運営者 Bitlet 姉妹サービス
使い方 FAQ このサイトについて | login

1953-07-15 第16回国会 参議院 地方行政委員会 9号 公式Web版

  1. 昭和二十八年七月十五日(木曜日)    午後二時十九分開会   ―――――――――――――  出席者は左の通り。    委員長     内村 清次君    理事            石村 幸作君            館  哲二君    委員            西郷吉之助君            高橋進太郎君            秋山 長造君            若木 勝藏君            松澤 兼人君            加瀬  完君   政府委員    国家消防本部長 滝野 好暁君    自治庁次長   鈴木 俊一君    自治庁財政部長 武岡 憲一君   事務局側    常任委員会専門    員       福永与一郎君    常任委員会専門    員       伊藤  清君   説明員    人事院給与局次    長       慶徳 庄意君    人事院給与局給    与第三課長   中田 正一君    自治庁長官官房    行政課長    長野 士郎君    大蔵省主計局主    計官      鳩山威一郎君   ―――――――――――――   本日の会議に付した事件 ○消防施設強化促進法案(内閣提出、  衆議院送付) ○地方行政の改革に関する調査の件  (町村合併促進に関する件)   ―――――――――――――
  2. 内村清次

    ○委員長(内村清次君) 只今から地方行政委員会を開会いたします。  御紹介を申上げます。先般当委員会におきまして、委員の皆様がたから御推挙を受けまして、当委員会の専門員に任命せられました伊藤清君を御紹介を申上げます。
  3. 伊藤清

    ○専門員(伊藤清君) 伊藤清でございます。  今回私の一身上にお寄せ頂きました諸先生の御厚情に対しましては、私の終生忘れ得ないところでございまして、衷心から感謝申上げます。実は私東京都を退職いたしましてから暫らく地方行政を離れておりましたけれども、御高配によりまして今回再び長い間勤務いたして参りました地方行政の分野で御奉公できますことにつきまして深い喜びを感じております。甚だ微力短才ではごいまするが、誠心誠意努力をいたしたいと存じておりますので、何とぞよろしく御指導をお願い申し上げます。   ―――――――――――――
  4. 内村清次

    ○委員長(内村清次君) それでは消防施設強化促進法案を議題といたします。質疑のあるかたは順次質疑をお願いします。
  5. 秋山長造

    ○秋山長造君 大体この前いろいろ御質問したのですが、最後にもう一点だけ、ちよつと法律的な問題について御質問いたしたいと思います。と申しますのは、この強化促進法を立案された根拠といいますか、これはやはり消防組織法の二十五条に「市町村の消防に要する費用に対する補助金に関しては、法律でこれを定める」という規定があるところに基いておるのでしようか。
  6. 滝野好暁

    ○政府委員(滝野好暁君) お答え申上げます。この国が地方の団体に補助いたしますような実例を見ますというと、必ずしも法律を必要としないで、予算措置に基きまして適宜助成の方策を行なつて参つておる例が多いのでございますが、消防に関しましては、只今御引例の組織法の第二十五条に規定がございまして、まあこれが今お話のございましたような次第で補助金を国が出すときには、一つの法律が要るのだという解釈がまあ成立つわけでありまして、逆に申しますれば、消防に直接に必要とする経費につきまして、国が補助しまする場合には、法律がなければ補助ができないのだというふうに解釈されております。又それがこの立法措置をお願いする一つの理由でもございますが、実質的な理由は、この消防が、昭和二十三年以来、国が中心となつて行なつておりましたこの消防の業務を、挙げて市町村の固有事務に委任し、市町村が単独にその経費を以てこれを運用して行かなければならんという事態に相成りましたところ、戦争で荒廃して非常に劣弱な態勢になつております上に、何ら国が市町村に自治権を与えましたときに、特別な措置をいたさなければならなかつた過去の経過からいたしまして、市町村は非常に消防の施設、消防勢力の充実に非常に悩んで来ておる過去のありさまでございまして、逆に申しますれば、この二十五条が、国が市町村の消防の施設強化のため補助を出してやるのだという、一つの示唆を与えておるという条文にも読めるのでございます。でありまするから、立法措置が必要なんだという意味と、逆に申しませば、市町村の消防に対しまして補助をするのだという一つの暗黙的な内容が盛込まれておるというふうにもとられておるわけでございまして、かたかた以てそういう実質的な意義と、二十五条の法律的な意義とで、これの立法を急いでおつたのでありまするけれども、今日まで予算措置が伴いませなんだので遅れて来たような次第でございす。かような次第であります。
  7. 秋山長造

    ○秋山長造君 そういたしますと、二十五条の規定は、結局、第八条で「市町村の消防に要する費用は、当該市町村がこれを負担しなければならない」とはつきりと書いてあるために、それに対する例外的な措置として、国が補助を出すのだから、一応法律に謳つておかにやいかんという消極的な理由と同時に、更に積極的につらつら天下の消防施設の実情を見渡したときに、とてもこれは市町村に任せておいてはものにならない、だから積極的に、第八条の規定にかかわらず、国が補助をせにやいかんという積極的な意味と、二つあるという意味なんですか。
  8. 滝野好暁

    ○政府委員(滝野好暁君) 大体そのように御理解頂けば結構であります。
  9. 秋山長造

    ○秋山長造君 この消防組織法の二十五条の立法当時の事情を私は詳しく知らないので、改めて、関係がありますから、この際聞かして頂きたいと思うのですが、二十五条の趣旨というものは、さつきおつしやつたような意義も勿論あるのだろうと思うのです。併し同時に、特にまあ一般の補助金を交付する場合、一々法律なんかに謳わないで、行政官庁の予算措置に委ねておるものを、この組織法で、特に二十五条でこういうふうにはつきり言つておるというのは、やつぱりこの第七条ですか、市町村の消防は市町村長がこれを管理するという、市町村長の固有事務であるということの建前がはつきりしておるので、これに対して国が補助金を出すような場合、単なる行政官庁の自由裁量に任せておくと、この前、高橋さんからもお話がありましたように、僅かの補助金をもらうために、田舎の市町村長が一々消防本部まで頭を下げに出て来なければいかん。で、結局消防というものも又国家地方警察と同じように、事実上補助金の面を通じて中央に頭が上らなくなるというか、中央の指揮監督を事実上受けざるを得なくなるというような傾向になつてはいかんから、そういうことのないように、特に国会で立法措置をやつておくというような意味ではなかつたのですか。どうも私そういう点が多少心配になるのですけれども。
  10. 滝野好暁

    ○政府委員(滝野好暁君) この消防組織法に、御承知を頂いておりますように昭和二十二年の十二月に成立した法律でございまして、実際は私も当時この立案に参与しなかつた一人でございまして、この二十五条がなぜに改めて特に消防にだけこういう規定が設けられたのか、今日までいろいろ調査もいたしましたけれども、確たる、これだからという深い根拠を今日まで私自身が存じておらないのであります。これはちよつと逸れますけれども、消防組織法ができますときのいきさつはよく御存じのかたは御存じだろうと思うのでございますけれども、司令部の特別な御指示、御指導があつたように承わつておるのでありまして、この二十五条が如何なる意味において入つておるか、立法当時の事情は詳しく存じません。ただ只今御指示のような意味で、非常に広範囲に亘る全国の市町村の運営します消防につきまして、ただ単に七条、八条というふうな規定のみで全きを得ないのであるから、国が相当根拠のある法律を作つて相当力強くこれを支援しなければならんのだという意味を、消防関係者は挙げて、そういうふうに理解しておるわけでございまして、ただ中央におきまして勝手に補助金を出して中央集権の虞れを招くような措置がありはしないかということは、まあ考えようだと思うのでありますが、法律によつて明らかに相当の補助金の出し方なり補助の対象その他をきめておきますことは、これは最近の立法の情勢から見まして、いいことだと存じております。運用につきましても、御指摘を頂いたように十分考慮してやりたいということは、先般もお話申上げた通りでございます。
  11. 秋山長造

    ○秋山長造君 勿論消防施設の現在の貧弱な状況をみます場合に、これをただ地方団体に委せきりでなしに、国が相当な金を出して思い切つて早い機会に整備しなければいかんという趣旨は、我々も大いに支持するところでありますけれども、まあ、補助金制度で、特に今回の場合のように僅か二億五千万円程度の補助金を元手にして、この画期的な強化を図ろうというようなことですから、どうしても希望者は多くて而も配分は非常に限られるという事態になることは、火を見るよりも明らかなので、そうなればなるだけ、やはり予算の配分ということを通じて中央官庁の、消防で言えば国家消防本部の地方消防に対するまあ統制力といいますか、影響力といいますか、まあ実質的な指揮監督的なやはり権限というものが、相当強くなつて来る虞れがあるのではいなか。ややもすれば、すべての行政事務が補助金の配分を通じまして、中央へ中央へとなびいて行つているような傾向と、やはり歩調を合せて、この消防関係においても、そういう意思ではなかつたのだけれども、併し実際今後の行政の運用という面になりますと、得てしてそういう方向に流れる虞れが多分にあるのではないか、やはりどうせ消防の補助金というのは、一カ町村に行く場合、そう大した額が行くとは思えないのですが、その僅かばかりの、何万円かの補助金をもらうために、田舎から町村長とか町村会議員というような者がしばしば東京へ上京して、そうして消防本部へ頭を下げて行かなければもらえないというような、今国会を取巻いているような陳情政治の材料が又一つ殖えるというようなことになつては、私は非常にまづいと思うのです。そこでこの前も高橋委員からでしたか、御質問が出ておりましたが、例えばこの補助金の配分を、この前私が質問しましたように、ただ漫然と全国各町村消防から申請書を出さして、一定の基準に合わして審査するということだけでなしに、まあ大体あなたのほうでお調べになれば、全国の消防の実態というものはおわかりになつていると思うので、大体おわかりになつておれば、各府県別だとか或いは何かブロツク別だとか、地域的な何かそういう計画の下に、或る程度そこに枠を配分して、そうしてそのほうで、例えば府県なら府県で、その府県内の町村なんかに対する配分を代りにきめてもらうとか、或いは又更にいいことを言えば、義務教育半額国庫負担法なんかでやつておりますように、今度はもう地方が実際に消防に使つておる予算額なり或いは地方の消防の拡充計画なりというものを中央で集計をして、そうしてそれの三分の一なら三分の一を国庫補助で出すというような制度にでもすれば、あまり補助金を通じて中央集権にならず、中央へペコぺコ頭を下げんでも、自分のところで三分の二持てば、当然あとの三分の一は東京までわざわざ来なくても、東京から三分の一だけは補助金で廻つて来るのだということになれば、これはまあ一番いいのですがね。そういうところまで一つ研究もし、進んで頂きたいと思うのですけれども、どういうお考えですか。
  12. 滝野好暁

    ○政府委員(滝野好暁君) 只今秋山委員のお言葉でございますが、御尤もでございまして、この前の委員会のときも私御返答申上げたように、僅かばかりの補助金のために、無駄な経費を使つて上京或いは陳情というようなことが起らないように措置したい、そのために都道府県の消防主務課におきまして、賄えるように枠を考えてみたらということを随分研究したのでございますけれども、何しろ全国一つ一つの農山村に至るまでの消防の実務、それから更にその財政状態、地域ごとのいろいろの配分に考慮しなければならぬ要素が相当多岐に互つておりますので、初年度からいきなりきめるということも、都道府県の範囲内においては結構ではありますけれども、全国的に見まして相当無理が起るのではないかという危惧がありますので、初年度から枠をきめて、その範囲内での案を持つて来て頂くようなことは、本年は無理じやないか。併しながらいずれ連絡打合会等もいたしまして、ただ徒らに市町村から申請書がたくさん集積されて、工合が悪いというようなこともないように、一つの町村の選ぶ基準を、大体抽象的でありますけれども、お示して、それで二億五千万円程度の予算でありますので、余りそれから超えて、いわゆる起債の話ではございませんけれども、十数倍ものような申請書が参ることもないように調査して頂くという方法をとつて行きたい。そういたしますと、大体の情勢、希望なり実勢がわかるので、明年度あたりからは、先ほどのお話もありましたような方法が漸次とつて行けるのじやないか、かように考えておりますので御了承頂きます。
  13. 秋山長造

    ○秋山長造君 では只今の御答弁で、先ほど私の御質問申上げたところ或いは御希望申上げたところは、大体消防本部のほうでも、今年は取りあえずの措置としてはできないけれども、明年あたりから漸次そういう措置を採用して行きたい。こういうおつもりなわけですか。
  14. 滝野好暁

    ○政府委員(滝野好暁君) 大体さように考えております。
  15. 松澤兼人

    ○松澤兼人君 この前の委員会でお聞きしておりますところと重複するところがあるかも知れませんけれども、簡単に質問さして頂きます。  大変結構な法律でありますけれども、先ほど秋山委員からお話がありましたように、やはり中央集権的な傾向に行きはしないかということを非常に心配しているわけでありまして、その点、第一に内閣総理大臣というふうな形をとつているのはどういうわけなんですか。
  16. 滝野好暁

    ○政府委員(滝野好暁君) 御承知のように消防に関しまする行政事務を所管いたしておりまする国家機関といたしましては、国家公安委員会に所属しているところの国家消防本部というのがございます。国家公安委員会の主務大臣は内閣総理大臣でありますので、結局この消防行政事務の責任大臣は内閣総理大臣ということに相成つております。総理大臣の所管として法文に明らかにした次第であります。
  17. 松澤兼人

    ○松澤兼人君 国家公安委員会というようなところに持つて行くわけにいかなかつたのですか。
  18. 滝野好暁

    ○政府委員(滝野好暁君) 国家公安委員会は、御承知を頂いておりまするように、会議制の機関でございまして、実際の行政事務は国家消防本部がいたしておりますので、その他の取扱いは国家消防本部でいたすのでございます。実際上、これは内閣総理大臣とございますけれども、事務上の措置は国家消防本部が総理府の所管機関として実施いたすのでございます。
  19. 松澤兼人

    ○松澤兼人君 従来も消防器具に対する検定ということは行われているわけでありますが、今度は基準というものを捕えて、その基準に適つたものを購入するなり或いは設備をする場合に補助を与える。そうすると検定ということについても、とかくまあいろいろ風評もあるわけでありますが、今度は更に消防本部と、それから消防器具の製造業者との間に、利権関係というものか非常に生れて来やしないかということを心配するのでございまするが、これらについて明確に、単に基準的にその規格に適合する器具を購入させるということが、果してできるかどうかという問題なんですけれども、如何でしようか。
  20. 滝野好暁

    ○政府委員(滝野好暁君) この消防施設強化促進法によりまして、市町村が購入又は設置いたしまする消防機械器具或いは施設につきましては、第四条にございますように、一つの規格をきめまして、標準額と規格をきめまして、それに合致するものに対して一応補助する。それでは規格に合致しているかどうか、どうして判定するのか、こういうことになりまするが、これはやはり国が市町村に補助いたします以上は、やはり一つの水準以上のものを求めて頂きたいということは、私たちの念願でございまして、まあ消防機械器具のメーカーと言いましても、非常に劣悪なるものが、非常に規格の低い水準のものが購入されているような実情でございますので、それは避けたい。そういたしますと、現在国の機関即ち私のところの所属いたしております消防研究所の検定いたしておりますものは勿論でございますが、一つの規格を明らかにいたしまして、その規格に合致したものを購入せしめるための措置といたしましては、都道府県の消防主務課等におきまして、一つこの性能試験をやることになつておりますので、そういう方法によつてまあ規格を維持したいという考えでございます。又それによつて万一維持できなかつた場合におきましても、実地検査或いは報告等によりまして、この規格を守れる方法ができるじやないか、極力この規格を維持して行きたい、さように考えております。
  21. 松澤兼人

    ○松澤兼人君 その点はよくわかるのですけども、メーカーとそれからこれを推薦したり、或いは補助を申請して来た場合に、消防本部としてほかの品物を申請して来た場合に、同じ規格の中に入つておるものでも、これを変えるとかいうようなことで、利権関係が生れて来やしないかということを心配するわけなんです。例えば従来とも不燃建築物かなんかというようなことで、法律を作ろうとしたりする動きもあつたわけなんですが、そういうものの裏面を聞いてみると、やはり何かそこに利権的なものがありまして、そういうものの圧力で、国会の中でそういうものの話をするというようなことも、従来もあつたことですし、或いは又消火団などについては、相当各都市で問題を起しているという事例もあるわけなんです。そういう心配なしに、本当に規格に合つたものを推薦し、且つそれを購入する場合に、補助をするということであればいいわけなんです。どうもそういう心配があるような気がしてしようがない。そこをお尋ねしているのです。
  22. 滝野好暁

    ○政府委員(滝野好暁君) その点ちよつとお答えするのがはずれまして申訳ありませんが、御指摘のように、現在私のほうで検定をいたしておりますけれども、この助成促進法が施行されて、補助する段階に至らない前でも、現状におきましても、国が特定の業者につきまして、特定の方法でこれを推薦する、推奨するというふうな方法は避けるべきだと考えております。勿論国が検定しまして、一つの規格を定めたものもございますので、それに合格するや否やということを明示いたしましたならば、合格品は先ず国の機関がこれを認めて、その性能はよろしいということは当然であります。そのほかの方法によつて特定のメーカー、特定の品を特にどうこうするというようなことは絶対いけないということで避けておりますが、御指摘のように国が補助金を出して市町村に消防の機械器具を買わせるというようなことになりますと、なお更のことそういう御懸念頂くようなことがあり得る虞れがありますので、その点は特に注意いたしまして、特定の品、特定のメーカーというふうなものにつきまして、これを推奨、推薦その他の方法によつてどうこうというようなことは絶対しないというふうにいたしたいと思つております。
  23. 松澤兼人

    ○松澤兼人君 この点は将来のことなんで、そういうことが起らないように一つ絶対に注意して頂きたいと思います。  それからこの際法案と直接関係がないことになるのですけれども、一つお伺いしておきたい。過般行われました選挙のときですけれども、消防団員が或る特定の候補に対して非常に熱心に運動をした。勿論それは消防団員個人として行う場合にはいいわけですけれども、消防団というはつぴを着たり、或いは服を着たりして、まあ非常にデモをやつて歩く。一方では或る候補者は自分はもう消防団のために、いわゆる消防のために立候補しているのだということを宣伝して廻る。そこで期せずして消防と言えばその候補者の名前を思い出すというくらいな関係になつておるところへ、非常に時期外れの時期に消防のデモをやつて、ガソリン・ポンプを五台も、或る小さな町で動員して、デモンストレーシヨンをやる。そのこと自体は選挙運動ではないのですけれども、はたから見れば、明らかに特定候補者に対する一つの応援的なデモであると、誰しも考えられるようなことをやつておるわけです。消防団員がこういう団として選挙運動にまぎらわしいようなことをやつている。そういうことは果して穏当であるかどうか。そういう問題に対して消防本部として、何か選挙運動にまぎらわしいようなことをやつてはならないというような指示をお出しになつたことがあるかどうか、或いはそういうことをお聞きになつたかどうか。
  24. 滝野好暁

    ○政府委員(滝野好暁君) お答え申上げます。ちよつと別の話になるかと思いますけれども、公職選挙法におきまして、従来消防団員がその職にあるままで立候補できないようになつておつたのでありますけれども、一昨年でございますか、国会の公職選挙法の改正によりましてこれが解除されまして、消防団員は特別職の公務員ではありますけれども、その職にあるまま立候補できるというように改正して頂きまして、非常に消防人としては安んじてその職に励みができるということで感激したのでございますが、今御指摘のような消防団或いは消防の名において、政治活動、政治運動或いは選挙運動をするということは、従来の消防の伝統的なあり方からいたしまして、これは非常に不可である。御承知を頂いておると思いますけれども、消防の麗わしい伝統はその不偏不党、政治的に超党派であるというところに、そして公共に奉仕するという精神を遺憾なく発揮するというところに、消防の指導精神があるのでありまして、選挙等におきまして特定の政党或いは特定の立候補者を支持し、又はこれを排撃するというふうな選挙運動を、消防団、消防団と限りませんが、消防機関或いは消防人の名においてやるということは、厳にこれを戒めるようなふうに指導して参つておるわけであります。従来とてもその虞れが地方によつてはありましたので、たびたびの機会におきまして、私たちそれを絶叫して参つておるのでございますが、主としてこれは消防団或いはその他消防機関の責任にある人が、その点は十分自覚して頂かなければならないということに鑑みまして、首脳部の会合等におきましては、常にこの問題を、特に選挙前等におきましてはお示ししておるわけであります。その点は今後も十分我々考えて行かなければならんと、かように存じます。
  25. 松澤兼人

    ○松澤兼人君 首脳部の人たちにそういうことがないように注意したとおつしやるのですが、実は首脳部の人たちが先頭に立つてそういうことをやつておるのです。それで全く時期外れのときに出初みたいなことをやつて、先ほど言つたように、これはそのこと自体は選挙運動ではないと思う。併しそれとわかるようなまぎらわしい行為をやつておるということは、これははつきりわかるのです。そういうことをやり始めると、全く消防というものが或る特定の勢力に利用されてしまつて、それを市民が、或いは住民が心から支持するという気持にならない。そういうことは将来若し再び選挙が行われるような場合には、十分注意をして頂かなければいかんと思うのであります。そういうことは消防本部ではつきりわかるはずで、どこから消防関係の人が出ておる、これは間違いを起すといけないということはわかるはずだと思うので、厳重に将来戒めて頂きたいと思います。
  26. 内村清次

    ○委員長(内村清次君) 他に質疑はございませんか……。別に御発言もございませんようですから、質疑は尽きたものと認めて御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  27. 内村清次

    ○委員長(内村清次君) 御異議ないものと認めます。それではこれより討論に入ります。御意見のおありのかたはそれぞれ、賛否を明らかにしてお述べを願います。なお修正意見がございましたならば、討論中にお述べを願います。
  28. 秋山長造

    ○秋山長造君 私、簡単に私の意見を申上げます。もとより消防施設の整備強化と地方住民の負担軽減を図るために、本促進法ができることは誠に結構でありますが、ただ問題は折角こういう法律を作つても、その財政的な裏付がなされなければ何もならないということでありまして、御承知の通り本年の補助金は僅かに二億五千万円、更に又防火用水槽の一億円、又起債にいたしましても僅かに四、五億円というようなことでは、とても本当に消防施設の整備強化を促進するということには甚だ遠いと思うのでありまして、更にその上に又国における消防関係の予算の立て方につきましても、一部は消防庁の予算に入つておつたり、或いは消防本部の予算に入つておつたり、又一部は建設省の予算に入つておつたりというようなことで、僅かな補助金が更にあつちこつちの役所の予算にちりぢりばらばらになつておるというようなことでは、とても強力な裏付ということはできるものじやないのでありまして、これらの点は速かに当局において、政府において根本的に改善をされなければならないと思います。  又第二に、本法律によるところの補助金の配分等を通じまして、先ほども申上げましたように、消防組織法の基本精神というものがいやしくも曲げられるようなことがあつてはならないということであります。ややもすれば、この補助金の分配等を通じて、中央官庁の地方公共団体に対する圧力と申しますか、統制力というようなものが強化されて行く傾向が最近特に顕著でございますが、消防本部におかれましては、この法律に基く補助金の配分事務を極力適正且つ民主的に行われまして、いやしくも組織法の精神に背いて、中央集権に流れるというようなことのないように、厳に慎んで頂きたいと思います。そうして先ほど消防本部長が御言明になりましたように、今後この補助金の配分方法につきましては、極力これをまあ一定基準を設けて、自動的に市町村消防へ補助金を出すというような制度に切替えて頂きまして、中央の地方に対する補助金を通じての統制力を逆に強化するというような傾向を助長しないように御留意を願いたい。それから第三に、この前もいろいろと申上げましたように、これだけの法律を作つて、国が今後毎年相当な補助金を出して、消防施設を強化して行くからには、それだけ当然最も利益を受ける側の一つは、今日非常に儲けておるところの火災保険会社であろうかと思うのでありまして、火災保険会社のほうからも、この消防施設の強化のために極力融資の途を開いたり、或いはその他いろいろな面につきまして協力をさせるように、政府において強力なる手を打つて頂きたい。  大体以上の諸点を希望いたしまして、本法案に御賛成申上げるものであります。
  29. 内村清次

    ○委員長(内村清次君) 他に御発言がございませんが……。他に御意見もないようでございますから、討論は終局したものと認めて御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  30. 内村清次

    ○委員長(内村清次君) 御異議ないと認めます。それではこれより採決に入ります。消防施設強化促進法案について採決いたします。消防施設強化促進法案を衆議院送付案通り可決することに賛成のおかたの御挙手を願います。    〔賛成者挙手〕
  31. 内村清次

    ○委員長(内村清次君) 全会一致でございます。よつて消防施設強化促進法案は、衆議院送付案通り可決すべきものと決定いたしました。  なお本会議における委員長の口頭報告の内容は、本院規則第百四条によつてあらかじめ多数意見者の承認を求めなければならないことになつておりますが、これは委員長において本法案の内容、本委員会における質疑応答の要旨、討論の要旨及び表決の結果を報告することとし、御承認を願うことに御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  32. 内村清次

    ○委員長(内村清次君) 御異議ないものと認めます。  それから本院規則第七十二条によりまして、委員長が議院に提出する報告書につき多数意見者の署名を付することになつておりまするから、本法案を可とせられたかたには、順次御署名を願います。   多数意見者署名     石村 幸作  西郷吉之助     秋山 長造  加瀬  完     高橋進太郎  館  哲二     松澤 兼人  若木 勝藏
  33. 内村清次

    ○委員長(内村清次君) ちよつと速記をとめて。    午後三時五分速記中止    ―――――・―――――    午後三時二十二分速記開始
  34. 内村清次

    ○委員長(内村清次君) 速記をつけて、それでは次の地方行政の改革に関する調査のうちの、町村合併促進に関する件を議題に供します。町村合併法案についての質疑を続行いたします。
  35. 若木勝藏

    ○若木勝藏君 私昨日質問した事項に関連して、丁度今日人事院からも見えておるようでありますから、その点を法的の立場或いは実際の取扱いの立場から、人事院に質問したいと思うのであります。  それは町村合併の場合において、いわゆる地域給のついておるようなところ、或いはつかないところ、或いは級地の差のあるようなところが合併した場合におきまして、地域給はどういうふうに取扱われるのであるか、これについて人事院に地域給を指定する場合の規定、何か法令というものに基いて、どんなふうになつておるか、お聞きしたいと思います。
  36. 中田正一

    ○説明員(中田正一君) 勤務地手当の支給については、御存じのように、法律上は生計費の著るしく高いというところに支給するということになつておりますから、形式的に言えば、たとえ町村合併になつても、当然には高い地域のほうの町村によつて支給するというようなことはないわけであります。ただ実際の運営となれば、これは大体丁度市町村が合併になるようなところでは、生活圏或いは経済圏というものも一緒であろう、又逆に、逆にというと語弊がありますが、そういうふうに生活圏、経済圏が一緒であるようになつたからこそ、従来別個の市町村であつたものが同一市町村になるというような事態が多いようでありますから、十分そういう実態を考慮しまして、交通事情或いはその他の生活圏、経済圏というものを考慮してやつて行かなくちやならんというふうに思うわけであります。ただはつきりした規定というものはございません。運営の面において市町村合併になつた事情なども十分勘案して、実情に即するようにやつておるわけであります。でありますから、結果的に言うと合併になつたがために、一面有利に見えるようになつて来るという場合もありますが、又反対には、合併になつたにかかわらず、依然として従来通りではないか、甚だ怪しからんというような非難を受ける場合もありますが、それにはやはりそれだけの事情、条件が欠けておつたというような場合で、そういうふうな次第だろうと思うわけであります。
  37. 若木勝藏

    ○若木勝藏君 今の課長さんの御答弁をずつと私聞いておりますると、そうすると、運営の面から考えて見て、町村が合併して来た場合においては、地域給の指定の上から有利と言えばおかしいですけれども、指定しなければならないような条件が、今までの個々の町村であるよりも殖えて来る、こういうふうに私は聞えたのでありますが、これは公務員が殖えるとか、或いは交通事情の問題で殖えて来るとか、人口が増して来るとかいう、そういうふうな諸条件によつて、在来の小さな地域であつた場合よりも、どうしても大きなものになつて来た場合は、そういうふうな条件が出て来るのではないか、そういうところからまあ地域給の点も、在来よりも先ず付けなければならないような条件になつて来る、こうい、うふうに私伺つたのでありますが、それで差支えありませんか。
  38. 中田正一

    ○説明員(中田正一君) もう一度申上げますと、丁度合併になるような場合には、生活圏、経済圏も非常に同じ条件であるというような場合が多い。従つて勤務地手当を支給する場合においても、そういう面が十分考慮されておる場合がある。又先ほどは申し落したのでありますが、例えば人事行政をやる場合に、同一市町村であれば、非常に人事移動という面も、町村が別個の場合に比べれば、頻繁になつて来るわけであります。そういう面も考慮しなければならんじやないかということであります。
  39. 若木勝藏

    ○若木勝藏君 それでもう少し私はこれを具体的に分析して聞いてみますが、そうしますと、町村合併上の条件として、非常に大事な条件でありますが、付いておらないところと付いておるところとが合併した場合には、地域給の運営の上からみて大体どちらのほうになるか、それが一つ。  それから片方は一級地で片方は二級地だというふうな差のある場合には、これはどういうふうになるか、これはさつきと同じようになるのではないかと思うのであります。  それから全然付いておらないものは合併した場合には付くようになるのかどうか、こういうふうな点、この三つの点を具体的に伺いたい。
  40. 中田正一

    ○説明員(中田正一君) 全然付いていないもの同士が合併になつた場合、これはぽかの経済事情とか或いはその他の条件が変らない限りは、合併になつたからといつて、当然村の形態、町の形態が大きくなつた、人口が大きくなつたということからして、直ちに一級地に指定するということを考慮するわけには参らないだろうと思うのです。  第二に、無敵地と一級地が合併した場合にどうなるかということでありますが、これはさしむきはそのままにしておく場合が多いのでありますが、例えば旧何々村は無級地、それから何々村は一級地というふうにしておる場合もありますし、今度は先ほど申した運営の面から合併になつたいきさつ、又合併になつた後の交通関係、経済関係というものを考慮する、従来無級地であつたものも一級地になる場合もあるわけであります。併しまあすぐそれが実現するかどうか、これはどうしても合併になつた時期と次の国会開会との関係で、ずれを相当生じて来るわけであります。
  41. 若木勝藏

    ○若木勝藏君 そうしますと、人事院の立場といたしましては、合併した後におきまして、これに対して、この指定について申請なりそういうふうなものがあれば、これについて十分検討して、この条件に当てはまつたほうに処置をする、こういうふうなことになりますか。
  42. 中田正一

    ○説明員(中田正一君) 合併になつたときは、人事院のほうも関係の向からその通知を受けますから、成るほどここは合併になつた、そうしますと、我我のほうとしましては、これは次の機会に考慮する必要はあるかどうかというので十分検討いたしまして、合併になつたけれども、相当聚落と聚落の間隔が離れておるから、差向きはこのままで行こうという場合もありますし、成るほどこれは尤もであるというので、高い地域のほうに付ける場合もあるわけであります。
  43. 若木勝藏

    ○若木勝藏君 大体それで人事院の立場はわかりましたが、在来の慣例について、実際あつた具体例について、若しありましたら。
  44. 中田正一

    ○説明員(中田正一君) 従来の慣例私もつまびらかにしていないのでありますが、たとえて申しますと、富山県の新津あたりの例を申上げますと、新津は市で、級は私具体的に忘れましたけれども、二級地なら二級地、その廻りの村が現在もと通り一級地とか或いは無級地という例はあつたわけでありますが、そういうのについても今検討して、これはどう持つて行くべきかというので、案を練つているわけです。それ式に過去の分についてそういう検討の結果、上つておる地域も随分とありますし、或いは据置かれておるままの所もあるわけであります。今ここに資料を持合せんものでありますから。
  45. 館哲二

    ○館哲二君 今富山県の例を言われましたが、富山県の氷見という町がニカ町村合併して、そうして市になつたのです。これがやはり氷見と同等な級に上げてもらつた実例が一つあります。上げてもらつたが、今のお話は確か検討中というのは魚津だと思うのですが、これは私よく結果については知りません。氷見のごときは私は或る意味から言うと有利に上つた実例かと思います。
  46. 若木勝藏

    ○若木勝藏君 私はそれでよします。
  47. 松澤兼人

    ○松澤兼人君 今結論的に言えば、一級地と無級地が合併した場合に有利になるほうが多いのですか。まさか一級地を減すということはないでしよう。一体になるのですから、人事交流はたちまちやらなければならない、だから有利になるということが言えるんじやないのですか。
  48. 中田正一

    ○説明員(中田正一君) 先ほどの例を又申上げますと、無級地、一級地の合併になつた場合は、人事交流はやりにくかろう、お互い段落があつた場合はおしなべて皆無級地にしたほうがよかろうと、不利になることは絶対にないと思うのです。少くとも不利になる、とはない。それから検討した結果、やはり無級地と一級地という段落がしばらく続く場合もありますし、又なお検討の結果、両方一緒に一級地にするという場合もあるわけであります。そういう相対的な意味から言えば、不利にはなりつこないし、有利になる場合が若干出て来るのではないかというふうに考えております。
  49. 若木勝藏

    ○若木勝藏君 それでわかりましたが、合併して申請した場合に、地域給の勧告をする時期に到達しておらな人ても、特別な取扱いをするものかどうか、この点について新たに起つた問題があるのです。
  50. 中田正一

    ○説明員(中田正一君) 現在の建前で行きますと、国会と国会の間において町村が合併されたような場合には、当然には指定されないわけで、次の国会を待つて、又国会を開かれても勧告が全然行われない場合には、素通りされるわけであります。例えて例を申上げますと、今年の四月一日から合併になつたという場合に、ではその四月に無級地と一級地の問題が論議されるかと申しますと、そうではなしに、次の勧告の時期ということになるので、その意味ではどうしても時期にずれがあるわけであります。
  51. 石村幸作

    ○石村幸作君 中田課長にもう少し突つ込んでお伺いしたいのですが、今各委員が質問されたのに対してお答を聞いたのですが、要は、この町村合併促進に成るべく有利にこれが促進するようにというわけで、各委員が心配して聞いておられると思います。そこでほがの各省の所管事項に対してはいろいろな特例がこれは織込んである。よつてこの地域給の問題も一つ特例を作つたらどうかということを立案者が考えた場合、又そういうふうに修正した場合に、人事院当局のほうはどういうふうに考えますか。
  52. 中田正一

    ○説明員(中田正一君) この問題については、私直ちにここで申上げられない問題でありますから、帰りましてからよく上司に報告して。  それからもう一つ申上げますと、現在同じ合併にならない場合であつても、分割して勤務地手当を支給することも理論として考えられるわけでありますし、現に官署指定というのがございます。同じ村にあつても、官署の所在しておる地域によつて、一級になつておる官署と依然として無級になつておる官署もあるというようなわけでありますから、なかなか先ほどのお話はむずかしい面があろうかと思うわけです。今までの考え方で行けばむずかしいかと思うのであります。ただ政策的に町村合併を促進するためにどうということになりますと、これは新たな観点に立つて考えなくちやならん問題だろうと思うのであります。従来の純理論的と申しますか、人事行政上の観点だけから言えば、慎重に考えて行かなくちやならん問題だろうと思います。
  53. 石村幸作

    ○石村幸作君 今まで中里課長の答えられたのを総合して、この合併の結果、その関係町村が非常に不公平、不均等な結果になる、併しそれを合併と同時に、すこぶる簡単に早くそれが是正されるならばいいのだが、若しそれが非常に遅れるとか、先ほどからの話によると、非常に遅れるかもわからん、時期的に、合併の時期によつて、特にそういうふうに不利益であるとすると、我々としてはここに特例を作るということも一応考えなければならん、そういう必要を生じるのじやないか、そこで今、以上伺つたわけですから、よくその点考慮してお願いしたいと思います。
  54. 加瀬完

    ○加瀬完君 一番初めに若木さんから町村合併によつて、地域給の差が生じた場合の処置が聞かれたんでありますが、それに対して課長は、生活圏、経済圏が当然合併するような町村は同一であるんだから、十分考慮をしたいと、又特に町村合併の関係というのも考慮したいというお答えがあつたわけでありますが、それ以後のほかの委員のかたとの課長さんの一問一答を聞いておりますと、何にもそれらが考慮されないというお答えしか出ておらないように私は聞いておるわけです。例えば殆んど一町村におけるところの地域差というものを認めておるし、それから勧告その他の時期というのも一般と同じである、或いは地域給の条件についても一般と同じてあるということになりますと、どこでお考えになつておるか、考えておる条件というのが出て来ないのですけれども、その点をもう一度はつきりさして頂きたいと思います。
  55. 中田正一

    ○説明員(中田正一君) 初めの御質問に対しお答え申上げた点と、あとのお答えに対して別に食違いがあるわけでありませんで十分考慮しておるわけありますが、事例としては、同じ村であつても、条件の差異によつては同一に取扱われないで、官署ごとにやつておる場合もあるということでありますから、現在の実施している以上に、町村合併と同時に級地を上のほうに上らせるというような問題については、只今申上げたような事情ですから、慎重に検討しなければいけない問題ではないかということを申上げたわけでありまして、今までの過去の実績から言えば、十分合併町村の事情は検討しておるわけです。たとえて申しますと、我々のほうで点検する場合にも、町村合併になれば、その事実が極めて明瞭になるわけでありますから、どこの県ではどことどこが合併したのであれば、当然それを検討してみると、検討してみて条件に合わなければやむを得ませんが、条件に合えば考えて行くというので、少くとも点検して行く上に取上げて行く可能性があるわけであります。町村合併ではないところはいろいろのほかの事情から個別に検討するのでありますが、町村合併の場合には、合併になつたという事実によつて検討する時期が、時期と申しても何ですが、順序が、早く検討いたしますし、合併になつた事情も十分考慮して行くわけでありますから……。
  56. 加瀬完

    ○加瀬完君 そうすると、法的には特別な際立つた差異をつけるわけに行かないけれども、可能なる範囲において好意的な処置をするというふうに解釈してよろしいですね。
  57. 中田正一

    ○説明員(中田正一君) もう少しつてお答え申上げますと、現在の勤務地手当制度においても、例えば村と町という関係について、もう少し密接して考えなくてはならんのではないかという考え方が、今個人的には持たれつLあるのですが、現在の合併しない場合においても、町と村といつても、その町というものはその町周辺の相当の村を対象にして成立つ町であるし、村も近辺に町があるからこそ、自分の村に専門のいろいろ商店とか何とか置かずしてやつて行かれる。まあ持ちつ持たれつ町と村がやつておるという状態でありますから、現在の合併にならん場合でも、十分に考えて行かなくちやならんというふうに考えられつつあります。合併になつたような場合には、同じような考え方が更に突き進められるのではないかというふうに思うわけであります。
  58. 加瀬完

    ○加瀬完君 了解。
  59. 石村幸作

    ○石村幸作君 私が先ほど伺つた点について、課長は今すぐ答えられない。実はこの問題は急ぎますので、今日中にこの委員会の仮決定をしてという段取りに今なつておるのです。一つでき得れば成るべく早く…。
  60. 松澤兼人

    ○松澤兼人君 これは重大な問題だと思うのだが、併し折角これまでやつて促進しようとしているのですから、そこであなたのほうから頂くお答えは有利に取扱うとか、或いは十分優先的に検討したいというくらいな色のいい返事を欲しいのです。まあその程度なら、あなたのほうは差支えないと思うのだが、まあそういう線でお答えを頂けば非常に結構だと思います。まあ一つ人事官の…。
  61. 内村清次

    ○委員長(内村清次君) ちよつと速記をとめて。    〔速記中止〕
  62. 内村清次

    ○委員長(内村清次君) 速記を始めて。
  63. 慶徳庄意

    ○説明員(慶徳庄意君) お答えいたします。只今の問題は、町村合併促進法の趣旨からいたしまするど誠に御尤もな点であろうと存じます。ただ実際上の問題といたしましては、ただ単に法律におきまして、合併された町村の勤務地手当を支給するということをやりましても、これをやりまするには、所詮予算上の裏打ちがなければ、如何に法律に書きましても実行でき得ない問題でございますることは、まあ当然でございまするが、而もこの予算は御承知と思いまするが、各省各庁ごとに而も一級地に何人、二級地に何人、或いは三級地に何人というような具体的なデーターによりまして、各庁ごとに細分された内容によつて予算が組まれておるのが現在の体系でございす。従いまして従来のような体系のままを前提といたしまするならば、若干の差繰支弁ということの余地はあるかと思いますが、相当広汎な町村合併という問題になりますると、形式は如何あろうとも予算の裏打ちと相待つて執行いたしませんことのは、なかなか困難点があるのではなかろうか、かように考えます。併し私どものほうといたしましては、勤務地手当につきましてはその所管官庁でございまするので、更に又十分検討の時間をお与え願いたいと存じます。
  64. 若木勝藏

    ○若木勝藏君 どうも今の慶徳さんの答弁は私はおかしいと思う、予算を持出したということは……。我々の聞いておるのは促進のためにそういう特例を設けるのはいいかどうかということについて理論的な立場を聞きたいのです。
  65. 慶徳庄意

    ○説明員(慶徳庄意君) 勤務地手当の問題は誠にむずかしい問題であるということは、恐らく各先生がたもとうの昔に御存じのことであろうかと思います。大体法律の建前から言いまするならば、著しく生計費の高い地域に対して勤務地手当を支給するというのが法律の原則でございます。ところが数次に互る勧告或いは国会修正等によりまして、どうもこの法律に掲げられておりまする原則が相当程度、まあ歪曲されておると言えば甚だ言葉が過ぎるのでありますが、まあ歪曲されておるがごとき実態を示しておるというのが現状でございまして、私ども所管する立場といたしまして、誠に実は困窮いたしておる問題でございます。従来のやり方から申上げまするならば、行政地域を基本といたしまして、只今申上げた著しく生計費の高い地域であるかどうかというような線の行き方を実はやつておるのでございます。現在の法体系を前提といたしますならば、例えば数カ町村というようなでかいところが合併いたしましたような場合に、経済情勢なり或いは消費体系なりいろいろな点において違う点も出て来るのじやなかろうかと思いまするので、少くとも現在の体系なりやり方のみを前提といたしました場合に、而もどの程度まで合併されるかという見通しも明確でない場合におきましては、私どもの立場としてよろしうございます、結構でございますとは、どうもいささか申上げかねるのでございまして、暫らく御検討の時間をお許しを願いたいと思います。
  66. 若木勝藏

    ○若木勝藏君 併し慶徳さん、こういうことは言えるのでしよう。合併した結果、当然この地域の指定が有利になるというか、有利な条件が出て来る結果にはなる、こういうことは言えるでしよう。
  67. 慶徳庄意

    ○説明員(慶徳庄意君) 合併されます町村の具体的内容によつてどう判断するかという一問題があろうかと思います。二級地と或いは一級地と合併にたりましたような場合におきまして、現在の作業の実態から申上げまするというと、やはり法律で言いまするところの生計費の高いという観点のほかに、それぞれの地方によりましていわゆる町なり村なりの格というのが恐らくあろうかと思います。又地方民のいろいろの意見の反映というようなものもあろうかと思います。従いまして、一級地とゼロ地が一緒になりました場合に、ゼロ地が一級地に合併されたとのみ観念することも又早計ではなかろうか、場合によりましては、ゼロ地に一級地が合併されるという場合も、見ようによつてはあり得るのじやなかろうかというような前提に立ちまするならば、すべて有利になる場合のみであるということも、私この中味はわからんのでありまするが、一応言い得るのではなかろうかというようなふうに考えられます。
  68. 若木勝藏

    ○若木勝藏君 私さつきから聞いておるのは、とにかく今までの地域給のついておる状態から見て、ただ町村が大きくなつて、そうして公務員の数も多くなつて、それから都市的な色彩も帯びて来る、そういうところが級地が高くなつて来ておるのです。一般的に言つたならば、合併した場合には高いほうに進んで行くのではないかということを聞いておる。その一般的にはどうですか。
  69. 慶徳庄意

    ○説明員(慶徳庄意君) 大変理窟ぽいことばかり申上げて恐縮ですが実は率直に申上げますと、現在衆議院の人事委員会におきまして、この勤務地手当のみを問題にいたしまして小委員会を作りまして、前後三回に亙りまして、実は懇談を重ねておる現況でございます。何分にも勤務地手当の現状が御承知のような状態になつておりますので、果して現在のままで、将来この体系を持続することが国家的に見て妥当するかどうか、或いは抜本的なことをやりまする場合に果してどのような措置、方法があるであろうか、又それに対応する財政的需要がどの程度になり得るものであるかというような、いろいろの角度から実は小委員会において懇談をやつておる現況でございます。私ども自身といたしましても、果して現在のごとき体系のままで将来終始すること自身につきましても、少くとも相当に問題があるであろうというふうに考えておるわけであります。従いまして、大変今まで事務的なことばかり申上げて恐縮でございますが、この勤務地手当の将来のあるべき姿という問題、而も今申上げましたような小委員会におきまして現在論議が闘わされておるという過程でもございますので、勢いお答え申上げることが非常に遠慮がちと申しますか、固苦しいことをお答え申上げるようなことになつたかと思うのでありますが、ともかくこういう現状でございますので、そういう問題とも合せかたがた研究させて頂きたいと思いますので、かすに時間をお与え頂きたいと申上げて実はおつたわけであります。
  70. 松澤兼人

    ○松澤兼人君 慶徳さんは非常に慎重にやつておる。又慶徳さん自身がここで言われておつても、これが人事院の意見というわけには行かんと思う。さつきあなたが来ない前に、中田君に一応帰つて、この促進法の中味は、大蔵省、農林省いろいろなものを出してもらつて、それで合併する話ができておる。そこで地域給の問題で何とかあなたのほうから色のいい返事をしてもらいたいということで、一応中田君だけではお答えに困るだろうから、こちらのほうも非常に急いでおるもので、まあ一つあしたぐらいにまで相談をして、色のいい返事をしてもらいたいというところにあなたが現われて、今衆議院の人事委員会で地域給の根本的なことについて検討中だから、かすに時を以てしてくれ、こういうことだが、なかなかそこまで待つていられない。そこで慶徳さんのお答えではあるけれども、一応は帰つて頂いて、何とか少しでも考慮するというぐらいな返事を頂きたい、こういうわけなんですよ。それでさつきあなたがゼロ級に一級地が合併したら不利になるなんというようなことを、まあこれは極端な例で、そういうことは僕はあり得ないと思うのだが、理窟から言えばそうかも知れないけれども、そんなことはあり得ない。それから又市が分村して村になつたつて、村になつたからといつて地域給を減らすわけじやないのですし、もともと通りついておるわけだが、だからいわゆる零級地に一級地が合併になつたから零級地になるなんということは、これは極端な話で、そういうことはあり得るはずがないのですよ。だからそういうむずかしいことを言わずに、町村合併をやれば、その報告をもらつたら、人事院としてもこれは一つそういう事情もともとと考慮して優先的に措置するというような御返事を頂きたい、こういうわけなのです。
  71. 慶徳庄意

    ○説明員(慶徳庄意君) 私途中から入りまして、どうも一般の空気もわからずに、余り出しやばつたこを申上げましたような結果になつたことをお許し願いたいと思います。よく御趣旨わかりました。而も町村合併の問題は、直接我々地域給の問題を扱つておる者の立場といたしまして、地域給の問題が極めて大きな癌になるということも十分承知しておるつもりであります。御趣旨を体して帰りまして十分検討いたしまして、明日にも御返事を申上げたいと存じます。
  72. 石村幸作

    ○石村幸作君 今次長さんのよく慎重に検討して成るべく色よい返事というお答えであり、結構でありますが、ただ一言先ほどのお言葉の中に、法律を折角作られても、予算措置が伴わなければ何にもならない、御尤もです。そこでこの促進法の内容の、今配付いたしましたが、あとで御覧になればわかるように、特例をたくさん作つてあります。無論皆予算措置が伴わなければならん、又財政措置が伴わなければならんというような問題がたくさんある。あなたのお説でいうと、これは全部死文になるが、そういう意味ではなく、法律ができれば、その法律の精神を政府は尊重して、それに必要な財政措置なり予算措置を講じなければならない。我々はこういう信念を持つてやつておりますから、そのところを一つよくお含みになつて、今中田課長が自分だけでは返事ができないと言われたことは、皆さんが心配になつた余り、これに地域給に関する特例を入れたらどうかというようなことの考えに対してお答え願いたい、こういう要望であつたわけでありますが、その意味で又よろしくお願いいたしたいと思います。
  73. 内村清次

    ○委員長(内村清次君) 人事院関係はこれでよろしうございますね。それでは明日にでも、これに対する御返事をお願いしたいと思います。これは委員長からお願いいたします。  それでは質疑を続行いたします。大蔵省の主計官鳩山威一郎君も来ておりますが、先日問題になりました、町村が合併するときの費用が相当要るが、その費用に対して大蔵省は特別な費用を出すと、うような考え方はないか、こういう点が委員のかたから質問されておりますが、直接御返事できますか。
  74. 高橋進太郎

    ○高橋進太郎君 その前にちよつと私自治庁の次長もお見えになつておるので、先ず次長さんに御質問申上げ、その関連において大蔵省のほうにお伺いいたします。  この前の委員会で問題になりましたのは、要するに町村合併の促進法というものは、極めてその趣旨において適当でありますけれども、現在の町村の実情から見ると、合併につきましては相当ないろいろな問題もあり、特に合併いたしました当初というものは、或いは退職資金の問題であるとか或いは又その他種々雑多な経費というものが相当かかるのでありますが、従つて法案だけを作りましても、これが実施ということになりますと、相当実現には困難じやないか、従つて差水と申しますか、どうしてもこの法案の裏付としては、この規定の中にもございますが、相当の奨励金と申しますか、丁度お互いの合併をお祝いする国のそういう熨斗代というようなものが必要ではないかと思うのです。何か聞いて見ますと、従来若干特別平衡交付金で考えておられたというのですが、併しこれは本来からいうと、特別平衡交付金で考えるべき性質のものではないのであつて、従つてそういうことを考えられれば、合併しない町村が迷惑するわけでありまして、これはどうしても特別平衡交付金ではなくして、やはりこの法案の裏付としての奨励金というものを相当助成として考えて頂きたいと思うのですが、この点について自治庁側として何か大蔵当局なり或いは又将来、こういう法案までできて合併しようというあれですから、それに対する自治庁側の一応の見解をお伺いしたいと思います。
  75. 鈴木俊一

    ○政府委員(鈴木俊一君) 自治庁といたしましても、只今当委員会で御審議になつておられます合併促進法案の趣旨につきましては全面的に賛成でございまして、自治庁の現在までの立場といたしましても、地方行政調査委員会議の町村合併、町村規模の合理化に関しまする勧告がございまして、以来町村合併を強力に推進をして参つたわけでありまして、全国の町村会或いは全国の町村長会、全国の町村議長会、或いは全国市長会等の団体におかれましても、自治庁の考え方を十分に了察せられまして、団体としてもいろいろ運動をして来られたわけでありまして、自治庁としてもさような経緯に鑑みまして、只今御指摘の特別平衡交付金におきまして、町村合併のために特に府県なり市町村において経費を要するであろうから、それを特別の財政需要と見込みまして、これに若干の特別平衡交付金を交付いたしております。勿論普通平衡交付金のほうにおいても、一般的に要るものは見ておりますけれども、特別平衡交付金の中で、特に合併に関しまする各種の協議会とか、その機会に職員が辞めるとか、退職手当を出さなければならないというような経費についての特別需要を見ておるわけであります。昨年は極く大雑把に見まして、百件前後の合併があつたと思うのでありますが、今後若しこの法案が成立いたすということになりますれば、相当全国的に大掛りな町村合併が行れることになろうかと思うのでありまして、到底現在の状況において考えて参りましたような、特別平衡交付金の額を、今後あらゆる場合に処して交付して行くというようなことは、到底不可能かと思います。そういうことから申しましても、町村合併というものによつて、本当に日本の地方制度を確立して参るということになりますならば、自治庁といたしましては、何らか別個の形において町村合併を促進する意味の何らかの財政的援助を国からしてもらいたい、そういうことについて、将来法案が成立いたしますれば、大蔵省と交渉して、できるだけ国においても考慮してもらいたい、こういう気持を持つておる次第であります。
  76. 高橋進太郎

    ○高橋進太郎君 それでは大蔵省側にお伺いしたいのですが、今度の町村合併促進法の第二十五条によりますと、「国は、町村合併の実施を促進するため、予算の範囲内において、政令の定めるところにより、町村及び都道府県に対して補助金を交付することができる」、こういう規定を一応予定しておるわけであります。要するに従来地方財政が非常に見通しが悪く、その算定に困難を感じたということは、町村の数だけでも二万に達するものがある、且つ又非常に零細な所もありましたので、恐らく大蔵省でも、地方財政の予算を計上する場合は、非常な困難をせられたのじやないかと思うのでありますが、今回こういう画期的な町村合併によつて、現在予定しておる大体町村の半分ぐらいは、この法案によつて整理して、そうして従つて町村の財政等も一定規模に達しますから、非常に見通しがよくなるのじやないかと思うのです。そういう意味でいうと、大局から考え、将来から考えると、これによる地方財政の改善、それに伴う国の財政的な負担というものも非常に楽になり、又算定も見通しよくなると思うので、従つてこういうものに思い切つて金を出して、そして町村の合併を促進するということは、延いては国の財政上の将来の計画なり或いは負担なりにも非常に寄与するところが多いと思うのです。従つて大蔵省側としても、是非ともこの点に思いをいたされて御奮発願いたい。我々の気持からいうと、少くとも現在の町村の財政の需要量の一割乃至二割程度のものは、どうしてもこういう合併に伴う一つの、町村の退職金と申しますか或いは町村の結婚資金とも申しますか、そういう意味合でも、国のために予算というものを御奮発願いたいと思うのですが、これに対する大蔵省の御見解をお聞きしたいと思います。
  77. 鳩山威一郎

    ○説明員(鳩山威一郎君) 大蔵省といたしましても、町村の合併ということにつきましては、御趣旨全く賛成でございまして、極力町村の合併を図りまして、今後全体の財政資金を有効に、経済的に使用して行くということにつきましては全く同感でございます。それで今後の二十五条の補助金を成るべく余計にという仰せでございますが、この点はまだ来年度の財政に対する方針というものがきまつておりませんので、明確にはお答えいたしかねるのでございますが、成るべく御趣旨に副うように自分としては努力いたしたい、こう考えておる次第でございます。ただ明年度以降、現在の見通しで参りますると、相当歳入のほうも減つて参りますし、それから各見返り資金その他の財源も非常になくなつて参るという、来年度は特に相当苦しい財政ではないかと、こう考えております。なおその苦しい中からでも、成るべく町村合併の促進になるような措置をとりたいと思つております。
  78. 高橋進太郎

    ○高橋進太郎君 今大蔵当局の御答弁の中にも、この法案の趣旨については、全面的にそういう財政的見地からも御賛成のようでありますが、従つてそれを促進するための二十五条については十分御考慮頂くということでありますから、私の質問はこれで打切りたいと思います。
  79. 内村清次

    ○委員長(内村清次君) ほかに御質疑ありませんか。  ちよつと速記をやめて。    〔速記中止〕
  80. 内村清次

    ○委員長(内村清次君) 速記を始めて。
  81. 石村幸作

    ○石村幸作君 鈴木自治庁次長にお伺いしたいというより、むしろちよつと御意見を聞きたいのですが、この前衆議院と合同で懇談会を開いたときに、衆議院のほうで問題になつた、この試案の三十四条になつていますが、この中に、人口五万未満の市に周辺の町村を合併又は編入する、こういう問題でした。これをいろいろ小委員会で研究した結果、そのほかに五万以上でもそした結果、そのほかに五万以上でもそういう必要がある場合には、本法を準用するという問題で、この人口の程度に非常に苦慮したのですが、結局五万以上十万未満とこう結論が出たわけです。そこで衆議院の意見としては、この十万未満ということについて、まあいろいろ異なつた意見があつて、そこで丁度鈴木次長がおられたので、鈴木次長の意見をというようなことがあつたのですが、ああいう席上ではお困りだろうと思うので、いずれ参議院の委員会のときでも来て意見を聞こう、こういうわけで今日になつたのですけれども、この人口五万未満の市に町村を編入する、但し五万以上でも必要と認めた場合には一そういう問題なんです。それを五万以上どこまでとしたらいいか、ここでは十万と結論が出ている、この点について自治庁としての御意見を聞きたい、つまり都市を町村と合併して拡大する、そういうふうな都市を大きくすることがいい悪いというような意見も大分出ていましたが、そういうふうなものをいろいろ取り入れて、一つ意見を聞きたいと思います。
  82. 鈴木俊一

    ○政府委員(鈴木俊一君) 只今のお尋ねの点についてお答え申上げますが、町村合併を促進しなければいけない、言い換えれば町村の規模を適正化しなければいけない、こういう議論がだんだんと起つて参りました一番のもとが何であるかと申せば、これは御承知のごとくいわゆる神戸委員会といわれておりました地方行政調査委員会議の勧告からでございます。でこの神戸委員会の勧告において町村の規模を合理化せよということをいわれましたのは、やはりあの神戸委員会の生れましたいま一つ前を遡りますと、いわゆるシヤウプ博士の勧告に基いてでございまして、シヤウプ博士の日本の地方自治に対する考え方、勧告というものはやはりこの市町村の基礎を確立をして、自治の基本を市町村に置くということを強調しておられたわけでございまして、なかんずく、この市と町村を日本の地方自治の基盤にするということになりまするならば、町村の規模態様というものが誠に千差万別であつて、甚だしく大きい場合には六万くらいにも達するものがあるかと思いますれば、千にも達しないようなものがまだ相当残つておるというようなことで、やはりこのいわゆる弱小町村を一定の水準まで引上げて行政の能率化、自治の能率化ということが可能であるようにしようというところに出発しておつたと思うのであります。そういう見地から町村の規模の合理化の水準、基準をどこに置くかということを神戸委員会が研究をされた結果、人口七、八千、面積にして三十平方メートルというような一つの線を出したわけであります。この勧告がやはり日本の地方自治の歴史を考えてみまするというと、非常に画期的なことでありまして、これは明治の二十一年の、初めて市制町村制が施行されましたときに七万五千有余の町村を一万三千に大合併をした、爾後やはり市町村、殊に町村の合併を行なつて町村の基盤を培うことが日本の地方自治の基本であるという考え方は、何も戦後シヤウプ博士の勧告によつて初めて出て来たことではなくて、やはり近代的な市制町村制というものが、いろいろ批判の余地はありましたけれども、とにかく新らしい姿で明治二十一年に導入されて以来の、いわば一貫した中央地方を通じての考え方、基本方針であつたと思うのであります。そういうところから考えて参りまするというとやはり今日の地方制度の改革の上で一番重点は、町村の規模をできるだけ適正化して、弱小町村を行政能力の上からも財政の能力の上からも一定の水準にまで引上げて行くということにあろうと思うのであります。殊に戦後非常に市町村に要求される行政が殖えて参つた以上は、どうしてもこの弱小町村を引上げて、法の要求する各種の町村行政事務を能率的に処理するようにするということが喫緊の第一の目的ではないかと思うのであります。そういう意味から申しまして、やはり町村の合併をして、或る水準の有力な町村にするということがやはり第一義であろうと考えるのであります。ところが一方行政の簡素化或いは国民負担の軽減という見地から申しまするというと、何も私は町村の合併だけがいいということではなくて、市の中に近接の町村が編入される、吸収されるということになりましても、市町村長なり或いは各種の行政委員会なり或いは市町村議会なりというようなものも、それによつてなくなるわけであつて、そういう特別職なら特別職のなくなること、それに応じて又事務処理が合理的に能率的に行われるという点を考えますると、必ずしもこれは市に近接の町村が編入されるということを不適当である、そういうことが望ましくないという必要はないので、そういうこともやはり大いに望ましいことであると思うのであります。ただ相当基礎の有力なる市に隣接の町村が編入されるということは、やはり経済の勢い、自然の勢いで吸収されるということが非常に、非常にといいますか、むしろ容易であろうと思うのであります。同じような姿の弱小町村が合併をして、一つの新らしい町村になるということについては、やはりそこに何らかの推進、促進の措置がないと、市の中に隣接の町村が編入されるという自然の流れの場合よりも少しむずかしい点があるのではないか。そこにやはり町村だけの合併については特に促進をするという必要があるのではないかというふうにまあ思うのであります。そういう観点から申しまして、大体この原案にございまする町村合併というものを基本にして人口五万未満の市に編入する場合、或いは人口五万以上十万未満の市に一定のものを編入するという場合には、準用すると申しますか、そういう考え方というものはやはり今私が申上げましたような基礎に立つて考えまして、確かに一つのこれは解決案だとこう思うのであります。併しながらこの人口の五万で切る、或いは十万で切るということが絶対的な合理的な理由があるかと申しますと、これはまあむずかしい問題でございまして、私どもも十万が絶対によくて、それ以上に上げることが絶対に悪い、こういうことはまあ申上げられないと思うのでございますが、併し今申しましたような考え方から行きまして、一応のこれは案ではないかと思われます。  なおいま一つ付加えて申上げたい点は、町村合併ということを又別の観点から考えますれば、国土全体の一つの再編成と申しますか、都市集中、過大都市の抑制ということを、これは日本全体といたしましても、やはり別の見地から考えて行かなければならんと思うのでありまして、東京がやがて一千万の人口を擁することになつて、この調子でどんどん殖えて行つて一体人間生活というものが成立つかどうかという根本の問題にも触れて来ると思うのでありまして、やはり国土全体を成るべく琴瑟、琴瑟というと語弊がありますが、或る程度人口も疏散をし、過大都市を或る程度抑制をして行くというような考え方の見地に立つての調整も、やはり町村の規模を考えまする場合においては必要ではないかと思うのであります。そういう意味で、このただ大都市に市町村を編入するということが市町村の数が少くなるということだけでよろしいということにはならんと思うのであります。そういう意味から申しまして、十万とか十五万というところでなくて、非常に大きな都市に町村が編入されるということを促進する必要は、これはないので、むしろその場合にはやはり過大都市抑制というような要求を一面において考慮して立案をする必要があるのじやないかというように考えております。少しお尋ねの点にそれたようなことを申上げたかもわかりませんが、大体そのような考えを、私見でございますが、持つておる次第でございます。
  83. 石村幸作

    ○石村幸作君 私の質問にはずれたことがありやしないかということでありますが、最後の過大都市の抑制、こういうふうな点を、実は結論としてお聞きしたいわけです。そこでこの間も問題になつたのは、この三十四条ですかにおける五万以上十万、これはちよつと手数がかかる、五万未満の市に編入ということよりも手数がかかるので、それで又十万以上はむずかしい、こういうふうだと、折角周辺の町村が合併するのが面倒だから市に編入しないで、市の周辺でそのまま町村だけが合併し、て町村を形造る、そういうことになることは困るというような意見が強力に出ておりましたが、その点についてどんなふうにお考えですか。
  84. 鈴木俊一

    ○政府委員(鈴木俊一君) この都市の周辺の町村について、これは例えば東京で申しますと武蔵野市といののがございまして、あの吉祥寺のあります武蔵野町を、武蔵野市にするか或い都の特別区の中に入れて武蔵野区にするかということが一時非常に実際的にも、理論的にも議論になつたことがあります。これは、私は別にどつちでなければならんとは思わんのでありまして、やはり隣接の町村が、一つの町村にまとまつて存在するということがいい場合もあるでありましようし、それから更に進んで、それを市の中に編入するということが自然であるという場合もあろうかと思うのであります。これはやはり個々の実情に応じて考えるのほかはないので、常に、編入することはいけない、或いは独立に存しなければならない、こういうことにもなりませんし、又その逆にも必ずしもならない。ただ、先ほども私申上げましたのは、経済、交通の自然の流れを、この合併によつて抑制する、或いはその方向を曲げるということは必ずしもなし得ないかも知れないのでありまするけれども、少くとも、非常に大きな過大都市の造成を推進して行くというような恰好になることは必ずしも好ましくないのではないか、こう思うのであります。これは、この法案がそこまでのことをお考えになつて御立案願うというようなことは御無理かと存じまするが、やはり別個にさような人口の疎散、或いは過大都市の抑制といつたような、都市計画的な、地方計画的な、或いは国土計画的な配慮、制度的な考慮が必要かと考えまするけれども、かような市町村の合併を考えまする場合において、やはりさような点も若干考慮していいのではないか。隣接町村を都市に編入するということは、やはり都市化をどんどん推進して行くということなので、それは自然の流れに任しておいて、補助金なり、その他のいろいろな措置によつて、それを促進するというところまで行くのはちよつと行き過ぎではないかというふうに考えるのであります。
  85. 石村幸作

    ○石村幸作君 そこで今度は、逆に第三条の町村の規模の問題ですが、ここに、おおむね八千という人口を最低基準の中に現わしておる。勿論八千以下の人口でも適用されるわけでありますが、そこでこの間の懇談会でも、人口八千という線を邪魔だからとつてしまえという意見が或る委員から非常に強く叫ばれた。併し、今も申上げたように、おおむね八千というのは一応の基準としたのでありまして、これ以下の人口でもこれは勿論できるわけです。そこでお伺いしたいのは、今の八千という基準に抑えるについて御意見をお伺いします。
  86. 鈴木俊一

    ○政府委員(鈴木俊一君) この人口、町村の規模について人口等の一定の基準を設けることがいいかどうかということであります。この点につきましては、神戸委員会の七、八千、面積三十平方メートル、こういう一つの線があつたわけでございますが一面積というものはこれは自然に存するものであつて、人為によつて変更できないものでございますから、そういうものを一つの基準として、殊にいろいろ変化の多い日本の風土において、一つの基準として一定の規模の面積というものを掲げるということについては、確かにいろいろ議論があろうかと思うのでありまして、その点を落されて八千という人口の基準だけを示されたことは、これは確かな私どもも傾聴すべき御意見だと思つておるのであります。人口の点について然らばどうかということでございますが、これは、まあいろいろ議論をする人によりますると、もう地方制度を根本的に改革するのには、やはり町村と市とのズレがないくらいに町村を大町村主義に持つて行かなければならない、それには郡、或いは郡の中に、二つなり三つなり程度の町村にまで大きさを持つて行かなければならん、こういつたような徹底をした議論を言われるかたもおるのでありまするが、併し、一応の基準といたしましては、町村役場、要するに行政処理をしまする町村職員が、どの程度の規模の人口を持つた町村ならば最も能率的にやつて行けるか、こういうことを考える必要があると思うのであります。例えば、社会福祉、王事というような専門のケース・ワーカーを一人置くということにいたしまするというと、やはりその社会福祉主事が、一人で、自分の事務量として、一日十分に働き得る、年間を通じて毎日十分に働き得るような規模の町村でなければ余力が生ずるわけであります。仮に、社会福祉主事をおいてもへ仕事量としては、一日の量の十分の一とか、五分の一しかないというような町村においては、そういう専門家をおくことによつて不経済を生ずるわけであつて、結局一人の職員がいろいろな仕事を片手間にやるという従来の方式によるほかはないわけであります。従つて、やはり社会福祉主事を一人専門におくのにはどの程度の人口がいいかということになりますると、仮に社会福祉主事としては、六十世帯乃至八十世帯を担当するのが大体の基準であるということになりますれば、それからはじき出して行つて、人口を八千なら八千ということが一つの線となつて行く。又これは、ひとりそういう社会福祉行政だけでなくて、衛生行政にいたしましても、或いは産業、経済の行政にいたしましても、いろいろそういう各種の行政で専門的な一人の職員をおいて処理をさせて行くというのには、やはり最少限度八千程度のものがあるほうがいいのではないか。一挙に大きな大町村ということもなかなか困難誇ろうと思うのでありまして、やはりさような見地から、有効に、専門的な職員をおいて、役場として能率が十分に発揮できる、無駄なく発揮できるような規模の線を出されるということになりますると、やはり人口七、八千という神戸委員会の勧告は確かに意味があると思うのでありまして、その勧告の線に副つて、おおむね八千以上というこの基準は、私は適切なる案ではないかというふうに考えておるのであります。
  87. 石村幸作

    ○石村幸作君 もう一つお伺いしますが、この法律が幸いに成立したとして、そのときに、これが行政的立場から促進するように、指導推進というか、そういうことについて、まあ地方には県もある。併し自治庁としての立場から自治庁の立場はどういう立場か。又自治庁として行政的にどういうふうに措置をとられるか、それをちよつとお伺いいたします。
  88. 鈴木俊一

    ○政府委員(鈴木俊一君) この法案が成立をいたして、政府にその施行の責任がかかつて参りまするならば、自治庁といたしましては、この法案の趣旨並びに規定をできるだけ実現をするように万全の努力をいたしたいというふうに考え填おるのであります。で、現在御承知のように一万弱の町村があるわけでございますが、この町村を、いろいろ御議論を拝聴いたしておりますると、或いは三の分一に減らしたらどうか、或いは二分の一に減らしたらどうか、それも困難で、やはり減らすには三分の一くらいであろうというような、いろいろ御意見があるようでございまするが、少くとも私どもといたしましては、この五年間の目標として、今の町村をおおむね半減をするというくらいの一つ考え方を以ちましてこの法律の施行に当りたいという気持を持つておるのであります。先ほど高橋委員からもお話がございましたが、この町村合併によりまして、どのくらい地方財政の規模が圧縮できるか、どのくらい地方住民の負担が軽減できるかということは非常に大きな問題でございまするが、極くラフな計算をいたしましても、仮に半減をするといたしまするならば、最小限度平年度になりまするならば百億は節減できる、これは全く動きのない固いものだけを見ましても、その程度の節減が可能ではないかと思うのでありまして、なお、だんだんと新町村によつて合理的な経営が行われるということになりますると、その節約額というものは更に倍加するのではないかと思うのであります。これはやはり国民負担の軽減を強く叫ばれておる際において、行政の簡素化ということで行政事務の整理をする、或いは行政事務を縮小するというような意見、或いは行政委員会制度というものを再検討する、或いは議会制度を再検討するというようないろいろのこの行政簡素化からの御意見がありまするけれども、なかなかそれらの意見を実際において実現するということは各種の障害がございまして困難でございます。併し幸にしてこの町村合併については、一番直接関係のございます全国町村会なり、全国町村議長会なりというものが全面的に賛成をしておられるわけでありまして、この町村合併の実施については、非常にそういう意味ではいわゆる行政簡素化の各種の案よりは最も実行が容易である、円滑に行くというふうに思われるのでありまして、而もこれによつて言うところの国幣の節減、地方住民負担の軽減というものは非常に刮目して待つべきものがあると思うのでありまして、これは自治庁といたしましては、今までもそうでございましたけれども、この法案の成立がございますれば、それを契機として本当に総力を挙げてこれに当りたい、これを独り自治庁だけの問題でなく、自治庁といたしましては、これを政府全体の責任として内閣に一つ強力に乗り出してもらつて実施の運びにいたしたいというぐらいの気持を持つておる次第であります。
  89. 石村幸作

    ○石村幸作君 鈴木次長の自治庁を代表した強い決心というか信念というか、答弁があつたので、それで満足いたします。これが成立と同時に、この法文にも明記してある通りでありますが、行政措置、財政措置等、あらゆる面について結局自治庁が主になつてやるんですから、あらゆる点に万遺漏ないように一つ厳に努力して頂きたい。これについては高橋さんが昨日いろいろお尋ねがあつたようですが…。
  90. 高橋進太郎

    ○高橋進太郎君 これはちよつと政府にお聞きするのもどうかと思うんですが、実はこの法案の実施の主体ですね、所々に「内閣総理大臣」という字があり、或いは又「都道府県知事」というものが出て来ておるんですが、どうも実質から見ると、やはり府県知事が中心になつてその計画を推進し、そうして十分この運動の中心になつて進めて行くべきじやないか、勿論これは合併する当事者である町村が主体性になることは、これは問題ないんですが、それの斡旋役を買うのは、そういう意味では、府県知事というようなものが相当推進的な活動をしなければならないと思いますんですが、所々に総理大臣というのがあるので、中央みずからがやるのか、或いはそういう意味合では相当府県を活用して府県知事にやらせるのか、そこいらをお尋ねしたわけです。
  91. 鈴木俊一

    ○政府委員(鈴木俊一君) 私どもこの法案を拝見いたしておりまして、大体のこの考え方として持つておりまするのは、やはりこの町村合併ということは、直接には御指摘のように関係する町村自体のこれは問題であるわけでありますが、併しこの町村合併の推進をするという仕事は、これは都道府県知事がやはりこの法律によつて国から委任されたと申しますか、そういう種類の仕事ではないか、又規定によつてはその仕事を都道府県知事に委任をしておるというものもあろうと思います。そういう都道府県又は都道府県知事にこの法律によつて国が委任をして町村合併の促進をやらせる、こういう性格の仕事ではないかと思うのであります。それに対してこの三十条の規定を拝見いたしますれば、助言をし監督するということでございまするから、中央政府の責任の問題としては、これは内閣総理大臣の所管に属する。従つて内閣総理大臣はこの法律の趣旨に従つつて、機関事務につきましては、都道府県知事を自治法の規定によつて指導をし、団体委任の事務については、これは技術的な助言監督するというようなことになるのではないかというふうに考えておる次第であります。
  92. 若木勝藏

    ○若木勝藏君 私二つばかり質問したいと思いますが、実はこの法律の第二十七条ですが、二十七条に関連して自治庁側に伺いたいのは、この二十七条は私は少し疑義があるのでありますけれども、それはまああとにして、差当つてこの条文に現われておるところの財政上の援助ということですね、これはあなたのほうで実際には取扱うことになるだろうと思うのでありますが、どういうふうな方法でこの援助をされるのであるか。例えば各項で述べてあるところの号は、これは主として平衡交付金で以て取扱われる、或いは起債とか、或いは補助とかというふうなものになるであろうと思うのでありまするけれども、これはどの遂によつてその援助が主として行われるものであるか。
  93. 鈴木俊一

    ○政府委員(鈴木俊一君) この第二十七条を拝見いたしまして考えますることは、国は法令及び予算の範囲内において、「事情の許す限り、合併町村のために優先的な取扱をするものとする」、こういうふうに法律案はなつておりまするので、これは政府側としてはかような規定ができますれば、例えば建設省において道路の整備計画がございまして、それによつて地方に対して補助をするということになつておるわけでありますが、そういう補助をいたしまする場合に、やはり合併町村の立場を考えて、事情の許す限り根本の道路整備計画を捻じ曲げるということはできないと思いまするけれども、さような計画とマッチする限りにおいて合併町村のために優先的に補助を出す、こういうふうにするということになるだろうと思うのであります。その他この…。
  94. 若木勝藏

    ○若木勝藏君 わかりました。そうすると今まで限られた一つの援助の方法がありますね、それ以外にということはないわけですね。起債とか或いは補助とか或いは平衡交付金とかという別個に考えるというようなことはないわけですね。
  95. 鈴木俊一

    ○政府委員(鈴木俊一君) 今申上げましたのは補助を例にとつて申上げましたのでございますが、御指摘のように起債でございまするとか、その他およそ政府として町村に対して関与できまする財政上の問題については、できるだけ優先的な扱いをせよ、こういうことでございまするから、将来法令を改正して更に合併町村に対して優先的な扱いをするということも、これは政府として考えて然るべきことだと思うのであります。何も現行の制度だけに捉われるということではないだろうというふうに考えます。
  96. 若木勝藏

    ○若木勝藏君 それから先ほどの説明で、年間大体住民の負担が百億ぐらい節約される、これはまあ行政簡素化という一般的な言葉を使われましたが、実際どういう内容に基いてこれが節約されて来るか、あらましでようございますから……。
  97. 長野士郎

    ○説明員(長野士郎君) 先ほど次長が申上げましたのは、五年後に仮に半分に減るといたしまして、一番これがはつきりいたしますのは、例えば町村長でありますとかこういう人々は半分になつてしまうわけであります。それから執行機関でありますと、ほかに教育委員会、そういう機関はすべて半分になつてしまう。或いは助役、収入役、三役というようなものも……、議会は定数はやはり人口に応じて多少殖えますが、それほど半分に減るようなことはございません。これは一番堅いところでその辺の機関は非常に簡素化される。こういうものを一番堅く見積りました場合にもすでに百億ぐらいのものはありはしないか、こう考えております。それから更に現在非常に大ざつぱに考えまして、その次に冗費がどの程度節約になるかという問題に対して、例えて申上げますと、現在町村が、各種の機関の連合会でありますとか、いろんなものに対しまして、負担金とか分担金というものを非常に多く負担をしております。その額を非常に大ざつぱな計算でありますが、大体各町村で平均予算総額の二割ぐらいを負担をしておる。これは全部減らないといたしましても、少くともそういうものも相当減つて参る。それから役場とか学校でございますが、こういうものも、現在非常に危険校舎その他と言われておりますものも統合整備が或る程度可能ではないか。そういうものを見込んで参りますと相当な額になります。それからもう一つは県の機関でございますけれども、例えば地方事務所というようなものも、町村が半分に減る場合を考えますと、県の出先機関というものは相当程度整理ができる。そういう県、町村を通じたものを考えますと、現在あらましの考えで見ておりますと、どうも五百億ぐらいまで行きはしないかと思いますが、最も堅いところでは、先ほど申上げましたように百億ぐらいはこれは確実に減る、このように考えております。
  98. 若木勝藏

    ○若木勝藏君 そうしますと、町村を合併することによつて行政整理が行われて来るというような考えはありませんか。相当今の人件費が節約されるというようなことになりますが、その点促進ということに対して逆効果を現わして来る部面はありませんか。
  99. 長野士郎

    ○説明員(長野士郎君) 今の人件費というもので一番はつきりしておると申上げましたのは、特別職でございます。一般職の職員につきましては、これはそれほど減るというふうには余り考えておりません。むしろ役場が一つになりましても、支所とか出張所というものがございますから、これはそれほどには減らないだろうと思つております。ただ府県の出先機関というものは、これは相当減つて行くのではないだろうか、要するに府県が今まで町村の数が非常に多うございまして、そういう連絡なり調整機関なりとして出先として置いておりましたものが、そのやつておりました仕事の部分を町村自体がやるという恰好になり、移り変つて行きはしはしないか、府県としてそういう関係が減つて行きはしないかと思います。
  100. 若木勝藏

    ○若木勝藏君 あなたの考え方では、大体行政整理に伴つて人員の整理というものは、一般職についてはそういう見通しなのですか。
  101. 長野士郎

    ○説明員(長野士郎君) そうです。
  102. 高橋進太郎

    ○高橋進太郎君 私ちよつと二、三お聞きいたしたい。実は衆議院との連合審査会におきまして、こういう問題が出たのです。促進というので一つの隘路は議員の問題、まあ議員の問題はいいとして、執行部の問題について何か考えないと、要するに促進ということに対して、それらが相当隘路になりはしないかという点の質問があつたのです。我々も事情としては、尤もだと思うのですが、なんかこれについて自治庁あたりでうまい考え方というものはないのですか。これは特別委員長の話では両方の協議によるより方法はなかろうというのですが、何か考え得られる案というものはあるかどうかということです。
  103. 鈴木俊一

    ○政府委員(鈴木俊一君) これはなかなかむずかしい問題でございます。この議員のほうは現在の公職選挙法で選挙区を設けて、或る地域からだけ地域を区分して議員を出す、こういう方式があるわけでございますから、従つて数町村が合併いたしました場合に、その旧町村の区域ごとに議員が選ばれるということに関連いたしますれば、基準定数の倍の議員がおりましても、これは理論的にはそうおかしいことはないと思います。ところがこの町村長は、申すまでもなく独任制の機関でございまして、その町村長が町村長である限りは、やはりこれは全体の奉仕者として全町村の区域から選ぶということは、これはどうしても性格上必要であろうと思います。一定の地域からだけ選ばれる町村長というものは、これは独任制の町村長という性格から申して成立たないのではないかというふうに考えられるわけでございまして、殊に仮にアメリカのように執行機関として委員会制でもとつて、三人委員会のようなものを作つて、三町村合した場合に、三人の町村長が委員になつて執行して行くというようなことが、若し憲法上可能であれば、いいのでありますけれども、憲法はとにかく住民が直接に選挙するという建前をとつた独任制でございますから、どうもこの町村長に関しましては、議員の場合におきますようなことは不可能ではないか、理論的にもどうもこれは不可能ではないか、ただ実際問題として、三カ町村が合併しました場合に、町村長が相互に協議して、一つ初代の市長には某村長になつてくれ、こういうことで他の町村長が協力してやつて行くというような形で、うまく実際問題として運べれば一番いいわけでありまして、そうでなく、協議によつて誰か一人の村長だけを村長にするということも、これはやはり直接選挙制の建前から疑問があろうと思われます。要するに理窟は理窟でございますけれども、どうも法律上として町村長の性格から申して、これはどうも実現し得ない願望ではないかというふうに思うのであります。
  104. 高橋進太郎

    ○高橋進太郎君 それで実は私も次長のお話の結論は法律的に御尤もだと思うのです。そこで先ほど大蔵省のかたにわざわざ来て頂いたのはそ染んですが、要するにやはりこの法案のポイントになる点は、結局この合併に伴うところの助成金ということが相当問題になると思う。というのは従来の特別平衡交付金の五十万やそこらをくれましても、各町村からいうならば、まあ多い人は百万以上、少くとも四、五十万ぐらいを恐らく町村長の運動資金として使つておるでしようし、従つてこれを円満に進め、又それの退職もせられ、又円満に行くというためには、従来の特別交付金五十万、百万というような金では、なかなかこれは実際運ばないので、従つてそういう意味から是非一つ二十五条の規定を活かすように、而も只今あなたのお話のような何と申しますか、今まで町村長が退職をし、又それに対する優遇方法といつたようなものが法律上書けないとするならば、それを法文上書けないならば、それを補うものを二十五条において十分お考えになつて行くということが、やはり本案進行において相当ポイントになると思うので、その点を十分おきめ願いたいと思うのです。  それからもう一つお聞きしたいのですが、第九条に議員の場合で、二年を超えない範囲で当該協議で定める期間、合併町村の議会の議員の残任期間引続き在任することができると、こういうのは要するに何でございますか、二年を超えない範囲で而もその議会の議員の残任期間の範囲内で二カ年を超えないと、こういう意味なんでしようか。この点はこれは長野君にお聞きしたいと思うのですがね。
  105. 長野士郎

    ○説明員(長野士郎君) この法案を拝見いたしますると、第一項は二つの場合が規定されておりまして、対等で合併をいたしました場合には、「合併後二箇年をこえない範囲」、それから吸収合併でございまして、吸収合併の場合には、入れるほうの町村はそのまま格が消滅いたしませんで、それだけくれるという形になりますから、それらの議員さんはそのまま在任していられるわけです。その在任期間だけ入つて来る議員さんを添える、こういうことを規定をされておるのだと思います。
  106. 高橋進太郎

    ○高橋進太郎君 合併のときには在任期間だけ片方の期間が延びると、こう解釈していいのですね。
  107. 長野士郎

    ○説明員(長野士郎君) 編入の場合はそうです。
  108. 内村清次

    ○委員長(内村清次君) 速記をとめて。    〔速記中止〕
  109. 内村清次

    ○委員長(内村清次君) 速記を始めて。
  110. 石村幸作

    ○石村幸作君 そこで一昨日委員会で問題になつて、次の委員会で決定しようということになつておりました平衡交付金法の特例ですか、それについて自治庁からの案が出た。その説明を聞いて各委員から意見がありましたが、取極めだけを次回にするということになつたのであります。これを一つ…。
  111. 若木勝藏

    ○若木勝藏君 議事進行について……これは速記をつけないで懇談にして、そうしてきまつたならば、あとで速記をつけたほうがいいのではないかと思いますが……。
  112. 内村清次

    ○委員長(内村清次君) ではそうしましようか。それでは速記をとめて。    午後五時五分速記中止    ―――――・―――――    午後五時四十一分速記開始〕
  113. 内村清次

    ○委員長(内村清次君) それでは速記を始めて。  それでは本日はこれにて地方行政委員会を散会いたします。    午後五時四十二分散会