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1951-10-12 第12回国会 参議院 地方行政委員会 1号 公式Web版

  1. 昭和二十六年十月十二日(金曜日)    午前十時四十一分開会   ―――――――――――――  委員氏名    委員長     西郷吉之助君    理事      岩沢 忠恭君    理事      中田 吉雄君    理事      岩木 哲夫君            石村 幸作君            高橋進太郎君            堀  末治君            安井  謙君           小笠原二三男君            相馬 助治君            吉川末次郎君            岡本 愛祐君            鈴木 直人君            林屋亀次郎君            石川 清一君   ―――――――――――――  出席者は左の通り。    委員長     西郷吉之助君    理事            岩沢 忠恭君    委員            堀  末治君            安井  謙君           小笠原二三男君            相馬 助治君            吉川末次郎君            岡本 愛祐君            林屋亀次郎君            石川 清一君   政府委員    地方行政調査委    員会議議長   神戸 正雄君   事務局側    常任委員会専門    員       福永与一郎君    常任委員会専門    員       武井 群嗣君   ―――――――――――――   本日の会議に付した事件 ○地方行政の改革に関する調査の件  (行政事務再配分の第二次勧告に関  する件)  (報告書に関する件) ○議員派遣要求に関する件   ―――――――――――――
  2. 西郷吉之助

    ○委員長(西郷吉之助君) ではこれより委員会を開会いたします。  最初にお諮りいたしまするが、休会中本委員会におきましては、従来通り地方行政の改革に関する調査を継続して来ましたが、調査が完了いたしませんので、参議院規則第五十五条に基きまして、未了報告書を提出いたしたいと思いますが、その内容その他につきましては委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
  3. 西郷吉之助

    ○委員長(西郷吉之助君) 御異議ないと認めます。それでは成規の手続により多数意見者の御署名をお願いいたします。   多数意見者署名     堀  末治  岩沢 忠恭    小笠原二三男  吉川末次郎     林屋亀次郎  岡本 愛祐     相馬 助治  石川 清一     安井  謙   ―――――――――――――
  4. 西郷吉之助

    ○委員長(西郷吉之助君) 次に御報告申上げますが、去る九月十七日に司令部の公安課から来てくれということで、委員長並びに理事が参りましたところ、一つは消防の捜査権の問題につきまして、公安課長のモルバーさん並びに公安次長リード中佐並びに消防担当官のデソニァ中佐、この三人が列席されまして、その席上で、消防に捜査権を持たしてはどうか、簡単でございましたが、そういう話がありまして、取りあえずは六大都市くらいの消防に捜査権を与えてはどうか、そういう向うの意見がございまして、こちらとしてはそれに簡単な質疑をいたしました。そういうふうなことを国会において考えてもらいたいという意見がありました。  もう一つは、行政整理に関連いたしまして政府が発表しておるが、そのうち消防に関する行政整理の問題は、政府は三割減ということを言つておるけれども、現在の、終戦以来日本の火災状況に鑑みて、今回三割減を実行すると、戦前の半分に数が減つてしまうので、そういうふうなことは自分たちとしては妥当でないと思う。ナンセンスだと思う。であるから国会方面においてはさようなことがないように考えてもらいたい。以上の二件につきまして向うの意見がありました。第二の点は、これは尤もであろうというふうなことを申しておきましたが、別段こつちとしては向うの意見に対して結論的なものは誰も申しませんで、ただ意見を聞いたにとどめておきました。以上申上げましたような向うの希望の意見がございましたから、この際御参考までに御報告いたしておきます。  更にもう一件お諮りいたしまするが、来る十月十八日に仙台におきまして全国都市問題会議の第十三回の大会がございまするので、従来とも本委員会から委員を派遣いたしておりましたので、今回も派遣いたしたいと思いますが、その点につきまして御意見を伺いたいと思います。
  5. 吉川末次郎

    ○吉川末次郎君 都市連盟主催の都市問題会議は都市問題、都市行政等につきましての一種の学会的なものでありますが、従来とも絶えずその会議には本委員会から委員が数名派遣せられまして、議事に参加して参つたのであります。従来と同様このたびも委員の中から適当な希望者を選んで派遣せられるようにお取計い願いたいと思います。
  6. 西郷吉之助

    ○委員長(西郷吉之助君) 只今お聞きの通り吉川委員より、日本都市連盟の第十三回大会に委員を従来通り派遣したらどうか、こういうふうな御意見がございましたが、さように取計いましてよろしうございますか。
  7. 西郷吉之助

    ○委員長(西郷吉之助君) ではさようにいたしたいと思います。なお委員数に関しましては、従来通り三名程度がよいのじやないかと思いますので、併せてさようにいたしたいと思います。でありますから、この点につきましては議運にその旨を申入れたいと存じます。よつてこの三名の割当等につきましては、各会派で相談してきめて行きたい、この点も併せてお願いいたしておきたいと思います。   ―――――――――――――
  8. 西郷吉之助

    ○委員長(西郷吉之助君) 更に本日は、地方行政調査委員会議より九月二十二日附を以て第二次勧告書が出ておりますので、神戸議長においでを願いまして、その内容につき御説明を伺いたいと思います。
  9. 小笠原二三男

    ○小笠原二三男君 その前にちよつと専門員室のほうにでもお尋ねしたいのですが、本臨時国会で本委員会関係の法律案の提出見込その他についておわかりになつている点について御説明願いたいと思います。
  10. 西郷吉之助

    ○委員長(西郷吉之助君) 専門員のほうからも申上げますが、いろいろあるようでありますが、先般委員長会議に官房長官の御出席がありまして、大体の説明を聞きましたが、地方行政に関する問題については、地方税の改正案が一つあるようでありますが、これは全般の問題でなく、附加価値税を来年の一月一日から実行するようになつておりますので、それの廃止法案を出すのではないかと思うのですが、その件が一つございますが、その他はどうもまだはつきりしていないように思うのですが、なお専門員のほうから申上げます。
  11. 武井群嗣

    ○専門員(武井群嗣君) 十月一日現在内閣官房調べによりますと、第十二回国会提出予定の法律案を二つに分けまして、第一は提出予定の法律案、第二は準備完了次第提出を予定する法律案ということに分けておるようであります。そうして只今委員長からお話のありました地方税法の一部を改正する法律案は、第二の準備完了次第提出予定の中に入つておるようであります。併し第一の提出予定法律案の中にも地方行政委員会に関係のあるものはないわけではないのでありまして、例えば集団示威運動等の秩序保持に関する法律案、団体等規正法案というようなものがその例でありますが、これらは法案の内容を見なければわかりませんが、題目だけでは二、三地方行政に密接な関係のあるものがあるように考えられております。  今までの状況は以上の通りであります。
  12. 神戸正雄

    ○政府委員(神戸正雄君) 御説明申上げます。  地方行政調査委員会議は、先に昨年暮におきまして国と都道府県、市町村等の事務の再配分に関する全体の要綱を勧告して提出いたしたのであります。その節なお特例として残した問題が三つありまして、それは大都市と東京都と北海道と、この三つの事務につきましての特例であります。更にこの事務に関連いたしまして地方団体の規模、組織、運営ということにも触れ、更には地方の行政、地方の税財政制度に関しまする一般的の勧告を出すことになりまして、今回の勧告と相成つたわけであります。  先ず特例から申上げてみたいと思います。大都市につきましては、すでに前の勧告におきましても普通の市とは幾分か余計の仕事を分配いたしたわけでございます。即ち高等学校、児童相談所、御売市場、道路、この四つにつきまして府県並みの仕事を割当させたのであります。このたびは更に一歩を進めまして、大都市の能率を挙げることのできると認めましたところの十二ばかりの仕事を割当させました。それは民生関係のもの、衛生関係のもの、度量衡検査、熱管理等についてでありますが、こういつたものを割当ました。そういたしますと残りまする仕事というものは、つまり府県の仕事をそれだけ拡張して大都市に任せました上なお残る仕事と申しますと、さう多くありません。地方計画とか農地調整とか職業安定とか、自動車運輸行政といつた程度のものでありまして、それらは大都市といえどもう少し大きな地域で、府県で以てやつたほうがよかろうと思いましたので、それだけは取残した次第であります。従いましてこれまで大都市に関しまして二重行政、二重監督、国と府県から二重監督を受ける、二重行政であつて煩瑣であるというような苦情は殆んど取除かれたことと思いますが、無論少しばかり残つておりますが、それは僅かでありますから、大体それでこれまでの連絡上、殊に特別市に関する主なる理由となりました二重行政、二重監督の弊ということはなくなりますので、先ずそれでこれまでの争いというものは一応解決するわけであります。それで先ず辛棒できるというふうに考えることができます。  ただ併しここに特別市制の問題は随分長い間の問題でありまして、調査の結果といたしまして、自治法の中にも一つの地歩を占めた規定になつておりまするのでありまするし、又大都市というものは国家的に重要性を持ち、1国家的な影響を受け、又与えるところの関係におりますから、これに特別市として特殊の地位を与える、そうして独自の発展を十分図らして、立派な都市として自治行政の運用をさせるということも一つの考え方でありまして、無下にこれを無視することができませんので、ここにこの特別市制の規定を削除しようという考え方もありましたが、それは現行の特別市制の制度を削除するということは、それに及ばんじやないかということに考えた次第であります。併し他の一面におきましては、又特別市を飽くまで主張する余り、今の五大市は必然的に特別市になり得るような途を開いてもらいたい。即ちそれは現行法におきましては御承知の通り国家が法によつて特別市を指定し、更に人民投票を行う。人民の投票は全府県民投票によるということになりますから、従いましてこういぅ規定がある限り殆ど多くのものが必ずしも人民投票では勝目がない。一つ或いは二つぐらいはどうかできるかも知れんという程度でありまして、殊に投票によりますといろいろな投票がなされますから、その予定が立たないのであります。そこで人民投票は府県民投票でなく、当該市だけの投票によつて特別市というものができる途を開いてもらいたいという希望もありましたが、それは又行き過ぎであろうと私どもは考えたのであります。特別市といたしますについては、その市のいろいろな面から見ての重要性ということを十分に考慮しなければなりませんし、殊に取残された残存の地域のあり方、残存地域との関係ということを考えますと、十分この残存部にも納得の行くようないろいろの条件を具えてからやるほうがよいのではないか。特別市になろうという都市だけが都合がいいからというので特別になるのではなく、残存部も十分納得するような条件を整えるように、即ちあとの自治体というものが完全に自治能力を発揮するだけの人ロとか或いは地域、資源というものが十分に或る程度具わる、それから共同でやるべき仕事がありましようから、共同の仕事というものを処理する方式を考える、或いは責任を分担する方法を考える、いろいろとこの十分な準備を整えて、ただこの特別市になるところの市だけが満足するような条件ではなく、残つた部分も仕事が満足でなくとも、とにかく大体において満足し得る程度というような、全府県民が、いわゆる投票の数によつて勝つた負けたをきめるのでなく、大体これならよろしかろう、分れたい、分れよぅ、分れましかよう、分れることを認めましようというふうに持つて行きたいのでありまして、そういうことにつきましてはそう簡単に扱つてはならない。そういう条件を揃えて、そうして一つ一つの大都市につきまして国会で御審議頂いて、それでは特別市の法律を出してやろうというようにして頂くような場合に特別市を作るというふうに、慎重に持つて行きたいという考えで私どものこの勧告案はできておるのでありまして、特別市というものをやめるというのではないが、併し作る場合には慎重に、納得の行くようなふうに持つて行きたいと、こういう考え方からいたしまして、具体的の場合について採否をきめるようにというふうに勧告いたした次第であります。  それから東京都につきましてでありますが、東京都につきましては、これは二十三区というものと三多摩との関係がありまして、一番簡単なのは東京都を大都市或いは特別市というようなふうにして、そうして三多摩を独立の県にするという考え方であるようであります。併し東京都と三多摩との関係は離したくないという希望も実際あるようでありますから、この点を先ず取上げることにいたした次第であります。さて二十三区と三多摩とを一緒にいたしまして東京都として行きます場合において起る問題は、二十三区が完全な自治団体になりたい、市並み、殆んど市とひとしい、二十三の特別区ではなくて、特別市になりたいと、二十三の市になりたいという考え方が一面にはありまするし、即ち完全な自治体に区がなりたいという考えが一方にありますし、他方には区というものも今日の大都市の区のように行政区にしてしまつて、そうして二十三区の独自な性格というものをなくし、二十三区が全部一本で都知事の下に仕事を行なつて行くというふうに持つて行きたいという考えがありますが、委員会議といたしましては、その中間をとつたといいますか、完全な自治区でもなければ行政区でもない、いわゆる特別区、はつきり特別区であるというふうに二十五区を持つて行くことに考えた次第であります。そうして二十三区というものの仕事を、この二十三区という特別区の仕事と都の仕事の配分を法定化しまして、これまでの互いに争つた、これはわしのほうでやる、わしのほうでやるといつて一々境界の取合いをやつているというようなことでなくて、国家の力で以て、法律の力で以てはつきり区別して頂いて、私どもの考えるところでは、特別区の仕事としては市民の身近に迫る行政というものを、これを特別区の仕事として、そうしてそうでない、やはりこの二十三区が全体として統一的に一体的に処理することが適当だという仕事は、これは都で以つてやつて頂くと、併しまあ都でやつている仕事の中でも、或るものは或る程度区に任してもよいものもありましようから、区に委任する途を開く。そこでこれだけのことは是非区にやらしてもらいたい、この仕事を特定いたしまして、更に都の仕事の中で或るものは区にも任し得るものは任し得るものとする。こういうふうなことをこの事務の面におきましては考えた次第であります。  それから北海道についてでありますが、北海道につきましては、これは私みずから参りませんでしたが、親しく委員の各位に参つて頂きまして、十分御調査を願いましたし、種々の資料も集めましたのでありますが、これは申上げるまでもなく、北海道は御承知のように、土地が厖大で人口の稀薄なところであります。内地でもそれに似寄つたところはありますが、北海道は比較にならんほど人口稀薄なところでありまするし、殊に国家的に総合計画を立ててやるべき仕事があるということもすでに認められているところであります。かような趣旨によりまして、他の府県よりは国家の責任で行う仕事を拡げるという精神で事務の分配を按配したわけであります。とにかくこれは成るべく国でやつてもらいたいというよう仕事の面が他の府県の場合よりは幾らか多くなつております。ところで最近私どものところで、国が出先機関の北海道開発局というものを作りまして、国の責任の仕事はわしがやるというので出て来たのでありますが、これをどうこう言うわけではありませんが、併し余りに国が出向いて手を出し過ぎるということは、地方民の感情とか、いろいろな意思というものと食い違うということになる場合がある。地方民の意思等をよく汲み取るためには、国の責任の仕事もまあ成るべくは北海道庁に、北海道の責任者に任してやらすようにしたほうがよかろうというような考え方を結論として得たのであります。そうして出先機関である開発局をつぶす考えはありませんが、そういう出先機関は、財政的にも技術的にも地方の力では及びがたいような大きな仕事、そういうものに力を尽す、大規模な仕事をする。そういうふうなことを地方に仕すということは、やはり内地でもそうでありますが、内地でも一府県内の仕事でも相当規模の大きな、国がやつてもいい仕事がありますから、そういうようなことを国がやつて行けば、国の責任も十分果せる。地方にも仕事をやらして、地方の意思を汲み取つてやりますというと、国の責任も……、責任明確というような点から、幾らか原則と違うという点は出て来ますけれども、そこは二つが調和するという立場になりますと、そういつたほうに持つて行つたほうがよかろうというふうの結論を出したわけであります。  それからその次には地方団体の規模の問題でありますが、規模につきましては、かねて前の勧告におきまして町村の整理を願いましたが、これはだんだん町村も大きくなつて、我々の勧告に従いつつあると聞いております。市でありますが、市につきましては、これも市がどんどんできますが、市というものは我々の勧告におきましても相当仕事は普通の町村より多くなつております。いろいろの仕事の、町村ではやらん仕事がありますが、大きなものはやはり警察とか消防というようなものは市が独自で以てやるという建前になつておりますから、そういうようなことで市がやる仕事は相当ありますから、市はこれまでの程度よりは少し規模を大きくして、人口五万、これははつきりした数字ではありませんが、今は三万ですが、五万に引上げて、そうして市としての体をなしたところの市にする。又農村を集めて市にするということは避けたほうがよかろうという考えを持つ次第であります。  次に府県でありますが、府県につきましてはかねてから道州制というものを持込まれまして、しばしば我々も頭を悩ましたのでありますが、これは時勢の変化によつてどういうふうにもきまりましようが、今の段階におきまして我々の結論は、府県の規模というものは大体今の程度でも与えられた事務というものはできんことはない、現状のままでもできんことはないが、併しもう少し規模を大きくしたほうが能率的である。例えば事務の費用にいたしましても、人口が六、七十万の小さな県でも人ロニ、三百万というような県でも、その事務の費用というような問題になりますと、その人口数とか経済力というようなものに即応して殖えるものではありませんので、小さい県といぅものは割合に費用が余計かかるというようなことも考えますと、やはり今の府県の小さいのはもう少し何とか、余り封建思想に捉われないで、経済上、社会上いろいろなことを考慮して、二百万ということを謳いましたけれども、これも別に根拠のあるものではなく、せめて百万程度ぐらいの府県にならんと府県らしくないから、できるだけ多くしたらよかろうという含みのある勧告をいたしました。しなければならん、どうこうしろということは申しておりませんで、成るべく大きくなるような考えを持つております。そうして一緒になるような工夫をしてもろうということを申したわけですが、更に、それなれば道州はどうかということですが、現在の府県の上に道州を作るという考え方もあります。府県を廃して道州を作るという二つの考えがありまするが、私どもといたしましてはいろいろ考えましたが、府県と道州を重ねるということは、これは非能率的になりまして、やはり段階が殖えるだけ二重、三重と手数が殖えて行くということになりますから、能率的でないと考えたのであります。  然らば府県をやめたらどうかというのですが、併しそこになりますと、道州になりますと、どうしても地方自治という考え方よりは、国の出先機関という気持が大きくなります。むろん道州になつたほうが交通とか治山、治水、国土開発というような点を考えますと、道州になつて大変やりやすくなる点もありますが、やはりどうしても地方自治の面から見ますと、道州よりも府県でやつたほうが地方自治の確立にはよかろう。  やがてだんだん時勢が変りまして、県を超越して道州のほうがいいのだという考えになれば別ですが、今のところはなかなか府県というもので行く気持というものが一般に強いようでありまして、前に申しました府県の併合とかいう点、六、七十万では小さいから一緒になつたらどうかといつたところで、これもできるところがどれだけあるか疑わしいような次第でありまして、やはり地方の自治といたしまして、先ず道州まで行かないで、府県で基礎を養うということにいたしたほうがよかろうと思います。市町村の、殊に町村の補完的な仕事、町村でようやらんことを府県でやつてやる、代つてやるというようなことになりますと、これはやはり府県のほうが近くなるのでありますから、道州になつたよりはよく行く、従つて地方自治を育て上げるために今暫く府県というものを残して仕事をやつたほうがよかろうという結論に達したのであります。  それから地方の組織の運営でありますが、この問題は大体能率的に、或いは簡素化といいますか、近頃の簡素化とか能率化というようなふうの立場から考えた次第でありまして、これまで余り府県の部なども多くなり過ぎましたから、もう少し少くしたらどうか。前の三部制みたいにすると、随分統合というので、時代は違うかも知れんが、排しもう一遍顧みて少くするようにしたらどうかという考えを持つた次第であります。  それから議員でありますが、議員につきましても、議員の数を少くしたらよかろうという考えを、同様の考え方の出発点でそこへ持つて来たわけであります。即ち議員の数は多いよりも多少少いほうが能率的であり。経済的であり、又いい人が出て来る可能性も多いのじやないかといつたような気持を持ちまして、まあ成るべくそつちへ持つて行つてくれ、こういう考え方を出した次第であります。そこに名誉職という言葉がありますので、よくこれを何だかむずかしくおとりになるようですが、これは専務ではない、むしろ名誉職として、仕事を持つた人が推薦されたから一つ地方の自治の仕事をやつて見るという気持でありまして、議員を軽く見た趣意ではない。むしろ議員という者を重く見る趣旨で、議員は月給取りとは違うのだ。普通の職員と違うのだ。高い地位において指導をする立場にあるというような考え方であります。理事者と議員とを対等に見ないで、一段高いところの観点から指導して頂くという趣旨であります。殊に国会議員のかたになりますと、自然地方からおいでになりますから専務的におやりにならなければならん関係になりますけれども、地方の議員という者は、自分の住まつておる町村、府県にありますから、一定の仕事をお持ちになつて、そうしたかたわらおやりになるということができる関係になるとも考えますので、そうして或る意味において地位を高くして、そうしてしつかりと理事者を指導して頂こう、こういう気持を持つておるのであります。  それから東京都のことがちよつとそこに特別に入つておるのでありますが、東京都につきましては、実は東京都の区でありますが、区長という者を公選をやめろという議論がありました。これはほうぼうからありました。それぞれ各方面から行政区にしてしまつたほうが簡単だから、それには区長が公選であるから邪魔になる。議員の選挙はとにかくとして、区長のほうはせめて全部都の吏員とする。そうして都知事の下に仕事をすることにしたほうが能率が挙るからいいのじやないか。能率が挙る点からはよろしいのですが、併し折角東京都の区というものが他の大都市と違つて、自治的な意味を持つたところの自治団体としての意味を持つた歴史を持つておりますから、歴史を無視して一朝にして区長公選を取上げて、区というものの格を落してしまうということも忍びないのでありまして、これは尊重することにいたしました。区長は公選でやるということにいたした次第であります。併し先に申しましたように、この区というものは行政区ではなく、或いは自治区ではなく中間のものでありますから、従いまして財政の面におきまして若干特殊なことを織込んだわけであります。即ち区の収入というのは手数料、使用料、そのほかに還付税というものをおいてほしい、全然還付してしまう還付税ではない、法によつて一定の割合は都が保留しましてそうしてそのあとは還付する、取つたあとを廻してやるということになりまして、還付税になりますと都の税であるか、或いは区の税であるかといいますと中間的なものであります。都の税でも取ることは都が取りますから都の税でありますが、併し当然に一定の部分というものは返してもらいますから区の税である。極めてあいまいですけれどもそういつた中間性をとりまして、法規で以て一定の部分だけは都が取つて調整に使う。併しながら一定の部分恐らく大部分は各区に、取つた所へ返してしまうということにして、各区は各区の自分の財源を使うことは無論であります。併し弱い区は豊かな区からいくらか助けられるということになりましてそこで妙味があるといいますか、極めて不徹底でありますけれどもそういうことにして、特別区であるが故に特殊の財源の按分をいたしたわけであります。更に仕事につきましても都のほうからして区の仕事をやつている工合はいろいろ調整させる。あまりやつていないといえばやるようにということの権能は郡において持つということにならんといかん面がありますから、多少仕事の面におきましても都が調整するようなことを考えて行つたらよかろうというようなことを謳つております。  それから更に北海道ですが、北海道は大体におきまして細かいことで、特殊的に見て市町村の権限を少しふやしてやるとかいうようなことで大したことはありません。  それから国と地方との関係につきまして二つばかりここに勧告いたしております。一つは国が地方の検査とか監査とかという場合において、地方自治に干渉する、地方自治を妨げることをせんように用心する。同時に又地方の仕事を指導する、指導というと言葉は悪いですが援助するとか、助言するとかいうふうにして自治を妨げない。併し又同時に自治を伸ばすようにというふうにもつて行つてもらいたいという希望をもつている次第であります。  それからいろいろな市町村における苦情とか市町村間の苦情等は、府県で以て調停斡旋をするといることにいたし、それから府県間のことば国で以て斡旋をするというようなことも考えてよかろうということもつけて申しております。  終りに地方の財政制度に関してでありますが、これにつきましては、全体といたしまして三つの方法を標準としました。地方の仕事が殖えれば仕事の殖えたに応じて財源を考えてやる。その財源も成るべく独立の税を考えてやる。第二には平衡交付金なり補助金なりというものの支払、交付する方法、時期を適正にしてそうしてそれを以て地方の自治を侵し、干渉するというようなことのないようにしてやつてくれ。それから第三には市町村には財政に関して許可認可等を振廻して、地方の自主性を損うことのないようにしてくれというような、三つの要綱を基礎といたしましていろいろの面について検討されたわけであります。終りに税につきましては税は実は細かいことをも考えてみましたけれども、これは廻りくどくなりますから結局勧告には出しません。ただ併し税はシヤウプ勧告に謳つた通り、成るべく独立的な税というものを各団体に與えるように附加税主義をやめろというので、団体に與えるようにという趣旨を相当尊重してくれということであります。例的にいろいろのことを挙げましたが、これも例示でありまして大した強い意味のことではありません。が、併し地方の事務の再配分をした結果は、地方団体殊に市町村に仕事が多く移る傾きがあるから、市町村に配分が多くなるような税をとつてくれ。それから国のほうからも自分の取り分を搾つて、差控えて、余裕を地方に與えるようにということで国のほうからも余分を地方に與える。市町村が仕事が殖えて金が足らん点は国から或いは府県からももらえるような方針を考えてくれと例示的に言いましたけれども強い意味ではありません。もつと強い意深になりますといろいろ検討をされなければならない。殊にシヤウプ勧告の地方財政制度というものが、果して日本の国情に適するや否やということは検討を要するものがあるのだろうと思うのであります。その問題については多く触れておりません。大まかなところを指示したに過ぎません。  それから次に平衡交付金でありますが、平衡交付金につきましては、これは国の所得税、法人税の一定割合を交付金として與える旧い制度に戻つたほうがはつきりするだろうということもいわれておりますが、そういう国の取つたものを機械的に一定のものを法律的にきめて、又変えられるというような、当になるような当にならんようなそういう交付金を以て、地方の財政の足らんところを補うという考え方はいかがであろうということで、その考え方は私どもとしては取りませんが、有力な考え方としてあるようであります。私どもの考え方といたしましては、先ずシヤウブ勧告の線に沿いまして財政需要額と財政収入額との突き合せをして、足らんところを国でもつて、平衡交付金でもつて補つてやるという、あの根本的の趣旨、併しながら今の平衡交付金はすべての地方の行政についての財政需要額を計算しますので、地方のほうとしましては、これは平衡交付金の中にもつと入つておるはずだ、いやこれだけだということで苦情が出ますが、そういう地方行政について平衡交付金で織込むということ自身が無理であります。それよりは私どもとしましては、各地方団体が地方団体の意思によつて多く使おうと少く使おうと勝手であるような仕事、法によつて義務付けられないような仕事についてはこれは平衡交付金に見ない。平衡交付金では法律によつて国から義務付けられた仕事についての需要額というものを精密に見る。一定の基準に従つてそれを前提として計算して財政収入額のほうでは、地方の財政収入額の中から一定の割合を地方の随意事務において使うものとして或る程度引いて行く。或いは財政力の裕りのある所は余計取つて置く、余計引くことを認める。要するに地方の財政収入額のある所は三割取つて置く、五割取つて置く、七割取つて置くということにいたしまして、そうしてそれを引いた残りを中央で計算しまして、全部収入額の計算をして、総収入額と財政収入額と財政需要額とを突き合せて前の義務付けられた費用の財政需要額と地方で随意事務で引いた残りを突き合せて見て、そうして足らんところは国家が全部平衡交付金で見てやる。そうして若し国家の財政の状況が大蔵大臣なり、中央の国庫の考え方によつてどうもこれだけは見られん、千二百億円というものはとても出せん、千億円よりは出せんということがあれば、地方といたしましてはそれを背負いかぶることはできないから、それだけ、二百億円の出せんというところだけは何か国が義務付けた仕事というものを引つ込めて国がみずからやる。地方に委せた以上は地方に金を支出させることは不都合であるからそうはさせない。国の仕事というものを削除して財政のほうが何としても動かんというなら、それだけ義務付けた仕事を減らして行こう、こういうことに持つて行こう。こういうことが我々の根本の考え方であります。そうして平衡交付金の交付の時期というものはいつも年度中途であとから来るので困りますが、少くとも予定額は年度半ばにわかるようにしてもらいたい。かようにして交付金の交付の時期というものを明確にしてもらえば地方としては安んじて仕事ができます。随意的の仕事のごときも余裕のある所は盛んにやるし、余裕がなければ辛抱する。辛抱するより仕方がないが、そういうことに持つて行くのが本当ではないかと考えた次第であります。  それから補助金の問題でありますが、補助金につきましては、補助金を国庫が濫用していろいろな干渉をするというようなことのないようにしてもらいたいという趣旨からいたしまして一切補助金というものは使わない。新規のものとか、或いは極く特殊なものとか、或いは土木事業で非常に金がかかる事業であるとか、災害復旧というようなものを主にたいしまして、成るべくそれ以外のものは整理するように持つて行つて頂きたいと思います。そのほかにも無論国家が仕事を地方団体に委託するとか、委託して研究してもらうとかいうその委託の費用というものは委託の仕事に伴うもので、これは当然補助金ではありませんので委託の対価でありますから、これは正々堂々ともらうわけであります。委任した場合、委託した場合の金というものは全額国庫が負担して地方に迷惑をかけないようにしてもらいたい。委託、委任という仕事がありますがこれは国が全部持つ。それから或いは租税に代るべきものであるとか、国が土地を持つておる、家を持つておる、その使用、それに応ずるところの地方税というものは固定資産税に代るべきものであります。これは地方として租税に代るべきものがあつてもよいのです。  それから予算外の国庫の負担に属する債務の支拂、それも地方団体に債務を持つておれば国が出すのは当然である。はつきりとその内容を現わしてもらいたい。こういうように考えております。  それからその次に公債ですが、公債につきましてはこれは今の何といいますか何か特殊な金融調整をしなければならん状況にあるという前提の下におきましては、これは十月頃に出しました勧告で応急的なものであるが出しましたがそのような趣旨でやつてもらいたい。即ち例えば起債は事業別に一々検査せずにきめて手続を簡素にして団体別に分けるようにしてもらいたいということ、そんなようなことはこの特殊な事情下においては止むを得ないことと思いますが、併しそういう特殊なドツジラインとか何とかいうものから引つ張り出されたところのこういつたものは当分続くかも知れませんが、この特殊事情というものが続く限りは別といたしまして、常態に帰りましたならば起債、募債というものは一面において堀方団体の起債というものを自由にしてやり、他面においては援助するということも考えてもらいたいと思うのであります。そこで自由にするということは野放しにするというわけではありませんので、最初に一定額というのを基準にしてそれを越えないだけにおいて償還金がある限りにおいては自由にできる。例えば一億なら一億、二億なら二億という償還金の程度ならば地方団体の特有の考えで起債ができるというくらいの自主的能力というものを信任してもよいと思うのであります。併しながら又別に起債をしてはいかんという場合が起り得るので、まあ仮に地方団体等がとんでもない事業のために起債をするということは地方自治の基礎を危くするということも考えられますからこれは制限しなければならない。制限する以上は国が法律でこうこうこういう場合はいかんということとを最小限度の起債の制限を規定しておいて、その規定に引つかからん場合においては地方団体が自由にできる。償還費の制限、それから何か一定の禁止的事項というものを最小限度に規定して制限するというくらいにはしなければならない。それから補助の点、援助の点から申しますと、それはこんなことで今日の情勢下においては預金部資金に地方債というものが頼つております。併しこれは今時有の状況であつて常態になつたならば金融機関なり個人なりから公募できるようなことにしてもらいたい。制限などは解いて貰いたいといということが一つ。それからいま一つには、地方団体のために、殊に弱小の地方団体のために地方債の起債というものを地方金庫というものを作つて国も若干分担し地方団体も相当に分担して、そうして余裕のあつた金はそこに預けるような途を開きまして、そうして困つた地方団体、殊に弱い地方団体にはそういうものの利用できる、個人や銀行等でなくてそういうものによつて余り高い利子の起債をしなくても、リーゾナブルな納得の行くような低い利用で起せるような途を開いて行きたい。それからして殊に弱小の、あまり助け過ぎてもいかんかも知れんが、併しながら一般の銀行なり個人なりに頼つて金を借りようと思つても只ではいかんという場合においては、国なり府県なりも或る程度補償する、補償する地位に立つというような途も開いて行きたい。濫用されては困るが特殊の場合はそういうことで凌いで行く。それはそういうこともありましよう。例えば大震災、大水害や何とかで以て非常に困つたというようなときに、併しながら自分はただ国庫から災害復旧の金で以て補助を受けるのではない、自分の力でやつて行きたい、起債を以てやつて行きたい、百年計画で以て返すのだというようなときには喜んでそれは認めていいし、そんなくらいの意気込でやるなら或る程度の犠牲を払つても国といえども補償してやつていいではないかということを考える、そういうことを起債の面では考えております。  最後にもう一つ、北海道ですが、北海道は人ロも稀薄で土地の広い所である。国家的総合開発の仕事を持つておるからここにおいては国で以ていろいろ面倒を特に見てやつてくれと、特別交付金というようなことも考えられますからそんなことで見てくれとか、その他財政上において他よりは特に見てやつてもらいたいということを付加えておきたいのであります。  以上簡単でありますが、全体を通じましての基本的な考え方を申上げたわけであります。
  13. 西郷吉之助

    ○委員長(西郷吉之助君) 以上御説明がありましたが、御質疑がありましたらお願いしたいと思います。
  14. 吉川末次郎

    ○吉川末次郎君 質問というようなものに該当しないかと思いますが、私まだ三ヵ月あまりの旅行から帰りましてお話しになりました勧告書の内容等は拝見いたしておらないわけであります。併し神戸先生から縷々その要項について御説明がありまして、大体において十分了解することができました。お話になりました地方制度並に財政の制度に関する地方行政調査委員会議の勧告の意見というものにつきましては、ここに御列席のそれぞれの委員のかたがたが、個々別々にそれぞれ御意見をお持ちになつておることだろうと思います。私も又私の意見もあり、又それらの意見は今日までその個々の問題につきまして、何らかの機会において私自身もこれをこの委員会の席上において発表してこれは速記にも残つておると思います。又現行の地方自治法を制定いたしますときには、私は国会議員ではなかつたのでありまするが、民間の選出の一委員といたしましてお述べになりました事項のうちの数項目につきましては、又私の意見を述べてこれ又冊子になつて速記録が出ております。で、そういうことを繰返す必要もなく、又今日はその時でもないと思いまするから、そういうことにつきましてはほかの委員のかたも御同感だろうと思いますが、本日はそれに触れることは避けたいと思うのであります。併しなおそれ以外のことについて一、二この機会にお尋ねいたしておきたいと思うのであります。  それはこのたびの勧告書を神戸先生が委員長をしていらつしやるところの地方行政調査委員会議から御提出になりました動機は、言うまでもなくシヤウプ使節団の勧告が機縁になつておると考えます。そうして最初政府が考えましたよりも極めて拡大されたる大きなスヶールを以て、そうして非常な希望といいますかアンビシヨンを以てその仕事が進められまして、そうして今日の勧告書が出される結果になつたのでありますが、それにつきまして私はこの委員会の席上でも、神戸先生ではなかつたかと思います。或は岡野国務相に対してであつたかと思うのでありますが記憶ははつきりいたしませんが、そのモーテイヴになつたものが財政の改革、地方行政につきましては財政面からの改革ということが動機になつておりますが、併しながらそれと並行してこの行政機構面からの改革のための使節団のようなものをばアメリカから招聘するところの必要があるということを主張いたしまして、又そうした私の主張は地方行政のその方面の雑誌にも多少発表いたしたことがあるのでありますが、今度の勧告は、今のお話にもありましたように又シヤウプ使節団の勧告書が勧告いたしておりまするように、経済面、財政面、主として財政面、特にこの税制の方面から延いて行政機構の改革をシヤウプ使節団はサジエストしリコメンドいたしたのでありますが、従つてあの使節団はシヤウプ博士を初め専ら神戸先生と同じような財政学者、租税学者を以て構成せられておつたことは神戸先生も十分よく御承知のことだろうと思うのであります。併し今お話になりましたような主として法律制度或いは政治制度の面の改革、例えて申しまするならば特別市制をどうしたらいいか、或いは北海道の行政組織をどうしたらいいか、或いは東京都の行政組織をどうしたらいいか、或いは自治体の議員の数を減らすのがいいのか或いはこのままでいいのかというような問題は、財政学者の専門の研究事項であるよりもむしろこれは政治学者或いは行政学者或いは公法学の学者専門家の専ら第一に取扱うべきところの研究題目であると考えますので、私は特にシヤウプ使節団と相並んでそうして米国の政治学者、公法学者及び行政学者の使節団を構成して、そうして自由にシヤウプ使節団が税制を批判したように、日本のこの山縣有朋がドイツの学者を招聘して作つた制度が基本になつておる今日の日本の地方行政組織を、米国の民主主義的な意見に基いてこれを徹底的に批判さす、そうしてそれに基くところの自由なる改革の意見を提示せしめるということが日本の地方行政の民主化のためにこの際必要であるということを曾つて提案いたしたのでありますが、これについての意見をこの際多少お話を簡単で結構ですから願いたいと思うのでありますが、それと共にこれは先ほど座談の間にいつか申しておつたことに触れて来たのでありますが、今朝のラジオ放送であつたと思うのでありますが、ミゾリー大学の地方行政の学者でありますか、何とかいうか名は忘れましたがそのプロフエツサーが最近日本へ来まして、そうして今私が申しましたような仕事、即ち日本の地方制度の改革を指導するためにそうした米国の専門の学者が来るということをラジオ放送で今朝確かに私は聞いたのでありますが、それはこの勧告書と関連性があるのか、即ちこの勧告書に基いて政府から何らかの施策を考えるときに、私が先ほど来申しましたような意見との関連性においてこれをやらさそうというようなことを考えておるのかどうかというようなことについて、私は質問いたしておりましたが、それは神戸先生はお聞き及びになつておる点があると思うのであります。曾つて後藤新平氏が東京市長をいたしておりましたときに、数年前物故いたしましたアメリカの政治学者であり、又地方行政の学者でありまするチヤールス・A・ビヤード氏を東京市の顧問に招きましてそうして東京市の市制について自由なる検討をなさしめました。その結果東京市論という本が出ておるのでありますが、今我々の手許に配付せられました東京市政調査会からの意見書の中にもそのビヤード氏の意見の一節が引いてあるのを今見たのでありますが、今日なおこれを見ましても極めて卓越なるところの有用の意見をピヤード博士が三十数年前に東京市政及び日本の都市行政の改革のために提示しておるのを感ずるのであります。私は先ほど来申しまするように、シヤウプ使節団と同様なる政治学者、行政学者及び公法学者のそうした使節団を迎え、そうして先ほど来申しましたような仕事を課すということが、私は日本の政治の民主化の基礎である地方行政の民主化のために必要であると考えております。それについての一応私が申しましたようなことについてのお聞き及びになつております点、又御意見等がありましたならばお話をお願いしたいと思うのであります。で、なおそれに関連いたしまして先般来地方自治体の代表者、議員、或いは理事者、又国会からもアメリカの地方行政の視察のために多くの人間が派遣せられておるのでありまするが、これはただ単なる旅行者の極めて短期間の見物を主としたものでありまして、もとより専門的の立場からいたしまするならばまあ行かないよりはましでありまするけれども、別に権威のあるものにはならないと私は考えるのであります。又十分なる基礎的な素養を持たない者が参りまして極めて不十分なるところの通訳を通じて局部的なことを聞いて参りまして、若し地方の自治体の代表者、知事その他の人にしてアメリカではこうであるというようなことを言つて何か振廻すようなことがありまするならば、むしろ日本の地方行政を過ることが大きい。一面に弊害があるのであつてこれはもとより非常に注意すべきことであると思うのであります。先ほどお話になりました話の中での地方自治体の議員の数を減らすというようなことの問題につきましても、私はこの委員会で二回ばかり大分長い間岡野国務相その他のかたと討論したのでありますが、これ又単なるアメリカの地方行政に対する局部的な片言隻句的な知識を直輸入いたしまして、そうして自治庁の旧内務省の官僚がそういうことをすぐに日本に実行さすような通牒を自治庁から発したり、又それが大きな実行力を以て今日各自治体に影響を与え、又その勧告書の中にも若干その意見をお採り入れになつておるような点もあるかと思うのでありますが、それにつきましては又討論の機会があろうと思います。併しながら私はアメリカの地方行政を十分に理解しようとするためには、全般的な米国の地方行政の全面的な周到なる知識がなければこれはわからないのであります。  日本の地方行政を周到に理解しようと思うならば、日本の政治の全般がわかつていなければ、地方行政だけつかまえて来ただけではわからないのです。日本の政治を十分に理解しようと思うならば、日本の歴史と日本の持つておる社会事情を十分に知らなければならないように、アメリカの地方行政を完全に周到に理解しようと思うならば、学問の点で申しまするならばこれは政治学に対する十分な知識がなければならん、社会に対する十分な知識がなければならん。米国の歴史に対する米国の特殊的な社会生活その他全般に対する周到なる知識がなくして、ただ単に自分が一カ月或いは二カ月行つて来て不完全なる通訳を通して帰つて来て、アメリカの自治体では議員の数が減る傾向があるというようなことだけを聞いてそれをすぐ日本に持つて来て実行するというような傾向が、この頃アメリカへ地方行政の関係者が盛んに視察に行きましてからその弊害が私は非常にあると思うのでありますが、そういうようなことにつきましても、まあ多少触れて御答弁が願いたいと思います。  第三番目に申上げたいことは、東京都の特別区のことについてこれ又私は意見を持つております。今日は意見を述べませんが、神戸先生のお話の中には区を行政区にするという意見があつたけれども、現在の自治区とうものには歴史があるからということをお話になりましたが、その歴史というのはどういうことをお言いになつておるのでありますか。ただ単に昔の東京市の区というものが旧市制の第六条によるところのまあ自治区というところでありまして、大阪と京都と東京は自治区ということになつて、多少よその所とは違うようなことになつておつたのでありますが、従来これはまあ殆んど自治権を持たないところの行政区でありまして、而も大阪、京都は東京と同じような名目上の自治区を置くことができるんであつたけれども置いておかなかつたのでありますが、だからして自治区の歴史というものはないものといつて私はいいと思います。又その区のごときも御承知のごとく最近になつてて終戦後区の併合をいたしまして区の数も非常に減り、又区の区域も変つておるのでありますから、歴史とおつしやるのはどういうことをおつしやるか、何か私はこれはお間違いになつておるんじやないかと思いますが、それについての御答弁を願いたい。  それから最後にその大きなアンビションを以て進められたところの、この仕事の結果としての勧告書の成果をどのように実現するということについての、具体的な方策をお持ちになつておるか。これはもとよりこれを法律化するということはむしろ我々国会議員の第一にしなければならないところの職責でありまして、主たる権限はむしろ我々にあるかと思いますが、併し現吉田内閣が折角のその又大規模なるスケールにおいて、日本の一流のこの方面の学者を網羅して折角作り上げられたところのこの勧告を早急法律化す、或いは実行するというようなことの運びになるのかどうかというようなことについても直接的に関連性を持つていらつしやるだろうと思うので、或いは制度的には勧告だけ作つたらもうそれで仕事はいいんだ、もう能事は終つたんだからあとはわしらのする仕事の範囲じやないという、こういうような御答弁もあるかと思いますが、まあ大体併しどういぅようなことになつて行くのかという、いろいろお聞き及びになつていることやお見通し等もあるかと思いますので、この際一つお洩しを願いたいと思います。以上が私のお尋ねしたいことであります。
  15. 神戸正雄

    ○政府委員(神戸正雄君) お答えいたします。第一にアメリカから最近大学教授が、ということが今朝の新聞に出ておりました。
  16. 吉川末次郎

    ○吉川末次郎君 新聞に出ておりましたか。
  17. 神戸正雄

    ○政府委員(神戸正雄君) 出ておりました。私もはつきりしたことは申上げられませんけれども、伝え聞くところによりますと、これは東京市政調査会の小倉君が斡旋をされまして、市政調査会が丁度アメリカのシカゴにあります自治行政のクリアリング・ハウス、あのようなものをこちらに作るために、ロツクフエラー財団から援助を受けて今の指導を受ける、金の援助と人的の援助とを受けてお作りになる計画で、その計画をお進めになるために呼ばれたものであるというふうに伺つております。これは誠に結構なことでありまして、御承知の通りアメリカに行きますと、自治団体も行政、財政に関するあらゆる資料全部クリアリング・ハウスに集つておりまして、一々地方団体を突かないでもよくわかるということになつておりますので甚だ便利なものであります。そういうものが日本にもあつてよろしいのであります。無論この自治庁とかそういうところにも若干の資料もありますが、そうでない、専門家もおつて学問的の科学的の整理をして保存して下さいましたならば大変結構なことで、内国といわず外国のものを一緒に整理してくれましたならば、我々地方自治について考える者にとりましては至極結構なことであります。お願いしております。  それから財政のシヤウプ使節団と匹敵するような行政使節団というものの来ることにつきましては私は聞いておりません。お話の通り私どもは行政事務再配分の勧告をいたしましたがもとより不十分であります。殊にたまたま私が議長になりましたためにどうにか財政のことはわかつておるが、併し法律、政治、行政のことに関しては私はわからんであろうから多少不安の念をお持ちになるということも御無理のないことと思いますが、委員の中には杉村君初めその道の権威者、専門の者も二十名ばかりおりまして、中には若手の錚々たる法律学者、行政学者、政治学者等がおいででありますから、一通りは私どもその中にもそういう御意見を織込んだつもりでおりますので御了承願いたいと思います。たまたま私の、財政に片よつたように扱いわせんかという御心配でありますが、そういうことはないはずであります。更に自治庁においては別途の考えでもつてこの勧告というものを尊重されまして、いろいろ方策を練つておいでになり、何かの機関をお作りになつてそうしてもう一度それを練り直すようなことの御計画もあるかも知れんと思います。これは私は直接に聞いておりませんから自治庁の方の事情をお聞き願わんとわかりません。  それからアメリカに極めて短い期間でもつて行つて非常に皮相的な観察をする嫌いがある。これはお説の通り、その通りであります。私どももただ見て来た、短い期間で見て来たことを直ぐそれで受売をしてこれも日本に取入れるということは慎まなければならん。日本の長い間の歴史なり或いは特殊の事情なり等も参酌しまして、そうして都合のよい点は取入れるが、日本にとつて不適当なものは取入れないという態度で行かなければならんことでありましてお説御尤もと存じます。私どもも十分そのつもりで注意はいたしておるつもりでございます。どうぞ広い地方自治に関する御識見によつて御訂正をお願いしなければならんものがありますれば御訂正を願います。  それから私東京都について区の歴史という言葉が出て来まして、歴史を知つておるかというお話ですが、私は率直に申します、私は都の歴史は詳しくは存じません。ただ事務局及び専門家の書かれたものを拝見しただけでありまして、本当に東京都の歴史を調べたのではありません。私の漏らした言葉が穏当でなかつたことと存じまして歴史ということは訂正いたします。東京都の歴史というほど錚々たる大したものではないのでありましよう。併しとにかく東京都は何でも古いところから受売でありますが、私の本当の調べた結果ではありません受売を申上げますと、東京都は外の大都市の区とは違つて法人区として相当長い歴史を持つておつたということも伺つております。それから自治法ができましてから区長の公選というようなことにして、或る程度自治法ができるときに区の力といいますか、区の力というものがはつきりと伸ばされたというようなことでありまして、ただ漠然と行政区がいいか悪いかという議論ではないのだ、特殊な東京都における区というところのいろいろなる事情というものを参酌したという意味におとりになつて頂きたいと思います。歴史というものではありません。ほかの大都市におきましては、行政府であります市長の命令が直ちに行政区長であるところのものに伝達されまして誠にやりやすい、そんなことを言つております。然るが故にやはり東京都の区長だけでなく、区の吏員としましても自由に知事が任命してやらしたほうが敏活に能率的に行けるでありましよう。併しまあ区というものが、折角自治法で以ていろいろ市町村に準じたというか、準じたいろいろな地位も占めて来ましたということも無視していない、そういうことをやはり直ちに変えるということもどうかと思いまして、それには触れなかつた。区長公選等をやめるということまで行かなくて、区長を置いておく。併し仕事がはつきりと、これはどうしよう、これは委任の仕事というようにきめたり、財源のほうでしつかり握つて置けば、他の都知事の正常の指導というものが相当行渡る、そう勝手に区長が悪いことができない、勝手な真似をすることが区長としてできないと思う。併し公選という、人民が民意を以て選んで、そうして自分の身近かな行政というものを、都の吏員でない選んだ人にやつてもらうのだ、相当自分たちの気持を汲み取つて、そうして斡旋してもらうのだ、知事と区長との間にいろいろ、ただ行政府の任命区長と違つて多少区民との関係を以て、区民の意思を以て出掛けて行つていろいろ話をするということも、区民の自治意識というものが単なる行政府の市長の任命の場合より伸びるだろう、こう認めるので、歴史ということはそんな意味で、非常に軽い意味におとり願いたいと思います。それから勧告案なども見通しはどうかということでございまするが、私どもに与えられた権限から行けば、勧告案を提出することで足り得るわけでありまして、これを政府なり国会なりが尊重して頂くということだけのものが明記されておりますが、尊重ということは極めて意味深重な言葉でございまして、この中の全部を尊重して頂くことも尊重でありましようし、その大部分を尊重して頂くとこも尊重でありましよう。併しまるつきりこれを紙屑にしておしまいになるということは尊重ではないと思います。私はそれはすべて政府なり国会なりの御判断にお任せするということでありまして、私どもはとやかく申上げることではありません。私たちとしましては自分たちの最善とするものを出して、これを更に再検討して法律化して頂くということに相成ることを希望する次第であります。従いまして私の一番身近かなところにありますのは、地方の六つの自治体の団体でありますが、そういう所には、皆さんの実際の身近かな問題であるから、十分に御理解を願つて、そうしてそういうかたがたの御協力を得て、国会なり政府なりに働きかけるということをいたすことにいたしたい。委員会議といたしましては別段の権限を超えたことはできませんから、個人的にそれらの方面に働きかけまして、できるだけこれができるようにお願いする。その他言論界、学界のほうにも協力者がありますれば、強いてではいけませんが、言論の自由、思想の自由でありますから、できるだけ機会を促えまして、その趣意が貫徹するように努めたいと、これだけ考えております。吉川先生も地方自治の問題については権威者でありますが、権威者が全部を呑んで頂くことはこれはむずかしいでありましよう。  併しこの中にとるべきものがありますれば、おとりになり、これはいいということは賛成して頂きまして、一つお力添えをお願いいたしたいと思います。
  18. 吉川末次郎

    ○吉川末次郎君 神戸先生のお答えを願いました御趣意は十分了解いたしました。ただ一点のことについて、私の申上げたことが時間の節約上舌足らずでありましたために先生に誤解を招いている点があると思うので、繰返して私の真意を一つ御了解願うために申上げて置きたいと思います。それはこの勧告案が、勧告書が、委員長である神戸先生が財政学者であつて、政治学や公法学者ではいらつしやらないからいけないというようなことを私は申上げたのではないのでありまして、言うまでもなくこれはシヤウプ税制改革に基いて行われたものなのであります。基礎は財政学者であるところのシヤウプ使節団の勧告が基本なのでありますから、それだけではいけない、それと相並んで公法学者や政治学者なんかの勧告書が当然に揃えて出されなければならない、後藤新平が政治学者のビアードの勧告に基いて東京市制の改革案を立てたような、その方面からの勧告書が相並んでどうしても必要であるのにかかわらず、それを政府は考えておらん、又そういうぴつこでこれができ上つているということを申上げておるのであります。神戸先生の御答弁によりまするというと、自分は財政学者であるけれども、委員の中に杉村章三郎君その他の公法学者や政治学者が多数入つてこれをこしらえたのであるということをおつしやつておるのでありますが、これは今日は時間がありませんから、又たびたびこの委員会で言うたことでありますから省略いたしますが、結論だけ言うことをお許し願うならば、神戸先生がお挙げになりました杉村章三郎君のような古いところの人が日本の地方行政に対する一つの権威的の力を持つておるということが改革されなければ、私は日本の地方行政の民生化は行われない、日本の現在の大学の行政法の学者のようなもの、あのドイツかぶれの、プロシヤかぶれの、而も帝政時代のワイマール憲法以前のドイツの公法学の流れを汲んだ学者が今日頭が変らないで、今日大学で行政法の講義をやつておる、古いドイツの行政法の影響を受けた人間が地方自治体の役人である、そうしてそれが地方自治体の行政の主要幹部になつているのでありますから、その面からの根本的な改革意見が、シヤウプ使節団の勧告と同じように、米国の民主主義を体験したところの、私はアメリカの学者の言うことはそのまま用いよと言うのではありませんが、ともかくそういう研究、批判をされてその勧告書を出さすということが私の意見では当然必要なんです。そのことについて申上げておるのであります。先生は財政学者でいらつしやるからそれでいかんというようなことを言つておるのではございませんから、どうぞそういう誤解のないように、誤解を解いて頂きたいと同時に、更に今申しましたような、甚だ結論だけで、十分私のそういう結論を誘出するところの論拠についてはお話申上げる時間はございませんが、若し何か御感想がありましたら御答弁願つたら大変結構と思います。
  19. 岡本愛祐

    ○岡本愛祐君 私は先ず地方行政調査委員会議が、この困難にして重要な行政事務の再配分につきまして、過去二年に近い短期間の間に神戸議長を中心にして各委員、各専門調査員その他これに協力されたかたがたが一生懸命になつてこの重要な勧告を作られたということに対しまして敬意を表し且つ感謝をするものであります。もとより国会におきましてこの勧告を受けて、更に我々の努力によりましてもつとよい地方行政再配分案を作りたいと考えておる次第であります。今日はいろいろ質問をいたしたいのでありますが、時間がありませんから、当面の問題である二、三点についてこの第二勧告、今御説明がございましたが、それで我々がこういうふうに了承していいのかというふうにお聞きしておきたいと思います。  先ず第一は特別市の問題であります。これはもうすでに問題になつておりますが、五大市の所在する府県におきまして大分運動が始まつておるようであります。激戦が始まつておるようであります。そこでこの神戸勧告のこの点に関する事項が非常に重要視されておるのでありますが、只今の御説明によりますと、特別市については現在の制度を変えなくてよろしい、現在の制度通りでいいのだというように私はお聞きしたのであります。それで間違つておるかどうか、その点を伺つて置きす。で住民投票の件も、これは御承知の通り、最初は現在の地方自治法のこれを明確にしたあの規定がなかつたのであります。それを我々が主張いたまして、そしてあれが附加わりまして府県の住民全体の技票がなければ住民投票にはならないという明文を置いたのでありまして、これが又削除になるというようなことは大問題であると私どもは考えております。  第二点は特別区の問題であります。御説明によりますと、これも非常な御若心の結果のようでありますが、ともかく区長は公選である、又区議会というものも依然存置せられて、区会議員というものも員数はずつと減したほうがよかろうというお考えのようでありますが、ともかくこれも公選で区民の意思を代表するものをお選びになる考えである、そういたしますとこれは行政区では勿論ない、又自治区でもないというお話がありましたが、まあ特別区であるという御説明でありましたが、一種のやはり自治区ではなかろうかと私は思うのであります。市長が公選であり、又区の事務の範囲は非常に狭いのでありますが、ともかくその範囲の事務を検討し、又それを議決をするものが区民の代表であるということになれば、これは一種の自治区である、もとより市町村と違つたずつと狭い権限の自治区である、そういるふうに考えるのでありますが、その点はどうお考えになつておるか、これが第二点であります。  それから第三点は道州制の問題であります。道州制も、地方公共団体としての道州というものはこれは屋上屋を架するものであるからこれは不可だ、いけない、又府県を廃して道州という地方公共団体を作ることは、これは却つて現状に即さない、この点はよくわかりました。私もまさに同感であります。併し御承知の通り、昨年の秋頃から各都市が、もう都市に関する限りは府県というものは要らないのだというような爆弾動議を出して議決をいたしております。そこでまあそれに私は賛成とも不賛成ともこの際は申しませんが、府県というものをもうやめてしまつて、地方公共団体の府県をやめてしまつて、そうして公共団体は市町村に限ることにして、そうして国との繋りは道州という出先機関を作るというような御研究はなかつたかあつたか、それをお尋ねしておきたい。又それがいけないというならば、なぜそれはいけない、どういう理由でいけないとお考えになるか、その点をお聞きしたいのであります。まだまだ詳細に亘つてお尋ねしたいことがありますが、これは又別の機会を委員長に作つて頂くことにいたしまして、その三点をお尋ねしておきたい。
  20. 神戸正雄

    ○政府委員(神戸正雄君) お尋ねにお答えいたします。特別市の問題につきましては、いろいろ今まで争いの種となりまして、現行制の中から削除するという説と、現行制を保存してそうしてこの人民投票は、当該市の市民の投票で足るというふうにしてくれという二つの意見があるのであります。これは私どもといたしましては、現行制をいじらない、現行制は削除しない、そうしてその限りにおいて、その適用を受けるところでいろいろな条件を揃えて、特別市になさるものなればなすように国のほうで以ておきめ願いたい、こういう考え方でおります。  それから特別区の問題でありますが、特別区には区長の公選と区議員の温存がありますので、自治区ではないか、自治団体ではないかということですが、私どものとりました立場といたしましては、自治区でもなく、行政区でもない、やはり特別区であるというふうに考えたのであります。ですからしていずれともはつきりとはできないが、併し自治的な面がありますから、区長公選とか、区議員の温存の問題もありますし、自治的な面もありますから、むしろ自治体に準ずるものといいますか、準ずるものという程度のものと解釈いたしておりまして、本当の自治団体というまでには認めないほうがよかろうという意味であります。行政区と自治体の中間なので、全然自治能力のないものというわけではないので、そこに自治区的なものも多分に織込んでおるつもりであります。まあ準自治体というくらいで、自治体から除くわけにも行きませんが、そういつた弱い程度のものと、こういうふうに私どもは思つております。  それから道州制につきまして、府県というものをやめてしまつて市町村というものだけにしようという議論も私どもの間にも一応は問題となりました。  自治体の基本的な、基礎的なものは何と言つても市町村であるべきでありますが、併しすでに府県というものが存立しておりまして、地方自治法でも市町村と並んで自治体として認められております。一朝一夕にこれを自治体という地位をやめてしまうということになると、これも余り極端であるという考え方をとつておりまして、やはりこの自治法で折角自治体と知事の公選いうものができましたのですから、やはりこれを認めておくという考え方に、多少折衷的ですけれども、徹底した市町村のみの自治体という考え方はとらなかつたわけであります。従いまして市町村というものを自治体のただ一つのものにするという考え方に進むということは、なお多少の時間を要することで、市町村というものの自治行政というものが十分に整いまして、その規模なり、組織なり十分立派なものとなつて来ますれば、そのときには府県というものは要らんのですが、府県というものはあつて却つて邪魔になるというようなことの議論が立つのでありますが、そうなりますれば恐らく市町村と国との中間に一つ国の出先機関としての道州というようなものも考えなければならんことになるだろうということは考えましたが、市町村のみを自治体にしようという、これは市長会あたりでは出ておりますけれども、これは現実には即しない、多少、もう少し自治が進んだ後であるという考え方に到達いたしました。府県というものはやはり存置して、一定の自治事務というものは府県をしてやらせる、市町村のみを自治体とはしない、こういう立場をとつたわけでございます。
  21. 岡本愛祐

    ○岡本愛祐君 只今の御答弁を頂きましたが、その中で特別区の問題につきましてもう一つお尋ねをいたしておきます。申しますまでもなく、この特別区は現在特別市制と並んでいずれも特別地方公共団体、一般地方公共団体でなくて、特別の地方公共団体、こういうことになつております。今度地方行政調査委員会議の勧告にあります行政区たるものは、特別地方公共団体、こう言わないのかどうか、その点を伺つておきます。
  22. 神戸正雄

    ○政府委員(神戸正雄君) やはり特別の地方公共団体の中に入れてもよかろうと思いますが、はつきり私はそういうことについての委員会の決議、意見の取りまとめをいたしたことがありませんから、委員会の意見として申上げることは躊躇いたしまするが、私自身の考えといたしましては、やはり特別区というものは特別の地方団体、つまり不完全なる地方団体、こういう意味において特別公共団体と認めることは当然じやないかと思います。私はそう考えます。
  23. 相馬助治

    ○相馬助治君 只今同僚岡本委員の質問の中の特別区の問題ですが、これは現在の特別区を、地方行政調査委員会議はどういうふうに見ておるかということも質問の一つの趣旨だと思うのですが、もつと根本的なことは、これは将来どうあることが正しいというふうに考えるかということのほうが、私は大きな意味を含めて質問されておると思うのです。現実には自治区であるか、行政区であるか、極めてはつきりしないものである、こういう御見解ですが、それは我々もよくわかつておるわけですね、地方行政調査委員会議というものは、当然現実を見つめながらも、啓蒙的な意味で建設的な意見を吐くべき私は使命を持つておると思う。  従いましてこの問題に対しては、どういうふうに割切つておられるか、極めてこれは不完全なもので、こういう自治区というものはおかしい、こういうふうに進むか、或いは又現在区会議員の諸君を中心として、運動が巻き起つておりまするような趣旨の言い分というものが当然だ、正しいのだというふうに見るか、ここに重大なる問題があろうと思うので、この問題について割切つたところを、そのものずばりでおつしやつて頂きたいと思うのです。
  24. 神戸正雄

    ○政府委員(神戸正雄君) 行政委員会議も実は理想と現実との間に挾まりまして常に苦心いたしました。理想で言えばもつと勝手なことが言える。併しながら現実に捉われましてやはり遠慮しなければならないところが出て来ます。それで私の自分の考えですが、委員会の考えじやない、自分の考えですが、能率とかいう点から言えば行政区がいい、理想でしよう、理想でしようが、併し能率ばかりでも行かない。やはり自治を一応進める、自治を進めるには区なら区というものにしましても、折角自治を得たのに取上げてしまうということはよくない、自治というものを保存して、そうして自然に区というものが立派な自治団体として立ち得るならば、又改めて特別のものとしてでなく、一般の自治団体にまで引上げてもいいわけであります。自治という点から言いいますと、これは区というものを他の市並みに……、二十三区ありますが、二十三区には人口の四十万もあるというような、大都市に近いものもありますから、そういうものは自治体として認められんのはおかしいじやないかという議論も出て来ますので、やはり自治というものは、時の流れを見まして、それは将来本当に区政にあずかつている人が、区長なら区長が、区の区長なり、公職におる人が区の自治というものを推し進めようと思つて、折角努力して本当に立派な市政を、ほかのことと違つて立派だという実例を示して頂けると、自然にやはり自治は立派なものだ、どうしても自治団体を本当の自治区に完全な自治団体に一般自治団体にまで引上げていいのじやないかという議論も出て来るのでありますが、今のところは実はどちらとも本当に区の自治というものが発達しておるかどうかわかりません。併し或るものは自治は伸ばして行こうじやないか、ただ能率だけで、能率本位で以て特別区というものを行政区にしてしまつて、一部の命令だけで以てどうこうするというようなことにするよりも、まあ今のところ、区の或る程度その自治を認めておいて、そうして自然に自治が成り立つように発展するように、お互いにやりますのが……関係者が努力し合うということくらいは私はしておると思い。そういうことを申上げて、誠にどうも極端なことを申上げまして、どうも申訳ないのでありますが、そういう次第でありますから悪しからず御了承を願います。
  25. 相馬助治

    ○相馬助治君 お話の筋はよくわかつておりまして、私も行政区か自治区かというような問題が国とそれから区との間に起きた場合でしたらこれはもう問題ないと思うのです。私たちはやはり自治の精神からこの区を助け、そうしてこれをうまく持つて行くということで、もうこれは問題ない。ところが問題は道州制を認めることは日本の現状からしてこれはとるべき策でないと神戸先生も割切つておられる。従いまして府県というものを自治体として認めていらつしやる。従つて区の自治を尊重するということは、同時に同じ立場の都の事情をこれは侵害することである。都の事情を大きく見ることは区の事情を侵害することであるという極めてこれはむずかしいところに来ておるのであつて、これを割切るものは、即ち現在の自治体というものをどう考えるかという基本的な問題から出発して、東京都の歴史、それから又将来の日本の都市問題というものがどういうふうな方向で解決されなくちやならないかという広汎な裏付けを考えながら割切つて行かなければならないと思うのです。近い将来にこの問題は区長さんの考え方であるとか、その他のことからだんだんはつきりして来るだろうとおつしやるが、私はそういう一個人の区長がいい悪いなどという問題でなくて、どうしても国会あたりで少くともこの特別区の問題については、立法府にある我々としては一応の結論を打ち出して行く必要に、政治的段階に追い詰められて来るという私は見通しを持つておりますので、先ほど来からくどくお尋ねしておるのですが、この調査委員会議として、各個人の意見でも何でも結構ですから、本日ここでずばりとおつしやつて頂かなくとも、この問題についてのもう少しまとまつた意見、少数意見でこういうものがあつたらあつたということ等も一つ議長として、特に参議院の地方行政委員会に対して委員長のほうにでも資料というものをお出し願えるかどうか、これを一つお尋ねし、お願いできるかどうかをお聞きしたいと思います。
  26. 神戸正雄

    ○政府委員(神戸正雄君) それにつきましては、無論この資料がありますから事務局におきまして取りまとめまして、御提出して御参考にしたいと思います。
  27. 相馬助治

    ○相馬助治君 この前の前の国会で警察法の改正が行われたわけですが、その当時与党議員諸君を含めて、住民投票その他の点について当委員会としていろいろな点で懸念を持つたわけです。その懸念が現実の問題として、杞憂でなかつた状態が各地に起きておることは御承知の通りであります。従つてこの際委員長に一つお尋ねし、お願いして置きたいことは、この閉会中に事務局等をして、この自治警察廃止に伴う特殊な事例についての調査をなさつていたかどうか、又それに伴つて、委員長として今国会に自治体側、それから国警側の両者を呼んで、それらの資料の提出を求めて、当委員会として問題にする予定であるかどうか、これをお尋ねしたいと思います。私自身としては早急にこの問題は両者を呼んで調査し、特異な事例については、委員を派してでも私は調査をする必要に迫られておると思うので、ちよつとお尋ねいたします。
  28. 西郷吉之助

    ○委員長(西郷吉之助君) 只今の問題につきましては、自警の廃止問題に関連した問題だけではありませんが、新聞等に報道されたりいたしました問題につきましては向うからいろいろ資料等を取つてございますので、そういう点を適当な機会に御参考に供したいと思います。今の相馬さんの意見がございますから、又相馬さんの今の御意見に対しましては、国警長官なり、警視総監なりを呼んで意見を聞きたいと思いますが、そのほかにも吉川委員の御希望によりまして、先般米国におきまして吉河特審局長が証言した問題に関して、向うの新聞等にも報道されておりますので、その内容について特審局から意見を聞きたいという御希望もございますので、委員会を開きたいと思いますが、月曜から三日間ほど総理の演説に対する質問戦がございますから、その間は皆さんもお忙しいと思いますので、その三日間ほどの質問戦が終りましたならば委員会を開催して、今の両委員の問題等についてやつて行きたいと思います。さようにして行きたいと思いますが異議ありませんか。
  29. 西郷吉之助

    ○委員長(西郷吉之助君) それではさようにいたします。  では本日はこれにて散会いたします。    午後零時四十八分散会