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1953-07-17 第16回国会 参議院 水産委員会 13号 公式Web版

  1. 昭和二十八年七月十七日(金曜日)    午後一時四十七分開会   ―――――――――――――  出席者は左の通り。    委員長     森崎  隆君    理事            秋山俊一郎君            千田  正君    委員            松浦 清一君            菊田 七平君   政府委員    水産庁次長   岡井 正男君   事務局側    常任委員会専門    員       岡  尊信君    常任委員会専門    員       林  達磨君   説明員    調達庁不動産部    次長      大石 孝章君    調達庁不動産補    償課長     鈴木  昇君   ―――――――――――――   本日の会議に付した事件 ○日本国に駐留するアメリカ合衆国軍  隊の行為による特別損失の補償に関  する法律案(内閣送付) ○連合委員会開会の件   ―――――――――――――
  2. 森崎隆

    ○委員長(森崎隆君) それでは只今から委員会を開会いたします。  今日は第一議題、日本国に駐留するアメリカ合衆国軍隊の行為による特別損失の補償に関する法律案、予備審査、これを議題といたします。今日は質疑に入りたいと思います。質疑のあられるかたは順次御発言を願います。調達庁からは大石不動産部次長と鈴木補償課長、お二人がお見えになつております。
  3. 松浦清一

    ○松浦清一君 第一條の第三項「第一項の規定により補償する損失は、通常生ずべき損失とする。」という通常生ずべき損失という内容は、前の国会の際に承わつたつもりでありますけれども、もう一遍御説明を承わりたいのですが。
  4. 大石孝章

    ○説明員(大石孝章君) お答え申上げます。私どもこの法律案で考えておりますところの通常生ずる損失とは、アメリカ合衆国軍の行為によりましていろいろ惹起せられます損失のうち、特別とは考えられないと、具体的に申上げますれば、法律案の中に盛つてありますところの「防潜網その他の水中工作物の設置又は維持」或いは「防風施設又は防砂施設の除去又は損壊」ということによりまして、水産漁業経営上、それから農業或いは林業の経営上生じますところの、社会通念上どうしても救済を要するという程度の損失を考えておるわけであります。
  5. 松浦清一

    ○松浦清一君 具体的に申上げますと、どういうことになりましようか。
  6. 大石孝章

    ○説明員(大石孝章君) 法律に盛つてありますところの事業、農業、林業、それから水産業、それが法律並びに私ども政令で以て定める各種の行為がございますが、その行為から当然そこに事業経営上損失が起きるというような因果関係が生れる。そういうようなことを予想しておるのでございますが、具体的には例を東京湾の防潜網の設置という行為によつて、漁業経営上損失を生ずるというときは、魚道の遮断ということによつて生ずる損失、それから防潜網そのものの位置においては、操業ができないという損失、それから水中工作物、これは具体的には水中聴音機が設置せられておるわけでございますが、そのために網等の操業ができない。これは釣りなどにおいては必ずしも水中工作物においては損失は生じないといつたようなふうに、いわゆる通常私たちが想定し得る程度の損失を予想しておるのであります。
  7. 松浦清一

    ○松浦清一君 防潜網、それから水中聴音機、そういうなもので漁獲高が通常の場合よりも非常に減つて来たと、こう少くなつたという損失の事実に対して補償すると、こういう建前と了解するのですが、その場合に漁獲高が減少するということは、網元とか、それからその他の業者関係のこうむるべき損害を指しておるか。それが正しいとすれば、その通りになるとすれば、漁獲高が減少して、そのために例えば固定給で定められているその漁民の給料或いは歩合金を定めとする収入、そういう働らくものの収入が、漁獲が減少することによつて少くなる。こういうようなことは、この法律で言う損失の部分に入りますか、入りませんか。
  8. 大石孝章

    ○説明員(大石孝章君) いわゆる漁業労働者は、これは漁業経営によつて生ずる損失に伴いまして、当然損失があるというふうに解しております。
  9. 松浦清一

    ○松浦清一君 そうしますと、第二條の第三項の、内閣総理大臣は都道府県知事を経由して損失補償申請書を受取つて、そうして、補償の額を決定するのですが、その補償の額を決定する際に、あなたのおつしやる言葉をそのまま引用すれば、漁業労働者が毎月収入の何十%かの減収を見たということが補償の額を決定する際に勘案されるんですか、勘案されないのですか。
  10. 大石孝章

    ○説明員(大石孝章君) 勘案いたします。
  11. 松浦清一

    ○松浦清一君 そういたしますと、この法律のどの部分に挿入することが適当であるか。これは立法の技術面に属するわけですが、補償額を決定して補償金を支給する際に、このうちの補償金の何%が漁業労働者に支給すべき補償額であるかというようなことを法律の中に明文化するというのは不可能なものですか。
  12. 大石孝章

    ○説明員(大石孝章君) 御趣旨の点を法律の中に明文化するという点につきまして、私どもは必ずしもその必要はない、と言いますのは、補償額の算定の基準、それからそういつたようなものを計算いたしますところの、いろいろ要領というようなものは、当然別にこれを定めなければいかん。こう思いますので、その損失額算定の方法の点に帰着するだろうという考えを持つている次第でございます。
  13. 松浦清一

    ○松浦清一君 そうすると、補償された金額の全体の中に漁業労働者の賃金の減少額が含まれている。こういうふうに解釈をしていいわけですね。
  14. 大石孝章

    ○説明員(大石孝章君) さようでございます。
  15. 松浦清一

    ○松浦清一君 そうしますと、若し仮にその区分というものを明示して、補償金を支給しなかつた場合には、非常に善意な業者と、善意にあらざる業者とがあつて、善意の業者は、この部分だけは漁業労働者の損害に属する額であるから、これは漁業労働者に分配してやろうと、こういうふうになつて問題は参るわけですが、非常に善意でない使用者側のほうは、経営者のほうは、漁業労働者のほうに対して支払金額が非常に少くなつたり、或いはこれは経営者に支給された補償額であるから、働いているものには分けてやらんでもいいんだという、そういう解釈で支給しない。こういうことが起る虞れがあるわけですが、そういう虞れのないように政令か何かでちやんとその率はきめるわけですか。
  16. 大石孝章

    ○説明員(大石孝章君) 御指摘の御趣旨の点につきましては、私どもそういつたような不都合が生じないように考えているわけでありますが、現在本法律案に伴いますところの損失補償の暫定基準等につきましては、只今考えは持つておりますが、まだ明文化したものを持つておりません。ただ御承知の漁船の操業制限に伴いますところの漁業場の損失補償、それから地先漁業におきまするところの、いわゆる免許漁業におきまするところの損失補償というような点におきましては、私ども各省協議を経まして成文化した漁業補償の暫定要領、暫定基準等を持つておりますが、おおむねそれに準じた規定を作ることになるだろうと考えます。それには御趣旨の点ははつきりと、経営者とそれから漁業従事者と言いますか、漁業労働者の分というふうにきちんと分けて出せるような仕組になつております。
  17. 松浦清一

    ○松浦清一君 それは何ですか、政令ですか、支給基準というのですが、どういう形で出て来るわけですか。
  18. 大石孝章

    ○説明員(大石孝章君) 昨年七月四日の閣議了解に基きますところの損失補償等要綱というのがございます。その閣議了解の線に基きまして、調達庁長官が各省庁の協議を経まして定めた要綱でございます。
  19. 松浦清一

    ○松浦清一君 それは損失補償要綱というのですか、損失補償等要綱というのですか、閣議できまつたのは……。
  20. 大石孝章

    ○説明員(大石孝章君) その前がちよつと付くのでございますが。
  21. 松浦清一

    ○松浦清一君 それを今でなくて結構ですが、お手許になければ、この次の委員会でもよろしうございますから一つ見せて頂きたい。それから同じく第二條第三項に、内閣総理大臣は補償額を決定するということになつておりますが、これは実際内閣総理大臣自身がやるわけでないので、実際の事務の扱いとしてはどういうところでやりますか。調達庁と水産庁あたりが協議をしてその額を決定するという、そういう事務的な作業を行うわけですか。
  22. 大石孝章

    ○説明員(大石孝章君) 申上げます。都道府県知事を経由いたしまして申請者が出すわけでありますが、その場合に都道府県知事から調達庁の各地の出先でありますどころの調達局長を経由をし、調達庁長官を経て内閣総理大臣に、事務的には提出するようにいたしたいと思います。そして実際の実務的に調達庁長官がこの損失額及び補償額を決定いたします場合に、当然専門官庁でありますところの水産庁の御意見も十分拝承いたしまして、そうして勘案するという仕組にいたすはずであります。
  23. 松浦清一

    ○松浦清一君 それは調達庁が調達庁だけの意思で、水産庁に相談しても相談しなくてもいいというのですか。何か法制化されたものでそれを決定する場合には水産庁に相談しなければいかん、協議の上で決定するというようなことが何か明文化されて参りますか。
  24. 大石孝章

    ○説明員(大石孝章君) 現在の私どもの考えでは明文化しないつもりであります。
  25. 松浦清一

    ○松浦清一君 そうすると、水産庁には相談しなくてもいい、こういうわけですね。
  26. 大石孝章

    ○説明員(大石孝章君) 明文化したものがありませんので相談しなくてもいいということにはなりますが、実際の私どもの補償上の業務の取運びといたしましては、いろいろ平年の漁獲量の押え方、それから実際の損失機関の漁獲量の押え方、これは例を水産業にとつた場合でありますが、というようなことにつきましては、当然経済審議庁或いは農林省、水産庁等の公式の統計等もございますが、なおその地区々々につきましたところの実情その他は十分当然緩和しなければいけないと心得ております。そういつたような観点に立ちまして、如何なる場合でも水産庁
  27. 松浦清一

    ○松浦清一君 補償額をきめる場合の手続は大体わかりましたが、その補償額を決定する際の基準、いわゆる第一條第三項の「通常生ずべき損失」に対してきめる補償額のパーセンテージの基準というものがあるはずですが、それはどういうことになつていますか、全額補償というわけでもないでしようが。
  28. 大石孝章

    ○説明員(大石孝章君) さつき申上げましたように、未だに私ども基準を定めておりませんので、はつきりとお答えすることができませんが、当然具体的にそういつたような事項につきましては規定したものを持つわけであります。
  29. 松浦清一

    ○松浦清一君 あなたの考えではどのくらいの基準を作ろうというふうに考えていらつしやいましようか。七割とか、八割とか、大体の見込みはどうなんです。
  30. 大石孝章

    ○説明員(大石孝章君) この基準を作ります場合においては、調達庁の原案場を出すわけでありますが、当然水産庁その他関係各省庁の協議を経てやることになりますので、私から今はつきりと申上げるわけには行かないのであります。
  31. 松浦清一

    ○松浦清一君 それは国会のほうにはもう相談はありませんね。それをきめるときには……。
  32. 大石孝章

    ○説明員(大石孝章君) 法律を実施する場合の算定基準等でございますので、でき上りましたならば御要求があれば国会にも御説明いたしたいと思いますが、御相談は申上げないだろうと思います。
  33. 松浦清一

    ○松浦清一君 補償額が、法律では内閣総理大臣ですが、事務的には、只今お聞きした通り調達庁を中心として水産庁の意見も聞いて補償額を決定すると、こういうことですが、その補償額が決定しましてから、いよいよその金を出すというような場合に、大蔵省の予算の関係が伴つて来るわけですが、これはどうなんでしようか。あらかじめ昭和二十八年なら二十八年のこういう種類の損失補償をすべき額は幾らということを想定をして、あらかじめ予算をとつておいて……今度の予算の中にはやはりそれは入つているわけでしようか。
  34. 大石孝章

    ○説明員(大石孝章君) 予算の点につきましては、当然本法律で予想せられますところの損失も防衛支出金ということになるはずであります。防衛支出金のうち、御承知の施設区域関係、それに伴いますところの或いは補償というような金額で、国内的に使用できる金額六十二億というので以て賄われるはずであります。ただ漁船の操業制限法或いは免許漁業等に伴いますところの損失などを補償いたします場合の例を御参考までに申上げますが、調達庁が損失額を算定いたしまして或る成案を得ました場合に、大蔵省主計局のほうに持込みまして、そうして調達庁のほうに必要額だけ防衛支出金の移し替えを実施してもらつて、そしてそれぞれ系統を通じて予算を配賦するという形になつております。
  35. 秋山俊一郎

    ○秋山俊一郎君 私あとから参りましたのですが、今の「通常生ずべき損失」の算出の基礎と申しますか、それは、これが前回提案になりましたときに、前の不動産部長の川田部長は、相当大まかにその基準をお示しになつたのですが、それは今度は変つたわけですね。
  36. 大石孝章

    ○説明員(大石孝章君) 私どものほうでは前回の川田部長の説明の当初とそう大して変つた考えは持つておりませんが、申上げましたように、その後のまだ各省協議や何かいたしまして、きちんとしたまとまつたものとして持合せてないので、私から御説明申上げることができなかつたということであります。
  37. 秋山俊一郎

    ○秋山俊一郎君 そうすると、前のと多少変ということが予想されるのですが、この問題は当委員会において随分長く議論をされた問題なんです。
  38. 大石孝章

    ○説明員(大石孝章君) 私ちよつと誤解した向きもありますので申上げますが、本法律案に基きますところの損失補償額の算定基準なり、要領は、水産業関係だけじやなくて、各種各様の態様が予想されますので、そういつたようなものにつきまして、まだ御報告申上げるような段階ではないという趣旨でございます。水産業関係だけにつきましてでしたら、川田部長が前に当委員会において御報告申上げたような線と、私ども考えておりますものは変らないと申上げるほうが本当かと存じます。
  39. 秋山俊一郎

    ○秋山俊一郎君 ここでは農業や何かのほうは余りやりませんので、水産だけということでありますから、そのつもりでお答えを頂きたい。一般に言うときには、一般のことと取り分けて申上げますが、普通質問する場合には水産関係ということでお答えを頂きたい。
  40. 松浦清一

    ○松浦清一君 そうしますと、防衛支出金の六十二億円というのは、これは前にも承わつたのですが、もう一遍確認をしておきたい。この例えば水産なら水産から幾ら、農林関係から幾ら、こういう要求が出て来ますね。そうすると、これを配分する最後の決定権というものは大蔵大臣ですか。これだけを水産関係の損失に払う、これだけを農林関係の損失に払う、こういうふうにその配分の最終決定をする権限というものは誰が持つておるわけですが
  41. 大石孝章

    ○説明員(大石孝章君) 調達庁において実施されるわけです。大蔵省から移し替えを受けて、そしてそれを例えば私ども現在はその都度移し替えをしてもらつておりますので、これを何とか、或る四半期なり、或いは二月分なりといつたような線で、調達庁に大蔵省主計局所管の予算の防衛支出金を移し、替えてもらつておいて、そうしてこういつたような損失の申請があれば、できるだけ速かにそういつたような算定を終りまして、そうして損失の補償をするために、そういつたようなふうに移し替えをしておいてもらう。そしてその場合に農林関係に幾ら、水産業関係に幾らということは、そういうような枠というようなことよりも、どれだけ実際の損失高があるかということに基いて実施いたすわけであります。
  42. 松浦清一

    ○松浦清一君 そうすると、これはあなたにお伺いをするのは筋違いかも知れませんが、防衛支出金というのは、こういう駐留軍が日本に駐留することのためによつて起る損害の補償をするだけに六十二億円を使う、こういうわけですか。
  43. 大石孝章

    ○説明員(大石孝章君) お話のような趣旨ではございません。二十八年度成立予算は、防衛支出金は現在御審議されております予算は六百二十億でありますが、そのうち六十二億が在日米軍側に一括交付した残りの金であります。それから施設区域関係に使われますのは五十二億九千万と記憶いたしておりますが、その中からいろいろな補償、例えば施設区域として提供せられました土地等を買収するとか、或いは農作物等の立毛補償、或いは立木の補償をするとか、或いはその他いろいろの物件、建物等のような移転補償をするといつたようなこと、それから通常の場合には、施設において民有地の場合は賃貸借契約等が行われておりますが、そういう借料、そういうようなものに充当し、なお漁船の操業制限に基く補償、それから御審議をお願いいたしておりますところのこの特別損失補償というようなものの全般に充実せらるるわけであります。
  44. 松浦清一

    ○松浦清一君 その五十二億九千万円のうちの、漁業損害に対して補償すべき昭和二十八年度の予算額というのは幾らですか。
  45. 大石孝章

    ○説明員(大石孝章君) 現在私のほうではつきりと本法律案に基く損失額のうち、水産業関係にこれだけであるという、そういう予算をまだはつきりとは立てておりません。
  46. 松浦清一

    ○松浦清一君 予想される金額はどれくらいですか。
  47. 大石孝章

    ○説明員(大石孝章君) 予算としてではなく、これは今まで研究しました結果、本法律案によつて予想せらるる損失額というのは六億乃至八億程度であろうというふうに予想しております。ところがそのうち水産業関係でどの程度ということはまだはつきりと掴んでないわけであります。従いまして、これを明確に予算としてこれだけの枠があるというふうにはまだはつきりいたしておりません。
  48. 松浦清一

    ○松浦清一君 これはこの法律に関係はないのですが、千葉県あたりでは演習地の損害額というものが決定をした場合、大蔵省がかなり強い権限を持つて来て、その補償ができるとか、できんとかいうようなことで、査定額に干渉するというふうなことを聞くのですが、そういう事実はあるのですか。
  49. 大石孝章

    ○説明員(大石孝章君) お答えいたします。干渉するというような事実はございません。ただ一般の予算折衝上、原案者でありますところの調達庁の積み上げました計数と、大蔵省が予算管理、予算査定という立場から見ましたときの計数との間に食い違いが、食い違いと言いますか、懸隔と言いますか、そういうような場合はしばしばあるのが通常でございます。
  50. 松浦清一

    ○松浦清一君 大蔵省が、この委員会の範囲だけから申しますというと、漁業損害の実態、それから漁業損害額、そういうものについて大蔵省が何ら現地において調べることなくして、ただ予算上の問題等で、その額に応じて、少ないとかいうようなことを主張するというのは間違いであろうと思うのですが、その点で今まで交渉した場合、どちらの主張が大体通つているのですか。
  51. 大石孝章

    ○説明員(大石孝章君) 主務庁でありますところの調達庁の主張が通つております。
  52. 松浦清一

    ○松浦清一君 その点はわかりましたが、第三條の内閣総理大臣に対して決定額に不服がある場合に異議の申立をやる、その異議の申立があつた場合には、三十日以内にこれについて又再決定をする、こういうことなんですが、異議の申立を受けて、そして更にその額を再査定をするという場合の取扱い方も、前段お話がございました、調達庁が中心になつて水産庁の意見を聞いてそれをきめる、こういうのと同じことになりますか、事務上の問題は……。
  53. 大石孝章

    ○説明員(大石孝章君) さようでございます。
  54. 秋山俊一郎

    ○秋山俊一郎君 この補償する防衛支出金というのは六十二億ということになりますが、私前に九十三億とかいうふうに聞いておつたのですが、それとは又別の分でございますか。
  55. 大石孝章

    ○説明員(大石孝章君) 本委員会で前に川田部長からいろいろお答え申上げておりましたのは、昭和二十七年度の、丁度二十八年度の六十二億に該当しますところの九十一億という数字を申上げておつたはずであります。
  56. 秋山俊一郎

    ○秋山俊一郎君 そうしますと、それが今度減つておるわけですね。
  57. 大石孝章

    ○説明員(大石孝章君) さようでございます。昭和二十七年度は九十二億、昭和二十八年度は目下御審議中でございますが、その予算書に計上せられておりますのは、六百二十億の防衛支出金中、こういつたような諸種の関係に使われることを予想しておりますのは六十二億でございます。
  58. 秋山俊一郎

    ○秋山俊一郎君 この六十二億というものの中にはアメリカから出すべき分も入つておるのでありますか、日本政府だけが六十二億を負担しておるわけでございますか。
  59. 大石孝章

    ○説明員(大石孝章君) 予算関係につきましては、詳細お答えできませんが、私の知つておる限りでは六十二億は日本政府だけの支出であります。
  60. 秋山俊一郎

    ○秋山俊一郎君 そうしますと、前年までの分より本年度の分が、防衛支出金の総額が減じておるということは、そういうふうな行為が、いわゆる損失というものが減少したということを意味するわけですか。
  61. 大石孝章

    ○説明員(大石孝章君) そういう趣旨ではございません。私の御説明申上げておるのは、この法律で予想せられますところの損失等が充当せらるる予算の金額を御説明申上げておる次第でありまして、これを今度は実際に使用すると言いますか、実行計画の段になりますと、この六十二億、実際は施設関係や何かでは五十二億九千万円でありますが、それにプラスの二十七年度からの繰越額、いわゆる九十二億中繰越した金額があるわけであります。それと合せまして先般の金額が百四十億ほどになります。
  62. 秋山俊一郎

    ○秋山俊一郎君 そうしますと、今までの分は九十二億が余つたということは、それだけ補償がなかつたということでありますか、補償すべきものをまだ補償せずに繰り延べて来ておるということになるのですか。
  63. 大石孝章

    ○説明員(大石孝章君) 二十七年度、講和発効後当然補償すべきものをまだ補償を実施していないということになります。
  64. 秋山俊一郎

    ○秋山俊一郎君 私は前回にもいろいろと質問をしたのでありますが、この防衛支出金というものが、損害の補償すべき額を大体想定して積み上げて来て九十二億とか、或いは百四十億というようになつたのではなくて、いい加減のところで、このくらいという予算上の関係から出たように思われるのでありますが、この補償の算定等によつて、今度制定されますこの法律によつて生まれる分は、従来見舞金といつたような程度で出すものは出しておつたし、全く出さなかつたものもあつただろうと思うのでありますが、そういうものが加わつて来るから、本来から言うと、元の九十二億より大分殖えて来る形になるのだと思うのです。ところでそれに更にこの補償額が増加して来た場合には、これは予算を増額して予算措置を別に講じてやるのであるが、よく政府では予算がないから、これだけだということをよく言われるのですが、補償する以上は予算が足りないから補償できないというわけには行かんと思うのです。補償の義務を生じたものは当然政府はその補償額を補償しなければならんと思うのですが、そういうようなことについて、若し今盛つておる予算が不足する場合にはどういうふうな処置をとられるつもりでありますか。
  65. 大石孝章

    ○説明員(大石孝章君) 申上げましたように、予算上の詳細なことを申上げることができませんが、私どもの見解では、補償という趣旨は決して一定の枠の中に押込められて、それからはずれたものは、これは補償にならないのだといつたようなものではないというふうに解しております。
  66. 秋山俊一郎

    ○秋山俊一郎君 そこで大体その点はわかりましたが、私は少し遅く来ましたので、前から御質問があつたかと思います。若し御質問があつたならば、私は承わらんでもあとで議事録を見ますが、どうも今もお話のように、二十七年度に、講和発効後当然補償すべきものが未だに補償になつていないということから考えまして、この補償する事務が非常に停滞しておるのではないか。かと思うと、内灘のごとく極めて迅速にやつておるやつもある。そこに非常な不公平が起つておりはせんかというように感ずのでありますが、これは私要望しおきますことは、この補償を計算することについて、申請によつて補償するのでありますが、その申請書のフオームというものができておるのであるか、若しできていないとすれば、大体どういうふうに補償額の算定方式を指導しておるか、そうして今までにすでに各所から出ておると思いますが、内灘の分と、それから九十九里方面の分、それから長崎方面の分、大体この三者の補償請求書と申しますか、そういうものを若しフォームがあればフォームを一緒に、その様式がなければ、その申請書をサンプルとして御提示を願いたい。次の委員会に提示をして頂きたい。それはなぜそういうことを申上げるかと言いますと、私どもの聞くところによると、この調査というか、申請書が非常に複雑である。到底漁業者ではそんなことはできない。従つてこれを、まあそういうことを商売にする法律関係で言えば司法書士のような、ああいつたような特殊な人に頼んでその書類を作るということ、そうすると、もう大変な費用がかかる。従つてそういうような人が作るというと、実態に触れたものであるかどうかということは疑問なんだ。一例を私一つ申上げますと、その出漁する時期における天候、波の高さまで書けということを言われておる。そういうことは到底幾ら海へ出ておつても、一年中のそういうものを一々頭に入れておる漁師なんというものは一人もない。それはたまたま大時化のときには海に出ませんから、波が高かつたかどうかわかりましようが、漁に出ておりましても、かなり風の強いときもあれば、平穏のときもある。そのときの一々天候その他気象の記述までしろと言われても、これは到底できない。これは常識で判断してわかる。そういうことを要求するということは私は非常識だと思う。むしろそういうことならば、当時の天候等はその土地における測候所なり或いは海洋気象台なりに問い合せて判断すべきものであるが、而もこれは内海の場合と外海の場合と違う。同日の天候であつても、一つの県におきましても、南と北とでは違う場合がありますので、気象というものはそう一律にはなかなか行かん。殊に海の上の波浪とか、洋上の状態というものは非常に違うのでありまして、それを一々その時のことを書入れろということは私は非常に非常識だと思う。若しそういう指導をしておれば私はそれは改めてもらいたい。一つの申請をするのに現在は個人々々がやることになつておる。その個人が二百枚ぐらいの申請書を作らねばならんというような話でありますが、そんな申請書を作るものは現在の、当時いろいろ統制経済の時分には非常にむずかしいものがあつたが、今日申請書等にそういうものを作れとは誠に、非常に大きな事業ならばとにかくも、原始産業をやつておる漁業なんかにそんなものを作れということは、とてももう真実を書くためには不可能と言つてもいいと私は思うのです。何か内灘の……九十九里なんかトラックに何ばいか持つて来たという話も聞いたのですが、そういつたようなことを強いておれば書くほうにも手間取るが、これを審査するほうにもどれだけ日にちがかかるか、従いまして役所の決算みたいに三年も前のものを今頃審査しなければならないということでは、これは補償にも何にもならない。従つて私どもは今後この補償をする上においては、成るべく迅速に、そうしてその申請書は最も簡明に書かせるように、できれば本人の意思をそのまま現わすことのできるような記載方にしてもらう。勿論漁師にはすべてが文筆の立つ人ばかりではないのでありますけれども、大体そこへ、そういう一つの制限区域に行く人は皆同じような状態の人が多い。従つて一人のものも十人のものも状態は同じと見なければなりません。そういう意味で、これをもつと軽便と申しますか、簡略に申請もし、そうして審査もでき、その補償金が早く渡るということを念願するために、そういつたような参考書類を見せて、それが果してそういうことでできるかどうか、私どもは漁業者の状態はよくわかりますから、こういう記述を漁業者に強いてもいいものかどうかということは判断できると思いますが、若しそうでないものを強いたとするならば、真実を害かない場合も出て来はしないか、こういう憂いもあるので、その点を申上げたのであります。それは提示ができるでありましようか。
  67. 大石孝章

    ○説明員(大石孝章君) 現在の補償申請書のフォームというものはあとで御提示申上げます。只今いろいろの数項に亘つて御質問、それから私どもに対する御意見があつたわけでありますが、その中で項を分けて御説明申上げますが、本法律に基いて実施せられた補償は無論同じわけでありますが、当然この法律で補償すべきものとせらるるような性質のものは、行政措置によつて昨年度実施した例が二件あるわけであります。御承知のように東京湾並びに佐世保湾におきまする防潜網関係の見舞金一億一千九百万円、それから芦屋地区におきますところの防風、防砂林関係二千八百万円、その他の何につきましては今実施いたしてないわけでございます。それから御意見の、補償が大変遅れておるという関係、確かに昭和二十七年講和発効後、各地におきますところの漁業の損失補償は未だに実施いたしてないわけでありますが、鋭意私どもとしましては作業を進め、又予算折衝も連日大蔵省と続けておるような現況でございますので、大変遅れて申訳なかつたわけでありますが、そのうち補償できるものと思つております。それから内灘、九十九里、長崎等において非常な厖大な、申請書等のそういう申請をするための手続及び紙数等なんかも厖大なものであるという点でございますので、これは各方面からも私ども御意見、それからお叱りも承わつておりますので、何とか改善したいというので、昭和二十七年度の措置としましては、すでにでき上つたそのフオームを各業者と言いますか、損失者、ことに作成すべきものを、それを組合単位に先ず改めたいというような点で改善策を講じたわけでありますが、昭和二十八年度におきましては、とてもそういつたようなことではまだ足りんというので、抜本的にこれを改善すべきであるというので、目下これを取りまとめております。それからどんな工合に指導しておるのかという点につきましては、私ども御意見、御趣旨の通り、できるだけこれを簡便に迅速に補償ができるようにという趣旨から、いろいろ出先機関の指導に当つておりますが、現在の漁業補償の線は、平年漁獲量を出すという作業と、それから制限期間における漁獲量、それから経営費、こういうもの積上計算というような観点から、相当仔細な資料を求めておることは事実でございます。ただどこまで私ども簡素化して御要望、御趣旨の線に沿いますかという点にあると思います。
  68. 秋山俊一郎

    ○秋山俊一郎君 只今の御説明で大分簡素化されつつあるということは大変結構だと思います。で、今個人々々のものを組合で取りまとめてすると言うか、組合で申請することを認めるというお話でありますが、いろいろ漁業の上に健許可漁業等がありまして、自由漁業もあり、許可漁業等もありまして、個人々々でやつておるものを、すべて組合で取りまとめてできるようになつておりますか、個人々々の分と両建になつていますか、その点。
  69. 鈴木昇

    ○説明員(鈴木昇君) 両建にいたしております。
  70. 秋山俊一郎

    ○秋山俊一郎君 そうしますと、それぞれ組合に対する分、それから個人に対する分も、その様式というものはそれは別個にできるわけですね。
  71. 鈴木昇

    ○説明員(鈴木昇君) 様式といたしましては、同一の様式に、組合で取りまとめるというのは、組合に属しておるかたがたの総まとめといたしまして、漁獲量その他も合計したものをそれに書いて頂くというふうにいたしております。
  72. 秋山俊一郎

    ○秋山俊一郎君 従来その申請書を出した、そうすると、又これはいかんから、こういうふうに変えろと言つて何遍も変つて来る例があるのです。そこで又非常に混雑をしたのですが、そういうものは今お話の説明によりまして改善されると思いますが、そういうふうにきめておる以上に、十分検討した上で、一遍出したものを又引つ繰り返してやり直すというようなことのないように努めて頂かなければ、一遍で済むものを何遍もするということになると、経費の上においても、時間の上においても非常に違いますので、その点はもう漁民も、こんなくらいなら申請できないといつたように投げてしまう人もあるわけです。それともう一つは、遅れておる問題ですが、これは場所によりましては非常な打撃を受けておる。それも一年経つても補償が来ないということになれば、これは一体どうなるか、こういう人たちの生活は……。この点を一つ考えて頂きたい。とにかく何でもかまわない、精密な調査ができなければ概算払でも一応してやるということでなければ、正確に役所で納得の行くような数字ができるまで引つ張られたのじや、引張られたほうはたまつたものじやない。収入が減じているのですから、それを一年も引張られたのでは家族の生活の上に大きな脅威を受ける。これは人心に及ぼす影響は非常に私は大きいと思う。ですから若しそれが相当精細な調査をしなきやいかん、あなた方のほうではいろいろ細かい調査をして、出来出たものを大蔵省へ持つて行つた、大蔵省がああでもない、こうでもない、こういうこともしろ、ああいうこともしろというのでは、これは役所はいいかも知れんけれども、金を受取るほうの者は大変な迷惑です。そこであらかじめそういうものをきめる場合には、大蔵省なり何なりとよく打合せた上できめて頂いて、それが長引くようなら、見当の七掛なら七掛というものを一応前払いでもするというような便法をとることができないのか。今後においても果して、今までが今まででありますから、私はそう早急に支出ができるかどうかということに疑問を持つのですが、そういう場合に、例えば盆暮のような場合に計算をしなければならんときに実際できないということは誠に気の毒であるが、そういう場合に例えば年末なら年末においても、この前の東京湾の防潜網等について措置をとつたように、概算払でもしてやるというような方法はとり得ないものかどうか。この点を一つお伺いしたい。
  73. 鈴木昇

    ○説明員(鈴木昇君) 補償の遅延によつて御迷惑をかけておりますことは大変申訳なく存じておるわけでありますが、只今御意見もございましたように、概算払の方法としましては、政令等の改正を必要といたします関係で若干遅れておるわけでございますが、予算決算会計令の改正によりまして、近く概算払もし得るような措置を只今講じておりまして、お説のように年二回に分けてお払いできるようなことに只今進めておるわけでございます。なお出先の機関が被害の申請者から提出された書類を返して書き直せというふうな事例を大分私どもも聞いておりますので、そういう点につきましては、これは申請書を受取つたほうの調達庁の出先機関といたしましては、成るべく完全な書類を出してもらいたいというふうな考え方から、そうしておるものと存じますけれども、そういうやり方であつてはいけない、査定上必要なことについて更に追加して、お聞きするとか、何とかいうことはあり得ることではありますけれども、書類を返して書き直せということで再度提出させるというふうなことは避けるような指導をいたしておるわけでございますけれども、何分にもこれが見舞金というような形で、予算の範囲内において賄うような性質の金でございますと問題は余りないわけでございますけれども、建前も完全補償ということになつておりますので、出先の担当の者もできるだけ完全な立証と得るものを出して頂いて、そうして完全な補償をいたしたいという考えからそうしているように思われる向きもございますので、その気持はいいけれども、手数をかけるというようなことはできるだけやめろということを私どもも常に指導しておるわけでございます。
  74. 森崎隆

    ○委員長(森崎隆君) この法律案の予備審査につきましては、まだいろいろ質疑の点も残つておるように承知しておりますので、次回に又続いて質疑に入ることにいたしまして、本日はこの辺で打切りたいと思います。   ―――――――――――――
  75. 森崎隆

    ○委員長(森崎隆君) なお、お諮りいたします。本法案につきまして、農林委員会から連合委員会の申入れがございました。本件について農林委員会と連合委員会を開催するごとに御異議はございませんですか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  76. 森崎隆

    ○委員長(森崎隆君) 御異議ないと認めまして、さよう決定いたします。つきましては、農林委員長と相談いたしまして、来週月曜日、二十日の午後一時から連合委員会を開催いたしたいと思つております。  なお、持越しの文部委員会との連合委員会は来週二十一日火曜日の午後一時から開きまして、文部大臣から先だつての我々の質問に対する答弁を求めることになつておりますから、そのように御了承頂きたいと思います。  漁船損害補償法の一部を改正する法律案、この方面の質疑は都合によりまして次回に延期をいたします。  今日はこれを以て散会いたします。    午後二時四十分散会