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1952-01-28 第13回国会 参議院 水産委員会 5号 公式Web版

  1. 昭和二十七年一月二十八日(月曜日)    午後一時三十九分開会   ―――――――――――――   委員の異動 一月二十五日委員佐藤尚武君辞任につ き、その補欠として藤野繁雄君を議長 において指名した。   ―――――――――――――  出席者は左の通り。    委員長     木下 辰雄君    理事            松浦 清一君    委員            青山 正一君            秋山俊一郎君            小滝  彬君   政府委員    水産庁長官   塩見友之助君   事務局側    常任委員会專門    員       岡  尊信君    常任委員会專門    員       林  達磨君   ―――――――――――――   本日の会議に付した事件 ○水産物増産対策に関する調査の件  (北洋漁業問題に関する件) ○付託法律案の取扱いに関する件   ―――――――――――――
  2. 木下辰雄

    ○委員長(木下辰雄君) 只今から委員会を開会いたします。  法案に入る前に北洋漁業の問題その他について何か水産庁長官に御質問がありましたらお願いします。
  3. 松浦清一

    ○松浦清一君 北洋漁業のかに工船の許可問題についていろいろ新聞報道がなされておりますが、最近の新聞報道によりますと、農林大臣は出願をしている各会社に別の新会社を作つて、それにやらせるのだというような方針であるということを言つたと、こう報道されているのですが、その辺の経過について長官の御説明を伺えれば結構だと思います。
  4. 塩見友之助

    ○政府委員(塩見友之助君) 北洋出漁の問題でございますけれども、これにつきましては、独立後にマッカーサー・ラインが撤廃されて、これはもうすでにGHQの承認も得て、こちらにその不審査して頂くように提出しました法案でございますけれども、マツカーサー・ラインの撤廃が行われた場合に、すでにその下打合せを済ましているところの日・米・加漁業協定によつて出演できるというふうなものは「かに」と、それから西経百七十五度以西の鮭鱒というようなものが差当つて問題になつているわけで、それに対しては関係の業者のほうからも出漁の申請がございます。その出漁の形態をどういうふうにするかというふうな問題でありまするけれども、それにつきましては、今後日本の漁業が海外に発展して行くというふうな戦後における第一歩でもありまするし、今差当つて考えられる漁業は、経営的な関係等を考えると、黒になるか赤になるかというような点にかなりの危惧はありまするが、併し将来これが成功すれば、日本の漁業全体に対して非常に明るい面を持ち来たらすというふうな関係からして、この第一回の北洋出漁に対しては十分にそういう点で将来の日本の国際漁業への発展というふうな点に障碍にならない、むしろ国際信用をますます高めて、そういうふうな進出がむしろ好感を以て国際的にも見られるというくらいな成果を収めるというふうなことが最も必要ではないか。こう考えられるわけで、殊に対象とする生物が「かに」のような底棲性の生物であるとか、或いは「さけ」「ます」のような遡河性の魚類であるとか、その沿岸国に対しては当然領海の問題であるとか、或いは資源の問題であるとかというふうな関係について重要な関心を持たれるような種類のものでもありまするので、又殊に国際関係、独立後における状態というふうなものは、具体的にいうとまだ非常にはつきりした形でどういうふうになるだろうという点が明瞭でもないようである、そういうふうな状態にもあるわけでありますから、そういう点から考えまして、政府のほうとしてはまあ愼重な態度を以て臨みたい。それで本年度の北洋出漁については国際関係の円滑な状態を持ち来たらすように、それによつて悶着を起して、それで今後の出漁に支障のあるような経営のないように、又そういうふうな気持というふうなものが漁船の末端に至るまで全部徹底するというふうなこと。それから今申上げましたように、既存の資源の保存と新らしい資源の開発のために必要な科学的な資源調査というようなことを当然併せて行なつて、そうして将来の資源保存にも資するし、それからなお資源において余裕があるということになれば、そういう新資源の開発にも第二段として着手できるような、そういうふうな調査を科学的にやるというふうなことと、一部の企業利益に偏しないで、日本の漁業全体の将来への、海外漁業への発展のためのその基盤をここで作るというふうな点を主眼にして許可というふうなことをやるべきだとこう考えております。それを達成するためには非常に現在考えられる漁業というのは、かに漁業というものについて言えば、先ず手堅いところは一船隊、これは過去十カ年間における操業実績を見ましても、当初年度一反当り七尾ぐらいな漁獲であつたものが、それが二船隊で操業したためにがたがたと落ちて来て、最後の年になつて来ると二尾を切るというふうな形で資源も非常に懸念されるわけで、過去の実績から見ますれば、手堅いところ一船隊というのが適当だろう、こう考えられますし、又アリユーシヤン方面の鮭鱒につきましても、資源は相当量あると認められるわけですけれども、いわゆる漁場が今まで必ずしも稼行されているというわけでもないしするので、採算関係等については相当危惧があります。そういう関係で若し漁獲を失敗してそれで採算が立たないために、或いは国際的な信義に反するというような形で領海に入る、その他政府の考えておるような形態でない漁業をやるというふうな懸念もあつては困るわけで、そういうふうな点から言つてアリユーシヤン方面の鮭鱒についても相当手堅い準備をしながら進めなければならない。そうなると勢い過去において北洋漁業に出漁していたところの多数の漁業者が日本には帰つて来ているわけですけれども、それが全部出るというようなことは到底所期し得ないというふうな関係からして非常に数が制限される、こういう状態にありますので、そういうふうな点でどれをとり、どれを捨てるというようなことはいろいろむずかしい問題がありますので、そういうふうな点、全体を考えまして、関係漁業者全体が協力一致して、それで一つの会社を作つて出るように慫慂をいたしておるわけであります。
  5. 松浦清一

    ○松浦清一君 只今の御説明になつたような政府の方針は大体結構だと思うのですが、若しその新会社を作る場合には、「かに」のほうと「さけ」、「ます」のほうとは全然別個のものを構想しているのか、或いは一つのものを構想しているのかという点、それから若しそういう新会社を作るということに応じない、こういう会社が出て来た場合にそれはオミツトするつもりであるか、或いは又改めて考えなおすつもりであるか、それから現在出願をしている会社はどういう会社であるか、こういう三つの点についておわかりならば御説明願いたい。
  6. 塩見友之助

    ○政府委員(塩見友之助君) 鮭鱒と「かに」とは一本の会社で行くように慫慂しております。それからそれに対する関係漁業者の意見が反対であつた場合にはどうなるかというふうなことですけれども、それについては反対の理由その他十分検討をされるだろうと思いますから、そういう点を十分研究した上でないとここではお返事はいたしかねます。それから出願者は日本水産、それから大洋漁業、日魯、それから北太平洋漁業者協同組合、そういうものであります。
  7. 松浦清一

    ○松浦清一君 日本水産、大洋、日魯はわかるのですが、北太平洋漁業音協同組合というのはこれはもう現存しているのですか、若し許可すればそういうものを作るというのですか。
  8. 塩見友之助

    ○政府委員(塩見友之助君) これは現在協同組合法による協同組合の設立を手続中のもので、これは過去において北洋漁業のため出た申合団体がありまして、それが申合団体ではなくつて、まあ昔の団体の構成員の名簿を辿りまして、それでそれをまとめて協同組合法による協同組合というふうなものを出願手続中のもののようであります。
  9. 松浦清一

    ○松浦清一君 それから新らしいその会社が政府の考え通り業者が同意をしてできた場合に、この会社の経営とかその他の方面について、政府が干渉するような性格の会社を作ろうとしておるのであるか、それは單に政府の慫慂であつて、できれば経営等については干渉をしないとこういうものであるか、その意図されておる会社の性格についてお考えを伺つておきたいと思います。
  10. 塩見友之助

    ○政府委員(塩見友之助君) これは一般の商法によつて設立する会社であつて特殊な会社ではありません。で経営に対する干渉は政府としてはいたしません。ただ併しながらその会社の行う漁業自体はこれは当然漁業法に基きまして、殊にその米ソ両沿岸国との関係において先ほども申上げましたように、資源保存上、又今後の資源の開発上科学的な調査を当然必要とする、又各種のそういうような国際関係に対して十分な信用を保つという必要上から各種の制限が付き得るものと、こう思いますので、そういう漁業操業上の制限というふうなものはこれは許可の條件として当然これは加わるということになると思いますけれども、直接経営に対して政府がかれこれと干渉するというふうなことは考えておりません。
  11. 松浦清一

    ○松浦清一君 若し今おつしやるように資源の保存、研究等をさせるということをその新会社に慫慂するということになると、その研究調査等に要する費用については政府は若干の補助でもなさるおつもりですか。
  12. 塩見友之助

    ○政府委員(塩見友之助君) これは漁業のほうは、まあ漁業をやること自体、どこでどういうふうな漁業をやつてどれだけのものが獲れたというふうな点、又獲れたものの年齢、資料、或いは大きさ、そういうふうな漁獲と、仕事に伴なつて来る資料自体がこれが或る程度いい科学的な資料の基礎をなすわけでありまして、そういうふうな関係から来る調査というふうなものに対してはこれはほかの漁業においても、諸外国においても政府のほうでそういうふうな調査については許可の條件として無償でそういう資料の提供を求めておるというふうな関係がありますが、そういう点については政府のほうで別に補助をするとかどうとかということは考えておりません。併しながら或いはそれ以上に漁業を営業としてやる以上は相当の負担が加わるのですがね、併しながらやはり将来の資源開発或いは将来資源の保全というふうな点で、特に国として見て必要な調査というふうなもので相当負担がかかるというふうなものがあれば、将来そういうものについては補助を考える必要があるかも知れません。
  13. 松浦清一

    ○松浦清一君 その新会社ができて、「かに」のほうが一船団、鮭鱒のほうが一船団として一本の構想で行こうという方針のようですが、その資本金の総額、それから出資の割合等について政府は何かお考えになつておりますか。
  14. 塩見友之助

    ○政府委員(塩見友之助君) そういう点はできるだけ公平で、経営的にも間違いがないようにというふうな点だけであつて、これは関係者のほうの相談に任してあります。
  15. 松浦清一

    ○松浦清一君 わかりました。
  16. 小滝彬

    ○小滝彬君 本日は止むを得ぬ用で遅れて参りまして、実は前のかたの話を聞かないで私の考えを申上げるのは甚だおこがましい次第でありますが、只今の審議はかに工船の出漁に関するものだと思いますので、簡単に私の所見と希望を述べさして頂きたいと思います。  一体私は水産界ではズブの素人でございまして、発言する資格はないかも知れませんが、ただこれまで二十数年間日本の貿易、鉱工業、農水産業に関係のある海外交渉の衝に当つて参りました関係上、又特に国際捕鯨会議にはすでに数回日本の代表として出席さして頂きました関係上、今問題になつておりますところのかに工船の出漁に関しましては、これを対外的に見ますときに極めて慎重な考慮を要することを私はこれまでの体験に鑑みて強く痛感しているものでございます。この問題にはいろいろ対内的問題も含まれているようでございまして今各社が協力して会社を作つて出漁するというようなお話もございましたけれども、何分にも今計画中の「かに」工船の出漁は対内的な問題だけでなしに、対外的にも  一つのテスト・ケースでありますので、場合によつては余り対内的な考慮に重点を置いて、そのスタートを仮に誤まるようなことがありましたならば、北太平洋における日本漁業の活動に重大な関心を持つておるところのアメリカやカナダから不必要なる疑いを受け、今後における三国間の協調関係に齟齬を来たす虞れがないということを保しがたいようにも感ぜられるのであります。即ち今のお話に出ましたように、関係会社が共同でこのかに工船については一会社を建てて出漁するというような案は、一応対内的には機会均等で公平な措置のようにも考えられるのでありますけれども、これは最初の試みとしては恐らく非能率的になり、且つ違反行為を惹起する虞れも皆無ではなかろうかと存ずるのであります。私は少くとも初年においては最も経験のある乗組員を持ち、又ブリストル湾あたりの実情を知悉しておるところの会社が出て行つて、そうして日本水産界全体のために先駆者としての役割を勤めてもらつて、それがうまく成功したならば、それこそ又将来第二年度からいろいろ対外的な点も考えて新らしい構想を練るということにしたほうが米国あたりからの信頼を買つて結局日本全水産界の将来のために有利ではなかろうかというふうに考えるものでございます。私は今月の初めにも米国の国務省や内務省の水産関係の係官とワシントンでいろいろ会談の機会を持ちましたし、又ヘリングトンその他にもかねがね昵懇に願つておりますが、こういう連中はこれまでGHQという非常に都合のいい出先を持つておりました関係上、日本の国内事情というものを手にとるようによく知つていたわけであります。従つて日本側で対内的な考慮を重視する余りに、これまで比較的経験の乏しい実績のないような会社の人たちが寄り集つてこれらが全部参加して出て行くというようなやり方には必ずや疑問の念を抱き、北太平洋における今後の日本の水産界の動向に重大な懸念を持つ虞れがあるようにもひそかに考える次第であります。実は昨年の六、七月も外国におりましたし、又十一月から今年の一月十九日まで海外に出ておつたのでありますので、実は最近の国内的ないろいろ複雑な事情というものを十分承知いたしませんので、或いは私の発言は見当外れのようにお考えになるかも知れませんし、又私の純理論的な立場は歓迎されないところがあるかとも思いますけれども、少くとも初回は最も公平な、最も対外的に心配の少い方法で進めて計画を立てられたほうが将来のために賢明ではなかろうかというふうに考える次第であります。  又鮭鱒につきましては、この日本、米国、カナダ三国協定案にも出ております通り、米国やカナダが特に深い関心を持つておりますので、これは更に慎重考慮の要があろうと存じますので、取りあえず鮭鱒というものとは全然別個にこのかに工船の出漁というものを考えて頂いてそうして最初出て行く工船は漁場調査的な意味において出漁さして、その結果に基いて又そのあとは考えるというようにして、今度の出漁についてはこれまでの実績、経験というものを尊重してやつたほうがいいのじやないかというように考えます。実は先ほどの話の根本を衝く議論になりまするけれども、この点を是非御考慮願いたいというふうに考える次第であります。
  17. 木下辰雄

    ○委員長(木下辰雄君) ちよつと私それに関連しまして、小滝委員の質問、その他に関連しまして水産庁長官にお伺いしたいと思います。  やがてマツカーサー・ラインが撤廃されて外洋に出るというような場合において、曾つて東支那海、黄海における機船底曳というのが非常に過当に許可されたために、遂に減船の止むなきに至つたということにもなつた。今度マツカーサー・ラインが撤廃されて、マツカーサー・ラインから外に出る漁業に対しては、私は当然許可漁業として「かつを」、「まぐろ」のように大体限定して、その範囲内において許可すべきものは許可するのが資源の培養上にも、又業者の経営の安定上にも、又対外的に信用を失墜しないという上においても非常に必要ではないかと思う。曾つて南方のアラフラ海における白蝶貝の採取のごときは最初は丹下氏が始めて、七、八杯から二十杯くらいになつた。その当時は販路の上においても又資源上に非常に有利であつた。ところが自由漁業になつたために次第に殖えて、しまいには百七、八十杯になつた。そのために資源は、販路は塞がれ、対外的にも非常に信用を失墜し、業者も皆損をしたという醜態を演じて、減船の基になつたという例もある。それで私はこのマツカーサー・ライン撤廃後においては、北では鮭鱒の流網及びかに工船を、南ではアラフラ海の白蝶貝あたりが主なる漁業ではないかと思う。そこで先ほど北の問題については議論がありましたが、私は鮭鱒の流網は母船式の方法と独行船の方法と二つがあるのではないかと思う。近い漁業は独行船で行く、遠い所は母船式で行くというようなふうであるからして、独行船の船数もおよそ限定して、必ずしもかに工船と鮭鱒を一会社とするということに対しては非常に疑問を持つておる。かに工船は只今小滝委員が言われましたように、成るほど非常に経験のある会社に許すということもこれは非常に能率上いいかもしれません。併し現在経験のある会社が三つあつて、それが互いに出願して鎬を削つておるというような状態であつて、どれに許可するということについても私はなかなかこの際むずかしいと思う。それで最も経験のある首脳部が相当おりますからして、三会社を主体としてそうしてなお希望者はどんどん株を持たせるという大筋の態勢をとつて、最も経験のあるものを首脳として、又経験のある業者を全部三会社からピツク・アツプして、そうして完全なる新会社を作つてやるということも理想的ではないかと思う。併しそれも時期の問題で、或いは直ちに行かないかも知れない。そういう場合においては又おのずから便法があると思いますが、大体そういう式で行つたほうが一番いいのじやないか。これは「かに」だけにしましてそうして鮭鱒を又別個に考えるということがいいのじやないかと思います。船数の制限、それから、マツカーサー・ラインを越えたものは、将来マツカーサー・ラインが撤廃されて許可をするあらかじめ船数を制限して事業の安定を図るというようなことについて私はそう思うが、水産庁長官の御意見を一つ伺いたいと思います。
  18. 塩見友之助

    ○政府委員(塩見友之助君) 只今の小滝委員及び委員長の永年の経験から来るところの御意見については、我々としても十分参考にして参りたい、こう思つております。一応今の政府の方針としましては、「かに」、鮭鱒を含めまして、それでまとまつた会社で統制ある組織をして行つてもらいたい、こういうことであります。それからマツカーサー・ライン撤廃後の問題でございますけれども、これは一応公海自由の原則に従つて参れるわけでありますけれども、国際協定の、日米加のごとき協定が発効すれば、勿論これに従つて参るつもりでありますし、そういう協定のないものにつきましては、吉田、ダレス書簡というふうなものがございますので、この趣旨に従いまして公海は自由であるけれども、資源満限というふうな科学的な証明があれば、それについては適当な規制を行うということは、これは国際信義の問題として日本も又遵守しなければならない方法だと思いますので、そういう趣旨で行いたいと思います。又これらの制限を遵守するほかに、国内的な立場から遠洋漁業に対して適当な規制を行うことの必要が生じましようから、そういう場合には必要な措置を講じたいと考えております。今国際的な方法について研究中ではありますが、特定の漁業については許可制或いは操業区域の規制等、各種の方法によつて目的を達成して行く必要があろうかと思います。
  19. 小滝彬

    ○小滝彬君 水産庁長官にお伺いしたいのですが、先ほど私の申上げました一ことは、必ずしもこうした新会社ができるのに反対するというのではなくして、初年度においては少くとも本当に経験を持ち、違反を起さなかつたところにやらしたほうが効果的ではないかということを申上げたのですが、一体今の案では、鮭鱒も「かに」も一緒にして、一つの新らしい会社をお作りになるということになれば、いろいろな事情で相当時間がかかりやしないかと思う。然るに今度條約の効果がいつ発生するか知れませんが、大体四月頃を目途として出漁しなければならないと考えます際に、果してそれまでにそうした機構というものができ上つて、皆円満に協調して会社が作れるかどうか。そういう意味において、私は初年度においては少くとも試験的な産業とも目すべきものであるから、そういう遠大な理想は理想として当分棚上げにして、私が先ほど申上げましたようなラインで出漁させたほうが、日本の将来のために有利ではなかろうかということを申上げたのです。その時期的な見通し等について長官からお伺いいたしたいと思います。
  20. 塩見友之助

    ○政府委員(塩見友之助君) 只今の小滝委員の御質問は、誠に考慮を要するべき問題だと思います。先般も申上げました通り、「かに」等においても、最もいい漁期というのは四月下旬から五月、六月まで、こういうふうな状態でありまするし、出漁の準備等を考えれば、できるだけ早くそういう態勢が整うことが必要なのであります。まあそういうふうな意味からして、政府においてもその点は十分に考慮を加えているつもりでありまして、それでできるだけ早く現在我々の慫慂しているような方法で話がまとまるように希望しておるわけです。その点については、まあこれは国際漁場へ選手を送るというふうな性質のものでありますので、成るところから足を取つて或るところから胴体を取つてそれを継ぎ合わせるというふうな、ちぐはぐな形で能率が悪いとかどうとかというふうな形態では話がまとまらん。又そういうふうな話がまとまらんというふうな形になるようなそういうふうな結果を来たすならば、できるだけそういうふうな実効が挙らないような形態に無理に持つて行くというつもりはございません。先ほども申上げましたように、第一が国際関係を円滑に進める、その円滑に進めるために漁船の末端までそういうふうな国際的な信用を高めるというふうな意図が偶々に徹底するということと、それから既存資源の保存及び新規資源の開発のための科学的資源調査というものがこれと一緒に行われるということ、或る程度そういうふうな意味で日米加協定においても調査を我々のほうとしてはどうしてもやらなければならんわけですから、それが当然一緒に行われるという必要もございます。又これが将来の日本の漁業全体の発展のための第一歩ですから、それに汚点を残さないというふうな点で十分立派な成果が得られるような形であるならば、それは勿論そういうふうな点無理に強制するというふうな考え方は持つておらないわけであります。現在の状態として今までの経過から見まして、そういうふうな諸点を満足させるためには、関係漁業者が打つて一丸となつた新会社というふうなものが望ましいというふうな結論になりましたので、それを至急検討して、至急意見をまとめて持つて来てもらうように慫慂いたしておるわけであります。
  21. 松浦清一

    ○松浦清一君 先ほどいろいろ御説明を伺つて、私はわかりましたと申上げたわけなんですけれども、ただ政府のお考え方がわかりましたということなんで、最初の資源の調査、保存というような問題、それから国際信用を高めなければならんというこの精神的な問題については、政府の構想について何ら異存はない。前半は政府の方針誠に結構でありますが、後半についてわかりましたという趣旨は、政府の言い分がわかつたということで、賛否の関係ではございませんから、その点……。  それからお伺いしたいのは、かに漁業と鮭鱒のほうとはその業態、それから技術方面が相当異なると思うのですが、それを一本の会社にしようとお考えになつたその理由はどういうところにございますか。
  22. 塩見友之助

    ○政府委員(塩見友之助君) その点も松浦さんからもそれから小瀧さんからも御指摘があつた点で、問題であるわけですけれども、かなり採算関係その他については出発当初危惧される部分も十分ありますので、同じような漁場でもあるし、同じような海域で漁業をやるわけなので、いろいろ多角的に経営したほうが安定を増し得るのではないか、こういうふうな考えであります。勿論国際的な関係においてもばらばらであるよりもいいのではないか、こう考えておるわけであつて、その点については別に政府のほうとしては強制はしておりません。すべて強制はしておりません。ただそういうふうな意図で打つて一丸となる態勢を一遍考えて見てもらいたい、こういうふうな慫慂をしておるわけです、政府の趣旨を十分に話しまして。そういう段階であります。
  23. 松浦清一

    ○松浦清一君 それではやはり出願をしておる会社の諸君が集まつて、鮭鱒と「かに」とは全然操業の性質が違うので、一本の会社ではむずかしい、話合いの上でそうなれば、あえて一本にしようというお考えではないわけなんですね。そうしたらどうであろうかという政府の見解を業者に今話をしておる、そういう過程と了承してよろしうございますね。
  24. 塩見友之助

    ○政府委員(塩見友之助君) その通りであります。
  25. 秋山俊一郎

    ○秋山俊一郎君 問題が問題でありますので、ちよつと速記をとめて頂いたほうがいいかと思います。
  26. 木下辰雄

    ○委員長(木下辰雄君) 速記をとめて下さい。    〔速記中止〕
  27. 木下辰雄

    ○委員長(木下辰雄君) 速記を始めて下さい。
  28. 青山正一

    ○青山正一君 南鮮側の今度の主張は、先頃予備会談が行われました日米加の漁業協定の問題ですね、そういうふうな問題にからんで、いわゆる米国側とか加洲側の意向にいろいろな含みがある、その含みを考えて南鮮側がそういう大きい主張をしておるのじやないですか。その点についてちよつとお聞きしたい。つまり米国なり加洲側のほうでは日本に対していろいろな漁業協定をやつておられますが、内容的に非常な強い意向を持つておられた。そういつた面が南鮮側に多少気持が動いて、そうしてアメリカとか或いはカナダ側と同じような意向で進んで来ておるのじやないでしようか。その点についてお聞きしたい。
  29. 塩見友之助

    ○政府委員(塩見友之助君) 韓国側の意図は私のほうでははつきりはわかりません。ただ日米加漁業協定においては決議三において、締約国がこの條約が取扱う問題と類似の問題について他の政府と協議するに当つては、この條約の精神及び意図に十分の考慮を拂うべきことを勧告するとなつておりまして、三国とも一応資源が満限である場合には、公海漁業は規制はしますけれども、そうでない場合には公海につきましては、條約案の前文にありますように、「国際法及び国際慣習の原則に基く公海の漁業資源を開発する各自の権利に照して行動し、」という文句でも出ておりまするように、公海における漁業に対する規制はしない精神で組んでおります。その日米加協定の線とは違つた線が出ていると我々のほうでは解釈しております。
  30. 青山正一

    ○青山正一君 それならば台湾側の意向はどういうところへ来ておられるのですか。何か多少そういつた点について、折衝でも始まつておられるのでしようか、どうなのでしようか。
  31. 塩見友之助

    ○政府委員(塩見友之助君) それはこの前の会議で申上げましたように、インドネシアと一応下打合せが行われただけであつて、台湾、朝鮮、フイリピン、或いは濠洲等とはまだ正規のものは何もございません。
  32. 木下辰雄

    ○委員長(木下辰雄君) 速記をとめて下さい。    〔速記中止〕
  33. 木下辰雄

    ○委員長(木下辰雄君) 速記を始めて下さい。
  34. 青山正一

    ○青山正一君 福井県の小浜造船所におきましては、現に韓国の貧弱な船を三隻作つておりまして、日本の建造がちよつとボイコツトをされているような感じですが、そういうふうな関係はやはり政府が知らないはずはなかろうと思います。或る意味においては。相当小浜だけでなしに舞鶴あたりもそうだろうと思いますし、或いは香住とか或いは堺あたりも相当韓国関係の巾着の船とか、或いは底曳の船あたりのいわゆる注文を受けているに違いないと思います。その点も一つやはり相当今後問題が残されるだろうと思いますからして、政府当局としてもやはり各造船所についてお調べ願つておいたほうがいいのではないか、こういうふうに考えます。
  35. 木下辰雄

    ○委員長(木下辰雄君) 明後日農林大臣の臨席を願つておりましたが、丁度その日に出張されるそうで金曜にしてもらいたいというお話がありましたので、農林大臣を委員会に招致していろいろ質問することは金曜日にいたしたいと思います。水曜には水産庁から本年度予算について詳細の説明をお願いいたしたい、かように思います。それが或いは金曜日の質問の材料にもなろうかと思います。それから今予備審査で本委員会に付託になつております法案が三つありますが、真珠養殖事業法案、これについては委員が現地に調査に行かれまして、すでにその報告はこの前の委員会でありましたが、衆議院と先般打合せいたしまして、各專門員のほうで両方の意見を検討して案を作つたらどうかというような衆議院の申出に対しまして、私ども同意いたしたのであります。そうしてそれができましたら、それをなお委員会で検討して、その上で本委員会の態度をきめたい、かように考えます。いずれこの問題は重要問題ですからして、公聴会を開く必要があると思いますので、大体来月の十日までの間にこの問題に対して公聴会を開きたいと思いますから御同意を求めます。それからもう一つの小型機船底びき網漁業整理特別措置法案は水産庁に対して省令案の提示を求めておりますが、まだその提示がありません。それでその提示がありましたらそれを検討するととにいたしまして、その場合にこの法案を議題に供したいと思います。それからポツダム宣言の受諾に伴い云々の法律案は極めて簡單でございますからして、これは衆議院から廻つて来まして、本審査になつた場合にこの問題について委員会を開きたいと思います。大体この三法案の進行はさようにいたしたいと思いますから御了承願います。で、本日御質問がありませんければ、本日の委員会はこれで終了いたしたいと思いますが、如何ですか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  36. 木下辰雄

    ○委員長(木下辰雄君) それでは本日の委員会はこれを以て閉会いたします。    午後二時三十三分散会