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1953-10-28 第16回国会 参議院 文部委員会 閉3号 公式Web版

  1. 昭和二十八年十月二十八日(水曜日)    午前十一時十九分開会   ―――――――――――――  出席者は左の通り。    委員長     川村 松助君    理事            剱木 亨弘君            荒木正三郎君            八木 秀次君    委員            木村 守江君            谷口弥三郎君            吉田 萬次君            安部キミ子君            高田なほ子君            相馬 助治君            深川タマヱ君            長谷部ひろ君   国務大臣    文 部 大 臣 大達 茂雄君   事務局側    常任委員会専門    員       竹内 敏夫君    常任委員会専門    員       工楽 英司君   説明員    文部省初等中等    教育局長    緒方 信一君   ―――――――――――――   本日の会議に付した事件 ○教育、文化及び学術に関する一般調  査の件(文部行政の諸問題に関する  件)(報告書に関する件) ○審査報告書に関する件   ―――――――――――――
  2. 川村松助

    ○委員長(川村松助君) 只今から文部委員会を開会いたします。大達文部大臣も見えておりますから、御質疑がある方は御発言願います。
  3. 高田なほ子

    ○高田なほ子君 昨日二十八年度の補正予算並びに二十九年度の概算要求の内容について計数的な御説明を承わつたのです。伺うところによりますと、よりより二十九年度の予算の要求については全省を挙げて大臣を初めとして熱心な御折衝に当られているやに伺つているわけでございます。本日お伺いしたいことは、この予算を拝見いたしますと可なり総花的な予算になつていることは事実のように思いますが、大臣の二十九年度予算を編成されるに当りましての基本的なお考えを一応承わつておきたい、特にできれば詳細に大臣の二十九年度要求予算に対してどこに最も重点を置いて行かれるようにするのか、そういう点について承わりたいというのが本日の私の質問の要旨でございます。
  4. 大達茂雄

    ○国務大臣(大達茂雄君) 二十九年度予算につきましては只今折角大蔵省と折衝中であります。いずれ通常国会におきましてその折衝の結果に基きまして予算に計上する、又それについて詳細御審議を願いたい、こう存じております。大体私の考え方といたしましては前の国会におきまして当面の文教方針と言いますか、それについてのお尋ねがありました、そのときに一応の考えを申上げておいたのでありますが、大体そのときに申上げた方針の線に沿つて予算的な措置をとつて参りたい、かように考えて、まあ大体そういう考え方で二十九年度予算について折衝を重ねておるわけであります。数字につきましては只今まだ固まらんことでありますし、これは実は私どもが今大蔵省に当つております数字は、かなりまあ文部省としての理想案と申すわけではありませんが、かなり大きい数字でありますから、いずれ大蔵省としては簡単にそれを呑み込める数字ではないのじやないかと思います。各省とも相当多額を要求しておるというふうに聞いております。文部省といたしましてもやはり当面必要と考える経費はこれを要求しておるのでありまして、どの程度それが実際予算の上に計上されて出るかということは簡単に見通しが現状においてつきませんので、数字について申上げることはあとで誤解を来たすようなこともあると思いますから、それは差控えさして頂きたいと思つております。  主な項目について申上げますというと、義務教育制度の充実強化、これは御承知の通り高等学校の教育施設、学校の建物の充実の問題、それから学校の教職員の素質の向上のための養成に関する経費、この前に申上げました方針として学校教育の教科の内容を刷新改善するというのが問題があつたのでありますが、これは予算的に考えますと比較的にそう多額の経費を要するものではありません。予算の上で大きくなつておりますものはやはり学校施設の改善であります。それから教職員の養成に関する費用、それから次に職業教育或いは技術教育を振興する意味におきまして産業教育に関する経費を私ども希望としては相当の金額が予算に計上されることを希望しておるわけであります。技術教育につきましても多額のそれぞれの研究施設等の拡充のための経費を必要とするわけであります。それからなおこれは方針というよりは金額の点で非常に高まる見込でありますが、義務教育費の国庫負担法のいわゆる二分の一支出という問題であります。これは来年は非常に生徒数が殖えるのであります。これは今こちらに参るときにその図面を見ておつたのでありますが、来年に限つて特に著しく生徒数が殖えます。小学、中学を通じて百万人くらい殖える計算になつております。これはなかなか当面大問題でありまして、これは自然増でありますけれども、経費の面から申しますと、それに関連して教員の数を増さなければなりません。それから学校施設もそれに伴つて拡充されなければならん。さような関係で金額としては相当多額の経費を大蔵省から出して頂かなければならんのじやないか、こういうふうに考えております。それからこの前に方針として申上げました教育の機会均等というような考えも併せて考えまして育英事業の拡充、それから定時制或いは青年学級を通じての勤労青少年の教育の振興、こういうものが新らしいと言いますか、重点的に考えられた方針としてそれに所要の経費を要求しておるのであります。その他いろいろありますが、大体前国会において当面の方針として申上げました事柄に伴う関係として以上の二点に重点をおいて参りたいと思います。その他いろいろ例えば前の国会において両院において決議のありました特殊教育の振興の問題或いは理科教育振興の問題、それぞれ国会の要望に沿うべくこれを予算の裏付けをして国会のお考えが実現する方向に参りまするように予算的に処理いたしたい、折角そういうふうにして折衝中であります。
  5. 高田なほ子

    ○高田なほ子君 大体の御説明がございましたが、ただ私が改めて御質問申上げる真実の気持は、世界各国の教育状況を見ましても、その国が軍備の拡張という点になつて参りますと、やはりどの国でも教育費の問題が優先的に削られるというのが私体験して参りました国際会議から得た結論でございます。で、問題になつておりますMSAの援助を受諾するかしないかということは今後の問題にかかつて来るものだと思います。当然これを軽視して、文教予算を論ずることはできないと思う。従いましてまだ未知数の問題をここに論議することは甚だ野暮なような考えを持たれるかも知れませんが、やはり一応の見通しとしては、MSA援助を受入れた後における我が国の軍事費の負担というものは差当つて文教予算に皺寄せされて来るということを深く私は憂えておるものです。なかんずく今御説明の中にありましたように義務教育の施設或いは内容の刷新改善というものは非常に大きく取上げられておりますけれども、先ず予算の面からこの点を一応見通しとして再度御答弁を願いたいということは、来年度の児童の自然増は全く画期的な自然増でございます。昨日の御説明によると小学校が五十万、中学校が五十万実に百万という画期的な増でございます。これに対して予算面から拝見いたしますと、この百万人増の予算が全然入つていないところに只今の大臣の御説明と非常に食い違つたものを発見するわけです。で、当然この百万人の増加については大蔵省とよりより御折衝のことであろうと思うのでございますが、御答弁できる範囲内においてこの施設の整備と百万人増とのこの関連をどういう方向にお持ちになつて行こうとするのか、なかんずく起債という問題がここに出て来ると思うのでございますけれども、これはやはり地方税法の改正という点に関連して来るようにも考えられますが、大臣としてこの百万人増の収拾を文教施設の上でどういうふうに実現されて行こうとするのか、誠にこれは容易ならない問題と考えられまするので、再度お答えできる範囲でよろしいと思いますから。
  6. 大達茂雄

    ○国務大臣(大達茂雄君) 御質問の点でありますが、急激な児童数の自然増に伴いまして経費として非常に殖えて参りますものは、先ほど申上げましたように、第一には児童数の増加に伴う教員数の増と、それに伴う給与の増、これはすでに地方と国との間にそれぞれ半額の負担をする、こういう建前が確立しておるのでありますから、この点につきましては、その自然に殖えて来る教員に対する給与の負担は、目下大蔵省にその点について折衝を重ねておるわけでありますが、これは実は相当の数字に上ります。  それからもう一つは、児童数の増加に伴つて学校を或る程度造るとか、或いは増築をするとか、そういうことが必要になつて参るのであります。これは私どもといたしましては、来年特に急激に増加をする、再来年からは又それが多少下へ向いて来る、下廻つて来るような様子でありましてこれはどういう関係でありますか、来年だけが著しく多くなる、丁度戦争の済んだ直後に、逆算しまして、そのときに丁度生まれた子供に当るわけでありますが、これについては本来御承知の通り学校の先生の給与については国が或る程度持つ、それから学校の教育施設と申しますか、学校の建築につきましてはこれは地方が受持つ、こういうのが前々からの建前、併し六・三制のいわゆる義務教育の延長ということがありましたので、それに関連して一部国で補助をするということになつております。それで自然増という分は本来の、昔からの建前から申しますというと地方で負担をする。これが昔からの建前です。併し著しい増加でありますから、このままうつちやつて置いて、地方の経済が非常に困難を極めておる際でもありますから、何とかしたいという考え方で、実は大蔵省に最小限度の経費だけでも補助金の支出ができますように折衝をしておるのであります。一面自治庁のほうにもお話しましてなんとか起債の面倒を見てもらおうということを両方に交渉しております。ただ見込みといたしましては、なかなか大蔵省のほうで昔からの建前を壊して自然増による学校施設の経費の増加ということに大蔵省が手を貸してくれるかどうかは非常に疑問だと実は思つております。そこで結局できるだけ起債でなんとか方法をつけたいということを私どもとしては考えている、併し大蔵省のほうは大蔵省のほうで予算の要求をして今折衝をしております。ただその成り行きについては今簡単に見通しがつきかねておるというのが実情であります。ただこれは来年度の予算におきましては、これは文部省の只今のところでは希望と言いますか、文部省の要求予算として大蔵省と折衝しておるうちに、今までは御承知のように義務教育の学校校舎の建築の基準というものを生徒一人当り極く最小限度の必要建物の坪数を〇・七坪という標準をとつておることは御承知の通りであります。これは如何にも窮屈な数字でありますので、これを何とかもう少し引上げて、せめて一・〇とか或いは一をもう少し上廻る基準にして欲しい、これは必ずしも増加に伴うわけじやありません、ありませんが、そういう要求を今出して折角折衝に努めておるわけであります。若しそれが或る程度認められるということになりますと、事実はこれは非常に来年の急激な生徒数の増加に非常に役に立つものでありまして、今までのように〇・七ということが仮に一人について一坪とかというふうになりますれば、それで 〇・七坪の勘定にすれば、まあ五割近く今までよりは補助金が行く、こういう計算になりますので、実はその点に非常に望みを嘱して折角大蔵省と折衝しておる次第であります。  経過は以上申上げました通りでありますが今申上げますようにその生徒の数の自然増というものに関連して特に大蔵省から予算を頂けるものかどうか、これはここで率直に申上げますとなかなか見通しがはつきりしないというのが実情であります。そうするとどうしても起債のほうで何とか、実は私のほうで自治庁と大蔵省両方に呼びかけて、何とかこの問題の解決をしたい、こういうふうに思つております。
  7. 高田なほ子

    ○高田なほ子君 御苦心のほどはお話の中に窺われるわけでありますが、〇・七坪に満たないいわゆる落ちこぼれというものも相当の数字に上るわけであります。〇・七坪から更に基準を引上げるということのために予算の要求がされておるようでございますが、それはそれとしても、それの全部でなくて、五カ年計画の一部であるということになつて参りますと、基準引上げという楽観的な考え方を私どもは現実の問題として、そう受取り難いのであります。問題は、その自然増を今まで地方に臨時に委ねていたというところに問題があるので、それを解決することなしには、この百万人の児童増の具体的な収拾策は私はつけ得ないのじやないかと思う。ここでそれを論戦するわけではないのでありますが、今日なかんずく木村さんも先般御発言になつたことですが、私も又東北に参つてよりより実態を見ましたが、実に二十五株刈り取つても、茶碗に一杯の米粒すらとれない、どうにもこうにもならないという、実に言語に絶する冷害地方の悲鳴を聞いておりますので、ただ単に起債に委ねるというようなことでは、これ又見通しが非常に暗いように思うわけです。そこで勿論私から申上げるまでもないことでありますが、これはただ単に基準増という基準の引上げ、或いは落ちこぼれを収拾して行くというような彌縫策をもう一歩進められまして、でき得べくんばこの起債の枠をどうしても拡げて、百万人の児童を遺憾なからしむるべく取上げて行くという方向に、更にもう一段の御尽力を特にお願いしたいということ。それからもう一つ関連いたしますことは、児童増に関連する教職員の養成の問題は、勿論これが契機ではないと思いますが、取上げられておるようで誠に結構であろうと思います。ただ御質問を申上げたい一点は、最近全国的に、なかんずく婦人教師に対する辞職勧告がどんどんと来ておる。その勧告の理由は、全く問題にならない勧告の理由を挙げてあなたはもう四十五になつたからやめたらどうか、又旦那さんと共稼ぎだから、あなたはもうおやめになつたらどうかというように、全国的に今日一番弱い婦人教師の上に首切が来ている。誠にこのことについて、婦人教師側からは不安な声が上つておるわけですが、一部にはその教員の養成ということを主張して、予算を組んでおられながら、一部には母性教師を、まだ十分に働き得る教師の辞職勧告をするというこの矛盾というものは、どうしても私にはわからない。なかんずく山梨県下の七名の婦人校長あたりは、七名全部に降職勧告が来ているというような一つの例があるわけでありますが、これはまあ辞職勧告とはちよつと性格が違うかも知れませんが、非常に教員の身分に今不安定を来している。これは誠に由々しい問題でございます。この教員の身分の不安定と、或いは教職員の養成という問題とを、どういうふうに関連づけておられるものか、これが一点。  もう一つは、最近の教職員の身分の不安定の原因の一つとして、警察がやたらに教職員の身分調査のようなことをやつている、こういうことを具体的に聞くわけであります。公安調査庁が、この破防法という法律に基いて、いろいろな仕事をするということは、これは国会が通したことですから、別に我々はそれについてその法律がいいとか、悪いとか今更言うわけじやありませんが、何の罪もない、何のそれに該当する筋合のない教職員の身辺にまでも、公安調査庁の手が伸びておるということは、誠にこの教職員の身分不安定の大きな原因をしていると思います。どうぞ今申上げたように、教職員の養成という問題と、婦人教師に対する全国的に亙る辞職の勧告の問題と、それに伴う教職員の身分不安定の要因の一つであるこの公安調査庁の不当な検察というものを、どういうふうに一体お考えになつておるか。又それに対してどういう手を使つて、この身分の不安定を除去されようとされるのか、それをお伺いしたい。
  8. 大達茂雄

    ○国務大臣(大達茂雄君) 私は全国的に婦人教師に対して辞職勧告が行われているというようなことは、実は迂闊でありまして、よく承知しておらないのでありますが、これはまあ辞職勧告と言いますか、その人事をするほうの考え方でされることでありまして、これはどういう根拠に基いて、或いはどういう理由でそういう勧告がなされるかということを具体的によく聞いてみませんと、一概にその当否を申し上げるわけに行かんと思うのであります。文部省の考えておりますその教職員の養成、これはなかなか教職の実際の今日需要が充たされておらんという点もあります。従つて正式な資格を持たん人が先生をしておるというような関係がありますので、できるだけ早くこの教員の養成を充実いたしまして、資格のある立派な先生によつて教育が行われるようにしたい。一口に申上げますと、先ほども申上げましたように、教職員の素質の向上ということが、何よりも教育の資質を高めるゆえんでありますから、その意味においてやつておるのでありまして、それが各地方で、お話のごとく、辞職勧告、その他の首切りが行われておるとしても、それとは別に何も関係はないことでありますから、これは各自それぞれ教育については責任を持つておる教育委員会においてされることでありまして、これは一々の実情がよくわかれば、文部省が考えて、余り行き過ぎではないかというような点があれば、文部省として一応助言をするとかいうことはできますけれども、併し文部省としてそれを、そういうことをしてはならんとか、いけないとかいうようなことを言う立場ではありません。又助言をするにつきましても、なかなか地方のそれぞれの事情を、一々詳細に調べるということもできないことでありまして、さような助言、勧告をするということは、文部省としては、余ほど慎重な態度をとらなきやならんというふうに考えております。  それから、この公安調査庁、或いは警察の方面において、学校の教員についていろいろ調べをするということでありますが、これも私は事情をよく存じません。公安調査庁においては或いは破防法その他の関係で、治安上の見地から、独り教員のみに限らず、調査をされるような事実があるかも知れません、あるかも知れませんが、この点は私ども全然与り知らんことでありまして、この点については、事実もございませんし、又これも実情をはつきりさせなければ、軽々に私がここで意見を申上げることはできないのでありますから、さように御了承願いたいと思います。
  9. 荒木正三郎

    ○荒木正三郎君 今の問題に関連して、ちよつとお尋ねしたいのですが、この教職員の身許調査の問題ですが、これは大臣は全然知らないという答弁でございましたが、現に相当な数に上る調査が行われておるということは事実であります。これについては文部大臣に何らの連絡がないということは、私どもちよつと了解に苦しむところなんですがね。この間犬養法務大臣は、明らかに教職員に対して、特に特定の組合活動をしている人たちには、国警及び調査庁を通じて詳細に調査をしている、こういうことの話があつたのです。これらについて文部大臣に全然連絡がないということは我々ちよつと了解に苦しむところなんですが、どういう経緯になつているのか、説明をして頂きたいと思います。
  10. 大達茂雄

    ○国務大臣(大達茂雄君) これはこの間新聞に出ました閣議の席上で犬養法務大臣から、日教組の内部における共産党員の動き、こういう大体意味で報告があつたのであります。これは閣議の席であつたので、特に私との話合いではない、これは全体の法務大臣として治安上の見地から閣議に報告されたものと思います。私もそれを聞いたのでありますが、併し特にそれが、それは何も教職員に限つて、この前は日教組の内部における共産党員の共産活動というような意味のお話があつたと私は記憶します。正確な書類をもらつたわけではありませんから、或いは間違つているかも知れませんが、私はそういうふうに記憶しております。併しこれはたまたまそのときは学校教員に関することでありましたが、ときどき公安調査庁あたりの或る程度の調べがまとまりましてそういうような報告があるのでありまして、例えば基地問題についての現場における状況であるとか、それに共産党員と調査庁あたりで大体マークしている人が、それがどういうふうに動くかというふうなことはこれはときどき報告が実はあるのであます。この間の報告はたまたま学校教員に関係しておつたのでありますが、特にそのたびに文部省と連絡をして学校教員について調査をするとか何とかというようなものではありません。従つて私どものほうではその報告を聞いただけでありまして、特に学校の先生の思想その他の問題について文部省が法務省と連絡をして、或いは相談をして法務省で教員という特殊の対象に対してその思想動向を調査しておる、こういうような事実はありません。
  11. 荒木正三郎

    ○荒木正三郎君 私の聞いているところでは、いわゆる教員組合の指導的な立場にある幹部諸君の身許調査をなさつているというふうに聞いているわけです。而もこれは最上部の幹部だけでなしに非常に末端に至るまで相当大きな数に上る調査があるというふうに聞いておるわけです。これは組合の幹部を調査するということと、それから治安の必要上調査するということとは私は直接関係がないと思います。そこで治安維持の必要上調査されるということは、今日或る程度それは必要な点があるかも知れません。併しこれを全般的に組合幹部の身許調査をするということになると、これは看過できない私は問題であると思う。そういう点について私は大臣にはかなりの連絡があるものと考えておるのですがね。そういう点についてもう少し詳細な御説明を頂きたいと思います。
  12. 大達茂雄

    ○国務大臣(大達茂雄君) 私が今申しましたのは、私の知つている限りの全部であります。従つてそれ以上詳細なことは私は承知しないのであります。文部省と連絡の上で特に組合幹部を目指して調査をしておるというような事実はありません。ただ法務省が治安維治の見地からどの程度に調査をされておるか、そういうことも私は実は存じません。実は私は法務省でそういう調査をされておれば、多少参考の資料にもなることでありますから、実はその調査の内容を、もう少し立入つて聞きたいという気もしておるのでありますが、実はそれも遠慮しておるようなのでありまして、文部大臣と連絡して特に組合の幹部を目標にして調べさしておる、さような事実は全然ありません。
  13. 荒木正三郎

    ○荒木正三郎君 で、この身許調査の問題は、中央教育審議会とも若干の関連があるのではないかというふうなことを聞いておるわけなのです。併しこれは詳細な私は資料を持つているわけではございません、いずれ中央教育審議会の問題についてはいろいろ大臣にお伺いしたいのでありますが、これはここに関連質問としてあとに譲つて、今の問題はなお私のほうで、もう少し調査を進めたいと思いますが、大臣のほうの身許調査の問題は今の憲法から申すと非常に重要なことだと思う。そういう点から今後なおこの問題については十分な説明を私は望みたいと考えております。
  14. 高田なほ子

    ○高田なほ子君 又それに関連するわけですが、荒木委員のほうからはこのことについてのお話があつたのですが、大臣はこの身分の不安定という問題についてかなり軽く考えておいでになるように御答弁の中からお察ししますけれども、このことは私は非常に重要な問題だと思うのです。で、今の警察官が末端の教員の身許をいろいろと各方面から調査するというようなことは、これはもう私教育上非常に由々しい問題だと思うのです。大臣はその全貌についてまだ知らないという御答弁でございますが、若し知つたらどうなさるのか、若しそれが事実であつたならばどういうふうな措置をおとりになるのか、こういうことはいいとお考えになつていらつしやるのか、妥当であるというお考えに立つていらつしやるのか、それを伺いたいと思います。
  15. 大達茂雄

    ○国務大臣(大達茂雄君) 法務省のほうで安維持の見地からどういう調査をしておられるか、これは治安の問題でありましていわば非常に機密な事柄でありまして、勿論私どもが与り知る限りでありません。法務省がその調査の方針、実態を、結果として現われたことについて閣議で、これも公開ではありませんが報告されるのは別として、法務省の考え方を私らに相談されるはずはないのであります。ただそれをどうするかということでありますが、これは私どもはこの法務省のすることを、いろいろいいとか悪いとか言うべき限りではないかと思いますが、これは法務大臣の責任においてやつていられることでありますから、併し仮に教職員に対して何らかの弾圧を加えるとか、圧迫を加えるとか、さような意図の下にこれが行われるとすれば、これは由々しい問題だと考えております。若しそういうようなことがはつきりその方針の下で行われるとすれば、これは文部大臣としても黙つて見ているわけには行かない、こう考えます。併し法務省がさような意味で学校の先生の身許なり、思想なり、行状なり、そういうことを調査しているということは、私どもとしては弾圧とか何とかいう、そういう特殊な政治的な考え方の下にそれをやつているというようなことは私どもの常識としては考えられないと思います。
  16. 高田なほ子

    ○高田なほ子君 弾圧ということの解釈がこれが又いろいろあると思うのですが、少くとも私どもの考え方からすれば非常に教職員は弱いわけです、弱いのです。地方の教育委員の発言についても胸を痛め、校長さんの御発言についても今日胸を痛めて行動していると、それほど今の先生がたという者はいろいろ方面に気を配つて生活しているということはこれは事実だと思う。大臣は教職員が非常に強いというようなお考えを持つていらつしやるかも知れません。末端の、末端というのみならず、教職員の考え方というものはそんな図々しい、猛々しい考え方を持つているのではなくて誠に忠実に教壇を守つていらつしやるかたがたでありますから、そこに警察官か調べに行く、それは善意であつても悪意であつても、それは一つの不当な圧迫と言うよりほかない。それは若し何か問題を起したり、犯罪の裏書があつたりするというならば別ですけれども、当人は何も考えていないのに警察権がそこに関与するということはやはり一つの大きな圧力だと思う。こういう圧力を文教の府にある文部大臣がやはり排除して行かれて、教員の身分の安定をやはり守つて行くというお立場こそが文教の府にあられる最高責任者としての私は御態度と考える、でありますから、実情は知らない、又それ帳弾圧である場合にはどうだこうだということではなくて教員の身分の不安定を大臣の責任において守つて行かれるというだけの御意思を私ははつきりとここでして頂きたい、これは法務省の行う仕事をいいとか悪いとかいう批判をする権限は勿論ないと思うのですが、ただ教員の身分を不安定ならしめている現在の状況、こういうものを仔細に検討せられてこの不安を除去するために積極的な方途に出られる御意思の有無を再度お尋ねするわけであります。
  17. 大達茂雄

    ○国務大臣(大達茂雄君) 私は実情はよく存じませんので、さような事実を前提にして今ここでお答えをするということは困難でありますが、併し只今申上げましたように警察が若し不当な関与をし、若しくは不当な干渉をする、或いは教育委員なりその他の方面に不当な圧迫を加えて教員の身分の不安定を招くようなことを事実やつている、特別な本来の調査とかいうような見地を離れて、特別な意図を持つてさような動きをしているとすれば、これは先ほど申上げましたように由々しき問題であると考えます。従つてそういうことが若し事実あるとするならば、これは私どものほうから法務省のほうに話をして、そういうことはやめてもらわなければならんという筋合いだと思います。ただ事実は私はそういうふうにあるということは実は今はじめて聞くことでありまして、これがそうであるかどうかということは前提の事実の問題でありますが、若しそうであるとすれば、これは放置すべからざる問題であると考えます。実情をよく弁えませんので、何とも申上げられません。
  18. 荒木正三郎

    ○荒木正三郎君 それでは今日は時間の関係もございますので、緊急に処理してもらいたいという問題について、私は文部大臣の所見を伺つておきたいと思う。  それは前の国会で成立をいたしました日本国に駐留するアメリカ合衆国軍隊の行為による特別損失の補償に関する法律、この法律が成立いたしますときに、委員会における質疑応答の中で、この駐留軍による損失は学校も相当受けておる、従つてこの法律に上つて救済しなければならんということになつておるわけなんですが、本文には規定されておりませんので、政令を出す場合にこの点は考慮する、こういうふうに答弁されております。ところが私の聞くところでは、今日なおこの問題について政府部内の意見が一致を見ていないということで政令が出ておらない、こういうことなんですが、これでは学校の被害を救済する方途がないわけなんです。そこで是非、やはりこの審議の過程において政府の答弁があつたように、政令の中に学校を含めて救済する、こういう措置を講ずるようにしてもらいたいという点でございます。これについてどういう経緯になつているのか、又文部省の考え方がどうかという点についてお尋ねをいたします。
  19. 大達茂雄

    ○国務大臣(大達茂雄君) お話の通り文部省といたしましては、その政令のうちに学校ということをはつきり打出してもらいたい、こういう考え方でおるわけであります。ただ、ここにこの法律がありますが、「従来適法に農業、林業、漁業又は政令で定めるその他の事業を営んでいた者がその事業の経営上損失をこうむつたときは、」云々と、この字句と言いますか、その文字の点から見て学校というものがこの枠の中に入るものかどうかということに議論が実はあるわけであります。これは普通の商売ができなくなつたとか、そういうことを言うのではないという議論が実はありまして、なかなか学校を政令のうちに加えるということが、政府の関係各省の間で実はまだはつきりしない、文部省としては是非そうしてもらいたい、こういう態度で折衝しておるわけであります。大蔵省は、これは率直に申しますと、大蔵省では字句の上からいつて政令に入れることは無理じやないか、こういう考えであります。但し補償に要する予算の措置は、政令に入つておるのと同じように取扱うということは、大蔵省としては、一応事務的な折衝ではそれを認めておるんです。あと残るところ政令にはつきり入れるかどうか、純粋な法律論になりまして、この学校をこれへ入れるのはどうも少しおかしいじやないか、こういう実は議論があつて、これはかなり強く主張されておりますので、文部省としては政令に入れることによつて学校に対する損失補償という点がはつきり保証されるわけでありますから、そういうふうにしたいと考えておりますが、今までの経過はさようであります。ただ大蔵省として政令の中に入れるかどうかは別として、同じように予算的の措置はする、こういうことは認めておつてくれておるのであります。
  20. 荒木正三郎

    ○荒木正三郎君 この法案が審議されたときも、今大臣がおつしやつたように疑問があつたわけです。この法律の本文で行くと、学校が含まれるかどうかということについて疑問があつたわけなんです。そこで特にこの問題は水産委員会で審議されたわけでございますが、このままにしておくと、本文上の解釈から行けば、非常にむずかしい問題が起るのじやないかということから特にこの問題について質疑応答がなされたわけなんです。そうしてこの本文を補正するという意味合いにおいて委員の特別な質問が行われておるわけなんです。そういう意味でございますから、若干本文上の解釈の点から行けば、私は疑義があると思います。この審議の過程から見て当然学校関係は入れるべきである、こう解釈すべきであると思うのですが、そういう点についてなお折角の努力をお願いしたいと思いますが、同時にもう一つの問題は、政令に入れなくても予算は同様に措置できるということは私は了解がなかなかむずかしいのです。この補償法は全額補償です。この全額補償は法律の根拠に基いて行われておる。それをこの法律の根拠なしに単なる予算措置で全額補償ができるかどうか。そういう主張を文部省は貫き通せるかどうか。まあ非常に疑問に思つているわけなんです。ですから、今大臣がおつしやつたように同様な予算的措置が本年も来年もできるのだ、こういうふうに考えることは若干危険があるのじやないかと、こういうふうに思つております。
  21. 大達茂雄

    ○国務大臣(大達茂雄君) これはまあ私としては実は言いにくいことなんですが、実は私も同様の危惧の念を懐いているのです。ですから、まあ何とか政令のうちに、お話のような経緯もありますし、政令のうちに入れてもらえば、その点もはつきりいたしますからというので、是非政令のうちに加えてもらいたいという意味の折衝は今日なお続けておるわけなんです。ただ大蔵省が、事務当局の間の話合いでは、政令に入らなくても同様な予算措置によつて同様な救済をする、こういうふうに言つておるのでありまして、これは当てにならんということは私は審際言いにくいことでありますが、それならば、予算的措置をするくらいならこれを入れんだつていいじやないかというようなことで、まあ押し問答をしておるわけであります。経過だけ申上げます。
  22. 荒木正三郎

    ○荒木正三郎君 そこで私はこの問題は事務的折衝では解決しにくい事情にあるのじやないかと思うので、これは大臣の格別な御配慮を煩わしたいということをお願いしておきまして、質問を打ち切りたいと思います。
  23. 高田なほ子

    ○高田なほ子君 先ほど大臣の御説明の中で非常に重要な問題ですが、ちよつと予算と離れておりますが、一応御説明をお願いしたいことは、義務教育の施設の拡充と同時に、内容の刷新改善ということが言われておりまして、この内容の刷新改善の問題については、三十分や一時間でこれがはつきり掴むことができないと考えられますが、一応時間の関係もございましようから、教育の内容改善の主とした方針及びそれに対する具体的な方策、これについて御答弁を願います。
  24. 大達茂雄

    ○国務大臣(大達茂雄君) これは前の国会の際に申上げたのでありますが、内容の改善といたしましては国民道義の高揚という見地からして、道徳教育を更に徹底して行うようにしたい。  それから歴史、地理についての系統的な基本的な知識を習得させるようにしたい。できることならばよつて以て国民の愛国の精神を振起するようなことを望んでおるという点が一点。  それから職業教育と申しますか、今日の実際の世間の情勢から見て、学校を出ればすぐに何かの職について働くことができますように、そういう実業教育、職業教育、産業教育、そういう面をもう少し興起するようにしたい。これが前の国会において申上げました趣旨であります。そして同時にこれは年来文部省として教科内容の刷新として考えました結論でありまして、すでに一年或いはもつと以前に教育課程審議会にその方針の下に学校の教育がどういうふうに具体的に扱われたほうがいいかという点についての諮問が出ておつたのであります。  そしてこれで先般一応の答申が出ました。一応の答申というのは前段申上げた道徳教育、歴史、地理の教育、これは御承知の通り今日では社会科という枠の中で主として取上げられておる問題でありますが、従つてその意味において社会科の改訂と申しますか、やるほうの多少のやりかたを変えて行くという意味での答申がありまして、そうしてそれに基いて文部省の考え方をきめまして、そして更にそれに基いて学校教育の学習指導要領というものを作つてこれを具体化しなければなりませんから、只今学習指導要領を改めて審議会のほうで審議をしてもらつて、結論を出すように努めておるわけであります。
  25. 高田なほ子

    ○高田なほ子君 この教科の内容の問題になつて参りまして、非常に私いろいろの疑義を持つている一人でありますが、今後道義の高場或いは道徳教育の問題或いは社会科の再検討の問題などについては、後刻ゆつくりと時間を頂いて、更に大臣に御質問申上げたいと思います。本日は大臣の基本的なお考えをお伺いするだけにとどめます。
  26. 深川タマヱ

    ○深川タマヱ君 只今の問題と関連いたしておるのでございますけれども、教育審議会に諮問をしておりましたが、先般一応の答申が出たそうでございますが、この答申に基きましていずれ近いうちにお修身だとか或いは地理、歴史などの教科書が編纂されるだろうと思いますけれども、その前に一応やはり日本の文教政策の立法、行政全般に亙つて相当責任を持つておりますこの衆参両院の文部委員会のほうに、この答申を一応お聞かせ願いたいと思います。私たちにもう少し判断させて頂きまして逆の公聴会でございますけれども、議員のほうに公聴をしてもらうというようなことをして頂いたらどうかと思いますので、よろしくお考えおき願いたいと思います。
  27. 川村松助

    ○委員長(川村松助君) ほかに御発言がなければ本日はこの程度で散会にしたいと思います。
  28. 高田なほ子

    ○高田なほ子君 ちよつと事務的なことなのですが、この学習指導要項の点についてちよつと伺いたいのですが、お伺いいたします。  この文部公報にも出ておりますが、大綱の決定は明年三月と、こういう見出しで出ておるようです。明年三月ということになつておりますが、すでにもう大綱はほぼ決定されたと思いますが、この大綱について一応お伺いすることと、もう一つ仄聞するところによれば、学習指導要領が出される前にすでに教科書の業者とそれから文部省がそれぞれのお話合いを進めているやに伺うわけですが、この指導要領が出ない先にどういうわけで教科書会社と文部省がお話合いを進めているのか、そこらを私大変おかしいと思うのですが、どういういきさつになつているか、そういうことを伺いたい、二つです質問は。
  29. 緒方信一

    ○説明員(緒方信一君) 教育課程審議会から答申がございまして、それに基きまして文部省といたしましては社会科改訂の方策を一応決定いたしました。それを更に具体化いたしますために、学習指導要領の改訂のために、例えば審議会においてやつておるわけでございます。併しながら大綱と申しますか、その方策は、これはもうすでに答申に基きまして決定をしたのでございまして、その点はすでに決定済みでございますので、その点につきまして最後にお話なさいました教科書の関係になりますけれども、教科書編纂のほうに基準を示しておる次第でございます。  それから学習指導要領の改訂でございますが、これはその大綱を、更に教師が教室におきまして学習指導いたしますための手引と申しますか、指導計画のウエイトを具体的にきめて参るのでございます。その大綱の決定を大体明年三月までにやるという目標になつておる次第であります。
  30. 高田なほ子

    ○高田なほ子君 私の常識では学習指導要領というものが具体的にでき上つて、然る後に教科書の問題が私は出て来るのじやないかと思う。どうしてそういうふうに前後するのですか。
  31. 緒方信一

    ○説明員(緒方信一君) 学習指導要領は今申しましたように、学習指導計画の参考等を以て学校に示すわけでございますけれども、大綱はもうすでに決定いたしておりますから、文部省としまして社会科改訂の方針をきめておりますので、その点につきましては以前からそれについて教科書会社と三十年度の教科書でございますけれども、それを指導した次第でございます。
  32. 高田なほ子

    ○高田なほ子君 巷間ではそのことについていろいろ批判があり、国定教科書に移行する一つのコースではないかというようなことが伝えられておるわけです。それについて私どもはやはり相当の疑問を持つておるわけなんです。それを反駁するいろいろの素材があつたらここに並べて頂きたい。
  33. 緒方信一

    ○説明員(緒方信一君) その教科書の編纂につきましては、御承知のように著者編者の創意工夫に基きまして示しました基準の下に編纂が行われることになつておりまして、現在検定制度をとつておりますが、検定の基準になるものが検定基準として示されておるわけでございます。必ずしも学習指導要領に示されました具体的な細かいことを全部教科書に盛らなければならんというような関係には相ならんのでありまして、その点はむしろ編者、著者の創意工夫にまつてやる、いろいろな形におきましてやる、かようなことにしなければいかんと存じております。従いまして国で統一をして行くというような方向には相成らんと考えております。
  34. 高田なほ子

    ○高田なほ子君 御答弁の御趣旨は尤もであります。勿論教科の内容の変革ということが殊に社会科の中に大きく出て来ているようでありますが、そうだとすれば更に検定制度、これを拡充して強化して行かなければならん、この変革に伴う検定制度というものに対する強化拡充策というものがとられなければなりませんが、それはさつぱり予算の面にもなんにも出て来ておりませんですが、検定制度の強化拡充という考え方は従来通りいささかも変りなく拡充して行く、こういうお考えですね。
  35. 緒方信一

    ○説明員(緒方信一君) 検定の内容は拡充されますけれども、検定の関係につきましては予算的には大した変りはないものと考えております。
  36. 高田なほ子

    ○高田なほ子君 いろいろお伺いしたいのですが、お昼廻りましたからただ一つだけこの公報に出ているようなこの社会科の改訂の基本的な考え方でちよつと伺つておきたいことは、この新聞にも出ておりますように、非常に国家主義的な考えが出ておりますね。例えば極端な右翼主義は別問題としても、国民的自覚の育成とか、或いは国家観の養成とか、というような大変国家観、国家観ということが出ておりますが、一体中等教育における国家観のその一番大事な問題は何なんですか。
  37. 緒方信一

    ○説明員(緒方信一君) むしろこの答申案におきましては狭い国家主義、従来のような偏狭な国家主義的な、或いは超国家主義的な方向に行かないようにということを特に注意しているわけでありまして、只今御質問の趣旨は若干違うのじやないかと思つております。
  38. 高田なほ子

    ○高田なほ子君 それじやちよつと角度を変えて見ますが、審議会で問題になつた点は、個人の尊厳ということと同時に公共の福祉のために奉仕する国民というように二つ並行的に出て来ているんですね。その場合に結論としてはどういうことになつたんですか。これは個人の尊厳と同時に公共の福祉に奉仕する国民の養成というふうに二つ出て来ていると思います。その論点の中でどつちが主になつてこういうことが出て来たんですか。
  39. 緒方信一

    ○説明員(緒方信一君) 国家と申しますよりも社会に対する……、ちよつと私文句を忘れましたが、社会に対する奉仕の考え方にもやはり文句が出ていると思います。
  40. 高田なほ子

    ○高田なほ子君 誠に不満な御答弁を頂くよりほか方法はないのですが、これをあとに譲りまして質問を保留しておきます。それで、もう少し社会科改善の内容について私次の機会に詳しく承わりたいと思います。
  41. 緒方信一

    ○説明員(緒方信一君) 補足いたします。その方針の全体を通じまする……通読して頂きますと、只今の個人の尊厳という点は十分盛られておると存じます。字句としてはそういう字句は使つてございません。全体を通ずる精神はそれを元にしてでき上つておると解釈しております。
  42. 川村松助

    ○委員長(川村松助君) ほかに御発言ございませんか。御発言がなければお諮りいたしたいことがあります。文部当局に対する質疑は終了したものと認めます。   ―――――――――――――
  43. 川村松助

    ○委員長(川村松助君) この際教育、文化及び学術に関する一般調査に関する調査につきましてお諮りいたします。本件につきましては、閉会中調査を続けて来ましたが、その内容は広汎多岐な諸問題に亙りまして、まだ調査を完了するに至つておりませんが、本院規則第五十五条によりまして、閉会中の調査未了報告書を提出いたすことになつておりますから、それを提出いたしたいと存じます。御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  44. 川村松助

    ○委員長(川村松助君) それではさよう決定いたします。  未了報告書心内容については、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  45. 川村松助

    ○委員長(川村松助君) 御異議がないと認めます。それではさよう決定いたします。それから委員長の提出する報告書には多数意見者の署名を付することになつておりますので、御署名を願いたいと思います。   多数意見者署名     荒木正三郎  木村 守江     相馬 助治  安部キミ子     剱木 亨弘  長谷部ひろ     深川タマヱ  高田なほ子     吉田 萬次   ―――――――――――――
  46. 川村松助

    ○委員長(川村松助君) 次に勤労青年教育振興法案についてお諮りいたします。  本継続審査事件につきましては、閉会中審査をせずに事務当局をして資料の収集を行わせたのみで審査は完了いたしておりませんが、本院規則第五十五条によりまして閉会中の審査未了報告書を提出いたすことになつておりますから、それを提出いたしたいと存じます。御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  47. 川村松助

    ○委員長(川村松助君) さよう決定いたします。  以下継続調査を同様な取扱いをいたしたいと存じますが、御異議ありませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  48. 川村松助

    ○委員長(川村松助君) 御異議がなければさよう決定いたします。それでは順次御署名を願います。   多数意見者署名     相馬 助治  安部キミ子     剱木 亨弘  長谷部ひろ     深川タマヱ  高田なほ子     荒木正三郎  木村 守江     吉田 萬次
  49. 川村松助

    ○委員長(川村松助君) 速記を止めて下さい。    〔速記中止〕
  50. 川村松助

    ○委員長(川村松助君) 速記をつけて。  これを以て散会いたします。    午後零時三十四分散会