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1953-07-14 第16回国会 参議院 内閣委員会 13号 公式Web版

  1. 昭和二十八年七月十四日(火曜日)    午前十時四十九分開会   ―――――――――――――  出席者は左の通り。    委員長     小酒井義男君    理事            上原 正吉君            長島 銀藏君            竹下 豐次君    委員            白波瀬米吉君            成瀬 幡治君            松永 義雄君            松原 一彦君            野本 品吉君   国務大臣    国 務 大 臣 木村篤太郎君   政府委員    行政管理庁次長 大野木克彦君    行政管理庁監察    部長      山中 徳二君    保安政務次官  前田 正男君    保安次長   増原 恵吉君    保安長官官房    長       上村健太郎君    保安庁人事局長 加藤 陽三君    保安庁経理局長 窪谷 直光君   事務局側    常任委員会専門    員       藤田 友作君    常任委員会専門    員       杉田正三郎君   説明員    林野庁治山課長 塚野 忠三君    会計検査院検査    第三局長    小峰 保栄君   ―――――――――――――   本日の会議に付した事件行政管理庁設置法の一部を改正する  法律案内閣送付) ○保安庁法の一部を改正する法律案  (内閣送付) ○行政機構の整備に関する調査の件  (会計検査院の検査に関する件)   ―――――――――――――
  2. 小酒井義男

    ○委員長(小酒井義男君) 只今より内閣委員会を開会いたします。行政官理庁設置法の一部を改正する法律案を議題といたします。御質疑をお願いいたします。
  3. 竹下豐次

    ○竹下豐次君 先般一応御説明を伺つたのでありますけれども、重ねて御説明を簡単にお願いしたいのですが、現行法に比較して行政官理庁の権限を強化するということになつておりますが、その強化される点がどれとどれが条文にはつきり現れているのかということをもう一遍簡単でよろしうございますから御説明を願いたいと思います。
  4. 大野木克彦

    政府委員(大野木克彦君) 強化いたします点は、一番初めは第四条の四項として、従来は一般的に必要な行政機関の監察に関しましても、必要な資料の提出及び説明を求めるということだけだつたのですが、実地監察の権限を規定いたしております。このたびは特にこの四項を設けまして、監察に関しては特に監察を行うために必要な範囲において各行政機関の業務について実地に調査することができるということをはつきりいたしました。  次に五項として、公共企業体その他補助委任の関係にあります業務につきましては、従来は他の一般的な団体等に対すると同じくただ従来の三項によりまして監察上の必要によつて公私の団体その他の関係者に対し、資料の提出に関し協力を求めることができるということにとどまつておりましたのでございますが、特に今度この前申上げましたような業務に関しましては書面により又は実地に調査することができるということもはつきり権限として規定いたしました。  以上が大体監察の方法についての強化と言えると思いますが、七項に長官は監察の結果、行政機関の長に対し勧告をしたときは、当該行政機関の長に対し、その勧告に基いて執つた措置について報告を求めることができるということを明らかにいたしまして、勧告後その勧告がどういうふうに実施されているかを調べ、又はそれを推進して行くことができるように規定いたしたのでございます。  次に第八項の監察の結果、行政運営の改善を図るため必要と認めたときは、内閣総理大臣に対し、関係行政機関の長に所管事項の改善を指示するよう意見を具申することができるということを規定いたしました。特別な場合には勧告以上に、総理大臣内閣法に基きます指揮監督の権限により指示を求めることができるようにいたしました。  更にこの行政監察は必ずしも綱紀の問題と直結するわけではございませんけれども、監察の結果綱紀を維持するため必要と認めたときは、関係行政機関の長に対し、これに関し意見を述べることができるということにいたしまして、綱紀に関する面につきましては、任命権者の懲戒権等に触れない範囲で、意見として適当な処置をとるように述べることができるというような規定を設けました。  全体として監察並びに調査の方法及び結果の処理につきまして従来よりははつきりした、又強い権限を附してございます。
  5. 竹下豐次

    ○竹下豐次君 この第四項と五項の関係ですが、五項には第二条第十二号に規定する業務については、当該行政機関と協力して行くという協力ということが特に書いてありますが、第二条第十二号に規定する業務以外の問題につきましては、ほかの当該行政機関と協力する必要はないということになるのでしようか。第四項に監察を行うため必要な範囲において各行政機関の業務を実地に調査することができると書いてあつて、当該行政機関と協力してという文字がないのです。第五項にはその言葉があるのです。五項の場合には第二条第十二号に規定する業務についてということが書いてありまして、これも二様に解釈されます。一般的に行政機関の協力を要するのであるが、二条の第十二号に規定する業務においては又特に書類又は実地と書きわけてあるのですが一般的にできるのか、或いはそれとも第二条の第十二号に規定する業務だけについて他の当該行政機関と協力すればいいのであつて、第二条の第十二号に規定する業務以外の問題については協力を求めずにずんずん突込んで行つて実地に調査することができるという四項は意味であるのか。それを御説明願いたい。
  6. 大野木克彦

    政府委員(大野木克彦君) 四項に規定いたしておりますのは、直接監察をいたします行政機関の業務に関する関係で、これは別に相手方の行政機間と協力等の関係はなく、こちらから直接にやつて行ける。  それから五項に規定いたしましたのは第二条第十二号の場合でございまして、二条十二号で調査をいたしますのはここに掲げております公共企業体労働関係法にいう公共企業体と、委任又は補助にかかる業務の実施状況ということでございまして、それらのものの調査に関しましては十二号で、もうすでに各行政機関と協力して必要な調査を行うことができるという規定をいたしておりますので、それといわばダブるようなことになりますけれども、同じような趣旨のやり方につきましても五項に規定いたしました。言い換えますとここでやります監察は各行政機関に対する監察に限るのでございますが、ただその監察の裏付け調査として、この二条の第十二号に掲げるような業務につきましては調査ができる。ただその調査をする場合には関係の行政機関と協力して調査ができる。こういうようにしぼられておるわけであります。
  7. 竹下豐次

    ○竹下豐次君 具体的にちよつと伺いますが、農林省出先機関地方にある。例えば統計調査の地方出先機関を調査される場合に、本省の協力を求める必要なしにいきなり飛び込んでもういや応なしにと言つては実は言葉が少し強過ぎますが、まありくつを言えばそうなりますが、地方出先機関に立入つて調査することができるかどうか。こういうことでありますが。
  8. 大野木克彦

    政府委員(大野木克彦君) 地方統計の事務所は国の機関でございますから、これはもう直接実際の場合は別としまして、りくつの上ではいや応なしにできるのでございます。
  9. 竹下豐次

    ○竹下豐次君 それから五項の場合には書面によりというのが特に加えてありまして、実地調査だけではないのですが、四の場合には書面によりというのはないのですが、これは何か色分けしなければならないという理由がありますか。
  10. 大野木克彦

    政府委員(大野木克彦君) これは特に違いはないので、従来からの資料を求めるというのと同じようなものです。
  11. 竹下豐次

    ○竹下豐次君 併しこう書き分けておられるところを見ると何か意味がなくして書き分けられるというのは少しおかしい。一方は書面ということを特に五項には書き分けてあるわけです。特別何か意味がなくて二通りに書き分けられるのは、却つて逆に言うと五項にはまあ書面によりということは書き分けてある。四項にはそれがないから書面の要求を行政機関の業務についてされた場合には、いやだとこういうことになりますか。法律の形はそうなりますね。
  12. 大野木克彦

    政府委員(大野木克彦君) 卒直に申上げますと、五項の書面により云々は、地方団体にする委任又は補助に関するような業務を調査する場合を考えまして、そういう表現をとつたわけでございまして、内容といたしましては今この二項にございますように、各地方団体行政機関に対し、必要な資料の提出、及び説明を求めることができるというのが一般的に規定されております。それとほぼ同趣旨のことを五項に入れたわけでございますけれども、ただ地方に対するような感触を考えまして、多少やわらかと申しますか、書面により実地にというふうにしたわけであります。
  13. 竹下豐次

    ○竹下豐次君 そうすると成るべくならば書面でやつて実地調査を成るべくなら避けるというようなお含みもあるわけですが、それがなかつたら意味をなさないと思うのです。そうその他とすると、我々ちよつと困るのです。苦しそういうお含みがあるとすれば。
  14. 大野木克彦

    政府委員(大野木克彦君) これは両方で必要によつてやるつもりなんでございますが、ただ書き表し方を、五項は直接の行政機関じやないものに対する調査でございますから、そのやり方につきましても多少特別な色合を付けたというに過ぎないのです。
  15. 竹下豐次

    ○竹下豐次君 色合が付くのですか。
  16. 大野木克彦

    政府委員(大野木克彦君) 相手になりますのは大体地方自治体でありますとか、公共団体、公社になりますので、一般の行政機関に対します場合より少しやわらかにいたしたというだけでございます。
  17. 竹下豐次

    ○竹下豐次君 ただやわらかにとおつしやいますけれども、さつきちよつと申しましたように実地調査はその五項の場合には、成るべく避けて書面でやることを第一義にするんだというような意味であるならば、幾らかやわらかにするということになりますけれども、この書き方じやそうも見えないし、それから一つは実地調査の権限ははつきりやはりお示しにならないと、何だかこうやわらかにするというような気持を含みとしても持つておられるということは、私は成果をあげるに非常に困るのじやないか、というような気持がしますので、もうちよつと強くやつてもらいたいという気持であるからこんな質問をいたしておるわけであります。その点はどうなんですか。
  18. 大野木克彦

    政府委員(大野木克彦君) 実を申上げますとその点は非常にこれを作りますときに悩みました点でありますが、御承知の通り今日一方においては公社とか、地方自治体のようなものも自主性が非常に持たれておりますので、それに対して国から出て行つて実地調査をするということは、見方によりますと、干渉にもなりますので、その間の調和を考えまして法律上の表現をいたしております。
  19. 竹下豐次

    ○竹下豐次君 どうも私はよく了解ができませんけれども、この点をちよつと私も考えさせてもらいたいと思います。  それからもう一つ。これは本来の形式の問題でありますが、長官は、長官はという言葉がずつと使つてありますね。これは行政管理庁長官の意味だろうと思いますが、ただ長官という官名はないはずだと思います。行政管理庁長官ではないかと思うのですが、併しこういう使い方が法律としてほかに先例がたくさんあるならばそれでもいいと思つておりますけれども、私それを存じておりませんから。
  20. 大野木克彦

    政府委員(大野木克彦君) 実はこの四条は、行政管理庁設置法におきまして長官という柱を立てまして、その長官の権限その他をずつと規定いたしておりますので、その意味で全部長官というふうに書きましたのでございますが。
  21. 竹下豐次

    ○竹下豐次君 意味はわかるのです。わかるけれどもこういう法律の形式を今日までおとりになつておるかどうか、実際長官という官名はないのです。ない官名をぽこつとこう出して、まあ常識的にはそれはわかるのです。わかるけれども法律形式としてどうかという疑問を持ちましたからお尋ねするのです。
  22. 大野木克彦

    政府委員(大野木克彦君) 実は前からこういう形をとつておりましたので、使用をいたしたのでありますけれども、ほかの例をちよつと覚えておりませんので、調べてみます。
  23. 成瀬幡治

    成瀬幡治君 大野木さんにお願いするのですが、質問じやなくしてお願いなんですが、昭和二十八年度でしたか、七年度のときですか、去年でしたかね、機構改革をやりましたね。そして何か伺いますと八項目ぐらいの監察する目標をお立てになりまして監察をされたわけですね、各監察局が。それで内容をお聞かせ願うというのは少しおかしいかも知れませんが、その目標を立てられたいきさつと、調査監察されたその結果。それから機構改革をやつたことが非常にそれでよかつたのか悪かつたのかということについて、あれは実際はあなたの方の原案に対しまして委員会でたしか修正したと思いますから、それについて若干責任もあると思いますから、どんなふうであつたかという点について一応の私は御意見を伺いたいと思います。ですからそういつたような点についてこの次の委員会のときでもいいし、或いはその次でもいいと思いますが一つ準備をして頂いて一応お聞かせを願いたいと思います。
  24. 野本品吉

    野本品吉君 竹下さんの御質問で大体わかつたような気がするのですが、わからないような、どうもはつきりしない点がありますので、一つ。それは先ほども出ました当該行政機関と協力してということですが、協力なくしても独自の立場で行い得るかどうかということです。
  25. 大野木克彦

    政府委員(大野木克彦君) 監察をいたします相手方は国の行政機関でございます。国の行政機関でありますれば協力なくして独立に監察はできます。ただ国の調査をする相手方でございますね、監察の裏付のためにやる調査をする相手方はどういうことができるかと申しますと、公共企業体とか、それから委任又は補助を国が出している業務、それらの業務の執行状態を調査するとかいう場合には、それを出しております行政機関と協力をして調査をする、こういう意味です。
  26. 野本品吉

    野本品吉君 そこで農林省にしろ建設省にしろ、内部に一応の監察の機構を持つて地方のそういう団体に対して指導といいますか監督をしておりますが、そうしますと各省の持つております内部監察において、これでよろしいという一応の判定が付いた場合にそれはどうなります。
  27. 大野木克彦

    政府委員(大野木克彦君) その点は成るべくこちらで監察計画を立てますときにそれぞれの省の監察機関とも連絡いたしましてやるようにいたしておりますが、ただ何分、やはりその内部の監察は内部監察としておのずからそこに限度があると思いますが、こちらは政府部内ではございますけれども、第三者的な立場から同じようなことを見るという場合もあり得ると思いますが、大体はダブらないようにして行きたいと思います。
  28. 野本品吉

    野本品吉君 その場合に、内部監察によつてもうその点は心配ないのだから監察の必要がないが、行政管理庁の立場から言えばもうちよつと調べてみたい、そういう場合はどうなります。
  29. 大野木克彦

    政府委員(大野木克彦君) そういう場合は国の行政機関であれば、行政官庁で必要と認めればそれは独立して監察ができる建前になつております。
  30. 野本品吉

    野本品吉君 もう一つ。提案理由の第二のところに、右の調査は各行政機関の監察の手段として特に重要な関係を有するものでありますから、と、こう説明されておるのですが、これをもう少し具体的に言いますとどういうことになります。
  31. 大野木克彦

    政府委員(大野木克彦君) それは公共企業体と国の行政機関の関係でありますとか、又国が委任し、又は補助をいたしておりますような業務というものは、国の行政としての運営と密接な関係が特にございますので、それらにつきましては、元来国の行政機関の行政運営を監察する監察機関でございますけれども、特に国の行政機関以外のものがやつておることでございますけれども、それらの点に関しましては国に密接な関係がありますので、又公共性も強いので国の行政機関の監察の裏付けとして調査もできる。具体的に申上げますと、つまりそれらのものを調査いたしますのは、例えば国の行政機関が補助金を出しておる。私ども、直接監察をいたしますのはこの補助金を出しておるというものを監察するわけでございまして、その補助金を今度出した当該事業は、例えば府県とか市町村でやる場合が多いものでございますから、それらのことにつきましては府県市町村と国の機関と同じように監察するということはできませんけれども、裏付けとして調査はできる。こういう意味であります。
  32. 野本品吉

    野本品吉君 そこにどうもわからない点がある。それは例えば補助金を国が出す場合、国の行政機関が補助金を出すその出し方が適当であるかないかを見るために、その裏付けとして地方自治団体等の実情を調べなくちやならない。その地方自治団体の実情を細かに調べた結果として国の行政というものが適正であるか、補助その他の行政が適当であるかないかということの結論が出て来るのです。国のほうでは手が付けられるけれども、地方自治団体等のほうでは独自の立場で手が付けられんということになると、どうもその辺の関係がはつきりわからないのですが、どうでしようか。  いま一度申上げますと、地方のいろいろな仕事に対しての補助金の出し方が適当であるかないかということは、国の行政機関としては重大な問題ですね。ところがその出し方が適当であつたかなかつたか、あるかないかということの判定は末端の現地から盛り上げて来なければわからない。そこで現地で手が付かずに、国の行政機関の補助金の交付その他が適正であるかないかということは、これは逆に見て行かなければわからんものであります。私はそういうふうに感じますけれどもどうでしようか。
  33. 大野木克彦

    政府委員(大野木克彦君) それは補助金を国から流します。そうするとその流し方が適当であるかどうかということは、国の行政機関に対する監察として監察するわけでございますが、それを受ける側がどういうふうに使われておるかということですね。つまり県なり市町村なりがどんなふうに使つておるか、この関係においては実地調査ができるということをわざわざここで規定しておるわけでございます、その関係においては。
  34. 野本品吉

    野本品吉君 それは国の行政機関がこれだけ補助金を交付することが適当であるからという一つの資料その他に基いて交付するわけですね。その交付の仕方が適当であるかないかの判定は、今度は地方自治体のつまり要求その他が適当であり、又地方自治団体でやつておる仕事が適正に行われたかどうかということから見て行かなければならん。どうも私はそう感ずる。
  35. 大野木克彦

    政府委員(大野木克彦君) その実情を調査ができるようになつておるわけです。
  36. 野本品吉

    野本品吉君 そこで私は問題にしているのは、つまり内部監察、内部指導等のいろいろな機構は各省庁にありますから、そのほうではそれはよろしいのだと言つておるのです。そういう場合に果して協力してできるか。
  37. 大野木克彦

    政府委員(大野木克彦君) 協力というのは必ずしもその一緒に行つて共同にやるというような意味ではございませんので、こういうことをやるということで話合をして、まあ大体その関係の機関でも納得をいたしまして、そうして調査は大体独自にやる場合が多い。そこでその結果その行政機関のやつたやり方についてこちらが別な意見が出ました場合にそれを検討いたしまして、必要があれば交渉するということになつております。
  38. 野本品吉

    野本品吉君 どうもはつきりしませんが、もう少し考えて又お伺いしたいと思います。
  39. 小酒井義男

    ○委員長(小酒井義男君) それでは本法律案についてはまだ御質疑があると思いますが、本日は一応、この程度で次の議案に移りたいと思いますが御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕   ―――――――――――――
  40. 小酒井義男

    ○委員長(小酒井義男君) 次に保安庁法の一部を改正する法律案を議題といたします。御質疑のおありの方は順次御発言を願います。
  41. 松永義雄

    ○松永義雄君 なるたけ時間を節約するのでできるだけ簡明に質問いたしたいと思いますけれども、御答弁もできるだけ簡明にして頂きたいと思います。  貸借協定によつてフリゲート艦を日本が借用いたしまして、その結果としてアメリカ日本に派遣して日本沿岸警備のために使用しておりましたフリゲート艦は引揚げたのでありましようか、どうですか。イエスか、ノーか。
  42. 木村篤太郎

    国務大臣木村篤太郎君) アメリカからフリゲート艦その他を只今五十二隻引渡し済みであります。そうしてあとのものについては九月中に引渡す予定になつております。これらの艦によつて我が国の沿岸警備或いは浮遊水雷の引上げ、その他の用に供する次第であります。
  43. 松永義雄

    ○松永義雄君 最初横須賀港にあつたソヴイエトの船でありますとか、そういうものが問題になつたのですが、最初日本にフリゲートを使わせたときに、それまでアメリカが使用しておつたフリゲート艦は引上げたはずなんですが、その当時はどうでありましたか。
  44. 木村篤太郎

    国務大臣木村篤太郎君) そのアメリカから、借りておるフリゲート艦はアメリカがどういう工合に使用しておつたのかわかりませんが、とにかく新たにこれを借りても又実際において申上げたように、引渡しをした次第であります。
  45. 松永義雄

    ○松永義雄君 アメリカ日本沿岸の警備のためにフリゲートを配置しましたのは朝鮮戦争以来のことと思つておりますが……。
  46. 木村篤太郎

    国務大臣木村篤太郎君) 私はその点は聞き及んでおりませんが、フリゲート艦でアメリカ日本沿岸を警備したということは……。
  47. 松永義雄

    ○松永義雄君 そのことは外務大臣にお尋ねしなければならんと思いますが、私の申上げていることは、アメリカの国会におけるフリゲート艦貸与に関する国会議員及び政府委員との質疑応答の速記録から見ましてお尋ねしておることで、この速記録は本当に外務省は無論御承知のことで、我々の手にあるのですから、もうすでに外務省では十分読んでおられます。今日はなぜそういうことを私が質問するかというと、フリゲート艦使用の目的はどこにあるかということから私は質問しておるのです。重ねて御承知なければ御承認願つて、外務大臣からお答え願いたい
  48. 木村篤太郎

    国務大臣木村篤太郎君) 私も借受けるにいたる経過については聞き及んでおるのでありますが、この船をアメリカが従来どういう工合に使つておつたかということについては私は詳細に存じておりません。
  49. 松永義雄

    ○松永義雄君 もう一遍別の角度から御答弁頂きたいと思いますが、アメリカ日本にフリゲートを貸与して日本がこれを使用してからは、アメリカ日本沿岸警備のためにフリゲートは使用するようなことがなくなつたのか。つまり日本がフリゲートを借用して使用するにいたつたということは、今までアメリカ日本沿岸警備のために使用しておつたフリゲートを引上げてその穴埋めに日本がその任務についておるのではないか、こういうことなんです。
  50. 木村篤太郎

    国務大臣木村篤太郎君) 私はそうでないと思つております。アメリカ日本のためにフリゲート艦を使つて沿岸警備に当つておつたということは聞き及んでおりません。このフリゲート艦はアメリカでやはりコースト・ガードと申しましようか、海岸の警備のために使つておつた船だということを私は知つております。その船を日本で借受けたということです。
  51. 松永義雄

    ○松永義雄君 そういたしますと、これは又外務大臣から聞かなければならんことになるのですが、フリゲート艦貸与に関するアメリカ国会における政府委員と議員との質疑応答の記録と相違を来しておる。只今大臣の答弁は私の申上げることと違つておる。違つておることはアメリカの只今の速記録によつて明瞭になつている。何故私がそういうことを質問するかということは、日米安全保障条約は日米安全保障のための条約であります。その言葉の示す通りであります。更に進んで私は質問しておきたいと思うのですが、アメリカ日本ヘフリゲートを貸与したのはアメリカの利益のためではないかという点を御質問いたします。
  52. 木村篤太郎

    国務大臣木村篤太郎君) もとよりフリゲート艦を借りたのは日本沿岸警備、その他の目的のために借りておるのだ、利益になるという観点から借りておるのだと思つております。
  53. 松永義雄

    ○松永義雄君 只今の御答弁は少し喰い違いがあるようでありまして、日本の利益のためであることは勿論であるが、アメリカの利益のためだと思つてアメリカはこれを日本に貸与したのではないか、こういうふうに質問しておきます。
  54. 木村篤太郎

    国務大臣木村篤太郎君) もとより安保条約というのは申すまでもなく極東における平和のために結んだものである。極東平和を維持するということは、日本の利益のためでもあり、又ひいてはアメリカの利益のためでもある。アメリカも自分の利益でないものを決してやる考えはなかろうと考えております。少くなくとも大きな目的で世界の平和をもたらしてやろうという観点から結ばれたものと我々は思います。
  55. 松永義雄

    ○松永義雄君 これは大臣のお話の通りで、日米安全保障条約の規定の中に「アメリカ平和と安全のため」という条文の字旬があるのでありまして、ただこれをぼやかされて行く傾きがあるので、特にこの点を指摘してアメリカの安全と平和のためにも日本に貸与しておるのではないかということを力説して質問したわけであります。  そこでこのフリゲート艦というものの性質なんですが、これはアメリカの海軍の一翼ではないのですか。
  56. 木村篤太郎

    国務大臣木村篤太郎君) それは御承知の通り艦齢が十数年たつている。その前においてアメリカはいわゆる海軍の一部として使つておつたということは事実でありましよう。併しその後それはいわゆるコースト・ガードと申しましようか、沿岸の普通の警備に使つておつたと聞き及んでおります。それをこの期に及んで借受けるということになつております。
  57. 松永義雄

    ○松永義雄君 只今大臣の御答弁で見ますと、何かこうアメリカ海軍とかけ離れた他の目的のために使用されておるかのごとき御説明でありましたが、ところがフリゲート艦はアメリカ海軍の一部としてアメリカ海軍の全体のための目的に使用する、こう言われておる。重ねて………。
  58. 木村篤太郎

    国務大臣木村篤太郎君) フリゲートは戦争中アメリカがたくさん作つたようであります。従つてアメリカの海軍の用に供しておつたということは事実でありましよう。併しその後において私の聞き及んでいるところでは、アメリカはこのフリゲート艦というものを今申上げますようにコースト・ガードのために使つておつたということを聞いております。
  59. 松永義雄

    ○松永義雄君 そこで結論が出て来るのですが、日本へ貸与して、そうして日本が使用しておるフリゲート艦はもとよりアメリカの海軍ではないのでありますが、日米安全保障条約その他によつて両者の目的のために使用されておるのではないか。平和と安全のために使用されているのではないか。こうお聞きしたい。
  60. 木村篤太郎

    国務大臣木村篤太郎君) これは安保条約と関係なく、これは大きな意味から言えば安保条約に関係がありましようが、ただ日本の海岸の警備のために日本で使うために借りたのです。直接には安保条約には関係ないことを申上げておきます。
  61. 松永義雄

    ○松永義雄君 もう一遍裏から質問いたしますが、アメリカ日本のコースト・ガードのためにフリゲート艦を引揚げたと言うと、アメリカ海軍はそれまでの十分な目的の達成に欠けることになるのではないか。
  62. 木村篤太郎

    国務大臣木村篤太郎君) これはアメリカ日本のために沿岸警備に使つておつたものだということを聞いておりません。日本海岸警備のために初めて日本が借りてこれを使用しておる。
  63. 松永義雄

    ○松永義雄君 次に質問します。警察予備隊が平和と秩序のためにできております。それから警察予備隊から警察保安隊或いは警備隊というものに発展して行つたのですが、簡単に或る一時期でいいですが、人員についてどういうふうに発展して来ているか。例えば警察予備隊が最初できたときにどれくらいでもつて組織されておつたか。現在は法案の提案説明に出ておりますからわかりますが、成る一時期をとらえて三段階くらいに御説明を頂きたい。ほかの委員からで結構です。
  64. 増原恵吉

    政府委員(増原恵吉君) 警察予備隊が発足いたしましたときは七万五千で発足をいたしました。そうして法制上は昨年の五月に十一万に増員になりました。保安隊にきりかわりましたのは昨年の十月十五日であります。その際には定員としては変更はなかつたのであります。警備隊は海上保安庁を母体として海上警備隊の名の下において現在の定員で発足をいたしました。これを今度の予算を提出いたしました保安庁法の一部改正によりまして増員をして頂きたい。警備隊は、この法案が認められますれば、第一回の増員になるわけであります。保安隊は第一回の増員を終つておるという形であります。
  65. 松永義雄

    ○松永義雄君 こうした増加して行く傾向というものは何か日米安全保障条約にも関係があるのですか。
  66. 木村篤太郎

    国務大臣木村篤太郎君) 別に日米安全保障条約とは関係ございません。
  67. 松永義雄

    ○松永義雄君 日本防衛力の漸増ということには関係はないのですか。
  68. 木村篤太郎

    国務大臣木村篤太郎君) 無論結果的から言えば自衛力漸増になりましよう。併し世間にいわゆる自衛力漸増とはこの保安隊の増員は関係ないと考えております。
  69. 松永義雄

    ○松永義雄君 この法案に只今議題になつております保安庁法の一部を改正する法律案によつて定員の増加が計られておりますが、将来これだけでもつて終るものですか。それとも又増加する予定があるのですか。
  70. 木村篤太郎

    国務大臣木村篤太郎君) 只今保安庁法の一部改正でもつて、要求いたしております増員というのは、このフリゲート艦を借受けまして船に乗込ませる警備員の増加ということを考えております。そこで御承知の通り二十八年度予算におきましては更に警備船の建造を我々は要求いたしておるのであります。幸いにいたしまして、この要求がお認めになればこれに乗込ませる警備員の増加は必然的に加わつて来るものと考えております。
  71. 松永義雄

    ○松永義雄君 大臣は、私の聞き誤りかもしれませんがしばしばこれ以上人員を増加しないということを言明されているようでありますが、そういつた言明はあつたのですか、ないのですか。
  72. 木村篤太郎

    国務大臣木村篤太郎君) 私の申上げまするのは、つまり保安隊の今の十一万人の数は現在の段階においてはまだ増加することは考えていないとこう申上げたのであります。
  73. 松永義雄

    ○松永義雄君 現在の段階とおつしやるのですから段階の如何によつてはふえるとこういうふうに解釈してよろしいのでございますか。
  74. 木村篤太郎

    国務大臣木村篤太郎君) 将来のことはどうなるかわかりません。
  75. 松永義雄

    ○松永義雄君 今おつしやつたその他ということは、恐らく二十八年度予算における予算外国庫の負担になる契約をなすべき権限の百億円の艦艇製造費であろうと思いますが間違いありませんか。
  76. 木村篤太郎

    国務大臣木村篤太郎君) さようでございます。
  77. 松永義雄

    ○松永義雄君 そうしますとだんだんこうやつてふやして行かれるのですが、段階段階といつてこの段階とは一体どういう意味になりますか。
  78. 木村篤太郎

    国務大臣木村篤太郎君) この警備員の増加は御承知の通り日本の海岸線が九千哩になんなんといたしております。世界でアメリカに次いでの長い海岸線でございます。この長い海岸線を警備するにつきましては相当数の船を必要といたします。従いまして我々は二十八年度において最小限度の必要とする船の建造を要求した次第であります。
  79. 松永義雄

    ○松永義雄君 後へ戻りまして、くどいようですけれども、アメリカ日本沿岸の警備のためにフリゲート艦を配置したのは朝鮮戦争以来のことであります。然らば朝鮮戦争がすめば日本の警備のためのフリゲート艦は一応必要なくなると思うのでありますが、ところがアメリカの配置したものより以上に日本の海岸線は広いからこれを広げて行こうとするということは、ややあなたの常に言われておる近代的装備を備えた戦力というか、戦力というとなかなか御答弁が困難であろうかと思いますが、そうした段階にこう進みつつあるものではないのですか。
  80. 木村篤太郎

    国務大臣木村篤太郎君) 決してさようには考えません。この我々の要求いたしておりまする警備船のごときは構造、能力その他を御覧下されば極めて明白であります。こういうものは戦のために使えるようなものじやないのです。主として今申上げました通り海岸の警備に適する船を言うのであります。
  81. 松永義雄

    ○松永義雄君 それならば経済審議庁の計画した海、陸、空の軍備、というと、大臣はおきらいですが、そういうお言葉を使うのはおきらいですから軍備という言葉は使いませんが、そうした計画があるのですが、現にそういう計画はあるのですか。
  82. 木村篤太郎

    国務大臣木村篤太郎君) 経済審議庁でどういう計画をしたか私は聞き及んでおりません。
  83. 松永義雄

    ○松永義雄君 どうも大臣黙秘権濫用されておるのですからね。ここは国会でありますから別に大臣に対して故障はないと思いますが、もう少し国民を、何と申しますか、俗に言うつんぼさじきに置かないで、もう少しはつきり知らせるというお考えになつたらどうなんですか。
  84. 木村篤太郎

    国務大臣木村篤太郎君) 私は決して隠しだてはいたしません。もとより将来日本の警備計画がこれはしつかりしたものを一つ立てなくちやならんと考えております。これにつきましては要するにいろいろな面から考えられるのです。我々の生活の安定をおびやかしてはいけないのですから、日本経済力とか技術的の面、これに乗組ませる者とか、或いは保安隊員の訓練の点、各方面からこれを研究しなければならん。ただぼんやりやつていてどれだけにふやせばいいか、どれだけのものを持たせればいいかということでは参らんのであります。慎重に各方面から本当に計画というものは立てなくちやいかん。その意味からして我々は将来十分に検討して納得の行くような案を立てたいと今考えておる次第でございます。
  85. 松永義雄

    ○松永義雄君 只今経済条件を見合して計画をお立てになると、こうおつしやつたのでありますが、経済審議庁の六年計画、十七万五千人のアーミイ、二十五万人の装備を有するネーヴイ、二十二万トン駆逐艦、エア・フオース一万二千機、大体戦闘機、こういうような審議庁の案があるということがはつきりいたしておるのであります。これでもどうしてもあなたは知らぬ、存ぜぬとおつしやるのですか。
  86. 木村篤太郎

    国務大臣木村篤太郎君) 経済審議庁の案というのは知りません。又相談を受けたこともありません。これははつきり申上げます。松永君がどういう所から手に入れられましたか存じませんが経済審議庁で作つたということは私は聞いておりません。
  87. 松永義雄

    ○松永義雄君 知らぬ存ぜぬでもかまいませんが、質問だけいたします。これはまあ或る人に教えてもらつたから知つておるのでありますが、ロンドン・エコノミストの六月六日号にそれがはつきり記載してあります。英国の雑誌であります。その記載によればミリタリスト、旧軍人の諸君の計画になるものが、三年計画陸軍三十万、海軍が二十二万トン、飛行機二千五百機、その上に経団連、経団連というのはどういうものか知らんが工業クラブに関係しておる資本家の団体じやないかと思います。六年計画です。陸軍三十万人、海軍三十万人、飛行機二千八百機そうして経済審議庁の案が一番規模が小さいために経済審議庁がこれらのミリタリスト及び経団連からお叱りを受けた。いわゆるあなたが先ほどお話になりました保安庁ではないのでありまして、経済審議庁でありますから、一般的経済条件に適合した案だと私はこう考えておる。経済審議庁が立案したものと思うのですが、若しこういうものが出て来たときにあなたは賛成なんですかどうでございますか。
  88. 木村篤太郎

    国務大臣木村篤太郎君) 経済審議庁の案と申すものは私は全然知りません。若しも正確にさようなものを作ろうとするならば我々に一応の相談はあるべきものと考えております。従いましてそういう正確の案が仮にできたといたしますれば、我々は十分それを各方面から検討して、果して日本にそういうものを今作つていいものかどうかということを検討いたしたいと、こう考えております。
  89. 松永義雄

    ○松永義雄君 ところがエコノミストはこれはおか目八目で、これは無下に無視することができないと思うのでありますが、日本経済は世間普通言う通りにコストが高い、更にハングリー・マウスがたくさんおる。マーケツトは非常に狭い。日本は非常な困難に陥るであろうという結論をここに出しておるのであります。若し仮にそういう案をあなたが立てられる場合、或いは賛成されるようになつたと仮定して、日本経済というものは非常な困難な状況にあるということが他国によつてこれが肯定されておる状態でありますが、これはあなたは大蔵大臣ではないから御答弁は困難でしようが、一つ国務大臣として若し仮に経済審議庁の言うような案を立てられるにしても非常な困難が起るということは日本人自身が考えておるばかりでなく、あの手がたいイギリス人が考えておる、判断しておるという事実なんですが、日本経済事情について簡単でありますが経済審議庁のような案を立てるのは困難なのか、それとも今容易な経済事情にあるのかという点を一つお答えを願いたいと思います。
  90. 木村篤太郎

    国務大臣木村篤太郎君) いずれの案を立てますにつきましても、日本の財政経済を無視した案というものは立てられるものではない。仮に立てたところでそんなものは実行不可能と思います。とにかく案を立てる以上においては、日本の財政にマツチしたものでなくちやならんと、こう考えております。
  91. 松永義雄

    ○松永義雄君 あなたの言葉を聞いて、あなたの言葉を横に解釈しまして、経済審議庁の案が日本経済に伴わないものである。それでもなお且つ経済審議庁がこういう案を立てなければならなくなつたということは、何かの理由があつてこういう案が立てられたものと思われますがどうですか。
  92. 木村篤太郎

    国務大臣木村篤太郎君) 前々から申しまするように私は経済審議庁の案というものを知らないのです。果して経済審議庁でそういう案を立てたかどうか、これをはつきりさせなければいけない。私は経済審議庁でさような案を立てたとは聞いておりません。従つて、その内容については何も申すことはないわけであります。
  93. 松永義雄

    ○松永義雄君 アメリカはインぺイシエント・アメリカン・アージング(我慢しきれざるアメリカの強要)によつてと、こういう案が立てられたと、こういうことが書いてありますが、そういう疑いがあるのですか、ないのですか。
  94. 木村篤太郎

    国務大臣木村篤太郎君) そういうことは私は存じません。いかような新聞雑誌にそういうことがのつているかも知らないのです。
  95. 松永義雄

    ○松永義雄君 これから先は実は外務大臣にお尋ねしたいのですが、ミユーチユアル・セキユリテイー・アクトの五百十一条の点ですが、重ねて外務大臣に御質問することにいたしまして念のため、五百十一条の第二号に国際的緊張の原因を除くために相互の同意せられる行動をとることという字句がありますが、法律的に解釈してこれはどういう意味になるのですか。
  96. 木村篤太郎

    国務大臣木村篤太郎君) 私は安全保障法をまだ十分検討しておりませんから、条文の解釈についてはお答えすることができない。
  97. 松永義雄

    ○松永義雄君 御返答なくとも質問だけいたしますが、一応五百十一条の規定は、法律によつてアメリカの国会が大統領に軍事援助なり経済援助を与えるためにかくかくのことをしなければならないということを、大統領に権限を与えているものと思うのですが如何ですか。これはまだ御存じないのですか。
  98. 木村篤太郎

    国務大臣木村篤太郎君) 不幸にしてまだ十分私それを検討しておりません。
  99. 松永義雄

    ○松永義雄君 大臣は、法律解釈だけのことを聞くのですけれども、これが日本とどういう関係にねるかどうかを聞くなら答弁に困ることもあるのですが、この法律の常識的の解釈はできるはずなのです。これも読んでおらん、いや解釈できない、読んでおらんからできないというようなことでは大臣余りに不勉強ではないでしようか。
  100. 木村篤太郎

    国務大臣木村篤太郎君) 不勉強のそしりは幾重にも受けますが、私も相互保障法を今検討中であります。併しいずれにいたしましても、これはアメリカ法律であります。日本法律じやないのです。そこで問題はいかにしてMSA援助を受ける場合において我我は何を考えなければならないかということになるのです。これは今後の交渉に待つよりほか仕方がない。アメリカのその法律解釈も勿論必要でありましようが、もつと我々は進んで日本の国内の情勢その他経済事情、あらゆる部面から考えて慎重にMSAの交渉に入るべきものだと、こう考えております。
  101. 松永義雄

    ○松永義雄君 先ほど申上げたようにMSAの援助を受けるには援助協定というか、何らかの協定を日米間に結ばなければならない。而もその協定を結ぶ場合においてアメリカ大統領の権限は、アメリカの国内法である相互安全保障法によつて制約されるということになつておるのでありまして、どうしたつてこの法文にはずれてはならないということに規定がなつておる。で然らばその第二号の規定なのですが、国際的緊張の原因を除くための行動、かつてどこからか出ておつた翻訳によりますと、行動というのは措置という言葉になつておつて、その後これが行動ということに直つたので、原書を見るとアクシヨンという字になつて、どこかばかに遠慮がましいという感じがあつたのですが、国際的原因の除去の行動というのは一体どういう意味ですか。
  102. 木村篤太郎

    国務大臣木村篤太郎君) そういう解釈はまだ研究いたしておりません。只今せつかく勉強中でありますから、何とも申上げることができません。
  103. 松永義雄

    ○松永義雄君 我々のように毎日々々飛び歩いて不勉強な者でも誰かがこういうものを持つて来てお読みなさいと言つているが大臣も……。
  104. 木村篤太郎

    国務大臣木村篤太郎君) 只今研究中です。五百十一条の二号です。訳し方は幾らでもあるのです。
  105. 松永義雄

    ○松永義雄君 この委員会に資料として提出されたものがありますが、それによつて見て頂けば一番はつきりするのではないでしようか。国民はこういうふうに、思い過ぎかも知れないが、解釈する場合もあり得るということを私はあらかじめ申上げておきたいと思う。それは結論からいうと、攻守同盟になる虞れがあると、こういうことを私は申上げておきます。一応援助協定を結んで、結んだから更に直ちにそれが攻守同盟になるというのではありません。まあどつか二人でアベツクに行こうじやないか、行つた先で又お互いに同意を求めようじやないか、こういうような規定になつているようにも解釈されるので、この規定そのものが即ち攻守同盟になるとは思いませんが、併しそういうところへ入つて来る道がここに開かれているということだけは事実ではないか。だから先ほど日米安全保障条約、フリーゲート艦貸借協定、一連のつながりをずつて見ますと、だんだん日本が深みへ深みへ入つて来てそうして抜き差しならんところへ行つておるのではないか。更に先ほど大臣の言われたように、日本の浅い経済の上に現在の日本国際収支の状態から見て、日本のこの弱体を利用されて、貧乏人は最後に持つておるところの血と肉を提供する。併し日本は食う物がないから食う物をもらうのではないか。そして結論がこの五百十一条第二号によつて結果的に攻守同盟になるのではないか。国際的緊張の原因を除去するための行動(アクシヨン)、こういうどつかの翻訳によると措置と書いてあるのは、それがこの委員会に提出された資料によると行動という字に直つておる。これは正直に飜訳されたと思いますが、併し同時に私は肌にあわを生ぜざるを得ないのであります。どこまでも大臣は知らぬ、存ぜぬ、まだ研究中だ、と言われるがもう交渉に入つておると思うのですが、試験が来てから勉強したつて追いつきそうもないので、その責任者たる大臣がそういうことを言われるが、その苦境というものはお察しできないことはないが、とにかく我々としては極めて重大なところへ来ている。議員としてではなく我我国民の一人として極めて重大なことを言つておるということを私は指摘いたしたい。御答弁がなければよろしうございます。いずれ外務大臣に……。この点の解釈について私の質問を終ります。
  106. 木村篤太郎

    国務大臣木村篤太郎君) 松永さんの言つておられたこの安全保障法はアメリカのセキユリテイということだけでないので、いわゆるワールド・ピース、世界の平和を増進する目的のために……。
  107. 松永義雄

    ○松永義雄君 これはアメリカの世界政策であることは勿論でありまして、それを今ここで外交問題として取上げるのはどうかと思いますから遠慮したわけです。ただアメリカに関連してどうかということをお伺いいたしたわけです。
  108. 小酒井義男

    ○委員長(小酒井義男君) ほかに御質疑ございませんか。
  109. 野本品吉

    野本品吉君 一つお伺いいたしますが、この間新聞で見ますと、竹島ですか、日本の警備艇といいますか、警備船というのか、陸上から発砲されたという記事があつたがあの真相と申しますか、おわかりでしたらちよつとお伺いいたします。
  110. 木村篤太郎

    国務大臣木村篤太郎君) 運輸大臣から報告を受けまして、竹島で海上保安庁の船が巡視しておりまして突然韓国側から発砲を受けまして、二発船にあたつたということを聞いております。直ちに韓国側に対して外務省から強硬な抗議を今やつている次第であります。その成行につきましては詳細のことは報告を受けておりません。せつかく今交渉中でありますが。
  111. 野本品吉

    野本品吉君 海上警備といつたような立場から将来はそういう問題がまだ起り得る見通しでありますかどうか。
  112. 木村篤太郎

    国務大臣木村篤太郎君) 私のほうの船の出動することはまだ先のことだと考えております。とにかく只今運輸省の海上保安庁でやつておりますから、この成行を我々は静観いたしたいと、こう考えております。
  113. 小酒井義男

    ○委員長(小酒井義男君) ほかに御質疑はありませんか。それでは本法律案に対する質疑は次回に続行することにいたしまして本日はこの程度で終つたものと認めて御異議ございませんか。ちよつと速記をとめて下さい。    〔速記中止〕
  114. 小酒井義男

    ○委員長(小酒井義男君) 速記を始めて下さい。それでは暫く休憩をいたします。    午後零時九分休憩    ―――――・―――――    午後二時二十二分開会
  115. 小酒井義男

    ○委員長(小酒井義男君) 只今より午前に引続いて内閣委員会を開会いたします。  行政機構の整備に関する調査を議題といたします。御質疑をお願いいたします。
  116. 野本品吉

    野本品吉君 一つ会計検査院のかたにお聞きしたいと思いますが、昨年で結構ですが、農林関係の検査院として検査されました総数は何件くらいあるのですか。
  117. 小峰保栄

    ○説明員(小峰保栄君) 農林関係の検査個所というお話でございますが、これは補助とかいろいろの国の直接の事務所、いろいろの種類が多いのでありますが。
  118. 野本品吉

    野本品吉君 補助関係……。
  119. 小峰保栄

    ○説明員(小峰保栄君) 補助関係は昨年二十六年度になりますが、補助工事の現場というのが大体四万三千、非常に数が多いわけであります。建設省などに比べまして遥かに多いのでありますが、四万三千のうち私ども検査いたしましたのがざつと六%であります。二千五百程度であります。現在の人員ではこれくらい検査するのが精一ぱいでありまして、今年はもう少し、二十七年度分はふえているようでありますが、まだ全体の数はちよつとしめてございませんが、六%を割るのじやなかろうかと考えております。
  120. 野本品吉

    野本品吉君 その二千五百件のうち、検査院として一応これはうまくないというので取上げました件数はどのくらいありますか。
  121. 小峰保栄

    ○説明員(小峰保栄君) 検査の結果疑問を持ちまして照会を出すという手続を取るのであります。そうして御答弁を頂きましてその上で特に悪いというものを私どもの検査報告に上げまして国会へ御報告してあるわけであります。照会の件数は非常に多いわけであります。ですからいろいろな観点から少々悪いが勘弁したほうがよかろうというようなものが随分あるわけであります。そういうものを全部ふるいまして検査報告にのせましたのが補助で申しますと、一件五万円以上のものをだけ取上げているのでありますがこれが三百六十七件になつております。そのうち比較的大きい十万円以上のものを一つ一つここに書きましていわゆる批難事項ということにしてあるわけであります。これが二百七十二件になつております。五万円以上のものが三百六十七件、十万円以上の分に入りますと二百七十二件、これは補助だけの関係であります。
  122. 野本品吉

    野本品吉君 建設関係ではそれはどうなるのですか。
  123. 小峰保栄

    ○説明員(小峰保栄君) 建設は補助につきましては農林よりも実は先に一年ほど早く全国的な検査をやつておるのであります。二十六年度は二年目でありまして、今申上げました農林省は初年度になるわけでありますが、建設は大体昨年度は三万四百、ざつと三万個所の現場があつたわけでありますが、その三万個所のうち一五%ほど検査しております。農林よりは人員の数も補助の検査に多数当てられる現在の状況なんでありますが、一五%ぐらい検査いたしまして、個所数で申しますと三万四百のうち四千六百九十九、ざつと四千七百検査いたしまして一〇%になるのでありますが、さつきの五万円以上の不当事項として挙げましたものが二百九十三件でございます。二百九十三件のうち十万円以上のものが百七十三というようになつております。
  124. 野本品吉

    野本品吉君 そういう検査の件数と、それから一応問題として取上げました件数と検査件数の割合、ずつと検査院で調査をせられて来た増減の傾向はどうなんです。
  125. 小峰保栄

    ○説明員(小峰保栄君) 補助について申上げるわけでありますが、今年の現在二十七年度の検査を全国的にやつておるわけでありますが、農林はもう非常にふえるのじやないかというのが現状であります。建設はむしろ減るのではないか。建設のほうは相当改善の跡が見えて来るのではないか、三年目でありますから……。農林は来年は恐らく減るのだろうと思います。今年は恐らく頂点に達するのではないか。一つの県で百以上出る県がぼつぼつあります。具体的に申しますと、現在農林は大体半分、四十六都道府県のうち二十三、四すませております。それで行つて見ますと、例えば百個所の工事現場を見ますと、そのうち九十幾つも悪かつたという所があるのでありまして、私どもの検査の結果が現われて来て皆割合によくなつたのもあろうと思いますが、実に驚くべき状況と申上げられると思うのであります。これは来年は恐らくは非常によくなるのじやないだろうか。と申しますのは補助金の経理が悪い悪いということは皆想像はしておるわけでありますが、こんなに悪いということは実はわからないわけであります。検査院で参つて根こそぎひつくり返すような検査があるわけですが、府県の理事者も悪いとは思つていたがこんなに悪いとは思わなかつたというようなことをおつしやるのが普通なのであります。結局事態の認識というものが実はない。実は会計検査院の考えようでは手荒い検査になつておりますが、この検査の結果いかにも悪いということがおわかりになつて、これではいかんというので、例えば農地部関係の機構を充実するとか、或いは中間検査の機動力を持たせろというので小型の自動車をたくさん整備するというようなことは相当やつております。そういう県はめつきりよくなるのでありまして、私ども三月頃検査した所で非常に悪い所は二度目の検査をやつているような所もあります。最初非常に悪かつたところが二度目に行つてみますと非常によくなつているという所もすでに出ているのであります。来年は恐らくは相当減るのじやないだろうか、こういう予想でおります。事態は、私は終戦直後と現在と比べて決して現在のほうが悪くなつているとは言えないのでありますが、あまり変つていないのであります。今まで会計検査院もどこも細かい検査をしておらんというのでそのまま惰勢的に来ていたのが、最近になりまして会計検査院でひつくり返されて驚いた。これじやいかんというので理事者もそういう面に目覚めてよく改善の方向に向つている、こういうことは申上げられると思うのであります。
  126. 野本品吉

    野本品吉君 そこでそういう事態が非常に数多く起つておることを現認なされておるのですが、さような事態の起つて来る根源ですね、それは主としてどういうところにあるかということの何か御感想はありますか。
  127. 小峰保栄

    ○説明員(小峰保栄君) 原因とこれに対する対策、私どもとしては悪いものをつかまえるばかりが実は能ではないのでありまして、これを材料にいたしまして将来とにかくよくするということに全力を挙げているわけでありますが、原因調査ということも相当細かくやつておりますが、実は一つや二つの原因じやないのでありまして、相当に複雑なあれがあると思うのであります。大体大別いたしますと、最初の否定に関連して査定が非常にまずいとか、設計の審査がへただとか、変なものをもぐらして来たのをそのまま見逃してしまうという面、査定の点がまずかつたという事故が多いわけです。もう一つは実施の施工の上の監着がまずい。大体この二通りに分けられると思うのであります。査定の悪いということは、やはり農林省なりの当局がその面でしつかりやつて頂くよりほかないのでありまして、実施がまずいというものについては、これは県の監督、農林関係の補助は小さい事業主体が非常に多いのでありまして建設省と違う点なのでありますが、建設省は一番小さい事業主体というのは町村であります。府県町村というのが事業主体になります。農林省は、町村がやる工事よりもむしろ農業協同組合とか、昔ありました耕地整理組合、現在の土地改良区とか、或いは受益者の共同施行、泥を押し込まれたたんぼの持主が集まつて泥をのけるというような仕事が多いのでありまして、建設関係に比べまして小さい事業主体が多い。従つて監督を要する面が建設なんかよりも一層広いということが言えるのであります。府県当局の中間検査とか或いは検収のときによく見てもらうとか、こういうような点の充実が必要になるわけであります。先ほどちよつと申上げましたように、県の中の幾つかの県でありますが、すでに県としての監督能力充実ということについて相当熱心にやつておられる所もあるわけであります。  査定の面につきましては、これは今申上げました四万も工事個所がございまして、普通ならば補助金をどこの事業に対して幾ら交付するというような最合には、一々現場を見た上で査定金額をきめるのが当然でありますが、四万もありますとなかなか現場を見切れぬわけであります。恐らく農林省では半分以上になるのではないかと思いますが、いわゆる机上査定、書類検査だけで補助の金額をきめるということをやつておられるわけでありまして、私どもはその検査に行きますと、さつき申上げました通り六%ぐらいしか見られないものでありますから、農林省なり建設省が実査をした、実地に現場を見た上で補助金をきめたというものは見ないのでありまして、主として机上査定でやつた所を検査するわけでありますが、机上査定というのは一番の査定上のガンではないかと考えているのであります。実査をしますと、例えば便乗工事とか、いかがわしいものを中にもぐらせて申請がありましても見つけることができるわけでありますが、書面の上ですとなかなかそれがうまく行かない。机上査定の場合は写真をつけるとか何とかいう方法をとつておられますけれども、写真も非常に範囲の広い場所の写真を全部つけるというわけには行かないわけでありまして、丁度その申請に都合のいい所、一番やられた所の写真をつけて行くという傾向があるようであります。それでなかなか机上査定の場合には実況をつかむということがむずかしい。この机上査定が一番のガンではないかと思うのであります。できるだけ我々としてはこの机上査定を減らして頂くということを言つているわけであります。結局は人とか予算というような関係になりまして、そう急に机上査定がなくなるというわけにも行かんのじやないかと思いますが、この机上査定というものが一番大きな原因じやないかと思つております。  それから今申上げました査定の不備、施行上の不備、この二つに分けられるのでありますが、両方に共通して全国的なこれはあれでありますが、何と言つてもできるだけ余計の補助金をもらおうというような、それから少々ごまかすと言いますか、こういうような道義の頽廃というようなことも一番共通的な原因じやないだろうか、こう思つている次第であります。
  128. 野本品吉

    野本品吉君 又あとで伺います。一応……。  農林省のかたお見えになつておりますか。それじや農林省の方にお伺いいたしますが、只今会計検査院の方から話を伺いまして、私どもの想像以上に補助金その他が適正に効率的に使用されておらないということ炉数字の上からわかつて来ておるのですが、この問題に対しまして、農林省として従来内部の指導監督その他はどういうふうにおやりになつておるんでしようか。
  129. 塚野忠三

    ○説明員(塚野忠三君) 私からお答えを申上げるのは農林省林野庁関係でありますが、只今会計検査院から御指摘等もありましたけれども、所管の治山事業と申しますか、それから林道の事業とございます。治山の事業につきましては災害等がありますると、できるだけ本庁から計画或いは実施の設計というようなことについて現地調査をいたすように心がけてはおるのでありますが、併しなかなか早急を用する場合、或いは又根本的に人が十分に足らんとかというようなことで、特に山は足場が悪くて能率が上らん。いろいろなことがあるのです。けれども、現実はそうは心がけておりますけれども、なかなかに全部の施行予定個所について現地を調査をして、その上に査定を確定するというようなことは、事実問題として正直なところ手が及びかねております。従つて、その県に参りまして、大体地域的に或いは又災害等の特色等を考えまして、標準となる所、或いは最もひどいというような所を、抜打と申しますか抜取り的にいろいろな現地査定をいたしまして現地調査をいたしました。計画等についての総括的な査定を現地におきましてやりまして、そいつを先ほど話の出ましたいわゆる本庁における机上査定をいたして大体やつておるわけでございます。
  130. 野本品吉

    野本品吉君 そこで現地について査定をした工事、いわゆる机上査定をやつた工事、その両方比べますと、やはり現地査定をやられたもののほうがあとになつて問題を残すことが少いかどうか。同じようなものを見てこれはどうですか。
  131. 塚野忠三

    ○説明員(塚野忠三君) 明らかにこれは現地査定をやりましたものが、あとでいろいろ問題を起さないということははつきりしております。現地査定を行いましたものが遺憾がないということははつきりいたしております。
  132. 野本品吉

    野本品吉君 そこでまあいろいろな工事が行われるとそれに好ましくない事態が発生する。そういう場合の結局の責任はどこでとることになるのですか。
  133. 塚野忠三

    ○説明員(塚野忠三君) 先ほど思わしくない結果の現われるのに二つの形があるというお話がございました。その問題如何によると思いますが、我々いろいろ検査対象となつて問題を起しておりますものの大部分というものが、計数的にはつきり申上げられませんけれども、大多数がやはり現地の施行方法の不備、或いは監督の不備等がパーセントにしたら常に多い、実際問題といたしまして。従つて今御質問の内容から申上げますと、県の施行或いは県の監督等を十分に強化して行かなければならんと、かように考えております。
  134. 野本品吉

    野本品吉君 今の御答弁は結局まあまとめれば、事業主体に大体問題がある。こういうことですね。そういうことになるのですか。
  135. 塚野忠三

    ○説明員(塚野忠三君) そういうものが今まで検査の結果現われたものの大部分であると、こういうふうに考えております。
  136. 松原一彦

    ○松原一彦君 関連質問会計検査院が探し出したという件数はわかりますが、会計検検査院に掘り出されるまでもなく、農林省自体で補助をやつておるのでありますから、その補助工事の実績等について農林省でお調べになつて、これは不正であるといつたようなものの件数、或いはそれの処理の仕方等について何か統計でもございますか。あつたらお聞かせ願いたい。
  137. 塚野忠三

    ○説明員(塚野忠三君) 林野に関しましてそういう不備なもの、或いは内部検査の結果まずいという数字をとりまとめた統計的なものは遺憾ながら持つておりません。ただ補助金等を出すんだから内部でどういうような手を使つておるか。こういうことに対しましては、極めて限られた人員でありますけれども工事の施行なり、或いは監督なり、或いは事務なり、或いは会計の経理なり、各般に亘つて何と申しますか十分な指導を加えるということは、特に最近そういう現状に鑑がみまして強く実行いたしております。遺憾ながら極めて人が少いのでそのためだけに出るというような人間もおりませんので、いろいろ地方に出張いたしましたときなど、そういうことを兼ねてできるだけそういう方面の指導を加える。いわゆる内部の監督と申しますか、更に内部のそういう面に対する指導ということを十分心がけて行きたいと思つております。
  138. 松原一彦

    ○松原一彦君 おびただしい運動員が夜を日についで上京し殺到しておることは御承知の通り。一つの補助工事に六回上京した、十回上京したという事実がある。その往復に要する県会議員その他関係者の旅費などというものはおびただしいものがあると思う。そしてそれが五年、十年に亘つての長い工事であつておびただしい金が注ぎ込まれておるにかかわらず幾年たつても水の通らない用水路がある。あとからあとから注ぎ込む補助金が逆行しつつあるという事実を私は知つておる。逆行とは今までやつた工事が不正であるためにその穴ふさぎにあと戻りしつつあるという状況、それが今回の大洪水等のためにおびただしい破損があつて、これによるとあとかたもなく現われておるということも見聞いたしておるのでありますが、会計検査院から上げられるというのは極めて私は少いと見ておつたのであります。併し検査院の御報告によると、農林省関係は最近で百件のうち九十何件、百件調査して見て九十何件の問題を発見するというお話である。私は非常に遺憾とするのでありますが、正しいものを発見するほうがまれであるという現象があるのではないか。工事というものはすべて不正が伴つておるというような印象を今国民に与えておる。而も今ここに今朝も受けた手紙の中には公務員の信頼するに足らざる事実を痛烈に上げておるんです。事業といい、或いはほかの施設といい、役人の給料を支払うためのものであつて、受ける側の利益は極めて乏しいということを痛烈なる事実を上げておる。そしてそれが如何に危険な反抗状態を生みつつあるかということが列挙してあるのでありますが、こういう点につきまして私は必ずしも言うがごときものではないであろう、やはり正しい公務員はどこにもありよい工事もあるが、多くあるであろうとは思いますものですね、最近見聞する事実は悲観材料のほうが多いのであります。一言にして尽せば綱紀頽廃、人心の弛緩、こういうことを見聞するにつきましても屋上屋を架するような監督機関ができて行く。今回の行政監督のごときもその一つである。昨日の青少年問題協議会のごときもその一つである。本を正さないで現象を追廻しておるということを痛感する。今そういうことを概念的に申上げてみても何ともならないのではありまするけれどもが、これに対して会計検査院ではどうすれば一体これが救済せられるか。又会計検査院の今の御報告の中にあつたように、農林省の関係の補助工事が今年あたりは絶頂に達しはしないかといつたような懸念に対する農林省側での何か一つの対策をお持ちになつておるのじやないか。ないとすれば、私は非常な遺憾であると思う。国費はおびただしくふえるばかりでありますが、これが殆んど濫費だといつたような感じを痛切に持つのであります。私の今申すことはいかにも愚痴に似た言葉でありますけれどもが、どうもこれではいかんということを感じますので一応お尋ねしてみたい。どうしたら一体これはいいか。会計検査院は朝から晩までこれをやつておいでになるのですが、どうすれば一体いいか、お考えがあつたらお伺いしたい。農林省はかようなことに対する対策をどうおとりになるか。
  139. 小酒井義男

    ○委員長(小酒井義男君) ちよつと速記をとめて下さい。    〔速記中止〕
  140. 小酒井義男

    ○委員長(小酒井義男君) 速記を始めて下さい。
  141. 小峰保栄

    ○説明員(小峰保栄君) 検査をいたしました結果、不当事項と申しますかそれが九割以上になるという県があると、こう申上げたのでありますが、これは決して全部九割以上ではございません。例えば富山県なんかは非常にいいのであります。一割見当しか出ないのであります。そうして私ども検査に参りますと、みんな慣れておりますので悪い工事というのはすぐ見つけるわけであります。ハンマーで一つどかんとひつぱたくと割れてしまう、こういうようながありますが、富山県あたりは非常にいいのでありまして、今までいいのは富山、奈良、こういう所は皆一割前後くらいしか不当がないのであります。九割以上というのは今まで今年の検査で二十四、さつき申上げた通り調べておりますが、このうち二つだけ全体を平均いたしますと六割ぐらいになるのであります。六割と申しましても驚くべき数であります。決していい数ではありません。検査官等がこれは問題だというので一応照会を出す数字であります。回答が参りますと、私どものほうの見そこないもありますし、又聞いて上げなければならん言い分も出て来るのもあります。検査報告として取上げるのはこれより遥かに減ると思います。小さいものも相当に入つております、検査報告として批難するようなものは金額としても相当のものしか取上げませんしいたしますので、これは相当数減るものと考えておりますが、検査の結果最初にこれはどうもいけないのじやないかというようなのが六割以上になつているのが現在の姿でありまして、これは甚だ遺憾なことだと思つております。私どもとしてはこれを成るべく早く減らしたいというので、先ほど松原さんのおつしやいましたように、原因とか対策とかいうものをいろいろ考え、農林当局にもしばしば文書をお出しいたしますし、口頭でも絶えずこういう点がいかんと思うがどうかというようなことは申上げておるのであります。結局先ほど申上げましたように査定についての不備、監督、竣工検査の不備というものに大まかに分けますとなるのでありますが、査定についての不備というものは主として中央、農林省なり農地事務局なりのやり方如何にあるわけであります。こういう問題も具体的な事実を見付けますと、こういうのがあるああいうのがあるということで、その都度御注意申上げておるわけであります。  それから施行の面の不備に対する対策というのは、やはり受給者のほうの心がまえが変らない限り監督を厳重にして行くほかないのであります。心がまえさえ変つてくれますればもう監督なんかしなくてもいいわけでありますが、現在の段階ではとてもそれは望めないのでありまして、府県、農地事務局あたりの監督の手をきつくする、内容を充実するという方面に行かなければならないと思うのであります。そういう面も先ほど申上げましたようにすでに昨年の検査あたりに悪かつたところは大分県のほうで覚醒されまして、こつちを強化しておるというものも幾つか見られるのでありまして、先ほども申上げて強い御印象を受けられたようでありますが、本年がとうげではないだろうか、とうげとしても非常に遺憾なくらいたくさん出るのでありますが、来年はここで今申上げました富山県とか奈良県、名前を挙げて申上げられるようないい県が相当出て来るのではなかろうかと、こう考えておる次第であります。
  142. 松原一彦

    ○松原一彦君 今富山、奈良等の工事一割の先ず問題となるべきものを発見したという御報告をされて非常に心を強くします。信賞必罰、そういうことは大きく私は発表し我々も知つておつていいと思いますが、同時に二県は云云というものも私はこの際明らかにして、会計検査院は隠してはいかん、どういう県であるか一つこの際明らかにして頂きたいと思います。
  143. 小峰保栄

    ○説明員(小峰保栄君) 県の名前を申上げるのは少しも差支えないのでありますが、ただ九割というのは先ほども申上げましたように差当り私どもが悪いという印象を受けたあれでございます。
  144. 松原一彦

    ○松原一彦君 それで結構であります。
  145. 小峰保栄

    ○説明員(小峰保栄君) 精査いたしますと、これは相当に落ちて来るということは、一つあらかじめ御了承顧つておきたいのであります。
  146. 松原一彦

    ○松原一彦君 ピツク・アツプしたものの九割ですね、それでしたらわかりました。
  147. 小峰保栄

    ○説明員(小峰保栄君) これは秋田と山口であります。失礼しました、秋田と静岡であります。山口はずつと率は低うございます、数は非常に多いのでありますが。秋田と静岡、特に静岡が率は高いのであります。
  148. 上原正吉

    ○上原正吉君 会計検査院では従来は工事の検査というふうなことをやらなかつたように記憶しているのですが、最近お始めになつたんでしようか。
  149. 小峰保栄

    ○説明員(小峰保栄君) 従来も決してやらなかつたわけじやないのであります。やつてはいたのでありますが、何分にも貧弱な陣容で補助工事まで徹底的に見るというあれがつかなかつたわけであります。これは三年ほど前に建設省関係につきまして、丁度あの災害復旧の全額国庫負担という年でございました、二十五年度でございますか、あのときに原形復旧については全額国庫負担、災害部分については三分の二国庫負担、こういう法律が出たのであります。私どもとしては、今までのようなルーズな災害復旧工事、例えば便乗工事というようなものは非常に災害にはつきものなのであります。昔から。道の中を拡げてみたり、木の橋が流されてコンクリートの橋に変えてみたりというのが非常に多いのであります。全額国庫負担のときにこんなことをされてはこれはかなわんというので、建設省関係について全国的な検査を初めてやつたわけであります。四十六の都道府県は一応ともかく歩く。内容は一応全部全国的な検査をする。一応歩くと言いましてもさつき申し上げましたように一割とか八%くらいしか見られないのでありますが、ともかく四十六の都道府県に一遍検査に行くという方法をとつたのであります。その後建設関係については三年間それをやつておるわけであります。農林課というのが丁度私の局に参りましたのが昨年でありますが、農林につきましても建設と同じような検査を一つしよう、こういうことで昨年からやつておるわけであります、課も決して補助専門に検査しておる課じやないのでありますが、ほかのものはいわばたな上げ状態、主として全力を上げて農林の補助等を検査して歩く。こういう状態でありまして、ほかの例えばまあ直轄工事とかそういうようなものも相当あるのでありますが、この面は相当手が抜けてしまつているというようなのが現状でありまして、昔も決して工事の検査をしなかつたわけじやないのでありますが、ただ今のように統一した方針で、全国的にともかくも見るということにはなかなかやれなかつたわけであります。
  150. 上原正吉

    ○上原正吉君 それから例えば通産省あたりで産業保護育成という意味で補助金が出ておると思うのですが、こういうものを御調査なすつたことがあるのでしようか。
  151. 小峰保栄

    ○説明員(小峰保栄君) 通産省関係は私の局でないのでしつかりしたお答えできませんが、一応とにかく補助というものの内容ということはどの省に関しましてもやつているはずであります。
  152. 野本品吉

    野本品吉君 この各年度の歳入歳出決算報告に関する国会に対する説明書は、私の手許に二十六年度のはあるのですが、それ以前のもずつとあるわけでございますね。私はそれを資料として、こういう事態がどういう経過を以て推移しているかということの判定の上に極めて重要だと思いますので、委員長にお願いしたいと思うのですが、如何でございますか。
  153. 小峰保栄

    ○説明員(小峰保栄君) 野本さんお持ちなのはどれでございましようか。政府の出した説明書じやないのですか。
  154. 野本品吉

    野本品吉君 そうです。
  155. 小峰保栄

    ○説明員(小峰保栄君) それは検査報告じやないのでございます。
  156. 野本品吉

    野本品吉君 この年報というのを持つているのです。
  157. 小峰保栄

    ○説明員(小峰保栄君) 年報は国会に正式にお出しします検査報告を要約しましていろいろ統計的なものを付加えて別に編纂しておる、いわば一種の非公式文書なんであります。これはまだ作り始めましてから二年、たしか去年が最初だつたと思います。
  158. 野本品吉

    野本品吉君 今までにですね。
  159. 小峰保栄

    ○説明員(小峰保栄君) これは余部が多分あると思いますからお配りできますが、併し従来の分はずつととおつしやられると実はちよつと困るのであります。
  160. 野本品吉

    野本品吉君 ここ幾年かで結構でございます。
  161. 小峰保栄

    ○説明員(小峰保栄君) 昔の年報を作つておつた時代が、終戦後この形式じやございませんが一応ありますが、恐らく余部はないのじやないかと思います。検査報告は決算の附属文書としてお出ししておるので余部はないのが普通であります。検査院の仕事に困るものですから余部をとつておきますが、これも一年たつと殆んどなくなつてしまうというので現在のところ古いものはちよつとお出しできないのじやないかと思つております。
  162. 小酒井義男

    ○委員長(小酒井義男君) 速記とめて下さい。    〔速記中止〕
  163. 小酒井義男

    ○委員長(小酒井義男君) 速記始めて下さい。私から、行政管理庁の山中監察部長が来ておられますので一、二点お尋ねしたいのですが、先ほどから委員会の質疑をお聞きになつておる通りでありますし、そうして私どもが決算委員会におつた当時に感じましたことは、どうもこうした不正事件があつた当事者に対するところの処罰が各省非常に不統一であるような印象を受けておるのです。そういうことがやはりこうした事件を次々と発生させる一つの原因になるのじやないか。もう少し徹底的に不正を追及するということによつて他の公務員が再びそうした事件を起さないようにして行くことが私は必要じやなかろうかと思うのです。曽つてこれは名前は言いませんが、或る地方で部下の不正事件の責任を負わせられた局長がその責任のために転勤をした。ところが転勤した先は現在勤めておつた所よりも上の地方へ転勤しておるという具体的な事実を、私は一遍決算委員会で実は質問したこともあつたのですが、こういうような責任の追及の方法でされておつては下の者を取締るということもこれは不可能じやないかと思うのです。そういう従来までの各省の処分の不統一或いは現状の先ほど来ここで質疑をされておつたような点について、行政管理庁としてどういうふうにこれを実施して行つたら国費の無駄を省くことができるかというようなことについて、お気付きになつた点があつたら一つお聞きしておきたいと思います。
  164. 山中徳二

    政府委員(山中徳二君) 私どもまだ監察の実績といたしましても経験が十分でございませんので、帰納的に結論を申上げますことは、殊にこのような相当むずかしい問題に対しまして申上げますことは、資料その他で不十分と思いますが、今日まで、不当、不正の事件が相当多かつたということは私どもの乏しい監察の結果から見ましても窺われるのでございます。只今お尋ねもございますので、実はそういう意味合を以ちまして、総合的に十分検討はいたしておりませんが、若干従来の監察の結果に関します所感のようなものを申上げましてお許しを得たいと思う次第であります。  不正不当事件が非常に多いと申しますことは、戦争の敗因に基いておるものは特別でございまして、これは終戦後の道義の低下或いは生活条件の悪化というような問題が原因だろうと思います。敗因に基くものは別といたしまして、やはり考えられますことは御指摘にありましたような官紀の弛緩、言葉を換えて申しますれば公僕観念が熟成していないということが原因だろうと思うのでありまして、このことは責任体制が不明確である、或いは責任の自覚或いは責任の追及の風を欠いておるということ、或いは部下を監督するということに遠慮がちである、或いは部内に察監機構がありましてもやはり部内の監察機構というものにはおのずから限界があるということ、又いろいろ官庁内部の牽制組織にも欠陥があるのじやないかと思います。  更に官紀の弛緩の面から又別に不当、非能率ということの基盤的な条件を考えてみますると、業務を実施いたします場合に計画性が一体乏しいということが考えられるのであります。予算等に付いておりますものを無計画と申しますと言葉は過ぎますが、年間を通じてどういうふうに計画的に実施したらば効率的であるかという点の考慮が乏しい。言葉を換えて又別のことで申しますれば、能率的に事務を施行するということに対する熱意が乏しい。又能率的に施行しなければならないという予算上の制約が比較的に乏しいのじやなかろうか。このことは又責任の帰趨が必ずしも明確にきまつていない。先ほど御指摘のありましたような信賞必罰ということが必ずしも行われていない。或いはこの言葉で申上げますのは、少し口幅つたいことであろうかと思いますが、やはり民主主義の弱点と申しますか、迎合、人気取り、或いは一部の顔がいろいろの仕事を左右するというような欠陥があろうかと思うのであります。  更にこの点を行政運営上の欠陥というような面から考えて参りますと、中央できめられました計画の趣旨が末端に徹底していない。又一般に、これは私自分に対する反省として以上のようなことを皆申上げておるのですが、企画には熱意がありますが、実施をする場合に比較的冷淡である。又一つの仕事をいたします場合に、関係機関が非常に多過ぎるということは、消極的な牽連の問題を生ずる、連絡が十分でないというようなことも行政運営の欠陥として指摘されるであろうかと思います。又その一面いろいろと仕事を上手にいたしたい関係もありまして、手続が非常に煩わしいということ、又もう一つ人事管理の面から申しますと、上級幹部の転任が比較的頻繁でありまして、従つて下級者が相当重要な責任ある仕事をするというような面も行政運営上の欠陥を助成しておるのではないかと思うのであります。  又現行の予算の組み方につきましても、これはいろいろの問題点があるのでありますが、やはり予算の組み方のために形式的な違反事件が起つておるというようなことも少くないのではなかろうか。まあ絶対額といたしましては、殊に補助額等、或いは災害等の応急費の絶対額が足りないという点に、現在の地方財政の困窮という点もからみ合いましていろいろの無理が出ておる。又只今のことと関連し、先ほど小峰局長からもお話がありましたようなことで、これらのきまりました査定が適正に行われていないということでございます。これは現地の査定を行わないという問題等もございますし、殊にえてしていろいろな運動等によりまして予算が重点的に配置されていないというようなことが、予算の絶対額の不足と相待ちまして補助金等が細分化され業務が不徹底になるということ。或いは又いろいろきまつております例えば労務費等の単価が実際上と違う。実際上労務者を雇えないような単価になつておるというようなことも形式犯を誘致する原因になろうかと思うのであります。殊に補助金等につきましては、申請の手続が非常に順境である。或いは交付の手続が遅れる、査定がずさんである、或いは配付の基準がきまつていないとか、いろいろの問題が交錯してこういう事態を生むのであろうかと思うのでありまして、やはり私どもとしましてはこれらの事案が相継いで起りますのは、事案を生じました場合の善後措置がとかく対症療法に終つておりますので、やはりこれらを誘致する根源を突くということが大事であろうかと思うのであります。  さて私どもに与えられました行政監察の業務といたしましては、やはりおのずから行政監察の限界があろうかと思います。私どもといたしましては、制度の運営というような面でどういう点に欠点があるかということを関係機関に勧告してその是正を待つということでありますが、広く国政全般を通じまして対症療法でなく根源を突くという問題は、これは私どもの任務を過ぎておる問題であろうかと思うのであります。具体的に申上げますると、例えば私どものほうで取上げました農業災害の問題、これは極く末端の農地災害の状況を調べたのでありますが、これらの結果先ほど検査院の局長から御指摘がありましたような事実も私どものほうでも発見いたしたのでありまして、これに対しまして農林省に私のほうから勧告をいたしました結果、農林省としても大体次のような措置をとろうという回答を得ているのでありまして、これらのことも私どもの仕事ぶりを知つて頂きます一端かと思いますので、繁雑でございますので要点を申上げますと、例えば根本的な問題といたしましては、農林省といたしましては、会計検査院や行政管理庁の指摘したような事案について、今後こういう点を再び誤ちを繰返さないように注意したいという先ず啓蒙運動を起そうということで、設計審査、地元負担工事施行設計変更検査、経理事務等に関する説明書を関係者にくまなく配付いたしました。従来指摘されました事例を引用して注意を喚起するというような企画を立てて実施に移したいと申じております。  なお現地査定につきましては、事業費二百万円以上の工事は農林省においてできるだけ現地査定をするという方針を設けまして、なお査定官を特定いたしまして責任権限を明確にすると同時に必要な技能の養成を図る、又できれば小型のジープというものを備えまして現地調査ができる、現地調査の機能を強化したいというようなことを回答をしてよこしております。なお又工事の遂行検査につきましても事業費三百万円以上の工事及び都道府県が直営いたしておりまする工事につきましては、農林省において全部検査したい。こういう方針で対処いたしたいというような回答をよこしておりますので、まだこまごましたこともございますが、こういうふうに制度を改めますれば勿論先ほど申上げましたようないろいろな原因が重なつて今日の事態を生じておるのでありまして、一朝にはなかなか改まるということも期待し得ないと思うのでありますけれども、相当程度の効果が期待できるのではなかろうかと思うのであります。  又この前の機会にも申上げましたごとく従来は市町村に対する直接補助でありましたんでありますが、これはやはり府県を通しての間接補助ということにいたしますれば府県もそのたびに責任を持ち、若し可能であれば府県も若干の負担額を出すというふうにして、成るべく監督の目を多くするというふうにしたらというようなことにつきましても、これは法令の改廃を要する問題でございますので、審議して農林省も同意いたしたのでせつかく今その筋で検討をいたしてもらつているような次第であります。  それから順序が悪くなりましたのでありますが、委員長からお示しのありましたように行政の非違に関連いたしまして職員の綱紀というものがこの間にからまりまして、これに関する処置必ずしも適切でないというのも御指摘の通りであります。ただ私どもといたしましては従来は行政運営をいかに改善するかという角度に重点をおいて参りましたので、これらの点につきましては非違の糾弾ということには、これをおろそかにするわけではございませんが、個々の事件を追及するというよりも、個々の事件のよつて起つた原因を集約いたしまして、制度をいかに改善すべきかということのほうがこういう悪い事態を改革する最もいい最も早い道じやなかろうかということに意を用いました関係上、従来とてもそういう点に無関心であつたというわけではございませんが、今後今回御審議をお願いいたしております設置法の改正によりまして、私どもも監察権を強化いたして参りたい。  又従来もとり上げました問題は、只今御説明申上げましたような予算の効率的使用という面ばかりでございませんで、行政制度がいかに適正であるか、行政の機構が末端においてもその通り動いているかというような点を見て参りたいのであります。必ずしも効率的使用という面にのみ重点がなかつたようでありますが、今後当分の間は御指摘のような次第でございますので、権限を整備いたしますと同時に、その面に重点をおいて参りたいと思いますので、勢いやはり綱紀問題に当面する事態が多くなろうかと思いますので、従いまして今回の改正法案にも特に一条項を設けまして、これらにつきましては任命権者の注意を喚起いたしました、任命権者によつて速かに適正な措置をとりまして、他の作業と併せて綱紀の粛正にも寄与したいというような牽連があつて、それでさような心構えの一条を設けました次第であります。  とりとめもございませんので、思いつきを羅列したようで恐縮でございますが、一応これで終ります。
  165. 野本品吉

    野本品吉君 只今のお話を承わりまして、私はこの非違の糾彈ということよりも、将来いろいろな好ましくない事態の発生を予防しようとする考えを強くお持ちになられていることについて、本当にそうでなければならんと思つているのでありますが、併しながら将来を強く戒めるためには、或る時期には思い切つたメスを入れなくちやならんという必要も又あろうと思うのであります。それはどこまでもさつき申しましたように、将来に備えるためのことになるので、そこで一つお伺いしたいのですが、午前からも問題になつているのですが、この地方自治団体の行政の運営について、非常にこう遠慮深いような感じを今度の一部を改正する法律案においても感じる。文面から見ましても、御説明から言いましても感じるのでありますが、この辺で一つ思い切つて徹底的に監査をして、行政管理庁というような役所が一日も早くなくなるような事態に持つて行くためにというほどの必要があるのじやないかと思うのですか、お考えはどうでございましようか。
  166. 山中徳二

    政府委員(山中徳二君) 今回の設置法を強化いたしました趣旨につきましては、午前中もお答えをいたしましたのでありますが、一つは監察を実施いたします実施上の権限を整理する、一つは監察しつ放しじや困る、監察をしたあとをきちんと尻ぬぐいをいたしまして、いわゆる事後推進をやる、こういう点でございます。殊に私どもの役所では、過般の機構改革におきましても地方機関の存置を認められたのでありまして、これらを県に常置いたしまして、果して言つた通りの改革がされているかということを睨むと言つては語弊がありますが、常時推進するという対策をとつて行くということで、相当の改正としては権限の問題につきましても、従来の行政管理庁の持つておりました権限と他の検査機関の権限とを比較いたしまして、今回特に行政機関に対しましては実地調査、それから行政機関に関連いたしまして調査いたします補助地方団体等につきましては、調査の権限を従来は協力を求めることを得という規定でありましたのを、今度は調査ができると共にということで一歩を進めましたのでございます。勿論権限の点につきましては強きを望むのでありますが、同時に私ども監察をいたします者といたしましては、監察を実施いたします権限上の力に頼らずに、まあ頼らずにというと語弊がありますが、権限上の力の上にふさわしい監察上の実力、殊にあくまでも相手方の協力と申しますか、相手方に信服させるような力を以てやつて行くということに先ず心がけをすべきではなかろうかというふうに考えております。この点政府部内の監察といたしまして相手方機関と協力いたしまして、予防的にその効果を上げるということを趣旨といたしましたのであります。相手方のために相手方の仕事を是正するということをよく徹底いたしますならば、この程度の権限をもちまして先ず相当程度の監察上の力を発揮し得るのではなかろうか。今回監察強化の第一歩といたしましてこの程度の権限によつて出発いたします。せつかく御期待をお願いいたします。
  167. 白波瀬米吉

    ○白波瀬米吉君 ちよつと会計検査院のかたにお尋ねいたしますが、最前の御報告を聞いておりますと、随分多数の不正行為というか、我々も初めて聞いて驚くのですが、それが不正なりということを認められてその決はどういうふうになるのですか。ただあなたのほうから関係各省に通知をされるだけになつておるのですか。
  168. 小峰保栄

    ○説明員(小峰保栄君) 今の不当な工事というものを多数発見いたしましてあとをどうしまするかという御質問であります。私ども見ますと一番不当というのは設計通りの工事ができていないというのが一番多いのであります。農林関係の先ほど三百六十七件と申し上げましたが、そのうち百六、七十件というものはいわゆる出来高不足と申しますか設計通りの仕事ができていない、こういう案件であります。これは非常に危いのでありまして大水が出ますと又こわれてしまうというような危険が非常に多いのであります。その百大、七十件の中にはすでに私どもが行つたときにはこわれてしまつたというのも十ばかりあるのでありますが、こういうことでは又災害を受けてひどい目にあうというので、私どもとしてはできるだけ強いものに作り直してもらう。まあ一種の補助金詐欺みたいになつておるのでありますが、請負人なり或いは地元なりの負担で設計通りの強度を持つたものに手直してもらう。どうしても手直しができないならば補強工事をしてもらう、そうして又流されて地元の人がひどい目にあうというような機会を成るべくなくす、こういう方向に行つておるわけであります。それからどうしても手直しができないというようなものがコンクリート工事などには多いのでありますが、こういうようなものについてはやはり補助金が行過ぎになつておるわけでありますから、こういうものは返してもらう。こういう措置を農林省を通じてやつてもらつておるわけであります。それでその工事一つ一ついろいろ態様が変つて参りますので、その態様によりまして一番いいと思われる方法をとつておるわけでありますが、方針としては飽くまでも立派な工事、補助工事としてふさわしいような立派なものにしてもらう、こういう方針で行つておるわけであります。  それからその責任者という問題がどういう事案につきましても出るわけであります。補助につきましても責任者というものが実は国家公務員でない場合が多いわけであります。査定が悪いというようなものになりますと、これは国の公務員の責任ということになりますが、実施の面で悪いというようなことになりますと、町村の人とか或いは府県の人とか、こういうような関係に立つわけであります。府県の例えば農地部長とか出納長とかいう人は、一応国の公務員を監督する責任関係の法律の支配を受けますが、何と言つても身分は国の公務員ではないわけであります。国の公務員の不当経理に対して責任を追及するというようなことと同じに取扱うわけにはいかないのであります。個人の責任問題になりますと若干国の直接の経理というものとは違つた結果が出るわけであります。不当工事の場合の措置といたしましては、先ほど申上げました補助工事にふさわしいような立派なものに作り直すなり、或いは補強するなりしてもらう、こういう方針で行つているわけであります。
  169. 白波瀬米吉

    ○白波瀬米吉君 今のお話を聞いていると非常に結構なことだと思います。早くそういうふうに作り変えるとか、或いは補強するということが実行できているのですか。
  170. 小峰保栄

    ○説明員(小峰保栄君) 先ほど申上げましたが、不当工事という見込がつきますと照会を出すのであります。その回答で手直しをする、或いはしたというような写真をつけて来たり何かしております。それでどうも我々だまされることが相当あるわけであります。物によりましてはできない、手直ししようと言つてもコンクリートの工事なんかになりますとなかなか容易でないのでありまして、一たんコンクリートを打つたものを全部こわすということは実際問題としてできないのであります。こういうできないものにつきましては金を返してもらう、これは金を返すかどうかということはすぐ結果が現われます。問題はその手直し、補強なのであります。昨年も手直しをする、或いはしたという回答を得ましてあとで、これはごく少数でありますが見に行つているのであります。そうすると手直ししたという写真をつけて言つて来た所に案外何もしていなかつたという所もあるのであります。それから中には会計検査院に見せるために手直しをごく一部してそうしてその写真をとつて送る。こういうような例もありましてまあ若干は遺憾な面もございますけれども、大多数の所はやはり県が監督して手直しをする、或いはしたという所は事実その通りにやつている所が大多数とこう申上げられると思います。
  171. 白波瀬米吉

    ○白波瀬米吉君 同じことをお尋ねするのは何ですが、行政監察のほうでありますが、やはり今各省にいろいろの監察があつて又監察部がある。そういうふうな行き方のほうがいいのですか。そうでなしにやはり監察するものと実施するものとは例の建前に乗せて、一本の監察にして行つたほうがもつと徹底するのじやないかというふうにも考えられるのですが、今のではどうも何と言いますか、帯に短かしたすきに長しというような感じを非常に受けるのですが、その点に対してはどういうふうにお考えになつておりますか。
  172. 山中徳二

    政府委員(山中徳二君) 行政監察を実施いたします建前がしよせんは行政運営を改善するということになる、行政運営の制度をどうするかということを先ず政府部内の責任においてこれを立てて行くということが、行政監察の建前であろうかと思います。これらにつきましては仕事に責任を持ちます各省各庁が自己の行政運営に熱意と自覚を持つて頂かなければ、いかに第三者が旗を振りまわしても行政運営の改善ということは私どもが幾ら一人でふんばりましても一人ずもうということがございますので、各省各庁の自覚協力ということに先ず待ちたいと思うのでございますが、各省各庁の持つております自体監察につきましては、これは自分の仕事を自分で見るわけでありますので、非常に目の肥えていると申しまするか、見る力のついておるという面があろうかと思いますが、又これは言いにくいことでございますけれども、やはり自分の所を見るということになりますと、おのずからまあ何と申しますか一つの限界がついて参りまして、多少のマンネリズムになると申しますか、或いは又場合によつては多少ものを糊塗するということもあるんじやないかと思いますし、又自分自身の目で見るということは、最もよく事態がわかつておることでございますが、俗に申しますおか目八目ということでございますか、まあ私どもが例えば今まで実施いたしました乏しい例でございますが、建設省の建設機械の運営状況を監察いたしましてから、農林省農業機械の監察をやつたのでありますが、こういうふうに横に比較するということも非常に監察上の一つのポイントになるわけでございます。単なるおか目八目という以外にやはりおのずから監察マンとしての一つの素質を持つて参るかと思いますので、自体監察の弱点をカバーいたしますにはやはり私どもの第三者による部外監察を強力に実施することが必要であろうかと思うのでありまして、その意味におきましては、各省の自体監察についてはそれぞれ批判することはいかがかと思いますが、或いは司法処分の違反事件を追求するというような、特殊な任務を持ちますものとは別でございますが、その他のものについては各省庁のこの問題に対する熱心な協力を期待するのでございますが、私どもといたしましては、自体監察に期待するところはやはり或る程度の限度があるのではなかろうかと思うのでありますが、この問題につきましては実は行政機構の問題等とも関連いたしますので、管理庁といたしましては、行政運営の監察の効果をいかに上げるかという問題と共に、行政機構をどうするかという問題につきまして、民間の有識者から成りまする行政審議会の意見等を聞いておりますが、私ども役所の責任ある答えとしては、今検討中ということと思いますが、私、仕事をやります立場から申しますと、只今申上げましたような所管を持つておりますので、私どもも勿論仕事の上で勉強しなければなりませんし、職員におきましても素質の向上を図る必要があるかと思いますが、この機構を強化することによりまして自体観察を今より以上に強化いたします以上に、勿論この目的のためにお役に立つものとこういうふうに考えております。
  173. 白波瀬米吉

    ○白波瀬米吉君 私は、どうも各省に監察部を置くということ自体がわからないので、それを置くということ自体がどうもおかしいので、役所自体が仕事をするのだなんといつても工事は請負師か何かにやらせますので、それを役所の者が監督する、それを監察部がもう一遍やるなんてどうもその辺が私らはわからん。実際工事をやる者が不正をやるというならそれは各省の者が監督するわけです。各省が請負者にやらせた工事を各省が監督して、又それの別の監察が要るなんということはどうもおかしいので、どうもそういう複雑な監察というようなことが、どうも私などは適当であるかないかということは判断に苦しむわけなんですがね。
  174. 山中徳二

    政府委員(山中徳二君) 各省の自体監察は、仰せの通り、本来各省の主管部局がその仕事について誤りなきよう期して行くということで、それ以外の特別なものを設けてやらなくとも、それぞれの主管部局がやつて行くというのが建前であろうと思うので、自体監察の生れて参りました現在の様子を見ますと、大きな自体監察としてございますのは、御案内のように郵政監察局であります。これは郵便関係その他で非常に不正事件その他が多いというのが一つの端を発している。それからもう一つ多いのは国税庁部内に監察官というのがおりまして税務官吏の面を見ている。或いは労働省にもやはり労働行政の監督をやつている。こういうものが専門的な特殊の分野でやはり相当部内の不正と申しますか綱紀の問題が多いということから、部内監察のようなものが出て来たのではないかと思いますが、まだ一般的に、只今申上げました農林省などは考査室を設けたらどうかという議がある程度でございまして置いてございませんので、大きなものを置いてありますのは国税庁林野庁、郵政省、労働省というようなことで、建設省は最近約十人ばかりの監察官で見て行く、こういう行き方でございます。
  175. 成瀬幡治

    成瀬幡治君 どうですか、次回はあとで一つ相談をしてきめるということにして、今日はこの程度で……。
  176. 小酒井義男

    ○委員長(小酒井義男君) 質疑はまだおありだと思いますが、本日はこの程度で散会をしたらどうかという意見ですが、御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  177. 小酒井義男

    ○委員長(小酒井義男君) それでは本日はこれにて散会いたします。    午後三時五十七分散会