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1953-02-25 第15回国会 参議院 通商産業・大蔵連合委員会 1号 公式Web版

  1. 昭和二十八年二月二十五日(水曜日)    午前十一時二十二分開会   ―――――――――――――  委員氏名   通商産業委員    委員長     結城 安次君    理事      小林 英三君    理事      松本  昇君    理事      栗山 良夫君            古池 信三君            小滝  彬君            左藤 義詮君            重宗 雄三君            松平 勇雄雪            山本 米治君            奥 むめお君            加藤 正人君            高橋龍太郎君            山内 卓郎君            佐多 忠隆君            小松 正雄君            島   清君            石川 清一君            境野 清雄君            西田 隆男君   大蔵委員    委員長     中川 以良君    理事      大矢半次郎君    理事      木内 四郎君    理事      伊藤 保平君    理事      菊川 孝夫君            岡崎 真一君            黒田 英雄君            西川甚五郎君            平沼彌太郎君            小林 政夫君            小宮山常吉君            杉山 昌作君            森 八三一君            野溝  勝君            大野 幸一君            波多野 鼎君            松永 義雄君            堀木 鎌三君            稻垣平太郎君            木村禧八郎君   ―――――――――――――  出席者は左の通り。   通商産業委員    委員長     結城 安次君    理事            栗山 良夫君    委員            古池 信三君            左藤 義詮君            松平 勇雄君            加藤 正人君            佐多 忠隆君            小松 正雄君            境野 清雄君            西田 隆男君  大蔵委員   委員長      中川 以良君   理事            伊藤 保平君   委員            黒田 英雄君            小林 政夫君            小宮山常吉君            森 八三一君            野溝  勝君            松永 義雄君            堀木 鎌三君            木村禧八郎君   委員外議員    油井賢太郎君   政府委員    大蔵省主税局税    制第二課長   塩崎  潤君    国税庁長官   平田敬一郎君    通商産業省繊維    局長      徳永 久次君   事務局側    常任委員会専門    員       小田橋貞壽君    常任委員会専門    員       木村常次郎君   ―――――――――――――   本日の会議に付した事件 ○織物消費税法の廃止に伴う特別措置  に関する法律案(境野清雄君外五十  四名発議)   ―――――――――――――    〔結城安次君委員長席に着く〕
  2. 結城安次

    ○委員長(結城安次君) それでは只今より通商産業、大蔵連合委員会を開会いたします。  議題は織物消費税法の廃止に伴う特別措置に関する法律案、本法案は昨年十二月十八日、提案者より提案理由の説明がありまして、本日は第二回目であります。大体、本件は第十三国会に提案されまして、継続審議中でありましたが、解散となりましたので現在に至つた次第でありまするが、大分古いことでもありまするので、重複いたすかも知れませんが、もう一遍提案者から提案理由を御説明願つて、更に御質疑に入りたいと存じます。
  3. 境野清雄

    ○境野清雄君 只今議題となりました織物消費税法の廃止に伴う特別措置に関する法律案の提案理由を御説明申上げます。  いわゆるシヤウプ勧告に基く税制改革の一環として、昭和二十四年十二月二十七日法律第二百八十五号織物消費税法等を廃止する法律が公布せられ、昭和二十五年一月一日から施行せられたことは周知の通りであります。  然るに織物消費税はいわゆる庫出税でありました関係上、税法廃止当日における販売業者の手持品についてはその全部、生産業者の手持品についてはその大部分が納税済であつたわけであります。面して当該業者は、その手持品の販売に当りましては、無税品の出廻り、又は出廻り期待のため市場の買控えに対処するために、少くとも税額相当の値引を止むなくせられた状態であつたのであります。  一方、昭和二十一年九月、絹織物、人絹織物及び毛織物の消費税が従来の従価一割五分から四割に引上げられました際には、政府は生産業者及び販売業者の手持品、在庫品を厳格に調査いたし、その税差額を徴収して参つたわけであります。  税率引上げに際しては、その差額を徴収し、引下げ又は廃止によつて、現にそれがために関係業者が莫大な損失をこうむり、相等数の倒産者をも生ぜしめた事態に対して何らの措置を講じないということは、理論上から申しましても不合理と申さなければなりません。  殊に、昭和二十五年十一月法律第二百五十二号酒税法の一部を改正する法律の実施により、酒税の税率引下げが行われました際、製造業者及び販売業者の手持品在庫品についてそれぞれ既納税額と現行税額との税差額について戻税措置がとられた事例もあり、更に昭和二十四年度産米供米報償用として、各都道府県農業会が政府より配給せられた緒物資のうち、綿布、タオル、作業衣等の繊維製品が、事後の市価低落に伴い著しい欠損を来したため、昭和二十五年末より二十六年初頭にかけて数次に亘り総額五億七千万円を各農業会に補償いたした先例もある次第であります。  従いまして、織物消費税廃止に伴い、その戻税規定も当然廃止と相成りましたため、同法廃止の昭和二十四年十二月三十一日午後零時現在において保有いたしておりました生産業者の既納税在庫品及び販売業者の税込手持品の税額相当分を損失補填額として払戻しせんとするものであります。  何とぞ慎重御審議の上御賛同賜らんことを御願いいたします。
  4. 結城安次

    ○委員長(結城安次君) 只今提案者より提案理由の御説明がありましたが、これに対して本法に関係のある大蔵省国税庁長官平田敬一郎君に、これに対する御意見をお願いいたします。
  5. 平田敬一郎

    ○政府委員(平田敬一郎君) この問題につきましては、或いは主税局のほうからお話申上げるのが筋かと思いますが、実行上の問題等が一番大きな問題の一つではないかと思われますので、私のほうからもそのような点を、主として考えております点を申上げてみたいと思う次第であります。  なお私個人的には前からこの問題につきましてよく事情を承わつておりますので……、個人的ではございません、主税局長のときに承わつておりますので、併せてその辺の事情等につきましても附加えさせて頂きたいと存じます。  今いろいろ提案理由の御説明にもございましたが、確かに理由のあるところも私は全然ないとは考えないのでございまして、理由のある面もあるのではないかと思いまするが、他面よく考えてみますと、なかなか理論上も実行上にも難点が多くて、今日まで解決を見ていなかつたというのが実際の最近までの経過ではないかと考える次第でございます。  一番理論的の問題がやはりふると私考えますのは、公定価格の制度がきちつと行われておりました場合におきましてはその難点は比較的ないと思いまするが、自由価格になりました場合におきましては、価格の動きというものが、課税の廃止によつて直接動いたのか、或いは需給関係によつて価格が動いたのか、それが一ついろいろ問題があるのではなかろうか。従つて値下りによる損を全部、少くとも消費税限度額までは消費税の廃止による損失と見ることが果して……、当然そのように見るべきかどうか、そこに一つの問題があろうかと思います。若しも公定価格等を施行しておりまして、廃止後におきまして、公定価格を完全にすぐ切下げるというような場合におきましては、これは当然それに対応しまして、何らかの措置が講ぜられなければならないと考える次第でございますけれども、自由価格の場合におきましては若干その点が違つた関係になるのではなかろうか。あの際の、一般のああいう市況の際でございましたから、非常に値下りをしたことは、これは事実でございまして、それによりまして業界が相当の打撃を受けているということも事実だろうと思いますが、廃止した場合においてその値段が下がらん場合には一体どういうようなふうになるか。そういうような場合をいろいろ考えてみますと、なおやはり当然返すべきであるというふうになるかならないかという点につきましては若干の問題があるのではないかと思う次第であります。  それからもう一つは、実行上の問題でございまするが、私ども主としてその点をむしろ当時から問題にしたのでございまするが、何しろ織物は製造場から出まして、出たあと問屋さんの倉庫にある、或いは小売屋さんの手持になつている、物によりますと、既製服なんかもう製品になつている、こういうような場合におきまして、確実な調査ということはなかなか困難であります。これはストツク課税の場合は調査いたしておりまするが、これも零細な額のものにつきましては調査いたしていない。返すということになりますると、その辺のところはやはり完全に調べまして返さざるを得ないのではないか。殊に小さいからというので取り放すわけには行かないのではあるまいか。ストツクで課税します場合には、小さいものは猶予するということで見逃してもいいという考えでございますけれども、返すという場合にはなかなかそういうわけにも行かない筋合のものではないかと考えます。そうしますと確実な数量なり価格を査定しまして、果して市場にあるものが幾ら税金を、消費税を現実に納めたものであるか、その判定をつけるのが非常にむずかしいのではないかというふうに当時におきまして考えた次第でございます。それともう一つは、その当時における特異な事情でございますが、遺憾ながら織物消費税につきましても相当な、税がかからないで市場に出ております物が当時におきましてもあつたわけでございますが、そういうものの判別が果してつくかつかないか、そこになお更困難な問題がある。従いまして私どもといたしましては、当時におきましてこの返すということを理論上仮に当然だと考えましても、あとの実行につきましてなかなか問題が多い。従いましてそのような意味におきましてもこの問題の解決はなかなか困難なのではないか、このようなふうに今まで考えて来たわけでございまして、私まだ主税局と正式に最近の考え方を打合しておりませんが、私の見ましたところによりますると、なおやはりそういう問題として残されて来ておるのでございまして、従いまして現在におきまして何か解決策を講ずるということはなかなかむずかしいことではあるまいか、まあこのように考えておる次第でございます。
  6. 結城安次

    ○委員長(結城安次君) 只今平田長官から御意見がありましたが、何かこれについて、且つ本法案に対して御質疑のかたは順次御発言願います。
  7. 西田隆男

    ○西田隆男君 平田さんにちよつとお尋ねしますが、今のお話聞いておりますと、原則的には消費税は消費者の負担になるのだから、消費税を廃した場合は当然何らかの措置をとらなければならんというような御意見ですが、併し実際に実行に移した場合いろいろ困難な問題がある、これは一応私わかりますがね、過去において統制をやつておつたときにおいてこういうふうなことの参考になるような何か例はありませんか。
  8. 平田敬一郎

    ○政府委員(平田敬一郎君) 今お尋ねの御趣旨にちよつと補足して申上げておきますが、私は公定価格の制度がきちつと行われているような場合におきましては特に何らか始末しなければ解決がつかん問題が出て参る。それで税がやめになつて値下げにされた場合におきましては値下げ放しじやいけないので、税金を戻すか何かの方法をとらなければならないし、又公定価格がありました場合で値下げることが無理であります場合におきましては、暫らくは猶予期間を置いて高い値段で売らせる。そういつたような措置が当然伴つて何らかのやはりはつきりした始末をつけなければおかしい問題じやないか。たださつき申しましたように、自由価格制度の場合におきましては当然そこには必ずしも行かない。それで勿論返すのが悪いということにもならんと思いますが、まあ当然返さなければ完全な解決にはならないということまで言い切れないのではないか。この点ちよつと申上げて附加えたいと思います。  それから併し主たる点はむしろその問題よりも実行上の問題にあるということにつきましては今御指摘の通りでございます。  それからほかに例が何かないかということでございますが、最近におきましては例えば酒類でございます。酒類につきましては、製造場に戻入れする場合におきましては税金を戻す。戻してやる、こういう法制にいたしております。これはまあ最近は物品税につきましても同様な措置を講ずることにいたしているのでございまするが、それは主としてやはり確認と申しますか、そういうことのためにはどうしてもかような措置をとらないと困難であるという考え方でいたしているわけでございまして、例えば酒の場合でございますと、今回も減税法案を出しておりますが、今の法案がそのまま通過いたしますと、三月一日現在で小売業者が持つている商品につきましては一定の場所まで原則としまして運転させまして、そこで現物を確認しまして、その税金の差額を将来納める税額から控除してやる、こういう措置をとることにいたしているのでございます。それをそのままやりますと、これもなかなか実行上問題が多くなりますが、例の法律「みなし製造」という措置がございまして、法定製造場というシステムがございますので、余り遠方まで運ばなくてもいいように法定製造場というような面でできるだけ実情に応ずるようにいたしたいということで運用することにいたしているわけであります。とにかく現物につきましてははつきりした確認の方法を講じて、それでできましたものにつきましては減税の場合の税差額を取らないような措置をする、こういうようなことを行うことにいたしている次第でございます。これは類似の例であれば例だと申上げてもいいかと思う次第であります。
  9. 西田隆男

    ○西田隆男君 今のお話御尤もと思うんですが、織物消費税の問題のときも、こういう事態が起きたときに直ぐ大蔵省として御調査をしたら、機場に幾ら品物があるか、卸問屋に幾ら品物があるかという程度のことをキヤツチするのにさほどの困難なことはなかつたろうと思うんですが、そういうことを大蔵省としては、その当時やられたのですか。何もやつておられないのですか。
  10. 平田敬一郎

    ○政府委員(平田敬一郎君) 酒につきましてそういう措置をやりましたのは、二十五年の暮の実は減税の際にやりましてその前におきましては余り減税の際に考慮するという措置を講じたことはございませんでした。織物消費税の場合に初めてそういう問題が少し大きな問題として出て来たわけでございますが、その点については先ほど申上げましたように、他の物と比べまして織物は確認が更に一層困難である、既製服なんかの場合に非常に面倒な問題がある。それから小売業者の数から行きましても非常に多いし、それから平素から記帳事務を命じておりますが、実行上におきましては、それほど励行されていなかつた。それから先ほども申上げましたように、実際問題として脱税品等が相当やはり当時横行しておりまして、果して、そのものが正規に税を納めたものであるかどうかということの確認は、これはなお更むずかしいだろうというような事態がございましたので、そのような方法をとるというところまで私どもとしまして結論が出なかつたわけでございます。ただまあできるだけ実情に応ずるような行き方をやろうというので、廃止の声明をいたしました後におきましては、製造場からその後出て行きまする織物につきましては課税標準価格が将来或る程度下がるということを目安にいたしまして、できる限り寛大な査定標準で査定をするということは最小限度いたしたわけでございますが、それ以上のことにつきましては今申上げました通り、適正に処理する方法が困難であるという考え方からいたしましてとらなかつたわけでございます。
  11. 西田隆男

    ○西田隆男君 そうしますと、織物消費税を納付する納付義務者から税金を取つて、まだそれが市場に商品として出廻わつて消費者の手許に渡つていないという在庫の品物の数量を調べるが、非常に困難であるから、できることならばしなくてはならないのだが、しなかつたと、まあこう解していいわけですね。
  12. 平田敬一郎

    ○政府委員(平田敬一郎君) さつき申しましたように私は織物値段がとにかく自由販売でまあ売れば、税がかかつたものについては税を加えて売つてもいい、どちらでもいい建前になつておりましたので、これは当然しなければならないというところまでは考えなくてもいいじやないのか、勿論してもいいと思いますが、しなければ理論上どうしてもおかしいというものでもない。こういうふうに考えていた次第でございます。それと今申上げましたように、実行上の点を考えると、なお更これは適正に行くことがむずかしいだろうというようなことで、適正な措置をとるというところまで行かなかつたということでございます。
  13. 西田隆男

    ○西田隆男君 今のあなたの考え方には少し私は無理があると思うのですがね。一定の税金を国が徴しているのだから、必ず販売する場合にその税金を販売価格の中に入れて売ろうと、或いは税金を入れないでまあ税金を入れたか入れんかは別ですが、高く売れる場合と安く売る場合が存在するのですが、これはそのときどきの商売上の……経済情勢の如何によつてやる場合もあろうし、又販売状況の如何によつてやる場合もあるだろうから、そういう点は織物消費税を返す返さぬの目安にはならないと思うのですね。それよりも原則的に政府が徴収した税金なんだから、それを廃止された場合は、すでに取つているものに対して払うというのがやはり原則的な考え方でなければならんと思うのです。併し実際の市場に出ての値段が安い高い、消費税そのものが入つているか入つていないか、これを調べることは殆んど不可能なんですが、勿論一応これは入つて売られる、消費税は入つて売られるということは基本的には考えられますけれども、それに余り重点を置いて考えられると、消費税を返す返さぬということは返さなければならんということはないが、してはならないというのですか、してもいいという考え方になるんですか。この点はどうでしよう。
  14. 平田敬一郎

    ○政府委員(平田敬一郎君) その点私はやはり今申上げました通り、これはそんなに絶対的なものじやないと思いますし、過去におきましていろいろ廃止した例もたくさんあると思いまするが、そういう際にはこういう特別な措置を講じたのは殆んど今までにはなかつたので、あの際織物価格が市況の変化によりまして非常に大きな値下がりを受けた、そういうのに際会した、従いまして実際問題としましては業界におきましてこれが大きな問題になつた。この事実は私も認めるわけでございますが、併し税をやめたような場合或いは軽くしたような場合に、当然消費者が買う前のものは、市場にあるものはことごとく調べて、当然税を返さなければならんというところまでは私は考えません。そういうことをやるべき場合もあるだろうし、又やつたほうがいい場合があるでしよう。或いは状況次第ではやらなくともうまく消化されて行く場合もありましようし、その辺は若干弾力性のある考え方で動かして行つてもいいのじやないかと思いますが、従いましてむしろ問題は実行上果して適正に行くか行かないか、これはやはり重大な判断の要素になつて来るのではないだろうか。そういう点から行きますと、今申上げましたようになかなかこれは容易なことではないということで、まあわかつた人だけやればいいじやないかという説もその当時ありましたが、返すとなりますと、殊に小さいほうに返すということがやはり真先に考ざるを得ないのです。ストツク課税の場合は小さいほうは放つたらかして置こう、少しくらい業者が利益しましてもいいだろう、相当まとまつたほうは調べて、これは少くとも差額は徴収しようということでやつて来たわけですが、返す場合はどうもそういう荒つぽい考え方ではいけないのではないか。こういうことも考えまして、美行上特にまあ難点が多いという点をどちらかと申しますと重視しまして実施しなかつたと、こういうことに御了解願いたいと思います。
  15. 西田隆男

    ○西田隆男君 今のお話聞いておりますと、織物消費税を廃止した、ところが実際問題としては品物が非常に値が上つたというときは、それは平田さん考えられるようにしないでもよろしい、又業者のほうとしても値が上つておるなら打撃が少いから、してもらわなくつたつて大して痛手じやない。が併し現実の問題としてその当時は今おつしやつたように織物の値段が非常に下がつた、納めた税金ですら返してもらえないのに、又うんと値が下がつて販売上の非常な損失を業界はこうむつた、こういうのだから、あなたの解釈に従うと、考慮してもせんでもいいと、それがまあそういうことなら、考慮してやらねばならないという段階だつたことは間違いないわけですね。実際問題として、実行上の問題としていろいろむずかしい問題があるというお話は、これは私もよくわかりますが、むずかしい問題があるからというて当然……当然と言えば又何とか理窟を言われるかも知れないが、そういう経済界の非常な変動で業者が非常な痛手をこうむつたというそのときに、わかつているものだけは……、これはむずかしいからわかつているものもしてやらんという考え方はどうかと思うのですがね。こういう問題を政治的に扱うことがいいか悪いかということは、これ又非常にむずかしい問題だと思いますけれども、大蔵省自体の考え方としては、織物消費税を廃止した当時に織物の値段が非常に下落をした。そのために業者が非常に打撃をこうむつたから、せめてわかつているものだけでも何とかしてやらなければいけないという考え方をされるのが、私はその当時は妥当じやなかつたかと思うのですがね。その当時の状況を私は詳しく知らんのですが、あなた主税局長でおられたのですから、大蔵省のほうは今あなたがここで御説明になつたような点以外は一歩も出ないのか、或いは業者との間に何らか納得の行くような方法が講じられれば、消費税の一部を還元してやつてもよろしいというような当時の考え方であつたのか、一応もう一遍一つお答えを願いたいのですが。
  16. 平田敬一郎

    ○政府委員(平田敬一郎君) 理論的な問題は一応今まで申上げた通りでございまして、今西田さん当然とかいうことをおつしやつて強調なさいますけれども、私はそれほどの問題ではないと実は考えております。併し返すべきだという理窟がないかと申しますと、それは私理窟はやはりあると思う。それから反対に、どうしても従いまして返しちやいかん、返すのはおかしいというこの理窟も私はないと思います。ただ当然返さなければならんというものでも私はないと思う。その辺は従いまして人によつて若干見解の差が出て来るのかも知れませんが、我々のその当時における見解はそういうことであつたということを申上げまして、御参考にいたしたいと思う次第でございます。併しそういう問題が、そういう点がございまするので、主として更に実行上の問題を重視いたしまして、その当時としまして解決策をとらなかつたと、こういうのが実際のことでございますので、その点御了承願いたいと思います。
  17. 西田隆男

    ○西田隆男君 今大体あなたの考えはわかりましたが、我々はこの法律を審議しているので、今あなたの言われるように、絶対的にこうせなければならないものであればこれは法律でやることが一番いいにきまつている、払うのがいいとも限らないのだ、実行手段がむずかしいのだという、非常にこのはつきりしない、それだからといつて業者の主張が全然間違つたものでもない。国の義務が全然ないものでもないというような場合に、立法するということを考えることは非常にむずかしい問題ですね。実際問題として大蔵省のほうで何かの解決策が認められれば、これは何とかなると思うのですがね。やつて見てやれないのですか、どうなんです。
  18. 平田敬一郎

    ○政府委員(平田敬一郎君) これは今日まで国会の問題になり、政府でもたびたび聞きましたが、それでもなかなか解決が得られなかつたというような問題であるというふうにお答えしたほうが一番いいのじやないかと思いますが、今お話いたしました通り、是が非でも当然返さなければ訴訟でもされて、返さなければならんという問題でございますれば、それは私の解釈でございますと、これはもう如何に困難があろうと非常な手数なり非常な費用をかけてもやるべきだということになると思いますが、まあそのようには考えていなかつたと、それで訴訟を起すとかいう話もございましたが、私は決して訴訟には負けないと思つております。併し、立法上どういう政策をとるかということは、法律上のそういう解釈と別問題でございますから、その場合は、理論的にどちらがよいかという問題と併せまして、実行上その他の問題と併せ考えて、妥当な処置をとるということで行くべきではないかと考えております。その場合におきまして、いろいろ考えてみますとなかなかむずかしい問題が多くて、その当時大臣等の耳にもたびたび入つておりましたが、私どもも相談いたしましたが、これという解決策がなくて今日まで来たと、こういうのが事実だと思いますので、むしろ卒直に申上げたほうがよいと思いますが、はつきり右左に割切れん問題だから少し、延びて来ておるのではないかと、このように考えておる次第でございます。
  19. 西田隆男

    ○西田隆男君 まあ実際の話はあなたのお話の通りでしよう。ここに法律案が提案されて、立法するかせんかということになつておるわけですが、こういう仮定の問題しついてはお答えができんかも知れませんがね、吉田さんのあれだから……。併し、若しこの法律が通つたとしたら、実際問題としてやろうとして全くやれんのですか、やれるのですか。これは一つ公式な立場でなくてもよいのですが……。
  20. 平田敬一郎

    ○政府委員(平田敬一郎君) これはまあ法律案を私もちよつと拝見したのですが、実施細目についてはまだ関係の省からも、実は余り細かいことを聞いておりませんわけでございまして、実行ができるかできないかということになりますと、軽卒なお答えはいたしがたいと思いますが、遅れれば遅れるほど実施上の問題はなかなか困難になるのではないかという感じでございます。併しその点につきましては、こういうふうにしてこの法律は実行するという案がございますれば、それに基きまして検討いたしまして、もう一遍確実なお答えを申上げてもよいかと思いますが、ただ時日がたてばたつほどなかなかこれは適正な行き方はむずかしくなりはしないかというふうに私ちよと考えられます。
  21. 結城安次

    ○委員長(結城安次君) ほかに御質疑ございませんか。
  22. 栗山良夫

    ○栗山良夫君 本件に関する大蔵委員会との連合委員会はこれ一回だけで終りになりますか、どういう御予定でございますか。
  23. 結城安次

    ○委員長(結城安次君) これは今日の模様によりまして、まだ若し質疑が残るようならば継続したいと存じます。併しもう質疑の余地がないようならば、或いはこれで皆さん御相談して一回で終るかも知れませんが、今のところどうも考えておりません。
  24. 栗山良夫

    ○栗山良夫君 今の大蔵当局から……、私途中から来ましたので全部伺つておりませんけれども、結論のところを伺つておりましても、本件は理論的にも両方の解釈が成立つように言われておりますし、相当問題としては議論があると思いますので、できればこの連合委員会で各界の参考人の意見等も是非これは聞いておくべきではないか。特定の問題について法律行為を以て救済するというようなことは、これはなかなか額の多寡は別といたしまして、性質としては私は重要だと思うのです。この前の電力の公納金の問題でも参議院と衆議院が意見が完全に分れて、そうして完全な政治問題として衆議院では押切つたのでありますけれども、これも非常な問題をあとに残しておるわけなんです。従つて特定な問題を救済するために立法措置をとつてこれを強行するということについてはやはり慎重でなければならんと私は思ふわけです。従つて、是非とも両委員会の合同委員会において成るべく多数の有力な賛否の意見その他を聞きまして、そうして判断に誤りのないように私はいたしたいと、こうお願いいたします。
  25. 結城安次

    ○委員長(結城安次君) 栗山委員の申出了承いたしました。
  26. 小林政夫

    ○小林政夫君 まあ私もこの提案者の一人になつておるわけでありますが、実はこの提案者から相談を受けたときは大分前でありまして、二十八年度予算を組む前なんです。一応賛成をいたしたわけでありますが、これは大蔵委員会としてはかねてからこの趣旨の請願が出ておりまして、常に願意妥当なものと認め取次いでおるようないきさつもあつて、我々大蔵委員会としては反対もできないということで賛成をいたしたのでありますが、二十八年度中に公布すると、十億の範囲内でということで、当時はまだ二十八年度予算編成の前でありましたので、賛成したわけでありますが、一応政府から提案された予算にはこの十億という予算が組まれていないと私は思います。そうなつて来ると、これは別の委員会において先般来問題になつておるガソリン税の道路整備費関係の法律案を審議いたすときに、これは建設、大蔵連会委員会で何回も政府当局に駄目を押したのですが、差当つて政府としては補正予算を組む意思はない、こういうことを強く言つておるわけです。そうすると、そういう立場を吉田内閣として堅持する限りにおいては、これなまあ政府に予算を組ませるということはむずかしいと思います。提案者のほうで、この法律を通す以上は予算を組み替えてこのような措置を講ずると、そうすれば、そこまで私は提案者のほうと、賛成はしておりますけれども、打合せはしておらないので、一体どういう御用意があるのか承わりたい。
  27. 油井賢太郎

    ○委員外議員(油井賢太郎君) 只今小林委員の御意見誠に御尤もでございます。大体これは昨年の第十三回国会で皆さんに御審議を願いたいと思つていたのですが、衆議院が解散となりましたために、更に延長いたしまして、この法案を皆さんにお願いした次第であります。従つて、その当時の情勢といたしましては、昭和二十八年度中に予算を組んでもらいたいという折衝も内部においてはいたしておつたのでありますが、大蔵省当局は、先ほど平田さんからもお話がありましたように、なかなか実行困難だという理由で以て、予算の計上というようなことに対しましては積極的ないわゆる協力方はしておらないのであります。言葉を詰めて申しますれば、むしろ反対的立場にあつたということになつておるわけであります。従つて、この法案が二十八年度中に十億円の予算を組むということは、これは現政府では賛成しておらないという結論になつておるわけであります。若しこの法案が通りまして、皆様方の御同意によりまして妥当であるということになりますれば、改めて法案に基いて補正予算を要求するということになろうかと考えておるのであります。
  28. 小林政夫

    ○小林政夫君 その考え方は今の道路整備法の提案者も油井さんと同じことを言われておるのであります。ところが油井さんも自由党員であり、現在の吉田内閣は自由党内閣であります。この自由党内閣が絶対に補正予算を組まない、こういうことを言つておるときに、自由党員としてのあなたがそういうことを義務づけるような法案を積極的に推進するということがいいですか。
  29. 油井賢太郎

    ○委員外議員(油井賢太郎君) 私のことに関しまするが、実は提案いたしましたときはまだ自由党に入つておりませんので、飽くまでもこのように一つ自由党内閣で以てやつてもらいたいという気持でありました。併し今日自由党になつておりますけれども、この提案をいたしました当時に遡つて、私は飽くまでも現内閣にこの点について反省をしてもらいたい、かように存じておる次第であります。
  30. 小林政夫

    ○小林政夫君 私は油井さんが自由党に入られたということで大分情勢の変化がなくちやならんということを考えているわけです。衆議院の予算審議の過程においても、御覧のごとく警察法等において予算措置が伴つていないというようなことで吉田内閣は非常な苦況に陥つておる。更に道路整備法のごときものが通る、或いはこの法案が通るということになれば、少くともこの法案は参議院において提案されて、若し通るということであれば、参議院の予算審議の際においてはこれに伴う組変えをしなければ、当然予算を審議すべきものでない。だからそれだけのあなたが肚を持つてなお且つ推進されるということなら審議の対象になるが、もうそういうことになつたのだからちよつと困るということであると、もう少しお考えになつて、時期を見られる必要があるのじやないかというふうに思うわけです。それは相当実はガソリン税の関係、まあ法案の名前は道路整備費等に関する臨時措置についての法律案というもので、もう先日来大蔵委員会と建設委員会と相当もみ合つておる法案である。これはかなりその法案が通りまして、現吉田内閣は苦境に立つ、大蔵大臣としても望ましくない法案であると言つておるし、特に大蔵、建設両大臣の見解が食違いまして、わざわざ総理、副総理の出席を求めて何回も念を押して、吉田内閣は絶対に現段階においては補正予算を出さない。従つて望ましからざる法案であるということで、その提案者に対しては少くとも施行期日は一年延ばすとか、だからこの法案で言うならば、二十九年度に実施するというような措置をとらなければならない。そこでこの法律の形において出されるということは著しく提案者自体の心情にも変化があることだし、状況が変つておるのじやないかと思うのですけれども。
  31. 油井賢太郎

    ○委員外議員(油井賢太郎君) 実は私この民主クラブから自由党に移つた者だけの提案でありませんので、社会党のかたもおられますし、改進党のかたもおられます。従いまして私一存で以てこれをどういうふうにしろというようなことには勿論ならないと思いますから、皆さんにおいて、各会派において適当に一つ御善処願えれば幸いと思います。
  32. 佐多忠隆

    ○佐多忠隆君 今のと関連して、その問題は発議者において一遍統一した意見を御提示願いたいと思いますが。
  33. 油井賢太郎

    ○委員外議員(油井賢太郎君) 只今佐多さんのおつしやつたように皆さんのほうへ提案者といたしましてお諮りいたしたいと思います。
  34. 結城安次

    ○委員長(結城安次君) 別に御発言もなければ本会議も始るらしいので、本日はこれで閉会いたします。    午後零時五分散会