は六十度から七十度で大体二時間半から三時間という短い工程で一つの製品が出来上つております。で、このビタライスというお米の特徴といたしましては、どういうことが言えるかと申しますと、炊飯、実際にお米をとぎまして、炊上るまでのビタミンのロスというものは大体最高二〇%という実験の報告が出ております。これはあとから申上げますが、実験的に各省、病院だとか、或いは鉱山関係において実験をしてもらいましたその成績の集計でございます。この水洗の際に流れ出るということは、これはビタライスの一つの欠点かもわかりませんが、これは又炊いた際に容易にビタミンが溶出いたしまして、釜の中のビタミンの濃度というものが非常に均等化されるという又一つの特徴にもなつておる次第でございます。大体我々が今把握しておりますデータでは、御飯が炊上るまでのビタミンのロスというものは最高二〇%、大体一二%から二〇%の間であるというふうにデータが出ております。  この強化米というものが、我々日常生活に必要なるところの条件と申しますのは、先ず第一に加工費が非常に安く上らねばならん。それから炊飯の際に必要な栄養素というもののロスが少いことが条件である。又もう一つは、炊いた際に味が普通のものと変つてしまつては駄目である。味が日本人の嗜好に合わなくてはならん。第四番目には、これを保存した場合に容易に変化してしまつては困る。大体四つの条件が備わつておらなければ強化米として我々が取上げるわけには行かないと思いますので、最後の貯蔵中の変化ということについて申上げますと、大体三十度の孵卵器の中で半年貯蔵いたしましたビタライスについて実験いたしました成績は、これはビタミンの残存率、ロス計算をいたしました残存率というものは、これは全然ゼロでございます。我々の実験以外にこれは丁度ビルマ航路の船が積んでくれました実験においてもビタミンのロスが計算されておりませんです。それからもう一つは虫が食う、虫害の件でございますが、これは非常に不思議なのでございますが、酸で処理してあるためと思われますが、これは穀象だとかそういう虫がビタライスという酸処理した米には絶対に食わない、これは穀象を純粋培養いたしましてビタライスだけの中に入れても食べない。又白米とまぜて穀象を培養した場合には白米を選んで食べてビタライスのほうは手をつけておりません。これは長期に亙つて保存がきくという貯蔵性ということを十分満足し得るものだと考えております。大体この製造法、それからビタライスの特性ということを概略申上げますと以上の通りでございますが、非常にこれは簡単でございます。従いましてこれは極端に申上げますと、我々家庭において御飯蒸と一定の器があれば容易に家庭においてもこれは作り得るものでございまして、ここにあとの項目に出ておりますところの現在の製造規模と将来の構想という御質問がございますが、一定の衛生的な要約が備わつており、又ビタミンの分析の試験能力を持つており、又ボイラーがあるところの工場においては、これは小規模でも大規模でも相当自由に成し遂げられるものでございますので、現在はまだその数量その他が確定いたしませんので、その規模ということも非常に楽観的に考えております。その次に栄養価の問題でございますが、これは去年の六月に食糧庁のほうから試験用の米といたしまして今年の一月までに総計二十二トンの試験用の米を払下げて頂きました。その件につきましては食糧庁のほうの長官からこの栄養価値判定に関する試験については厚生省公衆衛生局長に十分連絡の上その指示に従われたいという項目がついております。我々といたしましてこの二十二トンの米を実験的に撒布をいたしますことは、食糧庁及び厚生省に連絡の上、両省の指導の下にやつたわけでございます。大体概略を申上げますと、試験箇所は国立病院及び国立療養所が五十六カ所、公立病院及び一般病院が四十八カ所、鉱山関係が九カ所、紡績関係が十八カ所、学校関係が九カ所、海上船舶関係が四カ所、その他保健所、これが百八十九カ所でございます。これを延べにいたしますと約九百八十万人になります。この成績でございますが、勿論皆さんも御承知の通りビタミン栄養学的な価値というものは今更述べる必要がないのでございますが、強化米にした場合にはどういう結果が出るだろうか、これは我々として非常にむずかしい一つの課題でございまして、なぜかと申しますと戦争直後のように非常に食糧関係或いは医薬品関係の窮屈な時分においては割合に顕著な成績が出るんじやないか、併し現在においては相当食糧も出廻り又薬品関係も非常に豊富になつておりますので、昔の軍隊のように純然たる命令系統がありまして個人の生活を束縛し得るところがなければ無理なんじやないかという考えの下で、或いは成績が出ないんじやないかということを危惧しておりました。ところが実際にやつて見ますと、特に夏期対策においては非常ないい成績が出て参りました。特にこの最も詳細なる報告は厚生省病院課のほうに現在大体収録が終りましたビタライス、プレミツクス、それから人造米の総合的な人体試験と申しますか、栄養試験の成績が詳細に出ておりますが、これは近く厚生省のほうから御発表のことと思います。私その詳しいデータを、まだ原稿なものでございますから、厚生省のほうから見せて頂いただけで頂いておりませんので、印刷になりましてから厚生省から発表して頂くことになつております。大体これを総合いたしますとどういう結果かと申しますと、十分に米からビタミンをとつた場合に考えられておりますところのビタミン欠乏症状というものが出ない。これは脚気反応、その他の反応臨床試験の結果から見てビタミンB1欠乏症状というものが出ないし、又防げるということ、それから強化米を入れても何ら嗜好上に支障を来たさない、これは我々大人はともかくといたしまして、最も本能的に敏感である子供について心配した点でございます。これはビタライスが酸で処理してありますので、そのまま食べますと少し酸味がございます。ところがこれは国立第一病院の小児科その他の小児科において、子供に食べさせる場合にも子供が全然気が付かん、従つて嗜好上には何ら支障を来たさない。それから自覚症状でございますが、これは鉱山関係、それから紡績関係の女工さんだとか、そういうものの成績を見ますと、対照分、即ちビタライスを与えないほうの分から見ますと、肩が凝つたり、腰が張つたりするということが夏期において特になかつた、それから体重はこれはどういう関係かわかりませんが、ビタライス使用分のほうは一様にこれは体重が増加しております。その関係はどういう関係か上くわからないのでございますが、全般的に見ましてこの強化米を入れた御飯というものは非常に食慾をそそるという声が多くございました。海上、船舶関係におきまして、これは同じ船においてビタライスとそれから武田薬品から出しておりますところの炊飯用のビタミンの錠剤がございます。それとの対比試験をやつたのでございますが、勿論両者ともビタミンでございますので、いわゆる臨床的な成績についてはほぼ同じでございます。これは変つたらおかしなことでございますが、ほぼ同じでございますが、ただ船員等がビタライスのほうが味がよくつて食慾が進んだ、こういう工合に言つております。この最も詳しい臨床的な成績につきましては、後ほど厚生省病院課のほうから御発表がございますので、それを参照にして頂きたいと思います。それで十分に我々といたしましては、この比較試験に対しましては不利なむずかしい条件の下にやつたのでございますが、十分に顕著な成績が出たと思つております。  それから我々がこれからどういうふうにしてこの強化米を普及して行くかという問題でございますが、この件にうきましては現在非常にむずかしい段階にございます。それは本年のような非常な凶作でございますので、なかなか我々が考えるような理想的なことは到底望めないだろうという工合になつております。併しやれば確かに国民のためにもなるし、特に去年の五月に出ました資源調査会の勧告の中にも白米の強化ということが書いてありますので、何とかしてこれを普及したいという考えは非常に熾烈でございます。我々といたしましては最終目的、これをどこにおいておりますかというと、我々が配給になる米の中には何らかの形で以て強化米というものがすでにまざつている。従つて国民ビタミンということの不足というものを全然感じない。脅威を感じなくて、知らずに白米の弊害というものが除けて行けるという体制を我々の最終目的としております。  御承知の通り、政府におきましては玄米を奨励し、或いは七分搗きを奨励いたしましたが、我々家庭においては、黙つておりますと、ビール瓶で以て、その折角の奨励も皆搗いて白米を食べております。そういう現況からいたしまして、白米への執着ということは非常に我々日本人は旺盛でございまして、この弊害は、どうしても知らないうちに弊害を除却するように対策を講じなくちやいけないという見地から、先ほど申しました源泉にすでに強化米が入つているということを最終目的としております。併し一足跳びにそう申上げましても、これは無理なことはわかりきつていることでございますので、取りあえず我々といたしましては、六大都市というものを対象にいたしまして、できたら強化米の加配による特別配給、差引きを行わない特別配給ということを先ず第一段の目的といたしまして農林省厚生省にお願いをしているわけでございます。  我々のほうの協会といたしましては、先ほど申しました通り、非常にこれは製造が簡単でございますので、幸いにして国として取り上げて頂きましたならば、逐次これが普及されて行く場合には、これは各所に工場というものを指定をいたしまして、広く生産普及ということを図つて行きたいと思います。  これは申遅れましたが、このビタライスという方向につきましては京都大学の近藤教授がこれは食糧研究所としてパテントをとつておられます。パテント・ナンバーは一八六七六八号でございまして、近藤教授と我々協会のほうとのお話合いはどういうことかと申しますと、これは国有特許である。従つて一つの企業体にこれを任せるわけには行かないのだ。協会としてこれを実施権を監督し、正当に、公平にこれを使用してもらいたい。従いまして、我々のほうの協会といたしましては、将来ビタライスをやりたいというメーカー、而も非常に真面目な、良心的であり、体系の整つたメーカーであるならば、これを拒む理由は一つもないのでございまして、若しもそういうことをしたならば、これは近藤教授に対して非常に申訳ないということになるわけであります。幸いに国としての施策として取り上げて頂いた場合には、お米でございますので、成るべく原産地、それから配給されるべき地方にそれぞれ工場を持ちまして、輸送その他の円滑を図りたいと考えております。  今までお話いたしましたような段階でございますので、生産の規模その他について今までのところは別に大して考慮を払つておりません。明日でも或いは一週間後でも、そんならお前のほうでやつて見ろとおつしやつても、すぐに生産には移れると思いますので、別にこれは準備体制といたしましては、大して考慮しておりません。  それから最後に価格の問題でございますが、これは現在のビタミンの価格から申しますと、非常にこれは家庭の負担が多うございまして、例えばちよつと計算をして見たのでございますが、大体ビタライスを実際にやろう、或いはプレミックスを実際にやろうといつた場合には、大体これは一つの単位といたしまして、五人家族の一カ月分くらいが至当じやないかという工合に思つておる次第でございますが、そうしますと、我々のほうの考えでございますが、これは厚生省のほうで栄養改善法に基く特殊栄養食品を、ビタライスもプレミックスも両方申請しておりますので、どういうふうに御採択になるかわかりませんが、大体一グラムに対して一・二ミリの強化ということを考えておる次第でございますが、そうしますと、百八十ミリというビタミンを標準といたしまして、各メーカーのビタミンを、我々が実際に薬局から買うところのビタミンをそれに換算して見ますと、武田のメタボリンを比較しますと、武田のメタボリンは三百六十円になつてしまう。三共のオリザニンレツドは五百六十六円八十八銭、塩野義のパプラスは四百五十五円という非常に高いものになります。我々はこれをどういう工合にして行きたいかと申しますと、大体一カ月一人の強化米を使用する負担額を十円以下にしたい、従いまして一日三十銭乃至三十三ぐらいまでに切詰めて行きたいと、こういう工合に思つております。これはこれからお米の価格の問題などございますので、どう変るかわかりませんが、我々としてはたとえお米が上りましても一人の一カ月のビタミン補給量というものを十円以下にして行きたいと思いまして、そのコストについて研究を進めております。これはいずれ厚生省農林省、両省の御相談の下でいろいろと又御指示があるかと思つておりますが、我々のほうの考えはそういう工合に考えております。で、この生産単位と申しますか、一つの単位に達しなければ採算点に合わないということがございますが、我々としてはこういう国家的な一つの仕事で以て一つの企業成立つというよりも、非常に真面目である業者が非常に良心的にこれを取扱つてもらいたいということを趣旨にしております。やつて頂けないところは仕方がないとしても是非そういうものに参加して、これから強化食品ということについて全面的に協力してやつて行きたいというメーカーにやつて頂くのでありまして、別に只今採算点ということについては考えておりません。大体これはやはり一トンやニトンではしようがないので、三十トンぐらいが一つの生産単位じやないかという工合に考えておりますが、その点についてはまだ十分に研究をし尽しておりません。大体簡単でございますが、以上ビタライスについて御説明をいたした次第でございます。
  4. 中山壽彦

    ○委員長(中山壽彦君) それでは植田さんから、どうぞ。
  5. 植田高三

    参考人(植田高三君) それでは只今からビタライス、プレミックスに関しまして御説明さして頂きますが、前参考人が申されましたように、この強化米の問題は我々米食をいたします国民、人種といたしましては非常に大きな問題でありまして、先ほども申されましたように我々が米を食います場合に、玄米を摂りまするならば、その玄米の中には我々にとつて重要なビタミン並びにミネラルが一応含まれているのでありますが、食生活の嗜好に従いまして白米を摂るということが進められて参りますると、先ほども申されましたように玄米の中にありますところのビタミン並びにミネラルの殆んど大部分は除去されてしまうのであります。こういうような状態が実際問題としまして米食をいたしております人間の住んでおりまするところにおいては、いろいろの欠乏症を現出いたしておるのでもります。こういう厳粛な事実に従いまして、米を主食といたす者がなんとかしてこれを玄米を食べると同じように主食を摂る場合に、我々生きて行く上に必要なるバイタミン及びミネラルスというものを含んだ形にできますならば誠に結構なことである、こういうふうに考えられるのであります。そういう見地からいたしまして、米食をいたしておりまするアジアにおいて、御存じのようにビタミンB1の研究の萌芽があつたわけでありまして今日我々が合成的にビタミンB1を作つて健康保持に役立てることができるというのも、実は米を食つておつてその米の不完全なために起る病気というものから発足いたしたことは申すまでもないのでありますが、こういうところから私が只今から申さんといたすプレミックスがやはり出て参つているのであります。でビタミンB1の合成を初めて行いましたドクター・ウイリアムズはやはり東南アジアに来ておりまして、非常にこの問題に興味を持つておつたわけでありますが、ホフマン・ラ・ロッシュ会社のフアーターという人がバタビヤからの通信によりまして、こういうことが重大問題であるという通信を受けまして、それに興味を持つて白米の強化という問題を取上げたのであります。で、初めはB1の白米に対する補強という意味で、単に葡萄糖とそうしてB1とを混ぜまして、白米にこれを載せて白米を強化するというような方法から出発をいたしましたのでありますが、先ほども申されましたように白米を我々が摂りまする場合にとぎ洗いということをいたしまするので、このとぎ洗いということをいたします際に、ビタミンが損失をするということは甚だ目的に副わないわけであります。で、こういうことからこのホフマン・ロッシュのフアーター氏は実験を進めまして、遂に只今申上げようとするプレミツクス法というものに到達いたしたのであります。で、プレミツクス法は簡単に申上げまするならば、白米を担い手といたしまして、担体といたしまして、その表面に必要なる、で、この必要なるものは希望といたしましては、白米は玄米が白米にされてそのためにいろいろの欠落症状と申しますか、或いは症状を起こすわけでありまするから、その玄米に還元をするという考え方が当然考えられるわけであります。で、そういうわけでありまして、この白米に必要なバイタミン或いはミネラルというものを加えまして、そうしてこれに当然とぎ洗いの場合に流れ出ないようにするという方法を講じたのであります。  なおここに一言申上げなければならんのは、先ほどもお述べになりましたところでありまするけれども、強化米の方法としましてインド方面において古くから行われており、それが最近の研究によりますると、栄養学的に見ましても合目的であると見出されましたいわゆるパーボイルド法でありますが、このパーボイルド法のその結果を見ますと、非常に合目的ではありますけれども、食べまする米全部を強化いたすということは、これはその量からいたしまして非常に莫大なものに相成るのであります。こういうような見地から強化をいたしました場合には、その強化をいたす米の量はできるだけ少くして、いわゆるコンセントレエテツドの強化米を作りまして、その強化米を非強化米でありまするところの米に混ずることによつてその目的を達するというのが、実際に考えました場合に行い得る最もいい方法であると、こういうふうに考えられるのでありまして、そういう見地からこのプレミックスを先ほどの御演説者のおつしやいましたビタライスもそうでありますが、これを全部の米に処理いたすのではありませんで、このプレミツクスは大体二百分の一、これを添加いたしまするときに、その二百分の一加えられました全量が強化された米に相成る、こういう見地で考えを進めて参つておるのであります。  で、この強化米の製造方法は先ほどから申しましたようにホフマン・ラ・ロッシュが持つておりまして、その研究者でありますフアターを発明者として我が国の特許番号一八九七〇六号に登録をされておるのであります。  この方法の大要を申上げまするならば、この耳だけを考えましても、先ほどから申しまするように、このプレミツクスの考え方は単にビタミンBだけの強化ではなくして、米が玄米から白米にされるということのために失われる栄養素補給しようという目的でありまして、只今巷間にありまする、或いは一般に知られておりまするところのプレミツクスはB1、B2、ナイアシン、それと鉄であります。或いはこのB1は後に述べますような理由によりましてこれを除きました。他のB2、それからナイアシン、即ちニコチン酸でありますが、ニコチン酸、或いはニコチン酸アミドでもいいわけでありますがニコチン酸、それから鉄、焦性燐酸鉄の形で使われますけれども、この鉄というものを米の上に載せまして、それがとぎ洗いでとぎました場合に溶け出さないようにして、そうして確保するという方法であります。この方法の概要は硫酸液にビタミンB1とニコチン酸を溶かします。そうして更にそれに粘度を与えるためにシロップを加えまして、そうしてこれをビタミン液とするのであります。なお被膜液といたしましてはパルミチン酸とアビエチン酸、これは松脂でありますが、アビエチン酸とを加えて、なおアルコール、これはイソプロパノールのアルコール、或いはエチル・アルコールでもいいのでありますが、アルコールとゼインを、とうもろこしの蛋白でありますところのゼインを加えまして、そうしてこの後に述べました両者を混ぜて被膜液といたすのであります。で、こういうふうに用意いたしておきまして、米を操作に移す前に、回転をいたしておりまするところの、ドランボールと申しております丸い容器でありますが、その中に入れまして、そうしてこれに上からビタミン液を、先ほど申しましたビタミン液をスプレイで加圧噴霧いたして行くのであります。そういたしましてそこで或る程度乾燥をいたしまして、乾燥が終りましたならば、少しタルクをかけまして、次に被膜液の半分をこれにやはり噴霧いたしまして均一に被膜をかけて参るのであります。その上に、タルクに先ほど申しましたピロ燐酸鉄を、鉄でありますが、鉄を加えましたものをかけまして、そうしてその上に残りの半分の被膜液をかける。こういうふうにして、風を送りまして乾燥いたしたものがプレミツクスに相成るのであります。所要時間は大体六時間ぐらいなところで終るのでありますが、こういうふうに申しますと、非常に複雑のようにお考えになるのでありますけれども、これは百聞は一見に如かずで、私どもの工場で只今やつております方法を御覧になりましたならば、如何に簡単なものであるかということが御了解願えると思うのでありますが、要は木でこしらえました太鼓のような、中の空な胴体の中に米を入れまして、そうして上からビタミン液を落して行く、回転をしながら上から落して行きまして、そうして均等に米の表面にこのビタミンをまぶしまして、それを乾燥いたしまして、その上に或る程度乾燥いたしましたときに被膜液を半分かけまして、それを或る程度乾燥したときに鉄を加えて、そうしてその上に又被膜液をかける。その工程は誠に簡単なものでありまして、極めて原始的と申してもいいくらいに簡単なものであります。なおビタミンB2を入れます場合におきましては、この最後の鉄を加えますときに、これに混合いたしてかけるわけであります。かように申上げました方法から直ちに御納得が行きますように、この方法は米の上に必要なるバイタミンス或いはミネラルスをかけまして、その上に被膜を、それがとぎ洗いいたしましたときに流れ出ないような皮膜をかけるらけでありますから、端的に申しますならば、必要なるバイタミンス或いはミネラルスはこれによつていろいろに実施ができるのであります。事実我々も保安庁の御希望によりまして、日本人が大変欠乏いたしておりますカルシウムを入れましたカルシウム・プレミツクスを作つてくれというお話でありましたので、作つて、見本を持つて参つておりますが、ビタミンカルシウムをつけたプレミツクスも作つて差上げているのでありますが、或いはビタミンA、或いはビタミンC、そのほかに必要に応じまして、理論的に申しまするならば、技術は別といたしまして、こういうふうな米の上に必要なるバイタミンス或いはミネラルスをつけることによつて必要なプレミツクスができるのであります。  先ほど前演説者が申しましたように、我が国の現状からB1等が先ず必要であるという論議がありましてそれが国民栄養に先ず必要であるということでありますならば、B1等のプレミツクスも勿論一番簡単でありましてこれを遂げることができるのであります。再言いたしますけれども、白米の強化ということは実際は必ずしもB1を与えるがための方法ではないのでありまして、白米を食うために起る欠点を、玄米食を食べると同じように還元するというところに問題があるとするならば、こういうふうにいろいろなものを簡単に附け加えることのできる方法は、非常に優れたものであると申して差支えないのではないかと私は考えるのであります。  次に他の強化米との優劣に関しましては、私はパーボイルド法は、先ほど申しましたように全部の米をパーボイルドいたすということになりましては、これは非常に大量なものに処置をいたさなければなりませんので、実際問題といたしては問題に相ならないと思うのであります。そういう点から行きますると、プレミックス法、或いはビタライス法というものは、実際問題として国家としてお取上げになつても、現実にこれを営為いたすことができる方法であると考えるのであります。  次に国外における強化米利用の実情でありますが、先ほどから申上げましたように、このプレミックスの性格といたしまして、日本においてよりは、すでに国外において非常にたくさんの経験を持ち、利用をいたされているのであります。そういう点から申まして、国外においての強化米、特にその中で一般性を持つておるプレミツクスがどういうものであるかということを、ここに一言申述べたいと存ずるのであります。それは即ち皆様にプレミツクスに関して御判断を願う一つの大きな材料に相成ると私は考えるからであります。  で、御存じのように、アメリカは大体米食を主といたさないのでありますけれども、併しながらアメリカにおいては、御存じのように白いパン或いは小麦粉に対する強化ということを、随分昔からやつておりましてそういうことに関連もいたしたのでありまするけれども、パーボイルド法もやはりアメリカにおいては非常に研究が進んでおつたのであります。で、こういう際にこのプレミックス法がやはりアメリカにおいて作られておるのは、当然と申さなければならんのでありまして、最近になりましてルイジアナのコーレイにプレミックスのプラントが建てられ、殊にずつと近年になりましては、キヤルフオルニアのサクラメントのライス・グローアース・アソシエイシヨンというのがプレミツクスの製造設備を造りまして、そしてプレミツクスを製造いたし、日本語のヒノデ・ライスという名前を使つておるそうでありますが、そうしてプエルトリコキューバ、ハワイというようなところに輸出をいたしておるのであります。  只今申しましたプエルトリコは、実はこの強化米を法制化いたしました世界で第一番の、最初の国でありまするが故に、私はここでこのプエルトリコについていささか述べさせて頂くことが、今日国家的にこういう強化米を取上げようとしておる日本においても、非常に参考に相成るのではないかと思いますので、少し時間を頂きまして述べさせて頂きたいと思うのであります。  で、プエルトリコの米産というものは、殆んど言うに足らないのでありますが、併しプエルトリコ人は主食として米と豆を、なお粉もとつておるのであります。で、ここでは栄養に関して大変関心を持つておりまして、すでに学校給食を行う、又就学前の子供にはミルクを無料で配給いたしておるというようなことをやつておるのであります。で、ここでは後に述べまするようなフイリツピンにおけるように、いわゆるはつきりといたしましたヴイタミンB1の欠乏症である脚気のような問題は起つておらないのであります。それは先ほども申したように、豆を食べまするし、非常に重篤なる脚気を起すほどではないのでありまするけれども、いわゆる潜在的なビタミン欠乏症というものは、ここにおいては非常にたくさん見られるのであります。で、私はお許しを得まして、このプレミツクスの強化米について、プエルトリコ大学のロバーツ教授というのが書きましたものがあるのでありますが、それから少し抜萃をさせて頂いて、どういうふうな順序に従つてプエルトリコにおいてこの強化米を法制化するに至つたかということを瞥見させて頂きたいと思うのであります。  一九四九年の五月十四日に、プエルトリコの、ガヴアナーと書いてあるのでありまするが、これは総督か、知事か、まあそういうふうな人でありますが、プエルトリコのガヴアナーのルイス・ムノマリンという人が白米強化の法案署名をいたしたのであります。そうしてこれが世界的に法制化をいたした最初の国に相成つたのであります。併しながらこの一歩も、決して偶然から由来したものではなしに、二年間に亙る政府当局と栄養学者との実行と活動の結晶である、こういうふうにロバーツ教授は先ず目頭に述べておるのであります。プエルトリコでは一九四五年に、栄養委員会の努力によりまして、小麦粉を強化をするということを制定いたしております。併しながらこの貧乏国であるプエルトリコでは、多くの人がパンを食べることができない。それはパンが高いのと、なおこのパン田舎のほうで十分に補給をすることができないという理由で、やはりこの農村田舎のほうでは米が主食となつておるのであります。大体プエルトリコでは、やはり我が国と同じように、カロリーの三分の一乃至二分の一を米から摂つておるそうであります。而もプエルトリコ人は白米を非常に好みまして、而もこれを非常に磨いて、あの真珠のように磨き上げた米が好きである、こういうのでありまして、これは栄養学的に見ますと誠に悪い条件にあるのであります。で、先ほども申しましたように、プエルトリコでは脚気という病気は比較的少いのでありますが、潜在性のビタミン欠乏症と見られますところの精神的不安定者、或いは容易に疲労する者、或いは忍耐力の弱い者、活動力の鈍い者とかいうようなものが非常に多い。ところがそういう人達にビタミン町を与えてみるというと、非常によくなる。そういうことから、このプエルトリコにおいては、やはりビタミン欠乏を何とかして補わなければならんという声が高くなつておつたのであります。ところが一九四九年に、先ほども申しましたB1の最初の合成者でありますところのドクター・ウイリアムズがプエルトリコ政府からの招聘によつて、プエルトリコへ参つたのであります。幸いなことには、ガヴアナーとその夫人はこの問題に大変興味を持ちましてそうしてドクター・ウイリアムズをプエルトリコ総督の賓客として迎えて、そうして厚生当局、或いは栄養委員、米穀輸入業者という人たちに懇談をいたさせまして、又医学会ではドクター・ウイリアムズに講演をさしたのであります。こういうふうにしまして、ドクター・ウイリアムズがプエルトリコを去りました後に、総督は直ちに委員会を結成して、この問題の追究をさせたのであります。こういうふうにした結果、栄養委員会でいろいろ研究いたしたのでありますが、初めは栄養学者でない委員のかたがたは、そんな二百分の一ぐらいの少量のプレミツクスを米の中に加えることによつて、大量の米全部を強化し得るということは如何にも不思議である。そういうことはできるであろうかということを疑いまして、なかなかこの問題に賛意を与えなかつたそうでありますけれども、そこでプエルトリコ大学において、コンラード・アルゼンジヨ博士が、強化米のビタミン量を提起して、これだけあるのだということを申しました。又マリアンヌ・ゲツセ博士動物実験をして、そうして証拠をはつきり見せて、この委員のかたがたに納得をさせた。こういうことによつて強化米が是非必要であり、而もこの二百分の一のような僅かな米を、濃厚なる強化米を全部の米に入れることによつて、全部の米が強化されるということを納得いたし、そうしてこの委員会が有力な支持者となつて、直ちにこれが強化米を国会に提出をいたして、国会議員の御賛同を得て、そうして遂に法制化されたと、こういうふうにロバーツ教授はその間の消息を、もつと長くでありますけれども、抜萃させて頂きましたが、書いておるのであります。ここでも総督は、その貧困者に対して与える利益の大なるを承知してサインをしたと書いてあるのでありますが、これは中途でありますが、申上げるまでもなく我が国におきましても、実際都会に住む者とか、或いは日頃御馳走を食べておる者には、実際に配給される米の中にありまするバイタミン、或いはミネラルスは少くても、そういう面においては大丈夫なのであります。ところが農民のかたのように、白米を主食といたして、他に栄養源の豊富なものを摂らないかたがたが、最もこの問題を望んでおる状態であります。これをどういうふうにするかということは、のちに強化米普及並びに供給の具体的方法にも相成るわけでありますけれども、これは我々もどうしても考えて行かなければならん重大問題であると思います。  で、次はキューバでありますが、キューバは、実は法制化いたしておりませんけれども、ここでは常識に従つてということを言つておるのでありますが、やはり強化米と非常に取組んで、強化米を極力使つておるのであります。これに関しても、一九五一年六月一日に、米国のテキサス州のフーストンで開かれた米国精白業者第五十二年会の席上で、キユーバと強化米という演題の下に、ルイス・スミス女史が、これはアメリカ・キユーバ医学研究委員会の副会長であるそうでありまするが、このかたが述べられたものが、ライス・ジヤーナルに載つておるのでありまして、これによりまして、大体キユーバにおいての考え方がわかるのであります。女史は初めに大変面白いことを言つておりますが、人類は不幸なことに、必ずしも自己に最良のものを選んで食べようとしない、こういう言葉を申し述べているのであります。だから栄養教育というものは根気よくやつて行かなければならんと、こういうふうに申しておるのであります。キユーバではそういうことから、強化米を法制化はいたしておりませんけれども、アメリから入れまして、そうしてこれにシールを貼つて、キユーバ・アメリカ医学研究協会承認というシールを貼つて販売させておるそうであります。なおこのキユーバの首府ハヴアナ市にありますウールウオールス百貨店の食堂では、毎日五千人の人に食事を出しているそうでありますが、ここでは必ず強化米だけしか使わないということをメニユーに印刷しているということであります。なお最近我々のほうへ申して参りましたところによりますと、来年の一月に強化米実施記念展覧会を開催することになつておりまして、ハヴアナ市において、世界の各地で使つておる強化米の包装を集めて展覧したい。日本の強化米の包装も送つてくれということで送ることにいたしておるのであります。なお殆んど大部分の米食を主食といたしておりまする東洋においてはどうであるかと申しますと、フイリピンではこれは第二番目の強化米の栄養価値のところで申すべきでありましたが、御存じのようにこのプレミツクスに関して非常に大きな実験をこのフイリピンにおいて行なつておるのであります。即ちパターン半島における強化米の実験というものは、これはこの強化米を取上げます場合にどなた様も申されるところでありまして、ここにおいては、パターンにおいては、この土地の状況から道が一本であつてそしてほかから米が入つて来る道がない。こういうところを選びましてそうしてこのパターンに試験区とそうして対象区とを取りまして、ここで実験をいたしたのでありますが、このパターンの而も世界的に脚気患者の多いこの地区においてプレミツクスを実験いたしました結果、試験区においては脚気患者がゼロになつたということになつておるのであります。詳しいことはこういう文献がたくさん出ておりますのでありますが、時間の関係などもありましてここではこのくらいにいたしておきますが、こういうふうな関係からフイリピンにおきましてはマニラにナリツクプレミツクスというのがありまして、そこで売つておるそうであります。なおバターン、タルラツクというような方面ではどこの精白米業者のところでもこのプレミツクスが入手できるそうであります。一九五一年には二百万人分が配給を受けておるということであります。なおシンガポールでは強制配給のようであります。シンガポールは、先ほど申しましたようにプレミツクスにはB1とB2と入つたものがあるのでありますが、シンガポールではB2の入つたものが配給されておるそうであります。なおタイではタイ・ライスカンパニーがこのプレミツクスを造りましてそうして配給に当つております。香港においても或いはビルマにおきましても、このプレミツクスを販売いたしておるそうであります。こういうふうで国内における強化米利用の実情というものは国によつてそれぞれの状態が違いますけれども、白米を主食といたします国においては強化米を何とかして取上げなければならんということは深く考えておる、そういう方向へ進んでおるということはこれを以て言い得るのではないかと思うのであります。なお現在考えておる製造規模並びに将来の構想でありますが、これは先ほど前講演者が申されましたように我々もその方法が極めて簡単でありますので、その時々に対応してこれに直ちに応じ得られると考えておるのであります。現在は私のほうで一回仕込みで二百七十キロ、それを三回運営いたしまして一日にその三倍、大体月に二十トンの、経済生産量で申しますと二十トンのプレミツクスを造り、少しこれを上げまして三十トン、三十五トンは容易にこれを造ることができるのであります。なお先ほどのプエルト・リコの状態からいたしましても、こういう問題は非常に大きい問題でありまするが故に国会においてお取上げになりまして、そうしてこういう問題を大きい構想の下に行われる場合におきましては、繰返して申しますが、プレミツクスが極めて簡単なる設備と簡単なる方法によつてこれが容易に製造できる。なお二百分の一の濃厚なるものを造るのでありますから、それの常に二百倍の強化米ができるということに相成るのであります。ここで途中でありますが附加えさして頂くことは、先ほどもお話がございましたように強化米というものは理論ではないのでありまして、大衆がこれを摂らなければならない。そういうふうな場合においてはどうしても食味というようなものは非常に大きな意味を持つて来るのでありましてプエルト・リコにおいても初めはパーボイルド法を強行いたしたのでありますけれども、パーボイルド米を一般人民が食べようとしない。これは先ほども申しましたようにその製法から由来しますように色がついておる、匂いがする、味が幾分異味がある。そういうようなことのためにこのパーボイルド米をとろうとしないのであります。ところがインドは御存じのようにパーボイルド米を昔から食べておるわけでありましてそこの人たちはパーボイルド米に対して何ら嫌悪を催さない。そこでプレミツクスとしてB2を入れましたものは、申すまでもなく色が黄色く相成る、その黄色い米を二百分の一入れて炊くわけであります。栄養的に見ますならばB2はそういうふうにして摂ることによつて、殊に日本人なんかにおいてB2はを摂る機会が非常に少い、こういうことを補うことができるのでありますけれども、炊いた場合に米の中に黄色い米が入つておるということは、これを箸で取除いて捨てて結局強化米の分を捨ててしまうということになるのでありまして、併しこれなんかもシンガポールにおいてはB2が入つた米を好んで用いられるということでありますから、この強化米というものもこの強化米がいいからこれがとられるべきだというような考え方では、到底これを最後の目的といたしておる一般大衆に対する栄養問題改善の鍵とすることはできないのではないかと考えるのであります。やはり嗜好に従いまして、こういう強化米なり或いはこういう強化米のほうが、少くとも我々が考えました場合には、日本の一般大衆が取上げる、こういうことから考えますならば、これは決して一つの方法を最良といたし、これが最もいい或いはこれが理論的にいいというようなことは申せないかと思うのであります。こういう観点からいたしますならば、やはりこの製造の構想においては、我々はいろいろの実験から我々なりにこのプレミツクスを炊きました場合においても食味に何らの異味を与えない非常にいい方法だと考えておるのでありますが、この問題に対しての回答はなお将来においてなさるべきものではないかと思うのであります。現在の規模においてのコスト、或いは大量生産の場合のコスト、これについては前演者が申されましたようにやはり消費者である一般大衆の 懐工合或いはそれに及ぼす経済的影響というものを考えて行かなければならんわけでありますが、先ほどの講演者が申されたB1を薬の錠剤として摂るという形から考えました場合には、こういう方法によつて考えた場合比較にならんほど安く相成るのでありまして、先ほど申されたように一日或いは一月十円くらい、それ以下でこれが摂られるように我々は考え、又十分に現在のコスト或いは将来大量になりました場合には更にコストが下るわけでありますから、そういう場合のコストから考えましてこの要望に応え得るものであると考えるのであります。  次に強化米普及の方針並びに供給の具体的方法でありますが、これも先の演者が申されたように、我々といたしましても初めにおいてはこれを或る限られた地区においての特殊配給というようなことが望ましい、それによつて進んで行くことがいいのじやないかと思うのでありますが、更に進みましてはこれを国家的に大きく取上げて頂いて、最後にはどうしても一般大衆に、殊に農村のかたがたにこれが及ぶような方法を考えて行くことが必要であろう、かように考えておる次第であります。大体私のほうで考えておりまするところ、舌足らずであり、又これだけの問題を短時間に申述べましたためにおわかりにくい点があるかと思いますが、一応これで終らして頂きます。
  6. 中山壽彦

    ○委員長(中山壽彦君) それでは皆さん御質疑がありましたら。
  7. 高野一夫

    ○高野一夫君 参考人のかたに伺いたいのですが、強化米は私から申上げるまでもなく、人造米とは別な観点から来ておるのでありますけれども、どうして食わせるかということです。製品としてどこか米屋で売つておるのか、どこか配給所で売らせるのか、それとも、さつきのプエルト・リコのように法制化ができれば結構でありますが、それがまだない現在において、どうして買わせるか、希望者に一キロとか二キロとか買わせるのか、こういうところはこれを普及させる上において一番の問題の点だろうと思うのでありますが、これについて先ず丹沢さんはどういうふうなお考えでございましようか。
  8. 丹沢秀昭

    参考人(丹沢秀昭君) 今おつしやいましたようにこの普及の問題は非常に大変な問題でございまして、折角いいものを何でございますので、どうしてこれを普及しようかということを私たちも非常に考えております。併しながらこの米というものが食管法でまだ統制品でございまして、これを自由にどこでも人造米のように売れるということを一足飛びに我々のほうで要求するということも無理なんじやないか、結局農林省厚生省両省のお考えで、これの取扱いをどういう工合に持つて行くか、我々の希望といたしましては、先ほど申し上げました通り最終段階においては全部国で取上げて頂きたいと思うのでございますが、その前に普及ということがあります。私がさつき都市ということを対象にいたしましたのは、藤沢さんのほうでおつしやつたように、これは農村が一番大切なんでございますが、都市と申しますのは宣伝普及の対象としてわかり易いのじやないかということを考えまして、それでできたらばお米を差引かないところの特別配給ぐらいに持つて行きたい、こういう希望なんでございます。
  9. 高野一夫

    ○高野一夫君 厚生省のかたに伺いたいのですが、これは昨日も人造米のことでお尋ねしたわけですが、これの製造、販売ということはどういうようなことで処理されるわけですか、やつぱり一種の何らかの法規に基いた許可制度になるとか、取締りは規格はどうするとか、その一つ一つ、例えばビタライスはこれで結構だ、プレミツクスはこれで結構だ、何かほかのものができればそれもそれとして結構だということで、個々別々に検査をして認めるとか、許可するとか、取締るとかいうことをされるのかどうか、何か一定の方針をお立てになつているかどうかお尋ねしたい。
  10. 大磯敏雄

    ○説明員(大磯敏雄君) 只今御質問の強化米の取扱いということでございますが、これは当然中に含まれておる栄養素の量ということと、それが及ぼす影響ということが明示されまするから、これは栄養改善法の中の特殊栄養食品として取扱うべき事項でございまして、すでにプレミツクスもビタライスもその申請が来ております。これが許可されますと、その商標の上に、厚生省許可番号と、中に入つておりますビタミンの量が明記されることになりまして、これは全国にございます食品衛生の監視員がいつ何時も急速その内容を検査することができるようになつております。そしてそれに不正がもつた場合には発売をとめるというようにかつておりまして、国民がその内容について安心できるというようなことになつております。
  11. 高野一夫

    ○高野一夫君 そうすると法律による許可制度というわけですか。規格はそうすると個々別々に審査をされることになりますか。まだ厚生省として一定の規格をされていないわけですか。又ビタミンを入れるならこれくらいとか、これ以上とか、どうとか、ビタミン以外にほかのものを入れなければならんというようなときにどうするのかといつたようなことについて、農林省規格とか、そういう規格告示というようなことはまだありませんか。
  12. 大磯敏雄

    ○説明員(大磯敏雄君) 只今のところ規格としてはつきりきめてはおりませんが、現在の日本の状況では、一人一日一ミリのB1、これは最小限度確保したいということで、只今このプレミツクスとビタライスの両方に対しては一ミリを確保するような、入れる方法を話合つておりまして、現在申請に出ておりますのは、途中のロスを見込んで一・二ミリ、両方とも一・二ミリとして申請に出ている一種だけでございます。併し今後強化米というものはほかのビタミンミネラルも必要でございますから、そういうものが出て来た場合には十分考えたいと思います。
  13. 高野一夫

    ○高野一夫君 厚生省で、製造の申請があつた場合に許可するかしないかということをおきめになる場合に、農林省との関係はどうなんですか、米をもらわなければならん、その許可厚生省がするかしないかということに対して農林省との連絡と申しますか、打合せと申しますか、それから米をどの程度払下げてやるというようなこともありましようけれども、その辺のところは現在どのようにお打合せになつておりますか。
  14. 大磯敏雄

    ○説明員(大磯敏雄君) 栄養改善法によります許可につきましては、別に農林省との関係はございませんが、米に関する限りは、これはまだ食管法によつて完全に統制されておりますので、これについては前々から食糧庁と話合をしております。
  15. 高野一夫

    ○高野一夫君 食糧庁と話をしているのはどうせなさつているでしようけれども、どの程度にそれは進行しているのか、例えば厚生省許可するといつたところで、農林省で米は今例えば二十トンぐらいでは何とかなるけれども五十トン六十トンでは困るというような意向でもあるのか、そうすると昨日人造米の三十万トンというような目標も出ているのだけれども、或る程度は農林省のほうで努力して業者に渡す、こういうようなところまで話が出ておるかどうか、そういうところまで、現在の構想を、打合せの内容を一つ説明して頂きたい。
  16. 大磯敏雄

    ○説明員(大磯敏雄君) これは高野先生のおつしやる通りでございます。私のほうといたしましても、この二つのプレミツクス・ビタライスの業者の希望というものの果して農林省のほうがそれだけの米の裏付けがあるかどうかが、又我々としても、それが我々のほうの側の希望とも合致するかどうかということは、いろいろ食糧の事情によりますことでありますので、今まで話合つております点は、終局においては配給米に入れるとか、或いは農村の保有米にこれを補強するとかいうような遠大な計画はございますけれども、差当つてどうするかということは、最初はこれを国民がどのくらい受入れるか、又どのくらいの効果があるかということで、試験米を出すからという話で去年あたりから試験米が出て、或る種の試験を済ました結果、大変よいということでこれを成るべく多くして行きたいということで希望がございましたけれども、最初から非常に大きくやるということは又資金の点もあり、見通しというのもなかなかむずかしいことで、ございまして大体月に百トンくらいを六大都市に特配をしたい、こういうことが協会のほうから話がございましてこれを農林省側に伝えまして、そういう米が確保できるかどうかという交渉をしておりました。ところが凶作というような事態も起つて参りました。又一方人造米というようなことで、農林省が非常に忙しくなられたようなこともありましてだんだんその点が延び延びになりましたが、最近大体現在の食糧事情ではそのくらいのところはやり得るであろうというところへ話が進んでおります。
  17. 高野一夫

    ○高野一夫君 農林省側からその点一応御説明願います。
  18. 石田繁

    ○説明員(石田繁君) この強化米につきましては、農林省といたしましても成るほど配給するものとしては非常にいいことでありまするので、相当長い間、私の実は前任者の時代から相当研究されておりましたが、いろいろな加減で実施が遅れております。併しながらこの強化米は使用する量が非常に少くて済むということでありますし、それから使用する米の種類は、初めのうちは内地米をこれに充当するという考えを持つておりましたけれども、最近の内地米の状況もありまするので、内地米に近い、即ち加州米とかスペイン米とかいう丸粒の純内地米に近いものを使うということでありますならば、それほど米の需給状況に影響を及ぼさないでこの配給が実施できるのではないかということで考えております。従つて現在手配しておりまするのは、大体今のところ強化米製造業者が四社ございますが、その四社の一カ月分の製造能力、大体一社平均月三十五トンといたしまして、取りあえずのところ四社に対して百四十トン程度のものは今後続けて出して行けるのではないか。それから又今後の普及の状況によりましてはこれを更に附加えることは差支えないのじやないかというふうに考えております。
  19. 山下義信

    ○山下義信君 今日はまあ参考人のかたの御意見を承わるのが主で、我々又別の機会に委員会としての審議をしたいと思いまするが、高野委員から政府のほうへ厚生省の意見と農林省の意見をお尋ねになつたのです。私は一番関係の深い両参考人国会に御出席のこの機会に、あなたがたのほうに私は聞きたい。率直に一つお答えを願いたい。農林省のほうと並びに厚生省のほうとどういうふうな話を聞いておられるか、今政府のほうの答弁がありましたが、その通りか、何かはかにいろいろ農林省のほうと或いは又厚生省のほうと話合いを別になさつたことがあるか、あるならば我々は聞いておかなければならん。これは率直に申上げると、役所というものはよく欺すもの、欺すわけで欺すのじやないのだけれども、初めのうちは、いや、これをやるのだ、いや、君のほうに大いにやらせるのだと言つておいて、だんだん話が変つて来る傾向があつて、よく民間の人が迷惑される場合がある。又方針がぐらぐらしてどうしていいかわからんような場合もあるのじやないかと思う。若し私どもが聞いておきまして先で審議する場合に、非常に参考になるようなことがあれば、この際承わつておきますれば、やるならやるで御迷惑のかからんようにして頂かなければならん、こういう意味で若しあなたがたが農林省関係、厚生省関係押し並べて政府関係から何か従来示された方針、或いは打合せたようなことがあつて、今日大分食い違いが来ておるようなこと等々があれば、言い換えればあなたがたのほうで納得のし難いような政府方面の態度とかいうようなことがあれば、言いにくければ政府の退席を求めてでも承わりたい。ちよつとお二人並べて聞くのは妙なようでありますけれども、これは御両所の関係でなしに、もつと高い見地から、大乗的な見地から私は承わつておきたいと思うのです。私の質問の気持はそういうことです。例えば試作品の原料を農林省があなたがたのほうに一応まあ便宜を計らつて原料を渡す、そういうものを渡してもあなたがたの能力が別とすれば別で、或いは又製品に甲乙をつけておけば別ですけれども、私どもは仮に一方に二十トンの材料を渡す、一方には十トンの材料を渡しておる。二十トン、十トンいずれも少量だが併し比率から言えば半分なんです。それでそういうふうな原料を渡してまあ造つてやつて見給えということでも、政府のほうで平等に二十トンずつ出したらよかろうと私は思う。ところが一方には二十トン出すが一方には十トンしか出さん、十トン、二十トンはいずれも少量だが、比率から言えば半分なんです。そういう差別待遇をすると、何も知らん僕らのほうでは、そういう数字だけを見ているとおかしい。若し一方に農林省が力を入れ、若し一方に厚生省が力を入れるということがあると、これはなかなかデリケートなことになつて、心配して行かなければならんと思う。余分のことは申上げませんが、何か従来政府のほうから指示されたことがあるか、或いは奨励されたことがあるか、そういうようなことがありましたならばおつしやつて頂きたい。若しないならばそれでよろしうございます。ここで御証言になられますことは、非常に私は他は影響があると思うんです。ノー・コメントならばそれでもよろしうございます。参考におつしやつて頂くことがあれば承わつておきたいと思います。
  20. 丹沢秀昭

    参考人(丹沢秀昭君) 今の点について我々やりました経過と現在の段階についてちよつと申上げます。私も各省といろいろ交渉のことがたくさんございましたけれども、強化米に関しましては厚生省食糧庁非常によく協力して下さいまして、先ほど申されました試験用の米というものも我々の申上げた通りこれは無条件で出して頂きました。又厚生省のほうもこれに対するところの試験の便宜、これは我々としては非常に感謝に堪えないのでございますが、国立病院の非常に予算の少いところから削つて頂きまして、いろいろな詳しい、データーを自費、自費といつてはちよつとおかしいのでありますが、全部とつて頂きました。我々が考えましたのは、本年非常にこの強化米をやる上において最悪の状況だと思つて心配しておりまして、厚生省それから食糧庁のほうにもいろいろとお話したのですけれども、まあ百トン程度ぐらいの米ならば、これは大して今の凶作とは言いながら、需給上には問題じやないんじやないかというような御返事を最近頂くようになりましたのは非常に心強く感じております亡今山下先生がおつしやつたように非常によく政府機関の方々が動いて頂いたということを御報告申上げたいと思います。それからプレミツクスとビタライスの両者の関係でございますが、これは或いは巷間において対立関係にあるのじやないかというようなことが或いは聞かれるかもわかりませんが、我々としてはそういう考えは毛頭ございません。厚生省農林省のほうからも、どうせ強化米なんだから一緒に一つこれは統合してやろうじやないか、君たちのほうでもそれを話合つて、ほかから誤解を受けないようにしてくれといつたような御勧告もございますので、現在藤沢さんのほうもいろいろとその点について具体的な方策を練つておる次第でございまして、御心配になるようなことはないと思います。
  21. 植田高三

    参考人(植田高三君) 只今山下先生から御質問がありました点につきましては、概括いたしまして、前意見者の丹沢さんが申されたところと、私は同じようにお答えをいたしておるわけでございまして、なお最後に附加えられましたビタライスとプレミツクスの関係につきましても、私は我々プレミツクスを取上げておりまする立場ではありますけれども、強化米というものの、今日我国にとつて重要であるということの見地から、我々は我々でプレミツクスをとつておるのでありますけれども、只今丹沢さんが申されましたように、できるならば両者の話合いをしましてこの問題を進めて行くことがいい、こういうふうに考えておるのでありまして、最後に今まで農林、厚生両省におかれましても、我々の希望に対しては、十分入れて頂いておるところでありまして、この際も申上げることがないのであります。
  22. 山下義信

    ○山下義信君 これは先ほど申上げましたように、改めてこの問題に関する当委員会の御審議は御続行願いたいのでありますから、今私は質問を多くいたしませんが、今の御両者のお答えは、私納得ができないのです。それは一つの企業として競争をしないように提携してやるのだということは甚だ結構です。そういう意味では結構です。併し御両者の製品は違うのでしよう。性能が違うのでしよう。全く両者が同一の性能と、同一の効果であるというのならば、御両者が提携なすつても一つも不思議ではない。併し或る程度においては、優劣を争わなければならん。闘わなければならん。而してもつと優秀なものを国民に薦めるということが本筋です。それで若し両者が御提携なさつて、妥協なさるというならば性能その他においても五分々々でなくちやならん。若しその間にいささかでも優劣の差があるならば、我々は優秀なものを取りたい。そういうものは厳格にやるという点から見れば、私は納得しがたいのですが、まあこれは先のことにして、厚生省のほうがどういうふうな研究をするか、ただあなたがた御両者ばかりでなく、国の栄養研究所の製品もあるだろう、又他の製品もあるだろう。これが政府に出願をしたときに、如何なる審議をして、如何なる指定を許可するか、或いは許可しないかということは、国会としても監視をしなければならん。政府の意向も検討しなければならんことでありまするが、そういう意味から見れば、私が両者のいずれが果して国民に薦めるのに適当かということは、当委員会でも重大な関心を持つて検討しなければならん。幸いに同等という結論が出れば結構でありますが、ですから今の企業的御答弁も結構でありますけれども、そういう点につきましてはまだ質問者としては納得しがたいのでありますから、一つ伺いますが、プレミツクスのほうですね、現特許会社のロツシユですね、これは藤沢さんのほうで特許権の契約は賃借をしておられるわけですか。
  23. 植田高三

    参考人(植田高三君) この問題に関しましては、賃借というお言葉ですが、これはノー・ロヤリテイということで進んでおります。特許の際入れるべき報償金を払わない、こういうことであります。
  24. 山下義信

    ○山下義信君 それでは巷間伝えるように、このプレミツクスに関する生産を、やはり特許料として、使用料としての、或る程度の外貨の、相当というか、外貨支払いを要するというようなことはないのですね。
  25. 植田高三

    参考人(植田高三君) 藤沢とホフマソロツシユとの話合いで、藤沢がやつております間は、ノーロヤリテイであります。ですから海外特許料を払う必要はないのであります。
  26. 山下義信

    ○山下義信君 私は今農林省が説明をした、答弁をした四社という中には、葛原が入つておりますか、ニユーライスの。
  27. 石田繁

    ○説明員(石田繁君) 入つておりません。
  28. 山下義信

    ○山下義信君 栄養課長に聞きますが、何と言いますかね、改善法で、特殊栄養食品でしたかね。特殊栄養食品につきまして、栄養改善法にこの種のものを特殊栄養食品として指定をする意味になつておりますかね法律が。その点はどうですか。
  29. 大磯敏雄

    ○説明員(大磯敏雄君) そうなつております。
  30. 山下義信

    ○山下義信君 これは本年の夏から秋にかけての頃は、農林省責任当局では十二月の上旬からでも市販するようにやろうかということであつて、今聞いているというと、何もいろいろ設備を準備しなくても直ぐにでもできそうなんで、一晩で何十トンでもできそうなふうらしい。ただその後はそういう指定をして愈々実施するかどうかという段階に迫つているような印象を受けたんです。原料のほうも百四十トン渡すということをきめたという、じやもう愈々やるということになつて、今晩にでもやればやれるような態勢らしい。そうすると強化栄養食品というように指定をするかしないかきめなければならん段階に来ているような気がするんです。そういうことは栄養審議会にかけたり、いろいろ厚生省のほうの準備の関係はどういうふうになつておりますか。
  31. 大磯敏雄

    ○説明員(大磯敏雄君) 特殊栄養食品許可はすべて本省で扱つておりまして、その内容につきましては栄養研究所で検討いたしまして、そこに言われていることと、実物の内容が違うかどうかということを検討した後にこれが許可される、そういうことで今までの特殊栄養食品許可が進んでおります。只今御指摘の二つの強化につきましてもすでに許可をするまでの事務手続まで進んで来ております。そういう段階でございます。
  32. 山下義信

    ○山下義信君 私は非常にこれは重大だと思うんですね。これは法律行政府委任していることですから、この指定については厚生省の仕事は当然の権限ですることが、併しこれはただ学術的にいろいろ何というか、そういうふうな試作品的なものを、これを一つの栄養食品として指定するということは、私は法の精神はそうではないと思う。法の精神は、一つ、二つの試作品を持つて来て、罐詰であろうと味噌であろうと、それを分析して見て、何があるから、かにが何グラムあるから、何パーセントあるからといつて、そして栄養分析して来て見た結果、これは栄養価値があるとか、強化価値があるとかということで国が認可いたすべきでなくて、それが実際に需要者の手に渡るそのすべてのやり方の大きな総合的な観点も考慮をして、そうして私はやるべきであると思う。でありますから、ただ、一つの見本品を持つて行つて、それを内容的栄養分析をして見て、規格に合うから栄養強化指定食品たというようなことになれば、その指定を受けるべきものは何千、何万あつても、ただ徒らに戸棚にサンプルとして並べておつて、一向これが需要者の手に渡るというようなことがないのだということになれば、私は栄養改善法の指定の法律立法にしろ全く無駄になつてしまつて、これは一つの学問として、そういう方面に興味を持つ人たちの一つのおもちやに過ぎない。そうじやない、厚生省栄養強化食品であると指定するということは、直ちにこれが需要者にも響き、その品物を需要者も求め、そして、それによつて国民栄養が向上されるという具体的の事象がそこに起きて来るということがあつてこそ法律も活きて来る。行政も活きて来る。従つて私はそういう指定をすることは非常によく考えてやらなければならんことであるし、又その指定の結果も将来非常に大きな影響がなくちやならんわけだ。それで私は強化米の指定ということについては、この委員会としても、もつと私は検討する余地があると思うのです。そして私は奇々怪々に堪えないのはニユーライスというのをすでに指定している。これは人造米なんです。この人造米を、私どもは素人でわからんけれども、まあエンリツチした。これをすでに特殊栄養食品として指定している。こちらは純白米の強化品です。そうして厚生省は全国都道府県に強化米奨励の通牒を発して、まだビタライスもプレミツクスも出ていない。出ていないときに白米関係の強化食品使用するように奨励するという政府の措置については、ニユー・ライスを食べろということを奨励することになれば、誠にその取扱いが奇々怪々に堪えないものがある。それで強化米そのものは誠に純情無垢であつて、今お話の通り我々も双手を挙げて奨励したいと思うが、今や人造米も絡んで、いろいろこれに対する政府対策政治的に非難されておる。又ニュー・ライスとか、何とかライスとか言つたようなものもこれは非常に巷間には浮説が高い。折角国民栄養政策を進めて行こうという場合に、いろいろそれについて忌わしい風説が流れないようにして行つて殊に主食に関するものは、儲かるか儲からんか知らんけれども、そういうことに関するものは、いろいろな風説がとりまかれないように、純情無垢に国民の前にデビューして行くように、私は細心の関心を払わなければならん。かように考える。そういう意味で厚生省はこの指定に関しては、少くとも今現に小委員会を設けて熱心に検討しつつある厚生委員会の意向も十分斟酌して、これが取扱いについては十分慎重に考慮を払わなければならんと考える。一応私は栄養課長の所見並びに心構えを聞いておきたいと思います。
  33. 大磯敏雄

    ○説明員(大磯敏雄君) 只今山下先生から大変御懇篤なる御注意を受けまして、私はその点につきましては、栄養改善法制定の精神というものを私は知つている関係上誠に身にしみてよくわかりますけれども、又そうなければならんということを痛感している次第でございます。只今まで栄養改善法施行に当りまして、事務手続上とつておりました点に若干不利なところを私は発見をいたしましたので、来るべき国会に私は或る程度の法改正をお願いをいたしたい。そしてこの法律精神を活かしたいということを考えておりますので、これにつきまして改めて先生がたのいろいろ御指導と御援助を得たいと考えておりまして、先生の御忠告に従つて栄養改善法精神を活かす方向に進みたいと考えております。
  34. 有馬英二

    ○有馬英二君 ちよつと厚生省に伺いますが、先ほど丹沢参考人からこれの何か栄養価値と言いますか、何か実験が行われている。栄養研究所で行われておりますか、或いはどこで……。
  35. 大磯敏雄

    ○説明員(大磯敏雄君) これは病院とか療養所、工場の寄宿舎でございますね。そういうところ。非常に広いフイールド・ワークとしての実験でございます。    〔委員長退席、副委員長着席〕
  36. 有馬英二

    ○有馬英二君 それでそれはビタライスばかりですか。プレミックスもやつぱり行われておりますか。
  37. 大磯敏雄

    ○説明員(大磯敏雄君) プレミツクスも若干やつております。
  38. 有馬英二

    ○有馬英二君 その成績についてもうすでに発表されておりますか、されておりませんか。
  39. 大磯敏雄

    ○説明員(大磯敏雄君) できております。これは恐らくおいでの参考人のかたがたもお持ちじやないかと存じますが、いろいろ発表された意見、データーをお持ちだと思います。
  40. 有馬英二

    ○有馬英二君 厚生省から一つまとめて参考資料としてこの次に……。
  41. 大磯敏雄

    ○説明員(大磯敏雄君) かしこまりました。
  42. 高野一夫

    ○高野一夫君 植田参考人に伺いたいのですが。あなたのほうではB2を入れるということは、B2を入れろという御希望でもおありですか。
  43. 植田高三

    参考人(植田高三君) 高野委員の御質問のように、方法といたしましては、プレミツクスは足も入れることができ、又プレミツクスには入れた製品と言いますか、ものを前から出しているのであります。でありますから栄養学的の、一般的の栄養を考えました場合にB2が、殊に日本人においては攝取が足りないのでありまするから、B2を入れましたプレミツクスを利用いたすということは非常に望ましいことである。で、我々といたしましても、このB2を入れたものが大衆性があり、これを容易に皆が受入れて頂けるならば、B2の入らないプレミツクスよりはよりいいものであると確信いたします。併しながら先ほどから申しますように、嗜好というものもありますし、或いは或る国においてのように恥が入つたためにこれを除くというような、いわゆる目的とするところに相反するようなことが起つて来るならば、これはその目的がそのためにこわされるわけでありまするから、現実の問題においてはいずれをとるか、その国々によつて、先ほど申したようにシンガポールは何らこれなしにB2の入つた強化米がとられている。これはよりいいものであるということは申すまでもないのであります。そういう見地からしまするならば、我々は特にプレミツクスの特徴はいろいろなものを入れ得る。そうして初めに申しましたように白米強化ということは、白米がいわゆる玄米から白米化される際に失われるものを、これを補給をすることによつていろいろな面から見て栄養を回復し、万全化するという立場に立つわけでありますから、勿論このB2が攝られるようにPRと言いますか、或いはパブリック・リレーシヨンと言いますか、或いは普及宣伝と言いますか、これを強化いたしましてB2の入つたプレミックスがいいのだということを申し、これが又プレミックスの特徴でもあるということを申したいのでありますけれども、現実の問題においてどれがとられるかということはこれは別問題である、こういうふうに考えるのであります。
  44. 高野一夫

    ○高野一夫君 厚生省がプレミツクスに対してB2の入つた書類によつて、B2を入れたものとしてのプレミツクスとしてお考えになつているか、それを抜いたものとしてのプレミツクスとしてお考えになつて審査を進められるかどうか。
  45. 大磯敏雄

    ○説明員(大磯敏雄君) 只今藤原さんのほうから出ておりますのは、B2は入つておりません。私どもはそう考えております。
  46. 山下義信

    ○副委員長(山下義信君) 他に御質疑ございませんか。御質問ございませんようですから本日はこれを以て散会いたします。参考人の方、誠にありがとうございました。    午後零時二十二分散会