運営者 Bitlet 姉妹サービス
使い方 FAQ このサイトについて | login

1953-07-06 第16回国会 参議院 通商産業委員会 10号 公式Web版

  1. 昭和二十八年七月六日(月曜日)    午後二時一分開会   ―――――――――――――  出席者は左の通り。    委員長     中川 以良君    理事            松本  昇君            加藤 正人君    委員            黒川 武雄君            西川彌平治君            岸  良一君            豊田 雅孝君            西田 隆男君            海野 三朗君            藤田  進君            武藤 常介君   政府委員    通商産業政務次    官       古池 信三君    通商産業省通商    局長      牛場 信彦君    通商産業省重工    業局長     葦沢 大義君    郵政省電気通信    監理官     庄司 新治君   事務局側    常任委員会専門    員       林  誠一君    常任委員会専門    員       小田橋貞寿君   説明員    日本電信電話公    社副総裁    靱   勉君   ―――――――――――――   本日の会議に付した事件 ○通商及び産業一般に関する調査の件  (電話料金の値上げに関する件)  (西独における貿易事情に関する  件) ○輸出取引法の一部を改正する法律案  (内閣送付) ○輸出信用保険法の一部を改正する法  律案(内閣送付)   ―――――――――――――
  2. 中川以良

    ○委員長(中川以良君) それでは只今より通商産業委員会を開きます。本日は最初に先般黒川委員より御要求のございました電話料金に関する件につきまして、政府側並びに電電公社より見えておられますので、先ずその事情等の説明を聴取することにいたします。本日は郵政大臣もこちらから申入れておりまするが、予算委員会の関係で只今出ておりませんが、いずれ大臣も参ることと存じます。只今出席をしておられまするのは、電気通信監理官庄司新治君、それから日本電信電話公社副総裁靱勉君でございます。
  3. 靱勉

    ○説明員(靱勉君) 電信電話料金の値上げにつきましては、政府で御提案になつたわけでございまして、公社といたしましては直接の関係はございませんが、監督官庁である郵政省のほうに料金値上げの問題をお願いに参りました結果、政府としましても方針として御決定になつて、現在法律案が提案されておる次第でありますので、公社としての料金の借上げを特にお願いいたしました理由につきまして、私から御説明申上げたいと思います。御承知のように、我が国の電気通信事業、特に電話事業は、非常に現在におきまして施設も悪く、従いましてサービスの状態も悪いのでございます。一方におきましては、電話に対する需要というものが非常に強い、こういう現状でありまして、先ずサービス乃至施設の悪い点につきましては、極く簡単に申上げますと、市内電話にいたしましても、現在大都市におきましては、非常に中継線の不足、或いは電話交換局内における受付線その他の不足から、御承知のようになかなか話中が多くて通じない。局番を廻しただけでもうすでに話中の状況にあるという状態でございまして、大体東京におきましては、十回かけまして、四回通ずるというような平均に相成つておる次第でございます。この点は局間の市内電話設備が少いということと、加入電話が少い、即ち我が国の一個の電話機を使用する度数というものは世界で最高でございまして、フランス、イギリス等の六倍に当つております。非常に一個の電話が使われておる。従いまして外からかけるかたがなかなか通じないという状況にあります。それから近距離の通話にいたしましても、御承知のように、百十八番、これは準即時の区間です。例えば横浜へかける場合には、百十八番にかける。それから百十七番というのが即時で、市川その他東京近郊につきましては武蔵野あたりも百十七番ということになつておりますが、これらはいずれも設備の不足という点から、非常に話が通じない。即ち百十八番におきましては六八%というものは受付でもうお断り申上げておる。百十七番につきましては、多少状況がいいのでございますが、受付けられるのが四七%程度ということで、普通のいわゆるビジネス・アワーと申しますか、そういう時間におきましては、百十八番、百十七番には先ずそこまでつながらない、こういう状況になつておる次第であります。更に長距離の待時区間、即ち一遍受話機を置きまして、交換局から通知を待つて通話する方面におきましては、非常に時間がかかる。一時におきましては殆んど特急通話でなければ通話区間に通じなかつた、こういう状況にありましたが、最近まあ状況は非常によくなりつつある次第でございまするが、今なお特急通話というものは廃止することができない状況にございます。その点を申上げますと、戦前におきましては、市外通話料金の八二%というものは、普通通話によつて入つて参る。二〇%弱というものが、至急又は定時予約等の通話で、ございましたか、現在におきまして相当改善された状況におきましても、特急通話という、即ち普通料金の三倍でお掛けになる通話が四〇数%ということでございましてその他至急、定時予約等を合せますと七〇%というものがそういう普通通話料金の二倍乃至三倍、四倍というような料金によつて通ぜられておるのであります。普通通話によつて入つて来る収入の比率と申しますのは、現在三〇%に過ぎない、而も三倍の料金をお支払になつても、場所によりましては現在なお一時間乃至二時間の平均待合時間があるというような状況に相成つております。これらはいずれも市外のケーブルが足りないとか、或いは市外ケーブルがありましても交換局がすでに一ぱいでございまして新たに市外電話の交換局を新設、増設しなければならんというような状況であります。それ以外の地方におきましては、特に御経験なさる点でございますが、いわゆる式の古いもの、即ち磁石式とか、或いは共電式につきましても問題かあるわけでございますが、特に磁石式の局につきましては、これを共電乃至自動に改局してもらいたいという主張が非常に多いのでございまして、それは単に地方だけに限定されておりません。東京都内におきましても、現に江戸川におきましても、練馬におきましても磁石式の交換をやつております。又東京都内の砧局は、いろいろ問題もございますが、これも磁石式でございます。東京附近でも、高崎は二千余りの加入者がすでにお使いになつておりますが、これも磁石式である。全国的に二百数件というものが、こういうものを、早くよい新らしい方式に変えてもらいたいという御要望が非常に強うございまして、これらもどうしても改式をして参りませんと、新たに加入者も増加できない。磁石式でございますと、大体六百程度が限度でございます。特に複式につきまして、サービスが必ずしもよくないのでございまして、二千程度がぎりぎりできる、共電式になりますと、七、八千というところまで参るわけでございますが、それ以上になれば自動方式でなければならんという状況でございまして、これらはいずれも新たに設備を取替えて行かなければならんという状況にある次第でございます。そこで現在の加入者のかたから、何とか一つサービスをよくしてもらいたい、それから新らしい方式に変えてもらいたい、或いは同一行政区域内におきまして数個の交換局に分れているために、市外通話でなければならん、そのために非常に同一行政区で困るというような御主張が非常に強いのでありまして、これらも全国に三百余りそういう問題を持つております。現に東京におきましても、先ほど例に引きました江戸川区におきましては、城東の局と川向うの磁石式の三つの局、この四つによつてなつております。練馬区はたしか六局によつてなつておりまして、区内の送受話が十分できない。そこで私どもとしましては、どうしてもこれを一本にしまして、江戸川、練馬の例を申上げますれば、これに自動交換局を建てまして、そこに現在の加入者を全部収容いたしましてこれを東京に合併をするというような方向をとらざるを得ないのでありますが、これらのために非常に多額の資金を必要とするという状況にあるわけであります。一方新規の加入の御希望のかたは、これは年々多いのでございまして、大体終戦後、御承知のように戦前におきましては最大の加入者数というものは百八万という数字がございましたが、昭和二十年、終戦当時におきましては戦災によりまして四十六万に下つた。現在におきましては漸く百五十五万という、数におきましては非常に大きな復興を示した次第でございます。併しながら大体申込まれたかたの三〇%程度を充足をしているというのが過去の実績でございます。これで計算いたしますと本日申込んだかたも三年後でなければつかんというような状況にあるわけでありまして、これらはこのままに放置いたしますと年々雪達磨式に殖えて行く。一方先ほど申上げました百五十五万というように終戦後から起ち上つたのはどういうふうにやつたかということになりますと、焼け残つた、或いは破壊を免れた設備に、線路にしましても機械にしましてもその附近の加入希望者のかたにできるだけ応ずるということで全部一ぱいにつけてしまつた。従いましてすでに終戦後七、八年にもなつて参りますと、各局とも満員になりまして、今後一個の電話機を増設するためにも新たに局を建設しなければならないという現状に追込まれております。そういう局が現在すでにこの三月末に全国に八十五局もありますし、今後五年間この調子で行きますれば更に百七十六局を増す、こういうふうに一列に並ばれてしまいますと、御承知のように自動交換局を建てるためにはやはり建物を建てなければならん、これに約一年かかる、そのうちに機械、線路を新たに入れて行くということになりますと幾ら急いでも二年はかかる、全国に相当多数の一ぱいに詰つた局が出て参りますと、現在二年、三年一個も使わないという局もございますが、今後の情勢を見ますれば二年、三年どころではない。五年、十年待たなければならんということで、私どもこのままでどうしても放置できないという現状にあるわけでありまして、従いまして公社としましてはすでに五カ年計画を設定して見たのでございますが、これは資金がなかなか容易でないというような状況を勘案いたしまして更に五カ年計画を練り直しまして、現在設定しましたのは大体五年間に七十万の電話を増す、市外電話回線は現在の倍程度に殖やすということによりまして、非常に詰つたところ、或いは非常に需要の多いところを重点的に施工をするという方向をとりますと大体六大都市乃至地方の主要都市におきましては店舗、事務所等の需要に完全に応じ得るような態勢に持つて行く、住宅の全部を救済するというわけには参らんかと思います。が、その程度には格段のサービスを加えよう。それから私ども先ほどお話の、つながる率につきましても、大体七五%程度つながるのを目標といたしておりますが、この五カ年計画におきましては七五%までは到底参りません。併しながら市外通話等におきましては東京、名古屋、大阪、神戸、福岡の間は五年間に即時につなぐ、このうち東京、名古屋、大阪、この相互間六区間というものはこの九月一日を以て即時にしてしまう。現在はやはり昼間時におきましては特急通話でなければ通じないのを、全く受話機を上げましてすぐ通ずるような状態にしたい。来年は神戸までそれを持つて行きたい。更に後年度におきまして福岡まで即時通ずるようにする、こういう方向をとりたいと思いますが、一方におきましては東京、横浜等の例を見ましても先ほど申上げたように殆んど受付で断られてしまう。横浜では貿易関係のかたは仕事ができん、神戸も同様な状況にあるというような次第でありまして、本年度横浜から東京へおかけになるかたにつきましては大体即時的に出るような状況に、自動で即時に出るような状況にいたしたい。更に東京から横浜を呼ぶのも、百十八番を変えまして百十七番へ持つて行く。京浜及びその周辺地区をそういうふうにいたしますと同時に、阪神地区、北九州地区も五年間の間にはそういう状態に持つて行く。地方の重要都市との連絡は特急通話がなお一部残るかと存じますが、大体三十分間の平均待時間でつなげるようにいたしたい。こういう計画を設定いたした次第でございますが、これがためには総額五年間に約二千七百億程度の建設改良資金を要する。尤もこのうち千百億というものは、減価償却、即ち現在の資産の維持のための減価償却に充当いたす次第でございますが、その場合に勿論外部資金に頼らなければ、この資金というものは得られるものではございません。新規の加入者のかたに、現在東京、大阪等におきましては九万円の御負担を願つております。これ以上に更に上げて行くということは却つて中小企業、その他資産がなくてもどうしても現在の商売では電話が必要だという面が非常に多いのでございまして、まあ卒直に申しますれば、おそば屋さんでも按摩さんでも電話がなければ商売にならんと言われておるのであります。できるだけ資金がないかたにも電話をつけるようにいたすためには負担金というものを昔みたいにどんどん上げて行くという方法は私どもとしてとりたくない。現在の九万円を、できればだんだんと下げて行きたいという考えを持つておりますが、まあ本年度直ちに実施するというわけには参らないし、それ以外に頼るところは政府資金なり、或いは一般公募の社債でございますが、これとても政府資金につきましてもおのずから限度がございますし、又社債にしましても、国鉄におきましても相当公社債を発行される。我々のほうでも出すということになりますと、これもおのずから限度があるところではないかと存じます。そこで私ども一体今までの利子というものはどんな工合であつたか、減価償却はどうであつたかということにつきましていろいろ検討いたしたのでございますが、減価償却は過去においては殆んどやつておられませんでした。漸く昭和二十六年ぐらいから減価償却を始めて参りまして、二十八年度予算におきましては、初めて或る程度これならというところまで減価償却が伸びて参つた。それは年建設費に対して五分七厘、それと過去におきまして、先ほど申上げましたように殆んど償却されないために非常に取替え等を要する施設が多いということで、特別償却というものを二十七億程度見ておりますが、そういうものを十分にするためには現行料金では到底十分でない。先般解散国会で流れました予算におきましても、普通の減価償却並びに利子の支払のためどうしても五十七億というものは不足である。当時の流産予算におきましては二十二億程度を拡張改良費の繰入ということにいたしておつたのでありますが、そのような状況で現行料金では到底減価償却乃至維持ということは不可能である。殊に新規の施設については全く現在の料金ではどうしても維持できないという形になつておるのでございまして、従いまして私ども過去におきまする借金は六百五十億余りになつておりますが、これはお返しせねばならん借金でございます。主として政府の資金でございますが、これが現在の資産に対してどのくらいの割合になつているかということを調べて見ますと、現在お払いしている利子は大体一分二厘にしか過ぎない。今後拝借いたして参りますのは政府資金をもつてしても六分五厘、一般公募の社債と相成りますれば七分以上八分ということに相成るかと存じますが、これらを計算して見ますと、どうしても現行料金でやつて行けない。更に又一方から申しますと、一般公募の社債にいたしましても、加入者に御負担願う社債にいたしましても、これは余り長期に借りておくわけには参りませんので、お返しして行かなければならん。政府資金につきましてもそういう問題があるのでございますが、これについては殆んどお返ししてない。こういう状況で、若しも元金の償還まで一部計画するといたしまするならば、これは大変な値上げをしなければならんというような計算をいたしたわけでございまして、更に料金の再検討をいたす場合におきましては、一般物価との関係についても検討せにやならんということで、現在の料金といたしましてはその電話の料金としましては百四十倍から百六十六倍という線におります。これは大体百六十六倍の線は鉄道の貨物旅客運賃と同様でございますし、百四十四倍乃至百六十倍附近が電燈量、いろいろ計算の仕方もあるわけでございますが、最低のところをとるとそういう形になるかと思います。ところが大衆たばこのバット、ガス料金、或いは都電、それから鉄道にしましても、小口扱いになりますと二百五十倍以上になつておりますが、通信料金は最も高く三百三十三倍、郵便がはがき封書も三百三十三倍になつております。そういうところで私ども若干料金につきましても検討する余地があるのではないか、非常に利用者のかたには御迷惑であつても、この点再検討をお願いせざるを得ないということで、大体におきまして電信電話収入の二割五分程度増収を得るというような案としまして政府にお願いした次第でございますが、それによりますと、市外の通話料、即ち長距離をおかけになる電話料等におきましては百九十二倍程度になります。それから度数料五円を十円にした、こういうことでお手許に資料を差上げてございますが、今回の案におきましては一月六十回までは使用料の中に引つくるめてしまう。現在東京におきましては度数料の五円と、それから基本料としまして事務所におきましては月五百四十円頂戴しておるわけでございますが、これを合せまして九百円ということに、度数料は五円を十円とするというような案といたしたわけでございます。これで平均値上率を見ますと五三%余りになります。又五円を十円ということになりますれば、それだけを御計算になりますればまさに十割、一〇〇%の値上げということに相成る次第でございますが、全体としまして大体二割五分程度の増収を得るというような方向に料金値上問題を再検討いたしまして、お願いを現在出しておるような次第なのでございます。大体電話料金を値上げするという基本といたしましては只今申上げたような次第でございますが、今二割五分の増収を得ますと、本年度予算を御覧になつてもおわかりになりますが、七十六億程度のものが建設改良資金に繰入れられるということになつておりますが、私ども値上げによつた収入というものはできるだけ改良費に廻す。電話につきましては御承知のように市外回線を増すということは現在の利用者のための利益でございます。現在百五十五万ございまして、全国的に市外回線を増すということは結局百五十五万のかたがお使いになれる。仮にこれが特急通話がだんだんなくなつて参りますれば、三倍の料金をお払いにならんで早く聞けるのである。即ち改良のために料金値上げの金を用い治る、或いは局を新たに磁石式のものを共電式にする、或いは共電式のものを自動式にするというために、結局砧の例をとりますれば、磁石式のほうはそのままにしておいて、別に自動式の電話局を作つて、旧来の加入者と新規の加入者と区別するわけに参りませんので、これは旧来の加入者のほうを全部自動式に移さなければならんのでございます。そういう面から申しますれば、改式におきましても八〇%程度は現在の加入者のために還元されて行くものであるというふうに考えられるのでございます。区域の合併、或いは加入区域を併合して行くというようなことも現在の利用者に非常に利益が還元されるというふうに考えて参りますと、私ども五カ年計画のうち六割程度七割というものは改良のための計画である。単に建設々々と申しておりますが、そういう内容を持つておる。更に電話というものはもつと極端に申しますれば、他人が全く自分に関係なく電話が殖えて参りましても現在の利用者の電話の価値というものが上つて行つて、即ち一万の加入者より二万のほうが電話としては価値があるというような特質を持つておるのでございまして、まあ隣の村に電燈がついたとしてもこちらの村としまして電燈があつても特別に利益はないかと思いますが、こちらの村に電話があつて、隣の村に電話がつくということはこちらの村にある電話加入者のかたが今度隣のかたとお話できるというような特質を持つておる次第でございますので私ども何としましても、資金の関係等から見まして料金値上げに、或る程度改良費を頂戴いたしまして、将来におきましては元金の償還等につ官ましても若干の措置がとれるような態勢にいたさなければならん、公益企業といたしまして、まあ資産に対しまして或る程度のフェア・リターンというものはあつてもいいのじやないか。過去におきましては殆んど加入者のかたに建設費の大部分を御負担願い、更にその料金から上つて来たものを一般会計に過去においては納めておつたのであります。私はこれが日本の電話の発達しないゆえんかと存じますが、私ども今回の五カ年計画におきましては料金値上げをしまして利子、減価償却を上、更に元金の償還がまだ期限が来ないという場合におきましてこれを建設改良費に用いて行く、一般の維持経費等に余り使わないというような方向で、加入者のかたに何とか料金値上げについて御納得を得たい、こういうような気持で提案いたしておるような次第であります。
  4. 中川以良

    ○委員長(中川以良君) 御質疑をお願いします。
  5. 海野三朗

    ○海野三朗君 この日本とドイツと米国との比較におきまして、日本の改訂した料金でありまするが、これは何を基準にして改訂を計画されましたか。
  6. 靱勉

    ○説明員(靱勉君) この点につきましては基準と申しましても、先ほど申したように二割五分程度増収を得たいということで大体電信につきましては基本料を現在五十円というのを六十円にする程度でございまして、一般の電報につきましては全然手を触れておりません。従いまして平均の値上率は一割三分程度に相成ります。そこで均一制の局、即ち度数制でない局につきましては平均二七%程度の値上げの案を作りましてできるだけ加入者の少いところには値上率が低くなるようにいたしております。そこで結局問題は度数制の局でございます。度数料を五円から何円にするかということが非常に問題でございまして、大体諸外国におきましては整数倍と申しますか、そういうような方向になつておるのであります。五円を十円にするという点につきましては随分私ども躊躇いたしましたが、結局五円を十円にいたしまして、基本料のほうを引下げる、併しそうしますと非常に僅かしか使わないかたが非常に負担が楽になりますので、最低使用料というものを作りましたので、今御覧になりました日独米の市内電話の料金比較表で九百円と書いてございますのは、この中に一月六十度分入つておりますので、即ち度数を十円としますと六百円というものが九百円の中に入つておるということになります。そこでドイツ、アメリカがこれ式に若し直すといたしますと七百七十円と書いてあるのが千八百八十円に相成ります。それからアメリカの千八百円というのがこれが二千八百八十円かに相成るかと思います。そういうことで、この九百円の中には六十度分が含まれたというのが、これになつておりまして、結局五円を十円にしたところからそういうような形に相成つた次第であります。
  7. 海野三朗

    ○海野三朗君 只今のその値上率は日本の経済状態及び米国の経済状態から比べまして妥当な値上げでありましようか、又その値上率がまだ少いほうでありますか、多いほうでありますか。
  8. 靱勉

    ○説明員(靱勉君) 大体におきまして電話の建設費に要する経費、即ち殆んど機械が主でございますが、それを比較してみますと余りアメリカとも差がない、若干日本のほうが高く相成つておるかと思います。従いまして電話料金だけで、要するにドルやマルク等を換算しまして出したのがこの表でございますが、私どもよく負担力の点はどうかという問題がある次第でありますけれども、現在日本の電話は先ほど申しましたように非常に復興いたしましたが、百人当り二・四しか電話機を持つていないという状態で、アメリカあたりは非常にそれが多くございまして、百人当り二九%、英国その他につきましても非常に高い率になつておる。そういうような点から見ますると、私どもこの点についてただ円に換算して比較するのはどうかという点を考えて見ました。そこで問題になるのは他の公益料金との比較かと、こういうふうに考えまして、郵便料金は三百三十三倍である、アメリカにおきましても、ドイツにおきましても度数料とはがきの料金が同じであるというところはないのです。そういうような点から見ますると、全般的な国民負担はどうかという問題は若干ありますが、併しながら百人に二・四というところの我が国のほうの階層といたしましては、相当負担力があるということが常識的であつたわけであります。そこで普通の家庭におきましてもお使いになつておる、電話をお持ちになつておるようなかたがたは、大体月収五万円以上のかたというような点も一応調べて参つたわけであります。直ちに諸外国と同じにするのはどうかという問題は、他の料金との割合で私ども考えるのが或る程度妥当じやないか。それから電話が非常に普及していない、併し一方では非常に使うというような状況でございますが、国民所得から見まするとたしか一・三七が電信電話料金の占める比率になつております。今度は二割五分増収ということで、市内電話等におきましては相当高率の値上げに相成りますが、これによつて殖えますのは〇・四以内かと存じております。全体としましてそういうふうな国民所得に対する比率というものに相成つております。生計費に及ぼす影響も私どもいろいろと考えて見たのでございますが、これは国鉄料金或いは米の問題等から見ましても、極めて非常な小さな割合にしかならんというような点も考えて、二割五分増収というものを非常に御迷惑でありましようが、そこらを是非確保いたしたいということで、現在お願いいたしておる次第でございますけれども、この値上げした料金によつて一体米やみそや木炭をどのくらい買えるか、過去の料金ではどのくらい買えて、今度の値上げではどのぐらい買えるかというような表も作つて見たわけでありますが、遠くて御覧になれないかも知れませんが、これが米、みそ、木炭等であります。一番上に紫で書いてありますのが戦前昭和九年の電話の市内料金で買えた量でございます。今度二割五分上げることによつて買える量が、東京あたりではここのところに書いてあり事。だんだん接近をして参りましたが、昭和九年程度には買えないという点になつております。市外通話料金はこれは非常に低くなつております。こんなような状況でございますので、現行料金で行きますると、これが或る程度、ここからこれを今度ここまで、こういう点でございます。そういうような点から考えまして、私どもできるだけ料金は独占公共事業でございますから上げたくないのでございますけれども、何とか業者のかたにも御納得頂き、この程度の料金値上げは御承認願いたい、こういうふうに考えております。
  9. 海野三朗

    ○海野三朗君 この点は料金は一般の家庭というよりも、むしろ業者は、証券業者とか、その他電話をたくさん使う人が問題になると思うのですが、たくさん使う人は特別の、或る程度の数以上、特別な料金になるのですか、それはならないのですか。
  10. 靱勉

    ○説明員(靱勉君) その点も私ども原案作成に当りましては考究いたしまして、アメリカでは現に逓減の方法をとつております。非常に使用度数の多いかたにはだんだんと逓減して行くという方法をとつておる次第でありますが、その他の諸国においては殆んどとつておりません。そこで電話理論といたしましては度数というものは、やはり使えば使うほど負担して行くのが当り前だ、そのために線も余計使いますし、消耗も高いのだという理論はございますが、一方から言えば現在の丁度電話の状況を見てみますると、地方におきましては赤字でございます。中都市程度で大体電話はとんとん、大都市の非常に電話をお使いになる面で黒字になつている。そういうようなものを全部計算いたしまして、どうやらこうやらやつているというのが、現在の姿でございます。従いまして非常に多くお使いになるかたは、市外通話等において先ほど申したように、普通料金の三倍も頂戴しているというような面も、非常に収入面があつたわけであります。企業として非常に不健全な企業でございますが、やはり商売の常道としては、やはりたくさんお使いになるほうは、利益を減じてもいいじやないかということで、逓減制をとる方法も考えてはどうかという意見もかなり有力でございまして、先般郵政大臣といたしましての御答弁を拝聴いたしました。多数利用者に対しまして、若干或る程度措置を講ぜねばなるまいという御答弁になつている。政府からのお示しがありますれば、私どもといたしましてはこの案も考えて見たい。我々原案を作る場合におきましては、あらゆる案を検討いたしておるような次第でございます。
  11. 海野三朗

    ○海野三朗君 今日本とドイツと米国の比較でありますが、市外通話料ですが、これは米国の労働賃金と日本の労働賃金と比較いたしまして、この料金の関係はどんなふうになつておりましようか。
  12. 靱勉

    ○説明員(靱勉君) 労働賃金と日本のあれの問題でございますが、私どもそういう点からでなく、実はアメリカの企業と私どもの電信電話公社の経営とを比較して見たのでありますが、現在諸経費といたしまして、人件費の占める割合は三三%程度になつております。アメリカの一番大きなA・TアンドTの会社を見てみますと、これは六〇%以上になつております。併しながら非常にあちらは、今円で換算して見ますと、交換手のかたでも四万円程度おとりになる。我々のほうは、御承知のように平均ベースが一万三千四百三十円ということに相成つているわけでございます。その他特別手当或いは期末手当を合せまして、御承知のように一万五千円程度ということになつている。交換要員の人は、初めて入つて参りますればやはり一万円以内ということになつている。そこでその点は、向のほうが労働賃金は高いのでございます。人の使い方はどうかと申しますと、アメリカの加入者数で従業員を割つて参りますと、日本の大体四分の一か五分の一程度の人でございます。そこで、それは向うが非常に機械化しているということでございます。先ほど申しましたように近距離の通話につきましては、東京横浜を例にとりましても、これは自動式に横浜の加入者が呼べるようにならなければいけない。例えば市外台三回線につきまして交換要員一人要るのでございます。一日で言えば、三番交替せねばならん人数が要るだけでなく、交換台が非常に大きくなつて来るということになつて行きますれば、新たに土地を買ひ局舎も造らなければならない。ただ移し替えできない場合が多い。そういうことを考えますと、これを機械化しまして、それを設備も割合に小さいところで済む、人手もかけないで済んでしまうというふうにやつて参りますように、今後我々の電話の経営の根本的な一つの原則を立てなければいけない。併しながら現在におきましては、一挙にそういうことはなかなかできませんので、そこにどうしても建設改良費が多額に要るというような形になるのでございます。私ども五カ年計画を御説明いたしましたが、実は十年で現在の倍にいたしたい、こういう考えであります。ところが、この程度にいたしましても、欧州各国で現在余りよくないのは西ドイツでございますが、これに追い付きません。十年後に比較いたしましても、あとベルギー、オランダ、スウェーデン、スイス、その他に到底、アメリカを別にしても、これは二十年計画を立てても追い付かない状況になつておる。そこで私どもやはり人手はかかつておる、併しこれは機械化によつて将来どんどん殖えることは抑止できるのではないか、そういう場合におきましても、やはり諸経費としましては、維持運営費としましては、人件費の割合が待遇を改善することによつて殖えて来るのでないか、こういうふうに考えます次第であります。
  13. 海野三朗

    ○海野三朗君 そういたしますと、つまり日本のほうは平均賃金が低いということになりますか、給料はさほど低いのでないけれども、料金のほうは高過ぎておるということになつておるのでありましようか、どちらのほうになつておるわけでございましようか。
  14. 靱勉

    ○説明員(靱勉君) 私ども甚だ手前勝手なことを申上げて恐縮でございますが、率直に申上げまして現在のサービスは悪いのでございますが、あれは電話の本当の姿を現わしていない。一体時間を待つ電話というのは大した意味がないのでございます。そこでそういう観点から申しますと、現行料金はサービスの点から見ても、電話が本来こうあるべきサービスから申しましても、そのためには非常に経費がかかるということから見ますと、現行の料金は確かに割安ではないかという考えを持つております。併しこれは実は外債等の問題もありまして、一応私どもの経営状況等を当時説明したことがございます。その際に、日本では負担金を取つて、折角ある希望者を無理に抑え付けておる。一方におきましては料金が安いので、こういう利子も払い得ないような経営状況でお話にならんじやないか。人員が多いかどうかの問題は、確かに人員は多いだろう。併し施設の現状はどうかと言えば、それは機械化すればいいのだ、こういうことでありまして、私ども設備をよくし、サービスをよくしてやはり料金というものは料金原則によりまして、減価償却、利子、或いは投下資本に対しまする一定のリターンがあるというような限度できめて行かれなければならんのじやないか、現在はその状態になつていない、こういうふうに私どもは考えておる次第であります。
  15. 海野三朗

    ○海野三朗君 それで年間どれくらいな増収になりますか、金高で。
  16. 靱勉

    ○説明員(靱勉君) 本年度におきましては、私ども若し国会の御承認が得られて法律案が通るということに相成りますれば、八月一日から実施いたしたいと、こういう考えでおりますと、百三十四億の収入増に相成ります。そのうち七十六億を建設改良費に振り向けまして、あとのものは、先ほど申しました減価償却の不足に前々から入れておるわけでございます。そういう次第に相成ります。年間といたしますと、大体百九十余りに相成る勘定になります。
  17. 加藤正人

    ○加藤正人君 今何ですか、全国全部度数制になつておりますか。
  18. 靱勉

    ○説明員(靱勉君) 全国全部ではございません。大体率といたしまして度数制施行局……局数は勿論問題ありません。加入者数につきまして半分より少し度数制のほうが少いと思つております。
  19. 加藤正人

    ○加藤正人君 そういう度数制になつておるのと、なつていないのと、そこに非常に区別が生じた理由はどういうわけですか。
  20. 靱勉

    ○説明員(靱勉君) これは一定の加入者の数と、それから設備の状況によります。現在原則としまして、加入者が相当殖えて参りますと自動式である場合には度数制にするのを原則にいたしております。但し共電式でも一部度数制を実施いたしておるところもございます。加入者も五千となりますと、どうしても度数制を施行しないと……大体度数制にいたしますと、全国平均の一日の電話の御利用の数は八度ということに相成ります。ところが均一制の局は、私どもの調べでは大体十五回、度数制になりますとがらつと下るわけであります。併しながらお使いになるかたは非常にお使いになり、使わないかたは、まあ無駄な電話はやめようということで、度数制を施行いたしますと、その当座は或る程度収入が減ずるような形になります。
  21. 松本昇

    ○松本昇君 今後だんだん設備を改善されておいでになると、今まで使つていた人よりも、相当使用人員が将来は軽減されてなお能率がよくなつて行く可能性があるのですか、機械化によつて。
  22. 靱勉

    ○説明員(靱勉君) 私ども終戦直後の状況は比較になりませんので、実は二十四年と比較しておりますが、それによりますと、二十四年、先ほど申しました諸経費に対する比率というものは、人件費は四三%でございます。併しながら先ほど申したように二十七年度においては三三%ということでございまして、本年度におきましても前年度の人員より実質的には少くなります。と申しますのは、これは御存じかと思いますが、一般の定員以外に賃金定員というものがあつたわけでございますが、今度は郵政省も我々も一切それを引つくるめまして整理いたしております。そういう関係から申しますと、むしろ我々定員減をしなければならん。併しながら一方におきましては毎年三百億、四百億、五百億以上の拡張をやつて参ります。加入者の数はだんだんに殖えて行く、機械も殖え、そういうふうに交換をお使いになる度数も殖えて参る状況におきましては、どうしても人手を要することは当然でございまして大体年々相当の増員を必要とするわけでありますが、併し電気通信省になりましてからもできるだけ増員を抑えるということで、配置転換等によりまして現業要員を充実するということにいたしてやつております。併しその間ベース・アップの問題もありますので、なかなか定員減とべース・アップの比率というものは、むしろベース・アップのほうが高かつたという状況でございまして、現在のベースの問題も更に組合としては調停を申込んでおるような次第であります。絶対数といたしましては施設の殖える割合には絶対に殖やしていかんということで、できるだけ首を切る必要は私どものほうにはないのであります。年々大きな施設が殖えて参りますから、これをうまく再訓練でもして配置換えをして行くということにかなり経営の努力というものがさるべきものであるというふうに考えております。それで戦前と現益との……これはどこでも、この間紡績のかたにお伺いしたのですが、非常に戦前より一個人の負担は殖えておる、こういうお話でございますが、私どものほうも非常に殖えております。それで二十四年の電話加入というものを一〇〇としまして、それに対して現在の電話加入の比率は一四〇幾つかになつております。一方市外通話をかけられる度数、二十四年を一〇〇といたしますと、二十七年度は一九〇余りになつております。人のほうは二十四年を一〇〇としますと、現在電話に従事しておるのは一〇六ということで、非常にそこいらは私どもまだまだ我々大いに経営合理化の問題は不断にこれは努力をしなければならないと思つております。そういう実績を示せとおつしやいますと、若干あるような次第であります。
  23. 中川以良

    ○委員長(中川以良君) ほかに御質疑ございませんか。……では、私からちよつとお伺いしますが、電話料金を値上げになつて産業別にどういう影響があるかというようなことは、何かそういう御調査なり資料なりございましようか。
  24. 靱勉

    ○説明員(靱勉君) 現在の加入者のかたの分布につきましては産業別に調べてございます。それと同時に只今の値上げによつてどの部面にどういう影響があるか、この点は私ども専門家にもお聞きするのですが、なかなかむずかしい問題でございまして先般衆議院の公聴会、略式の公聴会でございますが、参考人のかたで某新聞社の論説委員の御意見としましては、一体これが吸収できるかできないかの問題につきまして御意見が出たのでございます。そのかたの御意見では吸収は大体できると思う。併しながらまあ心理的な問題があるのではないかというような御意見で私ども余り影響がないのじやないかというような考えを持つております。それと同時に、特に御了解願い上げたいのは、私ども非常に手前味噌になりますが、日本の電話がもう少しよくなるということは却つて産業活動を経済的にする結果、まあ率直に申しますれば生産コストの引下げにも私は利益するのではないかというくらいのつもりでおりますが、お前たちひとりよがりだとおつしやられる点もあるかも知れませんが、実は東京の道路を見ましても自動車で一ぱいである。パーキングするところさえない。電話で済ませる用件まで相当の時間をお潰しになり経費も使つてやつておられるのが現状であるのであります。それから昔の会社或いは官庁におきまして電話を私用に使うということは禁じておられたと思うのでございますが、現在はなかなかそういうわけに行きませんで、非常に職員のかたでも何でも私用にお使いになつておるというふうな状況も考えて見なければならない。これは私ども余り申上げられない点ではございますが、大体吸収できるのではないかというふうに考えておりますが、一方吸収できない点もあるかと思つております。
  25. 中川以良

    ○委員長(中川以良君) 只今の業種別の使用回数と申しますか、使用量と申しますか、そういう統計の資料を提出して頂けないでしようか。
  26. 靱勉

    ○説明員(靱勉君) 承知いたしました。
  27. 海野三朗

    ○海野三朗君 只今のお話御尤もだと思いますが、個人でとつております場合と会社で使つておる場合とは料金が違つておるのは、やはり今もそうでございましようか。
  28. 靱勉

    ○説明員(靱勉君) これは占領後そういう勧告を受けまして住宅用の電話は基本料だけをお安くしております。東京で申しますと事務所用は五百四十円というのが一月の基本料でございます。それに対しまして住宅用は三百八十円ということになつております。それから特殊に料金を減額いたしておりますのは、度数制につきましては現在逓減制を用いておりません。それから新聞通信社等におきましては専用線におきまして専用線料金を普通の商社、或いは通産省その他政府機関よりの大体三分の一程度にいたしております。それから電報につきましても新聞電報は特殊の取扱で定額料金でやつております。その他余り定額という制度はとつてございません。
  29. 海野三朗

    ○海野三朗君 私は個人で郷里でとつておるのでありますが、私の住宅が手院の中にあります。そうしましたところが、普通料金より高いのです。なぜそうであるかということを私が問詰めますと、寺院用に使つておるのではなくて個人でとつておるのです、ところが寺院の建物の中にあるからこれを事務所用と見るのであるというので、どうしても聞かないで今日に立ち至つておるのでありまするが、私だけではありません。まだ市会議員をしておる人は、市会議員であることのために電話を個人でとつておるのです。ところが、それが寺の中にある、建物の中に……、やはりそれを会社用として徴収をしておられるので、私が再三局のほうに行つて交渉いたしましたが、法文を見てくれ、寺院の建物の中にあるときは、これは会社用と見るということでありましたが、今日もそのままになつておるのでありますけれども、道理の上から考えて私はどうもこれで納得が行かないのでありますが、如何お考えでございましようか。
  30. 靱勉

    ○説明員(靱勉君) 実は住宅用、事務所用の区別が非常に或る限界におきましてはわからなくなつておる点はございます。そういつたような御非難がありまして、住宅用ならつけない、事務所用でなければ、或いは優先順位でなかなかつかないのだというような話合いで、まあ事務所用にしておくかというかたもあるわけでございます。それから住宅用というのは主として、何と申しますか、ちよつと表現は忘れましたか、大体議員のかたで公にいろいろお使いになるというものは大体事務所用になつておるのでございます。解釈といたしまして寺院等におきまして一般にお使いになるというような見当の下にそういう形になつている。住宅であれば住宅用というふうには直ちにならないのであります。会社等がその社の役員のかた、或いは職員のかたにおつけするのも会社用のためだということになると、これは事務所用になるのでございます。住宅用というのは住宅における日常生活の通話ということで、この点はどうも日本ではまだ余りいい制度ではないと考えております。アメリカでは売るために住宅を安くして事務所用を高くしているので、それだけ経済的な価値がある。住宅用というのは殆んど経済的価値がないのだというような、こういう日常生活の便宜のためだと、こういう解釈で行つておるようであります。どうも私ども先ほど申したように、優先順位で三年も足らんような電話でなぜ住宅用をつけるのだという小言を受けるのでございます。今住宅だつて、そこでビジネスをやつておるのだということで、事務所用ということでおつけしなければ事務所が生きて来ないのでございます。正直に申しますと、電話と申しますのは事務所と住宅と関連がなければ、生活のあらゆる面に通じなければ電話の役に立たないのであります。一定の機関でも一定の区域でもいかんわけであります。戦時中料理屋の電話を召し上げろということで、そういうことも随分やつたのでございますが、恐らく事務所を持つたかたは電話がなければ本当に役に立たないのじやないかと思います。事務所用住宅用を廃止せよという意見も非常に強く出ているような次第でありますが、只今の点は一遍調査さして頂きます。
  31. 海野三朗

    ○海野三朗君 私は金銭の多少を言うのではありません。全く個人の、つまり住宅に電話を取つてあるわけです。それを会社用と同じく見るということは根本の意義において私は反するのじやないか、こういうふうに思うのです。金の問題ではなくしてそうすべきものではないというふうに私は思います。どうぞそれはよく御一考をお願いしておきたいと思います。
  32. 中川以良

    ○委員長(中川以良君) ちよつと私一点伺いたいのですが、東京は先ほど砧のお話がございましたけれども、砧はなかなか出ないのです。百十八番は何回かけても出ないのでございますが、これはやはり回線の関係でございますか。
  33. 靱勉

    ○説明員(靱勉君) 全く回線と、それからその交換局の容量の問題でございます。で、只今申した料金値上げの問題もありますが、私どもどうももつと電話をよくせねばならんというので、本年度におきましてもかなり百十七番であつたものを東京の区域に合併をしたのであります。例えば練馬とか、七月一日から例の本田、葛飾の局を合併しましたが、そういうことをしますと百十七番が空いてしまうわけであります。そうしますと、線路があれば交換台へ入れることができるということで、今のところやりくりやりくりしましてそういう設備を殖やす。砧あたりを例に取りますと、私どもあれは思い切つて合併したほうがいいということで計画を立てているわけであります。世田ヶ谷にしましても荻窪にしましても元は皆即時区間であつたのであります。これを全く東京都内の電話局と同じにしてしまつた、つまり普通の電話局の局番で呼べる。そうすると交換台の使用というものが要らなくなつて来る。で、いずれにしましても、百十八、百十七というのは全部どこからどこへおかけになつたという記録をとりまして、交換要員が三本につき一人で、なかなか忙しい区間でございます。そういうことになつておりますが、又線路だけでなく、内部の機械設備、建物というものの増設ができませんと、交換台が空かない。こういうことで、話中が非常に、受付が少くなることになる、こういうふうになるわけでございます。
  34. 中川以良

    ○委員長(中川以良君) それから夜遅く、又は朝早くかけますと、市外通話なんか非常に早くかかるというので、私は大阪あたりにかけるのによくそういうことをやつておるのですが、ところが、交換手が出るとすぐかかるのですが、交換手が出るまで相当の時間がかかる。朝なんか、今これは恐らく人員の配置が少いのだろうと思いますが、そういうときに非常にサービスが悪い。我々は不愉快な思いをすることがたびたびあるのですが、これは御答弁は要りませんが、そういう点、一つ御配慮をお願いしたいと思います。ほかにございませんか。……それでは電話の問題は一先ずこれを以て打切ることにいたします。   ―――――――――――――
  35. 中川以良

    ○委員長(中川以良君) それでは次に、輸出取引法の一部を改正する法律案にりきまして、政府側の提案理由の説明を聴取いたします。古池政務次官から……。
  36. 古池信三

    ○政府委員(古池信三君) 只今提案になりました輸出取引法の一部を改正する法律案の提案理由を御説明申上げます。  現行の輸出取引法は、不公正な輸出取引を防止すると共に、一定の限度において輸出業者の協定と輸出組合の設立を認めることにより、輸出取引の秩序の確立を図ることを目的として昨年八月制定されたのであります。併しながら、その後輸出取引の面におきましては、現行法によつて許容される輸出業者の協定、又は輸出組合の活動によつて輸出取引の秩序を確立するためには不十分な場合が生じて参つたのであります。他方、現行法においては何らの規定もない輸入取引の面におきましても、過度の競争から貴重な外貨を浪費する結果を招き。又は通商協定の遂行上割高な物資等を輸入する必要も生じ、従つて輸入取引の面におきましても、一定の範囲において輸入業者の協定と輸入組合の設立を認めることにより、輸入取引の秩序の確立を期することが要請されるに至つたのであります。  この法案は、これらの必要性を満たすために、現行輸出取引法に所要の改正を加え、私的独占禁止法の適用除外の範囲を拡大することを目的とするものでありまして、その内容は、大要次の通りであります。  第一には、法律の題名を「輸出入取引法」に改めたのであります。第二には、現行法において認められている輸出業者間のみの協定では不十分な場合におきまして、輸出業者が輸出貨物の生産業者又は販売業者と協定を締結し得ることとし、又輸出業者が協定を締結し得る場合として、輸出取引において競争国より不利な条件の存する場合、新市場との輸出取引において過度の競争が行われる場合等を追加すると共に、更に特定の場合におきまして輸出業者のいわゆる輪番輸出を認めるため、協定事項の範囲を拡大いたしたのであります。  第三には、輸出組合につきましては、その財政的基礎を強化するため、出資制採用の途を開くと共に、輸出業者の協定に準じ、組合員の遵守すべき事項を定め得る場合を拡張し、且つ特定の場合における団体協約の締結、一手輸出等を可能にする途を開いたのであります。第四には、輸入取引の競争が過度に行われる場合、通商協定の達成上割高物資でも輸入する必要がある場合等におきまして輸入業者の協定の締結を認め、更に乱立防止の見地からする厳重な制限の下に、輸入組合の設立とその活動を認めることといたしたのであります。第五には、輸出取引又は輸入取引における業者の協定又は組合員の遵守すべき事項を以てしては実効を期しがたい場合におきましては、通商産業省令によつて輸出業者又は輸入業者の遵守すべき事項を定め、又は通商産業大臣の承認を受けるべき義務を課し得ることといたしたのであります。  これを要するに、長年の我が国貿易業界の念願の下に成立いたしました輸出取引法につき、我が国貿易の特質と実情に即応するよう、その不備な点を改正しようとするのが本法案でありましてその成立は、必ずや公正にして且つ秩序ある輸出入取引を促進し、我が国貿易の国際的信用の増進に資すると共に、延いては世界の貿易の拡大に寄与するものであることを確信しておるのであります。  以上がこの法案の提案理由並びに内容の概要であります。何とぞ慎重御審議の上、速かに御可決あらんことを切望する次第であります。   ―――――――――――――
  37. 中川以良

    ○委員長(中川以良君) 次にお諮りをいたしますが、この法案の内容の審議に入りまする前に、牛場通商局長より、同局長が先般来西独において、国際会議に、日独協定の条約会議に出ておられましたので、最近の西独における輸出増進の原因等につきましての諸問題について、お話をこの機会に承わりたいと存じまするが、御異議ございませんか。    〔「賛成」と呼ぶ者あり〕
  38. 中川以良

    ○委員長(中川以良君) それでは牛場通商局長から……。
  39. 牛場信彦

    ○政府委員(牛場信彦君) 私は今般日独貿易協定に附属いたしまする貿易計画の改訂のために、四月の十八日に日本を出発いたしまして、六月十九日に帰つて参りました。その間約一月、ドイツにおきまして交渉に当りまして、六月の九日に貿易計画を作成いたしたわけであります。それ以外に、スウエーデン、オランダ、ベルギー、フランス、イギリス、スイス、オーストリア、イタリア、帰りにパキスタンに寄りまして、いずれもこれは協定の相手国であります関係上、向うの政府の人と会つて話をし、更に協定関係の話をして参つた次第でございます。  日独の貿易計画につきましては、もう発表にもなつておることでございますが、今回は従来の片道三千万ドルの貿易金額を、五割殖やしまして、片道四千五万百ドルということにいたしました。主な輸出品は、当方からは原油であるとか、それから繊維類、鉄鋼製品、非鉄金属というようなものであります。主要な輸入品は、機械類、それからカリのようなものであります。  それから協定に附属いたしますスウイングにつきましては、従来の九百万ドルを一千二百万ドルに上げたのであります。この金額といたしましては、相当程度膨らましたのでありますが、これを実行できますかどうかということになりますと、主として日本から物をそれだけ向うに入れるかということにかかつて来るわけでありまして、これは又一にかかつて日本側の物価如何ということによるのであります。今般私はヨーロッパを旅行いたしました際に、いずれの国に行きましても、結局日本のものはどうしてああ高いのかという話が主な話でありまして、一部の繊維類についてはそういうことはないのでありますが、それ以外のものは殆んど例外なく割高になつておる状況でありまして、これを是正しない限り、なかなか貿易の発展というものは期せられないということを非常に痛感いたした次第であります。  ヨーロッパは一、二の国を除きまして、大体におきまして、相互の間の貿易は非常に自由になつておりまして、例の欧州支払同盟の関係でございますが、ドイツ、それからオランダ、ベルギー、スイス、イタリアなぞという国は、大体におきましてその輸入の九割以上、これはヨーロッパ支払同盟に属しておる国からの輸入についてでありますが、九割以上を自由にいたしておりまして、その結果非常にそこに自由な国際競争が行われまして、お互いの間の分業の促進、更にコストの低下ということが起つて来ておるのが殊に昨年以来著しく認められるのであります。我が国とこれらの国との貿易の尻を見てみますと、大体におきまして、昨年の半ばまでは当方の出超になつておりました。ところが昨年の暮以来これが入超に転じまして殆んどすべての勘定におきまして日本が赤になつておる。これは結局日本の輸出が困難になつて輸入がしやすくなつて来たということによる次第であります。この点なかなか容易ならん問題が存在しておるように感じておる次第であります。  只今委員長から西独の貿易の状況を主として説明しろというお話でございましたが、統計によりまして申上げたいと思いますが、西独の輸出は殊に一昨年以来非常な伸びを示しております。数字で申上げますと、一九四八年が約六億ドル、四九年が十一億二千万ドル、五〇年が十一億八千万ドル、五一年が三十四億七千万ドル、五二年、昨年でありますが、これが四十億三千七百万ドルという数字になつておりまして、更に国際収支の状況を見ますと、一九四九年には十一億ドルの輸入超過、五〇年には七億ドルの輸入超過でありましたが、一昨年は僅かに三千万ドルの輸入超過、昨年になりますと、一億八千万ドルの輸出超過、本年に入りましても一月がやや輸入超過でありました以外は毎月輸出超過の状況を示しております。  更に我々一番関心を持つておりますドル貿易の関係でございますが、これは全体といたしますとその量は余り多くないのでありまして、例えば昨年でありますが、ドルに対しまする輸出は全輸出の九・五%、三億八千四百万ドルということであります。これは我が国のドル輸出が約三億九千数百万ドルでありましたよりもやや低い数字であります。それから輸入もドル国からの輸入は七億三千九百万ドル、だだの二%という数字でありまして、これも又我が国の輸入に比べて低い数字になつております。その結果ここに約三億四千万ドル程度の輸入超過になつております。西独の貿易の拡大はどこの地域へ一番出ておるかと申しますと、これは言うまでもなく欧州決済同盟の関係でありまして欧州決済同盟に対しまする輸出を見ておりますと、輸出は七四・四%、輸入の六七%ということになつております。それからそれ以外の輸出入は主としてその他の決済勘定と、双務勘定と、この中に日本も入るわけでありますが、これが輸出の面で一五・九%、輸入の面で一三・九%ということになつておりまして、西独の貿易の拡大が、その大部分がヨーロツパ諸国に向ける輸出、その裏には今申上げましたように、欧州決済同盟による貿易の循環ということが非常にきいておるということがおわかりになると思います。このドルにつきまして、先ほど申上げましたように、三億数千万ドルの輸入超過になつておるのでありますが、これらの状況は今年になりましてからもう非常に変つて参りまして、一方においてドルの輸出が殖える、それと同時にドル貨の輸出が著しく減りまして、今年の第一四半期、昨年の第一四半期に比べてドル貨の輸出がほぼ半減したという状況、今年の四月にはドルに対しても商品貿易に対して四千七百万ドルの輸出超過になつたという状況でありまして、これは全く……勿論ドルに対するドルの使用に対して相当制限をしていることは事実でありますが、それ以外に、ヨーロッパの物価が下つて欧州決済同盟諸国からの輸入が、ドル輸入に比べて割合楽になつたためにだんだん使用転換ができて来てドルに対する需要というものが少くなつたのだ、それと同時に同じ関係からドルに対する輸出が殖えて来たということが大体において申上げられると思うのであります。  又この輸出入の内容を見てみますと、輸入のほうから申上げますと、輸入は食糧の輸入が非常に多い。この点が西独の経済の一つの弱点になつておると思うのであります。昨年の三十八億ドルの輸入のうちで、約十一億四千万ドルというものが食糧関係の輸入でありました。その結果、我々が主食と言つております穀類、これは人間とそれから家畜用のものと両方でありますが、これが約十億ドルありまして、これに対しまして我が国は大体年間四億ドル内外の主食の輸入で足りておるわけであります。それだけ西独の経済は食糧輸入の必要が大きいということが認められます。それからもう一つ輸入に関して目立ちますことは、それ以外の輸入につきまして割合にいわゆる完成品の輸入が多いことでありまして、昨年五億一千万ドルということになつております。これは一つは欧州決済同盟の中におきましていわゆる贅沢品につきましては輸入を殖やした関係といたしましていわゆる不急品が相互にたくさん取引されておるのでありますが、入つて来ておることが認められます。併しながらこの相当多くの部分がアメリカや或いはスイスから場……、主としてスイスであります。スイスなどから機械を輸入しましてドイツにおいては、一方において機械輸出をやつております国が、又一方において自国の機械よりもいい物につきましては、アメリカの物乃至スイスの物を買つておる。これは事実私ども工場へ行つてもその状況は認められるのであります。ということは、非常にこれは注目すべきことであろうと考える次第であります。  輸出につきましては、これは御承知の通り非常にいわゆる完成品の輸出が多い。これは四十億ドルのうち三十億ドルまでが完成品の輸出であります。これは主として機械類になるわけであります。従いましてこのドイツの輸出は日本の輸出とは非常に状況が違いまして、八割くらいまではメーカーの直輸出ということになつております。この機械輸出というものになると、或る程度そういうことにならないと実際伸びないじやないかと私はつくそれ感じて参つたのであります。輸出業者に売ればそれで済むというのではなくて、メーカーが自分で機械の据付けから最後の動き出すまで、それから更にそれに引続いての部分品の供給というようなものにつきましておのおの相当に立派な輸出部門を備えましてみずからの責任においてやつておるということが認められる次第であります。そこでこの西独の輸出の状況につきまして、日本とこれを比較いたして見ますというと、戦前に比べまして、西独はすでに相当程度戦前よりも多くの輸出をしておるわけであります。一九五一年にすでに戦前の水準を突破いたしまして、現在では、戦前と申しましてもこれは一九三六年でありますが、これに比べまして約四割くらい輸出は殖えておるわけであります。これに比べまして我が国は、一九三六年に比べまして僅かに三割ちよつと上廻る程度の輸出しかいたしておりません。これに特需を加えましても恐らく五割には達しないくらいであります。西独と我が国との間の経済関係の違いもここに一番著しく現われておるのであります。併しながらこれと同時に、輸入の面におきましてもやはり同じことがあるのでありまして、西独のほうはやはり一九五〇年頃からして輸入は戦前の水準を突破いたしまして、現存は六体輸出入とも戦前の一四〇%程度ということになつておるわけであります。これに対しまして我が国は、輸入のほうは大体戦前の五割五分乃至六割程度にとどまつておる状況であります。西独の輸出の伸びというものは決して輸出だけがただ伸びたのではなくして、輸入も同時に伸びて行つたのである。逆に言うと、輸出を伸ばすためにはやはり輸入も伸ばさなければならんというか、これは戦後の貿易の特徴であると思うのでありますが、よくここに現われておると感じます。勿論輸入につきまして、ちよつとその内容につきまして審査しなければならんことは当然でありますが、要するにドイツの輸出はただ輸出だけ伸びたのではなくて、輸入の関係も同じように伸びて来ておるのだということが考えられるわけであります。そこでこれから先どうなつて行くかという問題でありますが、これにつきましては大体において今までのような輸出の伸び方はなくなるだろうという観測が強いのであります。一つは、これは世界的に貿易量というものがとめどなく伸びるというものではないというのであります。ドイツ特有の理由といたしまして、最近各方面に対してドイツが輸出によつて生じたところの一種の固定債権を非常に多く持つようになつたということは、第一にEPU、欧州決済同盟に対してでありますが、一九五〇年の六月頃にドイツは欧州決済同盟の中で一番の大債務国になつておりまして、四億五千万ドルを突破する債務を持つていたのですが、その後どんどん取返しまして五一年の初めからは債権国に転じまして、現在では五億ドルを突破する大債権をこれに対して持つております。それから更にそれ以外の双務勘定国につきましては、例えばブラジルでありますが、ブラジルに対しましては、スウイングの額が千三百万ドルにかかわらず、ドイツの債権は実に九千万ドルを突破して一億ドルになんなんとしている。それ以外の国につきましてもドイツは多く出超になつておりまして、現在は焦付いた債権をどうして回収するかというむしろ問題になつておりまして、一方的に輸出だけ伸ばして行くわけに行かないという状況になつて来ています。これはいろいろの面でドイツ政府の施策の上にも現われておりまして例えばブラジルとの間の貿易につきましても、輸出業者はその輸出によつて得た為替を公定価格で以て中央銀行に売ることはできないので、輸入する者に対して売らなければならない。その相場は自由にきまるわけですから、従いまして需要供給の関係で必ずこれは割引きして売らなければならないことになつています。その割引きをして買つた需要者が自分の輸入コストの八割まで支払いまして、あとの二割は中央銀行から公定値で以て為替を買つて輸入をするという仕組にいたしております。従いまして輸出は、輸入の取引が成立する見込がない限り恐らく輸出はできないでありましよう。又輸出入が行われるたびごとにその額の二割までは焦付き債権は消して行くということになるという仕組で以て、これは一種の輸出抑制策でありますが、そういう政策までとつておる状況でありまして、まあここに一つの今後の問題が存しておるように感じた次第であります。  西独政府はそのほかに輸出奨励策としてどういう措置をとつておるかということにつきまして、これは私ども非常に興味を持ちまして参つたのでありますが、行つてみますと非常に当てが違つておりまして、現在のところ本当に有効な輸出奨励策というものは、税金の面で輸出契約につきまして或る程度の額の所得控除を認める。更にそれと同じぐらいの額の積立金を認めるという制度でやつております。それ以外に特に有効な制度というものはやつていないように認められたのであります。この税制の問題は、これはドイツでは非常に税金が高い関係上これが効くのでありますが、現在ドイツでは千八百億マルクの国民所得に対しまして、四百十億マルクという莫大な税金をとつております。国民所得三分の一以上を税金にしてとつておる関係がありまして、その結果必要なときに思い切つて減税をすれば、それだけで企業としては非常に助かるという面がございまして、これは輸出だけではありません、例えば新らしく投資をするというような場合にも同じく思い切つた減免税をやつております。それによつて国内の資本を必要な面へ向けて行くという施策をやつているように感じたのであります。この制度自身ドイツ人に聞きましても、これは非常に輸出の振興に役立つておるということを申しております。それ以外に、例えば只今日本で問題になつております優先外貨のごとでございます。これはドイツでは輸入権という名前にしておりまして、ドル輸出に対してその四〇%の為替を使用する権利を与える。その権利は売買し得ることになつておるのであります。これにつきましては、昨年の初めからこの制度は始まりまして、当初は二割程度のプレミアムがついたということでありまして、それだけ輸出のコストを切下げてもいいことになりますから輸出促進になつたのでありますが、その後先ほど私が申した理由で、ドル物資が需要がだんだん減つて来たような関係でプレミアムが下りまして、現在では僅か〇・六から〇・八になつている。殆んど輸出促進としての全然価値がないのであつて、もう他国がやめれば自分の国はいつでもやめてもいいのだということを申しておりますが、最近国際通貨基金に対してもそういう意味のことを申したようであります。  その次に、輸出の金利について何か特別の措置をとつていないかということでありますが、これにつきましては原則としてはそういうことをやつておらんようであります。ただ仕向国の積立による外貨手形を輸出業者に出しましてそれを中央銀行が、仕向国の中央銀行が再割しておるその再割の率で以て割引くということによりまして実際上出しておる。今でも出しておるのでありますが、併しながら現益ではドイツの中央銀行の再割率は三分五厘まで下りまして、これはイギリスなどと比べても低い関係になつたので、そういう仕向国の再割ということが余り魅力がなくなつたということでありましよう。勿論ドイツの輸出金融は主として市中銀行の支払で行われておりまして、全部中央銀行が割引くという制度になつておりません関係上、中央銀行の利率は下つても市中ではやはり依然として相当高い金が使われておりまして従いまして輸出外貨手形というものはまだ相当利用価値があるのでありますが、曾つてドイツの再割率が六分であつたような時代に比べまして非常に効用は少くなつて来ているということも認められます。それ以外に手段といたしましてやや目立ちましたことは、いわゆる見本市でありますが、これはドイツに限らないのでありまして、イギリスでもベルギーでもイタリアなどでも非常に盛大にやつております。ドイツにおきましては、ケルンとフランクフルトとハノヴアーという三つの都市で定期的に開くことにしまして、各国の出品を求める。その場合各国のバイヤーを招待する。招待と申しましてもこれは見るだけであつて金は勿論向う持で来るわけでありますが、そういうことをやつておりまして、私が現に行きまして一、二見たのでありますが、これはヨーロッパ諸国、アメリカ、東南ア諸国からもたくさんバイヤーが呼ばれておりまして、現実において機械を運転して見せて、これを売るというやり方でありますが、非常にこれは効果があるように感じたのであります。我が国におきましても、明年大阪府においてこれをやるそうでありまして、非常によいことでありますが、願わくはこれは我が国におきましても東京、大阪、神戸ぐらいに毎年定期に行いまして、各国のバイヤーをよせるというようなことは、非常に日本の品物を親しく知らせるという意味において効果があるのではないかと考えた次第であります。ドイツにおきましては、見本市は会社組織になつておりまして、政府からの補助はもらえないで自分の金でやつておるようであります。  もう一つの措置といたしましては、海外市場の調査ということでありまして、これは我が国でも御承知の通り海外市場調査会というものがございまして、これは通産省から補助金を出しておるのでありますが、ドイツに行きまして、これは全額政府負担で、向うの経済省の外郭団体のようなものになつておりまして、相当活溌に動いておるように感じました。その調査は主として基本的なデータを隻めるということにあるようでありまして、目前の商売のためになるというよりは各国の関税関係でありますとか、或いは輸出入関係の法規を丹念に集めるということに主眼を置いておりまして、又ときどきに各国の市場別にまとまつたパンフレットを出して紹介するというやわ方でありまして、これもドイツだけではなく、ベルギーにおきましても、スイスにおきましても、相当多額の国家の金を使つてやはり同じような団体ができておりまして、相当海外市場紹介という意味では役に立つているように感じた次第であります。  大体輸出促進策というのはそのような程度のものでありまして、これはやはり感じたことでありますが、例えば輸入権の問題にいたしましても、或いは金利の問題にいたしましても、過渡的には非常に役に立つた時期があつたのであります。その役に立つた時期に機動的にすばやくこういう措置をとつたということに対しましてば我々非常に敬意を表しますると同時に、我々自身が非常に無能であつたことに対して責任を感ずる次第でありますが、現在においては、ドイツの物価が大体国際物価、ドル物価並みに下り、且つほかの方面からの要請もあつて、そう無理やりに輸出だけ促進するという必要がなくなつたという状況の下におきましては、余り政府の手段で以て何か特に輸出を奨励しておるというような傾向が認められんように感じた次第であります。例えば、成る程度の長期分割払によるプラント輸出の金融でありますが、これも、全然市中の金融に任されておりまして、政府として特にこれに対して金を出しておるということはないようでありましてこの点においては、日本のほうがずつと進んでおる措置をとつておる次第であります。大体貿易のことだけを申上げた次第でありますが、そのほかのことにつきまして若し御質問がありましたらお答え申上げます。
  40. 中川以良

    ○委員長(中川以良君) どうぞ御質疑を願います。
  41. 海野三朗

    ○海野三朗君 日本の製品がドイツのものに比べてコスト高だという評判をお聞きになつたようでありますが、それはどうしてそのコスト高になりましようか、労賃が高いのでありましようか、原料が高いのでありましようか、どちらでございましようか。
  42. 牛場信彦

    ○政府委員(牛場信彦君) 日本はドイツよりも高いということは言えないと思いますが……、例えばドイツの平均賃金は、昨年の八月頃まで、大体三百三十マルク程度、これは二万七千円、約三万円程度であります。従いまして、日本よりはこれは確かに高いのでありますが、併し、物価との比較におきまして実質賃金ということになりますと、現在では日本のほうが高くなつております。  それから原料につきましては、勿論これは日本はいろいろな状況からして、高い原料を使つておることは事実でありますが、例えばドイツにいたしましても、石炭は、これは不足しておりましてアメリカから年間七百万トン、これは日本がアメリカから買つておる炭の約倍以上でありますが、買つておるというような状況であります。これはやはり根本原因は、産業の合理性と申しますか、更に企業家と労働者と両方の努力というような点、この点私はまだ日本としてはもつともつとやる余地があるのじやないか、これは現地で見て痛感した次第であります。最近、たしか経団連のほうからも、その問題で向うに行かれまして、その御報告かたしか最近の「日本経済」に載つておつたと思うのでありますが、私も全くあれと同じような感じを持つたのであります。ドイツは結局、資本家も労働者も最低生活に甘んじて協力して経済を復興して来たということが一番今日になつて実を結んでおるのだと考えます。例えば、国民所得に対する国民消費の割合にいたしましても、ドイツは僅か五五%、これに対してイギリスはたしか七〇%、日本はこれが恐らく六五%程度ではないかと思うのでありますが、消費生活の面においては、確かに私はドイツのほうがずつとしまつておるという感じがするわけであります。
  43. 海野三朗

    ○海野三朗君 実質賃金は日本のほうが高くなつておりますか。
  44. 牛場信彦

    ○政府委員(牛場信彦君) 現在はそういうことになつております。
  45. 海野三朗

    ○海野三朗君 日本のほうは実質賃金はどれくらいになつておりましようか。実質賃金は、ドイツのほうは先ず大体三万円ぐらいの見当であるというお話でありますが、日本のほうは実質賃金は現在としては低いのですか、実質賃金は高いという今のお話、実質賃金は高くなつておりますか。
  46. 牛場信彦

    ○政府委員(牛場信彦君) そういうふうに統計的にはなつておりますが、私は金額はちよつとここには持ち合わしておりません。
  47. 海野三朗

    ○海野三朗君 実質賃金と申しますと、どういう意味でございましようか。実質賃金、例えば働く時間でありますか。
  48. 牛場信彦

    ○政府委員(牛場信彦君) これは何かこの統計がどういう基礎になつておりますか存じませんですが、ここに出ておる統計ではそうなつております。   ―――――――――――――
  49. 中川以良

    ○委員長(中川以良君) ほかに御質疑はございませんか。……別に御質疑もないようでございまするから、それでは先ほどの輸出取引法の一部を改正する法律案の先ず内容の説明を聴取いたします。
  50. 牛場信彦

    ○政府委員(牛場信彦君) 只今輸出取引法の一部を改正する法律案につきまして政務次官から提案の理由を御説明申上げました。その内容を幾らか敷衍して申上げたいと思います。  題名を「輸出入取引法」と改めましたことにつきましては、これが今回初めて輸入取引に関する規定をこの中に含めさしたことによるわけであります。  その次に、輸出業者の協定に関しまして、新らしい点を三点ほど加えたのでありますが、第一に、「輸出業者間のみの輸出取引に関する協定では不十分な場合において、輸出業者は、その協定を締結すると共に、輸出貨物の生産業者又は販売業者との問で輸出貨物の国内取引に関する協定を締結し得ることとすること。」ということでありましてこれは、改正案の、「第五条第一項を次のように改める。」とありますが、その前段の後半「又は」以下にある面でございます。これは、従来の法律によりますと、輸出貿易の出品だけの協定になつておつたのでありますが、それだけではなかなか所定の効果が挙げられないということのために、その「貨物と同種若しくは類似の貨物の生産業者若しくは販売業者と輸出すべきこれらの貨物の価格、品質その他の取引条件、取引数量その他国内取引に関する事項について協定を締結することができる。」ということにいたそうという趣旨でございます。  それからその次に、協定を締結し得る範囲を拡大いたしまして、新たに二項目を加えたのであります。二項目を加え、更に一項目に修正をいたしたのでありまして、第一に、これは改正法律案の三頁の「一」というところにございます。「貨物の輸出価格が著しく低く、又はその輸出数量が著しく多いため、」というのを今回新たに加えた次第であります。そのために、「仕向地におけるその貨物と同種又は類似の貨物の需給に著しい影響を及ぼし、仕向地の関係事業者の利益を著しく害し、又は害するおそれがあること。」これは主として仕向地、向う側の業者の利益を主眼とした規定でありますが、その場合に、値段が低いだけではなくして、数量が多過ぎるという場合を入れた次第であります。それからその次に、「二」はこれは現行の規定の通りであります。「三」におきまして、「輸出貨物に係る仕向地の輸入取引における競争が実質的に制限され、」そこまではこれは現行の通りでありますが、その次の「又はその仕向地に対する輸出取引における競争が不当に制限されているため、」ということでありまして、これは競争国がカルテルのようなものを作つて一手輸出のようなことをやつて来る場合に、こちらもそれに対抗して措置がとれるということをここに謳つたわけであります。それからその次の「四」もやはり新らしい規定で、ございまして、新市場を開いた場合の規定でありまして、「当該見物が輸出されたことがないか、又は当該貨物の輸出数量の累計が著しく少いため、輸出取引における通常の取引関係が確立されるに至らなかつた仕向地について、その貨物の輸出取引における競争が過度に行われることにより、その貨物の輸出取引の成立が困難となり、又は困難となるおそれがあること。」これは主として新市場開拓のためであるということを御了解願いたいと思います。その次に、もう一件協定に関しまして変えましたことは、輸出業者が協定し得る事柄についてでありますが、これを拡張いたしまして今申しました新市場との輸出取引、又は仕向国に買手独占が存在するような場合等におきましては、輪番輸出というようなことができるようにいたしたのでありまして、この趣旨は、法律案の二頁のしまいから二行目の「但し、」以下に出ておるのであります。「但し、輸出業者が貨物の輸出取引における価格、品質その他の取引条件又は数量以外の輸出に係る取引に関する事項について協定を締結することができるのは、第三号又は第四号に掲げる事由がある場合において、それぞれ第三号又は第四号に掲げる事由を除去するため必要がある場合に限る。」ということでありまして、この「以外の」というのは、上全部にかかりまして、値段でありますとか、「品質その他の取引条件又は数量以外の輸出に係る取引に関する事項」ということは、これは主として輪番輸出のようなことを考えておる。つまり業者が協定いたしまして、今回はA業者がやる、その次にはB業者が輸出するというような協定をいたそうということでありまして、只今申しました、この協定を締結し得る場合、及び協定をし得る事項は、これは同じく、輸出組合も組合員の遵守すべき事項を定め得る場合、及び輸出組合が組合員に遵守すべき事項として定め得る事項にも同じく適用されるわけであります。  その次に輸出組合でありますが、輸出組合につきましては、大体現行法通りということでありますが、新たに出資制を採用し得ることにいたしました。これは十二条の、八頁であります。「輸出組合は、定款で定めるところにより、組合員に出資をさせることができる。」ということになつております。それから更に組合の事業といたしまして、輸出貨物の生産業者又は販売業者と組合員のためにする団体協約の締結を行い得ることとするということでありまして、例えば国内の生産業者又は販売業者から買い取りまして、それを更に組合員である輸出業者に売渡して輸出をさせるというようなことができるようにした次第であります。これは七頁の十一条二項というところに書いてあります。七頁の六行目まで、一行目から六行目までの間にこれが書いてあります。  それからその次はいわゆるアウト・サイダーに関する規定でありまして、これは……。
  51. 海野三朗

    ○海野三朗君 ちよつとお伺いいたしますが、どこを御説明になつていたんですか、ちよつとその資料をお見せ下さい。
  52. 牛場信彦

    ○政府委員(牛場信彦君) 七頁の十一条二項中とという中であります。  それからその次にはいわゆるアウト・サイダー、つまり協定或いは組合に加入しないものに対する規定でありまして、これは現行法には全然含まれておらないのでありますが、これに対して或る程度規制ができるということにしないと法の目的が達せられないということで、新たにこの規定を入れたわけであります。  それから第十九条の七、十七頁を御覧願いたいと思います。ここにおきまして「通商産業大臣は、第五条第一項の協定を締結し、又は第十一条第二項の組合員の遵守すべき事項の適用を受けている輸出業者の当該仕向地に輸出する当該貨物の輸出額がその仕向地に輸出されるその貨物と同種の貨物の総輸出額に対し相当の比率を占めている場合であつて、その協定又は組合員の遵守すべき事項をもつてしてはその協定又は組合員の遵守すべき事項に係る第五条第一項各号の一に掲げる事由を除去することができなかつた場合において、当該事由を除去しなければ輸出取引の秩序の確立を著しく害し、又は輸出貿易の健全な発展に著しい支障を及ぼすおそれがあると認めるときは、通商産業省令で、当該仕向地に輸出する当該貨物の輸出取引における価格、品質その他の取引条件又は数量につき輸出業者の遵守すべき事項を定めることができる。」これは簡単に申しますと、協定又は組合ができておりまして、その協定の参加者或いは組合員が輸出しております貨物数量が、その同じ仕向地に行きます同じ貨物の数量のうちの相当部分を占めておる、つまり大部分輸出をやつておるというような場合におきまして、更にその協定又は組合だけでは目的が十分達せられないという場合には通商産業大臣が自分から直接通商産業省令を以ちまして当該貨物の輸出取引における価格、品質、その他の取引条件又は数量につき輸出業者の遵守すべき事項を定めることができるということであります。それから更に第二項でありますが、これは「通商産業大臣は、前項の規定に該当する場合において、同項に規定する事由を除去するための措置として、当該仕向地に輸出する当該貨物の輸出取引における価格又は数量を定める通商産業省令を制定することが適切でないと認めるときは、通商産業省令で、輸出業者は、当該仕向地に当該貨物を輸出しようとするときは、その輸出取引における価格又は数量につき通商産業大臣の承認を受けなければならないものとすることができる。」これは通商産業省令によりましては、つまりこれは命令することが適切でないと認める場合、主として輸出取引における値段の場合がこういうことになると思うのでありますが、その場合には命令を出す代りに同じく通商産業会によりまして輸出業者は当該貨物の輸出について通商産業大臣の承認を受けなければならないものとすることができるということになるわけであります。それから以下但書の、これは現在のチエツク・プライス、これは外国為替及び外国貿易管理法で行なつておるわけでありますが、これとの競合を避けたのであります。一方においてきめておるものを同じものを他方できめることができないということにいたした次第でございます。  それからその次には輸入取引に関する規定をしたのでありまして、輸入取引に関しまして、大体三点くらい主な規定があるのでありますが、第一は輸入の協定を、輸入貨物の取引に関する協定を作ることができるという規定であります。四頁の七条の二、第三章の二輸入業者の協定ということでありますが、「輸入業者は、左の各号の一に掲げる事由がある場合において、それぞれ各号に掲げる事由を除去するため必要があるときは、通商産業大臣の認可を受けて、当該貨物と同種若しくは類似の貨物の輸入取引における価格、品質その他の取引条件若しくは数量その他輸入に係る取引に関する事項について協定を締結し、又はその協定をもつてしては当該事由を除去することが困難である場合において、通商産業大臣の認可を受けて、当該貨物と同種若しくは類似の貨物の需要若しくは販売業者と輸入するこれらの貨物の価格、品質その他の取引条件、取引数量その他国内取引に関する事項について協定を締結することができる。」つまり大体原則としては輸入業者の協定でありますが、それたけでは不十分な場合には国内の需要者若しくは販売業者とも協定ができるということ、これは輸出の場合と大体同じラインでございます。協定の締結し得る場合の、次に一、二とあるわけであります。「輸入貨物に係る船積地の輸出取引における競争が実質的に制限され、又は輸入取引における競争が過度に行われるため、国内の関係事業者又は一般消費者の利益を著しく害し、又は害するおそれがある」つまり先方において競争が行われておらないか、或いは当方において過度に競争が行われたために高いものを買わされるという場合のことでございます。第二に「通商に関する政府間の取極の実施その他の理由により、特定の船積地から貨物を輸入することが必要である場合において、その貨物の当該船積地からの輸入価格が他の船積地からの輸入価格に比して著しく高いため、又は当該船積地から輸入する貨物の品質が他の船積地から輸入する貨物の品質と著しく異なるため、当該船積地からその貨物を輸入することが困難となり、又は困難となるおそれがある」わけでございます。それは本当の適切な場合といつていいかどうかわかりませんが、各地から綿花を買うというような場合でありまして、或る場合には値段が高い場合もありましようし、或いは品質の点で値がうんと違つておるというような場合があるわけでありますが、そういうような場合には業者の協定によつて輸入することができるようにするということであります。この五頁の一行目の下の所、「その他輸入に係る取引に関する事項」でございますが、これは場合によつては輪番制の輸入ができる。輸出と同じ制度を設けようとした次第であります。  それからその次に、輸入組合のことでありまして、これは十四頁の第四章の二というところにございます。大分長い規定になつておりますが、簡単に申上げますると、輸入組合の設立が輸入取引の秩序の確立に寄与すると認められる場合でありまして、而もその輸入組合を設立することのできる対象となる貨物は、これは政令で定めるということになつております。そしてその貨物を取扱う輸入業者が通産大臣の認可を受けて輸入組合を設立する。そして組合は大体協定ができると同じ場合について協定で以て定め得ると同じ事項を定めることができるということになつておる次第でございましてこれは大体協定のところと同じ条件になつておりますので、詳しい説明は省略さして頂きます。  それから次にやはり輸入組合乃至は輸入協定につきましても、輸入貨物の場合と同様にアウト・サイダーに対して或る程度の通商産業大臣が命令を出すことができるということにいたしてございます。十九条の八というところにございます。十八頁から十九頁にかけてございます。これはやはり輸出の場合と同趣旨の規定になつております。  以上が大体主な改正点でございまして、それ以外に勿論通産大臣は本法の施行に際して所要の事項につきまして公正取引委員会、又は物資の主務大臣、例えば農林大臣などと存じますが、同意を受けなければならないという規定がございます。  それから輸出組合及び輸入組合に対する法人税につきましては、協同組合と同じ取扱で減税をいたし得るようになつております。  簡単でございますが、その程度でございます。
  53. 中川以良

    ○委員長(中川以良君) それではこれに対しまする質疑は次回にいたします。   ―――――――――――――
  54. 中川以良

    ○委員長(中川以良君) 次に先般提案理由の説明を聴取いたしました輸出信用保険法の一部を改正する法律案について内容説明を聴取いたします。輸出信用保険制度改正要綱という資料がございます。それを一つ御覧頂きます。
  55. 牛場信彦

    ○政府委員(牛場信彦君)今回輸出信用保険法を改正いたそうといたしまする趣旨は、第一に輸出手形保険というものを新設しようということでございまして、これは主として信用状を伴わない輸出、いわゆるD・PとかD・Aとか申しておるのでありますが、その輸出に伴う危険を保険する途を開こうという趣旨でございます。この輸出信用保険制度改正要綱に従つて御説明申上げますが、要領のところに輸出手形保険の創設というところがございます。保険引受の方式というところでこの保険の相手方は外国為替銀行ということにいたしまして、政府は会計年度又はその半期ごとに外国為替銀行を相手方として包括保険契約をするということになつております。そうして当該契約に基く保険関係において、当該銀行が輸出貨物の代金の回収のため振出された荷為替手形の買取によつて受ける損失を填補するものとする。つまり銀行が信用状を伴つておらない荷為替手形を取りました場合に、のちに至つて代金の回収ができなくなつたという場合の損失を填補しようという趣旨でございます。併しながら保護されるのは銀行だけではないのでありまして、このうしろにありますように、この場合において銀行は、当該填補額の限度において、荷為替手形の振出人に対する償還請求権を行使しないこととするということになつておりまして、銀行は国家から填補を受けている限度におきましては輸出業者から金を取らないということになつております。その限度において輸出業者の保護にもなつている次第であります。我々といたしましてはむしろ主な目的はこの輸出業者の保護のほうに置いている次第であります。  そこでこの保険にかかります損失額でありますが、これは手形金額のうち銀行が手形の満期までに支払をうけることができなかつた金額、又は償還請求を受けたため、償還した金額から荷為替手形を担保する貨物の処分等によつて回収した金額を控除した残額を損失額とするということでありまして、この手形の満期までに支払を受けなかつた金額、その次の償還請求を受けたという場合は、これは銀行が荷為替手形を、更に外国銀行に再渡した場合でありまして外国銀行が代金の償還請求をやつて来るという場合にその損失額を保険することになるわけであります。そうして支払うべき保険金は3にありますように百分の八十、八割までを支払うということになつております。これは大体普通の保険の場合もそうでありますが、全額支払ということになりますと、これはそこに面白からぬ濫用の場合が生じますので、八割乃至九割という程度にしているのであります。この場合は八割になつております。  それからその次の回収金というのがございます。銀行は保険金の支払を受けた後においても手形金額の回収に努め、回収金を国庫に納付するものとするということであります。支払を受けたのちにおきましても、回収のできた金は一定の割合によつて国家に返す、そのことによつて支払を受けた保険金の一部をカバーするということにいたしているのであります。これが今回新たに創設いたそうとする輸出手形保険の概要でございます。  それ以外の改正点は二の現行制度の改正点というところに書いてございます。  第一に名前を変えようということでありまして、現在では輸出信用保険と申しておりますのを、これを輸出保険と改める。従いまして法律の名前も輸出保険となつたわけであります。現行法では甲、乙、丙、丁、そういうふうになつておりますが、それをそれぞれ普通輸出保険、輸出代金保険、輸出金融保険、海外広告保険に改めているのであります。これに輸出手形保険を加えまして五種類の保険ができるわけであります。これは甲、乙、丙、丁ということでは甚だわかりにくいので、幾分実態に即した名前をつけましてわかりやすくしようという趣旨でございます。  それからその次の契約の限度でございますが、これは政府が一会計年度内に締結する保険契約につきましては、各種保険を通じての保険金額、支払うべき保険金の両方が予算できまつておつたのでありますけれども、今回は保険金額の総額だけを制限して、支払うべき保険金の総額については制限しないことにいたしまして、やや簡便にいたした次第であります。  それからその次の普通輸出保険に関する改正点であります。普通輸出保険というのは、主として輸出契約ができましてから実際船積が行われるまでの危険、主として非常危険によつて先方が輸入を停止するとか、或いは日本政府のほうで輸出をとめるとか、或いは戦乱その他によつて実際物が動かないというような場合のことでありますが、その場合に関しまして保険事故に関する規定を明確化する。これは範囲については変りないのでありますが、やや明確にしたのであります。それから期待利益については填補しないことにして、その代り填補率を百分の九十に引上げた。これは従来は期待利益を含めて全額の百分の八十になつておつたのでありますが、今回は期待利益を除きまして、その代り百分の九十に引上げたいという趣旨であります。  それから輸出代金保険と言いますのは、これはプラント輸出等におきまして品物が先に出てしまつて、あと代金が分割払となつて返つて来るという場合の危険を保険する制度でありまして、これも現行制度に対照いたしまして、貨物の輸出に伴い技術提供を行なつた場合におけるその対価の回収不能をも保険して行こうとするのであります。大体におきましてこのプラント輸出については技術がついて出て行く場合が多いのでありまして、その場合にもその対価についても保険の対象にしようということでございます。それから填補率の限度を現行百分の八十でありますが、これを百分の九十に改めようというのであります。  それからその次に輸出金融保険であります。これは銀行が輸出業者に対して前貸金をする、その場合の前貸金がその後になつて輸出ができなくなつた場合、又は輸出の代金の回収が不可能になつた場合の銀行の危険を保険しようという制度であります。これは従来はドル地域向けの輸出にのみ適用されておつたのでありますが、これの適用地域の制限を撤廃いたしまして全部の地域に適用できるということにいたしました。それから現行制度におきましては輸出不可能によつて生じた銀行の回収未済を保険しておつたのでありますが、これを輸出はしたけれどもその後の代金の入手が不可能になつたという場合もあるわけでありまして、その場合の危険をも保険しようということにいたしました。填補率は現行百分の七十五であつたものを百分の八十に改めるということであります。  それからこの6の海外広告保険でありますが、これは輸出品の売り拒めのために広告に一定の投資をいたしまして、その場合その見込が違つて或る一定期間内に十分な回収ができないという場合の危険を保険しようというのであります。これもやはり従来は政令で以てドル地域だけに適用されておつたのを、今回は全体の地域に適用しようということになつておるわけであります。法文を参照して御説明申上げるべきでありますが、非常に長くなりますので甚だ簡単でございますが……。
  56. 中川以良

    ○委員長(中川以良君) お諮り申上げます。本日は一応両法案とも内容の説明を聞くにとどめまして質疑は次回に譲りたいと存じますが、よろしうございますか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  57. 中川以良

    ○委員長(中川以良君) 速記をとめて。    〔速記中止〕
  58. 中川以良

    ○委員長(中川以良君) 速記を始めて。  それでは本日はこれにて散会いたします。    午後四時九分散会