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1953-07-30 第16回国会 参議院 本会議 29号 公式Web版

  1. 昭和二十八年七月三十日(木曜日)    午前十一時三十七分開議     ━━━━━━━━━━━━━  議事日程 第二十八号   昭和二十八年七月三十日    午前十時開議  第一 医療法の一部を改正する法律案(中山壽彦君外九名発議)(委員長報告)  第二 災害救助法の一部を改正する法律案(衆議院提出)(委員長報告)  第三 未帰還者留守家族等援護法案(内閣提出、衆議院送付)(委員長報告)  第四 港湾運送事業法の一部を改正する法律案(衆議院提出)(委員長報告)  第五 臨時船舶建造調整法案(内閣提出、衆議院送付)(委員長報告)  第六 農産物価格安定法案(衆議院提出)(委員長報告)  第七 昭和二十八年産米穀についての超過供出奨励金等に対する所得税の臨時特例に関する法律案(衆議院提出)(委員長報告)  第八 食糧管理特別会計法の一部を改正する法律案(内閣提出、衆議院送付)(委員長報告)  第九 国民金融公庫法の一部を改正する法律案(内閣提出、衆議院送付)(委員長報告)  第一〇 設備輸出為替損失補償法の一部を改正する法律案(内閣提出、衆議院送付)(委員長報告)  第一一 日本輸出入銀行法の一部を改正する法律案(内閣提出、衆議院送付)(委員長報告)  第一二 信用金庫法の一部を改正する法律案(内閣提出、衆議院送付)(委員長報告)  第一三 学校教育法等の一部を改正する法律案(内閣提出、衆議院送付)(委員長報告)  第一四 公立学校施設費国庫負担法案(内閣提出、衆議院送付)(委員長報告)  第一五 総理府設置法の一部を改正する法律案(内閣提出、衆議院送付)(委員長報告)  第一六 恩給法の一部を改正する法律案(内閣提出、衆議院送付)(委員長報告)  第一七 昭和二十七年十月三十一日以前に給与事由の生じた恩給等の年額の改定に関する法律案(内閣提出、衆議院送付)(委員長報告)  第一八 元南西諸島官公署職員等の身分、恩給等の特別措置に関する法律案(内閣提出、衆議院送付)(委員長報告)  第一九 土地収用法の一部を改正する法律案(内閣提出、衆議院送付)(委員長報告)  第二〇 刑事訴訟法の一部を改正する法律案(内閣提出、衆議院送付)(委員長報告)  第二一 輸出取引法の一部を改正する法律案(内閣提出、衆議院送付)(委員長報告)  第二二 日本放送協会昭和二十六年度財産目録、貸借対照表及び損益計算書並びにこれに関する説明書(委員長報告)  第二三 愛媛県船越港の漁港指定等に関する請願(委員長報告)  第二四 漁港整備促進に関する請願(委員長報告)  第二五 長期不漁に対する漁業補償制度実施の請願(委員長報告)  第二六 石川県姫漁港整備工事促進に関する請願(二件)(委員長報告)  第二七 水産業協同組合系統指導職員設置費国庫助成に関する請願(委員長報告)  第二八 長崎県佐尾漁港の第四種昇格に関する請願(委員長報告)  第二九 米駐留軍の演習による漁業損害補償に関する請願(委員長報告)  第三〇 鹿児島県一湊漁港修築工事施行に関する請願(委員長報告)  第三一 北海道大澗漁港築港促進に関する請願(委員長報告)  第三二 北海道山背泊漁港拡張工事促進に関する請願(委員長報告)  第三三 北海道入漁制限等撤廃に関する請願(委員長報告)  第三四 兵庫県妻鹿漁港整備に関する請願(委員長報告)  第三五 漁業協同組合の再建整備資金低利融資に関する請願(委員長報告)  第三六 漁業協同組合の行政委託事務費国庫補助に関する請願(委員長報告)  第三七 漁港整備費予算増額に関する請願(委員長報告)  第三八 青森県陸奥湾のほたてがい増殖事業費国庫補助に関する請願(委員長報告)  第三九 水産業協同組合法中一部改正に関する請願(委員長報告)  第四〇 福岡県若松市小石地区に特定郵便局設置の請願(委員長報告)  第四一 福島県三神郵便局の集配事務開始に関する請願(委員長報告)  第四二 静岡県江ノ浦郵便局等の東京郵政局管轄復帰に関する請願(委員長報告)  第四三 福島県大里村簡易郵便局の無集配郵便局昇格に関する請願(委員長報告)  第四四 岡山県久代村に無集配特定郵便局設置の請願(委員長報告)  第四五 高知県興津村郵便局の集配昇格に関する請願(委員長報告)  題四六 郵便切手類の売りさばき人に対する手数料引上げに関する請願(委員長報告)  第四七 静岡県藤枝郵便局の昇格に関する請願(委員長報告)  第四八 福島県上川崎無集配特定郵便局の集配事務開始に関する請願(委員長報告)  第四九 岡山県長尾郵便局の集配事務存続に関する請願(委員長報告)  第五〇 国土調査法に基く地籍調査費国庫補助増額等の請願(委員長報告)  第五一 大山出雲地方総合開発事業に関する請願(委員長報告)  第五二 韓国水域における漁業操業等の陳情(委員長報告)  第五三 水畜産物利用研究振興に関する陳情(委員長報告)  第五四 山口県見島漁港整備促進に関する陳情(委員長報告)  第五五 北海道本泊漁港修築工事施行に関する陳情(委員長報告)  第五六 三原市糸崎郵便局庁舎建設に関する陳情(委員長報告)  第五七 静岡県郵政業務の東京郵政局管轄復帰に関する陳情(委員長報告)  第五八 只見川早期開発に関する陳情(委員長報告)     ━━━━━━━━━━━━━
  2. 河井彌八

    ○議長(河井彌八君) 諸般の報告は朗読を省略いたします。      ―――――・―――――
  3. 河井彌八

    ○議長(河井彌八君) これより本日の会議を開きます。  この際、日程に追加して、国会法第三十九条但書の規定による国会の議決に関する件(日本工業標準調査会委員)を議題とすることに御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  4. 河井彌八

    ○議長(河井彌八君) 御異議ないと認めます。  一昨二十八日、内閣総理大臣から、日本工業標準調査会委員に本院議員奥むめお君を任命することについて、本院の議決を求めて参りました。同君が日本工業標準調査会委員に就くことに賛成の諸君の起立を求めます。    〔賛成者起立〕
  5. 河井彌八

    ○議長(河井彌八君) 総員起立と認めます。よつて本件は全会一致を以て同君が日本工業標準調査会委員に就くことができると議決されました。      ―――――・―――――
  6. 河井彌八

    ○議長(河井彌八君) この際、日程に追加して、へき地教育振興に関する決議案(川村松助君外十七名発議)(委員会審査省略要求事件)を議題とすることに御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  7. 河井彌八

    ○議長(河井彌八君) 御異議ないと認めます。本決議案につきましては、川村松助君外十七名より委員会審査省略の要求書が提出されております。発議者要求の通り委員会審査を省略し、直ちに本決議案の審議に入ることに御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕    〔川村松助君登壇、拍手〕
  8. 川村松助

    ○川村松助君 只今議題となりましたへき地教育振興に関する決議案につきまして、発議者を代表いたしまして趣旨の弁明をいたしたいと思います。  最初に決議案を朗読いたします。    へき地教育振興に関する決議   健康にして文化的な最低限度の生活と、能力に応じて均しく教育を受ける権利とは、新憲法の明らかに保障するところである。   しかるに、交通困難にして、経済的、文化的に立ちおくれている、いわゆるへき地住民の生活及びその子弟の教育は、現在、まことに視るに忍びない窮状にあり、これを放置することは文化国家としての日本の恥辱であると言わねばならない。   この際、政府は、へき地教育の実情を深く考慮し、へき地教育振興の基本対策を樹立すると共に、教育施設の整備、優秀教師の確保及び児童生徒の完全就学等をはかるため、速やかに強力かつ適切なる措置を講ずべきである。   右決議する。  次にこの決議案につきまして提案の理由を申上げます。  憲法第二十五条は、「すべて国民は、健康で文化的な最低限度の生活を営む権利を有する。」と規定いたしております。更に第二十六条は、「すべて国民は、法律の定めるところにより、その能力に応じて、ひとしく教育を受ける権利を有する。」と定めております。このような憲法の保障にもかかわらず、現在、国の行政からは無視され、近代文化からは置き去られた地域が、広く全国に亘つて存在しております。これ即ちへき地でありまして、ここに僻地と申しますのは、交通不便な人里遠く離れた山間地や定期船の訪れることの少い離島を指しております。このような自然的社会的条件の制約によりまして、文化の恩恵に浴することの少い地域におきましては、その教育の実情も又極めて悲惨なる状態に置かれています。即ち、学校と申しましても、それは一年から六年までを一学級にした、いわゆる単級の学校か、又は数学年を一学級にした複式学級を持つ小さなものであり、教師も又一人で二役或はい三役を兼ね、児童は乏しい教材しか与えられず、又、貧しく片寄つた食事のため身体の発育も不十分であります。他方、このような僻地におきまして、住民に対する社会教育が極めて低調でありますことも又申すまでもないところであります。  僻地の教育の実情は、このように見るに忍びないものがあります。経済的に恵まれないこれらの地域の住民、或いは地方公共団体のみを以てしましては、到底この窮状を打破し得ないのでありまして、願くは、政府はこの際、僻地教育の実情を深く考慮し、その振興の基本計画を樹立すると共に、学校施設、設備の充実、優秀教員の確保、生徒児童の就学奨励、社会教育の振興等を図るため、急速に適切且つ万全の措置を講ぜられることを強く要望いたし、以て本決議案提出の理由といたします。  何とぞ本決議案に対し全会一致の御賛成をお願いいたす次第であります。(拍手)
  9. 河井彌八

    ○議長(河井彌八君) 別に御発言もなければ、これより本決議案の採決をいたします。本決議案に賛成の諸君の起立を求めます。    〔賛成者起立〕
  10. 河井彌八

    ○議長(河井彌八君) 総員起立と認めます。よつて本決議案は全会一致を以て可決せられました。  只今の決議に対し、文部大臣より発言を求められました。大達文部大臣。    〔国務大臣大達茂雄君登壇、拍手〕
  11. 大達茂雄

    ○国務大臣(大達茂雄君) 只今の御決議に関しまして、所管大臣として一言所見を申させて頂きたいと存じます。  この地理的条件にも恵まれず、又従つて経済的な関係においても恵まれておりません離島或いは山村、その他、いわゆる僻地における教育は、甚だ不十分でありまして、現状のままで放置せらるべきものでないということは、只今提案の理由においてお述べになりましたことと全く同感であります。  僻地における学校教員の充実、或いはその適正配置、その素質の向上、待遇の改善、或いは又僻地における教育施設の整備充実、これらの点につきまして従来とも文部省といたしましては施策を講じておるのでありますが、現状に鑑みまして、今後更にこの振興を図るために努力をいたしますと同時に、社会教育の面におきましても、学校教育と併せてこれを総合的に計画を立てまして僻地教育の振興を図つて参りたいと存じ、今日の御決議の趣旨に副い、御要望に副うように努力をいたしたいと存じます。  一言この点を申上げます。(拍手)      ―――――・―――――
  12. 河井彌八

    ○議長(河井彌八君) 日程第一、医療法の一部を改正する法律案、(中山壽彦君外九名発議)  日程第二、災害救助法の一部を改正下る法律案、(衆議院提出)  日程第三、未帰還者留守家族等援護法案、(内閣提出、衆議院送付)  以上三案を一括して議題とすることに御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あも〕
  13. 河井彌八

    ○議長(河井彌八君) 御異議ないと認のます。先ず委員長の報告を求めます。厚生委員長堂森芳夫君。    〔堂森芳夫君登壇、拍手〕
  14. 堂森芳夫

    ○堂森芳夫君 只今議題となりました医療法の一部を改正する法律案、災害救助法の一部を改正する法律案並びに未帰還者留守家族等援護法案の三案につきまして、厚生委員会における審議の経過並びに結果を御報告申上げます。  先ず医療法の一部を改正する法律案について申上げます。  この改正法案は本院議員中山壽彦君ほか九名の共同発議にかかるものでありまして、その趣旨とするところは、昭和二十三年医療法の施行によりまして、病院、診療所は、その構造設備について一定の基準によることとなつたのでありますが、医療法施行前に設置された病院、診療所の改造については、一般的には三年間、そのうち構造設備に重大な変更を加える必要があるものについては更に二年間の猶予が認められて参つたのであります。その猶予期間は来たる十月二十六日を以て満了いたしますわけでありますが、病院、診療所経営の現状は、未だ構造設備の大改造を一挙に行うだけのゆとりを持つに至つておらないのであります。そこで構造設備に重大な変更を加える必要のある場合に限り、その猶予期間を当分延長することとしたのであります。  厚生委員会におきましては、慎重審議の上、質疑を打切り、討論に入りましたところ、高野委員より、当分の間を社会通念上の短期間と解すること、今後かくのごとき必要ある場合は、政府において立法の責任を負うべきこと等の希望を付して原案に賛意を表せられました。又有馬委員より、相当期間の余裕を考慮することの希望を付して原案に賛意を現わしました、藤原委員よりは、医療法の改正を期待し、その間までの暫定措置と了解して原案に賛成する旨の発言がありました。かくして討論を終結して採決をいたしましたところ、全会一致を以て原案通り可決すべきものと決定いたしました。  次に、災害救助法の一部を改正する法律案について申上げます。  災害救助法は、昭和二十二年十月十八日に施行されまして以来、今日まで、非常災害時における唯一の応急救助の基本的法律として重大なる役割を果して参つたのでありますが、その後の本法運用の実際は必ずしも十分なる使命を果し得るとは言い得ない部面もありまするし、殊に今次の西日本並びに近畿地方の豪雨による水害の罹災者に対する応急救助の経験に鑑みまして、非常災害時の応急措置に遺憾なきを期するため、今回衆議院におきましてこの改正法案が提出され、議決の上、本院べ送付されたのであります。  次に、この改正法案の要点を申上げます。第一に、この法律の救助の種類を増加充実し、救助内容を整備すると共に、その適正化を期したことであります。即ち、現行の救助の種類中にあります収容施設の中に、応急仮設住宅を含めることとすると共に、飲料水の供給、災害にかかつた者の救出及び災害にかかつた住宅の応急修理をも含めることといたしてあります。第二に、この法律の救助の実施を円滑にするため、救助機関に対し、応急救助を行うために必要がある場合には、有線並びに無線の電気通信設備の使用を許したことであります。第三に、この法律の援助事務の円滑を期するために、国庫負担の対象額中に救助の事務を行うのに必要な費用を含ましめることといたしてあります。第四に、この法律の国庫負担の対象額の基礎額と、その国庫負担の割台とを改めたことであります。即ち、現行法では当該都道府県の普通税収入見込額の百分の一を超ゆる場合に、初めてその超えた金額が国庫負担の対象となるのでありますが、これを千分の二を超える金額は国庫負担の対象となるよう改めてあるのであります。第五に、この法律の災害救助基金を充実し、都道府県知事の応急救助活動が実施しやすいようにいたしてあります。第六に、この法律の施行期日を公布の日から施行することとし、第三十三条及び第三十六条の改正規定は、昭和二十八年四月一日から施行することといたしてあるのであります。  以上がこの改正法案の提案理由並びに改正の要点であります。  厚生委員会におきましては、本案の発議者並びに政府委員より詳細なる説明を聴取して後、慎重審議をいたし、幾多の重要な質疑応答が交されたのでありますが、その詳細は速記録によりまして御承知願いたいと存じます。  かくして質疑を終り、討論を省略して採決いたしました結果、全会一致を以て原案通り可決すべきものと決定いたした次第であります。  最後に、未帰還者留守家族等援護法案について申上げます。  従来、未帰還者のうち、元の陸海軍に属していた者で未だ復員していない者、即ち未復員者に対しては、未復員者給与法が適用され、又、ソ連及び中共地域内の邦人であつてソ連地域内の未復員者と同様の実情にある者、即ち特別未帰還者に対しては、特別未帰還者給与法が適用され、本人に対する俸給月額千円と扶養手当を一定の親族に支払うことによつて、留守家族の援護が行われているのであります。又未帰還政府職員に対しても、留守家族援護の見地から、一般職の職員の給与に関する法律の規定に基く人事院規則が適用され、その扶養親族には月額二千四百三十八円から一万八百八円までの俸給に加えて扶養手当が支払われているのであります。併しながら、終戦後すでに相当の年月を経過した今日においては、このような俸給支給の建前は極めて不自然な姿となつているのみならず、種々不都合も生じておりますので、むしろ今日の段階においては、端的に留守家族を援護するという見地から措置することが妥当と思料せられ、この際これらの法令を廃止し、留守家族そのものを対象として、より実情に即した援護を行うと共に、従来、未復員者給与法等によつて行われていた各種の給与と同様の援護を行うことを目的とする未帰還者留守家族等援護法を制定しようとするものであります。  次に、この法律案の大要を御説明申上げます。先ずこの法律案で規定する未帰還者の範囲でありますが、第一は、元の陸海軍に属し未だ復員していない者、第二は、昭和二十年八月九日以降、ソ連、中共地域内において生存していたと認められる資料がある一般邦人であつて、自己の意思によつて帰還しないと認められる者以外の者、第三には、平和条約第十一条に掲げる裁判により拘禁されている者を含むのであります。  次に、この法律案によつて援護を受けることができる留守家族の範囲は、未帰還者が本邦に残している妻、不具廃疾の夫、十八才未満又は不具廃疾の子、六十才以上又は不具廃疾の父母、配偶者がなく且つ扶養する直系血族のない父又は母、十八才未満又は不具廃疾の孫及び六十才以上又は不具廃疾の祖父母であつて、未帰還者が帰還しているとすれば、主としてその者の収入によつて生計を維持していると認められるものであります。而してこれらの留守家族のうち、先順位の者に対しまして、留守家族手当として月額二千百円を支給し、なお他に前述の留守家族があります場合には、一人当り月額四百円を加給することといたしてあるのであります。  なお、この法律案に言う未帰還者のうちには、状況不明となつている者をも含んでいるのでありますが、長年月に亘つてその状況が判明しない未帰還者について無期限に留守家族手当を支給するということは、必ずしも当を得た措置とは申されませんので、この法律案においては、留守家族が留守家族手当を受けることができる期間を一定期間に限定すると共に、国は未帰還者の状況について調査究明に努めなければならない旨の規定を設けてあるのであります。  次に、この法律案による援護として、未帰還者が帰還したとき、帰郷旅費として一人につき千円から三千円までを、但し十八才未満の者にはその半額を支給することといたしてあります。未帰還者のうち、未復員者及びソ連における未復員者と同様の実情にあつた者が帰還した後、必要がある場合には、一定の条件を具える者につき療養の給付を行い、身体に障害を残している場合には最高三万八千円から千六百円までの障害一時金を支給し、又外地において右に述べた状態にあつた未帰還者が死亡した場合には、その遺族に対し遺骨埋葬経費として三千円、遺骨引取経費として二千七百円を支給することといたしてあります。  なお、未復員者給与法、特別夫婦選者給与法の廃止及び未帰還政府職員に対する給与の支給をやめたのに伴い、従前これらの制度によつて俸給等の支払を受けていた者が、この法律案により留守家族手当の支給が受けられない場合、或いはその額が、この法律施行の際、従前受けていた額より少い場合において、従前の実績を保障いたし、且つ恩給法の一部改正、戦傷病者戦没者遺族等援護法の一部改正等に伴う調整その他二、三の点につき所要の措置をとつてあるのであります。而して今回の改正措置の施行に要する経費は全額国庫負担でありまして、総額約十三億円が計上されているのであります。  以上がこの法律案の提案理由並びにその骨子でありますが、政府原案は衆議院において次の通り修正を加えられたのであります。即ち、修正の第一点は、第一条に、未帰還者が置かれている特別の状態に鑑み、国の責任において援護することを明記すること。第二点は、第二十九条において、国は未帰還者の状況について調査究明すると共に、その帰還の促進に努めることを明記すること。第三点は、増加恩給、障害年金、傷病年金又は傷病賜金を受けるべき者又は受けた者についても、厚生大臣が必要と認める場合は、この法律による療養の給付を行うことができるものとすること。この場合においては、政令で定めるところにより実費の一部を徴収すること。第四点は、昭和二十八年四月から七月までの間において、未復員者給与法又は特別未帰還者給与法による扶養手当を受けた者には扶養手当を増額し、これを追給する措置に準じた措置をとること。第五点は、留守家族手当の月額は、昭和二十九年一月一日より二千三百円とする。以上の五点であります。  本案を審議するため、厚生委員会を開会すること四回、更に、中共地域からの帰還者援護に関する特別委員会と二回に亘り連合委員会を開きまして、慎重審議を重ね、委員諸君と政府当局並びに衆議院側修正発議者との間に種々熱心なる質疑応答が行われたのでありますが、その詳細は速記録に譲ることにいたします。  かくて疑質を打切り、討論に移りましたところ、常岡委員から、本案には賛成だが、次のごとき附帯決議をなすべしとの動議が提出されたのであります。即ち、    未帰還者留守家族等援護法案に    対する附帯決議案  一、ソ連地区及び中共地区等に残留すると認められる未帰還者の状況 について、国の責任であるべき調査究明と其の帰還促進活動が、従来不統一不充分であつた点に鑑み、政府はこの際、速に調査機構を整備一元化して必要充分なる予算措置を講じ、責任ある調査究明を徹底的に実施すると共に、有効適切なる帰還促進の方策を強力に推進することを要望する。  二、外地で死亡した一般の未帰還者の遺骨が持ち帰られた場合においては、何らの給付を行つていないが、このような場合においては、国において相当の葬祭料を支給するのが、遺族の心情にも、また国民感情にもかなうものと考える。よつて政府は速に右の措置を実現するよう要望する。  というのでありまして、中山委員がこれに賛意を表されたのであります。これに対し政府の所見を求めましたところ、田辺引揚援護庁次長から、大蔵省その他関係当局と協議の上、御趣旨に副うよう善処する旨の答弁があつたのであります。  かくて討論を終局いたし、先ず法案について採決いたしました結果、全会一致を以て衆議院送付案通り可決すべきものと決定いたしました。次いで附帯決議案について採決いたしましたところ、これ又全員異議なく承認することに決定いたした次第であります。  以上御報告申上げます。(拍手)
  15. 河井彌八

    ○議長(河井彌八君) 別に御発言もなければ、これより三案の採決をいたします。三案全部を問題に供します。三案に賛成の諸君の起立を求めます。    〔賛成者起立〕
  16. 河井彌八

    ○議長(河井彌八君) 総員起立と認めます。よつて三案は全会一致を以て可決せられました。      ―――――・―――――
  17. 河井彌八

    ○議長(河井彌八君) 日程第四、港湾運送事業法の一部を改正する法律案、(衆議院提出)  日程第五、臨時給舶建造調整法案、(内閣提出、衆議院送付)  以上両案を一括して議題とすることに御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  18. 河井彌八

    ○議長(河井彌八君) 御異議ないと認めます。先ず委員長の報告を求めます。運輸委員会理事入交太藏君。    〔入交太歳君登壇、拍手〕
  19. 入交太藏

    ○入交太藏君 只今議題となりました港湾運送事業法の一部を改正する法律案及び臨時船舶建造調整法案について、運輸委員会における審議の経過並びに結果について御報告申上げます。  先ず港湾運送事業法の一部を改正する法律案について申上げます。  この法案は衆議院議員岡本忠雄君外七名の提出にかかるものでありまして、現行法施行後二ヵ年の経験に鑑みまして所要の改正をしようとするものでありまして、その主なる内容を簡単に申上げますと、第一は、本法の適用対象である港湾運送事業の範囲を拡げると共に、木船運送法との関係を調整していることであります。第二は、適用港湾を関税法に規定する開港に限らず、政令で指定する港湾とすることであります。第三は、運賃、料金が経済事情の変動により適正でなくなつたと認められる場合、運輸大臣がその変更の勧告をなし、又特定の場合には変更命令をなし得ることであります。第四は、災害の救助その他公共の安全の維持のため、港湾運送事業者に対し公益命令をなし得ることとすると共に、この場合における損失補償の規定を設けていることであります。  質疑におきましては、港運行政の基本方策如何、又、本改正案は適用事業の範囲及び港湾の範囲を拡張しているが、港湾作業料に関する規定の遵守を期待し得るか。或いは又、適用港湾の範囲如何等、熱心なる質疑が行われたのでありますが、詳細は速記録に譲ります。  討論に入りましたところ、一委員より、「現下における経済政策は物価を引下げて輸出能力を培養することに指向されなければならない。然るに本法の背後には現状維持、既存業者保護の思想が流れているように思われるが、政府は経済政策の基本たる物価引下げ政策に合致するよう法の運用に努められたい。又、適用港湾を二十八ヵ所も増加する趣きであるが、現在何ら支障なく港湾運送事業の行われている港湾には適用しないようにされたい」。又、一委員よりは、「港湾運送事業界は事業者の乱立と無統制に苦悩している現状にある。よつて政府は本法の運用に当つては、不当競争が起らないよう港湾運送の秩序を確立するよう努力されたい」との賛成意見がそれぞれ述べられました。  採決に入りましたところ、本法案は原案通り可決すべきものと全会一致を以て決定いたしました。  次に、臨時船舶建造調整法案について御報告申上げます。  この法案の主旨は、戦争によつて崩壊した我が国商船隊の再建について、政府は、財政融資、利子の補給、損失の補償制度等を通じてでき得る限りの助成の方途を講ずることにしているが、このように手厚い助成策を講じているからには、このときを機として、今後の激しい国際競争場裡に馳駆する我が国の海運については、できるだけ均勢のとれた商船隊を建造し得るよう、国際航海に従事し得る船舶の建造については、第三条に掲げる基準に基く許可制度にかけてこれを調整する必要があるというにあります。  委員会におきましては、本法案の重要性に鑑みまして極めて熱心なる審議が行われ、外務当局及び通産当局の意見も徴し、又、参考人として海運業者及び造船業者よりの意見をも聴取いたしましたが、その詳細は速記録により御承知を願います。  さて、質疑の主なるもの若干について申し上げますと、その一は、「本法がなくとも政府の造船計画は実際上遂行できるではないか、即ちこの法律は不要ではないか」との質疑に対し、運輸大臣は、「大体話合いでできないこともないが、何らの基準もないのでは政府の専断に陥りがちであるから、大よその基準によつて許可にかけるほうが妥当であると思う」との答弁がありました。その二は、「本法案はいわゆる商船隊建造四ヵ年計画の遂行が主たる目的と思われるのに、五百総トンというがごとき小型の船舶までも適用の範囲に入れてあるのは如何なる理由」かとの質疑に対し、政府委員は、「五百トン以上の船舶は、日本と台湾、朝鮮等の外国との間の航海に従事することができるし、従つてこれらの国々との間に横わる海運に関する外交関係の諸問題を解決するためには、これらの国々からの船舶の建造注文があつた場合に、時に臨んではその注文にかかる船舶建造の許可について考慮するほうが、我が国海運のために有利であることもあるからである」と答弁いたしました。その三は、船舶建造の許可基準は第三条第一項に規定してあるが、それには財政融資のことは全く触れていないが、財政融資の枠を超えて許可申請があつても、融資予定額の不足を理由として許可しないというわけには行かないと思うがどうか」との質疑に対し、政府委員は、「財政資金の枠が不足するからという理由で不許可にすることはできない」と答弁いたしました。  討論に入りましたところ、一委員より、本法案には賛成するが、審議の途中において明らかになつたように、同僚委員の質疑の趣旨には傾聴に値するものが多々あつたと思うが、政府は本法の施行に当つてはこれらの意見を十分に尊重して運用に遺憾なきを期せられたいとの意見が述べられました。  採決に入りましたところ、本法案は多数を以て原案通り可決すべきものと決定いたしました。  以上御報告申上げます。
  20. 河井彌八

    ○議長(河井彌八君) 別に御発言もなければ、これより両案の採決をいたします。  先ず港湾運送事業法の一部を改正する法律案全部を問題に供します。本案に賛成の諸君の起立を求めます。    〔養成者起立]
  21. 河井彌八

    ○議長(河井彌八君) 総員起立と認めます。よつて本案は全会一致を以て可決せられました。      ―――――・―――――
  22. 河井彌八

    ○議長(河井彌八君) 次に、臨時船舶建造調整法案全部を問題に供します。本案に賛成の諸君の起立を求めます。    〔賛成者起立〕
  23. 河井彌八

    ○議長(河井彌八君) 総員起立と認めます。よつて本案は全会一致を以て可決せられました。      ―――――・―――――
  24. 河井彌八

    ○議長(河井彌八君) 日程第六、農産物価格安定法案(衆議院提出)を議題といたします。  先ず委員長の報告を求めます。農林委員長片柳眞吉君。    〔片柳眞吉君登壇、拍手〕
  25. 片柳眞吉

    ○片柳眞吉君 只今議題となりました農産物価格安定法案につきまして、農林委員会における審査の経過及び結果を御報告いたします。  本法律案は、農産物価格の推移を見るに、生産者が零細多数の農家であり、且つ農産物の特性上、出廻り期が一時期に集中し、又需要の変化に即応して生産を調節することが困難であること等の事情によつて、季節により、又、年により、相当な価格の変動を示して、正常な価格水準からも低落するものが起つて、農業生産を不安定にすると共に、農家経済にも影響を与え、延いてはこれら農産物の需要者及び関連産業に対しても累を及ぼす虞れがあつて、農産物価格安定制度を確立することは喫緊の要務であるという趣旨に基いて提案されたものであります。  その内容の骨子とするところは大略次のようであります。第一は、本法案の対象となる農産物でありますが、これは米麦に次いで重要な食糧農産物であるいも類と、国内油脂資源の大宗である菜種とでありまして、尤も、いも類につきましては、これを直接買入れることは技術上困難でありまするから、その加工品である甘藷澱粉、馬鈴薯澱粉及び甘藷生切干を買入れることになつております。第二は買入れの方法でありまして、政府は毎年生産者団体の意見を聞き、需給事情及び時価等を勘案して、農林大臣が定めた数量の範囲内において生産者又は生産者団体の売渡しの申込によつて買入れるのであります。なお、価格安定のためには生産者団体の自主的販売調整に期待し、これを促進する建前として、買入れに当つては販売調整を行う生産者団体からの申込にかかるものを優先的に取扱うのであります。而して必要に応じ農林大臣は、生産者団体に対して価格の安定のため必要な勧告を行い、又資金の斡旋等の措置を行うことになつております。第三は買入価格についてでありまして、これは農業バリテイ指数に基いて算定した価格、生産費、需給事情、その他経済事情を参酌し、なお澱粉等加工品につきましては、加工に要する費用等をも加えて得た価格を基準として、生産者団体に諮り、その意見を尊重して農林大臣が定め、毎年出廻り期前に公表することになつており、なお、政府が生産者団体から買入れる場合には、前に述べました価格に、金利、保管料、欠減等に相当するものを加算することができることになつておるのであります。第四は、買入れた農産物の売渡しについてでありまして、これら農産物等の需給事情を勘案し、これが時価に悪影響を及ぼさないように行うこととし、新規の用途又は販路に向けるため等、特定の場合を除くほか、原則として政府の買入基準価格及び時価を下つてはならないことになつております。而して本法案による農産物等の買入は、食糧管理特別会計によつて経理することとし、このため附則において食糧管理特別会計法に必要な改正が加えられているのであります。  委員会におきましては、提案者の代表及び農林当局との間に、本法案による価格安定制度と農業統制との関連、延いてはかかる制度を契機とする官僚統制の誘発、農産物の生産とこれが適正価格との関係及び両者の調整、本制度の狙いは価格の安定のみにあるのか、或いは必要数量の確保をも期待し、延いては備蓄制度を兼ねたものとするか等、本制度の性格並びにその当否、本法案にいう正常な価格の意義、決定方法及びこれが当否、買入数量の決定方法及びその当否、原料価格と製品価格との関係並びにその調整、菜種の増産、これが麦類等競合作物の生産に及ぼす影響、更にその国家及び農家経済上の得失、「いも」類の生産と砂糖及び澱粉対策並びにその調整、対象農産物の価格支持と関連産業との関係及びその調整、本法案作成の経緯と衆議院農林委員会における附帯決議との関係及びその意義、本法案において買入の対象として大豆を除いた理由及びその当否、本法施行に関する予算的及び金融的措置、生産者団体の自主調整に対する融資及びこれが金利等その条件、食糧管理特別会計のあり方及び本会計と本制度との関係並びにその当否、買入農産物等の売渡方法とその当否及びこれが影響、その他諸般の問題について極めて活溌な質疑が行われたのでありまして、これが詳細は会議録に譲ることを御了承願いたいのであります。  併しここにその主なものを御紹介いたしますならば、「本法案によつて企図されている価格安定制度は、統制を意味し、統制を前提とするものではないか。アメリカの価格支持制度は作付統制がその裏付けをなしており、国内においては菜種の作付と麦の作付の競合が目立つており、菜種の価格のきめ方如何は更にこれを激化するものと思われ、かかる事態は慎重な検討を要するものではないか」との趣旨の質問に対して、「方向としては統制のようであるが統制ではない。過剰農産物の価格を安定させるため、政府による買入れは行うが、作付統制は行わない。農産物の価格安定に関する従来の考え方は、政府による買入のみであつたが、今回の考え方は、自由経済下における措置として、先ず生産者団体による自主的調整を基盤とし、これに対して資金の斡旋その他政府から必要な援助を与える建前をとつたもので、統制の意味はない」旨答えられたのであります。  更に、本法案の要締とも言うべき点は、政府の買入価格にあることは容易に窺われるところであつて而して買入価格は、正常な水準から低落することを防止することを目的として農業バリテイ指数に基き算出した価格、生産費及び需給事情その他の経済事情を参酌し、加工品にあつてはこれに加工費等を加えて得た額を基準とし、生産者団体に諮り、その意見を尊重して農林大臣がきめることに規定せられているのでありますが、これをめぐつて、「買入価格は生産費の保証を考えているか。買入価格の決定に当つて生産者団体の意見を聞くだけで、果して正常な価格水準をきめることができるか。生産者と共に需要者の意見をも聞くべきではないか。買入価格及び買入数量の決定に関して審議会を設ける意思はないか。価格のきめ方によつては農業生産に重大な影響を及ぼし、菜種の価格のきめ方如何によつては麦作に及ぼす影響は重大であり、又原料価格と製品価格並びに関連産業との調整を如何にするか」など、克明な質疑が重ねられたのでありまして、これに対し、「本制度においては、需給の不均衡によつて生ずる価格の高騰及び低落を防止して、年間を通じて安定した正常な価格水準の維持を期待し、最低価格の支持に意を払い、生産費を償うことを考え、少くとも現在の生産を安んじて維持し得るようにしたい。価格は総合的に調整せられたものであることが必要であつて広く有識者の意見を聞くことは必要であるが、審議会のような制度を設けることは避け、運用面で考えたほうがよいと思う。本制度は、生産者団体の自主的調整に重点を置き、その足らないところを政府の援助で補う建前をとつている関係から、政府買入価格の決定については、自主的調整団体である生産者団体の意見を尊重することにした。生産者団体といつても調整機関であつて、買入れたものはこれを売捌かなければならないので、この場合、消費者乃至需要者の意向は当然に反映されるものであつて、正常な水準の価格を期待することができると思う。買入価格は、当該作物の出廻り前、即ち、菜種は五月、「いも」類は八―九月頃決定したい」等の趣旨の答弁がなされたのであります。  又「本法律案は衆議院において各派共同を以て提案せられたものであるといわれているにかかわらず、衆議院農林委員会において採決の際、六項に亘る附帯決議が行われたのは了解しがたいところであるが、如何なる理由によるものであるか。この際、政府提案とせず、本法律案を議員提案として提出しなければならない必然的な理由は奈辺にあるか。本法案の不備について、これが改正の用意があるか」等について質されたのに対して、「農産物価格の安定に関する立法措置については、かねて要望せられていたところであつて、政府提案を期待していたが、先に参議院農林委員会における保利農林大臣の言明によつて、政府に提出の意思のないことが明らかになつたので、衆議院において各派の共同を以て議員提案とすることになつた、根本的な趣旨においては各派の意見は一致しているが、立法上の細目については完全な一致を欠いているものがあるので、各派の妥協線として附帯決議が行われた。すでに行われた澱粉の買上げの経緯に鑑み、本年産「いも」類の価格安定に遺憾なきを期するため、且つ又本年産菜種の生産状況に対処して本案の緊要性を認めておる。本法案には不備を認めざるを得ないが、今後の完成に対する布石としたい。差当りの措置として本法案で差支えないと思われるが、併し今後実施の上において必要に応じて善処したい」旨答えられたのであります。  又、対象農作物として大豆を除外した理由が質されましたところ、「大豆は現状においては価格支持の必要が認められないから除いたのであるが、対象とする必要が起れば追加したい」旨答えられ、更に、本法成立後におけるこれが実施に必要な予算的措置に関して保利農林大臣の所見が確かめられましたところ、これに対して、「食糧増産は第一の課題であるから全力を尽したい。その裏付けとして農産物価格支持の制度化は必要である。併し貯蔵性に難色のある切干甘しよの措置が未決定で、その決定を待つている間に、議員によつて本法案が提案された。これは農政上必要な法案と考える。本法が実施されることとなれば、当然資金を必要とするので、本法の趣旨が没却されず、これが実施に支障を来たさない予算的裏付けに、政府の責任において努力したい」旨答えられ、更に、生産者団体における自主的調整に対する金融機関の援助に対して、参考人として農林中央金庫当局の出席を求め、その所見が質されましたところ、江沢副理事長から「できるだけの努力を払い、政府から日歩一銭六厘の資金の供給があれば、二銭以下で取扱うこととしたい」旨答えられたのであります。  かくして質疑を終り、討論に入りましたところ、河野委員から、本法律案には随所に不備の点があるので、これが運用に遺憾なからしめるため、次の附帯決議、即ち、   本制度が、農業生産及び農家経済は勿論、国民生活及び国家経済に影響するところ極めて大なるものがあるにかんがみ、政府はこれが運用に遺憾なからしめ、特に次の事項に関して万全を期すべきである。   一、本制度実施の前提として速かに綜合的な食糧増産計画を樹立すること。   なお、本制度の運用に当り、対象農作物の高度な増産を刺戟して他作物の生産を不当に抑制する等、経済の均衡に失調を招くことのないよう注意すること。   二、本制度が所期する結果を達成するため、これが実行上必要な予算的措置を確立すること。   なお、この場合、情勢に応じ買入限度数量の増加に備えて予備費の増額等弾力性ある措置を講ずること。   三、政府の買入価格の決定に当つては、生産者団体の意見を尊重すると共に、広く有識者の意見をも徴し、特に慎重を期すること。   四、買入農産物等の売渡に万全を期すると共に、買入農産物等の需要の増進に対して適当な措置を講ずること。   五、今後農業生産の推移と経済事情の変遷に応じて対象農作物特に大豆を追加すること。   六、本制度は現在食糧管理特別会計を利用することになつているが、将来これを切離し、独立の会計を設けて操作すること。   七、本制度の運用に当つては生産者の利益を旨とし、農林中央金庫及び系統農業協同組合等、関係機関に勧奨して低利な資金の融通或いは中間経費の節減等、その協力に遺憾なからしめること。という附帯決議を以て賛成する旨、発言があり、次いで佐藤委員から、本法の運用よろしきを得て生産者擁護に遺憾なからしめる等のことを要望して賛成があり、次いで松浦委員から、本制度は農民多年の要望であつて、今日その時期が遅きに失している。且つ政府からの提案を見るに至らなかつたことは遺憾であるが、今後政府において附帯決議の趣旨を体し万全の施策を講ずる旨を要望して賛成があり、次いで戸叶委員から、本法案は不完全であり、且つ提案の経緯も遺憾であるが、趣旨は了承されるから、難きを忍んで賛成する。なお本制度は総合計画の一環として了承し、これが実施に当つて政府は十分の責任を果すべきである旨の発言があり、次いで清潔委員から、本法案は本来政府提出とすべきところ、便宜、議員提出となり、不備のあることは提案者もこれを認めて、完全なものに至る布石であると述べられているところであつて、これが内容はその題名に副つていないが、政府は附帯決議を忠実に実行して不備を除いて活用すべきである。かかる法案は自由経済の見地において作ることは困難なことで、違つた角度から見るべきである。反対しないという範囲において賛成する旨述べられました。  続いて採決の結果、全会一致を以て河野委員の発議による附帯決議を附して原案通り可決すべきものと決定いたしました。  なお、食糧庁長官から、本法及び附帯決議に従い、慎重且つ適正に実施したい旨発言があつたことを申添えて右報告いたします。(拍手)
  26. 河井彌八

    ○議長(河井彌八君) 別に御発言もなければ、これより本案の採決をいたします。本案全部を問題に供します。本案に賛成の諸君の起立を求めます。    〔賛成者起立〕
  27. 河井彌八

    ○議長(河井彌八君) 総員起立と認めます。よつて本案は全会一致を以て可決せられました。      ─────・─────
  28. 河井彌八

    ○議長(河井彌八君) 日程第七、昭和二十八年産米穀についての超過供出奨励金等に対する所得税の臨時特例に関する法律案(衆議院提出)  日程第八、食糧管理特別会計法の一部を改正する法律案  日程第九、国民金融公庫法の一部を改正する法律案  日程第十、設備輸出為替損失補償法の一部を改正する法律案  日程第十一、日本輸出入銀行法の一部を改正する法律案  日程第十二、信用金庫法の一部を改正する法律案(いずれも内閣提出、衆議院送付)  以上六案を一括して議題とすることに御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  29. 河井彌八

    ○議長(河井彌八君) 御異議ないと認めます。先ず委員長の報告を求めます。大蔵委員長大矢半次郎君。    [大矢半次郎君登壇、拍手〕
  30. 大矢半次郎

    ○大矢半次郎君 只今議題となりました六つの法律案二つきまして、大蔵委員会における審議の経過及びその結果について御報告いたします。    〔議長退席、副議長着席〕  先ず、昭和二十八年産米穀についての超過供出奨励金等に対する所得税の臨時特例に関する法律案について申上げます。  本案は衆議院議員内藤友明君外二十四名から提案されたものでありまして、その内容を簡単に申上げますと、昭和二十八年産米につきまして、前年同様、早期供出奨励金、超過供出奨励金等に対する所得税を免除すると共に、特別指定業者による特別集荷米に対しましても、奨励金に相当する金額については、昭和二十八年分又は同二十九年分の所得の計算上、所得税法の総収入金額に算入しないことといたそうとするものであります。  本案審議においては、衆議院における今回の予算修正に伴つて支出される行当り八百円の供米完遂奨励金については所得税が免除されることとなる等の種々熱心なる質疑応答が交わされたのでありますが、その詳細は速記録により御承知願いたいと存じます。  質疑を終了し、討論、採決の結果、全会一致を以て原案通り可決すべきものと決定いたした次第であります。  次に、食糧管理特別会計法の一部を改正する法律案について申上げます。  現在、昭和二十七年法律第百五十八号、食糧管理法の一部を改正する法律によりまして食生活改善のため、小学校における児童の給食用の麦等は、農林大臣の定める特別の価格を以て売渡すこととなつており、このために食糧管理特別会計に生じた不足金は、他の不足金と共に、一般会計から繰入金をして補填する立法措置をその都度講じて来たのであります。然るに、現状におきましても、給食用の麦等の特別価格の制度はなお必要であると考えられ、従つて今後も食糧管理特別会計に損失を生ずることとなりますので、本案は、当分の間、この損失を補填するため、予算の定める金額の範囲内において一般会計より繰入金をすることができる旨の規定を新たに設けようとするものであります。なお、只今審議中の昭和二十八年度予算案には、この繰入金といたしまして十五億六千六百二十三万五千円が計上されております。  本案は衆議院において修正議決されたのでありますが、その修正点を申上げますと、昭和二十八年度予算案に対する衆議院の修正に伴い、食糧証券の増発が必要となりますので、この会計の負担に属する証券、借入金及び一時借入金の限度額二千二百億円を二千四百億円に引上げる点であります。  本案の審議に当りましては、衆議院修正案について説明を聴取いたし、食糧証券発行限度引上げの理由、今次水害による今後の食糧輸入計画等について質疑応答が交わされましたが、その詳細は速記録によつて御承知願います。  次いで討論に入り、別段の発言もなく、採決の結果、全会一致を以て衆議院送付案の通り可決すべきものと決定いたした次第であります。  次に、国民金融公庫法の一部を改正する法律案について申上げます。  国民金融公庫は、昭和二十四年六月、資本金十三億円を以て発足して以来、その後数次に亘つて増資を行うと共に、資金運用部資金の導入に努め、昭和二十七年度末においては、資本金百三十億円、資金運用部借入金六十億円の資金量を保有するに至り、貸付額累計も約三百七十億円に達しているのであります。昭和二十八年度におきましても、公庫に対する資金需要は相当多額に上ることが予想せられますので、昭和二十八年度予算において一般会計から四十五億円を公庫に出資することとし、これに伴つて資本金の規定を改正いたそうとするものであります。(「議長、定足数不足ですよ」と呼ぶ者あり)これにより、昭和二十八年度においては、出資金四十五億円及び資金運用部借入金三十五億円、計八十億円の新規資金のほか、既往貸付金の回収金百七十九億円を加えて、二百五十九億円の資金のうち、約十一億円を資金運用部に返済して、なお約二百四十八億円の貸付が可能となるのであります。而して公庫の資本金の増大に伴い、公庫の業務を一層円滑に行う必要がありますので、次の諸点について改正をいたそうとするものであります。即ち事務所の設置に関する制限規定を削除すると共に、公庫の役職員の身分について、先に国家公務員法の適用から除外したのでありますが、今回更にその退職手当につきましても国家公務員法の例によらないこととすると共に、国家公務員共済組合法の適用を除外することとし、所要の規定を設けようとするものであります。  本案審議に当り、各委員より熱心な質疑がなされたのでありますが、その主なる点は、国民金融公庫の支所設置の予定及びそれに伴う経費の問題、公庫の役職員に対する退職手当の支給の基準に関する問題等でありますが、詳細は速記録により御承知願いたいと存じます。  次いで討論に入り、野溝委員より、国民金融公庫は国民に非常に喜ばれている金融機関であるので、なお一層その内容を充実し、機能を十分に活用することを希望する旨の賛成意見が述べられ、採決の結果、全会一致をもつて原案通り可決すべきものと決定いたした次第であります。  次に、設備輸出為替損失補償法の一部を改正する法律案について申上げます。  先ず今回の改正の要点について申上げますと、改正の第一は、政府が設備輸出者に対して為替損失補償契約を締結することができる対象は、現行法におきましては、重要物資の輸入市場を国際収支上有利な地域に開拓し、又は国際収支上、より有利な地域へ転換することに役立つと認められる場合の設備の輸出に限定しておるのでありますが、今回これをすべての設備輸出に拡張しようとすることであります。改正の第二は、最近の設備輸出の実情から見ますと、契約時から代金の回収時までの期間が極めて長期に亘るものが多いのであります。又、今回の日本輸出入銀行法の一部を改正する法律案によりますと、日本輸出入銀行の設備輸出に対する融資期限が延長されることとなつておりますので、これに合せるため、政府が締結できる補償契約の期間の限度を、現在の五年から十年に延長しようとすることであります。改正の第三は、補償契約の対象の拡張により、補償契約締結額が増大することが予想されますので、政府が締結する補償契約の締結総額の限度を、現在の百億円から二百億円に引上げることといたそうとするのであります。  本案につきましては別段の質疑もなく、討論、採決の結果、全会一致を以て可決すべきものと決定いたした次第であります。  次に、日本輸出入銀行法の一部を改正する法律案について申上げます。  先ず本改正案の内容を申上げます。改正の第一は、海外投資に対する金融であります。即ち海外投資の促進を図り、我が国プラント輸出の行き詰りを打開する対策として、今回、海外投資を通じて我が国の輸出振興、輸入市場の開拓、若しくは輸入市場の転換のために必要と認められる場合に、日本輸出入銀行は資金の貸付を行うことができることとし、その融資期限は、原則としては十年、特別の事由があるときは十五年に延長することができるようにいたそうとするのであります。又、我が国業者が海外で生産事業のための設備の新設又は拡充を行う場合にも、海外投資の場合に準じて所要資金を供給し得ることといたそうとするのであります。改正の第二は、輸出金融業務の範囲の拡張であります。現行法では、日本輸出入銀行は、設備の輸出のために必要な資金の融資を行なつておりますが、今回、設備以外の製品であつても、その輸出が我が国の輸出市場の開拓若しくは確保又は輸入市場の転換に特に緊要な場合には、その輸出のための資金を日本輸出入銀行の融資対象に加えようとするのであります。又輸出振興のため特に緊要な場合には、輸出契約の締結前であつても、売りさばきの見込が確実であるとき及び設備等の輸出に関して入札保証金が必要であるときにも融資することができるようにいたそうとするのであります。改正の第三は、輸入金融業務の拡張であります。即ち、日本輸出入銀行が融資し得る輸入前払金の使途の制限を緩和し、現地における事業の拡充に充てられる場合のほか、前払金をしなければ輸入が著しく困難となる場合にも融資することができることといたそうとするのであります。改正の第四は、日本輸出入銀行の単独融資であります。即ち、これまでは日本輸出入銀行は市中銀行との協調融資の原則によつてしか融資を行い得なかつたのでありますが、今回特別の事由があるときにはその例外を認めることといたそうとするのであります。又、一般輸出入金融の融資期限を、特別な事由がある場合、最長十年まで延長し得ることとし、その他、日本輸出入銀行が外国為替業務を大蔵大臣の認可を受けて営むことができることにいたそうとするのであります。なお、以上の改正をいたすに伴いましてこの際、日本輸出入銀行が設立後五年を経過したあとは、新規融資を行なつてはならない旨の制限を除こうとするのであります。  本案審議に当り、日本輸出入銀行山際副総裁、全国銀行協会千金良会長、日本機械工業会倉田会長及び造船工業会丹羽会長より、日本輸出入銀行の現状並びにプラント輸出の実績及び見通し等について、詳細なる意見を聴取する等、慎重に審議いたしたのでありますが、今質疑の主なるものを申上げますと、「日本輸出入銀行の六月末融資残高は五十六億二千万円であり、百五十八億八千万円の余裕金があるが、このうち食糧証券に百五十億円を運用している。このような現状で、将来果してこれだけの資金を必要と考えているのか」との質疑に対して、「今後設備輸出に百五十億、東南アジア開発に七十億、輸入金融に二十億円を予定しているので、日本輸出入銀行の使命からしてこれだけの資金を必要と考える」との答弁がありました。又「今回の改正案によると、日本輸出入銀行はいわゆる協調融資の原則から一歩、踏み出して単独融資をも行い得ることとなり、又プラント以外の製品についても輸出金融を行うことになるのであるが、これらの点について一般普通銀行の業務と競合する懸念はないか」との質疑に対しては、「日本輸出入銀行の運用をルーズに行えば一般銀行の貿易金融と競合する面もあるが、この点については日本輸出入銀行の使命からして厳格に運用して行きたい。又製品融資は輸出先の代金支払が長期に亘るもの、その他、条件が悪く、一般銀行の融資対象になりにくいものについてだけ行う」旨の答弁がありました。その他詳細は速記録によつて御承知願います。  次いで討論に入り、小林委員より附帯決議案が提出され、その附帯決議を委員会の決議とすることを条件として賛成する意見が述べられたのでありますが、決議案の要旨を申上げますと、  一、日本輸出入銀行の行う輸出金融業務は、同行の本来の使命に鑑み、極力設備輸出に関する金融に重点を置いて運営するものとし、例外的に設備以外の製品に対する輸出金融を行う場合においても、例えば設備に附随する原材料、設備に準ずる製品その他日本輸出入銀行の融資によるのほか、他に金融の途がない場合に局限するものとすること。  二、日本輸出入銀行の行う融資は、極力市中銀行との協調融資によるべきものとし、例外的に単独融資による場合においても、同行の単独融資によらなければ他に金融の途がないとして市中銀行より依頼のあつた場合に局限するものとすること。  三、日本輸出入銀行の余裕金は本年六月末百六十億円に達し、正に同行は開店休業の状況というも過言でない。輸出振興は我が国の至上命令なるも、貴重なる財政資金を無為にプールしおくことは許さるべきでない。二十八年度補正予算編成の際、依然として今日のごとき状態であるならば、同行の在り方に抜本塞源的な検討を加えて新たなる構想を樹立すべきである。当面の措置として、余裕金は、つとめて貿易金融に直接関連ある方面に運用するよう配意すること。であります。  次いで菊川委員より、小林委員の附帯決議案を決議することを条件として賛成するが、朝鮮の休戦会談が成立し、中国に市場を求めて各国が進出することが予想される。日本は中国に設備輸出をしなければならないが、米国から日本の中国輸出に対する干渉が当然あると思うが、このような政治勢力に屈伏することなく、日本輸出入銀行の幹部はその運営に当られることを希望するとの意見が述べられました。  採決の結果、全会一致を以て原案通り可決すべきものと決定し、又小林委員提出の附帯決議案の採決の結果、全会一致を以て可決いたした次第であります。  次に、信用金庫法の一部を改正する法律案について御報告申上げます。  先ず本案の提案理由並びに内容について申上げます。信用金庫法は、第十国会で制定され、信用協同組合のほかに同じく協同組織による信用金庫の制度が確立され、中小金融の機関として活動しておるのであります。信用金庫という名称は、法律を以て信用金庫についてこれを使用することとされており、これ以外のものは信用金庫たることを表示するような文字を使用することはできないこととなつておるのでありますが、最近において、資金の融通を業とする者が金庫という文字をその名称中に用いている例が増加しておるのであります。これらのものは預金の受入れを行うことはできないのでありますが、金庫という文字をその名称中に用いることによつて、あたかも預金の受入れをも行う金融機関であるかのごとき印象を一般公衆に与えているのでありまして、これがため社会一般に弊害を及ぼす虞れが生じて参つたのであります。よつて、預金の受入れを行う金融機関と、それ以外の単なる資金の融通を行う者の限界を明らかにすることが、金融秩序の維持を図るために肝要であると思われますので、資金の融通を業とする者に対し、法律により使用する場合を除くほか、その名称中に金庫という文字を使用することを禁止いたそうとするのでありまして現に金庫という文字を使用しているものにつきましては、本法施行後六カ月間はなお従前の例によることにいたそうとするのであります。  なお、本案は衆議院において修正議決せられたのでありますが、その要旨は、第一に、政令で定める投資を業とするものに、金庫の名称使用を禁止することにしようとする点であり、第二は、総会の決議取消等について商法と信用金庫法との重複規定を整理しようとする点であります。  本案の審議に当りましては、熱心なる質疑応答が交されましたが、その詳細は速記録によつて御承知願います。次いで討論に入り、採決の結果、多数を以て衆議院送付案通り可決すべきものと決定いたした次第であります。  以上御報告申上げます。(拍手)    〔須藤五郎君発言の許可を求む〕
  31. 重宗雄三

    ○副議長(重宗雄三君) 須藤五郎君。
  32. 須藤五郎

    ○須藤五郎君 議事進行について。余り議場に出席が少いと思うのです。ですから、もう時刻も時刻でありますから、この辺で採決に先だつて休憩されんことの動議を提出いたします。(「休憩休憩」「定足数不足」と呼ぶ者あり)
  33. 重宗雄三

    ○副議長(重宗雄三君) 暫時休憩いたします。    午後一時一分休憩      ―――――・―――――    午後四時十四分開議
  34. 河井彌八

    ○議長(河井彌八君) 休憩前に引続き、これより会議を開きます。  これより日程第七から第十二までの六案を採決いたします。  先ず、昭和二十八年産米穀についての超過供出奨励金等に対する所得税の臨時特例に関する法律案、食糧管理特別会計法の一部を改正する法律案、国民金融公庫法の一部を改正する法律案、設備輸出為替損失補償法の一部を改正する法律案、日本輸出入銀行法の一部を改正する法律案、以上五案全部を問題に供します。五案に賛成の諸君の起立を求めます。    〔養成者起立〕
  35. 河井彌八

    ○議長(河井彌八君) 総員起立と認めます。よつて五案は全会一致を以て可決せられました。      ―――――・―――――
  36. 河井彌八

    ○議長(河井彌八君) 次に、信用金庫法の一部を改正する法律案全部を問題に供します。本案に賛成の諸君の起立を求めます。    〔養成者起立〕
  37. 河井彌八

    ○議長(河井彌八君) 総員起立と認めます。よつて本案は全会一致を以て可決せられました。      ―――――・―――――
  38. 河井彌八

    ○議長(河井彌八君) 日程第十三、学校教育法等の一部を改正する法律案、  日程第十四、公立学校施設費国庫負担法案、(いずれも内閣提出、衆議院送付)  以上両案を一括して議題とすることに御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  39. 河井彌八

    ○議長(河井彌八君) 御異議ないと認めます。先ず委員長の報告を求めます。文部委員長川村松助君。    〔川村松助君登壇、拍手〕
  40. 川村松助

    ○川村松助君 只今議題となりました二法案につきまして、文部委員会におきまする審査の経過並びに結果を御報告申上げます。  先ず、学校教育法等の一部を改正する法律案についてでありますが、本法律案は、学校教育における教材として重要な使命を持つている教科用図書の検定を文部大臣において行うこととするため、学校教育法を初め、教育委員会法、私立学校法及び文部省設置法など、関係法律の一部について改正を加えるほか、若干の規定を整備することを内容といたしております。  本案に対しましては、文部委員会は慎重審議いたしましたが、次にその質疑応答の主な点を申上げます。  第一に、教科書の検定権を文部大臣一本に集中することは、教育の非民主化であり、逆コースではないかという質問がありましたが、政府からは、決してさような意図はないのであつて、都道府県教育委員会をして教科書の検定を行わしめることは、事務機構等の不備から事実上無理であり、又教育委員会等が検定を行う場合には、教科書の地方色が強くなり過ぎて教育上の不便も予想されるので、実情に合せるために法の整備をするだけのことであるという答弁がございました。  第二に、文部大臣が検定を行う場合、如何なる手続で行うかとの質問に対しましては、従来から法律に定められておる教科用図書検定調査審議会に諮り、その答申に基いてやつておること、この審議会は全国から選ばれた五十四名の教育関係者その他から成つておる極めて民主的な機関であるから、呼来もかような制度を尊重して行きたい旨の答弁がありました。  討論におきましては、検定権を文部大臣一本に持つて行くことは実情において止むを得ない点があるが、一方、やり方によつては逆コースを歩む危険性もあるので、慎重を期して欲しい旨、相馬委員から賛成討論があり、又深川委員からも賛成の討論がございました。更に須藤委員、荒木委員からは、それぞれ教科書にその地方の特色を盛り込んで、その土地に合つた教科書ができることは、教育上望ましいことであるにもかかわらず、その検定権を文部大臣一本に集中することは、反動化の危険があるという反対討論がございました。  次いで採決の結果、本案は多数を以て可決すべきものと決定いたしました。  次に公立学校施設費国庫負担法案について御説明申上げます。  本法案は政府の提出にかかるものでありますが、衆議院において修正議決となつたものであります。先ず、この送付案についてその趣旨を御説明申上げます。  公立学校の施設については、災害復旧及び戦災復旧並びに義務教育年限の延長に伴う施設の整備に要する経費は、地方公共団体において多額の支出をいたしておりますが、国におきましても又予算措置によつて一部を負担して参りました。併し、この経費の国庫負担の法的根拠については、ただ地方財政法に規定いたしておるのみで、その負担率については、従来明確なる規定が設けられていなかつたわけであります。本法案は、これら国庫負担の負担率その他負担に関する諸事項をば法律を以て明確にいたそうとするものであります。  次に本案の内容について申上げます。第一に、公立学校の施設の災害復旧事業に要する経費について国が負担する割台はすべて三分の二、戦災復旧についてはすべて二分の一、又義務教育年限の延長に伴う公立学校の施設の建設の場合は二分の一といたしております。第二は、これらの経費の算定基準でありますが、災害復旧又は戦災復旧は、政令で定める基準により原形に復旧するものとして算定することにいたしております。又義務教育年限の延長に伴う施設の建設に要する経費は、その教育を行うのに必要な最低限度の児童及び生徒一人当りの坪数を基準として算定することにいたしております。第三には、経費の種目、その他者事業費の決定、負担金の還付等につきまして所要の規定を設けております。  次に、委員会の審議における質疑応答によつて明らかになりました主な点について申上げます。第一に、教育を行うのに必要な施設の最低限度の児童及び生徒一人当りの坪数については、政府は一・二六坪を基準といたしたいという答弁がありました。第二に、本法案は、国庫負担の場合、全国各地を画一的に取扱うので、悪平等となる虞れがあるが、地方差を認める意思はないかとの質問に対し、工事費の単価等については地方差を認めるが、その他には認めないとのことでありました。その他質疑応答の詳細につきましては速記録に譲ることといたします。  かくて討論に入りまして相馬委員、深川委員、高橋委員、須藤委員、木村委員より、それぞれ賛成の意見が表明せられました。賛成者の発言内容の主なる点は、災害地における公立学校施設に対しては、国は全額負担の途を講ぜられたいこと、又、災害地等における校舎の復旧は、単に原形復旧にとどまることなく、鉄筋造り等、地方の実情に即応して行われたいこと、及び校舎のみならず、校地をも負担の対象として確保できるようにとの要望がありました。  かくて採決に入り、衆議院送付案は全会一致を以て可決すべきものと決定いたしました。  なお、荒木委員より次のような附帯決議を行う動議が提出され、委員会は全会一致を以てこれを可決いたしました。附帯決議の内容は次の通りであります。   (一)災害復旧及び戦災復旧に要する経費の算定定基準を政令で定めるにあたつては、従来の基準によることなく、とりあえず少くとも最低基準までの復旧を実現するとともに、さらに将来は原形復旧が実現されるよう考慮すること。   (二)災害復旧の国庫負担率は三分の二であるが、災害の地域及び災害の種類並びにその程度によつてはこの率を更に引上げることを考慮すること。   (三)災害復旧の適用除外の限度額を政令で定めるにあたつては、建物、建物以外の工作物、土地及び設備についてそれぞれ十万円とすること。   (四)義務教育年限の延長に伴う公立学校の施設の建設に要する経費の算定基準としての教育を行うに必要な最低限度の坪数については、現行の生徒一人当り〇・七坪は、単に終戦直後の暫定措であるから、中学校の校舎については補正付一・二六坪、盲学校及びろう学校の校舎については二・八八坪及び寄宿舎については五・〇〇坪迄、速かにその基準の引上げが実現できるよう措置することとし、又衆議院送付案の附則第三項第一号の児童及び生徒の数を政令で定めるにあたつては、これをその年度当初現在の児童及び生徒の数とすること。   (五)積雪寒冷湿潤地帯の中学校の外、速やかに小学校、盲学校及びろう学校の屋内運動場についても予算措置を講ずること。   (六)公立諸学校の国庫負担金の予算については、防火地域外にも鉄筋造(鉄骨造を含む)が建できるよう措置すること。   (七)以上の公立学校の施設の整備については、教育の重要性にかんがみ、合理的年次計画をたてて速やかに完了するよう予算措置すること。 以上を以て御報告といたします。(拍手)
  41. 河井彌八

    ○議長(河井彌八君) 別に御発言もなければ、これより両案の採決をいたします。  先ず、学校教育法等の一部を改正する法律案全部を問題に供します。本案に賛成の諸君の起立を求めます。    〔賛成者起立〕
  42. 河井彌八

    ○議長(河井彌八君) 過半数と認めます。よつて本案は可決せられました。      ―――――・―――――
  43. 河井彌八

    ○議長(河井彌八君) 次に、公立学校施設費国庫負担法案全部を問題に供します。本案に賛成の諸君の起立を求めます。    〔賛成者起立〕
  44. 河井彌八

    ○議長(河井彌八君) 総員起立と認めます。よつて本案は全会一致を以て可決せられました。      ―――――・―――――
  45. 河井彌八

    ○議長(河井彌八君) 日程第十五、総理府設置法の一部を改正する法律案、  日程第十六、恩給法の一部を改正する法律案、  日程第十七、昭和二十七年十月三十一日以前に給与事由の生じた恩給等の年額の改定に関する法律案、  日程第十八、元南西諸島官公署職員等の身分、恩給等の特別措置に関する法律案、(いずれも内閣提出、衆議院送付)  以上四葉を一括して議題とすることに御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  46. 河井彌八

    ○議長(河井彌八君) 御異議ないと認めます。先ず委員長の報告を求めます。内閣委員長小酒井義男君。    〔小酒井義男君登壇、拍手〕
  47. 小酒井義男

    ○小酒井義男君 只今議題となりました総理府設置法の一部を改正する法律案について、内閣委員会における審査の経過並びに結果を御報告いたします。  政府が本法律案の提案の理由として説明するところは次の通りであります。今国会に政府から別途提案した恩給法の一部を改正する法律案が成立し、これが公布施行せられ、旧軍人軍属及びその遺族に恩給が給せられるようになれば、これら受給者の数は二百四十六万人の多数に達し、これらの人々に関する恩給事務は相当量の事務であるばかりでなく、その裁定のための審査及び各種具申、訴願等の複雑な事務を伴い、而もこれらの事務は急速に処理しなければならない性質のものである。従つて、このような多量にして複雑、而も急速に処理しなければならないような事務を処理する等のため、本年度において総理府恩給局に、職員八十名、臨時雇七百二名、計七百八十二名の新規増員をなす予定をしている次第であるが、かかる多数の職員を統御し、複雑、大量の事務を急速に処理するためには、局長の下に、新たに次長一人を置き、次長をして、局長を助け、局務を整理せしめ、局長をして局務全般を一層合理的に運営せしめることが必要である。次に、現行の総理府設置法では、大臣官房で管理する図書は、他の各省と異なり、単に大臣官房のみの所管に限られるように規定せられておるので、これを各省なみに改正して、大臣官房以外の図書についても管理し得るように改め、以て総理府における図書資料の整備を図り、その管理の実を挙げる必要がある。  以上が本法律案の提案の理由であります。  内閣委員会は、委員会を一二回開きまして、本法律案の審査に当り、場昨日の委員会におきまして質疑を終り、討論を省略して、直ちに採決に入りましたところ、多数を以て可決すべきものと議決せられました。  次に、恩給法の一部を改正する法律案につきまして、内閣委員会における審査の経過並びに結果について、でき得る限り詳しく御報告いたします。(「簡単」と呼ぶ者あり)  恩給法の一部を改正する法律案は内閣より提出せられだものでありますが、過般、衆議院において、その一部に修正が加えられましたので、その修正せられたものが本院において審査の対象となつておる原案であることを、先ず以て御承知おき願いたいのであります。  説明の順序といたしまして、先ず、政府の提案の理由、次に、この政府原案の内容、最後に、この政府原案に対する修正案の内容を順次御説明いたします。  先ず政府の提案の理由として説明するところを御報告いたします。  昭和二十年十一月二十四日、連合国最高司令官から、「恩給及び恵与」と題する覚書が発せられ、これを実施するために恩給法の特例に関する件が制定され、昭和二十一年二月一日、勅令第六十八号を以て公布、即日施行せられたのであるが、この勅令によつて、その第一条に規定せられた旧軍人軍属及びその遺族の傷病恩給以外の恩給は廃止せられ、その傷病恩給は一定条件の下に制限支給せられることになつて、今日に至つたのである。これら旧軍人軍属及びその遺族に対しては、今次大戦の終りに至るまでは、一般公務員及びその遺族と同じく、恩給が給されていたのであつて、これらの人々の入が恩給を給されなくなつたのは、全く右覚書によるものである。平和条約が発効し、我が国の独立をみるに至つた今日、なお、このような状態に放任し、旧軍人軍属及びその遺族の恩給の廃止及び制限を焼けることは好ましくないことと考えられるのであつて、先に、総理府に設けられた恩給法特例審議会においては、これら旧軍人軍属の恩給に関する重要事項に関し調査審議の結果、国家財政の現状及び国民感情の動向等を勘案し、旧軍人軍属及びその遺族に対し相当の恩給を給すべきものと認め、特に、遺族、重傷病者及び老齢者に重点を置いて、給すべき恩給の内容等を決定し、これを昨年十一月二十二日政府に対し建議したのである。政府は、この建議の趣旨を尊重し、これら旧軍人軍属及びその遺族に対し、曾つて、これらの人々と同じく恩給を給せられていた公務員と恩給の取扱の点において差別しないことを目途としつつ、国家財政の現状を考慮し、本年度予算の許す範囲内において恩給を給することといたそうとするのが、この法律案の趣旨の主要な第一点である。  次に、現行恩給制度は、終戦以来、今日まで、たびたび改正をされたのであるが、これらの改正は、いずれも、旧軍人軍属及びその遺族の人々の恩給が廃止又は制限されている現実の下に行われたのであつて、若しも、仮りに、旧軍人軍属及びその遺族の恩給が今日のごとく廃止又は制限されていなかつたとしたならば、国家財政等から考えても、当然、現行恩給制度の実体は相当改変されたのであつたろうと考えられる。従つて、このたび旧軍人軍属及びその遺族に対して恩給を給しようとするに伴い、国家財政の現況、国民感情その他の諸種の事情を考慮に入れて、現行恩給制度に対し若干の改正を加えることといたそうとするのが、この法律案の主要な第二点である。  なお、右のほか、制度の改正等に伴い、恩給法に若干の改正を加えようとするのである。  以上が、この法律案の提案理由として政府の説明するところであります。  次に、右政府提出の原案につきまして、その改正の主要な事項について説明を申上げたいと存じます。  第一は、本法律案の本則に関する部分でありましてこの本則は、一般公務員にも旧軍人軍属にも適用される規定であります。以下順を追つてこの本則の改正点を御説明いたします。  改正の第一点は、今後在職年に対する加算は廃止し、恩給の基礎在職年は実在職年のみを以て計算することとし、ただ、すでに恩給を給されている者、及びこの法律施行の際、現に在職している者の、この法律施行後六カ月までの在職年につきましては、従来通りの取扱をいたしておるのであります。  その第二点は、現行恩給法においては、公務員の外国勤務の実勤続在職年が十七年を超える場合並びに警察監獄職員及び教育職員の勤続在職年が普通恩給所要最短在職年限を超える場合においては、普通恩給年額を計算する場合に、その超える年数に応じ、通例の場合に比し若干の恩給加給の取扱をすることになつておるのでありますが、この際、この取扱を廃止し、ただ、すでに退職してこの加給を受けている者、及びこの法律施行の際、現に在職している者の、この法律施行後六カ月までの在職年につきましては、従来通り加給することといたしておるのであります。  その第三点は、現行恩給法においては、普通恩給は、これを受ける者が四十才未満の場合はその全額、四十才以上四十五才未満の場合はその半額、四十五才以上五十才未満の場合はその三割の額が停止されることになつているのでありますが、この改正により、右年齢を五才ずつ引上げることとし、ただ、現に普通恩給を受けている者及びこの法律施行後六カ月以内に退職する者につきましては、従来通りの停止にいたしておるのであります。  その第四点は、現行恩給法におきましては、恩給年額が六万五千円以上で、恩給外の所得年額が三十三万円を超える場合には、恩給年額と恩給外の所得年額との合算額に応じて普通恩給年額の一部を停止することとなつておるのでありますが、この改正により、右金額を若干引上げることとし、恩給年額八万円以上で、恩給外の所得年額が四十六万円を超えるものについて、従来の方法に準じて、恩給金額の一部を停止することといたしておるのであります。  その第五点は、現行恩給法では、いわゆる公務傷病恩給又は公務扶助料につきましては、従来、特殊公務による場合と普通公務による場合とに区別しているのでありますが、この改正により、この区別を廃止いたしておるのであります。  その第六点は、現行恩給法におきましては、増加恩給年額は、退職当時の俸給年額に傷病の程度により定めた一律の割合を乗じて計算することになつているのでありますが、この改正により、軍人恩給廃止制限当時の恩給法の例にならい、退職当時の俸給年額により数個の区分を設け、この区分ごとに傷病の程度により定めた定額の増加恩給を給することとし、その年額は、傷病の程度の高い者に割よく、又、同程度の傷病者については、俸給年額の少い者ほど割よくなるようにいたしておるのであります。  その第七点は、現行恩給法におきましては、公務扶助料年額は普通扶助料年額に一律の割台を乗じて計算することとなつているのでありますが、この改正により、軍人恩給廃止制限当時の恩給法の例にならい、公務員死亡当時の俸給年額により数箇の区分を設け、その区分ごとに定めた割合を普通扶助料の年額に乗じて計算することとし、その割合は、俸給年額の少い公務員の遺族ほど割よくなるようにいたしておるのであります。  その第八点は、現行恩給法におきましては、公務傷病者に対しては、特別項症及び第一項症から第七項症までの増加恩給並びに第一款症から第四款症までの傷病年金が、年金たる恩給として給されているのでありますが、この改正により、第七項症以下の傷病者に対しましては、一時金たる傷病賜金を給することといたしておるのであります。  第二は附則に関する部分でありまして、この附則は主として旧軍人軍属及びその遺族の恩給に関する事項について規定されているのであります。  以下順を追つてこの附則の改正点を御説明いたします。  その第一点は、旧軍人軍属又はその遺族に今後給する普通恩給及び扶助料につきましては、改正後の恩給法の趣旨により、実在職年によつて計算した基礎在職年と退職当時の俸給年額をいわゆるベース・アップした仮定俸給年額とによつて恩給年額を計算することとし、ただ、すでに軍人恩給廃止制限前に恩給を給せられ、恩給を以てその生酒の資に供していた人々に対しましては、実在職年のみを以て計算し、恩給年限に達しない場合においても、恩給を給することといたし、その金額は、最短在職年限の場合に給される恩給金額から、その年限の不足する年数に応じ、一定の割合を以て減額したるものとすることとし、又軍人恩給廃止制限当時恩給を給されていなかつた者に対しましては、その恩給の基礎在職年に算入される旧軍人軍属としての在職年は、原則として旧軍人軍属としての引続く七年以上の実在職年に限ることといたしておるのであります。  その第二点は、旧軍人軍属又はその遺族の一時恩給又は一時扶助料につきましては、引続く実在職年が七年以上、普通恩給所要最短在職年限未満の者又はその遺族にこれを給することとし、又、兵たる旧軍人又はその遺族に対しては、従来一時恩給又は一時扶助料は給せられていなかつたのでありますが、この改正により、これらの者に対しましても一時恩給又は一時扶助料を給することといたしておるのであります。  その第三点は、公務傷病者たる旧軍人軍属は、昭和二十一年勅令第六十八号恩給法の特例に関する件によつて、現在増加恩給第六項症以上の症状の者は増加恩給のみを、又それ以下の症状の者は傷病賜金を給されておるのでありますが、この改正により、他の公務員と同じように、これらの者に対し、改正後の恩給法の規定により増加恩給又は傷病賜金を給し、増加恩給を給する場合には普通恩給を併給することとし、又、下士官目下の軽度傷病の旧軍人で傷病賜金第一目症及び第二日症に該当する者には、その傷病程度に応ずる傷病賜金を給することといたしておるのであります。  その第四点は、すでに退職し又は死亡した一般公務員又はその遺族のうちには、今述べました勅令第六十八号により、旧軍人軍属としての在職年を除算されて、少い額の恩給を受け、又は恩給を受ける権利を失つた者も少くないと思われますが、この改正により、これらの者については、旧軍人軍属としての在職年を通算して新たに恩給を給し、又は現に受ける恩給を改訂することといたしておるのであります。  その第五点は、連合国最高司令官により抑留又は逮捕せられ有罪の刑に処せられた考及びその遺族は、先の勅令第六十八号により、現在恩給を受ける権利又は資格を失つておるのでありますが、この改正により、旧軍人軍属その他一般公務員及びこれらの者の遺族の例により、恩給を受ける権利又は資格を与えることとし、ただ、現に拘禁中の者につきましては、この際、その支給を停止することといたしております。  その第六点は、この法律は本年八月一日から施行されることとなつていますが、旧軍人軍属及びその遺族等に給される年金恩給につきましては、実質的に本年四月分から給されたと同じことになるような取扱をすることといたしております。  その第七点は、ソ連その他の外地に抑留されたまま未だ帰還していない人々に対しましては、その留守家族の実情に顧み、この際、一定の条件の下に恩給を給し、当該留守家族の請求に応じて支給するようにいたしております。  以上が政府提出原案によつて改正せられる主な点であります。  次に、政府原案に対する衆議院の修正案の内容を御説明いたします。衆議院における修正の主なるものは、次の四点であります。  第一点は、兵長以下の階級差をなくし、これを兵一本にまとめ、その仮定俸給年額は兵長と同額にすることとし、附則別表第一及び同第三を修正しておる点であります。  第二点は、第七項症及び第一激症乃至第四款症を設け、第七項症には増加恩給を給することとして附則別表第四を設け、第一款症乃至第四款症には傷病年金を給することとして附則別表第五を設け、又傷病年金と傷病賜金とについて選択を認めることとし、これらの規定は明年四月一日から施行することといたしておる点であります。  第三点は、増加恩給を受ける者の妻に対しましても、扶養家族加給を給することにいたしておる点であります。  第四点は、遺族のうち、父母、祖父母が婚姻しましても同一戸籍内にある場合に限つて、その扶助料を受ける資格又は権利を認めることにいたしておる点であります。  内閣委員会は、本法律案につきまして委員会を六回開き、この間、参考人八名の出席を求めまして、本法律案に対する意見を聞く等、極めて慎重に審査を重ね来たつたのでありますが、その審査において明らかになつた主なるものを次に御報告いたしておきます。  その第一点は、恩給関係の予算の点であります。本年度予算に旧軍人等の恩給費として計上されました金額は四百五十億円であります。その内訳は、普通恩給二十九億二千六百五十万円、増加恩給二十二億六千五百万円、公務扶助料即ち戦没者の遺族等に給せられる扶助料三百六十九億一千五百万円、普通扶助料即ち普通恩給受給資格者が在職中死んだ場合その遺族に給される扶助料十一億九千九百二十五万円であります。以上が年金恩給の金額であり、年金恩給の総額は四百三十三億五百七十五万円であります。今説明いたしました増加恩給と公務扶助料につきましては、これらの恩給を給される者に扶養家族或いは扶養遺族があります場合には、その恩給金額に若干加給される金がありまして、只今説明した年金額はすべてこれらの加給金額を含んだ金額であります。本年度予算に計上されました年金恩給四百三十三億五百七十五万円は、四月分から十二月分までの九カ月間の恩給の経費であります。従つて、一年間即ち平年度経費に引直しました場合におきましては、この金額は更に増大し、即ち、普通恩給は三十九億二百万円、増加恩給は三十億二千万円、公務扶助料は四百九十二億二千万円、普通扶助料は十五億九千九百万円となり、年金恩給の合計は五百七十七億四千百万円の多額になるものと推定されるのであります。  第二点は、旧軍人恩給の受給者の数の点であります。右に説明いたしました年金恩給受給者の推定人員は、普通恩給受給者の推定人員二十万二千人、増加恩給受給者の推定人員四万五千人、公務扶助料受給者の推定人員は百五十万四千人、普通扶助料の受給者推定人員は十七万三千人であり、総計百九十二万四千人であります。又、一時恩給と一時扶助料の受給者の推定人員は十七万八千人であります。普通恩給受給権者のうちで、若年者たるが故にその恩給の全額を停止される者は、右申上げました普通恩給受給者の推定人員のうちには含まれておりません。  その第三は、戦争による犠牲者は、軍人以外に、曾つての国家総動員法に基いて動員された者をはじめ多数の者が存在いたしておるのに、政府はこれらの者に対する社会保障等救済の途を十分講ぜずしてひとり旧軍人のみに対し恩給の面で救済する途を講じておるのは、国の政策として片手落ちではないかとの質問に対し、緒方国務大臣は、これらの人々に対しても別途考慮しておる旨の答弁がありました。  その第四点は、本法律案では加算制度を全面的に廃止しておるが、その廃止は機械的である結果、恩給法第三十八条四の不健康業務に従事する者の中で不合理の結果を招来するものがあるが、政府はこれらの点につき将来適正なる措置を講ずる意向があるかとの質問に対し、政府委員より、甚だしく均衡を失するものについては更に検討する旨の答弁がありました。  この際、附加えて御報告をいたしておきますが、本問題につきましては、運輸委員会及び人事委員会から内開委員長に対して申入れが来ております。その一つを御紹介いたします。    申入書   恩給法の一部を改正する法律案に関する件   昭和二十八年七月二十九日、人事委員会において標記の件に関し左のように決定したので、その実現方について努力せられたく、当委員会の申合せにより申入れる。      記  一、本改正法律案においては、恩給法の第三十一条乃至第四十条の規定を削除することになつているが、その結果、第三十八条以下の不健康業務に従事する公務員、例えば蒸気機関車乗員、炭坑内羽に於ける現業勤務員、結核患者の看護員等に対する在職年数計算加算の制度が全廃せらるることとなつた。政府の理由とするところは、旧軍人等に対する加算を廃止したる関係並びにこの種業務に従事する公務員に対し最近一般よりも割のよい俸給が給せられ、従つて、恩給金額計算の基礎俸給額が増加する事実によるものとしてい   るが、かくの如き給与制度、退職金制度全般に関連して検討すべき事項は、これを法律が予定する綜合的恒久的退職給与制度の制定の際に譲るべきものと認められ、且つ、現在、従事している公務員の待遇を低下すると認められるから、貴委員会におかれては当分の間なほこの制度を存置せらるる様御取計らい願いたい。    昭和二十八年七月二十九日      人事委員長 村尾 重雄    内閣委員長小酒井義男殿  ほぼこれと同様の申入書が運輸委員会からも提出をされておりますが、省略をいたします。  その第五点は、本法律案が成立し、旧軍人に恩給が支給せられた場合、恩給金融の途が適当に講ぜられないならば、受給者は高利金融業者から高い金利を搾取されることになるから、政府においてこの点を十分考慮されたい旨の熱心な希望が多数の委員によつて述べられました。  内閣委員会は、昨日の委員会において質疑終結後、討論の段階に入りましたところ、松原委員より、発議者一同を代表して次の修正案が発議せられました。    恩給法の一部を改正する法律案に対する修正案   恩給法の一部を改正する法律案の一部を次のように修正する。   附則第四条、第六粂第二項及び第七条中「六月」を「八月」に改める。  なお、この修正の理由として、今回改正法律案によつて加算加給の制度が全廃されることとなり、これにより旧軍人以外の一般公務員の加算加給も影響を受けることになる。その結果、不合理な結果を招来するようなものについて、給与の面か又は恩給の面で是正しなければならないと思うが、人事院より国家公務員法に基いて新恩給制度につき政府に勧告し、政府はこれに基いた法案を明年三月までには提案することになると思うので、この時期に接続させるためと、加算加給を受ける人が退職の便宜のためにも、修正案のようにすることが適当と思われる旨松原委員より説明がなされました。  成瀬委員は、修正案を含む原案は、再軍備復活と繋がりを持つこと、原案は、加算の打切りにより失格者を百四十万人も生じ、旧軍人の中にも不公平の存すること、一般多数の戦争犠牲者に対する救済の途が講ぜられずして旧軍人のみを対象にしたること等の理由により、修正案を含む原案に反対する旨、長島委員よりは、旧軍人に対する恩給法の改正は遅きに失しておる、政府は困難なる財政の下において多額の予算を旧軍人恩給に支出するに至つた点に敬意を表し、修正案を含む原案に賛成する旨、松永委員より、本修正案の不健康業務に関する部分に言及し、不健康業務に従事する者に恩給を与うるならば、その者が恩給を受け得られるようにすることが必要であつて、原案は、加算制を機械的に廃止した結果、恩給の精神にも副わない結果を招来することになるが、この点が修正せられることになる故、修正案を含む原案に賛成する旨、竹下委員より、原案は随所に欠点があつて、完全な案とは言い得ないが、旧軍人恩給の復活は、多数の旧軍人、遺族の方々の待ち焦がれておる問題であるが故に、不完全な点は将来の改正に待つこととして、修正案を含む原案に賛成する旨、松原委員は改進党を代表して旧軍人の恩給について加算通算を主張し来たつたが、これが実現しなかつたことは遺憾である、衆議院で一部修正がなされた点は満足する。忠誠な旧軍人に対し、この法律案によつていささか報い得られたが、この支給の事務は親切且つ急速に運ばれんことを当局に要望して原案に賛成する旨、最後に野本委員は、旧軍人恩給を恒久法の性格の恩給法で解決することは、再軍備復活を疑わしむる余地を与えるが故に遺憾である。現行恩給法は、制定以来、改正に改正を重ね、つぎはぎだらけの現状であつて恩給制度、年金制度は、今日再検討すべき段階に達しておると思う。原案で加算制度を機械的に廃止した結果、不健康業務に従事する者が不当な待遇を受けることになる点を政府は十分考慮し、将来適当に善処されんことを望んで、修正案を含む原案に養成する旨のそれぞれの発言がありました。  続いて先ず修正案について、採決をいたしましたところ、多数を以て可決すべきものと決定せられ、最後に修正案を除いた原案について採決いたしましたところ、多数を以て可決すべきものと議決せられました。  次に、昭和二十七年十月三十一日以前に給与事由の生じた恩給等の年額の改定に関する法律案の内閣委員会における審査の経過並びに結果を御報告いたします。  この法律案は内閣より提出せられたものでありますが、過般、衆議院においてその一部に修正が加えられましたので、その修正せられたものが本院において審査の対象となつておる原案であることを御承知おき願いたいのであります。先ず政府が提案の理由として説明いたすところを御報告し、続いてこの政府原案に対する修正案の内容を説明いたします。  恩給は、公務員の退職又は死亡当時の条件に応じて給せられる趣旨から、その金額は退職又は死亡当時の俸給年額を基礎として計算せられることとなつておるので、昨秋、在職公務員の俸給支給水準が引上げられたため、受給者の受ける恩給の中には、支給水準の高い新俸給を基礎として計算された年額の恩給と、支給水準の低い旧俸給を基礎として計算された年額の恩給とができ、同じような官職にあつた者の恩給の間においても、その退職の時期によつて差異を生じておるが、このようなことは恩給制度の趣旨に鑑み好ましくないことと考えられるので、旧俸給を基礎として年額を計算された恩給について、国家財政等を考慮し、本年十月分の恩給から、従来の恩給年額改定の方法に準じて増額改定をせんとするものであつて、この法律案の第一項から第三項までの規定並びに別表第一から第三までの規定がこれに関するものである。なお、本改定に伴い、恩給法の一部を改正する法律案によるいわゆる普通恩給の若年停止に関する規定の適用、その他、同法律案中不要となる規定の削除に関して規定せんとするものであつて、この法律案の第四項及び附則第二項の規定がこれに関するものである。以上が政府の提案理由であります。  次に政府原案に対する衆議院の修正案の内容を御説明いたします。この修正案は、恩給法の一部を改正する法律案の修正に伴う機械的修正でありまして、即ち、恩給法の一部を改正する法律案においては、第七項症の増加恩給並びに傷病年金は、今後、旧軍人軍属及び準軍人には年金として給せられず、従つて女官の従来のこれらの年金は、ただ単に経過的に認める建前を以て立案され、従つてこれらの年金恩給はベース・アツプされないことになつていたのであります。ところが、先の修正案によつて、旧軍人軍属及び準軍人にもこれらの年金を給することになり、従来の文官のこれらの年金も認められることになりましたので、これらの年金については他の年金と同様ベース・アップの取扱をいたしておるのが修正の第一点であります。次に、恩給法の一部を改正する法律案の修正に伴う引用条文の繰下げ等に伴う字句の修正、及び同法律案の修正により追加された別表で、この法案の実施により不要となるものを削除する等の措置をいたしておるのが修正の第二点であります。  内閣委員会は、委員会を三回開きまして本法律案の審査に当り、昨日の委員会におきまして質疑を終了し、討論を省略して直ちに採決に入りましたところ、全会一致を以て可決すべきものと議決せられました。  次に、元南西諸島官公署職員等の身分、恩給等の特別措置に関する法律案につきまして、内閣委員会における審査の経過並びに結果を御報告いたします。  この法律案は、政府の提出にかかるものでありますが、過般、衆議院においてその一部に修正が加えられましたので、その修正を含んだものが原案であることを先ず御承知おき願います。  先ずこの法律案の提案の理由として政府の説明するとにろを御報告し、次にこの法律案の要点を御説明いたします。  北緯二十九度以南の南西諸島については、昭和二十一年一月二十九日附連合軍総司令部の「若干の外かく地域を政治上行政上日本から分離することに関する件」と題する覚書により、同日以降、我が国はこれらの地域に政治上行政上の権力を行うことを停止せられたため、同地域にあつた官公署職員の身分、恩給、退職手当、死亡賜金等については、その後措置することができず、今日に至つたが、平和条約が成立し、我が国の独立を見た現在となつても、なおこれら元官公署職員の身分、恩給等をこのような状態に放置しておくこけは好ましくないことであるのみならず、現地該当者及びその遺族の生活困窮は見るに忍びないものがあるので、速かにその身分を確定し、支払うべき退職手当、恩給等を支給して、本土の公務員並みの取扱をいたしたいというのが、本法律案の提案の理由であります。次に本法律案の内容を御説明いたします。第一点は、いわゆる行政分離の覚書の出された日の前日の昭和二十一年一月二十八日に南西諸島にあつた官公署の職員で、引続き琉球諸島民政府職員となつた者及び未帰還の職員以外は、同日を以て退職したこととして取扱い、それらの者に対しましては、その目までの未払俸給、恩給、その他の諸給与を支給することとしておるのであります。  第二点は、元南西諸島官公署の職員で引続き琉球諸島民政府職員となつた者については、恩給、退職手当及び死亡賜金に関する法令の適用上、勤続したものとみなし、恩給、退職手当及び死亡賜金を本土の公務員に準じて支給する取扱としておるのであります。  第三点は、元南西諸島官公署職員で引続き琉球諸島民政府職員となつた者が、在職のまま恩給を受け得る途を開いておるのであります。  第四点は、元南西諸島官公署職員が琉球諸島民政府職員となつたあと、更に本邦の官公署の職員となつた場合には、引続き本邦の官公署職員として勤航するものであるとみなし、又、未帰還職員については、本邦の未帰還官公署職員の例に準じ措置することといたしておるのであります。  第五点は、元沖繩県の職員について支給すべき諸給与及び恩給は国庫が負担することとし、元沖縄県以外の都道府県の職員で琉球諸島民政府職員となつた者について支給すべき諸給与はその都道府県が支弁し、その経費は国又はその都道府県がそれぞれ分担することとし、又、これらの職員について給すべき恩給は、その都道府県が負担し、その経費は当分の間国庫が交付することとしておるのであります。  先ほど恩給法の一部を改正する法律案の報告の中で御説明いたしましたように、恩給法の一部を改正する法律案が衆議院において一部修正せられましたのに伴い、本法律案におきましても一部条文の整理をする必要が生じましたので、衆議院におきましては所要の修正をいたすこととなつた次第であります。  内閣委員会は委員会を四回開きまして、本法律案の審査に当つたのであります。昨日の委員会におききまして、質疑を終り、討論の段階に入りましたところ、野本委員は、過般の戦争において挺身して祖国防衛に当り死亡した南西諸島の小学校教員、文官待遇職員、中学校教員、警察官、千百余名の人々の霊に対し衷心、哀悼感謝の意を表して、原案に賛成する旨の発言がありました。  続いて原案につき採決をいたしましたところ、全会一致を以て可決すべきものと議決せられました。  以上御報告申上げます。(拍手)
  48. 河井彌八

    ○議長(河井彌八君) 恩給法の一部を改正する法律案に対し、討論の通告がございます。順次発言を許します。成瀬幡治君。    〔成瀬幡治君登壇、拍手〕
  49. 成瀬幡治

    ○成瀬幡治君 私は、日本社会党第四控室を代表いたしまして、委員長報告のうち、恩給法の一部を改正する法律案に対する修正案並びに修正部分を除く衆議院修正による恩給法の一部を改正する法律案に反対をいたすものであります。  今次戦争における犠牲者、被害者は、単に旧軍人旧軍属関係のみではなくて、国家総動員法により強圧的に徴発されました徴用工、動員学徒、挺身体、報国隊、或いは爆撃によるところの死傷、又はこれが原因による疾病、家屋の焼失、破壊、失業等々、数え上げれば限りがないのであります。我が党は、これら広汎な戦争犠牲者の利益を擁護するため、又、よりよく国民の意思を代表いたしまして、戦争犠牲者補償法案並びに国民年金法案によつて、万全の対策を講ずべきであると考えておる次第であります。  反対の理由の第一点は、憲法第九条の解釈が、MSA援助の交渉を前にいたしまして、ジエツト戦闘機を持つてもそれが自衛のために使われるなら戦力でないとか、或いは保安隊は国連の決定なら海外出兵があり得る。これも憲法違反でない。要するに、侵略戦争のための戦力はいけないが、自衛戦争のためらば、自衛戦争のための戦力はよいとする解釈を政府はとつておるのでございます。かかる政府の態度は着々と既成事実を作り上げまして、再軍備せんとしておるのであります。こういうときに、旧職業軍人の恩給復活を中心とするところの本改正案は何を意味しておるのでございましよう。将来再び自衛戦争というような美しいスローガンを掲げまして、青年の血を、生命を強要することに利用せんとする疑いが十二分に窺い知られるのであります。真に、旧軍人軍属、遺族、傷病者などの生活を考えての法律改正であるならば、今次戦争犠牲者が、特別の理由、立法措置によつて除外されないはずであります。然るに、財政上と事務上の理由によりまして、加算加給を打切るということによりまして、約百四十万名の失格者を作り出しておるのであります。これらの人たちは、殆んど葉書一本によりましていや応なしに徴発された、農民、中小企業者、労働者の子弟であるのであります。最も生活に困つておるこれらの人たちの救済方法を何よりも先ず講ずべきであるのでありますが、何も対策を講ぜずして、又将来も考慮して行かないとする態度は、全く納得のできない点であります。救済対策は何よりもこういう人たちを先にすべきであると私たちは考える次第でございます。又、増加恩給の取扱につきましても、旧大将と旧兵長とが大腿部を同じ程度に失つた場合、階級差による差が莫大であるのであります。傷害による生活の不自由差は階級によつて差があるのではないのであります。傷害の程度の差のみであります。敗戦によつて軍隊を全く持たない現段階に、わざわざ曾つての軍人階級を復活してこれを適用することは、法理的に申しましても誤まりであり前時代的の考え方であると申すべきであります。又、曾つて戦場において苦楽を共にした旧軍人のうち、仮に大佐に例をとつて申しますと、大佐であつた人の遺族に対する扶助料が勤続年数によつて異なつておるのであります。百歩を譲りまして、遺族の生活に階級差を認めるといたしましても、勤続年数によつたところの遺族の生活の扶助料まで差を認めることはできないのであります。遺族の生活差は家族数が主なる要素でありまして、階級差ではないのであります。以上のごとく簡単にその矛盾点を指摘したのでありますが、その矛盾はやがて不平不満の声を招き起す結果となるのであります。このことは、本法案の狙いが、真に、遺族、傷病者を救済補償するというのではなくて、再軍備のために利用せんとする意図のみを考えたための結果にほかならないのであります。(拍手)このことが反対の第一の理由であります。  第二の理由は、今次戦争の責任者は誰であるかとの問いに対しましては、緒方副総理は、満州事変以降大東亜戦争の間の閣僚であり、旧陸海軍の指導者であるとの答弁をされておるのであります。然るに今回の改正におきまして、これら指導者と目されるところのA級戦犯者に対しまして恩給の復活を認めるのであります。B、C級戦犯者に対しましては誠に同情に堪えないのでありますが、A級戦犯者を単に国内法でないという理由の下で戦争責任を明確にしないことは、誠に遺憾であるのであります。今回の改正によつて戦争責任をぼやかし、戦争責任者は誰であるかをぼやかし、参その責任を挙げて全国民に蔽いかぶせる態度は、独善も甚だしいと言わざるを得ないのであります。かかる態度はフアシストのみのなし得ることでありまして、戦争を嫌い、平和を愛好希望する国民の意思を全く無視したと言うべきであります。なお修正部分に対しましては、このことによつて問題が根本的に解決されたものではありません。内閣委員会におきまして、新らしい恩給法が提出されるべきであるとい、見解は、全員一致しておるのでございます。このことが端的にこれらのことを証明しておるのであります。従つて、修正に努力をされましたことに対しましては深く敬意を表するものでありますが、問題を何ら解決しておらないというのが反対の理由でございます。  要するに、本法案は、語るに声なき声を聞かないところの、又、今次戦争犠牲者の救済補償をしなくて、限られた部分の人たちのみを対象としたものである点を指摘いたしまして反対討論を終ります。(拍手)
  50. 河井彌八

    ○議長(河井彌八君) 松原一彦君。    〔松原一彦君登壇、拍手〕
  51. 松原一彦

    ○松原一彦君 私は改進党を代表しまして本法案の修正点を含めた原案に賛成の意を表するものであります。  前国会に、私は、この壇上から、現行憲法下には軍人はない、軍人のないところに軍人恩給の復活のありようはないのであるからして、この恩給法案をお出しになるときには、これは恩給法の中に含めずして、恩給法の特例として別個にお扱いになるのが適当ではないかという設問をいたしたのであります。然るに、政府はこの私の提案をお聞きにならないで、恩給法の一部の改正として提案せられましたが、提案せられました結果を審議しまするというと、これは恩給法ではないのであります。ただ曾つてありました往年の恩給法に則つてその一部を実現いたしたのに過ぎません。何となれば、若し往年の恩給法をそつくりそのまま実現するものであるとするならば、それは、一千万人を動員した今度の大戦役でありまするから、推定七百万以上の受給者が何らかの名の下に取上げられることになるのであります。これを極めて制約いたしたところで、政府の言うところを以てしましても、恩給法によつて拾い上げるとすれば三百五十七万九千人の人がこれによつて救われるということになるのでありますが、そうしまするというと、三百五十七万人にしましても、予算は千六百七十八億円を要するのであります。然るに、今回政府の提案せられましたものは百九十一万四千人がこれにカバーせられるのでありまして、給与としましては、本年度において四百五十億円が計上されておるのに過ぎません。この事実から申しましても、これは軍人恩給の再現でも復活でもない。一つの特例的な臨時措置だと私は信ずる。むしろそれは止むを得ざる現下の実情であつて、乏しい財政の中から、敗れた日本が独立したる今日に、国を危くしたる軍閥の横暴を遅しうした元凶は取除いても、他の、危急に際して国の掟に従つて従軍したる忠誠なる人々に対する八年間の空白を埋めるための、独立に際するいささかの贈物として私はこれを差上げることに賛成するものであります。(拍手)乏しいものでありましよう。完全なる恩給復活を夢みておられた方々に対しては誠に御不満であろうと思う。お気の毒だとは思いまするが、今日はこれを許さないのであります。併しながら、痩せても枯れても、独立したる民族国家は、危急に際して忠誠を捧ぐる国民を持たねばなりません。(拍手)所を変えてソヴイエトといたしましても、忠誠なる赤軍を持つている。国民に忠誠なるものを持たざるときに、どうして我々は安心して国を護ることができましよう。(拍手)我々は決して侵略を望むものでありません。再軍備も私は憲法を変えざる限り望まないところの主張を持つている。併しながら、とにかく八年間を埋めて、ここに独立いたしました以上は、いささかの贈物をすることを許されてもよろしいと思う。  かような意味におきまして、今回のこの立法によつて与えられたものは、第一が遺族であつて、これは全部網羅いたしております。第二は傷痍軍人であつて、増加恩給をもらう者は、四万五千人の提案を、修正によつて十万五千人に拡大して拾い上げております。第三は老齢軍人であつて、これが二十万二千人となつている。漏れたるものは若き方々であつて、動続七年以下の方々が漏れておりますが、これは誠にお気の毒な、加算加給という従軍に伴う従来の特権が認められておりませんので、私も遺憾に思うし、改進党としては公約の手前誠にいたし方がない、残念でありますけれどもが、今回はいたし方なくこの多数決に服しました。どうか国力の回復に従つて我々はこの忠誠の人々に酬いるところがあるように努めたいと思います。  かような意味におきまして私は、本法案に賛成し、そうして乏しいものであろうとも、一日も早くこれがこの人々の手に渡るようにしたい。社会保障制度を拡充し、この法案に漏れたところの多数の戦争犠牲者その他一般の不幸なる人々に対して国が補償すべきことに対しては、異論はありません。その意味を以てこの忠誠な人々に酬いることをば否認することに対しては反対するものであります。この意味におきまして私は本法案に賛成いたします。(拍手)
  52. 河井彌八

    ○議長(河井彌八君) これにて討論の通告者の発言は全部終了いたしました。討論は終局したものと認めます。  別に御発言もなければ、これより四案の採決をいたします。  先ず総理府設置法の一部を改正する法律案全部を問題に供します。本案に賛成の諸君の起立を求めます。    〔賛成者起立〕
  53. 河井彌八

    ○議長(河井彌八君) 過半数と認めます。よつて本案は可決せられました。      ―――――・―――――
  54. 河井彌八

    ○議長(河井彌八君) 次に、恩給法の一部を改正する法律案全部を問題に供します。委員長の報告は修正議決報告でございます。本案の表決は記名投票を以て行います。委員長報告の通り修正議決することに賛成の諸君は白色票を、反対の諸君は青色票を、御登壇の上御投票を願います。氏名点呼を行います。議場の閉鎖を命じます。    〔議場閉鎖〕    〔参事氏名を点呼〕    〔投票執行〕
  55. 河井彌八

    ○議長(河井彌八君) 投票漏れはございませんか。……投票漏れないと認めます。  これより開票いたします。投票を参事に計算いたさせます。議場の開鎖を命じます。    〔議場開頭〕    〔参事投票を計算〕
  56. 河井彌八

    ○議長(河井彌八君) 投票の結果を御報告いたします。  投票総数百五十五票。  白色票百四十五票。  青色票十票。  よつて本案は委員会修正通り議決せられました。(拍手)      ―――――・―――――    〔参照]  賛成者(白色票)氏名 百四十五名    河野 謙三君  佐藤 尚武君    小林 政夫君  楠見 義男君    岸  良一君  北勝 太郎君    上林 忠次君  片柳 眞吉君    梶原 茂嘉君  柏木庫治君    井野 碩哉君  赤木 正雄君    森田 義衞君  村上 義一君    溝口 三郎君  三浦 辰雄君    前田  穰君  前田 久吉君    廣瀬 久忠君  林   了君    早川 愼一君  野田 俊作君    常岡 一郎君  田村 文吉君    館  哲二君  竹下 豐次君    高橋 道男君  高瀬飛太郎君    高木 正夫君  杉山 昌作君    新谷寅三郎君  島村 軍次君    深水 六郎君  横川 信夫君    雨森 常夫君  木村 守江君    伊能 芳雄君  青柳 秀夫君    高野 一夫君  西川彌平治君    石井  梓君  井上 清一君    関根 久藏君  川口爲之助君    吉田 萬次君  潤井 利雄君    佐藤清一郎君  剱木 亨弘君    森田 豊壽君  谷口弥三郎君    宮本 邦彦君  長島 銀藏君    長谷山行毅君  宮田 重文君    瀧井治三郎君  田中 啓一君    石川 榮一君  松本  昇君    石原幹市郎君  岡田 信次君    松岡 平市君  大谷 瑩潤君    一松 政二君  中川 幸平君    左藤 義詮君  寺尾  豊君    中山 壽彦君  中川 以良君    山縣 勝見君  吉野 信次君    重宗 雄三君  津島 壽一君    大達 繁雄君 大野木秀次郎君    小滝  彬君  古池 信三君    榊原  亨君  大谷 贇雄君    宮澤 喜一君  高橋  衛君    横山 フク君  西岡 ハル君    重政 庸徳君  小沢久太郎君    鹿鳥守之助君  藤野 繁雄君    石村 幸作君  青山 正一君    秋山俊一郎君  入交 太歳君    秘中 勇雄君  上原 正吉君    郡  祐一君  山本 米治君    西川甚五郎君  小野 義夫君    徳川 頼貞君  平井 太郎君    川村 松助君  堀  末治君    白波瀬米吉君 池田宇右衞門君    島津 忠彦君  松野 鶴平君    小林 英三君  草葉 隆圓君    泉山 三六君  黒川 武雄君    石坂 豊一君  井上 知治君    岩沢 忠恭君  小松 正雄君    小林 亦治君  森下 政一君    田畑 金光君  堂森 芳夫君    東   隆君  三木 治朗君    山下 義信君  加藤シヅエ君    後藤 文夫君  市川 房枝君    戸叶  武君  白川 一雄君    野本 品吉君  赤松 常子君    石川 清一君  最上 英子君    三好 英之君  鈴木 強平君    深川タマヱ君  武藤 常介君    村尾 重雄君  紅露 みつ君    八木 幸吉君  千田  正君    相馬 助治君  有馬 英二君    松浦 定義君  菊田 七平君    松浦 清一君  棚橋 小虎君    鶴見 祐輔君  一松 定吉君    松原 一彦君  反対者(青色票)氏名    十名    永岡 光治君  藤田  進君    秋山 長造君  亀田 得治君    成瀬 幡治君  小酒井義男君    久保  等君  森崎  隆君    安部キミ子君  須藤 五郎君      ―――――・―――――
  57. 河井彌八

    ○議長(河井彌八君) 次に、昭和二十七年十月三十一日以前に給与事由の生じた恩給等の年額の改定に関する法律案、元南西諸島官公署職員等の身分、恩給等の特別措置に関する法律案、以上両案全部を問題に供します。両案に賛成の諸君の起立を求めます。    〔賛成者起立〕
  58. 河井彌八

    ○議長(河井彌八君) 総員起立と認めます。よつて両案は全会一致を以て可決せられました。      ―――――・―――――
  59. 河井彌八

    ○議長(河井彌八君) 日程第十九、土地収用法の一部を改正する法律案(内閣提出、衆議院送付)を議題といたします。  先ず委員長の報告を求めます。建設委員長石川清一君。    〔石川清一君登壇、拍手〕
  60. 石川清一

    ○石川清一君 只今議題となりました土地収用法の一部を改正する法律案について建設委員会の審議の経過と結果を御報告いたします。  本法案は、土地収用法施行の実績に鑑み、事業準備のため土地に試掘又は試錐を行う場合の規定を整備すると共に、土地等の取得に関し斡旋制度を設けんとするものであります。  土地収用法改正の第一点は、現行法には、地質調査のための試掘等、いわゆるボーリングをする場合の規定がありません。土地所有者の同意が得られないときは、ダム等の工事は準備段階において行詰るという事態が起きますので、これを解決するために、事業施行者は知事の許可を受けてボーリングを行い得るよう規定を整備するものであります。改正の第二点は、公共事業の用地の取得に関して当事者間に合意が成立しない場合、土地収用の手続をとる以前、任意交渉の段階においてできる限り円滑に問題を解決するために第三者の斡旋の制度を設けるものであります。斡旋委員は、事件ごとに知事が収用委員会の推薦に基いて五人を任命し、そのうち一人は収用委員会の委員が当ることになつております。  委員会における質疑の主なるものとしては、ボーリングに関連して、これに伴つて生ずる損失の補償が、損失の事実を知つてから一年以内に請求しなければならぬ点と、事業準備の段階においてこれに必要な動力線を他人の土地の上に引く場合について規定を設ける必要はないか等でありました。次に、斡旋制度については、一、この制度は、事業者、土地所有者いずれのために設けるものであるか。二、斡旋制度は事業の推進を図ることを前提としており、又この種委員に選ばれる学識経験者は多くは事業者の側に立つ者である。この制度は事業者のために土地関係者を納得せしめ若しくは斡旋案を関係者に押付けるために利用されることとならぬか。三、斡旋は何を基準として行うか。土地所有者のためには収用手続によるほうが正当な補償が得られるのではないか。四、この制度を設けなくても、収用委員会による調停の制度を拡げることによつて目的を達することができるのではないか等でありました。これらの質疑に対する当局の答弁の要旨は、一、斡旋制度は、実際上多くの場合に行われており、又相当の効果を挙げておる事実を法制化して、できる限り当事者間の合意の成立を図るものである。二、当事者いずれからも斡旋の申請をすることができ、又、斡旋案の受諾は全くその任意である。従つてこの制度は当事者の一方に偏することはない。三、斡旋委員の人選は、知事が収用委員会の推薦に基いて任命することとしておる。四、収用手続をとることは成るべく避け、収用委員会の調停制度を拡げるよりも、その前の段階において当事者間に円満なる解決を図るものである等でありました。  以上のほか、斡旋制度は本改正案の中心でありますので、多くの質疑応答がありました。「斡旋制度は行政協定に基いて土地の取得にも適用があるか」については、「行政協定による場合は別の法律があるが、同法が今回の斡旋制度を除く規定を設けないので、これにも適用がある。又、土地使用に関する近来の折衝の状況を見ても、斡旋制度を適用することが適当である」旨の答弁があり、「斡旋が土地収用の枠内だけにとどまるならば十分の成果を挙げることは困難である。斡旋の範囲はどうか」との質問に対しては、「斡旋は必ずしも土地収用の枠内に限定しない。斡旋委員の広い部面での活動が望ましい」旨の答弁があり、又「収用手続による補償は免税されておるのでありますが、斡旋による補償は国税庁長官の通牒により免税の取扱を受けることになつておる」との答弁がありました。更に、斡旋を申請することができる紛争の範囲と、紛争が斡旋に適しないとして申請を受理しないものの範囲についても多くの質疑があり、法案は前後八回の委員会において極めて熱心且つ慎重な審議が行われたのでありますが、詳細は会議録によつて御承知願います。  かくて質疑を終了し、討論に入りましたところ、田中委員からは、強い希望条件を付して賛成する。一、法案はその結果の及ぼすところを十分に予想せずして制定されておる。二、試掘その他については、本法制定の際その必要を十分質したにかかわらず、その要はないとし、今回これに関する修正をするに至つた。今後はかようなことのないよう十分注意すること。三、斡旋は土地取得を目途としておるが、土地関係者はその意思を発言する機関を必要としておる。従つて、斡旋委員の人選を公正にすると共に、補償要綱を確立して、換地その他十分な補償がなされることを要望する旨の発言があり、赤木委員からは、斡旋は起業者の利益だけに偏しないこと、斡旋委員の人選を十分考慮して、公正なる斡旋を図り、ボス的なものにならぬことを要望する。次に江田委員は、建設省の態度は起業者の側に強きに過ぎ、土地関係者に対して冷やかである。今後その態度を改め、建設大臣も、土地買収に関する態度を明らかにすると共に、その態度を反省することを望む。又、鹿島委員は、電源開発の進まないことも用地関係のためである。これに対しては政府はもつと強力な措置をとることを望む旨の発言と共に、いずれも本案に賛成されました。  次いで採決の結果、全会一致原案通り可決すべきものと決定いたした次第であります。  以上御報告申上げます。(拍手)
  61. 河井彌八

    ○議長(河井彌八君) 別に御発言もなければ、これより本案の採決をいたします。本案全部を問題に供します。本案に賛成の諸君の起立を求めます。    〔賛成者起立〕
  62. 河井彌八

    ○議長(河井彌八君) 総員起立と認めます。よつて本案は全会一致を以て可決せられました。      ―――――・―――――
  63. 河井彌八

    ○議長(河井彌八君) 日程第二十、刑事訴訟法の一部を改正する法律案(内閣提出、衆議院送付)を議題といたします。  先ず委員長の報告を求めます。法務上委員長郡祐一君。    〔郡祐一君登壇、拍手]
  64. 郡祐一

    ○郡祐一君 只今上程の刑事訴訟法の一部を改正する法律案につきまして委員会における審議の経過及び結果を御報告いたします。  現行刑事訴訟法は、御承知の通り昭和二十四年一月一日より施行せられたのでありますが、以来四年半に亘るその運用の実績に照らしまして、実務し現実に訴訟手焼の円滑なる遂行に支障を及ぼすような点のあることが明らかとなつたのであります。そこで、政府は、これらの点を是正するために、法制審議会に諮りまして、今般、刑事訴訟法の一部を改正する法律案を立案し、国会に提出したのであります。この改正案は、衆議院におきまして若干の修正を加えられたのでありますが、その修正点をも含めて刑事訴訟法の全般に亘り六十数カ条の規定を改正しておるのであります。改正の範囲は広汎に亘つているのでありますけれども、差当り必要止むを得ないものと認められる点のみを部分的に改正するにとどめておりますので、刑事訴訟法の基本的構造にはこの改正によつて何らの変更も加えられておらないのであります。  次に改正の主なる点について御説明いたします。  第一は、被疑者及び被告人に対する身体の拘束に関する規定の改正であります。起訴前の勾留期間につきしまて、現行法は原則として十日以内に限るものとし、止むを得ない場合に限り更に最大限十日間の延長を認めているのでありますが、これを、内乱罪、外患罪、国交に関する罪又は騒擾罪の場合に限つて、更に五日を超えない範囲の再延長を認めることといたしておるのであります。次に、権利保釈につきまして、その除外事由を一部拡張いたしたのであります。その一は、従来、除外事由として、被告人が死刑又は無期の自由刑にあたる罪を犯した場合を挙げていたのを、いわゆる重罪、即ち短期一年以上の有期刑にあたる罪を犯した場合にまで拡張したこと。そのことは、被告人が保釈されると、いわゆるお礼廻りなどをして、被害者その他の関係人に迷惑を及ぼす危険性のある場合を除外事由に加えたことであります。この権利保釈の除外事由の拡張に伴いまして、起訴後の勾留期間につきましても若干の改正を行なつておるのであります。即ち、現行法は、この勾留期間を二ヵ月とし、権利保釈の除外事由中特定のものに該当する場合を除いては、これを更に一ヵ月に限り延長することができるものとしているものでありますが、除外事由の拡張に伴いましてこの例外の範囲を拡張し、更に、禁錮以上の実刑の宣告があつたあとは、この勾留期間についての制限は適用しないこととし、専ら裁判所の裁量に委ねることといたしたのであります。又、勾留理由開示の手続につきまして、関係人の意見陳述は原則として口頭によるのであるが、裁判長は、相当と認めるときは、書面による意見の陳述を命ずることもできるものとしたのであります。  第二は、捜査関係の改正でありますが、その一は、検察官の司法警察職員に対する一般的指示の規定につきましてその条文が従来解釈上明確を欠き、そのために多少疑義が生じたこともありましたので、今後その運用に支障を来たさないようにするために、この際この条文を改めまして、規定の内容を明確ならしめたのであります。その二は、逮捕状の請求について、その濫発を防ぐ意味において、司法警察員は公安委員会が指定する警部以上の者に限り請求することができるものと改めると共に、裁判官がその発付について実質的な審査権を有することを条文上明確にしたのであります。又被疑者に対する供述拒否権の告知についても、条文の字句を平易明瞭ならしめるように改めておるのであります。  第三は、第一審における簡易公判手続の制度を新たに設けたことでありますが、これは、被告人が公判廷において有罪である旨を自認した場合には、審理の促進と事件の重点的処理を期し、訴訟経済を図るために、簡易な公判手続による審理を進めることができることとしたものであります。なお、この手続は英米法のアレインメント制度とは異なるのでありまして、被告人が有罪であることを認めても、なお証拠調等の手続はいたすのでありまして、ただその証拠能力に関する制限を多少緩和し、且つ証拠調の方式を簡略に行うことができるようにしたのであります。  第四は、控訴審における事実の取調の範囲を拡張したことであります。現行法は、控訴審を第一審の判決の当否を批判する事後審とし、第一審判決後に生じた新たな事実は原則として考慮することができない建前をとつているのであります。併しながら、現行法も一定の範囲において控訴審における事実の取調を認めておるのでありますが、その規定が明確を欠くので、これを補正すると共に、被告人に利益のため真に止むを得ない限度においてこの事実取調の範囲を若干拡張するように改めたのであります。  以上はこの法律案の主なる改正点でありますが、なお、このほかに、証人に対する旅費、目当の前払、被告人の鑑定留置、上訴権の放棄、略式手続その他について、それぞれ所要の改正を行なつておるのでありますが、その説明は省略させて頂きます。  委員会におきましては、十五回に亘つて委員会を開き、その間、地方行政委員会との連合委員会も開き、又、各界の有識者十名を参考人として招いて、本案に対する意見を聴取し、慎重に審議を重ねたのであります。各委員からは熱心に質疑が行われ、殊に、検察官の司法警察職員に対する一般的指示に関する規定、逮捕状の請求に関する規定、勾留理由開示の規定、勾留再延長の規定などにつきましては、特に適切且つ有益な質疑がなされたのでありますが、その詳細については速記録によつて御了承願いたいと存じます。  かくて去る二十八日に質疑を打切り、昨二十九日討論、採決を行なつたのでありますが、討論に入りまして、一松委員より、修正案及び附帯決議案が提出せられたのであります。  修正案の内容は、第一に、逮捕状の発付に関する規定につきまして、逮捕状の請求に関する裁判官の実質的審査権限を明確にすると共に、検察官の意見を聞くことができる旨の規定を設け、第二に、起訴前の勾留再延長に関する規定につきまして、その制限を更に強化し、第三に、簡易公判手続の規定につきまして、原案では、この手続によつて審理するためには、検察官、被告人及び弁護人の意見を聞けば足ることになつているのですが、この点を同意を要するものと改めるものであります。  なお、附帯決議案は、権利保釈の除外事由の拡張につき、その運用に慎重を期すべきであるという趣旨のものであります。  次に楠見委員より、緑風会を代表して、修正案を含む原案並びに附帯決議案に賛成し、その運用につき人権擁護に万全を期すると共に、検察、警察間の従来の相剋については、法務大臣において調整のため努力せられるよう要望する旨の発言があり、更に亀田委員より、社会党第四控室を代表して、修正案、原案、附帯決議案のいずれにも反対の発言があり、その理由として、この改正案の立案及び国会提出の経緯が民意を十分に反映していないこと、その内容が一、二の点を除いては現行法より劣るものであつて、必要以上に人身の拘束を意図するものであるとの二点を挙げられたのであります。  以上を以て討論を終り、直ちに採決に入りまして、先ず修正案について採決いたしましたところ、多数を以て可決し、次に修正案を除くその余の原案について採決いたしましたところ、これ又多数可決、更に附帯決議案につきましても多数を以て可決すべきものと決定いたした次第であります。  右御報告いたします。
  65. 河井彌八

    ○議長(河井彌八君) 本案に対し、討論の通告がございます。順次発言を許します。亀田得治君。    〔亀田得治君登壇、拍手〕
  66. 亀田得治

    ○亀田得治君 私は、日本社会党を代表して、本案に反対する理由を簡単に申上げたいと存じます。その理由は二つに要約することができるのであります。  第一は、内容の点でございます。本案の中で、例えば百九十九条の改正規定のごときは人権擁護の立場から見て実に立派なものであります。本案が成立した暁におきましては、捜査機関の逮捕状請求に対し、裁判官は必要性の判断につき積極的に取組んで行かねばなりません。そのためには、関係機関において、必要な人的配置、予算措置をも考えるところまで今後行く必要があると存じまするが、この改正規定を実効あらしめるためには、関係者の今後の一層の努力に待たなければなりません。このように、本案には極めていいところもあるのでございますが、例えば二百八条の二の改正規定のごときは明らかに特定の被疑者に対し差別扱いをするものでありまして、これは憲法第十四条の不平等取扱い禁止の精神にも反すると私は考えます。その他、人権擁護の立場から見ますると、賛成いたしかねるものが多々存するのでございます。即ちこれを要約して申上げますならば、本案を全体として見まする場合、政府の原案に比較するならば非常によくなつておるのでございますが、現行刑事訴訟法に比較いたしまするならば、明らかに人権擁護の面においては悪くなつておるのでございます。  第二は改正手続の点でございます。政府の原案は各方面の意見を徴して作られたものであると言われておりまするけれども、その各方面の意見が調整融合されて一つのものに消化されないままになつておるのでございます。そのことは国会審議の過程において現われまして、そのため立法史上においても前例を見ないほどの大幅の修正を受ける羽目となりました。その結果、最後にまとまりました本案は、いよいよ以て支離滅裂の感を与えるのでございます。このような状態になりましたならば、政府は、みずから出直して、練り直して、再出発するのが私は適当ではないかと考えます。決して一日を争つて成立させなければならないような法律ではなかろうと存ずるのでございます。刑事訴訟制度というような、国家の捜査権、裁判権、国民の基本的人権に関する重要な制度について手を着ける際には、その内容に賛成であるか反対であるかということは別といたしまして、もつともつと慎重でなければならないと存ずるのでございます。  以上申上げました通り、第一には本案の内容の面から、第二には改正手続の面から見て、本案に反対する次第でございます。  ただ最後に付け加えたいことは、本案につき、政府原案の悪い点の修正のためにたくさんの委員の方々が非常に熱心に御努力されました。私もその面においては幾らか協力させて頂きました。そういう関係上、最後に反対討論をしなければならないという私の立場、その委員の方々の心中を考えますると、大変胸に迫るものを感ずるのでございまするけれども、(笑声)遺憾ながら本案に賛成いたしかねることを御了承願いたいと考えるのであります。(拍手)
  67. 河井彌八

    ○議長(河井彌八君) 小林亦治君。    〔小林亦治君登壇〕
  68. 小林亦治

    ○小林亦治君 第十四国会に続きまして、第十五国会も又解散になつたために、今国会に三たび提案せられた刑事訴訟法改正案は、先ほどの委員長の御報告の通り、戦後の昭和二十四年一月から施行せられたのでありまするが、我が刑事司法の建前が元来大陸法系によつて組立ててあるのに、現行法のごとく英米法流の訴訟法では、木に竹を継いだ感が深く、運用の面においても幾多の問題が存するのであります。現行法はいわば占領下の法規の一つであつて、独立後の諸般の制度が徐々に本来の姿に還らなければならないときに、今回本法案が問題になつたことは、極めて当然であつて、この限りにおいて私は本法案に賛意を表するものであります。  だが、この改正案の内容は僅かに二十数項目、条文にして六十条余りの小部分であつて、根本的な面においては委員長報告の通りなおほど遠いものがあるのでありまするが、法務委員会の席上、法務大臣並びに政府委員の諸君がすでに御了解せられた通り、弁護権の制限の撤廃とか、或いは副検事制度の廃止、かような根本的構造に対するところの大改正は次の機会に譲ることとし、差当り先ずこれだけの小部分の改正にとどめて一応やつてみようということでございました。従つて今回のこれは恒久的な改正立法ではないことは申すまでもありません。  ここに犯罪ありとして官憲が発動した場合に、過去においては、検察側の行動よりも、むしろ我々としては、警察官のやり過ぎに手こずつて来たことは、検事の取扱そのものよりも、警察官の教養、品性が、より強く関心の対象になつて来たことは事実であります。今日の警察に対しては、公安委員会という常識的な制度が裏打ちとなつておるために、捜査権を一応任しておくだけのことであつて、若しそれ、今、試験期にあるところの都道府県などの公安委員会の働きがまずかつたり、良識が疑われるようなことがあつた場合には、再び捜査に関する全権が一挙に検事にあと戻りすることは当然であります。今回この改正案がまとまるに当つて、警察側の意向が大幅に採用せられたと言われておるのでありますが、警察はこれに気をよくして検事に対立したりすることなく、検事の一般的指示権に対しては、飽くまで謙虚に、協力的でなければならない。問題となつた百九十三条の検事の一般的指示権をとらえて、警察側の反対理由は、検察フアツシヨとか民主化のため云々という主張がなされたようでありまするが、いささかこれらの民主的な言葉を食いものにした感が深い。警察にしてこの言葉ありということは、鬼の念仏にも似たようなものを感ずるのであります。今後の警察はみずからのこの言葉に十分の責任を持たなければならないと存ずるのであります。  そこで、先ほどの亀田君の反対の理由は、内容において十分理由のあるものを感ずるのでありまするが、私の結論といたしましては、次の一大改正までの中間立法であるこの刑事訴訟法改正案に対しては、暫定的な試みとして、将来多くの改正点を控えておるままのものとして、ここに賛成の討論を試みた次第であります。(拍手)
  69. 河井彌八

    ○議長(河井彌八君) これにて討論の通告者の発言は全部終了いたしました。討論は終局したものと認めます。  これより本案の採決をいたします。本案全部を問題に供します。委員長の報告は修正議決報告でございます。本案の表決は記名投票を以て行います。委員長報告の通り修正議決することに賛成の諸君は白色票を、反対の諸君は青色票を、御登壇の上、御投票を願います。氏名点呼を行います。議場の閉鎖を命じます。    〔議場閉鎖〕    〔参事氏名を点呼〕    〔投票執行〕
  70. 河井彌八

    ○議長(河井彌八君) 投票漏れはございませんか。……投票漏れはないと認めます。  これより開票いたします。投票を参事に計算いたさせます。議場の開鎖を命じます。    〔議場開鎖〕    〔参事投票を計算〕
  71. 河井彌八

    ○議長(河井彌八君) 投票の結果を報告いたします。  投票総数百三十九票。  白色票百二十二票力  青色票十七票。  よつて本案は委員会修正通り議決せられました。(拍手)      ―――――・―――――    〔参照〕  賛成者(白色票)氏名 百二十二名    佐藤 尚武君  小林 武治君    小林 政夫君  楠見 義男君    上林 忠次君  梶原 茂嘉君    柏木 庫治君  赤木 正雄君    村上 義一君  三浦 辰雄君    前田  穰君  早川 愼一君    野田 俊作君  中山 福藏君    常岡 一郎君  田村 文吉君    館  哲二君  竹下 豐次君    高橋 道男君  高瀬荘太郎君    杉山 昌作君  新谷寅三郎君    島村 軍次君  横川 信夫君    雨森 常夫君  木村 守江君    伊能 芳雄君  青柳 秀夫君    高野 一夫君  西川彌平治君    石井  桂君  関根 久藏君    川口爲之助君  吉田 萬次君    酒井 利雄君  佐藤清一郎君    剱木 亨弘君  森田 豊壽君    谷口弥三郎君  宮本 邦彦君    長島 銀藏君  長谷山行毅君    宮田 重文君  瀧井治三郎君    大矢半次郎君  石川 榮一君    松本  昇君  石原幹市郎君    植竹 春彦君  岡田 信次君    松岡 平市君  大谷 瑩潤君    西郷吉之助君  中川 幸平君    左藤 義詮君  寺尾  豊君    中山 壽彦君  中川 以良君    吉野 信次君  重宗 雄三君    津島 壽一君  大達 茂雄君    青木 一男君 大野木秀次郎君    愛知 揆一君  小滝  彬君    古池 信三君  榊原  亨君    大谷 贇雄君  高橋  衞君    横山 フク君  西岡 ハル君    重政 庸徳君  小沢久太郎君    鹿島守之助君  木内 四郎君    藤野 繁雄君  石村 幸作君    青山 正一君  秋山俊一郎君    入交 太藏君  高橋進太郎君    松平 勇雄君  上原 正吉君    郡  祐一君  山本 米治君    小野 義夫君  徳川 頼貞君    平井 太郎君  川村 松助君    堀  末治君 池田宇右衞門君    島津 忠彦君  松野 鶴平君    小林 英三君  草葉 隆圓君    泉山 三六君  黒川 武雄君    石坂 豊一君  井上 知治君    岩沢 忠恭君  小松 正雄君    小林 亦治君  東   隆君    三木 治朗君  加藤シヅエ君    後藤 文夫君  市川 房枝君    白川 一雄君  野本 品吉君    赤松 常子君  最上 英子君    深川タマヱ君  武藤 常介君    八木 幸吉君  相馬 助治君    有馬 英二君  松浦 定義君    菊田 七平君  上條 愛一君    棚橋 小虎君  一松 定吉君     ―――――――――――――  反対者(青色票)氏名   十七名    秋山 長造君  阿具根 登君    亀田 得治君  清澤 俊英君    小酒井義男君  江田 三郎君    森崎  隆君  安部キミ子君    矢嶋 三義君 小笠原二三男君    内村 清次君  須藤 五郎君    鈴木  一君  加瀬  完君    長谷部ひろ君  木村禧八郎君    堀  眞琴君      ―――――・―――――
  72. 河井彌八

    ○議長(河井彌八君) 日程第二十一、輸出取引法の一部を改正する法律案(内閣提出、衆議院送付)を議題といします。  先ず委員長の報告を求めます。通商産業委員長中川以良君。    〔中川以良君登壇、拍手〕
  73. 中川以良

    ○中川以良君 只今議題となりました輸出取引法の一部を改正する法律案につきまして、通商産業委員会における審議の経過と結果について御報告をいたします。  御承知の通り、輸出取引法は昨年八月に制定を見ましたもので、その目的は、即ち、不公正なる輸出取引を防止し、私的独占禁止法の適用除外として、一定の限度で輸出業者の協定と輸出組合の設立を認めることにしたものであります。然るところ、その後、現行法で許されている輸出業者の協定又は輸出組合の活動範囲では、目的に対する効果不十分な場合が種々と生じて参つたのであります。と同時に、又、現行法では、輸入取引に関しましては何らの規定もありませんが、一定の限度で輸入業者のカルテルと輸入組合の設立を認めることが肝要となつて参つたのであります。そこで、かかる諸要請に応じまして本改正案が提出せられましたが、その要点を申上げますると、  第一に、題名を輸出入取引法に改めております。  第二に、輸出業者のみの協定或いは輸出組合だけでは不十分な場合に、輸出業者或いは輸出組合が、価格、数量、及び取引条件につきまして、メーカー又は販売業者と協定を結ぶことができるようになつております。なお輸出業者の協定及び輸出組合を設立できる場合の追加といたしまして、輸出市場で、我がほうと競争になる国より不利な条件があるとき、及び新市場との輸出取引で過度の競争が行われる場合などを認めております。  第三は、輸出組合について、その財政的な基礎を強化するため出資制度を認めているのであります。  第四は、輸出取引の競争が過度に行われる場合、或いは通商協定を達成するため、割高物資でも輸入する必要があるときに、輸入業者が協定を結ぶことを認め、又厳重なる制限下に輸入組合の設立を認めております。  最後に第五として、業務の協定又は組合の活動できる範囲を広汎に拡大をいたしましたが、それだけでは弊害が除去できない場合は、通商産業大臣がアウトサイダーに対しても勧告或いは承認、命令を出して、これに同調させることができるようになつております。  以上が本改正の要点でありますが、本委員会は、審議に際して特に経済安定委員会と連合審査を重ね、又関係事業者の意見をも聽取いたしまして、慎重に審議いたしましたが、質疑の主なるものは次の通りでございます。  即ち、大臣の勧告、承認、命令は、関連産業に及ぶかとの質問に対しまして、政府当局よりは、直接には輸出業者に対するものであるが、その反映は当然関連産業に及ぶであろうとの答弁がありました。メーカーは輸入組合に加入できるか、できるとすれば、何故明文化しないのかとの質問に対しましては、輸入の意思と能力のある者は加入はできるが、組合が同業者団体であるという性格からして、明記はできがたいとの答弁がありました。又、いわゆる四原則を掲げねばならぬ理由は何故であるかとの質問に対しましては、論議を重ねた問題ではあるが、実質が確保できれば、対外的に刺激的でないことがよくはないかとの判断の下にかようにいたしたのであるとの答弁がございました。次に、輸入組合で資金の借入れはできないかとの質問に対しましては、輸入組合は初めて設けたものであり、今回はまだ認めないことにしたのであるとの答弁がございました。その他詳細は速記録によつて御覧を頂きたいと存じます。  かくて質疑を終り、討論に入りましたところ、先ず加藤委員より「時宜に適したものとして賛成であるが、協定や組合はもつと自由にすべきで、相手国のことばかり気がねをして、いわゆる四原則を冒頭に掲げるがごときは、独立国家としていささか不見識な感じがある。又、輸出或いは輸入の意思と能力のあるメーカーが協定を結び又は組合に加盟ができることを将来明文化せられたい」との希望条件を付して賛成意見が述べられました。次いで豊田委員よりも、「本法案は弊害除去に重点が置かれているから、これに並行して積極的な貿易振興策を講ぜられたい」との希望を付して賛成意見が述べられました。  かくて採決に入りましたところ、本法律案は全会一致を以て衆議院送付案通り可決すべきものと決定をいたしました。  右御報告を申上げます。(拍手)
  74. 河井彌八

    ○議長(河井彌八君) 別に御発言もなければ、これより本案の採決をいたします。本案全部を問題に供します。本案に賛成の諸君の起立を求めます。    〔賛成者起立〕
  75. 河井彌八

    ○議長(河井彌八君) 総員起立と認めます。よつて本案は全会一致を以て可決せられました。      ―――――・―――――
  76. 河井彌八

    ○議長(河井彌八君) 日程第二十二、日本放送協会昭和二十六年度財産目録、貸借対照表及び損益計算書並びにこれに関する説明書を議題といたします。  先ず委員長の報告を求めます。電気通信委員長左藤義詮君。    〔左藤義詮君登壇、拍手〕
  77. 左藤義詮

    ○左藤義詮君 只今議題となりました日本放送協会昭和二十六年度財産目録、貸借対照表及び損益計算書並びにこれに関する説明書について、電気通信委員会における審議の経過並びに結果を御報告申上げます。  本件は、放送法第四十条第三項によつて会計検査院の検査を経て内閣より国会に提出されたものであります。  日本放送協会の昭和二十六年度末の資産総額は四十億七千百七十万円、負債総額は十六億六千四百万円でありまして、昭和二十五年度末に比較しますと、資産において約一割八分、負債において約三割七分の増加となつております。又二十六年度の損益計算は、事業収入総額五十八億八千五百八十万円、事業支出総額五十六億一千八百八十万円で、差引二億六千七百万円の剰余となつておりますが、これらについての詳細は本件説明書について御覧を願いたいと存じます。本件に対する会計検査院の検査の結果は、特に記述すべき意見はないという報告になつております。  当委員会は、本件について郵政省当局、会計検査院並びに日本放送協会会長及び理事者につき詳細に亘つて質疑をしまして、慎重審議の結果、全会一致を以て本件については異議がないものと議決いたしました。  右御報告申上げます。(拍手)
  78. 河井彌八

    ○議長(河井彌八君) 別に御発言もなければ、これより本件の採決をいたします。本件全部を問題に供します。委員長報告の通り決することに賛成の諸君の起立を求めます。    〔賛成者起立〕
  79. 河井彌八

    ○議長(河井彌八君) 総員起立と認めます。よつて本件は全会一致を以て委員長報告の通り決せられました。  都合によりまして七時三十分まで休憩いたします。    午後六時三十六分休憩      ―――――・―――――    午後八時三十五分開議
  80. 河井彌八

    ○議長(河井彌八君) 休憩前に引続き、これより会議を開きます。  この際、日程に追加して、国会法第三十九条但書の規定による国会の議決に関する件(外務省参与)を議題とすることに御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  81. 河井彌八

    ○議長(河井彌八君) 御異議ないと認めます。  昨日内閣総理大臣から、外務省参与に衆議院議員小金義照君、同じく早稻田柳右エ門君、本院議員岡崎真一君を任命することについて本院の議決を求めて参りました。三君が外務省参与に就くことに賛成の諸君の起立を求めます。    〔賛成者起立〕
  82. 河井彌八

    ○議長(河井彌八君) 過半数と認めます。よつて本件は、三君が外務省参与に就くことができると議決されました。      ―――――・―――――
  83. 河井彌八

    ○議長(河井彌八君) 参事に報告いたさせます。    〔参事朗読〕 本日衆議院から左の衆議院提出案は同院において本院の修正に同意しないことを議決し、両院協議会を開くことを求める旨の請求書を受領した。  公職選挙法の一部を改正する法律  案本日議員左藤義詮君外四十八名から委員会審査省略の要求書を附して左の議案を提出した。  日中貿易促進決議案 本日委員長から左の報告書を提出した。  日本国有鉄道法の一部を改正する法律案修正議決報告書  昭和二十八年台風第二号による被害農家及び被害漁家に対する資金の融通に関する特別措置法案可決報告書  昭和二十八年六月及び七月の大水害による公立教育施設の災害の復旧事業についての国の費用負担及び補助に関する特別措置法案可決報告書  道路交通取締法の一部を改正する法律案可決報告書  揮発油税法の一部を改正する法律案可決報告書  資産再評価法の一部を改正する法律案可決報告書  関税定率法等の一部を改正する等の法律案可決報告書  特別減税国債法案可決報告書  産業投資特別会計法案可決報告書      ―――――・―――――
  84. 河井彌八

    ○議長(河井彌八君) この際、日程に追加して、公職選挙法の一部を改正する法律案両院協議会協議委員の選挙を行いたいと思いますが、御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  85. 河井彌八

    ○議長(河井彌八君) 御異議ないと認めます。協議委員の数は十名でございます。
  86. 石村幸作

    ○石村幸作君 公職選挙法の一部を改正する法律案両院協議会協議委員の選挙は成規の手続を省略しまして、議長おいて指名せられんことの動議を提出いたします。
  87. 杉山昌作

    ○杉山昌作君 私は、只今の石村君の動議に賛成をいたします。
  88. 河井彌八

    ○議長(河井彌八君) 石村君の動議に御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  89. 河井彌八

    ○議長(河井彌八君) 御異議ないと認めます。協議委員の氏名を参事に朗読いたさせます。    〔参事朗読]  公職選挙法の一部を改正する法律  案両院協議会協議委員    青山 正一君  石村 幸作君    長谷山行毅君  堀  末治君    島村 軍次君  館  哲二君    内村 清次君  若木 勝藏君    松澤 兼人君  松原 一彦君
  90. 河井彌八

    ○議長(河井彌八君) これより直ちに協議委員の正副議長を選挙せられんことを望みます。      ―――――・―――――
  91. 河井彌八

    ○議長(河井彌八君) この際、日程に追加して、日中貿易促進決議案(左藤義詮君外四十八名発議)(委員会審査省略要求事件)を議題とすることに御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり]
  92. 河井彌八

    ○議長(河井彌八君) 御異議ないと認めます。本決議案につきましては、左藤義詮君外四十八名より委員会審査省略の要求書が提出されております。発議者要求の通り委員会審査を省略し、直ちに本決議案の審議に入ることに御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり]
  93. 河井彌八

    ○議長(河井彌八君) 御異議ないと認めます。よつてこれより発議者に対し趣旨説明の発言を許します。左藤義詮君。     ―――――――――――――    〔左藤義詮君登壇、拍手〕
  94. 左藤義詮

    ○左藤義詮君 只今上程の日中貿易促進決議案につき、参議院各派を代表してその趣旨を弁明いたします。  先ず案文を朗読いたします。    日中貿易促進決議   政府は、すみやかに日本と中華人民共和国との貿易上の障害である貿易制限を当面少くとも西欧並みとし、相互に通商するための渡航制限を緩和するなど日中貿易促進について適切な措置を講ずべきである。   右決議する。  次に提案の理由を申上げますが、無謀なる戦争によつて根本から破壊せられた我が国産業の復興が容易の業でないことは申すまでもございません。この狭隘な国土に八千余万の国民が生きて行くためには、何よりも先ず貿易の振興を図らなければなりません。この生命線とも言うべき貿易が極度の不振に陥り、明日をも知らぬ特需その他によつて露の命を繋ぐ有様では、国家の前途誠に憂慮に堪えざる次第であります。世界各国に対して正常貿易の伸張を図ることは今や焦眉の急でありますが、特に隣邦五億の大衆を擁する中国との貿易を再開すべきことは正に喫緊の急務と存じます。西欧の自由主義諸国においても中国市場に異常な関心を示し、経済使節団の派遣、見本市の開催等、着々として通商取引を実現しているのであります。地理的、歴史的にも、又経済的にも、最も密接な関係にある我が国が、ひとり貿易杜絶同様の実情にあることは、国民多数の遺憾とするところであります。  すでに我が国産業界は勿論、地方自治団体、労働団体等、国民の各階層に且つて日中貿易の促進を要望するの声いよいよ熾烈なるものがあるのであります。若し我が国が、徒らに躊躇逡巡して時機を失するならば、中国市場はひとり共産主義諸国のみならず、西欧諸国によつて先制の優位を占められ、我が国の進出すべき余地は甚だしく局限せられるでありましよう。かくては我が国民経済の前途はますます暗澹たらさるを得ないのであります。  時あたかも朝鮮休戦協定は調印せられ、中国との貿易を禁止又は制限する理由は殆んど消滅いたしたいとも申されましよう。少くとも西欧諸国にその輸出の許さるる商品が我が国からは許されないというがごとき不公平、不均衡を除去し、我が中国貿易の制限を速かに西欧諸国並みに緩和すると共に、通商のための渡航その他の制限を解除するのみでなく、更に進んで対中国の貿易の増進について有効適切なる措置を講ずべきであると存ずるのであります。  私は、政府が日中貿易促進のために、あらゆる障害を打破し、積極的にその実現の方途を講じ、以て国民の熱望に応え、国家百年の礎を築かれんことを、ここに参議院各派を代表して本決議案と提出するゆえんであります。何とぞ満場一致の御賛成をお願いいたします。(拍手)
  95. 河井彌八

    ○議長(河井彌八君) 別に御発言もなければ、これより本決議案の採決をいたします。本決議案に賛成の諸君の起立を求めます。    〔賛成者起立〕
  96. 河井彌八

    ○議長(河井彌八君) 総員起立と認めます。よつて本決議案は、全会一致を以て可決せられました。  只今の決議に対し、外務大臣から発言を求められました。岡崎外務大臣。    〔国務大臣岡崎勝男君登壇、拍手〕
  97. 岡崎勝男

    ○国務大臣(岡崎勝男君) 中共地区に対する戦略物資輸出の制限は、国際連合総会の決議の趣旨に協力して行なつているものでありますが、今後は情勢の変化をも勘案し、諸外国と歩調を一にしつつ、只今成立いたしました決議の御趣旨に副うように善処いたしたい考えであります。(拍手)      ―――――・―――――
  98. 河井彌八

    ○議長(河井彌八君) この際、日程に追加して日本国有鉄道法の一部を改正する法律案(大和与一君外六名発議)を議題とすることに御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  99. 河井彌八

    ○議長(河井彌八君) 御異議ないと認めます。先ず委員長の報告を求めます。運輸委員長前田穰君。     ―――――――――――――    〔前田穰君登壇、拍手〕
  100. 前田穰

    ○前田穰君 只今上程になりました日本国有鉄道法の一部を改正する法律案につきまして、運輸委員会における審議の経過並びに結果を御報告申上げます。  本法律案の趣旨は、現行法によりますと、町村議会の議員は、国鉄職員であることができますが、都道府県議会の議員及び特別区を含む市の議会の議員は国鉄職員であることができなくなつておりますので、今回特別区を含む市の議会の議員は国鉄職員であることできるように改正しようとするものであります。  この法律案につきましては、第九国会以来の経緯もあり、第十国会におきましては、当院としましては、特別区を含む市町村議会の議員の兼職を認める修正案を成立させたことがありますが、両院の議が合しないために、両院協議会の議を経て、両院協議会の成案によつて、現行のように町村の議会の議員のみ兼職を認める現状となつたのであります。  委員会の審査に当りましては、岡田委員より、国鉄業務の重要性に鑑み、国鉄職員が無制限に市町村議会の議員を兼職することがどうかと思うという旨、及び議員となる場合上司の承認という方法も考えられるが、これらの点につき質しましたところ、提案者より、「そこまで法律で規定しなくても、原案でも支障なく運用されると思う」旨の答弁がありました。  質疑を終り、討論に入りましたところ、岡田委員より、本法律案の趣旨に賛成する旨の意見の開陳がありました後、国鉄の業務の性質に鑑み国鉄職員が無制限に市町村議会の議員を兼職することは業務に支障を来たす虞れがあるとして、次のごとき修正案が提出されました。    日本国有鉄道法の一部を改正する法律案に対する修正案   日本国有鉄道法の一部を改正する法律案の一部を次のように修正する。   第二十六条の改正規定を次のように改める。   第二十六条第二項中「(町村の議会の議員である者を除く。)」を削り、同項に次の但書を加える。   但し、市(特別区を含む。)町村の議会の議員である者で総裁の承認を得たものについては、この限りでない。   附則を次のように改める。     附 則  1 この法律は、公布の日から施行する。  2 この法律施行の際、現に市(特別区を含む)町村の議会の議員である職員については、第二十六条第二項但書の規定による総裁の承認があつたものとみなす。  これにて討論を終り、採決に入り、先ず岡田委員提案の修正案につき採決いたしましたところ、全会一致を以て可決されました。  続いて修正の部分を除いた原案につき採決いたしましたところ、これ又全会一致を以て可決されました。よつて本法案は、全会一致を以て修正議決すべきものと決定いたしました。  以上、御報告申上げます。(拍手)
  101. 河井彌八

    ○議長(河井彌八君) 別に御発言もなければ、これより本案の採決をいたします。本案全部を問題に供します、委員長の報告は、修正議決報告でございます。委員長報告の通り修正議決することに賛成の諸君の起立を求めます。    〔賛成者起立〕
  102. 河井彌八

    ○議長(河井彌八君) 過半数と認めます。よつて本案は、委員会修正通り議決せられました。      ―――――・―――――
  103. 河井彌八

    ○議長(河井彌八君) この際、日程に追加して、  昭和二十八年六月及び七月の大水害による公立教育施設の災害の復旧事業についての国の費用負担及び補助に関する特別措置法案(山田節男君外五名発議)、  昭和二十八年台風第二号による被害農家及び被害漁家に対する資金の融通に関する特別措置法案(衆議院提出)、  以上両案を一括して議題とすることに御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  104. 河井彌八

    ○議長(河井彌八君) 御異議ないと認めます。先ず委員長の報告を求めます。水害地緊急対策特別委員長矢嶋三義君。    〔矢嶋三義君登壇、拍手〕
  105. 矢嶋三義

    ○矢嶋三義君 只今、議題となりました昭和二十八年六月及び七月の大水害による公立教育施設の災害復旧事業についての国の費用負担及び補助に関する特別措置法案につきまして、水害地緊急対策特別委員会における審議の経過並びに結果を御報告申上げます。  本法案は、本院議員山田節男君ほか五名より発議提案になるものでございまして、先ずその提案の理由を申上げますと、本年六月及び七月に亘り、西日本その他の地域を相継いで襲いました豪雨は近来稀に見る強烈激甚なものでありましたため、国公私立の諸学校施設及び社会教育施設並びに文化財関係等の被害総額は実に五十億円を超える多額に達しております。然るに戦災復旧及び災害復旧並びに義務教育の延長に伴う公立学校の施設整備のため、地方公共団体は年々多額の費用を支出いたしておりますにもかかわらず、未だその施設は応急最低基準にも達し得ない現状でありますところへ、更に今次の大水害をこうむりましたこととて、すでに逼迫せる災害地域の地方公共団体の財政力を以て、この大災害を復旧いたしますことは到底不可能なことと思われますから、この際国の負担及び補助の特別措置によりまして、公立の教育施設の災害の速かな復旧を図り、学校教育及び社会教育の円滑な実施を確保せんとする趣旨に出でたものでございます。  次に、本法案の内容の主なる点について申上げます。第一に、この法律案は昭和二十八年六月及び七月の大水害による公立教育施設の災害復旧事業についての国の費用負担及び補助に関する特別措置を講ずることを目的とすることを明確に規定いたしております。第二に、今次の災害の復旧事業費は、公立学校施設については国の負担率を特に四分の三まで高めることにいたしております。第三に、公立学校施設災害復旧事業の施行目標を、昭和二十八年度においては復旧事業全体の六割に相当する部分とし、その残余の部分は来年度において施行することにいたしております。第四に、事業費の範囲は、それぞれの工事の本工事費、附帯工事費及び設備費並びに事務費といたしております。第五に、社会教育施設の災害復旧事業費の支出につきましては、未だ法的根拠がございませんが、この法律案におきましては、社会教育施設の災害復旧に要する経費を新たに国の補助の対象とし、その補助率を三分の二といたしております。その他に各事業費の額の決定、成功認定、負担金の還付及び監督等の所要の規定を設けてございます。  この法律案は、今次の水害発生の直後、本院に設けられました水害地緊急対策特別委員会におきまして、連日慎重に調査審議を重ねました上、更に衆議院の当該委員会とも、数次に亘る連絡調整をいたしまして、双方の意見が全く一致を見ました結果立案されたものでございますので、本委員会におきましては、質疑討論を省略いたしまして、直ちに採決に入りましたところ、全員一致を以て可決すべきものと決定いたしました。  以上を以ちまして、委員会における本法案の審議の報告を終ります。  次に、昭和二十八年台風第二号による被害農家及び被害漁家に対する資金の融通に関する特別措置法案について、水害地緊急対策特別委員会における審査の経過及び結果を御報告いたします。  本法律案は、去る六月の台風第二号及び五月下旬から六月上旬までの長雨により、西日本地方の受けた被害の対策として、被害農家及び被害漁家の経営を維持するに必要な資金の融通を円滑にして、その安定を図ることを目的として提案されたものでありまして、その骨子とするところは大要次のようであるます。  その第一は、農業協同組合、漁業協同組合、又は金融機関が被害農家又は被害漁家に対して、肥料、薬剤等の購入資金、農業経営上の資金、又稚貝、稚魚、養殖等に必要な漁業経営資金を市町村長が認定する損失額を基準として、政令の定むる範囲内で貸付けた場合に、被害農漁家の負担を軽減するため、国が利子の補給を行い、又損失の補償を行うということを定めたものであります。被害農漁家の貸付を受ける条件は、償還期限三カ年以内、利率年六分五厘以内であり、昭和二十八年十月三十一日までに貸付を受けるものに限られており、この資金の総額は四十五億円までとしてあります。国が負担する利子補給と損失補償の方法は、都道府県へ対して行うものでありして、都道府県又は市町村が年五分以内(政令で定める場合は六分以内)の利子補給及び融通額に対し四割以内の損失補償を行なつた場合に、当該利子補給金又は損失補償額の二分の一を都道府県に体して補助しようとするものである。この貸付の方法は、本特別国会で先に成立しました凍霜害の被害農家に対する資金融通に関する法律と全く同様であります。第二は、農業共済基金法の特例を本法律案中に設けまして、「なたね」の共済にかかる保険金の支払に必要とする資金を共済基金から農林大臣の指定する農業共済組合連台会に対して貸付を行うことができることとしたのであります。  委員会におきましては、本法律案の成立を早くより要望していたところであり、又法案の内容についても前例に倣つておることでありますので、質疑もなく、全会一致を以て原案通り可決すべきものと決定いたしました。  右、御報告いたします。(拍手)
  106. 河井彌八

    ○議長(河井彌八君) 別に御発言もなければ、これより両案の採決をいたします。両案全部を問題に供します。両案に賛成の諸君の起立を求めます。    〔賛成者起立〕
  107. 河井彌八

    ○議長(河井彌八君) 総員起立と認めます。よつて両案は、全会一致を以て可決せられました。      ―――――・―――――
  108. 河井彌八

    ○議長(河井彌八君) この際、日程に追加して、道路交通取締法の一部を改正する法律案(衆議院提出)を議題とすることに御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  109. 河井彌八

    ○議長(河井彌八君) 御異議ないと刻めます。先ず委員長の報告を求めます。地方行政委員長内村清次君。    〔内村清次君登壇、拍手〕
  110. 内村清次

    ○内村清次君 只今、議題となりました道路交通取締法の一部を改正する法律案につきまして、地方行政委員会における審査の経過並びに結果を御報告いたします。  本法案は、現行規定により公安委員会が行う自動車運転免許の消取又は停止の行政処分が、ややもすれば一方的に過ぎ、不当に苛酷な処分になるという実情に鑑みまして、その公正を期するために、一、公安委員会は運転免許の取消又は停止については公開による聴聞を行わなければならない。二、この場合、停止については公安委員会の定める期間以上のものに限る。三、聴聞に際しては当該処分にかかわる者又はその代理人は、その事案について意見を述べ、証拠を提出することができる。四、聴聞を行う場合に必要と認めるときは、その道の専門知識を有する者の参考意見を聞くことができる等のことを定めております。  おおむね以上のような内容を有する門司亮君らの議員提出の原案に対しまして、衆議院においては次に申上げるような修正を加えてこれを衆議院提出案として本院に送付して来たのであります。その修正の要点は、一、聴聞においては参考人に限らず、当該事案の関係人をも呼ぶことができる。二、公安委員会は、当該処分にかかる者又はその代理人が正当な理由なしに聴聞当日出頭しないときは、聴聞を行わないで運転免許の取消又は停止をすることができる。三、法律の施行期日「昭和二十八年九月一日」を「昭和二十八年十二月一日」に改める。等の諸点であります。  地方行政委員会においては、七月二十九日衆議院議員門司亮君より提案理由の説明を聞いた後、提案者及び政府側との間に質疑応答を重ねました。その詳細については会議録によつて御承知を願いたいのでありますが、その主なもの二、三を御紹介いたしますれば、一、「聽聞を行うべき事案が多過ぎてさばき切れないという心配はないか」との質問に対しては、提案者側より、「行政処分のうち聴聞を行うべき場合を運転免許の取消又は停止だけに限定し、而も停止については公安委員会の定める期間以上のものだけにとどめたから、大体やつて行ける見込みである」旨の答弁がありました。二、「行政処分が行われるのに事故発生後どのくらいの日数を要しているのか」との質疑に対しては、政府側より、「警視庁の例で言えば、取締法令違反に対してはおおむね十日以内、交通事故に対してはおおむね四十日以内という実情である」旨の答弁がありました。三、「運転免許の更新期間が二年であるのは短かきに過ぎて実情に副わないものではないか」との質疑に対しては、政府側より、「従来五年であつたのが二年に改められたのは終戦後の特殊事情に基いたものであるといういきさつもあるので、妥当な線を出すように今後十分検討したい」旨の答弁がありました。  七月三十日討論に入りましたところ、日本社会党第四控室の秋山委員より、「運転免許の更新期間は従前五年であつたものが戦後二年に短縮されたのは、運転者の人権の尊重と生活擁護権の建前から誠に遺憾であり、今日の実情に副わないものであるから、当局において速かにこの点を検討して、二年間をもつと延長するように十分考慮されることを強く要望して本法案に賛成する」旨を述べられました。かくて採決の結果、全会一致を以て本法案は衆議院提出案の通り可決すべきものと決定いたしました次第であります。  以上、御報告いたします。(拍手)
  111. 河井彌八

    ○議長(河井彌八君) 別に御発言もなければ、これより本案の採決をいたします。本案全部を問題に供します。本案に賛成の諸君の起立を求めます。    〔賛成者起立〕
  112. 河井彌八

    ○議長(河井彌八君) 総員起立と認めます。よつて本案は、全会一致を以て可決せられました。      ―――――・―――――
  113. 河井彌八

    ○議長(河井彌八君) この際、日程に追加して、  揮発油税法の一部を改正する法律案、  資産再評価法の一部を改正する法律案、  関税定率法等の一部を改正する法律案、  特別減税国債法案、  産業投資特別会計法案、(いずれも内閣提出、衆議院送付)  以上五案を一括して議題とすることに御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  114. 河井彌八

    ○議長(河井彌八君) 御異議ないと認めます。先ず委員長の報告を求めます。大蔵委員長大矢半次郎君。    〔大矢半次郎君登壇、拍手〕
  115. 大矢半次郎

    ○大矢半次郎君 只今議題となりました五つの法案について、大蔵委員会の審議の経過並びに結果を御報告申上げます。  先ず、揮発油税法の一部を改正する法律案について申上げます。  本案は簡単な改正でありまして、指定納期日までに揮発油を完納しなかつたときは、その翌日から納付の日までの日数に応じて日歩四銭の利子税を徴収しようとするほか、担保に関する規定の整備を行おうとするものであります。本案については慎重なる審議が行われたのでありますが、その詳細は速記録により御承知願いたいと思います。  質疑を終了し、討論に入りましたところ、小林委員より、揮発油税の税率について一キロリツトル当り一万一千円を九千五百円に引下げる旨の修正案が提出され、採決の結果、小林委員提出の修正案は賛成者少数を以て否決され、次いで原案について、全会一致を以て可決すべきものと決定いたした次第であります。  次に、資産再評価法の一部を改正する法律案について申上げます。  御承知のごとく資産再評価はすでに昭和二十五年、昭和二十六年と二次に亘つて実施いたしたのでありますが、その実施状況、物価等の推移に鑑みまして、今回昭和二十八年一月一日を基準日として更に第三次再評価を行い、資本蓄積の促進に資そうとするものであります。  本案の改正点の主なものについて申上げますと、第一点は法人につきまして、昭和二十八年中に開始する事業年度の開始の日のうち、いずれか一の日において一回、又昭和二十九年中に開始する事業年度の開始の日のうち、いずれか一の日において一回、合計二回再評価を行い得ることとし、又個人の事業資産につきましては、昭和二十八年一月一日において一回、昭和二十九年一月一日において一回、合計二回再計価し得ることといたしております。第二点は、再評価の限度額は、第一次、二次再評価の基準日後最近までの物価の上昇に適合するよう、土地については約十六割、減価償却資産については約五割、非事業用資産等については約二割をそれぞれ引き上げることといたしております。第三点は、再評価税の税率は、前回同様再評価差額に対して百分の六といたしております。而してこの納付につきましては、十分な再評価の実施が行われるよう、法人の減価償却資産の再評価税は五年間に均分して納付することといたしております。第四点は、個人の有する減価償却資産以外の資産及び家屋について再評価が行われたものとみなされる場合には、従来再評価差額から十万円を控除して課税しておりましたのを、今回十五万円を控除することに改めております。  本案審議の詳細は速記録によつて御承知願います。  次いで討論に入りましたところ、小林委員より、再評価を実施することは緊要であり賛成するが、再評価税を徴収することは理論的にも疑問であるとの反対意見が述べられ、次いで菊川委員、森下委員よりそれぞれ賛成意見が述べられ、採決の結果、多数を以て原案通り可決すべきものと決定いたした次第であります。  次に、関税定率法等の一部を改正する等の法律案について申上げます。  本案は現下の経済情勢に鑑み、国内産業を保護する見地より若干の品目について関税率の引上を行うと共に、暫定的に輸入税を免除しております品目を整備し、且つその免税期間を延長しようとするものであります。  本案は衆議院において修正議決されたものでありまして、修正点の要旨を申上げますと、こんにやく芋につきまして、一般大衆の食生活の負担軽減を図るため、その輸入税率を四割に改め、又新聞用紙につきまして、国内森林資源の保持育成の必要並びに新聞用紙の需給状況等に鑑み、その必要なストツクを確保するため、来年三月末までその輸入税率を七分五厘に軽減しようとする等のものであります。  本案審議に当りましては、慎重なる質疑がなされましたが、詳細は速記録によつて御承知願います。  次いで討論に入りましたところ、前田委員より、「新聞用紙は文化的、経済的見地から見ても、無税若しくは免税とすべきである」との反対意見が述べられ、採決の結果、多数を以て衆議院送付案通り可決すべきものと決定いたした次第であります。  次に、特別減税国債法案について申上げます。本案は、今国会に別に審議されております産業投資特別会計法案に関連いたしまして、その財源に充てるため、本年度に限り二百億円を限度として年四分の利率、償還期限は五年以内の特別減税国債を発行し、その消化を促進するため、購入者に対して一定の減税を行うこととし、個人の場合には、本年分の所得税からその税額の二〇%相当額を限度として購入額の二五%に相当する税額を軽減し、法人の場合には、本年八月一日から明年三月三十一日までの間に申告期限の到来する法人税から、その税額の年換算額の二〇%相当額を限度として購入額の二一%に相当する税額を軽減することとしようとするものであります。この措置によりますと、利廻りは個人の場合には年一割二分、法人の場合には年一割五厘程度となるものでありますが、法人の利廻りをこの程度に維持するために法人がこの国債を譲渡した場合の損金算入について一定の制限を設けるほか、特別減税国債を購入した個人又は法人について所得税又は法人税の軽減に関し必要な規定を設ける等、所要の措置を講じております。  本案審議においては、特別減税国債は本年度限りの特別措置であること、二百億円の消化先は金融機関百二十億円、一般法人二十億円、個人六十億円が予定されている等、種々熱心なる質疑応答が交わされたのでありますが、その詳細は速記録により御承知願います。  質疑を終り、討論に入り、菊川委員より、「第一に、この減税国債は赤字公債の変形であり、インフレを助長せしめること、第二に、実質的には大衆の負担において特別な会社に利子補給を与えることとなること、第三に、減税という国民的要望を利用した政府のずるいやり方であること、第四は、この措置によつて金融機関の融資は窮屈化し、延いては中小金融にしわ寄せする」との反対意見が述べられ、次いで森下委員より、「富裕な階級のみが税負担の軽減を受ける政策をとることは政治のあり方として政府のとるべき施策ではない」との反対意見が述べられ、更に小林委員より、両委員と同様な趣旨において反対するとの反対意見が述べられ、採決の結果、多数を以て原案通り可決すべきものと決定いたした次第であります。  次に産業投資特別会計法案について申上げます。  先ず提案の理由並びに内容について申上げます。  我が国経済の再建、産業の開発及び貿易の振興に必要な資金は、これまで財政資金により賄つて参つたのでありますが、今回新たに産業投資特別会計を設置し、財政投資の一層の充実強化に資せんとするものでありまして、この会計におきましては、米国対日援助見返資金特別会計の資産並びに一般会計の日本開発銀行及び日本輸出入銀行に対する出資金を承継して、これを資本とし、これが運用による収入金と、特別減税国債の発行による収入金とを主要な財源として投資を行おうとするものでありまして、昭和二十八年度予算におきましては、特別減税国債の収入金二百億円を含め、約四百億円の財源を以て日本開発銀行及び電源開発株式会社に対する資金供給を予定しておるのであります。  内容を申上げますと、この会計の歳入は、特別減税国債の発行による収入金、出資金、貸付金からの収入金等とし、歳出は、出資金、貸付金、国債償還費等とする外、この会計の予算及び決算に関し必要な事項を規定いたしておるのであります。なお、この会計の設置に伴いまして、米国対日援助見返資金特別会計法を廃止する等の関係法律について、所要の規定の整備をいたそうとするものであります。  本案の審議に当りましては、種々熱心なる質疑応答が交わされましたが、詳細は速記録によつて御承知願います。  質疑を終了し、討論に入り、小林委員より修正案が提出されましたが、その要旨は、特別減税国債の名称を、投資国債とし、産業投資特別会計の歳出財源に充てるため、昭和二十八年度においては、二百億円を限り、この会計の負担において、利率を年四分、償還期限を五年以内とする投資国債を発行することができるようにしようというのであります。次いで菊川委員より、産業投資特別会計の設置の趣旨は了解できるが、この会計は、特別減税国債の発行による収入金及び米国対日援助見返資金特別会計からの承継資産から生ずる収入金等を財源としているが、見返資金は米国の対日援助の見返りとして国民の零細資金を積立てたのであるから、この会計の財源にすべきでなく、その資金は中小企業の金融に廻わすべきであるにもかかわらず、日本開発銀行を通じて大企業に融資するのであるから反対するとの反対意見が述べられ、次いで森下委員より、特別減税国債に反対したので、延いて本案にも反対する旨の反対意見が述べられ、採決の結果、小林委員提出の修正案は少数を以て否決せられ、原案については、多数を以て可決すべきものと決定いたした次第であります。  以上、御報告申上げます。(拍手)
  116. 河井彌八

    ○議長(河井彌八君) 別に御発言もなければ、これより五案の採決をいたします。  先ず、揮発油税法の一部を改正する法律案全部を問題に供します。本案に賛成の諸君の起立を求めます。    〔賛成者起立〕
  117. 河井彌八

    ○議長(河井彌八君) 過半数と認めます。よつて本案は可決せられました。      ―――――・―――――
  118. 河井彌八

    ○議長(河井彌八君) 次に、資産再評価法の一部を改正する法律案全部を問題に供します。本案に賛成の諸君の起立を求めます。    〔賛成者起立〕
  119. 河井彌八

    ○議長(河井彌八君) 過半数と認めます。よつて本案は可決せられました。      ―――――・―――――
  120. 河井彌八

    ○議長(河井彌八君) 次に、関税定率法等の一部を改正する等の法律案全部を問題に供します。本案に賛成の諸君の起立を求めます。    〔賛成者起立〕
  121. 河井彌八

    ○議長(河井彌八君) 過半数と認めます。よつて本案は可決せられました。      ―――――・―――――
  122. 河井彌八

    ○議長(河井彌八君) 次に、特別減税国債法案全部を問題に供します。本案に賛成の諸君の起立を求めます。    〔賛成者起立〕    〔「反対」「おかしいぞ」「緑風会おかしいぞ」「絶対多数」と呼ぶ者あり〕
  123. 河井彌八

    ○議長(河井彌八君) 過半数と認めます、よつて本案は可決せられました。(拍手、「議長おかしいぞ」と呼ぶ者あり)      ―――――・―――――
  124. 河井彌八

    ○議長(河井彌八君) 次に、産業投資特別会計法案全部を問題に供します。本案に賛成の諸君の起立を求めます。    〔賛成者起立〕    〔「反対」「少数々々」と呼ぶ者あり〕
  125. 河井彌八

    ○議長(河井彌八君) 過半数と認めます。よつて本案は可決せられました。
  126. 河井彌八

    ○議長(河井彌八君) この際、日程の順序を変更して、日程第二十三より第三十九までの請願及び日程第五十二より第五十五までの陳情を一括して議題とすることに御異議ございませんか。    〔「異議なし」「異議ありません」と呼ぶ者あり、笑声〕
  127. 河井彌八

    ○議長(河井彌八君) 御異議ないと認めます。先ず委員長の報告を求めます。水産委員長森崎隆君。    〔森崎隆君登壇、拍手〕
  128. 森崎隆

    ○森崎隆君 只今議題となりました請願十八件、陳情四件につきまして、水産委員会における審議の経過並びにその結果を御報告申上げます。  請願四百十三号、同六百四十号、同七百二十号並びに七百二十一号、千百十六号、二千二百九十号、二千四百八号、二千四百九号、二千五百二十号、二千五百四十五号、陳情二百三十二号、同三百十号の各件は、いずれも漁港修築整備に関する請願及び陳情であります。請願七百四号は、長期不漁に対する漁業補償実施に関する請願であります。請願千七十号は、水産業協同組合系統指導職員設置費国庫助成等に関する請願であります。請願千七百七十一号は、アメリカ駐留軍の演習による漁業補償額増額に関する請願であります。請願二千五百七号は、北海道入漁制限等撤廃に関する請願であります。請願二千五百四十三号は、漁業協同組合の再建整備資金低利融資に関する請願であります。請願二千五百四十四号は、漁業協同組合の行政委託事務費国庫補助に関する請願であります。請願二千九百二十六号は、青森県陸奥湾のほたて具増殖事業費国庫補助の請願であります。  次に陳情八号は、韓国水域における漁業操業等の陳情、陳情百八十七号は、水畜産物利用研究振興に関する陳情。  以上十七件の請願及び四件の陳情は、いずれも願意妥当としてこれを採択し、議院の会議に付し、内閣に送付すべきものと決定いたしました。  請願二千五百四十六号は、水産業協同組合法中一部改正に関する請願でありまして、願意妥当としてこれを採択し、議院の会議に付すべきものと決定いたしました。  以上、御報告申上げます。(拍手)
  129. 河井彌八

    ○議長(河井彌八君) 別に御発言もなければ、これより採決をいたします。これらの請願及び陳情は、委員長報告の通り採択し、日程第三十九の請願のほかは、内閣に送付することに賛成の諸君の起立を求めます。    〔賛成者起立〕
  130. 河井彌八

    ○議長(河井彌八君) 総員起立と認めます。よつてこれらの請願及び陳情は、全会一致を以て採択し、日程第三十九の請願のほかは、内閣に送付することに決定いたしました。      ―――――・―――――
  131. 河井彌八

    ○議長(河井彌八君) この際、日程の順序を変更して、日程第四十より第四十九までの請願及び日程第五十六、第五十七の陳情を一括して議題とすることに御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  132. 河井彌八

    ○議長(河井彌八君) 御異議ないと認めます。先ず委員長の報告を求めます。郵政委員長池田宇右衞門君。    〔池田宇右衞門君登壇、拍手〕
  133. 池田宇右衞門

    ○池田宇右衞門君 只今議題となりました請願及び陳情につきまして、郵政委員会における審議の経過並びに結果を御報告申上げます。  先ず福岡県若松市小石地区に特定郵便局設置の請願、福島県三神郵便局の集配事務開始に関する請願、福島県大里村簡易郵便局の無集配郵便局昇格に関する請願、岡山県久代村に無集配特定郵便局設置の請願、高知県興津村郵便局の集配局昇格に関する請願、静岡県藤枝郵便局の昇格に関する請願、福島県上川崎無集配特定郵便局の集配事務開始に関する請願、岡山県長尾郵便局の集配事務存続に関する請願、  以上でありますが、これらはいずれも関係地域の発展に伴う郵便施設の改善方につき、郵政省の措置を要望する請願でありまして郵政当局より、「予算等と睨み合せ研究の上善処したい」旨答弁がありました。  次に、静岡県江ノ浦郵便局等の東京郵政局管轄復帰に関する請願、静岡県郵政業務の東京郵政局管轄復帰に関する陳情は、郵政局の管轄地域の変更を要請したものでありますが、郵政当局より、「将来とくと考究する」旨答弁がありました。  次に、郵便切手類売さばき人に対する手数料引上げに関する請願は、郵便切手類売捌手数料は、現下の社会情勢下においては過少であるから引上げられたいというのでありますが、郵政当局としては、「将来研究することといたしたい」旨の答弁があり、最後に三原市糸崎郵便局庁舎建設に関する陳情でありますが、同局舎は所在地がやや偏在しておるのみならず、百年余を経過した老朽庁舎であるので新築せられたいとの陳情でありますが、これに対し郵政当局より、「予算及び全国的実情を考慮して善処する」旨の答弁がありました。  委員会におきましては、以上申述べました諸件につき慎重審議の結果、いずれも願意を妥当と認めてこれを採択し、議院の会議に付し、且つ内閣に送付すべきものと全会一致を以て決定した次第であります。  右、御報告申上げます。
  134. 河井彌八

    ○議長(河井彌八君) 別に御発言もなければ、これより採決をいたします。これらの請願及び陳情は、委員長報告の通り採択し、内閣に送付することに賛成の諸君の起立を求めます。    〔賛成者起立〕
  135. 河井彌八

    ○議長(河井彌八君) 総員起立と認めます。よつてこれらの請願及び陳情は、全会一致を以て採択し、内閣に送付することに決定いたしました。      ―――――・―――――
  136. 河井彌八

    ○議長(河井彌八君) 日程第五十、日程第五十一の請願及び日程第五十八の陳情を、一括して議題とすることに御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  137. 河井彌八

    ○議長(河井彌八君) 御異議ないと認めます。先ず委員長の報告を求めます。経済安定委員会理事八木幸吉君。    〔八木幸吉君登壇、拍手]
  138. 八木幸吉

    ○八木幸吉君 只今議題となりました請願及び陳情について御報告申上げます。  請願第二千六百六号は、国土調査法に基く地籍調査費に対する補助率の引上と、地籍調査実施村地元負担分に対する融資金制度並びに平衡交付金制度の確立を要望するという趣旨のものでございます。請願第二千七百二十八号は、大山出雲地方総合開発事業の速かな指定と予算措置を要望するというものでございます。  陳情第二百四十八号は、只見川電源出発については、一切の紛争を退け大局的見地に立つて、早急に奥只見地点着工の実現を図られたいという趣旨でございます。  以上二件の請願及び一件の陳情は、委員会において審査の結果、いずれも願意妥当なものと認め、議院の会議に付するを要し、且つ内閣に送付するを要するものと全会一致を以て決定いたしました。  以上、御報告申上げます。(拍手)
  139. 河井彌八

    ○議長(河井彌八君) 別に御発言もなければ、これより採決をいたします。これらの請願及び陳情は、委員長報告の通り採択し、内閣に送付することに賛成の諸君の起立を求めます。    〔賛成者起立)
  140. 河井彌八

    ○議長(河井彌八君) 総員起立と認めます。よつてこれらの請願及び陳情は、全会一致を以て採択し、内閣に送付することに決定いたしました。  本日の議事日程は、これにて終了いたしました。次会は明日午前十時より開会いたします。議事日程は決定次第公報を以て御通知いたします。  本日は、これにて散会いたします。    午後九時三十九分散会      ―――――・―――――   本日の会議に付した事件  一、国会法第三十九条但書の規定による国会の議決に関する件(日本工業標準調査会委員)  一、へき地教育振興に関する決議案  一、日程第一 医療法の一部を改正する法律案  一、日程第二 災害救助法の一部を改正する法律案  一、日程第三 未帰還者留守家族等援護法案  一、日程第四 港湾運送事業法の一部を改正する法律案  一、日程第五 臨時船舶建造調整法案  一、日程第六 農産物価格安定法案  一、日程第七 昭和二十八年産米穀についての超過供出奨励金等に対する所得税の臨時特例に関する法律案  一、日程第八 食糧管理特別会計法の一部を改正する法律案  一、日程第九 国民金融公庫法の一部を改正する法律案  一、日程第十 設備輸出為替損失補償法の一部を改正する法律案  一、日程第十一 日本輸出入銀行法の一部を改正する法律案  一、日程第十二 信用金庫法の一部を改正する法律案  一、日程第十三 学校教育法等の一部を改正する法律案  一、日程第十四 公立学校施設費用国庫負担法案  一、日程第十五 総理府設置法の一部を改正する法律案  一、日程第十六 恩給法の一部を改正する法律案  一、日程第十七 昭和二十七年十月三十一日以前に給与事由の生じた恩給等の年額の改定に関する法律案  一、日程第十八 元南西諸島官公署職員等の身分、恩給等の特別措置に関する法律案  一、日程第十九 土地収用法の一部を改正する法律案  一、日程第二十 刑事訴訟法の一部を改正する法律案  一、日程第二十一 輸出取引法の一部を改正する法律案  一、日程第二十二 日本放送協会昭和二十六年度財産目録、貸借対昭表及び損益計算書並びにこれに関する説明書  一、国会法第三十九条但書の規定による国会の議決に関する件(外遊省参与)  一、公職選挙法の一部を改正する法律案両院協議会協議委員の選挙  一、日中貿易促進決議案  一、日本国有鉄道法の一部を改正する法律案  一、昭和二十八年六月及び七月の十水害による公立教育施設の災害の復旧事業についての国の費用負担及び補助に関する特別措置法案  一、昭和二十八年台風第二号による被害農家及び被害漁家に対する資金の融通に関する特別措置法案  一、道路交通取締法の一部を改正する法律案  一、揮発油税法の一部を改正する法律案  一、資産再評価法の一部を改正する法律案  一、関税定率法等の一部を改正する等の法律案  一、特別減税国債法案  一、産業投資特別会計法案  一、日程第二十三乃至第三十九の請願  一、日程第五十二乃至第五十五の陳情  一、日程第四十乃至第四十九の請願  一、日程第五十六及び第五十七の陳情  一、日程第五十及び第五十一の請願  一、日程第五十八の陳情