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1952-04-24 第13回国会 参議院 決算委員会 19号 公式Web版

  1. 昭和二十七年四月二十四日(木曜日)    午前十時三十九分開会   ―――――――――――――  出席者は左の通り。    委員長     岩男 仁藏君    理事            高橋進太郎君            長谷山行毅君            溝淵 春次君            飯島連次郎君    委員            秋山俊一郎君            大矢半次郎君            瀧井治三郎君            西山 龜七君            伊藤 保平君            藤森 眞治君            森 八三一君            菊田 七平君            紅露 みつ君            三好  始君   政府委員    特別調達庁財務    部長      川田 三郎君    特別調達庁業務    部長      池口  凌君    大蔵省管財局長 内田 常雄君    運輸大臣官房会    計課長     辻  章男君   事務局側    常任委員会専門    員       森 莊三郎君    常任委員会専門    員       波江野 繁君   説明員    大蔵省管財局国   有財産第二課長  牧野 誠一君    会計検査院事務    総局検査第二局    長       上村 照昌君    会計検査院事務    総局検査第三局    長       小峰 保栄君   ―――――――――――――   本日の会議に付した事件昭和二十五年度国有財産増減及び現  在額総計算書(内閣提出) ○昭和二十五年度国有財産無償貸付状  況総計算書(内閣提出) ○昭和二十四年度一般会計歳入歳出決  算(内閣提出)(第十二回国会継  続) ○昭和二十四年度特別会計歳入歳出決  算(内閣提出)(第十二回国会継  続) ○昭和二十四年度政府関係機関收入支  出決算内閣提出)(第十二回国会  継続)   ―――――――――――――
  2. 岩男仁藏

    ○委員長(岩男仁藏君) 只今より決算委員会を開会いたします。  本日は先ず昭和二十五年度国有財産増減及び現在額総計算書、並びに昭和二十五年度国有財産無償貸付状況総計算書これを議題に供します。先ず政府の御説明を願います。
  3. 内田常雄

    政府委員(内田常雄君) 本国会に報告として提出いたしました昭和二十五年度国有財産増減及び現在額総計算書並びに国有財産無償貸付状況総計算書について説明いたします。  先ず昭和二十五年度国有財産増減及び現在額総計算書について申上げます。昭和二十五年度中に増加いたしました国有財産の総額は六百二十七億六千八百余万円でありまして、同年度中に減少いたしました国有財産の総額は四百三十九億一千百余万円でありまして差引百八十八億五千七百余万円の純増加となつております。而して、前年度末国有財産の現在額は二千五百二十七億八千八百四十三万円でございますから、これに右純増加額を加算いたしました二千七百十六億四千五百八十三万余円が昭和二十五年度末即ち昨年三月三十一日現在の国有財産の総額ということになつております。この総額の内訳を申上げますと、行政財産は九百三十九億六千四百余万円でありまして、これに対し普通財産は一千七百八十億八千百余万円と相成ります。又これを各財産の区分別に申上げますと、土地が百二十億六千五百六十二万余円、立木竹が百五十億六千九百二十五万余円、建物が三百六十八億四百六十万余円、工作物が五百五十七億二千五百八十四万余円、機械器具が五十億八百二万余円、船舶が二十八億二千四百七十九万余何、地上権地役権鉱業権等が四千九百四十九万余円、特許権、著作権商標権実用新案権等が二十六万余円、有価証券その他の財産が一千四百四十億九千七百九十万余円と相成ります。更に本年度における増減内容の主なるものを申上げますと、増加の部におきましては、新規に取得しました財産が三百四十二億八千七百九十九万余円、所管換、所属替、整理替、種目変更等によりまして増加を来しましたものが八十五億四千百余万円、出資の増加が九十七億九千七百余万円、租税物納に属しますものが九億三千余万円、その他の財産九十二億一千百五十余万円と相成ります。減の部におきましては、出資金の回収が二百五十五億五千六百十七万余円、所管換、所属替、整理替、種目変更等によりまする減少が八十五億九百余万円・売払による減少が十九億三千五百余万円、その他の收入による減少七十九億一千八十余万円と相成ります。以上が、昭和二十五年度における国有財産増減及び現在額総計算書の概要であります。なお念のため申し上げますと、この国有財産増減及び現在額総計算書には、道路河川等の公共物は国有財産法第三十八条の規定によつて計上してありません。又、普通財産のうちで神社、寺院、教会用財産及び地方公共団体公園財産につきましては、国有財産施行細則第七条の規定によつて土地面積のみを掲げその価格は計上いたしておりません。  次に昭和二十五年度国有財産無償貸付状況総計算書について説明いたします。昭和二十五年度に増加いたしました無償貸付国有財産の総額は五千百二十八万余円でありまして、同年度中に減少いたしました総額は一千百三十八万余円、であり、差引三千九百八十九万余円の純増加となつております。これを前年度末現在額三千四十八万余円に加算いたしますと、昭和二十五年度末における無償貸付国有財産の現在額の総額は七千三十八万余円になります。なお本年度において増加しました主な事由は生活困窮者の収容施設として貸付けた分の四千三百八万余円の増加によるものであります。以上が昭和二十五年度国有財産増減及び現在額総計算書並びに無償貸付状況計算書の概要であります。これを以ちまして報告の御説明といたします。
  4. 岩男仁藏

    ○委員長(岩男仁藏君) 次に会計検査院の検査報告を願います。
  5. 上村照昌

    ○説明員(上村照昌君) 昭和二十五年度国有財産の検査報告につきましてその既要を御説明いたします。  昭和二十五年度国有財産増減及び現在額総計算書並びに無償貸付状況総計算書は、昭和二十六年十月二十七日会計検査院において受領し、その検査を終りまして同年十二月二十一日内閣に回付しました国有財産昭和二十四年度末における現在額は二千五百二十七億八千八百余万円でありましたが、昭和二十五年度中の増が六百二十七億六千八百余万円、同年度中の減が四百二十九億千百余万円でありまして、二十五年度末における現在額は二千七百十六億四千五百余万円となりまして、前年度末に比べまして百八十八億五千七百余万円の増加となつております。  次に国有財産の無償貸付状況について申上げますと、昭和二十四年度末には二千余万円でありましたが、昭和二十五年度中の増が五千百余万円、同年度中の減が千百余万円で差引き三千九百余万円を増加し、二十五年度末における無償貸付財産の総額は七千余万円となつております。  又国有財産の取得処分及び管理について不当と認められましたものは、昭和二十五年度決算検査報告に呈示しております。これらの事実につきましてはいずれ昭和二十五年度決算の御審議の際御説明する予定でありますが、これらの事実について取まとめて申上げますと、国有財産の取得に関するものが五十二件、管理に関しますものが十三件、処分に関するものが五十件合せて百十五件となつております。これで概要御説明を終ります。
  6. 岩男仁藏

    ○委員長(岩男仁藏君) これらについては本日はこの程度にして、質疑は次回にお願いしたいと思います。御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  7. 岩男仁藏

    ○委員長(岩男仁藏君) 御異議ないと認めます。   ―――――――――――――
  8. 岩男仁藏

    ○委員長(岩男仁藏君) それでは次に、昭和二十四年度一般会計歳入歳出決算ほか二件を議題に供します。前回に引続き批難事項第四百四十六号より第四百五十一号までを問題に供します。関係当局からの御説明は前回聽取してありますので、これより質疑に入ります。質疑のあるかたは御発言を願います。……御質疑はございませんか。……別に御発言もなければ第四百四十六号から第四百五十一号までは質疑は終了したものと認めて御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  9. 岩男仁藏

    ○委員長(岩男仁藏君) 御異議ないと認めます。  それでは批難事項第四百三十二号より第四百三十八号まで、即ち艦艇解撤に関する事項を問題に供します。先ず專門員より若干の点について御説明を申上げます。
  10. 森莊三郎

    ○專門員(森莊三郎君) 艦艇解撤の問題はかなり複雑な問題でございますので、そもそものことから申上げませんと御審議の上に都合の悪いこともあるかも知れんと思いますので、少しばかり時間をとりますけれども前後の経緯を申上げたいと思います。只今御配付申上げました「艦艇解撤の一般経緯について」というこれは実は昨年九州のほうへ参りましたときに福岡財務局で作成してくれたものでありまするが、よく調べてみますると全国的の問題として説明されたものと見ましてもちつとも差支えないと思いましたので、今ここへ転載して参つたのでありまするが、一応説明を加えながらこれを読んで行きたいと思います。先ず最初に一九四六年(昭和二十一年)四月三十日附日本政府覚書SCAPIN第九一〇号「旧日本海軍艦艇の破壊について」によつて艦艇の解撤が指令された。指令の内容は、旧日本海軍所属の一切の海上艦艇のうち、占領軍によつて使用され、又は帰還輸送に従事しているもの以外の一切の駆逐艦以上の大型艦艇で、日本国内にあるもの及び容易に曳行し得るものについて、くず鉄化又はその他承認された方法によつて破壊されねばならぬこととなり、このことを条件としてこれらの艦艇は日本政府に返還されたのであります。次いで同年六月六日附SCAPIN第一〇〇二号で一切の残存潜水艦につき同様の処置をとるべき旨を指令されました。解撤を指令された艦艇は合計三〇二隻(五九九、七一一総トン)であります。  右指令に対し政府としては先ず海運総局において具体的実施案を作り、解撤作業施設として旧軍工廠の転用を要する造船所については、連合軍の了解を取付けて転用の許可が与えられることとなりました。  佐世保船舶工業株式会社佐世保造船所もまた当時解撤作業及び船舶修理を主目的として旧佐世保海軍工廠の施設転用を許可されたのであります。ここに特に佐世保のことが出ておりまするのは、さつき申上げました通り福岡財務局で作つた書類でありまするので、その管轄内にある佐世保のことが出ておるのであります。実は全国多数の業者が解撤作業を引受けたわけなのであります。  そこで大蔵省としては、日本政府に解撤を条件として返還された艦艇の処理は、国有財産の中の普通財産として取扱うのを適当と考えて、これを民間に払下げるという方針の下に、内務、運輸、大蔵、商工の四省共同で「艦艇解撤取扱方針」を定め各関係地方の支部局長宛指示がありました。ここにちよつと印を付けておきましたが、この通牒は別のガリ版刷りの「艦艇解撤についての通牒」というのを只今差上げましたが、それの(1)のところにあります。それと丁度相対応することなのでございます。  この方針によれば解撤艦艇は解撤業者に対し全塔載物件を含んだ現姿のままで払い下げること、解撤業者は解撤許可申請書を運輸省に、払下申請書を大蔵省に提出することを定めたのであります。  その後現姿のまま払下価格を決定することは実際困難であつたので、旧造船連合会の意見を勘酌して、解撤経理を各作業会社において特別会計として、作業費及び発生資材売却代の収支の実績を見て、後日払下価格を決定する方針の下に旧造船連合会の提出した「艦艇解撤工事経理要項」を承認依命通牒した。この通牒が別紙の一ページのところに(2)として書いてありますものでありまして、相当長いもので二ページ以上に亘つておるものなのでございます。  作業に要する経費の予算を計上せずに、国有財産の払下げを前提として解撤作業を発足したため、前号の解撤工事経理要項において、業者に対して解撤により発生した資材、器材の自家流用又は売却処分することを認め、この売払代金をもつて作業費に充当させたのであるが、一方業者にとつては諸経費の高騰と発生材の価格統制によつて収支の不均衡を来す場合が多く、そのため政府においても融資の斡旋までして作業の継続を図つたのである。右の措置については、当時会計検査院において異論があつたようであるが、予算的措置が講ぜられず、解撤業者に特別経理させることとした関係で、これ以外の措置を取ることは大蔵省としてできなかつた。  第二国会における昭和二十一年度決算報告では、特別事項として、この問題を取り上げ、「解撤の経費についてはこれを予算化すると共に、作業の結果発生する諸資材については、別途国において処分するのが適当である。」と結論された。  又衆議院不当財産取引調査特別委員会においても、第二国会の中頃から艦艇解撤問題を全面的に取り上げ、解撤発生資材の処理について現地調査を行い関係者を諮問した。  検察当局においても、発生資材処分については払下契約が未だ締結されておらず、従つて現に国家の所有物である発生材を任意処分し、その代価を流用するのは違法であるとの見解の下に、昭和二十三年五月頃より横領嫌疑をもつて取調べることとなつた。併し前述の如き取扱の本旨が明らかにされるに及んで、すべてこれらの疑惑は一掃された。  以上のようにこの解撤の問題は各方面から時を同じくして重視されるところとなり、一方業者の赤字救済の声も高まり、早急に何等かの解決をなす必要があつたので、運輸省会計検査院大蔵省間において協議し、従来の経緯を全く白紙に還元して当初の方針即ち四者共同通牒の方針を変更し、既に実施中の解撤作業については早速請負契約締結し、その作業費は昭和二十三年度の終戦処理費から支弁すると共に、発生材は大蔵省所管物品として現在の適正価格により売払契約により払下げることとしたのであります。  その点につきましては、別紙の艦艇解撤についての通牒の第四ページのところに(3)として記されているその通牒であります。  なお右の方針の変更された当時は解撤工事請負契約海運総局によつて行うこと、また解撤業者は大蔵大臣委任をうけ、艦艇の解撤及び返還された発生資材の受領処分等一切を運輸省海運局長責任のもとに行うこと、更に作業経費並びに発生資材の数量、処分数量等経理に関して確実な資料を把握するため、関係各財務局において監査を行うことが指示されていた。  前項の決定に基き、大蔵省は「解撤艦艇監査要領」を定め、これにより、各財務局は各解撤業者の経理の調査をつ始めた。  又右経理調査と別に「解撤艦艇調査実施要領」により総司令部提出報告書の資料蒐集及び解撤工事全般の諸資料の確実な把握を目的に、海運局、海上保安本部と共同で調査を行うこととなつた。  昭和二十四年二月に至り、海運総局より解撤作業の最終処理は事務能力の点より不可能であるとの理由で辞退して来た。海運総局が自分のほうではできないからほかでやつてくれということになつたのであります。解撤作業も大略終了し、又取扱方針が前述の通り根本的に変更された今日、運輸省側からこの措置に出られたことは、諸般の事情から種々の困難が予測されたので、再三再四交渉したが不調に終り、一方会計検査院からの慫慂もあつたので、三月十六日大蔵省議により国有財産局において最終処理することに決定し、昭和二十三年八月二十七日蔵国第二千七百五十六号「解撤艦艇の処理方針」を次の如く改正した。  これはやはり先ほども申上げましたように別紙の艦艇解撤についての通牒の第四ページにありまするその三、という番号の所のそこに当るわけなのであります。 イ 四省共同通牒に基き実施中の解撤作業は財務局長をして請負契約により処理せしめる。 ロ 解撤作業は昭和二十四年三月末日をもつて打切り、四月以降において作業費、発生材の数量及び処分数量価格等につき調査を行い精算を行う。  同年三月十日昭和二十三年度終戦処理費、雑業務費より解撤作業費五億四千九百九十二万九千円を支出することに決定し、年度頭初海運総局において計上した八千二百余万円と合せて、六億三千二百余万円を以て解撤作業費を賄うことに決定し、三月十日附で業者と概算請負契約締結したのであるが、二十三年度も余すところ幾ばくもなかつたので、右予算総額は翌二十四年度に全部そのまま繰越されたのであります。  三月十六日の大蔵省議により財務局が最終処理をすることに決定したので、財務局としては各業者について経理の調査を進めていたが、処理の細目未決定のためと、定員及び予算拘束のためとによつて調査に困難を極めたが、同年九月十七日「解撤艦艇経理最終処理要項」が省議で決定し、これに従つて財務局において最後の調査をなし、昭和二十五年三月末日までに作業費については全額各業者に支払を完了した。  ここにありまする最終処理要領というものが、別紙の印刷物の第五頁以下、最後の数頁に亘るものでありますが、それが決定されたわけなのであります。  又発生材の売払収納については、業者の資金難のため、二十四年度末までには一部未収納であつたが、二十五年度において収納された。  以上艦艇解撤作業の経緯の概略を簡単に述べたのでありますが、これによつて一応次の点が了解されることと思います。 1 本作業は日本政府期限付きで連合軍より解撤を命ぜられ、発生数量、経理の実態把握よりも、とにかく工事の早期完了に重点を置いたこと。 2 これがために処分が契約に先行し、実質的には国の財産の処分を相当思い切つて委任したのも同様の結果となつたこと。 3 日本政府部内においても本件の取扱主官庁が判然とせず、昭和二十四年二月に至り最終処理が運輸省海運総局より六蔵省国有財産局に移されたこと。 4 解撤全般の取扱要領及び経理処理要領も最初の方針が、昭和二十三年八月に至り根本的に白紙に還元し、再出発することとなり、処理要領も作業完了後の二十四年九月に最終的に決定したこと。 5 現地財務局は以上の変移に対応し、他方期間予算、人員等の苦しい制約をうけつつ、作業費、発生材の全般に亘り調査を行なつたのであるが、実に困難を極め、完全な調査を行うことができなかつたこと。  以上でありまするが、まあ大体においてかようないきさつを経て来たわけなのでありますが、大体かようなことを頭に置いた上で、なおこの通牒のいろいろ詳しい内容のものが実際問題となつてその事件にぶつかつて来るものでありますから、ちよつとこれを審議するのもなかなか容易なことではないかと思われます。  それで只今議題となりました幾つかの問題の中で、先ず最初に四百三十二号の問題だけについて申上げたいと思います。これはこの四百三十二号の問題は検査院の検査報告にその事件が書いてもございまするし、又政府当局のほうの説明もございますが、つまり一番問題となりまする主眼点を申上げますると、ちよつと別紙に簡単に書いておきました通り、検査院側では間接費の配賦が多過ぎる。で本件は造船工業原価計算の方法により、直接労働時間を基準として間接費を配賦しておるものであるが、この計算方法は妥当でない。本件のごとき場合には労務費に材料費などを加算した直接原価を基準として、間接費を配賦するのが、実情に即し合理的であるという御意見であり、なお附加えて東京、広島、大阪では検査院の見解に従つて計算をした。然るに福岡そのほか四カ所の財務局では検査院の見解に従つておらない。かように不統一になつておることもよろしくない、こういう批難と思われるのであります。  これに対する当局側の説明を申上げますると、昭和二十一年の五月から、造船工業原価計算準則というものによつて毎日々々処理させて来たものでありまするのに、昭和二十五年三月になつて即ちいよいよ清算をしようというそのときになつて、その間数年間の年月を経ておりまするが、この際に間接費の配賦方法を変更することは、解撤作業以外の他の造船部門のすべてについて計算を変更させなければならない結果となる。と言いまするのは一方造船所等におきましては軍艦を壊す、その壊した船から取出した資材或いは機械類、そんなものを売却もしておりまするし、或いはそれを利用して船の修繕その他のことにも充てておるのでありまするから、それらのほかの方面のすべての費用の計算等が、みんな今まで計算して来たその通りになつてしまつておる。で、ほかの工事がすでに決済が完了しておるので今更これを変更することは到底困難であるので、当初の方針通り造船工業原価計算準則に基いて配賦したのである。つまり今更変更はできないというようなところに重点があると思われるのであります。  なお附加えまして、東京福岡などとで清算方法の不統一の結果を生じたことは、これは誠に遺憾と思いますということを答弁されておるのであります。それで最初に申上げましたような、ああいう複雑な経過を経て来たこと、それの一つの例を挙げますると、只今申上げました四百三十二号といつたような形になつて現われて来るというわけなんでございます。なおそれ以外のそのあとの問題は又それぞれ特色のある問題でございますから、場合によりまするれば、それぞれの問題について又改めて申上げたいと思います。
  11. 岩男仁藏

    ○委員長(岩男仁藏君) 次に会計検査院及び大蔵省運輸省当局において特に説明を要する事項がございましたならば御説明を願います。
  12. 小峰保栄

    ○説明員(小峰保栄君) 只今專門員から非常に詳細な御報告がございました。大体それに尽きておるわけでありますが、御承知のように艦艇解撤は終戦後の問題といたしましては最も大きな問題の一つでございます。会計検査院も相当その検査を大きく実は取扱つて数年間やつて来たわけであります。これから御参考に会計検査ということを重点にして、その結果御参考になるようなことをここで申上げてみたいと思います。終戦後海軍は全部武装解除されたわけでありますが、海軍軍艦も一切屑鉄にされてしまつたわけであります。特別のものを除きまして四百六十八隻、排水トンにいたしまして六十七万七千トン、こういう大きなものが艦艇解撤を条件として日本側に返還されたわけであります。これが二十四年度までに全部解体されまして海軍は消滅したわけであります。会計検査院といたしましても二十二、二十三検査報告に簡単な報告はいたしましたが、二十四年度全部経理措置も一応終りましたにつきまして、ここに全部一まとめにしまして四百三十二号以下の七件、この案件に固めて御報告をしたわけであります。艦艇の解撤につきましては、初めはこれは皆さん御承知の通りに随分世間からもいろいうな疑惑の目を以て見られたのであります。殊にそういう経理が疑惑を以て見られたのであります。先ほど專門員からも御紹介がありましたように、検察庁の手が入る、こういうようなところも実はあつたのであります。私どもも後ほど申上げますが、ほかの検査と違いまして相当異例な検査をしたのでありますが、その結果結局のところは、誤解に基いた問題とか、これは先ほど專門員からも御紹介がありましたが、実は担当官庁放任の度が過ぎた、こういうようなものが多かつたようでありまして、そう世の中で疑いの目を以て見たほど悪いものは出ていないように思うのであります。軍艦がどういう方法で返還され、又それを政府が当初どういう方法で取扱つたかということは、先ほど專門員からも御紹介がありましたので省略いたしますが、初め会計検査院でも部分的に検査をしたのでありますが、そういたしますと、どうもかなり不当な経理と思われるようなものが相当に見つかつたのであります。その結果先ず会計検査院から当局者に対しまして、艦艇の解撤は国に課せられた重大な義務でもあるし、その収支は公明を期すべきものであるから、その経費はこれを予算化すべきだ、同時に作業により発生した諸資材は国において処分するのが相当だ、これは業者が勝手に処分していたわけであります。こういう注意を出すと同時に、昭和二十一年度の検査報告に書きまして国会に御報告をいたしたわけであります。これが最初に艦艇解撤について会計検査院国会に御報告した事項であります。第二国会でこれが問題となりまして、そうして会計検査院の言う通りだ、こういうことになりまして、結局政府は、先ほど御紹介になりました当初の方針を全面的に変更いたしまして、二十三年度の終戦処理費予算を八億二千六百万円でありますが、これを計上したのであります。当時すでに解撤作業は大体もう終つておつたのでありますが、作業が終りましてあとで予算措置が講ぜられた、こういう関係になつております。業者からも金を拂つてくれ、こういう請求が出ておりますが、その請求が果して妥当であるかどうか、こういう点につきましては、実は当時の政府側といたしましては、何らこれを判定なさるというような機構と申しますか、内容は実はお持ちになつていなかつた。こういうのが実際であります。会計検査院といたしましても、これだけ大きな仕事を業者の言い分通りに払つているのを手を束ねて見ておる、こういうわけにも実は参りません。併しながら今のような政府側の状況でございますので、止むを得ず会計検査院としては非常に異例だつたのでありますが、これは自分で一切検査をした上で、金額を幾ら払つたらいいかということを見なければいかんのじやないかとこういうことになりまして、関係業者である播磨造船所ほか五十六業者を会計検査院法によりまして直接会計検査院で検査をするということに指定したのであります。それは当時はまだ請求が出ただけで大部分は金を払つていない、業者は非常に困つていたのでありますが、そういう状態で検査を始めたわけであります。そうして先ほど申上げましたものが四百六十八隻、六十七万七千トンでありますが、このうも検査をいたしましたのが六十五万七千トン、大部分の検査をいたしたのであります。結局小さいものを除きまして鉄船は全部検査したと言つても過言ではございません。これは二十四年の三月に開始いたしまして二十五年の八月に全部済んだのであります。全国統一した一定の方針に従いまして相当厳正な検査をいたしたつもりでありますが、その結果出ました結論は金額的に申しますと相当大きいのであります。業者の工事費の請求額が八億二千二百万円、相当大きいのでありますが、検査の結果減額するのが相当と認めたもの一億五千六百万円、約一九%になつております。それから発生諸資材の売払額、これも業者は五億九千二百余万円で売つたとこう申出たのでありますが、これは三億五千四百万円を増額するのが相当だとこういう決定を検査の結果いたしたのであります。これを政府側にお示ししましていろいろ御相談したのでありますが、この段階に至るまでには業者の言い分も十分に聞きまして、第一回の検査が二回やつております。最初ざつといたしまして、それから更にそれを確定する意味で同じところに二回行つたのでありますが、一回の検査で行き過ぎだと私どもが認めた部分もございまして、二回目で相当の修正をしております。大体いいところに落着きまして、当局も相当程度これをお容れになつたのでありますが、全部は修正されていないのであります。修正されなかつた、会計検査院の言う通りに御修正にならなかつた分がこの四百三十二号以下七件に全部案件をまとめて提出したわけであります。会計検査院の言う通りにお直しになつたものが作業費の面で一千九百万円、それから売払いで三千五百七十万円のうも二千二百八十万円、これだけお直しになつております。直した分にいつては全然検査報告には掲げてございません。それで直さなかつた分が作業費と発生諸資材の売払代と合せまして五千二百万円余りになつておりますが、私どもはこれは不当な経理と見ているのでありますが、大体のことを申上げますと、これは先ほど申上げましたように業者が意識的に悪いことをして政府不当に損失を与えまして自分が儲けようと、こういうふうな事案は案外実は少いのでありまして、絶無ではございませんが少いのであります。批難の四百三十二号以下の不当支出と私どもが認めております主なものは労務費とか材料費、こういうもので一応高い見込の予算を立てまして実績はそれほどかかつていない。伝票とかいろいろな細かいものについて見ますと実績はそれほどかかつていないのに最初の高い予定単価をそのまま政府請求してこれを政府が払つてしまつた、こういうのが割合に大きいのであります。それから先ほど專門員からも御紹介がありました四百三十二号の間接費の問題であります。これも造船工業の原価計算要綱に従いまして、労務費は直接労働時間を基準として会社のプロパーの造船なり、船舶修理なりこういう仕事と解撤とに全体の間接費を按分したのであります。大体解撤をしました会社造船をやつている会社が多いのであります。御承知のように造船は材料代が約半分、それから労務費が残りと、間接費というものを除きまして考えますと大体六四ぐらいに、材料代が六ぐらいのあれを占めております。こういうものと、解撤はこれは材料は殆んどかかりません。大部分が労力費であります。こういう全然作業の違うもの、違うと申しますのは、丁度家を建てることと家を壊すことと違うのと丁度同じでありますが、家を建てる場合と壊す場合の間接費の配賦を労力費だけ引抜いて来てやりますと、これは壊すほうが非常な不利益を来たす。解撤は丁度同じような事態になつたのであります。本来会社プロパーの造船なりなんなりで背負うべき間接費を解撤が多額に背負つてしまつたとこういう事態になつたのでありまして、これが相当大きいのであります。これは先ほど專門員からも御紹介ありました通り、当初これでやれと言つて指示したのでありまして、これをあとで直すという面は政府もなかなかやりにくいとは思いますが、併しながら非常に不合理なものでありまして、何分にも概算契約でありますから精算のときにその不合理な面を正すことはそう不当なことではないと私ども考えております。現に先ほど御紹介ありましたように東京、それから広島、大阪でありますか、この財務部は皆検査院の言うのが尤もだ、最初そういう約束をしたがそれは不合理だ、こういうことでお直しになつておるのであります。広島などは御承知のように播磨造船所、これが全体の半分以上の解撤をやつておりますが、これは全部直したのでありますが、たまたま福岡その他のところではお直しにならなかつた、こういう事案であります。あと(四三三)以下につきましては御審議のときに申上げたいと思います。  今の間接費の問題、それから予定原価の問題、こういうようなのが全体として検査報告に上らなかつたものを含めまして一番大きかつた問題であります。
  13. 牧野誠一

    ○説明員(牧野誠一君) 大蔵省の側から四百三十三号について簡単に御説明申上げます。  その前に艦艇解撤全体の問題でございますが、只今專門員から御紹介のあつたような事情で艦艇解撤の検査は数年前に終了いたしておりますけれども、これが不経済作業であるか、或いは経済作業であるかというような点がかなり問題になつた点であると思います。その点についてちよつと申上げます。艦艇解撤の歳出として現実に支出されました金額は総計六億二千七百五十八万九千三百三十二円九十七銭になつております。一方歳入のほうは艦艇解撤の最終処理を終了したという事前においては六億三千八百六十六万五千八百三十三円九十銭となつております。歳入超が千百七万六千五百円九十三銭ということになつております。併しその後まだ残材が各請負つた会社に残つておりまして、その残材については大蔵省といたしましては全部入札によつて処分をいたしました。その收入は艦艇解撤の経費によつてすでに直ぐ売れるような状態になつておるということのために経費はかかつておりません。歳入としては八千二十四万千六百円丁度になつております。これを歳入として前に申上げましたのと合計いたしますと七億一千八百九十万七千四百三十三円九十銭となつております。それで合計歳入超といたしまして九千百三十一万八千百円九十三銭ということに相成つております。只今專門員からも御紹介のありましたように作業を急ぎ、而も当時の物価統制の公定価格の制約のあつた中で作業をいたしましたために、或いはその他の事情もございまして作業自身が余り歳入としては見ばえのしないものではございますが、全体として見れば不経済作業とは言えなかつたというふうに我々考えております。それから四百三十二号の艦艇解撤の間接費の配賦の問題でございますが、これは我々のほうといたしましては一旦決定をいたしまして各財務局通知をして、すでに数年間作業が行われておるというものを数年間を経過してから変更するということは大蔵省の方針としては現実に困難でございますので、変更せずにそのまま実施いたしました。ただ会計検査院の御意見が大蔵省の定めた方針と違いがございましたので、各財務局でいろいろ検査院から慫慂を受けまして東京財務局その他何カ所かで検査院の御主張の通りに計算の方法を変更したという財務局がございまして、そのために処理不統一を生じたということはこれは大蔵省としては誠に残念だというふうに考えておるのであります。
  14. 岩男仁藏

    ○委員長(岩男仁藏君) ちよつと速記をとめて下さい。    〔速記中止〕
  15. 岩男仁藏

    ○委員長(岩男仁藏君) 速記を始めて下さい。それでは本日はこの程度で散会いたします。    午前十一時四十一分散会