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1953-03-18 第15回国会 参議院 文部委員会 閉1号 公式Web版

  1. 昭和二十八年三月十八日(水曜日)    午後二時一分開会   ―――――――――――――  委員氏名    委員長     若木 勝藏君    理事      川村 松助君    理事      木村 守江君    理事      梅原 眞隆君    理事      堀越 儀郎君            郡  祐一君            白波瀬米吉君            松平 勇雄君            山田 佐一君            油井賢太郎君            高橋 道男君            西田 天香君            山本 勇造君            梅津 錦一君            矢嶋 三義君            相馬 助治君            棚橋 小虎君            櫻内 辰郎君            木内キヤウ君            岩間 正男君   ―――――――――――――  出席者は左の通り。    委員長     若木 勝藏君    理事            川村 松助君            木村 守江君            堀越 儀郎君    委員            郡  祐一君            山田 佐一君            高橋 道男君            山本 勇造君            矢嶋 三義君            木内キヤウ君            櫻内 辰郎君   国務大臣    文 部 大 臣 岡野 清豪君   政府委員    文部省初等中等    教育局長    田中 義男君    文部省大学学術    局長      稲田 清助君   事務局側    常任委員会専門    員       竹内 敏夫君    常任委員会専門    員       工楽 英司君   説明員    大蔵省主計局次    長       正示啓次郎君   ―――――――――――――   本日の会議に付した事件 ○国立学校設置法の一部を改正する法  律案(内閣提出) ○義務教育費国庫負担法に関する件   ―――――――――――――
  2. 若木勝藏

    ○委員長(若木勝藏君) ではこれより本日の委員会を開催いたします。  先ず第一に国立学校設置法の一部を改正する法律案を議題といたします。提案の理由を聞くことにいたします。
  3. 岡野清豪

    ○国務大臣(岡野清豪君) 只今議題となりました国立学校設置法の一部を改正する法律案につきまして、その提案理由を御説明申上げます。  先に第十五国会国立学校設置法の一部を改正する法律案を政府から提出して御審議を願いましたが、成立に至らずして衆議院は解散せられました。ところで先の法律案に掲げました事項のうち、新年度開始に当り直ちにその実施をしなければならないものは学年進行に伴うものであります。即ち、すでに前年度以前に開設した学部学科等の年次計画に基く職員定員の増加と、新制大学切換の年次計画に基く大学院の開設に関するものでありまして、本年四月一日以降当然に進級して来る学生の教育を支障なからしめるために、緊急に法的及び予算的の措置を要するものであります。そこで政府は当面必要なこれらの措置について暫定予算に所要経費を計上すると共に、この法律案を提出した次第であります。  どうか慎重に御審議の上速かに御替同下さいますようお願い申上げます。
  4. 稲田清助

    ○政府委員(稲田清助君) 国立学校設置法の一部を改正する法律案の概要を補足して御説明申上げます。  この法律案の内容は、先に政府が第十五国会に提出いたしました国立学海設置法の一部を改正する法律案の内容のうち、最も緊急を要する学年進行による大学院の開設と国立大学に置かれる職員の定員増の二つを取上げたものであります。  改正の第一点は、国立学校設置法の第三条の二を第三条の三とし、新たに第三条の二に国立大学に置く大学院の開設を規定いたしました。大学院を置く大学は、北海道大学、東北大学、東京大学、東京教育大学、東京工業大学、一橋大学名古屋大学、京都大学、大阪大学神戸大学、広島大学及び九州大学の十二の大学であります。  改正の第二点は、別表第一の改正竹ありまして、国立大学に置かれる職員の定員増による改正であります。改正後の定員は六万一千百三十九名で前年度に比し五百二十七名の増となつております。五百二十七名の内訳は、大学院の開設によるもの百名、昨年度以前に設置した学部、学科短期大学及び附属学校等の学年進行によるもの四百二十七名であります。  次に附則の第一項において、この法律の施行期日を昭和二十八年四月一日といたしておりますが、これは、学年進行によつて大学院及び関係の学部学科等の上級学年に当然学生が進学してくるためであります。  最後に附則の第二項は、行政機関職員定員法の改正でありますが、これ片国立学校設置法の別表第一の改正による、文部省職員の定員の改正に伴うものであります。   ―――――――――――――
  5. 若木勝藏

    ○委員長(若木勝藏君) それでは次に義務教育費国庫負担法に関する緊急質問を議題といたします。
  6. 矢嶋三義

    ○矢嶋三義君 法律第三百三号義務教育費国庫負担法は、その附則の第一項によつて昭和二十八年四月一日から施行することになつておりまするが、政府は本法律案を四月一日から実施する決意をして、準備を進行中と考えるのでありますが、その点は如何でございますか。
  7. 岡野清豪

    ○国務大臣(岡野清豪君) お答えいたします。その通りでございます。
  8. 矢嶋三義

    ○矢嶋三義君 次にお伺いいたしますが義務教育費国庫負担法の第三条によれば、「義務教育の教材に要する経費の一部を負担する。」これについては必要な事項を政令で定め、その政令に基いて教材に要する経費の一部を負担することになつておりまするが、その政令は如何なさいますか。現在作業中でありますか。それとも政令をこしらえることなく、如何なる方途によつて四月一日から実施されようとしておるか、その点を伺いたいと思います。
  9. 田中義男

    ○政府委員(田中義男君) 教材費の配分につきましては、御承知のように国庫負担法におきまして政令を以てその配分基準等を定めることに相成つております。而もその基準は生徒数等を基準にしなければならないことになつておりますので、従つてその法律の通りに政令を定めるために只今作業を進めております。その内容といたしましては、大体標準規模の学校を想定いたしまして、例えば小学校で申しますならば六百人の十二学級、中学校で申しますならば四百五十人の九学級、それらを標準規模の一応学校と想定をいたしまして、そしてそれらの学校に教育的な見地からどうしても必要であるといたしますその教材を調べ上げまして、それを抽出いたしまして、そうしてそれを一年間に減価償却をいたしますその費用を算定をいたしまして、そしてそれに基いて更に小さい規模の学校、或いは更に大きい規模の学校等にそれぞれ補正をいたしまして、そうして必要なる額を算定をいたしまして学校に配分して行くようにいたしたい。かように考えておるのでございまして、なおその算定の基準につきましては、大よそ標準規模の学校の……。
  10. 矢嶋三義

    ○矢嶋三義君 結構です。次にお伺いします。
  11. 田中義男

    ○政府委員(田中義男君) よろしうございますか。
  12. 矢嶋三義

    ○矢嶋三義君 法三百三号の第三条の二項に基く政令の作業中と答弁をされますが、いつできるかということを伺つておるのであります。
  13. 田中義男

    ○政府委員(田中義男君) これは只今準備中でございますから、無論配付をいたしますまでには当然作るべきものでございまして成るべく早く、四月交付時期に間に合うようにいたすべきものと考えて只今準備を進めております。
  14. 矢嶋三義

    ○矢嶋三義君 これは政令を設けて、その政令に基いて予算というものを算出して予算要求の折衝をすべきものではないでしようか。それともあなたがたは予算がきまつて後に、その予算の枠内に合うように政令をこしらえようとされているのか、その点の御見解を、これは大臣からお伺いしたいと思います
  15. 岡野清豪

    ○国務大臣(岡野清豪君) 一部のことでございまして今度取りました予算によつて大体しようと思つて、その前全額国庫負担を出しましたときに十九億取つておいたはずでございます。その十九億を基準にしまして、そのうちからニヵ月分、その二ヵ月分を如何に分けるかということになると思います。
  16. 矢嶋三義

    ○矢嶋三義君 それはこの法律第三百三号を四月一日から実施すべく準備中であると大臣は答弁されたのでございますが、この第三条に基く教材費については、その年間規模というものは、先般の国会で提出された予算案に盛られたあの十九億、こういう規模を考えておられると、こういうように了承してよろしいですか。
  17. 岡野清豪

    ○国務大臣(岡野清豪君) 御承知の通りに不満足ではございますけれども、又予算が参議院へ廻りまして審議中に解散になりまして成立しなかつたのでございますが、衆議院といたしましては一応二十八年度の予算といたしまして十九億で通つておりますから、この線で行くのが一番穏当ではないかとこう考えております。
  18. 矢嶋三義

    ○矢嶋三義君 義務教育学校職員法案なるものはすでに完全に消滅して現在残つておるものはこの義務教育費国庫負担法、法律第三百三号だけです。而もこれは四月一日から施行ということになつております。政府も又その施行を決意して準備中だと言われるのでありますが、そうなりますと、この法律第三百三号が成立した当時に、要領書に添えての審査報告書ですね、この附帯事項を決議しているのでございますが、これらを如何ように活かされようとされておるか、その点承わりたいと思います。なかつたらここに書類がございます。政府は如何なる態度を持つておられるか。
  19. 田中義男

    ○政府委員(田中義男君) 一応御承知のように二十八年度の財政規模としては、政府において……。
  20. 矢嶋三義

    ○矢嶋三義君 その附帯決議ですね、当然尊重して活かさなければならんと思うのですが、如何ように作業中であるか、教材費は三十億と決議されたですね、政府はそういう点尊重されるかされないか。
  21. 田中義男

    ○政府委員(田中義男君) 当局といたしましては、取りあえずこの暫定予算の編成に当りましては、一応二十八年度の財政規模もきまりました上で国会解散にあいまして、そうして二カ月の暫定予算を組むという次第でございますので、従つて全然事情は異なりますけれども、ともかく十九億という一応の財政規模におきまして線が出ておつたのでございますから、従つて暫定措置として十九億を一応踏襲したわけでありましたけれども、併し私どもとしては次の機会におきまして当然新たなる問題として教材費につきましても考うべき問題でございますし、なお国会においていろいろ附帯決議を、なさいましたその精神に副つて更に努力するつもりでございます。
  22. 矢嶋三義

    ○矢嶋三義君 政局というものはいつ如何ように変化するか予測しがたいものでございます。かかるが故に政府としては当然この法律第三条に基く政令の準備も、更にはそこに附帯決議されておる点についても、立法府を尊重して十分の準備をなさるべきであつた。こういうふうに私は思うのでございますが、それらについて現在文部大臣はどういうふうにお考えになつておりますか、お伺いいたします。
  23. 岡野清豪

    ○国務大臣(岡野清豪君) お答え申上げます。御承知の通りに、国といたしましては前国会におきまして全額国庫負担という意味で学校職員法を作りまして、そうしてあれに猛進しておつたわけでございます。お説の通りに明日を端倪すべからざるような情勢になつて、そうして解散になつたわけでございます。でございますから私どもといたしましては、一応とにかくこの二十八年度予算、政府が出しました予算措置というものを基礎にしまして、そうしてこれでやつて行こう、尤もあの際の予算といたしましては十九億は少し少いという考えは我々持つておりますから、平衡交付金を交付しない都道府県に対してやるようになるその財政措置をする際に考えようという下心でああいうふうになつておつたわけです。併し只今ではそういうことは次の内閣がやることでございまして、私としては十分なる言責を以て申上げるわけには参りませんが、今までの考えといたしましてはそういう考えでやつておる。併しあの二十八年度予算としては教材費は十九億出しておる。これを基礎にしましてその六分の一というような意味で計上してこの際はやつて行きたい、こう考えます。
  24. 矢嶋三義

    ○矢嶋三義君 この段階になつて、ただ私は遺憾に思いますのは、この義務教育費国庫負担法が、法律第三百三号として成立した当時に、要領書を附けて審査報告書が出されておるわけでありますが、これは財政上の義務教育に対する国の責任を明らかにするということをはつきりと明記してあるわけなんであります。そうして老朽危険校舎に対する改築費、或いは戦災その他災害をこうむつた校舎に対する国庫負担区分の明確化、それから教材費についての金額までも明示して、そうしてあの法律が成立しておるわけであります。政府が立法府を尊重するならば、当然これらについて十分の準備をなさるべきである、この段階になつても更に政府は、現在ある法律はこれだけなんですから、当然この線に沿つて努力されなくてはならない。仮に明日或いは本日夕刻二十八年度暫定予算案が編成されるにつきましても、その前提としてはやはりこれを尊重した立場において考えられて行かなければならない、組まれて行かなければならない、こういうふうに私は考えるのでございますが、大臣の御所見は如何でございますか。
  25. 岡野清豪

    ○国務大臣(岡野清豪君) お説の通りでございます。十分尊重しなければなりませんけれども、一応予算が潰れてしまいましたということと、それから衆議院でも仮に一応は通つた予算である。どこに拠り所を求めるかと申しますれば、やはり二十八年度予算としまして出しましたその十九億というものを基礎にしてこの際は暫定措置をしなければならん、こう私は考えております。
  26. 矢嶋三義

    ○矢嶋三義君 その点は一応そこで切りまして、次にお伺いいたしますのは、この法律の第二条に謳つてありますところの教職員の給与について、「その実支出額の二分の一を負担する。」、この実支出額は如何ように把握されておられるわけですか、それに基いて如何ように予算化しようとされておられるか、その点を伺いたい。
  27. 岡野清豪

    ○国務大臣(岡野清豪君) 私詳しいことは存じませんので、事務当局からお答えいたさせます。
  28. 田中義男

    ○政府委員(田中義男君) 実支出額は、当局としては文字通り実支出額と解釈いたしておりまして、言葉を換えますならば実績、かように考えます。そこで本法を四月一日から施行いたしますといたしますならば、当面当局として把握できますものは今年の一月の現員現給でございまして、従つてそれらによつて取りあえず二十八年度の予算の基礎にいたしたい、かように存じておるのでございます。
  29. 矢嶋三義

    ○矢嶋三義君 その点は大蔵当局と了解済でございますか、どうですか。
  30. 田中義男

    ○政府委員(田中義男君) 私どもの作成いたしましたその基本については大体了承をしてくれるものと考えております。
  31. 矢嶋三義

    ○矢嶋三義君 くれるものと思つているでは困ると思うのですが、大臣、その点答弁頂きたいと思います。
  32. 岡野清豪

    ○国務大臣(岡野清豪君) 大体きまつております。
  33. 矢嶋三義

    ○矢嶋三義君 どういうようにきまつておりますか。
  34. 岡野清豪

    ○国務大臣(岡野清豪君) それは事務当局から一つお願いします。
  35. 田中義男

    ○政府委員(田中義男君) 大体……。
  36. 矢嶋三義

    ○矢嶋三義君 大体じやなく明確に……。
  37. 田中義男

    ○政府委員(田中義男君) 私どもの基礎を承認してくれることになつております。
  38. 矢嶋三義

    ○矢嶋三義君 その給与の年間規模は幾らでございますか。
  39. 田中義男

    ○政府委員(田中義男君) 年間規模としては一千百六十六億弱になると思つております。
  40. 矢嶋三義

    ○矢嶋三義君 その千百六十六億弱が出たのは、先般の予算委員会で二十八年一月末現在として教職員の現給調というのが出ておりますが、これに基くものでありますか。
  41. 田中義男

    ○政府委員(田中義男君) それに基いておるのでございます。
  42. 矢嶋三義

    ○矢嶋三義君 同じく予算委員会に出された定員定額及び現員現給の一覧表において本俸の単価だけで小学校において九百九十五円、中学校において九百九十円の差額があるという資料を文部省は出されているわけですが、この差額は地方公務員であるところの教職員の特殊性から予算化については認めるということに確定した、こういうように了承していいわけですね。
  43. 田中義男

    ○政府委員(田中義男君) さようでございます。
  44. 矢嶋三義

    ○矢嶋三義君 文部省は二十八年一月末現在において、現給を基礎として財政規模を立てるというと、二十九年度において千百六十六億弱、こういうふうに述べられておられるわけでございますが、当初二十九年度の給与費の年間規模千二百二十億と踏まれた、それとの差異を生じておるのはどういうところに基くかというのが、それが一つと、それから全国教育委員会議会一二十八年の一月の現員現給で実績調大した結果が千二百四十四億と出ておりますが、それとの数字の食い違いはどこに基くものか、その点承りたいと思います。
  45. 田中義男

    ○政府委員(田中義男君) 教育委員へのほうの数字の基礎については、私ども只今深く検討した結果を持ちませんので、お答えはちよつと困難でございますが、当局において昨年予算折衝の場合に算定をいたしまして要求いたしましたあの半額において約六百十億、こういう数字と只今申上げました数字との差に関しましては、これは例えば昇給等につきましても実は当局としては少くも年間五%の昇給を見ましたり、又その他実績以上に上廻りましたところの、例えば日直、宿直等の点にきましても、その他すべての点におきまして相当実績に徴しましてより以上の相当の幅を持つて要求を実はいたしておりました関係上、実績よりも相田上廻つておつた、かように考えるのでございまして、従つて現実の実績となりますと、私どもが昨年予算として要求をいたしましたものよりも実際は下廻つて来た、こういう結果になつておるのでございます。
  46. 矢嶋三義

    ○矢嶋三義君 給与の規模の千百五十五億と千百六十六億との差異はどこから出たか、その点お伺いします。
  47. 田中義男

    ○政府委員(田中義男君) それは只今申しましたような理由もございましよう。それらの点で現実にその差異が山千て来た、さように御了解を頂きたいのでございます。
  48. 矢嶋三義

    ○矢嶋三義君 文部大臣にお伺いいたしますが、この法律を四月一日から出忠実に施行するとすれば、東京、大阪ごとき平衡交付金の行つていない部位県の教職員に対してもこの法律の第二条によつて実支出の二分の一を支給世べきものである、若しも平衡交付金関連において若干のロスができるならば、その調整というものは全く別個の問題であつて、政府はこの義務教育費国庫負担法を忠実に四月一日から実比するという立場を堅持した以上は、当然東京、大阪にも給与の実支出の二分の一を支給すべきものと考えるのでございますが、政府の見解は如何でございますか。
  49. 岡野清豪

    ○国務大臣(岡野清豪君) その通りでございます。
  50. 矢嶋三義

    ○矢嶋三義君 その金額は大体どのくらいでございますか。
  51. 田中義男

    ○政府委員(田中義男君) 約十億に二カ月分で相成ると思つております。
  52. 矢嶋三義

    ○矢嶋三義君 重ねて大臣にお伺いいたしますが、先ほど大臣に代つて答弁した局長の答弁に関して更に大臣にお伺いいたします。それは先ほどの局長の答弁は次のように了承してよろしいかということであります。即ち地方公務員である教職員は超過勤務もなし、旅費も実費支給である。更に労働時間というものは、把握できない家庭訪問その他であつて、必ずしも勤労時間が八時間ときまつているわけじやない。こういう教職員の勤労条件の特殊性、更に国立学校の具体的に申しますならば附属の先生と地方公務員である教職員の勤労条件の一つを考えるならば、国立学校の教職員の一学級当りの生徒数は四十人乃至三十人程度である。ところが地方公務員の教職員は六十人或いは七十人を一クラスに入れ、若干の特殊勤務手当があるとは言え二部或いは三部授業、そういう勤労条件下にある。従つて現在先ほど申上げましたように地方公務員である教職員と国家公務員との間に給与の差があるのは、その勤労条件の相違から当然である。従つてこの差額というものは二十九年度の取りあえず二カ月間の暫定予算を編成するに当つて、更に具体的に申上げますならば義務教育費国庫負担法法律三百三号を施行するに当つてそれを政府として認めた立場において進んでおる、こういうふうに田中局長の答弁は私にとれたわけですがそれに相違ないかどうか文部大臣の答弁を求めます。
  53. 田中義男

    ○政府委員(田中義男君) ちよつと私いま一度重ねて申上げておきたいと思うのでございますけれども、その地方公務員たる教職員と国家公務員との間における現実の差異を、特殊な勤務状態のためにこれを当然として是認すると、こういうふうな点にまで及んで私申上げたのではないのでございまして、それらの点についてそれをどう価値判断をするかは、これは別の問題であり、又別に法律の規定等もあるのでございまして、ただ私はそれらの事実は実績として国がその半額を負担をする、こういう事実を事実として申上げたのでございますから、さように御了承頂きたいのでございます。
  54. 矢嶋三義

    ○矢嶋三義君 重ねてお伺いいたします。法律第三百三号によりますと、実支出の二分の一を支給する、すると実支出というのは二十八年一月現在であなたがたが把握されておられる……、予算委員会に提示せられた資料によりますると、二十八年度の予算単価とそれから二十八年度におけるところの現給との差は小学校において九百九十五円、中学校において九百九十円の差がある、こういうように資料を出されているわけです。その差があると確認した文部省の態度は、このたびの予算にはそれが認められておるということをさつき答弁されたわけなんですが、これは相違ないかどうか重ねて局長の答弁を求めます。
  55. 田中義男

    ○政府委員(田中義男君) その差額は差引しませんで、実支出額実績を認めましてその半額負担ということになるわけでございます。
  56. 矢嶋三義

    ○矢嶋三義君 ちよつともう一遍言つて下さい。
  57. 田中義男

    ○政府委員(田中義男君) その差額については実績を認めまして、そしてその実績の半額と、こういうことを算定基礎にいたすわけでございます。
  58. 矢嶋三義

    ○矢嶋三義君 それではお伺いいたしますが、その実績というのは小学校幾ら、中学校幾らでございますか。本俸の単価について言つて下さい。
  59. 田中義男

    ○政府委員(田中義男君) 本俸については小学校一万三千百三十六円、それから中学校一万三千七百六十円。
  60. 矢嶋三義

    ○矢嶋三義君 これが実支出と確認した本俸の単価であると、そういうわけですね。
  61. 田中義男

    ○政府委員(田中義男君) さようでございます。
  62. 矢嶋三義

    ○矢嶋三義君 それではお伺いいたしますが、これと義務教育学校職員法を出された場合の二十八年の予算単価との差は幾らになつておりますか。
  63. 田中義男

    ○政府委員(田中義男君) 二十八年度の財政計画におきましては、小学校が本俸一万一千九百七十六円、中学校が一万三千七十円、こういう計算でございます。
  64. 矢嶋三義

    ○矢嶋三義君 この俗に言えば実績でありますが、これを確認して二十九年度の給与費の規模を立てて行く、その線に沿つて予算案を編成して行く、この文部省の答弁に相違ないかどうか主計局の次長御答弁を、願います。
  65. 正示啓次郎

    ○説明員(正示啓次郎君) お答え申上げます。先ほど来少し前のほう遅れまして申訳ございませんが、只今伺います通り現在の法律によりまして、実支出額の二分の一を予算に計上しておるわけであります。
  66. 矢嶋三義

    ○矢嶋三義君 主計局の次長にお伺いいたしますが、先般の国会に出された義務教育学校職員法におけるところの二十八年度の予算単価というものはそもそも地方における特殊性というものを無視したものを出されておるわけなんです。地方公務員である教職員の勤労条件というものは、東京のお役所の机の前で考えられるように同一ではないわけなんです。同じ教職員でも地方公務員国家公務員である……、具体的に言いますれば、大学の附属の先生の勤労条件とそれから日本津々浦々に至る地方公務員である教職員の勤労条件というものは違うのです。そういうところから四十六都道府県それぞれ若干の給与差ができると同時に、地方公務員国家公務員である教職員の間にも給与差が出て来たわけなんですが、それは当然認めらるべきである、こういうふうに私ども考えるわけでございますが、先ほどの大蔵当局の御答弁はそれを裏書したものである、こういうふうに私は聞いたのでございますが、誤りございませんね。
  67. 正示啓次郎

    ○説明員(正示啓次郎君) 矢嶋先生にお答え申上げますが、これは方針の問題でございます。私どもは政府の方針を体しまして今回は現在の法律通りの予算を組むことにいたしたわけでございます。
  68. 矢嶋三義

    ○矢嶋三義君 現在の法律通りで組むとすれば、そういう実情が出て来たのは今私が説明申上げたようなところから出て来ておるわけなんですから、結局それを認めるということに相違ないじやございませんか。
  69. 正示啓次郎

    ○説明員(正示啓次郎君) 重ねてお答え申上げますが、一介の事務官僚でございますから御推察を願います通りに、私どもは政府が現在の法律によつて予算を組むという場合にはその通りいたします。新らしく法律を作り、それによつて予算を組む場合にはそのようにいたすのが私どものやり方であると心得ておるわけであります。
  70. 矢嶋三義

    ○矢嶋三義君 この法律は議員立法で昨年の国会成立した法律でございますから、従つて立法府の意向を尊重してその法律のままこのたびの予算をきめた、こういうわけでございますな。
  71. 正示啓次郎

    ○説明員(正示啓次郎君) さようでございます。
  72. 矢嶋三義

    ○矢嶋三義君 それではお伺いいたしますが、この法律が国会で修正議決成立した場合に、国会におきましては附帯決議というものをなしておるのでございます。その附帯決議は今あなたが説明された実績を尊重確保するというのが一つである、それから次には老朽危険校舎の改築費の問題、更に戦災その他の災害をこうむつた校舎に対する国庫負担区分の問題、特にこの法律の重点というものは教材費の一部を国庫負担して、父兄の負担を軽減するというところに相当な重点があつたのです。従つてこの報告書によりますというと、教材費については少くとも三十億円を必要とすると数字まで出してそして法律は制定しているわけなんです。この点どうして尊重されなかつたか。当然私は四月一日から施行するに当つては今あなたがたが暫定予算でも編成されるに当つてこれを尊重して教材費は少くとも三十億という線において、そういう予算規模において出発されなければならんと思うのでございますが、その点次長に答弁をお願いいたします。
  73. 正示啓次郎

    ○説明員(正示啓次郎君) これは文部省から先ずお答え頂くのが筋かと思うのでございますが、法律を尊重いたすことにつきましては、縷々お話のございました通りでございますし、又私からもお答え申上げました通り、何ら疑問はないと存ずるのであります。ただ教材費がここに三十億円ということを附帯決議にございますが、この点につきましては、文部当局並びに地方自治庁とも十分協議をいたしました結果、先般も十九億という数字を一応出しましたことは、矢嶋先生も御承知の通りであります。今回もこの数字を基礎にいたしまして予算を組みました。
  74. 矢嶋三義

    ○矢嶋三義君 先ほどから皆さんがたが発表された数字の下に、暫定予算を編成しているのですか、もう終了しているのですか、どうですか。
  75. 正示啓次郎

    ○説明員(正示啓次郎君) お答え申上げます。予算の編成につきましては、御承知のように参照書類その他相当大部に亙る書類の印刷が必要でございます。私どもといたしましては早速徹夜もいたしまして、書類の調製に努めたのでございまするが、印刷枝術の都合等で間に合いませんので誠に申訳ございません。大体明日は間違いなくできるものと存じます。
  76. 矢嶋三義

    ○矢嶋三義君 もう間もなく終りますが、数字について一点お伺いしておきますが、先ほど局長の答弁では、中学校の根本の単価を一万三千七百六十円と組んだ、こういう答弁がございました。間違いございませんね。
  77. 田中義男

    ○政府委員(田中義男君) 間違いございません。
  78. 矢嶋三義

    ○矢嶋三義君 それではお尋ねいたしますが、先般予算委員会に出されました二十八年度の現給というものは一万四千六十円と資料を出されておるのですが、どういうわけでここでは三百円安くされたのですか。
  79. 田中義男

    ○政府委員(田中義男君) 只今ちよつと訂正申上げます。中学校は七は間違いでございまして、一万三千九百と御訂正願います。一万三千九百六十円。
  80. 矢嶋三義

    ○矢嶋三義君 それにしても、数日前予算委員会に出されました資料に比べれば百円減額されているが、どういうわけでございますか。
  81. 田中義男

    ○政府委員(田中義男君) 従来差上げましたのと減つておるのでございましようか。
  82. 矢嶋三義

    ○矢嶋三義君 実績の二分の一というものは、単価を下げたら、実績の二分の一になりませんよ。
  83. 田中義男

    ○政府委員(田中義男君) 一万三千七十円、今回が一万三千九百六十円。
  84. 矢嶋三義

    ○矢嶋三義君 こちらに出しておるのは一万四千六十円とあります。
  85. 田中義男

    ○政府委員(田中義男君) それは更に調べて御返答申上げます。
  86. 矢嶋三義

    ○矢嶋三義君 小学校は先ほど一万三百三十六円と答弁されましたね。
  87. 田中義男

    ○政府委員(田中義男君) 申上げました。
  88. 矢嶋三義

    ○矢嶋三義君 それはこの前予算委員会に出された小学校の数字と違いやしませんか。小学校のほうは推定現給のほうを使つて、中学校のほうは予算定額というように数字をとつていますよ。
  89. 田中義男

    ○政府委員(田中義男君) 一万四千六円と確かに先般差上げました資料には二十八年度として書いてございますが、この二十八年度は二十八年度中にける昇給等をも一部見込んでおるようでございまして、従つて二十八年一月現在は、私只今申上げましたのが正確なはずでございます。それで実は二八年四月、五月の計算につきましては、大体この二十八年の一月現在を以て計算をいたしますれば、年度末の退職者もございますしなお新規採用等一実は非常に低く入つて来るわけでございますから、昇給等を見込みませんで、大体四月、五月の計算は一応一月の現在において実績は賄える、こういうことで計算をいたしておりますので、その間の多少の数字のズレができるものと考えるのであります。
  90. 矢嶋三義

    ○矢嶋三義君 ということはこういうことなんですか、予算委員会に出したところの二十八年度の推定現給というものは年間を通したものである、従つて一年間に昇給三%程度ですか、そういうものが入つた場合をここに出してある。従つてこのたび予算化するに当つては、当面四月、五月だけを目標にしたから、若干違つておる、従つて今後六月以降の本予算を組む場合には、このたびとられたところの小学校が一方三千百三十六円、中学校が一万三千九百六十円が単価となるのでなくて、これに昇給財源というものを入れたものが、六月以降の本予算を組む場合の単価となる、こういうように了承してよろしいのですか。
  91. 田中義男

    ○政府委員(田中義男君) そういうことに相成るのでございます。
  92. 矢嶋三義

    ○矢嶋三義君 主計局の次長如何ですか。
  93. 正示啓次郎

    ○説明員(正示啓次郎君) お答え申上げます。単価の違いにつきましては、私もその通りかと考えます。六月以降これはもとより法律が有効に存置されるときには、これによつて組むのが当然でございます。その際に一定の昇給財源を見ることも当然かと心得ております。
  94. 矢嶋三義

    ○矢嶋三義君 これで質問を終りますが、若干最後に希望を申上げておきます。先ほど私質問の段階に申上げましたように、全国教育委員会議会が二十八年一月現在において現員現給の実態調査をしたものが千二百四十四億三千万円と出ておるわけであります。ところが先ほどの文部当局の答弁によりますと、二十九年度年間給与費の財政規模というものが千百六十六億だ、こういうことでございます。そうなりますと、約八十億の差があるわけでございます。で私予算委員会に提示された都道府県別の定額表というものは、どういうように集計されたのか、これに若干問題があるのじやないかと思いますので、早急に正しい実態調査をして頂くと同時に、大蔵当局並びに文部当局に強く要望しておきます点は、ともかくも法律第三百三号の施行に当つては、この法律というものは数カ年かかつてでき上つた法律で、審議の過程においても随分と論議があり、審議を尽してできた法律でございます。更には参議院の緑風会が中心となりまして、日本の地方財政、税制、教育財政のあり方等、総合的に勘案して修正されてでき上つた法律でございます。従つてこの法律をそのままこの立法精神を曲げることなく施行するところの義務が政府当局にはあると私は思いますので、この点特に施行を前にして強く要望いたしまして私のこの点に関する質問を終りたいと思います。それに対しての答弁を文部大臣並びに主計局次長から聞きたいと思います。
  95. 岡野清豪

    ○国務大臣(岡野清豪君) 御趣旨に副うようにいたしたいと存じます。
  96. 正示啓次郎

    ○説明員(正示啓次郎君) 大臣からお答えの通りでございます。
  97. 若木勝藏

    ○委員長(若木勝藏君) ちよつと速記をとめて下さい。    〔速記中止〕
  98. 若木勝藏

    ○委員長(若木勝藏君) 速記を開始して下さい。  国立学校設置法の一部を改正する法律案に対する質疑に入ります。質疑のあるかたからお願いいたします。
  99. 堀越儀郎

    ○堀越儀郎君 事務的のことを聞きますが、第三条の二項ですか「前項の国立大学の大学院に置く研究科の名称及び課程は、政令で定める」その政令で定められる研究科の各大学における名称は、わかつておりましたら一つこれはプリントで頂いても結構です。それからその研究科に収容されるという単生の定員というものがあるのかないのか。
  100. 稲田清助

    ○政府委員(稲田清助君) 前段につきましてはすぐに御配付申上げます。その資料についてちよつと御説明申上げます。それから後段につきましては、学生定員は総計三千名でございます。
  101. 堀越儀郎

    ○堀越儀郎君 三千名という定員を定められる御趣旨はどこにありますか。
  102. 稲田清助

    ○政府委員(稲田清助君) これには最初大学基準協会において大学相互相寄り研究いたしました大学基準という永のがございます。そのうちに大学院についての基準がございまして、その基準をもとといたしまして大学設置審議会が審査の基準を立てたのでありすす。その審査の基準に人文社会系と自然科学系とはそれぞれ違いますけれども、例えば教授一人当り学生二名持つというような基準がございます。それらから勘定いたしまして各研究科の専攻別に集計いたしますると、大よそそこに学生の定員というものが計算せられる次第でございます。
  103. 堀越儀郎

    ○堀越儀郎君 それは基準であつて、設備とかそういう問題とは関連してないのですか。例えば施設が狭隘であるとか、そういう問題じやなしに……。
  104. 稲田清助

    ○政府委員(稲田清助君) 勿論具体雨に施設等も見るわけでございまするけれども、国立学校全体を通じて見ました場合には、施設が支障になつて定員の制約を考えるというような事態はなかつたのであります。
  105. 堀越儀郎

    ○堀越儀郎君 それでは前段のプリントについて……。
  106. 稲田清助

    ○政府委員(稲田清助君) 只今御配布申上げまするプリントは、大体国立学校の研究科と専攻課程をお示ししたプリントでございます。で政令に掲げまするのは、そのプリントのうちの研究科とありまする名称及びその次に専攻とありまする名称、これを掲げる予定でございます。
  107. 矢嶋三義

    ○矢嶋三義君 現在議題になつておりまする国立学校設置法の一部を改正する法律案、これとも関連がございますのでお伺いいたしますが、先般の国会に政府から提出されました国立学校設置法の一部を改正する法律案、これは遂に解散のために廃案となつてしまつたわけでございますが、非常にこの法律案の提案の時期が遅れたと思うのです。これはもう少し政府から国会に提出するのが早くできておれば、解散前にこれは成立し得たのではないか、勿論予算が流れると施行には困りますけれども、どうしてあんなに法律案の提出が遅れるか、一応私聞いておきたいと思います。
  108. 稲田清助

    ○政府委員(稲田清助君) ちよつとその前にさつきの堀越委員の御質疑に対  するお答えを訂正いたします。政令に掲げますのは最初はこの研究科の名前でございます。それからその次に課程と申します部分は、博士か、修士かと  いう部分でございます。この専攻という点におきましては、只今のところ政令に掲げる予定を持つておりません。  第二に只今の矢嶋委員の御質問でございますが、この法律を提出いたしましたのが二月の二十三日でございます。で爾来一月足らずでございます。或いは御意見によつて二月二十三日が決して早くないのだという御意見も成立つかも知れません。ただ国の予算がきまりましたのが一月の十五、六日でございまして、それ以後法文化いたしますことについて大蔵省或いは法制局、一行政管理庁のその他いろいろ折衝を重ねまして二月二十三日に至つたわけであつて、文部省提出法案から申しますれば、一番初めに出したわけであります。こういう時期になりましたのは、一今年と昨年はいろいろな情勢で予算の決定が年を越してきまつたわけでございます。そういう次第で急ぎましたが、この二月の下旬に及びました点遺憾に存じております。
  109. 矢嶋三義

    ○矢嶋三義君 やや具体的にお伺いいたしますが、先般出された法律案で肝学部の分離独立と新設の部分、それから五つの短期大学の新設等々が含まれておつたのですが、すでに生徒募集をやつておるのじやございませんか、それとの関連は如何でございますか、その点伺いたい。
  110. 稲田清助

    ○政府委員(稲田清助君) 毎年のことでございますが、予算成立し、それから法律が確定いたしましてから生徒募集、編入の手続をいたすわけでございます。
  111. 矢嶋三義

    ○矢嶋三義君 それでは学部の分離独立と新設並びに新たに短期大学を設置する、この法律案が潰れても第一線には何ら支障が起つていない、こういうように了承してよろしいですか。
  112. 稲田清助

    ○政府委員(稲田清助君) この学部につきましてはいろいろな成立ちがあるわけでございます。一学部を二学部に分離する大学につきましては、分離前の学部としてこれは募集いたしました。年間将来分離すれば分離できると思います。それから富山の経済学部のように、現在経済学科でありますものを学部に、いたします分につきましては、経済学科として学生をとつております。若し学部に将来なりますればそのまま学部に編入し得ると思います。それから県立大学を合併いたす分につきましては県立の大学としてこの四月に高等学校の卒業生をとつておいて頂いて、合併がなりました場合にこれを国立に所属せしめる、こういう方法をとりたいと思つております。ただ短期大学につきましては、これはそういう母体となるべき学科、或いは課程がないものでありますから、これだけにつきましてはこの四月に希望者を入れるということは不可能になつたわけでございます。若し年間に成立いたしますとすれば、夏休の期間とか、その他これは夜間でございまして、勤労者を入れるわけであつて、御苦労ではありまするけれども、普通の学生と違いまするので、或いは夜間、夏休というようなことをずつとやりましてもそう支障がなく行き得るという特殊性もございますので、若し仮にそういう場合におきましては十分将来配慮して参り得ることだと思います。
  113. 矢嶋三義

    ○矢嶋三義君 と申しますのは、次のように了承してよろしいですか。公立を国立に移管するとか、或いは学部の分離とか或いは独立、更には短期大津の新設ということを企図したが、解散のためにお流れになつた、併しながら更に衆議院が構成された後において開かれるであろう国会において措置されて、昭和二十八年度の年間中には先般の国会で出された法律案の内容が実際は生れるように文部事務当局としては努力しておるつもりもあるし、又その方途もある、こういうふうに考えている、こういうふうに了承してよろしいですか。
  114. 稲田清助

    ○政府委員(稲田清助君) 事務当局の考えとしては、折角あすこまでできすしたことでありまするから、成るべく速かな機会を捉えて実現さしたいと思つております。又解散後の新らしい国会において新らしい予算を組み、法律化した場合に、この前の方針通りそれが実現した場合にも、先ほどお答え申上げましたような措置をとつておけば別に支障はないのじやないかという目通しをいたしておるわけでございます。
  115. 矢嶋三義

    ○矢嶋三義君 岡野文部大臣の御見解を承わりたい。
  116. 岡野清豪

    ○国務大臣(岡野清豪君) 私どもは暫定予算を出さなければならないような情勢になつておるのでございまして、無論内閣も新らしくかわるものでもありますから、その新らしい内閣義務付けるような意思表示は只今できないと、こう考えます。
  117. 矢嶋三義

    ○矢嶋三義君 只今の大臣の意見は非常に立派なお答えだと思います。  次にそれでは法律案の内容についてお伺いいたしますが、学年進行に当つて大学院の設置が当面の問題となつて、ここに緊急案件として緊急集会に提案されておるわけでございますが、この案を見ますというと、大学院は曾つての帝国大学、いわゆる総合大学に限られておるわけです。勿論一部神戸大学とか或いは一橋大学、広島大学というものを含んでおりますけれども、おおむねそうですね。そうなりますと私はお伺いいたしたいのでございますが、大学院でなければドクター・コースはいけない。これは学校教育法の第六十八条に、「大学院を置く大学は、監督庁の定めるところにより、博士その他の学位を授与することができる」とありますから、大学院のあるところでなければ博士を与えることができないわけですね。ところが従来は、現在は地方において統合されておるのでありましようが、例えば具体的に出上げますと、単科の医科大学、旧制大学、そこは博士号を授与できたわけです。従つて私は曾つての帝国大学、そこだけに大学院を置くのが妥当であるかどうかということはともかくも別といたしまして、若しそういう線で行きましても、そういう線で行くとするならば、その考えを敷衍するというと、文部当局としては具体的に申しますと、例えば千葉大学においても、もしの千葉医科大学のあの医学都だけに片大学院を置くというようなお考えであるのかどうか、その点を伺いたいと由います。と申しますのは、学校教育法の第六十六条によりますというと「大学院には、数個の研究科を置くことを常例とする。但し、特別の必要がある場合においては、単に一個の研究科を置くものを大学院とすることができる。」とこうあるわけですね、これは現在の、例えば千葉大学であつたならば、曾つての千葉医科大学の後身である医学部だけにはその一個の研究科を置くところの大学院は置ける、そうしてそこにドクター・コースを置いて、博士の学位を授与することができる、こういう途が私は開けておると思うのでありますが、大学院の設置方針について承わりたいと思います。
  118. 稲田清助

    ○政府委員(稲田清助君) 差当り第一着手として大学院を置きましたのは、現在旧制度によりまする大学の上に設けられました大学院或いは研究科が、学位授与を認可せられておる学部に関連のありまする新制大学の学部を基礎として考慮いたしたわけでございます。この考えから申しますれば、旧制の医科大学を基礎といたしておりまする新制の医学部は、学年進行が二年遅れております。昭和三十年に至つて初めて卒業生を出すことでありまするから、三十年に至つて御指摘になりましたような旧制の医科大学に関連のありまする医学部には大学院が置かれるしいうことになるだろうと考えております。
  119. 矢嶋三義

    ○矢嶋三義君 大臣がお帰りになる前に一言だけお伺いしておきたいと思いますが、十二の大学のみに大学院を置くという法律案を提案するというこしは、やはり一つの文教政策政策的なものが入つておるということにはならないのでしようか、即ち日本の現在小国立の七十二大学をどういうふうに編成するか、従つて大学院をどういうようなところに置くかという、そういう一つの大学に対するところの政策の上からやはり十二大学だけに大学院を置くということが出て来ておるのではないでしようか。そうだとすれば、そういう政策的なものを盛り込んだ案件を緊急集会でやることには、若干の疑義があるのではないかと思いますが、その点如何でしようか。
  120. 岡野清豪

    ○国務大臣(岡野清豪君) 大学院は御承知の通りに学問の非常に進んだところを研究させるところでございます。先ず第一に十分なる設備とか施設というものが揃つておることが一番の、密一の要件と思います。そういう意味におきましては今国立の大学が一番適しております。将来のことにつきましては、先ほど局長からも申上げました通り、いろいろ考えがございましよう。併しこれは内容の充実と又いろいろな施設も含めまして、そうしてその出ら結果、必要あるときにこれを又指定して行くという方向に進んで行くだろうと思います。併し又この前の国会で出しました通りの案を抜出しましてそえしてやつたわけでございますから、断定措置と御承知を願いたいと思います
  121. 矢嶋三義

    ○矢嶋三義君 今朝の新聞を見ましても、大学院の設置に当つて大学設置審議会が人事に介入するらしいということは新聞記事に出ているわけですが、大学設置審議会の任務というものは、義務というものはどういう点にあるのか、果して新聞に伝えられるように大学院の人事について介入するがごとき態度をとられているのかどうか、その点伺いたいと思います。
  122. 稲田清助

    ○政府委員(稲田清助君) 学校教育法の第四条と第六十条によりまして、公私立の大学院を設立する場合におきましては文部大臣認可いたします。文部大臣認可いたしまする場合には、大学設置審議会に諮問するわけでございます。国立につきましてはこの二つの条文が直ちに適用はいたしませんけれども、やはり大学院設置ということについての慎重と公平という見地において、文部大臣は大学設置審議会の意見を聞いております。それらのことから大学院設置につきましては大学設置審議会が大学院の基礎となりまする教授組織或いは設備その他について審査をされるわけでございます。教授組織を審査いたしまするということは、その教授の組織によつて一つの研究科なり一つの研究の課程が成立つかどうかということを審査するために教授の状況を調査するわけでございます。従いまして目的がそこにあるわけであつて、その当該教授が大学院に関与してはならんとかいいとかいうことをそこではつきりさせることを目的としてないのでございます。従いまして或る大学が一つの教授組織を持つて或る研究科の課程を考えました場合に、大学設置審議会がその組織では修士課程を認めにくいとか、或いは博士課程が認めにくいという意見があつた場合、その大学としてはそれではやめられるか、或いは更に別の教授を加えて教授力を増強するか、或いはその課程の立て方を立て換えるか、それらのことを大学設置審議会と相談してやつて来て頂いているわけでございます。いずれにいたしましても、そういう審査の際に大学設置審議会の意見と大学側の意見と相談付くでやつております。決して大学側に対して大学設置審議会が人事に関与するというような趣旨でもなく事実もないことだと考えております。
  123. 矢嶋三義

    ○矢嶋三義君 教授資格判定をやるわけですか。
  124. 稲田清助

    ○政府委員(稲田清助君) 教授資格判定はいたしません。どういう教授組織で研究科の構成が考えられているかということは調査いたします。
  125. 矢嶋三義

    ○矢嶋三義君 大学設置審議会でここには大学院を置くのは適当でないというような結論を出す場合には、教授資格審査みたいなことをやつて、あの教授陣容じや駄目だからということで、結論を出されるのじやないでしようか。
  126. 稲田清助

    ○政府委員(稲田清助君) お言葉のように資格判定はいたさないと申上げました。教授資格その他についての調査はいたします。
  127. 矢嶋三義

    ○矢嶋三義君 調査をして、その調査に基いて設置審議会が実質上の資格判定をやつて、そして結論を出すようなことをやつているのじやないですか。
  128. 稲田清助

    ○政府委員(稲田清助君) この教授が研究科に関していいか悪いか、或いはこの教授を排除すべしというような結論は勿論出さないのでございます。これらの教授群では研究が成立たないという審査の結果を出す場合はあり得ると思います。その場合にも十分大学と相談して教授別に他のかたを加えるとか、或いは研究科の構想を他に変え直せばこれだけのかたでいいとか、そういうような御相談をいたすわけでございます。
  129. 矢嶋三義

    ○矢嶋三義君 それでは伺いますが、その資格判定はどこでやるか。更に大学院の人事の取扱は法的にはどこを根拠として、どういう機関でやられるかその点伺います。
  130. 稲田清助

    ○政府委員(稲田清助君) 教授組織の審査は大学院設置審議会がされるわけであります。答申に際して個々の大学から申請せられました書類に基き又或いは実地に行かれまして、十分に大学当局の意向、計画等を聞きまして審査をせられるわけでございます。それからその個々の大学はそれでは申請書に掲げてあるような教授組織をどうしてきめて申請するかと言えばこれは恐らく個々の大学の教授会なり評議会の御相談を経て、そうして申請書というものをお作りになるだろうと思います。その申請書に基いて大学設置審議会が審査をいたします。審査して申請書の記載通り認める場合もございますし、前々から申上げておるように、話合いで申請書の内容が大学の意思を入れて変つて来る場合がございます。変つて参りまして、文部大臣が大津院を認可する、或いは国立大学についても設置審議会の意見を聞いて、この計画でいいといたしました場合には、それから先は人事の問題になつて参りますけれども、大学院のための専任教授というものを入れて、別にこれは任命ではありません。要するに個々の大挙についてどういうかたに大学院教授を関与させるかということは、それは大学自身の問題になつて参ります。
  131. 矢嶋三義

    ○矢嶋三義君 具体的に言えば任免、分限等は教育公務員特例法の第四条を適用して行く、こういうように了承してよろしうございますか。
  132. 稲田清助

    ○政府委員(稲田清助君) 教育公務員特例法の第四条、第六条、第九条を適用いたします。
  133. 矢嶋三義

    ○矢嶋三義君 次にお伺いいたしますが、大学院の定員についてお伺いいたしたいのですが、先ほどあなたの御答弁によりますと取りあえず十二の大学に大学院を置くいずれ将来大学院は拡大されるであろう、こういう意味の答弁をされましたが、七十二の国立大学中、大学院を持たない大学というものは一つもないように、すべての大学に大学院を設けようという方向に進んでおるのか、それとも天野さんが文部大臣当時ときどき発言されておりますが大学院は特殊の大学にのみ設けて、その代りに大学院の定員というものを非常に多くして地方の大学、全部で七十二の大学の学生が充実された大学院において研究ができるようにしたい、こういうことをときどき天野さんが文部大臣のとき発言されておりましたが、いずれの方向をとろうとしておるのか、この点伺います。
  134. 稲田清助

    ○政府委員(稲田清助君) まあ非常に先のことまで考えまして理想的にまあ物事を考えますと、なかなか見通しもつきにくいのでございますけれども、現在においてもともすると七十二の大学、或いは十二万人の大学卒業生が多過ぎるとかいうようなことをまあよく論ぜられるような時期におきましては、差当りすべての大学はこの大学院コースで行くというようなことは直ちには実現しかねるのではないかと思います。そこで先ず私どもといたしましては現在十二の大学が基盤も内容も充実しておりますから、先ずこれを設置することから始めまして、他の大学につきましては大学院設置に先立つてそれぞれの学部を充実することに差当り努めて参りたい。学部が充実いたしました暁におきましては、全国の配置なり各専門課程の種別なりを考えて、又第二の段階の大学院の増設ということも将来はあり得ると思つております。それまで第一着手として、この十二に限つて大学院を置きました場合には門戸を開放いたしまして、他の大学卒業生でも実力があればこれらの大学院に入り得ることにいたしたいと思いまするし、又大学院以外の専攻科という規定もございまするので、そうした向きをとりますものにつきましては専攻科を各大学に充実して参りたいと考えております。
  135. 矢嶋三義

    ○矢嶋三義君 若干関連があるから発言を許して頂きたいと思うのですが、やはり只今の局長の答弁を聞いておりますというと、ときどきそんな考えが出ますように、或いは一、二度どなたかが答弁されたと思うのでありますが、日本の大学を三種類に一つ性格付けをしよう、学問を主体にするものと、教員養成を主とするもの、職業教育を主とするものとの三種類に性格付けをしよう、こういうことがやはり私は軽重があると思う。そうだとすれば私はこの学校教育法の第五章大学の第五十二条の、「大学は、学術の中心として、」云々という学校教育法の第五十二条を私は改正しなければならんのじやないかと思う。それから只今大学院の設置が問題になつているわけですが、第六十五条に大学院の定義付けをしておりますが、私は局長の答弁を聞いておりますというと、今申上げたような感じを持つんですが、更に専攻科の言葉が出ておりましたが、第五十七条に謳われておるところの専攻科、別科というものは殆んど私は活かされていないと思うが、それらの点について答弁をして頂きたい。
  136. 稲田清助

    ○政府委員(稲田清助君) 第一段の問題でございますが、学校教育法第五十二条に書いてございまするが、大学は高等教育の機関でありますると同時に、学術研究機関である。これはもうすべての大学に通じた問題だと思つております。国立の七十二の大学がすべてがこの二つの性格を持つておることは、これは否めない事実でございます。併しながらそのうちに特に或る大学がこの草間研究という点に非常に重点を置くということは、これはあり得ることだと思います。と申しますのは、旧制の大学でございますれば必ず大学には大学院を置いたものでございます。ところが新らしい学校教育法の大学にある大学院は任意設置になつております。ということは、まあいろいろな考え方があると思いますけれども、高等学校以上のあらゆる高等教育機関、従来の専門学校師範学校或いは大学というものをすべて大学といたしました以上、それを全部画一に一つの性格といたしますれば、これはやはり高等教育の目的、社会の要請というような点から見て余りに画一じやないか、そこでこの五十二条の性格はすべて持ちながらそこに又軽重の置き方はあるんじやないか、又同じ学部につきましてもそれぞれ特色をなして行つて、そうして七十二の大学は別に置いたんじやないか、高等教育機関として非常にバラエティがあるんだということも又必要じやないかと思うのです。併しながら私どもといたしましては長い先を見通しまして学術研究という点について、更に更に充実を期しするから、先ず学部を充実し、その実力のできました場合に更にこの研究科の課程を設けるということは漸次拡大し得ることと考えております。それから第二の専攻科の点につきましては、今年初めて学生が出ることであり、まあすべての大学に専攻科の予算も賦与いたしたかつたのでございます。先般御審議願つて成立しなかつた予算におきましても一部は計上いたしましたが、全部まだ計上するに至つておりません。これは将来機会がございますれば漸次各大学に普及いたしたいと思つております。
  137. 矢嶋三義

    ○矢嶋三義君 丁度大臣がお帰りになつて残念なんですが大学学術局長として答弁を私は求めますが、大学に非常に大切な研究費、こういう方面を見ましてもこういう大学院を設けるような大学は講座研究費が行つておる。それは他の一般の新制大学は教官研究費という名目で研究費が行つて、名目が違うだけでなくして研究費に差を付けてある、更に施設費の配分についても相当の差を付けてある。こういうことになりますと、新制大学に入つた学生さんは、その大学におまけに大学院もできないということになりますと非常に浮浪孤児になつて来るわけですね。こういう点は私は日本の大学をどういうふうに編成して行くかという立場から私は相当重要なことだと思うのです。特に先般来予算審議のときも問題になりましたが、大学の施設設備の緊急性というものはつとに叫ばれているわけです。何か今度の暫定予算については昨年の実績の四分の一程度しか予算化しないというようなことを聞いているのですけれども、そういう状況では現在ある大学すらこれは大学の使命を全うし得るように私は持つて行けないと思う。一方では一応潰れましたけれども、学部、学科の増設を相当やつている、こういう点非常に私は割切れない、計画性のない行き当りばつたり的な感じがして非常にひそかに心配しているものなのでずがあなたは文部省で多年そちらのほうをやられておりますし、直接専門家であるし責任者でもあるわけですが、どういうふうに考えておられるのか、若干関連があるので、この際伺つておきたいと思います。
  138. 稲田清助

    ○政府委員(稲田清助君) 只今の御質問のうちには非常に多方面のことを包含されておりますので、或いはお答えを落すかも知れません。第一に大学の間に講座研究費の差等があるという点についての御質疑でございます。これは大学院を置くような大学におきましては研究生もございますし、大体講座に関連いたします研究費を使いますることが他の大学より実際において非常に多いのでございます。自然その必要を満たすという点から見ればこれをまあ充足せざるを得ない。こういう大学院を置かない大学につきましては教授定員の関係から申しまして、従来の旧制大学の想定いたしました学部とは講座の構成が非常に違つております。そういうようなこと及び又学部の教育の方針というような点から見まして自然教室中心になつております。従いましてそういう実態を見て講座研究費を積算し配付いたすわけでございますから自然違つて参るのでございます。ただ将来の問題といたしまして、新設の学部におきましても、更に教授定員を充足いたしましてまあ教室の陣容を整えることによつてその講座研究費の積算の基礎になる人員も増加し得ることと思つております。それから次に講座研究費の単価の問題でございます。これは昨年度の予算においてかなり飛躍的に上げたわけでございます。本年度の予算におきましては講座研究費をめぐる周囲の経費、例えば学生経費であるとか或いは図書費であるとか、或いは旅費とかそういうものを増額いたしたわけでございます。明年度要求いたしまして実現に至らなかつた講座研究費は昨年の暫定予算の十五%増ということで要求いたしておつたわけでございます。決して十分ではないと思うのでございますが、私どもとしては、こうして講座研究費を増し、同時に科学研究費を増しというようなことによつてこの研究の充実を図つて参りたいと思つております。
  139. 矢嶋三義

    ○矢嶋三義君 これで終りますが、不信任された内閣大臣に将来の方針を聞いてもしようがないのですが、あなたは如何なる内閣ができようとも恐らく局長としておられるであろうから、(笑声)私は新たにできた内閣大臣にあなたが善処するために私は要望しておくのですが、ともかく私は今ある大学、これを国庫は臨時費か何か出して、早急に充実せにやならん。それから大学院も七十有余の大学を作つたあの轍を踏むことなく、本当に充実した大学院を先ず作つて漸次拡げるという方針で行かなければ再び私は過ちをやつて、日本の学術の振興に支障を来たすのじやないかと思うのです。大学の施設についても戦災で総坪数の二七%戦災を受けた。ところが現在においてその復旧率は僅かに五八%というわけですね。だから先ずそういうものを復旧して、これにはどんな内閣ができるかも知れませんが、ともかく臨時費くらい、臨時に一年か二年で何百億という金を打出してやらない限りは、五十三億要求して二十億取れた、やれ昨年は十三億でとどまつたと、今度暫定を組むに当つては昨年の実績の四分の一にとどめようとか、或いは三分の一にとどめようとかという、そういう彌縫策ではとても日本の大学は充実しないと思う。大学が充実しなければ大学院というものも充実されるわけがないから、どんな大臣が生れるかわかりませんが、局長責任があるから、私は大臣教育をここで要望しておきます。それに対するあなたの決意もあとでここで伺います。もう一つ最後に伺いたいのは、流れたところの予算案には、この教員養成について予算が配分されていたわけです。具体的に申しますと、例えば体操とか、音楽とかの技能教員が非常に不足しているので、山形、鹿児島大学等五つの大学に特別教科教員養成講座施設費として六百十万円が予算化されておつたわけです。衆議院は通過したのですが、御承知のようにこの予算は流れたわけですが、この教員養成というのは、私は相当緊急性があると思うのです。それを養成するに当つては、この四月から入らなければ工合が悪いわけですね。これはこのたびの暫定予算を編成するに当つては、どうなつているのか、それを承わつておきたい。
  140. 稲田清助

    ○政府委員(稲田清助君) 前段の点につきましては、理想と現実がそれに及ばない点について非常に焦慮をいたしておりますことは、只今の御見解と同様でございまして、私どもは私どもの命においてこの上とも努力いたしたいと思つております。  それから後段の問題につきましては、これは新らしく学部、学科を設置することでありませんので、学生経費のほうを増して暫定予算にお願いいたしたいと思つております。そういうことで生徒をとつておりまして、若し又幸いに従前の計画通りできますればその課程に編入させたいと考えております。
  141. 矢嶋三義

    ○矢嶋三義君 それではこの五つの大学の生徒募集は進行しているわけですね。
  142. 稲田清助

    ○政府委員(稲田清助君) 募集はまだ暫定予算が確定いたしませんと進行いたしませんけれども、募集いたしたいと考えております。
  143. 堀越儀郎

    ○堀越儀郎君 稲田局長にお伺いいたします。大学院の生徒の定員の問題についてお聞きすれば、教授一人当り二名程度の生徒は指導できるだろうということが主であつて、施設とか、そういう点は第二、第三になつて余り支障を来たしておらないようなお話のようでありまするが、私の考えまするのでは、新制大学というものは、前の大学と比べて非常に学力が低下しているということ、これは事実一般に認められています。そして又広く文化の水準を上げることから国立大学が七十二できて多数の大学生ができることは、これは結構だと思います。併し学問の蘊奥を究め、専門的の草間をしようとする生徒があるならば、教授一人当り二人というような標準でなしに学力試験の結果、それなら三人でもこの学生の学力ならば持ち得るという見極めがつけば増すものかどうか。私は増したほうがいいという考えを持つているのですが、局長はどうお考えになつていますか。この基準はどうしても置かなければならないという考えで定員をおきめになつておられるのかどうか。
  144. 稲田清助

    ○政府委員(稲田清助君) これは発足の初めでございますので、果してどのぐらい希望があり、又どのぐらい実力のある者がそれぞれのコースに来るかということの予測がつきませんので、まあおよその基準で定員をきめ構想を練つておるわけでございます。今後実際においてお話のように非常に優秀な者がまあ或る大学のコースを希望する場合いろいろな希望ついてそれだけの受入の実力があるといたしますれば、最初の年次に考えました定員等は将来これは変更して参る、若し又設備その他がそれに応じない場合にありましてはこれを増強いたさなければならないと考えております。
  145. 若木勝藏

    ○委員長(若木勝藏君) それでは本日の委員会はこれで散会いたします。    午後三時三十七分散会