運営者 Bitlet 姉妹サービス
使い方 FAQ このサイトについて | login

1952-06-04 第13回国会 参議院 外務・大蔵連合委員会 2号 公式Web版

  1. 昭和二十七年六月四日(水曜日)    午後三時二十三分開会   ―――――――――――――  出席者は左の通り。   外務委員    委員長     有馬 英二君    理事            徳川 頼貞君            曾祢  益君    委員            杉原 荒太君            團  伊能君            平林 太一君            伊達源一郎君            大隈 信幸君   大蔵委員    委員長     平沼彌太郎君    理事            大矢半次郎君            伊藤 保平君    委員            黒田 英雄君            小林 政夫君            小宮山常吉君            森 八三一君            赤松 常子君            菊田 七平君            木村禧八郎君   政府委員    外務政務次官  石原幹市郎君    外務参事官    (外務大臣官房    審議室勤務)  三宅喜二郎君    大蔵省主税局税    関部長     北島 武雄君   事務局側    常任委員会専門    員       坂西 志保君    常任委員会専門    員      久保田貫一郎君    常任委員会専門    員       小田 正義君   説明員    外務省経済局第    二課長     東郷 文彦君   ―――――――――――――   本日の会議に付した事件 ○千九百二十三年十一月三日にジユネ  ーヴで署名された税関手続の簡易化  に関する国際条約及び署名議定書の  締結について承認を求めるの件  (内閣提出、衆議院送付)   ―――――――――――――
  2. 有馬英二

    ○委員長(有馬英二君) それではこれより外務、大蔵連合委員会を開会いたします。  千九百二十三年十一月三日にジユネーヴで署名された税関手続の簡易化に関する国際条約及び署名議定書の締結について承認を求めるの件を議題といたします。前回に引続き質疑を行います。
  3. 小林政夫

    ○小林政夫君 前回質問をいたしまして満足することのできなかつた件でありますが、先ず第一にこの条約は一九二三年に一応署名を了したにかかわらず今日まで批准を行わなかつた、それについては内閣が更迭したり、或いは満州事変等も起つたりしてついつい遅れたのだという御説明でありましたが、どうもそれだけでは事情が十分解明されない。すでに満州事変の始まるまでにいたしましても六、七年間があるわけであります。その間にどうして批准ができなかつたのだろうかということを私は疑問に思うのであります。従つて当時の枢密顧問官会議録等も調べて確信のある答弁を要求したいということを申したのでありますが、今日は答弁ができれば一つお願いしたい。
  4. 三宅喜二郎

    ○政府委員(三宅喜二郎君) 只今の御質問は誠に御尤もと思うのでありますが、私どもいろいろな書類を取調べまして研究いたしたのでございます。外務省その他の書類が戦時中に大分焼けましたので、この長い期間をカバーします全部の事情は判明いたさなかつたのでございまするが、判明いたしました事情をかいつまみましてここで御説明申上げます。  今お話のように大正十三年に署名したのでございまして、それ以後三つの内閣のときに批准奏請方を外務省から内閣に申請いたしたのでございます。初めの二つの内閣、つまり若槻内閣と田中内閣のときにはこの条約案が法制局、つまり内閣においての審議を経ない間に内閣が更迭いたしましてそれで返戻せられたのでございます。最後の浜口内閣の際は法制局の審議はやつと昭和五年に済んだのでございまするが、丁度その際、丁度と言いますかあいにく例の一九二九年に端を発しました世界恐慌のために、各国の通商政策経済的な国家主義の方向に向つて行くということであり、それから又我が国が満州事変に突入した、こういう事情がございましたので止むを得ず我が国としてはこの批准奏請を差控えるということになつたのでございまして、その第三条等があるから、これがいやであるから我が国が入らなかつたのであるという、こういう事情は今まで調べましたところではございません。こういつたことは最初この条文が入りましたのも我が国の強い主張によつて出されたものであるというようなこと、又その後昭和二年に成立いたしました輸出入の禁止制限撤廃条約に我が国が昭和四年に入つたというようなことからも推察せられることであると、こういうふうに考えられるのでございます。
  5. 小林政夫

    ○小林政夫君 今まあ大体世界的恐慌以来各国が国家主義をとり出したからやはり我々のほうも見会わしたということであると、やはり第三条、直接第三条があるからつということでなくても、第三条の趣旨に反するような行動もとらなければならんということで留保されたというふうなようにも今の説明自体からとれるわけであります。一応今の説明を諒といたしまして第三条について先般問題にもなつたわけでありますが、この条約批准して正式に我々がこの協定の加盟者ということになるというと、この規定に反するような措置をとる国に対して積極的な異議の申立て、抗議を申入れることができるのかどうか、伺いたい。
  6. 三宅喜二郎

    ○政府委員(三宅喜二郎君) それはできると思いまするし、先方が不合理な、ここに許していないような禁止制限の措置をとつたときはどこまでも抗議して行くつもりでございます。
  7. 小林政夫

    ○小林政夫君 そうすると先般の説明員の説明とは違つて来るわけでありまして、前は枕詞に過ぎないのだ、実体は関税手続の簡素化にあるのであつて、これは一応簡単に言えば枕詞だというような答弁であつたと思うのですが、相当ウエイトをおいて考うべき条文であると了解してよろしいのでございますか。
  8. 三宅喜二郎

    ○政府委員(三宅喜二郎君) その通りでございます。
  9. 木村禧八郎

    ○木村禧八郎君 今小林君の質問に関連して簡単に質問いたしたいのですが、只今第三条に相当ウェイトをおいて考えられるというお話ですが、政府はまじめにこの協定を考えておられるのかどうか。これは本当は岡崎外務大臣に私は聞くべきですが、その機会がありませんから一応ここで答弁できる人に答弁してもらいたいのです。最近岡崎外務大臣が中国との貿易については、バトル法によつて今ヨーロツパで適用されているよりも、日本輸出管理令によつて更にきつい制限をしているが、日本制限をヨーロツパの制限にまで緩めるのじやなくて逆にヨーロツパの制限日本輸出管理令まで強めるべきである、こういう談話を発しております。そうしますと逆に、この三条の精神と逆であつて、むしろ日本は先に立つて世界の通商をもつとこれを制限して行こう、こういう外交政策をとつて行くというように聞いておるのです。更に世界的な情勢としては、ハトル法よりももつと強いケム修正案がアメリカにおいて又問題になつておるのです。これはさつきも問題になりましたけれども、又問題になつておるのです。で、これを一九二三年の国際情勢は、あの当時経済国家主義が第一次大戦後強くなつたので、これを緩和して行こうという当時に結ばれたのであつて、今の世界経済、或いは又日本の置かれておる経済の状態は、逆に東西の貿易をこれをもつと遮断して、そうして制限をするという方向に向つているのです。そういう場合にこの条約日本が本気になつて取組んでこれを批准をしようとするのかどうか。先ほどの御説明では第三条に相当ウェイトを置かれている、そうすると非常に矛盾しているのです。政府の政策と矛盾して来るのです、この点は……。その点が一点。  それからこの条約参加している国の中に中国、中華民国大統領、これが調印している。で、このときの中華民国大統領、このときの中国というのは一体どの中国を指しているか、この二点について伺います。
  10. 三宅喜二郎

    ○政府委員(三宅喜二郎君) 我が国といたしましては、殊に敗戦後貿易の伸張ということが国民の存立の上に重要なことは申すまでもないのでございまして、こういつた第三条の規定或いは精神というものは非常に重要視いたしております。これは併しながら原則でございまするし、而もこの条約に事情の許す限りということがあるのでありまして、ただに侵略を防止するために必要であると国連が認めたような措置に協力することは、私は事情が許す、むしろ事情が必要とすると、こういうふうに考えるのでございます。なお岡崎大臣の先日の衆議院における御答弁は、その後岡崎大臣からその際の答弁の意味を補充して又答弁をなされまして、それは朝鮮における侵略によつて影響があると申しますか、それに重大な関心を最も持つておる、持つべき国は日本である、であるから日本のまあそういう侵略防止に協力する措置というものが、むしろ各国の模範と言いますか、そういうものになるべきである、面してまあ民主主義国家はお互いに相協力して、お互いにやつているところのその効果が減殺されないように足並を揃えてやるべきである、こういう気持で自分は先日ああいうふうに言つたのである、こういうふうに申しておられます。ですから岡崎大臣の答弁の御趣旨というものはこれでおわかりになると思います。  第二の点につきましては、ここに中華民国大統領と書いてあるがどうか、中華民国とは何を言うのかというお話でございますが、国家としての中国はこれは変りないと思います。同じ国家である、現在の中華民国と同じ国家であるというふうに私は解しております。政府は成るほど事実上二つでございますが、国家としては同じでありまして、あとはどの政府を正当と認めるか、日本はどの政府を相手にして行くか、そういう問題であると思います。
  11. 木村禧八郎

    ○木村禧八郎君 そうしますと国家としては同じである、そうすれば今の中共も含むわけですね、或いは台湾政府も含むと広義に解してよろしうございますか。そうしたならば、その中共地区との貿易についてむしろ非常に強化して行く、而も世界の国を誘つて日本が率先してそういう貿易制限のほうに、中共或いはソ連地区に対する物資輸出制限の方向に向けて行こう、こうして行くのです、併しそれは今のお話だと、侵略を防ぐために日本が率先してこれを協議して行く、こういうのです。過去においてなぜこういう条約が必要になつたかといえば、経済国家主義が戦争に導いて来た、その一つの主な原因になつていることは事実なんです。歴史に徴してもそうである。こういう経済国家主義なり、ブロツキズムに入つて行くこと自体が戦争の危機を生むのです。そればかりじやありませんけれども……。ですからそういう戦争を回避して努力をするのならば、むしろ東西の貿易をここで復活するように日本は努力すべきである。最近の世界の経済情勢から御覧になつても、この軍国経済が朝鮮休戦以後中だるみになつて、日本の経済は恐慌の段階に入ろうとしておる。まだ入つてはいないと思うのですけれども、そこで非常に困つている。軍国景気が収まつた後において、平和的な手段によつて日本の景気を回復しようとしたら、東西の貿易を復活するよりほかないのです、これはそういう際に日本の政府がわざわざ自分の国だけならまだいい、世界を誘つてブロツキズムの方向に向かせよう、そうすれば経済的なこの対立というのが、なおソ連地区、或いは西欧陣営の地区においてなお激化するのです。それが更に戦争の危機を私は誘うと思う。こういう意味で、岡崎外務大臣の言われましたことを今補足されましたが、私は了承できないのです。で若し日本の政府の方針が……、先ほど補足はありましたけれども、説明がありましたけれども、理由はどうあれですよ、今この日本輸出管理令の線まで、西ヨーロッパのあのバトル法適用の範囲を縮小して行く方向に日本国民が率先して努力するということになれば、この条約と丸きり反対のことをやることになりますので、それならばさつき御説明になりました……、実は全部の理由じやありませんでしたけれども、一九二九年にこの世界的な不景気が起つて、それでブロツキズムの方向に、経済国家主義の方向に向くので、そういう傾向にあるので、この批准を取りやめた一つの理由として説明されましたが、今の最近の情勢は、それと丁度同じ状態に来ているのです。あのときに批准を躊躇されたのだとしたならば、今これを又ここで簡単にですよ、至極簡単に、これをですね、それじや承認するのはおかしいのです。もつと慎重にすべきなんです。殊に講和独立後においては、条約を結ぶ場合に、それがスクラツプ・オヴ・ペーパーみたいなつもりでやるとか、枕詞でやるとか、そういうようなことでは、国際的信用が私はかち得られないと思うのです。この点もつと真剣に考えて御答弁願いたいと思いますが……。
  12. 三宅喜二郎

    ○政府委員(三宅喜二郎君) 御質問の第一点は、この中共に対しまする禁輸措置というものが、経済国家主義によるごとき御質問のように私は拝聴いたしたのでありますが、それはそうではないので、先ほど申しましたように、侵略防止のための止むを得ない措置であるというふうに私は存じておるのでございます。従いましてこの前の世界恐慌後にとりましたような世界的な経済国家主義、それはその当時の事情とは全然違反しておる、違つておると思うのでございます。今日の第二次世界大戦後におきましては、各国と申しますか、自由主義国家におきましては、前回の第一次大戦後のこの経済国家主義が第二次大戦を生むに至つた遠因であるということは十分了解いたしまして、理解いたしまして、今後再び誤ちをしないように、原則としては自由主義によつて国際協力、経済面において国際協力をやつて行こう、こういう心組で進んでいると思うのでございまして、その点につきましては木村委員の御見解と、私の観測と申しますか、意見とは違つているように思うのでございます。なお経済国家主義につきましては、東西の貿易をできるだけ自由にするということの望ましいことは申すまでもないのであります。これを最も極端にやつているのがソ連、中共等、いわゆる社会主義と申しますか、共産主義の国であります。自分の都合のよい貿易だけをやろう、こういうのがこれらの国の基本的な国策になつておるように私どもは存じております。
  13. 木村禧八郎

    ○木村禧八郎君 そういう御答弁ですと、私はやめようと思つたのですが、もう一度御質問しておきたいのですが、経済的ブロツキズムという、これは議論になりますから簡単に言いますけれども、そういう意味にお考えになつておるのでは、経済情勢の変化はわからないと思うのです。戦争観でも、第二次戦争までは、いわゆる帝国主義戦争、植民地の獲得、こういう形です。その後における今度のソ連ブロックと西欧陣営ブロックとのこの対立ですね、これは昔のような対立と違うと思うのですね。性格が違います。ただ経済的対立についても、昔のような形の対立と違うと思う。ブロツキズムなりとは違う、相当戦略的、政治的ですね。そういう形をとるのであつて、西ヨーロッパの地域が東西貿易が遮断されたために、政治的であるけれども、それは経済的にも両陣営に混乱をもたらす、それが又対立を激化するということになつて行つて、これは議論になりますからやめますが、併し今どうもあなたの答弁でも、何か或る陣営を非難し、攻撃するような答弁ですが、そういうことは私は言うべきでないと思う。貿易というものは、片方が利益を得れば、片一方にも必ず利益があるので、双方に利益というものがあるから貿易というものが行われるのです。それはアメリカでさえケム修正案を取消すとかいつて反対があつたでしよう。あんなに強いケム修正案のようなものを通したら、原子爆弾まで禁止することになるのであつて、アメリカの業者自身が極めて困難になるから、これは通過さすべきでないという反対論が起つて、ケム修正案は延び延びになつて、バトル法案ができた。最近、又ケム修正案か出て来ましたが、たからそういう点は実際に即して言うべきであつて、私は意見として、そういう今中国との貿易をやらないで、日本経済が自立できれは結構です、結構ですが、最近では対米輸出も困難だ、ポンド地域に対する輸出も困難だ、東南アジアとのインドネシア等との通商も困難だ、特需も滅つて来ている、一体そうして、どうして日本の今後の世界的経済的発展をさせるのか、手がないのです。ですから中国との貿易を再開させるよりほかに手がないのです。非常にデリケートな段階に来ている。実に簡単に、そういう何か或る対立している国の自国本位で、これをやるとかやらんとかいうような御答弁は、私は真理はここはもつとデリケートで、政治的に見てデリケートであるから、経済的にもデリケートなんです。それを成るべく再開できるように努力すべきだ。それを再開するように努力すべきではないかと思うのです。私はその意見だけ述べまして、これでやめます。
  14. 小林政夫

    ○小林政夫君 第三条については、先ほどまあ非常にウェイトをおいて考えるということで、満足すべき答弁があつたので開かなかつたのでありますが、これに関連をして、議定書においても第二項で、第二条の適用に関してはカナダはその一部について特に留保事項を入れているのですね。こういう点から考えても相当第三条は当時ウエイトがおかれたものと考えなければならんのです。そこでそういうところに引つかかつて、当時の国際経済国家主義の船頭によつてこの批准がされたという説明……、三宅さんの説明されたような理由が批准を遅らした相当の理由であると私は思います。それからあとへ返ることになりますが、批准の遅れた理由としては、やはり日本はこういうような協定で義務を負うけれども、当然義務を負うべき相手方、この協定国における関税手続の簡素化について、我々日本の満足するような手続が行われておらなかつたのじやないかというような点も我々としては考えられる。従つてこの条約サンフランシスコにおける平和条約に関する立言によつて、一面平和条約の効力発生の一年以内に加盟の手続をする義務を持つているわけです。一年間は余裕がある。その間に今の懇談の席で北島政府委員からいろいろ聞きまして、十分諸外国のとつておる手続等については、よくわかつておらない。そういう点について十分研究される必要があるのじやないかというふうな感を抱くのであります。これについてはどうですか。一体どことどこが正式に加盟しているのですか。批准をしているのですか。
  15. 三宅喜二郎

    ○政府委員(三宅喜二郎君) 加入しておりまする国は、この条約及び議定書の説明書の二頁のところにございます。その条約の締約国は次の通りであると書いてあります。そのうちで加入国は星印のついている国である、こういうように書いてございます。読んで見ます。締約国は「デンマークイタリア、連合王国、南アフリカ連邦、ニュー・ジーランド、ベルギー、オーストラリア、インド、エジプト、シャム、ペルシヤ、オランダ、ドイツ、オーストリア、ルーマニア、バンガリー、中国、ノールウェー、スウェーデンフランス、モロツコ、テユニス、ブルガリア、スイス、チエツコスロヴアキア、ルクセンブルグ、ギリシャフィンランド、セルブ・クロアート・スロヴェーヌ、ブラジル、ラトヴィア、ポーランド、シリアレバノン、イラーク及びエストニア」。こういうふうになつております。
  16. 小林政夫

    ○小林政夫君 これは全部批准は済んでいるのですか。
  17. 三宅喜二郎

    ○政府委員(三宅喜二郎君) そうでございます。それから各国の事情もよく調べてから、慎重に調べる必要があるのじやないかというお話でございますが、もうここに書いてありまするいろいろなことそれ自体は、非常にいいことばかりでございまするから、日本といたしましてはやはりできるだけ早くこれに入りまして、いいことに協力するという態度を早くとつたほうがいいと思います。若しこれに反したような処置をとつている国がありますれば、日本は他の国々と共同してそういつた国々の誤つた措置を改めしめるように十分抗議をすると申しますか、折衝して行きたい、こういうふうに考えております。
  18. 小林政夫

    ○小林政夫君 アメリカは入つていないのですか。
  19. 三宅喜二郎

    ○政府委員(三宅喜二郎君) アメリカは入つておりません。
  20. 小林政夫

    ○小林政夫君 アメリカ加入しない事情は何かわかつておりますか。
  21. 三宅喜二郎

    ○政府委員(三宅喜二郎君) これは御承知のように、アメリカ国際連盟加入いたしませんでしたので、その関係の条約には一切入らない、こういう事情があるというわけでございます。
  22. 小林政夫

    ○小林政夫君 そうすると最近、終戦後は事情が変つて国際連合の主催者みたいなことになつておるわけですが、我々は平和条約調印と同時に宣言させるように、この協定に相当ウエイトをおいているんでありますが、アメリカはこれに加入する意思がありますか。
  23. 三宅喜二郎

    ○政府委員(三宅喜二郎君) 只今私どもの得ております資料では、アメリカは現在どう考えているかということにつきましてはまだ詳細わかつておりません。できるだけ日本といたしましてはアメリカ加入するように折衝します、と言いますか、努力するようにいたします。
  24. 小林政夫

    ○小林政夫君 そうすると、その問題は問題があると思いますが、この十八条に「この条約は、締約国に対し、国際連盟の加盟国としてのその権利及び義務に反するいかなる義務をも課するものではない。」こういう規定があるのですが、日本は今国際連合に加盟してもよろしいという決議をしたが加盟しておらない。そうすると平和条約の宣言の第一項但書によつて、日本国が国際連合に入つてからこの条約の効力は発生する、こういうことになるわけでありますが、一体こういうことが、この十八条が保留されておつて、特別にこの協定によつて日本が不利を受けるというようなことはないという外務省は見解に立つておられますか。
  25. 三宅喜二郎

    ○政府委員(三宅喜二郎君) 只今御指摘になりました条文は、現在では国連加盟国としての義務のほうが優先すると、こういうわけです。
  26. 小林政夫

    ○小林政夫君 だからどうなんですか、今入つていない、優先するからどうなんです。
  27. 三宅喜二郎

    ○政府委員(三宅喜二郎君) 日本はまだ国連に入つておりません。併し国連憲章に基く義務というものは平和条約で以て日本は承諾いたしておるのであります。ですから国連憲章に基く義務、間接的でありますが、それをこの条約によつて無効にすると言いますか、この条約に基く義務のほうが国連憲章に基く義務よりも優先するということにはならない、こういうふうに間按的ではあるが解せられる。
  28. 小林政夫

    ○小林政夫君 そんなことは常識的に、この条文を読めば詳でも説明しますよ、そういうことではなしにそれでは最初に、この締約をするときに、一体十八条なるものをなぜ設けたか、説ける必要がどうしてあつたのか。
  29. 三宅喜二郎

    ○政府委員(三宅喜二郎君) それは国際連盟の際でも、例えば経済制裁とか、そういうことがございまして、そういつた措置は侵略を防止したり、平和を守るために必要な義務であつて、そういつたことのほうが重要であると、こう考えられるからだと思います。
  30. 木村禧八郎

    ○木村禧八郎君 今の国際連盟貿易憲章というのかございますね。経済社会封事会それとの関係はどうなんですか。恐らく今度は国際連合になれはそれに入ればいいのでそこのところよくわからないのですが、国際連即というものはないのですね。国際連合になつて来たんですね。そこでこれを批准すれは効力というのはどういうふうになるのですか。それは国連の効力に引継かれるのですかどうですか。こういう形で批准した場合これは実際的に生きて来るのですかどうですか。実際問題としてもう国際連盟というものはなくなつているのにこれに批准するということはどうなんですか。今よその国ではこういうものはちやんと拘束力を持つて効力を生じておるのかどうか。
  31. 北島武雄

    ○政府委員(北島武雄君) 只今国連の貿易憲章、いわゆるハバナ憲章についてのお尋ねでございますが、ハバナ憲章なるものはまだ実は効力を生じていないのでございます。署名だけをしまして、アメリカを初め批准していない国は相当ございます。国連一般につきましては外務省からお答えすることにいたします。
  32. 三宅喜二郎

    ○政府委員(三宅喜二郎君) あとの御質問につきましては先ほど懇談の際にちよつと申上げたのでございますが、国際連合の第一回の総会の決議の一つに従来国際連盟の任務として行なつて来たことは国際連合に引継ぐ、殊に非政治的な、又純技術的な事項についての国際連盟理事会の義務は国際連合の経済社会理事会に引継ぐ、こういうことになつております。それによるわけであります。従いましてここに国際連盟と書いておりますことは国際連合と読み替えるということで書いたのでございます。
  33. 木村禧八郎

    ○木村禧八郎君 それがいわゆる貿易憲章でございますね。経済的に総合された、あれは非常に総合されておるんですよ、貿易憲章は。ですからどうもそこのところよくわからないのです。貿易憲章は今言つたように批准していない、実施していない、併しこつちのほうはどうなんですか。これは今仮に批准するとすぐ実益があるのですか、批准した場合ですね、何か実益があるのですか、日本で……。
  34. 東郷文彦

    ○説明員(東郷文彦君) 今のITO即ち国際貿易憲章との関係をちよつと私から補足して御説明申上げたいと思います。今北島さんからお話のありましたようにITOはまだ効力を発しておりません。そのためにその代りにいわゆるガットが動いているわけでございますが、ITO及びガットは今おつしやいましたように非常に広汎であり総合されておりますが、この今問題になつております条約と比べますと、この条約はITO乃至はガットの規定しておらない細かい点も規定しておるのでございまして、その重複する部分については将来ITOが発効し、乃至は日本がガットに加入した場合にはそちらにとつて代られると思いますが、なおとつて代られない部分もあるわけであります。その関係はそういうふうに我々は考えております。つまりITO乃至はガットが規定しておらない部分がこの条約にはあるわけでございまして、そこでこの条約加入する意味は仮にガットが発効した後においてもITOが発効するか、或いは日本がガットに加入した後においても意味があると思います。
  35. 木村禧八郎

    ○木村禧八郎君 少しはつきりして来ましたけれども、そうしますと国際連合で国際連盟がやつていたいろいろな事業をも引継ぐ、こういうことは了解できたのですけれども、その場合こういう条約をそのまま引継ぐということになつたのかどうか。これは国際連盟ですから今現実に存しない国際連盟条約なんですが、これに入ることによつて、入るというか批准してはつきりと日本加入することによつて、実際に利益があるのかどうか、実益があるのかどうか、これが今実際に効力を持つているのか、国際的な効力の問題です。国際連盟のこの条約の効力の問題……。現在では国連のあの条約が効力を持つていると思うのですが、私は外交上そういう条約関係についてわからない素人ですから非常に素人の質問かも知れませんが、その間わかりましたら……。
  36. 三宅喜二郎

    ○政府委員(三宅喜二郎君) それはこの条約条約の締約国の間におきましては、たとえガット等ができましても全然とつて代られない限りはこの条約は有効である、こういうふうにこれは解せられると思います。先ほど説明員から申しましたようにガットに規定してないようなこともここにたくさん規定してあります。この条約の存在の意義がガットによつてなくなつたわけではないのであります。
  37. 杉原荒太

    杉原荒太君 ちよつと関連して、木村さんと小林さんの質問に関連するのですが、連盟の事務を国連が引継ぐ、例えば条約の登録事務とかそういうことはよくわかるが、ここの十八条のごときは……。ここにある国際連盟の加盟の権利や義務はこれは事務じやないが、そのものが当然に決議の結果、法的効果として読み替えるというのはもう少し調べて見たほうがいいのじやないか。
  38. 三宅喜二郎

    ○政府委員(三宅喜二郎君) その点私もよく研究して見たいと思いますが、国連憲章には……。
  39. 杉原荒太

    杉原荒太君 そちらのほうで行くと議論は別です。
  40. 小林政夫

    ○小林政夫君 大体質問はありませんが、先ほど懇談のときの北島政府委員の説明を一応速記に載せておいたほうがいいのじやないかと思いますが、これは今繰返して言わなくても結構ですからあとで……。
  41. 木村禧八郎

    ○木村禧八郎君 最後に……。私は法的に聞きたかつたのです。ですから国連憲章の第何条によりどういうふうに生きているかという……。これは今すぐでなくてもあとで結構です。
  42. 北島武雄

    ○政府委員(北島武雄君) 国連憲章の百三条に国連憲章加盟国の義務は他のいずれかの国際協定に基く義務と抵触するときはこの憲章に基く義務が優先する、こう規定しております。厳格に申しましてこの条文が読み替えられるということはできませんのでこの条約は締約国に対しまして国連の加盟国としての義務に反する如何なる義務をも課すべきでない、こういうことになるのであります。例えて申しますと国連が若し強制措置をとつた場合に連合国はそれに協力しなければならないという義務がございますれば、例えばこれは制裁措置をする、そうしてそのほうに従つて行動してもこの条約の義務の違反にはならん、こういうふうに解しております。
  43. 杉原荒太

    杉原荒太君 さつきから国連ばかりだが、さつき御両氏から質問されたのは御尤もだと思うが、アメリカの場合、アメリカは入つておらない、而もアメリカ側が一番こういうことはやかましく、もつと簡易化しなければならんような状態にあると思うが、この間もカナダのピアソン外相がアメリカが非常に税関手続などの簡易化を遅らしているということを非常に非難している。先ほど日本側としてはできるだけ、アメリカ側もそういうふうにして行くようにしたいというが、具体的には今度の通商条約などでそういう点を、これの趣旨をアメリカ側も守るようなふうなことを挿入する、そういう条項を挿入するような一体考え方でいるのですか。今外務省のほうでは……。
  44. 三宅喜二郎

    ○政府委員(三宅喜二郎君) 只今杉原委員のお尋ねのありました事項でございますが、やはり関税行政に関しました規定、つまり関税行政の合理化等のための規定を入れたい、こういうこもらは方針で臨んでおります。
  45. 杉原荒太

    杉原荒太君 一つこの間の私の質問に対する答弁残つておつた点だけ一つ答えて頂きたいと思います。
  46. 三宅喜二郎

    ○政府委員(三宅喜二郎君) それはどういう主義で、原則でやつているかという問題でございますか。
  47. 杉原荒太

    杉原荒太君 そうじやない、第百三条。この間の説明員のお話では、第百三条よりも平和条約とか通商条約が優先すると言われたから、私はそれはおかしい、それは理解できない、そんなことはあり得ないことだと思うが、その点はどうか。
  48. 三宅喜二郎

    ○政府委員(三宅喜二郎君) その点につきましては、平和条約の規定が優先するというようなことはないのでございまして、平和条約の規定も、ここに規定しておるような合理的な、ここで禁じておるような不合理な制限規定までも、平和条約のあの条項によつて許しておるものではない。同じ方向に向つて公正な何と申しますか、措置が世界にプリベールするようにやる。こういう趣旨においては両方は一貫しておるのでありますから、並行して進んでいると存じます。
  49. 杉原荒太

    杉原荒太君 この間のは取消ですね。
  50. 三宅喜二郎

    ○政府委員(三宅喜二郎君) 取消でございます。
  51. 有馬英二

    ○委員長(有馬英二君) ほかに御質問ございませんか。  それでは先ほど懇談の際の北島政府委員の答弁に関しましては、後刻同政府委員から先ほどの答弁についての報告書を御提出願い、これを会議録に掲載することにいたしたいと存じます。御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  52. 有馬英二

    ○委員長(有馬英二君) 御異議ないと認めます。  それでは御質問もないようでございますので、この合同委員会はこれで以て終了といたしましてよろしうございますか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  53. 有馬英二

    ○委員長(有馬英二君) 御異議ないと認めます。それでは終了いたしますことにいたしまして、本日はこれで散会いたします。    午後四時九分散会