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1952-05-30 第13回国会 参議院 農林委員会 43号 公式Web版

  1. 昭和二十七年五月三十日(金曜日)    午後二時一分開会   ―――――――――――――  出席者は左の通り。    委員長     羽生 三七君    理事            西山 龜七君            加賀  操君            山崎  恒君    委員           池田宇右衞門君            瀧井治三郎君            飯島連次郎君            三浦 辰雄君            小林 孝平君            三橋八次郎君   政府委員    農林省農政局長 小倉 武一君   事務局側    常任委員会專門    員       安樂城敏男君    常任委員会專門    員       中田 吉雄君   ―――――――――――――   本日の会議に付した事件 ○農業災害補償法の一部を改正する法  律案(内閣提出・衆議院還付) ○農業災害補償法臨時特例法案(内閣  提出・衆議院送付) ○農業共済基金法案(内閣提出・衆議  院還付)   ―――――――――――――
  2. 羽生三七

    ○委員長(羽生三七君) それではこれより委員会を開きます。  本日は農業災害補償法の一部を改正する法律案、農業災害補償法臨時特例法案、並びに農業共済基金法案の三案を議題といたします。なお残つております質問がございましたらこの際お願いいたします。  最初に私からちよつとお尋ねいたしたいことがあるのでありますが、この農業共済基金法案についてでありますが、昨年度はこの農業共済関係の不足金の補填の意味で、大体十九億二千万円の金が日歩二銭六厘の利率で融資をされて、この利子補給約一億八千二百万円余というものが計上されて運営されていたわけであります。つまり国家として約二十億に近い金を以て運営に当つて来たわけでありますが、今度できた共済基金法案は、政府負担十五億ということになるわけでありますが、そうすると昨年の十九億二千万円に比べて、約四億二千万円の実際は国家の財政負担を経減したということになつて、むしろ制度的には後退をするという印象を我々に與えることになるのでありますが、これについて政府がどのようにお考えになつているか、伺いたいと思います。
  3. 小倉武一

    ○政府委員(小倉武一君) 昨年度の不足金に対しましては、今お話のように中金等を通じまして融資の措置をとると共に、利子補給という形で予算的な措置も講じたのであります。  本年度のこの新らしい基金の点になりますというと、基金の出資が、十五億政府が出資いたしますが、それでは勿論当面の問題として必ずしも十分でございませんので、すでに現在でも二十八億の国庫余裕金を中金等を通じて融資をいたしているのであります。基金ができますれば、それを基金が肩代りをいたしまして、基金から連合会に貸すという形をとるわけでございます。その場合には、貸付の利子につきましても、必要な資金を貸付けて、利子の支払いのために、共済基金のほうがそれだけ殖えるということもできるようにいたすつもりであります。従いまして出資金の財政資金の融通という総額から見ますというと、昨年度より減つているということではございませんで、相当大巾にむしろ増大しているというふうに考えるのであります。
  4. 羽生三七

    ○委員長(羽生三七君) 運営の全体から言えば今農政局長のお話のようなことになると思いますが、私どもとしては制度的に一種のこの基金法案というものができて、制度的にこういうものが新らしい形をとる場合に、何らかの後退という印象を與えるということをお尋ねしたわけでありますが、その次にもう一つお尋ねしたいことは、やはり農業災害補償法の一部改正法案についてでありますが、第十二條の農作物共済掛金の国庫負担分の算出を、通常掛金率に関するものについて、いわゆる縦割法の要望が盛んであつたにかかわらず、あえて横割法をされた理由を承わりたいわけであります。なおこの縦割四分の一国庫負担ということにすると、国庫の負担は約九千万円赤字となりますが、併し一般から出ております要望には相当応えられることになるような気がするのでありますが、このように改正する意思を持つておられるかどうか、この二つの点を一つお答え願います。
  5. 小倉武一

    ○政府委員(小倉武一君) お答えをする前に、先ほどの不足金に対する融通の問題でございますが、昨年度はお話のように二銭六厘の利息を補給して参つたのであります。ただ利息補給をするのは一体正しいのかどうかということについては、私ども論理上疑問を持つのであります。と申しますのは、不足金というものは必ずしも最終的な不足金ではございませんで、長期に見ますればやがて連合会から黒字が出て利息分も支払いし得るような時代が来るかも知れないにもかかわらず、途中において利息を受けてしまうということは建前としておかしいのではないか。勿論不足金自体を処理するような場合は、利息の問題も当然起つて参りますが、利息分だけを国庫補給ということは少し徹底を欠いているきらいがあるのであります。従いまして今年度は利息の補給ということをやめまして、利息分も必要ならば貸付ける。そこで最終的に、基金が連合会に貸付けた連合会の不足金というものの処理と一緒に利息分も考えたほうがよいのではないかというふうに考えたのであります。それから只今お尋ねの掛金の問題でございますが、通常共済掛金の標準率の国庫負担を、この標準率自体を、例えば四分の一国庫負担をするということについての意見如何ということになりますが、四分の一にいたしますというと、只今お話のように八、九千万円ほどの予算の不足になりますのでありますが、なおそのほかに、四分の一にいたしますというと、従来よりは国庫の負担の割合が減少する地方が生じて参るのであります。従いまして農家負担が増大するという地方が出て参るのでございます。そこでそういう点を防止する、即ち四分の一にすることによつて、従来よりは国庫負担が多くなる地方は四分の一にし、四分の一にすることによつて従来よりは不利になるような地方は従来通りとするという一つの過渡的な案が出て来ると思うのでありますが、そうしまするというと、予算の不足額も約二億近くのものに相成るのであります。予算の問題をさえ片付ければよろしいようでありますけれども、併しそういつたことが何を意味するかということか、実は私どもよく呑込めないのであります。四分の一にしてもよく理由が呑込めませんが、まして四分の一にすると同時に、それでは困難な地方が今まで通りだというのでは、これ又制度の建前として筋が通りにくいのではないかというふうに考えるのであります。勿論現在の、通常共済掛金の標準傘の最低部分を引いたものの残りを二分の一負担するという、この農家負担と国庫負担の割合のきめ方が最善であるかどうかということについては、これはなお検討の余地はあると思います。ただ私考え得ますに、農産物の価格を通じて災害に対して農家みずからが負担できる部分は、これは必ずあるはずだというふうに思うのであります。農産物の価格には農家が如何なる災害にも全く堪え得ないことになつておるのだ、例えば米麦の価格にいたしましても、全く災害には堪え得ないような価格になつておるということは、これは恐らくなくて、何らかの程度における最低の被害というものは、これは農家が自己で負担すべきものであるというふうに恐らく考えられるのではないか。そういたしますと、その部分は当然これは農家が全額負担するということに相成るのではないかと思うのでありますが、そういう意味で恐らく現在の制度は最低の分は農家が全部負担する、そのあとどうするかということがむしろ問題であるように思うのであります。従つて縦割にするということは予算の関係もございますが、そういう補償制度の建前から言いまして、全く縦割にしてしまうのがいいのかどうかということについては、なお私ども少し事務的にも検討した上でないと、そのほうがよろしいというふうには申上げかねるのではないかというように思います。
  6. 羽生三七

    ○委員長(羽生三七君) もう一つお伺いしたいことは、只今のお答えの中で、例えば利息までも政府が補給する、いわゆる利子補給をやるということがいいかどうかということにも疑問がある検討を要するというお説でありましたが、まああえて理論を言うわけでもないのですけれども、農業共済の立場からいつて、我々も或る程度農家の自己負担というものを全面的に否定するわけではないのであります。もとよりできれば、これは全額国庫負担が望ましいには違いないが、併し日本の種々な情勢からいつて、全部を政府が負担ができないということも或る程度考えられるので、災害に関する最低のやはり自己負担分というものが絶無にするということも必ずしも直ちに実行できるとは我々考えておりません。併し今お話のように、この三法案を通じて政府の種々の政策を通じた場合に、この利子補給も必要もない、或いは不足金についても今後余り心配が起らないというような一つの恒久的な十分な見通しというものを立てられて、今のようなお説が出て来るのかどうか、例えば利子補給というようなことも望ましいことじやない、望ましいことでなければ漸次打切つて来ることになるわけでありますが、そういう場合に独立採算的な見地から合理的な一つの線を出せば、それでこの法案というものは、三法案ともどれも大過なく運営できる、そういう見通しの上に立つての御発言でありますか、この点一つ伺いたい。
  7. 小倉武一

    ○政府委員(小倉武一君) 利子補給の点についてでございますが、利子補給というと多少語弊があるかと思いますが、要するに不足金の融資のために必要とした利息の負担を誰が負担するかということは、私は不足金自体の処理の問題と離して考えるのがおかしいのじやないか、こう申上げたのであります。利息金は国庫が負担するが、不足金自体は負担しないというのではこれは困ると思うのであります。不足金自体と、その融資に必要な利息とはこれは同じ問題として、いつその時が来るか、これはわかりませんが、不足金を処理しなければならんというときに、この不足の出て来ました要因をよく検討した上その最終的な処理をきめなければならん問題だというふうに思うのであります。従いまして、利息はこれは当然農家乃至は連合会が負担するのだというふうには私どもは勿論考えておらないのであります。それからこの補償制度を今回改正することによつて、補償制度をいわば解決でき得るという基礎の上に立つのかどうかといつたような御趣旨の御質問かと承わりましたが、私ども今回の改正によつて、只今考えておるようないろいろな問題が解決するとは思つておりません。例えて申しますれば、損害評価の適正額についてはどう処置するか、或いは売戻し制度をもつとうまく運用し得るようにするにはどうしたらよろしいかとか、或いは先ほどもお尋ねがございましたような掛金のきめ方につきまして、より合理的に、より農家に納得頂けますためにはどうしたらよいか、或いは任意共済制度についてどうすべきかといつたような点については、これはなお十分検討し、災害補償法乃至補償制度自体の通常からも是非検討しなければならぬ問題と考えておりましてこれはいろいろ御意見を承わりまして、事務的に準備もいたしたいというふうに考えております。
  8. 小林孝平

    ○小林孝平君 一つお尋ねいたしたいのは、この農業共済制度は今後これを整備いたしまして、強化しなければならないということは当然でありますけれども、私はこれに関連しましてお尋ねいたしたいのは、こういうふうにだんだんこの共済制度の不備の点が改められ、整備されて行くという過程を通じまして、逐次これに要する国の資金が増加して来る。相当現在でも多額の金が使われておるのでありますけれども、今後更にこれが増加して来るのじやないか、こういうふうに思つておるのであります。そこでそういうことを前提にして考えますと、先ずこういうふうに多額の資金が要るということになれば、共済制度それ自身について問題が起きて、共済制度の極端に言えば不要論というようなものが起きて来るのじやないか。又それに関連いたしまして、私は無限に、国家予算の全体の均衡から考えて、農業方面に資金が割かれるわけはないのでありますから、こういうように逐次共済制度のために資金が、莫大な資金が割かれるということになると、他の農業関係に使われる金というものは非常に小さくなつて来る。圧迫されて来る。こういうことになつて来やしないか。そこでそういうふうな、全体として考えて、もつと共済制度にそういう莫大な金を使つたほうがいいのか、又他の経営の改善とか或いは技術の改良とか、そういういろいろの方面に多額の金を費せば農業全体の生産が上るという状態でありますから、そういうふうな農業全体として考えて、現在のように、更に今後のこの趨勢で行きますと、一層金が必要である、そういうように共済制度に莫大の金を割いたほうがいいのかどうかということに非常に問題があると思いますので、全体の農政上の見地から考えて、一体農政局長はどうお考えになるかという点を、この一点と二点は関連いたしますが、お伺いいたしておきたい。
  9. 小倉武一

    ○政府委員(小倉武一君) これは大変むずかしい問題でございますので、よくお答えできないかも知れませんが、災害補償制度によつて財政的な国の支出と資金の融通といつたことが累年激増して参る、かような激増して参るということを前提として考えてみますというと、これは補償制度自体が一体合理的な基礎に立つておるのがどうかということについて検討を必要とするということに相成るのでありますが、私どもそれはお説の通りだと思います。国費を費やすことが少いからといつていい加減なことをしてよろしいということではないが、国費を費やすことが多ければ多いほど国費が合理的な基礎の上に立つておるということが必要であるということは申すまでもないと思います。それに関係しまして、具体的に申すしますと、いろいろ問題があると思いますが、一つは掛金率をどうするかということと、もう一つは損害評価をどうするかということであります。勿論これは損害評価によつてきまりました被害額が又将来の掛金を左右するのでありますから、相関連して参るのでありますが、この掛金の国庫負担と農家の負担の部分が合理的に農家の経済の実情に合うように、又国家財政の実情に合うように、或いは一般の人々の納得し得るような構成になつておるかどうかということが検討されなくてはならんと思うのであります。それから損害評価につきましては、只今のような評価制度でよろしいか。制度としてはよろしいが、実際の評価の実情がうまく行つているかどうかという二点に分れると思うのであります。その点についてもなお若干の改正を要する点があると思いますし、もう一つ作物統計のほうでやつております被害高の調査の関係をどう見るかという点につきましても、これは当然考えられなければならんのであります。現在のところ損害につきましては、ただ作物調査の被害統計等を一応の資料として参照しているという程度にとどまつておるのでありますけれども、更にそれを一歩進める必要がありはしないか。その場合に統計としてはどういう支障があるか、或いは現在の統計組織でできるかどうかといつたようなことも問題になると思うのであります。それからこの補償制度で以て出しておる予算、今年は百六億でございますが、農林省の全体の予算の一割以上を占めておるのですから、それがどういう意味を持つておるかということについても十分検討をされなくてはならんと思うのであります。そういう検討をいたしまするというと、個々の農家にとつて、これは必ずしも再生産を保障し、或いは生活の安定を保障するに十分な額ではないというふうに私どもは感じております。そこで必要な補償というものは十分するという建前にこれはどうしても持つて行かなければならん。現在の制度は恐らく社会保障といつたような意味は余りないのではないかというふうに私は考えるのでありますが、併し一般の労働者階級について社会保障制度がだんだんと進行して参れば、農業災等につきましても社会保障といつたような面を加味して行くことも、これは当然に必要になつて来ると思います。その結果農家の生活が安定し、或いは農業再生産が確保されるということになれば、これは相当の額を国費として費してもこれは惜しくない問題だろうと思うのであります。従いましてその点につきましては、例えば今度の一筆の補償制度から農家單位の補償制度に替えるといつたような場合にもこれはまあ実験的にやつて見るわけでありますが、その場合にも、例えば共済金額の限度を引上げるという意味がどこにあるのかという点も関連して十分検討されなくちやならん問題だろうと思うのであります。いろいろ問題が多岐に亘りますが、大体私の考え方を申上げた次第であります。
  10. 羽生三七

    ○委員長(羽生三七君) ちよつと速記をとめて下さい。    〔速記中止〕
  11. 羽生三七

    ○委員長(羽生三七君) 速記を始めて下さい。  それではこれら三法案の取扱いをこれから御懇談することに願つて、本日はこの程度で散会をいたします。    午後二時二十八分散会