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1953-02-25 第15回国会 参議院 大蔵委員会 23号 公式Web版

  1. 昭和二十八年二月二十五日(水曜日)    午後二時四十三分開会   ―――――――――――――  出席者は左の通り。    委員長     中川 以良君    理事            伊藤 保平君            菊川 孝夫君    委員            黒田 英雄君            小林 政夫君            小宮山常吉君            森 八三一君            野溝  勝君            松永 義雄君            堀木 鎌三君   衆議院議員            川野 芳滿君   政府委員    大蔵政務次官  愛知 揆一君    大蔵省主計局法    規課長     白石 正雄君    大蔵省主税局税    制第二課長   塩崎  潤君    食糧庁長官   東畑 四郎君   事務局側    常任委員会専門    員       木村常次郎君    常任委員会専門    員       小田 正義君   衆議院法制局側    参     事    (第一部第二課    長)      浜中雄太郎君   ―――――――――――――   本日の会議に付した事件 ○酒税法案(内閣提出、衆議院送付) ○酒税の保全及び酒類業組合等に関す  る法律案(内閣提出、衆議院送付) ○木船再保険特別会計法案(内閣送  付) ○外国為替資金特別会計法の一部を改  正する法律案(内閣送付) ○アルコール専売事業特別会計法の一  部を改正する法律案(内閣送付) ○造幣局特別会計法の一部を改正する  法律案(内閣送付) ○旧令による共済組合等からの年金受  給者のための特別措置法の一部を改  正する法律案(内閣送付) ○製塩施設法の一部を改正する法律案  (内閣送付) ○国民金融公庫法の一部を改正する法  律案(内閣送付) ○鉄道債券及び電信電話債券等に対す  る政府の元利払の保証に関する法律  案(内閣送付)   ―――――――――――――
  2. 中川以良

    ○委員長(中川以良君) それでは只今より委員会を開きます。  先ず本日は酒税法案、それから酒税の保全及び酒類業組合等に関する法律案、二案を一括議題といたします。先ず最初に衆議院においてこれが修正をせられましたので、その修正点につきまして説明聴取をいたします。
  3. 川野芳滿

    ○衆議院議員(川野芳滿君) 酒税法案及び酒税の保全及び酒類業組合等に関する法律案に対しましては衆議院ではこれを修正いたしたのでありまするが、今その修正の内容と趣旨を簡単に御説明申上げたいと存じます。  先ず酒税法案について申上げますと、修正の概要は大体次の四点でございます。  第一点は、この法律案の第十二条第二号及び第十四条第二号の規定によりますると、酒類の製造及び販売業者が国税若しくは地方税の滞納処分を受けました場合におきましては、税務署長はそれぞれ免許を取消すことになつておるのでありまするが、酒類関係の免許取消原因としての税の滞納処分について、その税の範囲を現行以上に拡張する必要がないばかりでなく、却つてこれによつて種々の弊害を生ずる虞れさえありますので、これを酒税の滞納処分を受けた場合のみに限定いたそうといたしたのでございます。  修正の第二点は、原案におきましては、指定販売業者の制度は、昭和二十九年二月二十八日まで向う一カ年間存置することになつておるのでございますが、この指定販売業者は政府が数年前に、強制的と申しましても差支えありませんが、政府が指導いたしまして作つた機関でございますが、この機関を一年間にこれをつぶす、こういうようになりますると、或いは掛けの回収の問題、或いは金融措置の問題等において障害を来します虞れがございますので、更に一カ年猶予期間を置く必要があると認められまして、その期間を昭和三十年二月二十八日まで延長しようとするものでございます。  修正の第三点は、配給酒の制度でございますが、原案におきましては向う一カ年を限つて存置しようということになつておりまするが、この配給酒制度は食糧増産の面におきましても、或いは又供出制度の面におきましても必要なものでございますので、この制度を暫くこのまま存続することが適当であると思われますので、これを当分の間延長することにいたそうとするのでございます。  修正の第四点は、雑酒二級に属するもののうち、国内産である甘藷を主原料とする特定のものにつきましては、まだ当分試験生産の域を脱し得ない状態でありまするので、予定の税率では無理があるかと存じますので、向う一カ年を限りまして原案に規定されておりまする税率よりも更に一割程度引下げようとするものであります。  次に酒税の保全及び酒類業組合等に関する法律案の修正について申上げます。この法律案の第三十八条の規定によりますると、定款の変更、解散、合併、組合員の除名、規制の協定等重要なる議決をなす場合におきましては、総組合員の半数以上が出席し、その議決権の三分の二以上の多数による特別の議決を経なければならないことになつておるのでございます。原案のままでは業界の現況並びに将来に鑑みまして、組合の円満なる運営を期しがたいと思われます。殊に原案でございますると、組合の設立要件というものが第十四条によりまして総数の三分の二以上並びに石数が合計二分の一以上なければならないという石数の制限もございます。故に設立要件において石数が掲げられておりまするので、原案のままということになりますると、この設立の要件に石数が掲げられておりますので、組合が設立しないという不安もございますので、これらのことに鑑みまして三十八条におきましても石数を加味することの適当であるということを認めまして、特に定款で定めた場合には、その多数のものの移出石数が総石数の三分の一以上であることを要件とすることができるようにいたそうというのでございます。この場合組合員の除名についてはこれを適用しないことといたしております。以上が修正の大要でございまするが、何とぞ御賛成あらんことを希望いたします。  なお、最後に、この修正は自由党、改進党、社会党両派、無所属一致の修正案たることを附言いたしておきます。
  4. 中川以良

    ○委員長(中川以良君) それでは衆議院側より法制局の浜中課長が見えておられますので、逐条的に一応説明を聴取いたしたいと思います。
  5. 浜中雄太郎

    ○衆議院法制局参事(浜中雄太郎君) 只今提案者から御説明がありました衆議院においてなされました本法案に対する修正の法文上の点につきまして御説明いたしたいと思います。  最初の第十条第二号の修正でございますが、これは次の第十二条第二号及び第十四条第二号の修正に伴う、いわば法文上の整理でございまして、便宜上第十二条第二号の修正点について申上げたいと思います。第十二条は、酒類の製造免許の取消の規定でございまして、各号に取消の基準が掲げられておるのでございますが、只今の御説明の通りに「国税もしくは地方税の滞納処分を受けた場合」、これを「酒税に係る滞納処分を受けた場合」、こういうふうに改めた次第でございます。又第十四条第二号におきましては、「国税若しくは地方税の滞納処分を受けた場合」、これを削りまして、これに伴いまして条文上の整理をいたしまして「若しくは」を「又は」に改めた次第でございます。それから前に帰りまして第十条の第二号の修正でございますが、原案の第十条第二号のこの括弧内でございますが、これは法人が第十二条第二号又は第十四条第二号の規定によつて免許を取消されました場合には、その法人が原案の第十条でございますが、その六号と七号とに該当するに至つた場合に限ることとしているのでございます。そこで第十二条第二号と第十四条の二号で修正がなされたのでございますが、第十二条第二号の規定によつて免許を取消された場合におきましては、国税若しくは地方税が酒税に直つたのでございまして、依然として第六号の場合が該当することができますし、又第七号の規定にも該当することができるのでございます。ところが第十四条の二号の規定によつて免許を取消された場合におきましては「国税若しくは地方税の滞納処分」によつて免許を取消された場合というのがなくなるのでございますから、第六号の規定に該当する場合ということが起きて来ないわけでございます。そこで第十四条第二号の規定によつて免許を取消された場合につきましては、第六号を削りまして第七号に規定する者に該当することとなつた場合、これに限定した次第でございます。  それからその次に行きまして、附則の九項及び第十七項でございますがこれを「第二十五項」を「第二十八項」に改める、これはいわば法文上の整理でございます。これはあとで出て参りますが、三項加わつたのでございます。  それから附則第九項及び第二十一項中の修正でございますが、これは指定販売業者の販売場へ移出する場合における酒税額の特例でございますが、これを原案では「この法律施行の日から昭和二十九年二月二十八日までの間に」と規定してあるのを、一年更に延ばしまして「昭和三十年二月二十八日」というふうに改めたのでございます。  それから附則二十四項でございますが、これは特殊用に酒類の製造場から移出される場合における酒税額の特例でございますが、これにつきましても先ほど御説明がありました通りに「昭和二十八年三月一日から昭和二十九年二月二十八日までの間」、これを「当分の間」というふうに改めたのでございます。  二十三項の次に新らしく二十四項を加えまして、これは指定販売業者が納付すべき酒税がこの期間中にあるわけでございますから、その滞納処分を受けました場合には、税務署長は、酒類の販売業免許を取消すことができる、こういうふうにしたのでございます。又その規定によりまして免許を取消された場合におきましては、十四条二号の規定によりまして免許を取消されたものとみなすわけでございます。この場合においては九条の二号の適用でございますが、これは第十四条二号の場合におきまして、法人につきまして免許を取消された場合におきましては、第七号だけの適用に限られて参つたのでありますが、これを販売業者につきましても酒税の滞納処分によつて免許を取消された場合が起り得るのでございますから、これを「第六号又は第七号」というふうに読替えたのでございます。  それから二十六項でございますが、これはこの法律の施行の日から一年間を限りまして、酒類製造業者が製造いたします雑酒のうちで、ここに掲げてあるものにつきましては、その税率を特にかように一石について一万一千二百五十円というふうに二十二条の特例を布いたのでございます。  それから酒税の保全及び酒類業組合等に関する法律案の修正点でございますが、第五条、第十九条の修正は、第三十八条の修正に伴いますのでございまして、第三十八条の二項といたしまして三分の二以上の多数による議決につきまして、更に製造場から移出した石数の制限を設けたのでございます。この括弧内の「(当該酒造)組合の組合員たる資格に係る種類の酒類に限る。」というふうな規定を置きましたのは、これは第九条の関係がございまして、その要件たる酒類というものは定款で定められておりますので、それ以外の酒類を製造している場合には、それ以外の酒類は合計されないんだということを規定しているのでございます。  それから第五条の規定の修正でございますが、これは三十八条二項におきまして、言わば議決権を実質的に制限するような規定でございますので、特に法律に規定ある場合を除くほかに次の要件を備えなければならない、こういうことをはつきりさせるために修正した次第でございます。  第十九条も同様でございます。  それから第九十条第一項の修正でございますが、これも十九条の修正に合せまして修正いたしたのでございます。
  6. 中川以良

    ○委員長(中川以良君) それでは只今御説明を願いました衆議院側のかたのお引取を願う都合もございますので、先ず修正点の箇所だけに対する御質疑をお願いいたします。
  7. 小林政夫

    ○小林政夫君 只今の御説明ではつきりしておつたと思うのですが、ちよつと聞き漏したので念のために聞きますが、最初の製造業とか或いは販売業の免許をする際には、国税とか或いは地方税の滞納処分を受けたものである場合は免許を与えないことができる、その後に取消す場合には酒税に関する滞納に限ることにしてあるのは……。
  8. 川野芳滿

    ○衆議院議員(川野芳滿君) 新らしく免許を下附する場合には、その程度は厳格にいたしたほうがよかろう、こういうことで原案がそういうことに実はなつておるわけであります。ところが免許を取消す場合におきましては、国税、地方税をこれに加えますことは少し苛酷すぎる、一例を申しますと、地方税を滞納した場合、これに対する滞納の問題等につきましても納得し得ない場合も実はあるわけでございますが、こういう場合におきましても折角かち得たところの免許をそれによつて取消すということは苛酷である。殊に現行法では酒税と、こういうことになつておりますので、それらを加味いたしまして免許取消は酒蔵と、こういうことだけにしたほうが適当であろう、こういうことでやつたわけであります。
  9. 小林政夫

    ○小林政夫君 それで今度新らしく挿入されました附則の二十六項ですが「この法律施行の日から昭和二十九年二月二十八日までの間、」と向う一年に限られた理由は……、発ぽう酒の税率を。
  10. 川野芳滿

    ○衆議院議員(川野芳滿君) 実は普通発ぽう酒と申しておりますが、これは現在研究時代でございまして、一年も経てば或る程度研究の域を脱するのではなかろうか、こういう考えで先ず一年と、こういうことにいたしたわけでございます。
  11. 小林政夫

    ○小林政夫君 これは愚問になるかも知れませんが、私販売組織をよく知らないんで……。租税特別措置法においては「当分の間」という修正になつておるわけですね。それに一方指定販売業者のほうははつきり二年ということになつておる。この点はどうですか。
  12. 川野芳滿

    ○衆議院議員(川野芳滿君) 実はこの指定販売業者にいたしましても当分としたら如何かと、こういう議論は実は強かつたのであります。併し原案が一年となつておりますので、そういう点を加味いたしましてまあ妥協と申しまするか、そういう点で一カ年延長、こういうことに実はなつたわけでございます。
  13. 小林政夫

    ○小林政夫君 ですがその指定販売業者のこれから二年認めようということと、租税特別措置法によつて特別な、その特殊用途酒類の軽減措置ですね、これとはうらはらじやないですか。
  14. 川野芳滿

    ○衆議院議員(川野芳滿君) これは別個の問題でして、特殊用途は御承知のように食糧増産用とか、或いは供出完遂、曾つては石炭等の労務者にも出したことがあるわけであります。こういう酒でございますので、これはまあ当分の間ということで、実は当分と、こういうことにいたしたわけであります。
  15. 小林政夫

    ○小林政夫君 そうすると今の特殊用途酒類は、今度指定販売業者というものがなくなれば、二年後は一般の販売業者に扱わすこともあり得るのですね。
  16. 川野芳滿

    ○衆議院議員(川野芳滿君) これは大蔵省のほうでどうされるかわかりませんが、卸売業者に特用酒を扱わせる、こういうことにいたしますか、或いは酒造家に直接扱わせることにするか、これはまあどちらでもできると思います。これは大蔵省当局の考えによつてそういう点はきまると、こういうふうに考えております。
  17. 小林政夫

    ○小林政夫君 一応この際その点についての、今修正直後だから大蔵省のほうにお聞きになつてもわからないかも知れませんが、その点についての大蔵省の考え方を伺いたい。
  18. 愛知揆一

    ○政府委員(愛知揆一君) 今の小林さんのお尋ねは最後の一点でございますか。
  19. 小林政夫

    ○小林政夫君 そうです。
  20. 愛知揆一

    ○政府委員(愛知揆一君) それでは塩崎政府委員から……。
  21. 塩崎潤

    ○政府委員(塩崎潤君) 只今川野議員からお話がありました通り、特殊用途酒類と指定業者の制度は別個の制度でございまして、修正案によりまして指定販売業者制度は二年後になくなるわけでありますが、特殊用途酒類をその後存続する場合には、現行特殊用途酒類の運営が末端におきまして、特殊用途酒類の配給を受ける者から切符をもらつて来たものを集めまして、これを卸売業者のところに持つて行き、それを製造業者のところに持つて行つて免税して行くということになりますので、指定販売業者がなくなりましても、その切符を集めることによりまして、一般業者も扱うことによつてこの配給制度は支障なく運営できる、こういうふうに考えております。
  22. 中川以良

    ○委員長(中川以良君) ほかに御質疑ございませんか。
  23. 黒田英雄

    ○黒田英雄君 指定販売業者の一年と原案にあるのを二年と修正なすつたのでありますが、これに対しては、只今の御説明では、指定販売業者は或いは経理の都合とかその他いろいろな事情があり一年ではむずかしいだろうから二年にするというような御説明だというふうに承わつたのですが、そうですか。
  24. 川野芳滿

    ○衆議院議員(川野芳滿君) その通りであります。
  25. 黒田英雄

    ○黒田英雄君 さようであれば、つまり二年あればもう指定販売業者も整理をすつかり完了するということは、一年でも私はできると思いまするが、まあ二年ということになりますれば勿論できると思いますが、それ以上は勿論要しないものということは衆議院の御修正になつたかたがたも十分お認めになつていることと存じますが、如何ですか。
  26. 川野芳滿

    ○衆議院議員(川野芳滿君) 修正の案が通過いたしましたら、これ以上その期間を延長する意思はございません。
  27. 中川以良

    ○委員長(中川以良君) ほかにございませんか……。それでは修正案に対する質疑は打切つてよろしうございますか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  28. 中川以良

    ○委員長(中川以良君) それではさように決定いたします。   ―――――――――――――
  29. 中川以良

    ○委員長(中川以良君) 次に、木船再保険特別会計法案、外国為替資金特別会計法の一部を改正する法律案、アルコール専売事業特別会計法の一部を改正する法律案、造幣局特別会計法の一部を改正する法律案、旧令による共済組合等からの年金受給者のための特別措置法の一部を改正する法律案、製塩施設法の一部を改正する法律案、国民金融公庫法の一部を改正する法律案、鉄道債券及び電信電話債券等に対する政府の元利払の保証に関する法律案、以上八案を一括議題として、先ず提案理由の説明を聴取いたします。
  30. 愛知揆一

    ○政府委員(愛知揆一君) 只今議題となりました木船再保険特別会計法案外七法律案につきまして、その提案の理由を御説明申上げます。  今回政府は、船主相互保険組合法に基き木船相互保険組合が経営しております木船保険につきまして、その普及発達を図るために木船再保険法案を提出して御審議を願つているのでありますが、この木船再保険法を実施することとなりまする場合には、政府の再保険関係の経理を明確にするため、一般会計と区分して新たに木船再保険特別会計を設けることが適当と考えましてこの法律案を提出した次第であります。  次にこの法律案の概略について申上げますと、この会計におきましては、再保険料、木船再保険法第十三条の規定による納付金、同法第十六条による一般会計からの繰入金、借入金その他を以て歳入とし、再保険金、再保険料の払戻金、借入金の償還金及びその利子、一時借入金の利子その他を以て歳出とするほか、この会計の予算及び決算に関し必要な事項を規定しております。  次に、外国為替資金特別会計法の一部を改正する法律案について提出の理由を御説明申上げます。  外国為替資金特別会計におきましては、毎会計年度の決算上の剰余金があるときは、これを一般会計の歳入に納付することとなつておるのでありますが、この会計においては、外国為替相場の変動等に伴い損失を生ずる虞れがあり、これに備えるため、当該剰余金のうち、必要な金額を積み立てることが適当であると考えられるのであります。  以上の理由によりまして、この会計の毎会計年度の決算上の剰余金は、予算の定めるところにより一般会計へ納付するもののほか、この会計の積立金として積立て決算上不足を生じたときは、先ずこの会計の積立金を以て補足することといたした次第であります。  第三に、アルコール専売事業特別会計法の一部を改正する法律案の提案の理由を御説明申上げます。  従来アルコール専売事業特別会計の負担において行なつて来た発酵研究をより総合的見地から運営して発酵工業の育成に資する目的を以ちまして、昭和二十八年度から一般会計の負担において、これを行うこととするため、アルコール専売事業特別会計法の一部を改正しますと共に、同研究を行なつている発酵研究所の用に供している財産を一般会計に無償で譲渡しようとするものであります。  第四に、造幣局特別会計法の一部を改正する法律案について提出の理由を御説明申上げます。  造幣局特別会計におきましては、補助貨幣回収準備資金を置き、政府が補助貨幣を発行した場合においては、その価額に相当する金額を回収準備資金に編入し、以て補助貨幣の回収準備に充てて来たのであります。而して補助貨幣の製造に要する経費並びにこの会計の固定資産の拡張及び改良に要する費用につきましては、一般会計から繰入を行なつて来たのでありますが、補助貨幣回収準備資金の状況及び一般会計の財源の必要から見て、これらの一般会計からの繰入を取りやめ、これを回収準備資金から賄うこととするものであります。なお、右の改正に伴い、従来一般会計に納付することとなつておりました同会計の決算上の利益金については、これを回収準備資金に編入することに改めようとするものであります。    〔委員長退席、理事伊藤保平君委員長席に着く〕  第五に、旧令による共済組合等からの年金受給者のための特別措置法の一部を改正する法律案につき提案の理由を御説明いたします。  現在の旧令による共済組合等からの年金受給者のための特別措置法は、旧陸海軍共済組合及び外地関係共済組合等の組合員であつた者で年金受給権を有していた者に対しまして年金を支給することとなつているのでありますが、これらの組合の共済組合規則は各組合間でまちまちでありましたため、同様の状態にありながら、一方は年金受給権を持ち、他方は受給権を持たないという不均衡を生じていたのであります。例えば、旧海軍共済組合規則では二十年以上の勤続者であれば脱退年金の受給権があるのに対しまして旧陸軍共済組合規則では二十年以上の勤続者であつても四十五歳未満で脱退した者には年金の受給権がないものとされていたのであります。このような不均衡を是正するために、旧陸軍共済組合及び外地関係共済組合の組合員であつた者のうち、昭和二十年八月十五日において組合を脱退したものとして国家公務員共済組合法の規定を適用したとすれば同法の規定により退職年金を受けることができた者について、同法による退職年金又は遺族年金に相当する年金を支給することといたしたのであります。  なお、旧陸軍兵器廠職工扶助令の適用を受けていた者のうち、昭和二十年八月十五日において二十年以上勤続していた者についても同様の措置を講ずることといたしたわけであります。  第六に、製塩施設法の一部を改正する法律案につきまして、その提案の理由を御説明申上げます。  この法律案の概要を申しますと、先ず、塩田等の災害復旧事業を行う際、原形復旧が著しく困難又は不適当なときは、これに代るべき施設を設ける必要がありますが、この場合、原形復旧に必要な金額を超過する部分、即ちいわゆる超過事業費についての補助率は、現在、原形復旧の部分についての補助率より一割低くなつておるのであります。併しながら製塩施設の一層の保全を図る必要がありますので、補助率についてのかかる区別を取り止め、超過事業費についても原形復旧と同じ率を適用することといたしたのであります。  次に、その年に発生した災害により甚大な被害を受けた地域の災害復旧事業につきましては、現行の補助率では事業施行者がその負担に堪えられない状況にありますので、国内製塩を確保するため、災害復旧事業費が政令で定める額を超える場合には、その部分についての補助率を引上げることといたしたのであります。  第七に、国民金融公庫法の一部を改正する法律案につきまして、その提案の理由を説明いたします。  国民金融公庫は、昭和二十四年六月資本金十三億円を以て発足して以来、国民大衆の旺盛な資金需要に応じて、その後数次に亙つて増資を行うと共に資金運用部資金の導入に努め、本年一月末においては、資本金百三十億円、資金運用部借入金六十億円の資金量を以て約三百二十六億円の貸付を行なつたのでありますが、昭和二十八年度におきましても、公庫に対する資金需要は相当多額に上ることが予想されますので、昭和二十八年度予算において一般会計から三十億円を公庫に出資することとし、これに伴つて公庫法の資本金の規定を改正することにいたしたのであります。これにより昭和二十八年度においては、出資金三十億円及び資金運用部借入金五十億円計八十億円の新規資金のほか、既往貸付金の回収金百六十一億円を加えて二百四十一億円の資金のうち十一億円を資金運用部に返済して、なお二百三十一億円の貸付が可能となるわけであります。  公庫の資金量の増大に伴い、公庫の業務を一層円滑に行う必要がありますので、更に次の諸点について公庫法の改正を行うことといたしたのであります。即ち、事務所の設置に関する制限規定を削除すると共に、公庫の資金調達に弾力性を持たせるため、借入金についての公庫法における予算上の制限を緩和することといたしたのであります。又公庫の役職員の身分につきましては、さきに国家公務員法の適用から除外したのでありますが、今回更にその退職手当につきましても国家公務員の例によらないこととすると共に、国家公務員共済組合法の適用を除外し、所要の規定を設けることにいたしたのであります。  最後に鉄道債券及び電信電話債券等に対する政府の元利払の保証に関する法律案について提出の理由を御説明申し上げます。  別途御審議を願つております昭和二十八年度政府関係機関予算におきましては、日本国有鉄道及び日本電信電話公社は、それぞれ鉄道債券百二十億円及び電信電話債券百億円を公募して、その収入を以て改良工事その他施設工事関係の経費の財百源に充当することが予定せられております。  政府といたしましては、これらの債券の募集を円滑ならしめるため、債券の元金及び利子の支払について保証をすることが適当であると考え、これらの債券の元利支払について政府保証の規定を設けると共に、これらの者の外貨による長期借入金についても併せて保証する規定を設けようとするものであります。  以上が右八法律案を提出いたしました理由であります。何とぞ御審議の上、速やかに御賛成あらんことを御願いいたします。
  31. 伊藤保平

    ○理事(伊藤保平君) 只今提案の理由の御説明がありました、八案につきましてはあとに廻しまして、この際酒税法案及び酒税の保全及び酒類業組合等に関する法律案について質疑を行います。
  32. 松永義雄

    ○松永義雄君 私のこれから質問することは、恐らくよその委員会においても繰返し質問されたことで、重複の虞れがありますが、簡単に質問いたしまして簡単な御答弁で結構だと存ずるのであります。  農林省は昨年来五カ年増産計画を立てておられますが、ところがその五カ年計画が潰れて、何カ年計画かに変更を見ようといたしておるのであります。一体どういうふうにその計画は変つて参つておるのでありますか、大体の説明で結構です。
  33. 東畑四郎

    ○政府委員(東畑四郎君) 農林省内部におきまして五カ年計画というものを一応作りまして、食糧増産を達成しようという案を実は持つておつたのであります。このこと自体は財政とも非常に関係がございますので、政府部内においていろいろ論議を重ねました結果、その初年度が本年度の予算案に出されておるのであります。それは当初農林事務当局が持つておりましたものよりは縮減をされておるのであります。本年を出発点といたしまして、更に今精細な検討をいたしております。いずれ本国会中に政府としての正式な考えなり、計画を達成いたして行けるものと考えております。只今のところまだ最後案が決定いたしておりません。初年度の増産は二十八年度において二百八十六万石ということはたびたび本国会でも申上げているのであります。
  34. 松永義雄

    ○松永義雄君 五カ年計画によると、昭和三十二年には五百五十万石の増産になるという計数を発表されておるのであります。ところがその五カ年計画が破れたために、昭和三十二年にはそれだけ減るわけになるので、雑穀を以てこれに置き換えると、こういうような話があるのでありますが、その通りですか。
  35. 東畑四郎

    ○政府委員(東畑四郎君) 開拓なり開墾によりまして、増産をいたします場合に、どういう作物をこれに植え付けるかということは、これはなかなか計画と実際というものとは大変むずかしい実は問題でありまして、従いまして只今検討いたしておりますのは、米麦のみならず、食糧甘藷等を含めまして、増産上開拓をいたします場合は、甘藷ができるという場合は甘藷もその増産の役を買つて出るのであります。雑穀等も当然これは含まれているのであります。米麦ができなかつたから雑穀を以てこれに振替えたんだという考えはないのでありまして、開拓等をいたします場合においては食糧増産計画の中に雑穀等の品種もこれは入つて参る、それも計画の中に当然含まれて来ることは止むを得ないのじやないかと、こういうふうに考えております。
  36. 松永義雄

    ○松永義雄君 ともかく昭和三十二年度においては、それだけ米麦の増産が五ヵ年計画の予定に達しない。それを補うのに他のものの増産を図らなければならんといつたような状態になつているのに、今日ここに二十万石という米を酒に使わなければならないということも実はよくはわからないのですが、そのように国民は相当長い間僅かの米の消費量で満足して行かなければならないことになるのですか。
  37. 東畑四郎

    ○政府委員(東畑四郎君) 酒米は二十八年度予算におきましては、一応九十四万石、十四万一千トンということに実はなつております。昨年から比べますと、二十万石の増加になります。米自体が足らないのに、二十万石殖やしたのはどうかと、こういう御意見のように拝聴いたすのでありますが、我々といたしましても酒自体はこれはやはり生活の必需品でありまして、その酒の主たる原料がやはり米であるということも、これは又止むを得ないのでありまして、勿論主食そのものとして米が、殊に内地米が非常に足りませんので、これの計画につきましては、過去四百万石程度も要つた当時から比べますと、圧縮に圧縮を重ねて参つたのであります。本年度においても事務的にいろいろ折衝いたしまして、幸い集荷等も本年は昨年に比べまして非常によろしいので、輸入量につきましても現に計画として減らしております。その間の事情等を考えまして、十四万一千トン、九十四万石程度あれば、今日の食糧の需給面からしてもまあよろしいのではないか。その他大蔵省関係のことは又別といたしまして、農林省の物量的な面からいつても先ず我慢はできるのではないかというぎりぎりの限度として、我々としても納得をいたしておる次第でございます。
  38. 松永義雄

    ○松永義雄君 そうすると、二十万石殖やしたというのは、昨年の収穫を標準にとつてなされたということになるのですか。
  39. 東畑四郎

    ○政府委員(東畑四郎君) 当初は一応七十四万石程度を考えておつたのでありますが、本年の集荷、供出状況等がわかつてから、これは折衝をいたしまして増加をいたしたというのが現実でございます。当初予算を補正の上で修正をいたしておるのでございます。来年度予算等におきましては、本年通りということで一応計画をいたしておるような次第でございます。
  40. 松永義雄

    ○松永義雄君 昨年は非常に増収であつた、収穫量が非常に多かつたというのでありまして、殊に災害なんかは先ずなかつたと言つても過言ではない。そういう年を標準にして二十万石というものを生み出して来られたと、こういうことになるのですね。
  41. 東畑四郎

    ○政府委員(東畑四郎君) 酒米の量は、実は毎年大蔵、農林両事務当局の間で話合いをして量をきめて行くのでございます。予算としては、本年の当初におきましては七十四万石というものを予定いたしておりましたが、補正のときにこれは修正をいたしました。来米穀年度といいますと、今年の十一月から先でありますが、そのときにどれだけの量を酒米の量といたすかはきまつておりませんが、予算としては一応本年通りということで計上をいたしておるような次第でございます。
  42. 松永義雄

    ○松永義雄君 それだとすると、その年によつて変るので、殖えるときもあれば減るときもあると、こういうふうに考えていいのですか。
  43. 東畑四郎

    ○政府委員(東畑四郎君) 終戦以来減らした例はございません。年々実は増加をして来ているのが、これは事実でございますけれども、我々としましては、只今のところは予算通り実行いたしたいというふうに考えておる次第でございます。
  44. 松永義雄

    ○松永義雄君 御承知の通り日本の産業構造というか、日本の復興の基盤を作るためには、食糧の増産とか資源の開発だとか、こういうことが国の内外において言われておるので、極めて増産が必要だということになつて来ておる。然るにそういつたときに、全収穫量から、或いは輸入量から比較すると、二十万石くらいは大したことはないのだと、こう言われたのですが、併しその心がけというものは、まだ日本はそこまで行つておらないのではないかとまあ我々は考えるのですが、あなたの一つ増産に関するお考えをちよつとお聞きしておきたい。
  45. 東畑四郎

    ○政府委員(東畑四郎君) 二十万石という米の量は、これは相当量でございます。従いまして、酒米といたしましても、我々としまして、なかなか大蔵省の御要請になる量だけは食糧需給面から見ていつもやむなくお断わりしておるような次第でございます。本年度もいろいろ折衝いたしました結果、話がつきましたのが二十万石増でございます。そうやすやすとこれはできるものではございません。食糧需給面から見ますと最高の限度であると、こう実は考えております。だんだん食糧が事実問題として緩和いたしておりますけれども、我々といたしましては、内地米そのものは絶対的に足らないということで、増産を励んでおります。同時に遺憾ながら闇等のものもございます。又酒等についても闇等がありまして、やはり酒そのものが合理的に殖えて参りますこと自体も又食糧そのものの安定にもなる等の問題もあります。いろいろ折衝の結果なつた数字でございます。
  46. 松永義雄

    ○松永義雄君 これは大蔵省の造石量の米の必要量の要求額というものは、あなたの認めておるぎりぎりのところよりは非常に多いような石数に来ているのですが、どれくらい大蔵省は一体農林省に対して酒米を出せと言つて要求して来ているのですか。
  47. 愛知揆一

    ○政府委員(愛知揆一君) 私のほうで食糧庁にお願いをいたしましたのは、今期については大体百万石程度でございます。それが今東畑長官の御説明のように、食糧庁のお立場からいたしまして、二十万石増の九十四万石という程度で我々も了承いたしたわけでございます。
  48. 松永義雄

    ○松永義雄君 それから、補給金が今度減つておりますね、三百二十億ですか、それは端的に五カ年計画に基いての額なんですか、それともそういうことを考えないでやつた額なんですか。
  49. 東畑四郎

    ○政府委員(東畑四郎君) 補給金が減つておりますのは、やはり輸入量そのものを実は減らしておる結果なのでございまして、米等につきましても九十六万トンという実は計画をいたしております。二十八会計年度におきましては九十六万トン、二十七会計年度では百五万トンであつたのでございます。その米を九十六万トンにいたしましたのが、補給金が減りました大きな基礎でございます。
  50. 松永義雄

    ○松永義雄君 麦においても輸入量が減つておるのですが、一体来年度の国内の需給からこれだけ量を減らしてもやつて行けるということですか。
  51. 東畑四郎

    ○政府委員(東畑四郎君) これは会計年度で実は申上げておりますので、下半期は本年の米作が非常に影響をいたして来るわけでありまして、いつもこういう計画につきましては平年という形で計画をいたしておりますので、普通の形でございますればこれだけでやつて行ける、非常な凶作でもあるとこれ又違つて来るのは農業の立場上止むを得ないのでございますが、平年でございますれば、我々としてもこの程度でやつて参るという計画をいたしております。
  52. 松永義雄

    ○松永義雄君 平年度でなさると、こう言うなら、長官がそう言うのだから、それはそうなさるのでしようが、先ほどお聞きしておるのは、五カ年計画というものを目度にして輸入量を減らされておるのかどうかという点を聞いているのですけれども……。
  53. 東畑四郎

    ○政府委員(東畑四郎君) 五カ年計画で当初考えておりました点と今回と、初年度につきましてはそう大きな実は影響の差はございません。五カ年先に行きますると、非常な大きな差が出て参りまして、当初考えておりました案で行きますと、五ヵ年先は相当輸入量が減るわけでございます。それを或る程度食いとめますことによりまして、輸入量がそう急激に減らないという結果は出て参るのでありますが、初年度、特に二十八会計年度等におきましては、五カ年計画の初年度でございますので、そう大きな全体についての計画に大きな影響はないのでございまして、百五万トン程度を九十六万トンにするということさえも、本年の豊作自体が相当大きな影響を来たしておるというのが事実でございます。
  54. 松永義雄

    ○松永義雄君 そうするとあれですか、これには五カ年計画という意味は全然入つておらない、こういうことなんですか。たとえ初年度において増産量が少いといつても全然五カ年計画ということを考慮に入れない計算で輸入量を減らしてやられるわけですか。
  55. 東畑四郎

    ○政府委員(東畑四郎君) いや、勿論五カ年計画のうちの本年度予算等でいろいろ計画をいたしておりました増産見込量というのがございます。その見込量は勿論これに織込んでございます。それは二百五十六万石程度を米麦を通じて考えております。それは当然増産を予定いたしまして、米麦共に考えておるという次第でございます。
  56. 松永義雄

    ○松永義雄君 初年度はそれほどの増量はないから、昨年の収穫量によつて何とかやりくりはつくでしようが、計画の二年度、三年度になつて来れば、こうした五カ年計画も無論輸入量にしても、そういう予算は立てられないということになるわけですね。
  57. 東畑四郎

    ○政府委員(東畑四郎君) いずれこれは食糧全体の増産に関する法案を御審議願うときに御説明いたすことになりますが、財政資金というものとどうしても関係して参ります。当初農林省が考えておりましたような増産を期待することはこれはなかなかむずかしいと思います。従いまして輸入量等につきましても勿論漸次減らして参るのでありますけれども、減り方が当初の五カ年計画よりは少い、こういう結果が出ることは止むを得ないんではないかと思つております。
  58. 松永義雄

    ○松永義雄君 農林省の五カ年計画によりますと、昭和三十二年度には五百五十万石でございますから、それに見合う場合、一トンは六石ですか……。
  59. 東畑四郎

    ○政府委員(東畑四郎君) 六・七石です。
  60. 松永義雄

    ○松永義雄君 そうすると概算七、八十万トンの輸入量が減るということになるわけですね。そうするとそれだけ補給金が減つて来るという計算になると思うんですが、その通りですか。
  61. 東畑四郎

    ○政府委員(東畑四郎君) 今後のまあ価格政策をどうするかという問題と実は非常に関係して参りますけれども、価格が仮に変わらないということになりますれば、今松永さんの言われましたようなことになると思います。
  62. 松永義雄

    ○松永義雄君 そうすると先ほど申上げたように、日本の建直し、二十八年度より独立した国としての産業構造としては、農業とまあ資源開発或いは動力の増加と、こういうことを考えるというのですが、一体そうした大局の目的からも外れて行くというふうに……、これはまああなたに御質問することか或いはもつとほかのかたに御質問することかどうか知りませんが、そういうことになつて行くと私は考えるのですが、如何ですか。
  63. 東畑四郎

    ○政府委員(東畑四郎君) どうも問題が少し全体に触れて参りまして、私の実は権限を越えますので、お答えするのは差控えたいと思います。
  64. 松永義雄

    ○松永義雄君 大体それでわかりましたが、農林大臣だが、廣川さんが最近の自由党内部の関係もあるかも知れないが、少し腰が弱過ぎるし、こうした感情問題でなく、大局の点からその線を外してると、そういつた腰の弱いことで日本の復興なんということはできつこないんですがね。この頃健在なんですかどうか、一つ……。(笑声)質問を終ります。
  65. 野溝勝

    ○野溝勝君 簡単に二、三点……二、三点というか五、六点というか、御質問さしてもらいたいと思います。  先ず食糧庁長官にちよつと先にお聞き上ますが、密造酒はどのくらいありましたか、大体密造酒の件数と扱つた石数について、一つお知らせ願いたいと思います。
  66. 塩崎潤

    ○政府委員(塩崎潤君) 密造酒の算定につきましては私ども何年かやつて来ているわけでございますが、事柄の性質上正確なる数字はつかみ得てないわけでございます。大体私どもの計算といたしましては、百五十万から二百万石ぐらいあるのではなかろうか、こういうふうに考えております。それによつて失われておりますところの酒税額は大体三百億から四百億、これはもう非常に自信を持つて言える数字じやございませんが、この程度の密造が現在におきますところの正規の酒類の供給額、それと戦前の正常な状態におきますところの酒の供給額との差額等を勘案しまして出しました数字がその程度でございます。併しこれは先ほどから申上げておりますように、正確に自信を持つた数字であるということは確言できないわけでございます。そのような見積りになつております。
  67. 野溝勝

    ○野溝勝君 只今御説明がありましたが、まあこれは予想石数だと思うのですが、その予想石数の根拠はどんなところにあつたのですか。予想石数の予想根拠は……。
  68. 塩崎潤

    ○政府委員(塩崎潤君) 大体こんなふうな計算をいたしておりますが、これがいいか悪いか、大体昭和九―十一年ぐらいの人口を以ちまして、そのときの正規の酒類の供給石数を割つて正規の酒類の消費高を出す、併しそのときにおきましてなお一部の農村等におきましては密造酒が予想されたのでございますが、そのときに予想されます密造酒類を若干、数量は少ないようでありますが、これを予想いたしまして加える、これを最近におきますところの人口と、昭和九―十一年に比べまして大体三割がた伸びておりますので、人口を基礎といたしまして大体戦前に……正常な基準年度と私ども言つておりますが……そのときの一人当りの消費量の、大体消費生活水準が九七とか九五と言つておりますので、これだけの消費水準はそのくらいに押えられているだろう。こういたしまして、戦前基準年度の一人当りの人口消費量の九七とか九五でございましたか、このあたりの数字を出しまして現在の人口にかける、それと正規の酒の供給高を差引きまして密造酒の数字を出した。大体ラフな計算でございますが、そんな程度から推算いたしているわけであります。
  69. 野溝勝

    ○野溝勝君 そうすると大体戦前よりは相当の密造酒が上廻つた予想なんですけれども、大体この上廻つた理由というものについて、何か当局では検討なり調査なりしたことがございますか。
  70. 塩崎潤

    ○政府委員(塩崎潤君) 理由といたしましては、私どもの考えておりますところは、先ず第一に酒の製造事情が戦争中から戦後にかけまして原料の不足のために、特に食糧不足のために原料が制約されておりまして、正規の酒の供給が少なかつた。それと同時に財政事情から行きまして、酒の税率がその他の物価水準に比べまして現在でも相当、改正案によりましても相当高いわけでございますが、平均の物価の上り工合を遥かに上廻つておる状況であります。この大体二点、それから戦後遵法精神が若干弛緩いたしまして、免許制度の関係で密造酒が殖えた、こういうふうに私ども考えております。
  71. 野溝勝

    ○野溝勝君 今大体私の想像も、今御答弁のあつたように、戦争中は非常に石数……、生産量に非常な制限があつた結果思うように手に入らんということ、それから今お話があつたように、価格が非常に高過ぎて思うように飲めないといいますか、そんなことだと私は思う。結局そのうちで私は依然として今日も、生産が自由になり口に入るようになつて来た今日におきましても、依然としてまだ密造酒が多いのです。そうすると生産が多くなつて来て密造酒が依然として続いておる。それは全部なくなるということはありませんが、前よりまだやはり多くなつて来ておる。そうすると結局私は高くて口に入らんというところに結論を持つて行かなければならんと思うのですが、こういう解釈はどうでしようか。違つていますかな。
  72. 塩崎潤

    ○政府委員(塩崎潤君) 改正案によりましてもなお高いので、なかなか密造酒は駆逐できないのではなかろうかというようなふうに私伺つたのでありますが、私どもといたしましては、今回の改正案が密造酒駆逐という大きな狙いから、特に大衆的な酒については減税の幅を相当大きくしておるわけであります。その一例としまして今密造酒として一番大きいのは、御承知の通り焼酎の販売用に流れているところの密造酒でございます。このあたりの密造酒の価格が、大体私どもの正規の酒類の焼酎のアルコール度数は二十五度くらいでございますが、この二十五度くらいの焼酎になりますと大体三百円程度、それから度数の少い二十度程度のアルコール分の焼酎につきましては、二百二、三十円こういうふうに差が出ておりますので、今回の改正案につきましては二十五度の焼酎については三百円、それから新らしく二十度の焼酎の制度を設けましてこれにつきましては大体価格は二百二、三十円程度になるような税率を設けております。なおそのほかに、この程度税率を下げたのであるから、なお他に農村或いは重要産業に行つておりますところの特別配給用酒類、こういうものもやめたらどうだという意見もあつたのでありますが、密造酒の状況を考えまして、只今申上げました二十五度焼酎の税率の八掛くらいの税率に引下げ、二割安いような税率の焼酎を出しまして、その他清酒、合成酒につきましても、三割引くらいの安い税率を適用しました酒類を出しまして密造酒の駆逐をいたしたい、こんな点を考慮いたしますと、今回の改正案が実施されました後には、相当程度の密造酒は駆逐できるのではなかろうかと、こういうふうに考えております。
  73. 野溝勝

    ○野溝勝君 では次にお聞きするのですが、大蔵省は先ほど農林省に向つて酒米の百万石増配を要求したということを聞くのですが、百万石増配を要求したその根拠といいましようか、その意図はどういう点にあるのですか。
  74. 塩崎潤

    ○政府委員(塩崎潤君) 御承知の通り、戦前におきましては、酒類の大部分は清酒でございまして、そのときにおきまして清酒の原料として使用されておりましたところの米は相当な数量に上つたわけでございます。先ほどから何度も申上げておりますところの、昭和九年―十一年の基準酒類年度におきまして、三百四十四万九千石というような大きな数量もございました。最高においては大体六百万石程度の米が使用されたことすらあつた状態でございます。何と申しましても、清酒の消化状況と申しますか、清酒の嗜好が日本人に合いまして、収入は清酒によつて上げるのが一番確実であるというようなことも言われておりますので、私どもといたしましては成るべく清酒によつて上げたい。併し何と申しましても、食糧事情から言いましても、農林省に御無理をお願いするわけには参りませんので控え目な要求をいたしております。それで一時は昭和二十二年に三十三万四千石というような少い数字になつたのでございます。食糧事情の改善に伴いまして、だんだんと大目にして頂きまして、大体それで今回は百万石程度にして頂れば先ず先ず財政上から見ていいのじやないかと、こういうふにう考えるわけであります。それにいたしましても、戦前の数字の三分の一に満たない数字でございます。私どもといたしましては成るべく米だけで酒を造るという気持だけを持つておるのではございませんので、清酒造石と申しましても、原料入手の容易な甘藷によりまして相当量のアルコールを造り、これによりまして清酒に混ぜてしておるような状況でございます。併しいずれにいたしましても日本人の嗜好上から見まして、この程度の数字は是非お願いいたしたいと思う次第でございます。
  75. 野溝勝

    ○野溝勝君 ちよつと東畑さんにお伺いしたいのですが、食糧事情が依然として窮屈なことは迷惑でございますが、この酒の造石も清酒から、濁酒から、合成酒から、焼酎から、味醂から、白酒から、ビールから、果実酒から、雑酒から、こう十種類もあるらしいのでございますが、これは何を造ろうと自由でいいのでございますが、このうち米を原料とせないものもあります。米を原料としているものもあるのですが、一体農林省は大蔵省から米の増配なりの要求があつた場合に、どの一体酒を国民生活に必要であるという意味において、尊いお米を、少い中において大蔵省へ廻しておるのですか。そういうことは全然見当なく、いわゆる大蔵省から要求があつた場合に、まあこれぐらい出せるという目見当で出しておるのですか。どういうお気持ですか。
  76. 東畑四郎

    ○政府委員(東畑四郎君) 酒そのものの予定は大蔵省のほかでやつておるので、我々事務当局といたしましても酒そのものについてこうしろ、ああしろということは一切申上げ得られないのですが、米自体が非常に苦しいものでありますので、大蔵省の御要求通りは差上げ得られないのでありますから、米を使わない酒というものができますれば我々として非常に有難いのであります。粉食奨励をいたしておりますが、今なかなかむずかしくて、内地米……、外米ですら米を食いたいという感じは変りませんと同様に、酒もやはり米で造つた酒が一番需要が多いという実情は、これ又無視するわけに行きません。酒は農村におきましても飲んでおりまして、やはり相当数量のものを安定する必要があります。農林省といたしましても米以外のもので酒を造るべきであるということを、現実問題としてはそう強く主張できないのではないかというように考えます。
  77. 野溝勝

    ○野溝勝君 そこで大蔵省の考えも農林省のお考えも国民生活に必要なものとして考えている点では一致しており、又そうだと私も思つております。併し国民生活に必要なものであるというふうに考えておられるならば、その大事な原料が一番どういう方面に利用されたほうが最も国民生活のためになるかという見解ぐらいは、これはありそうなものだと思うのですが、そういうものも何ら意見を出さないというのですか。出すまあ権利はない、権利はなくても食糧事情の窮屈な際に、出してやる以上は特に国民生活に最も関係深いほうに私はそれを使用するということに、原料を扱う農林省としては折衝すべきが当然じやないかと思うのです。特に私は雑酒というのは、これは米を使うのはえたいのわからぬ飲み物です。私は清酒にしても……、この間同僚伊藤さんが質問したのですが御尤もだと思います。清酒、合成酒の限界というものは全くわからない。ここには度で標準をきめ、示してあるが、全くこの通り皆さんはやつておると思つておるか。なかなかこれは限界線というのが面倒なんで、実際問題として……。それで今完全区別なんというものは私はできないと思う。これは専門家の伊藤さんがこの間質問したから省略します。以上の点から見ても、先ず雑酒なんというものは米を使わずに他の方法による生産が必要だと私は思うのだが、尤も必要だという見解からこういうものを出しておると思うけれども、その清酒のほうに対して重点を、農林省は重く考えておるのか、或いは雑酒のところに使われるほうに考えておるのか。一体その辺の見解は少しはありそうなものだと思いますが、全然そういう点もないのですか。
  78. 塩崎潤

    ○政府委員(塩崎潤君) 只今野溝委員からお話がありましたが、雑酒に米を使う必要はないというお話、御尤もなように伺つております。私どもといたしましては、農林省から配給して頂くところの米は大部分清酒に使つております。それと酒本来の性質から言いますと、絶対必要であるところの味醂、その次に最近合成酒の品質向上の意味におきまして若干合成酒に使つておる。雑酒に使つておりますところの米は養命酒と僅かな部分でございまして、雑酒について米を多く廻しておるというつもりはないつもりでございます。
  79. 野溝勝

    ○野溝勝君 そういうふうなものの考え方は君聞違つておる。私は雑酒に使つておると言つたので、多く使つておるとか、少く使つておると言つた覚えはありません。少く使つておるからそれでいいというのではないのです。私はその意味から、もつと清酒とか、合成酒という正確な方面に使つたらどうかという見解を出したのです。雑酒において必要であるならば、どうせ必要だから出すのだという理由があるならばお示し願いたいというのです。
  80. 塩崎潤

    ○政府委員(塩崎潤君) 雑酒に使つております米は、只今も申上げましたように、薬味酒と申しまして薬の代用として用いられておりますところの養命酒等、これについて僅か使つておるわけでございます。これは沿革がございまして、やはり米を相当使つたほうが薬味酒の本来の性格に合う、こういうところから来ておるわけでございます。
  81. 野溝勝

    ○野溝勝君 私はこれ以上塩崎君にまあ聞こうとも思いませんが、私は米はやはりアルコール分に多く、まあ一種のアルコールの主原料だと思うのです。そこで雑酒の効能書に薬効、薬のような効き目があると言いますが、私はほかの配合する原料が効き目があるというのでありまして、米のほうは私はそんなに大した薬効のあるものとは思いません。併しまあそれを入れたほうがうま味が出て来るという程度と私は解釈しております。もつと理論的に言うならば、そうした科学的な根拠について、米の科学的分析について別の薬効があるならば、その資料を一つ提出してもらいたい。それだけお願いしておきます。
  82. 塩崎潤

    ○政府委員(塩崎潤君) かしこまりました。
  83. 野溝勝

    ○野溝勝君 次にお伺いをするのでございますが、今回当局では税率の引下げをやられまして、この点におきましては私どもは大衆に代つて喜ぶものであります。だがこの内容を検討してみますると、まだまだ引下げの率が少いと思います。先ほど当局の御説明によりますると、需要の多い焼酎を多く下げたと言いますが、成るほどそういう点も見受けますが、併しそう、何と言いますか他の物価と比較してまだまだ私はこの税率が高いと思います。御承知のように、最近のデパートあたりの物価を見ましても、先ず三割五分から五割ですな、利益率といいますか、マージンといいますか、加算されておるようです。してみると、まあよほど利益のあるものだし、且つ又取扱い業者も非常な利益を得ている。然るにこの酒を扱つておる小売業者が最近非常な悲鳴を上げておるのです。まあ安くなつたから今度は数多く売れる、そこでまあ大した小売業者への手数料といいますか、利益はなくても、数でこなして行くということになつて、この点では一歩前進しておるのでございますが、それにしても他の物の小売業者の取扱い利率と酒屋小売商の取扱い利率が余りにも開き過ぎておりますな。こういう点は一つ当局ではどんなふうにお考えになつておられるのですか、この点を一つお伺いしたいと思います。これは一つ政務次官からも責任ある答弁を……。
  84. 塩崎潤

    ○政府委員(塩崎潤君) 只今野溝委員の御質問は、酒の公定価格のうちの小売マージンについての御質問だと伺つております。現在改正案後の公定価格につきましては、私どものほうで慎重検討中でございます。現在の小売マージンは昭和十五年頃に公定価格制度を設けられましたときに、その以前の沿革、他物資とのマージンの比較、これらによりましてでき上つたものでございまして、その後物価の変動それから酒税の引上げ、これらに応じましてその都度改訂して参つた次第でございます。私どもといたしましては、そのマージンは決して多くはないと考えておりますが、今回の改正案によりまして酒の税金が下る、それから酒類の製造原価につきましても最近の原料の値下り等によりまして下るわけでございます。それらに応じまして小売マージンについても改正を行いたい。こういうふうに考えておりますが、この改訂に当りましては慎重に検討しておりますが、大体絶対額は下るにいたしましてもマージンの率は上る、こういうふうに考えております。そのマージンの率は、例えば砂糖或いはたばこその他の罐詰、これらのバランス等を睨み合せて作つて参りたい、こういうふうに考えております。私どもといたしましてはマージン必ずしも多いとは考えておりません、できる限りマージンも上げたいと思つておるわけであります。何と申しましても公定価格というものは消費者のためにもあるわけでありますから、それらを勘案して適正なマージンを作つて参りたいと、こういうふうに考えております。
  85. 愛知揆一

    ○政府委員(愛知揆一君) 大体塩崎君からお答えした通りでありますが、やはり価格を引下げたいということが無論我々としては大きな狙いでありますが、併しそれによつてマージンが非常に低くなつて、関係業者のかたがたに打撃を与えるということはいたしたくないわけでございますが、そのきめかたについてはできるだけ業界の意向を十分に取入れまして、慎重に、而も至急に決定をしたいと思つております。
  86. 野溝勝

    ○野溝勝君 愛知次官並びに塩崎課長の誠意ある御答弁を聞きまして了解をしたのでございますが、御承知のごとくマージンを多く取りすぎて、それがために又料金が高くなつたり、或いは酒の質を変更するというようなことをされたのでは、これは消費者に迷惑を及ぼすことは尤もなことであります。併し御承知のごとく小売といえば、私も親戚に酒屋がいつばいあるので特にお聞きするのですが、私のところでは醸造元から実は小売に至るまで親戚に酒屋が多いのであります。その小売屋が端から倒れて行くのです、私どもの親戚は。これは私ばかりではない、業者に聞いてみるとみんなそうらしい、ことに田舎などの小売業者に至つては沙汰の限りといつてもいい状態です。東京は又酒屋なども範囲が広うございますから、五分とか安いマージンで……今までは九分だつた、今度は一割、そうすると昨日の経済新聞にも出ておりましたが、ほかの物価は大体三割五分から五割、いかにしてもこれは違いすぎると思う。こういうことは却つて逆に食わんがために酒を薄めたりなんかして犯罪を起す結果を招来することとなると思つております。ですからそういう点は業者、メーカー、卸小売、小売というのは何にも手を加えることのできない状況にあるわけですから、十分一つ御配慮を願いまして、この小売業者も活きたつようにお考えを願いたいと、こういう次第でございます。この程度で私の質問を打切ります。
  87. 小林政夫

    ○小林政夫君 前回主税局長にはお尋ねしたのですが、ちよつと政務次官がみえておりますからお尋ねいたします。製造免許にしても、販売免許にしても一応法では税務署長が免許することになつておりますが、実際の免許は税務署長限りではできないのです。なぜそのことのよしあしは別として、実情と違う法を新しく作つて直されるに当つて、こういう形をとられるのか。
  88. 愛知揆一

    ○政府委員(愛知揆一君) 誠にこれは御尤な御質疑でございまして、もう少し諸般の事情がゆるやかであれば、税務署長限りの免許で私はいいと思います。その建前を法律としてはあくまでもとりたいと思うのでありますが、併し御承知のように戦争中からの整備の関係で、現在まだそのあと始末と申しますか、希望者の数とそれから実際の造石高で許し得る限度というものは非常な差がございます。それから例えば最近におきましては、外地で免許をとつておられた方々の内地における免許をとりたいというような問題も実は起つているというようなことで、現在のところは相当慎重に且つ全国的なバランスをとつてやらなければなりませんので、これは国税庁部内或いは大蔵省部内として、ただ税務署長限りで、法律には成るほどその通り規定してございますが、それだけでやつてしまうことは少し何と申しますか、行きすぎになりはしないかというようなことで、内部的な問題といたしまして税務署長が、行政組織上の上級官庁の指図を仰ぐということにいたしておるわけでございます。
  89. 小林政夫

    ○小林政夫君 現在の行政上法律の建前では税務署長だけれども、上級の官庁の指揮を仰いで何するということでありますが、併し私は法文を全部読んでみて需給調整ということを非常に考えております。そうすると或いは税務署管内だけの需給調整を考えてみても、酒の製造或いは販売についての免許の際に、販売地区が限定されるわけじやなかろうと思うのであります。全国どこへ行つてもいいだろう、そうするとこれは全国的に需給調整ということを考えることになるのです。どうしても税務署長限りでは免許ということはできない問題じやないか、厳密にやろうとすればできないことを、法文に書くのはおかしいじやないかという気持もするのですが、その点は如何ですか。
  90. 塩崎潤

    ○政府委員(塩崎潤君) 需給調整上免許を拒否する場合があり得ることは法文に書いてある通りであります。ただ販売業者につきましては、例えば或る山の中に、辺鄙な所に販売業者が是非ほしい、こういうところにはどうしても需給調整上ほしいというような場合もありますし、或る地区におきましては販売業者が非常に数が多くて、もう一軒入れますと競争が非常に激しくなつて需給均衡は崩れて、全国的な問題でなくして地域的にも需給の均衡が破れるような場合もあり得るだろう、こういうふうに考えたわけで一応規定いたしたわけであります。併し全体的に申しますと小林委員のおつしやる通りになるわけでありますが、それはただ私どもといたしましては、需給調整上異なる場合は国税庁長官がこういう場合は拒否する、こういう場合は拒否しないというようなことを指示いたしまして、具体的に免許を申請する人がこの条件に該当しているかどうか、これを税務署長が判断することによつてこの免許要件を運用できるのではなかろうか、こういうふうに考えまして、やはり免許の付託の権限は税務署長に残したいのでございます。
  91. 小林政夫

    ○小林政夫君 それは一応国税庁の本省のほうで先に需給計画を立つて、この程度の数のものについては許してもいいというような方法でやろうということでありますが、現実そういう方法でやるにしても、そうすると相当内部的には各国税局管内で、我々のところにはこれだけの割当をよこしてもらいたいというようないろいろな部内における折衝もあろうかと思います。その範囲において地区的に何石々々というようなことをして、具体的にどの人間に許すかということは、その税務署長でやれるということをお考えのようですが、成るほどそういうような行政措置もできるでしようが、実際製造の場合においてはそういうことがあり得るが、そうすると販売の場合については全国的な模様を見る必要はない、或る程度地域的な局或いは署管内程度の範囲で、元の製造石数がきまつておるから、販売のほうはその地区の事情を考慮して適当に免許ができる、こういうことになるんですね。
  92. 塩崎潤

    ○政府委員(塩崎潤君) 私の言葉が若干不完全であつたかもわかりませんが、地区的にだけ判断するというわけではございませんので、全国的に見まして販売業者についても余り数が多いと拒否する、或いは販売石数が或る地域にかたまるというようなことの場合には、その石数だけ特殊地域については国税庁一長官が全国的に判断してこれを拒否する、こういうことはあり得る、こういうふうに考えております。
  93. 小林政夫

    ○小林政夫君 そうすると、甚だ私は、全然知らないんでわかりやすく一つ講義をしてもらいたいんですが、今の販売組織というものは一体どういうふうになつておりますか。
  94. 塩崎潤

    ○政府委員(塩崎潤君) 製造者のほかに販売業者があるわけでございますが、販売業者は大体卸売業者と小売業者とに分れております。卸売業者の中に営業所を持たずに仲介乃至代理をする者が若干ございます。卸売業者の中に先ほどの衆議院の修正案にございました指定販売業者と、指定されておらないところの販売業者とがあるわけでございます。で、卸売業者は御承知の通り製造業者から製品を買いまして小売業者に流す、こういう販売行為をやつておる業者でございますが、これが甲乙に分れる、甲乙と申しますか、指定販売業者とその他に分れております。指定販売業者を私どもは俗に甲と言い、その他の販売業者を乙と言つておるわけでございますが、指定販売業者のほうは、これは御承知のように酒税の一部を徴収する機関で、具体的に申上げます一指定販売業者のほうに蔵出しするところの酒税は、その一部を製造者が納め、残りにつきましては指定販売業者が小売に売るときに取る、こういうふうになつております。この指定販売業者は資力が十分であつて酒税の脱税乃至滞納を起さない者、こういうふうになつております関係上、販売業免許のほかに国税庁長官の指定を要する、こういうことになつております。改正案にあります通り、臨時的なものと考えております関係上、いずれ早晩なくなりまして卸売業者は普通の指定されない卸売業者と同様の立場になる。この数が大体全国で六百ほどございます。  で、小売業者のほうは製造業者まで含めまして大体十万程度、十万若干欠けておりますが、このくらいの小売業者が全国にありまして小売をやつておるわけでございます。
  95. 小林政夫

    ○小林政夫君 この卸売の甲乙になる資格については、何か内規等があるんですか。
  96. 塩崎潤

    ○政府委員(塩崎潤君) 国税庁長官の指定を受けるために、只今申上げました資力の点、それから過去の酒税法違反の有無、その他酒類販売についての経験その他を勘案するような内規がございます。
  97. 小林政夫

    ○小林政夫君 何かそういつたものについての部内の内規の書いたものがあるんでしようからあとで出して頂きたい。
  98. 塩崎潤

    ○政府委員(塩崎潤君) 承知しました。
  99. 小林政夫

    ○小林政夫君 そうすると乙卸と甲卸については、その資産内容の相違によつて分れておる、簡単に言えばそういうことになるのでございますね。そうすると卸と小売との限界はどういうふうに違うんですか、販売業者として。
  100. 塩崎潤

    ○政府委員(塩崎潤君) 甲乙の限界は只今仰せの通りでございます。指定販売業者につきましては担保などを取りまして、普通の販売業者と違い厳重な取締りもやつておることになつております。  それから卸売と小売との区別でございますが、卸は私どもの現在の免許状況では、酒税の取締上から販売業者としての免許を与えずに、卸売、小売というようなものを限定をいたしております。これは専ら取締の見地でございますし、一に又酒類の需給調整等の関係を考慮した結果でございますが、卸売は只今申上げましたように、酒類を製造者から買つて小売に売るその販売行為を行う者、小売につきましては卸売業者から買つた酒類を消費者に売る、料理屋も消費者と私どもは考えておりまして、小売業者から料理屋に売る者は小売とこういうふうに考えております。このような販売行為を営む者は私どもは小売と考えております。
  101. 小林政夫

    ○小林政夫君 それはわかるわけですが、まあ私なら私が卸を許してもらいたいというときに、お前は卸はだめだ、小売なら一つ許してやろうというようなことがまああるだろう。今甲卸と乙卸との区別は大体わかつたのでありますが、一体この人間には卸の免許をするか、小売の免許をするかということの判断の基準はどういうものか。
  102. 塩崎潤

    ○政府委員(塩崎潤君) 根本は免許申請の内容によりまして、卸を希望されてそれが現在の免許下付の要件に該当しているかどうかを判断いたしまして、卸の免許をするかしないかをきめます。こういうことにいたしまして、卸がだめなら小売はどうだということは、行政行為としてたまたまありましても実際上は少いのじやないかと思います。
  103. 小林政夫

    ○小林政夫君 そうすると申請者がすでに自分は卸をやる、或いは小売をやるという大体態度をきめて申請を出す。それでそれをセレクトされるいうことになるのですが、併し大体においてこういう程度のものなら卸の申請ができる、小売の申請ができるという目安というものはないのですか。あなたのほうで卸と小売との限界は大体資力その他について線が引いてあるのですか。
  104. 塩崎潤

    ○政府委員(塩崎潤君) その限界は必ずしも私ども内規においてはきめておりませんが、大体現在の販売業者につきましては、昭和十八年におきまして企業整備をやつたことがございます。そういう関係でございまして、既存の転廃業者等につきましてその復活全部を見ておらない状況でございますので、成るべく転廃業者から復活を認めるというような措置を講じております。そういう関係から転廃業者等に有利に扱う、過去の酒類の扱いについての経験を尊重する。こういうような態度をとつて来ているのが一番大きな要素でございまして、その他につきましても現在の酒類の需給状況から見まして、必ずしも経験のない者につきまして簡単に免許を与えるということは、その地域の特殊事情等を除きましては少い、こういうような状況になつております。
  105. 小林政夫

    ○小林政夫君 それは私は卸と小売というのは商業的な用語で言えば、メーカーから直接買つていわゆる中間販売をやるのが卸で、それから直接消費者に売るのが小売と、そういう定義をとつているが、あなたの方で判断されるのに販売能力と言いますか、全国的に亙つて販路を持ち得る販売、まあ販売圏とか或いは資力とかというようなことが小売と卸との限界になるのじやないかと思うのだが、ただ今まで戦前から小売をやつておつたとか、或いは卸をやつておつたという実績によつて復元方を申請する者について考えるということじやなしに、何かそういつたものについて基準があるべきだと思うし、又そういうことは考えなくても、すでに転廃業した者の復元すら十分に認められないので、全然新規に小売だとか或いは卸だとかやろうというようなケースは、まだまだ先だとお考えですか。
  106. 塩崎潤

    ○政府委員(塩崎潤君) 大体行政の運用といたしましては、転廃業者第一主義にやつております。只今小林委員の御発言の通り、新規につきましては相当セレクトした上で認めておりますが、必ずしも絶対にないというわけではございません。過去の経験等から十分であるという点を若干認めた例がございますが、原則として只今申上げておりますように、転廃業者を優遇する、経験のあるものを先ず免許するというような方針を先ず第一にとつております。
  107. 小林政夫

    ○小林政夫君 申請書になつて現れるときには、一応それぞれ小売だとか或いは卸だとか決まつておるでしようが、あなたのほうで一応内面的指導と言いますか、私は酒の販売をやりたいんだが、卸なら卸をやりたいんだが、それには一体どの程度の資本が要るかとか、販売経験者はどういうものが入つたらいいのかというような、或いは小売ならそれがどの程度だつたらいいというような、やはり基準を持つておられるはずだと思うのですが、その点はどうですか。
  108. 塩崎潤

    ○政府委員(塩崎潤君) まあ内規もときどき作つておるわけでございますが、その内規もいろいろな事情によりまして変更いたしておりますので、確固不動たる内規というものをお示しすることができないわけでございますが、そのときの事情によりまして、例えば小売業者につきましてはその地域におきまして大体三百戸くらいのお得意先がある、卸売業者につきましては小売業者の何人くらいというようなことを言つたこともございますが、確固たる内規はない、そのときの具体的事情によつて判断しておるのが現在の実情である、こういうふうに運用しておるつもりでございます。
  109. 小林政夫

    ○小林政夫君 今私がしつこく聞くゆえんは、この前もあなたには聞いておられたけれども、大分販売免許を得てくれという要望を受けるわけです。そのときも初めから見込のないものなら、君はどうも駄目じやないか、と言つて取次ぐ必要はないわけですが、ところがどうも一応当つてみないことにはわからないというようなことで、我我も下らん時間を潰したりする場合があるので、あらかじめ先ほど言われたような全体的な需給状態等を考えてやつておるということならば、そういうものがきまつてあるならば、又個々の卸とか小売についての、或る程度あなたのほうにおいて尺度というものがあるならば、これを知らしておいてもらえば我々のところに来たときにセレクトできる、あなたのところまで足を運ばなくても、まああなたというか国税庁のほうに、そういうことがあるので聞くわけですが、まあ出してみろ、それで考えるというようなことはなかろうと思うのです。
  110. 塩崎潤

    ○政府委員(塩崎潤君) 只今申上げましたように、例えば今度の改正案によりますと、酒類の石数が六百七十九万石に伸びる、こういうふうな状況になりますと確固たる内規が又変る、或いは石数が殖えたというふうなときにその地域におきましてどうしても必要だというような場合には転廃業者でなくとも認めなければいかんというようなこともございますので、確固たる内規というものをお示しして、これが絶対間違いのないものだ、これによつて必ず免許は得られるものだ、こういうふうには私ども考えておりませんので、その点はお示ししても果してその通り行けるかどうか確言できませんので、只今申上げましたような具体的な事情に応じてきめる、こういう態度をとつたほうがいい、こういうふうに私どもは考えておる次第であります。
  111. 小林政夫

    ○小林政夫君 それでは将来変るかも知れませんが、今度百五十万石ですか。
  112. 塩崎潤

    ○政府委員(塩崎潤君) 六百七十九万石。
  113. 小林政夫

    ○小林政夫君 前年度に比べれば百五十万石殖えるわけですが、それによつて製造業者、或いは卸とか小売、一体どの程度殖やすつもりであるのかどうか、殖やし得るかということを考えられて、今の情勢ですね、この今度の予算が通つて、二十八年度においては一体どうするだろうかという方針があれば、まだきまつておらんとしても、若しきまつておらなければ至急にきめて我々に示してもらいたい。
  114. 塩崎潤

    ○政府委員(塩崎潤君) この点は私ども主税局の所管でございませんので、国税庁の所管でございますので、国税庁が成案を得ましたら又御連絡申上げたいと思います。
  115. 小林政夫

    ○小林政夫君 次は、すでに伊藤さんの質問をよく聞いていなかつたのでダブるかも知れませんが、逐条的にお尋ねします。この二十八条の第一項の第六号「政令で定めるとき」とありますが、これはどういうときですか。どういうことを政令で定めようとされておるのか。
  116. 塩崎潤

    ○政府委員(塩崎潤君) この点につきましては、政令案要綱をお手許に差上げておるところでございますが、これによつて一つ御覧になつて頂きたいと思います。政令案要綱の二十八条関係でございますが、酒税法施行令案要綱の十四、法第二十八条関係、そのうちの(2)の第一項第六号関係、「次の場合には未納税移出を認めること。」そういうふうに列記してございます。
  117. 小林政夫

    ○小林政夫君 政令による分は、全部この施行令のなかにありますね。
  118. 塩崎潤

    ○政府委員(塩崎潤君) さようでございます。
  119. 小林政夫

    ○小林政夫君 四十条の第五項で、「国税徴収法第二十八条の規定の適用を妨げない。」これはもうちよつと私ゆつくり読めばわかるのでしようけれども、一応御説明願いたい。
  120. 塩崎潤

    ○政府委員(塩崎潤君) 只今徴収法を持合わせておりませんので、確固たる御返事は申上げられませんが、この点につきましては、利子税というものは大体申告納税のできました制度でございます。そのために国税徴収法が適用になるかどうか疑問でありますので、この点規定を念のためにおいた、こういうふうに存じておりますが。只今の説明若干間違つておりました。処分金の配当手続でございますが、二十八条によりますと、「物件ノ売却代金、差押ヘタル通貨及第二十三条ノ一ニ依リ第三債務者ヨリ給付ヲ受ケタル通貨ハ滞納処分費及税金ニ充テ尚残余アルトキハ之ヲ滞納者ニ交付ス」こういう配当手続がございますが、そのときには先ず税金だということを言つておるわけでございます。
  121. 小林政夫

    ○小林政夫君 利子税が税金であるということを言つておるわけですね。
  122. 塩崎潤

    ○政府委員(塩崎潤君) さようでございます。
  123. 小林政夫

    ○小林政夫君 第四十三条で「新たに酒類を製造したものとみなす。」という意味はどういう意味ですか。
  124. 塩崎潤

    ○政府委員(塩崎潤君) この第四十三条は昔からある規定でございまして、非常にむずかしい規定でございますが、御承知のように酒類の定義には大部分原料を規定しておるわけでございます。でき上りました酒類に他物を混和いたしましたときには、新たに酒類を製造したものとみるということにいたしまして取締をいたしておるわけでございます。例えばでき上りました合成酒に雑酒をまぜる、こういうときには三条で、ございましたか、三条にありますところのどの酒類に該当するか、清酒に雑酒をまぜますと何になるかという点が疑問を持たれるわけでございます。それで清酒に雑酒をまぜましたなら新たな製造行為ができまして三条のイのところにも該当いたさない、こういうふうになりまして、これは雑酒になる、こういう規定でございます。
  125. 小林政夫

    ○小林政夫君 従つて前の酒、まぜる酒については税金の関係はどうなりますか、できた酒が雑酒なら雑酒としてとられるわけですか。
  126. 塩崎潤

    ○政府委員(塩崎潤君) 只今申上げましたように、四十三条の規定は取締規定でございますので、先ほどから小林委員が何度も御説明になりました、先ず製造免許が要るということになりまして、その者が製造免許を持つておらないときには無免許製造になる、こういうふうになりますと同時に、そのでき上りました酒は雑酒になり、従いまして雑酒無免許製造違反で処罰されると、こういうことになるわけでございます。
  127. 小林政夫

    ○小林政夫君 今の四項、五項ですね、「味りん甲類と味りん乙類を混和したときは、新たに味りんを製造したものとみなす。」と、こういうのはどういうことですか。
  128. 塩崎潤

    ○政府委員(塩崎潤君) 本法の定義を見ますと、味りんは味りん甲類と乙類と、こういうふうに分けてございます。従いまして抽象的な味りんというのはございませんので、若しもこの規定がないときには味りん甲類と味りん乙類をまぜると雑酒になる、こういうふうに読まれますので、それはおかしいというわけで、味りん甲類と乙類をまぜましたときには新たに味りんを製造したものとみなす、で製造業者が甲類と乙類とを混ぜましても免許を持つておりますれば無免許違反にはならない、こういう救済規定でございます。雑酒についても同様でございます。
  129. 小林政夫

    ○小林政夫君 五十条の第一号はなぜ承認を受けなければならないのか。
  130. 塩崎潤

    ○政府委員(塩崎潤君) 第一号は只今申上げておりますところの酒の定義に関係する条項でございます。で清酒につきましては本来ならば清酒というものは米と水と米こうじで作つたものでございますが、最近の原料事情によりまして先ほどから申上げます通りアルコールの添加を認めております。併し一定限度内でアルコールを添加することを要件といたしております。一定限度内のアルコールをまぜたものならばまだ清酒であるということにいたしております。この限界を守りませんと、合成酒との限界があいまいになり、場合によりましては雑酒との限界があいまいになるわけでございます。そこで製造する際に税務官吏に立会いを頂いて承認を受けないと、あとで問題が起りますので、合成酒になるような場合は税務署長の必ず承認を受ける、現在もある規定でございます。
  131. 小林政夫

    ○小林政夫君 附則の第六項ですが、「旧法第十八条ノ二の規定」と、「新法第十一条第一項の規定」と、その条件、どうも読んでみますと、大体附し得る条件は、同じような条件が附し得るような規定であるように思うのだが、どう違いますか。この旧法の十八条ノ二には条件が附けられ、新法の十一条のほうの……。
  132. 塩崎潤

    ○政府委員(塩崎潤君) 旧法を見ますと、旧法では如何なる条件でも附し得るような規定になつておつたわけでございます。新法はそれを民主化の見地から若干範囲を限定いたしました関係上、殆んどはございませんが、若しも前の規定によりまして附けました条件が新法によつては附し得ない条件があつてもなお効力を有すると、こういうふうに書いたわけでございます。
  133. 小林政夫

    ○小林政夫君 今のは抽象的な話だが、そうすると、併しあなたのほうでは、頭には具体的にはこういう条件が違つておるということはあるはずでございますが、それを一、二点。
  134. 塩崎潤

    ○政府委員(塩崎潤君) 私どもの調べた範囲には殆んどございません。
  135. 小林政夫

    ○小林政夫君 ないのだが、念のために置いたということですか。
  136. 塩崎潤

    ○政府委員(塩崎潤君) そうでございます。
  137. 小林政夫

    ○小林政夫君 それから前に帰つて、二十五条で(課税標準石数の決定通知)というのがありますね。これはまあ一方的にこの法文を読むときめられるような読み方、若し酒類製造業者と決定者との間に意見が合わないというような場合にはこれは一方的に……。
  138. 塩崎潤

    ○政府委員(塩崎潤君) 第二十五条は課税標準石数の決定でございますが、これも現行ある制度をそのまま持つて来たわけでございます。併し決定いたします際には税務署が丹念に調べることはもう御承知の通りでございます。で税務署の決定処分に対しまして異議ある際は、国税徴収法によりまして再調査、それから審査請求、こういうふうな段階を経て救済をやられる、それによつてなお不服ある際には訴訟ができると、こういう建前になつております。
  139. 小林政夫

    ○小林政夫君 それは従来そういつたケースがありますか。不服があつて、一応これは一般の税法でも問題になるのですが、救済措置があつてもなかなかそれをやるとあとで恨まれるということでそうスムースに救済措置が利用できないですね。
  140. 塩崎潤

    ○政府委員(塩崎潤君) 直接税につきましてもこの救済制度があることは御承知の通りであります。申告所得税、法人税につきましては非常に多くの異議申立が出ておることは御承知の通りであります。間接税もこの制度があるわけでございますが、間接税につきましては課税標準が比較的はつきりいたしております関係上、大部分は脱税となりまして審査請求の対象にならないという例が多いわけでございます。脱税というものは範囲があるわけでございまして、殆んど税金のかけ間違い、或いは課税標準石数のかけ誤り等につきましてはこれは脱税として処分いたしておりませんので、あとで税務署が納得さして納税告知をいたしておりますので、そういう関係は殆んどございません。
  141. 小林政夫

    ○小林政夫君 それではまあ大体酒のほうについてはみんな納得、今までこれについてトラブルが起つたことは大体ないと、こう了承していいですか。
  142. 塩崎潤

    ○政府委員(塩崎潤君) さようでございます。
  143. 小林政夫

    ○小林政夫君 それからもう一つは、これはまあ事実かどうか、私にこういうことを言つた人があるわけだけれども、この酒造場或いは販売所を相続する際に相続財産の中に営業権というようなものが見られたと、こういうことを言う人があるのですが、免許制にしているので、それに一つの権利というようなものがついているというか、課税当局においてそういうものを無形財産と見るような考え方があるのかどうか。
  144. 塩崎潤

    ○政府委員(塩崎潤君) 営業権の問題につきましては、酒の免許の関係から生じますところの営業権のみならず、全般的に非常にむずかしい問題でございます。で富裕税の評価、或いは相続税の評価の際には、必ずしも酒だけじやございません。全般的につきまして一般的な考え方がありまして大体営業権というものは超過利潤とこういうふうに考えておりますので、超過利潤的なものを利廻りで還元いたしまして計上するという場合もあります。一般的にそういうものがなければ必ず営業権を認める、必ず計上させるということはいたしておらないことになつております。
  145. 小林政夫

    ○小林政夫君 超過利潤というものがあればということを具体的な設例で御説明して頂きたいのですが。
  146. 塩崎潤

    ○政府委員(塩崎潤君) 例えば富裕税の評価等におきまして三年前の利潤を計算いたします、その際にほかの一般の利潤との比較をいたしまして超過利潤がある、そのときに超過利潤のうちに重役の手腕によるようなものも考えられます。これは重役の勤労対価であります。こういうものを引きまして残りがいわゆる営業権として評価されるべきものであろうというようなことで、一定の利廻で還元いたしまして営業権を評価する。こういうようなことは税務の実例で実際にやつているところであります。
  147. 小林政夫

    ○小林政夫君 そうするとこれは個人の営業権についてはそういうことがあつて、法人の場合においてはそういう営業権なんというものの計算は、存続しておる限りにおいてはないのですね。
  148. 塩崎潤

    ○政府委員(塩崎潤君) この営業権の問題は個人だけではございません。法人についても考えられることでございまして、法人について例えば富裕税の際に評価いたしますのは、その富裕税を課せられるところの個人が持つておる株の評価の際、株というものは純資産のうちで評価するが、その純資産の中に営業権があるかないかを調査するということになつています。
  149. 小林政夫

    ○小林政夫君 実際問題として、一応理論的にはそういうことが言えるかも知れませんが、実際問題としては余りそういう法人の場合に計算されておらないのじやないか。法人になるという場合に相続のことを考える、特に酒とか。個人の場合は営業権を計算される、そこで非常に相続税が多くなる。法人にしておけばそういうことはないということでこれはあなたとはなんですが、法人になる一つの有力な原因になつておると私は思う。その点については。
  150. 塩崎潤

    ○政府委員(塩崎潤君) 税法の趣旨からいたしまして、個人と法人との課税の権衡を図ることが、これが精神であることは御承知の通りであります。法人につきまして営業権の評価ということはないということはないので、只今申上げておる通りあるのであります。又個人から法人になる場合の営業権をどうするかということは、その際の営業権の評価はむずかしいので、場合によつては小さなものについては無視する、無視すると言つてはなんですが、強いて計上いたさないことがあるが、場合によりましては個人が法人になる際には営業権を一応譲渡所得として課税する、そうすると法人には営業権を入れて資産に計上をする、そうすると法人の株で、個人の持つている株については、その株式の評価に営業権がそのまま含んで来る、併し営業権は法人として償却できる、こういうふうな建前になるわけであります。
  151. 小林政夫

    ○小林政夫君 この問題は税法審議会のときに。
  152. 伊藤保平

    ○理事(伊藤保平君) ほかに御質疑はありませんか。なければ本日はこれで散会いたします。    午後四時五十五分散会