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1952-06-03 第13回国会 参議院 外務委員会 36号 公式Web版

  1. 昭和二十七年六月三日(火曜日)    午後二時開会   ―――――――――――――  出席者は左の通り。    委員長     有馬 英二君    理事            徳川 頼貞君            曾祢  益君    委員            杉原 荒太君            平林 太一君            伊達源一郎君            大隈 信幸君            大山 郁夫君   政府委員    外務政務次官  石原幹市郎君    外務参事官    (外務大臣官房    審議室勤務)  三宅喜二郎君    外務省アジア局    長       倭島 英二君    外務省経済局長 湯川 盛夫君   事務局側    常任委員会専門    員       坂西 志保君    常任委員会専門    員      久保田貫一郎君   ―――――――――――――   本日の会議に付した事件 ○国際連合への加盟について承認を求  めるの件(内閣提出、衆議院送付) ○国際植物防疫条約の締結について承  認を求めるの件(内閣提出、衆議院  送付) ○外国の領事官に交付する認可状の認  証に関する法律案(内閣提出、衆議  院送付) ○連合委員会開会の件   ―――――――――――――
  2. 有馬英二

    ○委員長(有馬英二君) これより委員会を開会いたします。前回に引続きまして国際連合への加盟、ついて承認を求めるの件を議題といたします。  質疑を終了して討論に移ることに御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  3. 有馬英二

    ○委員長(有馬英二君) 御異議ないものと認めます。それではこれから討論に入ります。御意見のおありのかたはそれぞれ賛否を明らかにしてお述べを願います。
  4. 大山郁夫

    ○大山郁夫君 反対意見を述べさせて頂きます。これまで質問をしておりました間に大体私の態度ははつきりしておると思いますが、併しまとめてここで言わせて頂きます。非常にこれは重大な問題で、殊に我々がこの問題を審議するときには日本の民衆、殊に現代の民衆のみならず次の時代の民衆に対してもやはり責任を持つておるのみならず、この頃のようにアジアの全体性というような問題、世界平和ということに関連してのアジアの全体性、アジアの団結、或いは我々は不戦アジア、戦かわざるアジア、こう言つておりますが、こういうことが問題になつているときに我々はやはりアジアの全民衆に対して非常に大きな責任を持つておる。同時にアジアの全体性、或いはアジアの団結、不戦アジアというものは世界平和というものを基準にして述べられておることなのでありますから、世界平和全体に対して我々は大きな責任を持つておると思うのであります。こういう立場からこの問題に入つて行きたい。それで殊にこれからの日本は国際連合に加入しようかしないでおこうかという問題に直面しておるわけであるから、よくこの国際連合というものに対する批判をはつきりと行わなければならない。勿論国際連合に加入するという問題は現在加入するのか、或いは将来加入するのか、逆に言えば加入しないという人の態度は現在加入しないが将来は加入してもいいというようなことになるか、いろいろ細かな問題があると思うのでありますが、私は今現在の問題として国際連合に未来永劫入らないというようなことでなくて、現在の問題として全体の問題を見たいと思うのであります。  勿論我々はあの国際連合憲章を読んで国際連合の目的というものは非常に立派であるということを認めている。それはもう誰も異論はないところだろうと思うのであります。世界の平和を維持する機関として現われて、そうしであの出した憲章を見ると非常に立派な文字が書かれておる。いわゆる光彩陸離としているというような文句であるが、併しながら国際連合の目的がどうであるかということと、それから国際連合の行動がその目的にいつも副つているか副つていないかということとは全然別問題だと思うのであります。それで少くとも我々は日本の立場から、及びアジアの立場から、及び世界平和の立場から国際連合の行動を見るべきあの朝鮮戦乱開始以来の国際連合の行動というものが我々の批判の対象となる、こういうふうに先ず第一に考えて見ます。それで私はその国際連合を批判するというような立場をとるときに、あの朝鮮戦乱開始以来の国際連合の行動というものに注意を向けたい。それでこの間中から言つております通りに、それ以来の国際連合の行動を見るときに、我々は国際連合が侵略という言葉に対してどういう定義を持つているか、これから調べてかからなければならない。なぜならば国原連合が朝鮮に対してあの武力干渉、武力干渉という言葉に異議を持つておられるかたもあると思いますが、まあ武力行動といいますか、あの行動を始めた。その理由は北鮮が平和を破つておる。平和を撹乱しておる。そうして同時に初めから北鮮軍を侵略者として取扱つておる。侵略国と言つていいのか、侵略者と言つていいのだか、つまりアグレツサーとして扱つておる。この間外務大臣は例の北鮮を侵略国として取扱うということは、丁度中国の義勇軍が北鮮問題に入つて来た、その頃からの問題のような口吻でお話になつたように思うのだがこれは事実間違つておるので、初めからもう北鮮をアグレツサーとして取扱つておつたのであります。そうしてあれだけの行動を起すようになつて来ておる。そうして北鮮或いは中国義勇軍に対してアグレツサーのマークをつけたことはずつとそれ以来変つておらないのみならず、最近、現在も変つておらないのだが、最近又問題になるようなことがもう一遍スタートされた。というのは例のアチソン・吉田の間に交換された公文書、あの中にもその侵略者という言葉が又大きく現われて来ておる。そうして我々は朝鮮において武力侵略が行われたというのを見て来たというような言葉が使われているのであります。そこで朝鮮において武力侵略が行われた。武力侵略はどちらのほうが最初に行なつたかということは言つておらない。世界的には北鮮のほうが侵略を始めたというふうに考えておる者もあれば、逆に国連軍のほうが侵略を始めたというふうに考えている国もあり、世界的には議論が分れており、どつちの立場を支持しておる老が多いかということもはつきりわからないのだが、あの吉田・アチソンの二人の間に交換された公文書においては明らかに北鮮なり中国義勇軍をアグレツサーと見て、認めておることは確かである。これに国連軍が行動を起す、日本がそれに参加しなければならない、少くともそれに援助、あらゆる援助を与えることが必要であるというような趣旨が述べられておるというふうになつて来ると、これは非常に日本としては大きな問題なんでして、我々は一体国連が侵略ということに対してどういう定義を与えておるかということから始めなければならない。即ち国連が、殊に安保理事会が、国連の二十七条でありましたか、あれによつてどこの国が侵略者であるかというような決議をする、そうして侵略者或いは平和を破壊するもの、平和を脅威するもの、或いは侵略しているものであるという決議をしたときには、それによつて国連が国連の加盟国に対していろいろと勧告することができる。或る場合には武力制裁を加えるような行動をとることができる。そういうことまで規定してあるので、侵略者という定義がどうであるか否かということをきめるということは非常に重大な意味を持つておる、こう私は考えておるのであります。それで一体国連がどういうふうに侵略を理解しておるか、つまり侵略に対してどういう定義を与えておるのであるかということを重ねて重ねて私は質問をしたのでありますが、それに対する答弁はなかつた。最後だんだんだんだん話をしておるうちに外務大臣は結局国連は侵略に対する定義を持つておらない、そのときどきの風向きで次第で或る国の或る行為を侵略というふうに呼んだり、又は侵略でないと呼んだりすることができるというように、こんないい方ではないけれどもやはり結論はそういうふうになつて来るので、それ以外の説明ではなかつたように、こう考えています。そうするというと非常に国連というのはとんでもない、まあ乱暴なやり方をするものであるという、でたらめなやり方をしておる、こういうことになつて来ると、これから国連に加入しようかしまいかということを決定するときに、我々は勿論国連に加入するということは問題にはならんということを考えなければならないのであります。定義を持つておれば、そうしてこれまで侵略に対する定義が全然なかつたかと言つたらば、もう侵略に対する定義ということは世界が長い間求めておつたものであつて、国際連盟の時代からそうであつた。あの一九二三年にゼネバ・プロトコールが議せられたときそれが問題になつたときに、そのときからこの問題が起つて、そうして長い間の問題になつてしばしば討議されておつた問題であつて、これが今日定義がないということはおかしな話だと思うのであります。のみならず朝鮮に対する行動が始まつてからこの問題が盛んに国際連合の問題となつて、ソ連のマリク代表のごときはソ連が曾つて一九三三年にあの国際軍縮会議に提出したあの定義を持出している。相当にはつきりした定義であつて、マリクソ連代表の言葉によると、あのソ連が提出したその定義というものは当時国際連盟の安全保障問題理事会において殆んど採決されて、十七カ国から出した代表によつてそれが討議されて、大部分の人がそれに賛成しておる。殊にイギリス、フランス、それからノールウエーとか、ソ連とか、そういう代表たちがみんな賛成しておつたのであるが、ただ一、二の国の代表たちがぶつぶつ言つていたので議決に至らないままに一九三九年になつてしまつた。ところが大戦の勃発でそれがもううやむやのうちに消えてしまつたのだが、併しながらあの国連の安全保障問題理事会を構成しておつた多くの国々、そうして世界的にその行動が意義のある国々の代表者たちはそれを認めておつた。殆んど国際法の一つの規則となる程度にまではつきりとしておつたということ、それをマリク代表が言つておるのでありまして、そうしてマリク代表があの国連の安保理事会にそのときの一九三三年にソ連が国際軍縮会議に提出したその定義を提出している。それはいつでも材料があるのだから私の手からでも提出ができると思うのでありますが、それほどはつきりした定義を出しておつて、それに対して連合国のほうにははつきりした答えがなかつたということを私は認めておるけれども、併し外務大臣が言つているように国連のほうには殆んど侵略に対する定義というものがないので、その場限りでいつでも議せられるのだ。たた国際連合を構成している国々は立派な国々であり、そうしてそういう国々を代表している代表者たちは立派な人だから間違つた定義を与えるということはあり得ないというような漠然たる信念の上で安心して、国連が侵略に対する定義を持たないのに安心してそうしてこの問題を解決しようというふうな態度を見せておられることは非常にこれは私は間違つておると思う。丁度我々が民主主義の側において、或る国家の機関が一つの手に立法と司法と行政、その三つの権力というものを、一つの手に握つてしまつたら、それはもはや民主主義でなくて専制主義であるというふうに言われておる。同じ議論がこの場合についても当てはまり得るので、私は国際連合というものをそれほどでたらめなものだとは考えておらないのですが、同時に国連のほうからやはり侵略に対してあのマリクソ連代表が示したほどはつきりした定義を示していない。と同時にあのマリク氏が示した侵略に対する定義というものは殆んど国際法のルールとなるほどの力を持つておるのだが、それに対して太刀打のできるような定義が与えられたということを私は知らない。だから、やはりあのマリクソ連代表が提出した侵略の定義、あれ以外にはあれほどはつきりした定義はないと私は考えておりますが、それでこの国連に日本が加入するということは非常に危険である。これはだんだんその点をはつきりしますが、先ず第一に結論から先に申しますと非常に危険である。  それから又あの一昨年の六月二十七日でありましたか、あの北鮮を侵略者と認めて、そうして武力干渉をするという決議がなされたときには、あの安保理事会には中華人民共和国の代表者もいなかつたのだし、ソ連の代表者もいなかつた。ところがあの安保理事会議事の規則、それは国連憲章の二十七条にあるように記憶しておりますが、あれによりますと、つまりこういうふうな手続の問題ではなくていわゆるサヴスタンテイヴ・マター、実質に関するような問題を決議するようなときには、国連の安全保障理事会を構成している十一カ国のうち七カ国がそれに対して賛成投票をしなくてはならない。その七カ国のうちには五大国、即ち常任理事国の五大国の賛成投票も含ませての七カ国の投票が要るということだつたのがそれが無視されておる。ソ連の代表も、それから中華人民共和国の代表もいないでその席上でそれが可決されておるというのは、かなり重要な手続法というものが無視されておるというようなことも考えられる。それから又私がしよつちゆう申しましたように、あの朝鮮におけるところの紛擾というものは、朝鮮の内部におけるところの二つのセクシヨンが相争つているという問題であつて、それにこの国連が干渉したものであつて、本当にこの大抵の我々の常識から言つても、あれは別に侵略があつたわけでも何でもなかつたのだ。それで国連は内政に干渉したという非難は免かれない。ところが国連のあの第二条第七項、あれによるというと、国連は内政非干渉主義、内政不干渉主義というのだか非干渉主義というのだか知りませんが、よその国の内政には干渉しないという主義をとつている。それがだんだん無視されているのじやないか。これは初めから無視されているように私には考えられるのであります。今日あの韓国の李承晩の政府までが、少くとも釜山放送局に配付されている国連の代表者たちが韓国の内政に「干渉したことはけしからんと言つて大きな問題を起しているが、併し国連の内政干渉問題は昨今に始まつた問題じやなくて、一番初めからある、こういうように私は理解しているのであります。それでこの国連が侵略ということに対してどういう定義を与えているのであるかということを知ることは非常に大切なことであるというふうに私は考えているのであります。殊にこのアジアの問題の中には、国連がこれまであの北鮮に対して侵略符を与えた、そういう国連をして北鮮に侵略者のマークを与えしめた事情に似たような事情がアジアの至るところにあるのでありまして、殊に我々は間もなく日華条約の討議をしようと思つているが、あそこにもそれによく似た情勢がある。将来あの新中国、即ち中華人民共和国の中央人民政府が、台湾に対して或る行動をとるかも知れない。あの人民政府のカイロ宣言というものを理解しているあの立場から言つたらどんな行動をとるかも知れない。あの人民政府のカイロ宣言に対するところの解釈から台湾を自分の国のものだと考えている、で或る行動をとるかも知れない。そうすると又中国人民共和国に対して侵略国であるアグレツサーの名を与える。今度は日本がこれに援助を与えなければならないというようなことになる。殊に日本がそれに、あの国連に加入しなくてもその危險はあるということはあの安保条約並びに行政協定のほうから言い得るのであるけれども、殊に国連の権威によつてこの新中国にアグレツサーのマークをつけてしまうときには、もう国連憲章によつて日本がそれによつて援助をしなければならないというようなことになつて来る。そうなつて来ると非常に大きな問題になると思うのであります。又そういうようなときのことを予想して、日本では早速あの国連が軍隊を、武装軍隊を提供しろとか、或いはそのほかの援助を提供しろとか、或いは通過権を含む便益を提供しろとかいうようなことを言つて来る見込は十分にあるのである。殊に武装軍隊を要求せられる。そうすると日本が再軍備しなければならないというようなことになつて来る。再軍備で日本の憲法を改めるということには随分日本の国民から反対があるのだが、国連の権威で以て、将来国連が或る場合には日本に武装軍隊を提供しろというような要求があるかも知れない。国連に入つたことに対して当然の帰結として日本は軍隊を持つていなければならないというようなことになつて、そうして日本はもうずるずるべつたりに再軍備のほうに面い、そうして憲法の改正、私たちは改悪というのだが、つまり第九条戦争放棄の条文を棄ててしまうというこの改正でありますから、改正と言えば改正だが、改悪と言えば改悪である。この憲法改正、戦争放棄の条文を破棄するところまでずるずるべつたりに引摺られて行くという危険はこれはもう十分あるものと見なければならない。ないというほうが間違つているのである。そういうような結果を伴う。  それから又最近私は頻りにあの国連とアジア大陸のことを問題にしているのでありますが、これは私はもうずつと昔からその点を憂えておつたのであります。これは、私もこの問題に対する大きな不安を持つたのは昨今のことじやないので、ずつと前から、丁度終戦直後私はまだアメリカにおりました。あのときに日本から来る新聞を読んだり、又アメリカの新聞も読みましたが、その中に占領軍の或る将軍がこういつたことを言つておつた。名前を言つてもいいのだが、私はオリジナル・ソースを握つていなければ名前を言わないことにしております。そういう方針をとつておるので、できるだけ科学的に正確なものの見方をしたいという考えから、オリジナル・ソースを握つていないときには名前がわかつておつても関係者の名前を言わないという方針をとつておりますが、併し私には名前を言わなくても誰にでもすぐ思い当る節があると思いますが、丁度あの占領間もなく連合軍のある将軍がこういうことを言つている。日本人は智能の点から言つても、それから日本人の体格の点から言つても、それから軍事上の経験から言つても、日本人というものはすばらしい軍隊を作る。だから私は日本人を一つ大きな軍隊に編成してそうしてこれを使用して見たい。指揮して使つて見たい……。そのときにふつと考えたのだが、一体日本人はもうポツダム宣言で非軍事化されている。再び武装を持たない国になると、こう思つておつたのだが、もう一遍日本人を使つて大きな軍隊を作つてそれを使用して見たいと言つているのだが、一体どこに使用しようとしているのだかということを考えたときに、もうアジア諸民族と日本を戦わせる以外に答えがないと考えた。その瞬間から私は非常に大きな不安を持つて今日に及んでいるのでありまして、それに関係する資料を集めておりました。いろいろなものが集まつているが、併し一一ここでそれを示すことはできないが、最近のこととしてこの間問題をスタートしました。それはこの三月二十四日の東京の報知新聞を見てみるというと、あの総司令部の外交局長のシーボルド氏がアメリカのたしかオハイオだと思つたが、アメリカのどこかで、カソリツクの団体のナイツ・オブ・コロンバス、その団体に向つて演説をしておつた。その演説の梗概が書いてあるので、それにはこういう点が述べられておつた。クレムリンは日本が非常に巨大な人的資源を持つておつて、而も無限の工業能力を持つている、そういう点を無視しない。と言つてクレムリンのことを言つておつたのでありますが、それはこの問題には直接関係はない。その次にこういうことが書いてあつたので、こういうわけであるから独立日本というものは自由世界にとつての偉大なる財産だ、こういうふうに書いてあつた。偉大なる財産だ。財産という観念には使用収益、処分ということを含んでいるが、偉大な財産として、それならば一体如何なる目的に使用しようとしているのであるかという疑いが私の頭に湧いたが、二日たつて私はすぐにそれに対する回答を得たので、それは部分的には日本タイムスにあの第八軍の司令官のヴアン・フリートがUSニユース・アンド・ワールド・リポートという雑誌に一つのインタビユーを与えている。コツピー・ライテツト・インタビユー、その中で言つているのは、アジアの共産主義と闘うためにはアジアの人的資源によらなければならない。結局アジア人をしてアジア人と闘わしめる。あの日本タイムスの記事にはフアイテイング・コンミユニズムという、コンミユニズムとフアイトするというような言葉が書いてありましたが、ところがその後外務省のほうから私はあのヴアン・フリートの談話のインタビユーの写しをもらいましたが、それにはレジステイング・コンミユニズムと言つて、レジストとファイトと言葉は違うけれども、併し大体同じような趣意であつて、そうしてあの日本タイムスに出しておつたことが大体間違いがない。あの記事の中にあるだけのことは大体元のヴアン・フリートのインタビユーの中にも述べられておつたように思うのであります。だからこのアジアの独立日本が、自由世界にとつて偉大なる財産であるということは何に用いようとして言つておるのであろうという疑問が直ちに起るのでありますが、その疑問がそれによつて回答を得ているのではないか。こういうことはヴアン・フリート氏の個人的な意見なので、別に第八軍の司令官、国連軍の一部としての第八軍司令官としての、いわゆるオフイシヤル・ステートメントではないということは確かでありますが、そういう個人の、個人的意見と、それから又そのいわゆるオフイシヤル・ステートメントはそう現実に分けることができるものでないように考えでおるのであります。  それからもう一つは、こういうことはもう国連軍側においてしよつちゆう言われておることであつて、日本の国というものを反共の防壁にするということを前からずつと言つておる。一方に世界人権を尊重するといつて、言論、思想、集会、結社、良心の自由といつたものに、非常に立派な言葉が述べられておると同時に、他方においては非常にそれと同じような問題であるにもかかわらず、日本においては共産主義というものを初めから、研究しないうちから駄目だという感じを吹込んでしまつて、日本を反共の防壁にしようというようなことを言つておるということは、ずつと昔からあつたので、更に責任ある政治家でもそういうことをしよつちゆう言つておるのであります。大抵のことは批判の自由を与えるが、共産主義の問題に対しては批判の自由を与えないという態度を連合軍がとつて、それを日本に押付けようとしておる。殊にアジヤの問題になると、更にヨーロツパ、アメリカの帝国主義者というものは暴論を吐くことがあるんで、私はオリジナル・ソースを持つておらないので名前を挙げないが、或る国の、承る政治家が、或る場所でということにしましよう。今はオリジナル・ソースの持合せがないので今申上げましたように名前がわかつておるのだけれども、関係者の名前を言わない。或る国の或る政治家が、或る場所でこういうことを言つておつた。それはその政治家が人民解放軍を征伐するには国民軍を使つたらいいのだ。アジア人を殺すにはアジア人を使うのは、当然な話であつて、人民解放軍を征伐するためには国民軍を使つたらいい。国民軍の一人々々には毎月五ドルほどの貨金をやつて、それから毎日一椀の米飯をやれば、彼らは喜んでそれをする。若し彼らがそれを喜んで受けなかつたらしようがないんだからということを言つたという。これは非常に責任の地位にある人が言つたということが、或る記事に書いてあつた。それについては私は本当だと思つておるのだから、いわゆるオリジナル・ソースを握つておらないのだから、名前を申上げませんが、ともかくそういうことが言われておるのであつて、アジアの問題になると非常に帝国主義者には暴言を吐く習慣がある。のみならずあのヴアン・フリートのことが書いてあつた記事に、共産主義と闘うということもあつたのだが、日本から見れば共産主義と闘うということは非常に大きな問題なんで、第一に中国の五億の人民と戦うということがそれに含まれておる。のみならず仏印においてもやはり同じように共産党の勢力というものは非常に強いのだ。又直接に共産党軍をなしておらなくても、共産党を支持しておるところの勢力というものもアジアには相当に多い。又インドのごとく、本国においては共産党と戦つておるが、外交政策としてはその共産主義の政党を持つておる政府に対しても友交関係を結ぶというようなことをしておる。例えば中国に対して非常な好意を示しておる。そうして国連へは中国の加入を許さなければならないという立場をしよつちゆう示しておる。それからサンフランシスコであの講和会議が開かれたときには、中国の人民政府を入れないでこしらえたような対日講和会議というものは無意味であるといつて、そうしてサンフランシスコ会議には参加しなかつた。それからビルマもそうだし、それからインドネシアは参加しておるけれども、併しながらインドネシアの態度も必ずしも中共に対する反対の態度ばかり示しておるのではなくて、むしろ逆の態度を示しておるし、同じようなことがアラブ十一カ国の能度についても言える。こういうふうになつて見ると、共産主義と闘うということが殆んどアジア全部と戦うということを意味しておるんで、我々日本はこの点容易にこういう問題に対して回答を与えてはならない。のみならず、我々は日本の将来というものはアジアに繋がつておる。あの日華貿易というものは非常に大きな問題となつておるのも、日本の存在というものがアジア大陸と不可分の関係にある。経済の方面から言つても今日どの点から言つても、日本の経済というものはアメリカ経済の一部ではなくなつて来ていて、今アジアの経済の一部になつて来ておるということがはつきりしておればこそ、日華貿易ということもアメリカは何と言おうと、日本人にはそれに耳を傾けずにはいられないような切羽詰まつたところに来ておるのではないかと思つております。アジアが連帯性を非常に現実に意識しておる。これが将来のアジアの運命を方向付ける一つの大きな要素となつておるのである。世界の帝国主義者がアジア問題が非常にむずかしくなつて来たというのは、アジア全土に亘つて、アジアの人種とか或いは民族の区別にかかわらず或いは西と東にかかわらず、大きなアジアという国のどこに行つても、又アジア全人口のどの部分に当つて見ても、アジア全体の意識というものは強くなつておる。帝国主義者から最終的に解放されようという念願が非常に強くなつて来ておるので、これが今後アジアの運命を決する大きな要素となつて来ておる。あの帝国主義者たちがアジアの問題がむやみにむずかしくなつて来たとこう言つておるのは、このことのためである。アジアの諸民族の間のアジアの連帯性の意識というものは、非常にめざめて来た。或る意味において私は今やこのアジアの偉大性、底の知れないような偉大さが、ここで世界の上にはつきり認められるようになつて来た。この事実が外国帝国主義者をしてアジアの問題が非常にむずかしくなつて来たという原因となつて来ておると思うのですが、日本はこの流れの外に立つことはできないどころか、アジアを敵としておるような帝国主義者の言葉に対して、我々は十分な批判を持たさなければならない。こういう立場から今中華人民共和国も入つておらないようなこの国連へ、何故に我々は急いで加入することを努めなければならないか。もつと立止まつて考えて見る必要があるのではないかということも、又考えられるのであります。即ち私は第二として国連とそれからアジアとの関係、これが我々の態度を非常にはつきりとさせ、それと関連しておることでありますが、今申しましたあのアジア諸民族と日本の貿易、殊に中国との貿易、ソ連との貿易、この問題もやはり重大であつて、その立場からもやはり国連加入の問題を考えて見なければならないと思うのであります。今日日本の経済の危機というものを打開するには 一体どうすればいいかということが大問題となつて来ておる。そうしてその解決を考えておる人々も、これを二つの場に分けることができるというふうに考えるのであります。一つは将来日本は飽くまでこの再軍備をやつて、そうして軍需工業を起して、それで現在の経済危機を切抜けようとしている一派である。他方においてはそうでなく、日本の将来は世界平和ということにかかつておるのだ、だから再軍備ということは問題でなくて、やはり他の方法で日本の経済危機を打開しなければならない。それは差し詰め中国との貿易、殊にアジア全土との貿易、その方面から我々は進んで行かなければならない。こういう要求が相当に強い。又日華貿易というようなことは今日の日程に上つておるので、我々が躊躇して解決を延ばす問題ではなくなつて来ておると思う。アメリカのほうから頻りにアジアの問題というものがむずかしくなつて来たのだが、併し日本が中国との貿易に非常に大きな希望を持つておるのは、そんなことは当てにすることはないということを頻りに言われておるが、アメリカのほうから言つたらそういうことも言われましようが、併しそれはアメリカの立場から言われておることで、我々日本の独立の立場から、日本の独自の立場からこの問題を見なければならない。そうすると日本が先ず第一に世界の平和ということは日本の今日には絶対に重要なことである。これは言うまでもないことでありますが、この平和の世界において日本はすべての国と貿易をするということをと大事であると考えなければならない。殊に中国との貿易、ソ連との貿易ということが、日本の将来の経済危機というものを打開する大きな力になる。こういうふうに我々は考えておるんだし、又それが日本人の考え方になりつつある。岡崎外務大臣はその点を非常に軽く見ておいでになるようでありますけれども、これだけではない。吉田総理もずつと前から丁度一昨年、私がこの問題をとらえて質問したときから、日本は中国との貿易なんてやらなくても、日本の経済は繁昌しておるという答弁をせられた。あのときから政府の態度はそうであつて、日本の中国との貿易ということを大して問題にしておらないような口吻を使つておるが、日本の国民は決してそうではないのでありまして、そしてこの日本の今日の経済的の危機というものを、これを再軍備というものによつて打開するということが問題外であるとすれば、そんなことはできないし、又逆の効果を生むものであるとすれば、隣国との貿易、アジア全体との貿易というものをおろそかにしてはならない。そして又アメリカから言われることは日本が中国との貿易はいい加減のものだからそれに頼らないで、アメリカとの貿易ということが根本の問題だからそれに頼れということを言われるが、アメリカの貿易、殊にアメリカへの輸出ということがだんだん制限せられるのであつて、冷凍まぐろがどうだの、陶磁器のほうも関税を上げるかも知れない、或いは絹スカーフの関税も上るかも知れないし、その他アメリカに輸出するものがだんだんアメリカの関税政策の対象になつて、一層途が塞がれようとしておるときに、なお更我々は中国との貿易というものを非常に重大に考えておる。殊にあの高良とみ子氏、帆足計氏、或いは宮腰喜助氏がソ連から中国に入つて、最近中国の貿易の方面の係になつておる中華人民銀行の総裁の南漢宸を相手として、貿易に対する或る取極をしたというようなあの事実、あの新聞記事が出てからというものは、日本国民のその方面に対する関心というものは非常に高まつたと考えられるのであります。そして又日本の国民はこの日本が生きるか死ぬかの問題に関して中国の貿易を考えるということは、決して国際的に禁じられておることは考えておらないのである。  朝鮮戦乱後にアメリカの輸出禁止というものがあつて、その結果日本の中国に対する貿易というものは非常に制限されておるのだが、併し問題は何もそういうことを制限されておるのではなくて、日本は生きるためには他の国と貿易する権利を持つている、のみならず、日本が中国、或いはソ連とか、アジア民族ともつと深い貿易の関係、経済関係を結ぶということは、要するによその国と貿易をしないということを意味するのじやなくて、全世界の国国と日本は貿易をしなければならないが、先ず前提条件として、安い原料を我々は入れる必要がある。そういつた点からいつたならば、中国の貿易というものは一層日本にとつて重要性を持つているというこの立場からこの問題を見ておるのだと……。それから又歴史的に言えば、殊に終戦後の歴史的に言えば、日本にはそういう全世界の国国と貿易して、そうして日本の経済自立の途を講ずるという、そういう権利を日本が与えられたように考えられる理由があると思うのであります。法的に、我々は又ポツダム宣言に入つて来る必要があるし、ポツダム宣言によるというと、あのポツダム宣言の第十一項と考えておりますが、それを読むというと、「日本國ハ其ノ經濟ヲ支持シ且公正ナル實物賠償ノ取立ヲ可能ナラシムルが如キ産業ヲ維持スルコトヲ許サルベシ」即ち「日本國ヲシテ戰争ノ爲再軍備ヲ爲スコトヲ得シムルガ如キ産業ハ此ノ限二在ラズ右目的ノ爲原料ノ入手ヲ許可サルベシ」とその区別をしております。「原料ノ入手ヲ許可サルベシ」と、日本国は将来世界貿易関係への参加を許さるべしということがはつきり書いてある。我々はまだこのポツダム宣言を破棄したものと考えておらない。而もこのポツダム宣言の第十一項でありますが、これは又はかの重要な外交文書より深い関係を持つている。例えば我々は大西洋憲章、一九四一年八月十四日附だと思いますが、あの大西洋憲章の第四項を見るというと、丁度ポツダム宣言と同じような調子で書かれた一つの条文があるので、丁度ここにはこういう、つまり世界のどの国も自国の繁栄を図るためには、自由に貿易すべきである、そういう原則を認めるということが書いてある。ポツダム宣言はこの原則の日本への適用を言つたもので、この二つは非常に関係を持つている。離るべからざる関係を持つている。丁度ポツダム宣言の第十一項は、或る意味において大西洋憲章第四項の生写しのように私には考えられるのであります。第四項にこうある。これは外務省解訳にはとんでもない誤訳、悪訳があつたので、その後多分外務省解訳というのは改められたものだと思つておりますが、外務省のには恐るべき誤訳と政略があるから、だから私はそれを用いないで、ほかにそれよりも少しましな飜訳がよそにあるから、それを用いることにしますが、それによると、あの大西洋憲章の第四項には、「兩國は」両国というとイギリス、アメリカのことでありますが、「兩國は其の現存義務を適法に尊重し大國たると小國たると又戦勝國たると戰敗國たるとを問はず一切の國が其の經濟的繁榮に必要なる世界の通商及原料の均等條件に於ける利用を享有することを促進することに努むべし。」こういうことが書いてある。これはポツダム宣言の第十一項の本になつたものだということは、疑うべからざるものであると考えておりますが、これはとんでもない。世界的に大きな意義を持つているその一つの条項である。これは日本のほうからいうと、大西洋憲章は、ルーズベルトとチヤーチルが寄つてきめたもので、イギリスとアメリカとの話合いではないということを言う人があるかも知れないが、これは間違いない。一九四四年の一月一日における、ワシントンにおける連合国のほうで出した共同宣言でありましたか、あの共同宣言の中には、そのとき会合した二十六カ国の代表がポツダム宣言の趣旨というものを賛成している。どこまでも支持するということがはつきり書いてある。それで初めて大西洋憲章に示してあるプリンシプルというものをサブスクライブするということを私は思つております。どこまでも支持する、これによつて大西洋憲章というものは立派な国際的意義を持つた文書となつておるので、ただルーズベルトと、それからあのチヤーチルとが大西洋沖で交換した覚書だけのものだというふうには言われない。国際的にも意義を持つている。一九四九年一月一日のあのホワイト・ハウスによつて、連合軍の代表者たちが明らかに大西洋憲章の中に示されてあるプリンシプルを我々はサブスクライブするというふりにはつきり言つている。で、非常に八きな国際的な意義を持つている。而もこの大西洋憲章の第四項というのは、非常に雄大な言葉で以て綴られているところの、大切な世界的意義を持つた条項であると私は考えております。殊に両国は現存義務を適法に尊重して、大国たると小国たると、又戦勝国たると、戦敗国たるとを問わず、すべて皆こういう権利を持つているということを認める。「戰勝國たると戰敗國たるとを問はず」という言葉も千金の重さを持つている言葉であり、従つてこのプリンシプルが戦敗国である日本にも適用されなければならないということがはつきりそこで言われているのであつて、そうして戦敗国も戦勝国もこぞつて戦後の平和時代になつたならば、原料を自由に手にする、それから又国際貿易に参加する権利を持つているのだ、こういう原則を我々は確認するということが大西洋憲章に書いてあります。私は大西洋憲章の原則というものは尊重すべきものであると考えております。  それから第八項、これは日本、ドイツ、イタリーの武装を解除するということを書いておるのであります。これは将来の世界全体の武装を撤廃するということと関連して書かれておるので、抽象的な文句であり、或いは再軍備を論ずるときには、この第八項も無視することはできないというふうに私は考えておりますが、併し今の問題は、第八項は、暫らくの間それに言及しないことにして、第四項のほうに私は注意を向けますが、これはポツダム宣言の第十一項の本になつた一つの原則がそこに書いてあるのでありまして、非常に重大なのだから、日本人は先ず第一に、ポツダム宣言第十一項によつて、更にポツダム宣言の第十一項の先祖であるところのこの条文によつて、将来平和を克復したときは、全世界と自由に貿易ができるということの観念を植付けられているのでありまして、連合国が日本にこういう観念を植付けておるのであります。ところが今になつて日本は、中国とか、ソ連なんかと貿易してはならないということを言われるというと、日本はそれは約束が違うと言うことができるのであつて、この点を日本は全世界に向つて自分の立場を主張することができる。戦敗国だから遠慮するということは問題じやない。ここにちやんと書いてある。戦敗国たると戦勝国を問わずということが書いてある。だから戦敗国だつて正しい主張をするのに遠慮するには及ばないということは、これは道理からでも言える。道理ではなく、たとえばポツダム宣言の第十一項で、それには、我々は日本人を民族として奴隷化せんとして、国民として滅亡せしめんとする意図を有するものにあらず云云ということが書いてあつて、戦に負けたということは、奴隷化したということではないということを向うから言つているのであるから、何も日本から遠慮することなく、戦敗国でも道理のあることはどんどん主張していいと私は考えている。アメリカのほうから、中国との貿易はそう当てにならないから、そんなことを日本では考えるのじやないということを言うと、そろそろ我々は李承晩の真似をして、それは内政干渉だということを言いたくなるほどの意味を持つている。こういう点からいつても今国連に加入するということは、非常に大きな問題だ。あの台湾政府を承認して、日華条約を結んだということさえ中国を非常に怒らしております。周恩来の宣言、中国の新聞を見ても、中国は非常に重大な問題だと見ておるのであります。そこに持つて来て、今度中華人民共和国の参加を拒んでいるこの国連へ日本が真先に今加入しようということは、ますます中国を怒らせることになり、そうして日本の経済自立のために欠くことのできない中国との貿易ということの前に大きな障害を置くものである。こういう意味を持つておるものであると我々は考えております。こういう理由からでも、国連へ加入するということは、今の問題とすべきではない。勿論立派な目的を持つている国連の行動が、この目的に全然符合するようになつて来たときには、問題は別だと思うのです。そのときには恐らく中華人民共和国の人民政府もやはり代表者を送る地位に来ておるのだろう。そういうときには我々はあの国連にどんどん入つて行つて、世界平和を維持する途を講ずる、こういうノーブルな仕事に我々は従事できる。それを楽しみにしております。併し今そのときではないという、そういう意味において、私は只今申上げました理由から、今国連へ加入の承認を求められたその課題に対して、私は否という返事を与えるよりほかに途がないと、こういうふうに考えておるのであります。御静聴を感謝します。
  5. 有馬英二

    ○委員長(有馬英二君) ほかに御発言がございませんか。
  6. 曾禰益

    ○曾祢益君 私は国際連合への加盟について、承認を求めることに対しまして、賛成の意向を表明したいと思います。  国際連合が現状におきまして、必ずしも理想的な姿でない。機構におきましても、又運用においても、完全にその当初の目的である国際平和と安全の維持に十全の努力を振い得ないということは、これは遺憾ながら事実でありまするが、さればとて、この際日本が真に平和的な国として、日本の安全を図る上におきましては、現存ぜる国際平和、安全の機材としては、国際連合に対しいたずらに批判的な態度を以ては、私は解決の途がないと、かように考えるのであります。いろいろ本委員会におきます質疑応答等各委員の御意見も伺いましたが、例えば侵略の問題について、国際連合において、侵略に関する定義がはつきりしておらない。従つてさようなあいまいな国際連合に加入するのでは、非常に危険ではないか、かような御意見もあつたようでございます。併し侵略に関してはつきりとした定義をつけ得られる世界の情勢であるか否かということを考えて見まするときに、不幸にいたしまして、侵略の過去における簡単な定義、例えば外国に対する武力の攻撃即ち侵略であるといつたようなものをはつきり定義すること自身が、新らしい侵略形式を援助するに等しいような結果を招来するような、不幸なる世界の事態がある。これは現益の国際共産陣営の常套的な手段にもからんで来る問題であります。従つて私どもはむしろ動きのとれない侵略というものを、定義を下しておつたならば、私は個人としては恐らくさような動きのとれない侵略を定義しておるような国際連合ならば、加盟するのは危険であるとすら考えるわけであります。現在におきまして国際連合の国際平和と維持に関する基本的な建前というものは、いわゆる侵略というものを固定的な観念で定義して行かない、例えて言うならば、第一条なんかにおきましても国際連合の目的の中に「平和に對する脅威の防止及び除去と侵略行爲」つまり侵略行為というものを平和の破壊ということとくつつけて常に考えて行く、常に融通性を与えて行くということ、これが国際連合の少くとも憲章に現われた精神てあろうと思うのであります。更に一例を挙げるならば、第三十九条においても「平和に對する脅威、平和の破壊又は侵略行爲上ここに侵略行為だけを取上げて、そうしてこれのみが国際平和の撹乱だというような考え方はすでにとつておらない。従来の侵略という非常に窮屈な定義以外に平和の破壊というものを広く国際問題としてこれを捉えて、そうしてこれに対する集団的保障で平和を維持して行こうというのがこれ即ち国際連合の本当の精神であろうと私は考えておる。又それと同様の趣旨が第二条の七項の中にいわゆる本質上国内管轄権内にある事項は勿論国連としてはタツチしないというのがあります。ここに一つの重点がある。例えて言うならば労働基準法を守るということはこれは国内法令によつてきまり、励行して行かなければならないことだと思います。併しこのことがやはり国際的にも平和或いは社会の安全ということに必要であるから、この労働基準法を守る守らないのこれはやはり国際問題の面が出て参ります。こういうふうに国内事項と国際事項が関連性がある。その中で本質的に国内事項については原則として国連がタツチしないというのは、これはもう極めて当然のことでありまするが、この但書があることは御承知の通りであります。但書に書いてあるように、但し第七章の強制措置の適用を妨げるものではない、即ち本質的に国内事項といえども国際平和を破壊するようなものについては、これは第七章以下のいわゆる強制措置の発動を妨げない。これこそ国連の精神である。故にただ単に形式的に国内紛争の形をとる、内乱の形をとつて国内における二つの政府、二つの政権、二つの軍隊の戦いであるというだけを以て国連がタツチしていけないというのだつたら、これは国連の精神に全然反するものである。むしろそのものが理事会或いは場合によつて総会のそれぞれの国連の意思機関の判定によつて、具体的な現状に即した判定によつてきめて、そうしてできるならこれを未然に防止し、又破壊があつた場合には最後には強制措置がとられるというところに国連の効果を我々は発見するものでございます。従いましていろいろな不満の点もございます、例えば現状においては国連に完全な世界性がない、国連加入の問題でもまだまだ加入を申請している国々が二つの世界の対立からそれぞれ加入ができない、或いはこの総会と理事会との関係、いろいろな点におきましても決してこれが十分ではございません。更に又国連は本来の精神から言うならば、すでに国際連合の国連軍というものができておる。これが成立し強くなるに従つて各国の軍備が縮小し、遂にはこれを消滅させて行こうというのが国連の精神であると思うのでありますが、不平にして今の時代は逆行しているというような点がございまするが、併し我々としてはどうしても国連を支持し、更に国連に参加することによつて日本の平和への協力関係を打立てて行くということが基本的に我々は正しいと考えるのであります。従いまして私は現に提案になりました加盟については承認を与えることに賛成でございます。但しそこに多少の問題があると思うのであります。  第一は平和条約において日本がすでに国連加入の意思を表明しておりますし、平和条約の効力発生後の今日において、或いは日本におりまする国連軍との協定の問題というような問題がすでに起つておる。政府の今までの態度は一言にして言うならば、国連に未加入のときでもいわゆる義務を背負い込むことには熱心であるけれども、正当な権利を主張するというところに多く欠けるところがあるのではないか。国連軍隊との協定の問題がその一例でございましようし、只今大山委員も指摘されたあの中国貿易の問題についても私は必ずしも見解を同じくしないのでありまするが、併し先般の外務大臣との質疑の際にも申上げたように、日本が集団保障を支持し参加することは当然である、併し日本のみが経済的に見て最大の被害者であるというような事態をそのままにして置く、義務だけは履行して権利の正当なるものを主張しないというような態度であつてはならないと思うのであります。従いまして今後の政府に対してはそれらの堂々たる主張を展開して行くことを強く要請せざるを得ないと思うのであります。  それから第二には同様な問題でございまするが、国連加入に関して如何なる政府が準備と努力をしておるのか、この問題でございます、この点につきましても私が外務大臣にすでに質問したのでありますが、元来かような多辺的な国際条約に加入することを国会の承認を政府が求めるときにはその準備ができておつて、そうしてその予備的な手続が全部地均しができておつて、然る上に国会の承認を求める、これが原則でなければならない。然るにこの国際連合に加盟する問題については、政府はただソ連といえども反対できないはずだといつたような一方的な解釈をとつておられる。実は何らの確たる見通しもなくして、従つていつ加入できるかについての準備もなく、確たる見通しもなくして、そうしてあらかじめこの際加盟についての承認を求める。こういうことをやつておられるのでありまするが、私は国連に加盟することに努力すべきであるという意味においてこの案件そのものには賛成でありますけれども、ただかような態度で行つて、若しこの加盟の問題が簡単に行かない、その間に国際情勢もいろいろ変わるでありましよう、場合によつては従来の憲章が変わつた場合はどうする、或いは憲章を変えなくとも日本が加盟するに当つて非常に重大なる条件をどうしても受入れなければならない場合においては、国会が今日承認しておることだけで、国会の責任を私は完遂できない、かような危険を持つた、事前の白紙委任状を政府は求めておられるのであります。ここにおきまして私たちは国際情勢の急激なる変化、まあ一例を挙げれば、例えば国連がいわゆるソ連の脱退を見た、そういうことはないと思いますけれども、単なる一例でありますけれども、そういう場合にはどうかと、或いはこれ又現在の国連と従来の先例から見まして、日本が非武装のまま国連に加入することができるはずたと、かように我々は考えるのでありますが、仮にそういうことが何らかの恰好でできないという場合の条件、そういうことが起つた場合には、今日仮に国会でこの国連加入についての承認を議決されたといたしましても、そういつたような基本的な条件が変わつた場合は、決して国会を、これを拘束するものでないと、当然に改めて、この問題を国会の承認を改めて求むべきであるということの留保を付しまして、そうして本件に関しては賛成したいと思うのであります。  で最後に、政府の国連加入への今後のいろいろな方法論については研究はしておられるようでありますが、伺つているところではまだまだ我々として必ずしも安心ができない。例えばアメリカは御承知のようにいわゆる共産圏の諸国及び自由国家群の諸国の承認を申請している国を一括承認することには反対している、併し我々はアメリカの属領ではないのである。国連に加入している多くの自由なる立場に立つたアジア、アラブ諸国或いは中南米のいわゆる小国なんかの意向をも考えて見ますると、決して我々としてかかる方法によつて日本の加入される途があるならばそれに向つて当然に努力すべきではないか。従来のような何でもアメリカ一辺倒的な態度でこの承認を求めるのは私は甚だ間違つているのではないか、かように考えます。それから規約の解釈についても憲章の解釈上につきましても、安全保障理事会の勧告がなければできないということになつておりますが、それはその通りにいたしましても仮に安全保障理事会でソ連等の拒否権が振るわれたという場合には、更にそれを打開する意味において総会において、勧告を基礎とするけれども、安全保障理事会の勧告が拒否の場合であつても、総会の三分の二の多数決を以てこの新加盟国の問題を、日本を含めて新加盟国の問題を打開して行くような強力な建設的な外交の手を打つ必要があると考えますので、それらの点についても政府の善処を要望いたしまして、この意味におきまして本件に対して賛成するものでございます。
  7. 有馬英二

    ○委員長(有馬英二君) ほかに御発言はございませんか。
  8. 杉原荒太

    ○杉原荒太君 私はこの国連加盟の申請の件について賛成するものであります。その賛成の理由については、すでに日本は平和条約の中で国連に加盟する意思のあることを宣言している。そしてその条項の含まつた平和条約に我我は賛成したのでありますが、その際に一般的にこれに対する賛成理由を申述べておりますのでここに改めて賛成の理由を繰返すことを省略いたします。ただ私は大体三つの点について特に要望しておきたいと思うのです。  その第一は、先ほど大体曾祢君からも言われたところと相通ずるのでありますが、日本の国連加盟の承認せられるということが現実の情勢から見て必ずしもたやすくはないのだ、そして又それについては日本は、今曾祢君からも縷々言われた通り、これが実現せられるように加盟について積極的にいろいろな手を打つて行くということはこれはむしろ外交上努力するのは当然だろうと思う。併しそういう努力をして行くにかかわらず実際の今の国際情勢の現実から見ますると必ずしもその実現を期することはたやすくない。殊にこの間国会で明らかにせられましたようにソ連との関係のごときはこの加盟問題についても殆んど活殺自在の権を持つている。ソ連との関係は、まだ日本は敵国の関係にある。ソ連から見ればまだ敵国である。敵国の国連加盟という十にその一点の理由からのみしてもこれは拒否せらるる虞れが多分にあるというふうにも考えられます。それで実際上我々この際今加盟申請をしようということでありますけれども、それが承認せられない場合に対する措置のことも十分に考えなければならんことだと思う。そこでこれはこの間から私も質問の際にも外務大臣にもお尋ねしたのでありますが、その加盟が実現しない場合についてとるべき措置について一つなお十分に考えてもらいたいと思う。繰返して申し上げるまでもなくすでに日本は平和条約で国連の原則を受諾している。つまり国連に協力する義務を受諾してしまつている。つまり義務の上から言えば、主たる義務の上からすればすでに国連の加盟国と同一の地位に立つてしまつている。然るに何らの発言権も認められていない、こういう状態にある。然るに一方国際情勢を見ますると極東方面は世界政治のいわゆる危険地帯である。それに又この極東方面はいろいろ自由国家群の外交攻策の最も相背馳するところの地帯である。そしてなおこの地帯は今後国連の行動なるものの発動される可能性の最も多い地帯とも見られる。現に発動せられている。将来新たなる国連の行動の発動される公算の最も多い地帯である。そうしてその国連の行動そのものを決定せられる際には日本は何らのこれに対する発言権もない。それがきまつた場合にこれに協力する義務だけは負わされている。こういうことではこれは国連に対する真の協力では私はないと思う。我々は世界平和の維持のために国連に対する真の協力をすることには勿論異存はないし積極的に賛成するのであるが、ただ他人のきめることにだけお前は従えというのでは、これは奴隷的に使役されるに過ぎないとすら言えないことはない。どうしてもこういう日本は特異な地位にあるのだからして、たとえ国連加盟が正式の承認をされない場合でも行動を、殊に極東方面、日本の国民を左右するようなことに密着した関係を持つそういう行動をとられるという際には是非とも日本の意思はそこに反映せられる権利を確保せられるという外交措置は是非とも必要だと思う。この点について是非とも外交政策上万遺憾なきを期してもらいたい。これは私の強い要望である。これは恐らく私一人じやあるまいと思う。恐らくは全国民の国民的な要望といつてもいいと思う。これを第一の点として申上げておきます。  第二には国連に加盟が実現する場合でも、又しない場合でも同じでありますが、国連が世界平和ということを目的の一つとしている。成るほど国連の現実の行動を見てみますとこの方面についてかなり積極的の関心を払つては来ている。併し一方見ますというと、その世界平和というものを達成するために最も基本的な基礎条件は何であるかというと、何といつても先ず世界経済、国際経済に対する国際的な協力が十分に行くということでなくちやならんと思う。これを国連の二大目的として経済上の国際協力というものを掲げている。前の国際連盟の場合にもなぜあれが失敗して第二次大戦まで導いて行つたかというと、主なる原因は私は恐らく世界経済、国際経済についての国際協力の関係を確保する点において国際連盟が失敗したというところに大きな原因があると思う。勿論これは非常に各種の条件があるから簡単ではないと思うけれども、その点にもつと深く重きを置いて国連が行動するということが是非とも必要だと思う。現にいろいろといわゆる自由国家群の経済上からすればいろいろ憂うべき事態が生じていることは私が指摘するまでもない。政治上、軍事上においては集団自衛がかなり現実に行われているけれども、経済上においてはややもすれば孤立的な形勢が大勢にならんとしている。これでは世界の平和を確保できんことは明瞭だと思う。それで今後殊に日本の置かれている地位からして日本など率先してその点よく協調して行くべきだと思う。そういう点について政府は特に一つ重きを置いてやつて頂きたいと思う。私はこの二つの要望を付してこれに賛成いたします。
  9. 有馬英二

    ○委員長(有馬英二君) 答弁を求めますか。
  10. 杉原荒太

    ○杉原荒太君 答弁というよりも……。
  11. 石原幹市郎

    ○政府委員(石原幹市郎君) 只今杉原委員からこの国連加入を承認するに当りましての要望が申出られたのであります。これらの問題につきましては大体この委員会でも大臣等から今日までいろいろ所信の表明はあつたのでありまするが、今申されました二点につきましては御趣旨を十分体して今後ともこれらの問題に大いに善処したいと考えます。先ほど曾祢委員からいろいろ申された点と重なる点もあるのでありまするが、これらにつきましても十分対処して国際連合が真に世界平和を維持する強力な組織になりますよう一層外交その他の機構を通じまして努力をしたい、こういうことを申上げておきます。
  12. 有馬英二

    ○委員長(有馬英二君) ほかに御意見はございませんか、御意見がなければ……。
  13. 平林太一

    ○平林太一君 私は国際連合への加盟について承認を求めるの本件に対しましてこれを了承いたしまして賛成をいたすものであります。たまたま賛成をいたすに当りまして申上げたいと思うことは、本件に対する反対論として主張せられたことに、本委員会において主張せられたる一、二の重要と認める点について私の所見を述べざるを得ないのであります。  第一は本件に対して賛成し、従つてこれに加盟することを以て危険なりとする議論に、いわゆるこの大陸より我が日本を孤立せしめるのである、それから大陸経済というものがこれによつて阻害せられるものであるという御意見に対してであります。私はこれに対して太平洋経済というものを無視いたしましたところのこの大陸経済というものがあり得ない、かように考えざるを得ません。若しそれ大陸経済に対する魅力に汲々といたしまして、今日まで又現実に行われております我が国現在の経済の連繋から申しますれば、恐らく八〇%内外を往来いたすものと観測せられまするが、太平洋経済これをおろそかにいたしまして、この目前のことに汲々といたしたアジア経済というものに盲目であります場合は、やがて我が国の経済は一を得ることができずして二つとも失うというような事態に立至ることを深く憂いざるを得ないのであります。我々はいわゆる中共を中心とするアジア経済に対しましても厳としてこの太平洋経済を基盤といたしまして、これに対してこれを補強するの意思に出ずるこの大陸経済の連繋ということを深くこの際考えなければ相成らんと思います。従いまして私はさような意味を深く憂慮し、又考慮いたす上におきまして本件に賛成の意を表するものであります。  第二は侵略に対しましてでたらめの行為を国連はやるのではないか、誠に危険であるという御意見でありまするが、私の観測といたしましては侵略とは行動に対する判断である、これを解せず、或いは理論の上から行動の事前におきまして、いわゆるこれを定義付け、いわゆる非科学上の見地に立つての分析論評を下すということは事実に即せざる架空の理論と思わざるを得ないのであります。若しこの点に深く思いをいたすならば、進んで国連に加入をいたしまして、この世界平和の大理想、大精神を掲げる国連の理事会なり総会におきましてこれを主張いたし、又力説いたしまして、これが目的を完成することを以て極めて妥当なりと信ぜざるを得ません。故に私はその意味におきましても進んでこの際国連に加盟することを以て更に積極的にいたすべきであると思います。  第三には暫らく憶測として憂慮せられておりまする国連加入のことが実現に対して甚だ危惧を抱くとの感あることは私も極めてこれに対しまして賛意を表する点も多々あるのであります。併し結論といたしましては私は案外にこの問題は案ずるよりも生むが易い結末に到来するのではないか。我がほうがこの国連加入に対する大いなる、世界平和に対する意欲、国際国家の一員といたしましてこの意思を表示する以上、私は理事会におきましても総会におきましても莞爾としてこれが迎えられることを予想いたすものであります。  もとより本問題とはやや異なるものであるといえども、すでに先日来本委員会において審議の継続中に属しておりまする国際復興開発銀行協定への加入の件、国際通貨基金に対する加入の件等に対しましては、すでにいち早くこれらの事柄は当該理事会におきましてこれが承認をいたされておりまするような国際間の事情を私は仄聞いたし、又今日における世界情勢下における我が日本の地位、位置というものを考うるにしましても、私はこれが速かに承認せられることを信じて疑わざるものであります。政府は大いにこの高い気品と高い構想を立てまして、鋭意これが主張を強靱に進められて速かに加入するの手続をとられることを要請して止みません。  最後にこの機会において特に政府に申述べておきたいと思いますることは、いわゆる今日なお依然として国際連合の大精神に相違背するのではないかと思われる筋が多々ありますが、戦争犯罪者に対しまする放置されておるこの事柄であります。勿論平和条約の条文によりまして、これに対しまするところの取扱は規定せられておるのでありまするが、併し国連に加入するという大きな私はこの世界的な我が日本の方向に対しましては当然これは解放せられて然るべきであると思います。政府におきましては本委員会におきましてのこの問題に対する見解といたしまして、実は戦争犯罪者に対しましては日本側においてすらその取扱をいたさなかつた事態すらあつたのである、ここに一つの難点があるというようなことをこれは承わつておるのでありますが、私はかような答弁では腑に落ちないのであります。若しそれそうであるといたしましても、すでに日本側においてそれぞれ戦争関係に対する軽微なる犯罪処置と申しますか、追放等の問題はことごとく解消をいたされております。今日国内的にさようなことが何ら考慮せられるべき筋合のものではないのでありまして、速かにこの国連加入のこの機会を通じまして、依然今日今なお巣鴨において、或いは異国の地においてこの戦争犯罪の苦難をなめつつありまするところの人々及びこれらの残されたる家族の人々を、一日も早くこの平和の世界に戻さしめることを、この際政府においては深くこれが推進の途を講ずることを強く要請いたす次第であります。第二には、抑留同胞送還の問題でありますが、いやしくもこの国連に加入する機会におきましては、先方に如何なる理由ありといえども、これに対しまして我がほうが要請いたすということは、いわゆる国連の精神を通ずる世界の大道であるのであります。速かにこの運動を、強い意思と又行動をいたしまして、国連軍を通してこれら抑留同胞が速かに帰還することのできることを一日も早く処置することのできるように政府はいたすべきである。以上二つの問題を、私は戦争犯罪者に対しまする速かな釈放、或いは帰還、出獄或いは減刑、これらの処置を速かにいたす、若しこういうことにおろそかでありますれば、先刻来申しまする、反対に対しますることを却つて裏付けするような事態に立至ることを甚だ私遺憾と思わざるを得ないのであります。抑留同胞送還のことについても右同様であります。  右二つの問題を政府に要請いたしまして、この国際連合加盟に対する承認の件に進んで賛成をいたすものであります。
  14. 有馬英二

    ○委員長(有馬英二君) ほかに御意見がございませんか。御意見がなければ討論は終局したものと認めて御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  15. 有馬英二

    ○委員長(有馬英二君) 御異議ないものと認めます。  それではこれより採決に入ります。国際連合への加盟について承認を求めるの件につき承認を与えることに御賛成のかたの挙手を願います。    〔賛成者挙手〕
  16. 有馬英二

    ○委員長(有馬英二君) 過半数と認めます。それでは本件は承認すべきものと決定いたしました。  なお本会議における委員長の口頭報告の内容は、本院規則第百四条によつてあらかじめ多数意見者の承認を経なければならないことになつておりますから、これは委員長において本件の内容、本委員会における質疑応答の要旨及び表決の結果を報告することとして御承認願うことに御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  17. 有馬英二

    ○委員長(有馬英二君) 御異議ないものと認めます。  それから本院規則第七十二条によりまして委員長が議院に提出する報告書には多数意見者の署名を附することになつておりまするから、本件を可とされたかたは順次御署名を願います。   多数意見者署名     曾祢  益  大隈 信幸     平林 太一  徳川 頼貞     伊達源一郎  杉原 荒太
  18. 有馬英二

    ○委員長(有馬英二君) 署名漏れはございませんか。……署名漏れはないと認めます。   ―――――――――――――
  19. 有馬英二

    ○委員長(有馬英二君) 次に国際植物防疫条約の締結について承認を求めるの件を議題といたします。  質疑のおありのかたは順次御発言を願います。御発言ございませんか。…御発言もなければそれでは質疑を終つたものと認めて御異議ございませんか。……御異議ないものと認めます。   ―――――――――――――
  20. 有馬英二

    ○委員長(有馬英二君) 次に外国の領事官に交付する認可状の認証に関する法律案を議題といたします。  質疑に入ります。御意見のおありのかたは順次御発言を願います。……別に御発言もなければ質疑は終つたものと認めて御異議ございませんか。御異議ないものと認めます。ちよつと速記をとめて    〔速記中止〕
  21. 有馬英二

    ○委員長(有馬英二君) 速記を起して。それでは明日午後一時から大蔵と連合委員会を開き、明後五日の午後一時から水産委員会と連合委員会を開きたいと存じます。御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  22. 有馬英二

    ○委員長(有馬英二君) それでは本日はこれを以て散会いたします。    午後三時三十八分散会