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1952-07-28 第13回国会 参議院 本会議 70号 公式Web版

  1. 昭和二十七年七月二十八日(月曜日)    午前十一時十五分開議     ━━━━━━━━━━━━━  議事日程 第七十一号   昭和二十七年七月二十八日    午前十時開議  第一 地方自治法第百五十六條第四項の規定に基き、名古屋通商産業局公益事業富山支局の設置に関し承認を求めるの件(委員会審査省略要求事件)  第二 国会職員法等の一部を改正する法律案(衆議院提出)(委員長報告)  第三 産業教育振興法の一部を改正する法律案(衆議院提出)(委員長報告)  第四 日本赤十字社法案(衆議院提出)(委員長報告)     ━━━━━━━━━━━━━
  2. 三木治朗

    ○副議長(三木治朗君) 諸般の報告は、朗読を省略いたします。      ―――――・―――――
  3. 三木治朗

    ○副議長(三木治朗君) これより本日の会議を開きます。  この際、日程に追加して給與所得税軽減に関する決議案(小酒井義男君外十九名発議)(委員会審査省略要求事件)を議題とすることに御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  4. 三木治朗

    ○副議長(三木治朗君) 御異議ないと認めます。  本決議案につきましては、小酒井義男君外十九名より、委員会審査省略の要求書が提出されております。発議者要求の通り委員会審査を省略し、直ちに本決議案の審議に入ることに御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  5. 三木治朗

    ○副議長(三木治朗君) 御異議ないと認めます。よつてこれより発議者に対し、趣旨説明の発言を許します。小酒井義男君。    〔小酒井義男君登壇、拍手〕
  6. 小酒井義男

    ○小酒井義男君 給與所得税軽減に関する決議案の発議者を代表しまして、趣旨の説明を申述べます。  先ず決議文を朗読いたします。    給與所得税軽減に関する決議案   勤労者の生活は今日迄決して楽なものではなかつた。我が国経済は漸次回復をみつつあるが、勤労者の生活水準が今後とも経済の回復と不均衡であつてはならない。   政府は給與所得税の軽減等の措置を構ずることによつて絶えず勤労者の生活に意をいたすべきである。   右決議する。  趣旨説明に当つて、誤解があるといけませんので最初にお断りをいたしておきますが、私は決して勤労者のみを特に優遇する目的を持つて本決議案を発議したのではないのであります。昨年来多くの勤労者から生活の窮状を訴えられておりましたのでありますが、つい最近、経済安定本部から配付されましたところの昭和二十七年度年次経済報告なるものを通読いたしまして、我が国の経済回復の実情や国民生活水準等との比較において、勤労者の立場を検討いたしました結果、勤労者が極めて不当な状態に取残されておる実態が明確になりましたので、今や体力の限界を越える重荷を背負わされておる勤労者の生活水準を、国民生活水準に鞘寄せをしなければならない限度にあるものと考えて、余りにも大き過ぎるところのこの凸凹の地均しをすることが必要である。これ以上、我々として看過すべきでないと思いましたから、その意味においての決議であることを御理解願いたいのであります。これから私の引例しますところの諸種の数字をお聞き下されば、大多数の勤労者が、今なお国民生活水準と比較して低位にあることが認められるものと信じます。以下、昭和二十六年度及び昭和二十七年度の年次経済報告に記述されておりますところの、いわゆる官製の数字に基いて、減税を必要とする論拠を明らかにいたしたいと思います。  同報告書の三十頁及び三十一頁は、独立日本の経済構造における国民所得とその支出の項において、次のごとく述べております。  昭和二十六年度の分配国民所得は、二十五年度の三兆二千億円から四兆六千億円となり、約四割の増加となつた。その構成を見ると、勤労所得は四四%であつて、前年と大差はないが、個人業種所得は四六%から四二%へと低下しておる。他方法人所得は、二十五年度の六%から二十六年度の一二%へと大きく増加し、実績においては三倍に増加しておる。而も法人税、配当を差引いた純利潤の法人留保額は、更に倍加率が大きく約四倍となつた。戰前の国民所得の構成を見ると、法人所得は六%であつて、二十六年度の一二%という比率は非常に大きいことが窺われると述べております。このことは同報告書八十四、八十五頁にある鉱工業生産の動向に見られることでありまして、昭和二十五年度の鉱工業生産指数が、昭和九――十一年を基準とするところの一〇四・六%でありましたものが、二十六度においては二六%の上昇を示し、戦前比一三一・四%という目覚ましい上昇率を示していることによつても証明されておるのであります。  又同報告の三十四頁、三十五頁におけるところの国民生活の現状を眺めますと、昭和二十六年の国民消費水準は、前年より四%の向上を示し、比較的着実な回復を見せて、昭和九―十一年の八六%の水準に達した。併し都市の消費水準は、前年と殆んど変らなかつたのに対し、農村のそれは約一割も上昇しており、前記四%の回復は、農村の上昇によつたものであると述べてあります。続いて都市の勤労者実質世帶収入は、殆んど上昇をしておらない。そのため都市消費水準は、前年とほぼ同様であつて、対戰前比は七割にとまつたと報告をいたしております。  次に同報告百六十五頁は、消費水準の動向について、次のごとく述べております。昭和二十六年の都市消費水準も概して停滞傾向に推移した。同年の東京都一世帶当り一カ月の平均家計支出は、約一万六千円で前年に比し一三%の増加であつたが、この間消費者物価は一六%の上昇をしたため、消費水準は却つて二%の低下を示し、戰前比の七一%となつているとあります。    〔副議長退席、議長着席〕  附表第五十九の勤労者世帶收入の推移を見ましても、本年即ち昭和二十七年一―三月の実質収入水準は、七一・七%となつておるのであります。このことは、特に中小企業におけるところの給與において非常なアンバランスを来たしております。附表第五十六にありますところの、製造工業規模別賃金較差を見ますと、昭和二十五年四―六月と昭和二十六年の十―十二月の推移は、小規模工業に働く勤労者の生活水準の低下を明らかに示しております。昭和二十五年四―六月の五百人以上の工業における賃金を百として、同じく昭和二十六年十―十二月の賃金を百として、それの較差を調べて見ますと、百人以上四百九十九人の工業賃金は、二十五年四―六月で八七・三%であつたものが、昭和二十六年の十―十二月では七八・七%と低下し、三十人以上九十九人までの工業賃金の場合には、二十五年の四――六月が七二・三%であつたものが、二十六年十―十二月では六〇%と低下しております。更にその顕著な例は、九人以下の場合であります。九人以下の小企業においては二十五年度の四―六月におけるところの賃金指数が五二・三であつたものが、これが十六年の十―十二月におきましては四四・四%と、大きく低下をしておるのであります。かかる顯著な賃金較差を知るときに、低額勤労所得者の生活水準の低下を否定することはできないと思います。これらの引例によつて、勤労者の生活水準が、国民生活水準の八六%に比較して、如何に低位に取残されているかということが証明されたものと思います。  参考までに農家におけるところの最近の生活水準の例を附け加えて申しますと、同報告百七十頁にありますように、都市消費水準の停滞に反し、昭和二十六年の農家消費水準は顕著な向上を示したと前書いたしまして、昭和二十六年の農家消費水準は物価上昇を除去した実質家計支出で見ると、前年より一〇%上昇し、又消費数量指数においても八%の増加で、いずれも前年より約一割の上昇であつて、戦前の比において昭和二十五年で九五%、昭和二十六年は一〇四%と、遂に戰前の水準を突破したと記述しております。戦前におけるところの都市と農村の消費水準の比には、多くの問題があることを忘れてはなりませんが、併しながら一応、農家におけるところの消費水準は上昇しつつある。これは附表六十三によつても見られるように、昭和二十六年十―十二月の農家消費水準は、戦前比一一六・三%となつております。このような事情と比較した場合、又次に、私はこのような生活水準の低位にある勤労者が、国家財政の面ではどのような役割を果しているかについて、少し説明を加えたいと思います。  昭和二十三年以降二十六年に至る所得税の徴収実績について説明をいたしますと、昭和二十二年度の所得税決算額は、総額において七百九十二億七千三百万円でありまして、これを源泉分と申告分に分けると、源泉分が二百七十九億五千四百万円、申告分が五百十三億一千九百方円であり、その進捗率を眺めましたときには、源泉分は一四〇・九%、申告分が一〇四・三%でありました。ところが昭和二十四年、二十五年を経過して、昭和二十六年になりますと、所得税総額は二千三百四十五億一千万円になり、そのうち源泉分は一千三百二十三億八千九百万円、申告分は一千二十二億二千百万円となつており、進捗率においては源泉分が一一三・五%、申告分は七三・八%となつております。つまり昭和二十二年度における所得税総額中、源泉分の占める比は二九%であり、申告分は七一%であつたものが、昨二十六年度においては源泉分が五六%を占め、申告分は四四%に減少しているのであります。ところがこれだけではこれは正確な数字ということは言えないのでありまして、二十五年、二十六年に例をとりますと、二十五年度において予算補正を行つた際には、源泉分は二百億円増額され、申告分は三百二十億円減額されております。二十六年度の場合においては源泉分を二百七十億円増額し、申告分は百五十億円減額しておるのであります。これを当初予算の数字に比例して引直してみますと、二十五年度の源泉分は一二四%、申告分が五一%、二十六年度の源泉分が一四一%、申告分が五七%という甚だしい懸隔となつておるのであります。  私はこれ以上申上げなくても、これらの点を十分皆さんが御勘案下さるならば、勤労者の生活水準が、今如何なる状態に置かれておるかということが明確になると思います。特に消費水準の八六%に対して勤労者の消費水準の七一%は、約二割の距りがあります。これをこのまま放置すべきではない。課税負担において不当な高位にあることがかく明確になつた以上は、私はこの勤労者に対するところの所得税の軽減を図ることが最も急であろうと考えて、本決議案を提出した次第であります。何とぞ全会一致、本決議案を可決下さいまして、来たるべき予算補正の際には、何よりも優先的に勤労者の生活水準向上の措置を政府にとらしめるよう、本決議案に全面的に御賛成下されんことをお願い申上げまして、趣旨説明を終ります。(拍手)
  7. 佐藤尚武

    ○議長(佐藤尚武君) 別に御発言もなければ、これより本決議案の採決をいたします。  本決議案に賛成の諸君の起立を求めます。    〔賛成者起立〕
  8. 佐藤尚武

    ○議長(佐藤尚武君) 総員起立と認めます。よつて本決議案は、全会一致を以て可決せられました。      ―――――・―――――
  9. 佐藤尚武

    ○議長(佐藤尚武君) 日程第一、地方自治法第百五十六條第四項の規定に基き、名古屋通商産業局公益事業富山支局の設置に関し承認を求めるの件(委員会審査省略要求事件)を議題といたします。  本件につきましては、内閣より委員会審査省略要求書が提出されております。内閣要求の通り、委員会審査を省略し、直ちに本件の審議に入ることに御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  10. 佐藤尚武

    ○議長(佐藤尚武君) 御異議ないと認めます。先ず提出者の趣旨説明を求めます。高橋通商産業大臣。    〔国務大臣高橋龍太郎君登壇、拍手〕
  11. 高橋龍太郎

    ○国務大臣(高橋龍太郎君) 現在富山市は、公益事業委員会北陸支局及び名古屋通商産業局北陸電気事務所が設立されておるのであります。今般通商産業省設置法によりまして、通商産業省が公益事業委員会を吸収することになりましたので、名古屋通商産業局に公益事業富山支局を設け、北陸地区の電気行政を担当せしめたいと考える次第であります。  公益事業富山支局は、今申上げました従来の二つの機構をそのまま統合したものであります。その行政機能も従来と同様であります。これらの点も御参酌の上、速かに御承認をお願いいたします。
  12. 佐藤尚武

    ○議長(佐藤尚武君) 別に御発言もなければ、これより採決をいたします。本件を問題に供します。本件を承認することに賛成の諸君の起立を求めます。    〔賛成者起立〕
  13. 佐藤尚武

    ○議長(佐藤尚武君) 過半数と認めます。よつて本件は承認することに決しました。      ―――――・―――――
  14. 佐藤尚武

    ○議長(佐藤尚武君) 日程第二、国会職員法等の一部を改正する法律案(衆議院提出)を議題といたします。  先ず委員長の報告を求めます。議院運営委員長寺尾豊君。    〔寺尾豊君登壇、拍手〕
  15. 寺尾豊

    ○寺尾豊君 只今議題となりました国会職員法等の一部を改正する法律案につき、その内容の概略及びこれが議院運営委員会における審議の経過並びに結果について御報告を申上げます。  昨年の暮に行われました国家公務員法等の改正によりまして、本年一月一日以降国会職員は、一般職から特別職となりましたので、旧特別職の時代に適用を受けておりました国会職員法等の適用を再び受けることになつたのであります。ところが、従前の国会職員法等は、今日の事情から見ますると、若干不備の点がありますので、これを改正する必要があるのであります。  その改正の主な点を申上げますと、第一に、国会職員の範囲を拡張いたしまして、今回新たに主事補その他の職員をこれに加えることとしたこと。第二には、新たに不利益処分を受けた職員の苦情処理の制度を設けて、職員の身分保障を規定したこと。第三に、病気休職等、職員の休職期間及び休職給について、政府職員との均衡を図つたこと。第四に、新たに国会職員の組合又はその連合体の結成の自由を規定したこと。第五に、新たに国会職員の政治行為の制限を規定したこと。第六に、常任委員会専門員の職務の特殊性にかんがみ、一般の国会職員とその取扱いを異にし、分限、服務、保障の規定の適用を除外したこと。第七に、公務災害の保障を、政府職員と同様、国会職員にも適用できるようにしたこと。第八に、職員の能率増進計画に関しまして、新たに規定を設けたことなどであります。以上はいずれも国家公務員法等と同様趣旨による改正であります。  本法律案につきましては、あらかじめ議院運営委員会庶務関係小委員会で、数次に亘りまして、慎重な検討を経たる上、更に議院運営委員会に付託せられた後におきましては、前後三回に亘り、委員会を開き審査を行なつたのであります。その間、職員代表の諸君を参考人として招致いたしまして、その意見を聞き、更に人事委員会との連合委員会を開き、他の一般公務員等との関連において、これを種々検討するなど、愼重且つ熱心な審議を行なつたのであります。その詳細については会議録に譲ることにいたしまして、ここでは参考人の主な意見を二、三、御紹介申上げますと、一には、職員の任用の基準を一層明確ならしめること。二には、調査員の昇級の途を拡大をするなど、処遇について考慮をすること。三には、専門員については、その地位の重要性にかんがみ、任用の手続を改めることを始め制度全般について、更に検討することなどでありました。  かくして七月二十六日の委員会におきまして、質疑を終了し、討論に入りましたところ、菊川委員より、職員の苦情処理制度についての御意見が述べられたのであります。次いで採決を行いましたところ、全会一致を以て可決すべきものと決定をいたした次第であります。  右御報告を申上げます。
  16. 佐藤尚武

    ○議長(佐藤尚武君) 別に御発言もなければ、これより本案の採決をいたします。  本案全部を問題に供します。本案に賛成の諸君の起立を求めます。    〔賛成者起立〕
  17. 佐藤尚武

    ○議長(佐藤尚武君) 過半数と認めます。よつて本案は可決せられました。      ―――――・―――――
  18. 佐藤尚武

    ○議長(佐藤尚武君) この際、日程に追加して参議院事務局職員定員規程の一部改正に関する件、  参議院法制局職員定員規程の一部改正に関する件  以上両件を一括して議題とすることに御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  19. 佐藤尚武

    ○議長(佐藤尚武君) 御異議ないと認めます。両件につきまして、議長は参議院事務局職員定員規程の一部を改正する規程案及び参議院法制局職員定員規程の一部を改正する規程案を立案いたしまして、あらかじめ議院運営委員会に付議いたしましたところ、同委員会においては、異議がない旨の決定がございました。両規程案は議席に配付いたしました通りでございます。
  20. 佐藤尚武

    ○議長(佐藤尚武君) 別に御発言もなければこれより両規程案の採決をいたします。  両規程案全部を問題に供します。両規程案に賛成の諸君の起立を求めます。    〔賛成者起立〕
  21. 佐藤尚武

    ○議長(佐藤尚武君) 過半数と認めます。よつて両規程案は可決せられました。      ―――――・―――――
  22. 佐藤尚武

    ○議長(佐藤尚武君) 日程第三、産業教育振興法の一部を改正する法律案(衆議院提出)を議題といたします。  先ず委員長の報告を求めます。文部委員長梅原眞隆君。    〔梅原眞隆君登壇、拍手〕
  23. 梅原眞隆

    ○梅原眞隆君 只今議題となりました産業教育振興法の一部を改正する法律案につきまして、文部委員会におきましての審議の経過並びに結果につきまして御報告申上げます。  御承知の通り産業教育振興法は、新教育制度において従来比較的に閑却されて参りました中学校、殊に高等学校の産業教育を振興いたすために、これに要する施設及び設備の充実を図り、その他必要なる方策を講ずることを目的として、第十国会において制定されたものでありまするが、その後実施の結果にかんがみ、若干の点において改正を必要とするに至りましたため、今回衆議院議員若林義孝君ほか二十二名から、その一部を改正する法律案が提出された次第であります。  本案の主要な内容を申上げますと、第一に、従来産業教育の実験実習から生じまする収益、例えば農業高等学校の農場からの収益などは、すべて地方公共団体等の収入に組入れられ、学校又は生徒のため、どの程度還元支出されまするか不明でありまして、生徒の努力の意欲をそぐこと甚だしく、中にはこの收益予算が過大に見積られる結果、教育上幾多の弊害を生ずる場合もありましたため、このような産業教育関係の実験実習から生ずる収益は、これを実験実習費の予算に加え、そのすべてを実験実習費又は実験実習に従事する生徒、学生の厚生経費に充て得るようにいたそうとしたことであります。第二に、産業教育は優れた技術と経験とを持つ教師が多数必要でありますにかかわらず、別にそのような教師について、従来資格、定員及び待遇につきまして、特殊な扱いがなされていなかつたため、優秀な教員はとかく実業界に奪われる傾向が多かつた点よりしまして、これを確保いたしまするために、産業教育に従事する教員について、その資格、定員及び待遇に関し、特別の措置を講ずべきことを規定いたしたことであります。第三点といたしまして産業教育に関する教科書は、その内容は多種多様であり、その種類は極めて多いにもかかわらず、所要部数は比較的に少いため、その価格は一般に高価とならざるを得ないのでありまして、教育上著しい支障を生じている点にかんがみ、産業教育に要する教科用図書の編修、検定及び発行等につきましても、特別な措置を講ずべきことを規定いたしております。  委員会におきましては、以上のような改正点に関連いたしまして、産業教育振興法の現在までの実施状況、本年度予算において、同法による補助金六億六千六百万円の配分先及びその金額、産業教育振興法実施の際の諮問建議機関である中央産業教育審議会の委員構成とその活動、産業教育に従事する教員の養成方針、国立大学の産業教育に関する施設及び設備の充実に対する政府の施策並びに本法案との関係、産業教育に対する政府補助と地方財政平衡交付金及び地方負担との関係等の諸点につきまして、提案者及び文部当局に対しまして、荒木、矢嶋、白波瀬、岩間の各委員から、熱心な質疑が行われましたが、これらの詳細は会議録に譲りたいと存じます。ただ以上の質疑応答のうち、産業教育振興法による政府補助金は、法律の建前上、地方において先ず産業教育の施設或いは設備を一定基準にまで高めようとする場合、初めてこれに対して支出されるものであるため、経済力の豊かな地方にだけ政府の援助が與えられ、その施設等はいよいよ改善されるに反し、経済力の貧弱な地方はそのまま放置されるか、或いはPTA等の地元負担を強制されることになるではないかという質問に対して、産業教育の振興に要する経費のうち、地方公共団体の負担すべき部分は、地方財政平衡交付金の算定基準に算入することとなつたが、差当りはこの経費の三分の一を起債に仰ぐよう努力している旨、及び経済力の微弱な地方に対しても、その要求によつては特別の措置を講じている旨、提案者及び政府当局から、御答弁のあつたことを特に申添える次第であります。  かくて質疑を終了いたし、討論に入りましたところ、大隈信幸委員ほか一名からと荒木正三郎委員ほか二名からと、それぞれ修正案の提案がありました。そのうち大隈信幸委員ほか一名からの修正案の要点を申上げますると、第一に、先般本国会で行われました地方財政法第十條の改正によりまして、産業教育の振興に必要な経費に対する国の補助金が、国の負担金と改められましたのに応じまして、産業教育振興法について所要な字句及び表現の改正を行うこと。第二には、特に一カ條を起し、産業教育の教科用図書の出版に関する補助措置として、「国は政令で定めるところにより、産業教育に関する教科用図書で政令で定めるものを発行する者に対し、予算の範囲内において、その発行に要する経費の一部を補助することができる」と規定しようとするものであります。なおその際、この教科用図書に関する特別措置は、勿論現在の教科書行政の原則からは、決して逸脱しないことを前提とする旨、提案者から特に趣旨弁明がありました。  荒木正三郎委員ほか二名からの修正案の要点は、第一に、本法案中産業教育に従事する教員の待遇について、特別の措置を講ずべき旨規定している部分を、「待遇」を「手当」に変え、「その特殊な勤務に対する手当の支給については」と改めること。第二には、公立学校の産業教育の振興に要する経費について、国の原則的な負担区分を、二分の一として、明確化すること。第三に、産業教育の教科用図書について、特に一ヵ條を設け、「国は政令で定めるところにより産業教育を受ける生徒又は学生等に対して、これらの者が使用する産業教育に関する教科用図書で、政令で定めるものの購入費の一部を補助するものとする」と規定することなどであります。ついで岩間委員は、日本共産党を代表して法案及び両修正案に対して、我が国の産業教育め予算的裏付の不十分、軍需生産の下請教育的性格等の点から反対の旨の討論があり、矢嶋委員は、荒木修正案を支持し大隈修正案に反対せられ、木村委員からは、大隈修正案に賛成の意見の開陳がありました。  かくて採決の結果、委員会は先ず多数を以て、大隈信幸委員ほか、一名提出の修正案を可決し、ついでその修正部分を除く原案を同じく多数を以て可決、結局本法案を修正議決すべきものと決定いたしました。なおこの決定に引続き、委員会は白波瀬委員の動議により、更に次のような附帯決議を附することを多数を以て可決いたした次第であります。  一、国立大学のうち、旧専門学校令   による専門学校の産業教育に関す   る施設又は設備を継承したものは   もとより、その他の国立大学の産   業教育に関する施設又は設備も、   一般にきわめて不十分であるか   ら、国は、その整備充実を図るた   め、特に努力すること。  概略ながら、以上をもつて御報告といたします。(拍手)
  24. 佐藤尚武

    ○議長(佐藤尚武君) 別に御発言もなければ、これより本案の採決をいたします。  本案全部を問題に供します。委員長の報告は、修正議決報告でございます。委員長報告の通り、修正議決することに賛成の諸君の起立を求めます。    〔賛成者起立〕
  25. 佐藤尚武

    ○議長(佐藤尚武君) 過半数と認めます。よつて本案は、委員会修正通り議決せられました。      ―――――・―――――
  26. 佐藤尚武

    ○議長(佐藤尚武君) 日程第四、日本赤十字社法案(衆議院提出)を議題といたします。  先ず委員長の報告を求めます。厚生委員長梅津錦一君。    〔梅津錦一君登壇、拍手〕
  27. 梅津錦一

    ○梅津錦一君 只今議題となりました日本赤十字社法案につきまして、厚生委員会における審議の経過並びに結果を御報告申上げます。  本案は、衆議院提出の法案でありまして、その趣旨とするところは、日本赤十字社の行う事業の公共性と国際性とに鑑み、日本赤十字社の特性を生かし、その自主性を重んじ、事業の円滑適正なる運営を期せしめまして、一つには、日本赤十字社が国内の現状に即してその本来の使命を発揮し、国民生活の安定に一段の力を盡すようにいたしますと共に、又一つには、日本赤十字社が国際赤十字社の一員としての地歩を強め、複雑な国際情勢下にあつて、赤十字国際機関並びに各国赤十字社とよく力を協せ、世界の平和と人類の福祉に貢献せしめまするために、日本赤十字社を特殊法人に改組し、これを強化しようとするものであります。  次にこの法案の内容につきましてその概要を御説明申上げます。第一に、日本赤十字社の運営管理の基本を明らかにしてあるのであります。即ち日本赤十字社は、赤十字に関する諸條約等の精神に則つて、赤十字の理想とする人道的任務の達成に当ることを目的とする我が国唯一の機関であることを明らかにすると共に、ますますその事業の公共性を発揮して、国民の負託に応えることができるようにするため、社員の地位を明確にし、役員に関する規定を民主化し、総会に代るべき代議員会の規定等を設けてあるのであります。第二に、日本赤十字社の国際的性格に鑑み、国際赤十字の一員としてその本来の使命を果すよう、国際協力の原則を規定してあるのであります。第三に、日本赤十字社に対する国の立場を明らかにしてあるのであります。日本赤十字社の活動は、赤十字條約の規定に基き、篤志赤十字機関として国の赤十字に関する條約業務に奉仕し、平時においては、健康の増進、疾病の予防及び苦痛の軽減等のための国家的施設を補足するものであります。即ちこの故を以ちまして、国は、日本赤十字社によつて実施されるこれらの役割に対するその代償として、必要な特権と便宜を與え、又物心両面に亘る援助をなすことといたしてあるのであります。なお又、日本赤十字社の国際的性格に鑑み、中立性を保持せしめる必要上、その自主性を重んじ、不当な関與はこれを避けしめることといたしてあるのであります。第四に、日本赤十字社が、現在なお千三百万人に及ぶ社員を擁する全国的組織の社団たる性格に鑑み、その基盤をなす社員について一章を設け、その資格、加入、脱退並びに権利義務等を明確にしてあるのであります。第五に、日本赤十字社の業務を明らかにすると共に、業務遂行上必要とする看護婦等救護要員の確保について、必要な看護婦養成等に関する事項を規定してあるのであります。第六に、監督規定を設けて、日本赤十字社の業務につき、その適正な監督を実施することといたしてあるのであります。  第七に、日本赤十字社の行う事業に対し、国又は公共団体の助成の途を講じてあるのであります。日本赤十字社は、その性格上社員の醵金によつて維持、経営せられるのが理想でありますが、非常救護のための救護班の派遣とか、病院、診療所及び療養所の創設、拡張、改良とか、或いは又、救護員の養成のため等に多額の費用を要しますので、社員の醵金のみを以てこれを賄うことは、到底困難であり、且つこれらの事業は、いずれも国家的施設の補足をなすものでありますので、これらの費用に対して、国又は公共団体は補助金を支出し、或いは有利な條件で貸付金を支出し、又は財産を譲渡、貸付できることとして助成することに相成つておるのであります。最後に日本赤十字社は、その本来の業務に必要な資金について、寄附金を募集し得る旨の規定を設けてあるのであります。即ち日本赤十字社が、その業務を行うに必要な経費につきまして、社員の醵金で不足する分については、従来いわゆる「白い羽根募金」を毎年一回定期に実施して参つているのであります。これについては、社会福祉事業に要する経費を除いた日本赤十字社本来の業務に必要な募金を行う場合には、厚生大臣に届出ることとし、更に特別の事情に基き必要な経費に当てるため、臨時に実施する寄附金募集については、厚生大臣の許可を受けることといたしてあるのであります。  以上が、この法案の提案理由並びにその内容の要点でありますが、衆議院におきましては、次の二点について修正議決の上本院へ送付されたのであります。即ち修正の第一点は、日本赤十字社が、その本来の業務を行うに必要な資金を得るために実施する定期及び臨時の寄附金募集に関する規定を、本則から附則のほうへ移し、且つ定期に寄附金を募集する場合には、当分の間、あらかじめ厚生大臣に届出るべきものといたしてあるのであります。第二点は、第一点の修正に関連して、字句條文筆の整理をいたしてあるのであります。  厚生委員会におきましては、提案者より提案理由、法案の内容及び衆議院における修正点等について詳細に説明を聴取いたしまして後、本案審議のため、特に小委員会を設けまして、これに付託いたして審議せしめ、更に本委員会におきましても愼重審議を盡したのであります。即ち委員会には、提案者側はもとより、厚生省社会局長、人事院法制局長、大橋国務相並びに日本赤十字社幹部等の出席を求めまして、法案を基礎に、各般に亘る質疑が行われたのでありますが、そのうち、主なるものにつきまして要点を申上げますと、先ず「日赤の事業財源確保のための社費と寄附金募集との関係は、今後如何なる方針によるか。又日赤募金と共同募金との関係は、今後如何ように取扱われるか」との質問に対しまして、日赤副社長より、「日赤は社団法人たる性格にかんがみ、社員の年醵金を基本財源とすべきであるが、今直ちに、これらのみを以て賄うことは困難であり、又不足額は、当分の間、寄附金募集に頼らねばならぬ。本法制定後三カ年ぐらいの経験を積めば、確固たる見通しがつくと思う。又共同募金との関係については、日赤の経営する社会福祉事業関係の資金に当てる分は、共同募金より配分を受けることになり、日赤本来の業務資金に当てるための募金については、共同募金関係者と十分話合いの上実施することにいたしたい」旨の答弁がありました。次に日赤病院のあり方については、「今後特殊法人の病院として如何なる経営方針をとるか」との質問に対しまして、「日赤病院は、一支部に一院を最低限設置する方針であり、その経営については、一応経常的歳出は経常的歳入で賄わなければならぬが、不足分は他の財源を以てこれに当て、公的医療機関たる性格にふさわしい経営をする方針である」との答弁がありました。次に「救護員が日赤の行う救護業務に従事して負傷したり、疾病にかかつたり、又は死亡した場合においては、災害救助法の規定により扶助金を支給することになつているが、その金額が余りに僅少である。これに対しては、如何なる措置を講ずるや」との質問に対しましては、日赤幹部より、「他の法律の規定による扶助金額に比し、足りない分は日赤において負担する」との答弁があり、社会局長よりは、「災害救助法による扶助金額を増額するよう考慮する」旨の答弁があつたのでありますが、これについては多数の委員より、国において必らず補償するよう強調されたのであります。  次に協力義務に基き救護事務に従事する者の取扱、身分関係につきましては、人事院法制局長より答弁があり、警察予備隊内に設置せんとする衛生施設と日赤病院との関係については、大橋国務相から答弁があつたのであります。右のほか、日赤に対して国が委託する業務の内容と補償との関係及び業務実施上必要な施設、設備等の費用に対する国庫負担の問題、国の日赤に対する監督及び助成の問題、国又は地方公共団体の日赤に対する助成と憲法第八十九條との関係等々、極めて重要な問題につきまして、熱心に質疑応答が交されたのでありますが、その詳細は速記録によりまして御承知願いたいと存じます。なお小委員会におきましては、愼重審議の結果、本案に対する修正案並びに附帶決議案を決定いたし、山下小委員長より、本委員会に報告がなされたのであります。  即ち修正案の要点は、第一に、原案によれば、日本赤十字社はその本来の業務を行うのに必要な資金を得るため、毎年一回定期的に寄附金を募集することができることになつておりまして、この寄附金を募集せんとするときは、当分の間、あらかじめ厚生大臣に届出なければならないことになつているのでありますが、これを寄附金の募集それ自体を、当分の間、行うことができることに改めることであります。第二は、地方税法の一部改正に伴いまして、本案附則第二十五項の條文及び字句の整理をすること。以上の二点であります。  かくて質疑を終り討論に移りましたところ、中山委員より、小委員長報告の修正案に賛意を表した上、小委員会決定の附帯決議案を朗読し、これに賛同方を要望されたのであります。附帯決議案の案文は、次の通りであります。   日本赤十字社法制定の趣旨にかんがみ、同法の施行とともに左の基本方針に基いて社業の改善と拡充に努めるものとする。  一、機構並びに人事の刷新。    (一)社員制度を確立すること。(二)社費による財源を確保すること。(三)本部、支部の機構を改善すること。(四)医療機関の運営機構を強化すること。的支部長は民主的選出方法によること。    (六)人事の刷新を図ること。  二、募金    (一)現在の募金は社費の徴收による財源の不足分についてのみ当分の間認めること。(二)二カ年後においてもなお相当額の一般募金を必要とする場合は、厚生大臣の許可を受けて行うこと。(三)日赤以外の一般募金については、政府の監督を強化すること。  三、会計監査。    日赤の会計については、本部、支部を通じ、政府の会計監督を強化すること。  四、役員の選任。    日赤の使命にかんがみ、すべての役員を通じ、人格、識見共に優れたる人物を当てるよう留意すること。  五、医療経営。    医療機関の経営は本社の直営とし、公的医療機としての性格を明確にし、且つ非常災害時においては、救護機関としての使命を発揮するよう、その運営方針を改善すること。  六、委託業務。    国は救護等に関する業務の委託を積極的に行い、これに関する助成の実を挙げること。  七、救護業務従事者の扶助。    救護業務従事者の扶助については、国家公務員災害補償、労働基準法に基く災害補償と均衡を失しないよう措置すること。  以上の通りであります。かくして討論を終結いたしまして、先ず修正案について採決いたしましたところ、全会一致を以て可決いたしました。次いで修正個所を除く残余の部分について採決をいたしましたところ、これ又全会一致を以て原案通り可決すべきものと決定いたした次第であります。なお附帶決議案につきましても、全員異議なくこれを承認することに決定いたしたのであります。  以上をもつて御報告を終ります。(拍手)
  28. 佐藤尚武

    ○議長(佐藤尚武君) 別に御発言もなければ、これより本案の採決をいたします。  本案全部を問題に供します。委員長の報告は修正議決報告でございます。委員長報告の通り、修正議決することに賛成の諸君の起立を求めます。    〔賛成者起立〕
  29. 佐藤尚武

    ○議長(佐藤尚武君) 過半数と認めます。よつて本案は、委員会修正通り議決せられました。  本日の議事日程は、これにて終了いたしました。次会の議事日程は、決定次第公報を以て御通知いたします。  本日はこれにて散会いたします。    午後零時十一分散会      ―――――・――――― ○本日の会議に付した事件  一、給與所得税軽減に関する決議案  二、日程第一 地方自治法第百五十六條第四項の規定に基き、名古屋通商産業局公益事業富山支局の設置に関し承認を求めるの件  一、日程第二 国会職員法等の一部を改正する法律案  一、参議院事務局職員定員規程の一部改正に関する件  一、参議院法制局職員定員規程の一部改正に関する件  一、日程第三 産業教育振興法の一部を改正する法律案  一、日程第四 日本赤十字社法案