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1952-06-12 第13回国会 参議院 外務・水産連合委員会 2号 公式Web版

  1. 昭和二十七年六月十二日(木曜日)    午後二時二十一分開会   ―――――――――――――  出席者は左の通り。   外務委員    理事            徳川 頼貞君            野田 俊作君            曾祢  益君    委員            杉原 荒太君            團  伊能君            伊達源一郎君            金子 洋文君            大隈 信幸君            兼岩 傳一君   水産委員    委員長     木下 辰雄君    理事      松浦 清一君            千田  正君    委員            秋山俊一郎君            入交 太藏君   国務大臣    外 務 大 臣 岡崎 勝男君   政府委員    外務政務次官  石原幹市郎君    外務参事官    (外務大臣官房    審議      三宅喜二郎君    室勤務)    外務省欧米局長 土屋  隼君    水産庁長官   塩見友之助君   事務局側    常任委員会専門    員      久保田貫一郎君    常任委員会専門    員       岡  尊信君    常任委員会専門    員       林  達磨君   説明員    水産庁次長心得 永野 正二君   ―――――――――――――   本日の会議に付した事件 ○北太平洋の公海漁業に関する国際条  約及び北太平洋の公海漁業に関する  国際条約附属議定書の締結について  承認を求めるの件(内閣送付)   ―――――――――――――
  2. 曾禰益

    ○委員長代理(曾祢益君) 只今から外務・水産連合委員会を開会いたします。前回に引続きまして北太平洋の公海漁業に関する国際条約及び北太平洋の公海漁業に関する国際条約附属議定書の締結につきまして承認を求めるの件を議題といたします。御質疑のおありのかたは順次御質疑を願います。
  3. 千田正

    ○千田正君 外務大臣に先ず第一にお尋ねいたしたいことは、この漁業条約は被占領時代におけるところのマツカーサー・ラインが独立と同時に撤廃される、その撤廃された後においてアメリカ並びにカナダがこのマ・ラインの代替としてのやはり仮案としてのいわゆる漁業条約を結ぼうとした節があるのではないかというふうに考えられる点もありまするが、その点につきまして外務大臣としてのお考えはどういうふうに考えておられるか、先ず第一点伺いたいと思います。
  4. 岡崎勝男

    ○国務大臣(岡崎勝男君) これはそういう意味のことはないと我々は考えております。第一にマツカーサー・ラインと申しますものは漁業の何と言いますか、魚種の保存とかその他漁業の問題で線を画したというよりも、占領下にある日本の漁船が他の国々との間に紛争を醸さないために一定のラインを引いてその中で漁業をやるということであつて、むしろこの政治的と言いますか、その方面の理由が主であつたと私は了解しております。今度の条約なり或いはそれを希望する理由としてはこの条約にも明らかでありますように、魚種の保存をしましてそして永い間に亘つてきまつた漁獲高、いわば最高の漁獲高をずつと維持できるようなところで押えて行こう、こういう専ら漁業の安定ということを考えて作つたものでありまして、両者の門には特に関連はないと考えております。
  5. 千田正

    ○千田正君 然らば私が考えるのは日本の漁船が現在このたびの条約によつて布かれたところの範囲のうちに操業して行つて果してアメリカなりカナダのいわゆる漁獲資源に対して、漁業資源に対してそういうふうな致命的な、或いはより大きな損害を与えられるというふうに私は考えておりませんが、その点については政府はどういうふうにお考えになつておりますか。
  6. 岡崎勝男

    ○国務大臣(岡崎勝男君) これは私も無論漁業の専門家でありませんので、主管庁である水産庁乃至農林省のいろいろの科学的の検討その他に基いた資料によつて、かかる条約が適当であると考えて作つたのであります。従つて今の御質問の点はむしろ水産庁のほうで答えてもらつたほうが正確かと思いまして水産庁次長がここにおられますから…‥。
  7. 永野正二

    ○説明員(永野正二君) 独立と共にマツカーサー・ラインの外へ一応公海自由の原則で無制限に日本の漁船が出て参りますということに相成りますと、現在、本日提案になつております条約に記載されております、例えばさけという魚種を考えて見ますと、これにつきましてはすでに相当な厳重な保存措置が講ぜられておりまして、これに対する現在までの米・加の漁獲が一応この資源に対して満限に達しておるというような状態でございますので、そこで新たに日本の漁船がその同じ魚を対象といたしまして、無制限に漁業をいたしますということに相成りますと、ここに資源を枯らすというような問題が発生して参るわけでございます。
  8. 千田正

    ○千田正君 私はそういう考えはむしろアメリカ側の意図する考えであつて、アメリカの国内の産業のうちにおけるところの漁業の占める地位というものは頗る低地位にある。日本の漁業の占める国内の産業は農業に次ぐる生産産業であります。而も日本の食糧補給の面から言うと、重大なるポジシヨンを持つている。恐らくマツカーサー・ラインの撤廃によつて今まで制限された、いわゆる公海の自由の原則をはつきりと把握するのはこの機会以外にないと我々は考えておつたにもかかわらず、こうした問題が起きたということについては我々は甚だ遺憾に思うのであります。というのは、勿論我々は国際的に相協力することはいといません。併しながらそのおのおのの国の内部に占めるところの産業の地位というものはおのずから違つておる。例えばアメリカの漁業は僅かに漁民は十七万しかおらない。日本の漁民は四百万。こうしたような国内の産業におけるところの占める地位というものは遥かに大きいウエイトを日本が持つておるのでありまするから、或いはマツカーサー・ラインを越えて、或いは世界の海を自由に或る程度行くのは当然であるのでありまするが、併しながらそれは国際上或る程度ここに協力しなければならないというような観点であるならば、この条約が結ばれる可能も考えられるのでありますが、この点について先ほどマツカーサー・ラインの撤廃の代替ではないかということをお尋ねしたのでありますが、第二点外務大臣にお尋ねしたいのは、これはややもすればモデル・ケースということを世間は唱えております。日・米・カナダの三国条約は一つの将来の日本の海洋におけるところの航海並びに操業におけるところの自由の原則を或る一定の基準の下に制約するところのモデル・ケースであるというふうに考えられておる向きもありまするが、これをモデル・ケースとしてやられた場合においては将来濠洲との問題、或いは韓国との問題、或いはフィリピン、その他日本の国と相交わるところの領水を中心とした問題において操業を制約されるという点に非常に我々は危惧の念を持つておる。陸上においてさえも、僅かに四つの島に立籠つた八千万の人口を我々が今後あらゆる面において食糧確保をして行かなければならない今日において、このモデルケースを中心としてこれからの日韓の問題、或いは台湾との問題、或いはフィリピン、或いは濠洲との問題が当然起きて来ますが、これを中心として同じような方向に向つて条約を結ばれるとしたならば、日本の漁民が操業する地域はますます狭く制約されると思いますが、この点については、外務大臣はどういうふうにお考えになつておられますか。
  9. 岡崎勝男

    ○国務大臣(岡崎勝男君) 先ず第一にこの条約は附属議定書で以て一定の抑止措置と言いますか、日本側で操業しない区域を作つておりまするけれども、これはいわゆる公海の漁業の活動の自由というようなこととは関係のないことでありまして、この条約の前文において公海における漁業の自由というのは先ずはつきり書いてあるのであります。そしてこの漁業の制限をする場合におきましても、非常にむずかしい条件を置きまして、その条件に合うような特定の魚種、これについてだけ制限をするのであつて、その他については制限をしないのであります。従つて公海の自由というようなものの原則を破つたという意味の条約では全然ないのでありますので、我々はこの条約を結ぶ際に当りまして、一方においてはやはりそういう公海の中でも一定の制限を、区画を区切つて制限したほうがいいとか、或いは沿岸国の権利と言いますか、或る国の沿岸のみならず、その沿岸から公海に出ても一定の範囲はその国の漁業の管轄権等があるというような主張も一時あつた場合もありましようが、そういうものをお互いに話合つて、無論協定でありますから、我々のほうも譲るべきは譲つて相手方も譲るべきことは譲つてこの条約になつたわけです。従つて他国との間に将来条約を結ぶ場合においても今お話のような公海の自由を束縛されるというような懸念は私はないと思つております。ただこれは日本に漁業が重要であればあるだけに一時むやみやたらに濫獲をしてあとでとれなくなつてしまつたというようなことでは相成らぬのでありますので、魚種の保存、漁獲高の確保という意味におきまして必要な抑止措置ということはこれは各国お互いにやるべきことであります。その意味では私はこれがモデルケースになつても、徒らに日本の漁民のただ負担、制限が多くなるというふうには考えておりません。従つて将来もこのまるで違う問題については別でありますが、この種の問題につきましては、こういう条約の精神において他国とも話合つて条約を作りたい、こう考えております。
  10. 千田正

    ○千田正君 我々の懸念するのはそこであります。殊にこれは日・米・カナダのように遠く離れた地域との問題よりも、むしろこれを土台として、南太平洋、若しくは日本海、或いは支那海というような最も近接した、而も日本の漁業生産に欠くべからざるところの海洋においてこれを中心とした同じような条件の問題が将来起る、現実に日韓問題というようなものが起きて来ておる。こういうような場合において、果して今外務大臣の言われたように、日本の漁業生産を制約せずに十分なる外交折衝ができるかということについては我々は非常な危惧の念を持つわけであります。でありまするから、この点をもう一回はつきりして頂きたいのは、これを土台とした問題じやなく、その国と国とのいろいろな異なつた事情の下における外国との条約はこれを必ずしも根本としないんだという考えでおられるのですか、それともやはりこの日・米・加条約を一つの基調として今後の外交折衝のモデル・ケースに考えておる、こういうふうにお考えになつておられるか、その点をお尋ねいたしたい。
  11. 岡崎勝男

    ○国務大臣(岡崎勝男君) この条約のいろいろの具体的の規定は別としまして、この条約の精神は公海の自由の原則を先ず認め、そしてそれの基礎に立ちまして魚種の保存と長期に亘る漁獲高の確保ということを目標にして、いろいろの具体的措置をとつておるのでありまして、このこと自体は私は何ら間違つた方針でないと考えております。従つてこの精神は今後も生かして行くつもりでありまして、これによつて日本の漁区の一番大きな漁獲高を長きに亘つて確保して行こう、こういうつもりなのであります。
  12. 千田正

    ○千田正君 それならばもう一遍お伺いいたしますが、この日・米・加の条約とは別個でありまするが、やはり一つの関連した問題であるからお尋ねいたします。それは占領されておつた当時日本の国内においていわゆる漁業の資源枯渇防止法案なるものが上程されて、これは只今法律になつて出ております。やはり沿岸の漁民の生産並びに生活を保護するために漁族の資源の枯渇を防止するという意味のいわゆる資源枯渇防止法案なるものができ上つてこれが実行されておりまするが、その沿岸の漁民の目的とするところの生産のいわゆる魚種であるところのいわしその他の魚類を食い荒すところの海獣即ちオツトセイ、ラツコ、こういうようなものに対して日本が何故に一体そういう捕獲禁止法案を出さなければならなかつたか。而も日本の領土内に棲息するものじやないこの海獣に対してまでも日本は枯渇防止法案とは別個な意味においてこの海獣の捕獲することを禁止する法律を出した。これは一方においては、資源の枯渇防止法案を出しながら、一方においてはその資源を食い荒すところのいわゆる海獣の捕獲禁止法案を出しているのは一応矛盾のように思われますが、将来においてこれは日本の漁業の資源を枯渇すところの海獣は或る程度捕獲してもいいと考えておりますが、その点につきましては、外務大臣としてはどういうふうにお考えになつておられますか。
  13. 永野正二

    ○説明員(永野正二君) オツトセイの漁獲の制限についての御質問でございますので、私のほうから一応お答えをしておきたいと思いますが、御承知の通りオツトセイの繁殖場は現在、過去において日本が持つておりました海豹島の帰属が変りましたのでアメリカ及びソ連が領有いたしておるわけであります。併し繁殖場はそうでございますけれども、このオツトセイはずつと太平洋を南のほうに回遊しておるわけでございまして、これの資源については当然我が国も利害関係を持つておるのでございます。ただこの資源を最も能率よく利用いたしまするために、陸上の繁殖場におけるこの資源の繁殖を保護するという見地からこういう点については今後国際的な協力を以てこの資源を保護しなければならんという必要はあるわけでございます。ただ一方只今お話の通りこのオツトセイが沿岸の漁業資源に対して非常にマイナスになるというような考え方もあるわけであります。この点については戦前日本の主張としてオツトセイの回遊が相当沿岸の魚族を害するという主張をいたして参つたわけでございます。併しながらこの点につきましては未だ科学的な調査がはつきりとできておりませんので、日本側の主張は一応そのままになつておつたのでございますが、この点につきましてソ連は一応除外いたしておりますが、アメリカ及びカナダと共同の調査を実施いたしましてこのオツトセイが沿岸の資源に対してどのくらい影響があるかということを見定めまして、このオツトセイに対する日本の発言権なり或いはこの資源の利用の割合なりというものをきめて参る、それができるまでの前提といたしまして一応無制限にこれを猟獲することはいたさないという趣旨を以ちまして、差当りの措置といたしまして海獣の猟獲をとめておるような次第でございます。
  14. 千田正

    ○千田正君 アメリカ、カナダの沿岸のさけやますの捕獲に対する抑制はこの条約と日本の沿岸の魚種を食い荒してもよろしいという海獣に対する捕獲の禁止ということに対しては、我々はやはり日本の国民として自分の沿岸のいわゆる魚種を守るためには同様の権利を主張してよろしいと私は考えます。同時に、仮にそれが禁止されておつたとしても、戦前のごとく、やはりいわゆる一つの特権を主張していいじやないか。捕獲したところのいわゆる皮或いは肉類の分配というものに対して日本の主張は或る程度やつてもいいじやないかと私は考えておる。そういう意味からしましても、この問題はこれと関連は別としましても、日本の外交折衝としては当然これは起きて来るところの問題であると思いますが、この点につきましては外務大臣はどういうふうにお考えになつておられますか。
  15. 岡崎勝男

    ○国務大臣(岡崎勝男君) 農林省、水産庁等の意見を徴しまして理由のあるところはできるだけ日本の国民の利益になるような措置をとりたいと思つております。
  16. 秋山俊一郎

    ○秋山俊一郎君 只今同僚委員から意見がございましたように今回のこの条約は日・米・加三国の間に締結せられた条約でございますが、今後日本の関係諸国との間に結ばれようとする上に非常に大きな影響をもたらすものでありまして、我々水産関係の者としては非常な重大な関心を持つておるわけであります。ところがこの条約の締結に当りましては、平和条約の発効に先んじて非常に急いで日本政府が関係二カ国の代表を招請いたしまして昨年はるばるとこの取極にかかつたのでありますが、その内容に盛られましたものを見ますというと、アメリカ或いはカナダの漁業資源を保護するという意味におきまして、日本の国民はみずから公海自由の原則による漁業の抑止を制約されたにとどまつておつて、或いは日本の国民の利益になるような点がないように思われる。殊に今春計画せられておりましたブリストル湾におけるかにの漁業のごときも計画が進んでおるうちに操業ができなくなつたといつたようなことを考え併せて見まして、何故にこの漁業条約というものはそんなに急いで締結しなければならなかつたかということに私どもは疑問があるわけであります。この条約を急いで締結したために我々日本の国民にとつてどういう利益があつたかということについて外務大臣の御見解を伺つておきたい。
  17. 岡崎勝男

    ○国務大臣(岡崎勝男君) 全般的に見まして、日本が今後各国と協調して各国お互いによく理解し合つた上で漁業にも従事し、その他の経済活動もいたすということが当然と私は考えております。そこで御承知のように今度の条約は調印をしまするには講和条約発効後関係国の大使が信任状を捧呈して正式な資格ができてからでなければ調印できませんので、非常に急いで片方においては漁船がすでに港を出て先方の水域に到達しておる、そこで待つておるときに、こちらでは講和条約の発効を待つて急いで大使の信任状の捧呈を終り直ちに調印をしてそれによつて工船、漁船が漁業に従来できるというような事態であつたことは御承知の通りであります。従つて我々は講和条約の発効前にすべての準備を整えて、講和条約ができますとすぐに漁獲ができるようにというためにやりましたのと、それからもう一つは日本が前に吉田総理大臣のダレス大使に対する手紙のように漁業に対しても決してむちやくちやをやらないのだ、正当に科学的の調査を経て抑止すべきことは抑止し、そしてとるべきときはとるという公正な態度を以て臨むのだという日本の態度はこの条約によつて明らかになつておるのでありまして、こういう点も国際的の関連において早く作つたほうがよろしい、こう考えて作つたのでありますが、そのときに占領下でありましたので、この条約に関する限りは占領下ではあるけれども特に三国共に全く平等の立場に立つて交渉をするのだということについて念のためはつきりと確認をいたした上で交渉を始め、条約を作つたような次第であります。
  18. 秋山俊一郎

    ○秋山俊一郎君 この講和が発効いたします前にマ・ラインが先方の好意によりまして撤廃をされたのでありますが、講和発効との間の日にちは極めて少なかつたのでありますけれども、講和が発効してしまうならば当然公海自由の原則によつて漁業はできる、但し吉田首相のダレス氏に送つた書簡に基いてその範囲を越えない状態においては日本の漁船は公海に出て行つて仕事ができるはずであつたと我々は考えるのであります。然るに講和発効後においても操業ができなかつたというような事実から見ますというと、どうもそこに我々として割切れんような感じがあるわけで、この条約が調印されなければどうしてもいけなかつたといつたようなことに対する疑念を持つわけでありますが、その点はどういうふうに御解釈になつておられますか。
  19. 岡崎勝男

    ○国務大臣(岡崎勝男君) もとより法律的にはこういう条約がなければ講和発効後は日本はどこにおいても勝手に魚をとれるわけであります。併しながらこれによつてこういうまあ実際上今度の抑止水域等は過去において日本の漁船が行つて魚をとつたことはないという話でありまするけれども、日本が至るところ魚種が枯渇しようが何しようが勝手にとるんだというような印象を与えることは、日本の国際間における立場を非常に悪くするものであります。又この抑止措置というものはこれはいろいろ水産庁等でも研究いたしまして、決して無理のないところであるという結論が出て来ましたので、公正なる日本の態度を示す上においてはこういう条約を以て、そしてこの条約に基いて漁業をやるというのが政策的には最もよろしいのであります。然らずんば今後いろいろの困難な問題が起りまして、日本の漁業がこの条約がない場合にもつとむずかしい状況に逢着するということもこれはなきにしもあらずであります。で、我々はその意味でこの条約を作りまして、これに基いて漁業をやるという方針をとつて来たのであります。
  20. 秋山俊一郎

    ○秋山俊一郎君 もう一点お伺いいたしますが、只今のお話はこの条約に盛られました魚種についてのお話でありまして、その他の魚種についてはこの条約に何らの制約がございません。従つて今のところでは公海においてはできるはずであります。従つてブリストル湾におけるかにの漁業にいたしましても、何らこれによつて制約を受けていない。さような漁業がダレス、吉田書簡によれば、やれるはずであつたのがやれなかつたということについては、条約ができなければいけなかつたということについてあの書簡と、そしてこの締約国との間の感じがはつきりしないように思われるのでありますが、その点は如何ですか。
  21. 岡崎勝男

    ○国務大臣(岡崎勝男君) これは実は外務省の所管というよりも、農林省の所管事項になるのであります。昨日も衆議院の委員会におきましては、農林大臣からその点は答えたのでありますが、要するに当時まぐろに対する関税の問題などもあり、いろいろ全般的に見てかにの工船を今年は出さないほうがよろしいという結論になりまして、将来に亘つて大きく漁獲をするという趣旨で今年は一応取止めにしたと、こういうことになつております。
  22. 秋山俊一郎

    ○秋山俊一郎君 少し内容に入りますが、この条約のうちに保存措置という言葉がしばしば出ております。このおひよう或いはにしん、さけ、これらの魚種に対しまして、アメリカ或いはカナダが現に保存措置を講じておるということなのであります。この保存措置ということについては非常にいろんな事項があると存じますが、これを水産庁のほうからお答えを頂いて結構でありますが、このアメリカ及びカナダにおいて、各種の魚種に対して現在行われておるこの保存措置というものは、どういうことを行なつておるかということをお伺いしたい。
  23. 永野正二

    ○説明員(永野正二君) 先ずおひようについてでございますが、これは、九二〇年代から漁獲が非常に減つて参りましたので、これにつきまして漁業の規制をしてこの資源を保存をするという必要が唱えられて参りまして、それに基きましていろいろ科学的調査をやりましたので、現在行われております保存措置といたしましては、先ず漁場を区域的に分けまして、その各区域についての最高の漁獲高をきめております。これに達すれば当然漁獲は禁止されるわけであります。それから漁獲かする時期につきまして、禁漁期を設定をいたしております。それから特に産卵期については禁漁をいたしております。それから未成熟、即ち稚魚でございますが、稚魚の多い区域につきましても漁業の禁止をするというようなことをやつております。それから漁獲の方法につきましても網を使用することを禁止をしております。或いはドーリー船と申しますか、お椀型の船を何ばいかこう積重ねまして、母船で運ばせるような型の、非常に能率のいいドーリー船というような船を使うというようなことを禁止するというような保存措置をとつております。それからさけにつきましては、これはよく御承知の通り、産卵のため河川に回遊するわけでございまして、この河川における漁業につきましてこれを放置いたしますならば、非常に資源を枯渇させますので、この河川漁業につきましての細かいいろんな漁業上の規制、それから先ほどのおひようと同じように区域別の漁獲高の制限、或いは漁業の時期の制限というような漁獲上の制限をいたしております。又漁具漁法につきましても網目の大きさとか、その他紬かい制限をいたしております。にしんにつきましても相当大量の標識放流によりましてこれの資源を推定いたしまして、一定の漁獲の制限高というものを設けておるようなわけでございます。
  24. 秋山俊一郎

    ○秋山俊一郎君 そういたしますと、それらの漁獲制限という、例えば現存南氷洋におけるくじらの捕鯨の状態において、一万六千頭なら一万六千頭という国際的な取極がございますが、こういう各締約国におきまして、そういうような漁獲高の数量を一定して毎年同じ数量を制限しておるのでありますか。それからもう一つは、この漁獲を制限しておるのであつて、漁業に従事する船の数を制限しておることはないのであるか。その点をお伺いしたい。
  25. 永野正二

    ○説明員(永野正二君) 漁獲高の制限は年によつて異なつております。勿論前の年と同じだけの制限高をつけたことはございます。それから船の制限でございますが、大体さけ及びおひようにつきましても船の数の制限ということはやつておらないようでございます。
  26. 秋山俊一郎

    ○秋山俊一郎君 そういたしますというと、年によつてその漁獲高の制限が増減されるという、漸次減少するということになればわかりますが、もつと余計とつてもいいという数量の制限が拡つて行くということについてはこの保存措置というものの必要性が少し怪しくなつて来るような感じがいたしますが、その点は如何でございましようか。
  27. 永野正二

    ○説明員(永野正二君) 只今秋山委員の仰せになりましたように、漸次この制限高を上げて行けるということは、要するに現在の漁獲がその限度まで来ておらないということを意味するわけでございますからそういう場合には勿論この条約の四条に書いてございますように四条の一項の(b)項の(i)でございますが、「科学的調査に基く証拠により、当該魚種の一層強度の漁獲が年々持続可能な漁獲高の実質的増加を招来しないことが明らかなこと。」と記載されてございますが、これに該当しないということに相成りまするのでその場合にはその制限高の殖えた部分についてはこれはこの条約の考え方からいたしましても別途な措置が考えられて然るべきだと我々は考えております。
  28. 秋山俊一郎

    ○秋山俊一郎君 細かいことをお尋ねするようでありますが、これはアメリカ及びカナダがみずから保存措置を講じておるために他の締約国を中に入れないということになつておりますので必ずしも日本はどうでもこうでも隙を狙つて入ろうという意思がございませんけれども、若しこの漁獲制限が緩和されて行くということになりますというと、現在の保存措置を必要とした理由に疑念が生じて来ると、従つてそれは今直ちにこの附属書の中に書入れることが尚早であつたという感じもするのでありまして、他の今後の問題にもこれは大きな影響をもたらすものと思われるのであります。従つてそれらの漁獲高の制限というものは年々締約国に提示されるものでありますか。その点をお伺いいたしたい。
  29. 永野正二

    ○説明員(永野正二君) 締約国はこの条約の規定に基きまして漁獲を抑止しない場合におきましては当然そのみずからの行なつております保存措置を続けて実行する義務を持つております。そして又この保存措置の内容をこの条約に基いてできまする委員会に通報すると、こういうことになつております。
  30. 秋山俊一郎

    ○秋山俊一郎君 少し細かいことを私質問いたしたいと思いますが、それはもう少しあとに譲りまして他の委員のかたに総括的質問をお願いしたいと思います。
  31. 木下辰雄

    ○木下辰雄君 この条約の全文を通じて見ますと保存措置に基く漁業の制限というものが大体骨子を成して「おるように思います。アメリカも成るほどさけ、ます或いはおひよう、にしんというものはアメリカで只今説明されたように保存措置が講ぜられておる。併し私は今まで調査したところによるとアメリカ、カナダ以外の日本の関係する諸国には保存措置を講じておる魚種は一つもないように思いますが、水産庁の御意見は如何ですか。
  32. 永野正二

    ○説明員(永野正二君) 保存措置と言います言葉の意味につきましては、これは相当幅のある言葉だと存じております。そう広い意味の保存措置ならば或いは日本を取巻いております国の中にも或る程度の措置はあるかと思います。併しながらこの条約で漁業を抑制する条件になるような保存措置と申しますのは、それが科学的な基礎に基いておる保存措置であつて、而もその資源に対して現在の漁獲が満限に達しておるという厳重な条件があるわけでございます、こういう条件に該当するものは現在我々の知る範囲ではないと存じております。
  33. 木下辰雄

    ○木下辰雄君 私もそう信じますが、然らば公海は自由であるという原則ならば満限に達した保存措置がなければ一体その国と条約を結ぶ必要があるかないか、その意味が疑問に思いますが、その点は一体如何ですか。これは外務大臣にお伺いします。
  34. 岡崎勝男

    ○国務大臣(岡崎勝男君) 私はこれはいろいろの意味がありまして、やはりいろいろの点で必要だと考えております。
  35. 木下辰雄

    ○木下辰雄君 例えば成るほど講和条約の第九条に公海における漁業の制限その他について申出があつた場合には、日本は速かに条約を作る、こういうことを謳つてある。それに基いて或いはフィリピンとか或いは濠州、朝鮮、中華民国、こういう方面から盛んに言つて来ておるようですが、彼らの意図するところは公海の自由を制限するというような主義のように私ども感じておるのであります。その現われとして中華民国は現在のマツカーサー・ラインを自国の領海だと主張しておる。又朝鮮は李承晩ラインなんかを引いて、これから日本の船は入れぬというようなことを主張しておるようでありますが、これは一種の彼らの予防策とも考えられますが、いやしくも満限に達した魚種はない。従つて保存措置も講じてないと言えば、これは公海自由の原則によつて日本はどこでも行けるというのが、この日・米・加漁業条約の骨子になつておるようです。私どもはこれをモデル・ケースにする、ぜんは別として、日・米・加の漁業条約でさえも公海の自由の原則を認めておる。そうして満限に達してない魚種に対しては公海は自由であるということを認めているならば、今水産庁の言われたように満限に達した魚種もない。そういう意味においての保存措置がないというのでありますならば、私どもは漁業条約を今後作る意味がないと思いますが、これは重ねて外務大臣に御意見をお伺いいたします。
  36. 岡崎勝男

    ○国務大臣(岡崎勝男君) これは御承知のように平和条約でもよその国に希望があれば条約を作るということになつております。今この満限というのも随分いろいろ意見があると思います。そうして例えば仮に満限に達しなくてももつとできるだけ魚種を殖やす、魚」の量を殖やすということがありましようし、又いろいろ各国では主張が違つておりまして、例えば或る国では沿海と言いますか、領海の範囲を三海里とか何海里であるという主張をしておるところもありますし、又或る国では沿岸国の権利と言いますか、沿岸国は領海のみならずその外も権利があるんだというような主張をしておるのもありますし、相手国に話合いをいたしまして、日本のこの条約に現われたような公正な立場を相手国が理解すれば話は無論つくと思いますが、こういう原則によりまして公海は自由である、満限に達したものについては別であるけれども、それでなければ自由に漁獲ができるんだ、又沿岸国の権利なんというものはないはずのものである、こういうようなことをはつきり確認させることができればそれだけでもなかなか有利な点もあるだろうと思います。又漁夫にしましても何かはつきりした約束があれば出て行くけれども、うつかり出て行つて捕まつてしまつては困るというような気持もあることがあるでしようから、これはまあ必ずしもどこの国とやらなければならんという問題じやありませんけれども、できるだけこういう協定ができてはつきりいたせばそれだけ日本の漁業というものも安定した基礎に立つんじやないか、こう思つております。併し我々のほうから特に進んでやろうというのでなくして先方の国に希望があればそれに応じて協力するという趣旨であります。
  37. 木下辰雄

    ○木下辰雄君 それでは今後他国と漁業条約を締結する場合において飽くまでも公海自由の原則は主張する、公海におけるもとより満限に達した魚種があつたら別ですけれども、これはないと私どもは確信しておりますが、然らば公海における自由の原則は飽くまでも確立するというところに、外務大臣としてはお考えになつておりますか。
  38. 岡崎勝男

    ○国務大臣(岡崎勝男君) それはもうそれが私どもの主眼であります。この主張を各国に対して貫きたいと思つております。尤も相手国があることでありますから、相手国がむちやに朝鮮のように主張しますとこれを理解させるには随分骨が折れると思います。併し政府としては飽くまでも公海の漁業の自由という原則の下にこれから話を進めて行きたいと思います。
  39. 木下辰雄

    ○木下辰雄君 公海というの、ちよつと私わかりませんが、国際法並びに国際慣行による公海となつておるので、或る国は三マイルというし、ソヴイエトは十二海里というと非常に違いますが、これは何かはつきりした標準がありますか、どうですか。
  40. 岡崎勝男

    ○国務大臣(岡崎勝男君) これは遺憾ながら国際間にははつきりした標準がないのであります。ただ非常に多数の国は三海里という主張に皆意見が一致しております。特殊の国が十二海里とか或いは六海里という主張をしておるわけであります。この条約は前提として三海里ということを考えて作つておりますが、今後ともそういう問題はできるだけ世界の通説である三海里ということにいたしたいと考えております。又この条約におきましても日・米・加三国のこの条約関係においてはやはり三海里という主張は貫かれておる。できるだけこういういわゆるこれをモデル・ケースにしまして、できるだけこういう世界の意見を統一したい、こう考えております。
  41. 木下辰雄

    ○木下辰雄君 それからこの内容にちよつと入りますが、第一条の北太平洋という意味、これは前の委員会で土屋局長から赤道以北と言われましたが、赤道以北ということになると日・米・加の漁業条約としては非常に広範囲でありますが、やはり赤道以北と解してよろしうございますか。
  42. 岡崎勝男

    ○国務大臣(岡崎勝男君) これはやはりそういうふうに解するのが適当と考えております。尤もこの抑止区域というようなところはずつと北のほうになりますけれども、公海自由の原則なんということはこれはもう赤道以北の北太平洋には全部適用するのだという建前で、我々はそれについてはアメリカもカナダも承知しておるのであります。こういう建前で進みたいと考えております。
  43. 木下辰雄

    ○木下辰雄君 もう一つはつきりしておきたいと思いますが、「接続する諸海」、第一条の二行目の「接続する諸海」というものを、その北太平洋に接続するすべての海を称しておりますが、領海以外の海を称しているものですか。
  44. 岡崎勝男

    ○国務大臣(岡崎勝男君) 私も非常に地理はよく知りませんが、一般的の言葉で申しますれば、これも区域ははつきりしませんけれども、いわゆるべーリング海とか、オホーツク海、日本海、黄海、東支那海、こういうものはすべて含むことになると思いますが、併しそれにつきましては又いろいろこの関係国の利害が共通しておる魚の分布区域というようなものに又限定されることもあると思います。一般的にはとにかくそういうすべての海を含む、こう考えております。
  45. 木下辰雄

    ○木下辰雄君 最後に私どもはこの条約は一応承認するとして、仮に承認するとしてこの実行を私ども非常に危ぶんでおります。殊に何らバツクに力がない日本として果してこの条約通りやり得るか。本年のブリストル湾に対するかに工船の出漁は今大臣が述べられたようにいろいろ事情のために止むを得なかつたかも知れんが、今度やる場合において再びああいう支障が起りやしないかということを非常に私ども杞憂いたしております。満限に達した四つの魚種以外のものをとりにアメリカ沿岸或いはカナダ沿岸に行く場合においてこの条約実行上果して支障ないかどうかということを非常に杞憂いたしておりますが、こういう場合が若しできるということになれば、この条約は空文に等しい。その条約の適用については十分の一つ御主張を願いたい。それだけ要望しておきます。
  46. 岡崎勝男

    ○国務大臣(岡崎勝男君) この点は全く御尤もな御懸念でありまして、我々もできるだけ、無論法文上は自由にできるわけでありますけれども、とかくこういうものは相手国が無理を言つたりして、又相手国は国内の事情があつていろいろやりますので、むずかしい場合もあり得ると思つておりますが、こういう条約を作つた以上はこれを建前としまして無論あらゆる方法を以て日本の漁民の利益は保護するつもりでございます。
  47. 木下辰雄

    ○木下辰雄君 もう一点、先にまぐろ関税及び冷凍まぐろの関税問題に絡んで今年はかに工船の出漁を取止めたというような意味のことを農林大臣も言つておられましたが、日本の魚を売る主なるマーケツトはアメリカである、でアメリカが通商上そういう点に対して相当日本に嫌味をやるかも知れない、ここに来てやるならばお前の魚は買つてやらんぞということが交換条件になるかも知れませんが、そういう点を十分お考えになつて至急通商条約を結んで頂きたいということを希望いたします。
  48. 千田正

    ○千田正君 ただ一点だけお伺いしたいと思いますが、これは日・米・カナダの三国の条約であつて、今お答えがありましたところの赤道以北ということになりまするというと、それに連なるところの海ということになるというと、メキシコ或いは南米の漁業がこの三国条約の漁業条約の規定内に入つて操業した場合はこれは何らの制限がないと思いますが、その点はどういうふうにお考えになりますか。
  49. 岡崎勝男

    ○国務大臣(岡崎勝男君) これは又このアメリカとカナダに関する限りは我我がそこへ行つて漁業をやつても無論異議はないはずであります。併し例えばメキシコであるとか、フイリピンであるとか、或いは南米の国であるとかいうものが何か反対をいたすかも知れません。これは条約の性質上、締約国以外のものを縛るわけには行きませんから、これは止むを得ないと思います。そこでそういう場合にもこういう公正な条約を結んだから、この趣旨を貫いて若し仮に万一反対の国があるとすれば、それによく理解させて、この条約と同様のものを作りまして日本の漁業の利益を保護いたす、こういうつもりでおるわけであります。
  50. 秋山俊一郎

    ○秋山俊一郎君 もう一つお尋ねいたしたいと思いますが、この条約の第八条を一応御説明を願いたいと思います。
  51. 曾禰益

    ○委員代理(曾祢益君) 秋山君、誰に……。
  52. 秋山俊一郎

    ○秋山俊一郎君 水産庁の……欧米局長のほうがおわかりかも知れません。
  53. 土屋隼

    ○政府委員(土屋隼君) 第八条の御質問と申されますと、各国が記録を保存したり、或いは委員会の要請があつた場合においてはその他の情報の編集物を提供するということについて各国が用意したという、この項でございますか。後段の但し個々の作業、その国の或る一つの企業、或いは一つの会社だけが行なつておる漁業についてどの締約国も情報を提供したり、或いは記録を提供するという義務を負わないということであります。つまり国としての操業であつて、個々の作業についての記録若しくは情報の提出はこの委員会から要求されない、こういうことであります。
  54. 秋山俊一郎

    ○秋山俊一郎君 もう一点、この附属書の一の(a)項に、漁場の(a)のお終いのほうにアメリカ合衆国の地先沖合の条約区域、こういう言葉がございます。このアメリカ合衆国の地先沖合の条約区域、他のにしんとか或いはさけにつきましてはその区域が示されておりますが、ここには別に条約区域となつております。そうしますと、これは何か意味があつて、こういうふうになつて明示してないのであるか、その区域というのはどういうところを指すものであるか。
  55. 永野正二

    ○説明員(永野正二君) おひようの区域につきましてはこれの分布が非常に限られております関係で、北アメリカ沿岸に発生するおひようの分布しておる限りは、この条約区域であるならば沖合どこまでも及ぶというふうに規定されておるのでございますが、これは分布が限られておりますのでそう支障はないと存じております。
  56. 秋山俊一郎

    ○秋山俊一郎君 若し限られておればその限られておる区域を明示しておくべきではなかつたですか。
  57. 永野正二

    ○説明員(永野正二君) 現実の問題といたしまして、このおひようの分布区域をこの三国漁業条約ではつきりきめるというような段階に至らなかつたのでございますが、若し今後この条約で設けられました委員会においてこういう制限の仕方が不適当だということになりますれば、当然この区域はもう少し厳密に規定したほうがよりいいとは思いますが、現実の状態といたしましては、これでも不都合はないと存じております。
  58. 秋山俊一郎

    ○秋山俊一郎君 了承いたしました。
  59. 曾禰益

    ○委員長代理(曾祢益君) ちよつと速記をとめて。    〔速記中止〕
  60. 曾禰益

    ○委員長代理(曾祢益君) 速記を始めて下さい。
  61. 千田正

    ○千田正君 それは日本の敗戦という一つの大きな不幸な事態によつて生じたところの現在の日本の国力、即ち我我が海外の領土を失い、四つの島に八千万の人口を抱えて食糧問題に悩み、漸く独立して国権が回復した。そうして我々が領土ではないが、領土に代るべきものは海以外に日本民族の発展すべきところはない。こういう観点から立ちまして我々が今まで叫んで来ておるのであります。でありますから外務委員会の各位におかせられましても、日本の領土というもりはすでに四つの島に限られておる。ただ我々がここに産業の発展を求むるならば、海洋以外に我々民族の発展の方法がないのだという点を特に御留意の下に慎重に御審査を願いたいと思います。  以上申上げて我々の希望をお伝え願いたいと思います。
  62. 曾禰益

    ○委員長代理(曾祢益君) 御発言ありませんか。
  63. 團伊能

    ○團伊能君 外務大臣にお伺いします。米国及びカナダの委員その他の意向としてこういうことがありましたかどうかお伺いいたしたいのでございますが、    〔委員長代理曾祢益君退席、外務委員会理事徳川頼貞君委員長席に着く〕 日本の立場に立つて考えますと、御承知のように北米沿岸というようなことよりもむしろ日本に近い島、沿岸、或いは世界の三大漁場の一つと言われているオホーツク海その他日本の北方漁区というものが非常に重大なものであると考えますが、これらは御承知のようにソ連の最も近い海でありまして、これらに対する漁業の状態は非常に今日におきましても閉鎖されております形であります。ソ連が十二海里の領海を主張するために北海道に近い南千島方面でも十二海里の線を引いて参りますと殆んど公海としての残るものも近海に僅かになります。そういう関係で日本にはこの方面が一番直接関係もありますが、このカナダ及び米国代表と北太平洋の漁区の交渉中これらの問題に触れてお話になりましたことがありましたかどうか、又これらの地方を将来においてアメリカ及びカナダは、或いはソ連を加えての国際漁業条約というような意見がありましたかどうか、その辺の経緯について若しもお伺いすることがありましたら伺いたいと思います。
  64. 岡崎勝男

    ○国務大臣(岡崎勝男君) これは交渉の際におきましては、日本側から多少その問題に触れて見たのでありますが、米・加両国、韓国に只今のところそういう問題は実現困難であるから、将来のことに待つよりいたし方がないという意見でありましたので、結局我々もそういうふうに考えざるを得ないものでありますから、その問題はこの交渉では一応話には上りましたけれども何らの結論を得ずしてそのまま過ぎてしまつた。
  65. 團伊能

    ○團伊能君 然らば次に話がややつき得る地区、即ち韓国沿岸、或いはこのたびの日華条約にも明記してございます台湾の膨湖島、西沙群島、その他のいわゆる中華民国政府との間に近く協定が結ばれるべき立場にあると思いますが、これらに対しても米国及びカナダ、殊に米国の意思というものは別になかつたのでありますか。
  66. 岡崎勝男

    ○国務大臣(岡崎勝男君) 別に何もアメリカ側からの意見等は聞いておりません。これは平和条約にもありまする次第で、相手国との間に自由なる意見を交換しまして、妥結できるものならば話合いをつけて漁業協定を作りたい、こう考えております。
  67. 團伊能

    ○團伊能君 次にこの問題が相手国同士で決定する問題として残されてはおりますけれども、事実上相手国との二国間条約では解決しない三国その他の利益が入り乱れないような場合もございまして、現にこのたびの条約はカナダ、米国との三国の間の条約になつております。日本海、支那海その他日本の近海の数カ国の利益が輻湊するというような形もございますから、こういうのは非加盟国は別といたしまして、国際連合の加盟国というものの間におきましては、国際連合などがこの中の一つの中核体として働くというようなことについて大臣のお考えは如何ですか。
  68. 岡崎勝男

    ○国務大臣(岡崎勝男君) これは将来のことで私もはつきりわかりませんけれども、実際の話合いとしましては何と言いましても、漁業に関しては日本が一日の長があるのでありまして、これは単に漁業協定だけでなくして、今度は資源開発と言いますか、漁業に関する経済協力というような面におきましては日本の技術なり、知識なり、経験なりが非常に要望されておるわけであります。従いまして、例えば中華民国政府との間にも恐らく漁業に関する協定と、そしてこの日華両方の協力による漁業自体のやり方というものが、まあ抱き合せと言つちやおかしいのですが、両方が並行して進められると思うのです。従いまして私はその間に多少の意見の相違は無論ありましようけれども、日本のほうで大いに援助し協力するという建前をとりますれば、この漁業条約そのものもそう困難なくできるのじやないかと、こういうふうに予想しております。
  69. 團伊能

    ○團伊能君 只今の大臣の御説明の抱き合せというようなことを具体的に申しますと、例えば中華民国の漁業会社でありまして、資本、技術を日本が持つというような形のことを意味するものでございましようか。
  70. 岡崎勝男

    ○国務大臣(岡崎勝男君) これはまあその国々によつていろいろ形は変ると思いますが、例えば技術者を派遣する場合もありましようし、資本を投下する場合もありましようし、又合弁事業のような形にいたす場合もありましようと思います。まあいろいろの意味におきまして日本もこれに大いに協力するという趣旨であります。
  71. 團伊能

    ○團伊能君 次にお伺いしたいのは、只今信託統治として考えられております琉球、西南群島その他の沿岸漁業に関しましてどういう工合になつておりますか。又その間の交渉というものがありますかどうか。
  72. 岡崎勝男

    ○国務大臣(岡崎勝男君) これは只今のところは我々のほうではこの条約の趣旨によりまして公海の漁業自由の原則で行きたいと考えておりますが、技術上すでに沖縄若しくは奄美大島等には日本の連絡事務所ができることになつております。この事務所はいろいろの仕事をいたすわけであります。只今は漁業の問題も入るのだということには無論なつておりませんが、将来だんだんたてばこういう問題も取上げられる可能性もあると考えております。だんだんそういう方面から、今漠然としてはつきりしてない場合もありますのでこういう点も正確にはつきりしたいと考えております。
  73. 團伊能

    ○團伊能君 いろいろ世間に流説もございますが、只今日韓条約の協議中において韓国の主張する漁区その他の問題と、日本の主張とが相当離れているために、日韓条約が一つの暗礁に乗上げている原因のようにも言われておりますが、その点伺える、或いは誤解を解き得るものがあつたら大臣から消息を伺いたいと思います。
  74. 岡崎勝男

    ○国務大臣(岡崎勝男君) いわゆる李承晩ラインにつきましては、私どもはこの三国条約の趣旨とは全く違いまして、単に海の上に一線を画しまして、それから中へは入つて来てはいかんということであります。その中で別に保存措置を講じているとか、或いはその他の方法で漁獲のできるだけ長期に亘つて多くとれるようなことというわけでもないようであります。従いまして、私どもは李承晩制限というものは、これは理由のないものであり、国際法の原則にも反するものであるという建前をとつておりましたが、意見は先方はなかなかそれに対して強い主張をしておりまして、意見は一致しなかつたのであります。併し意見は一致しませんでしたが、日韓交渉が一時中絶しましたのはこの問題というよりはむしろ朝鮮における日本の財産の請求権の問題で非常に意見が激しく対立しましたために話合いが続行することができずして中絶したようなわけであります。中絶しましたためにこの漁業問題も最後まで掘り下げて意見の交換をすることはできなかつたわけであります。従つて日本の主張は日本の主張、韓国側の主張は韓国側の主張として今は分かれておるような次第であります。
  75. 徳川頼貞

    ○委員長代理(徳川頼貞君) 速記をとめて下さい。    〔速記中止〕
  76. 徳川頼貞

    ○委員長代理(徳川頼貞君) 速記を始めて。  それでは続けて連合委員会を開きたいと思います。若し御発言がございましたら……。
  77. 金子洋文

    ○金子洋文君 これは素人らしいことを聞いて間違つておるかも知れませんですが、さつき外務大臣の話だとこの北太平洋領域で、特定の今の領域、今まで日本は少しもとつていないということをおつしやいました。そうでないのですか。
  78. 岡崎勝男

    ○国務大臣(岡崎勝男君) 実績がないのです。
  79. 金子洋文

    ○金子洋文君 実績がないというとその条文によつて今後一匹もとれないということになるのじやないですか。
  80. 土屋隼

    ○政府委員(土屋隼君) 日本がこの条約によりまして抑止を同意しました地域につきましてはその魚種について実績がなかつたということによつてとれないことになります。ただ五年あとには実際上の保存措置を見ました結果、保存措置を緩和できる。従つて実績のなかつた国にもやはり同じ参加さして差支えないという段階が来れば、これは前のケースでございましようが、来れば理論的に申しますと日本も参加するということがあり得るという程度であります。
  81. 金子洋文

    ○金子洋文君 そうしますと五年先でなきや一匹も魚がとれない、とれないのに対して協力しなければならないということになるのですか。
  82. 土屋隼

    ○政府委員(土屋隼君) この条文で規定してありますのはアメリカやカナダのように実績のあります国もこれ以上自由に漁獲をしていいというわけではないのであります。その間におきましてつまり現在止められております、或いは保存措置の講じられております範囲内の義務を負うという義務を持つておるわけであります。従つてその間におきまして五年は据置きになりますから五年間におきましては日本が仮に漁区が殖えても差支えないということを国際委員会が発見いたしましても五カ年間は日本の参加する機会はないと思います。
  83. 杉原荒太

    ○杉原荒太君 なお個々の質問に入ります前に、この間条約の条文の説明があつたのですが、この条約によつてカバーされるということについて北太平洋地域の漁業については、一般的な説明がなかつたのですが、これを水産庁のほうから一つ要領よく余り長くならないで要点を御説明願います。
  84. 永野正二

    ○説明員(永野正二君) 日・米・加三国の関係で問題になります漁業の種類別を申上げたいと存じます。  第一に戦前日本がどの程度にこの地域で漁業をいたしておつたかという問題を御説明申上げたいと存じます。戦前日本が操業いたしておりました漁業の種類は第一に母船式かに漁業でございます。それから第二に母船式のさけ、ます漁業でございます。それから第三に陸上を根拠といたしますさけ、ますの漁業でございます。その漁業には流し網の漁業と北千島を根拠といたします建網、定置網漁業との二種類がございます。  それから、以上が非常に日本にとりまして重要な漁業であつたのでございますが、そのほかにべーリング海におきます底魚と申しますか、トロールでとれます魚、これの魚業が、母船式の底魚漁業があつたのでございます。それからそのほかに捕鯨業がございます。これはやはり母船を使用いたします漁業と北千島等の陸上根拠地を持つていたします漁業の二種類があつたのでございます。  それから最後に海獣の関係、即ちオツトセイ及びラツコの漁業、そういう種類があつたのでございます。これだけが日本の側で重要な利害関係を持つております漁業であるわけでございます。  これらに対しまして、アメリカ、カナダの側において重要な利害関係を持つておりますのはこの条約で特に規定がしてございます。おひようの漁業、さけ、ますの漁業、にしんの漁業、それからまぐろ漁業、いわしの漁業、こういうような漁業があるわけでございます。そこでこの三国の条約によりまして、その若干利害関係の交錯いたしますこの三国の漁業関係をどういうふうに維持して参るかということが大きな問題になつて参るわけでございますが、前記の両国の関心を持つております漁業のうち資源的に見まして非常に資源が枯渇に瀕しておる、或いは過去において資源がだんだん減少して制限をだんだん強くせざるを得なかつた、こういう種類の漁業につきましては、三国が共同してこれに対する資源保存の措置をしようと、併しそれは必要な最小限度にとどめるべきであるというのが我が国の主張でございます。この資源保存の主張と、この資源保存を最小限度にとどめるべきであるという我が国の側の主張とが折衝いたしました結果でき上りましたのが、この条約の考え方でございます。即ち我が国の主張を容れまして、原則として公海の漁業については各自がこれを開発をする権利があるという公海漁業自由の原則を先ず認めまして、その原則に基いて必要な最小限度の漁業の規制をやる。その規制をやるについてはこれは第一にその根拠は科学的な根拠のあるものでなくてはならない、ただ単に一方的な主張で……。
  85. 杉原荒太

    ○杉原荒太君 そつちのほうはもういいですよ。
  86. 永野正二

    ○説明員(永野正二君) そういうことで、この両方の主張を合せました結果でき上りました原則によつてこの条約は書かれておるわけでございます。なお以上申上げました漁業の種類につきましてこれは数字を出して御説明をしたほうがいいと思いますから後ほど資料を取寄せまして、戦前どういう種類の漁業を何年から何年に亘つてどういう規模で操業したという資料がございますので、それを配付いたしたいと存じます。
  87. 杉原荒太

    ○杉原荒太君 今度の条約によつて直接に日本がいわゆる自発的の抑制措置をとるという対象になる魚種は三種類あるわけですな。今後この委員会で保存措置をとるもの、それからいわゆる自発的に抑制の対象になるであろうところのもの、これらのものは研究して来たわけであるけれども、それでもおのずからそこに大体予想されるものがあるのじやないかと思う。今後そういうものはどういうふうに増加するような見込なのか。先ず抑制措置を伺いたい。
  88. 石原幹市郎

    ○政府委員(石原幹市郎君) 差当りそういうふうに考えられるものは只今のところないようであります。
  89. 杉原荒太

    ○杉原荒太君 それではここにいろいろと、ながながと条約を表面に書いてあるけれども、大きな実体は附属書のほうにむしろあるので、少くとも禁止に関するそういう予想がないとするならば…。
  90. 石原幹市郎

    ○政府委員(石原幹市郎君) 先ほどお答えした通りでありまして、むしろ日本側でやればやれないこともないわけでありまするが、差当り必要を感ずるものがありませんので、先ほど申上げましたように、今後直ちにとか、差当り予測されるというものはないようであります。
  91. 杉原荒太

    ○杉原荒太君 今私特にお尋ねしたのは、抑止の方法だつたのですが、保存措置、抑制措置は必ずしもこれは二つ裏腹をなすものでないと思うが、保存措置の対象になるようなもので予想されるものはどういうものですか。
  92. 永野正二

    ○説明員(永野正二君) 漁業の資源の保護につきましては相当永い間の科学的な調査に基いて方策を講ずる必要があるのでございまして、こういう調査の基礎を築きますために、この共同の委員会というものができまして、この委員会の今後の活動によりまして只今御指摘のような保存措置をどう講ずるかということが早速この条約発効直後からスタートとするわけでございますが、差当つて多分そういう意味で問題になりますのは例えば北太平洋のまぐろの資源、或いはかにの資源というようなものについて、資源がどういう状態にあるかというような調査をするということは早速この条約に基いてスタートをするであろうと、こういうふうに考えております。
  93. 杉原荒太

    ○杉原荒太君 今度の条約によつて直接に日本だけが抑制せにやならんものは日本だけ一方的にそういうような義務を負担するのですが、今後共同して格別に保存措置をとるものについて、それでも併し全然形式的にじやなく、或る漁獲高を制限する、そういうことがあり得るだろうと思うのです。そういう場合には日本だけじやなく、今度のこの三つの魚種だけのようなやり方でなくもつと皆共同にと言いますか、公平な按分の下にやるというようなことにまあ本則として、なつて欲しいと思うのだが、その辺のところは実際問題としてどういうふうになりそうですか。
  94. 永野正二

    ○説明員(永野正二君) その点は特にこの条約の中に明文で書いてございますように、この条約の効力が発生いたします前、二十五年という時期をとりましてその時期に実績を持つております漁業についてはこういう漁業の抑止ということは勧告されないということになつておりますので、私が只今問題になり得る可能性があると申上げました魚種につきましてはいずれも日本が相当過去のはつきりした実績を持つておりますので、決して一方的に抑止するというような結果は出て来ないと、こういうふうに考えております。
  95. 杉原荒太

    ○杉原荒太君 外務省のほうにお尋ねしますが、ここに条約文に「自発的に抑制する」と、こう書いてありますが、これはここにこうして自発的に抑制することに同意するというふうになつているのについてはその自発的というのは何ら意味がないことになるような、これは何ら意思の選択の余地はないものでしよう。
  96. 土屋隼

    ○政府委員(土屋隼君) この字の使用につきましてはいろいろ会議中日本側から、或いはアメリカ、カナダから意見の開陳があつたのであります。結局この条約が三国間におきましてこういう目的を達成するために協調しようという協力の精神から出たわけであります。従つて国際上各国の持つている権利の放棄というようなものを含む意味を持ちたくないというような立場から、用語につきましていろいろ談議を重ねた結果結局これは各締約国が自発的にこの趣旨に賛成する意味で自分の持つている本来の権利を一応抑止するという形で行つたほうがよろしいという結論に達しまして自発的抑止という字を使つたわけであります。
  97. 杉原荒太

    ○杉原荒太君 それだからただ単にそういう気持だけで、法的に言えば義務負担という点においては何ら変りはないわけですね。
  98. 土屋隼

    ○政府委員(土屋隼君) 実質上の結果から見ますとそういうことになります。
  99. 徳川頼貞

    ○委員長代理(徳川頼貞君) ほかに御質疑ございませんか。
  100. 曾禰益

    ○曾祢益君 第一条の「領水の範囲又は沿岸の国の漁業管轄権に関する締約国の主張に不利な影響を与えるものとみなしてはならない。」こういうことが書いてあるのですが、先ほどの外務大臣の御説明で領水の問題或いは領海の範囲の問題については三国がいわゆる三海里説に立つということが了解されておるようなことを言つておられたわけですが、これはむしろ逆に別に三海里ということをここで確認しているわけでもないのですし、これが若しモデルとなる場合には、仮にまあ十二海里説なら十二海里説をとつている国を日本がこういうものをやろうというときにこういうモデルではいわゆる三海里説を主張する日本にとつて不利なような書き方になつておるのではないか。つまり説明と条約の形とは非常に違つているような感じがする点と、それから沿岸国の漁業管轄権という言葉もどうも率直に言つて余り気に入らないところでして、これが外務大臣の説明されたように日本政府が主張したと思われるところのいわゆる沿岸国が領水外にも或る種の、或る区域の管轄権を主張するというようなことはこれはいけないのだという主張であつたと思うのですが、むしろそれに対して悪い影響を及ぼすような意味を含んでおらないのかどうか。沿岸国の漁業管轄権に関する主張というものはそういつたような一種の領域的と言いますか、そういうことを暗に含んでいるような、いやなエキスプレツシヨンのように感ずるのですが、その点は一体どう考えますか。
  101. 土屋隼

    ○政府委員(土屋隼君) この条文の言葉自体から或いはそういう御印象を得られたのではないかという気がするわけでありますが、実はこの条約の会議に当りましては日・米・加三国間においてこの条約の言うところの「領水若しくは沿岸国の漁業管轄権」というものが三海里にとどまつているという国際法上の一般の原則に合致していたことは問題がなかつたのであります。ただこの条約は北太平洋全地域に亘る条約でありますので、その国が日・米・加三国以外に、その他のいろいろの国が予測されるわけであります。従つてこの国の中には自分の領海は六海里若しくは十二海里と主張して止まない国もあるわけであります。これに対して我が国、アメリカ、カナダ等は三海里説を主張して止まないというのが遺憾ながら現在の国際法上の実際なのであります。そこでこの条約文はこういうふうに読んで頂きたいわけであります。この条約の如何なる規定も領水の範囲又は沿岸の国の漁業管轄権に関しという字が、この漁業管轄権を主張する主張に対し他の締約国若しくはその管轄を主張する国自体が主張している従来の主張に対しては何らの影響も及ぼさないというのはこの条約の規定であります。つまり甲は十二海里を主張し、乙の国がそれに対して三海里を主張して止まないという二つの論争はこの条約においては何らこれに対しては解決を下せない。従つてこの条約は単に北太平洋における三国間の条約、漁業上のお互いの取極をしたものであつて、そうした国際法上の論争点についてはこの条約は何らお役に立ちませんということを実は表現いたしましたのがこういう表現になつたわけであります。従つてこの条約の文の意図するところはそういう論争に巻き込まれずして三国間の漁業問題を調整するというところにあつたというふうな趣旨に解して御了解を頂きたいと思います。
  102. 曾禰益

    ○曾祢益君 まあそういう御説明のようでしたが、これは私は外務大臣と政策論として質問するつもりでおるわけなんですが、今土屋局長の言われたようなことはつまり当り前のことであつて、この条約に如何なることを規定しようが当事国以外の国を拘束しないことはわかり切つておるのであつて、これは殆んど雨が降るときには大気が悪いというのと同じ理窟にしかならない。実はそれはそうであるけれども、まあこれは政策論になるかも知れないけれども、勿論ここで何をきめたつて十二海里説を固持している国に対してこれは先例だと言つて見たところでしようがないものではありまするけれども、若しこれをモデル・ケースとして他のこれに加わらない、北太平洋の諸国、或いは南洋の諸国、或いは南アメリカ、中米の諸国等とのモデル・ケースとするというのならばむしろここに領水の範囲について三海里説をとる国にはこれは三海里なんだという一つの先例をはつきり立てておくということが政策的に当然考えられなければならないのじやないか。これが一つと、殊に沿岸国の漁業管轄権についてはこの当事国であるアメリカ等にも過去におけるそういつたような主張をなされておる。その主張をこの際この条約を作るときに覆えしておるというのでなければこれは一つの公海の自由の原則を打ち立てたということにならない。却つて逆に言えばアメリカの百海里説とか何とか、忘れましたが、一方的宣言をやつた例がありますが、ああいつたものはこの条約を作るときに打破して行かなければならないという証拠に一つもこれはならない。全くこれでは的外れではないか。できてしまつたものの御説明は成るほど今言つたように御説明できるけれども、それは政策から見れば外れているのではないかという感じがするのですが、まあ打明け話としてそこまで主張されたけれども、できなかつたのかどうかという点はどうなんですか。
  103. 土屋隼

    ○政府委員(土屋隼君) 打明け話を申上げますと、実はこの前文に国際法上の、国際法及び国際慣習の原則に基く公海の漁業資源を開発する各自の権利に照らして云々という前文と、それから只今御質問になりましたところに多少の関係があるわけであります。この前文の国際法上の、国際法及び国際慣習の原則とは何かというのが非常に問題に当時なりまして、言葉はこういう表現で現わしましたが、議事録には日本側の主張といたしまして本項は公海自由の原則を認められたものと解釈するということを会議録に残したいきさつもあるのでありますが、日本側としては飽くまで公海、即ち領海三海里を除く海は公海であるという主張を最後まで繰返しました。これにつきましては、アメリカもカナダも表面からこの領海説に対しての異説を唱えたわけではなかつたわけであります。ただこれに対しましてほかの国にはいろいろの主張をする国もあるのだから、この際領海の定義若しくは公海の定義ということをはつきりさせること自体が結局この条約の目的とする漁業協定をできないことにさしてしまうから、それは一応通説に従うということにしようじやないか、但しそれに対して今後参加するその他の国にいろいろ主張をし、或いは反対をする国もあろう、この国に対して条約に参加を要請できないというのでは困るから、この条約はそういう問題に触れないという点を明らかにする必要がある。こういう関係から北大西洋漁業条約の条文をそのままもらいまして実は受入れたような経緯なのであります。従つてモデル・ケースということに若しなるとすれば、北大西洋漁業条約をモデル・ケースにしてあのときに当時考えられたような主張をここに盛込んでこの論争をこの条約に引入れないというだけの趣旨でこれを入れたのであります。
  104. 曾禰益

    ○曾祢益君 北大西洋漁業条約というのは、ここに参考資料にありますか。
  105. 土屋隼

    ○政府委員(土屋隼君) 今ここにありませんので、あとで差上げます。
  106. 曾禰益

    ○曾祢益君 領海の問題についてはこの条約に他の北太平洋関係国が入つて来る場合を予想すれば無理もない点があると思います。その点は認めますが、どうも沿岸国の漁業管轄権についてはアメリカあたりにもつとはつきりさしておかなかつたことはどうもちよつと非常に困る点じやないかと思うのですが、もう一つ最後にやはりこれがモデル・ケースであるという問題ですが、確かにいい点はあるのです。少くとも恰好においては非常に今のような問題は別とすれば公海自由の原則を認めたようになつているし、一定区域を限つて保護地域を設定しなかつた点、それから科学的ないわゆる平等の立場に立つたようた科学的な立場に立つて保存措置をやつている。満限に達したものだけについて、而も過去の実績というような点を入れて、そうして場合によつては抑止される場合がある。抑止される場合も非常にそういうふうなふうに絞つて行つた。従つて抑止ということが結局特定の魚種に限るということになつて来たのですが、そこまではよかつたのだけれども、やはり結果においては、これはさけに限つたのでしようが、やはり最後的に一定の線を引いてしまつたということは非常にやはりモデル・ケースとしてはまずいような結果になつているのではないか。そういう点が先ほどの点なんかと絡んで何らか日本はこれで鬼の首でもとつたように説明しても、第三者的に見ればやはり一定の区域に線を引いてここから先は、日本の漁業ができないというような悪いモデルを作つたような結果にとられる点がもとよりさけのようなものはいわば川でその国が育てて行くのですから、その孵つているやつをよその関係のないものが出かけて打つてとるなんということはこれはフエア・プレイじやないのですから、そういうことが何らかの意味で禁止されること、或いは抑止されることは満限という問題と離れて見て本実質的に養殖的なような意味の場合については自制ということはこれは正しいと思うのです。それが結論的に線を引張つてしまつたということは非常にまずいという感じがするのです。それでもこれが南方諸国、或いは中華民国、或いは朝鮮なんかとこういうものを作るということを仮定した場合にそれでもいいモデルということが言えるかどうか、その点がちよつと問題になりはしないか、その点は一つ土屋局長と塩見長官から説明して頂きたいと思います。
  107. 土屋隼

    ○政府委員(土屋隼君) 只今の御質問に対しまして私ども当時会議に参加いたしました者の、西経百七十五度という線を引かずに済めば、何か済ませる方法はないかということを苦慮いたしまして、何分これにつきましては時間と労力をかけて考えて見たわけでありますが、お話のようにこの条約の中に実績を認め、保存措置を認め、科学的な調査の結果を認めて或る魚種については保存措置を必要と認めるが故に実績のない国が抑止をして行くと、こう絞つて参りますと、遺憾ながらこの附属書に掲げられましたさけにつきましては日本は実績がないという点から絞られて、どうしても一つの線を引かざるを得たいという結果になりそうになつたものですから、日本側といたしましては、お話のように元に帰るさけはどつか途中で掴まえればいいので、真中に線を引く必要はなかろうということになるのでありますが、さて帰る線をどこで一体切るか。日本の領土ばかりでもございませんのでその点に実は非常に難点ができたわけであります。そうこういたしまして両者の意向を合しました結果、これは両者が大陸糸のさけとアジヤ系のさけとアメリカ糸のさげとが恐らくは実際上べーリング海の真中で仲良く遊んでおるかも知れない。仲良く遊んでいる際にどつちのさけだと分けることはできないからここで、大体まざつている地域から分かれの地域はどこだろうかという点から考えて、日本は更に百七十五度よりも西を主張いたしたわけでありますし、アメリカ側は東を主張いたしたわけであります。今回の会議におきましては断定線を下すだけの材料が、両者の意見が違い、材料が違いますので決定を見ませんでした。そこで遺憾ながら暫定線として百七十五度線という線を引かざるを得なかつたのですが、ただこれについては、我々の苦衷を買つて頂きたいと思いますのは、百七十五度の線は一応その島の近所に引きましたが、下の方には線が引かれていないわけであります。従つて下の方には線がないわけであります。尻切れとんぼであります。ここにおいても関係者の苦心を買つて頂きたいと思うのであります。ただこれはお話のように今後東南アジアその他の国との条約に当りまして一つの例にとられるということは確かに日本側にとつて不利益のように考えられますが、同時に私どもはこの東南アジア、特に韓国につきましては、李承晩ラインを初めとしてかこいをしてしまつて日本を一切入れないという違つた意味の線を引こうとする傾向が多分にあるわけでありますから、それに対しましては日本は第三条並びに第四条に掲げたような厳たる科学的な現実に基いて最高生産性を上げるためには協力しましよう、それがためには線を引くこともあえていといませんというはつきりした態度を示しまして、そういう点が具備された場合においては日本もこの保存措置に従つて或る程度その魚種に限つて或る一定の地域を保存措置の地域としてきめることについても差支えなかろうと、こういうふうに考えますので、この線を引いたことは、必ずしも日本に万全の策であつたとは考えませんが、同時に他国との交渉において非常な悪例を残し、これがために日本が非常な実際上の不利をこうむるというふうには実は考えなかつたわけであります。いずれこれにつきましては水産庁長官の意見もあると思いますが、外務省の関係者としてはそういう考えで暫定的な線を引かざるを得ないわけであります。
  108. 塩見友之助

    ○政府委員(塩見友之助君) 只今土屋局長からのお答えで大体の要を尽しておりますけれども、一、二補足いたしますれば、さけ、ますにつきましてはおひよう、或いはにしんと違いまして他の諸国は皆川に上つて来るところを沿岸近く、或いは川でとるわけでございますけれども、日本は約二十年近く前から非常に沖でずつと遠くから回游して来るところをとる漁法を非常に発達させまして、それが商業的な漁業として成立つて来ておるわけなんでございまして、そういうような関係からさけの回游範囲というふうなものも現在確定的に掴まれておるわけじやございませんけれども、相当広汎に亘つて回游しておる。大体四年生になつたものが川を遡つて、それをとるわけですけれども、その前の年、又前の年、三年、二年というところのものが相当広汎に回游しておる。それで必ずしも四年だけに限らない場合もあり得るわけでありまして、主として漁獲はその川に上つて大洋のほうからずつと集まつて来るのを途中でとるのが多いのでございますけれども、そういう状態でどうしてもアジア系のさけと、それからアメリカ系のさけと、このさけは同じさけでございましても、資源としては上つて行く川は別ですし、卵を生んだ川も別ですし、それは別の資源というふうなことを一応前提といたしまして、アジア系のさけは日本は商業的漁獲の実績はあり、アメリカ系のさけに対しても商業的漁獲をやつた実績はないということで分けるとすると、どうしてもそういう漁法との関係からしまして、先ほど欧米局長から御返事がありました通りに、日本としては線を引きたくはないけれども、そのほかに方法がないというふうな意味で妥結したわけでありまして、この線の位置につきましては、これは日本の主張がかなり強硬でございまして、その専門家、業界等の意見も十分に参酌して大体日本としては満足な、一応そういうふうな意味で科学的な十分な資料がございませんけれども、その範囲においては先ず大体差支えないというふうな線と考えております。
  109. 曾禰益

    ○曾祢益君 塩見君にもう少し伺います。それはやはりさけというふうな特殊な何ですか、回游性というのか、回帰性か知らないけれども、そういうような場合だけにこれが限られて、ほかの魚には全然ならないというようなことが主張できますか。ほかの国との場合に……。
  110. 塩見友之助

    ○政府委員(塩見友之助君) それはそう簡単に言い得ません。やはり大洋を広く回游しておる、而も回游しておる広い大洋で漁獲するような漁法が商業的に発達して参りますれば、やはりこういうような形が必要になつて参る場合はあり得ると存じます。
  111. 曾禰益

    ○曾祢益君 だから例えばまぐろとか、いわしなんかという場合にこういうことをやつたことが日本の近隣の諸国との交渉上に悪くならないで済むかどうかということです。さけの場合にはたしかあの線が非常に科学的に正しいかどうかわからないけれども、一応アメリカのさけは川から出て来て、こう来てこう帰つて来る、アジアのさけはこう来てこう帰る、まあ大体その辺だということでさけに限つて線を引いて見たのでありまするけれども、決してこれは一般的に漁獲禁止区域でも捕獲地域の設定でもない。一応の理窟は立つと思うのです。だからほかの魚とほかの漁場の場合、まぐろの場合も勿論ありますけれども、一般の魚、大きな日本の漁業に関係のあるような魚の問題を南方諸国となんかとやる場合にこの線が、南のほうが線がなくなつたそうですけれども、折角苦心して悪い影響がないで済むかどうか、魚のほうから見たらどうか。
  112. 塩見友之助

    ○政府委員(塩見友之助君) その点につきましては、もう一つの効力発効前二十五年間の実績というようなものが尊重されておりまするので、それで差当りのところはそういうふうなものは考えられないと思います。
  113. 曾禰益

    ○曾祢益君 そうすると、この点ばかりじやなくて、やはり実績の件、それから要するに科学的に調査した上の満限であるかどうか、そういうふうな絞つたやつだからこの線ばかりじやないから大丈夫と、こういうことになるわけでございますか。
  114. 塩見友之助

    ○政府委員(塩見友之助君) その通りでございます。
  115. 徳川頼貞

    ○委員長代理(徳川頼貞君) ほかに御質疑ございませんか。
  116. 杉原荒太

    ○杉原荒太君 一つ条文についていうと第三条になるのですが、自発的抑止の方法、対象になる漁種について抑止条件を備えておるかどうかを毎年委員会で検討するということに原則はなつておるわけだけれども、それが更に重大な例外としてこのおひよう、にしん、さけについてはこれは五年間はそういう抑止条件を備えておるかどうかの検討もやつてはいかんということになつておるようだが、少くとも政策によるとそういう勧告はしてはならんことになつておるが、これはどういうふうな事情から来たものでしようか。
  117. 土屋隼

    ○政府委員(土屋隼君) この附属書に掲げられました魚種につきましては、アメリカ、カナダからかなり詳細な長年月に亘る調査の結果を持込みまして、これらによつてアメリカ、カナダが主張を強くしたわけであります。日本側におきましても、勿論本件に対する調査か皆無であつたわけではありませんが、アメリカ、カナダの調査が非常に長く、而も精細に亘つてあるものでございましたので、今後この問題について新らしく日本が調査したにいたしましても、この米・加が現に持つておる調査資料以上の研究が短かい期間にできるというふうに考えられませんし、又これらの魚種につきましては、調査を開始いたしますと、これも二年や三年で調査の結果は出て来ませんが、どうしても長い期間かけなければならないということが大体皆さんの一致した意見でありました。その結果米・加の調査の大部分を当方も承認せざるを得ないという立場になりましたので、この調査の結果を認めまして、委員会はまだ設置されませんが、この条約の設定の、調印の当時、或いはこの条約締結の当時においてこの資料に基きまして三国の代表といたしましては、大体この条約に掲げた条項に合うものという断定を下して、従つてこれについては五年間の実績を見た上で新らしく検討するが、差当り五年間はこれについての問題を起すまいということにしたわけで、根本になりますのは、魚の性質調査、出て来た調査資料の正確性というものを一応の標準にいたしまして、こういう断定を下したわけであります。勿論御注意がございましたように、この魚種につきましても、日本は自発的に抑止をいたしましたから何ら関係がないというわけではありません。委員会は毎年この実際上の保存措置の実施状況について、又漁獲について、各締約国に通報するの義務があるのでありますから、日本としてはこれについて実際上の漁獲並びにその他の情報は当然得られるわけであります。ただお話のように新らしい決定若しくは勧告が五年間なされないという点に一つの特殊の点を設けたことになりますが、申上げましたような事情であります。
  118. 杉原荒太

    ○杉原荒太君 大体わかりますけれども、これは私はほかの今後結ぶべき条約との関係をいつも私は論ずるわけですが、この条約の、これは規定の仕方としてそういう場合に非常にまずいように思う。それならばむしろここで初めから第四条の条件を備えておると、ここで例外の場合を認めてしまつたほうがよかつたのじやないかと、こういう工合に思うのです。わざわざこういうふうに書いたというのは非常に私おかしく思います。
  119. 塩見友之助

    ○政府委員(塩見友之助君) 幾らか技術的な点に亘りまするけれども、私からお答えいたしますが、資源の問題はまだ世界的に研究の方法について十分な発達を遂げておりませんで、方法等についてもいろいろ論議があるわけでございますが、主としてこれは漁獲しました魚の年齢の組成、例えば一年の魚が幾らおり、二年の魚が幾らおり、三年の魚が幾らであると、それで若い年次の魚が殖えまして高年次の魚が減りまするとこれは一つの濫獲の徴候と見られるわけなんでございます。それにつきましてはそういうふうな関係からいたしまして、その年齢組成をこれは一年ではその年々の海況とか、或いは経済的な状況で以て割合に年をとつた魚が儲かり、若い魚が儲からないとかいろいろの条件等もございまするし、漁場の関係等もありまするし、数年間を通じて昔はまあ十年以上の統計がないと危いと言われておつたわけでございまするけれども、最近は統計的な方法がかなり発進はしております、少くとも数年間はその数字を持ちませんと相変らず濫獲になつているか、或いは適当な漁獲であるか、とり方が少いかというふうな推定はつかないわけなんでございます。そういう関係からしてこの問題につきましてアメリカ及びカナダ等から提供されました資料によればこれは相当な期間に亘つたものでございまするし、又これを変更するとすれば一年々々検討するというふうなことでは先ほど申上げましたような資源学の発達の段階からして不必要であると、こういうふうに考えられまするので、やはり数年間、ここでは五年間というふうなものをとつた上で又再検討するというふうな考え方を専門家の意見としてとつたものと存じまするし、私も今まで持つておりまする水産に関する学説等から考えますれば、その程度が適当じやないかと、こう考えられます。
  120. 徳川頼貞

    ○委員長代理(徳川頼貞君) 御質疑がなければ御質疑は終つたものと認めます。それでは本連合委員会はこれを以て終つたものと認めます。本日はこれで散会いたします。    午後四時二十分散会