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1951-10-30 第12回国会 参議院 大蔵委員会 4号 公式Web版

  1. 昭和二十六年十月三十日(火曜日)    午前十時五十二分開会   ―――――――――――――   委員の異動 十月二十九日委員團伊能君辞任につ き、その補欠として平沼彌太郎君を議 長において指名した。   ―――――――――――――  出席者は左の通り。    理事            大矢半次郎君            清澤 俊英君    委員            黒田 英雄君            小宮山常吉君            小林 政夫君            田村 文吉君            菊田 七平君            櫻内 辰郎君            森 八三一君            木村禧八郎君   政府委員    大蔵政務次官  西川甚五郎君    大蔵省銀行局長 河野 通一君    大蔵省主税局税    制課長     泉 美之松君   事務局側    常任委員会専門    員       木村常次郎君    常任委員会専門    員       小田 正義君   ―――――――――――――   本日の会議に付した事件国民金融公庫法の一部を改正する法  律案(内閣送付) ○所得税法の臨時特例に関する法律案  (内閣送付) ○財産税法の一部を改正する法律案  (内閣送付) ○法人税法の一部を改正する法律案  (内閣送付)   ―――――――――――――
  2. 大矢半次郎

    理事(大矢半次郎君) これより第四回の大蔵委員会を開会いたします。  先ず国民金融公庫法の一部を改正する法律案、これは予備審査でありますが、これを議題に供します。提案の理由の説明を願います。
  3. 西川甚五郎

    政府委員(西川甚五郎君) 只今議題となりました国民金融公庫法の一部を改正する法律案につきまして、その提案の理由を御説明いたします。  国民金融公庫は、一般の金融機関から融資を受けることを困難とする国民大衆に対して必要な事業資金の供給を行うことを目的として一昨年六月設立されましたが、その後四回に亘つて増資を行なつた結果資本金六十億円となり、本年八月末までに普通小口貸付八十三億八千万円を貸し付け、鋭意その目的完遂のため努力して参つたのであります。昨今公庫に対する資金需要は極めて盛んで、すでに本年度増資分二十億円は十月までに貸付を終り、十一月以降は既往貸付金の回収金のみに依存せざるを得ず、増大する資金需要に応ずるには極めて不十分な状態でありますから、今回その資本金を十億円増額して七十億円といたそうとするものであり、この追加出資額は本年度補正予算に計上されているのであります。  以上の趣旨によりまして本法律案を提案した次第であります。何とぞ御審議の上速かに御賛成あらんことをお願い申上げます。
  4. 大矢半次郎

    理事(大矢半次郎君) 本案につきまして銀行局長からなお御説明を承われればこの際お願いいたします。
  5. 河野通一

    政府委員(河野通一君) 只今提案になつておりまする国民金融公庫法の改正案に関連いたしまして、国民金融公の業務の現状及び今後の見通し等につきまして簡単に御説明申上げます。その前にこの法律の改正案につきまして一言御説明申上げておきたいと思うのでありますが、当初私どもは国会の御要望もありまして、国民金融公庫資本金の増加のほかに、国民金融公庫の役職員につきまして、現在一般公務員と同じような地位にあるわけでありますが、これを為替銀行輸出銀行と同じように公務員資格を外すほうがいいのではないかというふうなことで、法律の改正案を実は考えておつたのであります。関係方面の折衝等もありまして、実現をするに至りません事情でございますために、この点はドロップいたしまして、出資金の増加だけの改正案ということになつた次第であります。公庫の貸付の状況は、只今提案理由の御説明がありましたように、非常に資金の需要が旺盛でありまして、現在資本金六十億でありますが、これは大体この十月で使い切つてしまうことに相成るわけであります。今後は資金の拡充をいたしません限りにおきましては、回収金だけで賄つて参らなければならない、こういうふうな事情に相成るわけであります。  業務の概況を申上げますと、公庫が一昨年六月に発足いたしましてから本年八月までの状況は、申込の全額が二百九十七億、約三百億のものであります。それに対しまして貸付をいたしましたものが八十三億九千万、回収をいたしましたものが三十七億余り、こういうふうなことになつております。資金の需要は極めて盛んでありまして、申込金額の大体三〇%足らずしか貸付ができない、こういうふうな状況になつております。今後のこういう方面の資金の需要に応じますためには、どうしても国民金融公庫資本力を拡充して参ることが必要に相成つて参ります。国民金融公庫資本力の拡充につきまして目下考えておりますることは、今御提案申上げておりまする出資金の増額十億円のほかに、本年度中に資金運用部資金から二十億を国民金融公庫への貸付金として放出して参りたい、かように考えております。なお事情が許しますならば、見返資金の中小企業に対して予定いたしております今年度分四十億のうちから成る程度のものを割きまして、これを国民金融公庫のほうに廻して行くということも目下考えております。これは見返資金の中小企業に対する融資の進捗状況、今後の見通し等とも睨み合せて考えなければなりませんので、このほうが非常に円滑に進みまするならば残余が出て参りませんわけであります。その点を睨み合せまして、それが若し余裕が出て参りますようならば、これを国民金融公庫に対する貸付として見返資金から出す、こういうふうな方途も考慮して参りたい、まだ正式の決定には実は至つておりませんが、そういうことも考えて参りたい、かように思つておる次第であります。今後の国民金融公庫資本ぐり、需要等を考えて見ますと、目下のところでは五、六十億のものが今後の貸出金として必要になつて参ると思うのであります。これに対しまして今申上げましたような資金三十億と、今後回収金並びに今申上げました見返資金の中から若干でも資金が若し出ることになりますれば、これらを以て今申上げました今後の資金需要五、六十億のものに対して対処して参りたい、かように考えておる次第であります。公庫の店舗の数は現在三十七支所を数え、そのほか代理所につきましては数百の代理所を持つております。全国に代理所なり或いは支所の形で店が主な所には分布されておるようなわけであります。今後も二ヵ所ばかり本年度中、に更に開設して参りたいと、かように考えておる次第であります。簡単でありますが以上公庫の現状及び今後の資金の見通しについてお話申上げました。
  6. 大矢半次郎

    理事(大矢半次郎君) 何か御質問があれば願います。
  7. 黒田英雄

    黒田英雄君 十億円今度増加されるのですが、これで本年度は増資しないというお見込ですか。それとも通常国会には又更に増資の案を出されるつもりですか。
  8. 河野通一

    政府委員(河野通一君) 只今のところは、財政一般の問題とも関係いたして参りますので、的確なことは申上げかねるのでありますが、私どもといたしましては、財政の許す限りにおいて国民金融公庫資本力は増加されることを期待いたしております。今のところでは通常国会に更に増資をするということの予定は、まだ立てておりません。
  9. 木村禧八郎

    ○木村禧八郎君 君只今の御説明で、中小金融、特に小のほうに力を入れておる点は、我々も認めるにやぶさかではないのです。自由党政策としてただ一つよさそうに思うのは、この点に非常に力を入れることは私非常にいいと思うが、まだ力の入れ方が足りないと思います。それで只今のお話によりますと、資金運用部資金から二十億予定されておるようですが、これは従来愛知君が銀行局長の時分に随分折衝されたようですけれども、なかなか頑強で、どうも我々理由を聞いても納得しなかつたのですが、これは河野さんになつてから円滑にその了解がつくようでありますか。そうすれば今後中小金融として、これはまあ当然だと思うのです、資金運用部資金を使うのは。実際に予定されているように出そうでございますか。
  10. 河野通一

    政府委員(河野通一君) 只今のところでは、計画全体として、今度の補正予算の裏腹をなす資金運用部資金の運用計画の中に織込んでございまして、この運用計画自体は大体司令部の了承を得ております。
  11. 木村禧八郎

    ○木村禧八郎君 それから見返資金のほうから四十億を予定されておるようですが、これは若し実現するとすれば、どのくらい四十億のうち公庫のほうへ振向けられるのですか。
  12. 河野通一

    政府委員(河野通一君) この点は、只今申上げましたように、見返資金自体としての直接貸の今後の推移を見なければわからんわけであります。年末等におきましては相当このほうも促進して参りたいというふうに考えておるのでありますが、目下のところでははつきりした数字は申上げられませんがまあこの点については関係方面ともいろいろ折衝の問題が残つておりますし、若しやるとすれば十億以上は何とかやれるのじやないかと思います。ただ今後の関係方面との折衝が残つておるわけであります。
  13. 木村禧八郎

    ○木村禧八郎君 御承知のように、ドツジさんが見えて、あの声明によりますと、今後日本にはインフレの要素がたくさんあるから、財政金融面から相当締めて行かなければいけないというような声明が出されております。そうしますと、今、年末のお話がございましたが、これからどういうような意見をサジエツシヨンされるかわかりませんが、どうも財政金融面から締めて行くとなると、他の電力その他には相当資金が行くが、中小金融にはやはり相当犠牲が来るのじやないかということを憂えるわけです。そこで銀行局長として年末の見通し、殊に中小金融の一般金融と関連しましての年末の金融の見通し、それから今後そういういわゆる新らしいドツジ、ラインが相当シヴイアに来ると、そのしわは結局中小金融に寄つて来るのですから、それに対して何か対策みたいなもののお考えがありましたら伺つておきたいと思います。
  14. 河野通一

    政府委員(河野通一君) この問題はなかなかむずかしい問題であります。殊に年末における金融、殊に中小金融についての状況等はまだ的確には私どもも把握はいたしておりません。併しながら今のお説のように、インフレーシヨンを抑制しなければならんということは、これはドツジさんが来られると否とにかかわらず、私どもは是非それをやつて行かなければならんと思います。そうした場合に、金融につきまして相当、いずれかと言えば中小のほへやはりしわが寄るという慮れが晋通の場合は相当あると思います。そういう点もありますので、私どもはできるだけ財政なり、これは資金運用部等も入れて、いわゆる政府資金の許します限り中小の金融に対する資金の注入について考えて参りたいと思つておる次第であります。その一つの現れが、今お話申上げました国民金融公庫に対する政府資金の注入として出ておるわけであります。勿論これは十分なものではございませんので、今後においても更に一層こういう方面への政府資金の、何といいますか、補完ということが必要になつて参るかと思つております。なお現在金融機関に対して、殊に信用組合でありますとか無尽会社、最近その一部分は相互銀行に転換いたしておりますが、そういうふうな中小の専門の金融機関、まあ商工中金等も入れまして、そういうふうなものに対して約百五十億の政府一般会計の指定預金をいたしておるのであります。これが期限が、大体十一月の中頃に引揚げる期限が参るわけでありますが、これが引揚のやり方につきましても、年末を担えた中小資金の枯渇ということをできるだけ防いで参りますために、十分の特別の配慮を加えて参りたい、まだ具体的には計画はできておりませんが、できるだけ年末の中小金融の硬塞を来たさないように配慮をして参りたいというふうに考えておる次第であります。なお中小金融につきましては、ただ政府資金だけでなくして、御承知のように一般の金融機関も十分にこの方面には貢献をいたしておると思うので、信用組合或いは相互銀行等におきましては資金の蓄積は相当円滑に進んでおるわけであります。これらの資金をできるだけ年末と言わず、特に年末にかかつて参るわけでありますが、中小金融の円滑化に使つて参るように極力促進をして行きたいと、かように考えておる次第であります。
  15. 小林政夫

    ○小林政夫君 国民金融公庫の貸付対象ということは、中小企業特に小、零細企業が対象となつて、一件の貸付金額の限度というふうなものもきまつておるのでありますが、銀行局のほうで実際上まあ一件は三十万円であるが、或る程度それを緩和するというようなことで、例えば同じ事業体であつて名前を三四騙ることによつて百万円までは借りられるというふうな融通性を持たすと考えておられるのでありますか。厳密にそういつた部類は別の金融機関でやつて、この金融公庫のほうは本当に零細な事業体に廻すということを厳格にやられるつもりであるか。髪際の運用状況をまあ聞くと、かなりそういつた融通性のある公庫当局において運用をしておる向もあるように思う、その点はどうですか。
  16. 河野通一

    政府委員(河野通一君) 先ず現状を申上げたいと思いますが、現状は今お話のように、一人に対して二十万円ということになつておるわけです。併しながら連帯で借ります場合には百万円までは行ける、実際問題としては恐らく連帯で借りましても、その資金は百万円としてどこか固まつたものとして動いておる場合が相当あると思います。今後の問題といたしましては、国民金融公庫法の第一條に書いてありますように、生業資金ということになつております。生業資金というものは、一般の消費資金ではない、やはり何と言いますか、中小企業企業資金を対象にいたしておるわけであります。而も普通の金融機関から資金が出ないところへ出すことが眼目であります。今後は、現在でも国民金融公庫はそういう方面の仕事をやつておるのでありますけれども、いわゆる不動産担保金融、例えば一般の小さい商店或いは企業家におきまして不動産を持つておる、ほかに担保がないという場合に、その不動産担保にした金融を相当促進して参りたい。それがためには現在の連帯で来ました場合に百万円ということに一応なつておりますが、これも或る程度限度を拡大して参りたい。但しその拡大いたしました分につきましては、原則として不動産担保金融というふうなことをやつて参りたい。併し一方におきまして、そういう方面の金融にだけ行くということになりますと、いわゆる零細金融と言いますか、もつと小さい意味の生業資金の金融がおろそかになるという心配もございますので、そういうふうにして或る程度不動産担保金融をやつて行きます場合の資金というものは、今申上げました増加資金のうちで区分けをいたしまして、区分けといつても何も部門を法律上分けるわけではございませんが、一応資金の源を区分けをして、そういう不動産担保金融の、国民金融公庫の取扱のうちではやや大口になつたものにつきましてはこの程度の金融、その他のもつと小さい、零細なものについてはこの程度の資金を廻すというようなことで、両者が大体両立して行くように考えております。どの程度の資金をいわゆる比較的大口のほうに分けて、どの程度の資金を零細金融に廻すかということにつきましては、もう少し資金の流通状況を、見て研究をいたしたいと考えておりますが、大体私どもの考えておりますのは、増加資金のうち半々くらいに考えております。まだはつきりきまつてはおりませんが、今いろいろ検討を進めておるわけであります。
  17. 森八三一

    ○森八三一君 中小金融につきましては、非常に御努力になつておることは結構なことであります。更に拡充して頂きたいと思いますが、ここで一つお伺いいたしたいことは、まだ具体的に提案になつておりませんが、提案になりましても非常に問題が複雑でありますので、どういう結果が生れて来ますかは予測はできませんことでありますが、すでに政府の示されておるように、この際何がしかの行政整理が行われるという状態になろうと思うのであります。その場合に被整理者のうちには、恐らく相当数の受恩給者という部類が含まれると思うのであります。こういう人に対しましては、政府当局は相当力を入れて就職の斡旋等に尽力をするとおつしやつてはおりますが、その年齢関係から行きまして、問題はしかく簡単に進行する情勢にはないと思うのです。そういう場合に曾つての恩給金庫のようなものがあるということが、そういう階級の人々に対しまして非常に安心を与えて行く、又生業を与えて行くというような非常に一つの材料になるのじやないかと思うのですが、ここで国民金融公庫の機能を拡充すると申しまするか、いたしまして、曾つての恩給金庫のような制度がこのうちに織込められて行くといつたような体制を企図されるお考えがあるかないか。又国民金融公庫をそういう方向に持つて行くということにいたしませんなら、その他にそういうような御構想があるかないか、その点を一つお伺いいたしたいと思います。
  18. 河野通一

    政府委員(河野通一君) 現在の国民金融公庫は今後行政整理その他で退職いたしました者でも、それが事業をやるための資金はこれは勿論供給はいたします。いたしますが、ただ何分にも資金量が非常に今申上げたように、需要に対して十分、一〇〇%満すまでに至つておりませんために、そういう方面のかたがたの金融が十分に円滑に行くかどうかという点は、結局国民金融公庫自体の資金量にかかつて来ることだと思います。お示しの、従来の恩給金庫のようなものを作つて、恩給証書担保にして金融をいたしますということが、法律上にもいろいろ問題もございますし、現在のところでは私どものほうとしてはそういう特別な機関を作るということは目下のところは考えておりません。併しながら今申上げましたように、恩給担保にしなくても、国民金融公庫は、現在の機構で十分無担保でも、無償で金融をいたしておる。そういう方面の金融機関を通じて必要な金融は付いて参るというふうに考えております。ただ事業をやられて、消費資金としてなかなか出て参りませんけれども、事業を営まれる場合には、国民金融公庫において恩給担保にする必要なくして金融が付く、こういうことになつております。問題は、繰返して申上げますが、やはり資金量が十分それを満すだけのものがあるかどうかということにかかつて来ると、こういうふうに考えます。
  19. 大矢半次郎

    理事(大矢半次郎君) 別に御質疑がなければ次に所得税法の臨時特例に関する法律案財産税法の一部を改正する法律案法人税法の一部を改正する法律案、この三案を議題といたしまして質疑をお願いいたします。
  20. 木村禧八郎

    ○木村禧八郎君 ちよつと資料をお願いしたいのですが、今度の税制改正で、まあ税金を納めなくてもよくなる人ですね、免税になる人、これはまあ一応ここに新たな資料として数字が出ておりますが、今度の分、もつと遡りまして、全体としてその給与所得者の中で、或いは給与所得者以外でもいいです。農業商業、その免税になつておる人の数、人数はどのくらいであるか、資料がありましたら頂きたいのです。
  21. 泉美之松

    政府委員(泉美之松君) お答えしますが、人員等だけでございますか、所得のほうが何しろ申告がないものですからちよつとわかりかねるんでございます。人員だけでも……。
  22. 木村禧八郎

    ○木村禧八郎君 人員だけでも結構です。それからついでに納税者の数字ですね、どのくらい今まで納税人員があつたか、変化、昭和二十四年ぐらいから最近までのこちらの資料にも出ておりますか。
  23. 泉美之松

    政府委員(泉美之松君) まだ差上げておりませんが、資料を今作つておりますから差上げられます。
  24. 木村禧八郎

    ○木村禧八郎君 そうですが、それも併せてお願いします。
  25. 泉美之松

    政府委員(泉美之松君) はあ。
  26. 田村文吉

    ○田村文吉君 数字に出ておるわけですが、この補正予算で、法人税の増税によりまして殖える金額は幾らでございましたか。
  27. 泉美之松

    政府委員(泉美之松君) 法人税の税率の引上げは、二十七年の一月一日以後終了する事業年度分から引上げることになるのでございますが、本年度の収入といたしましては、一月に終了する分だけしか税率引上げになりませんで、二月一日以後終了する事業年度分は、御承知のように事業年度終了が二ヵ月を経て申告納税することになつておりますので、四月一日以後納税することになります。そのために、それは本年度の歳入にならない。従つて一月中の事業年度終了分だけ本年度の歳入になるわけでございます。それと、やはり法人税法の一部を改正する法律案におきまして提案いたしておりますように、本年九月一日以後終了する事業年度分から税額の半額を徴収延期することにいたしております。そのために法人税の税率引上げによりまして、本年度内に増徴になります分だけといたしましては、お手許に資料がお配りしてあると思いますが、歳入予算の説明の四頁に三億五千九百万円を出ております。で、これは今申上げましたように、税率引上げが一月分だけ、それから半額を徴収延期するということで、半額だけしか載せておりません。従つて、本年度内としましては三億五千九百万円という僅かな数字になつております。
  28. 田村文吉

    ○田村文吉君 今年の、自然増収の程度でお量込みになりますと来年度においてはおよそどのくらいになるんでございますか。
  29. 泉美之松

    政府委員(泉美之松君) 来年度の数字につきましては、まだ最近の、この電力不足その他の事情によりまする生産物価の変動につきまして、的確な資料をまだつかんでおりませんので、正確には申上げかねるのでございますが、今度法人税を増徴することによりまして、約三百億円程度の収入増加があるものと期待しております。
  30. 小林政夫

    ○小林政夫君 昨日主税局にお願いしておいたのですけれども、法人の税負担が今度の改正によりて、府県税、町村税を合せてどうなるかという計算を一つして見てもらいたい。今そこでできればおつしやつて頂きたい。多少いろいろの方法で計算しているのがありますけれども、計算の仕方が違つているというようなことで、総体において所得の何%に改正後はなつた、改正前はどうであつたというところの正確な数字を示してもらいたい。それが一つと、それから二十六年度の予算補正の説明書の中には……これお持ちですか。
  31. 泉美之松

    政府委員(泉美之松君) 今ですか。
  32. 小林政夫

    ○小林政夫君 ええ。
  33. 泉美之松

    政府委員(泉美之松君) これは平均的に申上げる場合と、資本金幾らで収入金が幾らというような前提と両方ありますが、どちらですか。
  34. 小林政夫

    ○小林政夫君 パーセンテージ。
  35. 泉美之松

    政府委員(泉美之松君) そうですね……、法人税率はどうなるかということにつきましては、本国会法人税の税率引上げの点だけ提案いたしておるのでございますが、明年度におきましては、事業税及び市町村民税の税率につきましても相当配慮を加える予定になつておるのでございます。ただ事業税につきましては、これはまだ確定しておらないのでございますけれども、所得に対する税率は引下げます。そのほかに売上金額に対する課税ということをしてはどうかというような有力な意見がありまして、現在なお検討いたしておるのでございます。従いまして法人税の負担がどうなるかということは、そういつた一連の問題が解決いたさないと正確には申上げかねるのでございます。ただ我々が計算しておりまする点だけ簡単に申上げますと、御承知のように現在の法人の負担は、法人税が三五%、それから事業税が一二%、それから市町村民税、法人税割でございますが、これが三五%に対しまして一五%、従いまして所得に対しますると五・二五%というふうになりますので、これを全部合計いたしますと五二・二五%ということになるのでございます。それから今度改正いたしますると法人税の税率が四二%になります。それから事業税の税率が一二%でございます。それから問題は、法人税割を、現在法人税の一五%になつておりますが、これを一五%そのままで据置いておくのが適当なのか、それとも御承知のように法人税割には、非常に市町村がとる税といたしましては偏在いたしますので、この偏在をできるだけ少くするという意味におきまして、現在の所得に対しまして五・二五%になつておりまする率以上に上げるのは適当ではないじやないかというふうに考えられるのでございますが、仮に所得に対して五・二五%そのままを維持するものといたしますると、これを合計いたしますと五九・二五%という率に相成るのでございます。ただ併しこれは申上げるまでもないことでございますが、表面税率でございまして、実際の法人の負担と言いますものは、御承知のように事業税を軽微に落して計算いたします。そのために前期の事業税は、当期の法人税の計算の基礎となりまする所得からも落ちます。事業税の計算の基礎となります所得からも落ちるわけであります。そこでそういうふうな計算をいたしますと、現在の表面税率の五二・二五%というのは四六・六七%という率に相成るのでございます。それから又五九・二五%という表面税率は、やはり五三・一九%というふうに相成るのでございます。それから今度の改正におきましては、成るほど実行税率が五三・一九%に相成りますけれども、そのほかに要綱にお示ししておりますように、退職手当積立金の損金算入を新らしく認めることにいたしておりますし、又現在まだ提案に相成つておりませんけれども、棚下し資産及び有価証券につきまして価格変動準備金の制度を設けることを考慮いたしたいと考えているのでございます。そのようなことをいたしますると、先ほど申上げました実行税率の五三・一九%というのは、更に落ちまして五一%余りに相成るのではないかというふうに考えているのでございます。併しいずれにいたしましても、この問題は通常国会におきまして更に地方税その他を合せまして、真に負担がどうなるかということを検討いたさなければ相成らんかと考えるのでございます。ただ今申上げましたように、事業税の税率を二一%、それから市町村民税の所得に対する負担を五・二五%といたしました計算では、かように相成るのでございます。それで近くそういつたことに関連しまして法人個人との負担の比較などいたしました資料を提出いたしたいと思つて準備を進めております。
  36. 小林政夫

    ○小林政夫君 住民税の国税に対する一五%というのを、従来は五・二五%ですか、現在の市町村財政状態からいつて、まあ今の理窟からいえばあなたのおつしやるように、一部に片寄るから据置くか、少くともまあ据置くという傾向にすべきだというのですが、実際問題としては取れるなら取ろうということで、やはり四二%に一五%を掛けた六・三%になる傾向は多分にあると思うのですが、六・三%と計算して行くと、ちよつと今おつしやつたように……。
  37. 泉美之松

    政府委員(泉美之松君) 地方税収入が、地方自治団体が非常に財政上苦しいという点からいたしまして、地方税収入の増加を図る必要があることにつきましては御説の通りと思います。ただこれをどういう税によつて賄うべきかということにつきましては、なお十分検討すべき点があろうかと思うのでございます。私どもといたしましては、できるだけ各地方団体に普遍的な税源を与える、そうすることによつて平衡交付金を減らして行くという方向が将来の方向として正しいのではないかというふうに考えているのでございます。その意味からいたしますと、この法人税割というものは非常に偏在する財源でございますので、そういう財源でなしに、偏在しない財源の有力な財源を、例えば、酒とか、たばこの専売益金の一部、酒税の一部を各地方団体に還付するというようなことを考えてはどうかと思うのでございます。そういう措置をとりました場合に、なお法人税の税割を一五%にとどめて置くことが適当かどうかということは、地方団体全体の財政収入、支出の関係から見て我々としては必要ないのではないか、又そのほうが適正な財政措置となるのではないかというふうに考えているのでございまして、そういうことは考えておらない次第でございます。
  38. 小林政夫

    ○小林政夫君 将来の方向というか、二十七年度においては今お考えのような点が或いは実現されて、多少考えが、この様子が変つて来るかも知れませんが、現状においては府県はもとより市町村において相当税収の不足を訴え、むしろ市町村財政の、地方自治体財政貧困を来たすというようなことで、相当問題が起つているし、又地方財政委員会等の見解を聞いても、法人存在するところにおいては相当増収がある、従つて平衡交付金の配分についても、そういう法人の増収分を考慮して、法人の所在する市町村については額を当然減らすようなことになつて来るわけですが、従つて市町村としてこの五・二五%というパーセンテージを据置くということは、少くとも二十六年度補正に関する……今のこのままにおいておくならば、減らすようなことはないのではないか、若しあなたの今お考えのようなことを考えられるならば、早急に考えて実現化するような方法をとらないと、恐らく住民税は六・三%の負担になると思います。
  39. 泉美之松

    政府委員(泉美之松君) その点に関しましては、責任当局でありまする地方財政委員会及び地方自治庁のほうと了解済みでございまして、現在の一五%に据置くことは万あるまいと考えております。
  40. 小林政夫

    ○小林政夫君 先ほどお話のあつた退職積立金及び価格変動準備金による法人の負担減というものがあるというのですが、二十六年度予算政府説明ですね、これには確かに価格変動準備金の制度を設け云々ということが謳つてあるのであります。ところが二十六年度の租税及び印紙収入補正予算の説明というほうの法人税という所には、それが書かれていないのであります。今そういう法案も提案されてない状態でありますから、或いは確定しておらないということなんでしようけれども、同時に提出された書類において、一方には載つており、載つてないということはどういうことであるか。従つて租税及び印紙収入補正予算の説明書の四頁に、法人税の増減収額表というのがありますが、その法人税の税率を四二%に引上げた場合に三億五千九百万円の増収がある、その他の制度改正によつて九千七百万円の減になるということが書いてあるのですが、この九千七百万円の減は、僅かな金ですけれども、一応内訳はどうなつておるか、どういう意味で出ておらんのか、聞かしてもらいたいと思います。
  41. 泉美之松

    政府委員(泉美之松君) 初めプリントの両方が違つている点について申上げますると、これは率直に申上げまして、削るのを忘れたのでございまして誠に申訳ないと思います。ちよつと速記をとめて頂きたいのですが……。
  42. 大矢半次郎

    理事(大矢半次郎君) ちよつと速記をとめて。    〔速記中止〕
  43. 大矢半次郎

    理事(大矢半次郎君) 速記を始めて。
  44. 小林政夫

    ○小林政夫君 九千七百万円の内訳ですね。
  45. 泉美之松

    政府委員(泉美之松君) 只今ちよつと正確な資料を手許に持つておりませんので、又後ほど申上げることにいたしたいと思いますが、この内訳は、金額のほうは別にして申上げますと、価格変動準備金を設けることに伴います減と、退職積立金の損金算入を認めることによる減収、それから特定の業種の特定の機械設備等につきまして、特別償却の制度を設けまする減と、この三つを合せたものでございまするが、いずれも二十七年の月一日に終了する事業年度分についての一月間の減収額、而も先ほど申上げましたように、徴収猶予の制度をとりまするので、その半分しか現われておりませんから、金額としては非常に僅かに相成つております。
  46. 小林政夫

    ○小林政夫君 金額は僅かですが、いわば氷山の頭ですから、詳しく資料を出して下さい。それから先ほど法人の税負担のときに、表面税率から今のような軽減の分を差引いて大体五一%くらいの負担になるというお話でしたが、その資料のときに、それが五一%になるということが数字的にわかるようにやつてもらいたいと思います。
  47. 泉美之松

    政府委員(泉美之松君) 承知いたしました。これは主として評価減の制度に基くわけでございます。
  48. 田村文吉

    ○田村文吉君 今の退職積立金に対する積立金であるとか、或いは手持金の評価減の積立金というようなものは、結局今まででもそれを使用した場合には、損金勘定になるわけですから、別に事業会社としてはそういうものを積立てたものを税金を控除して頂いても、長い目で見るというとそれほど負担の軽減にならんと、こういうふうに考えられるのですが、何かお考えが違うのですか。
  49. 泉美之松

    政府委員(泉美之松君) 退職手当積立金につきましては、お話のように、従来の取扱いでございますと、退職金を現実に支給いたしました場合に損金に落すことを認めておつたのでございます。併し今度これを積立てた際に損金に落す、これは一定の條件を必要としておりますが、一定の條件を備えれば積立てたときに損金に落すということになりますので、従来のように退職いたしました際に支給した分だけ損金に落すのとは違いまして、常に会社内部に相当額の損金算入を認められた積立金ができておるということに相成るのでございます。従いまして、勿論これによる負担の軽減というのは極く僅かでありまするけれども、やはり従来の取扱よりは負担の軽減に相成ろうかと考えます。それから価格変動準備金のほうは、これは従来認めておらない。シヤウプ勧告によりまして二十五年の四月一日以後終了する事業年度分から従来認めておりました評価減の制度を取りやめてずつと今日まで参つておるのでありまするが、その評価減の制度に代えるものといたしまして、価格変動準備金制度を設けるというのでございまして、これはやはり帳簿価額が時価の九〇%相当額、この九〇%というのは最初から九〇%になりませんで、初年度は九七・五%、その次の事業年度に九五%、それから九二・五%それから九〇%というように行くのでございますが、九〇%のラインまで差額がある限り変動準備金をずつと積立てて行ける、その限りにおいてはやはり負担の軽減に相成ると考えておるのでございます。負担の軽減にならないということはなかろうかと思います。ただ価格変動準備金のほうが影響は大きくて、退職手当積立金のほうがさほど影響がないということは言えるかと存じます。
  50. 田村文吉

    ○田村文吉君 それは一般の事業会社にいたしますと、中には価格変動準備金をちやんとあらかじめ積立てておる会社もあるのであります。又そうでなくても、特別積立金であるとか、いろいろな名前で積んでおきまして、事実上価格が下つて来たときにはその積立金から出しておるという場合もありますから、それは私は退職金の場合と同じではないかと、こう考えます。そこでなおもう一つ伺いたいことは、過去においてさようなものの積立をした、例えば退職積立金にしておいたというものに対しては、お計らいはどうなさるおつもりですか。
  51. 泉美之松

    政府委員(泉美之松君) お答えいたしますが、会社で任意に価格変動準備金を積立てましても、それは益金処分による積立なら認めます。つまり法人税を課税した後の利益を積立てるのでございますと、我々もそれを認めるわけでございますが、今度は法人税の課税に当りましては、その積立金額は益金処分としないのでございますから、その点でやはり負担が軽減されると思います。従来任意に積立てておりましたものは全部益金処分でございまして、今度のは益金処分ではございません。それから従来益金処分で退職積立金を積立てておつたのがどうなるかというお話でございますが、これにつきましては今回設ける退職手当積立金の預金の損金算入による分とは別経理にして行きたい。そうして損金算入に認められた分は損金算入に認められた分としまして、各人別に前事業年度末と今事業年度末とを比較いたしまして、その間にその人について退職手当を積立てるべき金額の増加額、それだけを事業年度ごとに積立金に算入することを認めて行きたい。ただそのほかの條件といたしましては、そういつた法人が青色申告を提出する法人であろうと、或いは退職手当積立金として積立てた金額の半額以上は定期預金、或いは生命保険保険料、団体生命保険保険料といつたようなものに当てることを條件といたしたいと考えておりますが、そういつた條件を満す限りは、従来の益金処分の準備金とは違つて取扱つて行きたい。で、ただ会社としましては、決算上それを一つにまとめられても結構でございますが、税務計算の上におきましては、損金処分のものと益金処分でやつたものとは別経理にして頂くというふうに考えております。
  52. 田村文吉

    ○田村文吉君 細かい問題にもなりますが、さような場合に今度大きくなろうという考え方は、過失において積立てておいたものを優先的に損金勘定に今度振替えてやつてもよろしいのか、そうでなくて今度積立てたものから、もうすでに損金勘定として積立てをいたしましたものから先使わせると、こういう考え方になるのか、そういう点についてのお考えはきまつておりますか。
  53. 泉美之松

    政府委員(泉美之松君) それはなおまだ検討をいたしておりますが、お話は現実に退職いたしました際に、どちらから金を出したかという御質問でございますか。損金処分をどういうふうに認めるかという御質問でございましようか。
  54. 田村文吉

    ○田村文吉君 それは当然どつちから出しても同じことでありますが、いつまでも過去において積立てた金はそのまま手を付けないでおいて、今度新らしい法律によつて積立てて行つた金から使うということになりますというと、会社の経理の上からいつて非常な違いになるのです。ですからその場合に優先的に過失において積立てておいたものを先ず損金勘定にみなすことを許されるということになるかどうかという問題です。
  55. 泉美之松

    政府委員(泉美之松君) 過去に益金処分で積立てたものを損金算入というお考えですか。
  56. 田村文吉

    ○田村文吉君 現在のお取扱はそうなつておるでしよう。
  57. 泉美之松

    政府委員(泉美之松君) 現在はそうでございますが、今後はそういう取扱は変えることになりまして、我々としてはできるだけ今度損金処分で出したものから払つて行く。で、そのほかに更に割増の退職金が払われる分については、益金処分のほうで出される限りにおいては別段かまわないというふうに考えて行きたいと思つておるのでございます。
  58. 田村文吉

    ○田村文吉君 なおはつきりしないのですが、過去において或る法人が何千万なり何億万も退職積立てをしている。それは益金処分によつてやつてある積立金でありますが、それを使いました場合には損金勘定に見て頂く、それを優先的に使わしてもらえるのか、或いは手を付けなんで今後積立てて行つた、すでに損金勘定として積立てて行つたものを使えと、こういう法律の考え方なのか、そこがはつきり知りたいのですが。
  59. 泉美之松

    政府委員(泉美之松君) お答えいたします。計算はこういうふうに相成るのでございます。来年の一月一日以後終了する事業年度から始めて、前事業年度末に比べましてその事業年度におきまして、その職員につきましては、労働協約等に基きまして退職積立金として一事業年度どれだけ積立てしなければならんかということに相成るわけでございます。そこでその人が、例えば一事業年度についてその人については二千円なり、或いは五千円なり積立てて行く、それがだんだん累積して行くことになるわけでございます。ただ従来積立てておるものを一挙に損金算入をすることは認めませんで、今後積立てる分だけ損金算入を認めて行くわけでございまして、そうして現実にその人が退職した場合に、その人の退職手当積立金を計算いたしますと、仮にその人が百万円の退職金をもらわなければならん、併し損金算入を認められたものは、十万円しかない、その場合におきましては、十万円分の損金処分のほうから、先に出しまして残額の九十万円につきましては、従来益金処分によりまして積立てられておりましたほうから出したことにいたしましで、その九十万円を、退職金を支出した際の事業年度の損金に算入するということに相成るのでございます。
  60. 田村文吉

    ○田村文吉君 そういうことが御決定になつておりますのですか。
  61. 泉美之松

    政府委員(泉美之松君) 我々といたしましては、事務的にはそういう方針で行くことにきめております。
  62. 木村禧八郎

    ○木村禧八郎君 今度の法人税の改正はですね、理由ですね、一応ここにまあ書いてあります個人法人との税負担の調整をするということと、それから法人の実益が非常に増加したということと、この二つが理由として挙げてありますが、この前の改正のとき、法人個人との税負担の均衡が著しく個人に対して不利になる、こういう問題を取扱つて議論したわけです。それでその後個人法人組織替した分はどのくらいになつたか、それから今度の法人税の改正で個人法人との税負担の均衡はどうなつたか、例えば物品販売業者或いは製造業者、そういうものについて個人の場合、法人の場合、従来の場合と現行の場合と改正後においてどういう負担均衡になるか、この点を何か資料がございましたらお示し願いたいと思います。よろしうございますか。
  63. 泉美之松

    政府委員(泉美之松君) 申上げたいのですが、物品販売業、製造業ということで区別はしてないのでございます。一般的に法人個人との負担の比較といたしまして、ただその前提條件がいろいろあるわけでございまして、前提條件を全部書きまして、こういう前提條件の下ではこうなるという数字をお示しする予定であります。
  64. 木村禧八郎

    ○木村禧八郎君 それでもいいのですが、この前は我々はそういう資料を頂いたのです。業種別に頂いたのです。
  65. 泉美之松

    政府委員(泉美之松君) 業種別というのは、結局問題は棚卸資産がどれだけあるかとか、その収益率がどうかということなのでございますが、まあ法人個人と収益率、表面の収益率が違うという計算をしますと、もう根抵が違つて参りますので、そういう比較はなかなかできないと思います。まあ法人のほうは能率がいいとかいうようなことは、ちよつと前提條件として……。
  66. 木村禧八郎

    ○木村禧八郎君 例えば印刷業をやつておる、ところが個人の場合でやるのと法人の場合でやるのとでは同じ能率、その他で同じとしてただ組織替することによつてどの程度負担が軽減されたか、この前そういうことが問題になつたわけです。負担は法人のほうが法人組織が著しく軽減された、そういうことも今度の改正には織込まれたわけでしよう。
  67. 泉美之松

    政府委員(泉美之松君) そうでございます。
  68. 木村禧八郎

    ○木村禧八郎君 ですからそれがどの程度是正されるものか。それから税の捕捉率ですね、大体勤労所得は最近どの程度に見積られているか、源泉徴収、それから個人業種所得、それから法人所得、こういうものの捕捉率ですね、捕捉率も大体の見当でよろしうございますが……。
  69. 泉美之松

    政府委員(泉美之松君) ちよつと申上げておきますが、捕捉率の問題は非常に厄介な問題でございまして、成るほど大数的に申上げますれば、木村さん御承知の通り、勤労所得のほうが源泉できちんきちんと徴収されますので相当捕捉率がいい。それに反しまして、申告所得税のほうは、特に、農業のほうはまだ割合いいのでございますが、営業の場合におきましては非常に捕捉率が悪い。これは大数的に言えることでありまして、それではどの程度の捕捉率かとおつしやいますと、根本になります国民所自体の数案なかなかはつきりいたしておりません。殊に御承知のように、最近基礎控除及び扶養控除を又相当引上げましたので、非課税、免税となる人が相当人員が殖えておるのでございます。その非課税になる人員の数は、まあ一応事業者の数等からいたしまして出て参るのでございますけれども、その所得が幾らであるかということは、なかなか税統計のほうに現われて参りませんので、わかりかねるのであります。国民所得階級別表もないのでございます。まあ課税の対象になりました人についての階級別表はあるのでございますが、それに対応するような国民所得階級別表というものがございませんので、捕捉率が正確に幾らであるということはなかなか申上げかねるのでございますけれども、まあ大数的な点で言う以外にはちよつとそこまでの研究なかなかできないのじやないかというふうに思うわけであります。
  70. 木村禧八郎

    ○木村禧八郎君 捕捉率の問題は、もう御承知のように、自然増収をどの程度に見積るかということは、捕捉率によつて非常に差が出て来ますし、それから各業種の捕捉の度合いによつて、又税の均衡、不均衡の問題も出て来るわけですね、私は厳格な、精密なということを要求しているのではないのです。ただ私の目的は、大体勤労控除の問題を実は問題にしたいのですよ。前に二割五分というのを一割五分に下げましたけれども、この捕捉率の点からいつて、地方税との関連において、地方に行つてしよつちゆう聞かれるのです。又問題にされたのです。余りに営業者と勤労者との間のあれが不均衡過ぎるのですね、そこでどうしてもこれはいわゆる勤労控除の形でこれを何か補正してもらうのが一番いいのだと思うのですけれども、これはもうすでにあなた御存じだと思うのです。それはもう常識から考えてもおかしいのは、三人も四人も使つている商店の旦那さんと一介の国鉄あたりの勤労者と比較して、住民税なんか片つ方のほうが大きいのです、勤労者のほうがですね。それはやはり勤労控除でもう少し多くしてもらえば、地方税にも響いて参りますから、そういうところでも調整ができるわけです。所得税そのものが減るから又住民税も減つて来る。そういう関係で一応勤労控除というのは、何も捕捉率だけから必要が認められている制度ではないと思うのですけれども、その点から我々は問題にしたいのです。基礎控除、勤労控除のことは政府も考えられて、シヤウプさんが来て一五%に下げてしまいましたけれども、あれは少くとも元の二五%ぐらいまでは引上ぐべきだと思うのです。事務当局のほうとしてもどうですか、お考えないのですか。
  71. 泉美之松

    政府委員(泉美之松君) お気持としましては、木村さんのお話よくわかるのでございまして、我々現実に体験いたしておるところでございまして、市町村民税の課税に当りまして、非常によく所得の把握の不徹底と徹底の差が現われておるのでございます。誠にその点は遺憾なことと思うのでございますが、それでは勤労控除を引上げて、その点の解決を図るべきかどうかということになりますと、遺憾ながら私どもとしましては、木村さんの御意見にまだ賛成申上げるというところまで至らないのは残念でございますが、これは我々といたしましても、いろいろ検討いたしたのでございますが、最近補正予算におきましても相当の増収を見込んでおりますように、勤労所得収入が非常に増収になつております。従いまして仮に木村さんのおつしやるように二五%でなしに、二〇%、最高五万円という勤労控除に改正したならばどの程度税収が減るかということを計算して見ますと、約二百億円減るのでございます。それではその程度のことにして市町村民税が権衡がとれるかということを検討して参りますと、現在の状態ではまだそれでは、勿論差が幾分かなくなることは申上げるまでもないのでございますが、それではまだ権衡がとれないのでございまして、実際におきましては控除を三〇%或いは四〇%にも引上げなければ権衡はとれない程度ではなかろうかと、率直に申上げまして思うのでございます。こういうふうなことになりましては、税収の減収が余りにも著しい。そこで方法といたしましては、申上げるまでもなく、所得の把握を特に申告納税の所得者につきまして徹底して行く。申告納税でも農業者のほうは比較的徹底いたしておるのでございますが、勿論勤労者に比べれば徹底いたしておりません。それのうちでも特に営業所得者につきまして徹底いたして行きたい、そのような意味におきまして今回の補正予算の見積りにおきましても、本年度におきまして昨年度に比べまして所得の把握を一〇%徹底するという意味におきまして補正予算を組みまして、なお且つ五十四億円の補正減というような数字になるのでございまして、昨年の課税が、更正決定を避けるという趣旨に徹底し過ぎましたために、権衡の点から言いますと余り感心しないような結果を来たしておりますことは非常に遺憾に思つております。この点をやはり改善して行くのでなければ、勤労控除の引上げによつて解決を付けよういうことはなかなかできがたいように考えておるのでございます。
  72. 大矢半次郎

    理事(大矢半次郎君) ちよつと今のに関連して私から質問したいと思いますが、租税及び印紙収入補正予算の説明というのの八頁の中頃の昭和二十五年所得に対する昭和十六年所得の増加割合という欄の所に所得率というのがありまして、営業は九〇、農業一〇〇、その他の事業は九五となつておりますが、これはどういうことなんですか。
  73. 泉美之松

    政府委員(泉美之松君) その所得率と申しますのは、御承知のように今年の物価の状況は順調にずつと上つたというのでなしに、生産は比較的順調に上つて、まあ最近ちよつと電力不足などで停滞気味でございますが物価のほうは御承知のように五月以降八月末頃まで中だるみになりまして、少し下落したのでございます。その関係からいたしまして順調に物価が推移いたしました場合に比較いたしまして、高い値段で仕入れて安い値段で売るというようなことで、生産物価の相乗積から出て来る所得そのままの所得が殖えないで、やはり或る程度逆鞘になる関係で減少するということを考えなければなりませんので、私どものほうといたしましては、これを営業につきまして九〇%、農業につきましては、そういう関係がございませんので、一〇〇%にいたしております。その他の事業に、これは水産業などでございますが、その他の事業につきまして九五%に見込んだのでございます。引合いに出しまして大変恐縮でございますが、国民所得のほうにおきましては、これをもつと所得率を低く見込んでおられるようでございますが、一時逆鞘になり、而も又取返して参つておるようでございますから、一年を通じて参りましたならばさほどではなかろうということで九〇%にいたしておるのでございます。
  74. 大矢半次郎

    理事(大矢半次郎君) その次の申告及び能率増という所に営業が一一〇、農業が一〇〇、その他の事業一一〇としたのはどうしてですか。
  75. 泉美之松

    政府委員(泉美之松君) これが今申し上げましたように、納税者の協力によりまして申告がよくなる、それから又税務署の調査が徹底いたしまして、把握がよくなるということを、一〇%増を見るために一一〇%というふうにいたしておるわけであります。農業につきましては現在相当徹底いたしております一〇%増を見込むということは適当でなかろうと考えましたので、そのままに一応いたしておりますが、これは結局価格の増と生産のほうが一応一%増することに見ておりますが、これは必ずしも米だけでなしにその他のものもあるのでありまして、全体の農産物の増加が一%というふうに見まして、それと物価の相乗積の二九・三そのままが所得の増加になるというふうに見込んでおるわけであります。
  76. 大矢半次郎

    理事(大矢半次郎君) 今度の補正予算においては、朝鮮動乱以後の経済界の変動も見込んで、相当自然増収も多くしておる。法人税のごときは非常に多額の増収になつておりますし、源泉徴収の所得税も相当多額の自然増収を見ておるという話でありますが、申告所得税のほうはむしろ減収になつておりまするが、この表を見るというと、どうしても相当申告所得税におきましても増加しなければならんようになつておるのでありますが、それが著しく統計の数字と実際の見込と違うのはどういう所に原因があるのでありますか。
  77. 泉美之松

    政府委員(泉美之松君) 御説のように申告所得税のほうで減収が五十三億も出るかという件につきまして、いろいろ問題があろうかと思うのでありますが、一つは当初予算におきましては二十四年度の課税実績を基礎にいたしまして、それに対して二十五年に生産物価が上昇することによつて、どの程度所得が殖えるということを見込みまして、その二十五年のベースについて、更に二十六年は生産物価がどういうふうに殖えるということを見込んで計算して、予算の千百七十六億という数字を出しておつたのでございますが、この基礎になりました二十五年の課税見込額というものが、予算とかなり違つたのでございまして、我々当初考えておりました額より税額で約三百億円減少したのでございます。そのために当初予算に見積りました時は、物及び生産におきましても、又能率増なども併わせまして、相当大きく所得の増加割合を見込んだのでございますが、何分ベースのほうが低くなつておりますので、御承知のように本年の第一期の予定申告におきましては免税額が僅かに五百十四億円しか、これは税額通知の分を併せまして五百十四億円でございます。それしか申告されておらないのでございます。その点から考えますと補正予算額程度の税収を上げることもよほど努力いたさなければ困難ではないかというふうに考えられる次第でありまして、到底当初予算ほど税収を見積ることができませんので、五十四億円ほど税収減を見込んだ次第であります。
  78. 大矢半次郎

    理事(大矢半次郎君) そうしますと、二十五年度の当初の見積り予想は、二十四年度の決定を基礎にしておる、今度の補正予算は更に二十五年度の決定を基礎にして見込んだと、こういたしまするというと、その狂いの来た主たる原因は、二十五年度の決定額が非常に低かつたと、決定額と申しますか、更正額が低かつたところにあるようにも思われますが、如何でしようか、その点。
  79. 泉美之松

    政府委員(泉美之松君) これは内部のことを申上げて甚だ恐縮でございますが、そういうふうに減収額が生じた原因は、決定が低かつたのか、或いは二十六年度当初予算の歳入見積りがまずかつたのか、率直に申上げまして私はどちらか一方だけだということは申上げることはできなかろうと思います。先ほどお話がありましたように、税務署の調査が余り徹底しておらないというような事情を見込んで歳入見積りをいたすべきであるのを、そういつた能率が最近落ちておるというようなこと、或いは所得の調査が十分徹底しておらないということも見込まずに当初予算の歳入を見積つておつたので減収になるという部面もあるということは言えると思うのでありますが、何と申しましても主たる理由は、やはり二十五年度の課税見積りが予算で見込んでおりましたよりも低かつたことが、果して適正であるかということにつきましては、勿論十分検討いたさなければならんかと思いますが、そうしてその意味におきまして予算に見込んでおつた数字そのものが十分正しかつたかどうかについては、我々としても更に再検討いたしまして、検討の上まあ当初予算の見積りが不適当であつた点も二、三あるのでございますが、そういう点を考慮いたしましても、主たる原因は、二十五年度の課税が低かつたところにあるということは、率直に申上げますと否定できないと考えるのでございます。
  80. 木村禧八郎

    ○木村禧八郎君 さつきの数字ですがね、その勤労控除ですね、勤労控除がですね、まあ二割五分から一割五分に引下げられた。それでまあ中央、地方を通ずる税金負担が勤労者とそれから不労所得者の間にですね、非常にまあ不均衡があることはお認めになつたわけですね。これをお認めになつて、どうしてこれを是正しようとしないかですね、お認めになりつ放しですか。今のお話では五%引上げることになつて二百億の減少になるというお話ですが、それはですね、他のほうの所得をよく捕捉することによつて、例えば法人所得なんか捕捉することによつて又出て来ることと思いますし、八百億も法人税の増収があるのです。ですからそういうものを廻せばいいわけでこういうふうに負担の不均衡を基礎にして今度の五百七十九億という勤労所得の増収を見込んでおる。或いは又法人税の八百億という増収があるのを、これをほかに使つてしまうという、これを不均衡のほうに廻せば廻すべきものであるんですよ、本来ならばですね。それでこの税制改正を見ると、税の負担の均衡とか、軽減とか或いは調整とか言つておるのですが、まるつきり事実は私は逆と思うのです。これはよくあなたも御存じだと思うのですが、この前の税制改正で農民或いは中小業者としては相当軽減してやつたけれども、その結果勤労者とのあれは非常な不均衡になつたということは御承知の通りと思います。勤労者に対する不均衡を是正することは今度の税制改正に出て来てないのです。それで税の負担の均衡ということは言えないのです。今度の税の負担の均衡という建前から税制改正をおやりになるとすれば、勤労者と営業所得者の税の不均衡を是正する措置がここに出て来なければならん。それが何ら出て来ていない。今のお話の通り三割乃至四割ぐらいに勤労控除を引上げなければ本来ならば不均衡は是正されないのだ。それをお認めになつたくらいでは、これはどうも我々承服できないのです。勤労控除を引上げることが困難ならば、それならばどうして不均衡を是正するか、何かその対策がなければならんと思うのですが、まあ今国会でなく或いは又次の国会でもいいのですけれども、何らこのままにして置くのでは、余り不均衡過ぎると思うのですが、どうでしようか。
  81. 泉美之松

    政府委員(泉美之松君) 木村さんのおつしやいましたこと誠に御尤もでございまして、我々といたしまして勿論いろいろ検討いたしておることは言うまでもないのでございます。ただまだ発表申上げる時期に至つておりませんようなこともございますので、御了承願いたいのでございますが、我々として考えておりますことは、課税の均衡ということを勤労控除の引上げの方向に求むべきか、それとも適正な課税を行なつて、いわば税法通りの課税が行われるように努むべきかという点につきましては、これは私方向といたしましては、理想的とおつしやいますかも知れませんけれども、やはり課税の公平ということは、課税を徹底して税法通りみんな課税して行く。そこで若し税負担が税法通りやつたならば重過ぎるということでありますならば、税法を改正して負担の軽減を図つて行くというのが本筋であろうと思うのでありまして、そういつた場合に現在勤労者に対する把握と営業者に対する把握とが違うから、勤労者のほうの控除を設けて課税標準を下げて税額を下げろというよりも、私はやはり営業者、農業者に対する把握を徹底して課税して行くことによつてとるべきであろうというふうに考えるのでございますただ現実におきましては、木村さんのおつしやいますように、かなり把握の差が、これは把握ばかりとは申上げかねると思いますが、勤労者のほうが源泉できちんきちんと徴収されるのに対しまして、申告納税のほうは、一応生活をいたしましたあとで税金を納金を納めるということになりますので、つい事業資金に使う、或いは生活費に使うというようなことから納めにくい事情が出て来ておることもあろうと思うのでありますが、これはやはり全体としての税負担を下げて行く方向によつて解決すべきものと考えるのでございます。勤労者と農業者の負担の差につきましては、勤労控除の引上げによるべきかどうかいろいろ検討はいたし辛けれども現在の段階としてはやはり課税の徹底という方向で解決して行くべきものと考えるのでございます。ただそればかりでは、併し現在の差は相当著しいではないかというような御意見もございますので、これはまだ決定いたしておりませんけれども、来年からは社会保険料の控除という制度を新らしく入れまして、それによつて約五十億円ばかりの減収に相成るのでございますが、これを入れますと現在の生命保険料の控除のほかにそういう控除ができますと、これは御承知のように勤労者が専ら加入しておりまする関係上、そのほうから負担の軽減ができるのではないかというふうに考えております。併しまだそれでも十分ではないというふうな御意見もあろうかと思いますが、その点につきましては、我々はやはり課税の徹底によつて権衡を図つて行くべきものというふうに考えておるのでございます。
  82. 木村禧八郎

    ○木村禧八郎君 法人税となると政府は非常に神経過敏で、今度の引上げにつても、それが実質的にはそんなに大した引上げにはならない。いろいろな退職手当とか、積立金のこれを損益勘定に繰入れとか、或いは棚卸とか、有価証券の償却、こういうものを認めるとか、もうすぐいろいろな手を打つのですけれども、こういう勤労所得税については、いつでもすぐこういう不均衡を認めながら何ら是正の案をとらない、これは政治的な問題でもありますからいたし方ないと思います。我々が政治をやるときには根本的に立場が違いますから、これは直さなければいけないと思いますけれども、それにしても余りひどい。そこで法人税について伺いたいのですが、法人税の累進課税をやめてしまつた。三割五分の比例税だけにしてしまつたのですけれども、これはやはり累進課税は復活すべきじやないかと思うのですがどうでしようか。
  83. 泉美之松

    政府委員(泉美之松君) 法人税に累進課税を設けるという御趣旨はどういう案か承わりたいと思うのでありますが、今度税率の引上げを行います際には超過所得税の形をとるべきか、それとも税率を一般に引上げる形をとるべきかという点につきましては、いろいろ検討をいたしたのでございますが、御承知のように、超過累進税を設ける、超過所得税を設けるということになりますと、やはりこのベースになりますものを、何に対して幾ら殖えたかというベースになるものを求めなければならないのでありますが、これを所得にいたしますと、御承知のように最近非常に所得が変動いたしております。又増加率も昨年の下期に比べまして、本年上期には二割三割というふうに収益が増加しておるのでありますから、やはり適当でない。それでは資本金はどうかと言いますと、資本金も再評価を行いまして、漸次再評価積立金を資本に組入れておりますけれども、まだ資本金を基礎にして計算するというまでに至らない、こういうような点からいたしまして、超過所得税を設ける、このベースなるものを求むことがなかなか容易でない。それからも三つは、超過所得税を設けまして、先ほど申上げましたように、三百億円程度の増収を図ろうとするには、相当高い税率にならざるを得ない。今度の三五%の二割、七%の引上ということでなしに、二〇%或いは三〇%というような超過累進の税率を設けなければならないのであります。そういうふうにいたしますと、非常に高い税率でありますために、これを免れると非常な利益になるという関係で、やはり相当脱税を誘発し、又経費の濫費を起すというようなことも考えなければならないのでございます。そういう点からいたしまして、まあ超過累進の税は設けなかつたのでございます。それからもう一つの考え方といたしましては、アメリカ側が行なつておりまするような、アメリカは年所得五万ドル以下の小法人につきましては、税率を引下げておるのでございますが、中小法人について税率を引下げるかどうかという案も、勿論検討すべき点があるのでございますが、併しその方法によりますと、それではそういつた中小の法人と同様な事業を営んでおる同規模の個人との場合の税負担の比較はどうなるかということを考えて見なければならないのでございます。そういう点を考えて見ますと、中小の法人におきましては、個人の場合よりも負担がむしろ軽い、で、その意味におきまして、法人の負担をむしろ重くして、個人の場合との権衡をとらねばならないというような状況なのでございまして、中小の法人について税率を引下げるということはむしろ適当でないというふうに個人との関係から言いまして言えるのでございます。そこでいろいろ検討いたしました結果、やはり一律に税率を引上げるのが適当ではないかというふうな結論に到達いたしたような次第でございます。
  84. 木村禧八郎

    ○木村禧八郎君 私は、只今中小法人税率の問題に触れられましたが、そういうことは私はやはり考えたわけです。個人が税制改正の結果、個人組織から法人組織替えしたのが随分ありますし、そういう小さい法人と、それから大法人との間には余りに開きがあり過ぎると思うのです。これを一律に法人として同じ課税をするということについては随分問題があると思うのです。そういう意味でやはり区別すべきだと思うのですけれども、今の技術的にいろいろ問題のあることはわかりますので、我々もまあそういう点についてもつと検討して見たいと思うのですが、次に富裕税ですね、富裕税の当初予算二十四億を、これは補正で大分減らしておりますが、これは説明ではよくわからないのですが、どうして減つたかということと、それから一時富裕税を廃止するということが新聞に出ておりましたが、これは廃止されるのかどうか、その二点について。
  85. 泉美之松

    政府委員(泉美之松君) 富裕税につきましては、昨年度二十億円ほど税収を見込んでおつたのでございますが、御承知のように昨年十二月末日現在の財産価格を申告いたしまして、本年の二月に申告いたしたわけでございますが、その申告納税と、それからその後の更正決定の状況を見ますと、到底当初予算に見込みました昨年の二十億及び本年の二十四億という程度の税収を上げることはできないということがわかつたのでございますが、その原因といたしましてはいろいろあろうかと思うのでございますが、何分にも我々は当初予算に見込みましたのは、財産税の課税を基準といたしまして、その後財産財産税課税の基礎になりました財産から、財産で物納しました、或いは金銭で納付しましたものを差引きまして、その後の財産につきまして、財産の価格の値上り状況を種類別に検討して収入見込を作つたのでございます。ところがやはり財産税を納めた以外に、売食いと申しますか、財産を売払つて生活をした斜陽階級なども多かつたように見えるのでございまして、財産税をベースにしまして、財産の種類別に価格が増加した一般増加率で計算いたしましたものに比べますと、現実の申告額はさほど多くない。結局これは財産税というものと、それから戦後のインフレーシヨン、それから農地開放、或いは財閥解体といつたような事柄が、戦後の一連の民主化の措置によりまして、昔のいわゆる富裕階級というものがなくなつて、所得の上におきましても平準化しておるのでございますが、財産の所有状態においても平準化した結果であろうと思うのでございます。昨年度の課税実績は約八億円程度でございますので、昨年末から本年末までの財産価格の騰貴状況を見込みましても、到底二十四億という収入を上げることはできない。昨年の収入実績が七億円余りでございますので、まあやや増加を見込みまして、十億五千万円を見込んだというのでございます。それからもう一つの富裕税を廃止するかどうかという点でございますが、この点につきましては、本年の四月頃税の懇談会というものにおきまして、富裕税を廃止して所得税の最高税率を引上げてはどうかというような御意見がございます。まあ富裕税は御承知のようにシヤプ勧告によりまして設けた新らしい税でございます。ドイツに例がありますほかは、各国でも地方税としては行なつておりますけれども、国税として徴集している例は余りないのでございます。新らしい税でありますだけに、又御承知のように、財産の評価ということが非常にむずかしい問題であります関係上、手数が食うばかりでございまして、その収入実績は先ほど申上げましたように、僅か昨年が七億余りでございますので、その点を考慮すると税収の面からいたしますとやはり所得税の最高税率を若干上げたほうが富裕税をそのままにして置きますよりは税収としては却つて殖えるということが言えると思うのでございます。併しその半面財産をチェックすることによつて、所得の把握を決定するという面もやはりあるのでございます。そういつた面を慎重に検討しなければならんかと考えるのでございますが、我々といたしましてはまだ確定いたしておりませんけれども、一応税の懇談会のような意見も、方向として考えるべきではないかというふうに考えておる次第でございます。
  86. 小林政夫

    ○小林政夫君 先ほどの資料で、昭和二十六年度税制改正による事項増減収額表ですね、これを平年度に直した数字を知らしてもらいたいんです。この補正の分のもありますけれども、これを一年間で直した数字ですね。
  87. 泉美之松

    政府委員(泉美之松君) この件は承知いたしましたが、平年度と申しますのが、なかなか増収額の計算というのは厄介なんでございまして……。
  88. 小林政夫

    ○小林政夫君 それだから今の情勢をそのまま一年に伸ばしたということだけです。
  89. 泉美之松

    政府委員(泉美之松君) 今の情勢を一年に伸ばすという場合に、そのベースになる所得を本年の所得で平年度にした場合がどうなるか、或いはそうでなしに、来年度の所得の増額を見込んだ場合に幾らになるのかというような点が厄介なんでございます。そういう点からいたしまして、まあ我々は一応、現在まだきまつておりませんけれども、来年の予算の見積りに使いたいと思つております。生産物価の増というものを見込みまして、来年度の所得というものを一応予想して、この場合に今年行う改正を一年間行なつた場合にどうなるかという数字を出したいと思つて、いるわけでございます。
  90. 小林政夫

    ○小林政夫君 それで結構です。
  91. 泉美之松

    政府委員(泉美之松君) それでよろしゆうございますか。
  92. 小林政夫

    ○小林政夫君 それでいいです。次にこの配当所得について、源泉徴収した税は、申告の際現在の配当控除のほかに総税額から控除するということをまあ提案理由に説明してあるのですが、これを説明してもらいたいどういうことになるのか。
  93. 泉美之松

    政府委員(泉美之松君) この点は、これもやはりシヤウプ勧告に基きまして、二十五年の四月一日から配当所得に対しまする源泉徴収は行わないことにいたしたのでございます。それは考え方といたしまして、法人というものを独立の納税主体と考えないで、個人が相集つてその事業を営む一つの組織体というふうに考え、法人税率源泉徴収の税率と考えて、それを所得税のように総合する、その場合に所得税の税率を適用して算出した税額から源泉徴収された法税に相当する三五%、これをまあ所得税の税額から引くわけですが、その際に三五%というのでなしに、配当所得の二五%ということで、この二五%は法人税に相当する金額ということで考えているのございます。そういうふうにいたしたのでございます。ところが昨年の二十五年度の申告所得の状況を見ますと、昨年間の配当所得は、あとで又資料を差上げたいと思いますが、約百八十四億程度あつたというのが税統計に現われているのでございます。実際は税統計の金額より多かつたのではないかと我々は思つているのでございますが、税統計に現われただけでも百八十四億の配当所得がある。ところが実際に配当控除の申請をして来たのは僅かに三十六億円でございます。こういう状況を見ますと、どうも配当控除があつても申告しないでおいて、配当控除をしてもらわんでも、申告して高い税率を適用されてそこから配当控除を受けるよりも、一切申告しないほうがいいんじやないかというふうに考える納税者がいるために、そういう結果になつたのではないか。勿論納税義務のない者が配当所得を受ける場合もあろうかと思いますが、それにしては百八十四億円に対する三十六億円は余りにも少な過ぎるというふうに考えますので、やはり申告漏れがあるのではないかというふうに考えるのでございます。で、そういたしますと、やはり配当所得、まあ法人企業の収益が増加しまするにつれて、配当所得も昨年は百八十四億でありましたけれども、本年は五百億を超える、更に来年は六百億を超えるというふうに見込まれるような次第でございますので、そういう点から考えますと、そのまま放置せず、やはりもう一度源泉徴収の制度を復活して二〇%の税率で徴収しておいて、そうして若し所得税の総合申告いたしました結果、配当控除と源泉徴収の税額の二〇%を引きますと、納め過ぎになるというような人がおりますならば、その人は申告して頂いて、そうして申告して頂いたならばお引きするということにして行けば、まあ課税が相当徹底することになろうというふうに考えまして、二〇%の源泉徴収は行うということにしておるのでございます。ただシヤウプ勧告に基いて設けましたこの配当控除の額の二五%というのは、これはもう申上げるまでもないのでございますが、法人税率三五%というものと、それから所得税の最高税率五五%というものとを基礎にしてでき上つた配当控除の額でございまて、今度の法人税率引上げ及び所得税の最高税率を再検討するということに伴いまして、考え直さなければならんような点が若干生じておるのでございますけれども、まだ特に変更しなきやならんほどのものとは認められませんので、一応配当控除は二五%そのまま据え置きまして、源泉徴収した分と併せて控除するということにしておるのでございますが、これはまあ要するに源泉徴収によつて課税を逃げようとするのを防ぐ、そうして適正な課税をして行くということにほかならないのでございます。
  94. 小林政夫

    ○小林政夫君 大体は今の御説明でわかりましたが、一つ模範例を作つて頂きたい。
  95. 泉美之松

    政府委員(泉美之松君) お話は、そうすると、法人税の三五%のほかに二〇%配当所得源泉徴収すれば、取り過ぎになりはせんかという御意見ですか。
  96. 小林政夫

    ○小林政夫君 そういう点も考えられますし、これはどういうふうになるか。
  97. 泉美之松

    政府委員(泉美之松君) 承知いたしました。
  98. 木村禧八郎

    ○木村禧八郎君 たくさん資料を要求して恐縮ですが、税制改正要綱の六頁に、改正案による所得税負担額調というのがございますが、殊に給与所得なんですが、五千円、八千円、一万円、一万五千円とありますが、恐縮ですが、一万二千円の場合のこの例による資料を頂きたい。
  99. 泉美之松

    政府委員(泉美之松君) 一万二千円の場合は、これはあとで税法の月額表を見て頂くとわかるのでございますが現在一万二千円、独身者であるかどうかわかりませんが、仮に独身者の場合でございますと、現在が一千七百十七円月額徴収することになつております。これが今度の改正によりまして、一千二百六円、五百十一円の減になります。それから夫婦の場合、扶養人員一人の場合で、現在一千四百四円でございますのが、八百七十三円、五百三十一円減になりますか。それから夫婦、子一人の場合、それは現在が一千九十二円、改正後五百三十九円、五百五十三円減になります。それから夫婦、子二人、その場合七百九十円現行の場合が今度二百六円、従いまして五百八十四円減、それから夫婦、子三人になりますと、現在が五百四十円の課税になつているのでございますが、この課税が改正後はなくなるということになります。
  100. 大矢半次郎

    理事(大矢半次郎君) 本日はこの程度で散会したいと思いますが、御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  101. 大矢半次郎

    理事(大矢半次郎君) これを以て散会いたします。    午後零時四十六分散会