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1952-05-30 第13回国会 参議院 大蔵委員会 60号 公式Web版

  1. 昭和二十七年五月三十日(金曜日)    午前十一時十八分開会   ―――――――――――――  出席者は左の通り。    委員長     平沼彌太郎君    理事            大矢半次郎君            伊藤 保平君            木内 四郎君    委員            黒田 英雄君            西川甚五郎君            小林 政夫君            小宮山常吉君            森 八三一君            大野 幸一君            油井賢太郎君   政府委員    大蔵省銀行局長 河野 通一君    大蔵省銀行局総    務課長     福田 久男君    大蔵省銀行局銀    行課長     大月  高君   参考人    日本開発銀行理    事       中村 建城君   ―――――――――――――   本日の会議に付した事件日本開発銀行法の一部を改正する法  律案(内閣提出、衆議院送付) ○長期信用銀行法案(内閣提出、衆議  院送付)   ―――――――――――――
  2. 平沼彌太郎

    ○委員長(平沼彌太郎君) それでは第五十九回の大蔵委員会を開会いたします。日本開発銀行法の一部を改正する法律案を議題といたします。その前にちよつと申上げますが、字句の正誤をいたします。それは第一頁の四行目の「第四条を次のように改める。」という次に括弧して(資本金)というその三字を加入して頂きたい。そうしますると、自然その次の行の一等上に「第四条」という字を書き足すことになります。そういうふうに御訂正して頂いて、それによつて御審議を主願いいたします。
  3. 小林政夫

    ○小林政夫君 昨日総裁に質疑をした外資の借入れの件ですが、銀行局長にお尋ねをいたしますが、政府保証する場合には、この外貨送金を保証する、外貨による返還を保証するという場合と、万一支払不能になつた場合を保証する二つがあります。それは総裁としては、支払不能になるというようなことは考えていないと言うことは当然のことでありますが、両方の場合を考えて、やはり少くとも、ただ気休めに外資も借りられるということならとにかく、現在の借り得る、借款の見込みのある外資の性質を考え、又開発銀行が受入れるべき性質の外資というような点から考えると、どうしても一応予算の定める範囲において政府保証するという規定を補うべきではないかと私は考えているのですが、この点お聞きしたい。
  4. 河野通一

    政府委員(河野通一君) この点につきましては、開発銀行の信用を補完するという意味で、その上に更に開発銀行の借入れをいたします場合に政府が更にそれを保証するという制度があつたほうがいいではないかという御意見でありますが、この点につきましては、昨日開発銀行総裁からお答え申上げたところでありますが、私ども大体小林総裁と同じような考え方を持つております。御承知のように開発銀行といたしましては、借入金をいたします場合にも、その支払をいたします場合に問題が二つあるわけで、今お示しのように、外貨のコンヴァーティヒリテイの問題と、欠損を生じて支払不能になつて、円でも支払いできないという二つの場合があるのです。主として問題は後者に関する問題だと思うのですが、この法律でも御承知のように、借入金をいたします場合には、債務保証をいたします場合と合せて、自己資本の額を限度といたして、非常に極端な場合、そんなことは勿論ありませんが、非常に極端な場合に貸出金の半額が欠損になつたという場合に初めて借入金が支払えない、或いは債務保証をいたしましたものが支払えないということに相成るわけであります。そういうことは勿論考える必要もないのであります。私どもは、この借入金なり債務保証をいたします限度が抑えられております関係もありまして、万々そういうことがあつていいわけのことは勿論ありませんし、心配がないようにそれらの限度を設けてあるわけであります。かたがたできるだけ開発銀行の運用というものは、バンキングビジネスとして、その債権の回収についてはできるだけ確実な方法をとつて参るということをいたしております。政府保証ということを必ず附けなければ外資というものが入つて来ないとも私は言い切れないと思います。今後、具体的には今問題はございませんが、開発銀行自体の力で以て、自体の信用で以て相当程度私は外資のほうは入つて参る見込があるというふうに思つております。なお今後の情勢次第によつて、開発銀行だけの信用ではどうしても工合が悪い、私はそういうことは先ずないと思いますけれども、という場合には、又その必要に応じて予算上の措置なり、或いは法律の改正、立法措置等をお願い申さなければならん事態が起るかも知れません。只今のところではそういうことは先ず必要なかろうというふうに私は確信をいたしております。
  5. 小林政夫

    ○小林政夫君 今銀行局の言われた後者のほうですね。その債務返済不能になるということは、これはむしろ私どもの考えでは軽い、むしろ外貨による返済を保証する、いわゆる外国為替の管理が行われておる、外貨管理が行われておる情勢においては、むしろ政府保証を求めるということはそこに問題があるので、外貨管理が行われなくなるまでは、恐らくこの開発銀行が受入れるような外資の融資先というものはやはりそういつた外貨送金、外貨返金を保証してもらうという意味において政府保証を求めるのです。開発銀行総裁は、今直ちにどういう性質の外資を予定しているということはないんだと、ただそういつたケースが起つた場合に受入れられるというようなつもりでおられますが銀行局長としてはこういう改正をするに当つては、何かこれは輸出銀行のほうの改正をするときもお尋ねをし、大体輸出銀行として受入れる予定をしているのは、大体アメリカ輸出銀行からの借入金等のものだというふうな御答弁があつたように記憶しておりますが、この開発銀行の受入れを予定しておる外資というものは、発案者としてはどういう性質の外資を予定しておるか。
  6. 河野通一

    政府委員(河野通一君) 第一のお尋ねでありますが、為替管理上の措置が続いて参ります限りにおきまして、開発銀行が外資を借入れる。その場合それを返済いたします場合に、必ずそれをもとの外貨に直して払うということを確保する措置が必要ではないかということ、この点は私どもは必要であろうと思うのでありますが、これは為替管理の運用というものが、現在の体制で政府において行われます以は、これを特に法律上はつきりそういう外貨のコンヴアーテイビリテイを保証をいたすということを政府の措置として法律の上に現わすことも必ずしも必要でないと考えるのであります。いわゆる為替管理法の運用によりまして、この点は必ず外貨によつて返して行くという途を講じて参りたいというふうに考えておるのであります。  それから第二点の、どういうふうな外資を受入れることを予定いたしておるかということですが、具体的に相手方については、これは昨日小林総裁から申上げた通りでありまして、特にいろいろ私どもが頭に描いておるものはございますけれども、具体的に話が進んでおるということも別に今あるわけではございません。頭に浮びますところは、アメリカにあります輸出銀行でありますとか、或いは国際開発銀行等の活動と結び付けた意味において外資が入つて来ると思つております。外資関係も、その他一般の民間の外資、或いは別途提案されております電源開発促進法による外資その他の問題のほかに、先般御決議を頂きました日本輸出銀行につきましても、やはり外資の受入はできることになつております。輸出銀行の外資の受入と開発銀行の外資の受入とはおのずからその性質に差異がある。一方は輸出入業務、殊に輸入業務に関連して外資というものが考えられると思うのであります、輸出銀行におきましては。一方で開発銀行の取扱いますものにつきましては、国内の産業の開発、これに関連します外資、これは勿論廻り廻つて現実には輸入と結び付く場合もあると思いますが、そういう意味の外資ということを考えておるのであります。相手方は今特にここで具体的に予定をいたしておるものもございませんが、今申上げましたようなところで、大体のところをお汲み取り願いたいと思うのであります。
  7. 小林政夫

    ○小林政夫君 この前大月説明員が、今の政府保証の場合で後者の場合、いわゆる借入金が返済できない事態に立至つた場合に、当然開発銀行政府機関だから政府補償をいたしますということを言つておるのです。これは併し気持の上においてはそうでしよう。そうでしようが、この法律自体からはそういうことは当然生まれて来ないのです。これは一遍銀行局長から訂正しておいて頂きたい。若しそういうことをする場合は、予算措置を伴わなければならない。まあ今出されておる訂正案及び訂正前の開発銀行法からは、当然に欠損の場合に政府補償するということは生まれないと思うのですが、その点どうですか。
  8. 河野通一

    政府委員(河野通一君) 大月課長が御説明申上げましたときに、私おりませんでしたので、そのときにどういうことを申上げましたか存じませんが、少くともこういうことは言えると思うのであります。政府が出資いたしておりますので、この出資の限度内においては、まあ最悪の場合という予定はいたしておりませんが、その限りにおいては資本をつぶすという意味において、特に新らしい予算措置がなくても、その限りにおいては、何と申しますか、損失の補填が資本金によつて事実行われる、これは減資の形になりますか、どういう形になりますか、いろいろ方法はあります。ただそれを超えて欠損が出たという場合に、新らしい資金を注ぎ込まなければならんという場合におきましては、お説の通り予算措置なり、或いは場合によりましては立法措置が必要と思います。この場合につきましては、恐らく大月課長はそこまで、立法措置なしにできるとは申しておらんのじやないかと思いますけれども、なお若しそういう意味で申しておりましたら、それは違つておると思います。
  9. 小林政夫

    ○小林政夫君 それから開発銀行が今度は見返り資金の私企業融資債権債務の引継ぎをやる、相当従来よりも業務が拡大され、扱う資金量もまあ相当な量、大かた二千億近くになつておるということであると、この経営者、総裁或いは理事等について今まで通りの総理大臣任命制度でいいか、そういう点については別に従来通りの経営スタツフというか、別に人を替えろという意味じやありませんが、この任命の仕方についていろいろやかましく言われておるのでありまして、言われておるというか心配する向きがある。大体現在の融資状況は相当堅くて、むしろ堅過ぎるというくらいのその筋の人は考えを持つておる。昨日総裁が開発銀行の信用を云々と言われたが、余り信用がよ過ぎても困るのではないかと思うほどなんですが、そういう意味でいろいろ世上、元の復金の二の舞にならないという意味から言つて、一方的な政府の任命でなしに、国会承認を得るというふうな措置をこの際考えるべきじやないかというふうに思うのです。少くとも総裁、副総裁については、どうですか。
  10. 河野通一

    政府委員(河野通一君) 御意見としては十分拝聴いたしたいと思いますが、私どもといたしましては、開発銀行の業務が非常に拡大されて参りますに応じまして、総裁なり副総裁なりの任命手続の現在のやり方を変えることはこの際必要でないかというふうに考えております。御意見の点は十分考えてみたいと思います。
  11. 小林政夫

    ○小林政夫君 それから今度長期信用銀行法を、まあ大体我々が了承すれば、長期信用銀行法というものが生まれるわけです。それと昨日も縷々総裁から話がありましたが、要するに一般銀行の補完作用を開発銀行は営むのだということで場、これは観念的には誰でもわかり切つておる。が実際の実務の上において、必ずしも補完でなしに、今度できる長期信用銀行の分野競合というか、そういうことが起り得ないとは限らないのであります。それを制度の上において調整を図るということは、大体において長期信用銀行が開発銀行の窓口になり、一応長期信用銀行の節にかけて、そうして長期信用銀行で検討して、これは開発銀行の分野だというふうな持つて行き方に仕組の上において考えるということにすれば、開発銀行が復金の二の舞にならんようにということについても、これは非常にそういつた杞憂を解消することになりますし、又一般銀行との競合という問題についても、形の上で是正ができる。制度の上で是正ができるというふうに考えますが、この点についてはどうですか。
  12. 河野通一

    政府委員(河野通一君) この点も新しい長期信用銀行政府機関たる開発銀行との間には、お話のように観念としては非常に分野がはつきりいたしておると思います。ただ具体的な問題といたしまして、現実にどちらで受持つべきかという問題につきましては、いろいろ御議論のような点はあると思いますが、昨日も小林総裁から御答弁申上げましたように、これらの点を非常に頭に置きまして、開発銀行といたしましては、一般の市中の民間銀行で賄えるような融資に手を出すことはこれは適当でない。又そういうことをやらせるつもりも私どもはありませんし、小林総裁もそういうつもりは毛頭ないのであります。むしろ私どもは現在のような既存の長期の資金の足りないときにおいて、両方が、私も貸します、私も貸しますという競争というものが起れば、これはむしろ非常に有難いような気持でおります。いずれかと言いますと、大市中銀行に参りましても、民間銀行に参りましても、どうもこれはうまく自分のほうで出せないから、開発銀行のほうへ廻つて頂きたいというのが、今まで私どもの報告を聞いておりますところでも、開発銀行の取上げておるところのケースはそういうことになつております。  それからそういう手続を取つておらない例外的なものにつきましても、大市中銀行がこれはやれるものであるかどうかということは、開発銀行にもたくさん専門家もおられることでありますので、この種類のものは到底市中じや賄えないだろうということがはつきりいたしておるものにつきましては、これは開発銀行が市中と相談しないで、もう一遍市中銀行に行つてみなさいということを申さないで、或いは自分で処理しておる場合もあるかと思います。併しこれは極く例外であつて、原則は今申上げましたような筋で、できるだけ民間銀行の窓口のベーシスに乗るものはできるだけ民間銀行でやつて頂く。どうしても足りないとか、或いはそれで賄えないと思うところを開発銀行でやる。それがため、今御指摘もありましたような手続上のルートを、如何なる開発銀行融資も、必ず一偏民間銀行の窓口を通すというふうな仕組にいたすことも一つのやり方であると思います。これは原則は現在でもそうなつておるわけであります。そう固く縛つて置かないでも、とても民間銀行では対象にならないというようなことが初めからはつきりしておるようなものもあるわけであります。そういうことにつきましても、特にもう一遍民間銀行のほうに必ず行つてくれという手続を取らないでいい場合も例外的にはあると思うのです。大体御趣旨の点は御尤もでありますので、そういう方針で私どもも指導して参りたいと思います。開発銀行当局もそういう気持でおられると思います。政府もそういう点について遺憾のないように十分配慮いたしたいと思います。
  13. 平沼彌太郎

    ○委員長(平沼彌太郎君) ちよつと申上けますが、長期信用銀行法案は、只今提案されておる開発銀行法案と多少内容に関連性もあるようですから、この両案を一括して議題といたしておきます。
  14. 小林政夫

    ○小林政夫君 両方質問していいのですか。
  15. 平沼彌太郎

    ○委員長(平沼彌太郎君) ええ。
  16. 小林政夫

    ○小林政夫君 そうすると大野委員からこの開発銀行の審査能力というようなものにつきましていろいろお話がありましたが、そういう建前を取られると、必ずしも厖大な審査機構を持つ必要もないのではないか。極くまあ補完的なものというように考えて行けば、かなりスタツフの面について相当機構上考える問題があるが、ほうぼうに支店、出張所を設ける必要もないしというような点で、これは預金を扱わないから、一般の市中銀行とそういう面においては摩擦は起りませんけれども、資金コストを安くするというような意味から考えても、かなりそういう基本的な問題については相当簡略にするという趣旨からいつても、形の上においても、そういう今の銀行局長の言われたような趣旨が現われるようなことを考えて行くべきであると思うのです。
  17. 大野幸一

    ○大野幸一君 昨日私が総裁にお聞きした点に関して又小林委員から申されたのですが、併しそれは両説あるのです。私のような説のほうがよいと考えている人も相当にある。というのは、市中銀行の窓口を通さなきやならんということは、これは一面において市中銀行にいい甘い汁を吸われたあとの悪い部分だけが開発銀行に廻つて来ると、こういうことも考えられるし、又市中銀行と従来非常に密接な関係にあつた大会社だけが救済されるということも考えられるし、少くとも開発銀行の趣旨に副うて、低金利で産業開発の設備を助成するという意味ならば、低金利政策で市中銀行と競争させることも何ら差支えないはずであります。それにはやはり独自のスタツフを以て直接……、むしろ政治は何と言つても多数の人が喜ばなければならないのであるから、産業を開発すると同時に多数の人を喜ばせる、こういう意味で、市中銀行を通さなくても、開発銀行へ行つてその援助を求めるという方法も一つの方法だと思うのです。その点を一つ……。小林委員の説も一つの説かもわかりませんが私のような説も成立たないわけではない。こう考えて、最後に昨日委員長も、特に開発銀行総裁の考え方に対しての一つの参考として、やはり低金利でやらせて、そうして本来の使命を達成せられんことを申上げておきますと、こういうことを附言されておつたのであります。こういうことは、私としては直ちに窓口を経過しなければならんということがどうも全部の措置じやないとこう考えますので、その点はどうお考えですか。
  18. 河野通一

    政府委員(河野通一君) 最初に小林さんの御質問にお答え申上げておきます。開発銀行は勿論政府機関であり、その基は国民租税から集められた資金が基になつておるわけであります。これが運営につきましてはできるだけ国民に負担をかけないような方法でやつて参らなければなりませんし、従いましてそれは融資の活動の面においてそうであるだけでなく、経費、人員なり、機構なりにおきましても、できるだけ簡素にして行く、そうして無駄な重複を省いて行くというふうな配慮をいたして参りたい、こういうふうな意味におきまして人員につきましても、店舗につきましても、十分この点は慎重に頭に置いて、具体的な措置を講じて参らなければならんと思います。併しこれはいずれにいたしましても、店舗の問題或いは人員の問題は程度問題であります。従いまして今のような気持でこれをやつて行くのでありますけれども、それじや何百人以上は多過ぎるというようなことは、必ずしもこれは実際上は出て参りません。気持だけはそういう気持で小林総裁もおられるわけであります。私どもも是非そのような気持で進めて参りたいと考えております。  それから大野さんの御質問でありますが開発銀行法の第一条の目的にはつきり書いてありますように、この銀行の業務は、市中の金融がつかない、或いは十分でないという場合において、政府が助成の意味で出資をした機関によつてこれを補完して行こう、こういうのがこの開発銀行の設立せられました一番大きな目的であるわけであります。従いまして市中で資金がつかないものについて、それを補完して行く。而も国の政策上、産業全体を開発いたして参りますために、何とかして資金をつけて行かなきやならん、而も市中でつかないというようなものにつきまして開発銀行がこれの面倒を見るというのが本来の筋であります。従いまして市中で資金がつくものはできるだけ市中でつけて行く。これは市中と言いましても、必らずしも商業銀行だけに限る必要はございません。いろいろな金融機関で資金がついて行くものはつけて行く。又産業自体の資本の蓄積が増加して参りますれば、それによつて資金がつくわけであります。そういつたものでやつて行つて、どうしてもつかない場合に開発銀行がそこへ乗り出して行くというのが建前でございますので、現実の運用につきましては余りぎすぎすしたやり方をいたしたくないと思いますが、やはり原則は今申しましたような意味におきまして、やはり市中銀行で一応……、銀行には限りませんが、市中の金融機関で一応これを出せるものか出せないものかを検討いたしました上で、その結果、絶対むずかしいというものが開発銀行に廻つて来るというのが大体趣旨としては原則になるのではないか。併しそれかと言つて、先ほど小林さんにも申上げましたように、はつきりとしているというものまで市中銀行を必らずしも通さなければならんということを言う必要もないと思います。それは具体的な事例、事案の内容によつてきまつて来ると思います。原則はやはり今第一条に書いております趣旨に十分順応いたします意味におきまして、市中で資金がつかないような場合の補完的な作用をやるという点に重点を置いて運用いたして参りたい、かように考えております。  なお金利の問題は、昨日も委員長から御発言があつたのでありますが、金利の問題につきましては、大体昨日小林総裁からお話があつたような考え方で私どももおるのでありますが、ただ具体的な問題として、国の政策が非常に強く反映いたして参つておりますもの、特に電力開発関係、或いは造船関係等、見返資金によつてこれを運用いたしておるようなものにつきまして、時期、方法等はいろいろ議論がありましようが、近くこの法律案によりまして、これが通過いたしますれば、見返資金によつて融資されておりますものも銀行に承継されることが予定されておるわけであります。そういつたことも目前に控えておるわけでありまして、これらの場合におきまする金利の問題等につきましては、一般の考え方で先ほど申上げました通り、昨日小林総裁の言われたことと同じことでありますが、個々のそういつた特殊の問題につきましては、十分見返資金の金利とも睨み合せながら、御趣旨に副つて行くように検討いたして行きたい、かように考えておる次第であります。
  19. 小林政夫

    ○小林政夫君 要するに人の問題等につきましても、銀行はいわば長期信用銀行の親銀行というような機構的にも考え方で行くと、まあ補完という問題はそういうような意味にも考えられるのじやないか。従つてこの融資の担当に当るような人についても、いわゆる少数精鋭主義というか、簡単に、悪い言葉ですが、端的に言うと、雑兵は余り多く使わずに、本当に経験があり、融資判断力のしつかりした人、いわゆるその道のエキスパートを入れて、ちやんと睨むところは睨む、その筋は間違いないという、人的にもそういうところで簡素に、而も判断を誤らないというようなところで考えてもらえば、私の言うような方向に行くのじやないかというわけであります。  それから次は通産関係の、通商委員会委員から相当発言がありましたが、中小企業に対する金融は如何。これについては、見返資金を引継ぐわけでありますが、それとも関連をして、この開発銀行融資先、融資対象というものが設備資金だというふうになつておるわけですが、十分銀行局長も知つておられるように、中小企業金融というものは、どうも設備資金とのみ必ずしも言えない。相当いわゆる運転資金というもの、長期資金というものが相当な問題なので、中小企業に関する限りは、第何条でしたかの設備資金に限つている規定を、中小企業例外として必ずしも設備資金に限らないというふうな規定に改正をして、同時に設備資金並びに長期運転資金も両方やつて行けるというような改正を開発銀行としてもとらなければならん。而も機構的にも中小企業部門を特に設定するというふうな意図はお持ちにならないかどうか。
  20. 河野通一

    政府委員(河野通一君) 中小企業に対する開発銀行の活動につきましては、今後見返資金の中小企業に対する融資がこちらに移つて参ります場合に、又従来の復金が中小企業金融をいたしておる、これらのものがだんだん回収されますに応じまして、この資金をどう使うかという問題があるのであります。たびたび御指摘のように、通産委員会等でも強い御要望を受けておるのであります。従つてこの点につきましては少くとも見返資金の中小企業の枠と申しますか、大体予定いたしておりまする金額及び復金が従来中小企業に出しておりましたものの回収金、これらの範囲内で、少くともこの範囲につきましては中小企業の面に資金を運用して行けるように開発銀行へ努力を願いたいと私どもは考えております。ただ問題は、昨日も小林総裁からお話がありましたように、開発銀行自体の性格と申しますか、使命というものが限られておる。一つは設備資金であります。開発その他のための設備の資金である。それからもう一点は政府の定めまする一つの開発計画、産業政策上どうしても必要だという基本的な計画の中に載つておるものに従つて開発銀行は貸出す。この二つの枠と申しますか、制約があるわけであります。この範囲内において必要なものにつきましては中小企業に対しても十分なる融資、現に中小炭鉱等につきましても金融を開発銀行がいたしておるものもあるわけであります。そういう考え方で今後は進めて参りたいと思うのであります。お話の開発銀行の業務規定を直して、中小企業に限つて運転資金まで開発銀行融資ができるようにしてはどうかというお話であります。お説の点は一応御尤もでありますが、金融制度と申しますか、会計と申しますか、そういつた点から開発銀行中小企業に限つて運転資金まで出して行くというのは、やはり制度としてはそう適当でないのじやないか、そういう場合には、そういつた中小企業に対する長期的な運転資金の供給は、やはり中小企業専門の金融機関、勿論これはいつもお叱りを受けているように十分でないという点につきましては十分私どももその点は身にしみて感じておるのでありますけれども、農林中央金庫であるとか、或いは国民金融公庫でありますとか、その他一般の庶民金融機関、これらの機関を十分に活用することによつてこれらの中小企業に対する運転資金の供給には遺憾なきを期して参りたい、少くとも制度としては開発銀行に運転資金の供給まで認めて参るということは現在では勿論できませんし、法律を改正してまでこういうことをやることにつきましては、私どもは俄かにどうも賛成いたしかねる、こう申上げざるを得ないのであります。
  21. 小林政夫

    ○小林政夫君 長期資金というとすぐ設備資金だということに考えられるわけですが、実際日本産業の現状からいうと、自己資本が非常に減つておつて、どうしても運転資金の面においても、やはり本来ならば自己資本で賄うべき運転資金が、どうしても借入金に依存せざるを得ないということで、手形の名は短期であつても、手形の切替え切替えで長期になる。従つて銀行自体もその企業に対して不信任を抱いて、甚だ融資がスムースに行かないという事例が、これは大中小を問わず多くの日本の現在の企業にはそういう事例があるわけであります。従つてこの設備資金を賄うということも銀行制度上必要なことでありますが、長期運転資金を賄う銀行についても考えなければならんという気持も相当あると思う。ただこの輸出入関係については輸出銀行が長期運転資金を賄うということになつております。その輸出銀行の対象外のものについては、国家的には非常に重要だ、従つて全般的にそういうことも考えなければならんと思つておる次第一であります。特に中小企業の問題については、そういう点で非常に深刻な問題があるので、いわゆる金融体系から言うならば例外かも知れないけれども、そういう若し切り離して考えられる機関を作るということであれば別ですが、そういうことも手数だから、いわゆる一般市中銀行の取扱えない部面をこの開発銀行中小企業に限つては運転資金も扱うということでやつたらどうか。是非そうありたいと今の段階においては考えるのですが、中小企業専門の長期資金は、設備資金、運転資金を問わず、例えば今の見返資金の回収等も切り離して別建てとして、中小企業専門のこうした特殊金融機関を作るということであれば解決するわけですね。そういうことも何ですから、少くとも中小企業については開発銀行において運転資金を含めての融資を図ることが望ましいということを私は是非考えて頂きたい。これは御答弁は結構です。
  22. 大野幸一

    ○大野幸一君 先ほど小林委員の開発銀行は市中銀行の親銀行たらしめたほうがいいのじやないかということについての銀行局長のお考えはどうなんですか、ちよつと聞いておきたい。
  23. 河野通一

    政府委員(河野通一君) 親銀行という意味は私も実ははつきりいたさないのでありますが、市中銀行だけでありません、市中の金融機関その他市中の産業自体で調達できない資金を、而も国の産業開発のために是非必要であるというものを開発銀行が補完的に出す。これが長期金融機関の親銀行ということは、私も当らんと思いますが、そういう意味でなくして、市中銀行の長期資金だけで賄えないものを補完的にやるのだ。最後の資金の供給機関である。そういう意味で結局だんだん最後は開発銀行へ来るという意味で、そういう意味でそれが親銀行だということが言えるかも知れませんが、普通言われておる親子の関係の親銀行ではないと思います。
  24. 大野幸一

    ○大野幸一君 先ほどの窓口を通すということと、一般銀行金融できないところを補完するということとは私は別だと思う。だから補完することは必ずしも市中銀行の窓口を通さなければならんというわけじやなくて、親銀行というのはどういう意味か知らないけれども、そういう親銀行という観念でやるならば開発銀行は私は意味をなさないと思う。そうなれば商工中金、農林中金、興銀にすべて調査をやらして、その認定権によつてこれはロボツト式に日本開発銀行の金があるから出してやろう、こういうことになりますならば、これは私は開発銀行の意味をなさないと思う。そうなれば結局各興銀、商工中金、農林中金の資金を貸せばよいことになつてしまつて、折角開発銀行をこしらえた意味をなさない。併し結局今の日本産業を開発するためには今までの行き方に検討を要する。興銀ですらもやはりその伝統の精神というものはなかなか一朝にして変らない。そこでその伝統を克服して、これこそ日本の再建のために新らしい意味の銀行をここに作つたので初めて開発銀行の意義があると思う。そこですべての調査権などが、出先、他人の調査機関を利用してのみやるというところにむしろ特殊性がなくなるのではないかこう思うのです。補完するということは、そういうところでできないと思つたところの金融を開発銀行独自に流せば、それでちやんと補完になる。何も市中銀行を通さなくてもいいという考えに私は今でも変りはない、若しそうならば、昨日も私ちよつと申上げましたが、一つ別に開発銀行を捕えて、その幹部地位を与えるだけのことならちつともむずかしいことはない。ほかの銀行から書類が廻つて来る、足りない分を出してやる、そんなことなら私は働き甲斐もないだろうし、又そういうような問題は本来の目的ではないと思う。この点はどう考えられるか。
  25. 河野通一

    政府委員(河野通一君) この点は結局程度問題になると思いますが、私どもは開発銀行運営は、市中銀行の補完的な作用をするという観点に立つて運用して参りたいということを申上げておるのです。具体的な事例として、必ず市中銀行の窓口を通さなければならんということは、これは小林委員にも私はそうする必要はないということをはつきり申上げておるので、併しながら市中で本来資金が付くものならば市中で付けたらいい、市中でどうしても付かないという場合に初めて開発銀行が乗り出して行くというのが開発銀行法の趣旨でもあるし、開発銀行の使命でもあるということは変りないと思う。要は運用の方針でありますし、程度の差異であろうと思うのですけれども、なお開発銀行はそれでは市中銀行を通して行くならば、誰も人間は要らないではないかというお話でありますが、これはそうは参らない、開発銀行はやはり銀行として、この融資ができるかできないかを判断しなければならん。協調融資になつておりますものも勿論ございますが、そうでない融資も勿論あり得るわけです。そういつた場合もやはり開発銀行として、市中銀行が断わりましたものを一体出せるか出せないかを判断しなければならん、その判断の能力は持たなければならん。併し一般の市中銀行のように、預金を覆したりいろいろなことをやるわけではありませんから、人数はできるだけ少い人数でやつて行くようには努めます。努めますが、若し市中銀行で調べた結果、ただ資料を持つて来るだけだから人は要らないというわけには参りません。殊に先ほどから申上げておりますように、資金の源が国の租税から集つておるのでありますから、これが金融につきましては特に慎重に考えて参らなければならん。国民の負担をできるだけ少くするという建前で慎重に検討を加えなければならん。これがために必要な人数はやはり揃えなければならん。これは先ほど申上げますように程度問題であります。できるだけ国費の節約という点から簡素な機構、必要最小限度の人員機構でやつて行かなければならんということにつきましては、私は全く同感であります。なお実際の運営、やり方につきましては、開発銀行から中山理事が見えておりますから必要がございましたらお聞きを願いたいと思います。
  26. 大矢半次郎

    ○大矢半次郎君 私は昨日開発銀行の貸出金利について総裁に伺つたのでありますが、今日は更に銀行局長からも御説明がありまして、大体は了承いたしましたが、ただ根本的の考え方にはきりしない点があるので伺いたい。それは十九条におきまして、資金のコストを割らない程度が一つの基準になつておる、他方においては普通の金融機関の金利も参考にする、こういうふうになつておりますが、開発銀行の資金のコストというのは、大部分政府出資ですからしてそうかからん。庶務の諸経費が主たるもので、現にこの昭和二十七年度の開発銀行の予定損益計算書を見ましても、貸付金の収入利息八十二億六千万円、有価証券のほうが九千七百万円、雑収入が幾らかありまして、総計八十三億七千万円、それに対して諸費用は七億九千万円程度しかない、こういうふうになつておりまして、従いましてこのコストの点におきましてはせいぜい年二分程度でいいのではなかろうか、こう思われます。一方市中銀行の金利は一割以上、或いは一割一分ぐらいになつておりましようが、それを参酌してきめるという場合に一体どの程度に落着かせるのが狙いでありますか、先ずそれを伺いたい。
  27. 河野通一

    政府委員(河野通一君) 昨日他の政府委員もお答えしたかと思うのでありますが、開発銀行のコストを賄うことが必要であるということは、ここに書いてありますように、少なくともコストを賄う程度の融資利率でなければならん、それを下つてはならんという一つの最低限度を抑えておるものと私どもは解釈いたしておるのであります。それで金利一般をどこを基準にしてきめるかという問題については、いろいろ御議論があると思うのであります。私どもは開発銀行というものは一般の市中で資金が付かない場合にその資金を政府が付けるどうしても国のために必要である産業に対して資金を付けて行くというのが目的であろうと思うのであります。少くとも主たる目的であろうと思うのであります。従いまして資金も付け更にその上に金利も特別の金利を出すということについては、私どもは少くともウエイトをおいて考えておらないのであります。資金も確保し、更に金利の低下ということによつて一種の補助金的な仕組を考えることが、一体銀行の金利の性格として、少くとも開発銀行の金利の性格としていいのか悪いのかという点につきましては、少し疑問もあることだと考えております。併しながら個々の問題につきましては、必ずしも今市中金利と丁度同じではないので、むしろ市中金利よりも若干下目の程度を現在の金利の水準にいたしておるわけでございますが、なおそのうちでも先ほど申上げましたように、電力或いは造船等諸般の点から考えまして、相当やはり金利負担が大きく響いて参る、そのために折角の国の産業政策上非常に必要な企業のコストが非常に上る、そのために産業全体に対する影響が非常に大きくなるといつたようなものにつきましては、やはり特別の考慮を払つて行く必要があろう、一般論としてはやはり私は市中の金利を睨んだところできめるということが適当だろうと思いますが、そういつた特殊の性質のものにつきましては、更に十分その実情を検討いたしました上で、適当な措置を取ることが必要になつて参るかも知れません。この点につきましては、先ほど申上げましたように見返資金を開発銀行が引継ぎます場合等におきまして、相当こういう問題が具体化いたして参るのではないかと思います。まだにわかに結論まで到達いたしておりません。現在開発銀行においてもいろいろ検討願つておるところでございますが、そういう特殊のものにつきましては特別の考盧を払うという余地はある、かように考えておる次第でございます。
  28. 大矢半次郎

    ○大矢半次郎君 電力、それから造船等につきましては特別の考慮を払う、こういうわけでありますが、今日本において長期資金を最も必要とするのは即ち電力であり、又造船方面だと思うのであります。従来見返資金から直接出ておりますのは七分五厘で出ておりますが、これを将来どういたして行くかというのは非常に大きな問題で、各方面から検討しなければならん、その点については十分そつがないようにおやりになることと思いますが、同時に或いは鉄の関係でも石炭の関係でも、その他のものでも大体同様なものがこの融資の対象になるのではなかろうかと思います。一方においてそれら関連産業においては又収益状況必ずしも悪くない方面もありますので、なかなか問題としてはデリケートで困難だと思いますけれども、それらの点を十分に考慮いたしまして善処せられたいと思います。私はどうもこの開発銀行法の第十九条は、むしろ削除したほうがよいのではなかろうか、非常に目障りですね、法律自体が却つて有害無益だと考えますが、如何ですか。
  29. 河野通一

    政府委員(河野通一君) この点は答弁を求められますと、非常に私も苦しいのでありますが私は今度の改正法案にこの条文を削除することは必要でないということで削除した改正案を実は提出してございません。私どもは非常に書き方としては一〇〇%満足とは申上げかねるのでありますが、趣旨は先ほど申上げましたように、やはり一方でコストを賄うことは必要最小限度のことであります。一方でやはり資金源を拡充するということはやるけれども、特に市中の金利よりも安い金利で出すということが、一般の原則として開発銀行の使命として合うかどうかという点は非常に疑問である。従つて原則としてはやはり市中金利を睨みながら金利をきめて行くということが、開発銀行といたしましても、又これらは輸出銀行側にも同じ問題があるかと思いますが、適当なことではないかと思います。この条文があるとないにかかわらず、私はやはりそういう気持で開発銀行なり輸出銀行の運用をして行くのが原則ではないかと思います。併しながら先ほどから申上げますように、特殊のものにつきましては十分慎重に検討いたしたい、かように考えておる次第であります。この際十九条削除までいたさなくてもよいのではないかというふうに考えております。
  30. 大矢半次郎

    ○大矢半次郎君 実際の運用において誤りなきを期すればそれでよいのでありますけれども、併しながらくどいようでありますけれども、見返資金からの資金投資のものを肩替りいたしまして、これを出資に当てるというと、開発銀行の出資は二千億以上になり、これが非常にコストのかからない資金ですね、そういう将来のことを考えて、この十九条を読むというと、如何にも適当でないような感がいたしますからして、今直ぐでなくても将来に御考慮願いたいと思います。
  31. 油井賢太郎

    ○油井賢太郎君 大矢委員に関連するのですが、見返資金から肩替りする金額は大体どのくらいになるのですか。大体これは私企業に貸してあるのは千数億になつておりますが、それのうち中小企業等にも三十三億幾らか出ておりますが、どの程度になつておりますか。
  32. 福田久男

    政府委員(福田久男君) ちよつと今年の一月末の数字で古いのでございますが、一月末における見返資金の私企業貸付金というものは、電力に三百七十七億、海運に四百二十二億、その他一般産業に百十一億、中小企業に二十八億、合計九百四十億になつておりますが、その後新たに融資したもの、それから回收したものが若干あつたりして残高としてはもう少し殖えておると思います。これらの私企業に対する貸付が一応今度の改正法案における承継の対象になるかと思います。
  33. 油井賢太郎

    ○油井賢太郎君 では中小企業の今の二十八億というのも開発銀行へやはり継承されるわけですか。
  34. 福田久男

    政府委員(福田久男君) 一応その対象と考えております。
  35. 油井賢太郎

    ○油井賢太郎君 その他見返資金関係の回収金は開発銀行に更に貸出しは一任されるということになるのですか。その場合やはり中小企業にも順次に貸出しされるのか、或いは中小企業は回収しつぱなしになるのですか。
  36. 河野通一

    政府委員(河野通一君) その点は先ほど小林委員の御質問にお答えいたした通りであります。債権債務を見返資金から会社が引き継ぎました場合には、それは自分で運用し管理するわけであります。返つて参りまして回収になりましたものは開発銀行がこれを使うわけであります。その場合に先ほど申上げましたのでありますが、できるだけその関係で回収になつて参つたもの及び今後におきましては、大体私企業債権債務を見返資金から引継ぎます場合には、開発銀行が今後私企業、殊に中小企業等に充てようと思つております融資の資金も一緒に引継ぐような形に持つて行つたほうがいいのではないか、これらの資金につきましてもできるだけ当初見返資金を通じて中小企業に出すことを予定いたしておりました程度のものは、それからすでに出しておりますものの回収になりました金額につきましては、少くともその程度のものは中小企業に充てて参りたい。ただこの際先ほど申上げましたように、開発銀行の使命という点もありますので、いろいろな制約は受ける。一つは設備資金でなければいけない、それからもう一つは国の産業政策と申しますか、基本的な枠と申しますか、そういう範囲に属するものである、こういう制限がありますことは、先ほど申上げた通りであります。
  37. 油井賢太郎

    ○油井賢太郎君 それは昨日小林総裁が来たときに私は出席していなかつた一のですが、開発銀行の当面の貨任者がそういうことを事務的におやりになれるのですか。今の中小企業に対して回収金を更に貸出すというような、そういう細かい事務まで現在のところでおやりになれるのですか。
  38. 中村建城

    参考人中村建城君) 中小企業の問題、先ほどからいろいろ御問質がございますが、実は結局件数が多いものでございますから、それで開発銀行といたしましては只今本店と大阪支店としかございませんが、最近の機会に、名古屋福岡、更にこの秋には札幌に支店をこしらえまして、二十八年度には恐らくまだはつきりしておりませんが、広島とか或いは仙台とかに支店を設ける必要が起ると思います。併しながら大体におきまして、大体行政ブロツク別にしか支店は置けない。それだけで中小企業を扱いましてもいろいろと不親切で、一々借りるのに仙台に行く、或いは又札幌に行くというのは大変であります。それをどうしますか考えておりますが、大体におきまして、或いは商工中金であるとか、長期信用銀行の支店であるとか、或いは場合によりましては信用金庫であるとか、これははつきりしておりませんが、そういうできるだけ分散しておる窓口に委託いたしまして、そうしてその結果を支店に持ち寄りまして、支店で審査して貸付するというよりしようがないと思つております。これはまだ中小企業のほうでどういうふうにやるかということは政府とも打合せておりません。寄り寄り私どもが窓口を拡げなければならんと思つておるが、併しながら支店とか事務所をたくさん開設するわけにも行かんというので、成るべく既存の機関を使つて、而も責任を一応取れるようにしよう、こういうふうに考えておる次第であります。
  39. 油井賢太郎

    ○油井賢太郎君 今の御説明大変結構だと思うのですが、その際資金の量の面においては大体どの程度お見込みになるのですか。まあお気持はわかるのですが、やはりだんだんと減らされたのではこれは意味がなくなつてしまう。
  40. 中村建城

    参考人中村建城君) 見返資金がこちらへ参りますときの、只今大矢委員から質問がございましたが、私の知つております三月末現在は、中小企業は三十億余りと聞いておりますが、それにつきましては、例年の回収は大体四億程度と聞いております。それから復金から承継いたしました中小企業と申しますのが、統計が不備でありますのではつきりしませんが、資本金三百万円以下の貸出しは三月末で九十六億、百億足らずであります。その回収が、これもわかりませんが、先ず八億から十億ぐらいではないかと思つております。両方合せて十二、三億の回収になるわけであります。そこでその回収金だけを中小企業に当てれば年に十四、五億しか当たらないので非常に少い。それで更に一般の財源から多少廻さなければならんのではないかというふうに考えておりますが、これらの点は政府とも打合せておりませんし、これらの点は開発銀行自体でも熟しておりませんから、ただそういうふうなことが考えられているという程度にお聞き流しを願いたいと思います。
  41. 油井賢太郎

    ○油井賢太郎君 それは第一条の目的の中にやはり明確に入れておくということは必要はないですか。目的になくてもそういうことは開発銀行としてやつて差支えないというふうに解釈していてよろしうございますか。
  42. 河野通一

    政府委員(河野通一君) 第一条の目的は一般金融機関融資ができますものにつきましては開発銀行はやらない、一般金融機関の中には先ほど申しましたように、銀行だけではなくていわゆる庶民金庫もあり或いは商工中金とかいろいろのものが入るそういつた金融機関融資ができますものは、開発銀行は今の中小企業についてもやる必要はない。その限りにおきましては第一条の規定に従つてこの中小企業融資をやることについては何ら差支えないと私どもは考えております。
  43. 油井賢太郎

    ○油井賢太郎君 それから各地に支店を設けられるというお話ですが、銀行関係は最近各地とも支店の設置ということを要望されていて、増設ということも要望されることは多いのです。この前銀行局長に伺つたときは、大体適当なものならば許可するというのですが、実際私全国の各地の状況を聞いてみますというと、支店を作るときはどこかほかの支店をやめなければ作らせないというふうな、いわば条件附支店の設置というような形になつているのですね。一つ減らせばふやしてやる、結局増減はないというような恰好になつているのですが、開発銀行あたりはどんどん支店をふやすそれから又一般の相互銀行とか信用金庫、そういうのは支店をふやすことはかまわない。なぜ地方銀行だけを制圧して支店設置というものを非常にむずかしくするか、その点はどうですか。
  44. 河野通一

    政府委員(河野通一君) 開発銀行と市中の金融機関との間に、支店の問題については必ずしも競合関係と申しますか、牽連関係はないのであります。開発銀行はできたばかりで、だんだんこれから融資活動を進めて行くのでありますから、必要なところに店舗を持つことは当然必要であろうと思います。一般の銀行につきましては店舗の問題につきましていろいろ御意見も承わつております。ただ私どもといたしましては地方金融に不便が起るようなことはしたくない。したくないけれども、ただ徒らに普通銀行が店舗の増設を急ぎまして、競争のために急いで店舗をたくさん作るということは国全体の利益のために決して喜ばしいことではないのであります。現在の程度の店舗数でいいか悪いかの問題についてはいろいろ御意見があると思いますけれども、私どもはやはりこれに対しましてはできるだけ経費の節減を図つて、預金者なり取引者に対するサービスを向上するという基本的な考え方の枠内において、この問題は今後考えて行きたいと思つております。今までは代替店舗といいますか、配置転換という形で代替店舗の整理をいたして参つたのでありますが、現在では必ずしも私どもはこれを絶対の条件として、必ずしも一店新設する場合には一店をなくするということを絶対の条件としてはおりません。おりませんが、地方の事情によりましてはAの地域では殆んど銀行の需要はないが、Bの地域は非常に需要が多いという場合には、経費や人員を無駄に使うということは必ずしも銀行として適当ではありませんので、そういう場合にはAをやめてBに移すということも認めなければならん、そういつたことで配置転換という形でやつておりますが、非常に多いことは事実であります。必要な銀行、便宜のために必要があるにもかかわらず絶対に他を一店減らさなければ認めないという方針は必ずしも取つておりません。現実に銀行を経営いたしますのには、何としても大都市に集まつたほうがいい、地方田舎の店を減らすから大都市に店舗を認めてもらいたいという希望が非常に強いわけでありますが、私ども少くとも地方銀行としての使命に反することであつてはいけない、地方における銀行の便宜を阻害してまで大都市に出るということは、必ずしも地方銀行としての使命にマツチするかどうかということは非常に疑わしいと思います。それらの点につきましては慎重に検討いたしております。他の金融機関の店舗の配置状況とも睨み合せながら、無用の摩擦のないような範囲内において、銀行の便宜に支障のないように考慮して行きたい、かように考えている次第であります。なお相互銀行等についても、これはどんどん店舗を許しているのではないかというお話でありましたが、相互銀行においても、これは私どもとしては非常に厳重に個々について判断をして認可をいたしておるわけです。必ずしも相互銀行についてルーズに店舗の配置を認めておるということではございません。ただこの点だけはあると思う、相互銀行というものが最近において非常に伸びて参つた。いわゆる相互銀行の狙つておる小さい層に対しての金融の伸長が非常に進んで参つておる、従つて或る部面においては普通銀行の競合になるけれども、非常に急激に数字的に伸びて参つておるので、そういう相互銀行の需要を充たすために店舗の配置を相当積極的に認めておる部面もございます。併しこれは地方銀行というものがすでに非常に強い基盤を持つておりますのと、相互銀行というものが最近ようやく伸びて参つたものでありますから、それらの点も十分研究して将来公正なる立場から店舗の配置等も検討して参りたい、こう考えております。一々お示しのように、相互銀行のように非常に有利な店舗を認めて、地方銀行を非常に抑えておるという御不満も私どもも耳にいたしております。これらの点は十分反省を加えて参りたい、そうしていやしくもその点について不公正な取扱いのないように十分留意いたしております。経過は以上申上げましたようなことでやつておるのであります。
  45. 油井賢太郎

    ○油井賢太郎君 それに関連してもう一点だけ……。地方銀行は例えば関東東北方面ではやはり東京との関連が多いのですね、ですが、東京へ支店を作るということは非常に困難である、地方銀行東京に支店のない銀行はたくさんある。或いは今度関西方面では中国九州辺りの銀行は、大阪辺りにやはり支店を設置しなければ何かと都合の悪い面が非常に多い、ですが、これらが容易に支店の開設はできないということなんですが、地方民の要望であり、而も銀行機関そのものから言つても、東京へ支店を置く、大阪へ支店を置くというのは利益があるとか何とかいうのではなくて取引先の信用状態を調査するとか、いろいろな面において必要な場合があるとき、これを許可するのにはなかなか骨の折れるような噂を聞いておるが、その点はどうなつておりますか。
  46. 河野通一

    政府委員(河野通一君) 地方銀行の大都市、殊に東京、大阪に対する支店の設置につきましては、従来は配置転換その他の整理の過程にございましたので、割合消極的に考えておりましたが、だんだん経済の正常化が進むに連れまして、地方銀行のなかつた特に東京なり大阪なりの取引関係、つまりその地方経済と大都市における繋がりの関係等を見まして、四月に東京に新らしく、ちよつと今はつきり覚えておりませんが、五行か、六行、大阪に二行か三行地方銀行の支店設置を認めて参る、現在でも更に大阪、東京に支店の設置を要望されておるものもございます。ただこれは要望されるからと言つて一概に置くわけに参らないので、今申上げましたような銀行の取引状況、或いは地方経済と大阪なら大阪の経済との繋がりの状況等を見まして、必要なものは今後認めて参りたい、かように考えておる次第であります。
  47. 油井賢太郎

    ○油井賢太郎君 次に今の見返資金関係でもう少しお伺いしたいが、私企業に対しては見返資金の回収ができた場合には、その際改めて貸出は開発銀行の一存でやれるということになるのですが、その開発銀行目的に副うような貸付をしているかどうかというようなことは、どこでこれはいわゆる監督することになるのですか。見返資金の場合ですと安定本部なり大蔵省なり、或いは日本銀行というふうに非常に監督機関が多い。これが開発銀行一行になるということは、簡素化ということから言えば大変結構なことなんですが、果して国策に副つた貸出がされるかどうかということを、開発銀行の係だけで決定されるということではちよつと不安を感じるような向きもありはしないかと思うのですが、そういう点はどういうふうにして監督なり或いは監査をするといつたようなことになるのですか。
  48. 河野通一

    政府委員(河野通一君) 開発銀行は御承知の通り政府機関でありまして、政府の任命によりました総裁以下のかたがたによつて運用してもらつておるわけであります。普通の株式会社、営利機関たる民間の金融機関とは違いまして、その定款にもはつきり書いてありますように、政府政策に順応して融資が行われなければならないと、はつきりいたしておるわけであります。なお大蔵省におきまして大蔵大臣は開発銀行に対して監督権を持ち、常時密接な連繋を保ちまして、市中銀行に対して私どもが接触いたしております以上に、非常に深くこの銀行との間には常時業務上の連絡をいたしております。今申上げましたような趣意で監督いたして参りまするならば、国の政策に反するような融資、行き方が行われるということは万ないと考えている次第であります。
  49. 油井賢太郎

    ○油井賢太郎君 それでは貸出の際、或る金額以上のものの場合には、一口一口大蔵省と相談して、その上で貸出をするというような手続でも取ることになるのですか。
  50. 河野通一

    政府委員(河野通一君) 立派なかたがたが重役になられ、堪能な職員がおられるのに、私どもが一々貸出の口ごとに指図をしたりする必要は毛頭ないと思います。そういうことをしなければならんようなかたがたが重役にも職員にもなつておらん。私どもといたしましては、事後において十分どういうふうに融資が行われているかということをよく見ております。一般的には、閣議で決定されております政府資金の対象となるべき産業及び交通に関する基本計画というものが作られる、それに則つて開発銀行閣議で了解されておりますが、これによつて開発銀行融資活動を行なつております。その範囲において開発銀行はこれに順応して運用しなければならない。個々の貸出について私どもは指図をいたすということはいたしません。事後において調査をするということはいたしております。
  51. 油井賢太郎

    ○油井賢太郎君 その貸出しのいわゆる閣議決定においてどういう産業に何パーセントくらい、どのくらいの金額というような具体的に一応の計画が立てられてあるのですか。金額の……。
  52. 河野通一

    政府委員(河野通一君) 金額、パーセンテージは全然やつておりません。こういう種類の事業、こういう種類の施設、こういう種類の何と申しますか改修、こういうものが必要だと、こういうことを言つております。
  53. 平沼彌太郎

    ○委員長(平沼彌太郎君) 本日の委員会はこれを以て散会いたします。    午後零時三十五分散会