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1952-12-22 第15回国会 参議院 建設委員会 9号 公式Web版

  1. 昭和二十七年十二月二十二日(月曜 日)    午前十時四十七分開会   ―――――――――――――   委員の異動 十二月十九日委員三輪貞治君辞任につ き、その補欠として菊川孝夫君を議長 において指名した。   ―――――――――――――  出席者は左の通り。    委員長     下條 恭兵君    理事            赤木 正雄君    委員            廣瀬與兵衞君            江田 三郎君            田中  一君            小川 久義君   国務大臣    通商産業大臣 小笠原三九郎君   政府委員    経済審議庁審議    官      今井田研二郎君    建設省計画局長 澁江 操一君   説明員    建設省河川局治    水課長     山本 三郎君   ―――――――――――――   本日の会議に付した事件 ○建設行政に関する調査の件  (総合開発問題に関する件) ○報告書に関する件 ○継続調査要求の件   ―――――――――――――
  2. 下條恭兵

    ○委員長(下條恭兵君) それでは只今から委員会を開会いたします。速記をとめて。    午前十時四十八分速記中止    ―――――・―――――    午前十一時七分速記開始
  3. 下條恭兵

    ○委員長(下條恭兵君) 速記を始めて。  次に建設行政に関する調査を議題に供します。小笠原審議庁長官から建設行政に関する御意見を一つ伺いたいと思います。
  4. 小笠原三九郎

    ○国務大臣(小笠原三九郎君) 建設行政につきましては、私ども大体国土総合開発の考え方からすべての問題を計画いたしておるのであります。国土総合開発の見地からいたしますると、各種の観点から、ものを見なければなりませんので、すでに各所に、中央にも審議会がございますけれども、各地方地方にも審議会を作りまして、それらからそれぞれ案を出して頂いて進行いたしておる次第であります。現在までに計画書が出されておるものを見ますると、北上地域、阿仁田沢地域、最上地域及び天龍地域等はすでに出ておるのであります。それでこの天龍を除きます北上地域、阿仁田沢地域、最上地域の三地域につきましては、目下国土総合開発審議会でいろいろ審議を進めております。特に北上地域の計画につきましては、八月二十五日北上特別委員会を設置いたしまして、九月の九日に北上総合開発計画の説明等を聴取し、近く同委員会にも諮りまして、遅くとも大体一月中旬までには結論を出したい、かように考えておる次第でございます。そのほかの二地区も引続き処理いたしたいと思つておるのであります。なお問題として過日来ほかの委員会でもよく問われておるのでありますが、特定地域計画の予算上の措置をどうするか、この問題をよく尋ねられるのであります。私どもとしては普通の公共事業費に入れないで別枠に計上してもらいたいということで、大蔵省と折衝しておるのでありますが、まだ只今までのところは、大蔵省としては、成るべく公共事業費に入れたい、別枠案については、もう少し相談を要するような事情の下にあります。これは極めて卒直に事情を申上げますとそういう事柄でございます。なお何かお尋ねがございますればお答え申上げます。
  5. 江田三郎

    ○江田三郎君 この総合開発をいろいろおやりになるのに、一番大きく問題になつて来るのは電源開発のダムです。ただこのダムの問題について、これはこの委員会でも先だつて来、問題になつているのですけれども、ダムを作つた場合に、例えば只見川のダムのOCIがやつた設計にしましても、或いはその他この間、大臣がまだ農林大臣当時岡山県の湯原のダムの問題をお伺いいたしましたが、ああいうような非常に底のほうで水を取る。そのために水温が低下する。そこで水温が低下された水が農業灌漑のほうへ出て来ると、下のほうの稲作というものは殆んど問題にならん被害を受けるわけです。徹底的な被害を受けるわけです。そういうことについて審議庁としてどういうように調整をされて行かれるのか。どうも今まで見ておりますというと、電源開発優先になつて、農業のほうは置き忘れておる、こういう点についてのお考えを承つておきたい。
  6. 小笠原三九郎

    ○国務大臣(小笠原三九郎君) 誠に御尤もなお尋ねでございまして、私どももちよつと今仰芝なつたよに上一農林省におりまするとき、ああいう水一温が低下して農作物が非常に大きな被害を受けるという状況等を見まして、これは誠に困つたものだという点から、当時いろいろ考慮をいたしおつた次第でございます。従いまして私どもとしては、電源開発の急務なることはこれは勿論でございますけれども、併しそれが或いは農業用水或いは工業用水、或いは森林関係等、そういつた方面に悪影響を及ぼすことがあつても相成りませんので、これらの事柄については、よく一つ審議会等にも相談しまして、総合的に、事務的にも総合的に考えておりますが、そういう御意向を取入れまして、十分、言葉は少しどうかと思いますが、善処したいと思つておる次第でございます。
  7. 江田三郎

    ○江田三郎君 これはなかなか今おつしやいましたように、農業だけの問題でなしに、上流の山が禿げておるとかいろいろ問題がある存です。例えばダムをお作りになつたところで、今のような治山の状態では、これがまあ何年先に潰れるかわからんけれども、ダムが潰れることがある、そういうようなことが今まで一つも本当の総合計画がないのでして、現在の砂防あたりに一使つておる金を見ますと、これはダムを作つたつて非常に危い問題だと思うのです。これは根本問題として御検討願いたい。ただダムと農業の問題については、電源開発促進法第三条によつて、意見の申立をしているところがあるのです。そういう意見の申立をしているところは、すでに善処でなしに事務的に処理して行かなければならんのですが、そういう水温低下という問題についてはつきりした指示をされた上で、その工事の許可をおやりになるのか、或いは工事は工事でやらしておいて、そういう問題はあとへ廻されるのか、その点の心持をお聞かせ願いたい。
  8. 小笠原三九郎

    ○国務大臣(小笠原三九郎君) 今後の問題といたしましては、今仰せの通りに、これは十分そういうことを調べた上でいたしたいと思つております。過去の分については、これはたしか今仰せになつた分は許可した分で、これを一時中止さしてくれという……。
  9. 江田三郎

    ○江田三郎君 そうじやありませんし。
  10. 小笠原三九郎

    ○国務大臣(小笠原三九郎君) 或いはそういうことを申出られたところがありますので、混同しておつたかも知れませんが、許可しますときに勿論そういう点に十分考慮いたしまして、それに対する、何と言いますか、救済案、救済案ということは語弊があるかも知れませんが、例えば若干の補償をすることで解決することもございましよう。水温の低下をほかの方法で温めて出すというような方法もございましよう。そういうことのいろいろな対案を立てまして、一口に言えば御納得の行くような処置をした上で許可をしたい、こういうふうに考えております。
  11. 江田三郎

    ○江田三郎君 これはこの間農林大臣としてのあなたにお願いした問題は、水利権の許可が出ておる。而もまだ工事の許可はやつていない。それで従来水利権を許可されるときには必ず農業水温については適当な措置をとれということが、条件がいつも付いておる。付いておつても現実にそういうことは無視されて工事をやられてしまう。一向水温のことを考えないで工事ができてしまつて、できてしまうともうこれは泣き寝入りになつて、おる。たまたま今度ああいう開発促進法というようなものができたので、而も第三条によつて意見の申立ができる。意見の申立があれば、これは今おつしやいましたように、はつきりとどういう、例えば工事面で今おつしやいましたように水温を上昇さすような設備を講ずるのか、補償をするのか、そういう点がはつきりした上で工事を進めて頂くようにお願いしたいと思います。それでないと、従来の例を見ますと、いつも泣き寝入りになつてしまうわけです。そういうようなことが今後ほうぼうで続きますと、これはどうしたところで、今の建設省の考え方を見ても、ダムをほうぼうへお作りになる。そのダムも今までのような山の奥ではなくなつて平地に下りて来るというようなことになると、農業との関係は大変なことになつて、片方で電気ができても、長年に亘つて、長期に亘つて農業上の減産を来すというようなことになれば、何のための国土総合開発かというようなことになつて来るので、その点だけ十分御配慮を願いたいと思います。
  12. 小笠原三九郎

    ○国務大臣(小笠原三九郎君) 誠に御尤もと思うのでございます。今後行政上の措置につきましては十分御趣旨をくみとつて措置することにいたします。
  13. 小川久義

    ○小川久義君 実は三重県の宮川のダムなんですが、すでに起工式をやつたところが、まだ納得の行くような土地買収が完全にでき上つていないということを聞くのですが、その点どうなつておりますか。許可があつたから起工をやつたのだと思いますが、起工式が済んでしまつてもまだ土地買収で地元の要望が満たされていないということを聞くのですが、その点はどうですか。
  14. 山本三郎

    ○説明員(山本三郎君) 三重県でございますね。これは今年度公共事業費で五千万円付いて始めたのでございますが、お説の問題は、あそこは確か七十戸ばかりの人家があると思います。これは三重県の知事さんが数回地元と折衝をされまして、多少まだ疑念はありましようが、大分いいところまで来ておるというふうに私ども聞き及んでおります。
  15. 小川久義

    ○小川久義君 そこで、いずれ解決しなければならんし、するでしようが、未解決のままで工事をすでに始めることは地元民に対して非常な不安と不平を与えておる、こういう点は、皆、先ほど大臣が言われたように、納得の形でない。土地の買収にしましても、埋没家屋の補償にしましても、先ほどの納得という姿でないのです。こういう点は許可をされるときに十分御検討を願いたい。それから根本的にはあの総合開発が大体五十三億七千万円ですか、かかる。そこでその収入と見るものは電力の四万四千キロである。今三年計画であるが、私は素人でありますが、あの工事は三年なんかで、できつこないと思う。そこでそれが延び延びになりまして五年も七年もかかるということになりますと、その電力の売れ場所がなくなると言いますか、都合が悪くなつて、県の財政を非常に圧迫し、障害に導くと思うのですが、そういう点に対しては大臣はどのようにお考えですか。別枠で特別の予算を作りたいというお気持はわかるのですが、全国に十九カ所も特別地区を指定してそれが一斉に動き出したということになりますと、僅かの金ではいけない、少くとも五百億も七百億も金が毎年要ると思いますが、そういう金の出途なども果して確信がありますかどうか。その点をお伺いいたしたいと思います。
  16. 小笠原三九郎

    ○国務大臣(小笠原三九郎君) 只今のところそう五百億も七百億も要るとは私は聞いておりません。それから今三年計画が果して三年でできるかどうかということに対しては、私どもに対する説明はできるということで聞いておりますので、一遍事務当局よりちよつと説明を申上げます。
  17. 今井田研二郎

    ○政府委員(今井田研二郎君) 総合開発に関する所要経費の問題でありますが、先般もこの委員会で、私、御説明申上げたのでありますが、十九の特別地域につきましていわゆる一般公共事業費といたしまして今政府から要求されておりますところの極くざつとの見通しでありますが、年々約四百億程度でよかろう。全体で十カ年計画で四千億というのが地方から現在私どもに参つておる数字であります。これは地方の極くラフな見通しでありまして、まだ正確な調査をすれば若干増減があろうかと思いますが、現在まで参つておりますのでは公共事業費として四千億であります。このほかに電気その他の経費が必要でありますが、公共事業費については殆んどそうでありまして、四百億であります。併しながらそのうちすでに当該地域に同じようなものに対しまして付いております公共事業費が、大体現在までにすでに年間平均約二百二、三十億円あるのであります。従いまして、今後地方が考えておりますような総合開発を全部やるといたしましても、大体国費の増加は年々二百億足らず、百五、六十億ありますれば、大体地方が考えております総合開発というものは、十九地域につきましては一斉にやることができると考えております。
  18. 小川久義

    ○小川久義君 公共事業費はそうであるかも知れんが、その金は起債によるか、それから政府から借金するのか、恐らく県が自分の金を持ち出して工事はやり得ない。ところが今の現状では用金もやれんが起債の枠も拡大できんというのが今の実情であると思う。それをはつきりと具体的に計画をお進め願わんと、愛知県の一部では無理して外資を導入しておるとも聞きますが、そういう結果が出て来て、それは又僕は非常な混乱に陥ると思う。国の出す金は二百億か三百億であつても、その費用の全部は国を頼る以外に県は自分の金を以てやることができない。借金をしてやろうという……。その場合それを貸せるだけの心構えがなければ私は非常に危険だと思うのですが、その点どうですか。
  19. 今井田研二郎

    ○政府委員(今井田研二郎君) 誠に御尤もな御質問でございまして、確かに地方財政を考慮いたしませんで、公共事業費のみを考えて総合開発を進めて参ることが不適当であることは申すまでもないところであります。これにつきましては中央の事業費と申しますか、国費の増加に伴いまして、地方財政の賄い得る方策を如何ように考えるかということにつきましては、総合開発計画を立てますと同時に考えておるところでありまして、例えば補助率の引上げでありますとか、平衡交付金の問題でありますとか、或いは起債の枠の拡大、或いはその償還方法等につきましても、十分適当なる措置を講じまして、地方財政に、総合開発計画を進めて参ります上におきまして非常な負担をかけないようにして進めて参りたいというふうな方法を、現在計画を立てます際に考えております次第であります。北上地区につきまして先ほど大臣のお話のごとく計画を進めておるのでございますが、この地域につきましても十分そういうことを考慮しながら事業計画を進めておるというような状況であります。
  20. 小川久義

    ○小川久義君 私、先ほど申上げました愛知用水その他のダムを外資を入れてということを聞きますが、その実情はどうですか。
  21. 小笠原三九郎

    ○国務大臣(小笠原三九郎君) 愛知用水のほうはまだ入れておりません。外資を入れるということで案が実は立つておるのでありまして、先般丁度ワールド・バンクのガーナー氏が参りましたので、それを通産省のほうで申上げますと、電源開発等の問題を持ち出しました。農林省のほうとしては愛知用水のあれは五千万ドルです。五千万ドルの問題を持ち出しました、それで大体言いますと、すでに新聞等で御覧になつたと思いますが、日本が全部いろいろなものを出したやつを総合すると、かれこれ十億にも達するものを向うに一応各省で出したものを言つてみましたが……。それで私はガーナー氏と二、三回会いました。そこで話をしましたところが、実は二十八カ国に対してこれまで貸しておるのは十五億ドルしか貸していない。日本だけが十億近いものを持ち込まれても実はちよつと当歳しておる。併しながら電源開発とか食糧自給のための仕事は極めて必要だと考えているからして、これらに対してはできるだけのことは一つ考えましよう、併しこういう大きい金額はと言つて、つまり問題にならんということは言いませんが、まあこういう金額は、と言つておりましたが、そこで私はそれじやあなたはモデレートの金額は一体どのくらいに考えるかと言つ一たところが、これは金を貸しに来たのではなくて日本の経済の調査に来たので、そのモデレートをと言われてもちよつと困ると、返事はありませんでしたが、あのガーナー氏が発つて行きます前の日に、これは明日新聞に発表するからというのを貰いまして、向うのほうのものを、それもちよつと新聞に発表がありましたので御覧になつておると思いますが、電源開発とか鉄鋼とか鉄道の電化とか今の食糧の問題は六きく取上げております、大きく取上げていますが、今申上げたように、一体それじや何ぼくらい出そうだという見込止みを聞かれても私たちまだ御返事ができないのでありますが、まあ電源について申しますと、これは幾つかのやつは幾らか出しておりますが、そのうちの幾つか、一つ二つに圧縮しますれば向うに比較的納得の行きやすいものが具体的にできるのじやないか。愛知用水は五千万ドルでございますから、日本の今の食糧が御承知のように年々輸入だけで二、三百億円ずつは財政負担をしておる状態ですから、これらの点も向うによくわかつていますから、それで国のほうで保証して払うということも一言つておりますから、割合に取上げてくれるのじやないかという感じを実はするのですが、併しどうもはつきりまだいたしません。これからだんだん具体的に話を進めて参りたい。まだ向うも残つております。従いまして今事務的に進めておる。まあ一応実情を申上げておきます。
  22. 小川久義

    ○小川久義君 もう一つだけちよつと……この総合開発に伴う土地の買収、又住宅の補償などに当りまして一定の基準を審議庁としてもお設けになるほうが当然だと思いますが、各地を廻つて見ますと非常に不同がある。この閥、平岡ダムを見て感じたことは、そこに家が一軒ある。元の家を壊してたたんで仮家を建てておる。その家の一軒の移転費が七百五十万円、移転だけで三百九十万日で、宅地の造成費に四百万円かかる、それでその家を一軒ちよつと移つてもらうために七百五十万円かかるという実態がある。一方に行きますと水田一反七万円か八万円というような所もある。又一方へ行くと二十万日ぐらいだという話もある。先ほど申しました宮城県の江合川のダムにおいては一反百万円出されても絶対に応じないという地主もおるというのですね。そうすると、そこに何かの一定の基準をお作りにならんと非常な不公平が起ると思うのですが、その点に対してはどうするお考えですか。
  23. 小笠原三九郎

    ○国務大臣(小笠原三九郎君) その点については、私もこれは一定基準を作ることが必要であつて、そういう基準等については一遍審議会等に御相談申上げて基準を作る。そして多少地方の実情で幾分の弾力性を持たすことは必要であるが、基準は是非必要であろうというふうに考えまして、これは事務当局のほうで基準を作ることに骨折つております。
  24. 田中一

    ○田中一君 今大臣が北上の問題で予算措置はやはり公共事業の枠内で操作したいという御説明がありましたが、これは大蔵省がそういう強い要求があるからというような御意見でしたけれども、一体審議庁長官としてはどういうお考えなんですか。    〔委員長退席、理事赤木正雄君委員長席に着く〕
  25. 小笠原三九郎

    ○国務大臣(小笠原三九郎君) 私どもとしては成るべく別枠にしたほうがよいと考えておりますけれども、大体大蔵省のほうは只今のところは率直に言つて余り別枠を好みませんので……、併しダムを別枠にしてもらいたいということで交渉を続けております。
  26. 田中一

    ○田中一君 北上の特別委員会を開かれて、大体一月中旬には結論が出る。この結論を出すだめのこの審議会の調査というものは、どういうことをやるつもりになつておるのですか。
  27. 山本三郎

    ○説明員(山本三郎君) 御承知のように、すでに審議会に北上に関係しております岩手県及び宮城県から、府県の計画というものが出ておるわけであります。審議会は府県の計画をすでにもう審議をされておるという形になつているのでありまするが、同時に審議会には、御承知のように、政府案を審議するという機能があるのでありまして、現地案と政府案両者を比較検討して頂きまして、審議会独自の案を作つて頂くというのが、審議会の審議の仕方になつております。
  28. 田中一

    ○田中一君 では公共事業費の枠内で、各省別に盛つた資金が北上の総合開発事業費としイー投入されるわけですが、この際、現場にそれを調整するような、各省がバラバラにやつてはならんと思うのです。従つて農林省は農林省、建設省は建設省、バラバラに事業は行うけれども調整はとるというような御意見と思いますけれども、何か強力な機関を設けるというお考えはございませんか。調整する強力な機関ですね、事業遂行の総合的な機関ですね。
  29. 小笠原三九郎

    ○国務大臣(小笠原三九郎君) 実は審議庁がその調整に当ることも、一つの審議庁の使命になつておりますので、審議庁として調整をいたしたいと考えておる次第でございます。
  30. 田中一

    ○田中一君 これはあなたの時期じやありませんけれども、増田建設大臣か女本の長官をしておつた時分に、北海直開発庁を作りました。これは無論下界を別枠にしまして、新しい機関を作つて、総合計画をやつておるわけなんですけれども、これは現在の成績はどうでございましようか。
  31. 赤木正雄

    ○理事(赤木正雄君) ちよつと田中さ場ん。それは建設大臣の……。つても、北海道の開発庁を作つたということは無論総合開発の統一した、一元化された事業執行機関がなければならないというところが、いわゆる政府のほうでの強い主張でした。大臣は北上のそうした事業を遂行するのに、そういうものが審議庁だけでいいとお考えになつていますか。それとも審議庁がその事業執行のための調整、各省の調整を完全に行えるというような自信をお持ちですか。
  32. 小笠原三九郎

    ○国務大臣(小笠原三九郎君) 只今までのところずつとやつて、おりますのは、審議会が採入れておりますから、従いましてそれが結論に出て参りまする場合には完全に審議庁のほうでいろいろ調整もいたしますから、でき得る確信を持つてとちよつと言うのは、私、言い過ぎになるかも知れません。でき得るものと信じております。
  33. 田中一

    ○田中一君 北海道開発庁を作つたときには、それができないから国がやるのだ、まとめてやるのだ、ところが内閣が違いますけれども、同じ自由党政府が、北上の場合には、これは別々にやつてもできるのだというお考えのようですけれども、これはやつて見なければわかりませんが、少くともそういう形でおやりになつたのでは、私は完全なるものができないと思うのです。従つて先般大蔵省の主計局のほうのかたに聞いて見ますと、公共事業費は、北上総合開発並びにほか四つの総合開発の案が出ておると、これを一つ一つ特定の地域の事業として取上げるけれども、予算の枠は拡げないのだというような御答弁があつたのですが、この五つ、北上を含めまして五つある。ほかに利根川も来ると思いますが、これに対して何か予算的な、特別に総合開発としての事業費を、二十八年度に余分に取るというような強い意気組みがございますか、何か。
  34. 小笠原三九郎

    ○国務大臣(小笠原三九郎君) 今その予算増額のことについては、交渉をしておるのでございますがね。但し私どもが見まして、本年に比べれば余計取れると思いますが、私ども要求しておるだけしかないのじやないかと思つて、今案は交渉を進めておるのですが、大体北上について三十億くらいが今まで予算として計上されておるのでありますが、これを五十億くらいやつてもらいたいということで、今交渉を事務的に進めておるわけです。
  35. 田中一

    ○田中一君 大臣お忙しいでしようから打切りますが、通産大臣でお忙しいでしようけれども、通産大臣の役目を完全に果すのも、やはり経済審議庁の仕事が非常に忙しく、又重大なわけです。従つてそのもとをなすところのこの開発などには、十分御関心を持つて、今度の二十八年度の予算編成に当つては、強く、通産大臣としてではなく、審議庁長官として強い御発言を希望しまして、質問を打切ります。
  36. 江田三郎

    ○江田三郎君 もう終るようですから、私一つ審議庁のほうの関係としてのお願いをして置きますがね。今田中君のほうから、一体今の審議庁でやれるのかということが言われましたが、私は同じ不安を持つておるわけであります。もつと審議庁というものが強固になつてもらわなければ困る。例えば具体的な事例を挙げると、この北海道の幾春別のダムのごときは、一旦ダムの建設を予定して、工事にとりかかつて、それを又地域を変更してよそへ持つて行つたというような事例があるわけです。誠に資金の浪費になるわけです。そういうことが事前に審議庁のほうが十分な話をなさつて、建設なり、通産なり、或いは農林なりというような各省の意見が十分に調整できておれば、ああいうバカなことはなかろうと思うのです。まあそれは一番まずい例だけれども、そういうようなことが今後電源開発なんかについては、たびたひ起つて来ると思うのです。一旦設計をしている、それを又途中から、関係のほかのほうからの横槍が入つて、設計を変更しなければならないということが必ず出て来るのは、そういう点について今の審議庁の機構では、私はとても強力な仕事ができないのじやないかということを不安に思つておるわけでして、その点について又改めて審議庁長官としての抱負を聞かして頂きまして、それに基いて、又我々のほうからも具体的な注文をしたいと思います。が、ただ、今のところは、私どもは非常なる不安の感情を持つて見ておるということだけを申上げて置きます。
  37. 小笠原三九郎

    ○国務大臣(小笠原三九郎君) 御注意に預かりまして誠に有難うございます。これは私どもも是非審議庁の使命を果したいと存じておりまして、大きいほうでは近く経済審議会というものを別に作ることにいたしました。これは各界の人十名というふうになつておりまするが、まあ大体指導的な人十名を入れまして、その経済審議会に大きい問題を御相談申上げて参ることにいたしております。それから、なお今いろいろ御注意の点につきましては、これは私は審議庁長官として責任を取ります以上、最善を尽したいと存じまするが、同時に誠に勝手なことをお願いして恐縮でございますが、皆さん方の御協力と、この上ともの御鞭撻をお願い申上げます。
  38. 赤木正雄

    ○理事(赤木正雄君) 私一つ御質問したいのですが、大体皆さんの御質問に  一致いたしまするが、この問題につきましては、私この委員会で今まで質問したのです。と申しますと、やはり十九地区を選定をなさつた。それは第一私は非常に疑問だつたのであります。五十二地区から選定なさつた十九地区以外でも、十九地区に当然入るべきものがあるのではないか。併しこういうことを申しましても同じことですから言いませんが、十九地区の中でどれからなさるか、それについても私はなかなか容易なことではない。一」ういう国土総合開発の名前はほうぼうに言われておりますが、アメリカでも同じことですが、この調査には十数年かかつてやつている。一旦調査ができましたら、今度は施行に関しては非常に短かい年限になつておりますが、私はこれが本当だと思う。やはり先ほど江田委員のお話の通りに、一旦計画したダムを変更する、そういうことは結局調査の不十分、こういうことに関連いたしますから、私はむしろ拙速主義よりも、十分調査をなさつて、仮に十九地区のうちに、国民が政党政、派を離れまして、どの地区からやつたら一番効果的か、国の経済その他あらゆる面から、農産の面もありましようし、そういうふうに十分御調査なさつて、それからしてほしい。これは恐らく国民もそうあるべきとは思います。こういう事例は……。先ずこれに対して大臣のお考えを一つお聞かせ願います。
  39. 小笠原三九郎

    ○国務大臣(小笠原三九郎君) 仰せになることは誠に御尤もと存じます。これは総合開発計画のごときは、全く党、派的、感情的或いは利害的に物を考えずに、大きい国策の面から行くべきであり、又進むときに十分これは研究をして、一旦着手したら、途中でいろいろ変更する、そういうことのないように必ず計画を完成するように持つて参るのが当然と思います。だからして今後は一つそういうふうに進めて参りたいと存じております。
  40. 赤木正雄

    ○理事(赤木正雄君) もう一つ伺いたいと思いますが、これは大臣もよく御承知の通りに、砂防問題ですが、この国土総合開発に、殊に電源開発に非常に関係しておる問題に砂防があります。私は以前にその問題について、この委員会に尋ねまして、この法案を審議するときにもよく質問したのでありますが、御承知の通り今まで造つた堰堤がずいぶん埋つてしまつて、初め予期した効果がなくなつたというのがずいぶんあります。折角電源開発という意味で堰堤をお造りになりましても、特に今後の堰堤はどうとても高堰堤でありますから、いろいろ土砂の埋まることを最も恐れております。併し今後なされる場所には、土砂の埋まる地点が非常に多いのでありますから、一体それを防ぐにはどうするか。少くともこれに要する金は三千億円要るのです。これは立派な調査です。三千億円要りまして、そうして二十七年度にやかましく言つて四十億の砂防費を建設省に要求したのであります。二十七年度はやつと四十億。そうして今建設省から出しているのが百九十億要求していますが、三千億円に対してこれをどれくらい二十八年度に認められるか知りませんが、僅かなことではなかなか取つつかない。而も一つの例で申しますと、あの与瀬のダムを造つた場合、あれは、やはり堰堤を造るのは、埋まつてしまうから上流に砂防工事をやる、私は在官中にそういう附帯決議であの堰堤を許したところが、堰堤をやつてしまいますと、もう知らん顔をして打つちやつているのです。汽車の上から見ましても、御覧の通りどんどん埋つております。ああいう実は例がありますからして、これは一つ閣議の席上で、一体電源開発の観点からも、上流をどうするか、このことを大臣から特に強調をお願いして、この砂防費を馬鹿にしないようにお願いしたいのであります。
  41. 小笠原三九郎

    ○国務大臣(小笠原三九郎君) 赤木さんが今の砂防に対して御尽力を下すつたことに対して私ども心から感謝して、いるのです。実は砂防というのは、これは治山、治水の根本だということは、私はよく承知し薫りまして、この点についてはいささか向うのほうにもその考えをさせまして、初めて二億円、砂防ではありません、砂防に伴う考え方の植林費をもらつた。今度の補正予算でもらつたというのも、その考え方から出ているのであります。従いまして、今お話のように電源開発に急なる余りほかの砂防その他を忘れてしまつては、これはすぐ埋つてしまうことは御説の通りでありますから、何らかの機会に私からもよく一つ閣議等で徹底するようにお話を申上げたいと思つております。
  42. 赤木正雄

    ○理事(赤木正雄君) なお同じことですが、折角建設大臣がこの事業を御了承なさつたとしても、又大臣が変つて行く、こういうような情勢でありますから、この点はあなたはよく御承知のことでありますから、その実状を閣議で強くお話し下さることを特に国民に代つて要望したいのです。
  43. 小笠原三九郎

    ○国務大臣(小笠原三九郎君) 承知いたしました。
  44. 田中一

    ○田中一君 今赤木さんの質問に関連するのですが、大臣は農林省の砂防と建設省の砂防とを、審議庁長官として調整して一元化するというようなお考えはありませんか。
  45. 小笠原三九郎

    ○国務大臣(小笠原三九郎君) 今まで実は考えませんでしたが、一つ仰せの点について至急検討してみまして、できるだけ骨を折つて見ます。    〔理事赤木正雄君退席、委員長着席〕
  46. 下條恭兵

    ○委員長(下條恭兵君) 長官にちよつとお尋ねしてみたいと思つていることがあるのですが、それは先ほど江田君からも指摘があつたのですが、総合開発の観点から見まして、どうも電源開発のほうに若干力が入り過ぎて、ほかの点が忘れられるという嫌いですね、この点については、私も強くそのことを感じております。でありますが、他からの委員からも御指摘があつたと思いますから省略しまして、私が考えて頂きたいというのは、あのダムの冷たい水の問題です。その小さい川の場合、又大きな川の場合、いろいろ事情が違つて来ると思うので、この点については農林省の中にも或いは農業の専門家の中にもいろいろ意見があつたのです。だのに今政府が取上げているのは専ら冷水の損害のほうだけを強く指摘しておるように思つております。大臣は農林大臣としての在任が短かつたために、詳しくはお調べにならなかつたと思うのですが、例えば金沢の農地事務所のごときは、農業水利についていろいろ研究して意見を上申したりしている事実があつたように我々聞いているのですが、こういうものが割合外に出ておりません。私は農林省のことは別として、審議庁といたしましては、そういうものを十分取上げて調査してみて、将来のために誤りのないようにしてもらいたいということを考えているわけです。こういう点に対して大臣はどういうふうにお考えになつているかという一点と、いま一点は、どうも先般審議庁の事務当局の意見を聞いて見ますと、やはり総合開発に対しては、割合に熱意がないわけでもないでしようが、広汎多岐に亘るためか、調査が進まないで電源開発が先に進行してしまうという点を私は非常に恐れておりますので、大臣の所見を一つ伺つておきたいと思います。
  47. 小笠原三九郎

    ○国務大臣(小笠原三九郎君) 只今お話のありましたダムの建設に伴つて水が冷えて、農作物に大きな被害を及ぼしておるということは、これは私どもも非常に心配しておるのでありまして、この点は只今のところ事務当局のほうでも取上げておるようでございますが、まだ効果がどれだけ出ているかは私承知しませんけれども、今後十分効果のあるように措置いたしたいと実は考えております。  それから国土総合開発計画が遅れて、電源開発が先走るじやないかというお話は、この間の只見川のような問題を見ますと、ちよつとそういうような感が私もいたします。正直に申上げると、いたしますが、併し総合開発計画がほかのものと伴わなくても、これは電源開発が先にというといろいろ問題が起る。この間ちよつと只見川の問題を調べてみましたので、ちよつと御参考までに申上げますと、あれの包蔵水力が大体二百万キロワットあるといわれておりますし、同時に森林資源というものが八千万石ある。鉱産資源でいいますと硫化鉱八百万トン、亜炭が八十万トンあるといわれております。こういう問題を併せて考えてみませんといけませんし、それから又農業用水という問題が非常に大きく、新潟県等にとつては農業用水という問題が浮んで来るのではないかと思います。又日本に比較的法律の根拠が何もなくて困つておりますのに、工業用水というものがありまして、この問題も併せ考えなければいがんだろうと思います。そういうような次第でございますから、そういう総合計画をできるだけ取急いでやりますようにいたしたいと存じております。
  48. 下條恭兵

    ○委員長(下條恭兵君) そこで一つ冷水の問題ですが、実は新潟県では清津川の水を湯沢に落して来ている発電所があります。その下流が非常な多収穫地帯です。これは冷たい水の影響しないところには収穫があるわけです。ですから今只見川の問題で食糧増産についての反対意見というものは、専ら冷たい水の話をしておりますけれども、これは冷たい水を新潟県で使つて反収四石も穫れるという実例がすぐ近くにあるのですから、こういう点を当局は十分考えて頂きませんといかんと思います。  それからその他につきましては、大臣が只見川の問題をお調べになつていろいろお考えになつていることは大変私結構だと思いますので、どうか曾つて行われたように、総理大臣相手に訴訟の起きるような、そういう無茶なことは在任中絶対なさらんということをお約束下されば、私はここで質問することを打切ります。
  49. 小笠原三九郎

    ○国務大臣(小笠原三九郎君) どうもお約束するということはどうかと思いますが、(笑声)私の心持はさようなことにいたしたくないということを卒直に申上げておきます。なお私はやつておりますることについては、十分論議を尽して皆さんの御納得の行くように持つて参りたいというのが、私のすべての行政の考え方であります。若し又どうもこの裁きが、或いはその取扱いが妥当でないじやないかというときには、なぜそういうふうになつたかということについて皆さんに御説明をいたしたいと考えております。今の委員長の御趣意はよくわかりましたから、それを体してやろうと思つております。   ―――――――――――――
  50. 下條恭兵

    ○委員長(下條恭兵君) 次に建設行政に関する調査を議題に供します。  本件はその内容が広汎且つ多岐に亘り、未だ調査を完了するに至つておりませんが、会期の終りに未了報告書を提出することになつておりますので、これを提出いたしたいと存じますが、御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  51. 下條恭兵

    ○委員長(下條恭兵君) 御異議ないものと認めます。それから本未了報告書の内容等については、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  52. 下條恭兵

    ○委員長(下條恭兵君) 御異議ないと認めます。なお委員長の提出する報告書には多数意見者の署名をすることになつておりますので、順次御署名願います。   多数意見者署名     赤木 正雄  廣瀬與兵衞     江田 三郎  田中  一     小川久義   ―――――――――――――
  53. 下條恭兵

    ○委員長(下條恭兵君) 次に本件につきましては閉会中も引続き調査を行いたいと存じますので、本院規則第五十三条により、閉会中の継続調査要求書を提出いたしたいと存じますが、御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  54. 下條恭兵

    ○委員長(下條恭兵君) 御異議ないものと認めます。なお要求書の案文等は委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  55. 下條恭兵

    ○委員長(下條恭兵君) 御異議ないと認めましてさよう取計らいます。  それでは今日はこれで散会いたします。    午前十一時五十四分散会