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1953-12-07 第18回国会 参議院 農林委員会 5号 公式Web版

  1. 昭和二十八年十二月七日(月曜日)    午後二時二十分開会   ―――――――――――――  出席者は左の通り。    委員長     片柳 眞吉君    理事            宮本 邦彦君            森田 豊壽君            白井  勇君            戸叶  武君    委員            雨森 常夫君            川口爲之助君            重政 庸徳君            関根 久藏君            横川 信夫君            上林 忠次君            北 勝太郎君            河野 謙三君            河合 義一君            清澤 俊英君            松浦 定義君            鈴木  一君   政府委員    林野庁長官   柴田  栄君   事務局側    常任委員会専門    員       安樂城敏男君    常任委員会専門    員       中田 吉雄君   説明員    農林省農業改良    局特産課長   徳安健太郎君   参考人    全林野労働組合   中央執行委員長  妹尾 敏雄君   ―――――――――――――   本日の会議に付した事件 ○請願及び陳情に関する件 ○農林政策に関する調査の件  (茶業振興に関する件) ○公共企業体等労働関係法、第十六条  第二項の規定に基き、国会議決を  求めるの件(国有農林事業)(内閣  送付)  (第十七回国会継続) ○参考人の出頭に関する件   ―――――――――――――
  2. 片柳眞吉

    ○委員長(片柳眞吉君) 只今から農林委員会を開会いたします。  最初に請願及び陳情の審査を行います。  速記を中止して下さい。    午後二時二十一分速記中止    ―――――・―――――    午後三時八分速記開始
  3. 片柳眞吉

    ○委員長(片柳眞吉君) 速記を始めて下さい。  かねて森田委員から茶業振興に関する件につきまして質問の要求がありますので、本日は農林政策に関する調査として、茶業振興に関する件を議題といたします。農林省の特産課長が見えております。
  4. 森田豊壽

    ○森田豊壽君 茶業振興につきまして、私より二、三回特産課長のおいでをお願いしましたが、御都合がお悪いと見えまして、おいでにならなかつたのであります。臨時国会のこの米価或いは給与の問題につきましての重要な際に割いて頂きまして、ここに御質問申上げるわけでありまするが、私が申すまでもなく、我が国の農産物輸出の大宗といたしましては、何と申しましでも生糸とお茶であることは、これは明治以来の輸出の状態から行きましても、これは明らかであるわけでありまして、而も終戦前と終戦後におきまずる茶業界の変化というものは、それこそ百八十度と申しましようか、目が廻るぐらいの変化を来たしておるのであります。戦前におきましては、輸出の対象となりましたのは、米国及びカナダにおきまして輸出をしておつたのでありまするが、現在は北アの地域が大半を占めておるのであります。戦前は三千或いは四千万ポンドと称されておりまするあの米国或いはカナダ輸出いたしましたものが、今日では総体といたしましても、御承知の通り一千二、三百万ポンドぐらいの程度にとどまつておるのであります。戦前と比較いたしましたならば、輸出の数量におきましても先ず三分の一乃至は四分の一と言わなければならんという状態にあるのであります。その原因は、アメリカ消費量が戦前よりずつと減りまして、現在はその約一割近くにしかなつておらないという状態で、四百万ポンド程度にしかなつておらないような状態にあるのであります。而して北アのほうはこれに反しまして、急速に増加いたしまして、御承知のようにアルゼリアを初めといたしまして、相当の数量が今日出るような状態になつておるのであります。こういう状態になつておりまするけれども、先ほど申上げましたように、戦前と比べましたならば三分の一という状態になつておりまするのは、如何なる原因であるかということをよく研究しなければならんと思うのであります。我が国の国策といたしましても、輸出産業に対しましては、あらゆる方面に対しまして幾多の振興策を講じておるのでありまして、殊に農産物に対しまする輸出に対しましては、日本に残されたる国内資源におきましての唯一のものであることは言うまでもないのであります。この点から行きましても、茶の輸出を振興せしむるということは、我が国農政の上におきまして最も重要なことであると私は考えておるのであります。この点から行きましても、この茶に対しまする振興策を講じますることは、我が国農政におきまするところの、我が国に残されたるところの資源の唯一のものに対する輸出の振興でなくてはならんのでありまして、而もそれが売れないのではなくいたしまして、新たなる新販路まで得られるような情勢下にありまする今日におきましては、私はこれに対して、この際こそ、国際貿易の状態も改善されて参りました際こそ、私はこれに重点を置いて考えなければならんと思うのでありまして、この特産課が、これを改良局の特産課としまして担当しておられまするので、農林省といたしましては誠に小さな課であつて、蚕糸局と同じように、お茶に対する一つの局ぐらいは作つてもらいたいということが、私の希望であるわけでありまするが、今そんなことを言つておりましても間に合いませんから、ここで特産課長に申上げるわけでありますが、この輸出振興に対しましては、御承知の通り今日におきましては、何と言いましても一番困難なる取引はお茶の取引であることは現実に御承知だと思うのであります。先ず農産物のうち、お茶ぐらい取引の改善を要すべきものはないということは現実に言えると思うのであります。このお茶の取引というものに対しましては、お茶は買手のほうへ、問屋のほうへこれを預けろような恰好で委託したような恰好になつておつて、お茶の売買ができておるという状態になつておるのであります。これは生産者みずからの反省も勿論必要でありまするけれども、これに対しまして、何かそこに言われないところの取引上における欠陥かあるのでありまして、この欠陥は商取引の欠陥と言うよりも、そこには何か生産から消費に至るまでの間におきまして、何ものかそこに欠陥があるのでありまして、これを是正するような指導、奨励こそ今日の茶業振興に対しまして最も必要なことだと私は考えておるのであります。この点から行きまして、私は先ず第一番に輸出茶に対しまする振興策をここで確立することが最も重要中の重要問題であろと、こう考えまするので、農林省の特産課は今までの実情を私以上に御承知になつておると思うのでありまするから、この茶の輸出振興に対しまするところの何か一つの法案でも、輸出振興策に対する特別措置法か何かの要綱でも持つておりまするならば、これを一つ今日はお示しを願いたい。又これを議会に提案する意思があるかないかという点まで一つお伺いしてみたいと思うのであります。この点を一つお尋ね申上げまして、次に又その答弁によりまして御質問を続けて行きたいと思います。
  5. 徳安健太郎

    ○説明員(徳安健太郎君) 只今森田委員のほうから茶の輸出振興につきまして非常に適切なる御注意を頂きました。只今お話のように、我が国の茶業というものは戦前は輸出に非常に重点を置きまして、多いときは五千万ポンドというような輸出量があつたくらいであります。而もその輸出は大部分がアメリカ輸出されております。ところが戦時中におきまして、いわゆる緑茶がいかないというので、これが紅茶及びコーヒーに代りまして、戦後は非常に一割或いは二割というふうに激減いたしております。その代りといたしましては、アフリカ方面に対しましては非常に伸びておりまして、今森田委員からもお話がありましたように、昨年の輸出高約二千三百万ポンド、そのうちの約八割以上はアフリカ市場に行つております。現在十月までの輸出実績を見ますというと、昨年が約千三百万ポンド、本年は約千六百万ポンド、ラウンドで申しましたが、差額にいたしまして二百三十万ポンドばかり増加いたしておりますが、これは本年の凍霜害等の減産にもかかわらず、アルジエリア方面への輸出が非常に伸びておるためであります。更に輸出振興の問題につきましては、我々といたしまして、終戦後にとりました対策といたしましては、御承知のように戦時中から食糧増産のためにお茶の生産というものが非常に減りまして、先ず生産を増強しなければならんというので、茶の原種農場或いは茶の原種圃というような設置助成に対しまして、生産府県に助成をいたしまして、逐次生産が殖えて参りまして、本年度の実績におきましては戦前の数字にほぼ近いくらい回復いたして参つております。なお又輸出の問題につきましては、今お話のありましたように、このアフリカ市場に対しまする市場調査或いは見本展示というような、実は予算も要求したのでありますが、これらにつきましては毎年要求はいたしておりますれども、大蔵省で認められない、こういう実情でありまして、この本年度の予算でやつといわゆるアフリカ向の玉緑茶試験研究費が僅かに百万円通つた、こういう状況であります。更に来年度の予算といたしましては、我々のほうといたしましては、いわゆるアフリカ市場に対しまする販路の調査、それからいま一つは玉緑茶は御承知のように内地には殆んど向きませんので、いわゆる伸び茶でありませんので、グリ茶でありますから、これを計画生産をいたしまして輸出を振興して行きたい、かように考えまして、これの計画生産に伴う滞貨した場合の利子補給というものを約四百五十万円ばかり計上して、目下大蔵省に要求中であります。最後にこの輸出振興の問題につきまして農林省といたしまして特別の輸出振興の臨時措置法を出す考えはないかというお話でございますが、これにつきましては、我々特産課といたしましては、いろいろ検討はいたしておりますが、只今のところ農林省として、いわゆる政府提案といたしまして輸出振興法を出すという考えはございません。ただ衆議院方面におきましても、関係の議員のかたがたで議員立法の形で提出したい、こういう御希望がありますので、我々にもそれに副つていろいろと研究をいたしおる次第であります。
  6. 森田豊壽

    ○森田豊壽君 只今予算の話がありましたから、それと関連して質問申上げます。この前の臨時国会におきまして、会計課長より二十九年度予算を拝見いたしました。これに対しましてお茶に対しまする予算は九百六十万円でしたか、一千万円弱であつた。この数字は去年と比べますると、百六十万円に対しまして九百六十万円でありますから、随分増加したということが言えましよう。その内容を見ましたところが、その内容のうちには七百何十万円かが、これはお茶を保管をした場合における、売れなかつた場合における保管料及び金利の補給としまして二分の一を計上したことと私は記憶しておるのです。その二分の一の補助も、国家財政の上からいつてやむを得ないものとも考えられる点もあるのでありまするが、一体その利子補給或いは保管料はいつからのものを計上してあるのか、恐らく二十九年度分でありまするから、四月以降のものに対して、お茶は五月から出るのでありまするが、新年度予算としてはそういう考え方をしておられるでありましようが、一体どういう場合において支払うか、その内容を聞きたかつたのでありますが、あのときには官房長に私ちよつと申上げましたが、官房長はよく研究しようということで、私はそのときは、専門家でないかたでありまするから、よく研究してもらいたいと申上げておいたのでありますが、そのときそういうことについて説明はなかつたのであります。私はお茶の取引のことを先ほど申上げましたが、輸出茶というものは玉緑茶と称する、即ちお話の通りの伸び茶でなくしてグリ茶であるということでありますが、このグリ茶というものは生産計画を立てまして農家におしまして、輸出用としてこれを作らせるにあらざれば、輸出用のお茶というものはその年は生産ができないということになるのであります。即ち輸出向にこしらえたお茶というものは内地向にはならないのです。我が国の人口八千万と仮定いたしまして、一人が百二十匁ずつお茶を飲むということが現在における常識でありまして、千三百万貫のお茶が一年にとれるといたしましても、外国へ出る荒茶が、目方で概算すれば三百万貫でありますが、そうすると、丁度概略におきまして国民一人当り百二十匁のお茶を飲むということになつておるのであります。その百二十匁のお茶を飲むのに、輸出のほうへ相当のものを持つて行かなければお茶の需給のバランスは合わないというのが今までの体験から行きましてそういうことになるのです。従いまして我が国の生産量から行きますれば、どうしても輸出を相当振興させるにあらざれば、お茶を作つたものはこういうものを作つておりながら、茶業というものは振興されないことになるのであります。従いまして輸出を振興することは我が国の外貨獲得の上において必要であるのは申すまでもない、これを振興させることは内地の産業を振興させ、内地の需給のバランスを合わせる上において非常に必要なことなのでありまするから、この点から行きまして、私は輸出振興に、いわゆる輸出のものを内地へ向けることができないのだから、若し輸出が少かつた場合には、買手が買わなかつた場合には、翌年度へ廻す場合もありましようが、今のところでは過年三年間は私が調べたところによりますと、ポンドで行きますれば二千万ポンドは確実に今まで三年間の経過は輸出されておるのであります。従つて今年は霜害がありましたから、玉緑茶としてはそう出ないけれども、今のところでさえも、十月末におきまする表を調べてみましたところが、それだけで行きましても二千百万ポンドくらいは出ておるような状態であります。そのくらいの状態にあるのであります。調べてみたところがその状態でありまするから今年は恐らくまだ二割くらい殖えるという状態でありますが、現在はどうかというと玉緑茶はないのであります。輸出はできないという状態にある。それはどういうわけかというと、お茶の取引というものは五月の八十八夜のお茶ら始まりまして、三番茶、四番茶と行きまして、先ず九月一ぱい、大体におきまして十月の初め頃までに終るのでありますが、そのときに作らせなければ作らせるときがないということになるのであります。輸出茶というものはそれが今のところでは北アのほうの需要というものは、初めはアメリカあたりへ行く場合は早くから売れたのでありますが、今ではむしろ下半期、お茶のほうの後半期と申しましようか、十月以降におきまして相当の取引が行われるという状態にあるのであります。そのときに商人は、輸出商は何と申しましても銀行から借りる場合におきまして、取りあえずの数量だけの金しか借りられないのであります。商取引が整つておらないのでありますから、取引が整つておらない場合におきましては当座取引のある分だけしか金融は見てくれない状態でありますから、従つて生産者のほうで以て今年は二千万ポンド出るからと言つて荒茶で三百万貫のものを持つて来よう、こしらえよう、玉緑茶にしておこうとしてやりましても、それが資金化することができないのでありますから、十月から来年のお茶の端境期、四月一ぱいまでの間、この間においてこれをストックしなければならん。その間におきまするところの金融と保管料が最も必要なことでありまして、その間においてやらなければ何にもならない。余つて来年まで持越すというようなことはないはずであります。又そういうふうなことをしたならば内地に向かないお茶でありまするから、品も悪くなりますから、その年のものはその年に売るように生産計画を立てて生産者指導をしなければならんという一つの悩みがあるわけであります。従つて今の予算といえども、仮に二十九年度予算ならば二十九年度の、来年の十月以降におけろところの金利と倉敷、或いは金利なら金利、倉敷なら倉敷ということに対する補給をしなければこれは意味をなさんと思う。今のお話を聞いておりますというと、その年に売れなかつた場合に来年に延びた、来年の玉緑茶と一緒に送り出す、輸出するのだということによりまして、滞貨した場合におけるところの金融のように私には聞えたのでありますが、それは根本的に私は誤まりだと思う。そういう考えだというと、この茶業の計画生産、茶業の取引の改善や茶業の振興、つまり茶業の改良発達ということはできないのであります。又茶業者の茶業の経営の合理化、輸出振興ということは、それがなくてはできないと思う。その茶業の経営の合理化と輸出振興を図るのは、勿論申すまでもなくお茶の増産改良になるのであります。結論を先に言いますれば結果はそうなるのであります。従つてお茶の増産改良をせんとするならばその点をはつきりしまして、そういう指導をし、そういう金融措置をするように融資をすること、又保管をさせること、そうしていわゆる計画生産することによりまして初めてここにお茶の生産の合理化、販売の合理化、すべてが合理化的に出て来る、今の近代におけるところの取引が完全にできると私は考えておるのであります。従いまして茶業振興、いわゆる茶の輸出振興対策というものは、要綱を作るとするならば、先ほどのお話では議員立法をやるような気配もあるから議員立法にしてもらいたい、恐らく課長の考えは、農林省は大蔵省が承知しないから、議員立法でやつてくれれば承知するから議員立法で出す、おれはやりたくてしようがないが、そういう気持でやつておるのだというふうに私は推察いたしましたが、多分そうだと考えまするから、そういう意味におきましておつしやつておるのでありましようが、これこそ私は特産課としまして緊急中の緊急の措置だと思う。この要綱を十分一つ研究して、そういう意味における要綱を作つて頂きたい、又議員立法といたしましても、農林省がその作つたものに対しましてとやかく言つちや困りまするから、そういう点に対する今からあなたに一つ考え方を十分承わつておきたいと思いまするから、それに対する御答弁をお願いしたいと思います。
  7. 徳安健太郎

    ○説明員(徳安健太郎君) 只今森田委員のほうから具体的に輸振振興の問題につきましての御意見がありました。これに対しまして私のほうの考えはどうかというお話でございますが、その玉緑茶の計画生産の問題につきましては誠に御同感でありまして、荒茶の段階でこの生産をやつておかなければ輸出はできない、而も最近のように、この二、三年の間におきましては、玉緑茶の注文があつても末期においてはないという情勢でありますので、あらかじめ生産計画を生産者団体或いは輸出業者或いは主産県の県当局と農林省等で検討いたしまして、その年の玉緑茶の荒茶の生産計画を立てたい、そうしてそれによりましてできましたもので正常な、いわゆる今までと同じような途で輸出できるものはそれで出して行く、そうして集まりましたものにつきましては、これに対しまして滞貨金融をして行きたい、荒筋としてはこういう考え方であります。今御指摘のありましたいわゆる来年まで持越してやるかどうかという問題につきましては、これはやはり具体的にそのときの事例によりまして考えなければならんと思いますが、一応予算を作ります建前といたしましては、例えば来年に作られましたものは、正常の輸出としては再来年の四月までに出て行くものが正常な輸出で、従つて再来年五月以降のものに対して滞貨金融をみる、一応形としてはそういう形になつております。
  8. 森田豊壽

    ○森田豊壽君 なお具体的に一つ申上げたいと思いますが、お茶の取引というものに対しましては、殊に生産者というものに対して生産を指導すると同時に、これの集荷を一元的に持つて行かなければ駄目だと思うのであります。集荷の一元化、即ち最近共同販売と称しておりまするが、共同販売は別といたしまして、集荷を一元的に生産者団体が扱う、生産者団体の持ちましたものに対して輸出検査が必要である。商人がこれを直接買つたならば、それは口約束でありまして、検査も若しも格の悪いものを買つておつて輸出がうまくできん場合におきましては、検査員に頼み込んで規格をよくしてもらつて輸出する、ますます我が国のお茶の品質の劣悪なることを外国に示すようなものであつて、信用を博せなくなつて、向うの購買力を減退させるということになるわけでございますからして、これは集荷を一元的にすることによりまして、それを輸出商が、持つておる荷物をどこへこういうものが向くかということを輸出商がこれを見分けまして、公正な販買をするようにしてもらうようにする、即ち生産者から販売者に至るまでの一元的な一本の態勢を整えることが、このお茶の輸出振興に対する態勢の基礎確立の上において最も重要なことである。この基礎を確立せずして、単にみだりなと申しては失礼でありますが、枝葉の末節な奨励をしたところで以て、これはいかんと私は固く信じておるのでありますが、それに対しまする課長の考え方は如何ようでありますか。
  9. 徳安健太郎

    ○説明員(徳安健太郎君) 只今の森田委員のお説は誠に御尤もでありまして、私も同感であります。今回の予算の組成に当りましても、この計画生産をいたしました玉緑茶をどういう形で集荷するかという点が問題になるのでありますが、これは我々といたしましては、生産者団体というものに一元的にお願いしたい、ただ問題は荒茶の段階から再生の段階に移りまするので、その点におきましては輸出業者も使わなければならんというので、我々といたしましては、生産者団体と輸出組合の二本建においてこのお茶の問題を考えたい、かように考えております。
  10. 森田豊壽

    ○森田豊壽君 考え方としては誠に今の御答弁は結構だと思いまするが、輸出商というものは荒茶の段階の買取というものは、生産者団体が集荷したものを買取る前に自分は注文を受けておいて先に買取る、併しながら、その分量はせいそれ二割かそのくらいのものであつて、あとのものは一口に言えば売れ残りになるのであります。従つて先に買わされたものがよくて、あとから買わされたものが悪かつたというようなことになると、計画生産ができない。輸出というものはあとから売つても金利や倉敷は損をしないで手取りはみんな同じだと、少くとも同じ以上になるということがなければ保管する人はないわけなんです。従つてそういう関係から行きまして、初めは銀行も融通するでありましようが、或る一定の額以上になりますると、今度は融通しなくなるのでありますから、それはどうしても生産者団体が集荷しまして、それを保管し、金利をやらなければならんということが、これが現地の実情であります。従いまして、それを一元化することによりまして、私どもが作りました日茶連の使命も果せると私は思うのであります。ただ委託で持つて来い、何で持つて来いということは、今日そういう時代ではないと思います。従つてそういう措置が、この茶園振興に対しまする、殊に輸出茶振興に対しまする対策を講ずるということは、茶全般に活を入れることでありまして、茶業振興上非常な効果があると私は固く信じておるのでありまするから、この点につきまして、只今おつしやつた両方に買わせると申しますけれど、もう初めは買いますが、しまいは買わないというのが地方の現状であります。この点は又金融から行きましても、そうなつておるのであります。この点は一つ課長におきましては十分に指示して頂いて、あとのものが大部分でありまするから、それを生産者団体が集荷しまして、これを買うと、それは商人が困るのでなくて商人が喜ぶのであります。従つて農商一体の態勢がとれるというお茶の非常にいいところがあるのであります。茶業界全般の、商人も生産者も共々に生きて行く道はそれよりほかにないと私は固く信じておるのであります。これは静岡県におきましても全国のとにかく八割を占める、少くとも七割以上を占めています静岡県のあの生産地におきましては、これは私は輸出商に対しましても一元的にこれをまとめることができると確信しておまりす。この議場で言えると思います。従つてこの点は農林省がその気になつて頂けば、輸出業者も双手を挙げて賛成だと私は固く信じております。こういう点を私は一つ挺子を入れて頂きまして、茶業の混沌として非常に不安定なるこの茶業界に活を入れるときは今の時期であると私は固く信じておりまするから、この際思い切つてそれに対する対策を、これは農林省内におきまして御主張を願いたい。我々議員といたしましても、及ばずながらこの問題に対しましては、本年度におきまして何とかこれをでつち上げようということで、その熱意は決して人後に落ちないつもりであります。どうかこの点を十分お考え下さいまして善処方を懇請するわけであります。余り長く質問をすると皆さんが困るらしいから、この点で一つとどめまするが、その点を十分御考慮を願いたい。願えるかどうかということだけお伺いしておきたい。
  11. 徳安健太郎

    ○説明員(徳安健太郎君) 只今の森田委員の御質問に対しましては、私も十分尊重いたしまして、輸出振興対策についての今後の施策を進めて参りたいと思います。
  12. 白井勇

    ○白井勇君 私初めて森田先生の御高説を拝聴いたしまして、多少わかつたような気がするのですが、今のお話のような点につきまして、特産課長は茶の振興策につきまして特別のお考えを持つている、何か新たな立法までも考えていらつやるようなお話ですが、あれですか、現在の日本の茶の生産状態から見まして、輸出を促進することは、これは勿論大事であるでしようが、それが即ち又日本人がやはり現在のようによいお茶を安く飲めるようなことも、これは一応ずつと続いて行くというような見通しがあるのですか。
  13. 徳安健太郎

    ○説明員(徳安健太郎君) 只今の御質問に対しましてお答えいたします。現在我々のほうでいろいろ増産計画をやつておりますが、まあ一番手つ取り早い数字を申上げますというと、昭和十五年から十七年あたりの大体栽培面積は約三万七、八千町歩、緑茶の生産が約千五百万貫程度あつた、その後、終戦後非常に減りましたが、最近非常に増産になりまして、二十七年の生産が約千五百万貫、大体戦前の最高の程度まで近付いております。更に現在植えましてこれから三年、四年経つて生産が……、幼木でございますね、これが非常に殖えておりますから、ここ二、三年のうちには恐らく戦前の数字を上廻るんじやないか、それに対しまして輸出は現在のところ二千三百万ポンドと申しますと、戦前の半分以下でございます。従つて人口増から考えましても、今後の生産増加を見まするならば、戦前程度の四千万ポンドの輸出があつても国内の需要については戦前よりも余計に飲めるということになろうかと存じます。
  14. 白井勇

    ○白井勇君 ただそういう計算をいたします場合に、先ず考えなければならんことは、これは何と同じことなんですが、私たち記憶しておりますのは、たしか面積から申しますと、現在なお一万町歩くらい足りないんじやないかという気がするのです。前はたしか四万町歩で、現在は三万町歩見当じやないかと私は思うのです。ただ反収が非常に増して、今のお話のように収量がすでに二十七年度に千五百万貫だ、こうおつしやいますけれども、終戦後引揚その他で非常に何しろ人口が増している。これはやはり国内におきましては、昔から茶くらい飲まなくちや、これは将来の問題にしたつて、輸出を振興するために我々の耐乏生活という意味合は起りますけれども、そのために茶も様々飲めない、或いは今より以上にそのために却つて高い茶を飲まなければいかんというような茶業振興ではちよつと困つたものであつて、むしろ我々考えますれば、先ずそれは生産増強、人口の増加に合うようにこれは合せるということじやないかと思うのですが、その辺も観点が違うんじやないかというような感じを私は持つんですが、どうですか。
  15. 徳安健太郎

    ○説明員(徳安健太郎君) これは今の輸出が非常にここ一、二年の間に更に伸びる、非常に伸びるということになりますと、そういう危険性もありますが、この点につきましては価格の問題でやはり制約を受けると思います。海外の市場価格は必ずしも高くないのでありまして、現在のところ約ポンド二十七、八セント、国内の価格と大体見合う程度、或いは一番茶においては恐らく一番茶の価格では輸出は伸びないと思います。結局、二番、三番くらいのところが出るわけでございますから、価格の点で輸出振興と申しましても、やはり国内の生産が殖えなければ輸出の振興もできない、従つて単に流通機構の問題だけじやなくて、やはり生産の増強をやらなければいかんというので、我々のほうといたしましても、現在一千万円程度ばかりの金を出しまして原種圃或いは防災茶園等の増殖をやつて参つておるわけであります。
  16. 森田豊壽

    ○森田豊壽君 白井先生から、振興振興というけれども、国内の消費価格が高くなつたんじやいかんじやないか、これは御尤もでありまして、私の輸出振興は、茶の増産改良を以て目的とするのでなければならんということは質問の中にちよつと言つたと思いますが、これは実際におきましては相当増産される可能性があるのであります、お茶は……。それこそ山の上まで相当殖えている、各府県が殖えている状態なんです。静岡県よりも随分産地が移動せんとしている状態なんです。或る意味においては山へお茶を植えることは治山治水の上に非常に必要だという、ここにも宮本先生がおられますが、そういうふうな話も先ほどあつたくらいなんであつてこれは非常にお茶というものは、何と申しましようか、これから増産計画を立てますれば非常に増産ができるものだと思うのであります。むしろ製糸よりは、あのくらい生糸があつて増産ができないのはどういうわけだ。桑の苗に対してもあれだけの補助をしてあれだけの奨励をしているのにもかかわらず、まあ昔の言葉で米英倒せ、桑倒せという時代が再び桑を殖やす時代でなくちやならんじやないかと、こういう平和的日本の再建のためにそれができないのはどういうわけだということになるので、やはり何と申しましようか、生葉で売れるというお茶には特典があるのであります。あれだけの苦労をしてあれの飼育をするというあの家族中の苦労はなかなか並大抵じやない。一朝にして安くなつた場合にはどうなるか。むしろアメリカの需給関係によつて繊維の問題に行くようなわけですから、そういう点はこのお茶のほうは間違いなく増産はできて来るものと考えられるわけであります。この点はむしろ私のほうが心配しておることです、産地が……。あまり商人が高く売るのであつて、本当に産地から出ますものは非常に安いのであります。場合によるというと五割くらいはもうぴいぴいして売つておる、倍に小売屋がなつておるという状態もあるのであります。この点はまあ御心配なさらなくてもいいと思う。
  17. 白井勇

    ○白井勇君 私はよく内容はわかりませんけれども、どうも先ほど特産課長のおつしやるように千五百万貫、戦前になつたからという単なる計算でやられたのでは、これは輸出を振興することによつて却つて内地の茶が高くなつたり、我々が玄米に苦労するような現象が恐らく出るんじやないか。むしろ、やつぱり今少くも戦前までは面積は行つておりませんよ、我々の調べでは……。だからそういうことを先にやらなければどうもこいつはうまく行かんのじやないかという感じを私は持つただけです、先ほどの御説明によつては……。   ―――――――――――――
  18. 片柳眞吉

    ○委員長(片柳眞吉君) 今林野庁長官の出席を要求しておりますが、林野の仲裁裁定のほうは衆議院委員会を上つたようでありますが、本会議にかかるかどうか、まだ予備審査の段階でありますが、明日はできれば農林大臣を冒頭に来てもらつて御質問して行きたいと思いまするが今日は林野庁長官だけで御質問を一つお続け願いたいと思います。ちよつと速記を止めて下さい。    〔速記中止〕
  19. 片柳眞吉

    ○委員長(片柳眞吉君) 速記を始めて下さい。  次に公共企業体等労働関係法第十六条第二項の規定に基き、国会議決を求めるの件を議題にいたします。本件は予備審査の段階でありまするが、なお御質疑があれば御質疑を願います。
  20. 清澤俊英

    ○清澤俊英君 長官にちよつとお伺いしたいですが、この仲裁裁定等に臨みまして衆議院労働委員会決議が行われておりますが、同時に小坂労相と小笠原蔵相とは了解事項として「各公共企業体において団交の結果具体的措置が確定した場合当該企業体の資金が不足するときは年度末に至るまで必要な融資を達宜措置するものとする。」と、こういう了解事項があつて、そのあとに決議としまして「三公社五現業の職員が年末に際して支給せられる手当等についてはこの企業の内部において協力して業績を上げ原資を確保することに努め、一般公務員手当に劣らざるように務めると共に、団交により適宜の処置を講ずることとする。右要望する。」と、こうなつておるのでありますが、これも聞きますところによると、政府当局と労働委員会との了解としてこの決議案が採択せられて政府も了承しておると、こういうふうに私どもは聞いておるのでありますが、これに対して長官は今この決議が本当だとしますならば、決議に従つて団交を継続せられておるだろうと考えるのでありますが、この両点に対してどういうふうに了解していられるか、先ずお伺いしておきます。
  21. 柴田栄

    政府委員(柴田栄君) 衆議院労働委員会決議に基きましての政府の団交による期末手当の取扱いに関しましては、一般公務員の期末手当〇・五と現業に対しまするプラス〇・二五との差の問題が主体のようでございまして、ちよつとそこの間における解釈がまだ明確でない点が実はあるわけでございますが、私どもといたしましても、少くも一般公務員に劣るということがあつてはならないというふうに考えておりますが、現在のところ一応予算案としては〇・二五プラスだけしかみてないということでございまするので、今後団交を、まあ目下も続けておりますが、私どもといたしましても、収入の確保を考え、組合側の協力を求めて業績を挙げることによつて大蔵大臣承認を得べく努力いたす覚悟でございますが、団交を続ける幅についてはもう少し内閣側とも話合をする必要がある、こういうふうに考えております。
  22. 清澤俊英

    ○清澤俊英君 聞きますと、この決議のあとのほうにあります、一般公務員手当に劣らざるように努めると共に、団交により適宜の処置を講ずることとするということは、プラス・アルフアーにして、結局一般公務員並にいつてもなお余力があるならば、これにプラス・アルフアーしてまあ幾らか、〇・二五なら〇・二五かけてもどうでもいい、こういうふうに解釈してもいいと思うのです。わしらはこの新聞を見ましても解釈しているのですが、その点でも今団交中に労組の側との食い違いはどうなつているのですか。
  23. 柴田栄

    政府委員(柴田栄君) その点が、〇・二五に更に〇・二五プラス・アルフアーという解釈が明確じやないのでございます。これは期末手当として考えるという問題か、業績によりまする弾力条項の適用としての問題かということにもなるんじやないかと、こう思うのでございますが、そううすると、それは必ずしも期末手当というものの増ということにもならないんじやないかということになりまして、期末手当としてプラス・アルフアーを、可能なところは団交によつてという考えが実は明確になつておらんので、私どもまあ苦慮いたしておる点があるわけでございます。
  24. 清澤俊英

    ○清澤俊英君 労働組合の委員長がここに傍聴しておりますから、一つ参考に言うことを承認を受けて頂きたいと思います。
  25. 片柳眞吉

    ○委員長(片柳眞吉君) 只今清澤委員から、全林野労働組合中央執行委員長妹尾君を参考人として意見を求めたいとの御動議がございましたが、御異議ありませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  26. 片柳眞吉

    ○委員長(片柳眞吉君) 御異議ないと認めまして、参考人として妹尾君を決定いたします。
  27. 清澤俊英

    ○清澤俊英君 労働組合委員長、今の問題お聞きだろうと思うが、この衆議院決議の最後にありますところの、団交により適宜の処置を講ずることとするというやつは、一般公務員手当に劣らざるように努めると共に、その上団交により適宜の処置を講ずることとするというこの解釈が、長官はまだぼやけておるというのですが、あなたがたはどういうふうに解釈しておりますか。
  28. 妹尾敏雄

    参考人(妹尾敏雄君) 只今清澤委員より御指摘がありました通り、我々はあの衆議院決議なるものを公正に判断いたしまして、一般公務員給与に劣らざると共に、従いまして今まで報道せられておりますように、一般公務員には一・二五、公労関係には一というやつを一・二五に引上げて、更にこの公共企業体という企業体の性格からいたしまして、業績を上げた場合におけるいわゆる国有林野事業特別会計法第十七条第二項第三号の但書を以ちまして、当然加算せらるるところの姿を団交によつて解決する、こういうふうに了解いたしたわであります。従いまして国鉄にしろ、或いは又専売にしろ、この三公社五現業はそれぞれ徹宵の団交を継続しており、なお我々も団交の姿におきましてこの問題の解決を図ろうといたしたのでありますが、併しながら各公社現業労組とも相手方の出て来るところの考え方というものは、この〇・二五で以て一律に統制しようというような考え方が見受けられるわけでありまして、従つていわゆるベースにおいても我々が主張し続けた問題と同じように、均衡論で以てこの問題を又同様に処理せんとする考え方が明白になつておるのが現状であります。従つて我々はこの年末手当の団交によつて解決しろというこの決議文が単なる空文に等しい状態に現在ある。従つて我々は過去幾たびか、林野庁長官にこの場においても申上げておるわけなのでありますが、現在の林野特別会計の内容からいたしまして、又我々職員の勤務の実態からいたしまして、双方協力することによつて相当の余裕のある原資を確保することができることが明白になつておる以上、団体交渉によつてその企業の内部においてこの問題を解決するべきである、このように考えておるわけであります。従つてこの点を賢明なる農林委員の諸公におかれまして判然と一つの解釈を下さらんことを……。再言しますならば、その企業内部において一般公務員に劣らざるところの状態、要するに一・二五に加算せられたものは、その企業内部において操作し得る範囲の許す限り団体交渉によつて解決するべきであるという御決定を賜わらんことを要望いたします。
  29. 清澤俊英

    ○清澤俊英君 それで長官にお伺いしますが、食い違つておると言うが、長官はどういう御解釈になつておるのでし上う。長官の考えは何か政府の考え方に非常に引張られて、政府の何か言うことを聞かなければいかんと言われたようなあれがありますが、こういう決議が出ておつて、これを正直に取ればこれは文字通りだろうと思うのです。それを長官は無理して、何か大蔵大臣か何かに引つ張られて事を紛糾さしておられるように見えますが、そこのところは一体どうなつているのですか。長官意思とそういうふうに変つているところはどこなんですか、はつきりさして頂きたいのですが。
  30. 柴田栄

    政府委員(柴田栄君) 誠にむずかしいところでございますが、大体内閣としては〇・二五にプラス〇・二五の範囲内において団交に上つて決定しろという、こういうことになつておるので非常に私どもは苦慮いたしておる、こういうことなのでございます。まあ私の腹は、と申しましても、どうもこれ以上の個人の腹を申上げることは困るのではないかと、こういうふうに思います。
  31. 清澤俊英

    ○清澤俊英君 あなたが、長官がこの裁定が不当でない、これはもう何とか無理をすればできる、してもやりたい、こういうお考えであつたことは、調停が決裂して裁定に入る前に、調停案の問題が問題になりましたときの御答弁にも明らかになつております。而もそのときは大臣とあなたと二人して、確か調停は無理ないから、これは私は当り前だと思う。やれる原資もある、だからこれはやれるのだ、だがたまたま内部の労働条件の事情が非常にでこぼこだから、今はでこぼこを是正しておいて、直き人事院の勧告もあつて一般公務員の給与もきまるのであるから、その際には一つそれに見合つて劣らないものを作つてやつて、却つていいものをしてやるつもりだから、まあこの際余りぎやあぎやあ言うな、こういう御答弁だつたと思うのです。それでありますから、従つてこの農林委員会としましては、これに対して正直に受取りますと、二十八年の七月十四日に林野庁職員の昭和二十八年一月以降の賃金改訂及び増額に関する申入をしまして、この件について去る六月二十六日調停案第三号を以て、公共企業体等中央調停委員会から調停案が提示され、その受諾が勧告せられておるのであつて、全林野労働組合においてもこれを受諾する気構えのようであるから、政府においても右調停案を速かに受諾せられたく右申入する。あなたの気持がわかつたから、これまでの申入をしておるので、その後裁定等に移りまして、今日までこの申入に対して如何なる努力をせられたのか、お伺いしたいと思つております。その努力に対して何か本当のあなたの努力を阻止するものがあつたか、それを率直に聞かして頂きたいのです。大蔵大臣が仮にあなたの申入を拒否せられたとするならば、その点はこういう点だということになれば、大蔵大臣に来てもらつて又質問せなければならんと思いますから……。
  32. 柴田栄

    ○政府委員(柴田栄君) 只今清澤先生のお話の通り、すでに調停案の出ました当時から、国有林野事業関係の職員の処遇は必らずしもよくはないということを私どもも認めて参りまして、一先ずベース・アツプの問題については再検討を要するが、他の部面と比較して特殊事業としてお認めを願つたでこぼこ是正を中心とするものについでは是非とも実現願いたいということで、財源その他についても見通し付けて、先にお願いしたような経過もあるわけでございまして、その後収入財源の確保に努力して参りましたが、幸いに先般御説明申上げましたような収入財源の見通しが立つたわけでございます。ただこの際政府の全般的な財政の情勢からとは言いながら、本特別会計から一般会計へ十億の繰入をするという決定を見ましたことにつきましては、かような余裕がある、余裕があるというと語弊があるかも知れませんが、さような財源を一応確保しながら十分な、私どもの立場だけから言いますと十分な待遇は、十分という言葉は言い過ぎかも知れませんが、何とか処遇の改善を必要とするということが実現できないという面のあることは、非常に私の立場からいたしますれば、残念に思うわけでありますが、これは併し広い政府全体の上から見られて御決定になつた場合に、私としては非常に苦しい立場ながら、何ともそれ以上の力が及ばないという実情にあるわけでございまして、期末手当の問題に関しましても、衆議院の労働委員会の議決、それと政府との話合に対しまする解釈についていろいろ問題があると思いますが、私どもの政府部内においては〇・二五の範囲内において統一して、交渉を団交によつてしろという統一になつておるという情勢で、非常に苦慮いたしておるということを率直に申上げざるを得ないわけであります。
  33. 清澤俊英

    ○清澤俊英君 結論的に言いますと、あなたが今この裁定は無理がない、又年末、手当のことも無理がなく、いろいろこの仲裁裁定審にも書いてあります通り、或いは調停の経過報告や或いは調停案の説明等で説明せられた通り、全林野の労働者の給与は非常に低い、このことはお認めになつて、そうして何とかしてやりたい、やる金もあるが、ただ自分がそう考えて見ても、政府のほうでそれを承認してくれないからできない、こういう立場に立つておられる、こういうことなんですな、あなたの御説明は……。
  34. 柴田栄

    ○政府委員(柴田栄君) まあ端的に申上げればそういう結果になるということを非常に遺憾に存じております。
  35. 清澤俊英

    ○清澤俊英君 長官がそれまで言われるならば、もう質問するところはないと私は思うのです。まだいろいろ細かくお伺いしようと思つたけれども、もう質問するところは殆んどないと思いますので、従つて大蔵大臣に明日でも一つお伺いしたいと思います。大蔵大臣がどういう理由で、当事者もよろしいし、調停もこうあるべきである、裁定もこうあるべきであるというものを拒否していられる理由を承わつてみたいと思います。明日は一つ大蔵大臣から御説明願いたいと思います。そこで一つお伺いしたいと思います。
  36. 戸叶武

    ○戸叶武君 先ほど予算委員会を傍聴しておりますると、全般的な間道に関連しておりまするが、大蔵大臣の答弁の中に、業務成績によつては当然考慮されなければならないということが幾たびか述べられております。明日大蔵大臣が来てくれればその点が明らかになると思いますが、今この全林野の要求に対して林野庁の諸君もその立場を了解していながら、結局大蔵省の言い分に抑えられて一つもこちら側の意見というものが通つていないように見られるのです。で、これでは職員全体もその政治力のなさに非常に失望すると思うのですか、この我々の農林委員会においても、前に要請したように今の全林野職員諸君の非常に低い待遇というものを何とかしなければならないというのは、もう一般常識になつておりますので、せめてこの年末に際して支給する手当だけでも国有林野事業というものの特殊性に鑑みて、それを切離して、そうしてこの特殊な立場から団体交渉によつて適宜な措置が講ぜらたるように取計らうということが非常に大切なんじやないか。他の方面は一般的な関連性があるとしても、そのほうにおいてもなかなかはかばかしい希望が持てず、而も非常にひどい待遇をされているにもかかわらず、年末手当の問題にしてもこれだけの成績を挙げられているにかかわらず、その特殊性を生かすことができないというのじや、それは全く目も当てられないと思うのです。その辺のことを林野庁長官としても、いろいろな立場上間に入つて苦しいところもあると思いますが、もう少し強く打ち出して行つてもらわなくちや困ると思うのですが、林野庁のお考えはどうですか。
  37. 柴田栄

    政府委員(柴田栄君) まあ私どもといたしましても、林野の特別会計が非常に苦しい中を経過しながら、今日漸く或る程度の経理の見通しも立つて参つたということに対しましては、林野に関係する職員の不断の努力というものも十分認めておりまするし、にもかかわらず、必ずしも有利な処遇を受けていないということに対しまして、あらゆる機会に処遇の改善を相談いたしたいという気持は持つておりまするが、このたびの裁定の実施の問題、併せて期末手当の団交の問題に関しましては、実は弾力条項の適用という全面的な範囲は残されている問題ではないか。かように考えておりまするので、別途に業績に対しましては、はつきりとした業績を確保して、又団交の余地があるのじやないかというふうに考えておりまするが、一応統一された政府の考え方に対しては、私ども実は非常に余地がないということを申上げざるを得ないというふうに考えております。
  38. 戸叶武

    ○戸叶武君 林野庁長官の気持はわかりますが、何か自分の気持はこうだが、政府のあれだとどうも駄目だというふうにとれるようなふうにしか聞えないのですが、あなたの立場から、大蔵省に対して現在における林野庁の、特に全林野関係の職員の立場を強調して当つてみてのそれは御意見ですか。
  39. 柴田栄

    政府委員(柴田栄君) 努力いたしまする対象というものが別途の問題であると私どもは考えているわけでございまして、業績によりまする収入の増加というものを確保いたしまして、弾力条項の適用を可能とする場合において大蔵省との余地は残されておると、かように考えるわでございますが、現段階においては期末手当と一緒にしてこれを考えるというのは、まだ私どもとしても完全に把握できていない、こういうことを申上げざるを得ないわけであります。
  40. 戸叶武

    ○戸叶武君 衆議院労働委員会における決議は先ほども述べられておりますが、やはりこの文通り解釈すべき、「三公社五現業の職員の年末に際して支給せられる手当等については、その企業の内部において協力して業績を挙げ原資を確保することに努め、一般公務員手当に劣らざるように努むると共に、団体交渉により適宜の処置を講ずること。」、この解釈が、政府政府に都合のいいように何か解釈しているので混乱しておりますけれども、その点を整理いたしまして、やはりこの林野庁のような場合におきましては、林野庁職員の年末に際して支給せられる手当等については、国有林野事業並びに関係の職員労働の実態が、他の公社現業と異なる特殊性を認めて、国有林野企業独自の立場において、大体団体交渉によつて適宜の処置を講ずること、こういう線が当然この衆議院労働委員会に即応して我々からも要請さるべき性質のものだと思うのですが、一つ林野庁長官におきましても、十分大蔵当局のほうを説きつけて、国会における意向、それから林野庁職員の今日における窮状というようなものを十分伝えて、この際にでもこれを切り離さないと、いつまで経つても林野庁職員というものは、一つの私から見て落伍的な立場に置かれていて立上れないと思います。結局恨みが一番あなたのところへ……、私は農林省の中においても食糧庁なんというものは随分横暴くらい強いが、とにかく林野庁なんというものは継子見たいに頼りげのない一つの長官だというところへ行くと思つているのですが、長官の決意を一つ示して下さい。
  41. 柴田栄

    政府委員(柴田栄君) お話までもなく、林野現業の責任者といたしまして、而も努力の範囲として、非常に特殊な特別会計ではありますが、現在相当の業績を挙げているという場合に、他と比較して劣位にあるということでは相成らんと存じまするので、少くもこれを水準に引上げ、更に業績によつてこれを分つという努力は是非いたさなければならんというつもりでおりまするので、大体今回統一した取扱いの方針を政府が決定しておりまするので、さようなことになりましても別途の方法として最大の努力をいたすという覚悟はいたしております。
  42. 河野謙三

    河野謙三君 長官にちよつと伺いたいのですが、私はこの問題はまだわからない。私としての結論を得るための参考に伺うのですが、私は現業であろうが、一般公務員であろうが、常に待遇は同じでなければいかんと思います。だから同じでなければならんが、更に今長官のお話を伺いますと、全林野労働組合委員長のほうからの要求の通り、年末手当については一般公務員と同じにするのは勿論、更にそれ以上もう少し何らかしたいという気持なんですか、財源があるから一般公務員より、より以上プラス・アルフアーしたいというのか、それとも林野庁の業務の特質上、例えば勤務時間が長いとか、現在の給与が非常に低いとか、そういう点からですかそれとも財源があるから、林野庁は切離した特別会計であるから、財源があればその財源に基いて何も一般公務員と同じようにやらなくても、プラス・アルフアーできるならしたらいいじやないか、こういう意味ですか、勤務の特質上一般公務員よりも年末手当をプラスすべきだというのか、財源の関係でプラスできるのだからプラスしようというのか、そこのところを伺いたいと思います。
  43. 柴田栄

    政府委員(柴田栄君) ただ単に財源があるから優遇すべきだというふうには考えておりませんが、企業特別会計の特質性からいたしまして、関係の職員の特に業績的な努力によつて得たものについては弾力条項の適用によつて一部を分けることができるということになつておりまするので、その見通しが付けば弾力条項の適用のための努力をいたしたいという面が一つあるのでありますが、ただ単に収入が上つたから、分けるべきだということにはならんと、かように考えております。
  44. 河野謙三

    河野謙三君 頗るあいまいなんだが、要するに業績が上つてそれの結果出た黒字であるから、これはプラス・アルフアしたい、こういうことですか。
  45. 柴田栄

    政府委員(柴田栄君) 業績によつて特に収入の上つた場合にということがあるのであります。
  46. 河野謙三

    河野謙三君 そうすると、今度の場合は業績が上つた場合に適用されるのじやないのですか。それとも今度のやつは業績が上つた。今の特別会計で非常な努力によつて業績が上つた結果とは今の場合見ていないのですか、見ているのですか。
  47. 柴田栄

    政府委員(柴田栄君) 一部は勿論非常な努力によつて上つておるわけでございますが、予算の案の決定しておる範囲内においては現在のところ殆んど弾力条項を適用する余地がないわけでございます。今後の努力によつて全然見通しがないということは申上げられないので、私も努力いたしますし、更に組合側の協力を求めて、少しでも弾力条項の適用の余地を作り出してよくしたい、こういう考えを持つておりまするが、今直ちに弾力条項によつてプラスをするという問題と期末手当の問題は別途に考えるべきだというふうに考えておるわけであります。
  48. 河野謙三

    河野謙三君 そうすると、もう一つの理由としてのこの特殊の勤務という、勤務時間が長いとか、その他林野庁の現業の特質に鑑みて一般公務員と同じであつてはならないという理由はないのですか。
  49. 柴田栄

    政府委員(柴田栄君) それらの点に関しましても、多少他の現業と相違いたしまするのは、職場が非常に広い範囲に、而も散在しているというようなために時間で明確にわけることができない。併しこれらの問題は解決の方法といたしましては、超過勤務手当を的確に支出を願えればいいというような問題にもなりますし、基礎の問題ではないと、こう思つておりますので、これは別途に解決すべき問題が残されていると思つております。更に平均いたしまして低く見えるのは勤務地手当の問題があるわけでございます。これは一般公務員給与の勤務地手当の是正によつて並行して是正さるべきものというふうに私どもは考えておりまするので、これだけを取上げてということは考えておりません。ただ全体の業績を協力によつて得たという場合に弾力条項の適用を残されておる、これを我々は最大努力いたしたい、こういうつもりでおります。
  50. 河野謙三

    ○河野謙三君 私は同じことを繰返すようですが、一般公務員並みに年末手当を付けろ、これを私は強く要求もされていいし、又この要求は正しいと思う。併しその線を超えてたとえ〇・一であろうが、〇・〇〇一であろうが、それを超えた要求については、これは勤務の特質上こうであるとか、業績がこれこれこういうわけで明らかに従業員のなみなみならん努力によつて得た黒字であるとか、こういうことがなくちや一般公務員並み母上に更にプラスされるについては理由がないと思う。そこでそういうことを伺つておるのだが、委員長のほうから、今私のお尋ねしたことはおわかりになつたと思うのですが、それについて一つ感想を述べて頂きたいと思うのです。
  51. 妹尾敏雄

    ○参考人(妹尾敏雄君) 申上げます。私たちの仕事は御承知のように、又長官からも縷々御説明申上げました通り、山間僻地におりまして、そうしてこの自然を相手にした仕事であることは申すまでもないわけでありますが、その面におきまして、先ずその業績ということがどのような業績であるかということになりますならば、超過勤務という形、これは朝早くから夜遅くまでというのが広汎なこの山の実態でございます。従つてこれに対しまして、はつきりと超過勤務の姿があるならば一応問題は解決されるでありましよう。併しながら現在の状態におきましては、この朝早くから機関車を動かし、或いは山の現場から、山元から木材を運搬して始末土場にやつて来るというような夜遅くなるような状態、こういうふうな場面或いは伐倒し作業から始まりまして、製品にする細切りの問題、又集材、又積込み、そうして又運材、こういうふうな一貫した仕事の内容、これは事務関係職員の緻密な企画性と市況を察知いたします的確な企画性と、それからその水準のより高度化を見出す指導性、これに伴うところのいわゆる労務職員の真摯な、完全高度な製品化せんとするところの意欲、この両者相待ちまして一つの製品として市場に送り込まれるというような状態にあるわけでありまして、我々といたしましては、この超過勤務もない姿において、又旅費というような裏付のない姿におきまして、営々として山を愛し、職場を愛し、国のために働くという純真な山の従業員諸君、我々職員の問題につきまして、林野庁当局もその点は十分に了解されているところであります。従つて私たちといたしましては、他のいわゆる低価格政策をとるところの鉄道或いは郵便というような問題と違う、一般木材市場価格によるところの国有林野企業におきまして、その企業の特殊的な立場からいたしまして、我々はより企業の内容を発展させるために、事業内容をより豊富にするために努力をしているのが現状でございます。従つて我々が何もあえて業績を挙げたということは申上げませんが、併しながら、この国有林野事業に従事するところの職員が、この山奥におりまして孜々として業にいそしんでいる状態は十分に一つ御認識を願いたいということを申上げたいと思います。
  52. 河野謙三

    河野謙三君 そうしますと、委員長のほうの要求の基礎は、業績が上つた黒字であるということによりも、むしろ現業の、特に山の現場の業務の特質に鑑みて年末手当のごときはできれば一般公務員より以上幾らか殖してもらうべきだ、こういうところにむしろ要求の根拠があるわけですか、それと超過勤務手当は出てないのですか。
  53. 妹尾敏雄

    参考人(妹尾敏雄君) 極ぐ微々たるものでありましてお話になりません。それから只今反問なされた点は我々もそのように考えております。従つて衆議院労働委員会におきまして通過を見ましたその決議の内容も、その決議に即応するように各企業において団体交渉、公労法の精神に則つた団体交渉によつて解決しなさい、こういうふうに了解しているのであります。
  54. 河野謙三

    河野謙三君 そこで一つ長官に伺いたいのですが、年末手当の出し方としての技術から行けば非常にむずかしい問題ですが、私も今長官なり、委員長なりの説明で現場のことも大体想像されます。併しこれは林野庁全体の問題じやないと思う。例えば平たい話が、私は始終農林省に行くが、あなたのほうの林野庁の本省の職員と他の農林省の本省の局の職員とそこに何らの私は業務上の差別はないと思う。特殊な業務をしているわけではない。特殊な勤務をしているわけではない。そこに一般公務員とは別に、我々の現業のほうだけは、本省だけはこういうことでなくちやいかんということは、私は要求の根拠はないと思う。こういうのは林野庁と一口に言いましても、林野庁のいわゆる本省並びに営林署の事務系統の人と、いわゆる本当の意味の現業の人と、これは区別はできないのですか、区別されて考えておるのですか、それを私伺いたいと思う。
  55. 柴田栄

    政府委員(柴田栄君) お尋ねのように、本庁におりまするもので、一般公務員法の適用のものと公労法適用のものと格段にどこが相違するかということはなかなかむずかしい問題だと思いますが、営林局におきましても、画然と実行面を担当いたしておりますものは現業としての性格は明確になりますが、事務担当では時間的に営林署との繋がりによりまして、本庁とは多少違つた傾向はありますけれども、そんなにはつきりしたものは、こうなるが故に違うということも言い切れないのではないかと思います。現場におきましては、事務、技術というような区別はなしに非常に仕事の性格上時間的な制約が大きい。こういうことではつきりいたす、こう思うのでございますが、そこのところはなかなかむずかしい。区別をせよとおつしやると、なかなかむずかしいものがあると思います。
  56. 河野謙三

    河野謙三君 国家財政が非常に窮屈なときだから、こういう細かい話にまでなるのですが、私は出したい、取りたいというこの問題に対しては、やはりそこまで掘り下げて行かなければ、私は解決しないと思う。今私が申上げたことで委員長からも一つ見解を伺いたいと思う。ただ我々が娑婆にいていろいろ耳に入るのは、役所に行つても会社に行つてもそうですが、どこでも職員というものは現業に行きたがる。経理とか、総務とかには行きたがらない。何故かというと旅費がない、出張に行く機会が少いとか、こういうことで現業にばかり行きたがる。それが一般の通念ですよ。ところがこのいわゆる現業といつても、私の言う意味の現業と違つて林野庁の現業は逆な場合で、現業のほうが嫌なところですね。現業のほうが骨が折れる。現業のほうが収入が少い。そういう前提に立つていろいろな問題が起つて来る。そうだとすれば、いわゆるほんとうの山の中とそうでないところと分けて、私はこの手当が考えられないか、こういうことです。委員長に私は伺いたいと思う。
  57. 妹尾敏雄

    参考人(妹尾敏雄君) その点はあえて本省関係にのみ目を向けるならば、或いは御指摘のような厳密な区分ということも言われるかも知れませんが、少くともこの局、署という状態は、旅費がないという立場においても、調査或いはその他の事情で行かなければならん、行かざるを得ないというのが実情でございます。従つて私委員長の立場におきまして、この公労法下の全林野といたしまして、その厳密な姿ということよりも、むしろこの公労法の精神を生かし、そうして高度の指導力を本省において各下部機構に伝達し、その姿の下に一貫しましてこの事業の発展を期したい、このように考えておりますので、その点から申上げるならば、あえて本省をその仕事の実態からして区分しなければならないというようなことは私としては考えたくないと思うわけです。と申上げますのは、本省の職員といえども、営林局を指導し、営林署を指導し、その面におきましてやはりその時間に対する、或いはその人に対する差はあれ、その面はやはり関連した姿において考えて頂きたい、こういうふうに思います。
  58. 河野謙三

    河野謙三君 私はこれは非常に野暮くさい人情論になるけれども、同じ今農林省におつて、そうしてあれとこれと違うというようなことは、私は取るほうでも、林野庁の本当の山の中の現業は別ですよ、ただそうでなく、同じ東京にはおるのだけれども、林野庁とその他の局と違つたというだけで、これはたとえ僅かなものでも年末手当について差があるということは、これは私は今度逆にほかの局の人の立場になれば、これは決して満足すべきことではないと思う。いわゆる各省ごとに家族主義というか、私は家族主義ということはよいか悪いか別として、農林省なら農林省全体の家族主義ということを一つ言われる、こういう面から言つても、私は一つ今秋が申上げたようにしないと、これは結果はよろしくない、こういうふうに思うのですが、そういう点でちよつと私はこれは多分に人情論が入つています。多分に人間性が入つております。だけれども、私はそういうものもやはり一つの理論の根拠に全然ならないものではないと思う。そういうことで私伺つたわけです。
  59. 妹尾敏雄

    参考人(妹尾敏雄君) 河野先生は山の状態をよく御存じなものだから私はあえて申上げませんが、問題は僕はこう思うのです。公労法の適用職員であるという立場においては問題を区分すべきではない、このように思います。
  60. 柴田栄

    政府委員(柴田栄君) 今河野先生のお話は、そういう場合がある。林野庁といたしましても、一般公務員として仕事をしているのもありますので、私の立場としてもなかなかデリケートな問題がありまするが、まだ実は同じ職場に働いておりまして、公労法適用による管理者というのが定員内の二万一千数百人のうちで千四百人ばかりあるわけです。これは同じ職場にいて、実は管理者という建前で全然公労法の適用を受けない人が出て来まして、この問題のほうがもつと切実で、これは私は公労法の欠陥ではないかというふうにさえ考えておりますが、人情論ばかりではなしに、実情論として非常に困つている面があるということも一つ御了承願つておきたいと思つております。
  61. 清澤俊英

    ○清澤俊英君 先ほどから長官は低いことはわかつている、非常に給与が低位であり、無理をさしている、これはわかつていると言われるから深くその点は追及するわけでありませんけれども、実際問題として八企業体の中から見ましても一番最下低にある。それからこれらのべースを決定するいろいろの諸因子等を調べてみましても、男女の別の比率においては第三位にある、或いは年齢においては五位にあるが、大体その前後を見ますると幾らも違つておらない、五位だ。平均勤続年数等を見ましても三位である。平均十年と〇・五となつている。平均勤務地順位はこれが非常に低意はおかれている。そうして殆んど一級地である、今度の給与改訂で見ますと又全部なくなる品だ。こういうような扶養家族の数字にしましても、一・九で中間に位している。そこでそういう比率から行きますれば、もつと給与が上位にあるべき性質のものが非常に少いということは、結局すれば調停書や或いは裁定害に出ておりますこの全林野の事業状態が労働関係において非常に無理が起きている。その無理が結局この基準ベースを下げている元ではないかと考えるのです。結局一方において労働者給与賃金などは、あなたのところから出されたものを見ましても、非常に下つた給与体系になつている。七千円かそこそこくらいの恰好になつておりますので非常に下つている。そういうものがありますことが結局全体の給与ベースを下げている点である、こういうふうに考えられる。私はそうでもなければ、そうあろう道理はないと思う。一般の公務員としての定員数のものは、大体公務員並みのものと比べまするならば、一方は千五百四十八円、これは大体一万五千四百八十円というものが大体ここできまるので、今までもそういう開きがあつた。それと甚だしく切り離れた一万三千三百五十円という裁定は、こういう非常に低い……、国鉄が一万五千三百五十円、専売が一万四千八百五十円、電通が一万五千円或いは造幣が一万四千四百円、郵政が一万四千二百円、アルコールが一万四千二百円、こういう中を全林野と印刷だけが一万三千五百円ということは、そういう非常に安い賃金労働者が揃つておりますので給与ベースが下つているのだ、こう解釈して私に差支えないと思う。そこで問題になりますのは、この調停書並びに裁定害にもありますが、この調停裁定をするとき、先ず困つたのは労働者の実態調査をするところの資料もなければ、そういう調査もできておらない。殆んどこれは等閑に附せられている。これは労使双方ともそういうものを持たないで非常に困難した、こういうことを言われている。先ずそれをこれから先改めてもらわなきやならない。こういうようないずれも指摘がありますが、これは間違いないことだろうと思いますと同時に、この点については調停はもう随分前にでき上つているのでありまするし、そういう指摘もありますので、この点について何か処置を講ぜられて、そういう労働条件の実態調査を始めておられるかどうか、一つお伺いしたいと思います。
  62. 柴田栄

    政府委員(柴田栄君) 仲裁裁定にも指摘されておりまするし、私どもといたしましても、この特別会計の人的構成の内容等からいたしまして、これを体系付けなければならないということで非常に苦慮いたしまして、いろいろな調査を進めておりまするが、御承知の通り、特に労務関係の構成が非常に複雑なのと、地方労働需給等の関係によりまする不便が非常に多い。それから全国を通じますると、仕組が非常にいろいろな形態になつていると思う。これを統一的に、基準的に体系を確立するということが、場合によりますると、地方事情を無視して非常に不都合を生ずるというような点も起る危険がございまして、いろいろな資料を調整し、基準を、賃金においても体系付けたいという調査を進めておりまするが、まだ的確にこれを適用し得るという自信がないということで、或いは労働科学的に、或いは生活基準的に、或いは地方の労力の需給の関係等からいたしまして、何らかの地方別なニユスアンスを持つた基準を設けるべきじやないかというような今調査を進めておりますが、調停委員会等で指摘されておるように、現在といたしましては、まだはつきりとした基準を持たんということを率直に申上げなきやならんですが、これは併し各方面の協力を得て、今資料を収穫はいたしておりまするが、何といたしましても、近い将来に体系付けた基準を持たなきやならんという努力をいたしておるという程度で御了承願いたいと思つております。
  63. 清澤俊英

    ○清澤俊英君 それからこれは調停並びに裁定の説明の際に、高野委員というのが言つておるのですが、これはこの前も私は長官に問題にしてお尋ねしているのですが、実際調査をすればするほど調停は作業に困難を感じた。そうして現場においては職員が過重な労働に喘いでおる姿を見た。その労働している姿の中には、例えば日雇労務者などのごとき甚だ封建的な要素も含んでおるのがある。不合理な線を少しでも改訂する意味では極めて重要な意味を持つている。組合側から見れば不満だろうが、金額に重点があるのではなく、これらを土台にして団交を重ねることである。こういうふうに高野委員は言うているのですが、まだこういうことが残つているということはお認めになつているのですか。
  64. 柴田栄

    政府委員(柴田栄君) 現状においては、例えば組頭の制度とか、頭の制度というものがあるものは先ず殆んどないと申上げ得ると、こう存じますが、非常に特殊な事情といたしまして、東北の一部にあるかも知れんと思われまするのは、部落で一つの組を構成いたしまして、あらゆる作業を組合わせて仕事をする。そういう場合に、これは私たちといたしましては、個人の工程を調査いたしまして、個人に支払うということを明確にいたしておりまするが、内容的に従来の構成から、更に組内で協議をして再配分をするというようなことが残つていやしないかと存ずるのでございますが、これはもうわかり次第そいつは打破いたしておりますので、これは私の記憶が少し古いかも知れませんので、もう余りそういうふうなところはないのじやないかと思うのですが、私の営林署長としての経験の当時には、一応個人に、個人の工程によつて支払いいたしましたものを、組全体が話合をして、古く出ておる人たちを、多少能力の落ちた人たちをも助けるというようなことをしておつた組があつたというので、そういうところを指摘しておられるのじやないかというふうに考えるのであります。
  65. 清澤俊英

    ○清澤俊英君 労働委員長はこの問題はどう取上げておられますか、高野委員の言う通りですか。
  66. 妹尾敏雄

    参考人(妹尾敏雄君) 私のほうもこの公労法設定以来目が浅かつたものですから、広汎な全国的統計調査もまとめかねたまま賃金の要求をしたわけですが、調停委員会或いは又仲裁委員会からそれぞれ御指摘を受けまして、現在全国的にこの問題を認否をいたしておるわけでございまして、近い将来、いわゆる特に我々が最も関心を持ち、又林野当局においても最も関心を持つているところの定員外職員のあの賃金体系の確立を期したいというように念願しておるわけでございます。で、時に先ほどの河野先生からの質問にも関連いたしまして、この際申上げておきたいことは、この定員外職員の実態の状態でございます。これは前々から委員会におきましても林野当局側より御指摘もあつたわけでございまするが、定員外職員の総数は約十万というのが実情でございまして、この十万の職員に対するところの賃金体系が今なお画然と確立していないということは、いろいろな場面において我々が問題をかもすわけでございまして、清澤先生の御指導の通り、この賃金体系の確立こそ当面の急務であろうと、このように考えおります。それでこの定員外職員の場合は御承知の通り何ら給与総額においての問題はないわけでありまして、これこそ調停案に言われる通り団体交渉によつてこれらの問題の解決を図るのが当然の姿であり、この面からいたしましても、我々はこの団体交渉によつて企業内部においての解決ということに対しまして深き御理解を頂きたい、このように思います。
  67. 片柳眞吉

    ○委員長(片柳眞吉君) なお御質疑あろうと思いまするが、明日更にこの問題を審議をいたしたいと思います。  本日はこれにて散会をいたします。    午後五時二分散会