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1953-07-30 第16回国会 参議院 予算委員会 28号 公式Web版

  1. 昭和二十八年七月三十日(木曜日)    午後零時三十三分開会   ―――――――――――――   委員の異動 本日委員田村文吉君及び高橋衛君辞任 につき、その補欠として北勝太郎君及 び池田宇右衞門君を議長において指名 した。   ―――――――――――――  出席者は左の通り。    委員長     青木 一男君    理事            西郷吉之助君            高橋進太郎君            小林 武治君            森 八三一君            中田 吉雄君            松澤 兼人君            堀木 鎌三君            木村禧八郎君            三浦 義男君    委員            石坂 豊一君            泉山 三六君           池田宇右衞門君            大谷 贇雄君            小野 義夫君            鹿島守之助君            小林 英三君            佐藤清一郎君            白波瀬米吉君            関根 久藏君            瀧井治三郎君            中川 幸平君            宮本 邦彦君            吉田 萬次君            井野 碩哉君            柏木 庫治君            岸  良一君            北 勝太郎君            新谷寅三郎君            高木 正夫君            中山 福藏君            岡田 宗司君            亀田 得治君            小林 孝平君            佐多 忠隆君            藤原 道子君            三橋八次郎君            湯山  勇君            加藤シヅエ君            棚橋 小虎君            戸叶  武君            永井純一郎君            武藤 常介君            最上 英子君   国務大臣    内閣総理大臣  吉田  茂君    外 務 大 臣 岡崎 勝男君   大 蔵 大 臣 小笠原三九郎君    文 部 大 臣 大達 茂雄君    厚 生 大 臣 山縣 勝見君    農 林 大 臣 保利  茂君    運 輸 大 臣 石井光次郎君    郵 政 大 臣 塚田十一郎君    労 働 大 臣 小坂善太郎君    国 務 大 臣 緒方 竹虎君   国 務 大 臣 大野木秀次郎君    国 務 大 臣 木村篤太郎君   政府委員    内閣官房長官  福永 健治君    大蔵省主計局長 河野 一之君    通商産業政務次    官       古池 信三君   事務局側    常任委員会専門    員       野津高次郎君    常任委員会専門    員       長谷川喜作君    常任委員会専門    員       正木 千冬君   ―――――――――――――   本日の会議に付した事件 ○昭和二十八年度一般会計予算(内閣  提出、衆議院送付) ○昭和二十八年度特別会計予算(内閣  提出、衆議院送付) ○昭和二十八年度政府関係機関予算  (内閣提出、衆議院送付)   ―――――――――――――
  2. 西郷吉之助

    ○理事(西郷吉之助君) それでは只今より委員会を開会いたします。  本日は……、只今より昨日の不信任案に対する趣旨説明を行います。只今動議がこれに提出されました。(岡田宗司君「発言中じやないか」と述ぶ)(「発言中に動議はないじやないか」と呼ぶ者あり、その他発言する者多し)私はこの際……、(「採決して下さい」「発言中だ」「不信任案が出ておるじやないか」と呼ぶ者あり、その他発言する者多し)(岡田宗司君「昨日から継続しておる」と述ぶ)……趣旨説明の時間を十分間に制限いたします。(「不信任案が先だ」と呼ぶ者あり、その他発言する者多く、議場騒然)……よつて趣旨説明の時間は十分間にいたします。委員長代理は、青木委員長の動議が出ておりますので、この審議が終るまで私は委員長の席を汚します。(拍手、「委員長代理の不信任が出ておるじやないか」と呼ぶ者あり、その他発言する者多し)席へ戻り給え。青木委員長の審議が終つてからであります。(「議事進行だ」と呼ぶ者あり)提案者に対して趣旨の説明を求めます。(発言する者多く、議場騒然)私は青木委員長の不信任の審議が終るまでは、委員長代理の席を汚します。(「暴力までやるのか」「君は公文書を破棄したな」「不信任案をどうするのだ」「おれのほうが先議だ」と呼ぶ者あり、その他発言する者多し)不信任案を審議しているのですよ。一度に二つのことはできません。(岡田宗司君「あなたも継続すると言つておつたじやないですか」と述ぶ、「人の公文書をなんだ」「除名処分だ」「懲罰懲罰」と呼ぶ者あり、その他発言する者多し)席に戻つて下さい。私は青木委員長の不信任案の審議が済むまでこの席を汚します。この審議が済みましたら私は退席します。(「あなたに対する不信任案が出ているのだよ」と呼ぶ者あり、その他発言する者多し)私に出ておつても、青木委員長の不信任案が済むまではこの席を汚します。    〔「あらゆる動議よりも先にやらなければいかんのだ。」「あなたの下においては青木委員長の不信任案は論議できないのだ。」と呼ぶ者あり、その他発言する者多し〕
  3. 西郷吉之助

    ○理事(西郷吉之助君) 席に戻つて下さい。岡田君、趣旨説明を願います。(「不信任案が先議であることは当然である。」「席に着きなさい。」「議事規則通りやりなさい。」「そうじやないよ西郷君に対する不信任案が出ておる。」と呼ぶ者あり、その他発言する者多し)青木委員長の不信任案の間は席を汚します。岡田君席にお着き下さい。亀田君お着き下さい。木村君席にお着き下さい。私は申上げた通りです。青木委員長の不信任案が済むまでは私はこの席を汚します。席に戻り給え。今青木委員長の不信任案の審議をやつておるのです。    〔「君に対する不信任案が出ているじやないか。」と呼ぶ者あり、岡田宗司君「あなたの下で議事ができないが故に不信任をしているのだ。この点をはつきりしてもらわなければ困る。」と述ぶ、その他発言する者多し〕
  4. 西郷吉之助

    ○理事(西郷吉之助君) 岡田君趣旨説明を求めます。    〔岡田宗司君「いや今はあなたの不信認案が出ているじやないか。」と述ぶ〕
  5. 西郷吉之助

    ○理事(西郷吉之助君) 岡田君趣旨説明を求めます。(「そんなことじや議事はやれないよ」と呼ぶ者あり、その他発言する者多し。)退席を命じます。席にお着き下さい。岡田君提案理由の説明を求めます。    〔岡田宗司君「どうしてそんなことができますか。」と述ぶ)す。討論は終結したものと認めます。    〔亀田得治君「どこに討論があるか。あとからあとから動議を出して、どこに討論が行われた。」と述ぶ。「やめたらどうだ」その他発言する者多く議場騒然〕
  6. 西郷吉之助

    ○理事(西郷吉之助君) 下りたまえ。    〔「どこに討論が行われましたか。委員長の懲罰だ」と呼ぶ者あり〕
  7. 西郷吉之助

    ○理事(西郷吉之助君) 下りたまえ。    〔岡田宗吉君「討論終結という、どこに討論が行われました。討論も何も行われていないじやないか。一体どこに討論が行われた。議事規則も何も知らないでやつたつて駄目だよ。」と述ぶ。「何も知らないのだ」と呼ぶ者あり〕
  8. 小林英三

    ○小林英三君 私は只今提案になつておりまする……(「何を一言つている」と呼ぶ者あり)委員長に対する不信任案に対しましては、何らこれを……、(「馬鹿なことを言つている。冗談じやない」と呼ぶ者あり、その他発言する者多く議場騒然、)理由はないのでありまして、これに対しましては反対をする者であります。(「何を言つているのだ」と呼ぶ者あり。)    〔亀田得治君「委員長は何らの権力を持たんではないか。議事規則を見ろよ。」と述ぶ〕
  9. 高橋進太郎

    ○高橋進太郎君 不信任案に対する反対討論……、私は昨日岡田君の提出いたしました不信任案に対しまして反対の討論をいたします。即ち……。(「討論終結と委員長が宣言したじやないか」「何を言つておるか。委員長に反抗するのか」と呼ぶ者あり。)我々はこの不信任案に対して断乎として反対する者であります。(拍手、「何を言つているか、とんでもないことを言つている」「何をわめいておるか」「委員長は討論は終結したという。委員長は討論は終結したと言い、討論終結した後にわめいておる。これが何の議事になる」「もつと冷静にやりたまえ。そんなことじや笑われますよ。」と呼ぶ者あり)
  10. 西郷吉之助

    ○理事(西郷吉之助君) 着席しなさい。    〔「何が委員長……あと先になつているじやないか」「委員長採決、今の動議採決」と呼ぶ者あり〕
  11. 西郷吉之助

    ○理事(西郷吉之助君) 動議が提出されましたが、討論は終局したものと認めます。直ちに採決に入ることの動議が出ました。この意見に賛成の諸君の挙手を求めます。    〔「何だ、何だ」「不信任案が先じやないか」と呼ぶ者あり。岡田宗司君「乱暴だ。無効ですよ。何が終結したの。又討論終結したと言う。委員長、何を言つておるか。どこにそんな権限があるか。君じやないか、不信任を出されたのは。」と述ぶ。〕
  12. 西郷吉之助

    ○理事(西郷吉之助君) 青木委員長のあとに……    〔岡田宗司君「そんな馬鹿なことがありますか。そんな悪例を作ろうとして一つの動議を受付けるなんというのは規則無視じやないか。」と述ぶ。〕
  13. 西郷吉之助

    ○理事(西郷吉之助君) そんなことはありません。強要には応じません。    〔亀田得治君「応じないじやないよ。あなたは議事規則を知らないでやつたつて効はない。」と述ぶ。〕
  14. 西郷吉之助

    ○理事(西郷吉之助君) 席に着いて下さい。    〔亀田得治君「いやですよ。そんなことじや断じて着けません。」と述ぶ。〕
  15. 西郷吉之助

    ○理事(西郷吉之助君) そんな強要されておることは……そういう強要されてまで……。    〔亀田得治君「君のほうが強要だ。」と述ぶ「議事規則に従わなければいけない」討論がされていないときに討論は終結したと言う。その後わめいておる者がある。討論、採決と言い、何が何だかわからんじやないか」「議事進行」と呼ぶ者あり。小野義夫君「多数党が規則を無視してやるなんということはまるで、百一条の解釈から聞きなさい。」と述ぶ。「懲罰するぞ」と呼ぶ者あり。亀田得治君「まるで規則を知らないで、まるで規則無視じやないか。」と述ぶ。小野義夫君「第三者を立ててやりたまえ。談判まかりならん。」と述ぶ「ああいう古風な小言では駄目だ」と呼ぶ者あり。〕
  16. 西郷吉之助

    ○理事(西郷吉之助君) 席に着きなさい。    〔亀田得治君「あなたが代つてもらわなければ駄目ですよ。」と述ぶ。岡田宗司君「あなたが次々と動議を取上げるならば、ちやんと不信任案を取上げなければいけない。」と述ぶ。亀田得治君「不信任案を出すのは我々の権利ですよ。合法的ですよ。」と述ぶ。その他発言する者多く議場騒然〕
  17. 西郷吉之助

    ○理事(西郷吉之助君) 席に着いて下さい。  それでは討論は終局いたしましたから、青木予算委員長の不信任案の採決をいたします。不信任案に反対の諸君の起立を求めます。    〔反対者起立〕
  18. 西郷吉之助

    ○理事(西郷吉之助君) 多数と認めます。よつて不信任案は否決されました。(拍手、「成立しない、成立しない」と呼ぶ者あり、その他発言する者多し)  私は青木委員長と交替いたします。    〔理事西郷吉之助君退席、委員長着席〕
  19. 青木一男

    ○委員長(青木一男君) 暫時休憩いたします。    午後一時一分休憩    ―――――・―――――    午後三時三分開会
  20. 青木一男

    ○委員長(青木一男君) これより予算委員会を開きます。(「議事進行」と呼ぶ者あり、その他発言する者多し)  緊急動議が提出されております。    〔亀田得治君「僕のほうが早いんだ、僕のほうが早いんだよ」と述ぶ。その他発言する者多し〕
  21. 青木一男

    ○委員長(青木一男君) 高橋進太郎君より予算委員会において諸案に対する一切の質疑を打切り討論採決に入られんことの動議が提出されております。    〔「賛成」と呼ぶ者あり、その他発言する者多し〕
  22. 青木一男

    ○委員長(青木一男君) この高橋君の一切の質疑を打切り討論に入るべしとの動議に対し賛成の諸君の起立を求めます。    〔賛成者起立〕    〔「議事進行の扱いをどうした」と呼ぶ者あり、その他発言する者多し〕
  23. 青木一男

    ○委員長(青木一男君) 起立多数と認めます。よつて動議は可決されました。(「何をしているんだ、むちやじやないか」「何をしている」「ファッシヨだ」「そんなむちやなことないよ」と呼ぶ者あり、その他発言する者多し)
  24. 高橋進太郎

    ○高橋進太郎君 討論のために暫時休憩せられんことの動議を提出いたします。    〔「賛成」と呼ぶ者あり、「暫時休憩」「馬鹿言つている」「どこにそんなことがあるんだ」と呼ぶ者あり、その他発言する者多し〕
  25. 青木一男

    ○委員長(青木一男君) 討論のために暫時休憩いたします。    午後三時五分休憩    ―――――・―――――    午後七時三十二分開会
  26. 青木一男

    ○委員長(青木一男君) 委員会を開きます。これより昭和二十八年度一般会計予算及び特別会計予算及び同政府関係機関予算について討論に入ります。  討論は各会派一名とし、時間は一名について二十分以内とせられたいと存じますが、御異議ございませんか。    〔「異議なし」「異議あり」「賛成」と呼ぶ者あり〕
  27. 青木一男

    ○委員長(青木一男君) 異議ありますか。    〔「異議あり」「賛成」と呼ぶ者あり〕
  28. 青木一男

    ○委員長(青木一男君) 只今の委員長の発言に賛成のかたの起立を求めます。    〔賛成者起立〕
  29. 青木一男

    ○委員長(青木一男君) 起立多数と認めます。   〔「議事進行」と呼ぶ者あり〕
  30. 青木一男

    ○委員長(青木一男君) 議事進行の発言については適当の機会に決定いたします。御発言のかたは賛否を明らかにしてお述べを願います。   〔「議事進行」と呼ぶ者あり〕
  31. 青木一男

    ○委員長(青木一男君) 議事進行の発言についてば適当の機会に決定いたします。佐多君。
  32. 佐多忠隆

    ○佐多忠隆君 私は議事進行に関する発言が許されなくて、全く暴力的な形においてこの審議が続けられますので、予箕案の討論そのものに参加することのできないことを非常に遺憾に存ずるものでございます。  私は以下述べるような理由によつてこの予算の討論、予算案そのものの討論には参加いたしません。こういうふうに暴力的な形においてこの審議が進められたことに対して遺憾の意を表せざるを得ません。  そもそもこの予算案の審議を当初に委員長がお示しになつたときに、十三日に衆議院の議決を経て当院に送られる予算でございました。この予定を議せられたときに私はこの委員会の冒頭におきまして、これでは僅かに参議院の審議は十六日間に過ぎないから、参議院の予算案審議権を無視するに等しいものである。従つて委員長は十分に配慮をして、もう少し審議の期間をお延ばしになるようにという希望を冒頭において述べて参りました。この点は委員長もよく御記憶のことと思います。然るにかかわらず、十三日はおろか、遂に十七日にまで及んで漸く十八日に当委員会に送られて来たような事情でございます。而も送られて参つた予算案には修正案が附加えられ、修正案が各般に亘つておるのみならず、非常に多額な金額にも及んで、そのために日本の財政史上、憲政史上曾つて例を見ないような異例な予算の審議をせざるを得ないことになつたのであります。さればこそ我々はこの予算の審議に対しましては十分な時聞をかけて、委曲を尽してなされなければならないということを繰り返し、繰り返し申上げた次第でございます。さすがに当初の間は青木委員長はその点を十分に御考慮になつて、私が多年上官として薫陶を受けて尊敬おく能わざる青木委員長として十分にその配慮をなされたことに対しましては、私たち非常に感謝をいたしておる次第でございます。然るにもかかわらず、この一両日になりまして、老練な、慎重なるはずの委員長は何をお考え違いになつたのか、非常に急いで、又たくさんの時聞を余しておるにかかわらず、或いは与党からのいろいろな催促に堪えかねられたのかも知れませんが、遂にここに見るような理不尽な審議の仕方に陥つた次第でございます。恒例によりますと、予算審議は最後の一両日を分科会に充てる、而も最後の仕上げに総理大臣に対する総括の質問をするというのが、これが長い恒例になつております。殊に今度の予算案のようにたくさんの問題を含んでおるとすれば、特にその最後の仕上げのごときは入念にやらなければならないはずのものであると思うのでございます。それにもかかわらず、そういう一切のことを無視して、而も運営の方法を理事会で十分にお諮りになることなく、立場が達うからそういう話合ができないのだという名の下に、話合すらおやりにならない。立場が相違しておることは初めからわかつておることでございます。立場の違つておる者たちがおのおのその自己の立場からの主張し、その話合によつてお互いに歩み寄りながら議論をまとめて行つて運営を円滑にすること、これが理事会を設けたゆえんであり、理事会でやらなければならないゆえんであると思うのでございますが、その理事会の機能をすら放棄して、今ここにおやりのような、全く理不尽な、議事規則その他をば全く無視したやり方を叩きつけられることに対して、私は尊敬おく能わざる青木委員長に対して誠に残念に思う次第でございます。(「それが独善的な見解だ」「黙れ」と呼ぶ者あり)私たちばこういう理不尽な審議に対しては、絶対に反対をせざるを得ませんので、この討論に参加をいたすことができません。私たちはこういう汚点を我が国会の中に、而も私が本当に慎重に、民主主義そのものを守る最も重要な場所であると思つて愛惜措く能わざるこの予算委員会においてかかる汚点を残すことを私たちは忍びない、断乎としてこれを排撃しなければならないと思いますが故に、私たちは予算案そのものの討論に加わらずに、この審議の方式に絶対に反対である態度をば表明いたす次第でございます。(「李承晩の二の舞だよ」と呼ぶ者あり)
  33. 高橋進太郎

    ○高橋進太郎君 私は自由党を代表いたしまして、只今予算委員会において審議されました衆議院送付の予算関係讃案に対しまして、賛成の意を表するものであります。  以下賛成の理由について申上げます。  暫定に次ぐ暫定予算のため、如何に国民は本予算の成立を待望しておるか、その実情は想像に余りあるものがあるのであります。而して本予算が不成立であるということは、単に国家自体の予算の統一的且つ計画的な運宮に支障を招来しておるだけではなく、地方公共団体におきましてもその財政収入の根幹をなしておる補助金の未決定なり域いは平衡交付金の未交付等によりまして、如何に困窮しておるかば想像のほかでございます。特に寒冷地帯においてはその事業の大部分が冬期下において実行不可能であるため、如何に本予算の成立を一日千秋の思いであるか言語に絶するものがあるのであります。(「その通り」と呼ぶ者あり)よつて本予算はこれ以上その成立を延ばすことは、国民経済の実情に鑑み、到底できないところであります。(「明日があることを忘れたか」と呼ぶ者あり)勿論予算そのものの内容につきましては、国民の待望に応えるには不十分なる点がないでもありません。(「それなら反対したらいいじやないか」と呼ぶ者あり)或いは国民住宅の予算において、或いは社会保障の予算において、或いは地方公共団体の補助等において、或いは国土建設費において或いは中小企業の充実予算等において、決して十分であるとは申されません。(「それじや全部じやないか」と呼ぶ者あり)而も現下置かれておるところの我が国の国際経済の現状と(「よく聞けよ」と呼ぶ者あり)財政の実情においては、止むを得ざる予算措置であると言わなければなりません。今後政府は財政計画の充実を図り、更にこれらの点に一般の考慮を払うべきであると考える者であります。  次に本予算について問題となりました点は、衆議院において修正があったという点であります。衆議院における修正が政府の予算の提案権を侵害し、憲法上の違法の問題であるという問題か、本委員会において相当論議の対象と相成つたものであります。私はこの点に関し、修正内容を十分検討いたしたるものでございますが、この程度の修正は政府の提案権を侵害するものでになく、却って従来論義の対象となつた国会の審議権の範囲を明確にいたした点におきまして(笑声)、極めて意味があると存ずると共に、新憲法下国会が(「冗談じやない」と呼ぶ者あり)国権の最高の機関であるという憲法の条章にも合致し、何ら憲法上、違背するというところの点はないとの見解に立つ者であります。(「再軍備も同じように考えるか」「憲法違反だ」と呼ぶ者あり)  更に只今社会党の(「日本人か」と呼ぶ者あり)佐多委員から問題になりました予算審議の過程についての論議を申上げてみたいと存ずるのであります。お話の通り衆議院よりの送付が若干遅れましたので、従来予定をいたしましたところの審議期問中或いは日曜日も審議することとし、或いは審議時聞を繰延べるというような方法によつて、最初十三日に送付せられたと同じような時間を、これら野党の諸君に十分持ち時聞としての枠をお認めいたしたのであります。(「何を言つている」と呼ぶ者あり)その結果、従来の予算審議とは何ら変らず、むしろこの審議時間について見ますれば、従来よりも極めて慎重に審議したと申さなければなりません。(「何を言うか」と呼ぶ者あり、笑声)  なお審議の過程での問題でごさいまするが、要は分科会を廃止するかどうかという問題であります。これは二十七日の理事会において今後の取扱いの問題を論議いたしましたときに、審議時間も極めて少いから一般質問はこのまま継続することとし、二十九日は分科会をとりやめ、一般質問を継続するとの申合せを行なつたのであります。ところが二十九日に参りまして、一般質問を論議いたしました結果夕刻に相成りましたので、その結果我々といたしましては、残りの時間を一般質問に当て、本日は総理の総括質問を行い、且つ又その後において、今後の運営を理事会において協議しようという計らいをいたしたのであります。然るにその点について妥結せず、これらの点について動議を出しましたところ、その疑義があり、且つ又その発言につきまして、我々と一定の妥協点に達しませんので、更に議事について本委員会に諮りましたが、御承知の通り昨日はその審議がなされることなく、突如として、我々との話合いとは違反して、予算委員長の不信任案が提出され、その不信任案提出の説明は約二時間に亘り、遂に二十九日の審議期間は徒過いたしたのであります。(「その通り」と呼ぶ者あり)  かかる事情においては、もはや社会党の諸君にはこの本案に対する審議権を放棄した(「何を言うか」と呼ぶ者あり)と我々は認める(「今からでもできるじやないか」「盗人猛々しい」と呼ぶ者あり)従つて今朝においてはこれ以上質疑を続けるということは無意味であるとの結論に達しまして、(「その通り」と呼ぶ者あり)全部質疑を打切つて只今討論に入つておるような次第であります。従つて本予算の審議に当りましては、そういう摩擦はございましたが、併しながら修正案を含んだ本予算案につきましては、従来の予算と何ら変ることなく、その審議につきましては十分意を尽したが、なお且つ分科会を設けなかつたということは、曾つて十三回国会におきまして、和田予算委員長の下におきまして分科会を設けなかつたという例等もありまして、(「全会一致だぞ」と呼ぶ者あり)かくのごとく予算審議については遺憾なきものと考えるものであります。(笑声)かくのごとく審議に審議を重ねました本予算は、国民の待望によりまして、一日も早く速かならんことを熱望いたしまして、本案に賛成する者であります。(拍手)
  34. 松澤兼人

    ○松澤兼人君 私は社会党第四控室の佐多君と同様、現在の状況の下におきましては政府原案及び修正予算案に対しまして、ここで賛否の意見を表明することを保留いたしまして、ただ議事進行について誠に遺憾な点がございますので、この取扱いの点について十分なる反対の意見を開陳しようと考えておるのであります。(「そうだ」と呼ぶ者あり)御承知のように今の予算は誠に異例の予算でありまして、政府原案の上に衆議院において修正がかぶさつて来ておるものであります。我々はこの修正せられた予算案を、参議院の予算委員会において如何にこれを取扱うかということは誠に重大な問題であると考えるのであります。これを若し誤つて変な前例を作りますならば、今後安定権が実現しない限り、いつも同じような議論を繰返し、解決せられないものがいつまでも継続して行くのであります。我々は十分なる審議の過程において、政府の予算編成権、提出権及び審議権、これらの問題を根本的に解決しなければならないということを主張し、これを委員長にも要求し、予算委員会において或る程度まではこれを実現したのであります。併し問題はまだ幾つか残されておるのでありまして、これらの問題を今日の段階において解決しなければ、今後こういう事例がありましたときに如何にしてこれを解決することができるでありましようか。十分なる審議を尽して、根本的に政府の責任がどこから始まつてどこに終るのか、或いは修正者の意見というものがどこから始まつてどこに終るのか、これを一体として参議に持込み、参議院はこれを一体として受取らなければならないということをしつこいほどに繰返して申して参つたのであります。然るにこの委員会におけるところの取扱いというものは、何らこれらの問題に対する根本的な解決をしておらないのであります。恐らくはこの席におられますところの自由党ほかの委員諸君が、今後こういう問題を起した場合には、現在と同じようなことを繰返すだけでありまして、よき、前例というものは何一つとして作られておらないのであります。これが我々がこの取扱いについて委員長はじめ自由党その他の諸君にこれを要求しなければならない第一点であるのであります。  第二点といたしましては、我々は政府の意見と修正者の意見とが食い違つているという点が未だに解決せられておらないのであります。本日只今大蔵大臣に質問し、修正者に質問いたしますならば、恐らくは三十分かかつても簡単に問題が解決付かないでありましよう。殆んど委員長は政府及び修正者の統一した意見をこの次まで持つて来て下さいと言わなければならない段階であります。これを一切伏せておいて、頬被りのままでこれを通しているのであります。(「そうだ」と呼ぶ者あり)委員長にお尋ねいたしましても、(「委員長、それで良心に恥じないか」と呼ぶ者あり)供米完遂奨励金というものが完全に供米を完遂しなければ払われないものであるか、或いは供米を完遂した市町村の農家に対しては払われるものであるのか、一石について八百円のプラスが付くのか、この点に対しまして委員長は御答弁なさる資格がありますか。恐らくはこれは未解決のままに残されているのであります。(「その通りだ」「はつきりしているよ」と呼ぶ者あり)なお三本建の問題にいたしましても、修正者は三億六千万円だという、塚田自治庁長官は一億五千万円であるとする、二億のものがどうなるのかさつぱりわからない。平衡交付金の増額として五十億計上されております。二億……、三億六千万円でもいい、一億五千万円でもいいという予算の組み方が未だ曾つてあつたでありましようか。(「その通り」と呼ぶ者あり)これだつて私は未解決であります。未解決だと私は考えます。かかる状態のままで討論になろうとしているのであります。討論をやつているのであります。委員長は責任を持つてこれらの問題について明確なる御答弁ができますか。恐らくこれはできないと思う。こういう杜撰な予算の組み方がありましようか。三本建のために三億六千万円でもよろしい。一億五千万円でもよろしいというこんな予算の組み方というものは、恐らく大蔵官僚の俊才と言われております青木委員長が未だ曾つて経験されたところはないと思うのであります。  第三に申上げたいことは、我々が幾たびか幾たびか資料の提供を要求いたしましても、完全な資料というものが我々の手許に渡つておらないのであります。まだまだ資料について幾多検討しなければならない点があります。然るに早期に審議を打切つて、或いは自由党と申しますか、政府に忠義立てをなさろうとする委員長の態度に対しましては、我々は非常に遺憾に考えるのであります。  第四に申上げたいことは、分科会にいたしましても或いは締め括りの総舞大臣に対する総括質問にいたしましても、これをやる慣例であり、或いは法規上これをやらなければならないでありましよう。然るにこれさえなされていないのであります。今日までの慣例と法規を破つて、分科会と総理に対する総括質問を行わず、一挙にして討論採決まで行こうとする委員長の心情を私は了解することができないのであります。  本日は総理大臣は参議院における予算審議に出席することを約束している。これさえも与党その他の人たちの一方的な決定によつて総括質問さえ打切られているのであります。これで十分に審議を尽くしたと言えるでありましようか。  なお第五点として申上げたいことは、例えば電話の料金値上げの問題にいたしましても、或いは供米完遂のための二百億の問題にいたしましても、本年度予算の中に計上されずに次の国会における補正予算の中に組むことをいわゆ暗黙の協定として考えられているのであります。二十八年度予算が今後の補正予算計上によつて初めて片が付くという、こういう状態が幾多のところは残つているのであります。かかる、次の国会を持つて補正予算に計上されて初めて今年度算というものが、二十八年度予算というものがその全体の姿を現わすのであります。若し補正予算に組むことを誰かがこれを阻止するか、或いは臨時国会を開くことを遅らしたとするならば、二十八年度予算というものは完全に片輪の予算であると、言わなければならないのであります。  私たちは以上の五つの点について審議の進行上甚だ遺憾の点があると考えるのであります、これによりまして我我は正論に加わらず、ただ議事運営に対し、反対の意思を、表明するのであります(拍手、「内心忸怩たるものがあろう」「どちらが」と呼ぶ者あり)
  35. 森八三一

    ○森八三一君 私は只今議題となつておりまする昭和二十八年度一般会計予算外二つの算案に対しまして、緑風会の議員総会の決定に基きまして、衆議院送付の案即ち政府提出原案に対しまし自由党、改進党、鳩山自由党三派の提案に基きまして修正せられました予算案に賛成する者であります。  私が修正されました本案に賛成いたしまするゆえんは、去る三月十四日、衆議院の解散に伴いまして、二十八年度の予算が不成立となり、四月から七月まで、御承知の通り四カ月間は暫定予算で進んで参つたために、国政の運行は勿論、独立の成果を挙げ、軟弱な日本経済の自立を達成するために、輸出貿易の振興を初めといたしまして、食糧の円内自給度の向上、公共事業による国土の開発保全など、刻下喫緊の施策もその進展を阻んでおりまするために、国民は一日も速かに予算の成立による国政の運行を期待しておりまする現実に鑑みまして、予算成立を心から念願する趣旨に基くものでありまして、予算案に現われておりまする具体的な事項に関しましては、必ずしも全面的に満足をいたしておるものではございません。これらの諸点につきましては、予算の施行に伴う行政的な措置によりましてこれを是正する方途がないわけでもないと存ぜられまする次第でありまして、政府は予算の施行に際して、これらの点に十分の留意をせられまして、最善を尽されますることを切望するものであります。  第一に申上げたいことは、我が国経済の安定を期するという問題であります。私は先に昭和二十七年度の予算の議決に際しまして、その内容についてはいろいろな問題を包蔵しておるが、均衡を得ている点において、いわゆる悪性のインフレを阻止し得るものであるという観点に立ちまして賛成をいたして参つたのでありまして、このことは今日においても変わらざる主張であり、断じて日本経済をインフレへと追いやることは阻止しなければなりません。然るに本予算案は、その形の上におきましては財政規模を縮小し、インフレに処しておるかのごとくに見えるのでありますが、原案においても千億円以上の撒布超過であり、修正の結果は更にその額を増加しておりまして、これが下半期の短縮せられました半歳の間に実施せられまする結果といたしまして、インフレと追いやられて行く危険がないとは申されませんのみならず、心ある者がすでに指摘しておるところでありまして、政府は常にこれが対策として貯蓄の奨励とか、金融上の対策を以てこれに対処することを明らかにされてはおりまするが、予算の施行については特に留意を要する次第であります。更に減税国債は今年限りのものであると申されてはおりまするが、かくのごとき公債の発行は、特に最大の考慮を要するところでありまして、前述いたしました日本経済の安定という国民的要請の前には留意しなければなりません問題でありましよう。政府は本予算の施行に当つて、これらの点に、万全を期すべきであり、如何なる困難をもこれを排して、日本経済の安定に全力をいたすべきであると存じます。  第二に指摘しなければなりませんことは、朝鮮事変の休戦を見るに至りましたことや、スターリン死去に伴うソ連の対外政策、対内事情の変化など、我が国経済の今後に極めて重大なる影響をもたらしますることは申すまでもないことでありまして、すでに予算の審議を通じて明らかにされたところでありまするが、と予算を成立せしめることに急なる余り、昨年秋頃に作成せられましたものが、大なる修正をも施されることなくそのまま提案されているのであります。本来なればかくのごとき事態の急激なる変化に伴つて、これに対処する相当の補完的修正が施されなければならんと存じまするが故に、これらの現実に即しまするようにこれが施行上の注意を要するものと存じます。更に現政府は常に経済上の基本的な態度として、いわゆる自由経済を主張せられておるのでありまして、その事の可否はともかく、予算の編成に際しましてはこの主張が貫れているはずであります。然るに改進党の修正資本主義、計画経済を基調とする修正が織込まれたのでありまして、まさに本予算は相異なる二つの主張が織込まれておりまして、木に竹を継いだ姿に相成つておると申さなければなりません。(笑声、「その通り」と呼ぶ者あり、拍手)かくのごとき畸型予算の実施は、その結果は極めて思わしからざるものと相成る危険を包蔵しておるのでありましてこの点につきましても各政策、事業の有機的調整を要するものと考えまする次第でありまして、特に留意を期待するものであります。なお、徒らなる計画経済を主張するものではありませんが、各国の例に徹しましても、あけつ放しの自由経済主義は是正の時期に参つておると思われるのであります。(「その通り」と呼ぶ者あり)従来の行きがかりに捉われるごとなくの将来に改めなければならんと思います。  第三に申述べたいことは、今般の修正によりまして、国民生活に最も重大な関係を有する食糧の措置に関連して、完遂奨励金が大幅に増額されたのでありますが、本来かくのごとき奨励的な報償を意味する形で、生産者の要求する再生産確保に必要なる米価の問題を解決いたしますることは妥当な措置とは考えられません。これを形の上に見ますれば、供米の確保に対して積極的な対策が講ぜられているかのごとき印象を受けるのでありまするが、そもそも本奨励金の増額は、修正提案の生産者米価八千五百円にすべしとする主張が、自由党の二重米価制度に対する態度との調整の結果の所産でありまして、二重米価制度に対する畸型的な存在であると申すべきでありましよう。いやしくも全国民の最大関心事であります米価問題について、かくのごときあいまいなる対策がとられましたことは甚だ遺憾に存じまする次第であります。率直に申しますれば、生産者米価を増額是正すべきであると存じます。更にこの措置を通じて供出数量の確保にいろいろな支障ずる虞れがないとも言われないのでありまして、西日本をはじめ、全国的な作況の不良が心配されておりまする折柄極めて大切な問題でありまして、政府は細心の注意を以て対処せられますることを望む者であります。特にかくのごとき施策がとられました趣旨は、いわゆる二重米価制度の実施によつて、一面生産の意欲を高揚して参りますると共に、他面消費者米価を据き置いて、国民生活に負担を課することを避けて、当面要請せられておりまするコストの切下げと、経済の悪循環を断ち切ることの意図に基くものと存ぜられまして、私も常に要望いたしておるところであります。政府におきましてはこの趣旨に鑑み、将来米価審議会を通じて決定せられるのでありましよう生産者、消費者それぞれの価格の決定に対処せられますることを望む者であります。  更に第四点として最も大切なことは、日本経済の自立速成でありまして、今更申すまでもなく、特需をはじめとする貿易外受取勘定によつて漸くにして国際収支を保つておりまする姿を、正常貿易に切換えて参りまするためには、一面輸出貿易の振興による受取勘定の積極的な増加と、他面食糧の自給によつて外貨の支払節約にその途を求めなければなりませんが、貿易の増進は、国際貿易の現況と、今後の見通しや、我が国の生産コストの現況ではなさなければならんとは申しながら、必ずしも所期の成果を期待いたすわけには参りません。そこで必然的に食糧の自給を解決することの方策に全力が集中されるべきであると存ぜられまするのであります。然るに予算全体を通じて、いわゆる総花式に各省庁の割拠主義的傾向が現われておりますることは甚だ残念に存じまするところであります。勿論徒らに一方に偏することは戒めなければならんことではございまするが、前途のごとく経済自立の国民的悲願の達成上、食糧問題の解決が求められる最善のものであるといたしますれば、多少の偏頗はあるといたしましても、率直に推進されるべきものと考えるのでありまして、まさに昨年度予算或いは補正予算等を通じてこれらの問題か解決されなければなりません。この点は今後の問題として十二分に取上げられなければならんと存じます。現に我が国と比校的近似いたしておりまする英国の例に見ますれば、一九四八年、時の政府は戦後における英国経剤自立のために食糧自給の向上を図ることが最も大切であると信じまして、いわゆる農業増産四カ年計画を樹立実行いたしたと伝えられております。これがために極めて困難な国家財政のうちから、当時としては想像もできませんような三億ボンドという巨額な財政投資を行いまして、食糧増産四カ年計画を推進いたしております。その結果は二年目にして早くも外貨五億五千万ドルの節約をなし得たと申すのでありまして、我々の学ぶべきところと存ずる次第であり、政府の積極的対策を望む者であります。  最後に未曾有の西日本水書を初め、和歌山を中心とする引続いての大水害、更にその前には凍霜害、雨水害等全国的に異常な災害を瀕発しておりますことは、真に遺憾の次第でありまして、これが復旧の善後処理は一日もその遷延を許さないところであります。我々は先に院議を以て対策特別委員会を設け、それぞれ具体的な対策を決定をいたしつつありますが、これらの決定に基いて政府の万遺漏なき善処を期待いたすものであります。これが成否は八千五百万国民の生活につながるところでありまして、特に急速なる処置を要しますることは贅言を要しないところであります。この際特に申添えたいことは、徒らに恩恵的救助を以てすることは自立自活の大道を過らしめるの悪習を招く虞れなしとは申されません。被害者諸君の旺盛なる復興の意欲を伸暢せしめ、飽くまでも自立自活の態度を根幹とする対策を期待するものであります。  以上を以ちまして私の賛成討論といたします。
  36. 木村禧八郎

    ○木村禧八郎君 私は社会党左右両派の意見と同様に、この委員会は予算案に対して討論採決するに値いしない、討論採決する資格がない。私はそういう立場に立ちましてその内容についての討論は保留いたします。  その理由は、この予算は審議が不十分である。先ほど高橋委員が、野党が無理に予算の審議権を放棄したと言いますが、まだ予算の審議の時日があるのに非常にファッシヨ的なやり方によつて無理に質疑を打切つてしまつて、従つて質疑ができなくなりてしまつた。而も先ほど両派社会党のかたが述べられましたように、例えば予算審議には三派修正が現われて来ておるので、異常なたくさんの疑義があるわけであります。而も利権にからむところのいろいろな疑義があり、国民は非常な疑惑を持つて見ておるのであります。而もその内容はちつとも明確にされておらない。そういう状態で討論採決するということは国民に対して重大な責任があるのであります。  そういう意味で今ここで直ちに討論採決することは、これは私はそういうことに値いしないと思うのです。而もこの討論採決に持つて行つて来た議事の運営の仕方は、昨日も西郷氏が委員長代理としてここでおとりになつた議事の運営の仕方、西郷氏に対して不信任案が出ている、不信任案が出ておるのにこれを強行されて、不信任案が出ておる委員長は議事をどんどん進行し、そうしてこういう状態に持つて来ておる。私はこれは慣例上許されないことだと思う。これまでこういう不当な、ファッシヨ的な措置によつてここまで持つて来られた、こういう委員会において討論採決するということは、私は許されないと思います。周知のように今度の予算が重大であるということは、これは誰でも認めるところであります。吉田総理は今度の予算は講和独立後初めての予算であると言つておる。而もこの予算の背景となつておるスト禁止法とか独占禁止法の緩和、こういうものは大独占資本に利益を与え、他方においては労働者階級を圧迫しようということの基礎に立つてこの予算は組まれておる。独立後の最初の予算であるだけに重大な予算である。  更に第二には朝鮮休戦後の経済状態の急変、こういうことに直面してこの予算というものは重大な予算であります。  それから第三には、この三派の修正が出て参りまして、その結果予算の審議権或いは提出権等について憲法上重大な疑義がある。又財政法上重大な疑義が出て来ておる。先ほど松澤氏も述べられましたように、補正予算を前提としてこの予算を組まれておる、例えば造船利子についてもそうなんです。而も造船利子については秘密協定がなされまして、この予算面に現われておる以外において、予算面ではタンカーについては八次船からとなつておつたのです。それが業者の運動によつたかどうか知りませんが、第七次船に繰上つた。四十隻の買船までも今度は含まれておる。その財源は補正において組む、こういうような予算の内容になつておる。而も製鉄会社に対する利子の引下げも、これも製鉄会社に利子を引下げた場合、それが海運の振興になるという建前になつておりますけれども、製鉄会社の利子引下げによつて製鉄会社か造船会社に供給する鉄鋼の値段を下げさせるということはできない。何らそこに強制力はありません、私契約でありますから……。そうしますと鉄鋼会社の利下げにだけ終り、造船会社の利下げにだけ終つてしまう。どういうように措置するかということについて大蔵省、通産省、運輸省で協議するということになつておるが、まだその協議ができておらない。こういうように闇取引が裏で行われておる。而もその責任の所在というものは全然わからないのです、審議の過程において……。責任の所在がわからないで討論採決なんてすることは国民に対してこれは相済まんことであります。我々は十分にこれは審議されたということはできません。而も衆議院においては三派修正は全然審議されない。従つて参議院の予算委員会でこそ十分にこれは審議しなければならない。これまでの慣例上会期が切迫して最後の三十日まで十分に審議するのが慣例であります。まだ日残されておるにもかかわらず、強引にフアツシヨ的方法によつて審議を打切つてしまつた。むしろ審議権を強制的に放棄さしたのは自由党の諸君だ。自由党の諸君こそ国民に対して重大な責任がある。私はかような状態で予算委員会においてこの予算が可決され、そうしてこれが強引に実施される、あとで重大な疑義がたくさん出て来る、挙げてその責任は私は自由党の諸君にある、こういう討論採決に持つて来たのは諸君の重大な責任であります。我々は今後この事情を機会あるごとに国民に訪えなければならん。  私はそういう立場に立つてこの内容については他日本会議しおいて私は討論する権利を保留しておきますが、従つて今までの経過が如何に非民主的であり、如何に三法を蹂躙し、如何に民主的な予算制度を蹟欄してその審議の過程も如何に保守的であるかということをここで述べまして私の討論を終ります。(拍手)