運営者 Bitlet 姉妹サービス
使い方 FAQ このサイトについて | login

1953-07-13 第16回国会 参議院 法務委員会 11号 公式Web版

  1. 昭和二十八年七月十三日(月曜日)    午後一時二十五分開会   ―――――――――――――  出席者は左の通り。    委員長     郡  祐一君    理事            加藤 武徳君            宮城タマヨ君            亀田 得治君    委員            青木 一男君            小野 義夫君            楠見 義男君            中山 福藏君   政府委員    法務政務次官  三浦寅之助君    法務刑事局長 岡原 昌男君   事務局側    常任委員会専門    員       西村 高兄君    常任委員会専門    員       堀  眞道君   ―――――――――――――   本日の会議に付した事件 ○連合委員会開会の件 ○参考人の選定に関する件 ○刑事訴訟法の一部を改正する法律案  (内閣送付)   ―――――――――――――
  2. 郡祐一

    ○委員長(郡祐一君) これより委員会を開きます。  先ず連合委員会の開会についてお諮りいたします。刑事訴訟法の一部を改正する法律案につきまして、地方行政委員会が当委員と連合委員会を開く旨決定いたしました。つきましては当委員会といたしましては如何取計らいましようか。先ほどの委員長及び理事打合会におきまして討議いたしましたところでは、連合委員会を開いて然るべきとの結論を得ておりますが、打合会の決定通り地方行政委員会と連合委員会を開くことに御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  3. 郡祐一

    ○委員長(郡祐一君) 御異議ないと認めてさよう決定いたします。連合委員会期日等につきましては、努めて本委員会の審査上の便宜の日時等を睨み合せて考えるようにという打合会での話合いをいたしましたので、そのように取扱うことにいたしたいと思います。  なお、刑事訴訟法改正法案参考人として意見を聴取いたします諸君については、只今まで決定いたしましたのは東京大学教授團藤重光君。弁護士会として小野清一部君、弁論界として共同通信論説員牛島俊作君、その他の諸君につきましては、それぞれ推薦を依頼した向から推薦して参ると存じますので、推薦によつて決定することに取計いたいと存じます。   ―――――――――――――
  4. 郡祐一

    ○委員長(郡祐一君) 只今より刑事訴訟法の一部を改正する法律案について質疑を始めます。
  5. 亀田得治

    ○亀田得治君 質疑に入ります前に刑事訴訟法改正案を決定されるに至りました経過ですね。これをもう少し具体的に御説明を承わりたいと思います。そうしてこれは主として法制審議会で作業をやられたと思うのですが、その議事録なんか揃つておりますれば、委員会にも御提出願いたい、こう思います。
  6. 岡原昌男

    政府委員(岡原昌男君) 御承知の通り刑事訴訟法は刑事の捜査、裁判等に関する基本の法典でございまして、いわば憲法附属の大典でございます。でその及ぼすところは、人権拘束と公共の安寧秩序の維持、さような二つの点をどのように解決し、調和させるかという点に重点があるのでございます。従いましてこの改正に当りましては、最も慎重なるを要するというのが、従来の法務省のとつた態度でございます。そこで新らしい刑事訴訟法ができまして、このできたにつきましては、御承知の通りいろいろ事情があつたのでございますが、そのできた後、運用いたしました実績をつぶさに検討いたしますと、かなりいろいろな点で我が国情に合致しないところもあるし、人権の尊重と思つてやつたことが、逆にいろいろな弊害を生ずる点が出て参つたり、又前の訴訟法の改正が全般的ではありましたけれども、かなり急いでなされたというような事情もぎいまして、問題がいろいろ出て参つたわけでございます。そこで一昨年、当時の法務総裁から法制審議会に対しまして、刑事訴訟法運用の実績に鑑み、早急に改正を加えるべき点の有無についての諮問が発せられたわけでございます。法制審議会は単に刑事訴訟法のみならず、全般的に法務府所管の基本法規、民法、刑法、民事訴訟法、刑事訴訟法、商法或いはその他の裁判制度全般といつたような重要な基本法規の改正等に対しての立案をする機関でございまして、そのメンバ一は、最高裁判所の裁判官、最高裁判所の事務総長、或いは東京高裁の長官、検察庁でいいますと、検事総長次長、又大学教授が六名ほど入つておられますが、その他にも弁護士から、各弁護士会を表代する委員の方々、それに法制長官、法務次官といつたようなかたがたにお集まりを願い、更に一般民間から学識経験者といたしまして、数名のかたを入れてあるのでございます。いわば最高級の法律専門家を以て構成せられた審議会でございます。で、その幹事といたしまして、それぞれ裁判所、検察庁或いは法制局弁護士会等の然るべき人数名になつて頂いておるのでございますが、その法制審議会に諮問いたしまして、その当時諮問の具体的な内容といたしまして、一体問題となるような点はどれくらいあるだろうかと言つて拾い出してみたものが、実に六十数カ項目あつたと思います。中には証拠法に関する基本的な問題、或いは陪審制度に関する問題、或いは刑事の審級問題、一審制とか二審制の審級の問題、控訴、上告の問題等は、全般的に非常に大きな問題で、直ちにこれに手をつけましても、二、三年間の猶予を置かなければ解決できないといつたような問題から、小さな問題といたしましては、各条文の不備な点、或いは運用の実績に鑑み、若干匡正すべき面といつたようなものが拾い出されたわけでございます。でこれを刑事法部会に下げまして、刑事法部会に只今も申上げた委員のかたの一部が入つておりますが、そのほかにも大体今申したようないろいろな方面からの各界の有識者を集めまして、この刑事法部会において問題を整理いたしまして、そして当面取上げ得るような問題を更にもう一度整理するために、小委員会というものを作つたわけでございます。でこの小委員会において今度具体的な問題を何度も何度も委員会を開きまして、決定いたしたものを更に逆に部会にかけ、総会にかけ、そうして結論を出し、これを法務総裁の下に答申した、かような順序になつておるわけでございます。そこでこの諮問といたしましては、一昨年出したものが一つあるわけでございますが、問題の取上げ方としては、それを数回に分けまして取りあえずやり得るもの、それから順序情勢の変化に応じて取上げるべきものというふうに、答申が何回にも分れ、結局三回の答申が今までに得られたわけでございます。第一回目、これは昨年の二月に答申が出ておるのでございますが、その答申に基きまして、第十四国会に法律案を提出いたしたのでございます。その後十四国会が解散になりまして、十五国会においてこの問題を更に若干追加いたしまして、本年の二月二十一日第二回目の答申があつたわけでございます。これを取上げたのが、一つは百九十三条の警察官と検察官との関係の規定、一つは逮捕状の濫用防止に対する措置、もう一つは勾留中の被告人の出頭拒否に対する措置、これだけが去年の二月の答申に基いて案として追加したものでございまして、然るに十五国会も解散により消滅いたしましたので、今国会に改めて法案を御審議願うことになつたのでありますが、その際裁判所側から問題の提起がございまして、勾留理由開示手続についての改正を入れたわけでございます。かように法律の提出といたしましては、三段階になつておるのでございます。なお内容的に申しますと、第十四国会は只今言つた最後の二つの答申に基くものを除いた全部でございます。それから十五国会に追加されたのが只今言つた百九十三条、百九十九条、それから二百八十六条、それから今回更に八十三条、四条、五条、六条、これが追加された、かような関係になつておるわけでございます。
  7. 亀田得治

    ○亀田得治君 この法制審議会刑事訴訟法関係の部会ですね、部会或いは小委員会といいますか、何回くらい開いておりますか。
  8. 岡原昌男

    政府委員(岡原昌男君) 前後を通じまして、刑事法部会が七回ぐらいであつたかと思います。小委員会は前後を通じまして十五、六回であろうと思います。すべて記録がございますので、後日正確なものは差上げたいと思います。
  9. 亀田得治

    ○亀田得治君 それからこの法制審議会の意見のきめ方ですが、これはどういうきめ方ですか、採決の仕方とかそういう点は……。
  10. 岡原昌男

    政府委員(岡原昌男君) 議事規則がございまして、多数決を以てきめると、かようなことに相成つております。
  11. 亀田得治

    ○亀田得治君 これは場所によつて違うと思いますが、この法制審議会の国会に出されておる、何といいますか、答申案、私どももらつておるもの、あれはその点はどうなつておりますか。多数決に反対者も相当あつたわけですね。
  12. 岡原昌男

    政府委員(岡原昌男君) 答申が三つ出ております。そのうち第一回目の答申が大きな項目で二十二項目、それから第二回目の答申は三項目、第三回目の答申が一項目になつております。最初の二十二項目に亘る答申につきましては、大体議事の経過に鑑みまして小野博士が部会長並びに小委員会の会長といたしましできめられたのでございますが、大体において各方面の意見を、その最も多数と思われる点にこの条項をまとめて参りました。そうしてその結果これを答申の原案といたされたわけでございます。その際弁護士会の代表からは、弁護士としてはいやしくも個人の権利の制限になる方面のことは無条件では賛成いたしかねる、これは立場上困るという御意見もありましたが、ただそれは全体の睨みにおいては、この案を通されるということについて異存はないという意味におきまして、留保付という形をとつたわけでございます。留保付といいますのは、これが決定されるについては異存はないけれども、ただ弁護士会の代表としてここに出た者としては、これを真正面から全部異はないというのは、立場上できかねるといつたような非常に含みのあることでございました。それをそのままの表現をとりまして答申にも加えたわけでございます。  それから第二回目の答申につきましては、これは多数決の採決方式によりましてこれを決定してございます。従つて留保付という文字はないわけでございます。それから第三回目の答申につきましては、これも先ほど申したような弁護士会の強い主張もございまして、留保付という文字が附加えてございます。
  13. 亀田得治

    ○亀田得治君 この留保付という分ですね、これは結局反対なんでしよう。今随分妙な廻りくどい説明をされましたけれども、弁護士会としては反対ということでしよう。
  14. 岡原昌男

    政府委員(岡原昌男君) 弁護士会としては、というのと、出席委員としてはという立場が二つあるわけでございます。と申しますのは、法制審議会の建前といたしまして、大体それぞれの立場の人を代表的に送り込むというふうなことになつておりまして、従つてこれを弁護士自身の個人的な意見としてのみとることはできないというふうな運用の実際になつております。そこでこの第一回の答申の際なども、その点を弁護士会の出身の委員たちも明白に申されました。中には、自分で修正案なんかも出されたかたもございます。併しそれが結局全体として弁護士会というものを代表するということになれば、弁護士会はそういう人権拘束というものは原則としてやらん建前である、そういう意味において留保をしてくれというふうなことでございました。
  15. 亀田得治

    ○亀田得治君 どうもはつきりしないのですけれども、言わんとしておるところはわかるような気もするのですが、そこに出席された弁護士会の代表のかたの個人的な意見は別として、弁護士会としてとられる立場においては賛成できがたい、こういう立場なんですね。
  16. 岡原昌男

    政府委員(岡原昌男君) 大体それに近い考え方でそういうふうな文字が使われたと思うのでございますが、ただあの場合、ついでにその当時の審議の状況を申上げますと、例えば裁判所側は裁判所側で、それから検察庁側は検察庁側で、今度は別の問題についてやはり反対しなければならん問題があつたわけでございます。でそれらの問題につきましても、いろいろ議論を重ねたのでありますけれども、結局答申案全体として、一つのまとまつたものを作ろうということについては、全部の委員が非常に積極的に協力したと、さような関係になりますので、さような意味合いからいたしまして、まあ成るべく余計なことを言わずに、これ全体としてこの案を見ようではないか、逆から申しますと、この案自体が或る面では人権拘束する面もございますが、他の面では人権を大いに伸暢するというか、その擁護のために考慮せられた条文がたくさんあるわけでございます。さような点を天秤にかけますると、小野博士も大体これでバランスがとれているというふうな、最後にはおつもりではなかつたかと思いまするが、全体として答申をされるという原案を作られた、かような関係になるわけでございます。
  17. 亀田得治

    ○亀田得治君 この小委員会というのは何名くらいですか。
  18. 岡原昌男

    政府委員(岡原昌男君) 大体十四、五名であつたと思います。そのうち大体十二、三名はいつも出席されておつたと、かように大体記憶しております。これは一週間に一回ずつくらい開いたこともございますし、週に二回くらい開いたこともございますが、そのときによつて出席も若干違いますし、又関係のない条文については、一部のかたは出られなかつたということもあると思いますけれども、大体割合に出席率がよくて、議論は十分尽した、かように我々は考えております。
  19. 亀田得治

    ○亀田得治君 一回何時間くらいやつたのですか。
  20. 岡原昌男

    政府委員(岡原昌男君) 大体午後一時に始めまして、五時頃まではいたしたのでございます。ときには夕食を過ぎまして、八時頃までやつたことも数回あつたように記憶いたしております。
  21. 亀田得治

    ○亀田得治君 それから審議会の議事録はありますね、できておりますね。
  22. 岡原昌男

    政府委員(岡原昌男君) できておりますが、余部がたくさんございませんので、数部だけでもこの委員会に差上げたいと思います。
  23. 亀田得治

    ○亀田得治君 先ほど何か小委員会の会長の小野さんが、最後にはバランスがとれているというようなことをおつしやつたように先にあなたおつしやつたのですが、これはどうなんですか。これは品物の値段みたいに上げたり下げたりできる問題じやないだろうと思うのですね。一方のほうでは譲歩したからこつちのほうをこういうふうにしてくれ、若しそんなことがされていたら、これは大変な問題だと思うのですね、人権に関する問題ですから。私その辺が何かまとまつたというんだが、而も非常に関係者全部が不満がある、関係者全部が不満があるのがつまりバランスがとれているんだというふうに考えられますが、これは問題の性質上そんなものじやなかろうと思うのですね。それはどういう意味でおつしやつたのかもう少し解説して下さい。
  24. 岡原昌男

    政府委員(岡原昌男君) 例えば二百八条の二の問題についてこれをみますると、例の勾留期間の延長の問題、二百八条の二項による期間の延長がございまして、なお且つ捜査ができない場合にこれをどうしたらいいかということが従来とても問題にされておつた事項でございます。そこで警察或いは検察庁方面からこれは十日くらいに再延長を許すような規定を置いたらこの点どうであるかというような要望が強かつたわけでございます。これに対しましてそう簡単にこれを延長するということは個人の自由拘束する重要な事項であるからたやすく承認はできない、そこで弁護士会といたしましてはこれは反対であるというふうな御意見の陳述があつたわけでございます。そこでこれをどうするか、先ずその期間の点について大体中をとつて五日くらいということ並びにそれを延長するについてこれはくだらん事件について一々勾留延長することは相ならん、やはり重要な事件であつて、而も関係人又は証拠物が非常にたくさんあつて二十日の期間内では調ができない、而もこれを釈放すると、その後の調が著るしく困難になるといつたような場合に限つて、これを五日間だけ延長できるといつたような制約の面を厳重に条件付けたわけでございます。そこでそれとそれとの間で大体この程度であればこのバランスがとれるか、かようなことに私は考えております。
  25. 中山福藏

    ○中山福藏君 これはちよつとお尋ねしておきますが、これは刑事訴訟法全般というものを議題として審議に上せられたのですか、或いはこういうふうな点が世論に鑑みて改正の必要があるというふうなあんばいで重点的に、つまり摘出してそれを議題に供せられたのか、その点はどうなんですか。
  26. 岡原昌男

    政府委員(岡原昌男君) 最初ちよつと御説明が足りなかつたと思うのでございますが、最初法制審議会に答申をお願いした際の我々のほうの審議会に対する要望は、訴訟法全般について一つ考えてみて頂きたい、その際問題点は先ほど申上げたように、大は証拠法とか審級制度陪審制度とかいうような問題から、小は今の勾留状の手続が不備であるといつたようなものまで非常にたくさん出たわけでございます。たしか大別して三十項目で、小別するとたしか六十項目前後じやなかつたかと思います。それを更に細分したのが今度の答申になるわけでございますが、さようにたくさんの問題を大小とりまぜて同時に審議を始めるということはなかなか困難である。ですからこれを整理してもう証拠法といつたような刑事訴訟法の根本に触れて来る問題、或いは陪審制度のようにその実施については非常な準備期間を要するといつたようなものを暫らくこれをおいて、併し必ずあとで取上げるということの下に、取りあえず割合に問題が重要であるということ、それから割合に早くそれが解決するといつたようなところを目安にして整理した末、先ほど言つたようにだんだん圧縮して参つたわけでございます。
  27. 中山福藏

    ○中山福藏君 お尋ねしておきますが、これは圧縮された議題というものを目標にして審議会の委員さんたちが自己の意見に基いて答申をされたのを集約したものであるか、或いは又代表的な人があなたがこれを書いてくれと言つて依頼されて、例えば小野博士が……、こういうふうにしたらいいじやないかということを一々何人かが要綱を書いてそうして持つて来てそれについて討議を重ねたということになつておるのですか、そこはどうなつておりますか。
  28. 岡原昌男

    政府委員(岡原昌男君) 大体審議の最初は今言つたように、先ず問題の所在だけを離しまして、この問題にはこういう考え方とこういう考え方がある。こういう考え方の得点とするところはこういうところである。弊害とするところはこういう点がある。別の考え方のいいところはこうであるが、悪い点はこうであるというふうに問題を全部提供いたしました。それを総会において部会に下す際に、大体このくらいの問題を取上げたらよかろうという委員の御意見が出たわけでございます。そういうふうなものをまとめるために、更に小委員会を置いたわけでございます。その小委員会における審議は非常に綿密なものでございまして、両方の案といつたようなものもざつくばらんに協議するというような建前で、甲案、乙案、丙案、丁案、戊案といつたような、実はそんなようなこともございました。そういうふうにいろいろな考え方を出しまして、一体どの程度の案が一番いいだろうかというふうな点まで協議いたしておりました。特にこの点をこうという最初からの方向ずけというようなものは実は最初から余りなかつたわけでございます。協議をして参る間にだんだん固まつて参つた。この間における、丁度私の手許にございませんが、審議の経過を綴つたものがございます。これをちよつと見て頂きますとずつとおわかり願えると思うのであります。
  29. 中山福藏

    ○中山福藏君 ここに頂けますか。五、六部廻すというようなことでした
  30. 岡原昌男

    政府委員(岡原昌男君) それのほかに小委員会は速記をつけませんので、これはただ資料が雑然とくつつけてあるだけでありますが、それはお目にかける程度になろうかと思いますけれども、正式に速記をつけた、部会以後の分は全部速記がついてございます。なお刑事法部会小委員会の審議経過一覧表というのが丁度手許にございますので、これに取上げた問題で簡単なものから修正可決とか、討論の上延期とか何々について質疑応答というふうなことを書いてございますからそういうようにして問題を割合に簡単なものから、例えば法の不備といつたような簡単なものから片付けて参りまして、そうして割合に大きな問題をあとで討議する、かような大体やり方をとりました。
  31. 亀田得治

    ○亀田得治君 これはのちほど各条文が審議になるときに一つ詳しくいろいろ論議したいと思うのですが、初めは法制審議会として非常にたくさんの問題を扱つておる、そのうち非常に基本的な問題は除けて取りあえずこういうものだけに圧縮して来た、そうなんですね。
  32. 岡原昌男

    政府委員(岡原昌男君) さようであります。
  33. 亀田得治

    ○亀田得治君 ところが例えば今度の控訴審における改正、第二審における改正、これなんかは随分私はやはり現在の制度の基本的な問題に触れておると思うのです。こういう改正案が出るまでもなく、もつと思切つた覆審制度をとるべきじやないか、或いは又現状のままのほうが、一審の運用を慎重にやつて行けばそのほうがいいのだ、又刑訴法ができて十分その点に対する各訴訟関係者の何といいますか、馴れ方が足りないので、いろいろ手落ちもあつたりして覆審制度という意見もあるというふうなことで、これはなかなか議論が多いし、やはり二審制度をどうするかということは、大変大きな問題だと私思うのです。こういう問題は折角新らしい刑訴法でああいうふうにして始めておる。数年ならずしてそれが又元に還る。還る一つの糸口をここで作つたようなもんですね。これではそれはどんな制度を作つたつて、決してそれはもう当初予定した通りに明日から行くというもので私なかろうと思うのです。こんなこと私に言われなくても、あなたのほう自身が詳しいでしようが、そうして見れば、こういう基本的な改正だと私これを思うのですが、どうも最初申されたように、当面必要なものに圧縮して来た、そういうことはちよつと言えないだろうと思うのですね。それからほかの、例えばアメリカのアレインメントの制度の一部を取入れるような規定がございます。これなんかも、私はそういうアレインメントの一つのよさというものも勿論わかります。併し、日本人に果して大胆にそれが適用できるかどうか、こういうことになりますと、恐らく答申案を出した人は、自分がそれに参加した面子の上からいつて、それを支持するような議論はなされるでしようが、本当に裁判の実際というものを考えて、良心的に静かに考えてみますと、どちらがいいのか非常に私迷われるのが本当だろうと思うのですね。そういう、これなんかは実際今の証拠法なんかあとにしたとあなたが先ほどおつしやいましたけれども、これは一つの証拠法上大きな改革です。そういうものが入つておる。どうもそういう点が非常に思想が統一されておらないように感ずるのですがね。これはどうですか、その点。
  34. 岡原昌男

    政府委員(岡原昌男君) 今回の改正の根本的な考えを申述べると、大体先ほど申しました通り、訴訟法が新らしくなつて四年、去年で勘定しますと三年余りということで、まだ只今御質問の通り根本的な問題についてこれをどうするという段階ではなかろうというふうなことは、基本的な態度の一つでございます。ただ、これを三年半乃至今度は四年も運用してみますと、その基本的な枠はそのままに取りあえずいたすにいたしましても、その内容が部分的にいろいろと問題が出ておる。これをそのままの形でいつまでも置くということは、訴訟を公正、適当、妥当に進行せしむるゆえんではない。さような観点がら比較的細かい点についての改正をしようとする趣旨でございます。只今お話の控訴審における事実取調べの範囲の拡張の問題でございますが、その点に関しまして、いわゆる控訴審の構造に関する意見というものは、実にいろいろたくさん出ました。で、前の訴訟法におけるごとく、覆審にしたほうがよかろう、或いはこれを続審的な程度にとどめたがよかろうというふうな意見もございましたし、又中には現在の事後審の建前は絶対に崩すべきでないというふうな意見も勿論出たわけでございます。そこで事後審の訴訟構造を一応そのままにしてことを考えるということでなければ、これは単に控訴審の構造が若干の影響を受けるというにとどまらずして、一審そのもののやり方、それから上告のやり方等まで全部影響を持つて来るわけでございます。これは訴訟法の全体の流れというものが、訴訟の全体の進行というものが決してその一つのところだけでとどまらない。必ずその前後に影響が及ぶという原則から来るのでございますが、さような観点からこれを根本的に覆審的なものにする、或いはこれを続審的なものにするということは、到底短日月になし得ないことになつたわけでございます。従つて今回の改正は、あとでいずれ三百八十二条以下の改正条文の際にその点がはつきりして来ると思うのでございますが、決して現在の制度を根本的に動かしたものではなく、又根本的な点に触れて来るのではなくて、ただ現在の訴訟のやり方で控訴審ではこういう点が著しく不便である。或いは人民権利保護するゆえんではないといつたような点を修正しようというのがこの改正でございます。又アレインメントの制度にいたしましても、只今御指摘のように、英米法をそのままには採用いたしておりません。で、アレインメントの制度が証拠法に関係を持つて来ることも又御承知の通りでございます。ただ、私どもといたしましては、証拠法の全体をこの際動かす、或いは証拠法の基本的な条文にこのアレインメントが影響を持つて来るということは、これはこの法案の法律の修正を根本的になすときでなければなし得ないというふうな観点から、主として当面とつておる証拠法の原則はこれを採用いたしつつ、それについての若干の修正をする、さような建前によつたものでございます。つまり自白をいたしましても、いろいろな証拠調べはこれをすることができる。ただその証拠調べのやり方、証拠能力等についての条文に若干の修正を施す、かような考え方の下に立案されたものでございます。
  35. 中山福藏

    ○中山福藏君 ちよつと牽連してお尋ねしておきますが、この改正案につきましては、これは逐条的にいずれ審議されるものと考えますから、その際に譲りますが、只今亀田委員のお尋ねになりましたこの覆審制度にせんか、或いは又現在の通りにするかということは、これはこの改正案を一括して改正の要点はここにあるといつてもいいのじやないかと私は見ておるのです。そこでその問題を一つあとでいろいろお尋ねするのですけれども、今取上げられましたからちよつとお尋ねしておくのですがね。これは改正前のいわゆる覆審制度時代の二審で執行猶予なんかになつた数と、現在の刑事訴訟法で控訴して確定した犯罪の数とその比率はどういうふうになつておるか。現在すぐ答えなさいと言つてもとてもむずかしいと思いますから、これは最後の年次の比率だけで結構ですから、一つ次回にでもお示しを願いたいと思うのです。これは人権擁護という立場から行けば、この比率というものを私どもとしては見ておく必要があるのではないかと考えるのです。覆審制度だと書面審理だけで大体上告審と同じような取扱いを受けているのですから、頗る簡単で、これはまあ取扱われておるというふうな、そこに非常な疑点を私どもは持つておるのです。成るほどその一審に出た証拠だとか、或いは記録の上からそれを理由にしていろいろな書類が書かれているのですけれども、ただ取扱いで頗る簡単に理窟を付けて、右にでも左にでもころばすことができるというようなことになつておるのじやないかという疑いを或る場合には持つわけですから、どうぞ一つそういう点をお示し願いたいと思います。
  36. 岡原昌男

    政府委員(岡原昌男君) 承知いたしました。大体そういう統計は裁判所側の統計でわかるだろうと思いますので、成るべく詳細な統計を作りたいと思います。なおさように一審判決後の被害者に対する弁償等の事実が斟酌されるかどうかということは重要な事項でございますから、今回はそれを真つ正面からできるように改正しよう、かような趣旨でございます。
  37. 亀田得治

    ○亀田得治君 今度の改正案の根本的な立場は了承いたしましたが、そういたしますと、今後の審議の過程におきまして、提案されたかたはこれはちよつとした改正の問題だ、こういうふうに考えておられましてもいろいろ審議の過程においてこれは現在の制度に対する基本的な問題に触れて行く大事なことだということが明瞭になつて来れば、これは御撤回になる御意思がありますか。法務大臣がおらないとちよつとむずかしいかも知れませんが…。
  38. 岡原昌男

    政府委員(岡原昌男君) その点は国務大臣にあらずとも私からお答えできると思いますが、撤回の意思はございません。と申しますのは、先ほどから縷々申上げました通りこの法案の考え方が決して現在の訴訟構造というもの、或いは訴訟法の行き方というものに触れて来るものではなくて……、触れてくるものではなくてと言うと、少し極言し過ぎるかも知れませんが、そういう基本的な問題は後日の研究に暫く譲つて、そうして現在の建前の下において最も不備な点、それを改正しよう、かような趣旨でございますので、いずれ法制審議会におきましてその根本的な問題は取上げることになつております。で、問題もすでに提起して整理いたしてございます。先ほど申した通り証拠法とか陪審法とかいつたようなことで……。
  39. 亀田得治

    ○亀田得治君 それは私のお尋ねしているのは、提案されているかたはそのつもりでいても、知らず知らず間違いを起すことがあるわけですね。そのために国会で慎重に審議するわけですから、あなたのほうはこれはもうちよつとした簡単な改正だと思つているのはいいのですよ。だからそういう気持ですから御提案にもなつているし、今のような御答弁もあるわけでしようが、そうじやなしにやつて行くうちに成るほどこれは随分重要な基本問題に触れて行く、これはどうかな、賛成反対は別として非常に重要な問題だということが明確になつた場合には、まあ撤回とまでは行かなくても、一つそこで何分の考慮をするぐらいの気持は持つておられますか、当然持つておられるのがこの建前から当り前だと思いますが、ただ念を押して聞いておるのです。
  40. 岡原昌男

    政府委員(岡原昌男君) さような意味でございますと、私どもは国会の審議権は十分尊重いたすつもりでございますので、なお十分私どもの意のあるところだけは御説明いたし、なお且つ問題が非常に大きいということでございますれば、そのときは又考えなければならんことになるであろうと存じます。
  41. 亀田得治

    ○亀田得治君 あろうじやなくその通りだと思います。それであれば私どもも一つこれは大いに精を出して勉強してこの審議をいたしたいと思います。そこで第二回目の答申、これはどうして留保附ということが附けてないのですか。一回目と三回目は附いておると思いますが、二回目だけがどうして附いてないのか。
  42. 岡原昌男

    政府委員(岡原昌男君) これは特段の意味はないのでございますが、第二回の答申をする際に委員の更迭がございまして、中央大学の林頼三郎先生が会長になられたわけでございまして、法制審議会の決議のやり方等について研究せられました結果、これは多数決ということがいいじやないだろうかというようなことで法制審議会の議事規則通りやつた、さようなことであつたのでございます。
  43. 亀田得治

    ○亀田得治君 それじや資料を一つお願いしておきます。先だつて頂いた資料の中に、逮捕勾留されて釈放された状況を表にしたものがございましたが、あれは選挙に関連した資料でございましたが、あれによりますと十日までに釈放された者、二十日までに釈放された者、そういうところの人数の比率が出ておつたが、私どもの知りたいのは、十日の直前といいますか七日、八日あたり、大体我々の見当としては十日が来るまでなかなか実際は調べがないのです。それで十日目、二十日目というのでは資料としては少し工合が悪い。七日、八日頃、それから十七、八日頃、その頃の状況が一つわかるような資料をお出し願います。
  44. 岡原昌男

    政府委員(岡原昌男君) お手許に配りました統計諸表の資料の二頁に起訴前の勾留期間の調査表というのがございます。それに三日以内、五日以内、七日以内、十五日以内、十六日以上に区切りまして調べたのがそれでございます。
  45. 中山福藏

    ○中山福藏君 現在検事の、検察官の指揮権が警察官に殆んどないような場合があるのじやないですか。警察官が黙づて検事とは無関係に独立したような立場で、一応取調をするというようなことを間々私どもは見受けるのですが、そういうことを御存じですか。
  46. 岡原昌男

    政府委員(岡原昌男君) 大体今度刑事訴訟法の建前が非常に変つて参りまして、警察は独自の捜査権と俗に申しておりますが、それを持つことになつておるわけでございます。百八十九条第二項に「司法警察職員は、犯罪があると思料するときは、犯人及び証拠を捜査するものとする。」というふうな条文がございまして、一応これで自分でもやれる。ただ検察官との関係におきまして検察官は、百九十一条で、検察官は、必要と認めるときは、自ら犯罪を捜査することができる。」というように対立しておつて、両方ともできるような関係になつております。ただその間の関係が苦干どういうものかわからんじやないかという用心のために百九十二条に「検察官と都道府県会委員会市町村公安委員会、特別区公安委員会及び司法警察職員とは、捜査に関し、互に協力しなければならない。」いわゆる協力関係と申しておりますが、今度只今御指摘の指揮関係になりますと、百九十三条の一項に一般的指示という規定がございまして、二項に一般的指揮というのがございます。今度は三項に具体的に事件の捜査の指揮というふうに規定があるわけでございます。で大体建前がそういうふうになつておりますので、検察官の指揮を得ずともやれる場合が勿論多いのでありますが、具体的な事件として検察官が必要ありとすれば、指揮を勿論やる、かような建前になつております。
  47. 中山福藏

    ○中山福藏君 具体的な指揮をするかしないかという問題が起る前に、これが世間に一般に非常な弊害が実は生じつつあるのです。それは頼まれ事件というのが実はございまして、警察に……、そうして検察官の耳なんかにできるだけ入れんようにして、自分がその事件を示談をさして、うまくそのうちの或る場合には鞘稼ぎをするというような噂が頻々として起つておるわけなんです。これは今度改正案で検事の指揮権というものが明示されてどうなるかわかりませんが、こういう点についてはいろいろ議論があつたかどうか。この法制審議会で出たか、そういう点は御存じありませんか。
  48. 岡原昌男

    政府委員(岡原昌男君) その点は第二回目の答申の際に相当問題が出たわけでございます。でいわゆる頼まれ事件、これは私どもよりは在野法曹のかたがよく知つておられるのでありまして、具体的な事件を挙げられて、これではどうも困るというのが、百九十九条のいわゆる通常逮捕状の発付の際に検察官の同意を必要とするというような議論が出て来た元でございます。実は余談でありますが、十四国会に法律案を提出いたしました際に、真つ先に質問を受けましたのが、百九十九条の逮捕状の検察官の経由の問題は、今度の法案の中に取入れたかという実は御質問を受けました。どなたでございましたかちよつと失念いたしましたが……。で今回は取入れてございませんと申上げましたら、それは重大なる問題だと、それを是非入れなければ、こういう法案は意味がないというようなことを実は言われたのでございますが、そういうようなこともございまして、二度目の法制審議会でそれが問題にされたわけでございます。その結果今度お手許に別に資料として差上げますが、承認を受けなければならないというので答申案が出されたのです。その承認をなさなければならないという条文でずつと進んで参つたのでございますが、最後の段階に国警本部のほうから異議が出まして、承認という文学を同意と書いてくれということで、十五国会には同意という言葉で出したわけでございます。それが大体の経過でありまして、法制審議会の際にも、丁度只今おつしやつたようないわゆる頼まれ事件というのが大変問題になつたのでございます。
  49. 中山福藏

    ○中山福藏君 もう一つ尋ねておきますが、こういう勾留期間五日延長するということになつておりますね。これは逐条審通のときにお尋ねしますが、一応お尋ねしておきますが、その審議の行われましたときに、大体十日を更に延長し二十日、合計二十日というようなことで期間というものが一応区切られておる場合に、この拘置所なんかに実際面会に行つてみますと、今日も取調があります、明日も取調がある、昨日は取調はなかつた、徒らに黙つて本人を拘置所の中に坐らしておくというようなことが相当にこれは見受けられるのですが、そういうことに対する一応の取調はあつたのですか、まだそういうことは問題になりませんでしたか。
  50. 岡原昌男

    政府委員(岡原昌男君) 只今お尋のような点も、この審議の際にやはり問題にされました。それで我々といたしましては、十日間、更に十日間というふうな二十日の間に大体の事件は調べがつくのじやないか。のみならず一日も早く調べを完了して身柄を釈放すべきである。これを大原則としてとらなければいかんというようなことを力説いたして参つたのでございますが、何分にも非常に大きな事件なので、どうしてもいかんような事件、丁度あの際にメーデー事件なんかいろいろ問題になりました。さような場合にはどうにも方法がないというようなことで、あの論議が進められたわけでございます。私どもといたしましても、身柄が勾留せられてから数日間も調べがないままに放置されるということは、由々しき問題であるというので、先般も検察長官会合の際及び次席検事会同の際に、従来にもましてその点に注意するようにというような指示をいたした次第でございます。
  51. 中山福藏

    ○中山福藏君 これは例えば紀州の田辺のようなところでは、一カ月に事件が一件ぐらいしかない、判事も検事も魚釣りに行つて遊んでおる、海浜ですから……。だからそういうのんきに暮せる場所もある。ところが東京、大阪のまうな頻繁に事件の起る場所では、たくさんの人が拘置所につながれております関係上、又検事さんの手も少い、そういう立場からなかなか取調が思うように行かんのですけれども、そう忙しくない場所においてすらも、これは私も弁護士をして三十七、八年体験済みですからよく見るのです、こういうことは……。だから法制審議会の委員の諸君は、こういう点は非常に一応考慮して頂いて、この状態を監視する、監察する一つの制度というものが私はなくちやならんと思うのです。そうすれば今度五日間なんかけちつぽい、延ばすならば、私は十日間ぐらいがいいと思いますが、そういう規定を設ける必要はないか。監察制度というものを十分に活用して、その怠けた連中だとか、或いは感情的にこれをもう少ししぼつてやろうというようなことで、五日間延ばされるというようなことでは大変です。向うの一日というのは私どもの一年です、外におります人間にとりましては……。それくらい長い期間でございますから精神的には……。だからこれは監察制度か何か置いて、従来の二十日でやれないものかということは、一応これは一つ考えて頂かなくちやならん問題じやないかと私は思うのです。ただ単にどうも事件の取調が遅延してしようがないから、五日間延ばすだけでは、これは誠に被疑者に対して私は不親切じやないかと思いますが、そういう点については如何ですか。
  52. 岡原昌男

    政府委員(岡原昌男君) 只今中山さんからお話のような点はまさしく問題になりました次第でございます。そこでその当時いろいろ事件の監察と申しますか、それを上の人がよく見ておくという必要のある点について、いろいろな方法を考えたわけでございます。一案といたしまして、検事長の許可とか認可とかいう、ああいうような措置をとつたらどうであろうか、具体的に延期する場合に、こういう事件であるからと言つて、その代り十日間くらい延長するというようなことはどうであろうかというような案も一応出たこともございます。それからそういう大きな事件でございまして、大体いろいろな要件がございますから、重大な事件で而も被疑者が多数で、二十日の間に調べができないという事件でございますから、もうすでに最高検にも報告が参つておる事件でございます。ですからそういう事件については、一応上司のほうは全部眼を光らせておる事件ばかりでございますので、明文に書かずとも、大体慣例でそういうことになるであろうという議論も出たわけで“」ざいますが、いずれにいたしましても、勾留期間の延長等について厳重にやららければならんという点については皆一致した。勿論検察庁側も賛成の態度でございます。具体的に選挙違反のときなど、その地方によつて違いますが、検事正の手許に勾留一覧表というものを持つて参りまして、何日に逮捕され、勾留されて、何日目に釈放されたというのが、その日その日に報告が来て、一目見ればわかるというような方法をとつておるところもございます。そういうようなことで成るべく身柄の拘束については慎重にやつて行こうというような気持を持つておるわけでございます。なお、具体的事件についていろいろ関連があるようになりますと、御承知の検察審査会その他で、国会議員その他を審議会のメンバーとしておりますさような機関もございますので、具体的な事件の起りました場合には、随時審査等でそれが是正されるというようなことも考えた次第でございます。
  53. 中山福藏

    ○中山福藏君 これはよく私当局のかたに申上げておかなければなりませんが、取調の方法が現在は逆戻りしつつある。一時は民主々義とか何とか盛んに叫ばれて少し遠慮する気味があつた。ところが刑事級の人の頭はあなたの御承知の通りの程度です。だから自分の手柄を急ぐために相当逆戻りしつつ、元の制度そのものをやりつつある場所が相当あるわけです。そこで旧い時代は自白の強要になる、これは暗黙に行われて、期日というようなものを一日でも延ばせば、もう一日も一時間も早く出たいという気持を持つておりますから、少し横着着という感じを持たれますと、刑事或いは検察官もこれをもう一日、二日、放り込んで置け、今までは二十日であつたが五日延びたから、これは都合がいいというように、日本人は感じやすいのではないかというふうな私は考えを持つておるのです。これは欧米人と日本人は国民性が違うのです。だから国民性の上からも一応検討して見る必要があると思う。これは非常に大事なことです。五日延ばすということについて、法制審議会では単に今あなたのおつしやつたような議論であつたならば、これはもう法制審議会は何をしておつたか、そういう点についてもう少し詳しく何かなかつたのですか、その程度のものですか。
  54. 岡原昌男

    政府委員(岡原昌男君) いわゆる監察機関という問題のみ申しますと、只今言つたような具体的な事件に応じて、検事長なんか見に行つて、それに反すれば、それは重大なもので、その検察官の行政上の責任が勿論追及されるものであります。そうでなくとも全般的に事件の指揮を上部の検察官がやつておるのでありますから、内容的に見て全部間違いなく見えると私も思います。と申しますのは、それだけ大きな事件になりますと、先ほど申上げたような高等検察庁最高検察庁の目が全部入つて参る。報告が来てそれに対する関心が全部持たれるのでありますから、この事件についてはこういう場合にのみ勾留の期間を延長してよろしいというのが具体的に行くはずであります。でありますからそれ以上何と申しますか外部的に監察の制度とか或いは機構というようなものは作らんでも大体賄えると私も思つております。機構としてはそういう問題でございますので、内容的には先ほどもちよつとち打つと触れましたが、非常に場合を限定いたしまして、その要件が全部満たされなければいけない、かように二つの方面からそれぞれ規制をいたしてあるわけであります。
  55. 郡祐一

    ○委員長(郡祐一君) 速記を止めて。    〔速記中止〕
  56. 郡祐一

    ○委員長(郡祐一君) 速記を付けて。
  57. 中山福藏

    ○中山福藏君 私は委員長並びに委員の方々にお願いがあるわけです。それは火災ビンというものが爆発物であるかどうかということが非常に大きな問題になつております。現在六つの地方裁判所が無罪の判決を言い渡しておつて、そのうち大阪及び広島の控訴院については控訴棄却、つまり検事控訴によるとありましたが、これに対して控訴棄却の判決を与えた。そうして今度又火炎ビンは爆発物ではないという判決が下つたということが二、三日前の新聞に出ております。これは私はこの委員会において火炎ビンというものは爆発物であるかどうかということを一応法務委員会としては頭に入れておく必要があるのじやないか。万一爆発物にあらずとすれば、私はこれに対する特別の立法措置というものが必要になるのじやないかと思うのです。これは単に刑訴法上の傷害罪であるとか放火罪であるとかいうものに当はめるということではなくて、この火炎ビンに関する限りにおいては特別の立法措置というものをこれは私ども議員として考えて見なければならん問題じやないかと思つておるのです。これがまあ検察庁においても或いは裁判所においても非常な頭痛の種になつておると思いますが、私どもは委員会において独自の立場において、これを調査するということも時宜に適したものだと私は考えております。委員長におかせられましては、この問題を一つ一応お取上げ下さつて、この火炎ビンに関する調査委員会というようなものを設けて欲しいと私は考えております。これは委員長並びに委員のかたに特にお願いしておきます。これは爆発物なりや否やということを相当私ども頭において基礎資料というものを入れておく必要があるのじやないかと思います。但しこれがこの委員会において爆発物であるとかそうでないとかいう判断を下して裁判所につきつけるとか何とかいう問題ではないのですけれども、それと別個の立場において一感私は立法措置をする、しないということから考えてみて検討する余地があるのじやないか。こう考えておりますから特に一つ委員長において御考慮を願いたい、かように考えます。
  58. 郡祐一

    ○委員長(郡祐一君) 中山委員の御発言よく了承いたしました。どのような方法で取扱いますかについては、又委員長理事打合会等を開きまして取扱方法について相談をいたしますが、御発言の趣旨に副うように考えて行くことにいたします。それでは速記をやめて。    〔速記中止〕
  59. 郡祐一

    ○委員長(郡祐一君) 速記を始めて。本日はこれを以て、散会いたします。次回は明十四日午前十時より開会いたします。    午後二時四十七分散会    ―――――・―――――